JP3997034B2 - 現像装置、画像形成方法及び装置ユニット - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真法、静電記録法、磁気記録法に用いられる静電潜像担持体上に形成された静電潜像を現像剤担持体上に担持・搬送される現像剤により現像して顕像化する現像用現像剤担持体、現像装置、画像形成方法及び装置ユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真法としては多数の方法が知られているが、一般には、光導電性物質を利用し、種々の手段により静電潜像担持体(感光体)上に静電潜像を形成し、次いで該静電潜像をトナーを有する現像剤で現像を行なってトナー画像を形成して可視像化し、必要に応じて紙の如き転写材にトナー画像を転写した後、熱や圧力等によって転写材上にトナー画像を定着して複写物を得るものである。
【0003】
電子写真法における現像方式は、主として、一成分系現像方式と二成分系現像方式に分けられる。近年、電子写真装置の軽量・小型化等の要請があり、現像装置部分を小さくする必要があるため、一成分系現像剤による一成分系現像方式を用いた現像装置が使用されることが多い。
即ち、一成分系現像方式では、二成分系現像方式の場合のようなガラスビーズや鉄粉の如きキャリア粒子が不要であるため、現像装置自体を小型化・軽量化できる。更に二成分系現像方式では、二成分系現像剤中のトナー濃度を一定に保つ必要があるため、トナー濃度を検知し、必要量のトナーを補給する装置が必要となり、この点でも二成分系現像方式の場合は現像装置が大きく重くなる傾向がある。これに対し、一成分系現像方式の場合は、このような装置が必要とならないため、やはり装置を小さく軽くできる。
【0004】
一成分系現像剤を用いた一成分系現像方式としては、例えば、静電潜像担持体としての感光ドラム表面に静電潜像を形成し、現像剤担持体としての現像スリーブと一成分系現像剤としてのトナーとの摩擦、及び/又は現像スリーブ上のトナーコート量を規制するための現像剤層厚規制部材とトナーとの摩擦により、トナーに正又は負の電荷を与え、更にこのトナーを表面に薄く塗布した現像スリーブによって、上記の正又は負に帯電されているトナーを感光ドラムと現像スリーブとが対向した現像領域に搬送し、該現像領域において、トナーを前記感光ドラム表面の静電潜像に飛翔・付着させて現像し、静電潜像をトナー画像として顕像化するものが知られている。
【0005】
上記の一成分系現像方式で用いられる一成分系現像剤には、現像剤担持体上に一成分系現像剤を担持させる場合に、主として磁力により担持させるための磁性体を含有する磁性一成分系現像剤と、磁性体を含有しない非磁性一成分系現像剤とがある。後者の場合は、主として静電気力により非磁性一成分系現像剤が現像剤担持体上に担持される。一成分系現像剤には、その帯電極性により、負帯電性トナーを有するものと正帯電性トナーを有するものがある。そして、例えば、表面に負電荷の静電潜像を保持したOPC感光体を用いて現像を行う際に、所謂正規現像を行なう場合は正帯電性トナーを有する現像剤を用い、所謂反転現像を行なう場合は負帯電性トナーを有する現像剤を用いる。負帯電のOPC感光体は、性能が安定しており、且つ安価に入手できることから広く用いられている。そして、プリンターやデジタル複写機では、反転現像が行われることから、負帯電性トナーを有する現像剤が用いられることが多く、正規現像によるアナログ複写機では、正規現像が行われることから、正帯電性トナーが用いられることが多い。
【0006】
現像の際に、上記のような現像剤をその表面に担持し、搬送する役割を有する現像剤担持体としては、例えば、金属、その合金又はその化合物を円筒状に成型し、その表面を、電界、ブラスト又はヤスリで所定の表面粗度になるように処理したものが用いられている。しかし、このような材質の現像剤担持体を使用し、現像剤層厚規制部材によって薄層に規制されて現像剤担持体表面に現像剤コート層を形成した場合に、現像剤担持体表面近傍に存在する一成分系現像剤が有するトナーが非常に高い電荷を有し、現像剤担持体表面に鏡映力により強烈に引き付けられてしまうことが起こる。これによってトナーと現像剤担持体との摩擦機会が持てなくなり、トナーが好適な電荷を持てなくなることが生じる。このような状況下では、充分な現像及び転写が行われず、画像濃度ムラや文字飛び散りの多い画像になってしまう。更には、これら鏡映力により現像剤担持体上に引き付けられたトナーを引き金として、現像剤担持体上に斑点状の所謂ブロッチが発生して固着したり、トナー融着を引き起こすこともある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
近年、省エネルギーのために、現像剤(トナー)の低温定着化が望まれているが、この場合においても高精細画像の形成が望まれる。トナーの低温定着化を実現させるためには、例えば、トナーを製造する場合に、トナーのTg(ガラス転移点)を低めに設定したり、結着樹脂中に低分子量成分を多めに添加したり、ワックスの如き低融点成分を多めに添加したりする傾向がある。しかし、このようなトナーを画像形成に使用した場合には、本体装置の昇温や物理的作用によって、現像剤が現像剤担持体上に融着し易くなり、その結果、画像濃度の低下や、画像白スジ、ブロッチの発生が生じ易い。
【0008】
特開平1−112253号公報及び特開平2−284158号公報では、高画質化、高精細化のため、粒径の小さいトナーを用いることが提案されている。しかし、このような粒径の小さいトナーでは、単位重量当りの表面積が大きくなるため表面電荷が大きくなり易く、所謂チャージアップ現象によりトナーが現像剤担持体に固着し、新たに現像剤担持体上に供給されたトナーが帯電されにくくなることが生じる。この場合には、トナーの帯電量が不均一となり易く、画像上にスリーブゴーストが発生したり、ベタやハーフトーンの画像にスジ状画像やモヤ状画像等が発生して、不均一になり易い。
【0009】
このような過剰な電荷を有するトナーの発生や、現像剤担持体へのトナーの強固な付着を防止するため、現像剤担持体を、基体と被覆層とで形成し、該被覆層中に、カーボンブラック、グラファイト等の導電性微粉末や固体潤滑剤を分散させた被覆層とする方法が、特開平1−277256号公報、特開平3−36570号公報に提案されている。
しかしながら、この方法のみでは不充分な場合がある。例えば、近年、画像形成プロセスにおいては、感光体に接触させる部材を用いることが多いが、この場合には、下記に説明するような不具合が生じる。感光体に接触させる部材としては、例えば、帯電ゴムローラーの如き帯電部材、転写スポンジローラーの如き転写部材、クリーニングゴムブレードの如きクリーニング部材があるが、これらの部材を用いた場合には、これらの部材が感光体に接触するため、感光体上に残ったトナー或いはこれらの部材に付着したトナーが感光体に押し付けられて、感光体上にフィルミングや融着の発生が生じ易くなる。
【0010】
この対策として、特開平9−244398号公報や、特開平9−325616号公報に、液体潤滑剤、例えば、シリコーンオイルをトナーの構成材料に担持させて用いる方法が提案されている。そして、シリコーンオイルを担持させるトナーの構成材料としては、磁性体、着色剤、帯電制御剤、更には外添剤として用いられるシリカがあり、これらは単独でも複数であってもよいとされている。上記のようにして構成されるトナーは、離型性が良好になるため、先に挙げた感光体上へのフィルミングや融着を低下或いは防止する効果があるのみならず、転写性が良好となり、画像中抜け現象(転写されたライン、文字画像の内側が転写されずに白く抜ける現象)が防止できるため、好適に用いられる。しかしながら、このような液体潤滑剤をトナーの構成材料に担持させたトナーは、トナーの帯電量が高くなり過ぎる傾向があるため、前述のチャージアップ現象が起こり易い。特に、正帯電性トナーにおいては、トナーの帯電性が、添加される帯電制御剤や外添される外添剤による依存性が大きいために、この傾向が強くなり易い。
【0011】
特開平5−232793号公報には、トナーに対する帯電性を制御するために、表層に、少なくとも樹脂、グラファイト及びカーボンブラックが含有された樹脂被覆層を有し、且つこの樹脂被覆層の表層及びその近傍に帯電制御剤が存在するように形成された現像剤担持体を有する現像装置に関しての記載があり、更に前記帯電制御剤として、第四級アンモニウム塩を含む各種帯電制御剤が例示されており、現像剤担持体上に形成する被覆層に用いる樹脂として、フェノール樹脂、ポリアミド樹脂及びポリウレタン樹脂を含む各種樹脂が例示されている。しかし。この先行技術においては、具体的には、実施例において、樹脂としてフェノール樹脂を用い、帯電制御剤としてニグロシンを用いた樹脂被覆層を有する現像剤担持体に対して、負帯電トナーを用いての現像を行っており、正帯電性トナーを用いた場合についての記載はなく、この場合に、いかなる樹脂と帯電制御剤との組み合わせとすれば、好適に正の摩擦電荷をトナーに付与できるのかについては、記載も示唆もなされていない。
【0012】
これに対し、特開平7−114270号公報に、トナーに高い正電荷を付与する目的で、特定の構造の四級アンモニウム塩化合物を少なくとも表面の一部に有する静電荷像現像用電荷付与部材に関しての記載がある。そして、特定の構造に四級アンモニウム塩化合物を、必要に応じて、バインダー樹脂或いは成形樹脂成分と共に用いて被覆層を形成することが記載されており、使用するバインダー樹脂、或いは成形樹脂成分として、スチレン系樹脂、スチレン−アクリル系共重合体樹脂、エポキシ系樹脂、及びこれらの混合樹脂、又、これらのアルキル側鎖にアミノ基を有するものが例示されており、実施例においては、スチレン−アクリル系共重合体樹脂が用いられている。
しかしながら、電荷付与剤としてのこのような被覆層を有する現像剤担持体は、多数枚耐久において、トナー汚染やトナー融着が生じてしまい、現像剤担持体の耐久性で更なる改良が望まれている。更に本発明者らの検討によれば、四級アンモニウム塩とスチレン−アクリル系共重合体樹脂とを組み合わせた被覆層を形成した現像剤担持体においては、スチレン−アクリル系共重合体樹脂中に四級アンモニウム塩が単分散した状態で存在しているだけであり、後述する本発明の実施例に対する比較例として示した通り、形成された被覆層の帯電特性は正帯電性であることから正帯電性トナーに対して、正の摩擦電荷を付与する能力は未だ充分ではない。
【0013】
本発明の目的は、正帯電性トナーを用いる静電潜像の現像において、トナーへの正帯電付与性を安定させ、トナーの過剰帯電や現像剤担持体上への融着や汚染が発生しにくくし、その結果生じる、画像濃度低下、画像不良、コート不良(ブロッチ)等が起こりにくい現像用現像剤担持体、現像装置、画像形成方法及び装置ユニットを提供することにある。
本発明の他の目的は、繰り返しの画出しに対しても安定した画像を得ることができ、環境安定性の良好な現像を可能とする現像用現像剤担持体、現像装置、画像形成方法及び装置ユニットを提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記の目的は、下記の本発明によって達成される。
即ち、第一の本発明は、正帯電性現像剤;該正帯電性現像剤を収容している現像容器;該現像容器に収容されている正帯電性現像剤を担持し、且つ現像領域に搬送するための現像剤担持体;及び該現像剤担持体上に形成される該正帯電性現像剤の層厚を規制するための現像剤層厚規制部材;を有する現像装置において、
上記現像剤担持体が、
基体、及び該基体表面に、下記(I)乃至( IV )を含む樹脂組成物を加熱及び硬化して形成されてなる樹脂被覆層を有し、且つ、
該樹脂被覆層は、上記正帯電性現像剤に対して正帯電付与性を有している現像用現像剤担持体であることを特徴とする現像装置であり、
の本発明は、静電潜像担持体上に静電潜像を形成する潜像形成工程、及び該静電潜像を現像装置の正帯電性現像剤により現像する現像工程を有する画像形成方法において、
該現像装置は、正帯電性現像剤;該正帯電性現像剤を収容している現像容器;該現像容器に収容されている正帯電性現像剤を担持し、且つ現像領域に搬送するための現像剤担持体;及び該現像剤担持体上に形成される該正帯電性現像剤の層厚を規制するための現像剤層厚規制部材;を有しており、
上記現像剤担持体が、基体、及び該基体表面に、下記(I)乃至( IV )を含む樹脂組成物を加熱及び硬化して形成されてなる樹脂被覆層を有し、且つ、
該樹脂被覆層は、上記正帯電性現像剤に対して正帯電付与性を有している現像用現像剤担持体であり、
上記現像工程で、正帯電性現像剤を該現像剤担持体表面と摩擦帯電させることにより、該正帯電性現像剤に正の摩擦電荷を付与し、正の摩擦電荷が付与された正帯電性現像剤により該静電潜像を現像することを特徴とする画像形成方法であり、
の本発明は、画像形成装置本体に着脱可能に装着される装置ユニットにおいて、該装置ユニットは、
正帯電性現像剤;
正帯電性現像剤を収容している現像容器;該現像容器に収容されている該正帯電性現像剤を担持し、且つ現像領域に搬送するための現像剤担持体;及び
該現像剤担持体上に形成される該正帯電性現像剤の層厚を規制するための現像剤層厚規制部材;を有しており、
上記現像剤担持体が、
基体、及び該基体表面に、下記(I)乃至( IV )を含む樹脂組成物を加熱及び硬化して形成されてなる樹脂被覆層を有し、且つ、
該樹脂被覆層は、上記正帯電性現像剤に対して正帯電付与性を有している現像用現像剤担持体であることを特徴とする装置ユニットである。
(I)−NH 2 基、=NH基、又は−NH−結合のいずれかを有している結着樹脂、
II )導電性微粒子、
III )個数平均粒径が0.3〜30μmの球状粒子、及び
IV )鉄粉に対して正帯電性の第4級アンモニウム塩化合物。
【0015】
【発明の実施の形態】
次に、好ましい実施の形態を挙げて本発明を詳細に説明する。
本発明者らは、上記した従来技術の課題を解決すべく鋭意検討の結果、正帯電性現像剤を担持するための現像剤担持体を、少なくとも、基体とその上に設けた導電性樹脂被覆層とで構成し、更にその樹脂被覆層を、(I)結着樹脂、(II)導電性微粒子、(III)個数平均粒径が0.3〜30μmの球状粒子、及び(IV)鉄粉に対して正帯電性の第4級アンモニウム塩化合物を少なくとも含有している樹脂組成物によって形成することによって、従来技術の課題を無理なく解決できることを知見して本発明に至った。
即ち、第4級アンモニウム塩化合物のうち、鉄粉に対して正帯電性である第4級アンモニウム塩化合物を、被膜形成成分である特定の結着樹脂の構造中に取り込むことにより、上記被覆層自身が負極性に帯電し易い物質となる結果、正帯電性現像剤に対する正帯電付与性能が向上し得る。更に上記被覆層中に導電性微粒子を添加させておくことによって、現像剤担持体表面の電荷が滞ることがないので、トナーが鏡映力によって強く引きつけられることがなくなる。更に上記被覆層中に、個数平均粒径が0.3〜30μmの球状粒子を添加することによって、現像剤担持体の表面粗さを安定化させることができるので、現像剤担持体上に担持されるトナーコート量を最適化することが可能となると同時に、該被覆層表面が摩耗した場合においても被覆層の表面粗度の変化が少なく、且つトナー汚染やトナー融着を発生しにくくする効果が得られる。更に上記球状粒子を含有させることで、樹脂被覆層中に含有されている結着樹脂と、特に、後述する−NH2基、=NH基、若しくは−NH−結合のいずれかの構造を有している特定の結着樹脂と、第4級アンモニウム塩化合物とによって達成される正帯電現像剤への迅速且つ均一な帯電付与作用と荷電制御の効果を、相互作用により更に向上させ、且つ帯電性を安定化させる効果が得られる。
【0016】
本発明者らの検討によれば、上記に加えて、球状粒子として、特に導電性の球状粒子であって、真密度が3g/cm3以下のものを用いれば、現像剤担持体上への現像剤のコートをより一層均一化させることができ、この結果、耐摩耗性、環境安定性を向上させ、長期に渡る耐久においても良好な画像が得られることもわかった。更に樹脂被覆層を構成する結着樹脂の一部又は全てが、その分子構造中に、少なくとも、−NH2基、=NH基、若しくは−NH−結合のいずれかを有するものを使用することによって、上記で述べた鉄粉に対して正帯電性である第4級アンモニウム塩化合物が結着樹脂の分子構造中により取り込まれ易くなるので、上記被覆層自身が更に負極性に帯電し易い物質となり、トナーに対する正帯電付与性能を更に向上させることができることもわかった。
【0017】
上記の特定の樹脂被覆層を有する現像剤担持体に加えて、その上に担持させる正帯電性現像剤を、液体潤滑剤により処理された外添剤を外添したトナーを有する一成分系正帯電性現像剤、及び/又は液体潤滑剤を担持した着色剤、或いは液体潤滑剤を担持した磁性粉を含有するトナーを有する一成分系正帯電性現像剤とすることによって、正帯電性現像剤をより好適に帯電させることが可能となる。
【0018】
以上のように、本発明の現像剤担持体は、その表面に正帯電性現像剤の薄層を形成して、これを担持搬送するものである。以下、この現像剤について説明する。
正帯電性現像剤が有する正帯電性トナーは、トナー用結着樹脂、離型剤、帯電制御剤及び着色剤を主たる原料とし、通常の場合、これらの原料を溶融混練した後、冷却固化し、その後、得られた混練物を粉砕し、更に必要に応じて分級等をして所望の粒度分布に揃える等して得られた、着色樹脂組成物からなる微粉体である。
【0019】
本発明で使用する正帯電性トナーに用いられるトナー用結着樹脂としては、一般に公知の樹脂を使用することができる。
トナー用結着樹脂としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、p−クロルスチレンの如きスチレン及びその置換体の単重合体;スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−ジメチルアミノエチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体の如きスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート;ポリブチルメタクリレート;ポリ酢酸ビニル;ポリエチレン;ポリプロピレン;ポリビニルブチラール;ポリアクリル酸樹脂;ロジン;変性ロジン;テルペン樹脂;フェノール樹脂;脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂;芳香族系石油樹脂;パラフィンワックス;カルナバワックスを使用することができる。これらの樹脂は、単独或いは混合して使用することができる。
【0020】
本発明で使用する正帯電性トナー中には、着色剤として、下記に挙げる顔料を含有させることができる。例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、ランプ黒、スーダンブラックSM、ファースト・イエローG、ベンジジン・イエロー、ピグメント・イエロー、インドファースト・オレンジ、イルガジン・レッド、パラニトロアニリン・レッド、トルイジン・レッド、カーミンFB、パーマネント・ボルドーFRR、ピグメント・オレンジR、リソール・レッド2G、レーキ・レッドC、ローダミンFB、ローダミンBレーキ、メチル・バイオレッドBレーキ、フタロシアニン・ブルー、ピグメント・ブルー、ブリリアント・グリーンB、フタロシアニン・グリーン、オイルイエローGG、ザボン・ファーストイエローCGG、カヤセットY963、カヤセットYG、ザボン・ファーストオレンジRR、オイル・スカーレット、オラゾール・ブラウンB、ザボン・ファーストスカーレットCG、オイルピンクOPを使用できる。
【0021】
本発明において使用する正帯電性トナーを磁性トナーとして用いる場合には、トナーの中に磁性粉を含有させる。この際に使用する磁性粉としては、磁場の中におかれて磁化される物質が用いられるが、具体的には、例えば、鉄、コバルト、ニッケルの如き強磁性金属の粉末、又はこれらの金属と、アルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウムのような他の金属との合金及びその混合物;マグネタイト、ヘマタイト、フェライトの如き磁性酸化鉄、及びこれらの磁性酸化鉄の表面又は内部に、ケイ素、アルミニウム、マグネシウムの如き金属イオンの酸化物、含水酸化物、水酸化物を含むもの;が好ましく用いられる。これらの磁性粉の含有量は、トナー重量に対して15〜70重量%程度とすることが好ましい。
【0022】
上記で述べたように、本発明においては、特に、正帯電性現像剤が、液体潤滑剤により処理された外添剤を外添したトナーを有する場合、或いは液体潤滑剤を担持した着色剤及び/又は液体潤滑剤を担持した磁性粉を含有するトナーを有する場合に、より高い効果が得られる。トナーに用いられる外添剤、着色剤や磁性体に、離型性や潤滑性を与えるための液体潤滑剤としては、動物系潤滑剤、植物系潤滑剤、石油系潤滑剤、合成潤滑剤が挙げられ、その安定性から合成潤滑油が好ましく用いられる。
合成潤滑剤としては、例えば、ジメチルシリコーン、メチルフェニルシリコーン、各種変性シリコーンの如きシリコーン;ペンタエリスリトールエステル、トリメチロールプロパンエステルの如きポリオールエステル;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリ(α−オレフィン)の如きポリオレフィン;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールの如きポリグリコール;テトラデシルシリケート、テトラオクチルシルケートの如きケイ酸エステル;ジ−2−エチルヘキシルセバケート、ジ−2−エチルヘキシルアジペートの如きジエステル;トリクレジルホスフェート、プロピルフェニルホスフェートの如きリン酸エステル;ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化エチレンの如きフッ化炭化水素;ポリフェニルエーテル、アルキルナフテン、アルキル芳香族が挙げられる。本発明においては、中でも、熱安定性、酸化安定性の点から、シリコーン類やフッ化炭化水素類を用いることが好ましい。
【0023】
上記のシリコーンとしては、例えば、アミノ変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、カルボキシル変性シリコーン、カルビノール変性シリコーン、メタクリル変性シリコーン、メルカプト変性シリコーン、フェノール変性シリコーン、異種官能基変性シリコーンの如き反応性シリコーン;ポリエーテル変性シリコーン、メチルスチリル変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、脂肪酸変性シリコーン、アルコキシ変性シリコーン、フッ素変性シリコーンの如き非反応性シリコーン;ジメチルシリコーン、メチルフェニルシリコーン、メチルハイドロジェンシリコーンの如きストレートシリコーンが挙げられる。
【0024】
本発明において、上記に挙げたような液体潤滑剤を使用する目的は、該液体潤滑剤の使用によって、外添剤や、着色剤或いは磁性粉表面にある液体潤滑剤を一部遊離させて、トナー表面に存在させることによって、離型性や潤滑性を与えるという効果を発揮させている。従って、硬化型シリコーンでは、その性質上、効果が薄い。反応性シリコーンや極性基を持つシリコーンは、液体潤滑剤の担持体となる着色剤、磁性粉への吸着が強くなったり、結着樹脂への相溶性が発現して、その程度によっては遊離量が少なくなり効果が劣る場合がある。非反応性シリコーンでも側鎖によってはトナーに用いる結着樹脂との相溶性が発現し、トナー表面への移行が少なくなり効果が劣る場合もある。よって、本発明においては、上記に挙げた中でも、ジメチルシリコーン、フッ素変性シリコーン、フッ化炭化水素が、反応性及び極性が少なく、吸着も強固でなく、結着樹脂への相溶性もないことから、好ましく用いられる。
これらの液体潤滑剤は、結着樹脂100重量部に対して0.1〜7.0重量部となるように、外添剤中に含有させたり、着色剤や磁性粉に担持させることが好ましく、更には0.2〜5.0重量部の範囲で用いることが好ましい。
【0025】
本発明で使用するトナー中には、各種離型剤を用いてもよく、そのような離型剤としては、例えば、ポリフッ化エチレン、フッ素樹脂、フッ化炭素油、シリコーンオイル、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、各種ワックス類等が挙げられる。
【0026】
本発明で使用する正帯電性トナー中には、トナーを正帯電させるための物質として正帯電制御剤を含有させてもよい。この際に使用し得る正帯電制御剤としては、例えば、ニグロシン及び脂肪酸金属塩によるその変性物;トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルフォン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレートの如き第4級アンモニウム塩、及びこれらの類似体であるホスホニウム塩のオニウム塩及びこれらのレーキ顔料(レーキ化剤としては、りんタングステン酸、りんモリブデン酸、りんタングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン化物、フェロシアン化物);高級脂肪酸の金属塩;ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジシクロヘキシルスズオキサイドの如きジオルガノスズオキサイド;ジブチルスズボレート、ジオクチルスズボレート、ジシクロヘキシルスズボレートの如きジオルガノスズボレート類;グアニジン化合物;イミダゾール化合物があり、これらを単独で、又は2種類以上組合せて用いることができる。本発明においては、これらの中でも、トリフェニルメタン化合物、イミダゾール化合物、カウンターイオンがハロゲンでない第4級アンモニウム塩が好ましく用いられる。
【0027】
下記一般式(1)で表されるモノマーの単独重合体、又は下記一般式(1)で表されるモノマーと、前述したスチレン、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルの如き重合性モノマーとの共重合体を正帯電性制御剤として用いることもできる。この場合これらの正帯電制御剤は、トナー用結着樹脂としての作用をも有する。
【0028】
【化5】
Figure 0003997034
【0029】
上記のような構成材料からなる本発明で使用する正帯電性トナーは、必要に応じて、流動性改善の目的で、微粉末を外添して用いられる。この際に使用する微粉末としては、シリカ、アルミナ、チタニア、酸化ゲルマニウム、酸化ジルコニウムの如き無機酸化物;炭化ケイ素、炭化チタンの如き無機炭化物;窒化ケイ素、窒化ゲルマニウムの如き無機窒化物;の如き無機微粉末が挙げられる。
【0030】
これらの微粉末は、有機ケイ素化合物、チタンカップリング剤等で有機処理して用いることが可能である。この場合に使用する有機ケイ素化合物としては、例えば、ヘキサメチルジシラザン、トリメチルシラン、トリメチルクロルシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジクロルシラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルクロルシラン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、ブロムメチルジメチルクロルシラン、α−クロルエチルトリクロルシラン、β−クロルエチルトリクロルシラン、クロルメチルジメチルクロルシラン、トリオルガノシリルメルカプタン、トリメチルシリルメルカプタン、トリオルガノシリルアクリレート、ビニルジメチルアセトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ヘキサメチルジシロキサン、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン、1,3−ジフェニルテトラメチルジシロキサン、及び1分子当り2〜12個のシロキサン単位を有し、末端に位置する単位に夫々1個のSiに結合した水酸基を含有するジメチルポリシロキサンが挙げられる。
【0031】
未処理の微粉末を窒素含有のシランカップリング剤で処理したものを用いてもよい。本発明で使用する正帯電性トナーの場合には特にこの態様が好ましい。そのような処理剤の例としては、例えば、アミノプロピルトリメトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、ジメチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジプロピルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジブチルアミノプロピルトリメトキシシラン、モノブチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジオクチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジブチルアミノプロピルジメトキシシラン、ジブチルアミノプロピルモノメトキシシラン、ジメチルアミノフェニルトリメトキシシラン、トリメトキシシリル−γ−プロピルフェニルアミン、トリメトキシシリル−γ−プロピルベンジルアミン、トリメトキシシリル−γ−プロピルピペリジン、トリメトキシシリル−γ−プロピルモルホリン、トリメトキシシリル−γ−プロピルイミダゾール等が挙げられる。これらの処理剤は、1種或いは2種以上の混合物として、或いは併用や多重処理して用いられる。
【0032】
上記したシランカップリング剤により無機微粉末を処理する方法としては、例えば、スプレー法、有機溶媒法、水溶液法が挙げられる。スプレー法による処理とは、一般に、無機微粉末を撹拌し、ここにカップリング剤の水溶液或いは溶媒液をスプレーし、その後、水或いは溶媒を120〜130℃程度で除去乾燥する方法である。有機溶媒法による処理とは、少量の水と共に加水分解用触媒を含む有機溶媒(アルコール、ベンゼン、ハロゲン化炭化水素等)にカップリング剤を溶解し、これに無機微粉末を浸漬した後、濾過又は圧搾により固液分離を行い、120〜130℃程度で乾燥させるものである。更に水溶液法とは、0.5%程度のカップリング剤を、一定pHの水、又は水と有機溶媒との混合溶媒中で加水分解させ、ここに無機微粉末を浸漬した後、同様に固液分離を行って乾燥するものである。
【0033】
更に微粉末の有機処理の他の方法としては、液体潤滑剤で無機微粉末を処理してもよい。例えば、フィルミング防止、転写性向上の目的で、シリコーンオイルで処理された微粉末が好ましく用いられる。液体潤滑剤として用いるシリコーンオイルとしては、一般に次の式(2)により示されるものが好適に使用できる。
【化6】
Figure 0003997034
【0034】
本発明において使用できる好ましいシリコーンオイルとしては、25℃における粘度がおよそ0.5〜10,000mm2/s、好ましくは1〜1,000mm2/sのものが用いられる。このようなものとしては、例えば、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、ジメチルシリコーンオイル、フェニルメチルシリコーンオイル、クロルフェニルメチルシリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、脂肪酸変性シリコーンオイル、ポリオキシアルキレン変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイルが挙げられる。
【0035】
側鎖に窒素原子を有するシリコーンオイルを用いてもよい。本発明で使用する正帯電性トナーの場合は、側鎖に窒素原子を有するシリコーンオイルを、無機微粉末の液体潤滑剤として用いることが特に好ましい。このようなシリコーンオイルとしては、少なくとも下記式(3)又は(4)で表される部分構造を具備するシリコーンオイルが挙げられる。
【化7】
Figure 0003997034
尚、上記アルキル基、アリール基、アルキレン基、フェニレン基は窒素原子を有するオルガノ基を有していてもよいし、ハロゲン等の置換基を有していてもよい。
【0036】
上記のようなアミンを有する変性シリコーンオイルによる無機微粉末の処理は、例えば、次のようにして行ない得る。必要に応じて加熱しながら無機微粉末を激しく撹拌しておき、これに上記アミンを有する変性シリコーンオイル又はその溶液をスプレー若しくは気化して吹き付けるか、又は無機微粉末をスラリー状にしておき、これを撹拌しつつアミンを有する変性シリコーンオイル或いはその溶液を滴下することによって容易に処理できる。
これらのシリコーンオイルはいずれか1種を単独で用いてもよいし、2種以上の混合物で用いてもよいし、或いは併用や多重処理して用いてもよい。又、シランカップリング剤による処理と併用しても構わない。
【0037】
本発明に用いる正帯電性現像剤としては、静電潜像に対して忠実に現像することができ、且つ細線再現性及びハーフトーン階調性に優れた現像性が得られる点で、下記のような粒径及び粒度分布を有するトナーが含有されたものを用いることが好ましい。即ち、トナーの粒度分布において、重量平均粒径が、3〜12μm、より好ましくは5〜10μmの範囲であり、4.0μm以下の粒径を有するトナーが、好ましくは30個数%以下、より好ましくは5〜20個数%、12.7μm以上の粒径を有するトナーが、好ましくは12.0体積%以下、より好ましくは10.0体積%以下に制御されているものを用いるとよい。
【0038】
トナーの重量平均粒径が3μm未満では、トナー飛散、カブリの如き欠陥を生じ、グラフィック画像等の画像面積比率の高い用途では、転写紙上のトナーの載り量が少なく、画像濃度が低下するという問題が生じ易い。一方、重量平均粒径が12μmを超える場合には、微小ドットの再現性低下によって充分な解像度が得られず、又、転写時の飛び散りを生じ、更には、複写の始めはよくとも、使用を続けていると画質低下を生じ易い。
【0039】
4μm以下の粒径のトナーが30個数%を超えると、カブリの発生が生じ易く、又、トナー相互の凝集状態が生じ易く、本来の粒径以上のトナー塊となるため、荒れた画質となり、解像性を低下させ、又は静電潜像のエッジ部と内部との濃度差が大きくなり、中抜け気味の画像になり易い。
12.7μm以上の粒径のトナーが12.0体積%より多いと、飛び散りが生じ易く、細線再現における妨げになるばかりでなく、転写において、感光体上に現像されたトナーの薄層面に12.7μm以上の荒めのトナーが突出して存在することで、トナー層を介した感光体と転写紙間の微妙な密着状態を不規則なものとして、転写条件の変動を引き起こし易く、ひいては転写不良画像を発生する要因となる。
【0040】
本発明において、トナーの粒度分布の測定は以下の通り行う。
トナーの平均粒径及び粒度分布はコールターカウンターTA−II又はコールターマルチサイザーII(コールター社製)を用いて測定可能である。本発明においてはコールターマルチサイザーII(コールター社製)を用い、個数分布、体積分布を出力するインターフェース(日科機製)及びPC9801パーソナルコンピューター(NEC社製)を接続し、電解質溶液は、1級塩化ナトリウムを用いて、約1%NaCl水溶液を調製する。例えば、ISOTON−II(コールターサイエンティフィックジャパン社製)が使用できる。
測定法としては、前記電解質水溶液100〜150ml中に、分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩を0.1〜5ml加え、更にこれに測定試料を2〜20mg加える。このようにして試料を懸濁した電解質溶液は、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行った後、前記コールターマルチサイザーにより、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用い、2μm以上のトナーの体積と個数を測定して体積分布と個数分布を算出した。そして、体積分布から重量基準(各チャンネルの中央値をチャンネルごとの代表値とする)の重量平均粒径(D4)を求め、個数分布から4.0μm以下のトナーの個数%を求め、更に体積分布から12.7μm以上のトナーの体積%を夫々求めた。
【0041】
以上の如き小さい粒径の特定の粒度分布を有するトナーが含有されている正帯電性現像剤を用いて画像形成を行った場合には、前述の如く、通常の場合には、トナーの単位重量当たりの表面積が大きくなり、単位重量当たりの電荷量(mC/kg)が大きくなることから、特に低温低湿下において、チャージアップ減少によってスリーブゴーストが発生し易い傾向があった。
【0042】
しかしながら、本発明では、現像装置に用いられる現像剤担持体として、後述する特定の樹脂組成物によって形成された樹脂被覆層を有する現像剤担持体を用いることによって、小さい粒径の特定の粒度分布を有するトナーが含有されている正帯電性現像剤を用いて画像形成を行った場合においても、良好な画像形成を実現する。即ち、このような現像剤を用いた場合に低温低湿下で生じていたチャージアップ現象は、現像剤担持体表面に形成されている導電性物質を含有する樹脂被覆層がトナーのチャージを適度にリークすることで抑制できる。更に上記の現像剤を用いた場合には、高温高湿下で、トナーのチャージの立ち上がりに問題を生じる傾向があったが、トナーのチャージの立ち上がりを鉄粉に対して正帯電性である第4級アンモニウム塩化合物と特定の結着樹脂とを含有する樹脂組成物によって形成された充分に負帯電性を有する本発明の現像剤担持体を構成する樹脂被覆層によって高めることができる。従って、上述の如き小さい粒径の特定の粒度分布を有するトナーを有する正帯電性現像剤を用いた場合においても、常温常湿下は勿論のこと、低温低湿下及び高温高湿下の各環境下でも良好に使いこなすことが可能になる。
【0043】
尚、本発明においては、上記に述べたような構成の磁性トナーを一成分系現像剤として用いることが可能である。又、非磁性トナーをキャリアと混合して二成分系現像剤として用いることも、或いはキャリアと混合せずに非磁性一成分系現像剤として用いることも可能である。
【0044】
次に、上記したような正帯電性現像剤を担持するための本発明の現像剤担持体について詳細に説明する。本発明の現像剤担持体の一例を図4に示しながら、その作用について説明する。
先ず、本発明の現像剤担持体は、少なくとも基体及び樹脂被覆層を有するが、図4に示したように、樹脂被覆層101には、少なくとも、結着樹脂102、導電性微粒子103、個数平均粒径が0.3〜30μmの球状粒子104、及び鉄粉に対して正帯電性である第4級アンモニウム塩化合物105が含有されている。
【0045】
先に述べたように、本発明の現像剤担持体を構成する樹脂被覆層中には、下記一般式(5)に示されるような第4級アンモニウム塩化合物のうち、鉄粉に対して正帯電性である第4級アンモニウム塩化合物が含まれているので、被膜形成材料である結着樹脂の分子構造中に該第4級アンモニウム塩化合物が取り込まれ、被覆層自身が負極性に帯電し易い物質となるので、トナーに対する正帯電付与性が向上する。更に結着樹脂の一部又は全てを、その分子構造中に、少なくとも、−NH2基、=NH基、若しくは−NH−結合のいずれかを有するもので形成すれば、上記の特定の第4級アンモニウム塩化合物が、より結着樹脂の分子構造中に取り込み易くなる。
【0046】
【化8】
Figure 0003997034
【0047】
上記一般式(5)において、X-の陰イオンの具体例としては、有機硫酸イオン、有機スルホン酸イオン、有機リン酸イオン、モリブデン酸イオン、タングステン酸イオン、モリブデン原子或いはタングステン原子を含むヘテロポリ酸が好ましく用いられる。
【0048】
更に本発明の現像剤担持体を構成する被覆層には、導電性微粒子が添加されているので、現像剤担持体表面の電荷が滞ることがなく、トナーが鏡映力によって現像剤担持体に強く引きつけられことがない。よって、ブロッチが発生してトナーが固着したり、融着を引き起こす等のコート不良が抑制される。被覆層中に、個数平均粒径が0.3〜30μmの球状粒子が添加されているので、現像剤担持体表面の粗さが安定化され、現像剤担持体上のトナーコート量を最適なものとすることができる。更にこの場合に特に導電性の球状粒子を用いれば、現像剤担持体上へのトナーコートをより均一化できるので、現像剤担持体の耐摩耗性や環境安定性をより向上させることが可能となり、長期に渡る耐久においても良好な画像を得ることができる。又、この場合に使用する導電性球状粒子としては、真密度が3g/cm3以下のものを使用することがより好ましい。
先にも述べたように、上記のような構成を有する樹脂被覆層が設けられている本発明の現像剤担持体は、先に説明した液体潤滑剤により処理された外添剤を外添した正帯電性トナーや、液体潤滑剤を担持した着色剤や、液体潤滑剤を担持した磁性粉を含有している正帯電性トナーと組み合わせて使用することによって、上記した優れた効果を発揮し、正帯電性トナーの好適な帯電が実現する。
【0049】
上記した構成材料からなる樹脂被覆層の表面粗さは、JIS算術の中心線表面粗さ(Ra)で0.2〜3.5μmの範囲にあることが好ましく、0.5〜2.5μmの範囲にあることがより好ましい。Raが0.2μm未満の場合には、現像剤担持体上のトナーが鏡映力によって現像剤担持体表面に不動層が作られる場合があり、該不動層が作られるとトナーへの帯電付与が不充分となるために現像性が不充分となって、ムラ、飛び散り、画像濃度薄等の画像不良の原因となり易い。Raが3.5μmを超えると、現像剤担持体上のトナーコート層の規制が不充分となり易く、画像の均一性が不充分となったり、帯電不充分のため画像濃度薄が発生したりする。
尚、本発明において、樹脂被覆層の中心線表面粗さの測定は、表面粗度計SE−3300H(小坂研究所製)を用い、カットオフ0.8mm、規定距離8.0mm、送り速度0.5mm/secの測定条件にて測定し、12箇所の測定値の平均値をとった。
【0050】
上記したような構成の樹脂被覆層の層厚は、好ましくは25μm以下、より好ましくは20μm以下、更に好ましくは4〜20μmであるとすれば、均一な層厚が得られ易い。これらの層厚は、樹脂被覆層に使用する材料にもよるが、基材上への付着重量として、4,000〜20,000mg/m2程度とすれば容易に得られる。
【0051】
次に、本発明の現像剤担持体の必須の構成要件である樹脂被覆層を構成する各材料について詳細に説明する。
本発明の現像剤担持体において、その樹脂被覆層に添加される第4級アンモニウム塩化合物としては、鉄粉に対して正帯電性であればいずれのものでもよい。該第4級アンモニウム塩化合物は、特定の結着樹脂の分子構造中に取り込まれることによって、樹脂被覆層の正帯電性現像剤に対する正帯電付与性を向上させる作用を有する。
【0052】
本発明において、鉄粉に対する第4級アンモニウム塩化合物の帯電極性の測定は、以下の通り行う。
図9に示すような市販の摩擦帯電量測定器(東芝ケミカル(株)製 TB−200型)を用いてブローオフ法により鉄粉との摩擦帯電極性を求めた。
先ず、23℃、相対湿度60%環境下、キヤリアとしてEFV200/300(パウダーテック社製)を用い、キヤリア9.5gに第4級アンモニウム塩化合物0.5gを加えた混合物を、50〜100ml容量のポリエチレン製の瓶に入れて50回手で振動する。次いで、500メッシュのスクリーン41のある金属製の測定容器42に前記混合物1.0〜1.2gを入れ、金属製のフタ43をする。次に、吸引機44(測定容器42と接する部分は少なくとも絶縁体)において、吸引口45から吸引し風量調節弁46を調節して真空計47の圧力を250mmAqとする。この状態で1分間吸引を行って第4級アンモニウム塩化合物を吸引除去する。この時の電位計48の電位の極性を読み取って、鉄粉に対する第4級アンモニウム塩化合物の帯電極性とする。尚、49はコンデンサーである。
【0053】
本発明において、鉄粉に対する樹脂被覆層(樹脂分のみ)の帯電極性の測定は、以下の通り行う。
<サンプル板の作製方法>
帯電極性を測定したい樹脂被覆層(カーボン及びグラファイト等の導電性物質を除いたもの)の形成用の樹脂溶液を、SUS板上にバーコーター(#60)にて塗布し、これを乾燥・加熱等によって成膜させ(乾燥・加熱温度及び時間は、熱可塑性樹脂の場合は溶液が完全に蒸発するまで、熱硬化性樹脂の場合は樹脂の架橋が完全に行われるまで)、サンプル板を作製する。このサンプル板を接地した状態で、23℃、相対湿度60%環境下にて一晩放置する。
【0054】
<ポジトナーモデル粒子の作製方法>
スチレン/2−エチルヘキシルアクリレート/ジビニルベンゼン共重合体(共重合量比=80/17.5/2.5;重量平均分子量(MW)32万)100重量部に、コピーブルーPR(Clariant GmbH社製)2重量部を分散させたトルエン溶液(固形分濃度10重量%)10重量部と、球状フェライト粒子(粒径約90μm)100重量部を、ナウターミキサーにて80℃で4時間撹拌する。これを140℃で1時間かけて溶剤に完全に揮発させ、フェライト粒子表面に樹脂層を形成する。これを室温まで冷却しながら粒子をほぐし、83メッシュの篩でふるってブロッキング粒子を取り除く。この粒子を接地した状態で23℃、相対湿度60%環境下にて一晩以上放置し、これをポジトナーモデル粒子1とする。
【0055】
<測定方法>
測定は23℃、相対湿度60%環境下で行う。先ず、上記で作製したサンプル板を図10に示す表面帯電量測定装置TS−100AS(東芝ケミカル(株)製)にセットし、電位計55を接地して値を0にする。上記で作製したポジトナーモデル粒子51を滴下器52に入れ、STARTスイッチを押して20秒間ポジトナーモデル粒子51をサンプル板53上に滴下し、予め接地を施した受容器54で受ける。この時の電位計55の示す極性を読み取って、鉄粉に対する樹脂被覆層(樹脂分のみ)の帯電極性とする。尚、56はコンデンサーである。
【0056】
本発明に好適に用いられる、上述した一般式(5)で示される第4級アンモニウム塩化合物の中で、それ自身が鉄粉に対して正帯電性である第4級アンモニウム塩化合物としては、具体的には、以下のようなものが挙げられる。勿論、本発明は、これらに限定されるものではない。
【0057】
【化9】
Figure 0003997034
【0058】
【化10】
Figure 0003997034
【0059】
本発明において使用する鉄粉に対して正帯電性である第4級アンモニウム塩化合物としては、上記の例示化合物1〜8に示したような第4級アンモニウム塩化合物が好適に用いられるが、鉄粉に対して正帯電性を有すれば、必ずしもこれらに限定されない。これに対し、下記例示化合物9に示したような、電子吸引性の強いフッ素原子が分子構造中にある含フッ素第4級アンモニム塩化合物は、鉄粉に対して負帯電性であるが、本発明者らの検討によれば、正帯電性トナーを好適に帯電させることはできなかった。
【0060】
【化11】
Figure 0003997034
【0061】
本発明の現像剤担持体において、その樹脂被覆層を形成する場合に、被膜形成材料として作用する結着樹脂としては、いずれのものであってもよいが、その分子構造中に、少なくとも−NH2基、=NH基若しくは−NH−結合のいずれかの構造を有していることが好ましい。−NH2基を有する物質としては、例えば、R−NH2で表される第1アミン若しくはそれらを有するポリアミン、RCO−NH2で表される第1アミド若しくはそれらを有するポリアミドが挙げられる。=NH基を有する物質としては、例えば、R=NHで表される第2アミン若しくはそれらを有するポリアミン、(RCO)2=NHで表される第2アミド若しくはそれらを有するポリアミドが挙げられる。−NH−結合を有する物質としては、例えば、前述したポリアミン、ポリアミドの他に、−NHCOO−結合を有するポリウレタンが挙げられる。
本発明においては、以上の物質を1種又は2種以上、或いは共重合体として含有する工業的に合成された樹脂が好適に用いられる。本発明においては、これらのうちでも特に、実施例において用いたアンモニアを触媒としたフェノール樹脂、ポリアミド樹脂、及びウレタン樹脂を使用することが好ましい。
【0062】
本発明において、現像剤担持体上の被覆層を形成するための樹脂組成物を上記したような構成とすると、被覆層が、正帯電性トナーを有する現像剤に対して良好な帯電付与物質となることについての明確な理由は定かではないが、本発明者等は以下の通り考えている。
本発明で用いる、それ自身が鉄粉に対して正帯電性である第4級アンモニウム塩化合物は、フェノール樹脂に添加されるとフェノール樹脂中に均一に分散され、更に加熱硬化して被覆層を形成する際にフェノール樹脂の構造中に取り込まれ、その結果、上記化合物を有するフェノール樹脂組成物自身が負帯電性を有する物質へと変化する。
【0063】
本発明で用いる、それ自身が鉄粉に対し正帯電性である第4級アンモニウム塩化合物は、ポリアミド樹脂中に添加されるとポリアミド樹脂中で均一に分散され、更に加熱乾燥して被覆層を形成する際にポリアミド樹脂の構造中に取り込まれるので、その結果上記化合物を有するポリアミド樹脂自身が正帯電性現像剤に対して逆極性に帯電され易くなる。
【0064】
本発明で用いる、それ自身が鉄粉に対し正帯電性を有する第4級アンモニウム塩化合物は、例えば、ウレタン樹脂の樹脂被覆層として用いられる場合、先ず、ウレタン樹脂中に添加されるとウレタン樹脂中に均一に分散され、更に加熱硬化して被覆層が形成される際にウレタン樹脂の構造中に容易に取り込まれる。その際、正極性を有する第4級アンモニウム塩の元の構造が失われ、第4級アンモニウム塩が取り込まれたウレタン樹脂の帯電性が均一且つ十分な負帯電性を有するようになり、上記の化合物を有するウレタン樹脂自身が正帯電性現像剤に対して逆極性に帯電され易くなる。
【0065】
本発明で使用する鉄粉に対し正帯電性を有する第4級アンモニウム塩化合物の含有量は、結着樹脂100重量部に対して1〜100重量部とすることが好ましい。1重量部未満では、添加による帯電付与性の向上が見られず、100重量部を越えると、結着樹脂中への分散不良となり被膜強度の低下を招き易い。
【0066】
本発明者等が鋭意検討を重ねた結果、本発明において使用するフェノール樹脂として、その製造工程において、触媒として含窒素化合物を用いて製造されたものを用いると、特に、加熱硬化時に第4級アンモニウム塩化合物がフェノール樹脂の構造中に取り込まれ易く、好ましいことがわかった。従って、本発明においては、このような作用を有する、その製造工程において触媒として含窒素化合物を用いて製造されたフェノール樹脂を現像剤担持体上の被覆層を構成する材料の1つとして用いれば、良好な正帯電付与性を有する現像装置の実現が可能となる。
【0067】
本発明で好適に使用し得る、フェノール樹脂の製造工程において触媒として用いられる含窒素化合物としては、例えば、酸性触媒として、硫酸アンモニウム、燐酸アンモニウム、スルファミド酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、マレイン酸アンモニウムの如きアンモニウム塩又はアミン塩類が挙げられ、塩基性触媒として、アンモニア、或いはジメチルアミン、ジエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ジイソブチルアミン、ジアミルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリn−ブチルアミン、トリアミルアミン、ジメチルベンジルアミン、ジエチルベンジルアミン、ジメチルアニリン、ジエチルアニリン、N,N−ジn−ブチルアニリン、N,N−ジアミルアニリン、N,N−ジt−アミルアニリン、N−メチルメタノールアミン、N−エチルエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、エチルジエタノールアミン、n−ブチルジエタノールアミン、ジn−ブチルエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、エチレンジアミン、ヘキサメチレンテトラミンの如き含窒素複素環式化合物が挙げられる。含窒素複素環式化合物としては、アミノ化合物、ピリジン、α−ピコリン、β−ピコリン、γ−ピコリン、2,4−ルチジン、2,6−ルチジンの如きピリジン及びその誘導体;キノリン化合物;イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2,4−ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾールの如きイミダゾール及びその誘導体が挙げられる。
【0068】
本発明において使用するポリアミド樹脂としては、例えば、ナイロン6、66、610、11、12、9、13及びQ2の如きナイロン類、或いはこれらを主成分とするナイロンン共重合体、或いはN−アルキル変性ナイロン、N−アルコキシルアルキル変性ナイロンが、いずれも好適に用いることができる。更にはポリアミド変性フェノール樹脂のようにポリアミドにて変性された各種樹脂、或いは硬化剤としてポリアミド樹脂を用いたエポキシ樹脂のように、ポリアミド樹脂分を含有している樹脂であれば、いずれも好適に用いることができる。本発明においては、前記ナイロン類又はこれらを主成分とするナイロンの共重合が、特に好ましく用いられる。
【0069】
本発明において使用するウレタン樹脂としては、ウレタン結合を含んだ樹脂であれば、いずれも好適に用いることができる。ウレタン結合はポリイソシアネートとポリオールとの重付加反応によって得られる。
ポリウレタン樹脂の主原料であるポリイソシアネートとしては、TDI(トリレンジイソシアネート)、ピュアMDI(ジフェニルメタンジイソシアネート)、ポリメリックMDI(ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート)、TODI(トリジンジイソシアネート)及びNDI(ナフタレンジイソシアネート)の如き芳香族系ポリイソシアネート;HMDI(ヘキサメチレンジイソシアネート)、IPDI(イソホロンジイソシアネート)、ΧDI(キシリレインジイソシアネート)、水添加ΧDI(水添キシリレンジイソシアネート)、及び水添MDI(ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート)の如き脂肪族ポリイソシアネートが挙げられる。
【0070】
上記のポリイソシアネートと反応するポリオールとしては、PPG(ポリオキシプロピレングリコール)、ポリマーポリオール及びポリテトラメチレングリコール(PTMG)の如きポリエーテル系ポリオール;アジペート、ポリカプトラクトン及びポリカーボネートポリオールの如きポリエステル系ポリオール;PHDポリオール及びポリエーテルエステルポリオールの如きポリエーテル系の変性ポリオール;エポキシ変性ポリオール;エチレン−酢酸ビニル共重合物の部分ケン化ポリオール(ケン化EVA);難燃ポリオールが挙げられる。
【0071】
次に、樹脂被覆層に含有される個数平均粒径0.3〜30μmの球状粒子について説明する。球状粒子を樹脂被覆層に含有させることによって、樹脂被覆層表面に均一な表面粗度を保持させると同時に、樹脂被覆層表面が摩耗した場合においても被覆層の表面粗度の変化が少なく、且つトナー汚染やトナー融着を発生しにくくする効果が得られる。更に上記球状粒子を含有させることで、樹脂被覆層中に含有されている結着樹脂と、特に、上記した−NH2基、=NH基若しくは−NH−結合のいずれかの構造を有している特定の結着樹脂と、第4級アンモニウム塩化合物とによって達成される正帯電現像剤への迅速且つ均一な帯電付与作用と荷電制御の効果を、相互作用により更に向上させ、又、帯電性能を安定化させる効果が得られる。
【0072】
本発明で用いる上記の優れた効果を発揮する球状粒子は、その個数平均粒径が0.3〜30μmであり、好ましくは2〜20μmであることがよい。即ち、球状粒子の個数平均粒径が0.3μm未満の場合には、上記した樹脂被覆層表面に均一な表面粗さを付与する効果と、帯電性能を高める効果が少なく、現像剤への迅速且つ均一な帯電が不充分となると共に、樹脂被覆層の摩耗によるトナーのチャージアップ、トナー汚染及びトナー融着が発生し、ゴーストの悪化や画像濃度低下が生じ易くなる。球状粒子の個数平均粒径が30μmを超える場合には、樹脂被覆層の表面の粗さが大きくなり過ぎ、トナーの帯電が充分に行われにくくなってしまうと共に、樹脂被覆層の機械的強度の低下が発生する。
【0073】
本発明の現像剤担持体においては、上記球状粒子の真密度が、好ましくは3g/cm3以下、より好ましくは2.7g/cm3以下、更に好ましくは0.9〜2.5g/cm3、最も好ましくは、0.9〜2.5g/cm3であることがよい。即ち、球状粒子の真密度が3g/cm3を超える場合には、樹脂被覆層中で球状粒子の分散性が不充分となり易いため、樹脂被覆層表面に均一な粗さを付与しにくくなり、トナーへの均一な帯電付与性能及び樹脂被覆層の強度が不充分となる傾向がある。球状粒子の真密度が小さすぎる場合にも、樹脂被覆層中における球状粒子の分散性が不充分となり易い。
本発明において、球状粒子の真密度の測定は乾式密度計アキュピック1330(島津製作所製)を用いて測定した。
【0074】
本発明において用いる球状粒子における球状とは、真球状に限られるものではなく、粒子の長径/短径の比が1.0〜1.5のものを意味している。本発明においては、長径/短径の比が1.0〜1.2の球状粒子を用いることがより好ましく、特に好ましくは真球状の粒子を使用する。球状粒子の長径/短径の比が1.5を超える場合には、樹脂被覆層中への球状粒子の分散性が低下すると共に、樹脂被覆層表面の粗さが不均一となるので、トナーへの均一な帯電付与性能及び樹脂被覆層の強度の点で好ましくない。
本発明において、球状粒子の長径及び短径の測定は、電子顕微鏡を用いて拡大倍率6,000倍で撮影した拡大写真を用い、この拡大写真からランダムにサンプリングしたサンプル100個について長径及び短径を測定して、長径/短径の比を求め、その平均値をもって球状粒子の長径/短径の比とした。
【0075】
本発明において用いる球状粒子としては、その個数平均粒径が0.3〜30μmであれば従来公知の球状粒子をいずれも使用することができる。例えば、球状の樹脂粒子、球状の金属酸化物粒子、球状の炭素化物粒子が挙げられる。これらの中でも、球状の樹脂粒子は、樹脂被覆層に添加した場合に、より少ない添加量で、好適な表面粗さが得られ、且つ均一な表面形状が得られ易いので好ましい。本発明で使用し得る球状の樹脂粒子は、例えば、懸濁重合や分散重合法によって容易に得られる。勿論、粉砕法により得られた樹脂粒子を、熱的な或いは物理的な球形化処理を行なって球状化した粒子を用いてもよい。
本発明において好適な球状樹脂粒子としては、具体的には、例えば、ポリアクリレート、ポリメタクリレートの如きアクリル系樹脂粒子;ナイロンの如きポリアミド系樹脂粒子、ポリエチレン、ポリプロピレンの如きポリオレフィン系樹脂粒子;シリコーン系樹脂粒子;フェノール系樹脂粒子;ポリウレタン系樹脂粒子;スチレン系樹脂粒子;ベンゾグアナミン系樹脂粒子が挙げられる。
【0076】
本発明で使用する球状樹脂粒子は、その表面に、無機微粉末を付着させたり、或いは固着させて用いてもよい。例えば、球状の樹脂粒子表面を、下記に挙げるような無機微粉末で処理することにより、樹脂被覆層中への球状粒子の分散性の向上、形成される樹脂被覆層の表面の均一性、樹脂被覆層の耐汚染性、トナーへの帯電付与性、樹脂被覆層の耐摩耗性を向上させることができる。
この際に使用する無機微粉末としては、SiO2、SrTiO3、CeO2、CrO、Al23、ZnO、MgOの如き酸化物、Si34の如き窒化物、SiCの如き炭化物、CaSO4、BaSO4、CaCO3の如き硫酸塩や炭酸塩が挙げられる。これらの無機微粉末は、カップリング剤によって処理して用いてもよい。即ち、特に、結着樹脂との密着性を向上させる目的で、或いは微粒子に疎水性を与えることを達成する目的で、カップリング剤により処理された無機微粉末を好ましく用いることができる。
【0077】
この際に使用するカップリング剤としては、例えば、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、ジルコアルミネートカップリング剤等が挙げられる。より具体的には、例えば、シランカップリング剤としては、ヘキサメチルジシラザン、トリメチルシラン、トリメチルクロルシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジクロルシラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルクロルシラン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、ブロムメチルジメチルクロルシラン、α−クロルエチルトリクロルシラン、β−クロルエチルトリクロルシラン、クロルメチルジメチルクロルシラン、トリオルガノシリルメルカプタン、トリメチルシリルメルカプタン、トリオルガノシリルアクリレート、ビニルジメチルアセトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルエトキシシラン、ヘキサメチルジシロキサン、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン、1,3−ジフェニルテトラメチルジシロキサン、及び1分子当たり2〜12個のシロキサン単位を有し、且つ末端に位置する単位に夫々1個当ての硅素原子に結合した水酸基が含有されたジメチルポリシロキサン等が挙げられる。
【0078】
更に本発明においては、上記のような球状粒子として導電性のものを用ることが好ましい。更に好ましくは、真密度が3g/cm3以下である導電性球状粒子を用いることがよい。即ち、球状粒子に導電性を持たせることによって、その導電性ゆえに粒子表面にチャージが蓄積しにくくすることができる。従って、樹脂被覆層に、このような導電性球状粒子を含有させることによって、本発明に係る現像剤担持体においては、トナー付着が軽減され、トナー汚染及びトナー融着の発生を抑制することができ、更にトナーへの帯電付与性に優れたものとすることができる。
【0079】
本発明において用いる導電性球状粒子の導電性とは、体積抵抗値が106Ω・cm以下のものをいう。本発明においては、体積抵抗値が103〜10-6Ω・cmの導電性球状粒子を使用することが好ましい。即ち、導電性球状粒子の体積抵抗値が106Ω・cmを超えと、摩耗によって樹脂被覆層表面に球状粒子が露出した場合に、該球状粒子を核として、トナーの汚染や融着を発生し易くなると共に、迅速且つ均一な帯電が行なわれにくくなる場合がある。
導電性球状粒子の体積抵抗値の測定は、測定試料を40mmφのアルミリングに入れ、2,500Nで加圧成型し、抵抗率計ロレスタAP又はハイレスタIP(ともに三菱化学社製)にて4端子プローブを用いて測定した。尚、測定環境は、温度20〜25℃、湿度50〜60%RHとする。
【0080】
本発明で用いられる上記したような特性を有する導電性球状粒子を得る好ましい方法としては、以下に述べる方法があるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。本発明に特に好適な導電性球状粒子を得る方法としては、例えば、球状の樹脂粒子やメソカーボンマイクロビーズを焼成することにより炭素化及び/又は黒鉛化して、低濃度且つ良導電性の球状炭素粒子を得る方法が挙げられる。球状の樹脂粒子を形成する場合に用いられる樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、ナフタレン樹脂、フラン樹脂、キシレン樹脂、ジビニルベンゼン重合体、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体及びポリアクリロニトリルが挙げられる。
メソカーボンマイクロビーズは、通常、中ピッチを加熱焼成していく過程で生成する球状結晶を、多量のタール、中油、キノリン等の溶剤で洗浄することによって製造することができる。
【0081】
より好ましい導電性球状粒子を得る方法としては、例えば、フェノール樹脂、ナフタレン樹脂、フラン樹脂、キシレン樹脂、ジビニルベンゼン重合体、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体又はポリアクリロニトリルからなる球状粒子表面に、メカノケミカル法によってバルクメソフェーズピッチを被覆した後、被覆された粒子を酸化性雰囲気下で熱処理した後に、不活性雰囲気下、又は真空下で焼成して炭素化及び/又は黒鉛化し、導電性の球状炭素粒子を得る方法が挙げられる。この方法で得られる球状炭素粒子は、黒鉛化すると得られる球状炭素粒子の被覆部が、結晶化が進んだものとなるので、導電性が向上し、より好ましい。
【0082】
上記した種々の方法によって得られる導電性の球状炭素粒子は、いずれの方法で作製しても、焼成条件を変化させることによって、得られる球状炭素粒子の導電性をある程度は制御することが可能であり、本発明において、いずれも好ましく使用できる。上記の方法で得られる球状炭素粒子は、場合によっては、更に導電性を高めるために、導電性球状粒子の真密度が3g/cm3を超えない程度の範囲で、導電性の金属及び/又は金属酸化物のめっきを施していてもよい。
【0083】
本発明で好適に用いることのできる導電性球状粒子を得る別の方法としては、下記の方法がある。
先ず、球状の樹脂粒子からなる芯粒子を作製し、次に、得られた芯粒子に対して、該芯粒子の粒径よりも小さい導電性微粒子を適当な配合比で機械的に混合することによって、ファンデルワールス力及び静電気力の作用により芯粒子の周囲に均一に導電性微粒子を付着させる。更に上記で得た導電性微粒子が付着した芯粒子に、例えば、機械的衝撃力を付与することによって生ずる局部的温度上昇により上記芯粒子表面を軟化させ、芯粒子表面に導電性微粒子を成膜して導電化処理された球状樹脂粒子を得る方法が挙げられる。
【0084】
上記の芯粒子には、有機化合物からなる真密度の小さい球形の樹脂粒子を使用することが好ましく、この際に使用する樹脂としては、例えば、PMMA、アクリル樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、又はこれらの共重合体、ベンゾグアナミン樹脂、フェノール樹脂、ポリアミド樹脂、ナイロン、フッ素系樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ系樹脂及びポリエステル樹脂が挙げられる。芯粒子(母粒子)の表面に成膜する際に使用される導電性微粒子(小粒子)としては、導電性微粒子被膜を芯粒子表面に均一に設けるために、小粒子の平均粒径が母粒子の平均粒径の1/8以下のものを使用することが好ましい。
【0085】
本発明で好適に用いることのできる導電性球状粒子を得る更に他の方法としては、球状樹脂粒子中に導電性微粒子を均一に分散させることによって、導電性微粒子が分散された導電性球状粒子を得る方法が挙げられる。球状樹脂粒子中に導電性微粒子を均一に分散させる方法としては、例えば、結着樹脂と導電性微粒子とを混練して導電性微粒子を分散させた後、冷却固化し、所定の粒径に粉砕し、機械的処理及び熱的処理により球形化して導電性球状粒子を得る方法、又は重合性単量体中に重合開始剤、導電性微粒子及びその他の添加剤を加え、分散機によって均一に分散せしめた単量体組成物を、分散安定剤を含有する水相中に撹拌機によって所定の粒子径になるように懸濁させて重合を行い、導電性微粒子が分散された球状粒子を得る方法が挙げられる。
【0086】
上記したような方法で得られた導電性微粒子が分散された導電性球状粒子においても、前記した芯粒子よりも小さい粒径の導電性微粒子と適当な配合比で機械的に混合して、ファンデルワールス力及び静電気力の作用により導電性球状粒子の周囲に均一に導電性微粒子を付着させた後、例えば、機械的衝撃力を付与することにより生ずる局部的温度上昇により導電性球状粒子の表面を軟化させ、該表面に導電性微粒子を成膜して、更に導電性を高めて使用してもよい。
【0087】
本発明において、球状粒子の個数平均粒径の測定は、レーザー回折粒度分布計LS−130型(コールター製)にリキッドモジュールを取り付けて測定された個数分布から個数平均粒径を算出した。
本発明で使用する球状粒子の含有量は、結着樹脂100重量部に対して、好ましくは2〜120重量部、より好ましくは2〜80重量部であることがよい。
樹脂被覆層の球状粒子の含有量が2重量部未満の場合には、球状粒子の添加効果が少なく、120重量部を超える場合には、表面粗さを適正な範囲にコントロールすることが難しく、表面粗さが大きくなり過ぎるため、現像剤担持体上の現像剤層が不均一になり易く、又、現像剤量が多くなるために現像剤に充分な摩擦帯電電荷を与えられなくなってしまうことがあり、更に被膜強度の低下を招くことがある。
【0088】
更に本発明の現像剤担持体においては、上記した形成材料によって形成される樹脂被覆層が、チャージアップによる現像剤の現像剤担持体上への固着や、現像剤のチャージアップに伴って生じる現像剤担持体の表面から現像剤への帯電付与不良を防ぐために導電性であることが好ましい。このため、本発明においては樹脂被覆層中に導電性微粒子を含有させる。特に、現像剤担持体表面に形成されている樹脂被覆層の体積抵抗値が103Ω・cm以下となるように構成することが好ましく、更に好ましくは10-2〜103Ω・cm、より好ましくは10-2〜102Ω・cmとなるようにするとよい。即ち、現像剤担持体上の樹脂被覆層の体積抵抗値が103Ω・cmを越えると、現像剤への帯電付与不良が発生し易く、その結果としてブロッチが発生し易い。樹脂被覆層の体積抵抗値が小さすぎると現像剤への帯電付与が小さ過ぎ、トリボ不足となって画像濃度低下の原因となってしまう傾向にある。
【0089】
導電性の樹脂被覆層の体積抵抗値を上記した範囲内に調整するためには、下記に挙げる導電性微粒子を樹脂被覆層中に含有させることが好ましい。導電性微粒子としては、例えば、銅、ニッケル、銀、アルミニウム等の金属或いは合金の粉体、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化スズ、酸化チタン等の金属酸化物、カーボンファイバー、カーボンブラック、グラファイト等の炭素系の導電性微粒子等が挙げられる。導電性微粒子の添加量は、その現像システムにより異なるが、例えば、ジャンピング現像法において、一成分系絶縁性現像剤を用いる場合には、導電性樹脂被覆層の体積抵抗値が103Ω・cm以下になるように添加することが好ましい。これらの導電性微粒子の含有量は、結着樹脂100重量部に対して1〜100重量部の範囲とすることが好ましい。
導電性微粒子の含有量が1重量部未満の場合には、樹脂被覆層を良好に導電性を付与することができず、100重量部を越える場合には、被膜強度の低下及びトナーの帯電量の低下が認められ好ましくない。
【0090】
本発明に用いられる導電性微粒子としては、カーボンクラックが好ましく用いられ、とりわけ導電性のアモルファスカーボンは、特に電気伝導性に優れ、他の物質に比べ、少量の添加で導電性を付与することができる、添加量のコントロールによりある程度任意の抵抗値を得ることができるので、好適に用いられる。
【0091】
本発明において樹脂被覆層の体積抵抗の測定は以下の通り行う。
100μmの厚さのPETシート上に7〜20μmの厚さの導電性樹脂被覆層を形成し、ASTM規格(D−991−82)及び日本ゴム協会標準規格SRIS(2301−1969)に準拠した、導電性ゴム及びプラスチックの体積抵抗測定用の4端子構造の電極を設けた電圧降下式デジタルフォーム計(川口電機製作所)を使用して測定した。尚、測定環境は、20〜25℃、50〜60%RHとする。
【0092】
本発明の現像剤担持体を構成する樹脂被覆層中には、更に固体潤滑剤を含有させることも好ましい。固体潤滑剤としては、例えば、二硫化モリブデン、窒化硼素、雲母、グラファイト、フッ化グラファイト、銀−セレン化ニオブ、塩化カルシウム−グラファイト、滑石、テフロン、PVDFの如きフッ素化重合体、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニウム、パルミチン酸亜鉛の如き脂肪酸金属塩が挙げられる。これらの中でもグラファイトは、潤滑性と共に導電性も有することから好ましく用いられる。
これら固体潤滑剤の含有量は、結着樹脂100重量部に対して1〜100重量部の範囲とすることが好ましい。固体潤滑剤の添加量が1重量部未満の場合には、固体潤滑剤添加の目的が充分に達成されず、現像剤が現像剤担持体表面に付着し、画像劣化を生じるおそれがある。100重量部を超える場合には、現像剤担持体表面への樹脂被覆層の強度低下が生じ、被覆が剥れ易くなる。
【0093】
次に、上記に説明した構成の本発明の現像剤担持体が組み込まれた本発明の現像装置について説明及び例示する。
図1において、公知のプロセスにより形成された静電潜像を担持する静電潜像担持体、例えば、電子写真感光ドラム1は、矢印B方向に回転される。現像剤担持体としての現像スリーブ8には、本発明の現像剤担持体が用いられており、金属製円筒管(基体)6とその表面に形成される導電性被膜層7から構成されている。図2のホッパー3中には、磁性トナー4を撹拌するための撹拌翼10が設けられている。ホッパー3から供給された一成分系磁性現像剤としての磁性トナー4を担持して、矢印A方法に回転することにより、現像スリーブ8と感光ドラム1とが対向した現像部に磁性トナー4を搬送する。現像スリーブ8内には、磁性トナー4を現像スリーブ8上に磁気的に吸引保持するために、マグネットローラー5が配置されている。磁性トナー4は、現像スリーブ8との摩擦によって、感光ドラム1上の静電潜像を現像可能な摩擦帯電電荷を得る。
【0094】
現像部に搬送される磁性トナー4の層厚を規制するために、強磁性金属からなる現像剤層厚規制部材(規制ブレード)2が、現像スリーブ8の表面から約200〜300μmのギャップ幅を持って現像スリーブ8に臨むように、ホッパー3から垂下されている。そして、マグネットローラー5の磁極N1からの磁力線がブレード2に集中することにより、現像スリーブ8上に磁性トナー4の薄層が形成される。ブレード2としては、更に規制力を強めたナイフエッジブレード、又は非磁性ブレードを使用することもできる。
現像スリーブ8上に形成される磁性トナー4の薄層の厚みは、現像部における現像スリーブ8と感光ドラム1との間の最小間隙Dよりも更に薄いものであることが好ましい。このようなトナー薄層により静電潜像を現像する方式の現像装置、即ち、非接触型現像装置に、本発明の現像剤担持体は特に有効である。しかし、現像部においてトナー層の厚みが現像スリーブ8と感光ドラム1との間の最小間隙D以上の厚みである現像装置、即ち、接触型現像装置にも、本発明の現像剤担持体を適用することができる。説明の煩雑を避けるため、以下の説明では、非接触型現像装置を例に採って行う。
【0095】
上記現像スリーブ8には、これに担持された一成分系磁性現像剤である磁性トナー4を飛翔させるために、電源9により現像バイアス電圧が印加される。この現像バイアス電圧として直流電圧を使用するときは、静電潜像の画像部(磁性トナー4が付着して可視化される領域)の電位と、背景部の電位との間の値の電圧が、現像スリーブ8に印加されることが好ましい。一方、現像画像の濃度を高め或いは階調性を向上させるために、現像スリーブ8に交番バイアス電圧を印加して、現像部に向きが交互に反転する振動電界を形成してもよい。この場合、上記画像部の電位と背景部の電位の間の値を有する直流電圧成分が重畳された交番バイアス電圧を現像スリーブ8に印加することが好ましい。
【0096】
高電位部と低電位部を有する静電潜像の高電位部にトナーを付着させて可視化する、所謂、正規現像では、静電潜像の極性と逆極性に帯電するトナーを使用し、一方、静電潜像の低電位部にトナーを付着させて可視化する、所謂、反転現像では、トナーは静電潜像の極性と同極性に帯電するトナーを使用する。尚、高電位と低電位というのは、絶対値による表現である。いずれにしても、磁性トナー4は、現像スリーブ8との摩擦によって静電潜像を現像するための極性が帯電される。
【0097】
図2は、本発明の現像装置の他の実施例を示す構成図、図3は本発明の現像装置の更に他の実施例を示す構成図である。
図2及び図3の現像装置では、現像スリーブ8上の磁性トナー4の層厚を規制する部材として、ウレタンゴムやシリコーンゴムの如きゴム弾性を有する材料、或いはリン青銅、ステンレス鋼の如き金属弾性を有する材料等の弾性板11を使用し、この弾性板11を、図2に示した現像装置では現像スリーブ8に回転方法と逆の姿勢で圧接させ、図3に示した現像装置では現像スリーブ8に回転方向と同方法の姿勢で圧接させていることが特徴である。このような現像装置では、いずれも現像スリーブ8上に更に薄いトナー層を形成することができる。図2及び図3の現像装置のその他の構成は、図2に示した現像装置と基本的に同じであり、図2及び図3において図1に付した符号と同一の符号は同一の部材を示す。
上記のようにして現像スリーブ8上にトナー層を形成する方式の図2及び図3に示したような現像装置は、磁性トナーを主成分とする一成分系磁性現像剤を使用する場合にも、非磁性トナーを主成分とする一成分系非磁性現像剤を使用する場合にも適している。
【0098】
図5を参照しながら、図1に例示した本発明の現像装置を使用した画像形成装置の一例について説明する。
図中の206は、潜像担持体としての回転ドラム型の感光体であり、該感光体206はアルミニウムの如き導電性基層と、その外面に形成した光導電層とを基本構成層とするものであり、該光導電層の表層部は、電荷輸送物質とフッ素系樹脂微粉末を8重量%含有するポリカーボネート樹脂で構成されている。図5に例示した装置では、感光体206は、図面上の時計方向に、例えば、周速度200mm/sで回転駆動する。
【0099】
212は、一次帯電手段としての接触帯電部材である帯電ローラーであり、中心の芯金bと、その外周のカーボンブラックを含むエピクロルヒドリンゴムで形成された導電性弾性層とを基本構成としている。帯電ローラー212は、上記感光体206面に、線圧40g/cmの押圧力をもって圧接されており、感光体206の回転に伴って従動回転する。
213は、上記帯電ローラー212に電圧を印加するための帯電バイアス電源であり、この帯電ローラー212に、直流−1.4kVのバイアスが印加されることで感光体206の表面が、約−700Vの極性・電位に帯電されている。
次いで、潜像形成手段としての画像露光214によって、感光体206上に静電潜像が形成され、該静電潜像が、現像装置のホッパー201に保持されている一成分系現像剤によって現像されて、トナー画像として順次可視化される。204は、接触転写部材としての転写ローラーであり、中心の芯金と、その外周にカーボンブラックを含むエチレン−ブロピレン−ブタジエン共重合体で形成された導電性弾性層とを基本構成とする。
【0100】
転写ローラー204は、感光体206の表面に線圧20g/cmの押圧力をもって圧接し、感光体206周速度と等速度で回転するように構成されている。
記録材207としては、例えば、A4サイズの紙を用いる。該記録材207を、感光体206と転写ローラー204との間に搬送すると同時に、上記転写ローラー204に、トナーと逆極性の直流−5kVのバイアスを転写バイアス電源205から印加することによって、感光体206上に形成されているトナー画像を記録材207の表面側に転写させる。従って、転写ローラー204は、転写時には記録材207を介して感光体206に圧接されることになる。
【0101】
上記のようにしてトナー画像が転写された記録材207は、次いで、ハロゲンヒータが内蔵されている定着ローラー208aと、これに押圧力を持って圧接された弾性体の加圧ローラー208bとを基本構成とする定着手段としての定着器208へと搬送されて、上記定着ローラー208aと加圧ローラー208bとの間を通過し、これによってトナー画像が記録材207上に定着されて、その後、画像形成物として排出される。
【0102】
上記のようにしてトナー画像の転写が行なわれた後の感光体206の表面では、転写残りトナー等の付着汚染物質を、感光体206にカウンター方向に線圧25g/cmで圧接したポリウレタンゴムを基本材料とする弾性クリーニングブレード209を具備したクリーニング装置210よって清浄面化することが行なわれ、更に除電露光装置211によって除電された後、上記過程によって作像が繰り返される。
【0103】
本発明の装置ユニットは、本発明の現像剤担持体を有する図1に示したような構成の現像装置を、画像形成装置本体(例えば、複写機、レーザービームプリンター、ファクシミリ装置)に対して着脱可能に装着したものである。
装置ユニットの形態としては、図1に示す現像装置に加えて、図5に示したドラム状の静電潜像担持体(感光ドラム)206、クリーニングブレード209を有するクリーニング手段210、及び一次帯手段としての接触(ローラー)帯電手段212からなる群から選択される一種以上の構成部材を一体に有して構成させることも可能である。このときに、上記装置本体の方に、上記に挙げた構成部材の中で装置ユニットに選択しなかった構成部材、例えば、帯電手段及び/又はクリーニング手段を伴って構成してもよい。
【0104】
図7にそのような装置ユニットとしてのプロセスカートリッジの一具体例を示す。以下のプロセスカートリッジの説明において、図1に示す現像装置以外は、図5を用いて説明した画像装置の構成部材と同様の機能を有するものについては、図5と同じ符号を用いて説明する。
図7に示したように、プロセスカートリッジでは、少なくとも現像手段と静電潜像保持体とが一体的に組み合わされてカートリッジ化されており、更に画像形成装置本体(例えば、複写機、レーザービームプリンター、ファクシミリ装置等)に着脱可能に構成されている。
図7に示したプロセスカートリッジの実施形態では、現像装置、ドラム状の静電潜像担持体(感光ドラム)206、クリーニングブレード209を有するクリーニング手段210、一次帯電手段としての接触(ローラー)帯電手段212を一体とした装置ユニットとしてのプロセスカートリッジ215が例示されている。
【0105】
この実施形態では、現像装置は、現像ブレード2と現像剤容器としてのホッパー3内に磁性トナーを有する一成分系現像剤4を有して構成されており、該現像剤4を用いて、現像時に、バイアス印加手段からの現像バイアス電圧により感光ドラム206と現像スリーブ8との間に所定の電界が形成されて、現像工程が実施される。尚、この現像工程を好適に実施するためには、感光ドラム206と現像スリーブ8との間の距離が非常に大切な要素となる。
【0106】
上記では、現像装置、潜像担持体206、クリーニング手段210及び一次帯電手段212の4つの構成部材を一体的にカートリッジ化した実施形態について説明したが、プロセスカートリッジとしては、先に述べたように、現像装置が一体的にカートリッジ化されたものであればよく、例えば、現像装置と静電潜像担持体との2つの構成部材、現像装置、現像担持体及びクリーニング手段の3つの構成部材、現像装置、潜像担持体及び一次帯電手段の3つの構成部材、或いはこれらに、その他の構成部材を加えて一体的にカートリッジ化することも可能である。
【0107】
次に、上記で説明したような本発明の現像担持体を用いることを特徴とする本発明の画像形成方法を、ファクシミリのプリンターに適用する場合について説明する。この場合には、図5に示した画像露光214は、受信データをプリントするための露光になる。図8は、この場合における画像形成のプロセスの一例をブロック図で示したものである。
コントローラー31は、画像読取部40とプリンター39とを制御する。コントローラー31の全体は、CPU37により制御されている。画像読取部40からの読取データは、送信回路33を通して相手局に送信される。相手局から受けたデータは受信回路32を通してプリンター39に送られる。画像メモリ36には所定の画像データが記憶される。プリンターコントローラー38は、プリンター39を制御している。34は電話である。
【0108】
電話回線34から受信された画像(回線を介して接続されたリモート端末からの画像情報)は、受信回路32で復調された後、CPU37によって画像情報の複合処理が行われ、順次画像メモリ36に格納される。そして、少なくとも1ページの画像がメモリ36に格納されると、そのページの画像記録を行う。CPU37は、メモリ36より1ページ分の画像情報を読み出し、プリンターコントローラー38に複合化された1ページ分の画像情報を送出する。プリンターコントローラー38は、CPU37からの1ページ分の画像情報を受け取ると、そのページの画像情報記録を行うべくプリンター39を制御する。尚、CPU37は、プリンター39による記録中に、次のページの受信を行っている。
ファクシミリのプリンターにおいては、以上のようにして画像の受信と記録が行われる。
【0109】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に詳しく説明する。尚、実施例及び比較例中の「%」及び「部」とあるのは、特に断りのない限り全て重量基準である。
<実施例1>
マグネタイト粒子粉末100重量部に対し、室温における粘度が約1000mm2/sのジメチルシリコーンオイルを2重量部添加し、ミックスマーラーを用いて処理を行って、マグネタイト粒子の粒子表面に、液体潤滑剤であるジメチルシリコーンオイルを担持させた。次に、このマグネタイトを用いて以下の通り本実施例で使用するトナーを作製した。
・スチレン−ブチルアクリレート共重合体(Tg=58℃) 100重量部
・上記の液体潤滑剤処理マグネタイト 75重量部
・トリフェニルメタン化合物(帯電制御剤) 2重量部
・炭化水素系ワックス 4重量部
上記材料をヘンシェルミキサーにより混合し、二軸式のエクストルーダーにより溶融混練分散を行った。混練物を冷却後、ジェット気流を用いた粉砕機により微粉砕を行い、更に気流式分級機を用いて分級を行い、粒度分布において、重量平均粒径が7.5μm、4μm以下の粒子の個数割合が15.5%、12.7μm以上の粒子の重量割合が1.0%の分布を有する黒色トナーを得た。次に、アミン当量が830のアミノ変性シリコーンオイルにより処理された、BETによる比表面積が約1.3×105m2/kgのシリカ微粉末を、上記分級品100重量部に対し、0.9重量部をヘンシェルミキサーを用いて外添混合し、外添トナーを得、これを本実施例で使用する一成分磁性正帯電性現像剤1とした。
【0110】
次に、本実施例の現像スリーブの表面に導電性樹脂被覆層を形成するために用いる塗工液を、下記の方法によって作製した。先ず、帯電制御剤として、下記式で示される第4級アンモニム塩化合物▲1▼を用いた。この第4級アンモニム塩化合物▲1▼について、鉄粉との摩擦帯電量を摩擦帯電量測定器TB−200型(東芝ケミカル製)を用いてブローオフ法により測定したところ、正極性であった。
【化12】
Figure 0003997034
【0111】
導電性球状粒子としては、個数平均粒径5.5μmの球状フェノール樹脂100重量部に、ライカイ機(自動乳鉢、石川工場製)を用いて、個数平均粒径1.5μm以下の石炭系バルクメソフェーズピッチ粉末14重量部を均一に被覆し、酸化性雰囲気下で熱安定化処理した後に、2,200℃で焼成することにより黒鉛化して得られた導電性の球状炭素粒子を用いた。この球状炭素粒子は、個数平均粒径5μm、真密度1.50g/cm3、体積抵抗7.5×10-2Ω・cm、長径/短径比が1.15であった。
【0112】
Figure 0003997034
次に、サンドミルを用いて、上記材料を下記の方法で分散した。先ず、フェノール樹脂中間体のメタノール溶液の一部に、カーボンブラックと結晶性グラファイトを添加し、ガラスビーズをメディアとしたサンドミル分散を行った。ここに、第4級アンモニム塩化合物を分散させた残りのフェノール樹脂中間体のメタノール溶液、及び個数平均粒径5μmの球状炭素粒子を添加して、更にサンドミル分散を進め、固形分40%の塗工液とした。得られた塗工液を絶縁シート上にバーコーターにて塗布し、加熱及び硬化させ、これを定形にカットし、塗膜の体積抵抗率を低抵抗率計ロレスター(三菱油化社製)にて測定したところ、体積抵抗率は4.9×100Ω・cmであった。
【0113】
次に、上記で調製した塗工液を用いて、現像スリーブの表面の導電性樹脂被覆層を形成した。基体としては、マグネットローラー及びフランジを装着した外径20mmφのSUS製円筒基体を用いた。このの基体上に、スプレーガンにて上記の塗工液を塗工した後、これを熱風乾燥機にて150℃で30分間乾燥硬化させ、膜厚の均一な導電性樹脂被覆層を形成させた。これを本実施例の現像スリーブ1とした。この現像スリーブ1の組成においてカーボン、グラファイト及び球状炭素粒子を除いた導電性樹脂被覆層について、ポジトナーモデル粒子との摩擦帯電極性を調べたところ、負極性であった。得られた導電性樹脂被覆層の構成を表1にまとめて示した。
【0114】
次に、上記で得た一成分磁性正帯電性現像剤1及び現像スリーブ1を用いて、画出し評価を行った。画出しには、キヤノン製複写機NP6035を用いた。この画像形成装置の概要は図5に示す通りで、現像装置として図1に示す現像装置を有しており、図中1の現像剤担持体として上記実施例1の現像スリーブ1を用いた。画出しは、24℃、10%RHの常温低湿(N/L)、及び30℃、80%RHの高温高湿(H/H)環境下にて、10万枚(100k)まで行った。以下の評価方法及び評価基準による評価結果を表2〜3に示す。
【0115】
<評価>
(評価方法)
(1)画像濃度
画像比率5.5%のテストチャート上の5mmφ黒丸の濃度を、反射濃度計RD918(マクベス製)により反射濃度測定を行い、5点の平均値をとって画像濃度とした。
【0116】
(2)反転カブリ
適正画像におけるベタ白画像の反射率を測定し、更に未使用の転写紙の反射率を測定し、(ベタ白画像の反射率の最悪値−未使用転写紙の反射率の最高値)を反転カブリ濃度とした。転写紙としては、127.9g/m2の厚紙を使用し、反射率はTC−6DS(東京電色製)で測定して、表2及び表3に示した。
但し、測定値を目視で判断した場合に、1.5以下の場合は、目視では殆ど確認できないレベルであり、2.0〜3.0程度はよく見ると確認できるレベルであり、4.0を超えると一見してカブリが確認できるレベルであり、3.0以下が実用可能範囲であるといえた。
【0117】
(3)トナー帯電量(Q/M)及びトナー搬送量(M/S)
現像スリーブ上に担持されたトナーを、金属円筒管と円筒フィルターにより吸引捕集し、その際、金属円筒管を通じてコンデンサーに蓄えられた電荷量Q、捕集されたトナー重量Mと、トナーを吸引した面積Sから、単位重量当たりの電荷量Q/M(mC/kg)と単位面積当たりのトナー重量M/S(mg/cm2)を計算し、夫々トナー帯電量(Q/M)及びトナー搬送量(M/S)とし、表2及び表3に示した。
【0118】
(4)画像不良(スジ、ムラ、ブロッチ)
ベタ黒、ハーフトーン、ライン画像等の各種画像を形成し、これを目視で確認し、その際の現像スリーブ上の、スジ、波状ムラ、及びブロッチ(斑点状ムラ)等、スリーブ上でのトナーコート不良の目視による観察を参考にして、評価結果を下記の指標で、表2及び表3に結果を示した。
Figure 0003997034
【0119】
(5)導電性樹脂被覆層の削れ量(膜削れ)
各環境下で画出し評価した後、現像スリーブを取り外し、レーザー測長器Y−CTF型(真柄計測開発製)で外径を測定した。この測定値と、画出し前の現像スリーブの外径測定値とから、現像スリーブ上の導電性樹脂被覆層の削れ量を計算し、30点の平均値をとって膜削れ(μm)とし、表2及び表3に結果を示した。
【0120】
<実施例2>
実施例1において、導電性樹脂被覆層の形成に用いた、個数平均粒径5μmの球状炭素粒子の添加量を、フェノール樹脂中間体(固形分50%)200部に対して、20部から12部に代えて作製した塗工液を用いた以外は、実施例1と同様にして、本実施例の現像スリーブ2を作製し、実施例1と同様の評価を行った。導電性樹脂被覆層の構成を表1に示し、評価結果を表2及び表3に示した。
【0121】
<実施例3>
実施例1において、導電性樹脂被覆層の形成に用いた、個数平均粒径5μmの球状炭素粒子の添加量を、フェノール樹脂中間体(固形分50%)200部に対して、20部から28部に代えて作製した塗工液を用いた以外は、実施例1と同様にして現像スリーブ3を作製し、実施例1と同様の評価を行った。導電性樹脂被覆層の構成を表1に示し、評価結果を表2及び表3に示した。
【0122】
<実施例4>
実施例1において、導電性樹脂被覆層の形成に用いた、個数平均粒径5μmの球状炭素粒子の添加量を、フェノール樹脂中間体(固形分50%)200部に対して、20部から60部に代えて作製した塗工液を用いた以外は、実施例1と同様にして現像スリーブ4を作製し、実施例1と同様の評価を行った。導電性樹脂被覆層の構成を表1に示し、評価結果を表2及び表3に示した。
【0123】
<実施例5>
実施例1において、導電性樹脂被覆層の形成に用いた第4級アンモニウム塩化合物▲1▼の代わりに、下記式で表される第4級アンモニウム塩化合物▲2▼を用いた以外は、実施例1と同様にして現像スリーブ5を作製し、実施例1と同様の評価を行った。導電性樹脂被覆層の構成を表1に示し、評価結果を表2及び表3に示した。
尚、下記式で表される第4級アンモニム塩化合物▲2▼についても、鉄粉との摩擦帯電量を摩擦帯電量測定器TB−200型(東芝ケミカル製)を用いてブローオフ法により測定したところ、正極性であった。
【0124】
【化13】
Figure 0003997034
【0125】
<実施例6>
実施例2において、導電性樹脂被覆層の形成に用いた第4級アンモニウム塩化合物▲1▼の代わりに、実施例5で用いた第4級アンモニウム塩化合物▲2▼を用いた以外は、実施例2と同様にして現像スリーブ6を作製し、実施例1と同様の評価を行った。導電性樹脂被覆層の構成を表1に示し、評価結果を表2及び表3に示した。
【0126】
<実施例7>
実施例3において、導電性樹脂被覆層の形成に用いた、第4級アンモニウム塩化合物▲1▼の代わりに、実施例5で用いた第4級アンモニウム塩化合物▲2▼を用いた以外は、実施例3と同様にして現像スリーブ7を作製し、実施例1と同様の評価を行った。導電性樹脂被覆層の構成を表1に示し、評価結果を表2及び表3に示した。
【0127】
<実施例8>
実施例4において、導電性樹脂被覆層の形成に用いた、第4級アンモニウム塩化合物▲1▼の代わりに、第4級アンモニウム塩化合物▲2▼を用いた以外は、実施例4と同様にして現像スリーブ8を作製し、実施例1と同様の評価を行った。導電性樹脂被覆層の構成を表1に示し、評価結果を表2及び表3に示した。
【0128】
<実施例9>
実施例1において、導電性樹脂被覆層の形成に用いた、個数平均粒径5μmの球状炭素粒子の代わりに、個数平均粒径2μmの球状炭素粒子を用いた以外は、実施例1と同様にして現像スリーブ9を作製し、実施例1と同様の評価を行った。導電性樹脂被覆層の構成を表1に示し、評価結果を表2及び表3に示した。
本実施例で用いた個数平均粒径2μmの球状炭素粒子は、個数平均粒径2.3μmの球状フェノール樹脂100部に、ライカイ機(自動乳鉢、石川工場製)を用いて、個数平均粒径0.3μm以下の石炭系バルクメソフェーズピッチ粉末14部を均一に被覆し、酸化性雰囲気下で熱安定化処理した後に2,200℃で焼成することにより黒鉛化して得られた導電性の球状炭素粒子であり、真密度1.52g/cm3、体積抵抗7.2×10-2Ω・cm及び長径/短径比が1.12であった。
【0129】
<実施例10>
実施例1において、導電性樹脂被覆層の形成に用いた、個数平均粒径5μmの球状炭素粒子の代わりに、個数平均粒径20μmの球状炭素粒子を用いた以外は、実施例1と同様にして現像スリーブ10を作製し、実施例1と同様の評価を行った。導電性樹脂被覆層の構成を表1に示し、評価結果を表2及び表3に示した。本実施例で用いた個数平均粒径20μmの球状炭素粒子は、個数平均粒径24μmの球状フェノール樹脂100部に、ライカイ機(自動乳鉢、石川工場製)を用いて、個数平均粒径3μm以下の石炭系バルクメソフェーズピッチ粉末14部を均一に被覆し、酸化性雰囲気下で熱安定化処理した後に2,200℃で焼成することにより黒鉛化して得られた導電性の球状炭素粒子であり、真密度が1.45g/cm3、体積抵抗が9.6×10-2Ω・cm及び長径/短径比が1.18であった。
【0130】
<実施例11>
実施例1において、導電性樹脂被覆層の形成に用いた、カーボンブラック及び結晶性グラファイトの添加量を、フェノール樹脂中間体(固形分50%)200部に対して、夫々4部から5部、及び36部から45部に代えて作製した塗工液を用いた以外は、実施例1と同様にして現像スリーブ11を作製し、実施例1と同様の評価を行った。導電性樹脂被覆層の構成を表1に示し、評価結果を表2及び表3に示した。
【0131】
<実施例12>
実施例1において、導電性樹脂被覆層の形成に用いた、カーボンブラック及び結晶性グラファイトの添加量を、フェノール樹脂中間体(固形分50%)200部に対して、夫々4部から3部、及び36部から30部に代えて作製した塗工液を用いた以外は、実施例1と同様にして現像スリーブ12を作製し、実施例1と同様の評価を行った。導電性樹脂被覆層の構成を表1に示し、評価結果を表2及び表3に示した。
【0132】
<実施例13>
実施例1において、導電性樹脂被覆層の形成に用いた、個数平均粒径5μmの球状炭素粒子の代わりに、個数平均粒径5μmのカーボンブラック被覆PMMA(ポリメチルメタクリレート)粒子を用いた以外は、実施例1と同様にして現像スリーブ13を作製し、実施例1と同様の評価を行った。導電性樹脂被覆層の構成を表1に示し、評価結果を表2及び表3に示した。
本実施例で用いた個数平均粒径5μmのカーボンブラック被覆PMMA粒子は、個数平均粒径4.8μmの球状PMMA粒子100部にハイブリタイザー(奈良機械製)を用いて、導電性カーボンブラック5部を被覆して得られた導電性の球状PMMA粒子であり、真密度が1.20g/cm3であり、体積抵抗が6.8×10-1Ω・cmであり、長径/短径比が1.06であった。
【0133】
<実施例14>
実施例1において、導電性樹脂被覆層の形成に用いた、個数平均粒径5μmの球状炭素粒子の代わりに、個数平均粒径5μmのカーボンブラック分散樹脂粒子を用いた以外は、実施例1と同様にして現像スリーブ14を作製し、実施例1と同様の評価を行った。導電性樹脂被覆層の構成を表1に示し、評価結果を表2及び表3に示した。
本実施例で用いた個数平均粒径5μmのカーボンブラック樹脂粒子は、下記の材料を用い、混練、粉砕、及び分級を行って、個数平均粒径5.3μmの導電性樹脂粒子を得た後、ハイブリタイザー(奈良機械製)を用いて球形化処理を行うことによって得た導電性の球状樹脂粒子であり、真密度が1.21g/cm3であり、体積抵抗が5.2Ω・cmであり、長径/短径比が1.20であった。
Figure 0003997034
【0134】
<実施例15>
実施例1において、導電性樹脂被覆層の形成に用いた、個数平均粒径5μmの球状炭素粒子の代わりに、個数平均粒径5μmのPMMA粒子を用いた以外は、実施例1と同様にして現像スリーブ15を作製し、実施例1と同様の評価を行った。導電性樹脂被覆層の構成を表1に示し、評価結果を表2及び表3に示した。
【0135】
<実施例16>
下記の材料により作製した、固形分20%の塗工液を用いた以外は、実施例1と同様にして現像スリーブ16を作製し、実施例1と同様の評価を行った。導電性樹脂被覆層の構成を表1に示し、評価結果を表2及び表3に示した。
Figure 0003997034
【0136】
<実施例17>
下記の材料により作製した、固形分30%の塗工液を用いた以外は、実施例1と同様にして現像スリーブ17を作製し、実施例1と同様の評価を行った。導電性樹脂被覆層の構成を表1に示し、評価結果を表2及び表3に示した。
・ウレタン樹脂(固形分40%) 250重量部
・カーボンブラック 4重量部
・結晶性グラファイト 36重量部
・第4級アンモニム塩化合物▲1▼ 20重量部
・個数平均粒径5μmの球状炭素粒子 20重量部
・DMF(ジメチルホルムアミド) 270重量部
【0137】
<比較例1>
実施例1において、導電性樹脂被覆層を形成しないで、粒径#300のガラスビーズを用いて、基体表面をサンドブラストしたFGBスリーブを用いた以外は、実施例1と同様にして現像スリーブ18を作製し、実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表2及び表3に示した。
【0138】
<比較例2>
実施例1において、導電性樹脂被覆層を形成する材料から、第4級アンモニウム塩化合物▲1▼と個数平均粒径5μmの球状炭素粒子を除いて作製した塗工液を用いた以外は、実施例1と同様にして現像スリーブ19を作製し、実施例1と同様の評価を行った。導電性樹脂被覆層の構成を表1に示し、評価結果を表2及び表3に示した。
【0139】
<比較例3>
実施例1において、導電性樹脂被覆層を形成する材料から、個数平均粒径5μmの球状炭素粒子を除いて作製した塗工液を用いた以外は、実施例1と同様にして現像スリーブ20を作製し、実施例1と同様の評価を行った。導電性樹脂被覆層の構成を表1に示し、評価結果を表2及び表3に示した。
【0140】
<比較例4>
実施例1において、導電性樹脂被覆層の形成に用いた、個数平均粒径5μmの球状炭素粒子の代わりに、個数平均粒径35μmの球状炭素粒子を用いた以外は、実施例1と同様にして現像スリーブ21を作製し、実施例1と同様の評価を行った。導電性樹脂被覆層の構成を表1に示し、評価結果を表2及び表3に示した。
この場合に用いた個数平均粒径35μmの球状炭素粒子は、個数平均粒径36μmの球状フェノール樹脂100部にライカイ機(自動乳鉢、石川工場製)を用いて、個数平均粒径5μm以下の石炭系バルクメソフェーズピッチ粉末14部を均一に被覆し、酸化性雰囲気下で熱安定化処理した後に2,200℃で焼成することにより黒鉛化して得られた導電性の球状炭素粒子であり、真密度1.44g/cm3、体積抵抗9.8×10-2Ω・cm及び長径/短径比が1.21であった。
【0141】
<比較例5>
実施例1において、導電性樹脂被覆層を形成する材料から、第4級アンモニウム塩化合物▲1▼を除いて作製した塗工液を用いた以外は、実施例1と同様にして現像スリーブ22を作製し、実施例1と同様の評価を行った。導電性樹脂被覆層の構成を表1に示し、評価結果を表2及び表3に示した。
【0142】
<比較例6>
実施例13において、導電性樹脂被覆層を形成する材料から、第4級アンモニウム塩化合物▲1▼を除いて作製した塗工液を用いた以外は、実施例1と同様にして現像スリーブ23を作製し、実施例1と同様の評価を行った。導電性樹脂被覆層の構成を表1に示し、評価結果を表2及び表3に示した。
【0143】
<比較例7>
実施例14において、導電性樹脂被覆層を形成する材料から、第4級アンモニウム塩化合物▲1▼を除いて作製した塗工液を用いた以外は、実施例1と同様にして現像スリーブ24を作製し、実施例1と同様の評価を行った。導電性樹脂被覆層の構成を表1に示し、評価結果を表2及び表3に示した。
【0144】
<比較例8>
実施例15において、導電性樹脂被覆層を形成する材料から、第4級アンモニウム塩化合物▲1▼を除いて作製した塗工液を用いた以外は、実施例1と同様にして現像スリーブ25を作製し、実施例1と同様の評価を行った。導電性樹脂被覆層の構成を表1に示し、評価結果を表2及び表3に示した。
【0145】
<比較例9>
実施例16において、導電性樹脂被覆層を形成する材料から、第4級アンモニウム塩化合物▲1▼と個数平均粒径5μmの球状炭素粒子を除いて作製した塗工液を用いた以外は、実施例1と同様にして現像スリーブ26を作製し、実施例1と同様の評価を行った。導電性樹脂被覆層の構成を表1に示し、評価結果を表2及び表3に示した。
【0146】
<比較例10>
実施例17において、導電性樹脂被覆層を形成する材料から、第4級アンモニウム塩化合物▲1▼と個数平均粒径5μmの球状炭素粒子を除いて作製した塗工液を用いた以外は、実施例1と同様にして現像スリーブ27を作製し、実施例1と同様の評価を行った。導電性樹脂被覆層の構成を表1に示し、評価結果を表2及び表3に示した。
【0147】
<比較例11>
実施例1において、導電性樹脂被覆層の形成に用いたフェノール樹脂中間体に代えてポリメチルメタクリレートを用い、更に導電性樹脂被覆層を形成する材料から、個数平均粒径5μmの球状炭素粒子を除いて作製した塗工液を用いた以外は、実施例1と同様にして現像スリーブ28を作製し、実施例1と同様の評価を行った。導電性樹脂被覆層の構成を表1に示し、評価結果を表2及び表3に示した。
【0148】
<比較例12>
実施例1において、導電性樹脂被覆層の形成に用いたフェノール樹脂中間体にに代えてスチレン−アクリル共重合体を用い、更に導電性樹脂被覆層を形成する材料から、個数平均粒径5μmの球状炭素粒子を除いて作製した塗工液を用いた以外は、実施例1と同様にして現像スリーブ29を作製し、実施例1と同様の評価を行った。導電性樹脂被覆層の構成を表1に示し、評価結果を表2及び表3に示した。
【0149】
【表1】
Figure 0003997034
【0150】
【表2】
Figure 0003997034
【0151】
【表3】
Figure 0003997034
【0152】
【表4】
Figure 0003997034
【0153】
【表5】
Figure 0003997034
【0154】
【表6】
Figure 0003997034
【0155】
【表7】
Figure 0003997034
【0156】
【表8】
Figure 0003997034
【0157】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、正帯電性トナーを用いる静電潜像の現像において、トナーへの正帯電付与が迅速且つ均一に、しかも安定にでき、現像剤の過剰帯電や現像剤担持体上への融着や汚染が発生しにくくし、その結果生じる、画像濃度低下、画像不良、コート不良(ブロッチ)が起こりにくい現像剤担持体、及びこれを用いた現像装置、装置ユニット及び画像形成方法が提供される。
更に本発明によれば、繰り返しの画出しに対しても安定した画像を得ることができ、環境安定性の良好な現像が可能な現像用現像剤担持体、これを用いた現像装置、画像形成方法及び装置ユニットが提供される。
本発明によれば、特に、正帯電性トナーを用いる現像において、感光体、帯電ローラー、転写ローラーへの汚染のない、離型性がよく、転写中抜けの生じない液体潤滑剤含有トナーを用いた場合においても、上記の優れた効果が得られる現像用現像剤担持体、これを用いた現像装置、画像形成方法及び装置ユニットが提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】導電性樹脂被覆層を有する現像剤担持体、及び現像剤層厚規制部材に磁性ブレードを用いた、現像装置の模式図である。
【図2】導電性樹脂被覆層を有する現像剤担持体、及び現像剤層厚規制部材に弾性ブレードを用いた、現像装置の模式図である。
【図3】導電性樹脂被覆層を有する現像剤担持体、及び現像剤層厚規制部材に弾性ブレードを用いた、現像装置の模式図である。
【図4】現像剤担持体表面の導電性樹脂被覆層を示す模式図である。
【図5】本発明の現像方法が用いられる、画像形成装置の模式図である。
【図6】導電性樹脂被覆層を有さない現像剤担持体を用いた、従来の現像装置の模式図である。
【図7】本発明の装置ユニットの一例の概略断面図である。
【図8】本発明の画像形成方法をファクシミリ装置のプリンターに適用した場合のブロック図である。
【図9】鉄粉に対する第4級アンモニウム塩化合物の帯電極性の測定に用いる摩擦帯電量測定器の説明図である。
【図10】樹脂被覆層の帯電極性を測定するための表面帯電測定装置の説明図である。
【符号の説明】
1、206:静電潜像担持体(感光ドラム)
2、11:現像剤層厚規制部材(規制ブレード)
3、201:現像容器(ホッパー)
4:現像剤(トナー)
5:マグネットローラー
6、100:基体
7、101:導電性樹脂被覆層
8:現像剤担持体(現像スリーブ)
9、203:現像バイアス電源
10:撹拌翼
102:結着樹脂
103:導電性微粒子
104:球状粒子
105:第4級アンモニム塩化合物
202:導電性樹脂被覆層を有する現像剤担持体
204:転写部材(転写ローラー)
205:転写用電源
207:転写剤
208:定着装置
209:クリーニングブレード
210:クリーナーユニット
211:露光装置
212:帯電装置(帯電ローラー)
213:帯電用電源
214:画像露光

Claims (64)

  1. 正帯電性現像剤;該正帯電性現像剤を収容している現像容器;該現像容器に収容されている正帯電性現像剤を担持し、且つ現像領域に搬送するための現像剤担持体;及び該現像剤担持体上に形成される該正帯電性現像剤の層厚を規制するための現像剤層厚規制部材;を有する現像装置において、
    上記現像剤担持体が、
    基体、及び該基体表面に、下記(I)乃至( IV )を含む樹脂組成物を加熱及び硬化して形成されてなる樹脂被覆層を有し、且つ、
    該樹脂被覆層は、上記正帯電性現像剤に対して正帯電付与性を有している現像用現像剤担持体であることを特徴とする現像装置
    (I)−NH 2 基、=NH基、又は−NH−結合のいずれかを有している結着樹脂、
    II )導電性微粒子、
    III )個数平均粒径が0.3〜30μmの球状粒子、及び
    IV )鉄粉に対して正帯電性の第4級アンモニウム塩化合物
  2. 前記球状粒子は、個数平均粒径2〜20μmを有する請求項1に記載の現像装置
  3. 前記球状粒子は、真密度3g/cm3以下を有する請求項1又は2に記載の現像装置
  4. 前記球状粒子は、長径/短径の比1.0〜1.5を有する請求項1〜のいずれか1項に記載の現像装置
  5. 前記球状粒子は、球状樹脂粒子である請求項1〜のいずれか1項に記載の現像装置
  6. 前記球状粒子は、導電性の球状粒子である請求項1〜のいずれか1項に記載の現像装置
  7. 前記導電性球状粒子は、内部が炭素化され、外部が黒鉛化されたものである請求項に記載の現像装置
  8. 前記導電性球状粒子は、球状の樹脂粒子表面にバルクメソフェーズピッチを被覆し、被覆された粒子を酸化性雰囲気下で熱処理した後に、不活性雰囲気下又は真空下で焼成して得られたものである請求項に記載の現像装置
  9. 前記導電性球状粒子は、導電性の金属、導電性の金属酸化物又はそれらの両者でめっき処理されたものである請求項に記載の現像装置
  10. 前記導電性球状粒子は、球状の樹脂粒子表面が導電化処理されたものである請求項に記載の現像装置
  11. 前記導電性球状粒子は、球状の樹脂粒子表面に導電性微粒子を付着させ、付着された粒子に機械的衝撃力を付与して得られたものである請求項1に記載の現像装置
  12. 前記導電性球状粒子は、球状の樹脂粒子中に導電性微粒子が分散されたものである請求項に記載の現像装置
  13. 前記導電性球状粒子は、樹脂と導電性微粒子とを混練し、混練物を冷却固化し、固化物を粉砕し、粉砕物を機械的処理、熱的処理又はそれらの両者の処理で球形化したものである請求項12に記載の現像装置
  14. 前記樹脂組成物は、樹脂粒子を結着樹脂100重量部に対して2〜120重量部含有している請求項1〜13のいずれか1項に記載の現像装置
  15. 前記第4級アンモニウム塩化合物は、下記式で示される化合物を有する請求項1〜14のいずれか1項に記載の現像装置
    Figure 0003997034
  16. 前記式中の陰イオンは、有機硫酸イオン、有機スルホン酸イオン、有機リン酸イオン、モリブデン酸イオン、タングステン酸イオン、モリブデン原子を含むヘテロポリ酸イオン及びタングステン原子を含むヘテロポリ酸イオンからなる群から選択される少なくとも1種を含む請求項15に記載の現像装置
  17. 前記樹脂組成物は、第4級アンモニウム塩化合物を結着樹脂100重量部に対して1〜100重量部含有している請求項1〜16のいずれか1項に記載の現像装置
  18. 前記結着樹脂は、フェノール樹脂、ポリアミド樹脂及びポリウレタン樹脂からなる群から選択される樹脂である請求項1〜17のいずれか1項に記載の現像装置
  19. 前記樹脂被覆層は、0.2〜3.5の中心線表面粗さRaを有している請求項1〜18のいずれか1項に記載の現像装置
  20. 更に、前記現像用現像剤担持体は、現像時にバイアス電圧が印加される請求項1〜19のいずれか1項に記載の現像装置。
  21. 前記バイアス電圧は、直流電圧成分が重畳された交番バイアス電圧である請求項1〜20のいずれか1項に記載の現像装置。
  22. 静電潜像担持体上に静電潜像を形成する潜像形成工程、及び該静電潜像を現像装置の正帯電性現像剤により現像する現像工程を有する画像形成方法において、
    該現像装置は、正帯電性現像剤;該正帯電性現像剤を収容している現像容器;該現像容器に収容されている正帯電性現像剤を担持し、且つ現像領域に搬送するための現像剤担持体;及び該現像剤担持体上に形成される該正帯電性現像剤の層厚を規制するための現像剤層厚規制部材;を有しており、
    上記現像剤担持体が、基体、及び該基体表面に、下記(I)乃至( IV )を含む樹脂組成物を加熱及び硬化して形成されてなる樹脂被覆層を有し、且つ、
    該樹脂被覆層は、上記正帯電性現像剤に対して正帯電付与性を有している現像用現像剤担持体であり
    (I)−NH 2 基、=NH基、又は−NH−結合のいずれかを有している結着樹脂、
    II )導電性微粒子、
    III )個数平均粒径が0.3〜30μmの球状粒子、及び
    IV )鉄粉に対して正帯電性の第4級アンモニウム塩化合物、
    上記現像工程で、正帯電性現像剤を該現像剤担持体表面と摩擦帯電させることにより、該正帯電性現像剤に正の摩擦電荷を付与し、正の摩擦電荷が付与された正帯電性現像剤により該静電潜像を現像することを特徴とする画像形成方法。
  23. 前記球状粒子は、個数平均粒径2〜20μmを有する請求項22に記載の画像形成方法。
  24. 前記球状粒子は、真密度3g/cm 3 以下を有する請求項22又は23に記載の画像形成方法。
  25. 前記球状粒子は、長径/短径の比1.0〜1.5を有する請求項22〜24のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  26. 前記球状粒子は、球状樹脂粒子である請求項22〜25のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  27. 前記球状粒子は、導電性の球状粒子である請求項22〜25のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  28. 前記導電性球状粒子は、内部が炭素化され、外部が黒鉛化されたものである請求項27に記載の画像形成方法。
  29. 前記導電性球状粒子は、球状の樹脂粒子表面にバルクメソフェーズピッチを被覆し、被覆された粒子を酸化性雰囲気下で熱処理した後に、不活性雰囲気下又は真空下で焼成して得られたものである請求項28に記載の画像形成方法。
  30. 前記導電性球状粒子は、導電性の金属、導電性の金属酸化物又はそれらの両者でめっき処理されたものである請求項27に記載の画像形成方法。
  31. 前記導電性球状粒子は、球状の樹脂粒子表面が導電化処理されたものである請求項27に記載の画像形成方法。
  32. 前記導電性球状粒子は、球状の樹脂粒子表面に導電性微粒子を付着させ、付着された粒子に機械的衝撃力を付与して得られたものである請求項31に記載の画像形成方法。
  33. 前記導電性球状粒子は、球状の樹脂粒子中に導電性微粒子が分散されたものである請求項27に記載の画像形成方法。
  34. 前記導電性球状粒子は、樹脂と導電性微粒子とを混練し、混練物を冷却固化し、固化物を粉砕し、粉砕物を機械的処理、熱的処理又はそれらの両者の処理で球形化したものである請求項33に記載の画像形成方法。
  35. 前記樹脂組成物は、樹脂粒子を結着樹脂100重量部に対して2〜120重量部含有している請求項22〜34のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  36. 前記第4級アンモニウム塩化合物は、下記式で示される化合物を有する請求項22〜35のいずれか1項に記載の画像形成方法。
    Figure 0003997034
  37. 前記式中の陰イオンは、有機硫酸イオン、有機スルホン酸イオン、有機リン酸イオン、モリブデン酸イオン、タングステン酸イオン、モリブデン原子を含むヘテロポリ酸イオン及びタングステン原子を含むヘテロポリ酸イオンからなる群から選択される少なくとも1種を含む請求項36に記載の画像形成方法。
  38. 前記樹脂組成物は、第4級アンモニウム塩化合物を結着樹脂100重量部に対して1〜100重量部含有している請求項22〜37のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  39. 前記結着樹脂は、フェノール樹脂、ポリアミド樹脂及びポリウレタン樹脂からなる群から選択される樹脂である請求項22〜38のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  40. 前記樹脂被覆層は、0.2〜3.5の中心線表面粗さRaを有している請求項22〜39のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  41. 更に、前記現像用現像剤担持体上に形成される該正帯電性現像剤の層厚は、該現像剤担持体の表面と潜像担持体の表面との最小間隔よりも薄い請求項22〜40のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  42. 更に、前記現像用現像剤担持体は、現像時にバイアス電圧が印加される請求項22〜41のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  43. バイアス電圧は、直流電圧成分が重畳された交番バイアス電圧である請求項22〜42のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  44. 画像形成装置本体に着脱可能に装着される装置ユニットにおいて、該装置ユニットは、
    正帯電性現像剤;
    正帯電性現像剤を収容している現像容器;該現像容器に収容されている該正帯電性現像剤を担持し、且つ現像領域に搬送するための現像剤担持体;及び
    該現像剤担持体上に形成される該正帯電性現像剤の層厚を規制するための現像剤層厚規制部材;を有しており、
    上記現像剤担持体が、
    基体、及び該基体表面に、下記(I)乃至( IV )を含む樹脂組成物を加熱及び硬化して形成されてなる樹脂被覆層を有し、且つ、
    該樹脂被覆層は、上記正帯電性現像剤に対して正帯電付与性を有している現像用現像剤担持体であることを特徴とする装置ユニット
    (I)−NH 2 基、=NH基、又は−NH−結合のいずれかを有している結着樹脂、
    II )導電性微粒子、
    III )個数平均粒径が0.3〜30μmの球状粒子、及び
    IV )鉄粉に対して正帯電性の第4級アンモニウム塩化合物
  45. 前記球状粒子は、個数平均粒径2〜20μmを有する請求項44に記載の装置ユニット。
  46. 前記球状粒子は、真密度3g/cm 3 以下を有する請求項44又は45に記載の装置ユニット。
  47. 前記球状粒子は、長径/短径の比1.0〜1.5を有する請求項44〜46のいずれか1項に記載の装置ユニット。
  48. 前記球状粒子は、球状樹脂粒子である請求項44〜47のいずれか1項に記載の装置ユニット。
  49. 前記球状粒子は、導電性の球状粒子である請求項44〜47のいずれか1項に記載の装置ユニット。
  50. 前記導電性球状粒子は、内部が炭素化され、外部が黒鉛化されたものである請求項49に記載の装置ユニット。
  51. 前記導電性球状粒子は、球状の樹脂粒子表面にバルクメソフェーズピッチを被覆し、被覆された粒子を酸化性雰囲気下で熱処理した後に、不活性雰囲気下又は真空下で焼成して得られたものである請求項50に記載の装置ユニット。
  52. 前記導電性球状粒子は、導電性の金属、導電性の金属酸化物又はそれらの両者でめっき処理されたものである請求項49に記載の装置ユニット。
  53. 前記導電性球状粒子は、球状の樹脂粒子表面が導電化処理されたものである請求項49に記載の装置ユニット。
  54. 前記導電性球状粒子は、球状の樹脂粒子表面に導電性微粒子を付着させ、付着された粒子に機械的衝撃力を付与して得られたものである請求項53に記載の装置ユニット。
  55. 前記導電性球状粒子は、球状の樹脂粒子中に導電性微粒子が分散されたものである請求項49に記載の装置ユニット。
  56. 前記導電性球状粒子は、樹脂と導電性微粒子とを混練し、混練物を冷却固化し、固化物を粉砕し、粉砕物を機械的処理、熱的処理又はそれらの両者の処理で球形化したものである請求項55に記載の装置ユニット。
  57. 前記樹脂組成物は、樹脂粒子を結着樹脂100重量部に対して2〜120重量部含有している請求項44〜56のいずれか1項に記載の装置ユニット。
  58. 前記第4級アンモニウム塩化合物は、下記式で示される化合物を有 する請求項44〜57のいずれか1項に記載の装置ユニット。
    Figure 0003997034
  59. 前記式中の陰イオンは、有機硫酸イオン、有機スルホン酸イオン、有機リン酸イオン、モリブデン酸イオン、タングステン酸イオン、モリブデン原子を含むヘテロポリ酸イオン及びタングステン原子を含むヘテロポリ酸イオンからなる群から選択される少なくとも1種を含む請求項58に記載の装置ユニット。
  60. 前記樹脂組成物は、第4級アンモニウム塩化合物を結着樹脂100重量部に対して1〜100重量部含有している請求項44〜59のいずれか1項に記載の装置ユニット。
  61. 前記結着樹脂は、フェノール樹脂、ポリアミド樹脂及びポリウレタン樹脂からなる群から選択される樹脂である請求項44〜60のいずれか1項に記載の装置ユニット。
  62. 前記樹脂被覆層は、0.2〜3.5の中心線表面粗さRaを有している請求項44〜61のいずれか1項に記載の装置ユニット。
  63. 更に、前記装置ユニットは、潜像担持体が更に一体にユニット化されている請求項44〜62のいずれか1項に記載の装置ユニット。
  64. 更に、前記現像用現像剤担持体上に形成される該正帯電性現像剤の層厚は、該現像剤担持体の表面と潜像担持体の表面との最小間隔よりも薄い請求項63に記載の装置ユニット。
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