JP2005099703A - 現像剤担持体及びそれを用いた現像方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 異なる環境条件下においても、濃度低下、画像濃度ムラ、画像スジ、スリーブゴースト及びカブリ等の問題点が発生せず、画像濃度が高い高品位の画像を安定して得ることのできる現像剤担持体及び現像方法を提供することにある。
【解決手段】 現像剤担持体は、少なくとも基体と、前記基体表面に形成された樹脂被覆層とを有し、前記樹脂被覆層は黒鉛化度p(002)が0.20〜0.95である黒鉛化粒子と粗し粒子を少なくとも含有し、微小凹凸領域部分の一定面積Aで計測される前記の微小な凹凸部分の形状の体積Bが4.5≦B/A≦6.5の関係を満足しており、前記樹脂被覆層表面の算術平均粗さRaが0.9〜2.5μmであることを特徴とする現像剤担持体及び該現像剤担持体を用いた現像方法。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電子写真感光体又は静電記録誘導体の如き像担持体上に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成するめの現像装置に用いられる現像剤担持体に関する。また、本発明は該現像剤担持体を用いた現像方法に関する。
従来、電子写真法は、光導電性物質を利用し、種々の手段により静電潜像保持体(感光ドラム)に静電潜像を形成し、次いで該静電潜像を現像剤(トナー)で現像を行ってトナー画像を形成し、必要に応じて紙の如き転写材にトナー画像を転写した後、熱、圧力又は加熱加圧により転写材上にトナー画像を定着してプリント又は複写物を得るものである。
電子写真法における現像方式は主として一成分現像方式と二成分現像方式に分けられる。近年、電子写真装置の軽量、小型化を目的として現像装置部分を小さくする必要があるため、一成分現像方式を用いた現像装置が使用されることが多い。
一成分現像方式は、二成分現像方式のようにキャリア粒子が不要なため、現像装置自体を小型化、軽量化できる。一方、二成分現像方式は現像剤中のトナー濃度を一定に保つ必要があるため、トナー濃度を検知し必要量のトナーを補給する装置が必要である。よって、現像装置が大きく重くなる。一成分現像方式では、このような装置は必要とならないため、小さく軽く出来る。
一成分現像方式を用いた現像装置としては、静電潜像担持体としての感光ドラム表面に静電潜像を形成し、現像剤担持体(現像スリーブ)とトナーとの摩擦及び/或いは現像スリーブ上のトナーのコート量を規制するための現像剤層厚規制部材とトナーとの摩擦により、トナーに正或いは負の摩擦電荷を与える。そして、摩擦電荷が付与されたトナーを現像スリーブ上に薄く塗布して感光ドラムと現像スリーブとが対向した現像領域に搬送し、現像領域においてトナーを感光ドラム表面の静電潜像に付着させて現像し、トナー画像を形成する。
この様な一成分現像方式を用いる場合には、トナーの帯電を均一にし、充分な耐久安定性が必要である。
特に、現像スリーブが繰り返し回転を行っているうちに、現像スリーブ上にコーティングされたトナーの帯電量が現像スリーブとの接触により高くなりすぎ、トナーが現像スリーブ表面との鏡映力により引き合って現像スリーブ表面上で不動状態となり、現像スリーブから感光ドラムの静電潜像に移動しなくなるチャージアップ現象が特に低湿下で起こりやすくなる。チャージアップ現象が発生すると、上層のトナーは帯電しにくくなってトナーの現像量が低下するため、ライン画像の細りやベタ画像の画像濃度薄という問題点を生じる場合がある。更に、チャージアップ現象により適正に帯電されないトナーが規制不良となって現像スリーブ上に流出し、斑点状、波状のムラとなる、ブロッチ現象が発生する場合がある。
更に、画像部(トナー消費部)と非画像部とのトナー層の形成状態が変わり、帯電状態が異なってしまうため、現像スリーブ上において一度画像濃度の高いベタ画像を現像した位置が、現像スリーブの次の回転時に現像位置に来てハーフトーン画像を現像すると、画像上にベタ画像の跡が現れるスリーブゴースト現象も生じやすくなる。
最近では電子写真装置のデジタル化や更なる高画質化のために、トナーの小粒径化及び微粒子化が図られている。例えば、解像度や文字シャープ性を向上させ静電潜像を忠実に再現するためには、重量平均粒径約5〜12μmのトナーを用いるのが一般的である。
また、省エネルギー、オフィスの省スペース化といった点において、プリンターの小型化が求められている。プリンターにおけるトナーを収納する容器も必然的に小型化が求められており、少量で多数枚のプリントアウトが可能な、低消費量のトナーを使用する必要がある。低消費量のトナーとして、トナー粒子トナーの形状を球形に近づけたトナーが用いられてきている。
更に、ファーストコピー時間の短縮化や省電力化の目的で、トナーの定着温度を下げる傾向にある。
この様な状況下、特に低温低湿下におけるトナーは、単位質量当たりの電荷量が増えるため更に現像スリーブ上へ静電的に付着しやすくなり、また、高温高湿下においては、トナーによる現像スリーブへの汚染や融着が起こりやすい。
この様な現象を解決する方法として、特開平1−276174号公報において、樹脂中に結晶性グラファイト及びカーボンの如き導電性微粉末を分散させた樹脂被覆層が金属基体上に設けられている現像スリーブを現像装置に用いることが、提案されている。この現像スリーブを用いることにより、上記した現象は大幅に軽減されることが認められる。
しかしながら、この現像スリーブでは、導電性微粉末を多量に樹脂に添加した場合には、チャージアップやスリーブゴーストに対しては良好となるが、トナーへの適度な帯電付与能力が低下し、特に高温高湿の環境下においては高画像濃度が得られにくい。更に、導電性微粉末を多量に添加した場合には樹脂被覆層が脆性化して削れやすくなると共に表面形状が不均一となりやすく、多数枚耐久を進めていった場合に樹脂被覆層の表面粗さや表面組成が変化して、トナーの搬送不良やトナーへの帯電付与の不均一化が起こりやすくなる。
特に、特許文献1に記載の結晶性グラファイト粒子を分散させた被覆層を用いた現像スリーブを有する現像装置が提案されている。使用している結晶性グラファイト粒子が、コークスの如き骨剤をタールピッチにより固めて成形後1000〜1300℃程度で焼成してから2500〜3000℃程度で黒鉛化して得た人造黒鉛、あるいは天然黒鉛からなる結晶性グラファイト粒子である。そのため、燐片状の構造から起因して潤滑性を結晶性グラファイトが有するのでチャージアップやスリーブゴーストに対しては効果を発揮する。しかし、結晶性グラファイト粒子の形状が燐片状で不定形であること、また樹脂被覆層中に分散させた場合、粒径を小さく且つ均一に分散し難く、樹脂被覆層の表面形状が不均一となりやすく、結晶性グラファイトが形成する不均一な凹凸によりトナーによる融着が発生する場合がある。
更に該結晶性グラファイトは硬度が低いため、樹脂被覆層の表面で結晶性グラファイト粒子自体の摩耗や脱離が発生しやすく、多数枚耐久を進めていった場合に樹脂被覆層の表面粗さや表面組成が変化しやすく、トナーの融着がより発生しやすくなり、トナーの搬送不良やトナーへの帯電付与の不均一化が起こりやすくなる。一方、現像スリーブの金属基体上に形成される樹脂被覆層へのカーボンの如き導電性微粉末の添加量が少量の場合には、結晶性グラファイト粒子及び導電性微粉末の効果が薄く、チャージアップやスリーブゴーストが発生する場合がある。
また、特許文献2においては、樹脂中に結晶性グラファイト、カーボンの如き導電性微粉末及び球状粒子を分散させた導電性の樹脂被覆層を金属基体上に設けた現像スリーブを有する現像装置が提案されている。この現像スリーブでは、樹脂被覆層の耐摩耗性が向上するとともに、樹脂被覆層の表面の形状も均一化し、多数枚耐久による表面粗さの変化も比較的少なくなることから、現像スリーブ上のトナーのコーティングが安定化してトナーの帯電を均一化することができ、スリーブゴースト、画像濃度、画像濃度ムラの如き問題が軽減し、画質が安定化する傾向にある。しかしながら、この現像スリーブにおいてもトナーへの迅速且つ均一な荷電制御性及びトナーへの適度な帯電付与能力の安定化をさらに向上することが好ましい。また、耐摩耗性においても、更なる長期間の使用により、現像スリーブにおける樹脂被覆層の球状粒子や結晶性グラファイトが摩耗あるいは脱落することで生じる樹脂被覆層の表面の粗さの変化や粗さの不均一化、それに伴う樹脂被覆層のトナー汚染及びトナー融着が生じやすい。このような場合には、トナーの帯電が不安定となり画像濃度低下や濃度ムラ、カブリ、画像スジの如き画像不良の原因となりやすい。
特許文献3においては、導電性の樹脂被覆層中に分散されている球状粒子が低比重で導電性の球状粒子であり、これにより導電性の樹脂被覆層中に均一に導電性球状粒子が分散されることで樹脂被覆層の耐摩耗性及び樹脂被覆層の表面の導電性が均一化してトナーへの均一な帯電付与性が向上し、且つ樹脂被覆層が多少摩耗した際にもトナー汚染及びトナー融着が抑制されうる現像スリーブを有する現像装置が提案されている。しかしながら、この現像スリーブにおいては、トナーへの迅速且つ均一な帯電付与性及びトナーへの適度な帯電付与能力の点で改良すべき点がある。また、長期間の耐久的な使用においては、樹脂被覆層の表面の導電性球状粒子が存在しない部分の形状が不均一であることと、その部分の耐摩耗性が劣っているために、結晶性グラファイトの如き導電性粒子が摩耗あるいは脱落しやすい。この摩耗及び脱落した部分や形状の不均一な部分から樹脂被覆層の摩耗やトナー汚染及びトナー融着が生じ、トナーの帯電が不安定となりやすい。
特許文献4〜7において、球形又は球形に近いトナーが提案されている。これらのトナーの消費量の低減化や耐久によるトナーの現像性の安定化に効果のある現像スリーブ及び現像装置が待望されている。
特許文献8〜11において、粉砕法で製造されたトナー粒子を熱的あるいは機械的衝撃によりトナー粒子の形状及び表面性を改質したトナーが提案されている。これらのトナーの消費量の低減化や耐久によるトナーの現像性の安定化に効果のある現像スリーブ及び現像装置が待望されている。
特開平1−276174号公報 特開平3−200986号公報 特開平8−240981号公報 特開平3−84558号公報 特開平3−229268号公報 特開平4−1766号公報 特開平4−102862号公報 特開平2−87157号公報 特開平10−97095号公報 特開平11−149176号公報 特開平11−202557号公報
本発明の目的は、上記問題点を解消した現像剤担持体及び現像方法を提供することにある。
本発明の目的は、異なる環境条件下においても、濃度低下、画像濃度ムラ、画像スジ、スリーブゴースト及びカブリの如き問題点が発生しにくく、画像濃度が高い高品位の画像を安定して得ることのできる現像剤担持体及び該現像剤担持体を用いた現像方法を提供することにある。
また、本発明の目的は、粒径の小さいトナーや球形化度の高いトナーを用いて画像形成を行った場合に現れる、現像剤担持体の表面へのトナー付着やトナー融着を軽減させることにより、トナーの不均一な帯電を制御すると共にトナーへ適度な帯電を迅速に与えることのできる現像剤担持体及び該現像剤担持体を用いた現像方法を提供することにある。
また、本発明の目的は、繰り返しの現像又は耐久的な使用による現像剤担持体表面の樹脂被覆層の劣化が生じ難く、高耐久性を有し、安定した画質が得られる現像剤担持体及び該現像剤担持体を用いた現像方法を提供することにある。
さらに、本発明の目的は、長期間にわたる連続現像においても現像剤担持体上のトナーへ迅速且つ均一に適度な帯電を付与するとともに、チャージアップを起こさずに安定した電荷を付与することで、耐久使用中の画像濃度低下や濃度ムラ、スリーブゴースト、カブリ、画像スジのない、高品位の画像を得られる現像剤担持体及び該現像剤担持体を用いた現像方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、現像剤担持体表面の樹脂被覆層を、特定の範囲の黒鉛化度を有する黒鉛化粒子が均一且つ微細に被覆樹脂中に分散されていて、黒鉛化粒子が被覆層に形成する凹凸形状を特定の範囲内で微小に制御すると共に、被覆層表面の算術平均粗さRaが0.9〜2.5μmとなるように粗し粒子が均一に分散された構成にすることにより、トナーのチャージアップやトナー汚染及びトナー融着を発生させることが無く、トナーへ迅速且つ均一に適度な帯電量を付与する効果があることを本発明者は見出した。
また、現像剤担持体を上記構成とすることにより、異なる環境下での多数枚の画出しにおいても現像剤担持体の表面被覆層の粗さ、表面形状の均一性及び表面の材料組成の変化を抑制できる効果を本発明者は見出した。
すなわち、本発明の目的は以下の通りである。
(1)静電潜像担持体に担持された静電潜像を可視化するための一成分現像剤を担持する現像剤担持体であって、前記現像剤担持体は、少なくとも基体と、前記基体表面に形成された樹脂被覆層とを有し、前記樹脂被覆層は黒鉛化度p(002)が0.20〜0.95である黒鉛化粒子と粗し粒子を少なくとも含有し、前記樹脂被覆層の焦点光学系レーザーを用いて測定した表面形状において、前記粗し粒子により凸部が形成されていない微小凹凸領域部分の一定面積Aで計測される前記の微小な凹凸部分の形状の体積Bが4.5≦B/A≦6.5の関係を満足しており、更に前記樹脂被覆層表面の算術平均粗さRaが0.9〜2.5μmであることを特徴とする現像剤担持体を提供することである。
(2)前記黒鉛化粒子はバルクメソフェーズピッチ粒子を黒鉛化して得られたものであることを特徴とする(1)に記載の現像剤担持体を提供することである。
(3)前記黒鉛化粒子はメソカーボンマイクロビーズ粒子を黒鉛化して得られたものであることを特徴とする(1)に記載の現像剤担持体を提供することである。
(4)一成分現像剤を収容する現像剤容器、及び前記現像剤容器内に収容されている現像剤を層状に担持する現像剤担持体を有し、静電潜像担持体に対向する現像領域へ前記担持された現像剤を搬送し、前記搬送された現像剤により静電潜像担持体に担持された静電潜像を現像して可視化するための現像方法において、
前記現像剤担持体は、少なくとも基体と、前記基体表面に形成された樹脂被覆層とを有し、前記樹脂被覆層は黒鉛化度p(002)が0.20〜0.95である黒鉛化粒子と粗し粒子を少なくとも含有し、前記樹脂被覆層の焦点光学系レーザーを用いて測定した表面形状において、前記粗し粒子により凸部が形成されていない微小凹凸領域部分の一定面積Aで計測される前記の微小な凹凸部分の形状の体積Bが4.5≦B/A≦6.5の関係を満足しており、更に前記樹脂被覆層表面の算術平均粗さRaが0.9〜2.5μmであることを特徴とする現像方法を提供することにある。
(5)前記黒鉛化粒子はバルクメソフェーズピッチ粒子を黒鉛化して得られたものであることを特徴とする(4)に記載の現像方法を提供することにある。
(6)前記黒鉛化粒子はメソカーボンマイクロビーズ粒子を黒鉛化して得られたものであることを特徴とする(4)に記載の現像方法を提供することにある。
(7)前記一成分現像剤が、結着樹脂、磁性体を少なくとも含有するトナー粒子からなるトナーであって、前記トナー粒子のフロー式粒子像測定装置で計測される円相当径3μm以上400μm以下のトナー粒子における平均円形度が0.935以上0.970未満であり、個数平均粒径分布において0.6μm以上3μm未満のトナー粒子比率が0%以上20%未満であることを特徴とする(4)〜(6)に記載の現像方法。
本発明によれば、異なる環境条件下においても、濃度低下、画像濃度ムラ、画像スジ、スリーブゴースト及びカブリ等の問題点が発生せず、画像濃度が高い高品位の画像を安定して得ることのできる現像剤担持体、前記現像剤担持体を用いた現像現像方法を提供することができる。
また、本発明によれば、粒径の小さいトナーや球形化度の高いトナーを用いて画像形成を行った場合に現れる、現像剤担持体表面へのトナー付着や融着を軽減させることにより、トナーの不均一な帯電を制御すると共にトナーへ適度な帯電を迅速に与えることのできる現像剤担持体、前記現像剤担持体を用いた現像現像方法を提供することができる。
また、本発明によれば、繰り返し複写又は耐久的な使用による現像剤担持体表面の樹脂被覆層の劣化が生じ難く、高耐久性を有し、安定した画質が得られる現像剤担持体、前記現像剤担持体を用いた現像方法を提供することができる。
また、本発によれば、長期間にわたる連続複写においても現像剤担持体上のトナーへ迅速且つ均一に適度な帯電を付与するとともに、チャージアップを起こさずに安定した電荷を常時付与することで、耐久使用中の画像濃度低下や濃度ムラ、スリーブゴースト、カブリ、画像スジのない、高品位の画像を得られる現像剤担持体、前記現像剤担持体を用いた現像方法を提供することができる。
好ましい実施の形態を挙げて本発明について詳述する。本発明の現像剤担持体について説明する。
本発明の現像剤担持体は、静電潜像担持体に担持された静電潜像を現像するための現像剤を担持する現像剤担持体であり、基体と、該基体の表面に形成された樹脂被覆層とを少なくとも有する。本発明の現像剤担持の樹脂被覆層は、黒鉛化度p(002)が0.20〜0.95である黒鉛化粒子と粗し粒子を少なくとも含有し、該樹脂被覆層は、焦点光学系レーザーを用いて測定した表面形状において、該粗し粒子により凸部が形成されていない微小凹凸領域部分の一定面積Aで計測される微小な凹凸部分の形状の体積Bが4.5≦B/A≦6.5の関係を満足しており、該樹脂被覆層は、表面の算術平均粗さRaが0.9〜2.5μmであることを特徴としている。
黒鉛化度p(002)とは、Franklinのp値であり、黒鉛のX線回折図から得られる格子間隔d(002)を測定することにより、下記式(1)を用いて求められる値である。
d(002)=3.440−0.086〔1−p(002)〕 (1)
このp(002)値は、炭素の六方網目平面の積み重なりにおける、無秩序な部分の割合を示すものであり、p(002)値が小さいほど黒鉛化の結晶性は高い。
本発明に用いられる黒鉛化粒子は、特開平1−276174号公報に記載されているコークスの如き骨剤をタールピッチにより固めて成形後1000〜1300℃程度で焼成してから2500〜3000℃程度で黒鉛化して得た人造黒鉛、又は、天然黒鉛からなる従来の結晶性グラファイトとは、原材料及び製造工程が異なる。本発明に用いられる黒鉛化粒子は、結晶性グラファイトより黒鉛化の程度は若干低いものの、結晶性グラファイトと同様に高い導電性や潤滑性を有している。更に、本発明で用いられる黒鉛化粒子は、結晶性グラファイトの形状が鱗片状または針状であるのとは異なり、粒子の形状が粒子状でありしかも粒子自身の硬度が比較的高いことが特徴である。
本発明に用いられる黒鉛化粒子は、特開平8−240981号公報に記載されている低比重且つ導電性の球状粒子とも原材料と製法が異なり、その粒子の特性や粒子が樹脂被覆層に与える効果が異なる。
特開平8−240981号公報に記載されている低比重且つ導電性の球状粒子はフェノール樹脂、ナフタレン樹脂、フラン樹脂、キシレン樹脂、ジビニルベンゼン重合体、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体、ポリアクリロニトリルの如き球状樹脂粒子の表面に、メカノケミカル法によってバルクメソフェーズピッチを被覆し、被覆された粒子を酸化性雰囲気化で熱処理した後に不活性雰囲気下、又は、真空下で焼成して炭素化及び/又は黒鉛化したものである。従って、球状樹脂粒子そのものは黒鉛化しにくい材質であるので、表面は黒鉛化されていても粒子内部は炭化されたものであり、粒子自体の黒鉛化度p(002)は測定不能であり、本発明で用いる黒鉛化粒子とは結晶性が異なる。また、該導電性球状粒子は、樹脂被覆層中に分散された場合、トナーの搬送力を高め、トナーの接触機会を増やすと共に、樹脂被覆層の耐摩耗性を向上する機能を樹脂被覆層に付与している。
一方、本発明に使用する黒鉛化粒子は、樹脂被覆層の表面に均一で微小な凹凸を付与することで、均一な潤滑性、導電性、帯電付与性、耐摩耗性の如き特性を樹脂被覆層に付与するために樹脂被覆層中に添加されている。
本発明に使用される黒鉛化粒子は、樹脂被覆層中で均一且つ微細に分散されやすく、黒鉛化粒子が樹脂被覆層の表面に形成する微小凹凸形状を適度な大きさに制御しやすくなる。この微小凹凸を樹脂被覆層の表面に形成することで、トナーの表面との接触面積を制御してトナーの離型性を向上すると共にトナーを均一に帯電しやすくし、更に黒鉛化粒子の優れた帯電特性や潤滑性の効果がより発揮され、樹脂被覆層表面上でのトナーのチャージアップやトナー汚染、トナー融着を発生させることなく、トナーへ迅速且つ均一な帯電を安定に付与することが可能となる。
また、本発明に用いられる黒鉛化粒子自体が優れた潤滑性を有していることと、適度な硬さを有するために被覆樹脂との硬さの差が小さいことにより、樹脂被覆層の表面が多数枚耐久で削れにくくなっている。このため、微小な凹凸部分の樹脂被覆層の表面が削れたとしても均一に削れ易いために、微小な凹凸形状は維持されて樹脂被覆層の表面の組成や特性は多数枚耐久しても変化しにくくなっている。
本発明で用いられる黒鉛化粒子は、黒鉛化度p(002)が、0.20〜0.95である。黒鉛化粒子の黒鉛化度p(002)は、0.25〜0.75であることが好ましく、0.25〜0.70であることがより好ましい。
黒鉛化粒子の黒鉛化度p(002)が0.95を超える場合は、樹脂被覆層の耐摩耗性には優れるが、導電性や潤滑性が低下してトナーのチャージアップ及びトナー融着を発生する場合があり、スリーブゴースト、カブリ、画像濃度の如き画質が低下しやすくなる。特に、現像工程において弾性ブレードと球形化度の高いトナーを使用した場合に、現像スリーブの表面におけるトナー融着が原因で画像にスジや濃度ムラが発生しやすくなる。一方、黒鉛化粒子の黒鉛化度p(002)が0.20未満の場合は、黒鉛化粒子の硬度の低下により樹脂被覆層の表面の耐摩耗性が低下して樹脂被覆層の表面の黒鉛化粒子によって付与されている微小な凹凸形状が維持しにくく、更に樹脂被覆層の表面の組成も変化しやすく、トナーのチャージアップやトナー融着を発生する場合がある。
黒鉛化粒子の黒鉛化度p(002)の測定は、マックサイエンス社製の強力型全自動X線回折装置“MXP18”システムにより、黒鉛化粒子のX線回折スペクトルから得られる格子間隔d(002)を測定し、d(002)=3.440−0.086〔1−p(002)〕により求める。
格子間隔d(002)は、CuKαをX線源とし、CuKβ線はニッケルフィルターにより除去している。標準物質に高純度シリコンを使用し、C(002)及びSi(111)回折パターンのピーク位置から算出する。主な測定条件は以下のとおりである。
X線発生装置:18kw
ゴニオメータ:横型ゴニオメータ
モノクロメータ:使用
管電圧:30.0kV
管電流:10.0mA
測定法:連続法
スキャン軸:2θ/θ
サンプリング間隔:0.020deg
スキャン速度:6.000deg/min
発散スリット:0.50deg
散乱スリット:0.50deg
受光スリット:0.30mm
黒鉛化度p(002)0.20〜0.95を有する黒鉛化粒子を得る方法としては、以下に示すような方法が好ましいが、必ずしもこれらの方法に限定されるものではない。
本発明に使用される黒鉛化粒子を得る好ましい方法としては、原材料として光学的に異方性を有し、単一の相からなるメソカーボンマイクロビーズやバルクメソフェーズピッチの粒子を用いて黒鉛化することが、黒鉛化粒子の黒鉛化度を高め且つ潤滑性を維持しながら適度な硬度と分散性を保持させるために好ましい。
原材料の光学的異方性は、芳香族分子の積層から生じるものであり、その秩序性が黒鉛化処理でさらに発達し、高度の黒鉛化度を有する黒鉛化粒子が得られる。
本発明に用いられる黒鉛化粒子を得る原材料として、バルクメソフェーズピッチを用いる場合は、加熱下で軟化溶融するバルクメソフェーズピッチを用いることが、粒子状で分散性が高く、黒鉛化度の高い黒鉛化粒子を得るために好ましい。
バルクメソフェーズピッチを得る方法としては、コールタールピッチの如き原料から溶剤分別によりβ−レジンを抽出し、β−レジンを水素添加し、重質化処理を行うことによってバルクメソフェーズピッチを得る方法がある。また上記方法において重質化処理後、微粉砕し、次いでベンゼンまたはトルエンの如き溶剤により溶剤可溶分を除去してバルクメソフェーズピッチを得てもよい。
バルクメソフェーズピッチはキノリン可溶分が95質量%以上であることが好ましい。キノリン可溶分が95質量%未満のバルクメソフェーズピッチを用いると、バルクメソフェーズピッチの粒子内部が液相炭化しにくいので、固相炭化するために炭化された粒子の形状が破砕状のままとなり、粒子の形状が不均一になりやすく分散不良を発生しやすい。上記のようにして得られたバルクメソフェーズピッチを黒鉛化する方法を以下に示す。バルクメソフェーズピッチを2〜25μmに微粉砕して、微粉砕されたバルクメソフェーズピッチを空気中で約200〜350℃で熱処理することにより軽度に酸化処理する。この酸化処理によって、バルクメソフェーズピッチの粒子は表面のみ不融化され、次工程の黒鉛化焼成時の溶融、融着が防止される。酸化処理されたバルクメソフェーズピッチの粒子は酸素含有量が5〜15質量%であることが好ましい。酸素含有量が5質量%未満であると熱処理時の粒子同士の融着が発生しやすく、15質量%を超えると粒子内部まで酸化されてしまい、粒子の形状が破砕状のまま黒鉛化するために分散性が低下するため好ましくない。
次に、酸化処理されたバルクメソフェーズピッチの粒子を窒素、アルゴンの如き不活性雰囲気下にて、約800〜1200℃で一次焼成することにより炭化し、続いて約2000〜3500℃で二次焼成することにより所望の黒鉛化粒子が得られる。
また、本発明に用いられる黒鉛化粒子を得るためのもう一つの好ましい原材料であるメソカーボンマイクロビーズを得る方法として代表的なものを以下に例示する。石炭系重質油または石油系重質油を300〜500℃の温度で熱処理し、重縮合反応させて粗メソカーボンマイクロビーズを生成する。得られた反応生成物を濾過、静置沈降、遠心分離の如き処理をすることによりメソカーボンマイクロビーズを分離した後、ベンゼン、トルエン、キシレンの如き溶剤でメソカーボンマイクロビーズを洗浄し、更に乾燥することによって原材料としてのメソカーボンマイクロビーズが得られる。
得られたメソカーボンマイクロビーズを黒鉛化する際、乾燥したメソカーボンマイクロビーズを破壊させない程度の温和な力で機械的に一次分散させておくことが炭化工程において粒子の合一防止や均一な粒度を得るために好ましい。
一次分散を終えたメソカーボンマイクロビーズは、不活性雰囲気下において200〜1500℃の温度で一次焼成され、炭化される。一次焼成を終えた炭化物の粒子は、炭化物の粒子を破壊させない程度の温和な力で炭化物の粒子を機械的に分散させることが黒鉛化工程においての合一防止や均一な粒度を得るために好ましい。
一次焼成を終えた炭化物は、不活性雰囲気下において約2000〜3500℃で二次焼成することにより所望の黒鉛化粒子が得られる。
いずれの原材料及び製法から得られた黒鉛化粒子も、分級により粒度分布をある程度均一にしておくことが、樹脂被覆層の表面形状を均一にするために好ましい。
また、いずれの原材料を用いた黒鉛化粒子の製法においても、黒鉛化の焼成温度は2000〜3500℃であることが好ましく、2300〜3200℃であることがより好ましい。
黒鉛化の焼成温度が2000℃未満の場合は、黒鉛化粒子の黒鉛化度が低下し、導電性や潤滑性が低下してトナーのチャージアップやトナー融着を発生する場合があり、スリーブゴースト、カブリ、画像濃度の低かのごとき画質の低下が発生しやすくなる。特に、現像工程において弾性ブレードと球形化度の高いトナーを使用した場合に、現像スリーブの表面におけるトナー融着が原因で画像にスジや濃度ムラが発生しやすくなる。また、焼成温度が3500℃超の場合は黒鉛化粒子の黒鉛化度が高すぎてしまう場合がある。黒鉛化度が高い黒鉛化粒子は、硬度が下がり、黒鉛化粒子の硬度の低下により樹脂被覆層の表面の耐摩耗性が低下して樹脂被覆層の表面の黒鉛化粒子によって付与されている微小な凹凸形状が維持しにくく、更に樹脂被覆層の表面の組成も変化してしまい、トナーのチャージアップやトナー融着が発生する場合がある。
本発明の現像剤担持体を構成する樹脂被覆層には、黒鉛化粒子と共に粗し粒子が樹脂被覆層中に分散されている。粗し粒子は、現像剤担持体の樹脂被覆層の表面に適度な表面粗度を保持させてトナーの搬送性を向上し、バルクとしてのトナーと樹脂被覆層との接触機会を増やすと共に樹脂被覆層の耐摩耗性を向上し、更に弾性ブレードを用いたときの弾性ブレードからトナーに加わる圧力を和らげてトナー融着を発生しにくくする効果がある。
本発明で使用する粗し粒子の真密度は、3g/cm以下であることが好ましく、2.7g/cm以下であることがより好ましく、0.9〜2.3g/cmであることがさらに好ましい。粗し粒子の真密度が3g/cmを超える場合には、樹脂被覆層中での粗し粒子の分散性が低下する為、樹脂被覆層の表面に均一な粗さを付与しにくくなり、トナーの均一な摩擦帯電性の低下及び樹脂被覆層の強度が低下しやすい。また、粗し粒子の真密度が0.9g/cmより小さい場合にも、樹脂被覆層中での粗し粒子の分散性が低下する場合がある。
本発明に用いられる粗し粒子の形状は、球状であることが好ましく、下記(2)式
円形度=(4×A)/{(ML)×π} (2)
[式中、MLは粒子投影像のピタゴラス法最大長を表し、Aは粒子投影像の面積を表す。]
により得られる円形度の平均値である平均円形度SF−1が0.75以上であることが好ましく、0.80以上であることがより好ましい。
本発明において、上述した平均円形度SF−1を求めるための具体的な手法としては、光学系により拡大された粗し粒子投影像を画像解析装置に取り込み、個々の粒子についての円形度の値を算出し、これらを平均することにより求められる。
本発明においては、平均値として信頼性が得られ、また、樹脂被覆層への特性に与える影響が大きい円相当径2μm以上の粒子範囲に限定して円形度を測定している。また、これらの値の信頼性を得るために測定粒子数は3000個程度以上、好ましくは5000個以上を測定する。
このように多数の粗し化粒子の円形度の解析を効率的に行うことが可能な具体的な測定装置としては、例えば、マルチイメージアナライザー(ベックマン・コールター社製)がある。
マルチイメージアナライザーは、電気抵抗法による粒度分布測定装置に、CCDカメラにより粒子像を撮影する機能と撮影された粒子像を画像解析する機能を組み合わせたものである。詳細には、超音波等により電解質溶液中に均一に分散した測定粒子を、電気抵抗法による粒度分布測定装置であるマルチサイザーのアパーチャーを粒子が通過する際の電気抵抗変化で検知し、これに同期してストロボを発光してCCDカメラで粒子像を撮影する。この粒子像をパソコンに取り込み、2値化後、画像解析するものである。
上記の装置により、粒子投影像のピタゴラス法最大長ML、投影面積Aを求め、2μm以上の3000個以上の粒子についての円形度の値を上記(2)式から算出し、これらを平均することにより平均円形度SF−1を求める。
平均円形度SF−1が0.75未満である場合には、樹脂被覆層中への粗し粒子の分散性が低下すると共に、前記樹脂被覆層表面粗さの不均一化が発生しやすく、現像スリーブの表面でのトナー融着の発生や、トナーの均一な摩擦帯電性の低下及び樹脂被覆層の強度が低下する場合がある。
本発明に用いられる粗し粒子としては、公知のものが使用可能であり、特に限定されないが、例えば、球状の樹脂粒子、球状の金属酸化物粒子、球状の炭素化物粒子を挙げることができる。
球状の樹脂粒子としては、懸濁重合又は分散重合法により得られる樹脂粒子を用いることができる。球状の樹脂粒子は、より少ない添加量で好適な表面粗さを樹脂被覆層に付与することができ、更に樹脂被覆層の表面形状を均一にしやすいため、各球状粒子の中でも好適に用いることができる。この様な球状の樹脂粒子の材料としては、ポリアクリレート、ポリメタクリレートの如きアクリル系樹脂の粒子;ナイロンの如きのポリアミド系樹脂の粒子;ポリエチレン、ポリプロピレンの如きポリオレフィン系樹脂の粒子;シリコーン系樹脂粒子、フェノール系樹脂粒子、ポリウレタン系樹脂粒子、スチレン系樹脂粒子、ベンゾグアナミン粒子が挙げられる。粉砕法により得られた樹脂粒子を熱的にあるいは物理的に球形化処理をおこなうことによって得られる球状の樹脂を用いてもよい。
また、上記球状粒子の表面に無機物を付着させたり、固着させて用いてもよい。この様な無機物としては、SiO、SrTiO、CeO、CrO、Ai、ZnO、MgOの如き酸化物;Siの如き窒化物;SiCの如き炭化物;CaSO、BaSOの如き硫酸塩;CaCOの如き炭酸塩が挙げられる。このような無機物は、カップリング剤により処理して用いても良い。
カップリング剤により処理された無機物は、特に球状粒子と被覆樹脂との密着性を向上させる目的、あるいは球状粒子に疎水性を与える等の目的では好ましく用いることが可能である。このようなカップリング剤としては、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、ジルコアルミネートカップリング剤がある。より具体的には、シランカップリング剤としては、ヘキサメチルジシラザン、トリメチルシラン、トリメチルクロルシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジクロルシラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルクロルシラン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、ブロムメチルジメチルクロルシラン、α−クロルエチルトリクロルシラン、β−クロルエチルトリクロルシラン、クロルメチルジメチルクロルシラン、トリオルガノシリルメルカプタン、トリメチルシリルメルカプタン、トリオルガノシリルアクリレート、ビニルジメチルアセトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ヘキサメチルジシロキサン、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン、1,3−ジフェニルテトラメチルジシロキサン及び、1分子当たり2から12個のシロキサン単位を有し末端に位置する単位にそれぞれ1個宛の硅素原子に結合した水酸基を含有したジメチルポリシロキサンが挙げられる。
このように球状樹脂粒子の表面に無機物を付着または固着させて処理することにより、樹脂被覆層中への分散性、樹脂被覆層の表面の均一性、樹脂被覆層の耐汚染性、トナーへの摩擦帯電性、樹脂被覆層の耐摩耗性を向上させることができる。
また、本発明に使用する球状粒子は、導電性であることが好ましい。球状粒子に導電性を持たせることによって、球状粒子の表面に摩擦電荷が蓄積しにくく、トナー付着の軽減やトナーへの帯電付与性を向上させることができるからである。
本発明において、球状粒子は、体積抵抗値が10Ω・cm以下、より好ましくは10−3〜10Ω・cmの粒子であることが好ましい。球状粒子の体積抵抗が10Ω・cmを超えると、摩耗によって樹脂被覆層の表面に露出した球状粒子を核としてトナーの汚染や融着を発生し易くなると共に、迅速且つ均一な摩擦帯電が行われにくくなる。
特に好ましい導電性の球状粒子を得る方法としては、樹脂系球状粒子やメソカーボンマイクロビーズを焼成して炭素化及び/又は黒鉛化して得た低密度且つ良導電性の球状炭素粒子を得る方法が挙げられる。樹脂系球状粒子に用いられる樹脂としては、フェノール樹脂、ナフタレン樹脂、フラン樹脂、キシレン樹脂、ジビニルベンゼン重合体、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体、ポリアクリロニトリルが挙げられる。メソカーボンマイクロビーズは、通常、中ピッチを加熱焼成していく過程で生成する球状結晶を多量のタール、中油、キノリンの如き溶剤で洗浄することによって製造することができる。
より好ましい導電性球状粒子を得る方法としては、フェノール樹脂、ナフタレン樹脂、フラン樹脂、キシレン樹脂、ジビニルベンゼン重合体、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体、ポリアクリロニトリルの如き球状樹脂粒子の表面に、メカノケミカル法によってバルクメソフェーズピッチを被覆し、被覆された粒子を酸化性雰囲気化で熱処理した後に不活性雰囲気下又は真空下で焼成して炭素化及び/又は黒鉛化し、導電性球状炭素粒子を得る方法が挙げられる。この方法で得る球状炭素粒子は、黒鉛化すると得られる球状炭素粒子の被覆部の結晶化が進んだものとなるので導電性が向上し、より好ましい。
上記した方法で得られる導電性の球状炭素粒子は、いずれの方法でも、焼成条件を変化させることによって得られる球状炭素粒子の導電性を制御することが可能であり、本発明において好ましく使用される。また、上記の方法で得られる球状炭素粒子は、場合によっては、更に導電性を高めるために導電性球状粒子の真密度が大きくなりすぎない範囲で、導電性の金属及び/又は金属酸化物のメッキを施していてもよい。
また、本発明の現像剤担持体の樹脂被覆層は、焦点光学系レーザーを用いて測定した表面形状において、粗し粒子により凸部が形成されていない微小凹凸領域部分の一定面積Aで計測される微小な凹凸部分の形状の体積Bが、4.5≦B/A≦6.5の関係を満足していることが好ましく、5.0≦B/A≦6.0を満足していることがより好ましい。
粗し粒子により凸部が形成されていない微小凹凸領域部分の一定面積Aで計測される微小な凹凸部分の形状の体積Bの測定は、例えば、超深度形状測定顕微鏡VK−8500(KEYENCE社製)を用いて行う。本装置は、光源から出たレーザーを対象物にあて、対象物から反射したレーザーを共焦点位置にある受光素子での反射受光量が最大となる対物レンズ位置情報により対象物の形状を測定するものである。
測定条件としては、100倍の対物レンズを使用して2000倍の倍率で樹脂被覆層の表面を観察し、樹脂被覆層の表面に粗し粒子によって形成されている凸が存在しない横方向20μm×縦方向20μmの面積A(4×10−10)の領域を適宜に選択し、次に高さ方向のレンズ移動量は0.1μmに設定して測定を行う。その測定結果を画像解析ソフトVK−H1W(KEYENCE社製)によって解析し、測定領域において面積A(4×10−10)で観察される微小の凹凸部分の体積B(m)を算出する。測定箇所としては、20点以上測定して体積の平均値を算出し、B/Aを求める。
B/Aが6.5を超えるような凹凸表面を形成すると、樹脂被覆層の表面の微小な凹凸の度合いが大きくなり、更にその凹凸形状も不均一性を増す。特に弾性ブレードと球形化度の高いトナーを用いた場合に、不均一な凹凸を起点としてトナーの融着が発生しやすくなり、画像のスジや画像濃度ムラが発生する場合がある。
B/Aが4.5未満になると、微小な凹凸表面が少なくなりすぎて、トナー表面との離型性が低下すると共に黒鉛化粒子とトナー粒子との接触機会も少なくなって、トナーのチャージアップによるスリーブゴーストやトナー汚染が発生しやすくなる。
粗し粒子が樹脂被覆層の表面に凸部を形成していない領域部分の微小な凹凸形状の度合いを示すB/Aを4.5〜6.5の間に制御するには、黒鉛化粒子の樹脂被覆層中での分散状態や塗工方法を調整することが好ましい。
黒鉛化粒子の分散状態によって、B/Aを制御する方法としては、黒鉛化粒子が樹脂被覆層中で体積平均粒径が0.5〜4.0μmになるように分散させることが好ましい。上記の体積平均粒径が0.5μm未満では樹脂被覆層に黒鉛化粒子によって微小な凹凸表面を形成しにくくなり、B/Aが4.5未満となり易い。一方、体積平均粒径が4.0μmを超えると、黒鉛化粒子が樹脂被覆層の表面に付与する凹凸が大きくなりすぎて、B/Aが6.5を超えやすくなってしまう。
樹脂被覆層中で分散されている黒鉛化粒子は、体積分布において、粒径10μm以上の粒子が5体積%以下であることが好ましく、2体積%以下であることがより好ましい。粒径10μm以上の粒子が5体積%を超えると、樹脂被覆層の表面に黒鉛化粒子による不均一な凹凸が発生しやすくなり、B/Aが6.5を超えやすくなってしまう。
黒鉛化粒子の樹脂被覆層中での体積平均粒径の制御は、使用する黒鉛化粒子の粒度分布を粉砕や分級によって調整する方法及び樹脂被覆層中への黒鉛化粒子の分散強度を調整することで可能である。
黒鉛化粒子の如き導電性粒子の粒径は、例えばレーザー回折型粒度分布計のコールターLS−230型粒度分布計(コールター社製)を用いて測定する。測定方法としては、少量モジュールを用い、測定溶媒としてはイソプロピルアルコール(IPA)を使用する。IPAにて粒度分布計の測定系内を約5分間洗浄し、洗浄後バックグラウンドファンクションを実行する。
次にIPA50ml中に、測定試料を1〜25mg加える。試料を懸濁した溶液は超音波分散機で約1〜3分間分散処理を行ない試料液を得て、測定装置の測定系内に試料液を徐々に加えて、装置の画面上のPIDSが45〜55%になるように測定系内の試料濃度を調整して測定を行い、体積分布から算出した体積平均粒径を求める。
一方、塗工方法によりB/Aを制御する方法としては、使用する樹脂被覆層の処方や特性にも異なるが、一般的にエアースプレー塗工を用いるとB/Aを大きめに調整しやすく、ディップ塗工を用いるとB/Aを小さめに制御しやすい。
また、本発明の現像剤担持体は、樹脂被覆層表面の算術平均粗さRa(以下、「Ra」と称す。)が0.9〜2.5μmであることが好ましく、1.0〜2.0μmであることがより好ましい。
Raが0.9μm未満であると、特に弾性ブレードと球形化度の高いトナーを用いた場合に、トナーの融着やチャージアップが発生しやすくなり、画像濃度低下、画像のスジ、画像濃度ムラ及びスリーブゴーストが発生する場合がある。
Raが2.5μmを超えると、現像剤担持体上のトナーの搬送量が多くなりすぎてトナーに均一に摩擦電荷を付与しにくくなり、カブリやスリーブゴーストが発生しやすくなる。
現像剤担持体の表面の算術平均粗さ(Ra)の測定は、JIS B0601の表面粗さに基づき、例えば小坂研究所製サーフコーダーSE−3500を用いて、測定条件としてはカットオフ0.8mm、評価長さ4mm、送り速度0.5mm/sにて、軸方向3点×周方向3点=9点について各々測定し、その平均値を求める。
現像剤担持体のRaを0.9〜2.5μmに制御するには、以下のように樹脂被覆層に用いる粗し粒子の体積平均粒径を選択することが好ましい。
本発明に使用される粗し粒子としては、体積平均粒径が5.5〜20.0μmであることが好ましく、8.0〜18.0μmであることがより好ましい。粗し粒子の体積平均粒径が5.5μm未満では、樹脂被覆層の表面のRaを0.9以上に調整するために、粗し粒子を多量に樹脂被覆層中に添加する必要があり、樹脂被覆層の表面での黒鉛化粒子が相対的に減少して、樹脂被覆層の表面の潤滑性や帯電性が損なわれやすい。
粗し粒子の体積平均粒径が20μmを超える場合には、樹脂被覆層の表面の粗さが不均一になりやすく、Raを2.5以下に制御し難く、トナーの摩擦帯電が遅くなり且つ均一で十分なトナーの摩擦帯電をおこないにくく、カブリが発生しやすく、ネガスリーブゴーストが発生しやすくなる。更に弾性ブレードを用いた場合に、樹脂被覆層の表面上の不均一な凸形状により塗布ブレードに傷が発生しやすくなる。
粗し粒子の体積平均粒径の測定は、前記した黒鉛化粒子の測定と同様にしておこなう。
本発明の現像剤担持体は、樹脂被覆層中に、更に潤滑性粒子を併用して分散させて用いることができる。潤滑性粒子としては、グラファイト、二硫化モリブデン、窒化硼素、雲母、フッ化グラファイト、銀−セレン化ニオブ、塩化カルシウム−グラファイト、滑石、脂肪酸金属塩(ステアリン酸亜鉛等)が挙げられる。これらの潤滑性粒子の被覆樹脂相中での体積平均粒径は黒鉛化粒子と同様な理由で0.5〜4.0μmであることが好ましい。
本発明において、現像剤担持体の樹脂被覆層の体積抵抗は好ましくは10−2〜10Ω・cmであり、より好ましくは10−2〜10Ω・cmである。樹脂被覆層の体積抵抗が10Ω・cmを超える場合には、トナーのチャージアップが発生し易くなり、樹脂被覆層の表面へのトナー汚染を引き起こし易い。
樹脂被覆層の体積抵抗の測定は、100μmの厚さのポリエチレンテレフタレート(PET)シート上に、7〜20μmの樹脂被覆層を形成し、抵抗率計ロレスタAP、又はハイレスタIP(ともに三菱化学製)にて4端子プローブを用いて体積抵抗値を測定する。測定環境は、温度20〜25℃、湿度50〜60%RHである。
本発明においては、樹脂被覆層の体積抵抗を上記の値に調整するため、樹脂被覆層中に黒鉛化粒子と併用して、他の導電性微粒子を分散含有させてもよい。
導電性微粒子としては、個数平均粒径が好ましくは1.00μm以下、より好ましくは0.01〜0.80μmのものがよい。この樹脂被覆層中に黒鉛化粒子と併用して分散含有させる導電性微粒子の個数平均粒径が1.00μmを超える場合には、樹脂被覆層の体積抵抗を均一に制御しづらくなり、トナーが均一に摩擦帯電しづらくなる。
本発明で使用することのできる導電性微粒子としては、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラックの如きカーボンブラック;酸化チタン、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化モリブデン、チタン酸カリ、酸化アンチモン及び酸化インジウムの如き金属酸化物の微粒子;アルミニウム、銅、銀、ニッケルの如き金属の微粒子;グラファイトが挙げられる。場合により、金属繊維、炭素繊維を使用しても良い。
黒鉛化粒子とともに樹脂被覆層中に含有される導電性微粒子の含有量は、被覆樹脂100質量部に対して好ましくは40質量部以下、より好ましくは2〜35質量部である。このような含有量であると、樹脂被覆層に求められる他の物理的性質を損なうことなく体積抵抗を上記したような所望の値に調整することができるために好ましい。
導電性微粒子の含有量が40質量部を超える場合には、樹脂被覆層の強度の低下が認められるので好ましくない。
本発明の現像剤担持体を構成する樹脂被覆層の被覆樹脂としては、従来から現像剤担持体の樹脂被覆層に一般に用いられている公知の樹脂を使用することが可能である。例えば、スチレン系樹脂、ビニル系樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリアミド樹脂、フッ素樹脂、繊維素系樹脂、アクリル系樹脂等の熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、尿素樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド樹脂が挙げられる。なかでもシリコーン樹脂、フッ素樹脂のような離型性のあるもの、或いはポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、ポリフェニレンオキサイド、ポリアミド、フェノール、ポリエステル、ポリウレタン、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂のような機械的性質に優れたものがより好ましい。より好ましくは、熱硬化性樹脂あるいは光硬化性樹脂を使用するのがよい。
本発明においては、現像剤担持体の帯電性を調整するために、樹脂被覆層中に荷電制御剤を黒鉛化粒子と併用して含有させてもよい。その場合、荷電制御剤の含有量は、被覆樹脂100質量部に対して1〜100質量部とすることが好ましい。1質量部未満では添加による荷電制御性の効果が低く、100質量部を超えると樹脂被覆層中で分散不良が起こり被膜強度の低下を招き易い。
荷電制御剤としては、ニグロシン、脂肪酸金属塩で変性されたニグロシンの変性物;トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルフォン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレートの如き四級アンモニウム塩;トリブチルベンジルホスホニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルフォン酸塩、テトラブチルホスホニウムテトラフルオロボレートの如きホスホニウム塩;これらのレーキ顔料(レーキ化剤としては、燐タングステン酸、燐モリブデン酸、燐タングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン化物、フェロシアン化物等)、高級脂肪酸の金属塩;ブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジシクロヘキシルスズオキサイドの如きジオルガノスズオキサイド;チブチルスズボレート、ジオクチルスズボレート、ジシクロヘキシルスズボレートの如きジオルガノスズボレート類;グアニジン類、イミダゾール化合物が挙げられる。
これらの荷電制御剤の中でも、特に球形化度の高いネガトナーを用いる場合は、荷電制御剤として鉄粉に対して正帯電性である第4級アンモニウム塩化合物を樹脂被覆層中に含有させることが、本発明のトナーへの良好な帯電付与性を向上させる点で好ましい。樹脂被覆層は、樹脂構造中にアミノ基、=NH基、または−NH−結合の少なくともいずれかを有することが、本発明に用いる球形化度の高いネガトナーへの良好な帯電付与性の点で更に好ましい。
現像剤担持体の基体上に、第4級アンモニウム塩化合物と被覆樹脂を組合せた樹脂被覆層を設けることで、球形化度の高いネガトナーの過剰帯電を防ぐ方向に働き、ネガトナーへの摩擦帯電付与をコントロールすることができる。これにより、現像剤担持体上でのトナーのチャージアップを防ぎ、樹脂被覆層の表面にトナー融着が発生しにくく、トナーの高帯電安定性を保持でき、その結果環境安定性及び長期安定性を有する高精細画像を提供すること可能となる。
明確な理由は定かではないが、次のように推測される。本発明で好適に用いられる鉄粉に対して正帯電性である第4級アンモニウム塩化合物は、樹脂被覆層中に添加されると、分子鎖中にアミノ基、=NH基又は−NH−基の少なくとも1つを有する樹脂中に均一に分散され、更に、被覆を形成する際に第4級アンモニウム塩化合物を有する樹脂組成物自身が負帯電性を持つようになるものと考えられる。そのため負帯電性トナーに対しては、トナーに負帯電量が過剰となることを妨げる方向に働き、結果としてトナーの負帯電量を適宜にコントロールすることが可能となる。
本発明において好適に使用される、上記した機能を有する第4級アンモニウム塩化合物としては、鉄粉に対して正帯電性を有するものであればいずれのものでもよい。第4級アンモニウム塩化合物として、例えば、下記一般式で表される化合物が挙げられる。
Figure 2005099703
(式中、R,R,R及びRは、夫々同一でも或いは異なっていても良く、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基又はアルアルキル基を示し、Xは酸の陰イオンを示す。)
一般式において、Xの酸イオンとしては、有機硫酸イオン、有機スルホン酸イオン、有機リン酸イオン、モリブデン酸イオン、タングステン酸イオン、モリブデン原子或いはタングステン原子を含むヘテロポリ酸が挙げられる。
本発明に好適に用いられる、鉄粉に対して正帯電性である第4級アンモニウム塩化合物としては、具体的には、以下のようなものが挙げられるが、本発明は、これらに限定されるものではない。
Figure 2005099703
Figure 2005099703
Figure 2005099703
Figure 2005099703
4級アンモニウム塩との組合せで分子鎖中に、アミノ基、=NH基又は−NH−基の少なくとも1つを含む好ましい樹脂として、その製造工程において触媒として含窒素化合物を用いて製造されたフェノール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドを硬化剤として用いたエポキシ樹脂、ウレタン樹脂、或いはこれらの樹脂を一部に含んだ共重合体が挙げられる。これら被覆樹脂との混合物の成膜時に第4級アンモニウム塩化合物が被覆樹脂に分散される。
本発明において、4級アンモニウム塩との組合せで好適に使用し得るフェノール樹脂としては、フェノール樹脂の製造工程において、酸性触媒として用いられる含窒素化合物としては、硫酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、スルファミド酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、マレイン酸アンモニウムといったアンモニウム塩又はアミン塩類が挙げられる。フェノール樹脂の製造工程において、塩基性触媒として用いられる含窒素化合物としては、アンモニア;ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ジイソブチルアミン、ジアミルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリn−ブチルアミン、トリアミルアミン、ジメチルベンジルアミン、ジエチルベンジルアミン、ジメチルアニリン、ジエチルアニリン、N,N−ジn−ブチルアニリン、N,N−ジアミルアニリン、N,N−ジt−アミルアニリン、N−メチルエタノールアミン、N−エチルエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、エチルジエタノールアミン、n−ブチルジエタノールアミン、ジn−ブチルエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、エチレンジアミン、ヘキサメチレンテトラミンの如きアミノ化合物;ピリジン;α−ピコリン、β−ピコリン、γ−ピコリン、2,4−ルチジン、2,6−ルチジンの如きピリジンの誘導体;キノリン化合物;イミダゾール;2−メチルイミダゾール、2,4−ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾールの如きイミダゾールの誘導体;含窒素複素環式化合物が挙げられる。
また、本発明において好適に用いられる被覆樹脂を構成するポリアミド樹脂としては、ナイロン6、66、610、11、12、9、13、Q2ナイロン、これらを主成分とするナイロンの共重合体、N−アルキル変性ナイロン又はN−アルコキシルアルキル変性ナイロンが、好適に用いることができる。更にはポリアミド変性フェノール樹脂のようにポリアミドにて変性された各種樹脂、或いは、硬化剤としてポリアミド樹脂を用いたエポキシ樹脂の如きポリアミド樹脂分を含有している樹脂が、用いることができる。
4級アンモニウム塩との組合せで好適に用いられる被覆樹脂として、ウレタン結合を有するウレタン樹脂を用いることができる。ウレタン結合はポリイソシアネートとポリオールとの重合付加反応によって得られる。ポリウレタン樹脂の主原料となるポリイソシアネートとしては、TDI(トリレンジイソシアネート)、ピュアMDI(ジフェニルメタンジイソシアネート)、ポリメリックMDI(ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート)、TODI(トリジンジイソシアネート)、NDI(ナフタリンジイソシアネート)の如き芳香族系ポリイソシアネート;HMDI(ヘキサメチレンジイソシアネート)、IPDI(イソホロンジイソシアネート)、XDI(キシリレンジイソシアネート)、水添XDI(水添キシリレンジイソシアネート)、水添MDI(ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート)の如き脂肪族系ポリイソシアネートが挙げられる。
ポリウレタン樹脂の主原料となるポリオールとしては、ポリオキシプロピレングリコール(PPG)、ポリマーポリオール、ポリテトラメチレングリコール(PTMG)の如きポリエーテル系ポリオール;アジペート、ポリカプロラクトン、ポリカーボネートポリオールの如きポリエステル系ポリオール;PHDポリオール、ポリエーテルエステルポリオールの如きポリエーテル系の変性ポリオール;エポキシ変性ポリオール;エチレン−酢酸ビニル共重合物の部分ケン化ポリオール(ケン化EVA);難燃ポリオールが挙げられる。
次に、本発明の現像剤担持体の構成について説明する。本発明の現像剤担持体は、基体と、該基体表面に形成された樹脂被覆層とを有する。
基体の形状としては、円筒状部材、円柱状部材、ベルト状部材が挙げられる。感光ドラムに非接触の現像方法を用いる場合は金属製の円筒状部材が好ましく用いられる。具体的には金属製の円筒管が好ましく用いられる。金属製円筒管は主として非磁性のステンレススチール、非磁性のアルミニウム及びその非磁性の合金が好適に用いられる。
また、感光ドラムに直接接触させる現像方法を用いる場合の基体としては、金属製の芯金にウレタンゴム、EPDMゴム、シリコーンゴムの如きゴムやウレタンエラストマー、EPDMエラストマー、シリコーンエラストマーを含む層を有する円柱状部材が好ましく用いられる。また、磁性現像剤を用いる現像方法においては、磁性現像剤を現像剤担持体上に磁気的に吸引かつ保持するために、磁石が内設されているマグネットローラを現像剤担持体内に配置する。その場合、基体を円筒状としその内部にマグネットローラを配置する。
以下、本発明の現像剤担持体における樹脂被覆層の構成について説明する。図1は、本発明の現像剤担持体の一部分を示す断面模式図である。図1において、特定の黒鉛化度を有する黒鉛化粒子aと粗し粒子bが被覆樹脂c中に分散されている樹脂被覆層17が、金属円筒管で形成されている基体16上に積層されている。
図1では、粗し粒子aに付与される凸部分が存在しない樹脂被覆層17の表面は、黒鉛化粒子bが均一且つ微細に被覆樹脂c中に分散しているため、黒鉛化粒子bにより微小な凹凸を形成している。このため、黒鉛化粒子bにより微小な凹凸を形成している樹脂被覆層の表面は、微小な凹凸形状から起因するトナーの離型性とトナー粒子の表面との接触面積が大きくなることによる良好な帯電性が得られやすくなると共に、黒鉛化粒子自身に起因する潤滑性、導電性、帯電性がより発揮しやすい構成になっており、黒鉛化粒子によって形成される不均一な凹凸が少ないのでトナー融着を発生しにくく、迅速且つ均一にトナーが帯電され易い構成となっている。
一方、粗し粒子aは球形に近い形状を有していて、樹脂被覆層の表面の算術平均粗さRaが0.9〜2.5になうように凸の高さと個数を形成している。この凸の形成により、樹脂被覆層上のトナーの搬送性や樹脂被覆層の表面の耐摩耗性を向上すると共にトナーの規制部材によるトナーの機械的な劣化を軽減し、トナーの帯電が安定して行えるようになり、トナー融着も発生し難くなっている。
次に、樹脂被覆層を構成する各成分の構成比について説明する。この構成比は本発明において特に好ましい範囲であるが、本発明はこれに限定されるものではない。
樹脂被覆層中に分散される黒鉛化粒子の含有量としては、被覆樹脂100質量部に対して好ましくは30〜160質量部、より好ましくは50〜130質量部の範囲で、現像剤担持体の表面形状の維持及びトナーへの帯電付与性やトナー融着防止の効果がより発揮される。黒鉛化粒子の含有量が30質量部未満の場合には、黒鉛化粒子の添加効果が小さく、160質量部を超える場合には樹脂被覆層の密着性が低くなり過ぎて耐摩耗性が低下してしまう場合がある。
黒鉛化粒子とともに樹脂被覆層中に含有される粗し粒子の含有量は、被覆樹脂100質量部に対して、好ましくは2〜60質量部、より好ましくは2〜50質量部の範囲とすることにより、樹脂被覆層のRaの形成と維持及びトナー汚染やトナー融着の防止の点において、特に好ましい結果を与える。粗し粒子の含有量が2質量部未満の場合には粗し粒子の添加効果が小さく、60質量部を超える場合には、樹脂被覆層表面の潤滑性や帯電性が損なわれてしまう場合がある。
樹脂被覆層の層厚は、好ましくは25μm以下、より好ましくは20μm以下、更に好ましくは4〜20μmであることが均一な膜厚を得るために好ましいが、この層厚に限定されるものではない。これらの層厚は、樹脂被覆層に使用する材料にもよるが、固形分が4000〜20000mg/mの量基体表面に付着するようにすれば得られる。
次に本発明の現像剤担持体に用いられるトナーについて説明する。
本発明で使用するトナー粒子は、粒径3μm以上のトナー粒子において、平均円形度が0.935以上0.970未満、好ましく0.935以上0.965未満、より好ましくは0.935以上0.960未満、より好ましくは0.940以上0.955未満であることが好ましい。トナー粒子の平均円形度が上記の範囲内であるとトナーの流動性が増すので個々のトナーが自由に動きやすく、均一且つ迅速に摩擦帯電されやすくなると共に一つ一つのトナーで現像される確立も高くなるため、感光ドラム上及び転写材上でのトナーの高さが低くなり、トナーの使用量が少なくても十分な画像濃度を得ることができる。
この時に、トナー粒子の平均円形度が高くないと、トナーは凝集体としての挙動を示しやすくなり、トナーの凝集体が感光ドラム上にトナー画像を形成し、更にトナー画像は転写材上に転写される。そのようなトナー画像は転写材上のトナー画像の高さが高くなり、同じ面積を現像する場合において流動性の優れたトナーよりも多くのトナーが現像されてしまい、トナーの消費量が増加する。また、平均円形度の高いトナー粒子を有するトナーは、現像されたトナー画像においてより密な状態をとりやすい。その結果、転写材に対するトナーの隠蔽率が高くなり、少ないトナー量でも十分な画像濃度を得ることができる。平均円形度が0.935未満であると、現像されたトナー画像の高さが高くなりやすく、トナーの消費量が増加する。また、トナー粒子間の空隙が増え、現像されたトナー画像は、十分な隠蔽率が得られないため、必要な画像濃度を得るためにはより多くのトナー量を必要とし、結果的にトナー消費量を増加させてしまう。平均円形度が0.970以上だと、トナーの長期の使用時に現像性が低下しやすい。
平均円形度は、粒子の形状を定量的に表現する簡便な方法として用いたものであり、本発明ではシスメックス社製フロー式粒子像分析装置FPIA−2100を用いて温度23℃、湿度60%RHの環境下で測定を行い、円相当径0.60μm〜400μmの範囲内の粒子を測定し、そこで測定された粒子の円形度を下式(3)
円形度a=L/L (3)
〔式中、Lは粒子像と同じ投影面積を持つ円の周囲長を示し、Lは512×512の画像処理解像度(0.3μm×0.3μmの画素)で画像処理した時の粒子投影像の周囲長を示す。〕
により求め、更に円相当径3μm以上400μm以下の粒子において、円形度の総和を全粒子数で除した値を平均円形度と定義する。
本発明に用いている平均円形度はトナー粒子の凹凸の度合いの指標であり、トナーが完全な球形の場合1.00を示し、表面形状が複雑になるほど平均円形度は小さな値となる。本発明で用いている測定装置である「FPIA−2100」は、各粒子の円形度を算出後、平均円形度の算出にあたって、得られた円形度によって、粒子を円形度0.4〜1.0を61分割したクラスに分け、分割点の中心値と頻度を用いて平均円形度の算出を行う算出法を用いている。しかしながら、この算出法で算出される平均円形度の値と、各粒子の円形度の総和を用いる算出式によって算出される平均円形度の誤差は、非常に少なく、実質的には無視できる程度であり、本発明においては、算出時間の短縮化や算出演算式の簡略化の如きデータの取り扱い上の理由で、各粒子の円形度の総和を用いる算出式の概念を利用し、一部変更したこのような算出法を用いている。さらに本発明で用いている測定装置である「FPIA−2100」は、従来よりトナーの形状を算出するために用いられていた「FPIA1000」と比較して、処理粒子画像の倍率の向上、さらに取り込んだ画像の処理解像度を向上(256×256→512×512)することによりトナーの形状測定の精度が上がっている。従って、本発明のように、より正確に形状及び粒度分布を測定する必要がある場合には、より正確に形状及び粒度分布に関する情報が得られるFPIA2100が有用である。
具体的な測定方法としては、予め容器中の不純物を除去した水200〜300ml中に分散剤として界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩)を0.1〜0.5ml加え、更に測定試料を0.1〜0.5g程度加える。試料を分散した懸濁液は超音波発振器で2分間分散し、分散液濃度を0.2〜1.0万個/μlとして粒子の円形度分布を測定する。超音波発振器としては、例えば以下の装置を使用し、以下の分散条件を用いる。
装置
UH−150(株式会社エス・エム・テー社製)
分散条件
OUTPUT レベル:5
コンスタントモード
測定の概略は、以下の通りである。
試料の分散液は、フラットで扁平なフローセル(厚み約200μm)の流路(流れ方向に沿って広がっている)を通過させる。フローセルの厚みに対して交差して通過する光路を形成するように、ストロボとCCDカメラが、フローセルに対して、相互に反対側に位置するように装着される。試料の分散液が流れている間に、ストロボ光がフローセルを流れている粒子の画像を得るために1/30秒間隔で照射され、その結果、それぞれの粒子は、フローセルに平行な一定範囲を有する2次元画像として撮影される。それぞれの粒子の2次元画像の面積から、同一の面積を有する円の直径を円相当径として算出する。それぞれの粒子の2次元画像の投影面積及び投影像の周囲長から上記の円形度算出式を用いて各粒子の円形度を算出する。
また、本発明においては、フロー式粒子像測定装置で計測される個数平均粒径分布において0.6μm以上3μm未満のトナー粒子比率が0個数%以上20個数%未満、好ましくは0個数%以上17個数%未満、より好ましくは1個数%以上15個数%未満であることが好ましい。0.6μm以上3μm未満のトナー粒子は、トナーの現像性、特にカブリ特性に大きな影響を与える。このような微粒子トナーは過度に高い摩擦帯電性を有しており、トナー中の微粒子トナーのチャージアップによりトナーの現像時に、カブリを発生しやすくなると共に繰り返し現像することで微粒子トナーが現像剤担持体表面に融着しやすくなる。本発明においてはこのような微粒子トナーの比率が少ないことによってカブリやトナー融着を低減することができる。
平均円形度が高いトナーは、トナーがより密に詰まった状態を取りやすいために現像スリーブ上により厚くトナーがコートされ、結果的にスリーブ上のトナー層の上層と下層で帯電量が異なり、連続して広い面積の画像を現像した時に先端の画像濃度よりもスリーブ2周目以降の画像の方が画像濃度が低下してしまう、スリーブネガゴーストを発生する場合がある。この時にトナー中に超微粉が多く存在すると、超微粉は他のトナー粒子よりも高い帯電量を有しているためにスリーブネガゴーストを悪化させる。本発明においては、超微粉量が少ないのでスリーブネガゴーストの悪化を抑制することができる。0.6μm以上3μm未満の粒子比率が20個数%以上だと、画像上のカブリが増加しやすく、更にスリーブネガゴーストが悪化しやすい。また、本発明で使用するトナー中のトナー粒子は、円形度0.960未満のトナー粒子の個数累積値が20個数%以上70個数%未満、好ましくは25個数%以上65個数%未満、より好ましくは30個数%以上65個数%未満、より好ましくは35個数%以上65個数%未満であることが好ましい。トナー粒子の円形度は、個々のトナー粒子によって異なる。円形度が異なるとトナー粒子としての特性も異なるため、適度な円形度のトナー粒子比率が適正な値であることが、トナーの現像性を高める上で好ましい。本発明に用いるトナー中のトナー粒子は適度な円形度を有しており、且つトナーは適度な円形度分布を有しているため、トナーの帯電分布が均一になり、カブリを低減することができる。円形度0.960未満のトナー粒子の個数累積値が20個数%未満であると、トナー粒子が耐久時に劣化する場合がある。円形度0.960未満のトナー粒子の個数累積値が70個数%以上だと、カブリが悪化したり、高温高湿環境下での画像濃度が低下する場合がある。
また、本発明においては、トナー粒子の平均面粗さが5.0nm以上35.0nm未満、好ましくは8.0nm以上30.0nm未満、より好ましくは10.0nm以上25.0nm未満であることが好ましい。トナー粒子が適度な表面粗さを有していることにより、トナー粒子間に適度な空隙が生まれ、トナーの流動性を向上させることができ、より良好な現像性をもたらすことができる。本発明に用いられる特定な平均円形度を有するトナーに含まれるトナー粒子はは、特定な平均面粗さを有していることにより優れた流動性をトナーに付与することができる。また、本発明に用いるトナーは3μm未満の超微粒子が少ないことも流動性の向上に効果的に作用する。トナー中に超微粒子が多く存在すると、トナー粒子の表面の凹部分に超微粒子が入り込み、見かけ上、トナー粒子の平均面粗さを小さくしてしまい、トナー粒子間の空隙が減り、トナーにより好ましい流動性を付与することを妨げてしまう。トナー粒子の平均面粗さが5.0nm未満だと、トナーに十分な流動性を付与しにくく、フェーディングを生じて画像濃度が低下する。トナー粒子の平均面粗さが35.0nm以上だと、トナー粒子間の空隙が多くなりすぎることでトナーの飛び散りが生じやすい。
本発明において、トナー粒子の平均面粗さは、走査型プローブ顕微鏡を用いて測定される。以下に、測定方法の例を示す。
プローズステーション:SPI3800N(セイコーインスツルメンツ(株)製)
測定ユニット:SPA400
測定モード:DFM(共振モード)形状像
カンチレバー:SI−DF40P
解像度:Xデータ数 256
Yデータ数 128
本発明においては、トナー粒子の表面の1μm四方のエリアを測定する。測定するトナー粒子は、コールターカウンター法で測定される重量平均粒径(D)に等しいトナー粒子をランダムに選択して、そのトナー粒子を測定する。測定されたデータは、2次補正を行う。異なるトナー粒子を5個以上測定し、得られたデータの平均値を算出して、そのトナー粒子の平均面粗さとする。以下に各用語を説明する。
平均面粗さ(Ra)
JIS B0601で定義されている算術平均粗さRaを、測定面に対して適用できるよう三次元に拡張したもの。基準面から指定面までの偏差の絶対値を平均した値で次式で表される。
Figure 2005099703
F(X,Y):全測定データの示す面
:指定面が理想的にフラットであると仮定したときの面積
:指定面内のZデータの平均値
指定面とは、本発明においては1μm四方の測定エリアを意味する。
次に、本発明に使用するトナー粒子を得るための好ましい方法として、表面改質工程を用いたトナー粒子の製造方法について説明する。以下に、表面改質工程で使用される表面改質装置及び表面改質装置を利用したトナー粒子の製造方法について、図面を参照しながら具体的に説明する。
図2は、トナー粒子の表面改質装置の一例を示し、図3は図2において高速回転する回転子(分散ロータ)の上面図の一例を示す。
図3に示す分散ロータ36を有する図2に示す表面改質装置では、ケーシング、冷却水或いは不凍液を通水できるジャケット(図示しない)を有し、ケーシング内にあって中心回転軸に取り付けられた、上面に角型のディスク40或いは円筒型のピン40を複数個有し、高速で回転する円盤上の回転体である分散ローター(表面改質手段)36、分散ローター36の外周に一定間隔を保持して配置されている表面に多数の溝が設けられているライナー34(ライナー表面上の溝はなくても構わない)、更に、表面改質された原料を所定粒径に分級するための手段である分級ローター31、更に、冷風を導入するための冷風導入口35、被処理原料を導入するための原料供給口33、更に、表面改質時間を自在に調整可能となるように、開閉可能なように設置された排出弁38、処理後の粉体(トナー粒子)を排出するための粉体排出口37、更に、分級ローター31と、分散ローター36とライナー34との間の空間を、被処理原料を分級手段へ導入するための第一の空間41と、分級ロータにより微粉を分級除去された粒子を表面改質ゾーンへ導入するための第二の空間42を形成するための仕切る案内手段である円筒形のガイドリング39とから構成されている。分散ローター36とライナー34との間隙部分が表面改質ゾーンであり、分級ローター31及び分級ローター周辺部分が分級ゾーンである。
分級ローター31の設置方向は、図2に示したように縦型でも構わないし、横型でも構わない。分級ローター31の個数は図2に示したように単体でも構わないし、複数でも構わない。
該表面改質装置では、排出弁38を閉とした状態で原料供給口33から原料粒子を投入すると、投入された原料粒子は、ブロワー(図示しない)により吸引され、分級ローター31で分級される。その際、分級された所定粒径以下の微粉は装置外へ連続的に排出除去され、所定粒径以上の粗粉は遠心力によりガイドリング39の内周(第二の空間42)に沿いながら分散ローター36により発生する循環流にのり表面改質ゾーンへ導かれる。表面改質ゾーンに導かれた原料粒子は分散ローター36とライナー34間で機械式衝撃力を受け、表面改質処理される。表面改質された表面改質粒子は、装置内を通過する冷風にのって、ガイドリング39の外周(第一の空間41)に沿いながら分級ゾーンに導かれ、分級ローター31により、微粉は機外へ排出され、粗粉は、循環流にのり、再度表面改質ゾーンに戻され、繰り返し表面改質作用を受ける。一定時間経過後、排出弁38を開き、排出口37より表面改質粒子(トナー粒子)を回収する。
該表面改質装置を使用したトナー粒子の表面改質工程においては、トナー粒子の表面改質と同時に微粉成分を除去できる。それにより、トナー中に存在する超微粒子がトナー粒子の表面に固着することがなく、所望の円形度、平均面粗さ及び超微粒子量を有するトナー粒子を効果的に得ることができる。一方、表面改質と同時に微粉を除去することができない場合、表面改質後のトナー中の超微粒子量が多く存在してしまう上に、トナー粒子の表面改質工程において、機械的、熱的な影響により、適正な粒径を有するトナー粒子の表面に超微粒子成分が固着してしまう。その結果、トナー粒子の表面に、固着した微粉成分による突起が生成し、所望の円形度及び平均面粗さを有するトナー粒子が得られにくい。
トナー粒子の製造方法としては、あらかじめ所望の粒径付近に微粒子化された原料トナー粒子を、気流式分級機を用いて微粉及び粗粉をある程度除去した上で、表面改質装置によってトナー粒子の表面改質及び超微粉成分の除去を行うことが好ましい。あらかじめ微粉を除去しておくことにより、表面改質装置内でのトナー粒子の分散が良好になる。特に、0.6μm以上3μm未満のトナー粒子は、比表面積が大きく、他の大きなトナー粒子と比較して相対的に摩擦帯電量が高いためにトナー粒子から超微粉成分が分離されにくいので、分級ローターで適正に超微粉成分が分級されない場合がある。あらかじめトナー粒子原料中の微粉成分を除去しておくことによって、表面改質装置内で個々のトナー粒子が分散しやすくなり、超微粉成分が適正に分級ローターによって分級され、所望の粒度分布を有するトナーを得ることができる。気流式分級機によって微粉を除去されたトナーは、コールターカウンター法を用いて測定される粒度分布において、粒径4μm未満のトナー粒子の個数平均分布の累積値が10個数%以上50個数%未満、好ましくは15個数%以上45個数%未満、より好ましくは15個数%以上40個数%未満であることが好ましく、表面改質装置によって効果的に超微粉成分を除去することができる。本発明で用いられる気流式分級機としては、エルボージェット(日鉄工業社製)があげられる。
本発明においては、該表面改質装置内の分散ローター及び分級ローターの回転数を制御することにより、トナー中の0.6μm以上3μm未満の粒子比率をより適正な値に制御することができる。
本発明で使用するトナーに使用される結着樹脂の種類としては、スチレン系樹脂、スチレン系共重合樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオール樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、フェノール樹脂、天然変性フェノール樹脂、天然樹脂変性マレイン酸樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニール、シリコーン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール、テルペン樹脂、クマロンインデン樹脂又は石油系樹脂が挙げられる。
本発明のトナーには、荷電制御剤を含有させることが好ましい。
トナーを負荷電性に制御するものとして下記化合物が挙げられる。
例えば有機金属錯体、キレート化合物が有効であり、モノアゾ金属錯体、アセチルアセトン金属錯体、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族ダイカルボン酸系の金属錯体がある。他には、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族モノ及びポリカルボン酸及びその金属塩、無水物、エステル類、ビスフェノールの如きフェノール誘導体類がある。
本発明に用いるトナーはワックスを含有してもよい。本発明に用いられるワックスには次のようなものがある。例えばパラフィンワックスおよびその誘導体、モンタンワックスおよびその誘導体、マイクロクリスタリンワックスおよびその誘導体、フィッシャートロプシュワックスおよびその誘導体、ポリオレフィンワックスおよびその誘導体、カルナバワックスおよびその誘導体などである。誘導体には酸化物やビニル系モノマーとのブロック共重合物、グラフト変性物を含む。
本発明に用いるトナーは磁性体を含有した磁性トナーであることが好ましい。磁性体は着色剤の役割をかねることもできる。トナーに使用される磁性体としては、マグネタイト、ヘマタイト、フェライトの如き酸化鉄;鉄、コバルト、ニッケルのような金属或いはこれらの金属と、アルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウムのような金属との合金及びその混合物が挙げられる。
本発明のトナーに使用し得るその他の着色剤としては、任意の適当な顔料又は染料が挙げられる。顔料としてカーボンブラック、アニリンブラック、アセチレンブラック、ナフトールイエロー、ハンザイエロー、ローダミンレーキ、アリザリンレーキ、ベンガラ、フタロシアニンブルー、インダンスレンブルーが挙げられる。
本発明に用いるトナー粒子には、無機微粉体または疎水性無機微粉体が外添されることが好ましい。例えば、シリカ微粉末、酸化チタン微粉末又はそれらの疎水化物が挙げられる。それらは、単独あるいは併用して用いることが好ましい。
シリカ微粉体としては、ケイ素ハロゲン化合物の蒸気相酸化により生成された乾式法またはヒュームドシリカと称される乾式シリカ、及び、水ガラスから製造される湿式シリカの両方が挙げられる。表面及び内部にあるシラノール基が少なく、製造残渣のない乾式シリカの方が好ましい。
さらにシリカ微粉体は疎水化処理されているものが好ましい。疎水化処理するには、シリカ微粉体と反応あるいは物理吸着する有機ケイ素化合物で化学的に処理することによって付与される。好ましい方法としては、ケイ素ハロゲン化合物の蒸気相酸化により生成された乾式シリカ微粉体をシラン化合物で処理した後、あるいはシラン化合物で処理すると同時にシリコーンオイルの如き有機ケイ素化合物で処理する方法が挙げられる。
本発明に用いるトナー粒子には、必要に応じてシリカ微粉体又は酸化チタン微粉体以外の添加剤を外添してもよい。
例えば帯電補助剤、導電性付与剤、流動性付与剤、ケーキング防止剤、熱ロール定着時の離型剤、滑剤、研摩剤の働きをする樹脂微粒子や無機微粒子である。
トナーの重量平均粒径及び粒度分布はコールターカウンター法を用いて行う。例えばコールターマルチサイザー(コールター社製)を用いることが可能である。電解液は1級塩化ナトリウムを用いて1%NaCl水溶液を調製する。例えばISOTON R−II(コールターサイエンティフィックジャパン社製)が使用できる。測定法としては、前記電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩)を0.1〜5ml加え、更に測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、該測定装置によりアパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、2.00μm以上のトナー粒子の体積及び個数を測定して体積分布と個数分布とを算出する。それからトナー及びトナー粒子の体積分布から求めた重量基準の重量平均粒径(D4)を算出する。チャンネルとしては、2.00〜2.52μm未満;2.52〜3.17μm未満;3.17〜4.00μm未満;4.00〜5.04μm未満;5.04〜6.35μm未満;6.35〜8.00μm未満;8.00〜10.08μm未満;10.08〜12.70μm未満;12.70〜16.00μm未満;16.00〜20.20μm未満;20.20〜25.40μm未満;25.40〜32.00μm未満;32.00〜40.30μm未満の13チャンネルを用いる。
本発明の現像剤担持体を有する現像装置、該現像装置を有する画像形成装置及びプロセスカートリッジについて説明する。図4は、現像剤として磁性一成分現像剤を用いた場合の、本発明の現像剤担持体を有する現像装置の一実施形態を示す模式図である。図4において、公知のプロセスにより形成された静電潜像を保持する静電潜像担持体としての電子写真感光ドラム(電子写真用感光体)1は、矢印B方向に回転される。
現像剤担持体としての現像スリーブ8は、電子写真感光ドラム1との間に所定の間隙をもって対向するように配置されている。この現像スリーブ8は、現像剤容器としてのホッパー3によって供給された磁性トナーを有する一成分系現像剤4を担持して矢印A方向に回転することによって、感光ドラム1表面において現像スリーブ8と対向する最近接部である現像領域Dに現像剤4を搬送する。図4に示す様に、現像スリーブ8内には、現像剤4を現像スリーブ8上に磁気的に吸引し且つ保持する為に、磁石を内蔵するマグネットローラ5が配置されている。
現像装置で用いられる本発明の現像スリーブ8は、基体としての金属円筒管6上に被覆された樹脂被覆層としての導電性の樹脂被覆層7を有する。ホッパー3中には、現像剤4を撹拌する為の撹拌翼10が設けられている。12は現像スリーブ8とマグネットローラ5とが非接触状態にあることを示す間隙である。
現像剤4は、磁性トナー相互間及び現像スリーブ8上の導電性の樹脂被覆層7との摩擦によって、感光ドラム1上の静電潜像を現像することが可能な摩擦帯電電荷を得る。図5では、現像領域Dに搬送される現像剤4の層を形成しこの層厚を規制する為に、現像剤層厚規制部材としての強磁性金属製の磁性規制ブレード2が、現像スリーブ8の表面から約50〜500μmのギャップ幅をもって現像スリーブ8に臨む様に、ホッパー3から垂下されている。マグネットローラ5の磁極N1からの磁力線が磁性規制ブレード2に集中することにより、現像スリーブ8上に現像剤4の薄層が形成される。本発明においては、この磁性規制ブレード2に代えて非磁性ブレードを使用することもできる。この様にして現像スリーブ8上に形成される現像剤4の薄層の厚さは、現像領域Dにおける現像スリーブ8と感光ドラム1との間の最小間隙よりも更に薄いものであることが好ましい。
本発明の現像剤担持体は、以上の様な現像剤の薄層により静電潜像を現像する方式の非接触型現像装置に組み込むのが特に有効である。現像領域Dにおいて、現像剤層の厚みが現像スリーブ8と感光ドラム1との間の最小間隙以上の厚みである接触型現像装置にも本発明の現像剤担持体を適用することができる。以下、非接触型現像装置の例を説明する。
現像スリーブ8に担持された磁性トナーを有する一成分系現像剤4を飛翔させる為、該現像スリーブ8にはバイアス手段としての現像バイアス電源9により現像バイアス電圧が印加される。この現像バイアス電圧として直流電圧を使用するときには、静電潜像の画像部(現像剤4が付着して可視化される領域)の電位と背景部の電位の中間の値の電圧を現像スリーブ8に印加するのが好ましい。現像された画像の濃度を高め、或いは階調性を向上させる為には、現像スリーブ8に交番バイアス電圧を印加し、現像領域Dに、向きが交互に反転する振動電界を形成してもよい。この場合には、上記した現像画像部の電位と背景部の電位の中間の値を有する直流電圧成分を重畳した交番バイアス電圧を現像スリーブ8に印加するのが好ましい。
高電位部と低電位部とを有する静電潜像の高電位部にトナーを付着させてトナー画像を形成する正規現像の場合には、静電潜像の極性と逆極性に帯電するトナーを使用する。高電位部と低電位部を有する静電潜像の低電位部にトナーを付着させてトナー画像を形成化する反転現像の場合には、静電潜像の極性と同極性に帯電するトナーを使用する。高電位、低電位というのは、絶対値による表現である。これらいずれの場合にも、現像剤4は少なくとも現像スリーブ8との摩擦により帯電する。
図5及び図6は、それぞれ本発明の現像装置の他の実施形態を示す構成模式図である。
図5及び図6に示した現像装置では、現像スリーブ8上の現像剤4の層厚を規制する現像剤層厚規制部材として、ウレタンゴム、シリコーンゴムの如きゴム弾性を有する材料、或いはリン青銅、ステンレス鋼の如き金属弾性を有する材料の弾性板で形成された弾性規制ブレード(弾性規制部材)11を使用している。図5の現像装置では、この弾性規制ブレード11を現像スリーブ8の回転方向と順方向の向きで圧接させており、図6の現像装置では、この弾性規制ブレード11を現像スリーブ8の回転方向と逆方向の向きで圧接させているのが特徴である。これらの現像装置では、現像剤層を介して現像剤層厚規制部材を現像スリーブ8に弾性的に圧接させている。これにより現像スリーブ上に現像剤の薄層が形成されるため、図4で説明した磁性規制ブレードを用いた場合よりも更に薄い現像剤層を、現像スリーブ8上に形成することができる。
図5及び図6の現像装置において、他の基本的構成は図4に示した現像装置と同じであり、同符号のものは基本的には同一の部材であることを示す。
図4〜図6は、本発明の現像装置を模式的に例示したものであり、現像剤容器(ホッパー3)の形状、撹拌翼10の有無、磁極の配置等に様々な変形形態があることは言うまでもない。
以下、本発明を実施例及び比較例を用いて詳細に説明するが、本実施例は本発明を何ら限定するものではない。実施例及び比較例中の「%」及び「部」とあるのは、特に断りのない限り全て質量基準である。
(黒鉛化粒子製造例A−1)
黒鉛化粒子の原材料として、コールタールピッチから溶剤分別によりβ−レジンを抽出し、β−レジンを水素添加により重質化処理を行った後、トルエンにより溶剤可溶分を除去することでバルクメソフェーズピッチを得た。このバルクメソフェーズピッチを微粉砕し、微粉砕されたバルクメソフェーズピッチを空気中において、約300℃で酸化処理した後、窒素雰囲気下にて1200℃で一次焼成して炭化し、続いて窒素雰囲気下にて3000℃で二次焼成することにより黒鉛化し、更に分級して個数平均粒径3.1μmの黒鉛化粒子A−1を得た。黒鉛化粒子A−1の物性を表1に示す。
(黒鉛化粒子製造例A−2〜5)
用いる原材料のバルクメソフェーズピッチの焼成温度と粒径をそれぞれ変更したことを除いては、黒鉛化粒子A−1の製造例と同様にして黒鉛化粒子A−2〜5を作製した。得られた黒鉛化粒子A−2〜5の物性をそれぞれ表1に示す。
(黒鉛化粒子製造例A−6)
黒鉛化粒子の原材料として、石炭系重質油を熱処理し、生成した粗メソカーボンマイクロビーズを遠心分離し、得られた粗メソカーボンマイクロビーズをベンゼンで洗浄精製して乾燥した後、アトマイザーミルで機械的に分散を行うことでメソカーボンマイクロビーズを得た。このメソカーボンマイクロビーズを窒素雰囲気下において1200℃で一次焼成を行い炭化させ、炭化されたメソカーボンマイクロビーズをアトマイザーミルで二次分散を行った後、窒素雰囲気下において2800℃で二次焼成を行い黒鉛化し、更に分級して個数平均粒径3.4μmの黒鉛化粒子A−5を得た。黒鉛化粒子A−6の物性を表1に示す。
(黒鉛化粒子製造例A−7)
黒鉛化粒子の原材料として、コークスとタールピッチの混合物を用い、この混合物をタールピッチの軟化点以上の温度で練り込み、押出し成型して粒子を形成し、窒素雰囲気下において1000℃で一次焼成を行い炭化させ、続いてコールタールピッチを含浸させた後、窒素雰囲気下において2800℃で二次焼成を行い黒鉛化し、更に粉砕及び分級して個数平均粒径7.7μmの黒鉛化粒子A−7を得た。黒鉛化粒子A−7の物性を表1に示す。
(黒鉛化粒子製造例A−8〜9)
用いる原材料のバルクメソフェーズピッチの焼成温度と粒径をそれぞれ変更したことを除いては、黒鉛化粒子A−1の製造例と同様にして黒鉛化粒子A−8〜9を作製した。得られた黒鉛化粒子A−8〜9の物性をそれぞれ表1に示す。
Figure 2005099703
(粗し粒子製造例B−1)
体積平均粒径13.5μmの球状フェノール樹脂粒子100部に、ライカイ機(自動乳鉢、石川工場製)を用いて体積平均粒径2μm以下の石炭系バルクメソフェーズピッチ粉末14部を均一に被覆し、空気中下280℃で熱安定化処理した後に窒素雰囲気下1900℃で焼成し、更に分級して得られた体積平均径14.4μmの球状導電性炭素粒子からなる粗し粒子B−1を得た。粗し粒子B−1の物性を表2に示す。
(粗し粒子製造例B−2〜5)
用いる球状フェノール樹脂粒子の粒径をそれぞれ変更したことを除いては、粗し粒子B−1の製造例と同様にして粗し粒子B−2〜5を作製した。得られた粗し粒子B−2〜5の物性をそれぞれ表2に示す。
Figure 2005099703
(塗料中間体C−1の調製)
アンモニアを触媒として製造されたレゾール型フェノール樹脂溶液 200部
(メタノール50%含有)
黒鉛化粒子(A−1) 135部
イソプロピルアルコール 200部
上記材料に直径0.5mmのジルコニアビーズをメディア粒子として加え、横型サンドミルにて分散し、塗料中間体C−1を得た。塗料中間体C−1に分散された黒鉛化粒子A−1は表3に示すように体積平均粒径が1.7μmに分散されており、10μm以上の体積累積分布は0%であった。
(塗料中間体C−2〜9の調製)
黒鉛化粒子A−1の変わりに、黒鉛化粒子A−2〜A−9をそれぞれ用いたことを除いては、塗料中間体C−1と同様にして塗料中間体2〜9を得た。塗料中間体の構成と体積粒度分布の値を表3に示す。
Figure 2005099703
(現像剤担持体E−1の作製)
アンモニアを触媒として製造されたレゾール型フェノール樹脂溶液 100部
(メタノール50%含有)
導電性カーボンブラック 15部
粗し粒子B−1 22.5部
4級アンモニウム塩化合物 20部
メタノール 50部
上記材料に直径1mmのガラスビーズをメディア粒子として加え、横型サンドミルにて分散して分散液を得た。
上記分散液207.5部に塗料中間体C−1を535部混合して、更にメタノールを加えて固形分濃度32%の塗工液1を得た。
この塗工液1を用いてエアースプレー法により外径20mmφ、算術平均粗さRa=0.3μmの研削加工したアルミニウム製円筒管上に樹脂被覆層を形成し、続いて熱風乾燥炉により150℃、30分間加熱して樹脂被覆層を硬化させ現像剤担持体E−1を作製した。得られた現像剤担持体E−1の樹脂被覆層の処方と物性を表4に示す。
(現像剤担持体E−2〜3の作製)
現像剤担持体E−1の作製において、粗し粒子B−1の添加量を22.5部から7.5部及び52部に変更したことを除いては、現像剤担持体E−1と同様にして現像剤担持体E−2及びE−3を作製した。得られた現像剤担持体E−1及びE−3の樹脂被覆層の処方と物性を表4に示す。
(現像剤担持体E−4〜5の作製)
現像剤担持体E−1の作製において、粗し粒子B−1をB−2及びB−3に変更したことを除いては、現像剤担持体E−1と同様にして現像剤担持体E−4及びE−5を作製した。得られた現像剤担持体E−4及びE−5の樹脂被覆層の処方と物性を表4に示す。
(現像剤担持体E−6〜10の作製)
現像剤担持体E−1の作製において、塗料中間体C−1をC−2〜6に変更したことを除いては、現像剤担持体E−1と同様にして現像剤担持体E−6〜10を作製した。得られた現像剤担持体E−6〜10の樹脂被覆層の処方と物性を表4に示す。
(現像剤担持体E−11の作製)
現像剤担持体E−1の作製において、塗工液の固形分濃度を23%にして更にディッピング塗工方法を用いて塗工したことを除いては、現像剤担持体E−1と同様にして現像剤担持体E−11を作製した。得られた現像剤担持体E−11の樹脂被覆層の処方と物性を表4に示す。
(現像剤担持体E−12の作製)
現像剤担持体E−1の作製において、粗し粒子B−1を添加しなかったことを除いては、現像剤担持体E−1と同様にして現像剤担持体E−12を作製した。得られた現像剤担持体E−12の樹脂被覆層の処方と物性を表4に示す。
(現像剤担持体E−13〜14の作製)
現像剤担持体E−1の作製において、粗し粒子B−1をB−4及びB−5に変更したことを除いては、現像剤担持体E−1と同様にして現像剤担持体E−4及びE−5を作製した。得られた現像剤担持体E−13及びE−15の樹脂被覆層の処方と物性を表4に示す。
(現像剤担持体E−15〜17の作製)
現像剤担持体E−1の作製において、塗料中間体C−1をC−7〜9に変更したことを除いては、現像剤担持体E−1と同様にして現像剤担持体E−15〜17を作製した。得られた現像剤担持体E−15〜18の樹脂被覆層の処方と物性を表4に示す。
(現像剤担持体E−18の作製)
現像剤担持体E−6の作製において、塗工液の固形分濃度を23%にして更にディッピング塗工方法を用いて塗工したことを除いては、現像剤担持体E−6と同様にして現像剤担持体E−18を作製した。得られた現像剤担持体E−18の樹脂被覆層の処方と物性を表4に示す。
Figure 2005099703
(現像剤1の作製)
スチレン−アクリル酸ブチル−アクリル酸共重合体 100部
磁性体 95部
モノアゾ鉄錯体 2部
パラフィンワックス 4部
上記混合物をヘンシェルミキサーで前混合した後、110℃に加熱された2軸エクストルーダで溶融混練し、冷却した混練物をハンマーミルで粗粉砕してトナー粗粉砕物を得た。得られた粗粉砕物を、機械式粉砕機ターボミル(ターボ工業社製;回転子および固定子の表面に炭化クロムを含有したクロム合金めっきでコーティング)を用いて、機械式粉砕により微粉砕し、得られた微粉砕物をコアンダ効果を利用した多分割分級装置(日鉄鉱業社製エルボジェット分級機)で微粉及び粗粉を同時に分級除去した。そこで得られた原料トナー粒子(中粉体)のコールターカウンター法で測定される重量平均粒径(D)は6.6μm、粒径4μm未満のトナー粒子の個数平均分布の累積値は25.2個数%であった。原料トナー粒子を、図1に示す表面改質装置で表面改質及び微粉除去を行った。以上の工程を経て、コールターカウンター法で測定される重量平均粒径(D)6.8μm、4μm未満のトナー粒子の個数平均分布の累積値が18.1個数%の負帯電性トナー粒子を得た。このトナー粒子の、FPIA2100で測定された3μm以上平均円形度は0.957であり、0.6μm以上3μm未満粒子比率は16.8個数%であった。また、走査型プローブ顕微鏡を用いて測定したこのトナー粒子の平均面粗さは13.5nmであった。
このトナー粒子100部と、ヘキサメチルジシラザン処理し、次いでジメチルシリコーンオイル処理を行った疎水性シリカ微粉体1.2部とを、ヘンシェルミキサーで混合して現像剤1を作製した。
(実施例1〜11、比較例1〜7)
次に作製した現像剤担持体を用いて、以下に示すような方法によって評価を行った。
作製した現像剤担持体を、図6の現像装置を有するHewlett−Packard社製レーザービームプリンターLaser Jet9000に装着して、現像剤1を供給しながら3.5万枚の耐久評価テストを行った。上記の現像装置に用いた規制部材としてはLaser Jet9000に用いられているウレタンブレードの当接条件を変更し、現像剤担持体長手方向についての1cmあたりの線圧(g/cm))を30g/cm(29.4N/m)、当接最上流位置(現像剤担持体回転方向の上流)からブレード自由端までの距離であるNEを1mmとして耐久評価を行った。
評価
下記に挙げる評価項目について耐久試験をし、実施例及び比較例の各現像剤担持体の評価を行った。
画像濃度、カブリ、スリーブゴースト、画像スジ、ハーフトーン均一性等の画像評価、現像剤担持体上のトナー搬送量(M/S)、樹脂被覆層の耐摩耗性及びトナー融着について、23℃/60%の常温常湿(N/N)環境、23℃/5%の常温低湿(N/L)環境、30℃/80%の高温高湿(H/H)環境にて、それぞれ耐久評価を行った。
評価結果を表5及び表6に示す。
(1)画像濃度
反射濃度計RD918(マクベス製)を使用し、ベタ印字した際のベタ黒部の濃度を5点測定し、その平均値を画像濃度とした。
(2)カブリ濃度
画像形成した記録紙のベタ白部の反射率(D1)を測定し、更に画像形成に用いた記録紙と同一カットの未使用の記録紙の反射率(D2)を測定し、D1−D2の値を5点求め、その平均値をカブリ濃度とした。反射率はTC−6DS(東京電色製)で測定した。
(3)スリーブゴースト
ベタ白部とベタ黒部が隣り合う画像を現像した現像スリーブの位置が、現像スリーブの次の回転時には現像位置に来て、ハーフトーン画像を現像するようにして、ハーフトーン画像上に現れる濃淡差を目視で下記の基準に基づいて評価した。
A:濃淡差が全く見られない。
B:軽微な濃淡差が見られる。
C:濃淡差がやや見られるが実用可。
D:実用上問題となる濃淡差がスリーブ1周分出る。
E:実用上問題となる濃淡差がスリーブ2周分以上出る。
(4)ハーフトーン均一性(モヤ状及び帯状の濃淡差)
ハーフトーンに発生する、モヤ状の濃淡差及び画像形成進行方向に走る帯状の濃淡差について、形成された画像を目視によって観察し、下記基準にて評価した。
AA:均一な画像。
A:良く見ると軽微に濃淡差が確認できるが、一目ではほとんど確認できないレベル。
B:モヤモヤ状または帯状の濃淡差がやや出ているが気にならないレベル。
C:モヤモヤ状または帯状の濃淡差が遠目にも確認できるが実用レベル。
D:鮫肌状のモヤモヤが全体に出ているか、もしくは帯状の濃淡差がはっきり確認できるレベル。
E:濃度が低く、全面に濃度の低い帯が拡がったレベル。
(5)画像スジ
ハーフトーン又はベタ黒に発生する、画像形成進行方向に走る白スジについて、形成された画像を目視による観察し、下記基準にて評価した。
A:画像に全く確認できない。
B:良く見ると軽微に確認できるが、一目ではほとんど確認できない。
C:ハーフトーンでは軽微に確認できるが、ベタ黒では確認できないレベル。
D:ハーフトーンでは確認できるが実用レベルであり、ベタ黒では軽微に確認できるレベル。
E:ハーフトーンでは実用上問題となる程度目立ち、ベタ黒では確認できるものの実用レベル。
F:ベタ黒画像全体で実用上問題となるスジが多数発生するレベル。
(6)トナー搬送量(M/S)
現像スリーブ上に担持されたトナーを、金属円筒管と円筒フィルターにより吸引捕集し、その際金属円筒管を通じて捕集されたトナー質量Mと、トナーを吸引した面積Sから、単位面積当たりのトナー質量M/S(dg/m2)を計算し、トナー搬送量(M/S)とした。
(7)樹脂被覆層の耐摩耗性
耐久試験前後の現像剤担持体表面の算術平均粗さ(Ra)と樹脂被服層の膜厚の削れ量を測定した。但し、耐久後の現像剤担持体を測定する際には、トナー融着物を除去するためにMEK溶剤に浸して、更に超音波を照射することで、現像剤担持体表面上のトナー融着物を除去してから測定した。
樹脂被覆層の削れ量(膜削れ)の測定としてはKEYENCE社製レーザー寸法測定器を用いた。コントローラLS−5500及びセンサーヘッドLS−5040Tを用い、スリーブ固定治具及びスリーブ送り機構を取り付けた装置にセンサー部を別途固定し、スリーブの外径寸法の平均値から測定を行った。測定はスリーブ長手方向に対し30分割して30箇所測定し、更にスリーブを周方向に90°回転させた後更に30箇所、計60箇所の測定を行い、その平均値をとった。表面被覆層塗布前のスリーブの外径を予め測定しておき、表面被覆層形成後の外径、更に耐久使用後の外径を測定し、その差分をコート膜厚及び削れ量とした。
(8)トナー融着
耐久試験後の現像剤担持体表面をKEYENCE社製の超深度形状測定顕微鏡を用いて約200倍で観察し、トナー融着の程度を下記の基準に基づいて評価した。
AA:微小な粒状のトナー融着物が軽微に観察される。
A:微小な粒状のトナー融着物が部分的に観察される。
B:微小であるがやや細長く成長したトナー融着物が周方向に部分的に観察される。
C:微細なスジ状のトナー融着物が周方向に数本観察される。
D:ややはっきりしたスジ状のトナー融着物が周方向に数本観察される。
E:はっきりしたスジ状のトナー融着物が周方向に多数観察される。
Figure 2005099703
Figure 2005099703
本発明の現像剤担持体の一部分を示す断面模式図である。 本発明に用いられるトナー粒子の表面改質工程において使用される一例の表面改質装置の概略的断面構成図である。 図2に示す分散ローターの上面図の一例を示す概略構成図である。 磁性一成分現像剤を用いた場合の、本発明の現像装置の一実施形態を示す模式図である。 本発明の現像装置の他の実施形態を示す模式図である。 本発明の現像装置の他の実施形態を示す模式図である。
符号の説明
1 電子写真感光ドラム(静電潜像担持体)
2 磁性規制ブレード(現像剤層厚規制部材)
3 ホッパー(現像剤容器)
4 現像剤
5 マグネットローラ(磁石)
6、16 金属円筒管(基体)
7、17 樹脂被覆層
8 現像スリーブ(現像剤担持体)
9 現像バイアス電源(バイアス手段)
111 弾性規制ブレード
N1、N2、S1、S2 磁極
a 粗し粒子
b 黒鉛化粒子
c 被覆樹脂
31 分級ローター
32 微粉回収
33 原料供給口
34 ライナー
35 冷風導入口
36 分散ローター
37 製品排出口
38 排出弁
39 ガイドリング
40 角型ディスク
41 第一の空間
42 第二の空間

Claims (7)

  1. 静電潜像担持体に担持された静電潜像を可視化するための一成分現像剤を担持する現像剤担持体であって、前記現像剤担持体は、少なくとも基体と、前記基体表面に形成された樹脂被覆層とを有し、前記樹脂被覆層は黒鉛化度p(002)が0.20〜0.95である黒鉛化粒子と粗し粒子を少なくとも含有し、前記樹脂被覆層の焦点光学系レーザーを用いて測定した表面形状において、前記粗し粒子により凸部が形成されていない微小凹凸領域部分の一定面積Aで計測される前記の微小な凹凸部分の形状の体積Bが4.5≦B/A≦6.5の関係を満足しており、更に前記樹脂被覆層表面の算術平均粗さRaが0.9〜2.5μmであることを特徴とする現像剤担持体。
  2. 前記黒鉛化粒子はバルクメソフェーズピッチ粒子を黒鉛化して得られたものであることを特徴とする請求項1に記載の現像剤担持体。
  3. 前記黒鉛化粒子はメソカーボンマイクロビーズ粒子を黒鉛化して得られたものであることを特徴とする請求項1に記載の現像剤担持体。
  4. 一成分現像剤を収容する現像剤容器、及び前記現像剤容器内に収容されている現像剤を層状に担持する現像剤担持体を有し、静電潜像担持体に対向する現像領域へ前記担持された現像剤を搬送し、前記搬送された現像剤により静電潜像担持体に担持された静電潜像を現像して可視化するための現像方法において、
    前記現像剤担持体は、少なくとも基体と、前記基体表面に形成された樹脂被覆層とを有し、前記樹脂被覆層は黒鉛化度p(002)が0.20〜0.95である黒鉛化粒子と粗し粒子を少なくとも含有し、前記樹脂被覆層の焦点光学系レーザーを用いて測定した表面形状において、前記粗し粒子により凸部が形成されていない微小凹凸領域部分の一定面積Aで計測される前記の微小な凹凸部分の形状の体積Bが4.5≦B/A≦6.5の関係を満足しており、更に前記樹脂被覆層表面の算術平均粗さRaが0.9〜2.5μmであることを特徴とする現像方法。
  5. 前記黒鉛化粒子はバルクメソフェーズピッチ粒子を黒鉛化して得られたものであることを特徴とする請求項4に記載の現像方法。
  6. 前記黒鉛化粒子はメソカーボンマイクロビーズ粒子を黒鉛化して得られたものであることを特徴とする請求項4に記載の現像方法。
  7. 前記一成分現像剤が、結着樹脂、磁性体を少なくとも含有するトナー粒子からなるトナーであって、前記トナー粒子のフロー式粒子像測定装置で計測される円相当径3μm以上400μm以下のトナー粒子における平均円形度が0.935以上0.970未満であり、個数平均粒径分布において0.6μm以上3μm未満のトナー粒子比率が0%以上20%未満であることを特徴とする請求項4乃至6のいずれかに記載の現像方法。
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