JP6463086B2 - 電子写真装置および電子写真装置の設計方法 - Google Patents

電子写真装置および電子写真装置の設計方法 Download PDF

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本発明は、電子写真装置および電子写真装置の設計方法に関する。
各種電子写真感光体の中でも、金属などの基体上にアモルファス材料で構成された光導電層(感光層)が形成された電子写真感光体(以下「感光体」とも表記する)は広く知られている。特に、化学気相成長法(CVD法)や物理気相成長法(PVD法)などの成膜技術を用いて作製されたアモルファスシリコン電子写真感光体はすでに製品化されている。なお、アモルファスシリコン電子写真感光体を、以下「a−Si感光体」とも表記する。
a−Si感光体の基本的な構成として、例えば、マイナス帯電用a−Si感光体の場合、金属などの基体上に下部阻止層、水素化アモルファスシリコン(以下、a−Si:Hとも記す)からなる光導電層、上部阻止層、および表面層が積層した層構成となっている。a−Si感光体で用いられる表面層としては、水素化アモルファスシリコンカーバイド(以下、a−SiC:Hとも記す)、水素化アルモファスカーボン(以下、a−C:Hとも記す)、水素化アモルファスシリコンナイトライド(以下、a−SiN:Hとも記す)などの材料が知られており、なかでもa−SiC:Hがよく使用されている材料である。
また、a−Si感光体を用いた電子写真装置として、例えば、a−Si感光体の表面に前露光光を照射して除電を行う前露光手段、前記感光体に電荷を付与する帯電手段、像露光を行うことによりa−Si感光体上に静電潜像を形成する潜像形成手段、次いで静電潜像をトナーによって可視化する現像手段、これを転写材に転写する転写手段、および転写残トナーを回収するクリーニング手段からなる電子写真装置が知られている。
a−Si感光体は、表面層の硬度が高いことから耐磨耗性に優れているという特徴を有し、そのため、プロセススピード(以下、PSとも記す)の速い電子写真装置に用いられる場合が多い。
一般的には、電子写真装置を高速化、すなわち、PSを速くすると、電子写真感光体の表面電位(以後、帯電能とも記す)は低下する。これは、前露光手段から帯電手段までの時間も短くなるため、前露光で生成された光キャリアの再結合が不十分となり、電子写真感光体内に残留した光キャリアと帯電手段により付与される電荷が結合してしまうため、暗減衰が大きくなるからである。このような理由により、PSを速くすることで帯電能の低下が生じてしまう。
このようなPSが速い電子写真装置における帯電能の低下を抑制する方法として、特許文献1には、比較的短い前露光の光の波長を用いることで、帯電能の低下を抑制しながら、効率の良い除電ができると記載されている。これは、前露光として比較的短い光の波長を用いると、浸透距離が比較的短い領域に光キャリアを集中的に発生させることができ、帯電手段で電荷を付与する際に、前露光で生成した光キャリアの残存する確率を低減できるためと記載されている。
特開2010−170111号公報
近年、電子写真装置の高速化およびカラー化が進んだことで、従来に比べ、電子写真感光体がさらに磨耗しやすい電子写真プロセスへと変化してきている。また、電子写真装置のカラー化に伴い、画像品質の向上と高品質の画像の安定出力に対する要求も高まっている。これらの要求を満たすためには、従来よりも高い耐磨耗性を有し、かつ、高品質な画像を出力可能な電子写真感光体が必要となる。
しかしながら、PSが比較的速く、かつ、前露光の光の波長を短くした電子写真装置に従来よりも高い耐磨耗性を有する電子写真感光体を搭載したとしても、十分な帯電能が得られない場合があった。
よって、本発明の目的は、PSが比較的速い電子写真プロセスにおいて、従来よりも高い耐磨耗性を有する電子写真感光体を使用した場合であっても、高品質な画像を出力可能な電子写真装置を提供することにある。
本発明によれば
、導電性基体上に光導電層および表面層が順次形成された電子写真感光体と、前記電子写真感光体に前露光光を照射して除電を行う前露光手段と、前記電子写真感光体に帯電を行う主帯電手段と、前記電子写真感光体の帯電面に静電潜像を形成する潜像形成手段と、前記静電潜像をトナー像として現像する現像手段と、前記トナー像を転写する転写手段を有する電子写真装置であって
前記電子写真感光体は、
露光光の波長を変化させたときに、前記電子写真感光体の帯電電位の分布が極大値を有するものであって、
前記前露光手段
記電子写真感光体の帯電電位極大値を1.000としたときに、前記帯電電位が0.975以上1.000以下となる波長の光を前露光光として前記電子写真感光体に照射するものであり、かつ、
前記前露光光の波長における、前記電子写真感光体に吸収される前露光光の光量に対する前記光導電層よりも自由表面側に有るすべての層で吸収される前露光光の光量の割合が25%以上55%以下である、ことを特徴とする電子写真装置が提供される。
本発明により、PSが比較的速い電子写真プロセスで耐磨耗性に優れた電子写真感光体を使用した場合であっても、電子写真感光体に適した前露光の光の波長を選択することにより電子写真感光体への光吸収量の制御が可能となる。これにより、帯電能を向上させることが可能となるため、高速、かつ、画像品質の高い画像の出力可能な電子写真装置を提供することができる。
(a)は本発明に関わる電子写真装置の概略構成図である。(b)は本発明に関わる電子写真装置の第二の概略構成図である。 (a)は本発明に関わる電子写真装置の第三の概略構成図である。(b)は本発明に関わる電子写真装置の第四の概略構成図である。 a−Si感光体の作製に用いられるプラズマCVD装置の例を示す模式図である。 (a)はプラス帯電用a−Si感光体の層構成の一例を示す模式図である。(b)はマイナス帯電用a−Si感光体の層構成の一例を示す模式図である。(c)は図5の説明に用いたa−Si感光体の層構成を示す模式図である。 a−Si感光体に照射される光の波長に対する光導電層よりも自由表面側に有るすべての層での光の吸収率の関係を示す説明図である。 所定の電子写真プロセス条件で、前露光の光の波長に対する現像器位置での電子写真感光体の表面電位の変化を説明するための説明図である。
鋭意検討をした結果、PSが比較的速い電子写真プロセスにおいて、耐磨耗性に優れた電子写真感光体を用いた場合、以下に示す条件を満たす電子写真装置を用いることで、高品質な画像を出力可能であることがわかった。
帯電能の前露光の波長依存性から得られる最大値となる帯電能を1.000としたときに、帯電能が0.975以上1.000以下の範囲に入る前露光の波長を有する前露光手段であること。
以下、本発明の電子写真装置において、満たすべき条件とその効果について説明する。
まず、a−Si感光体に照射される前露光の光の波長を変えたときの光導電層よりも自由表面側に有るすべての層(以後、自由表面側の層とも記す)における光の吸収について説明する。
図5は、図4(c)のa−Si感光体の構成において、a−Si感光体に照射される光の波長に対する自由表面側の層での光の吸収率の関係を示す説明図である。なお、図4(c)の場合、自由表面側の層とは、光導電層の自由表面側に位置する表面層4205であり、以下、自由表面側の層が表面層のみで構成されている場合について説明する。
図5に示すように、a−Si感光体に照射される光を照射すると、照射される光の波長が短くなるにつれ、自由表面側の層による照射される光の吸収量が増加する。
次に、a−Si感光体に照射される前露光の光の波長を変えたときの電子写真感光体の表面電位の変化をもとに、電子写真感光体内に生じる光キャリアの挙動について、図6を用いて説明する。
図6は、電子写真感光体を電子写真装置に搭載し、所定の電子写真プロセス条件で前露光の光の波長のみを変えたときの現像器位置での電子写真感光体の表面電位の変化を説明するための説明図である。なお、以下に示す再結合とは、光キャリア同士が結合して消滅することであり、また、結合とは、外部から付与された電荷と光キャリアが結合して消滅することである。
a−Si感光体を電子写真装置に搭載した場合、前露光の光の波長が比較的長い場合、自由表面側の層で生成される光キャリアの数は僅かである。一方で、浸透距離が光導電層の比較的長い領域にまで前露光が入り込むため、光導電層の自由表面側の層側から導電性基体側に深い範囲まで前露光が浸透する。このため、光導電層において、自由表面から遠い領域でも前露光により光キャリアが発生するため、PSが速い場合、前露光が照射された電子写真感光体の表面が帯電手段まで移動する間での再結合が不十分となり、光導電層内に多量の残キャリアが残存してしまう。この残キャリアの一部は、帯電手段の下を通過する間でも帯電手段により付与された電荷と結合できず、帯電手段通過後に帯電手段により付与された電荷と結合することで大きな暗減衰となると推察される。
前露光の光の波長を図5のAの領域内で短くしていくと、自由表面側の層での光の吸収は多少増加する。同時に、波長が短くなることにより浸透距離が短くなるため、光導電層中で光キャリアが生成される領域が狭くなる。その一方で、その領域での光キャリア密度が増加するため、前露光が照射された電子写真感光体の表面が帯電手段まで移動する間に、前露光により生成された光キャリアの再結合確率が増加し、光導電層中の残キャリアも減少する。これにより、前露光が照射された電子写真感光体の表面での帯電手段通過後の暗減衰は減少すると推察される。
前露光の光の波長をさらに短くすると、光導電層への侵入深さは減少し、光導電層内に残存する光キャリアの数は減少するため、上述した理由により光導電層に起因する暗減衰は減少する。しかしながら、波長がさらに短くなることにより、図5のBの領域へと移行し始めるため、自由表面側の層での光吸収が増加し、自由表面側の層で生成される光キャリアの数が増加し始める。このときに生成される光キャリアは、前露光が照射された電子写真感光体の表面が帯電手段まで移動するまでの間に再結合により消滅しにくくなるため、自由表面側の層に起因する暗減衰が増加する。この結果、前露光の光の波長を短くしたことによる光導電層に起因する暗減衰減少と自由表面側の層に起因する暗減衰の増加が組み合わさることになる。そのため、図6のDの領域のように、前露光の波長を短くしていくと、所定の電子写真プロセスにおける帯電電位が極大値を有する分布となる。
そして、前露光の光の波長をさらに短くし、図5のBの領域となる前露光の光の波長では、光導電層への侵入深さはさらに減少し、光導電層内に残存する光キャリアの数もさらに減少する。逆に、自由表面側の層での光吸収が急激に増加に伴い、自由表面側の層内に多数の光キャリアが生成される。そのため、前露光の光の波長をさらに短くすると、自由表面側の層内の光キャリア数が多く、かつ、前露光が照射された電子写真感光体の表面が帯電手段まで移動するまでの間に光キャリアが再結合により消滅しにくくなる。これため、主帯電手段の下まで多数の光キャリアの残存することにより、光導電層に起因する暗減衰の影響は小さくなるが、自由表面側の層に起因する暗減衰の影響が支配的になると推察される。
以上に示した理由により、図6のDの領域のように、ある前露光の光の波長で所定の電子写真プロセスにおける帯電電位が極大値となる。その極大値となる前露光の光の波長から長波長側に変化させると、図6のEの領域のように、光導電層に起因する暗減衰の影響により表面電位が低下する。逆に、極大値となる前露光の光の波長から短波長側に変化させると、図6のCの領域のように、自由表面側の層に起因する暗減衰の影響により表面電位が低下する。
また、図6のDの領域での極大値の有無や極大値となる前露光の光の波長は、光導電層での前露光の光の吸収量と自由表面側の層での前露光の光の吸収量のバランスにより決まる。
さらに、PSが速い程、上述した残存キャリアの影響は大きくなる。特に、PSが500mm/秒以上の場合は顕著となる。
このような理由により、PSが比較的速い電子写真プロセスにおいて、a−Si感光体を搭載した電子写真装置においては、搭載されるa−Si感光体の特性に応じて、前露光の条件を適切に制御しなければ、高品質な画像の出力は困難である。
そこで、本発明においては、前露光の光の波長を制御する方法として、所定の電子写真プロセス条件において、電子写真感光体の回転方向における所定の位置(例えば、現像器位置)で前露光の波長を変化させたときの帯電能の変化を測定する。そして、前露光の波長と帯電能の関係から帯電能の最大値を算出し、この帯電能の最大値を1.000とする。その後、各前露光の波長に対する帯電能が帯電能の最大値に対して0.975以上1.000以下の範囲に入る前露光の波長を選択することを必要である。これにより、比較的速いPSであっても、長寿命で、かつ、高品質な画像を出力可能な電子写真装置の実現が可能となる。
前露光の光の波長における前記所定の位置で測定される電子写真感光体の表面の帯電電位が、帯電電位の最大値に対して0.975よりも小さい場合には、PSが比較的速い電子写真プロセスに適した帯電電位が得られない場合がある。
なお、前露光の波長を変化させて電子写真感光体の表面の帯電電位を測定する条件を以下に示す。
電子写真感光体の表面の帯電電位を測定する場所は、前露光の光の波長を変えても電子写真感光体の回転方向における所定の位置で固定すればよく、所定の位置に関しては制限がないが、現像器位置で測定するのが好ましい。
また、前露光の波長を変化させる際に、少なくとも、電子写真感光体の回転速度、主帯電手段にて電子写真感光体に供給される帯電電流およびクリッド電位、前露光手段から前記感光体に照射される前露光の光量を所定の値に固定して測定する必要がある。
さらに、本発明では、前露光の光の波長における電子写真感光体に照射される前露光の光量に対する自由表面側の層で吸収される前露光の光量の割合が25%以上55%以下、かつ、耐磨耗性に優れた電子写真感光体を用いることで、さらに高品質な画像の出力が可能となる。
上述したように、図6のCの領域は、自由表面側の層による前露光の光の吸収量の影響を受ける。そのため前露光の光の波長における電子写真感光体に照射される前露光の光量に対する自由表面側の層で吸収される前露光の光量の割合が25%以上にすることで、特に顕著に表れる。
また、前露光の光の波長における電子写真感光体に照射される前露光の光量に対する自由表面側の層で吸収される前露光の光量の割合が55%以下とすることが好ましい。これにより、階調性に優れた画像の出力が可能となる。
これは、自由表面側の層で吸収される前露光の光量が非常に多いと、自由表面側の層で生成される光キャリアが多くなるため、前露光で生成された光キャリアが潜像形成手段の下まで残存してしまう場合がある。この残存キャリアの影響で、自由表面側の層が低抵抗化するため、潜像形成手段が潜像を形成した際、潜像が広がってしまい、この結果、階調性が低下すると考えられる。
以上に示した本発明の電子写真装置における満たすべき条件とその効果について、図4(c)に示す自由表面側の層が表面層のみで構成される電子写真感光体を用いて説明した。しかしながら、図4(a)および図4(b)に示す自由表面側の層が中間層と表面層で構成された電子写真感光体を用いた場合であっても、a−Si感光体に照射される光の波長に対する自由表面側の層での光の吸収率の関係は、図5と同様の傾向となる。そのため、図4(a)および図4(b)に示す電子写真感光体を用いた場合であっても、a−Si感光体に照射される前露光の光の波長を変えたときの電子写真感光体の表面電位の変化は図6と同様の傾向となる。
さらに、自由表面側の層の層構成が複数の層から構成されていたとしても、図5および図6の傾向と同様の傾向となる。
以下、本発明のさらに詳細な説明をする。
<本発明の電子写真方法で使用可能な電子写真感光体>
本発明で使用可能な電子写真感光体に関しては、少なくとも導電性基体上に光導電層と表面層を有するものであれば特に制限は無く、通常の電子写真装置で使用可能な電子写真感光体を選択すればよく、例えば、a−Si感光体や有機感光体等が挙げられる。
本発明で使用可能な電子写真感光体の一例として、a−Si感光体を用いて説明する。
図4は、a−Si感光体の層構成を説明するための模式図である。図4(a)はプラス帯電用a−Si感光体、図4(b)はマイナス帯電用a−Si感光体の模式図である。
図4(a)に示すプラス帯電用a−Si感光体4000は、基体4001上に下部電荷注入阻止層4002およびa−Si:Hで構成された光導電層4003を形成し、その上にa−SiC:Hからなる中間層4004および表面層4005が順次積層した構成となっている。
また、図4(b)に示すマイナス帯電用a−Si感光体4100は、基体4101上に電荷注入阻止層4102およびa−Si:Hで構成された光受容層4102を形成し、その上にa−SiC:Hからなる上部阻止層4104および表面層4105が順次積層した構成となっている。
a−Si感光体に用いられる自由表面側の層としては、特に制限は無く、a−SiC:H、a−SiN:H、a−C:Hなどの材料が挙げられる。なかでも耐磨耗性の観点から、a−SiCやa−Cが好ましい。
また、光導電層よりも自由表面側に有るすべての層とは、a−Siからなる光導電層よりも自由表面側にあり、かつ、光導電層には含有されていない構成原子が含有された層のことである。図4(a)に示すプラス帯電用a−Si感光体では、光導電層にはない炭素原子を有するa−SiCからなる中間層4004および表面層4005がこれに該当する。図4(b)に示すマイナス帯電用a−Si感光体でも同様に、a−SiCからなる上部阻止層4104および表面層4105がこれに該当する。
図4(a)での中間層4004、図4(b)の上部阻止層4104が、光導電層から表面層にかけて連続的に変化している場合には、中間層および上部阻止層において、炭素原子の含有が確認され、かつ、最も光導電層側の位置よりも自由表面側を、本発明における自由表面側に有るすべての層とする。
また、本発明において、電子写真感光体の寿命の観点から、表面層の層厚を1.0μm以上にすることがさらに好ましい。
(表面層)
本発明において、上記a−SiC表面層の形成方法は、上記規定を満足する層を形成できるものであればいずれの方法であってもよい。具体的には、プラズマCVD法、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などが挙げられる。これらの中でも、原料供給の容易さなどの点で、プラズマCVD法が好ましい。
a−SiC表面層の形成方法としてプラズマCVD法を選択した場合、a−SiC表面層の形成方法は以下のとおりである。
すなわち、ケイ素原子供給用の原料ガスおよび炭素原子供給用の原料ガスを、内部を減圧しうる反応容器内に所望のガス状態で導入し、該反応容器内にグロー放電を生起させる。これによって、反応容器内に導入した原料ガスを分解し、あらかじめ所定の位置に設置された基体上にa−SiCで構成された層を形成すればよい。
ケイ素原子供給用の原料ガスとしては、たとえば、シラン(SiH)、ジシラン(Si)などのシラン類が好適に使用できる。また、炭素原子供給用の原料ガスとしては、たとえば、メタン(CH)、アセチレン(C)などのガスが好適に使用できる。また、主にH/(Si+C+H)を調整するためとして、水素(H)を、上記の原料ガスとともに使用してもよい。
本発明のa−SiC表面層を形成する場合においては、反応容器に供給するガス流量を少なく、高周波電力を高く、または、基体の温度を高くすることにより、耐磨耗性が良好となりやすい傾向がある。実際には、これらの条件を適宜組み合わせて設定すればよい。
(光導電層)
本発明において、光導電層は、電子写真特性上の性能を満足できる光導電特性を有するものであればいずれのものであってもよいが、耐久性、安定性の観点から、水素化アモルファスシリコンで構成された光導電層が好ましい。
本発明において、光導電層としてa−Siで構成された光導電層を用いる場合は、a−Si中の未結合手を補償するため、水素原子に加えて、ハロゲン原子を含有させることができる。
水素原子(H)およびハロゲン原子(X)の含有量の合計(H+X)は、ケイ素原子(C)と水素原子(H)とハロゲン原子(X)との和(C+H+X)に対して10原子%以上であることが好ましく、15原子%以上であることがより好ましい。一方、30原子%以下であることが好ましく、25原子%以下であることがより好ましい。
本発明において、光導電層には必要に応じて伝導性を制御するための原子を含有させることが好ましい。伝導性を制御するための原子は、光導電層中にまんべんなく均一に分布した状態で含有されていてもよいし、また、膜厚方向には不均一な分布状態で含有している部分があってもよい。
伝導性を制御するための原子としては、半導体分野における、いわゆる不純物を挙げることがでる。すなわち、p型伝導性を与える周期表第13族に属する原子またはn型伝導性を与える周期表第15族に属する原子を用いることができる。なお、周期表第13族に属する原子を、以下「第13族原子」とも表記する。また、周期表第15族に属する原子を、以下「第15族原子」とも表記する。
第13族原子としては、具体的には、ホウ素原子(B)、アルミニウム原子(Al)、ガリウム原子(Ga)、インジウム原子(In)、タリウム原子(Tl)などがある。これらの中でも、ホウ素原子、アルミニウム原子、ガリウム原子が好ましい。また、第15族原子としては、具体的には、リン原子(P)、ヒ素原子(As)、アンチモン原子(Sb)、ビスマス原子(Bi)などがある。これらの中でも、リン原子、ヒ素原子が好ましい。
光導電層に含有される伝導性を制御するための原子の含有量は、ケイ素原子(Si)に対して1×10−2原子ppm以上であることが好ましく、5×10−2原子ppm以上であることがより好ましく、1×10−1原子ppm以上であることがより一層好ましい。一方、1×10原子ppm以下であることが好ましく、5×10原子ppm以下であることがより好ましく、1×10原子ppm以下であることがより一層好ましい。
本発明において、光導電層の層厚は、所望の電子写真特性が得られば特に制限はないが、PSが速くなることに由来する帯電能の低下を抑制するうえで、40μm以上が好ましい。また、a−Siの異常成長部位の大きさの観点から、光導電層の層厚を60μm以下にすることにより、画像への影響を抑制することが可能となる。
なお、光導電層は、単一の層で構成されてもよいし、複数の層(たとえば、電荷発生層と電荷輸送層)で構成されてもよい。
a−Siで構成された光導電層の形成方法としては、たとえば、プラズマCVD法、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などが挙げられる。これらの中でも、原料供給の容易さなどの点で、プラズマCVD法が好ましい。
以下、光導電層の形成方法について、プラズマCVD法を例にとって説明する。
光導電層を形成するには、ケイ素原子供給用の原料ガスおよび水素原子供給用の原料ガスを、内部を減圧しうる反応容器内に所望のガス状態で導入し、該反応容器内にグロー放電を生起させる。これによって、該反応容器内に導入した原料ガスを分解し、あらかじめ所定の位置に設置された基体上にa−Siで構成された層を形成すればよい。
本発明において、ケイ素原子供給用の原料ガスとしては、たとえば、シラン(SiH)、ジシラン(Si)などのシラン類が好適に使用できる。また、水素原子供給用の原料ガスとしては、上記シラン類に加えて、たとえば、水素(H)も好適に使用できる。
また、上述のハロゲン原子、伝導性を制御するための原子、炭素原子、酸素原子、窒素原子など光導電層を含有させる場合には、それぞれの原子を含むガス状または容易にガス化しうる物質を材料として適宜使用すればよい。
(基体)
基体は、導電性を有し、表面に形成される光導電層および表面層を保持しうるものであれば特に限定されず、いずれのものであってもよい。基体の材質としては、たとえば、アルミニウム、クロム、モリブデン、金、インジウム、ニオブ、テルル、バナジウム、チタン、白金、パラジウム、鉄などの金属や、これらの合金(たとえば、アルミニウム合金、ステンレスなど)などが挙げられる。また、ポリエステル、ポリエチレン、ポリカーボネート、セルロースアセテート、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリアミドなどの樹脂のフィルムやシート、ガラス、セラミックなどの電気絶縁性材料も使用できる。電気絶縁性材料を用いる場合、基体の少なくとも光導電層を形成する側の表面を導電処理すればよい。なお、導電性を有する基体(導電性の基体)を、以下「導電性基体」とも表記する。
(電荷注入阻止層)
本発明において、光導電層への電荷の注入を阻止する働きを有する電荷注入阻止層を設けても良い。電荷注入阻止層には、導電性基体と光導電層の間に設けられた下部電荷注入阻止層と、光導電層と表面層の間に設けた上部電荷注入阻止層がある。
下部電荷注入阻止層は、電子写真感光体の表面が一定極性の帯電処理を受けた際、基体から光導電層への電荷の注入を阻止する機能を有する層である。このような機能を付与するために、下部電荷注入阻止層は、光導電層を構成する材料をベースとしたうえで、伝導性を制御するための原子を光導電層に比べて比較的多く含有させる。
また、上部電荷注入阻止層は、電子写真感光体の表面が一定極性の帯電処理を受けた際、表面層から光導電層への電荷の注入を阻止する機能を有する層である。このような機能を付与するために、上部電荷注入阻止層は、光導電層を構成する材料と表面層を構成する材料の中間にあたる材料をベースとしたうえで、伝導性を制御するための原子を光導電層および表面層に比べて比較的多く含有させる。
伝導性を制御するために電荷注入阻止層に含有させる原子は、電荷注入阻止層中にまんべんなく均一に分布した状態で含有されていてもよいし、また、膜厚方向には不均一な分布状態で含有している部分があってもよい。分布濃度が不均一な場合には、基体側に多く分布するように含有させるのが好適である。いずれの場合においても、伝導性を制御するための原子が基体の表面に対して平行面内方向に均一な分布で電荷注入阻止層に含有されることが、特性の均一化を図る上からも好ましい。
伝導性を制御するために電荷注入阻止層に含有させる原子としては、帯電極性に応じて第13族原子または第15族原子を用いることができる。
さらに、電荷注入阻止層には、炭素原子、窒素原子および酸素原子のうち少なくとも1種の原子を含有させることにより、電荷注入阻止層を基体との間の密着性を向上させることができる。
電荷注入阻止層に含有される炭素原子、窒素原子および酸素原子のうち少なくとも1種の原子は、電荷注入阻止層中にまんべんなく均一に分布した状態で含有されていてもよいし、また、不均一に分布する状態で含有している部分があってもよい。いずれの場合にも、伝導性を制御するための原子が基体の表面に対して平行面内方向に均一な分布で電荷注入阻止層に含有されることが、特性の均一化を図る上からも好ましい。
電荷注入阻止層の膜厚は、所望の電子写真特性が得られること、経済的効果などの点から、0.1〜10μmであることが好ましく、0.3〜5μmであることがより好ましく、0.5〜3μmであることがより一層好ましい。膜厚を0.1μm以上にすることにより、基体からの電荷の注入阻止能を十分に有することができ、好ましい帯電能を得ることができる。一方、5μm以下にすることにより、電荷注入阻止層形成時間の延長に由来する製造コストの増加を防ぐことができる。
下部電荷注入阻止層と光導電層の間、および、光導電層と上部電荷注入阻止層と表面層の間では、それぞれの組成を連続的につなぐ、いわゆる変化層を必要に応じて設けることもできる。
(中間層)
本発明においては、光導電層と表面層との間に中間層を設けても良い。
中間層は、光導電層と表面層との密着性を向上し、表面層の剥がれを抑制する機能を有する層である。また、光導電層を機械的なストレスから保護し、圧傷を抑制する機能も有する層である。
中間層を構成する材料に関しては、特に制限はないが、上述した中間層の機能を付与するためには、光導電層を構成する材料と表面層を構成する材料の中間となる材料を選択する方が良い。例えば、a−SiC表面層を有するa−Si感光体の場合、中間層は、a−SiC表面層のC/(Si+C)よりも低いa−SiC:Hをベースの材料として使用する方がよい。また、a−Si:Hからなる光導電層とa−SiC:Hからなる表面層の間を、光導電層から表面層に向かって、連続的にC/(Si+C)をa−SiC表面層になるように変化させてもよい。
<本発明に関わる電子写真装置>
図1(a)に示すカラー用電子写真装置の概略構成図を用いて、カラー用電子写真装置における電子写真方法を説明する。
図1(a)に矢印で示すように、電子写真感光体1001が回転駆動され、中間転写ベルト(以下、ITBとも記す)1006が電子写真感光体1001と同じ周速度で回転駆動される。電子写真感光体1001は、回転過程で一次帯電器1002により帯電処理される。その後、電子写真感光体の表面に画像露光光1003を照射し、電子写真感光体の表面に目的のカラー画像の第1の色成分像(例えばマゼンタ成分像)に対応した静電潜像(第1潜像)が形成される。次いで、第2現像器1004bが回転し、その静電潜像が第1色であるマゼンタトナーMにより現像される。そして、第一の転写部材1009に不図示の高圧電源により一次転写電圧を印加することより、この第1色のトナー像がITB1006外周面に転写される。その後、クリーナー1005に設けられたマグネットローラー1007およびクリーニングブレード1008により、電子写真感光体1001の表面に残留するトナーが除去される。次に、除電手段1014により、電子写真感光体の表面を露光することで電子写真感光体が除電される。
第1色のトナー像の形成と同様に、第2色のトナー像(例えばシアントナー像)、第3色のトナー像(例えばイエロートナー像)が形成され、この第2色のトナー像、第3色のトナー像が、第1色のトナー像が転写されたITB1006の表面上に順次重畳転写される。最後に、第1現像器1004aにより第4色のトナー像(例えばブラックトナー像)を現像し、ITB1006上に重畳転写されることで目的のカラー画像に対応したカラートナー像が形成される。このカラートナー像を第二の転写部材1010に不図示の高圧電源により二次転写電圧を印加することで、搬送手段1012により搬送された記録材1013に転写する。この記録材1013は不図示の定着器に導かれ、ここで記録材1013上にトナー像が定着される。転写後のITB1006は、ITBクリーナー1011によりクリーニングされ、ITB上の転写残トナーが除去され、一連の電子写真プロセスを終える。
本発明における電子写真装置の構成として、電子写真感光体と、少なくとも前露光手段、主帯電手段、前潜像形成手段、現像手段および転写手段を有する必要がある。また、必要に応じて、転写後の電子写真感光体の表面に残留するトナーを除去するためのクリーニング手段や転写前帯電手段等の構成を設置しても良い。
本発明において、上述した理由により、PSが速くなるほど、本発明の効果が顕著に発揮される。そのため、PSは、500mm/秒以上とすることにより本発明の効果が発揮され、600mm/秒以上とすることで、本発明の効果がより顕著に発揮される。
また、図1(b)に示すように、電子写真感光体の回転方向に対して転写手段の下流側で、かつ主帯電手段の上流側にクリーニング手段を有し、クリーニング手段よりも電子写真感光体の回転方向に対して上流側に前露光手段を有することが好ましい。
これにより、PSが速くなったとしても、前露光が照射された電子写真感光体の表面が前露光手段から帯電手段まで移動する時間が長くなるため、前露光により生成した光キャリアの再結合の確率が高くなる。そのため、帯電手段により付与される電荷との再結合の確率が減少したことにより電子写真感光体内に生じる光キャリアで暗減衰の低減が可能となり、前露光の光の波長を短くした際の帯電能の向上の効果が得られやすい。さらに、前露光により生成した光キャリアの再結合の確率が上がることで、前露光が照射された電子写真感光体の表面が静電潜像手段の下に到達した場合でも、自由表面側の層内に残存した光キャリアが低減するため、階調性の低下も抑制可能となる。
しかしながら、前露光手段をさらに電子写真感光体の回転方向に対して上流側に配置すればよいのではなく、現像手段と転写手段の間に前露光手段を設置すると、出力する画像によっては、電子写真感光体の表面のトナーにより、静電潜像の履歴を消去できない場合がある。これにより、画像不良が発生する場合がある。
このことから、前露光手段の設置位置は、電子写真感光体の回転方向に対して転写手段の下流側で、かつ、転写手段に近い位置に配置することが好ましい。
<本発明の電子写真感光体を製造するための製造装置および製造方法>
本発明で使用可能な電子写真感光体の一例として、a−Si感光体の形成方法を以下に示す。
図3は、電子写真感光体の作製に用いられるプラズマCVD装置の一例を示す図である。
この装置は大別すると、反応容器3110を有する堆積装置3100、原料ガス供給装置3200、および、反応容器3110の中を減圧するための排気装置(図示せず)から構成されている。
反応容器3110の中にはアースに接続された導電性基体3112、導電性基体加熱用ヒーター3113、および、原料ガス導入管3114が設置されている。さらに、絶縁材料3121で絶縁されたカソード電極3111には高周波マッチングボックス3115を介して高周波電源3120が接続されている。
原料ガス供給装置3200は、SiH,H,CH,NO,Bなどの原料ガスのボンベ3221〜3225、バルブ3231〜3235、圧力調整器3261〜3265、流入バルブ3241〜3245、流出バルブ3251〜3255およびマスフローコントローラ3211〜3215から構成されている。各原料ガスを封入したガスのボンベは補助バルブ3260およびガス配管3116を介して反応容器3110の中の原料ガス導入管3114に接続されている。
次にこの装置を使った堆積膜の形成方法について説明する。まず、あらかじめ脱脂洗浄した導電性基体3112を反応容器3110に受け台3123を介して設置する。次に、排気装置(図示せず)を運転し、反応容器3110の中を排気する。真空計3119の表示を見ながら、反応容器3110の中の圧力がたとえば1Pa以下の所定の圧力になったところで、基体加熱用ヒーター3113に電力を供給し、導電性基体3112を例えば50℃から350℃の所望の温度に加熱する。このとき、ガス供給装置3200より、Ar、Heなどの不活性ガスを反応容器3110に供給して、不活性ガス雰囲気中で加熱を行うこともできる。
次に、ガス供給装置3200より堆積膜形成に用いるガスを反応容器3110に供給する。すなわち、必要に応じバルブ3231〜3235、流入バルブ3241〜3245、流出バルブ3251〜3255を開き、マスフローコントローラ3211〜3215に流量設定を行う。各マスフローコントローラの流量が安定したところで、真空計3119の表示を見ながらメインバルブ3118を操作し、反応容器3110の中の圧力が所望の圧力になるように調整する。所望の圧力が得られたところで高周波電源3120より高周波電力を印加すると同時に高周波マッチングボックス3115を操作し、反応容器3110の中にプラズマ放電を生起する。その後、速やかに高周波電力を所望の電力に調整し、堆積膜の形成を行う。
所定の堆積膜の形成が終わったところで、高周波電力の印加を停止し、バルブ3231〜3235、流入バルブ3241〜3245、流出バルブ3251〜3255、および補助バルブ3260を閉じ、原料ガスの供給を終える。同時に、メインバルブ3118を全開にし、反応容器3110の中を1Pa以下の圧力まで排気する。
以上で、堆積層の形成を終えるが、複数の堆積層を形成する場合、再び上記の手順を繰り返してそれぞれの層を形成すれば良い。原料ガス流量や、圧力を光導電層形成用の条件に一定の時間で変化させて、接合領域の形成を行うこともできる。
すべての堆積膜形成が終わった後、メインバルブ3118を閉じ、リークバルブ3117を開けて、反応容器3110の中を大気圧に戻す。その後、導電性基体3112を反応容器3110から取り出す。
以下、実施例および比較例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらにより何ら制限されるものではない。
<基準感光体作製例>
図3に示す、周波数としてRF帯の高周波電源を用いたプラズマCVD装置を用いて、円筒状基体の上に表1に示す条件で下部電荷注入阻止層、光導電層を形成し、基準となる感光体(以下、基準感光体とも記す)を作製した。円筒状基体として、直径84mm、長さ381mm、厚さ3mmの鏡面加工を施した円筒状のアルミニウム製の導電性基体を使用した。
Figure 0006463086
<電子写真感光体作製例1>
表2に示すように、基準感光体の上に層厚が0.4μmの表面層を形成した以外は、基準感光体と同様にして電子写真感光体作製例1を作製した。
Figure 0006463086
電子写真感光体作製例1で作製した電子写真感光体において、以下に示す方法で表面層のケイ素原子の原子密度および/または前記炭素原子の原子密度の和(以後、Si+C原子密度とも記す)と、ケイ素原子の原子数と前記炭素原子の原子数の和に対する前記炭素原子の原子数の比(以後、C/(Si+C)とも記す)を求めた。その結果、Si+C原子密度は、6.60×1022原子/cmであり、C/(Si+C)は0.60であった。
(Si+C原子密度、C/(Si+C)の測定)
まず、基準感光体の任意の周方向における長手方向の中央部を15mm四方の正方形で切り出し、リファレンス試料を作製した。
次に、電子写真感光体作製例1で作製した各電子写真感光体を同様に切り出し、測定用試料を作製した。
リファレンス試料と測定用試料とを分光エリプソメトリー(J.A.Woollam社製:高速分光エリプソメトリー M−2000)により測定し、表面層の層厚を求めた。
分光エリプソメトリーの具体的な測定条件は、入射角:60°、65°、70°、測定波長:195nmから700nm、ビーム径:1mm×2mmである。
まず、リファレンス試料を分光エリプソメトリーにより各入射角で、波長と振幅比Ψおよび位相差Δの関係を求めた。
次に、リファレンス試料の測定結果をリファレンスとして、測定用試料をリファレンス試料と同様に分光エリプソメトリーにより各入射角で、波長と振幅比Ψおよび位相差Δの関係を求めた。
さらに、電荷注入阻止層、光導電層、および表面層を順次形成し、最表面に表面層と空気層が共存する粗さ層を有する層構成を計算モデルとして用いる。そして解析ソフトにより粗さ層における表面層と空気層との体積比を変化させて、各入射角における波長と振幅比Ψおよび位相差Δの関係を計算により求めた。そして、各入射角における「上記計算により求めた波長と振幅比Ψおよび位相差Δの関係」と「測定用試料を測定して求めた波長と振幅比Ψおよび位相差Δの関係」の平均二乗誤差が最小となるときの計算モデルを選択した。この選択した計算モデルにより表面層の膜厚を算出し、得られた値を表面層の膜厚とした。
なお、解析ソフトはJ.A.Woollam社製のWVASE32を用いた。また、粗さ層における表面層と空気層との体積比に関しては、表面層:空気層を10:0から1:9まで、粗さ層における空気層の比率を1ずつ変化させて計算をした。
本実施例の各成膜条件で作製されたプラス帯電用a−Si感光体においては、
粗さ層における表面層と空気層の体積比が8:2のときに計算によって求められた波長と振幅比Ψおよび位相差Δの関係と
測定して求められた波長と振幅比Ψおよび位相差Δの関係
の平均二乗誤差が最小となった。
分光エリプソメトリーによる測定が終了した後、上記測定用試料をRBS(ラザフォード後方散乱法)により、RBSの測定面積における表面層中のケイ素原子および炭素原子の原子数を測定した。測定装置は、日新ハイボルテージ(株)製の後方散乱測定装置 AN−2500を使用した。測定したケイ素原子および炭素原子の原子数から、C/(Si+C)を求めた。次に、RBSの測定面積から求めたケイ素原子および炭素原子に対し、分光エリプソメトリーにより求めた表面層の膜厚を用いて、Si+C原子密度を求めた。
RBSおよびHFSの具体的な測定条件は、入射イオン:4He、入射エネルギー:2.3MeV、入射角:75°、試料電流:35nA、入射ビーム経:1mmである。
また、RBSの検出器は、散乱角:160°、アパーチャ径:8mm、HFSの検出器は、反跳角:30°、アパーチャ径:8mm+Slitで測定を行った。
<実施例1>
表3および表4に示す条件で作製した以外は、電子写真感光体作製例1と同様にしてa−Si感光体を作製した。なお、表面層の作製条件に関しては、層厚以外の条件は電子写真感光体作製例1と同一である。
Figure 0006463086
Figure 0006463086
実施例1で作製した電子写真感光体を、表5に示すプロセス条件に設定した図2に示す電子写真装置に設置した。そして、吸収割合、帯電能および階調性を以下に示す方法で評価し、結果を表8に示す。
吸収割合は、以下の計算式によって算出される値とする。
吸収割合=光量2/光量1
光量1:電子写真感光体に吸収される前露光の光量
光量2:光導電層よりも自由表面側に存在するすべての層で吸収される前露光の光量
実施例1で用いた電子写真装置は、キヤノン(株)製デジタル電子写真装置「iRA−8105」(商品名)の改造機である。この改造機は、プロセススピード(以後、PSとも記す)を変更可能とするために、電子写真感光体を回転させるための不図示のモーターを設けた。また、帯電手段のワイヤーおよびグリッドには、不図示の高圧電源が接続され、電子写真感光体の表面電位が調整可能となっている。
さらに、前露光手段から電子写真感光体に照射される前露光を、電子写真感光体の長手方向中央位置を中心として±10mmの範囲に照射できないように遮蔽部材を設置した。そして、前露光手段から照射される前露光の光を遮蔽した範囲に光を照射できるように、不図示の光源(ハロゲンランプ)と分光器(日本分光(株)製:CT−25C型回折格子分光器)を設置した。
そして、分光光源より電子写真感光体の表面に照射される前露光は、前露光の波長およびPSに関わらず電子写真感光体への照射エネルギーが2μJとなるように調整した。なお、実施例1では、PSを700mm/秒とした。また、像露光の光源としては、発振波長が658nmの半導体レーザーを用いた。
Figure 0006463086
<比較例1>
表6に示す条件で上部電荷注入阻止層および表面層を層厚以外は、実施例1と同様にa−Si感光体を作製した。表6の成膜条件No.4の各層の層厚は、表4の成膜条件No.4と同じである。
Figure 0006463086
比較例1で作製した電子写真感光体を、表7に示すプロセス条件に設定した図2に示す電子写真装置に設置した。そして、実施例1と同様に評価した。このときの結果を表8に示す。
Figure 0006463086
(前露光の光の波長に対する吸収割合の算出方法)
まず、基準感光体作製例で作製した電子写真感光体の反射率を測定した。
測定位置は、電子写真感光体の任意の周方向で電子写真感光体の長手方向中央を基準とし、基準位置より任意の周方向から60°毎回転させた位置、合計6点である。また、測定方法は、2mmのスポット径で電子写真感光体の表面に垂直に光を照射し、分光計(大塚電子製:MCPD−2000)を用いて、反射光の分光測定を行った。
6点の測定点で測定された反射光の分光測定の結果より、各測定位置での前露光の光の波長の反射率を求めて平均値a(%)を算出した。この平均値aを基準感光体の反射率とした。
次に、前露光の光の波長に対する自由表面側に有るすべての層での光吸収を測定した。
まず、基準感光体を前述したキヤノン(株)製デジタル電子写真装置「iRA−8105」(商品名)の改造機に搭載した。その際、現像器を取り外して、電子写真感光体の長手方向中央位置における電子写真感光体の表面電位が測定できるように、表面電位計(TREK社製Model555P−4)を設置した。また、前露光手段から遮蔽部材を取り外し、像露光の半導体レーザーへの電流の供給を止めて、発光させないようにした。さらに、不図示の光源(ハロゲンランプ)と分光器(日本分光(株)製:CT−25C型回折格子分光器)から照射される前露光を、像露光が照射される位置に2μJで照射できるように設置した。
そして、ハロゲンランプを切った状態で帯電器のワイヤーおよびグリッドに、それぞれ高圧電源を接続し、グリッド電位を−700Vとし、帯電器のワイヤーへ供給する電流を調整して電子写真感光体の表面電位を−500Vとなるように設定した。このときの帯電器のワイヤーから電子写真感光体へ流れる電流I(μA)を測定した。さらに、先に設定した帯電条件で帯電させた状態で、ハロゲンランプを点灯させ、前露光光を照射し、現像器位置での電子写真感光体の表面電位が−150Vに調整したときの前露光の照射エネルギーb(μJ)を測定した。
表面電位を−500Vから−150Vにする光の照射エネルギーbのうち、基準感光体から反射光として検出された以外の光は、基準感光体内に入り、吸収されていると考えらえる。よって、このときに基準感光体に吸収された前露光の照射エネルギーE1(μJ)はb×(1−a/100)となる。
次に、基準感光体と同様にして、作製した電子写真感光体における前露光の光の波長での反射率cを求めた。
反射率を求めた後、基準感光体と同様に、作製した電子写真感光体の表面電位の測定を行った。その際、帯電器のワイヤーから電子写真感光体へ流れる電流をI(μA)に調整して、作製した電子写真感光体と基準感光体とで表面に付与される電荷量を一定にし、その時の電子写真感光体の表面電位V(V)を測定した。そして、基準感光体で前記前露光光を照射して350V変化したときの電子写真感光体の表面電荷の変化を揃えるために、作製した電子写真感光体に像露光光を照射し、表面電位が150×V/500(V)となるときの前露光の照射エネルギーd(μJ)を測定した。
表面電位をV(V)から150×V/500(V)にする像露光の照射エネルギーdのうち、作製した電子写真感光体から反射光として検出された以外の光は、作製した電子写真感光体内に入り、吸収されていると考えらえる。よって、このときに作製した電子写真感光体に吸収された前露光の照射エネルギーE2(μJ)はd×(1−c/100)となる。
上記方法で算出したE1とE2より、電子写真感光体に照射される前露光の光量のうち、電子写真感光体に吸収される前露光の光量に対する光導電層よりも自由表面側に有るすべての層で吸収される前露光の光量の割合(E2−E1)/E2を算出した。
なお、この照射エネルギーE2(μJ)は、基準感光体にE1(μJ)の前露光光を照射して表面電位が350V変化したときの表面電荷の減少量と同じだけの表面電荷を、作製した電子写真感光体で減少させるために必要なエネルギーである。このことから、(E2−E1)/E2により、実質的に光導電層よりも自由表面側にある層で吸収された像露光の光量が算出することが可能となる。
(帯電能の評価)
帯電能の評価方法にも、温度25℃、相対湿度50%の環境下に設置された前述のキヤノン(株)製デジタル電子写真装置「iRA−8105」(商品名)の改造機を用いた。
作製した電子写真感光体を上記電子写真装置に設置し、前露光を所定の波長になるように調整し、現像器を取り外した。そして、電子写真感光体の長手方向中央位置における電子写真感光体の表面電位が測定できるように、表面電位計(TREK社製Model555P−4)を設置した。次に、分光光源より電子写真感光体に照射される前露光の波長を630nmに設定した。そして、像露光を切った状態で、帯電器のグリッドを−700Vとし、帯電器のワイヤーから電子写真感光体に流れる電流を−300μAとした時の電子写真感光体の表面電位を測定し、前露光の波長に対する帯電電位を求めた。
分光光源より電子写真感光体に照射される前露光の波長を630nmから1nm毎に560nmまで変化させて、帯電器のワイヤーおよびグリッドの条件を固定して、同様に、各前露光の波長に対する帯電電位を求めた。そして、前露光の波長を変化させたときに得られた電子写真感光体の表面電位から、前露光の波長を変化させたときの表面電位の最大値を算出した。さらに、この「表面電位の最大値」に対する「前露光の各波長における帯電電位」の比を算出した。
(階調性の評価)
階調性の評価にも、前述のキヤノン(株)製デジタル電子写真装置「iRA−8105」(商品名)の改造機を用いた。
まず、帯電器のワイヤーおよびグリッドに、それぞれ高圧電源を接続した。そして、前露光を所定の波長になるように調整し、像露光を切った状態でグリッド電位を−700Vとし、帯電器のワイヤーへ供給する電流を調整して電子写真感光体の表面電位を−500Vとなるように設定した。
次に、先に設定した帯電条件で帯電させた状態で、像露光光を照射し、その照射エネルギーを調整することにより、現像器位置の電位を−150Vとした。
そして、画像露光光による45度170lpi(1インチあたり170線)の線密度で面積階調ドットスクリーンを用い、面積階調(すなわち画像露光を行うドット部分の面積階調)によって、全階調範囲を17段階に均等配分した階調データを作成した。このとき、最も濃い階調を17、最も薄い階調を0として各階調に番号を割り当て、階調段階とした。
上記の改造した電子写真装置に作製した電子写真感光体を設置し、上記階調データを用いて、テキストモードを用いてA3用紙に出力した。このとき、温度22℃、相対湿度50%の環境下で、感光体ヒーターをONにして、電子写真感光体の表面の温度を約40℃に保った条件で画像を出力した。
得られた画像を各階調ごとに反射濃度計(X−Rite Inc製:504 分光濃度計)により画像濃度を測定した。なお、反射濃度測定では各々の階調ごとに3枚の画像を出力し、それらの濃度の平均値を評価値とした。
こうして得られた評価値と階調段階との相関係数を算出し、各階調の反射濃度が完全に直線的に変化する階調表現が得られた場合である相関係数=1.00からの差分を求めた。そして、プロセス条件No.3で出力された画像から算出された相関係数より求められる差分に対する、各プロセス条件にて出力された画像から算出された相関係数より求められる差分の比を階調性の指標として評価した。この評価において、数値が小さいほど階調性が優れており、直線的に近い階調表現がなされていることを示している。
A‥プロセス条件No.3で出力された画像から算出された相関係数から求められる相関係数=1.00からの差分に対する各プロセス条件にて出力された画像から算出された相関係数=1.00からの差分の比が1.80以下。
B‥プロセス条件No.3で出力された画像から算出された相関係数から求められる相関係数=1.00からの差分に対する各プロセス条件にて出力された画像から算出された相関係数=1.00からの差分の比が1.80より大きい。
実施例1および比較例1で評価した吸収割合、帯電能および階調性について、以下に示す方法で総合評価を行った。その結果を表8に示す。
(総合評価)
帯電能の評価結果に関しては、0.975以上1.000以下をAとし、0.975よりも低い場合をBとした。
総合評価としては、帯電能および階調性の各評価結果を以下に示すように評価した。
A‥帯電能および階調性の各評価結果がすべてAである
B‥帯電能の評価結果がA、階調性の評価結果がBである
C‥帯電能の評価結果がBである
総合評価において、B以上で本発明の効果が得られていると判断した。
Figure 0006463086
表8の結果より、所定の電子写真プロセス条件において、前露光の光の波長を変化させたときに得られる帯電電位の最大値に対して、0.975以上1.000以下となる前露光の光の波長を選択することで、本発明の効果が確認できた。すなわち、PSが比較的速い電子写真装置を使用した場合であっても、電子写真感光体の帯電電位を最大限に引き出しつつも、階調性の低下を抑制すること可能となり、その結果、高品質の画質が出力可能であることが確認できた。
さらに、電子写真感光体に吸収される前露光の光量に対する光導電層よりも自由表面側に有るすべての層で吸収される前露光の光量の割合が25%以上55%以下とすることで、さらに階調性の低下が抑制され、さらなる高品位の画像が出力可能であることが確認できた。
<実施例2、比較例2>
図2(a)および図2(b)の電子写真装置を用いて、表9に示すプロセス条件に設定して実施例1と同様に吸収割合、帯電能および階調性を評価した。このときの結果を表10に示す。なお、図2(a)および図2(b)の電子写真装置には、実施例1で作製した成膜条件No.4の電子写真感光体を搭載した。また、図2(b)は、前露光手段を転写手段とクリーニング手段の間に設置した以外は、図2(a)の電子写真装置と同じである。
Figure 0006463086
Figure 0006463086
表10の結果より、前露光手段をクリーニング手段と帯電手段の間から転写手段とクリーニング手段の間に移動させると、前露光の光の波長が同じ623nmでも帯電能が0.964Vから0.975Vへ変化することが確認できた。つまり、前露光手段を移動させることによって、前露光の光の波長を変化させたときに得られる帯電電位の最大値に対して、0.975以上1.000以下となる前露光の光の波長範囲が広がることが確認できた。
このことから、前露光手段をクリーニング手段と帯電手段の間から転写手段とクリーニング手段の間に移動させることで、本発明で用いることのできる前露光の光の波長範囲が広がり、前露光の光の波長の選択性が向上することが確認できた。
これは、前露光手段から帯電手段までの時間を長くすることで、前露光が電子写真感光体の表面に照射されたときに光導電層および自由表面側の層で生成される光キャリアの再結合により層内に残存する光キャリア数が減少したためと推察される。
さらに、光導電層および自由表面側の層に残存する光キャリアが減少したことにより、前露光の光の波長を変化させたときに得られる帯電電位の最大値に関しても、前露光手段をクリーニング手段と帯電手段の間から転写手段とクリーニング手段の間に移動させることで、5%の改善が確認された。
1001、2001‥‥‥‥‥‥‥電子写真感光体
1002、2002‥‥‥‥‥‥‥一次帯電器
1003、2003‥‥‥‥‥‥‥像露光
1004a‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥第1現像器
1004b‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥第2現像器
1005、2005‥‥‥‥‥‥‥クリーナー
1006‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ITB
1007、2007‥‥‥‥‥‥‥マグネットローラー
1008、2008‥‥‥‥‥‥‥クリーニングブレード
1009、2009‥‥‥‥‥‥‥第一の転写部材
1010‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥第二の転写部材
1011‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ITBクリーナー
1012、2012‥‥‥‥‥‥‥搬送手段
1013、2013‥‥‥‥‥‥‥記録材
1014、2014‥‥‥‥‥‥‥前露光
2004‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥現像器
2006‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ETB
2011‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ETBクリーナー
3100‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥堆積装置
3200‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ガス供給装置
4000‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥プラス帯電用電子写真感光体
4100‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥マイナス帯電用電子写真感光体
4001、4101、4201‥‥基体
4002、4102、4202‥‥下部電荷注入阻止層
4003、4103、4203‥‥光導電層
4004‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥中間層
4104‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥上部電荷注入阻止層
4005、4105、4205‥‥表面層

Claims (4)

  1. 導電性基体上に光導電層および表面層が順次形成された電子写真感光体と、前記電子写真感光体に前露光光を照射して除電を行う前露光手段と、前記電子写真感光体に帯電を行う主帯電手段と、前記電子写真感光体の帯電面に静電潜像を形成する潜像形成手段と、前記静電潜像をトナー像として現像する現像手段と、前記トナー像を転写する転写手段を有する電子写真装置であって
    前記電子写真感光体は、
    露光光の波長を変化させたときに、前記電子写真感光体の帯電電位の分布が極大値を有するものであって、
    前記前露光手段
    記電子写真感光体の帯電電位極大値を1.000としたときに、前記帯電電位が0.975以上1.000以下となる波長の光を前露光光として前記電子写真感光体に照射するものであり、かつ、
    前記前露光光の波長における、前記電子写真感光体に吸収される前露光光の光量に対する前記光導電層よりも自由表面側に有るすべての層で吸収される前露光光の光量の割合が25%以上55%以下である、ことを特徴とする電子写真装置。
  2. 前記電子写真感光体の回転方向に対して前記転写手段の下流側かつ前記主帯電手段の上流側にクリーニング手段をさらに有し、
    前記電子写真感光体の回転方向に対して前記クリーニング手段の上流側に前記前露光手段が位置する請求項1に記載の電子写真装置。
  3. 前記電子写真感光体は、
    前記露光光の波長を630nmから560nmまで変化させたときに、前記電子写真感光体の帯電電位の分布が極大値を有するものである請求項1又は2に記載の電子写真装置。
  4. プロセススピードが、500mm/秒以上である請求項1〜3のいずれか一項に記載の電子写真装置。
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