JP4623651B2 - 電子写真装置 - Google Patents

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本発明は、複写機、プリンター、ファックス等の電子写真プロセスを利用した電子写真装置に関するものである。その中でも特に、アモルファスシリコン(以下、「a−Si」と示す)系で構成された光導電層を有する電子写真感光体を用いた電子写真装置に関するものである。
基板上に非晶質材料を感光層とした電子写真感光体は広く知られている。その一例として、金属等の基板上にCVD等の成膜技術により形成されたa−Siを感光層とした電子写真感光体が挙げられる。
このa−Si電子写真感光体において、クリーニング性向上、高湿環境下での画像流れ防止及びトナー等の融着による画像欠陥防止を目的として、電子写真感光体表面の微細形状を規定した電子写真感光体については数多くの提案がなされている。
なかでも、導電性支持体上にシリコン原子を母材とする感光層と表面層からなる光受容部材において、微視的な凹凸高さと凹凸ピッチの関係と、巨視的な凹凸高さと凹凸ピッチの関係が条件式を満たすような凹凸形状を有する電子写真感光体を形成することにより、トナー融着に対する耐久性や画像流れ等が良好となることが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
また、a−Siを含む光導電層及び表面層を順次積層させた電子写真感光体において、10μm×10μmの範囲における最も深い点を基準とした時の凹凸高さの累積度数分布における50〜90%にあたる凹凸高さの差と、導電性基板のRa(算術平均粗さ)を規定の範囲内にすることにより、トナー融着や高湿流れを抑制できることが開示されている(例えば、特許文献2、特許文献3参照)。
また、周方向に切削したドラム状基板外周面にa−Siからなる感光層を積層し、その表面の断面に形成された三角形状の線条溝の平均間隔、Ra及び三角形状の頂点部のなす角度を規定の範囲にすることにより、トナー付着・融着を防止し、良好な画像形成が得られることが開示されている(例えば、特許文献4参照)。
また、a−Siからなる感光層の表面にa−SiCが積層されてなる電子写真感光体において、三角形状の頂部を成す角度、隣接する三角形状の底部を成す角度及び各線条溝のピッチを規定の範囲内とすることにより、トナー付着・融着を防止し、良好な画像形成が得られることが開示されている(例えば、特許文献5参照)。
更に、a−Si電子写真感光体を用いた電子写真装置において、電子写真感光体表面の凹凸平均ピッチと凹凸平均高さの関係と、研磨手段に分散・混合された研磨剤粒子の平均半径の関係が条件式を満たすことにより、画像流れ、画像抜けやクリーニング性等が良好となることが開示されている(例えば、特許文献6参照)。
特開平10−63023号公報 特開2002−49171号公報 特開2002−40697号公報 特開2000−314974号公報 特開平10−90928号公報 特開平09−244494号公報
しかしながら、近年、電子写真装置がカラー化へと進展したことにより、従来以上の高速化と高画質化への市場要求が高まっている。同時に、エコロジーへの意識の高まりからa−Si電子写真感光体を用いながらも、更なる電子写真感光体の高寿命化、及び電子写真装置の省エネルギー化が求められている。
具体的には、高速化、高画質化への市場要求を満たすために、電子写真装置の高速化に対応した低融点トナーと、高画質化に対応した小粒径トナーが使用されるようになった。この結果、トナーの低融点化により電子写真感光体表面への融着が従来トナーよりも生じ易くなった。更に、トナーの小粒径化により従来トナーよりも比表面積が大きくなったため、電子写真感光体表面への付着力が大きくなった。これにより、残留トナーを電子写真感光体表面から除去することが従来トナーよりも困難となった。
よって、低融点の小粒径トナーを用いた電子写真装置の場合は、電子写真感光体表面への融着が起こる可能性が高くなる。このため、クリーニングブレードやクリーニングローラーを併用しても十分に残留トナー、あるいは融着トナーを電子写真感光体表面から除去することが困難となる場合があった。
このような状態で電子写真プロセスを繰り返すと、画像上に融着トナーによる「黒スジ」又は「白スジ」等の画像欠陥が発生し、その結果、初期の画質を維持することができない場合があった。
また、長寿命化、省エネルギー化への市場要求を満たすために、電子写真プロセスによる電子写真感光体表面の磨耗の低減や、ドラムヒーターレスによる電力量の低減が要求されるようになった。これにより、従来に比べ電子写真感光体表面に付着する水分やオゾン生成物等の吸着物を十分に除去することが困難となる。このため、高湿環境下における画像流れ「高湿流れ」やクリーニング不良による画像濃度低下が起こる可能性が高くなった。
更に、電子写真装置のカラー化への進展により、出力される画像が文字だけでなく、写真等の出力する機会も増加した。これにより、従来の文字出力のみの場合では確認できなかった高湿流れが写真出力時に現れ易くなってしまうため、更なる高湿流れの抑制効果の向上が必要となってきた。
よって、これら課題を解決するためには、従来以上に電子写真感光体に付着する融着トナー、水分及びオゾン生成物を効率良く除去可能な表面を有する電子写真感光体及び付着物を効率良く除去可能な電子写真装置が必要となった。そのためには、電子写真感光体表面の形状そのものを厳密に制御し、更に、厳密に制御された表面形状と研磨剤粒径を効果的に組み合わせることにより、効率良く電子写真感光体表面から付着物を除去可能な電子写真装置が求められた。
そこで、本発明の目的は、従来以上に厳密に制御させた電子写真感光体の表面形状と研磨剤の粒径を適切に制御して、電子写真感光体表面に付着したトナーや付着物を効率的に除去するより、電子写真装置の高速化、高画質化、省エネルギー化及び電子写真感光体の高寿命化を実現し、トナー融着による画像欠陥、クリーニング不良及び高湿環境下における「高湿流れ」に対して良好な電子写真装置を提供することにある。
上記目的を達成すべく鋭意検討を行った結果、電子写真感光体表面の微視的及び巨視的な表面形状から得られる高さ方向及び横方向のパラメーターと、微視的な表面形状から得られる高さ方向のパラメーターと巨視的な表面形状から得られる高さ方向のパラメーターの関係と、更には微視的及び巨視的な表面形状と研磨剤粒径の関係を制御することにより、画像欠陥、クリーニング不良及び高湿流れに対して大きな効果があることを見出し、本発明を完成させるに至ったものである。
詳細に記述すると、本発明は、基体上に少なくとも非晶質材料で構成された光導電層及び表面層を順次積層してなる電子写真感光体と、該電子写真感光体を帯電するための帯電手段と、該電子写真感光体を露光して静電潜像を形成する潜像形成手段と、該静電潜像を現像するための、トナー粒子及び研磨剤を含有するトナーを装填したトナー供給手段と、該静電潜像を該トナーによりトナー像を形成する現像手段と、該電子写真感光体上のトナー像を転写材に転写する転写手段と、該電子写真感光体上の転写残トナーを除去するクリーニング手段を少なくとも有する電子写真装置において、
電子写真感光体の10μm×10μmの範囲における表面をAFM(Atomic Force Microscope)により測定して得られる微視的表面粗さで最も高い点を基準とした凹凸高さの負荷曲線における5%〜95%に相当する高さをA(μm)、山と山の平均間隔をB(μm)とし、該電子写真感光体の表面を表面粗さ計により測定して得られる基準長さ0.8mm、評価長さ4.0mmで評価した時に得られる測定曲線を、カットオフλc=0.8mm、λs=0.008mmでフィルタリングして得られる粗さ曲線における巨視的表面粗さで最も高い点を基準とした凹凸高さの負荷曲線における5%〜95%に相当する高さをa(μm)、山と山の平均間隔をb(μm)とし、
トナー供給手段に装填された該現像用トナーに含まれる該研磨剤が無機酸化物粒子で、その一次粒子の平均粒径をR(μm)としたとき、
A、B、a、b及びRが下記(1)〜(7)の全ての条件を満たすことを特徴とする電子写真装置に関する。
(1) 0.01μm≦A≦0.30μm
(2) 0.03μm≦a≦0.45μm
(3) 0.7μm≦B≦2.5μm
(4) 50μm≦b≦350μm
(5) 1.0×10−3μm≦A×a≦4.5×10−2μm
(6) 0.15≦f(A,B,R)≦30
(7) 0.10≦g(a,b,R)≦20
ここで、
f(A,B,R)=R/(A×B/(B+2×(A +B /4) 1/2 ))
g(a,b,R)=R/(a×b/(b+2×(a +b /4) 1/2 ))
である。
上記のように、電子写真感光体の微視的及び巨視的な表面形状を厳密に制御し、更に微視的及び巨視的な表面形状と研磨剤粒径との関係をも制御することにより、トナー融着、クリーニング不良及び高湿流れの抑制効果が改善され、特性が良好となった。その原因を以下のように推察する。
まず、高湿流れは、トナーに含まれる研磨剤がクリーニングブレード等のクリーニング部材により電子写真感光体表面と摺擦される際に、電子写真感光体表面に付着したオゾン生成物や吸着水分を充分に除去しきれない場合に発生すると推察される。このことから、高湿流れの発生メカニズムを推察すると、
1. 電子写真感光体の微視的又は巨視的な表面形状の山と山の間隔よりも研磨剤の粒径が大きすぎるために、研磨剤が表面形状の山と山の間に入ることができない。その結果、谷部に付着した吸着物を充分に除去できないために高湿流れが発生する。
2. 研磨剤の粒径が、微視的又は巨視的な表面形状の山と山の間に入り込むことができる大きさの場合であっても、谷部の傾斜が立っている表面形状の場合は研磨剤が谷部へと充分に入り込むことができず、その結果、付着した吸着物を充分に除去できないために高湿流れが発生する。
3. 微視的又は巨視的な表面形状が非常に粗いために、クリーニング部材から山と山の間に入り込んだ研磨剤へと力がほとんど伝わらない。この結果、研磨剤と電子写真感光体との摺擦力が非常に小さくなるため、研磨剤により吸着物を充分に除去することができなくなり高湿流れが発生する。
等が推察される。
このことから、オゾン生成物や吸着水分を充分に除去することが難しい場所は、微視的又は巨視的な表面形状で見られる山と山の間、特に谷部である。よって、谷部に付着した吸着物を効率良くすることが画像流れを抑制するためには必要となってくる。そのため、微視的又は巨視的な表面形状における高さ方向のパラメーターを小さくする、又は、山及び谷の傾斜も緩やかにすることが求められる。その結果、山と山の間、特に谷部に研磨剤が入り込みやすくなる、また、クリーニング部材の接触面積が増加することにより摺擦面積が上がるため、オゾン生成物や吸着水分を除去することが容易となる。その結果、高湿流れの発生が抑制されるものと推察している。
しかし、微視的又は巨視的な表面形状の高さ方向のパラメーターを小さくしすぎる、又は、山及び谷の傾斜が緩やかになりすぎると、微視的又は巨視的な表面形状が平坦化してしまう。そのため、クリーニング部材と電子写真感光体表面との接触面積が大きくなりすぎることにより、単位面積当たりの摺擦力が極端に低下してしまうため、逆に、オゾン生成物や吸着水分を充分に除去することができなくなり、画像濃度低下等の画像欠陥が発生すると推察される。
また、微視的又は巨視的な表面形状が平坦化されることにより、クリーニング部材が電子写真感光体表面に付着したトナーを除去する際に、トナーの逃げ道がなくなってしまう。そのため、クリーニング部材と電子写真感光体表面で挟まれた付着トナーに押し圧が集中し、電子写真感光体表面へと押し付けられる。しかし、電子写真感光体表面を極端に平坦化することにより、研磨剤による摺擦力が低下するためにトナーの融着が発生すると推察される、このため、除去できなくなった融着トナーが電子写真装置での出力画像に影響を与えると考えられる。このことから、微視的又は巨視的な表面形状を極端に平坦化させすぎない、特に、山の頂点部の平坦化を抑制することによりクリーニング部材から付着トナーへの局所的に大きな力を加えないようにすることでトナーの融着が良化するものと推察している。
以上のことから、画像欠陥、クリーニング不良及び高湿流れに対して良好な電子写真装置を実現するためには、電子写真感光体の表面を適切な形状に制御し、且つ、適切に制御された表面形状に対して適切な研磨剤を用いる必要があると推察される。よって、微視的及び巨視的な表面形状における高さ、山と山の間隔及び山と谷の形状等の表面形状を厳密に表すパラメーターと研磨剤の粒径を制御することが必要であると考える。
本発明による電子写真装置によれば、電子写真感光体の微視的及び巨視的な表面形状を厳密に表す各パラメーターと、微視的及び巨視的な表面形状から得られる高さ方向のパラメーターの関係と、更には、微視的及び巨視的な表面形状と外添材の粒径を制御することにより、トナー融着等の画像欠陥、クリーニング不良及び高湿環境下での画像流れの発生を抑制する効果を向上させることが可能となる。
これにより、電子写真装置における諸問題を解決することが可能となるため、高速化、高画質化、高寿命化及び省エネルギー化に対応した電子写真装置を提供することが可能となる。
本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。
「本発明に係わる微視的な表面粗さ」
図1は、a−Si電子写真感光体を10μm×10μmの範囲におけるAFMの測定により得られた微視的形状において最も高い点を基準とした凹凸高さ(surface Height)の負荷曲線の模式的な概略図を示したものである。横軸はsurface Height、縦軸はBearing Ratioである。surface Heightとは、AFMの測定により得られた微視的な表面形状における最も高い点を基準とした高さ方向の距離を示すものである。また、Bearing Ratioとは、図17に示すように、AFM(Atomic Force Microscope)で得られる三次元観察像における最も高い点を基準として、距離xにおける三次元観察像の断面面積A(x)を計算し、このA(x)を最大高さXの断面面積A(X)に対する百分率として示したものである。よって、Surface Height及びBearing Ratioの値が小さい方が山部、大きい方が谷部を示している。
本発明において、Bearing Ratioの5%から95%に対応するsurface Heightの差をAとし、このAの値を用いた。このような値を用いた理由について、図2を用いて説明する。図2に示すように、微視的な表面形状には局所的に深い谷vが存在している。このような場合には、この局所的に深い谷vの影響により最大高さや十点平均粗さ等の高さ方向のパラメーターが正確に測定できない場合がある。このような局所的な谷の影響を抑制するためにBearing Ratioが95%以上の領域を除去することで、測定位置による高さ方向のパラメーターへの影響を限りなく小さくすることが可能となる。同様に、AFMで得られる微視的な表面形状に局所的に高い山が存在する場合がある。特に、電子写真感光体表面を研磨した際には、更に研磨により発生した研磨残渣等が電子写真感光体の研磨面上に付着することにより局所的に大きな山となってしまう場合がある。このような局所的に高い山の影響により高さ方向のパラメーターが正確に測定できない場合が生じる。このような局所的な山の影響を抑制するためにBearing Ratioが5%以下の領域を除去することで、測定位置や研磨処理による高さ方向のパラメーターへの影響を限りなく小さくすることが可能となる。
図13は、図12に示すAFM三次元観察像の(1)の断面を示す模式的な概略図である。横軸はAFM三次元観察像のx軸であり、スケールは10μmである。また、縦軸はAFM三次元観察像のz軸であり、AFM三次元観察像の最も深い位置を基準とした高さである。
本発明では、微視的な表面形状における山と山の間隔の平均値をBとし、このBの値を用いた。このBの算出方法を以下に示す。断面形状において、山の頂点から左右の谷までの底点までの距離の両方ともがAFM三次元観察像における最大高さの5%以上ある場合には山と定義する。そして、同様に断面形状から全ての山を探し、各山と山の間の距離を算出し、平均値を求めた。図13を用いて説明すると、M1とM2の山を見た場合、t1及びt3は最大高さの5%以上、t2は5%未満であるとする。この場合、M1は山と定義され、M2は定義されない。同様にして、図13の断面形状から全ての山を探すと7個あり、各山と山の間隔S1〜S6を算出し平均値を算出する。この作業を同じAFM三次元観察像で5回行い、各断面形状から得られた平均値を更に平均した値がBとなる。
このような値を用いた理由について図12を用いて説明する。図12の(1)と(2)の位置からも分かるように、a−Siドラムの微視的表面形状は測定位置により少なからず異なった形状である。そのため、各山と山の間隔は異なり、更に、測定位置によっても異なってしまう。そこで、電子写真感光体の表面を表すパラメーターの精度を高めるために、AFM三次元観察像から得られる複数のx軸−z軸断面から山と山の間隔を求め、その値を平均してBの値を算出した。
もう一つの理由としては、クリーニング不良、トナー融着及び高湿流れは、各山及び各谷といった微小な表面面積内で観察されるものではなく、ある程度の広い表面面積内で発生する現象である。そのため、ある程度の広い測定範囲より算出される値の方が現象との関係性が高いと考えたからである。
また、本発明では、図1に示すように、微視的な表面形状の山や谷そのものの形状を、Bearing Ratioが5%から20%に対応するsurface Heightを測定し、横軸をsurface Height、縦軸をBearing Ratioにして測定点の直線近似によって得られる傾きをC、Bearing Ratioが80%から95%に対応するsurface Heightを測定し、横軸をsurface Height、縦軸をBearing Ratioにして測定点の直線近似によって得られる傾きをDとして数値化し、測定範囲内にある山をまとめた時の傾斜と谷をまとめた時の傾斜を求めた。このように、測定範囲内にある山及び谷を合計して、山及び谷の形状を表した理由としては、上記Bに記載した内容と同じく、特定の山及び谷の形状を用いるのではなく、測定範囲内に存在する山及び谷全体の形状を数値化することにより、測定した電子写真感光体の表面を表すパラメーターの精度を高めることが可能となるためである。
このようにして得られたCは、測定範囲内の微視的な表面粗さにおける全ての山から得られた山の平均的な傾斜であり、同様にDも、測定範囲内の微視的な表面粗さにおける全ての谷から得られた谷の平均的な傾斜である。Cを求める際にBearing Ratioが5%より小さい範囲を、またDを求める際にBearing Ratioが95%より大きい範囲を用いなかった理由は、上記Aに記載した内容と同じく、局所的な山であるBearing Ratioが5%以下の領域を、また、局所的な谷であるBearing Ratioが95%以上の領域を除去することで、測定位置による高さ方向のパラメーターのばらつきを抑え、測定位置や研磨処理による影響を抑制することが可能となるためである。
また、本発明では、微視的な表面形状と研磨剤粒径との関係を示すために、
f(A,B,R)=R/(A×B/(B+2×(A +B /4) 1/2 ))
という関係式を用いた。このような関係式を用いて微視的な表面形状と研磨剤粒径との関係を定義した理由を下記に述べる。
クリーニング不良、高湿流れを抑制するためには、電子写真感光体表面に付着したオゾン生成物及び水分を研磨剤及びクリーニング部材により効率よく除去することが必要であると考えられる。すなわち、電子写真感光体の微視的な表面形状の中でも、特に付着物の除去が困難な山と山の間の形状と研磨剤の粒径のマッチングが必要であると考えられる。しかし、電子写真感光体全体を見たとき、山と山の間の形状は図2からも分かるように必ずしも同じ形状ではない。よって、山と山の間の形状を近似し、且つ研磨剤粒径ともマッチングを考える必要があった。
そこで、山と山の間の形状を、高さをA、底辺をBとした二等辺三角形であると近似した。そして、この二等辺三角形の内接円の直径を求め、この直径が近似した山と山の間の形状に対する理想的な研磨剤の粒径と考えた。このようにして求めた理想的な研磨剤の粒径と実際の研磨剤の一次粒径の平均粒径の比をf(A,B,R)で表した。これにより、微視的な表面形状と研磨剤の平均粒径とのマッチングを考えて、微視的な表面形状と研磨剤粒径の制御が可能となった。
本発明では、電子写真感光体のAFMの測定範囲として、10μm×10μmの範囲で測定した。この理由として、測定範囲を広くすることで安定した測定が可能となる。これにより、正確な測定値が得られる。しかし、測定範囲を広くしすぎると巨視的な表面形状の影響、即ち、基体のうねりや加工形状の影響や、突起等の特異形状が反映されてしまうため、測定値の安定性が低下してしまう。逆に、測定範囲を狭くしすぎると、測定位置の選択によるばらつきが大きくなる。そのため、本発明では、より正確な測定値を得るための最適な範囲として、10μm×10μmを測定範囲とした。
「本発明に係わる巨視的な表面粗さ」
図3は、a−Si電子写真感光体を表面粗さ計により測定して得られる基準長さ0.8mm、評価長さ4.0mmで評価した測定曲線をカットオフλc=0.8mm、λs=0.008mmでフィルタリングして得られる粗さ曲線より得られた最も高い点を基準とした凹凸高さの負荷曲線の模式的な概略図を示したものである。横軸は深さ、縦軸は負荷長さ率である。深さとは、粗さ計の測定により得られた巨視的形状における最も高い点を基準とした高さ方向の距離を示すものである。また、負荷長さ率とは、図18に示すように、粗さ計で得られる波形における最も高い点を基準として、距離yにおける粗さ計で得られた波形の切断距離の合計M(y)を計算し、このM(y)を最大高さYにおける切断距離(評価長さ)Lに対する百分率で示したものである。よって、負荷長さ率及び深さが小さい方が山部、大きい方が谷部を示している。
本発明では、粗さ曲線を用いて負荷長さ率の5%から95%に対応する深さをaとし、このaの値を用いた。断面曲線ではなく、粗さ曲線を用いた理由は、断面曲線では測定範囲内のうねり等の影響により高さ方向のパラメーターの数値にばらつきを生じる場合があり、その結果、電子写真感光体の表面形状とトナー融着やクリーニング不良による画像欠陥及び高湿流れとの関係に対する信頼性が低かったためである。そのために、λcを0.8mmとしてうねり成分を除去し、更にλsを0.008mmとしてノイズの除去を行った粗さ曲線を用いた。また、負荷長さ率の5%から95%に対応する深さを用いた理由として、粗さ計等で得られる巨視的な表面形状においても、上記記載した微視的な表面形状と同様の理由により、測定位置によって高さ方向のパラメーターが正確に測定できない場合があるためである。その結果、このような局所的な山の影響を無くすために負荷長さ率が5%以下の領域を、また、局所的な谷の影響を無くすために負荷長さ率が95%以上の領域を除去することで、測定位置や研磨処理による影響を抑制することが可能となる。
図14は、電子写真感光体を表面粗さ計により測定して得られる粗さ曲線の模式的な概略図である。横軸は測定長さ、縦軸は高さである。本発明では、巨視的な表面形状における山と山の間隔の平均値をbとし、このbの値を用いた。
このbの算出方法を以下に示す。粗さ曲線において、カウントレベルを平均線に対して±最大高さの10%に設定する。次に、粗さ曲線のカウントレベルをプラス側に超えた場所を山、マイナス側に超えた場所を谷とし、得られた山と谷を一対にして基準長さ内にいくつあるのかをPc(ピークカウント)として算出する。Pcから一対の山及び谷の間隔を計算し、評価長さ内で平均値を求めた。同様の測定を行い、各粗さ曲線から得られた平均値を更に平均した値がbとなる。
このような値を用いた理由を説明する。電子写真感光体の巨視的な表面形状は基板の形状に大きく影響され、基板を旋盤等で切削した場合には、基板表面は規則的な表面形状が形成される。しかし、規則的な表面形状はしているものの、旋盤自体の加工精度が少なからず存在するため、値の信頼性を上げるために複数の山と山の間隔の平均値を用いた。
また、本発明では、図3に示すように、巨視的な表面形状の山や谷そのものの形状を、負荷長さ率が5%から20%に対応する深さを測定し、横軸を深さ、縦軸を負荷長さ率にして測定点の直線近似によって得られる傾きをc、負荷長さ率が80%から95%に対応する深さを測定し、横軸を深さ、縦軸を負荷長さ率にして測定点の直線近似によって得られる傾きをdとして数値化し、測定範囲内にある山をまとめた時の傾斜と谷をまとめた時の傾斜を求めた。
このように、測定範囲内にある全ての山及び全ての谷から求めた山及び谷の傾斜を用いた理由としては、特定の山及び谷の形を数値化した値が、測定した電子写真感光体の表面を正確に表していない可能性があるためである。すなわち、電子写真感光体の巨視的な表面形状は、基体の形状に大きく影響される。しかし、基板上に膜を形成した後の巨視的な表面形状の山及び谷の形状が、膜形成の条件等により電子写真感光体表面と基板の表面形状とは全く同じとは限らないためである。
もう一つの理由としては、画像欠陥や高湿流れは、ある程度の範囲内の山及び谷に影響されるものであると考えたからである。
このようにして得られたcは、測定範囲内の巨視的な表面粗さにおける全ての山から得られた山の平均的な傾斜であり、同様にdも、測定範囲内の巨視的な表面粗さにおける全ての谷から得られた谷の平均的な傾斜である。cを求める際に負荷長さ率が5%より小さい範囲を、またdを求める際に負荷長さ率が95%より大きい範囲を用いなかった理由は、上記aに記載した内容と同じく、局所的な山である負荷長さ率が5%以下の領域を、また、局所的な谷のである負荷長さ率が95%以上の領域を除去することで、測定位置による高さ方向のパラメーターのばらつきを抑え、測定位置や研磨処理による影響を抑制することが可能となるためである。
また、本発明では、巨視的な表面形状と研磨剤粒径との関係を示すために、
g(a,b,R)=R/(a×b/(b+2×(a +b /4) 1/2 ))
という関係式を用いた。このような関係式を用いて巨視的な表面形状と研磨剤粒径との関係を定義した理由は、上記したf(A,B,R)同じである。すなわち、クリーニング不良、高湿流れを抑制するためには、電子写真感光体の巨視的な表面形状と研磨剤の粒径のマッチングが必要である。そこで、山と山の間の形状を、高さをa、幅をbとした二等辺三角形と近似し、その二等辺三角形の内接円が理想的な研磨剤の粒径と考えた。そして、実際の研磨剤の平均粒径と近似によって求めた研磨剤粒径の比としてg(a,b,R)と表すことで、巨視的な表面形状と研磨剤の平均粒径とのマッチングを考えて、微視的な表面形状と研磨剤粒径の制御が可能となった。
本発明では、電子写真感光体の表面粗さ計の基準長さとして0.8mmで測定した。この理由として、測定範囲を広くすることで基体のうねりの影響によるばらつきが大きくなる場合がある。逆に、測定範囲を狭くすることで、山や谷の数が減少することによる測定位置の選択によるばらつきが大きくなる場合がある。そのため、本発明では基準長さを0.8mmとし、より正確な測定値を得るために評価長さを4.0mmとして測定した。
本発明において、電子写真感光体の微視的な表面形状から得られるAの値を0.01μm以上0.30μm以下、巨視的な表面形状から得られるaの値を0.03μm以上0.45μm以下、更にA×aを1.0×10−3μm以上4.50×10−2μm以下とすることにより、高湿流れ及び画像欠陥の抑制効果が良好な電子写真装置が得られることを見出した。
Aを0.30μmより大きくすると、微視的な表面形状の凹凸形状が大きくなりすぎるため、電子写真感光体表面の凹部に付着したオゾン生成物や水分等を研磨剤やクリーニング部材により除去することが困難となる場合がある。その結果、高湿流れを生じる場合がある。また、0.01μmより小さくすると、微視的な表面形状の微細な凹凸形状が小さくなるのと同時に、山や谷の表面の更に細かな凹凸も小さくなる。その結果、クリーニング部材と電子写真感光体との接触面積が増加するため、クリーニング部材と電子写真感光体表面との接触面積における単位当たりの摺擦力が低下するためクリーニング不良を生じやすくなる。また、電子写真感光体の微視的な凹凸が小さくなるためクリーニング部材と電子写真感光体表面の間に入り込んだトナー等の逃げ道が減少するために、トナー等の融着が生じやすくなる。これらの結果より画像欠陥が生じる場合がある。また、電子写真感光体の微視的な表面形状を研磨により制御する場合、研磨が進むにつれ研磨部材と電子写真感光体の接触面積の増加により研磨レートが低下していく。そのため、微視的な表面形状を0.01μmより小さくするためには、研磨に要する時間が非常の多くなるため生産の観点からも好ましくない。
また、aを0.45より大きくすると、巨視的な表面形状の凹凸形状が大きくなるため、Aと同様に高湿流れを生じる場合がある。また、aを0.03μmより小さくすると、Aと同様にトナー等の融着やクリーニング不足による画像欠陥が発生する場合がある。
また、A×aを4.50×10−2μmよりも大きくすると、微視的及び/又は巨視的な表面形状が大きくなるため、Aと同様に高湿流れを生じる場合がある。また、A×aを1.0×10−3μmよりも小さくすると、微視的及び/又は巨視的な表面形状が小さくなるため、Aと同様にトナー等の融着やクリーニング不足による画像欠陥が発生する場合がある。
本発明において、Aを0.03μm以上0.2μm以下、aを0.05μm以上0.40μm以下、A×aを3.2×10−3μm以上3.0×10−2μm以下とすることにより、クリーニング不良やトナー融着等の画像欠陥及び高湿流れに対してより好ましい。
本発明において、電子写真感光体の微視的な表面形状から得られるBの値を0.7μm以上2.5μm以下、巨視的な表面形状から得られるbの値を50μm以上350μm以下とすることにより、高湿流れ及び画像欠陥の抑制効果が良好な電子写真装置が得られることを見出した。
Bを2.5μm、bを350μmより大きくすると、微視的な表面形状が平坦化の方向となり、その結果、クリーニング部材と電子写真感光体との接触面積が増加するためクリーニング不良を生じる場合がある。また、クリーニング部材と電子写真感光体表面の間に入り込んだトナーの逃げ道が減少するために、トナー等の融着が生じる場合がある。これらの結果、画像欠陥が生じる場合がある。また、Bを0.7μm、bを50μmより小さくすると、表面形状の凹凸が細かくなるため、谷部に付着したオゾン生成物や水分等を研磨剤やクリーニング部材により除去することが困難となる場合がある。その結果、高湿流れを生じる場合がある。
本発明において、Bを0.9μm以上2.2μm以下、bを80μm以上300μm以下とすることにより、クリーニング不良やトナー融着等の画像欠陥及び高湿流れに対してより好ましい。
本発明において、電子写真感光体の微視的な表面形状と研磨剤粒径の関係f(A,B,R)0.15以上30以下、電子写真感光体の巨視的な表面形状と研磨剤粒径の関係g(a,b,R)0.10以上20以下とすることにより、高湿流れ及び画像欠陥の抑制効果が良好な電子写真装置が得られることを見出した。
f(A,B,R)を30、g(a,b,R)を20より大きくすると、微視的及び巨視的な表面形状に対して研磨剤の粒径が大きすぎるために、山と山の間に付着したオゾン生成物や水分等を除去することが困難となる場合がある。その結果、高湿流れを生じる場合がある。逆に、f(A,B,R)を0.15、g(a,b,R)を0.10より小さくすると、微視的及び巨視的な表面形状に対して研磨剤の粒径が小さすぎるために、山と山の間に入りこんだ研磨剤クリーニング部材からかかる力が非常に小さくなるため、高湿流れを生じる場合がある。
本発明において、f(A,B,R)を0.20以上25以下、g(a,b,R)を0.15以上10以下とすることにより、高湿流れに対してより好ましい。
本発明で用いる研磨剤は、従来公知の一般的に電子写真装置で用いられる無機微粉体の研磨剤であれば何れも使用できる。また、研磨剤をトナー粒子に外添する際には、複数の種類の研磨剤や異なる粒径を有する研磨剤を同時に外添させても良い。上記一般的に電子写真装置で用いられる従来公知の研磨剤の一例として、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化セレン、チタン酸ストロンチウム等が上げられる。本発明において、高湿流れ向上のために、研磨剤として用いる無機微粉体として、少なくともチタン酸ストロンチウム微粉体を用いることが特に好ましい。
微視的又は巨視的な表面形状と研磨剤の粒径とのマッチングを制御することが重要であるため、前記研磨剤の形状も特に制限は無い。
また、研磨剤の製造方法に関しても特に制限は無く、従来公知の一般的な製造方法で作製された研磨剤は何れも使用できる。
本発明で用いる研磨剤の平均粒径R(μm)は、以下の方法により算出される。トナーを電子顕微鏡にて5万枚の倍率で撮影した写真から100個の研磨剤をランダムに選択し、これらの粒径を測定し、その平均を求めた。各研磨剤の粒径は、一次粒子の最長辺をh、最短辺をiとしたとき、(h+i)/2として求めた。
上記方法により求められた研磨剤の一次粒子の平均粒径は、前述したf(A,B,R)及びg(a,b,R)の関係を満たす粒径であれば特に問題はないが、平均粒径が0.03μm〜0.3μmの研磨剤を用いることにより高湿流れの抑制効果がより良好となる。
本発明において、トナー粒子に使用する着色剤としては、従来公知のトナーに使用されている染料及び顔料の着色剤は何れも使用できる。また、トナー粒子の製造方法は特に制限はなく、懸濁重合法、乳化重合法、会合重合法、混錬粉砕法が用いられる。
本発明において、AFMにより得られる微視的な表面形状において、横軸をsurface Height(μm)、縦軸をBearing Ratio(%)とした際、Bearing Ratioが5%と20%を結ぶ近似直線の傾きをC、80%と95%を結ぶ近似直線の傾きをDとした。そして、C250%/μm以上3000%/μm以下、D200%/μm以上2000%/μm以下とすることにより、画像欠陥、クリーニング不良及び高湿流れの抑制効果がより良好となる。
微視的な表面形状における山の傾きCを250%/μmより小さくすると、微視的な山の形状が立ってくるため、山部と山部の間をクリーニングすることが難しくなる。その結果、高湿流れが発生する場合がある。また、Cを3000%/μmより大きくすると、微視的な山の形状がつぶれてくるため、クリーニング部材との接触面積が増加する。これため、クリーニング不良による濃度低下や、クリーニング時にトナー等の逃げが減少することによるトナーの融着等の画像欠陥が発生する場合がある。
また、微視的な表面形状における谷の傾きDを200%/μmより小さくすると、微視的な谷の形状が立ってくるため、谷部のクリーニングが困難となり、その結果、高湿流れが発生する場合がある。また、D2000%/μmより大きくなる場合は、微視的な形状も小さくなっているため、クリーニング部材との接触面積が増加することによるクリーニング性の低下やトナーの融着等の画像欠陥が発生する場合がある。
このように、微視的な山及び谷の各々の形状が高湿流れや画像欠陥に影響を与えるため、微視的な山及び谷の形状を適切に制御することで高湿流れ及び画像欠陥の抑制効果が更に良好となると推察される。
また、本発明において、粗さ計により得られる巨視的な表面形状において、横軸を深さ(μm)、縦軸を負荷長さ率(%)とした際、負荷長さ率が5%と20%を結ぶ近似直線の傾きc、80%と95%を結ぶ近似直線の傾きをdとした。そして、c250%/μm以上1000%/μm以下、d200%/μm以上1000%/μm以下とすることにより、画像欠陥、クリーニング不良及び高湿流れの抑制効果がより良好となる。
巨視的な表面形状における山の傾きcを250%/μmより小さくすると、巨視的な山の形状が立ってくるため、外添材やクリーニング部材による山と山の間及び谷部をクリーニングすることが難しくなり、その結果、高湿流れが発生する場合がある。また、cを1000%/μmより大きくすると、微視的な山の形状がつぶれてくるため、クリーニング部材との接触面積が増加する。このため、クリーニング不良による濃度低下や、クリーニング時にトナー等の逃げが減少することによるトナー等の融着が発生する場合があり、画像欠陥が発生する場合がある。
また、巨視的な表面形状における谷の傾きdを200%/μmより小さくすると、巨視的な谷の形状が立ってくるため、谷部のクリーニングが困難となり、その結果、高湿流れが発生する場合がある。また、d1000%/μmより大きくなる場合は、巨視的な形状も小さくなっているため、クリーニング部材との接触面積が増加することによるクリーニング性の低下やトナー等の融着が発生する場合があると推察される。
このように、巨視的な山及び谷の各々の形状が高湿流れや画像欠陥に影響を与えるため、巨視的な山及び谷の形状を適切に制御することで高湿流れ及び画像欠陥の抑制効果が更に良好となると推察される。
更に、本発明において、電子写真感光体の微視的な表面形状から得られるAとBの関係B/A4.5以上70以下、また、巨視的な表面形状から得られるaとbの関係b/a400以上3000以下とすることにより、画像欠陥、クリーニング不良及び高湿流れの抑制効果が更に良好となる。
B/Aを70、b/aを3000より大きくすると、微視的又は巨視的な表面形状が極端に平坦化するため、クリーニング部材と電子写真感光体表面との接触面積における単位当たりの摺擦力が低下するためクリーニング不良を生じる場合がある。また、電子写真感光体の微視的な凹凸が小さくなるためクリーニング部材と電子写真感光体表面の間に入り込んだトナーの逃げ道が減少するために、トナー等の融着が生じやすくなる。これらの結果、画像欠陥が生じる場合がある。
逆に、B/Aを4.5、b/aを400より小さくすると、谷の深さが非常に深くなってしまうため、研磨剤及びクリーニング部材を用いて山と山の間に付着したオゾン生成物や水分等を除去することが困難となる場合があり、その結果、高湿流れを生じる場合がある。
上記微視的及び巨視的な表面形状を制御する手段としては、特に限定されるものではないが、微視的及び巨視的な表面形状の山や谷の形、高さを任意に変えることが可能であることから、電子写真感光体表面を研磨することが好ましい。
研磨手段としては、研磨テープ、磁性粉体、バフ研磨等の研磨方法やこれらの組合せによる研磨等、特に制限されるものではなく、目的の表面形状に制御するために適宜選択して使用することが好ましい。
研磨テープ等の研磨砥粒が固定されているものを用いると、微視的及び巨視的な表面形状の山の頂点のみが選択的に研磨される。その結果、山部が平坦化されるためC及びcのみが大きく変化し、逆に、谷部はほぼ変化しないためD及びdの変化は少ない。また、磁性粉体やバフ研磨等の研磨砥粒が固定されておらず、流動性を有するものを用いると、微視的及び巨視的な表面形状に関らず全体的に研磨される。この結果、C、c、D、dともに大きくなり、微視的及び巨視的な表面形状の山は丸みを有する形状となる。
また、研磨に使用する砥粒の粒径は、目的の微視的及び巨視的な表面形状により適宜選択する必要があるが、砥粒の粒径は、特に微視的な表面形状の制御に効果的である。微視的な表面形状における山と山の間隔よりも大きい粒径の砥粒を用いると、谷部には砥粒が入り込めないため山部のみを選択的に研磨する。反対に、山と山の間隔よりも小さい粒径の砥粒を用いると、山、谷ともに研磨することができる。よって、電子写真感光体の研磨前の表面形状、研磨後に目標とする表面形状等によって磁性粉体の粒径を適宜選択する必要がある。しかし、研磨による電子写真感光体の加工ダメージの点から、粒径が100μm以下の研磨砥粒を用いることが好ましい。
図4は、本発明で電子写真感光体の微視的及び巨視的な表面形状を制御するために用いた電子写真感光体表面を磁性粉体により研磨する研磨装置の一例を示した模式的な概略断面図である。ここで、図4(a)は装置全体の概略断面図であり、図4(b)は、図4(a)の要部の詳細を示す模式的な概略断面図である。
図4(a)に示す研磨装置は、マグネットローラー容器404内に内部に磁性体を有するマグネットローラー402が収容されており、前記マグネットローラー402表面は磁性粉体403によって覆われている。電子写真感光体401及びマグネットローラー402は不図示の回転機構と接続されており、それぞれ回転可能になっている。マグネットローラー容器404は可動台407に固定されており、移動機構408によって電子写真感光体401磁性粉体403が接する位置まで移動し、これにより、電子写真感光体401表面を磁性粉体で研磨する構成となっている。
マグネットローラー402内部の磁性体により磁性粉体がブラシ状に形成され、電子写真感光体401の表面をマグネットローラー402上に形成されたブラシ状の磁性粉体により研磨する。これにより、研磨時に発生した研磨残渣及び研磨前、研磨中に付着したダスト等を研磨面から除去するとともに、研磨傷を抑制することが可能となる。
マグネットローラー402内部の磁性体は、通常のフェライト磁石等の金属や、プラスティックマグネット等の磁性体を用いて円筒状に形成したもので、マグネットローラー上に良好なブラシ状の磁性粉体を形成するためには、多極磁性体を用いることが好ましい。
また、磁性体の磁束線密度が低いものを用いた場合、マグネットローラー402表面で生じる磁性粉体の穂立ち部の流動性が高くなるため、電子写真感光体表面の微細な形状の凹部へと選択的に入り易くなり、研磨後の微細な形状は丸みを有する形状となる。逆に、磁性体の磁束線密度が高いものを用いた場合、穂立ち部の流動性が低下するために微細な形状の中で高い凸部が研磨されやすくなり、研磨後の微細な形状は凸部が平坦化された形状となる。よって、磁性体の磁束線密度は、電子写真感光体表面の形状等によって適宜選択する必要がある。しかし、磁束線密度が低くすぎる場合には磁性粉体をマグネットローラー402表面に維持できなくなることから、マグネットローラー402表面で30mT(=300G)以上となるような磁性体を使用することが好ましい。
図4(b)に示すように、マグネットローラー402表面を覆う磁性粉体403の層厚は、マグネットローラー402と板状の磁性体規制ブレード405との間隔(SB距離)により制御される。磁性粉体層の電子写真感光体401上におけるニップ幅(電子写真感光体と磁性粉体の接触部における周方向の幅)は、研磨レート、研磨後の形状に影響を与えるため、ニップ幅を安定して制御することにより安定性及び再現性の高い研磨が可能となる。ニップ幅の制御手段として、図4の研磨装置では上記SB距離及び電子写真感光体401とマグネットローラー402との間隔であるSD距離を制御することで容易に実現できる。SD距離は、図4に示す研磨装置においては、マグネットローラー容器404に接続されたマイクロメーター406により容易に調整が可能である。ニップ幅は、広げると研磨レートが上がり、狭めると下がることから、SB距離及びSD距離は適宜選択する必要がある。しかし、マグネットローラー402と電子写真感光体への接触を防ぐ点から、SB距離及びSD距離は400μm以上に、また、ニップ幅を広げていくと研磨レートが飽和することからSB距離は1500μm以下にすることが好ましい。
マグネットローラー402の外周は、磁力により吸引された磁性粉体403により覆われている。この磁性粉体としては、一般にフェライト、マグネタイト等の磁性粉体、周知の磁性トナーのキャリアを使用することが可能である。磁性粉体表面が樹脂膜等でコーティングされていると、電子写真感光体と磁性粉体との摩擦が低下し、研磨レートが低下するため磁性粉体表面がコーティングされていない磁性粉体を使用することが好ましい。
また、磁性粉体の形状は、焼結体等の球形の磁性粉体と焼結体を粉砕したもの等の不定形の磁性粉体とに大きく分けられる。球形の磁性粉体よりも不定形の磁性粉体の方が電子写真感光体表面と磁性粉体との摩擦抵抗が大きくなるため研磨レートが高くなる。このことから、磁性粉体の形状は研磨レート等によって適宜選択する必要がある。
磁性粉体403による研磨の際、電子写真感光体401を回転させて、電子写真感光体表面を研磨することにより、電子写真感光体外周を均一に研磨することが可能となる。電子写真感光体の回転数は、目的の微視的及び巨視的な表面形状により適宜選択する必要があるが、研磨時の回転数は、特に巨視的な表面形状の制御に効果的である。回転数を下げると電子写真感光体表面の巨視的な表面形状の山が選択的に研磨され、且つ研磨レートも低下する傾向が見られる。逆に、回転数を上げていくと巨視的な表面形状の谷が選択的に研磨され、且つ研磨レートも向上する傾向が見られる。そのため、研磨後の電子写真感光体表面の形状、研磨レート及び研磨量によって適宜選択する必要があるが、安定した研磨を行うためには、10〜500rpmで回転させることが好ましい。
また、電子写真感光体表面を研磨する際に、マグネットローラー402に吸引されている磁性粉体403を常に入れ替えることにより、安定した研磨を行うことが可能となるため、マグネットローラー402も回転させることが好ましい。このとき、マグネットローラー402の回転方向は、電子写真感光体表面と磁性粉体が接する位置で電子写真感光体401の回転方向とマグネットローラー402の回転方向が同一方向よりも逆方向の方が、研磨レートが向上する。このことからマグネットローラー402の回転方向を図4に示すように逆方向にする方が研磨時間短縮の点から好ましい。
図5は、本発明で電子写真感光体の微視的及び巨視的な表面形状を制御するために用いた電子写真感光体表面を研磨テープより研磨する研磨装置の一例を示した模式的な概略断面図である。加圧弾性ローラー容器507内に加圧弾性ローラー503が接続されている。不図示の回転機構に接続された定量送り出しローラー510とキャプスタンローラー509によって研磨テープ502は送り出し量が制御されている。送り出しロール504から送り出された研磨テープは、搬送経路支持棒511を経由して巻き取りロール505によって巻き取られる構成となっている。加圧弾性ローラー容器507は、移動機構506によって電子写真感光体501方向へと移動することによって、電子写真感光体501表面に研磨テープ502を押し当てて研磨を行う構成となっている。
研磨テープ502は、通常ラッピングテープと呼ばれるものが好ましく、砥粒としては炭化珪素(SiC)、酸化アルミ(Al)、α酸化鉄(Fe)、酸化クロム(Cr)、ダイヤモンド(C)、シリカ(SiO)、炭酸バリウム(BaCO)等が用いられる。また、砥粒の粒径は、細かすぎると研磨レートが低下し、粗すぎると電子写真感光体表面への加工ダメージが大きくなることから、0.1〜100μm、更には1〜40μmが好適である。
研磨テープ502は、一般によく知られた塗布方法、例えばドクターブレード(ナイフエッジ)コート法、デップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法、エクストルージョンコート法等により塗布することが可能である。
研磨テープの送り速度は、研磨レート、研磨傷、処理コスト、摩擦による発熱等を考慮しながら適宜決定すれば良いが、1〜300mm/min、更には10〜100mm/minにすることが好ましい。
加圧弾性ローラー503は、芯金上に可撓性部材としてのゴムを形成することにより作成される。ゴムはネオプレン(登録商標)ゴム、シリコンゴム等の材質が挙げられる。JISゴム硬度が高くなると研磨レートは向上するが徐々に飽和していくため、JISゴム硬度が20〜90程度のものを用いるのが好ましい。
また、加圧弾性ローラー503の形状は、感光体母線方向に均一な処理を行うために、中央部の直径が両端部より太いものが好ましく、直径差が0.01〜0.6mm、さらには0.02〜0.4mmが好適である。
更に、電子写真感光体501を研磨する際に、加圧弾性ローラー503から回転する電子写真感光体501への押し当て圧力を9.8×10〜1.96×10N/mにすることが好ましく、4.9×10〜9.8×10N/mにすることがより好ましい。これは、押し当て圧力が低すぎると研磨レートの低下につながり、逆に、高すぎると研磨面での発熱により研磨テープの樹脂成分が多量に電子写真感光体表面へと転写されてしまうからである。
電子写真感光体501と研磨テープ502が接する研磨面において、摩擦熱による前記樹脂成分の電子写真感光体への転写及び研磨テープからの砥粒の脱落等を防ぐために、研磨面を水冷、冷風等で冷却した方が好ましい。研磨面の冷却方法としては、研磨面を直接冷却しても良いし、加圧弾性ローラー表面に冷却手段を接触させても良いし、電子写真感光体内部を冷却しても良い。
本発明において、電子写真感光体の巨視的な表面形状は、膜を形成する基板の表面形状に影響される。そのため、電子写真感光体の巨視的な表面形状を制御する手段として、基板の表面形状を制御することが好ましい。基板の表面形状を制御する手段としては、特に限定は無いが、基板の表面形状を厳密に制御する観点から、基板を旋盤等で切削加工することが好ましい。
「本発明に係わる電子写真感光体」
本発明は、基体上に少なくとも非晶質材料で構成された光導電層を有する電子写真感光体を用いることを特徴としている。図8に本発明に好適な電子写真感光体の一例として、a−Si電子写真感光体の模式的な概略断面図を示す。
図8(a)に示す電子写真用感光体は、円筒状基体801の上に、水素原子またはハロゲン原子を構成要素として含むアモルファスシリコン(以下「a−Si:H,X」と表記する。) を有する光導電層802が設けられている。
図8(b)に示す電子写真用感光体は、円筒状基体801の上に、a−Si:H,Xからなり光導電性を有する光導電層802と、アモルファスシリコン系(又はアモルファス炭素系)表面層803が設けられて構成されている。
図8(c)に示す電子写真用感光体は、円筒状基体801の上に、アモルファスシリコン系電荷注入阻止層804と、a−Si:H,Xからなり光導電性を有する光導電層802と、アモルファスシリコン系(又はアモルファス炭素系)表面層803が設けられて構成されている。光導電層802と表面層803の界面に関しては、連続的に変化させ界面反射を抑制する界面制御を施しても良い。
図8(d)に示す電子写真用感光体は、円筒状基体801の上に、光導電層802が設けられている。この光導電層はa−Si:H,Xからなる電荷発生層805及び電荷輸送層806とからなり、その上にアモルファスシリコン系(又はアモルファス炭素系)表面層803が設けられている。電荷発生層805と表面層803の界面に関しては、連続的に変化させ界面反射を抑制する界面制御を施しても良い。
本発明における電子写真感光体表面の研磨は、図8(b)、図8(c)、図8(d)のような表面層まで形成した後に行っても良いし、図8(a)のような光導電層802まで形成した後に研磨を行い、研磨後に表面層803を形成しても良い。
「本発明に係わる電子写真感光体製造装置」
上記a−Si電子写真感光体の作製方法は、一般的に知られている真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、熱CVD法、光CVD法、プラズマCVD法等の成膜方法により、基体上に図8に示すa−Si電子写真感光体を形成すればよく、なかでも、プラズマCVD法、すなわち、原料ガスにRF帯やVHF帯の高周波電力を印加してグロー放電により分解し、基体上に堆積膜を形成する方法によりa−Si電子写真感光体を作製することが好ましい。
図6は、電源周波数としてVHF帯を用いた高周波プラズマCVD法によるa−Si電子写真感光体製造装置の一例を示す模式的な概略構成図であり、図7は、異なる2つの高周波電力を出力可能な高周波プラズマCVD法によるa−Si電子写真感光体製造装置の一例を示す模式的な概略構成図である。これらの一例として図6に示す電子写真感光体製造装置について説明する。図6のa−Si電子写真感光体製造装置は、少なくとも、円筒状基体601を内包できる減圧可能な反応容器602、反応容器602内に原料ガスを供給するための原料ガス導入管609及び原料ガスを分解するための電力を導入するカソード607からなる堆積装置、反応容器602内に原料ガスを供給する原料ガス供給装置604、反応容器602内を排気するための不図示の排気装置及びカソード607に電力を供給する電力供給装置からなる。
まず、反応容器602内に円筒状基体601を設置し、不図示の排気装置による排気口612を介して反応容器602内を排気した後、不活性ガスを反応容器602内に供給する。そして、反応容器602の内圧が所望の圧力に設定した後に、ヒーター608によって円筒状基体601を所望の温度まで加熱を行う。
以上の手順により加熱工程が終了した後、続いて堆積層形成工程を行う。反応容器602内の不活性ガスを不図示の排気装置により排気した後、反応容器602内に原料ガス供給装置604から原料ガス導入管609を介して原料ガスを供給する。反応容器602の内圧が安定したところで、高周波電力源605からカソード607にマッチングボックス606を介して高周波電力の供給を行い、反応容器602内にグロー放電を生起させる。この放電エネルギーによって、反応容器602内の原料ガスが分解され、円筒状基体601上に所定の堆積層が形成される。なお、堆積層の基体周方向の均一性を向上させるために、堆積層形成中、駆動部610を介してモーター611によって基体601を所定の速度で回転させる方法が有効である。こうして、堆積層が所望の膜厚に到達したら高周波電力の供給を停止し、原料ガス供給装置604からの原料ガスの供給を停止することで堆積層の形成を終える。同様の作業を複数回続けて行うことによって多層構造を持つ堆積層を形成することが可能になる。
[電子写真装置]
本発明により作製された電子写真感光体が用いられる電子写真装置の一実施形態を図9に示す。なお、本例の電子写真装置は、円筒状の電子写真感光体が用いられる場合に好適なものである。
図9において、電子写真感光体901の周囲に、電子写真感光体901に静電潜像形成のための帯電を行う一次帯電器902と、静電潜像の形成された電子写真感光体901に現像用トナーを供給するための現像器903と、電子写真感光体表面のトナーを紙などの転写材904に移行させるための転写帯電器905と、電子写真感光体表面のクリーニングするためのクリーナー906とが配設されている。また、電子写真感光体901の内部には、不図示の感光体ヒーターが配設されており、この感光体ヒーターによって電子写真感光体901を加熱できる構成となっている。また、クリーナー906と一次帯電器902の間には、次回の複写動作に備えて電子写真感光体表面の除電を行うための除電ランプ909が配設されており、また転写材904は送りローラー910により送られる。露光Aの光源には、ハロゲン光源、あるいは単一波長を主とする光源を用いる。
このような電子写真装置を用いた複写画像の形成は、例えば以下のように行なわれる。まず、電子写真感光体901を所定の速度で矢印の方向へ回転させ、一次帯電器902を用いて電子写真感光体901の表面を一様に帯電させる。次に、帯電された電子写真感光体901の表面に画像の露光Aを行い、該画像の静電潜像を電子写真感光体901の表面に形成させる。そして電子写真感光体901表面に静電潜像の形成された静電潜像部が現像器903の設置部を通過する際に、現像器903によってトナーが電子写真感光体901の表面に供給され、静電潜像がトナー911による画像として顕像化(現像)され、更にこのトナー画像は感光体901の回転とともに転写帯電器905の設置部に到達し、ここで送りローラー910によって送られてくる転写材904に転写される。
転写終了後、分離帯電器により転写材を電子写真感光体から静電気力を利用して分離させる。分離はベルト、爪などを用いて機械的に分離しても良い。次の複写工程に備えるために電子写真感光体901の表面から残留トナーがクリーナー906によって除去され、更に電子写真感光体901表面の電位がゼロ若しくは殆どゼロとなるように除電ランプ909により除電され、1回の複写工程を終了する。
以下、実施例及び比較例により本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらにより何ら制限されるものではない。
<電子写真感光体作製例1>
アルミニウム製の円筒状基体(直径80mm、長さ358mm)をダイヤモンドミラクルバイトにより鏡面加工し、その円筒状基体の巨視的な表面形状が、下記に示す<表面粗さ計による巨視的表面粗さの測定方法>により切断レベル差δc[5%〜95%](負荷長さ率(mr)の5%〜95%までの距離)が0.15±0.1μm、山と山の間隔が120±10μmとなるように加工した。次に、図6に示すプラズマ処理装置を用いて、上記円筒状基体上に表1に示す条件で、電荷注入阻止層、光導電層、表面層の順に成膜を行い、正帯電a−Si電子写真感光体を作製した。このとき、105MHzの高周波電力を出力可能な高周波電源を用いた。また、表1に示す製造条件中の「200→20」はガス流量を200ml/min(normal)から20ml/min(normal)まで連続的に変化させることを表す。
<表面粗さ計による巨視的表面粗さの測定方法>
測定位置は、電子写真感光体の任意の円周方向を0°とした時の0°位置と180°位置における電子写真感光体の長手方向における中心位置と中心位置から±100mm位置の3×2ヶ所、計6ヶ所を、表面粗さ計(Mitutoyo製:SV−C4000)により測定し、Dualtrace PackのSurfpackを用いて解析した。
表面粗さ計の測定条件は、温度23±3℃、湿度55±5%の室内において、先端半径5μmの標準スタイラス(12AAB403)及び標準ノーズピース(12AAC753)を取り付け、速度0.1mm/S、ピッチ0.5μm、4mN用検出器でとした。また、評価条件は、R曲線(断面曲線)、規格を OLDMIX とし、基準長さ0.8mm、区間数5、評価長さ4.0mm、助走及び後走0.4mm、フィルタ種別をGaussian、λcを0.8mm、λsを0.008mmとした。
これにより得られた粗さ曲線から、図10に示すように切断レベル差δcの基準線を負荷長さ率5%、切断線を負荷長さ率95%に設定してδc[5%〜95%]を求めた。このようにして各測定位置で求めたδc[5%〜95%]の平均値をaとした。
また、得られた粗さ曲線において、カウントレベルを最大高さの10%に設定してPc(ピークカウント、単位:個/cm)を求め、このPcの逆数に10を掛けて山と山の間隔を算出した。このようにして各測定位置で求めた山と山の間隔の平均値をbとした。
次に、得られた粗さ曲線から、図11に示すように基準線を負荷長さ率0%とし、切断線を負荷長さ率が5%、10%、15%及び20%に設定して各負荷長さ率における最高点からの距離を求めた。得られた測定データを横軸に最高点からの距離(μm)、縦軸に負荷長さ率(%)として直線近似し、直線の傾きを求めた。各測定位置で求めた近似直線の傾きの平均値をcとした。
更に、基準線を負荷長さ率0%とし、切断線を負荷長さ率が80%、85%、90%及び95%に設定して各負荷長さ率における最高点からの距離を求めた。得られた測定データを横軸に最高点からの距離(μm)、縦軸に負荷長さ率(%)として直線近似し、直線の傾きを求めた。各測定位置で求めた近似直線の傾きの平均値をdとした。
《実施例1》
電子写真感光体作製例1で作製した電子写真感光体を下記に示す研磨条件1により研磨時間をそれぞれ変えて研磨処理を実施した。電子写真感光体の微視的な表面形状を下記に示す<AFMによる微視的表面粗さの測定方法>により評価し、Aの値(μm)が表2に示す値をとるような研磨時間を割り出した。更に、かかる条件を満たす研磨時間で研磨処理を実施した後の電子写真感光体の微視的な表面形状A、B、C、Dを下記に示すAFMによる測定方法により求め、巨視的な表面形状a、b、c、dを前述した表面粗さ計による測定方法により求めた。測定結果は表5に示す。
上記の電子写真感光体1から7について、下記に示す研磨剤作製例1により作製した研磨剤を下記に示す現像用トナー作製例1に添加して作製した現像用トナーを用いて、高湿流れ(文字)、高湿流れ(HT)、黒スジ及びクリーニング不良を下記の条件により評価した。このとき、トナー粒子に外添した研磨剤は研磨剤作製例1に示すST(1)を用いた。評価結果は表5に示す。
<研磨条件1>
図4の研磨装置を用いて、電子写真感光体401の研磨を行った。研磨条件は、電子写真感光体の回転数を90rpm、マグネットローラー402の回転数を240rpm、マグネットローラー402の磁力を900G、SD距離を0.4mm、SB距離を1.0mmに調整し、磁性粉体403は、同和鉄粉工業株式会社製Cu−Znフィライト(DFC450)を3.0μm以下の粒径の磁性粉体を取り除いたものを用いた。
<AFMによる微視的表面粗さの測定方法>
測定位置は、表面粗さ計の測定位置と同じ位置を測定した。AFMは、Quesant社製 Q−SCOPE250(Version3.181)、ヘッドTape10、プローブNSC16を用い、10μm×10μmの範囲をSCAN RATE 4Hzで測定したAFM観察像をQuesant社製 Q−SCOPE250のTilt RemovalのParabolic Line by line補正を行った後に得られる三次元形状から成るAFM観察像を、Histogram AnalysisのBearing Ratioによりグラフ化させた。
このグラフのBearing Ratio5%から95%に対応するsurface Height[5%〜95%]を求め、各測定位置で求めたsurface Height[5%〜95%]の平均値をAとした。
また、上記グラフからBearing Ratioが5%、10%、15%及び20%位置での各surface Heightを求めた。得られた測定データを横軸surface Height(μm)、縦軸Bearing Ratio(%)として直線近似して直線の傾きを求めた。各測定位置で求めた近似直線の傾きの平均値をCとした。
更に、上記グラフからBearing Ratioが80%、85%、90%及び95%位置での各surface Heightを求めた。得られた測定データを横軸が深さ(μm)、縦軸がmr(%)として直線近似して直線の傾きを求めた。各測定位置で求めた近似直線の傾きの平均値をDとした。
また、前記Tilt RemovalのParabolic Line by line補正を行った後に得られる三次元形状から成るAFM観察像を、Histogram AnalysisのHeight Histogramによりグラフ化させた。このグラフを用いてRoughness Parameterの最大高さRtを求めた。
次に、前記補正後のAFM観察像をDimensionにより二次元化した。Profile Horizontal sectionを選択し、二次元化したAFM観察像の測定位置にカーソルを動かし、Calibration MenuのXY:Two Pointを選択して測定位置の断面形状を表示させた。この断面形状を用いて山と山の間隔を求めた。山と山の測定方法は、図13に示すように、山の頂点から左右それぞれの谷の底点までの距離がRtに対して5%以上あった場合に山とみなし、断面形状内の山の数を求めた。次に、最初の山から最後の山の頂点までの間隔を測定し、前記求めた間隔を山の数で割って山と山の間隔を求めた。測定位置は、y軸の1、3、5、7、9μm位置の5点である。各測定位置で求めた山と山の間隔の平均値をBとした。
<研磨剤作製例1>
炭酸ストロンチウム600gと酸化チタン350gをボールミルにて、8時間湿式混合した後、ろ過乾燥し、この混合物を10kg/cmの圧力にて成形して7時間焼結した。これを、機械粉砕して、焼結工程を経由したチタン酸ストロンチウム微粉体を作製した。
焼結温度及び機械粉砕時間を変化させ、表3に示すチタン酸ストロンチウム(以下、STと示す)微粉体を作製した。
<トナー作製例1>
・スチレン−n−ブチルアクリル重合体‥100部
(共重合質量比=78:22、重量平均分子量=38万)
・カーボンブラック‥8部
・3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸のアルミニウム化合物‥5部
・パラフィンワックス(融点=80℃)‥2部。
上記コンパウンドをヘンシェルミキサーにて混合し、二軸押し出し混錬機で溶融混錬した後、ハンマーミルで粗粉砕し、ジェットミルで微粉砕した後、分級してトナー粒子Aを作製した。
上記作製したトナー粒子A 100部に対して、シリカ微粉体(商品名R974、一次粒子の平均径約12nm、日本アエロジル社製)100部をヘキサメチルジシラザン7部で表面処理した疎水性シリカ(Bet比表面積=85m/g)1.2部及び作製したチタン酸ストロンチウム微粉体0.9部をヘンシェルミキサーで外添してトナーを作製した。
<電子写真装置を用いた評価方法>
評価に使用した電子写真装置は、キヤノン製デジタル電子写真装置iR−6000を用いた。
高湿流れ及び画像欠陥の評価は、電子写真感光体を30℃、80%の高温高湿環境下に設置し、昼間電子写真感光体を稼働して耐久を実施している間は感光体ヒーターをONにして感光体表面温度を約40℃に維持し、夜間電子写真装置を停止している間は感光体ヒーターをOFFにするシーケンスで耐久評価により実施した。
<高湿流れの評価>
高湿流れの評価は、印字率1%と通常より印字率を下げたテストパターンを用いて、A4コピー用紙を一日当り2万枚の連続通紙耐久を5日間実施して10万枚までの通紙耐久を行った後、環境条件を35℃/85%に変更し、一昼夜放置し、次の朝一番に画像出しを行い高湿流れの評価を行った。画像は、6ポイントから8ポイントの「電」文字が一行に繰り返し印刷された文字テストチャートとハーフトーン(HT)チャートを原稿台におき、コピーをした時に得られたコピー画像を使用した。
文字チャートにより得られたコピー画像を観察し、どのポイントの文字までが読み取れるのかを評価した。但し、この時、画像上でムラがある場合には、全画像領域で評価し最も悪い部分の結果を示した。評価基準は次の通りである。
◎‥6ポイントの文字まで読むことができる。
○‥7ポイントの文字まで読むことができる。
△‥8ポイントの文字まで読むことができる。
×‥8ポイントの文字の一部が読むことができない。
また、HTチャートより得られたコピー画像の画像濃度を測定した。測定位置は、図15に示すように、A3のコピー画像における電子写真感光体の長手方向に対応するコピー画像の中心を電子写真感光体回転方向に1cm角の範囲に分割して各範囲の画像濃度を測定し、反射濃度の最大値に対する最小値の比率(反射濃度の最小値/反射濃度の最大値)を求めて比較した。画像濃度の測定は、画像濃度計(MacbethRD914)を用いて測定した。評価基準は次の通りである。
◎‥最も濃度の低い範囲の画像濃度が最も濃度の高い範囲の画像濃度に対して90%以上100%以下で非常に良好。
○‥最も濃度の低い範囲の画像濃度が最も濃度の高い範囲の画像濃度に対して85%以上90%未満で良好。
△‥最も濃度の低い範囲の画像濃度が最も濃度の高い範囲の画像濃度に対して80%以上85%未満で実用上問題無し。
×‥最も濃度の低い範囲の画像濃度が最も濃度の高い範囲の画像濃度に対して80%未満で、目視で濃度差が確認できる。
<画像欠陥の評価方法>
画像欠陥は、高湿流れ評価と同様の連続通紙耐久を行った後、以下に示す方法で実施した。黒スジの評価は、全白チャートとしてキヤノン製カラーレーザーコピア用紙(TKCL A3)を原稿台におき、コピーをした時に得られたコピー画像を観察し、また、クリーニング不良の評価は、図16に示すA3のテストチャートを原稿台におき、コピーをした時に得られたコピー画像を使用した。
黒スジの評価は、全白チャートにより得られたコピー画像を観察し、画像上に長さ1mm以上の黒スジが確認できるかを評価した。評価基準は次の通りである。
◎‥全く確認できない。
○‥1mm未満の黒スジが僅かに確認できる。
△‥1mm以上の黒スジが僅かに確認できる。
×‥1mm以上の黒スジが容易に確認できる。
クリーニング不良の評価は、図16に示すような反射濃度が1.5である直径10mmの黒円がA3用紙の中央に10mm間隔で合計20個印刷してあるテストチャートを原稿台におき、コピーをした時に得られたコピー画像の画像濃度を測定し、最も濃度が濃い黒円から順に選んだ10個の平均値を求めた。画像濃度の測定は、画像濃度計(MacbethRD914)を用いて測定した。評価基準は次の通りである。
◎‥測定した反射濃度が1.4以上。
○‥測定した反射濃度が1.3以上1.4未満。
△‥測定した反射濃度が1.2以上1.3未満。
×‥測定した反射濃度が1.2未満。
《比較例1》
電子写真感光体作製例1で作製した電子写真感光体を研磨せずに、前述のAFMによる測定方法によりA、B、C、Dを、また、前述の表面粗さ計による測定方法によりa、b、c、dを求めた。更に高湿流れ(文字)、高湿流れ(HT)、黒スジ及びクリーニング不良を実施例1と同様に評価した。評価結果は表5に示す。但し、比較例1で用いた電子写真感光体の番号は(1)とする。
《比較例2》
電子写真感光体作製例1で作製した電子写真感光体を実施例1と同様の研磨条件1により研磨時間をそれぞれ変えて研磨処理を実施し、実施例1と同様の方法で求められるAの値(μm)が表4に示す値をとるような研磨時間を割り出した。さらに、かかる条件を満たす研磨時間で研磨処理を実施した後の電子写真感光体の微視的な表面形状A、B、C、D及び巨視的な表面形状a、b、c、dを実施例1と同様に求めた。測定結果は表4に示す。更に高湿流れ(文字)、高湿流れ(HT)、黒スジ及びクリーニング不良を実施例1と同様に評価した。評価結果は表5に示す。
実施例1及び比較例1、2により求めたA、B、C、D、a、b、c、d、f(A,B,R)、g(a,b,R)、A×a、B/A、b/aの測定結果及び高湿流れ(文字)、高湿流れ(HT)、黒スジ及びクリーニング不良の評価結果を表5に示す。
表5の結果より、電子写真感光体の微視的及び巨視的な表面形状を、Aが0.02μm以上0.25μm以下、Bが0.8μm以上1.9μm以下、aが0.07μm以上0.15μm以下、bが125μm以上150μm以下、A×aが1.4×10−3μm以上3.8×10−2μm 以上、且つ、微視的及び巨視的な表面形状と研磨剤の粒径の関係を、f(A,B,R)が2.6以上30以下、g(a,b,R)が4.0以上8.6以下に制御されることで高湿流れ(文字)、高湿流れ(HT)、黒スジ及びクリーニング不良が改善され、特性が良好となった。また、B/Aが4.5以上70以下に制御されることで高湿流れ(文字)及び高湿流れ(HT)が改善され、特性が良好となった。更に、Aが0.04μm以上、Bが1.8μm以下、aが0.08μm以上、bが145μm以下、A×aが3.2×10−3μm以上、f(A,B,R)が15以下、g(a,b,R)が7.5以下に制御されることで更に高湿流れ(文字)、高湿流れ(HT)、黒スジ及びクリーニング不良が改善され、特性が良好となり、高湿流れ(文字)、高湿流れ(HT)、黒スジ及びクリーニング不良に対して特に改善され、特性が良好となった。
<電子写真感光体作製例2>
電子写真感光体作製例1に示す条件により電子写真感光体を作製した。但し、電子写真感光体作製例2では、巨視的な表面形状が、表面粗さ計で求められるδc[5%〜95%]が0.28±0.1μm、山と山の間隔が200±10μmとなるように加工した円筒状基体を用いて電子写真感光体を作製した。
《実施例2》
電子写真感光体作製例2で作製した電子写真感光体を実施例1と同様の研磨条件1により研磨時間をそれぞれ変えて研磨処理を実施し、実施例1と同様の方法で求められるAの値(μm)が表6に示す値をとるような研磨時間を割り出した。さらに、かかる条件を満たす研磨時間で研磨処理を実施した後の微視的な表面形状A、B、C、D及び巨視的な表面形状a、b、c、dを実施例1と同様に求めた。測定結果は表9に示す。
上記の電子写真感光体8〜13について、高湿流れ(文字)、高湿流れ(HT)、黒スジ及びクリーニング不良を実施例1と同様に評価した。但し、トナー粒子に外添した研磨剤は研磨剤作製例2に示すST(8)を用いた。評価結果は表9に示す。
<研磨剤作製例2>
硫酸チタニル水溶液を加水分解して得られた含水酸化チタンスラリーをアルカリ水溶液で洗浄した。次に、前記含水酸化チタンスラリーに塩酸を添加してpHを調整し、チタニアゾル分散液を得た。前記チタニアゾル分散液にNaOHを添加し、分散液のpHを調整し、上澄み液の電気伝導度が100μS/cmになるまで洗浄を繰り返した。前記含水酸化チタンに対し、約1倍モル量のSr(OH)・8HOを加えてSUS製反応容器に入れ、窒素ガスで置換した。更に、SrTiO換算で0.3mol/リットルになるように蒸留水を加えた。窒素雰囲気下で前記スラリーを反応温度まで昇温し、反応温度を保持して反応させた。反応後、室温まで冷却し、上澄み液を除去した後、純水で洗浄を繰り返した。前記スラリーを純水で繰り返し洗浄した後、ヌッチェでろ過し、得られたケーキを乾燥してチタン酸ストロンチウム微粉体を作製した。
反応温度、昇温速度、水溶液のpHを変化させ、表7に示すチタン酸ストロンチウム(以下、STと示す)微粉体を作製した。
《比較例3》
電子写真感光体作製例2で作製した電子写真感光体を研磨せずに、実施例1と同様にA、B、C、D及びa、b、c、dを求めた。更に、実施例2と同様に高湿流れ(文字)、高湿流れ(HT)、黒スジ及びクリーニング不良を評価した。評価結果は表9に示す。但し、比較例3で用いた電子写真感光体の番号は(5)とする。
《比較例4》
電子写真感光体作製例2で作製した電子写真感光体を実施例1と同様の研磨条件1により研磨時間をそれぞれ変えて研磨処理を実施し、実施例2と同様の方法で求められるAの値(μm)が表8に示す値をとるような研磨時間を割り出した。更に、かかる条件を満たす研磨時間で研磨処理を実施した後のA、B、C、D及びa、b、c、dを実施例1と同様に求めた。更に、実施例1と同様に高湿流れ(文字)、高湿流れ(HT)、黒スジ及びクリーニング不良を評価した。評価結果は表9に示す。
実施例2及び比較例3、4により求めたA、B、C、D、a、b、c、d、f(A,B,R)、g(a,b,R)、A×a、B/A、b/aの測定結果及び高湿流れ(文字)、高湿流れ(HT)、黒スジ及びクリーニング不良の評価結果を表9に示す。
表9の結果より、電子写真感光体の微視的及び巨視的な表面形状を、Aが0.01μm以上0.10μm以下、Bが1.1μm以上1.8μm以下、aが0.14μm以上0.19μm以下、bが225μm以上235μm以下、A×aが1.4×10−3μm以上1.9×10−2μm以下、且つ、微視的及び巨視的な表面形状と研磨剤の粒径の関係を、f(A,B,R)が2.0以上20以下、g(a,b,R)が1.1以上1.4以下に制御されることで高湿流れ(文字)、高湿流れ(HT)、黒スジ及びクリーニング不良が改善され、特性が良好となった。また、Cが3000%/μm以下、Dが2000%/μm以下に制御されることで更に黒スジ及びクリーニング不良が改善され、特性が良好となった。更に、Aが0.03μm以上、aが0.15μm以上、bが230μm以下、A×aが4.5×10−3μm以上、f(A,B,R)が6.7以下に制御されることで更に高湿流れ(HT)及びクリーニング不良が改善され、特性が良好となり、高湿流れ(文字)、高湿流れ(HT)、黒スジ及びクリーニング不良に対して特に改善され、特性が良好となった。
<電子写真感光体作製例3>
電子写真感光体作製例1に示す条件により電子写真感光体を作製した。但し、電子写真感光体作製例3では、巨視的な表面形状が、表面粗さ計で求められるδc[5%〜95%]が0.09±0.1μm、山と山の間隔が150±10μmとなるように加工した円筒状基体を用いて電子写真感光体を作製した。
《実施例3》
電子写真感光体作製例3で作製した電子写真感光体を実施例1と同様の研磨条件1により研磨時間をそれぞれ変えて研磨処理を実施し、実施例1と同様の方法で求められるAの値(μm)が表10に示す値をとるような研磨時間を割り出した。さらに、かかる条件を満たす研磨時間で研磨処理を実施した後の微視的な表面形状A、B、C、D及び巨視的な表面形状a、b、c、dを実施例1と同様に求めた。測定結果は表12に示す。
上記の電子写真感光体14〜21について、高湿流れ(文字)、高湿流れ(HT)、黒スジ及びクリーニング不良を実施例1と同様に評価した。但し、トナー粒子に外添した研磨剤は研磨剤作製例2に示すST(6)を用いた。評価結果は表12に示す。
《比較例5》
電子写真感光体作製例3で作製した電子写真感光体を研磨せずに、実施例1と同様にA、B、C、D及びa、b、c、dを求めた。更に、実施例3と同様に高湿流れ(文字)、高湿流れ(HT)、黒スジ及びクリーニング不良を評価した。評価結果は表12に示す。但し、比較例5で用いた電子写真感光体の番号は(10)とする。
《比較例6》
電子写真感光体作製例3で作製した電子写真感光体を実施例1と同様の研磨条件1により研磨時間をそれぞれ変えて研磨処理を実施し、実施例1と同様の方法で求められるAの値(μm)が表11に示す値をとるような研磨時間を割り出した。さらに、かかる条件を満たす研磨時間で研磨処理を実施した後のA、B、C、D及びa、b、c、dを実施例1と同様に求めた。更に、実施例3と同様に高湿流れ(文字)、高湿流れ(HT)、黒スジ及びクリーニング不良を評価した。評価結果は表12に示す。
実施例3及び比較例5、6により求めたA、B、C、D、a、b、c、d、f(A,B,R)、g(a,b,R)、A×a、B/A、b/aの測定結果及び高湿流れ(文字)、高湿流れ(HT)、黒スジ及びクリーニング不良の評価結果を表12に示す。
表12の結果より、電子写真感光体の微視的及び巨視的な表面形状を、Aが0.02μm以上0.30μm以下、Bが0.7μm以上2.0μm以下、aが0.05μm以上0.10μm以下、bが155μm以上185μm以下、A×aが1.0×10−3μm以上3.0×10−2μm以下、且つ、微視的及び巨視的な表面形状と研磨剤の粒径の関係を、f(A,B,R)が0.15以上2.0以下、g(a,b,R)が0.40以上0.80以下に制御されることで高湿流れ(文字)、高湿流れ(HT)、黒スジ及びクリーニング不良が改善され、特性が良好となった。また、Cが250%/μm以上、Dが200%/μm以上、cが1000%/μm以下、dが1000%/μm以下に制御することで高湿流れ(文字)及び黒スジが良好となり、B/Aが4.5以上、b/aが3000以下となることで高湿流れ(HT)及びクリーニング不良がより改善され、特性が良好となった。更に、Aが0.10μm以上0.20μm以下、Bが1.1μm以上1.5μm以下、bが170μm以下、A×aが6.0×10−3μm以上1.6×10−2μm以下、f(A,B,R)が0.21以上0.40以下、g(a,b,R)が0.50以上0.67以下に制御されることで更に高湿流れ(文字)及び高湿流れ(HT)が改善され、特性が良好となり、高湿流れ(文字)、高湿流れ(HT)、黒スジ及びクリーニング不良に対して特に良好となった。
<電子写真感光体作製例4>
アルミニウム製の円筒状基体(直径80mm、長さ358mm)をダイヤモンドミラクルバイトにより鏡面加工し、その円筒状基体の巨視的な表面形状の山と山の平均間隔が150±10μmとし、切断レベル差δc[5%〜95%]が表13に示す値をとるように加工した。次に、図7に示すプラズマ処理装置を用いて、上記円筒状基体上に表14に示す条件で、電荷注入阻止層、光導電層、表面層の順に成膜を行い、正帯電a−Si電子写真感光体を作製した。作製したa−Si電子写真感光体表面を上記条件によりAFMで微視的な表面形状を測定したところ、円筒状基体の巨視的な表面形状の影響をほぼ受けず、Aが0.20±0.01μmであった。
このとき、105MHz及び60MHzの高周波電力を出力可能な高周波電源を用いた。また、表14に示す製造条件中の「240→20」はガス流量を240ml/min(normal)から20ml/min(normal)まで連続的に変化させることを表す。
《実施例4》
電子写真感光体作製例4で作製した電子写真感光体を実施例1と同様の研磨条件1により電子写真感光体の微視的な表面形状Aが0.10μmになるまで研磨処理を実施した。電子写真感光体の研磨が終了した後、実施例1と同様に微視的な表面形状A、B、C、D及び巨視的な表面形状a、b、c、dを求めた。測定結果は表15に示す。但し、基板番号〔2〕〜〔11〕の各基板上に形成された研磨後の電子写真感光体の感光体番号を各々22〜32とする。
上記の電子写真感光体22〜32について、高湿流れ(文字)、高湿流れ(HT)、黒スジ及びクリーニング不良を実施例1と同様に評価した。但し、トナー粒子に外添した研磨剤は研磨剤作製例1に示すST(1)を用いた。評価結果は表15に示す。
《比較例7》
電子写真感光体作製例4で作製した電子写真感光体を実施例4と同様に電子写真感光体の微視的な表面形状Aが0.10μmになるまで研磨処理を実施した。電子写真感光体の研磨が終了した後、実施例1と同様に微視的な表面形状A、B、C、D及び巨視的な表面形状a、b、c、dを求めた。測定結果は表15に示す。但し、基板番号〔1〕、〔12〕、〔13〕の各基板上に形成された研磨後の電子写真感光体の感光体番号を各々(13)、(14)、(15)とする。更に、実施例4と同様に高湿流れ(文字)、高湿流れ(HT)、黒スジ及びクリーニング不良を評価した。
実施例4及び比較例7により求めたA、B、C、D、a、b、c、d、f(A,B,R)、g(a,b,R)、A×a、B/A、b/aの測定結果及び高湿流れ(文字)、高湿流れ(HT)、黒スジ及びクリーニング不良の評価結果を表15に示す。
表15の結果より、電子写真感光体の微視的及び巨視的な表面形状を、Bが1.8μm以上2.0μm以下、aが0.03μm以上0.45μm以下、A×aが3.0×10−3μm以上4.5×10−2μm以下、又、微視的及び巨視的な表面形状と研磨剤の粒径の関係を、g(a,b,R)が1.3以上20以下に制御されることで高湿流れ(文字)、高湿流れ(HT)、黒スジ及びクリーニング不良が改善され、特性が良好となった。また、cが260%/μm以上1000%/μm以下、dが220%/μm以上980%/μm以下に制御されることで高湿流れ(HT)及びクリーニング不良が改善され、特性が良好となり、b/aが409以上2800以下となることで高湿流れ(文字)及び黒スジが改善され、より良好となった。更に、aが0.06μm以上0.30μm以下、A×aが6.0×10−3μm以上3.0×10−2μm以下、g(a,b,R)が2.0以上10以下に制御されることで高湿流れ(HT)及びクリーニング不良が更に改善され、特性が良好となり、高湿流れ(文字)、高湿流れ(HT)、黒スジ及びクリーニング不良に対して特に改善され、特性が良好となった。
《実施例5》
電子写真感光体作製例4で作製した電子写真感光体を実施例1と同様の研磨条件1により、電子写真感光体の微視的な表面形状Aが0.06μmになるまで研磨処理を実施した。電子写真感光体の研磨が終了した後、実施例1と同様に微視的な表面形状A、B、C、D及び巨視的な表面形状a、b、c、dを求めた。測定結果は表16に示す。但し、基板番号〔3〕〜〔12〕の各基板上に形成された研磨後の電子写真感光体の感光体番号を各々33〜42とする。
上記の電子写真感光体33〜42について、高湿流れ(文字)、高湿流れ(HT)、黒スジ及びクリーニング不良を実施例1と同様に評価した。但し、トナー粒子に外添した研磨剤は研磨剤作製例2に示すST(6)を用いた。評価結果は表16に示す。
《比較例8》
電子写真感光体作製例4で作製した電子写真感光体を実施例5と同様に電子写真感光体の微視的な表面形状Aが0.06μmになるまで研磨処理を実施した。電子写真感光体の研磨が終了した後、実施例1と同様に微視的な表面形状A、B、C、D及び巨視的な表面形状a、b、c、dを求めた。測定結果は表16に示す。但し、基板番号〔1〕、〔2〕、〔13〕、〔14〕の各基板上に形成された研磨後の電子写真感光体の感光体番号を各々(16)、(17)、(18)、(19)とする。更に、実施例5と同様に高湿流れ(文字)、高湿流れ(HT)、黒スジ及びクリーニング不良を評価した。
実施例5及び比較例8により求めたA、B、C、D、a、b、c、d、f(A,B,R)、g(a,b,R)、A×a、B/A、b/aの測定結果及び高湿流れ(文字)、高湿流れ(HT)、黒スジ及びクリーニング不良の評価結果を表16に示す。
表16の結果より、電子写真感光体の微視的及び巨視的な表面形状を、Bが2.0μm以上2.2μm以下、aが0.03μm以上0.40μm以下、bが120μm以上130μm以下、A×aが1.8×10−3μm以上2.4×10−2μm以下、且つ、微視的及び巨視的な表面形状と研磨剤の粒径の関係を、g(a,b,R)が0.10以上1.3以下に制御されることで高湿流れ(文字)、高湿流れ(HT)、黒スジ及びクリーニング不良が改善され、特性が良好となった。また、cが250%/μm以上840%/μm以下、dが200%/μm以上800%/μm以下に制御されることで高湿流れ(文字)、黒スジ及びクリーニング不良が改善され、特性が良好となり、b/aが400以上となることで高湿流れ(HT)が改善され、より良好となった。更に、aが0.26μm以下、A×aが1.6×10−2μm以下、g(a,b,R)が0.15以上に制御されることで更に高湿流れ(文字)が更に改善され、特性が良好となり、高湿流れ(文字)、高湿流れ(HT)、黒スジ及びクリーニング不良に対して特に改善され、特性が良好となった。
<電子写真感光体作製例5>
アルミニウム製の円筒状基体(直径80mm、長さ358mm)をダイヤモンドミラクルバイトにより鏡面加工し、その円筒状基体の巨視的な表面形状の切断レベル差δc[5%〜95%]が0.09±0.01μm、山と山の平均間隔が表17に示すように加工した。次に、図7に示すプラズマ処理装置を用いて、上記円筒状基体上に表14に示す条件で、電荷注入阻止層、光導電層、表面層の順に成膜を行い、正帯電a−Si電子写真感光体を作製した。作製したa−Si電子写真感光体表面を上記条件によりAFMで微視的な表面形状を測定したところ、円筒状基体の巨視的な表面形状の影響をほぼ受けず、Aが0.20±0.01μmであった。このとき、105MHz及び60MHzの高周波電力を出力可能な高周波電源を用いた。
《実施例6》
基体番号〔16〕〜〔24〕の円筒状基体上に電子写真感光体作製例5で作製した電子写真感光体を下記に示す研磨条件2により電子写真感光体の微視的な表面形状Aが0.15±0.01μmとなるまで研磨処理を実施した。電子写真感光体の研磨が終了した後、実施例1と同様に電子写真感光体の微視的な表面形状A、B、C、D及び巨視的な表面形状a、b、c、dを求めた。測定結果は表18に示す。但し、基板番号〔16〕〜〔24〕の各基板上に形成された研磨後の電子写真感光体の感光体番号を各々43〜51とする。
上記の電子写真感光体43〜51について、高湿流れ(文字)、高湿流れ(HT)、黒スジ及びクリーニング不良を実施例1と同様に評価した。但し、トナー粒子に外添した研磨剤は研磨剤作製例2に示すST(8)を用いた。評価結果は表18に示す。
<研磨条件2>
図5に示す研磨装置を用いて、電子写真感光体501の研磨を行った。研磨条件は、電子写真感光体の回転数を90rpm、研磨テープの送り速度を30mm/min、加圧弾性ローラー503から電子写真感光体501への圧力を4.9×10N/m、加圧弾性ローラーは、材質がJISゴム硬度50のネオプレン(登録商標)ゴムで、中央部の直径が両端部より0.1mm太い形状のもの、研磨テープ502は富士写真フィルム社製ラッピングテープLT−C2000(砥粒:炭化珪素(SiC)、粒径:6μm、塗布方法:ドクターブレード(ナイフエッジ)コート法)を用い、研磨テープの冷却を行わなかった。
《比較例9》
基体番号〔14〕、〔24〕の円筒状基体上に電子写真感光体作製例5で作製した電子写真感光体を上記に示す研磨条件2により電子写真感光体の微視的な表面形状Aが0.18±0.01μmとなるまで研磨処理を実施した。電子写真感光体の研磨が終了した後、実施例1と同様に電子写真感光体の微視的な表面形状A、B、C、D及び巨視的な表面形状a、b、c、dを求めた。測定結果は表18に示す。但し、基板番号〔14〕、〔24〕の各基板上に形成された研磨後の電子写真感光体の感光体番号を各々(20)、(21)とする。更に、実施例6と同様に高湿流れ(文字)、高湿流れ(HT)、黒スジ及びクリーニング不良を評価した。
実施例6及び比較例9により求めたA、B、C、D、a、b、c、d、f(A,B,R)、g(a,b,R)、A×a、B/A、b/aの測定結果及び高湿流れ(文字)、高湿流れ(HT)、黒スジ及びクリーニング不良の評価結果を表18に示す。
表18の結果より、電子写真感光体の巨視的な表面形状を、bが50μm以上350μm以下に制御されることで高湿流れ(文字)、高湿流れ(HT)、黒スジ及びクリーニング不良が改善され、特性が良好となった。また、bが80μm以上300μm以下に制御されることで高湿流れ(HT)及びクリーニング不良がより改善され、特性が良好となり、高湿流れ(文字)、高湿流れ(HT)、黒スジ及びクリーニング不良に対して特に改善され、特性が良好となった。
《実施例7》
電子写真感光体作製例1で作製した電子写真感光体を実施例1と同様の研磨条件1により電子写真感光体の微視的な表面形状Aが0.04μmになるまで研磨処理を実施した。電子写真感光体の研磨が終了した後、実施例1と同様に微視的な表面形状A、B、C、D及び巨視的な表面形状a、b、c、dを求めた。測定結果は表20に示す。
上記の研磨後の電子写真感光体について、トナー粒子に外添される研磨剤の平均粒径を表19のように変化させて作製したトナーを用いて、高湿流れ(文字)、高湿流れ(HT)、黒スジ及びクリーニング不良を実施例1と同様に評価した。評価結果は表20に示す。但し、研磨剤番号ST(1)〜ST(4)、ST(6)〜ST(8)を外添したトナーを用いて評価した電子写真感光体の感光体番号を各々52〜58とする。
《比較例10》
電子写真感光体作製例1で作製した電子写真感光体を実施例1と同様の研磨条件1により電子写真感光体の微視的な表面形状Aが0.04μmになるまで研磨処理を実施した。電子写真感光体の研磨が終了した後、実施例1と同様に微視的な表面形状A、B、C、D及び巨視的な表面形状a、b、c、dを求めた。測定結果は表20に示す。
上記の研磨後の電子写真感光体について、トナー粒子に外添される研磨剤の平均粒径が0.70μmである現像用トナーを用いて、高湿流れ(文字)、高湿流れ(HT)、黒スジ及びクリーニング不良を実施例7と同様に評価した。評価結果は表20に示す。但し、研磨剤番号ST(5)を外添したトナーを用いて評価した電子写真感光体の感光体番号(22)とする。
実施例7及び比較例10により求めたA、B、C、D、a、b、c、d、f(A,B,R)、g(a,b,R)、A×a、B/A、b/aの測定結果及び高湿流れ(文字)、高湿流れ(HT)、黒スジ及びクリーニング不良の評価結果を表20に示す。
表20の結果より、f(A,B,R)が30以下、g(a,b,R)が 15以下に制御されることで高湿流れ(文字)、高湿流れ(HT)、黒スジ及びクリーニング不良に関する評価は良好であった。また、f(A,B,R)が25以下、g(a,b,R)が13以下に制御されることで、高湿流れ(文字)に関する評価がより良好となった。更に、0.03μm以上0.3μm以下の研磨剤の粒径を用いることにより高湿流れ(HT)に関する評価が更に良好となり、高湿流れ(文字)、高湿流れ(HT)、黒スジ及びクリーニング不良に関する評価が特に良好となった。
<電子写真感光体作製例7>
アルミニウム製の円筒状基体(直径80mm、長さ358mm)をダイヤモンドミラクルバイトにより鏡面加工し、その円筒状基体の巨視的な表面形状が、表面粗さ計で下記に示す測定方法により切断レベル差δc[5%〜95%](負荷長さ率(mr)の5%〜95%までの距離)が0.07±0.1μm、山と山の平均間隔が100±10μmとなるように加工した。次に、図7に示すプラズマ処理装置を用いて、上記円筒状基体上に表21に示す条件で、電荷注入阻止層、光導電層、表面層の順に成膜を行い、正帯電a−Si電子写真感光体を作製した。
このとき、105MHz及び60MHzの高周波電力を出力可能な高周波電源を用いた。また、表21に示す製造条件中の「250→20」はガス流量を250ml/min(normal)から20ml/min(normal)まで連続的に変化させることを表す。
《実施例8》
電子写真感光体作製例7で作製した電子写真感光体を実施例1と同様の研磨条件1により研磨時間をそれぞれ変えて研磨処理を実施し、実施例1と同様の方法で求められるAの値(μm)が表22に示す値をとるような研磨時間を割り出した。さらに、かかる条件を満たす研磨時間で研磨処理を実施した後の微視的な表面形状A、B、C、D及び巨視的な表面形状a、b、c、dを実施例1と同様に求めた。測定結果は表24に示す。
上記の電子写真感光体59〜62について、高湿流れ(文字)、高湿流れ(HT)、黒スジ及びクリーニング不良を実施例1と同様に評価した。但し、トナー粒子に外添した研磨剤は研磨剤作製例2に示すST(6)を用いた。評価結果は表24に示す。
《比較例11》
電子写真感光体作製例7で作製した電子写真感光体を研磨せずに、上記のAFMによる測定方法によりA、B、C、Dを、また、上記の表面粗さ計による測定方法によりa、b、c、dを求めた。更に、電子写真感光体製造例7で作製した電子写真感光体の高湿流れ(文字)、高湿流れ(HT)、黒スジ及びクリーニング不良を実施例1と同様に評価した。評価結果は表24に示す。但し、比較例11で用いた電子写真感光体の番号は(23)とする。
《比較例12》
電子写真感光体作製例7で作製した電子写真感光体を実施例1と同様の研磨条件1により研磨時間をそれぞれ変えて研磨処理を実施し、実施例1と同様の方法で求められるAの値(μm)が表23に示す値をとるような研磨時間を割り出した。さらに、かかる条件を満たす研磨時間で研磨処理を実施した後の微視的な表面形状A、B、C、D及び巨視的な表面形状a、b、c、dを実施例1と同様に求めた。測定結果は表24に示す。
上記の電子写真感光体(24)、(25)について、高湿流れ(文字)、高湿流れ(HT)、黒スジ及びクリーニング不良を実施例8と同様に評価した。評価結果は表24に示す。
実施例8、比較例11及び12により求めたA、B、C、D、a、b、c、d、f(A,B,R)、g(a,b,R)、A×a、B/A、b/aの測定結果及び高湿流れ(文字)、高湿流れ(HT)、黒スジ及びクリーニング不良の評価結果を表24に示す。
表24の結果より、電子写真感光体の微視的及び巨視的な表面形状を、Aが0.10μm以上0.28μm以下、Bが1.7μm以上2.5μm以下、aが0.04μm以上0.07μm以下、bが105μm以上110μm以下、A×aが4.0×10−3μm以上2.0×10−2μm以下、又、微視的及び巨視的な表面形状と研磨剤の粒径の関係を、f(A,B,R)が0.15以上0.40以下、g(a,b,R)が0.57以上1.0以下に制御されることで高湿流れ(文字)、高湿流れ(HT)、黒スジ及びクリーニング不良が改善され、特性が良好となった。更に、Aが0.20μm、Bが2.2μm、aが0.05μm、bが110μm、A×aが1.0×10−2μm、f(A,B,R)が0.20、g(a,b,R)0.80に制御されることで高湿流れ(文字)、黒スジ及びクリーニング不良が更に改善され、特性が良好となり、高湿流れ(文字)、高湿流れ(HT)、黒スジ及びクリーニング不良に対して特に改善され、特性が良好となった。
<電子写真感光体作製例8>
アルミニウム製の円筒状基体(直径80mm、長さ358mm)をダイヤモンドミラクルバイトにより鏡面加工し、その円筒状基体の巨視的な表面形状が、表面粗さ計で下記に示す測定方法により切断レベル差δc[5%〜95%](負荷長さ率(mr)の5%〜95%までの距離)が0.54±0.1μm、山と山の平均間隔が120±10μmとなるように加工した。次に、図7に示すプラズマ処理装置を用いて、上記円筒状基体上に表25に示す条件で、電荷注入阻止層、光導電層、表面層の順に成膜を行い、正帯電a−Si電子写真感光体を作製した。
このとき、105MHz及び60MHzの高周波電力を出力可能な高周波電源を用いた。また、表25に示す製造条件中の「180→20」はガス流量を180ml/min(normal)から20ml/min(normal)まで連続的に変化させることを表す。
《実施例9》
電子写真感光体作製例8で作製した電子写真感光体を実施例1と同様の研磨条件1により研磨時間をそれぞれ変えて研磨処理を実施し、実施例1と同様の方法で求められるAの値(μm)が表26に示す値をとるような研磨時間を割り出した。さらに、かかる条件を満たす研磨時間で研磨処理を実施した後の微視的な表面形状A、B、C、D及び巨視的な表面形状a、b、c、dを実施例1と同様に求めた。測定結果は表28に示す。
上記の電子写真感光体63〜68について、高湿流れ(文字)、高湿流れ(HT)、黒スジ及びクリーニング不良を実施例1と同様に評価した。但し、トナー粒子に外添した研磨剤は研磨剤作製例2に示すST(8)を用いた。評価結果は表28に示す。
《比較例13》
電子写真感光体作製例8で作製した電子写真感光体を研磨せずに、上記のAFMによる測定方法によりA、B、C、Dを、また、上記の表面粗さ計による測定方法によりa、b、c、dを求めた。更に高湿流れ(文字)、高湿流れ(HT)、黒スジ及びクリーニング不良を実施例9と同様に評価した。評価結果は表28に示す。但し、比較例13で用いた電子写真感光体の番号は(26)とする。
《比較例14》
電子写真感光体作製例8で作製した電子写真感光体を実施例1と同様の研磨条件1により研磨時間をそれぞれ変えて研磨処理を実施し、実施例1と同様の方法で求められるAの値(μm)が表27に示す値をとるような研磨時間を割り出した。さらに、かかる条件を満たす研磨時間で研磨処理を実施した後の微視的な表面形状A、B、C、D及び巨視的な表面形状a、b、c、dを実施例1と同様に求めた。測定結果は表28に示す。
上記の電子写真感光体(27)、(282)について、高湿流れ(文字)、高湿流れ(HT)、黒スジ及びクリーニング不良を実施例9と同様に評価した。評価結果は表28に示す。
実施例9、比較例13及び14により求めたA、B、C、D、a、b、c、d、f(A,B,R)、g(a、b、R)、A×a、B/A、b/aの測定結果及び高湿流れ(文字)、高湿流れ(HT)、黒スジ及びクリーニング不良の評価結果を表28に示す。
表28の結果より、電子写真感光体の微視的及び巨視的な表面形状を、Aが0.01μm以上0.10μm以下、aが0.39μm以上0.45μm以下、A×aが3.9×10−3μm以上4.5×10−2μm以下、又、微視的及び巨視的な表面形状と研磨剤の粒径の関係を、f(A,B,R)が2.0以上20以下、g(a,b,R)が0.44以上0.51以下に制御されることで高湿流れ(文字)、高湿流れ(HT)、黒スジ及びクリーニング不良が改善され、特性が良好となった。また、Cが2950%/μm以下、Dが1900%/μm以下に制御されることで高湿流れ(HT)及びクリーニング不良が改善され、特性が良好となり、更に、Aが0.03μm以上0.05μm以下、aが0.40μm以下、A×aが1.2×10−2μm以上2.0×10−2μm以下、f(A,B,R)が4.0以上6.7以下、g(a,b,R)が0.50以上に制御されることで高湿流れ(HT)及びクリーニング不良が更に改善され、特性が良好となり、高湿流れ(文字)、高湿流れ(HT)、黒スジ及びクリーニング不良に対して特に改善され、特性が良好となった。
a−Si電子写真感光体を10μm×10μmの範囲におけるAFM測定より得られた最も高い点を基準とした凹凸高さの負荷曲線の模式的な概略図である。 a−Si電子写真感光体表面研磨後の10μm×10μmの範囲におけるAFM三次元観察像である。 a−Si電子写真感光体表面を表面粗さ計により測定し、基準長さ0.8mm、評価長さ4.0mmで評価して得られる測定曲線を、λc=0.8mm、λc=0.008mmでフィルタリングして得られる粗さ曲線における巨視的表面粗さで最も高い点を基準とした凹凸高さの負荷曲線の模式的な概略図である。 (a)電子写真感光体の微視的及び巨視的な表面形状を制御するための磁性粉体を用いた研磨装置の模式的な概略断面図である。(b)図4−(a)の要部の詳細を示す模式的な概略断面図である。 電子写真感光体の微視的及び巨視的な表面形状を制御するための研磨テープを用いた研磨装置の模式的な概略断面図である。 VHF帯を用いた高周波プラズマCVD法によるa−Si電子写真感光体製造装置の一例を示す模式的な概略構成図である。 VHF帯を用いた高周波プラズマCVD法によるa−Si電子写真感光体製造装置の別の一例を示す模式的な概略構成図である。 本発明に係わる電子写真感光体の層構成を模式的に示す概略断面図である。 本発明に係わる電子写真装置の一実施形態を示す模式的断面図である。 aを求める際に用いた切断レベル差δc[5%〜95%]を説明するための巨視的表面粗さで最も高い点を基準とした凹凸高さの負荷曲線の模式図である。 c及びdを求める際に用いた切断レベル差δcを説明するための巨視的表面粗さで最も高い点を基準とした凹凸高さの負荷曲線の模式図である。 Bの測定方法を説明するためのAFM三次元観察像である。 Bの測定方法を説明するためのAFM断面観察像の模式的な概略図である。 bの測定方法を説明するための粗さ曲線の模式的な概略図である。 ハーフトーンチャートによる高湿流れの評価時の測定位置を示す概略図である。 クリーニング不良の評価に用いたテストチャートの概略図である。 AFMの測定により求められるBearing Ratioを説明するための微視的な表面及び負荷曲線の説明図である。 粗さ計の測定により求められる負荷長さ率を説明するための巨視的な表面及び負荷曲線の説明図である。
401、501‥‥‥‥‥‥電子写真感光体
402‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥マグネットローラー
403‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥磁性体
404‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥マグネットローラー容器
405‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥磁性体規制ブレード
406‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥マイクロメーター
407‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥可動台
408、506‥‥‥‥‥‥移動機構
409、508‥‥‥‥‥‥ベース台
502‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥研磨テープ
503‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥加圧弾性ローラー
504‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥送り出しロール
505‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥巻き取りロール
507‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥加圧弾性ローラー容器
509‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥キャプスタンローラー
510‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥定量送り出しローラー
511‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥搬送経路支持棒
601、701‥‥‥‥‥‥円筒状基体
602、702‥‥‥‥‥‥反応容器
603、703‥‥‥‥‥‥シールド
604、704‥‥‥‥‥‥原料ガス供給装置
605、705、713‥‥高周波電源
606、706‥‥‥‥‥‥マッチングボックス
607、707‥‥‥‥‥‥カソード
608、708‥‥‥‥‥‥ヒーター
609、709‥‥‥‥‥‥原料ガス導入管
610、710‥‥‥‥‥‥駆動部
611、711‥‥‥‥‥‥モーター
612、712‥‥‥‥‥‥排気口
800‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥電子写真感光体
801‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥円筒状基体
802‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥光導電層
803‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥表面層
804‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥電荷注入阻止層
805‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥電荷発生層
806‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥電荷輸送層
901‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥電子写真感光体
902‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥一次帯電器
903‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥現像器
904‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥転写材
905‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥転写帯電器
906‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥クリーナー
907‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥弾性ローラー
908‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥クリーニングブレード
909‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥除電ランプ
910‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥送りローラー
911‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥トナー

Claims (7)

  1. 基体上に少なくとも非晶質材料で構成された光導電層及び表面層を順次積層してなる電子写真感光体と、該電子写真感光体を帯電するための帯電手段と、該電子写真感光体を露光して静電潜像を形成する潜像形成手段と、該静電潜像を現像するための、トナー粒子及び研磨剤を含有するトナーを装填したトナー供給手段と、該静電潜像を該トナーによりトナー像を形成する現像手段と、該電子写真感光体上のトナー像を転写材に転写する転写手段と、該電子写真感光体上の転写残トナーを除去するクリーニング手段を少なくとも有する電子写真装置において、
    該電子写真感光体の10μm×10μmの範囲における表面をAFM(Atomic Force Microscope)により測定して得られる微視的表面粗さで最も高い点を基準とした凹凸高さの負荷曲線における5%〜95%に相当する高さをA(μm)、山と山の平均間隔をB(μm)とし、該電子写真感光体の表面を表面粗さ計により測定して得られる基準長さ0.8mm、評価長さ4.0mmで評価した時に得られる測定曲線を、カットオフλc=0.8mm、λs=0.008mmでフィルタリングして得られる粗さ曲線における巨視的表面粗さで最も高い点を基準とした凹凸高さの負荷曲線における5%〜95%に相当する高さをa(μm)、山と山の平均間隔をb(μm)とし、
    該トナー供給手段に装填された該現像用トナーに含まれる該研磨剤が無機酸化物粒子で、その一次粒子の平均粒径をR(μm)としたとき、
    A、B、a、b及びRが下記(1)〜(7)の全ての条件を満たすことを特徴とする電子写真装置。
    (1) 0.01μm≦A≦0.30μm
    (2) 0.03μm≦a≦0.45μm
    (3) 0.7μm≦B≦2.5μm
    (4) 50μm≦b≦350μm
    (5) 1.0×10−3μm≦A×a≦4.5×10−2μm
    (6) 0.15≦f(A,B,R)≦30
    (7) 0.10≦g(a,b,R)≦20
    ここで、
    f(A,B,R)=R/(A×B/(B+2×(A +B /4) 1/2 ))
    g(a,b,R)=R/(a×b/(b+2×(a +b /4) 1/2 ))
    である。
  2. 前記電子写真感光体の前記微視的表面粗さの負荷曲線における5%〜20%の傾きをC、80%〜95%の傾きをDとし、
    前記電子写真感光体の前記巨視的表面粗さの負荷曲線における5%〜20%の傾きをc、80%〜95%の傾きをdとしたとき、
    C、D、c及びdが下記(8)〜(11)の全ての条件を満たす電子写真感光体を用いることを特徴とする請求項1に記載の電子写真装置。
    (8) 250(%/μm)≦C≦3000(%/μm)
    (9) 200(%/μm)≦D≦2000(%/μm)
    (10) 250(%/μm)≦c≦1000(%/μm)
    (11) 200(%/μm)≦d≦1000(%/μm)
  3. 前記A、B、a及びbが下記(12)〜(13)の全ての条件を満たす電子写真感光体を用いたことを特徴とする請求項1または2に記載の電子写真装置。
    (12) 4.5≦B/A≦70
    (13) 400≦b/a≦3000
  4. 前記A、B、a、b及びRが下記(14)〜(20)の全ての条件を満たすことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子写真装置。
    (14) 0.03μm≦A≦0.20μm
    (15) 0.05μm≦a≦0.40μm
    (16) 0.9μm≦B≦2.2μm
    (17) 80μm≦b≦300μm
    (18) 3.2×10−3μm≦A×a≦3.0×10−2μm
    (19) 0.20≦f(A,B,R)≦25
    (20) 0.15≦g(a,b,R)≦10
    ここで、
    f(A,B,R)=R/(A×B/(B+2×(A +B /4) 1/2 ))
    g(a,b,R)=R/(a×b/(b+2×(a +b /4) 1/2 ))
    である。
  5. 前記電子写真感光体は、アモルファスシリコン系電子写真感光体であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の電子写真装置。
  6. 前記研磨剤の一次粒子の平均粒径Rが、0.03μm≦R≦0.3μmであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の電子写真装置。
  7. 前記研磨剤が、チタン酸ストロンチウム微粉体を含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の電子写真装置。
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