JP2002258549A - 電子写真装置及び画像形成方法 - Google Patents

電子写真装置及び画像形成方法

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JP2002258549A
JP2002258549A JP2001054584A JP2001054584A JP2002258549A JP 2002258549 A JP2002258549 A JP 2002258549A JP 2001054584 A JP2001054584 A JP 2001054584A JP 2001054584 A JP2001054584 A JP 2001054584A JP 2002258549 A JP2002258549 A JP 2002258549A
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JP2001054584A
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Tetsuya Karaki
哲也 唐木
Yoshio Seki
好雄 瀬木
Hiroyuki Katagiri
宏之 片桐
Hideaki Matsuoka
秀彰 松岡
Satoshi Furushima
聡 古島
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 現像剤が感光体から除去される際の剥離放電
による感光体の画像欠陥を無くし、高耐久性で高品位な
電子写真装置を提供する。 【解決手段】 帯電手段と、潜像形成手段と、現像手段
と、感光体に当接して設けられたクリーニングブレード
により感光体上に残留する現像剤をクリーニングするク
リーニング手段とを少なくとも備え、現像工程における
暗部感光体の表面電位Vd(V)の絶対値を前記感光体
の面速度PS(mm/sec)の増大に応じて減少させ
る電子写真装置、およびそのようなVdの調整を伴う画
像形成方法。電子写真装置は、さらにクリーニング位置
よりも上流側であって現像位置よりも下流側に感光体の
表面を均一に露光する露光手段を備えることが好まし
い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、像担持体であると
ころの感光体表面を帯電し、その帯電面に可視光、ライ
ン走査レーザー光により画像情報の書込をして、更にト
ナー像化し、転写材に転写して画像形成を実行するもの
であり、かつ転写工程後の感光体表面をクリーニングす
るクリーニング手段を有する電子写真装置に関する。す
なわち本発明は、a−Si(アモルファスシリコン)ド
ラムを用いたプリンタ、複写機、ファクシミリ等の電子
写真装置およびこれを用いた画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より感光体ドラム外周面上に、露
光、現像、転写、クリーニング(残留トナー除去)、除
電及び帯電の各プロセス手段を配置し、所定の電子写真
プロセスにより画像形成を行なう、いわゆるカールソン
プロセスに基づく電子写真装置が広く知られている。特
に、クリーニング装置においては、ウレタンゴムなどの
帯状弾性体からなるものが多く使われている。このよう
なクリーニングブレードは、感光体上に残る現像剤トナ
ー等を除去する効果に優れており、低速から高速の電子
写真装置においても広く使用されている。
【0003】一方、電子写真装置に用いる感光体ドラム
には、近年、耐久性の向上とフリーメインテナンス化を
図るために、a−Si感光体ドラムを用いたものがあ
る。a−Si感光体ドラムは、OPCその他の有機感光
体ドラムに比較して硬質であるため、上記のようなクリ
ーニングブレードによるクリーニングに対しても、感光
体表面の磨耗が非常に少なく、高耐久性を示し、高速の
電子写真において非常に有効である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】近年のデジタル方式の
電子写真方法においては、感光体への均一な帯電の後レ
ーザー又はLEDアレイ等による潜像の書き込みが行わ
れ、現像剤が現像手段によって感光体上の潜像に顕著化
される。この場合、レーザーなどで潜像を書き込んだ部
分に現像剤を顕像化する反転現像方式と、潜像を書き込
まない部分に現像剤を顕像化する正現像方式の2種類の
方法がある。
【0005】アナログ方式の電子写真方法においては、
原稿台からの原稿の反射光を感光体への潜像書き込み手
段とするため、正現像方式が用いられる。デジタル方式
においては、正現像方式と反転現像方式のどちらも利用
することが容易であるが、レーザーやLEDアレイの発
光強度や寿命の観点から、出来るだけレーザーやLED
アレイの発光時間を少なくしたほうが有利であり、反転
現像を用いるほうが有効である。
【0006】また、近年の電子写真装置の高速化によ
り、デジタル方式の電子写真装置においても従来までは
毎分30〜40枚(A4横)であったものが、毎分60
枚(A4横)以上のコピースピードを有するものまで現
れている。このような場合において、感光体の面速度は
約260[mm/sec]以上が必要となってくる。ま
た、クリーニング手段は、感光体に当接して設けられた
クリーニングブレードにより、感光体上に残留する現像
剤をクリーニングする方法が多く用いられている。
【0007】反転現像方式を用いた場合は、現像剤の極
性が正、感光体の極性が正、又は現像剤の極性が負、感
光体の極性が負と言うように、感光体の帯電極性と現像
剤の帯電極性が同極である。この同極性の感光体と現像
剤のプロセスにおいて、高速移動する感光体表面をクリ
ーニングブレードによって現像剤を除去(クリーニン
グ)する際に、すなわち現像剤が感光体から剥ぎ取られ
る際に、現像剤の極性と反対の電荷を感光体表面に受け
渡す現象(静電放電現象)が発生する。これにより、感
光体表面から現像剤を引き剥がす際に、剥離放電現象が
起こる。この場合の放電量そのものは微細なものである
が、トナーの大きさが小さく(数μm程度)且つそれ自
体の抵抗が高いため、感光体と直接接する極めて微小面
積に集中し、感光体の表面層近傍の阻止能力を破壊する
には充分な電圧となる。
【0008】通常、a−Si感光体の印加電圧に対する
耐圧は、帯電極性方向には高く、反極性に対しては低
い。剥離放電が発生した際に、反対極性の放電が長期間
継続的に発生すると、その部分の感光体表面層の電荷阻
止能が微細に破壊される。その結果、感光体の帯電極性
側の電荷保持能力の低下が発生する。この様な剥離放電
は、現像剤を剥ぎ取るスピードが速いほど(感光体表面
の移動速度が速いほど)、またクリーニングする現像剤
が多いほどその発生頻度、発生度合いが大きくなる。
【0009】前記したようにa−Siドラムは有機半導
体ドラムに比較して硬質で耐久性が極めてよいにも拘ら
ず、上記のような問題が最近顕著化している。
【0010】本発明はかかる問題点を鑑み、a−Si系
感光体を用い、反転現像を用いた高速機において、現像
剤が感光体から除去される際の剥離放電による感光体の
画像欠陥を無くし、a−Si感光体の高耐久性を保証
し、かつ高品位な画像を形成できる電子写真装置及びそ
の装置を用いた画像形成方法を提供することを目的とす
るものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、a−Si系感
光体を帯電前に均一に露光する露光手段と、均一帯電を
行う帯電手段と、均一帯電した該感光体に露光像を書込
む潜像形成手段と、反転現像により現像剤トナーにより
画像形成を行う現像手段と、該感光体に当接して設けら
れたクリーニングブレードにより該感光体上に残留する
現像剤をクリーニングするクリーニング手段とを少なく
とも備えた電子写真装置において、現像工程における暗
部感光体の表面電位Vd(V)の絶対値を前記感光体の
面速度PS(mm/sec)の増大に応じて減少させる
ことを特徴とする電子写真装置である。
【0012】さらに本発明は、上記電子写真装置におい
て、クリーニング位置よりも上流側であって現像位置よ
りも下流側に、感光体の表面を均一に露光する露光手段
をさらに備える電子写真装置である。
【0013】さらに本発明は、上記電子写真装置を用い
て画像を形成する方法であって、現像工程における暗部
感光体の表面電位Vd(V)の絶対値を、感光体の面速
度PS(mm/sec)の増大に応じて減少させること
を特徴とする画像形成方法である。
【0014】電子写真での反転現像方式においては、図
1に示すように、感光体上に所定電位の表面電位Vdを
均一帯電させた後、露光を行うことにより所定の明部電
位VLの潜像電位分布が形成され、現像バイアスVdc
よりも電位の低い部分にトナー(現像剤)が付着され
る。このトナーの量は、現像バイアスVdcの設定によ
って制御可能であるが、ドラム電位を変えずに現像バイ
アスVdcを変化させると、潜像の鮮鋭度等、画質に影
響を与えやすい。そこで本発明においては、暗部電位V
dを変えることで現像剤量を制御し、該Vd電位を感光
体の面速度に応じて変化させる。
【0015】すなわち、本発明においては、暗部電位V
dを変えることで現像剤量を制御し、このVd電位を感
光体の面速度に応じて変化させることと、更に好ましく
は現像位置とクリーニング位置の間に露光装置を設置す
ることで、従来技術の課題を解決するものである。
【0016】まず、剥離放電現象を軽減するために、ク
リーニング装置に感光体上のトナーが入る前に、露光手
段により感光体表面に光を照射することで、感光体の感
光層内に光キャリアを発生させる。これにより、クリー
ニング装置内での剥離放電時に感光体表面に供給される
電荷が、感光層内の光キャリアと再結合する確率が高く
なり、剥離放電による表面層の破壊の程度を軽くするこ
とが可能となる。この作用は、露光手段がクリーニング
装置に近いほど効果がある。
【0017】さらに、現像工程における暗部感光体表面
電位Vd(V)を、感光体の面速度PS(mm/se
c)に応じて変化させる。特に320mm/sec以上
の場合においては、面速度PSと暗部電位Vd(V)と
の関係が、 Vd≧0、Vd≦−0.35PS+535 又は Vd≦0、Vd≦0.35PS−535 を満たすことが好ましい。この場合、画質を低下するこ
となく、クリーニング装置に表給される現像材トナー量
を低減させ、剥離放電を更に少なくすることができる。
なお、トナー量を現像バイアスVdcの設定により制御
する方法もあるが、ドラム電位を変えずに現像バイアス
Vdcのみを変化させると、トナー像の鮮鋭度や画質に
影響を与え易い。これと比較して、上述のようにVd設
定値を変えることは非常に有効な方法である。
【0018】また、剥離放電による感光体の表面層の電
荷保持能力の度合いを、感光体の暗部電位を直接電圧印
加方式の電位測定方法において測定した際に、初期電位
をVd0、ベタ黒画像を100万枚耐久後の電位をVd
1とした場合において、 (Vd0−Vd1)/Vd0≦0.30 の範囲に入れることが好ましい。この場合、剥離放電に
よる表面層の電荷保持能の低下が画像欠陥として顕著化
することを防止できる。
【0019】
【発明の実施の形態】[実施形態1] <電子写真用光受容部材>以下に、本発明に用いる電子
写真用光受容部材を説明する。図4(a)〜(e)は、
それぞれ電子写真用光受容部材の好適な層構成の例を説
明するための模式的構成図である。
【0020】(層構成)図4(a)に示す電子写真用光
受容部材400は、光受容部材用の支持体401上に光
受容層402が設けられて成るものである。この光受容
層402は、例えば水素原子及びハロゲン原子の少なく
ともいずれか一方と、シリコン原子を含有する非単結晶
材料の一つであるa−Si(H,X)で構成され光導電
性を有する光導電層403から成る。
【0021】図4(b)に示す電子写真用光受容部材4
00は、光受容部材用の支持体401上に光受容層40
2が設けられて成るものである。この光受容層402
は、例えばa−Si(H,X)で構成され光導電性を有
する光導電層403と、アモルファスシリコン系又はア
モルファスカーボン系表面層404とから成る。
【0022】図4(c)に示す電子写真用光受容部材4
00は、光受容部材用の支持体401上に光受容層40
2が設けられて成るものである。この光受容層402
は、例えばa−Si(H,X)で構成され光導電性を有
する光導電層403と、アモルファスシリコン系又はア
モルファスカーボン系表面層404と、アモルファスシ
リコン系電荷注入阻止層405とから成る。
【0023】図4(d)に示す電子写真用光受容部材4
00は、光受容部材用の支持体401上に光受容層40
2が設けられて成るものである。この光受容層402
は、図4(c)に示した層構成において、光導電層40
3を、更にa−Si(H,X)で構成された電荷発生層
406と電荷輸送層407とに機能分離して構成したも
のである。
【0024】図4(e)は、特に負帯電の特性を有する
電子写真用光受容部材の層構成の一例であり、この電子
写真用光受容部材400は、光受容部材用の支持体40
1上に、光受容層402が設けられて成るものである。
この光受容層402は、例えばa−Si(H,X)で構
成され光導電性を有する光導電層403と、アモルファ
スシリコン系又はアモルファスカーボン系表面層404
と、アモルファスシリコン系電荷注入阻止層405とを
有し、更に光導電層403の上に上部阻止層408を有
する。
【0025】(支持体)本発明において使用される導電
性支持体としては、、例えばAl、Cr、Mo、Au、
In、Nb、Te、V、Ti、Pt、Pd、Fe等の金
属、及びこれらの合金、例えばステンレス等が挙げられ
る。また、電気絶縁性支持体であって少なくとも光受容
層を作製する側の表面を導電処理して支持体として用い
ることができる。
【0026】(光導電層)本発明において、その目的を
効果的に達成するために支持体401上に形成され、光
受容層402の少なくとも一部を構成する光導電層40
3は、例えば真空堆積膜形成方法によって作製される。
その作製の際には、所望特性が得られるように適宜成膜
パラメーターの数値条件が設定され、また使用される原
料ガスなどが選択される。具体的には、例えばグロー放
電法(低周波CVD法、高周波CVD法又はマイクロ波
CVD法等の交流放電CVD法、あるいは直流放電CV
D法等)、スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレ
ーティング法、光CVD法、熱CVD法などの数々の薄
膜堆積法によって作製できる。これらの薄膜堆積法は、
製造条件、設備資本投資下の負荷程度、製造規模、作製
される電子写真用光受容部材に所望される特性等の要因
によって適宜選択されて採用される。所望の特性を有す
る電子写真用光受容部材を製造するに当たっての条件の
制御が比較的容易であることから、グロー放電法とし
て、RF帯(13.56Mhz)やVHF帯としては5
0〜450Mhzの電源周波数を用いた高周波グロー放
電法が好適である。
【0027】グロー放電法によって光導電層403を形
成するには、例えば基本的にはシリコン原子(Si)を
供給し得るSi供給用の原料ガスと、水素原子(H)を
供給し得るH供給用の原料ガス又は/及びハロゲン原子
(X)を供給し得るX供給用の原料ガスを、内部が減圧
にし得る反応容器内に所望のガス状態で導入して、反応
容器内にグロー放電を生起させ、あらかじめ所定の位置
に設置されてある所定の支持体401上にa−Si
(H,X)からなる層を形成すればよい。
【0028】また、光導電層403中に水素原子又は/
及びハロゲン原子が含有されることが、層中のシリコン
原子の未結合手を補償するために含有され、層品質の向
上、特に光導電性及び電荷保持特性を向上させるために
は必要である。水素原子又はハロゲン原子の含有量、又
は水素原子とハロゲン原子の和の量はシリコン原子と水
素原子又は/及びハロゲン原子の和に対して、好ましく
は10〜30原子%、より好ましくは15〜25原子%
である。
【0029】Si供給用ガスとなり得る物質としては、
SiH4、Si26、Si38、Si410等のガス状態
の、又はガス化し得る水素化珪素(シラン類)が有効に
使用されるものとして挙げられる。さらに層作製時の取
り扱い易さ、Si供給効率の良さ等の点でSiH4、S
26が好ましいものとして挙げられる。
【0030】そして、形成される光導電層403中に水
素原子を構造的に導入し、水素原子の導入割合の制御を
いっそう容易になるようにはかり、H2及び/又はHe
あるいは水素原子を含む珪素化合物のガスを所望量混合
した雰囲気で、層形成することが必要である。また、各
ガスは単独種のみでなく所定の混合比で複数種混合して
も差し支えないものである。
【0031】又はロゲン原子供給用の原料ガスとして有
効なのは、たとえばハロゲンガス、ハロゲン化物、ハロ
ゲンを含むハロゲン間化合物、ハロゲンで置換されたシ
ラン誘導体等のガス状の又はガス化し得るハロゲン化合
物が好ましく挙げられる。さらに、シリコン原子とハロ
ゲン原子とを構成要素とするガス状の又はガス化し得
る、ハロゲン原子を含む水素化珪素化合物も有効なもの
として挙げることができる。好適に使用し得るハロゲン
化合物としては、具体的には弗素ガス(F2)、Br
F、ClF、ClF3、BrF3、BrF5、IF3、IF
7等のハロゲン間化合物を挙げることができる。ハロゲ
ン原子を含む珪素化合物、いわゆるハロゲン原子で置換
されたシラン誘導体としては、具体的にはSiF4、S
26等の弗化珪素が好ましい。
【0032】光導電層403中に含有される水素原子及
び/又はハロゲン原子の量を制御するには、例えば支持
体401の温度、水素原子及び/又はハロゲン原子を含
有させるために使用される原料物質の反応容器内へ導入
する量、放電電力等を制御すればよい。
【0033】光導電層403には、必要に応じて伝導性
を制御する原子を含有させることが好ましい。伝導性を
制御する原子は、光導電層403中に万偏なく均一に分
布した状態で含有されても良いし、あるいは層厚方向に
は不均一な分布状態で含有している部分があってもよ
い。
【0034】前記伝導性を制御する原子としては、半導
体分野における、いわゆる不純物を挙げることができ、
p型伝導特性を与える周期律表第13族に属する原子
(以後「第13族原子」と略記する)又はn型伝導特性
を与える周期律表第15族に属する原子(以後「第15
族原子」と略記する)を用いることができる。第13族
原子としては、具体的には、硼素(B)、アルミニウム
(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、タ
リウム(Tl)等があり、特にB、Al、Gaが好適で
ある。第15族原子としては、具体的には燐(P)、砒
素(As)、アンチモン(Sb)、ビスマス(Bi)等
があり、特にP、Asが好適である。光導電層403に
含有される伝導性を制御する原子の含有量としては、好
ましくは1×10-2〜1×103原子ppm、より好ま
しくは5×10-2〜5×102原子ppm、更に好まし
くは1×10-1〜1×10-2原子ppmである。
【0035】伝導性を制御する原子、たとえば、第13
族原子あるいは第15族原子を構造的に導入するには、
層形成の際に、第13族原子導入用の原料物質あるいは
第15族原子導入用の原料物質をガス状態で反応容器中
に、光導電層403を形成するための他のガスとともに
導入してやればよい。第13族原子導入用の原料物質あ
るいは第15族原子導入用の原料物質となり得るものと
しては、常温常圧でガス状の又は、少なくとも層形成条
件下で容易にガス化し得るものを採用するのが望まし
い。
【0036】正帯電用の光導電層においては、そのよう
な第13族原子導入用の原料物質として具体的には、硼
素原子導入用としては、B26、B410、B59、B5
11、B610等の水素化硼素、BF3、BCl3、BB
3等のハロゲン化硼素等が挙げられる。この他、Ga
Cl3、Ga(CH33等も挙げることができる。中で
もB26は取扱いの面からも好ましい原料物質の一つで
ある。
【0037】負帯電用の光導電層において、第15族原
子導入用の原料物質として有効に使用されるのは、燐原
子導入用としては、PH3、P24等の水素化燐、P
3、PF5、PCl3、PCl5、PBr3、PI3等のハ
ロゲン化燐が挙げられる。この他、AsH3、AsF3
AsCl3、AsBr3、AsF5、SbH3、SbF5
SbCl5、BiH3、BiBr3等も第15族原子導入
用の出発物質の有効なものとして挙げることができる。
【0038】また、これらの伝導性を制御する原子導入
用の原料物質を必要に応じてH2及び/又はHeにより
希釈して使用してもよい。
【0039】光導電層403の層厚は、得ようとする特
性、要求される特性に応じて適宜決められ、通常は10
〜50μm、好ましくは20〜40μmである。
【0040】本発明の目的を達成し、所望の膜特性を有
する光導電層403を形成するには、Si供給用のガス
と希釈ガスとの混合比、反応容器内のガス圧、放電電力
ならびに支持体温度を適宜設定することが必要である。
【0041】希釈ガスとして使用するH2及び/又はH
eの流量は、層設計にしたがって適宜最適範囲が選択さ
れるが、Si供給用ガスに対しH2及び/又はHeを、
好ましくは3〜20倍の範囲に制御することが望まし
い。また、その範囲の値で一定になるように制御するこ
とが好ましい。
【0042】反応容器内のガス圧も同様に層設計にした
がって適宜最適範囲が選択され、通常は10E−2Pa
〜1.0E3Pa、好ましくは1.0E−1Pa〜1.0
E2Paである。放電電力もまた同様に層設計にしたが
って適宜最適範囲が選択されるが、Si供給用のガスの
流量に対する放電電力の比を、好ましくは2〜7の範囲
に設定する。さらに支持体401の温度は、層設計にし
たがって、適宜最適範囲が選択されるが、好ましくは2
00〜350℃とする。
【0043】また、支持体側から表面側に向かってEu
及びDOSの値が増加するように膜を作る方法として
は、例えばSiH4と水素及び/又はHeの混合率(希
釈率)を一定に保ったまま、SiH4流量に対する放電
電力(W/Flow)及び/又は、基板温度(Ts)を連続
的に変化させる事が望ましい。
【0044】この場合、放電電力もまた同様に層設計に
したがって適宜最適範囲が選択されるが、Si供給用の
ガスの流量に対する放電電力を、好ましくは2〜8倍の
範囲で連続的に支持体側から表面側に向かって小さくな
る様に変化させる。
【0045】さらに支持体401の温度は、層設計にし
たがって適宜最適範囲が選択されるが、好ましくは20
0〜370℃の範囲で連続的に支持体側から表面側に向
かって低くなる様に変化させる。
【0046】あるいは、支持体側から表面側に向かって
Eu及びD.O.Sの値が減少するように膜を作る方法と
しては、例えばSiH4と水素及び/又はHeの混合率
(希釈率)を一定に保ったまま、SiH4流量に対する
放電電力(W/Flow)及び/又は基板温度(TS)を連
続的に変化させる事が望ましい。
【0047】放電電力もまた同様に層設計にしたがって
適宜最適範囲が選択されるが、Si供給用のガスの流量
に対する放電電力を、好ましくは2〜8倍の範囲で連続
的に支持体側から表面側に向かって小さくなる様に変化
させることが望ましい。
【0048】特にVHF帯の高周波を用いる場合におい
て、50〜450MHzの高周波を用いることでより効
果的に良好な膜を得ることが可能である。
【0049】さらに支持体401の温度は、層設計にし
たがって適宜最適範囲が選択されるが、好ましくは20
0〜370℃、より好ましくは230〜360℃の範囲
で連続的に支持体側から表面側に向かって低くなる様に
変化させる。
【0050】光導電層を形成するための支持体温度、ガ
ス圧の望ましい数値範囲として前記した範囲が挙げられ
るが、条件は通常は独立的に別々に決められるものでは
なく、所望の特性を有する光受容部材を形成すべく相互
的且つ有機的関連性に基づいて最適値を決めるのが望ま
しい。
【0051】(表面層)上述のようにして支持体401
上に形成された光導電層403の上に、更にアモルファ
スシリコン系又はアモルファスカーボン系の表面層40
4を形成することが好ましい。この表面層404は自由
表面410を有し、主に耐湿性、連続繰り返し使用特
性、電気的耐圧性、使用環境特性、耐久性において本発
明の目的を達成するために設けられる。
【0052】表面層404は、アモルファスシリコン系
又はアモルファスカーボン系の材料であればいずれの材
質でも可能であるが、例えば、a−SiC(H,X)、
a−SiO(H,X)、a−SiN(H,X)等の材料が
好適に用いられる。更に、a−C(H,X) は、硬度が高
く対磨耗性にすぐれる為、更に好適である。
【0053】本発明において、その目的を効果的に達成
するために、表面層404は真空堆積膜形成方法によっ
て、所望特性が得られるように適宜成膜パラメーターの
数値条件が設定されて作製される。具体的には、例えば
グロー放電法(低周波CVD法、高周波CVD法又はマ
イクロ波CVD法等の交流放電CVD法、あるいは直流
放電CVD法等)、スパッタリング法、真空蒸着法、イ
オンプレーティング法、光CVD法、熱CVD法などの
数々の薄膜堆積法によって形成することができる。これ
らの薄膜堆積法は、製造条件、設備資本投資下の負荷程
度、製造規模、作成される電子写真用光受容部材に所望
される特性等の要因によって適宜選択されて採用される
が、光受容部材の生産性から光導電層と同等の堆積法に
よることが好ましい。
【0054】例えば、グロー放電法によってa−SiC
(H,X)よりなる表面層404を形成するには、基本
的にはシリコン原子(Si)を供給し得るSi供給用の
原料ガスと、炭素原子(C)を供給し得るC供給用の原
料ガスと、水素原子(H)を供給し得るH供給用の原料
ガス及び/又はハロゲン原子(X)を供給し得るX供給
用の原料ガスを、内部を減圧にし得る反応容器内に所望
のガス状態で導入して、反応容器内にグロー放電を生起
させ、あらかじめ所定の位置に設置された光導電層40
3を作製した支持体401上にa−SiC(H,X)層
を作製すればよい。
【0055】表面層の形成において使用されるシリコン
(Si)供給用ガスとなり得る物質としては、Si
4、Si26、Si38、Si410等のガス状態の、
又はガス化し得る水素化珪素(シラン類)が有効に使用
されるものとして挙げられ、更に層作成時の取り扱い易
さ、Si供給効率の良さ等の点でSiH4、Si26
好ましいものとして挙げられる。また、これらのSi供
給用の原料ガスを必要に応じてH2、He、Ar、Ne
等のガスにより希釈して使用してもよい。
【0056】炭素供給用ガス又はアモルファスカーボン
系の供給ガスとなり得る物質としては、CH4、C
22、C26、C38、C410等のガス状態の、又は
ガス化し得る炭化水素が有効に使用されるものとして挙
げられ、更に層作成時の取り扱い易さ、C供給効率の良
さ等の点でCH4、C22、C26が好ましいものとし
て挙げられる。また、これらのC供給用の原料ガスを必
要に応じてH2、He、Ar、Ne等のガスにより希釈
して使用してもよい。
【0057】表面層404の層厚は、好ましくは0.0
1〜3μm、より好ましくは0.1〜1μmである。層
厚が0.01μmより薄いと光受容部材を使用中に摩擦
等の理由により表面層が失われてしまい易く、3μmを
越えると残留電位の増加等の電子写真特性の低下がみら
れる場合がある。
【0058】表面層404は、その要求される特性が所
望通りに与えられるように注意深く形成される。即ち、
Si、C、N及びOからなる群から選択された少なくと
も一つの元素、H及び/又はXを構成要素とする物質
は、その形成条件によって構造的には多結晶や微結晶の
ような結晶性からアモルファスまでの形態(総称して非
単結晶)を取り、電気物性的には導電性から半導体性、
絶縁性までの間の性質を、また、光導電的性質から非光
導電的性質までの間の性質を各々示すので、本発明にお
いては、目的に応じた所望の特性を有する化合物が形成
される様に、所望に従ってその形成条件の選択が厳密に
なされる。
【0059】(電荷注入阻止層)電子写真用光受容部材
においては、導電性支持体と光導電層との間に、導電性
支持体側からの電荷の注入を阻止する働きのある電荷注
入阻止層を設けるのがいっそう効果的である。すなわ
ち、電荷注入阻止層は光受容層が一定極性の帯電処理を
その自由表面に受けた際、支持体側より光導電層側に電
荷が注入されるのを阻止する機能を有し、逆の極性の帯
電処理を受けた際にはそのような機能は発揮されない、
いわゆる極性依存性を有している。そのような機能を付
与するために、電荷注入阻止層には伝導性を制御する原
子を光導電層に比べ比較的多く含有させる。
【0060】電荷注入阻止層に含有される伝導性を制御
する原子としては、半導体分野における、いわゆる不純
物を挙げることができ、p型伝導特性を与える第13族
原子又はn型伝導特性を与える第15族原子を用いるこ
とができる。
【0061】正帯電用の電荷注入阻止層に含有する第1
3族原子としては、具体的には、B(ほう素)、Al
(アルミニウム)、Ga(ガリウム)、In(インジウ
ム)、Ta(タリウム)等があり、特にB、Al、Ga
が好適である。また、負帯電用の電荷注入阻止層に含有
する第15族原子としては、具体的にはP(リン)、A
s(砒素)、Sb(アンチモン)、Bi(ビスマス)等
があり、特にP、Asが好適である。電荷注入阻止層4
05の層厚としては、好ましくは0.1〜3μm、更に
好ましくは0.5〜3μmである。
【0062】電荷注入阻止層を形成するには、前述の光
導電層を形成する方法と同様の真空堆積法が採用され
る。
【0063】本発明の目的を達成し得る特性を有する電
荷注入阻止層405を形成するには、光導電層403と
同様に、Si供給用のガスと希釈ガスとの混合比、反応
容器内のガス圧、放電電力ならびに支持体401の温度
を適宜設定することが必要である。
【0064】本発明においては、電荷注入阻止層を形成
するための希釈ガスの混合比、ガス圧、放電電力、支持
体温度の望ましい数値範囲として前記した範囲が挙げら
れるが、これらの条件は通常は独立的に別々に決められ
るものではなく、所望の特性を有する表面層を形成すべ
く相互的且つ有機的関連性に基づいて最適値を決めるの
が望ましい。
【0065】(成膜装置) <RF−PCVD>光受容層を形成するための装置及び
膜形成方法について詳述する。図2はRF帯の周波数を
用いた高周波プラズマCVD法(以後「RF−PCV
D」と略記する)による電子写真用光受容部材の製造装
置の好適な一例を示す模式的な構成図である。図2に示
す製造装置の構成は以下の通りである。
【0066】この装置は大別すると、堆積装置(210
0)、原料ガスの供給装置(2200)、反応容器(2
111)内を減圧にするための排気装置(図示せず)か
ら構成されている。堆積装置(2100)中の反応容器
(2111)内には円筒状支持体(2112)、支持体
加熱用ヒーター(2113)、原料ガス導入管(211
4)が設置され、更に高周波マッチングボックス(21
15)が接続されている。
【0067】原料ガス供給装置(2200)は、SiH
4、GeH4、H2、CH4、B26、PH3等の原料ガス
のボンベ(2221〜2226)とバルブ(2231〜
2236、2241〜2246、2251〜2256)
及びマスフローコントローラー(2211〜2216)
から構成され、各原料ガスのボンベはバルブ(226
0)を介して反応容器(2111)内のガス導入管(2
114)に接続されている。
【0068】この装置を用いた堆積膜の形成は、例えば
以下のように行うことができる。まず、反応容器(21
11)内に円筒状支持体(2112)を設置し、排気装
置(図示せず)により反応容器(2111)内を排気す
る。続いて、支持体加熱用ヒーター(2113)により
円筒状支持体(2112)の温度を、例えば200℃乃
至350℃の所定の温度に制御する。
【0069】堆積膜形成用の原料ガスを反応容器(21
11)に流入させるには、ガスボンベのバルブ(223
1〜2237)、反応容器のリークバルブ(2117)
が閉じられていることを確認し、また、流入バルブ(2
241〜2246)、流出バルブ(2251〜225
6)、補助バルブ(2260)が開かれていることを確
認して、まずメインバルブ(2118)を開いて反応容
器(2111)及びガス配管(2116)内を排気す
る。
【0070】次に、真空計(2119)の読みが約1.
0E−2Paになった時点で補助バルブ(2260)、
流出バルブ(2251〜2256)を閉じる。その後、
ガスボンベ(2221〜2226)より各ガスをバルブ
(2231〜2236)を開いて導入し、圧力調整器
(2261〜2266)により各ガス圧を2kg/cm
2に調整する。次に、流入バルブ(2241〜224
6)を徐々に開けて、各ガスをマスフローコントローラ
ー(2211〜2216)内に導入する。
【0071】以上のようにして成膜の準備が完了した
後、以下の手順で各層の形成を行う。円筒状支持体(2
112)が所定の温度になったところで、流出バルブ
(2251〜2256)のうちの必要なもの及び補助バ
ルブ(2260)を徐々に開き、ガスボンベ(2221
〜2226)から所定のガスをガス導入管(2114)
を介して反応容器(2111)内に導入する。次に、マ
スフローコントローラー(2211〜2216)によっ
て各原料ガスが所定の流量になるように調整する。その
際、反応容器(2111)内の圧力が約1.5E2以下
の所定の圧力になるように真空計(2119)を見なが
らメインバルブ(2118)の開口を調整する。内圧が
安定したところで、周波数13.56MHzのRF電源
(図示せず)を所望の電力に設定して、高周波マッチン
グボックス(2115)を通じて反応容器(2111)
内にRF電力を導入し、グロー放電を生起させる。この
放電エネルギーによって反応容器内に導入された原料ガ
スが分解され、円筒状支持体(2112)上に所定のシ
リコンを主成分とする堆積膜が形成されるところとな
る。所望の膜厚の形成が行われた後、RF電力の供給を
止め、流出バルブを閉じて反応容器へのガスの流入を止
め、堆積膜の形成を終える。
【0072】同様の操作を複数回繰り返すことによっ
て、所望の多層構造の光受容層が形成される。
【0073】それぞれの層を形成する際には、必要なガ
ス以外の流出バルブはすべて閉じられており、また、そ
れぞれのガスが反応容器(2111)内、流出バルブ
(2251〜2256)から反応容器(2111)に至
る配管内に残留することを避けるために、流出バルブ
(2251〜2256)を閉じ、補助バルブ(226
0)を開き、さらにメインバルブ(2118)を全開に
して系内を一旦高真空に排気する操作を必要に応じて行
う。
【0074】また、膜形成の均一化を図るために、層形
成を行なっている間は、支持体(2112)を駆動装置
(図示せず)によって所定の速度で回転させることも有
効である。
【0075】さらに、上述のガス種及びバルブ操作は各
々の層の作製条件にしたがって変更が加えられる。
【0076】<VHF−PCVD>次に、VHF帯の周
波数を用いた高周波プラズマCVD法(以後「VHF−
PCVD」と略記する)によって形成される電子写真用
光受容部材の製造方法について説明する。
【0077】図2に示した製造装置におけるRF−PC
VD法による堆積装置(2100)を、図3に示す堆積
装置(3100)に代えて原料ガス供給装置(220
0)と接続することにより、VHF−PCVD法による
電子写真用光受容部材製造装置を得ることができる。
【0078】この装置は大別すると、反応容器(311
1)、原料ガスの供給装置(2200)、及び反応容器
内を減圧にするための排気装置(図示せず)から構成さ
れている。反応容器(3111)内には円筒状支持体
(3112)、支持体加熱用ヒーター(3113)、原
料ガス導入管(図示せず)、電極(3115)が設置さ
れ、電極には更に高周波マッチングボックス(311
6)が接続されている。また、反応容器(3111)内
は排気管(3121)を通じて排気装置(図示せず)に
接続されている。
【0079】原料ガス供給装置(2200)は、SiH
4、GeH4、H2、CH4、B26、PH3等の原料ガス
のボンベ(2221〜2226)とバルブ(2231〜
2236、2241〜2246、2251〜2256)
及びマスフローコントローラー(2211〜2216)
から構成され、各原料ガスのボンベはバルブ(226
0)を介して反応容器(3111)内のガス導入管(図
示せず)に接続されている。また、円筒状支持体(31
12)によって取り囲まれた空間(3130)が放電空
間を形成している。
【0080】VHF−PCVD法によるこの装置での堆
積膜の形成は、以下のように行なうことができる。
【0081】まず、反応容器(3111)内に円筒状支
持体(3112)を設置し、駆動装置(3120)によ
って支持体(3112)を回転し、不図示の排気装置
(例えば拡散ポンプ)により反応容器(3111)内を
排気管(3121)を介して排気し、反応容器(311
1)内の圧力を、例えば1.0E−3Pa以下に調整す
る。続いて、支持体加熱用ヒーター(3113)により
円筒状支持体(3112)の温度を、例えば200℃乃
至350℃の所定の温度に加熱保持する。
【0082】堆積膜形成用の原料ガスを反応容器(31
11)に流入させるには、ガスボンベのバルブ(223
1〜2236)、反応容器のリークバルブ(図示せず)
が閉じられていることを確認し、また、流入バルブ(2
241〜2246)、流出バルブ(2251〜225
6)、補助バルブ(2260)が開かれていることを確
認して、まずメインバルブ(図示せず)を開いて反応容
器(3111)及びガス配管内を排気する。
【0083】次に、真空計(図示せず)の読みが約1.
0E−2Paになった時点で補助バルブ(2260)、
流出バルブ(2251〜2256)を閉じる。
【0084】その後、ガスボンベ(2221〜222
6)より各ガスをバルブ(2231〜2236)を開い
て導入し、圧力調整器(2261〜2266)により各
ガス圧を2kg/cm2に調整する。次に、流入バルブ
(2241〜2246)を徐々に開けて、各ガスをマス
フローコントローラー(2211〜2216)内に導入
する。
【0085】以上のようにして成膜の準備が完了した
後、以下のようにして円筒状支持体(3112)上に各
層の形成を行う。
【0086】円筒状支持体(3112)が所定の温度に
なったところで流出バルブ(2251〜2256)のう
ちの必要なもの及び補助バルブ(2260)を徐々に開
き、ガスボンベ(2221〜2226)から所定のガス
をガス導入管(図示せず)を介して反応容器(311
1)内の放電空間(3130)に導入する。次にマスフ
ローコントローラー(2211〜2216)によって各
原料ガスが所定の流量になるように調整する。その際、
放電空間(3130)内の圧力が約1.5E2Pa以下
の所定の圧力になるように真空計(図示せず)を見なが
らメインバルブ(図示せず)の開口を調整する。
【0087】圧力が安定したところで、例えば周波数5
00MHzのVHF電源(図示せず)を所望の電力に設
定して、マッチングボックス(3116)を通じて放電
空間(3130)にVHF電力を導入し、グロー放電を
生起させる。かくして支持体(3112)により取り囲
まれた放電空間(3130)において、導入された原料
ガスは、放電エネルギーにより励起されて解離し、支持
体(3112)上に所定の堆積膜が形成される。この
時、層形成の均一化を図るため支持体回転用モーター
(3120)によって、所望の回転速度で回転させる。
【0088】所望の膜厚の形成が行われた後、VHF電
力の供給を止め、流出バルブを閉じて反応容器へのガス
の流入を止め、堆積膜の形成を終える。同様の操作を複
数回繰り返すことによって、所望の多層構造の光受容層
が形成される。
【0089】それぞれの層を形成する際には必要なガス
以外の流出バルブはすべて閉じられており、また、それ
ぞれのガスが反応容器(3111)内、流出バルブ(2
251〜2256)から反応容器(3111)に至る配
管内に残留することを避けるために、流出バルブ(22
51〜2256)を閉じ、補助バルブ(2260)を開
き、さらにメインバルブ(図示せず)を全開にして系内
を一旦高真空に排気する操作を必要に応じて行う。上述
のガス種及びバルブ操作は各々の層の作成条件にしたが
って変更が加えられる。
【0090】支持体の加熱方法は、真空仕様である発熱
体であればよく、例えばシース状ヒーターの巻き付けヒ
ーター、板状ヒーター、セラミックヒーター等の電気抵
抗発熱体、ハロゲンランプ、赤外線ランプ等の熱放射ラ
ンプ発熱体、液体、気体等を温媒とし熱交換手段による
発熱体等が挙げられる。加熱手段の表面材質は、ステン
レス、ニッケル、アルミニウム、銅等の金属類、セラミ
ックス、耐熱性高分子樹脂等を使用することができる。
それ以外にも、反応容器以外に加熱専用の容器を設け、
加熱した後、反応容器内に真空中で支持体を搬送する等
の方法が用いられる。
【0091】[実施形態2]図5(a)〜図5(b)
は、本発明の電子写真装置(複写機)の画像形成プロセ
スの一例を示す概略図である。
【0092】矢印X方向に回転する、電子写真感光体
(以下、単に「感光体」と称する)501の周辺には、
主帯電器502、静電潜像形成部位503、現像器50
4、転写紙供給系505、転写帯電器506(a)、分
離帯電器506(b)、クリーナ507、搬送系50
8、前露光光源509などが配設されている。感光体5
01は、必要に応じて面状内面ヒータ(不図示)によっ
て温度コントロールをしてもよい。
【0093】感光体501は、その表面が主帯電器50
2により、均一に帯電され画像露光付与手段503によ
り静電潜像が形成される。この静電潜像は、現像剤(ト
ナー)が塗布された現像器504の現像スリーブにより
トナー像として顕像画化される。
【0094】一方、転写紙供給系505を通って、供給
される転写材にトナー像が転写供給される。この転写材
Pは、分離帯電器506(b)及び/又は爪等の分離手
段により感光体501から分離され、搬送系508を経
由して定着器(不図示)の定着ローラー(不図示)によ
って表面のトナー像が定着された後、電子写真装置外へ
排出される。
【0095】一方、トナー像転写後の感光体501表面
は、表面の残トナーや紙粉等の付着物がクリーニング装
置507内のクリーニングブレード510、クリーニン
グローラー(又はブラシ)511等により除去され、次
の画像形成に供される。そして、前露光光源509によ
り、最後に一様に露光されることで感光体501は、露
光手段509(a)によりイレースされ、次の画像形成
が行われる。
【0096】本発明においては、図5(b)に示す様
に、露光手段として現像装置504の下流に露光手段5
09(b)又は、クリーニング装置507の上流側に露
光手段509(C)が装備される。なお、露光手段50
9(c)の位置は、クリーニング装置507の中に設置
することも可能である。
【0097】
【実施例】以下、実験例および実施例により、本発明の
作用について具体的に説明する。なお、本発明はこれら
の実験例に限定されるものではない。
【0098】<実験例1>実施形態1で示した方法にお
いて、膜厚、基体温度、ガス種/流量、成膜容器内圧力
等を、適宜に変化させ、RF−PCVD法、VHF−P
CVD法によりモルファスシリコンを母体とする電子写
真用感光体を正帯電用/負帯電用を各々作製した。光受
容部材の外径は、直径108mm、長さ359mmであ
る。
【0099】これらの感光体を、実施形態2で示した図
5(a)の構成の電子写真装置であるキヤノン製GP6
05に搭載し、表1に示す3種類の環境において100
万枚の耐久試験を行った。耐久条件は、表1に示すとお
りである。なお、GP605は、感光体の面速度PSお
よび帯電極性に応じて各々の条件において表2に示すよ
うに改造してある。
【0100】
【表1】
【0101】
【表2】 耐久チャートは、図6に示す様に、ベタ黒画像部とベタ
白画像部をコピー方向に平行に入れたチャートを用い
た。耐久後の評価は、HT画像(潜像密度50%)にお
いて黒ポチ及びベタ黒相当する部分の濃度変動を目視観
察による客観的な画像欠陥の評価、及び、直接電圧印加
方式(電子写真学会誌 第22巻 第1号(1983)
図7参照)によりベタ黒部の耐久前電位V0とベタ黒
部の耐久後電位V1の差分ΔV2(=V0−V1)を、
耐久前電位電位V0で割ったものを電位低下率として評
価のパラメーターとした。
【0102】本実験例に用いた直接電圧印加方式の感光
体測定装置の詳細を以下に記す。装置概要は図7に示す
ように、高圧電源は、DC/ACコンバーターからの出
力をレスポンスの早いオペアンプを使用し増巾してい
る。電源と感光体の間には必要に応じて抵抗、コンデン
サーが入れられるようになっており、それにより帯電の
時定数を変えられるようになっている。D/Aコンバー
ターは、コンピュータにより制御されている。光源は前
後左右に4個配置されており、電極の下に配置された反
射ミラーで露光されるようになっている。各光源とも感
光体との間には各種フィルターをセットできるようにな
っている。
【0103】次に、測定シーケンスについて説明する。
本実験例における測定は、感光体ドラムをコンデンサー
とみなしたコンデンサーモデルとして測定してある。図
8に測定シーケンスを、図9に測定回路の概要図を示
す。測定は、図8に示すように進められ、光源により感
光体の履歴を除去するためのイレース露光及び前露光を
感光体に照射し、約10msec後に所定の印加電圧V
aを感光体に印加する。その後、約0.2sec後に
(Vd+Vc)分の電位を測定し、測定後、感光体をア
ースに落とし、次にVc成分の電位測定を行い、これら
の結果から求めたVdを感光体電位とした。
【0104】測定結果の一例を図10に示す。なお、電
位は、印加電圧Va=2000Vの時のVd電位として
ある。結果を表3と図10に示す。なお表3、図10に
は、表1に示したN/L環境における結果を示してい
る。
【0105】
【表3】 表3に示すように、PS=320[mm/sec]以上
において、電荷保持能力の破壊による帯電電位の低下が
生じることが確認できた。また、実画像において、画像
欠陥として顕著化するには、直接電圧印加方式における
暗部電位の低下率が30%以上必要であることが確認で
きた。なお、表1におけるN/N環境及びH/H環境に
おいては、表3、図9に示す結果よりも電位低下率、画
像欠陥のレベルは、N/L環境における結果よりも程度
が良かった。
【0106】<実験例2>実験例1と同様の実験を、実
施形態2で示した図5(b)の構成に改装した電子写真
装置であるキヤノン製GP605を用いて行った。この
実験においては、本発明にかかわる露光手段として、図
5(b)における露光手段509(b)を用いた。結果
を表4に示す。なお、評価方法及び耐久条件は実験例1
と同様である。
【0107】
【表4】 表4に示すように、露光手段509(b)を用いた電子
写真装置により、実験例1よりも良好な結果を得ること
ができた。すなわち、クリーニング手段の前に、露光手
段により感光体内に光キャリアを発生させておくこと
で、剥離放電の程度を軽減させることが可能であること
が確認できた。
【0108】<実験例3>実験例1と同様の実験を、実
施形態2で示した図5(b)の構成に改装した電子写真
装置であるキヤノン製GP605を用いて行った。この
実験においては、露光手段として図5(b)における露
光手段509(c)を用いた。結果を表5に示す。な
お、評価方法及び耐久条件は実験例1と同様である。
【0109】
【表5】 表5に示すように、露光手段509(c)を用いた電子
写真装置により、実験例1よりも良好な結果を得ること
ができた。すなわち、クリーニング手段の前に露光手段
により、感光体内に光キャリアを発生させておくこと
で、剥離放電の程度を軽減させることが可能であること
が確認できた。さらに、実験例2と比較した場合、露光
装置が実験例2に比べクリーニング装置に近いため、よ
り効果的であることが確認できた。
【0110】以上、実験例1〜3の結果より、露光手段
を用いた電子写真装置により、クリーニング装置におけ
る剥離放電による表面層の破壊の程度を軽減できること
が確認できた。
【0111】<実験例4>電位設定を600Vから20
0Vまで変えて実験例2と同様の耐久試験を行い、耐久
試験後に直接電圧印加方式による電位低下率の測定を行
った。結果を図12に示す。図12に示す様に、電位設
定を下げることで高速領域においても電位低下を防止で
きることが確認できた。感光体の面速度PS(mm/s
ec)が、320mm/sec未満においては、電位設
定を上げても、画像欠陥が発生せず良好であった。これ
は即ち、剥離放電の度合いがPSが小さいために低く抑
えられており、帯電設定を上げても剥離放電による感光
体の阻止能の低下が低く抑えられるためであると考えら
れる。
【0112】更に追試を行い、直接電圧印加方式による
電位低下率が30%以下となる感光体の面速度PSと電
位設定Vdの関係を求めたところ、図13の関係が得ら
れた。即ち、電位の低下の発生する電位設定とプロセス
スピードの関係より、感光体の面速度PS(mm/se
c)が、320mm/sec以上であり、その場合の感
光体暗部電位Vd(V)との関係が、 Vd≧0、Vd≦−0.35PS+535 であることが見出される。
【0113】<実験例5>実験例2と同様の検討を、感
光体の極性を「−」現像剤の極性を「−」として行っ
た。結果は、実験例2と同様であった。即ち、感光体の
面速度PS(mm/sec)が特に320mm/sec
以上であり、その場合の感光体暗部電位Vd(V)との
関係が、 Vd≦0、Vd≦0.35PS−535 であることが見出される。
【0114】<参考実験例1>実験例2と同様の実験
を、感光体の極性を「+」、現像剤の特性を「−」とし
て行った。その結果、画像欠陥、電位低下等は発生しな
かった。
【0115】<参考実験例2>実験例2と同様の実験
を、感光体の極性を「−」、現像剤の特性を「+」とし
て行った。その結果、画像欠陥、電位低下等は発生しな
かった。
【0116】<実験例6>図5(b)に示す構成に改造
を行ったキヤノン製GP605を用い、像露光503、
そして露光装置509(b)の波長について実験を行っ
た。波長以外の実験条件は、表6に示すとおりである。
この条件において像露光503は固定波長(675n
m)、露光装置509(b)の波長を表7のように変え
た。
【0117】評価は、表7のそれぞれの条件における、
感光体メモリーについて、図14に示すチャートを用い
て、図14のチャートのハーフトーン部におけるメモリ
ーの程度をそれぞれ5段階に分けてランク付けし評価を
行った。ランクは1が最も悪く(メモリーがはっきりと
確認できる)、ランク5がメモリーが確認できないレベ
ルである。なお、露光装置509(b)が無い場合のラ
ンクは3(実用上問題ないレベル)であった。露光装置
509(b)には、LEDアレイを用い、波長を変える
場合には、材料が異なるものを使用することで対応し
た。
【0118】
【表6】
【0119】
【表7】 さらに、実験結果を図15に示す。図15に示すよう
に、露光源509(b)を用いることにより、用いない
場合のメモリーランク(ランク3)よりも総じて良い結
果を得ることができた。特に、 |λ1λ2|≦50 の範囲においては、メモリーが最も確認できないランク
(ランク5)となった。この効果は、トナー像が感光体
上にある状態において、感光体表面を露光することで、
像露光503によるメモリーがない部分にメモリーを生
じさせるため、メモリーレベルが揃い、画像上に発生し
なくなるためである。同様の実験を、露光装置を図5
(b)の509(c)の場合において行ったところ、同
じ結果が得られた。
【0120】次に、本発明の実施例を具体的に説明す
る。なお、本発明はこれらに制限されるものではない。
【0121】<実施例A1>図5(a)に示したキヤノ
ン製GP605に実験例1で使用した帯電極性が「+」
の感光体を装備し、現像剤として極性が「+」のものを
用い、図6に示すチャートを用い表1に示す3環境にお
いて100万枚の耐久試験を行った。感光体の面速度P
Sは450[mm/sec]、像露光波長は675[n
m]、現像位置における感光体暗部電位Vdは340
[V]である。100枚耐久後、ベタ白画像/ベタ黒画
像/潜像密度50%のハーフトン画像および直接電圧印
加方式による電位測定を行った結果、全て良好であっ
た。
【0122】<実施例A2>実施例A1と同様にして、
ただし、キヤノン製GP605を改造して感光体面速度
PSは450mm/secとし、感光体には帯電極性が
「−」の感光体を装備し、現像剤として極性が「−」の
ものを用い、現像位置における感光体暗部電位Vdを−
340[V]にして、3環境において耐久試験を行っ
た。100枚耐久後、ベタ白画像/ベタ黒画像/潜像密
度50%のハーフトン画像および直接電圧印加方式によ
る電位測定を行ったが全て良好であった。
【0123】<実施例A3>実施例A1と同様にして、
ただし、キヤノン製GP605を改造して感光体面速度
PSは500mm/secとし、現像位置における感光
体暗部電位Vdを+340[V]にして、N/N環境に
おいて耐久試験を行った。100枚耐久後、ベタ白画像
/ベタ黒画像/潜像密度50%のハーフトン画像および
直接電圧印加方式による電位測定を行ったが全て良好で
あった。
【0124】<実施例A4>実施例A1と同様にして、
ただし、キヤノン製GP605を改造して感光体面速度
PSは500mm/secとし、感光体には帯電極性が
「−」の感光体を装備し、現像剤として極性が「−」の
ものを用い、現像位置における感光体暗部電位Vdは−
340[V]にして、3環境において耐久試験を行っ
た。100枚耐久後、ベタ白画像/ベタ黒画像/潜像密
度50%のハーフトン画像および直接電圧印加方式によ
る電位測定を行ったが全て良好であった。
【0125】<実施例A5>実施例A1と同様にして、
ただし、キヤノン製GP6250を改造して感光体面速
度PSは340mm/sec、現像位置における感光体
暗部電位Vdを+450[V]にして、3環境において
耐久試験を行った。100枚耐久後、ベタ白画像/ベタ
黒画像/潜像密度50%のハーフトン画像および直接電
圧印加方式による電位測定を行ったが全て良好であっ
た。
【0126】<実施例A6>実施例A1と同様にして、
ただし、キヤノン製GP6250を改造して感光体面速
度PSは340mm/sec、感光体暗部電位Vdを+
450[V]にして、3環境において耐久試験を行っ
た。100枚耐久後、ベタ白画像/ベタ黒画像/潜像密
度50%のハーフトン画像および直接電圧印加方式によ
る電位測定を行ったが全て良好であった。
【0127】<実施例A7>実施例A1と同様にして、
ただし、キヤノン製NP6250を改造して感光体面速
度PSは340mm/secとし、感光体には帯電極性
が「−」の感光体を装備し、現像剤として極性が「−」
のものを用い、現像位置における感光体暗部電位Vdを
−450[V]にして、3環境において耐久試験を行っ
た。100枚耐久後、ベタ白画像/ベタ黒画像/潜像密
度50%のハーフトン画像および直接電圧印加方式によ
る電位測定を行ったが全て良好であった。
【0128】<実施例B1>キヤノン製GP605を図
5(b)のように改造し、図5(b)記載の露光装置5
09(b)を設けた。感光体には実験例1で使用した帯
電極性が「+」の感光体を装備し、現像剤として極性が
「+」のものを用い、図6に示すチャートを用い表1に
示す3環境において100万枚の耐久試験を行った。露
光装置509(b)の波長は660[nm]、感光体の
面速度PSは450[mm/sec]、像露光波長は6
75[nm]、現像位置における感光体暗部電位Vdは
+340[V]である。100枚耐久後、ベタ白画像/
ベタ黒画像/潜像密度50%のハーフトン画像および直
接電圧印加方式による電位測定を行った結果、全て良好
であった。
【0129】<実施例B2>実施例B1と同様にして、
ただし、感光体には帯電極性が「−」の感光体を装備
し、現像剤として極性が「−」のものを用い、感光体の
面速度PSは450[mm/sec]、現像位置におけ
る感光体暗部電位Vdを−340[V]にして、3環境
において耐久試験を行った。100枚耐久後、ベタ白画
像/ベタ黒画像/潜像密度50%のハーフトン画像およ
び直接電圧印加方式による電位測定を行った結果、全て
良好であった。
【0130】<実施例B3>実施例B1と同様にして、
ただし、感光体の面速度PSは500[mm/se
c]、現像位置における感光体暗部電位Vdを+340
[V]にして、N/N環境において耐久試験を行った。
100枚耐久後、ベタ白画像/ベタ黒画像/潜像密度5
0%のハーフトン画像および直接電圧印加方式による電
位測定を行った結果、全て良好であった。
【0131】<実施例B4>実施例B1と同様にして、
ただし、感光体には帯電極性が「−」の感光体を装備
し、現像剤として極性が「−」のものを用い、感光体の
面速度PSは500[mm/sec]、現像位置におけ
る電位設定感光体暗部電位Vdを−340[V]にし
て、3環境において耐久試験を行った。100枚耐久
後、ベタ白画像/ベタ黒画像/潜像密度50%のハーフ
トン画像および直接電圧印加方式による電位測定を行っ
た結果、全て良好であった。
【0132】<実施例B5>キヤノン製NP6250を
図5(b)のように改造し、図5(b)記載の露光装置
509(b)を設けた。感光体には実験例1で使用した
帯電極性が「+」の感光体を装備し、現像剤として極性
が「+」のものを用い、図6に示すチャートを用い表1
に示す3環境において100万枚の耐久試験を行った。
露光装置509(b)の波長は660[nm]、感光体
の面速度PSは340[mm/sec]、像露光波長は
655[nm]、現像位置における電位設定は感光体暗
部電位Vdは+380[V]である。100枚耐久後、
ベタ白画像/ベタ黒画像/潜像密度50%のハーフトン
画像および直接電圧印加方式による電位測定を行った結
果、全て良好であった。
【0133】<実施例B6>実施例B5と同様にして、
ただし、感光体には帯電極性が「−」の感光体を装備
し、現像剤として極性が「−」のものを用い、感光体暗
部電位Vdを−380[V]にして、3環境において耐
久試験を行った。100枚耐久後、ベタ白画像/ベタ黒
画像/潜像密度50%のハーフトン画像および直接電圧
印加方式による電位測定を行った結果、全て良好であっ
た。
【0134】<実施例B7>キヤノン製GP605を図
5(b)のように改造し、図5(b)記載の露光装置5
09(c)を設けた。感光体には実験例1で使用した帯
電極性が「+」の感光体を装備し、現像剤として極性が
「+」のものを用い、図6に示すチャートを用い表1に
示す3環境において100万枚の耐久試験を行った。露
光装置509(c)の波長は660[nm]、感光体の
面速度PSは450[mm/sec]、像露光波長は6
75[nm]、現像位置における感光体暗部電位Vdは
+340[V]である。100枚耐久後、ベタ白画像/
ベタ黒画像/潜像密度50%のハーフトン画像および直
接電圧印加方式による電位測定を行った結果、全て良好
であった。
【0135】
【発明の効果】本発明によれば、クリーニングブレード
を用いたクリーニング装置における感光体から現像材ト
ナーを引き剥がす際の剥離放電による感光体へのダメー
ジを低減し、画像欠陥のない鮮明な画像を長期間にわた
って得ることが可能である。更に、複写速度の高速化に
付随する問題点を解決し高速化が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】感光体電位レベルと、現像バイアスレベルの模
式図である。
【図2】電子写真用光受容部材の光受容層を形成するた
めの装置の一例で、RF帯の高周波を用いたグロー放電
法による電子写真用光受容部材の製造装置の模式的説明
図である。
【図3】電子写真用光受容部材の光受容層を形成するた
めの装置の一例で、VHF帯の高周波を用いたグロー放
電法による電子写真用光受容部材の製造装置の模式的説
明図である。
【図4】電子写真用光受容部材の好適な実施形態の層構
成の一例を説明するための模式的層構成図である。
【図5】(a)(b)は本発明の電子写真装置の一例を
示す模式図である。
【図6】耐久チャートの一例を示す模式図である。
【図7】直接電圧印加方式の感光体帯電特性の測定装置
の概略図である。
【図8】直接電圧印加方式の感光体帯電特性の測定装置
の測定シーケンスの概略図である。
【図9】直接電圧印加方式の感光体帯電特性の測定装置
の測定回路図の一例である。
【図10】直接電圧印加方式の感光体帯電特性の測定結
果の一例を示す図である。
【図11】本発明にかかわる感光体面速度と耐久後の電
位低下率の関係を示した図である。
【図12】本発明にかかわる感光体面速度と耐久後の電
位低下率の関係を示した図である。
【図13】本発明にかかわる感光体電位設定値と耐久後
の電位低下率の関係を示した図である。
【図14】感光体メモリーを評価する為のチャートの一
例である。
【図15】本発明に係わる露光波長と感光体メモリーの
関係を示した図である。
【符号の説明】
400 光受容部材 401 導電性支持体 402 光受容層 403 光導電層 404 表面層 405 電荷注入阻止層 406 電荷発生層 407 電荷輸送層 408 上部電荷注入阻止層 410 自由表面 2100、3100 堆積装置 2111、3111 反応容器 2112、3112 円筒状支持体 2113、3113 支持体加熱用ヒーター 2114 原料ガス導入管 2115、3116 マッチングボックス 2116 原料ガス配管 2117 反応容器リークバルブ 2118 メイン排気バルブ 2119 真空計 2200 原料ガス供給装置 2211〜2216 マスフローコントローラー 2221〜2226 原料ガスボンベ 2231〜2236 原料ガスボンベバルブ 2241〜2246 ガス流入バルブ 2251〜2256 ガス流出バルブ 2261〜2266 圧力調整器 3115 電極 3120 支持体回転用モーター 3121 排気管 3130 放電空間 401 感光体 402 主帯電器 403 静電潜像形成部位 404 現像器 405 転写紙供給系 406(a) 転写帯電器 406(b) 分離帯電 407 クリーニング装置 408 搬送系 409 前露光光源 410 クリーニングブレード 411 クリーニングローラー 501 感光体 502 主帯電器(コロナ放電) 503 主帯電器(接触帯電) 504 電位センサー 509(a) 前露光光源 509(b) 本発明にかかわる露光光源の一例 509(c) 本発明にかかわる露光光源の一例
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 21/00 345 (72)発明者 片桐 宏之 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 松岡 秀彰 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 古島 聡 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2H027 DA02 DA13 DA17 EA01 EA07 EA09 EA10 EA13 EC14 EC15 ED02 ED03 ED15 ED28 ZA07 2H035 AA09 AA10 AB01 AB02 AB03 AZ09 BA01 BA02 BA07 2H068 DA37 EA41 FC01 FC05 FC20 2H076 AB02 AB42 DA06 DA09 DA37

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 a−Si系感光体を帯電前に均一に露光
    する露光手段と、均一帯電を行う帯電手段と、均一帯電
    した該感光体に露光像を書込む潜像形成手段と、反転現
    像により現像剤トナーにより画像形成を行う現像手段
    と、該感光体に当接して設けられたクリーニングブレー
    ドにより該感光体上に残留する現像剤をクリーニングす
    るクリーニング手段とを少なくとも備えた電子写真装置
    において、 現像工程における暗部感光体の表面電位Vd(V)の絶
    対値を前記感光体の面速度PS(mm/sec)の増大
    に応じて減少させることを特徴とする電子写真装置。
  2. 【請求項2】 クリーニング位置よりも上流側であって
    現像位置よりも下流側に、感光体の表面を均一に露光す
    る露光手段をさらに備える請求項1記載の電子写真装
    置。
  3. 【請求項3】 感光体の面速度PS(mm/sec)
    が、320mm/sec以上であり、感光体暗部電位V
    d(V)との関係が、 Vd≧0、Vd≦−0.35×PS+535 又は、 Vd≦0、Vd≦0.35×PS−535を満たす請求
    項1又は2記載の電子写真装置。
  4. 【請求項4】 潜像を書き込む為の露光手段の波長をλ
    1、クリーニング位置よりも上流側であって現像位置よ
    りも下流側に設けられる露光手段の波長をλ2としたと
    きに、 |λ2−λ3| ≦ 50 を満たす請求項2記載の電子写真装置。
  5. 【請求項5】 ベタ黒画像をA4用紙横で100万枚耐
    久した場合において、耐久前後の感光体の暗部電位を直
    接電圧印加方式の電位測定方法において測定した際に、
    初期電位をVd0、耐久後電位をVd1としたとき、 (Vd0−Vd1)/Vd0≦0.30 を満たす請求項1〜4の何れか一項記載の電子写真装
    置。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の電子写真装置を用いて画
    像を形成する方法であって、現像工程における暗部感光
    体の表面電位Vd(V)の絶対値を、感光体の面速度P
    S(mm/sec)の増大に応じて減少させることを特
    徴とする画像形成方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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