JP2020079902A - 画像形成装置及びプロセスカートリッジ - Google Patents
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Abstract
【課題】感光体の耐久性を維持した構成においても、外添剤の遊離を制御することによって画像流れの発生を抑制することが可能な画像形成装置を提供する。【解決手段】像担持体、像担持体に静電像を形成する潜像形成手段、像担持体に形成された静電像を現像剤で現像する現像剤担持体と、静電像を現像するために現像剤担持体が担持する現像剤を規制する規制部材と、規制部材に規制バイアスを印加する規制バイアス印加手段とを備え、現像剤がトナー粒子、トナー粒子の表面に存在する無機ケイ素微粒子及び金属石鹸を有するトナーを含有し、無機ケイ素微粒子の水洗移行量が0.20質量%以下であり、像担持体の周速度に対する現像剤担持体の周速度の比である周速比の範囲が120%〜300%であり、像担持体の表面の暗部電位Vdと規制バイアスVbとがVd<Vbの関係を満たす画像形成装置。【選択図】図2
Description
本発明は、電子写真画像形成装置に関するものである。ここで、電子写真画像形成装置(以下、単に「画像形成装置」ともいう)とは、電子写真画像形成方式を用いて記録材(記録媒体)に画像を形成するものである。
従来、電子写真方式の画像形成装置において用いられる電子写真感光体(以下、単に「感光体」ともいう。)としては、低価格及び高生産性の利点から、有機感光体が普及している。これは、光導電性物質(電荷発生物質や電荷輸送物質)として有機材料を用いた感光層(有機感光層)が支持体上に設けられて構成される。有機感光体としては、高感度及び材料設計の多様性の利点から、積層型感光層を有する感光体が主流である。これは、光導電性染料や光導電性顔料の電荷発生物質を含有する電荷発生層と、光導電性ポリマーや光導電性低分子化合物の電荷輸送物質を含有する電荷輸送層と、が積層されて構成される。
感光体の表面には、帯電、露光、現像、転写、クリーニングにおいて、電気的外力及び/又は機械的外力が直接加えられるため、感光体には、これら外力に対する耐久性が要求される。具体的には、これら外力による表面の傷や摩耗の発生に対する耐久性、すなわち、耐傷性及び耐摩耗性が要求される。
一般に、有機感光体の表面の耐傷性や耐摩耗性を向上させる技術としては、次に挙げるものなどが知られている。
結着樹脂として硬化性樹脂を用いた硬化層を表面層とした感光体。炭素−炭素二重結合を有するモノマーと炭素−炭素二重結合を有する電荷輸送性モノマーとを熱又は光のエネルギーにより硬化重合させることによって形成される電荷輸送性硬化層を表面層とした感光体。
同一分子内に連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物を電子線のエネルギーにより硬化重合させることによって形成される電荷輸送性硬化層を表面層とした感光体。
さらに近年では、画像形成装置の高速化や長寿命化に対する市場ニーズの高まりから、従来より一層、高耐傷性及び高耐摩耗性を有する感光体が要求されている。この要求に応えるために、感光体表層に耐摩耗性の保護層(Over Coat Layer:OCL)を有する感光体が開発されており、表面層の機械的強度を高める技術が確立されてきている。
しかしながら感光体の摩耗を抑制すると、感光体表面がリフレッシュされにくくなり、特に高湿環境下において、「画像流れ」と呼ばれる静電潜像のボケが生じやすくなる。画像流れの発生原因は次のように考えられている。主に帯電手段によってオゾンやNOxなどの放電生成物が発生し、感光体の表面に付着する。感光体の表面は、表面摩擦係数が低い上に硬いので削れにくく、表面に付着した放電生成物が除去されにくい。そして、感光体の表面に付着した除去されにくい放電生成物が高湿環境下で吸湿して、感光体の表面の電荷保持能力を低下させ、静電潜像のボケを発生させる。
したがって、特に、感光体の硬度が高い場合には、その表面に付着した放電生成物はますます除去されにくくなり、画像流れが生じやすくなる。
このような画像流れ等の、放電生成物に起因する画像不良を防止する方法として、
特許文献1では感光体周囲にヒーターを配置し、消費電力の削減という目的で、感光体を回転駆動させる時に生じるモータの負荷トルクを検出することでヒーターの動作を行うか否かを決定することが提案されている。
しかしながらヒーターを配置してしまうと、画像形成装置の大型化、消費電力の増加につながる。さらに、加熱制御等のダウンタイムが発生し、ユーザビリティが低下する。
特許文献2では、感光体の表面を研磨するための研磨粒子を現像手段内の現像剤中に添
加する方法が提案されている。この方法では、現像手段から感光体を経由して、感光体に当接しているクリーニング手段に研磨粒子を貯めることによって、研磨粒子により感光体の表面を摺擦して放電生成物を除去している。
特許文献3では、アニオン交換性層間化合物であるハイドロタルサイト化合物を現像剤中に含有させ、現像剤担持体から感光体表面にハイドロタルサイト化合物を供給する方法が提案されている。アニオン交換性層間化合物を供給することで低抵抗化の原因となっている放電生成物がアニオン交換性層間化合物のホスト層間に取り込まれるため、放電生成物を失活することができる。
また、特許文献4では、現像剤中に金属石鹸を含有させ、現像剤担持体から感光体表面に金属石鹸を供給する方法が提案されている。この方法では、金属石鹸であるステアリン酸亜鉛を、現像手段を経由して供給し、感光体の表面を被覆して、耐摩耗性を保持しつつ画像流れを抑制している。
感光体の表面には、帯電、露光、現像、転写、クリーニングにおいて、電気的外力及び/又は機械的外力が直接加えられるため、感光体には、これら外力に対する耐久性が要求される。具体的には、これら外力による表面の傷や摩耗の発生に対する耐久性、すなわち、耐傷性及び耐摩耗性が要求される。
一般に、有機感光体の表面の耐傷性や耐摩耗性を向上させる技術としては、次に挙げるものなどが知られている。
結着樹脂として硬化性樹脂を用いた硬化層を表面層とした感光体。炭素−炭素二重結合を有するモノマーと炭素−炭素二重結合を有する電荷輸送性モノマーとを熱又は光のエネルギーにより硬化重合させることによって形成される電荷輸送性硬化層を表面層とした感光体。
同一分子内に連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物を電子線のエネルギーにより硬化重合させることによって形成される電荷輸送性硬化層を表面層とした感光体。
さらに近年では、画像形成装置の高速化や長寿命化に対する市場ニーズの高まりから、従来より一層、高耐傷性及び高耐摩耗性を有する感光体が要求されている。この要求に応えるために、感光体表層に耐摩耗性の保護層(Over Coat Layer:OCL)を有する感光体が開発されており、表面層の機械的強度を高める技術が確立されてきている。
しかしながら感光体の摩耗を抑制すると、感光体表面がリフレッシュされにくくなり、特に高湿環境下において、「画像流れ」と呼ばれる静電潜像のボケが生じやすくなる。画像流れの発生原因は次のように考えられている。主に帯電手段によってオゾンやNOxなどの放電生成物が発生し、感光体の表面に付着する。感光体の表面は、表面摩擦係数が低い上に硬いので削れにくく、表面に付着した放電生成物が除去されにくい。そして、感光体の表面に付着した除去されにくい放電生成物が高湿環境下で吸湿して、感光体の表面の電荷保持能力を低下させ、静電潜像のボケを発生させる。
したがって、特に、感光体の硬度が高い場合には、その表面に付着した放電生成物はますます除去されにくくなり、画像流れが生じやすくなる。
このような画像流れ等の、放電生成物に起因する画像不良を防止する方法として、
特許文献1では感光体周囲にヒーターを配置し、消費電力の削減という目的で、感光体を回転駆動させる時に生じるモータの負荷トルクを検出することでヒーターの動作を行うか否かを決定することが提案されている。
しかしながらヒーターを配置してしまうと、画像形成装置の大型化、消費電力の増加につながる。さらに、加熱制御等のダウンタイムが発生し、ユーザビリティが低下する。
特許文献2では、感光体の表面を研磨するための研磨粒子を現像手段内の現像剤中に添
加する方法が提案されている。この方法では、現像手段から感光体を経由して、感光体に当接しているクリーニング手段に研磨粒子を貯めることによって、研磨粒子により感光体の表面を摺擦して放電生成物を除去している。
特許文献3では、アニオン交換性層間化合物であるハイドロタルサイト化合物を現像剤中に含有させ、現像剤担持体から感光体表面にハイドロタルサイト化合物を供給する方法が提案されている。アニオン交換性層間化合物を供給することで低抵抗化の原因となっている放電生成物がアニオン交換性層間化合物のホスト層間に取り込まれるため、放電生成物を失活することができる。
また、特許文献4では、現像剤中に金属石鹸を含有させ、現像剤担持体から感光体表面に金属石鹸を供給する方法が提案されている。この方法では、金属石鹸であるステアリン酸亜鉛を、現像手段を経由して供給し、感光体の表面を被覆して、耐摩耗性を保持しつつ画像流れを抑制している。
しかしながら、特許文献2、特許文献3、及び特許文献4のように外添剤を使用する構成においては、現像装置の使用にともない、外添剤が遊離し現像装置の寿命を通じて、画像流れの抑制をすることが困難であった。
したがって、本発明の目的は、感光体の耐久性を維持した構成においても、外添剤の遊離を制御することによって画像流れの発生を抑制することが可能な画像形成装置を提供することである。
したがって、本発明の目的は、感光体の耐久性を維持した構成においても、外添剤の遊離を制御することによって画像流れの発生を抑制することが可能な画像形成装置を提供することである。
上記目的を達成するため、本発明における画像形成装置は、
像担持体と、
前記像担持体の表面に明部電位と暗部電位とを形成することにより、前記像担持体に静電像を形成する潜像形成手段と、
前記像担持体に当接し、前記像担持体に形成された静電像を現像剤で現像する現像剤担持体と、
前記静電像を現像するために前記現像剤担持体が担持する現像剤を規制する規制部材と、
前記規制部材に規制バイアスを印加する規制バイアス印加手段と
を備え、
前記現像剤が、
トナー粒子、前記トナー粒子の表面に存在する無機ケイ素微粒子、及び、金属石鹸を有するトナーを含有し、
前記無機ケイ素微粒子の水洗移行量が、0.20質量%以下であり、
前記像担持体の周速度に対する前記現像剤担持体の周速度の比である周速比の範囲が、120%〜300%であり、
前記像担持体の表面の暗部電位Vdと前記規制バイアスVbとがVd<Vbの関係を満たすことを特徴とする。
また、上記目的を達成するため、本発明における画像形成装置は、
像担持体と、
前記像担持体の表面に明部電位と暗部電位とを形成することにより、前記像担持体に静電像を形成する潜像形成手段と、
前記像担持体に当接し、前記像担持体に形成された静電像を現像剤で現像する現像剤担持体と、
前記静電像を現像するために前記現像剤担持体が担持する現像剤を規制する規制部材と、
前記規制部材に規制バイアスを印加する規制バイアス印加手段と
を備え、
前記現像剤が、
トナー粒子、前記トナー粒子の表面を被覆する有機ケイ素重合体、及び、金属石鹸を有するトナーを含有し、
前記有機ケイ素重合体の水洗移行量が、0.20質量%以下であり、
前記トナーは、最大荷重2.0×10−4Nの条件で測定した時のマルテンス硬度が、200MPa以上1100MPa以下であり、
前記像担持体の周速度に対する前記現像剤担持体の周速度の比である周速比の範囲が、120%〜300%であり、
前記像担持体の表面の暗部電位Vdと前記規制バイアスVbとがVd<Vbの関係を満たすことを特徴とする。
また、上記目的を達成するため、本発明におけるプロセスカートリッジは、
本発明の現像装置を含む、画像形成装置本体に着脱自在であることを特徴とする。
像担持体と、
前記像担持体の表面に明部電位と暗部電位とを形成することにより、前記像担持体に静電像を形成する潜像形成手段と、
前記像担持体に当接し、前記像担持体に形成された静電像を現像剤で現像する現像剤担持体と、
前記静電像を現像するために前記現像剤担持体が担持する現像剤を規制する規制部材と、
前記規制部材に規制バイアスを印加する規制バイアス印加手段と
を備え、
前記現像剤が、
トナー粒子、前記トナー粒子の表面に存在する無機ケイ素微粒子、及び、金属石鹸を有するトナーを含有し、
前記無機ケイ素微粒子の水洗移行量が、0.20質量%以下であり、
前記像担持体の周速度に対する前記現像剤担持体の周速度の比である周速比の範囲が、120%〜300%であり、
前記像担持体の表面の暗部電位Vdと前記規制バイアスVbとがVd<Vbの関係を満たすことを特徴とする。
また、上記目的を達成するため、本発明における画像形成装置は、
像担持体と、
前記像担持体の表面に明部電位と暗部電位とを形成することにより、前記像担持体に静電像を形成する潜像形成手段と、
前記像担持体に当接し、前記像担持体に形成された静電像を現像剤で現像する現像剤担持体と、
前記静電像を現像するために前記現像剤担持体が担持する現像剤を規制する規制部材と、
前記規制部材に規制バイアスを印加する規制バイアス印加手段と
を備え、
前記現像剤が、
トナー粒子、前記トナー粒子の表面を被覆する有機ケイ素重合体、及び、金属石鹸を有するトナーを含有し、
前記有機ケイ素重合体の水洗移行量が、0.20質量%以下であり、
前記トナーは、最大荷重2.0×10−4Nの条件で測定した時のマルテンス硬度が、200MPa以上1100MPa以下であり、
前記像担持体の周速度に対する前記現像剤担持体の周速度の比である周速比の範囲が、120%〜300%であり、
前記像担持体の表面の暗部電位Vdと前記規制バイアスVbとがVd<Vbの関係を満たすことを特徴とする。
また、上記目的を達成するため、本発明におけるプロセスカートリッジは、
本発明の現像装置を含む、画像形成装置本体に着脱自在であることを特徴とする。
本発明によれば、感光体の耐久性を維持しつつ、本体サイズ・消費電力・ダウンタイムの増加をすることなく、簡易な構成、制御によって、画像流れの発生を抑制することが可能な画像形成装置を提供することができる。
本発明において、数値範囲を表す「○○以上××以下」や「○○〜××」の記載は、特に断りのない限り、端点である下限及び上限を含む数値範囲を意味する。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態又は実施例を例示的に詳しく説明する。ただし、該実施形態又は実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対位置等は、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるから、特に特定的な記載が無い限りは、発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態又は実施例を例示的に詳しく説明する。ただし、該実施形態又は実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対位置等は、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるから、特に特定的な記載が無い限りは、発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
[実施形態]
<画像形成装置の全体的な概略構成>
図1を参照して、本発明の実施形態に係る電子写真画像形成装置(画像形成装置)の全
体構成について説明する。図1は、本発明を実施するための形態(実施形態)の画像形成装置100の概略断面図である。実施形態の画像形成装置100は、インライン方式、中間転写方式を採用したフルカラーレーザプリンタである。画像形成装置100は、画像情報に従って、記録材(例えば、記録用紙、プラスチックシート、布など)にフルカラー画像を形成することができる。画像情報は、画像形成装置本体100Aに接続された画像読み取り装置、或いは、画像形成装置本体100Aに通信可能に接続されたパーンナルコンピュータ等のホスト機器から、エンジンコントローラ50に備えられたCPU51に入力される。
<画像形成装置の全体的な概略構成>
図1を参照して、本発明の実施形態に係る電子写真画像形成装置(画像形成装置)の全
体構成について説明する。図1は、本発明を実施するための形態(実施形態)の画像形成装置100の概略断面図である。実施形態の画像形成装置100は、インライン方式、中間転写方式を採用したフルカラーレーザプリンタである。画像形成装置100は、画像情報に従って、記録材(例えば、記録用紙、プラスチックシート、布など)にフルカラー画像を形成することができる。画像情報は、画像形成装置本体100Aに接続された画像読み取り装置、或いは、画像形成装置本体100Aに通信可能に接続されたパーンナルコンピュータ等のホスト機器から、エンジンコントローラ50に備えられたCPU51に入力される。
画像形成装置100は、複数の画像形成部として、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の画像を形成するための第1、第2、第3、第4の画像形成部SY、SM、SC、SKを有する。本実施形態では、第1〜第4の画像形成部SY、SM、SC、SKは、鉛直方向と交差する方向に一列に配置されている。尚、実施形態では、第1〜第4の画像形成部SY、SM、SC、SKの構成及び動作は、形成する画像の色が異なることを除いて実質的に同じである。従って、以下、特に区別を要しない場合は、いずれかの色用に設けられた要素であることを表すために符号に与えた添え字Y、M、C、Kは省略して、総括的に説明する。
実施形態では、画像形成装置100は、複数の像担持体として、鉛直方向と交差する方向に並設された4個のドラム型の電子写真感光体、即ち、感光ドラム1を有する。感光ドラム1は、図示矢印A方向(時計方向)に駆動手段(駆動源)により回転駆動される。感光ドラム1の周囲には、感光ドラム1の表面を均―に帯電する帯電手段としての帯電ローラ2、画像情報に基づきレーザを照射して感光ドラム1上に静電像(静電潜像)を形成する露光手段としてのスキャナユニット(露光装置)3が配置されている。また、感光ドラム1の周囲には、静電像をトナー像(現像剤像)に現像する現像手段としての現像ユニット(現像装置)4、転写後の感光ドラム1の表面に残ったトナー(転写残トナー)を除去するクリーニング手段としてのクリーニング部材6が配置されている。さらに、4個の感光ドラム1に対向して、感光ドラム1上のトナー像を記録材12に転写するための中間転写体としての中間転写ベルト5が配置されている。
なお、実施形態では、現像ユニット4は、現像剤としてマイナスに帯電極性をもつ非磁性一成分現像剤のトナーを用いる。また、実施形態では、現像ユニット4は、現像剤担持体としての現像ローラ(後述)を感光ドラム1に対して接触させて反転現像を行うものである。即ち、本実施形態では、現像ユニット4は、感光ドラム1の帯電極性と同極性(本実施形態では負極性)に帯電したトナーを、感光ドラム1上の露光により電荷が減衰した部分(画像部、露光部)に付着させることで静電像を現像する。
実施形態では、感光ドラム1と、感光ドラム1に作用するプロセス手段としての帯電ローラ2、現像ユニット4及びクリーニング部材6とは、一体化され、即ち、一体的にカートリッジ化されて、プロセスカートリッジ7を形成している。プロセスカートリッジ7は、画像形成装置本体100Aに設けられた装着ガイド、位置決め部材などの装着手段を介して、画像形成装置100に着脱可能(着脱自在)となっている。本実施形態では、各色用のプロセスカートリッジ7は、全て同一形状を有しており、各色用のプロセスカートリッジ7内には、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナーが収容されている。
実施形態では、感光ドラム1と、感光ドラム1に作用するプロセス手段としての帯電ローラ2、現像ユニット4及びクリーニング部材6とは、一体化され、即ち、一体的にカートリッジ化されて、プロセスカートリッジ7を形成している。プロセスカートリッジ7は、画像形成装置本体100Aに設けられた装着ガイド、位置決め部材などの装着手段を介して、画像形成装置100に着脱可能(着脱自在)となっている。本実施形態では、各色用のプロセスカートリッジ7は、全て同一形状を有しており、各色用のプロセスカートリッジ7内には、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナーが収容されている。
中間転写体としての無端状のベルトで形成された中間転写ベルト5は、全ての感光ドラム1に当接し、図示矢印B方向(反時計方向)に循環移動(回転)する。中間転写ベルト5は、複数の支持部材として、駆動ローラ51、二次転写対向ローラ52、従動ローラ53に掛け渡されている。
中間転写ベルト5の内周面側には、各感光ドラム1に対向するように、一次転写手段としての、4個の一次転写ローラ8が並設されている。一次転写ローラ8は、中間転写ベルト5を感光ドラム1に向けて押圧し、中間転写ベルト5と感光ドラム1とが当接する一次転写部N1を形成する。そして、一次転写ローラ8に、一次転写バイアス印加手段としての一次転写バイアス電源(高圧電源)から、トナーの正規の帯電極性とは逆極性のバイアスが印加される。これによって、感光ドラム1上のトナー像が中間転写ベルト5上に転写(一次転写)される。
また、中間転写ベルト5の外周面側において二次転写対向ローラ52に対向する位置には、二次転写手段としての二次転写ローラ9が配置されている。二次転写ローラ9は、中間転写ベルト5を介して二次転写対向ローラ52に圧接し、中間転写ベルト5と二次転写ローラ9とが当接する二次転写部N2を形成する。そして、二次転写ローラ9に、二次転写バイアス印加手段としての二次転写バイアス電源(高圧電源)から、トナーの正規の帯電極性とは逆極性のバイアスが印加される。これによって、中間転写ベルト5上のトナー像が記録材12に転写(二次転写)される。
さらに説明すれば、画像形成時には、先ず、感光ドラム1の表面が帯電ローラ2によって一様に帯電される。次いで、スキャナユニット3から発された画像情報に応じたレーザ光によって、帯電した感光ドラム1の表面が走査露光され、感光ドラム1上に画像情報に従った静電像が形成される。次いで、感光ドラム1上に形成された静電像は、現像ユニット4によってトナー像として現像される。感光ドラム1上に形成されたトナー像は、一次転写ローラ8の作用によって中間転写ベルト5上に転写(一次転写)される。
例えば、フルカラー画像の形成時には、上述のプロセスが、第1〜第4の画像形成部SY、SM、SC、SKにおいて順次に行われ、中間転写ベルト5上に各色のトナー像が次に重ね合わせて一次転写される。その後、中間転写ベルト5の移動と同期が取られて記録材12が二次転写部N2へと搬送される。中間転写ベルト5上の4色トナー像は、記録材12を介して中間転写ベルト5に当接している二次転写ローラ9の作用によって、一括して記録材12上に二次転写される。トナー像が転写された記録材12は、定着手段としての定着装置10に搬送される。定着装置10において記録材12に熱及び圧力を加えられることで、記録材12にトナー像が定着される。トナー像が定着された記録材12は、定着装置10からさらに下流に搬送され、機外に排紙される。
一次転写工程後に感光ドラム1上に残留した一次転写残トナーは、クリーニング部材6によって除去、回収される。また、二次転写工程後に中間転写ベルト5上に残留した二次転写残トナーは、中間転写ベルトクリーニング装置11によって清掃される。なお、画像形成装置100は、所望の一つの画像形成部のみを用いて、又は、幾つか(全てではない)の画像形成部のみを用いて、単色又はマルチカラーの画像を形成することもできるようになっている。
<プロセスカートリッジの概略構成>
図2を参照して、本実施形態の画像形成装置100に装着されるプロセスカートリッジ7の全体構成について説明する。本実施形態では、収容しているトナーの種類(色)を除いて、各色用のプロセスカートリッジ7の構成及び動作は実質的に同一である。図2は、感光ドラム1の長手方向(回転軸線方向)に沿って見た本実施例のプロセスカートリッジ7の概略断面(主断面)図である。図2のプロセスカートリッジ7の姿勢は、画像形成装置本体に装着された状態での姿勢(使用時の姿勢)であり、以下でプロセスカートリッジの各部材の位置関係や方向等について記載する場合はこの姿勢における位置関係や方向等を示している。すなわち、図2における紙面の上下方向が鉛直方向に対応し、紙面の左右方向が水平方向に対応する。なお、この配置構成の設定は、画像形成装置が、通常の設置
状態として、水平面に設置されることを前提とした設定である。
図2を参照して、本実施形態の画像形成装置100に装着されるプロセスカートリッジ7の全体構成について説明する。本実施形態では、収容しているトナーの種類(色)を除いて、各色用のプロセスカートリッジ7の構成及び動作は実質的に同一である。図2は、感光ドラム1の長手方向(回転軸線方向)に沿って見た本実施例のプロセスカートリッジ7の概略断面(主断面)図である。図2のプロセスカートリッジ7の姿勢は、画像形成装置本体に装着された状態での姿勢(使用時の姿勢)であり、以下でプロセスカートリッジの各部材の位置関係や方向等について記載する場合はこの姿勢における位置関係や方向等を示している。すなわち、図2における紙面の上下方向が鉛直方向に対応し、紙面の左右方向が水平方向に対応する。なお、この配置構成の設定は、画像形成装置が、通常の設置
状態として、水平面に設置されることを前提とした設定である。
プロセスカートリッジ7は、感光ドラム1等を備えた感光体ユニット13と、現像ローラ17等を備えた現像ユニット4とを一体化して構成される。感光体ユニット13は、感光体ユニット13内の各種要素を支持する枠体としてのクリーニング枠体14を有する。クリーニング枠体14には、感光ドラム1が図示しない軸受を介して回転可能に取り付けられている。感光ドラム1は、駆動手段(駆動源)としての駆動モータの駆動力が感光体ユニット13に伝達されることで、画像形成動作に応じて図示矢印A方向(時計方向)に回転駆動される。また、感光体ユニット13には、感光ドラム1の周面上に接触するように、クリーニング部材6、帯電ローラ2が配置されている。クリーニング部材6によって感光ドラム1の表面から除去された転写残トナーは、クリーニング枠体14内に落下、収容される。
帯電手段である帯電ローラ2は、導電性ゴムのローラ部を感光ドラム1に加圧接触することで従動回転する。
ここで、帯電ローラ2の芯金には、帯電工程として、帯電バイアス印加手段(帯電電圧印加部)としての帯電バイアス電源(高圧電源)63から帯電バイアスとして所定の電圧が印加される。これにより、感光ドラム1に対して所定の直流電圧が印加され、感光ドラム1の表面には、一様な暗部電位(Vd)が形成される。前述のスキャナユニット3からのレーザ光によって画像データに対応して発光されるレーザ光のスポットパターンは、感光ドラム1を露光し、露光された部位は、キャリア発生層からのキャリアにより表面の電荷が消失し、電位が低下する。この結果、露光部位は所定の明部電位(Vl)、未露光部位は所定の暗部電位(Vd)の静電潜像が、感光ドラム1上に形成される。本発明では、Vd=−500V、Vl=−100Vとしている。本実施形態において、静電潜像(現像コントラスト)の形成にかかわる構成、すなわち帯電ローラ2、帯電バイアス電源63、スキャナユニット3等が本発明の潜像形成手段に相当する。
ここで、帯電ローラ2の芯金には、帯電工程として、帯電バイアス印加手段(帯電電圧印加部)としての帯電バイアス電源(高圧電源)63から帯電バイアスとして所定の電圧が印加される。これにより、感光ドラム1に対して所定の直流電圧が印加され、感光ドラム1の表面には、一様な暗部電位(Vd)が形成される。前述のスキャナユニット3からのレーザ光によって画像データに対応して発光されるレーザ光のスポットパターンは、感光ドラム1を露光し、露光された部位は、キャリア発生層からのキャリアにより表面の電荷が消失し、電位が低下する。この結果、露光部位は所定の明部電位(Vl)、未露光部位は所定の暗部電位(Vd)の静電潜像が、感光ドラム1上に形成される。本発明では、Vd=−500V、Vl=−100Vとしている。本実施形態において、静電潜像(現像コントラスト)の形成にかかわる構成、すなわち帯電ローラ2、帯電バイアス電源63、スキャナユニット3等が本発明の潜像形成手段に相当する。
一方、現像ユニット4は、現像ローラ17と、現像ブレード21と、トナー供給ローラ20と、攪拌搬送部材22と、を備える。現像ローラ17は、現像剤担持体として、トナー40を担持する。現像ブレード21は、規制部材として、現像ローラ17に担持されるトナー40(の層厚)を規制する。トナー供給ローラ20は、現像剤供給部材として、現像ローラ17にトナー40を供給する。攪拌搬送部材22は、搬送部材として、トナー40をトナー供給ローラ20へ搬送する。現像ユニット4は、現像ローラ17、トナー供給ローラ20、撹拌搬送部材22がそれぞれ回転可能に組み付けられる現像枠体(現像容器)18を備える。現像枠体18は、撹拌搬送部材22が配置されるトナー収容室18aと、現像ローラ17及びトナー供給ローラ20が配置される現像室18bと、トナー収容室18aと現像室18bとをトナー40の移動が可能なように互いに連通する連通口18cと、を有する。連通口18cは、トナー収容室18aと現像室18bとを仕切る仕切壁部18d(18d1〜18d3)に設けられている。なお、規制部材の材質はステンレス鋼であることが好ましい。
仕切壁部18dは、現像枠体18の内部空間をトナー収容室18aと現像室18bとに区画する。仕切壁部18dは、現像枠体18内部空間を、連通口18c上方で仕切る第1壁部18d1と、連通口18c下方で仕切る第2壁部18d2と、第2壁部18d2に連なり、トナー供給ローラ20、現像ローラ17の下方で仕切る第3壁部18d3と、を有する。第1壁部18d1、第2壁部18d2は、連通口18cのトナー収容室18aから現像室18bに向かう開口方向が水平方向よりも上方に向くように、鉛直方向に対して傾斜した方向に延びている。連通口18cは、仕切壁部18dにおけるトナー供給ローラ20に対して現像ローラ17とは反対側の領域において、現像室18bにおけるトナー供給ローラ20よりも上方の空間と対向するように開口している。これにより、現像室18b
の内部空間が上方に向かうほど水平方向に広がるとともに、トナー収容室18aの下方から上方に向かって攪拌搬送部材22に汲み上げられるトナー40を連通口18cが受け入れやすいように構成される。第3壁部18d3は、第2壁部18d2の下端からトナー供給ローラ20、現像ローラ17の下方を略水平方向に延びている。第3壁部18d3は、第2壁部18d2とともに、連通口18cを通過したトナー40のうち、トナー供給ローラ20や現像ローラ17からこぼれ落ちたトナー40を受けとめるような構成(トナー40の貯留槽)を形成している。この第2壁部18d2、第3壁部18d3からなる構成は、長手方向(現像ローラ17またはトナー供給ローラ20の回転軸線に沿った方向)において現像枠体18の一方の側面から他方の側面にわたって形成されている。
の内部空間が上方に向かうほど水平方向に広がるとともに、トナー収容室18aの下方から上方に向かって攪拌搬送部材22に汲み上げられるトナー40を連通口18cが受け入れやすいように構成される。第3壁部18d3は、第2壁部18d2の下端からトナー供給ローラ20、現像ローラ17の下方を略水平方向に延びている。第3壁部18d3は、第2壁部18d2とともに、連通口18cを通過したトナー40のうち、トナー供給ローラ20や現像ローラ17からこぼれ落ちたトナー40を受けとめるような構成(トナー40の貯留槽)を形成している。この第2壁部18d2、第3壁部18d3からなる構成は、長手方向(現像ローラ17またはトナー供給ローラ20の回転軸線に沿った方向)において現像枠体18の一方の側面から他方の側面にわたって形成されている。
ここで、現像室18bの内部空間は、ニップ部Nよりも上方においてトナー供給ローラ20及び現像ローラ17の周面と現像室18bの内壁面とが互いに対向する開放された空間領域が形成されている。この空間領域は、トナー供給ローラ20及び現像ローラ17の周面のうちニップ部Nよりも上方の領域と、これらに対向する現像室18bの内壁面と、現像室18bの長手方向両側面と、によって囲まれる。
現像室18bの内部空間のニップ部Nよりも下方においては、トナー供給ローラ20、現像ローラ17及び現像ブレード21と、第2壁部18d2及び第3壁部18d3と、が所定の隙間で互いに対向する狭小の空間領域が形成されている。この空間領域は、第2壁部18d2及び第3壁部18d3と、これらに対向するトナー供給ローラ20及び現像ローラ17の周面領域と、現像ブレード21と、現像室18bの長手方向両側面と、によって囲まれる。
現像室18bの内部空間のニップ部Nよりも下方においては、トナー供給ローラ20、現像ローラ17及び現像ブレード21と、第2壁部18d2及び第3壁部18d3と、が所定の隙間で互いに対向する狭小の空間領域が形成されている。この空間領域は、第2壁部18d2及び第3壁部18d3と、これらに対向するトナー供給ローラ20及び現像ローラ17の周面領域と、現像ブレード21と、現像室18bの長手方向両側面と、によって囲まれる。
図6を参照して、本実施例の現像室18b内の各部材の配置構成の詳細を説明する。図6は、本実施例に係る現像装置における各部材の配置関係を説明する模式的断面図である。
本実施例においては、(i)現像室18bとトナー収容室18aとを隔てている連通口18cの上端(第1壁部18d1における連通口18cとの境目)は、トナー供給ローラ20上端に対して上方に配置した。すなわち、図6に示すように、連通口18cの上端を通る水平線h1は、トナー供給ローラ20の上端を通る水平線h2よりも上方に位置している。
また、(ii)ニップ部Nの中心(高さ方向における中央部、又はトナー供給ローラ20と現像ローラ17の回転中心を結ぶ線と交わる位置)は、連通口18c下端に対して上方に、ニップ部Nの下端は、連通口18c下端に対して下方に配置した。すなわち、図6に示すように、ニップ部Nの中心を通る水平線h4は、連通口18cの下端(第2壁部18d2の上端(第2壁部18d2における連通口18cとの境目))を通る水平線h5よりも上方に位置している。また、ニップ部Nの下端を通る水平線h6は、連通口18cの下端を通る水平線h5よりも下方に位置している。
また、(iii)連通口18c下端(第2壁部18d2の上端)は、現像ブレード21と現像ローラ17との当接位置21cの現像ローラ17回転方向上流側の端部21bに対して上方に配置した。すなわち、図6に示すように、連通口18cの下端(第2壁部18d2の上端)を通る水平線h5は、現像ブレード21の現像ローラ17との当接位置21cを通る水平線h7よりも上方に位置している。
(iv)連通口18cの下端は、トナー供給ローラ20の下端よりも上方に配置した。すなわち、図6に示すように、連通口18cの下端(第2壁部18d2の上端)を通る水平線h5は、トナー供給ローラ20の下端を通る水平線h8よりも上方に位置している。
本実施例においては、(i)現像室18bとトナー収容室18aとを隔てている連通口18cの上端(第1壁部18d1における連通口18cとの境目)は、トナー供給ローラ20上端に対して上方に配置した。すなわち、図6に示すように、連通口18cの上端を通る水平線h1は、トナー供給ローラ20の上端を通る水平線h2よりも上方に位置している。
また、(ii)ニップ部Nの中心(高さ方向における中央部、又はトナー供給ローラ20と現像ローラ17の回転中心を結ぶ線と交わる位置)は、連通口18c下端に対して上方に、ニップ部Nの下端は、連通口18c下端に対して下方に配置した。すなわち、図6に示すように、ニップ部Nの中心を通る水平線h4は、連通口18cの下端(第2壁部18d2の上端(第2壁部18d2における連通口18cとの境目))を通る水平線h5よりも上方に位置している。また、ニップ部Nの下端を通る水平線h6は、連通口18cの下端を通る水平線h5よりも下方に位置している。
また、(iii)連通口18c下端(第2壁部18d2の上端)は、現像ブレード21と現像ローラ17との当接位置21cの現像ローラ17回転方向上流側の端部21bに対して上方に配置した。すなわち、図6に示すように、連通口18cの下端(第2壁部18d2の上端)を通る水平線h5は、現像ブレード21の現像ローラ17との当接位置21cを通る水平線h7よりも上方に位置している。
(iv)連通口18cの下端は、トナー供給ローラ20の下端よりも上方に配置した。すなわち、図6に示すように、連通口18cの下端(第2壁部18d2の上端)を通る水平線h5は、トナー供給ローラ20の下端を通る水平線h8よりも上方に位置している。
以下に、(i)〜(iv)の配置構成の作用効果について説明する。
(i)連通口18c上端とトナー供給ローラ20上端の配置関係
前述したようにトナー供給ローラ20への主なトナー供給は、攪拌搬送部材22によりトナー40が汲み上げられ、ニップ部Nの上方の空間に直接供給されることで行われる。
本実施例では連通口18cの上端がトナー供給ローラ20の上端よりも上方に配置されているため、トナー供給ローラ20を乗り越えてニップ部Nの上方(第1の空間)のトナー供給ローラ20の吸い込み口にトナー40を供給することができる。連通口18cの上端がトナー供給ローラ20の上端よりも下方に配置されている場合には、連通口18cの上端がトナー供給経路を塞ぐため、攪拌搬送部材22により直接、ニップ部Nの上方の空間にトナー供給することが困難となる。
(ii)ニップ部Nの中心(高さ方向における中央部)と連通口18c下端の配置関係
連通口18cの下端がニップ部Nの中心位置(高さ方向における中央部の高さ)よりも上方では、現像室18b内において第2壁部18d2、第3壁部18d3によって受け止められるトナー剤面の高さがニップ部Nの中心を超える。このような配置ではニップ部Nにトナー40が侵入しやすくなり、現像動作後に現像ローラ17上に残ったトナー40に対するトナー供給ローラ20の機械的剥ぎ取り力が弱くなって、剥ぎ取り不足に起因する現像スジが発生しやすくなった。そのため連通口18cの下端の位置は、少なくともニップ部Nの上端よりも下方に設けることが必要である。すなわち、図6に示すように、連通口18c下端を通る水平線h5が、ニップ部N上端を通る水平線h3よりも下方に位置するように構成する。さらに、連通口18cの下端を、ニップ部Nの中心位置よりも下方に配置することで、トナー供給ローラ20の剥ぎ取り性能を向上させることができるため望ましい。
(iii)連通口18c下端と現像ブレード21先端部との配置関係
連通口18cの下端を、現像ブレード21と現像ローラ17との当接位置21cの現像ローラ17の回転方向上流側の端部21bに対して、同じ位置、乃至は上方に配置する。こうすることで、現像ブレード21で規制された余剰のトナー40が、第2壁部18d2、第3壁部18d3とトナー供給ローラ20との間の狭小空間に絶え間なく供給される。こうすることで、上記狭小空間でのトナー40の圧密度がより高まり、狭小空間からのトナー供給ローラ20へのトナー供給と、狭小空間から連通口18c下端の壁を乗り越えてトナー収容室18aに戻るトナー40の流れと、を形成することができる。
(iv)連通口18cの下端とトナー供給ローラ20との配置関係
また、本実施例の構成において、連通口18cの下端はトナー供給ローラ20の下端よりも上方に配置した。こうすることで上記狭小空間からトナー収容室18aに戻るトナー量を適正量に制御することができ、それにより狭小空間に適切な圧密空間を形成することができる。
(i)連通口18c上端とトナー供給ローラ20上端の配置関係
前述したようにトナー供給ローラ20への主なトナー供給は、攪拌搬送部材22によりトナー40が汲み上げられ、ニップ部Nの上方の空間に直接供給されることで行われる。
本実施例では連通口18cの上端がトナー供給ローラ20の上端よりも上方に配置されているため、トナー供給ローラ20を乗り越えてニップ部Nの上方(第1の空間)のトナー供給ローラ20の吸い込み口にトナー40を供給することができる。連通口18cの上端がトナー供給ローラ20の上端よりも下方に配置されている場合には、連通口18cの上端がトナー供給経路を塞ぐため、攪拌搬送部材22により直接、ニップ部Nの上方の空間にトナー供給することが困難となる。
(ii)ニップ部Nの中心(高さ方向における中央部)と連通口18c下端の配置関係
連通口18cの下端がニップ部Nの中心位置(高さ方向における中央部の高さ)よりも上方では、現像室18b内において第2壁部18d2、第3壁部18d3によって受け止められるトナー剤面の高さがニップ部Nの中心を超える。このような配置ではニップ部Nにトナー40が侵入しやすくなり、現像動作後に現像ローラ17上に残ったトナー40に対するトナー供給ローラ20の機械的剥ぎ取り力が弱くなって、剥ぎ取り不足に起因する現像スジが発生しやすくなった。そのため連通口18cの下端の位置は、少なくともニップ部Nの上端よりも下方に設けることが必要である。すなわち、図6に示すように、連通口18c下端を通る水平線h5が、ニップ部N上端を通る水平線h3よりも下方に位置するように構成する。さらに、連通口18cの下端を、ニップ部Nの中心位置よりも下方に配置することで、トナー供給ローラ20の剥ぎ取り性能を向上させることができるため望ましい。
(iii)連通口18c下端と現像ブレード21先端部との配置関係
連通口18cの下端を、現像ブレード21と現像ローラ17との当接位置21cの現像ローラ17の回転方向上流側の端部21bに対して、同じ位置、乃至は上方に配置する。こうすることで、現像ブレード21で規制された余剰のトナー40が、第2壁部18d2、第3壁部18d3とトナー供給ローラ20との間の狭小空間に絶え間なく供給される。こうすることで、上記狭小空間でのトナー40の圧密度がより高まり、狭小空間からのトナー供給ローラ20へのトナー供給と、狭小空間から連通口18c下端の壁を乗り越えてトナー収容室18aに戻るトナー40の流れと、を形成することができる。
(iv)連通口18cの下端とトナー供給ローラ20との配置関係
また、本実施例の構成において、連通口18cの下端はトナー供給ローラ20の下端よりも上方に配置した。こうすることで上記狭小空間からトナー収容室18aに戻るトナー量を適正量に制御することができ、それにより狭小空間に適切な圧密空間を形成することができる。
現像室18bは、トナー40を現像枠体18外部へ運び出すための開口部として現像開口が設けられており、その現像開口を塞ぐような配置で現像ローラ17が現像枠体18に回転可能に組み付けられている。すなわち、現像枠体18に収容されたトナー40は、回転する現像ローラ17に担持搬送されることで現像開口を通過して現像枠体18の外部へ移動し、感光ドラム1の静電潜像の現像に供されることになる。その際、現像枠体18外部へ運び出されるトナー量は、現像ブレード21によって規制、調整されることになる。トナー収容室18aは、現像室18bよりも重力方向下方に位置する。現像ブレード21が現像ローラ17に当接する位置は、現像ローラ17の回転中心よりも下方、かつ水平方向において現像ローラ17の回転中心とトナー供給ローラ20の回転中心との間に位置する。
図2に示すように、トナー収容室18aにおいて、トナー40が、例えば攪拌搬送部材22の攪拌等により宙を舞った状態ではなく、静的に堆積した状態で主として留まる領域であるトナー収容部(現像剤収容部)18eは、トナー収容室18aの下方領域となる。本実施例では、トナー収容室18aのトナー収容部18eがトナー供給ローラ20よりも重力方向(鉛直方向)下方に位置している。
攪拌搬送部材22は、トナー収容室18内に収容されたトナーを攪拌すると共に、トナ
ー供給ローラ20の上部に向けて図2中矢印G方向にトナーを搬送するためのものでもある。本実施形態において、撹拌搬送部材は60rpm(revolutions per
minute:一分(単位時間)あたりの回転数を表す)で駆動回転している。
ー供給ローラ20の上部に向けて図2中矢印G方向にトナーを搬送するためのものでもある。本実施形態において、撹拌搬送部材は60rpm(revolutions per
minute:一分(単位時間)あたりの回転数を表す)で駆動回転している。
現像ローラ17と感光ドラム1とは、それぞれの回転方向が逆方向となっている。すなわち、両者の対向部において各々の表面が同方向(本実施形態では下から上に向かう方向)に移動するようにそれぞれ回転する。なお、本実施例では、現像ローラ17は、感光ドラム1に接触して配置されているが、現像ローラ17は、感光ドラム1に対して所定間隔を開けて近接配置される構成であってもよい。
現像ローラ17には、現像バイアス印加手段(現像電圧印加部)としての現像バイアス電源(高圧電源)62から、感光ドラム1上の静電潜像をトナー像(現像剤像)として現像、可視化するのに十分な所定のDCバイアス(現像バイアス)が印加される。現像ローラ17に印加された現像バイアスによって、摩擦帯電によりマイナスに帯電したトナーが、感光ドラム1に接触する現像ニップ部で、現像バイアスとの電位差から、明部電位部にのみ転移して静電潜像を顕像化する。本実施形態では現像バイアスを−300Vとした。明部電位部との電位差ΔV=200Vを形成し、トナー像を形成している。
トナー供給ローラ20と現像ローラ17とは、各々の表面がニップ部Nの上端から下端に移動するように夫々回転している。すなわち、トナー供給ローラ20は図示矢印E方向(時計回り方向)に、現像ローラ17は矢印D方向(反時計回り方向)に回転している。トナー供給ローラ20は、導電性芯金の外周に発泡体層を形成した弾性スポンジローラである。トナー供給ローラ20と現像ローラ17は所定の侵入量(凹み量)△Eを持って接触している。なお、上記各々の表面が逆方向に移動するように、トナー供給ローラ20と現像ローラ17のそれぞれの回転方向が同方向となる構成としてもよい。
ここで、侵入量ΔEは、図6に示すように、現像ローラ17あるいはトナー供給ローラ20の回転軸方向に見て、接触による変形を生じていない状態の現像ローラ17とトナー供給ローラ20を仮想的に重ねたときの両者の重なり量として規定される。具体的には、図6に示すように、上記回転軸方向に見て、トナー供給ローラ20に対して最も入り込んだ現像ローラ17外周上の1点と、現像ローラ17に対して最も入り込んだトナー供給ローラ20外周上の1点と、を結んだ線分の長さが、侵入量ΔEとなる。あるいは、上記回転軸方向に見て、上記仮想的に重ねたトナー供給ローラ20と現像ローラ17の重なり部において、トナー供給ローラ20と現像ローラ17の回転中心を結ぶ線と交わる線分領域の長さが、侵入量ΔEとなる。
トナー供給ローラ20と現像ローラ17とは、ニップ部Nにおいて互いに同方向に周速差を持って回転しており、この動作により、トナー供給ローラ20による現像ローラ17へのトナー供給を行っている。その際、トナー供給ローラ20に供給バイアス印加手段(供給電圧印加部)としての供給バイアス電源(高圧電源)60から所定の供給バイアス(Vr)をかけることで、トナー供給ローラ20と現像ローラ17との電位差(ΔVr)を調整することができる。この電位差の調整により、現像ローラ17へのトナー供給量を調整することができる。
尚、本実施形態においては、現像ローラ17、トナー供給ローラ20は、共に外径15mmである。また、トナー供給ローラ20の現像ローラ17への侵入量、即ち、トナー供給ローラ20が現像ローラ17により凹状とされるその凹み量△Eが1.0mmに設定されている。また、トナー供給ローラ20と現像ローラ17は中心高さが略同じになるように配置されている。
規制ブレード21は、現像ローラ17の回転に対し、カウンター方向を向くように配置されており、現像ローラ17に担持されるトナー量を規制する部材である。また、トナー40は、現像ブレード21と現像ローラ17との周擦により摩擦帯電されて電荷を付与されると同時に層厚規制される。現像ブレード21は、長手方向と直交する短手方向の一方の端部21aが現像枠体18にビス等の締結具によって固定され、他方の端部21bは自由端となっている。現像ブレード21が、現像枠体18に固定された一端21aから現像ローラ17に当接する他端21bへ延びる方向は、現像ローラ17と当接する部分において、現像ローラ17の回転方向とは逆方向(カウンター方向)となる。
本実施形態においては、現像ブレード21として、短手方向の自由長が8mm、厚みが0.08mmの板バネ状のSUS製の薄板を用いている。ここで、現像ブレードとしてはこの限りではなく、リン青銅やアルミニウム等の金属薄板でも良い。また、現像ブレード21の表面にポリアミドエラストマーやウレタンゴムやウレタン樹脂等の薄膜を被覆したものを用いても良い。さらに、現像ブレード21には、規制バイアス印加手段(規制電圧印加部)としてのブレードバイアス電源(高圧電源)61からブレードバイアス(Vb)として所定電圧を印加している。
本実施形態においては、現像ブレード21として、短手方向の自由長が8mm、厚みが0.08mmの板バネ状のSUS製の薄板を用いている。ここで、現像ブレードとしてはこの限りではなく、リン青銅やアルミニウム等の金属薄板でも良い。また、現像ブレード21の表面にポリアミドエラストマーやウレタンゴムやウレタン樹脂等の薄膜を被覆したものを用いても良い。さらに、現像ブレード21には、規制バイアス印加手段(規制電圧印加部)としてのブレードバイアス電源(高圧電源)61からブレードバイアス(Vb)として所定電圧を印加している。
ここで、供給バイアス電源60、ブレードバイアス電源61、現像バイアス電源62、帯電バイアス電源63を含む各種電源によってそれぞれ印加される各種バイアスは、制御部であるCPU51によって制御される。
感光ドラム1、現像ローラ17、トナー供給ローラ20をそれぞれ駆動するモータ駆動部71、72、73、攪拌搬送部材22を駆動するモータ駆動部(不図示)は、それぞれ不図示のモータ(動力源)とモータの回転駆動力を伝達するギア列などから構成される。これらモータ駆動部71〜73等が、本発明における、像担持体、現像剤担持体、供給部材、搬送部材を個々に可変に回転駆動可能な駆動手段に対応し、CPU51によって制御される。感光ドラム1、現像ローラ17、トナー供給ローラ20は、それぞれ所定の周速度(外周面上の一点が単位時間当たりに移動する距離)で回転するように駆動される。
感光ドラム1、現像ローラ17、トナー供給ローラ20をそれぞれ駆動するモータ駆動部71、72、73、攪拌搬送部材22を駆動するモータ駆動部(不図示)は、それぞれ不図示のモータ(動力源)とモータの回転駆動力を伝達するギア列などから構成される。これらモータ駆動部71〜73等が、本発明における、像担持体、現像剤担持体、供給部材、搬送部材を個々に可変に回転駆動可能な駆動手段に対応し、CPU51によって制御される。感光ドラム1、現像ローラ17、トナー供給ローラ20は、それぞれ所定の周速度(外周面上の一点が単位時間当たりに移動する距離)で回転するように駆動される。
<感光ドラム>
本発明の実施形態にて、画像形成プロセスの中心となる感光ドラム1は、支持体上に下引き層が形成され、下引き層上に電荷発生層が形成され、電荷発生層上に電荷輸送層が形成され、電荷輸送層の上に保護層が形成される。該保護層が最表層であることが好ましい。
本発明の実施形態にて、画像形成プロセスの中心となる感光ドラム1は、支持体上に下引き層が形成され、下引き層上に電荷発生層が形成され、電荷発生層上に電荷輸送層が形成され、電荷輸送層の上に保護層が形成される。該保護層が最表層であることが好ましい。
該感光ドラムを製造する方法としては、後述する各層の塗布液を調製し、所望の層の順番に塗布して、乾燥させる方法が挙げられる。このとき、塗布液の塗布方法としては、浸漬塗布、スプレー塗布、インクジェット塗布、ロール塗布、ダイ塗布、ブレード塗布、カーテン塗布、ワイヤーバー塗布、リング塗布などが挙げられる。これらの中でも、効率性及び生産性の観点から、浸漬塗布が好ましい。
(支持体)
実施形態において、感光ドラム(電子写真感光体)は、支持体を有する。支持体は導電性を有する導電性支持体であることが好ましい。また、支持体の形状としては、円筒状、ベルト状、シート状などが挙げられる。中でも、円筒状支持体であることが好ましい。また、支持体の表面に、陽極酸化などの電気化学的な処理や、ブラスト処理、切削処理などを施してもよい。支持体の材質としては、金属、樹脂、ガラスなどが好ましい。
金属としては、アルミニウム、鉄、ニッケル、銅、金、ステンレスや、これらの合金などが挙げられる。中でも、アルミニウムを用いたアルミニウム製支持体であることが好ましい。
また、樹脂やガラスには、導電性材料を混合又は被覆するなどの処理によって、導電性を付与してもよい。
実施形態において、感光ドラム(電子写真感光体)は、支持体を有する。支持体は導電性を有する導電性支持体であることが好ましい。また、支持体の形状としては、円筒状、ベルト状、シート状などが挙げられる。中でも、円筒状支持体であることが好ましい。また、支持体の表面に、陽極酸化などの電気化学的な処理や、ブラスト処理、切削処理などを施してもよい。支持体の材質としては、金属、樹脂、ガラスなどが好ましい。
金属としては、アルミニウム、鉄、ニッケル、銅、金、ステンレスや、これらの合金などが挙げられる。中でも、アルミニウムを用いたアルミニウム製支持体であることが好ましい。
また、樹脂やガラスには、導電性材料を混合又は被覆するなどの処理によって、導電性を付与してもよい。
また、支持体の上に、導電層を設けてもよい。導電層を設けることで、支持体表面の傷や凹凸を隠蔽することや、支持体表面における光の反射を制御することができる。導電層は、導電性粒子と、樹脂と、を含有することが好ましい。導電性粒子の材質としては、金属酸化物、金属、カーボンブラックなどが挙げられる。
金属酸化物としては、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化インジウム、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化アンチモン、酸化ビスマスなどが挙げられる。金属としては、アルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀などが挙げられる。これらの中でも、導電性粒子として、金属酸化物を用いることが好ましく、特に、酸化チタン、酸化スズ、酸化亜鉛を用いることがより好ましい。
導電性粒子として金属酸化物を用いる場合、金属酸化物の表面をシランカップリング剤などで処理したり、金属酸化物にリンやアルミニウムなど元素やその酸化物をドーピングしたりしてもよい。
また、導電性粒子は、芯材粒子と、その粒子を被覆する被覆層とを有する積層構成としてもよい。芯材粒子としては、酸化チタン、硫酸バリウム、酸化亜鉛などが挙げられる。被覆層としては、酸化スズなどの金属酸化物が挙げられる。
また、導電性粒子として金属酸化物を用いる場合、その体積平均粒子径が、1nm以上500nm以下であることが好ましく、3nm以上400nm以下であることがより好ましい。
樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂などが挙げられる。
また、導電層は、シリコーンオイル、樹脂粒子、酸化チタンなどの隠蔽剤などを更に含有してもよい。
導電層の平均膜厚は、1μm以上50μm以下であることが好ましく、3μm以上40μm以下であることが特に好ましい。
導電層は、上述の各材料及び溶剤を含有する導電層用塗布液を調製し、この塗膜を形成し、乾燥させることで形成することができる。塗布液に用いる溶剤としては、アルコール系溶剤、スルホキシド系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤などが挙げられる。導電層用塗布液中で導電性粒子を分散させるための分散方法としては、ペイントシェーカー、サンドミル、ボールミル、液衝突型高速分散機を用いた方法が挙げられる。
金属酸化物としては、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化インジウム、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化アンチモン、酸化ビスマスなどが挙げられる。金属としては、アルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀などが挙げられる。これらの中でも、導電性粒子として、金属酸化物を用いることが好ましく、特に、酸化チタン、酸化スズ、酸化亜鉛を用いることがより好ましい。
導電性粒子として金属酸化物を用いる場合、金属酸化物の表面をシランカップリング剤などで処理したり、金属酸化物にリンやアルミニウムなど元素やその酸化物をドーピングしたりしてもよい。
また、導電性粒子は、芯材粒子と、その粒子を被覆する被覆層とを有する積層構成としてもよい。芯材粒子としては、酸化チタン、硫酸バリウム、酸化亜鉛などが挙げられる。被覆層としては、酸化スズなどの金属酸化物が挙げられる。
また、導電性粒子として金属酸化物を用いる場合、その体積平均粒子径が、1nm以上500nm以下であることが好ましく、3nm以上400nm以下であることがより好ましい。
樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂などが挙げられる。
また、導電層は、シリコーンオイル、樹脂粒子、酸化チタンなどの隠蔽剤などを更に含有してもよい。
導電層の平均膜厚は、1μm以上50μm以下であることが好ましく、3μm以上40μm以下であることが特に好ましい。
導電層は、上述の各材料及び溶剤を含有する導電層用塗布液を調製し、この塗膜を形成し、乾燥させることで形成することができる。塗布液に用いる溶剤としては、アルコール系溶剤、スルホキシド系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤などが挙げられる。導電層用塗布液中で導電性粒子を分散させるための分散方法としては、ペイントシェーカー、サンドミル、ボールミル、液衝突型高速分散機を用いた方法が挙げられる。
(下引き層)
支持体又は導電層の上に、下引き層を設ける。下引き層を設けることで、層間の接着機能が高まり、電荷注入阻止機能を付与することができる。
下引き層は、樹脂を含有することが好ましい。また、重合性官能基を有するモノマーを含有する組成物を重合することで硬化膜として下引き層を形成してもよい。
樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリビニルフェノール樹脂、アルキッド樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリエチレンオキシド樹脂、ポリプロピレンオキシド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミド酸樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、セルロース樹脂などが挙げられる。
重合性官能基を有するモノマーが有する重合性官能基としては、イソシアネート基、ブロックイソシアネート基、メチロール基、アルキル化メチロール基、エポキシ基、金属アルコキシド基、ヒドロキシル基、アミノ基、カルボキシル基、チオール基、カルボン酸無水物基、炭素−炭素二重結合基などが挙げられる。
また、下引き層は、電気特性を高める目的で、電子輸送物質、金属酸化物、金属、導電性高分子などを更に含有してもよい。これらの中でも、電子輸送物質、金属酸化物を用いることが好ましい。
電子輸送物質としては、キノン化合物、イミド化合物、ベンズイミダゾール化合物、シクロペンタジエニリデン化合物、フルオレノン化合物、キサントン化合物、ベンゾフェノン化合物、シアノビニル化合物、ハロゲン化アリール化合物、シロール化合物、含ホウ素化合物などが挙げられる。電子輸送物質として、重合性官能基を有する電子輸送物質を用い、上述の重合性官能基を有するモノマーと共重合させることで、硬化膜として下引き層を形成してもよい。
金属酸化物としては、酸化インジウムスズ、酸化スズ、酸化インジウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素などが挙げられる。金属としては、金、銀、アルミなどが挙げられる。
また、下引き層は、添加剤を更に含有してもよい。
下引き層の平均膜厚は、0.1μm以上50μm以下であることが好ましく、0.2μm以上40μm以下であることがより好ましく、0.3μm以上30μm以下であることが特に好ましい。
下引き層は、上述の各材料及び溶剤を含有する下引き層用塗布液を調製し、この塗膜を形成し、乾燥及び/又は硬化させることで形成することができる。塗布液に用いる溶剤としては、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤などが挙げられる。
支持体又は導電層の上に、下引き層を設ける。下引き層を設けることで、層間の接着機能が高まり、電荷注入阻止機能を付与することができる。
下引き層は、樹脂を含有することが好ましい。また、重合性官能基を有するモノマーを含有する組成物を重合することで硬化膜として下引き層を形成してもよい。
樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリビニルフェノール樹脂、アルキッド樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリエチレンオキシド樹脂、ポリプロピレンオキシド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミド酸樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、セルロース樹脂などが挙げられる。
重合性官能基を有するモノマーが有する重合性官能基としては、イソシアネート基、ブロックイソシアネート基、メチロール基、アルキル化メチロール基、エポキシ基、金属アルコキシド基、ヒドロキシル基、アミノ基、カルボキシル基、チオール基、カルボン酸無水物基、炭素−炭素二重結合基などが挙げられる。
また、下引き層は、電気特性を高める目的で、電子輸送物質、金属酸化物、金属、導電性高分子などを更に含有してもよい。これらの中でも、電子輸送物質、金属酸化物を用いることが好ましい。
電子輸送物質としては、キノン化合物、イミド化合物、ベンズイミダゾール化合物、シクロペンタジエニリデン化合物、フルオレノン化合物、キサントン化合物、ベンゾフェノン化合物、シアノビニル化合物、ハロゲン化アリール化合物、シロール化合物、含ホウ素化合物などが挙げられる。電子輸送物質として、重合性官能基を有する電子輸送物質を用い、上述の重合性官能基を有するモノマーと共重合させることで、硬化膜として下引き層を形成してもよい。
金属酸化物としては、酸化インジウムスズ、酸化スズ、酸化インジウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素などが挙げられる。金属としては、金、銀、アルミなどが挙げられる。
また、下引き層は、添加剤を更に含有してもよい。
下引き層の平均膜厚は、0.1μm以上50μm以下であることが好ましく、0.2μm以上40μm以下であることがより好ましく、0.3μm以上30μm以下であることが特に好ましい。
下引き層は、上述の各材料及び溶剤を含有する下引き層用塗布液を調製し、この塗膜を形成し、乾燥及び/又は硬化させることで形成することができる。塗布液に用いる溶剤としては、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤などが挙げられる。
(電荷発生層)
電荷発生層は、電荷発生物質と、樹脂と、を含有することが好ましい。電荷発生物質としては、アゾ顔料、ペリレン顔料、多環キノン顔料、インジゴ顔料、フタロシアニン顔料などが挙げられる。これらの中でも、アゾ顔料、フタロシアニン顔料が好ましい。フタロシアニン顔料の中でも、オキシチタニウムフタロシアニン顔料、クロロガリウムフタロシアニン顔料、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料が好ましい。
電荷発生層中の電荷発生物質の含有量(質量%)は、電荷発生層の全質量に対して、40質量%以上85質量%以下であることが好ましく、60質量%以上80質量%以下であることがより好ましい。
樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、セルロース樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂などが挙げられる。これらの中でも、ポリビニルブチラール樹脂がより好ましい。
また、電荷発生層は、酸化防止剤、紫外線吸収剤などの添加剤を更に含有してもよい。具体的には、ヒンダードフェノール化合物、ヒンダードアミン化合物、硫黄化合物、リン化合物、ベンゾフェノン化合物、などが挙げられる。電荷発生層の平均膜厚は、0.1μm以上1μm以下であることが好ましく、0.15μm以上0.4μm以下であることがより好ましい。
電荷発生層は、上述の各材料及び溶剤を含有する電荷発生層用塗布液を調製し、この塗膜を形成し、乾燥させることで形成することができる。塗布液に用いる溶剤としては、アルコール系溶剤、スルホキシド系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤などが挙げられる。
電荷発生層は、電荷発生物質と、樹脂と、を含有することが好ましい。電荷発生物質としては、アゾ顔料、ペリレン顔料、多環キノン顔料、インジゴ顔料、フタロシアニン顔料などが挙げられる。これらの中でも、アゾ顔料、フタロシアニン顔料が好ましい。フタロシアニン顔料の中でも、オキシチタニウムフタロシアニン顔料、クロロガリウムフタロシアニン顔料、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料が好ましい。
電荷発生層中の電荷発生物質の含有量(質量%)は、電荷発生層の全質量に対して、40質量%以上85質量%以下であることが好ましく、60質量%以上80質量%以下であることがより好ましい。
樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、セルロース樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂などが挙げられる。これらの中でも、ポリビニルブチラール樹脂がより好ましい。
また、電荷発生層は、酸化防止剤、紫外線吸収剤などの添加剤を更に含有してもよい。具体的には、ヒンダードフェノール化合物、ヒンダードアミン化合物、硫黄化合物、リン化合物、ベンゾフェノン化合物、などが挙げられる。電荷発生層の平均膜厚は、0.1μm以上1μm以下であることが好ましく、0.15μm以上0.4μm以下であることがより好ましい。
電荷発生層は、上述の各材料及び溶剤を含有する電荷発生層用塗布液を調製し、この塗膜を形成し、乾燥させることで形成することができる。塗布液に用いる溶剤としては、アルコール系溶剤、スルホキシド系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤などが挙げられる。
(電荷輸送層)
電荷輸送層は、電荷輸送物質と、樹脂と、を含有することが好ましい。電荷輸送物質としては、例えば、多環芳香族化合物、複素環化合物、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、エナミン化合物、ベンジジン化合物、トリアリールアミン化合物や、これらの物質から誘導される基を有する樹脂などが挙げられる。これらの中でも、トリアリールアミン化合物、ベンジジン化合物が好ましい。
電荷輸送層中の電荷輸送物質の含有量は、電荷輸送層の全質量に対して、25質量%以上70質量%以下であることが好ましく、30質量%以上55質量%以下であることがよ
り好ましい。
樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂などが挙げられる。これらの中でも、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂が好ましい。ポリエステル樹脂としては、特にポリアリレート樹脂が好ましい。
電荷輸送物質と樹脂との含有量比(質量比)は、4:10〜20:10が好ましく、5:10〜12:10がより好ましい。
また、電荷輸送層は、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、レベリング剤、滑り性付与剤、耐摩耗性向上剤などの添加剤を含有してもよい。具体的には、ヒンダードフェノール化合物、ヒンダードアミン化合物、硫黄化合物、リン化合物、ベンゾフェノン化合物、シロキサン変性樹脂、シリコーンオイル、フッ素樹脂粒子、ポリスチレン樹脂粒子、ポリエチレン樹脂粒子、シリカ粒子、アルミナ粒子、窒化ホウ素粒子などが挙げられる。
電荷輸送層の平均膜厚は、5μm以上50μm以下であることが好ましく、8μm以上40μm以下であることがより好ましく、10μm以上30μm以下であることが特に好ましい。本発明の実施形態では12μmとした。
電荷輸送層は、上述の各材料及び溶剤を含有する電荷輸送層用塗布液を調製し、この塗膜を形成し、乾燥させることで形成することができる。塗布液に用いる溶剤としては、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤が挙げられる。これらの溶剤の中でも、エーテル系溶剤または芳香族炭化水素系溶剤が好ましい。
電荷輸送層は、電荷輸送物質と、樹脂と、を含有することが好ましい。電荷輸送物質としては、例えば、多環芳香族化合物、複素環化合物、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、エナミン化合物、ベンジジン化合物、トリアリールアミン化合物や、これらの物質から誘導される基を有する樹脂などが挙げられる。これらの中でも、トリアリールアミン化合物、ベンジジン化合物が好ましい。
電荷輸送層中の電荷輸送物質の含有量は、電荷輸送層の全質量に対して、25質量%以上70質量%以下であることが好ましく、30質量%以上55質量%以下であることがよ
り好ましい。
樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂などが挙げられる。これらの中でも、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂が好ましい。ポリエステル樹脂としては、特にポリアリレート樹脂が好ましい。
電荷輸送物質と樹脂との含有量比(質量比)は、4:10〜20:10が好ましく、5:10〜12:10がより好ましい。
また、電荷輸送層は、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、レベリング剤、滑り性付与剤、耐摩耗性向上剤などの添加剤を含有してもよい。具体的には、ヒンダードフェノール化合物、ヒンダードアミン化合物、硫黄化合物、リン化合物、ベンゾフェノン化合物、シロキサン変性樹脂、シリコーンオイル、フッ素樹脂粒子、ポリスチレン樹脂粒子、ポリエチレン樹脂粒子、シリカ粒子、アルミナ粒子、窒化ホウ素粒子などが挙げられる。
電荷輸送層の平均膜厚は、5μm以上50μm以下であることが好ましく、8μm以上40μm以下であることがより好ましく、10μm以上30μm以下であることが特に好ましい。本発明の実施形態では12μmとした。
電荷輸送層は、上述の各材料及び溶剤を含有する電荷輸送層用塗布液を調製し、この塗膜を形成し、乾燥させることで形成することができる。塗布液に用いる溶剤としては、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤が挙げられる。これらの溶剤の中でも、エーテル系溶剤または芳香族炭化水素系溶剤が好ましい。
なお、本発明の実施形態では、電荷発生層と電荷輸送層とを有する積層型感光体を使用したが、電荷発生物質と電荷輸送物質を共に含有する単層型感光体を使用してもよい。単層型感光体は、電荷発生物質、電荷輸送物質、樹脂及び溶剤を含有する感光層用塗布液を調製し、この塗膜を形成し、乾燥させることで形成することができる。電荷発生物質、電荷輸送物質、樹脂としては、積層型感光体における材料の例示と同様である。
(保護層)
感光ドラム1は、耐摩耗性改善のため、最表層に耐摩耗性の保護層を有する。保護層を設けることで、耐久性を向上することができる。
保護層は、導電性粒子及び/又は電荷輸送物質と、樹脂とを含有することが好ましい。
導電性粒子としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化インジウムなどの金属酸化物の粒子が挙げられる。
電荷輸送物質としては、多環芳香族化合物、複素環化合物、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、エナミン化合物、ベンジジン化合物、トリアリールアミン化合物や、これらの物質から誘導される基を有する樹脂などが挙げられる。これらの中でも、トリアリールアミン化合物、ベンジジン化合物が好ましい。
樹脂としては、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂などが挙げられる。中でも、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂が好ましい。
また、保護層は、重合性官能基を有するモノマーを含有する組成物を重合することで硬化膜として形成してもよい。その際の反応としては、熱重合反応、光重合反応、放射線重合反応などが挙げられる。重合性官能基を有するモノマーが有する重合性官能基としては、アクリル基、メタクリル基などが挙げられる。重合性官能基を有するモノマーとして、電荷輸送能を有する材料を用いてもよい。
保護層は、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、レベリング剤、滑り性付与剤、耐摩耗性向上剤、などの添加剤を含有してもよい。具体的には、ヒンダードフェノール化合物、ヒンダードアミン化合物、硫黄化合物、リン化合物、ベンゾフェノン化合物、シロキサン変性樹脂、シリコーンオイル、フッ素樹脂粒子、ポリスチレン樹脂粒子、ポリエチレン樹脂粒子、シリカ粒子、アルミナ粒子、窒化ホウ素粒子などが挙げられる。保護層の平均膜厚は、0.5μm以上10μm以下であることが好ましく、1μm以上7μm以下である
ことが好ましい。
保護層は、上述の各材料及び溶剤を含有する保護層用塗布液を調製し、この塗膜を形成し、乾燥及び/又は硬化させることで形成することができる。塗布液に用いる溶剤としては、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、スルホキシド系溶剤、エステル系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤が挙げられる。
本発明の実施形態では、保護層の平均膜厚を3μmとした。
感光ドラム1は、耐摩耗性改善のため、最表層に耐摩耗性の保護層を有する。保護層を設けることで、耐久性を向上することができる。
保護層は、導電性粒子及び/又は電荷輸送物質と、樹脂とを含有することが好ましい。
導電性粒子としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化インジウムなどの金属酸化物の粒子が挙げられる。
電荷輸送物質としては、多環芳香族化合物、複素環化合物、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、エナミン化合物、ベンジジン化合物、トリアリールアミン化合物や、これらの物質から誘導される基を有する樹脂などが挙げられる。これらの中でも、トリアリールアミン化合物、ベンジジン化合物が好ましい。
樹脂としては、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂などが挙げられる。中でも、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂が好ましい。
また、保護層は、重合性官能基を有するモノマーを含有する組成物を重合することで硬化膜として形成してもよい。その際の反応としては、熱重合反応、光重合反応、放射線重合反応などが挙げられる。重合性官能基を有するモノマーが有する重合性官能基としては、アクリル基、メタクリル基などが挙げられる。重合性官能基を有するモノマーとして、電荷輸送能を有する材料を用いてもよい。
保護層は、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、レベリング剤、滑り性付与剤、耐摩耗性向上剤、などの添加剤を含有してもよい。具体的には、ヒンダードフェノール化合物、ヒンダードアミン化合物、硫黄化合物、リン化合物、ベンゾフェノン化合物、シロキサン変性樹脂、シリコーンオイル、フッ素樹脂粒子、ポリスチレン樹脂粒子、ポリエチレン樹脂粒子、シリカ粒子、アルミナ粒子、窒化ホウ素粒子などが挙げられる。保護層の平均膜厚は、0.5μm以上10μm以下であることが好ましく、1μm以上7μm以下である
ことが好ましい。
保護層は、上述の各材料及び溶剤を含有する保護層用塗布液を調製し、この塗膜を形成し、乾燥及び/又は硬化させることで形成することができる。塗布液に用いる溶剤としては、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、スルホキシド系溶剤、エステル系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤が挙げられる。
本発明の実施形態では、保護層の平均膜厚を3μmとした。
感光ドラム1の耐久性を確認するため、1%印字率で20万枚連続通紙後にドラム膜厚を測定し、ドラムの削れ量を測定した。
感光ドラム1のドラム膜厚削れ量を確認したところ、1000枚あたり0.001umであった。20万枚においても0.2umの削れ量であり、ドラム削れ起因のリークやかぶり等は発生しなかった。
一方、感光ドラム1に対して保護層を設ける代わりに、電荷輸送層を3um増やした感光ドラムに対して同様の連続通紙を行なったところ、7万5千枚の時点で感光ドラムの電荷輸送層がすべて削れてしまった。また、その時点で削れ量を測定したところ1000枚あたり0.2umであった。
これは保護層を有した感光ドラム1を使用したことで200倍耐久性が増したことを意味する。
感光ドラム1のドラム膜厚削れ量を確認したところ、1000枚あたり0.001umであった。20万枚においても0.2umの削れ量であり、ドラム削れ起因のリークやかぶり等は発生しなかった。
一方、感光ドラム1に対して保護層を設ける代わりに、電荷輸送層を3um増やした感光ドラムに対して同様の連続通紙を行なったところ、7万5千枚の時点で感光ドラムの電荷輸送層がすべて削れてしまった。また、その時点で削れ量を測定したところ1000枚あたり0.2umであった。
これは保護層を有した感光ドラム1を使用したことで200倍耐久性が増したことを意味する。
本発明の実施形態では、感光ドラム1の摩耗抑制のために保護層を有した感光ドラムを使用した。しかしながら感光ドラム1の摩耗抑制の方法はこの限りでなく、例えばセレンドラム、アモルファスシリコンドラム等を使用してもよい。また、クリーニング部材6の当接圧を下げて摩耗を抑制したり、ブラシのような摩耗の少ないクリーニングシステムを使用したりしてもよい。
<現像剤>
本発明において、現像剤は、トナー粒子、該トナー粒子の表面に存在する無機ケイ素微粒子、及び、金属石鹸を有するトナーを含有する。
或いは、本発明において、現像剤は、トナー粒子、該トナー粒子の表面を被覆する有機ケイ素重合体、及び、金属石鹸、を有するトナーを含有する。
該トナー粒子は、結着樹脂を構成成分として含有させるとよい。
結着樹脂としては、ポリエステル樹脂、ビニル系樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂が挙げられる。
ポリエステル樹脂は、通常一般に知られている、アルコール成分と酸成分とを縮重合する方法を用いて製造するとよい。
ビニル系樹脂としては、スチレン及びその誘導体;不飽和モノオレフィン類;不飽和ポリエン類;α−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;アクリル酸エステル類;ビニルケトン類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドのようなアクリル酸もしくはメタクリル酸誘導体などの重合性単量体を重合して製造するとよい。
トナー粒子は離型剤を含有してもよい。該離型剤としては離型性を高められるものであれば制限はないが、例えば以下のものが挙げられる。
ポリオレフィン共重合物、ポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスのような脂肪族炭化水素系ワックス。
離型剤の含有量は、結着樹脂又は結着樹脂を生成する重合性単量体100.0質量部に対して、1.0質量部以上30.0質量部以下であることが好ましく、5.0質量部以上25.0質量部以下であることがより好ましい。
トナーは、磁性一成分トナー、非磁性一成分トナーのいずれのトナーとしても使用できるが、非磁性一成分トナーであることが好ましい。
非磁性一成分トナーとして用いる場合の着色剤としては、従来知られている種々の染料
や顔料などが挙げられる。
黒色着色剤としては、カーボンブラック、又は以下に示すイエロー、マゼンタ、及びシアン着色剤を用い黒色に調色されたものが挙げられる。
イエロー着色剤としては、モノアゾ化合物、ジスアゾ化合物、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アントラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、アリルアミド化合物などが挙げられる。
マゼンタ着色剤としては、モノアゾ化合物、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン化合物、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物などが挙げられる。
シアン着色剤としては、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、アントラキノン化合物、塩基染料レーキ化合物などが挙げられる。
該着色剤の含有量は、結着樹脂又は結着樹脂を生成する重合性単量体100.0質量部に対して、1.0質量部以上20.0質量部以下であることが好ましい。
本発明において、現像剤は、トナー粒子、該トナー粒子の表面に存在する無機ケイ素微粒子、及び、金属石鹸を有するトナーを含有する。
或いは、本発明において、現像剤は、トナー粒子、該トナー粒子の表面を被覆する有機ケイ素重合体、及び、金属石鹸、を有するトナーを含有する。
該トナー粒子は、結着樹脂を構成成分として含有させるとよい。
結着樹脂としては、ポリエステル樹脂、ビニル系樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂が挙げられる。
ポリエステル樹脂は、通常一般に知られている、アルコール成分と酸成分とを縮重合する方法を用いて製造するとよい。
ビニル系樹脂としては、スチレン及びその誘導体;不飽和モノオレフィン類;不飽和ポリエン類;α−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;アクリル酸エステル類;ビニルケトン類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドのようなアクリル酸もしくはメタクリル酸誘導体などの重合性単量体を重合して製造するとよい。
トナー粒子は離型剤を含有してもよい。該離型剤としては離型性を高められるものであれば制限はないが、例えば以下のものが挙げられる。
ポリオレフィン共重合物、ポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスのような脂肪族炭化水素系ワックス。
離型剤の含有量は、結着樹脂又は結着樹脂を生成する重合性単量体100.0質量部に対して、1.0質量部以上30.0質量部以下であることが好ましく、5.0質量部以上25.0質量部以下であることがより好ましい。
トナーは、磁性一成分トナー、非磁性一成分トナーのいずれのトナーとしても使用できるが、非磁性一成分トナーであることが好ましい。
非磁性一成分トナーとして用いる場合の着色剤としては、従来知られている種々の染料
や顔料などが挙げられる。
黒色着色剤としては、カーボンブラック、又は以下に示すイエロー、マゼンタ、及びシアン着色剤を用い黒色に調色されたものが挙げられる。
イエロー着色剤としては、モノアゾ化合物、ジスアゾ化合物、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アントラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、アリルアミド化合物などが挙げられる。
マゼンタ着色剤としては、モノアゾ化合物、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン化合物、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物などが挙げられる。
シアン着色剤としては、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、アントラキノン化合物、塩基染料レーキ化合物などが挙げられる。
該着色剤の含有量は、結着樹脂又は結着樹脂を生成する重合性単量体100.0質量部に対して、1.0質量部以上20.0質量部以下であることが好ましい。
本発明に用いられる無機ケイ素微粒子としては、湿式製法シリカ微粒子、乾式製法シリカ微粒子のようなシリカ微粒子、それらシリカ微粒子をシランカップリング剤、チタンカップリング剤、又はシリコーンオイル等により表面処理を施した疎水化処理シリカ微粒子が挙げられる。
乾式製法シリカ微粒子とは、例えば、四塩化ケイ素ガスの酸水素焔中における熱分解酸化反応を利用して製造するもので、基礎となる反応式は次のようなものである。
SiCl4+2H2+O2→SiO2+4HCl
この製造工程において、塩化アルミニウム又は塩化チタンなどの他の金属ハロゲン化合物をケイ素ハロゲン化合物と共に用いることによってシリカと他の金属酸化物の複合微粒子を得ることも可能であり、無機ケイ素微粒子としてはそれらも包含する。
該無機ケイ素微粒子の一次粒子の個数平均粒径(D1)は、5nm以上、10nm以上、15nm以上、20nm以上、25nm以上であることが好ましく、また、500nm以下、400nm以下、300nm以下、250nm以下、200nm以下であることが好ましい。該数値範囲は任意に組み合わせることができる。
該無機ケイ素微粒子の含有量(質量%)は、トナー粒子100.0質量部に対して、0.1質量部以上10.0質量部以下であることが好ましく、1.0質量部以上5.0質量部以下であることがより好ましい。
乾式製法シリカ微粒子とは、例えば、四塩化ケイ素ガスの酸水素焔中における熱分解酸化反応を利用して製造するもので、基礎となる反応式は次のようなものである。
SiCl4+2H2+O2→SiO2+4HCl
この製造工程において、塩化アルミニウム又は塩化チタンなどの他の金属ハロゲン化合物をケイ素ハロゲン化合物と共に用いることによってシリカと他の金属酸化物の複合微粒子を得ることも可能であり、無機ケイ素微粒子としてはそれらも包含する。
該無機ケイ素微粒子の一次粒子の個数平均粒径(D1)は、5nm以上、10nm以上、15nm以上、20nm以上、25nm以上であることが好ましく、また、500nm以下、400nm以下、300nm以下、250nm以下、200nm以下であることが好ましい。該数値範囲は任意に組み合わせることができる。
該無機ケイ素微粒子の含有量(質量%)は、トナー粒子100.0質量部に対して、0.1質量部以上10.0質量部以下であることが好ましく、1.0質量部以上5.0質量部以下であることがより好ましい。
一方、トナー粒子の表面が、有機ケイ素重合体で被覆されている場合、トナー粒子の最表面に存在する層である表層を有する。すなわち、トナー粒子は、有機ケイ素重合体を含有する表層を有する。該表層はトナー粒子表面の一部に表層が形成されていない部分を設けてもよい。
該有機ケイ素重合体は、下記式(1)で表される部分構造を有することが好ましい。
R−SiO3/2 (1)
(Rは炭素数1以上6以下の炭化水素基を示す。)
式(1)で表される部分構造を有する有機ケイ素重合体において、Si原子の4個の原子価のうち1個はRと、残り3個はO原子と結合している。O原子は、原子価2個がいずれもSiと結合している状態、つまり、シロキサン結合(Si−O−Si)を構成する。
有機ケイ素重合体としてのSi原子とO原子を考えると、Si原子2個でO原子3個を有することになるため、−SiO3/2と表現される。
この有機ケイ素重合体の−SiO3/2構造は、多数のシロキサン結合で構成されるシリカ(SiO2)と類似の性質を有することが考えられる。従って、従来の有機樹脂により表層形成されたトナーに比べて無機物に近い構造のため、マルテンス硬度を有機樹脂より高く、無機ケイ素微粒子より低く設定することが可能である。
式(1)で表される部分構造において、Rは炭素数が1以上6以下の炭化水素基である
。これにより帯電量が安定化しやすい。特に環境安定性に優れている、炭素数が1以上5以下の脂肪族炭化水素基、又はフェニル基であることが好ましい。
また、上記Rは炭素数が1以上3以下の脂肪族炭化水素基であることが、帯電性及びカブリ防止のさらなる向上のためにより好ましい。帯電性が良好であると、転写性が良く転写残トナーが少ないためドラム、帯電部材及び転写部材の汚染が良化する。
炭素数が1以上3以下の脂肪族炭化水素基としては、メチル基、エチル基、又はプロピル基、又はビニル基が好ましく例示できる。環境安定性と保存安定性の観点から、より好ましくは、Rはメチル基である。
有機ケイ素重合体の製造例としては、ゾルゲル法が好ましい。ゾルゲル法は、液体原料を出発原料に用いて加水分解及び縮合重合させ、ゾル状態を経てゲル化する方法であり、ガラス、セラミックス、有機−無機ハイブリット、ナノコンポジットを合成する方法に用いられる。この製造方法を用いれば、表層、繊維、バルク体、微粒子などの種々の形状の機能性材料を液相から低温で作製することができる。
該有機ケイ素重合体は、具体的には、アルコキシシランに代表されるケイ素化合物の加水分解及び縮重合によって生成されることが好ましい。
該有機ケイ素重合体でトナー粒子の表面を被覆することによって、環境安定性が向上し、かつ、長期使用時におけるトナーの性能低下が生じにくく、保存安定性に優れたトナーを得ることができる。
さらに、ゾルゲル法は、液体から出発し、その液体をゲル化することによって材料を形成しているため、様々な微細構造及び形状をつくることができる。特に、トナー粒子が水系媒体中で製造される場合には、有機ケイ素化合物のシラノール基のような親水基による親水性によってトナー粒子の表面に析出させやすくなる。上記微細構造及び形状は反応温度、反応時間、反応溶媒、pHや有機金属化合物の種類及び量などによって調整することができる。
該有機ケイ素重合体は、下記式(1)で表される部分構造を有することが好ましい。
R−SiO3/2 (1)
(Rは炭素数1以上6以下の炭化水素基を示す。)
式(1)で表される部分構造を有する有機ケイ素重合体において、Si原子の4個の原子価のうち1個はRと、残り3個はO原子と結合している。O原子は、原子価2個がいずれもSiと結合している状態、つまり、シロキサン結合(Si−O−Si)を構成する。
有機ケイ素重合体としてのSi原子とO原子を考えると、Si原子2個でO原子3個を有することになるため、−SiO3/2と表現される。
この有機ケイ素重合体の−SiO3/2構造は、多数のシロキサン結合で構成されるシリカ(SiO2)と類似の性質を有することが考えられる。従って、従来の有機樹脂により表層形成されたトナーに比べて無機物に近い構造のため、マルテンス硬度を有機樹脂より高く、無機ケイ素微粒子より低く設定することが可能である。
式(1)で表される部分構造において、Rは炭素数が1以上6以下の炭化水素基である
。これにより帯電量が安定化しやすい。特に環境安定性に優れている、炭素数が1以上5以下の脂肪族炭化水素基、又はフェニル基であることが好ましい。
また、上記Rは炭素数が1以上3以下の脂肪族炭化水素基であることが、帯電性及びカブリ防止のさらなる向上のためにより好ましい。帯電性が良好であると、転写性が良く転写残トナーが少ないためドラム、帯電部材及び転写部材の汚染が良化する。
炭素数が1以上3以下の脂肪族炭化水素基としては、メチル基、エチル基、又はプロピル基、又はビニル基が好ましく例示できる。環境安定性と保存安定性の観点から、より好ましくは、Rはメチル基である。
有機ケイ素重合体の製造例としては、ゾルゲル法が好ましい。ゾルゲル法は、液体原料を出発原料に用いて加水分解及び縮合重合させ、ゾル状態を経てゲル化する方法であり、ガラス、セラミックス、有機−無機ハイブリット、ナノコンポジットを合成する方法に用いられる。この製造方法を用いれば、表層、繊維、バルク体、微粒子などの種々の形状の機能性材料を液相から低温で作製することができる。
該有機ケイ素重合体は、具体的には、アルコキシシランに代表されるケイ素化合物の加水分解及び縮重合によって生成されることが好ましい。
該有機ケイ素重合体でトナー粒子の表面を被覆することによって、環境安定性が向上し、かつ、長期使用時におけるトナーの性能低下が生じにくく、保存安定性に優れたトナーを得ることができる。
さらに、ゾルゲル法は、液体から出発し、その液体をゲル化することによって材料を形成しているため、様々な微細構造及び形状をつくることができる。特に、トナー粒子が水系媒体中で製造される場合には、有機ケイ素化合物のシラノール基のような親水基による親水性によってトナー粒子の表面に析出させやすくなる。上記微細構造及び形状は反応温度、反応時間、反応溶媒、pHや有機金属化合物の種類及び量などによって調整することができる。
該有機ケイ素重合体は、下記式(Z)で表される構造を有する有機ケイ素化合物の縮重合物であることが好ましい。
R1の炭化水素基(好ましくはアルキル基)により疎水性を向上することができ、環境安定性に優れたトナー粒子を得ることができる。また、炭化水素基として芳香族炭化水素基であるアリール基、例えばフェニル基を用いることもできる。R1の疎水性が大きい場合、様々な環境において帯電量変動が大きくなる傾向を示すことから、環境安定性を鑑みてR1は炭素数1以上3以下の炭化水素基であることが好ましく、メチル基であることがより好ましい。
R2、R3及びR4は、それぞれ独立して、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アセトキシ基、又は、アルコキシ基である(以下、反応基ともいう)。これらの反応基が加水分解、付加重合及び縮重合させて架橋構造を形成し、耐部材汚染及び現像耐久性に優れたトナーを得ることができる。加水分解性が室温で穏やかであり、トナー粒子の表面への析出性と被覆性の観点から、炭素数1以上3以下のアルコキシ基であることが好ましく、メトキシ
基やエトキシ基であることがより好ましい。また、R2、R3及びR4の加水分解、付加重合及び縮合重合は、反応温度、反応時間、反応溶媒及びpHによって制御することができる。
R2、R3及びR4は、それぞれ独立して、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アセトキシ基、又は、アルコキシ基である(以下、反応基ともいう)。これらの反応基が加水分解、付加重合及び縮重合させて架橋構造を形成し、耐部材汚染及び現像耐久性に優れたトナーを得ることができる。加水分解性が室温で穏やかであり、トナー粒子の表面への析出性と被覆性の観点から、炭素数1以上3以下のアルコキシ基であることが好ましく、メトキシ
基やエトキシ基であることがより好ましい。また、R2、R3及びR4の加水分解、付加重合及び縮合重合は、反応温度、反応時間、反応溶媒及びpHによって制御することができる。
該有機ケイ素重合体を得るには、上記に示す式(Z)中のR1を除く一分子中に3つの反応基(R2、R3及びR4)を有する有機ケイ素化合物(以下、三官能性シランともいう)を1種又は複数種を組み合わせて用いるとよい。
上記式(Z)としては以下のものが挙げられる。
メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルジエトキシメトキシシラン、メチルエトキシジメトキシシラン、メチルトリクロロシラン、メチルメトキシジクロロシラン、メチルエトキシジクロロシラン、メチルジメトキシクロロシラン、メチルメトキシエトキシクロロシラン、メチルジエトキシクロロシラン、メチルトリアセトキシシラン、メチルジアセトキシメトキシシラン、メチルジアセトキシエトキシシラン、メチルアセトキシジメトキシシラン、メチルアセトキシメトキシエトキシシラン、メチルアセトキシジエトキシシラン、メチルトリヒドロキシシラン、メチルメトキシジヒドロキシシラン、メチルエトキシジヒドロキシシラン、メチルジメトキシヒドロキシシラン、メチルエトキシメトキシヒドロキシシラン、メチルジエトキシヒドロキシシラン、のような三官能性のメチルシラン。
エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリクロロシラン、エチルトリアセトキシシラン、エチルトリヒドロキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、プロピルトリクロロシラン、プロピルトリアセトキシシラン、プロピルトリヒドロキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、ブチルトリクロロシラン、ブチルトリアセトキシシラン、ブチルトリヒドロキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、ヘキシルトリクロロシラン、ヘキシルトリアセトキシシラン、ヘキシルトリヒドロキシシランのような三官能性のシラン。
フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリクロロシラン、フェニルトリアセトキシシラン、フェニルトリヒドロキシシランのような三官能性のフェニルシラン。
また、本発明の効果を損なわない程度に、式(Z)で示される構造を有する有機ケイ素化合物とともに、以下を併用して得られた有機ケイ素重合体を用いてもよい。一分子中に4つの反応基を有する有機ケイ素化合物(四官能性シラン)、一分子中に2つの反応基を有する有機ケイ素化合物(二官能性シラン)又は1つの反応基を有する有機ケイ素化合物(一官能性シラン)。
上記式(Z)としては以下のものが挙げられる。
メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルジエトキシメトキシシラン、メチルエトキシジメトキシシラン、メチルトリクロロシラン、メチルメトキシジクロロシラン、メチルエトキシジクロロシラン、メチルジメトキシクロロシラン、メチルメトキシエトキシクロロシラン、メチルジエトキシクロロシラン、メチルトリアセトキシシラン、メチルジアセトキシメトキシシラン、メチルジアセトキシエトキシシラン、メチルアセトキシジメトキシシラン、メチルアセトキシメトキシエトキシシラン、メチルアセトキシジエトキシシラン、メチルトリヒドロキシシラン、メチルメトキシジヒドロキシシラン、メチルエトキシジヒドロキシシラン、メチルジメトキシヒドロキシシラン、メチルエトキシメトキシヒドロキシシラン、メチルジエトキシヒドロキシシラン、のような三官能性のメチルシラン。
エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリクロロシラン、エチルトリアセトキシシラン、エチルトリヒドロキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、プロピルトリクロロシラン、プロピルトリアセトキシシラン、プロピルトリヒドロキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、ブチルトリクロロシラン、ブチルトリアセトキシシラン、ブチルトリヒドロキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、ヘキシルトリクロロシラン、ヘキシルトリアセトキシシラン、ヘキシルトリヒドロキシシランのような三官能性のシラン。
フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリクロロシラン、フェニルトリアセトキシシラン、フェニルトリヒドロキシシランのような三官能性のフェニルシラン。
また、本発明の効果を損なわない程度に、式(Z)で示される構造を有する有機ケイ素化合物とともに、以下を併用して得られた有機ケイ素重合体を用いてもよい。一分子中に4つの反応基を有する有機ケイ素化合物(四官能性シラン)、一分子中に2つの反応基を有する有機ケイ素化合物(二官能性シラン)又は1つの反応基を有する有機ケイ素化合物(一官能性シラン)。
該トナー粒子中の有機ケイ素重合体の含有量は、0.5質量%以上10.5質量%以下であることが好ましい。
該有機ケイ素重合体の含有量は、有機ケイ素重合体形成に用いる有機ケイ素化合物の種類及び量、有機ケイ素重合体形成時のトナー粒子の製造方法、反応温度、反応時間、反応溶媒及びpHによって制御することができる。
有機ケイ素重合体を含有する表層とトナー粒子は、隙間なく接していることが好ましい。これにより、トナー粒子の表層よりも内部の樹脂成分や離型剤等によるブリードの発生が抑えられ、保存安定性、環境安定性及び現像耐久性に優れたトナーを得ることができる。表層には上記の有機ケイ素重合体の他に、スチレン−アクリル系共重合体樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂などの樹脂や各種添加剤などを含有させてもよい。
該トナーは、最大荷重2.0×10−4Nの条件で測定したときのマルテンス硬度を200MPa以上1100MPa以下である。
マルテンス硬度が200MPaよりも低い場合には、トナーがトナー供給ローラと現像ローラのニップや現像ニップで変形しやすくなり、トナーに金属石鹸が引き伸ばされる。その結果、感光ドラムへ金属石鹸が供給されにくくなり、画像流れが発生しやすくなる。
該マルテンス硬度の好ましい値は250MPa以上であり、より好ましい値は300MPa以上である。
一方、当該マルテンス硬度が1100MPaよりも高い場合、トナー同士の摺擦により金属石鹸が引き伸ばされやすく、画像流れが発生しやすくなる。
該マルテンス硬度の好ましい値は1000MPa以下であり、より好ましい値は900MPa以下である。該数値範囲は任意に組み合わせることができる。
該マルテンス硬度を調整するための1つの手段として、例えば、適切な硬度を持つ無機物などの物質でトナーの表層を形成させ、更にその化学構造やマクロ構造を適切な硬度を持つ様に制御する方法が挙げられる。
具体的な例示として、有機ケイ素重合体が挙げられ、材料の選択として有機ケイ素重合体のケイ素原子に直接結合している炭素原子の数や炭素鎖長などによって硬度を調整することが可能である。トナー粒子の表面が、有機ケイ素重合体で被覆され、表層を有している場合、該有機ケイ素重合体のケイ素原子に直接結合している炭素原子の数が1個以上3個以下(好ましくは1個以上2個以下、より好ましくは1個)であると、上記特定の硬度に調整しやすいため好ましい。
化学構造によりマルテンス硬度を調整する手段としては表層物質(被覆物質)の架橋や重合度などの化学構造の調整などにより可能である。マクロ構造によりマルテンス硬度を調整する手段としては、表層の凸凹形状や凸間を繋ぐネットワーク構造の調整などにより可能である。これらの調整は有機ケイ素重合体を表層として用いる場合には、有機ケイ素重合体を前処理する際のpH、濃度、温度、時間などで調整可能である。また、トナー粒子のコア粒子に有機ケイ素重合体を被覆するタイミングや形態、濃度、反応温度などによって調整が可能である。
本発明において特に好ましいのは以下の方法である。まず、トナー粒子のコア粒子を製造して水系媒体に分散し、コア粒子分散液を得る。この時の濃度はコア粒子分散液総量に対し、コア粒子の固形分が10質量%以上40質量%以下となる濃度で分散することが好ましい。
そして、該コア粒子分散液の温度は35℃以上に調整しておくことが好ましい。また、該コア粒子分散液のpHは有機ケイ素化合物の縮合が進みにくいpHに調整することが好ましい。有機ケイ素重合体の縮合が進みにくいpHは物質によって異なるため、最も反応が進みにくいpHを中心として、±0.5以内が好ましい。
一方、有機ケイ素化合物は加水分解処理を行ったものを用いることが好ましい。例えば、有機ケイ素化合物の前処理として別容器で加水分解しておく。加水分解の仕込み濃度は有機ケイ素化合物の量を100質量部とした場合、イオン交換水やRO水などイオン分を除去した水40質量部以上500質量部以下が好ましく、より好ましくは水100質量部以上400質量部以下である。加水分解の条件としては、好ましくはpHが2〜7、温度が15〜80℃、時間が30〜600分である。
得られた加水分解液とコア粒子分散液とを混合して縮合に適したpH(好ましくは6〜12、又は1〜3、より好ましくは8〜12)に調整することで、有機ケイ素化合物を縮合させながらコア粒子表面に被覆し、表層を形成させるとよい。縮合と表層形成は35℃以上で60分間以上であることが好ましい。また、縮合に適したpHに調整する前に35℃以上で保持する時間を調整することで表面のマクロ構造を調整可能であるが、3分以上120分以下であることが好ましい。
以上のような手段によって反応残基を減らすことができ、表層に凹凸を形成させることができ、更に凸間にネットワーク構造を形成させることができるため、上記特定のマルテンス硬度を有するトナーを得られやすい。
該有機ケイ素重合体の含有量は、有機ケイ素重合体形成に用いる有機ケイ素化合物の種類及び量、有機ケイ素重合体形成時のトナー粒子の製造方法、反応温度、反応時間、反応溶媒及びpHによって制御することができる。
有機ケイ素重合体を含有する表層とトナー粒子は、隙間なく接していることが好ましい。これにより、トナー粒子の表層よりも内部の樹脂成分や離型剤等によるブリードの発生が抑えられ、保存安定性、環境安定性及び現像耐久性に優れたトナーを得ることができる。表層には上記の有機ケイ素重合体の他に、スチレン−アクリル系共重合体樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂などの樹脂や各種添加剤などを含有させてもよい。
該トナーは、最大荷重2.0×10−4Nの条件で測定したときのマルテンス硬度を200MPa以上1100MPa以下である。
マルテンス硬度が200MPaよりも低い場合には、トナーがトナー供給ローラと現像ローラのニップや現像ニップで変形しやすくなり、トナーに金属石鹸が引き伸ばされる。その結果、感光ドラムへ金属石鹸が供給されにくくなり、画像流れが発生しやすくなる。
該マルテンス硬度の好ましい値は250MPa以上であり、より好ましい値は300MPa以上である。
一方、当該マルテンス硬度が1100MPaよりも高い場合、トナー同士の摺擦により金属石鹸が引き伸ばされやすく、画像流れが発生しやすくなる。
該マルテンス硬度の好ましい値は1000MPa以下であり、より好ましい値は900MPa以下である。該数値範囲は任意に組み合わせることができる。
該マルテンス硬度を調整するための1つの手段として、例えば、適切な硬度を持つ無機物などの物質でトナーの表層を形成させ、更にその化学構造やマクロ構造を適切な硬度を持つ様に制御する方法が挙げられる。
具体的な例示として、有機ケイ素重合体が挙げられ、材料の選択として有機ケイ素重合体のケイ素原子に直接結合している炭素原子の数や炭素鎖長などによって硬度を調整することが可能である。トナー粒子の表面が、有機ケイ素重合体で被覆され、表層を有している場合、該有機ケイ素重合体のケイ素原子に直接結合している炭素原子の数が1個以上3個以下(好ましくは1個以上2個以下、より好ましくは1個)であると、上記特定の硬度に調整しやすいため好ましい。
化学構造によりマルテンス硬度を調整する手段としては表層物質(被覆物質)の架橋や重合度などの化学構造の調整などにより可能である。マクロ構造によりマルテンス硬度を調整する手段としては、表層の凸凹形状や凸間を繋ぐネットワーク構造の調整などにより可能である。これらの調整は有機ケイ素重合体を表層として用いる場合には、有機ケイ素重合体を前処理する際のpH、濃度、温度、時間などで調整可能である。また、トナー粒子のコア粒子に有機ケイ素重合体を被覆するタイミングや形態、濃度、反応温度などによって調整が可能である。
本発明において特に好ましいのは以下の方法である。まず、トナー粒子のコア粒子を製造して水系媒体に分散し、コア粒子分散液を得る。この時の濃度はコア粒子分散液総量に対し、コア粒子の固形分が10質量%以上40質量%以下となる濃度で分散することが好ましい。
そして、該コア粒子分散液の温度は35℃以上に調整しておくことが好ましい。また、該コア粒子分散液のpHは有機ケイ素化合物の縮合が進みにくいpHに調整することが好ましい。有機ケイ素重合体の縮合が進みにくいpHは物質によって異なるため、最も反応が進みにくいpHを中心として、±0.5以内が好ましい。
一方、有機ケイ素化合物は加水分解処理を行ったものを用いることが好ましい。例えば、有機ケイ素化合物の前処理として別容器で加水分解しておく。加水分解の仕込み濃度は有機ケイ素化合物の量を100質量部とした場合、イオン交換水やRO水などイオン分を除去した水40質量部以上500質量部以下が好ましく、より好ましくは水100質量部以上400質量部以下である。加水分解の条件としては、好ましくはpHが2〜7、温度が15〜80℃、時間が30〜600分である。
得られた加水分解液とコア粒子分散液とを混合して縮合に適したpH(好ましくは6〜12、又は1〜3、より好ましくは8〜12)に調整することで、有機ケイ素化合物を縮合させながらコア粒子表面に被覆し、表層を形成させるとよい。縮合と表層形成は35℃以上で60分間以上であることが好ましい。また、縮合に適したpHに調整する前に35℃以上で保持する時間を調整することで表面のマクロ構造を調整可能であるが、3分以上120分以下であることが好ましい。
以上のような手段によって反応残基を減らすことができ、表層に凹凸を形成させることができ、更に凸間にネットワーク構造を形成させることができるため、上記特定のマルテンス硬度を有するトナーを得られやすい。
トナーの模式図を図3に示す。該トナーは、トナー粒子45aに流動性の担保と帯電性の改善のため無機ケイ素微粒子45bを外添したトナー45である。
また、トナーの模式図を図4に示す。該トナーは、トナー粒子46a、及び該トナー粒子の表面を被覆する有機ケイ素重合体46bを有するトナー46である。
本発明の実施形態で使用するトナーは、マイナスに帯電極性をもつ非磁性1成分トナーであり、粒径は7μmとした。
また、トナーの模式図を図4に示す。該トナーは、トナー粒子46a、及び該トナー粒子の表面を被覆する有機ケイ素重合体46bを有するトナー46である。
本発明の実施形態で使用するトナーは、マイナスに帯電極性をもつ非磁性1成分トナーであり、粒径は7μmとした。
さらに、画像流れの抑制を目的として、トナーには、金属石鹸が外添される。金属石鹸を感光ドラムに供給し保護膜を形成することにより放電生成物などの付着を軽減することができ、感光ドラム1の画像流れを抑制することができる。
金属石鹸は、長鎖脂肪酸と、ナトリウム・カリウム以外の金属塩の総称である。具体的には、ステアリン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸、リシノール酸、オクチル酸などの脂肪酸と、リチウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム、亜鉛などの金属との金属塩が挙げられる。
より具体的には、ステアリン酸鉛、ステアリン酸カドミウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、ラウリン酸亜鉛、ミリスチン酸亜鉛などが挙げられる。なお、金属石鹸の種類としてはこれらに限定されるものではない。
本発明の実施形態では、金属石鹸として、ステアリン酸亜鉛を外添した。
トナー中の金属石鹸の含有量は、0.60質量%以下、0.50質量%以下、0.40質量%以下、0.30質量%以下であることが好ましい。一方、含有量は、0.05質量%以上、0.10質量%以上、0.15質量%以上、0.20質量%以上であることが好ましい。該数値範囲は任意に組み合わせることができる。
また、金属石鹸の平均粒径は、0.15μm以上2.00μm以下であることが好ましい。
該粒径が0.15μmより小さくなると、トナーから感光体表面の溝に供給されにくくなる。一方、粒径が2.00μmより大きくなるとトナーから遊離しやすくなり、現像装置内のトナー規制部材などを通過できずに現像容器内に取り残され、感光体表面に供給されにくくなる。
金属石鹸の平均粒径は、以下の方法で測定した。金属石鹸0.5gに10mLのエタノールを加え、日本精機株式会社製の超音波分散器を用いて5分間超音波分散を行った。次に、測定溶媒としてエタノールを循環している、日機装株式会社製マイクロトラック レーザー回折・散乱式 粒度分布測定装置(SPA型)に、得られた金属石鹸分散液を、DV値が0.6〜0.8になるまで添加した。そして、この状態における粒度分布を測定し、メジアン径を平均粒径とした。また、上記平均粒径の金属石鹸は、例えば、脂肪酸塩水溶液と無機金属塩の水溶液又は分散液を反応させる複分解法を用いて製造するとよい。
本発明の実施形態では、平均粒径が0.60μmのステアリン酸亜鉛を用いた。ステアリン酸亜鉛の平均粒径は0.15〜2.00μmであることが好ましい。
該含有量が多いほど画像流れの抑制には効果があるが、過剰に添加するとトナーの流動性が低下し、ベタ追従性に影響する場合がある。
金属石鹸は、長鎖脂肪酸と、ナトリウム・カリウム以外の金属塩の総称である。具体的には、ステアリン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸、リシノール酸、オクチル酸などの脂肪酸と、リチウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム、亜鉛などの金属との金属塩が挙げられる。
より具体的には、ステアリン酸鉛、ステアリン酸カドミウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、ラウリン酸亜鉛、ミリスチン酸亜鉛などが挙げられる。なお、金属石鹸の種類としてはこれらに限定されるものではない。
本発明の実施形態では、金属石鹸として、ステアリン酸亜鉛を外添した。
トナー中の金属石鹸の含有量は、0.60質量%以下、0.50質量%以下、0.40質量%以下、0.30質量%以下であることが好ましい。一方、含有量は、0.05質量%以上、0.10質量%以上、0.15質量%以上、0.20質量%以上であることが好ましい。該数値範囲は任意に組み合わせることができる。
また、金属石鹸の平均粒径は、0.15μm以上2.00μm以下であることが好ましい。
該粒径が0.15μmより小さくなると、トナーから感光体表面の溝に供給されにくくなる。一方、粒径が2.00μmより大きくなるとトナーから遊離しやすくなり、現像装置内のトナー規制部材などを通過できずに現像容器内に取り残され、感光体表面に供給されにくくなる。
金属石鹸の平均粒径は、以下の方法で測定した。金属石鹸0.5gに10mLのエタノールを加え、日本精機株式会社製の超音波分散器を用いて5分間超音波分散を行った。次に、測定溶媒としてエタノールを循環している、日機装株式会社製マイクロトラック レーザー回折・散乱式 粒度分布測定装置(SPA型)に、得られた金属石鹸分散液を、DV値が0.6〜0.8になるまで添加した。そして、この状態における粒度分布を測定し、メジアン径を平均粒径とした。また、上記平均粒径の金属石鹸は、例えば、脂肪酸塩水溶液と無機金属塩の水溶液又は分散液を反応させる複分解法を用いて製造するとよい。
本発明の実施形態では、平均粒径が0.60μmのステアリン酸亜鉛を用いた。ステアリン酸亜鉛の平均粒径は0.15〜2.00μmであることが好ましい。
該含有量が多いほど画像流れの抑制には効果があるが、過剰に添加するとトナーの流動性が低下し、ベタ追従性に影響する場合がある。
本発明の実施形態で使用するトナーにおいて、無機ケイ素微粒子又は有機ケイ素重合体の水洗移行量は、0.20質量%以下である。該水洗移行量は、0.18質量%以下、0.15質量%以下、0.10質量%以下であることが好ましい。一方、含有量は、0.00質量%以上であることが好ましい。該数値範囲は任意に組み合わせることができる。
水洗移行量とは、無機ケイ素微粒子又は有機ケイ素重合体の遊離しやすさを示す指標である。詳細な測定方法は後述するが、水洗移行量が多いと無機ケイ素微粒子又は有機ケイ素重合体の遊離量は多く、水洗移行量が少ないと無機ケイ素微粒子又は有機ケイ素重合体の遊離量は少ない。
水洗移行量が0.20質量%以下の場合、無機ケイ素微粒子又は有機ケイ素重合体の遊離に伴う金属石鹸の遊離が抑えられ、画像形成を多数繰り返しても枯渇することなく長期にわたって安定して、金属石鹸を感光ドラムへ供給できる。
一方、水洗移行量が0.20質量%を超える場合、金属石鹸の遊離が過剰となるので画像形成動作を多数繰り返しているうちに、金属石鹸が現像部から枯渇していき、金属石鹸
の供給量が不足してしまう。該金属石鹸の供給量不足が、画像形成を繰り返した際の画像流れ発生の大きな要因と考えられる。
金属石鹸はトナーと逆極性に帯電させることでトナー粒子に付着されており、非画像形成時に感光ドラム上に供給される。
水洗移行量とは、無機ケイ素微粒子又は有機ケイ素重合体の遊離しやすさを示す指標である。詳細な測定方法は後述するが、水洗移行量が多いと無機ケイ素微粒子又は有機ケイ素重合体の遊離量は多く、水洗移行量が少ないと無機ケイ素微粒子又は有機ケイ素重合体の遊離量は少ない。
水洗移行量が0.20質量%以下の場合、無機ケイ素微粒子又は有機ケイ素重合体の遊離に伴う金属石鹸の遊離が抑えられ、画像形成を多数繰り返しても枯渇することなく長期にわたって安定して、金属石鹸を感光ドラムへ供給できる。
一方、水洗移行量が0.20質量%を超える場合、金属石鹸の遊離が過剰となるので画像形成動作を多数繰り返しているうちに、金属石鹸が現像部から枯渇していき、金属石鹸
の供給量が不足してしまう。該金属石鹸の供給量不足が、画像形成を繰り返した際の画像流れ発生の大きな要因と考えられる。
金属石鹸はトナーと逆極性に帯電させることでトナー粒子に付着されており、非画像形成時に感光ドラム上に供給される。
該トナーは、さらに放電生成物除去剤を含有することが好ましい。
放電生成物除去剤としては、炭化珪素、アルミナ、酸化セリウムシリカ酸化チタン、チタン酸ストロンチウム又はチタン酸バリウム等の研磨粒子;酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム・炭酸水素ナトリウム共沈物、水酸化アルミニウム・炭酸マグネシウム・炭酸カルシウム共沈物、珪酸マグネシウム、珪酸アルミニウム、リチウムアルミネート化合物、ハイドロタルサイト化合物等のアニオン交換性化合物が挙げられる。
画像流れの原因となっている物質は、帯電や転写工程で発生したオゾンや窒素酸化物が空気中の水分と反応して形成される硝酸(HNO3)であると考えられている。この硝酸が水素イオンと硝酸イオンとに電離し、硝酸イオンが感光ドラム1の抵抗を低下させて、画像流れが発生する。
例えば、アニオン交換性化合物は、この硝酸を吸着することで放電生成物を除去すると考えられている。
一方、研磨粒子は感光ドラムを研磨することで放電生成物を除去するが、研磨により感光ドラムそのものを研磨してしまう。
感光ドラムの耐久性の維持に鑑みると、アニオン交換性化合物であることが好ましい。また、その中でもハイドロタルサイト類化合物が好ましい。
該ハイドロタルサイト類化合物は下記式(2)で表される化合物である。
M2+ (1−X)M3+ X(OH)2An− (X/n)・mH2O (2)
(式中、M2+は2価の金属イオンを表し、M3+は3価の金属イオンを表し、An−はn価のアニオンを表し、0<X≦0.5、m≧0、nは1以上の整数である。)
式(2)で表されるハイドロタルサイト類化合物は、正に荷電した基本層[M2+ (1−X)M3+ x(OH)2]x+と、負に荷電した中間層[An− (x/n)・mH2O]x−とからなる層状化合物であり、基本層に中間層が挿入された層間化合物と考えることができる。
一般に層間化合物は、特異な化学的性質(反応性)を発揮することが知られているが、式(2)で表されるハイドロタルサイト類化合物の場合には、中間層に存在するアニオン(An−)と硝酸イオンとが容易に置換(アニオン交換)することが知られている。
アニオン交換のメカニズムは定かでないが、基本層と硝酸イオンとの電気的な相互作用(吸引力)、中間層の空隙の大きさ(中間層の厚さ)、吸着作用等が複合的に作用しているものと推定される。ハイドロタルサイト類化合物はアニオン交換によって硝酸イオンを取り込んで感光体表面の低抵抗化を防いでいるものと考えられる。
そして、ハイドロタルサイト類化合物は単にアニオン交換によって硝酸イオンを吸着するだけでなく、以下に示す特異な性質も有しているため、画像流れの防止効果が非常に高くなるものと考えられる。
放電生成物除去剤としては、炭化珪素、アルミナ、酸化セリウムシリカ酸化チタン、チタン酸ストロンチウム又はチタン酸バリウム等の研磨粒子;酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム・炭酸水素ナトリウム共沈物、水酸化アルミニウム・炭酸マグネシウム・炭酸カルシウム共沈物、珪酸マグネシウム、珪酸アルミニウム、リチウムアルミネート化合物、ハイドロタルサイト化合物等のアニオン交換性化合物が挙げられる。
画像流れの原因となっている物質は、帯電や転写工程で発生したオゾンや窒素酸化物が空気中の水分と反応して形成される硝酸(HNO3)であると考えられている。この硝酸が水素イオンと硝酸イオンとに電離し、硝酸イオンが感光ドラム1の抵抗を低下させて、画像流れが発生する。
例えば、アニオン交換性化合物は、この硝酸を吸着することで放電生成物を除去すると考えられている。
一方、研磨粒子は感光ドラムを研磨することで放電生成物を除去するが、研磨により感光ドラムそのものを研磨してしまう。
感光ドラムの耐久性の維持に鑑みると、アニオン交換性化合物であることが好ましい。また、その中でもハイドロタルサイト類化合物が好ましい。
該ハイドロタルサイト類化合物は下記式(2)で表される化合物である。
M2+ (1−X)M3+ X(OH)2An− (X/n)・mH2O (2)
(式中、M2+は2価の金属イオンを表し、M3+は3価の金属イオンを表し、An−はn価のアニオンを表し、0<X≦0.5、m≧0、nは1以上の整数である。)
式(2)で表されるハイドロタルサイト類化合物は、正に荷電した基本層[M2+ (1−X)M3+ x(OH)2]x+と、負に荷電した中間層[An− (x/n)・mH2O]x−とからなる層状化合物であり、基本層に中間層が挿入された層間化合物と考えることができる。
一般に層間化合物は、特異な化学的性質(反応性)を発揮することが知られているが、式(2)で表されるハイドロタルサイト類化合物の場合には、中間層に存在するアニオン(An−)と硝酸イオンとが容易に置換(アニオン交換)することが知られている。
アニオン交換のメカニズムは定かでないが、基本層と硝酸イオンとの電気的な相互作用(吸引力)、中間層の空隙の大きさ(中間層の厚さ)、吸着作用等が複合的に作用しているものと推定される。ハイドロタルサイト類化合物はアニオン交換によって硝酸イオンを取り込んで感光体表面の低抵抗化を防いでいるものと考えられる。
そして、ハイドロタルサイト類化合物は単にアニオン交換によって硝酸イオンを吸着するだけでなく、以下に示す特異な性質も有しているため、画像流れの防止効果が非常に高くなるものと考えられる。
ハイドロタルサイト類化合物は水に不溶であり、硝酸イオン吸着後も水に不溶である。つまり、吸着剤自体(吸着反応後の物質を含めて)が電離してイオン化することがない。
また、ハイドロタルサイト類化合物は、NOxガス(窒素酸化物)の吸着作用を有していると考えられている。つまり、ハイドロタルサイト類化合物はNOxガスを吸着することで、硝酸イオンの発生量そのものを抑えていると考えられている。
さらに、ハイドロタルサイト類化合物の中で、An−がCO3 2−であるハイドロタルサイト類化合物が好ましい。
放電生成物を吸着したハイドロタルサイトはCO3 2−(An−)を放出するが、生成した二酸化炭素は大部分が気体となるので、感光体表面の電気抵抗値を低下させることは
ない。
また、An−がCO3 2−であるハイドロタルサイト類化合物は、工業的に大量生産されているために安価に入手できることもあり、CO3 2−はAn−として最も好ましい例であるといえる。
なお、式(2)において、M2+は任意の2価の金属イオン(例えば、Mg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+、Zn2+、Ni2+、Cd2+、Sn2+、Pb2+、Fe2+等が挙げられる(もちろんこれに限定されるわけではない)。
M3+は任意の3価の金属イオン(例えば、Al3+、Fe3+、Co3+、Bi3+、In3+、Sb3+、B3+、Ti3+等が挙げられる(もちろんこれに限定されるわけではない)。
M2+及びM3+は、それぞれ2種類以上の金属からなっていてもよい。特に、M2+がMg2+であり、かつM3+がAl3+である式(3)で表されるハイドロタルサイト類化合物は、工業的に安価に入手できること、毒性等の問題がないことから好ましい。
Mg(1−X)AlX(OH)2(CO3)X/2・mH2O (3)
(式中、0<X≦0.5、m≧0)
トナー中の放電生成物除去剤の含有量は、0.05質量%以上、0.10質量%以上、0.15質量%以上、0.20質量%以上であることが好ましい。一方、含有量は、0.60質量%以下、0.50質量%以下、0.40質量%以下、0.30質量%以下であることが好ましい。該数値範囲は任意に組み合わせることができる。
また、ハイドロタルサイト類化合物は、NOxガス(窒素酸化物)の吸着作用を有していると考えられている。つまり、ハイドロタルサイト類化合物はNOxガスを吸着することで、硝酸イオンの発生量そのものを抑えていると考えられている。
さらに、ハイドロタルサイト類化合物の中で、An−がCO3 2−であるハイドロタルサイト類化合物が好ましい。
放電生成物を吸着したハイドロタルサイトはCO3 2−(An−)を放出するが、生成した二酸化炭素は大部分が気体となるので、感光体表面の電気抵抗値を低下させることは
ない。
また、An−がCO3 2−であるハイドロタルサイト類化合物は、工業的に大量生産されているために安価に入手できることもあり、CO3 2−はAn−として最も好ましい例であるといえる。
なお、式(2)において、M2+は任意の2価の金属イオン(例えば、Mg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+、Zn2+、Ni2+、Cd2+、Sn2+、Pb2+、Fe2+等が挙げられる(もちろんこれに限定されるわけではない)。
M3+は任意の3価の金属イオン(例えば、Al3+、Fe3+、Co3+、Bi3+、In3+、Sb3+、B3+、Ti3+等が挙げられる(もちろんこれに限定されるわけではない)。
M2+及びM3+は、それぞれ2種類以上の金属からなっていてもよい。特に、M2+がMg2+であり、かつM3+がAl3+である式(3)で表されるハイドロタルサイト類化合物は、工業的に安価に入手できること、毒性等の問題がないことから好ましい。
Mg(1−X)AlX(OH)2(CO3)X/2・mH2O (3)
(式中、0<X≦0.5、m≧0)
トナー中の放電生成物除去剤の含有量は、0.05質量%以上、0.10質量%以上、0.15質量%以上、0.20質量%以上であることが好ましい。一方、含有量は、0.60質量%以下、0.50質量%以下、0.40質量%以下、0.30質量%以下であることが好ましい。該数値範囲は任意に組み合わせることができる。
該トナー粒子の製造方法は公知の手段を用いることができ、混練粉砕法や湿式製造法を用いることができる。粒子径の均一化や形状制御性の観点からは湿式製造法を好ましく用いることができる。さらに、湿式製造法には懸濁重合法、溶解懸濁法、乳化重合凝集法、乳化凝集法などを挙げることができる。
ここでは懸濁重合法について説明する。懸濁重合法においてはまず、結着樹脂を生成するための重合性単量体、及び必要に応じて着色剤などその他の添加剤をボールミル、超音波分散機のような分散機を用いてこれらを均一に溶解又は分散させた重合性単量体組成物を調製する(重合性単量体組成物の調製工程)。このとき、必要に応じて多官能性単量体や連鎖移動剤、また、離型剤としてのワックスや荷電制御剤、可塑剤などを適宜加えることができる。
次に、上記重合性単量体組成物を予め用意しておいた水系媒体中に投入し、高せん断力を有する撹拌機や分散機により、重合性単量体組成物からなる液滴を所望のトナー粒子のサイズに形成する(造粒工程)。
造粒工程における水系媒体は分散安定剤を含有していることが、トナー粒子の粒径制御、粒度分布のシャープ化、製造過程におけるトナー粒子の合一を抑制するために好ましい。
分散安定剤としては、一般的に立体障害による反発力を発現させる高分子と、静電気的な反発力で分散安定化を図る難水溶性無機化合物とに大別される。難水溶性無機化合物の微粒子は、酸やアルカリにより溶解するため、重合後に酸やアルカリで洗浄することにより溶解させて容易に除去することができるため、好適に用いられる。
造粒工程の後、あるいは造粒工程を行いながら、好ましくは50℃以上90℃以下の温度に設定して、重合性単量体組成物に含まれる重合性単量体の重合を行い、トナー粒子分散液を得る(重合工程)。
重合工程では容器内の温度分布が均一になる様に攪拌操作を行うことが好ましい。重合開始剤を添加する場合、任意のタイミングと所要時間で行うことができる。また、所望の分子量分布を得る目的で重合反応後半に昇温してもよく、さらに、未反応の重合性単量体、副生成物などを系外に除去するために反応後半、または反応終了後に、一部水系媒体を蒸留操作により留去してもよい。蒸留操作は常圧又は減圧下で行うことができる。
ここでは懸濁重合法について説明する。懸濁重合法においてはまず、結着樹脂を生成するための重合性単量体、及び必要に応じて着色剤などその他の添加剤をボールミル、超音波分散機のような分散機を用いてこれらを均一に溶解又は分散させた重合性単量体組成物を調製する(重合性単量体組成物の調製工程)。このとき、必要に応じて多官能性単量体や連鎖移動剤、また、離型剤としてのワックスや荷電制御剤、可塑剤などを適宜加えることができる。
次に、上記重合性単量体組成物を予め用意しておいた水系媒体中に投入し、高せん断力を有する撹拌機や分散機により、重合性単量体組成物からなる液滴を所望のトナー粒子のサイズに形成する(造粒工程)。
造粒工程における水系媒体は分散安定剤を含有していることが、トナー粒子の粒径制御、粒度分布のシャープ化、製造過程におけるトナー粒子の合一を抑制するために好ましい。
分散安定剤としては、一般的に立体障害による反発力を発現させる高分子と、静電気的な反発力で分散安定化を図る難水溶性無機化合物とに大別される。難水溶性無機化合物の微粒子は、酸やアルカリにより溶解するため、重合後に酸やアルカリで洗浄することにより溶解させて容易に除去することができるため、好適に用いられる。
造粒工程の後、あるいは造粒工程を行いながら、好ましくは50℃以上90℃以下の温度に設定して、重合性単量体組成物に含まれる重合性単量体の重合を行い、トナー粒子分散液を得る(重合工程)。
重合工程では容器内の温度分布が均一になる様に攪拌操作を行うことが好ましい。重合開始剤を添加する場合、任意のタイミングと所要時間で行うことができる。また、所望の分子量分布を得る目的で重合反応後半に昇温してもよく、さらに、未反応の重合性単量体、副生成物などを系外に除去するために反応後半、または反応終了後に、一部水系媒体を蒸留操作により留去してもよい。蒸留操作は常圧又は減圧下で行うことができる。
トナー粒子の粒径は、高精細かつ高解像の画像を得るという観点から重量平均粒径が3
.0μm以上10.0μm以下であることが好ましい。トナーの重量平均粒径は細孔電気抵抗法により測定することができる。例えば「コールター・カウンター Multisizer 3」(ベックマン・コールター(株)製)用いて測定することができる。こうして得られたトナー粒子分散液は、トナー粒子と水系媒体を固液分離する濾過工程へと送られる。
得られたトナー粒子分散液からトナー粒子を得るための固液分離は、一般的な濾過方法で行うことができ、その後トナー粒子表面から除去しきれなかった異物を除去するため、リスラリーや洗浄水のかけ洗いなどによって更に洗浄を行うことが好ましい。十分な洗浄が行なわれた後に、再び固液分離してトナーケーキを得る。その後、公知の乾燥手段により乾燥され、必要であれば分級により所定外の粒径を有する粒子群を分離してトナー粒子を得る。このとき分離された所定外の粒径を有する粒子群は最終的な収率を向上させるために再利用してもよい。
.0μm以上10.0μm以下であることが好ましい。トナーの重量平均粒径は細孔電気抵抗法により測定することができる。例えば「コールター・カウンター Multisizer 3」(ベックマン・コールター(株)製)用いて測定することができる。こうして得られたトナー粒子分散液は、トナー粒子と水系媒体を固液分離する濾過工程へと送られる。
得られたトナー粒子分散液からトナー粒子を得るための固液分離は、一般的な濾過方法で行うことができ、その後トナー粒子表面から除去しきれなかった異物を除去するため、リスラリーや洗浄水のかけ洗いなどによって更に洗浄を行うことが好ましい。十分な洗浄が行なわれた後に、再び固液分離してトナーケーキを得る。その後、公知の乾燥手段により乾燥され、必要であれば分級により所定外の粒径を有する粒子群を分離してトナー粒子を得る。このとき分離された所定外の粒径を有する粒子群は最終的な収率を向上させるために再利用してもよい。
有機ケイ素重合体を有する表層を形成する手法として、前述のように、水系媒体中でトナー粒子を形成する場合には水系媒体中で重合工程などを行いながら、有機ケイ素化合物の加水分解液を添加して表層を形成させることができる。重合後のトナー粒子の分散液をコア粒子分散液として用いて、有機ケイ素化合物の加水分解液を添加し、表層を形成させてもよい。また、混練粉砕法など水系媒体以外の場合には得られたトナー粒子を水系媒体に分散してコア粒子分散液として用いて、前述のように有機ケイ素化合物の加水分解液を添加し、表層を形成させてもよい。
(マルテンス硬度の測定方法)
硬度とは、物体の表面又は表面近傍の機械的性質の一つであり、異物によって変形や傷を与えられようとするときの、物体の変形しにくさ、物体の傷つきにくさであり、様々な測定方法や定義が存在する。例えば測定方法は測定領域の広さによって使い分けられ、測定領域が10μm以上の場合にはビッカース法、10μm以下の場合にはナノインデンテーション法、1μm以下の場合にはAFMなどと使い分けられることが多い。定義としては、例えば押し込み硬さとしてはブリネル硬度やビッカース硬度、引っ掻き硬さとしてはマルテンス硬度、反発硬さとしてはショア硬度などが使い分けられている。
トナーの測定においては、一般的な粒径は3μm〜10μmであるから、ナノインデンテーション法が好ましく用いられる測定方法である。発明者らの検討によると本発明の効果を発現するための硬度の規定として、引っ掻き硬さを表すマルテンス硬度が適当であった。これは、トナーが現像機内で金属や外添剤などの硬い物質に引っ掻かれることに対する強さを表し得るのが引っ掻き硬さであるためと考えている。
ナノインデンテーション法にてトナーのマルテンス硬度を測定する方法は、ISO14577−1に準拠した市販の装置にて、ISO14577−1に規定された押込み試験の手順に従って、得られた荷重−変位曲線から算出することができる。本発明においては、前記ISO規格に準拠した装置として、超微小押し込み硬さ試験機「ENT−1100b」(株式会社エリオニクス製)を用いた。測定方法は、装置に付属の「ENT1100操作マニュアル」に記載されているが、具体的な測定方法は以下の通りである。
測定環境は、付属の温度調節装置にてシールドケース内を30.0℃に保った。雰囲気温度を一定に保つことは熱膨張やドリフトなどによる測定データのバラつき低減に有効である。設定温度は、トナーが摩擦される現像機近辺の温度を想定した30.0℃の条件とした。試料台は装置に付属の標準試料台を用い、トナーを塗布した後にトナーが分散するように微弱なエアーを吹き付け、その試料台を装置にセットして1時間以上保持してから測定を行った。
圧子には装置に付属の先端が20μm四方の平面である平圧子(チタン製圧子、先端はダイヤモンド製)を用いて測定した。トナーの様に小径かつ球形の物体、外添剤が付着している物体、表面に凹凸が存在する物体においては、尖った圧子を用いると測定精度に大きな影響を与えるため平圧子を用いる。試験の最大荷重は2.0×10−4Nに設定して
行った。この試験荷重に設定することで、現像部においてトナー1粒が受けるストレスに相当する条件で、トナーの表層を破壊せずに硬度を測定することが可能である。本発明においては、耐摩擦性が重要であるから表層を破壊せずに維持したまま硬さを測ることが重要である。
測定対象の粒子としては、装置付属の顕微鏡による測定用画面(視野サイズ:横幅160μm、縦幅120μm)にトナーが単独で存在しているものを選択した。ただし、変位量の誤差を極力無くすため、粒子径(D)が個数平均粒径(D1)の±0.5μmの範囲にあるもの(D1−0.5μm≦D≦D1+0.5μm)を選択した。なお、測定対象粒子の粒径測定は装置付属のソフトを用いてトナーの長径と短径を測定し、[(長径+短径)/2]をもって粒子径D(μm)とした。また、個数平均粒径は「コールター・カウンター Multisizer 3(ベックマン・コールター株式会社製)を用いて測定した。
硬度測定に際しては、粒子径D(μm)が上記条件を満たす任意のトナー100粒を選んで測定を行った。測定の際に入力する条件は以下の通りである。
試験モード:負荷−除荷試験
試験荷重:20.000mgf(=2.0×10−4N)
分割数:1000step
ステップインターバル:10msec
解析メニュー「データ解析(ISO)」を選択して測定を行うと、測定後に装置付属ソフトでマルテンス硬度が解析され、出力される。トナー100粒について上記測定を行って、その相加平均値を本発明におけるマルテンス硬度とした。
硬度とは、物体の表面又は表面近傍の機械的性質の一つであり、異物によって変形や傷を与えられようとするときの、物体の変形しにくさ、物体の傷つきにくさであり、様々な測定方法や定義が存在する。例えば測定方法は測定領域の広さによって使い分けられ、測定領域が10μm以上の場合にはビッカース法、10μm以下の場合にはナノインデンテーション法、1μm以下の場合にはAFMなどと使い分けられることが多い。定義としては、例えば押し込み硬さとしてはブリネル硬度やビッカース硬度、引っ掻き硬さとしてはマルテンス硬度、反発硬さとしてはショア硬度などが使い分けられている。
トナーの測定においては、一般的な粒径は3μm〜10μmであるから、ナノインデンテーション法が好ましく用いられる測定方法である。発明者らの検討によると本発明の効果を発現するための硬度の規定として、引っ掻き硬さを表すマルテンス硬度が適当であった。これは、トナーが現像機内で金属や外添剤などの硬い物質に引っ掻かれることに対する強さを表し得るのが引っ掻き硬さであるためと考えている。
ナノインデンテーション法にてトナーのマルテンス硬度を測定する方法は、ISO14577−1に準拠した市販の装置にて、ISO14577−1に規定された押込み試験の手順に従って、得られた荷重−変位曲線から算出することができる。本発明においては、前記ISO規格に準拠した装置として、超微小押し込み硬さ試験機「ENT−1100b」(株式会社エリオニクス製)を用いた。測定方法は、装置に付属の「ENT1100操作マニュアル」に記載されているが、具体的な測定方法は以下の通りである。
測定環境は、付属の温度調節装置にてシールドケース内を30.0℃に保った。雰囲気温度を一定に保つことは熱膨張やドリフトなどによる測定データのバラつき低減に有効である。設定温度は、トナーが摩擦される現像機近辺の温度を想定した30.0℃の条件とした。試料台は装置に付属の標準試料台を用い、トナーを塗布した後にトナーが分散するように微弱なエアーを吹き付け、その試料台を装置にセットして1時間以上保持してから測定を行った。
圧子には装置に付属の先端が20μm四方の平面である平圧子(チタン製圧子、先端はダイヤモンド製)を用いて測定した。トナーの様に小径かつ球形の物体、外添剤が付着している物体、表面に凹凸が存在する物体においては、尖った圧子を用いると測定精度に大きな影響を与えるため平圧子を用いる。試験の最大荷重は2.0×10−4Nに設定して
行った。この試験荷重に設定することで、現像部においてトナー1粒が受けるストレスに相当する条件で、トナーの表層を破壊せずに硬度を測定することが可能である。本発明においては、耐摩擦性が重要であるから表層を破壊せずに維持したまま硬さを測ることが重要である。
測定対象の粒子としては、装置付属の顕微鏡による測定用画面(視野サイズ:横幅160μm、縦幅120μm)にトナーが単独で存在しているものを選択した。ただし、変位量の誤差を極力無くすため、粒子径(D)が個数平均粒径(D1)の±0.5μmの範囲にあるもの(D1−0.5μm≦D≦D1+0.5μm)を選択した。なお、測定対象粒子の粒径測定は装置付属のソフトを用いてトナーの長径と短径を測定し、[(長径+短径)/2]をもって粒子径D(μm)とした。また、個数平均粒径は「コールター・カウンター Multisizer 3(ベックマン・コールター株式会社製)を用いて測定した。
硬度測定に際しては、粒子径D(μm)が上記条件を満たす任意のトナー100粒を選んで測定を行った。測定の際に入力する条件は以下の通りである。
試験モード:負荷−除荷試験
試験荷重:20.000mgf(=2.0×10−4N)
分割数:1000step
ステップインターバル:10msec
解析メニュー「データ解析(ISO)」を選択して測定を行うと、測定後に装置付属ソフトでマルテンス硬度が解析され、出力される。トナー100粒について上記測定を行って、その相加平均値を本発明におけるマルテンス硬度とした。
(トナー粒子中の有機ケイ素重合体の含有量の測定)
有機ケイ素重合体の含有量の測定は、波長分散型蛍光X線分析装置「Axios」(PANalytical社製)と、測定条件設定及び測定データ解析をするための付属の専用ソフト「SuperQ ver.4.0F」(PANalytical社製)を用いた。なお、X線管球のアノードとしてはRhを用い、測定雰囲気は真空、測定径(コリメーターマスク径)は27mm、測定時間10秒とした。また、軽元素を測定する場合にはプロポーショナルカウンタ(PC)、重元素を測定する場合にはシンチレーションカウンタ(SC)で検出した。
測定サンプルとしては、専用のプレス用アルミリングの中にトナー粒子4gを入れて平らにならし、錠剤成型圧縮機「BRE−32」(前川試験機製作所社製)を用いて、20MPaで、60秒間加圧し、厚さ2mm、直径39mmに成型したペレットを用いた。
有機ケイ素重合体を含まないトナー粒子100質量部に対して、シリカ(SiO2)微粉末を0.5質量部となるように添加し、コーヒーミルを用いて充分混合した。同様にして、シリカ微粉末を5.0質量部、10.0質量部となるようにトナー粒子とそれぞれ混合し、これらを検量線用の試料とした。
それぞれの試料について、錠剤成型圧縮機を用いて上記のようにして検量線用の試料のペレットを作製し、PETを分光結晶に用いた際に回折角(2θ)=109.08°に観測されるSi−Kα線の計数率(単位:cps)を測定した。この際、X線発生装置の加速電圧、電流値はそれぞれ、24kV、100mAとした。得られたX線の計数率を縦軸に、各検量線用試料中のSiO2添加量を横軸として、一次関数の検量線を得た。
次に、分析対象のトナー粒子を、錠剤成型圧縮機を用いて上記のようにしてペレットとし、そのSi−Kα線の計数率を測定した。そして、上記の検量線からトナー粒子中の有機ケイ素重合体含有量を求めた。
有機ケイ素重合体の含有量の測定は、波長分散型蛍光X線分析装置「Axios」(PANalytical社製)と、測定条件設定及び測定データ解析をするための付属の専用ソフト「SuperQ ver.4.0F」(PANalytical社製)を用いた。なお、X線管球のアノードとしてはRhを用い、測定雰囲気は真空、測定径(コリメーターマスク径)は27mm、測定時間10秒とした。また、軽元素を測定する場合にはプロポーショナルカウンタ(PC)、重元素を測定する場合にはシンチレーションカウンタ(SC)で検出した。
測定サンプルとしては、専用のプレス用アルミリングの中にトナー粒子4gを入れて平らにならし、錠剤成型圧縮機「BRE−32」(前川試験機製作所社製)を用いて、20MPaで、60秒間加圧し、厚さ2mm、直径39mmに成型したペレットを用いた。
有機ケイ素重合体を含まないトナー粒子100質量部に対して、シリカ(SiO2)微粉末を0.5質量部となるように添加し、コーヒーミルを用いて充分混合した。同様にして、シリカ微粉末を5.0質量部、10.0質量部となるようにトナー粒子とそれぞれ混合し、これらを検量線用の試料とした。
それぞれの試料について、錠剤成型圧縮機を用いて上記のようにして検量線用の試料のペレットを作製し、PETを分光結晶に用いた際に回折角(2θ)=109.08°に観測されるSi−Kα線の計数率(単位:cps)を測定した。この際、X線発生装置の加速電圧、電流値はそれぞれ、24kV、100mAとした。得られたX線の計数率を縦軸に、各検量線用試料中のSiO2添加量を横軸として、一次関数の検量線を得た。
次に、分析対象のトナー粒子を、錠剤成型圧縮機を用いて上記のようにしてペレットとし、そのSi−Kα線の計数率を測定した。そして、上記の検量線からトナー粒子中の有機ケイ素重合体含有量を求めた。
(水洗移行量の測定)
イオン交換水100mLにスクロース(キシダ化学製)160gを加え、湯せんをしながら溶解させ、ショ糖濃厚液を調製した。遠心分離用チューブ(容量50ml)に上記ショ糖濃厚液を31gと、コンタミノンN(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有
機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)を6mL入れ分散液を作製した。この分散液にトナー1.0gを添加し、スパチュラなどでトナーのかたまりをほぐした。
遠心分離用チューブをシェイカーにて350spm(strokes per min)、20minで振とうした。振とう後、溶液をスイングローター用ガラスチューブ(容量50mL)に入れ替えて、遠心分離機(H−9R 株式会社コクサン製)にて3500rpm、30分間の条件で分離した。トナーと水溶液が十分に分離されていることを目視で確認し、最上層に分離したトナーをスパチュラ等で採取した。採取したトナーを含む水溶液を減圧濾過器で濾過した後、乾燥機で1時間以上乾燥した。乾燥品をスパチュラで解砕し、蛍光X線(直径アルミリング10mm)でケイ素或いは外添剤の量を測定した。
各元素の蛍光X線の測定は、JIS K 0119−1969に準ずるが、具体的には以下の通りである。
測定装置としては、波長分散型蛍光X線分析装置「Axios」(PANalytical社製)と、測定条件設定及び測定データ解析をするための付属の専用ソフト「SuperQ ver.4.0F」(PANalytical社製)を用いた。なお、X線管球のアノードとしてはRhを用い、測定雰囲気は真空、測定径(コリメーターマスク径)は10mm、測定時間10秒とした。また、軽元素を測定する場合にはプロポーショナルカウンタ(PC)、重元素を測定する場合にはシンチレーションカウンタ(SC)で検出した。
測定サンプルとしては、専用のプレス用アルミリング直径10mmの中に水洗後のトナーと初期のトナーを約1g入れて平らにならし、錠剤成型圧縮機「BRE−32」(前川試験機製作所社製)を用いて、20MPaで、60秒間加圧し、厚さ約2mmに成型したペレットを用いた。
上記条件で測定を行い、得られたX線のピーク位置をもとに元素を同定し、単位時間あたりのX線光子の数である計数率(単位:cps)からその濃度を算出した。
トナー中のケイ素量の定量方法としては、トナー粒子100質量部に対して、例えば、シリカ(SiO2)微粉末を0.10質量部となるように添加し、コーヒーミルを用いて充分混合する。同様にして、シリカ微粉末を0.20質量部、0.50質量部となるようにトナー粒子とそれぞれ混合し、これらを検量線用の試料とした。
それぞれの試料について、錠剤成型圧縮機を用いて上記のようにして検量線用の試料のペレットを作製し、PETを分光結晶に用いた際に回折角(2θ)=109.08°に観測されるSi−Kα線の計数率(単位:cps)を測定した。この際、X線発生装置の加速電圧、電流値はそれぞれ、24kV、100mAとした。得られたX線の計数率を縦軸に、各検量線用試料中のSiO2添加量を横軸として、一次関数の検量線を得た。
次に、分析対象のトナーに対して錠剤成型圧縮機を用いて上記のようにしてペレットとし、そのSi−Kα線の計数率を測定した。そして、上記の検量線からトナー中のSiO2含有量(質量%)を求めた。上記方法により算出した初期のトナーのSiO2の含有量から、水洗後のトナーのSiO2の量を引き、水洗移行量(質量%)とした。
イオン交換水100mLにスクロース(キシダ化学製)160gを加え、湯せんをしながら溶解させ、ショ糖濃厚液を調製した。遠心分離用チューブ(容量50ml)に上記ショ糖濃厚液を31gと、コンタミノンN(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有
機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)を6mL入れ分散液を作製した。この分散液にトナー1.0gを添加し、スパチュラなどでトナーのかたまりをほぐした。
遠心分離用チューブをシェイカーにて350spm(strokes per min)、20minで振とうした。振とう後、溶液をスイングローター用ガラスチューブ(容量50mL)に入れ替えて、遠心分離機(H−9R 株式会社コクサン製)にて3500rpm、30分間の条件で分離した。トナーと水溶液が十分に分離されていることを目視で確認し、最上層に分離したトナーをスパチュラ等で採取した。採取したトナーを含む水溶液を減圧濾過器で濾過した後、乾燥機で1時間以上乾燥した。乾燥品をスパチュラで解砕し、蛍光X線(直径アルミリング10mm)でケイ素或いは外添剤の量を測定した。
各元素の蛍光X線の測定は、JIS K 0119−1969に準ずるが、具体的には以下の通りである。
測定装置としては、波長分散型蛍光X線分析装置「Axios」(PANalytical社製)と、測定条件設定及び測定データ解析をするための付属の専用ソフト「SuperQ ver.4.0F」(PANalytical社製)を用いた。なお、X線管球のアノードとしてはRhを用い、測定雰囲気は真空、測定径(コリメーターマスク径)は10mm、測定時間10秒とした。また、軽元素を測定する場合にはプロポーショナルカウンタ(PC)、重元素を測定する場合にはシンチレーションカウンタ(SC)で検出した。
測定サンプルとしては、専用のプレス用アルミリング直径10mmの中に水洗後のトナーと初期のトナーを約1g入れて平らにならし、錠剤成型圧縮機「BRE−32」(前川試験機製作所社製)を用いて、20MPaで、60秒間加圧し、厚さ約2mmに成型したペレットを用いた。
上記条件で測定を行い、得られたX線のピーク位置をもとに元素を同定し、単位時間あたりのX線光子の数である計数率(単位:cps)からその濃度を算出した。
トナー中のケイ素量の定量方法としては、トナー粒子100質量部に対して、例えば、シリカ(SiO2)微粉末を0.10質量部となるように添加し、コーヒーミルを用いて充分混合する。同様にして、シリカ微粉末を0.20質量部、0.50質量部となるようにトナー粒子とそれぞれ混合し、これらを検量線用の試料とした。
それぞれの試料について、錠剤成型圧縮機を用いて上記のようにして検量線用の試料のペレットを作製し、PETを分光結晶に用いた際に回折角(2θ)=109.08°に観測されるSi−Kα線の計数率(単位:cps)を測定した。この際、X線発生装置の加速電圧、電流値はそれぞれ、24kV、100mAとした。得られたX線の計数率を縦軸に、各検量線用試料中のSiO2添加量を横軸として、一次関数の検量線を得た。
次に、分析対象のトナーに対して錠剤成型圧縮機を用いて上記のようにしてペレットとし、そのSi−Kα線の計数率を測定した。そして、上記の検量線からトナー中のSiO2含有量(質量%)を求めた。上記方法により算出した初期のトナーのSiO2の含有量から、水洗後のトナーのSiO2の量を引き、水洗移行量(質量%)とした。
<接触現像、周速比の設定>
本実施形態では、前述したとおり、現像ローラ17が感光ドラム1に接触することで現像ニップ部を形成している。また、現像ローラ17と感光ドラム1との間に回転周速差を設けることで、現像ニップ部でトナーが回転し、感光ドラム1へ金属石鹸が供給される。(感光ドラム1の周速度に対する現像ローラ17の周速度の比をDD周速比と呼ぶ。)
また、本発明の発明者らは、感光ドラム1に安定して金属石鹸を塗布する方法を実験で試行錯誤し探索していくうちに、周速比を上げていくと画像流れが良化する傾向にあることを知った。周速比を上げていくとは、感光ドラム1の周面の移動速度に対して現像ローラ17の周面の移動速度を相対的に速くすることである。これは周速比が高くなることでトナーの転がりが多くなり、金属石鹸と感光ドラム1との接触機会が増加するためと考察できる。
該周速比は120%〜300%であり、185%〜290%であることが好ましい。
尚、DD周速比は、感光ドラム1と現像ローラ17との回転速度の違いを表現する1つの指標であり、例えば周速比に代わり周速差を指標としても同様の夫々の回転速度を求めることができることは言うまでもない。すなわち、感光ドラム1の周面の移動速度に対して、現像ローラ17の周面の移動速度を、相対的にどれだけ速くしているのか、を理解できる指標であれば、適宜用いてよい。
本実施形態では、前述したとおり、現像ローラ17が感光ドラム1に接触することで現像ニップ部を形成している。また、現像ローラ17と感光ドラム1との間に回転周速差を設けることで、現像ニップ部でトナーが回転し、感光ドラム1へ金属石鹸が供給される。(感光ドラム1の周速度に対する現像ローラ17の周速度の比をDD周速比と呼ぶ。)
また、本発明の発明者らは、感光ドラム1に安定して金属石鹸を塗布する方法を実験で試行錯誤し探索していくうちに、周速比を上げていくと画像流れが良化する傾向にあることを知った。周速比を上げていくとは、感光ドラム1の周面の移動速度に対して現像ローラ17の周面の移動速度を相対的に速くすることである。これは周速比が高くなることでトナーの転がりが多くなり、金属石鹸と感光ドラム1との接触機会が増加するためと考察できる。
該周速比は120%〜300%であり、185%〜290%であることが好ましい。
尚、DD周速比は、感光ドラム1と現像ローラ17との回転速度の違いを表現する1つの指標であり、例えば周速比に代わり周速差を指標としても同様の夫々の回転速度を求めることができることは言うまでもない。すなわち、感光ドラム1の周面の移動速度に対して、現像ローラ17の周面の移動速度を、相対的にどれだけ速くしているのか、を理解できる指標であれば、適宜用いてよい。
<ブレードバイアスとバックコントラストの関係>
本実施形態では、規制バイアスVbとしてのブレードバイアスVbと、感光ドラム1の暗部電位Vdとが、Vb>Vdの関係が成り立つよう、各種印加バイアスが調整される。
暗部電位Vdの調整は、本実施形態では未露光部を暗部としているので、帯電部材としての帯電ローラ2に印加する帯電バイアスの大きさを調整することで、可能である。例えば、暗部電位を弱露光で形成する装置においては、帯電バイアスの調整に加え、スキャナユニット3のレーザ光のパワーを調整することで、暗部電位Vdの大きさを調整することができる。
金属石鹸はトナー45に対して逆極性に付着しており、感光ドラム1の暗部電位と現像バイアスの電位差により感光ドラム1へ供給される。しかしながら、現像ブレードニップ部でも現像ブレード21と現像ローラ17の電位差により現像ブレード21側に付着してしまう。
本発明の発明者らにより、ブレードバイアスVbと感光ドラム1の暗部電位Vdの適切な関係を求める実験を行なったところVdがVbより小さいと画像流れが良好であることが分かった。
これは、現像ブレード21側に金属石鹸が付着するよりも感光ドラム1への供給が優先されることで、金属石鹸をより感光ドラム1に消費することができるためと考察できる。
また、現像ブレード21はタック性の低いブレードであると望ましい。タック性が低いことで金属石鹸が現像ブレード21に付着することを抑制でき、感光ドラム1以外への金属石鹸の消費を抑えることができるためである。本発明の実施形態では材質がステンレス鋼製のブレードを使用した。
また、現像ローラ17のマイクロゴム硬度は、30度〜50度であることが好ましい。
マイクロゴム硬度が上記範囲である場合、感光ドラム1と現像ローラ17のニップ部の状態が最適化され、トナーの転がりが適切となり金属石鹸の消費と供給のバランスがより向上する。その結果、金属石鹸が効果を持続する状態で長期にわたって供給することが可能となる。
現像剤担持体のマイクロゴム硬度は以下のように測定した。
マイクロゴム硬度計(商品名:MD−1capa、高分子計器社製)にて、直径0.16mm押針を用い測定した。測定は、加重から2秒後の値を用い、気温25℃、相対湿度50%RH環境下(L/L環境下)、導電性樹脂層形成後の現像剤担持体の中央部、上端部、下端部3点について測定した平均値を用いた。
本実施形態では、規制バイアスVbとしてのブレードバイアスVbと、感光ドラム1の暗部電位Vdとが、Vb>Vdの関係が成り立つよう、各種印加バイアスが調整される。
暗部電位Vdの調整は、本実施形態では未露光部を暗部としているので、帯電部材としての帯電ローラ2に印加する帯電バイアスの大きさを調整することで、可能である。例えば、暗部電位を弱露光で形成する装置においては、帯電バイアスの調整に加え、スキャナユニット3のレーザ光のパワーを調整することで、暗部電位Vdの大きさを調整することができる。
金属石鹸はトナー45に対して逆極性に付着しており、感光ドラム1の暗部電位と現像バイアスの電位差により感光ドラム1へ供給される。しかしながら、現像ブレードニップ部でも現像ブレード21と現像ローラ17の電位差により現像ブレード21側に付着してしまう。
本発明の発明者らにより、ブレードバイアスVbと感光ドラム1の暗部電位Vdの適切な関係を求める実験を行なったところVdがVbより小さいと画像流れが良好であることが分かった。
これは、現像ブレード21側に金属石鹸が付着するよりも感光ドラム1への供給が優先されることで、金属石鹸をより感光ドラム1に消費することができるためと考察できる。
また、現像ブレード21はタック性の低いブレードであると望ましい。タック性が低いことで金属石鹸が現像ブレード21に付着することを抑制でき、感光ドラム1以外への金属石鹸の消費を抑えることができるためである。本発明の実施形態では材質がステンレス鋼製のブレードを使用した。
また、現像ローラ17のマイクロゴム硬度は、30度〜50度であることが好ましい。
マイクロゴム硬度が上記範囲である場合、感光ドラム1と現像ローラ17のニップ部の状態が最適化され、トナーの転がりが適切となり金属石鹸の消費と供給のバランスがより向上する。その結果、金属石鹸が効果を持続する状態で長期にわたって供給することが可能となる。
現像剤担持体のマイクロゴム硬度は以下のように測定した。
マイクロゴム硬度計(商品名:MD−1capa、高分子計器社製)にて、直径0.16mm押針を用い測定した。測定は、加重から2秒後の値を用い、気温25℃、相対湿度50%RH環境下(L/L環境下)、導電性樹脂層形成後の現像剤担持体の中央部、上端部、下端部3点について測定した平均値を用いた。
また、トナー供給ローラ20と現像ローラ17との電位差ΔVrを金属石鹸の極性と逆極性にすることが望ましい。すなわち、供給バイアスと現像バイアスとの電位差の極性が、金属石鹸の極性と逆極性となるように、各バイアス値を調整する。具体的には、本実施形態では、供給バイアスを−300V、現像バイアスを−250Vとしている。逆極性にすることでトナー供給ローラ20に金属石鹸を保持することができ、金属石鹸を過剰に感光ドラム1へ供給することを防ぎ、より長期にわたって安定して金属石鹸を供給することができる。
以下、各材料の「部」は特に断りがない場合、全て質量基準である。
<実施例1>
使用するトナーaの製造方法を示す。
(水系媒体1の調製工程)
反応容器中のイオン交換水1000.0部に、リン酸ナトリウム(ラサ工業社製・12水和物)14.0部を投入し、窒素パージしながら65℃で1.0時間保温した。
T.K.ホモミクサー(特殊機化工業株式会社製)を用いて、12000rpmにて攪拌しながら、イオン交換水10.0部に9.2部の塩化カルシウム(2水和物)を溶解した塩化カルシウム水溶液を一括投入し、分散安定剤を含む水系媒体を調製した。さらに、水系媒体に10質量%塩酸を投入し、pHを5.0に調整し、水系媒体1を得た。
(重合性単量体組成物の調製工程)
・スチレン :60.0部
・C.I.ピグメントブルー15:3 :6.5部
前記材料をアトライタ(三井三池化工機株式会社製)に投入し、さらに直径1.7mmのジルコニア粒子を用いて、220rpmで5.0時間分散させて、顔料分散液を調製した。前記顔料分散液に下記材料を加えた。
・スチレン:20.0部
・n−ブチルアクリレート:20.0部
・架橋剤(ジビニルベンゼン):0.3部
・飽和ポリエステル樹脂:5.0部
(プロピレンオキサイド変性ビスフェノールA(2モル付加物)とテレフタル酸との重縮合物(モル比10:12)、ガラス転移温度Tg=68℃、重量平均分子量Mw=10000、分子量分布Mw/Mn=5.12)
・フィッシャートロプシュワックス(融点78℃):7.0部
これを65℃に保温し、T.K.ホモミクサー(特殊機化工業株式会社製)を用いて、500rpmにて均一に溶解、分散し、重合性単量体組成物を調製した。
(造粒工程) 水系媒体1の温度を70℃、T.K.ホモミクサーの回転数を12000rpmに保ちながら、水系媒体1中に重合性単量体組成物を投入し、重合開始剤であるt−ブチルパーオキシピバレート9.0部を添加した。そのまま該撹拌装置にて12000rpmを維持しつつ10分間造粒した。
(重合工程)
造粒工程の後、攪拌機をプロペラ撹拌羽根に換え150rpmで攪拌しながら70℃を保持して5.0時間重合を行い、85℃に昇温して2.0時間加熱することで重合反応を行った。得られたスラリーの温度を冷却してトナー粒子のスラリーを得た。
(洗浄、乾燥工程)
該トナー粒子のスラリーに塩酸を加えpH=1.5以下に調整して1時間撹拌放置してから加圧ろ過器で固液分離し、トナーケーキを得た。これをイオン交換水でリスラリーして再び分散液とした後に、前述のろ過器で固液分離した。リスラリーと固液分離とを、ろ液の電気伝導度が5.0μS/cm以下となるまで繰り返した後に、最終的に固液分離してトナーケーキを得た。
得られたトナーケーキは気流乾燥機フラッシュジェットドライヤー(セイシン企業製)にて乾燥を行い、更にコアンダ効果を利用した多分割分級機を用いて微粗粉をカットしてトナー粒子aを得た。乾燥の条件は吹き込み温度90℃、乾燥機出口温度40℃、トナーケーキの供給速度はトナーケーキの含水率に応じて出口温度が40℃から外れない速度に調整した。
<実施例1>
使用するトナーaの製造方法を示す。
(水系媒体1の調製工程)
反応容器中のイオン交換水1000.0部に、リン酸ナトリウム(ラサ工業社製・12水和物)14.0部を投入し、窒素パージしながら65℃で1.0時間保温した。
T.K.ホモミクサー(特殊機化工業株式会社製)を用いて、12000rpmにて攪拌しながら、イオン交換水10.0部に9.2部の塩化カルシウム(2水和物)を溶解した塩化カルシウム水溶液を一括投入し、分散安定剤を含む水系媒体を調製した。さらに、水系媒体に10質量%塩酸を投入し、pHを5.0に調整し、水系媒体1を得た。
(重合性単量体組成物の調製工程)
・スチレン :60.0部
・C.I.ピグメントブルー15:3 :6.5部
前記材料をアトライタ(三井三池化工機株式会社製)に投入し、さらに直径1.7mmのジルコニア粒子を用いて、220rpmで5.0時間分散させて、顔料分散液を調製した。前記顔料分散液に下記材料を加えた。
・スチレン:20.0部
・n−ブチルアクリレート:20.0部
・架橋剤(ジビニルベンゼン):0.3部
・飽和ポリエステル樹脂:5.0部
(プロピレンオキサイド変性ビスフェノールA(2モル付加物)とテレフタル酸との重縮合物(モル比10:12)、ガラス転移温度Tg=68℃、重量平均分子量Mw=10000、分子量分布Mw/Mn=5.12)
・フィッシャートロプシュワックス(融点78℃):7.0部
これを65℃に保温し、T.K.ホモミクサー(特殊機化工業株式会社製)を用いて、500rpmにて均一に溶解、分散し、重合性単量体組成物を調製した。
(造粒工程) 水系媒体1の温度を70℃、T.K.ホモミクサーの回転数を12000rpmに保ちながら、水系媒体1中に重合性単量体組成物を投入し、重合開始剤であるt−ブチルパーオキシピバレート9.0部を添加した。そのまま該撹拌装置にて12000rpmを維持しつつ10分間造粒した。
(重合工程)
造粒工程の後、攪拌機をプロペラ撹拌羽根に換え150rpmで攪拌しながら70℃を保持して5.0時間重合を行い、85℃に昇温して2.0時間加熱することで重合反応を行った。得られたスラリーの温度を冷却してトナー粒子のスラリーを得た。
(洗浄、乾燥工程)
該トナー粒子のスラリーに塩酸を加えpH=1.5以下に調整して1時間撹拌放置してから加圧ろ過器で固液分離し、トナーケーキを得た。これをイオン交換水でリスラリーして再び分散液とした後に、前述のろ過器で固液分離した。リスラリーと固液分離とを、ろ液の電気伝導度が5.0μS/cm以下となるまで繰り返した後に、最終的に固液分離してトナーケーキを得た。
得られたトナーケーキは気流乾燥機フラッシュジェットドライヤー(セイシン企業製)にて乾燥を行い、更にコアンダ効果を利用した多分割分級機を用いて微粗粉をカットしてトナー粒子aを得た。乾燥の条件は吹き込み温度90℃、乾燥機出口温度40℃、トナーケーキの供給速度はトナーケーキの含水率に応じて出口温度が40℃から外れない速度に調整した。
(無機ケイ素微粒子の作製)
撹拌機、滴下ロート及び温度計を備えた3リットルのガラス製反応器に、メタノール590.0g、水42.0g、28質量%アンモニア水48.0gを加えて混合した。得られた溶液を35℃となるように調整し、撹拌しながら、テトラメトキシシラン1100.0g(7.23mol)及び5.5質量%アンモニア水395.0gを同時に添加し始めた。テトラメトキシシランは6時間かけて、アンモニア水は5時間かけて、それぞれを滴
下した。滴下が終了した後、さらに0.5時間撹拌を継続して加水分解を行うことにより、親水性球状ゾルゲルシリカ微粒子のメタノール−水分散液を得た。次いで、ガラス製の反応器にエステルアダプターと冷却管とを取り付け、前記分散液を80℃、減圧下で十分乾燥させた。得られたシリカ粒子を、恒温槽にて400℃で10分間加熱した。
得られたシリカ微粒子を、パルベライザー(ホソカワミクロン社製)にて解砕処理を行なった。
その後、シリカ微粒子500gを内容積1000mlのポリテトラフルオロエチレン内筒式ステンレスオートクレーブに仕込んだ。オートクレーブ内を窒素ガスで置換した後、オートクレーブ付属の撹拌羽を400rpmで回転させながら、0.5gのHMDS(ヘキサメチルジシラザン)及び0.1gの水を、二流体ノズルにて霧状にしてシリカ微粒子に均一になるように吹き付けた。30分間撹拌した後、オートクレーブを密閉し、220℃で2時間加熱した。続いて、加熱したまま系中を減圧して脱アンモニア処理を行い、シリカ微粒子(無機ケイ素微粒子、一次粒子の個数平均粒径が80nm)を得た。
撹拌機、滴下ロート及び温度計を備えた3リットルのガラス製反応器に、メタノール590.0g、水42.0g、28質量%アンモニア水48.0gを加えて混合した。得られた溶液を35℃となるように調整し、撹拌しながら、テトラメトキシシラン1100.0g(7.23mol)及び5.5質量%アンモニア水395.0gを同時に添加し始めた。テトラメトキシシランは6時間かけて、アンモニア水は5時間かけて、それぞれを滴
下した。滴下が終了した後、さらに0.5時間撹拌を継続して加水分解を行うことにより、親水性球状ゾルゲルシリカ微粒子のメタノール−水分散液を得た。次いで、ガラス製の反応器にエステルアダプターと冷却管とを取り付け、前記分散液を80℃、減圧下で十分乾燥させた。得られたシリカ粒子を、恒温槽にて400℃で10分間加熱した。
得られたシリカ微粒子を、パルベライザー(ホソカワミクロン社製)にて解砕処理を行なった。
その後、シリカ微粒子500gを内容積1000mlのポリテトラフルオロエチレン内筒式ステンレスオートクレーブに仕込んだ。オートクレーブ内を窒素ガスで置換した後、オートクレーブ付属の撹拌羽を400rpmで回転させながら、0.5gのHMDS(ヘキサメチルジシラザン)及び0.1gの水を、二流体ノズルにて霧状にしてシリカ微粒子に均一になるように吹き付けた。30分間撹拌した後、オートクレーブを密閉し、220℃で2時間加熱した。続いて、加熱したまま系中を減圧して脱アンモニア処理を行い、シリカ微粒子(無機ケイ素微粒子、一次粒子の個数平均粒径が80nm)を得た。
(無機ケイ素微粒子及び金属石鹸の外添)
トナー粒子aに対し、該シリカ微粒子及び金属石鹸を特開2016−38591号公報の実施例に記載の方法に従って外添することで、トナーaを得た。
すなわち、トナー粒子aに対して、(トナー中の含有量が表中の条件になるように)該シリカ微粒子及び(トナー中の含有量が0.20質量%になるように)ステアリン酸亜鉛を、図7から図11に示す装置a(表面改質装置)101を用い、表に示す条件で2段階の処理を行った。その後、200メッシュの篩を用いて、粗大粒子を除去することで、トナーaを得た。
図7に示すように、トナー処理装置101は、処理室(処理槽)110、舞上げ手段としての撹拌羽根120、回転体130、駆動モータ150、及び制御部160で構成されている。処理室110は、トナー粒子及び外添剤を含む被処理物を収容するためのものである。撹拌羽根120は、処理室内における回転体130の下方となる処理室110の底部に回転可能に設けられている。回転体130は、撹拌羽根120よりも上方で回転可能に設けられている。図8に処理室110の概略図を示す。図8では、説明の便宜上、処理室110の内周面(内壁)110aを一部切断した状態を示している。処理室110は略平らな底部を持った円筒形の容器であり、底部の略中心に撹拌羽根120や回転体130を取り付けるための駆動軸111を備えている。図9(a)および(b)に舞上げ手段としての撹拌羽根120の概略図を示す(図9(a)に上面図、図9(b)に側面図を示す)。撹拌羽根120は、回転することで、トナー粒子及び外添剤を含む被処理物を処理室110内で舞上げ可能に構成されている。撹拌羽根120は、回転中心から外側(径方向の外向き(外径方向)、外径側)に向かって伸びる羽根部121を有し、羽根部121の先端が被処理物を舞上げるように跳ねあげられた形状をしている。撹拌羽根120は、処理室110の底部の駆動軸111に固定され、上方から見て(図9(a)に示す状態で)時計方向(矢印R方向)に回転する。撹拌羽根120の回転により、被処理物は処理室110内で撹拌羽根120と同じ方向に回転しながら上昇し、やがて重力によって下降してくる。このようにして被処理物は均一に混合される。図10、11に回転体130の概略図を示す。図10(a)は回転体130の上面図、図10(b)は側面図である。図11(a)は処理室110内に設置された回転体130を示す上面図、図11(b)は回転体130の要部を示す斜視図、図11(c)は図10(b)のA−A断面を示す図である。回転体130は、処理室110内で撹拌羽根120よりも上方にあって、撹拌羽根120と同じ駆動軸111に固定され、撹拌羽根120と同じ方向(矢印R方向)に回転する。回転体130は、回転体本体131と、回転体130の回転により被処理物に衝突して該被処理物を処理する処理面133を備えた処理部132と、で構成されている。処理面133は、回転体本体131の外周面131aから外径方向に延び、かつ、処理面133のうち回転体本体131から離れた領域の方が、該領域より回転体本体131に近い領域より、回転体130の回転方向下流側に位置するように形成されている。すなわち図11(
a)において、処理面133は、回転体130の半径方向に対して、回転体130の回転方向Rの方向に傾いて配置されている。回転体130の回転により、被処理物と処理面133が衝突することによって外添剤凝集物の解砕処理が行われる。
トナー粒子aに対し、該シリカ微粒子及び金属石鹸を特開2016−38591号公報の実施例に記載の方法に従って外添することで、トナーaを得た。
すなわち、トナー粒子aに対して、(トナー中の含有量が表中の条件になるように)該シリカ微粒子及び(トナー中の含有量が0.20質量%になるように)ステアリン酸亜鉛を、図7から図11に示す装置a(表面改質装置)101を用い、表に示す条件で2段階の処理を行った。その後、200メッシュの篩を用いて、粗大粒子を除去することで、トナーaを得た。
図7に示すように、トナー処理装置101は、処理室(処理槽)110、舞上げ手段としての撹拌羽根120、回転体130、駆動モータ150、及び制御部160で構成されている。処理室110は、トナー粒子及び外添剤を含む被処理物を収容するためのものである。撹拌羽根120は、処理室内における回転体130の下方となる処理室110の底部に回転可能に設けられている。回転体130は、撹拌羽根120よりも上方で回転可能に設けられている。図8に処理室110の概略図を示す。図8では、説明の便宜上、処理室110の内周面(内壁)110aを一部切断した状態を示している。処理室110は略平らな底部を持った円筒形の容器であり、底部の略中心に撹拌羽根120や回転体130を取り付けるための駆動軸111を備えている。図9(a)および(b)に舞上げ手段としての撹拌羽根120の概略図を示す(図9(a)に上面図、図9(b)に側面図を示す)。撹拌羽根120は、回転することで、トナー粒子及び外添剤を含む被処理物を処理室110内で舞上げ可能に構成されている。撹拌羽根120は、回転中心から外側(径方向の外向き(外径方向)、外径側)に向かって伸びる羽根部121を有し、羽根部121の先端が被処理物を舞上げるように跳ねあげられた形状をしている。撹拌羽根120は、処理室110の底部の駆動軸111に固定され、上方から見て(図9(a)に示す状態で)時計方向(矢印R方向)に回転する。撹拌羽根120の回転により、被処理物は処理室110内で撹拌羽根120と同じ方向に回転しながら上昇し、やがて重力によって下降してくる。このようにして被処理物は均一に混合される。図10、11に回転体130の概略図を示す。図10(a)は回転体130の上面図、図10(b)は側面図である。図11(a)は処理室110内に設置された回転体130を示す上面図、図11(b)は回転体130の要部を示す斜視図、図11(c)は図10(b)のA−A断面を示す図である。回転体130は、処理室110内で撹拌羽根120よりも上方にあって、撹拌羽根120と同じ駆動軸111に固定され、撹拌羽根120と同じ方向(矢印R方向)に回転する。回転体130は、回転体本体131と、回転体130の回転により被処理物に衝突して該被処理物を処理する処理面133を備えた処理部132と、で構成されている。処理面133は、回転体本体131の外周面131aから外径方向に延び、かつ、処理面133のうち回転体本体131から離れた領域の方が、該領域より回転体本体131に近い領域より、回転体130の回転方向下流側に位置するように形成されている。すなわち図11(
a)において、処理面133は、回転体130の半径方向に対して、回転体130の回転方向Rの方向に傾いて配置されている。回転体130の回転により、被処理物と処理面133が衝突することによって外添剤凝集物の解砕処理が行われる。
この方法により得ることができるトナーaにおけるシリカ微粒子の水洗移行量は2段階の処理時に羽先端周速(表中では「周速」と記載)と時間を振ることで調整した。
以下、表1にトナーaの外添条件とシリカ微粒子の水洗移行量(質量%)を示す。
なお、本実施例で使用したトナーはマイナスに帯電しており、金属石鹸はトナーと逆極性に帯電させることで外添している。
なお、用いた画像形成装置のDD周速比を140%とした。
また、Vbを−450vに設定し、Vd=−500vに対して、Vb>Vdとなるようにした。
さらに、トナー供給ローラ20のバイアスを−350vに設定し、ΔVr=−50vとなるようにした。
以下、表1にトナーaの外添条件とシリカ微粒子の水洗移行量(質量%)を示す。
なお、本実施例で使用したトナーはマイナスに帯電しており、金属石鹸はトナーと逆極性に帯電させることで外添している。
なお、用いた画像形成装置のDD周速比を140%とした。
また、Vbを−450vに設定し、Vd=−500vに対して、Vb>Vdとなるようにした。
さらに、トナー供給ローラ20のバイアスを−350vに設定し、ΔVr=−50vとなるようにした。
<実施例2>
外添条件を表2の記載に変更する以外は実施例1と同様にして、トナーbを得た。
実施例2では、該トナーbを用いること以外は実施例1と同様の構成とした。
以下、表2にトナーbの外添条件とシリカ微粒子の水洗移行量(質量%)を示す。
外添条件を表2の記載に変更する以外は実施例1と同様にして、トナーbを得た。
実施例2では、該トナーbを用いること以外は実施例1と同様の構成とした。
以下、表2にトナーbの外添条件とシリカ微粒子の水洗移行量(質量%)を示す。
<実施例3〜5>
DD周速比をそれぞれ120%(実施例3)、200%(実施例4)、300%(実施例5)に変更する以外は実施例1と同様の構成とした。
DD周速比をそれぞれ120%(実施例3)、200%(実施例4)、300%(実施例5)に変更する以外は実施例1と同様の構成とした。
<比較例1、2>
DD周速比をそれぞれ110%(比較例1)、320%(比較例2)に変更する以外は実施例1と同様の構成とした。
DD周速比をそれぞれ110%(比較例1)、320%(比較例2)に変更する以外は実施例1と同様の構成とした。
<比較例3>
Vbを−550vに設定し、Vd=−500vに対して、Vb<Vdとなるようにしたこと以外は実施例1と同様の構成とした。
Vbを−550vに設定し、Vd=−500vに対して、Vb<Vdとなるようにしたこと以外は実施例1と同様の構成とした。
<比較例4>
外添条件を表3の記載に変更する以外は実施例1と同様にして、トナーcを得た。
比較例4では、該トナーcを用いること以外は実施例1と同様の構成とした。
表3にトナーcの外添条件とシリカ微粒子の水洗移行量(質量%)を示す。
外添条件を表3の記載に変更する以外は実施例1と同様にして、トナーcを得た。
比較例4では、該トナーcを用いること以外は実施例1と同様の構成とした。
表3にトナーcの外添条件とシリカ微粒子の水洗移行量(質量%)を示す。
<評価>
実施例1〜5、比較例1〜4の画像流れの発生を確認するため、32℃、80%RHの環境で、1%印字率で一日10000枚を連続通紙後に一日機内で放置した。放置後に画像流れの発生の有無を比較した。なお、全通紙量は50000枚まで行なった。
評価は、10000枚を通紙した毎に、ハーフトーン画像を1枚印字し、下記基準で実施した。
〇:画像全域で潜像なまりによる白ぬけや画像境界部の輪郭ボケなし
×:画像の一部もしくは全域で潜像なまりによる白抜けや画像境界部の輪郭ボケ発生
結果を表4に示す。
実施例1〜5、比較例1〜4の画像流れの発生を確認するため、32℃、80%RHの環境で、1%印字率で一日10000枚を連続通紙後に一日機内で放置した。放置後に画像流れの発生の有無を比較した。なお、全通紙量は50000枚まで行なった。
評価は、10000枚を通紙した毎に、ハーフトーン画像を1枚印字し、下記基準で実施した。
〇:画像全域で潜像なまりによる白ぬけや画像境界部の輪郭ボケなし
×:画像の一部もしくは全域で潜像なまりによる白抜けや画像境界部の輪郭ボケ発生
結果を表4に示す。
表4に示すように、実施例1〜5では、画像流れが発生しなかった。
しかしながら、DD周速比が110%(比較例1)では10000枚で画像流れが発生した。これはDD周速比が十分でないことでトナーの転がりが少なく、金属石鹸と感光ドラムとの接触機会が少ないため、感光ドラムへの金属石鹸の供給が不足したためと考えられる。
また、比較例2のようにDD周速比が300%を超えると30000枚までは良好なものの、40000枚で画像流れが発生している。これは、該周速比が大きすぎるとトナーの転がりが多くなりすぎ、金属石鹸が初期に過剰供給され、長期的には枯渇してしまうこと、及び、摺擦が強くなるため金属石鹸がトナーに塗拡げられるためと考察できる。
本実施例が示すように、該周速比が120%〜300%の範囲では50000枚まで画像流れは発生しなかった。
これはシリカ微粒子の遊離量が少ないトナーから金属石鹸を感光ドラムへ供給するためには周速比を特定の範囲に調整し、金属石鹸と感光ドラムの接触機会を持たせることが必要であるということを意味している。
この結果から、感光体表面に金属石鹸を長期にわたって安定して塗布することで、画像流れを抑制することができる構成としては、DD周速比が120%〜300%であることが必要であると分かった。
これに対し、比較例3においては、30000枚で画像流れが発生した。ブレードバイアスが感光ドラムの暗部電位より高い場合、実施例と比較して、感光ドラムへの金属石鹸の供給量が少なくなり、早期に画像流れが発生したと考えられる。
また、水洗移行量が高いトナーを使用した比較例4においては、30000枚までは画像流れの発生は認められなかったが、40000枚で画像流れが発生した。
トナーcは、シリカ微粒子の遊離が多いため、それに伴う金属石鹸の遊離も多くなり、初期は過剰に金属石鹸が供給されるため画像流れは良好である。しかしながら、画像形成を繰り返していくと供給可能な金属石鹸が枯渇してしまったためと考えられる。
しかしながら、DD周速比が110%(比較例1)では10000枚で画像流れが発生した。これはDD周速比が十分でないことでトナーの転がりが少なく、金属石鹸と感光ドラムとの接触機会が少ないため、感光ドラムへの金属石鹸の供給が不足したためと考えられる。
また、比較例2のようにDD周速比が300%を超えると30000枚までは良好なものの、40000枚で画像流れが発生している。これは、該周速比が大きすぎるとトナーの転がりが多くなりすぎ、金属石鹸が初期に過剰供給され、長期的には枯渇してしまうこと、及び、摺擦が強くなるため金属石鹸がトナーに塗拡げられるためと考察できる。
本実施例が示すように、該周速比が120%〜300%の範囲では50000枚まで画像流れは発生しなかった。
これはシリカ微粒子の遊離量が少ないトナーから金属石鹸を感光ドラムへ供給するためには周速比を特定の範囲に調整し、金属石鹸と感光ドラムの接触機会を持たせることが必要であるということを意味している。
この結果から、感光体表面に金属石鹸を長期にわたって安定して塗布することで、画像流れを抑制することができる構成としては、DD周速比が120%〜300%であることが必要であると分かった。
これに対し、比較例3においては、30000枚で画像流れが発生した。ブレードバイアスが感光ドラムの暗部電位より高い場合、実施例と比較して、感光ドラムへの金属石鹸の供給量が少なくなり、早期に画像流れが発生したと考えられる。
また、水洗移行量が高いトナーを使用した比較例4においては、30000枚までは画像流れの発生は認められなかったが、40000枚で画像流れが発生した。
トナーcは、シリカ微粒子の遊離が多いため、それに伴う金属石鹸の遊離も多くなり、初期は過剰に金属石鹸が供給されるため画像流れは良好である。しかしながら、画像形成を繰り返していくと供給可能な金属石鹸が枯渇してしまったためと考えられる。
一般的に、感光ドラムの摩耗を抑制すると、感光ドラムの表面がリフレッシュされ難くなり、高湿環境下で画像流れという画像欠陥が生じる。トナーに金属石鹸を外添したトナーは画像流れの対策に有効だが、シリカ微粒子の遊離に伴って金属石鹸も遊離し画像形成を繰り返すと画像流れの発生を抑制することができなかった。
しかし、本実施例の構成においては、シリカ微粒子の遊離量を抑えたトナーを用いることで金属石鹸を初期に過剰に供給して枯渇してしまうことを防ぎ、且つ金属石鹸が遊離しづらいトナーにおいても、安定的に金属石鹸を塗布する構成とすることで画像流れを長期
にわたって抑制することが可能となった。
尚、本実施例や本発明の実施形態の中で説明として用いた設定条件は一例でありそれに限定されるわけでは無い。
しかし、本実施例の構成においては、シリカ微粒子の遊離量を抑えたトナーを用いることで金属石鹸を初期に過剰に供給して枯渇してしまうことを防ぎ、且つ金属石鹸が遊離しづらいトナーにおいても、安定的に金属石鹸を塗布する構成とすることで画像流れを長期
にわたって抑制することが可能となった。
尚、本実施例や本発明の実施形態の中で説明として用いた設定条件は一例でありそれに限定されるわけでは無い。
上述では、現像剤が、トナー粒子、該トナー粒子の表面に存在する無機ケイ素微粒子、及び、金属石鹸を有するトナーを含有する態様について説明をしてきた。
本発明者らは、外添剤の水洗移行量が同等の条件で、トナー粒子表面の態様を変更して検討を行ったところ、以下の態様2が好ましいことを見出した。
すなわち、現像剤が、トナー粒子、該トナー粒子の表面を被覆する有機ケイ素重合体、及び、金属石鹸を有するトナーを含有し、該有機ケイ素重合体の水洗移行量が、0.20質量%以下であり、該トナーの最大荷重2.0×10−4Nの条件で測定した時のマルテンス硬度が、200MPa以上1100MPa以下である態様である。
該態様を採用することにより、装置構成がより高寿命な場合においても感光体の耐久性を維持しつつ、簡易な構成によって、画像流れの発生をさらに抑制することが可能となる。
本発明者らは、外添剤の水洗移行量が同等の条件で、トナー粒子表面の態様を変更して検討を行ったところ、以下の態様2が好ましいことを見出した。
すなわち、現像剤が、トナー粒子、該トナー粒子の表面を被覆する有機ケイ素重合体、及び、金属石鹸を有するトナーを含有し、該有機ケイ素重合体の水洗移行量が、0.20質量%以下であり、該トナーの最大荷重2.0×10−4Nの条件で測定した時のマルテンス硬度が、200MPa以上1100MPa以下である態様である。
該態様を採用することにより、装置構成がより高寿命な場合においても感光体の耐久性を維持しつつ、簡易な構成によって、画像流れの発生をさらに抑制することが可能となる。
<実施例6>
使用するトナーdの製造方法を示す。
(水系媒体2の調製工程)
反応容器中のイオン交換水1000.0部に、リン酸ナトリウム(ラサ工業社製・12水和物)14.0部を投入し、窒素パージしながら65℃で1.0時間保温した。
T.K.ホモミクサー(特殊機化工業株式会社製)を用いて、12000rpmにて攪拌しながら、イオン交換水10.0部に9.2部の塩化カルシウム(2水和物)を溶解した塩化カルシウム水溶液を一括投入し、分散安定剤を含む水系媒体を調製した。さらに、水系媒体に10質量%塩酸を投入し、pHを5.0に調整し、水系媒体2を得た。
使用するトナーdの製造方法を示す。
(水系媒体2の調製工程)
反応容器中のイオン交換水1000.0部に、リン酸ナトリウム(ラサ工業社製・12水和物)14.0部を投入し、窒素パージしながら65℃で1.0時間保温した。
T.K.ホモミクサー(特殊機化工業株式会社製)を用いて、12000rpmにて攪拌しながら、イオン交換水10.0部に9.2部の塩化カルシウム(2水和物)を溶解した塩化カルシウム水溶液を一括投入し、分散安定剤を含む水系媒体を調製した。さらに、水系媒体に10質量%塩酸を投入し、pHを5.0に調整し、水系媒体2を得た。
(表層用有機ケイ素化合物の加水分解工程)
撹拌機、温度計を備えた反応容器に、イオン交換水60.0部を秤量し、10質量%の塩酸を用いてpHを3.0に調整した。これを撹拌しながら加熱し、温度を70℃にした。その後、表層用有機ケイ素化合物であるメチルトリエトキシシラン40.0部を添加して2時間以上撹拌して加水分解を行った。加水分解の終点は目視にて油水が分離せず1層になったことで確認を行い、冷却して表層用有機ケイ素化合物の加水分解液を得た。
撹拌機、温度計を備えた反応容器に、イオン交換水60.0部を秤量し、10質量%の塩酸を用いてpHを3.0に調整した。これを撹拌しながら加熱し、温度を70℃にした。その後、表層用有機ケイ素化合物であるメチルトリエトキシシラン40.0部を添加して2時間以上撹拌して加水分解を行った。加水分解の終点は目視にて油水が分離せず1層になったことで確認を行い、冷却して表層用有機ケイ素化合物の加水分解液を得た。
(重合性単量体組成物の調製工程)
・スチレン :60.0部
・C.I.ピグメントブルー15:3 :6.5部
前記材料をアトライタ(三井三池化工機株式会社製)に投入し、さらに直径1.7mmのジルコニア粒子を用いて、220rpmで5.0時間分散させて、顔料分散液を調製した。前記顔料分散液に下記材料を加えた。
・スチレン :20.0部
・n−ブチルアクリレート :20.0部
・架橋剤(ジビニルベンゼン) :0.3部
・飽和ポリエステル樹脂 :5.0部
(プロピレンオキサイド変性ビスフェノールA(2モル付加物)とテレフタル酸との重縮合物(モル比10:12)、ガラス転移温度Tg=68℃、重量平均分子量Mw=10000、分子量分布Mw/Mn=5.12)
・フィッシャートロプシュワックス(融点78℃) :7.0部
これを65℃に保温し、T.K.ホモミクサー(特殊機化工業株式会社製)を用いて、500rpmにて均一に溶解、分散し、重合性単量体組成物を調製した。
・スチレン :60.0部
・C.I.ピグメントブルー15:3 :6.5部
前記材料をアトライタ(三井三池化工機株式会社製)に投入し、さらに直径1.7mmのジルコニア粒子を用いて、220rpmで5.0時間分散させて、顔料分散液を調製した。前記顔料分散液に下記材料を加えた。
・スチレン :20.0部
・n−ブチルアクリレート :20.0部
・架橋剤(ジビニルベンゼン) :0.3部
・飽和ポリエステル樹脂 :5.0部
(プロピレンオキサイド変性ビスフェノールA(2モル付加物)とテレフタル酸との重縮合物(モル比10:12)、ガラス転移温度Tg=68℃、重量平均分子量Mw=10000、分子量分布Mw/Mn=5.12)
・フィッシャートロプシュワックス(融点78℃) :7.0部
これを65℃に保温し、T.K.ホモミクサー(特殊機化工業株式会社製)を用いて、500rpmにて均一に溶解、分散し、重合性単量体組成物を調製した。
(造粒工程)
水系媒体2の温度を70℃、T.K.ホモミクサーの回転数を12000rpmに保ちながら、水系媒体2中に重合性単量体組成物を投入し、重合開始剤であるt−ブチルパーオキシピバレート9.0部を添加した。そのまま該撹拌装置にて12000rpmを維持しつつ10分間造粒した。
(重合工程)
造粒工程の後、攪拌機をプロペラ撹拌羽根に換え150rpmで攪拌しながら70℃を保持して5.0時間重合を行い、85℃に昇温して2.0時間加熱することで重合反応を行ってコア粒子を得た。スラリーの温度を55℃に冷却してpHを測定したところ、pH=5.0だった。55℃で撹拌を継続したまま、表層用有機ケイ素化合物の加水分解液を20.0部添加してトナー粒子の表層形成を開始した。そのまま30分保持した後に、水酸化ナトリウム水溶液を用いてスラリーを縮合完結用にpH=9.0に調整して更に300分保持し、表層を形成させた。
水系媒体2の温度を70℃、T.K.ホモミクサーの回転数を12000rpmに保ちながら、水系媒体2中に重合性単量体組成物を投入し、重合開始剤であるt−ブチルパーオキシピバレート9.0部を添加した。そのまま該撹拌装置にて12000rpmを維持しつつ10分間造粒した。
(重合工程)
造粒工程の後、攪拌機をプロペラ撹拌羽根に換え150rpmで攪拌しながら70℃を保持して5.0時間重合を行い、85℃に昇温して2.0時間加熱することで重合反応を行ってコア粒子を得た。スラリーの温度を55℃に冷却してpHを測定したところ、pH=5.0だった。55℃で撹拌を継続したまま、表層用有機ケイ素化合物の加水分解液を20.0部添加してトナー粒子の表層形成を開始した。そのまま30分保持した後に、水酸化ナトリウム水溶液を用いてスラリーを縮合完結用にpH=9.0に調整して更に300分保持し、表層を形成させた。
(洗浄、乾燥工程)
重合工程終了後、トナー粒子のスラリーを冷却し、トナー粒子のスラリーに塩酸を加えpH=1.5以下に調整して1時間撹拌放置してから加圧ろ過器で固液分離し、トナーケーキを得た。これをイオン交換水でリスラリーして再び分散液とした後に、前述のろ過器で固液分離した。リスラリーと固液分離とを、ろ液の電気伝導度が5.0μS/cm以下となるまで繰り返した後に、最終的に固液分離してトナーケーキを得た。
得られたトナーケーキは気流乾燥機フラッシュジェットドライヤー(セイシン企業製)にて乾燥を行い、更にコアンダ効果を利用した多分割分級機を用いて微粗粉をカットしてトナー粒子dを得た。乾燥の条件は吹き込み温度90℃、乾燥機出口温度40℃、トナーケーキの供給速度はトナーケーキの含水率に応じて出口温度が40℃から外れない速度に調整した。
トナー粒子dの断面TEM観察においてケイ素マッピングを行い、表層にケイ素原子が存在することを確認した。以降の実施例においても、有機ケイ素重合体を含有する表層は同様のケイ素マッピングで表層にケイ素原子が存在することを確認した。
(外添工程)
得られたトナー粒子dに対して、ステアリン酸亜鉛をトナー中の含有量が0.20質量%になるように、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製、FM−10C)で乾式混合してトナーdを得た。トナーdの物性を表5に示す。
なお、用いた画像形成装置のDD周速比を140%とした。
また、Vbを−450vに設定し、Vd=−500vに対して、Vb>Vdとなるようにした。
さらに、トナー供給ローラ20のバイアスを−350vに設定し、ΔVr=−50vとなるようにした。
表5にトナーの製造条件と物性を示す。
重合工程終了後、トナー粒子のスラリーを冷却し、トナー粒子のスラリーに塩酸を加えpH=1.5以下に調整して1時間撹拌放置してから加圧ろ過器で固液分離し、トナーケーキを得た。これをイオン交換水でリスラリーして再び分散液とした後に、前述のろ過器で固液分離した。リスラリーと固液分離とを、ろ液の電気伝導度が5.0μS/cm以下となるまで繰り返した後に、最終的に固液分離してトナーケーキを得た。
得られたトナーケーキは気流乾燥機フラッシュジェットドライヤー(セイシン企業製)にて乾燥を行い、更にコアンダ効果を利用した多分割分級機を用いて微粗粉をカットしてトナー粒子dを得た。乾燥の条件は吹き込み温度90℃、乾燥機出口温度40℃、トナーケーキの供給速度はトナーケーキの含水率に応じて出口温度が40℃から外れない速度に調整した。
トナー粒子dの断面TEM観察においてケイ素マッピングを行い、表層にケイ素原子が存在することを確認した。以降の実施例においても、有機ケイ素重合体を含有する表層は同様のケイ素マッピングで表層にケイ素原子が存在することを確認した。
(外添工程)
得られたトナー粒子dに対して、ステアリン酸亜鉛をトナー中の含有量が0.20質量%になるように、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製、FM−10C)で乾式混合してトナーdを得た。トナーdの物性を表5に示す。
なお、用いた画像形成装置のDD周速比を140%とした。
また、Vbを−450vに設定し、Vd=−500vに対して、Vb>Vdとなるようにした。
さらに、トナー供給ローラ20のバイアスを−350vに設定し、ΔVr=−50vとなるようにした。
表5にトナーの製造条件と物性を示す。
<実施例7〜8、及び、比較例5〜6>
実施例6において、トナーの製造条件を表5に示す記載に変更する以外は同様にして、トナーe〜hを得た。表5にトナーの物性を示す。
実施例6において、トナーの製造条件を表5に示す記載に変更する以外は同様にして、トナーe〜hを得た。表5にトナーの物性を示す。
<評価>
実施例6〜8、及び、比較例5〜6の画像流れの発生を確認するため、実施例1における評価と同様の方法及び基準を用いて、評価した。なお、全通紙量は80000枚まで行った。
結果を表6に示す。
実施例6〜8、及び、比較例5〜6の画像流れの発生を確認するため、実施例1における評価と同様の方法及び基準を用いて、評価した。なお、全通紙量は80000枚まで行った。
結果を表6に示す。
実施例6〜8のトナーは、80000枚まで画像流れが発生しなかった。
この理由として、有機ケイ素重合体はシリカ微粒子より柔らかいので、トナー同士の摺擦による金属石鹸の引き伸ばしがより抑制されたからと考察する。
一方、比較例5のようにマルテンス硬度が200Mpaを下回ると、40000枚で画像流れが発生している。これはマルテンス硬度が200Mpaを下回るとトナーはトナー供給ローラと現像ローラのニップや現像ニップで変形しやすくなり、トナーに金属石鹸が引き伸ばされてしまい感光ドラムへ供給しにくくなるためと考察できる。
また、比較例6においても40000枚で画像流れが発生している。これはマルテンス硬度が1100MPaを上回るとトナー同士の摺擦により金属石鹸が引き伸ばされやすくなるからと考えられる。
なお、本実施例の説明で用いた設定条件は一例でありその限りではない。
この理由として、有機ケイ素重合体はシリカ微粒子より柔らかいので、トナー同士の摺擦による金属石鹸の引き伸ばしがより抑制されたからと考察する。
一方、比較例5のようにマルテンス硬度が200Mpaを下回ると、40000枚で画像流れが発生している。これはマルテンス硬度が200Mpaを下回るとトナーはトナー供給ローラと現像ローラのニップや現像ニップで変形しやすくなり、トナーに金属石鹸が引き伸ばされてしまい感光ドラムへ供給しにくくなるためと考察できる。
また、比較例6においても40000枚で画像流れが発生している。これはマルテンス硬度が1100MPaを上回るとトナー同士の摺擦により金属石鹸が引き伸ばされやすくなるからと考えられる。
なお、本実施例の説明で用いた設定条件は一例でありその限りではない。
これまで、金属石鹸を長期にわたって感光ドラム1に安定して供給することで画像流れを抑制する構成を説明してきた。
本発明者らによりさらにいくつか検討を行ったところ、放電生成物除去剤と金属石鹸をともに外添すると、放電生成物除去剤のトナーからの遊離を抑えられることが判明した。
その理由は、金属石鹸が一種の「のり」のような役割を果たし、放電生成物除去剤をト
ナーの表面に留めてその遊離を抑制しているからと考察できる。
したがって、金属石鹸と放電生成物除去剤の遊離が抑制されたトナーを用いることで、さらに高寿命な構成においても感光体の耐久性を維持しつつ、簡易な構成、制御によって、画像流れの発生を抑制することが可能となった。
本発明者らによりさらにいくつか検討を行ったところ、放電生成物除去剤と金属石鹸をともに外添すると、放電生成物除去剤のトナーからの遊離を抑えられることが判明した。
その理由は、金属石鹸が一種の「のり」のような役割を果たし、放電生成物除去剤をト
ナーの表面に留めてその遊離を抑制しているからと考察できる。
したがって、金属石鹸と放電生成物除去剤の遊離が抑制されたトナーを用いることで、さらに高寿命な構成においても感光体の耐久性を維持しつつ、簡易な構成、制御によって、画像流れの発生を抑制することが可能となった。
<トナー供給ローラの構成>
以下の実施例、比較例では、トナー供給ローラ20と現像ローラ17の回転方向の関係を変更した。
以下、図5を用いて説明する。
トナー供給ローラ20と現像ローラ17とは、各々の表面がニップ部Nの下端から上端に移動する方向に回転している。すなわち、トナー供給ローラ20は図示矢印E’方向(反時計方向)に、現像ローラ17は矢印D方向(反時計方向)に回転しており、両者の接触位置におけるそれぞれの表面の移動方向が互いに逆向きとした。
この構成では、トナー供給ローラ20と現像ローラ17とは、ニップ部Nにおいて互いに逆方向に周速差を持って回転する。(現像ローラ17の周速度に対するトナー供給ローラ20の周速度の比をDRs周速比と呼ぶ。)
互いに逆方向に回転するためトナーの剥ぎ取り力は順方向に回転する構成に比べて高く、金属石鹸による「のり」のような効果で、放電生成物除去剤がはがれにくいトナーでもトナーから遊離させて感光ドラム1へ供給が可能である。
この構成の場合、DRs周速比は70%〜150%であることが好ましい。
なお、DRs周速比は、トナー供給ローラ20と現像ローラ17との回転速度の違いを表現する1つの指標であり、例えば周速比に代わり周速差を指標としても同様の夫々の回転速度を求めることができることはいうまでもない。
以下の実施例、比較例では、トナー供給ローラ20と現像ローラ17の回転方向の関係を変更した。
以下、図5を用いて説明する。
トナー供給ローラ20と現像ローラ17とは、各々の表面がニップ部Nの下端から上端に移動する方向に回転している。すなわち、トナー供給ローラ20は図示矢印E’方向(反時計方向)に、現像ローラ17は矢印D方向(反時計方向)に回転しており、両者の接触位置におけるそれぞれの表面の移動方向が互いに逆向きとした。
この構成では、トナー供給ローラ20と現像ローラ17とは、ニップ部Nにおいて互いに逆方向に周速差を持って回転する。(現像ローラ17の周速度に対するトナー供給ローラ20の周速度の比をDRs周速比と呼ぶ。)
互いに逆方向に回転するためトナーの剥ぎ取り力は順方向に回転する構成に比べて高く、金属石鹸による「のり」のような効果で、放電生成物除去剤がはがれにくいトナーでもトナーから遊離させて感光ドラム1へ供給が可能である。
この構成の場合、DRs周速比は70%〜150%であることが好ましい。
なお、DRs周速比は、トナー供給ローラ20と現像ローラ17との回転速度の違いを表現する1つの指標であり、例えば周速比に代わり周速差を指標としても同様の夫々の回転速度を求めることができることはいうまでもない。
金属石鹸と放電生成物除去剤とをそれぞれ外添した場合の効果を確かめるために、トナー粒子aに金属石鹸としてステアリン酸亜鉛と、放電生成物除去剤として式(3)で示されるハイドロタルサイト類化合物とを外添したトナーaを用いた。
実施例1の評価と同様の手法で20000枚連続通紙し、トナー収容部(現像剤収容部)18e内のトナーを採取してハイドロタルサイト類化合物の量を測定して、ステアリン酸亜鉛の外添量とハイドロタルサイト類化合物の変化量の関係を求めた。
連続通紙前後のトナーaに外添されているハイドロタルサイト類化合物量は、(有機ケイ素重合体の含有量の測定)で記載してある方法において、測定対象の元素をマグネシウムとアルミニウムにして測定した。
また、トナー中のハイドロタルサイト類化合物の含有量は0.20質量%とした。
また、装置の構成は、DRs周速比を110%とした。それ以外は実施例1と同じである。
表7にその結果を示す。この結果から、ステアリン酸亜鉛を外添するとハイドロタルサイト類化合物の変化量が小さくなっていることが分かる。
これはステアリン酸亜鉛が一種の「のり」のような役割を果たし、ハイドロタルサイト類化合物をトナー粒子表面に留めて遊離を抑制しているからと考察できる。また、ステアリン酸亜鉛の外添量が0.20質量%以上であれば遊離は大きく抑えられていることが分かる。
実施例1の評価と同様の手法で20000枚連続通紙し、トナー収容部(現像剤収容部)18e内のトナーを採取してハイドロタルサイト類化合物の量を測定して、ステアリン酸亜鉛の外添量とハイドロタルサイト類化合物の変化量の関係を求めた。
連続通紙前後のトナーaに外添されているハイドロタルサイト類化合物量は、(有機ケイ素重合体の含有量の測定)で記載してある方法において、測定対象の元素をマグネシウムとアルミニウムにして測定した。
また、トナー中のハイドロタルサイト類化合物の含有量は0.20質量%とした。
また、装置の構成は、DRs周速比を110%とした。それ以外は実施例1と同じである。
表7にその結果を示す。この結果から、ステアリン酸亜鉛を外添するとハイドロタルサイト類化合物の変化量が小さくなっていることが分かる。
これはステアリン酸亜鉛が一種の「のり」のような役割を果たし、ハイドロタルサイト類化合物をトナー粒子表面に留めて遊離を抑制しているからと考察できる。また、ステアリン酸亜鉛の外添量が0.20質量%以上であれば遊離は大きく抑えられていることが分かる。
<実施例9>
実施例1において、トナー中のステアリン酸亜鉛の含有量が0.20質量%、及び、トナー中のハイドロタルサイト類化合物の含有量が0.20質量%になるように変更した以外は同様にして、トナーiを得た。なお、トナーiにおける、シリカ微粒子の水洗移行量は0.20質量%であった。
また、実施例1と同様、DD周速比は140%であり、Vbが−450v、Vdが−500vであり、Vb>Vdとなる。
さらに、トナー供給ローラのバイアスは−350vであり、ΔVr=−50vである。
一方、トナー供給ローラ20と現像ローラ17とは、ニップ部Nにおいて互いに逆方向に周速差を持って回転させ、DRs周速比を110%とした。
実施例1において、トナー中のステアリン酸亜鉛の含有量が0.20質量%、及び、トナー中のハイドロタルサイト類化合物の含有量が0.20質量%になるように変更した以外は同様にして、トナーiを得た。なお、トナーiにおける、シリカ微粒子の水洗移行量は0.20質量%であった。
また、実施例1と同様、DD周速比は140%であり、Vbが−450v、Vdが−500vであり、Vb>Vdとなる。
さらに、トナー供給ローラのバイアスは−350vであり、ΔVr=−50vである。
一方、トナー供給ローラ20と現像ローラ17とは、ニップ部Nにおいて互いに逆方向に周速差を持って回転させ、DRs周速比を110%とした。
<実施例10>
DRs周速比を70%とした以外は実施例9と同様の構成とした。
DRs周速比を70%とした以外は実施例9と同様の構成とした。
<実施例11>
DRs周速比を150%とした以外は実施例9と同様の構成とした。
DRs周速比を150%とした以外は実施例9と同様の構成とした。
<実施例12>
実施例9において、トナー中のステアリン酸亜鉛の含有量が0.10質量%、及び、トナー中のハイドロタルサイト類化合物の含有量が0.10質量%になるように変更した以外は同様にして、トナーjを得た。なお、トナーjにおける、シリカ微粒子の水洗移行量は0.20質量%であった。
実施例9において、トナー中のステアリン酸亜鉛の含有量が0.10質量%、及び、トナー中のハイドロタルサイト類化合物の含有量が0.10質量%になるように変更した以外は同様にして、トナーjを得た。なお、トナーjにおける、シリカ微粒子の水洗移行量は0.20質量%であった。
<実施例13>
実施例9において、トナー中のステアリン酸亜鉛の含有量が0.20質量%、及び、トナー中のハイドロタルサイト類化合物の含有量が0.10質量%になるように変更した以外は同様にして、トナーkを得た。なお、トナーkにおける、シリカ微粒子の水洗移行量は0.20質量%であった。
実施例9において、トナー中のステアリン酸亜鉛の含有量が0.20質量%、及び、トナー中のハイドロタルサイト類化合物の含有量が0.10質量%になるように変更した以外は同様にして、トナーkを得た。なお、トナーkにおける、シリカ微粒子の水洗移行量は0.20質量%であった。
<実施例14>
実施例9において、トナー中のステアリン酸亜鉛の含有量が0.10質量%、及び、トナー中のハイドロタルサイト類化合物の含有量が0.20質量%になるように変更した以
外は同様にして、トナーlを得た。なお、トナーlにおける、シリカ微粒子の水洗移行量は0.20質量%であった。
実施例9において、トナー中のステアリン酸亜鉛の含有量が0.10質量%、及び、トナー中のハイドロタルサイト類化合物の含有量が0.20質量%になるように変更した以
外は同様にして、トナーlを得た。なお、トナーlにおける、シリカ微粒子の水洗移行量は0.20質量%であった。
<実施例15>
実施例6において、ステアリン酸亜鉛をトナー中の含有量が0.20質量%なるように、及び、ハイドロタルサイト類化合物をトナー中の含有量が0.20質量%なるように変更した以外は同様にして、トナーmを得た。なお、トナーmにおける、有機ケイ素重合体の水洗移行量は0.08質量%であった。
また、実施例9と同様、DD周速比は140%であり、Vbが−450v、Vdが−500vであり、Vb>Vdとなる。
トナー供給ローラのバイアスは−350vであり、ΔVr=−50vである。
トナー供給ローラ20と現像ローラ17とは、ニップ部Nにおいて互いに逆方向に周速差を持って回転し、DRs周速比は110%である。
実施例6において、ステアリン酸亜鉛をトナー中の含有量が0.20質量%なるように、及び、ハイドロタルサイト類化合物をトナー中の含有量が0.20質量%なるように変更した以外は同様にして、トナーmを得た。なお、トナーmにおける、有機ケイ素重合体の水洗移行量は0.08質量%であった。
また、実施例9と同様、DD周速比は140%であり、Vbが−450v、Vdが−500vであり、Vb>Vdとなる。
トナー供給ローラのバイアスは−350vであり、ΔVr=−50vである。
トナー供給ローラ20と現像ローラ17とは、ニップ部Nにおいて互いに逆方向に周速差を持って回転し、DRs周速比は110%である。
<実施例16>
DRs周速比を160%とした以外は実施例9と同様の構成とした。
DRs周速比を160%とした以外は実施例9と同様の構成とした。
<実施例17>
DRs周速比を65%とした以外は実施例9と同様の構成とした。
DRs周速比を65%とした以外は実施例9と同様の構成とした。
<比較例7>
実施例9において、ステアリン酸亜鉛を外添せず、トナー中のハイドロタルサイト類化合物の含有量が0.20質量%になるように変更した以外は同様にして、トナーnを得た。なお、トナーnにおける、シリカ微粒子の水洗移行量は0.20質量%であった。
実施例9において、ステアリン酸亜鉛を外添せず、トナー中のハイドロタルサイト類化合物の含有量が0.20質量%になるように変更した以外は同様にして、トナーnを得た。なお、トナーnにおける、シリカ微粒子の水洗移行量は0.20質量%であった。
<評価>
実施例9〜17、比較例7の画像流れの発生を確認するため、実施例1における評価と同様の方法及び基準を用いて、評価した。なお、全通紙量は120000枚まで行った。
結果を表8に示す。
実施例9〜17、比較例7の画像流れの発生を確認するため、実施例1における評価と同様の方法及び基準を用いて、評価した。なお、全通紙量は120000枚まで行った。
結果を表8に示す。
実施例9〜11では100000枚まで画像流れが発生しなかった。実施例12、13
、14も実施例9〜11まではいかなくとも、長期にわたって画像流れを抑制できた。
この結果から、DRs周速比が70%〜150%の範囲では、より長期にわたって画像流れを抑制できることが分かった。
これは、ステアリン酸亜鉛がハイドロタルサイト類化合物をトナー粒子表面に留めて遊離を抑制する作用により、ハイドロタルサイト類化合物が画像形成を繰り返しても枯渇しにくくなったことによるものと考えられる。また、ハイドロタルサイト類化合物が遊離しにくくてもDRs周速比を70%〜150%とすることで安定的にハイドロタルサイト類化合物を感光ドラム1に供給ができていることを意味している。
また、実施例12〜14に比べて実施例9はより長期にわたって画像流れが抑制できていることが分かった。
これは、ステアリン酸亜鉛の含有量が0.20質量部以上であり、ハイドロタルサイト類化合物の遊離が大きく抑制されている結果を反映している。
それに対して、実施例16は50000枚で画像流れが発生した。
これはDRs周速比が特定範囲より大きくなった場合、ハイドロタルサイト類化合物を遊離させる作用が大きくなりやすく、通紙量が増えるとハイドロタルサイト類化合物の供給量が減少する場合がある。
また、実施例17も50000枚で画像流れが発生した。
これは、DRs周速比が特定範囲より小さくなった場合、ハイドロタルサイト類化合物を遊離させる作用が小さくなりやすく、ハイドロタルサイト類化合物の供給量が減少する場合がある。
また、比較例7は10000枚で画像流れが発生している。これは、ステアリン酸亜鉛が含有しないことで感光ドラム1に保護膜がつくれなかったためと考えられる。
実施例15は120000枚まで画像流れが発生しなかった。
これは、現像剤が、トナー粒子、該トナー粒子の表面を被覆する有機ケイ素重合体、及び、金属石鹸、を有するトナーを含有し、トナーの最大荷重2.0×10−4Nの条件で測定した時のマルテンス硬度が200Mpa〜1100Mpaである。該トナーを使用することによって、金属石鹸が引き伸ばされにくくなったとともに、トナーのマルテンス硬度がトナー粒子表面の樹脂のそれより高いのでハイドロタルサイト類化合物がトナー粒子に埋め込まれることを抑制しているためと考えられる。
、14も実施例9〜11まではいかなくとも、長期にわたって画像流れを抑制できた。
この結果から、DRs周速比が70%〜150%の範囲では、より長期にわたって画像流れを抑制できることが分かった。
これは、ステアリン酸亜鉛がハイドロタルサイト類化合物をトナー粒子表面に留めて遊離を抑制する作用により、ハイドロタルサイト類化合物が画像形成を繰り返しても枯渇しにくくなったことによるものと考えられる。また、ハイドロタルサイト類化合物が遊離しにくくてもDRs周速比を70%〜150%とすることで安定的にハイドロタルサイト類化合物を感光ドラム1に供給ができていることを意味している。
また、実施例12〜14に比べて実施例9はより長期にわたって画像流れが抑制できていることが分かった。
これは、ステアリン酸亜鉛の含有量が0.20質量部以上であり、ハイドロタルサイト類化合物の遊離が大きく抑制されている結果を反映している。
それに対して、実施例16は50000枚で画像流れが発生した。
これはDRs周速比が特定範囲より大きくなった場合、ハイドロタルサイト類化合物を遊離させる作用が大きくなりやすく、通紙量が増えるとハイドロタルサイト類化合物の供給量が減少する場合がある。
また、実施例17も50000枚で画像流れが発生した。
これは、DRs周速比が特定範囲より小さくなった場合、ハイドロタルサイト類化合物を遊離させる作用が小さくなりやすく、ハイドロタルサイト類化合物の供給量が減少する場合がある。
また、比較例7は10000枚で画像流れが発生している。これは、ステアリン酸亜鉛が含有しないことで感光ドラム1に保護膜がつくれなかったためと考えられる。
実施例15は120000枚まで画像流れが発生しなかった。
これは、現像剤が、トナー粒子、該トナー粒子の表面を被覆する有機ケイ素重合体、及び、金属石鹸、を有するトナーを含有し、トナーの最大荷重2.0×10−4Nの条件で測定した時のマルテンス硬度が200Mpa〜1100Mpaである。該トナーを使用することによって、金属石鹸が引き伸ばされにくくなったとともに、トナーのマルテンス硬度がトナー粒子表面の樹脂のそれより高いのでハイドロタルサイト類化合物がトナー粒子に埋め込まれることを抑制しているためと考えられる。
本発明によれば、無機ケイ素微粒子の遊離量を抑えたトナーを用いることで金属石鹸を初期に過剰に供給して枯渇してしまうことを防ぎ、且つ金属石鹸と放電生成物除去剤を併用することで放電生成物除去剤の効果を長期にわたって持続させることも可能にした。
さらに、金属石鹸及び放電生成物除去剤が遊離しにくいトナーにおいても、安定的に感光ドラム1に供給することができる構成にすることにより、画像流れをより長期にわたって抑制することが可能となった。
さらに、有機ケイ素重合体を含有する表層を有するトナー粒子を有し、トナーの最大荷重2.0×10−4Nの条件で測定した時のマルテンス硬度が200Mpa〜1100Mpaであり、有機ケイ素重合体の水洗移行量が0.20質量%以下であるトナーを用いることで、金属石鹸が引き伸ばされにくくなるとともに、放電生成物除去剤がトナー粒子に埋め込まれることを抑制する作用が生まれた。それにより、さらに長期的にわたって画像流れを抑制することが可能となった。なお、本実施例の説明で用いた設定条件は一例であり、それらに限定されるものではない。
さらに、金属石鹸及び放電生成物除去剤が遊離しにくいトナーにおいても、安定的に感光ドラム1に供給することができる構成にすることにより、画像流れをより長期にわたって抑制することが可能となった。
さらに、有機ケイ素重合体を含有する表層を有するトナー粒子を有し、トナーの最大荷重2.0×10−4Nの条件で測定した時のマルテンス硬度が200Mpa〜1100Mpaであり、有機ケイ素重合体の水洗移行量が0.20質量%以下であるトナーを用いることで、金属石鹸が引き伸ばされにくくなるとともに、放電生成物除去剤がトナー粒子に埋め込まれることを抑制する作用が生まれた。それにより、さらに長期的にわたって画像流れを抑制することが可能となった。なお、本実施例の説明で用いた設定条件は一例であり、それらに限定されるものではない。
1:感光ドラム、2:帯電ローラ、4:現像ユニット、5:中間転写ベルト、6:クリーニングブレード、7:プロセスカートリッジ、8:一次転写ローラ、9:二次転写ローラ、10:定着装置、11:中間転写ベルトクリーニング、12:記録材、13:感光体ユニット、14:クリーニング枠体、17:現像ローラ、18:トナー収容室、20:トナー供給ローラ、21:現像ブレード、22:攪拌搬送部材、40:トナー、45:トナ
ー、45a:トナー粒子、45b:無機ケイ素微粒子、46:トナー、46a:トナー粒子、46b:有機ケイ素重合体、51:駆動ローラ、52:二次転写対抗ローラ、53:従動ローラ、100:画像形成装置、101:装置a(表面改質装置)、110:処理室(処理槽)、110a:内周面(内壁)、111:駆動軸、120:撹拌羽根、121:羽根部、130:回転体、131:回転体本体、131a:外周面、132:処理部、133:処理面、133a:回転体本体に最も近い第1部位、133b:駆動軸の中心からの長さが内周面の半径の80%(0.8L)となる位置に位置する第2部位、150:駆動モータ、160:制御部、R:回転方向、θ:回転方向Rの下流側の角の大きさ、a:回転体本体に最も近い第1部位と、駆動軸からの長さが内周面の半径の80%となる位置に位置する第2部位とを結ぶ線、b:駆動軸を中心とし第2部位を通る円の第2部位における接線
ー、45a:トナー粒子、45b:無機ケイ素微粒子、46:トナー、46a:トナー粒子、46b:有機ケイ素重合体、51:駆動ローラ、52:二次転写対抗ローラ、53:従動ローラ、100:画像形成装置、101:装置a(表面改質装置)、110:処理室(処理槽)、110a:内周面(内壁)、111:駆動軸、120:撹拌羽根、121:羽根部、130:回転体、131:回転体本体、131a:外周面、132:処理部、133:処理面、133a:回転体本体に最も近い第1部位、133b:駆動軸の中心からの長さが内周面の半径の80%(0.8L)となる位置に位置する第2部位、150:駆動モータ、160:制御部、R:回転方向、θ:回転方向Rの下流側の角の大きさ、a:回転体本体に最も近い第1部位と、駆動軸からの長さが内周面の半径の80%となる位置に位置する第2部位とを結ぶ線、b:駆動軸を中心とし第2部位を通る円の第2部位における接線
Claims (26)
- 像担持体と、
前記像担持体の表面に明部電位と暗部電位とを形成することにより、前記像担持体に静電像を形成する潜像形成手段と、
前記像担持体に当接し、前記像担持体に形成された静電像を現像剤で現像する現像剤担持体と、
前記静電像を現像するために前記現像剤担持体が担持する現像剤を規制する規制部材と、
前記規制部材に規制バイアスを印加する規制バイアス印加手段と
を備え、
前記現像剤が、
トナー粒子、前記トナー粒子の表面に存在する無機ケイ素微粒子、及び、金属石鹸を有するトナーを含有し、
前記無機ケイ素微粒子の水洗移行量が、0.20質量%以下であり、
前記像担持体の周速度に対する前記現像剤担持体の周速度の比である周速比の範囲が、120%〜300%であり、
前記像担持体の表面の暗部電位Vdと前記規制バイアスVbとがVd<Vbの関係を満たすことを特徴とする画像形成装置。 - 像担持体と、
前記像担持体の表面に明部電位と暗部電位とを形成することにより、前記像担持体に静電像を形成する潜像形成手段と、
前記像担持体に当接し、前記像担持体に形成された静電像を現像剤で現像する現像剤担持体と、
前記静電像を現像するために前記現像剤担持体が担持する現像剤を規制する規制部材と、
前記規制部材に規制バイアスを印加する規制バイアス印加手段と
を備え、
前記現像剤が、
トナー粒子、前記トナー粒子の表面を被覆する有機ケイ素重合体、及び、金属石鹸を有するトナーを含有し、
前記有機ケイ素重合体の水洗移行量が、0.20質量%以下であり、
前記トナーは、最大荷重2.0×10−4Nの条件で測定した時のマルテンス硬度が、200MPa以上1100MPa以下であり、
前記像担持体の周速度に対する前記現像剤担持体の周速度の比である周速比の範囲が、120%〜300%であり、
前記像担持体の表面の暗部電位Vdと前記規制バイアスVbとがVd<Vbの関係を満たすことを特徴とする画像形成装置。 - 前記トナー中の前記金属石鹸の含有量が、0.20質量%以上である、請求項1または2に記載の画像形成装置。
- 前記画像形成装置が、さらに
前記現像剤担持体に当接して前記現像剤担持体に現像剤を供給する供給部材を備え、
前記供給部材の表面の移動方向は、前記現像剤担持体との接触位置において、前記現像剤担持体の表面の移動方向と逆向きであり、
前記現像剤担持体の周速度に対する前記供給部材の周速度の比である周速比の範囲が、70%〜150%であり、
前記トナーが、さらに放電生成物除去剤を含有する、
請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像形成装置。 - 前記トナー中の前記放電生成物除去剤の含有量が、0.20質量%以上である、請求項4に記載の画像形成装置。
- 前記放電生成物除去剤が、アニオン交換性化合物である、請求項4または5に記載の画像形成装置。
- 前記アニオン交換性化合物が、ハイドロタルサイト類化合物である、請求項6に記載の画像形成装置。
- 前記有機ケイ素重合体が、下記式(1)で表される部分構造を有する、請求項2〜6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
R−SiO3/2 (1)
(Rは炭素数1以上6以下の炭化水素基を示す。) - 前記像担持体が、最表層に保護層を有する、請求項1〜8のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記保護層が、アクリル樹脂を含有する、請求項9に記載の画像形成装置。
- 前記金属石鹸が、亜鉛、カルシウム、及びマグネシウムからなる群より選ばれる少なくとも一の金属を含有する、請求項1〜10のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記金属石鹸が、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、またはステアリン酸マグネシウムである、請求項1〜11のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記金属石鹸の平均粒径が0.15μm以上2.00μm以下である、請求項1〜12のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記規制部材の材質がステンレス鋼である、請求項1〜13のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記現像剤担持体のマイクロゴム硬度が、30度〜50度である、請求項1〜14のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記現像剤担持体に現像バイアスを印加する現像バイアス印加手段をさらに備え、
前記現像バイアスと前記規制バイアスとの電位差の極性が、前記金属石鹸の極性と逆極性である、請求項1〜15のいずれか1項に記載の画像形成装置。 - 前記潜像形成手段は、
前記像担持体を帯電させて前記暗部電位を形成する帯電手段であって、前記像担持体に接触する帯電部材と、前記帯電部材に帯電バイアスを印加する帯電バイアス印加手段と、を有する帯電手段と、
帯電された前記像担持体を露光して前記明部電位を形成する露光手段と、
を有する、請求項1〜16のいずれか1項に記載の画像形成装置。 - 前記現像剤担持体と、前記現像剤担持体に当接して前記現像剤担持体に現像剤を供給する供給部材と、は、互いに当接するニップ部において各々の表面が同じ方向に移動するようにそれぞれ回転する、請求項1または2に記載の画像形成装置。
- 使用時の姿勢において、前記現像剤担持体と前記供給部材は、前記ニップ部においてその表面が上方から下方へ向かう方向に移動するように回転する、請求項18に記載の画像形成装置。
- 使用時の姿勢において、前記規制部材が前記現像剤担持体に当接する位置は、前記現像剤担持体と、前記現像剤担持体に当接して前記現像剤担持体に現像剤を供給する供給部材と、が当接するニップ部よりも下方である、請求項1〜19のいずれか1項に記載の現像装置。
- 使用時の姿勢において、前記規制部材が前記現像剤担持体に当接する位置は、前記現像剤担持体の回転中心よりも下方、かつ水平方向において、前記現像剤担持体の回転中心と、前記現像剤担持体に当接して前記現像剤担持体に現像剤を供給する供給部材の回転中心と、の間に位置する、請求項1〜20のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 現像剤を収容し、前記現像剤担持体、前記現像剤担持体に当接して前記現像剤担持体に現像剤を供給する供給部材、及び前記規制部材が取り付けられる枠体をさらに備え、
前記規制部材は、
一端が前記枠体に固定され、自由端である他端の側において前記現像剤担持体に当接し、
前記一端から前記他端へ延びる方向が、前記現像剤担持体と当接する部分において、前記現像剤担持体の回転方向とは逆方向である、請求項1〜21のいずれか1項に記載の画像形成装置。 - 前記枠体は、
前記現像剤担持体、前記供給部材及び前記規制部材が配置される現像室と、
使用時の姿勢において前記現像室の下方に位置し前記現像室へ供給される前記現像剤を収容する収容室と、
前記収容室と前記現像室を連通する連通口を備える仕切壁部と、
を備え、
前記収容室に配置され、前記収容室から前記連通口を介して前記現像室へ現像剤を搬送する搬送部材をさらに備える、請求項22に記載の画像形成装置。 - 前記仕切壁部と前記連通口の上端との境目の位置が、前記供給部材の上端よりも上方にある、請求項23に記載の現像装置。
- 前記仕切壁部と前記連通口の下端との境目の位置が、前記供給部材の下端よりも上方にある、請求項23または24に記載の現像装置。
- 請求項1乃至25のいずれか1項に記載の現像装置を含む、画像形成装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
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