JP6753280B2 - 電子写真感光体 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真感光体(以下。単に感光体ともいう)に関する。
電子写真の作像プロセスにおける帯電方法として、ローラ等を使用した接触式の帯電方法(以下、ローラ帯電システムともいう)が用いられる。ローラ帯電システムは、ワイヤー等を使用した帯電方式(スコロトロン帯電システム)と比較して、低エネルギーでの帯電や均一帯電が可能であり、多く採用されている帯電方式である。
従来、ローラ帯電システムを搭載する場合は、特許文献1、2にあるように紫外線硬化樹脂と反応可能な電荷輸送剤とを反応硬化させて電気特性と強度の両立を試みている。
電気特性と強度の両立を試みる場合、さらに最表面層に導電性粒子(導電性フィラー)を添加する検討が多くなされている。ローラ帯電時の放電においては、導電性フィラーは放電の接地点となり放電による劣化箇所となり得る。放電時の劣化箇所を減少させるために、粉体抵抗値が低く粒子径の大きな導電性粒子を添加することで、最表面層中の導電性粒子の体積を確保しつつ、放電劣化箇所を低減することができる。粒子径の大きな導電性粒子(大粒径導電性粒子ともいう)を使用することで、耐摩耗性は得られるが、潜像のドット径が散り易く、繊細な画像を得る事が困難となる。
大粒径導電性粒子を使用した最表面層としては、特許文献3に挙げられる例があるが、帯電方式がスコロトロン方式であり、耐摩耗性とメモリの改善は可能であるが、潜像の鮮鋭さに関しては記述が無い。また、同様に特許文献4にも大粒径導電性粒子を最表面層に使用しているが、特に潜像に関する記載はされていない。
特開2014−199391号公報 特開2015−099354号公報 特開平6−295086号公報 特開2014−186192号公報
すなわち、特許文献1〜4に記載の技術では、最表面層に大粒径導電性粒子を使用することで、耐摩耗性は得られるが、潜像のドット径が散り易く、繊細な画像を得る事が困難であるという問題があった。
そこで、本発明は、ローラ帯電システムを搭載する場合において、ローラ帯電時における放電劣化を抑制し、耐摩耗性に優れかつ良好な画像を作像できる電子写真感光体を提供することを目的とする。
本発明者等は上記課題を解決すべく、鋭意研究を積み重ねた。その結果、感光体の最表面を構成する層に、無機粒子にアルミニウムがドープされた酸化スズにて被覆された、所定の一次粒径を有する複合構造粒子を含有させることにより、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明の上記目的は、以下のような構成により達成される。
(1) 導電性支持体上に電荷発生層、電荷輸送層がこの順に積層された電子写真感光体において、
前記電子写真感光体の最表面を構成する層が、芯材が無機粒子であり、前記無機粒子にアルミニウムがドープされた酸化スズにて被覆された複合構造粒子を含有し、
前記複合構造粒子の一次粒子の平均粒径が、50〜200nmであることを特徴とする電子写真感光体。
(2) 前記無機粒子が、BaSO、SiO、Alのいずれかであることを特徴とする上記(1)に記載の電子写真感光体。
(3) 前記無機粒子を被覆するアルミニウムがドープされた酸化スズは、酸化スズ100質量部に対するAlのドープ量が0.05〜1質量部の範囲であり、前記複合構造粒子の体積抵抗率が10〜10Ωcmであることを特徴とする上記(1)または(2)に記載の電子写真感光体。
(4) 前記複合構造粒子が、表面処理していない複合構造粒子100質量部に対して0.5〜10質量部の範囲内の重合性の反応基を有する表面処理剤で表面処理されてなり、
前記表面処理剤がアクリロイルまたはメタクリロイル基を含有するシランカップリング剤であることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれか1つに記載の電子写真感光体。
(5) 前記複合構造粒子が、複合構造粒子100質量部に対して1〜10質量部の範囲内のフッ素樹脂で被覆されてなることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれか1つに記載の電子写真感光体。
(6) 前記電子写真感光体の最表面を構成する層が、さらに樹脂バインダを含有し、
前記複合構造粒子の含有量が、前記樹脂バインダ100質量部に対して、50〜250質量部の範囲であることを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれか1つに記載の電子写真感光体。
(7) 前記樹脂バインダは、重合性化合物の重合硬化物であることを特徴とする上記(6)に記載の電子写真感光体。
(8) 上記(1)〜(7)のいずれか1つに記載の電子写真感光体と、
前記電子写真感光体の表面を帯電させるための帯電手段と、
帯電した前記電子写真感光体の表面に光を照射して静電潜像を形成するための露光手段と、
静電潜像が形成された前記電子写真感光体にトナーを供給してトナー像を形成するための現像手段と、
前記電子写真感光体の表面の前記トナー像を記録媒体に転写するための転写手段と、
を有する、画像形成装置であって、
前記帯電手段は、前記電子写真感光体の表面に近接(接触する形態を含む)して、帯電電圧を印加するための近接帯電方式の帯電手段(上記ローラー帯電システム)であることを特徴とする画像形成装置。
本発明によれば、放電時の感光体の放電劣化を抑制し、耐摩耗性に優れ、かつ良好な画像を作像できる感光体を提供することができる。
本発明の画像形成装置の構成の一例を示す説明用断面図である。 本発明の画像形成装置を構成する電子写真感光体の層構成の一例を示す部分断面図である。 図1に示す画像形成装置における帯電ローラの構成の一例を示す説明用断面図である。 本発明の画像形成装置を構成する電子写真感光体の最表面を構成する層に含有される複合構造粒子の構成及びその製造過程の粒子構造の一例を示す説明用断面図である。図4(a)は、複合構造粒子の製造過程で準備される無機粒子構造の一例を示す説明用断面図である。図4(b)は、図4(a)の無機粒子にアルミニウムがドープされた酸化スズにて被覆された複合構造粒子の構造の一例を示す説明用断面図である。図4(c)は、図4(b)の複合構造粒子が、表面処理剤で表面処理されてなる複合構造粒子の構造の一例を示す説明用断面図である。図4(d)は、図4(c)の表面処理剤で表面処理された複合構造粒子が、フッ素樹脂で被覆されてなる複合構造粒子の構造の一例を示す説明用断面図である。
以下、本発明について具体的に説明する。
〔画像形成装置〕
本発明の一実施形態の画像形成装置は、以下に示す構成を有する電子写真感光体と、
前記電子写真感光体の表面を帯電させるための帯電手段と、
帯電した前記電子写真感光体の表面に光を照射して静電潜像を形成するための露光手段と、
静電潜像が形成された前記電子写真感光体にトナーを供給してトナー像を形成するための現像手段と、
前記電子写真感光体の表面の前記トナー像を記録媒体に転写するための転写手段と、
を有する、画像形成装置であって、
前記帯電手段は、前記電子写真感光体の表面に近接(接触する形態を含む)して、帯電電圧を印加するための近接帯電方式の帯電手段(上記ローラ帯電システム)であることを特徴とするものである。かかる構成を有することにより、放電時の感光体の放電劣化を抑制し、耐摩耗性に優れ、かつ良好な画像を作像できる点で優れている。
本発明の画像形成装置においては、電子写真感光体の表面を負帯電させる近接帯電方式の帯電手段(ローラ帯電システム)が用いられる。このような近接帯電方式の帯電手段(ローラ帯電システム)を有する画像形成装置においては、当該帯電手段である帯電ローラが感光体に接触して設けられる構成であっても、近接して設けられる構成であってもよい。
図1は、本発明の画像形成装置の構成の一例を示す説明用断面図である。図1に示す画像形成装置では、静電潜像担持体であるドラム状の感光体10と、トナーと同極性のコロナ放電などによって当該感光体10の表面を一様に負帯電させる帯電ローラ11およびこれを清掃する清掃ローラ15を備える近接帯電方式の帯電手段と、一様に帯電された感光体10の表面上にポリゴンミラーなどによって画像データに基づいて像露光を行うことにより静電潜像を形成させる露光手段12と、回転される現像スリーブ13aを備え、これの上に保持されたトナーを感光体10の表面に搬送して前記静電潜像を顕像化してトナー像を形成する現像手段13と、当該トナー像を必要に応じて転写材Pに転写する転写手段14と、転写材P上のトナー像を定着させる定着手段17と、感光体10上の残留トナーを除去するクリーニングブレード18aを有するクリーニング手段18とを有するものである。
〔電子写真感光体〕
本発明の一実施形態の電子写真感光体は、導電性支持体上に電荷発生層、電荷輸送層がこの順に積層された電子写真感光体において、
前記電子写真感光体の最表面を構成する層が、芯材が無機粒子であり、前記無機粒子にアルミニウムがドープされた酸化スズにて被覆された複合構造粒子を含有し、
前記複合構造粒子の一次粒子の平均粒径が、50〜200nmであることを特徴とするものである。このような構成とすることにより、放電時の感光体の放電劣化を抑制し、耐摩耗性に優れ、かつ良好な画像を作像できる感光体を提供できる。
本発明では、放電劣化に強く、耐摩耗性に優れ、良好な画質を作像できる感光体を提供できることにある。なぜ、本発明の電子写真感光体により、このような効果が得られるのか、その発現機構や作用機構(メカニズム)については、明確にはなっていないが、以下のように推察している。
本発明の感光体では、その最表面層において、機械的強度を付与するための無機粒子を含有するものであるが、放電に対して耐性を持たせる為に、樹脂バインダ(好ましくは光重合反応を用いた重合硬化物)と、機械的強度を付与するための無機粒子とを含有するのが好ましい。無機粒子は同時に電気特性を担う必要があり、導電性を有する必要がある。無機粒子に導電性を付与させるために、無機粒子を芯材とし、この無機粒子を酸化スズにて被覆した複合構造粒子の形態で含有させている。
上記無機粒子への導電性の付与として、コアシェル構造を取ることが好ましいと考えられる。電荷は導電性粒子内も含め粒子全体で保持される為に、導電性粒子内部に存在する負電荷を正電荷はキャンセルすることができない。この為、導電性粒子内でも導電性粒子表面部に負電荷が存在することが好ましい。この為、コア部は可能な限り絶縁性が良く、シェル部に導電性が付与されると好ましい導電性粒子の構成となる。
また、粒子を含有する感光体の最表面層において、電気特性を維持し、放電点を減少させるためには、粒子径の大きな粒子をいれ、放電点箇所を減少させることができる。ただし、この場合、個数が減少する為、電気特性を維持するためには、導電性粒子の粉体抵抗を下げて、最表面層としての抵抗を下げる必要がある。しかしながら、こういった性質の最表面層では、潜像形成時にドットが散り易く、繊細な画像を形成することができない。
この課題を解決するためには、導電性を有する無機粒子表面の体積抵抗率を調整する必要がある。体積抵抗率の調整には、無機粒子を被覆する材料として酸化スズが有用であり、無機粒子を被覆する酸化スズの体積抵抗率を更に調整する手段として酸化スズにアルミニウムをドープすることが有用かつ調整可能であることを見出したものである。
なお、抵抗(体積抵抗率)をドーパントにて調整する方法としては、スズに対して価数の異なる元素を添加することで調整できる。また、ドーパントとしてもアンチモンやタンタル等が挙げられるが、アンチモンをドーピングした場合では、形成された最表面層がドーパントの影響で青黒くなる場合があり、所望の透明性を有する塗布膜が形成できない可能性がある。感光体表面(最表面層)に適した抵抗値に制御する為には、酸化スズの抵抗を高めにする必要があり、酸化スズの高抵抗化には、3価のアルミニウムが適していることを知得したものである。アンチモンもドーパントとしては優れているが、5価であるために、酸化スズを低抵抗化する方向にあり、感光体用途への抵抗調整が困難となることも分かった。またアンチモンに起因する環境負荷やコストの観点からも推奨されるものではないといえる。感光体特性としての電気特性を発現する体積抵抗率の調整の容易性の観点から、安価で取り扱い易いアルミニウムが有用であることを見出したものである。このように、感光体の最表面層において、芯材の無機粒子が、Alがドーピングされた酸化スズで被覆されることで、放電に耐性のある複合構造粒子となり、この粒子を含有することで、ローラ帯電時における放電劣化を抑制し、耐摩耗性に優れ、かつ良好な画像を作像できると考えられる。なお、上記発現機構ないし作用機構は推測によるものであり、本発明は上記発現機構ないし作用機構に何ら限定されるものではない。
以下、本発明の電子写真感光体の構成について説明する。
本発明の層構成を有する電子写真感光体としては、例えば、図2に示されるように、導電性支持体10a上に、中間層10b、電荷発生層10c、電荷輸送層10dおよび最表面層10eがこの順に積層されて感光体10が形成されてなる。電荷発生層10cおよび電荷輸送層10dから感光体の構成に必要不可欠な感光層10fが構成されている。最表面層10e中には、芯材が無機粒子であり、前記無機粒子にアルミニウムがドープされた酸化スズにて被覆された複合構造粒子(一次粒子の平均粒径50〜200nm)が含有されている。
〔最表面層〕
本発明の電子写真感光体の最表面を構成する層(最表面層ともいう)は、芯材が無機粒子であり、前記無機粒子にアルミニウム(Al)がドープされた酸化スズにて被覆されてなる複合構造粒子(一次粒子の平均粒径50〜200nm)を含有するものである。好ましくは前記最表面層が、さらに樹脂バインダを含有し、前記複合構造粒子の含有量が、前記樹脂バインダ100質量部に対して、50〜250質量部の範囲内である。以下、最表面層の各構成要素(構成成分)につき説明する。
<複合構造粒子>
電子写真感光体の最表面を構成する層に含まれる複合構造粒子は、芯材が無機粒子であり、前記無機粒子にアルミニウム(Al)がドープされた酸化スズにて被覆されてなるものである。
(芯材;無機粒子)
前記複合構造粒子を構成する芯材は、無機粒子である。芯材に無機粒子を用いることにより、最表面層に機械的強度を付与し、表面硬度を高めることができ、最表面層の耐摩耗性や耐傷性が向上する。更に、最表面層の表面における残留電位の上昇や画像メモリの発生を抑制することができるものが好ましい。加えて、該無機粒子は比誘電率が小さく、静電特性の観点から、最表面層の帯電性を確保することができるという利点を有するものが好ましい。さらに、比重が小さく、塗布液中で沈降せず、最表面層の製造安定性を向上させることができるものが好ましい。前記無機粒子としては、上記したように機械的強度を付与する等の観点から、例えば、硫酸バリウム(BaSO)、二酸化ケイ素(シリカ;SiO)、酸化アルミニウム(アルミナ;Al)、酸化チタン(チタニア;TiO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化銅(CuO)、酸化セリウム(セリア;CeO)等が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。また、これら無機粒子は、市販品を用いてもよいし合成品を用いてもよい。好ましくは、以下に説明するようなものが好ましい。即ち、複合構造粒子は、n型導電性を示す導電性粒子である。n型の導電性粒子内部の負電荷を正電荷はキャンセルすることができない。この為に、導電性粒子上の電荷は導電性粒子表面で担持する必要がある。この為、複合構造粒子に用いられる芯材は導電性を有しない無機粒子が好ましく、かつ最表面層成膜後の透明性の観点から、BaSO、SiO、Alが好ましい。ここでいう「導電性を有しない」とは、抵抗率が、例えば、1012Ωcm以上であることを言う。なお、芯材である無機粒子の抵抗率は、後述する複合構造粒子の体積抵抗率と同様にして測定することができる。
(無機粒子の一次粒子の平均粒径)
前記芯材である無機粒子の一次粒子の平均粒径は、上記したように機械的強度を付与し、更に電気特性を維持し、放電点を減少させるために粒子径の大きな粒子をいれ、放電点箇所を減少させるという観点から、好ましくは30〜200nm、より好ましくは50〜200nm、さらに好ましくは50〜180nm、特に好ましくは80〜150nmの範囲である。30nm以上、好ましくは50nm以上であれば、感光体の最表面層中に含有される無機粒子の量が多くなりすぎることもなく(樹脂バインダ100質量部に対して無機粒子を芯材とする複合構造粒子50〜250質量部の範囲において)、放電点箇所を減少させることができる。この為、放電に対して十分な膜強度が付与することができる点で優れている。無機粒子の一次粒子の平均粒径が200nm以下、好ましくは180nm以下であれば、感光体の最表面層中の無機粒子の含有量が少なくなりすぎることもなく、感光体としての電気特性を十分に満足することができる点で優れている。なお、該一次粒子の平均粒径(平均一次粒子径)は、レーザー回析法による粒子の体積基準粒子径測定により測定することができる。なお、他の粒子、例えば、複合構造粒子等の一次粒子の平均粒径(平均一次粒子径)も、上記と同様にして測定することができる。
(複合構造粒子全量に対する無機粒子の含有量)
無機粒子の含有量は、複合構造粒子全量に対して、20〜90質量%であることが好ましく、30〜70質量%であることがより好ましい。この範囲であれば、本発明の効果をより効率的に得ることができる。なお、ここでいう「複合構造粒子」は、感光体の最表面層に含有されてなる形態を指すものとする。例えば、後述する表面処理及び/又はフッ素樹脂被覆がなされた場合には、表面処理及び/又はフッ素樹脂被覆された複合構造粒子が対象となる。また、これらの表面処理及び/又はフッ素樹脂被覆がなされていない場合には、表面処理及び/又はフッ素樹脂被覆がなされていない複合構造粒子が対象となる。
(無機粒子に被覆されてなるアルミニウムがドープされた酸化スズ)
前記複合構造粒子を構成する無機粒子(芯材)に被覆されてなるアルミニウムがドープされた酸化スズ(以下、単に「Alドープ酸化スズ」ともいう)は、無機粒子(芯材)を放電に耐性のある複合構造粒子とすることができ、この粒子を含有することで、ローラ帯電時における放電劣化を抑制し、耐摩耗性に優れ、かつ良好な画像を作像できるものである。
(アルミニウムのドープ量)
前記無機粒子を被覆するAlドープ酸化スズは、酸化スズ100質量部に対するアルミニウム(Al)のドープ量が、例えば0.05〜1質量部、好ましくは0.05〜0.5質量部の範囲である。Alのドープ量を上記範囲とすることによって、感光体として必要とされる電気特性を満たすことができる。Alのドープ量が0.05質量部以上であれば、複合構造粒子の体積抵抗率が低くなりすぎることもなく、電荷を保持することができる点で優れている。一方でAlのドープ量が1質量部以下であれば、複合構造粒子の体積抵抗率が高くなりすぎることもなく、電荷を良好(スムーズ)に通過させることができ、露光後の必要な電位を十分に得ることができる点で優れている。Alドープ酸化スズ中のAlのドープ量は、蛍光X線分析装置等により測定することができる。
(複合構造粒子の形成方法;アルミニウムをドープする方法を含む)
複合構造粒子の形成方法(酸化スズにAlをドープする方法を含む)としては、特に制限されるものではなく、従来公知の方法を適宜利用することができる。例えば、複合構造粒子は、以下の形成方法(1)や形成方法(2)によって製造することができる。
複合構造粒子の形成方法(1)
芯材である無機粒子を媒体中に分散させたスラリーと、スズ源化合物とを混合し、
得られた混合スラリーをpH調整して、前記無機粒子(芯材)の表面にスズを含む沈殿物を生成させて、沈殿物付着粒子を製造し、
前記混合スラリー中に、アルミニウム源化合物を添加して、該アルミニウムを前記沈殿物付着粒子に供給し、
前記沈殿物付着粒子を焼成する工程を有し、
前記無機粒子(芯材)の表面に前記沈殿物を生成させる工程において、前記混合スラリーに対してホモジナイザで剪断力を加えるか、又は前記混合スラリーに超音波を照射する、複合構造粒子の製造方法。
複合構造粒子の形成方法(2)
芯材である無機粒子を媒体中に分散させたスラリーと、スズ源化合物と、アルミニウム源化合物とを混合し、
得られた混合スラリーをpH調整して、前記無機粒子(芯材)の表面にスズ及びアルミニウムを含む共沈物を生成させて、共沈物付着粒子を製造し、
前記共沈物付着粒子を焼成する工程を有し、
前記無機粒子(芯材)の表面に前記共沈物を生成させる工程において、前記混合スラリーに対してホモジナイザで剪断力を加えるか、又は前記混合スラリーに超音波を照射する、複合構造粒子の製造方法。
まず複合構造粒子の形成方法(1)について説明する。本形成方法においては、まず芯材である無機粒子を媒体中に分散させたスラリーと、スズ源化合物とを混合する。スラリー中における水と芯材との配合比率は、水1リットルに対して芯材が、10g以上100g以下であることが好ましく、30g以上80g以下であることが更に好ましい。両者の配合比率がこの範囲内にあると、均一な酸化スズの被覆物又は被覆層が得られ易い。スズ源化合物としては、例えば、水溶性スズ化合物を用いることができる。水溶性スズ化合物としては、芯材の表面にスズを含む沈殿物を付着させることができるものであればよく特に限定されない。例えば、スズ酸ナトリウムや四塩化スズ等を用いることができる。両者の混合によって得られた混合スラリー中における水とスズ源化合物との配合比率は、水に対するスズ源化合物中のSn濃度が、好ましくは1質量%以上20質量%以下、更に好ましくは3質量%以上10質量%以下である。両者の配合比率がこの範囲内にあると、均一な酸化スズの被覆物又は被覆層が得られ易い。
次に、スズ源化合物を添加した混合スラリーのpH調整を行う。pH調整は、酸又は塩基を添加することで行う。このpH調整によってスズ源化合物の中和反応を行う。中和反応を行う方法としては、スラリーに酸性物質や塩基性物質を添加する方法が挙げられる。酸性物質としては、例えば硫酸、硝酸、酢酸等が挙げられる。硫酸を用いる場合には、希硫酸の状態で用いると、均一な酸化スズの被覆物又は被覆層が得られ易い。希硫酸の濃度は、通常10〜50容量%である。塩基性物質としては、例えば水酸化ナトリウム、アンモニア水等が挙げられる。これらのうち、水酸化ナトリウムは濃度を管理し易いので好ましい。スズ源化合物の中和反応によって、前記芯材の表面にスズを含む沈殿物が生成し、沈殿物付着粒子が得られる。中和後の混合スラリーのpHは、好ましくは0.5以上5以下であり、更に好ましくは2以上4以下であり、一層好ましくは2以上3以下である。
混合スラリーのpH調整によってスズ源化合物の中和反応を行い、芯材の表面にスズを含む沈殿物を生成させるときには、混合スラリーに対してホモジナイザで剪断力を加えるか、又は混合スラリーに超音波を照射することが有利である。このような操作を行うことで、アルミニウムの添加に起因する酸化スズの結晶子径の低下を抑制し、耐環境性(耐摩耗性)に優れた複合構造粒子が得られ。混合スラリーに対してホモジナイザで剪断力を加える場合、及び超音波を照射する場合には、循環経路の一部にホモジナイザ又は超音波振動子が設置された反応装置を用い、該循環経路内にスズ源化合物を含む混合スラリーを循環させつつ、ホモジナイザ又は超音波振動子の設置位置に酸性物質又は塩基性物質を添加する方法を採用することが好ましい。あるいは、母液槽内に超音波振動子を設置して、混合スラリーに超音波を直接照射することも好ましい。
ホモジナイザを用いる場合には、撹拌速度は5000rpm以上、特に10000rpm以上であることが好ましい。撹拌速度の上限値に特に制限はなく高ければ高いほど好ましいが、16000rpm程度に高速撹拌すれば、アルミニウムの添加に起因する酸化スズの結晶子径の減少を効果的に抑制し、耐環境性(耐摩耗性)に優れた複合構造粒子が得られる。一方、超音波振動子を用いる場合には、超音波周波数を10kHz以上10MHz以下、特に20kHz以上5MHz以下、とりわけ20kHz以上50kHz以下とし、超音波出力を50W以上20kW以下、特に500W以上4000W以下とすることが好ましい。
循環経路の一部にホモジナイザ又は超音波振動子が設置された反応装置としては、例えば特開2009−255042号公報及び特開2010−137183号公報に記載の装置を用いることができる。
このようにしてスズ源化合物の中和反応を行い、芯材の表面にスズ化合物の沈殿物が付着した粒子(沈殿物付着粒子ともいう)を得る。引き続き混合スラリー中に、アルミニウム源化合物を添加して、アルミニウムを沈殿物付着粒子に供給する。アルミニウム源化合物としては、水溶性化合物を用いることが好ましい。該化合物は水溶液の状態で添加してもよく、あるいは固体の状態で添加し、混合スラリー中で溶解させてもよい。アルミニウム源化合物としては、例えば、塩化アルミニウム(又はその水和物)を用いることができる。
アルミニウム源化合物を混合スラリー中に添加したら、該混合スラリーの撹拌等を行い、アルミニウムを沈殿物付着粒子の表面に付着させる。アルミニウムはそのイオンの状態で付着するか、又は水酸化物やオキシ水酸化物等の沈殿の状態で付着する。付着しにくい場合は酸又はアルカリでpH調整を行い、付着を促進させてもよい。
このようにして、芯材の表面がスズを含む沈殿物で被覆された、複合構造粒子の前駆体である沈殿物付着粒子が得られる。次にこの前駆体を水で洗浄する。洗浄された前駆体を、脱水濾過した後に乾燥させる。
乾燥した前駆体は焼成工程に付される。焼成雰囲気としては還元雰囲気、不活性雰囲気又は酸化雰囲気を用いることができる。還元雰囲気を用いると、比較的低い焼成温度で、目的とする複合構造粒子を得ることができる。一方、不活性雰囲気又は酸化雰囲気を用いた場合には、還元雰囲気を用いた場合よりも焼成温度を高めに設定することが望ましい。特に還元雰囲気を用いると、前記沈殿物中に含まれているアルミニウムとの相互作用に起因してAlドープ酸化スズの結晶子径を容易に望ましい範囲(5〜20nm)に設定し得る。還元雰囲気としては、例えば、爆発限界未満の濃度の水素を含有した窒素雰囲気が挙げられる。水素を含有した窒素雰囲気における水素の濃度は、爆発限界未満の濃度である好ましくは0.1体積%以上10体積%以下、更に好ましくは1体積%以上3体積%以下である。水素の濃度がこの範囲内にあると、スズを金属に還元させることなく、アルミニウムの添加に起因する酸化スズの結晶子径の減少を効果的に抑制し、耐環境性(耐摩耗性)に優れた複合構造粒子が得られる。なお、Alドープ酸化スズの結晶子径は、次の方法で測定される。すなわち、X線回折装置Ultima IV(株式会社リガク製)を用いてXRD測定を行う(条件:X−ray CuKα、40kV、50mA、測定範囲20°≦2θ≦100°、線源:CuKα、走査軸:2θ/θ、測定方法:FT、係数単位:Counts、ステップ幅:0.01°、係数時間:10秒、発散スリット:2/3°、発散縦制限スリット:10mm、散乱スリット:2/3°、受光スリット:0.3mm、モノクロ受光スリット:0.8mm)続いて、リガク製の解析ソフトウェアPDXLを用いて測定データを読み込み(SnOのICDDカード:00−046−1088を使用)、精密化した後にHalder−Wagner法により結晶子径の算出を行うことができる(外部標準試料による幅補正を行い、解析対象は結晶子径と格子歪とした)。
焼成温度は、還元雰囲気を用いる場合には、好ましくは400℃超1200℃以下であり、更に好ましくは500℃以上900℃以下である。不活性雰囲気又は酸化雰囲気を用いる場合には、この温度よりも150℃以上高い焼成温度を採用することが好ましい。焼成時間は、焼成温度が前記の範囲内であることを条件として、好ましくは5分以上60分以下であり、更に好ましくは10分以上30分以下である。焼成条件が、これらの範囲内にあると、酸化スズの焼結を防止しつつ、アルミニウムの添加に起因する酸化スズの結晶子径の減少を効果的に抑制し、耐環境性(耐摩耗性)に優れた複合構造粒子が得られる。
次に複合構造粒子の形成方法(2)について説明する。本形成方法においては、芯材である無機粒子を媒体中に分散させたスラリーと、スズ源化合物と、アルミニウム源化合物との三者を混合する点が形成方法(1)と相違する。これら三者を混合して混合スラリーのpHを調整することで、芯材の表面に、スズ及びアルミニウムを含む共沈物が生成し、共沈物付着粒子が得られる。そして、この共沈物を生成させる工程において、混合スラリーに対してホモジナイザで剪断力を加えるか、又は前記混合スラリーに超音波を照射する。得られた共沈物付着粒子は、形成方法(1)の場合と同様に、焼成を行う。このようにして、目的とする複合構造粒子が得られる。
(Alドープ酸化スズによる被覆形態)
Alドープ酸化スズによる被覆は、また、本発明の効果を損なわない範囲において、(1)芯材である無機材料の表面が全く露出しないように該表面を満遍なく連続して被覆していてもよいし、(2)芯材である無機材料の表面が一部露出するように該表面を不連続に被覆していてもよい。通常は、後述する図4(b)に示すように、後者の形態である。これは、粒子状(ないし円盤状)のAlドープ酸化スズ同士が接触する形で無機材料の表面を被覆することから、無機材料の表面が一部露出している部分を有するものである。
(Alドープ酸化スズの厚みに代わる含有量)
Alドープ酸化スズの被覆物(上記(2)の不連続被覆の場合)又は被覆層(上記(1)の連続被覆の場合)の厚みは、該被覆物又は被覆層の導電性が十分に発現する程度であれば、過度に厚くする必要はない。被覆物又は被覆層の厚みを酸化スズの量に換算して表すと、Alドープ酸化スズの含有量は、複合構造粒子全量に対して、30〜70質量%であることが好ましく、40〜60質量%であることがより好ましい。この範囲であれば、本発明の効果をより効率的に得ることができる。複合構造粒子のスズ、アルミニウムの量は、複合構造粒子の上記被覆物又は被覆層を酸で溶解させて得られる溶液について、ICP発光分光測定器で測定することによって求めることができる。なお、ここでいう「複合構造粒子」は、感光体の最表面層に含有されてなる形態を指すものとする。例えば、後述する表面処理及び/又はフッ素樹脂被覆がなされた場合には、表面処理及び/又はフッ素樹脂被覆された複合構造粒子が対象となる。また、これらの表面処理及び/又はフッ素樹脂被覆がなされていない場合には、表面処理及び/又はフッ素樹脂被覆がなされていない複合構造粒子が対象となる。
(複合構造粒子の一次粒子の平均粒径)
前記複合構造粒子の一次粒子の平均粒径は、上記したように機械的強度を付与し、更に電気特性を維持し、放電点を減少させるために粒子径の大きな粒子をいれ、放電点箇所を減少させるという観点から、50〜200nm、好ましくは80〜150nm、より好ましくは100〜120nmの範囲である。複合構造粒子の一次粒子の平均粒径が50nm未満になると、感光体の最表面層中に含有される複合構造粒子の量が多く存在し、(樹脂バインダ100質量部に対して複合構造粒子50〜250質量部の範囲において)、放電点が多く存在することになる。この為、放電に対して膜(最表面層)強度が劣化することになる。複合構造粒子の一次粒子の平均粒径が200nmを超えると、最表面層中の複合構造粒子の含有量が少なくなり、感光体としての電気特性を満足することができなくなる。なお、該一次粒子の平均粒径(平均一次粒子径)は、レーザー回析法による粒子の体積基準粒子径測定により測定することができる。該一次粒子の平均粒径(平均一次粒子径)の測定は、表面処理及び/又はフッ素樹脂被覆の有無に関わらず、これら表面処理及び/又はフッ素樹脂被覆を施していない状態の複合構造粒子につき測定を行うものとする。
感光体の最表面層を分析して、無機粒子の一次粒子の平均粒径(数平均一次粒径)を算出する場合には、以下により算出することができる。感光体の最表面層の切断面を走査型電子顕微鏡(日本電子株式会社製)により10000倍の拡大写真を撮影し、ランダムに300個の複合構造粒子をスキャナーにより取り込んだ写真画像(凝集粒子は除く)を自動画像処理解析装置 LUZEX AP(株式会社ニレコ製)、およびソフトウエアバージョン Ver.1.32を使用して算出することができる。この場合にも、該一次粒子の平均粒径(数平均一次粒径)の測定は、表面処理及び/又はフッ素樹脂被覆の有無に関わらず、これら表面処理及び/又はフッ素樹脂被覆による処理膜乃至被覆膜(有機物)部分を含まない複合構造粒子(無機物)につき測定を行うものとする。
(複合構造粒子の体積抵抗率)
複合構造粒子の体積抵抗率は、25℃において、例えば10〜10Ωcm、好ましくは1.0×10〜9.9×10Ωcm、より好ましくは1.0×10〜9.9×10Ωcmの範囲である。体積抵抗率を上記範囲とすることによって、感光体として必要とされる電気特性を満たすことができる。体積抵抗率が10Ωcm以上であれば、複合構造粒子の膜(無機粒子を被覆したAlドープ酸化スズ)の表面抵抗が低くなりすぎることもなく、十分な電荷を保持することができる点で優れている。一方で体積抵抗率を10Ωcm以下とすることで、複合構造粒子の表面抵抗が高くなりすぎることもなく、電荷を良好に通過させることができ、露光後の必要な電位を得ることができる点で優れている。体積抵抗率の測定は、例えば、圧粉抵抗測定システム(三菱化学PD−41)と抵抗率測定器(三菱化学MCP−T600)を用いて行う。試料(複合構造粒子)15gをプローブシリンダへ投入し、プローブユニットをPD−41へセットする。油圧ジャッキによって500kgf/cmの圧力を印加したときの抵抗値を、MCP−T600を用いて測定する。測定した抵抗値と試料厚みから、圧粉抵抗(体積抵抗率)を算出する。測定のタイミングとしては、感光体の最表面層に含有される複合構造粒子の形態について行えばよい。例えば、表面処理及び/又はフッ素樹脂被覆を行わない場合には、これらの処理を行っていない複合構造粒子形成後に測定を行えばよい。また複合構造粒子形成後に表面処理(シランカップリング剤処理)及び/又はフッ素樹脂被覆を行う場合には、表面処理(シランカップリング剤処理)及び/又はフッ素樹脂被覆後に測定を行えばよい。測定方法はどちらの形態であっても変わらずに行うことができる。
(複合構造粒子の含有量)
感光体の最表面を構成する層(最表面層)が、前記複合構造粒子に加え、更に樹脂バインダを含有する場合、当該複合構造粒子の含有量は、樹脂バインダ100質量部に対して、50〜250質量部の範囲であることが好ましく、70〜200質量部の範囲であることがより好ましい。この範囲であれば、本発明の効果をより効率的に得ることができる。樹脂バインダに対して複合構造粒子が50質量部以上であれば、放電に対して十分な耐性が得られる。更に最表面層中の電荷の経路となる導電性部(=複合構造粒子)の存在が少なくなりすぎることもなく、電荷の通過性が悪化するのを効果的に防止することができ、露光後に必要な電位を得ることができる。一方、250質量部以下であれば、複合構造粒子が最表面層中に多く存在しすぎることもなく、放電時の放電点の個数の増大を抑制し、放電に対する耐性の低下を効果的に防止することができる。なお、ここでいう「複合構造粒子」は、感光体の最表面層に含有されてなる形態を指すものとする。例えば、後述する表面処理及び/又はフッ素樹脂被覆がなされた場合には、表面処理及び/又はフッ素樹脂被覆された複合構造粒子が対象となる。また、これらの表面処理及び/又はフッ素樹脂被覆がなされていない場合には、表面処理及び/又はフッ素樹脂被覆がなされていない複合構造粒子が対象となる。
(表面処理剤で表面処理された複合構造粒子)
前記複合構造粒子は、分散性の観点から表面処理剤で表面処理されたものであることが好ましく、さらに反応性有機基を有する表面処理剤で表面処理されたものであることがより好ましい。
表面処理剤としては、処理前の複合構造粒子の表面に存在するヒドロキシ基などと反応する表面処理剤を用いることが好ましく、これらの表面処理剤としては、シランカップリング剤、チタンカップリング剤などが挙げられる。
また、本発明においては、感光体の最表面層の硬度をさらに高める目的で、反応性有機基を有する表面処理剤を用いることが好ましく、反応性有機基が重合性の反応基であるものを用いることがより好ましい。重合性の反応基を有する表面処理剤を用いることにより、樹脂バインダが下記の重合性化合物の重合硬化物(硬化樹脂)である場合に当該重合性化合物とも反応するために強固な保護膜を形成することができる。
重合性の反応基を有する表面処理剤としては、アクリロイル基またはメタクリロイル基を有するシランカップリング剤が好ましい。アクリロイルまたはメタクリロイル基を含有する表面処理剤で表面処理を施すことで、樹脂バインダと表面処理剤を介して、複合構造粒子が共有結合にて結合し、強固な最表面層を形成することができる。このような重合性の反応基を有する表面処理剤としては、下記に記すような公知の化合物が例示される。
アクリロイル基またはメタクリロイル基を有するシランカップリング剤としては、下記に記すような化合物が例示される。
表面処理剤としては、上記化学式S1からS27以外にも、重合反応を行うことができる反応性有機基を有するシラン化合物を用いることができる。これらの表面処理剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。また、こうした表面処理剤は、合成品を用いてもよいし、市販品を用いてもよい。市販品としては、例えば、信越化学工業株式会社製のシランカップリング剤KBM−502、KBM−503、KMB−5103、KBE−503等が挙げられるが、これらに制限されるものではない。
表面処理剤の使用量は、特に制限されないが、処理前の複合構造粒子100質量部に対して0.1〜100質量部であることが好ましい。即ち、前記複合構造粒子は、処理前の複合構造粒子100質量部に対して0.1〜100質量部の範囲の表面処理剤で表面処理(表面処理膜形成)されているのが好ましいといえる。さらに、前記複合構造粒子は、処理前の複合構造粒子100質量部に対して0.5〜10質量部の範囲の重合性の反応基を有する表面処理剤で表面処理(表面処理膜形成)されているのがより好ましい。この範囲であれば、本発明の効果をより効率的に得ることができる。重合性の反応基を有する表面処理剤が処理前の複合構造粒子100質量部に対して0.5質量部以上であれば、硬化時に樹脂バインダと複合構造粒子との間に架橋構造を形成することができ好ましい。一方、重合性の反応基を有する表面処理剤が処理前の複合構造粒子100質量部に対して10質量部以下であれば、余剰な表面処理剤が表面層中に残存せず、画質に影響を与えることがなく好ましい。なお、「処理前の複合構造粒子」とは、表面処理剤やフッ素樹脂等による表面処理や被覆を行っていない状態の複合構造粒子をいう。また、シランカップリング剤(表面処理剤)やフッ素樹脂およびその使用量(シランカップリング剤やフッ素樹脂由来の表面処理膜やフッ素樹脂膜の含有量)は、感光体の最表面層を剥離し、X線光電子分光法を用いて分析することができる。
〔複合構造粒子の表面処理剤による表面処理方法〕
複合構造粒子の表面処理は、具体的には、処理前の複合構造粒子と表面処理剤とを含むスラリー(固体粒子の懸濁液)を湿式粉砕することにより、複合構造粒子を微細化すると同時に粒子の表面処理を進行させ、その後、溶媒を除去して粉体化することによって行うことができる。
スラリーは、処理前の複合構造粒子100質量部に対し、表面処理剤0.1〜100質量部、溶媒50〜5000質量部の割合で混合されたものであることが好ましい。
また、スラリーの湿式粉砕に用いる装置としては、湿式メディア分散型装置が挙げられる。湿式メディア分散型装置とは、容器内にメディアとしてビーズを充填し、さらに回転軸と垂直に取り付けられた撹拌ディスクを高速回転させることにより、P型半導体粒子の凝集粒子を砕いて粉砕・分散する工程を有する装置であり、その構成としては、複合構造粒子に表面処理を行う際に複合構造粒子を十分に分散させ、かつ表面処理できる形式であれば問題なく、例えば、縦型・横型、連続式・回分式など、種々の様式のものを用いることができる。具体的には、サンドミル、ウルトラビスコミル、パールミル、グレンミル、ダイノミル、アジテータミル、ダイナミックミルなどを使用することができる。これらの分散型装置は、ボール、ビーズなどの粉砕媒体(メディア)を使用して衝撃圧壊、摩擦、剪断、ズリ応力などによって微粉砕および分散が行われる。
湿式メディア分散型装置で用いるビーズとしては、ガラス、アルミナ、ジルコン、ジルコニア、スチール、フリント石などを原材料としたボールを用いることができるが、特にジルコニア製やジルコン製やアルミナ製のものを用いることが好ましい。また、ビーズの大きさとしては、通常、直径1〜2mm程度のものを使用するが、本発明では0.1〜1.0mm程度のものを用いることが好ましい。
湿式メディア分散型装置に使用するディスクや容器内壁には、ステンレス製、ナイロン製、セラミック製など種々の素材のものを使用することができるが、本発明では特にジルコニアまたはシリコンカーバイドといったセラミック製のディスクや容器内壁であることが好ましい。
(フッ素樹脂で被覆された複合構造粒子)
前記複合構造粒子は、フッ素樹脂で被覆されたものであることが好ましく、さらに前記表面処理剤で表面処理後に、フッ素樹脂で被覆されたものであることがより好ましい。フッ素樹脂にて複合構造粒子を被覆することの効果として、絶縁性の高いフッ素樹脂を施すことで、複合構造粒子(導電性粒子)の放電に対する耐性を向上させることができ、複合構造粒子の放電劣化による親水化を抑制することができる。親水化の抑制は、放電耐性の向上だけでなく、電荷の保持性向上にも寄与し、高温高湿下での細線特性の向上にも寄与し得るものである。
フッ素樹脂としては、特に制限されるものではなく、従来公知のものを用いることができる。例えば、特開2002−146271号公報に記載のフルオロ脂肪族基含有不飽和エステルモノマーおよび不飽和シランモノマーを含むモノマーを共重合させた共重合体の形態(フッ素樹脂の形態)で用いてもよいし、当該共重合体を含むコーティング組成物の形態(コーティング剤の形態)で用いてもよい。或いは、特開2013−028807号公報に記載のフルオロアルキル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸コポリマーの形態(フッ素樹脂の形態)で用いてもよいし、当該コポリマーと、部分的にフッ素化された溶媒とを含むコーティング組成物の形態(コーティング剤の形態)で用いてもよい。この際、前記フルオロアルキル基は6個以下の炭素原子を有するものであり、そして前記フルオロアルキル基がペルフルオロアルキル基である場合には前記コポリマーは5重量%以下の(メタ)アクリル酸を含むもの等を用いることができる。これらのフッ素樹脂或いはコーティング剤の形態に含まれるフッ素樹脂としては、フルオロアルキル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸コポリマーのように、フッ素化メタクリル酸ポリマーセグメントを含むものが好ましい。これは、フッ素樹脂がフッ素化メタクリル酸ポリマーセグメントを含むことで、上記した複合構造粒子のフッ素樹脂による被覆効果をより一層向上し得るためである。ただし、本発明で用いられるフッ素樹脂(コーティング剤の形態を含む)は、上記したものに何ら制限されるものではない。こうしたフッ素樹脂(コーティング剤の形態を含む)は、合成品を用いてもよいし、市販品を用いてもよい。市販品としては、例えば、3M社製のフッ素系コーティング剤Novec(登録商標)2702、Novec1700、Novec1720等が挙げられるが、これらに制限されるものではない。フッ素系コーティング剤Novec(登録商標)2702等のフッ素樹脂(コーティング剤)は、上記したようにフッ素樹脂以外に溶媒を含むものであるが、実施例で示すように複合構造粒子とフッ素樹脂(Novec(登録商標)2702等)とを混合(=乾燥、溶媒除去もなされる)することで、複合構造粒子にフッ素樹脂を被覆(フッ素樹脂膜形成)することができるものである。
フッ素樹脂(コーティング剤の形態を含む)の使用量は、特に制限されないが、処理前の複合構造粒子100質量部に対して0.1〜100質量部の範囲が好ましく、1〜10質量部の範囲がより好ましい。即ち、前記複合構造粒子は、処理前の複合構造粒子100質量部に対して、好ましくは0.1〜100質量部の範囲、より好ましくは1〜10質量部の範囲のフッ素樹脂で被覆(フッ素樹脂膜形成)されているのが好ましいといえる。この範囲であれば、本発明の効果をより効率的に得ることができる。フッ素樹脂が「処理前の複合構造粒子」100質量部に対して1質量部以上であれば、複合構造粒子の表面被覆性が十分に得られ、放電時の複合構造粒子表面の親水化を抑制することができる。そのため、高温高湿環境下でも、電荷の保持が十分にでき良好な画像を形成することができる。また、10質量部以下であれば、複合構造粒子への被覆性が十分に得られ、絶縁性の高いフッ素樹脂による電荷の通過性の悪化を効果的に抑制することができる。そのため、感光体露光後に必要な電位を十分に得ることができ良好な画像を形成することができる。なお、「処理前の複合構造粒子」とは、表面処理剤やフッ素樹脂等による表面処理や被覆を行っていない状態の複合構造粒子をいう。
〔複合構造粒子のフッ素樹脂による表面処理方法〕
複合構造粒子のフッ素樹脂による表面処理としては、特に制限されるものではなく、従来公知の方法を用いることができる。例えば、特開2002−146271号公報に記載のコーティング組成物(フッ素樹脂の形態やコーティング剤の形態で)の塗布方法(コーティング方法)を用いてもよいし、特開2013−028807号公報に記載のコーティング組成物(フッ素樹脂の形態やコーティング剤の形態で)のコーティング方法を用いてもよい。
〔複合構造粒子の構成〕
図4は、本発明の画像形成装置を構成する電子写真感光体の最表面を構成する層に含有される複合構造粒子の構成及びその製造過程の粒子構造の一例を示す説明用断面図である。図4(a)は、複合構造粒子の製造過程で準備される芯材である無機粒子構造の一例を示す説明用断面図である。図4(b)は、図4(a)の無機粒子にアルミニウムがドープされた酸化スズにて被覆された複合構造粒子の構造の一例を示す説明用断面図である。図4(c)は、図4(b)の複合構造粒子が、表面処理剤で表面処理されてなる複合構造粒子の構造の一例を示す説明用断面図である。図4(d)は、図4(c)の表面処理剤で表面処理された複合構造粒子が、フッ素樹脂で被覆されてなる複合構造粒子の構造の一例を示す説明用断面図である。図4(a)は、芯材に用いる無機粒子21の断面を示す。図4(b)に示す形態では、芯材(無機粒子)21に、アルミニウムがドープされた酸化スズ(Alドープ酸化スズ)23にて被覆されてなる複合構造粒子25断面を示す。本発明の複合構造粒子は、図4(b)に示す形態のように、必ずしも芯材(無機粒子)21表面全体がAlドープ酸化スズ23にて被覆されていなくてもよい。本発明では、当該複合構造粒子25を感光体の最表面層に含有させてもよいし、以下の表面処理された複合構造粒子を含有させてもよい。図4(c)に示す形態では、図4(b)の複合構造粒子25表面が表面処理剤で表面処理された複合構造粒子25a断面を示す。上記複合構造粒子25表面には、無機粒子21を被覆するAlドープ酸化スズ23表面のほか、無機粒子21表面(Alドープ酸化スズ23被覆物(粒状物)同士の隙間等)も含まれる。上記の表面処理により、複合構造粒子25(無機粒子21、更には無機粒子21を被覆するAlドープ酸化スズ23)表面が、上記表面処理剤により被覆(表面処理膜27形成)されている。図4(d)に示す形態では、図4(c)の表面処理された複合構造粒子25a(4(c)の表面処理された無機粒子21、さらには4(c)の表面処理されたAlドープ酸化スズ23の表面等)がフッ素樹脂で被覆された複合構造粒子25b断面を示す。フッ素樹脂被覆により、4(c)の表面処理された複合構造粒子25a表面(4(c)の表面処理された無機粒子21、さらには4(c)の表面処理されたAlドープ酸化スズ23の表面等)が、上記フッ素樹脂により被覆(フッ素樹脂膜29形成)されている。無機粒子21と、Alドープ酸化スズ23被覆物(粒状物)23の大きさの比率は、実施例で用いた実際のものとほぼ同じ大きさの比率としている。
(樹脂バインダ)
感光体の最表面層には、上記複合構造粒子の他に、さらに樹脂バインダを含んでいるのが好ましい。尚、樹脂バインダの含有量は、上記複合構造粒子の項で説明した通りである。即ち、前記複合構造粒子が、樹脂バインダ100質量部に対して、50〜250質量部の範囲となる要件を満足するものであることが好ましい。
樹脂バインダは、熱可塑性樹脂または光硬化性樹脂であることが好ましく、特に、高い膜強度が得られることから、光硬化性樹脂であることがより好ましい。
樹脂バインダとしては、例えば、ポリビニルブチラール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂などを用いることができる。熱可塑性樹脂を用いる場合は、ポリカーボネート樹脂であることが好ましい。また、光硬化性樹脂を用いる場合は、2個以上のラジカル重合性官能基を有する化合物(以下、「多官能ラジカル重合性化合物」または「重合性化合物」ともいう。)を、紫外線や電子線などの活性線の照射等により重合反応することによって得られる硬化樹脂(=重合性化合物の重合硬化物)であることが好ましい。樹脂バインダとして、重合性化合物の重合硬化物であることは、各樹脂バインダ(原料の各重合性化合物)同士が、硬化時に共有結合によって接続され、最表面層膜として強固な膜質を形成することができる為である。こうして得られる膜は、三次元架橋構造を有しており、二次元の熱可塑性樹脂による最表面層と違って、放電に対する耐性、及び物理的な耐傷性を有することができる。樹脂バインダとして挙げた上記のものは、1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
〔多官能ラジカル重合性化合物〕
多官能ラジカル重合性化合物(重合性化合物)としては、少ない光量あるいは短い時間での硬化が可能であることから、ラジカル重合性官能基としてアクリロイル基(CH=CHCO−)またはメタクリロイル基(CH=CCHCO−)を2個以上有するアクリル系モノマーまたはこれらのオリゴマーであることが特に好ましい。従って、硬化樹脂(重合硬化物)としてはアクリル系モノマーまたはそのオリゴマーにより形成されるアクリル樹脂であることが好ましい。
これらの多官能ラジカル重合性化合物(重合性化合物)としては、例えば以下の化合物を例示することができる。
ただし、上記の例示化合物M1〜M15を示す化学式において、Rはアクリロイル基(CH=CHCO−)を示し、R’はメタクリロイル基(CH=CCHCO−)を示す。
(重合開始剤)
重合開始剤は、上記多官能ラジカル重合性化合物を重合反応することによって得られる硬化樹脂(樹脂バインダ)を製造する過程で使用されるものである。重合開始剤は、多官能ラジカル重合性化合物の重合反応を開始させるラジカル重合開始剤であって、熱重合開始剤や光重合開始剤などが挙げられる。
多官能ラジカル重合性化合物を重合反応させる方法としては、電子線開裂反応を利用する方法や、ラジカル重合開始剤の存在下で光や熱を利用する方法などを採用することができる。
熱重合開始剤としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルアゾビスバレロニリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)などのアゾ化合物;過酸化ベンゾイル(BPO)、ジ−tert−ブチルヒドロペルオキシド、tert−ブチルヒドロペルオキシド、過酸化クロロベンゾイル、過酸化ジクロロベンゾイル、過酸化ブロモメチルベンゾイル、過酸化ラウロイルなどの過酸化物などが挙げられる。
光重合開始剤としては、ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノン−1(「イルガキュアー369」(BASFジャパン社製))、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−メチル−2−モルフォリノ(4−メチルチオフェニル)プロパン−1−オン、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシムなどのアセトフェノン系またはケタール系光重合開始剤;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテルなどのベンゾインエーテル系光重合開始剤;ベンゾフェノン、4−ヒドロキシベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、2−ベンゾイルナフタレン、4−ベンゾイルビフェニル、4−ベンゾイルフェニールエーテル、アクリル化ベンゾフェノン、1,4−ベンゾイルベンゼンなどのベンゾフェノン系光重合開始剤;2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントンなどのチオキサントン系光重合開始剤などが挙げられる。
その他の光重合開始剤としては、エチルアントラキノン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルエトキシホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド(「イルガキュアー819」(BASFジャパン社製))、ビス(2,4−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシエステル、9,10−フェナントレン、アクリジン系化合物、トリアジン系化合物、イミダゾール系化合物などが挙げられる。また、光重合促進効果を有するものを単独で、または上記光重合開始剤と併用して用いることもできる。光重合促進効果を有するものとしては、例えば、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸(2−ジメチルアミノ)エチル、4,4’−ジメチルアミノベンゾフェノンなどが挙げられる。
重合開始剤としては、光重合開始剤を用いることが好ましく、アルキルフェノン系化合物、フォスフィンオキサイド系化合物を用いることがより好ましく、α−ヒドロキシアセトフェノン構造、あるいはアシルフォスフィンオキサイド構造を有する光重合開始剤を用いることがさらに好ましい。
これらの重合開始剤は、1種単独でまたは2種以上を混合して用いてもよい。
重合開始剤の使用割合は、多官能ラジカル重合性化合物100質量部に対して0.1〜40質量部であり、好ましくは0.5〜20質量部である。
本発明の感光体の最表面層には、上述のような複合構造粒子と樹脂バインダの他に、必要に応じて電荷輸送剤、有機微粒子、滑剤粒子、酸化防止剤などが含有されていてもよい。
(電荷輸送剤)
電荷輸送剤(電荷輸送性化合物)は、最表面層中の電荷キャリアを輸送する電荷輸送性能を有するものであれば特に限定されなく、電荷輸送剤として、例えば、下記一般式(1)で表される化合物を含有していてもよい。なお、本発明で用いられる電荷輸送剤(電荷輸送性化合物)は、複合構造粒子とは反応性を有さないものである。
前記一般式(1)中、RおよびRは、それぞれ独立して、水素原子またはメチル基であり、好ましくは、メチル基である。また、Rは炭素数1〜5の直鎖状または分枝状のアルキル基であり、好ましくは炭素数が2〜4のものである。
前記一般式(1)で表される化合物は、最表面層中の電荷キャリアを輸送する電荷輸送性化合物である。短波長領域での吸収を示さず、かつ分子量も450以下(好ましくは、320以上420以下)のものが多く、最表面層の樹脂成分(樹脂バインダ等)の空隙に入り込むことが可能である。このため、最表面層の耐摩耗性を低下させることなく、電荷輸送層からのスムーズな電荷キャリアの注入を可能とし、残留電位の上昇や画像メモリの発生をほとんど起こすことなく、最表面層の表面に電荷を輸送することができる。
前記一般式(1)中のRおよびRは、それぞれ独立して、水素原子またはメチル基であるが、製造安定性の観点から、RおよびRは、互いに異なることが好ましい。
また、前記一般式(1)中のRで用いられる炭素数1〜5の直鎖状または分枝状のアルキル基の例としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、2−メチルブチル基等が挙げられる。これらの中でも、溶解性の観点から、プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基が好ましい。
前記一般式(1)で表される化合物の具体例を、下記に示す。
上記電荷輸送剤(電荷輸送性化合物)は、市販品を用いてもよいし合成品を用いてもよい。上記一般式(1)で表わされる化合物等の電荷輸送剤(電荷輸送性化合物)の合成方法としては、公知の合成方法で合成することができ、例えば、特開2006−143720号公報に記載の合成方法が挙げられる。また、上記電荷輸送剤(電荷輸送性化合物)は、単独でもまたは2種以上組み合わせても用いることができる。
また、感光体の最表面層中の電荷輸送剤(電荷輸送性化合物)は、樹脂バインダ(重合硬化物)100質量部に対して10〜30質量部の割合で含有されることが好ましく、より好ましくは15〜25質量部である。電荷輸送剤(電荷輸送性化合物)の含有割合が上記範囲内であることにより、本発明の効果をより効率的に得ることができる。さらに像流れの発生を十分に抑制することができる。
(有機微粒子)
感光体の最表面層には、有機微粒子として、例えば、メラミンおよびベンゾグアナミンのうち少なくとも一種に由来の構成単位を含む樹脂粒子、スチレン−アクリル樹脂粒子、ポリスチレン樹脂粒子又はシリコーン樹脂粒子等を含有していてもよい。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記メラミンおよびベンゾグアナミンのうち少なくとも一種に由来の構成単位を含む樹脂としては、具体的には、メラミンとホルムアルデヒドとの重縮合物や、メラミンと、ベンゾグアナミンと、ホルムアルデヒドとの共重縮合物などのメラミン樹脂;ベンゾグアナミンとホルムアルデヒドとの重縮合物などのベンゾグアナミン樹脂などが挙げられる。これらの中では、メラミンとホルムアルデヒドとの重縮合物からなる有機微粒子が、トナークリーニング性および画像濃度ムラ抑制の観点から好ましい。
これらの有機微粒子の個数平均一次粒径は、0.01〜5.00μmの範囲内であることが好ましく、更に好ましくは、0.10〜3.50μmの範囲内である。この範囲内であると、最表面層を形成したときに最表面層の表面に有機微粒子が露出し、現像時にトナーとの擦過力が大きくなり、感光体の表面電位の低下を抑制することができる。また、感光体表面を適度に粗面化することができ、良好なクリーニング性を確保することができる。
(個数平均一次粒径の測定法)
有機微粒子の個数平均一次粒径の測定は、以下のようにして求めることができる。
上記有機微粒子を、透過型電子顕微鏡「JEM−2000FX」(日本電子株式会社製)により、加速電圧80kVにて10000倍で撮影し、写真画像をスキャナーにより取り込み、画像処理解析装置「LUZEX(登録商標)AP」(株式会社ニレコ製)を用いて、写真画像の有機微粒子について2値化処理し、有機微粒子100個についての水平方向フェレ径を算出、その平均値を個数平均一次粒子径とする。ここで水平方向フェレ径とは、有機微粒子の画像を2値化処理したときの外接長方形の、x軸に平行な辺の長さをいう。
上記有機微粒子の含有量は、樹脂バインダ(重合硬化物)100質量部に対して、5〜100質量部の範囲であることが、トナー飛散抑制の効果が得られ、かぶりが減少する効果が得られるので好ましい。また、最表面層の耐摩耗性向上の観点から好ましい。
本発明の感光体の最表面層には、さらに各種の酸化防止剤や滑剤粒子を含有させることができる。滑剤粒子としては、例えば、フッ素原子含有樹脂粒子が挙げられ、さらにその具体例としては、四フッ化エチレン樹脂粒子、三フッ化塩化エチレン樹脂粒子、六フッ化プロピレン−塩化エチレン共重合体樹脂粒子、フッ化ビニル樹脂粒子、フッ化ビニリデン樹脂粒子、二フッ化二塩化エチレン樹脂粒子、およびこれらの共重合体粒子の1種または2種以上が挙げられる。中でも、四フッ化エチレン樹脂粒子またはフッ化ビニリデン樹脂粒子が好ましい。
<感光体の最表面層の形成方法>
本発明の感光体の最表面層は、複合構造粒子、および必要に応じて重合性化合物(樹脂バインダである硬化樹脂の原料)、重合開始剤、電荷輸送剤、有機微粒子等を溶媒中で混合した塗布液(最表面層用塗布液)を作製し、該塗布液を後述する電荷輸送層の上に塗布した後、乾燥および硬化させることにより形成することができる。
上記塗布、乾燥、および硬化の過程で、重合性化合物間の反応、重合性化合物と複合構造粒子の水酸基(反応基)や表面処理剤等で表面処理された複合構造粒子の重合性の反応基との間の反応、表面処理された複合構造粒子間の反応等が進行し、最表面層が形成される。
最表面層用塗布液に用いられる溶媒としては、複合構造粒子、および必要に応じて添加される重合性化合物(樹脂バインダである硬化樹脂の原料)、重合開始剤、電荷輸送剤、有機微粒子等を溶解または分散させることができれば、いずれのものでも使用できる。具体的には、例えば、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、ベンジルアルコール、トルエン、キシレン、メチレンクロライド、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、テトラヒドロフラン、1−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、ピリジン、ジエチルアミン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これら溶媒は、単独でもまたは2種以上組み合わせても用いることができる。
塗布液の製造方法も、特に制限はなく、複合構造粒子、および必要に応じて重合性化合物(樹脂バインダである硬化樹脂の原料)、重合開始剤、電荷輸送剤、有機微粒子等の各種添加剤を溶媒に加えて、溶解または分散するまで攪拌混合すればよい。また、溶媒の量も特に制限はなく、塗布液が塗布作業に適した粘度になるように適宜調整すればよい。
塗布方法は、特に制限されず、例えば、浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ビードコーティング法、ブレードコーティング法、ビームコーティング法、スライドホッパー法、円形スライドホッパー法などの公知の方法を用いることができる。
上記塗布液を塗布した後は、自然乾燥または熱乾燥を行い、塗膜を形成した後、重合性化合物を用いる場合には、活性エネルギー線を照射して硬化し、単量体成分として重合性化合物(更には複合構造粒子の表面処理に用いた表面処理剤やフッ素樹脂)を含む樹脂成分を生成させる。活性エネルギー線としては紫外線や電子線がより好ましく、紫外線がさらに好ましい。
紫外線光源としては、紫外線を発生する光源であれば制限なく使用できる。例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、フラッシュ(パルス)キセノンランプ等を用いることができる。照射条件はそれぞれのランプによって異なるが、紫外線の照射量は、通常5〜500mJ/cm、好ましくは5〜100mJ/cmである。光源の出力は、好ましくは0.1〜5kWであり、より好ましくは、0.5〜3kWである。
電子線源として用いられる電子線照射装置としては、特に制限はなく、一般には、電子線照射用の電子線加速機として比較的安価で大出力が得られるカーテンビーム方式の装置が好適に用いられる。電子線照射の際の加速電圧は、100〜300kVであることが好ましい。吸収線量としては、0.5〜10Mradであることが好ましい。
必要な活性エネルギー線の照射量を得るための照射時間としては、0.1秒〜10分が好ましく、作業効率の観点から0.1秒〜5分がより好ましい。
感光体の最表面層を形成する過程においては、活性エネルギー線を照射する前後や、活性エネルギー線を照射中に乾燥を行うことができ、乾燥を行うタイミングはこれらを組み合わせて適宜選択できる。
乾燥の条件は、溶媒の種類、膜厚などによって適宜選択できる。乾燥温度は、好ましくは20〜180℃であり、より好ましくは80〜140℃である。乾燥時間は、好ましくは1〜200分であり、より好ましくは5〜100分である。
感光体の最表面層の膜厚は、好ましくは1〜10μmであり、より好ましくは1.5〜5μmである。
〔感光体の構成〕
以下に、感光体の最表面層以外の電子写真感光体の構成を説明する。
本発明において、電子写真感光体は、電子写真感光体の構成に必要不可欠な電荷発生機能および電荷輸送機能の少なくとも一方の機能を有機化合物等に持たせて構成された電子写真感光体であり、公知の有機電荷発生物質または有機電荷輸送物質から構成された感光体、電荷発生機能と電荷輸送機能とを高分子錯体で構成した感光体等公知の感光体を全て包含する。
本発明の感光体は、導電性支持体上に、感光層として電荷発生層および電荷輸送層を、前記感光層の上部に最表面層を、それぞれ順次積層した層構成を有するものである。また、導電性支持体と電荷発生層との間には、中間層を有することが好ましい。
上記で示した層構成を中心に、本発明の感光体の前記表面層以外の構成を説明する。
<導電性支持体>
本発明で用いられる導電性支持体は、導電性を有するものであればいずれのものでもよい。その具体例としては、例えば、アルミニウム、銅、クロム、ニッケル、亜鉛またはステンレスなどの金属をドラム状(円筒形)またはシート状に成形したもの、アルミニウムや銅などの金属箔をプラスチックフィルムにラミネートしたもの、アルミニウム、酸化インジウムまたは酸化スズなどをプラスチックフィルムに蒸着したもの、導電性物質を単独またはバインダ樹脂と共に塗布して導電層を設けた金属、プラスチックフィルムまたは紙などが挙げられる。
<中間層>
本発明においては、導電性支持体と感光層との間にバリア機能と接着機能とを有する中間層を設けることができる。種々の故障防止等を考慮すると、中間層を設けることが好ましい態様といえる。
このような中間層は、例えば、バインダ樹脂および必要に応じて導電性粒子や金属酸化物粒子が含有されてなるものである。
上記導電性支持体および中間層に用いることのできるバインダ樹脂としては、特に制限されるものではなく従来公知の導電性支持体用や中間層用のバインダ樹脂を用いることができる。例えば、カゼイン、ポリビニルアルコール、ニトロセルロース、エチレン−アクリル酸コポリマー、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ゼラチンなどが挙げられる。これらのなかでもアルコール可溶性のポリアミド樹脂が好ましい。これらバインダ樹脂は、単独でもまたは2種以上組み合わせても用いることができる。
中間層には、抵抗調整の目的で各種の導電性粒子や金属酸化物粒子を含有させることができる。例えば、アルミナ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化ビスマスなどの各種金属酸化物粒子を用いることができる。さらに、スズをドープした酸化インジウム(ITO)、アンチモンをドープした酸化スズ(ATO)、酸化ジルコニウムなどの各種導電性粒子(超微粒子)を用いることもできる。これら抵抗調整の目的で用いられる各種の導電性粒子や金属酸化物粒子は、1種単独でまたは2種以上を混合して用いてもよい。2種以上を混合した場合には、固溶体または融着の形をとってもよい。
このような抵抗調整の目的で用いられる各種の導電性粒子や金属酸化物粒子の数平均一次粒径は、0.3μm以下であることが好ましく、より好ましくは0.1μm以下である。
上記導電性粒子および/または金属酸化物粒子の含有割合(合計量)は、抵抗調整の観点から、中間層内のバインダ樹脂100質量部に対して20〜400質量部が好ましく、より好ましくは50〜350質量部、更に好ましくは50〜200質量部である。
中間層の膜厚は、抵抗調整の観点から、0.1〜15μmが好ましく、0.3〜10μmがより好ましい。
以上のような中間層は、例えば、バインダ樹脂を公知の溶媒に溶解し、必要に応じて導電性粒子または金属酸化物粒子を分散させて中間層形成用塗布液を調製し、この中間層形成用塗布液を導電性支持体の表面に塗布して塗布膜を形成し、この塗布膜を乾燥することにより形成することができる。
上記中間層形成用塗布液に使用される溶媒としては、は、特に限定されず、例えば、n−ブチルアミン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、イソプロパノールアミン、トリエタノールアミン、トリエチレンジアミン、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、シクロヘキサノン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジクロロプロパン、1,1,2−トリクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、ジオキサン、メタノール、エタノール、ブタノール、イソプロパノール、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジメチルスルホキシド、メチルセロソルブなどを用いることができ、これらの中でもトルエン、テトラヒドロフラン、ジオキソランなどが好ましく用いられる。これらの溶媒は1種単独であるいは2種以上の混合溶媒として用いることができる。なかでも、上記のような導電性粒子または金属酸化物粒子を良好に分散し、バインダ樹脂、特にポリアミド樹脂を溶解するものが好ましい。具体的には、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール等の炭素数1〜4のアルコール類が、ポリアミド樹脂の溶解性と塗布性能とに優れ好ましい。これら溶媒は、単独でもまたは2種以上組み合わせても用いることができる。また、保存性および無機粒子の分散性を向上させるために、前記の溶媒と助溶媒とを併用することができる。好ましい効果が得られる助溶媒としては、ベンジルアルコール、トルエン、メチレンクロライド、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン等が挙げられる。
上記中間層形成用塗布液中のバインダ樹脂の濃度は、中間層の膜厚や生産速度に合わせて適宜選択される。
上記導電性粒子や金属酸化物粒子の分散手段としては、超音波分散機、ボールミル、サンドグラインダーおよびホモミキサーなどを用いることができる。
中間層形成用塗布液の塗布方法としては、特に限定されないが、例えば、浸漬塗布法、スプレーコーティング法などが挙げられる。
塗布膜の乾燥方法は、溶媒の種類や形成する中間層の膜厚に応じて公知の乾燥方法を適宜に選択することができ、特に熱乾燥することが好ましい。
上記したように中間層を形成する方法は、特に制限されないが、上記の溶媒中にバインダ樹脂を溶解させ、必要に応じて導電性粒子または金属酸化物粒子を超音波分散機、ボールミル、サンドミル、またはホモミキサー等の装置(分散機)を用いて分散させ中間層形成用塗布液を調製した後、この中間層形成用塗布液を導電性支持体上に所望の厚さに塗布する。その後、塗布した層を乾燥させて中間層を完成させることができる。
<感光層>
本発明の感光体は、感光層を有し、当該感光層は、電荷発生層および電荷輸送層を有する。詳しくは、導電性支持体側から順に、電荷発生層、電荷輸送層が積層されてなるものである。
≪電荷発生層≫
本発明の感光体に用いられる電荷発生層は、電荷発生物質とバインダ樹脂(以下、電荷発生層用バインダ樹脂ともいう)とを含有することが好ましい。
電荷発生物質の例としては、例えば、スーダンレッド、ダイアンブルーなどのアゾ原料、ピレンキノン、アントアントロンなどのキノン顔料、キノシアニン顔料、ペリレン顔料、インジゴ、チオインジゴなどのインジゴ顔料、ピランスロン、ジフタロイルピレンなどの多環キノン顔料、チタニルフタロシアニン顔料などのフタロシアニン顔料などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これら電荷発生物質は、単独でもまたは2種以上組み合わせても用いることができる。これらの中でも、好ましくは、多環キノン顔料およびチタニルフタロシアニン顔料である。
電荷発生層用バインダ樹脂としては、特に制限されず、公知の樹脂を用いることができる。その具体例としては、例えば、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂、ならびにこれらの樹脂の内2つ以上を含む共重合体樹脂(例えば、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体樹脂)、およびポリビニルカルバゾール樹脂等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらバインダ樹脂は、単独でもまたは2種以上組み合わせても用いることができる。好ましくは、ポリビニルブチラール樹脂である。
電荷発生層中の電荷発生物質の含有割合は、感光体において電気抵抗が低く抑制されて繰り返し使用に伴う残留電位の増加を極めて抑制することができる観点から、電荷発生層用バインダ樹脂100質量部に対して1〜600質量部であることが好ましく、より好ましくは20〜600質量部、さらに好ましくは50〜500質量部である。
電荷発生層の膜厚は、電荷発生物質の特性、電荷発生層用バインダ樹脂の特性や含有割合などによっても異なるが、好ましくは0.01〜5μm、より好ましくは0.05〜3μm、さらに好ましくは0.1〜2μm、より好ましくは0.15〜1.5μmである。
以上のような電荷発生層の形成方法は、特に制限されないが、例えば、電荷発生層用バインダ樹脂を公知の溶媒で溶解した溶液中に、電荷発生物質を添加し、分散機を用いて分散させて電荷発生層形成用塗布液を調製する。この電荷発生層形成用塗布液を導電性支持体の表面に、導電性支持体上に中間層を設けた構成の場合には、この中間層の表面に(塗布機を用いて一定の膜厚に)塗布して塗布膜を形成し、この塗布膜を乾燥することにより形成することができる。塗布方法及び乾燥方法としては、上記の表面層の項で例示した方法と同様の方法を採用することができる。なお、電荷発生層用塗布液は、塗布前に異物や凝集物を濾過することで画像欠陥の発生を防ぐことができる。また、上記電荷発生物質は、そのまま単独で上記溶液中に添加してもよいし、上記電荷発生層用バインダ樹脂中に分散する形態で添加してもよい。また、電荷発生層は、上記電荷発生物質を真空蒸着することによっても形成することができる。この形態では、上記電荷発生層用バインダ樹脂は特に用いなくてもよい。
電荷発生層形成用塗布液中の電荷発生層用バインダ樹脂と電荷発生物質との混合割合は、電荷発生層用バインダ樹脂100質量部に対して電荷発生物質が1〜600質量部とされることが好ましく、より好ましくは20〜600質量部、さらに好ましくは50〜500質量部である。電荷発生層用バインダ樹脂と電荷発生物質との混合割合が上記の範囲にあることにより、電荷発生層形成用塗布液に高い分散安定性が得られ、かつ、形成された感光体において電気抵抗が低く抑制されて繰り返し使用に伴う残留電位の増加を極めて抑制することができる点で優れている。
電荷発生層形成用塗布液に用いられる溶媒としては、電荷発生層用バインダ樹脂を溶解させることができるものを用いればよく、例えば、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、アセトフェノンなどのケトン系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソラン、ジグライムなどのエーテル系溶媒、メチルセルソルブ、4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノン、エチルセルソルブ、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、ブタノールなどのアルコール系溶媒、その酢酸エチル、酢酸t−ブチルなどのエステル系溶媒、トルエン、キシレン、メチレンクロライド、クロロベンゼンなどの芳香属溶媒、ジクロロエタン、トリクロロエタンなどのハロゲン系溶媒、シクロヘキサン、ピリジン、ジエチルアミンなど多数を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。これら溶媒は1種単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
電荷発生物質の分散手段としては、中間層形成用塗布液における導電性粒子や金属酸化物粒子の分散手段と同様に、超音波分散機、ボールミル、サンドミル、およびホモミキサーなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、電荷発生層形成用塗布液の塗布方法および塗布膜の乾燥方法としては、中間層形成用塗布液の塗布方法および塗布膜の乾燥方法として挙げた方法と同じ方法を挙げることができる。
(電荷輸送層)
本発明の感光体に用いられる電荷輸送層は、電荷輸送物質とバインダ樹脂(以下、電荷輸送層用バインダ樹脂ともいう)とを含有することが好ましい。
電荷輸送層の電荷輸送物質としては、電荷を輸送する物質として、例えば、トリフェニルアミン誘導体、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、ベンジジン化合物、ブタジエン化合物などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。電荷輸送物質は、単独でもまたは2種以上組み合わせても用いることができる。また、上記電荷輸送物質は、市販品を用いてもよいし合成品を用いてもよい。電荷輸送物質の合成方法としては、例えば、特開2010−26428号公報、特開2010−91707号公報等に記載の電荷輸送物質(電荷輸送性化合物)の合成方法が挙げられる。
電荷輸送層用バインダ樹脂は、特に制限されず、公知の樹脂を用いることができる。その具体例としては、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリルニトリル共重合体樹脂、ポリメタクリル酸エステル樹脂、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体樹脂等が挙げられるが、ポリカーボネート樹脂が好ましい。これら電荷輸送層用バインダ樹脂は、単独でもまたは2種以上組み合わせても用いることができる。単量体成分としてビスフェノールA(BPA)を含むポリカーボネートA、単量体成分として1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン(ビスフェノールZ、BPZ)を含むポリカーボネートZ、単量体成分としてジメチルビスフェノールA(ジメチルBPA)を含むポリカーボネート樹脂、ならびに単量体成分としてBPAおよびジメチルBPAを含むポリカーボネート樹脂などが耐クラック性、耐磨耗性、帯電特性の観点からより好ましい。
電荷輸送層中の電荷輸送物質の含有割合は、感光体において電気抵抗が低く抑制されて繰り返し使用に伴う残留電位の増加を極めて抑制することができる観点から、電荷輸送層用バインダ樹脂100質量部に対して10〜500質量部であることが好ましく、より好ましくは20〜250質量部である。
電荷輸送層中には、さらに酸化防止剤、電子導電剤、安定剤、シリコーンオイルなどが添加されていてもよい。例えば、酸化防止剤については特開2000−305291号公報等に開示されているもの、電子導電剤については特開昭50−137543号公報、同58−76483号公報などに開示されているものが好ましい。
電荷輸送層の層厚は、電荷輸送物質の特性、電荷輸送層用バインダ樹脂の特性および含有割合などによって異なるが、5〜40μmであることが好ましく、よりに好ましくは10〜30μmである。
以上のような電荷輸送層の形成方法は、特に制限されないが、例えば、電荷輸送層用バインダ樹脂を公知の溶媒で溶解した溶液中に、電荷輸送物質(CTM)を添加し、分散機を用いて分散させて電荷輸送層形成用塗布液を調製する。この電荷輸送層形成用塗布液を電荷発生層の表面に(塗布機を用いて一定の膜厚に)塗布して塗布膜を形成し、この塗布膜を乾燥することにより形成することができる。塗布方法としては、上記の最表面層の項で例示した方法と同様の方法を採用することができる。塗布方法及び乾燥方法としては、上記の表面層の項で例示した方法と同様の方法を採用することができる。なお、電荷輸送層用塗布液は、塗布前に異物や凝集物を濾過することで画像欠陥の発生を防ぐことができる。また、上記電荷輸送物質は、そのまま単独で上記溶液中に添加してもよいし、上記電荷輸送層用バインダ樹脂中に分散する形態で添加してもよい。また、電荷輸送層は、上記電荷輸送物質を真空蒸着することによっても形成することができる。この形態では、上記電荷輸送層用バインダ樹脂は特に用いなくてもよい。
電荷輸送層用塗布液に用いられる溶媒としては、電荷発生層用塗布液に用いられる溶媒と同じものを挙げることができる。
また、電荷輸送層形成用塗布液の塗布方法および塗布膜の乾燥方法としても、電荷発生層形成用塗布液の塗布方法および塗布膜の乾燥方法として挙げた方法と同じ方法を挙げることができる。
電荷輸送層用塗布液中の電荷輸送層用バインダ樹脂に対する電荷輸送物質の混合割合は、電荷輸送層用バインダ樹脂100質量部に対して10〜500質量部が好ましく、さらに好ましくは20〜250質量部である。電荷輸送層用バインダ樹脂と電荷輸送物質との混合割合が上記の範囲にあることにより、電荷輸送層形成用塗布液に高い分散安定性が得られ、かつ、形成された感光体において電気抵抗が低く抑制されて繰り返し使用に伴う残留電位の増加を極めて抑制することができる点で優れている。
〔帯電ローラ(帯電手段:ローラ帯電システム)〕
帯電ローラ11は、電子写真感光体の表面を(負)帯電させるための帯電手段であって、電子写真感光体の表面に近接(接触する形態を含む)して、帯電電圧を印加するための近接帯電方式(接触式を含む)の帯電手段(ローラ帯電システム)である。当該帯電手段(ローラー帯電システム)を備える帯電ローラ11の代表的な実施形態としては、例えば、図3に示されるように、芯金11aの表面上に積層された、帯電音を低減させると共に弾性を付与して感光体10に対する均一な密着性を得るための弾性層11bの表面上に、必要に応じて帯電ローラ11が全体として高い均一性の電気抵抗を得るための抵抗制御層11cが積層され、当該抵抗制御層11c上に表面層11dが積層されたものが、押圧バネ11eによって感光体10の方向に付勢されて感光体10の表面に対して所定の押圧力で圧接されて帯電ニップ部が形成された状態とされる構成とされており、感光体10の回転に従動して回転される。
芯金11aは、例えば、鉄、銅、ステンレス、アルミニウムおよびニッケルなどの金属、あるいはこれらの金属の表面に、防錆性や耐付傷性を得るために導電性を損なわない範囲においてメッキ処理したものからなり、その外径は例えば3〜20mmとされる。
弾性層11bは、例えば、ゴムなどの弾性材料中にカーボンブラック、カーボングラファイトなどよりなる導電性微粒子やアルカリ金属塩、アンモニウム塩などよりなる導電性塩微粒子などが添加されたものからなる。弾性材料の具体例としては、例えば、天然ゴム、エチレンプロピレンジエンメチレンゴム(EPDM)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、シリコーンゴム、ウレタンゴム、エピクロルヒドリンゴム、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、ニトリル−ブタジエンゴム(NBR)およびクロロプレンゴム(CR)などの合成ゴムや、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂およびフッ素樹脂などの樹脂、あるいは発泡スポンジなどの発泡体などを挙げることができる。弾性の大きさは、プロセス油、可塑剤などを弾性材料中に添加することにより調整することができる。
弾性層11bは、その体積抵抗率が1×10〜1×1010Ω・cmの範囲であることが好ましい。また、弾性層11bの層厚は500〜5000μmであることが好ましく、より好ましくは500〜3000μmの範囲である。弾性層11bの体積抵抗率は、JIS K6911−2006に準拠して測定された値である。
抵抗制御層11cは、帯電ローラ11を全体として均一な電気抵抗を有する目的などにより設けられるものであるが、なくてもよい。この抵抗制御層11cは、適度な導電性を有する材料を塗工すること、あるいは適度な導電性を有するチューブを被覆させることによって設けることができる。
この抵抗制御層11cを構成する具体的な材料としては、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂などの樹脂;エピクロルヒドリンゴム、ウレタンゴム、クロロプレンゴムおよびアクリロニトリル系ゴムなどのゴム類などの基礎材料中に、カーボンブラック、カーボングラファイトなどよりなる導電性微粒子;導電性酸化チタン、導電性酸化亜鉛、導電性酸化スズなどよりなる導電性金属酸化物微粒子;アルカリ金属塩、アンモニウム塩などよりなる導電性塩微粒子などの導電剤が添加されたものが挙げられる。
抵抗制御層11cは、その体積抵抗率が1×10−2〜1×1014Ω・cmの範囲であることが好ましく、より好ましくは1×10〜1×1010Ω・cmの範囲である。また、抵抗制御層11cの層厚は0.5〜100μmであることが好ましく、より好ましくは1〜50μm、さらに好ましくは1〜20μmの範囲である。抵抗制御層11cの体積抵抗率は、JIS K6911−2006に準拠して測定された値である。
表面層11dは、弾性層11b中の可塑剤などの得られる帯電ローラ11の表面へのブリードアウトを防止する目的や帯電ローラ11の表面の滑り性や平滑性を得る目的、あるいは感光体10上にピンホールなどの欠陥があった場合にもリークの発生を防止する目的などにより設けられるものであって、適度な導電性を有する材料を塗工すること、あるいは適度な導電性を有するチューブを被覆させることによって設けられる。
表面層11dを材料の塗工により設ける場合は、具体的な材料としては、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、フッ素樹脂およびシリコーン樹脂などの樹脂、エピクロルヒドリンゴム、ウレタンゴム、クロロプレンゴムおよびアクリロニトリル系ゴムなどの基礎材料中に、カーボンブラック、カーボングラファイトなどよりなる導電性微粒子;導電性酸化チタン、導電性酸化亜鉛、導電性酸化スズなどよりなる導電性金属酸化物微粒子などの導電剤が添加されたものが挙げられる。塗工方法としては、浸漬塗工法、ロール塗工法およびスプレー塗工法などが挙げられる。
また、表面層11dをチューブの被覆により設ける場合は、具体的なチューブとしては、ナイロン12、4フッ化エチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合樹脂(PFA)、ポリフッ化ビニリデン、4フッ化エチレン−6フッ化プロピレン共重合樹脂(FEP);ポリスチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリエステル系およびポリアミド系などの熱可塑性エラストマーなどに上記の導電剤が添加されたものがチューブ状に成形されたものが挙げられる。このチューブは熱収縮性のものでもよく、非熱収縮性のものでもよい。
表面層11dは、その体積抵抗率が1×10〜1×10Ω・cmの範囲であることが好ましく、より好ましくは1×10〜1×10Ω・cmの範囲である。また、表面層11dの層厚は0.5〜100μmであることが好ましく、より好ましく1〜50μm、さらに好ましくは1〜20μmの範囲である。表面層11dの体積抵抗率は、JIS K6911−2006に準拠して測定された値である。
また、表面層11dは、その表面粗さRzが1〜30μmのものが好ましく、より好ましくは2〜20μm、さらに好ましくは5〜10μmの範囲である。表面層11dの表面粗さRzは、JIS B0601−2001に準拠して測定された値である。
以上のような帯電ローラ11においては、帯電ローラ11の芯金11aに電源S1より帯電バイアス電圧が印加されることにより、感光体10の表面が所定の極性の所定の電位に帯電される。ここに、帯電バイアス電圧は、例えば直流電圧のみとしてもよいが、帯電の均一性に優れることから、直流電圧に交流電圧が重畳された振動電圧とすることが好ましい。帯電バイアス電圧は、例えば−2.5〜−1.5kV程度とすることができる。
図3に示した帯電ローラ11による帯電条件の一例を示すと、帯電バイアス電圧を形成する直流電圧(Vdc)が−500V、交流電圧(Vac)が周波数1000Hz、ピーク間電圧1300Vの正弦波であり、この帯電バイアス電圧が印加されることにより、感光体10の表面が−500Vに一様に帯電される。
この帯電ローラ11は、感光体10の長手方向の長さに基づいた長さとされ、長手方向の長さは例えば320mmとすることができる。
この画像形成装置においては、感光体10が回転駆動され、当該感光体10の表面が、電源S1から帯電バイアス電圧が印加された状態の帯電ローラ11によって所定の電位に一様に帯電される。
次いで、一様に帯電された感光体10が露光手段12によって露光されて静電潜像が形成され、当該静電潜像が現像手段13によって現像されることによってトナー像が形成される。感光体10上に形成されたトナー像は、タイミングを合わせて搬送される転写材P上に転写手段14により転写され、分離手段(図示せず)によって感光体10から分離されて定着手段17において定着されることにより、可視画像が形成される。
感光体10上に残留したトナー等は、クリーニング手段18のクリーニングブレード18aによって除去され、除去されたトナー等は貯留部18bに溜められる。
本発明の画像形成装置は、上記のような構成のものに限定されず、複数の感光体に係る画像形成ユニットが中間転写体に沿って設けられた構成を有するカラー画像形成装置であってもよい。
このような複数の感光体に係る画像形成ユニットが設けられたカラー画像形成装置においては、複数の感光体のうち、全ての感光体が上記の感光体から構成されていることが好ましいが、複数の感光体のうち少なくとも1つが上記の感光体から構成されていれば、近接帯電方式の帯電手段によって(負)帯電を行った場合(ローラー帯電時)に放電劣化を抑制し、感光体に高い耐摩耗性が得られて、良好な画像を作像できる(形成される画像に高い画像安定性が得られる)効果を得ることができる。
〔トナーおよび現像剤〕
本発明の画像形成装置に用いられるトナーは、(負)帯電性トナーである。本発明の画像形成装置に用いられるトナーは、粉砕トナーであっても重合トナーであってもよいが、本発明の画像形成装置においては、高い画質の画像が得られる観点から、重合法で作製された重合トナーを用いることが好ましい。
重合トナーとは、トナーを形成するバインダ樹脂の生成とトナー粒子形状の形成が、バインダ樹脂を得るための原料モノマーの重合と、必要によりその後の化学的処理とにより並行して行われて得られるトナーを意味する。
より具体的には、懸濁重合、乳化重合などの重合反応により樹脂微粒子を得る工程と、必要によりその後に行われる樹脂微粒子同士を融着させる工程を経て形成されるトナーを意味する。
トナーの体積平均粒径、すなわち、上記50%体積粒径(Dv50)は2〜9μm、より好ましくは3〜7μmであることが望ましい。この範囲とすることにより、解像度を高くすることができる。さらに上記の範囲と組み合わせることにより、小粒径トナーでありながら、微細な粒径のトナーの存在量を少なくすることができ、長期に亘ってドット画像の再現性が改善され、鮮鋭性の良好な、安定した画像を形成することができる。
本発明に係るトナーは、それのみで一成分現像剤として用いてもよく、キャリアと混合して二成分現像剤として用いてもよい。
一成分現像剤として用いる場合は、非磁性一成分現像剤、あるいはトナー中に0.1〜0.5μm程度の磁性粒子を含有させ磁性一成分現像剤としたものが挙げられ、いずれも使用することができる。
また、キャリアと混合して二成分現像剤として用いる場合は、キャリアの磁性粒子として、鉄、フェライト、マグネタイトなどの金属、それらの金属とアルミニウム、鉛などの金属との合金などの従来から公知の材料を用いることができ。特にフェライト粒子が好ましい。上記磁性粒子は、その体積平均粒径としては15〜100μm、より好ましくは25〜80μmのものがよい。
トナーやキャリアの体積平均粒径の測定は、代表的には湿式分散機を備えたレーザー回折式粒度分布測定装置「ヘロス(HELOS)」(シンパティック(SYMPATEC)社製)により測定することができる。
キャリアは、磁性粒子がさらに樹脂により被覆されているもの、あるいは樹脂中に磁性粒子を分散させたいわゆる樹脂分散型キャリアが好ましい。コーティング用の樹脂組成としては、特に限定はないが、例えば、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、スチレンアクリル樹脂、シリコーン系樹脂、エステル系樹脂或いはフッ素含有重合体系樹脂などが用いられる。また、樹脂分散型キャリアを構成するための樹脂としては、特に限定されず公知のものを使用することができ、例えば、スチレンアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素系樹脂、フェノール樹脂などを使用することができる。
以上、本発明の実施形態について具体的に説明したが、本発明の実施形態は上記の例に限定されるものではなく、種々の変更を加えることができる。
以下、本発明の具体的な実施例について説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔複合構造粒子〔1〕の作製〕
図4(a)に示すように、芯材に用いる無機粒子21として硫酸バリウム(BaSO)粒子(一次粒子の平均粒径80nm)を用意した。
この未処理の無機粒子(BaSO粒子)200gを、水3Lに分散させてスラリーを得た。このスラリーに、スズの含有量が41質量%であるスズ酸ナトリウム(NaSnO)208gを添加し溶解させて混合スラリーを得た。
この混合スラリーを循環させながら、循環経路の一部に設けられた超音波振動子によって超音波を照射した。超音波の周波数は40kHzとし、出力は570Wとした。循環する混合スラリーに超音波を照射しつつ、該混合スラリーに20質量%希硫酸水溶液を添加してスズの中和を行った。希硫酸水溶液は、混合スラリーのpHが2.5になるまで60分間かけて添加した。中和の後、0.69gの塩化アルミニウム6水和物(AlCl・6HO)(品位97%)を混合スラリーに添加し、該混合スラリーを撹拌した。これによって、目的とする複合構造粒子の前駆体〔1〕を得た。
この前駆体〔1〕を、温水によって洗浄した後、脱水濾過を行った。濾過によって回収された前駆体〔1〕のケーキを横型チューブ炉中に載置し、2体積%H/N雰囲気下で500℃、1時間還元焼成した。これによって、図4(b)に示すように、上記芯材(無機粒子)21に、アルミニウムがドープされた酸化スズ(Alドープ酸化スズ)23にて被覆されてなる複合構造粒子〔1〕25(一次粒子の平均粒径100nm)を作製した。複合構造粒子〔1〕25の一次粒子の平均粒径はレーザー回析法による粒子の体積基準粒子径測定により測定した(以下、同様である)。
この複合構造粒子〔1〕25 100質量部、表面処理剤:「KBM−503」(メタクリロイル基を含有するシランカップリング剤である3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン;信越化学工業株式会社製)2.5質量部およびメチルエチルケトン1000質量部を、湿式サンドミル(径0.5mmのアルミナビーズ)に入れ、30℃にて6時間混合した。その後、メチルエチルケトンとアルミナビーズを濾別し、60℃にて乾燥(粉体化)することにより、図4(c)に示すように、複合構造粒子〔1〕25表面が表面処理剤で表面処理された複合構造粒子〔1〕25aを得た。これを表面処理された複合構造粒子〔1〕25aとする。なお、上記複合構造粒子〔1〕25表面には、無機粒子21を被覆するAlドープ酸化スズ23表面のほか、無機粒子21表面(Alドープ酸化スズ23被覆物(粒状物)同士の隙間等)も含まれる。上記の表面処理により、複合構造粒子〔1〕25(無機粒子21、更には無機粒子21を被覆するAlドープ酸化スズ23)表面が、上記表面処理剤により被覆(表面処理膜27形成)されていることを、蛍光X線分析装置「XRF−1700(株式会社島津製作所製)」にてSiのピークを検出することにより確認した。
この表面処理された複合構造粒子〔1〕25a 97質量部およびフッ素樹脂:「Novec(登録商標)2702」(3M社製)3質量部を混合することで、図4(d)に示すように、表面処理された複合構造粒子〔1〕25a(表面処理された無機粒子21、さらには表面処理されたAlドープ酸化スズ23の表面等)がフッ素樹脂で被覆された複合構造粒子〔1〕25bを得た。これを表面処理及びフッ素樹脂被覆された複合構造粒子〔1〕25bとする。上記のフッ素樹脂被覆により、表面処理された複合構造粒子〔1〕25a表面(表面処理された無機粒子21、さらには表面処理されたAlドープ酸化スズ23の表面等)が、上記フッ素樹脂により被覆(フッ素樹脂膜29形成)されていることを、蛍光X線分析装置「XRF−1700(株式会社島津製作所製)」にてフッ素元素のピークを検出することにより確認した。
得られた複合構造粒子〔1〕25bの無機粒子(芯材)を被覆する酸化スズは、Alのドープ量が0.4質量部であり、表面処理及びフッ素樹脂被覆された複合構造粒子〔1〕25bの体積抵抗率は1.0×10Ωcmであった。ここで、Alのドープ量は、Alドープ酸化スズ100質量部に対する割合(質量部)を示す(以下、同様である)。Alのドープ量は、前述に記載したICP発光分光測定器により測定した(以下、同様である)。また、体積抵抗率の測定は、圧粉抵抗測定システム(三菱化学PD−41)と抵抗率測定器(三菱化学MCP−T600)を用いて行った。試料15gをプローブシリンダへ投入し、プローブユニットをPD−41へセットし、油圧ジャッキによって500kgf/cmの圧力を印加したときの抵抗値を、MCP−T600を用いて測定した。測定した抵抗値と試料厚みから、圧粉抵抗(体積抵抗率)を算出した(以下、同様である)。
〔複合構造粒子〔2〕の作製〕
複合構造粒子〔1〕の作製において、塩化アルミニウム6水和物(AlCl・6HO)の添加量を0.69gから0.35gに変更した以外は、複合構造粒子〔1〕の作製と同様にして、実施例2に用いる表面処理及びフッ素樹脂被覆された複合構造粒子〔2〕(一次粒子の平均粒径100nm)を作製した。
得られた複合構造粒子〔2〕の無機粒子(芯材)を被覆する酸化スズは、Alのドープ量が0.2質量部であり、表面処理及びフッ素樹脂被覆された複合構造粒子〔2〕の体積抵抗率は1.0×10Ωcmであった。
〔複合構造粒子〔3〕の作製〕
複合構造粒子〔1〕の作製において、塩化アルミニウム6水和物(AlCl・6HO)の添加量を0.69gから0.17gに変更した以外は、複合構造粒子〔1〕の作製と同様にして、実施例3に用いる表面処理及びフッ素樹脂被覆された複合構造粒子〔3〕(一次粒子の平均粒径100nm)を作製した。
得られた複合構造粒子〔3〕の無機粒子(芯材)を被覆する酸化スズは、Alのドープ量が0.1質量部であり、表面処理及びフッ素樹脂被覆された複合構造粒子〔3〕の体積抵抗率は1.0×10Ωcmであった。
〔複合構造粒子〔4〕の作製〕
複合構造粒子〔1〕の作製において、芯材に用いる無機粒子を二酸化ケイ素(SiO)粒子(一次粒子の平均粒径80nm)に変更した以外は、複合構造粒子〔1〕の作製と同様にして、実施例4に用いる表面処理及びフッ素樹脂被覆された複合構造粒子〔4〕(一次粒子の平均粒径100nm)を作製した。
得られた複合構造粒子〔4〕の無機粒子(芯材)を被覆する酸化スズは、Alのドープ量が0.4質量部であり、表面処理及びフッ素樹脂被覆された複合構造粒子〔4〕の体積抵抗率は1.0×10Ωcmであった。
〔複合構造粒子〔5〕の作製〕
複合構造粒子〔1〕の作製において、芯材に用いる無機粒子を二酸化ケイ素(SiO)粒子(一次粒子の平均粒径30nm)に変更した以外は、複合構造粒子〔1〕の作製と同様にして、実施例5に用いる表面処理及びフッ素樹脂被覆された複合構造粒子〔5〕(一次粒子の平均粒径50nm)を作製した。
得られた複合構造粒子〔5〕の無機粒子(芯材)を被覆する酸化スズは、Alのドープ量が0.4質量部であり、表面処理及びフッ素樹脂被覆された複合構造粒子〔5〕の体積抵抗率は1.0×10Ωcmであった。
〔複合構造粒子〔6〕の作製〕
複合構造粒子〔1〕の作製において、芯材に用いる無機粒子を二酸化ケイ素(SiO)粒子(一次粒子の平均粒径80nm)に変更し、塩化アルミニウム6水和物(AlCl・6HO)の添加量を0.69gから0.35gに変更した以外は、複合構造粒子〔1〕の作製と同様にして、実施例6に用いる表面処理及びフッ素樹脂被覆された複合構造粒子〔6〕(一次粒子の平均粒径100nm)を作製した。
得られた複合構造粒子〔6〕の無機粒子(芯材)を被覆する酸化スズは、Alのドープ量が0.2質量部であり、表面処理及びフッ素樹脂被覆された複合構造粒子〔6〕の体積抵抗率は1.0×10Ωcmであった。
〔複合構造粒子〔7〕の作製〕
複合構造粒子〔1〕の作製において、芯材に用いる無機粒子を二酸化ケイ素(SiO)粒子(一次粒子の平均粒径30nm)に変更し、塩化アルミニウム6水和物(AlCl・6HO)の添加量を0.69gから0.35gに変更した以外は、複合構造粒子〔1〕の作製と同様にして、実施例7に用いる表面処理及びフッ素樹脂被覆された複合構造粒子〔7〕(一次粒子の平均粒径50nm)を作製した。
得られた複合構造粒子〔7〕の無機粒子(芯材)を被覆する酸化スズは、Alのドープ量が0.2質量部であり、表面処理及びフッ素樹脂被覆された複合構造粒子〔7〕の体積抵抗率は1.0×10Ωcmであった。
〔複合構造粒子〔8〕及び〔9〕の作製〕
複合構造粒子〔1〕の作製において、塩化アルミニウム6水和物(AlCl・6HO)の添加量を0.69gから0.52gに変更した以外は、複合構造粒子〔1〕の作製と同様にして、表面処理及びフッ素樹脂被覆された複合構造粒子(一次粒子の平均粒径100nm)を作製した。ここで、得られた複合構造粒子を実施例8に用いるものは表面処理及びフッ素樹脂被覆された複合構造粒子〔8〕とし、実施例9に用いるものは表面処理及びフッ素樹脂被覆された複合構造粒子〔9〕とした。
得られた複合構造粒子〔8〕及び〔9〕(同一のもの)の無機粒子(芯材)を被覆する酸化スズは、Alのドープ量が0.3質量部であり、表面処理及びフッ素樹脂被覆された複合構造粒子〔8〕及び〔9〕(同一のもの)の体積抵抗率は1.0×10Ωcmであった。
〔複合構造粒子〔10〕の作製〕
複合構造粒子〔1〕の作製において、芯材に用いる無機粒子を酸化アルミニウム(Al)粒子(一次粒子の平均粒径80nm)に変更した以外は、複合構造粒子〔1〕の作製と同様にして、実施例10に用いる表面処理及びフッ素樹脂被覆された複合構造粒子〔10〕(一次粒子の平均粒径100nm)を作製した。
得られた複合構造粒子〔10〕の無機粒子(芯材)を被覆する酸化スズは、Alのドープ量が0.4質量部であり、表面処理及びフッ素樹脂被覆された複合構造粒子〔10〕の体積抵抗率は1.0×10Ωcmであった。
〔複合構造粒子〔11〕の作製〕
複合構造粒子〔1〕の作製において、表面処理剤:「KBM−503」(メタクリロイル基を含有するシランカップリング剤である3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン;信越化学工業株式会社製)による表面処理を行うことなく、複合構造粒子〔1〕の作製と同様にして、フッ素樹脂被覆して、実施例11に用いるフッ素樹脂被覆された複合構造粒子〔11〕(一次粒子の平均粒径100nm)を作製した。
得られた複合構造粒子〔11〕の無機粒子(芯材)を被覆する酸化スズは、Alのドープ量が0.4質量部であり、フッ素樹脂被覆された複合構造粒子〔11〕の体積抵抗率は1.0×10Ωcmであった。
〔複合構造粒子〔12〕の作製〕
複合構造粒子〔1〕の作製において、フッ素樹脂:「Novec(登録商標)2702」(3M社製)を混合することなく(フッ素樹脂被覆することなく)、複合構造粒子〔1〕の作製と同様にして、実施例12に用いる表面処理された複合構造粒子〔12〕(一次粒子の平均粒径100nm)を作製した。
得られた複合構造粒子〔12〕の無機粒子(芯材)を被覆する酸化スズは、Alのドープ量が0.4質量部であり、表面処理された複合構造粒子〔12〕の体積抵抗率は1.0×10Ωcmであった。
〔複合構造粒子〔13〕の作製〕
複合構造粒子〔1〕の作製において、無機粒子をアンチモンドープ酸化スズ(三菱マテリアル電子化成株式会社製のATO透明導電性粉末T−1シリーズ)(一次粒子の平均粒径:20nm)に変更し、この無機粒子につき、Alがドープされた酸化スズにて被覆処理及び表面処理を行うことなく、複合構造粒子〔1〕の作製と同様にして、フッ素樹脂被覆して、フッ素樹脂被覆された無機粒子(一次粒子の平均粒径20nm)を作製した。
このフッ素処理された無機粒子を、そのまま比較例1に用いるフッ素樹脂被覆された(コアシェル構造ではない)複合構造粒子〔13〕(一次粒子の平均粒径20nm)として使用した。
得られた(コアシェル構造ではない)複合構造粒子〔13〕の無機粒子は、Alドープされた酸化スズで被覆処理されていないため、Alのドープ量は測定不可である。また、フッ素樹脂被覆された(コアシェル構造ではない)複合構造粒子〔13〕の体積抵抗率は1.0×10Ωcmであった。
〔複合構造粒子〔14〕の作製〕
複合構造粒子〔1〕の作製において、芯材に用いる無機粒子を硫酸バリウム(BaSO)粒子(一次粒子の平均粒径10nm)に変更した以外は、複合構造粒子〔1〕の作製と同様にして、比較例2に用いる表面処理及びフッ素樹脂被覆された複合構造粒子〔14〕(一次粒子の平均粒径30nm)を作製した。
得られた複合構造粒子〔14〕の無機粒子(芯材)を被覆する酸化スズは、Alのドープ量が0.4質量部であり、表面処理及びフッ素樹脂被覆された複合構造粒子〔14〕の体積抵抗率は1.0×10Ωcmであった。
〔複合構造粒子〔15〕の作製〕
複合構造粒子〔1〕の作製において、芯材に用いる無機粒子を硫酸バリウム(BaSO)粒子(一次粒子の平均粒径280nm)に変更した以外は、複合構造粒子〔1〕の作製と同様にして、比較例3に用いる表面処理及びフッ素樹脂被覆された複合構造粒子〔15〕(一次粒子の平均粒径300nm)を作製した。
得られた複合構造粒子〔15〕の無機粒子(芯材)を被覆する酸化スズは、Alのドープ量が0.4質量部であり、表面処理及びフッ素樹脂被覆された複合構造粒子〔15〕の体積抵抗率は1.0×10Ωcmであった。
〔複合構造粒子〔16〕の作製〕
複合構造粒子〔1〕の作製において、塩化アルミニウム6水和物(AlCl・6HO)0.69gの代わりに塩化タンタル(TaCl)1.03gに変更した以外は、複合構造粒子〔1〕の作製と同様にして、比較例4に用いる表面処理及びフッ素樹脂被覆された複合構造粒子〔16〕(一次粒子の平均粒径100nm)を作製した。
得られた複合構造粒子〔16〕の無機粒子(芯材)を被覆する酸化スズは、Taのドープ量が0.4質量部であり、表面処理及びフッ素樹脂被覆された複合構造粒子〔16〕の体積抵抗率は1.0×10Ωcmであった。
〔複合構造粒子〔17〕の作製〕
複合構造粒子〔1〕の作製において、無機粒子を超微粒子硫酸バリウム(堺化学工業株式会社製のBARIFINE(登録商標)シリーズ)(一次粒子の平均粒径:100nm)に変更し、Alがドープされた酸化スズにて被覆処理を行うことなく、この無機粒子につき、複合構造粒子〔1〕の作製と同様にして、表面処理及びフッ素処理して、表面処理及びフッ素樹脂被覆された無機粒子(一次粒子の平均粒径100nm)を作製した。
この表面処理及びフッ素処理された無機粒子を、そのまま比較例5に用いる表面処理及びフッ素樹脂被覆された(コアシシェル構造ではない)複合構造粒子〔17〕(一次粒子の平均粒径100nm)として使用した。
得られた複合構造粒子〔17〕の無機粒子は、Alドープされた酸化スズで被覆処理されていないため、Alのドープ量は測定不可である。また、表面処理及びフッ素樹脂被覆された(コアシシェル構造ではない)複合構造粒子〔17〕の体積抵抗率は1.0×10Ωcmであった
(実施例1)
〔感光体〔1〕の作製〕
(1)導電性支持体の作製
ドラム状のアルミニウム支持体(外径30mm、長さ360mm)の表面を切削加工し、表面粗さRz=1.5(μm)の導電性支持体〔1〕を作製した。
(2)中間層の形成
下記原料を分散機としてサンドミルを用いて、バッチ式により10時間の分散を行い、中間層形成用塗布液〔1〕を調製した。
・バインダ樹脂:ポリアミド樹脂「X1010」(ダイセルデグサ社製) 1質量部
・溶媒:エタノール 20質量部
・金属酸化物微粒子:数平均一次粒径0.035μmの酸化チタン微粒子「SMT500SAS」(テイカ株式会社製) 1.1質量部。
上記導電性支持体〔1〕上に、この中間層形成用塗布液〔1〕を浸漬塗布法により塗布して塗布膜を形成し、この塗布膜を110℃で20分間乾燥し、層厚2μmの中間層〔1〕を形成した。
(3)電荷発生層の形成
下記原料を分散機としてサンドミルを用いて、10時間の分散を行い、電荷発生層形成用塗布液〔1〕を調製した。
・電荷発生物質:チタニルフタロシアニン顔料(Cu−Kα特性X線回折スペクトル測定で、少なくとも27.3°の位置に最大回折ピークを有するもの) 20質量部
・バインダ樹脂:ポリビニルブチラール樹脂「#6000−C」(電気化学工業株式会社製) 10質量部
・溶媒:酢酸t−ブチル 700質量部
・溶媒:4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノン 300質量部。
上記中間層〔1〕の上に、この電荷発生層形成用塗布液〔1〕を浸漬塗布法(浸漬コーティング法)により塗布して塗布膜を形成し、層厚0.3μmの電荷発生層〔1〕を形成した。
(4)電荷輸送層の形成
下記原料を混合して溶解し、電荷輸送層形成用塗布液〔1〕を調製した。
・電荷輸送物質:下記式(A)に示す化合物 150質量部
・バインダ樹脂:ポリカーボネート樹脂「Z300」(三菱ガス化学株式会社製)
300質量部
・溶媒:トルエン/テトラヒドロフラン=1/9体積% 2000質量部
・酸化防止剤:「Irganox1010」(BASFジャパン社製) 6質量部
・レベリング剤:シリコーンオイル「KF−54」(信越化学工業株式会社製)
1質量部。
上記電荷発生層〔1〕上に、この電荷輸送層形成用塗布液〔1〕を浸漬塗布法(浸漬コーティング法)により塗布して塗布膜を形成し、この塗布膜を120℃で70分間乾燥し、層厚20μmの電荷輸送層〔1〕を形成した。
(5)最表面層の形成
・複合構造粒子〔1〕の作製で得られた複合構造粒子〔1〕 100質量部
・多官能ラジカル重合性化合物:トリメチロールプロパントリメタクリレート(サートマー社製) 100質量部
・溶媒:2−ブタノール 400質量部
・溶媒:THF(テトラヒドロフラン) 40質量部を遮光下で混合し、分散機としてサンドミルを用いて5時間分散した後、
・重合開始剤:Irgacure819(BASFジャパン社製) 10質量部を加え、遮光下で撹拌して溶解させ、最表面層形成用塗布液〔1〕を調製した。
この最表面層形成用塗布液〔1〕を電荷輸送層〔1〕上に円形スライドホッパー塗布装置を用いて塗布して塗膜を形成し、メタルハライドランプを用いて紫外線を1分間照射して、乾燥膜厚3.0μmの最表面層〔1〕を形成し、感光体〔1〕を完成させた。
(実施例2〜12および比較例1〜5)
〔感光体〔2〕〜〔17〕の作製〕
感光体〔1〕の作製における最表面層の形成(工程)において、上記した複合構造粒子〔1〕の作製で得られた複合構造粒子〔1〕を上記した複合構造粒子〔2〕の作製〜複合構造粒子〔17〕の作製で得られた複合構造粒子〔2〕〜〔17〕に変更し、さらに表1の処方(複合構造粒子の部数(使用量))に変更した以外は、感光体〔1〕の作製と同様して、感光体〔2〕〜〔17〕を作製した。
実施例2〜12および比較例1〜5で作製した感光体〔1〕〜〔17〕の構成を、下記表1に示す。
(評価)
(1)摩耗性
コニカミノルタ株式会社製 bizhub(登録商標) 554を用いて、室温23℃、湿度50%RH条件下において、Bk(ブラックトナー)位置にて30,000枚実写前後の感光体の最表面層の膜厚減耗量により下記評価基準に従って評価した。感光体〔1〕〜〔17〕の評価結果を表1に示す。
具体的には、感光体の最表面層の膜厚は、均一膜厚部分(塗布の先端部および後端部の膜厚変動部分を膜厚プロフィールを作製して除く)をランダムに10ヶ所測定し、その平均値を最表面層の膜厚とする。膜厚測定器は渦電流方式の膜厚測定器「EDDY560C」(HELMUT FISCHER GMBTE CO社製)を用い、耐久試験(30,000枚実写)前後の最表面層の膜厚の差を膜厚減耗量(μm)として算出した。耐久試験としては、室温23℃、湿度50%RH条件下において、Bk位置にて、画像比率5%の文字画像をA4横送りで、30,000枚片面連続でプリント(実写)を行う試験を実施した。
−摩耗性(膜厚減耗量)の評価基準−
◎:膜厚減耗量が、0.3μm未満の摩耗である(非常に優れている)
○:膜厚減耗量が、0.3μm以上0.6μm未満の摩耗である(優れている)
△:膜厚減耗量が、0.6μm以上1μm未満の摩耗である(実用上問題はない)
×:膜厚減耗量が、1μm以上摩耗している(実用上問題あり)。
(2)電気特性
コニカミノルタ株式会社製 bizhub(登録商標) 368を用いて、室温23℃、湿度50%RH条件下において、初期電位600±30Vに設定し、露光後の表面電位を計測し、下記評価基準に従って評価した。感光体〔1〕〜〔17〕の評価結果を表1に示す。
−電気特性(露光後の表面電位)の評価基準−
◎:露光後の表面電位が60V未満(非常に優れている)
○:露光後の表面電位が60V以上90V未満(優れている)
△:露光後の表面電位が90V以上120V未満(実用上問題はない)
×:露光後の表面電位が120V以上(実用上問題あり)。
(3)細線特性
コニカミノルタ株式会社製 bizhub(登録商標) C368を用いて、室温30℃、湿度80%RH(高湿環境)条件下において、Bk(ブラックトナー)位置にて黒線(1ドット)(評価チャートとしては、1ドットの格子状の評価チャートになる。この格子の横線を評価している。)1枚出力し、形成された黒線を光学顕微鏡にて観察し、下記評価基準に従って評価した。感光体〔1〕〜〔17〕の評価結果を表1に示す。
−細線特性(黒線の光学顕微鏡観察)の評価基準−
◎:黒線が途切れず一定の線幅で形成されている(非常に優れている)
○:黒線の線幅が一部乱れているが途切れてはいない(優れている)
△:黒線の途切れている箇所が一部ある(実用上問題はない)
×:黒線が形成されていない(実用上問題あり)。
表1の結果より、感光体の最表面層が複合構造粒子と、樹脂バインダとを含有し、前記複合構造粒子は、芯材が無機粒子であり、前記無機粒子にアルミニウム(Al)がドープされた酸化スズにて被覆されており、前記複合構造粒子の一次粒子の平均粒径が、50〜200nmである実施例1〜12の感光体〔1〕〜〔12〕は、各評価項目において良好な評価を獲得している。
一方、感光体の最表面層が複合構造粒子と、樹脂バインダとを含有し、前記複合構造粒子は、芯材が無機粒子であり、前記無機粒子にアルミニウム(Al)がドープされた酸化スズにて被覆されており、前記複合構造粒子の一次粒子の平均粒径が、50〜200nmであるとする要件のうち、いずれか1つでも満足しない比較例1〜5の感光体〔13〕〜〔17〕では、摩耗性、電気特性、および細線特性の1つ以上で問題を有する。
10 感光体、
10a 導電性支持体、
10b 中間層、
10c 電荷発生層、
10d 電荷輸送層、
10e 最表面層、
10f 有機感光層、
11 帯電ローラ、
11a 芯金、
11b 弾性層、
11c 抵抗制御層、
11d 表面層、
11e 押圧バネ、
12 露光手段、
13 現像手段、
13a 現像スリーブ、
14 転写手段、
15 清掃ローラ、
17 定着手段、
18 クリーニング手段、
18a クリーニングブレード、
18b 貯留部、
21 無機粒子(芯材)、
23 Alドープ酸化スズ、
25 複合構造粒子、
25a 表面処理された複合構造粒子、
25b 表面処理及びフッ素樹脂被覆された複合構造粒子、
27 表面処理膜、
29 フッ素樹脂膜、
P 転写材。

Claims (8)

  1. 導電性支持体上に電荷発生層、電荷輸送層がこの順に積層された電子写真感光体において、
    前記電子写真感光体の最表面を構成する層が、芯材が無機粒子であり、前記無機粒子にアルミニウムがドープされた酸化スズにて被覆された複合構造粒子を含有し、
    前記複合構造粒子の一次粒子の平均粒径が、50〜200nmであることを特徴とする電子写真感光体。
  2. 前記無機粒子が、BaSO、SiO、Alのいずれかであることを特徴とする記載の請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 前記無機粒子を被覆するアルミニウムがドープされた酸化スズは、酸化スズ100質量部に対するAlのドープ量が0.05〜1質量部の範囲であり、前記複合構造粒子の体積抵抗率が10〜10Ωcmであることを特徴とする請求項1または2に記載の電子写真感光体。
  4. 前記複合構造粒子が、表面処理していない複合構造粒子100質量部に対して0.5〜10質量部の範囲内の重合性の反応基を有する表面処理剤で表面処理されてなり、
    前記表面処理剤がアクリロイルまたはメタクリロイル基を含有するシランカップリング剤であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
  5. 前記複合構造粒子が、複合構造粒子100質量部に対して1〜10質量部の範囲内のフッ素樹脂で被覆されてなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
  6. 前記電子写真感光体の最表面を構成する層が、さらに樹脂バインダを含有し、
    前記複合構造粒子の含有量が、前記樹脂バインダ100質量部に対して、50〜250質量部の範囲であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
  7. 前記樹脂バインダは、重合性化合物の重合硬化物であることを特徴とする請求項6に記載の電子写真感光体。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、
    前記電子写真感光体の表面を帯電させるための帯電手段と、
    帯電した前記電子写真感光体の表面に光を照射して静電潜像を形成するための露光手段と、
    静電潜像が形成された前記電子写真感光体にトナーを供給してトナー像を形成するための現像手段と、
    前記電子写真感光体の表面の前記トナー像を記録媒体に転写するための転写手段と、
    を有する、画像形成装置であって、
    前記帯電手段は、前記電子写真感光体の表面に近接して、帯電電圧を印加するための近接帯電方式の帯電手段であることを特徴とする画像形成装置。
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