JP2001343771A - 電子写真感光体及び装置 - Google Patents

電子写真感光体及び装置

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JP2001343771A
JP2001343771A JP2000162687A JP2000162687A JP2001343771A JP 2001343771 A JP2001343771 A JP 2001343771A JP 2000162687 A JP2000162687 A JP 2000162687A JP 2000162687 A JP2000162687 A JP 2000162687A JP 2001343771 A JP2001343771 A JP 2001343771A
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Toshiyuki Ebara
俊幸 江原
Masaya Kawada
将也 河田
Tetsuya Karaki
哲也 唐木
Hironori Owaki
弘憲 大脇
Kunimasa Kawamura
邦正 河村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子写真装置に、アモルファスシリコンを光
導電層102に有する電子写真感光体を用いて、良好な
画像形成を行う。 【解決手段】 感光体表面には、数μm程度の大きさを
有する巨視的な凹凸形状と、数nmから数十nm程度の
大きさを有する微視的な凹凸形状とが生じる。巨視的な
凹凸形状よりも、むしろ微視的な凹凸形状を適正な形状
に規定した電子写真感光体、より具体的には、微視的な
凹凸形状が、表面上の10μm×10μmの範囲で、微
視的な凹凸形状の最も深い点を基準とした凹凸高さの度
数分布の半値幅が5nm〜100nmの範囲に入るよう
な形状に形成されている電子写真感光体を用いることに
より、良好な画像形成を行うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はアモルファスSiを
含む光導電層および表面保護層を順次積層してなる感光
体、ならびに本発明の感光体を具備した電子写真装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、電子写真装置は複写機、ファ
クシミリ、プリンターなどとして用いられている。通常
の電子写真装置は、光導電層が設けられた電子写真感光
体と、感光体表面をローラ帯電、ファーブラシ帯電、磁
気ブラシ帯電などの方法で一様に帯電させる帯電手段
と、帯電された表面上に露光を行って静電潜像を形成す
る露光手段と、静電潜像上にトナーを付着させる現像器
とを通常有している。
【0003】このような電子写真装置による画像形成は
以下のように行われる。まず、感光体表面を帯電手段に
より一様に帯電させる。次に、被複写体の被複写像の反
射光またはその変調信号、またはコンピュータなどから
送信された形成する画像に対応する信号に応じてレーザ
ーやLEDなどから光を放出させ、電子写真感光体の表
面上に露光することにより、静電潜像を形成する。そし
て、静電潜像が形成された表面上にトナーを付着させる
ことでトナー画像を形成し、これを複写用紙などの転写
材に転写させることで画像を形成する。
【0004】このようにして画像形成を行なった後、電
子写真感光体の表面上にはトナーが一部残留する。そこ
で、次回の画像形成前にこの残留トナーを除去する必要
がある。このような残留トナーの除去は、クリーニング
ブレード、ファーブラシ、マグネットブラシなどを有す
るクリーニング装置を用いて行なわれるのが一般的であ
る。
【0005】一方、近年、環境に与える影響を小さくす
るという観点から廃トナーを低減するまたはなくすため
に、クリーニング装置を省略した電子写真装置が提案さ
れ、生産されている。このような電子写真装置として
は、例えば、特開平6−118741号公報に開示され
ているものがある。この電子写真装置では、帯電器とし
て、ブラシ帯電器の様な、電子写真感光体表面に接触さ
せて用いる直接帯電器が用いられ、この帯電器がクリー
ニングを行う機能を兼ね備えている。また、特開平10
−307456号公報には、現像器がクリーニングを行
う機能を兼ね備えている電子写真装置が開示されてい
る。いずれの方式においてもトナーを電子写真感光体表
面から除去するクリーニング工程でトナーと表面とが摺
擦され、トナーが除去される。
【0006】このクリーニング工程においては、感光体
表面に除去されなかったトナーが残留する場合があり、
このようなトナー残留は形成画像の画質に悪影響を与え
る。感光体表面に付着して画質に影響を及ぼすのはトナ
ーばかりではなく、帯電生成物や転写紙に含まれる低抵
抗物質などが感光体表面に付着し、このような異物の付
着が画質の劣化を招く要因になると考えられている。
【0007】電子写真感光体としてa−Si感光体を用
いた場合、a−Si感光体は、特に高湿環境下におい
て、形成画像が流れたように乱れる、高湿流れが発生し
やすいことが知られている。これは、電子写真感光体の
材料にアモルファスシリコンを用いた場合、アモルファ
スシリコンの表面硬度が高いことにより、クリーニング
工程における摺擦時の電子写真感光体表面の摩耗量が少
なく、このために、クリーニング工程において帯電生成
物や転写紙に含まれる低抵抗物質などの異物が除去され
にくいためと考えられている。
【0008】従来から、このような高湿流れを防止する
努力が続けられている。具体的には、電子写真感光体を
ヒータによって加温して水分を除去する方法、摺擦手段
により流れ起因物質を除去する方法、表面保護材料とし
て、酸化されにくいまたは流れ起因物質が付着しにくい
物質を用いる方法などが実施され、効果をあげている。
【0009】しかし、最近ではデジタル化が急速に進行
することにより、電子写真装置においても微細ドットの
集合により作像が行われるようになってきており、この
ために、特にハーフトーン画像で高湿流れが顕著に現れ
る様になってきた。このため、特に光導電層にアモルフ
ァスシリコンを用いた電子写真感光体について、より効
果的に高湿流れを防止できる方法が求められている。
【0010】より効果的な高湿流れの対策としては、特
開平9−204056号公報に開示されているように、
光導電層にアモルファスシリコンを用いた電子写真感光
体において、感光体表面の炭素量を増やして酸化されに
くくすると共に摩耗し易くし、また同時に表面の平滑性
を高めて、感光体表面に付着した高湿流れ起因物質を容
易に除去できるようにする方法が知られている。また、
特開平10−333350号公報には、電子写真装置内
で感光体表面を平坦にするように積極的に研磨を行い、
同様の効果を上げる方法が開示されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、電子写
真装置のデジタル化の進展により、電子写真装置によっ
て多量の画像の作成が行えるようになってきたことに加
え、近年の、エコロジーへの意識の高まりから廃棄物を
出さないようにすることが求められており、これらのこ
とから、アモルファスシリコン感光体の寿命をさらに長
くすることが求められている。また、電子写真装置につ
いて、さらにエネルギー消費量を小さくすることが求め
られている。
【0012】すなわち具体的には、主として個人向けの
低速、中速プリンターに関して、感光体寿命を本体寿命
と同等以上に引き延ばし廃棄物の低減を図ること、およ
び主としてオフィス向けの高速プリンターに関して、感
光体寿命を本体寿命以上に保ちつつ、電子写真装置を感
光体ヒーターを用いないで済む構成として省エネルギー
化を図ることが求められている。
【0013】しかし、前述のように、高湿流れ起因物質
を効率的に除去できるようにするために、感光体表面を
摩耗しやすくしたり、あるいは積極的に研磨したりする
方法を用いると、感光体寿命に制約を与えることにな
る。そこで、このように電子写真感光体の寿命に制約を
与えることなく効果的に高湿流れを防止することができ
る方法が求められている。また、このことは、電子写真
装置に感光体ヒーターを用いないで済む構成を実現する
ために必要な条件である。
【0014】そこで本発明の目的は、クリーニング時の
高湿流れを防止して、良好な画像形成を行うことができ
る電子写真感光体、これを備える電子写真装置を提供す
ることにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述の問
題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、次に示す条件の
下でクリーニング時の高湿流れを防止できることを見出
し、本発明を完成するに至った。
【0016】すなわち、本発明は、導電性基体上に少な
くともアモルファスSiを含む光導電層および表面保護
層を順次積層してなる感光体において、前記感光体の1
0μm×10μmの範囲における表面粗さ凹凸の最も深
い点、別の表現では低い点を基準に凹凸高さの度数分布
の半値幅(F.W.H.M.;FullWidth at Half Maxi
mum)が5nm〜100nmの範囲、好ましくは10nm
〜80nmの範囲にあることを特徴とする電子写真感光
体についてのものである。
【0017】また、前記記載の感光体を具備すること、
好ましくは、単一波長を主とする光源により画像形成が
なされることを特徴とする電子写真装置についてのもの
である。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明における微視的な表面粗さ
とは、原子間力顕微鏡(AFM)[Quesant 社製 Q-Sco
pe 250]を用いて測定した表面粗さRaの値を指し、
微視的な表面粗さを高い精度で再現性良く測定するため
には、10μm×10μmの測定範囲で、かつサンプル
の曲率傾き(tilt)による誤差を避けるように測定した結
果であることが望ましい。具体的には、Quesant 社製
Q-scope 250のTilt Removalモードにより、試料
のAFM像の持つ曲率を放物線にフィットさせた後、平
坦化する補正(Parabolic)があげられる。電子写真感光
体は一般に円筒形状を取っており好適な手法である。
【0019】更に、像に傾きが残る場合には、傾きを除
去する補正(Line by line)を行なう。この様に、デー
タに歪みを生じさせない範囲でサンプルの傾きを適宜補
正することが可能である。
【0020】こうして測定された導電性基体の10μm
×10μmの範囲における表面粗さRaは9nm未満、好
ましくは6nm未満となるのが望ましい。
【0021】更に、本発明者らは上記の表面形状に加
え、光導電層を複数の層から構成することがトナー付着
の抑制を促進させることを見出した。
【0022】光導電層のバンドギャップにより生じる画
像露光の実質的な吸収深さの変動により静電潜像の電位
むらが生ずる。この電位むら、具体的には残留電位、ゴ
ースト電位により、トナー付着の核となるカブリ、また
は画像の鮮鋭さを悪化させるものと考える。
【0023】また、感光体の表面保護層と感光層の界面
組成を連続的に変化させることで、更に効果的にトナー
付着の抑制が出来ることを見出した。
【0024】上記界面組成は分光反射率が以下の式(1)
を満たすことが望ましい。
【0025】 波長450nm〜650nmの範囲で、反射率(%)の最小値(以後 Minと呼ぶ) と最大値(以後 Maxと呼ぶ)が0≦(Max-Min)/(Max+Min)≦0.4 (1) ここで、本発明による反射率とは、分光光度計[大塚電
子社製 MCPD-2000]を用いて測定した反射率(百分
率)の値をさす。概要を述べるとまず、分光器の光源の
分光発光強度 I(0)を取り、次いで感光体の分光反射光
度 I(D)を取り、反射率R=I(D)/I(0)を求める。高
い精度で再現性良く測定するためには、曲率をもつ感光
体に対して角度が一定となるようにディテクターを治具
固定することが望ましい。
【0026】界面制御の具体例を図8に示す。上段が上
記式の範囲外である「界面あり」の測定例、下段が本発
明に係わる式を満たす「界面無し」の測定例である。具
体的には、反射率(%)から求めた(Max-Min)/(Max+M
in)……式(1)の値が、Aは0.51、Bは 0.44、Cは 0.2
5、Dは 0.18となる。2本線があるのはそれぞれ表面保
護層の膜厚違いによる差であり、膜厚の差に応じてグラ
フ上左右に波形が移動する。その最大値は波形の振幅に
相当する為、界面ありは界面無しに比べ単一波長固定で
見た場合、膜厚変動に対して反射率は大きく変動する。
すなわち、膜厚変動に対して大きく感度変動が生じる。
【0027】微細粗さにより生じる画像露光入射光路上
における実質的な表面保護層の膜厚むらが生ずる。この
膜厚むらにより界面ありの場合、界面無しの場合よりも
感度の変動が大きくなり、トナー付着の核となるカブ
リ、または画像の鮮鋭さを悪化させるものと考える。
【0028】[表面粗さの度数分布]以下、本発明の重要
な指標である表面粗さの度数分布に付いて述べる。
【0029】原子間力顕微鏡(Atomic Force Micros
copy)は横分解能(試料面に平行な方向の分解能)は 0.5
nmを上まわり、縦分解能(試料面に垂直方向の分解能)
は 0.01〜0.02 nmを持ち、試料の三次元的な形状を測
定することが可能で、従来から広く用いられている表面
粗さ計との大きな違いは、その高い分解能にある。
【0030】これほどまでの高い分解能においては、感
光体基板の粗さが支配的なオーダーの粗さではなく、光
導電層や表面層と言った堆積膜そのものの性質に起因す
る粗さの測定が可能である。
【0031】感光体基体の粗さは、前記の旋盤やボール
ミル、ディンプル処理加工と言った「歯形」や「処理部
材」と言った「型」に依存するものであるが、堆積膜そ
のものの粗さには「型」はなく、単に、JIS−B04
05で規定される、一般的にイメージし易い粗さ指標で
あるRa(中心線平均粗さ)やRz(十点平均粗さ)では表現
しきれない形状因子が存在し、それが前記トナー付着防
止の糸口になるのではないかと本発明者らは考えた。具
体的には、同一視野(10μm×10μm)の範囲におけ
る表面粗さRaが10nm未満の導電性基体の上に、各種
条件にてアモルファスシリコン感光層(阻止層、光導電
層、表面層、各層の界面を含む全層)を作製し、その凹
凸の高さを原子間力顕微鏡で観測し、度数分布を求めて
比較検討した。
【0032】同様の測定を従来広く用いられている表面
粗さ計、例えば(株)小坂研究所製接触式表面粗さ計(S
E-3400)で行なった場合は有意な差を観測できず、本出
願で用いる指標はアモルファスシリコン感光体の材料の
特性を示す新規な指標であると考える。
【0033】尚、本発明者らはAFMの測定に際して、
いくつかの試料に対して、いくつかのスキャンサイズで
測定を行なった。スキャンサイズとは、スキャンする四
角形の一辺の長さであり、従って10μmとは、10μ
m×10μmすなわち100μm2の範囲をスキャンす
ることを意味する。グラフ横軸をスキャンサイズにし
て、その結果の一部を図6に示す。
【0034】この図は、同一基体に作成条件を変えて成
膜した比較的微細粗さの小さいものと中程度のものの2
つの試料について、測定視野と一般的にイメージし易い
粗さ指標JIS-Ra(中心線平均粗さ)で示した。
【0035】スキャンサイズを大きく、すなわち測定範
囲を広くすると測定値は安定するが、試料基体のうね
り、突起などの特異形状、加工形状の影響により、微細
形状が反映され難くなり、視野角が小さいと測定個所の
選択バラツキが大きくなる為、本発明は測定の検知能力
と安定性の総合的に優れた10μm×10μm視野で表
記した。
【0036】以上の経緯から、本発明の発明思想は10
μm×10μm視野に限定されるものではない。
【0037】以下、必要に応じて図面を参照しつつ、本
発明を詳細に説明する。
【0038】「本発明に係わるa-Si感光体」図1に本
発明に係わる電子写真感光体の一例を示す。
【0039】本例の電子写真感光体は、例えばAl、ス
テンレス等の導電性材料からなる基体101上に、光導
電層102および表面保護層103を順次積層したもの
である。尚、これら層の他に、阻止層104、反射防止
層乃至界面層107などの種々の機能層を必要に応じて
設けてもよいものである。例えば、阻止層104、界面
層107等を設けそのドーパントを13族元素、15族
元素など選択する事により、正帯電、負帯電と言った帯
電極性の制御も可能となる。
【0040】これらドーパントとしては、正帯電用とし
ては、P型伝導特性を与える13族原子を用いることが
でき、具体的には、硼素(B)、アルミニウム(Al)、ガ
リウム(Ga)、インジウム(In)、タリウム(Tl)等があ
り、特にB、Al、Gaが好適である。負帯電用として
は、n型伝導特性を与える15族原子を用いることがで
き、具体的には、燐(P)、砒素(As)、アンチモン(S
b)、ビスマス(Bi)等があり、特にP、Asが好適であ
る。
【0041】伝導性を制御する原子の含有量としては、
好ましくは1×10-2〜1×104原子ppm、より好ま
しくは5×10-2〜5×103原子ppm、最適には1×
10- 1〜1×103原子ppmとされるのが望ましい。
【0042】伝導性を制御する原子、たとえば、13族
原子あるいは15族原子を構造的に導入するには、層形
成の際に、13族原子導入用の原料物質あるいは15族
原子導入用の原料物質をガス状態で反応容器中に、光導
電層を形成するための他のガスとともに導入してやれば
よい。13族原子導入用の原料物質あるいは15族原子
導入用の原料物質となり得るものとしては、常温常圧で
ガス状のまたは、少なくとも層形成条件下で容易にガス
化し得るものが採用されるのが望ましい。
【0043】そのような13族原子導入用の原料物質と
して具体的には、硼素原子導入用としては、B26、B
410、B59、B511、B610、B612、B614
等の水素化硼素、BF3、BCl3、BBr3等のハロゲン
化硼素等が挙げられる。この他、AlCl3、GaCl3、G
a(CH3)3、InCl3、TlCl3等も挙げることができる。
【0044】15族原子導入用の原料物質として有効に
使用されるのは、燐原子導入用としては、PH3、P2
4等の水素化燐、PH4I、PF3、PF5、PCl3、PCl
5、PBr3、PBr5、PI3等のハロゲン化燐が挙げられ
る。この他、AsH3、AsF3、AsCl3、AsBr3、As
5、SbH3、SbF3、SbF5、SbCl3、SbCl5、Bi
3、BiCl3、BiBr3等も15族原子導入用の出発物
質の有効なものとして挙げることができる。
【0045】導電性基体としてはAl、Cr、Mo、Au、
In、Nb、Te、V、Ti、Pt、Pd、Fe等の金属、およ
びこれらの合金、例えばステンレス等が挙げられ、これ
らの中では、Alがコスト、重量、加工性の点で好まし
い。また、ポリエステル、ポリエチレン、ポリカーボネ
ート、セルロースアセテート、ポリプロピレン、ポリ塩
化ビニル、ポリスチレン、ポリアミド等の合成樹脂のフ
ィルムまたはシート、ガラス、セラミック等の電気絶緑
性基体の少なくとも感光層を形成する側の表面を導電処
理した基体も用いることができる。蒸着される導電性材
料としては、Al、Crが感光層とのオーミック接合が取
れやすい点で好ましい。
【0046】また、基体の形状は平滑表面あるいは凹凸
表面の円筒状または板状無端ベルト状であることがで
き、その厚さは、所望通りの画像形成装置用感光体を形
成し得るように適宜決定するが、基体は製造上および取
り扱い上、機械的強度等の点から通常は10μm以上と
される。
【0047】特にレーザー光などの可干渉性光を用いて
像記録を行なう場合には、可視画像において現われる、
いわゆる干渉縞模様による画像不良をより効果的に解消
するために、光生成キャリアの減少が実質的にない範囲
で基体の表面に凹凸を設けてもよい。基体の表面に設け
られる凹凸は、特開昭60-168 156号公報、同6
0-178 457号公報、同60-225 854号公
報、同61-231 561号公報等に記載された公知の
方法により作成される。
【0048】又、基体の表面に微細なキズをつける事に
より感光体表面の微細粗さを制御する事もできる。キズ
の作成は研磨材を使用しても良いし、化学反応によるエ
ッチングやプラズマ中のいわゆるドライエッチング、ス
パッタリング法等を用いても良い。この際に該キズの深
さ、大きさは光生成キャリアの減少が実質的にない範囲
であれば良い。
【0049】光導電層102としては、光導電性を有す
るものであれば、有機質のものでも、無機質のものでも
よいが、無機光導電体としては、例えばシリコン原子
と、水素原子またはハロゲン原子を含む非晶質材料(「a
-Si(H,X)」と略記する)あるいはa-Seなどが代表的
なものとして挙げられる。これらの中では、a-Si(H,
X)が、安定性、無公害性の点で好ましい。
【0050】また、光導電層102の層厚としては特に
限定はないが、前述の理由や、製造コストなどを考慮す
ると15〜50μm、好ましくは23〜45μm、特に
好ましくは25〜40μm程度が適当である。
【0051】更に、特性を向上させる為に下部光導電層
105と上部光導電層106の様に複数の層構成にして
も良い。特に、半導体レーザーの様に、比較的長波長で
あって且つ波長バラツキのほとんどない光源に対して
は、こうした層構成の工夫によって画期的な効果が現れ
る。
【0052】表面保護層103は、一般的に a-SiC
(H,X)で形成されるが、a-C(H,X)としても良い。ハ
ロゲン原子を含有させる場合は、それぞれ a-SiC(H,
F)、a-C(H,F)が、硬度、表面性などの点で好まし
い。また、光導電層102と表面保護層103の界面層
107の組成を連続的に変化させ、当該部分の界面反射
を抑制させるように制御することが好ましい。
【0053】なお、図1には、数μm程度の大きさ、す
なわち幅および高さを有する巨視的な凹凸形状と、数n
mから数十nm程度の大きさを有する微視的な凹凸形状
とを模式的に示している。
【0054】すなわち、図1(a)に示すように、導電
性基体101の表面が実質的に平坦な構成であれば、感
光体表面も大体平坦になるが、図1(b)に示すよう
に、導電性基体101表面が、切削加工や旋盤加工など
によって生じるような直線的な凹凸のある形状、また
は、図1(c)に示すように、ボールミル加工やディン
プル加工などによって生じるような曲線的な凹凸のある
形状であれば、感光体表面にもこれらに対応した凹凸形
状が現れる。これらの比較的大きく記載した形状が巨視
的な凹凸形状を模式的に示しており、この形状は主とし
て導電性基体101の形状に起因して生じると考えられ
る。一方、図1(a)、図1(b)、図1(c)に示す
ように、これら全ての電子写真感光体の表面には、導電
性基体101の形状に対応した比較的大きな凹凸形状の
他に、比較的小さな凹凸形状を記載している。この凹凸
形状が、微視的な凹凸形状を模式的に示しており、この
形状は、主として光導電層や表面層などの堆積されるア
モルファスシリコン膜そのものの性質に起因して生じる
ものと考えられる。
【0055】そして後述するように、高湿流れの発生
は、従来から広く引用されている大スケールの凹凸形状
よりも、むしろ小スケールの凹凸形状に大きく依存して
いることを本発明者らは見出した。
【0056】「本発明に係わるa-Si感光体成膜装置」
本発明に係わるa-Si感光体成膜装置の一例を以下に示
す。
【0057】本発明では、感光体ドラム1は a-Si感光
体としており、a-Si感光層を高周波プラズマCVD(P
CVD)法により成膜した。本発明で使用したPCVD
装置を図2に示す。
【0058】図2に示す装置は、電子写真用感光体の製
造に使用する一般的なPCVD装置である。このPCV
D装置は、堆積装置200、原料ガス供給装置及び排気
装置(ともに図示せず)を備えて構成されている。
【0059】堆積装置200には縦型の真空容器からな
る反応容器201を有し、この反応容器201内の周囲
には内には縦方向の原料ガス導入管203が複数本配設
され、ガス導入管203の側面には、長手方向に沿って
多数の細孔が設けられている。反応容器201内の中心
には、螺旋状に巻線したヒーター202が縦方向に延設
され、感光体ドラムの基体となる円筒体212は、容器
201内の上部の蓋201aを開けて挿入され、ヒータ
202を内側にして容器201内に垂直に設置される。
また、反応容器201の側面の一方に設けた凸部204
から高周波電力が供給される。
【0060】反応容器201の下部には、原料ガス導入
管203に接続された原料ガス供給管305が取り付け
られ、この供給管205は、供給バルブ206を介して
図示しないガス供給装置に接続されている。また、反応
容器201に下部には排気管207が取り付けられ、こ
の排気管207はメイン排気バルブ208を介して図示
しない排気装置(真空ポンプ)に接続されている。排気管
207には、他に真空計209、サブ排気バルブ210
が取り付けられている。
【0061】上記の装置を用いたPCVD法によるa-S
i感光層の形成は次のように行なわれる。まず、反応容
器201内に感光体ドラムの基体となる円筒体212を
セットし、蓋201aを閉じた後、図示しない排気装置
により容器201内を所定の低圧以下の圧力まで排気
し、以後排気を続けながら、ヒーター202により基体
212を内側から加熱して、基体212を20℃〜45
0℃の範囲内の所定の温度に制御する。
【0062】基体212が所定の温度に維持されたら、
所望の原料ガスをそれぞれの流量制御器(図示せず)によ
り調節しながら、導入管203を通って反応容器201
内に導入する。導入された原料ガスは反応容器201内
を満たした後、排気管207を通って容器201外に排
気される。
【0063】このようにして、原料ガスが満たされた反
応容器201内が所定の圧力になって安定したことを真
空計209により確認したら、図示しない高周波電源(1
3.56MHzのRF帯域、または 50〜150MHzのVHF帯
域、等)により、高周波を所望の投入電力量で容器20
1内に導入し、容器201内にグロー放電を発生させ
る。このグロー放電のエネルギーによって、原料ガスの
成分が分解してプラズマイオンが生成し、基体212の
表面に珪素を主体としたa-Si堆積層が形成される。こ
の際、ガス種、ガス導入量、ガス導入比率、圧力、基体
温度、投入電力、膜厚などのパラメータを調整すること
により様々な特性のa-Si堆積層を形成することによ
り、電子写真特性を制御することが出来る。
【0064】このようにして基体212の表面にa-Si
堆積層が所望の膜厚で形成されたら、高周波電力の供給
を止め、供給バルブ206等を閉じて、反応容器201
内への原料ガスの導入を停止し、一層分のa-Si堆積層
の形成を終える。同様の操作を複数回繰り返すことによ
り所望の多層構造のa-Si堆積層、つまりa-Si感光層が
形成され、基体212の表面に多層構造のa-Si感光層
を有する感光体ドラムが製造される。
【0065】また、本発明に係わる表面保護層と光導電
層の界面反射の低減、制御については、前述の一層分の
a-Si堆積層の形成を終える際に、高周波電力を停止せ
ず、かつ原料ガスの供給も停止させず連続的に次の層の
電力条件、ガス組成に変化させることで達成される。ま
たは、高周波電力は一旦停止させるものの、原料ガスを
前の層の構成から開始し、所望の構成に連続的に変化さ
せながら成膜させることによっても達成が可能である。
【0066】以上において、ガス導入管203の長手方
向上に分布した細孔から反応容器201内に導入される
原料ガスの導入管203長手方向での流量分布、排気管
からの排ガスの流出速度、放電エネルギー等を調整する
ことによって、基体212上のa-Si堆積層の長手方向
に沿った電子写真特性を制御することが出来る。
【0067】[本発明に係わる電子写真装置]このように
作製した電子写真感光体を用いた本発明の電子写真装置
の一例を図3に示す。尚、本例の装置は、円筒状の電子
写真感光体を用いる場合に好適なものであるが、本発明
の電子写真装置は本例に限定されるものではなく、感光
体形状は無端ベルト状等の所望のものであってよい。
【0068】図3において、304が本発明に言うとこ
ろの電子写真感光体であり、305は該感光体304に
静電潜像形成のための帯電を行なう一次帯電器である。
306は静電潜像の形成された感光体304に現像材
(トナー)を供給するための現像器であり、307は感光
体表面のトナーを転写材に移行させるための転写帯電器
である。
【0069】308は感光体表面の浄化をはかるクリー
ナーである。本例では感光体表面の均一削除を有効に行
なうため、前述の如き弾性ローラー308aとクリーニ
ングブレード308bを用いて感光体表面の浄化を行な
っているが、いずれか一方のみでも差しつかえない。
【0070】310は、次回の複写動作にそなえて感光
体表面の除電を行なうための除電ランプであり、313
は紙等の転写材、314は転写材の送りローラーであ
る。露光Aの光源には、ハロゲン光源、或いは単一波長
を主とする光源を用いる。
【0071】このような装置を用い、複写画像の形成
は、例えば以下のように行なわれる。まず電子写真感光
体304を所定の速度で矢印の方向へ回転させ、一次帯
電器305を用いて感光体304の表面を一様に帯電さ
せる。次に、帯電された感光体304の表面に画像の露
光Aを行ない、該画像の静電潜像を感光体304の表面
に形成させる。そして感光体304の表面の静電潜像の
形成された部分が現像器306の設置部を通過する際
に、現像器306によってトナーが感光体304の表面
に供給され、静電潜像がトナー306a による画像とし
て顕像化(現像)され、更にこのトナー画像は感光体30
4の回転とともに転写帯電器307の設置部に到達し、
ここで送りローラー314によって送られてくる転写材
313に転写されるのである。
【0072】転写終了後、次の複写工程に備えるために
電子写真感光体304の表面から残留トナーがクリーナ
ー308によって除去され、更に該表面の電位がゼロ若
しくは殆どゼロとなるように除電ランプ310により除
電され、1回の複写工程を終了する。
【0073】図4は本発明に関わるクリーニング装置を
省略した電子写真装置を表す模式図であり、図中、40
2は透光性支持体403上に透光性導電層404と絶縁
性キャリア注入阻止層405aと光導電層405と表面
層406が積層されたドラム状の感光体、407は露光
手段としてのLEDヘッド、408は現像器、409は
転写ローラである。LEDヘッド407と現像器408
は、感光体402のある一部を介して、ほぼ対照的に配
置される。
【0074】現像器408においては、例えば8極の円
柱状の磁極ローラ411と、その外周に亘って配設され
た導電性スリーブ412とから成り、更にトナー受41
3に貯蔵された現像剤としての一成分磁性導電性トナー
はスリーブ412の外周へ配送され、磁気ブラシ414
を形成する。また、スリーブ412と透光性導電層40
4との間にはバイアス電源415が設けられ、その両者
404、415の間に感光体402の電位特性に応じて
+或いは−の0〜300Vの電圧を印加する。416は
感光体402の表面に形成されたトナー層、417は記
録紙、418は残留トナーである。これ以外に現像剤の
回転手段と感光体402の回転手段とを設ける。
【0075】透光性支持体側より露光器により露光する
とともに、現像バイアス供給用の電源によりバイアス電
圧を印加した現像器上の導電性磁性トナーからなる磁気
ブラシでもって感光体表面を摺擦させ、これによって帯
電と露光と現像とをほぼ同時に行ない、感光体上にトナ
ー像を形成する。そのトナー像は、転写ローラを用いて
記録紙に転写され、定着手段により定着されて記録画像
となる。一方、感光体上に残留したトナーは、現像器で
回収され、再利用される為クリーニング装置は省略され
る。
【0076】[実験例]以下、本発明を種々の実験例に基
づき詳細に説明する。
【0077】[実験例1]前記a-Si感光体成膜装置を用
いて基体形状及び製造条件の各パラメーターを振ること
により、AFM測定レベルにおける表面粗さの度数分布
ならびに表面粗さ計測定レベルにおける表面粗さRzを
変化させた電子写真用感光体No.101〜113を製造
した。導電性基体にはAlからなる円筒状基体を用い、
切削加工、ディンプル加工等、さまざまな基体表面加工
を施したものを用いた。
【0078】上記感光体のいくつかについて、具体的に
は、No.104,107,113を10μm×10μm
の範囲でAFMにより測定した表面粗さの度数分布を図
7に示す。この図からわかるように、度数分布の幅、高
さ、左右バランスに特徴が現れてくる。
【0079】本発明では、半値幅(F.W.H.M.;Full
Width at Half Maximum)に着目して、各々の感光
体の10μm×10μmの範囲でAFMにより測定した
表面粗さの度数分布の半値幅と接触式表面粗さ計で測定
した表面粗さRz及び画像評価の結果を表1に示す。
【0080】ここで、本発明におけるμmオーダーの表
面粗さとは、接触式表面粗さ計[株式会社 小坂研究所製
サーフコーダSE-3400]を用い、測定長 1.25 mmに
おいて測定した表面粗さRzの値を指す。
【0081】尚、本発明者らは上記表面粗さ計の測定に
際して、いくつかの試料に対して、いくつかの測定長で
測定を行なった。その結果の一部を図5に示す。
【0082】この図は、基体及び作成条件を変えて成膜
した比較的粗さの小さいものと中程度のものの2つの試
料について、測定長と一般的にイメージし易い粗さ指標
JIS-Rz(十点平均粗さ)で示した。
【0083】測定長とRzには相関があり、すなわち測
定長を規定しないと粗さの正確な表記が出来ない為、本
発明は測定長 1.25 mmにおいて測定した表面粗さRz
で表記した。
【0084】画像評価としては、キャノン社製電子写真
装置NP6350(商品名)を用いて、30℃、80%
RHの高湿環境下で、高湿流れと分離安定性についての
評価を行った。
【0085】高湿流れの評価については、通常より低い
3%の印字率のテストパターンの画像形成を50万枚通
紙して行った後、間隔500μmで幅200μmの線か
らなるアナログ画像を形成し、形成画像の線幅再現性の
良否によって評価を行った。
【0086】(ここで分離安定性とは、電子写真感光体
と転写材とを接触させて、感光体表面のトナーを転写材
に転写させた後、電子写真感光体から転写材を分離させ
る工程の安定性を指している。具体的には、転写材に一
旦移行したトナーが再び電子写真感光体に戻る事なく、
かつ転写材が紙詰まりを起こすことなく良好に分離する
ことが必要であるので、)本実験例の分離安定性の評価
については、定期的に印字率0%の画像(べた白画像)
と、印字率100%の画像(べた黒画像)を出力し、こ
の際の紙詰まりの発生率(ジャム率)によって評価を行
った。
【0087】表1には、高湿流れと分離安定性を記号で
示しており、「◎」は優れていること、「○」は実用上
問題ないこと、「×」は実用上問題があることを示して
いる。
【0088】
【表1】
【0089】表1の結果から、従来から用いられている
表面粗さ計測定レベルにおける巨視的な十点平均粗さR
zの値と高湿流れとの間には相関は見出せなかった。一
方、AFM測定レベルにおける微視的な凹凸高さの度数
分布の半値幅と高湿流れとの間には相関が見られる。
(すなわち、半値幅が大きい場合に高湿流れが発生しや
すく、小さい場合には高湿流れの発生が抑えられてい
る。半値幅が小さいということは、電子写真感光体の表
面が、表面に形成された山(凸部)の間の谷間が浅く、
かつその谷間が少ない形状であるということに対応して
いると考えられ、すなわちこのような形状である場合
に、高湿流れの発生が抑えられると考えられる。
【0090】また、分離安定性については、半値幅、R
z共に小さい場合に悪くなっている。すなわち、分離安
定性を確保するためには、電子写真感光体の表面に、あ
る程度の凹凸がある事が好ましいと考えられる。これ
は、転写材接触時に転写材と感光体表面との間に、凹凸
があるために生じる空隙、または凹凸に起因する表面エ
ネルギー状態が分離安定性に影響しているためであると
推察される。) [実験例2]次に、前記a-Si感光体成膜装置を用いて製
造条件の各パラメーターを振ることにより、AFM測定
レベルにおける表面粗さの度数分布ならびに表面粗さ計
測定レベルにおける表面粗さRzを変化させた電子写真
用感光体No.201〜212を、界面無しにした以外は
同様にNo.213、214を製造した。導電性基体には
純度 99.9 %以上のAlからなる円筒状基体を用い、切
削により鏡面加工を施して微視的な表面粗さRaを9nm
未満にて統一した。
【0091】各々の感光体の10μm×10μmの範囲
でAFMにより測定した表面粗さの度数分布の半値幅、
接触式表面粗さ計で測定した表面粗さRz、画像評価の
結果を表2に示す。
【0092】画像評価は、キャノン社製NP6350
(アナログ機)を用いた、実験例1と同様の、高湿流れ
の評価に加えて、同機を、LEDアレイからのレーザー
によって、デジタル処理して画像露光を行うように改造
したデジタル改造機を用いて、高湿流れと分離安定性の
評価を行った。
【0093】すなわち、高湿流れの評価は、通常より低
い3%の印字率のテストパターンの画像形成を50万枚
通紙して行った後、アナログ機では、間隔500μmで
幅200μmの線からなるアナログ画像を形成し、形成
画像の線幅再現性の良否によって評価を行った。デジタ
ル改造機では、25%の印字率の孤立ドット形式の画
像、または桂馬パターンからなるハーフトーン画像を形
成し、形成画像の濃度均一性によって評価を行った。分
離安定性については、定期的に印字率0%の画像(べた
白画像)と、印字率100%の画像(べた黒画像)を出
力し、この際の紙詰まりの発生率(ジャム率)によって
評価を行った。
【0094】評価の表記記号は、実験例1と同様に、
「◎」が優れていることを、「○」が実用上問題ないこ
とを、「×」が実用上問題があることを示している。ま
た、実験例1と同様に、各電子写真感光体表面の微視的
な凹凸形状の指標として、10μm×10μmの範囲で
AFMにより測定した表面形状の、凹凸の谷の最も深い
点を基準とした凹凸高さの度数分布の半値幅を、巨視的
な凹凸形状の指標として、接触式表面粗さ計で測定した
十点平均粗さRzを表記した。
【0095】表2の結果から、半値幅が5nm〜100
nmの範囲にある場合に、高湿流れが抑えられ、かつ良
好な分離安定性が得られることが分かった。また、この
条件が満たされた場合に、鮮鋭なデジタル画像が得られ
た。半値幅が10nm〜80nmの範囲であることがよ
り好ましく、この場合に極めて良好に高湿流れを抑制
し、分離安定性を確保できた。本実験例においても、従
来から用いられている巨視的な十点平均粗さRzの値と
高湿流れとの間には相関は見出せなかった。
【0096】また、表面保護層と光導電層との間を界面
無しにした電子写真感光体No.213,214では、
半値幅の、高湿流れを抑止できる範囲が広がった。
【0097】電子写真感光体表面には凹凸があるので、
画像露光が行われる領域内には実質的な表面保護層の膜
厚むらがある。そこで、この表面保護層の膜厚むらによ
って画像露光領域内での感度にばらつきが生じ、画像形
成時に形成される静電潜像にむらが生じると考えられ
る。すると、トナーが付着されるべきでない部分(画像
の白地部)に、トナー付着の核となる電位むらが生じ
て、そこにトナーが付着してしまう、いわゆるカブリが
生じ、高湿流れ発生の原因となったり、画像の鮮鋭さが
悪化したりすると考えられる。界面無しとした場合に、
より良好に高湿流れを抑えることができたは、この感度
変動を前述のように小さく抑えることができるためと考
えられる。
【0098】
【表2】
【0099】[実験例3]次に、導電性基体として、10
μm×10μmの範囲でAFMにより測定した微視的な
凹凸形状から求めた中心線平均粗さRaを変化させた、
純度99.9%以上のAlからなる円筒状基体を用い、
電子写真用感光体No.301〜306を前述のような
a−Si感光体成膜装置によって製造した。この際、感
光体表面の、AFMにより測定した凹凸高さの度数分布
の半値幅が概ね40〜60nmになるように成膜条件を
調整した。
【0100】各々の電子写真感光体の導電性基体表面の
微視的な中心線平均粗さRaと、電子写真装置に各電子
写真感光体を用いて画像評価を行った結果を表3に示
す。
【0101】本実験例での画像評価は、キャノン社製N
P6350の改造機を用いて印字率7%のテストパター
ンの画像形成を50万枚通紙して行い、いわゆるポチ不
良の評価を行った。ポチ不良とは、稀に形成画像上に不
必要な黒点や白点が生じる不良のことである。ポチ不良
は、電子写真感光体の製造時、光導電層の成膜形成時に
膜が部分的に異常成長した場合に生じると考えられてい
る。
【0102】評価の表記記号は、実験例1,2と同様
に、「◎」が優れていることを、「○」が実用上問題な
いことを、「×」が実用上問題があることを示してい
る。
【0103】表3に示すように、電子写真感光体の導電
性基体表面の微視的な中心線平均粗さRaが9nm未満
の場合に、ポチ不良の発生を抑えることができ、良好な
画像が得られた。微視的な中心線平均粗さRaが6nm
未満であることがより好ましい。
【0104】
【表3】
【0105】[実験例4]次に、前述のようなa−Si感
光体成膜装置を用い、製造条件の各パラメーターを変え
ることにより、巨視的な表面形状と微視的な表面形状を
変化させた、光導電層が単層の電子写真感光体No.4
01〜406の他に、光導電層が複層の電子写真感光体
No.407〜412を製造した。さらに、光導電層が
複層で、かつ反射率(%)の最小値(Min)と最大値(Max)
から求めた式(1)(Max-Min)/(Max+Min)の値が0.
4以下になるように表面保護層と光導電層との間を界面
無しにした電子写真感光体No.413を製造した。さ
らに、光導電層が複層で、かつ反射率(%)の最小値(Mi
n)と最大値(Max)から求めた式(1)(Max-Min)/(Max
+Min)の値が0.4以下になるように表面保護層と光導
電層との間を界面無しにし、最表面をa−C:Hにした
電子写真感光体No.414を製造した。電子写真感光
体の導電性基体には、切削により鏡面加工を施して微視
的な中心線平均粗さRaを6nm未満にした、純度9
9.9%以上のAlからなる円筒状基体を用いた。
【0106】電子写真装置に各電子写真感光体No.4
01〜414を用いて画像評価を行った結果を表4に示
す。
【0107】
【表4】
【0108】本実験例での画像評価としては、実験例2
と同様に、キャノン社製NP6350アナログ機による
高質流れの評価と、同機のデジタル改造機による高質流
れおよび分離安定性の評価とを行った。
【0109】すなわち、高湿流れの評価は、通常より低
い3%の印字率のテストパターンの画像形成を50万枚
通紙して行った後、アナログ機では、間隔500μmで
幅200μmの線からなるアナログ画像を形成し、形成
画像の線幅再現性の良否によって評価を行った。デジタ
ル改造機では、25%の印字率の孤立ドット形式の画
像、または桂馬パターンからなるハーフトーン画像を形
成し、形成画像の濃度均一性によって評価を行った。分
離安定性については、定期的に印字率0%の画像(べた
白画像)と、印字率100%の画像(べた黒画像)を出
力し、この際の紙詰まりの発生率(ジャム率)によって
評価を行った。
【0110】評価の表記記号は、実験例1〜3と同様
に、「◎」が優れていることを、「○」が実用上問題な
いことを、「×」が実用上問題があることを示してい
る。また、実験例1,2と同様に、各電子写真感光体の
微視的な凹凸形状の指標として、10μm×10μmの
範囲でAFMにより測定した表面形状の、凹凸の谷の最
も深い点を基準とした凹凸高さの度数分布の半値幅を、
巨視的な凹凸形状の指標として、接触式表面粗さ計で測
定した十点平均粗さRzを表記した。
【0111】表4に示すように、半値幅が5nm〜10
0nmの範囲にある場合に、高湿流れが抑えられ、かつ
良好な分離安定性が得られた。半値幅が10nm〜80
nmの範囲である場合に、より良好に高湿流れを抑制
し、分離安定性を確保できた。本実験例においても、従
来から用いられている巨視的な十点平均粗さRzの値と
高湿流れとの間には相関は見出せなかった。
【0112】また、光導電層を複層にした電子写真感光
体No.407〜412では、半値幅の、高湿流れを抑
止できる範囲を広げることができた。
【0113】光導電層では、バンドギャップに相当す
る、光の実質的な吸収深さに、画像露光領域内でばらつ
きが生じ、これにより画像形成時に形成される静電潜像
にむらが生じる。これによって、トナーが付着されるべ
きでない部分(画像の白地部)に、トナー付着の核とな
る電位むら、具体的には残留電位、ゴースト電位が生じ
て、そこにトナーが付着してしまう、いわゆるカブリが
生じ、高湿流れ発生の原因となったり、画像の鮮鋭さが
悪化したりすると考えられる。光導電層を複数の層から
構成することにより、より良好に画像流れを抑えること
ができたは、この光の実質的な吸収深さのばらつきを抑
えることができるためと考えられる。
【0114】光導電層を複層にすることに加え、表面保
護層と光導電層との間を界面無しにした電子写真感光体
413,414では、半値幅の、高湿流れを抑止できる
範囲をさらに広げることができた。
【0115】さらに、電子写真感光体の最表面をa−
C:Hにすることにより、より良好な画像形成を行うこ
とができた。
【0116】
【実施例】次に、微視的な凹凸形状を、以上の実験例か
ら得られた、高質流れを良好に抑えることができ、かつ
良好な分離安定性が得られる形状とした電子写真感光体
についての実施例を示す。
【0117】(実施例1)φ80の円筒状基体を用い、
この基体の表面形状および製造条件の各パラメーターを
変化させることにより、巨視的な凹凸形状と微視的な凹
凸形状を変化させて、前述のa−Si感光体成膜装置に
よって、正帯電の電子写真感光体を製造した。
【0118】この際、本実施例の電子写真感光体とし
て、微視的な凹凸形状が、高質流れを良好に抑えること
ができ、かつ良好な分離安定性が得られる形状、具体的
には、10μm×10μmの範囲でAFMにより測定し
た表面形状の、凹凸の谷の最も深い点を基準とした凹凸
高さの度数分布の半値幅が5nm〜100nmの範囲の
形状の実施例−1〜実施例−3を製造した。また、比較
例の電子写真感光体として、微視的な凹凸形状が、この
条件を満たさない比較例−1,比較例−2を製造した。
各電子写真感光体とも、導電性基体表面の微視的な中心
線平均粗さRaは、9nm以下とした。
【0119】本実施例において使用した、電子写真感光
体の導電性基体表面の、10μm×10μmの範囲でA
FMにより測定した凹凸の観察像を図9に、本実施例の
感光体表面の凹凸の観察像を図10に、比較例の感光体
表面の観察像を図11に示す。
【0120】電子写真装置に各電子写真感光体を用いて
画像評価を行った結果を表5に示す。
【0121】
【表5】
【0122】画像評価としては、キャノン社製NP63
50をデジタル露光用に改造したものを用いて画像形成
を100万枚通紙して、高湿流れ、分離安定性、ぽち不
良について評価を行い、これらの結果から総合評価を行
った。さらに、実施例−1、比較例−1については、キ
ャノン社製NP6350改造機を用いて、アナログ画像
についての評価も行った。
【0123】表5の評価の表記記号は、「◎」が優れて
いることを、「○」が実用上問題ないことを、「×」が
実用上問題があることを示している。表5の結果は、電
子写真装置に本実施例の電子写真感光体を用いることに
より、高湿流れおよびポチ不良を抑えることができ、か
つ良好な分離安定性が得られることを示している。ま
た、多量の画像形成を行った後でも、このような良好な
画像形成を維持できた。
【0124】(実施例2)φ30の円筒状基体を用い、
この基体の表面形状および製造条件の各パラメーターを
変化させることにより、巨視的な凹凸形状と微視的な凹
凸形状を変化させて、前述のa−Si感光体成膜装置に
よって、負帯電の電子写真感光体を製造した。
【0125】この際、本実施例の電子写真感光体とし
て、微視的な凹凸形状が、高質流れを良好に抑えること
ができ、かつ良好な分離安定性が得られる範囲、具体的
には、10μm×10μmの範囲でAFMにより測定し
た表面形状の、凹凸の谷の最も深い点を基準とした凹凸
高さの度数分布の半値幅が5nm〜100nmの範囲の
形状の実施例−4を製造した。また、比較例の電子写真
感光体として、微視的な凹凸形状がこの条件を満たさな
い比較例−3を製造した。各電子写真感光体とも、導電
性基体表面の微視的な中心線平均粗さは、6nm以下と
した。
【0126】電子写真装置に各電子写真感光体を用いて
画像評価を行った結果を表6に示す。
【0127】
【表6】
【0128】画像評価としては、キャノン社製GP40
5(商品名)の改造機を用い、画像形成を30万枚通紙
して、高湿流れ、分離安定性、ぽち不良について評価を
行い、これらの結果から総合評価を行った。
【0129】表6の評価の表記記号は、実施例1と同様
に、「◎」が優れていることを、「○」が実用上問題な
いことを、「×」が実用上問題があることを示してい
る。表6の結果は、電子写真装置に本実施例の電子写真
感光体を用いることにより、高湿流れおよびポチ不良を
抑えることができ、かつ良好な分離安定性が得られるこ
とを示している。また、多量の画像形成を行った後で
も、このような良好な画像形成を維持できた。
【0130】以上説明したように、本発明によれば、電
子写真感光体表面の、微視的な凹凸形状を、適正に規制
することにより、この電子写真感光体を用いた電子写真
装置による画像形成において、高湿流れを効果的に防止
できる。
【0131】なお、電子写真感光体表面の、巨視的な凹
凸形状についても、表面へのトナーや異物の融着、付着
を抑制したり、分離安定性を確保するために適宜規定す
ることが望ましい。これは、主として、電子写真感光体
の導電性基体表面の形状を、切削加工や塑性加工などを
行って適正な形状にすることにより実施可能である。本
発明による、微視的な凹凸形状の規定は、このような巨
視的な凹凸形状の規定を行う場合においても、それとは
別に実施可能である。
【0132】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、電
子写真装置に、導電性基体上に少なくともアモルファス
Siを含む光導電層と表面保護層とを順次積層してなる
電子写真感光体であって、10μm×10μmの範囲で
AFMにより測定した表面形状の、凹凸の谷の最も深い
点を基準とした凹凸高さの度数分布の半値幅が5nm〜
100nmの範囲、より好ましくは10nm〜80nm
の範囲の電子写真感光体を用いることによって、高湿流
れを防止して良好な画像形成を行うことができ、かつ電
子写真感光体表面に接触させてトナー画像を転写した転
写材を表面から良好に安定して分離でき、このような良
好な画像形成を長期に亘って維持できる。
【0133】さらに、電子写真感光体の導電性基体の1
0μm×10μmの範囲でAFMにより測定した表面形
状の中心線平均粗さRaが9nm未満、より好ましくは
6nm未満になるようにすれば、高湿流れに加えて、ポ
チ不良を防止し、より良好に画像形成を行うことができ
る。
【0134】また、電子写真感光体の表面形状を前述の
ような形状にすることに加え、その表面保護層と光導電
層との間で、組成を連続的に変化させるようにすること
で界面を無くし、波長450nmから650nmの範囲
の入射光に対する分光反射率の最大値(Min)と最大
値(Max)が0≦(Max−Min)/(Max+M
in)≦0.4を満たすようにすることで、さらに効果
的に高湿流れを抑制することが可能である。
【0135】また、電子写真感光体の表面形状を前述の
ような形状にすることに加え、光導電層を複数の層から
構成することによって、さらに効果的に高湿流れを抑制
し、鮮鋭な画像を形成することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の電子写真感光体の模式的側
面図であり、図1(a)は、導電性基体表面が実質的に
平坦な場合、図1(b)は表面に実質的に直線的な凹凸
がある場合、図1(c)は表面に曲線的な凹凸がある場
合を示している。
【図2】本発明に用いたa−Si感光体成膜装置の模式
的断面図である。
【図3】本発明の実施形態の電子写真装置の模式図であ
る。
【図4】本発明の実施形態の他の電子写真装置の模式図
である。
【図5】本発明の実施形態に用いた接触式表面粗さ計
の、評価長さと測定値との相関を示すグラフである。
【図6】本発明の実施形態に用いたAFMの、スキャン
サイズと測定値との相関を示すグラフである。
【図7】本発明の実施形態の電子写真感光体の、10μ
m×10μmの範囲でAFMにより測定した表面形状
の、凹凸の谷の最も深い点をを基準とした凹凸高さの度
数分布を示すグラフである。
【図8】本発明の実施形態の電子写真感光体の分光反射
率を示すグラフである。
【図9】本発明の実施例の電子写真感光体の導電性基体
表面のAFM観察像を示す図である。
【図10】本発明の実施例の電子写真感光体表面のAF
M観察像を示す図である。
【図11】本発明の比較例の電子写真感光体表面のAF
M観察像を示す図である。
【符号の説明】
101 導電性基体 102 光導電層 103 表面保護層 104 阻止層 105 下部光導電層 106 上部光導電層 107 界面層 200 堆積装置 201 反応容器 201a 蓋 202 ヒーター 203 原料ガス導入管 204 凸部 205 原料ガス供給管 206 供給バルブ 207 排気管 208 メイン排気バルブ 209 真空計 210 サブ排気バルブ 212 基体 304 電子写真感光体 305 一次帯電器 306 現像器 306a トナー 308 クリーナー 308a 弾性ローラー 308b クリーニングブレード 310 除電ランプ 313 転写材 314 送りローラー 402 電子写真感光体 403 透光性支持体 404 透光性導電層 405 光導電層 405a 絶縁性キャリア注入層 406 表面層 407 LEDヘッド 408 現像器 409 転写ローラ 411 磁極ローラ 412 導電性スリーブ 413 トナー受け 414 磁気ブラシ 415 バイアス電源 416 トナー層 417 転写材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 唐木 哲也 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 大脇 弘憲 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 河村 邦正 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2H068 CA03 DA02 DA15 DA20 DA41 DA80 FB07

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性基体上に少なくともアモルファス
    Siを含む光導電層および表面保護層を順次積層してな
    る感光体において、 前記感光体の10μm×10μmの範囲における表面粗
    さ凹凸の最も深い点を基準に凹凸高さの度数分布の半値
    幅(F.W.H.M.;Full Width at Half Maximum)
    が5nm〜100nmの範囲にあることを特徴とする電子
    写真感光体。
  2. 【請求項2】 前記度数分布の半値幅が10nm〜80n
    mの範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の電子
    写真感光体。
  3. 【請求項3】 前記光導電層は複数の層から構成される
    事を特徴とする請求項1または2に記載の電子写真感光
    体。
  4. 【請求項4】 前記感光体において、導電性基体の10
    μm×10μmの範囲における表面粗さRaが9nm未満
    であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載
    の電子写真感光体。
  5. 【請求項5】 前記感光体において、導電性基体の10
    μm×10μmの範囲における表面粗さRaが6nm未満
    であることを特徴とする請求項4に記載の電子写真感光
    体。
  6. 【請求項6】 前記感光体の表面保護層と感光層の界面
    組成を連続的に変化させることを特徴とする請求項1〜
    5のいずれかに記載の電子写真感光体。
  7. 【請求項7】 前記界面組成における分光反射率が以下
    の式(1)を満たすことを特徴とする請求項6に記載の電
    子写真感光体。 波長450nmから650nmの範囲で、反射率(%)の最小値(Min)と最大値( Max)が0≦(Max-Min)/(Max+Min)≦0.4 (1)
  8. 【請求項8】 前記表面保護層の最表面部が水素化非
    晶質炭素a−C:Hからなる請求項1〜7のいずれか1
    項に記載の電子写真感光体。
  9. 【請求項9】 前記請求項1〜8のいずれかに記載の感
    光体を具備することを特徴とする電子写真装置。
  10. 【請求項10】 単一波長を主とする光源により画像形
    成がなされることを特徴とする請求項9に記載の電子写
    真装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8293439B2 (en) 2009-03-13 2012-10-23 Ricoh Company, Ltd. Electrophotographic photorecptor, method of manufacturing electrophotographic photorecptor, image forming apparatus, and process cartridge
US8795935B2 (en) 2009-03-17 2014-08-05 Ricoh Company, Ltd. Electrophotographic photoconductor, production method of the same, image forming apparatus, and process cartridge

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