JP7094781B2 - プロセスカートリッジ - Google Patents
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Description
前記トナーは、結着樹脂及び着色剤を含有するトナー粒子を有し、該トナーのマルテンス硬度が、200MPa以上1100MPa以下であり、
前記電子写真感光体は、支持体、感光層、および、表面層である保護層を有し、保護層のマルテンス硬度が200MPa以上280MPa以下であり、
超微小押し込み硬さ試験機を用い、該超微小押し込み硬さ試験機のシールドケース内を30.0℃に保ち、圧子として先端が20μm四方の平面である平圧子を使用し、最大荷重2.0×10 -4 Nの条件でトナーの100粒それぞれのマルテンス硬度を測定し、トナーの100粒それぞれのマルテンス硬度の相加平均値が、該トナーのマルテンス硬度であり、
温度23℃湿度50%RHの環境下、フィッシャー硬度計を用い、圧子として対面角136°のビッカーズ四角錐ダイヤモンド圧子を使用し、該保護層の表面に該ダイヤモンド圧子を押し込み、7秒かけて2mNまで荷重をかけた後、7秒かけて徐々に減少させて荷重が0mNになるまでの押し込み深さを連続的に測定したときの結果から求められるマルテンス硬度が、該保護層のマルテンス硬度であるプロセスカートリッジ及び電子写真装置であることを特徴とする。
上記技術課題を解決するために、特定の表層を有するトナーの組合せと特定の保護層を有する電子写真感光体の組合せを用いる点が特徴である。
トナー粒子が表層を有する場合、表層とはトナーコア粒子を被覆してトナー粒子の最表面に存在する層である。有機ケイ素重合体を含有する表層は従来のトナー粒子に比べてとても硬い。そのため、定着性の観点からトナー粒子表面の一部に表層が形成されていない部分を設けることも好ましい。
トナー粒子が有機ケイ素重合体を含有する表層を有する場合、式(1)で表される部分構造を有することが好ましい。
R-SiO3/2 式(1)
(式中、Rは炭素数1以上6以下の炭化水素基を示す。)
式(1)で表される部分構造のピーク面積の割合は、有機ケイ素重合体形成に用いる有機ケイ素化合物の種類及び量、並びに、有機ケイ素重合体形成時の加水分解、付加重合及び縮合重合の反応温度、反応時間、反応溶媒及びpHによって制御することができる。
メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルジエトキシメトキシシラン、メチルエトキシジメトキシシラン、メチルトリクロロシラン、メチルメトキシジクロロシラン、メチルエトキシジクロロシラン、メチルジメトキシクロロシラン、メチルメトキシエトキシクロロシラン、メチルジエトキシクロロシラン、メチルトリアセトキシシラン、メチルジアセトキシメトキシシラン、メチルジアセトキシエトキシシラン、メチルアセトキシジメトキシシラン、メチルアセトキシメトキシエトキシシラン、メチルアセトキシジエトキシシラン、メチルトリヒドロキシシラン、メチルメトキシジヒドロキシシラン、メチルエトキシジヒドロキシシラン、メチルジメトキシヒドロキシシラン、メチルエトキシメトキシヒドロキシシラン、メチルジエトキシヒドロキシシラン、のような三官能性のメチルシラン。
エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリクロロシラン、エチルトリアセトキシシラン、エチルトリヒドロキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、プロピルトリクロロシラン、プロピルトリアセトキシシラン、プロピルトリヒドロキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、ブチルトリクロロシラン、ブチルトリアセトキシシラン、ブチルトリヒドロキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、ヘキシルトリクロロシラン、ヘキシルトリアセトキシシラン、ヘキシルトリヒドロキシシランのような三官能性のシラン。
フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリクロロシラン、フェニルトリアセトキシシラン、フェニルトリヒドロキシシランのような三官能性のフェニルシラン。
ジメチルジエトキシシラン、テトラエトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエメトキシシラン、3-(2-アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、3-(2-アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリイソシアネートシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルジエトキシメトキシシラン、ビニルエトキシジメトキシシラン、ビニルエトキシジヒドロキシシラン、ビニルジメトキシヒドロキシシラン、ビニルエトキシメトキシヒドロキシシラン、ビニルジエトキシヒドロキシシラン、のような三官能性のビニルシラン。
トナー粒子は、結着樹脂を含有する。結着樹脂は特段限定されず、従来公知のものを用いることができる。ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂などが好ましい。ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂及びその他の結着樹脂として、以下の樹脂又は重合体が例示できる。
結着樹脂の分子量をコントロールする為に、重合性単量体の重合に際して、架橋剤を添加してもよい。
トナー粒子は、離型剤を含有することが好ましい。前記トナー粒子に使用可能な離型剤としては、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラタムのような石油系ワックス及びその誘導体、モンタンワックス及びその誘導体、フィッシャートロプシュ法による炭化水素ワックス及びその誘導体、ポリエチレン、ポリプロピレンのようなポリオレフィンワックス及びその誘導体、カルナバワックス、キャンデリラワックスのような天然ワックス及びその誘導体、高級脂肪族アルコール、ステアリン酸、パルミチン酸のような脂肪酸、あるいはその化合物、酸アミドワックス、エステルワックス、ケトン、硬化ヒマシ油及びその誘導体、植物系ワックス、動物性ワックス、シリコ-ン樹脂が挙げられる。なお、誘導体には酸化物や、ビニル系モノマーとのブロック共重合物、グラフト変性物を含む。
トナー粒子は、着色剤を含有する。着色剤は特段限定されず、例えば以下に示す公知のものを使用することができる。
C.I.ピグメントイエロー12、13、14、15、17、62、74、83、93、94、95、109、110、111、128、129、147、155、168、180。
パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ベンジジンオレンジG、インダスレンブリリアントオレンジRK、インダスレンブリリアントオレンジGK。
C.I.ピグメントレッド2、3、5、6、7、23、48:2、48:3、48:4、57:1、81:1、122、144、146、166、169、177、184、185、202、206、220、221、254。
C.I.ピグメントブルー1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62、66。
緑色顔料としては、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンGが挙げられる。
白色顔料としては、亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛が挙げられる。
黒色顔料としては、カーボンブラック、アニリンブラック、非磁性フェライト、マグネタイト、上記黄色系着色剤、赤色系着色剤及び青色系着色剤を用い黒色に調色されたものが挙げられる。これらの着色剤は、単独又は混合して、さらには固溶体の状態で用いることができる。
必要により、重合阻害のない物質により着色剤の表面処理を施してもよい。
トナー粒子は荷電制御剤を含有してもよい。荷電制御剤としては、公知のものが使用できる。特に帯電スピードが速く、かつ、一定の帯電量を安定して維持できる荷電制御剤が好ましい。さらに、トナー粒子を直接重合法により製造する場合には、重合阻害性が低く、水系媒体への可溶化物が実質的にない荷電制御剤が特に好ましい。
有機金属化合物及びキレート化合物として、モノアゾ金属化合物、アセチルアセトン金属化合物、芳香族オキシカルボン酸、芳香族ダイカルボン酸、オキシカルボン酸及びダイカルボン酸系の金属化合物。他には、芳香族オキシカルボン酸、芳香族モノ及びポリカルボン酸及びその金属塩、無水物、又はエステル類、ビスフェノールのようなフェノール誘導体類なども含まれる。さらに、尿素誘導体、含金属サリチル酸系化合物、含金属ナフトエ酸系化合物、ホウ素化合物、4級アンモニウム塩、カリックスアレーンが挙げられる。
ニグロシン及び脂肪酸金属塩のようなによるニグロシン変性物;グアニジン化合物;イミダゾール化合物;トリブチルベンジルアンモニウム-1-ヒドロキシ-4-ナフトスルフォン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレートのような4級アンモニウム塩、及びこれらの類似体であるホスホニウム塩のようなオニウム塩及びこれらのレーキ顔料;トリフェニルメタン染料及びこれらのレーキ顔料(レーキ化剤としては、リンタングステン酸、リンモリブデン酸、リンタングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン化物、フェロシアン化物など);高級脂肪酸の金属塩;樹脂系荷電制御剤。
本発明に係わるトナー粒子は、外添せずにトナーとすることもできるが、流動性、帯電性、クリーニング性などを改良するために、いわゆる外添剤である流動化剤、クリーニング助剤などを添加してトナーとしてもよい。
本発明のトナーは、磁性又は非磁性の一成分現像剤として使用することもできるが、キャリアと混合して二成分現像剤として使用してもよい。
トナー粒子の製造方法は公知の手段を用いることができ、混練粉砕法や湿式製造法を用いることができる。粒子径の均一化や形状制御性の観点からは湿式製造法を好ましく用いることができる。さらに、湿式製造法には懸濁重合法、溶解懸濁法、乳化重合凝集法、乳化凝集法などを挙げることができる。
2,2’-アゾビスイソブチロニトリル、2,2’-アゾビス-2,4-ジメチルバレロニトリル、1,1’-アゾビス(シクロヘキサン-1-カルボニトリル)、2,2’-アゾビス-4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリルのようなアゾ化合物;アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシカーボネート、デカノニルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ステアロイルパーオキサイド、プロピオニルパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、tert-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、ベンゾイルパーオキサイド、tert-ブチルパーオキシイソブチレート、シクロヘキサノンパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、tert-ブチルヒドロパーオキサイド、ジ-tert-ブチルパーオキサイド、tert-ブチルパーオキシピバレート、クメンヒドロパーオキサイドのようなパーオキサイド系開始剤。
過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、2,2’-アゾビス(N,N’-ジメチレンイソブチロアミジン)塩酸塩、2,2’-アゾビス(2-アミノジノプロパン)塩酸塩、アゾビス(イソブチルアミジン)塩酸塩、2,2’-アゾビスイソブチロニトリルスルホン酸ナトリウム、硫酸第一鉄又は過酸化水素。
本発明の上記の有機ケイ素重合体を表層に有するトナーと保護層を有する電子写真感光体の組合せにより、相乗効果で、プロセスカートリッジの低トルク化とクリーニング性の向上に寄与する理由について説明する。
本発明に一態様に係る電子写真感光体は、支持体と、支持体上に感光層と保護層とを有することを特徴とする。
<支持体>
本発明において、支持体は導電性を有する導電性支持体であることが好ましい。また、支持体の形状としては、円筒状、ベルト状、シート状などが挙げられる。中でも、円筒状支持体であることが好ましい。また、支持体の表面に、陽極酸化などの電気化学的な処理や、ブラスト処理、切削処理などを施してもよい。
支持体の材質としては、金属、樹脂、ガラスなどが好ましい。
金属としては、アルミニウム、鉄、ニッケル、銅、金、ステンレスや、これらの合金などが挙げられる。中でも、アルミニウムを用いたアルミニウム製支持体であることが好ましい。
また、樹脂やガラスには、導電性材料を混合または被覆するなどの処理によって、導電性を付与してもよい。
本発明において、支持体の上に、導電層を設けてもよい。導電層を設けることで、支持体表面の傷や凹凸を隠蔽することや、支持体表面における光の反射を制御することができる。
導電層は、導電性粒子と、樹脂と、を含有することが好ましい。
金属酸化物としては、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化インジウム、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化アンチモン、酸化ビスマスなどが挙げられる。金属としては、アルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀などが挙げられる。
これらの中でも、導電性粒子として、金属酸化物を用いることが好ましく、特に、酸化チタン、酸化スズ、酸化亜鉛を用いることがより好ましい。
導電性粒子として金属酸化物を用いる場合、金属酸化物の表面をシランカップリング剤などで処理したり、金属酸化物にリンやアルミニウムなど元素やその酸化物をドーピングしたりしてもよい。
また、導電性粒子は、芯材粒子と、その粒子を被覆する被覆層とを有する積層構成としてもよい。芯材粒子としては、酸化チタン、硫酸バリウム、酸化亜鉛などが挙げられる。被覆層としては、酸化スズなどの金属酸化物が挙げられる。
また、導電性粒子として金属酸化物を用いる場合、その体積平均粒子径が、1nm以上500nm以下であることが好ましく、3nm以上400nm以下であることがより好ましい。
また、導電層は、シリコーンオイル、樹脂粒子、酸化チタンなどの隠蔽剤などをさらに含有してもよい。
本発明において、支持体または導電層の上に、下引き層を設けてもよい。下引き層を設けることで、層間の接着機能が高まり、電荷注入阻止機能を付与することができる。
電子輸送物質としては、キノン化合物、イミド化合物、ベンズイミダゾール化合物、シクロペンタジエニリデン化合物、フルオレノン化合物、キサントン化合物、ベンゾフェノン化合物、シアノビニル化合物、ハロゲン化アリール化合物、シロール化合物、含ホウ素化合物などが挙げられる。電子輸送物質として、重合性官能基を有する電子輸送物質を用い、上述の重合性官能基を有するモノマーと共重合させることで、硬化膜として下引き層を形成してもよい。
金属酸化物としては、酸化インジウムスズ、酸化スズ、酸化インジウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素などが挙げられる。金属としては、金、銀、アルミなどが挙げられる。
また、下引き層は、添加剤をさらに含有してもよい。
電子写真感光体の感光層は、主に、(1)積層型感光層と、(2)単層型感光層とに分類される。(1)積層型感光層は、電荷発生物質を含有する電荷発生層と、電荷輸送物質を含有する電荷輸送層と、を有する。(2)単層型感光層は、電荷発生物質と電荷輸送物質を共に含有する感光層を有する。
積層型感光層は、電荷発生層と、電荷輸送層と、を有する。
電荷発生層は、電荷発生物質と、樹脂と、を含有することが好ましい。
電荷輸送層は、電荷輸送物質と、樹脂と、を含有することが好ましい。
電荷輸送層中の電荷輸送物質の含有量は、電荷輸送層の全質量に対して、25質量%以上70質量%以下であることが好ましく、30質量%以上55質量%以下であることがより好ましい。
電荷輸送物質と樹脂との含有量比(質量比)は、4:10~20:10が好ましく、5:10~12:10がより好ましい。
単層型感光層は、電荷発生物質、電荷輸送物質、樹脂及び溶剤を含有する感光層用塗布液を調製し、この塗膜を形成し、乾燥させることで形成することができる。電荷発生物質、電荷輸送物質、樹脂としては、上記「(1)積層型感光層」における材料の例示と同様である。
本発明において、電子写真感光体は、感光層の上に保護層を設ける。前述したように、表面層としての保護層は、マルテンス硬度が200MPa以上280MPa以下であり、好ましくは245MPa以上280MPa以下である。
導電性粒子としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化インジウムなどの金属酸化物の粒子が挙げられる。
電荷輸送物質としては、多環芳香族化合物、複素環化合物、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、エナミン化合物、ベンジジン化合物、トリアリールアミン化合物や、これらの物質から誘導される基を有する樹脂などが挙げられる。これらの中でも、トリアリールアミン化合物、ベンジジン化合物が好ましい。
樹脂としては、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂などが挙げられる。中でも、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂が好ましい。
<トナーのマルテンス硬度の測定>
ナノインデンテーション法にてトナーのマルテンス硬度を測定する方法は市販のISO14577-1に準拠した装置にて、ISO14577-1に規定された押込み試験の手順に従って、得られた荷重-変位曲線から算出することができる。本発明においては、前記ISO規格に準拠した装置として、超微小押し込み硬さ試験機「ENT-1100b」(株式会社エリオニクス製)を用いた。測定方法は、装置に付属の「ENT1100操作マニュアル」に記載されているが、具体的な測定方法は以下の通りである。
試験モード :負荷-除荷試験
試験荷重 :20.000mgf(=2.0×10-4N)
分割数:1000step
ステップインターバル:10msec
解析メニュー「データ解析(ISO)」を選択して測定を行うと、測定後に装置付属ソフトでマルテンス硬度が解析され、出力される。トナー100粒について上記測定を行って、その相加平均値を本発明におけるマルテンス硬度とした。
有機ケイ素重合体の含有量の測定は、波長分散型蛍光X線分析装置「Axios」(PANalytical社製)と、測定条件設定及び測定データ解析をするための付属の専用ソフト「SuperQ ver.4.0F」(PANalytical社製)を用いる。なお、X線管球のアノードとしてはRhを用い、測定雰囲気は真空、測定径(コリメーターマスク径)は27mm、測定時間10秒とする。また、軽元素を測定する場合にはプロポーショナルカウンタ(PC)、重元素を測定する場合にはシンチレーションカウンタ(SC)で検出する。
トナー粒子のテトラヒドロフラン(THF)不溶分は、以下のように調製した。
トナー粒子10.0gを秤量し、円筒濾紙(東洋濾紙製No.86R)に入れてソックスレー抽出器にかける。溶媒としてTHF200mLを用いて20時間抽出し、円筒濾紙中の濾物を40℃で数時間真空乾燥を行って得られたものをNMR測定用のトナー粒子のTHF不溶分とした。
イオン交換水100mLにスクロース(キシダ化学製)160gを加え、湯せんをしながら溶解させ、ショ糖濃厚液を調製する。遠心分離用チューブ(容量50mL)に上記ショ糖濃厚液を31gと、コンタミノンN(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)を6mL入れ分散液を作製する。この分散液にトナー1.0gを添加し、スパチュラなどでトナーのかたまりをほぐす。
遠心分離用チューブをシェイカーにて350spm(strokes per min)、20分間振とうする。振とう後、溶液をスイングローター用ガラスチューブ(容量50mL)に入れ替えて、遠心分離機(H-9R 株式会社コクサン製)にて3500rpm、30分間の条件で分離する。この操作により、トナー粒子と外れた外添剤が分離する。トナーと水溶液が十分に分離されていることを目視で確認し、最上層に分離したトナーをスパチュラ等で採取する。採取したトナーを減圧濾過器で濾過した後、乾燥機で1時間以上乾燥し、トナー粒子を得る。この操作を複数回実施して、必要量を確保する。
トナー粒子に含有される有機ケイ素重合体における、式(1)で表される部分構造の確認には以下の方法を用いる。
式(1)のRで表される炭化水素基は、13C-NMRにより確認した。
(13C-NMR(固体)の測定条件)
装置:JEOL RESONANCE製 JNM-ECX500II
試料管:3.2mmφ
試料:NMR測定用のトナー粒子のテトラヒドロフラン不溶分 150mg
測定温度:室温
パルスモード:CP/MAS
測定核周波数:123.25MHz(13C)
基準物質:アダマンタン(外部標準:29.5ppm)
試料回転数:20kHz
コンタクト時間:2ms
遅延時間:2s
積算回数:1024回
なお、上記式(1)で表される部分構造をさらに詳細に確認する必要がある場合、上記13C-NMRの測定結果と共に1H-NMRの測定結果によって同定してもよい。
細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置(商品名:コールター・カウンター Multisizer 3)と、専用ソフト(商品名:ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51、ベックマン・コールター社製)を用いる。アパーチャー径は100μmを用い、実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで測定し、測定データの解析を行い、算出する。測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解して濃度が約1質量%となるようにしたもの、例えば、ベックマン・コールター社製のISOTON II(商品名)が使用できる。なお、測定、解析を行う前に、以下のように前記専用ソフトの設定を行う。
専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定画面」において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μm以上60μm以下に設定する。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250mL丸底ビーカーに前記電解水溶液約200mLを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行う。そして、解析ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100mL平底ビーカーに前記電解水溶液約30mLを入れる。ここにコンタミノンN(商品名)(精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業(株)製)をイオン交換水で3質量倍に希釈した希釈液を約0.3mL加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を、位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器(商品名:Ultrasonic Dispersion System Tetora150、日科機バイオス(株)製)
の水槽内にイオン交換水所定量とコンタミノンN(商品名)を約2mL添加する。
(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー(粒子)約10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。なお、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナー(粒子)を分散した前記(5)の電解水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行う。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行い、重量平均粒径(D4)を算出する。なお、専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、分析/体積統計値(算術平均)画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)である。専用ソフトでグラフ/個数%と設定したときの、「分析/個数統計値(算術平均)」画面の「平均径」が個数平均粒径(D1)である。
<電子写真感光体硬度の測定>
電子写真感光体硬度は、25℃/50%RH環境下、微小硬さ測定装置フィシャースコープH100V(Fischer社製)を用いて測定した。
測定条件は、フィッシャー硬度計(商品名:H100VP-HCU、フィッシャー社製)を用いて、温度23℃湿度50%RHの環境下にて測定した。圧子として対面角136°のビッカース四角錐ダイヤモンド圧子を使用し、測定対象の保護層表面に該ダイヤモンド圧子を押し込み、7秒かけて2mNまで荷重をかけた後、7秒かけて徐々に減少させて荷重が0mNになるまでの押し込み深さを連続的に測定した。その結果から、マルテンス硬度を求めた。
研磨した後の電子写真感光体の保護層の表面粗さは、表面粗さ測定機(商品名:SE700,SMB-9、(株)小坂研究所製)を用いて、下記の条件で測定した。
電子写真感光体の長手方向に、塗布上端から30、70、150、210mmの位置において測定した、また、120°手前に回転させた後、同様にして塗布上端から30、70、150、210mmの位置において測定した。更に、120°手前に回転させた後、同様にして測定し、計12点の測定を行い、その平均値は、JIS B 0601-2001規格で、周方向に掃引して測定した十点平均粗さ(Rzjis)、周方向に掃引して測定した平均間隔(RSm)を求めた。測定条件は、測定長さ:2.5mm、カットオフ値:0.8mm、送り速さ:0.1mm/s、フィルタ特性:2CR、レベリング:直線(全域)とした。
本発明の一態様に係る画像形成装置は、電子写真感光体上に形成された静電潜像をトナー収容部に収容されたトナーを用いて現像し、トナー画像を形成する現像手段、該電子写真感光体上の該トナー画像を転写材に転写する転写手段、および転写工程後、該電子写真感光体にブレードを当接して、該電子写真感光体上のトナーを除去するクリーニング手段、を有し、
該トナーは、結着樹脂および着色剤を含有するトナー粒子を有し、最大荷重2.0×10-4Nの条件で測定したときのマルテンス硬度が、200MPa以上1100MPa以下であり、該電子写真感光体は、支持体、感光層、および、表面層としての保護層を有し、該保護層のマルテンス硬度が200MPa以上280MPa以下であることを特徴とする。
(水系媒体1の調製工程)
反応容器中のイオン交換水1000.0部に、リン酸ナトリウム(ラサ工業社製・12水和物)14.0部を投入し、窒素パージしながら65℃で1.0時間保温した。
T.K.ホモミクサー(特殊機化工業株式会社製)を用いて、12000rpmにて攪拌しながら、イオン交換水10.0部に9.2部の塩化カルシウム(2水和物)を溶解した塩化カルシウム水溶液を一括投入し、分散安定剤を含む水系媒体を調製した。さらに、水系媒体に10質量%塩酸を投入し、pHを5.0に調整し、水系媒体1を得た。
撹拌機、温度計を備えた反応容器に、イオン交換水60.0部を秤量し、10質量%の塩酸を用いてpHを3.0に調整した。これを撹拌しながら加熱し、温度を70℃にした。その後、表層用有機ケイ素化合物であるメチルトリエトキシシラン40.0部を添加して2時間以上撹拌して加水分解を行った。加水分解の終点は目視にて油水が分離せず1層になったことで確認を行い、冷却して表層用有機ケイ素化合物の加水分解液を得た。
・スチレン :60.0部
・C.I.ピグメントブルー15:3 :6.5部
前記材料をアトライタ(三井三池化工機株式会社製)に投入し、さらに直径1.7mmのジルコニア粒子を用いて、220rpmで5.0時間分散させて、顔料分散液を調製した。前記顔料分散液に下記材料を加えた。
・スチレン:20.0部
・n-ブチルアクリレート:20.0部
・架橋剤(ジビニルベンゼン):0.3部
・飽和ポリエステル樹脂:5.0部
(プロピレンオキサイド変性ビスフェノールA(2モル付加物)とテレフタル酸との重縮合物(モル比10:12)、ガラス転移温度Tg=68℃、重量平均分子量Mw=10000、分子量分布Mw/Mn=5.12)
・フィッシャートロプシュワックス(融点78℃):7.0部
これを65℃に保温し、T.K.ホモミクサー(特殊機化工業株式会社製)を用いて、500rpmにて均一に溶解、分散し、重合性単量体組成物を調製した。
水系媒体1の温度を70℃、T.K.ホモミクサーの回転数を12000rpmに保ちながら、水系媒体1中に重合性単量体組成物を投入し、重合開始剤であるt-ブチルパーオキシピバレート9.0部を添加した。そのまま該撹拌装置にて12000rpmを維持しつつ10分間造粒した。
造粒工程の後、攪拌機をプロペラ撹拌羽根に換え150rpmで攪拌しながら70℃を保持して5.0時間重合を行い、85℃に昇温して2.0時間加熱することで重合反応を行ってコア粒子を得た。スラリーの温度を55℃に冷却してpHを測定したところ、pH=5.0だった。55℃で撹拌を継続したまま、表層用有機ケイ素化合物の加水分解液を20.0部添加してトナーの表層形成を開始した。そのまま30分保持した後に、水酸化ナトリウム水溶液を用いてスラリーを縮合完結用にpH=9.0に調整して更に300分保持し、表層を形成させた。
重合工程終了後、トナー粒子のスラリーを冷却し、トナー粒子のスラリーに塩酸を加えpH=1.5以下に調整して1時間撹拌放置してから加圧ろ過器で固液分離し、トナーケーキを得た。これをイオン交換水でリスラリーして再び分散液とした後に、前述のろ過器で固液分離した。リスラリーと固液分離とを、ろ液の電気伝導度が5.0μS/cm以下となるまで繰り返した後に、最終的に固液分離してトナーケーキを得た。
得られたトナーケーキは気流乾燥機フラッシュジェットドライヤー(セイシン企業製)にて乾燥を行い、更にコアンダ効果を利用した多分割分級機を用いて微粗粉をカットしてトナー粒子1を得た。乾燥の条件は吹き込み温度90℃、乾燥機出口温度40℃、トナーケーキの供給速度はトナーケーキの含水率に応じて出口温度が40℃から外れない速度に調整した。
得られたトナー粒子1を外添せずにそのままトナー1として用いた。トナー1の物性については表1に示す。
(重合工程)における加水分解液を添加する時の条件、及び添加後の保持時間を表1に示すように変えた以外は、実施例1と同様の方法でトナーを作製した。なお、スラリーのpH調整は塩酸及び水酸化ナトリウム水溶液で行った。得られたトナーの物性については表1に示す。
(表層用有機ケイ素化合物の加水分解工程)において用いる表層用有機ケイ素化合物を表1に示すように変えた以外は、実施例1と同様の方法でトナーを作製した。得られたトナーの物性については表1に示す。
トナー粒子1に対して外添を行い、トナー10を作製した。外添の方法は、トナー粒子100部に対し、外添剤DHT-4A(共和化学工業(株)製)0.2部をSUPERMIXER PICCOLO SMP-2(株式会社カワタ製)に投入して、3000rpmで10分間混合を行った。得られたトナーの物性については表1に示す。
(重合工程)における加水分解液を添加する時の条件、及び添加後の保持時間を表1に示すように変えた以外は、実施例1と同様の方法でトナーを作製した。得られたトナーの物性については表1に示す。
直径24mm、長さ257.5mmのアルミニウムシリンダー(JIS-A3003、アルミニウム合金)を支持体(導電性支持体)とした。
次に、金属酸化物粒子としての酸素欠損型酸化スズ(SnO2)で被覆されている酸化チタン(TiO2)粒子(平均一次粒子径230nm)214部、結着材料としてのフェノール樹脂(フェノール樹脂のモノマー/オリゴマー)(商品名:プライオーフェンJ-325、大日本インキ化学工業(株)製、樹脂固形分:60質量%)132部、および、溶剤としての1-メトキシ-2-プロパノール98部を、直径0.8mmのガラスビーズ450部を用いたサンドミルに入れ、回転数:2000rpm、分散処理時間:4.5時間、冷却水の設定温度:18℃の条件で分散処理を行い、分散液を得た。この分散液からメッシュ(目開き:150μm)でガラスビーズを取り除いた。
ガラスビーズを取り除いた後の分散液中の金属酸化物粒子と結着材料の合計質量に対して10質量%になるように、表面粗し付与材としてのシリコーン樹脂粒子(商品名:トスパール120、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ(株)製、平均粒径2μm)を分散液に添加し、また、分散液中の金属酸化物粒子と結着材料の合計質量に対して0.01質量%になるように、レベリング剤としてのシリコーンオイル(商品名:SH28PA、東レ・ダウコーニング(株)製)を分散液に添加した。次に、分散液中の金属酸化物粒子と結着材料と表面粗し付与材の合計質量(すなわち、固形分の質量)が分散液の質量に対して67質量%になるように、メタノールと1-メトキシ-2-プロパノールの混合溶剤(質量比1:1)を分散液に添加し、攪拌することによって、導電層用塗布液を調製した。この導電層用塗布液を支持体上に浸漬塗布し、これを30分間150℃で加熱することによって、膜厚が30.0μmの導電層を形成した。
電子輸送物質(E)4部、ブロックイソシアネート(商品名:デュラネートSBN-70D、旭化成ケミカルズ(株)製)5.5部、ポリビニルブチラール樹脂(エスレックKS-5Z、積水化学工業(株)製)0.3部、及び触媒としてのヘキサン酸亜鉛(II)(三津和化学薬品(株)製)0.05部を、テトラヒドロフラン50部と1-メトキシ-2-プロパノール50部の混合溶媒に溶解して下引き層用塗布液を調製した。この下引き層用塗布液を導電層上に浸漬塗布し、これを30分間170℃で加熱することによって、膜厚が0.7μmの下引き層を形成した。
次に、CuKα特性X線回折より得られるチャートにおいて、7.5°及び28.4°の位置にピークを有する結晶形のヒドロキシガリウムフタロシアニン10部とポリビニルブチラール樹脂(商品名:エスレックBX-1、積水化学工業社製)5部をシクロヘキサノン200部に添加し、直径0.9mmのガラスビーズを用いたサンドミル装置で6時間分散し、これにシクロヘキサノン150部と酢酸エチル350部を更に加えて希釈して電荷発生層用塗布液を得た。得られた塗布液を下引き層上に浸漬塗布し、95℃で10分間乾燥することにより、膜厚が0.20μmの電荷発生層を形成した。なお、X線回折の測定は、次の条件で行ったものである。
使用測定機:理学電気(株)製、X線回折装置RINT-TTRII
X線管球:Cu
管電圧:50KV
管電流:300mA
スキャン方法:2θ/θスキャン
スキャン速度:4.0°/min
サンプリング間隔:0.02°
スタート角度(2θ):5.0°
ストップ角度(2θ):40.0°
アタッチメント:標準試料ホルダー
フィルター:不使用
インシデントモノクロ:使用
カウンターモノクロメーター:不使用
発散スリット:開放
発散縦制限スリット:10.00mm
散乱スリット:開放
受光スリット:開放
平板モノクロメーター:使用
カウンター:シンチレーションカウンター。
次に、下記式(C-1)で示される化合物(電荷輸送物質(正孔輸送性化合物))6部、下記式(C-2)で示される化合物(電荷輸送物質(正孔輸送性化合物))3部、下記式(C-3)で示される化合物(電荷輸送物質(正孔輸送性化合物))1部、ポリカーボネート(商品名:ユーピロンZ400、三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製)10部、及び、(C-4)と(C-5)の共重合ユニットを有するポリカーボネート樹脂0.02部(x/y=9/1:Mw=20000)、o-キシレン25部/安息香酸メチル25部/ジメトキシメタン25部の混合溶剤に溶解させることによって電荷輸送層用塗布液を調製した。この電荷輸送層用塗布液を電荷発生層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、塗膜を30分間120℃で乾燥させることによって、膜厚が12μmの電荷輸送層を形成した。
次に、下記式(O-1)で示される化合物10部、および下記式(O-2)で示される化合物10部を1-プロパノール50部、1,1,2,2,3,3,4-ヘプタフルオロシクロペンタン(商品名:ゼオローラH、日本ゼオン(株)製)25部を混合し、撹拌した。その後ポリフロンフィルター(商品名:PF-020、アドバンテック東洋(株)製)でこの溶液を濾過することによって、保護層用塗布液を調製した。
電子写真感光体の保護層の形成において、加速電圧、ビーム電流、電子線照射時間を変更し、表2に示す条件の電子写真感光体を作製した。得られた電子感光体の物性については表3に示す。
保護層を有する電子写真感光体の形成後、電子写真感光体の表面を、図1に示す研磨装置を用いて研磨し、粗面化処理を行った。研磨シート18は巻き取り機構(不図示)で矢印方向に巻き取られる。電子写真感光体19は矢印方向に回転する。バックアップローラー20は矢印方向に回転する。研磨条件としては、研磨シート18として理研コランダム社製の研磨シート(商品名:GC♯3000、基層シート厚:75μm)を用い、バックアップローラー20としては硬度20°のウレタンローラー(外径:50mm)を用い、侵入量:2.5mm、シート送り量:400mm/sとして、研磨シートの送り方向と電子写真感光体の回転方向を同一として、表2に示される研磨時間で研磨した。得られた電子感光体の物性については表3に示す。
<LBPでのトナー現像性評価>
市販のキヤノン製レーザービームプリンタLBP7600Cの改造機を用いた。改造点は、評価機本体及びソフトウェアを変更することにより、現像ローラーの回転速度を1.8倍の周速で回転するように設定した。具体的には、改造前の現像ローラーの回転速度は周速200mm/secであるのを、改造後の回転速度は360mm/secとした。
LBP7600Cのトナーカートリッジに、電子写真感光体1及びトナー1を60g装填した。そして、そのトナーカートリッジを常温常湿NN(25℃/50%RH)の環境下で24時間放置した。当該環境下で24時間放置後のトナーカートリッジを上記LBP7600Cに取り付けた。
帯電立ち上がり、DローラーSi量、転写性及び再転写性の評価においては、NN環境で、1.0%の印字率画像をA4用紙横方向で5,000枚までプリントアウトして、5,000枚出力後に評価を行った。結果を表4に示す。
初期10枚通紙後と5,000枚通紙後、上記評価装置中で、現像機を離間させた状態で300mm/secでCブレードに対してカウンター方向回転させ60秒後のシアンのプロセスカートリッジのトルク測定を行った。結果を表4に示す。
LETTERサイズのXEROX4200用紙(XEROX社製、75g/m2)にハーフトーン(トナーの載り量:0.2mg/cm2)の画像をプリントアウトし、現像スジの評価をした。結果を表4に示す。
(評価基準)
A:現像ローラー上にも、画像上にも排紙方向の縦スジは見られない。
B:現像ローラーの両端に周方向の細いスジが5本以下見られる。または画像上に排紙方向の縦スジがほんの少し見られる。しかし、画像処理で消せるレベル。
C:現像ローラーの両端に周方向の細いスジが6本以上20本以下見られる。または画像上にも細かいスジが数本見られる。画像処理でも消せない。
D:現像ローラー上に21本以上のスジが見られる。または、画像上に1本以上の顕著なスジ、あるいは多数の細かいスジが見られる。画像処理でも消せない。
トナーの載り量が0.2mg/cm2であるハーフトーン画像を5枚印刷し、評価した。結果を表4に示す。
A:クリーニング不良画像なし、帯電ローラー汚れもなし。
B:クリーニング不良画像なし、帯電ローラー汚れあり。
C:ハーフトーン画像上にクリーニング不良が少し確認できる。
D:ハーフトーン画像上にクリーニング不良が目立つ。
表4に示すトナー及び電子写真感光体を用いて、実施例1と同様の評価を行った。結果を表4に示す。
Claims (7)
- 電子写真感光体、
トナー収容部に収容されたトナーを有し、該電子写真感光体上に形成された静電潜像を該トナーを用いて現像するための現像手段、および
該電子写真感光体にブレードを当接して、該電子写真感光体上のトナーを除去するクリーニング手段、
を有するプロセスカートリッジであって、
該トナーは、結着樹脂および着色剤を含有するトナー粒子を有し、
該トナーのマルテンス硬度が、200MPa以上1100MPa以下であり、
該電子写真感光体は、支持体、感光層、および、表面層である保護層を有し、
該保護層のマルテンス硬度が、200MPa以上280MPa以下であり、
超微小押し込み硬さ試験機を用い、該超微小押し込み硬さ試験機のシールドケース内を30.0℃に保ち、圧子として先端が20μm四方の平面である平圧子を使用し、最大荷重2.0×10 -4 Nの条件でトナーの100粒それぞれのマルテンス硬度を測定し、トナーの100粒それぞれのマルテンス硬度の相加平均値が、該トナーのマルテンス硬度であり、
温度23℃湿度50%RHの環境下、フィッシャー硬度計を用い、圧子として対面角136°のビッカーズ四角錐ダイヤモンド圧子を使用し、該保護層の表面に該ダイヤモンド圧子を押し込み、7秒かけて2mNまで荷重をかけた後、7秒かけて徐々に減少させて荷重が0mNになるまでの押し込み深さを連続的に測定したときの結果から求められるマルテンス硬度が、該保護層のマルテンス硬度である、
ことを特徴とするプロセスカートリッジ。 - 前記トナー粒子は有機ケイ素重合体を含有する表層を有し、該有機ケイ素重合体が、式(1)で表される部分構造を有する請求項1に記載のプロセスカートリッジ。
R-SiO3/2 式(1)
(式中のRは炭素数1以上6以下の炭化水素基を示す。) - 前記式(1)におけるRが炭素数1以上3以下の炭化水素基である請求項2に記載のプロセスカートリッジ。
- 前記保護層のマルテンス硬度が245MPa以上280MPa以下である請求項1~3のいずれか1項に記載のプロセスカートリッジ。
- 前記保護層の、十点平均粗さRzjisが0.4μm以上0.6μm以下であり、粗さ曲線要素の平均長さRsmが0.005mm以上0.020mm以下の範囲の形状を有する請求項1~4のいずれか1項に記載のプロセスカートリッジ。
- 電子写真感光体上に形成された静電潜像をトナーを用いて現像し、トナー画像を形成する現像手段、
該電子写真感光体上の該トナー画像を転写材に転写する転写手段、および
転写工程後、該電子写真感光体にブレードを当接して、該電子写真感光体上のトナーを除去するクリーニング手段、
を有する画像形成装置であって、
該トナーは、結着樹脂および着色剤を含有するトナー粒子を有し、
該トナーのマルテンス硬度が、200MPa以上1100MPa以下であり、
該電子写真感光体は、支持体、感光層、および、表面層としての保護層を有し、
該保護層のマルテンス硬度が、200MPa以上280MPa以下であり、
超微小押し込み硬さ試験機を用い、該超微小押し込み硬さ試験機のシールドケース内を30.0℃に保ち、圧子として先端が20μm四方の平面である平圧子を使用し、最大荷重2.0×10 -4 Nの条件でトナーの100粒それぞれのマルテンス硬度を測定し、トナーの100粒それぞれのマルテンス硬度の相加平均値が、該トナーのマルテンス硬度であり、
温度23℃湿度50%RHの環境下、フィッシャー硬度計を用い、圧子として対面角136°のビッカーズ四角錐ダイヤモンド圧子を使用し、該保護層の表面に該ダイヤモンド圧子を押し込み、7秒かけて2mNまで荷重をかけた後、7秒かけて徐々に減少させて荷重が0mNになるまでの押し込み深さを連続的に測定したときの結果から求められるマルテンス硬度が、該保護層のマルテンス硬度である、
ことを特徴とする画像形成装置。 - 電子写真感光体上に形成された静電潜像をトナーを用いて現像し、トナー画像を形成する現像工程、
該電子写真感光体上の該トナー画像を転写材に転写する転写工程、および
転写工程後、該電子写真感光体にブレードを当接して、該電子写真感光体上のトナーを除去するクリーニング工程、
を有する画像形成方法であって、
該トナーは、結着樹脂および着色剤を含有するトナー粒子を有し、
該トナーのマルテンス硬度が、200MPa以上1100MPa以下であり、
該電子写真感光体は、支持体、感光層、および、表面層としての保護層を有し、
該保護層のマルテンス硬度が、200MPa以上280MPa以下であり、
超微小押し込み硬さ試験機を用い、該超微小押し込み硬さ試験機のシールドケース内を30.0℃に保ち、圧子として先端が20μm四方の平面である平圧子を使用し、最大荷重2.0×10 -4 Nの条件でトナーの100粒それぞれのマルテンス硬度を測定し、トナーの100粒それぞれのマルテンス硬度の相加平均値が、該トナーのマルテンス硬度であり、
温度23℃湿度50%RHの環境下、フィッシャー硬度計を用い、圧子として対面角136°のビッカーズ四角錐ダイヤモンド圧子を使用し、該保護層の表面に該ダイヤモンド圧子を押し込み、7秒かけて2mNまで荷重をかけた後、7秒かけて徐々に減少させて荷重が0mNになるまでの押し込み深さを連続的に測定したときの結果から求められるマルテンス硬度が、該保護層のマルテンス硬度である、
ことを特徴とする画像形成方法。
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