JP2010026428A - 有機感光体、画像形成装置およびプロセスカートリッジ - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の目的は、高転写電圧の印加により発生しやすい、転写メモリーや残留電位の上昇を防止し、長期間に亘り良好なハーフトーン画像を形成できる有機感光体及び該有機感光体を用いた画像形成装置及びプロセスカートリッジを提供することである。
【解決手段】導電性支持体上に電荷発生層、電荷輸送層および保護層を順次積層した有機感光体において、該電荷輸送層に含まれる主たる電荷輸送物質のイオン化ポテンシャルが5.50eV以下であり、該保護層は、膜密度が1.2〜3.5g/cm3で、膜厚3.0μm以下の保護層であることを特徴とする有機感光体。
【選択図】なし
【解決手段】導電性支持体上に電荷発生層、電荷輸送層および保護層を順次積層した有機感光体において、該電荷輸送層に含まれる主たる電荷輸送物質のイオン化ポテンシャルが5.50eV以下であり、該保護層は、膜密度が1.2〜3.5g/cm3で、膜厚3.0μm以下の保護層であることを特徴とする有機感光体。
【選択図】なし
Description
本発明は電子写真方式の画像形成装置等に用いる有機感光体、該有機感光体を用いた画像形成装置及びプロセスカートリッジに関するものである。
本発明は、有機感光体の周辺に少なくとも帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段を有し、繰り返し画像形成を行う画像形成装置において、転写メモリやゴーストの画像ムラがないハーフトーン画像を長期的に得ることができる感光体及び画像形成装置の提供を可能にした。電子写真方式を利用した画像形成装置には、感光体に印加される帯電電圧と同極性のトナーを使用して現像する反転現像方式が主流であり、デジタル画像形成装置に広く使用されている。
感光体ではハーフトーン画像を長期的に得るために、露光後電位を安定にすることが求められており、有効な手段の一つには感光層に含まれる電荷輸送物質の設計がある。電荷輸送物質のイオン化ポテンシャルを低めに設定すると良好な階調性やハーフトーンが得られる。一方で、転写に問題が生じる。
前述の転写工程で感光体に印加される転写電圧は、通常感光体に直接印加せず、紙または中間転写体を介して印加される。年々進む高画質化に対して、トナーが小粒径化の方向にあり、これらと連動して転写電圧も高く設定されることが多くなってきた。これは小さくなったトナーには凝集力がより多く働き、転写が困難になるからである。一方で転写電圧が高い(又は、高い転写電流を付加する)際の問題は、転写メモリの発生である。
転写電圧は感光体上のトナー現像部、非現像部とも一様に印加される。すなわち、トナーを介して転写電圧がかかる感光体表面と、直接転写電圧が感光体表面にかかる部位ができる。負帯電型感光体の場合、転写工程で印加される電圧の極性はプラスであるため、プラス電圧が印加された感光体表面にはプラスの空間電荷が残存する。一般に、次の帯電工程においてプラスの空間電荷は消去される。
ところが、転写電圧が必要以上に高くなる(又は、必要以上の高い転写電流を付加する)とプラスの空間電荷が過剰に残存し、次の帯電工程でマイナス帯電されても空間電荷の影響で電位低下が引き起こされ、更に現像工程においては感度差となって現れ、画像中では当該部分が黒くなる、いわゆる転写メモリ画像が発生する。これらは、より小粒径のトナーを転写させる際の転写電圧を高くした際により顕著になる傾向があった。一方で転写電圧を下げると転写不良が発生し十分トナーを転写させることができない。
このような障害を克服するための対策の一つとして、高いイオン化ポテンシャルを有する電荷輸送材料を用いることにより、正電荷の注入を受け難い電荷輸送層を形成する方法がある(特許文献1)。
しかしながら、このような方法を採ると、静電潜像形成の際、電荷発生層の価電子帯上端のエネルギー準位は電荷輸送層のそれよりも浅くなり、電荷発生層から電荷輸送層への正孔注入が起こりにくくなる。その結果、残留電位が上昇し、画像の階調性が劣化するという問題があった。
特開2002−72522号公報
本発明の目的は、前記したような問題点を改善することであり、高転写電圧の印加により発生しやすい、転写メモリーや残留電位の上昇を防止し、長期間に亘り良好なハーフトーン画像を形成できる有機感光体及び該有機感光体を用いた画像形成装置及びプロセスカートリッジを提供することである。
そこで、本発明者らは小粒径トナー使用時の転写メモリを解決するため、感光体表面ホール注入サイトに着目し、高転写電圧によるホールの注入を防止する層すなわち、絶縁性の保護層について検討し、転写メモリを発生させないと同時に繰り返し使用時の残留電位の増加も防止できる保護層と感光層の条件を検討し、以下のような構成を有する有機感光体を用いることで、本願発明の前記した課題が解決できることを見出した。
即ち、本願発明は以下のような構成を有することにより達成される。
1.導電性支持体上に電荷発生層、電荷輸送層および保護層を順次積層した有機感光体において、該電荷輸送層に含まれる主たる電荷輸送物質のイオン化ポテンシャルが5.50eV以下であり、該保護層は、膜密度が1.2〜3.5g/cm3で、膜厚3.0μm以下の保護層であることを特徴とする有機感光体。
2.前記保護層が硬化性化合物を用いて形成される硬化膜であることを特徴とする前記1に記載の有機感光体。
3.前記保護層がプラズマ状態の反応ガスから形成される硬化膜であることを特徴とする前記1に記載の有機感光体。
4.有機感光体の周辺に、少なくとも帯電手段、露光手段、現像手段を有し、繰り返し画像形成を行う画像形成装置において、該有機感光体が前記1〜3のいずれか1項に記載の有機感光体であることを特徴とする画像形成装置。
5.前記4に記載の画像形成装置に用いられるプロセスカートリッジが、少なくとも前記1〜3のいずれか1項に記載の有機感光体と帯電器、像露光器、現像器の少なくとも1つを一体として有しており、該画像形成装置に出し入れ可能に構成されることを特徴とするプロセスカートリッジ。
本発明の有機感光体を用いることにより、従来問題となっていた転写電圧又は転写電流での転写メモリーや残留電位の上昇を防止でき、絶縁破壊や黒ポチを防止でき、高濃度の電子写真画像を形成することができる。又該有機感光体を用いた画像形成装置及びプロセスカートリッジを提供することが出来る。
以下、本発明を詳細に説明する。
本願発明の有機感光体は、導電性支持体上に電荷発生層、電荷輸送層および保護層を順次積層した有機感光体において、該電荷輸送層に含まれる主たる電荷輸送物質のイオン化ポテンシャルが5.50eV以下であり、該保護層は、膜密度が1.2〜3.5g/cm3で、膜厚3.0μm以下の保護層であることを特徴とする。
負帯電型有機感光体は一般的に、電荷輸送材料が含有されている。これらの電荷輸送剤の存在箇所は転写の際にプラス電荷が注入される源となる。これら電荷輸送剤を全く含まない保護層を設置すると、高い転写電圧をかけて(又は、高い転写電流を付加する)もホールが注入せず、転写メモリの元となるプラスの空間電荷が存在しなくなる。しかしながら、膜密度が低い保護層では局所的にホールの注入サイトが見受けられることがある。この注入サイトが存在すると、ホールが注入してしまうため好ましくない。このため、膜密度を適切に設定する必要がある。
更に、3μm以下の薄膜で用いることや感光層にイオン化ポテンシャルの低い電荷輸送剤を合わせて使用すれば、残留電位が上昇して画像の階調性が劣化する問題も起こりづらくなる。このため高い転写電圧をかけて(又は、高い転写電流を付加する)も良好なハーフトーン画像を得ることが出来る。
ここで、上記高い転写電圧、或いは高い転写電流とは、温湿度条件や有機感光体の構成要件等で、電圧や電流の値が変わるものであり、電圧や電流の絶対値が問題なのではない。
絶縁性の保護層は、電荷輸送性の物質を含まないため、可塑性の物質がなくなることにより、強度も向上する。さらには、膜密度を高めに設定すると強度は更に向上し好ましい。これらは、トナーとの付着力を下げる予想外の効果ももたらした。このことにより転写率をさらに高くすることができ、電荷輸送剤を保護層中に含むもう一つの課題であるダッシュマークの発生を抑制することができた。電荷輸送物質が保護層中に含まれない感光体がトナーとの付着力を下げるメカニズムは明らかではないが、その硬度ゆえの変形量の少なさにより、トナーとの液架橋力や追従性を下げると予想している。
本願発明に係わる有機感光体の保護層について説明する。
膜密度が1.2〜3.5g/cm3の膜厚3.0μm以下の保護層としては、各種の保護層の材料や該材料を用いた製造方法が利用できるが、本願発明では、塗布方式で形成する保護層としては、光硬化性樹脂の保護層、或いは、プラズマ状態の反応ガスで形成する保護層等が好ましく利用できる。
光硬化性樹脂の保護層は、アクリロイルオキシ基(CH2=CHCOO−)、あるいはメタクリロイルオキシ基(CH2=C(CH3)COO−)、エポキシ基等を有するラジカル重合性官能基を有する化合物を用いて形成することができる。該硬化性化合物をそのまま保護層の塗布液成分として用いてもよいが、あらかじめ、オリゴマーに重合して、保護層の塗布液成分としたものでもよい。
上記の硬化性化合物は、以下のような化合物が好ましい。
上記の硬化性化合物は、市販されており、日本化薬(株)、東亞合成(株)、ダイセルサイテック(株)等から購入することができる。
硬化性化合物の官能基は2官能以上が好ましく、特に、3官能以上の化合物を混在させることにより、膜密度1.2〜3.5g/cm3の保護層を作製しやすい。
これら硬化性化合物の重合開始剤としては、光重合開始剤が好ましく、中でも、アルキルフェノン系化合物、或いはフォスフィンオキサイド系化合物が好ましい。特に、α−ヒドロキシアセトフェノン構造、或いはアシルフォスフィンオキサイド構造を有する化合物が好ましい。下記に好ましく用いられる重合開始剤を例示する。
α−アミノアセトフェノン系の例
α−アミノアセトフェノン系の例
α−ヒドロキシアセトフェノン系化合物の例
アシルフォスフィンオキサイド系化合物の例
これら光硬化性樹脂の保護層を形成するには、保護層の塗布液(上記組成物)を感光層上に塗布した後、塗膜の流動性が無くなる程度まで1次乾燥した後、紫外線を照射して保護層を硬化し、更に塗膜中の揮発性物質の量を規定量にするため2次乾燥を行って作製する方法が好ましい。
紫外線を照射する装置としては、紫外線硬化樹脂を硬化させるのに用いられている公知の装置を用いることができる。
樹脂を紫外線硬化させる紫外線の量(mJ/cm2)は、紫外線照射強度と照射時間で制御することが好ましい。
又、保護層の塗布方法も、感光体全体を保護層塗布液に浸漬する浸漬塗布は、重合開始剤の下層への拡散を増大させるので、保護層の下の感光層の膜を極力溶解させないため、量規制型(円形スライドホッパー型がその代表例)塗布等の塗布加工方法を用いるのが好ましい。前記円形量規制型塗布については例えば特開昭58−189061号公報に詳細に記載されている。
又、保護層には金属酸化物を含有させることが好ましい。金属酸化物を含有させることにより、保護層の硬度を更に高めることができ、感光体の摩耗を小さくできる。
このような金属酸化物(金属酸化物粒子)には、遷移金属のケイ素酸化物等も包含し、例えば、シリカ、酸化亜鉛、酸化チタン、アルミナ、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化ビスマス、スズをドープした酸化インジウム、アンチモンやタンタルをドープした酸化スズ、酸化ジルコニウム等の微粒子を好ましく用いることができ、これらの中でも特に、コスト、粒径の調整や表面処理の容易さ等からシリカ、酸化チタン、アルミナ(酸化アルミニウム)等が好ましい。
又、これら金属酸化物粒子の大きさは、数平均一次粒径で10〜100nmが好ましい。
金属酸化物粒子の数平均一次粒径は、透過型電子顕微鏡観察によって10000倍に拡大し、ランダムに300個の粒子を一次粒子として観察し、画像解析によりフェレ径の数平均径として測定値を算出する。
次に、プラズマ状態の反応ガスで形成する保護層としては、特開2003−302774号公報に記載の大気圧もしくはその近傍の圧力での放電によるプラズマ状態の反応性ガスから形成される保護層を用いることが好ましい。
即ち、本発明に用いられる大気圧プラズマ放電処理方法は、特開2003−302774号公報等に記載されているように、対向する電極間においてプラズマ放電を大気圧もしくはその近傍の圧力下で反応性ガス及び希ガスまたは窒素ガスを含有する反応ガスを存在させて発生させて反応ガスをプラズマ状態とし、該プラズマ状態の反応ガスに基材の表面をさらし、求める物質層を形成させる処理方法である。本発明において、上記基材なる語は、導電性支持体または導電性支持体の上に中間層や感光層(例えば、有機感光層)を有する基材を意味し、元来被薄膜形成体のことであり、これらは本発明においては同義である。
上記において、大気圧もしくはその近傍の圧力下でのプラズマ放電処理における大気圧もしくはその近傍の圧力とは、20〜200kPaの圧力を表すが、本発明に記載の効果を好ましく得るためには90〜110kPa、特に93〜104kPaが好ましい。
本発明において、大気圧プラズマ放電処理する導電性支持体側の電極をアース電極とし、これに対向する電極を印加電極とする。印加電極には下記の如き高周波電源を接続し、アース電極にはもちろんアースに接地する。
本発明に係る薄膜形成方法においては、対向する電極間に、1kHz〜150MHzの高周波電圧を印加し、反応ガスを励起してプラズマを発生させることによって緻密な薄膜を導電性支持体表面に設けることが出来るが、更に本出願人は、100kHzを越えた高周波電圧で、且つ、1W/cm2以上の電力を供給し、反応ガスを励起してプラズマを発生させるハイパワーの電界を印加することによって、より緻密で、膜厚均一性の高い高機能性の薄膜を、生産効率高く得ることが可能であることを本出願人は既に見い出している。
本発明において、電極間に印加する高周波電圧の周波数の上限値は、好ましくは150MHz以下である。また、高周波電圧の周波数の下限値としては、1kHz、好ましくは5kHzより好ましくは100kHzを越える周波数、更に好ましくは200kHz以上、特に好ましくは800kHz以上である。
印加電極に電圧を印加する高周波電源としては、特に限定はないが、本発明において使用し得る高周波電源としては、神鋼電機製高周波電源(5kHz、50kHz)、ハイデン研究所製高周波電源(連続モード使用、100kHz)、パール工業製高周波電源(200kHz)、パール工業製高周波電源(800kHz)、パール工業製高周波電源(2MHz)、パール工業製高周波電源(13.56MHz)、パール工業製高周波電源(27MHz)、パール工業製高周波電源(150MHz)等を好ましく使用出来る。
また、電極間に供給する電力の下限値は、0.5W/cm2であり、好ましくは1.0W/cm2以上、より1.2W/cm2以上であり、上限値としては、好ましくは50W/cm2以下、更に好ましくは20W/cm2以下である。尚、電極における電圧の印加面積(1/cm2)は、放電が起こる範囲の面積のことを指す。
印加電極に印加される電圧の値は適宜決定されるが、例えば、電圧が0.5〜10kV程度で、電源周波数は100kHzを越えて150MHz以下に調整される。ここで電源の印加法に関しては、連続モードと呼ばれる連続サイン波状の連続発振モードとパルスモードと呼ばれるON/OFFを断続的に行う断続発振モードのどちらを採用しても良いが連続モードの方がより緻密で良質な膜が得られる。
本発明においては、ハイパワーの電圧を印加しても、均一なグロー放電状態を保つことが出来る電極をプラズマ放電処理装置に採用する必要がある。
このような電極としては、金属母材上に誘電体を被覆したものであることが好ましい。対向する印加電極とアース電極の少なくとも一方の放電面に誘電体を被覆すること、更に好ましくは、対向する印加電極とアース電極の両方に誘電体を被覆することである。
本発明においては、上記のような金属母材とその上に誘電体を被覆した印加電極と対向するアース電極が有機感光体の導電性支持体である場合は、印加電極には必ず金属母材とその上に被覆した誘電体を有する電極を用いることが重要である。
また、本発明の誘電体被覆電極において、大電力に耐える他の好ましい仕様としては、耐熱温度が100℃以上であることである。更に好ましくは120℃以上、特に好ましくは150℃以上である。尚、耐熱温度とは、絶縁破壊が発生せず、正常に放電出来る状態において耐えられる最も高い温度のことを指す。このような耐熱温度は、上記のセラミックス溶射や、泡混入量の異なる層状のガラスライニングで設けた誘電体を適用したり、下記導電性母材と誘電体の線熱膨張係数の差の範囲内の材料を適宜選択する手段を適宜組み合わせることによって達成可能である。
また、本発明の誘電体被覆電極において、大電力に耐える別の好ましい仕様としては、誘電体の厚みが0.5〜2mmであることである。この膜厚変動は、5%以下であることが望ましく、好ましくは3%以下、さらに好ましくは1%以下である。
上記、導電性母材に対し、セラミックスを誘電体として高密度に、高密着に溶射する方法としては、大気圧プラズマ溶射法が挙げられる。大気圧プラズマ溶射法は、セラミックス等の微粉末、ワイヤ等をプラズマ熱源中に投入し、溶融または半溶融状態の微粒子として被覆対象の母材に吹き付け、皮膜を形成させる技術である。プラズマ熱源とは、分子ガスを高温にし、原子に解離させ、さらにエネルギーを与えて電子を放出させた高温のプラズマガスである。このプラズマガスの噴射速度は大きく、従来のアーク溶射やフレーム溶射に比べて、溶射材料が高速で母材に衝突するため、密着強度が高く、高密度な被膜を得ることが出来る。詳しくは、特開2000−301655号に記載の高温被曝部材に熱遮蔽皮膜を形成する溶射方法を参照することが出来る。この方法によれば、被覆する誘電体(セラミック溶射膜)の空隙率を上記のようにすることが可能である。
誘電体の空隙率をより低減させるためには、セラミックス等の溶射膜に、更に、無機化合物で封孔処理を行うことが好ましい。前記無機化合物としては、金属酸化物が好ましく、この中では特に酸化ケイ素(SiOx)を主成分として含有するものが好ましい。
封孔処理の無機化合物は、ゾルゲル反応により硬化して形成したものであることが好ましい。封孔処理の無機化合物が金属酸化物を主成分とするものである場合には、金属アルコキシド等を封孔液として前記セラミック溶射膜上に塗布し、ゾルゲル反応により硬化する。無機化合物がシリカを主成分とするものの場合には、アルコキシシランを封孔液として用いることが好ましい。
このような電極を用いた大気圧プラズマ放電処理装置について、アース電極と、対向する位置に配置された印加電極との間で放電させ、当該電極間に反応ガスを導入してプラズマ状態とし、導電性支持体を前記プラズマ状態の反応ガスにさらすことによって、薄膜を形成するものであるが、本発明に係る薄膜形成方法を実施する装置としてはこれに限定されるものではなく、グロー放電を安定に維持し、薄膜を形成するために反応ガスを励起してプラズマ状態とするものであればよい。
本発明における対向電極間の距離は、電極の金属母材に被覆した誘電体の厚さ、印加電圧の大きさ、プラズマを利用する目的等を考慮して決定される。対向電極の一方に誘電体を被覆した場合の誘電体表面と他方の電極表面の距離、対向電極の双方に誘電体を被覆した場合の誘電体表面同士の距離、あるいは対向電極の片方に電極の被覆された誘電体表面と、他方が導電性支持体電極の場合の導電性支持体電極表面の距離は、いずれの場合も均一な放電を行う観点から0.5〜20mmが好ましく、特に好ましくは1mm±0.5mmである。
本発明の有機感光体のプラズマ放電処理装置及び方法について図を用いて説明する。
図1及び2は、対向電極間で発生したプラズマ状態の反応ガスを電極間外部にジェット状に導き、そのプラズマ状態の反応ガスに導電性支持体をさらすことにより保護層を形成させる例を示したものである。
図1は、対向電極間で発生するプラズマ状態の反応ガスをジェット状にしてシート状またはフィルム状の有機感光体(導電性支持体上に有機感光層等を有する)の表面に保護層を形成させる大気圧プラズマ放電処理装置の一例を示す概略図である。高周波電源4により高周波電圧を印加する印加電極1とアース電極2の対向電極の電極間で放電を起こさせ、該電極間に反応ガスGを導入し、そこでプラズマ状態の反応ガスG°(点線で表している)がジェット状に下方に流れ(ジェット方式)、電極の下において移送して来るシート状またはフィルム状の有機感光体CF上の有機感光体が処理位置3に来たところで該有機感光体に保護層を形成させる。有機感光体CFは、図示してない基材の元巻ロールから巻きほぐされて搬送されるか、あるいは前工程から搬送されて来る。G′は処理排ガスである。1A及び2Aは印加電極1及びアース電極2の金属母材であり、1B及び2Bは誘電体である。
図2は、対向電極間で発生するプラズマ状態の反応ガスをジェット状にして円筒状の有機感光体の表面に保護層を形成させる大気圧プラズマ放電処理装置の一例を示す概略図である。図2は、図1のシート状またはフィルム状の有機感光体CFを、円筒状の有機感光体CDに変えた図である。この方法により、シート状またはフィルム状の有機感光体でなくとも同様な装置で保護層を形成することが出来る。円筒状の有機感光体CDは処理を均一化するために、回転させることが好ましい。
本発明の薄膜形成方法に係る反応ガスについて説明する。
本発明の薄膜形成方法を実施するにあたり、使用する反応ガスは、導電性支持体上の有機光導電層上に設けたい保護層の種類によって異なるが、基本的に、希ガスまたは窒素ガスと保護層を形成する成分の反応性ガスを混合した反応ガスである。保護層の膜厚としては、0.1〜1000nmの範囲が好ましい。
上記希ガスとは、周期表の第18属元素、具体的には、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、ラドン等が挙げられるが、本発明に記載の効果を得るためには、ヘリウム、アルゴンが好ましく用いられる。
本発明の有機感光体の保護層を形成する成分を有する有用な反応性ガスは、金属化合物または有機金属化合物のガスまたは気化器でガス化したものであり、これらの金属としては、例えば、Li、Be、B、Na、Mg、Al、Si、K、Ca、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、Rb、Sr、Y、Zr、Nb、Mo、Cd、In、Ir、Sn、Sb、Cs、Ba、La、Hf、Ta、W、Tl、Pb、Bi、Ce、Pr、Nd、Pm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu等を挙げることが出来る。これらのうち、主にAl、Si、Ti、V、Cr、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、In、Sn、Wが特に保護層として硬度を有する被膜を形成することが出来好ましい。またSi、Ti、Ni、Snがより好ましく、特に好ましくはSiである。上記より好ましい金属に他の金属を混合させてもよく、更に強固な保護層を得ることが出来るので好ましい。
有機金属化合物は金属アルコキシド、アルキル化金属、β−ケトン金属錯体であることが好ましく、これらの基の混合した例えば、アルキルアルコキシ金属、アルキル金属β−ケトン錯体、アルコキシ金属β−ケトン錯体も好ましい。
本発明において、上記金属のうち、Al、Si、Ti、V、Cr、Co、Ni、Cu、Zn、In、Sn、Wの金属について、金属化合物または有機金属化合物について例示すると、トリイソプロポキシアルミニウム、ジイソプロポキシアルミニウムアセトアセトナート、テトラエトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、ジメチルシランプロピレングリコラート、トリイソプロポキシシランアセトアセトナート、シラントリフルオロアセトナート、テトラ(トリフルオロエトキシ)シラン、トリエトキシクロロシラン、ジエトキシジクロロシラン、ジブチルジエトキシシラン、ジクロロエチルジクロロシラン、テトラクロロシラン、トリイソプロポキシチタン、メチルジプロポキシチタン、テトラエトキシチタン、ジエトキシチタンアセトアセトナート、エチルチタンチタンジアセトアセトナート、トリクロロチタン、トリブトキシコバルト、銅ジアセトアセトナート、ジクロロ銅、ジエトキシ亜鉛、ジクロロ亜鉛、トリブトキシインジウム、ジクロロインジウム、ジエトキシ錫、ジブトキシ錫、ジメチルジメトキシ錫、錫ジアセトアセトナート、ジメチル錫ジメチルアセトアセトナート、ジクロロジクロロエチル錫等を挙げることが出来るが、これらに限定されない。これらのうち、特に有機珪素化合物または珪素金属化合物が好ましい。
上記のごとき金属化合物または有機金属化合物を放電部に導入するには、常温常圧で、気体、液体、固体いずれの状態であっても構わない。気体の場合は、そのまま放電空間に導入出来るが、液体、固体の場合は、加熱、減圧、超音波照射等の気化手段により気化させて使用することが好ましい。常温で液体で、沸点が200℃以下である金属化合物または有機金属化合物の場合には、溶媒によって希釈して使用されても良く、溶媒は、メタノール、エタノール、n−ヘキサンなどの有機溶媒及びこれらの混合溶媒が使用出来る。尚、これらの希釈溶媒は、プラズマ放電処理中において、分子状、原子状に分解される為、導電性支持体上への保護層の形成、保護層の組成などに対する影響は殆ど無視することが出来る。金属化合物または有機金属化合物を有機溶媒に溶解させて溶液とした後、加熱して、反応ガスに使用する希ガス、例えばアルゴンを有機金属化合物溶液にバブリングして気化させることが出来る。気化には市販のものを使用することが出来、例えば、リンテック社製気化器を挙げることが出来る。
また、上記記載の反応ガス中に反応性ガスの補助ガスとして水素ガスを酸素、オゾン、過酸化水素、二酸化炭素、一酸化炭素、水素、窒素から選択される成分を0.01〜10体積%含有させることにより、反応が促進され、且つ、緻密で良質な著しく硬度の高い保護層を形成することが出来る。
また、有機フッ素化合物を補助ガスとして用いることが出来る。有機フッ素化合物としては、フッ化炭素ガス、フッ化炭化水素ガス等が好ましく用いられる。フッ化炭素ガスとしては、四フッ化炭素、六フッ化炭素、具体的には、四フッ化メタン、四フッ化エチレン、六フッ化プロピレン、八フッ化シクロブタン等が挙げられる。前記のフッ化炭化水素ガスとしては、二フッ化メタン、四フッ化エタン、四フッ化プロピレン、三フッ化プロピレン等を挙げることが出来る。
更に、一塩化三フッ化メタン、一塩化二フッ化メタン、二塩化四フッ化シクロブタン等のフッ化炭化水素化合物のハロゲン化物やアルコール、酸、ケトン等の有機化合物のフッ素置換体を用いることが出来るがこれらに限定されない。また、これらの化合物が分子内にエチレン性不飽和基を有していても良い。前記の化合物は単独でも混合して用いても良い。
上記記載の金属化合物または有機金属化合物及び補助ガスを合わせた反応性ガスの反応ガス中の含有率は、0.01〜10体積%であることが好ましいが、更に好ましくは、0.1〜5体積%である。
上記の反応ガスをプラズマ状態にして形成された保護層は、金属酸化物を主成分として形成され、金属酸化物が主成分を50質量%以上保護層中に含有していることであり、好ましくは60質量%、より好ましくは80質量%、特に好ましくは90質量%である。使用するガスによっては金属窒化物、金属炭化物や塩化ホウ素化合物も得られ、本発明において何れも好ましい保護層を得ることが出来る。特に本発明においては保護層の硬度、湿気の遮断等に優れていることから金属酸化物が好ましく、保護層中のほとんどが金属酸化物であることが望ましい。このことにより金属酸化物が高密度で緻密に保護層を形成することが出来る。
本発明に係る大気圧プラズマ放電処理方法により保護層を形成することにより、保護層内に炭素を少量含有し、このことが膜の強度にも関係し、硬度を上げる効果を有するらしい。保護層内の炭素含有量は0.2〜5質量%が好ましく、0.3〜3質量%がより好ましい。炭素含有量が5質量%を超えるとむしろ硬度が低下し、また0.2未満でも膜の脆さが増してくる。他の方法、例えば真空蒸着のような方法で作製した保護層には炭素がほとんど含有されておらず、脆弱な膜しか形成されない。
本願発明に係わる保護層の膜密度は以下のような条件で測定する。
膜密度は表面層の単位重量を、表面層の膜厚から算出した単位体積で割ることで得ている。本発明では塗膜形成前後の重量変化をMettler製電子天秤(AE163)で測定し、表面層の重量を得た。体積については表面層の膜厚をスペクトラ・コープ社製膜厚測定装置 Solid Lambda Thickness(UV−NIR)で測定することで算出した。それぞれの測定は、温度23℃、相対湿度55%の環境条件下で行った。
以下、保護層以外の本発明に適用される有機感光体の構成について記載する。
本発明において、有機感光体とは電子写真感光体の構成に必要不可欠な電荷発生機能及び電荷輸送機能の少なくとも一方の機能を有機化合物に持たせて構成された電子写真感光体を意味し、公知の有機電荷発生物質又は有機電荷輸送物質から構成された感光体、電荷発生機能と電荷輸送機能を高分子錯体で構成した感光体等公知の有機感光体を全て含有する。
本発明の有機感光体の層構成は、例えば、以下に示すような層構成が挙げられる。
1)導電性支持体上に感光層として電荷発生層および電荷輸送層を順次積層した構成;
2)導電性支持体上に感光層として電荷発生層、第1電荷輸送層および第2電荷輸送層を順次積層した構成;
等が感光層の構成としては例示されるが、本願発明の感光体は上記感光層上の前記した表面保護層を形成して構成する。
2)導電性支持体上に感光層として電荷発生層、第1電荷輸送層および第2電荷輸送層を順次積層した構成;
等が感光層の構成としては例示されるが、本願発明の感光体は上記感光層上の前記した表面保護層を形成して構成する。
感光体が上記いずれの構成を有する場合であってもよい。又、本発明の感光体はいずれの構成を有する場合であっても、導電性支持体上に感光層の形成に先だって、下引層(中間層)が形成されていてもよい。
電荷輸送層とは、光露光により電荷発生層で発生した電荷キャリアを有機感光体の表面に輸送する機能を有する層を意味し、該電荷輸送機能の具体的な検出は、電荷発生層と電荷輸送層を導電性支持体上に積層し、光導伝性を検知することにより確認することができる。
次に、有機感光体の層構成を上記1)の構成を中心にして、本発明に用いられる具体的な感光体の構成について記載する。
導電性支持体
本発明の感光体に用いられる導電性支持体としてはシート状或いは円筒状の導電性支持体が用いられる。
本発明の感光体に用いられる導電性支持体としてはシート状或いは円筒状の導電性支持体が用いられる。
本発明の円筒状の導電性支持体とは回転することによりエンドレスに画像を形成できるに必要な円筒状の支持体を意味し、真直度で0.1mm以下、振れ0.1mm以下の範囲にある導電性の支持体が好ましい。この真直度及び振れの範囲を超えると、良好な画像形成が困難になる。
導電性支持体の材料としてはアルミニウム、ニッケルなどの金属ドラム、又はアルミニウム、酸化錫、酸化インジウムなどを蒸着したプラスチックドラム、又は導電性物質を塗布した紙・プラスチックドラムを使用することができる。導電性支持体としては常温で比抵抗103Ωcm以下が好ましい。
本発明で用いられる導電性支持体は、その表面に封孔処理されたアルマイト膜が形成されたものを用いても良い。アルマイト処理は、通常例えばクロム酸、硫酸、シュウ酸、リン酸、硼酸、スルファミン酸等の酸性浴中で行われるが、硫酸中での陽極酸化処理が最も好ましい結果を与える。硫酸中での陽極酸化処理の場合、硫酸濃度は100〜200g/l、アルミニウムイオン濃度は1〜10g/l、液温は20℃前後、印加電圧は約20Vで行うのが好ましいが、これに限定されるものではない。又、陽極酸化被膜の平均膜厚は、通常20μm以下、特に10μm以下が好ましい。
中間層
本発明においては導電性支持体と感光層の間に、バリヤー機能を備えた前記した中間層を設けることが好ましい。
本発明においては導電性支持体と感光層の間に、バリヤー機能を備えた前記した中間層を設けることが好ましい。
本発明の中間層には前記した吸水率が小さいバインダー樹脂中に酸化チタンを含有させることが好ましい。該酸化チタン粒子の平均粒径は、数平均一次粒径で10nm以上400nm以下の範囲が良く、15nm〜200nmが好ましい。10nm未満では中間層によるモアレ発生の防止効果が小さい。一方、400nmより大きいと、中間層塗布液の酸化チタン粒子の沈降が発生しやすく、その結果中間層中の酸化チタン粒子の均一分散性が悪く、又黒ポチも増加しやすい。数平均一次粒径が前記範囲の酸化チタン粒子を用いた中間層塗布液は分散安定性が良好で、且つこのような塗布液から形成された中間層は黒ポチ発生防止機能の他、環境特性が良好で、且つ耐クラッキング性を有する。
本発明に用いられる酸化チタン粒子の形状は、樹枝状、針状および粒状等の形状があり、このような形状の酸化チタン粒子は、例えば酸化チタン粒子では、結晶型としては、アナターゼ型、ルチル型及びアモルファス型等があるが、いずれの結晶型のものを用いてもよく、また2種以上の結晶型を混合して用いてもよい。その中でもルチル型で且つ粒状のものが最も良い。
本発明の酸化チタン粒子は表面処理されていることが好ましく、表面処理の1つは、複数回の表面処理を行い、かつ該複数回の表面処理の中で、最後の表面処理が反応性有機ケイ素化合物を用いた表面処理を行うものである。また、該複数回の表面処理の中で、少なくとも1回の表面処理がアルミナ、シリカ、及びジルコニアから選ばれる少なくとも1種類以上の表面処理を行い、最後に反応性有機ケイ素化合物を用いた表面処理を行うことが好ましい。
尚、アルミナ処理、シリカ処理、ジルコニア処理とは酸化チタン粒子表面にアルミナ、シリカ、或いはジルコニアを析出させる処理を云い、これらの表面に析出したアルミナ、シリカ、ジルコニアにはアルミナ、シリカ、ジルコニアの水和物も含まれる。又、反応性有機ケイ素化合物の表面処理とは、処理液に反応性有機ケイ素化合物を用いることを意味する。
この様に、酸化チタン粒子の様な酸化チタン粒子の表面処理を少なくとも2回以上行うことにより、酸化チタン粒子表面が均一に表面被覆(処理)され、該表面処理された酸化チタン粒子を中間層に用いると、中間層内における酸化チタン粒子等の酸化チタン粒子の分散性が良好で、かつ黒ポチ等の画像欠陥を発生させない良好な感光体を得ることができるのである。
上記反応性有機ケイ素化合物としては下記一般式(1)で表される化合物が挙げられるが、酸化チタン表面の水酸基等の反応性基と縮合反応をする化合物であれば、下記化合物に限定されない。
一般式(1)
(R)n−Si−(X)4−n
(式中、Siはケイ素原子、Rは該ケイ素原子に炭素が直接結合した形の有機基を表し、Xは加水分解性基を表し、nは0〜3の整数を表す。)
一般式(1)で表される有機ケイ素化合物において、Rで示されるケイ素に炭素が直接結合した形の有機基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、ドデシル等のアルキル基、フェニル、トリル、ナフチル、ビフェニル等のアリール基、γ−グリシドキシプロピル、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル等の含エポキシ基、γ−アクリロキシプロピル、γ−メタアクリロキシプロピルの含(メタ)アクリロイル基、γ−ヒドロキシプロピル、2,3−ジヒドロキシプロピルオキシプロピル等の含水酸基、ビニル、プロペニル等の含ビニル基、γ−メルカプトプロピル等の含メルカプト基、γ−アミノプロピル、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピル等の含アミノ基、γ−クロロプロピル、1,1,1−トリフロオロプロピル、ノナフルオロヘキシル、パーフルオロオクチルエチル等の含ハロゲン基、その他ニトロ、シアノ置換アルキル基を挙げられる。また、Xの加水分解性基としてはメトキシ、エトキシ等のアルコキシ基、ハロゲン基、アシルオキシ基が挙げられる。
(R)n−Si−(X)4−n
(式中、Siはケイ素原子、Rは該ケイ素原子に炭素が直接結合した形の有機基を表し、Xは加水分解性基を表し、nは0〜3の整数を表す。)
一般式(1)で表される有機ケイ素化合物において、Rで示されるケイ素に炭素が直接結合した形の有機基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、ドデシル等のアルキル基、フェニル、トリル、ナフチル、ビフェニル等のアリール基、γ−グリシドキシプロピル、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル等の含エポキシ基、γ−アクリロキシプロピル、γ−メタアクリロキシプロピルの含(メタ)アクリロイル基、γ−ヒドロキシプロピル、2,3−ジヒドロキシプロピルオキシプロピル等の含水酸基、ビニル、プロペニル等の含ビニル基、γ−メルカプトプロピル等の含メルカプト基、γ−アミノプロピル、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピル等の含アミノ基、γ−クロロプロピル、1,1,1−トリフロオロプロピル、ノナフルオロヘキシル、パーフルオロオクチルエチル等の含ハロゲン基、その他ニトロ、シアノ置換アルキル基を挙げられる。また、Xの加水分解性基としてはメトキシ、エトキシ等のアルコキシ基、ハロゲン基、アシルオキシ基が挙げられる。
また、一般式(1)で表される有機ケイ素化合物は、単独でも良いし、2種以上組み合わせて使用しても良い。
また、一般式(1)で表される有機ケイ素化合物の具体的化合物で、nが2以上の場合、複数のRは同一でも異なっていても良い。同様に、nが2以下の場合、複数のXは同一でも異なっていても良い。又、一般式(1)で表される有機ケイ素化合物を2種以上を用いるとき、R及びXはそれぞれの化合物間で同一でも良く、異なっていても良い。
又、表面処理に用いる好ましい反応性有機ケイ素化合物としてはポリシロキサン化合物が挙げられる。該ポリシロキサン化合物の分子量は1000〜20000のものが一般に入手しやすく、又、黒ポチ発生防止機能も良好である。
特にメチルハイドロジェンポリシロキサンを最後の表面処理に用いると良好な効果が得られる。
感光層
電荷発生層
電荷発生層には電荷発生物質(CGM)を含有する。その他の物質としては必要によりバインダー樹脂、その他添加剤を含有しても良い。
電荷発生層
電荷発生層には電荷発生物質(CGM)を含有する。その他の物質としては必要によりバインダー樹脂、その他添加剤を含有しても良い。
本発明の有機感光体には、電荷発生物質として、例えば、フタロシアニン顔料、アゾ顔料、ペリレン顔料、アズレニウム顔料などを単独で或いは併用して用いることができる。
電荷発生層にCGMの分散媒としてバインダーを用いる場合、バインダーとしては公知の樹脂を用いることができるが、最も好ましい樹脂としてはホルマール樹脂、ブチラール樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン変性ブチラール樹脂、フェノキシ樹脂等が挙げられる。バインダー樹脂と電荷発生物質との割合は、バインダー樹脂100質量部に対し20〜600質量部が好ましい。これらの樹脂を用いることにより、繰り返し使用に伴う残留電位増加を最も小さくできる。電荷発生層の膜厚は0.1μm〜2μmが好ましい。
電荷輸送層
電荷輸送層には電荷輸送物質(CTM)及びCTMを分散し製膜するバインダー樹脂を含有する。その他の物質としては必要により酸化防止剤等の添加剤を含有しても良い。
電荷輸送層には電荷輸送物質(CTM)及びCTMを分散し製膜するバインダー樹脂を含有する。その他の物質としては必要により酸化防止剤等の添加剤を含有しても良い。
電荷輸送物質(CTM)としては、イオン化ポテンシャル(IP)が5.50eV以下の化合物を主たる電荷輸送物質(2種以上の併用の場合、少なくとも、電荷輸送物質全量の50質量%以上、好ましくは70質量%以上)として用いる。5.50eVより大きいイオン化ポテンシャルの電荷輸送物質では、本願発明の保護層の下では、電荷輸送層中に、電荷キャリアのトラップが発生しやすく、残留電位の上昇や転写メモリーが発生しやすい。
イオン化ポテンシャル(IP)が5.50eV以下の具体的な電荷輸送物質の化合物例としては、下記のような化合物例が挙げられる。
IPの測定法
上記イオン化ポテンシャル(IP)は、理研計器社製、大気中光電子分光装置AC−2で測定できる。照射光エネルギーに対する光電子放出数をプロットすることで、変極点からイオン化ポテンシャルを測定できる。
上記イオン化ポテンシャル(IP)は、理研計器社製、大気中光電子分光装置AC−2で測定できる。照射光エネルギーに対する光電子放出数をプロットすることで、変極点からイオン化ポテンシャルを測定できる。
これら電荷輸送物質は通常、適当なバインダー樹脂中に溶解して層形成が行われる。
電荷輸送層(CTL)に用いられるバインダー樹脂としては熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂いずれの樹脂かを問わない。例えばポリスチレン、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂並びに、これらの樹脂の繰り返し単位構造のうちの2つ以上を含む共重合体樹脂。又これらの絶縁性樹脂の他、ポリ−N−ビニルカルバゾール等の高分子有機半導体が挙げられる。これらの中で吸水率が小さく、CTMの分散性、電子写真特性が良好なポリカーボネート樹脂が最も好ましい。
バインダー樹脂と電荷輸送物質との割合は、バインダー樹脂100質量部に対し50〜200質量部が好ましい。
又、電荷輸送層(1層以上、好ましくは1〜3層)の膜厚の合計は5〜25μmが好ましい。膜厚が5μm未満だと帯電電位が不十分になりやすく、25μmを超えると、鮮鋭性が劣化しやすい。
中間層、電荷発生層、電荷輸送層等の層形成に用いられる溶媒又は分散媒としては、n−ブチルアミン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、イソプロパノールアミン、トリエタノールアミン、トリエチレンジアミン、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、シクロヘキサノン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジクロロプロパン、1,1,2−トリクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、ジオキサン、メタノール、エタノール、ブタノール、イソプロパノール、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジメチルスルホキシド、メチルセロソルブ等が挙げられる。本発明はこれらに限定されるものではないが、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、メチルエチルケトン等が好ましく用いられる。また、これらの溶媒は単独或いは2種以上の混合溶媒として用いることもできる。
次に有機感光体を製造するための塗布加工方法としては、浸漬塗布、スプレー塗布、円形量規制型塗布等の塗布加工法が用いられるが、感光層の上層側の塗布加工は下層の膜を極力溶解させないため、又、均一塗布加工を達成するためスプレー塗布又は円形量規制型(円形スライドホッパー型がその代表例)塗布等の塗布加工方法を用いるのが好ましい。なお保護層は前記円形量規制型塗布加工方法を用いるのが最も好ましい。前記円形量規制型塗布については例えば特開昭58−189061号公報に詳細に記載されている。
次に、本発明の有機感光体を用いた画像形成装置について説明する。
図3に示す画像形成装置1は、デジタル方式による画像形成装置であって、画像読取り部A、画像処理部B、画像形成部C、転写紙搬送手段としての転写紙搬送部Dから構成されている。
画像読取り部Aの上部には原稿を自動搬送する自動原稿送り手段が設けられていて、原稿載置台11上に載置された原稿は原稿搬送ローラ12によって1枚宛分離搬送され読み取り位置13aにて画像の読み取りが行われる。原稿読み取りが終了した原稿は原稿搬送ローラ12によって原稿排紙皿14上に排出される。
一方、プラテンガラス13上に置かれた場合の原稿の画像は走査光学系を構成する照明ランプ及び第1ミラーから成る第1ミラーユニット15の速度vによる読み取り動作と、V字状に位置した第2ミラー及び第3ミラーから成る第2ミラーユニット16の同方向への速度v/2による移動によって読み取られる。
読み取られた画像は、投影レンズ17を通してラインセンサである撮像素子CCDの受光面に結像される。撮像素子CCD上に結像されたライン状の光学像は順次電気信号(輝度信号)に光電変換されたのちA/D変換を行い、画像処理部Bにおいて濃度変換、フィルター処理などの処理が施された後、画像データは一旦メモリに記憶される。
画像形成部Cでは、画像形成ユニットとして、像担持体であるドラム状の感光体21と、その外周に、該感光体21を帯電させる帯電手段(帯電工程)22、帯電した感光体の表面電位を検出する電位検出手段220、現像手段(現像工程)23、転写手段(転写工程)である転写搬送ベルト装置45、前記感光体21のクリーニング装置(クリーニング工程)26及び光除電手段(光徐電工程)としてのPCL(プレチャージランプ)27が各々動作順に配置されている。また、現像手段23の下流側には感光体21上に現像されたパッチ像の反射濃度を測定する反射濃度検出手段222が設けられている。感光体21には、本発明に係わる有機感光体を使用し、図示の時計方向に駆動回転される。
回転する感光体21へは帯電手段22による一様帯電がなされた後、像露光手段(像露光工程)30としての露光光学系により画像処理部Bのメモリから呼び出された画像信号に基づいた像露光が行われる。書き込み手段である像露光手段30としての露光光学系は図示しないレーザダイオードを発光光源とし、回転するポリゴンミラー31、fθレンズ34、シリンドリカルレンズ35を経て反射ミラー32により光路が曲げられ主走査がなされるもので、感光体21に対してAoの位置において像露光が行われ、感光体21の回転(副走査)によって静電潜像が形成される。本実施の形態の一例では文字部に対して露光を行い静電潜像を形成する。
本発明の画像形成装置においては、感光体上に静電潜像を形成するに際し、発振波長が350〜800nmの半導体レーザ又は発光ダイオードを像露光光源として用いることが好ましい。これらの像露光光源を用いて、書込みの主査方向の露光ドット径を10〜100μmに絞り込み、有機感光体上にデジタル露光を行うことにより、400dpi(dpi:2.54cm当たりのドット数)以上から2500dpiの高解像度の電子写真画像をうることができる。
前記露光ドット径とは該露光ビームの強度がピーク強度の1/e2以上の領域の主走査方向にそった露光ビームの長さ(Ld:長さが最大位置で測定する)を云う。
用いられる光ビームとしては半導体レーザを用いた走査光学系及びLEDの固体スキャナー等があり、光強度分布についてもガウス分布及びローレンツ分布等があるがそれぞれのピーク強度の1/e2以上の領域を本発明に係わる露光ドット径とする。
感光体21上の静電潜像は現像手段23によって反転現像が行われ、感光体21の表面に可視像のトナー像が形成される。本発明の画像形成方法では、該現像手段に用いられる現像剤には重合トナーを用いることが好ましい。形状や粒度分布が均一な重合トナーを本発明に係わる有機感光体と併用することにより、より鮮鋭性が良好な電子写真画像を得ることができる。
本発明の有機感光体上に形成された静電潜像は現像によりトナー像として顕像化される。現像に用いられるトナーは、粉砕トナーでも、重合トナーでもよいが、本発明に係わるトナーとしては、安定した粒度分布を得られる観点から、重合法で作製できる重合トナーが好ましい。
重合トナーとはトナー用バインダーの樹脂の生成とトナー形状がバインダー樹脂の原料モノマーの重合と、必要によりその後の化学的処理により形成されるトナーを意味する。より具体的には懸濁重合、乳化重合等の重合反応と、必要によりその後に行われる粒子同士の融着工程を経て形成されるトナーを意味する。
なお、トナーの体積平均粒径、即ち、上記50%体積粒径(Dv50)は2〜9μm、より好ましくは3〜7μmであることが望ましい。この範囲とすることにより、解像度を高くすることができる。さらに上記の範囲と組み合わせることにより、小粒径トナーでありながら、微細な粒径のトナーの存在量を少なくすることができ、長期に亘ってドット画像の再現性が改善され、鮮鋭性の良好な、安定した画像を形成することができる。
本発明に係わるトナーは、一成分現像剤でも二成分現像剤として用いてもよい。
一成分現像剤として用いる場合は、非磁性一成分現像剤、あるいはトナー中に0.1〜0.5μm程度の磁性粒子を含有させ磁性一成分現像剤としたものがあげられ、いずれも使用することができる。
又、キャリアと混合して二成分現像剤として用いることができる。この場合は、キャリアの磁性粒子として、鉄、フェライト、マグネタイト等の金属、それらの金属とアルミニウム、鉛等の金属との合金等の従来から公知の材料を用いることが出来る。特にフェライト粒子が好ましい。上記磁性粒子は、その体積平均粒径としては15〜100μm、より好ましくは25〜80μmのものがよい。
キャリアの体積平均粒径の測定は、代表的には湿式分散機を備えたレーザ回折式粒度分布測定装置「ヘロス(HELOS)」(シンパティック(SYMPATEC)社製)により測定することができる。
キャリアは、磁性粒子が更に樹脂により被覆されているもの、あるいは樹脂中に磁性粒子を分散させたいわゆる樹脂分散型キャリアが好ましい。コーティング用の樹脂組成としては、特に限定は無いが、例えば、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、エステル系樹脂或いはフッ素含有重合体系樹脂等が用いられる。また、樹脂分散型キャリアを構成するための樹脂としては、特に限定されず公知のものを使用することができ、例えば、スチレン−アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素系樹脂、フェノール樹脂等を使用することができる。
転写紙搬送部Dでは、画像形成ユニットの下方に異なるサイズの転写紙Pが収納された転写紙収納手段としての給紙ユニット41(A)、41(B)、41(C)が設けられ、また側方には手差し給紙を行う手差し給紙ユニット42が設けられていて、それらの何れかから選択された転写紙Pは案内ローラ43によって搬送路40に沿って給紙され、給紙される転写紙Pの傾きと偏りの修正を行う対の給紙レジストローラ44によって転写紙Pは一時停止を行ったのち再給紙が行われ、搬送路40、転写前ローラ43a、給紙経路46及び進入ガイド板47に案内され、感光体21上のトナー画像が転写位置Boにおいて転写極24及び分離極25によって転写搬送ベルト装置45の転写搬送ベルト454に載置搬送されながら転写紙Pに転写され、該転写紙Pは感光体21面より分離し、転写搬送ベルト装置45により定着手段50に搬送される。
定着手段50は定着ローラ51と加圧ローラ52とを有しており、転写紙Pを定着ローラ51と加圧ローラ52との間を通過させることにより、加熱、加圧によってトナーを定着させる。トナー画像の定着を終えた転写紙Pは排紙トレイ64上に排出される。
以上は転写紙の片側への画像形成を行う状態を説明したものであるが、両面複写の場合は排紙切換部材170が切り替わり、転写紙案内部177が開放され、転写紙Pは破線矢印の方向に搬送される。
更に、搬送機構178により転写紙Pは下方に搬送され、転写紙反転部179によりスイッチバックさせられ、転写紙Pの後端部は先端部となって両面複写用給紙ユニット130内に搬送される。
転写紙Pは両面複写用給紙ユニット130に設けられた搬送ガイド131を給紙方向に移動し、給紙ローラ132で転写紙Pを再給紙し、転写紙Pを搬送路40に案内する。
再び、上述したように感光体21方向に転写紙Pを搬送し、転写紙Pの裏面にトナー画像を転写し、定着手段50で定着した後、排紙トレイ64に排紙する。
本発明の画像形成装置としては、上述の感光体と、現像器、クリーニング器等の構成要素をプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このユニットを装置本体に対して着脱自在に構成しても良い。又、帯電器、像露光器、現像器、転写又は分離器、及びクリーニング器の少なくとも1つを感光体とともに一体に支持してプロセスカートリッジを形成し、装置本体に着脱自在の単一ユニットとし、装置本体のレールなどの案内手段を用いて着脱自在の構成としても良い。
図4は、本発明の一実施の形態を示すカラー画像形成装置の断面構成図である。
このカラー画像形成装置は、タンデム型カラー画像形成装置と称せられるもので、4組の画像形成部(画像形成ユニット)10Y、10M、10C、10Bkと、無端ベルト状中間転写体ユニット7と、給紙搬送手段21及び定着手段24とから成る。画像形成装置の本体Aの上部には、原稿画像読み取り装置SCが配置されている。
イエロー色の画像を形成する画像形成部10Yは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1Yの周囲に配置された帯電手段(帯電工程)2Y、露光手段(露光工程)3Y、現像手段(現像工程)4Y、一次転写手段(一次転写工程)としての一次転写ローラ5Y、クリーニング手段6Yを有する。マゼンタ色の画像を形成する画像形成部10Mは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1M、帯電手段2M、露光手段3M、現像手段4M、一次転写手段としての一次転写ローラ5M、クリーニング手段6Mを有する。シアン色の画像を形成する画像形成部10Cは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1C、帯電手段2C、露光手段3C、現像手段4C、一次転写手段としての一次転写ローラ5C、クリーニング手段6Cを有する。黒色画像を形成する画像形成部10Bkは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1Bk、帯電手段2Bk、露光手段3Bk、現像手段4Bk、一次転写手段としての一次転写ローラ5Bk、クリーニング手段6Bkを有する。
前記4組の画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Bkは、感光体ドラム1Y、1M、1C、1Bkを中心に、回転する帯電手段2Y、2M、2C、2Bkと、像露光手段3Y、3M、3C、3Bkと、回転する現像手段4Y、4M、4C、4Bk、及び、感光体ドラム1Y、1M、1C、1Bkをクリーニングするクリーニング手段5Y、5M、5C、5Bkより構成されている。
前記画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Bkは、感光体1Y、1M、1C、1Bkにそれぞれ形成するトナー画像の色が異なるだけで、同じ構成であり、画像形成ユニット10Yを例にして詳細に説明する。
画像形成ユニット10Yは、像形成体である感光体ドラム1Yの周囲に、帯電手段2Y(以下、単に帯電手段2Y、あるいは、帯電器2Yという)、露光手段3Y、現像手段4Y、クリーニング手段5Y(以下、単にクリーニング手段5Y、あるいは、クリーニングブレード5Yという)を配置し、感光体ドラム1Y上にイエロー(Y)のトナー画像を形成するものである。また、本実施の形態においては、この画像形成ユニット10Yのうち、少なくとも感光体ドラム1Y、帯電手段2Y、現像手段4Y、クリーニング手段5Yを一体化するように設けている。
帯電手段2Yは、感光体ドラム1Yに対して一様な電位を与える手段であって、本実施の形態においては、感光体ドラム1Yにコロナ放電型の帯電器2Yが用いられている。
像露光手段3Yは、帯電器2Yによって一様な電位を与えられた感光体ドラム1Y上に、画像信号(イエロー)に基づいて露光を行い、イエローの画像に対応する静電潜像を形成する手段であって、この露光手段3Yとしては、感光体ドラム1Yの軸方向にアレイ状に発光素子を配列したLEDと結像素子(商品名;セルフォックレンズ)とから構成されるもの、あるいは、レーザ光学系などが用いられる。
本発明の画像形成装置としては、上述の感光体と、現像器、クリーニング器等の構成要素をプロセスカートリッジ(画像形成ユニット)として一体に結合して構成し、この画像形成ユニットを装置本体に対して着脱自在に構成しても良い。又、帯電器、像露光器、現像器、転写又は分離器、及びクリーニング器の少なくとも1つを感光体とともに一体に支持してプロセスカートリッジ(画像形成ユニット)を形成し、装置本体に着脱自在の単一画像形成ユニットとし、装置本体のレールなどの案内手段を用いて着脱自在の構成としても良い。ここで、「一体に支持して」とは、プロセスカートリッジの着脱時に、プロセスカートリッジ単位で、1つの塊として、取り付けたり、外したりできることを意味する。
無端ベルト状中間転写体ユニット7は、複数のローラにより巻回され、回動可能に支持された半導電性エンドレスベルト状の第2の像担持体としての無端ベルト状中間転写体70を有する。
画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Bkより形成された各色の画像は、一次転写手段としての一次転写ローラ5Y、5M、5C、5Bkにより、回動する無端ベルト状中間転写体70上に逐次転写されて、合成されたカラー画像が形成される。給紙カセット20内に収容された転写材(定着された最終画像を担持する支持体:例えば普通紙、透明シート等)としての転写紙Pは、給紙手段21により給紙され、複数の中間ローラ22A、22B、22C、22D、レジストローラ23を経て、二次転写手段としての二次転写ローラ5bに搬送され、転写紙P上に二次転写してカラー画像が一括転写される。カラー画像が転写された転写紙Pは、定着手段24により定着処理され、排紙ローラ25に挟持されて機外の排紙トレイ26上に載置される。ここで、中間転写体や転写材等の感光体上に形成されたトナー画像の転写支持体を総称して転写媒体と云う。
一方、二次転写手段としての二次転写ローラ5bにより転写紙Pにカラー画像を転写した後、転写紙Pを曲率分離した無端ベルト状中間転写体70は、クリーニング手段6bにより残留トナーが除去される。
画像形成処理中、一次転写ローラ5Bkは常時、感光体1Bkに当接している。他の一次転写ローラ5Y、5M、5Cはカラー画像形成時にのみ、それぞれ対応する感光体1Y、1M、1Cに当接する。
二次転写ローラ5bは、ここを転写紙Pが通過して二次転写が行われる時にのみ、無端ベルト状中間転写体70に当接する。
また、装置本体Aから筐体8を支持レール82L、82Rを介して引き出し可能にしてある。
筐体8は、画像形成部10Y、10M、10C、10Bkと、無端ベルト状中間転写体ユニット7とから成る。
画像形成部10Y、10M、10C、10Bkは、垂直方向に縦列配置されている。感光体1Y、1M、1C、1Bkの図示左側方には無端ベルト状中間転写体ユニット7が配置されている。無端ベルト状中間転写体ユニット7は、ローラ71、72、73、74を巻回して回動可能な無端ベルト状中間転写体70、一次転写ローラ5Y、5M、5C、5Bk、及びクリーニング手段6bとから成る。
次に図5は本発明の有機感光体を用いたカラー画像形成装置(少なくとも有機感光体の周辺に帯電手段、露光手段、複数の現像手段、転写手段、クリーニング手段及び中間転写体を有する複写機あるいはレーザビームプリンター)の構成断面図である。ベルト状の中間転写体70は中程度の抵抗の弾性体を使用している。
1は像形成体として繰り返し使用される回転ドラム型の感光体であり、矢示の反時計方向に所定の周速度をもって回転駆動される。
感光体1は回転過程で、帯電手段(帯電工程)2により所定の極性・電位に一様に帯電処理され、次いで不図示の像露光手段(像露光工程)3により画像情報の時系列電気デジタル画素信号に対応して変調されたレーザビームによる走査露光光等による画像露光を受けることにより目的のカラー画像のイエロー(Y)の色成分像(色情報)に対応した静電潜像が形成される。
次いで、その静電潜像がイエロー(Y)の現像手段:現像工程(イエロー色現像器)4Yにより第1色であるイエロートナーにより現像される。この時第2〜第4の現像手段(マゼンタ色現像器、シアン色現像器、ブラック色現像器)4M、4C、4Bkの各現像器は作動オフになっていて感光体1には作用せず、上記第1色目のイエロートナー画像は上記第2〜第4の現像器により影響を受けない。
中間転写体70はローラ79a、79b、79c、79d、79eで張架されて時計方向に感光体1と同じ周速度をもって回転駆動されている。
感光体1上に形成担持された上記第1色目のイエロートナー画像が、感光体1と中間転写体70とのニップ部を通過する過程で、一次転写ローラ5aから中間転写体70に印加される一次転写バイアスにより形成される電界により、中間転写体70の外周面に順次中間転写(一次転写)されていく。
中間転写体70に対応する第1色のイエロートナー画像の転写を終えた感光体1の表面は、クリーニング装置6aにより清掃される。
以下、同様に第2色のマゼンタトナー画像、第3色のシアントナー画像、第4色のクロ(ブラック)トナー画像が順次中間転写体70上に重ね合わせて転写され、目的のカラー画像に対応した重ね合わせカラートナー画像が形成される。
二次転写ローラ5bで、二次転写対向ローラ79bに対応し平行に軸受させて中間転写体70の下面部に離間可能な状態に配設してある。
感光体1から中間転写体70への第1〜第4色のトナー画像の順次重畳転写のための一次転写バイアスはトナーとは逆極性で、バイアス電源から印加される。その印加電圧は、例えば+100V〜+2kVの範囲である。
感光体1から中間転写体70への第1〜第3色のトナー画像の一次転写工程において、二次転写ローラ5b及び中間転写体クリーニング手段6bは中間転写体70から離間することも可能である。
ベルト状の中間転写体70上に転写された重ね合わせカラートナー画像の第2の画像担持体である転写紙Pへの転写は、二次転写ローラ5bが中間転写体70のベルトに当接されると共に、対の給紙レジストローラ23から転写紙ガイドを通って、中間転写体70のベルトに二次転写ローラ5bとの当接ニップに所定のタイミングで転写紙Pが給送される。二次転写バイアスがバイアス電源から二次転写ローラ5bに印加される。この二次転写バイアスにより中間転写体70から第2の画像担持体である転写紙Pへ重ね合わせカラートナー画像が転写(二次転写)される。トナー画像の転写を受けた転写紙Pは定着手段24へ導入され加熱定着される。
本発明の画像形成装置は電子写真複写機、レーザプリンター、LEDプリンター及び液晶シャッター式プリンター等の電子写真装置一般に適応するが、更に、電子写真技術を応用したディスプレー、記録、軽印刷、製版及びファクシミリ等の装置にも幅広く適用することができる。
以下、実施例をあげて本発明を詳細に説明するが、本発明の様態はこれに限定されない。尚、下記文中「部」とは「質量部」を表す。
感光体1の作製
下記の様に感光体1を作製した。
下記の様に感光体1を作製した。
円筒形アルミニウム支持体の表面を切削加工し、表面粗さRz=1.5(μm)の導電性支持体を用意した。
〈中間層〉
下記組成の分散液を同じ混合溶媒にて二倍に希釈し、一夜静置後に濾過(フィルター;日本ポール社製リジメッシュ5μmフィルター)し、中間層塗布液を作製した。
ポリアミド樹脂CM8000(東レ社製) 1部
酸化チタンSMT500SAS(テイカ社製) 3部
メタノール 10部
分散機としてサンドミルを用いて、バッチ式で10時間の分散を行った。
下記組成の分散液を同じ混合溶媒にて二倍に希釈し、一夜静置後に濾過(フィルター;日本ポール社製リジメッシュ5μmフィルター)し、中間層塗布液を作製した。
ポリアミド樹脂CM8000(東レ社製) 1部
酸化チタンSMT500SAS(テイカ社製) 3部
メタノール 10部
分散機としてサンドミルを用いて、バッチ式で10時間の分散を行った。
上記塗布液を用いて前記支持体上に、乾燥膜厚2μmとなるよう浸漬塗布法で塗布した。
〈電荷発生層〉
電荷発生物質:チタニルフタロシアニン顔料(Cu−Kα特性X線回折スペクトル測定で、少なくとも27.3°の位置に最大回折ピークを有するチタニルフタロシアニン顔料)
20部
ポリビニルブチラール樹脂(#6000−C:電気化学工業社製) 10部
酢酸t−ブチル 700部
4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノン 300部
を混合し、サンドミルを用いて10時間分散し、電荷発生層塗布液を調製した。この塗布液を前記中間層の上に浸漬塗布法で塗布し、乾燥膜厚0.3μmの電荷発生層を形成した。
電荷発生物質:チタニルフタロシアニン顔料(Cu−Kα特性X線回折スペクトル測定で、少なくとも27.3°の位置に最大回折ピークを有するチタニルフタロシアニン顔料)
20部
ポリビニルブチラール樹脂(#6000−C:電気化学工業社製) 10部
酢酸t−ブチル 700部
4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノン 300部
を混合し、サンドミルを用いて10時間分散し、電荷発生層塗布液を調製した。この塗布液を前記中間層の上に浸漬塗布法で塗布し、乾燥膜厚0.3μmの電荷発生層を形成した。
〈電荷輸送層〉
電荷輸送物質:CTM(CTM−1) 225部
バインダー:ポリカーボネート(Z300:三菱ガス化学社製) 300部
酸化防止剤(Irganox1010:日本チバガイギー社製) 6部
ジクロロメタン 2000部
シリコンオイル(KF−54:信越化学社製) 1部
を混合し、溶解して電荷輸送層塗布液を調製した。この塗布液を前記電荷発生層の上に円形スライドホッパー塗布機を用いて、乾燥膜厚20μmの電荷輸送層を形成した。
電荷輸送物質:CTM(CTM−1) 225部
バインダー:ポリカーボネート(Z300:三菱ガス化学社製) 300部
酸化防止剤(Irganox1010:日本チバガイギー社製) 6部
ジクロロメタン 2000部
シリコンオイル(KF−54:信越化学社製) 1部
を混合し、溶解して電荷輸送層塗布液を調製した。この塗布液を前記電荷発生層の上に円形スライドホッパー塗布機を用いて、乾燥膜厚20μmの電荷輸送層を形成した。
〈保護層〉
金属酸化物粒子(数平均粒径15nm、吸水率0.1%の酸化チタン) 20部
ラジカル重合性硬化性官能基を有する化合物(例示化合物No.7) 20部
重合開始剤(例示化合物I−2/1−5=0.5部/0.5部の併用) 1部
イソプロピルアルコール 50部
上記成分を混合撹拌し、十分に溶解・分散し、保護層塗布液を作製した。該塗布液を先に電荷輸送層まで作製した感光体上に円形スライドホッパー塗布機を用いて、保護層を塗布した。塗布後、90℃で20分乾燥後(溶媒乾燥工程)、低圧水銀灯を用いて紫外線を1分間照射して(紫外線硬化工程)、乾燥膜厚2.8μmの保護層を得た。
金属酸化物粒子(数平均粒径15nm、吸水率0.1%の酸化チタン) 20部
ラジカル重合性硬化性官能基を有する化合物(例示化合物No.7) 20部
重合開始剤(例示化合物I−2/1−5=0.5部/0.5部の併用) 1部
イソプロピルアルコール 50部
上記成分を混合撹拌し、十分に溶解・分散し、保護層塗布液を作製した。該塗布液を先に電荷輸送層まで作製した感光体上に円形スライドホッパー塗布機を用いて、保護層を塗布した。塗布後、90℃で20分乾燥後(溶媒乾燥工程)、低圧水銀灯を用いて紫外線を1分間照射して(紫外線硬化工程)、乾燥膜厚2.8μmの保護層を得た。
感光体2〜11の作製
感光体1の電荷輸送層のCTM、保護層の硬化性化合物、金属酸化物粒子及び光重合開始剤、膜密度、膜厚等を下記表1のように変更した以外は、同様にして感光体2〜11を作製した。
感光体1の電荷輸送層のCTM、保護層の硬化性化合物、金属酸化物粒子及び光重合開始剤、膜密度、膜厚等を下記表1のように変更した以外は、同様にして感光体2〜11を作製した。
感光体12の作製
感光体1の作製において、保護層を下記のポリカーボネートの保護層に変更した以外は感光体1と同様にして作製した。
感光体1の作製において、保護層を下記のポリカーボネートの保護層に変更した以外は感光体1と同様にして作製した。
〈保護層〉
バインダー:ポリカーボネート(Z300:三菱ガス化学社製) 300部
酸化防止剤(Irganox1010:日本チバガイギー社製) 6部
THF/TOL=4/1混合溶媒 2000部
シリコンオイル(KF−96:信越化学社製) 1部
を混合し、溶解して保護層塗布液を調製した。この塗布液を電荷輸送層の上に円形スライドホッパー塗布機を用いて、乾燥膜厚2.0μmの保護層を有する感光体12を作製した。
バインダー:ポリカーボネート(Z300:三菱ガス化学社製) 300部
酸化防止剤(Irganox1010:日本チバガイギー社製) 6部
THF/TOL=4/1混合溶媒 2000部
シリコンオイル(KF−96:信越化学社製) 1部
を混合し、溶解して保護層塗布液を調製した。この塗布液を電荷輸送層の上に円形スライドホッパー塗布機を用いて、乾燥膜厚2.0μmの保護層を有する感光体12を作製した。
表1中、
n−PrOHは、n−プロピルアルコール
n−BuOHは、n−ブチルアルコール
MIBKは、メチルイソブチルケトン
MEKはメチルエチルケトン
又、表1中の中間層の酸化チタン、酸化亜鉛等は全て反応性有機ケイ素化合物等で疎水化表面処理されたものを用いた。
n−PrOHは、n−プロピルアルコール
n−BuOHは、n−ブチルアルコール
MIBKは、メチルイソブチルケトン
MEKはメチルエチルケトン
又、表1中の中間層の酸化チタン、酸化亜鉛等は全て反応性有機ケイ素化合物等で疎水化表面処理されたものを用いた。
又、感光体10の作製に用いられたCTM−10は下記の化合物である。
感光体13の作製
感光体1の保護層を下記に記載の保護層に変更した以外は同様にして感光体13を作製した。
感光体1の保護層を下記に記載の保護層に変更した以外は同様にして感光体13を作製した。
〔保護層を有する有機感光体13の作製〕
図2に示したジェット方式の大気圧プラズマ放電処理装置(外界を遮断した)を50mm間隔で4基並べて、下記条件(4基とも同条件)で、上記円筒状の有機感光体を回転数10rpmで回転しながら、保護層の膜厚が480〜500nm間の一定の厚さになるようにプラズマ放電処理を行い、保護層を有する有機感光体13を作製した。
図2に示したジェット方式の大気圧プラズマ放電処理装置(外界を遮断した)を50mm間隔で4基並べて、下記条件(4基とも同条件)で、上記円筒状の有機感光体を回転数10rpmで回転しながら、保護層の膜厚が480〜500nm間の一定の厚さになるようにプラズマ放電処理を行い、保護層を有する有機感光体13を作製した。
《条件》
印加電極として、幅380mm、長さ100mm、高さ400mmの平板固定電極を用い、その金属母材を厚さ20mmの中空、温度調節ジャケット付きのチタン合金T64とし、該金属母材の上に溶射アルミナセラミックス(溶射アルミナホワイト)を1mm被覆し、その上にテトラメトキシシランを酢酸エチルで希釈した溶液を塗布乾燥後、紫外線照射により硬化させて封孔処理を行い、Rmaxが1μmの溶射アルミナホワイト誘電体(比誘電率10)で被覆した。アース電極は印加電極と同じものを使用した。高周波電源としてパール工業製高周波電源CF−50000−2M(2MHz)を使用し、出力密度を20W/cm2とした。反応ガスは、希ガスをアルゴンとし98.25体積%、反応性ガス1をテトラエトキシシラン0.25体積%(リンテック社製気化器にてアルゴンガスに混合して気化)とし、反応性ガス2として水素を1.0体積%とした。更に電極間隙を10mm、電極温度を80℃、気圧を103kPa、電極末端と円筒状有機感光体の処理位置との距離を1mmとした。
印加電極として、幅380mm、長さ100mm、高さ400mmの平板固定電極を用い、その金属母材を厚さ20mmの中空、温度調節ジャケット付きのチタン合金T64とし、該金属母材の上に溶射アルミナセラミックス(溶射アルミナホワイト)を1mm被覆し、その上にテトラメトキシシランを酢酸エチルで希釈した溶液を塗布乾燥後、紫外線照射により硬化させて封孔処理を行い、Rmaxが1μmの溶射アルミナホワイト誘電体(比誘電率10)で被覆した。アース電極は印加電極と同じものを使用した。高周波電源としてパール工業製高周波電源CF−50000−2M(2MHz)を使用し、出力密度を20W/cm2とした。反応ガスは、希ガスをアルゴンとし98.25体積%、反応性ガス1をテトラエトキシシラン0.25体積%(リンテック社製気化器にてアルゴンガスに混合して気化)とし、反応性ガス2として水素を1.0体積%とした。更に電極間隙を10mm、電極温度を80℃、気圧を103kPa、電極末端と円筒状有機感光体の処理位置との距離を1mmとした。
感光体14
感光体13においてテトラメトキシシランの代わりにチタニウムテトライソプロポキシドにした以外は同様にして感光体14を作成した。
感光体13においてテトラメトキシシランの代わりにチタニウムテトライソプロポキシドにした以外は同様にして感光体14を作成した。
感光体15
感光体13においてテトラメトキシシラン0.25体積%をテトラメトキシシラン0.125体積%及びアンモニアガス0.125体積%に変更した以外は同様にして感光体15を作成した。
感光体13においてテトラメトキシシラン0.25体積%をテトラメトキシシラン0.125体積%及びアンモニアガス0.125体積%に変更した以外は同様にして感光体15を作成した。
感光体16
感光体13においてテトラメトキシシランの代わりに、メチレンガス0.125体積%及びメタンガス0.125体積%にした以外は同様にして感光体16を作成した。
感光体13においてテトラメトキシシランの代わりに、メチレンガス0.125体積%及びメタンガス0.125体積%にした以外は同様にして感光体16を作成した。
〔感光体の評価〕
作製した各感光体について、下記のように評価した。
作製した各感光体について、下記のように評価した。
感光体をコニカミノルタビジネステクノロジーズ社製bizhubC250(レーザー露光・反転現像・中間転写体のタンデムカラー複合機)を評価が行えるように改造し、露光量を適正化した評価機に搭載し、高温、高湿環境(30℃、80%RH)でA4フルカラー画像(カラフルな遊園地を背景にした人物画像)を1000枚印刷出力前後に、印字率50%のシアン色のハーフトーン画像印刷し、下記基準でハーフトーン画像を目視にて評価した。
評価のプロセス条件
初期帯電電位
感光体の帯電電位が−500vになるように、帯電電流とグリッド電圧を調整した。
初期帯電電位
感光体の帯電電位が−500vになるように、帯電電流とグリッド電圧を調整した。
転写条件
転写電流が30μAになるように中間転写ベルトの帯電ローラを調整した。
転写電流が30μAになるように中間転写ベルトの帯電ローラを調整した。
「表面傷」
◎:1000枚焼き出し後にも表面傷なし(良好)
○:1000枚焼き出し後に、表面傷1〜2箇所発生(実用上問題なし)
×:1000枚焼き出し前に、表面傷3箇所以上発生(実用上問題有り)。
◎:1000枚焼き出し後にも表面傷なし(良好)
○:1000枚焼き出し後に、表面傷1〜2箇所発生(実用上問題なし)
×:1000枚焼き出し前に、表面傷3箇所以上発生(実用上問題有り)。
「ハーフトーン画像」
◎:ハーフトーン画像がなめらかに再現されている(良好)
○:ハーフトーン画像に濃度差が0.05未満の画像ムラが発生しているが、ハーフトーン画像中で、該濃度差があまり目立たない。(実用上問題ないレベル)
×:ハーフトーン画像に濃度差が0.05以上の画像ムラが発生しており、ハーフトーン画像中で、該濃度差がはっきりしている。(実用上問題あり)
上記濃度差はシアンベタ画像の濃度をマクベス社製RD−918を使用し、紙の反射濃度を「0」とした相対反射濃度で測定し、スタート時と1万枚目の濃度差で評価した。
◎:ハーフトーン画像がなめらかに再現されている(良好)
○:ハーフトーン画像に濃度差が0.05未満の画像ムラが発生しているが、ハーフトーン画像中で、該濃度差があまり目立たない。(実用上問題ないレベル)
×:ハーフトーン画像に濃度差が0.05以上の画像ムラが発生しており、ハーフトーン画像中で、該濃度差がはっきりしている。(実用上問題あり)
上記濃度差はシアンベタ画像の濃度をマクベス社製RD−918を使用し、紙の反射濃度を「0」とした相対反射濃度で測定し、スタート時と1万枚目の濃度差で評価した。
「転写メモリーの評価」
べた黒とべた白の混在した画像を10枚連続して印刷し、続いて均一なハーフトーン画像を印刷し、該ハーフトーン画像中に前記べた黒とべた白の履歴が現れている(メモリー発生)か否(メモリー発生なし)かで判定した。
べた黒とべた白の混在した画像を10枚連続して印刷し、続いて均一なハーフトーン画像を印刷し、該ハーフトーン画像中に前記べた黒とべた白の履歴が現れている(メモリー発生)か否(メモリー発生なし)かで判定した。
○;メモリー発生なし
×;メモリー発生あり。
×;メモリー発生あり。
「減耗量の評価」
上記評価で50万の画出しを行い、初期膜厚と50万枚後の膜厚差で評価した。感光層の膜厚は均一膜厚部分(感光体の両端は膜厚が不均一になりやすいので、少なくとの両端5cmは除く)をランダムに10ケ所測定し、その平均値を感光層の膜厚とする。膜厚測定器は渦電流方式の膜厚測定器EDDY560C(HELMUT FISCHER GMBTE CO社製)を用いて行い、実写試験前後の感光層膜厚の差を膜厚減耗量とする。
上記評価で50万の画出しを行い、初期膜厚と50万枚後の膜厚差で評価した。感光層の膜厚は均一膜厚部分(感光体の両端は膜厚が不均一になりやすいので、少なくとの両端5cmは除く)をランダムに10ケ所測定し、その平均値を感光層の膜厚とする。膜厚測定器は渦電流方式の膜厚測定器EDDY560C(HELMUT FISCHER GMBTE CO社製)を用いて行い、実写試験前後の感光層膜厚の差を膜厚減耗量とする。
表3より、電荷輸送層に含まれる主たる電荷輸送物質のイオン化ポテンシャルが5.50eV以下の条件と、膜密度が1.2〜3.5g/cm3で、膜厚3.0μm以下の保護層の条件を満たす感光体1〜9及び13〜16は、各評価項目で良好な結果を得ているのに対し、電荷輸送物質のイオン化ポテンシャルの条件が外れている感光体10、保護層の膜厚の条件が外れている感光体11及び保護層の膜密度が外れている感光体12、はいずれかの評価項目で、実用性が十分でない評価を示していることが見いだされる。
感光体17の作製
感光体1の電荷輸送層のCTMをCTM−2とCTM−10の2種を質量比で70:30の割合で併用した以外は、同様にして感光体17を作製した。
感光体1の電荷輸送層のCTMをCTM−2とCTM−10の2種を質量比で70:30の割合で併用した以外は、同様にして感光体17を作製した。
該感光体17を感光体1と同様に評価した結果は各評価とも実用性に問題なしの評価が得られた。
10Y、10M、10C、10Bk 画像形成ユニット
1Y、1M、1C、1Bk 感光体
2Y、2M、2C、2Bk 帯電手段
3Y、3M、3C、3Bk 露光手段
4Y、4M、4C、4Bk 現像手段
1Y、1M、1C、1Bk 感光体
2Y、2M、2C、2Bk 帯電手段
3Y、3M、3C、3Bk 露光手段
4Y、4M、4C、4Bk 現像手段
Claims (5)
- 導電性支持体上に電荷発生層、電荷輸送層および保護層を順次積層した有機感光体において、該電荷輸送層に含まれる主たる電荷輸送物質のイオン化ポテンシャルが5.50eV以下であり、該保護層は、膜密度が1.2〜3.5g/cm3で、膜厚3.0μm以下の保護層であることを特徴とする有機感光体。
- 前記保護層が硬化性化合物を用いて形成される硬化膜であることを特徴とする請求項1に記載の有機感光体。
- 前記保護層がプラズマ状態の反応ガスから形成される硬化膜であることを特徴とする請求項1に記載の有機感光体。
- 有機感光体の周辺に、少なくとも帯電手段、露光手段、現像手段を有し、繰り返し画像形成を行う画像形成装置において、該有機感光体が請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機感光体であることを特徴とする画像形成装置。
- 請求項4に記載の画像形成装置に用いられるプロセスカートリッジが、少なくとも請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機感光体と帯電器、像露光器、現像器の少なくとも1つを一体として有しており、該画像形成装置に出し入れ可能に構成されることを特徴とするプロセスカートリッジ。
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---|---|---|---|
JP2008190769A JP2010026428A (ja) | 2008-07-24 | 2008-07-24 | 有機感光体、画像形成装置およびプロセスカートリッジ |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2017067973A (ja) * | 2015-09-30 | 2017-04-06 | コニカミノルタ株式会社 | 電子写真感光体及び画像形成装置 |
EP3327508A1 (en) | 2016-11-24 | 2018-05-30 | Konica Minolta, Inc. | Electrophotographic photoreceptor |
CN112306128A (zh) * | 2020-10-13 | 2021-02-02 | 金博 | 一种高压静电放电装置 |
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2008
- 2008-07-24 JP JP2008190769A patent/JP2010026428A/ja active Pending
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EP3327508A1 (en) | 2016-11-24 | 2018-05-30 | Konica Minolta, Inc. | Electrophotographic photoreceptor |
CN112306128A (zh) * | 2020-10-13 | 2021-02-02 | 金博 | 一种高压静电放电装置 |
CN112306128B (zh) * | 2020-10-13 | 2022-06-17 | 北京华安中泰检测技术有限公司 | 一种高压静电放电装置 |
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