JP6217160B2 - 電子写真感光体、画像形成装置、プロセスカートリッジ、及び画像形成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真感光体、画像形成装置、プロセスカートリッジ、及び画像形成方法に関する。
画像形成装置を用いた画像形成方法において、画像は、感光体(以下、電子写真感光体、静電潜像担持体、像担持体と称することもある。)に帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程などの工程を施すことにより形成される。近年では、可とう性、熱安定性、成膜性などの点から、感光体として有機材料を用いた有機感光体が広く使用されている。
画像形成装置における、フルカラー化や高速化の急速な進行に伴い、有機感光体において、更なる耐久化、高安定化が求められている。有機感光体の耐摩耗性、耐久性を改良する技術として、有機感光体の表面に微粒子を含有させた樹脂膜(フィラー表面層)や、重合性化合物を含む組成物を架橋硬化などを施すことにより形成した硬化膜(架橋表面層)を形成させる方法がある。
しかしながら、表面層を有する有機感光体は、繰返し使用した後に、長時間放置した場合、帯電器近傍にある表面部の抵抗値が下がることがある(即ち、電気的安定性が低い)。その場合、再稼働させた際に、帯電電位、露光後電位が低くなり、画像の濃度ムラが発生することがある。また、例えば架橋表面層の場合、架橋密度によっては有機感光体のガスバリア性が低く、画像ボケを引き起こすことがある。
そこで、感光体の表面にフィラー表面層あるいは架橋表面層を形成させ、かつ、表面層中にジアミン化合物を含有させる技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、ジアミン化合物を含有させた感光体であっても、未だ、前述の異常画像を十分に抑制することができず、長期に亘っては、感光体の電気的安定性等を維持することができないというのが現状である。
本発明は、従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、例えば、20万枚以上印刷する場合のように、長期に亘って、耐摩耗性、電気的安定性に優れ、濃度ムラ、画像ボケの発生が抑えられ、好適な画像品質を維持することができる電子写真感光体を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としての本発明の電子写真感光体は、導電性支持体と、前記導電性支持体上に、少なくとも感光層及び表面層をこの順に有する電子写真感光体であって、
前記表面層が、下記一般式(1)で表されるジアミン化合物、下記一般式(A)で表されるジアミン化合物、及び下記一般式(B)で表されるトリアジン化合物から選択される少なくとも1種の化合物と、
下記一般式(2)及び下記一般式(3)のいずれかで表されるオキサゾール化合物と、を少なくとも含有する。
ただし、前記一般式(1)において、Xは、置換基を有していてもよいアリーレン基、又は、下記一般式で表される基を表す。
ただし、式中、Rは、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、又は炭素数1〜4のアルコキシ基を表す。
、A、A及びAは、(i)炭素数1〜4のアルキル基、(ii)−CH(CHZ、及び(iii)置換基を有してもよいアリール基、から選択される基を表し、各々同一であっても異なっていてもよい。ただし、A及びAのいずれもが(iii)置換基を有してもよいアリール基、並びにA及びAのいずれもが(iii)置換基を有してもよいアリール基であることは除く。ここで、Zは、アリール基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基を表し、更に置換基を有してもよい。また、mは0及び1のいずれかの整数を表す。
及びBは、−CH−、−CHCH−、−CH−Ar−、−Ar−CH−、−CHCH−Ar−、並びに−Ar−CHCH−から選択される基を表し、各々同一であっても異なっていてもよい。Arは置換基を有していてもよいアリーレン基を表す。
ただし、前記一般式(A)中、R、Rは、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアラルキル基、又は置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表し、同一でも異なっていてもよい。Arは、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表す。Ar及びArは、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアラルキル基、又は置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表す。ArとAr、もしくはArとArは互いに結合し、窒素原子を含む置換もしくは無置換の複素環基を形成してもよい。
ただし、前記一般式(B)中、R101、R102は、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアラルキル基、又は置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表し、これらは、同一でも異なっていてもよい。また、R101とR102とは一緒になって環を形成してもよい。A101は、ハロゲン原子、又は下記一般式(B−1)を表す。
ただし、前記一般式(B−1)中、R103、及びR104は、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアラルキル基、又は置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表し、これらは同一でも異なっていてもよく、R103とR104とは一緒に環を形成してもよい。
ただし、前記一般式(2)中、R201及びR202は、それぞれ水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、各々同一であっても異なっていてもよく、Xは、ビニレン基、炭素数6〜14の芳香族炭化水素の2価基、又は2,5−チオフェンジイル基を表す。
ただし、前記一般式(3)中、Ar201及びAr202は、それぞれ炭素数6〜14の芳香族炭化水素の1価基を表し、各々同一であっても異なっていてもよく、Yは、炭素数6〜14の芳香族炭化水素の2価基を表し、R203とR204は、それぞれ水素原子又はメチル基を表し、各々同一であっても異なっていてもよい。
本発明によれば、従来における前記諸問題を解決でき、例えば、20万枚以上印刷する場合のように、長期に亘って、耐摩耗性、電気的安定性に優れ、濃度ムラ、画像ボケの発生が抑えられ、好適な画像品質を維持する電子写真感光体を提供することができる。
図1は、本発明の電子写真感光体の層構成の一例を示す概略図である。 図2は、本発明の電子写真感光体の層構成の一例を示す概略図である。 図3は、本発明の電子写真感光体の層構成の一例を示す概略図である。 図4は、本発明の電子写真感光体の層構成の一例を示す概略図である。 図5は、本発明の画像形成装置の一例を示す概略図である。 図6は、本発明のプロセスカートリッジの一例を示す概略図である。 図7は、本発明の実施例で用いた、チタニルフタロシアニンの粉末X線回折スペクトルの一例を示す図である。 図8は、本発明で用いる合成例A1のジアミン化合物の赤外線吸収スペクトルである。 図9は、本発明で用いる合成例A2のジアミン化合物の赤外線吸収スペクトルである。 図10は、本発明で用いる合成例A3のジアミン化合物の赤外線吸収スペクトルである。 図11は、本発明で用いる合成例B1のトリアジン化合物の赤外線吸収スペクトルである。 図12は、本発明で用いる合成例B2のトリアジン化合物の赤外線吸収スペクトルである。 図13は、本発明で用いる合成例B3のトリアジン化合物の赤外線吸収スペクトルである。 図14は、本発明で用いる合成例B4のトリアジン化合物の赤外線吸収スペクトルである。 図15は、本発明で用いる合成例B5のトリアジン化合物の赤外線吸収スペクトルである。 図16は、本発明で用いる合成例B6のトリアジン化合物の赤外線吸収スペクトルである。 図17は、本発明で用いる合成例B7のトリアジン化合物の赤外線吸収スペクトルである。
(電子写真感光体)
本発明の電子写真感光体は、導電性支持体と、前記導電性支持体上に、少なくとも感光層及び表面層をこの順に有してなり、更に必要に応じてその他の層を有してなる。
本発明の電子写真感光体は、前記表面層に本発明で規定する材料を有するものであり、前記導電性支持体、前記感光層、及び前記その他の層については、従来と同様のものを適用することができる。
<表面層>
前記表面層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、微粒子を含有させた樹脂膜(フィラー表面層)や、重合性化合物を含む組成物に架橋硬化などを施すことにより形成した硬化膜(架橋表面層)が挙げられる。
前記表面層は、その中に、下記で規定される第1のジアミン化合物、下記で規定される第2のジアミン化合物、及び下記で規定されるトリアジン化合物から選択される少なくとも1種の化合物と、下記で規定されるオキサゾール化合物とを少なくとも含有してなり、更に必要に応じてその他の添加剤を含有してなる。
感光体表面は酸化性ガスで劣化する。劣化が進むとその部分は膜が低抵抗化することなどにより、画像流れや画像ボケが発生する。劣化は表面層の表面から劣化していくため、特にフィラー表面層や架橋表面層のように機械的耐久性の高い表面層を用いた場合、酸化性ガスによる感光体表面の劣化は、画像流れや画像ボケといった異常画像を引き起こしやすくなる。
本発明では、表面層の耐ガス性を向上させるため、表面層に前記第1のジアミン化合物、前記第2のジアミン化合物、及び前記トリアジン化合物から選択される少なくとも1種の化合物を含有させる。前記第1のジアミン化合物、前記第2のジアミン化合物、及び前記トリアジン化合物から選択される少なくとも1種の化合物は、酸化性ガスなどによる表面層の劣化を抑制するため、耐ガス性を向上させることができる。更に、本発明では、表面層に前記オキサゾール化合物を含有させる。これにより、長期に亘って表面層の耐ガス性及び電気的安定性を維持することができる。
<<第1のジアミン化合物>>
前記第1のジアミン化合物は、下記一般式(1)で表される化合物である。
ただし、前記一般式(1)において、Xは、置換基を有していてもよいアリーレン基、あるいは、
を表す。ここで、Rは、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基を表す。
、A、A、及びAは、(i)炭素数1〜4のアルキル基、(ii)−CH(CHZ、及び(iii)置換基を有してもよいアリール基から選択される基を表し、各々同一でも異なっていてもよい。ただし、A及びAのいずれもが(iii)置換基を有してもよいアリール基、並びにA及びAのいずれもが(iii)置換基を有してもよいアリール基であることは除く。ここで、Zは、アリール基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基を表し、更に置換基を有してもよい。また、mは0及び1のいずれかの整数を表す。
、Bは、−CH−、−CHCH−、−CH−Ar−、−Ar−CH−、−CHCH−Ar−、及び−Ar−CHCH−から選択される基を表し、各々同一でも異なっていてもよい。Arは置換基を有していてもよいアリーレン基を表す。
これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記ジアミン化合物の画像ボケ抑制の効果要因は、現時点で明確にはなっていないが、ジアミン化合物が有するアミノ基は塩基性が強く、このことが酸化性ガスに対する電荷輸送物質の変質を防止できる理由であると考えられる。その上、酸化防止剤と異なり、電荷がトラップしやすい極性基を持たず、またそれ自身が電荷輸送性を有するため、ある程度添加しても露光部電位や残留電位を上昇させる影響を低減できるものと推測される。
前記(i)、(ii)、及び(iii)の基に関して、画像ボケの抑制に最も効果の高い順に、(i)炭素数1〜4のアルキル基、(ii)−CH(CHZ、(iii)置換基を有してもよいアリール基、であると考えられる。これは、逆に露光部電位上昇の影響が大きい順であると言い換えることもできる。
したがって、前記一般式(1)中、A、A、A、Aを(i)、(ii)及び(iii)から適宜選択することが好ましい。
〜Aの組み合わせとしては、例えば、以下のものが挙げられる。
、A:(i)炭素数1〜4のアルキル基;A、A:(i)炭素数1〜4のアルキル基
、A:(i)炭素数1〜4のアルキル基;A、A:(ii)−CH(CH
、A:(i)炭素数1〜4のアルキル基;A、A:(iii)置換基を有してよいアリール基
、A:(ii)−CH(CHZ;A、A:(i)炭素数1〜4のアルキル基
、A:(ii)−CH(CHZ;A、A:(ii)−CH(CH
、A:(ii)−CH(CHZ;A、A:(iii)置換基を有してよいアリール基
及びA、A及びAの組み合わせからは、以下のものが除外されている。
、A:(iii)置換基を有してよいアリール基
、A:(iii)置換基を有してよいアリール基
及びA、又はA及びAがともに(iii)置換基を有してもよいアリール基になると、電荷輸送性は非常に高まるが、画像ボケ抑制効果が得られなくなるため、本発明の効果を得ることができない。
前記第1のジアミン化合物の分子量としては、300〜900が好ましく、400〜600がより好ましい。前記分子量が、300よりも小さいと昇華性が高すぎて、本発明の効果が得られにくくなる場合がある。一方、前記分子量が、900よりも大きいと相溶性が低下したり、表面層に硬化膜を用いる場合には硬化阻害を引き起こす場合がある。
前記第1のジアミン化合物としては、下記一般式(4)で示されるジアミン化合物が非常に有効である。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
ただし、前記一般式(4)において、A、Aは、下記(i)炭素数1〜4のアルキル基、(ii)−CH(CHZ、及び(iii)置換基を有してもよいアリール基、より選択される基を表し、各々同一でも異なっていてもよい。ただし、A及びAのいずれもが(iii)置換基を有してもよいアリール基であることは除く。
Zは、アリール基、シクロアルキル基、又はヘテロシクロアルキル基を表し、更に置換基を有してもよい。また、mは0及び1のいずれかの整数を表す。
Arは置換基を有していてもよいアリーレン基を表す。
前記一般式(1)で表される第1のジアミン化合物の具体例としては、以下に記載の化合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記第1のジアミン化合物の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記表面層の全固形分に対して、質量比で0.005以上0.05以下であることが好ましく、0.005以上0.02以下であることがより好ましい。前記含有量が、前記全固形分に対して、質量比で0.005未満の場合、酸化性ガスによる感光層の劣化を抑制する効果が低下することがある。一方、前記含有量が、前記全固形分に対して、質量比で0.05を超える場合、感光体の感度特性に悪影響を及ぼすため、残留電位上昇などの問題が生じることがある。
また、前記表面層が架橋表面層の場合、前記第1のジアミン化合物の過剰添加は、架橋密度を低下させることにもなるため、感光体の機械的強度が低下し、耐摩耗性が悪化することがある。
<<第2のジアミン化合物>>
前記第2のジアミン化合物は、下記一般式(A)で表される化合物である。
ただし、前記一般式(A)中、R、Rは、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアラルキル基、又は置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表し、同一でも異なっていてもよい。Arは、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表す。Ar及びArは、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアラルキル基、又は置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表す。ArとAr、もしくはArとArは互いに結合し、窒素原子を含む置換もしくは無置換の複素環基を形成してもよい。
前記一般式(A)で表されるジアミン化合物は、感光体を繰り返し使用する際の画像品質維持に有効である。その理由は、現時点では明らかになっていないが、化学構造内に含まれるアルキルアミノ基が塩基性の強い基であるので、画像ボケの原因物質と考えられている酸化性ガスに対しての中和効果が推測される。また、芳香族炭化水素環基置換アミノ基は、電荷輸送能が優れる機能性基であることが知られており[高橋ら、電子写真学会誌、25巻、3号、16頁、1986年]、前記ジアミン化合物はこの基を含むことから電荷輸送能の高い化合物であることがわかる。更には、他の電荷輸送物質と併用することにより高感度、並びに繰り返し安定性等が更に増すことも見出されている。
前記一般式(A)で表されるジアミン化合物は、文献(A.F.Abdel−Magid et al.,J.Org.Chem.,Vol.61,No.11,3849−3862(1996))に記載の方法や、文献(E.R.Burkhardt et al.,Tetrahedron.Lett.,Vol.49,No.35,5152−5155(2008))に記載の方法によって製造することができる。即ち、下記一般式(A−1)で表されるアルデヒドと、下記一般式(A−2)で表されるアミン化合物とを還元剤の存在下、−50℃〜100℃程度の温度、好ましくは室温〜50℃程度の温度において反応させることにより得ることができる。
ただし、前記(A−1)式中、Arは置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表す。Ar及びArは置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアラルキル基、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表す。ArとAr、もしくはArとArは互いに結合し、窒素原子を含む置換又は無置換の複素環基を形成してもよい。
ただし、前記(A−2)式中、R、Rは、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアラルキル基、又は置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表し、同一でも異なっていてもよい。
前記還元剤としては、例えば、水素化リチウムアルミニウム、水素化ホウ素リチウム、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド、ギ酸、ボラン−テトラヒドロフラン錯体、ボラン−N,N−ジエチルアニリン錯体、メチルスルフィドボラン、5−エチル−2−メチルピリジンボラン、などが挙げられる。これらの中でも、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド、5−エチル−2−メチルピリジンボランが好ましい。
前記反応溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジクロロエタン、ジクロロメタン、1,4−ジオキサン、トルエン、キシレン、アニソール、などが挙げられる。
なお、反応速度を速めるために酢酸、塩酸、硫酸、p−トルエンスルホン酸などの酸触媒を添加してもよい。
前記一般式(A)、(A−1)、(A−2)における、アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、ウンデカニル基などが挙げられる。また、アラルキル基としては、例えば、ベンジル基、フェネチル基、クミル基、ナフチルメチル基などが挙げられる。また、アリール基としては、例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基などの単環式芳香環の誘導体やナフチル基などが挙げられる。また、アルキレン基としては、前記アルキル基から水素を1つ取り除いた2価の基が挙げられる。また、アリーレン基としては、前記アリール基から水素を1つ取り除いた2価の基が挙げられる。また、芳香族炭化水素基としては、例えば、ベンゼン、ビフェニル、ナフタレン、アントラセン、フルオレン及びピレンなどの芳香族環、並びにピリジン、キノリン、チオフェン、フラン、オキサゾール、オキサジアゾール、カルバゾールなど芳香族複素環の基が挙げられる。また、これらの置換基としては、前記アルキル基の具体例で挙げたもの、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などのアルコキシ基、又はフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子のハロゲン原子、前記芳香族炭化水素基、及びピロリジン、ピペリジン、ピペラジンなどの複素環の基などが挙げられる。更に、Ar、Arは互いに結合し、窒素原子を含む置換もしくは無置換の複素環基を形成する場合、その複素環基としてはピロリジノ基、ピペリジノ基、ピペラジノ基などに芳香族炭化水素基が縮合した縮合複素環基を挙げることができる。
以下に、前記一般式(A)で表されるジアミン化合物の好ましい例を下記表A1−1〜表A1−3に挙げる。ただし、本発明は、これらの化合物に限定されるものではない。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記第2のジアミン化合物の画像ボケ抑制の効果要因は、現時点で明確にはなっていないが、前記第2のジアミン化合物が有するアミノ基は塩基性が強く、このことが酸化性ガスに対する電荷輸送物質の変質を防止できる理由であると考えられる。その上、酸化防止剤と異なり、電荷がトラップしやすい極性基を持たず、またそれ自身が電荷輸送性を有するため、ある程度添加しても露光部電位や残留電位を上昇させる影響を低減できるものと推測される。
前記第2のジアミン化合物の分子量としては、300〜900が好ましく、400〜600がより好ましい。前記分子量が、300よりも小さいと昇華性が高すぎて、本発明の効果が得られにくくなる場合がある。一方、前記分子量が、900よりも大きいと相溶性が低下したり、表面層に硬化膜を用いる場合には硬化阻害を引き起こす場合がある。
前記第2のジアミン化合物の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記表面層の全固形分に対して、質量比で0.005以上0.05以下であることが好ましく、0.005以上0.02以下であることがより好ましい。前記含有量が、前記全固形分に対して、質量比で0.005未満の場合、酸化性ガスによる感光層の劣化を抑制する効果が低下することがある。一方、前記含有量が、前記全固形分に対して、質量比で0.5を超える場合、感光体の感度特性に悪影響を及ぼすため、残留電位上昇などの問題が生じることがある。
また、前記表面層が架橋表面層の場合、前記第2のジアミン化合物の過剰添加は、架橋密度を低下させることにもなるため、感光体の機械的強度が低下し、耐摩耗性が悪化することがある。
<<トリアジン化合物>>
前記トリアジン化合物は、下記一般式(B)で表される化合物である。
ただし、前記一般式(B)中、R101、R102は、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアラルキル基、又は置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表し、これらは、同一でも異なっていてもよい。また、R101とR102とは一緒になって環を形成してもよい。A101は、ハロゲン原子、又は下記一般式(B−1)を表す。
ただし、前記一般式(B−1)中、R103、及びR104は、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアラルキル基、又は置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表し、これらは同一でも異なっていてもよく、R103とR104とは一緒に環を形成してもよい。
前記一般式(B)で表されるトリアジン化合物は、感光体を繰り返し使用する際の画像品質維持に有効である。その理由は、現時点では明らかになっていないが、化学構造内に含まれるアルキルアミノ基が塩基性の強い基であるので、画像ボケの原因物質と考えられている酸化性ガスに対しての中和効果が推測される。また、芳香族炭化水素環基置換アミノ基は、電荷輸送能が優れる機能性基であることが知られており[高橋ら、電子写真学会誌、25巻、3号、16頁、1986年]、前記トリアジン化合物はこの基を含むことから電荷輸送能の高い化合物であることがわかる。更には、他の電荷輸送物質と併用することにより高感度、並びに繰り返し安定性等が更に増すことも見出されている。
前記一般式(B)で表されるトリアジン化合物は以下の方法によって製造することができる。下記一般式(B−2)で表されるハロゲン化シアヌル酸と、下記一般式(B−4)で表されるアミン化合物とを塩基性化合物存在下、−50℃〜150℃程度の温度、好ましくは室温〜100℃程度の温度において反応させることにより得ることができる。
ただし、前記一般式(B−2)中、Xは、ハロゲン原子を表す。
ただし、前記一般式(B−4)中、R103、及びR104は、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアラルキル基、又は置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表し、これらは同一でも異なっていてもよく、R103とR104とは一緒に環を形成してもよい。
反応溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジクロロエタン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジクロロメタン、1,4−ジオキサン、トルエン、キシレン、アニソールなどを挙げることができる。塩基性化合物としては、炭酸カリウム、水酸化ナトリウムなどの無機塩基性化合物やトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンなどの有機塩基化合物などを挙げることができる。
前記一般式(B)、(B−1)又は(B−2)における、アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、ウンデカニル基、などが挙げられる。また、アラルキル基の例としては、ベンジル基、フェネチル基、クミル基、ナフチルメチル基などが挙げられる。また、アリール基としてはフェニル、トリル、キシリルなどの単環式芳香環の誘導体やナフチル基が挙げられる。また、アルキレン基としては前述のアルキル基から水素を1つ取り除いた2価の基が挙げられる。また、アリーレン基としては前述のアリール基から水素を1つ取り除いた2価の基が挙げられる。また、芳香族炭化水素基としてはベンゼン、ビフェニル、ナフタレン、アントラセン、フルオレン及びピレンなどの芳香族環、並びにピリジン、キノリン、チオフェン、フラン、オキサゾール、オキサジアゾール、カルバゾールなどの芳香族複素環の基が挙げられる。また、これらの置換基としては、上記アルキル基の具体例で挙げたもの、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などのアルコキシ基、又はフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子のハロゲン原子、前記芳香族炭化水素基、及びピロリジン、ピペリジン、ピペラジンなどの複素環の基などが挙げられる。更に、R101とR102は互いに結合し、窒素原子を含む置換もしくは無置換の複素環基を形成する場合、前記複素環基としてはピロリジノ基、ピペリジノ基、ピペラジノ基などに芳香族炭化水素基が縮合した縮合複素環基が挙げられる。
以下に、一般式(B)で表されるトリアジン化合物の好ましい例を下記表B1−1〜表B1−11に挙げる。但し、本発明は、これらの化合物に限定されるものではない。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記一般式(B)で表されるトリアジン化合物の画像ボケ抑制の効果要因は、現時点で明確にはなっていないが、前記トリアジン化合物が有するアミノ基は塩基性が強く、このことが酸化性ガスに対する電荷輸送物質の変質を防止できる理由であると考えられる。その上、酸化防止剤と異なり、電荷がトラップしやすい極性基を持たず、またそれ自身が電荷輸送性を有するため、ある程度添加しても露光部電位や残留電位を上昇させる影響を低減できるものと推測される。
前記一般式(B)で表されるトリアジン化合物の分子量としては、300〜900が好ましく、400〜600がより好ましい。前記分子量が300よりも小さいと昇華性が高すぎて、本発明の効果が得られにくくなる場合がある。一方、前記分子量が900よりも大きいと相溶性が低下したり、表面層に硬化膜を用いる場合には硬化阻害を引き起こす場合がある。
前記一般式(B)で表されるトリアジン化合物の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記表面層の全固形分に対して、質量比で0.005以上0.05以下であることが好ましく、0.005以上0.02以下であることがより好ましい。前記含有量が、前記全固形分に対して、質量比で0.005未満の場合、酸化性ガスによる感光層の劣化を抑制する効果が低下することがある。一方、前記含有量が、前記全固形分に対して、質量比で0.5を超える場合、感光体の感度特性に悪影響を及ぼすため、残留電位上昇などの問題が生じることがある。
また、前記表面層が架橋表面層の場合、前記トリアジン化合物の過剰添加は、架橋密度を低下させることにもなるため、感光体の機械的強度が低下し、耐摩耗性が悪化することがある。
<<オキサゾール化合物>>
前記オキサゾール化合物は、下記一般式(2)及び一般式(3)のいずれかで表される化合物である。
ただし、前記一般式(2)中、R201及びR202は、それぞれ水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、各々同一であっても異なっていてもよく、Xは、ビニレン基、炭素数6〜14の芳香族炭化水素の2価基、又は2,5−チオフェンジイル基を表す。
前記R201及びR202のアルキル基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基などが挙げられる。
前記Xの炭素数6〜14の芳香族炭化水素の2価基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、o−フェニレン基、p−フェニレン基、1,4−ナフタレンジイル基、2,6−ナフタレンジイル基、9,10−アントラセンジイル基、1,4−アントラセンジイル基、4,4’−ビフェニルジイル基、4,4’−スチルベンジイル基などが挙げられる。
ただし、前記一般式(3)中、Ar201及びAr202は、それぞれ炭素数6〜14の芳香族炭化水素の1価基を表し、各々同一であっても異なっていてもよく、Yは、炭素数6〜14の芳香族炭化水素の2価基を表し、R203とR204は、それぞれ水素原子又はメチル基を表し、各々同一であっても異なっていてもよい。
前記Ar201及びAr202の、炭素数6〜14の芳香族炭化水素の1価基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フェニル基、4−メチルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、ナフチル基、ビフェニリル基等の芳香族炭化水素基などが挙げられる。
前記Yの、炭素数6〜14の芳香族炭化水素の2価基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、o−フェニレン基、p−フェニレン基、1,4−ナフタレンジイル基、2,6−ナフタレンジイル基、9,10−アントラセンジイル基、1,4−アントラセンジイル基、4,4’−ビフェニルジイル基、4,4’−スチルベンジイル基などが挙げられる。
前記一般式(2)及び一般式(3)のいずれかで表される化合物の具体例としては、以下に記載の化合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記オキサゾール化合物を表面層に添加することによって長期に亘って耐ガス性及び電気的安定性を維持できる理由は、現時点では明確になっていないが、前記第1のジアミン化合物、前記第2のジアミン化合物、及び前記トリアジン化合物から選択される少なくとも1種の化合物の劣化を抑制する効果があるためと推測される。前記第1のジアミン化合物、前記第2のジアミン化合物、及び前記トリアジン化合物から選択される少なくとも1種の化合物は感光体の使用経時で劣化する。その結果、酸化性ガスに対する電荷輸送物質の変質を防止できなくなるだけでなく、前記第1のジアミン化合物、前記第2のジアミン化合物、及び前記トリアジン化合物から選択される少なくとも1種の化合物自身の持つ電荷輸送機能が失われ、表面層中で大きなトラップサイトとなる。その結果、連続印刷時の露光部電位変動が増大する。連続印刷時の露光部電位変動の増大は頁間の画像濃度ムラを引き起こすため、画質信頼性に悪影響を及ぼす。
これに対し、前記表面層に前記オキサゾール化合物を添加することにより、前記第1のジアミン化合物、前記第2のジアミン化合物、及び前記トリアジン化合物から選択される少なくとも1種の化合物の劣化を抑制できるため、連続印刷時の露光部電位変動の増大を抑制し、例えば20万枚印刷する場合のように、長期に亘って電気的安定特性及び耐ガス性を維持できると推測される。
前記オキサゾール化合物の含有量としては、前記第1のジアミン化合物、前記第2のジアミン化合物、及び前記トリアジン化合物から選択される少なくとも1種の化合物に対して、質量比で0.5以上5.0以下であることが好ましく、1.0以上3.0以下がより好ましい。前記含有量が、前記第1のジアミン化合物、前記第2のジアミン化合物、及び前記トリアジン化合物から選択される少なくとも1種の化合物に対して、質量比で0.5未満の場合、前記第1のジアミン化合物、前記第2のジアミン化合物、及び前記トリアジン化合物から選択される少なくとも1種の化合物が酸性ガスによって劣化するのを抑制する効果が低下することがある。一方、前記含有量が、前記第1のジアミン化合物、前記第2のジアミン化合物、及び前記トリアジン化合物から選択される少なくとも1種の化合物に対して、質量比で5.0を超える場合、感光体の感度特性が悪化することがある。
前記オキサゾール化合物は、電荷輸送機能を有さないため、表面層中に過剰に添加すると、相対的に電荷輸送物質の含有量が低下する。そのため、表面層中の電荷輸送機能が低下し、感光体の感度が低下することがある。
また、架橋表面層の場合、オキサゾール化合物の過剰添加は、架橋密度を低下させることにもなるため、感光体の機械的強度が低下し、耐摩耗性が悪化することがある。
<<フィラー表面層>>
前記フィラー表面層は、少なくとも微粒子とバインダー樹脂で構成されてなる表面層である。前記フィラー表面層は、前記微粒子、前記バインダー樹脂を含んでなり、更に必要に応じてその他の成分を含んでなる。
−バインダー樹脂−
前記バインダー樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリアリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂等の熱可塑性樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂などの架橋樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
−微粒子−
前記微粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、有機微粒子及び無機微粒子などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記有機微粒子としては、例えば、フッ素含有樹脂微粒子、ダイヤモンド微粒子などが挙げられる。
前記無機微粒子としては、例えば、銅、スズ、アルミニウム、インジウム等の金属微粒子;酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化錫、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化ビスマス、アンチモンをドープした酸化錫、錫をドープした酸化インジウム等の金属酸化物微粒子;チタン酸カリウム等の無機材料微粒子などが挙げられる。これらの中でも、金属酸化物微粒子が好ましく、酸化珪素、酸化アルミニウム、及び酸化チタンのいずれかの微粒子がより好ましい。
フィラー表面層中の前記無機微粒子の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記含有量が高いほど耐摩耗性において良好であるが、高すぎる場合には残留電位の上昇、保護層の書き込み光透過率が低下し、副作用を生じることがある。従って、前記含有量としては、前記表面層の全固形分に対して、50質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましい。
また、前記含有量の下限値としては、5質量%が好ましい。
前記無機微粒子は、少なくとも一種の表面処理剤で表面処理させたものであってもよい。前記表面処理は、無機微粒子の分散性の点で好ましい。無機微粒子の分散性の低下は残留電位の上昇だけでなく、塗膜の透明性の低下や塗膜欠陥の発生、耐摩耗性の低下をも引き起こすため、高耐久化あるいは高画質化を妨げる大きな問題に発展する場合がある。
前記表面処理剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、無機微粒子の絶縁性を維持できる表面処理剤が好ましい。
前記表面処理剤としては、例えば、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、ジルコアルミネート系カップリング剤、高級脂肪酸、シランカップリング剤、Al、TiO、ZrO、シリコーン、ステアリン酸アルミニウムなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの併用処理が、無機微粒子の分散性及び画像ボケの抑制の点から好ましい。
前記シランカップリング剤による処理は、画像ボケの影響が強くなるが、前記シランカップリング剤と前記それ以外の表面処理剤との併用処理を施すことによりその影響を抑制できることがある。
前記表面処理剤による無機微粒子の表面処理量については、特に制限はなく、用いる無機微粒子の平均一次粒径によって適宜選択することができるが、3質量%〜30質量%が好ましく、5質量%〜20質量%がより好ましい。前記表面処理量が3質量%よりも少ないと無機微粒子の分散効果が得られないことがあり、30質量%よりも多いと、残留電位の著しい上昇を引き起こすことがある。
前記無機微粒子は、適当な分散機を用いることによりバインダー樹脂中に分散できる。
前記無機微粒子の平均粒径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1μm以下が好ましく、0.5μm以下であることが、フィラー表面層の透過率の点からより好ましい。
前記フィラー表面層の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1.0μm〜8.0μmが好ましい。
実機内において、クリーニングブレードなどの接触部材を用いる限り、感光層はおよそ一定速度である程度摩耗する。そのため、長期的な繰り返し使用を考慮した場合、前記フィラー表面層は少なくとも1.0μmの平均厚みであることが好ましい。またフィラー表面層の平均厚みが8.0μmよりも大きいと、残留電位上昇や微細ドット再現性が低下することがある。
−その他の成分−
前記その他の成分としては、例えば、残留電位低減、応答性改良のために添加される電荷輸送物質などが挙げられる。
前記電荷輸送物質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、下記の電荷輸送層の電荷輸送物質として記載するものなどが挙げられる。
前記電荷輸送物質として、低分子電荷輸送物質を用いる場合には、前記フィラー表面層中において濃度傾斜を形成していてもよい。
また、前記フィラー表面層には電荷輸送物質としての機能とバインダー樹脂の機能を持った高分子電荷輸送物質も良好に使用される。
これら高分子電荷輸送物質から構成されるフィラー表面層は耐摩耗性に優れたものである。
前記高分子電荷輸送物質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエーテルの中から選ばれる少なくとも一つの重合体であることが好ましい。これらの中でも、トリアリールアミン構造を主鎖及び側鎖の少なくともいずれかに含むポリカーボネートがより好ましい。
−フィラー表面層の形成方法−
前記フィラー表面層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、浸漬塗工方法、リングコート法、スプレー塗工方法などが挙げられる。
これらの中でも、一般的なフィラー表面層の製膜方法としては、微小開口部を有するノズルより塗料を吐出し、霧化することにより生成した微小液滴を感光層上に付着させて塗膜を形成するスプレー塗工方法が好ましい。これらの形成方法においては、溶剤を用いてもよい。
前記形成方法で用いられる溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、ジクロロメタン、モノクロロベンゼン、ジクロロエタン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、アセトンなどが挙げられる。
<<架橋表面層>>
前記架橋表面層は、重合性化合物を含む組成物、例えば、電荷輸送機能を有さないラジカル重合性モノマーと、電荷輸送機能を有するラジカル重合性化合物と、を含む組成物を、架橋硬化などを施すことにより形成した硬化膜から成り、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
前記架橋硬化により、架橋表面層は3次元網目構造となり、十分な機械的強度を有する。特に、後述する電荷輸送機能を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマーと、後述する電荷輸送機能を有する1官能のラジカル重合性化合物と、を含む組成物により形成された硬化膜の場合、電荷輸送機能を有する1官能のラジカル重合性化合物は、3次元網目構造の中にペンダント型にぶら下がった構造を形成する。そのため、2官能以上のラジカル重合性化合物を使用した場合と比較して、重合後の化合物の自由度が大きくなる。それにより、化合物の立体ひずみが緩和され、良好な静電特性を達成することができる。
−電荷輸送機能を有さないラジカル重合性モノマー−
前記電荷輸送機能を有さないとは、正孔輸送性構造と電子輸送性構造を有さないことをいう。前記正孔輸送性構造としては、例えば、トリアリールアミン、ヒドラゾン、ピラゾリン、カルバゾールなどがもつ構造が挙げられ、前記電子輸送性構造としては、例えば、縮合多環キノン、ジフェノキノン、シアノ基、ニトロ基等の電子吸引性芳香族環が挙げられる。
前記ラジカル重合性とは、炭素−炭素二重結合を有し、ラジカル重合することが可能であることを意味する。
前記電荷輸送機能を有さないラジカル重合性モノマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、架橋表面層の成膜性、感光体の耐摩耗性などの点から、3官能以上のラジカル重合性モノマーであることが好ましい。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記電荷輸送性を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマーとしては、例えば、トリアリールアミン、ヒドラゾン、ピラゾリン、カルバゾール等の正孔輸送性構造又は縮合多環キノン、ジフェノキノン、シアノ基、ニトロ基等の電子吸引性基により置換されている芳香族環等の、電子輸送性構造を有しておらず、ラジカル重合性官能基を3個以上有する化合物などが挙げられる。
前記ラジカル重合性官能基としては、例えば、下記に示す1−置換エチレン官能基、1,1−置換エチレン官能基などが挙げられる。
−−1−置換エチレン官能基−−
前記1−置換エチレン官能基としては、例えば、下記式で表される基が挙げられる。
CH=CH−X
ただし、前記式中、Xは、置換基により置換されていてもよいアリーレン基、置換基により置換されていてもよいアルケニレン基、−CO−基、−COO−基、下記式
−CON(R12)−基
(ただし、前記式中、R12は、水素原子、アルキル基、アラルキル基又はアリール基である。)
で表される基、又はチオ基である。
前記Xにおけるアリーレン基としては、例えば、フェニレン基、ナフチレン基などが挙げられる。また、Xにおけるアルケニレン基としては、例えば、ビニレン基などが挙げられる。
前記R12におけるアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基などが挙げられる。前記R12におけるアラルキル基としてはベンジル基、ナフチルメチル基、フェネチル基などが挙げられる。前記R12におけるアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基などが挙げられる。
前記1−置換エチレン官能基の具体例としては、ビニル基、スチリル基、2−メチル−1,3−ブタジエニル基、ビニルカルボニル基、アクリロイルオキシ基、アクリロイルアミド基、ビニルチオエーテル基などが挙げられる。
−−1,1−置換エチレン官能基−−
前記1,1−置換エチレン官能基としては、例えば、下記式で表される基が挙げられる。
CH=C(Y)−X
ただし、前記式中、Xは、前記Xに記載されている基、単結合又はアルキレン基であり、Yは、置換基により置換されていてもよいアルキル基、置換基により置換されていてもよいアラルキル基、置換基により置換されていてもよいアリール基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アルコキシ基、下記式
−COOR13
(ただし、前記式中、R13は、水素原子、置換基により置換されていてもよいアルキル基、置換基により置換されていてもよいアラルキル基、置換基により置換されていてもよいアリール基)
で表される基、又は、下記式
−CONR1415
(ただし、前記式中、R14及びR15は、それぞれ独立に、水素原子、置換基により置換されていてもよいアルキル基、置換基により置換されていてもよいアラルキル基、又は、置換基により置換されていてもよいアリール基)
で表される基である。
前記Y及びXのいずれか一方が、オキシカルボニル基、シアノ基、アルケニレン基、又は芳香族環であることが好ましい。
前記アリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基などが挙げられる。前記アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基又はエトキシ基などが挙げられる。前記アラルキル基としては、例えば、ベンジル、ナフチルメチル基、フェネチル基などが挙げられる。前記アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基などが挙げられる。
前記1,1−置換エチレン官能基の具体例としては、例えば、α−塩化アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、α−シアノエチレン基、α−シアノアクリロイルオキシ基、α−シアノフェニレン基、メタクリロイルアミノ基などが挙げられる。
前記X、X、Y、R13、R14及びR15における置換基としては、例えば、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、メチル基、エチル基等のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基;フェノキシ基等のアリールオキシ基;フェニル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基などが挙げられる。
これらのラジカル重合性基においては、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基を有することが好ましい。
前記3個以上のアクリロイルオキシ基を有する化合物としては、例えば、水酸基がその分子中に3個以上ある化合物、アクリル酸(塩)、アクリル酸ハライド、アクリル酸エステルを用い、エステル反応あるいはエステル交換反応させることにより得ることができる。また、3個以上のメタクリロイルオキシ基を有する化合物も同様にして得ることができる。
電荷輸送性を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマーの具体例としては、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、トリメチロールプロパントリメタクリレート、HPA変性トリメチロールプロパントリアクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート、PO変性トリメチロールプロパントリアクリレート、カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリアクリレート、HPA変性トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(PETTA)、グリセロールトリアクリレート、ECH変性グリセロールトリアクリレート、EO変性グリセロールトリアクリレート、PO変性グリセロールトリアクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールトリアクリレート、ジメチロールプロパンテトラアクリレート(DTMPTA)、ペンタエリスリトールエトキシテトラアクリレート、EO変性リン酸トリアクリレート、2,2,5,5,−ヘトラヒドロキシメチルシクロペンタノンテトラアクリレートなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記電荷輸送性を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマーとしては、官能基数に対する分子量の割合(分子量/官能基数)が250以下であることが好ましい。前記官能基数に対する分子量の割合を250以下とすることにより、架橋表面層中に緻密な架橋結合を形成することができる。一方、前記官能基数に対する分子量の割合が250を超える場合、架橋表面層が柔らかくなり、耐摩耗性が悪化することがある。即ち、上述した具体的な化合物中の、HPA、EO又はPO等の変性基を有する化合物においては、官能基数に対する分子量の割合が250以下となるように、変性基を選択することが好ましい。
また、架橋表面層に用いられる電荷輸送機能を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマーの、電荷輸送機能を有するラジカル重合性化合物に対する質量比としては、0.25以上4.0以下が好ましい。前記質量比が0.25未満の場合、架橋表面層の3次元架橋結合密度が少なく、耐摩耗性向上の効果が十分に達成されないことがある。また、前記質量比が4.0を超える場合、電荷輸送性化合物の含有量が相対的に低下するため、電気的特性が悪化することがある。使用されるプロセスによって要求される耐摩耗性や電気特性が異なるが、電荷輸送機能を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマーの、電荷輸送機能を有するラジカル重合性化合物に対する質量比は0.5以上2.0以下であることが、耐摩耗性と電気的特性を両立できる点でより好ましい。
−電荷輸送機能を有するラジカル重合性化合物−
前記電荷輸送性機能を有するラジカル重合性化合物とは、例えば、トリアリールアミン、ヒドラゾン、ピラゾリン、カルバゾールなどの正孔輸送性構造、又は、縮合多環キノン、ジフェノキノン、シアノ基やニトロ基などの電子吸引性芳香族環などの電子輸送構造を有し、かつ、ラジカル重合性官能基を有する化合物のことである。
前記ラジカル重合性官能基は、電荷輸送機能を有さないラジカル重合性モノマーと同様であるが、アクリロイルオキシ基、メタクリロイウオキシ基であることが好ましい。
前記電荷輸送性機能を有するラジカル重合性化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記感光体の電気的安定性の点から、電荷輸送性構造を有する一官能のラジカル重合性化合物であることが好ましい。これらの中でも、静電特性などの観点から、トリアリールアミン構造を有し、かつ、1個のラジカル重合性官能基を有する化合物がより好ましい。
前記ラジカル重合性官能基としては、感光体の感度及び残留電位等の電気的特性が良好となる点で、下記一般式(5)で示される化合物が好ましい。
ただし、前記一般式(5)中、o、p及びqは、それぞれ0〜2の整数を表す。s及びtは、それぞれ0〜3の整数を表す。Raは、水素原子、又はメチル基を表す。Rb、Rcは、炭素数1〜6のアルキル基を表し、s、tが2又は3の場合、アルキル基同士は異なってもよい。Zaは、単結合、メチレン基、エチレン基、及び下記置換基から選択されるいずれかを表す。
前記一般式(5)に示す電荷輸送機能を有する1官能のラジカル重合性化合物は、3官能以上のラジカル重合性化合物と重合する際に、炭素−炭素間の二重結合が両側に開放されて重合する。そのため、重合後の炭素−炭素間の単結合は末端構造とはならず、連鎖重合体中に組み込まれる。また、前記単結合は、重合により架橋形成された重合体中では、高分子の主鎖中に存在し、かつ、主鎖−主鎖間の架橋鎖中に存在する。
前記架橋鎖としては、1つの高分子と他の高分子間との分子間架橋鎖と、1つの高分子内で折り畳まれた状態の主鎖のある部位と主鎖中でこれから離れた位置に重合したモノマー由来の他の部位とが架橋された分子内架橋鎖と、がある。
前記単結合が主鎖中に存在する場合、及び架橋鎖中に存在する場合のいずれの場合であっても、鎖部分から懸下するトリアリールアミン構造は、窒素原子から放射状方向に配置する少なくとも3つのアリール基が分岐状となる。
これは、トリアリールアミン構造が、主鎖部分に直接結合しておらず、鎖部分からカルボニル基などを介して懸下しているためである。そのため、トリアリールアミン構造は、立体的位置取りに融通性を有する状態で固定され、分子内の構造的歪みが少なくなる。したがって、感光体の架橋表面層として使用された場合、電荷輸送経路を実質的に断絶させることのない分子内構造を採りうると推測される。
前記電荷輸送機能を有するラジカル重合性化合物の具体例としては、特許文献1記載のものなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
−その他の成分−
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、塗工時の粘度調整、架橋表面層の応力緩和、低表面エネルギー化、摩擦係数低減などの機能を付与する目的で添加される、結着樹脂、1官能及び2官能のラジカル重合性化合物、機能性モノマー、ラジカル重合性オリゴマー;架橋反応を効率良く進行させる目的で添加される、光重合開始剤;感光体の耐摩耗性を向上させる目的、及び架橋表面層の表面に、微細な凹凸が形成することで、感光体表面に潤滑剤が付与されやすくする目的で添加される、微粒子などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
−−結着樹脂−−
前記結着樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリビニルトルエン樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂、等の熱可塑性又は熱硬化性樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
−−1官能及び2官能のラジカル重合性化合物−−
前記1官能のラジカル重合性化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、2−エチルヘキシルカルビトールアクリレート、3−メトキシブチルアクリレート、ベンジルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、イソアミルアクリレート、イソブチルアクリレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、フェノキシテトラエチレングリコールアクリレート、セチルアクリレート、イソステアリルアクリレート、ステアリルアクリレート、スチレンモノマーなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記2官能のラジカル重合性化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、例えば、1,3−ブタンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、EO変性ビスフェノールAジアクリレート、EO変性ビスフェノールFジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレートなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
−−機能性モノマー−−
前記機能性モノマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、オクタフルオロペンチルアクリレート、2−パーフルオロオクチルエチルアクリレート、2−パーフルオロオクチルエチルメタクリレート、2−パーフルオロイソノニルエチルアクリレート等のフッ素原子を置換したモノマー;特公平5−60503号公報、特公平6−45770号公報等に記載されたシロキサン繰り返し単位;20〜70のアクリロイルポリジメチルシロキサンエチル、メタクリロイルポリジメチルシロキサンエチル、アクリロイルポリジメチルシロキサンプロピル、アクリロイルポリジメチルシロキサンブチル、ジアクリロイルポリジメチルシロキサンジエチルなどのポリシロキサン基を有するビニルモノマー;アクリレート;メタクリレートなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
−−ラジカル重合性オリゴマー−−
前記ラジカル重合性オリゴマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、上述したエポキシアクリレート系、ウレタンアクリレート系、ポリエステルアクリレート系オリゴマーなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記1官能及び2官能のラジカル重合性化合物、及び前記ラジカル重合性オリゴマーの含有量が多い場合、架橋表面層の3次元架橋結合密度が低下し、感光体の耐摩耗性が低下することがある。そのため、これらの含有量は、3官能以上のラジカル重合性化合物に対して、質量比で0.5以下が好ましく、0.3以下がより好ましい。
−−光重合開始剤−−
前記光重合開始剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノン−1、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−メチル−2−モルフォリノ(4−メチルチオフェニル)プロパン−1−オン、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム等のアセトフェノン系又はケタール系光重合開始剤;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾインエーテル系光重合開始剤;ベンゾフェノン、4−ヒドロキシベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、2−ベンゾイルナフタレン、4−ベンゾイルビフェニル、4−ベンゾイルフェニールエーテル、アクリル化ベンゾフェノン、1,4−ベンゾイルベンゼン等のベンゾフェノン系光重合開始剤;2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン等のチオキサントン系光重合開始剤;エチルアントラキノン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルエトキシホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシエステル、9,10−フェナントレン、アクリジン系化合物、トリアジン系化合物、イミダゾール系化合物等のその他の光重合開始剤などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
また、光重合促進効果を有する化合物を、上述の光重合開始剤と併用して使用してもよい。
前記光重合促進効果を有する化合物としては、例えば、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸(2−ジメチルアミノ)エチル、4,4’−ジメチルアミノベンゾフェノンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記光重合開始剤、前記光重合促進効果を有する化合物の含有量としては、ラジカル重合性を有する含有物の総量に対して、質量比で0.005以上0.4以下が好ましく、0.01以上0.2以下がより好ましい。
−−微粒子−−
前記微粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、有機微粒子及び無機微粒子などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記有機微粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素樹脂;シリコーン樹脂;アモルファスカーボンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記無機微粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、銅、スズ、アルミニウム、インジウム等の金属微粒子;酸化ケイ素、酸化スズ、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化ビスマス等の金属酸化物微粒子;チタン酸カリウム等の無機材料微粒子などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
架橋表面層の硬度の点からは、前記無機微粒子を使用することが好ましく、前記無機微粒子の中でも、静電特性の点から、前記金属酸化物微粒子を使用することがより好ましい。前記金属酸化物微粒子の中でも、酸化ケイ素(コロイダルシリカ)、酸化アルミニウム(コロイダルアルミナ)、酸化チタンの微粒子が更に好ましい。
前記微粒子の平均一次粒径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.01μm〜0.5μmであることが好ましい。前記平均一次粒径が0.01μm未満の場合、感光体の耐摩耗性や、分散液の分散性が低下することがある。一方、前記平均一次粒径が0.5μmを超える場合、分散液中で微粒子が沈降したり、画像形成装置中での感光体表面へのトナーのフィルミングが発生することがある。
前記架橋表面層における前記微粒子の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記架橋表面層の全固形分に対して5質量%〜50質量%が好ましく、5質量%〜30質量%がより好ましい。前記含有量が5質量%未満の場合、感光体の耐摩耗性が低下することがある。一方、前記含有量が50質量%を超える場合、感光体の静電特性や架橋表面層の光の透過率が低下することがある。
前記微粒子は、表面処理剤により表面処理されていてもよい。これにより、架橋表面層中の微粒子の分散性を向上させることができる。
前記表面処理剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、ジルコアルミネート系カップリング剤、高級脂肪酸、酸化アルミニウム、二酸化チタン、二酸化ジルコニウム、シリコーン樹脂、ステアリン酸アルミニウムなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記表面処理剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、微粒子に対して、3質量%〜30質量%が好ましく、5質量%〜20質量%であることがより好ましい。前記含有量が3質量%未満の場合、架橋表面層中の微粒子の分散性が悪化することがある。一方、前記含有量が30質量%を超える場合、感光体の静電特性が低下することがある。
−架橋表面層の形成方法−
前記架橋表面層の形成方法としては、例えば、上述した化合物を、下記で詳述する溶媒に溶解乃至分散して塗布液を作成し、これを下地となる層上に塗布、乾燥する方法が挙げられる。その後、熱や光照射等の外部エネルギーにより、硬化(架橋)反応を開始することにより架橋表面層が形成される。
前記塗布液は、可塑剤(応力緩和や接着性向上などの目的)、レベリング剤、ラジカル反応性を有さない低分子電荷輸送物質、溶媒等を更に含んでいてもよい。
前記可塑剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレートなどが挙げられる。
前記可塑剤の添加量としては、前記塗布液の固形分に対して、20質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましい。
前記レベリング剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のシリコーンオイル;側鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマー又はオリゴマーなどが挙げられる。
前記レベリング剤の添加量としては、前記塗布液の固形分に対して、3質量%以下が好ましい。
前記溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒;テトラヒドロフラン、ジオキサン、プロピルエーテル等のエーテル系溶媒;ジクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、クロロベンゼン等のハロゲン系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、セロソルブアセテート等のセロソルブ系溶媒などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。前記ラジカル重合性化合物が液体である場合、これに他の成分を溶解又は分散して塗布してもよいが、必要に応じて前記溶媒で希釈して塗布される。このときの、前記溶媒による希釈率としては、特に制限はなく、溶解又は分散する組成物の溶解性、塗工法、目的とする平均厚みなどに応じて適宜選択することができる。
前記塗布液を塗布する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、浸漬塗布法、スプレーコート法、ビードコート法、リングコート法などが挙げられる。
前記架橋表面層を架橋する際には、光を照射することが好ましい。その光源としては、高圧水銀灯、メタルハライドランプ等の紫外光を照射する光源、可視光を照射する光源などが挙げられる。
光を照射する際の、ラジカル重合性化合物を含む塗膜の表面の温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、20℃〜170℃が好ましい。その際、前記塗膜の表面の温度は、熱媒体を用いて制御することが好ましい。
以下、具体的な化合物の例を挙げて、架橋表面層の形成方法を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、電荷輸送性構造を有さない3官能のラジカル重合性化合物として、3つのアクリロイルオキシ基を有するアクリレートモノマーを、電荷輸送性構造を有する一官能のラジカル重合性化合物として、1つのアクリロイルオキシ基を有するトリアリールアミン化合物を使用する。これらの使用割合は、総質量の比で、例えば3/7〜7/3とすることができる。また、重合開始剤を、上述のアクリレートモノマー全量に対して、質量比で、例えば0.03以上0.2以下で添加して、更に溶媒を加えて塗工液を調製する。
架橋表面層の下層に、例えば、電荷輸送層としてトリアリールアミン系ドナーを使用し、バインダー樹脂としてポリカーボネートを使用し、架橋表面層をスプレー塗工により形成する場合、塗布液の溶媒としては、テトラヒドロフラン、2−ブタノン、酢酸エチル等を好ましく使用することができる。塗布液の溶媒の使用量としては、アクリレートモノマー全量に対し、3倍量〜10倍量であることが好ましい。
アルミニウムシリンダー等の支持体上に、例えば、下引き層、電荷発生層、電荷輸送層を順次積層した感光体上に、前記調製した塗布液を塗布し、指触乾燥を経て、光照射などにより硬化反応を進行させる。
硬化方法として紫外線照射を行う場合、例えば、メタルハライドランプを用いることができる。紫外線照射の照度は、50mW/cm以上、1,000mW/cm以下であることが好ましい。例えば、700mW/cmの紫外線光を照射する場合、ドラムを回転して全ての面を均一に2分間程度照射する。この時、熱媒体等を用いて、表面温度が高くなりすぎないように制御する。
硬化終了後は、残留溶媒を低減するために、100℃〜150℃で10分間〜30分間加熱して、感光体を得ることができる。
硬化反応のための加熱又は光照射においては、周囲雰囲気の酸素濃度を低くすることが、架橋を促進するために好ましい。周囲雰囲気の酸素濃度を低くすることにより、酸素によるラジカル重合の阻害を低減できるため、架橋密度が高い架橋表面層を形成することができる。また、スプレーコート法により塗布液を塗布する際、及び指触乾燥する際に、窒素で置換することにより、周囲雰囲気の酸素濃度を低下させることも好ましい。
本発明の電子写真感光体における、架橋表面層の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1μm〜30μmであることが好ましく、2μm〜20μmであることがより好ましく、3μm〜10μmであることが更に好ましい。前記平均厚みが1μmより薄い場合、キャリアが付着する際の、感光体表面へのめりこみ量に対して、架橋表面層膜厚が小さく、そのため、感光体が十分な耐久性を有さないことがある。一方、前記平均厚みが30μmよりも厚い場合、残留電位が上昇することがある。架橋表面層の厚みが1μm〜30μmの場合、摩耗や傷に対して耐久性を有し、かつ、残留電位の発生が少なくなる。
<<その他の添加剤>>
前記その他の添加剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、分散剤、界面活性剤、電荷輸送性化合物、可塑剤、レベリング剤、酸化防止剤などが挙げられる。
−分散剤−
前記微粒子を表面層中に良好に分散させる場合、分散剤を用いてもよい。前記分散剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記分散剤の含有量としては、特に制限はなく、微粒子の粒径等に応じて適宜選択することができるが、微粒子の全量に対して、0.5質量%〜30質量%が好ましく、1質量%〜15質量%がより好ましい。前記含有量が、0.5質量%未満であると、前記前機微粒子の分散効果が得られないことがあり、30質量%を超えると、残留電位の著しい上昇を引き起こす等の不具合を生じることがある。
−界面活性剤−
前記微粒子を前記表面層中に良好に分散させる場合、界面活性剤を用いてもよい。前記界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記界面活性剤の含有量としては、特に制限はなく、微粒子の粒径等に応じて適宜選択することができるが、微粒子の全量に対して、0.5質量%〜30質量%が好ましく、1質量%〜15質量%がより好ましい。前記含有量が、0.5質量%未満であると、前記微粒子の分散効果が得られないことがあり、30質量%を超えると、残留電位の著しい上昇を引き起こす等の不具合を生じることがある。
−電荷輸送性化合物−
前記電荷輸送性化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トリアリールアミン、ヒドラゾン、ピラゾリン、カルバゾール等の正孔輸送性構造を有する公知の正孔輸送物質;電子吸引性芳香族環(縮合多環キノン、ジフェノキノン、シアノ基、ニトロ基等)などの電子輸送構造を有する公知の電子輸送物質などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
また、前記電荷輸送性を有さない樹脂として、前記架橋樹脂を用いる場合には、前記架橋樹脂に対して反応性を有する官能基、例えば、水酸基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基等を有する電荷輸送性化合物を用いてもよい。
前記電荷輸送性化合物の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記表面層が架橋表面層の場合、電荷輸送性化合物の劣化による電子写真感光体特性の低下の影響を小さくすることができる点で、前記電荷輸送性を有さない樹脂100質量部に対して、20質量部以下が好ましい。
前記電荷輸送性化合物の表面層における含有量を測定する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、X線光電子分光法(XPS)、エネルギー分散型X線分光法(EDX)、波長分散型X線分析装置(WDX)等の元素分析により測定する方法、試薬により染色された染色量に基づき測定する方法、フーリエ変換赤外分光法(FT−IR)により測定する方法などが挙げられる。これらの中でも、定量が簡便であり汎用性が高い点で、フーリエ変換赤外分光法(FT−IR)により測定された各ピーク強度の比をもとに作成した検量線に基づき定量することが好ましい。
前記検量線としては、例えば、前記電荷輸送性化合物を既知量配合して前記表面層を作製し、前記電荷輸送性化合物に特徴的な振動ピークの強度(ピーク高さ又はピーク面積)を前記FT−IRにより測定し、得られた各振動ピーク強度の比に基づき作成する。前記検量線の精度を高めるために、2水準〜5水準の配合量で作製した表面層を作製し、前記FT−IRにより測定して得られた振動ピーク強度をもとに検量線を作成してもよい。前記振動ピーク強度としては、前記電荷輸送性化合物に特徴的な振動ピークの強度(ピーク高さ又はピーク面積)を用いることが好ましく、反応性に乏しく膜中の配合比が既知である、カルボニル由来の振動ピーク強度を用いることがより好ましい。
−可塑剤−
前記可塑剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレートなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。前記可塑剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記表面層が架橋表面層の場合、前記電荷輸送性を有さない樹脂100質量部に対して、0質量部〜30質量部が好ましい。
−レベリング剤−
前記レベリング剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のシリコーンオイル類;側鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマー又はオリゴマーなどが挙げられる。前記レベリング剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記表面層が架橋表面層の場合、前記電荷輸送性を有さない樹脂100質量部に対して、0質量部〜1質量部が好ましい。
−酸化防止剤−
前記酸化防止剤としては、特に制限はなく、例えば、フェノール系化合物、パラフェニレンジアミン類、ハイドロキノン類、有機硫黄化合物類、有機燐化合物類、ヒンダードアミン類などが挙げられる。前記酸化防止剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記表面層が架橋表面層の場合、前記電荷輸送性を有さない樹脂100質量部に対して、0質量部〜5質量部が好ましい。
<感光層>
前記感光層としては、積層型感光層であってもよく、単層型感光層であってもよい。
<<単層型感光層>>
前記単層型感光層は、電荷発生機能と電荷輸送機能とを同時に有する層である。
前記単層型感光層は、電荷発生物質、電荷輸送物質、及び結着樹脂を含有してなり、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
−電荷発生物質−
前記電荷発生物質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、後述する積層型感光層で用いられるものと同様の物質などが挙げられる。前記電荷発生物質の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記結着樹脂100質量部に対し、5質量部〜40質量部が好ましい。
−電荷輸送物質−
前記電荷輸送物質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、後述する積層型感光層で用いられるものと同様の物質などが挙げられる。前記電荷輸送物質の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記結着樹脂100質量部に対し、190質量部以下が好ましく、50質量部〜150質量部がより好ましい。
−結着樹脂−
前記結着樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、後述する積層型感光層で用いられるものと同様の結着樹脂などが挙げられる。
−その他の成分−
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、後述する積層型感光層で用いられるものと同様の低分子電荷輸送物質、同様の溶媒、同様のレベリング剤、上述の酸化防止剤などが挙げられる。
−単層型感光層の形成方法−
前記単層型感光層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、電荷発生物質、電荷輸送物質、結着樹脂、その他の成分等を分散機を用いて適当な溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジクロロエタン、シクロヘキサン等)に溶解乃至分散して得られた塗工液を、塗布乃至乾燥することにより形成する方法などが挙げられる。
前記塗工液を塗工する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、浸漬塗工法、スプレーコート、ビードコート、リングコートなどが挙げられる。また、必要に応じて、可塑剤、レベリング剤、酸化防止剤等を添加してもよい。
前記単層型感光層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5μm〜25μmが好ましい。
<<積層型感光層>>
前記積層型感光層は、電荷発生機能及び電荷輸送機能をそれぞれ独立した層が担うため、少なくとも電荷発生層と、電荷輸送層とをこの順に有する。なお、前記電荷発生層、及び前記電荷輸送層は、従来公知のものを使用することができる。
前記積層型感光層において、前記電荷発生層と前記電荷輸送層との積層順としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、多くの電荷発生材料は化学的安定性に乏しく、電子写真作像プロセスにおける帯電器周辺での放電生成物のような酸性ガスにさらされると電荷発生効率の低下などを引き起こす。このため、前記電荷発生層の上に前記電荷輸送層を積層することが好ましい。
−電荷発生層−
前記電荷発生層は、電荷発生物質を含み、結着樹脂を含むことが好ましく、更に必要に応じて上述の酸化防止剤等のその他の成分を含む。
−−電荷発生物質−−
前記電荷発生物質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、無機系材料、有機系材料などが挙げられる。
−−−無機系材料−−−
前記無機系材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、結晶セレン、アモルファス−セレン、セレン−テルル、セレン−テルル−ハロゲン、セレン−ヒ素化合物、アモルファス−シリコン(例えば、ダングリングボンドを水素原子、ハロゲン原子等でターミネートしたもの;ホウ素原子、リン原子等をドープしたものなどが好適)などが挙げられる。
−−−有機系材料−−−
前記有機系材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、金属フタロシアニン、無金属フタロシアニン等のフタロシアニン系顔料;アズレニウム塩顔料、スクエアリック酸メチン顔料、カルバゾール骨格を有するアゾ顔料、トリフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジベンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料、フルオレノン骨格を有するアゾ顔料、オキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルオキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルカルバゾール骨格を有するアゾ顔料、ペリレン系顔料、アントラキノン系又は多環キノン系顔料、キノンイミン系顔料、ジフェニルメタン及びトリフェニルメタン系顔料、ベンゾキノン及びナフトキノン系顔料、シアニン及びアゾメチン系顔料、インジゴイド系顔料、ビスベンズイミダゾール系顔料などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−−結着樹脂−−
前記結着樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリケトン樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリビニルケトン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール樹脂、ポリアクリルアミド樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記結着樹脂としては、上述の結着樹脂の他に、電荷輸送機能を有する電荷輸送性高分子材料を含んでもよく、例えば、アリールアミン骨格、ベンジジン骨格、ヒドラゾン骨格、カルバゾール骨格、スチルベン骨格、ピラゾリン骨格等を有する、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリウレタン、ポリエーテル、ポリシロキサン、アクリル樹脂等の高分子材料、ポリシラン骨格を有する高分子材料などを用いることができる。
−−その他の成分−−
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、低分子電荷輸送物質、溶媒、レベリング剤などが挙げられ、上述の酸化防止剤を含んでもよい。
前記その他の成分の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、添加する層の総質量に対して0.01質量%〜10質量%が好ましい。
−−−低分子電荷輸送物質−−−
前記低分子電荷輸送物質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、電子輸送物質、正孔輸送物質などが挙げられる。
前記電子輸送物質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、クロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン−4−オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイド、ジフェノキノン誘導体などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記正孔輸送物質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、モノアリールアミン誘導体、ジアリールアミン誘導体、トリアリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、α−フェニルスチルベン誘導体、ベンジジン誘導体、ジアリールメタン誘導体、トリアリールメタン誘導体、9−スチリルアントラセン誘導体、ピラゾリン誘導体、ジビニルベンゼン誘導体、ヒドラゾン誘導体、インデン誘導体、ブタジェン誘導体、ピレン誘導体等、ビススチルベン誘導体、エナミン誘導体等などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−−−溶媒−−−
前記溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソラン、トルエン、ジクロロメタン、モノクロロベンゼン、ジクロロエタン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、アニソール、キシレン、メチルエチルケトン、アセトン、酢酸エチル、酢酸ブチルなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−−−レベリング剤−−−
前記レベリング剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のシリコーンオイルなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−−電荷発生層の形成方法−−
前記電荷発生層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記電荷発生物質及び前記結着樹脂を前記溶媒等の前記その他の成分に溶解乃至分散して得られた塗工液を、前記導電性支持体上に塗布して乾燥することにより形成する方法などが挙げられる。なお、前記塗工液は、キャスティング法などにより塗布することができる。
前記電荷発生層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.01μm〜5μmが好ましく、0.05μm〜2μmがより好ましい。
−電荷輸送層−
前記電荷輸送層は、帯電電荷を保持させ、かつ、露光により電荷発生層で発生分離した電荷を移動させて保持していた帯電電荷と結合させることを目的とする層である。帯電電荷を保持させる目的を達成するためには、電気抵抗が高いことが要求される。また、保持していた帯電電荷で高い表面電位を得る目的を達成するためには、誘電率が小さく、かつ、電荷移動性がよいことが要求される。
前記電荷輸送層は、電荷輸送物質を含み、結着樹脂を含むことが好ましく、更に必要に応じてその他の成分を含む。
−−電荷輸送物質−−
前記電荷輸送物質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、電子輸送物質、正孔輸送物質、高分子電荷輸送物質などが挙げられる。
前記電荷輸送物質の電荷輸送層全量における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、20質量%〜80質量%が好ましく、30質量%〜70質量%がより好ましい。前記含有量が、20質量%未満であると、電荷輸送層の電荷輸送性が小さくなることにより所望の光減衰特性が得られないことがあり、80質量%を超えると、画像形成工程から感光体が受ける各種ハザードによって必要以上に摩耗することがある。一方、前記電荷輸送物質の電荷輸送層における含有量が、前記より好ましい範囲内であると、所望の光減衰性が得られるとともに、使用によっても摩耗量が少ない電子写真感光体を得ることができる点で有利である。
−−−電子輸送物質−−−
前記電子輸送物質(電子受容性物質)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、クロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン−4オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイドなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
−−−正孔輸送物質−−−
前記正孔輸送物質(電子供与性物質)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、トリフェニルアミン誘導体、9−(p−ジエチルアミノスチリルアントラセン)、1,1−ビス−(4−ジベンジルアミノフェニル)プロパン、スチリルアントラセン、スチリルピラゾリン、フェニルヒドラゾン類、α−フェニルスチルベン誘導体、チアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、フェナジン誘導体、アクリジン誘導体、ベンゾフラン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、チオフェン誘導体などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
−−−高分子電荷輸送物質−−−
前記高分子電荷輸送物質は、後述する結着樹脂の機能と電荷輸送物質の機能を併せ持つ材料である。
前記高分子電荷輸送物質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カルバゾール環を有する重合体、ヒドラゾン構造を有する重合体、ポリシリレン重合体、トリアリールアミン構造を有する重合体(例えば、特許第3852812号公報、特許第3990499号公報等に記載のトリアリールアミン構造を有する重合体等)、電子供与性基を有する重合体、その他の重合体などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよく、摩耗耐久性や製膜性の点で、後述する結着樹脂と併用してもよい。
前記高分子電荷輸送物質の電荷輸送層全質量における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記高分子電荷輸送物質と前記結着樹脂とを併用する場合、40質量%〜90質量%が好ましく、50質量%〜80質量%がより好ましい。
−−結着樹脂−−
前記結着樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、アルキッド樹脂、シリコーン樹脂、ポリビニルカルバゾール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、フェノキシ樹脂などが用いられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
なお、前記電荷輸送層は、架橋性のバインダー樹脂と架橋性の電荷輸送物質との共重合体を含むこともできる。
−−その他の成分−−
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、溶媒、可塑剤、レベリング剤などが挙げられ、上述した酸化防止剤を含んでもよい。
前記その他の成分の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、添加する層の総質量に対して0.01質量%〜10質量%が好ましい。
−−−溶媒−−−
前記溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記電荷発生層と同様なものが使用できるが、前記電荷輸送物質及び前記結着樹脂を良好に溶解する溶媒が好ましい。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上混合して使用してもよい。
−−−可塑剤−−−
前記可塑剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート等の一般樹脂の可塑剤などが挙げられる。
−−−レベリング剤−−−
前記レベリング剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のシリコーンオイル類;側鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマー乃至オリゴマーなどが挙げられる。
−−電荷輸送層の形成方法−−
前記電荷輸送層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記電荷輸送物質及び前記結着樹脂を前記溶媒等の前記その他の成分に溶解乃至分散して得られた塗工液を、前記電荷発生層上に塗布して加熱乃至乾燥することにより形成する方法などが挙げられる。
前記電荷輸送層形成の際に用いる前記塗工液の塗工方法としては、特に制限はなく、塗工液の粘性、所望とする電荷輸送層の厚み等の目的に応じて適宜選択することができ、例えば、浸漬塗工法、スプレーコート法、ビードコート法、リングコート法などが挙げられる。
前記電荷輸送層は、電子写真特性や膜粘性の観点から、何らかの手段を用いて加熱を行い、前記溶媒を前記電荷輸送層中から取り除く必要がある。
前記加熱する方法としては、例えば、空気、窒素等の気体、蒸気、各種熱媒体、赤外線、電磁波等の熱エネルギーを塗工面側又は支持体側から加熱する方法などが挙げられる。
前記加熱する際の温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、100℃〜170℃が好ましい。前記温度が100℃未満であると、膜中の有機溶媒を十分取り除くことができず、電子写真特性の低下や摩耗耐久性低下が生じることがある。一方、前記温度が170℃を超えると、表面にゆず肌状の欠陥や亀裂の発生、隣接層との界面で剥離の発生などが生じるだけでなく、感光層中の揮発性成分が外部に霧散した場合、所望の電気特性が得られなくなることがある。
前記電荷輸送層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、解像度乃至応答性の点から、50μm以下が好ましく、45μm以下がより好ましい。下限値に関しては、使用するシステム(特に帯電電位等)により異なるが、5μm以上が好ましい。
<その他の層>
前記その他の層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、下引き層、中間層などが挙げられる。
−下引き層−
前記下引き層は、前記導電性支持体と前記感光層との間に設けることができる。
前記下引き層は、樹脂を含み、更に必要に応じて上述の酸化防止剤、微粉末顔料、カップリング剤等のその他の成分を含む。
前記下引き層に含まれる樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂などが挙げられる。
これらの中でも、前記樹脂の上に感光層を溶媒で塗布する点で、一般の有機溶媒に対して耐溶媒性の高い樹脂が好ましい。
前記下引き層に含まれる微粉末顔料としては、モアレ防止、残留電位の低減等を図ることができる顔料であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム等の金属酸化物などが挙げられる。
前記下引き層に含まれるカップリング剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、クロムカップリング剤などが挙げられる。
前記下引き層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、単層であってもよく、2層以上の積層であってもよい。
前記下引き層の形成方法としては、特に制限はなく、前述の感光層の如く適当な溶媒及び塗工法を用いて形成することができ、例えば、Alを陽極酸化して形成する方法、ポリパラキシリレン(パリレン)等の有機物;SiO、SnO、TiO、ITO、CeO等の無機物;を真空薄膜作製法にて形成する方法などが挙げられる。
前記下引き層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1μm〜5μmが好ましい。
−中間層−
前記中間層は、前記電荷輸送層と前記表面層との間に、前記表面層への電荷輸送層成分の混入を抑える又は両層間の接着性を改善することを目的として設けることができる。
前記中間層は、結着樹脂を含み、更に必要に応じて上述の酸化防止剤等のその他の成分を含む。中間層用塗工液としては、表面層用塗工液に対し不溶性又は難溶性であるものが好ましい。
前記中間層に含まれる結着樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリアミド、アルコール可溶性ナイロン、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコールなどが挙げられる。
前記中間層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記感光層と同様の適当な溶媒及び塗工法を用いて形成する方法などが挙げられる。
前記中間層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.05μm〜2μmが好ましい。
<導電性支持体>
前記導電性支持体としては、体積抵抗値が1×1010Ω・cm以下の導電性を示すものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。なお、特開昭52−36016号公報に開示されたエンドレスベルト(エンドレスニッケルベルト、エンドレスステンレスベルト等)を用いてもよい。
前記導電性支持体の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、金属(アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、金、銀、白金等)又は金属酸化物(酸化スズ、酸化インジウム等)を蒸着又はスパッタリングして、支持体(フィルム状、円筒状等のプラスチック、紙等)を被覆することにより形成する方法;金属(アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレス等)の板を押出し、引抜き等を行い、表面処理(素管化後、切削、超仕上げ、研摩等)を施して形成する方法などが挙げられる。
前記導電性支持体は、前記導電性支持体上に導電性層を設けてもよい。
前記導電性層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、導電性粉体及び結着樹脂を、必要に応じて溶媒に分散乃至溶解して得られた塗工液を前記導電性支持体上に塗布することにより形成する方法、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、塩化ゴム、テフロン(登録商標)等の素材に前記導電性粉体を含有させた熱収縮チューブを用いて形成する方法などが挙げられる。
前記導電性粉体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カーボンブラック、アセチレンブラック等の炭素微粒子;アルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀等の金属粉;導電性酸化スズ、ITO等の金属酸化物粉体などが挙げられる。
前記導電性層に用いる結着樹脂として、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂などが挙げられ、具体的には、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリビニルトルエン樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂などが挙げられる。
前記導電性層に用いる溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、メチルエチルケトン、トルエンなどが挙げられる。
[電子写真感光体の実施形態]
以下では、本発明の電子写真感光体の実施形態について説明する。
<第1の実施形態>
第1の実施形態に係る電子写真感光体の層構成について、図1を用いて説明する。
図1は、単層型感光層を有する構成であり、導電性支持体21上に、単層型感光層26及び表面層25を順次積層した電子写真感光体の層構成を示した図である。
<第2の実施形態>
第2の実施形態に係る電子写真感光体の層構成について、図2を用いて説明する。
図2は、積層型感光層を有する構成であり、導電性支持体21上に、電荷発生層23、電荷輸送層24、及び表面層25を順次積層した電子写真感光体の層構成を示した図である。なお、電荷発生層23及び電荷輸送層24が感光層に該当する。
<第3の実施形態>
第3の実施形態に係る電子写真感光体の層構成について、図3を用いて説明する。
図3は、図2の構成を有する電子写真感光体に、更に中間層を設けた構成を有する。
図3は、導電性支持体21上に、下引き層22、電荷発生層23、電荷輸送層24、及び表面層25を順次積層した電子写真感光体の層構成を示した図である。なお、電荷発生層23及び電荷輸送層24が感光層に該当する。
<第4の実施形態>
第4の実施形態に係る電子写真感光体の層構成について、図4を用いて説明する。
図4は、積層型感光層を有する構成であり、導電性支持体21上に、電荷輸送層24、電荷発生層23、及び表面層25を順次積層した電子写真感光体の層構成を示した図である。なお、電荷発生層23及び電荷輸送層24が感光層に該当する。
(画像形成装置及び画像形成方法)
本発明の画像形成装置は、電子写真感光体、前記電子写真感光体の表面を帯電させる帯電手段、帯電された前記電子写真感光体表面を露光して静電潜像を形成する露光手段、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段、及び前記可視像を記録媒体に転写する転写手段を少なくとも有してなり、更に必要に応じて、その他の手段を有してなる。前記画像形成装置において使用する電子写真感光体が、上述の本発明の電子写真感光体である。なお、帯電手段と、露光手段とを合わせて静電潜像形成手段と称することもある。
本発明の画像形成方法は、電子写真感光体の表面を帯電手段で帯電する帯電工程、帯電された前記電子写真感光体を画像露光手段で露光して電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する露光工程、前記静電潜像が形成された前記電子写真感光体の表面に現像手段でトナー像を形成する現像工程、及び形成された前記トナー像を転写手段で転写媒体へ転写する転写工程を少なくとも含んでなり、更に必要に応じて、その他の工程を含んでなる。
前記画像形成方法は、前記画像形成装置の各手段により実施する方法である。
<帯電手段及び帯電工程>
前記帯電手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、導電性又は半導電性のロール、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を備えたそれ自体公知の接触帯電器、コロトロン、スコロトロン等のコロナ放電を利用した非接触帯電器(電子写真感光体表面と帯電器との間に100μm以下の空隙を有する近接方式の非接触帯電器を含む)などが挙げられる。
前記帯電手段は、電子写真感光体表面と接触又は近接して設けられた帯電部材を有し、直流成分に交流成分を重畳した電圧を前記帯電部材へ印加して、前記帯電部材と前記電子写真感光体表面にコロナ放電を形成し、前記電子写真感光体表面を帯電する帯電手段であることが好ましい。
前記帯電工程は、前記帯電手段により実施することができ、前記電子写真感光体表面を帯電させる工程である。
<露光手段及び露光工程>
前記露光手段としては、前記帯電手段により帯電された前記電子写真感光体の表面に、形成すべき像様に露光を行うことができれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザー光学系、液晶シャッタ光学系、LED光学系などの各種露光器が挙げられ、前記露光器における光源としては、発光ダイオード(LED)、半導体レーザー(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)などの高輝度が確保できる光源などが挙げられる。なお、本発明においては、前記電子写真感光体の裏面側から像様に露光を行う光背面方式を採用してもよい。
前記露光工程は、前記露光手段により実施することができ、前記帯電された電子写真感光体表面を露光して静電潜像を形成する工程である。
<現像手段及び現像工程>
前記現像手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記トナー乃至現像剤を用いて現像することができる限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記現像剤を収容し、前記静電潜像に該現像剤を接触又は非接触的に付与可能な現像器を少なくとも有するものが好ましい。前記現像器としては、乾式現像方式のものであってもよいし、湿式現像方式のものであってもよく、また、単色用現像器であってもよいし、多色用現像器であってもよく、例えば、前記現像剤を摩擦攪拌させて帯電させる攪拌器と、回転可能なマグネットローラとを有するものなどが好適に挙げられる。前記現像器内では、例えば、前記トナーとキャリアとが混合攪拌され、その際の摩擦により該トナーが帯電し、回転するマグネットローラの表面に穂立ち状態で保持され、磁気ブラシが形成される。該マグネットローラは、前記電子写真感光体近傍に配置されているため、該マグネットローラの表面に形成された前記磁気ブラシを構成する前記トナーの一部は、電気的な吸引力によって該電子写真感光体の表面に移動する。その結果、前記静電潜像が該トナーにより現像されて該電子写真感光体の表面に該トナーによる可視像が形成される。
前記現像工程は、前記現像手段により実施することができ、前記静電潜像を、トナーを用いて現像して可視像を形成する工程である。
<転写手段及び転写工程>
前記転写手段は、前記可視像を記録媒体に転写する手段であるが、前記電子写真感光体表面から記録媒体に可視像を直接転写する方法と、中間転写体を用い、該中間転写体上に可視像を一次転写した後、該可視像を前記記録媒体上に二次転写する方法がある。いずれの態様も良好に使用することができるが、高画質化に際して転写による悪影響が大きいような場合には、転写回数が少ない前者(直接転写)の方法が好ましい。前記転写は、例えば、前記可視像を、転写帯電器を用いて前記電子写真感光体を帯電することにより行うことができ、前記転写手段により行うことができる。
前記転写工程は、前記転写手段により実施することができ、前記可視像を記録媒体に転写する工程である。
<その他の手段及びその他の工程>
前記その他の工程及びその他の手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、定着工程及び定着手段、除電工程及び除電手段、クリーニング工程及びクリーニング手段、リサイクル工程及びリサイクル手段、制御工程及び制御手段などが挙げられる。
−定着手段及び定着工程−
前記定着手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、公知の加熱加圧手段が好ましく、前記加熱加圧手段としては、加熱ローラと加圧ローラとの組み合わせ、加熱ローラと加圧ローラと無端ベルトとの組み合わせなどが挙げられ、前記加熱加圧手段における加熱としては、通常80℃〜200℃が好ましい。前記定着としては、例えば、各色のトナーに対し前記記録媒体に転写する毎に行ってもよいし、各色のトナーに対しこれを積層した状態で一度に同時に行ってもよい。
前記定着工程は、前記定着手段により実施することができ、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる工程である。
−除電手段及び除電工程−
前記除電手段としては、特に制限はなく、前記電子写真感光体に対し除電バイアスを印加することができればよく、公知の除電器の中から適宜選択することができ、例えば、除電ランプ等が好適に挙げられる。
前記除電工程は、前記除電手段により実施することができ、前記電子写真感光体に対し除電バイアスを印加して除電を行う工程である。
−クリーニング手段及びクリーニング工程−
前記クリーニング手段としては、特に制限はなく、前記電子写真感光体上に残留する前記電子写真トナーを除去することができればよく、公知のクリーナの中から適宜選択することができ、例えば、磁気ブラシクリーナ、静電ブラシクリーナ、磁気ローラクリーナ、ブレードクリーナ、ブラシクリーナ、ウエブクリーナ等が好適に挙げられる。
前記クリーニング工程は、前記クリーニング手段により実施することができ、前記電子写真感光体上に残留する前記トナーを除去する工程である。
−リサイクル手段及びリサイクル工程−
前記リサイクル手段としては、特に制限はなく、公知の搬送手段等が挙げられる。
前記リサイクル工程は、前記リサイクル手段により実施することができ、前記クリーニング工程により除去した前記トナーを前記現像手段にリサイクルさせる工程である。
−制御手段及び制御工程−
前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御できれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
前記制御工程は、前記制御手段により実施することができ、前記各工程を制御する工程である。
[画像形成装置の実施形態]
以下では、本発明の画像形成装置の実施形態について説明する。
図5は、本発明の画像形成装置を説明するための概略図であり、電子写真感光体1の周りに、帯電手段3、露光手段5、現像手段6、転写手段10などが配置される。
まず、図5に示す帯電手段3により、電子写真感光体1が平均的に帯電される。帯電手段3としては、コロトロンデバイス、スコロトロンデバイス、固体放電素子、針電極デバイス、ローラー帯電デバイス、導電性ブラシデバイス等が用いられ、公知の方式が使用可能である。
次に、図5に示す露光手段5により、均一に帯電された電子写真感光体1上に静電潜像が形成される。この光源には、蛍光灯、タングステンランプ、ハロゲンランプ、水銀灯、ナトリウム灯、発光ダイオード(LED)、半導体レーザー(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)などの発光物全般を用いることができる。そして、所望の波長域の光のみを照射するために、シャープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フィルター、色温度変換フィルターなどの各種フィルターを用いることもできる。
次に、図5に示す現像手段6により、電子写真感光体1上に形成された静電潜像が可視化される。この現像方式としては、乾式トナーを用いた一成分現像法、二成分現像法、湿式トナーを用いた湿式現像法などが挙げられる。電子写真感光体1に正(負)帯電を施し、画像露光を行うと、感光体表面上には正(負)の静電潜像が形成される。これを負(正)極性のトナー(検電微粒子)で現像すれば、ポジ画像が得られるし、また正(負)極性のトナーで現像すれば、ネガ画像が得られる。
次に、図5に示す転写手段10により、電子写真感光体1上で可視化されたトナー像が記録媒体9上に転写される。また、転写をより良好に行うために転写前チャージャ7を用いてもよい。転写手段10としては、転写チャージャ、バイアスローラー等を用いる静電転写方式;粘着転写法、圧力転写法等の機械転写方式;磁気転写方式などが利用可能である。
更に必要に応じて、図5に示す記録媒体9を電子写真感光体1より分離する手段として分離チャージャ11、分離爪12を用いてもよい。その他分離手段としては、静電吸着誘導分離、側端ベルト分離、先端グリップ搬送、曲率分離等が用いられる。分離チャージャ11としては、前記帯電手段が利用可能である。また、転写後感光体上に残されたトナーをクリーニングするために、ファーブラシ14、クリーニングブレード15等のクリーニング手段が用いられ、クリーニングをより効率的に行うためにクリーニング前チャージャ13を用いてもよい。その他のクリーニング手段としては、ウェブ方式、マグネットブラシ方式等があるが、それぞれ単独又は複数の方式を一緒に用いてもよい。また、電子写真感光体1上の潜像が取り除くために除電手段2を用いてもよい。除電手段2としては、除電ランプ、除電チャージャなどが用いられ、それぞれ前記露光光源、帯電手段が利用できる。その他、感光体に近接していない原稿読み取り、給紙、定着、排紙等のプロセスは公知のものが使用できる。
(プロセスカートリッジ)
本発明のプロセスカートリッジは、電子写真感光体と、前記電子写真感光体の表面を帯電させる帯電手段、帯電された前記電子写真感光体表面を露光して静電潜像を形成する露光手段、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段、及び前記可視像を記録媒体に転写する転写手段の少なくともいずれかの手段を有してなり、更に必要に応じてその他の手段を有してなる。本発明のプロセスカートリッジにおいて使用する電子写真感光体は、上述した本発明の電子写真感光体である。
前記プロセスカートリッジとは、例えば、図6に示すように、電子写真感光体101を内蔵し、他に帯電手段102、現像手段104、転写手段106、クリーニング手段107、除電手段(不図示)の少なくとも一つを具備し、画像形成装置本体に着脱可能とした装置(部品)である。図6のプロセスカートリッジによる画像形成工程について示すと、感光体101は、矢印方向に回転しながら、帯電手段102による帯電、露光手段103による露光により、その表面に露光像に対応する静電潜像が形成され、この静電潜像は、現像手段104でトナー現像され、該トナー現像は転写手段106により、記録媒体105に転写され、プリントアウトされる。次いで、像転写後の感光体表面は、クリーニング手段107によりクリーニングされ、更に除電手段(不図示)により除電されて、再び以上の操作を繰り返すものである。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。なお、実施例中において使用する「部」は、全て質量部を表す。また、以下においては、実施例10、13、A10、A13、B10、B13を、参考例10、13、A10、A13、B10、B13に読み替えるものとする。
(調製例1)
下記に示す材料を混合することで、下引き層用塗布液Aを調製した。
〔下引き層用塗工液A〕
・ アルキッド樹脂 ・・・ 120部
(ベッコライトM6401−50、DIC株式会社製)
・ メラミン樹脂 ・・・ 65部
(スーパーベッカミンG−821−60、DIC株式会社製)
・ 二酸化チタン粉末 ・・・ 400部
(タイベークCR−EL、石原産業株式会社製)
・ 2−ブタノン ・・・ 400部
(調製例2)
下記に示す材料を混合することで、電荷発生層用塗布液Bを調製した。
〔電荷発生層用塗工液B〕
・ チタニルフタロシアニン ・・・ 8部
・ ポリビニルブチラール(エスレックBX−1、積水化学工業株式会社製) ・・・ 5部
・ 2−ブタノン ・・・ 400部
図7に、使用したチタニルフタロシアニンの下記測定条件における粉末X線回折スペクトルを示した。
<X線回折スペクトル測定条件>
X線管球:Cu
電圧:50kV
電流:30mA
走査速度:2°/分
走査範囲:3°〜40°
時定数:2秒
(調製例3)
下記に示す材料を混合することで、電荷輸送層用塗布液C−1を調製した。
〔電荷輸送層用塗工液C−1〕
・ ビスフェノールZポリカーボネート ・・・ 10部
(パンライトTS−2050、帝人化成株式会社製)
・ 下記構造式(1)の電荷輸送物質 ・・・ 10部
・ テトラヒドロフラン ・・・ 100部
(調製例4)
下記に示す材料を混合することで、電荷輸送層用塗布液C−2を調製した。
〔電荷輸送層用塗工液C−2〕
・ ビスフェノールZポリカーボネート ・・・ 10部
(パンライトTS−2050、帝人化成株式会社製)
・ 下記構造式(2)の電荷輸送物質 ・・・ 9部
・ テトラヒドロフラン ・・・ 100部
(調製例5)
下記に示す材料を混合することで、フィラー表面層用塗布液Dを調製した。
〔フィラー表面層用塗布液D〕
・ ビスフェノールZポリカーボネート ・・・ 40部
(パンライトTS−2050、帝人化成株式会社製)
・ 前記構造式(1)の電荷輸送物質 ・・・ 30部
・ 下記構造式(3)のジアミン化合物 ・・・ 0.15部
・ 下記構造式(4)のオキサゾール化合物 ・・・ 0.15部
・ アルミナ微粒子 ・・・ 30部
(AA03、住友化学株式会社製)
・ テトラヒドロフラン ・・・ 170部
・ シクロヘキサン ・・・ 50部
(調製例6)
下記に示す材料を混合することで、架橋表面層用塗布液E−1を調製した。
〔架橋表面層用塗布液E−1〕
・ 電荷輸送機能を有さないラジカル重合性モノマー ・・・ 10部
(トリメチロールプロパントリアクリレート、SR351S、サートマー社製)
・ 下記構造式(5)の電荷輸送機能を有するラジカル重合性化合物 ・・・ 5部
・ 前記構造式(3)のジアミン化合物 ・・・ 0.05部
・ 前記構造式(4)のオキサゾール化合物 ・・・ 0.05部
・ フッ素樹脂粒子 ・・・ 1.5部
(MPE−056、三井・デュポンフロロケミカル株式会社製)
・ 光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン) ・・・ 0.75部
(イルガキュア(登録商標)184、BASFジャパン株式会社製)
・ テトラヒドロフラン ・・・ 100部
(調製例7)
下記に示す材料を混合することで、架橋表面層用塗布液E−2を調製した。
〔架橋表面層用塗布液E−2〕
・ 電荷輸送機能を有さないラジカル重合性モノマー ・・・ 10部
(カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、KAYARAD DPCA−120、日本化薬株式会社製)
・ 下記構造式(6)の電荷輸送機能を有するラジカル重合性化合物 ・・・ 7部
・ 下記構造式(7)のジアミン化合物 ・・・ 0.07部
・ 下記構造式(8)のオキサゾール化合物 ・・・ 0.21部
・ アルミナ微粒子 ・・・ 1.7部
(AA05、住友化学株式会社製)
・ 光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン) ・・・ 0.85部
(イルガキュア184、BASFジャパン株式会社製)
・ テトラヒドロフラン ・・・ 100部
(調製例8)
下記に示す材料を混合することで、架橋表面層用塗布液E−3を調製した。
〔架橋表面層用塗布液E−3〕
・ 電荷輸送機能を有さないラジカル重合性モノマー ・・・ 10部
(トリメチロールプロパントリアクリレート、KAYARAD TMPTA、日本化薬株式会社製)
・ 下記構造式(9)の電荷輸送機能を有するラジカル重合性化合物 ・・・ 10部
・ 下記構造式(10)のジアミン化合物 ・・・ 0.1部
・ 下記構造式(11)のオキサゾール化合物 ・・・ 0.5部
・ アルミナ微粒子 ・・・ 2部
(AA03、住友化学株式会社製)
・ 光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン) ・・・ 1部
(イルガキュア184、BASFジャパン株式会社製)
・ テトラヒドロフラン ・・・ 100部
(調製例9)
下記に示す材料を混合することで、架橋表面層用塗布液E−4を調製した。
〔架橋表面層用塗布液E−4〕
・ 電荷輸送機能を有さないラジカル重合性モノマー ・・・ 10部
(1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、和光純薬工業株式会社製)
・ 下記構造式(12)の電荷輸送機能を有するラジカル重合性化合物 ・・・ 12部
・ 下記構造式(13)のジアミン化合物 ・・・ 0.36部
・ 下記構造式(14)のオキサゾール化合物 ・・・ 1.08部
・ 酸化チタン微粒子 ・・・ 2.2部
(CR97、石原産業株式会社製)
・ 光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン) ・・・ 1.1部
(イルガキュア184、BASFジャパン株式会社製)
・ テトラヒドロフラン ・・・ 100部
(調製例10)
下記に示す材料を混合することで、架橋表面層用塗布液E−5を調製した。
〔架橋表面層用塗布液E−5〕
・ 電荷輸送機能を有さないラジカル重合性モノマー ・・・ 5部
(ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、SR355、サートマー社製)
・ 電荷輸送機能を有さないラジカル重合性モノマー ・・・ 5部
(カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、KAYARAD DPCA−120、日本化薬株式会社製)
・ 前記構造式(5)の電荷輸送機能を有するラジカル重合性化合物 ・・・ 5部
・ 下記構造式(15)のジアミン化合物 ・・・ 0.25部
・ 下記構造式(16)のオキサゾール化合物 ・・・ 0.5部
・ フッ素樹脂粒子 ・・・ 1.5部
(MPE−056、三井・デュポンフロロケミカル株式会社製)
・ 光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン) ・・・ 0.75部
(イルガキュア184、BASFジャパン株式会社製)
・ テトラヒドロフラン ・・・ 100部
(調製例11)
下記に示す材料を混合することで、架橋表面層用塗布液E−6を調製した。
〔架橋表面層用塗布液E−6〕
・ 電荷輸送機能を有さないラジカル重合性モノマー ・・・ 5部
(ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、SR355、サートマー社製)
・ 電荷輸送機能を有さないラジカル重合性モノマー ・・・ 5部
(トリメチロールプロパントリアクリレート、KAYARAD TMPTA、日本化薬株式会社製)
・ 前記構造式(6)の電荷輸送機能を有するラジカル重合性化合物 ・・・ 7部
・ 下記構造式(17)のジアミン化合物 ・・・ 0.35部
・ 下記構造式(18)のオキサゾール化合物 ・・・ 0.7部
・ アルミナ微粒子 ・・・ 1.7部
(AA05、住友化学株式会社製)
・ 光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン) ・・・ 0.85部
(イルガキュア184、BASFジャパン株式会社製)
・ テトラヒドロフラン ・・・ 100部
(調製例12)
下記に示す材料を混合することで、架橋表面層用塗布液E−7を調製した。
〔架橋表面層用塗布液E−7〕
・ 電荷輸送機能を有さないラジカル重合性モノマー ・・・ 5部
(カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、KAYARAD DPCA−120、日本化薬株式会社製)
・ 電荷輸送機能を有さないラジカル重合性モノマー ・・・ 5部
(トリメチロールプロパントリアクリレート、KAYARAD TMPTA、日本化薬株式会社製)
・ 前記構造式(9)の電荷輸送機能を有するラジカル重合性化合物 ・・・ 10部
・ 下記構造式(19)のジアミン化合物 ・・・ 0.9部
・ 前記構造式(4)のオキサゾール化合物 ・・・ 1.0部
・ アルミナ微粒子 ・・・ 2部
(AA03、住友化学株式会社製)
・ 光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン) ・・・ 1部
(イルガキュア184、BASFジャパン株式会社製)
・ テトラヒドロフラン ・・・ 100部
(調製例13)
下記に示す材料を混合することで、架橋表面層用塗布液E−8を調製した。
〔架橋表面層用塗布液E−8〕
・ 電荷輸送機能を有さないラジカル重合性モノマー ・・・ 10部
(エトキシ化(3)ビスフェノールAジアクリレート、SR349、サートマー社製)
・ 前記構造式(12)の電荷輸送機能を有するラジカル重合性化合物 ・・・ 12部
・ 前記構造式(3)のジアミン化合物 ・・・ 1.2部
・ 前記構造式(8)のオキサゾール化合物 ・・・ 1.2部
・ 酸化チタン微粒子 ・・・ 2.2部
(CR97、石原産業株式会社製)
・ 光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン) ・・・ 1.1部
(イルガキュア184、BASFジャパン株式会社製)
・ テトラヒドロフラン ・・・ 100部
(調製例14)
下記に示す材料を混合することで、架橋表面層用塗布液E−9を調製した。
〔架橋表面層用塗布液E−9〕
・ 電荷輸送機能を有さないラジカル重合性モノマー ・・・ 5部
(エトキシ化(3)ビスフェノールAジアクリレート、SR349、サートマー社製)
・ 電荷輸送機能を有さないラジカル重合性モノマー ・・・ 5部
(ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、SR355、サートマー社製)
・ 前記構造式(5)の電荷輸送機能を有するラジカル重合性化合物 ・・・ 15部
・ 前記構造式(7)のジアミン化合物 ・・・ 0.15部
・ 前記構造式(11)のオキサゾール化合物 ・・・ 1.5部
・ 光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン) ・・・ 1.25部
(イルガキュア184、BASFジャパン株式会社製)
・ テトラヒドロフラン ・・・ 100部
(調製例15)
下記に示す材料を混合することで、架橋表面層用塗布液E−10を調製した。
〔架橋表面層用塗布液E−10〕
・ 電荷輸送機能を有さないラジカル重合性モノマー ・・・ 10部
(ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、SR355、サートマー社製)
・ 前記構造式(6)の電荷輸送機能を有するラジカル重合性化合物 ・・・ 10部
・ 前記構造式(19)のジアミン化合物 ・・・ 0.17部
・ 前記構造式(8)のオキサゾール化合物 ・・・ 0.15部
・ 光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン) ・・・ 1.35部
(イルガキュア184、BASFジャパン株式会社製)
・ テトラヒドロフラン ・・・ 100部
(調製例16)
下記に示す材料を混合することで、架橋表面層用塗布液E−11を調製した。
〔架橋表面層用塗布液E−11〕
・ 電荷輸送機能を有さないラジカル重合性モノマー ・・・ 5部
(エトキシ化(3)ビスフェノールAジアクリレート、SR349、サートマー社製)
・ 電荷輸送機能を有さないラジカル重合性モノマー ・・・ 5部
(ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、SR355、サートマー社製)
・ 前記構造式(9)の電荷輸送機能を有するラジカル重合性化合物 ・・・ 20部
・ 前記構造式(13)のジアミン化合物 ・・・ 2部
・ 前記構造式(16)のオキサゾール化合物 ・・・ 2.4部
・ 光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン) ・・・ 1.5部
(イルガキュア184、BASFジャパン株式会社製)
・ テトラヒドロフラン ・・・ 100部
(調製例17)
下記に示す材料を混合することで、架橋表面層用塗布液E−12を調製した。
〔架橋表面層用塗布液E−12〕
・ 電荷輸送機能を有さないラジカル重合性モノマー ・・・ 10部
(トリメチロールプロパントリアクリレート、KAYARAD TMPTA、日本化薬株式会社製)
・ 前記構造式(12)の電荷輸送機能を有するラジカル重合性化合物 ・・・ 5部
・ 前記構造式(15)のジアミン化合物 ・・・ 0.03部
・ 前記構造式(18)のオキサゾール化合物 ・・・ 0.6部
・ 光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン) ・・・ 0.75部
(イルガキュア184、BASFジャパン株式会社製)
・ テトラヒドロフラン ・・・ 100部
(調製例18)
下記に示す材料を混合することで、架橋表面層用塗布液E−13を調製した。
〔架橋表面層用塗布液E−13〕
・ 電荷輸送機能を有さないラジカル重合性モノマー ・・・ 5部
(カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、KAYARAD DPCA−120、日本化薬株式会社製)
・ 電荷輸送機能を有さないラジカル重合性モノマー ・・・ 5部
(トリメチロールプロパントリアクリレート、KAYARAD TMPTA、日本化薬株式会社製)
・ 前記構造式(5)の電荷輸送機能を有するラジカル重合性化合物 ・・・ 7部
・ 前記構造式(17)のジアミン化合物 ・・・ 0.8部
・ 前記構造式(4)のオキサゾール化合物 ・・・ 0.85部
・ 光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン) ・・・ 0.85部
(イルガキュア184、BASFジャパン株式会社製)
・ テトラヒドロフラン ・・・ 100部
(調製例19)
下記に示す材料を混合することで、架橋表面層用塗布液E−14を調製した。
〔架橋表面層用塗布液E−14〕
・ 電荷輸送機能を有さないラジカル重合性モノマー ・・・ 5部
(エトキシ化(3)ビスフェノールAジアクリレート、SR349、サートマー社製)
・ 電荷輸送機能を有さないラジカル重合性モノマー ・・・ 5部
(ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、SR355、サートマー社製)
・ 前記構造式(6)の電荷輸送機能を有するラジカル重合性化合物 ・・・ 3部
・ 前記構造式(19)のジアミン化合物 ・・・ 0.03部
・ 前記構造式(8)のオキサゾール化合物 ・・・ 0.09部
・ 光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン) ・・・ 0.65部
(イルガキュア184、BASFジャパン株式会社製)
・ テトラヒドロフラン ・・・ 100部
(調製例20)
下記に示す材料を混合することで、架橋表面層用塗布液E−15を調製した。
〔架橋表面層用塗布液E−15〕
・ 電荷輸送機能を有さないラジカル重合性モノマー ・・・ 10部
(ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、SR355、サートマー社製)
・ 前記構造式(9)の電荷輸送機能を有するラジカル重合性化合物 ・・・ 22部
・ 前記構造式(3)のジアミン化合物 ・・・ 0.22部
・ 前記構造式(11)のオキサゾール化合物 ・・・ 0.66部
・ 光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン) ・・・ 1.6部
(イルガキュア184、BASFジャパン株式会社製)
・ テトラヒドロフラン ・・・ 100部
(調製例21)
下記に示す材料を混合することで、架橋表面層用塗布液E−16を調製した。
〔架橋表面層用塗布液E−16〕
・ 電荷輸送機能を有さないラジカル重合性モノマー ・・・ 10部
(ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、SR355、サートマー社製)
・ 下記構造式(20)の電荷輸送機能を有するラジカル重合性化合物 ・・・ 22部
・ 下記構造式(21)のジアミン化合物 ・・・ 0.22部
・ 前記構造式(14)のオキサゾール化合物 ・・・ 0.66部
・ 光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン) ・・・ 1.6部
(イルガキュア184、BASFジャパン株式会社製)
・ テトラヒドロフラン ・・・ 100部
(調製例22)
下記に示す材料を混合することで、架橋表面層用塗布液E−17を調製した。
〔架橋表面層用塗布液E−17〕
・ 電荷輸送機能を有さないラジカル重合性モノマー ・・・ 10部
(ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、SR355、サートマー社製)
・ 下記構造式(22)の電荷輸送機能を有するラジカル重合性化合物 ・・・ 22部
・ 下記構造式(23)のジアミン化合物 ・・・ 0.22部
・ 前記構造式(16)のオキサゾール化合物 ・・・ 0.66部
・ 光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン) ・・・ 1.6部
(イルガキュア184、BASFジャパン株式会社製)
・ テトラヒドロフラン ・・・ 100部
(調製例23)
下記に示す材料を混合することで、架橋表面層用塗布液E−18を調製した。
〔架橋表面層用塗布液E−18〕
・ 電荷輸送機能を有さないラジカル重合性モノマー ・・・ 10部
(ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、SR355、サートマー社製)
・ 下記構造式(24)の電荷輸送機能を有するラジカル重合性化合物 ・・・ 22部
・ 下記構造式(25)のジアミン化合物 ・・・ 0.22部
・ 前記構造式(16)のオキサゾール化合物 ・・・ 0.66部
・ 光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン) ・・・ 1.6部
(イルガキュア184、BASFジャパン株式会社製)
・ テトラヒドロフラン ・・・ 100部
(実施例1)
直径φ100mmのアルミニウムシリンダー上に、下引き層用塗工液A、電荷発生層用塗工液B、電荷輸送層用塗工液C−1を順次、塗布、乾燥することにより、平均厚み3.5μmの下引き層、平均厚み0.2μmの電荷発生層、及び平均厚み23μmの電荷輸送層を積層し、積層物を形成した。
次に、得られた積層物に対して、フィラー表面層用塗布液Dをスプレー塗工法により塗布した後、150℃、20分間加熱乾燥し、平均厚み5μmのフィラー表面層を設け、実施例1の感光体を得た。
(実施例2)
直径φ100mmのアルミニウムシリンダー上に、下引き層用塗工液A、電荷発生層用塗工液B、電荷輸送層用塗工液C−2を順次、塗布、乾燥することにより、平均厚み3.5μmの下引き層、平均厚み0.2μmの電荷発生層、及び平均厚み23μmの電荷輸送層を積層し、積層物を形成した。
次に、得られた積層物に対して、架橋表面層用塗布液E−1を窒素気流中でスプレー塗工法により塗布した後、10分間窒素気流中に放置して、指触乾燥した。
その後、酸素濃度が2%以下となるようにブース内を窒素ガスで置換した紫外線光照射ブースにて、紫外線照射を以下の条件で行った。
メタルハライドランプ : 160W/cm
照射距離 : 120mm
照射強度 : 700mW/cm
照射時間 : 60秒
更に、130℃で20分間乾燥することで、平均厚み5μmの架橋表面層を設け、実施例2の感光体を得た。
(実施例3)
架橋表面層用塗布液E−1の代わりに、架橋表面層用塗布液E−2を用いた以外は、実施例2と同様にして、実施例3の感光体を得た。
(実施例4)
架橋表面層用塗布液E−1の代わりに、架橋表面層用塗布液E−3を用いた以外は、実施例2と同様にして、実施例4の感光体を得た。
(実施例5)
架橋表面層用塗布液E−1の代わりに、架橋表面層用塗布液E−4を用いた以外は、実施例2と同様にして、実施例5の感光体を得た。
(実施例6)
架橋表面層用塗布液E−1の代わりに、架橋表面層用塗布液E−5を用いた以外は、実施例2と同様にして、実施例6の感光体を得た。
(実施例7)
架橋表面層用塗布液E−1の代わりに、架橋表面層用塗布液E−6を用いた以外は、実施例2と同様にして、実施例7の感光体を得た。
(実施例8)
架橋表面層用塗布液E−1の代わりに、架橋表面層用塗布液E−7を用いた以外は、実施例2と同様にして、実施例8の感光体を得た。
(実施例9)
架橋表面層用塗布液E−1の代わりに、架橋表面層用塗布液E−8を用いた以外は、実施例2と同様にして、実施例9の感光体を得た。
(実施例10)
架橋表面層用塗布液E−1の代わりに、架橋表面層用塗布液E−9を用いた以外は、実施例2と同様にして、実施例10の感光体を得た。
(実施例11)
架橋表面層用塗布液E−1の代わりに、架橋表面層用塗布液E−10を用いた以外は、実施例2と同様にして、実施例11の感光体を得た。
(実施例12)
架橋表面層用塗布液E−1の代わりに、架橋表面層用塗布液E−11を用いた以外は、実施例2と同様にして、実施例12の感光体を得た。
(実施例13)
架橋表面層用塗布液E−1の代わりに、架橋表面層用塗布液E−12を用いた以外は、実施例2と同様にして、実施例13の感光体を得た。
(実施例14)
架橋表面層用塗布液E−1の代わりに、架橋表面層用塗布液E−13を用いた以外は、実施例2と同様にして、実施例14の感光体を得た。
(実施例15)
架橋表面層用塗布液E−1の代わりに、架橋表面層用塗布液E−14を用いた以外は、実施例2と同様にして、実施例15の感光体を得た。
(実施例16)
架橋表面層用塗布液E−1の代わりに、架橋表面層用塗布液E−15を用いた以外は、実施例2と同様にして、実施例16の感光体を得た。
(実施例17)
架橋表面層用塗布液E−1の代わりに、架橋表面層用塗布液E−16を用いた以外は、実施例2と同様にして、実施例17の感光体を得た。
(実施例18)
架橋表面層用塗布液E−1の代わりに、架橋表面層用塗布液E−17を用いた以外は、実施例2と同様にして、実施例18の感光体を得た。
(実施例19)
架橋表面層用塗布液E−1の代わりに、架橋表面層用塗布液E−18を用いた以外は、実施例2と同様にして、実施例19の感光体を得た。
(比較例1)
実施例1で用いたフィラー表面層用塗布液Dにおいて、ジアミン化合物、オキサゾール化合物を添加しなかった以外は、実施例1と同様にして、比較例1の感光体を得た。
(比較例2)
実施例1で用いたフィラー表面層用塗布液Dにおいて、ジアミン化合物を添加しなかった以外は、実施例1と同様にして、比較例2の感光体を得た。
(比較例3)
実施例1で用いたフィラー表面層用塗布液Dにおいて、オキサゾール化合物を添加しなかった以外は、実施例1と同様にして、比較例3の感光体を得た。
(比較例4)
実施例4で用いた架橋表面層用塗布液E−3において、ジアミン化合物を添加しなかった以外は、実施例4と同様にして、比較例4の感光体を得た。
(比較例5)
実施例4で用いた架橋表面層用塗布液E−3において、ジアミン化合物を下記構造式(26)の化合物に変更した以外は、実施例4と同様にして、比較例5の感光体を得た。
(比較例6)
実施例4で用いた架橋表面層用塗布液E−3において、ジアミン化合物を下記構造式(27)の化合物に変更した以外は、実施例4と同様にして、比較例6の感光体を得た。
(比較例7)
実施例4で用いた架橋表面層用塗布液E−3において、オキサゾール化合物を添加しなかった以外は、実施例4と同様にして、比較例7の感光体を得た。
(比較例8)
実施例4で用いた架橋表面層用塗布液E−3において、オキサゾール化合物を下記構造式(28)の化合物に変更した以外は、実施例4と同様にして、比較例8の感光体を得た。
(比較例9)
実施例4で用いた架橋表面層用塗布液E−3において、オキサゾール化合物を下記構造式(29)の化合物に変更した以外は、実施例4と同様にして、比較例9の感光体を得た。
ただし、前記構造式(29)において、Buはブチル基を表す。
(比較例10)
実施例4で用いた架橋表面層用塗布液E−3において、ジアミン化合物及びオキサゾール化合物を添加しなかった以外は、実施例4と同様にして、比較例10の感光体を得た。
<電子写真感光体の特性>
実施例及び比較例で作製した電子写真感光体について、下記評価を実施した。結果を表3に示した。
<<濃度ムラ評価>>
15℃、20%RH環境下で、株式会社リコー製 フルカラープリンタ RICOH Pro C900 改造機(帯電器として、事前に200時間以上放電させたものを搭載)のブラックステーションに、感光体を搭載した。濃度ムラ評価は下記の条件で実施した。
ブラック単色のテストチャートを25万枚連続出力し、その後、画像形成装置本体の電源を切る。24時間経過した後、画像形成装置本体の電源を投入し、1,200dpi 2by2のブラック単色の全面ハーフトーン画像を出力し、帯電器の幅に相当する濃度ムラの有無を、下記基準で評価した。
〔評価基準〕
◎ : 濃度ムラ発生せず
○ : わずかに濃度ムラが発生したが実用上許容できるレベル
× : 帯電器幅の濃度ムラが顕著に発生し、許容できないレベル
<<ガスバリア性(画像ボケ)評価>>
NOx暴露試験機(NOx試験ユニット、ダイレック株式会社製)を用い、NO/NO=50ppm/50ppm、湿度20%RHの雰囲気下で72時間、感光体を暴露した後、感光体を株式会社リコー製 フルカラープリンタ RICOH Pro C900 改造機のブラックステーションに搭載し、画像ボケの発生の有無により下記基準によりガスバリア性を評価した。
〔評価基準〕
◎ : 画像ボケ発生せず
○ : わずかに画像ボケが発生したが実用上許容できるレベル
× : 暴露した部分が画像ボケを発生し、許容できないレベル
<露光部電位変動(電気的安定性)評価>
感光体を、常温常湿環境((23℃で55%RH)下で、株式会社リコー製 フルカラープリンタ RICOH Pro C900 改造機のブラックステーションに搭載し、ブラック単色のテストチャートを20万枚連続出力した。その前後で、ブラック単色のベタ画像を100枚印刷し、印刷1枚目と印刷100枚目の露光部電位の差から、連続出力前後での露光部電位変動量をそれぞれ算出し、下記基準で評価した。
〔評価基準〕
◎ : 10V未満
○ : 10V以上30V未満
× : 30V以上
<耐久性(耐摩耗性)評価>
感光体を、常温常湿環境(23℃で55%RH)下で、株式会社リコー製 フルカラープリンタ RICOH Pro C901 改造機のブラックステーションに搭載し、ブラック単色のテストチャートを20万枚連続出力した。連続出力前後の感光体の膜厚を渦電流式膜厚計(フィッシャースコープMMS、フィッシャー社製)を用いて測定し、表面層の摩耗量を算出し、下記基準で評価した。また、表面のキズと、20万枚連続出力後のベタ画像の画像濃度を、目視により評価した。
〔評価基準〕
◎ : 2.0μm未満
○ : 2.0μm以上4.0μm未満
× : 4.0μm以上
本発明の電子写真感光体は、濃度ムラ、ボケの発生が抑えられ、かつ十分な機械的耐久性を有する。また、連続印刷時の露光部電位変動が小さく、長期に亘って良好な画像を出力し続けられることがわかった。
[合成例A1(表A−1中化合物No.4の合成)]
下記式(M1)で表されるアルデヒド化合物5.00g(16.6mmol)、ジベンジルアミン3.27g(16.6mmol)、ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド5.18g(23.2mmol)、テトラヒドロフラン(THF)70mLをアルゴン気流下、25℃の内温にて2時間撹拌を行った。
2時間後、内容物に1M炭酸ナトリウム水溶液50mLを注ぎ、30分間撹拌を行った後、酢酸エチルで抽出を行った。有機層を水洗し、濃縮することにより以下の構造式(M2)で表される化合物No.4のジアミン化合物を無色透明オイルで6.44g(13.3mmol)得た(収率80.1%)。
得られたオイルをLC−MSで分析したところ、目的とする化合物No.4のジアミン化合物(分子量計算値:482.66)にプロトンが付加した分子イオン[M+H]に相当する483.52のピークが観測された。赤外線吸収スペクトル(NaCl法)を図8に示す。
[合成例A2(表A1−1中化合物No.5の合成)]
下記式(M3)で表されるアルデヒド化合物5.00g(16.6mmol)、N−エチル−p−トルイジン2.75g(18.3mmol)、ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド5.18g(23.2mmol)、テトラヒドロフラン(THF)70mLをアルゴン気流下、25℃の内温にて22時間撹拌を行った。
22時間後、内容物に1M炭酸ナトリウム水溶液50mLを注ぎ、30分間撹拌を行った後、酢酸エチルで抽出を行った。有機層を水洗し、濃縮することにより以下の構造式(M4)で表される化合物No.5のジアミン化合物を黄色オイルでを2.59g(6.2mmol)得た(収率37.3%)。
得られたオイルをLC−MSで分析したところ、目的とする化合物No.5のジアミン化合物(分子量計算値:420.59)にプロトンが付加した分子イオン[M+H]に相当する421.60のピークが観測された。赤外線吸収スペクトル(NaCl法)を図9に示す。
[合成例A3(表A1−1中化合物No.6の合成)]
下記式(M5)で表されるアルデヒド化合物5.00g(16.6mmol)、N−エチルベンジルアミン2.69g(18.3mmol)、ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド5.18g(23.2mmol)、テトラヒドロフラン(THF)70mLをアルゴン気流下、25℃の内温にて4時間撹拌を行った。
4時間後、内容物に1M炭酸ナトリウム水溶液50mLを注ぎ、30分間撹拌を行った後、酢酸エチルで抽出を行った。有機層を水洗し、濃縮することにより以下の構造式(M6)で表される化合物No.6のジアミン化合物を黄色オイルで4.56g(10.8mmol)得た(収率65.1%)
得られたオイルをLC−MSで分析したところ、目的とする化合物No.6のジアミン化合物(分子量計算値:420.59)にプロトンが付加した分子イオン[M+H]に相当する421.52のピークが観測された。
赤外線吸収スペクトル(NaCl法)を図10に示す。
(調製例A1)
下記に示す材料を混合することで、下引き層用塗布液Aを調製した。
〔下引き層用塗工液A〕
・ アルキッド樹脂 ・・・ 120部
(ベッコライトM6401−50、DIC株式会社製)
・ メラミン樹脂 ・・・ 65部
(スーパーベッカミンG−821−60、DIC株式会社製)
・ 二酸化チタン粉末 ・・・ 400部
(タイベークCR−EL、石原産業株式会社製)
・ 2−ブタノン ・・・ 400部
(調製例A2)
下記に示す材料を混合することで、電荷発生層用塗布液Bを調製した。
〔電荷発生層用塗工液B〕
・ チタニルフタロシアニン ・・・ 8部
・ ポリビニルブチラール(エスレックBX−1、積水化学工業株式会社製) ・・・ 5部
・ 2−ブタノン ・・・ 400部
図7に、使用したチタニルフタロシアニンの下記測定条件における粉末X線回折スペクトルを示した。
<X線回折スペクトル測定条件>
X線管球:Cu
電圧:50kV
電流:30mA
走査速度:2°/分
走査範囲:3°〜40°
時定数:2秒
(調製例A3)
下記に示す材料を混合することで、電荷輸送層用塗布液C−1を調製した。
〔電荷輸送層用塗工液C−1〕
・ ビスフェノールZポリカーボネート ・・・ 10部
(パンライトTS−2050、帝人化成株式会社製)
・ 下記構造式(1)の電荷輸送物質 ・・・ 10部
・ テトラヒドロフラン ・・・ 100部
(調製例A4)
下記に示す材料を混合することで、電荷輸送層用塗布液C−2を調製した。
〔電荷輸送層用塗工液C−2〕
・ ビスフェノールZポリカーボネート ・・・ 10部
(パンライトTS−2050、帝人化成株式会社製)
・ 下記構造式(2)の電荷輸送物質 ・・・ 9部
・ テトラヒドロフラン ・・・ 100部
(調製例A5)
下記に示す材料を混合することで、フィラー表面層用塗布液Dを調製した。
〔フィラー表面層用塗布液D〕
・ ビスフェノールZポリカーボネート ・・・ 40部
(パンライトTS−2050、帝人化成株式会社製)
・ 前記構造式(1)の電荷輸送物質 ・・・ 30部
・ 表A1−1中化合物No.5のジアミン化合物 ・・・ 0.15部
・ 下記構造式(4)のオキサゾール化合物 ・・・ 0.15部
・ アルミナ微粒子 ・・・ 30部
(AA03、住友化学株式会社製)
・ テトラヒドロフラン ・・・ 170部
・ シクロヘキサン ・・・ 50部
(調製例A6)
下記に示す材料を混合することで、架橋表面層用塗布液E−1を調製した。
〔架橋表面層用塗布液E−1〕
・ 電荷輸送機能を有さないラジカル重合性モノマー ・・・ 10部
(トリメチロールプロパントリアクリレート、SR351S、サートマー社製)
・ 下記構造式(5)の電荷輸送機能を有するラジカル重合性化合物 ・・・ 5部
・ 表A1−1中化合物No.5のジアミン化合物 ・・・ 0.05部
・ 前記構造式(4)のオキサゾール化合物 ・・・ 0.05部
・ フッ素樹脂粒子 ・・・ 1.5部
(MPE−056、三井・デュポンフロロケミカル株式会社製)
・ 光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、イルガキュア(登録商標)184、BASFジャパン株式会社製) ・・・ 0.75部
・ テトラヒドロフラン ・・・ 100部
(調製例A7)
下記に示す材料を混合することで、架橋表面層用塗布液E−2を調製した。
〔架橋表面層用塗布液E−2〕
・ 電荷輸送機能を有さないラジカル重合性モノマー ・・・ 10部
(カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、KAYARAD DPCA−120、日本化薬株式会社製)
・ 下記構造式(6)の電荷輸送機能を有するラジカル重合性化合物 ・・・ 7部
・ 表A1−1中化合物No.6のジアミン化合物 ・・・ 0.07部
・ 下記構造式(8)のオキサゾール化合物 ・・・ 0.21部
・ アルミナ微粒子 ・・・ 1.7部
(AA05、住友化学株式会社製)
・ 光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、イルガキュア(登録商標)184、BASFジャパン株式会社製) ・・・ 0.85部
・ テトラヒドロフラン ・・・ 100部
(調製例A8)
下記に示す材料を混合することで、架橋表面層用塗布液E−3を調製した。
〔架橋表面層用塗布液E−3〕
・ 電荷輸送機能を有さないラジカル重合性モノマー ・・・ 10部
(トリメチロールプロパントリアクリレート、KAYARAD TMPTA、日本化薬株式会社製)
・ 下記構造式(9)の電荷輸送機能を有するラジカル重合性化合物 ・・・ 10部
・ 表A1−1中化合物No.4のジアミン化合物 ・・・ 0.1部
・ 下記構造式(11)のオキサゾール化合物 ・・・ 0.5部
・ アルミナ微粒子 ・・・ 2部
(AA03、住友化学株式会社製)
・ 光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、イルガキュア(登録商標)184、BASFジャパン株式会社製) ・・・ 1部
・ テトラヒドロフラン ・・・ 100部
(調製例A9)
下記に示す材料を混合することで、架橋表面層用塗布液E−4を調製した。
〔架橋表面層用塗布液E−4〕
・ 電荷輸送機能を有さないラジカル重合性モノマー ・・・ 10部
(1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、和光純薬工業株式会社製)
・ 下記構造式(12)の電荷輸送機能を有するラジカル重合性化合物 ・・・ 12部
・ 表A1−1中化合物No.1のジアミン化合物 ・・・ 0.36部
・ 下記構造式(14)のオキサゾール化合物 ・・・ 1.08部
・ 酸化チタン微粒子 ・・・ 2.2部
(CR97、石原産業株式会社製)
・ 光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、イルガキュア(登録商標)184、BASFジャパン株式会社製) ・・・ 1.1部
・ テトラヒドロフラン ・・・ 100部
(調製例A10)
下記に示す材料を混合することで、架橋表面層用塗布液E−5を調製した。
〔架橋表面層用塗布液E−5〕
・ 電荷輸送機能を有さないラジカル重合性モノマー ・・・ 5部
(ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、SR355、サートマー社製)
・ 電荷輸送機能を有さないラジカル重合性モノマー ・・・ 5部
(カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、KAYARAD DPCA−120、日本化薬株式会社製)
・ 上記構造式(5)の電荷輸送機能を有するラジカル重合性化合物 ・・・ 5部
・ 表A1−1中化合物No.2のジアミン化合物 ・・・ 0.25部
・ 下記構造式(16)のオキサゾール化合物 ・・・ 0.5部
・ フッ素樹脂粒子 ・・・ 1.5部
(MPE−056、三井・デュポンフロロケミカル株式会社製)
・ 光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、イルガキュア(登録商標)184、BASFジャパン株式会社製)・・・ 0.75部
・ テトラヒドロフラン ・・・ 100部
(調製例A11)
下記に示す材料を混合することで、架橋表面層用塗布液E−6を調製した。
〔架橋表面層用塗布液E−6〕
・ 電荷輸送機能を有さないラジカル重合性モノマー ・・・ 5部
(ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、SR355、サートマー社製)
・ 電荷輸送機能を有さないラジカル重合性モノマー ・・・ 5部
(トリメチロールプロパントリアクリレート、KAYARAD TMPTA、日本化薬株式会社製)
・ 上記構造式(6)の電荷輸送機能を有するラジカル重合性化合物 ・・・ 7部
・ 表A1−1中化合物No.3のジアミン化合物 ・・・ 0.35部
・ 下記構造式(18)のオキサゾール化合物 ・・・ 0.7部
・ アルミナ微粒子 ・・・ 1.7部
(AA05、住友化学株式会社製)
・ 光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、イルガキュア(登録商標)184、BASFジャパン株式会社製) ・・・ 0.85部
・ テトラヒドロフラン ・・・ 100部
(調製例A12)
下記に示す材料を混合することで、架橋表面層用塗布液E−7を調製した。
〔架橋表面層用塗布液E−7〕
・ 電荷輸送機能を有さないラジカル重合性モノマー ・・・ 5部
(カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、KAYARAD DPCA−120、日本化薬株式会社製)
・ 電荷輸送機能を有さないラジカル重合性モノマー ・・・ 5部
(トリメチロールプロパントリアクリレート、KAYARAD TMPTA、日本化薬株式会社製)
・ 上記構造式(9)の電荷輸送機能を有するラジカル重合性化合物 ・・・ 10部
・ 表A1−1中化合物No.16のジアミン化合物 ・・・ 0.9部
・ 上記構造式(4)のオキサゾール化合物 ・・・ 1.0部
・ アルミナ微粒子 ・・・ 2部
(AA03、住友化学株式会社製)
・ 光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、イルガキュア(登録商標)184、BASFジャパン株式会社製) ・・・ 1部
・ テトラヒドロフラン ・・・ 100部
(調製例A13)
下記に示す材料を混合することで、架橋表面層用塗布液E−8を調製した。
〔架橋表面層用塗布液E−8〕
・ 電荷輸送機能を有さないラジカル重合性モノマー ・・・ 10部
(エトキシ化(3)ビスフェノールAジアクリレート、SR349、サートマー社製)
・ 上記構造式(12)の電荷輸送機能を有するラジカル重合性化合物 ・・・ 12部
・ 表A1−1中化合物No.5のジアミン化合物 ・・・ 1.2部
・ 上記構造式(8)のオキサゾール化合物 ・・・ 1.2部
・ 酸化チタン微粒子 ・・・ 2.2部
(CR97、石原産業株式会社製)
・ 光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、イルガキュア(登録商標)184、BASFジャパン株式会社製) ・・・ 1.1部
・ テトラヒドロフラン ・・・ 100部
(調製例A14)
下記に示す材料を混合することで、架橋表面層用塗布液E−9を調製した。
〔架橋表面層用塗布液E−9〕
・ 電荷輸送機能を有さないラジカル重合性モノマー ・・・ 5部
(エトキシ化(3)ビスフェノールAジアクリレート、SR349、サートマー社製)
・ 電荷輸送機能を有さないラジカル重合性モノマー ・・・ 5部
(ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、SR355、サートマー社製)
・ 上記構造式(5)の電荷輸送機能を有するラジカル重合性化合物 ・・・ 15部
・ 表A1−1中化合物No.6のジアミン化合物 ・・・ 0.15部
・ 上記構造式(11)のオキサゾール化合物 ・・・ 1.5部
・ 光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、イルガキュア(登録商標)184、BASFジャパン株式会社製) ・・・ 1.25部
・ テトラヒドロフラン ・・・ 100部
(調製例A15)
下記に示す材料を混合することで、架橋表面層用塗布液E−10を調製した。
〔架橋表面層用塗布液E−10〕
・ 電荷輸送機能を有さないラジカル重合性モノマー ・・・ 10部
(ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、SR355、サートマー社製)
・ 上記構造式(6)の電荷輸送機能を有するラジカル重合性化合物 ・・・ 10部
・ 表A1−1中化合物No.4のジアミン化合物 ・・・ 0.17部
・ 上記構造式(14)のオキサゾール化合物 ・・・ 0.15部
・ 光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、イルガキュア(登録商標)184、BASFジャパン株式会社製) ・・・ 1.35部
・ テトラヒドロフラン ・・・ 100部
(調製例A16)
下記に示す材料を混合することで、架橋表面層用塗布液E−11を調製した。
〔架橋表面層用塗布液E−11〕
・ 電荷輸送機能を有さないラジカル重合性モノマー ・・・ 5部
(エトキシ化(3)ビスフェノールAジアクリレート、SR349、サートマー社製)
・ 電荷輸送機能を有さないラジカル重合性モノマー ・・・ 5部
(ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、SR355、サートマー社製)
・ 上記構造式(9)の電荷輸送機能を有するラジカル重合性化合物 ・・・ 20部
・ 表A1−1中化合物No.1のジアミン化合物 ・・・ 2部
・ 上記構造式(16)のオキサゾール化合物 ・・・ 2.4部
・ 光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、イルガキュア(登録商標)184、BASFジャパン株式会社製) ・・・ 1.5部
・ テトラヒドロフラン ・・・ 100部
(調製例A17)
下記に示す材料を混合することで、架橋表面層用塗布液E−12を調製した。
〔架橋表面層用塗布液E−12〕
・ 電荷輸送機能を有さないラジカル重合性モノマー ・・・ 10部
(トリメチロールプロパントリアクリレート、KAYARAD TMPTA、日本化薬株式会社製)
・ 上記構造式(12)の電荷輸送機能を有するラジカル重合性化合物 ・・・ 5部
・ 表A1−1中化合物No.2のジアミン化合物 ・・・ 0.03部
・ 上記構造式(18)のオキサゾール化合物 ・・・ 0.6部
・ 光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、イルガキュア(登録商標)184、BASFジャパン株式会社製) ・・・ 0.75部
・ テトラヒドロフラン ・・・ 100部
(調製例A18)
下記に示す材料を混合することで、架橋表面層用塗布液E−13を調製した。
〔架橋表面層用塗布液E−13〕
・ 電荷輸送機能を有さないラジカル重合性モノマー ・・・ 5部
(カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、KAYARAD DPCA−120、日本化薬株式会社製)
・ 電荷輸送機能を有さないラジカル重合性モノマー ・・・ 5部
(トリメチロールプロパントリアクリレート、KAYARAD TMPTA、日本化薬株式会社製)
・ 上記構造式(5)の電荷輸送機能を有するラジカル重合性化合物 ・・・ 7部
・ 表A1−1中化合物No.3のジアミン化合物 ・・・ 0.8部
・ 上記構造式(4)のオキサゾール化合物 ・・・ 0.85部
・ 光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、イルガキュア(登録商標)184、BASFジャパン株式会社製) ・・・ 0.85部
・ テトラヒドロフラン ・・・ 100部
(調製例A19)
下記に示す材料を混合することで、架橋表面層用塗布液E−14を調製した。
〔架橋表面層用塗布液E−14〕
・ 電荷輸送機能を有さないラジカル重合性モノマー ・・・ 5部
(エトキシ化(3)ビスフェノールAジアクリレート、SR349、サートマー社製)
・ 電荷輸送機能を有さないラジカル重合性モノマー ・・・ 5部
(ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、SR355、サートマー社製)
・ 上記構造式(6)の電荷輸送機能を有するラジカル重合性化合物 ・・・ 3部
・ 表A1−1中化合物No.16のジアミン化合物 ・・・ 0.03部
・ 上記構造式(8)のオキサゾール化合物 ・・・ 0.09部
・ 光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、イルガキュア(登録商標)184、BASFジャパン株式会社製) ・・・ 0.65部
・ テトラヒドロフラン ・・・ 100部
(調製例A20)
下記に示す材料を混合することで、架橋表面層用塗布液E−15を調製した。
〔架橋表面層用塗布液E−15〕
・ 電荷輸送機能を有さないラジカル重合性モノマー ・・・ 10部
(ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、SR355、サートマー社製)
・ 上記構造式(9)の電荷輸送機能を有するラジカル重合性化合物 ・・・ 22部
・ 表A1−1中化合物No.5のジアミン化合物 ・・・ 0.22部
・ 上記構造式(11)のオキサゾール化合物 ・・・ 0.66部
・ 光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、イルガキュア(登録商標)184、BASFジャパン株式会社製) ・・・ 1.6部
・ テトラヒドロフラン ・・・ 100部
(調製例A21)
下記に示す材料を混合することで、架橋表面層用塗布液E−16を調製した。
〔架橋表面層用塗布液E−16〕
・ 電荷輸送機能を有さないラジカル重合性モノマー ・・・ 10部
(ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、SR355、サートマー社製)
・ 下記構造式(20)の電荷輸送機能を有するラジカル重合性化合物 ・・・ 22部
・ 表A1−2中化合物No.23のジアミン化合物 ・・・ 0.22部
・ 上記構造式(14)のオキサゾール化合物 ・・・ 0.66部
・ 光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、イルガキュア(登録商標)184、BASFジャパン株式会社製) ・・・ 1.6部
・ テトラヒドロフラン ・・・ 100部
(調製例A22)
下記に示す材料を混合することで、架橋表面層用塗布液E−17を調製した。
〔架橋表面層用塗布液E−17〕
・ 電荷輸送機能を有さないラジカル重合性モノマー ・・・ 10部
(ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、SR355、サートマー社製)
・ 下記構造式(22)の電荷輸送機能を有するラジカル重合性化合物 ・・・ 22部
・ 表A1−2中化合物No.26のジアミン化合物 ・・・ 0.22部
・ 上記構造式(16)のオキサゾール化合物 ・・・ 0.66部
・ 光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、イルガキュア(登録商標)184、BASFジャパン株式会社製) ・・・ 1.6部
・ テトラヒドロフラン ・・・ 100部
(調製例A23)
下記に示す材料を混合することで、架橋表面層用塗布液E−18を調製した。
〔架橋表面層用塗布液E−18〕
・ 電荷輸送機能を有さないラジカル重合性モノマー ・・・ 10部
(ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、SR355、サートマー社製)
・ 下記構造式(24)の電荷輸送機能を有するラジカル重合性化合物 ・・・ 22部
・ 表A1−3中化合物No.39のジアミン化合物 ・・・ 0.22部
・ 上記構造式(16)のオキサゾール化合物 ・・・ 0.66部
・ 光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、イルガキュア(登録商標)184、BASFジャパン株式会社製) ・・・ 1.6部
・ テトラヒドロフラン ・・・ 100部
(実施例A1)
直径Φ100mmのアルミニウムシリンダー上に、下引き層用塗工液A、電荷発生層用塗工液B、電荷輸送層用塗工液C−1を順次、塗布、乾燥することにより、平均厚み3.5μmの下引き層、平均厚み0.2μmの電荷発生層、及び平均厚み23μmの電荷輸送層を積層し、積層物を形成した。
次に、得られた積層物に対して、フィラー表面層用塗布液Dをスプレー塗工法により塗布した後、150℃、20分間加熱乾燥し、平均厚み5μmのフィラー表面層を設け、実施例A1の感光体を得た。
(実施例A2)
直径Φ100mmのアルミニウムシリンダー上に、下引き層用塗工液A、電荷発生層用塗工液B、電荷輸送層用塗工液C−2を順次、塗布、乾燥することにより、平均厚み3.5μmの下引き層、平均厚み0.2μmの電荷発生層、及び平均厚み23μmの電荷輸送層を積層し、積層物を形成した。
次に、得られた積層物に対して、架橋表面層用塗布液E−1を窒素気流中でスプレー塗工法により塗布した後、10分間窒素気流中に放置して、指触乾燥した。
その後、酸素濃度が2%以下となるようにブース内を窒素ガスで置換した紫外線光照射ブースにて、紫外線照射を以下の条件で行った。
メタルハライドランプ : 160W/cm
照射距離 : 120mm
照射強度 : 700mW/cm
照射時間 : 60秒
更に、130℃で20分間乾燥することで、平均厚み5μmの架橋表面層を設け、実施例A2の感光体を得た。
(実施例A3)
架橋表面層用塗布液E−1の代わりに、架橋表面層用塗布液E−2を用いた以外は、実施例A2と同様にして、実施例A3の感光体を得た。
(実施例A4)
架橋表面層用塗布液E−1の代わりに、架橋表面層用塗布液E−3を用いた以外は、実施例A2と同様にして、実施例A4の感光体を得た。
(実施例A5)
架橋表面層用塗布液E−1の代わりに、架橋表面層用塗布液E−4を用いた以外は、実施例A2と同様にして、実施例A5の感光体を得た。
(実施例A6)
架橋表面層用塗布液E−1の代わりに、架橋表面層用塗布液E−5を用いた以外は、実施例A2と同様にして、実施例A6の感光体を得た。
(実施例A7)
架橋表面層用塗布液E−1の代わりに、架橋表面層用塗布液E−6を用いた以外は、実施例A2と同様にして、実施例A7の感光体を得た。
(実施例A8)
架橋表面層用塗布液E−1の代わりに、架橋表面層用塗布液E−7を用いた以外は、実施例A2と同様にして、実施例A8の感光体を得た。
(実施例A9)
架橋表面層用塗布液E−1の代わりに、架橋表面層用塗布液E−8を用いた以外は、実施例A2と同様にして、実施例A9の感光体を得た。
(実施例A10)
架橋表面層用塗布液E−1の代わりに、架橋表面層用塗布液E−9を用いた以外は、実施例A2と同様にして、実施例A10の感光体を得た。
(実施例A11)
架橋表面層用塗布液E−1の代わりに、架橋表面層用塗布液E−10を用いた以外は、実施例A2と同様にして、実施例A11の感光体を得た。
(実施例A12)
架橋表面層用塗布液E−1の代わりに、架橋表面層用塗布液E−11を用いた以外は、実施例A2と同様にして、実施例A12の感光体を得た。
(実施例A13)
架橋表面層用塗布液E−1の代わりに、架橋表面層用塗布液E−12を用いた以外は、実施例A2と同様にして、実施例A13の感光体を得た。
(実施例A14)
架橋表面層用塗布液E−1の代わりに、架橋表面層用塗布液E−13を用いた以外は、実施例A2と同様にして、実施例A14の感光体を得た。
(実施例A15)
架橋表面層用塗布液E−1の代わりに、架橋表面層用塗布液E−14を用いた以外は、実施例A2と同様にして、実施例A15の感光体を得た。
(実施例A16)
架橋表面層用塗布液E−1の代わりに、架橋表面層用塗布液E−15を用いた以外は、実施例A2と同様にして、実施例A16の感光体を得た。
(実施例A17)
架橋表面層用塗布液E−1の代わりに、架橋表面層用塗布液E−16を用いた以外は、実施例A2と同様にして、実施例A17の感光体を得た。
(実施例A18)
架橋表面層用塗布液E−1の代わりに、架橋表面層用塗布液E−17を用いた以外は、実施例A2と同様にして、実施例A18の感光体を得た。
(実施例A19)
架橋表面層用塗布液E−1の代わりに、架橋表面層用塗布液E−18を用いた以外は、実施例A2と同様にして、実施例A19の感光体を得た。
(比較例A1)
実施例A1で用いたフィラー表面層用塗布液Dにおいて、ジアミン化合物、オキサゾール化合物を添加しなかった以外は、実施例A1と同様にして、比較例A1の感光体を得た。
(比較例A2)
実施例A1で用いたフィラー表面層用塗布液Dにおいて、ジアミン化合物を添加しなかった以外は、実施例A1と同様にして、比較例A2の感光体を得た。
(比較例A3)
実施例A1で用いたフィラー表面層用塗布液Dにおいて、オキサゾール化合物を添加しなかった以外は、実施例A1と同様にして、比較例A3の感光体を得た。
(比較例A4)
実施例A4で用いた架橋表面層用塗布液E−3において、ジアミン化合物を添加しなかった以外は、実施例A4と同様にして、比較例A4の感光体を得た。
(比較例A5)
実施例A4で用いた架橋表面層用塗布液E−3において、ジアミン化合物を下記構造式(26)の化合物に変更した以外は、実施例A4と同様にして、比較例A5の感光体を得た。
(比較例A6)
実施例A4で用いた架橋表面層用塗布液E−3において、ジアミン化合物を下記構造式(27)の化合物に変更した以外は、実施例A4と同様にして、比較例A6の感光体を得た。
(比較例A7)
実施例A4で用いた架橋表面層用塗布液E−3において、オキサゾール化合物を添加しなかった以外は、実施例A4と同様にして、比較例A7の感光体を得た。
(比較例A8)
実施例A4で用いた架橋表面層用塗布液E−3において、オキサゾール化合物を下記構造式(28)の化合物に変更した以外は、実施例A4と同様にして、比較例A8の感光体を得た。
(比較例A9)
実施例A4で用いた架橋表面層用塗布液E−3において、オキサゾール化合物を下記構造式(29)の化合物に変更した以外は、実施例A4と同様にして、比較例A9の感光体を得た。
(比較例A10)
実施例A4で用いた架橋表面層用塗布液E−3において、ジアミン化合物及びオキサゾール化合物を添加しなかった以外は、実施例A4と同様にして、比較例A10の感光体を得た。
<電子写真感光体の特性>
実施例及び比較例で作製した電子写真感光体について、下記に示す評価を実施した。結果を表A2に示す。
<<濃度ムラ評価>>
15℃、20%RH環境下で、株式会社リコー製 フルカラープリンタ RICOH Pro C901 改造機(帯電器として、事前に200時間以上放電させたものを搭載)のブラックステーションに、感光体を搭載した。濃度ムラ評価は下記の条件で実施した。
ブラック単色のテストチャートを25万枚連続出力し、その後、画像形成装置本体の電源を切る。24時間経過した後、画像形成装置本体の電源を投入し、1,200dpi 2by2のブラック単色の全面ハーフトーン画像を出力し、帯電器の幅に相当する濃度ムラの有無を測定し、下記基準で評価した。
〔評価基準〕
◎:濃度ムラ発生せず
○:わずかに濃度ムラが発生したが実用上許容できるレベル
×:帯電器幅の濃度ムラが顕著に発生し、許容できないレベル
<<ガスバリア性(画像ボケ)評価>>
NOx暴露試験機(製品名:NOx試験ユニット、ダイレック株式会社製)を用い、NO/NO=50ppm/50ppm、湿度20%RHの雰囲気下で72時間、感光体を暴露した後、感光体を株式会社リコー製 フルカラープリンタ RICOH Pro C901 改造機のブラックステーションに搭載し、画像ボケの発生の有無によりガスバリア性を下記基準で評価した。
〔評価基準〕
◎:画像ボケ発生せず
○:わずかに画像ボケが発生したが実用上許容できるレベル
×:暴露した部分が画像ボケを発生し、許容できないレベル
<<露光部電位変動(電気的安定性)評価>>
感光体を、常温常湿環境(23℃で55%RH)下で、株式会社リコー製 フルカラープリンタ RICOH Pro C901 改造機のブラックステーションに搭載し、ブラック単色のテストチャートを20万枚連続出力した。その前後で、ブラック単色のベタ画像を100枚印刷し、印刷1枚目と印刷100枚目の露光部電位の差から、連続出力前後での露光部電位変動量をそれぞれ算出し、下記基準で評価した。
〔評価基準〕
◎:10V未満
○:10V以上30V未満
×:30V以上
<<耐久性(耐摩耗性)評価>>
感光体を、常温常湿環境(23℃で55%RH)下で、株式会社リコー製 フルカラープリンタ RICOH Pro C901 改造機のブラックステーションに搭載し、ブラック単色のテストチャートを20万枚連続出力した。連続出力前後の感光体の膜厚を渦電流式膜厚計(フィッシャースコープMMS、フィッシャー社製)を用いて測定し、表面層の摩耗量を算出し、下記基準で評価した。また、表面のキズと、20万枚連続出力後のベタ画像の画像濃度を、目視により評価した。
〔評価基準〕
◎:摩耗量が2.0μm未満
○:摩耗量が2.0μm以上4.0μm未満
×:摩耗量が4.0μm以上
表A2の結果から、本発明の電子写真感光体は、濃度ムラ、ボケの発生が抑えられ、かつ十分な機械的耐久性を有する。また、連続印刷時の露光部電位変動が小さく、長期に亘って良好な画像を出力し続けられることがわかった。
[合成例B1(表B1中のトリアジン化合物No.1の合成)]
シアヌル酸トリクロライド5.00g(27.3mmol)、ジベンジルアミン21.5g(109.2mmol)、炭酸カリウム18.8g(136.5mmol)、THF 200mLをアルゴン気流下にて48時間還流撹拌を行った。
室温に冷却後、沈殿物をろ過し、ろ液を回収し濃縮した。濃縮物をシリカゲルカラム(ジクロロメタン/n−ヘキサン=6/4)を行い、目的物を回収後、濃縮し、再結晶(トルエン/n−ヘキサン=7/3)を行い、白色粉末を10.1g得た(収率56.1%)。
得られた粉末を質量分析(イオン化:APCI法)で分析したところ、目的とする化合物No.1のトリアジン化合物(分子量計算値:666.3)にプロトンが付加した分子イオン[M+H]に相当する667.4のピークが観測された。
赤外線吸収スペクトル(KBr法)を図11に示す。
[合成例B2(表B1中のトリアジン化合物No.46の合成)]
シアヌル酸トリクロライド3.0g(16.4mmol)、THF 30mLをアルゴン気流下、0℃にて攪拌した。そこにN−エチルベンジルアミン8.86g(65.6mmol)、ジイソプロピルエチルアミン6.4g(49.2mmol)、THF 40mLの混合物を1時間かけて滴下し、滴下終了から更に2時間攪拌した。沈殿物をろ過で取り除き、ろ液を濃縮後、シリカゲルカラム(トルエン/クロロホルム=1/1)を行い、無色のオイルを5.66g(収率90.5%)。
得られたオイルを質量分析(イオン化:APCI法)で分析したところ、目的とする化合物No.46のトリアジン化合物(分子量計算値:381.2)にプロトンが付加した分子イオン[M+H]に相当する382.2のピークが観測された。
赤外線吸収スペクトル(KBr法)を図12に示す。
[合成例B3(表B1中のトリアジン化合物No.2の合成)]
化合物No.46 4.0g(10.5mmol)、ジベンジルアミン4.2g(21.0mmol)、ジイソプロピルエチルアミン2.7g(21.0mmol)、DMSO 50mLをアルゴン気流下90℃20時間攪拌した。室温冷却後、酢酸エチルを加え、3回水洗した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、有機層を濃縮した。シリカゲルカラム(トルエン)にて精製し、無色オイルを2.5g得た(収率43.9%)。
得られたオイルを質量分析(イオン化:APCI法)で分析したところ、目的とする化合物No.2のトリアジン化合物(分子量計算値:542.3)にプロトンが付加した分子イオン[M+H]に相当する543.3のピークが観測された。
赤外線吸収スペクトル(KBr法)を図13に示す。
[合成例B4(表B1中のトリアジン化合物No.13の合成)]
ジベンジルアミンをN−エチルベンジルアミンに代えた以外は、合成例B3と同様にして、操作し、無色オイルを1.91g得た(収率76.0%)。
得られたオイルを質量分析(イオン化:APCI法)で分析したところ、目的とする化合物No.13のトリアジン化合物(分子量計算値:480.3)にプロトンが付加した分子イオン[M+H]に相当する481.3のピークが観測された。
赤外線吸収スペクトル(KBr法)を図14に示す。
[合成例B5(表B1中のトリアジン化合物No.26の合成)]
ジベンジルアミンをジエチルアミンに変えた以外は、合成例B1と同様にして操作し、白色粉末を1.80g得た(収率27.9%)。
得られた粉末を質量分析(イオン化:APCI法)で分析したところ、目的とする化合物No.26のトリアジン化合物(分子量計算値:294.3)にプロトンが付加した分子イオン[M+H]に相当する295.3のピークが観測された。
赤外線吸収スペクトル(KBr法)を図15に示す。
[合成例B6(表B1中のトリアジン化合物No.38の合成)]
ジベンジルアミンをN−フェニルピペラジンに代えた以外は、合成例B1と同様にして操作し、白色粉末を4.50g得た(収率48.9%)。
得られた粉末を質量分析(イオン化:APCI法)で分析したところ、目的とする化合物No.38のトリアジン化合物(分子量計算値:561.3)にプロトンが付加した分子イオン[M+H]に相当する562.3のピークが観測された。
赤外線吸収スペクトル(KBr法)を図16に示す。
[合成例B7(表B1中のトリアジン化合物No.73の合成)]
ジベンジルアミンをN−エチルアニリンに代えた以外は、合成例B1と同様にして操作し、白色粉末2.68g(収率29.4%)。
得られた粉末を質量分析(イオン化:APCI法)で分析したところ、目的とする化合物No.73のトリアジン化合物(分子量計算値:438.3)にプロトンが付加した分子イオン[M+H]に相当する439.3のピークが観測された。
赤外線吸収スペクトル(KBr法)を図17に示す。
(調製例B1)
下記に示す材料を混合することで、下引き層用塗布液Aを調製した。
〔下引き層用塗工液A〕
・ アルキッド樹脂 ・・・ 120部
(ベッコライトM6401−50、DIC株式会社製)
・ メラミン樹脂 ・・・ 65部
(スーパーベッカミンG−821−60、DIC株式会社製)
・ 二酸化チタン粉末 ・・・ 400部
(タイベークCR−EL、石原産業株式会社製)
・ 2−ブタノン ・・・ 400部
(調製例B2)
下記に示す材料を混合することで、電荷発生層用塗布液Bを調製した。
〔電荷発生層用塗工液B〕
・ チタニルフタロシアニン ・・・ 8部
・ ポリビニルブチラール(エスレックBX−1、積水化学工業株式会社製) ・・・ 5部
・ 2−ブタノン ・・・ 400部
図7に、使用したチタニルフタロシアニンの下記測定条件における粉末X線回折スペクトルを示した。
<X線回折スペクトル測定条件>
X線管球:Cu
電圧:50kV
電流:30mA
走査速度:2°/分
走査範囲:3°〜40°
時定数:2秒
(調製例B3)
下記に示す材料を混合することで、電荷輸送層用塗布液C−1を調製した。
〔電荷輸送層用塗工液C−1〕
・ ビスフェノールZポリカーボネート ・・・ 10部
(パンライトTS−2050、帝人化成株式会社製)
・ 下記構造式(1)の電荷輸送物質 ・・・ 10部
・ テトラヒドロフラン ・・・ 100部
(調製例B4)
下記に示す材料を混合することで、電荷輸送層用塗布液C−2を調製した。
〔電荷輸送層用塗工液C−2〕
・ ビスフェノールZポリカーボネート ・・・ 10部
(パンライトTS−2050、帝人化成株式会社製)
・ 下記構造式(2)の電荷輸送物質 ・・・ 9部
・ テトラヒドロフラン ・・・ 100部
(調製例B5)
下記に示す材料を混合することで、フィラー表面層用塗布液Dを調製した。
〔フィラー表面層用塗布液D〕
・ ビスフェノールZポリカーボネート ・・・ 40部
(パンライトTS−2050、帝人化成株式会社製)
・ 前記構造式(1)の電荷輸送物質 ・・・ 30部
・ 表B1中化合物No.1のトリアジン化合物 ・・・ 0.15部
・ 下記構造式(4)のオキサゾール化合物 ・・・ 0.15部
・ アルミナ微粒子 ・・・ 30部
(AA03、住友化学株式会社製)
・ テトラヒドロフラン ・・・ 170部
・ シクロヘキサン ・・・ 50部
(調製例B6)
下記に示す材料を混合することで、架橋表面層用塗布液E−1を調製した。
〔架橋表面層用塗布液E−1〕
・ 電荷輸送機能を有さないラジカル重合性モノマー ・・・ 10部
(トリメチロールプロパントリアクリレート、SR351S、サートマー社製)
・ 下記構造式(5)の電荷輸送機能を有するラジカル重合性化合物 ・・・ 5部
・ 表B1中化合物No.1のトリアジン化合物 ・・・ 0.05部
・ 前記構造式(4)のオキサゾール化合物 ・・・ 0.05部
・ フッ素樹脂粒子 ・・・ 1.5部
(MPE−056、三井・デュポンフロロケミカル株式会社製)
・ 光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン) ・・・ 0.75部
(イルガキュア(登録商標)184、BASFジャパン株式会社製)
・ テトラヒドロフラン ・・・ 100部
(調製例B7)
下記に示す材料を混合することで、架橋表面層用塗布液E−2を調製した。
〔架橋表面層用塗布液E−2〕
・ 電荷輸送機能を有さないラジカル重合性モノマー ・・・ 10部
(カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、KAYARAD DPCA−120、日本化薬株式会社製)
・ 下記構造式(6)の電荷輸送機能を有するラジカル重合性化合物 ・・・ 7部
・ 表B1中化合物No.2のトリアジン化合物 ・・・ 0.07部
・ 下記構造式(8)のオキサゾール化合物 ・・・ 0.21部
・ アルミナ微粒子 ・・・ 1.7部
(AA05、住友化学株式会社製)
・ 光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン) ・・・ 0.85部
(イルガキュア184、BASFジャパン株式会社製)
・ テトラヒドロフラン ・・・ 100部
(調製例B8)
下記に示す材料を混合することで、架橋表面層用塗布液E−3を調製した。
〔架橋表面層用塗布液E−3〕
・ 電荷輸送機能を有さないラジカル重合性モノマー ・・・ 10部
(トリメチロールプロパントリアクリレート、KAYARAD TMPTA、日本化薬株式会社製)
・ 下記構造式(9)の電荷輸送機能を有するラジカル重合性化合物 ・・・ 10部
・ 表B1中化合物No.5のトリアジン化合物 ・・・ 0.1部
・ 下記構造式(11)のオキサゾール化合物 ・・・ 0.5部
・ アルミナ微粒子 ・・・ 2部
(AA03、住友化学株式会社製)
・ 光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン) ・・・ 1部
(イルガキュア184、BASFジャパン株式会社製)
・ テトラヒドロフラン ・・・ 100部
(調製例B9)
下記に示す材料を混合することで、架橋表面層用塗布液E−4を調製した。
〔架橋表面層用塗布液E−4〕
・ 電荷輸送機能を有さないラジカル重合性モノマー ・・・ 10部
(1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、和光純薬工業株式会社製)
・ 下記構造式(12)の電荷輸送機能を有するラジカル重合性化合物 ・・・ 12部
・ 表B1中化合物No.13のトリアジン化合物 ・・・ 0.36部
・ 下記構造式(14)のオキサゾール化合物 ・・・ 1.08部
・ 酸化チタン微粒子 ・・・ 2.2部
(CR97、石原産業株式会社製)
・ 光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン) ・・・ 1.1部
(イルガキュア184、BASFジャパン株式会社製)
・ テトラヒドロフラン ・・・ 100部
(調製例B10)
下記に示す材料を混合することで、架橋表面層用塗布液E−5を調製した。
〔架橋表面層用塗布液E−5〕
・ 電荷輸送機能を有さないラジカル重合性モノマー ・・・ 5部
(ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、SR355、サートマー社製)
・ 電荷輸送機能を有さないラジカル重合性モノマー ・・・ 5部
(カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、KAYARAD DPCA−120、日本化薬株式会社製)
・ 上記構造式(5)の電荷輸送機能を有するラジカル重合性化合物 ・・・ 5部
・ 表B1中化合物No.16のトリアジン化合物 ・・・ 0.25部
・ 下記構造式(16)のオキサゾール化合物 ・・・ 0.5部
・ フッ素樹脂粒子 ・・・ 1.5部
(MPE−056、三井・デュポンフロロケミカル株式会社製)
・ 光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン) ・・・ 0.75部
(イルガキュア184、BASFジャパン株式会社製)
・ テトラヒドロフラン ・・・ 100部
(調製例B11)
下記に示す材料を混合することで、架橋表面層用塗布液E−6を調製した。
〔架橋表面層用塗布液E−6〕
・ 電荷輸送機能を有さないラジカル重合性モノマー ・・・ 5部
(ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、SR355、サートマー社製)
・ 電荷輸送機能を有さないラジカル重合性モノマー ・・・ 5部
(トリメチロールプロパントリアクリレート、KAYARAD TMPTA、日本化薬株式会社製)
・ 上記構造式(6)の電荷輸送機能を有するラジカル重合性化合物 ・・・ 7部
・ 表B1中化合物No.26のトリアジン化合物 ・・・ 0.35部
・ 下記構造式(18)のオキサゾール化合物 ・・・ 0.7部
・ アルミナ微粒子 ・・・ 1.7部
(AA05、住友化学株式会社製)
・ 光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン) ・・・ 0.85部
(イルガキュア184、BASFジャパン株式会社製)
・ テトラヒドロフラン ・・・ 100部
(調製例B12)
下記に示す材料を混合することで、架橋表面層用塗布液E−7を調製した。
〔架橋表面層用塗布液E−7〕
・ 電荷輸送機能を有さないラジカル重合性モノマー ・・・ 5部
(カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、KAYARAD DPCA−120、日本化薬株式会社製)
・ 電荷輸送機能を有さないラジカル重合性モノマー ・・・ 5部
(トリメチロールプロパントリアクリレート、KAYARAD TMPTA、日本化薬株式会社製)
・ 上記構造式(9)の電荷輸送機能を有するラジカル重合性化合物 ・・・ 10部
・ 表B1中化合物No.27のトリアジン化合物 ・・・ 0.9部
・ 上記構造式(4)のオキサゾール化合物 ・・・ 1.0部
・ アルミナ微粒子 ・・・ 2部
(AA03、住友化学株式会社製)
・ 光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン) ・・・ 1部
(イルガキュア184、BASFジャパン株式会社製)
・ テトラヒドロフラン ・・・ 100部
(調製例B13)
下記に示す材料を混合することで、架橋表面層用塗布液E−8を調製した。
〔架橋表面層用塗布液E−8〕
・ 電荷輸送機能を有さないラジカル重合性モノマー ・・・ 10部
(エトキシ化(3)ビスフェノールAジアクリレート、SR349、サートマー社製)
・ 上記構造式(12)の電荷輸送機能を有するラジカル重合性化合物 ・・・ 12部
・ 表B1中化合物No.1のトリアジン化合物 ・・・ 1.2部
・ 上記構造式(8)のオキサゾール化合物 ・・・ 1.2部
・ 酸化チタン微粒子 ・・・ 2.2部
(CR97、石原産業株式会社製)
・ 光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン) ・・・ 1.1部
(イルガキュア184、BASFジャパン株式会社製)
・ テトラヒドロフラン ・・・ 100部
(調製例B14)
下記に示す材料を混合することで、架橋表面層用塗布液E−9を調製した。
〔架橋表面層用塗布液E−9〕
・ 電荷輸送機能を有さないラジカル重合性モノマー ・・・ 5部
(エトキシ化(3)ビスフェノールAジアクリレート、SR349、サートマー社製)
・ 電荷輸送機能を有さないラジカル重合性モノマー ・・・ 5部
(ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、SR355、サートマー社製)
・ 上記構造式(5)の電荷輸送機能を有するラジカル重合性化合物 ・・・ 15部
・ 表B1中化合物No.2のトリアジン化合物 ・・・ 0.15部
・ 上記構造式(11)のオキサゾール化合物 ・・・ 1.5部
・ 光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン) ・・・ 1.25部
(イルガキュア184、BASFジャパン株式会社製)
・ テトラヒドロフラン ・・・ 100部
(調製例B15)
下記に示す材料を混合することで、架橋表面層用塗布液E−10を調製した。
〔架橋表面層用塗布液E−10〕
・ 電荷輸送機能を有さないラジカル重合性モノマー ・・・ 10部
(ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、SR355、サートマー社製)
・ 上記構造式(6)の電荷輸送機能を有するラジカル重合性化合物 ・・・ 10部
・ 表B1中化合物No.5のトリアジン化合物 ・・・ 0.17部
・ 上記構造式(14)のオキサゾール化合物 ・・・ 0.15部
・ 光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン) ・・・ 1.35部
(イルガキュア184、BASFジャパン株式会社製)
・ テトラヒドロフラン ・・・ 100部
(調製例B16)
下記に示す材料を混合することで、架橋表面層用塗布液E−11を調製した。
〔架橋表面層用塗布液E−11〕
・ 電荷輸送機能を有さないラジカル重合性モノマー ・・・ 5部
(エトキシ化(3)ビスフェノールAジアクリレート、SR349、サートマー社製)
・ 電荷輸送機能を有さないラジカル重合性モノマー ・・・ 5部
(ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、SR355、サートマー社製)
・ 上記構造式(9)の電荷輸送機能を有するラジカル重合性化合物 ・・・ 20部
・ 表B1中化合物No.13のトリアジン化合物 ・・・ 2部
・ 上記構造式(16)のオキサゾール化合物 ・・・ 2.4部
・ 光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン) ・・・ 1.5部
(イルガキュア184、BASFジャパン株式会社製)
・ テトラヒドロフラン ・・・ 100部
(調製例B17)
下記に示す材料を混合することで、架橋表面層用塗布液E−12を調製した。
〔架橋表面層用塗布液E−12〕
・ 電荷輸送機能を有さないラジカル重合性モノマー ・・・ 10部
(トリメチロールプロパントリアクリレート、KAYARAD TMPTA、日本化薬株式会社製)
・ 上記構造式(12)の電荷輸送機能を有するラジカル重合性化合物 ・・・ 5部
・ 表B1中化合物No.16のトリアジン化合物 ・・・ 0.03部
・ 上記構造式(18)のオキサゾール化合物 ・・・ 0.6部
・ 光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン) ・・・ 0.75部
(イルガキュア184、BASFジャパン株式会社製)
・ テトラヒドロフラン ・・・ 100部
(調製例B18)
下記に示す材料を混合することで、架橋表面層用塗布液E−13を調製した。
〔架橋表面層用塗布液E−13〕
・ 電荷輸送機能を有さないラジカル重合性モノマー ・・・ 5部
(カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、KAYARAD DPCA−120、日本化薬株式会社製)
・ 電荷輸送機能を有さないラジカル重合性モノマー ・・・ 5部
(トリメチロールプロパントリアクリレート、KAYARAD TMPTA、日本化薬株式会社製)
・ 上記構造式(5)の電荷輸送機能を有するラジカル重合性化合物 ・・・ 7部
・ 表B1中化合物No.26のトリアジン化合物 ・・・ 0.8部
・ 上記構造式(4)のオキサゾール化合物 ・・・ 0.85部
・ 光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン) ・・・ 0.85部
(イルガキュア184、BASFジャパン株式会社製)
・ テトラヒドロフラン ・・・ 100部
(調製例B19)
下記に示す材料を混合することで、架橋表面層用塗布液E−14を調製した。
〔架橋表面層用塗布液E−14〕
・ 電荷輸送機能を有さないラジカル重合性モノマー ・・・ 5部
(エトキシ化(3)ビスフェノールAジアクリレート、SR349、サートマー社製)
・ 電荷輸送機能を有さないラジカル重合性モノマー ・・・ 5部
(ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、SR355、サートマー社製)
・ 上記構造式(6)の電荷輸送機能を有するラジカル重合性化合物 ・・・ 3部
・ 表B1中化合物No.27のトリアジン化合物 ・・・ 0.03部
・ 上記構造式(8)のオキサゾール化合物 ・・・ 0.09部
・ 光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン) ・・・ 0.65部
(イルガキュア184、BASFジャパン株式会社製)
・ テトラヒドロフラン ・・・ 100部
(調製例B20)
下記に示す材料を混合することで、架橋表面層用塗布液E−15を調製した。
〔架橋表面層用塗布液E−15〕
・ 電荷輸送機能を有さないラジカル重合性モノマー ・・・ 10部
(ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、SR355、サートマー社製)
・ 上記構造式(9)の電荷輸送機能を有するラジカル重合性化合物 ・・・ 22部
・ 表B1中化合物No.1のトリアジン化合物 ・・・ 0.22部
・ 上記構造式(11)のオキサゾール化合物 ・・・ 0.66部
・ 光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン) ・・・ 1.6部
(イルガキュア184、BASFジャパン株式会社製)
・ テトラヒドロフラン ・・・ 100部
(調製例B21)
下記に示す材料を混合することで、架橋表面層用塗布液E−16を調製した。
〔架橋表面層用塗布液E−16〕
・ 電荷輸送機能を有さないラジカル重合性モノマー ・・・ 10部
(ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、SR355、サートマー社製)
・ 下記構造式(20)の電荷輸送機能を有するラジカル重合性化合物 ・・・ 22部
・ 表B1中化合物No.38のトリアジン化合物 ・・・ 0.22部
・ 上記構造式(14)のオキサゾール化合物 ・・・ 0.66部
・ 光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン) ・・・ 1.6部
(イルガキュア184、BASFジャパン株式会社製)
・ テトラヒドロフラン ・・・ 100部
(調製例B22)
下記に示す材料を混合することで、架橋表面層用塗布液E−17を調製した。
〔架橋表面層用塗布液E−17〕
・ 電荷輸送機能を有さないラジカル重合性モノマー ・・・ 10部
(ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、SR355、サートマー社製)
・ 下記構造式(22)の電荷輸送機能を有するラジカル重合性化合物 ・・・ 22部
・ 表B1中化合物No.46のトリアジン化合物 ・・・ 0.22部
・ 上記構造式(16)のオキサゾール化合物 ・・・ 0.66部
・ 光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン) ・・・ 1.6部
(イルガキュア184、BASFジャパン株式会社製)
・ テトラヒドロフラン ・・・ 100部
(調製例B23)
下記に示す材料を混合することで、架橋表面層用塗布液E−18を調製した。
〔架橋表面層用塗布液E−18〕
・ 電荷輸送機能を有さないラジカル重合性モノマー ・・・ 10部
(ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、SR355、サートマー社製)
・ 下記構造式(24)の電荷輸送機能を有するラジカル重合性化合物 ・・・ 22部
・ 表B1中化合物No.73のトリアジン化合物 ・・・ 0.22部
・ 上記構造式(16)のオキサゾール化合物 ・・・ 0.66部
・ 光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン) ・・・ 1.6部
(イルガキュア184、BASFジャパン株式会社製)
・ テトラヒドロフラン ・・・ 100部
(実施例B1)
直径Φ100mmのアルミニウムシリンダー上に、下引き層用塗工液A、電荷発生層用塗工液B、電荷輸送層用塗工液C−1を順次、塗布、乾燥することにより、平均厚み3.5μmの下引き層、平均厚み0.2μmの電荷発生層、及び平均厚み23μmの電荷輸送層を積層し、積層物を形成した。
次に、得られた積層物に対して、フィラー表面層用塗布液Dをスプレー塗工法により塗布した後、150℃、20分間加熱乾燥し、平均厚み5μmのフィラー表面層を設け、実施例B1の感光体を得た。
(実施例B2)
直径Φ100mmのアルミニウムシリンダー上に、下引き層用塗工液A、電荷発生層用塗工液B、電荷輸送層用塗工液C−2を順次、塗布、乾燥することにより、平均厚み3.5μmの下引き層、平均厚み0.2μmの電荷発生層、及び平均厚み23μmの電荷輸送層を積層し、積層物を形成した。
次に、得られた積層物に対して、架橋表面層用塗布液E−1を窒素気流中でスプレー塗工法により塗布した後、10分間窒素気流中に放置して、指触乾燥した。
その後、酸素濃度が2%以下となるようにブース内を窒素ガスで置換した紫外線光照射ブースにて、紫外線照射を以下の条件で行った。
・メタルハライドランプ : 160W/cm
・照射距離 : 120mm
・照射強度 : 700mW/cm
・照射時間 : 60秒
更に、130℃で20分間乾燥することで、平均厚み5μmの架橋表面層を設け、実施例B2の感光体を得た。
(実施例B3)
架橋表面層用塗布液E−1の代わりに、架橋表面層用塗布液E−2を用いた以外は、実施例B2と同様にして、実施例B3の感光体を得た。
(実施例B4)
架橋表面層用塗布液E−1の代わりに、架橋表面層用塗布液E−3を用いた以外は、実施例B2と同様にして、実施例B4の感光体を得た。
(実施例B5)
架橋表面層用塗布液E−1の代わりに、架橋表面層用塗布液E−4を用いた以外は、実施例B2と同様にして、実施例B5の感光体を得た。
(実施例B6)
架橋表面層用塗布液E−1の代わりに、架橋表面層用塗布液E−5を用いた以外は、実施例B2と同様にして、実施例B6の感光体を得た。
(実施例B7)
架橋表面層用塗布液E−1の代わりに、架橋表面層用塗布液E−6を用いた以外は、実施例B2と同様にして、実施例B7の感光体を得た。
(実施例B8)
架橋表面層用塗布液E−1の代わりに、架橋表面層用塗布液E−7を用いた以外は、実施例B2と同様にして、実施例B8の感光体を得た。
(実施例B9)
架橋表面層用塗布液E−1の代わりに、架橋表面層用塗布液E−8を用いた以外は、実施例B2と同様にして、実施例B9の感光体を得た。
(実施例B10)
架橋表面層用塗布液E−1の代わりに、架橋表面層用塗布液E−9を用いた以外は、実施例B2と同様にして、実施例B10の感光体を得た。
(実施例B11)
架橋表面層用塗布液E−1の代わりに、架橋表面層用塗布液E−10を用いた以外は、実施例B2と同様にして、実施例B11の感光体を得た。
(実施例B12)
架橋表面層用塗布液E−1の代わりに、架橋表面層用塗布液E−11を用いた以外は、実施例B2と同様にして、実施例B12の感光体を得た。
(実施例B13)
架橋表面層用塗布液E−1の代わりに、架橋表面層用塗布液E−12を用いた以外は、実施例B2と同様にして、実施例B13の感光体を得た。
(実施例B14)
架橋表面層用塗布液E−1の代わりに、架橋表面層用塗布液E−13を用いた以外は、実施例B2と同様にして、実施例B14の感光体を得た。
(実施例B15)
架橋表面層用塗布液E−1の代わりに、架橋表面層用塗布液E−14を用いた以外は、実施例B2と同様にして、実施例B15の感光体を得た。
(実施例B16)
架橋表面層用塗布液E−1の代わりに、架橋表面層用塗布液E−15を用いた以外は、実施例B2と同様にして、実施例B16の感光体を得た。
(実施例B17)
架橋表面層用塗布液E−1の代わりに、架橋表面層用塗布液E−16を用いた以外は、実施例B2と同様にして、実施例B17の感光体を得た。
(実施例B18)
架橋表面層用塗布液E−1の代わりに、架橋表面層用塗布液E−17を用いた以外は、実施例B2と同様にして、実施例B18の感光体を得た。
(実施例B19)
架橋表面層用塗布液E−1の代わりに、架橋表面層用塗布液E−18を用いた以外は、実施例B2と同様にして、実施例B19の感光体を得た。
(比較例B1)
実施例B1で用いたフィラー表面層用塗布液Dにおいて、トリアジン化合物、オキサゾール化合物を添加しなかった以外は、実施例B1と同様にして、比較例B1の感光体を得た。
(比較例B2)
実施例B1で用いたフィラー表面層用塗布液Dにおいて、トリアジン化合物を添加しなかった以外は、実施例B1と同様にして、比較例B2の感光体を得た。
(比較例B3)
実施例B1で用いたフィラー表面層用塗布液Dにおいて、オキサゾール化合物を添加しなかった以外は、実施例B1と同様にして、比較例B3の感光体を得た。
(比較例B4)
実施例B4で用いた架橋表面層用塗布液E−3において、トリアジン化合物を添加しなかった以外は、実施例B4と同様にして、比較例B4の感光体を得た。
(比較例B5)
実施例B4で用いた架橋表面層用塗布液E−3において、トリアジン化合物を下記構造式(26)の化合物に変更した以外は、実施例B4と同様にして、比較例B5の感光体を得た。
(比較例B6)
実施例B4で用いた架橋表面層用塗布液E−3において、トリアジン化合物を下記構造式(27)の化合物に変更した以外は、実施例B4と同様にして、比較例B6の感光体を得た。
(比較例B7)
実施例B4で用いた架橋表面層用塗布液E−3において、オキサゾール化合物を添加しなかった以外は、実施例B4と同様にして、比較例B7の感光体を得た。
(比較例B8)
実施例B4で用いた架橋表面層用塗布液E−3において、オキサゾール化合物を下記構造式(28)の化合物に変更した以外は、実施例B4にして、比較例B8の感光体を得た。
(比較例B9)
実施例B4で用いた架橋表面層用塗布液E−3において、オキサゾール化合物を下記構造式(29)の化合物に変更した以外は、実施例B4と同様にして、比較例B9の感光体を得た。
(比較例B10)
実施例B4で用いた架橋表面層用塗布液E−3において、トリアジン化合物及びオキサゾール化合物を添加しなかった以外は、実施例B4と同様にして、比較例B10の感光体を得た。
<電子写真感光体の特性>
実施例及び比較例で作製した電子写真感光体について、下記評価を実施した。結果を表B2に示した。
<<濃度ムラ評価>>
15℃、20%RH環境下で、株式会社リコー製 フルカラープリンタ RICOH Pro C901 改造機(帯電器として、事前に200時間以上放電させたものを搭載)のブラックステーションに、感光体を搭載した。濃度ムラ評価は下記の条件で実施した。
ブラック単色のテストチャートを25万枚連続出力し、その後、画像形成装置本体の電源を切る。24時間経過した後、画像形成装置本体の電源を投入し、1,200dpi 2by2のブラック単色の全面ハーフトーン画像を出力し、帯電器の幅に相当する濃度ムラの有無について、下記基準で評価した。
〔評価基準〕
◎ : 濃度ムラ発生せず
○ : わずかに濃度ムラが発生したが実用上許容できるレベル
× : 帯電器幅の濃度ムラが顕著に発生し、許容できないレベル
<<ガスバリア性(画像ボケ)評価>>
NOx暴露試験機(製品名:NOx試験ユニット、ダイレック株式会社製)を用い、NO/NO=50ppm/50ppm、湿度20%RHの雰囲気下で72時間、感光体を暴露した後、感光体を株式会社リコー製 フルカラープリンタ RICOH Pro C901 改造機のブラックステーションに搭載し、画像ボケの発生の有無により、下記基準によりガスバリア性を評価した。
〔評価基準〕
◎ : 画像ボケ発生せず
○ : わずかに画像ボケが発生したが実用上許容できるレベル
× : 暴露した部分が画像ボケを発生し、許容できないレベル
<<露光部電位変動(電気的安定性)評価>>
感光体を、常温常湿環境(23℃で55%RH)下で、株式会社リコー製 フルカラープリンタ RICOH Pro C901 改造機のブラックステーションに搭載し、ブラック単色のテストチャートを20万枚連続出力した。その前後で、ブラック単色のベタ画像を100枚印刷し、印刷1枚目と印刷100枚目の露光部電位の差から、連続出力前後での露光部電位変動量をそれぞれ算出し、下記基準で評価した。
〔評価基準〕
◎ : 10V未満
○ : 10V以上30V未満
× : 30V以上
<<耐久性(耐摩耗性)評価>>
感光体を、常温常湿環境(23℃で55%RH)下で、株式会社リコー製 フルカラープリンタ RICOH Pro C901 改造機のブラックステーションに搭載し、ブラック単色のテストチャートを20万枚連続出力した。連続出力前後の感光体の膜厚を渦電流式膜厚計(フィッシャースコープMMS、フィッシャー社製)を用いて測定し、表面層の摩耗量を算出し、下記基準で評価した。また、表面のキズと、20万枚連続出力後のベタ画像の画像濃度を、目視により評価した。
〔評価基準〕
◎ : 2.0μm未満
○ : 2.0μm以上4.0μm未満
× : 4.0μm以上
表B2の結果から、本発明の電子写真感光体は、濃度ムラ、ボケの発生が抑えられ、かつ十分な機械的耐久性を有する。また、連続印刷時の露光部電位変動が小さく、長期に亘って良好な画像を出力し続けられることがわかった。
本発明の態様としては、例えば、以下のとおりである。
<1> 導電性支持体と、前記導電性支持体上に、少なくとも感光層及び表面層をこの順に有する電子写真感光体であって、
前記表面層が、下記一般式(1)で表されるジアミン化合物、下記一般式(A)で表されるジアミン化合物、及び下記一般式(B)で表されるトリアジン化合物から選択される少なくとも1種の化合物と、
下記一般式(2)及び下記一般式(3)のいずれかで表されるオキサゾール化合物と、を少なくとも含有することを特徴とする電子写真感光体である。
ただし、前記一般式(1)において、Xは、置換基を有していてもよいアリーレン基、又は、下記一般式で表される基を表す。
ただし、式中、Rは、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、又は炭素数1〜4のアルコキシ基を表す。
、A、A及びAは、(i)炭素数1〜4のアルキル基、(ii)−CH(CHZ、及び(iii)置換基を有してもよいアリール基、から選択される基を表し、各々同一であっても異なっていてもよい。ただし、A及びAのいずれもが(iii)置換基を有してもよいアリール基、並びにA及びAのいずれもが(iii)置換基を有してもよいアリール基であることは除く。ここで、Zは、アリール基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基を表し、更に置換基を有してもよい。また、mは0及び1のいずれかの整数を表す。
及びBは、−CH−、−CHCH−、−CH−Ar−、−Ar−CH−、−CHCH−Ar−、及び−Ar−CHCH−から選択される基を表し、各々同一であっても異なっていてもよい。Arは置換基を有していてもよいアリーレン基を表す。
ただし、前記一般式(A)中、R、Rは、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアラルキル基、又は置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表し、同一でも異なっていてもよい。Arは、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表す。Ar及びArは、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアラルキル基、又は置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表す。ArとAr、もしくはArとArは互いに結合し、窒素原子を含む置換もしくは無置換の複素環基を形成してもよい。
ただし、前記一般式(B)中、R101、R102は、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアラルキル基、又は置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表し、これらは、同一でも異なっていてもよい。また、R101とR102とは一緒になって環を形成してもよい。A101は、ハロゲン原子、又は下記一般式(B−1)を表す。
ただし、前記一般式(B−1)中、R103、及びR104は、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアラルキル基、又は置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表し、これらは同一でも異なっていてもよく、R103とR104とは一緒に環を形成してもよい。
ただし、前記一般式(2)中、R201及びR202は、それぞれ水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、各々同一であっても異なっていてもよく、Xは、ビニレン基、炭素数6〜14の芳香族炭化水素の2価基、又は2,5−チオフェンジイル基を表す。
ただし、前記一般式(3)中、Ar201及びAr202は、それぞれ炭素数6〜14の芳香族炭化水素の1価基を表し、各々同一であっても異なっていてもよく、Yは、炭素数6〜14の芳香族炭化水素の2価基を表し、R203とR204は、それぞれ水素原子又はメチル基を表し、各々同一であっても異なっていてもよい。
<2> 一般式(1)で表されるジアミン化合物が、一般式(4)で表される化合物である前記<1>に記載の電子写真感光体である。
ただし、前記一般式(4)において、A及びAは、下記(i)炭素数1〜4のアルキル基、(ii)−CH(CHZ、及び(iii)置換基を有してもよいアリール基、より選択される基を表し、各々同一であっても異なっていてもよい。ただし、A及びAのいずれもが(iii)置換基を有してもよいアリール基であることは除く。
Zは、アリール基、シクロアルキル基、又はヘテロシクロアルキル基を表し、更に置換基を有してもよい。また、mは0及び1のいずれかの整数を表す。
Arは置換基を有していてもよいアリーレン基を表す。
<3> 一般式(1)で表されるジアミン化合物、一般式(A)で表されるジアミン化合物、及び一般式(B)で表されるトリアジン化合物から選択される少なくとも1種の化合物の分子量が、300〜900の範囲内である前記<1>から<2>のいずれかに記載の電子写真感光体である。
<4> 表面層が、少なくとも、電荷輸送機能を有しないラジカル重合性モノマーと、電荷輸送機能を有する下記一般式(5)で表されるラジカル重合性化合物とを硬化させてなる架橋表面層である前記<1>から<3>のいずれかに記載の電子写真感光体である。
ただし、前記一般式(5)中、o、p及びqは、それぞれ0〜2の整数を表す。s及びtは、それぞれ0〜3の整数を表す。Raは、水素原子、又はメチル基を表す。Rb、Rcは、炭素数1〜6のアルキル基を表し、s、tが2又は3の場合、アルキル基同士は異なってもよい。Zaは、単結合、メチレン基、エチレン基、及び下記置換基から選択されるいずれかを表す。
<5> 電荷輸送機能を有しないラジカル重合性モノマーに対する、電荷輸送機能を有する一般式(5)で表されるラジカル重合性化合物の質量比が、0.5以上2.0以下である前記<4>に記載の電子写真感光体である。
<6> 表面層が、無機微粒子及び有機微粒子の少なくともいずれかを含有する前記<1>から<5>のいずれかに記載の電子写真感光体である。
<7> 電子写真感光体と、
前記電子写真感光体の表面を帯電させる帯電手段と、
帯電された前記電子写真感光体表面を露光して静電潜像を形成する露光手段と、
前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、
前記可視像を記録媒体に転写する転写手段とを少なくとも有する画像形成装置であって、
前記電子写真感光体が、前記<1>から<6>のいずれかに記載の電子写真感光体であることを特徴とする画像形成装置である。
<8> 電子写真感光体と、前記電子写真感光体の表面を帯電させる帯電手段、帯電された前記電子写真感光体表面を露光して静電潜像を形成する露光手段、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段、及び前記可視像を記録媒体に転写する転写手段の少なくともいずれかの手段とを有するプロセスカートリッジであって、
前記電子写真感光体が、前記<1>から<6>のいずれかに記載の電子写真感光体であることを特徴とするプロセスカートリッジである。
<9> 電子写真感光体の表面を帯電手段で帯電する帯電工程と、帯電された前記電子写真感光体を画像露光手段で露光して電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する露光工程と、前記静電潜像が形成された前記電子写真感光体の表面に現像手段でトナー像を形成する現像工程と、形成された前記トナー像を転写手段で転写媒体へ転写する転写工程を含む画像形成方法であって、
前記電子写真感光体として、前記<1>から<6>のいずれかに記載の電子写真感光体を用いることを特徴とする画像形成方法である。
1 電子写真感光体
3 帯電手段
5 露光手段
6 現像手段
10 転写手段
21 導電性支持体
23 電荷発生層
24 電荷輸送層
25 表面層
26 単層型感光層
101 電子写真感光体
102 帯電手段
104 現像手段
106 転写手段
特開2011−59375号公報

Claims (9)

  1. 導電性支持体と、前記導電性支持体上に、少なくとも感光層及び表面層をこの順に有する電子写真感光体であって、
    前記表面層が、下記一般式(1)で表されるジアミン化合物、下記一般式(A)で表されるジアミン化合物、及び下記一般式(B)で表されるトリアジン化合物から選択される少なくとも1種の化合物と、
    下記一般式(2)及び下記一般式(3)のいずれかで表されるオキサゾール化合物と、を少なくとも含有し、
    前記オキサゾール化合物の含有量が、下記一般式(1)で表されるジアミン化合物、下記一般式(A)で表されるジアミン化合物、及び下記一般式(B)で表されるトリアジン化合物から選択される少なくとも1種の化合物に対して、質量比で0.5以上5.0以下であることを特徴とする電子写真感光体。
    ただし、前記一般式(1)において、Xは、置換基を有していてもよいアリーレン基、又は、下記一般式で表される基を表す。
    ただし、式中、Rは、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、又は炭素数1〜4のアルコキシ基を表す。
    、A、A及びAは、(i)炭素数1〜4のアルキル基、(ii)−CH(CHZ、及び(iii)置換基を有してもよいアリール基、から選択される基を表し、各々同一であっても異なっていてもよい。ただし、A及びAのいずれもが(iii)置換基を有してもよいアリール基、並びにA及びAのいずれもが(iii)置換基を有してもよいアリール基であることは除く。ここで、Zは、アリール基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基を表し、更に置換基を有してもよい。また、mは0及び1のいずれかの整数を表す。
    及びBは、−CH−、−CHCH−、−CH−Ar−、−Ar−CH−、−CHCH−Ar−、及び−Ar−CHCH−から選択される基を表し、各々同一であっても異なっていてもよい。Arは置換基を有していてもよいアリーレン基を表す。
    ただし、前記一般式(A)中、R、Rは、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアラルキル基、又は置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表し、同一でも異なっていてもよい。Arは、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表す。Ar及びArは、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアラルキル基、又は置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表す。ArとAr、もしくはArとArは互いに結合し、窒素原子を含む置換もしくは無置換の複素環基を形成してもよい。
    ただし、前記一般式(B)中、R101、R102は、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアラルキル基、又は置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表し、これらは、同一でも異なっていてもよい。また、R101とR102とは一緒になって環を形成してもよい。A101は、ハロゲン原子、又は下記一般式(B−1)を表す。
    ただし、前記一般式(B−1)中、R103、及びR104は、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアラルキル基、又は置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基を表し、これらは同一でも異なっていてもよく、R103とR104とは一緒に環を形成してもよい。
    ただし、前記一般式(2)中、R201及びR202は、それぞれ水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、各々同一であっても異なっていてもよく、Xは、ビニレン基、炭素数6〜14の芳香族炭化水素の2価基、又は2,5−チオフェンジイル基を表す。
    ただし、前記一般式(3)中、Ar201及びAr202は、それぞれ炭素数6〜14の芳香族炭化水素の1価基を表し、各々同一であっても異なっていてもよく、Yは、炭素数6〜14の芳香族炭化水素の2価基を表し、R203とR204は、それぞれ水素原子又はメチル基を表し、各々同一であっても異なっていてもよい。
  2. 表面層が、一般式(1)で表されるジアミン化合物を含有し、
    前記一般式(1)で表されるジアミン化合物の含有量が、前記表面層の全固形分に対して、質量比で0.005以上0.05以下である請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 表面層が、一般式(A)で表されるジアミン化合物を含有し、
    前記一般式(A)で表されるジアミン化合物の含有量が、前記表面層の全固形分に対して、質量比で0.005以上0.05以下である請求項1に記載の電子写真感光体。
  4. 表面層が、一般式(B)で表されるジアミン化合物を含有し、
    前記一般式(B)で表されるジアミン化合物の含有量が、前記表面層の全固形分に対して、質量比で0.005以上0.05以下である請求項1に記載の電子写真感光体。
  5. 一般式(1)で表されるジアミン化合物が、下記一般式(4)で表される化合物である請求項1から2のいずれかに記載の電子写真感光体。
    ただし、前記一般式(4)において、A 及びA は、下記(i)炭素数1〜4のアルキル基、(ii)−CH (CH Z、及び(iii)置換基を有してもよいアリール基、より選択される基を表し、各々同一であっても異なっていてもよい。ただし、A 及びA のいずれもが(iii)置換基を有してもよいアリール基であることは除く。
    Zは、アリール基、シクロアルキル基、又はヘテロシクロアルキル基を表し、更に置換基を有してもよい。また、mは0及び1のいずれかの整数を表す。
    Arは置換基を有していてもよいアリーレン基を表す。
  6. 表面層が、少なくとも、電荷輸送機能を有しないラジカル重合性モノマーと、電荷輸送機能を有する下記一般式(5)で表されるラジカル重合性化合物との硬化物である架橋表面層である請求項1から5のいずれかに記載の電子写真感光体。
    ただし、前記一般式(5)中、o、p及びqは、それぞれ0〜2の整数を表す。s及びtは、それぞれ0〜3の整数を表す。Raは、水素原子、又はメチル基を表す。Rb、Rcは、炭素数1〜6のアルキル基を表し、s、tが2又は3の場合、アルキル基同士は異なってもよい。Zaは、単結合、メチレン基、エチレン基、及び下記置換基から選択されるいずれかを表す。
  7. 電子写真感光体と、
    前記電子写真感光体の表面を帯電させる帯電手段と、
    帯電された前記電子写真感光体表面を露光して静電潜像を形成する露光手段と、
    前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、
    前記可視像を記録媒体に転写する転写手段とを少なくとも有する画像形成装置であって、
    前記電子写真感光体が、請求項1から6のいずれかに記載の電子写真感光体であることを特徴とする画像形成装置。
  8. 電子写真感光体と、前記電子写真感光体の表面を帯電させる帯電手段、帯電された前記電子写真感光体表面を露光して静電潜像を形成する露光手段、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段、及び前記可視像を記録媒体に転写する転写手段の少なくともいずれかの手段とを有するプロセスカートリッジであって、
    前記電子写真感光体が、請求項1から6のいずれかに記載の電子写真感光体であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  9. 電子写真感光体の表面を帯電手段で帯電する帯電工程と、帯電された前記電子写真感光体を画像露光手段で露光して電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する露光工程と、前記静電潜像が形成された前記電子写真感光体の表面に現像手段でトナー像を形成する現像工程と、形成された前記トナー像を転写手段で転写媒体へ転写する転写工程を含む画像形成方法であって、
    前記電子写真感光体として、請求項1から6のいずれかに記載の電子写真感光体を用いることを特徴とする画像形成方法。
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