JP2002357912A - 電子写真プロセス及び電子写真装置 - Google Patents
電子写真プロセス及び電子写真装置Info
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Abstract
画像欠陥を防止し、かつ耐久性を向上させる。 【解決手段】 電子写真用感光体100は、導電性支持
体101と、その上に形成された光受容層102とを有
する。光受容層102は、ケイ素原子を含有した非単結
晶材料からなる光導電層103と、表面保護層104と
を有する。電子写真プロセスにおける感光体の表面移動
速度PSが320mm/sec以上である場合、表面保
護層の膜厚Ds(μm)および固有抵抗値Rs(Ω・c
m)はそれぞれ、1.0×109≦Rs≦1.0×1013、
かつ、Ds≦―0.136Ln(Rs)+(―0.004×
PS+6)(Lnは自然対数)を満足するように規定さ
れる。
Description
ころの感光体表面を帯電し、その帯電面に可視光、ライ
ン走査レーザー光により画像情報の書込みをして、さら
にトナー像化し、転写材に転写して画像形成を実行し、
転写工程後の感光体表面をクリーニングするクリーニン
グ手段を有する電子写真プロセスおよび電子写真装置に
関する。
(以下、「a―Si」と表記する)ドラムを用いたプリ
ンタ、複写機、ファクシミリ等の電子写真装置に適用さ
れる発明に係る。
現像、転写、クリーニング(残留トナー除去)、除電、
及び帯電の各プロセス手段を配置し、所定の電子写真プ
ロセスにより画像形成を行う、いわゆるカールソンプロ
セスに基づく電子写真装置は周知である。
タンゴムなどの帯状弾性体からなるブレードクリーニン
グが多く使われている。このようなクリーニングブレー
ドは、感光体上に残る現像剤トナー等を除去する効果に
優れており、低速から高速の電子写真装置において広く
使用されている。
には、近年、耐久性の向上とフリーメインテナンス化を
図るために、a―Si感光体ドラムを用いているものが
ある。a―Si感光体ドラムは、表面保護層として、ア
モルファスシリコンカーバイドを一般的に有しており、
さらに、アモルファスカーボンを用いる提案もなされて
いる。これらの表面保護層は、有機感光体ドラムの表面
に比較して非常に硬質であるため、上記のようなクリー
ニングブレードによるクリーニングに対しても、感光体
表面の摩耗が非常に少なく、高耐久性を示し、高速の電
子写真において非常に有効である。
ては、感光体への均一な帯電の後、レーザーまたはLE
Dアレイ等による潜像の書込みが行われ、現像剤によっ
て感光体上の潜像を顕像化する。潜像を顕像化する方法
として、レーザーなどで潜像を書込んだ部分を現像剤に
より顕像化する反転現像方式と、潜像を書込まない部分
に現像剤を顕像化する正現像法の2種類の方法がある。
は、原稿台からの原稿の反射光を感光体への潜像書込み
手段とするため、正現像方式が用いられる。
転現像方式のどちらも利用することが容易であるが、レ
ーザーやLEDアレイの発光強度や寿命の観点から、出
来るだけレーザーやLEDアレイの発光時間を少なくし
た方が有利であり、反転現像を用いる方が有効である。
り、デジタル方式の電子写真装置においても、従来は毎
分30〜40枚(A4横)であったものが、毎分60枚
(A4横)以上の印刷速度を有するものまで現れてい
る。このような場合において、感光体表面の移動速度は
約260(mm/sec)以上が必要となってくる。
ングには、感光体表面に当接して設けられたクリーニン
グブレードにより、感光体上に残留する現像剤をクリー
ニングする方法が適している。
者らは、反転現像方式を用いた、高速表面のクリーニン
グを行う場合に、新たに発生する課題があることを見出
した。
性と現像剤の帯電極性が同極である。この同極性の感光
体と現像剤を用いるプロセスにおいて、高速移動する感
光体表面をクリーニングブレードによって現像剤を除去
(クリーニング)すると、現像剤が感光体から剥ぎ取ら
れる際に、現像剤の極性と反対の電荷を感光体表面に受
け渡す現象(静電放電現象)が発生する。
なものであるが、現像剤のサイズが数μ程度と小さく、
且つ現像剤の抵抗が高いために感光体表面の極めて微小
面積に静電放電が集中するため、感光体の表面保護層の
電荷保持能力を破壊するには充分な放電量となる。
能力の低下が発生し、画像欠陥として顕著化する。この
ような放電現象(以下、「剥離放電」という)は、現像
剤を剥ぎ取るスピードが速いほど、すなわち、感光体表
面の移動速度が速いほど、またクリーニングする現像剤
が多いほどその発生頻度が高くなる。
ける剥離放電による画像欠陥を防止し、且つ高い耐久性
を有する電子写真プロセス及び電子写真装置を提供する
ことを目的とする。
本発明の電子写真プロセスは、導電性基体上に、少なく
とも、ケイ素原子を含有した非単結晶材料からなる光導
電層と、表面保護層とが積層された感光体に対し、帯電
前に露光する工程、帯電工程、潜像形成工程、反転現像
により画像形成を行う現像工程、及び前記感光体に当接
して設けられたクリーニングブレードにより前記感光体
の表面をクリーニングする工程を少なくとも含む電子写
真プロセスにおいて、前記感光体の表面移動速度PSが
320mm/sec以上であり、前記表面保護層の膜厚
をDs(μm)、固有抵抗値をRs(Ω・cm)とした
とき 1.0×109≦Rs≦1.0×1013、かつ、Ds≦―
0.136Ln(Rs)+(―0.004×PS+6) (Lnは自然対数)を満足することを特徴とする。
体上に、少なくとも、ケイ素原子を含有した非単結晶材
料からなる光導電層と、表面保護層とが積層された感光
体の表面に一連の電子写真プロセスを実行するための、
帯電前に露光する手段、帯電手段、潜像形成手段、反転
現像により画像形成を行う現像手段、及び前記感光体に
当接して設けられたクリーニングブレードにより前記感
光体の表面をクリーニングする手段を少なくとも含む電
子写真装置において、前記感光体の表面移動速度PSが
320mm/sec以上であり、前記表面保護層の膜厚
をDs(μm)、固有抵抗値をRs(Ω・cm)とした
とき 1.0×109≦Rs≦1.0×1013、かつ、Ds≦―
0.136Ln(Rs)+(―0.004×PS+6) (Lnは自然対数)を満足することを特徴とする。
果、本発明者らは剥離放電によって発生する電荷を表面
保護層から下部層へ速やかに逃がすことで、表面保護層
表面における剥離放電による高電界の発生を抑止し、表
面保護層の電荷保持能の低下を防止できることを見出
し、本発明に至った。
値を所定の数値範囲内に規定し、さらに好ましくは感光
体の暗部電位の低下率を30%以下に規定することで、
剥離放電による画像欠陥の顕著化が長期にわたり防止さ
れる。
シリコン系電子写真用感光体の好適な層構成、その感光
体の製造方法、装置、そして本発明の電子写真プロセス
及び装置について説明する。
電子写真プロセス及び装置に適用される電子写真感光体
の層構成の一例を示す。図1(a)〜(c)にそれぞれ
示すように、電子写真用感光体100は、導電性支持体
101上に作製される光受容層102を備えており、自
由表面110側には、表面保護層104が形成される。
ては、光受容層102は、水素原子及び/又はハロゲン
原子を含有するアモルファスシリコン(以下、「a―S
i(H,X)」と表記する)からなる、光導電性を有す
る光導電層103と、水素原子及び/又はハロゲン原子
を含有するアモルファスシリコンカーバイド(以下、
「a―SiC(H,X)」と表記する)、または水素原
子及び/又はハロゲン原子を含有するアモルファスカー
ボン(以下、「a―C(H,X)」と表記する)からな
る表面保護層104を有する。
ては、光受容層102は、電荷注入阻止層105と、a
―Si(H,X)からなる、光導電性を有する光導電層1
03と、a―SiCまたはa―Cからなる表面保護層1
04を有する。
ては、光受容層102は、電荷注入阻止層105と、a
―Si(H,X)からなる、光導電性を有する光導電層1
03とa―SiC(H,X)またはa―C(H,X)からなる
表面保護層104を有する。図1(c)において光導電
層103は、電荷発生層107と電荷輸送層106の積
層によって形成される。
写真用感光体の導電性支持体101としては、例えばA
l, Cr, Mo, Au, In, Nb, Te, V, Ti,
Pt, Pd, Fe等の金属、及びこれらの合金、例えば
ステンレス等が挙げられる。また、電気絶縁性支持体で
あって少なくとも光受容層を作製する側の表面を導電処
理して支持体として用いることができる。
を効果的に達成するために導電性支持体101上に形成
され、光受容層102の少なくとも一部を構成する光導
電層103は、例えば真空堆積膜形成方法によって作製
される。その作製の際には、所望の特性が得られるよう
に適宜成膜パラメータの数値条件が設定され、また使用
される原料ガスなどが選択される。具体的には、例えば
グロー放電法(低周波CVD法、高周波CVD法または
マイクロ波CVD法等の交流放電CVD法、あるいは直
流放電CVD法等)、スパッタリング法、真空蒸着法、
イオンプレーティング法、光CVD法、熱CVD法など
の数々の薄膜堆積法によって作製できる。これらの薄膜
堆積法は、製造条件、設備資本投資下の負荷程度、製造
規模、作製される電子写真用感光体に所望される特性等
の要因によって適宜選択されて採用される。所望の特性
を有する電子写真用光受容部材を製造するに当たっての
条件の制御が比較的容易であることから、グロー放電法
として、RF帯(13.56MHz)やVHF帯として
は50〜450MHzの電源周波数を用いた高周波グロ
ー放電法が好適である。
成するには、例えば基本的にはシリコン原子(Si)を
供給し得るSi供給用の原料ガスと、水素原子(H)を
供給し得るH供給用の原料ガスまたは/及びハロゲン原
子(X)を供給し得るX供給用の原料ガスを、内部を減
圧にし得る反応容器内に所望のガス状態で導入して、反
応容器内にグロー放電を生起させ、あらかじめ所定の位
置に設置されている所定の導電性支持体101にa―S
i(H,X)からなる層を形成すればよい。
/及びハロゲン原子は、層中のシリコン原子の未結合手
を補償するために含有され、層品質の向上、特に光導電
性及び電荷保持特性を向上させるために必要である。水
素原子またはハロゲン原子の含有量は、シリコン原子
(Si)と水素原子(H)またはハロゲン原子(X)と
の和に対して、水素原子(H)とハロゲン原子(X)が
ともに含まれている場合には、水素原子とハロゲン原子
の和の量はシリコン原子と水素原子及びハロゲン原子の
和に対して、好ましくは10〜30原子%、より好まし
くは15〜25原子%である。
SiH4, Si2H6, Si3H8, Si4H10等のガス状態
の、またはガス化し得る水素化ケイ素(シラン類)が有
効に使用されるものとして挙げられる。さらに層作製時
の取り扱い易さ、Si供給率の良さ等の点でSiH4,
Si2H6が好ましいものとして挙げられる。
素原子を構造的に導入し、水素原子の導入割合の制御を
いっそう容易にするには、H2及び/またはHeあるい
は水素原子を含むケイ素化合物のガスを所望量混合した
雰囲気で、層形成することが有効である。また、各ガス
は単独種のみでなく所定の混合比で複数種混合しても差
し支えない。
なのは、例えばハロゲンガス、ハロゲン化物、ハロゲン
を含むハロゲン間化合物、ハロゲンで置換されたシラン
誘導体等のガス状のまたはガス化し得るハロゲン化合物
が好ましく挙げられる。さらに、シリコン原子とハロゲ
ン原子とを構成要素とするガス状のまたはガス化し得
る、ハロゲン原子を含む水素化ケイ素化合物も有効なも
のとして挙げることができる。好適に使用し得るハロゲ
ン化合物としては、具体的には弗素ガス(F2,BrF,
ClF, ClF3, BrF3, BrF5, IF3, IF7等のハ
ロゲン間化合物を挙げることができる。ハロゲン原子を
含むケイ素化合物、いわゆるハロゲン原子で置換された
シラン誘導体としては、具体的にはSiF4, Si2F6
等の弗化ケイ素が好ましい。
び/またはハロゲン原子の量を制御するには、例えば導
電性支持体101の温度、水素原子及び/またはハロゲ
ン原子を含有させるために使用される原料物質の反応容
器内へ導入する量、放電電力等を制御すればよい。
を制御する原子を含有させることが好ましい。伝導性を
制御する原子は、光導電層103中に満遍なく均一に分
布した状態で含有されてもよいし、あるいは層厚方向に
不均一な分布状態で含有している部分があってもよい。
野における、いわゆる不純物を挙げることができ、p型
伝導特性を与える周期律表第13族に属する原子(以
下、「第13族原子」と略記する)またはn型伝導特性
を与える周期律表第15族に属する原子(以下、「第1
5族原子」と略記する)を用いることができる。第13
族原子としては、具体的には、硼素(B)、アルミニウ
ム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、
タリウム(Tl)等があり、特にB, Al, Gaが好適
である。第15族原子としては、具体的には燐(P)、
砒素(As)、アンチモン(Sb)、ビスマス(Bi)
等があり、特にP, Asが好適である。光導電層103
に含有される伝導性を制御する原子の含有量としては、
好ましくは1×10-2〜1×103原子ppm、より好
ましくは5×10-2〜5×102原子ppm、さらに好
ましくは1×10-1〜1×102原子ppmである。
子あるいは第15族原子を構造的に導入するには、層形
成の際に、第13族原子導入用の原料物質あるいは第1
5族原子導入用の原料物質をガス状態で反応容器中に、
光導電層103を形成するための他のガスとともに導入
してやればよい。第13族原子導入用の原料物質あるい
は第15族原子導入用の原料物質となり得るものとして
は、常温常圧でガス状の、または、少なくとも層形成条
件下で容易にガス化し得るものを採用するのが望まし
い。
な第13族原子導入用の原料物質として具体的には、硼
素原子導入用としては、B2H6, B4H10, B5H11, B
6H1 0等の水素化硼素、BF3, BCl3, BBr3等のハ
ロゲン化硼素等が挙げられる。この他、GaCl3, G
a (CH3)3等も挙げることができる。中でもB2H
6は、取り扱いの面からも好ましい原料物質の一つであ
る。
子導入用の原料物質として有効に使用されるのは、燐原
子導入用としては、PH3, P2H4等の水素化燐、P
F3, PF5, PCl3, PCl5, PBr3, PI3等のハ
ロゲン化燐が挙げられる。この他、AsH3, AsF3,
AsCl3, AsBr3, AsF5,SbH3, SbF5, S
bCl5, BiH3, BiBr3等も第15族原子導入用
の出発物質の有効なものとして挙げることができる。
用の原料物質を必要に応じてH2及び/またはHeによ
り希釈して使用してもよい。
性、要求される特性に応じて適宜決められ、通常は10
〜50μm、好ましくは20〜40μmである。
Heの流量は、層設計にしたがって適宜最適範囲が選択
されるが、Si供給用ガスに対しH2及び/またはHe
を、3〜20倍の範囲に制御することが好ましい。ま
た、その範囲の値で一定になるように制御することが好
ましい。
がって適宜最適範囲が選択され、通常は1.0×10-2
Pa〜1.0×103Pa、好ましくは1.0×10-1P
a〜1.0×102Paである。放電電力もまた同様に層
設計にしたがって適宜最適範囲が選択されるが、Si供
給用のガスの流量に対する放電電力の比を、好ましくは
2〜7の範囲に設定する。さらに導電性支持体101の
温度は、層設計にしたがって適宜最適範囲が選択される
が、好ましくは200〜350℃とする。
ス圧の望ましい数値範囲として上記の範囲が挙げられる
が、条件は通常は独立的に別々に決められるものではな
く、所望の特性を有する光受容部材を形成すべく相互的
且つ有機的関連性に基づいて最適値を決めるのが好まし
い。
持体101形成された光導電層103の上に、さらにa
―SiC(H,X)またはa―C(H,X)からなる表面保護
層104を形成する。この表面保護層104は自由表面
110を有し、連続繰り返し使用特性、電気的耐圧性、
使用環境特性において本発明の目的を達成するために設
けられる。
またはa―C(H,X)の材料であればいずれの材質でも
可能である。本発明において、その目的を効果的に達成
するために、表面保護層104は、真空堆積膜形成方法
によって、所望特性が得られるように適宜成膜パラメー
タの数値条件が設定されて作製される。具体的には、前
述の光導電層103の形成方法と同様の方法が適用でき
るが、電子写真用感光体の生産性から、光導電層103
と同じ堆積法によることが好ましい。
C(H,X)よりなる表面保護層104を形成するには、
基本的にはシリコン原子(Si)を供給し得るSi供給
用の原料ガスと、炭素原子(C)を供給し得るC供給用
の原料ガスと、水素原子(H)を供給し得るH供給用の
原料ガス及び/またはハロゲン原子(X)を供給し得る
X供給用の原料ガスを、内部を減圧にし得る反応容器内
に所望のガス状態で導入して、反応容器内にグロー放電
を生起させ、あらかじめ所定の位置に設置された、光導
電層103を作製した導電性支持体101上にa―Si
C(H,X)層を作製すればよい。
る、シリコン(Si)供給用ガスとなり得る物質として
は、SiH4, Si2H6, Si3H8, Si4H10等のガス
状態の、またはガス化し得る水素化ケイ素(シラン類)
が有効に使用されるものとして挙げられ、さらに層作製
時の取り扱い易さ、Si供給効率の良さ等の点でSiH
4 , Si2H6が好ましいものとして挙げられる。また、
これらのSi供給用の原料ガスを必要に応じてH2, H
e, Ar, Ne等のガスにより希釈して使用してもよ
い。
ン系の供給ガスとなり得る物質としては、CH4, C2H
2, C2H6, C3H8, C4H10等のガス状態の、またはガ
ス化し得る炭化水素が、有効に使用されるものとして挙
げられ、さらに層作成時の取り扱い易さ、C供給効率の
良さ等の点でCH4, C2H2, C2H6が、好ましいもの
として挙げられる。また、これらのC供給用の原料ガス
を必要に応じてH2,He, Ar, Ne等のガスにより希
釈して使用してもよい。
〜3μm、より好ましくは0.1〜1μmである。層厚
が0.05μmより薄いと、電子写真用感光体100の
使用中の磨耗により表面保護層104が失われてしまう
場合がある。一方、3μmを超えると、残留電位の増加
等の電子写真特性の低下が生じる場合がある。
が所望通りに与えられるように注意深く形成される。表
面保護層104は、その形成条件によって構造的には多
結晶や微結晶からアモルファスまでの形態(総称して非
単結晶)を取り、電気物性的には導電性から半導体性、
絶縁性までの間の性質を、また、光導電的性質から非光
導電的性質までの間の性質を各々示すので、本発明にお
いては、目的に応じた所望の特性を有する化合物が形成
されるように、所望にしたがってその形成条件の選択が
厳密になされる。
成膜時間で制御する。表面保護層104の固有抵抗値の
制御は、例えば、水素原子を含有するアモルファスシリ
コンカーバイド(a―SiC(H))を表面保護層104
として用いる場合には、Si供給用の原料ガスSiH4
と、炭素原子(C)を供給し得るC供給用の原料ガスC
H4の比率を制御することで行うことが可能である。
ーボン(a―C(H))を表面保護層104として用い
る場合には、炭素原子(C)を供給し得るC供給用の原
料ガスCH4を反応容器内に導入した際の、反応容器内
の圧力、放電電力をパラメーターとして表面保護層10
4の固有抵抗値の制御が可能となる。
0においては、導電性支持体101と光導電層103と
の間に、導電性支持体101側からの電荷の注入を阻止
する働きのある電荷注入阻止層105を設けるのがいっ
そう効果的である。すなわち、電荷注入阻止層105
は、光受容層102が一定極性の帯電処理をその自由表
面110に受けた際、導電性支持体101側より光導電
層103側に電荷が注入されるのを阻止する機能を有
し、逆の極性の帯電処理を受けた際にはそのような機能
は発揮されない。そのような機能を付与するために、電
荷注入阻止層105には、伝導性を制御する原子を光導
電層103に比べ比較的多く含有させる。
性を制御する原子としては、半導体分野における、いわ
ゆる不純物を挙げることができ、p型伝導特性を与える
第13族原子またはn型伝導特性を与える第15族原子
を用いることができる。
る第13族原子としては、具体的には、B(硼素)、A
l(アルミニウム)、Ga(ガリウム)、In(インジ
ウム)、Ta(タリウム)等があり、特にB, Al, G
aが好適である。また、負帯電用の電荷注入阻止層10
5に含有する第15族原子としては、具体的にはP(リ
ン)、As(砒素)、Sb(アンチモン)、Bi(ビス
マス)等があり、特にP, Asが好適である。電荷注入
阻止層105の層厚としては、好ましくは0.1〜3μ
m、さらに好ましくは0.5〜3μmである。
光導電層103を形成する方法と同様の真空堆積法を採
用することができる。
荷注入阻止層105を形成するには、光導電層103と
同様に、Si供給用のガスと希釈ガスとの混合比、反応
容器内のガス圧、放電電力ならびに導電性支持体101
の温度を適宜設定することが必要である。
を形成するための希釈ガスの混合比、ガス圧、放電電
力、支持体温度の望ましい数値範囲として、光導電層1
03を形成する場合と同様の範囲が挙げられるが、これ
らの条件は通常は独立的に別々に決められるものではな
く、所望の特性を有する電荷注入阻止層105を形成す
べく相互的且つ有機的関連性に基づいて最適値を決める
のが望ましい。
及び方法の代表的な例について、RF―PCVD方式と
VHF―PCVD方式について説明する。
ための装置及び膜形成方法について詳述する。図2は、
RF帯の周波数を用いた高周波プラズマCVD法(以
下、「RF―PCVD」と略記する)による電子写真用
感光体の製造装置の好適な一例を示す模式的な構成図で
ある。図2に示す製造装置の構成は以下の通りである。
原料ガスの供給装置292、反応容器201、及び反応
容器201内を減圧するための排気装置293から構成
されている。反応容器201内には、図1における導電
性支持体101に相当する円筒状基体209、支持体加
熱用ヒーター207、原料ガス導入管208が設置さ
れ、さらに高周波マッチングボックス220及び高周波
電源211が接続されている。円筒状基体209は、反
応容器201内に設けられた基体ホルダ206に保持さ
れている。
GeH4, H2, CH4, B2H6, PH 3等の原料ガスのボ
ンベ231〜236、バルブ261〜266、及びマス
フローコントローラー271〜276から構成され、各
原料ガスのボンベ231〜236は、バルブ216を介
して反応容器201内のガス導入管208に接続されて
いる。
例えば以下のように行うことができる。
9を設置し、排気装置293により反応容器201内を
排気する。続いて支持体加熱用ヒーター207により円
筒状基体209の温度を、例えば、200℃〜400℃
の所定の温度に制御する。
ころで、原料ガスボンベのバルブ241〜246、流入
バルブ251〜256、流出バルブ261〜266のう
ちプラズマ処理に成膜に必要なガスのバルブを開き、原
料ガスボンベ231〜236から、マスフローコントロ
ーラー271〜276で所定の流量に調整し、ガス導入
管208を介して反応容器内201に導入する。
5×102Pa以下の所定の圧力になるように調整す
る。内圧が安定したところで、周波数13.56MHz
のRF電源を所望の電力に設定して、高周波マッチング
ボックス220を通じて反応容器201内にRF電力を
導入し、グロー放電を生起させる。この放電エネルギー
によって反応容器201内に導入された原料ガスが分解
され、所定のシリコンを主成分とする堆積膜が円筒状基
体209上に形成される。所望の膜厚の形成が行われた
後、RF電力の供給を止め、流出バルブを閉じて反応容
器201へのガスの流入を止め、堆積膜の形成を終え
る。
て、所望の多層構造の光受容層が形成される。
成を行っている間は、円筒状基体209を駆動装置(図
示せず)によって所定の速度で回転させることも有効で
ある。
々の層の作製条件にしたがって変更が加えられる。
周波数を用いた高周波プラズマCVD法(以下、「VH
F―PCVD」と略記する)によって形成される電子写
真用感光体の製造方法について説明する。
VD法による堆積装置291を、図3に示す堆積装置3
91に代えて原料ガスの供給装置292と接続すること
により、VHF―PCVD法による電子写真用感光体製
造装置を得ることができる。
原料ガスの供給装置(図示せず)、及び反応容器301
内を減圧するための排気装置(図示せず)から構成され
ている。反応容器301内には、円筒状基体309、支
持体加熱用ヒーター307、原料ガス導入管(図示せ
ず)、電極394が設置され、電極394にはさらに高
周波マッチングボックス320及び高周波電源321が
接続されている。円筒状基体309は、反応容器301
内に設けられた基体ホルダ306に保持されている。
積膜の形成は、以下のように行うことができる。
9を設置し、基体回転用モータ396によって円筒状基
体309を回転させ、不図示の排気装置(例えば拡散ポ
ンプ)により反応容器301内を、排気管312を介し
て排気し、反応容器301内の圧力を、例えば1.0×
103Pa以下に調整する。続いて、支持体加熱用ヒー
ター307により円筒状基体309の温度を、例えば2
00℃〜400℃の所定の温度に加熱保持する。
置と同様の方法により、原料ガス供給装置(図示せず)
から反応容器301内に導入される。
後、以下のようにして円筒状基体309上に各層の形成
を行う。
ころで、流出バルブ(図示せず)のうちの必要なもの及
び補助バルブ(図示せず)を徐々に開き、ガスボンベ
(図示せず)から所定のガスをガス導入管(図示せず)
を介して反応容器301内の放電空間395に導入す
る。次にマスフローコントローラー(図示せず)によっ
て各原料ガスが所定の流量になるように調整する。その
際、放電空間395内の圧力が約1.5×102Pa以下
の所定の圧力になるように、真空計(図示せず)を見な
がらメインバルブ(図示せず)の開口を調整する。
00MHzの高周波電源321を所望の電力に設定し
て、高周波マッチングボックス320を通じて放電空間
395にVHF電力を導入し、グロー放電を生起させ
る。そして円筒状基体309により取り囲まれた放電空
間395において、導入された原料ガスは、放電エネル
ギーにより励起されて解離し、円筒状基体309上に所
定の堆積膜が形成される。この際、形成される堆積膜の
均一化を図るため、基体回転用モータ396によって、
円筒状基体309を所望の回転速度で回転させる。
力の供給を止め、流出バルブを閉じて反応容器301へ
のガスの流入を止め、堆積膜の形成を終える。同様の操
作を複数回繰り返すことによって、所望の多層構造の光
受容層が形成される。
る。
子写真プロセスを実施する電子写真装置の一例を示す概
略図である。
には、主帯電器402、静電潜像形成手段403、現像
器404、転写材供給系405、転写帯電器406a、
分離帯電器406b、クリーニング装置407、搬送系
408、前露光光源409等が配設されている。感光体
401は、例えば前述のようにして作製され、前述のよ
うな層構成を有するものであり、必要に応じて面状の内
面ヒーター(不図示)によって温度を制御してもよい。
2により均一に帯電され、静電潜像形成手段403によ
り静電潜像が形成される。この静電潜像は、現像剤(ト
ナー)が塗布された現像器404の現像スリーブにより
トナー像として顕像化される。
れる転写材にトナー像が転写供給される。この転写材P
は、分離帯電器406b及び/または爪等の分離手段に
より感光体401から分離され、搬送系408を経由し
て定着器(不図示)の定着ローラー(不図示)によって
表面のトナー像が定着された後、電子写真装置外へ排出
される。
1の表面は、表面の残トナーや紙粉等の付着物が、クリ
ーニング装置407内のクリーニングブレード410、
クリーニングローラー(またはブラシ)411等により
除去され、次の画像形成に供される。そして、前露光光
源409により最後に一様に露光されることで、感光体
401は除電され、次の画像形成が行われる。
による表面保護層の電荷保持能力の低下を防止するとい
う本発明の目的の1つを達成するための条件を決めるた
めに本発明者らが行った実験を以下に述べる。
り、表1の条件において図1(c)に示す層構成を有す
る電子写真用の感光体を3本作製した。なお、表面保護
層はa―SiC(H)とした。導電性支持体として、直
径108mm、長さ358mmの円筒形のアルミニウムを用
いた。
取り出し、所望の表面保護層膜厚になっているかどう
か、大塚電子株式会社製「瞬間マルチ測光システムMC
PD―2000」を用い分光法による膜厚解析を行い、
表面保護層の膜厚を測定した。
いて、基板としてコーニング社製7059ガラス基板
を、電子写真用感光体の作製に用いたものと同じ円筒形
のアルミニウム支持体にセットして、1.0μmの表面
保護層サンプルを作製した。成膜後、作製したサンプル
に電極を蒸着し、ヒューレットパッカード社製「μA M
eter/DC Voltage Scope 4140B」を用いて表面保護層の
固有抵抗値を測定した。
s)と、サンプルにより測定した表面保護層の固有抵抗
値(Rs)は、それぞれ、Ds=0.55(μm)、R
s=1.4E+13(=1.4×1013)(Ω・cm)
であった。
ロセスを有する、キャノン製デジタル複写機GP605
に搭載し、図5に示すチャート501(感光体回転方向
にベタ黒部(潜像密度100%)501aとベタ白部
(潜像密度0%)501bが交互に並んでいる)を用
い、表2に示した3環境においてA4用紙横方向100
万枚の耐久試験を行った。なお、この複写機は、反転現
像方式であり、また感光体の表面移動速度(Ps)が4
50mm/secとなるように改造してある。
圧印加方式による暗部電位測定による表面保護層の電荷
保持能の評価と、耐久試験後に、潜像密度50%のハー
フトーン画像において、チャート501のベタ黒部50
1aに相当する部分に画像欠陥(画像黒抜け、濃度ムラ
など)が無いかを目視評価を行った。
圧印加方式の感光体測定装置の詳細を以下に述べる。
を帯電するための高圧電源は、DC/ACコンバータか
らの出力をレスポンスの早いオペアンプを使用し増幅し
ている。高圧電源と感光体の間には必要に応じて抵抗、
コンデンサが入れられるようになっており、それにより
帯電の時定数を変えられるようになっている。DC/A
Cコンバータは、コンピュータにより制御されている。
光源は前後左右に4個配置されており、電極の下に配置
された反射ミラーで露光されるようになっている。各光
源とも感光体との間には各種フィルターをセットできる
ようになっている。
本測定において、感光体をコンデンサとみなして測定す
る。図7に測定シーケンスを、図8に測定回路の概要図
を示す。測定は、図7に示すように進められ、光源によ
り感光体の履歴を除去するための除電露光及び前露光を
感光体に照射し、約10msec後に所定の印加電圧
(Va)を感光体に印加する。その後、約0.2sec
後に(Vd+Vc)分の電位を測定し、測定後、感光体を
アースに落とし、次に高圧電源と感光体の間に設置され
たコンデンサ電位Vcの電位測定を行い、これらの結果
から求めたVdを感光体電位とした。そして、ベタ黒部
の耐久前電位V0とベタ黒部の耐久後電位V1の差分Δ
V2(=V0−V1)を、耐久前電位V0で割ったもの
を電位低下率として電荷保持能の評価のパラメータとし
た。
境における耐久後の電位低下率と、耐久後のハーフトー
ン画像(潜像密度50%)における画像欠陥の有無の評
価結果が示してある。
位低下率は環境Aで最も悪く、68.2%に達した。ま
た、その他の環境においても30%以上の電位低下を示
し、各環境とも画像欠陥が発生した。
光体を8本用意し、これを、感光体の表面移動速度が2
00(mm/sec)から600(mm/sec)まで
可変可能に改造したキャノン製複写機GP605に搭載
し、実験1と同様の耐久試験を行った。なお、耐久試験
に用いた環境は、表2に示す環境Aとした。評価も実験
1と同様に実施した。結果を表4に示す。
が300mm/sec以上で電位低下が発生し、320
mm/sec以上では電位低下が30%を越える。ま
た、画像において電位低下が画像欠陥として顕在化する
のは電位低下が30%を越えることが条件であることが
確認できる。すなわち、高表面移動速度において、電位
低下率を30%以下にすることが必要であることがわか
る。
り、表5の条件において図1(c)に示す層構成を有す
る電子写真感光体を8本作製した。なお、表面保護層は
a―C(H)とした。導電性支持体として、直径108
mm、長さ358mmの円筒形のアルミニウムを用い
た。
取り出し、所望の表面保護層膜厚になっているかどう
か、大塚電子株式会社製「瞬間マルチ測光システムMC
PD―2000」を用いて分光法による膜厚解析を行
い、表面保護層の膜厚を測定した。
いて、基板としてコーニング社製7059ガラス基板
を、感光体の作製に用いたものと同じ円筒形のアルミニ
ウム支持体にセットして、1.0μmの表面保護層サン
プルを作製した。成膜後、作製したサンプルに電極を蒸
着し、ヒューレットパッカード社製「μA Meter/DC V
oltage Scope 4140B」を用いて表面保護層の固有抵抗値
を測定した。
s)と、サンプルにより測定した表面保護層の固有抵抗
値(Rs)は、それぞれ、Ds=0.55(μm)、R
s=2.1E+13=2.1×1013(Ω・cm)であっ
た。
久試験を行い、耐久前後に実験2と同様の評価を行っ
た。その結果を表6に示す。
が300mm/sec以上で電位低下が発生し、320
mm/sec以上では電位低下が30%を越える。ま
た、画像において電位低下が画像欠陥として顕像化する
のは電位低下が30%を越えることが条件であることが
確認できる。実験2、実験3の結果より、表面保護層の
構成元素に関わらず、剥離放電による表面保護層の電荷
保持能の低下が発生することがわかる。
り、表7の条件において図1(c)に示す層構成を有す
る感光体を作製した。なお、表面保護層はa―SiC
(H)とし、表面保護層の成膜条件(SiH4流量、C
H4流量、RF電力、成膜時間)を変えることで、表面
保護層膜厚(Ds)を0.1〜1.2(μm)の範囲で、
表面保護層の固有抵抗値(Rs)を1.1E+8(=1.
1×108)〜1.4E+13(=1.4×1013)(Ω・
cm)の範囲で異なる表面保護層を有する感光体を作製
した。また、導電性支持体として、直径108mm、長
さ358mmの円筒形のアルミニウムを用いた。
取り出し、所望の表面保護層膜厚になっているかどう
か、大塚電子株式会社製「瞬間マルチ測光システムMC
PD―2000」を用いて分光法による膜厚解析を行
い、表面保護層の膜厚を測定した。
いて、基板としてコーニング社製7059ガラス基板
を、感光体作製に用いたものと同じ円筒形のアルミニウ
ム支持体にセットして、1.0μmの表面保護層サンプ
ルを作製した。成膜後、作製したサンプルに電極を蒸着
し、ヒューレットパッカード社製「μA Meter/DC Vol
tage Scope 4140B」を用いて表面保護層の固有抵抗値を
測定した。
S)と、サンプルにより測定した表面保護層の固有抵抗
値の結果を表8に示す。
表示は、例えば感光体Aの場合は、1.1×108である
が、1.1E+08としてある。以下同様である。
移動速度が450(mm/sec)になるように改造し
たキャノン製複写機GP605に搭載し、実験1と同様
の耐久試験を行った。なお、耐久試験に用いた環境は、
表2に示す環境Aとした。評価は、実験1で示した電位
低下率の評価で行った。結果を表9に示す。表9におい
ては、電位低下率30%以下を○、30%を越えるもの
を×としてある。
にするためには、表面保護層の膜厚(Ds)と固有抵抗
値(Rs)の調整が必要であることが確認できる。さら
に詳細な検討を行い、電位低下率30%にするために必
要なRsとDsの関係を求めた結果、図9に示す相関が
得られた。
画像欠陥の発生を防止するためには、表面移動速度PS
=450mm/secの場合、 Ds≦―0.136Ln(Rs)+4.168 ・・・ 式(1) の関係を満たすように、表面保護層の固有抵抗値(R
s)と膜厚(Ds)を制御する必要がある。ここで、L
nは自然対数を意味する。
を320mm/sec、550mm/secで行った結
果を図10に示す。図10に示す相関から、各々の表面
移動速度PSに対するRsとDsの関係として、PS=
320mm/secのとき、 Ds≦―0.136Ln(Rs)+4.808 ・・・ 式(2) PS=550mm/secのとき、 Ds≦―0.136Ln(Rs)+3.808 ・・・ 式(3) の式が導き出された。
数項が感光体表面の移動速度の関数になっており、一次
近似にすることで、ほぼフィッティング可能であり、 f(PS)=(―0.004×PS+6)・・・式(4) と、式(4)であることが確認できた。よって、式
(1)〜式(4)より、 Ds≦―0.136Ln(Rs)+(―0.004×PS+6) ・・・ 式(5 ) の関係を満たすことが、表面保護層の剥離放電による電
荷保持能低下防止に有効であることが確認できる。
た。ライン画像は、前述のGP605において、レーザ
ー走査方向に1ラインの潜像を形成し、次に10ライン
分の間隔をおいて、また1ラインの潜像を形成する製作
を繰り返し、これをトナーにより顕像化したものを紙に
転写・定着させ、評価した。ライン画像評価は、1ライ
ン10スペース画像における幅評価(本体設定値50μ
mに対し、±10%以上ずれの有無)を行った。結果を
表10に示した。表の○/×は、ライン幅のズレが±1
0%以内の場合○、±10%を越える場合を×として評
価した。
抗値が1.1E+8(=1.1×108)(Ω・cm)の感
光体Aにおいては、剥離放電による電荷保持能の問題は
生じなかったが、表面保護層が低抵抗なため、電荷が感
光体表面で横流れし、結果としてライン幅が細くなる結
果となった。
護層の固有抵抗値の範囲は、 1.0×109≦Rs≦1.0×1013 であることが必要であることが確認できた。
(H)で行った結果、同様の結果が得られた。
て説明するが、本発明はこれらによって何ら限定される
ものではない。
(Ds)と表面保護層の固有抵抗値(Rs)が表11に
示す感光体(G)を作製した。
(感光体表面移動速度を300mm/secに改造)に
表11に示した感光体Gを搭載し、表2の環境A(N/
L)において、図5に示すチャート501を用い、A4
横方向で100万枚の耐久試験を行った。
価を行った結果、画像欠陥の発生は無く、耐久試験後も
良好な画像を得ることができた。
(感光体表面移動速度を450mm/secに改造)
に、実施例1と同様にして作製した感光体を搭載し、表
2の環境A(N/L)において、図5に示すチャート5
01を用い、A4横方向で100万枚の耐久試験を行っ
た。
価を行った結果、画像欠陥の発生は無く、耐久試験後も
良好な画像を得ることができた。
(感光体表面移動速度を500mm/secに改造)
に、実施例1と同様にして作製した感光体を搭載し、表
2の環境A(N/L)において、図5に示すチャート5
01を用い、A4横方向で100万枚の耐久試験を行っ
た。
価を行った結果、画像欠陥の発生は無く、耐久試験後も
良好な画像を得ることができた。
(感光体表面移動速度を550mm/secに改造)
に、実施例1と同様にして作製した感光体を搭載し、表
2の環境A(N/L)において、図5に示すチャート5
01を用い、A4横方向で100万枚の耐久試験を行っ
た。
価を行った結果、画像欠陥の発生は無く、耐久試験後も
良好な画像を得ることができた。
を使用する反転現像方式の電子写真プロセスにおいて、
感光体の表面移動速度、感光体の表面保護層の膜厚及び
固有抵抗値を規定することで、高速の電子写真プロセス
においても、剥離放電による感光体の電荷保持能の低下
を防止し、画像欠陥のない鮮明な画像を得ることができ
る。
成を示す断面図である。
めの、RFプラズマCVD装置の模式図である。
めの、VHFプラズマCVD装置の模式図である。
ートを示す模式図である。
う装置を示した模式図である。
る。
である。
値と膜厚の関係を示すグラフである。
抗値と膜厚の関係を示すグラフである。
Claims (6)
- 【請求項1】 導電性基体上に、少なくとも、ケイ素原
子を含有した非単結晶材料からなる光導電層と、表面保
護層とが積層された感光体に対する、帯電前に露光する
工程、帯電工程、潜像形成工程、反転現像により画像形
成を行う現像工程、及び前記感光体に当接して設けられ
たクリーニングブレードにより前記感光体の表面をクリ
ーニングする工程を少なくとも含む電子写真プロセスに
おいて、 前記感光体の表面移動速度PSが320mm/sec以
上であり、 前記表面保護層の膜厚をDs(μm)、固有抵抗値をR
s(Ω・cm)としたとき 1.0×109≦Rs≦1.0×1013、かつ、Ds≦―
0.136Ln(Rs)+(―0.004×PS+6) (Lnは自然対数)を満足することを特徴とする電子写
真プロセス。 - 【請求項2】 潜像密度100%のベタ黒画像作製シー
ケンスにおいて、 前記感光体の暗部電位を直接電圧印加方式の電位測定方
法において測定した際に、初期電位をVd0、前記ベタ
黒画像作製シーケンスを100万回繰り返した後の電位
をVd1としたとき、 (Vd0―Vd1)/Vd0≦0.30 を満足することを特徴とする、請求項1に記載の電子写
真プロセス。 - 【請求項3】 前記表面保護層が、水素原子及び/又は
ハロゲン原子を含有するアモルファスシリコンカーバイ
ド、または、水素原子及び/又はハロゲン原子を含有す
るアモルファスカーボンからなることを特徴とする、請
求項1に記載の電子写真プロセス。 - 【請求項4】 導電性基体上に、少なくとも、ケイ素原
子を含有した非単結晶材料からなる光導電層と、表面保
護層とが積層された感光体の表面に一連の電子写真プロ
セスを実行するための、帯電前に露光する手段、帯電手
段、潜像形成手段、反転現像により画像形成を行う現像
手段、及び前記感光体に当接して設けられたクリーニン
グブレードにより前記感光体の表面をクリーニングする
手段を少なくとも含む電子写真装置において、 前記感光体の表面移動速度PSが320mm/sec以
上であり、 前記表面保護層の膜厚をDs(μm)、固有抵抗値をR
s(Ω・cm)としたとき 1.0×109≦Rs≦1.0×1013、かつ、Ds≦―
0.136Ln(Rs)+(―0.004×PS+6) (Lnは自然対数)を満足することを特徴とする電子写
真装置。 - 【請求項5】 潜像密度100%のベタ黒画像作製シー
ケンスにおいて、 前記感光体の暗部電位を直接電圧印加方式の電位測定方
法において測定した際に、初期電位をVd0、前記ベタ
黒画像作製シーケンスを100万回繰り返した後の電位
をVd1としたとき、 (Vd0―Vd1)/Vd0≦0.30 を満足することを特徴とする、請求項4に記載の電子写
真装置。 - 【請求項6】 前記表面保護層が、水素原子及び/又は
ハロゲン原子を含有するアモルファスシリコンカーバイ
ド、または、水素原子及び/又はハロゲン原子を含有す
るアモルファスカーボンからなることを特徴とする、請
求項4に記載の電子写真装置。
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