JP4035366B2 - 現像剤担持体、それを用いた現像装置及びプロセスカートリッジ - Google Patents

現像剤担持体、それを用いた現像装置及びプロセスカートリッジ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真感光体、或いは静電記録誘導体等の像担持体上に形成された潜像を現像して顕像化するための現像装置に用いられる現像剤担持体、該現像剤担持体が用いられている、現像装置及びプロセスカートリッジに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真法としては多数の方法が知られているが、一般には光導電性物質を利用し、種々の手段により潜像担持体(感光ドラム)上に電気的潜像を形成し、次いで該潜像を現像剤(トナー)で現像を行なって可視像化し、必要に応じて紙等の転写材にトナー像を転写した後、熱や圧力等により転写材上にトナー画像を定着して複写物を得るものである。電子写真法における現像方式は主として一成分現像方式と二成分現像方式に分けられる。近年、電子写真装置の軽量化及び小型化等を目的として複写装置部分を小さくする必要があるため、一成分現像方式を用いた現像装置が使用されることが多い。
【0003】
一成分現像方式は、二成分現像方式のようにガラスビーズや鉄粉等のキャリヤ粒子が不要なため、現像装置自体を小型化及び軽量化できる。更には、二成分現像方式は現像剤中のトナー濃度を一定に保つ必要があるため、トナー濃度を検知し必要量のトナーを補給する装置が必要である。よって、ここでも現像装置が大きく重くなる。一成分現像方式では、このような装置は必要とならないため、やはり小さく軽くできるために好ましい。
【0004】
一成分現像方式を用いた現像装置としては、潜像担持体としての感光ドラム表面に潜像を形成し、現像剤担持体(現像スリーブ)とトナーとの摩擦、及び/又は現像スリーブ上のトナーコート量を規制するための現像剤層厚規制部材との摩擦により、トナーに正或いは負の電荷を与え、そのトナーを現像スリーブ上に薄く塗布して感光ドラムと現像スリーブとが対向した現像領域に搬送し、現像領域においてトナーを感光ドラム表面の潜像に飛翔及び付着させて現像し、潜像をトナー像として顕像化するものが知られている。
【0005】
しかし、このような一成分現像方式を用いる場合にはトナー帯電の調整が難しく、トナーによる工夫が種々行われているものの、トナー帯電の不均一性や帯電の耐久安定性に関わる問題は、完全には解決されていない。特に、現像スリーブが繰り返し回転を行っているうちに、現像スリーブ上にコーティングされたトナーの帯電量が現像スリーブとの接触により高くなりすぎ、トナーが現像スリーブ表面との鏡映力により引き合って現像スリーブ表面上で不動状態となり、現像スリーブから感光ドラム上の潜像に移動しなくなる、所謂、チャージアップ現象が特に低湿下で起こりやすくなる。
【0006】
このようなチャージアップ現象が発生すると、上層のトナーは帯電しにくくなってトナーの現像量が低下するため、ライン画像の細りやベタ画像の画像濃度薄の如き問題点を生じる。更に、チャージアップにより適正に帯電されないトナーが規制不良となってスリーブ上に流出し、斑点状や波状のムラとなる、所謂ブロッチ現象も発生する。更に、画像部(トナー消費部)と非画像部とのトナー層の形成状態が変わり、帯電状態が異なってしまうため、例えば、一度画像濃度の高いベタ画像を現像した位置が、現像スリーブの次の回転時に現像位置に来てハーフトーン画像を現像すると、画像上にベタ画像の跡が現れてしまう、所謂、スリーブゴースト現象も生じやすくなる。
【0007】
また、最近では電子写真装置のデジタル化、また、更なる高画質化のために、トナーの小粒径化及び微粒子化が図られている。例えば、解像度や文字シャープ性を向上させ、潜像を忠実に再現するためには、重量平均粒径約5〜10μmのトナーを用いるのが一般的である。また、エコロジーの観点から、及び装置の更なる軽量化及び小型化等を目的として、廃トナーを軽減させるために、トナーの転写効率の向上が図られている。例えば、平均粒子径が0.1〜3μmの転写効率向上剤とBET比表面積50〜300m2/gの疎水性シリカ微粉末を含有させることで、トナーの体積抵抗を低減させ、感光ドラム上に転写効率向上剤の薄膜層を形成することにより転写効率を向上させるとともに、更にはトナー自身を機械的衝撃力により球形化処理し、転写効率を向上させる方法等が知られている。
【0008】
また、ファーストコピー時間の短縮化や省電力化の目的で、トナーの定着温度を下げる傾向にある。このような状況下では、特に低温低湿下におけるトナーは、単位質量当たりの電荷量が増えるため、更に現像スリーブ上へ静電的に付着しやすくなり、高温高湿下におけるトナーは、外部からの物理的な力や流動化しやすい材料を用いているために変質しやすくなり、トナーによるスリーブ汚染やスリーブ融着が起こりやすくなっている。
【0009】
このような現象を解決する方法として、特開平02−105181号公報や特開平03−036570号公報等においては、被覆層の樹脂中に、固体潤滑剤及びカーボンの如き導電性微粉末を分散させた被覆層が金属基体上に設けられている現像スリーブを現像装置に用いる方法が提案されている。この方法を用いることにより、上記した現象は大幅に軽減されることが認められる。しかしながら、この方法では、上記粉末を多量に添加した場合には、チャージアップやスリーブゴーストに対しては良好となるが、被覆層が削れやすくなり、耐久を進めていった場合、表面粗さが不均一となり、トナーへの帯電付与が不均一となりやすく、添加量が少量の場合には、固体潤滑剤及びカーボンの如き導電性微粉末の効果が薄く、チャージアップやスリーブゴーストに対して不十分であるという問題が残る。
【0010】
また、特開平03−200986号公報においては、被覆層の樹脂中に固体潤滑剤及びカーボンの如き導電性微粉末、更に球状粒子を分散させた導電性被覆層を金属基体上に設けた現像スリーブが提案されている。この現像スリーブでは、被覆層の耐磨耗性が向上するとともに、被覆層表面の形状が均一化し、更に表面粗さの変化も少ないことから、スリーブ上のトナーコーティングが安定化するためトナーの帯電が均一化し、スリーブゴースト、画像濃度、ベタ画像等のスジやムラ等の画質がより安定化する。しかしながら、この現像スリーブにおいても耐摩耗性は完全ではなく、更なる長期における耐久においては、被覆層に摩耗が生じ、その場合にはトナーの帯電が不安定となり画像不良の原因となる。また、前記のような低温定着性トナーを用いる場合、被覆層の磨耗による被覆層の表面粗さの減少が、スリーブ汚染やスリーブ融着を発生させる可能性があり、これもまた、画像劣化の原因となりやすい。
【0011】
また、特開平08−240981号公報においては、導電性被覆層中に分散された球状粒子が導電性の球状粒子であり、更に被覆層の耐摩耗性が向上されることで、被覆層表面の形状を更に安定させるとともに、トナー帯電を更に向上させ、且つ被覆層が多少摩耗した際にもトナーによるスリーブ汚染及びスリーブ融着が抑制されうる表面層を有する現像スリーブが提案されている。しかしながら、更なる長期における耐久においては、被覆層の磨耗量と導電性球状粒子の磨耗量との違いにより、耐久初期と耐久後期の被覆層の表面粗さの変化が大きくなる可能性があり、耐久初期と耐久後期においてのトナーコート量が変化し、画像劣化の原因となる可能性がある。また、前記のような高転写性を有する小粒径トナーを用いる場合は、被覆層の表面粗さの変化がトナーコート量に与える影響は、より顕著となりやすく、これもまた、画像劣化の原因となりやすい。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、粒径の小さいトナーや高転写性を有するトナーを用いた場合に現れる、トナーのチャージアップ現象及びブロッチを防止し、異なる環境下においても長期に渡って、トナーに適正な帯電量を与えることのできる現像剤担持体、それを用いた現像装置及びプロセスカートリッジを提供することである。
【0013】
また、本発明の目的は、異なる環境下においても長期間に渡って、画像濃度の低下、及びカブリの如き問題点が発生せず、高品位の画像を安定的に得ることができ、また、低温定着性を有するトナーを用いた場合に現れる、現像剤担持体表面へのトナーによるスリーブ汚染及びスリーブ融着を生じず、スジやムラ等の不良画像を発生しない現像剤担持体、それを用いた現像装置及びプロセスカートリッジを提供することである。
【0014】
また、本発明の目的は、異なる環境下においても長期間に渡って、現像剤担持体表面の表面粗さの変化を小さくすることにより、現像剤担持体上のトナーコート量を一定量に制御することのできる現像剤担持体、それを用いた現像装置及びプロセスカートリッジを提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的は以下の本発明によって達成される。即ち、本発明は、潜像担持体(以下「感光ドラム」ということがある)上に形成された潜像を、現像剤担持体に担持搬送された磁性一成分現像剤により現像し可視像化する現像装置に用いられる、円筒状若しくは円柱状の基体表面に樹脂被覆層を有する現像剤担持体において、該樹脂被覆層が、少なくとも硬化性の結着樹脂及び該樹脂被覆層中に分散されている黒鉛粒子を含有し、該黒鉛粒子は、黒鉛化度p(002)が0.21以上0.94以下の、メソカーボンマイクロビーズ又はメソフェーズピッチを不活性雰囲気下で2300〜3200℃で熱処理して得られたものであり、該樹脂被覆層は、該黒鉛粒子を、該結着樹脂100質量部に対して4〜100質量部の範囲で含み、且つ該現像剤担持体は、下記式(1)で計算された該樹脂被覆層表面の表面皮膜物性試験におけるユニバーサル硬さ測定値HUの硬度分布から求められる平均値A及び標準偏差σが、それぞれ296≦A≦512[N/mm2]及び32≦σ≦89[N/mm2]であり、更に、前記硬化性の結着樹脂が、フェノール樹脂であることを特徴とする現像剤担持体(以下「現像スリーブ」という場合がある)を提供する。
ユニバーサル硬さ値HU=K×F/h2[N/mm2] (1)
[式中、Kは定数、Fは試験荷重(N)、hは圧子の最大押し込み深さ(mm)を表す。]
【0016】
また、本発明は、磁性一成分現像剤を収容している現像容器と、該現像容器に収容された現像剤を担持し、且つ現像領域へ該現像剤を搬送するための現像剤担持体を有する現像装置において、該現像剤担持体が、前記本発明の現像剤担持体であることを特徴とする現像装置を提供する。
【0017】
また、本発明は、画像形成装置本体に脱着可能なプロセスカートリッジにおいて、該プロセスカートリッジが、(i)静電潜像を担持するための潜像担持体、及び(ii)該静電潜像を現像領域で現像剤によって現像し、現像画像を形成するための現像手段を少なくとも一体的に有しており、該現像手段は、磁性一成分現像剤を収容している現像剤容器、及び該現像剤容器内に収容されている現像剤を担持し、且つ該現像剤を現像領域へ搬送するための現像剤担持体を有しており、該現像剤担持体が、前記本発明の現像剤担持体であることを特徴とするプロセスカートリッジを提供する。
【0018】
本発明者らは、前記の課題について鋭意検討を行った結果、上記手段を用いた構成とすることで、現像剤担持体表面の樹脂被覆層の耐久初期の被覆層表面の形状を均一化することができ、耐久を進めていった際も、被覆層の表面粗さの変化を小さくすることができることで、トナーコート量の変化も小さく、耐久後期においてもトナーを適正に均一帯電させることができるとともに、異なる環境下においても長期に渡って良好な画像が得られるという効果を見出したのである。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下に好ましい実施の形態を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
次に本発明に用いられる現像スリーブ、それを用いた現像装置及びプロセスカートリッジについて更に詳細に述べる。
先ず、本発明の現像スリーブにおける樹脂被覆層の構成について説明する。図1〜4は本発明に用いられる、樹脂被覆層1が金属円筒管からなる基体2上に形成されている様子を示す断面の模式図である。3はマグネットローラである。図1においては、黒鉛粒子aが結着樹脂b中に分散され、樹脂被覆層1の表面への凹凸形成や導電性付与、トナーに対する離型性及びトナーへの帯電付与性等に寄与している。
【0020】
図2においては、黒鉛粒子aが樹脂被覆層1の表面に凹凸を形成するとともに、更に結着樹脂b中に黒鉛粒子aに加えて導電剤cを添加することで導電性を高めた構成であり、導電剤c自体は実質的な凹凸形成にはあまり寄与していない。しかしながら、導電剤cに限らず、添加される別の固体粒子により微小な凹凸が形成される様態も含まれる。
【0021】
図3においては、黒鉛粒子aが樹脂被覆層1の表面に凹凸を形成するとともに、更に結着樹脂b中に黒鉛粒子aに加えて固体潤滑剤dを添加することで潤滑性を高めた構成であり、トナーに対する離型性を更に向上させている。
【0022】
図4は、樹脂被覆層1の表面に凹凸を形成し表面粗さを制御するために、結着樹脂b中に更に球状粒子eが添加されたモデルを示し、球状粒子の粒径及び添加量等で樹脂被覆層1の表面の凹凸を更に制御しやすいようにした構成である。このような構成は、現像剤層厚規制部材が現像剤担持体に対して(トナーを介して)弾性的に圧接されるタイプの現像装置に用いる場合に効果的である。即ち、球状粒子eの粒径が黒鉛粒子aの粒径よりも大きい場合、この樹脂被覆層1の表面の球状粒子eにより弾性規制部材の圧接力を規制し、且つ黒鉛粒子aは小さな凹凸を形成して、トナーと被覆層の樹脂及び黒鉛粒子aとの接触帯電機会やトナーとの離型性を調整する役割も果たす。また、黒鉛粒子aと球状粒子eの双方が樹脂被覆層1の表面の凹凸形成に寄与している場合は、球状粒子eに表面への凹凸付与以外に導電性や帯電付与性及び耐磨耗性等の別の機能をもたせることで、更にトナーへの摩擦帯電特性が向上する。また、図示はしなかったが、樹脂被覆層1を、黒鉛粒子a、導電剤c、固体潤滑剤d及び球状粒子eのすべてが結着樹脂b中に分散された構成とすると、それぞれの添加効果が相乗的に発揮されるので特に好ましい。
【0023】
次に、本発明の樹脂被覆層表面の硬度及びその硬度分布から求められる平均値及び標準偏差について説明する。
本発明に用いられる樹脂被覆層表面の硬度は、下記式(1)で計算された被覆層表面の表面皮膜物性試験におけるユニバーサル硬さ測定値HUの硬度分布から求められる平均値A及び標準偏差σが、それぞれ100≦A≦800[N/mm2]及び30≦σ≦90[N/mm2]に設定される。
ユニバーサル硬さ値HU=K×F/h2[N/mm2] (1)
[式中、Kは定数、Fは試験荷重(N)、hは圧子の最大押し込み深さ(mm)を表す。]
【0024】
ここで、樹脂被覆層表面のユニバーサル硬さ測定値HUの硬度分布から求められる平均値Aが100N/mm2より小さい場合は、樹脂被覆層が削れやすくなってしまい、耐磨耗性が十分ではなく、耐久初期から画像不良を生じてしまう。平均値Aが800N/mm2より大きい場合は、現像剤層厚規制部材が現像スリーブに対して(トナーを介して)弾性的に圧接されるタイプ(弾性規制ブレード)の現像装置に適用する場合、耐久初期の段階で弾性規制ブレードの表面に摺擦キズをつけてしまうことから、トナーコートムラを発生し、ベタ画像のスジやムラ等の画像劣化の原因となってしまう。即ち、被覆層表面の硬度分布から求められる平均値Aは、100≦A≦800[N/mm2]の範囲であることが好ましいが、上記画像劣化を更に長期に渡って抑制するためには、平均値Aは、200≦A≦700[N/mm2]の範囲であることが更に好ましい。
【0025】
また、樹脂被覆層表面のユニバーサル硬さ測定値HUの硬度分布から求められる標準偏差σが、30N/mm2より小さい場合は、耐久初期における被覆層表面の形状は均一化していても、耐久を進めるにつれて、被覆層表面の凸部から選択的に磨耗が生じてしまうため、被覆層の表面粗さが小さくなってしまう傾向がある。これにより、耐久後期のトナーコート量が減少し、特に高温高湿下では、画像濃度低下やベタ画像のスジやムラ等の画像劣化、また、低温定着性トナーを用いた場合には、トナーによるスリーブ汚染やスリーブ融着の原因となってしまう。
【0026】
標準偏差σが90N/mm2より大きい場合は、被覆層表面の硬度の小さい部分の磨耗量が、硬度の大きい部分の磨耗量より大きくなってしまうことで、被覆層の表面粗さが極度に変化してしまう傾向がある。即ち、被覆層表面の凸部の硬度が小さく、且つ凹部の硬度が大きい場合は上記のように被覆層の表面粗さが極度に減少してしまう傾向にあり、これもまた、画像劣化の原因となりやすい。
【0027】
また、被覆層表面の凸部の硬度が大きく、且つ凹部の硬度が小さい場合は被覆層の表面粗さが極度に上昇してしまう傾向にあり、耐久後期のトナーコート量が増加し、特に低湿下では、文字の飛び散りやカブリ等、画像劣化の原因となってしまう。しかしながら、本発明者らは、被覆層表面の表面皮膜物性試験におけるユニバーサル硬さ測定値HUの硬度分布から求められる平均値A及び標準偏差σを、それぞれ100≦A≦800[N/mm2]及び30≦σ≦90[N/mm2]に設定することで、耐久初期と耐久後期の表面粗さの変化を低減し、耐久初期と耐久後期においてのトナーコート量を一定に制御できうることを見出した。耐久による被覆層の表面粗さ推移とトナーコート量推移の模式図を図5及び図6に示す。
【0028】
次に、本発明の樹脂被覆層に用いられる黒鉛粒子について説明する。本発明に用いられる黒鉛粒子としては、特開平02−105181号公報や特開平03−036570号公報等において現像剤担持体表面の樹脂被覆層中に用いられている、コークス等の骨剤をタールピッチ等により固めて成形後1,000〜1,300℃程度で焼成してから、2,500〜3,000℃程度で黒鉛化して得た人造黒鉛、或いは天然黒鉛からなる結晶性グラファイトが使用可能である。また、更に好ましい黒鉛粒子としては、黒鉛化度p(002)が0.20≦p(002)≦0.95で、下記式(2)で計算された値の平均値である平均円形度SF−1が0.64以上であることを満足していることが好ましい。
円形度=(4×A)/{(ML)2×π} (2)
[式中、MLは粒子投影像のピタゴラス法最大長を表し、Aは粒子像の投影面積を表す。]
【0029】
この黒鉛化粒子は、現像剤担持体の被覆層表面に均一な表面粗度を保持させると同時に、被覆層表面が摩耗した場合でも被覆層の表面粗度の変化が少なく、且つトナー汚染やトナー融着を発生し難くするために添加するものである。更に、この黒鉛化粒子はトナーへの帯電付与性を高める効果もある。上記の黒鉛化度p(002)とは、Franklinのp値といわれるもので、黒鉛のX線回折図から得られる格子間隔d(002)を測定することで、d(002)=3.440−0.086(1−P2)で求められる。このp値は、炭素の六方網目平面積み重なりのうち、無秩序な部分の割合を示すもので、p値が小さいほど黒鉛化度は大きい。
【0030】
この黒鉛化粒子は、上記人造黒鉛及び結晶性グラファイトとは、原材料及び製造工程が異なる。そのため、黒鉛化粒子は従来用いていた結晶性グラファイトより黒鉛化度は若干低いものの、従来に用いられていた結晶性グラファイトと同様に高い導電性や潤滑性を有しており、更に粒子の形状が従来に用いられていた結晶性グラファイトの燐片状或いは針状とは異なり、概略球状でしかも粒子自身の硬度が比較的高いのが特徴である。従って、上記のような特性を有する該黒鉛化粒子は樹脂被覆層中で均一に分散しやすくなるため、均一な表面粗度と耐磨耗性を被覆層表面に与え、且つ粒子自身の形状が変化しがたいために結着樹脂分等の削れ、又はその影響による粒子自身の脱落が生じたとしても、樹脂層中から粒子が再度突出或いは露出してくることもあり、表面形状の変化を小さくおさえることができる。
【0031】
更に、現像剤担持体表面の被覆層中に黒鉛化粒子を用いると、トナーのチャージアップを発生させることなく、従来の結晶性グラファイトを用いた場合よりもトナーへの摩擦帯電付与能を向上することが可能となる。本発明の黒鉛化粒子の黒鉛化度p(002)は、0.20≦p(002)≦0.95であることが好ましく、0.25≦p(002)≦0.75であることがより好ましい。
【0032】
p(002)が0.95を超える場合は、耐磨耗性には優れているが、導電性や潤滑性が低下してトナーのチャージアップを発生する場合があり、スリーブゴースト、カブリ、画像濃度等の画質が悪化しやすくなり、更に弾性ブレードを使用した場合にブレード表面に摺擦キズが発生する場合があり、ベタ画像にスジやムラ等が発生しやすくなる。p(002)が0.20未満の場合は、黒鉛化粒子の耐磨耗性の悪化により被覆層表面の耐磨耗性、樹脂被覆層の機械的強度及びトナーへの帯電付与性が低下してしまう。
【0033】
更に、本発明に用いられる黒鉛化粒子は、下記(2)式より求められる平均円形度SF−1が0.64以上であることが好ましい。平均円形度SF−1が0.64未満である場合には、被覆層中への黒鉛化粒子の分散性が低下するとともに、被覆層表面粗さの不均一化が発生し、トナーの迅速且つ均一な帯電化及び導電性被覆層の耐磨耗性や強度の点で好ましくない。
本発明において、黒鉛化粒子の平均円形度SF−1は下記(2)式
円形度=(4×A)/{(ML)2×π} (2)
[式中、MLは粒子投影像のピタゴラス法最大長を表し、Aは粒子像の投影面積を表す。]
で計算された値の平均値を意味する。
【0034】
本発明において、上述した平均円形度SF−1を求めるための具体的な手法としては、光学系により拡大された黒鉛化粒子投影像を画像解析装置に取り込み、個々の粒子についての円形度の値を算出し、これらを平均することにより求められる。尚、本発明においては、平均値として信頼性が得られ、また、樹脂被覆層への特性に与える影響が大きい円相当径2μm以上の粒子範囲に限定して円形度を測定している。また、これらの値の信頼性を得るために測定粒子数は3,000個程度以上、好ましくは5,000個以上を測定する。このように多数の黒鉛化粒子の円形度の解析を効率的に行うことが可能な具体的な測定装置としては、マルチイメージアナライザー(ベックマン・コールター社製)がある。
【0035】
マルチイメージアナライザーは、電気抵抗法による粒度分布測定装置に、CCDカメラにより粒子像を撮影する機能と撮影された粒子像を画像解析する機能を組み合わせたものである。詳細には、電解質溶液中に超音波等により均一に分散した測定粒子を、電気抵抗法による粒度分布測定装置であるマルチサイザーのアパーチャーを粒子が通過する際の電気抵抗変化で検知し、これに同期してストロボを発光してCCDカメラで粒子像を撮影する。この粒子像をパソコンに取り込み、2値化後、画像解析するものである。
【0036】
本発明に使用される黒鉛化粒子としては、個数平均粒径が0.5〜25μmであることが好ましく、1〜20μmであることがより好ましい。黒鉛化粒子の個数平均粒径が0.5μm未満では表面に均一な粗さを付与する効果と帯電性能を高める効果が少なく、現像剤への迅速且つ均一な帯電が不十分となるとともに、被覆層の磨耗によるトナーのチャージアップ、トナー汚染及びトナー融着が発生し、ゴーストの悪化や画像濃度低下を生じやすくなるために好ましくない。個数平均粒径が25μmを越える場合には、被覆層表面の粗さが大きくなり過ぎ、トナーの帯電が十分に行なわれにくくなってしまうとともに、被覆層の機械的強度が低下してしまうために好ましくない。
【0037】
本発明で使用する黒鉛化粒子を得る方法としては、以下に示すような方法が好ましいが、必ずしもこれらの方法に限定されるものではない。
本発明に使用される特に好ましい黒鉛化粒子を得る方法としては、原材料としてメソカーボンマイクロビーズやバルクメソフェーズピッチ等の光学的に異方性で、しかも単一の相からなる粒子を用いて黒鉛化することが、黒鉛化粒子の黒鉛化度を高め且つ球状の形状を保持させるために好ましい。上記の原材料の光学的異方性は、芳香族分子の積層から生じるものであり、その秩序性が黒鉛化処理で更に発達し、高度の黒鉛化度を有する黒鉛化粒子が得られる。
【0038】
本発明に用いられる黒鉛化粒子を得る原材料として、前記のバルクメソフェーズピッチを用いる場合は、加熱下で軟化溶融するものを用いることが球状で黒鉛化度の高い黒鉛化粒子を得るために好ましい。前記のバルクメソフェーズピッチを得る方法として代表的なものは、例えば、コールタールピッチ等から溶剤分別によりβ−レジンを抽出し、これを水素添加及び重質化処理を行うことによって得られるメソフェーズピッチである。また、前記重質化処理後、微粉砕し、次いでベンゼン又はトルエン等により溶剤可溶分を除去することで得られるメソフェーズピッチである。このバルクメソフェーズピッチはキノリン可溶分が95質量%以上であることが好ましい。95質量%未満のものを用いると、粒子内部が液相炭化しにくく、固相炭化するため粒子が破砕状のままとなり、球状のものが得られない。
【0039】
次に前記のメソフェーズピッチを用いて黒鉛化する方法としては、先ず、前記のバルクメソフェーズピッチを2〜25μmに微粉砕して、これを空気中で約200〜350℃で熱処理することにより、軽度に酸化処理する。この酸化処理によって、バルクメソフェーズピッチは表面のみ不融化され、次工程の黒鉛化熱処理時の溶融及び融着が防止される。この酸化処理されたバルクメソフェーズピッチは酸素含有量が5〜15質量%であることが好ましい。5質量%未満であると熱処理時の粒子同士の融着が激しいので好ましくなく、15質量%を超えると粒子内部まで酸化されてしまい、形状が破砕状のまま黒鉛化し、球状のものが得られにくい。次に上記の酸化処理したバルクメソフェーズピッチを窒素やアルゴン等の不活性雰囲気下にて、約2,000〜3,500℃で熱処理することにより所望の黒鉛化粒子が得られる。
【0040】
また、本発明に用いられる黒鉛化粒子を得るためのもう一つの好ましい原材料であるメソカーボンマイクロビーズを得る方法として代表的なものは、例えば、石炭系重質油又は石油系重質油を300〜500℃の温度で熱処理し、重縮合させて粗メソカーボンマイクロビーズを生成し、反応生成物を濾過、静置沈降、遠心分離等の処理に供することにより、メソカーボンマイクロビーズを分離した後、ベンゼン、トルエン、キシレン等の溶剤で洗浄し、更に乾燥することによって得られる。
【0041】
前記のメソカーボンマイクロビーズを用いて黒鉛化する方法としては、先ず乾燥を終えたメソカーボンマイクロビーズを破壊させない程度の温和な力で機械的に一次分散させておくことが黒鉛化後の粒子の合一防止や均一な粒度を得るために好ましい。この一次分散を終えたメソカーボンマイクロビーズは、不活性雰囲気下において200〜1,500℃の温度で一次加熱処理され、炭化される。一次加熱処理を終えた炭化物は、やはり炭化物を破壊させない程度の温和な力で炭化物を機械的に分散させることが、黒鉛化後の粒子の合一防止や均一な粒度を得るために好ましい。二次分散処理を終えた炭化物は、不活性雰囲気下において約2,000〜3,500℃で二次加熱処理することにより所望の黒鉛化粒子が得られる。
【0042】
また、前記の何れの原材料から得られた黒鉛化粒子は、何れの製法にかかわらず、分級により粒度分布をある程度均一にしておくことが、樹脂被覆層の表面形状を均一にするために好ましい。また、何れの原材料を用いた黒鉛化粒子の生成方法においても、黒鉛化粒子の焼成温度は2,000〜3,500℃が好ましく、2,300〜3,200℃がより好ましい。焼成温度が2,000℃未満の場合は、黒鉛化粒子の黒鉛化度が不十分であり、導電性や潤滑性が低下してトナーのチャージアップを発生する場合があり、スリーブゴースト、カブリ、画像濃度等の画質が悪化しやすくなり、更に弾性ブレードを使用した場合にブレード傷が発生する場合があり、ベタ画像にスジやムラ等が発生しやすくなる。焼成温度が3,500℃を超える場合は黒鉛化粒子の黒鉛化度が高すぎてしまう場合があり、そのため黒鉛化粒子の硬度が下がり、黒鉛化粒子の耐磨耗性の悪化により被覆層表面の耐磨耗性、樹脂被覆層の機械的強度及びトナーへの帯電付与性が低下しやすい。
【0043】
また、樹脂被覆層中に分散されている黒鉛化粒子の含有量としては、被覆樹脂100質量部に対して好ましくは2〜150質量部、より好ましくは4〜100質量部の範囲で特に好ましい結果を与える。黒鉛化粒子の含有量が2質量部未満の場合には黒鉛化粒子の添加効果が小さく、150質量部を越える場合には樹脂被覆層の密着性が低くなり過ぎて耐磨耗性が悪化してしまう場合がある。
【0044】
次に、本発明の樹脂被覆層に用いられる結着樹脂としては、一般に公知の樹脂が使用可能である。例えば、フェノール系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、スチレン系樹脂、ビニル系樹脂、セルロース系樹脂、メラミン系樹脂、尿素系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリイミド系樹脂、アクリル樹脂等が挙げられる。機械的強度を考慮すると熱或いは光硬化性の樹脂がより好ましいが、十分な機械的強度を有するものであれば、熱可塑性樹脂も適用可能である。
【0045】
本発明において、上記した形成材料によって現像スリーブ表面に形成される樹脂被覆層は、チャージアップによるトナーの現像スリーブ表面への固着や、トナーのチャージアップに伴って生じる現像スリーブの表面からトナーへの帯電付与不良を防ぐためには、導電性であることが望ましい。また、被覆層の体積抵抗値としては、好ましくは10-2〜105Ω・cm、より好ましくは103Ω・cm以下である。現像スリーブ表面の被覆層の体積抵抗値が、105Ω・cmを超えるとトナーへの帯電付与不良が発生しやすく、その結果、ブロッチ(斑点画像や波模様画像)が発生しやすい。
【0046】
本発明においては、樹脂被覆層の抵抗値を、上記の値に調整するためには、下記に挙げる導電性微粉末を被覆層中に含有させてもよい。この際に使用される導電性微粉末としては、例えば、アルミニウム、銅、ニッケル、銀等の金属粉体の微粉末、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化スズ、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化モリブデン、チタン酸カリウム等の金属酸化物、各種カーボンファイバー、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラック、アセチレンブラック、チャネルブラック等のカーボンブラック、グラファイト等の炭素物、更には金属繊維等が挙げられる。
【0047】
これらのうち、カーボンブラック、とりわけ導電性のアモルファスカーボンは、特に電気伝導性に優れ、高分子材料に充填して導電性を付与したり、その添加量をコントロールするだけで、ある程度任意の導電度を得ることができるために好適に用いられる。塗料にした場合の分散安定性も良好となりうる。また、本発明において、これら導電性微粉末を使用する場合、その添加量は、結着樹脂100質量部に対して1〜100質量部の範囲とすることが好ましい。1質量部未満では被覆層の抵抗値を所望のレベルに下げることは、通常困難であり、また、現像スリーブ被覆層に用いられる結着樹脂に対するトナー付着が発生する可能性が高い。100質量部を超えると、特にサブミクロンオーダーの粒度を有する微粉体を用いた場合、被覆層の強度(摩耗性)が低下しうる。
【0048】
次に本発明においては、樹脂被覆層に用いられる固体潤滑剤として、一般に公知の固体潤滑剤が使用可能である。例えば、グラファイト、二硫化モリブデン、窒化硼素、雲母、フッ化グラファイト、銀−セレンニオブ、塩化カルシウム−グラファイト、滑石、ステアリン酸亜鉛等の脂肪酸金属塩等が挙げられ、特にグラファイトが被覆層の導電性を損なわないので好ましく用いられる。また、本発明で使用することのできるこれら固体潤滑剤の添加量は、結着樹脂100質量部に対して1〜100質量部の範囲とすることが好ましい。
【0049】
1質量部未満では被覆層の結着樹脂表面に対する現像剤の付着性の改善効果は少なく、100質量部を超えると、特にサブミクロンオーダーの粒度を有する微粉体が多く含まれる材料を用いた場合、被覆層の強度(摩耗性)が低下することがある。これらの固体潤滑剤は、個数平均粒径が好ましくは0.2〜20μm程度、より好ましくは1〜15μmのものを使用する。固体潤滑剤の個数平均粒径が0.2μm未満の場合には、潤滑性が十分に得られ難く好ましくなく、個数平均粒径が20μmを越える場合には、樹脂被覆層表面の形状への影響が大きく表面性が不均一となり、トナーの均一な帯電化、及び被覆層の強度の点で好ましくない。
【0050】
次に本発明の樹脂被覆層に用いることのできる被覆層表面に凹凸を形成するための球状粒子(以下、凹凸形成粒子と称す)について説明する。
このような凹凸形成粒子としては、例えば、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエチルアクリレート、ポリブタジエン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等のビニル系重合体や共重合体、ベンゾグアナミン樹脂、フェノール樹脂、ポリアミド、フッ素系樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂等の樹脂粒子、アルミナ、酸化亜鉛、シリコーン、酸化チタン、酸化錫等の酸化物粒子、炭素粒子、導電化処理を施した樹脂粒子等の導電性粒子、その他、後述する帯電制御剤等の有機化合物を粒子状にして用いることも可能である。この場合には、トナーに摩擦帯電電荷を付与する役割も果たす。
【0051】
これら凹凸形成粒子のうち、樹脂粒子としては、例えば、懸濁重合法や分散重合法等による球状の樹脂粒子等が好ましく用いられる。ここで、球状とは、粒子の長径/短径の比が1.0〜1.5程度のものをいい、好ましくは長径/短径の比が1.0〜1.2の粒子、更に好ましくは真球状の粒子を使用する。球状の樹脂粒子は、より少ない添加量で好適な表面粗さが得られ、更に均一な表面形状が得られやすい。
【0052】
このような球状の樹脂粒子としては、ポリアクリレートやポリメタクリレート等のアクリル系樹脂粒子、ナイロン等のポリアミド系樹脂粒子、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂粒子、シリコーン系樹脂粒子、フェノール系樹脂粒子、ポリウレタン系樹脂粒子、スチレン系樹脂粒子、ベンゾグアナミン粒子等が挙げられる。粉砕法により得られた樹脂粒子を熱的に或いは物理的な球形化処理を行ってから用いてもよい。また、このように凹凸形成粒子が球状であると、圧接される現像剤層厚規制部材等との接触面積が低減されるので、摩擦力によるスリーブ回転トルクの増加や、トナーの付着等を軽減することができるのでより好ましい。
【0053】
このような球状の樹脂粒子の表面には、無機微粉末を付着させる、或いは固着させて用いてもよい。無機微粉末としては、SiO2、SrTiO3、CeO2、CrO、Al23、ZnO、MgO、TiO2の如き酸化物、Si34の如き窒化物、SiCの如き炭化物、CaSO4、BaSO4、CaCO3の如き硫酸塩や炭酸塩等が挙げられる。
【0054】
更に上記の無機微粉末は、カップリング剤により処理して用いてもよい。特に結着樹脂との密着性を向上させる目的、或いは粒子に疎水性を与える等の目的では好ましく用いることが可能である。このようなカップリング剤としては、例えば、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、ジルコアルミネートカップリング剤等がある。より具体的には、例えば、シランカップリング剤としては、ヘキサメチルジシラザン、トリメチルシラン、トリメチルクロルシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジクロルシラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルクロルシラン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、ブロムメチルジメチルクロルシラン、α−クロルエチルトリクロルシラン、β−クロルエチルトリクロルシラン、クロルメチルジメチルクロルシラン、トリオルガノシリルメルカプタン、トリメチルシリルメルカプタン、トリオルガノシリルアクリレート、ビニルジメチルアセトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ヘキサメチルジシロキサン、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン、1,3−ジフェニルテトラメチルジシロキサン及び1分子当たり2から12個のシロキサン単位を有し、末端に位置する単位にそれぞれ1個宛の硅素原子に結合した水酸基を含有したジメチルポリシロキサン等が挙げられる。このように球状樹脂粒子表面に対して無機微粉末で処理することにより、被覆層形成用塗料中への分散性、塗工表面の均一性、被覆層表面の耐汚染性、トナーへの帯電付与性及び被覆層の耐磨耗性等を向上させることができる。
【0055】
また、被覆層表面の耐汚染性や耐磨耗性を更に向上させるために、凹凸形成粒子に導電性を付与することが更に好ましい。導電性の球状粒子としては、例えば、導電化処理された球状粒子として、酸化チタン、酸化ニオブ、酸化マンガン、酸化鉛等の金属酸化物や硫酸バリウム等の顔料の表面に、酸化スズ等の良導電性物質をコートしたもの、或いは酸化亜鉛、酸化銅、酸化イリジウム等の絶縁性金属酸化物中に、酸化数の異なる金属をドーピングして導電性をもたせたもの、更には本発明者らが提案した特開平8−240981号公報に記載の導電性球状粒子がある。
【0056】
このような導電性球状粒子の体積抵抗は106Ω・cm以下、より好ましくは10-3〜106Ω・cmの粒子である。体積抵抗が106Ω・cmを超えると、摩耗によって被覆層表面に露出した球状粒子を核としてトナーの汚染や融着を発生しやすくなるとともに、迅速且つ均一な帯電が行われにくくなる。即ち、粒子に導電性を持たせることによって、その導電性ゆえに粒子表面にチャージが蓄積しにくく、トナー付着の軽減やトナーの帯電付与性を向上させることができるからである。
【0057】
また、添加される凹凸形成粒子の真密度は、3g/cm3以下のものが好ましい。真密度が3g/cm3を超えると、結着樹脂との真密度差が大きくなるため、被覆層形成用塗料の製造時の粒子の分散状態が不均一となりやすく、従って被覆層中での凹凸形成粒子の分散状態も不均一となる。そのため、被覆層表面に均一な粗さを付与しにくくなり、トナーへの均一な帯電付与や被覆層の強度が不十分となり、更にこれらの粒子の利点である耐汚染性や耐磨耗性が発揮できなくなる可能性がある。
以上のように、上記の条件を満たす凹凸形成粒子の種類としては、球状炭素粒子、導電性物質で表面処理された球状樹脂粒子及び導電性微粒子が分散された球状樹脂粒子等が挙げられる。
【0058】
また、このような凹凸形成粒子の粒径は、個数平均粒径で1.0〜30μmが好ましく、より好ましくは3.0〜20μmである。1.0μm未満では均一な表面凹凸は難しく、表面粗さを大きくしようとした場合、添加量が過大になり、樹脂被覆層が脆くなり耐摩耗性が極端に低下する。逆に30μmより大きくなると、粒子が被覆層表面から突出しすぎるため、トナーコート層の厚みが大きくなり過ぎてトナーの帯電が低下したり、不均一になりやすく、バイアスをかけた際に感光ドラムへリークするポイントになる恐れがある。
更に本発明の樹脂被覆層には、必要に応じて荷電制御剤を含有させて用いてもよい。荷電制御剤としては、後述のトナー粒子形成に用いるものと同ようなものが使用可能である。
【0059】
本発明で好適に使用される上記のような構成を有する現像スリーブ表面の被覆層の表面粗さは、一般的には、JIS−B0601に基づく算術平均粗さRaで0.3〜3.5μmの範囲にあることが好ましい。ただし、その現像方式によって好ましい表面粗さは異なる。例えば、図8に示されるような磁性トナーを用い、現像剤層厚規制部材として現像スリーブと間隙をもって配置された磁性ブレードを有するような現像装置では、Raが、0.3〜1.5μm程度にあることが好ましい。0.3μmより小さい場合には、トナーコート量が不十分であり、トナーコート量不足による画像濃度薄や、トナーのチャージアップ現象やブロッチ等が発生する。
【0060】
また、1.5μmより大きい場合には、トナーコート量が過多のため摩擦帯電が不均一となり、文字の飛び散りやカブリ、トナー帯電不足による画像濃度薄等を発生しやすい。また、例えば、図7に示されるような、弾性部材が現像スリーブに圧接して用いられる現像装置の場合には、Raが0.8〜3.5μm程度にあることが好ましい。0.8μmより小さい場合には、トナーコート量が不十分であり、トナーコート量不足による画像濃度薄や、トナーのチャージアップ現象やブロッチ等が発生する。更には、現像スリーブへのトナー融着も発生しやすい。
【0061】
また、3.5μmより大きい場合には、トナーコート量が過多のため摩擦帯電が不均一となり、文字の飛び散りやカブリ、トナー帯電不足による画像濃度薄等を発生しやすい。また、図9に示されるような二成分現像装置においては、キャリア粒子やマグネット配置等、その磁気力によって、また、キャリア粒径や現像スリーブ−規制部材間隙の大きさ等により、搬送力が大きく変化するので、その時々に応じて上記範囲で任意の表面粗さとするが、通常は、Raで1.0〜2.5μm程度のものが好ましく用いられる。
本発明における表面粗さの測定は、小坂研究所製表面粗度計SE−3500を用い、測定条件としては、カットオフ0.8mm、測定距離8.0mm、送り速度0.1mm/secにて12箇所の測定値の平均をとった。
【0062】
本発明において樹脂被覆層を得る方法としては、例えば、各成分を溶剤中に分散混合して塗料化し、後述する基体上に塗工することにより得ることが可能である。各成分の分散混合には、サンドミル、ペイントシェーカー、ダイノミル、パールミル等のビーズを利用した公知の分散装置が好適に利用可能である。また、塗工方法としては、ディッピング法、スプレー法、ロールコート法等、公知の方法が適用可能である。
【0063】
また、上記したような構成の樹脂被覆層の層厚は、好ましくは25μm以下、より好ましくは20μm以下、更に好ましくは4〜20μmであると均一な層厚を得るために好ましいが、特にこの層厚に限定されるものではない。
また、本発明において、上記の構成で形成される樹脂被覆層を有する現像スリーブの基体としては、例えば、金属、その合金又はその化合物が好適に用いられ、特にステンレススチール及びアルミニウムやその合金を円筒状に成形したものが好適に用いられる。中でもアルミニウムは加工性に優れ、例えば、円筒状基体の場合、軸方向の振れ、及び周方向の真円度等、機械的精度が向上するので特に好ましい。これら基体の表面は、更にブラスト、ヤスリ、切削等で所定の表面粗さになるように処理されていてもよく、電解メッキや無電解メッキ等で処理されていてもよい。
【0064】
また、本発明において、上記の構成で形成される樹脂被覆層を有する現像スリーブの基体としては、例えば、ステンレススチール等の芯金の外周面に弾性層を有するものでもよい。芯金の外周面に形成される弾性層としては、一般的にはシリコーンゴムやウレタンゴム等を成型加工したものが好適に用いられ、更に電気抵抗を調整するための導電剤等を含有したものが特に好ましい。これら弾性層は表面層となる上記樹脂被覆層の密着性向上のために、所定の硬度及び表面粗さを有しているものが好ましいが、若しくは弾性層表面に更に中間層を有していてもよい。また、芯金状の基体表面もブラスト、ヤスリ、切削等で所定の表面粗さに処理されていてもよく、電解メッキや無電解メッキ等で処理されていてもよい。
【0065】
次に上記の構成で形成される樹脂被覆層を有する現像スリーブを用いた現像装置について詳しく説明する。
現像装置としては、例えば、図7及び図8に示すような現像装置が知られている。図7及び図8において、公知のプロセスにより形成された潜像を担持する潜像担持体、例えば、感光ドラム301は、矢印A方向に回転される。現像剤担持体としての現像スリーブ308は、現像剤容器303に収容された一成分系磁性トナーとしての現像剤304を担持して、矢印B方向に回転することによって、現像スリーブ308と感光ドラム301とが対向している現像領域Dに現像剤304を搬送する。図7及び図8に示すように、現像スリーブ308は、基体としての金属円筒管306上に形成された樹脂被覆層307を有し、また、現像スリーブ308内には現像剤304を現像スリーブ308上に磁気的に吸引且つ保持するために、マグネットローラー305が配置及び固着されている。現像スリーブ308とマグネットローラー305とは非接触状態にある。
【0066】
また、現像剤容器303中には、矢印C方向に回転することによって、現像剤304を攪拌する攪拌翼309、310、314、現像剤容器303中に現像剤304を供給するスクリュー311、現像剤容器303中の現像剤量を調整する攪拌壁312が設けられている。
【0067】
現像剤304は、磁性トナー相互間及び現像スリーブ308上の樹脂被覆層307との摩擦により、感光ドラム301上の潜像を現像することが可能な摩擦帯電電荷を得る。図7の例では、現像領域Dに搬送される現像剤304の層厚を規制するために、現像剤層厚規制部材としての、ウレタンゴムやシリコーンゴムの如きゴム弾性を有する材料、或いはリン青銅やステンレス鋼の如き金属弾性を有する材料の弾性板からなる弾性規制ブレード302を使用しており、現像剤を介して現像スリーブ308の回転方向と逆の姿勢で圧接させ、現像スリーブ308上に現像剤304の薄層を形成している。この弾性規制ブレード302としては、特に安定した規制力とトナーへの安定した(負)帯電付与性のためには、安定した加圧力の得られるリン青銅板表面にポリアミドエラストマー(PAE)を貼り付けた構造のものを用いることが好ましい。ポリアミドエラストマー(PAE)としては、例えば、ポリアミドとポリエーテルの共重合体が挙げられる。
【0068】
現像スリーブ308に対する現像剤層厚規制部材302の当接圧力は、線圧5〜50N/mであることが、現像剤の規制を安定化させ、現像剤層厚を好適にさせることができる点で好ましい。現像剤層厚規制部材302の当接圧力が線圧5N/m未満の場合には、現像剤の規制が弱くなり、カブリやトナー漏れの原因となり、線圧50N/mを超える場合には、トナーへのダメージが大きくなり、トナー劣化やスリーブ及びブレードへの融着の原因となりやすい。
【0069】
本発明においては、この磁性規制ブレードに代えて図8に示すような強磁性金属製の磁性規制ブレード302を、現像スリーブ308の表面から約50〜500μmのギャップ幅を持って現像スリーブ308に臨むように現像剤容器303から垂下されており、マグネットローラー305のN極からの磁力線が磁性規制ブレード302に集中することにより、現像スリーブ308上に現像剤304の薄層を形成するようにもできる。
【0070】
このようにして現像スリーブ308上に形成される現像剤304の薄層の厚みは、現像領域Dにおける現像スリーブ308と感光ドラム301との間の最小間隙よりも更に薄いものであることが好ましい。本発明の現像スリーブは、以上のような現像剤の薄層により潜像を現像する方式の現像装置、即ち、非接触型現像装置に組み込むのが特に有効であるが、現像領域Dにおいて、現像剤層の厚みが現像スリーブ308と感光ドラム301との間の最小間隙以上の厚みである現像装置、即ち、接触型現像装置にも本発明の現像剤担持体を適用することができる。
【0071】
説明の煩雑を避けるため、以下の説明では、上記したような非接触型現像装置を例に採って行う。上記現像スリーブ308に担持された磁性トナーを有する一成分系現像剤304を飛翔させるため、上記現像スリーブ308にはバイアス手段としての現像バイアス電源313により現像バイアス電圧が印加される。この現像バイアス電圧として直流電圧を使用するときに、潜像の画像部(現像剤304が付着して可視像化される領域)の電位と背景部の電位との間の値の電圧を現像スリーブ308に印加するのが好ましい。
【0072】
現像された画像の濃度を高め、或いは階調性を向上させるためには、現像スリーブ308に交番バイアス電圧を印加し、現像領域Dに向きが交互に反転する振動電界を形成してもよい。この場合には、上記した現像画像部の電位と背景部の電位の中間の値を有する直流電圧成分を重畳した交番バイアス電圧を現像スリーブ308に印加するのが好ましい。高電位部と低電位部を有する潜像の高電位部にトナーを付着させて可視像化する、所謂正規現像の場合には、潜像の極性と逆極性に帯電するトナーを使用する。高電位部と低電位部を有する潜像の低電位部にトナーを付着させて可視化する、所謂反転現像の場合には、潜像の極性と同極性に帯電するトナーを使用する。高電位及び低電位というのは、絶対値による表現である。これら何れの場合にも、現像剤304は少なくとも現像スリーブ308との摩擦により帯電する。
【0073】
図7及び図8はあくまでも本発明の現像装置を模式的に例示したものであり、現像剤容器303の形状、攪拌翼309、310、314の有無、磁極の配置に様々な形態があることは言うまでもない。勿論、これらの装置は、トナーとキャリアを含む二成分系現像剤を用いる現像に使用することもできる。
【0074】
次に本発明の現像スリーブが組み込まれる二成分現像装置について説明例示する。図9は、二成分現像剤を用いるのに好適な現像装置の模式図を表す。図9において、現像容器553の現像室564内に、矢印E方向に回転される潜像担持体551に対向して現像スリーブとしての非磁性現像スリーブ559を備えており、本発明においては基体としての円筒状の非磁性金属557の表面に樹脂被覆層558が設けられている。この現像スリーブ559内に磁界発生手段としての磁性ローラー556が不動に設置されており、現像ローラー560を形成している。磁性ローラー556はS1〜3、N1、N2の5極構成に着磁されている。
【0075】
現像室564内には、トナーと磁性キャリアとを混合した二成分現像剤が収容されている。この現像剤は、現像室564上端開放の隔壁554の開口を通って現像容器553の攪拌室565内に送られると、トナー室555から攪拌室565内に供給されたトナーがトナー送り規制部材563を介して補給され、攪拌室565内の第1現像剤撹拌・搬送手段562によって混合される。攪拌室565で攪拌された現像剤は、隔壁554の図示しない他の開口を通って現像室564内に戻され、そこで現像室564内の第2現像剤撹拌・搬送手段561により、撹拌及び搬送されながら現像スリーブ559に搬送される。
【0076】
現像スリーブ559に供給された現像剤は、上記の磁石ローラー556の磁力の作用により磁気的に拘束され、現像スリーブ559上に担持され、現像スリーブ559の下部に設けられた現像剤層厚規制部材552での規制によって現像スリーブ559上で現像剤の薄層に形成されながら、現像スリーブ559の矢印F方向への回転に伴い潜像保持体551と対向した現像部Gへと搬送され、そこで潜像担持体551上の潜像の現像に供される。現像に消費されなかった残余の現像剤は、現像スリーブ559の回転により現像容器553内に回収される。現像容器553内では同極のS2とS3間での反発磁界により現像スリーブ559上に磁気的に拘束されている現像残りの残余の現像剤を剥ぎ取るようになっている。現像スリーブ上方にはトナー飛散を防止するために飛散防止部材566が固定及び設置されている。図9は、あくまでも模式的な例であり、容器の形状、攪拌部材の有無、磁極の配置、回転方向等に様々な形態があることは言うまでもない。
【0077】
次に図10を参照しながら、図7〜9で例示した本発明の現像装置を使用した画像形成装置の一例について説明する。先ず、一次帯電手段としての接触(ローラー)帯電手段119により静電潜像保持体としての感光ドラム101の表面を負極性に帯電し、レーザー光の露光115によるイメージスキャニングによりデジタル潜像が感光ドラム101上に形成される。次に、現像剤層厚規制部材としての弾性規制ブレード111を有し、多極永久磁石105が内包されている現像剤担持体としての現像スリーブ108が具備されている現像装置によって、上記のデジタル潜像が、ホッパー103内の磁性トナーを有する一成分系現像剤104によって反転現像される。
【0078】
図10に示すように、現像領域Dにおいて感光ドラム101の導電性基体は接地されており、現像スリーブ108にはバイアス印加手段109により交互バイアス、パルスバイアス及び/又は直流バイアスが印加されている。次に、被記録材Pが搬送されて転写部に来ると、転写手段としての接触(ローラー)転写手段113により被記録材Pの背面(感光ドラム側と反対面)から電圧印加手段114で帯電されることにより、感光ドラム101の表面上に形成されている現像画像(トナー画像)が接触転写手段113で被記録材P上へ転写される。次に、感光ドラム101から分離された被記録材Pは、定着手段としての加熱加圧ローラー定着器117に搬送され、該定着器117によって被記録材P上のトナー画像の定着処理がなされる。
【0079】
転写工程後の感光ドラム101に残留する一成分系現像剤104は、クリーニングブレード118aを有するクリーニング手段118で除去される。残留する一成分系現像剤104が少ない場合にはクリーニング工程を省くことも可能である。クリーニング後の感光ドラム101は、必要によりイレース露光116により除電され、再度、一次帯電手段としての接触(ローラー)帯電手段113による帯電工程から始まる上記工程が繰り返される。
【0080】
上記の一連の工程において、感光ドラム(即ち、静電潜像保持体)101は感光層及び導電性基体を有するものであり、矢印方向に動く。現像剤担持体である非磁性の円筒の現像スリーブ108は、現像領域Dにおいて感光ドラム101の表面と同方向に進むように回転する。現像スリーブ108の内部には、磁界発生手段である多極永久磁石(マグネットロール)105が回転しないように配されている。現像剤容器103内の一成分系現像剤104は、現像スリーブ108上に塗布されて担持され、且つ現像スリーブ108の表面との摩擦及び/又は磁性トナー同士の摩擦によって、例えば、マイナスのトリボ電荷が与えられる。
【0081】
更に、弾性規制ブレード111を現像スリーブ108を弾性的に押圧するように設け、現像剤層の厚さを薄く(30〜300μm)且つ均一に規制して、現像領域Dにおける感光ドラム101と現像スリーブ108との間隙よりも薄い現像剤層を形成させる。現像スリーブ108の回転速度を調整することによって、現像スリーブ108の表面速度が感光ドラム101の表面の速度と実質的に等速、若しくはそれに近い速度となるようにする。現像領域Dにおいて、現像スリーブ108に現像バイアス電圧として、交流バイアス又はパルスバイアスをバイアス印加手段109により印加してもよい。この交流バイアスはfが200〜4,000Hz、Vppが500〜3,000Vであればよい。
【0082】
現像領域Dにおける現像剤(磁性トナー)の移転に際し、感光ドラム101の表面の静電気力、及び交流バイアス又はパルスバイアスの如き現像バイアス電圧の作用によって、磁性トナーは静電潜像側に移転する。
【0083】
弾性規制ブレード111の代わりに、鉄の如き磁性ドクターブレードを用いることも可能である。一次帯電手段としては、以上の如く接触帯電手段として帯電ローラー119を用いて説明したが、帯電ブレードや帯電ブラシの如き接触帯電手段でもよく、更に非接触のコロナ帯電手段でもよい。しかしながら、帯電によるオゾンの発生が少ない点で接触帯電手段の方が好ましい。また、転写手段としては、以上の如く転写ローラー113の如き接触転写手段を用いて説明したが、非接触のコロナ転写手段でもよい。しかしながら、こちらも転写によるオゾンの発生が少ない点で接触転写手段の方が好ましい。
【0084】
次に図11に、本発明のプロセスカートリッジの一具体例を示す。以下のプロセスカートリッジの説明において、図10を用いて説明した画像形成装置の構成部材と同様の機能を有するものについては、図10と同じ符号を用いて説明する。本発明のプロセスカートリッジは、少なくとも現像手段と静電潜像保持体とが一体的にカートリッジ化されたものであり、画像形成装置本体(例えば、複写機、レーザービームプリンター、ファクシミリ装置)に着脱可能に構成されている。
【0085】
図11に示した実施形態では、現像手段120、ドラム状の静電潜像保持体(感光ドラム)101、クリーニングブレード118aを有するクリーニング手段118、一次帯電手段としての接触(ローラー)帯電手段119を一体としたプロセスカートリッジ150が例示される。本実施形態では、現像手段120は、現像スリーブ108と、弾性規制ブレード111と現像剤容器103内に磁性トナーを有する一成分系現像剤104とを有し、該現像剤104を用い、現像時にはバイアス印加手段からの現像バイアス電圧により感光ドラム101と現像スリーブ108との間に所定の電界が形成されて現像工程が実施される。この現像工程を好適に実施するためには、感光ドラム101と現像スリーブ108との間の距離が非常に大切である。
【0086】
上記では、現像手段120、静電潜像保持体101、クリーニング手段118及び一次帯電手段119の4つの構成要素を一体的にカートリッジ化した実施形態について説明したが、本発明においては、現像手段と静電潜像保持体との少なくとも2つの構成要素が一体的にカートリッジ化されたものであればよく、現像手段、静電潜像保持体及びクリーニング手段の3つの構成要素、現像手段、静電潜像保持体及び一次帯電手段の3つの構成要素、或いは、その他の構成要素を加えて一体的にカートリッジ化することも可能である。
【0087】
次に、本発明の現像装置で用いられるトナーについて説明する。トナーは主として樹脂、離型剤、荷電制御剤、着色剤等を溶融混練し、固化した後粉砕し、しかる後分級等をして粒度分布を揃えた微粉体である。トナーに用いられる結着樹脂としては、一般に公知の樹脂が使用可能である。
【0088】
例えば、スチレン、α−メチルスチレン、p−クロルスチレン等のスチレン及びその置換体の単重合体;スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−ジメチルアミノエチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体等のスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テンペル樹脂、フェノール樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、パラフィンワックス、カルナバワックス等が単独或いは混合して使用できる。
【0089】
また、トナー中には顔料を含有することができる。例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、ランプ黒、スーダンブラックSM、ファースト・イエローG、ベンジジン・イエロー、ピグメント・イエロー、インドファースト・オレンジ、イルガジン・レッド、パラニトロアニリン・レッド、トルイジン・レッド、カーミンFB、パーマネント・ボルドーFRR、ピグメント・オレンジR、リソール・レッド2G、レーキ・レッドC、ローダミンFB、ローダミンBレーキ、メチル・バイオレッドBレーキ、フタロシアニン・ブルー、ピグメント・ブルー、ブリリアント・グリーンB、フタロシアニングリーン、オイルイエローGG、ザボン・ファーストイエローCGG、カヤセットY963、カヤセットYG、ザボン・ファーストオレンジRR、オイル・スカーレット、オラゾール・ブラウンB、ザボン・ファーストスカーレットCG、オイルピンクOP等が適用できる。
【0090】
トナーを磁性トナーとして用いるために、トナーの中に磁性粉を含有せしめてもよい。このような磁性粉としては、磁場の中におかれて磁化される物質が用いられ、鉄、コバルト、ニッケル等の強磁性金属の粉末、又はマグネタイト、ヘマタイト、フェライト等の合金や化合物がある。この磁性粉の含有量はトナー質量に対して15〜70質量%が良い。
【0091】
トナーに、定着時の離型性向上や定着性向上の目的で、ワックス類を含有させることができる。そのようなワックス類としては、パラフィンワックス及びその誘導体、マイクロクリスタリンワックス及びその誘導体、フィッシャートロプッシュワックス及びその誘導体、ポリオレフィンワックス及びその誘導体、カルナバワックス及びその誘導体等で、誘導体には酸化物や、ビニル系モノマーとのブロック共重合物、グラフト変性物を含む。その他、アルコール、脂肪酸、酸アミド、エステル、ケトン、硬化ヒマシ油及びその誘導体、植物系ワックス、動物系ワックス、鉱物系ワックス、ペトロラクタム等も利用できる。
【0092】
また、必要に応じてトナーに荷電制御剤を含有させてもよい。荷電制御剤には、負荷電制御剤及び正荷電制御剤がある。例えば、トナーを負荷電性に制御するものとして下記物質がある。例えば、有機金属錯体、キレート化合物が有効であり、モノアゾ金属錯体、アセチルアセトン金属錯体、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族ダイカルボン酸系の金属錯体がある。他には、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族モノ及びポリカルボン酸及びその金属塩、無水物、エステル類、ビスフェノール等のフェノール誘導体類等がある。
【0093】
また、トナーを正帯電させるための物質としては下記のようなものがある。ニグロシン及び脂肪酸金属塩等による変性物、トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルフォン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレート等の四級アンモニウム塩、及びこれらの類似体であるホスホニウム塩等のオニウム塩及びこれらのレーキ顔料(レーキ化剤としては、りんタングステン酸、りんモリブデン酸、りんタングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン化物、フェロシアン化物等)、高級脂肪酸の金属塩;ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジシクロヘキシルスズオキサイド等のジオルガノスズオキサイド;ジブチルスズボレート、ジオクチルスズボレート、ジシクロヘキシルスズボレート等のジオルガノスズボレート類;グアニジン化合物、イミダゾール化合物。
【0094】
トナーは必要に応じて、流動性改善等の目的で無機微粉末の如き粉末を外添して用いられる。このような微粉末としては、シリカ微粉末、アルミナ、チタニア、酸化ゲルマニウム、酸化ジルコニウム等の金属酸化物;炭化ケイ素、炭化チタン等の炭化物;及び窒化ケイ素、窒化ゲルマニウム等の窒化物等の無機微粉体が用いられる。これらの微粉体は、有機ケイ素化合物やチタンカップリング剤等で有機処理して用いることが可能である。
【0095】
例えば、有機ケイ素化合物としては、ヘキサメチルジシラザン、トリメチルシラン、トリメチルクロルシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジクロルシラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルクロルシラン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、ブロムメチルジメチルクロルシラン、α−クロルエチルトリクロルシラン、β−クロルエチルトリクロルシラン、クロルメチルジメチルクロルシラン、トリオルガノシリルメルカプタン、トリメチルシリルメルカプタン、トリオルガノシリルアクリレート、ビニルジメチルアセトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ヘキサメチルジシロキサン、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン、1,3−ジフェニルテトラメチルジシロキサン、及び1分子当り2から12個のシロキサン単位を有し末端に位置する単位にそれぞれ1個宛のSiに結合した水酸基を含有するジメチルポリシロキサン等がある。また、未処理の微粉体を窒素含有のシランカップリング剤で処理したものを用いてもよい。特にポジトナーの場合に好ましい。
【0096】
そのような処理剤の例としては、アミノプロピルトリメトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、ジメチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジプロピルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジブチルアミノプロピルトリメトキシシラン、モノブチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジオクチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジブチルアミノプロピルジメトキシシラン、ジブチルアミノプロピルモノメトキシシラン、ジメチルアミノフェニルトリメトキシシラン、トリメトキシシリル−γ−プロピルフェニルアミン、トリメトキシシリル−γ−プロピルベンジルアミン、トリメトキシシリル−γ−プロピルピペリジン、トリメトキシシリル−γ−プロピルモルホリン、トリメトキシシリル−γ−プロピルイミダゾール等がある。
【0097】
上記シランカップリング剤により無機微粉体を処理する方法としては、例えば、1)スプレー法、2)有機溶媒法、3)水溶液法等がある。一般に、スプレー法による処理とは、顔料を撹拌しここにカップリング剤の水溶液或いは溶媒液をスプレーし、この後水或いは溶媒を120〜130℃程度で除去乾燥する方法である。また、有機溶媒法による処理とは、少量の水とともに加水分解用触媒を含む有機溶媒(アルコール、ベンゼン、ハロゲン化炭化水素等)にカップリング剤を溶解し、これに顔料を浸積した後、濾過或は圧搾により固液分離を行い120〜130℃程度で乾燥させるものである。水溶液法とは0.5%程度のカップリング剤を、一定pHの水或いは水−溶媒中で加水分解させ、ここに顔料を浸積した後、同様に固液分離を行い乾燥するものである。
【0098】
他の有機処理としてシリコーンオイルで処理された微粉体を用いることも可能である。好ましいシリコーンオイルとしては、25℃における粘度がおよそ0.5〜10000mm2/s、好ましくは1〜1000mm2/sのものが用いられ、例えばメチルハイドロジエンシリコーンオイル、ジメチルシリコーンオイル、フェニルメチルシリコーンオイル、クロルフェニルメチルシリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、脂肪酸変性シリコーンオイル、ポリオキシアルキレン変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル等が挙げられる。また、側鎖に窒素原子を有するシリコーンオイルを用いてもよい。特にポジトナーの場合は好ましい。
【0099】
シリコーンオイルによる処理は、例えば、次のようにして行ない得る。必要に応じて加熱しながら顔料を激しく撹乱しており、これに上記シリコーンオイル或いはその溶液をスプレー若しくは気化して吹き付けるか、又は顔料をスラリー状にしておき、これを撹拌しつつシリコーンオイル或いはその溶液を滴下することによって容易に処理できる。これらのシリコーンオイルは1種或いは2種以上の混合物或いは併用や多重処理して用いられる。
【0100】
また、シランカップリング剤による処理と併用しても構わない。このようなトナーは、種々の方法で、球形化処理や表面平滑化処理を施して用いると、転写性が良好となり好ましい。そのような方法としては、攪拌羽根又はブレード等、及びライナー又はケーシング等を有する装置で、例えば、トナーをブレードとライナーの間の微小間隙を通過させる際に、機械的な力により表面を平滑化したりトナーを球形化したりする方法、温水中にトナーを懸濁させ球形化する方法、熱気流中にトナーを曝し、球形化する方法等がある。
【0101】
また、球状のトナーを直接作る方法としては、水中にトナー結着樹脂となる単量体を主成分とする混合物を懸濁させ、重合してトナー化する方法がある。一般的な方法としては、重合性単量体、着色剤、重合開始剤、更に必要に応じて架橋剤、荷電制御剤、離形剤、その他の添加剤を均一に溶解又は分散せしめて単量体組成物とした後、この単量体組成物を分散安定剤を含有する連続層、例えば、水相中に適当な攪拌機を用いて適度な粒径に分散し、更に重合反応を行わせ、所望の粒径を有する現像剤を得る方法である。
【0102】
トナーはキャリアと混合して二成分現像剤として用いることもできる。
キャリア材料としては、例えば、鉄、ニッケル、コバルトといった磁性体金属、及びそれらの合金、或いは希土類を含有する合金類、ヘマタイト、マグネタイト、マンガン−亜鉛系フェライト、ニッケル−亜鉛系フェライト、マンガン−マグネシウム系フェライト及びリチウム系フェライト等のソフトフェライト、銅−亜鉛系フェライトといった鉄系酸化物、及びそれらの混合物、更には、ガラス、炭化ケイ素等のセラミックス粒子、樹脂粉体、磁性体を含有する樹脂粉体等を挙げることができ、通常は平均粒径が20〜300μm程度の粒状物として用いる。
このようなキャリアは上記に挙げた粒状物を直接キャリア粒子として用いてもよいが、トナーの摩擦帯電電荷を調整したり、キャリアへのトナースペントを防止したりするために、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂等のコート剤により適宜粒子表面に樹脂コートを施して用いることもできる。
【0103】
以下に本発明に関わるその他物性の測定方法について述べる。
[測定方法]
(1)被覆層表面の硬度測定
本発明における硬度とは、フィッシャー・インストルメンツ社製フィッシャースコープH100Vを用い、表面皮膜物性試験から得られる硬さ値であり、測定においては、対面角度が136°に規定されている四角錘のダイヤモンド圧子を使用し、測定荷重を段階的にかけて皮膜に押し込んでいった際の、荷重をかけた状態での押し込み深さを電気的に検出して読み取り、硬さ値は試験荷重をその試験荷重で生じた圧痕の表面積で除した比率で表示され、ユニバーサル硬さ値HUは、下記式(1)に示したように、圧子の最大押し込み深さでの硬さ値で表される。
ユニバーサル硬さ値HU=K×F/h2 [N/mm2] (1)
[但し、K:定数(1/26.43)、F:試験荷重(N)、h:圧子の最大押し込み深さ(mm)]
上記硬さ値は、その他の硬度測定等よりも微小な荷重で測定できるとともに、弾性、塑性を有する材料に関しても、弾性変形や塑性変形分を含んだ硬度が得られるので、好ましく用いられる。
【0104】
また、測定用に用意される試料は、基体表面に樹脂被覆層が形成された試料を用いるが、被覆層表面に関しては平滑である方が測定精度が向上するので、研磨処理等の平滑化処理を施した後測定することが、更に好ましい。本発明においては、被覆層表面を#2000の研磨テープを用いて研磨処理を施し、研磨処理後の表面粗さRaが0.2以下になるように設定した。
【0105】
また、試験荷重、及び圧子の最大押し込み深さは、被覆層表面の表面粗さの影響を受けず、且つ下地の基体の影響を受けない程度の範囲が好ましく、本発明においては、圧子の最大押し込み深さが1〜2μm程度になるよう試験荷重をかけて測定した。また、測定環境は23℃、50%とし測定回数は異なる測定点にて100回とし、その硬度分布から求められる平均値をAとし、標準偏差をσとした。
【0106】
(2)黒鉛化粒子の黒鉛化度p(002)
黒鉛化度p(002)は、マックサイエンス社製の強力型全自動X線回折装置“MXP18”システムにより、黒鉛のX線回折スペクトルから得られる格子間隔d(002)を測定することで、d(002)=3.440−0.086(1−P2)で求めた。
【0107】
尚、格子間隔d(002)は、CuKαをX線源とし、CuKβ線はニッケルフィルターにより除去している。標準物質に高純度シリコンを使用し、C(002)及びSi(111)回折パターンのピーク位置から算出した。主な測定条件は以下のとおりである。
・X線発生装置:18kw
・ゴニオメータ:横型ゴニオメータ
・モノクロメータ:使用
・管電圧:30.0kV
・管電流:10.0mA
・測定法:連続法
・スキャン軸:2θ/θ
・サンプリング間隔:0.020deg
・スキャン速度:6.000deg/min
・発散スリット:0.50deg
・散乱スリット:0.50deg
・受光スリット:0.30mm
【0108】
(3)粒子の平均円形度SF−1
多数の粒子の円形度の解析を効率的に行うことが可能な具体的な測定装置として、マルチイメージアナライザー(ベックマン・コールター社製)を用いて測定を行った。マルチイメージアナライザーは、電気抵抗法による粒度分布測定装置に、CCDカメラにより粒子像を撮影する機能と撮影された粒子像を画像解析する機能を組み合わせたものである。詳細には、電解質溶液中に超音波等により均一に分散した測定粒子を、電気抵抗法による粒度分布測定装置であるマルチサイザーのアパーチャーを粒子が通過する際の電気抵抗変化で検知し、これに同期してストロボを発光してCCDカメラで粒子像を撮影する。この粒子像をパソコンに取り込み、2値化後、画像解析するものである。
上記の装置により、粒子投影像のピタゴラス法最大長ML、投影面積Aを求め、2μm以上の3000個の粒子についての円形度の値を下記式(2)から算出し、これらを平均することにより平均円形度SF−1を求める。
円形度=(4×A)/{(ML)2×π} (2)
【0109】
(4)トナー及び樹脂粒子の粒径測定
電解質溶液100〜150mlに界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸塩)を0.1〜5ml添加し、これに測定試料を2〜20mg添加する。試料を懸濁した電解液を超音波分散器で1〜3分間分散処理して、前述したコールターカウンターマルチサイザーにより17μm又は100μm等の適宜トナーサイズに合わせたアパチャーを用いて体積を基準として0.3〜40μmの粒度分布等を測定するものとする。この条件で測定した個数平均粒径及び重量平均粒径をコンピュータ処理により求め、更に個数基準の粒度分布より個数平均粒径の1/2倍径累積分布以下の累積割合を計算し、1/2倍径累積分布以下の累積値を求める。同様に体積基準の粒度分布より重量平均粒径の2倍径累積分布以上の累積割合を計算し、2倍径累積分布以上の累積値を求める。
【0110】
(5)樹脂被覆層の体積抵抗の測定
100μmの厚さのPET(ポリエチレンテレフタレート)レシート上に7〜20μmの厚さの被覆層を形成し、ASTM規格(D−991−82)及び、日本ゴム協会標準規格SRIS(2301−1969)に準拠した、導電性ゴム及びプラスチックの体積抵抗測定用の4端子構造の電極を設けた電圧降下式デジタルオーム計(川口電機製作所製)を使用して測定した。尚、測定環境は20〜25℃及び50〜60RH%とする。
【0111】
(6)1μm以上の導電性粒子の粒径測定
黒鉛化粒子等の導電性粒子の粒径は、レーザー回折型粒度分布計のコールターLS−230型粒度分布計(コールター社製)を用いて測定する。測定方法としては、水系モジュールを用い、測定溶媒としては純水を使用する。純水にて粒度分布計の測定系内を約5分間洗浄し、消泡剤として測定系内に亜硫酸ナトリウムを10〜25mg加えて、バックグラウンドファンクションを実行する。
次に純水10ml中に界面活性剤3〜4滴を加え、更に測定試料を5〜25mg加える。試料を懸濁した水溶液は超音波分散機で約1〜3分間分散処理を行ない試料液を得て、前記測定装置の測定系内に試料液を徐々に加えて、装置の画面上のPIDSが45〜55%になるように測定系内の試料濃度を調整して測定を行い、個数分布から算術した個数平均粒径を求める。
【0112】
(7)1μm未満の導電性微粒子の粒径測定
電子顕微鏡を用いて、導電性微粒子の粒径を測定する。撮影倍率は6万倍とするが、難しい場合は低倍率で撮影した後に6万倍となるように写真を拡大プリントする。写真上で1次粒子の粒径を測る。この際、長軸と短軸を測り、平均した値を粒径とする。これを、100サンプルについて測定し、50%値をもって平均粒径とする。
【0113】
【実施例】
次に、実施例及び比較例を挙げて本発明を具体的に説明する。尚、文中「部」及び「%」とあるのは特に断りのない限り質量基準である。
<黒鉛化粒子製造例1>
現像スリーブ表面に形成される樹脂被覆層に用いる黒鉛化粒子を作製した。黒鉛化粒子として、コールタールピッチから溶剤分別によりβ−レジンを抽出し、これを水素添加及び重質化処理を行った後、次いでトルエンにより溶剤可溶分を除去することでメソフェーズピッチを得た。そのバルクメソフェーズピッチを微粉砕し、その粒子を空気中において約300℃で酸化処理した後、窒素雰囲気下中にて3000℃で焼成し黒鉛化させ、更に分級して得られた個数平均粒径5.2μmの黒鉛化粒子をa−1とした。黒鉛化粒子a−1の物性を下記表1−1及び表1−2に示す。
【0114】
<黒鉛化粒子製造例2〜6>
焼成温度を変えた以外は、黒鉛化粒子製造例1と同様にして表1−1及び表1−2に示す個数平均粒径の黒鉛化粒子a−2〜6を作製した。得られた黒鉛化粒子a−2〜6の物性を下記表1−1及び表1−2に示す。
【0115】
<黒鉛化粒子製造例7>
黒鉛化粒子として、石炭系重質油を熱処理することで得られたメソカーボンマイクロビーズを、洗浄及び乾燥した後、アトマーザーミルで機械的に分散を行い、窒素雰囲気下において1200℃で一次加熱処理を行い炭化させた。次いで、マトマイザーミルで二次分散を行った後、窒素雰囲気下において2800℃で熱処理し、更に分級して得られた個数平均粒径5.3μmの黒鉛化粒子をa−7とした。黒鉛化粒子a−7の物性を下記表1−1及び表1−2に示す。
【0116】
<黒鉛化粒子製造例8〜9>
焼成温度を変えた以外は、黒鉛化粒子製造例7と同様にして表1−1及び表1−2に示す個数平均粒径の黒鉛化粒子a−8〜9を作製した。得られた黒鉛化粒子a−8〜9の物性を下記表1−1及び表1−2に示す。
【0117】
<黒鉛化粒子製造例10〜11>
黒鉛化粒子として、コークス及びタールピッチを2,800℃で焼成することで黒鉛化し、更に分級することで、個数平均粒径6.1μm及び11.1μmの黒鉛化粒子a−10及びa−11を作製した。得られた黒鉛化粒子a−10〜11の物性を下記表1−1及び表1−2に示す。
【0118】
<黒鉛化粒子製造例12〜13>
黒鉛化粒子として、個数平均粒径6.5μm及び13.0μmの球状フェノール樹脂粒子を窒素雰囲気下において2,200℃で焼成することで黒鉛化し、更に分級することで、個数平均粒径5.9μm及び11.3μmの黒鉛化粒子a−12及びa−13を作製した。得られた黒鉛化粒子a−12〜13の物性を下記表1−1及び表1−2に示す。
【0119】
Figure 0004035366
【0120】
Figure 0004035366
【0121】
<凹凸形成粒子製造例1>
現像スリーブ表面に形成される樹脂被覆層に用いる凹凸形成粒子を作製した。凹凸形成粒子としては、個数平均粒径6.6μmの球状フェノール樹脂100部にライカイ機(自動乳鉢、石川工場製)を用いて、個数平均粒径2.0μm以下の石炭系バルクメソフェーズピッチ粉末14部を均一に被覆し、酸化性雰囲気下で熱安定化処理した後に2,000℃で焼成することにより得られた導電性の球状炭素粒子を作製した。この球状炭素粒子を凹凸形成粒子e−1とした。凹凸形成粒子e−1の物性を下記表2に示す。
【0122】
<凹凸形成粒子製造例2>
凹凸形成粒子製造例1において、個数平均粒径10μmの球状フェノール樹脂を用いた以外は、凹凸形成粒子製造例1と同様にして球状炭素粒子を作製し、個数平均粒径を12.6μmとした。得られた球状炭素粒子を凹凸形成粒子e−2とした。凹凸形成粒子e−2の物性を下記表2に示す。
【0123】
<凹凸形成粒子製造例3>
凹凸形成粒子としては、PMMA樹脂100部及びカーボンブラック25部を溶融混合し、混練、粉砕、及び分級を行って、個数平均粒径6.0μmのカーボンブラック分散PMMA樹脂粒子を得た後、ハイブリタイザー(奈良機械製)を用いて球形化処理を行うことによって、球状のカーボンブラック分散PMMA樹脂粒子を作製した。この球状カーボンブラック分散PMMA樹脂粒子を凹凸形成粒子e−3とした。凹凸形成粒子e−3の物性を下記表2に示す。
【0124】
<凹凸形成粒子製造例4>
凹凸形成粒子製造例3と同様にして、個数平均粒径10μmのカーボンブラック分散PMMA樹脂粒子を作製し、個数平均粒径12.4μmの球状カーボンブラック分散PMMA樹脂粒子とした。得られた球状カーボンブラック分散PMMA樹脂粒子を凹凸形成粒子e−4とした。凹凸形成粒子e−4の物性を下記表2に示す。
【0125】
Figure 0004035366
【0126】
<現像スリーブ製造例1>
現像スリーブ表面に樹脂被覆層を塗布するための塗料を作製した。
・レゾール型フェノール樹脂溶液
(50%メタノール溶液) 200部
・黒鉛化粒子a−1 35部
・導電性カーボンブラック 5部
・イソプロピルアルコール 160部
【0127】
上記材料をサンドミルを用いて分散した。フェノール樹脂溶液をイソプロピルアルコールの一部で希釈する。そこへ黒鉛化粒子a−1及び導電性カーボンブラックを添加し、直径1mmのガラスビーズをメディヤとしたサンドミル分散を行った。ここに、残りのフェノール樹脂溶液、及びイソプロピルアルコールを加え、固形分35%の塗料とした。この塗料をスプレー法にて、外径24.5mmφのアルミ製円筒基体表面に15μm程度の樹脂被覆層を形成させ、これを熱風乾燥機にて150℃で30分間乾燥硬化させた後、マグネットローラー及びフランジを装着し、現像スリーブB−1とした。得られた樹脂被覆層の構成及び物性を下記表3−1〜表3−8に示す。
【0128】
<現像スリーブ製造例2〜20>
下記表3−1〜表3−8に示した材料構成、及び配合比にて塗料を作製した以外は、現像スリーブ製造例1と同様にして現像スリーブB−2〜12及びC−1〜8を作製した。尚、現像スリーブB−8〜12及びC−5〜8に関しては、アルミ製円筒基体として外径20.0mmφの基体を用いた。得られた樹脂被覆層の構成及び物性を下記表3−1〜表3−8に示す。
【0129】
Figure 0004035366
【0130】
Figure 0004035366
【0131】
Figure 0004035366
【0132】
Figure 0004035366
【0133】
Figure 0004035366
【0134】
Figure 0004035366
【0135】
Figure 0004035366
【0136】
Figure 0004035366
【0137】
<トナー製造例1>
次に、一成分現像剤としての磁性ネガトナーを作製した。
・スチレン−アクリル系樹脂 100部
・マグネタイト 90部
・負帯電制御剤(サリチル酸のクロム錯体) 2部
・炭化水素系ワックス 3部
【0138】
上記材料をヘンシェルミキサーにより混合し、二軸式のエクストルーダーにより溶融混練分散を行った。混練物を冷却後、ジェット気流を用いた粉砕機により微粉砕を行い、更に気流式分級機を用いて分級を行い、重量平均粒径7.5μm、4μm以下の粒子の個数割合が12.0%、10.1μm以上の粒子の割合が5.0%の分布を有する分級品を得た。次にその分級品100部に対し、疎水性コロイダルシリカ1.0部、及びチタン酸ストロンチウム微粒子3.0部をヘンシェルミキサーを用いて外添混合し、一成分現像剤としての磁性トナーαを得た。
【0139】
<トナー製造例2>
次に、一成分現像剤としての磁性ネガトナーを作製した。
・スチレン−アクリル系樹脂 100部
・マグネタイト 90部
・負帯電制御剤(アゾ系の鉄錯体) 2部
・炭化水素系ワックス 3部
【0140】
上記材料をヘンシェルミキサーにより混合し、二軸式のエクストルーダーにより溶融混練分散を行った。混練物を冷却後、ジェット気流を用いた粉砕機により微粉砕を行い、更に気流式分級機を用いて分級を行い、重量平均粒径6.5μm、4μm以下の粒子の個数割合が15.0%、10.1μm以上の粒子の割合が3.5%の分布を有する分級品を得た。次に疎水性コロイダルシリカを、上記分級品100部に対し、1.0部をヘンシェルミキサーを用いて外添混合し、一成分現像剤としての磁性トナーβを得た。
【0141】
<実施例1>
次に、上記現像スリーブB−1、及びトナーαを用いて、図8に示すような現像装置に組み込み、画出し評価を行った。画出しには、キヤノン製複写機image Runner6000の改造機を用いて、所定の現像バイアスを印加して、画出し評価を行った。画出しは、23℃、60%RHの常温常湿(N/N)、23℃、5%RHの常温低湿(N/L)、及び30℃、80%RHの高温高湿(H/H)環境下にて、50万枚まで行った。以下の評価方法による評価結果を下記表4−1及び表4−2に示す。
【0142】
[評価方法]
(1)スリーブ上トナー搬送量(M/S)
現像スリーブ上に担持されたトナーを、金属円筒管と円筒フィルターにより吸引捕集し、捕集されたトナー質量Mと、トナーを吸引した面積Sから、単位面積当たりのトナー質量M/S(mg/cm2)を計算し、トナー搬送量(M/S)とした。
【0143】
(2)画像濃度
ベタ黒画像の濃度を、反射濃度計RD918(マクベス社製)により反射濃度測定を行い、5点の平均値をとって画像濃度とした。
【0144】
(3)カブリ及び反転カブリ
ベタ白画像の反射率を測定し、更に未使用の転写紙の反射率を測定し、(ベタ白画像の反射率の最悪値−未使用転写紙の反射率の最高値)をカブリ濃度とした。反射率はTC−6DS(東京電色製)で測定した。ただし、測定値を目視で判断した場合、1.5以下は目視では殆ど確認できないレベル、2.0〜3.0程度はよく見ると確認できるレベル、4.0を超えると一見してカブリが確認できるレベルである。
【0145】
(4)文字飛び散り
画像比率6.0%程度の文字チャートを用い、得られた画像上の文字を光学顕微鏡にて100倍程度に拡大、飛び散り具合を観察し、評価結果をA〜Eランクの指標で示した。
【0146】
(5)ベタ画像スジ及びムラ
ベタ黒画像及びハーフトーン(HT)画像を現像し、それぞれの画像においてスジ及びムラを目視により観察し、評価結果をA〜Eランクの指標で示した。
【0147】
(6)トナーによるスリーブ汚染及び融着(耐汚染及び耐融着)
各環境下で画出し評価した後、現像スリーブを取り外し、電界放射型−走査型顕微鏡(FE−SEM)によりスリーブ上を観察し、評価結果をA〜Eランクの指標で示した。
【0148】
<実施例2〜7、比較例1〜4>
実施例1に用いた現像スリーブB−1の代わりに、現像スリーブB−2〜7、C−1〜4を用いた以外は、それぞれ実施例1と同様にして画出し評価した。評価結果を下記表4−1、表4−2、表5−1及び表5−2に示した。
【0149】
Figure 0004035366
【0150】
Figure 0004035366
【0151】
Figure 0004035366
【0152】
Figure 0004035366
【0153】
<実施例8>
次に、上記現像スリーブB−8、及びトナーβを用いて、図7に示すような現像装置に組み込み、画出し評価を行った。画出しには、キヤノン製レーザービームプリンタLBP930EXの改造機を用いて、所定の現像バイアスを印加して、画出し評価を行った。画出しは、23℃、60%RHの常温常湿(N/N)、15℃、10%RHの低温低湿(L/L)、及び32.5℃、85%RHの高温高湿(H/H)環境下にて、5万枚まで行った。評価方法は実施例1と同様にして、得られた評価結果を下記表6−1及び表6−2に示した。
【0154】
<実施例9〜12、比較例5〜8>
実施例8に用いた現像スリーブB−8の代わりに、現像スリーブB−9〜12及びC−5〜8を用いた以外は、それぞれ実施例8と同様にして画出し評価した。評価結果を下記表6−1、表6−2、表7−1及び表7−2に示した。
【0155】
Figure 0004035366
【0156】
Figure 0004035366
【0157】
Figure 0004035366
【0158】
Figure 0004035366
【0159】
【発明の効果】
本発明によれば、粒径の小さいトナーや高転写性を有するトナーを用いた場合に現れる、トナーのチャージアップ現象及びブロッチを防止し、異なる環境下においても長期に渡って、トナーに適正な帯電量を与えることのできる現像剤担持体、それを用いた現像装置及びプロセスカートリッジを提供することができる。
【0160】
また、本発明によれば、異なる環境下においても長期間に渡って、画像濃度低下、及びカブリの如き問題点が発生せず、高品位の画像を安定的に得ることができ、また、低温定着性を有するトナーを用いた場合に現れる、現像剤担持体表面へのトナーによるスリーブ汚染及びスリーブ融着を生じず、スジやムラ等の不良画像を発生しない現像剤担持体、それを用いた現像装置及びプロセスカートリッジを提供することができる。
【0161】
また、本発明によれば、異なる環境下においても長期間に渡って、現像剤担持体表面の表面粗さの変化を小さくすることにより、現像剤担持体上のトナーコート量を一定量に制御することのできる現像剤担持体、それを用いた現像装置及びプロセスカートリッジを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の現像剤担持体上の断面を示す模式図。
【図2】 本発明の現像剤担持体上の断面を示す模式図。
【図3】 本発明の現像剤担持体上の断面を示す模式図。
【図4】 本発明の現像剤担持体上の断面を示す模式図。
【図5】 耐久による被覆層の表面粗さ推移とトナーコート量推移の模式図。
【図6】 耐久による被覆層の表面粗さ推移とトナーコート量推移の模式図。
【図7】 本発明の現像装置を示す模式図。
【図8】 本発明の現像装置を示す模式図。
【図9】 本発明の現像装置を示す模式図。
【図10】 本発明の画像形成装置を示す模式図。
【図11】 本発明のプロセスカートリッジを示す模式図。
【符号の説明】
1:樹脂被覆層
2:基体
3:マグネットローラ
101:静電潜像保持体(感光ドラム)
103:ホッパー(現像剤容器)
104:一成分現像剤
105:多極永久磁石
108:現像剤担持体(現像スリーブ)
109:バイアス印加手段
111:弾性規制ブレード
113:転写手段(転写ローラー)
114:電圧印加手段
115:露光
116:イレース露光
117:加熱加圧ローラー定着器
118:クリーニング手段
118a:クリーニングブレード
119:帯電手段(帯電ローラー)
120:現像手段
150:プロセスカカートリッジ
301:感光ドラム
302:弾性規制ブレード(現像剤層厚規制部材)
303:現像剤容器
304:現像剤
305:マグネットローラー
306:金属円筒管
307:樹脂被覆層
308:現像スリーブ
309,310,314:撹拌翼
311:スクリュー
312:撹拌壁
313:現像バイアス電源
551:潜像担持体
552:現像剤層厚規制部材
553:現像容器
554:隔壁
555:トナー室
556:磁性ローラー
557:非磁性金属
558:樹脂被覆層
559:非磁性現像スリーブ
560:現像ローラー
561:第2現像剤撹拌・搬送手段
562:第1現像剤撹拌・搬送手段
564:現像室
565:撹拌室
566:飛散防止部材
a:黒鉛粒子
b:結着樹脂
c:導電剤
d:固体潤滑剤
e:球状粒子

Claims (22)

  1. 潜像担持体上に形成された潜像を、現像剤担持体に担持搬送された磁性一成分現像剤により現像し可視像化する現像装置に用いられる、円筒状若しくは円柱状の基体表面に樹脂被覆層を有する現像剤担持体において、
    該樹脂被覆層が、少なくとも硬化性の結着樹脂及び該樹脂被覆層中に分散されている黒鉛粒子を含有し、
    該黒鉛粒子は、黒鉛化度p(002)が0.21以上0.94以下の、メソカーボンマイクロビーズ又はメソフェーズピッチを不活性雰囲気下で2300〜3200℃で熱処理して得られたものであり、
    該樹脂被覆層は、該黒鉛粒子を、該結着樹脂100質量部に対して4〜100質量部の範囲で含み、
    且つ該現像剤担持体は、下記式(1)で計算された該樹脂被覆層表面の表面皮膜物性試験におけるユニバーサル硬さ測定値HUの硬度分布から求められる平均値A及び標準偏差σが、それぞれ296≦A≦512[N/mm2]及び32≦σ≦89[N/mm2]であり、
    更に、前記硬化性の結着樹脂が、フェノール樹脂であることを特徴とする現像剤担持体
    ユニバーサル硬さ値HU=K×F/h2[N/mm2] (1)
    [式中、Kは定数、Fは試験荷重(N)、hは圧子の最大押し込み深さ(mm)を表す。]。
  2. 前記黒鉛粒子の個数平均粒径が、0.5〜25μmである請求項1に記載の現像剤担持体。
  3. 前記樹脂被覆層が、前記黒鉛粒子に加えて、カーボンブラック、金属、及び金属酸化物から選ばれる少なくとも1種の導電剤を更に含有している請求項1又は2に記載の現像剤担持体。
  4. 前記樹脂被覆層が、前記黒鉛粒子に加えて、固体潤滑剤を更に含有している請求項1乃至の何れか1項に記載の現像剤担持体。
  5. 前記樹脂被覆層が、前記黒鉛粒子に加えて、該被覆層表面に凹凸を形成するための球状粒子を更に含有している請求項1乃至の何れか1項に記載の現像剤担持体。
  6. 前記樹脂被覆層が、10-2〜105Ω・cmの体積抵抗を有する導電性被覆層である請求項1乃至の何れか1項に記載の現像剤担持体。
  7. 前記樹脂被覆層が、JIS−B0601で0.3〜3.5μmの算術表面粗さRaを有している請求項1乃至の何れか1項に記載の現像剤担持体。
  8. 磁性一成分現像剤を収容している現像剤容器と、該現像剤容器に収容された現像剤を担持し、且つ現像領域へ該現像剤を搬送するための現像剤担持体を有する現像装置において、該現像剤担持体が、請求項1乃至の何れか1項に記載の現像剤担持体であることを特徴とする現像装置。
  9. 前記現像装置が、前記現像剤担持体上に前記現像剤の層を形成するための現像剤層厚規制部材を更に有している請求項に記載の現像装置。
  10. 前記現像剤層厚規制部材が、磁性規制ブレードである請求項に記載の現像装置。
  11. 前記現像剤層厚規制部材が、前記現像剤担持体に前記現像剤を介して弾性的に圧接されている請求項に記載の現像装置。
  12. 前記現像剤層厚規制部材が、弾性規制部材である請求項1に記載の現像装置。
  13. 前記現像装置が、前記現像領域で振動電界を形成するための手段を有する電源を更に有している請求項乃至1の何れか1項に記載の現像装置。
  14. 前記電源が、前記現像剤担持体に交番バイアス電圧を印加するためのものである請求項1に記載の現像装置。
  15. 前記現像剤担持体の表面に形成する前記現像剤の層厚が、前記現像領域を形成するための潜像担持体と該現像剤担持体との間の最小間隙よりも薄い請求項乃至1の何れか1項に記載の現像装置。
  16. 前記現像装置が、前記現像領域で振動電界を形成するための手段を有する電源を更に有しており、前記現像剤担持体の表面に形成する前記現像剤の層厚は、該現像領域を形成するための静電潜像保持体と該現像剤担持体との間の最小間隙よりも薄い請求項乃至1の何れか1項に記載の現像装置。
  17. 画像形成装置本体に脱着可能なプロセスカートリッジにおいて、該プロセスカートリッジが、(i)静電潜像を担持するための潜像担持体、及び(ii)該静電潜像を現像領域で現像剤によって現像し、現像画像を形成するための現像手段を少なくとも一体的に有しており、該現像手段は、磁性一成分現像剤を収容している現像剤容器、及び該現像剤容器内に収容されている現像剤を担持し、且つ該現像剤を現像領域へ搬送するための現像剤担持体を有しており、該現像剤担持体が、請求項1乃至の何れか1項に記載の現像剤担持体であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  18. 前記潜像担持体が、電子写真用感光体である請求項1に記載のプロセスカートリッジ。
  19. 前記プロセスカートリッジが、前記現像剤担持体上に現像剤の層を形成するための現像剤層厚規制部材を更に有している請求項1又は18に記載のプロセスカートリッジ。
  20. 前記現像剤層厚規制部材が、磁性規制ブレードである請求項19に記載のプロセスカートリッジ。
  21. 前記現像剤層厚規制部材が、前記現像剤担持体に前記現像剤を介して弾性的に圧接されている請求項19に記載のプロセスカートリッジ。
  22. 前記現像剤層厚規制部材が、弾性規制部材である請求項2に記載のプロセスカートリッジ。
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