JP4250669B2 - 電子写真感光体および該電子写真感光体の製造方法、並びに画像形成装置 - Google Patents

電子写真感光体および該電子写真感光体の製造方法、並びに画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、電子写真感光体および該電子写真感光体の製造方法、並びに画像形成装置に関するものである。
近年、アモルファスシリコン(以下、「a−Si」略記することがある)系の感光層を有する電子写真感光体は、その優れた耐磨耗性、耐熱性、光感度特性、および無公害性などによって、製造量が年々増加の一途をたどっている。
このような電子写真感光体としては、例えばアルミニウム合金からなる円筒状基体の表面に、薄膜形成手段(例えばグロー放電分解法)によってa−Si系の感光層を形成したものがある。感光層は、a−Si系の光導電層と、アモルファスシリコンカーバイド(a−SiC)からなる表面層とを積層してなる。また、感光層は、必要に応じて、円筒状基体と光導電層との間にキャリア注入阻止層を含む構成とされる。
しかしながら、a−Si系の電子写真感光体では、上述のような層構成の感光層を形成する際に、感光層の表面に突起部が生じてしまう場合があった。このような突起部の周囲には、トナーが付着されやすく、黒点あるいは白点として画像に表れてしまう場合があった。また、トナー付着部では、帯電時に異常放電が発生し易く、その結果電子写真感光体にリークが発生してしまう場合があった。さらに、突起部は、感光体表面を摺擦するクリーニングブレードなどを損傷させ、その結果クリーニング不良および/または黒筋状の画像欠陥を発生させる場合があった。
その対策として、電子写真感光体の表面に存在する突起部を機械的に研磨して除去する方法が提案されている(たとえば特許文献1参照)。
特開平4−191748号公報
しかしながら、突起部を機械的に研磨する方法では、突起部をその周辺部と完全に平坦(同じ高さ)にするのは難しい。
たとえば、突起部のみを研磨する場合には、突起部を特定するとともに突起部の高さが実質的になくなるところで研磨を止める必要があり、平坦化するのは困難である。そのため、突起部を完全に除去することができず、残存する突起部にトナーが付着する問題は充分に解決できない。とくに、高画質化のためにトナーの小粒径化が進んでいるため、そのような場合には、トナーの付着の問題を解決するのはより一層困難となる。
なお、突起部をその周辺部と完全に平坦にする方法としては、感光体全面を研磨する方法が考えられるが、その場合には研磨するために多くの時間を必要とするのに加えて、感光層の表面粗さなどの表面状態を良好な画像品質を得ることができる状態に維持することが困難となる。
本発明は、電子写真感光体において、感光層の表面に存在する突起部による画像欠陥の発生を抑制し、良好な画像品質を得ることができるようにすることを課題としている。
本発明の他の課題は、突起部によるクリーニングブレードなどの損傷を防止し、クリーニング不良の発生や黒筋状の画像欠陥の発生を抑制することにある。
本発明の一つの観点によれば、画像形成装置は、円筒状基体と、該円筒状基体上に位置し且つ表面に突起部が存在する感光層と、前記突起部の周囲における少なくとも一部に位置するように前記感光層上に部分的に形成される樹脂部と、を有する電子写真感光体と、前記感光層上のトナーを除去するためのクリーニング手段と、を備えた画像形成装置において、前記樹脂部は、前記突起部に対して前記電子写真感光体の回転方向の上流側に位置する上流領域を有し、前記樹脂部の上流領域は、前記突起部の表面と前記突起部以外の感光層の表面とを連続的に接続することにより、両者間に存在する段差部分を低減することを特徴とする。
本発明に係る電子写真感光体では、感光層の表面に存在する突起部の少なくとも周囲で、且つ前記感光層上に部分的に形成される樹脂部が存在している。そのため、本電子写真感光体では、突起部とその周囲(正常表面)との段差部分におけるトナー付着を低減することができるのに加え、突起部の周囲のトナーをクリーニングブレードによって適切に除去することができる。また、本電子写真感光体では、突起部の周囲におけるトナーの付着量が低減するため、トナーの融着も抑制することができる。
このように、本電子写真感光体およびこれを備えた画像形成装置では、突起部およびその周辺へのトナー付着に起因する画像欠陥の発生を低減し、クリーニング不良の発生および黒筋状の画像欠陥の発生を低減することができる。
本発明の製造方法によれば、簡易かつ適切に樹脂部を形成することができる。そのため、本発明の製造方法によれば、トナーの付着が適切に抑制され、画像欠陥の発生を抑制できる電子写真感光体を提供することができる。
以下、本発明に係る実施形態について、図面を参照しつつ具体的に説明する。
図1に示すように、画像形成装置1は、画像形成方式としてカールソン法を採用したものである。画像形成装置1は、電子写真感光体2と、帯電器41と、露光器42と、現像器43と、転写器44と、定着器45と、クリーニング器46と、除電器47とを備えている。
帯電器41は、非接触型のものである。帯電器41は、電子写真感光体2に対向する開口部41Aを有するハウジング41Bと、開口部41Aに配設したグリッド電極41Cと、ハウジング41Bの内部に配置された帯電ワイヤ41Dと、を有している。
帯電器としては、非接触型帯電器41に代えて接触型帯電器を採用してもよい。接触型帯電器としては、例えば帯電ローラを備えるものがある。帯電ローラは、例えば導電性ゴムローラと、導電性ゴムローラの中心に位置する金属性シャフトとを有しており、この金属性シャフトに直流電圧または直流と交流の電圧を印加して電子写真感光体2を直接帯電させる。
露光器42は、電子写真感光体2に静電潜像を形成する役割を担うものであり、特定波長(例えば650nm以上780nm以下)の光が出射可能な構成とされている。この露光器42によると、電子写真感光体2の表面に画像信号に応じた光を照射して光照射部分の電位を減衰させることにより、電位コントラストとして静電潜像を形成することができる。露光器42としては、複数のLED素子(波長:約680nm)を配列してなるLEDヘッドを採用することができる。また、露光器42としては、LEDヘッドに代えて、レーザービームおよびポリゴンミラーなどからなる光学系を採用してもよいし、原稿からの反射光を通すレンズおよびミラーなどからなる光学系を採用してもよい。
現像器43は、電子写真感光体2の静電潜像を現像してトナー像を形成する役割を担うものである。現像器43は、現像剤(トナー)を保持する現像ローラ43A、および、電子写真感光体2との隙間(Gap)を略一定に保持するための車輪(図示せず)などを備えている。現像剤は、電子写真感光体2の表面に形成されるトナー像を構成するものである。現像剤としては、例えばトナーのみからなる一成分系と、トナーおよびキャリアからなる二成分系とのいずれも使用することができる。
現像ローラ43Aは、電子写真感光体2の表面(特に現像領域)に現像剤を搬送する役割を担うものである。現像ローラ43Aは、直流電圧あるいは交流電圧の印加により、表面が所定の極性および電位に帯電させられる。
現像器43では、電子写真感光体2の現像領域において、現像ローラ43Aにより搬送される現像剤が静電潜像との静電引力により電子写真感光体2の表面に付着して可視化される。トナー像の帯電極性は、正規現像により画像形成が行われる場合には、電子写真感光体2の表面の帯電極性と逆極性とされ、反転現像により画像形成が行われる場合には、電子写真感光体2の表面の帯電極性と同極性とされる。
転写器44は、電子写真感光体2と転写器44との間の転写領域に供給された記録媒体Pに、電子写真感光体2に形成されたトナー像を転写する役割を担うものである。転写器44は、転写用チャージャ44Aおよび分離用チャージヤ44Bを備えている。転写器44では、転写用チャージャ44Aにおいて記録媒体Pの背面(非記録面)がトナー像とは逆極性に帯電され、この帯電電荷とトナー像との静電引力によって、記録媒体P上にトナー像が転写される。転写器44ではさらに、トナー像の転写と同時的に、分離用チャージャ44Bにおいて記録媒体Pの背面が交流帯電させられ、記録媒体Pが電子写真感光体2の表面から速やかに分離させられる。
なお、転写器44としては、電子写真感光体2に対して微小間隙(通常0.5mm以下)を介して配置された転写ローラを用いてもよい。この場合、転写ローラは、例えば直流電源により、電子写真感光体2上のトナー像を記録媒体P上に引きつける転写電圧を印加するように構成される。このような転写ローラを採用する場合、分離用チャージャ44Bのような転写分離装置を省略してもよい。
定着器45は、記録媒体Pに転写されたトナー像を記録媒体Pに定着させる役割を担うものであり、一対の定着ローラ45A,45Bを備えている。定着ローラ45A,45Bは、例えば金属ローラの表面をテフロン(登録商標)などで被覆したものとされている。定着器45では、一対の定着ローラ45A,45Bの間に記録媒体Pを通過させる際に、熱および圧力などを作用させることにより記録媒体Pにトナー像を定着させることができる。
クリーニング器46は、電子写真感光体2の表面に残存する現像剤を除去する役割を担うものであり、クリーニングブレード46Aと、バネ46Bと、ケース46Cとを備えている。クリーニングブレード46Aは、電子写真感光体2の表面層29の表面から、残留トナーを掻きとる役割を担うものである。クリーニングブレード46Aは、その先端が電子写真感光体2の外周面(図2の表面層29)を押圧するように、バネ46Bなどの付勢手段を介してケース46Cに支持されている。クリーニングブレード46Aは、例えばポリウレタン樹脂を主成分としたゴム材料からなる。クリーニングブレード46Aにおける表面層29に接する先端部の厚みは1.0mm以上1.2mm以下とされている。クリーニングブレード46Aのブレード線圧は14gf/cm(一般的には5gf/cm以上30gf/cm以下)とされている。クリーニングブレード46Aの硬度は、JIS K6253(ISO7619)で74度(好適範囲67度以上84度以下)とされている。
除電器47は、電子写真感光体2の表面電荷(残余の静電潜像)を除去する役割を担うものである。除電器47は、例えばLEDなどの光源によって電子写真感光体2の外周面(図2の表面層29)全体を一様に光照射することにより、電子写真感光体2の表面電荷を除去するように構成されている。
電子写真感光体2は、画像信号に基づいた静電潜像およびトナー像が形成されるものであり、図1の矢印A方向に回転可能とされている。電子写真感光体2は、図2に示すように、円筒状基体20の表面に感光層21が形成されたものである。
円筒状基体20は、電子写真感光体2の骨格をなすものである。円筒状基体20は、少なくとも表面に導電性を有するものとされている。すなわち、円筒状基体20は、全体を導電性材料により形成したものとしてもよいし、絶縁性材料により形成した円筒体の表面に導電性膜を形成したものとしてもよい。円筒状基体20を構成する導電性材料としては、例えばAl、SUS(ステンレス)、Zn、Cu、Fe、Ti、Ni、Cr、Ta、Sn、Au、およびAgなどの金属と、該金属の合金とが挙げられる。円筒状基体20を構成する絶縁性材料としては、例えば樹脂と、ガラスと、セラミックスとが挙げられる。円筒状基体20の導電性膜を構成する材料としては、例えば円筒状基体20を構成する導電性材料と同様の金属と、ITO(Indium Tin Oxide)およびSnOなどの透明導電性材料とが挙げられる。以上のような構成の中でも、円筒状基体20の全体をAl合金材料により形成するのが特に好ましい。このような構成とすると、電子写真感光体2の軽量化および低コスト化を図ることができる。加えて、後述する感光層21の電荷注入阻止層27および光導電層28をアモルファスシリコン(a−Si)系材料により形成する場合は、電荷注入阻止層27あるいは光導電層28との密着性が高くなり、ひいては信頼性が向上する。
感光層21は、電荷注入阻止層27と、光導電層28と、表面層29とを積層形成したものを例示することができる。
電荷注入阻止層27は、円筒状基体20からの電子および/または正孔が光導電層28に注入されるのを抑制する役割を担うものである。電荷注入阻止層27を構成する材料としては、光導電層28の材料に応じて種々のものを採用することができ、例えばa−Si系材料などの無機材料が挙げられる。a−Si系の電荷注入阻止層27を設ける場合は、a−Si系光導電層28と比べて、より多くの周期律表第13族元素(以下、「第13族元素」と略す)や周期律表第15族元素(以下、「第15族元素」と略す)を含有させて導電型を調整し、また多くの硼素(B)、窒素(N)、あるいは酸素(O)を含有させて高抵抗化するとよい。電界注入阻止層27は、選択的なものであり、必ずしも必要なものではない。また、電荷注入阻止層27に代えて、長波長光吸収層を設けてもよい。このような長波長光吸収層を設けると、露光時に入射した0.8μm以上の長波長光が円筒状基体20の表面で反射して記録画像に干渉縞が発生するのを低減することができる。
光導電層28は、露光器42によるレーザ光の照射によって電子が励起され、自由電子あるいは正孔などのキャリアを発生させる役割を担うものである。光導電層28の厚みは、使用する光導電性材料および所望の電子写真特性により適宜設定すればよい。光導電層28の厚みは、5μm以上100μm以下(好適には15μm以上80μm以下)に設定される。
光導電層28は、a−Si系材料により形成されている。a−Si系材料としては、例えばa−Siと、a−SiCと、a−SiNと、a−SiOと、a−SiGeと、a−SiCNと、a−SiNOと、a−SiCOと、a−SiCNOとが挙げられる。中でも、a−Siあるいはa−SiにC、N、Oなどの元素を加えたa−Si系合金材料により光導電層28を形成した場合には、高い光感度特性、高速応答性、繰り返し安定性、耐熱性、および耐久性などの優れた電子写真特性が安定して得られるのに加え、表面層29をa−SiC:Hにより形成する場合における表面層29との整合性が優れたものとなる。なお、光導電層28は、上述の無機物系材料を粒子化したものを樹脂に分散させた形態としてもよいし、OPC(Organic Photo Conductor)系光導電層として形成してもよい。
光導電層28は、全体を無機物として膜形成する場合には、例えばグロー放電分解法、各種スパッタリング法、各種蒸着法、ECR法、光CVD法、触媒CVD法、あるいは反応性蒸着法など公知の成膜手法により形成することができる。光導電層28の成膜に当たっては、ダングリングボンド終端用に水素(H)やハロゲン元素(F、Cl)を、膜中に1原子%以上40原子%以下含有させてもよい。また、光導電層28の形成に当たっては、各層の暗導電率や光導電率などの電気的特性および光学的バンドギャップなどについて所望の特性を得るために、第13族元素や第15族元素を含有させたり、C、N、O等の元素の含有量を調整したりすることにより、上記諸特性を調整する。
また、第13族元素および第15族元素としては、共有結合性に優れて半導体特性を敏感に変え得る点および優れた光感度が得られる点で、ホウ素(B)およびリン(P)を用いるのが望ましい。第13属元素および第15属元素をC、N、O等の元素とともに含有させる場合には、第13族元素は 0.1ppm以上20000ppm以下であるのが好ましく、第15族元素は0.1ppm以上10000ppm以下であるのが好ましい。
光導電層28にC、N、O等の元素を含有させないか、あるいは微量(0.01ppm以上100ppm以下)含有させる場合は、第13族元素の含有量は0.01ppm以上200ppm以下、第15族元素の含有量は0.01ppm以上100ppm以下であるのが好ましい。これらの元素の含有率は層厚方向にわたって濃度勾配があってもよく、その場合には層全体の平均含有量が上記範囲内であればよい。
光導電層28には、μc−Si(微結晶シリコン)を含有させてもよく、その場合には、暗導電率および光導電率を高めることができるので、光導電層3の設計自由度が増すという利点がある。このようなμc−Siは、先に説明したのと同様の形成法を採用し、その成膜条件を変えることによって形成することができる。たとえばグロー放電分解法では、円筒状基体20の温度および高周波電力をa−Siの場合よりも高めに設定し、希釈ガスとしての水素流量を増すことによって形成できる。また、μc−Siを含む場合にも上記と同様の不純物元素を添加させてもよい。
光導電層28は、例えば図3に示したプラズマCVD装置5を用いて形成することができる。プラズマCVD装置5は、円筒状の真空容器50の中央部に配置した基体支持体51に円筒状基体20を支持させ、グロー放電プラズマにより円筒状基体20にa−Si系膜を成膜するものである。プラズマCVD装置5では、基体支持体51が接地されているとともに、真空容器50が高周波電源52に接続されており、真空容器50と基体支持体51(円筒状基体20)との間に高周波電力を印加できるようになされている。基体支持体51は、回転機構53によって回転可能とされており、その内部に配置されたヒータ54によって加熱されるようになっている。プラズマCVD装置5にはさらに、複数のガス導入管55が基体支持体51(円筒状基体20)を囲むように配置されている。各ガス導入管55は、その軸方向に並ぶように複数のガス導入口56が設けられたものである。各ガス導入管55における複数のガス導入口56は、円筒状基体20に対面するように配置されており、複数のガス導入口56を介して導入された原料ガスが、円筒状基体20に向けて吹き出すように構成されている。
プラズマCVD装置5を用いて円筒状基体20にa−Si系膜の成膜を行なうに当たっては、所定の流量およびガス比に設定された原料ガスが、ガス導入管55からガス導入口56を介して円筒状基体20に向けて導入される。このとき、円筒状基体20は、基体支持体51とともに回転機構53によって回転させられている。そして、高周波電源52により真空容器50と基体支持体51(円筒状基体20)との間に高周波電力を印加し、グロー放電によって原料ガスを分解することにより、所望の温度に設定した円筒状基体20上にa−Si系膜が成膜される。
表面層29は、図2に示すように、光導電層28の摩擦および磨耗を低減する役割を担うものであり、光導電層28上に積層形成されている。表面層29は、例えばa−Si系材料などの無機材料により形成されている。表面層20の厚みは、0.2μm以上1.5μm以下(好適には0.5μm以上1.0μm以下)に設定されている。表面層29の厚みを0.2μm以上にすると、耐刷による画像キズおよび画像濃度ムラの発生を低減することができ、表面層29の厚みを1.5μm以下にすると、初期特性(例えば残留電位による画像不良)を良好にすることができる。
このような表面層29は、a−SiCに水素を含有させたa−SiC:Hにより形成するのが好ましい。a−SiC:Hは、元素比率を組成式a−Si1−X:Hと表した場合、たとえばX値が0.55以上0.93未満とされる。X値を0.55以上にすることで表面層29として適切な硬度を得ることが可能となり、表面層29ひいては電子写真感光体2の耐久性を確保でき、X値を0.93未満にすることで同様に表面層29として適切な硬度を得ることができる。好適には、X値は0.6以上0.7以下とされる。表面層29をa−SiC:Hにより形成する場合におけるH含有量は、1原子%以上70原子%以下程度に設定するとよい。この範囲内では、Si−H結合がSi−C結合に比して少なくなり、表面層29の表面に光が照射されたときに生じた電荷のトラップを抑えることができ、残留電位を防止することができる点で好ましい。本発明者の知見によれば、このH含有量を約45原子%以下とすると、より良好な結果が得られる。
このようなa−SiC:Hの表面層29は、光導電層28をa−Si系材料により形成する場合と同様に、図3に示したプラズマCVD装置5を用いて形成することができる。プラズマCVD装置5などを用いてa−Si系の感光層21を形成した場合、図4に示したように感光層21の表面に突起部22が発生することがある。この突起部22は、例えば円筒状基体2の表面や感光層21の成膜中に付着した異物23が核となって異常成長したものである。このような突起部22は、上述したように画像欠陥を生じさせる原因となるものである。
これに対して、電子写真感光体2では、図5(a)ないし図5(c)に示したように突起部22の少なくとも周囲に樹脂部6a,6b,6cが形成されている。
図5(a)に示した樹脂部6aは、突起部22と正常表面24との段差を低減するように、突起部22に対して、電子写真感光体2の回転方向の上流側に位置する部位に設けられたものである。
図5(b)に示した樹脂部6bは、突起部22と正常表面24との段差を低減するように、突起部22に対して、電子写真感光体2の回転方向の上流側および下流側に位置する部位に設けられたものである。
図5(c)に示した樹脂部6cは、突起部22の全体を覆うように形成されたものである。すなわち、樹脂部6cは、突起部22に対する電子写真感光体2の回転方向の上流側および下流側に位置する部位に加えて、突起部22の頂部22Aを覆うように形成されたものである。
図5(a)ないし図5(c)に示した樹脂部6a,6b,6cは、例えば図6に示したように、感光層21(図2参照)を形成した円筒状基体20を回転可能に支持するとともに、樹脂シート60を接触させることにより形成することができる。円筒状基体20は、例えば旋盤などに用いるカサセンター(図示せず)に支持させることにより回転可能とされる。樹脂シート60は、樹脂ロール61から供給されるとともに、バックロール62によって感光層21(図2参照)に接触させられる。バックロール62の回転方向は、通常、円筒状基体20の回転方向と同方向とされ、感光層21(図2参照)に接触させられた樹脂シート60は、回収ロール63に回収される。
このような構成では、樹脂シート60の硬度とバックロール62による感光層21(図2参照)への樹脂シート60の押圧力とを適宜選択することにより、感光層21と樹脂シート60とのニップ幅を調整することができる。樹脂シート60としては、樹脂部6a,6b,6cを構成するための材料樹脂からなる単層のもの、あるいはベースシート上に前記材料樹脂を保持させた複層のものを使用することができる。材料樹脂としては、例えばフッ素系樹脂と、ポリスチレン系樹脂と、ポリエチレン系樹脂とが挙げられるが、トナー付着を抑制する観点からフッ素系樹脂が好ましい。フッ素系樹脂としては、例えばポリテトラフルオロエチレンと、ポリクロロトリフルオロエチレンと、ポリフッ化ビニリデンと、ポリフッ化ビニルと、ペルフルオロアルコキシフッ素樹脂と、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体と、エチレン・四フッ化エチレン共重合体と、エチレン・クロロトリフルオロエチレン共重合体とが挙げられる。バックロール62による樹脂シート60の押圧力は、例えば単位軸長さあたり0.01kgf/cm(9.806×10Pa)以上0.2kgf/cm(1.961×10Pa)以下とされ、ニップ幅は、例えば0.01mm以上2mm以下に設定される。
図7に示したように、感光層21に樹脂シート60を接触させて、樹脂シート60を円筒状基体20に対して相対移動させると、突起部22が樹脂シート60と接触するときに突起部22によって樹脂64が掻き取られる。掻き取られた樹脂64は、突起部22と正常表面24との段差を減少させるように感光層21に付着する。そして、感光層21と樹脂シート60との間のニップ幅、樹脂シートの硬度(材料樹脂の組成)あるいは樹脂シート60の搬送速度などを適宜設定することにより、図5(a)ないし図5(c)に示したように、正常表面24には極力樹脂を付着させずに、突起部22の周囲および/または頂部に樹脂部6a,6b,6cを設けることができる。
電子写真感光体2では、感光層21の表面に存在する突起部22の少なくとも周囲に樹脂部6a,6b,6cが存在している。そのため、電子写真感光体2では、突起部22と正常表面24との段差部分におけるトナー付着を低減することができるのに加え、突起部22の周囲のトナーをクリーニングブレード46Aによって適切に除去することができる。また、電子写真感光体2では、突起部22の周囲におけるトナーの付着量が低減するため、トナーの融着も抑制することができる。
このように、電子写真感光体2およびこれを備えた画像形成装置1では、突起部22およびその周辺へのトナー付着に起因する画像欠陥の発生を低減し、クリーニング不良の発生および黒筋状の画像欠陥の発生を低減することができる。
次に、樹脂部の他の例を図8および図9を参照して説明する。
図8(a)ないし図8(c)に示したように、樹脂部7a,7b,7cは、頂部を研磨した突起部22の周囲を取り囲むように、あるいは、研磨面70を含めた突起部22の全体を覆うように形成されたものである。
図8(a)に示した樹脂部7aは、図5(a)を参照して説明した例において、突起部22の頂部を研磨したものに対応している。図8(b)に示した樹脂部7bは、図5(b)を参照して説明した例において、突起部22の頂部を研磨したものに対応している。図8(c)に示した樹脂部7cは、図5(c)を参照して説明した例において、突起部22の頂部を研磨したものに対応している。
樹脂部7a,7b,7cは、突起部22の頂部を研磨する以外は、図5(a)ないし図5(c)に示した樹脂部6a,6b,6cと同様にして形成することができる。
突起部22の研磨は、例えば図6に示した樹脂シート60を感光層21に接触させるための装置において、樹脂シート60に代えてラッピングシートを使用することにより行なうことができる。ラッピングシートの移動方向は、円筒状基体20の回転方向に従動する方向であってもよいし、それとは反対方向であってもよい。
図9に示したように、ラッピングシート71は、シート状の基材72の表面に、研磨粒子73が分散された高分子樹脂含有のバインダ74を塗布してなるものである。基材72としては、伸縮率が小さく、厚さおよび平坦度の均一性が高いポリエステルベースのものが好ましい。研磨粒子73としては、例えばシリコンカーバイド、酸化鉄、酸化クロム、酸化アルミニウム、あるいはダイヤモンドにより構成されるものが挙げられる。研磨粒子73の粒径は、例えば0.3μm以上20μm以下とされる。
ラッピングシート71を用いて突起部22を研磨した場合には、突起部22の頂部が研磨され、平坦化される。突起部22の研磨の程度は、突起部22の大きさにより適宜設定すればよい。例えば、突起部22が直径0.3mm以下、高さ60μm以下のものであれば、その高さを0.1〜1μm程度まで研磨により平坦化すればよい。
突起部22の研磨が終了した場合には、図6に示した装置において、ラッピングシート71を樹脂シート60に取替え、図5(a)ないし図5(c)に示した樹脂部6a,6b,6cと同様にして、突起部22(研磨面70)と正常表面24との段差を低減するように、樹脂部7a,7b,7cを形成する。
また、突起部22の研磨と樹脂部7a,7b,7cの形成とは、必ずしも別々の工程として行なう必要はなく、例えばラッピングシート71の種類(研磨材の種類、粒径、バインダの種類など)、感光層21とラッピングシート71とのニップ幅、および円筒状基体20に対するラッピングシート71の移動速度を調整することにより同一の工程として行なうこともできる。
樹脂部7a,7b,7cを設けた電子写真感光体2およびこれを備えた画像形成装置1では、突起部22およびその周辺へのトナー付着に起因した画像欠陥の発生を低減し、クリーニング不良の発生および黒筋状の画像欠陥の発生を低減することができる。
また、突起部22の頂部を研磨するなどして突起の高さを小さくしておけば、突起部22がクリーニングブレード46Aなどに接触したとしても、その際に発生する摩擦熱をより小さくすることができるのに加え、クリーニングブレード46Aなどの損傷の程度も低減することができる。つまり、感光層21にトナーが融着するのをより抑制することができるのに加え、クリーニング不良の発生および黒筋状の画像欠陥の発生をより低減することができる。
先に説明した樹脂部6a,6b,6c,7a,7b,7cは、上述の方法に限らず、材料樹脂を含む液体材料を用いて形成することもできる。
例えば図10に示したように、まず電子写真感光体2を回転させつつ、スプレー塗布機80のノズルから液体材料(樹脂コート材)を噴射して感光層21(図2参照)の表面に樹脂コート材を塗布する。次いで、加熱処理装置81によって加熱処理を行なった後に、ブレード82および仕上げロール83により余分な樹脂コート材を除去する。
次に、本発明について、実施例として説明する。ただし、本発明は以下に説明する実施例には限定されない。
[実施例1]
本実施例では、電子写真感光体に存在する突起部に樹脂部を形成した場合と形成しない場合とで画像形成後のトナー付着を確認した。
(電子写真感光体の作製)電子写真感光体としては、比較例である電子写真感光体A,B、本案である電子写真感光体C,Dを作製した。
電子写真感光体Aは、円筒状基体の表面に鏡面加工を施して洗浄したものを図3に示したプラズマCVD装置5にセットして該表面に感光層を形成することにより作製した。円筒状基体としては、アルミニウム製円筒状基体(直径:84mm、長さ:370mm)を採用した。感光層は、p型電荷注入阻止層と、a−Si光導電層と、a−Si表面層とを順次積層してなる3層構造とした。p型電荷注入阻止層は、原料ガスとしてSiHと、Bと、Hと、NOとを用いて厚みが4μmとなるように形成した。a−Si光導電層は、原料ガスとしてSiHと、Hと、Bとを用いて厚みが27μmとなるように形成した。a−Si表面層は、原料ガスとしてSiHと、CHとを用いて厚みが0.7μmとなるように形成した。
電子写真感光体Bは、以下のようにして作製した。まず、電子写真感光体Aと同様にして作製した感光体を、カサセンターにチャックして回転できる装置に装着した。次に、回転数60rpm(回転/分)で感光体を回転させ、その感光体表面の突起部をラッピングシートで研磨(平坦化)することにより電子写真感光体Bを作製した。
電子写真感光体Cは、電子写真感光体Bと同様の平坦化処理を施して作製した感光体を、樹脂が塗布されたシートに接触させて突起部およびその周囲を囲むように樹脂部を形成することにより作製した(図8(c)参照)。樹脂部は、フッ素系樹脂またはポリスチレン系樹脂を用いて形成した。
電子写真感光体Dは、電子写真感光体Aと同様にして作製した感光体(平坦化処理なし)を、樹脂が塗布されたシートに接触させて突起部およびその周囲を囲むように樹脂部を形成することにより作製した(図5(c)参照)。樹脂部は、フッ素系樹脂またはポリスチレン系樹脂を用いて形成した。
(トナー付着の評価)トナー付着の評価は、各電子写真感光体A,B,C,Dを画像形成装置(「KM−8030」;京セラミタ製)に搭載し、10000枚の耐刷試験後の電子写真感光体を目視で観察することにより行なった。トナー付着は、各電子写真感光体A,B,C,Dについて5本ずつ行い、トナー付着の発生率として評価した。トナー付着の発生率は、突起部の全数におけるトナーが付着した突起の数の割合をとして定義した。
Figure 0004250669
表1に示した結果からわかるように、突起部を研磨していない電子写真感光A,Dを比較すると、トナー付着の発生率が樹脂を形成しない場合の25%から、ポリスチレン系樹脂を形成した場合は8%に低減し、フッ素系樹脂を形成した場合は2%に低減した。また、突起部を研磨した電子写真感光B,Cを比較すると、トナー付着の発生率が樹脂を形成しない場合の5%から、ポリスチレン系樹脂あるいはフッ素系樹脂のいずれを形成した場合でも0%に低減した。
以上のことから、樹脂部を形成することにより、トナーの付着を低減できることが判った。
また、突起部を研磨せずに樹脂部を形成した電子写真感光体Dに比べて、突起部を研磨して樹脂部を形成した電子写真感光体Cのほうがトナー付着の発生率が低かった。
このことから、突起部を研磨した上で、樹脂部を形成することにより、トナーの付着をより低減できることが判った。
さらに、樹脂部を形成した電子写真感光体Dにおいては、樹脂部をポリスチレン系樹脂により形成する場合に比べて、フッ素系樹脂により形成する場合のほうがトナー付着の発生率が低かった。
このことから、樹脂部は、ポリスチレン系樹脂に比べてフッ素系樹脂により形成するのが好ましいことが判った。
[実施例2]
本実施例では、実施例1において用いた電子写真感光体A,Dについて、感光層の表面観察および耐刷後の画像の評価を行なった。
使用前の電子写真感光体Aについて表面を観察したところ、直径が0.1mm以上0.2mm以下、高さが15μm以上50μm以下の大きさの突起部が20個存在することが認められた。
電子写真感光体Aを画像形成装置(型番:KM−8030、京セラミタ株式会社製)に搭載して10000枚の耐刷を行なった後に、感光層の表面を観察したところ、帯電による放電破壊が1個確認され、20個の突起部のうちの5個にトナー付着が確認された。また、耐刷後の画像確認において白ベタ部には黒点状画像欠陥が2個確認され、黒ベタに対して中間の露光量(暗電位からの明減衰が半分となる露光量)を当てたグレー画像において白点が6個確認された。ここで、白ベタ部とは、電子写真感光体の露光されていない箇所に対応する印画部分を意味する。
一方、使用前の電子写真感光体Dについて表面を観察したところ、直径が0.1mm以上0.2mm以下、高さが15μm以上50μm以下の大きさの突起部を25個存在することが認められた。
電子写真感光体Dを画像形成装置(型番:KM−8030、京セラミタ株式会社製)に搭載して10000枚の耐刷試験後においては、25個の突起部のうちの2個にトナー付着が確認され、帯電による放電破壊は0個であった。また、耐刷後の画像確認において白ベタ部には黒点状画像欠陥が確認されず、黒ベタに対して中間の露光量を当てたグレー画像において白点が2個確認された。
[実施例3]
本実施例では、突起部の研磨と樹脂部の形成とを同一工程において行なって作製した電子写真感光体Eを用いた以外は実施例2と同様に感光層の表面観察および耐刷後の画像の評価を行なった。
電子写真感光体Eは、電子写真感光体Aと同様にして作製した感光体(平坦化処理なし)を、フッ素系樹脂からなるバインダによって、ポリエチレンテレフタレート製の基材に研磨剤を保持させたラッピングシートを用いて処理することにより作製した。
ラッピングシートは、図6に示した装置を用いて感光層に接触させ、研磨剤による突起部の研磨とフッ素樹脂による樹脂部の形成とを同一工程で実施するものである。このラッピングシートを用いて、感光層に対するラッピングシートの押圧力を適度に調整することにより、突起部を樹脂部によって選択的にコートした(図8(c)参照)。
使用前の電子写真感光体Eについて表面を観察したところ、直径が0.1mm以上0.2mm以下、高さが15μm以上50μm以下の大きさの突起部の存在は認められなかった。
電子写真感光体Eを画像形成装置(型番:KM−8030、京セラミタ株式会社製)に搭載して10000枚の耐刷を行なった後に、感光層の表面を観察したところ、帯電による放電破壊は確認されず、全体として実質的にトナー付着が確認されなかった。また、耐久後の画像確認において白ベタ部には黒点状画像欠陥が確認されず、黒ベタに対して中間の露光量を当てたグレー画像においても白点が確認されなかった。
[実施例4]
本実施例では、図10に示した装置を用いて樹脂部を形成した電子写真感光体Fを用いた以外は実施例2と同様に感光層の表面観察および耐刷後の画像の評価を行なった。
電子写真感光体Fは、以下のようにして作製した。まず、電子写真感光体Aと同様にして作製した感光体を、カサセンターにチャックして回転させ、樹脂コート材をスプレー塗布装置にてスプレー塗布した。次に、回転している感光体表面にゴムブレードを接触させて正常表面から樹脂コート材を掻き取った。次に、仕上げロールを接触させて樹脂コート材を更に拭き取り、突起部を選択的に樹脂コートした電子写真感光体Fを作製した(図5(c)参照)。
使用前の電子写真感光体Fについて表面を観察したところ、直径が0.1mm以上0.2mm以下、高さが15μm以上50μm以下の大きさの突起部が20個存在することが認められた。
電子写真感光体Fを画像形成装置(型番:KM−8030、京セラミタ株式会社製)に搭載して10000枚の耐刷を行なった後に、感光層の表面を観察したところ、帯電による放電破壊は確認されず、20個の突起部のうちの2個にトナー付着が確認された。また、耐久後の画像確認においても白ベタ部には黒点状画像欠陥が1個確認され、黒ベタに対して中間の露光量を当てたグレー画像において白点が2個確認された。
ここで、実施例2,3,4の結果をまとめると、表2のようになる。
Figure 0004250669
表2からわかるように、本発明に係る電子写真感光体D,E,Fでは、従来の樹脂部を形成していない電子写真感光体Aより、トナー付着、放電破壊、および黒点の発生が低減される結果となった。すなわち、本発明は、従来品よりトナー付着、放電破壊、および黒点発生率を低減した電子写真感光体を提供することができた。また、本発明によれば、上記突起部によりクリーニングブレードなどに損傷が発生するのを低減し、クリーニング不良の発生および黒筋状の画像欠陥の発生を低減した電子写真感光体を提供することができた。
本発明の実施形態に係る画像形成装置を示す概略構成図である。 本発明の実施形態に係る電子写真感光体を示す断面図およびその要部拡大図である。 図2に示した電子写真感光体における感光層を形成するための成膜装置の一例であるプラズマCVD装置の概略構成を示す断面図である。 感光層に存在し得る突起の説明するための電子写真感光体の要部を示す断面図である。 図5(a)ないし図5(c)は、感光層における突起に形成した樹脂部の例を説明するための電子写真感光体の要部を拡大して示した断面図である。 樹脂部を形成する方法を説明するための概略構成図である。 感光層の突起部により樹脂フィルムから樹脂を掻き取っている状態を説明するための断面図である。 図8(a)ないし図8(c)は、感光層における突起に形成した樹脂部の例を説明するための電子写真感光体の要部を拡大して示した断面図である。 樹脂部を研磨するために使用されるラッピングシートの要部を示す断面図である。 樹脂部を形成するためのさらに他の方法を説明するための概略構成図である。
符号の説明
1 画像形成装置
2 電子写真感光体
20 円筒状基体
21 感光層
22 突起部
6a,6b,6c,7a,7b,7c 樹脂部
60 ラッピングシート

Claims (3)

  1. 円筒状基体と、該円筒状基体上に位置し且つ表面に突起部が存在する感光層と、前記突起部の周囲における少なくとも一部に位置するように前記感光層上に部分的に形成される樹脂部と、を有する電子写真感光体と、
    前記感光層上のトナーを除去するためのクリーニング手段と、を備えた画像形成装置において、
    前記樹脂部は、前記突起部に対して前記電子写真感光体の回転方向の上流側に位置する上流領域を有し、
    前記樹脂部の上流領域は、前記突起部の表面と前記突起部以外の感光層の表面とを連続的に接続することにより、両者間に存在する段差部分を低減することを特徴とする、画像形成装置
  2. 前記突起部は、その頂部に平坦部を有することを特徴とする、請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記樹脂部は、フッ素原子を含む樹脂材料により構成されることを特徴とする、請求項1または2に記載の画像形成装置。
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