JP2004333636A - 現像剤担持体、現像装置、現像方法、画像形成方法及びプロセスカートリッジ - Google Patents

現像剤担持体、現像装置、現像方法、画像形成方法及びプロセスカートリッジ Download PDF

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正良 嶋村
Yasuhide Goseki
康秀 後関
Kenji Fujishima
健司 藤島
Kazunori Saiki
一紀 齋木
Naoki Okamoto
直樹 岡本
Satoshi Otake
智 大竹
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Abstract

【課題】異なる環境条件下においても、トナーに均一且つ迅速に帯電を付与することで濃度低下、スリーブゴースト及びカブリの如き問題点が発生せず、文字ラインのシャープ性が良好で、均一で濃度ムラがなく、画像濃度が高い高品位の画像を安定して得ることのできる現像剤担持体を供給する。
【解決手段】少なくとも基体、及び該基体表面に形成された樹脂被覆層を有する現像剤担持体において該樹脂被覆層は、少なくとも強摩擦帯電性の樹脂と電荷移動型結合体の含窒素ポリ硼素化合物を有していることを特徴とする現像剤担持体。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真法において、電子写真感光体、或いは静電記録誘導体の如き潜像保持体上に形成された静電潜像を現像して顕像化する際に用いられる現像剤担持体、該現像剤担持体が用いられている現像装置、現像方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば、静電潜像保持体としての感光ドラム表面に形成した静電潜像を一成分系現像剤である磁性トナーによって顕像化する現像装置としては、図9に示すような装置が知られている。図9において、現像剤容器53には、一成分系現像剤としての磁性トナー54が保有されており、磁性トナー間相互の粒子摩擦及び現像剤担持体としての現像スリーブ58と磁性トナー粒子との間の摩擦により、感光ドラム51上に形成された静電潜像電荷と現像基準電位に対して逆極性の電荷を磁性トナー粒子に与え、磁性ブレード52により該磁性トナーを現像スリーブ58上に極めて薄く塗布して担持させて感光ドラム51と現像スリーブ58とが対向する現像領域Dにおいて、現像スリーブ58内に固着されている磁石55による磁界の作用で、担持されている磁性トナーを飛翔させて感光ドラム51上の静電潜像を顕像化するものが知られている。尚、A及びBは、現像スリーブ58及び感光ドラム51のそれぞれの回転方向を示し、59は現像時に現像バイアス電圧を印可する為の現像バイアス手段を示し、60は現像剤容器53中で磁性トナー54を攪拌するための攪拌翼である。
【0003】
しかし、このような一成分系現像剤を用いる場合には、トナー帯電の調整が難しく、現像剤による工夫が種々行なわれているものの、トナー帯電の不均一性や帯電の耐久安定性に関する問題は完全には解決されていない。
【0004】
特に、現像スリーブが繰り返し回転を行なっていくうちに、現像スリーブ上にコーティングされたトナーの帯電量が現像スリーブとの接触により高くなり過ぎ、トナーが現像スリーブ表面との鏡映力により引き合って現像スリーブ表面上で不動状態となり、現像スリーブから静電潜像保持体(ドラム)上の潜像に移動しなくなる。所謂、チャージアップ現象が起こりやすい。この様なチャージアップが発生すると、上層のトナーは帯電しにくくなって、トナーの現像量が低下するため、ライン画像の細りやベタ画像の画像濃度薄の如き問題点を生じる。
【0005】
更に、画像部(トナー消費部)と非画像部とのトナー層形成状態が変わり、帯電状態が異なってしまうため、例えば、一度画像濃度の高いベタ画像を現像した位置が、現像スリーブの次の回転時に現像位置に来てハーフトーン画像を現像すると、画像上にベタ画像の跡が現われてしまう現像、所謂、スリーブゴースト現象が生じやすい。
【0006】
また、トナーのチャージアップはスリーブ上のトナーの帯電が不均一になるため、濃度ムラを発生しやすくなる。
【0007】
最近では電子写真の高画質化の為に、トナーの小粒径化及び微粒子化が図られている。
【0008】
例えば、解像力やシャープネスの如き画質を向上させ、静電潜像を忠実に再現する為には、トナーの重量平均粒径で約6〜9μmのものが用いられるのが一般的である。更に、ファーストコピー時間の短縮化や省電力化の目的で、トナーの定着温度を下げる傾向にある。この様な状況下においては、トナーは更に現像スリーブに静電的に付着しやすくなると共に、外部からの物理的な力がかかることにより、スリーブ表面の汚染やトナーの融着が起こり易くなっている。
【0009】
この様な現像を解決する方法として、固体潤滑剤及びカーボンの如き導電性微粉末を樹脂中に分散させた被覆層が金属基体上に設けられている現像スリーブを、現像装置に用いる方法の提案がなされている。この方法を用いることにより、上記の現象は大幅に軽減されることが認められる。しかしながら、この方法では、現像スリーブ表面の形状が十分に均一ではなく、更に現像スリーブ表面の摩擦帯電付与部分も減少することら、均一なトナーの帯電及びトナーの帯電の立ち上がりが不十分となる場合がある。したがって、文字ライン画像の飛び散りが生じたり、ベタ画像でのムラが発生しやすく、高温高湿環境下での画像濃度が低くなったりすることがあり、まだ十分満足できるものではない。更に、前記の方法は被覆層の脆性化による耐久性の点でも不十分であった。
【0010】
特開平3−200986号公報では、樹脂中に固体潤滑剤及びカーボンの如き導電性微粉末、更に球状粒子を分散させた導電性被覆層を金属基体上に設けた現像スリーブを現像装置に用いる方法の提案がなされている。この方法を用いることにより、現像スリーブ表面の形状が均一化し、帯電の均一化及び耐摩耗性が向上する。しかしながら、この現像スリーブにおいても、迅速且つ均一なトナーへの帯電付与がまだ不十分なため、更なる改良が望まれている。
【0011】
特開平2−176762号公報では、トナーの帯電の立ち上がりを向上させ、更に、トナーを均一に帯電させるため、現像スリーブ表面の被覆層に荷電制御剤を含有させる現像スリーブを現像装置に用いる方法の提案がなされている。この方法を用いることにより、トナーの帯電の立ち上がりやトナーの均一帯電化はある程度向上するものの、まだ文字シャープ性に優れた高画質や高温高湿下での画像濃度安定性に十分効果を発揮するほどには、現像スリーブ表面の帯電付与能は不十分であり、更にチャージアップによるスリーブ表面の汚染やトナーの融着が起こり易くなっており、更なる改良が望まれている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、異なる環境条件下においても、濃度低下、スリーブゴースト及びカブリの如き問題点が発生せず、文字ラインのシャープ性が良好で、均一で濃度ムラが無く、画像濃度が高い高品位の画像を安定して得ることのできる現像剤担持体、該現像剤担持体を有する現像装置、現像方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジを提供することである。
【0013】
本発明の目的は、粒径の小さいトナーを用いた場合に現われる、現像剤担持体表面へのトナー付着を軽減させることにより、トナーの不均一な帯電を制御し、トナーに迅速且つ適正に帯電を与えることのできる現像剤担持体、該現像剤担持体を有する現像装置、現像方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジを提供することである。
【0014】
本発明の目的は、繰り返し複写又は耐久による現像剤担持体表面の導電性被覆層の劣化が生じ難く、高耐久性を有し、安定した画質が得られる現像剤担持体、該現像剤担持体を有する現像装置、現像方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジを提供することである。
【0015】
本発明の目的は、長期間にわたる連続複写においても現像剤担持体上の現像剤に十分に高い帯電を与えるとともに、チャージアップを起こさず、安定した電荷を付与し、耐久中の画像濃度低下や均一で濃度ムラのない高品位の画像を得られる現像剤担持体、該現像剤担持体を有する現像装置、現像方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジを提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、以下の本発明の構成によって達成される。
【0017】
本発明は、少なくとも基体、及び該基体表面に形成された樹脂被覆層を有する現像剤担持体において、該樹脂被覆層は、少なくとも強摩擦帯電付与性の樹脂と電荷移動型結合体の含窒素ポリ硼素化合物を有していることを特徴とする現像剤担持体に関する。
【0018】
本発明は、現像剤を収容している現像剤容器、及び該現像剤容器に収容されている現像剤の薄層を表面に形成して担持し、且つ現像領域へと現像剤を搬送するための現像剤担持体を有する現像装置において、該現像剤担持体は、少なくとも基体、及び該基体表面に形成された樹脂被覆層を有しており、該樹脂被覆層は、少なくとも強摩擦帯電付与性の樹脂と電荷移動型結合体の含窒素ポリ硼素化合物を有していることを特徴とする現像装置に関する。
【0019】
本発明は、現像剤容器に収容されている現像剤を現像剤担持体で担持する工程;該現像剤担持体に担持されている現像剤を該現像剤担持体と静電潜像保持体とが対向する現像領域へ搬送する工程;該現像領域で該現像剤担持体に担持されている該現像剤によって、該静電潜像保持体上に形成されている静電潜像を現像する工程;を有する現像方法において、該現像剤担持体は、少なくとも基体、及び該基体表面に形成された樹脂被覆層を有しており、該樹脂被覆層は、少なくとも強摩擦帯電付与性の樹脂と電化移動型結合材の含窒素ポリ硼素化合物を有していることを特徴とする現像方法に関する。
【0020】
本発明は、(i)静電潜像を保持するための静電潜像保持体、及び(ii)該静電荷潜像を現像領域で現像剤によって現像し、現像画像を形成するための現像手段を少なくとも有する画像形成装置において、該現像装置は、現像剤を収容する現像剤容器、及び該現像容器に収容されている現像剤の薄層を担持し、且つ現像剤を現像領域へ搬送するための現像剤担持体を有しており、該現像剤担持体は、少なくとも基体、及び該基体表面に形成された樹脂被覆層を有し、該樹脂被覆層は、少なくとも強摩擦帯電付与性の樹脂と電荷移動型結合体の含窒素ポリ硼素化合物を有していることを特徴とする画像形成装置に関する。
【0021】
本発明は、画像形成装置本体に脱着可能なプロセスカートリッジにおいて、該プロセスカートリッジは、(i)静電潜像を保持するための静電潜像保持体、及び(ii)該静電荷潜像を現像領域で現像剤によって現像し、現像画像を形成するための現像手段を少なくとも一体的に有しており、該現像手段は、現像剤を収容する現像剤容器、及び該現像容器に収容されている現像剤の薄層を担持し、且つ該現像剤を現像領域へ搬送するための現像剤担持体を有しており、該現像剤担持体は、少なくとも基体、及び該基体表面に形成された樹脂被覆層を有し、該樹脂被覆層は、少なくとも強摩擦帯電付与性の樹脂と電荷移動型結合体の含窒素ポリ硼素化合物を有していることを特徴とするプロセスカートリッジに関する。
【0022】
【発明の実施の形態】
次に好ましい実施形態を挙げて本発明を詳しく説明する。
【0023】
本発明の現像剤担持体を構成する基体表面に被覆された樹脂被覆層について説明する。
【0024】
本発明の樹脂被覆層としては、少なくとも強摩擦帯電付与性の樹脂と電荷移動型結合体の含窒素ポリ硼素化合物を含有していることを特徴とする。
【0025】
本発明者らは、該現像剤担持体の樹脂被覆層に上記のような構成を用いると、異なる環境下においても樹脂被覆層表面での均一且つ迅速な摩擦帯電付与特性が向上し、且つ現像剤の帯電量分布がシャープになることから被覆層のトナー汚染が発生しにくく、さらに、樹脂被覆層自体の皮膜強度も向上するため、より多数枚耐久性に優れることを見いだした。
【0026】
上記のような該現像剤担持体の樹脂被覆層の構成により、帯電特性が向上する理由は、明確には分からないが、樹脂被覆層中の電荷移動型結合体の含窒素ポリ硼素化合物が強摩擦帯電付与性の樹脂中に存在すると、電荷移動型結合体の含窒素ポリ硼素化合物が有する電子伝導性の影響で現像剤への過剰帯電が制御されるため、均一且つ迅速な現像剤の摩擦帯電が達成されるものと考えられる。
【0027】
更に、該電荷移動型結合体の含窒素ポリ硼素化合物は電子伝導性であることから、湿度の影響が少なく、従って異なる環境下に於いても帯電特性の変化が小さいものと考えられる。
【0028】
更に本発明に用いられる電荷移動型結合体の含窒素ポリ硼素化合物は、樹脂被覆中に分子レベルで分散しやすく、少量の添加で現像剤の過剰帯電を均質に制御することから、被覆層中に含有させるカーボンブラックやグラファイト等の他の導電性微粒子を多量に添加する必要がなくなり、樹脂被覆層の被膜強度も向上する。
【0029】
従って、本発明の現像剤担持体は、現像剤担持体表面に現像剤層を介して圧接又は当接する現像剤層厚規制部剤を用いる樹脂被覆層の摩耗が生じ易い現像方法に適用した場合においても、異なる環境条件下において、初期から多数枚耐久後まで、現像剤に対して均一且つ迅速に高い摩擦帯電量を安定に付与することができ、さらに、現像剤に対し搬送に摩擦帯電付与が可能であり、及び現像剤担持体へのチャージアップによる微粉トナーの堆積、付着及び融着等の汚染を防ぎ、文字ラインのシャープ性が良好で画像濃度が高い画像を安定して得ることができる。
【0030】
本発明に用いられる強摩擦帯電付与性の樹脂は、現像剤に一定以上の高い摩擦帯電を付与する特性を有することが好ましい。
【0031】
前記の摩擦帯電付与性は、図10に模式的に示す静電塗膜表面解析装置で測定を行った。この装置の原理は傾斜板201に、適当な溶剤に溶解させた樹脂溶液を金属板に塗布、加熱乾燥して樹脂被覆を施したサンプル板を固定し、このサンプル板に鉄粉を落下させて転がり落ちていく鉄粉と、樹脂被膜を施したサンプル板との間で発生する摩擦電荷をエレクトロメーター20で測定し帯電量としている。測定条件は23℃、60%RHの環境雰囲気で行い、鉄粉としてはパウダーテック社製のEFV200/300を用い、一回当たりの鉄粉流し掛け量2.28g、一回当たりの流し掛け時間10秒を5回行い、その積算値の帯電量を樹脂の摩擦帯電付与性の目安として求めた。
【0032】
尚、図10において、200は鉄粉投入口、201は傾斜板、202は鉄粉受け容器、203は絶縁板、204はエレクトロメーター、205はメーター接続端子を示す。
【0033】
該強摩擦帯電付与性の樹脂の帯電量は、現像剤に負帯電性トナーを用いる場合は、30nC以上であることが好ましく、更に好ましくは40nC以上である。帯電量が30nCより小さいと、樹脂被膜層から現像剤担持体への帯電付与量が小さくなりすぎ、画像濃度低下やカブリ、文字ラインのシャープ性の悪化を発生しやすくなる。
【0034】
一方、現像剤に正帯電性トナーを用いる場合は、−40nC以上であることが好ましく、更に好ましくは−50nC以上であることが好ましい。
【0035】
帯電量が−40nCより小さいと、樹脂被覆層から現像剤担持体への帯電付与量が小さくなりすぎ、画像濃度低下やカブリ、文字ラインのシャープ性の悪化を発生しやすくなる。
【0036】
本発明に使用される強摩擦帯電付与性の樹脂としては、現像剤に負帯電性トナーを使用する場合は、含窒素ビニルモノマーと、これと共重合可能な他のビニル系モノマーとの共重合体であることが強摩擦帯電付与性及び被膜強度の点で優れており、好ましい。
【0037】
前記の含窒素ビニルモノマーの代表例としては、例えば、p−ジメチルアミノスチレン、ジメチルアミノメチルアクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノプロピルアクリレート、ジエチルアミノメチルアクリレート、ジエチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノメチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノプロピルメタクリレート、ジエチルアミノメチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレートの如きアミノ(メタ)アクリル系モノマー;及びN−ビニルイミダゾール、N−ビニルベンズイミダゾール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルピロール、N−ビニルピペリジン、N−ビニルモルフォリン、N−ビニルインドールの如き含窒素複素環式N−ビニル化合物がある。
【0038】
特に、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート如きの下記の一般式(3)に示される含窒素ビニルモノマー又は、4級アンモニウム基含有ビニルモノマーを用いることが好ましい
【外5】
Figure 2004333636
[式中、R,R,R及びRは水素原子あるいは炭素数1〜4の飽和炭化水素基を示し、nは1〜4の整数を示す。]
【0039】
前記の4級アンモニウム基含有ビニルモノマーとしては、スチレン系や(メタ)アクリル系のモノマーと共重合可能なものであれば特にその構造は限定されるものではないが、より好ましい4級アンモニウム基含有ビニルモノマーとしては、下記一般式(2)に示される4級アンモニウム基含有ビニルモノマーがある。
【外6】
Figure 2004333636
[式中、Rは水素原子又はメチル基を示し、Rは、炭素数1〜4のアルキレン基を示し、R〜Rは、メチル基、エチル基又はプロピル基を示し、Xは、−COO−又は−CONH−を示し、A−はF、Cl、Br、I等のハロゲンイオン、OH、SO 2−、NO−、PO 3−、CHCOO、CHSO 、CHSO 、COSO 、BF 、MoO 2−、WO 2−、ClO 、SiF 2−、また、[TeMO246−,[H124210−,[PMo12403−,[PW123−等のポリ酸イオン、ヘテロポリ酸イオンの如き無機系陰イオンまたは、炭素数1〜24のスルホン酸イオン、炭素数1〜24のカルボン酸イオン、炭素数1〜24の硫酸モノアルキルエステル陰イオン、テトラフェニルホウ素イオンの如き有機系陰イオンを示す。]
【0040】
上記の含チッ素ビニルモノマーとの共重合成分として用いることの出来る他のビニル系モノマーとしては、特に制限するものではなく、重合性の不飽和結合を持つものであればいずれも使用可能である。代表例としては、スチレン、o,m,p−クロルスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸アミン、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸ベヘニル、アクリルアミド、塩化ビニル、酢酸ビニルなどが挙げられ、これらビニル系モノマー類の中でも、スチレンおよび(メタ)アクリル酸アルキルエステルから選ばれた少なくとも1種を用いるのが樹脂被覆層の機械的強度の点で好ましい。
【0041】
上記の(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーの中でも、メチルメタクリレートモノマーを用いるものが、摩擦帯電性と機械的強度を更に向上する点で好ましい。
【0042】
本発明において、特に好ましくは、共重合体を構成する全モノマーを基準として、含チッ素ビニルモノマーが1〜30モル%未満、より好ましくは2〜25モル%未満含有されていることが、樹脂被覆層の機械的強度と摩擦帯電付与性の点で良い。含窒素モノマーが1モル%未満の場合には、現像剤に充分に摩擦帯電を付与することが出来ず、30モル%以上の場合には、樹脂被覆層の機械的強度が低下しやすい。
【0043】
本発明に使用される、現像剤に負帯電性トナーを使用する場合に用いられる強摩擦帯電付与性の樹脂の他の好ましい形態としては、下記一般式(5)で示されるイミダゾリウム塩類を構成単位として有する重合体が帯電付与性の点で優れている。
【外7】
Figure 2004333636
(上記一般式(5)はイミダゾリウム塩類を構成単位とする重合体を示しており、一般式中のR、R置換基を有するシクロアルキル基、置換基を有しないシクロアルキル基、置換基を有するアリール基、置換基を有しないアリール基、置換基を有するアリル基、置換基を有しないアリル基、置換基を有するアラルキル基、置換基を有しないアラルキル基、置換基を有するアルコキシ基、置換基を有しないアルコキシ基、置換基を有するアミノ基、置換基を有しないアミノ基、ハロゲン又は複素環類であり、それぞれ同一であっても異なっていても良い。また、R2は相互に連結されて芳香環、または複素環を形成しても良い。Rは連結基を表しており、エーテル結合を含んでも良いフェニレン、プロペニレン、ビニレン、アルキレン基である。この重合体は、イミダゾリウム塩類を構成単位として含んでいればよい。その場合、連結基が互いに環構造を形成しても良く、また、連結樹脂主鎖にグラフト鎖として結合しても良い。置換基としては、水素、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アリル基、アラルキル基、アルコキシ基、アミノ基、アミド基、ハロゲン、複素環類がある。これらは、エーテル、スルフィド構造を有しても良い。
【0044】
【外8】
Figure 2004333636
は陰イオンを、mは2〜100の整数を表す。)
【0045】
上記一般式(5)で示されるイミダゾリウム塩類を構成単位とする重合体に於いて、イミダゾリウム塩類の種類、対陰イオンの種類を選択することにより優れた摩擦帯電付与特性、現像特性及び耐久特性も優れたものになると考えられる。これらの組み合わせは一義的に限定できるものではないが、現像剤に良好に摩擦帯電を付与させるためには、一般式(5)において、R,R,Rは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アリル基、アラルキル基、複素環類が好ましい。それぞれ同一であっても異なっていても良く、それぞれ置換基を有しても良く、それぞれ炭素数1〜40個が好ましい。置換基としてはアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシル基、芳香環や複素環、ハロゲン等が挙げられる。また、R,Rは相互に連結されて芳香環、複素環を形成したものも好ましい。Rは炭素数1〜8のアルキレン基、エーテル結合を含む炭素数1〜8のアルキレン基が好ましい。
【0046】
また、Rはビニル重合性単量体からなる重合体主鎖にグラフト鎖に結合しているものがより好ましい。
【0047】
イミダゾリウム塩類がグラフトする重合体としては、ポリスチレン、ポリ−p−クロルスチレン、ポリビニルトルエンの如きスチレンおよびその置換体を重合体;スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−σ−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体及びスチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体の如きスチレン系共重合体:ポリ塩化ビニル;フェノール樹脂;天然変性フェノール樹脂;天然樹脂変性マレイン酸樹脂;アクリル系樹脂;メタクリル系樹脂;ポリ酢酸ビニル;シリコーン樹脂;ポリエステル樹脂;ポリウレタン;ポリアミド樹脂;フラン樹脂;エポキシ樹脂;キシレン樹脂;ポリビニルブチラール;ロジン樹脂;変性ロジン樹脂;テルペン樹脂;クマロンインデン樹脂;石油系樹脂が使用できる。
【0048】
前記のイミダゾリウム塩類がグラフトする重合体としては、特に、ポリスチレン、ポリ−p−クロルスチレン、ポリビニルトルエンの如きスチレンおよびその置換体の重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、メタクリル系樹脂、アクリル系樹脂が機械的強度、導電性微粒子の分散性、及び帯電特性が共に優れているので、より好ましい。
【0049】
更に、該グラフト重合体は、全てのグラフト鎖の片末端のみが主鎖に結合した構造をとっている必要はなく、一部のグラフト鎖の両末端が主鎖に結合した構造をとっていても良い。
【0050】
一般式(5)のR,R,R,Rのそれぞれの炭素数は20以下であることが好ましい。一般式(5)のR,R,R,Rのそれぞれの炭素数が20以下を超える場合には、イミダゾリウム塩類を構成単位とする重合体自体の軟化点が低下し、該現像剤担持体の樹脂被覆層の機械的強度が低下してしまう。
【0051】
また、本発明に用いるイミダゾリウム塩類を構成単位とする重合体は陰イオンを有する。
【0052】
例えば、無機系陰イオンとして、F、Cl、Br、I等のハロゲンイオン、OH、SO 2−、NO 、PO 3−、CHCOO、CHSO 、CHSO 、COSO 、BF 、MoO 2−、WO 2−、ClO 、SiF 2−、また、[TeMO246−,[H124210−,[PMo12403−,[PW123−等のポリ酸イオン、ヘテロポリ酸イオンなどが挙げられる。有機系陰イオンとしては、炭素数1〜24のスルホン酸イオン、炭素数1〜24のカルボン酸イオン、炭素数1〜24の硫酸モノアルキルエステル陰イオン、テトラフェニルホウ素イオンなどが挙げられる。これらの中で、ハロゲンイオン、SO 2−、MoO 2−、WO 2−、ヒドロキシナフトスルホン酸イオン、安息香酸イオン、炭素数1〜6の硫酸モノアルキルエステル陰イオンが製造上の容易さ、化合物の保存安定性の上から好ましい。更に好ましくはハロゲンイオンが良い。
【0053】
以下に本発明に用いるイミダゾリウム塩類を構成単位として有する重合体の代表例を以下に示す。
【外9】
Figure 2004333636
【0054】
【外10】
Figure 2004333636
【0055】
【外11】
Figure 2004333636
【0056】
【外12】
Figure 2004333636
【0057】
【外13】
Figure 2004333636
【0058】
【外14】
Figure 2004333636
【0059】
【外15】
Figure 2004333636
【0060】
【外16】
Figure 2004333636
【0061】
本発明に使用される強摩擦帯電付与性の樹脂としては、現像剤に正帯電性トナーを使用する場合は、スルホン酸含有アクリルアミド系モノマーと、これと共重合可能な他のビニル系モノマーとの共重合体であることが強摩擦帯電付与性及び被膜強度の点で優れており、好ましい。
【0062】
前記のスルホン酸含有アクリルアミド系モノマーの代表例としては、例えば、2−アクリルアミドプロパンスルホン酸、2−アクリルアミド−n−ブタンスルホン酸、2−アクリルアミド−n−ヘキサンスルホン酸、2−アクリルアミド−n−オクタンスルホン酸、2−アクリルアミド−n−ドデカンスルホン酸、2−アクリルアミド−n−テトラデカンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−フェニルプロパンスルホン酸、2−アクリルアミド−2,2,4−トリメチルペンタンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルフェニルエタンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−(4−クロロフェニル)プロパンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−カルボキシメチルプロパンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−(2−ピリジル)プロパンスルホン酸、2−アクリルアミド−1−メチルプロパンスルホン酸、3−アクリルアミド−3−メチルブタンスルホン酸、2−メタクリルアミド−n−デカンスルホン酸、2−メタクリルアミド−n−テトラデカンスルホン酸などを挙げることができる。好ましくは2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸が挙げられる。
【0063】
上記のスルホン酸含有アクリルアミド系モノマーとの共重合成分として用いることの出来る他のビニル系モノマーとしては、特に制限するものではなく、重合性の不飽和結合を持つものであればいずれも使用可能である。代表例としては、スチレン、o,m,p−クロルスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸アミル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸ベヘニル、アクリルアミド、塩化ビニル、酢酸ビニルなどが挙げられ、これらビニル系モノマー類の中でも、スチレンおよび(メタ)アクリル酸アルキルエステルから選ばれた少なくとも1種を用いるのが樹脂被覆層の摩擦帯電付与性及び機械的強度の点で好ましい。
【0064】
本発明において、特に好ましくは、共重合体を構成する全モノマーを基準として、スルホン酸含有アクリルアミド系モノマーが1〜25モル%未満、より好ましくは2〜20モル%未満含有されていることが、樹脂被覆層の機械的強度と摩擦帯電付与性の点で良い。含窒素モノマーが1モル%未満の場合には、現像剤に充分に摩擦帯電を付与することが出来ず、25モル%以上の場合には、樹脂被覆層の機械的強度が低下しやすい。
【0065】
本発明に用いられる含有する結着樹脂の分子量としては、重量平均分子量Mwが、2,000〜50,000、好ましくは、4,000〜30,000であることが良い。Mwが2,000未満の場合には、低分子量成分が多すぎるため、トナーがスリーブに付着または固着しやすくなったり、樹脂被覆層の機械的強度が低下する。Mwが50,000を超えた場合には、分子量が高すぎ、溶媒中の樹脂粘度が高いため、塗工不良や顔料類を添加した場合には分散不良の原因となり、樹脂被覆層の組成が不均一になりトナー帯電が安定せず、さらに樹脂被覆層の表面粗さが安定せず、耐摩耗性が減少するなどの原因となる。
【0066】
さらに、本発明に用いられる樹脂の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)は3.5以下であることが好ましく、さらに好ましくは3.0以下である。Mw/Mnが3.5を超えた場合、低分子量成分が増加するために、トナーの付着性の増加や融着が増加したり、樹脂被覆層の機械的強度の低下が生じる。
【0067】
本発明に用いられる電荷移動型結合体の含窒素ポリ硼素化合物とは、下記一般式(1)で示される原子団を含むポリ硼素化合物と、塩基性窒素を含む化合物との電荷移動錯体であり、その導電機構は、構造式(1)に示すように、半極性結合をなす硼素と塩基性窒素とが結合することによってイオン対が形成され、生じた水素イオンが硼素と窒素の双方に結合を残す形で移動するために共鳴構造を呈し、高分子鎖全体の中で複数の電子の動きをもたらすという、電子導電によるものと考えられる。つまり、該化合物は、大気中の水分を吸着して導電性を発現する従来の界面活性剤型帯電防止剤等とは導電機構が異なるため、使用環境によらず安定した抵抗値を示すものである。
【0068】
上記の塩基性窒素を含む化合物としては、特に限定されるものではないが、アミン、ポリアミノ化合物が好ましく、アミンとしては特に3級アミンとした場合、ポリアミノ化合物としては特に主鎖及び/または側鎖中に少なくとも2個以上の塩基性窒素を有するポリアミノ化合物とした場合、電荷移動錯体の安定性が増すためより好ましい。
【0069】
【外17】
Figure 2004333636
【0070】
前記の三級アミンとしては、例えば、ジエチルヒドロキシメチルアミン、ジメチル2−ヒドロキシプロピルアミン、メチルジ(2−ヒドロキシエチルアミン、トリ(2−ヒドロキシエチル)アミン、ヒドロキシメチルジ(2−ヒドロキシエチル)アミン、ジベンジル2−ヒドロキシプロピルアミン、シクロヘキシルジ(2−ヒドロキシエチル)アミン、ジ(ヘキサデシル)アミンのエチレ(1)ド(1〜25モル)付加体、およびモノブチルアミンのプロピレンオキシド(1〜26モル)付加体等が挙げられる。
【0071】
前記の三級アミンの中で、特に、ヒドロキシル基を少なくとも1個有する三級アミンが好ましい。
【0072】
前記の主鎖及び/または側鎖中に少なくとも2個以上の塩基性窒素を有するポリアミノ化合物としては、例えばエチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジメチルアミノプロピルアミン、フェニレンジアミン、トリレンジアミン、メチルイミノビスプロピルアミン、ピペラジン、ポリエチレンイミノ及びそのエチレンオキシド付加物、プロピレンオキシド付加物或はエチレンオキシド−プロピレンオキシド共付加物、トリエチレンジアミン、ポリビニルピリジン、ポリ(ジメチルアミノエチル)アクリレート、ポリ(ジメチルアミノエチル)メタクリレート、ポリ(ジエチルアミノエチル)アクリレート、ポリ(ジエチルアミノエチル)メタクリレート、ポリ(ジメチルアミノプロピル)アクリルアミド、ポリ(ジメチルアミノプロピル)メタクリルアミド、ポリ(ジメチルアミノメチルスチレン)、ジアリルアミン−イソブチレン交互共重合体、ジアリルアミン−二酸化イオウ交互共重合体等が挙げられる。
【0073】
半極性結合を持つポリ硼素化合物は多数考えられるが、特に好ましい例としては、前記一般式(1)に示す原子団を有するポリ硼素化合物が挙げられる。
【外18】
Figure 2004333636
(式中、R、R、R及びRは同一あるいは異なって、水素、アルキル基、アルコキシ基及びアルコキシアルキル基からなる群より選ばれる少なくとも1つの基であり、nは0または1である。)
【0074】
該化合物においては、硼素原子の周りに存在する4つの酸素原子が、硼素原子をより安定化させている。その結果、上記共鳴機構に基づく導電性がより向上するという効果を有している。
【0075】
具体的な半極性有機ホウ素化合物としては、例えば2〜3個の隣接ヒドロキシル基若しくはα位,γ位の位置関係で相対する2個のヒドロキシル基を有する多価アルコール残基からなる2:1型ポリオールボラート類のジ(グリセリン)ボラート及びその一価カルボン酸エステル、ジ(グリセリン)ボラートのアルキレンオキシド付加体及び一価カルボン酸エステル、ジ(カテコール)ボラート、ジ(1,2−プロピレングリコール)ボラート、ジ(1,3−プロピレングリコール)ボラート、ジ(1,3−ブチレングリコール)ボラート、ジ(2−メチル−2,4−ペンタンジオール)ボラート、ジ(2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール)ボラート、ジ(2−エチル−1,3−ヘキサンジオール)ボラート、ジ(2−メトキシ−1,3−プロピレングリコール)ボラート、ジ(2−エトキシ−1,3−プロピレングリコール)ボラート、ジ(2−メチル−2−メトキシメチル−1,3−プロピレングリコール)ボラート、ジ(2−メチル−2−エトキシメチル−1,3−プロピレングリコール)ボラート、ジ(2−エチル−2−メトキシメチル−1,3−プロピレングリコール)ボラート、ジ(2−エチル−2−エトキシメチル−1,3−プロピレングリコール)ボラート、ジ(2,2−ジ(メトキシメチル)−1,3−プロピレングリコール)ボラート、ジ(2,2−ジ(エトキシメチル)−1,3−プロピレングリコール)ボラートあるいは
【外19】
Figure 2004333636
[式中、qは0または1で、q=1の時、Wは−(X)−(Y)−(Z)−基{但し、XおよびZは1個の末端エーテル残基をもつ炭素数合計100以下の含酸素炭化水素基、Yは
【外20】
Figure 2004333636
(但し、R及びR’は炭化水素基)であり、l,m,nは0または1である}]にて表わされる化合物の1種若しくは2種以上を合計1モルに対して、ホウ酸若しくは炭素数4以下の低級アルコールのホウ酸トリエステルを1モルか、または無水ホウ酸を0.5モル反応させてトリエステル化反応を行なうか、または、ジ(グリセリン)ボラート若しくは中間にジ(グリセリン)ボラート残基を含む炭素数合計206以下のジオールの1種若しくは2種以上をポリエーテル化反応させるか、または、それらの1種若しくは2種以上を合計1モルに対して、炭素数3〜84のジカルボン酸(以下、所定のジカルボン酸と称する)若しくは炭素数4以下の低級アルコールと所定のジカルボン酸とのエステル若しくは所定のジカルボン酸ハライド若しくは炭素数4〜15のジイソシアナート(以下、所定のジイソシアナートと称する)の1種若しくは2種以上を合計1モル反応させることによって得られる例えば化学式36〜41に示される様な半極性有機ホウ素高分子化合物等を挙げることができる。
【0076】
【外21】
Figure 2004333636
【0077】
【外22】
Figure 2004333636
【0078】
上記の半極性有機ホウ素高分子化合物及び塩基性窒素を有する化合物を用いて電荷移動型結合体を製造するに当たっては種々の方法を採用することができるが、下記の条件を満足することが好ましい。
【0079】
塩基性窒素を有する化合物中の塩基性窒素1個に対して、半極性有機ホウ素高分子化合物中の半極性ホウ素が0.01〜1個、好ましくは0.05〜1個になるような仕込み割合とし、常圧下20〜200℃、好ましくは50〜150℃にて両成分を反応させる。尚その際、アルコール、エーテル、ケトン等の極性溶媒を添加すると、より容易に反応が進行する。
【0080】
また、更に好ましい例としては、下記一般式(2)で示される半極性有機硼素高分子化合物の少なくとも1種と、ヒドロキシル基を少なくとも1個有する3級アミンの少なくとも1種との、硼素原子1個に対して塩基性窒素原子1個の割合の反応生成物が挙げられる。
【0081】
該化合物においては、硼素原子の周りに存在する4つの酸素原子が硼素原子をより安定化させているのに加えて、3級アミンに含まれるヒドロキシル基が、電荷移動錯体間を水素結合によってつなぐことが可能となるために、導電性が更に向上するという効果を有している。また、q=1の場合には、エーテル基及びカルボキシル基が存在することにより、ゴム、エラストマー、樹脂との相溶性がいっそう向上して好ましい。
【0082】
【外23】
Figure 2004333636
[式中、qは0または1で、q=1のとき、Wは−(X)−(Y)−(Z)−基{ただし、X及びZは1個の末端エーテル残基をもつ含酸素炭化水素基、
【外24】
Figure 2004333636
(R及びR′は炭化水素基)であり、l、m及びnは0または1である。}であり、R、R及びRは炭化水素基で、R、R及びRのうち少なくとも1つはヒドロキシル基置換炭化水素基であり、pは10〜1000である。]
本発明において、現像剤担持体の被覆層の体積抵抗は、10Ω・cm以下、より好ましくは、10〜10−2Ω・cmであることがよい。被覆層の体積抵抗が10Ω・cmを超える場合には、トナーのチャージアップが発生し易くなり、ゴーストの悪化や濃度低下を引き起こし易い。
【0083】
本発明で樹脂被覆層の体積抵抗を制御するための更に添加できる導電性微粒子としては、個数平均粒径が好ましくは0.01〜20μm程度、より好ましくは0.02〜15μmのものを使用するのがよい。導電性微粒子の個数平均粒径が0.01μm未満の場合には、塗工液中での分散性が低下するため好ましくなくも個数平均粒径が20μmを超える場合には、導電性被覆層表面の粗さが不均一且つ体積抵抗を低く制御しづらくなり、トナーの均一な帯電化、及び被覆層の強度の点で好ましくない。
【0084】
本発明で使用することのできる導電性微粒子としては、例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラックの如きカーボンブラック;酸化チタン、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化モリブデン、チタン酸カリ、酸化アンチモン及び酸化インジウムの如き金属酸化物;アルミニウム、銅、銀、ニッケル等の金属、グラファイト、金属繊維、炭素繊維の如き無機系充填剤が挙げられる。
【0085】
本発明の現像剤担持体を構成する被覆層には、更に球状粒子を併用して分散させると、より本発明の効果が促進されるため好ましい。
【0086】
該球状粒子は、現像剤担持体の被覆層表面に均一な表面粗度を保持させると同時に、被覆層表面が摩耗した場合でも被覆層の表面粗度の変化が少なく、且つトナー汚染やトナー融着を発生しにくくする効果がある。
【0087】
更に、球状粒子は、被覆層中に含有する含窒素ポリ硼素化合物との相互作用により、含窒素ポリ硼素化合物の荷電制御の効果をより高め、迅速且つ均一な帯電をより向上させ、更に帯電性能を安定化させる効果もある。
【0088】
本発明に使用される球状粒子としては、個数平均径が0.3〜30μm、好ましくは2〜20μmである。
【0089】
球状粒子の個数平均粒径が0.3μm未満では表面に均一な粗さを付与する効果と帯電性能を高める効果が少なく、現像剤への迅速且つ均一な帯電が不十分となると共に、被覆層の摩耗によるトナーのチャージアップ、トナー汚染及びトナー融着が発生し、コーストの悪化、画像濃度低下を生じやすくなるため好ましくない。個数平均粒径が30μmを越える場合には、被覆層表面の粗さが大きくなり過ぎ、トナーの帯電が十分に行なわれにくくなってしまうと共に、被覆層の機械的強度が低下してしまうため好ましくない。
【0090】
又、本発明で使用する球状粒子の真密度は、3g/cm以下、好ましくは2.7g/cm以下、より好ましくは0.9〜2.3g/cmであることが良い。即ち、球状粒子の真密度が3g/cmを越える場合には、被覆層中での球状粒子の分散性が不十分となる為、被覆層表面に均一な粗さを付与しにくくなると共に含窒素ポリ硼素化合物の分散も均一に行われなくなり、トナーの迅速且つ均一な帯電化及び被覆層の強度が不十分となってしまい好ましくない。
【0091】
球状粒子の真密度が0.9g/cmより小さい場合にも、被覆層中での球状粒子の分散性が不十分となるため好ましくない。
【0092】
本発明に於いて、導電性球状粒子における球状とは、粒子の長径/短径の比が1.0〜1.5程度の物を意味しており、本発明において好ましくは、長径/短径の比が1.0〜1.2の粒子を使用することが良い。
【0093】
球状粒子の長径/短径の比が1.5を越える場合には、被覆層中への球状粒子の分散性が低下すると共に、被覆層中への含窒素ポリ硼素化合物の分散性低下及び被覆層表面粗さの不均一化が発生し、トナーの迅速且つ均一な帯電化及び導電性被覆層の強度の点で好ましくない。
【0094】
本発明に用いられる球状粒子は、公知の球状粒子が使用可能である。例えば、球状の樹脂粒子、球状の金属酸化物粒子、球状の炭素化物粒子などがある。
【0095】
球状の粒子としては、例えば、懸濁重合、分散重合法等による球状の樹脂粒子などが用いられる。球状の樹脂粒子は、より少ない添加量で好適な表面粗さが得られ、更に均一な表面形状が得られやすい。この様な球状粒子としては、ポリアクリレート、ポリメタクリレート等のアクリル系樹脂粒子、ナイロン等のポリアミド系樹脂粒子、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂粒子、シリコーン系樹脂粒子、フェノール系樹脂粒子、ポリウレタン系樹脂粒子、スチレン系樹脂粒子、ベンゾグアナミン粒子、等々が挙げられる。粉砕法により得られた樹脂粒子を熱的にあるいは物理的な球形化処理を行ってから用いてもよい。また、該球状粒子の表面に無機物を付着させる、あるいは固着させて用いてもよい。この様な無機微粉体として、SiO,SrTiO,CeO,CrO,Ai,ZnO,MgOの如き酸化物、Siの如き窒化物、SiCの如き炭化物、CaSO,BaSO,CaCOの如き炭化物、炭酸塩、等々が挙げられる。このような無機微粉末は、カップリング剤により処理して用いても良い。
【0096】
特に結着樹脂との密着性を向上させる目的、あるいは粒子に疎水性を与える、等々の目的では好ましく用いることが可能である。このようなカップリング剤としては、例えば、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、ジルコアルミネートカップリング剤等がある。より具体的には、例えばシランカップリング剤としては、ヘキサメチルジシラザン、トリメチルシラン、トリメチルクロルシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジクロルシラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルクロルシラン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、ブロムメチルジメチルクロルシラン、α−クロルエチルトリクロルシラン、β−クロルエチルトリクロルシラン、クロルメチルジメチルクロルシラン、トリオルガノシリルメルカプタン、トリメチルシリルメルカプタン、トリオルガノシリルアクリレート、ビニルジメチルアセトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ヘキサメチルジシロキサン、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン、1,3−ジフェニルテトラメチルジシロキサン及び1分子当たり2から12個のシロキサン単位を有し末端に位置する単位にそれぞれ1個宛の硅素原子に結合した水酸基を含有したジメチルポリシロキサン等が挙げられる。
【0097】
このように球状樹脂粒子表面に対して無機微分末で処理することにより、被覆層中への分散性、被覆層表面の均一性、被覆層の耐汚染性、トナーへの帯電付与性、被覆層の耐摩耗性等を向上させることができる。
【0098】
また、本発明に使用する球状粒子は、導電性であることが好ましい。即ち、球状粒子に導電性を持たせることによって、その導電性のゆえに粒子表面にチャージが蓄積しにくく、トナー付着の軽減やトナーの帯電付与性を向上させることができるからである。本発明において、球状粒子の導電性としては、体積抵抗値が10Ω・cm以下、より好ましくは10〜10Ω・cmの粒子であることが好ましい。
【0099】
本発明において、球状粒子の体積抵抗が10Ω・cmを超えると、摩耗によって被覆層表面に露出した球状粒子を核としてトナーの汚染や融着を発生しやすくなるとともに、迅速且つ均一な帯電が行われにくくなるため、好ましくない。このような導電性球状粒子を得る方法としては、以下に示す様な方法が好ましいが、必ずしもこれらの方法に限定されるものではない。
【0100】
本発明に使用される特に好ましい導電性球状粒子を得る方法としては、例えば、樹脂系球状粒子やメソカーボンマイクロビーズを焼成して炭素化及び/又は黒鉛化して得た低密度且つ良導電性の球状炭素粒子を得る方法が挙げられる。そして、樹脂系球状粒子に用いられる樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、ナフタレン樹脂、フラン樹脂、キシレン樹脂、ジビニルベンゼン重合体、スチレン−ジビニールベンゼン共重合体、ポリアクリロニトリルが挙げられる。
【0101】
又、メソカーボンマイクロビーズは、通常、中ピッチを加熱焼成していく過程で生成する球状結晶を多量のタール、中油、キノリンの如き溶剤で洗浄することによって製造することができる。
【0102】
より好ましい導電性球状粒子を得る方法としては、フェノール樹脂、ナフタレン樹脂、フラン樹脂、キシレン樹脂、ジビニルベンゼン重合体、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体、ポリアクリロニトリルの如き球状樹脂粒子表面に、メカノケミカル法によってバルクメソフェーズピッチを被覆し、被覆された粒子を酸化性雰囲気化で熱処理した後に不活性雰囲気下又は真空下で焼成して炭素化及び/又は黒鉛化し、導電性球状炭素粒子を得る方法が挙げられる。この方法で得る球状炭素粒子は、黒鉛化すると得られる球状炭素粒子の被覆部の結晶化が進んだものとなるので導電性が向上し、より好ましい。
【0103】
上記した方法で得られる導電性の球状炭素粒子は、いずれの方法でも、焼成条件を変化させることによって得られる球状炭素粒子の導電性を制御することが可能であり、本発明において好ましく使用される。又、上記の方法で得られる球状炭素粒子は、場合によっては、更に導電性を高めるために導電性球状粒子の真密度が3g/cmを越えない範囲で、導電性の金属及び/または金属酸化物のメッキを施していても良い。
【0104】
本発明で使用される導電性球状粒子を得る他の方法としては、球状樹脂粒子からなる芯粒子に対して、芯粒子の粒径より小さい粒径の導電性微粒子を適当な配合比で機械的に混合することによって、ファンデルワールスカ及び静電気力の作用により、芯粒子の周囲に均一に導電性微粒子を付着した後、例えば機械的衝撃力を付与することによって生ずる局部的温度上昇により芯粒子表面を軟化させ、芯粒子表面に導電性微粒子を成膜して導電化処理した球状樹脂粒子を得る方法が挙げられる。上記の芯粒子には、有機化合物からなる真密度の小さい球形の樹脂粒子を使用することが好ましく、樹脂としては、例えば、PMMA、アクリル樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、又はこれらの共重合体、ベンゾグアナミン樹脂、フェノール樹脂、ポリアミド樹脂、ナイロン、フッ素系樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル樹脂が挙げられる。芯粒子(母粒子)の表面に付着させる導電性微粒子(小粒子)としては、導電性微粒子被膜を均一に設ける為に、小粒子の粒径が母粒子の粒径の1/8以下のものを使用するのが好ましい。
【0105】
本発明に使用される導電性球状粒子を得る更に他の方法としては、球状樹脂粒子中に導電性微粒子を均一に分散させることにより、導電性微粒子が分散された導電性球状粒子を得る方法が挙げられる。球状樹脂粒子中に導電性微粒子を均一に分散させる方法としては、例えば、結着樹脂と導電性微粒子とを混練して導電性微粒子を分散させた後、冷却固化し、所定の粒径に粉砕し、機械的処理及び熱的処理により球形化して導電性球状粒子を得る方法;又は、重合性単量体中に重合開始剤、導電性微粒子及びその他の添加剤を加え、分散機によって均一に分散せしめた単量体組成物を、分散安定剤を含有する水相中に攪拌機等によって所定の粒子径になるように懸濁させて重合を行ない、導電性微粒子が分散された球状粒子を得る方法;が挙げられる。
【0106】
これらの方法で得た導電性微粒子が分散された導電性球状粒子においても、前記した芯粒子より小さい粒径の導電性微粒子と適当な配合比で機械的に混合して、ファンデルワールス力及び静電気力の作用により、導電性球状粒子の周囲に均一に導電性微粒子を付着させた後、例えば、機械的衝撃力を付与することにより生ずる局部的温度上昇により導電性球状粒子の表面を軟化させ、該表面に導電性微粒子を成膜して、更に導電性を高めて使用してもよい。
【0107】
本発明に使用する現像剤担持体を構成する被覆層には、更に潤滑粒子を併用して分散させると、より本発明の効果が促進されるため好ましい。
【0108】
この潤滑性粒子としては、例えば、グラファイト、二硫化モリブデン、窒化硼素、雲母、フッ化グラファイト、銀−セレン化ニオブ、塩化カルシウム−グラファーイト、滑石、ステアリン酸亜鉛等の脂肪酸金属塩等が挙げられ、中でもグラファイト粒子が導電性被覆層の導電性が損なわれないので特に好ましく用いられる。これらの潤滑性粒子は、個数平均粒径が好ましくは0.2〜20μm程度、より好ましくは1〜15μmのものを使用するのが良い。潤滑性粒子の個数平均粒径が0.2μm未満の場合には、潤滑性が十分に得られ難く好ましくなく、個数平均粒径が20μmを越える場合には、導電性被覆層表面の粗さが不均一となり、トナーの均一な帯電化、及び被覆層の強度の点で好ましくない。
【0109】
次に本発明に用いる現像剤担持体の構成にて説明する。
【0110】
本発明に用いる現像剤担持体は、主として基体である金属円筒管及びそれを取り巻いて被覆する導電性樹脂とから構成される。金属円筒管は主として、ステンレススチール及びアルミニウムが好適に用いられる。
【0111】
樹脂被覆層を構成する各成分の構成比について説明するが、これは本発明において特に好ましい範囲である。
【0112】
樹脂被覆層中に含有させる該電荷移動結合体の含窒素ポリ硼素化合物の含有量としては、全結着樹脂中に好ましくは1〜20質量%、より好ましくは2〜15質量%の範囲で特に好ましい結果を与える。該電荷移動結合体の含窒素ポリ硼素化合物の含有量が1質量%未満の場合には、トナーが迅速且つ均一に帯電せず過剰帯電しやすくなり、濃度ムラ、ポジスリーブゴースト、画像濃度低下等を発生しやすくなる。電荷移動結合体の含窒素ポリ硼素化合物の含有量が20質量%を超える場合には、樹脂被覆層のトナーへの帯電付与能力が落ちて、画像濃度低下やカブリ、トナー飛散、文字ラインのシャープ性等が悪化しやすく、更に電荷移動結合体の含窒素ポリ硼素化合物の樹脂被覆層中での分散性が悪化し、樹脂被覆層の被膜強度も低下しやすくなる。
【0113】
樹脂被覆層中に含有させる導電性微粒子の含有量としては、結着樹脂100質量部に対して、好ましくは40質量部以下、より好ましくは2〜35質量部の範囲で使用すると特に好ましい結果が得られる。
【0114】
即ち、導電性微粒子の含有量が40質量部を越える場合には、被膜強度の低下及びトナーの帯電量の低下が認められ好ましくない。
【0115】
樹脂被覆層中に球状粒子を併用して含有させる場合には、球状粒子の含有量は、結着樹脂100質量部に対して好ましくは2〜120質量部、より好ましくは2〜80質量部の範囲で特に好ましい結果を与える。球状粒子の含有量が2質量部未満の場合には球状粒子の添加効果が小さく、120質量部を越える場合にはトナーの帯電性が低くなり過ぎてしまう場合がある。
【0116】
樹脂被覆層中に潤滑性粒子を併用して含有させる場合には、潤滑性粒子の含有量は、結着樹脂100質量部に対して好ましくは5〜120質量部、より好ましくは10〜100質量部の範囲で特に好ましい結果を与える。潤滑性粒子の含有量が120質量部を越える場合には、被膜強度の低下及びトナーの帯電量の低下が認められ、5質量部未満では7μm以下の小粒径トナーを用いて長時間使用した場合など、被覆層表面にトナーの汚染が発生しやすくなる傾向がある。
【0117】
本発明において、被覆層表面の粗度としては、中心線平均粗さ(以下、「Ra」と称す。)が、好ましくは0.3〜3.5μmの範囲内であり、より好ましくは0.5〜3.0μmの範囲内であることが良い。被覆層表面のRaが0.3μm未満の場合には、トナーの搬送性が低下してしまい十分な画像濃度が得られなくなる場合があり、被覆層表面のRaが3.5μmを越える場合には、トナーの搬送量が多くなり過ぎてトナーが十分に帯電できなくなり、いずれも好ましくない。
【0118】
上記したような構成の被覆層の層厚は、好ましくは25μm以下、より好ましくは20μm以下、更に好ましくは4〜20μmであること均一な膜厚を得るために好ましいが、特にこの層厚に限定されるものではない。
【0119】
本発明において、樹脂被覆層を形成する方法としては、例えば、各成分を溶剤中に分散混合して塗料化し、前記基体上に塗工することにより得ることが可能である。各成分の分散混合には、サンドミル、ペイントシェーカー、ダイノミル、パールミルの如きビーズを利用した公知の分散装置が好適に利用可能である。塗工方法としては、ディッピング法、スプレー法、ロールコート法が適応可能である。
【0120】
次に上記したような本発明の現像剤担持体が組み込まれた現像装置、画像形成方法及びプロセスカートリッジについて説明する。
【0121】
図1は、非磁性一成分現像剤を用いた場合に用いられる現像装置の構成の一例を模式的に示す。
【0122】
図1において、公知のプロセスにより形成された静電潜像を担持する像担持体、例えば電子写真感光ドラム1は、矢印B方向に回転される。現像剤担持体としての現像スリーブ8は、金属製円筒管(基体)6とその表面に形成される樹脂被膜層7から構成されている。非磁性一成分現像剤を用いるために金属製円筒管6の内部には磁石は内設されていない。金属製円筒管の替わりに円柱状部材を用いることもできる。
【0123】
現像器であるホッパー3中には非磁性一成分現像剤4を攪拌するための攪拌翼10が設けられている。
【0124】
現像スリーブ8に現像剤4を供給し、かつ現像後の現像スリーブ8の表面に存在する現像剤4を剥ぎ取るための現像剤供給・剥ぎ取り部材2が現像スリーブ8に当接している。現像剤供給・剥ぎ取り部材である供給・剥ぎ取りローラ2が現像スリーブ8と同じ方向に回転することにより、供給・剥ぎ取りローラ2の表面は、現像スリーブ8の表面とカウンター方向に移動することになり、ホッパー3から供給された非磁性トナーを有する一成分非磁性現像剤は、現像剤スリーブ8に供給され、現像スリーブ8が一成分現像剤4を担持して、矢印A方向に回転することにより、現像スリーブ8と感光ドラム1とが対向した現像部Dに非磁性一成分現像剤4を搬送する。現像スリーブ8に担持されている一成分現像剤は、現像スリーブ8の表面に対して現像剤層を介して圧接する現像剤層厚規制部材11により現像剤層厚が規定される。非磁性一成分現像剤4は現像スリーブ8との摩擦により、感光ドラム1上の静電潜像を現像可能な摩擦帯電電荷を得る。
【0125】
現像スリーブ8上に形成される非磁性一成分現像剤4の薄層の厚みは、現像部における現像スリーブ8と感光ドラム1との間の最小間隙Dよりも更に薄いものであることが好ましい。このような現像剤層により静電潜像を現像する非接触型現像装置に、本発明は特に有効である。しかし、現像部において現像剤層の厚みが現像スリーブ8と感光ドラム1との間の最小間隙D以上の厚みである接触型現像装置にも、本発明は適用することができる。
【0126】
説明の煩雑を避けるため、以下の説明では、非接触型現像装置を例に採って行う。上記現像スリーブ8には、これに担持された非磁性トナーを有する一成分非磁性現像剤4を飛翔させるために、電源9により現像バイアス電圧が印加される。この現像バイアス電圧として直流電圧を使用するときは、静電潜像の画像部(非磁性現像剤4が付着して可視化される領域)の電位と背景部の電位との間の値の電圧が、現像スリーブ8に印加されることが好ましい。現像画像の濃度を高め或いは階調性を向上するために、現像スリーブ8に交番バイアス電圧を印加して、現像部に向きが交互に反転する振動電界を形成してもよい。この場合、上記画像部の電位と背景部の電位の間の値を有する直流電圧成分が重畳された交番バイアス電圧を現像スリーブ8に印加することが好ましい。
【0127】
高電位部と低電位部を有する静電潜像の高電位部に現像剤を付着させて可視化する所謂正規現像では、静電潜像の極性と逆極性に帯電する現像剤を使用する。静電潜像の低電位部にトナーを付着させて可視化する所謂反転現像では、現像剤は静電潜像の極性と同極性に帯電する現像剤を使用する。高電位と低電位というのは、絶対値による表現である。いずれにしても、非磁性一成分現像剤4は現像スリーブ8との摩擦により静電潜像を現像するための極性を帯電する。
【0128】
現像剤供給・剥ぎ取り部材としては、樹脂、ゴム、スポンジの如き弾性ローラ部材が好ましい。剥ぎ取り部材としては、弾性ローラに代えてベルト部材又はブラシ部材を用いることもできる。感光体1に現像移行されなかった現像剤を現像剤供給・剥ぎ取り部材2により、一旦スリーブ表面から剥ぎ取ることにより、スリーブ上の不動の現像剤の発生を防いだり、現像剤の帯電を均一化する働きを有する。
【0129】
現像剤供給・剥ぎ取り部材として弾性ローラからなる供給・剥ぎ取りローラ2を用いる場合には、供給・剥ぎ取りローラ2の周速は、表面がカウンター方向に回転する場合、現像スリーブ8の周速100%に対して、好ましくは20〜120%、より好ましくは30〜100%であることが良い。
【0130】
供給・剥ぎ取りローラ2の周速が20%未満の場合には、現像剤の供給が不足し、ベタ画像の追従性が低下し、ゴースト画像の原因となり、120%を超える場合には、現像剤の供給量が多くなり現像剤層厚の規制不良や帯電量不足によるカブリの原因となり、さらにトナーにダメージを与えやすいため、トナー劣化によるカブリやトナー融着の原因となり易い。
【0131】
供給・剥ぎ取りローラの回転方向が現像スリーブの表面と同(順)方向の場合には、供給ローラの周速は、スリーブ周速に対して、好ましくは100〜300%、より好ましくは101〜200%であることが上記のトナー供給量の点で良い。供給・剥ぎ取りローラの回転方向は、現像スリーブの表面とカウンター方向に回転することが、剥ぎ取り性及び供給性の点でより好ましい。
【0132】
現像スリーブ8に対する現像剤供給・剥ぎ取り部材2の侵入量は、0.5〜2.5mmであることが、現像剤の供給及び剥ぎ取り性の点で好ましい。
【0133】
現像剤供給・剥ぎ取り部材2の侵入量が0.5mm未満の場合には、剥ぎ取り不足により、ゴーストが発生し易くなり、侵入量が2.5mmを超える場合には、トナーのダメージが大きくなり、トナー劣化により融着やカブリの原因となり易い。
【0134】
図1の現像装置では、現像スリーブ8上の非磁性一成分現像剤4の層厚を規制する部材として、ウレタンゴム、シリコーンゴムの如きゴム弾性を有する材料、或いはリン青銅、ステンレス銅の如き金属弾性を有する材料の弾性規制ブレード11を使用し、この弾性規制ブレード11を図1の現像装置では現像スリーブ8に回転方向と逆の姿勢で圧接させ、現像スリーブ8上に更に薄い現像剤層を形成することができる。
【0135】
この弾性規制ブレード11としては、特に安定した規制力とトナーへの安定した(負)帯電付与性のためには、安定した加圧力の得られるリン青銅板表面にポリアミドエラストマー(PAE)を貼り付けた構造のものを用いることが好ましい。ポリアミドエラストマー(PAE)としては、例えばポリアミドとポリエーテルの共重合体が挙げられる。
【0136】
現像スリーブ8に対する現像剤層厚規制部材11の当接圧力は、線圧5〜50g/cmであることが、現像剤の規制を安定化させ、現像剤層厚を好適にさせることができる点で好ましい。
【0137】
現像剤層厚規制部材11の当接圧力が線圧5g/cm未満の場合には、現像剤の規制が弱くなり、カブリやトナーもれの原因となり、線圧50g/cmを超える場合には、トナーへのダメージが大きくなり、トナー劣化やスリーブ及びブレードへの融着の原因となり易い。
【0138】
本発明の現像剤担持体は、このような現像スリーブ8に対して、現像剤供給・剥ぎ取り部材2及び現像剤層厚規制部材11が圧接する装置に適用した場合に、特に有効である。
【0139】
すなわち、現像スリーブ8に対して、現像剤供給・剥ぎ取り部材12及び現像剤層厚規制部材11が圧接する場合には、現像スリーブ8の表面がこれらの圧接される部材によって摩耗や現像剤の融着がより生じ易い使用環境にあることから、本発明の多数枚耐久性に優れた樹脂被覆層を有する現像剤担持体による効果が有効に発現することになる。
【0140】
図2は、磁性一成分現像剤を本発明の現像剤担持体を有する一実施形態の現像装置の模式図を示す。
【0141】
図2において、公知のプロセスにより形成された静電潜像を保持する静電潜像保持体、例えば、電子写真感光ドラム1は、矢印B方向に回転される。現像剤担持体としての現像スリーブ18は、現像剤容器としてのホッパー13によって供給された磁性トナーを有する一成分系現像剤14を担持して、矢印A方向に回転することによって、現像スリーブ18と感光ドラム1とが対向している現像領域Dに現像剤14を搬送する。図2に示すように、現像スリーブ18内には、現像剤14を現像スリーブ18上に磁気的に吸引且つ保持する為に、磁石が内接されているマグネットローラ15が配置されている。
【0142】
本発明の現像装置で用いられる現像スリーブ18は、基体としての金属円筒管16上に被覆された導電性被覆層17を有する。ホッパー13中には、現像剤14を攪拌するための攪拌翼20が設けられている。12は現像スリーブ18とマグネットローラ5とが非接触状態にあることを示す間隙である。
【0143】
現像剤14は、磁性トナー相互間及び現像スリーブ18上の導電性被覆層17との摩擦により、感光ドラム1上の静電潜像を現像することが可能な摩擦帯電電荷を得る。図2の例では、現像領域Dに搬送される現像剤14の層厚を規制するために、現像剤層厚規制部材としての強磁性金属製の磁性規制ブレード22が、現像スリーブ18の表面から約50〜500μmのギャップ幅を持った現像スリーブ18に臨む様に、ホッパー13から垂下されている。マグネットローラ15の磁極N1から磁力線が磁性規制ブレード22に集中することにより、現像スリーブ18上に現像剤14の薄層が形成される。本発明においては、この磁性規制ブレード22にかえて非磁性ブレードを使用することもできる。
【0144】
この様にして、現像スリーブ18上に形成される現像剤14の薄層の厚みは、現像領域Dにおける現像スリーブ18と感光ドラム1との間の最小間隙よりも更に薄いものであることが好ましい。
【0145】
本発明の現像剤担持体は、以上の様な現像剤の薄層により静電潜像を現像する方式の現像装置、即ち、非接触型現像装置に組み込むのが特により均一且つ迅速にトナーを帯電させることで、より高品質・高画質を達成できる現像装置であることから有効であるが、現像領域Dにおいて、現像剤層の厚みが現像スリーブ18と感光ドラム1との間の最小間隙以上の厚みである現像装置、即ち接触型現像装置にも本発明の現像剤担持体を適用することができる。
【0146】
説明の煩雑を避けるため、以下の説明では、上記したような非接触型現像装置を例に採って行う。
【0147】
上記現像スリーブ18に担持された磁性トナーを有する一成分系現像剤14を飛翔させる為、上記現像スリーブ18にはバイアス手段としての現像バイアス電源19により現像バイアス電圧が印加される。この現像バイアス電圧として直流電圧を使用するときに、静電潜像の画像部(現像剤14が付着して可視化される領域)の電位と背景部の電位との間の値の電圧を現像スリーブ18に印加するのが好ましい。
【0148】
現像された画像の濃度を高め、或は階調性を向上するためには、現像スリーブ18に交番バイアス電圧を印加し、現像領域Dに向きが交互に反転する振動電界を形成してもよい。この場合には、上記した現像画像部の電位と背景部の電位の中間の値を有する直流電圧成分を重畳した交番バイアス電圧を現像スリーブ18に印加するのが好ましい。
【0149】
高電位部と低電位部を有する静電潜像の高電位部にトナーを付着させて可視化する、所謂、正規現像の場合には、静電潜像の極性と逆極性に帯電するトナーを使用する。
【0150】
高電位部と低電位部を有する静電潜像の低電位部にトナーを付着させて可視化する、所謂、反転現像の場合には、静電潜像の極性と同極性に帯電するトナーを使用する。
【0151】
高電位、低電位というのは、絶対値による表現である。これらいずれの場合にも、現像剤14は少なくとも現像スリーブ18との摩擦により帯電する。
【0152】
図3は、本発明の現像装置の第3の実施形態を示す構成模式図であり、図4は、本発明の現像装置の第4の実施形態を示す構成模式図である。
【0153】
図3及び図4に示した現像装置では、現像スリーブ18上の現像剤14の層厚を規制する現像剤層厚規制部材として、ウレタンゴム、シリコーンゴムの如きゴム弾性を有する材料、或いはリン青銅、ステンレス鋼の如き金属弾性を有する材料の弾性板からなる弾性規制ブレード21を使用する。この弾性規制ブレード21は、図3の現像装置では現像スリーブ18の回転方向と逆方向の向きで圧接されており、図4の現像装置では、現像スリーブ18の回転方向と順方向の向きで圧接されているのが特徴である。
【0154】
これらの現像装置では、現像スリーブ18に対して、現像剤層を介して現像剤層厚規制部材21を弾性的に圧接することによって、現像スリーブ上に現像剤の薄層を形成することから、現像スリーブ18上に、上記した図2の引用例の場合よりも更に薄い現像剤層を形成することができる。
【0155】
図3及び図4の現像装置の他の基本的構成は図2に示した現像装置と同じであり、同符号のものは、基本的に同一の部材であることを示す。
【0156】
図2乃至図4はあくまでも本発明の現像装置を模式的に例示したものであり、現像剤容器(ホッパー13)の形状、攪拌翼20の有無、極性の配置に様々な形態があることは言うまでもない。勿論、これらの装置では、トナーとキャリアを含む二成分系現像剤を用いる現像に使用することもできる。
【0157】
図5を参照しながら、図1で例示した本発明の現像剤担持体を有する現像装置を使用した画像形成装置の一例について説明する。
【0158】
先ず、一次帯電手段としての接触(ローラ)帯電手段29により静電潜像担持体としての感光ドラム1の表面を負極性に帯電し、レーザー光の露光25によるイメージスキャニングによりデジタル潜像が感光ドラム1上に形成される。次に、現像剤層厚規制部材としての弾性規制ブレード11を有し、現像剤担持体としての現像スリーブ8が具備されている現像装置によって、上記のデジタル潜像が、現像容器としてのホッパー3内の非磁性トナーを有する負帯電性一成分系現像剤4によって反転現像される。図3に示す様に、現像領域Dにおいて感光ドラム1の導電性基体は接地されており、現像スリーブ8にはバイアス印加手段9により交互バイアス、パルスバイアス及び/又は直流バイアスが印加されている。次に、被記録材Pが搬送されて転写部に来ると、転写手段としての接触(ローラ)転写手段23により被記録材Pの背面(感光ドラム側と反対面)から電圧印加手段24で帯電されることにより、感光ドラム1の表面上に形成されている現像画像が接触転写手段23で被記録材P上へ転写される。次に、感光ドラム1から分離された被記録材Pは、定着手段としての加熱加圧ローラ定着器27に搬送され、該定着器27によって被記録材P上の現像画像の定着処理がなされる。
【0159】
転写工程後の感光ドラム1に残留する一成分系現像剤4は、クリーニングブレード28aを有するクリーニング手段28で除去される。残留する一成分系現像剤4が少ない場合には、クリーニング工程を省くことも可能である。クリーニング後の感光ドラム1は、必要によりイレース露光26により除電され、再度、一次帯電手段としての接触(ローラ)帯電手段29による帯電工程から始まる上記工程が繰り返される。
【0160】
上記の一連の工程において、感光ドラム(即ち、静電潜像担持体)1は感光層及び導電性基体を有するものであり、矢印方向に動く。現像剤担持体である非磁性の円筒の現像スリーブ8は、現像領域Dにおいて感光ドラム1の表面と同方向に進む様に回転する。現像スリーブ8の表部には、供給ローラ12が接触し、かつ現像スリーブ8の表面の移動方向と逆方向に表面が移動するように回転している。この供給ローラ2の回転によって、ホッパー3内の一成分系現像剤4は、現像スリーブ8上に塗布されて担持され、且つ現像スリーブ8の表面との摩擦及び/又は非磁性トナー同士の摩擦によって、例えば、マイナスのトリボ電荷が与えられる。更に、弾性規制ブレード11を現像剤層を介して現像スリーブ8を弾性的に押圧する様に設け、現像剤層の厚さを薄く(30μm〜300μm)且つ均一に規制して、現像領域Dにおける感光ドラム1と現像スリーブ8との間隙よりも薄い現像剤層を形成させる。現像スリーブ8の回転速度を調整することによって、現像スリーブ8の表面速度が感光ドラム1の表面の速度と実質的に等速、もしくはそれに近い速度となる様にする。現像領域Dにおいて、現像スリーブ8に現像バイアス電圧として、交流バイアス又はパルスバイアスをバイアス印加手段9により印加してもよい。この交流バイアスはfが200〜4,000Hz、Vppが500〜3,000Vであればよい。
【0161】
現像領域Dにおける現像剤の移転に際し、感光ドラム1の表面の静電気力、及び交流バイアス又はパルスバイアスの如き現像バイアス電圧の作用によって、現像剤は静電潜像側に移転する。
【0162】
一次帯電手段としては、以上の如く接触帯電手段として帯電ローラ29を用いて説明したが、帯電ブレード、帯電ブラシの如き接触帯電手段でもよく、更に非接触のコロナ帯電手段でもよい。しかしながら、帯電によるオゾンの発生が少ない点で接触帯電手段の方が好ましい。
【0163】
転写手段としては、以上の如く転写ローラ23の如き接触転写手段を用いて説明したが、非接触のコロナ転写手段でもよい。しかしながら、こちらも転写によるオゾンの発生が少ない点で接触転写手段の方が好ましい。
【0164】
図6を参照しながら、図4で例示した本発明の現像装置を使用した画像形成装置の一例について説明する。
【0165】
一次帯電手段としての接触(ローラ)帯電手段119により静電潜像保持体としての感光ドラム101の表面を負極性に帯電し、レーザー光の露光115によるイメージスキャニングによりデジタル潜像が感光ドラム101上に形成される。現像剤層厚規制部材としての弾性規制ブレード111を有し、多極永久磁石105が内包されている現像剤担持体としての現像スリーブ108が具備されている現像装置によって、上記のデジタル潜像が、ホッパー103内の磁性トナーを有する一成分系現像剤104によって反転現像される。図6に示すように、現像領域Dにおいて感光ドラム101の導電性基体は接地されており、現像スリーブ108にはバイアス印加手段109により交互バイアス、パルスバイアス及び/又は直流バイアスが印加されている。被記録材Pが転送されて転写部に来ると、転写手段としての接触(ローラ)転写手段113により被記録材の背面(感光ドラム側と反対面)から電圧印加手段114で帯電されることにより、感光ドラム101の表面上に形成されている現像画像(トナー画像)が接触転写手段113で被記録材P上へ転写される。感光ドラム101から分離された被記録材Pは、定着手段としての加熱加圧ローラ定着器117に搬送され、該定着器117によって被記録材P上のトナー画像の定着処理がなされる。
【0166】
転写工程後の感光ドラム101に残留する一成分系現像剤104は、クリーニングブレード118aを有するクリーニング手段118で除去される。残留する一成分系現像剤104が少ない場合にはクリーニング工程を省くことも可能である。クリーニング後の感光ドラム101は、必要によりイレース露光116により除電され、再度、一次帯電手段としての接触(ローラ)帯電手段119による帯電工程から始まる上記工程が繰り返される。
【0167】
上記の一連の工程において、感光ドラム(即ち、静電潜像保持体)101は感光層及び導電性基体を有するものであり、矢印方向に動く。現像剤担持体である非磁性の円筒の現像スリーブ108は、現像領域Dにおいて感光ドラム101の表面と同方向に進むように回転する。現像スリーブ108の内部には、磁界発生手段である多極永久磁石(マグネットロール)105が回転しないように配されている。現像剤容器103内の一成分系現像剤104は、現像スリーブ108上に塗布されて担持され、且つ現像スリーブ108の表面との摩擦及び/又は磁性トナー同士の摩擦によって、例えば、マイナスのトリボ電荷が与えられる。更に、弾性規制ブレード111を現像スリーブ108を弾性的に押圧する様に設け、現像剤層の厚さを薄く(30〜300μm)且つ均一に規制して、現像領域Dにおける感光ドラム101と現像スリーブ108との間隙よりも薄い現像剤層を形成させる。現像スリーブ108の回転速度を調整することによって、現像スリーブ108の表面速度が感光ドラム101の表面の速度と実質的に等速、若しくはそれに近い速度となるようにする。現像領域Dにおいて、現像スリーブ108に現像バイアス電圧として、交流バイアス又はパルスバイアスをバイアス印加手段109により印加してもよい。この交流バイアスはfが200〜4,000Hz、Vppが500〜3,000Vであればよい。現像領域Dにおける現像剤(磁性トナー)の転移に際し、感光ドラム101の表面の静電気力、及び交流バイアス又はパルスバイアスの如き現像バイアス電圧の作用によって、磁性トナーは静電潜像側に移転する。
【0168】
弾性規制ブレード111の代わりに、鉄のごとき磁性ドクターブレードを用いることも可能である。
【0169】
一次帯電手段としては、以上のごとく接触帯電手段として帯電ローラ119を用いて説明したが、帯電ブレード、帯電ブラシの如き接触帯電手段でもよく、更に、非接触のコロナ帯電手段でもよい。しかしながら、帯電によるオゾンの発生が少ない点が接触帯電手段の方が好ましい。転写手段としては、以上のごとく転写ローラ113の如き接触帯電手段を用いて説明したが、非接触のコロナ転写手段でもよい。しかしながら、こちらも転写によるオゾンの発生が少ない点で接触帯電手段の方が好ましい。
【0170】
図7に本発明のプロセスカートリッジの一具体例を示す。
【0171】
以下のプロセスカートリッジの説明において、図6を用いて説明した画像形成装置の構成部材と同様の機能を有するものについては、図6と同じ符号を用いて説明する。
【0172】
本発明のプロセスカートリッジは、少なくとも現像手段としての現像装置と静電潜像保持体とが一体的にカートリッジ化されたものであり、画像形成装置本体(例えば、複写機、レーザービームプリンタ、ファクシミリ装置)に脱離可能に装着される。
【0173】
図7に示した実施形態では、現像手段120、ドラム状の静電潜像保持体(感光ドラム)101、クリーニングブレード118aを有するクリーニング手段118、一次手段としての接触(ローラ)帯電手段119を一体としたプロセスカートリッジ150が例示される。本実施形態では、現像手段120は、弾性規制ブレード111と現像剤容器103内に磁性トナーを有する一成分系現像剤104を有し、該現像剤104を用い、現像時にはバイアス印加手段からの現像バイアス電圧により感光ドラム101と現像スリーブ108との間に所定の電界が形成されて現像工程が実施される。この現像工程を好適に実施するためには、感光ドラム101と現像スリーブ108との間の距離が非常に重要である。
【0174】
上記では、現像手段120、静電潜像保持体101、クリーニング手段118及び一次帯電手段119の4つの構成要素を一体的にカートリッジ化した実施形態について説明したが、本発明においては、現像手段と静電潜像保持体との少なくとも2つの構成要素が一体的にカートリッジ化されたものであれば、現像手段、静電潜像保持体及びクリーニング手段の3つの構成要素、現像手段、静電潜像保持体及び一次帯電手段の3つの構成要素、あるいは、その他の構成要素を加えて一次的にカートリッジ化することも可能である。
【0175】
上述の本発明の画像形成装置をファクシミリのプリンタに適用する場合には、光像露光Lは受信データをプリントするための露光になる。図8はこの場合の1例をブロック図で示したものである。
【0176】
コントローラ21は画像読取部20とプリンタ29を制御する。コントローラ21の全体はCPU27により制御されている。画像読取部からの読取データは、送信回路23を通して相手局に送信される。相手局から受けたデータは受信回路22を通してプリンタ29に送られる。画像メモリには所定の画像データが記憶される。プリンタコントローラ28はプリンタ29を制御している。24は電話である。
【0177】
回線25から受信された画像(回線を介して接続されたリモート端末からの画像情報)は、受信回路22で復調された後、CPU27は画像情報の複合処理を行い順次画像メモリ26に格納される。そして、少なくとも1ページの画像がメモリ26に格納されると、そのページの画像記録を行なう。CPU27は、メモリ26より1ページの画像情報を読み出しプリンタコントローラに複合化された1ページの画像情報を送出する。プリンタコントローラ28は、CPU27からの1ページの画像情報を受け取るとそのページの画像情報記録を行なうべく、プリンタ29を制御する。
【0178】
尚、CPU27は、プリンタ29による記録中に、次のページの受信を行っている。
【0179】
以上の様に、画像の受信と記録が行われる。
【0180】
本発明に於て、装置ユニットは、図1乃至3に示す現像装置を画像形成装置本体(例えば、複写機、レーザービームプリンタファクシミリ装置)に対して着脱可能に装置するものである。
【0181】
装置ユニットとしては、図1乃至3に示す現像装置に加えて、ドラム状の静電潜像保持体(感光ドラム)1、クリーニングブレード28aを有するクリーニング手段28及び一次帯電手段としての接触(ローラ)帯電手段29からなるグループから選択される1種以上の構成部材を一体に有していることも可能である。
【0182】
本発明の画像形成方法をファクシミリのプリンタに適用する場合には、光像露光Lは受信データをプリントするための露光になる。図5はこの場合の一例をブロック図で示したものである。
【0183】
コントローラ31は画像読取部40とプリンタ39を制御する。コントローラ31の全体はCPU37により制御されている。画像読取部からの読取データは、送信回路33を通して相手局に送信される。相手局から受けたデータは受信回路32を通してプリンタ39に送られる。画像メモリには所定の画像データが記憶される。プリンタコントローラ38はプリンタ39を制御している。34は電話である。
【0184】
回路35から受信された画像(回線を介して接続されたリモート端末からの画像情報)は、受信回路32で復調された後、CPU37は画像情報の複合処理を行い順次画像メモリ36に格納される。そして、少なくとも1ページの画像がメモリ36に格納されると、そのページの画像記録を行なう。CPU37は、メモリ36より1ページの画像情報を読み出しプリンタコントローラ38に複合化された1ページの画像情報を送出する。プリンタコントローラ38は、CPU37からの1ページの画像情報を受け取るとそのページの画像情報記録を行なうべく、プリンタ39を制御する。
【0185】
尚、CPU37は、プリンタ39による記録中に、次のページの受信を行っている。
【0186】
以上の様に、画像の受信と記録が行われる。
【0187】
次に、本発明に用いられるトナーを有する現像剤について説明する。
【0188】
トナーは主として結着樹脂、離型剤、荷電制御剤、着色剤を溶融混練し、固化した後粉砕し、しかる後分級などをして粒度分布をそろえた微粉体である。
【0189】
トナーに用いられる結着樹脂としては、一般に公知の樹脂が使用可能である。例えばポリスチレン、ポリ−p−クロルスチレン、ポリビニルスチレンの如きスチレン及びその置換体の単重合体;スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体の如きスチレン系共重合体;ポリ塩化ビニル;フェノール樹脂;天然樹脂変性フェノール樹脂、天然樹脂変性マレイン酸樹脂;アクリル樹脂;メタクリル酸;ポリ酢酸ビニル;シリコーン樹脂;ポリエステル樹脂;ポリウレタン;ポリアミド樹脂;フラン樹脂;エポキシ樹脂;キシレン樹脂;ポリビニルブチラール;テルペン樹脂;クマロンインデン樹脂;石油系樹脂が使用できる。好ましい結着物質としては、スチレン系共重合体もしくはポリエステル樹脂がある。
【0190】
スチレン系共重合体のスチレンモノマーに対するコモノマーとしては、ビニル系モノマーが単独又は複数を組み合わせて用いることができる。ビニル系モノマーとしては、例えばアクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸オクチル、アクリロニトリル、メタクリルニトリル、アクリルアミドの如き二重結合を有するモノカルボン酸もしくはその置換体;例えばマレイン酸、マレイン酸ブチル、マレイン酸メチル、マレイン酸ジメチルの如き二重結合を有するジカルボン酸及びその置換体:例えば塩化ビニル、酢酸ビニル、安息香酸ビニルの如きビニルエステル類;例えばエチレン、プロピレン、ブチレンの如きエチレン系オレフィン類;例えばビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトンの如きビニルケトン類;例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルの如きビニルエーテル類:が挙げられる。
【0191】
スチレン系重合体またはスチレン系共重合体は架橋されていてもよく、また混合樹脂でもかまわない。結着樹脂の架橋剤としては、主として2個以上の重合可能な二重結合を有する化合物を用いても良い。例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタリンの如き芳香族ジビニル化合物;例えばエチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレートの如き二重結合を2個有するカルボン酸エステル;ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビニルスルフォンの如きジビニル化合物;及び3個以上のビニル基を有する化合物;が単独もしくは混合物として用いられる。
【0192】
トナー中には着色剤として顔料を含有することができる。顔料としては、例えば、カーボンブラック、ニグロシン塗料、ランプ黒、スーダンブラックSM、ファースト・イエローG、ベンジジン・イエロー、ピグメント・イエロー、インドファースト・オレンジ、イルガジン・レッド、パラニトロアニリン・レッド、トルイジン・レッド、カーミンFB、パーマネント・ボルドーFRR、ピグメント・オレンジR、リソール・レッド2G、レーキ・レッドC、ローダミンFB、ローダミンBレーキ、メチル・バイオレッドBレーキ、フタロシアニン・ブルー、ピグメント・ブルー、ブリリアント・グリーンB、フタロシアニン・グリーン、オイルイエローGG、ザボン・ファーストイエローCGG、カヤセットY963、カヤセットYG、ザボン・ファーストオレンジRR、オイル・スカーレット、オラゾール・ブラウンB、ザボン・ファーストスカーレットCG、オイルピンクOPが適用できる。
【0193】
トナーを磁性トナーとして用いる場合には、トナーの中に磁性粉を含有させる。このような磁性粉としては、磁場の中におかれて磁化される物質が用いられ、鉄、コバルト、ニッケルの如き強磁性金属の粉末;或いはこの強磁性金属とアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウムの如き他の金属との合金又は混合物;マグネシウム、ヘマタイト、フェライトの如き磁性酸化鉄;磁性酸化鉄の表面或は内部に硅素、アルミニウム、マグネシウムの如き金属イオンの酸化物、金属イオンの含水酸化物、金属イオンの酸化物を含むものが好ましく用いられる。この磁性粉の含有量はトナー重量に対して15〜70質量%が良い。
【0194】
トナーに、定着時の離型性向上、定着性向上の目的で、ワックス類を含有させることができる。そのようなワックス類としては、パラフィンワックス及びその誘導体、マイクロクリスタリンワックス及びその誘導体、フィッシャートロピッシュワックス及びその誘導体、ポリオレフィンワックス及びその誘導体、カルナバワックス及びその誘導体が挙げられる。誘導体には酸化物や、ビニル系モノマーとのブロック共重合物、グラフト変性物を含む。その他、アルコール、脂肪酸、酸アミド、エステル、ケトン、硬化ヒマシ油及びその誘導体、植物系ワックス、動物系ワックス、鉱物系ワックス又はペトロラクタムを利用することもできる。必要に応じて、トナーに荷電制御剤を含有させてもよい。荷電制御剤には、負荷電制御剤及び正荷電制御剤がある。例えばトナーを負荷電性に制御するものとして下記物質がある。例えば有機金属錯体、キレート化合物が有効であり、例えばモノアゾ金属錯体、アセチルアセトン金属錯体、芳香族ハイドロキシカルボン酸の金属錯体、芳香族ダイカルボン酸の金属錯体が挙げられる。さらに、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族モノ及びポリカルボン酸及びそれらの金属塩、それらの無水物、それらのエステル類;又はビスフェノール誘導体類(ビスフェノール)がある。
【0195】
本発明で使用するトナーは、前述した所謂粉砕法によるトナーのみでなく、トナーの一部又は全体が、下記に挙げるような重合法により形成されたトナーを用いても構わない。
【0196】
トナーの製造に重合方法を用いる場合においては、以下のような製造方法によって具体的にトナーを製造することが可能である。先ず、重合性単量体中に低軟化物質からなる離型剤、着色剤、荷電制御剤、重合開始剤、その他の添加剤を加え、ホモジナイザーや超音波分散機によって均一に溶解又は分散せしめた単量体組成物を、分散安定剤を含有する水相中に通常の撹拌機、ホモミキサー又はホモジナイザーにより分散せしめる。そして、好ましくは、単量体組成物からなる液滴が、所望のトナー粒子のサイズとなるように撹拌速度・時間を調整しながら造粒する。その後は、分散安定剤の作用により、粒子状態が維持され、且つ粒子の沈降が防止される程度の撹拌を行いながら、重合温度40℃以上、一般的には、50〜90℃の温度に設定して重合を行う。重合反応後半に昇温してもよく、更に、画像形成における耐久特性向上の目的から、未反応の重合性単量体や副生成物等除去するために、反応後半、又は反応終了後に一部水系媒体を留去して重合を行なってもよい。反応終了後、生成したトナー粒子を洗浄・ろ過により回収し、その後、乾燥する。上記したような懸濁重合法においては、通常、単量体組成物100質量部に対して水300〜3,000質量部の分散媒体を使用することが好ましい。離型剤のトナー中の含有量としては、好ましくは0.1〜50質量%、より好ましくは0.5〜30質量%であることが良い。
【0197】
トナーの重量に対する離型剤の含有量が0.1質量%未満の場合には、含有量が少なく、離型剤の添加による定着部材に対する離型性効果が少なく、50質量%を超える場合には、離型剤がトナー表面に存在する量が多くなり、現像剤担持体表面を汚染しやすくなり好ましくない。
【0198】
本発明において、重合法で製造されるトナーは、前述の重合性単量体の重合によって合成された樹脂に加えて他の樹脂を含有することができる。
【0199】
このような他の樹脂をさらに含有するトナーは、重合法によるトナー粒子の製造過程において、少なくとも重合性単量体及び着色剤と共にこの他の樹脂を添加して重合性単量体組成物を調製し、この調製された重合性単量体組成物を重合することによって製造することができる。
【0200】
例えば、水溶性のため水性懸濁液中では溶解して乳化重合を起こすため使用することができないアミノ基、カルボン酸基、水酸基、スルフォン酸基、グリシジル基、ニトリル基の如き親水性官能基含有の重合性単量体成分をトナー粒子中に導入する時には、これらとスチレンあるいはエチレンの如きビニル化合物とのランダム共重合体、ブロック共重合体、あるいはグラフト共重合体の如き共重合体の形にして、あるいはポリエステル、ポリアミドの如き重縮合体、ポリエーテル、ポリイミンの如き重付加合体の形とすれば、使用することが可能となる。こうした極性官能基を含む高分子重合体をトナー中に共存させることは、重合性単量体組成物の水系媒体中での重合時に前述の離型剤としてのワックスを相分離させ、トナー粒子においてより内包化が強力となり、トナーの性能を向上させることが出来るので好ましい態様である。
【0201】
この極性官能基を含む高分子重合体のトナーの重量に対する含有量としては、好ましくは1〜20質量%、より好ましくは2〜16質量%であることが良い。
【0202】
この極性官能基を含む高分子重合体の含有量が1質量%未満の場合には、内包化させた離型剤としてのワックスがトナー表面に出て離型効果を発揮するには少な過ぎ、20質量%を超える場合には、離型剤としてのワックスを内包させるのが難しくなり、結果として現像剤担持体表面の汚染が早くなり好ましくない。
【0203】
本発明の現像剤担持体は、上記の重合法で製造されたトナーを用いた場合に特に好ましい。
【0204】
すなわち、重合法で製造したトナーは、球状を示すことから転写性にも優れ、またワックスをトナー粒子中に内包可能なことから定着性、耐オフセット性に優れる。さらには形状がそろっていることから粉砕法に比べ均一に摩擦帯電され易い。しかしながら、球状であるためにすべりやすく、また表面積が粉砕法で製造した粉砕トナーに比べ小さいため摩擦帯電の立上りが遅いために、スリーブ上に担持搬送されにくい。この点本発明の現像剤担持体を用いることで摩擦帯電の立上りを早くし、かつ均一化させることで現像剤担持体への担持性を向上させ十分な現像性を実現できる。また先に述べた形状に基づく理由で粉砕トナーの方が摩擦帯電分布がブロードになり易いため、重合法で製造した重合トナーの方がカブリやハーフトーンの均一性を高くすることが可能となる。
【0205】
トナーは必要に応じて、流動性改善の目的で無機微粉末の如き粉末を外添して用いられる。このような微粉末としては、無機微粉体が好ましく用いられる。無機微粉体としては、例えば、シリカ微粉末、アルミナ、チタニア、酸化ゲルマニウム、酸化ジルコニウムの如き金属酸化物;炭化ケイ素、炭化チタンの如き炭化物;及び窒化ケイ素、窒化ゲルマニウムの如き窒化物が挙げられる。
【0206】
これらの無機微粉体は、有機ケイ素化合物、チタンカップリング剤の如き有機処理剤によって有機処理して用いることが可能である。例えば有機ケイ素化合物としては、ヘキサメチルジシラザン、トリメチルシラン、トリメチルクロルシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジクロルシラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルクロルシラン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、ブロムメチルジメチルクロルシラン、α−クロルエチルトリクロルシラン、β−クロルエチルトリクロルシラン、クロルメチルジメチルクロルシラン、トリオルガノシリルメルカプタン、トリメチルシリルメルカプタン、トリオルガノシリルアクリレート、ビニルジメチルアセトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ヘキサメチルジシロキサン、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン、1,3−ジフェニルテトラメチルジシロキサン、および1分子当り2〜12個のシロキサン単位を有す末端に位置する単位にそれぞれ1個宛てのSiに結合した水酸基を含有するジメチルポリシロキサンがある。
【0207】
上記シランカップリング剤により無機微粉体を処理する方法としては、例えば、スプレー法、有機溶媒法及び水溶液法などがある。一般に、スプレー法による処理とは、ピグメントを撹拌しここにカップリング剤の水溶液あるいは溶媒液をスプレーし、この後水あるいは溶媒を120〜130℃程度で除去乾燥する。ある有機溶媒法による処理とは、少量の水とともに加水分解用触媒を含む有機溶媒(アルコール、ベンゼン、ハロゲン化炭化水素等)にカップリング剤を溶解し、これにピグメントを浸漬した後、濾過或は圧搾により固液分離を行い120〜130℃程度で乾燥させるものである。水溶液法とは0.5%程度のカップリング剤を、一定pHの水域は水−溶媒中で加水分解させ、ここにピグメントを浸漬した後、同様に固液分離を行い乾燥するものである。
【0208】
他の有機処理としてシリコーンオイルで処理された微粉体を用いることも可能である。シリコーンオイルとしては、一般に次の式(6)により示されるものである。
【外25】
Figure 2004333636
〔式中、R′はアルキル基(例えばメチル基)、アリール基を示し、nは整数を示す。〕
【0209】
好ましいシリコーンオイルとしては、25℃における粘度がおよそ0.5〜10000mm/s、好ましくは1〜1000mm/sのものが用いられ、例えばメチルハイドロジエンシリコーンオイル、ジメチルシリコーンオイル、フェニルメチルシリコーンオイル、クロルフェニルメチルシリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、脂肪酸変性シリコーンオイル、ポリオキシアルキレン変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイルが挙げられる。
【0210】
上記シリコーンオイルによる処理は、例えば次のようにして行い得る。必要に応じて加熱しながら顔料を激しく撹乱しておき、これに上記シリコーンオイル或はその溶液をスプレーもしくは気化して吹き付けるか、又は顔料をスラリー状にしておき、これを撹拌しつつシリコーンオイル或はその溶液を滴下することによって容易に処理できる。
【0211】
これらのシリコーンオイルは1種あるいは2種以上の混合物あるいは併用や多重処理して用いられる。また、シランカップリング剤による処理と併用しても構わない。
【0212】
本発明において、トナー粒子の重量平均粒径(D4)は、好ましくは3〜12μm、より好ましくは3〜8μmであることが高画像濃度と高画質化の両立の点で良い。
【0213】
トナー粒子の重量平均粒径が3μm未満の場合には、トナー飛散、カブリの如き欠陥を生じ、12μmを超える場合には、微小ドットの再現性の低下あるいは、転写時の飛び散りが生じ高画質化の妨げとなる。
【0214】
このトナー粒子の粒度分布として4μm以下のトナー粒子が30個数%以下、好ましくは5〜20個数%、10.1μm以上のトナー粒子が15体積%以下、好ましくは0.1〜10体積%であることが、トナーの帯電が均一化して好ましい。4μm以下のトナー粒子が30個数%より多いと、カブリの発生が生じ易くなる。10.1μm以上のトナー粒子が10体積%より多いと、飛び散りが生じ易くなる。
【0215】
以下に本発明に関わる物性の測定方法について述べる。
(1)中心線平均粗さ(Ra)の測定
JIS B0601の表面粗さに基づき、小坂研究所製サーフコーダーSE−3300にて、軸方向3点×周方向2点=6点について各々測定し、その平均値をとった。
(2)粒子の体積抵抗の測定
粒状試料を40mmφのアルミリングに入れ、2500Nで加圧成型し、抵抗率計ロレスタAP、又はハイレスタIP(共に三菱油化製)にて4端子プローブを用いて体積抵抗値を測定する。なお、測定環境は、20〜25℃,50〜60%RHとする。
(3)被覆層の体積抵抗の測定
100μmの厚さのPETシート上に7〜20μmの厚さの被覆層を形成し、ASTM規格(D−991−82)及び、日本ゴム協会標準規格SRIS(2301−1969)に準拠した、導電性ゴム及びプラスチックの体積抵抗測定用の4端子構造の電極を設けた電圧降下式デジタルオーム計(川口電機製作所製)を使用して測定した。尚、測定環境は20〜25℃、50〜60RH%とする。
(4)球状粒子の真密度の測定
本発明で使用する導電性球状粒子の真密度は、乾式密度計アキュピック1330(島津製作所製)を用いて測定した。
(5)球状粒子の粒径測定
レーザー回折型粒度分布計のコールターLS−130型粒度分布計(コールター社製)を用いて測定する。測定方法としては、水系モジュールを用い、測定溶媒としては純水を使用する。純水にて粒度分布計の測定系内を約5分間洗浄し、消泡剤として測定系内に亜硫酸ナトリウムを10〜25mg加えて、バックグラウンドファンクションを実行する。
【0216】
次に純水10ml中に界面活性剤3〜4滴を加え、更に測定試料を5〜25mg加える。試料を懸濁した水溶液は超音波分散機で約1〜3分間分散処理を行ない試料液を得て、前記測定装置の測定系内に試料液を徐々に加えて、装置の画面上のPIDSが45〜55%になるように測定系内の試料濃度を調整して測定を行い、個数分布から算術した個数平均粒径を求める。
(6)導電性微粒子の粒径測定
電子顕微鏡を用いて、導電性微粒子の粒径を測定する。撮影倍率は6万倍とするが、難しい場合は低倍率で撮影した後に6万倍となるように写真を拡大プリントする。写真上で1次粒子の粒径を測る。この際、長軸と短軸を測り、平均した値を粒径とする。これを、100サンプルについて測定し、50%値をもって平均粒径とする。
(7)トナー粒径の測定
コールターマルチサイザー(コールター社製)を用いて測定する。電解液は1級塩化ナトリウムを用いて1%NaCl水溶液を調製する。たとえば、ISOTON R−II(コールターサイエンティフィックジャパン社製)が使用できる。測定法としては、前記電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩を0.1〜5ml加え、更に測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行ない前記測定装置によりアパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、2μm以上のトナーの体積、個数を測定して体積分布と個数分布とを算出した。
【0217】
それから、本発明に係る体積分布から求めた重量基準の重量平均粒径(D4:各チャンネルの中央値をチャンネル毎の代表値とする)を求める。
(8)トナーの摩擦帯電特性の測定
現像スリーブ上に担持されたトナーを金属円筒管と円筒フィルターにより吸引捕集し、その時金属円筒管を通じてコンデンサーに蓄えられる電荷量Qを、及び捕集されるトナー重量Mから単位質量当りの電荷量Q/Mを求めることでトナーの摩擦帯電特性の測定を行った。
(9)樹脂のGPCによるクロマトグラムの分子量分布
40℃のヒートチャンバー中でカラムを安定化させ、この温度におけるカラムに、溶媒としてTHFを毎分1mlの流速で流し、THF試料溶液を約100μl注入して測定する。試料の分子量測定にあたっては、試料の有する分子量分布を、数種類の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量性の対数値とカウント数との関係から算出した。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、例えば、東ソー社製あるいは昭和電工社製の分子量が10〜10程度のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いるのが適当である。また検出器にはR1(屈折率)検出器を用いる。なおカラムとしては、市販のポリスチレンジェルカラムを複数本組み合わせるのが良く、例えば昭和電工社製のShodex GPC KF−801,802,803,804,805,806,807,800Pの組み合わせや、東ソー社製のTSKgelG1000H(HXL),G2000H(HXL),G3000H(HXL),G4000H(HXL),G5000H(HXL),G6000H(HXL),G7000H(HXL),TSKguardcolumnの組み合わせを挙げることができる。
【0218】
測定サンプルの調製は、例えば、溶液重合で作成された樹脂溶液は、150℃,1.5hr,15mmHgの条件下で減圧乾燥し、重合溶媒を除去する。
【0219】
さらにこのサンプルを、テトラハイドロフラン(THF)に溶解させた後、GPC測定を行なう。
【0220】
【実施例】
各実施例に於いて使用した電荷移動型結合体の含窒素ポリ硼素化合物は下記の表1のものを用いた。
【0221】
【外26】
Figure 2004333636
【0222】
【外27】
Figure 2004333636
【0223】
【外28】
Figure 2004333636
【0224】
【外29】
Figure 2004333636
【0225】
(実施例1)
下記に示す配合比にて現像剤担持体の樹脂被覆層に用いる塗料の作製を行った。
【0226】
樹脂被覆層に用いる強摩擦帯電付与性の樹脂としては、以下の含窒素ビニルモノマーを有する共重合体を用いた。
【0227】
メチルメタクリレート/ジメチルアミノメチルメタクリレート共重合体
(共重合比 85/15、鉄粉との帯電量 0.072nC、Mn=7000
、Mw=16600、Mw/Mn=2.4) 100質量部
電荷移動型結合体の含窒素ポリ硼素化合物(1) 7質量部
個数平均粒径4.5μmの結晶性グラファイト 22.5質量部
導電性カーボンブラック 2.5質量部
表2に示す球状粒子A−1 8質量部
酢酸エチル 380質量部
【0228】
含窒素ビニルモノマーを有する共重合体は、予め酢酸エチルの一部に溶解させ、この樹脂溶液に結晶性グラファイト、導電性カーボンブラック、球状粒子、電荷移動型結合体の含窒素ポリ硼素化合物(1)を添加し、ガラスビーズを用いたサンドミルで分散した。さらに残りの酢酸エチルを添加して固形分濃度を25%とした。分散終了後、ガラスビーズと分離して、室温にて粘度を測定したところ、58mPa・sであった。この塗料を用いてスプレー法により外径20mmφのアルミニウム製円筒管上に樹脂被覆層を形成させ、続いて熱風乾燥炉により160℃、30分間加熱して樹脂被覆層を硬化させて現像剤担持体B−1を作製した。この現像剤担持体B−1の樹脂被覆層の物性を表3に示す。
【0229】
次に、この現像剤担持体B−1を設け、図1に示す現像装置を有する図5に示す画像形成装置として、キヤノン社製のLBP−2160を用いて一成分系トナーを供給しながら、現像剤担持体の耐久評価テストを行った。
【0230】
この評価においてトナーは次のように作製したものを用いた。
【0231】
先ず、イオン交換水400質量部に、0.1M−NaPO水溶液225質量部を投入し、60℃に加温した後、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、12,000rpmにて撹拌した。これに1.0M−CaCl水溶液35質量部を徐々に添加し、Ca(POを含む水系媒体を得た。
【0232】
下記処方の混合物を60℃に加温し、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、12,000rpmにて均一に溶解し、分散した。これに、重合開始剤2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)5質量部を溶解し、重合性単量体組成物を調製した。
【0233】
Figure 2004333636
【0234】
次に、先のようにして調製した水系媒体中に、この重合性単量体組成物を投入し、60℃のN雰囲気下において、TK式ホモミキサーにて10,000rpmで20分間撹拌し、重合性単量体組成物を造粒した。その後、パドル撹拌翼で撹拌しつつ80℃に昇温し、この温度で10時間反応させて着色懸濁粒子を得た。更に、重合反応終了後に、減圧下で残存モノマーを留去し、冷却後、塩酸を加えてリン酸カルシウムを溶解させた後、ろ過、水洗、乾燥をして、重量平均径約6.1μm、4.0μm以下の粒子個数%が18.6%、10.1μm以上の粒子の体積%が1.6%のシャープな着色粒子(トナー粒子)を得た。上記で得られた着色粒子100質量部に対して、BET法による比表面積が、200m/gである疎水性シリカ1.4質量部を外添し、トナーを得た。得られたトナーを一成分現像剤1とした。
【0235】
〔評価〕
下記に挙げる評価項目について耐久試験を行い、実施例及び比較例の現像剤担持体の評価を行った。表5及び表6に、低温低湿下における画像濃度の耐久性、耐久カブリ、耐久トナー飛散、耐久ベタムラ、耐久ハーフトーンムラ、樹脂被覆層の耐久削れの評価結果を示した。また、表7及び表8に、高温高湿下における画像濃度の耐久性、耐久カブリ、耐久トナー飛散、耐久ベタムラ、耐久ハーフトーンムラ、樹脂被覆層の耐久削れの評価結果を示した。
【0236】
耐久環境としては、低温/低湿(L/L)下及び高温/高湿(H/H)下の2つの耐久環境について行った。具体的には、低温/低湿(L/L)下を15℃/10%RHの環境下とし、高温/高湿(H/H)下を30℃/85%RHとした。
【0237】
(評価方法)
(1)画像濃度
画像濃度は、反射濃度計RD918(マクベス社製)を使用し、ベタ印字した際のベタ黒部の濃度を5点測定し、その平均値を画像濃度とした。
【0238】
(2)カブリ濃度
画像形成した記録紙のベタ白部の反射率(D1)を測定し、更に、画像形成に用いた記録紙と同一カットの未使用の記録紙の反射率(D2)を測定し、D1−D2の値を5点求め、その平均値をカブリ濃度とした。反射率はTC−6DS(東京電色製)で測定した。
【0239】
(3)被膜層の削れ(耐磨耗性)
塗工前の現像剤担持体の外径、塗工後の樹脂層を含めた外径をレーザー測長器にて測定(10箇所の平均)しておき、耐久後の樹脂層を含めた外径をレーザー測長器にて測定し、(画出し前の樹脂層を含めた外径)−(耐久後の樹脂層を含めた外径)を削れ量として、μm単位で表す。
【0240】
(4)トナー飛散(飛散)
スリーブからのトナーの飛散状態を以下の評価基準に基づいて評価比較する。
【0241】
A:カートリッジのスリーブ近傍にも飛散がほとんどない。
B:カートリッジのスリーブ下のステージ部分に多少のトナー付着が見られる程度。
C:上記の汚染は多少見られるが、汚染が本体までには至らない。
D:上記の汚染は見られ、かつ汚染が本体に多少認められる。
E:飛散が本体にまで認められるが、スリーブからのトナーのボタ落ちはない。
F:スリーブ上にトナーがコートされない部分が発生し、その部分ではトナーがスリーブからボタ落ち(スリーブ下のステージに落ちたトナーが溜り、そこからトナーがこぼれる)している。
G:スリーブ上のかなりの部分からボタ落ちが発生している。
【0242】
(5)ベタムラ
ベタ画像で、濃度薄が部分的に発生する現象で、トナーの帯電が不十分で現像が均一に行われない場合や、樹脂被覆層にトナー固着や融着が生じている場合に発生する。以下の評価基準に基づいて評価した。
【0243】
○:全く見られない。
○△:非常に濃度差の少ない目立たないムラが、一部分に軽微に発生する。
△:やや濃度差の少ない目立たないムラが、一部分に発生する。
△×:濃度差のある目立つムラが、一部分に発生する。
×:濃度差のある目立つムラが、全面に発生する。
【0244】
(6)ハーフトーンムラ
ハーフトーン画像で、濃度薄が部分的に発生する現象で、トナーがチャージアップしてしまい、帯電が均一に行われない場合に発生する。以下の評価基準に基づいて評価した。
【0245】
○:全く見られない。
○△:非常に濃度差の少ない目立たないムラが、一部分に軽微に発生する。
△:やや濃度差の少ない目立たないムラが、一部分に発生する。
△×:濃度差のある目立つムラが、一部分に発生する。
×:濃度差のある目立つムラが、全面に発生する。
【0246】
(実施例2〜4)
実施例1で用いた樹脂に替えて、メチルメタクリレート/ジメチルアミノメチルメタクリレート共重合体(共重合比 96/4、鉄粉との帯電量0.041nC、Mn=7500、Mw=17200、Mw/Mn=2.3)、メチルメタクリレート/ジメチルアミノメチルメタクリレート共重合体(共重合比 77/23、鉄粉との帯電量0.131nC、Mn=6300、Mw=17600、Mw/Mn=2.8)、スチレン/ジメチルアミノメチルメタクリレート共重合体(共重合比 90/10、鉄粉との帯電量0.072nC、Mn=6100、Mw=16400、Mw/Mn=2.7)をそれぞれ用いたことを除いては、実施例1と同様にして現像剤担持体B−2〜4を作製し、実施例1と同様の評価を行った。これらの現像剤担持体の被覆層の物性を表3、評価結果を表5〜表8に示す。
【0247】
(実施例5〜6)
実施例1で用いた樹脂に替えて、4級アンモニウム塩基含有ビニルモノマーを有する共重合体であるスチレン/アクリル酸ブチル・N,N−ジエチル−N−メチル−2−(メタクリロイルオキシル)エチルアンモニウム塩=p−トルエンスルホナート共重合体(共重合比 85/15、鉄粉との帯電量0.135nC、Mn=7400、Mw=18500、Mw/Mn=2.5)、メチルメタクリレート/アクリル酸ブチル・N,N−ジエチル−N−メチル−2−(メタクリロイルオキシル)エチルアンモニウム塩=p−トルエンスルホナート共重合体(共重合比 95/5、鉄粉との帯電量0.079nC、Mn=6600、Mw=15200、Mw/Mn=2.3)にそれぞれ替えたことを除いては、実施例1と同様にして現像剤担持体B−5〜6を作製し、実施例1と同様の評価を行った。これらの現像剤担持体の被覆層の物性を表3、評価結果を表5〜表8に示す。
【0248】
(実施例7〜8)
実施例1で用いた樹脂に替えて、イミダゾリウム塩類を構成単位とする重合体例16(鉄粉との帯電量 0.048nC、Mn=6900、Mw=16400、Mw/Mn=2.4)、重合体例26(鉄粉との帯電量0.097nC、Mn=7400、Mw=18700、Mw/Mn=2.5)にそれぞれ替えたことを除いては、実施例1と同様にして現像剤担持体B−7〜8を作製し、実施例1と同様の評価を行った。これらの現像剤担持体の被覆層の物性を表3、評価結果を表5〜表8に示す。
【0249】
(実施例9〜14)
実施例1において、含窒素ポリ硼素化合物(1)をそれぞれ表1に記載の(2)〜(7)に替えたことを除いては、実施例1と同様にして現像剤担持体B−9〜14を作製し、実施例1と同様の評価を行った。これらの現像剤担持体の被覆層の物性を表3、評価結果を表5〜表8に示す。
【0250】
(実施例15〜16)
実施例1において、含窒素ポリ硼素化合物(1)の添加量をそれぞれ表3に記載したように替えたことを除いては、実施例1と同様にして現像剤担持体B−15〜16を作製し、実施例1と同様の評価を行った。これらの現像剤担持体の被覆層の物性を表3、評価結果を表5〜表8に示す。
【0251】
(実施例17〜21)
実施例1において、球状粒子A−1をそれぞれ表2に記載のA−2〜A−6に替えたことを除いては、実施例1と同様にして現像剤担持体B−17〜21を作製し、実施例1と同様の評価を行った。これらの現像剤担持体の被覆層の物性を表3、評価結果を表5〜表6に示す。
【0252】
(比較例1〜2)
実施例1で用いた樹脂の替わりに、ポリメチルメタクリレート(鉄粉との帯電量0.012nc、Mn=7100、Mw=16100、Mw/Mn=2.3)、スチレン/ジメチルアミノメチルメタクリレート共重合体(共重合比98/2、鉄粉との帯電量0.0025nC、Mn=7400、Mw=18700、Mw/Mn=2.5)にそれぞれ替えたことを除いては、実施例1と同様にして現像剤担持体b−1〜2を作製し、実施例1と同様の評価を行った。これらの現像剤担持体の被覆層の物性を表4に、評価結果を表5〜表8に示す。
【0253】
(比較例3)
実施例1において、含窒素ポリ硼素化合物(1)を除いたこと以外は実施例1と同様にして現像剤担持体b−3を作製し、実施例1と同様の評価を行った。これらの現像剤担持体の被覆層の物性を表4に、評価結果を表5〜表8に示す。
【0254】
(比較例4)
実施例1で用いたアルミニウム製円筒管の表面にガラスビーズ(FGB#250)を用いてサンドブラスト処理を行って、現像剤担持体b−4を作製し、この現像剤担持体を用いて、実施例1と同様の評価を行った。この現像剤担持体の評価結果を表5〜表8に示す。
【0255】
(実施例22)
下記に示す配合比にて現像剤担持体の樹脂被覆層に用いる塗料の作製を行った。
【0256】
メチルメタクリレート/ジエチルアミノメチルメタクリレート共重合体(共重
合比90/10、鉄粉との帯電量0.072nc、Mn=6500、Mw=18
200、Mw/Mn=2.8) 100質量部
電荷移動型結合体の含窒素ポリ硼素化合物(8) 7質量部
個数平均粒径6.2μmの結晶性グラファイト 32質量部
導電性カーボンブラック 3.5質量部
表2に示す球状粒子A−1 8質量部
酢酸エチル 400質量部
【0257】
含窒素ビニルモノマーを有する共重合体は、予め酢酸エチルの一部に溶解させ、この樹脂溶液に結晶性グラファイト、導電性カーボンブラック、球状粒子、電荷移動型結合体の含窒素ポリ硼素化合物(8)を添加し、ガラスビーズを用いたサンドミルで分散した。さらに残りの酢酸エチルを添加して固形分濃度を24%とした。分散終了後、ガラスビーズと分離して、室温にて粘度を測定したところ、70mPa・sであった。この塗料を用いてスプレー法により外径20mmφのアルミニウム製円筒管上に樹脂被覆層を形成させ、続いて熱風乾燥炉により160℃、30分間加熱して樹脂被覆層を硬化させて現像剤担持体B−22を作製した。この現像剤担持体B−22の樹脂被覆層の物性を表2に示す。
【0258】
次に、この現像剤担持体B−22を設け、図1に示す現像装置を有する図5に示す画像形成装置として、キヤノン社製のLBP−2160を用いて一成分系トナーを供給しながら、現像剤担持体の耐久評価テストを行った。
【0259】
この評価においてトナーは次のように作製したものを用いた。
【0260】
ポリエステル樹脂 100質量部
フタロシアニン顔料 5質量部
負荷電制御剤 1質量部
エステル系ワックス 3質量部
【0261】
フタロシアニン顔料とポリエステル樹脂の一部で作製したマスターバッチと残りの材料をヘンシェルミキサーを用いて混合した後、二軸式のエクストルーダーを用いて混練を行い、冷却後ハンマーミルで粉砕した後、ターボミルで粉砕して微粉砕物を得た。これをエルボージェット分級機にて分級し、重量平均粒径D4=5.7μm、4.0μm以下の粒子の個数%が21.2%、10.1μm以上の粒子の質量%が0.9%の分級品(トナー粒子)を得た。この分級品100質量部に疎水性のコロイダルシリカ1.7質量部を外添混合し、トナーを得た。得られたトナーを一成分現像剤2とした。
【0262】
[評価]
下記に挙げる評価項目について耐久試験を行い、実施例及び比較例の現像剤担持体の評価を行った。表4に、低温低湿下における画像濃度の耐久性、耐久カブリ、耐久トナー飛散、耐久ベタムラ、耐久ハーフトーンムラ、樹脂被覆層の耐久削れの評価結果を示した。また、表5に、高温高湿下における画像濃度の耐久性、耐久カブリ、耐久トナー飛散、耐久ベタムラ、耐久ハーフトーンムラ、樹脂被覆層の耐久削れの評価結果を示した。
【0263】
耐久環境としては、低温/低湿(L/L)下及び高温/硬質(H/H)下の2つの耐久環境について行った。具体的には、低温/低湿(L/L)下を15℃/10%RHの環境下とし、高温/高湿(H/H)下を30℃/85%RHとした。
【0264】
(評価方法)
(1)画像濃度
画像濃度は、反射濃度計RD918(マクベス社製)を使用し、ベタ印字した際のベタ黒部の濃度を5点測定し、その平均値を画像濃度とした。
【0265】
(2)カブリ濃度
画像形成した記録紙のベタ白部の反射率(D1)を測定し、更に、画像形成に用いた記録紙と同一カットの未使用の記録紙の反射率(D2)を測定し、D1−D2の値を5点求め、その平均値をカブリ濃度とした。反射率はTC−6DS(東京電色製)で測定した。
【0266】
(3)被膜層の削れ(耐磨耗性)
塗工前の現像剤担持体の外径、塗工後の樹脂層を含めた外径をレーザー測長器にて測定(10箇所の平均)しておき、耐久後の樹脂層を含めた外径をレーザー測長器にて測定し、(画出し前の樹脂層を含めた外径)−(耐久後の樹脂層を含めた外径)を削れ量として、μm単位で表す。
【0267】
(4)トナー飛散(飛散)
スリーブからのトナーの飛散状態を以下の評価基準に基づいて評価比較する。
【0268】
A:カートリッジのスリーブ近傍にも飛散がほとんどない。
B:カートリッジのスリーブ下のステージ部分に多少のトナー付着が見られる程度。
C:上記の汚染は多少見られるが、汚染が本体までには至らない。
D:上記の汚染は見られ、かつ汚染が本体に多少認められる。
E:飛散が本体にまで認められるが、スリーブからのトナーのボタ落ちはない。
F:スリーブ上にトナーがコートされない部分が発生し、その部分ではトナーがスリーブからボタ落ち(スリーブ下のステージに落ちたトナーが溜り、そこからトナーがこぼれる)している。
G:スリーブ上のかなりの部分からボタ落ちが発生している。
【0269】
(5)ベタムラ
ベタ画像で、濃度薄が部分的に発生する現象で、トナーの帯電が不十分で現像が均一に行われない場合や、樹脂被覆層にトナー固着や夕着が生じている場合に発生する。以下の評価基準に基づいて評価した。
【0270】
○ :全く見られない。
○△:非常に濃度差の少ない目立たないムラが、一部分に軽微に発生する。
△ :やや濃度差の少ない目立たないムラが、一部分に発生する。
△×:濃度差のある目立つムラが、一部分に発生する。
× :濃度差のある目立つムラが、全面に発生する。
【0271】
(6)ハーフトーンムラ
ハーフトーン画像で、濃度薄が部分的に発生する現象で、トナーがチャージアップしてしまい、帯電が均一に行われない場合に発生する。以下の評価基準に基づいて評価した。
【0272】
○ :全く見られない。
○△:非常に濃度差の少ない目立たないムラが、一部分に軽微に発生する。
△ :やや濃度差の少ない目立たないムラが、一部分に発生する。
△×:濃度差のある目立つムラが、一部分に発生する。
× :濃度差のある目立つムラが、全面に発生する。
【0273】
(実施例23)
実施例22で用いた樹脂に替えて、4級アンモニウム塩基含有ビニルモノマーを有する共重合体であるメチルメタクリレート/アクリル酸ブチル・N,N−ジメチル−N−メチル−2−(メタクリロイルオキシ)エチルアンモニウム塩=p−トルエンスルホナート共重合体(共重合比90/10、鉄粉との帯電量0.141nc、Mn=6900、Mw=19200、Mw/Mn=2.8)に替えたことを除いては、実施例22と同様にして現像剤担持体B−23を作製し、実施例22と同様の評価を行った。これらの現像剤担持体の被覆層の物性を表3、評価結果を表5〜表8に示す。
【0274】
(実施例24〜25)
実施例22において、含窒素ポリ硼素化合物(8)をそれぞれ表1に記載の(9)〜(10)に替えたことを除いては、実施例22と同様にして現像剤担持体B−24〜25を作製し、実施例22と同様の評価を行った。これらの現像剤担持体の被覆層の物性を表3、評価結果を表5〜表8に示す。
【0275】
(実施例5〜6)
実施例22で用いた樹脂の替わりに、ポリメチルメタクリレート(鉄粉との帯電量0.012nc、Mn=7100、Mw=16100、Mw/Mn=2.3)、メチルメタクリレート/アクリル酸ブチル共重合体(共重合比90/10、鉄粉との帯電量0.0013nC、Mn=7400、Mw=18700、Mw/Mn=2.5)にそれぞれ替えたことを除いては、実施例22と同様にして現像剤担持体b−5〜6を作製し、実施例22と同様の評価を行った。これらの現像剤担持体の被覆層の物性を表4に、評価結果を表5〜表8に示す。
【0276】
(比較例7)
実施例22において、含窒素ポリ硼素化合物(8)を除いたこと以外は実施例24と同様にして現像剤担持体b−7を作製し、実施例22と同様の評価を行った。これらの現像剤担持体の被覆層の物性を表4に、評価結果を表5〜表8に示す。
【0277】
(比較例8)
実施例22で用いたアルミニウム製円筒管の表面にガラスビーズ(FGB#300)を用いてサンドブラスト処理を行って、現像剤担持体b−8を作製し、この現像剤担持体を用いて、実施例22と同様の評価を行った。この現像剤担持体の評価結果を表5及び表6に示す。
【0278】
(実施例26)
下記に示す配合比にて現像剤担持体の樹脂被覆層に用いる塗料の作製を行った。
【0279】
メチルメタクリレート/ジメチルアミノメチルメタクリレート共重合体(共重
合比87/13、鉄粉との帯電量0.072nc、Mn=9100、Mw=22
750、Mw/Mn=2.5)、 100質量部
電荷移動型結合体の含窒素ポリ硼素化合物(11) 7質量部
個数平均粒径4.5μmの結晶性グラファイト 40質量部
導電性カーボンブラック 4質量部
表2に示す球状粒子A−1 20質量部
酢酸エチル 400質量部
【0280】
含窒素ビニルモノマーを有する共重合体は、予め酢酸エチルの一部に溶解させた。この樹脂溶液に結晶性グラファイト、導電性カーボンブラック、球状粒子、電荷移動型結合体の含窒素ポリ硼素化合物(11)を添加し、ガラスビーズを用いたサンドミルで分散した。さらに残りの酢酸エチルを添加して固形分濃度を24%とした。分散終了後、ガラスビーズと分離して、室温にて粘度を測定したところ、80mPa・sであった。この塗料を用いてスプレー法により外径16mmφのアルミニウム製円筒管上に樹脂被覆層を形成させ、続いて熱風乾燥炉により160℃、30分間加熱して樹脂被覆層を硬化させて現像剤担持体B−26を作製した。この現像剤担持体B−26の樹脂被覆層の物性を表3に示す。
【0281】
次に、この現像剤担持体B−26を設け、図4に示す現像装置を有する図6に示す画像形成装置として、キヤノン社製のLBP−450を用いて一成分系トナーを供給しながら、現像剤担持体の耐久評価テストを行った。
【0282】
この評価においてトナーは次のように作製したものを用いた。
【0283】
スチレン−アクリル系樹脂 100質量部
マグネタイト 100質量部
負荷電制御剤 1質量部
低分子量ポリプロピレン 5質量部
前記材料をヘンシェルミキサーを用いて混合した後、二軸式のエクストルーダーを用いて混練を行い、冷却後ハンマーミルで粉砕した後、ターボミルで粉砕して微粉砕物を得た。これをエルボージェット分級機にて分級し、重量平均粒径D4=5.4μm、4.0μm以下の粒子の個数%が22.9%、10.1μm以上の粒子の質量%が0.5%の分級品(トナー粒子)を得た。この分級品100質量部に疎水性のコロイダルシリカ1.3質量部を外添混合し、トナーを得た。得られたトナーを一成分現像剤3とした。
【0284】
[評価]
下記に挙げる評価項目について耐久試験を行い、実施例及び比較例の現像剤担持体の評価を行った。表9に、低温低湿下における画像濃度の耐久性、耐久カブリ、耐久ゴースト、耐汚染性、被覆層の耐久削れの評価結果を示した。また、表10に、高温高湿下における画像濃度の耐久性、耐久カブリ、耐久ゴースト、文字シャープ性、耐汚染性、被覆層の耐久削れの評価結果を示した。
【0285】
なお、高温高湿下においては現像剤担持体によるトナー帯電の立ち上がりの耐久性を評価するため、一定枚数耐久後に5日間耐久を休止し、休止後更に耐久を続け、画像濃度の耐久性、耐久カブリ、耐久ゴースト及び文字シャープ性の評価を行った。
【0286】
耐久環境としては、低温/低湿(L/L)下及び高温/高湿(H/H)下の2つの耐久環境について行った。具体的には、低温/低湿(L/L)下を15℃/10%RHの環境下とし、高温/高湿(H/H)下を32.5℃/85%RHとした。
【0287】
(評価方法)
(1)画像濃度
画像濃度は、反射濃度計RD918(マクベス社製)を使用し、ベタ印字した際のベタ黒部の濃度を5点測定し、その平均値を画像濃度とした。
【0288】
(2)カブリ濃度
画像形成した記録紙のベタ白部の反射率(D1)を測定し、更に、画像形成に用いた記録紙と同一カットの未使用の記録紙の反射率(D2)を測定し、D1−D2の値を5点求め、その平均値をカブリ濃度とした。反射率はTC−6DS(東京電色製)で測定した。
【0289】
(3)耐久ゴースト
ベタ白部とベタ黒部が隣り合う画像を現像した現像スリーブの位置が現像スリーブの次の回転時に現像位置に来て、ハーフトーン画像を現像するようにして、ハーフトーン画像上に現われる濃淡差を目視で下記の基準で評価した。
【0290】
○ :濃淡差が全く見られない。
○△:軽微な濃淡差が見られる。
△ :濃淡差が現像スリーブ1周分だけやや見られるが、実用可。
△×:やや目立つ濃淡差が現像スリーブの回転数におおじて見られ、実用不可。
× :濃淡差が顕著に見られ、実用不可。
【0291】
(4)耐汚染性
耐久後の現像剤担持体表面をSEMで観察し、トナー汚染の程度を下記の基準で評価した。
【0292】
○ :軽微な汚染が観察される。
○△:やや汚染が観察される。
△ :部分的に汚染が観察される。
△×:かなりの部分で汚染が観察される。
× :著しい汚染が全面的に観察される。
【0293】
(5)被覆層の削れ(耐磨耗性)
塗工前の現像剤担持体の外径、塗工後の樹脂層を含めた外径をレーザー測長器にて測定(10箇所の平均)しておき、耐久後の樹脂層を含めた外径をレーザー測長器にて測定し、(画出し前の樹脂層を含めた外径)−(耐久後の樹脂層を含めた外径)を削れ量として、μm単位で表す。
【0294】
(6)文字シャープ性
高温高湿環境下(32.5℃、85%)で画出しした転写紙上の文字を約30倍に拡大し、以下の評価基準に従い、評価を行った。
【0295】
○(優) :ラインが非常にシャープで飛び散りはほとんど無い。
○△(良):わずかに飛び散っている程度でラインは比較的シャープ。
△(普通):飛び散りがやや多くラインが少しぼんやりした感じになる。
△×(やや悪い):飛び散りが多くラインがかなりぼんやりした感じになる。
×(悪い):△×のレベルに満たない。
【0296】
(実施例27)
実施例26で用いた樹脂に替えて、スチレン/メチルメタクリレート/ジメチルアミノエチルメタクリレート(共重合比47/47/6、鉄粉との帯電量0.049nC、Mn=7200、Mw=19400、Mw/Mn=2.7)に替えたことを除いては、実施例26と同様にして現像剤担持体B−27を作製し、実施例26と同様の評価を行った。これらの現像剤担持体の被覆層の物性を表3、評価結果を表9及び表10に示す。
【0297】
(実施例28〜29)
実施例26において、含窒素ポリ硼素化合物(11)をそれぞれ表1に記載の(12)〜(13)に替えたことを除いては、実施例26と同様にして現像剤担持体B−28〜29を作製し、実施例26と同様の評価を行った。これらの現像剤担持体の被覆層の物性を表3、評価結果を表9及び表10に示す。
【0298】
(比較例9)
実施例26で用いた樹脂の替わりに、スチレン/メチルメタクリレート/ジメチルアミノメチルメタクリレート共重合体(共重合比50/48/2、鉄粉との帯電量0.0026nC、Mn=7100、Mw=18500、Mw/Mn=2.6)に替えたことを除いては、実施例26と同様にして現像剤担持体b−9を作製し、実施例26と同様の評価を行った。これらの現像剤担持体の被覆層の物性を表4に、評価結果を表9及び表10に示す。
【0299】
(比較例10)
実施例26において、含窒素ポリ硼素化合物(11)を除いたこと以外は実施例28と同様にして現像剤担持体b−10を作製し、実施例26と同様の評価を行った。これらの現像剤担持体の被覆層の物性を表4に、評価結果を表9及び表10に示す。
【0300】
(比較例11)
実施例26で用いたアルミニウム製円筒管の表面にガラスビーズ(FGB#150)を用いてサンドブラスト処理を行って、現像剤担持体b−11を作製し、この現像剤担持体を用いて、実施例26と同様の評価を行った。この現像剤担持体の評価結果を表9及び表10に示す。
【0301】
(実施例30)
スルホン酸含有アクリルアミド系モノマーを有する共重合体であるスチレン/
2−ヘチルヘキシルアクリレート/2−アクリルアミド−2−メチルプロパンス
ルホン酸共重合体(共重合比85/5/10、鉄粉との帯電量−0.092nC
、Mn=7500、Mw=20300、Mw/Mn=2.7) 100質量部
含窒素ポリ硼素化合物(14) 9質量部
個数平均粒径3.1μmの結晶性グラファイト 32質量部
導電性カーボンブラック 3.5質量部
酢酸エチル 400質量部
【0302】
スルホン酸含有アクリルアミド系モノマーを有する共重合体は、予め酢酸エチルの一部に溶解させた。この樹脂溶液に結晶性グラフィアト、導電性カーボンブラック、電荷移動型結合体の含窒素ポリ硼素化合物(14)を添加し、ガラスビーズを用いたサンドミルで分散した。さらに残りの酢酸エチルを添加して固形分濃度を23%とした。分散終了後、ガラスビーズと分離して、室温にて粘度を測定したところ、80mPa・sであった。この塗料を用いてスプレー法により外径32.2mmφのアルミニウム製円筒管上に樹脂被覆層を形成させ、続いて熱風乾燥路により160℃、30分間加熱して樹脂被覆層を硬化させて現像剤担持体B−30を作製した。この現像剤担持体B−30の樹脂被覆層の物性を表2に示す。
【0303】
次に、この現像剤担持体B−30を設け、図2に示す現像装置を有する図6に示す画像形成装置(コロナ帯電手段、コロナ転写手段)GP605(キヤノン社製)を用いて一成分系トナーを供給しながら、現像剤担持体の耐久評価テストを行った。
【0304】
この評価においてトナーは次のように作製したものを用いた。
【0305】
スチレン−アクリル樹脂 100質量部
マグネタイト 100質量部
正荷電制御剤 1質量部
低分子量ポリプロピレン 5質量部
【0306】
前記材料をヘンシェルミキサーを用いて混合した後、二軸式のエクストルーダーを用いて混練を行い、冷却後ハンマーミルで粉砕した後、ターボミルで粉砕して微粉砕物を得た。これをエルボージェット分級機にて分級し、重量平均粒径D4=5.7μm、4.0μm以下の粒子の個数%が23.0%、10.1μm以上の粒子の質量%が0.7%の分級品(トナー粒子)を得た。この分級品100質量部に疎水性のコロイダルシリカ1.2質量部を外添混合し、トナーを得た。得られたトナーを一成分現像剤4とした。
【0307】
[評価]
下記に挙げる評価項目について耐久試験を行い、実施例及び比較例の現像剤担持体の評価を行った。表11に、低温低湿下における画像濃度の耐久性、耐久カブリ、耐久ゴースト、耐汚染性、被覆層の耐久削れの評価結果を示した。また、表12に、高温高湿下における画像濃度の耐久性、耐久カブリ、耐久ゴースト、文字シャープ性、耐汚染性、被覆層の耐久削れの評価結果を示した。
【0308】
なお、高温高湿下においては現像剤担持体によるトナー帯電の立ち上がりの耐久性を評価するため、一定枚数耐久後に5日間耐久を休止し、休止後更に耐久を続け、画像濃度の耐久性、耐久カブリ、耐久ゴースト及び文字シャープ性の評価を行った。
【0309】
耐久環境としては、低温/低湿(L/L)下及び高温/高湿(H/H)下の2つの耐久環境について行った。具体的には、低温/低湿(L/L)下を15℃/10%RHの環境下とし、高温/高湿(H/H)下を32.5℃/85%RHとした。
【0310】
(評価方法)
(1)画像濃度
画像濃度は、反射濃度計RD918(マクベス社製)を使用し、ベタ印字した際のベタ黒部の濃度を5点測定し、その平均値を画像濃度とした。
【0311】
(2)カブリ濃度
画像形成した記録紙のベタ白部の反射率(D1)を測定し、更に、画像形成に用いた記録紙と同一カットの未使用の記録紙の反射率(D2)を測定し、D1−D2の値を5点求め、その平均値をカブリ濃度とした。反射率はTC−6DS(東京電色製)で測定した。
【0312】
(3)耐久ゴースト
ベタ白部とベタ黒部が隣り合う画像を現像した現像スリーブの位置が現像スリーブの次の回転時に現像位置に来て、ハーフトーン画像を現像するようにして、ハーフトーン画像上に現われる濃淡差を目視で下記の基準で評価した。
【0313】
○ :濃淡差が全く見られない。
○△:軽微な濃淡差が見られる。
△ :濃淡差が現像スリーブ1周分だけやや見られるが、実用可。
△×:やや目立つ濃淡差が現像スリーブの回転数におおじて見られ、実用不可。
× :濃淡差が顕著に見られ、実用不可。
【0314】
(4)耐汚染性
耐久後の現像剤担持体表面をSEMで観察し、トナー汚染の程度を下記の基準で評価した。
【0315】
○ :軽微な汚染が観察される。
○△:やや汚染が観察される。
△ :部分的に汚染が観察される。
△×:かなりの部分で汚染が観察される。
× :著しい汚染が全面的に観察される。
【0316】
(5)被覆層の削れ(耐磨耗性)
塗工前の現像剤担持体の外径、塗工後の樹脂層を含めた外径をレーザー測長器にて測定(10箇所の平均)しておき、耐久後の樹脂層を含めた外径をレーザー測長器にて測定し、(画出し前の樹脂層を含めた外径)−(耐久後の樹脂層を含めた外径)を削れ量として、μm単位で表す。
【0317】
(6)文字シャープ性
高温高湿環境下(32.5℃、85%)で画出した転写紙上の文字を約30倍に拡大し、以下の評価基準に従い、評価を行った。
【0318】
○(優) :ラインが非常にシャープで飛び散りはほとんど無い。
○△(良):わずかに飛び散っている程度でラインは比較的シャープ。
△(普通):飛び散りがやや多くラインが少しぼんやりした感じになる。
△×(やや悪い):飛び散りが多くラインがかなりぼんやりした感じになる。
×(悪い):△×のレベルに満たない。
【0319】
(実施例31)
実施例32で用いた樹脂に替えて、スチレン/2−エチルヘキシルアクリレート/2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスホン酸共重合体(共重合比9/1/5/4、鉄粉との帯電量−0.058nC、Mn=7200、Mw=18700、Mw/Mn=2.6)に替えたことを除いては、実施例30と同様にして現像剤担持体B−31を作製し、実施例30と同様の評価を行った。これらの現像剤担持体の被覆層の物性を表3、評価結果を表1及び表12に示す。
【0320】
(実施例32〜33)
実施例30において、含窒素ポリ硼素化合物(14)をそれぞれ表1に記載の(15)〜(16)に替えたことを除いては、実施例30と同様にして現像剤担持体B−32〜33を作製し、実施例30と同様の評価を行った。これらの現像剤担持体の被覆層の物性を表3、評価結果を表11及び表12に示す。
【0321】
(比較例12)
実施例30で用いた樹脂の替わりに、スチレン/2−エチルヘキシルアクリレート共重合体(共重合比95/5、鉄粉との帯電量−0.028nC、Mn=7100、Mw=17800、Mw/Mn=2.5)に替えたことを除いては、実施例30と同様にして現像剤担持体b−12を作製し、実施例30と同様の評価を行った。これらの現像剤担持体の被覆層の物性を表3に、評価結果を表11及び表12に示す。
【0322】
(比較例13)
実施例30において、含窒素ポリ硼素化合物(14)を除いたこと以外は実施例32と同様にして現像剤担持体b−13を作製し、実施例30と同様の評価を行った。これらの現像剤担持体の被覆層の物性を表3に、評価結果を表11及び表12に示す。
【0323】
【外30】
Figure 2004333636
【0324】
【外31】
Figure 2004333636
【0325】
【外32】
Figure 2004333636
【0326】
【外33】
Figure 2004333636
【0327】
【外34】
Figure 2004333636
【0328】
【外35】
Figure 2004333636
【0329】
【外36】
Figure 2004333636
【0330】
【外37】
Figure 2004333636
【0331】
【外38】
Figure 2004333636
【0332】
【外39】
Figure 2004333636
【0333】
【外40】
Figure 2004333636
【0334】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、従来用いられていた現像剤担持体よりも均一且つ迅速な現像剤への高帯電付与能が向上するとともに、現像剤の帯電量分布もシャープになり、被覆層のトナー汚染が発生しにくくなる。さらに、樹脂被覆層自体の皮膜強度も向上するため、良好な画像を長い間提供することができる状態を保持することが可能となる。
【0335】
従って、本発明によれば、繰り返し複写又は耐久による現像剤担持体表面の被覆層の磨耗及びトナー汚染のごとき劣化が生じない高耐久且つ帯電付与能の良好な現像剤担持体によって、異なる環境下においても画像濃度低下やスリーブゴースト、カブリ、トナー飛散の悪化が発生せず、文字ラインのシャープ性が良好で、画像濃度が高い高品位な画像を長期に渡り提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いる樹脂被覆層が形成されている現像剤担持体を有する非磁性一成分現像方式の一実施形態の現像装置の模式図を示す。
【図2】本発明に用いる樹脂被覆層が形成されている現像剤担持体を有する磁性一成分現像方式の一実施形態の現像装置の模式図を示す。
【図3】図2の現像装置における、現像剤層の規制部材が異なる本発明の他の実施形態の現像装置の模式図を示す。
【図4】図2の現像装置における、現像剤層の規制部材が異なる本発明の他の実施形態の現像装置の模式図を示す。
【図5】本発明の画像形成装置の概略説明図を示す。
【図6】本発明の画像形成装置の他の概略説明図を示す。
【図7】本発明のプロセスカートリッジの一具体例の概略説明図を示す。
【図8】本発明の画像形成装置をファクシミリ装置のプリンタに適用した場合のブロック図を示す。
【図9】従来よりある樹脂被覆層の形成されていない現像剤担持体を有する現像装置の模式図を示す。
【図10】模式的に示す静電塗膜表面解析装置
【符号の説明】
1 感光ドラム(静電潜像保持体)
2 現像剤供給・剥ぎ取りローラ(現像剤供給・剥ぎ取り部材)
3 ホッパー(現像剤容器)
4 現像剤(非磁性トナー)
6 金属円筒管(基体)
7 樹脂被覆層
8 現像スリーブ(現像剤担持体)
9 現像バイアス電源
10 撹拌翼
11 弾性規制ブレード
12 間隙
13 ホッパー(現像剤容器)
14 現像剤(磁性トナー)
15 マグネットローラ(磁石)
16 金属円筒管(基体)
17 樹脂被覆層
18 現像スリーブ(現像剤担持体)
19 現像バイアス電源
20 撹拌翼
21 弾性規制ブレード
22 磁性規制ブレード
23 接触(ローラ)転写手段
24 電圧印加手段
25 露光
26 イレース露光
27 加熱加圧ローラ定着器
28 クリーニング手段
28a クリーニングブレード
29 接触(ローラ)帯電手段
30 電圧印加手段
31 コントローラ
32 受信回路
33 送信回路
34 電話
35 回線
36 画像メモリ
37 CPU
38 プリンタコントローラ
39 プリンタ
40 画像読取部
101 感光ドラム
103 現像剤容器
104 一成分系現像剤
105 多極永久磁石
108 現像スリーブ
109 バイアス印加電圧
111 弾性規制ブレード
113 接触(ローラ)転写手段
114 電圧印加手段
115 露光
116 イレース露光
118 加熱加圧ローラ定着器
118a クリーニングブレード
119 接触(ローラ)帯電手段
120 現像手段
N1,N2,S1,S2 磁極
A 現像スリーブ回転方向
B 感光ドラム回転方向
D 現像領域
P 被記録材

Claims (64)

  1. 少なくとも基体、及び該基体表面に形成された樹脂被覆層を有する現像剤担持体において、該樹脂被覆層は、少なくとも強摩擦帯電付与性の樹脂と電荷移動型結合体の含窒素ポリ硼素化合物を有していることを特徴とする現像剤担持体。
  2. 該電荷移動型結合体の含窒素ポリ硼素化合物が、下記一般式(I)で示される原子団を有する反極性有機硼素化合物と塩基性窒素を有する化合物との反応生成物であることを特徴とする請求項1に記載の現像剤担持体。
    【外1】
    Figure 2004333636
    (式中、R、R、R及びRは同一あるいは異なって、水素、アルキル基、アルコキシ基及びアルコキシアルキル基からなる群より選ばれる少なくとも1つの基であり、nは0または1である。)
  3. 該電荷移動型結合体の含窒素ポリ硼素化合物が、下記一般式(2)で示される、該反極性有機硼素化合物の少なくとも1種とヒドロキシル基を少なくとも1個有する3級アミンの少なくとも1種との、硼素原子1個に対して塩基性窒素原子1個の割合の反応生成物であることを特徴とする請求項2に記載の現像剤担持体。
    【外2】
    Figure 2004333636
    [式中、qは0または1で、q=1のとき、Wは−(X)−(Y)−(Z)−{ただし、X及びZは1個の末端エーテル残基をもつ含酸素炭化水素基、
    【外3】
    Figure 2004333636
    (R及びR′は炭化水素基)であり、l、m及びnは0または1である。}であり、R、R及びRは炭化水素基で、R、R及びRのうち少なくとも1つはヒドロキシル基置換炭化水素基であり、pは10〜1000である。]
  4. 該電荷移動型結合体の含窒素ポリ硼素化合物が、下記一般式(I)で示される原子団を有する反極性有機硼素化合物と主鎖及び/または側差中に少なくとも2個以上の塩基性窒素を有するポリアミノ化合物との反応生成物であることを特徴とする請求項2に記載の現像剤担持体。
    【外4】
    Figure 2004333636
    (式中、R、R、R及びRは同一あるいは異なって、水素、アルキル基、アルコキシ基及びアルコキシアルキル基からなる群より選ばれる少なくとも1つの基であり、nは0または1である。)
  5. 該樹脂被覆層は、導電性微粒子を更に含有していることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の現像剤担持体。
  6. 該樹脂被覆層は、1×10−2乃至1×10Ω・cmの体積固有抵抗を有していることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の現像剤担持体。
  7. 該樹脂被覆層は、0.3乃至3.5の中心線表面粗さRaを有していることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の現像剤担持体。
  8. 該樹脂被覆層は、個数平均径0.3乃至30μmの球状粒子を更に含有していることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の現像剤担持体。
  9. 該球状粒子が、樹脂からなる球状粒子であることを特徴とする請求項8に記載の現像剤担持体。
  10. 該球状粒子が、真密度3g/cm以下の導電性球状粒子であることを特徴とする請求項8に記載の現像剤担持体。
  11. 該樹脂被覆層は、潤滑性粒子をさらに含有していることを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の現像剤担持体。
  12. 現像剤を収容している現像剤容器、及び該現像剤容器に収容されている現像剤の薄層を表面に形成して担持し、且つ現像領域へと現像剤を搬送するための現像剤担持体を有する現像装置において、
    該現像剤担持体は、少なくとも基体、及び該基体表面に形成された樹脂被覆層を有し、該樹脂被覆層は、少なくとも強摩擦帯電付与性の樹脂と電荷移動型結合体の含窒素ポリ硼素化合物を有していることを特徴とする現像装置。
  13. 該現像装置は、現像剤担持体上に該現像剤の層を形成するための現像剤層厚規制部材を更に有していることを特徴とする請求項12に記載の現像装置。
  14. 該現像剤層厚規制部材が、磁性規制ブレードであることを特徴とする請求項13に記載の現像装置。
  15. 該現像剤層厚規制部材が、該現像剤担持体に該現像剤を介して弾性的に圧接されていることを特徴とする請求項13に記載の現像装置。
  16. 該現像剤層厚規制部材が、弾性規制部材であることを特徴とする請求項13に記載の現像装置。
  17. 該現像剤が、磁性トナーを含む磁性一成分系現像剤であることを特徴とする請求項12乃至16のいずれかに記載の現像装置。
  18. 該現像剤が、非磁性トナーを含む非磁性一成分系現像剤であることを特徴とする請求項12乃至16に記載の現像装置。
  19. 該現像剤が、トナー及びキャリアを含む二成分系現像剤であることを特徴とする請求項12乃至16のいずれかに記載の現像装置。
  20. 該現像装置は、該現像領域で振動電界を形成するための手段を有する電源をさらに有していることを特徴とする請求項12乃至19のいずれかに記載の現像装置。
  21. 該電源は、該現像剤担持体に交番バイアスを印可するためのものであることを特徴とする請求項20に記載の現像装置。
  22. 該現像剤担持体の表面に形成する該現像剤の薄層は、該現像領域を形成するための静電潜像保持体と該現像剤担持体との間の最小間隙よりも薄いことを特徴とする請求項12乃至19のいずれかに記載の現像装置。
  23. 該現像装置は、該現像領域で振動電界を形成するための手段を有する電源を更に有しており、該現像剤担持体の表面に形成する該現像剤への薄層は、該現像領域を形成するための静電潜像保持体と該現像剤担持体との間の最小間隙よりも薄いことを特徴とする請求項12乃至19のいずれかに記載の現像装置。
  24. 該現像剤担持体は、請求項2乃至11のいずれかに記載の現像剤担持体であることを特徴とする請求項12に記載の現像装置。
  25. 現像剤容器に収容されている現像剤を現像剤担持体で担持する工程;
    該現像剤担持体に担持されている現像剤を該現像剤担持体と静電潜像保持体とが対向する現像領域へ搬送する工程;
    該現像領域で該現像剤担持体に担持されている該現像剤によって、該静電潜像保持体上に形成されている静電潜像を現像する工程;を有する現像方法において、
    該現像剤担持体は、少なくとも基体、及び該基体表面に形成された樹脂被覆層を有しており、該樹脂被覆層は、少なくとも強摩擦帯電付与性の樹脂と電化移動型結合体の含窒素ポリ硼素化合物を有していることを特徴とする現像方法。
  26. 該静電潜像保持体が、電子写真用感光体であることを特徴とする請求項25に記載の現像方法。
  27. 該現像剤層規制部材によって、現像剤担持体上に現像剤の層を形成することを特徴とする請求項25又は26のいずれかに記載の現像方法。
  28. 該現像剤層厚規制部材が、磁性規制ブレードであることを特徴とする請求項27に記載の現像方法。
  29. 該現像剤層厚規制部材を、該現像剤担持体に現像剤を介して弾性的に圧接されていることを特徴とする請求項27に記載の現像方法。
  30. 該現像剤層厚規制部材が、弾性規制部材であることを特徴とする請求項29に記載の現像方法。
  31. 該現像剤が、磁性トナーを含む磁性一成分系現像剤であることを特徴とする請求項25乃至30に記載の現像方法。
  32. 該現像剤が、非磁性トナーを含む非磁性一成分系現像剤であることを特徴とする請求項25、26、27、29、又は30のいずれかに記載の現像方法。
  33. 該現像剤が、トナー及びキャリアを含む二成分系現像剤であることを特徴とする請求項25乃至30に記載の現像方法。
  34. 該現像領域で振動電界を形成して該静電潜像を該現像剤担持体に担持されている現像剤で現像することを特徴とする請求項25乃至33のいずれかに記載の現像方法。
  35. 該現像剤担持体に交番バイアスを印可して、該静電潜像を該現像剤担持体に担持されている現像剤で現像することを特徴とする請求項34に記載の現像方法。
  36. 該現像剤担持体の表面に形成する該現像剤の薄層を、該現像領域を形成するための静電潜像保持体と該現像剤担持体との間の最小間隙よりも薄く設定して、該静電潜像を該現像剤担持体に担持されている現像剤で現像することを特徴とする請求項25乃至33のいずれかに記載の現像方法。
  37. 該現像剤担持体の表面に形成する該現像剤への薄層を、該現像領域を形成するための静電潜像保持体と該現像剤担持体との間の最小間隙よりも薄く設定し、且つ該現像領域で振動電界を形成して該静電潜像を該現像剤担持体に担持されている現像剤で現像することを特徴とする請求項25乃至33のいずれかに記載の現像方法。
  38. 該現像剤担持体は、請求項2乃至11のいずれかに記載の現像剤担持体であることを特徴とする請求項25に記載の現像方法。
  39. (i)静電荷潜像を保持するための静電潜像保持体、及び(ii)該静電荷潜像を現像領域で現像剤によって現像し、現像画像を形成するための現像手段を少なくとも有する画像形成装置において、
    該現像装置は、現像剤を収容する現像剤容器、及び該現像容器に収容されている現像剤の薄層を担持し、且つ現像剤を現像領域へ搬送するための現像剤担持体を有しており、該現像剤担持体は、少なくとも基体、及び該基体表面に形成された樹脂被覆層を有しており、該樹脂被覆層は、少なくとも強摩擦帯電付与性の樹脂と電化移動型結合体の含窒素ポリ硼素化合物を有していることを特徴とする画像形成装置。
  40. 該静電潜像保持体が、電子写真用感光体であることを特徴とする請求項39に記載の画像形成装置。
  41. 該画像形成装置は、該現像画像を被記録材上に転写するための転写手段を更に有していることを特徴とする請求項39又は40に記載の画像形成装置。
  42. 該画像形成装置は、該現像画像を被記録材上に定着するための定着手段を更に有していることを特徴とする請求項39乃至41のいずれかに記載の画像形成装置。
  43. 該画像形成装置は、該現像剤担持体上に該現像剤の層を形成するための現像剤層厚規制部材を更に有していることを特徴とする請求項39乃至42のいずれかに記載の画像形成装置。
  44. 該現像剤層厚規制部材が、磁性規制ブレードであることを特徴とする請求項43に記載の画像形成装置。
  45. 該現像剤層厚規制部材を、該現像剤担持体に現像剤を介して弾性的に圧接されていることを特徴とする請求項43に記載の画像形成装置。
  46. 該現像剤層厚規制部材が、弾性規制部材であることを特徴とする請求項45に記載の画像形成装置。
  47. 該現像剤が、磁性トナーを含む磁性一成分系現像剤であることを特徴とする請求項39乃至46のいずれかに記載の画像形成装置。
  48. 該現像剤が、非磁性トナーを含む非磁性一成分系現像剤であることを特徴とする請求項39、40、41、42、43、45又は46のいずれかに記載の画像形成装置。
  49. 該現像剤が、トナー及びキャリアを含む二成分系現像剤であることを特徴とする請求項39乃至46に記載の画像形成装置。
  50. 該現像装置は、該現像領域で振動電界を形成するための手段を有する電源を更に有していることを特徴とする請求項39乃至49のいずれかに記載の画像形成装置。
  51. 該電源は、該現像剤担持体に交番バイアスを印可するためのものであることを特徴とする請求項50に記載の画像形成装置。
  52. 該現像剤担持体の表面に形成する該現像剤の薄層は、該現像領域を形成するための静電潜像保持体と該現像剤担持体との間の最小間隙よりも薄いことを特徴とする請求項39乃至49のいずれかに記載の画像形成装置。
  53. 該現像装置は、該現像領域で振動電界を形成するための手段を有する電源を更に有しており、該現像剤担持体の表面に形成する該現像剤への薄層は、該現像領域を形成するための静電潜像保持体と該現像剤担持体との間の最小間隙よりも薄いことを特徴とする請求項39乃至49のいずれかに記載の画像形成装置。
  54. 該現像剤担持体は、請求項2乃至11のいずれかに記載の現像剤担持体であることを特徴とする請求項39に記載の画像形成装置。
  55. 画像形成装置本体に脱着可能なプロセスカートリッジにおいて、該プロセスカートリッジは、(i)静電潜像を保持するための静電潜像保持体、及び(ii)該静電荷潜像を現像領域で現像剤によって現像し、現像画像を形成するための現像手段を少なくとも一体的に有しており、
    該現像手段は、現像剤を収容する現像剤容器、及び該現像容器に収容されている現像剤の薄層を担持し、且つ該現像剤を現像領域へ搬送するための現像剤担持体を有しており、該現像剤担持体は、少なくとも基体、及び該基体表面に形成された樹脂被覆層を有しており、該樹脂被覆層は、少なくとも強摩擦帯電付与性の樹脂と電荷移動型結合体の含窒素ポリ硼素化合物を有していることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  56. 該静電潜像保持体が、電子写真用感光体であることを特徴とする請求項55に記載のプロセスカートリッジ。
  57. 該プロセスカートリッジは、該現像剤担持体上に該現像剤の層を形成するための現像剤層厚規制部材を更に有していることを特徴とする請求項55乃至56に記載のプロセスカートリッジ。
  58. 該現像剤層厚規制部材が、磁性規制ブレードであることを特徴とする請求項57に記載のプロセスカートリッジ。
  59. 該現像剤層厚規制部材を、該現像剤担持体に該現像剤を介して弾性的に圧接されていることを特徴とする請求項57に記載のプロセスカートリッジ。
  60. 該現像剤層厚規制部材が、弾性規制部材であることを特徴とする請求項59に記載のプロセスカートリッジ。
  61. 該現像剤が、磁性トナーを含む磁性一成分系現像剤であることを特徴とする請求項55乃至60のいずれかに記載のプロセスカートリッジ。
  62. 該現像剤が、非磁性トナーを含む非磁性一成分系現像剤であることを特徴とする請求項55、56、57、59又は60のいずれかに記載のプロセスカートリッジ。
  63. 該現像剤が、トナー及びキャリアを含む二成分系現像剤であることを特徴とする請求項39乃至46に記載のプロセスカートリッジ。
  64. 該現像剤担持体は、請求項2乃至9のいずれかに記載の現像剤担持体であることを特徴とする請求項55に記載のプロセスカートリッジ。
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JP2011095625A (ja) * 2009-10-30 2011-05-12 Canon Inc 現像装置
JP2015165571A (ja) * 2012-09-28 2015-09-17 株式会社ボロンインターナショナル 蓄電性、導電性及び抗菌性を有するbn電解質材料
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JP2018155944A (ja) * 2017-03-17 2018-10-04 信越ポリマー株式会社 現像ローラ、現像ローラの製造方法及び画像形成装置

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