JP2006195155A - 画像形成方法 - Google Patents

画像形成方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2006195155A
JP2006195155A JP2005006296A JP2005006296A JP2006195155A JP 2006195155 A JP2006195155 A JP 2006195155A JP 2005006296 A JP2005006296 A JP 2005006296A JP 2005006296 A JP2005006296 A JP 2005006296A JP 2006195155 A JP2006195155 A JP 2006195155A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
image forming
forming method
toner
inorganic fine
fine powder
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2005006296A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006195155A5 (ja
Inventor
Nobuyoshi Umeda
宜良 梅田
Fumihiro Arataira
文弘 荒平
Masayuki Hama
雅之 浜
Hiroaki Kawakami
宏明 川上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2005006296A priority Critical patent/JP2006195155A/ja
Publication of JP2006195155A publication Critical patent/JP2006195155A/ja
Publication of JP2006195155A5 publication Critical patent/JP2006195155A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Developing Agents For Electrophotography (AREA)
  • Photoreceptors In Electrophotography (AREA)
  • Cleaning In Electrography (AREA)

Abstract

【課題】 高耐久化された感光体と組み合わせても感光体寿命を満足する信頼性の高い、コンパクトな設計が可能なクリーニング手段を開発し、耐久性の高い画像形成方法を提供することである。
【解決手段】 クリーニングブレードの先端が、円筒中心角度A(円筒中心軸鉛直上方を0度として該円筒型有機感光体の回転方向を正とする)が−30度以上50度以下の範囲内で、該円筒型有機感光体に当接しており、トナーは、少なくともトナー粒子と無機微粉体とを含有しており、円筒型有機感光体は、基体上に感光層及び保護層を有しており、25℃,湿度50%環境下でビッカース四角錐ダイヤモンド圧子を用いて硬度試験を行い、最大荷重6mNで押し込んだユニバーサル硬さ値(HU)が150N/mm2以上220N/mm2以下であり、かつ弾性変形率(Wo)が44%以上65%以下であることを特徴とする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、電子写真方法、静電記録法などを利用した記録方法に用いられる画像形成方法に関し、さらに詳しくは、電子写真感光体及びクリーニングユニットにおいて優れた耐久性を有し、安定した画像を得ることのできる複写機、プリンター、ファクシミリ等の画像形成方法に関するものである。
近年、電子写真方法に用いられる電子写真感光体(以下、単に感光体と言うことがある)としては、安価、大量生産等の利点から有機系の感光体が汎用されるようになってきている。有機系感光体は、電気的及び機械的特性の双方を満足するために、電荷発生層と電荷輸送層を積層した機能分離型の感光体として利用される場合が多い。当然のことながら、感光体には適用される電子写真プロセスに応じた感度、電気的特性、更には光学的特性を備えていることが要求される。特に繰り返し使用される感光体の表面には、帯電、画像露光、トナー現像、紙への転写、クリーニングといった様々な電気的、機械的外力が直接加えられるため、それらに対する耐久性が要求される。
具体的には、摺擦による表面の摩耗や傷の発生に対する耐久性、更には感度低下、電位低下等の電気特性の劣化に対する耐久性が課題となっている。
このような有機感光体の耐久性を向上するための課題としてクリーニングブレード等の擦過による摩耗を抑制することが強く求められてきた。そのためのアプローチとして、感光体の表面に高強度の保護層を形成する技術が検討されてきた。その一例として、電荷輸送層用の樹脂を特定の硬化性の樹脂で形成した感光体が報告されている(特許文献1参照)。また、電荷輸送層に炭素−炭素二重結合を有するモノマーを含有させ、熱あるいは光のエネルギーによって反応させて電荷輸送層の硬化膜を形成した感光体も報告されている(特許文献2、3参照)。このように、電荷輸送層用の樹脂に硬化性の樹脂を用い電荷輸送層を硬化、架橋することによって、機械的強度が増し、繰り返し使用時の耐削れ性及び耐傷性は大きく向上する。
しかし、上記のように作製した電子写真感光体の表面層の摩擦力は大きく、感光体とクリーニングブレード間のトルクが上昇し、クリーニングブレードの摩耗等を促進して、クリーニングブレードの耐久性を低下させる作用がある。また、クリ−ニングブレ−ドの反転、ブレ−ドエッジ部の欠けなどによるクリ−ニング不良の発生やクリーニングブレードの鳴きなどの問題が発生しやすい傾向である。
そこで、クリーニングブレードの耐久性を向上させるために、導電性のクリーニングローラ(ファーブラシ)等をクリーニングブレードと組み合わせて構成するクリーニング装置が知られているが、クリーニングローラを用いるとクリーニング装置が大型化するため、複写機やLBPなどの小型化には適さないという問題があった。
また、耐削れ性及び耐傷性に強い電子写真感光体の表面層は、摩耗しにくくなり、帯電等の影響により劣化した感光体表面に、帯電の際に生じる放電生成物が感光体表面に付着しやすい傾向にある。そのような感光体の表面は水分を吸着しやすく、水分が吸着することで、表面抵抗が低下し、画像流れ・ボケという画像不良が発生しやすくなる。
そこで、画像流れを抑制するために、粒子の形状が球状、または球状に近い多面体であるチタン酸ストロンチウム(特許文献4、5)を用いたが、感光体との接触面積が小さく、また形状が球形に近いために、クリーニングブレードからすり抜けやすく、ブレード近傍に滞留しにくいので、帯電生成物の除去には不十分であるという問題があった。
特開平2−127652号公報 特開平5−216249号公報 特開平7−72640号公報 特開平10−10770号公報 特許3047900号公報
上記従来例では、耐削れ性及び耐傷性に強い保護層をもった円筒型有機感光体(以後、感光体という)を過酷な高湿条件で用いた場合に、感光体とクリーニングブレード間のトルクが上昇することによるクリーニングブレードの反転、ブレード鳴き、さらにクリーニングブレードの摩耗等を促進するため、ブレードエッジ部の欠けなどによるクリーニング不良や帯電等で感光体表面が劣化された影響により画像不良を発生することがあった。
本発明の課題は、上述の如き問題点を解決した画像形成方法を提供することである。具体的には高耐久化された感光体と組み合わせても感光体寿命を満足する信頼性の高い、コンパクトな設計が可能なクリーニング手段を開発し、耐久性の高い画像形成方法を提供することである。
本発明は、上記課題を解決するために検討を重ねた結果、感光体にクリーニングブレードを当接して行うクリーニング方法や、トナーに外添する無機微紛体などに特徴をもたせることにより、上記課題を克服することが可能となった。つまり、本発明の下記の構成を特徴とする画像形成装置により達成されることを見いだした。
〔1〕円筒中心軸がほぼ水平になるように設置された円筒型有機感光体を帯電する帯電工程と、該円筒型有機感光体の帯電面に静電潜像を形成する潜像形成工程と、トナー担持体上に担持させたトナー像を転移させて静電潜像を現像しトナー像を形成する現像工程と、像担持体上に形成させたトナー像を中間転写体を介して、または介さずに、転写材に転写する転写工程と、該円筒型有機感光体の表面に弾性部材で構成されたクリーニングブレードを当接させて、感光体上に残った転写残トナーを感光体から除去するクリーニング工程を有する画像形成方法において、
該クリーニングブレードの先端が、円筒中心角度A(円筒中心軸鉛直上方を0度として該円筒型有機感光体の回転方向を正とする)が−30度以上50度以下の範囲内で、該円筒型有機感光体に当接しており、
該トナーは、少なくともトナー粒子と無機微粉体とを含有しており、
該円筒型有機感光体は、基体上に感光層及び保護層を有しており、25℃,湿度50%環境下でビッカース四角錐ダイヤモンド圧子を用いて硬度試験を行い、最大荷重6mNで押し込んだユニバーサル硬さ値(HU)が150N/mm2以上220N/mm2以下であり、かつ弾性変形率(Wo)が44%以上65%以下であることを特徴とする画像形成方法。
〔2〕該保護層の弾性変形率をWo(%)とし、該クリーニングブレードの先端位置が、該円筒型有機感光体に当接している円筒中心角度をA(度)としたとき、式(1)の範囲内の位置で該円筒型有機感光体に当接していることを特徴とする〔1〕に記載の画像形成方法。
−1200≦A×Wo≦2000 Wo>0 (1)
〔3〕該保護層中にフッ素原子含有樹脂粒子または、且つ脂肪酸金属塩を含有していることを特徴とする〔1〕〜〔2〕に記載の画像形成方法。
〔4〕該フッ素原子含有樹脂粒子の含有量が保護層の全質量に対し、5%以上40%以下であることを特徴とする〔3〕記載の画像形成方法。
〔5〕該脂肪酸金属塩の含有量が保護層の全質量に対し、0.05%以上5.0%以下であることを特徴とする〔3〕に記載の画像形成方法。
〔6〕該保護層の表面粗さの十点平均粗さRzjisが0.1μm以上1.5μm以下であることを特徴とする〔1〕〜〔5〕に記載の画像形成方法。
〔7〕該無機微紛体の粒子形状が、立方体状の粒子形状及び/又は直方体状の粒子形状を有し、一次粒子の平均粒径が30nm以上300nm以下のペロブスカイト型結晶の無機微紛体であることを特徴とする〔1〕〜〔6〕に記載の画像形成方法。
〔8〕該無機微紛体中に粒子形状が立方体または直方体であるものが55個数%以上含有している事を特徴とする〔1〕〜〔7〕に記載の画像形成方法。
〔9〕該無機微紛体のトナーへの添加量は0.1重量%以上7.0重量%以下であることを特徴とする〔1〕〜〔8〕に記載の画像形成方法。
〔10〕該無機微粉体はチタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウムであることを特徴とする〔1〕〜〔9〕に記載の画像形成方法。
〔11〕該無機微紛体はペロブスカイト型結晶で、脂肪酸表面処理を施してあることを特徴とする〔1〕〜〔10〕に記載の画像形成方法。
上記構成の本発明によれば、耐久による摩耗量の少ない高耐久な感光体を用いた場合でも、ドラム表面に付着した放電生成物をクリーニングブレードで良好に掻き取ることができ、画像流れ、クリーニングブレードの反転、ブレード鳴き、ブレードエッジ部の欠けを防止でき、高耐久な画像形成方法を提供することが可能になる。
本発明の画像形成方法について添付図面を参照にしながら以下に説明する。
図1は本発明の画像形成方法を実施するために用いることができる具体的な装置の一例を示す。なお、図1は、デジタル方式の複写機の概略構成を示す縦断面図である。図1に示す複写機(以下「画像形成装置」という。)は、円筒型有機感光体(以下「感光体」という。)101を備えている。この感光体101は、駆動手段(不図示)によって矢印方向に回転駆動される。感光体101の周囲には、その回転方向に沿ってほぼ順に、帯電手段102、露光手段103、現像器(現像手段)104、転写帯電器(転写手段)105、分離帯電器106が配設されている。さらに、転写材の搬送方向(矢印方向)の分離帯電器106の下流側(同図中の左側)には、定着器107が配設されている。
上述の感光体101表面は、一次帯電器102により一様に帯電される。次いで、露光手段103から発せられるレーザ光により、イメージ露光が行なわれ、レーザ光照射部分の電荷が除去されて静電潜像が形成される。感光体101上の静電潜像は、現像器104の帯電したトナーによって現像される。現像された感光体101上のトナー像は、矢印方向に搬送される転写材に、転写帯電器105によって転写される。トナー像転写後の転写材は、分離帯電器106によって感光体101表面から分離され、定着器107に搬送される。転写材は、ここで加熱、加圧を受けて、表面にトナー像が定着される。転写後に感光体に残った転写残トナーはクリーニング装置108の感光ドラムにカウンターに当接された弾性を有するクリーニングブレードにより回収除去される。
最初に、感光体101について説明する。本発明における感光体の構成は、支持体上に感光層として電荷発生層、電荷輸送層をこの順に積層した構成または逆に電荷輸送層、電荷発生層をこの順に積層した構成、さらには電荷発生材料と電荷輸送材料を結着樹脂中に分散した単層より構成されるもののいずれの構成をとることも可能である。前記感光層上には表面保護層を形成する。なかでも、電荷発生層、電荷輸送層をこの順に積層した機能分離型の感光層上に保護層を形成した構成が好ましい。
また、本発明における保護層は硬化後に電荷輸送能を有している必要があるが、前記不飽和重合性官能基を有する化合物を用いる場合、該化合物が電荷輸送能力を有さない場合においては、電荷輸送材料や導電性材料の添加により電荷輸送能を確保することが好ましく、一方前記不飽和重合性官能基を有する化合物自体が電荷輸送能を有する場合においては、この限りではない。ただし、保護層の膜硬度や種々の電子写真特性の点からして、後者のような電荷輸送能を有する化合物を使用するのがより好ましい。更に、電荷輸送能を有する化合物の中でも、電子写真プロセスや材料の汎用性の点からして、正孔輸送能を有する化合物が更に好ましい。
本発明における感光体の保護層について説明する。感光体の保護層のユニバーサル硬さ値(以下HU)が150N/mm2以上220N/mm2以下であり、かつ弾性変形率が44%以上65%以下の感光体を用いることで、感光体表面の機械的劣化が抑制され、表面層の摩耗量、感光体の傷が低減され、感光体の高耐久化が図られる。
一般的に膜の硬度は外部応力に対する変形量が小さいほど高く、電子写真感光体も当然の如く鉛筆硬度やビッカース硬度が高いものが機械的劣化に対する耐久性が向上すると考えられている。しかしながら、これらの測定により得られる硬度が高いものが必ずしも耐久性の向上を望めたわけではなく、上記の範囲が良好であることが分かった。
HUと弾性変形率を切り離してとらえることはできないが、例えばHUが220N/mm2を超えるものであるとき、弾性変形率が44%未満であるとクリーニングブレードや帯電、転写ローラに挟まれた紙粉やトナー等が感光体の弾性力が不足しているが故に、また、弾性変形率が65%より大きいと弾性変形率は高くても当接圧を一定にした場合、弾性変形量は小さくなってしまうが故に、結果として局部的に大きな圧力がかかるため傷が発生しやすくなり、感光体の摩耗量も増大してしまう。よって、HUが高いものが必ずしも感光体として最適ではないと考えられる。
また、HUが150N/mm2未満で弾性変形率が65%を超える場合、例え弾性変形率が高くても塑性変形量も大きくなってしまい、クリーニングブレードや帯電、転写ローラに挟まれた紙粉やトナーが擦られることで削れたり、また細かい傷が発生したりするため耐久寿命が短くなってしまう。
HU及び弾性変形率は、圧子に連続的に荷重をかけ、荷重下での押し込み深さを直読し連続的硬さを求められる微小硬さ測定装置フィシャースコープH100V(Fischer社製)を用いて測定した。圧子は対面角136°のビッカース四角錐ダイヤモンド圧子を使用した。荷重の条件は最終荷重6mNまで段階的に(各点0.1sの保持時間で273点)測定した。なお、測定は25℃、湿度50%RHの環境下で行った。
出力チャートの概略を図2に、本発明の電子写真感光体を測定した例を図3に示す。縦軸は荷重(mN)で横軸は押し込み深さh(μm)であり、段階的に荷重を増加させ6mNまで荷重をかけ、その後同様に段階的に荷重を減少させた結果である。
HUは、6mNで押し込んだ時の同荷重下での押し込み深さから下記式(2)によって規定される。
図3の測定結果を以下に示す。
Wt [nJ] 2.14
We [nJ] 1.13 52.72%
Wr [nJ] 1.10 47.28%
E/(1−u2) [GPa] 4.56 +/− 0.002
H plast. [N/mm2] 379 +/ 1
hr [μm] 0.773 +/− 0.001
Figure 2006195155
弾性変形率は圧子が膜に対して行った仕事量(エネルギー)、すなわち圧子の膜に対する荷重の増減によるエネルギーの変化より求めたものであり、下記式(3)からその値は求まる。全仕事量Wt(nW)は図2中のA−B−D−Aで囲まれる面積で表され、弾性変形の仕事量We(nW)はC−B−D−Cで囲まれる面積で表される。
弾性変形率(Wo)=We/Wt×100(%) (3)
本発明の電子写真感光体の感光層は、導電性支持体上に形成される。支持体は、導電性を有するものであればよい。例えば、アルミニウム、銅、クロム、ニッケル、亜鉛及びステンレス等の金属や合金をドラム状またはシート状に成形したもの、アルミニウム及び銅等の金属箔をプラスチックフィルムにラミネートしたもの、アルミニウム、酸化インジウム及び酸化錫等をプラスチックフィルムに蒸着したもの、導電性物質を単独または結着樹脂と共に塗布して導電層を設けた金属、プラスチックフィルム及び紙等が挙げられる。
本発明においては、支持体と感光層の間にバリアー機能と接着機能をもつ下引き層を設けることができる。下引き層は、感光層の接着性改良、塗工性改良、支持体の保護、支持体の欠陥の被覆、支持体からの電荷注入性改良、また感光層の電気的破壊に対する保護等のために形成される。
下引き層の材料としては、ポリビニルアルコール、ポリ−N−ビニルイミダゾール、ポリエチレンオキシド、エチルセルロース、エチレン−アクリル酸共重合体、カゼイン、ポリアミド、N−メトキシメチル化6ナイロン、共重合ナイロン、にかわ及びゼラチン等が挙げられる。下引き層は、これらの材料をそれぞれに適した溶剤に溶解した溶液を支持体上に塗布し、乾燥することによって形成される。膜厚は0.1〜2μm程度であることが好ましい。
本発明の電子写真感光体が機能分離型の電子写真感光体である場合には、電荷発生層及び電荷輸送層を積層する。電荷発生層に用いる電荷発生材料としては、セレン−テルル、ピリリウム、チアピリリウム系染料、また各種の中心金属及び結晶系、具体的には例えばα、β、γ、εまたはX型等の結晶型を有するフタロシアニン化合物、アントアントロン顔料、ジベンズピレンキノン顔料、ピラントロン顔料、トリスアゾ顔料、ジスアゾ顔料、モノアゾ顔料、インジゴ顔料、キナクリドン顔料、非対称キノシアニン顔料、キノシアニン及びアモルファスシリコン等が挙げられる。
電荷発生層は前記電荷発生材料を0.3〜4倍量の結着樹脂及び溶剤と共にホモジナイザー、超音波分散、ボールミル、振動ボールミル、サンドミル、アトライターまたはロールミル等の方法で均一に分散し、得られた分散液を塗布し、乾燥することによって形成されるか、または前記電荷発生材料の蒸着膜等、単独組成の膜として形成される。その膜厚は5μm以下であることが好ましく、特に0.1〜2μmの範囲であることが好ましい。
結着樹脂としては、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、フッ化ビニリデン、トリフルオロエチレン等のビニル化合物の重合体及び共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリウレタン、セルロース樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ケイ素樹脂及びエポキシ樹脂等が挙げられる。
本発明における前記不飽和重合性官能基(連鎖重合性官能基)を有する正孔輸送性化合物は、前述した電荷発生層上に電荷輸送層として、もしくは電荷発生層上に電荷輸送物質と結着樹脂からなる電荷輸送層を形成した後に正孔輸送能力を有する表面保護層として用いることができる。いずれの場合も前記表面層の形成方法は、前記正孔輸送性化合物を含有する溶液を塗布後、重合反応をさせるのが一般的であるが、前もって該正孔輸送性化合物を含む溶液を反応させて硬化物を得た後に、再度溶剤中に分散または溶解させて、表面層を形成することも可能である。これらの溶液を塗布する方法は、例えば、浸漬コーティング法、スプレイコーティング法、カーテンコーティング法及びスピンコーティング法などが知られているが、効率性/生産性の点からは浸漬コーティング法が好ましい。
また蒸着、プラズマその他の公知の製膜方法が適宜選択できる。
本発明において不飽和重合性基(連鎖重合性基)を有する正孔輸送性化合物は放射線により重合させることが好ましい。放射線による重合の最大の利点は重合開始剤を必要としない点であり、これにより非常に高純度な三次元感光層の作製が可能となり、良好な電子写真特性が確保される点である。また、短時間でかつ効率的な重合反応であるが故に生産性も高く、さらには放射線の透過性のよさから、厚膜である場合や添加剤などの遮蔽物質が膜中に存在する際の硬化阻害の影響が非常に小さいことなどが挙げられる。ただし、連鎖重合性基の種類や中心骨格の種類によっては重合反応が進行しにくい場合があり、その際には影響のない範囲内での重合開始剤の添加は可能である。この際使用する放射線とは電子線及びγ線である。電子線照射をする場合、加速器としてはスキャニング型、エレクトロカーテン型、ブロードビーム型、パルス型及びラミナー型などいずれの形式も使用することができる。電子線を照射する場合に、本発明の感光体においては電気特性及び耐久性能を発現させる上で照射条件が非常に重要である。本発明において、加速電圧は250kV以下であると好ましく、より好ましくは150kV以下である。また照射線量は1kGy以上500kGy以下の範囲、より好ましくは5kGy以上250kGy以下の範囲である。加速電圧が500kGyを超えると、感光体特性に対する電子線照射のダメージが増加する傾向にある。また、線量が1kGyより小さい場合には硬化が不十分となりやすく、線量が多い場合には感光体特性の劣化が起こりやすい傾向にある。
さらに、本発明では表面層をより硬化させるために、電子線による重合反応時に熱を加えるとよい。熱を加えるタイミングとしてはラジカルが存在する間に感光体が一定の温度になっていればよいため、電子線照射前、照射中、いずれの段階で加熱してもよい。加熱温度は、感光体の温度が室温〜250℃となるように調整すればよい。より好ましくは50℃〜150℃である。温度が上記範囲よりも高い場合には、電子写真感光体の材料に劣化が生じるからである。加温する時間は、その温度にもよるが、おおよそ数秒から数十分程度であるとよい。
照射および加温時の雰囲気は、耐久中、窒素およびヘリウム等の不活性ガス中、真空中のいずれの場合であっても構わない。酸素によるラジカルの失活を抑制することができるという点で、不活性ガス中あるいは真空中が好ましい。
本発明はこのように導電性基体上に感光層及び保護層を形成し、この保護層のHUが150N/mm2以上220N/mm2以下であり、かつ弾性変形率が44%以上65%以下の感光体を用いることで、感光体表面の機械的劣化が抑制され、表面層の摩耗量、感光体の傷が低減されることで、感光体の高耐久化が図られるため、感光体の寿命を満たすクリーニング装置を改良する必要が生じた。
そこで、本発明のクリーニング装置は、上記課題に対して有効であり、クリーニングユニットに複雑な構成を必要としないものである。
本発明のクリーニング工程について詳しく説明する。図4はクリーニング装置の断面図である。図4において感光体101の上方にクリーニング装置が設けられる。クリーニング装置は感光体101の回転中心を通る水平線よりも上方に配置されており、感光ドラムの回転中心から鉛直上方を0度、感光ドラム回転方向を正としたとき、クリーニングブレード201が感光ドラムに当接している位置を感光体円筒中心角度(A)としたとき、感光体中心角度(A)は−30度以上50度以下の範囲内である。感光体中心角度(A)が−30度より小さく、または50度より大きいとクリーニングブレードの当接部分に転写残トナーが滞留しにくいため、ブレードのトルクが上昇しやすくなりブレード捲れ、ブレード鳴き、そして感光体との摺擦によるブレード欠けが生じやすい傾向にある。
さらに鋭意検討した結果、感光体保護層表面の弾性変形率をWo(%)とし、クリーニングブレードの先端位置が、該円筒型有機感光体に当接している円筒中心角度をA(度)としたとき、下記式
−1200≦A×Wo≦2000 Wo>0 (1)
が成り立つ円筒中心角度Aの範囲で用いることにより、ブレードの反転ブレード欠けを抑制し長期に亘ってより安定にクリーニングすることが可能となる。式(1)は図5の斜線部分を表しており、図5の横軸に円筒中心角度A(度)、縦軸に保護層のユニバーサル硬さ値をとり良好なクリーニング性を満たす領域を斜線部分で示している。クリーニングブレードの円筒中心角度の範囲は感光体保護層のユニバーサル硬さ値(HU)が小さいほど広くなり、ユニバーサル硬さ値(HU)が大きくなればなるほど鉛直上方の範囲は狭くなる。
本発明のごとく、各物性値の適正範囲を見いだしたことにより、高耐久化が図られた感光体と感光体の寿命を満足するクリーニングブレードの組み合わせを効率良く得ることができる。
本発明においてクリーニングブレードの感光体への進入量は0.2mm〜2.0mmで、感光体との当接角は10°〜40°が好ましい。また、クリーニングブレードの自由長Lは、図6(a)〜(c)に示すように支持体の端部からブレードの先端までの長さを表し、自由長Lは3mm〜23mmが好ましい。クリーニングブレードの厚さは、0.5mm〜4.0mmが好ましい。
当接角θは、感光ドラムの当接点における接線とブレードのなす角を表す。
また、本発明のクリーニングブレードのマイクロ硬度は55度以上82度以下が好ましい。尚、マイクロ硬度は、温度23℃、湿度50%の環境下で直径0.16mm、高さ0.5mmの針をゴムブレードに押し当てた時の荷重を測定しブレードの表面部分の硬さを求められるマイクロ硬度計SMD−1を用いて測定した。測定は、10点平均で行った。
本発明において使用するゴムブレード弾性体としては、前記の諸特性を比較的容易に得られることからポリウレタン弾性体が好ましい。ポリウレタン弾性体としては、一般にイソシアネートとポリオール及び各種水素含有化合物との付加反応を経て合成されるポリウレタンが用いられており、ポリオール成分として、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリエーテル系ポリオールやアジペート系ポリオール、ポリカプロラクタム系ポリオール、ポリカーボネート系ポリオール等のポリエステル系ポリオールを用い、ポリイソシアネート成分として、トリレンジイソシアネート、4,4’ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、トルイジンジイソシアネート等の芳香族系ポリイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等の脂肪族系ポリイソシアネートを用いてウレタンプレポリマーを調製し、これに硬化剤を加えて、所定の型内に注入し、架橋硬化させた後、常温で熟成することによって製造されている。上記硬化剤としては、1,4−ブタンジオール等の二価アルコールとトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の三価以上の多価アルコールとが併用される。
更に、ポリウレタン弾性体には、上記の条件を満たす範囲で無機微粒子を含有させても良い。無機微粒子の含有量がブレード原料全体量100質量部に対して5〜15質量部であるものがより好ましい。特に、無機微粒子が金属酸化物であるものが好ましく、金属酸化物としては、カーボン(C)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化チタン(TiO2)、酸化ケイ素(SiO2)、酸化ジルコニウム(ZrO)、などの1種類以上を使用することができる。
ポリウレタン弾性体に無機微粒子を含有させることにより、マイクロ硬度の制御がしやすくなり、さらに無機微粒子が表面に露出することで滑り性が大きくなるためブレード欠けを抑制される。
図6には本発明で用いられるクリーニングブレードの取り付け方と、自由長を説明する断面図を数例示している。
支持部材としては特に限定されず、例えば、剛体の金属、弾性を有する金属、プラスチック、セラミック等から製造されたもの等を挙げることができる。これらの支持部材のなかでは、剛体の金属が好ましく用いられる。
さらに、上記の問題を効率的に解決するため、感光体の保護層に潤滑剤を含有するのが好ましい。含有する潤滑剤としてはポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素原子含有樹脂、脂肪酸金属塩、球状のアクリル樹脂、ポリエチレン樹脂などの粉末や酸化ケイ素、酸化アルミニウムなどの金属酸化物粉末などが知られている。特に、潤滑材としてフッ素原子含有樹脂または、且つ脂肪酸金属塩を含有させることが好ましい。これにより感光体の表面の滑り性、撥水性を高めることができ、繰り返し使用時の帯電、現像、転写等による表面層の化学的劣化に伴う転写効率や滑り性の低下、さらには感度低下、電位低下などの電気特性の劣化を防ぎ、繰り返し使用時においてもフィルミング、融着、クリーニング不良の発生を抑える効果があるので好ましい。特に、脂肪酸金属塩は、画像ボケ/流れ等の画像不良の発生を抑える効果があるのでより好ましい。
まず、感光体の保護層に含まれるフッ素原子含有樹脂微粒子に関して詳しく説明する。
本発明において用いられるフッ素原子含有樹脂粒子としては、四フッ化エチレン、三フッ化塩化エチレン樹脂、六フッ化エチレンプロピレン樹脂、フッ化ビニル樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、二フッ化二塩化エチレン樹脂及びこれらの共重合体の中から1種あるいは2種以上を適宜選択するのが好ましいが、特に四フッ化エチレン樹脂、フッ化ビニリデン樹脂が好ましい。保護層に含有させるフッ素原子含有樹脂の割合は、保護層の撥水性、滑り性、機械的強度の点から保護層の全質量に対して5%以上40%以下がより好ましい。また、フッ素原子含有樹脂微粒子の長径の平均径は0.05μm以上1.0μm以下であることが好ましい。保護層を塗布する際に用いられる塗料は、前記フッ素原子含有樹脂微粒子を分散させることにより得られる。分散の方法としては、ボールミル、超音波、ペイントシェーカー、レッドデビル、サンドミルなどの方法が用いられる。
次に、感光体の保護層に含まれる脂肪酸金属塩に関して詳しく説明する。
本発明において用いられる脂肪酸金属塩としては、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸ナトリウム、ラウリン酸カルシウムなどが挙げられるが、より好ましい特性を有するのはステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウムである。保護層に含有させる脂肪酸金属塩の割合は、保護層の全質量に対して0.05%以上5.0%以下であることがより好ましい。保護層を塗布する際に用いられる塗料は、前記脂肪酸金属塩を分散させることにより得られる。分散の方法としては、ボールミル、超音波、ペイントシェーカー、レッドデビル、サンドミルなどの方法が用いられる。
さらに、感光体の保護層の表面粗さは、十点平均粗さRzjisで0.1μm以上1.5μm以下の範囲の表面粗さが好ましい。表面が荒れてくることで、ブレードと保護層との接触面積が低減するので、滑り性が増し、ブレードへの負荷が小さくなりブレード欠けやブレード自身の摩耗低減に効果があるので好ましい。
表面を粗らす方法としては、表面のブラスト処理、保護層中への粗し剤の添加などが挙げられるが、ラッピングテープの番手を変えることで、表面粗さの制御が容易で、安定的に粗らすことが可能な保護層の表面を感光体を回転駆動しながら、500番〜4000番のラッピングテープを保護層表面に接触させて、表面粗面化を行うことが好ましい。
表面十点平均粗さのRzjisの測定は、JIS B0601(2001)に基づき、サーフコーダーSE−3500(小坂研究所製)にて、カットオフを0.8mm、測定長さを8mmとして測定を行った。
さらに本発明において、トナーに外添される無機微紛体が、少なくとも粒子形状が立方体状及び/または直方体状である一次粒子の平均粒径が30nm以上300nm以下であり、凝集体の粒径が600nm以上の粒子が1個数%以下であるペロブスカイト型結晶であることがより好ましい。
先に説明したように、特開平10−10770号公報、特許3047900号公報に開示されているチタン酸ストロンチウムは焼結工程を経て製造されており、粒子の形状が球状、または球状に近い多面体状であるために、摩耗量の少ない感光体を用いた場合、感光体との接触面積が小さく、また形状が球形に近いために、クリーニングブレードからより、すり抜けやすく、ブレード近傍に滞留しにくいので、帯電生成物の除去には不十分であると推測される。
そこで、粒子形状が立方体状及び/または直方体状であるペロブスカイト型結晶の無機微粉体を用いることで、形状が角張っているため球状に近い多面体状のものと比べてクリーニングブレードからのすり抜けが生じにくく、帯電器の汚染による画像不良の発生が抑制され、またブレード近傍に滞留し、また感光体との接触面積も増し、立方体、直方体の稜線が感光体に接触することで、付着物の除去、掻き取りが効果的に行うことが可能になる。
本発明において用いる無機微粉体はペロブスカイト型の結晶を持つものが好ましい。ペロブスカイト型無機微粉体の中でも更に好ましいものは、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム、チタン酸カルシウムであるが、その中でもチタン酸ストロンチウムが更に好ましい。
本発明において使用されるペロブスカイト型結晶の無機微粉体は、一次粒子の平均粒径30nm以上300nm以下が好ましく、さらには50nm以上250nm以下であるものがより好ましい。
また、該無機微粉体は着色粒子表面に必ずしも一次粒子として存在するとは限らず、凝集体として存在する場合もあるが、その場合でも凝集体の粒径が600nm以上の粒子が1個数%以下であることが好ましい。
なお、本発明における無機微粉体の粒径については、電子顕微鏡にて5万倍の倍率で撮影した写真から100個の粒径を測定して求めた。
また本発明の無機微粉体中の、粒子形状が立方体状及び/または直方体状であるものの含有率を55個数%以上含有することで更に効率的に付着物の除去が行えるため好ましい。
該無機微粉体の形状は、図7に電子顕微鏡にて5万倍の倍率で撮影した写真を示すような形状を示す。
なお、立方体、直方体である無機微紛体の粒径は、図8に示した微紛体の形状の中で最も長い辺の長さ(T1)と最も短い辺の長さ(S1)としたとき、式(4)を持って無機微紛体の粒径とした。
無機微紛体の粒径=(T1+S1)/2 (4)
また、本発明の無機微紛体中の、粒子形状が立方体状及び/または直方体状であるものの含有率を55個数%以上含有することで更に効率的に帯電生成物の除去が行えるため好ましい。
本発明において着色粒子に対するペロブスカイト型無機微紛体の添加量は、0.1質量%以上7.0質量%以下がより好ましい。
本発明で用いる結着樹脂及び着色剤を含有し、さらに該トナーには一次粒子の平均粒径が30nm以上300nm以下であるペロブスカイト型結晶の無機微粉体が外添してあるトナーについて作製方法含めて詳細に記述する。
本発明で用いるペロブスカイト型結晶の無機微紛体は、例えば、硫酸チタニル水溶液を加水分解して得た含水酸化チタンスラリーのpHを調整して得たチタニアゾルの分散液に、ストロンチウムの水酸化物を添加して、反応温度まで加温することで合成することができる。該含水酸化チタンスラリーのpHは0.5〜1.0とすることで、良好な結晶化度及び粒径のチタニアゾルが得られる。
また、チタニアゾル粒子に吸着しているイオンを除去する目的で、該チタニアゾルの分散液に、例えば、水酸化ナトリウム等のアルカリ性物質を添加することが好ましい。このときナトリウムイオン等を含水酸化チタン表面に吸着させないために、該スラリーのpHを7以上にしないことが好ましい。また、反応温度は60℃〜100℃程度が好ましく、所望の粒度分布を得るためには昇温速度を30℃/時間以下にすることが好ましく、反応時間は3〜7時間であることが好ましい。
また、該無機微粉体の結晶構造がペロブスカイト型(3種類の異なる元素で構成された面心立方格子)であることを確認するには、X線回折測定を行うことで確認することができる。
さらに、該無機微粉体は現像特性を考慮し、摩擦帯電極性、環境による摩擦帯電量を制御、またドラム傷の防止の点から、微粉体の表面を処理したほうが好ましい。
表面処理剤としては、カップリング剤やシリコーンオイル、脂肪酸金属塩などの処理剤が挙げられる。
表面処理を行うことで、例えば、親水基と疎水基を有する化合物であるカップリング剤の場合、親水基側が無機微粉体表面を覆うことで疎水基側が外側になるので、微粉体の疎水化処理がなされ、環境による摩擦帯電量の変動を抑制させることができ、また、アミノ基、フッ素などの官能基を導入したカップリング剤により、摩擦帯電量の制御も容易にできる。さらに、上述のような表面処理剤で表面を処理することにより、無機微粉体中に含まれるドラム傷の原因となる、遊離している平均粒径よりも小さいかけらなどの微粉を無機微粉体表面に固定する担持作用があるので、ドラム傷の防止効果もあるので好ましい。
また、上述のような表面処理剤の場合には分子レベルでの表面処理のために、該無機微粉体の形状がほとんど変化せず、概略立方体、直方体形状による掻き取り力が維持されるのでより好ましい。
カップリング剤としてはチタネート系、アルミニウム系、シラン系カップリング剤等が挙げられ、脂肪酸金属塩としてはステアリン酸亜鉛、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウムなどが挙げられ、また脂肪酸であるステアリン酸などでも同様の効果が得られる。
処理の方法は、処理する表面処理剤などを溶媒中に溶解、分散させ、その中に無機微粉体を添加した、撹拌しながら溶媒を除去して処理する湿式方法や、カップリング剤、脂肪酸金属塩と無機微粉体を直接混合して撹拌しながら処理を行う乾式方法などが挙げられる。
また、表面処理については無機微粉体を完全に処理、被覆する必要は無く、効果が得られる範囲で無機微粉体が露出していても良い。つまり表面の処理が不連続に形成されていても良い。
本発明のトナーの製造方法は特に限定されず、懸濁重合法、乳化重合法、会合重合法、混練粉砕法などが用いられる。
次に混練粉砕法におけるトナーの製造方法について説明する。
本発明の粉砕法トナーに用いられる結着樹脂としては、ポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−塩化ビニル共重合体、スチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸アクリル共重合体、塩化ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂等を単独または混合して使用できるが、中でもスチレン−アクリル、スチレン−メタクリル共重合樹脂、ポリエステル樹脂が好ましい。
また本発明の粉砕法トナーを正帯電性に制御する場合は、脂肪酸金属塩等による変性物;トリブチルベンジジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルホン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレートなどの4級アンモニウム塩、及びこれらの類似体であるホスホニウム塩等のオニウム塩;アミン及びポリアミン系化合物;高級脂肪酸の金属塩;アセチルアセトン金属錯体;ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジシクロヘキシルスズオキサイドなどのジオルガノスズオキサイド;ジブチルスズボレート、ジオクチルスズボレート、ジシクロヘキシルスズボレートなどのジオルガノスズボレート等を添加する。また、負帯電性に制御する場合は、有機金属錯体、キレート化合物が有効で、モノアゾ金属錯体、アセチルアセトン金属錯体、芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族ジカルボン酸系の金属錯体を用いることができる。使用量は結着樹脂100質量部に対して0.1〜15質量部、好ましくは0.1〜10質量部である。
本発明の粉砕法トナーには、必要に応じて離型剤を添加することができる。例えば低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスなどの脂肪族炭化水素系ワックスまたはその酸化物;カルナバワックス、モンタン酸エステルワックスなどの脂肪族エステルを主成分とするワックスまたは、その一部または全部を脱酸化したものなどが挙げられる。また、パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸などの飽和直鎖脂肪酸類;ブランジン酸、エレオステアリン酸、バリナリン酸などの不飽和脂肪酸類;ステアリルアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコールなどの飽和アルコール;ソルビトールなどの多価アルコール類;リノール酸アミドなどの脂肪酸アミド類;メチレンビスステアリン酸アミドなどの飽和脂肪酸ビスアミド類;エチレンビスオレイン酸アミドなどの不飽和脂肪酸アミド類;N,N’−ジステアリルイソフタル酸アミドなどの芳香族ビスアミド類;ステアリン酸亜鉛などの脂肪酸金属塩;脂肪族炭化水素系ワックスにスチレンなどのビニル系モノマーを用いてグラフト化させたワックス類;ベヘニン酸モノグリセリドなどの脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物;植物性油脂の水素添加などによって得られるヒドロキシル基を有するメチルエステル化物なども用いることができる。添加量は結着樹脂100質量部に対して0.1〜20質量部、好ましくは0.5〜10質量部である。
次にこれらの結着樹脂、離型剤、荷電制御剤、着色剤等をヘンシェルミキサー、ボールミル等の混合機により十分混合してから、加熱ロール、ニーダー、エクストルーダーの如き熱混練機を用いて溶融混練して、樹脂類を互いに相溶せしめた中に荷電制御剤、着色剤を分散または溶解せしめ、冷却固化後、機械的に所望の粒度に微粉砕し、さらに分級によって粒度分布をシャープにする。あるいは、冷却固化後、ジェット気流下でターゲットに衝突させて得られた微粉砕物を、熱または機械的衝撃力によって球形化する。
着色粒子としては、粒子自体が比較的硬く、そのためにドラム表面の付着物の掻き取り力が高い磁性体を含有した磁性粒子のほうがより好ましい。
このようにして得られた着色粒子に、本発明に用いるペロブスカイト型無機微粉体を外添してトナーとする。
さらに本発明においては、現像性、耐久性を向上させるためにさらに次の無機微粉体を添加することもできる。マグネシウム、亜鉛、アルミニウム、チタン、セリウム、コバルト、鉄、ジルコニウム、クロム、マンガン、ストロンチウム、錫、アンチモン等の金属酸化物;硫酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸アルミニウム等の金属塩;カオリン等の粘土鉱物;アパタイト等のリン酸化合物;酸化珪素、炭化珪素、窒化珪素等の珪素化合物;カーボンブラックやグラファイト等の炭素粉末が挙げられる。
同様の目的で以下の有機粒子や複合粒子を添加することもできる。ポリアミド樹脂粒子、シリコン樹脂粒子、シリコンゴム粒子、ウレタン粒子、メラミン−ホルムアルデヒド粒子、アクリル粒子等の樹脂粒子;ゴム、ワックス、脂肪酸系化合物、樹脂等と金属、金属酸化物、塩、カーボンブラック等の無機粒子とからなる複合粒子;ポリ弗化エチレン、ポリ弗化ビニリデン等のフッ素樹脂;弗化カーボン等のフッ素化合物;ステアリン酸亜鉛等の脂肪酸金属塩;脂肪酸、脂肪酸エステル等の脂肪酸誘導体;硫化モリブデン、アミノ酸及びアミノ酸誘導体等が挙げられる。
本発明に適用されるトナーは、特に限定されず、粉砕法、重合法等により製造される。
また、現像手段としては特に限定されず、一成分現像法、二成分現像法等が挙げられる。
本発明のトナーを二成分系現像剤として用いる場合にはキャリア粉と混合して用いられる場合には、トナーとキャリア粉との混合比はトナー濃度として0.1質量%以上50質量%以下、好ましくは0.5質量%以上10質量%以下が望ましい。
本発明に使用しうるキャリアとしては、公知のものが全て使用可能であり、例えば鉄粉、フェライト粉、ニッケル粉の如き磁性を有する粉体、ガラスビーズ等及びこれらの表面フッ素系樹脂、ビニル系樹脂或いはシリコーン系樹脂等で処理したものなどが挙げられる。
以下に本発明の実施例を具体的に示すが、これらに限られるものではない。
まず、本発明の画像形成方法に使用されるトナー、感光体、ブレード装置についての具体例を示す。なお実施例中の部は質量部を表す。
本発明の画像形成方法を実施するための画像形成装置として、レーザービームを用いた有機感光体デジタル複写機(キヤノン社製:GP405)を用意した。該装置の概略は、感光体の帯電手段として帯電ローラを備え、現像手段として感光体上の現像剤と感光体が非接触であって一成分ジャンピング現像方法を採用した一成分現像器を備え、転写手段として帯電ローラを備え、ブレードクリーニング手段、帯電前露光手段を備える。また、感光体帯電器及び、クリーニング手段、感光体は一体型のユニットとなっている。プロセススピードは210mm/sである。該装置を以下のように改造を施した。
まず、感光体、ブレードを下記に示す感光体、ブレードに入れ替え、ドラム上電位の設定は、現像コントラストで250V、バックコントラストは180Vとなるようにドラム上の暗、明電位から、帯電、現像の直流電圧を変えることにより調整した。
なお、一次帯電の交流電圧の周波数は1.8kHzのサイン波で、初期に交流電流が2.2mAとなるような定電流制御となるようにVppが可変となるような印加電圧とした。
≪積層感光体試料の作製≫
<感光体製造例1〜9>
直径30mm×260.5mmのアルミニウムシリンダー(JIS A3003アルミニウム合金)を支持体とし、それに、以下の材料より構成される塗料を支持体上に浸漬コーティング法で塗布し、140℃で30分熱硬化して、膜厚が18μmの導電層を形成した。
導電性顔料:SnO2コート処理硫酸バリウム 10部
抵抗調節用顔料:酸化チタン 2部
バインダー樹脂:フェノール樹脂 6部
レベリング材:シリコーンオイル 0.001部
溶剤:メタノール、メトキシプロパノール0.2/0.8 15部
次に、この上にN−メトキシメチル化ナイロン3部及び共重合ナイロン3部をメタノール65部及びnブタノール30部の混合溶媒に溶解した溶液を浸漬コーティング法で塗布して、膜厚が0.7μmの中間層を形成した。
次に、CuKα特性X線回折のブラック角2θ±0.2°の7.4°及び28.2°に強いピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン4部、ポリビニルブチラール(商品名:エスレックBX−1、積水化学製)2部及びシクロヘキサノン80部を直径1mmガラスビーズを用いたサンドミル装置で4時間分散した後、酢酸エチル80部を加えて電荷発生層用分散液を調製した。これを浸漬コーティング法で塗布して、膜厚が0.2μmの電荷発生層を形成した。
次いで下記構造式(4)のスチリル化合物7部
Figure 2006195155
及びポリカーボネート樹脂(ユーピロンZ800、三菱エンジニアリングプラスチックス(株)社製)10部をモノクロロベンゼン105部およびジクロロメタン35部の混合溶媒中に溶解して調製した電荷輸送層用塗料を用いて、前記電荷発生層上に膜厚が10μmの電荷輸送層を形成し、基体、中間層、導電層、電荷発生層、電荷輸送層からなる4層の感光体を得た。
次に、表面保護層として下記構造式(5)の正孔輸送性化合物を電子線照射により重合させた化合物を含有する表層を塗工し硬化させた有機感光ドラムである。
Figure 2006195155
この正孔輸送性化合物35部をn−プロピルアルコール65部に溶解し、さらにテトラフルオロエチレン微粒子を表1に示す量を添加して、高圧分散機(マイクロフルイタイザー、Microfluidics社製)にて分散させた表面保護層用塗料を調製した。この塗料を前記4層感光体上に塗布したのち、弾性変形率(Wo)とユニバーサル硬さ値(HU)がそれぞれ表1のa−1〜a−6の値になるように、酸素濃度10ppmの雰囲気下で表1の条件で電子線をそれぞれ照射した。その後引き続いて、同雰囲気下で感光体の温度が100℃になる条件で10分間熱処理を行い、次に、通常雰囲気下で140℃、1時間の加熱処理を行い、保護層の膜厚が4μmの感光体a−1〜a−6をそれぞれ得た。また、加熱行わない感光体a−7を得た。
さらに、感光体a−4に、弾性ローラに貼り付けられた表1の番手のラッピングテープを当接させ、感光体を回転させながら表面の粗面化処理を施しa−8、a−9をそれぞれ得た。
<感光体製造例10>
感光体製造例1において表面保護層用の塗料を下記の手順により作製した。
下記構造式(6)の正孔輸送性化合物32部、
Figure 2006195155
下記構造式(7)、8部を
Figure 2006195155
モノクロロベンゼン50部およびジクロロメタン50部の混合溶媒中に溶解し保護層用塗料を調製した。
この塗布液を感光体製造例1で作製した4層の感光体上にコーティングし、膜厚3μmとした以外は表1の条件で感光体a−10を作製した。
<感光体製造例11>
感光体製造例1において表面保護層の塗料を下記の手順により作製した。
構造式(5)の正孔輸送性化合物45部をn−プロピルアルコール55部に溶解し、さらにテトラフルオロエチレン微粒子を表1に示す量を添加して、高圧分散機(マイクロフルイタイザー、Microfluidics社製)にて分散させた塗料に、ステアリン酸亜鉛(SZ2000 堺化学工業(株)社製 水分含有量0.42質量% 融点123℃)を表1に示す量と、ガラスビーズ50部を添加し、ペイントシェーカーで約3時間振とう後、ガラスビーズをろ過して、表面保護層用塗料を調製した。
この塗料を感光体製造例1で作製した4層の感光体上にコーティングし、膜厚3μmとした以外は表1の条件で感光体a−11を作製した。
下記の表1に感光体の製造条件、物性値をまとめる。
Figure 2006195155
≪トナーの作製≫
<着色粒子製造例>
・スチレンアクリル樹脂 100部
(スチレン−ブチルアクリレート共重合比=78:22)
・磁性体 80部
・サリチル酸金属化合物 2部
・ポリエチレンワックス 4部
上記を、ヘンシェルミキサーを用いて混合し、二軸押し出し混練機で溶融混練した後、ハンマーミルで粗粉砕し、ジェットミルで微粉砕した後、分級して平均粒径7.0μmの着色粒子を得た。
<ペロブスカイト型無機微粉体の製造例1>
硫酸チタニル水溶液を加水分解して得られた含水酸化チタンを純水で濾液の電気伝導度が2200μS/cmになるまで洗浄した。該含水酸化チタンスラリーにNaOHを添加して吸着している硫酸根をSO3として0.24質量%になるまで洗浄した。次に該含水酸化チタンスラリーに塩酸を添加してスラリーのpHを1.0としてチタニアゾル分散液を得た。該チタニアゾル分散液にNaOHを添加し、分散液のpHを6.2として上澄み液の電気伝導度が120μS/cmになるまで純水を用いてデカンテーションによって洗浄した。得られた含水酸化チタンをX線回折により調べたところアナターゼ型TiO2のピークのみを示した。
以上のようにして得られた含水率91%のメタチタン酸533g(0.6モル)をSUS製反応容器に入れ、窒素ガスを吹き込み20分間放置し反応容器内を窒素ガス置換した。Sr(OH)2・8H2O(純度95.5%)183.6g(0.66モル)を加え、さらに蒸留水を加えて0.3モル/リットル(SrTiO3換算)、SrO/TiO2モル比1.10のスラリーに調整した。窒素雰囲気中で該スラリーを沸点温度(101℃)まで28℃/1時間で昇温し、沸点で3時間反応を行った。反応後40℃まで冷却し、窒素雰囲気下において上澄み液を除去し、2.5リットルの純水を加えてデカンテーションを行うという操作を2回繰り返して洗浄を行った後、ヌッチェで濾過を行った。得られたケーキを110℃の大気中で4時間乾燥した。
得られたチタン酸ストロンチウムは、一次粒子の平均径が80nmで600nm以上の凝集体は0.2個数%であり、また粒子形状が立方体状及び/または直方体状であるものの含有率は75個数%であった。このチタン酸ストロンチウムを無機微粉体b−1とする。
<ペロブスカイト型無機微粉体の製造例2〜4>
ペロブスカイト型無機微粉体の製造例1でチタン酸ストロンチウムの反応温度、温度までの昇温速度、反応時間、分散液のpHを調整して、以下の特性をもつペロブスカイト型無機微粉体b−2〜b−4を作製した。以下の表2にまとめる。
Figure 2006195155
<ペロブスカイト型無機微粉体の製造例5>
脂肪酸金属塩であるステアリン酸ナトリウム水溶液(ステアリン酸ナトリウム7部と水100部)中に無機微紛体b−1を100部添加し、攪拌しながら硫酸アルミニウム水溶液を滴下し、無機微紛体b−1の表面にステアリン酸アルミニウムを析出、吸着させて表面を処理した無機微紛体b−5を作製した。b−5の平均粒径は90nm、立方体状及び/または直方体状の個数%は70%であった。
<トナー製造例1〜5>
着色粒子100部と、一次粒径約7nmのシリカ100部にジメチルシリコーンオイル20部で表面処理した疎水性シリカ(BET=130m2/g)1.5部と、無機微粉体b−1〜b−5を各1.5部、ヘンシェルミキサーFM10Bにて、外添してトナーc−1〜c−5をそれぞれ得た。
<トナー製造例6〜8>
トナー製造例5と同様に無機微紛体b−5の添加量を0.05部、6.0部、7.5部とした以外は製造例1と同様のトナーc−6〜c−8をそれぞれ得た。
≪クリーニング装置≫
クリーニング装置は、厚さ(t)2.0mmの板型に成型したクリーニングブレードを感光ドラムの回転に対しカウンターで当接させることにより行われる。クリーニングブレードのドラムへの当接角は25°、進入量は0.7mm、ブレードの接着固定位置から先端までの距離(自由長L)は9mmである。
クリーニングブレードとして、マイクロ硬度65°の市販のクリーニングブレードを用いた。
表3に表記するように、感光体、現像剤、及びクリーニングブレードの先端位置(円筒中心角度)の組み合わせを設定して以下に示す評価方法に従い評価1)〜3)を行った。
評価1)
高温低湿(35℃/10%)環境下で画像比率0.5%のA4横通紙を1枚間欠で行い、クリーニングブレード初期摺動時の反転状況を複写機本体からクリーニングユニットを取り出して観察した。
クリーニングブレードの捲れを以下の評価項目に従い評価を行った。
A:ブレード捲れは発生しない。
B:ブレード捲れが発生した。
評価2)
高温高湿(32.5℃/85%)環境下で画像比率2%のA4横通紙を1枚間欠で5万枚耐久を行い、感光体回転時と停止時のクリーニングブレード鳴き・びびりを観察した。
クリーニングブレードの鳴き・びびりを以下の評価項目に従い評価を行った。
A:ブレードの鳴き・びびりは発生しない。
B:ブレードの停止時に若干鳴き・びびりが発生したが、実用は可能。
C:ブレード回転時、停止時に鳴き・びびりが発生したため実用は難しい。
評価3)
高温高湿(30℃/80%)環境下で画像比率2%のA4横通紙10万枚耐久を行い、1000倍の光学顕微鏡を用いてブレード長手方向全域を観察し、ブレードの状態を以下の評価項目に従って評価を行った。クリーニングブレードの欠けの幅と深さの積を用いて以下の評価項目に従い評価を行った。
A:ブレード欠けは見られない。
B:ブレード欠けの幅と深さの積が30μm2未満で、トナーのすり抜けは見られなく画像に影響なし。
C:ブレード欠けの幅と深さの積が30μm2以上100μm2未満で、トナーのすり抜けは見られなく画像に影響なし。
D:ブレード欠けの幅と深さの積が100μm2以上で、トナーがすり抜けて画像不良が起こるため実用は不可能。
以下に実施例、比較例の評価1)〜3)の結果を示す。
Figure 2006195155
表3より、実施例1と比較例1、実施例6と比較例2で、感光体とトナーを固定してクリーニングブレードの先端位置の評価を行った。摩擦力の高い削れないドラムを用いた場合、クリーニングブレードの先端位置が−30度より小さい、または50度より大きいとクリーニングブレード近傍に転写残トナーが溜まりにくいため過酷な条件下で長期耐久を行った場合、ブレード捲れやブレード鳴きが生じた。つまり、円筒中心角度(A)は−30度以上50度以下が、ブレード捲れ、ブレード鳴き、ブレード欠けを抑制することができ、転写残トナーのすり抜けなどによるクリーニング不良を防ぐのに有効であることがわかった。
さらに、実施例1〜17、比較例1〜6で、本発明の感光体の弾性変形率(Wo)及び、円筒中心角度(A)から下記式
−1200≦A×Wo≦2000 Wo>0
を満たす範囲に属する感光体とクリーニングブレードの先端位置を調節することによって感光体とブレードをより効率的に使用することが可能になった。
また、表4に表記するように、感光体、現像剤、及びクリーニングブレードの先端位置(円筒中心角度)の組み合わせを設定して以下に示す評価方法に従い評価2)〜6)を行った。
評価4)
低温低湿(15℃/10%)環境下で画像比率2%のA4横通紙10万枚を行い、耐久後のドラム傷の状態を以下の評価項目に従い評価を行った。
A:傷は存在しない。
B:深さ1μm以下の軽微な傷が存在する。
C:深さ1μm以上3μm以下の傷はあるが、電荷輸送(CT)層に達しておらず、画像には影響なし。
D:傷が深く、CT層に到達しており、出力画像に影響を及ぼす。
評価5)
高温高湿(30℃/80%)環境下で画像比率10%のA4横通紙5万枚耐久を行い、その帯電ローラのみを23℃/5%環境下に24時間放置して、23℃/5%環境下において、感光体をGP405製品の未使用の感光体に交換して、ハーフトーン画像と、一次帯電の印加直流電圧を現像の直流電圧とほぼ同じにして、画像露光を行わないで、ハーフトーン濃度の画像(アナログハーフトーン)の画出しを行い、帯電ローラの汚れによる帯電ムラを評価項目に従い評価を行った。
A:アナログハーフトーンで、スジ、ムラ状の帯電不良の発生はなく、均一な画像が得られた。
B:アナログハーフトーンで僅かにスジ状の帯電不良が発生し、通常のハーフトーン画像では問題のない画像が得られた。
C:アナログハーフトーンでスジ状の帯電不良が発生し、通常のハーフトーン画像でも僅かにスジ状の帯電不良が発生した。
D:アナログハーフトーンでスジ状、ムラ状の帯電不良が発生し、通常のハーフトーン画像、またベタ白画像でも帯電不良によるカブリ画像が発生した。
評価6)
高温高湿(30℃/80%)環境下で画像比率2%のA4横通紙1万枚を行い、24時間放置後の画像の状態を以下の評価項目に従い評価を行った。
A:全く画像流れがない。
B:ハーフトーンでわずかに画像流れが見られるが、文字はまったくボケていない。
C:良くみると文字がわずかにボケている。
D:文字が完全にボケて読めない。
Figure 2006195155
表4より、実施例18〜21で保護層中のフッ素原子含有樹脂粒子の含有量は、ブレード鳴き、ブレード欠け、感光体傷の観点から5%以上40%以下が好ましいことが分かった。さらに、実施例19、22、23より、感光体保護層の表面粗さRzjisを0.1μm以上1.3μm以下にすることにより、クリーンニングブレードからトナーのすり抜けによる帯電器の汚染を防ぐのに有効であることが分かった。さらにまた、実施例23、25〜31より、無機微紛体の1次粒子の平均粒径、立方体状及び/または直方体状の個数、トナーへの添加量を振ることにで、クリーニング性が効率的に成り立つ無機微紛体の範囲はそれぞれ1次粒子の平均粒径:30nm以上300nm以下、立方体状及び/または直方体状の個数:55個数%以上、トナーへの添加量:0.1質量%以上7.0質量%以下であることがわかった。
本発明の画像形成装置を表す概略断面図である。 膜特性出力チャートの一例を示すグラフである。 感光体保護層の膜特性測定の一例を示すグラフである。 本発明のクリーニング装置の断面図である。 感光体のWoとクリーニングブレードの円筒中心角度Aの関係を示すグラフである。 クリーニングブレードの取り付け方と、自由長を説明する断面図である。 無機微粉体の電子顕微鏡写真(5万倍)の一例を示す図である。 無機微紛体の粒径測定における長辺と短辺の概略図である。
符号の説明
101 感光体
102 帯電ローラ
103 露光装置
104 現像装置
105 転写部材
106 分離部材
107 定着装置
108 クリーニング装置
111 転写媒体
201 クリーニングブレード
202 支持体
203 軸

Claims (11)

  1. 円筒中心軸がほぼ水平になるように設置された円筒型有機感光体を帯電する帯電工程と、該円筒型有機感光体の帯電面に静電潜像を形成する潜像形成工程と、トナー担持体上に担持させたトナー像を転移させて静電潜像を現像しトナー像を形成する現像工程と、像担持体上に形成させたトナー像を中間転写体を介して、または介さずに、転写材に転写する転写工程と、該円筒型有機感光体の表面に弾性部材で構成されたクリーニングブレードを当接させて、感光体上に残った転写残トナーを感光体から除去するクリーニング工程を有する画像形成方法において、
    該クリーニングブレードの先端が、円筒中心角度A(円筒中心軸鉛直上方を0度として該円筒型有機感光体の回転方向を正とする)が−30度以上50度以下の範囲内で、該円筒型有機感光体に当接しており、
    該トナーは、少なくともトナー粒子と無機微粉体とを含有しており、
    該円筒型有機感光体は、基体上に感光層及び保護層を有しており、25℃,湿度50%環境下でビッカース四角錐ダイヤモンド圧子を用いて硬度試験を行い、最大荷重6mNで押し込んだユニバーサル硬さ値(HU)が150N/mm2以上220N/mm2以下であり、かつ弾性変形率(Wo)が44%以上65%以下であることを特徴とする画像形成方法。
  2. 該保護層の弾性変形率をWo(%)とし、該クリーニングブレードの先端位置が、該円筒型有機感光体に当接している円筒中心角度をA(度)としたとき、式(1)の範囲内の位置で該円筒型有機感光体に当接していることを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
    −1200≦A×Wo≦2000 Wo>0 (1)
  3. 該保護層中にフッ素原子含有樹脂粒子または、且つ脂肪酸金属塩を含有していることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成方法。
  4. 該フッ素原子含有樹脂粒子の含有量が保護層の全質量に対し、5%以上40%以下であることを特徴とする請求項3に記載の画像形成方法。
  5. 該脂肪酸金属塩の含有量が保護層の全質量に対し、0.05%以上5.0%以下であることを特徴とする請求項3に記載の画像形成方法。
  6. 該保護層の表面粗さの十点平均粗さRzjisが0.1μm以上1.5μm以下であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の画像形成方法。
  7. 該無機微紛体の粒子形状が、立方体状の粒子形状及び/又は直方体状の粒子形状を有し、一次粒子の平均粒径が30nm以上300nm以下のペロブスカイト型結晶の無機微紛体であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の画像形成方法。
  8. 該無機微紛体中に粒子形状が立方体または直方体であるものが55個数%以上含有していることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の画像形成方法。
  9. 該無機微紛体のトナーへの添加量は0.1質量%以上7.0質量%以下であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の画像形成方法。
  10. 該無機微粉体はチタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウムであることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の画像形成方法。
  11. 該無機微紛体はペロブスカイト型結晶で、脂肪酸表面処理を施してあることを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の画像形成方法。
JP2005006296A 2005-01-13 2005-01-13 画像形成方法 Pending JP2006195155A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005006296A JP2006195155A (ja) 2005-01-13 2005-01-13 画像形成方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005006296A JP2006195155A (ja) 2005-01-13 2005-01-13 画像形成方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006195155A true JP2006195155A (ja) 2006-07-27
JP2006195155A5 JP2006195155A5 (ja) 2008-02-21

Family

ID=36801290

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005006296A Pending JP2006195155A (ja) 2005-01-13 2005-01-13 画像形成方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2006195155A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008145775A (ja) * 2006-12-11 2008-06-26 Ricoh Co Ltd 像担持体用保護剤、及び保護層形成装置、並びに画像形成方法、画像形成装置、及びプロセスカートリッジ
JP2008257011A (ja) * 2007-04-06 2008-10-23 Canon Inc 画像形成方法
JP2019211547A (ja) * 2018-05-31 2019-12-12 キヤノン株式会社 プロセスカートリッジ

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001249480A (ja) * 1999-12-28 2001-09-14 Ricoh Co Ltd 電子写真感光体
JP2002182418A (ja) * 2000-12-11 2002-06-26 Konica Corp 画像形成方法、画像形成装置
JP2003233210A (ja) * 2003-03-18 2003-08-22 Konica Corp 画像形成方法
JP2003277054A (ja) * 2002-03-19 2003-10-02 Titan Kogyo Kk チタン酸ストロンチウム微細粉末及びその製造方法並びにそれを外添剤に用いた静電記録用トナー
JP2004012986A (ja) * 2002-06-10 2004-01-15 Canon Inc 電子写真感光体、プロセスカートリッジ、電子写真装置及び電子写真感光体の製造方法
JP2004258588A (ja) * 2003-02-28 2004-09-16 Ricoh Co Ltd 画像形成装置及びプロセスカートリッジ

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001249480A (ja) * 1999-12-28 2001-09-14 Ricoh Co Ltd 電子写真感光体
JP2002182418A (ja) * 2000-12-11 2002-06-26 Konica Corp 画像形成方法、画像形成装置
JP2003277054A (ja) * 2002-03-19 2003-10-02 Titan Kogyo Kk チタン酸ストロンチウム微細粉末及びその製造方法並びにそれを外添剤に用いた静電記録用トナー
JP2004012986A (ja) * 2002-06-10 2004-01-15 Canon Inc 電子写真感光体、プロセスカートリッジ、電子写真装置及び電子写真感光体の製造方法
JP2004258588A (ja) * 2003-02-28 2004-09-16 Ricoh Co Ltd 画像形成装置及びプロセスカートリッジ
JP2003233210A (ja) * 2003-03-18 2003-08-22 Konica Corp 画像形成方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008145775A (ja) * 2006-12-11 2008-06-26 Ricoh Co Ltd 像担持体用保護剤、及び保護層形成装置、並びに画像形成方法、画像形成装置、及びプロセスカートリッジ
JP2008257011A (ja) * 2007-04-06 2008-10-23 Canon Inc 画像形成方法
JP2019211547A (ja) * 2018-05-31 2019-12-12 キヤノン株式会社 プロセスカートリッジ
JP7094781B2 (ja) 2018-05-31 2022-07-04 キヤノン株式会社 プロセスカートリッジ

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5241098B2 (ja) 画像形成方法
EP3201691B1 (en) Electrophotographic photosensitive member, process cartridge and electrophotographic apparatus
JP2019211774A (ja) 画像形成装置及び画像形成方法
JP2014224960A (ja) クリーニング装置、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置
CN105319877B (zh) 电子照相感光构件的制造方法
EP2508949A1 (en) Electrophotographic photoreceptor, process cartridge, and electrophotographic device
JP2016009078A (ja) 画像形成装置、およびプロセスカートリッジ
JP4403965B2 (ja) 電子写真感光体およびその製造方法、プロセスカートリッジ並びに電子写真装置
JP2010151921A (ja) 画像形成装置
JP2006195156A (ja) トナー及び画像形成方法
JP6753280B2 (ja) 電子写真感光体
JP2016028266A (ja) 電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置および電子写真感光体の製造方法
JP5371573B2 (ja) 画像形成方法
JP2010230981A (ja) 電子写真感光体、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置
JP4227555B2 (ja) 画像形成方法
JP4387864B2 (ja) 画像形成方法
KR100881381B1 (ko) 상담지체 및 화상 형성 장치
JP2006195155A (ja) 画像形成方法
JP5239488B2 (ja) 有機感光体、画像形成方法、画像形成装置および画像形成ユニット
JP2006195154A (ja) 画像形成方法
JP2006243331A (ja) 画像形成方法
JP4831726B2 (ja) 画像形成方法
US11112706B2 (en) Electrophotographic photosensitive member, process cartridge, and electrophotographic apparatus
JP5665476B2 (ja) 画像形成方法
JP2005321431A (ja) 画像形成方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080108

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080108

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090930

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091006

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091207

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20100316