JP3997016B2 - 現像剤担持体、現像装置、装置ユニット及び画像形成方法 - Google Patents

現像剤担持体、現像装置、装置ユニット及び画像形成方法 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真感光体、或いは静電記録誘導体の如き像担持体上に形成された潜像を現像剤担持体上に担持、搬送される現像剤により現像して顕像化するための、現像剤担持体、該現像剤担持体を使用した現像装置、装置ユニット及び画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば、潜像担持体としての感光ドラム表面に形成した静電潜像を、一成分系現像剤であるトナーによって現像化する現像装置としては、トナー粒子相互の摩擦、現像剤担持体としての現像スリーブとトナー粒子との摩擦、及び、現像スリーブ上のトナー塗布量を規制するための部材(現像剤層厚規制部材)とトナー粒子との摩擦等により、トナー粒子に正或いは負の電荷を与え、この帯電されたトナーを現像スリーブ上に極めて薄く塗布して現像剤層を形成し、該現像スリーブの回動等に伴って感光ドラムと現像スリーブとが対向している現像領域に搬送して、該現像領域においてトナーを感光ドラム表面の静電潜像に飛翔及び付着させて静電潜像を現像して顕像化する方式のものがある。
【0003】
上述したような従来の現像方式に用いられる現像剤担持体は、例えば、金属、合金又は金属化合物を円筒状に成型し、その表面を電解、ブラスト又はヤスリで所定の表面粗度になるように処理したものが用いられてる。しかしながら、このような現像剤担持体を使用した場合には、現像剤層厚規制部材によって現像剤担持体表面に形成される現像剤層において、現像剤担持体の表面近傍に存在する現像剤層中の現像剤が非常に高い電荷を有することになり、現像剤担持体表面に鏡映力により強烈に引きつけられてしまい、トナー粒子と担持体との摩擦機会が持てなくなってトナーが好適な電荷を持てなくなることが生じる。このため、このような状況下で画像を形成すると、充分な現像及び転写が行われず、画像濃度ムラや文字飛び散りの多い画像となってしまう。
【0004】
近年では、省エネのために要求される現像剤の低温定着化や高精細画像形成を実現するため、トナーの低温定着性の向上やトナーの小粒径化が望まれている。しかし、このようなトナーを用いる機種において上記したような従来の現像剤担持体を使用した場合には、下記に述べるように、充分に現像剤の低温定着化及び高精細画像の形成を実現させることが困難であった。例えば、現像剤の低温定着化のためには、現像剤を構成しているトナーの樹脂成分のガラス転移温度Tgをより低目に設定したり、トナー粒子中にワックスの如き低融点物質を多目に添加したりする傾向があるが、これらのトナーが含有されている現像剤は、電子写真装置の如き装置本体の昇温に影響されて現像剤担持体上に融着を生じ易かった。このような融着が発生すると、得られる画像において、画像濃度の低下、白筋及びブロッチ(現像剤担持体上のトナーコート層のコートむら)が生じる場合がある。
【0005】
特開平1−112253号公報及び特開平2−284158号公報には、高画質化、高精細化のために、粒径の小さいトナーを用いることが提案されているが、このような粒径の小さいトナーに対して従来の現像剤担持体を使用した場合には、粒径の小さなトナーは、単位重量当りの表面積が大きくなるために表面電荷が大きくなり易いので、所謂チャージアップ現象を生じてトナーが現像剤担持体に固着することが生じる。このため、新たに現像剤担持体上に供給されてくる現像剤が帯電されにくくなって、現像剤の帯電量が不均一となり易い。この結果、画像上にスリーブゴーストが発生し易くなり、ベタ黒画像におけるスジ状画像や、ハーフトーン画像におけるモヤ状画像の原因となって、得られる画像が不均一な画像となり易くなる。
【0006】
このような過剰な電荷を有する現像剤の発生や、現像剤の現像剤担持体への強固な付着を防止するため、樹脂中に、カーボン、グラファイトの如き導電性物質や固体潤滑剤が分散された構成の被覆層を現像剤担持体の表面上に形成することが、特開平1−277256号公報及び特開平3−36570号公報に提案されている。しかし、上記被覆層の形成に使用されている樹脂に関して、トナー、とりわけ正帯電性現像剤に対して、好適に正の摩擦電荷を付与できる特性のある樹脂は少なく、この結果、被覆層中に導電性物質や固体潤滑剤が分散されている構成の現像剤担持体を使用したとしても、トナーの過剰帯電防止に対しては効果がみられるものの、トナーの帯電量を高めに保持させることは困難であった。
【0007】
更に、現像剤を良好に帯電させるため、結着樹脂中に、トナーと反対極性に帯電する粒子が添加された被覆層を現像剤担持体上に形成する方法が、特開平8−179617号公報で提案されている。しかし、この方法では、上記カーボン、グラファイトが含有されている被覆層中に更に粒子を添加しているため、被覆層の強度が低下する傾向がある。このように現像剤担持体上の被膜が劣化すると、良質な画像を長期に亘って提供することが困難になる。
【0008】
又、特開平5−232793号公報には、トナーに対する帯電性を制御するために、表層に、少なくとも樹脂、グラファイト及びカーボンブラックが含有された樹脂被覆層を有し、且つ、この樹脂被覆層の表層及びその近傍に帯電制御剤が存在するように形成された現像剤担持体を有する現像装置に関しての記載があり、更に、前記帯電制御剤として、四級アンモニウム塩を含む各種帯電制御剤が例示されており、現像剤担持体上に形成する被覆層に用いる樹脂として、フェノール樹脂、ポリアミド樹脂及びポリウレタン樹脂を含む各種樹脂が例示されている。しかし、この先行技術においては、具体的には、実施例において、樹脂としてフェノール樹脂を用い、帯電制御剤としてニグロシンを用いた樹脂被覆層を有する現像剤担持体に対して、負帯電トナーを用いての現像を行っており、正帯電性トナーを用いた場合についての記載はなく、この場合に、いかなる樹脂と帯電制御剤との組み合わせとすれば、好適に正の摩擦電荷をトナーに付与できるのかについては、記載も示唆もなされていない。
【0009】
これに対し、特開平7−114270号公報に、トナーに高い正電荷を付与する目的で、特定の構造の四級アンモニウム塩化合物を少なくとも表面の一部に有する静電荷像現像用電荷付与部材に関しての記載がある。そして、特定の構造の四級アンモニウム塩化合物を、必要に応じて、バインダー樹脂或いは成形樹脂成分と共に用いて被覆層を形成することが記載されており、使用するバインダー樹脂或いは、成形樹脂成分として、スチレン系樹脂、スチレン−アクリル系共重合体樹脂、ポリスチレン系樹脂、エポキシ系樹脂、及びこれらの混合樹脂、又、これらのアルキル側鎖にアミノ基を有するものが例示されており、実施例においては、スチレン−アクリル系共重合体樹脂が用いられている。
しかしながら、本発明者らの検討によれば、四級アンモニウム塩とスチレン−アクリル系共重合体樹脂とを組み合わせた被覆層を形成した現像剤担持体においては、スチレン−アクリル系共重合体樹脂中に四級アンモニウム塩が単分散した状態で存在しているだけであり、後述する本発明の実施例に対する比較例として示した通り、形成された被覆層の帯電特性は正帯電性であることから、正帯電性トナーに対して、正の摩擦電荷を付与する能力は未だ充分ではない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、静電潜像をトナーによって現像する現像過程中に生じるトナーの過剰帯電を防止し、且つトナーの帯電量を高めに保持することを可能とし、又、現像剤担持体上へのトナーの融着の発生を抑制し、これらの融着やトナー帯電の過不足によって引き起こされる、画像濃度の低下、白筋及びブロッチ等の画像欠陥の発生を有効に防止し得る現像剤担持体、該現像剤担持体を使用した現像装置、装置ユニット及び画像形成方法を提供することにある。
本発明の目的は、耐磨耗性に優れた現像剤担持体を提供することによって、あらゆる環境下における長期耐久においても、安定な画像が得られる現像装置、装置ユニット及び画像形成方法を提供することである。
本発明の目的は、スリーブゴーストの発生をなくすことが可能な現像装置、該現像装置似用いられる現像剤担持体、装置ユニット及び画像形成方法を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、以下の本発明によって達成される。即ち、本発明は、正帯電性トナーを含む正帯電性現像剤;
該正帯電性現像剤を収容している現像剤容器;
該現像剤容器に収容されている正帯電性現像剤を担持し、且つ現像領域に搬送するための現像剤担持体;及び
該現像剤担持体上に形成される正帯電性現像剤層の層厚を規制するための現像剤層厚規制部材;を有する現像装置において、
上記現像剤担持体が、基体及び該基体表面に、鉄粉に対して正帯電性の第4級アンモニウム塩化合物、導電性物質及びウレタン樹脂を含有するウレタン樹脂組成物を加熱及び硬化して形成されてなる樹脂被覆層を有し、且つ
該樹脂被覆層は、該正帯電性現像剤に対する正帯電付与性を有している現像剤担持体であることを特徴とする現像装置、
画像形成装置本体に離脱可能に装着される装置ユニットにおいて、該装置ユニットが、
正帯電性トナーを含む正帯電性現像剤;
該正帯電性現像剤を収容している現像剤容器;
該現像剤容器に収容されている正帯電性現像剤を担持し、且つ現像領域に搬送するための現像剤担持体;及び
該現像剤担持体上に形成される正帯電性現像剤層の層厚を規制するための現像剤層厚規制部材;を有して構成され、
上記現像剤担持体が、基体及び該基体表面に、鉄粉に対して正帯電性の第4級アンモニウム塩化合物、導電性物質及びウレタン樹脂を含有するウレタン樹脂組成物を加熱及び硬化して形成されてなる樹脂被覆層を有し、且つ
該樹脂被覆層が、該正帯電性現像剤に対する正帯電付与性を有している現像剤担持体であることを特徴とする装置ユニット、
及び潜像担持体上に静電潜像を形成する潜像形成工程、及び該静電潜像を現像装置の正帯電性現像剤により現像する現像工程を有する画像形成方法において、
上記現像工程で、
正帯電性トナーを含む正帯電性現像剤;
正帯電性現像剤を収容している現像剤容器;
該現像剤容器に収容されている正帯電性現像剤を担持し、且つ現像領域に搬送するための現像剤担持体;及び
該現像剤担持体上に形成される正帯電性現像剤層の層厚を規制するための現像剤層厚規制部材;を有する現像装置を用い、
正帯電性現像剤を現像剤担持体表面と摩擦帯電させて正帯電性現像剤に正の摩擦電荷を付与し、この正の摩擦電荷が付与された正帯電性現像剤により上記静電潜像を現像するように構成され、
且つ、上記現像剤担持体が、基体及び該基体表面に、鉄粉に対して正帯電性の第4級アンモニウム塩化合物、導電性物質及びウレタン樹脂を含有するウレタン樹脂組成物を加熱及び硬化して形成されてなる樹脂被覆層を有し、且つ
該樹脂被覆層が、該正帯電性現像剤に対する正帯電付与性を有している現像剤担持体であることを特徴とする画像形成方法である。
【0012】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の好ましい実施の形態を挙げて、本発明をより詳細に説明する。
先ず、本発明の各発明を特徴づける現像剤担持体について説明する。本発明の現像剤担持体は、少なくともその表面が、ウレタン樹脂と、鉄粉に対して自身が正帯電性である第4級アンモニウム塩化合物と、導電性物質とを少なくとも含有する導電性樹脂組成物を有する被覆層で構成されていることを特徴とする。これらの表面は、樹脂被覆層として基体上に塗布されて形成されたもの、或いはシート状に形成されたもの、更にはこれに限らず、形成体として作成されたものの表面等、様々な形態のものが含まれる。一般的には、基体上に導電性の樹脂被覆層として形成することが好ましく、この際に使用する基体としては、一般的には、金属製等の円筒状基体が好ましく用いられる。
【0013】
図1に示した本発明の現像剤担持体の表面の模式的な拡大断面図を参照しながら、本発明の現像剤担持体表面の作用について例示する。図1に示したように、金属製等の円筒状基体5上等に形成される樹脂被覆層1は、結着樹脂3としてのウレタン樹脂を含有する樹脂組成物によって円筒状基体5の外周に形成されるが、樹脂被覆層1中には導電性物質2が分散されている。又、場合によっては、図1に例示したもののように、導電性物質2と共に固体潤滑剤4が含有されていてもよい。
【0014】
本発明者らは、現像剤担持体の表面に形成するこの被覆層1の構成について鋭意検討を重ねた結果、被膜形成材料である結着樹脂として、それ自身が鉄粉に対して正帯電性である第4級アンモニウム塩化合物を含有するウレタン樹脂を使用すれば、結着樹脂自身の正の摩擦帯電付与性を向上させることができるので、正帯電性トナーを有する正極性現像剤(以下、ポジトナーともいう)の帯電量を高めに保持でき、且つ導電性物質、場合によっては、更にこれと共に固体潤滑剤を用いることで、過剰な電荷を有する現像剤の発生や、現像剤担持体への現像剤の強固な付着を有効に防止することができることがわかった。上記に記載した構成の現像剤担持体は、被覆層自体の機械的強度や耐磨耗性を向上させることができるので、帯電性を向上させるために現像剤に対して帯電付与性のある粒子を添加した場合等と比べて、長期耐久に耐え、長期間安定して良好な画像を提供することも可能となる。
【0015】
本発明の現像剤担持体において、現像剤担持体表面の導電性樹脂(被覆)層を形成する際に用いる(結着)樹脂として、それ自身が鉄粉に対して自身が正帯電性である第4級アンモニウム塩化合物を含有するウレタン樹脂を使用することによって、形成された樹脂被覆層が、ポジトナーに対して良好な帯電付与物質となることについての明確な理由は定かではないが、以下のように考えている。
即ち、本発明で用いる、それ自身が鉄粉に対し正帯電性を有する第4級アンモニウム塩化合物は、例えば、樹脂被覆層として用いられる場合、先ず、ウレタン樹脂中に添加されると樹脂中に均一に分散され、更に、加熱及び硬化して被覆層が形成される際にウレタン樹脂の構造中に容易に取り込まれる。その際、正極性を有する第4級アンモニウム塩の元の構造が失われ、第4級アンモニウム塩が取り込まれたウレタン樹脂の帯電性が均一且つ充分な負帯電性を有すようになり、上記の化合物を有するウレタン樹脂自身が正帯電性現像剤に対して逆極性に帯電され易くなる結果、このような材料を用いて形成された被覆層を有する現像剤担持体を用いると、正帯電性現像剤を好適に帯電させることが可能になるものと考えている。
【0016】
本発明において好適に使用される、上記した機能を有する第4級アンモニウム塩化合物としては、鉄粉に対して自身が正帯電性であるものであればいずれのものでもよいが、例えば、下記一般式(A)で表わされる化合物が挙げられる。
【0017】
【化5】
Figure 0003997016
(上記式中のR1、R2、R3及びR4は、夫々、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアルアルキル基のいずれかを表わし、R1〜R4は、夫々同一であっても或いは異なっていてもよく、Xは、陰イオンを表わす。)
上記一般式(A)において、X-の陰イオンの具体例としては、有機硫酸イオン、有機スルホン酸イオン、有機リン酸イオン、モリブデン酸イオン、タングステン酸イオン、モリブデン原子或いはタングステン原子を含むヘテロポリ酸等が好ましく用いられる。
【0018】
これに対し、本発明者らは、例えば、下記式(10)で表わされるような、それ自身が鉄粉に対し負帯電性を有する含フッ素4級アンモニウム塩化合物についての検討も行ったが、該化合物の添加によっては本発明の所期の目的を達成できないことを確認した。即ち、下記式で表わされる化合物は、電子吸引性の強いフッ素原子が構造中にあるので、それ自身が鉄粉に対して負帯電性を有するが、本発明の場合と同様に、該化合物をウレタン樹脂中に分散させた樹脂組成物を用い、これを加熱及び硬化して現像剤担持体上に樹脂被覆層を形成したとしても、本発明で使用する鉄粉に対して自身が正帯電性である第4級アンモニウム塩を含有させたウレタン樹脂を樹脂組成物に用い、現像剤担持体上の樹脂被覆層を形成する本発明の場合ほどには、正帯電性の現像剤に対する正の摩擦電荷の付与性が得られなかった。
【0019】
【化6】
Figure 0003997016
【0020】
樹脂被覆層の形成に用いられるウレタン樹脂の正帯電性現像剤に対する高い正の摩擦電荷の付与性を向上させる添加剤としては、下記に挙げるような、本発明で使用するそれ自身が鉄粉に対して正帯電性を有する第4級アンモニウム塩化合物以外のものもあるが、いずれも本発明の場合のような顕著な効果は得られなかった。例えば、ネガ性シリカ或いはネガ性テフロンの如きネガ性の粒子が考えられるが、この場合には、所望の正の摩擦電荷の付与性を得るにはこれらを大量に添加する必要があるため、得られる被覆層の強度低下を招き易い。
又、負帯電制御剤として使用されている、例えば、クロルフェノールを含むアゾナフトールのクロム錯体、クロルフェノールとアニリドを含むアゾナフトールの鉄錯体、ジターシャリ−ブチルサルチル酸クロム錯体等を添加した場合についても検討を行なった。しかし、これらの添加によって、ウレタン樹脂を有する被覆層の正の摩擦電荷の付与性を多少は向上させることができるが、本発明で用いる自身が鉄粉に対して正帯電性の第4級アンモニウム塩化合物を使用した場合ほどの顕著な効果はなかった。更に、上記に挙げたような負帯電制御剤は、材料によってはウレタン樹脂中に分散されにくく、その結果、樹脂被覆層の強度低下を招くものもある。
【0021】
これに対し、ウレタン樹脂に、本発明で用いるそれ自身が鉄粉に対して正帯電性を有する第4級アンモニウム塩化合物を添加した樹脂組成物を使用して被覆層を形成した場合には、先に述べたように、ウレタン樹脂を加熱及び硬化して被覆層を形成すると、上記の第4級アンモニウム塩化合物がウレタン樹脂の構造中に取り込まれるため、前記したネガ性シリカ粒子或いはネガ性テフロン粒子等の粒子を添加した粒子添加系の場合と異なり、部分的に向上するのではなく、被覆層全体にわたって正帯電性現像剤に対する正摩擦帯電付与性を向上させることができる。更に、先に述べた単なる粒子添加系の被膜の場合と異なり、加工性が損なわれたり、被覆層の強度低下を生じることもない。
【0022】
従って、上記した特定の樹脂を用いて形成された樹脂被覆層が表面設けられている本発明の現像剤担持体を有する現像装置、或いは現像方法を用いることによって、常温常湿下においては勿論のこと、高温高湿下、或いは低湿下においても良好な画像の提供が可能となる。更に、長期耐久においても安定した画像の提供ができる。
【0023】
本発明に好適に用いられる、それ自身が鉄粉に対して自身が正帯電性である第4級アンモニウム塩化合物としては、具体的には、以下のようなものが挙げられる。勿論、本発明は、これらに限定されるものではない。
【0024】
【化7】
Figure 0003997016
【0025】
【化8】
Figure 0003997016
【0026】
【化9】
Figure 0003997016
【0027】
【化10】
Figure 0003997016
【0028】
【化11】
Figure 0003997016
【0029】
【化12】
Figure 0003997016
【0030】
【化13】
Figure 0003997016
【0031】
【化14】
Figure 0003997016
上記に例示したような本発明で使用する特定の第4級アンモニウム塩化合物の添加量は、ウレタン樹脂100重量部に対して1〜100重量部とすることが好ましい。即ち、1重量部未満では添加による帯電付与性の向上が乏しく、100重量部を超えると、結着樹脂中への分散不良を生じて被膜強度の低下を招き易い。
【0032】
本発明において使用するウレタン樹脂としては、ウレタン結合を含んだ樹脂であれば、いずれも好適に用いることができる。ウレタン結合はポリイソシアネートとポリオールとの重付加反応によって得られる。
ポリウレタン樹脂の主原料であるポリイソシアネートとしては、
TDI(トリレンジイソシアネート)、ピュアMDI(ジフェニルメタンジイソシアネート)、ポリメリックMDI(ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート)、TODI(トリジンジイソシアネート)、NDI(ナフタリンジイソシアネート)、等の芳香族系ポリイソシアネート;
HMDI(ヘキサメチレンジイソシアネート)、IPDI(イソホロンジイソシアネート)、XDI(キシリレンジイソシアネート)、水添XDI(水添キシリレンジイソシアネート)、水添MDI(ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート)、等の脂肪族系ポリイソシアネート等が挙げられる。
【0033】
又、上記のポリイソシアネートと反応するポリオールとしては、
PPG(ポリオキシプロピレングリコール)、ポリマーポリオール、ポリテトラメチレングリコール(PTMG)、等のポリエーテル系ポリオール;
アジペート、ポリカプロラクトン、ポリカーボネートポリオール等のポリエステル系ポリオール;
PHDポリオール、ポリエーテルエステルポリオール、等のポリエーテル系の変性ポリオール;
その他、エポキシ変性ポリオール;エチレン−酢酸ビニル共重合物の部分ケン化ポリオール(ケン化EVA);
難燃ポリオール等が挙げられる。
【0034】
更に、本発明の現像剤担持体においては、上記した形成材料によって形成される樹脂被覆層が、チャージアップによる現像剤の現像剤担持体上への固着や、現像剤のチャージアップに伴って生じる現像剤担持体の表面から現像剤への帯電付与不良を防ぐために導電性であることが好ましい。このため、本発明においては樹脂被覆層中に導電性物質を含有させる。特に、現像剤担持体表面に形成されている樹脂被覆層の体積抵抗値が10-2〜105Ω・cmとなるように構成することが好ましく、更に好ましくは10-2〜103Ω・cm、より好ましくは10-2〜102Ω・cmとなるようにするとよい。即ち、現像剤担持体上の樹脂被覆層の体積抵抗値が105Ω・cmを超えると、現像剤への帯電付与不良が発生し易く、その結果としてブロッチが発生し易く、一方、10-2Ω・cm未満であると現像剤への帯電付与が小さ過ぎ、トリボ不足となって画像濃度低下の原因となってしまう。
【0035】
導電性の樹脂被覆層の体積抵抗値を上記した範囲内に調整するためには、下記に挙げる導電性物質を被覆層中に含有させることが好ましい。この際に使用する導電性物質としては、例えば、アルミニウム、銅、ニッケル、銀等の金属粉体、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化スズ等の金属酸化物、カーボンファイバー、カーボンブラック、グラファイト等の炭素物等が挙げられる。本発明においては、これらのうち、カーボンブラック、とりわけ導電性のアモルファスカーボンが、特に電気伝導性に優れ、高分子材料に充填して導電性を付与したり、その添加量をコントロールするだけである程度任意の導電度を得ることができるため好適である。又、これらの導電性物質の添加量は、結着樹脂100重量部に対して1〜100重量部の範囲とすることが好ましい。
【0036】
又、本発明の現像剤担持体においては、現像剤担持体表面への現像剤の付着をより減少させるために、樹脂被膜層中に、更に固体潤滑剤を混合させることもできる。この際に使用し得る固体潤滑剤としては、例えば、二硫化モリブデン、窒化硼素、グラファイト、フッ化グラファイト、銀−セレンニオブ、塩化カルシウム−グラファイト、滑石等が挙げられる。又、これら固体潤滑剤の添加量は、結着樹脂100重量部に対して1〜100重量部の範囲とすることが好ましい。即ち、固体潤滑剤の添加量が1重量部未満の場合には、固体潤滑剤添加の目的が充分に達成されず、現像剤が現像剤担持体表面に付着し、画像劣化を生じるおそれがある。一方、100重量部を超える場合には、現像剤担持体表面への被覆層の強度低下が生じ、被覆が剥れ易くなる。
【0037】
更に、本発明の現像剤担持体においては、上記のようにして形成される樹脂被膜層の表面粗さが、JIS中心線平均粗さ(Ra)で表した場合に、好ましくは、0.1〜3.5μm、より好ましくは、0.2〜2.0μmの範囲にあるように構成する。即ち、Raが0.1μm未満の場合には、現像剤担持体上におけるトナーの帯電量が高くなり過ぎて現像性が不充分となり易く、又、現像領域への現像剤の搬送性に劣り、充分な画像濃度が得られにくくなる。一方、Raが3.5μmを超えると、現像剤担持体上に形成される現像剤薄層にムラが生じ易く、画像上の濃度ムラの原因となり易い。
【0038】
次に、上記したような優れた効果を発揮し得る本発明の現像剤担持体が組み込まれて構成される本発明の現像装置の一例を、図を参照しながら説明する。
図2は、本発明の現像装置の一例を示す概略構成図である。図2において、7は、公知のプロセスにより形成された静電潜像を担持している潜像担持体、例えば、電子写真感光ドラムであり、図中の矢印B方向に回転する。現像剤担持体としての現像スリーブ14は、現像剤容器であるホッパー9によって供給される一成分磁性現像剤である磁性トナー10を担持して矢印A方向に回転することによって、現像スリーブ14と感光ドラム7とが対向している現像部D(現像領域)へと磁性トナー10を搬送する。この現像スリーブ14内には、磁性トナー10を現像スリーブ14上に磁気的に吸引・保持するための磁石11が配置されている。このような現像スリーブ14上に担持された磁性トナー10は、現像スリーブ14との摩擦によって、感光ドラム7上の静電潜像を現像可能にする摩擦帯電電荷を得る。ホッパー9内への磁性トナー10は、撹拌器16によって攪拌される。
【0039】
図2に例示した現像装置では、現像スリーブ14によって担持されて現像部Dへと搬送されていく磁性トナー10の層厚を規制するために、強磁性金属等からなる現像剤層厚規制部材である規制ブレード8が設けられている。該規制ブレード8は、図2に示されているように、現像剤容器であるホッパー9から、現像スリーブ14の表面に対して約200〜300μmのギャップ幅をもって現像スリーブ14に臨むように垂下されている。この結果、現像スリーブ14内の磁石11の磁極N1からの磁力線がブレード8に集中することによって、現像スリーブ14上に磁性トナー10の薄層が形成される。尚、ブレード8としては、非磁性ブレードを使用することもできる。
【0040】
本発明においては、上記のようにして現像スリーブ14上に形成される磁性トナー10の薄層の厚みは、現像部Dにおける現像スリーブ14と感光ドラム7との間の最小間隙よりも更に薄いものであることが好ましい。このようなトナー薄層により静電潜像を現像する方式の現像装置、即ち、非接触型の現像装置に、本発明は特に有効である。しかし、勿論、現像部において、トナー層の厚みが現像スリーブ14と感光ドラム7との間の最小間隙以上の厚みである現像装置、即ち、接触型の現像装置に対しても本発明は適用することができる。以下、説明の煩雑さを避けるため、非接触型の現像装置を例にとって、更に説明する。
【0041】
上記構成を有する現像スリーブ14では、その表面に担持された磁性トナー10を飛翔させるために、電源15により現像バイアス電圧が印加される。本発明の現像装置において、この現像バイアス電圧として直流電圧を使用するときは、静電潜像の画像部(磁性トナー10が付着して可視化される領域)の電位と背景部の電位との間の値の電圧が、現像スリーブ14に印加されるようにすることが好ましい。一方、現像画像の濃度を高め、或いは階調性を向上させるために、現像スリーブ14に交番バイアス電圧を印加し、現像部Dに向きが交互に反転する振動電界を形成してもよい。この場合には、上記画像部の電位と背景部の電位の中間の値を有する直流電圧成分が重畳された交番バイアス電圧を現像スリーブ14に印加することが好ましい。交番バイアス電圧に代えてパルスバイアス電圧を印加することもできる。
【0042】
又、高電位部と低電位部とを有する静電潜像の高電位部にトナーを付着させて可視化する、所謂正規現像では、静電潜像の極性と逆極性に帯電するトナーを使用し、一方、静電潜像の低電位部にトナーを付着させて可視化する、所謂反転現像では、トナーは静電潜像の極性と同極性に帯電するトナーを使用する。尚、高電位、低電位というのは、絶対値による表現である。いずれにしても、磁性トナー10は、現像スリーブ14との摩擦により静電潜像を現像するための極性に帯電する。磁性トナー10に外添したシリカも現像スリーブ14との摩擦により帯電する。
【0043】
図3を参照しながら、図2に例示した本発明の現像装置を使用した画像形成装置の一例について説明する。
図中の7は、潜像担持体としての回転ドラム型の感光体であり、該感光体7はアルミニウムの如き導電性基層7bと、その外面に形成した光導電層7aとを基本構成層とするものであり、該光導電層7aの表層部は、電荷輸送物質とフッ素系樹脂微粉末を8重量%含有するポリカーボネート樹脂で構成されている。図3に例示した装置では、感光体7は、図面上の時計方向に周速度200mm/sで回転駆動する。
【0044】
24は、一次帯電手段としての接触帯電部材である帯電ローラーであり、中心の芯金24bと、その外周のカーボンブラックを含むエピクロルヒドリンゴムで形成された導電性弾性層24aとを基本構成としている。帯電ローラー24は、上記感光体7面に、線圧40g/cmの押圧力をもって圧接されており、感光体7の回転に伴って従動回転する。更に、帯電ローラー24には、クリーニング部材26としてフエルトパットが当接されている。
25は、上記帯電ローラー24に電圧を印加するための帯電バイアス電源であり、この帯電ローラー24に、直流−1.4kVのバイアスが印加されることで感光体7の表面が、約−700Vの極性・電位に帯電されている。
【0045】
次いで、潜像形成手段としての画像露光20によって、感光体7上に静電潜像が形成され、該静電潜像が、現像装置のホッパー9に保持されている一成分系現像剤10によって現像されて、トナー画像として順次可視化される。17は、接触転写部材としての転写ローラーであり、中心の芯金17bと、その外周にカーボンブラックを含むエチレン−プロピレン−ブタジエン共重合体で形成された導電性弾性層17aとを基本構成とする。
【0046】
転写ローラー17は、感光体7の表面に線圧20g/cmの押圧力をもって圧接し、感光体7の周速度と等速度で回転するように構成されている。更に、転写ローラー17にはクリーニング部材19として、フエルトパットが当接されている。
記録材Pとしては、例えば、A4サイズの紙を用いる。該記録材Pを、感光体7と転写ローラー17との間に搬送すると同時に、上記転写ローラー17に、トナーと逆極性の直流−5kVのバイアスを転写バイアス電源18から印加することによって、感光体7上に形成されているトナー画像を記録材Pの表面側に転写させる。従って、転写ローラー17は、転写時には記録材Pを介して感光体7に圧接されることになる。
【0047】
上記のようにしてトナー画像が転写された記録材Pは、次いで、ハロゲンヒータが内蔵されている定着ローラー22aと、これに押圧力を持って圧接された弾性体の加圧ローラー22bとを基本構成とする定着手段としての定着器22へと搬送されて、上記定着ローラー22aと加圧ローラー22bとの間を通過し、これによってトナー画像が記録材P上に定着されて、その後、画像形成物として排出される。
【0048】
上記のようにしてトナー画像の転写が行なわれた後の感光体7の表面では、転写残りトナー等の付着汚染物質を、感光体7にカウンター方向に線圧25g/cmで圧接したポリウレタンゴムを基本材料とする弾性クリーニングブレード23aを具備したクリーニング装置23によって清浄面化することが行なわれ、更に、除電露光装置21によって除電された後、上記過程によって作像が繰り返される。
【0049】
本発明の装置ユニットは、本発明の現像剤担持体Dを有することを特徴とする図2に示したような構成の現像装置を、画像形成装置本体(例えば、複写機、レーザービームプリンター、ファクシミリ装置)に対して着脱可能に装着したものである。
装置ユニットの形態としては、図2に示す現像装置に加えて、ドラム状の潜像担持体(感光ドラム)7、クリーニングブレード23aを有するクリーニング手段23、及び一次帯電手段としての接触(ローラー)帯電手段24からなるグループから選択される一種以上の構成部材を一体に有して構成させることも可能である。このときに、上記装置本体の方に、上記に挙げた構成部材の中で装置ユニットに選択しなかった構成部材、例えば、帯電手段及び/又はクリーニング手段を伴って構成してもよい。
【0050】
図4に、そのような装置ユニットとしてのプロセスカートリッジの一具体例を示す。以下のプロセスカートリッジの説明において、図3を用いて説明した画像形成装置の構成部材と同様の機能を有するものについては、図3と同じ符号を用いて説明する。
図4に示したように、プロセスカートリッジでは、少なくとも現像手段と静電潜像保持体とが一体的に組み合わされてカートリッジ化されており、更に、画像形成装置本体(例えば、複写機、レーザービームプリンター、ファクシミリ装置等)に着脱可能に構成されている。
【0051】
図4に示したプロセスカートリッジの実施形態では、現像装置、ドラム状の潜像担持体(感光ドラム)7、クリーニングブレード23aを有するクリーニング手段23、一次帯電手段としての接触(ローラー)帯電手段24を一体とした装置ユニットとしてのプロセスカートリッジ27が例示されている。
この実施形態では、現像装置は、弾性ブレード8と現像剤容器としてのホッパー9内に磁性トナーを有する一成分系現像剤10を有して構成されており、該現像剤10を用いて、現像時に、バイアス印加手段からの現像バイアス電圧により感光ドラム7と現像スリーブ14との間に所定の電界が形成されて、現像工程が実施される。尚、この現像工程を好適に実施するためには、感光ドラム7と現像スリーブ14との間の距離が非常に大切な要素となる。
【0052】
上記では、現像装置24、潜像担持体7、クリーニング手段23及び一次帯電手段24の4つの構成部材を一体的にカートリッジ化した実施形態について説明したが、プロセスカートリッジとしては、先に述べたように、現像装置と静電潜像保持体との少なくとも2つの構成部材が一体的にカートリッジ化されたものであればよく、例えば、現像装置、潜像担持体及びクリーニング手段の3つの構成部材、現像装置、潜像担持体及び一次帯電手段の3つの構成部材、或いは、これらに、その他の構成部材を加えて一体的にカートリッジ化することも可能である。
【0053】
次に、上記で説明したような本発明の現像担持体を用いることを特徴とする本発明の画像形成方法を、ファクシミリのプリンターに適用する場合について説明する。この場合には、図3に示した画像露光20は、受信データをプリントするための露光になる。図5は、この場合における画像形成のプロセスの一例をブロック図で示したものである。
コントローラ31は、画像読取部40とプリンター39とを制御する。コントローラ31の全体は、CPU37により制御されている。画像読取部40からの読取データは、送信回路33を通して相手局に送信される。相手局から受けたデータは受信回路32を通してプリンター39に送られる。画像メモリ36には所定の画像データが記憶される。プリンタコントローラー38は、プリンター39を制御している。34は電話である。
【0054】
電話回線34から受信された画像(回線を介して接続されたリモート端末からの画像情報)は、受信回路32で復調された後、CPU37によって画像情報の複合処理が行われ、順次画像メモリ36に格納される。そして、少なくとも1ページの画像がメモリ36に格納されると、そのページの画像記録を行う。CPU37は、メモリ36より1ページ分の画像情報を読み出し、プリンターコントローラ38に複合化された1ページ分の画像情報を送出する。プリンタコントローラ38は、CPU37からの1ページ分の画像情報を受け取ると、そのページの画像情報記録を行うべくプリンタ39を制御する。尚、CPU37は、プリンタ39による記録中に、次のページの受信を行っている。
ファクシミリのプリンターにおいては、以上のようにして画像の受信と記録が行われる。
【0055】
次に、本発明において、静電潜像から可視画像を得るために用いられる正帯電性現像剤(正帯電性トナー)について説明する。
正帯電性現像剤に含まれる正帯電性トナーは、大別して乾式トナーと湿式トナーとに分かれるが、湿式トナーは溶剤揮発の問題が大きいため、現在では乾式トナーが主流となっている。正帯電性トナーは、主として、結着樹脂、離型剤、荷電制御剤及び着色剤の如き材料を溶融混練し、溶融物を冷却固化した後、粉砕し、然る後に分級をして粒度分布を揃える製造方法によって得られる着色樹脂微粉体である。
【0056】
正帯電性トナーに用いられる結着樹脂としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、p−クロルスチレンの如きスチレン及びその置換体の単重合体;スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−ジメチルアミノエチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体の如きスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート;ポリブチルメタクリレート;ポリ酢酸ビニル;ポリエチレン;ポリプロピレン;ポリビニルブチラール;ポリアクリル酸樹脂;ロジン;変性ロジン;テルペン樹脂;フェノール樹脂;脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂;芳香族系石油樹脂;パラフィンワックス;カルナバワックスを単独或いは混合して使用することができる。
【0057】
正帯電性トナーをカラートナー(非磁性トナー)として用いる場合には、トナー中には、着色剤として顔料を含有させることができる。本発明に用いることのできる顔料としては、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、ランプ黒、スーダンブラックSM、ファースト・イエローG、ベンジジン・イエロー、ピグメント・イエロー、インドファースト・オレンジ、イルガジン・レッド、パラニトロアニリン・レッド、トルイジン・レッド、カーミンFB、パーマネント・ボルドーFRR、ピグメント・オレンジR、リソール・レッド2G、レーキ・レッドC、ローダミンFB、ローダミンBレーキ、メチル・バイオレットBレーキ、フタロシアニン・ブルー、ピグメント・ブルー、ブリリアント・グリーンB、フタロシアニン・グリーン、オイルイエローGG、ザボン・ファーストイエローCGG、カヤセットY963、カヤセットYG、ザボン・ファーストオレンジRR、オイル・スカーレット、オラゾール・ブラウンB、ザボン・ファーストスカーレットCG、オイルピンクOP等が挙げられ、これらの中から適宜に選択して使用することができる。
【0058】
正帯電性トナーを磁性トナーとして用いる場合には、トナーの中に磁性粉を含有させるが、磁性粉としては、磁場の中に置かれて磁化される各種の物質を用いることができる。磁性粉としては、例えば、鉄、コバルト、ニッケルの如き強磁性金属の粉末;マグネタイト、ヘマタイト、フェライトの如き合金や化合物が挙げられる。これらの磁性粉の含有量は、トナー重量に対して15〜70重量%程度とするのが好ましい。
【0059】
トナー中に各種離型剤を添加して含有させる場合もあるが、そのような離型剤としては、例えば、ポリフッ化エチレン、フッ素樹脂、フッ炭素油、シリコーンオイル、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン及び各種ワックス類が挙げられる。
定着時の離型性向上、定着性向上の目的で、ワックス類を含有させることが好ましいが、その際に用いることのできるワックス類としては、例えば、パラフィンワックス及びその誘導体、マイクロクリスタリンワックス及びその誘導体、フィッシャートロプッシュワックス及びその誘導体、ポリオレフィンワックス及びその誘導体、カルナバワックス及びその誘導体が挙げられる。上記誘導体には、酸化物や、ビニル系モノマーとのブロック共重合物、グラフト変性物を含む。その他、アルコール、脂肪酸、酸アミド、エステル、ケトン、硬化ヒマシ油及びその誘導体、植物系ワックス、動物系ワックス、鉱物系ワックス又はペトロラクタム等を利用することもできる。
【0060】
更に、本発明において用いるトナーには、必要に応じて、トナーを正極性に帯電させ易くさせるために、各種の荷電制御剤を添加することが好ましい。
トナーを正極性に帯電させ易くするための荷電抑制剤としては、例えば、ニグロシン及び脂肪酸金属塩等による変性物;トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルフォン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレートの如き第四級アンモニウム塩、及びこれらの類似体であるホスホニウム塩の如きオニウム塩及びこれらのレーキ顔料;トリフェニルメタン染料及びこれらのレーキ顔料(レーキ化剤としては、燐タングステン酸、燐モリブデン酸、燐タングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン化物、フェロシアン化物等;高級脂肪酸の金属塩;ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジシクロヘキシルスズオキサイドの如きジオルガノスズオキサイド;ジブチルスズボレート、ジオクチルスズボレート、ジシクロヘキシルスズボレートの如きジオルガノスズボレート類;含窒素複素環化合物;等が挙げられ、これらを、単独或いは2種類以上組み合わせて用いることができる。
【0061】
更に、本発明において用いるトナーには、必要に応じて、流動性改善の目的で無機微粉末の如き粉末を外添してもよい。このような微粉末としては、無機微粉体が好ましく用いられる。無機微粉体としては、例えば、シリカ微粉末、アルミナ、チタニア、酸化ゲルマニウム、酸化ジルコニウムの如き金属酸化物;炭化ケイ素、炭化チタンの如き炭化物;及び窒化ケイ素、窒化ゲルマニウムの如き窒化物が挙げられる。
【0062】
これらの無機微粉体は、有機ケイ素化合物、チタンカップリング剤の如き有機処理剤によって有機処理して疎水化して用いることが可能である。この際に用いる有機ケイ素化合物としては、例えば、ヘキサメチルジシラザン、トリメチルシラン、トリメチルクロルシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジクロルシラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルクロルシラン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、ブロムメチルジメチルクロルシラン、α−クロルエチルトリクロルシラン、β−クロルエチルトリクロルシラン、クロルメチルジメチルクロルシラン、トリオルガノシリルメルカプタン、トリメチルシリルメルカプタン、トリオルガノシリルアクリレート、ビニルジメチルアセトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ヘキサメチルジシロキサン、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン、1,3−ジフェニルテトラメチルジシロキサン、及び1分子当り2〜12個のシロキサン単位を有し、末端に位置する単位に夫々1個宛のSiに結合した水酸基を有するジメチルポリシロキサンが挙げられる。
【0063】
上記シランカップリング剤により無機微粉体を処理する方法としては、例えば、スプレー法、有機溶媒法及び水溶液法等がある。一般に、スプレー法による処理とは、無機微粉体を撹拌し、ここにカップリング剤の水溶液或いは溶媒液をスプレーし、この後、水或いは溶剤を120〜130℃程度で除去乾燥する方法である。又、有機溶媒法による処理とは、少量の水とともに加水分解用触媒を含む有機溶媒(アルコール、ベンゼン、ハロゲン化炭化水素等)にカップリング剤を溶解し、これに無機微粉体を浸漬した後、濾過或いは圧搾により固液分離を行い、120〜130℃程度で乾燥させるものである。又、水溶液法とは、0.5%程度のカップリング剤を、一定pHの水、或いは水−有機溶媒の混合溶媒中で加水分解させ、ここに無機微粉体を浸漬した後、同様に固液分離を行い、乾燥させるものである。
【0064】
他の有機処理として、シリコーンオイルで処理された無機微粉体を用いることも可能である。シリコーンオイルとしては、一般に次式により示されるものである。
【化15】
Figure 0003997016
【0065】
好ましいシリコーンオイルとしては、25℃における粘度がおよそ0.5〜10,000mm2/s、好ましくは1〜1,000mm2/sのものが用いられる。このようなものとしては、例えば、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、ジメチルシリコーンオイル、フェニルメチルシリコーンオイル、クロルフェニルメチルシリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、脂肪酸変性シリコーンオイル、ポリオキシアルキレン変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル等が挙げられる。
【0066】
上記シリコーンオイルによる処理は、例えば、次のようにして行い得る。必要に応じて加熱しながら顔料を激しく攪乱させておき、これに、上記シリコーンオイル或いはその溶液をスプレー若しくは気化して吹き付けるか、又は、顔料をスラリー状にしておき、これを撹拌しつつシリコーンオイル或いはその溶液を滴下することによって容易に処理できる。
これらのシリコーンオイルは1種或いは2種以上の混合物或いは併用や多重処理して用いられる。又、シランカップリング剤による処理と併用しても構わない。
【0067】
本発明に用いる正帯電性現像剤としては、静電潜像に対して忠実に現像することができ、且つ、細線再現性及びハーフトーン階調性に優れた現像性が得られる点で、下記のような粒径及び粒度分布を有するトナーが含有されたものを用いることが好ましい。即ち、トナーの粒度分布において、重量平均粒径が、3〜12μm、より好ましくは5〜10μmであり、4.0μm以下の粒径を有するトナー粒子が、好ましくは30個数%以下、より好ましくは5〜20個数%、12.7μm以上の粒径を有するトナー粒子が、好ましくは12.0体積%、より好ましくは10.0体積%以下に制御されているものを用いるとよい。
【0068】
トナーの重量平均粒径が3μm未満では、トナー飛散、カブリの如き欠陥を生じ、グラフィック画像等の画像面積比率の高い用途では、転写紙上のトナーの載り量が少なく、画像濃度が低下するという問題が生じ易い。一方、重量平均粒径12μmを超える場合には、微小ドットの再現性低下によって充分な解像度が得られず、又、転写時の飛び散りを生じ、更には、複写の初めはよくとも、使用を続けていると画質低下を生じ易い。
【0069】
又、4μm以下の粒径の磁性トナー粒子が30個数%を超えると、カブリの発生が生じ易く、又、磁性トナー粒子相互の凝集状態が生じ易く、本来の粒径以上のトナー塊となるため、荒れた画質となり、解像性を低下させ、又は、潜像のエッジ部と内部との濃度差が大きくなり、中抜け気味の画像になり易い。
一方、12.7μm以上の粒径の磁性トナー粒子が12.0体積%より多いと、飛び散りが生じ易く、細線再現における妨げになるばかりでなく、転写において、感光体上に現像されたトナー粒子の薄層面に12.7μm以上の粗めのトナー粒子が突出して存在することで、トナー層を介した感光体と転写紙間の微妙な密着状態を不規則なものとして、転写条件の変動を引き起こし易く、ひいては転写不良画像を発生する要因となる。
【0070】
上述の如き小さい粒径の特定の粒度分布を有するトナーが含有されている正帯電性現像剤を用いて画像形成を行った場合には、前述の如く、通常の場合には、トナーの単位重量当りの表面積が大きくなり、単位重量当りの電荷量(mC/kg)が大きくなることから、特に低温低湿下において、チャージアップ現象によってスリーブゴーストが発生し易い傾向があった。
【0071】
しかしながら、本発明では、現像装置に用いられる現像剤担持体として、先に説明した特定の樹脂組成物によって形成された樹脂被覆層を有する現像剤担持体を用いることによって、小さい粒径の特定の粒度分布を有するトナーが含有されている正帯電性現像剤を用いて画像形成を行った場合においても、良好な画像形成を実現する。即ち、このような現像剤を用いた場合に低温低湿下で生じていたチャージアップ現象は、現像剤担持体表面に形成されている導電性物質を含有する樹脂被覆層がトナーのチャージを適度にリークすることで抑制できる。又、上記の現像剤を用いた場合には、高温高湿下で、トナーのチャージの立ち上がりに問題を生じる傾向があったが、トナーのチャージの立ち上がりを、充分に負帯電性を有する本発明の現像剤担持体を構成する樹脂被覆層によって高めることができる。従って、上述の如き小さい粒径の特定の粒度分布を有するトナーを有する正帯電性現像剤を用いた場合においても、常温常湿下は勿論のこと、低温低湿下及び高温高湿下の各環境下でも良好に使いこなすことが可能になる。
【0072】
尚、本発明においては、上記に述べたような構成の磁性トナーを一成分系現像剤として用いることが可能である。又、非磁性トナーを、キャリアと混合して二成分系現像剤として用いることも、或いは、キャリアと混合せずに非磁性一成分系現像剤として用いることも可能である。
【0073】
以下、本発明に関わる物性を測定する各測定方法について説明する。
(1)中心線平均粗さ(Ra)の測定
JIS B06061の表面粗さに基づき、小坂研究所製サーフコーダーSE−3300にて、軸方向3点×周方向2点=6点について夫々測定し、その平均値をとった。
【0074】
(2)樹脂被覆層の体積抵抗の測定
100μmの厚さのPETシート上に7〜20μmの厚さの導電性被覆層を形成し、ASTM規格(D−991−82)及び日本ゴム協会標準規格SRIS(2301−1969)に準拠した、導電性ゴム及びプラスチックの体積抵抗測定用の4端子構造の電極を設けた電圧降下式デジタルオーム計(川口電機製作所)を使用して測定した。尚、測定環境は、20〜25℃、50〜60%RHとする。
【0075】
(3)鉄粉に対する第4級アンモニウム塩化合物の帯電極性の測定
図6に示すような市販の摩擦帯電量測定器(東芝ケミカル製TB−200型)を用いてブローオフ法により鉄粉との摩擦帯電極性を求めた。
先ず、23℃、相対湿度60%環境下、キャリアとしてEFV200/300(パウダーテック社製)を用い、キャリア9.5gに第4級アンモニウム塩化合物0.5gを加えた混合物を、50〜100ml容量のポリエチレン製の瓶に入れて50回手で振動する。次いで、500メッシュのスクリーン41のある金属製の測定容器42に前記混合物1.0〜1.2gを入れ、金属製のフタ43をする。次に、吸引機44(測定容器42と接する部分は少なくとも絶縁体)において、吸引口45から吸引し風量調節弁46を調節して、真空径7の圧力を250mmAqとする。この状態で1分間吸引を行って第4級アンモニウム塩化合物を吸引除去する。この時の電位計48の電位の極性を読み取って、鉄粉に対する第4級アンモニウム塩化合物の帯電極性とする。尚、49は、コンデンサーである。
【0076】
(4)鉄粉に対する樹脂被覆層(樹脂分のみ)の帯電極性の測定
<サンプル板の作製方法>:
帯電極性を測定したい樹脂被覆層(カーボン及びグラファイト等の導電性物質を除いたもの)の形成用の樹脂溶液を、SUS板上にバーコーター(#60)にて塗布し、これを乾燥・加熱等によって成膜させ(乾燥・加熱温度及び時間は、熱可塑性樹脂の場合は溶液が完全に蒸発するまで、熱硬化性樹脂の場合は樹脂の架橋が完全に行われるまで)、サンプル板を作製する。このサンプル板を接地した状態で、23℃、相対湿度60%環境下にて一晩放置する。
【0077】
<ポジトナーモデル粒子の作製方法>:
スチレン/2エチルへキシルアクリレート/ジビニルベンゼン共重合体(共重合量比80/17.5/2.5;重量平均分子量(MW)32万)100重量部に、コピーブルーPR(Clariant GmbH社製)2重量部を分散させたトルエン溶液(固形分濃度10重量%)10重量部と、球状フェライト粒子(粒径約90μm)100重量部を、ナウターミキサーにて80℃で4時間攪拌する。これを140℃で1時間かけて溶剤を完全に揮発させ、フェライト粒子表面に樹脂層を形成する。これを温室まで冷却しながら粒子をほぐし、83メッシュの篩でふるってブロッキング粒子を取り除く。この粒子を接地した状態で、23℃、相対湿度60%環境下にて一晩以上放置し、これをポジトナーモデル粒子1とする。
【0078】
<測定方法>:
測定は23℃、相対湿度60%環境下で行う。先ず、上記で作製したサンプル板を図7に示す表面帯電量測定装置TS−100AS(東芝ケミカル(株)製)にセットし、電位計55を接地して値を0にする。上記で作製したポジトナーモデル粒子51を滴下器52に入れ、STARTスイッチを押して20秒間ポジトナーモデル粒子51をサンプル板53上に滴下し、予め接地を施した受容器54で受ける。この時の電位計55の示す極性を読み取って、鉄粉に対する樹脂被覆層(樹脂分のみ)の帯電極性とする。尚、56はコンデンサーである。
【0079】
(5)トナーの粒度分布の測定
トナー粒子の平均粒径及び粒度分布はコールターカウンタTA−II(コールター社製)を用いて測定可能であるが、本発明においてはコールターマルチサイザーII(コールター社製)を用い、個数分布、体積分布を出力するインターフェース(日科機製)及びPC9801パーソナルコンピューター(NEC社製)を接続し、電解液は1級塩化ナトリウムを用いて1%NaC1水溶液を調製する。例えば、ISOTON R−II(コールターサイエンティフィックジャパン社製)が使用できる。
測定法としては、前記電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩を0.1〜5ml加え、更にこれに測定試料を2〜20mg加える。このようにして試料を懸濁させた電解液は、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行った後、前記コールターマルチサイザーによりアパーチャーとして100μmアパーチャーを用い、2μm以上のトナーの体積、個数を測定して体積分布と個数分布を算出した。そして、体積分布から重量基準(各チャンネルの代表値をチャンネル毎の代表値とする)の重量平均粒径(D4)を求め、個数分布から4.0μm以下のトナー粒子の個数%を求め、更に、体積分布から12.7μm以上のトナー粒子の体積%を夫々求めた。
【0080】
以上説明したように、本発明によれば、現像剤担持体の外周に設ける樹脂被覆層の形成材料として、導電性物質と、ウレタン樹脂と、鉄粉に対して自身が正帯電性である第4級アンモニウム塩化合物とを少なくとも含有する樹脂組成物を用いることによって、上記樹脂組成物を加熱硬化してウレタン樹脂被覆層を形成した場合に、従来行われている帯電付与粒子を添加した場合と異なり、第4級アンモニウム塩化合物がウレタン樹脂中に分散するのではなくその構造中に取り込まれるため、被覆層の耐磨耗性が格段に向上し、長期耐久に耐え得るのもとなる。
【0081】
更に、本発明によれば、現像剤担持体の外周に設けられている被覆層が、第4級アンモニウム塩化合物がウレタン樹脂の構造中に取り込まれて形成されるため、ウレタン樹脂自身の、正電帯電性トナーを有する現像剤に対する正摩擦帯電の付与性が向上する。
従って、上記構成の樹脂組成物を、正帯電性トナーを有する正帯電性現像剤を用いる現像剤担持体表面に形成する導電性被覆層の材料として用いることで、上記現像剤への帯電付与性が安定となり、且つ、樹脂被覆層の耐摩耗性を向上させることができる。この結果、常温常湿下においては勿論のこと、高温高湿や低温低湿下においても、画像濃度の低下、ゴースト、ブロッチ、及びベタカブリといった画像不良の発生のない高品位画像を長期にわたって安定して得ることが可能となる。
更に本発明においては、現像剤担持体の外周に設ける樹脂被覆層を形成する樹脂にウレタン樹脂を用いているので、正帯電性現像剤に対して正摩擦帯電付与性のあるテフロン等のような各種溶媒に溶け難い樹脂を用いた場合に比べ、現像剤担持体への塗工が容易であるという効果もある。
【0082】
【実施例】
以下に、実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明する。表1に、実施例及び比較例で得られた現像剤担持体(現像スリーブ)の構成をまとめて示した。
(実施例1)
下記の材料を混合し、直径2mmのジルコニア粒子を充填材として、サンドミルにて3時間の分散を行った後、ジルコニア粒子を篩で分離し、DMFで固形分を30%に調整して、ウレタン樹脂中に、鉄粉に対して自身が正帯電性である第4級アンモニウム塩化合物が添加された樹脂組成物を得た。
・カーボン 20重量部
・グラファイト 80重量部
・ウレタン樹脂(固形分40%) 625重量部
・下記式(1)の第4級アンモニウム塩化合物 50重量部
・DMF 225重量部
【0083】
【化16】
Figure 0003997016
上記式(1)で表わされる第4級アンモニウム塩化合物について、鉄粉との摩擦帯電量を市販の摩擦帯電量測定器(東芝ケミカル製TB−200型)を用いてブローオフ法により測定したところ、正極性であった。
【0084】
上記で得られた樹脂組成物は、塗料状をしており、その組成は、C(カーボン)/GF(グラファイト)/B(ウレタン樹脂)/P(第4級アンモニウム塩化合物)=0.2/0.8/2.5/0.5であった。得られた樹脂組成物を絶縁シート上にバーコーターにて塗布し、加熱及び硬化させ、これを定形にカットし、塗膜の体積抵抗率を低抵抗率計ロレスター(三菱油化社製)にて測定したところ、体積抵抗率は1.9×101Ω・cmであった。
次に、この樹脂組成物をスプレー法にて直径20mmのアルミニウム製の円筒体上に塗布して10μmの被膜を形成させ、その後、熱風乾燥機により150℃で30分間加熱・硬化させて、表面に導電性の樹脂被覆層を有する現像スリーブ1を作製した。この現像スリーブ1の組成においてカーボン及びグラファイトを除いた樹脂被覆層について、ポジトナーモデル粒子との摩擦帯電極性を調べたところ、負極性であった。
【0085】
上記で得られた現像スリーブ1を、キヤノン製の複写機NP6035(商品名)に組み込み、24℃、65%RHの常温常湿(N/N)、24℃、10%RHの常温低湿(N/L)、及び30℃、80%RHの高温高湿(H/H)の3環境にて画出しを行った。その際、画出しに用いた現像剤としては、下記の処方で常法に従って、重量平均粒径8.5μm、4.0μm以下の粒子の含有量が10個数%、12.7μm以上の粒子の含有量が5.0体積%の正帯電トナーを得た後、更に正帯電性外添剤として、トリメトキシシリル−γ−プロピルベンジルアミンでカップリング処理したコロイダルシリカを0.9重量%外添したものを用いた。
・スチレン−アクリル系樹脂(Tg56℃) 100重量部
・マグネタイト 80重量部
・正電荷制御剤(コピーブルーPR) 2重量部
・低分子量ポリプロピレン 4重量部
【0086】
(評価)
A.画像特性
画出し耐久における、ブロッチ(現像剤担持体上のトナーコート層のコートむら)の発生、ゴーストの発生及びφ5画像濃度の変化については、上記した常温常湿(N/N)、常温低湿(N/L)及び高温高湿(H/H)の3環境下で、以下の方法及び基準にて評価を行った。又、反転カブリについては、常温低湿(N/L)環境で、以下の方法及び基準にて評価した。
【0087】
▲1▼ブロッチ
画出し試験によって得られたベタ黒及びハーフトーン画像を目視にて観察し、1枚後、1000枚後及び10万枚後の画像についてブロッチの発生を以下の基準で評価した。その結果、表2に示したように、良好な結果が得られた。
Figure 0003997016
【0088】
▲2▼ゴースト
画出し試験によって得られたゴーストチャートのハーフトーン画像を目視にて観察し、1枚後、1000枚後及び10万枚後の画像についてゴーストの発生を以下の基準で評価した。その結果、表3に示したように、良好な結果が得られた。
Figure 0003997016
【0089】
▲3▼φ5画像濃度
1枚後、5万枚後、10万枚後、15万枚後、20万枚後、25万枚後及び30万枚後に画出した画像について、画像比率5.5%のテストチャート上のφ5黒丸の画像濃度を、反射濃度RD918(マクベス社製)で測定して、画像濃度の耐久について調べた。その結果、図8(1)に示したように、長期耐久についても、安定した画像濃度が得られた。
【0090】
▲4▼反転カブリ
1枚後、10枚後、100枚後及び1000枚後に画出しした画像について、下記の方法で反転カブリを調べた。先ず、複写機本体の濃度補正キーを最も濃度薄になるように設定して、128g/m2の厚紙に画像を形成した場合のベタ白部の反射率(D1)を測定し、更に、画像形成に用いた厚紙と同一カットの未使用の厚紙の反射率(D2)を測定し、これらの反射率の差(D2−D1)の値を5点求め、その平均値をカブリ濃度とした。この際、反射率はTC−6DS(東京電色製)で測定した。この結果、図8(2)に示したように、良好な結果が得られた。
【0091】
▲5▼トリボ
現像剤担持体上の吸引法トリボ値の測定については、下記のようにして測定した。先ず、円筒濾紙を有する測定容器を用い、現像剤担持体表面の形状に沿った金属製の吸引口を取付け、画像形成直後(5分以内が好ましい)の現像剤担持体表面上の現像剤層を過不足なく一様に吸引出来るように吸引圧を調整し、現像剤を吸引する。次に、この時吸引された現像剤の電荷Qを、616ディジタルエレクトロメーター(KEITHLEY製)で測定し、質量をMとして、Q/M(mC/kg)により計算した。測定は1,000枚後に画出しした画像について行った。その結果、表1に示したように、良好な結果が得られた。
【0092】
▲6▼白スジ
画出し試験によって得られたベタ黒及びハーフトーン画像を目視にて観察し、1枚後、1,000枚後及び10万枚後の画像について白スジを以下の基準で評価した。その結果、表4に示したように、良好な結果が得られた。
Figure 0003997016
【0093】
(実施例2)
実施例1で用いた式(1)で表わされる第4級アンモニウム塩化合物の代わりに、下記式(2)で表わされる第4級アンモニウム塩化合物を用いた以外は、実施例1と同様の処方及び操作で、塗料状の樹脂組成物を得た。尚、下記式(2)で表わされる第4級アンモニウム塩化合物についても、鉄粉との摩擦帯電量をブローオフ法により測定したところ、実施例1と同様に正極性であった。
【0094】
【化17】
Figure 0003997016
得られた樹脂組成物の組成は、C/GF/B/P=0.2/0.8/2.5/0.5であった。この塗料状の樹脂組成物により形成した塗膜について実施例1と同様の操作で体積抵抗率を測定したところ、2.2×101Ω・cmであった。更にこの樹脂組成物を、実施例1と同様のアルミニウム基体上に塗布し、加熱及び硬化させて、表面に導電性の樹脂被覆層を有する現像スリーブ2を作製した。
更に、上記で得られた現像スリーブ2を用いて実施例1と同様にして、画出し評価を行った。その結果、表1〜表4及び図9に示した通り良好な結果が得られた。
【0095】
(実施例3)
実施例1で用いた式(1)で表わされる第4級アンモニウム塩化合物の代わりに、下記式(3)で表わされる第4級アンモニウム塩化合物を用いた以外は、実施例1と同様の処方及び操作で、塗料状の樹脂組成物を得た。尚、下記式(3)で表わされる第4級アンモニウム塩化合物についても、鉄粉との摩擦帯電量をブローオフ法により測定したところ、実施例1と同様に正極性であった。
【0096】
【化18】
Figure 0003997016
得られた樹脂組成物の組成は、C/GF/B/P=0.2/0.8/2.5/0.5であった。この塗料状の樹脂組成物により形成した塗膜について実施例1と同様の操作で体積抵抗率を測定したところ、2.5×101Ω・cmであった。更にこの樹脂組成物を、実施例1と同様のアルミニウム基体上に塗布し、加熱及び硬化させて、表面に導電性の樹脂被覆層を有する現像スリーブ3を作製した。
更に、上記で得られた現像スリーブ3を用いて実施例1と同様にして、画出し評価を行った。その結果、表1〜表4及び図10に示した通り良好な結果が得られた。
【0097】
(実施例4)
実施例1で用いた式(1)で表わされる第4級アンモニウム塩化合物の代わりに、下記式(4)で表わされる第4級アンモニウム塩化合物を用いた以外は、実施例1と同様の処方及び操作で、塗料状の樹脂組成物を得た。尚、下記式(4)で表わされる第4級アンモニウム塩化合物についても、鉄粉との摩擦帯電量をブローオフ法により測定したところ、実施例1と同様に正極性であった。
【0098】
【化19】
Figure 0003997016
得られた樹脂組成物の組成は、C/GF/B/P=0.2/0.8/2.5/0.5であった。この塗料状の樹脂組成物により形成した塗膜について実施例1と同様の操作で体積抵抗率を測定したところ、3.1×101Ω・cmであった。更にこの樹脂組成物を、実施例1と同様のアルミニウム基体上に塗布し、加熱及び硬化させて、表面に導電性の樹脂被覆層を有する現像スリーブ4を作製した。
更に、上記で得られた現像スリーブ4を用いて実施例1と同様にして、画出し評価を行った。その結果、表1〜表4及び図11に示した通り良好な結果が得られた。
【0099】
(実施例5)
下記の材料を混合し、直径2mmのジルコニア粒子を充填材として、サンドミルにて3時間の分散処理を行った後、ジルコニア粒子を篩いで分離し、DMFで固形分を30%に調整して、ウレタン樹脂中に、鉄粉に対して自身が正帯電性である第4級アンモニウム塩化合物を添加した樹脂組成物を得た。
・カーボン 40重量部
・窒化ホウ素 160重量部
・ウレタン樹脂(固形分40%) 625重量部
・下記式(1)の第4級アンモニウム塩化合物 50重量部
・DMF 250重量部
【0100】
【化20】
Figure 0003997016
上記で得られた樹脂組成物は、塗料状をしており、その組成は、C(カーボン)/BN(窒化硼素)/B(ウレタン樹脂)/P(第4級アンモニウム塩化合物)=0.4/1.6/2.5/0.5であった。塗料を絶縁シート上にバーコーターにて塗布し、加熱及び硬化させ、これを定形にカットし、塗膜の体積抵抗率を低抵抗率計ロレスター(三菱油化社製)にて測定したところ、体積抵抗率は6.0×102Ω・cmであった。
次に、この樹脂組成物をスプレー法にて直径20mmのアルミニウム製の円筒体上に塗布して10μmの被膜を形成させ、その後、熱風乾燥機により150℃で30分間加熱・硬化させて、表面に導電性の樹脂被覆層を有する現像スリーブ5を作製した。
更に、得られた現像スリーブ5を用いて実施例1と同様にして、画出し評価を行った。その結果、表1〜表4及び図12に示した通り良好な結果が得られた。
【0101】
(実施例6)
実施例5で用いた式(1)の第4級アンモニウム塩化合物の代わりに、実施例2で用いた式(2)で表わされる鉄粉との摩擦帯電極性が正極性である第4級アンモニウム塩化合物を用いた以外は、実施例5と同様の処方及び操作で、塗料状の樹脂組成物を得た。
得られた樹脂組成物の組成は、C/BN/B/P=0.4/1.6/2.5/0.5であった。この塗料状の樹脂組成物により形成した塗膜について実施例1と同様の操作で体積抵抗率を測定したところ、7.1×102Ω・cmであった。更にこの樹脂組成物を、実施例5と同様のアルミニウム基体上に塗布し、加熱及び硬化させて、表面に導電性の樹脂被覆層を有する現像スリーブ6を作製した。
更に、上記で得られた現像スリーブ6を用いて実施例1と同様にして、画出し評価を行った。その結果、表1〜表4及び図13に示した通り良好な結果が得られた。
【0102】
(実施例7)
実施例5で用いた式(1)の第4級アンモニウム塩化合物の代わりに、実施例3で用いた式(3)で表わされる鉄粉との摩擦帯電極性が正極性である第4級アンモニウム塩化合物を用いた以外は、実施例5と同様の処方及び操作で、塗料状の樹脂組成物を得た。
得られた樹脂組成物の組成は、C/BN/B/P=0.4/1.6/2.5/0.5であった。この塗料状の樹脂組成物により形成した塗膜について実施例1と同様の操作で体積抵抗率を測定したところ、5.9×102Ω・cmであった。更にこの樹脂組成物を、実施例5と同様のアルミニウム基体上に塗布し、加熱及び硬化させて、表面に導電性の樹脂被覆層を有する現像スリーブ7を作製した。
更に、上記で得られた現像スリーブ7を用いて実施例1と同様にして、画出し評価を行った。その結果、表1〜表4及び図14に示した通り良好な結果が得られた。
【0103】
(実施例8)
実施例5で用いた式(1)の第4級アンモニウム塩化合物の代わりに、実施例4で用いた式(4)で表わされる鉄粉との摩擦帯電極性が正極性である第4級アンモニウム塩化合物を用いた以外は、実施例5と同様の処方及び操作で、塗料状の樹脂組成物を得た。
得られた樹脂組成物の組成は、C/BN/B/P=0.4/1.6/2.5/0.5であった。この塗料状の樹脂組成物により形成した塗膜について実施例1と同様の操作で体積抵抗率を測定したところ、9.7×102Ω・cmであった。更にこの樹脂組成物を、実施例5と同様のアルミニウム基体上に塗布し、加熱及び硬化させて、表面に導電性の樹脂被覆層を有する現像スリーブ8を作製した。
更に、上記で得られた現像スリーブ8を用いて実施例1と同様にして、画出し評価を行った。その結果、表1〜表4及び図15に示した通り良好な結果が得られた。
【0104】
(実施例9)
下記の材料を混合し、直径20mmのジルコニア粒子を充填材として、サンドミルにて3時間の分散処理を行った後、ジルコニア粒子を篩いで分離し、DMFで固形分を30%に調整して、ウレタン樹脂中に、鉄粉に対して自身が正帯電性である第4級アンモニウム塩化合物を添加した樹脂組成物を得た。
・カーボン 20重量部
・二硫化モリブデン 160重量部
・ウレタン(固形分40%) 625重量部
・下記式(1)の第4級アンモニウム塩化合物 50重量部
・DMF 220重量部
【0105】
【化21】
Figure 0003997016
上記で得られた樹脂組成物は、塗料状をしており、その組成は、C(カーボン)/MoS2(二硫化モリブデン)/B(ウレタン樹脂)/P(第4級アンモニウム塩化合物)=0.2/1.6/2.5/0.5であった。塗料を絶縁シート上にバーコーターにて塗布し、加熱及び硬化させ、これを定形にカットし、塗膜の体積抵抗率を低抵抗率計ロレスター(三菱油化社製)にて測定したところ、体積抵抗率は9.2×10Ω・cmであった。
次に、この樹脂組成物をスプレー法にて直径20mmのアルミニウム製の円筒体上に塗布して10μmの被膜を形成させ、その後、熱風乾燥機により150℃で30分間加熱・硬化させて、表面に導電性の樹脂被覆層を有する現像スリーブ9を作製した。
更に、上記で得られた現像スリーブ9を用いて実施例1と同様にして、画出し評価を行った。その結果、表1〜表4及び図16に示した通り良好な結果が得られた。
【0106】
(実施例10)
実施例9で用いた式(1)の第4級アンモニウム塩化合物の代わりに、実施例2で用いた式(2)で表わされる、鉄粉との摩擦帯電極性が正極性である第4級アンモニウム塩化合物を用いた以外は、実施例9と同様の処方及び操作で、塗料状の樹脂組成物を得た。
得られた樹脂組成物の組成は、C/MoS2/B/P=0.2/1.6/2.5/0.5であった。この塗料状の樹脂組成物により形成した塗膜について実施例1と同様の操作で体積抵抗率を測定したところ、9.9×10Ω・cmであった。更にこの樹脂組成物を用いて、実施例9と同様のアルミニウム基体上に塗布し、加熱及び硬化させて、表面に導電性の樹脂被覆層を有する現像スリーブ10を作製した。
更に、上記で得られた現像スリーブ10を用いて実施例1と同様にして、画出し評価を行った。その結果、表1〜表4及び図17に示した通り良好な結果が得られた。
【0107】
(実施例11)
実施例9で用いた式(1)の第4級アンモニウム塩化合物の代わりに、実施例3で用いた式(3)で表わされる、鉄粉との帯電極性が正極性である第4級アンモニウム塩化合物を用いた以外は、実施例9と同様の処方及び操作で、塗料状の樹脂組成物を得た。
得られた樹脂組成物の組成は、C/MoS2/B/P=0.2/1.6/2.5/0.5であった。この塗料状の樹脂組成物により形成した塗膜について実施例1と同様の操作で体積抵抗率を測定したところ、8.9×10Ω・cmであった。更にこの樹脂組成物を用いて、実施例9と同様のアルミニウム基体上に塗布し、加熱及び硬化させて、表面に導電性の樹脂被覆層を有する現像スリーブ11を作製した。
更に、上記で得られた現像スリーブ11を用いて実施例1と同様にして、画出し評価を行った。その結果、表1〜表4及び図18に示した通り良好な結果が得られた。
【0108】
(実施例12)
実施例9で用いた式(1)の第4級アンモニウム塩化合物の代わりに、実施例4で用いた式(4)で表わされる、鉄粉との摩擦帯電極性が正極性である第4級アンモニウム塩化合物を用いた以外は、実施例9と同様の処方及び操作で、塗料状の樹脂組成物を得た。
得られた樹脂組成物の組成は、C/MoS2/B/P=0.2/1.6/2.5/0.5であった。この塗料状の樹脂組成物により形成した塗膜について実施例1と同様の操作で体積抵抗率を測定したところ、8.8×10Ω・cmであった。更にこの樹脂組成物を用いて、実施例9と同様のアルミニウム基体上に塗布し、加熱及び硬化させて、表面に導電性の樹脂被覆層を有する現像スリーブ12を作製した。
更に、上記で得られた現像スリーブ12を用いて実施例1と同様にして、画出し評価を行った。その結果、表1〜表4及び図19に示した通り良好な結果が得られた。
【0109】
(比較例1)
実施例1で使用したものと同様の直径20mmのアルミニウム製円筒体の表面に、FGB#300でサンドブラストしただけのものを現像スリーブ13とした。これを用いて、実施例1と同様の方法で画出し評価を行った。その結果、表2及び表3に示したように、ブロッチが発生し、これ以外の画像評価をすることは不可能であった。
【0110】
(比較例2)
下記の処方とした以外は実施例1と同様にして塗料状の樹脂を得た。得られた樹脂組成物は、塗料状をしており、その組成は、C/GF/B/P=0.2/0.8/2.5/0であった。
・カーボン 20重量部
・グラファイト 80重量部
・ウレタン(固形分40%) 625重量部
・DMF 150重量部
【0111】
この塗料状の樹脂組成物により形成した塗膜について実施例1と同様の操作で体積抵抗率を測定したところ、7.2Ω・cmであった。更にこの樹脂組成物を用いて、実施例1と同様のアルミニウム基体上に、該樹脂組成物を塗布し、加熱及び硬化させて、表面に導電性の樹脂被覆層を有する現像スリーブ14を作製した。
次に、上記で得られた現像スリーブ14を用いて実施例1と同様にして、画出し評価を行った。その結果、表1〜表4及び図20に示したように、カブリについては1000枚後でも悪く、耐久での画像濃度低下がみられた。
【0112】
(比較例3)
実施例1で用いた式(1)の第4級アンモニウム塩化合物の代わりに、クロルフェノールを含むアゾナフトールのクロム錯体(S)を用いた以外は実施例1と同様の処方及び操作で樹脂組成物を作製した。得られた樹脂組成物の組成は、C/GF/B/S=0.2/0.8/2.5/0.5であった。ここで、クロルフェノールを含むアゾナフトールのクロム錯体(S)の、鉄粉との摩擦帯電量を、実施例1と同様にブローオフ法により測定したところ、負極性であった。この塗料状の樹脂組成物により形成した塗膜について実施例1と同様の操作で体積抵抗率を測定したところ、4.2×10Ω・cmであった。更にこの樹脂組成物を用いて、実施例1と同様のアルミニウム基体上に塗布し、加熱及び硬化させて、表面に導電性の樹脂被覆層を有する現像スリーブ15を作製した。
次に、得られた現像スリーブ15を用いて実施例1と同様にして、画出し評価を行った。その結果、表1〜表4及び図21に示した通り、カブリについては1000枚目付近の画出しでも悪く、又、耐久で画像濃度の低下がみられた。
【0113】
(比較例4)
実施例1で用いた式(1)の第4級アンモニウム塩化合物の代わりに、ニグロシン(N)を用いた以外は実施例1と同様の処方及び操作で樹脂組成物を作製した。得られた樹脂組成物の組成は、C/GF/B/N=0.2/0.8/2.5/0.5であった。ここで、ニグロシン(N)の、鉄粉との摩擦帯電量を、実施例1と同様にブローオフ法により測定したところ、正極性であった。この塗料状の樹脂組成物により形成した塗膜について実施例1と同様の操作で体積抵抗率を測定したところ、4.5×10Ω・cmであった。更にこの樹脂組成物を用いて、実施例1と同様のアルミニウム基体上に、該樹脂組成物を塗布し、加熱及び硬化させて、表面に導電性の樹脂被覆層を有する現像スリーブ16を作製した。
この現像スリーブ16を用いて実施例1と同様にして、画出し評価を行った。その結果、表1〜表4及び図22に示した通り、カブリについては1000枚位までのカブリが悪く、又、耐久の早い段階で画像濃度の低下がみられた。
【0114】
(比較例5)
実施例1で用いた式(1)の第4級アンモニウム塩化合物の代わりに、下記式の第4級アンモニウム塩化合物を用いた以外は実施例1と同様の処方及び操作で樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物の組成は、C/GF/B/P=0.2/0.8/2.5/0.5であった。下記式(10)の第4級アンモニウム塩化合物についても、鉄粉との摩擦帯電量を実施例1と同様にブローオフ法により測定したが、実施例1とは異なり負極性であった。
【0115】
【化22】
Figure 0003997016
又、この塗料状の樹脂組成物により形成した塗膜について実施例1と同様の操作で体積抵抗率を測定したところ、2.6×10Ω・cmであった。更にこの樹脂組成物を用いて、実施例1と同様のアルミニウム基体上に塗布し、加熱及び硬化させて、表面に導電性の樹脂被覆層を有する現像スリーブ17を作製した。
次に、上記で得られた現像スリーブ17を用いて実施例1と同様にして、画出し評価を行った。その結果、表1〜表4及び図23に示した通り、カブリについては1000枚目は良好であったが、画像濃度の低下がみられた。
【0116】
(比較例6)
実施例1において、ウレタン樹脂の代わりに、PMMA樹脂を用いた以外は実施例1と同様の処方及び操作で樹脂組成物を得た。この塗料状の樹脂組成物により形成した塗膜について実施例1と同様の操作で体積抵抗率を測定したところ、3.1×10Ω・cmであった。更にこの樹脂組成物を用いて、実施例1と同様のアルミニウム基体上に塗布し、加熱、乾燥させて、表面に導電性の樹脂被覆層を有する現像スリーブ18を作製した。
次に、上記で得られた現像スリーブ18を用いて実施例1と同様にして、画出し評価を行った。その結果、表1〜表4及び図24に示した通り、カブリについては1000枚まで悪く、画像濃度は初期から悪かった。
【0117】
(比較例7)
実施例1において、ウレタン樹脂の代わりに、スチレン−アクリル共重合体樹脂を用いた以外は実施例1と同様の処方及び操作で樹脂組成物を得た。この塗料状の樹脂組成物により形成した塗膜について実施例1と同様の操作で体積抵抗率を測定したところ、3.5×10Ω・cmであった。更にこの樹脂組成物を用いて、実施例1と同様のアルミニウム基体上に塗布し、加熱、乾燥させて、表面に導電性の樹脂被覆層を有する現像スリーブ19を作製した。
次に、上記で得られた現像スリーブ19を用いて実施例1と同様にして、画出し評価を行った。その結果、表1〜表4及び図25に示した通り、カブリについては1000枚まで悪く、画像濃度は初期から悪かった。
【0118】
【表1】
表1−1 現像剤担持体の構成1
Figure 0003997016
【0119】
【表2】
表1−2 実施例及び比較例の現像剤担持体の構成2
Figure 0003997016
【0120】
【表3】
表2 評価結果(ブロッチ)
Figure 0003997016
【0121】
【表4】
表3 評価結果(ゴースト)
Figure 0003997016
【0122】
【表5】
表4 評価結果(白スジ)
Figure 0003997016
【0123】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、現像剤担持体の表面に設ける被覆層の形成材料として、ウレタン樹脂中に鉄粉に対して自身が正帯電性である第4級アンモニウム塩化合物を添加した樹脂樹脂組成物を用いることによって、上記樹脂組成物を加熱硬化してウレタン樹脂被膜を形成した場合に、従来の粒子系の添加剤を添加した場合と異なり、第4級アンモニウム塩化合物がウレタン樹脂中に分散するのではなく、その構造中に取り込まれるため、被覆層の耐磨耗性が格段に向上し、長期耐久に耐え得るものとなる。
更に、本発明によれば、現像剤担持体の外周に設けられる被覆層が、第4級アンモニウム塩化合物がウレタン樹脂の構造中に取り込まれて形成されるため、ウレタン樹脂自身の、正帯電性現像剤に対する正の摩擦電荷の付与性が向上する。このため、上記の樹脂組成物を、正帯電性現像剤を用いる現像剤担持体の表面に形成する導電性物質を含有する樹脂被覆層の形成材料に用いることで、正帯電性現像剤への正の摩擦電荷の付与性が安定となり、且つ該被覆層の耐磨耗性が向上する。この結果、常温常湿下においては勿論のこと、高温高湿や常温低湿下のあらゆる環境下においても、画像濃度低下、ゴースト、ブロッチ及び反転カブリといった画質不良の発生しない高品位の画像を、長期に亘って得ることができ、安定した高品位の画像の提供が可能となる。
更に、本発明においては、現像剤担持体の外周に設ける被覆層を形成する結着樹脂にウレタン樹脂を用いているので、例えば、正極性現像剤に対する正摩擦帯電付与性を有するテフロン等の各種溶媒に溶け難い樹脂を使用する場合に比べて現像剤担持体への塗工が容易であり、現像剤担持体を製造する上でのメリットもある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の現像剤担持体の一部分の概略断面図を示す。
【図2】本発明の現像装置の一例の概略断面図を示す。
【図3】本発明の画像形成方法を適用した画像形成装置の一例の概略図を示す。
【図4】本発明の装置ユニットの一例の概略断面図を示す。
【図5】本発明の画像形成方法をファクシミリ装置のプリンターに適用した場合のブロック図を示す。
【図6】鉄粉に対する四級アンモニウム塩化合物の帯電極性の測定に用いる摩擦帯電量測定器の説明図を示す。
【図7】樹脂被覆層の帯電極性を測定するための表面帯電量測定装置の説明図を示す。
【図8】(1)は実施例1の耐久画像濃度推移を示し、(2)は実施例1の耐久かぶり推移を示す。
【図9】(1)は実施例2の耐久画像濃度推移を示し、(2)は実施例2の耐久かぶり推移を示す。
【図10】(1)は実施例3の耐久画像濃度推移を示し、(2)は実施例3の耐久かぶり推移を示す。
【図11】(1)は実施例4の耐久画像濃度推移を示し、(2)は実施例4の耐久かぶり推移を示す。
【図12】(1)は実施例5の耐久画像濃度推移を示し、(2)は実施例5の耐久かぶり推移を示す。
【図13】(1)は実施例6の耐久画像濃度推移を示し、(2)は実施例6の耐久かぶり推移を示す。
【図14】(1)は実施例7の耐久画像濃度推移を示し、(2)は実施例7の耐久かぶり推移を示す。
【図15】(1)は実施例8の耐久画像濃度推移を示し、(2)は実施例8の耐久かぶり推移を示す。
【図16】(1)は実施例9の耐久画像濃度推移を示し、(2)は実施例9の耐久かぶり推移を示す。
【図17】(1)は実施例10の耐久画像濃度推移を示し、(2)は実施例10の耐久かぶり推移を示す。
【図18】(1)は実施例11の耐久画像濃度推移を示し、(2)は実施例11の耐久かぶり推移を示す。
【図19】(1)は実施例12の耐久画像濃度推移を示し、(2)は実施例12の耐久かぶり推移を示す。
【図20】(1)は比較例2の耐久画像濃度推移を示し、(2)は比較例2の耐久かぶり推移を示す。
【図21】(1)は比較例3の耐久画像濃度推移を示し、(2)は比較例3の耐久かぶり推移を示す。
【図22】(1)は比較例4の耐久画像濃度推移を示し、(2)は比較例4の耐久かぶり推移を示す。
【図23】(1)は比較例5の耐久画像濃度推移を示し、(2)は比較例5の耐久かぶり推移を示す。
【図24】(1)は比較例6の耐久画像濃度推移を示し、(2)は比較例6の耐久かぶり推移を示す。
【図25】(1)は比較例7の耐久画像濃度推移を示し、(2)は比較例6の耐久かぶり推移を示す。
【符号の説明】
1:樹脂被膜層
2:導電性物質
3:樹脂(第4級アンモニウム塩化合物含有ウレタン樹脂)
4:固体潤滑剤
5:円筒状基体
7:感光ドラム
8:規制ブレード
9:ホッパー
10:トナー
11:磁石
12:円筒状基体
13:被膜層
14:現像スリーブ
15:電源
16:攪拌器
17:弾性板
A:現像スリーブの回転方向
B:感光ドラムの回転方向
D:現像部

Claims (57)

  1. 正帯電性トナーを含む正帯電性現像剤;
    該正帯電性現像剤を収容している現像剤容器;
    該現像剤容器に収容されている正帯電性現像剤を担持し、且つ現像領域に搬送するための現像剤担持体;及び
    該現像剤担持体上に形成される正帯電性現像剤層の層厚を規制するための現像剤層厚規制部材;を有する現像装置において、
    上記現像剤担持体が、基体及び該基体表面に、鉄粉に対して正帯電性の第4級アンモニウム塩化合物、導電性物質及びウレタン樹脂を含有するウレタン樹脂組成物を加熱及び硬化して形成されてなる樹脂被覆層を有し、且つ
    該樹脂被覆層は、該正帯電性現像剤に対する正帯電付与性を有している現像剤担持体であることを特徴とする現像装置。
  2. 前記第4級アンモニウム塩化合物が、下記一般式(A)で示される化合物を有する請求項1に記載の現像装置
    Figure 0003997016
    (上記式中のR1、R2、R3及びR4は、夫々、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアルアルキル基のいずれかを表わし、R1〜R4は、夫々同一であっても或いは異なっていてもよく、X-は、陰イオンを表わす。)
  3. 前記一般式(A)中の陰イオンが、有機硫酸イオン、有機スルホン酸イオン、有機リン酸イオン、モリブデン酸イオン、タングステン酸イオン、モリブデン原子を含むヘテロポリ酸イオン及びタングステン原子を含むヘテロポリ酸イオンからなる群から選択されるいずれかである請求項2に記載の現像装置
  4. 前記樹脂被覆層が、第4級アンモニウム塩化合物をウレタン樹脂100重量部に対して1乃至100重量部含有している請求項1乃至3のいずれか1項に記載の現像装置
  5. 前記ウレタン樹脂が、ウレタン結合を含む樹脂である請求項1乃至4のいずれか1項に記載の現像装置
  6. 前記ウレタン結合が、ポリイソシアネートとポリオールとの重付加反応によって得られる請求項5に記載の現像装置
  7. 前記樹脂被覆層が、0.1〜3.5の中心線表面粗さRaを有している請求項1乃至6のいずれか1項に記載の現像装置
  8. 前記正帯電性トナーが、磁性体をトナー重量に対して15〜70重量%含有している請求項に記載の現像装置。
  9. 前記正帯電性トナーが、離型剤を含有している請求項に記載の現像装置。
  10. 前記正帯電性トナーが、正荷電制御剤を含有している請求項に記載の現像装置。
  11. 前記正帯電性現像剤が、前記正帯電性トナー及び前記正帯電性トナーに外添されている無機微粉末を有している請求項に記載の現像装置。
  12. 前記正帯電性トナーが、重量平均粒径が3〜12μm、4.0μm以下の粒子の含有量が30個数%以下、12.7μm以上の粒子の含有量が12.0体積%以下の粒度分布を有している請求項に記載の現像装置。
  13. 前記正帯電性トナーが、重量平均粒径が5〜10μm、4.0μm以下の粒子の含有量が5〜20個数%、12.7μm以上の粒子の含有量が10.0体積%以下の粒度分布を有している請求項に記載の現像装置。
  14. 前記正帯電性現像剤が、正帯電性磁性トナーを有する磁性一成分系現像剤である請求項に記載の現像装置。
  15. 前記正帯電性現像剤が、正帯電性非磁性トナーを有する非磁性一成分系現像剤である請求項に記載の現像装置。
  16. 前記正帯電性現像剤が、正帯電性非磁性トナー及びキャリアを有する二成分系現像剤である請求項に記載の現像装置。
  17. 現像剤担持体上に形成される該正帯電性現像剤の層厚は、現像領域における該現像剤担持体の表面と潜像担持体の表面との最小間隙よりも薄い請求項乃至1のいずれか1項に記載の現像装置。
  18. 前記現像装置が、現像剤担持体にバイアス電圧を印加するための電源を有している請求項乃至1のいずれか1項に記載の現像装置。
  19. 前記バイアス電圧が、直流電圧成分が重畳された交番バイアス電圧を有する請求項18に記載の現像装置。
  20. 画像形成装置本体に離脱可能に装着される装置ユニットにおいて、該装置ユニットが、
    正帯電性トナーを含む正帯電性現像剤;
    該正帯電性現像剤を収容している現像剤容器;
    該現像剤容器に収容されている正帯電性現像剤を担持し、且つ現像領域に搬送するための現像剤担持体;及び
    該現像剤担持体上に形成される正帯電性現像剤層の層厚を規制するための現像剤層厚規制部材;を有して構成され、
    上記現像剤担持体が、基体及び該基体表面に、鉄粉に対して正帯電性の第4級アンモニウム塩化合物、導電性物質及びウレタン樹脂を含有するウレタン樹脂組成物を加熱及び硬化して形成されてなる樹脂被覆層を有し、且つ
    該樹脂被覆層が、該正帯電性現像剤に対する正帯電付与性を有している現像剤担持体であることを特徴とする装置ユニット。
  21. 前記第4級アンモニウム塩化合物が、下記一般式(A)で示される化合物を有する請求項20に記載の装置ユニット。
    Figure 0003997016
    (上記式中のR 1 、R 2 、R 3 及びR 4 は、夫々、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアルアルキル基のいずれかを表わし、R 1 〜R 4 は、夫々同一であっても或いは異なっていてもよく、X - は、陰イオンを表わす。)
  22. 前記一般式(A)中の陰イオンが、有機硫酸イオン、有機スルホン酸イオン、有機リン酸イオン、モリブデン酸イオン、タングステン酸イオン、モリブデン原子を含むヘテロポリ酸イオン及びタングステン原子を含むヘテロポリ酸イオンからなる群から選択されるいずれかである請求項21に記載の装置ユニット。
  23. 前記樹脂被覆層が、第4級アンモニウム塩化合物をウレタン樹脂100重量部に対して1乃至100重量部含有している請求項20乃至22のいずれか1項に記載の装置ユニット。
  24. 前記ウレタン樹脂が、ウレタン結合を含む樹脂である請求項20乃 至23のいずれか1項に記載の装置ユニット。
  25. 前記ウレタン結合が、ポリイソシアネートとポリオールとの重付加反応によって得られる請求項24に記載の装置ユニット。
  26. 前記樹脂被覆層が、0.1〜3.5の中心線表面粗さRaを有している請求項20乃至25のいずれか1項に記載の装置ユニット。
  27. 前記正帯電性トナーが、磁性体をトナー重量に対して15〜70重量%含有している請求項2に記載の装置ユニット。
  28. 前記正帯電性トナーが、離型剤を含有している請求項2に記載の装置ユニット。
  29. 前記正帯電性トナーが、正荷電制御剤を含有している請求項2に記載の装置ユニット。
  30. 前記正帯電性現像剤が、前記正帯電性トナー及び前記正帯電性トナーに外添されている無機微粉末を有している請求項2に記載の装置ユニット。
  31. 前記正帯電性トナーが、重量平均粒径が3〜12μm、4.0μm以下の粒子の含有量が30個数%以下、12.7μm以上の粒子の含有量が12.0体積%以下の粒度分布を有している請求項2に記載の装置ユニット。
  32. 前記正帯電性トナーが、重量平均粒径が5〜10μm、4.0μm以下の粒子の含有量が5〜20個数%、12.7μm以上の粒子の含有量が10.0体積%以下の粒度分布を有している請求項2に記載の装置ユニット。
  33. 前記正帯電性現像剤が、正帯電性磁性トナーを有する磁性一成分系現像剤である請求項2に記載の装置ユニット。
  34. 前記正帯電性現像剤が、正帯電性非磁性トナーを有する非磁性一成分系現像剤である請求項2に記載の装置ユニット。
  35. 前記正帯電性現像剤が、正帯電性非磁性トナー及びキャリアを有する二成分系現像剤である請求項2に記載の装置ユニット。
  36. 現像剤担持体上に形成される該正帯電性現像剤の層厚は、現像領域における該現像剤担持体の表面と潜像担持体の表面との最小間隙よりも薄い請求項2乃至3のいずれか1項に記載の装置ユニット。
  37. 少なくとも潜像担持体をさらに一体に有している請求項2乃至3のいずれか1項に記載の装置ユニット。
  38. 潜像担持体上に静電潜像を形成する潜像形成工程、及び該静電潜像を現像装置の正帯電性現像剤により現像する現像工程を有する画像形成方法において、
    上記現像工程で、
    正帯電性トナーを含む正帯電性現像剤;
    正帯電性現像剤を収容している現像剤容器;
    該現像剤容器に収容されている正帯電性現像剤を担持し、且つ現像領域に搬送するための現像剤担持体;及び
    該現像剤担持体上に形成される正帯電性現像剤層の層厚を規制するための現像剤層厚規制部材;を有する現像装置を用い、
    正帯電性現像剤を現像剤担持体表面と摩擦帯電させて正帯電性現像剤に正の摩擦電荷を付与し、この正の摩擦電荷が付与された正帯電性現像剤により上記静電潜像を現像するように構成され、
    且つ、上記現像剤担持体が、基体及び該基体表面に、鉄粉に対して正帯電性の第4級アンモニウム塩化合物、導電性物質及びウレタン樹脂を含有するウレタン樹脂組成物を加熱及び硬化して形成されてなる樹脂被覆層を有し、且つ
    該樹脂被覆層が、該正帯電性現像剤に対する正帯電付与性を有している現像剤担持体であることを特徴とする画像形成方法。
  39. 前記第4級アンモニウム塩化合物が、下記一般式(A)で示される化合物を有する請求項38に記載の画像形成方法。
    Figure 0003997016
    (上記式中のR 1 、R 2 、R 3 及びR 4 は、夫々、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアルアルキル基のいずれかを表わし、R 1 〜R 4 は、夫々同一であっても或いは異なっていてもよく、X - は、陰イオンを表わす。)
  40. 前記一般式(A)中の陰イオンが、有機硫酸イオン、有機スルホン酸イオン、有機リン酸イオン、モリブデン酸イオン、タングステン酸イオン、モリブデン原子を含むヘテロポリ酸イオン及びタングステン原子を含むヘテロポリ酸イオンからなる群から選択されるいずれかである請求項39に記載の画像形成方法。
  41. 前記樹脂被覆層が、第4級アンモニウム塩化合物をウレタン樹脂100重量部に対して1乃至100重量部含有している請求項38乃至40のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  42. 前記ウレタン樹脂が、ウレタン結合を含む樹脂である請求項38乃至41のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  43. 前記ウレタン結合が、ポリイソシアネートとポリオールとの重付加反応によって得られる請求項42に記載の画像形成方法。
  44. 前記樹脂被覆層が、0.1〜3.5の中心線表面粗さRaを有している請求項38乃至43のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  45. 前記正帯電性トナーが、磁性体をトナー重量に対して15〜70重量%含有している請求項3に記載の画像形成方法。
  46. 前記正帯電性トナーが、離型剤を含有している請求項3に記載の画像形成方法。
  47. 前記正帯電性トナーが、正荷電制御剤を含有している請求項3に記載の画像形成方法。
  48. 前記正帯電性現像剤が、正帯電性トナー及び該正帯電性トナーに外添されている無機微粉末を有している請求項3に記載の画像形成方法。
  49. 前記正帯電性トナーが、重量平均粒径が3〜12μm、4.0μm以下の粒子の含有量が30個数%以下、12.7μm以上の粒子の含有量が12.0体積%以下の粒度分布を有している請求項3乃至4のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  50. 前記正帯電性トナーが、重量平均粒径が5〜10μm、4.0μm以下の粒子の含有量が5〜20個数%、12.7μm以上の粒子の含有量が10.0体積%以下の粒度分布を有している請求項3乃至4のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  51. 前記正帯電性現像剤が、正帯電性磁性トナーを有する磁性一成分系現像剤である請求項3に記載の画像形成方法。
  52. 前記正帯電性現像剤が、正帯電性非磁性トナーを有する非磁性一成分系現像剤である請求項3に記載の画像形成方法。
  53. 前記正帯電性現像剤が、正帯電性非磁性トナー及びキャリアを有する二成分系現像剤である請求項3に記載の画像形成方法。
  54. 現像剤担持体上に形成される正帯電性現像剤の層厚は、現像領域における現像剤担持体の表面と潜像担持体の表面との最小間隙よりも薄い請求項3乃至53のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  55. 前記現像装置が、該現像剤担持体にバイアス電圧を印加するための電源を有している請求項3乃至54のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  56. 前記バイアス電圧が、直流電圧成分が重畳された交番バイアス電圧を有する請求項55に記載の画像形成方法。
  57. 前記潜像担持体が、電子写真用感光体を有している請求項3乃至56のいずれか1項に記載の画像形成方法。
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