JP3466745B2 - 電子写真装置 - Google Patents

電子写真装置

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JP3466745B2
JP3466745B2 JP31521394A JP31521394A JP3466745B2 JP 3466745 B2 JP3466745 B2 JP 3466745B2 JP 31521394 A JP31521394 A JP 31521394A JP 31521394 A JP31521394 A JP 31521394A JP 3466745 B2 JP3466745 B2 JP 3466745B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は像露光光源として700
nm以下のレーザを用いた電子写真装置に関し、さらに
詳述すればa−Si系感光体を用いた同装置の光メモリ
低減を初めとした電子写真画像の画質向上を目的とした
装置構成に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、電子写真感光体の感光層に
は、ポリビニルカルバゾール等の有機半導体を使用した
単層型または積層型の有機光導電性材料が広く使用され
ている。
【0003】しかし、近年、機械的耐久性、耐熱性、耐
湿性、耐コロナイオン性、感度等に優れ、さらに毒性も
ない非結晶シリコン(以下、a−Siという。)半導体
を光導電性材料として使用した電子写真感光体の開発が
盛んに行なわれ、実用化されている。こうしたa−Si
感光体を用いた複写装置および画像形成プロセスは、概
略以下のとおりのものである。
【0004】図2はa−Si系感光体を用いた複写機の
画像形成プロセスを示す概略図である。
【0005】すなわち、感光体201は矢印Xの方向に
回転し、感光体ヒータ230により45℃程度に加温さ
れた感光体201の周辺には、主帯電器202、静電潜
像形成部位203、現像器204、転写紙供給送系20
5、転写帯電器206a、分離帯電器206b、クリー
ナ207、搬送系208、クリーニング光源209など
が配置されている。
【0006】以下、一例をもって画像プロセスを説明す
る。感光体201の表面感光層は+6〜8kVの高電圧
を印加した主帯電器202によって一様に帯電されてい
る。これにハロゲンランプ等の光源210により発した
光をプラテンガラス211上の原稿212に照射し、そ
の反射光をミラー系213,214,215及び収束レ
ンズ217を介して受光素子224に導く。原稿212
の画像情報は受光素子224により電気信号に変換さ
れ、画像処理部225に送られる。画像処理部225で
処理された電気信号は伝送ケーブルを通してレーザスキ
ャナ220に送られ、変調されたレーザ光に変換され
る。レーザー光はミラー216及び正殿潜像形成部位2
03を介して、感光体201表面上に導かれ投影されて
静電潜像が形成される。この潜像に現像器204からネ
ガ極性トナーが供給されてトナー像となる。
【0007】一方、転写紙通路219、レジストローラ
222からなる転写紙供給系205を通って感光体方向
に供給された転写材Pは+7〜8kVの高電圧を印加し
た転写帯電器206aと感光体201の間隙において背
面から、トナーとは反対極性の正電界が与えられ、これ
によって感光体201の表面のネガ極性トナー像は転写
材Pに転移する。
【0008】トナーを転移された転写材Pは、転写紙搬
送系208を通って図示されていない定着装置に至って
トナー像は定着されて装置外に排出される。
【0009】なお転写部位に至って転写に寄与せず、感
光体表面に残る残留トナーは、クリーナ207に至り、
クリーニングブレード221によってクリーニングされ
る。
【0010】上記クリーニングによって更新された感光
体表面は、さらに、クリーニング光源209から全面に
一様な除電露光を与えられて再び同様のサイクルに供せ
られる。
【0011】電子写真における感光体の帯電手段機器と
しては均一な帯電性に優れるコロナ放電器(コロトロ
ン、スコトロン)が広く利用されている。
【0012】しかし、コロナ放電器はコロナ放電に伴な
い、オゾンの発生をみる。発生オゾンは空気中の窒素を
酸化して窒素酸化物等を生成する。さらには、その生成
窒素酸化物等は空気中の水分と反応して硝酸などを生じ
させる。
【0013】コロナ生成物は吸湿性が強く、その付着を
生じた像担持体面は付着コロナ生成物の吸湿による低抵
抗化によって表面の電荷保持能力(表面抵抗)が全面的
にあるいは部分的に実質的に低下した状態になりやす
く、その結果として出力画像の画像ぼけや、いわゆる画
像流れ、つまり、像担持体面の電荷が面方向に移動(リ
ーク)して、静電荷潜像パターンが崩れるかあるいは形
成されない等の現象をみる。
【0014】このような画像流れを防止するために、感
光体の内面に加熱ヒータ230を設けることにより、感
光体表面を加温ないし加熱して乾燥状態に保たせること
により、付着コロナ生成物の吸湿による感光体面の実質
的な低抵抗化を制御する。
【0015】いま、代表的なa−Si感光体の模式的な
断面図を図3に示す。図3(a)は最も基本的な構成を
示すものである。同図において、301はAl(アルミ
ニウム)等の導電性支持体を示している。302は少な
くともシリコン原子を含む非晶質材料で構成され、光導
電性を示す光導電層である。303はシリコン原子と炭
素原子および必要により水素原子またはハロゲン原子あ
るいはその両方の原子を含み、顕像を保持する能力を持
つ顕像保持層である。
【0016】図3(b)は感光体の好ましい態様を示す
もので、同図において、304は前記導電性支持体30
1と光導電層302の間に必要に応じて設けられ、導電
性支持体301からの電荷の注入を阻止するための電荷
注入阻止層である。
【0017】光導電層302はシリコン原子を含有する
非晶質材料を母体とし、必要により水素原子またはハロ
ゲン原子あるいはその両方の原子を含有し、さらには、
必要に応じて周期律第III族に属する原子(以下、第
III族原子という。)周期律表第V族に属する原子
(以下、第V族原子という。)および周期律第VI族に
属する原子(以下、第VI族原子という。)のうち、少
なくとも一種を含有してもよい。
【0018】光導電層302に含有される水素原子また
はハロゲン原子あるいはその両方の原子の含有量は0.
1〜40原子%とされるのが望ましい。さらに、炭素原
子を含有してもよく、炭素原子の含有量はシリコン原子
と炭素原子の和に対してその上限が10原子%以下とさ
れるのが好ましい。また光導電層302の層厚は1〜1
00μmとされるのが望ましい。
【0019】顕像保持層303はシリコン原子と炭素原
子および必要により水素原子またはハロゲン原子あるい
はその両方の原子を含有し、さらには、必要に応じてゲ
ルマニウム原子、すず原子、第III族原子、第V族原
子および第VI原子のうちの少なくとも一種を含有して
もよい。顕像保持層303に含有される炭素原子の含有
量は1〜90原子%とされるのが望ましく、また水素原
子またはハロゲン原子あるいはその両方の原子の含有量
は0.1〜70原子%とされるのが望ましい。
【0020】必要に応じて設ける電荷注入阻止層304
はa−Siを母体とし、必要により水素原子またはハロ
ゲン原子あるいはその両方の原子を含有し、さらには必
要に応じて炭素原子、第III族原子、第V族原子、お
よび第VI族原子のうち、少なくとも一種を含有し、ま
た電荷注入阻止層306の層厚は3×10-2〜15μm
とされるのが望ましい。
【0021】前記第III族原子としては、具体的にはB
(ほう素)、Al(アルミニウム)、Ga(ガリウ
ム)、In(インジウム)、Tl(タリウム)等があ
り、とくに、B,Al,Gaが好適である。
【0022】前記第V族原子としては、具体的には、N
(窒素)、P(りん)、As(ひ素)、Sb(アンチモ
ン)、Bi(ビスマス)等があり、とくに、N、P、A
sが好適である。
【0023】前記第VI族原子としては、具体的には、
O(酸素)、S(硫黄)、Se(セレン)、Te(テル
ル)、Po(ポロニウム)等があり、とくに、O、S、
Seが好適である。
【0024】また感光体は、真空堆積膜形成方法によっ
て所望特性が得られるように適宜成膜パラメータの数値
条件を設定して作成される。
【0025】前記真空堆積膜形成方法としては、具体的
には、たとえば、グロー放電法(低周波プラズマCV
D、高周波プラズマCVD、またはマイクロ波プラズマ
CVD等の交流放電プラズマCVD、あるいは直流放電
プラズマCVD等)、スパッタリング法、光CVD法、
真空蒸着法、イオンプレーティング法、又は材料の原料
ガスを分解することにより生成される活性種Aと、前記
活性種Aと化学的相互作用をする成膜用の化学物質より
生成される活性種Bとを、各々別々に堆積膜を形するた
めの成膜空間内に導入し、これらを化学反応させること
によって材料を形成する方法(以下、FOCVD法とい
う。)等の方法が適宜選択使用できる。
【0026】これらの真空堆積膜形成方法は、製造条
件、設備資本投資下の負荷程度、製造規模、作成される
感光体に所望される特性等によって適宜選択されて採用
されるが、所望の特性を有する感光体を製造するために
あたっての条件の制御が比較的容易に行ない得ることか
ら、グロー放電法、スパッタリング法、HRCVD法、
FOCVD法が好適である。そして、これらの方法を同
一装置内で併用して形成してもよい。
【0027】図4は感光体の形成を行なう際の堆積膜形
成装置の1つである高周波(以下、RFという。)プラ
ズマCVD装置の一例を示している。
【0028】同図のガスボンベ471,472,47
3,474,475,476,477には、感光体を形
成するための原料ガス、たとえば、各々SiH4
2 ,CH 4 ,B2 6 ,NO,Ar等が密封されてお
り、あらかじめ、ガスボンベ471〜477を取り付け
る際に、各々のガスを、バルブ451,452,45
3,454,455,456,457から流入バルブ4
31,432,433,434,435,436,43
7のガス配管内に導入してある。
【0029】同図の405は支持体、406は支持体ホ
ルダであり、414は前記支持体405を加熱するため
のヒータである。また、402は碍子、403は炉の底
板、404,406は支持体405のホルダー、410
は真空シールである。
【0030】まず、たとえば、表面に旋盤を用いて鏡面
加工を施した支持体405を支持体ホルダ405に挿入
し、成膜炉401の上蓋407を開けて、成膜炉401
の加熱ヒータ414に支持体ホルダ406を挿入する。
【0031】つぎに、ガスボンベ471〜477のバル
ブ451〜457、流入バルブ431〜437、成膜炉
401のリークバルブ415が閉じられていることを確
認し、また流出バルブ441,442,443,44
4,445,446,447,補助バルブ418が開か
れていることを確認して、まず、メインバルブ416を
開いて不図示の真空ポンプにより、成膜炉401および
ガス配管内を排気する。
【0032】その後、ガスボンベ471〜477から各
々のガスを、バルブ451〜457を開けて導入し、圧
力調整器461,462,463,464,465,4
66,467により各ガス圧力を所望の圧力に調整す
る。
【0033】つぎに、流入バルブ431〜437を徐々
に開けて、以上の各ガスをマスフローコントローラ42
1,422,423,424,425,426,427
内に導入する。
【0034】そして、原料ガス477にArガスが貯え
られているとして、流出バルブ447および補助バルブ
418を徐々に開いて、Arガスをガス導入管408の
ガス放出孔409を通じて成膜炉401内に流入させ
る。このとき、Arガス流量が所望の流量となるように
マスフローコントローラ427で調整する。
【0035】成膜炉401内の圧力は、所望の圧力にな
るように真空計417を見ながら、不図示の真空排気装
置の排気速度を調整する。その後、不図示の温度コント
ローラを作動させて、支持体405を加熱ヒータ414
により加熱し、支持体405が所望の温度に加熱された
ところで、流出バルブ447および補助バルブ418を
閉じて、成膜炉401内へのガス流入を止める。
【0036】つぎに、各々の層を形成するのに必要な原
料ガスの流出バルブ441〜447と補助バルブ418
を徐々に開いて、原料ガスを導入管408のガス放出孔
409を通じて成膜炉401内に流入させる。このと
き、各原料ガスの流量が所望の流量となるように各々の
マスフローコントローラ421〜427で調整する。成
膜炉401内の圧力は、所望の圧力となるように真空計
417を見ながら、不図示の真空排気装置の排気速度を
調整する。
【0037】その後、不図示のRF電源の電力を所望の
電力に設定し、高周波マッチングボックス412を通じ
て成膜炉401内にRF電力を導入し、RFグロー放電
を生起させ、支持体405上またはすでに支持体405
上に成膜した層上に所望の層の形成を開始し、所望の層
厚を形成したところで、RFグロー放電を止め、また流
出バルブ441〜447および補助バルブ418を閉じ
て、成膜炉401内へのガス流入を止め、層の形成を終
える。
【0038】それぞれの層を形成する際に必要なガス以
外の流出バルブは完全に閉じられており、またそれぞれ
のガスが成膜炉401に至る配管内に残留することを避
けるために流出バルブ441〜447を閉じ、補助バル
ブ418を開き、さらにメインバルブ416を全開にし
て系内を、いったん、高真空に排気する操作を必要に応
じて行なう。
【0039】また必要に応じて、層形成を行なっている
間に層形成の均一化を図るために、支持体405および
支持体ホルダ406を不図示の駆動装置によって所望さ
れる速度で回転させる。
【0040】図5および図6は感光体の形成を行なう際
のもう1つの堆積膜形成装置のマイクロ波プラズマCV
D装置の一例を示している。
【0041】そして、図5は概略縦断面図、図6は図5
の切断線B−Bに沿う概略横断面図である。円筒形状の
反応容器501の側面には、排気管504が一体的に形
成され、排気管504の他端は不図示の排気装置に接続
されている。反応容器501の上面と下面にはそれぞれ
導波管503が取り付けられ、各導波管503の他端は
不図示のマイクロ波電源に接続されている。各導波管5
03の反応容器501側の端部にはそれぞれ誘電体窓5
02が気密封止めされている。
【0042】反応容器501の中心部を切り囲むよう
に、堆積膜の形成される6個の円筒状基体505が互い
に並行になるように配置されている。各円筒状基体50
5は回転軸508によって保持され、発熱体507によ
って加熱されるようになっている。モータ509を駆動
すると、減速ギア510を介して回転軸508が回転
し、円筒状基体505がその母線方向中心軸のまわりを
自転するようになっている。
【0043】反応容器501内の円筒状基体505と各
誘電体窓502で囲まれた空間があり、この空間、つま
り、放電空間506のほぼ中央部に円筒状基体505と
並行になるようにバイアス電極552が設けられてい
る。バイアス電極552はケーブル513によってバイ
アス電源512に接続されている。また隣接する2個の
円筒状基体505の間の隙間には、それぞれ原料ガス導
入管551が設けられている。原料ガス導入管551
は、くし状の形状であり、原料ガスを放電空間506に
導入するようになっている。
【0044】この装置を用いて電子写真用感光体を作成
するときは、まず、反応容器501内を10-7以下まで
排気し、ついで、発熱体507により円筒状基体505
を所望の温度に加熱保持する。
【0045】そして、原料ガス導入管551を介して、
原料ガスを反応容器501内に導入する。これと同時並
行的に周波数500MHz以上の好ましくは2.45G
Hzのマイクロ波を導波管503、誘電体窓502を経
て反応容器501内に入射させる。その結果、放電空間
506においてグロー放電が開始し、原料ガスは励起解
離して円筒状基体505上に堆積膜が形成される。
【0046】このとき、モータ509を駆動して円筒状
基体505を自転させることにより、円筒状基体505
の全周にわたって堆積膜を形成することができる。
【0047】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の方法によ
り、良好な電子写真画像が得られる電子写真装置が実現
できるが、現在の市場での高度な要求に対応して行くた
め、更なる技術の向上が必要となっている。現在の市場
での強い要求の1つに、コピースピードの向上が挙げら
れる。コピースピードを向上させる際の課題の1つとし
て、いかに充分な感光体表面暗部電位を得るかというこ
とが挙げられる。これはコピースピードの向上により帯
電手段による帯電時間が減少してしまう単位面積あたり
の帯電量が減少してしまうことに起因するものである。
感光体表面暗部電位の低下は電子写真画像のコントラス
ト低下をもたらし、画質の低下につながってしまう。対
策としては、帯電手段の大型化、高性能化等による単位
時間あたりの帯電量を増加することが考えられる。しか
し、これらは電子写真装置の大型化、高コスト化を伴っ
てしまうばかりでなく、帯電の際に生じるオゾン発生量
を増加させてしまうという問題がある。このため、これ
ら帯電手段の変更を伴うことなく、感光体表面暗部電位
向上を実現することがコピースピード向上のために達成
しなければならない課題となっている。
【0048】また、更なる市場の要求として、ゴースト
と呼ばれる光メモリーの低下がある。ゴーストとは連続
コピーの際に前の原稿画像が、次の電子写真画像上にう
っすらと現れてしまう現象である。これは特に、写真、
絵等のハーフトーンを含む原稿をコピーする際に顕著に
現れ、電子写真画像の画質を大きく損なうものである。
また、カラーコピーにおいてはこの光メモリーが色の違
いとなって現れてしまい、これもまた画像特性を著しく
低下させてしまうものである。
【0049】
【発明の目的】本発明は上記問題点の解決を目的とする
ものである。即ち本発明は、a−Si系感光体を用いた
電子写真装置において、ゴーストの低減を実現し、同時
に帯電手段の大型化、高コスト化、帯電の際のオゾン発
生量の増加をもたらすことなく、暗部電位の向上、暗部
電位むらの向上を実現し、コピースピードを向上させ、
且つ良好な電子写真画像を得ることができる電子写真装
置を提供することを目的とするものである。
【0050】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明者は上記
目的を達成すべく鋭意検討を行なった結果、像露光光源
として700nm以下の波長のレーザを用い、さらにa
−Si系感光体の光導電層中の局在状態密度を適正に制
御することにより帯電能の向上、及びゴーストの低減の
同時実現が可能であるとの知見を得、本発明を完成させ
るに至った。
【0051】即ち、本発明は、少なくとも非晶質シリコ
ン系感光体と前記感光体を帯電するための帯電手段と
記帯電した感光体表面に静電潜像を形成するための像露
光手段と前記静電潜像をトナー像とするための現像手段
とを有する電子写真装置において、前記非晶質シリコン
系感光体の光導電層中の伝導帯端下0.45〜価電子帯
端上0.45eVにおける局在状態密度が基体側から表
面側に向かって減少する領域を有し、電子写真画像形成
時の前記非晶質シリコン系感光体の回転スピードが0.
60回転/秒以上であり、かつ前記像露光手段が波長7
00nm以下のレーザーを用いることにより前記静電潜
像を形成することを特徴とする。前記感光体の光導電層
中の伝導帯端下0.45〜価電子帯端上0.45eVに
おける局在状態密度分布の一例としては、例えば図1に
示す分布のものが一例として挙げられる。本発明の効果
が得られた局在準位密度分布としては図1に示したよう
な基体の支持体側から表面側に向かって単調に減少する
ものでも良いし、途中一定な部分を有していても良い。
また、支持体側から表面側に向かって局在準位密度が減
少する領域を有していれば、他の領域で局在準位密度が
支持体側から表面側に向かって増加する領域を有してい
ても本発明の効果を得ることができる。
【0052】さらに、局在凖位密度が支持体側から表面
側に向かって連続的かつ/または段階的に減少する構成
とした場合には、特に本発明の効果を顕著に得ることが
できる。
【0053】このような構成により、ゴーストの低減が
可能となるメカニズムについては明らかではないが、ほ
ぼ以下のようなものではないかと推察される。
【0054】一般にゴーストが生じるメカニズムとして
は次のように説明されている。電子写真画像形成プロセ
スにおいて、原稿に対応した潜像を感光体上に形成する
ため、まず帯電手段により感光体上に均一に電荷を保持
させた後、原稿に対応した光(像露光)を感光体上に照
射する。この像露光により光が照射された部分(明部)
では、感光体中の光導電層において光キャリアが生成さ
れる。この光キャリアのうち、帯電電荷と逆極性のもの
が感光体表面の電荷に電気的に引き寄せられ、これを消
去し潜像を形成するところとなる。帯電電荷と同極性の
光キャリアは帯電電荷による電気的な反発力により基体
の支持体方向へ移動し、基体に到達し消滅する。概略こ
のようなプロセスにより、感光体上に潜像が形成される
が、実際にはa−Si系感光体は光導電層中に多くのダ
ングリングボンド(未結合手)を有しており、これが局
在凖位となって光キャリアの一部を補足してその走行性
を低下させ、あるいは光生成キャリアの再結合確率を低
下させる。
【0055】従って、電子写真装置の画像形成プロセス
において、像露光によって生成されたキャリアの一部
は、次工程の帯電時に感光体に電界がかかると同時に局
在凖位から解放され、帯電電荷を消去してしまうため、
画像露光部と非画像露光部での感光体表面の電荷密度が
変化し、表面電位に差が生じて、これが光メモリーとな
って現れる。従来、この光メモリーを低減するために過
剰なクリーニング光を照射するという対策がなされてき
たが、この手段では確かに光メモリーは低減するもの
の、同時に感光体表面暗部電位の低下を引き起こしてし
まっていた。
【0056】本発明においては、像露光として700n
m以下のレーザー光を用いているため、a−Si系膜に
おける吸収係数が高く、またハロゲン光等と異なり、同
一波長のため像露光は光導電層上部でほぼ完全に吸収さ
れる。従って、光キャリアの生成は光導電層上部のごく
一部の領域でなされ、この領域における局在凖位密度を
低下させることで、ゴーストの低減が可能となる。この
結果、従来のように過剰なクリーニング光の露光により
ゴースト低減を行う必要がなく、クリーニング光の光量
を小さく抑えられるため、過剰露光によって引き起こさ
れる感光体表面暗部電位の低下が防止される。
【0057】しかしながら、この際、クリーニング光の
光量低下に伴って確かに感光体表面暗部電位は向上する
ものの、感光体の表面電位にむらが生じてしまうという
問題が生じる。これは、クリーニング光の光量分布が実
際には均一ではないことにより生じてしまうものであ
る。一般に、クリーニング光はゴースト低減のため像露
光よりも強い光量で用いる。像露光によって光キャリア
が生じる全ての領域でクリーニング光による大量の光キ
ャリア生成を行ない、像露光生成キャリアの影響を除去
するためである。クリーニング光が強い場合は、例え光
量分布が若干不均一であっても、過剰分の光は光導電層
の表面から離れた部分で吸収されるため、感光体表面の
電荷の消去にあまり敏感には影響を及ぼさない。一方、
クリーニング光の光量低下に伴って、クリーニング光吸
収領域は光導電層表面側にとどまり、光量のむらが敏感
に表面電位に影響を及ぼしてしまうものである。
【0058】本発明においては、光導電層中の局在凖位
密度を基体側から表面側に向かって減少する領域を有す
る構成とすることで、このクリーニング光の光量不均一
性に起因する表面電位むらを生じることなく、ゴースト
の低減、及び帯電能の向上を実現することができる。光
導電層中の局在凖位密度を基体側から表面側に向かって
減少する領域を有する構成とすることでクリーニング光
の光量不均一性の影響を回避できる理由については現在
のところ定かではない。
【0059】推察するに、局在凖位密度が基体側から表
面側に向かって減少する領域(以下、局在凖位変化領域
と称す)よりも基体側で生じた帯電電荷と逆極性の光キ
ャリアと局在凖位変化領域よりも表面側で生じた帯電電
荷と同極性の光キャリアとの再結合確率がこの領域近傍
で高まり、帯電電荷と逆極性の光キャリアが次工程の帯
電前に消去される。そのため、クリーニング光の光量分
布が不均一であっても、この局在凖位密度変化部よりも
基体側に入射した過剰光は表面電位にあまり影響を及ぼ
さず、帯電能むらが抑制されるのではないかと考えられ
る。
【0060】また、本発明においてゴースト低減の効果
をより効果的に引き出すためには光導電層から表面層に
むかって感光体構成組成を連続的に変化させることが有
効である。これにより、像露光により生成された光キャ
リアの光導電層と表面層の界面でのトラップが減少し、
ゴーストの更なる低減が可能となる。
【0061】このような本発明に用いることができるa
−Si系感光体の層構成は例えば以下のようなものであ
る。
【0062】図18は、層構成を説明するための模式的
構成図である。
【0063】図18(a)に示す電子写真用感光体19
00は、支持体1901の上にa−Si:H,X(ハロ
ゲン原料)からなり光導電性を有する光導電層1902
が設けられている。
【0064】図18(b)に示す電子写真用感光体19
00は、支持体1901の上に、a−Si:H,Xから
なり光導電性を有する光導電層1902と、アモルファ
スシリコン系表面層1903とから構成されている。
【0065】図18(c)に示す電子写真用感光体19
00は、支持体1901の上に、a−Si:H,Xから
なり光導電性を有する光導電層1902と、アモルファ
スシリコン系表面層1903と、アモルファスシリコン
系電荷注入阻止層1904とから構成されている。
【0066】図18(d)に示す電子写真用感光体19
00は、支持体1901の上に、光導電層1902が設
けられている。前記光導電層1902はa−Si:H,
Xからなる電荷発生層1905ならびに電荷輸送層19
06とからなり、その上にアモルファスシリコン系表面
層1903が設けられている。
【0067】以下、上記各層について、詳細に説明す
る。 (1)支持体 本発明において使用される感光体の支持体としては、導
電性でも電気絶縁性であってもよい。導電性支持体とし
ては、Al,Cr,Mo,Au,In,Nb,Te,
V,Ti,Pt,Pd,Fe等の金属、およびこれらの
合金、例えばステンレス等が挙げられる。また、ポリエ
ステル、ポリエチレン、ポリカーボネート、セルロース
アセテート、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリス
チレン、ポリアミド等の合成樹脂のフィルムまたはシー
ト、ガラス、セラミック等の電気絶縁性支持体の少なく
とも光受容層を形成する側の表面を導電処理した支持体
も用いることができる。
【0068】本発明に於いて使用される感光体の支持体
1901の形状は平滑表面あるいは凹凸表面の円筒状ま
たは板状無端ベルト状であることができ、その厚さは、
所望通りの電子写真用感光体1900を形成し得るよう
に適宜決定するが、電子写真用感光体1900としての
可撓性が要求される場合には、支持体1901としての
機能が充分発揮できる範囲内で可能な限り薄くすること
ができる。しかしながら、支持体1901は製造上およ
び取り扱い上、機械的強度等の点から通常は10μm以
上とされる。 (2)光導電層 本発明に於いて、その目的を効果的に達成するために支
持体1901上に形成され、光導電層1902は真空堆
積膜形成方法によって、所望特性が得られるように適宜
成膜パラメータの数値条件が設定されて作成される。具
体的には、例えばグロー放電法(低周波CVD法、高周
波CVD法またはマイクロ波CVD法等の交流放電CV
D法、あるいは直流放電CVD法等)、スパッタリング
法、真空蒸着法、イオンプレーティング法、光CVD
法、熱CVD法などの数々の薄膜堆積法によって形成す
ることができる。これらの薄膜堆積法は、製造条件、設
備資本投資下の負荷程度、製造規模、作成される電子写
真用光受容部材に所望される特性等の要因によって適宜
選択されて採用されるが、所望の特性を有する電子写真
用光受容部材を製造するに当たっての条件の制御が比較
的容易であることからしてグロー放電法、特にRF帯ま
たはVHF帯の電源周波数を用いた高周波グロー放電法
が好適である。
【0069】グロー放電法によって光導電層1902を
形成するには、基本的にはシリコン原子(Si)を供給
し得るSi供給用の原料ガスと、水素原子(H)を供給
し得るH供給用の原料ガスまたは/及びハロゲン原料
(X)を供給し得るX供給用の原料ガスを、内部が減圧
にし得る反応容器内に所望のガス状態で導入して、前記
反応容器内にグロー放電を生起させ、あらかじめ所定の
位置に設置されてある所定の支持体101上にa−S
i:H,Xからなる層を形成させる。
【0070】また、光導電層1902中に水素原子また
は/及びハロゲン原子が含有されることが必要である
が、これはシリコン原子の未結合手を補償し、層品質の
向上、特に光導電性および電荷保持特性を向上させるた
めに必須不可欠であるからである。よって水素原子また
はハロゲン原子の含有量、または水素原子とハロゲン原
子の和の量はシリコン原子と水素原子または/及びハロ
ゲン原子の和に対して10〜40原子%、より好ましく
は15〜25原子%とされるのが望ましい。
【0071】Si供給用ガスとなり得る物質としては、
SiH4 ,Si2 6 ,Si3 8,Si4 10等のガ
ス状態の、またはガス化し得る水素化珪素(シラン類)
が有効に使用されるものとして挙げられ、更に層作成時
の取り扱い易さ、Si供給効率の良さ等の点でSi
4 ,Si2 6 が好ましいものとして挙げられる。
【0072】そして、形成される光導電層1902中に
水素原子を構造的に導入し、水素原子の導入割合の制御
をいっそう容易になるように図り、本発明の目的を達成
する膜特性を得るために、これらのガスに更にH2 およ
び/またはHeあるいは水素原子を含む珪素化合物のガ
スも所望量混合して層形成することが必要である。ま
た、各ガスは単独種のみでなく所定の混合比で複数種混
合しても差し支えないものである。
【0073】また、本発明において使用されるハロゲン
原子供給用の原料ガスとして有効なのは、たとえばハロ
ゲンガス、ハロゲン化物、ハロゲンをふくむハロゲン間
化合物、ハロゲンで置換されたシラン誘導体等のガス状
のまたはガス化し得るハロゲン化合物が好ましく挙げら
れる。また、さらにはシリコン原子とハロゲン原子とを
構成要素とするガス状のまたはガス化し得る、ハロゲン
原子を含む水素化珪素化合物も有効なものとして挙げる
ことができる。本発明において好適に使用し得るハロゲ
ン化合物としては、具体的には弗素ガス(F2 ),Br
F,ClF,ClF3 ,BrF3 ,BrF5 ,IF3
IF7 等のハロゲン間化合物を挙げることができる。ハ
ロゲン原子を含む珪素化合物、いわゆるハロゲン原子で
置換されたシラン誘導体としては、具体的には、たとえ
ばSiF4 ,Si2 6 等の弗化珪素が好ましいものと
して挙げることができる。
【0074】光導電層1902中に含有される水素原子
又は/及びハロゲン原子の量を制御するには、例えば支
持体1901の温度と、水素原子又は/及びハロゲン原
子を含有させるために使用される原料物質の反応容器内
へ導入する量と、放電電力等を制御すればよい。光導電
層1902中においては、シラン類の水素原子1個と結
合しているシリコン原子数aと、水素原子2個と結合し
ているシリコン原子数bとが、b/a≦0.40の関係
にある場合に、特に本発明の効果を顕著に得ることがで
きる。
【0075】本発明においては、光導電層1902には
必要に応じて伝導性を制御する原子を含有させることが
好ましい。伝導性を制御する原子は、光導電層1902
中に万偏なく均一に分布した状態で含有されても良い
し、あるいは層厚方向には不均一な分布状態で含有して
いる部分があってもよい。
【0076】前記伝導性を制御する原子としては、半導
体分野における、いわゆる不純物を挙げることができ、
p型伝導特性を与える周期律表第IIIb族に属する原子
(以後「第IIIb族原子」と略記する)またはn型伝導
特性を与える周期律表第Vb族に属する原子(以後「第
Vb族原子」と略記する)を用いることができる。
【0077】第IIIb族原子としては、具体的には、硼
素(B)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、
インジウム(In)、タリウム(Tl)等があり、特に
B,Al,Gaが好適である。第Vb族原子としては、
具体的には燐(P)、砒素(As)、アンチモン(S
b)、ビスマス(Bi)等があり、特にP、Asが好適
である。
【0078】光導電層1902に含有される伝導性を制
御する原子の含有量としては、好ましくは1×10-2
1×104 原子ppm、より好ましくは5×10-2〜5
×103 原子ppm、最適には1×10-1〜1×103
原子ppmとされるのが望ましい。
【0079】伝導性を制御する原子、たとえば、第III
b族原子あるいは第Vb族原子を構造的に導入するに
は、層形成の際に、第IIIb族原子導入用の原料物質あ
るいは第Vb族原子導入用の原料物質をガス状態で反応
容器中に、光導電層1902を形成するための他のガス
とともに導入してやればよい。第IIIb族原子導入用の
原料物質あるいは第Vb族原子導入用の原料物質となり
得るものとしては、常温常圧でガス状のまたは、少なく
とも層形成条件下で容易にガス化し得るものが採用され
るのが望ましい。
【0080】そのような第IIIb族原子導入用の原料物
質として具体的には、硼素原子導入用としては、B2
6 ,B4 10,B5 9 ,B5 11,B6 10,B6
12,B6 14等の水素化硼素、BF3 ,BCl3 ,BB
3 等のハロゲン化硼素等が挙げられる。この他、Al
Cl3 ,GaCl3 ,Ga(CH3 3 ,InCl3
TlCl3 等も挙げることができる。
【0081】第Vb族原子導入用の原料物質として有効
に使用されるのは、燐原子導入用としては、PH3 ,P
2 4 等の水素化燐、PH4 I,PF3 ,PF5 ,PC
3,PCl5 ,PBr3 ,PBr5 ,PI3 等のハロ
ゲン化燐が挙げられる。この他、AsH3 ,AsF3
AsCl3 ,AsBr3 ,AsF5 ,SbH3 ,SbF
3 ,SbF5 ,SbCl3 ,SbCl5 ,BiH3 ,B
iCl3 ,BiBr3等も第Vb族原子導入用の出発物
質の有効なものとして挙げることができる。
【0082】また、これらの伝導性を制御する原子導入
用の原料物質を必要に応じてH2 および/またはHeに
より希釈して使用してもよい。
【0083】さらに、本発明においては、光導電層19
02に炭素原子及び/または酸素原子及び/または窒素
原子を含有させることも有効である。炭素原子及び/ま
たは酸素原子及び/または窒素原子の含有量はシリコン
原子、炭素原子、酸素原子及び窒素原子の和に対して好
ましくは1×10-5〜10原子%、より好ましくは1×
10-4〜8原子%、最適には1×10-3〜5原子%が望
ましい。炭素原子及び/または酸素原子及び/または窒
素原子は、光導電層中に万遍なく均一に含有されても良
いし、光導電層の層厚方向に含有量が変化するような不
均一な分布をもたせた部分があっても良い。
【0084】光導電層1902の層厚は所望の電子写真
特性が得られること及び経済的効果等の点から適宜所望
にしたがって決定され、好ましくは1〜100μm、よ
り好ましくは20〜50μm、最適には23〜45μm
とされるのが望ましい。
【0085】所望の膜特性を有する光導電層1902を
形成するには、Si供給用のガスと希釈ガスとの混合
比、反応容器内のガス圧、放電電力ならびに支持体温度
を適宜設定することが必要である。
【0086】希釈ガスとして使用するH2 及び/または
Heの流量は、層設計にしたがって適宜最適範囲が選択
されるが、Si供給用ガスに対しH2 及び/またはHe
を、通常の場合3〜20倍、好ましくは4〜15倍、最
適には5〜10倍の範囲で一定なる様に制御することが
望ましい。
【0087】反応容器内のガス圧も同様に層設計にした
がって適宜最適範囲が選択されるが、通常の場合1×1
-4〜10Torr、好ましくは5×10-4〜5Tor
r、最適には1×10-3〜1Torrとするのが好まし
い。
【0088】本発明に用いる光導電層のように、支持体
側から表面側に向かって局在凖位密度が減少する領域を
有するように膜を作る方法としては、例えばSiH4
水素又は/及びHeの混合率(希釈率)を一定に保った
まま、SiH4 流量に対する放電電力(W/Flow)
及び/又は基板温度(Ts)を連続的に変化させること
が望ましい。一般にはSiH4 流量に対する放電電力
(W/Flow)、基板温度(Ts)を高めたほうが、
局在凖位密度が減少する傾向にあるが、この関係は一義
的に決まるものではなく、実際に局在凖位密度を測定し
ながらこれらの値を決定して行く必要がある。
【0089】光導電層を形成するための支持体温度、ガ
ス圧の望ましい数値範囲として前記した範囲が挙げられ
るが、条件は通常は独立的に別々に決められるものでは
なく、所望の特性を有する光受容部材を形成すべく相互
的且つ有機的関連性に基づいて最適値を決めるのが望ま
しい。 (3)表面層 上述のようにして支持体1901上に形成された光導電
層1902の上に、更にアモルファスシリコン系の表面
層1903を形成することが好ましい。この表面層19
03は主に耐湿性、連続繰り返し使用特性、電気的耐圧
性、使用環境特性、耐久性向上を主たる目的として設け
られる。
【0090】表面層1903は、アモルファスシリコン
系の材料であればいずれの材質でも可能であるが、例え
ば、水素原子(H)及び/またはハロゲン原子(X)を
含有し、更に炭素原子を含有するアモルファスシリコン
(以下「a−SiC:H,X」と表記する)、水素原子
(H)及び/またはハロゲン原子(X)を含有し、更に
酸素原子を含有するアモルファスシリコン(以下「a−
SiO:H,X」と表記する)、水素原子(H)及び/
またはハロゲン原子(X)を含有し、更に窒素原子を含
有するアモルファスシリコン(以下「a−SiN:H,
X」と表記する)、水素原子(H)及び/またはハロゲ
ン原子(X)を含有し、更に炭素原子、酸素原子、窒素
原子の少なくとも一つを含有するアモルファスシリコン
(以下「a−SiCON:H,X」と表記する)等の材
料が好適に用いられる。
【0091】表面層1903は真空堆積膜形成方法によ
って、所望特性が得られるように適宜成膜パラメータの
数値条件が設定されて作成される。具体的には、例えば
グロー放電法(低周波CVD法、高周波CVD法または
マイクロ波CVD法等の交流放電CVD法、あるいは直
流放電CVD法等)、スパッタリング法、真空蒸着法、
イオンプレーティング法、光CVD法、熱CVD法など
の数々の薄膜堆積法によって形成することができる。こ
れらの薄膜堆積法は、製造条件、設備資本投資下の負荷
程度、製造規模、作成される電子写真用感光体に所望さ
れる特性等の要因によって適宜選択されて採用される
が、感光体の生産性から光導電層と同等の堆積法による
ことが好ましい。
【0092】例えば、グロー放電法によってa−Si
C:H,Xよりなる表面層1903を形成するには、基
本的にはシリコン原子(Si)を供給し得るSi供給用
の原料ガスと、炭素原子(C)を供給し得るC供給用の
原料ガスと、水素原子(H)を供給し得るH供給用の原
料ガスまたは/及びハロゲン原子(X)を供給し得るX
供給用の原料ガスを、内部を減圧にし得る反応容器内に
所望のガス状態で導入して、前記反応容器内にグロー放
電を生起させ、あらかじめ所定の位置に設置された光導
電層1902を形成した支持体1901上にa−Si
C:S,Xからなる層を形成すればよい。
【0093】表面層1903の材質としては、シリコン
を含有するアモルファス材料ならば何れでも良いが、炭
素、窒素、酸素より選ばれた元素を少なくとも1つ含む
シリコン原子との化合物が好ましく、特にa−SiCを
主成分としたものが好ましい。
【0094】表面層をa−SiCを主成分として構成す
る場合の炭素量は、シリコン原子と炭素原子の和に対し
て30%から90%の範囲が好ましい。
【0095】また、表面層1903中に水素原子または
/及びハロゲン原子が含有されることが必要であるが、
これはシリコン原子の未結合手を補償し、層品質の向
上、特に光導電性特性および電荷保持特性を向上させる
ために必須不可欠である。水素含有量は、構成原子の総
量に対して通常の場合30〜70原子%、好適には35
〜65原子%、最適には40〜60原子%とするのが望
ましい。また、弗素原子の含有量として、通常の場合は
0.01〜15原子%、好適には0.1〜10原子%、
最適には0.6〜4原子%とされるのが望ましい。
【0096】表面層1903の形成において使用される
シリコン(Si)供給用ガスとなり得る物質としては、
SiH4 ,Si2 6 ,Si3 8 ,Si4 10等のガ
ス状態の、またはガス化し得る水素化珪素(シラン類)
が、有効に使用されるものとして挙げられ、更に層作成
時の取り扱い易さ、Si供給効率の良さ等の点でSiH
4 ,Si2 6 が好ましいものとして挙げられる。ま
た、これらのSi供給用の原料ガスを必要に応じて
2 ,He,Ar,Ne等のガスにより希釈して使用し
てもよい。
【0097】炭素供給用ガスとなり得る物質としては、
CH4 ,C2 6 ,C3 8 ,C410等のガス状態
の、またはガス化し得る炭化水素が、有効に使用される
ものとして挙げられ、更に層作成時の取り扱い易さ、S
i供給効率の良さ等の点でCH 4,C2 6 が好ましい
ものとして挙げられる。また、これらのC供給用の原料
ガスを必要に応じて、H2 ,He,Ar,Ne等のガス
により希釈して使用してもよい。
【0098】窒素または酸素供給用ガスとなり得る物質
としては、NH3 ,NO,N2 O,NO2 ,O2 ,C
O,CO2 ,N2 等のガス状態の、またはガス化し得る
化合物が有効に使用されるものとして挙げられる。ま
た、これらの窒素、酸素供給用の原料ガスを必要に応じ
て、H2 ,He,Ar,Ne等のガスにより希釈して使
用してもよい。
【0099】また、形成される表面層1903中に導入
される水素原子の導入割合の制御をいっそう容易になる
ようにするために、これらのガスに更に水素ガスまたは
水素原子を含む珪素化合物のガスも所望量混合して層形
成することが好ましい。また、各ガスは単独種のみでな
く所定の混合比で複数種混合しても差し支えないもので
ある。
【0100】ハロゲン原子供給用の原料ガスとして有効
なのは、たとえばハロゲンガス、ハロゲン化物、ハロゲ
ンをふくむハロゲン間化合物、ハロゲンで置換されたシ
ラン誘導体等のガス状のまたはガス化し得るハロゲン化
合物が好ましく挙げられる。また、さらにはシリコン原
子とハロゲン原子とを構成要素とするガス状のまたはガ
ス化し得る、ハロゲン原子を含む水素化珪素化合物も有
効なものとして挙げることができる。本発明において、
好適に使用し得るハロゲン化合物としては、具体的には
弗素ガス(F2 ),BrF,ClF,ClF3 ,BrF
3 ,BrF5 ,IF3 ,IF7 等のハロゲン間化合物を
挙げることができる。ハロゲン原子を含む珪素化合物、
いわゆるハロゲン原子で置換されたシラン誘導体として
は、具体的には、たとえばSiF4 ,Si2 6 等の弗
化珪素が好ましいものとして挙げることができる。
【0101】表面層1903中に含有される水素原子又
は/及びハロゲン原子の量を制御するには、例えば支持
体1901の温度、水素原子又は/及びハロゲン原子を
含有させるために使用される原料物質の反応容器内へ導
入する量、放電電力等を制御すればよい。
【0102】炭素原子及び/又は酸素原子及び/又は窒
素原子は、表面層中に万遍なく均一に含有されても良い
し、表面層1903の層厚方向に含有量が変化するよう
な不均一な分布をもたせた部分があっても良い。
【0103】さらに表面層1903には必要に応じて伝
導性を制御する原子を含有させることが好ましい。伝導
性を制御する原子は、表面層1903中に万遍なく均一
に分布した状態で含有されても良いし、あるいは層厚方
向には不均一な分布状態で含有している部分があっても
よい。
【0104】前記の伝導性を制御する原子としては、半
導体分野における、いわゆる不純物を挙げることがで
き、p型伝導特性を与える周期律表第IIIb族に属する
原子(以後「第IIIb族原子」と略記する)またはn型
伝導特性を与える周期律表第Vb族に属する原子(以後
「第Vb族原子」と略記する)を用いることができる。
【0105】第IIIb族原子としては、具体的には、硼
素(B)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、
インジウム(In)、タリウム(Tl)等があり、特
に、B,Al,Gaが好適である。第Vb族原子として
は、具体的には燐(P)、砒素(As)、アンチモン
(Sb)、ビスマス(Bi)等があり、特にP,Asが
好適である。
【0106】表面層1903に含有される伝導性を制御
する原子の含有量としては、好ましくは1×10-3〜1
×103 原子ppm、より好ましくは1×10-2〜5×
10 2 原子ppm、最適には1×10-1〜1×102
子ppmとされるのが望ましい。伝導性を制御する原
子、たとえば、第IIIb族原子あるいは第Vb族原子を
構造的に導入するには、層形成の際に、第IIIb族原子
導入用の原料物質あるいは第Vb族原子導入用の原料物
質をガス状態で反応容器中に、表面層1903を形成す
るための他のガスとともに導入してやればよい。第III
b族原子導入用の原料物質あるいは第Vb族原子導入用
の原料物質となり得るものとしては、常温常圧でガス状
のまたは、少なくとも層形成条件下で容易にガス化し得
るものが採用されるのが望ましい。そのような第IIIb
族原子導入用の原料物質として具体的には、硼素原子導
入用としては、B2 6 ,B4 10,B5 9 ,B5
11,B6 10,B6 12,B6 14等の水素化硼素、B
3 ,BCl3 ,BBr3 等のハロゲン化硼素等が挙げ
られる。この他、AlCl3 ,GaCl3 ,Ga(CH
3 3 ,InCl3 ,TlCl3 等も挙げることができ
る。
【0107】第Vb族原子導入用の原料物質として、有
効に使用されるのは、燐原子導入用としては、PH3
2 4 等の水素化燐、PH4 I,PF3 ,PF5 ,P
Cl 3 ,PCl5 ,PBr3 ,PBr5 ,PI3 等のハ
ロゲン化燐が挙げられる。この他、AsH3 ,As
3 ,AsCl3 ,AsBr3 ,AsF5 ,SbH3
SbF3 ,SbF5 ,SbCl3 ,SbCl5 ,BiH
3 ,BiCl3 ,BiBr 3 等も第Vb族原子導入用の
出発物質の有効なものとして挙げることができる。
【0108】また、これらの伝導性を制御する原子導入
用の原料物質を必要に応じてH2 ,He,Ar,Ne等
のガスにより希釈して使用してもよい。
【0109】表面層1903の層厚としては、通常0.
01〜3μm、好適には0.05〜2μm、最適には
0.1〜1μmとされるのが望ましいものである。層厚
が0.01μmよりも薄いと、光受容部材を使用中に摩
耗等の理由により表面層が失われてしまい、3μmを越
えると、残留電位の増加等の電子写真特性の低下がみら
れる。
【0110】本発明による表面層1903は、その要求
される特性が所望通りに与えられるように形成される。
即ち、Si,C及び/またはN及び/またはO,H及び
/またはXを構成要素とする物質は、その形成条件によ
って構造的には結晶からアモルファスまでの形態を取
り、電気物性的には導電性から半導体性、絶縁性までの
間の性質を、又、光導電的性質から非光導電的性質まで
の間の性質を各々示すので、本発明においては、目的に
応じた所望の特性を有する化合物が形成される様に、所
望に従ってその形成条件の選択が厳密になされる。
【0111】例えば、表面層1903を耐圧性の向上を
主な目的として設けるには、使用環境において電気絶縁
性的挙動の顕著な非単結晶材料として作成される。
【0112】又、連続繰り返し使用特性や使用環境特性
の向上を主たる目的として表面層1903が設けられる
場合には、上記の電気絶縁性の度合はある程度緩和さ
れ、照射される光に対して有る程度の感度を有する非単
結晶材料として形成される。
【0113】目的を達成し得る特性を有する表面層19
03を形成するには、支持体1901の温度、反応容器
内のガス圧を所望にしたがって、適宜設定する必要があ
る。
【0114】支持体1901の温度(Ts)は、層設計
にしたがって適宜最適範囲が選択されるが、通常の場
合、好ましくは200〜350℃、より好ましくは23
0〜330℃、最適には250〜300℃とするのが望
ましい。
【0115】反応容器内のガス圧も同様に層設計にした
がって適宜最適範囲が選択されるが、通常の場合、好ま
しくは1×10-4〜10Torr、好ましくは5×10
-4〜5Torr、最適には1×10-3〜1Torrとす
るのが好ましい。
【0116】表面層1903を形成するための支持体温
度、ガス圧の望ましい数値範囲として前記した範囲が挙
げられるが、条件は通常は独立的に別々に決められるも
のではなく、所望の特性を有する光受容部材を形成すべ
く相互的且つ有機的関連性に基づいて最適値を決めるの
が望ましい。
【0117】また表面層1903と光導電層1902と
の間に炭素原子及び/または酸素原子及び/または窒素
原子の含有量が光導電層1902に向かって連続的に減
少する領域を設けても良い。これにより表面層と光導電
層の密着性を向上させ、界面での光の反射による干渉の
影響をより少なくすることができると同時に、界面での
キャリアのトラップを防止し、感光体特性向上を達し得
る。 (4)電荷注入阻止層 本発明に用い得る電子写真用感光体においては、導電性
支持体と光導電層との間に、導電性支持体側からの電荷
の注入を阻止する働きのある電荷注入阻止層1904を
設けるのがいっそう効果的である。すなわち、電荷注入
阻止層1904は感光体が一定極性の帯電処理をその表
面に受けた際、支持体側より光導電層側に電荷が注入さ
れるのを阻止する機能を有し、逆の極性の帯電処理を受
けた際にはそのような機能は発揮されない、いわゆる極
性依存性を有している。そのような機能を付与するため
に、電荷注入阻止層1904には伝導性を制御する原子
を光導電層に比べ比較的多く含有させる。
【0118】上記電荷注入阻止層1904に含有される
伝導性を制御する原子は、前記層中に万遍なく均一に分
布されても良いし、あるいは層厚方向には万遍なく含有
されてはいるが、不均一に分布する状態で含有している
部分があってもよい。分布濃度が不均一な場合には、支
持体側に多く分布するように含有させるのが好適であ
る。
【0119】しかしながら、いずれの場合にも支持体の
表面と平行面内方向においては、均一な分布で万遍なく
含有されることが面内方向における特性の均一化をはか
る点からも必要である。
【0120】電荷注入阻止層1904に含有される伝導
性を制御する原子としては、半導体分野における、いわ
ゆる不純物を挙げることができ、p型伝導特性を与える
周期律表第IIIb族に属する原子(以後「第IIIb族原
子」と略記する)またはn型伝導特性を与える周期律表
第Vb族に属する原子(以後「第Vb族原子」と略記す
る)を用いることができる。
【0121】第IIIb族原子としては、具体的には、B
(ほう素)、Al(アルミニウム)、Ga(ガリウ
ム)、In(インジウム)、Ta(タリウム)等があ
り、特にB,Al,Gaが好適である。第Vb族原子と
しては、具体的にはP(リン)、As(砒素)、Sb
(アンチモン)、Bi(ビスマス)等があり、特にP,
Asが好適である。
【0122】本発明において電荷注入阻止層1904中
に含有される伝導性を制御する原子の含有量としては、
本発明の目的が効果的に達成できるように所望にしたが
って適宜決定されるが、好ましくは10〜1×104
子ppm、より好適には50〜5×13原子ppm、最
適には1×102 〜1×103 原子ppmとされるのが
望ましい。
【0123】さらに、電荷注入阻止層1904には、炭
素原子、窒素原子及び酸素原子の少なくとも一種を含有
させることによって、前記電荷注入阻止層に直接接触し
て設けられる他の層との間の密着性の向上をよりいっそ
う図ることができる。
【0124】前記電荷注入阻止層1904に含有される
炭素原子または窒素原子または酸素原子は前記層中に万
遍なく均一に分布されてもよいし、あるいは層厚方向に
は万遍なく含有されてはいるが、不均一に分布する状態
で含有している部分があってもよい。しかしながら、い
ずれの場合にも支持体の表面と平行面内方向において
は、均一な分布で万遍なく含有されることが面内方向に
おける特性の均一化をはかる点からも必要である。
【0125】電荷注入阻止層1904の全層領域に含有
される炭素原子及び/または窒素原子および/または酸
素原子の含有量は、本発明の目的が効果的に達成される
ように適宜決定されるが、一種の場合はその量として、
二種以上の場合はその総和として、好ましくは1×10
-3〜50原子%、より好適には5×10-3〜30原子
%、最適には1×10-2〜10原子%とされるのが望ま
しい。
【0126】また、電荷注入阻止層1904に含有され
る水素原子および/またはハロゲン原子は層内に存在す
る未結合手を補償し、膜質の向上に効果を奏する。電荷
注入阻止層1904中の水素原子またはハロゲン原子あ
るいは水素原子とハロゲン原子の和の含有量は、好適に
は1〜50原子%、より好適には5〜40原子%、最適
には10〜30原子%とするのが望ましい。
【0127】本発明に用い得る感光体の電荷注入阻止層
1904の層厚は所望の電子写真特性が得られること、
及び経済的効果等の点から、好ましくは0.1〜5μ
m、より好ましくは0.3〜4μm、最適には0.5〜
3μmとされるのが望ましい。
【0128】電荷注入阻止層厚を形成するには、前述の
光導電層を形成する方法と同様の真空堆積法が採用され
る。光導電層1902と同様に、Si供給用のガスと希
釈ガスとの混合比、反応容器内のガス圧、放電電力なら
びに支持体1901の温度を適宜設定することが必要で
ある。
【0129】希釈ガスであるH2 及び/またはHeの流
量は、層設計にしたがって適宜最適範囲が選択される
が、Si供給用ガスに対しH2 および/またはHeを、
通常の場合1〜20倍、好ましくは3〜15倍、最適に
は5〜10倍の範囲に制御することが望ましい。
【0130】反応容器内のガス圧も同様に層設計にした
がって適宜最適範囲が選択されるが、通常の場合1×1
-4〜10Torr、好ましくは5×10-4〜5Tor
r、最適には1×10-3〜1Torrとするのが好まし
い。
【0131】本発明においては、電荷注入阻止層190
4を形成するための希釈ガスの混合比、ガス圧、放電電
力、支持体温度の望ましい数値範囲として前記した範囲
が挙げられるが、これらの層作成ファクターは通常は独
立的に別々に決められるものではなく、所望の特性を有
する表面層を形成すべく相互的且つ有機的関連性に基づ
いて各層作成ファクターの最適値を決めるのが望まし
い。
【0132】また、本発明の電子写真用感光体において
は、支持体1901と光導電層1902あるいは電荷注
入阻止層1904との間の密着性の一層の向上を図る目
的で、例えば、Si3 4 ,SiO2 ,SiO、あるい
はシリコン原子を母体とし、水素原子及び/またはハロ
ゲン原子と、炭素原子及び/または酸素原子及び/また
は窒素原子とを含む非晶質材料等で構成される密着層を
設けても良い。更に、支持体からの反射光による干渉模
様の発生を防止するための光吸収層を設けても良い。
【0133】本発明に用い得る感光体1901の形成装
置としては、図4,図5に示したような従来用いられて
いる感光体形成装置を用いることができる。また、本発
明に用い得る感光体の形成は従来通りの手順により行な
われるが、光導電層中における伝導帯端下0.45eV
〜価電子帯端上0.45eVの局在凖位密度が基体側か
ら表面側に向かって減少する領域を有するように、原料
ガス流量、投入電力、基体温度等の諸条件を設定する。
【0134】このような構成の感光体を像露光手段とし
て波長700nm以下のレーザーを用いた電子写真装置
に搭載することにより、本発明の効果が得られるが、特
に前記電子写真装置における感光体の回転スピードが
0.60回転/秒以上の場合に特に顕著な効果得られ
る。
【0135】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳しく説明
するが、本発明はこれらによりなんら制限されるもので
はない。 (1)実施例1 図4に示すRF−PCVD法による電子写真用光受容部
材の製造装置を用い、直径80mmのアルミニウムシリ
ンダー上に、表1に示す条件で電荷注入阻止層、光導電
層、表面層からなる感光体を作製した。その時の光導電
層の局在凖位密度(D.O.S)を測定するために、光
導電層の支持体側作製条件と中間部作製条件と表面側作
製条件の3点で、直径80mm円筒形のサンプルホルダ
ーに設置したガラス基板(コーニング社 7059)上
にa−Si膜を堆積した。ガラス基板上の堆積膜にはA
lの櫛型電極を蒸着して、CPM法(Constant
Photocurrent Method)により伝導
帯端下0.45〜価電子帯端上0.45eVにおける局
在凖位密度(D.O.S)を測定した。測定結果を図7
に示す。
【0136】このような局在準位密度(D.O.S)分
布を示すa−Si感光体を本検討用に改造したキヤノン
製の複写機NP−9330に設置し、その電位特性、画
像特性を評価した。複写機NP−9330の改造は、ま
ず像露光光源を波長680nmのレーザーに交換し、ク
リーニング光として中心波長700nmのLEDアレイ
を用いた。また、プロセススピードは300mm/se
c(ドラム回転スピード:1.19回転/秒)となるよ
う改造した。
【0137】クリーニング光の光量は平均値で4.0
lux・secとした。このような装置構成により、以
下の項目について評価を行なった。 <暗部電位むら評価> 帯電能むらについて評価を行なった。評価方法は図2中
の主帯電器202に一定の電流を流したときの現像器2
04位置での暗部電位を感光体母線方向に測定すること
によって暗部電位むらの評価を行なった。測定結果を図
中に示す。 <画像特性> ゴーストに関する評価を以下の方法で行なった。キヤノ
ン製ゴーストテストチャート(部品番号:FY9−90
40)に反射濃度1.1、直径5mmの黒丸を貼り付け
たものを原稿台に置き、そのうえにキヤノン製中間調チ
ャートを重ねておいた際のコピー画像において、中間調
コピー上に認められるゴーストチャートの直径5mmの
黒丸の反射濃度と中間調部分の反射濃度との差を測定す
ることにより行なった。評価結果を表3中に示す。表3
において ◎は「特に良好」 ○は「良好」 △は「普通」 ×は「実用上問題有り」 を表している。
【0138】暗部電位むら、ゴーストともに良好な結果
が得られ、電子写真画像としてなんら問題のないもので
あった。
【0139】
【表1】 (2)比較例1 図4に示すRF−PCVD法による電子写真用光受容部
材の製造装置を用い、直径80mmのアルミニウムシリ
ンダー上に、表2に示す条件で電荷注入阻止層、光導電
層、表面層からなる感光体を作製した。その時の光導電
層の伝導帯端下0.45〜価電子帯端上0.45eVに
おける局在凖位密度(D.O.S)はサンプルによる測
定の結果、1×1015cm-3であった。
【0140】実施例1で用いた複写機を像露光光源とし
て、788nmのレーザーに変更した評価機にこの感光
体を設置し、実施例1と同様にして電位特性、画像特性
の評価を行なった。評価結果を図及び表3中に示す。
暗部電位むらは良好であったが、ゴーストは実施例1に
比べ強いものであった。その他の電子写真画像はなんら
問題のない良好なものであった。
【0141】
【表2】
【0142】
【表3】 実施例1及び比較例1の結果から、感光体の光導電層中
の局在準位密度を基体側から表面側に向かって減少する
領域を有する構成とし、像露光光源として700nm以
下のレーザーを用いることにより、ゴーストの低減が可
能であり、極めて良好な電子写真画像が得られることが
確認された。 (3)実施例2 クリーニング光の平均光量を2.0 lux・secと
する以外は実施例1と同様にして、帯電能むらの評価、
及びゴーストの評価を行なった。暗部電位むらの評価結
果を図中に、ゴーストの評価結果を表4中に示す。ゴ
ースト、暗部電位むらともに良好であり、また、クリー
ニング光を弱めた効果により、帯電能の向上が認められ
た。電子写真画像はなんら問題のない良好なものであっ
た。 (4)比較例2 比較例1で用いた感光体を用いる以外は実施例2と同様
にして、ゴーストの評価を行なった。ゴーストの評価結
果を表4中に示す。ゴーストは良好であるが、暗部電位
むらが実施例2と比べ大きく、ハーフトーン画像におい
てはその影響により、画像上に濃淡の差が現れてしまっ
た。
【0143】
【表4】 実施例2、及び比較例2の結果から感光体の光導電層中
の局在準位密度を基体側から表面側に向かって減少する
領域を有する構成とすることで、クリーニング光の光量
を低下させ、帯電能の向上した状態においてもゴース
ト、暗部電位むら共に良好な状態が維持できることが確
認された。 (5)実施例3 図5に示すマイクロ波のMW−PCVD法による電子写
真用感光体の製造装置を用い、直径80mmのアルミニ
ウム円筒状基体上に、表5に示す条件で電荷注入阻止
層、光導電層、表面層からなる感光体を作製した。その
時の光導電層の局在準位密度(D.O.S)を測定する
ために、光導電層の支持体側作製条件と中間部作製条件
と表面側作製条件の3点で、直径80mm円筒形のサン
プルホルダーに設置したガラス基板(コーニング社 7
059)上にa−Si膜を堆積した。ガラス基板上の堆
積膜にはAlの櫛型電極を蒸着して、CPM法(Con
stant Photocurrent Metho
d)により伝導帯端下0.45〜価電子帯端上0.45
eVにおける局在準位密度(D.O.S)を測定した。
測定結果を図10に示す。
【0144】このような局在準位密度(D.O.S)分
布を示すa−Si感光体を、本検討用に改造したキヤノ
ン製の複写機NP−9330に設置し、その電位特性、
画像特性を評価した。複写機NP−9330の改造は、
まず、像露光光源を波長490nmのレーザーに交換
し、クリーニング光として中心波長700nmのLED
アレイを用いた。クリーニング光の光量は、平均値で
3.0 lux・secとした。
【0145】このような装置構成により、暗部電位む
ら、ゴーストの評価を実施例1と同様にして行なった。
暗部電位むらの評価結果を図11中に示す。また、ゴー
ストの評価結果を表7中に示す。暗部電位むら、ゴース
ト、帯電能いずれも良好であり、その他の電子写真画像
特性もなんら問題のない良好なものであった。
【0146】
【表5】 (6)比較例3 図5に示すMW−PCVD法による電子写真用感光体の
製造装置を用い、直径80mmのアルミニウムシリンダ
ー上に、表6に示す条件で電荷注入阻止層、光導電層、
表面層からなる感光体を作製した。その時の光導電層の
伝導帯端下0.45〜価電子帯端上0.45eVにおけ
る局在凖位密度(D.O.S)はサンプルによる測定の
結果、5×1015cm-3であった。
【0147】実施例3で用いた評価用複写機にこの感光
体を設置し、実施例3と同様にして暗部電位むら特性、
ゴースト特性の評価を行なった。評価結果を図11及び
表7中に示す。ゴーストは良好であるが、暗部電位むら
が実施例2と比べ大きく、ハーフトーン画像においては
その影響により、画像上に濃淡の差が現れてしまった。
【0148】
【表6】
【0149】
【表7】 (7)実施例4 図5に示すMW−PCVD法による電子写真用感光体の
製造装置を用い、直径80mmのアルミニウムシリンダ
ー上に、表8に示す条件で電荷注入阻止層、光導電層、
表面層からなる感光体を作製した。サンプルによる測定
結果から、光導電層中の伝導帯端下0.45〜価電子帯
端上0.45eVにおける局在状態密度(D.O.S)
分布は図12に示すようなものであった。また、単結晶
Siウェハー上に堆積したa−Si膜の赤外吸収特性の
結果から光導電層中のシリコン原子の内、水素原子1個
と結合している原子数aと水素原子2個と結合している
原子数bの比率b/aは図13に示すようなものであっ
た。
【0150】この感光体を実施例3で用いた評価用複写
機に設置し、実施例3と同様にして暗部電位むら特性、
ゴースト特性の評価を行なった。評価結果を図14、表
12中に示す。暗部電位むら、ゴースト、暗部電位いず
れも良好であり、その他の電子写真画像特性もなんら問
題のない良好なものであった。
【0151】
【表8】 (8)比較例4 図5に示すMW−PCVD法による電子写真用感光体の
製造装置を用い、直径80mmのアルミニウムシリンダ
ー上に、表9に示す条件で電荷注入阻止層、光導電層、
表面層からなる感光体を作製した。また、単結晶Siウ
ェハー上に堆積したa−Si膜の赤外吸収特性の結果か
ら光導電層中のシリコン原子の内、水素原子1個と結合
している原子数aと水素原子2個と結合している原子数
bの比率b/aは図13に示すようなものであった。
【0152】この感光体を実施例4で用いた評価用複写
機に設置し、実施例4と同様にして暗部電位むら特性、
ゴースト特性の評価を行なった。評価結果を図14、表
12中に示す。
【0153】実施例4と比べ、暗部電位むら、ゴースト
共に悪化し、特にゴーストは実用上問題となるレベルの
ものであった。
【0154】
【表9】 (9)実施例5 図5に示すMW−PCVD法による電子写真用感光体の
製造装置を用い、直径80mmのアルミニウムシリンダ
ー上に、表10に示す条件で、図18(d)に示したよ
うに、電荷輸送層、電荷発生層、表面層からなる感光体
を作製した。サンプルによる測定結果から、光導電層中
の伝導帯端下0.45〜価電子帯端上0.45eVにお
ける局在状態密度(D.O.S)分布は図15に示すよ
うなものであった。
【0155】この感光体を実施例3で用いた評価用複写
機に設置し、実施例3と同様にして暗部電位むら特性、
ゴースト特性の評価を行なった。また、クリーニング光
の光量を変化させたときの暗部電位むら特性、ゴースト
特性の評価をも同様にして行なった。評価結果を図
、表12中に示す。暗部電位むら、ゴースト、暗部電
位いずれも良好であり、その他の電子写真画像特性もな
んら問題のない良好なものであった。また、クリーニン
グ光の光量を低下させてもゴースト特性の悪化はみられ
ず、帯電能の向上が認められた。このことから、本発明
によりゴースト特性の向上と、暗部電位の向上が暗部電
位むらを悪化させていることなく同時に達成できること
が確認された。
【0156】
【表10】 (10)実施例6 図5に示すMW−PCVD法による電子写真用感光体の
製造装置を用い、直径80mmのアルミニウムシリンダ
ー上に、表11に示す条件で電荷輸送層、電荷発生層、
表面層からなる感光体を作製した。電荷発生層から表面
層にかけてはガス流量、内圧、パワー、バイアス電圧い
ずれも連続的に変化させ、その部分での膜の組成変化が
連続的になるようにした。サンプルによる測定結果か
ら、光導電層中の伝導帯端下0.45〜価電子帯端上
0.45eVにおける局在状態密度(D.O.S)分布
は図15に示すようなものであった。
【0157】この感光体を実施例3で用いた評価用複写
機に設置し、実施例3と同様にして暗部電位むら特性、
ゴースト特性の評価を行なった。評価結果を図17、表
12中に示す。暗部電位むら、ゴースト、暗部電位いず
れも良好であり、その他の電子写真画像特性もなんら問
題のない良好なものであった。
【0158】
【表11】
【0159】
【表12】 (11)実施例7及び参考例 実施例6で用いた感光体を用い、実施例6で用いた評価
用複写機のプロセススードを150mm/秒(感光体
回転スピード0.6回転/秒)、250mm/秒(感光
体回転スピード1.0回転/秒)と変化させ、暗部電位
むら特性、ゴースト特性の評価を行った。また、参考例
として75mm/秒(感光体回転スピード0.3回転/
秒)、126mm/秒(感光体回転スピード0.5回転
/秒)の評価も行った。評価においては、まず、各プロ
セススピードごとにクリーニング光の光量が3.0lu
x.secとなるように調整し、次に現像器位置におけ
る暗部電位が、感光体母線方向の平均値で400Vとな
るように調整した後、前述した方法により暗部電位むら
特性、ゴースト特性の評価を行った。
【0160】評価結果を表13中に示す。いずれのプロ
セススピードにおいても良好な結果が得られたが、感光
体回転スピード0.60回転/秒以上において本発明の
効果である暗部電位むら特性の向上、ゴースト特性の向
上が特に顕著に得られることが確認された。
【0161】
【表13】
【0162】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば暗
部電位むら等の弊害をもたらすことなく、また単位時間
あたりの帯電量を増加させずにゴーストの低減、暗部電
位の向上を同時に達成することができる。即ち、非晶質
シリコン系感光体の光導電層中の伝導帯端下0.45〜
価電子帯端上0.45eVにおける局在状態密度が基体
側から表面側に向かって減少する領域を有し、かつ像露
光手段として波長700nm以下のレーザーを用ること
により、濃度むらが良好で、ゴーストが極めて軽微な電
子写真画像を得ることができ、更にはオゾン発生量が少
なく、低コスト化、コピースピード向上が可能な電子写
真装置を実現することができる。
【0163】また、上記構成に加え、光導電層から表面
層にむかって組成を連続的に変化させることにより、更
に大きな上記効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるa−Si系感光体の光導電層中
の局在準位密度の分布の一例を示した図である。
【図2】電子写真装置の構成の一例を示した図である。
【図3】a−Si系感光体の層構成の一例を示した図で
ある。
【図4】a−Si系感光体製造装置の構成の一例(RF
プラズマCVD装置)を示した図である。
【図5】a−Si系感光体製造装置の構成の一例(MW
プラズマCVD装置)を示した縦断図である。
【図6】a−Si系感光体製造装置の構成の一例(MW
プラズマCVD装置)を示した断面図である。
【図7】本発明に用いることができるa−Si系感光体
の光導電層の局在準位密度の分布の一例を示した図であ
る。
【図8】本発明による電子写真装置の暗部電位むらの一
例を示した図である。
【図9】本発明によるa−Si系感光体を用いた電子写
真装置の暗部電位むらの一例を示した図である。
【図10】本発明に用いることができるa−Si系感光
体の光導電層の局在準位密度の分布の一例を示した図で
ある。
【図11】本発明による電子写真装置の暗部電位むらの
一例を示した図である。
【図12】本発明に用いることができるa−Si系感光
体の光導電層の局在準位密度の分布の一例を示した図で
ある。
【図13】本発明によるa−Si系感光体の光導電層中
のシリコン原子の内、水素原子1個と結合している原子
数aと水素原子2個と結合している原子数bの比率b/
aの変化を示した図である。
【図14】本発明による電子写真装置の暗部電位むらの
一例を示した図である。
【図15】本発明に用いることができるa−Si系感光
体の光導電層の局在準位密度の分布の一例を示した図で
ある。
【図16】本発明による電子写真装置の暗部電位むらの
一例を示した図である。
【図17】本発明による電子写真装置の暗部電位むらの
一例を示した図である。
【図18】本発明による電子写真装置の感光体の構成を
示す構造図である。
【符号の説明】
201 感光体 202 主帯電器 203 静電潜像形成部位 204 現像器 205 転写紙供給送系 206a 転写帯電器 206b 分離帯電器 207 クリーナ 208 転写紙搬送系 209 クリーニング光源 210 像露光光源 211 ガラス 212 原稿 213,214,215,216 ミラー 217 レンズ 219 転写紙通路 220 レーザスキャナ 221 クリーニングブレード 222 レジストローラ 224 受光素子 225 画像処理部 301 導電性支持体 302 光導電層 303 顕像保持層 304 電荷注入阻止層 401 成膜炉 402 碍子 403 底板 404,406 ホルダー 405 支持体 407 上蓋 408 ガス導入管 409 ガス放出孔 410 真空シール 411 ガス導入部 412 高周波マッチングボックス 414 ヒータ 415 リークバルブ 416 メインバルブ 417 真空計 418 補助バルブ 421〜427 マスフローコントローラ 431〜437 流入バルブ 441〜447 流出バルブ 451〜457 バルブ 461〜467 圧力調整器 471〜477 ガスボンベ 501 反応容器 502 誘電体窓 503 導波管 504 排気管 505 円筒状基体 506 放電空間 507 発熱体 508 回転軸 509 モータ 510 減速ギア 512 バイアス電源 513 ケーブル 551 原料ガス導入管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−160754(JP,A) 特開 平6−342221(JP,A) 特開 平6−332210(JP,A) 特開 平6−273958(JP,A) 特開 平6−242624(JP,A) 特開 平6−130769(JP,A) 特開 平4−182657(JP,A) 特開 平2−165160(JP,A) 特開 平2−53074(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 5/00

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも非晶質シリコン系感光体と
    記感光体を帯電するための帯電手段と前記帯電した感光
    体表面に静電潜像を形成するための像露光手段と前記静
    電潜像をトナー像とするための現像手段とを有する電子
    写真装置に於て、前記非晶質シリコン系感光体の光導電
    層中の伝導帯端下0.45〜価電子帯端上0.45eV
    における局在状態密度が基体側から表面側に向かって減
    少する領域を有し、電子写真画像形成時の前記非晶質シ
    リコン系感光体の回転スピードが0.60回転/秒以上
    であり、かつ前記像露光手段が波長700nm以下のレ
    ーザーを用いることにより前記静電潜像を形成すること
    を特徴とする電子写真装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の電子写真装置において、
    前記非晶質シリコン系感光体は前記光導電層上に表面層
    を有しており、前記表面層は前記光導電層から表面
    むかって組成が連続的に変化していることを特徴とする
    電子写真装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の電子写真装置において、
    前記表面層がシリコン原子と炭素原子を主成分としてな
    ることを特徴とする電子写真装置。
  4. 【請求項4】 請求項1又は請求項2記載の電子写真装
    置において、前記光導電層が電荷発生層と電荷輸送層と
    からなることを特徴とする電子写真装置。
  5. 【請求項5】 請求項1又は請求項2記載の電子写真装
    置において、前記非晶質シリコン系感光体が電荷注入阻
    止層を有していることを特徴とする電子写真装置。
  6. 【請求項6】 請求項1又は請求項2記載の電子写真装
    置において、前記光導電層の水素原子1個と結合してい
    るシリコン原子数aと水素原子2個と結合しているシリ
    コン原子数bが、 b/a≦0.40 の関係にあることを特徴とする電子写真装置。
  7. 【請求項7】 請求項1又は請求項2記載の電子写真装
    置において、前記非晶質シリコン系感光体の前記光導電
    層中の伝導帯端下0.45〜価電子帯端上0.45eV
    における局在状態密度が基体側から表面側に向かって連
    続的かつ/または連続的に減少することを特徴とする電
    子写真装置。
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