JPH10123737A - 電子写真感光体の製造方法、電子写真感光体、電子写真感光体の製造装置及び画像形成方法 - Google Patents

電子写真感光体の製造方法、電子写真感光体、電子写真感光体の製造装置及び画像形成方法

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JPH10123737A
JPH10123737A JP28399396A JP28399396A JPH10123737A JP H10123737 A JPH10123737 A JP H10123737A JP 28399396 A JP28399396 A JP 28399396A JP 28399396 A JP28399396 A JP 28399396A JP H10123737 A JPH10123737 A JP H10123737A
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JP
Japan
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conductive support
pressing
coating
electrophotographic photosensitive
photosensitive member
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Application number
JP28399396A
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English (en)
Inventor
Mitsuhide Nakamura
光秀 中村
Toru Asahi
徹 朝日
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Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表面平滑性に優れた導電性支持体を用いて白
班点や黒班点の発生を防いだ高品質の画像が得られる電
子写真感光体の効率的な製造方法の提供。 【解決手段】 導電性支持体を作製する支持体作製工程
と、導電性支持体上に感光層を塗設する塗設工程とを少
なくとも含む電子写真感光体の製造方法において、該塗
設工程の前に、前記導電性支持体の表面に処理部材を押
し付ける押付処理工程を行うことを特徴とする電子写真
感光体の製造方法である。前記導電性支持体が、引き抜
き処理又はしごき処理を行った、無切削アルミニウム管
又は切削加工後にホーニング処理したアルミニウム管で
あり、前記処理部材が、前記導電性支持体の表面に押し
付けられた際に前記導電性支持体の表面との接触面積が
増すように変形し得る弾性部材であり、前記弾性部材が
ブラシ及びスポンジのいずれかであるのが、それぞれ好
ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真プリンタ
ー、複写機等に好適に使用でき、表面平滑性に優れた導
電性支持体を用いたことにより白班点や黒班点の発生が
なく高品質の画像が得られる電子写真感光体、該電子写
真感光体を効率よく製造し得る方法及び装置、並びに該
電子写真感光体を用いて高品質の画像を形成する方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】現在、電子写真プリンター、複写機等に
使用される電子写真感光体(OPC)としては、アルミ
ニウム管を導電性支持体として用い、該導電性支持体上
に下引き層(UCL)と電荷発生層(CGL)と電荷輸
送層(CTL)とを積層したものが主流になっている。
また、電子写真プリンター、複写機等の普及・低価格化
に伴い、前記電子写真感光体を低コストで製造すること
求められている。ところが、従来においては、前記アル
ミニウム管として表面切削を施したものが使用されてい
たため、低コストで効率よく電子写真感光体を製造する
ことができないという問題があった。
【0003】このような事情の下、近時、表面切削が不
要で低コストで得られかつ表面平滑性が良好な無切削ア
ルミニウム管が、前記導電性支持体として使用されるよ
うになってきている。このような無切削アルミニウム管
としては、例えば、押し出し/しごき加工により作製さ
れるEI管、押し出し/引き抜き加工により作製される
ED管、絞り/しごき加工により作製されるDI管等が
知られている。
【0004】しかし、このような無切削アルミニウム管
をそのまま前記導電性支持体とした電子写真感光体を使
用して画像形成を行った場合、得られた画像に白点や黒
点が発生し、高品質の画像が得られないという問題があ
る。前記無切削アルミニウム管の表面には、厚みが数μ
m以下、長さが10〜50μm程度の『ささくれ』状の
凸状欠陥が存在している。この『ささくれ』状の凸状欠
陥の発生のメカニズムとしては、アルミニウム管の押出
し時にダイスのベアリング面に酸化物や不純物が偏析し
てムシレが発生し、そのムシレ部が次の引抜きやしごき
によって引き伸ばされて一部が『ささくれ』状の凸状欠
陥となること、押出し時にムシレが発生していなくて
も、引き抜きやしごきのベアリングの焼きつきにより表
面がむしり取られて一部が『ささくれ』状の凸状欠陥と
なること等が考えられる。この『ささくれ』状の凸状欠
陥の存在すると、電子写真感光体における塗膜の状態が
不十分になり、該凸状欠陥が存在する部位に対応して白
班点や黒班点が生じてしまうからである。即ち塗膜のレ
ベリングによる塗膜追従性が損なわれ、微小な部位にお
いて塗膜の厚膜化による白班点や薄膜化による黒班点が
画像上に生じ、該凸状欠陥の凸部先端が塗膜から露出す
ることによって黒班点や電荷リーク等の欠陥が生じてし
まうからである。これは、感光層の塗設前に行う洗浄工
程において超音波を使用した場合に顕著であり、超音波
の振幅により『ささくれ』状の凸状欠陥が起き上がって
しまうことが原因であると推測される。
【0005】そこで、前記凸状欠陥を効率よく、かつ確
実に解消する方法が幾つか提案されている。例えば、特
開平3−149180号公報には、バニッシングロール
で前記凸状欠陥部を削り落とす方法が提案されている。
しかしながら、この方法の場合、バニッシングロールを
行う工程が新たに必要になり効率的でなく、しかもコス
ト面でも不利になる。また、バニッシング加工時にアル
ミニウム管表面に付着している油等の汚れが前記凸状欠
陥部に包含されたまま残留し、各種洗浄を行ってもその
除去が難しい上、油等の汚れが残留した状態のままその
表面に前記下引き層等を塗設すると均一な塗膜を形成で
きない。このような電子写真感光体を使用して画像形成
を行っても高品質の画像が得られないという問題があ
る。
【0006】特開平6−167824号公報には、砥石
を用いて前記凸状欠陥を研削する方法が提案されてい
る。しかしながら、この方法の場合、研削行う工程が新
たに必要になり上記の場合と同様に効率的でなく、コス
ト面でも不利になる。また、研削後においても、微小な
(厚みが1μm以下、長さが10μm以下)『ささく
れ』状の凸状欠陥が存在し、これを完全になくすことは
不可能であるという問題があった。
【0007】特開平6−148921号公報には、化学
的に前記凸状欠陥を溶解除去する方法が提案されてい
る。しかしながら、この方法の場合、化学的に溶解する
工程が新たに必要になり上記の場合と同様に効率的でな
く、コスト面でも不利になる。また、溶解を行うための
特殊な溶剤を完全に洗い流すことは、技術的にもコスト
的にも大変難しいという問題がある。
【0008】したがって、無切削アルミニウム管を導電
性支持体として用いることにより、低コストで効率的に
電子写真感光体を得ることと、該電子写真感光体により
高品質の画像を得ることとの両立は難しく、両者を満足
し得る電子写真感光体、その製造方法及び製造装置、並
びに画像形成方法等は未だ提供されていないのが現状で
ある。
【0009】一方、レーザービームをライン走査する方
式の電子写真装置には、レーザー光を用いて形成する画
像に干渉縞模様が現れるという特有の問題を解決しなけ
ればならない。この種の干渉縞の発生は、電子写真感光
体における感光層内で吸収されなかった透過光が、導電
性支持体を含む感光層内でレーザービームの多重反射を
生じて、感光層表面の入射光との間で干渉を生じること
に起因するとされている。この干渉縞の発生を防止する
具体策として特公平5ー26191号公報において導電
性支持体又は感光層の表面を粗面化して光散乱性を付与
することが提案され、その具体的方法として特公平6ー
41108号公報、特開平5−216261公報等にお
いて湿式ホーニングが提案されている。
【0010】しかしながら、前記湿式ホーニングの場
合、前記導電性支持体としてのアルミニウム管に研磨材
が衝突/研削を繰り返すうちに該研磨材により削り取ら
れたアルミニウム片の一部が微小な(厚みが1μm以
下、長さが10μm以下)『ささくれ』状の凸状欠陥と
なり、上述のような白班点や黒班点を画像上に生じてし
まうという問題があり、さらにこの凸状欠陥を完全にな
くすことは不可能であるという問題がある。
【0011】近年、電子写真装置においては、オゾン発
生量の低減化、高圧電源の不使用による低コスト化、帯
電器の小型化等を実現するために、電子写真感光体に対
して接触帯電方式による帯電が行われるようになってき
ている。ところが、この接触帯電方式に用いる電子写真
感光体における導電性支持体の表面に微小な凸状欠陥が
存在すると、その凸状欠陥の突出部に電荷が集中してし
まい、電荷リークが発生し、その結果、プリント画像上
に黒点等が現われるという問題がある。したがって、こ
のような黒点等の発生がなく、高品質の画像を得るため
には、電子写真感光体における導電性支持体の表面を、
電荷が集中しない程度に平滑にする必要がある。具体的
には、前記凸状欠陥の突出部の高さを3μm以下に抑え
る必要がある一方、プリンター、複写機等の低価格化等
の要請に応えるためには、低コストで簡便に効率よく、
前記導電性支持体の表面を平滑にする処理を行う必要が
ある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来に
おける諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課
題とする。即ち、本発明は、電子写真プリンター、複写
機等に好適に使用でき、表面平滑性に優れた導電性支持
体を用いたことにより白班点や黒班点の発生がなく高品
質の画像が得られる電子写真感光体、該電子写真感光体
を効率よく製造し得る方法及び装置、並びに該電子写真
感光体を用いて高品質の画像を形成する方法を提供する
ことを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】前記従来における諸問題
を解決すべく本発明の発明者らが鋭意研究を重ねた結
果、無切削アルミニウム管、研削加工後にホーニング加
工したアルミニウム管等を導電性支持体として用いる場
合、該導電性支持体の表面に下引き層(UCL)、電荷
発生層(CGL)、電荷輸送層(CTL)等を塗設する
前に、該導電性支持体の表面に処理部材を押し付ける押
付処理を行うと、『ささくれ』状の凸状欠陥を効果的に
抑制できることを見い出した。
【0014】本発明は、本発明の発明者らによる前記知
見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段
は、以下の通りである。即ち、 (1) 導電性支持体を作製する支持体作製工程と、導
電性支持体上に感光層を塗設する塗設工程とを少なくと
も含む電子写真感光体の製造方法において、該塗設工程
の前に、前記導電性支持体の表面に処理部材を押し付け
る押付処理工程を行うことを特徴とする電子写真感光体
の製造方法である。
【0015】(2) 導電性支持体が、引き抜き処理又
はしごき処理を行った、無切削アルミニウム管又は切削
加工後にホーニング処理したアルミニウム管である前記
(1)に記載の電子写真感光体の製造方法である。
【0016】(3) 処理部材が、前記導電性支持体の
表面に押し付けられた際に前記導電性支持体の表面との
接触面積が増すように変形し得る弾性部材である前記
(1)又は(2)に記載の電子写真感光体の製造方法で
ある。
【0017】(4) 弾性部材がブラシ及びスポンジの
いずれかである前記(3)に記載の電子写真感光体の製
造方法である。
【0018】(5) 導電性支持体を洗浄する洗浄工程
をさらに有してなり、前記押付処理工程を該洗浄工程中
で行う前記(1)から(4)のいずれかに記載の電子写
真感光体の製造方法である。
【0019】(6) 押付処理工程を、導電性支持体と
処理部材との間に液体を介した状態で行う前記(5)に
記載の電子写真感光体の製造方法である。
【0020】(7) 前記(1)から(6)のいずれか
に記載の電子写真感光体の製造方法により製造されるこ
とを特徴とする電子写真感光体である。
【0021】(8) 導電性支持体を作製する支持体作
製手段と、導電性支持体上に感光層を塗設する塗設手段
とを少なくとも有する電子写真感光体の製造装置におい
て、前記塗設の前に前記導電性支持体の表面に処理部材
を押し付ける押付処理を行う押付処理機をさらに有する
ことを特徴とする電子写真感光体の製造装置である。
【0022】(9) 電子写真感光体に対し、帯電、像
露光、現像及び転写を行うことを含む画像形成方法にお
いて、該電子写真感光体が前記(7)に記載の電子写真
感光体であることを特徴とする画像形成方法である。
【0023】前記(1)〜(6)に記載の電子写真感光
体の製造方法、及び、前記(8)に記載の電子写真感光
体の製造装置によると、前記導電性支持体の表面に感光
層等を塗設する前にその表面に処理部材を押し付ける押
付処理を行う。その結果、前記導電性支持体の表面に存
在していた、高さ3μmを越える『ささくれ』状の凸状
欠陥が導電性支持体に押しつけられて高さ3μm以下の
微小な凸部になり、該表面が平滑になる。その結果、該
表面に塗設された感光層の表面状態が平滑になる。この
ため、得られる電子写真感光体、即ち前記(7)に記載
の電子写真感光体においては、電荷の集中、電荷のリー
ク等が生じない。このような前記(7)に記載の電子写
真感光体を用いて画像形成プロセスを行うと、白斑点や
黒斑点を画像上に生ずることがない。
【0024】
【発明の実施の形態】本発明の電子写真感光体の製造方
法は、支持体作製工程と塗設工程と押付処理工程とを含
み、更に必要に応じて適宜選択した洗浄工程等のその他
の工程を含む。本発明の電子写真感光体の製造方法は、
本発明の電子写真感光体の製造装置を用いて好適に実施
できる。本発明の電子写真感光体の製造装置は、支持体
作製手段と塗設手段と押付処理機とを有してなり、更に
必要に応じて適宜選択した洗浄機等のその他の手段を有
する。本発明の電子写真感光体は、前記本発明の電子写
真感光体の製造方法により製造される。以下これらにつ
いて詳細に説明する。
【0025】(電子写真感光体の製造方法及び電子写真
感光体の製造装置) −支持体作製工程及び支持体作製手段− 前記支持体作製工程においては、導電性支持体を作製す
る。該支持体作製工程は、公知の導電性支持体作製機を
用いて行ってもよいが、本発明の電子写真感光体の製造
装置における支持体作製手段を用いて好適に行うことが
できる。前記支持体作製手段としては、導電性支持体を
作製し得る機能を有している限り特に制限はなく、それ
自体公知の機器等が挙げられる。例えば、前記導電性支
持体がアルミニウム管である場合には、アルミニウム
(合金を含む)を押出加工するための押出加工機、アル
ミニウムをしごき処理するためのしごき処理機、アルミ
ニウム管を切削加工するための切削加工機、アルミニム
管をホーニング処理するためのホーニング処理装置など
が挙げられる。これらは、適宜組み合わせて使用され
る。なお、支持体作製手段は、これらに限定されるもの
ではない。
【0026】前記支持体作製工程により作製された導電
性支持体の材質としては、特に制限はなく公知のもので
よいが、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、ス
テンレス鋼、銅、ニッケル等の金属材料や、アルミニウ
ムを蒸着したポリエステルフィルム、紙などが主に挙げ
られる。前記導電性支持体の大きさとしては、目的に応
じて適宜選択すればよく、形状乃至構造としては、特に
制限はないが、電子写真感光体はドラム状とされて使用
されるのが一般的であり、ドラム状にし得る形状乃至構
造であればよいが、管状、パイプ状等であるのが好まし
い。前記支持体作製工程により作製された導電性支持体
としては、例えば、押出/しごき加工により作製される
EI管、押出/引抜き加工により作製されるED管、絞
り/しごき加工により作製されるDI管等の無切削アル
ミニウム管や、ダイヤモンドバイト等を用いて鏡面切削
加工により作製される切削アルミニウム管などが挙げら
れる。これらの中でも、コスト面、効率面等で無切削ア
ルミニウム管が好ましい。
【0027】前記支持体作製工程により作製された導電
性支持体の表面には、図1に示すように、『ささくれ』
状の凸状欠陥2が導電性支持体1上に多数存在してい
る。前記凸状欠陥における、長さは通常10〜50μm
程度であり、高さは通常5〜10μm程度である。な
お、前記『ささくれ』状の凸状欠陥の発生は、例えば、
SEM分析などにより把握することができる。
【0028】−押付処理工程及び押付処理機− 前記押付処理工程においては、後述の塗設工程の前に、
前記支持体作製工程において作製された導電性支持体の
表面に処理部材を押し付ける押付処理が行われる。該押
付処理工程は、適宜選択した処理部材を用いて行っても
よいが、本発明の電子写真感光体の製造装置における押
付処理機を用いて好適に行うことができる。前記押付処
理機としては、前記導電性支持体の表面に処理部材を押
し付け、該処理部材を回転駆動させる機能を有している
限り特に制限はなく、それ自体公知の機器等を用いて設
計することができる。具体的には、前記処理部材と、該
処理部材を移動乃至回転駆動する駆動手段とを有する押
付処理機などが好適に挙げられる。
【0029】前記処理部材としては、前記導電性支持体
の表面に押し付けられた際に前記導電性支持体の表面と
の接触面積が増すように変形し得る弾性部材であるのが
好ましい。このような弾性部材としては、ブラシ、スポ
ンジ、シート、フィルムなどが挙げられるが、これらの
中でもブラシ及びスポンジのいずれかであるのが好まし
い。前記弾性部材の材質としては、前記弾性部材として
の機能を阻害しない限り特に制限はないが、ナイロン、
ポリエチレン等の汎用プラスチックス、これらの発砲体
などが入手の容易性等の観点から好適に挙げられる。前
記処理部材の形状としては、前記押付処理を行うことが
できる限り特に制限はないが、通常、前記導電性支持体
と同様に、ドラム状即ち円柱形状等が好ましい。
【0030】前記駆動手段としては、例えば、前記処理
部材に接続され、該処理部材を水平乃至垂直移動させる
駆動系と該処理部材をその軸を中心にして回転させる駆
動系とを備えてなるものが挙げられる。
【0031】前記押付処理工程において、前記導電性支
持体の表面に前記処理部材を押し付ける程度としては、
例えば、接触深さを基準に把握することができる。前記
接触深さ(d)は、ドラム状の導電性支持体及び処理部
材を用いた場合において、両者の中心軸が互いに接近す
る方向に前記処理部材を移動させて前記導電性支持体に
接触させたとき、前記処理部材の半径をrとし、導電性
支持体の半径をRとし、前記処理部材の中心軸と前記導
電性支持体の表面との最短距離をsとすると、d=R+
r−sで表することができる。前記接触深さの値として
は、1〜10mm程度が好ましい。
【0032】前記押付処理工程においては、前記導電性
支持体と前記処理部材とを接触させた状態でこれらを回
転させるが、その回転方向としては互いに同方向であっ
てもよいし、異方向であってもよい。これらの中でも、
図2に示すように、互いに同方向に回転させる方が、前
記凸状欠陥の押し付け効果が大きい点で有利である。前
記処理部材の回転速度としては、前記導電性支持体と同
じ回転速度であってもよいし、異なる回転速度であって
もよいが、一般的にはほぼ同程度の回転速度であるのが
好ましく、具体的には、100〜200rpm程度が好
ましい。前記回転速度が、100rpm未満であると、
押付処理の効率が低下する点で好ましくなく、200r
pmを越えると前記導電性支持体の表面に傷等をつけて
しまうことがある点で好ましくない。
【0033】前記押付処理工程により、前記導電性支持
体の表面に存在していた、高さ3μmを越える『ささく
れ』状の凸状欠陥が導電性支持体に押し付けられ、図3
に示すような、高さ3μm以下の微小な凸部3になり、
該表面が平滑になる。その結果、該表面に塗設される感
光層等の表面状態を平滑にすることができる。前記凸部
の高さは、3μm以下であり、1μm以下がより好まし
い。前記凸部の生成は、例えばSEM分析などにより把
握することができる。前記凸部の高さが3μm以下であ
ると、塗膜のレベリングによる塗膜追従性が良好であ
り、塗膜の厚膜化による白班点や薄膜化による黒班点が
画像上に生ずることがなく、該凸部の先端が塗膜から露
出することによる黒班点や電荷リーク等の欠陥が生ずる
ことがない点で有利である。
【0034】−洗浄工程及び洗浄機− 以上の押付処理工程により押付処理された導電性支持体
は、そのまま用いてこれに感光層を塗設してもよいが、
本発明の電子写真感光体の製造方法においては、以下の
洗浄工程において洗浄された後でその表面に感光層が塗
設されるのが好ましい。前記洗浄工程を行うと、前記導
電性支持体上に付着した押し付け弾性部材屑等を除去で
きるので、塗設した感光層の劣化等を招きにくくなる点
で有利である。前記洗浄工程は、例えば、それ自体公知
の洗浄機等を用いて行うことができる。本発明の電子写
真感光体の製造装置は、前記洗浄機を備えるのが好まし
い。前記洗浄工程において、前記導電性支持体は、例え
ば、洗浄液中に浸漬された状態で振動される。あるい
は、その表面に洗浄液が吹きつけられる。
【0035】前記洗浄機としては、特に制限はないが、
洗浄液を充填でき、該洗浄液の交換、温度設定できる機
能を有していれば十分である。なお、このような洗浄機
の中でも更に超音波発振機能や乾燥機能を有しているも
のが好ましい。前記超音波発振機能を有していると、洗
浄効果を高めることができる点で有利であり、前記乾燥
機能を有していると、洗浄液による洗浄後の乾燥時間が
短縮でき、効率がよくなる点で有利である。前記洗浄液
としては、例えば、井水、水道水、蒸留水、イオン交換
水、純水等の水の外、市販の洗浄液などが挙げられる
が、これらの中でもイオン交換水、純水等が好ましい。
これらの洗浄液は、1種単独で使用してもよいし、2種
以上を併用してもよい。前記洗浄液は、適宜交換するこ
とができる。また、前記洗浄液の温度は、一定に制御し
てもよいし、途中で温度を変化させてもよい。あるいは
異なる温度に設定した複数の洗浄液を用いてもよい。前
記洗浄工程を行う時間としては、通常1〜20分程度で
ある。
【0036】本発明においては、前記洗浄工程中に前記
押付処理工程を行うのが効率的であり好ましい。また、
前記押付処理工程は、前記導電性支持体と前記処理部材
との間に液体を介していない状態で行ってもよいが、液
体を介した状態で行った方が前記導電性支持体と前記処
理部材との抵抗を減らすことができ、必要以上の摩擦抵
抗による傷等を前記導電性支持体の表面に付けてしまう
ことを防止できる点で好ましい。また、このように、前
記導電性支持体と前記処理部材との間に液体を介した状
態で前記押付処理工程を行う場合、押付処理後に前記洗
浄工程を続けて行うことができるように設計すると、排
水装置の便宜等の面でも有利である。なお、前記液体と
しては、例えば、井水、水道水、蒸留水、イオン交換
水、純水等の水などが挙げられるが、井水、水道水等が
コスト面で有利である。
【0037】−塗設工程及び塗設手段− 前記塗設工程においては、前記押付処理工程において押
付処理された導電性支持体の表面に、下引き層を含む感
光層を塗設する。該塗設工程は、公知の塗布装置、乾燥
機等を用いて行ってもよいが、本発明の電子写真感光体
の製造装置における塗設手段を用いて好適に行うことが
できる。前記塗設手段としては、前記押付処理工程にお
いて押付処理された導電性支持体の表面に、下引き層を
含む感光層を塗設できる機能を有する限り特に制限はな
く、目的に応じて適宜選択できるが、例えば、下引き
層、電荷発生層、電荷輸送層等の各層用の塗布液を調製
する塗布液調整部と、該塗布液を前記導電性支持体上に
塗布する塗布部と、該塗布面を乾燥させる乾燥部とを有
する機器等が挙げられる。前記各部は、一体的に配置さ
れていてもよいし、個々別々に配置されていてもよい。
前記塗布液調製部としては、例えば、公知の混合器など
が挙げられる。前記塗布部としては、例えば、カーテン
コーター、バーコーター等が挙げられる。前記乾燥部と
しては、例えば、ドライヤー等が挙げられる。前記塗設
工程において、前記導電性支持体の表面に、下引き層、
電荷発生層、電荷輸送層等が積層形成される。その結
果、電子写真感光体が製造される。
【0038】前記下引き層としては、例えば、アルミニ
ウム陽極酸化被膜、酸化アルミニウム、水酸化アルミニ
ウム等の無機層、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポ
リビニルピロリドン、ポリアクリル酸、セルロース類、
ゼラチン、デンプン、ポリウレタン、ポリイミド、ポリ
アミド等の樹脂等の有機層、あるいは、シランカップリ
ング剤、有機ジルコニウムなどの有機金属化合物、又は
これらを混合させたものなどが挙げられる。また、これ
らの下引き層は、アルミニウム、鋼、錫、亜鉛、チタン
などの金属あるいは金属酸化物などの導電性又は半導性
微粒子を含んでいてもよい。前記下引き層の厚みとして
は、0.05μm〜10μmが好ましく、0.1〜2μ
mが特に好ましい。感光層が電荷発生層と電荷輸送層と
の積層構造の場合、それらのいずれかが下引き層の上に
設けられてもよい。
【0039】前記電荷発生層は電荷発生物質を含有し、
前記電荷輸送層は電荷輸送物質を含有する。
【0040】前記電荷発生物質としては、例えば、無金
属フタロシアニン、銅塩化インジウム、塩化ガリウム、
錫、オキシチタニウム、亜鉛、バナジウム等の金属、又
は、その酸化物、塩化物の配位したフタロシアニン類が
挙げられる。これらの中でも、光感度、電気特性安定
性、画質の点で、無金属フタロシアニン、クロロガリウ
ムなどのハロゲン化ガリウムフタロシアニン、ジクロロ
スズなどのハロゲン化スズフタロシアニン、ハイドロキ
シガリウムフタロシアニン、オキシチタニルフタロシア
ニン、クロロインジウムなどのハロゲン化インジウムフ
タロシアニン、バナジルフタロシアニンから選択される
少なくとも1つが好ましい。なお、これら中心金属類に
ついては混晶の形で複数併用してもよいし、単品として
複数混合してもよい。
【0041】前記電荷発生層には、分光感度を変えたり
帯電性、残留電位等の電気特性を改良するために、フタ
ロシアニン以外の電荷発生物質を含有させてもよい。そ
のような電荷発生物質としては、例えば、セレン及びそ
の合金、ヒ素−セレン、硫化カドミニウム、酸化亜鉛、
その他の無機光導電物質、アゾ色素、キナクリドン、多
環キノン、ピリリウム塩、チアピリリウム塩、インジ
ゴ、チオインジゴ、アントアントロン、ピラントロン、
シアニン等が挙げられる。以上の電荷発生物質の平均粒
径としては、1μm以下が好ましく、0.5μm以下が
より好ましく、0.3μm以下が特に好ましい。
【0042】前記電荷発生層に使用されるバインダーと
しては、例えば、ポリビニルアセテート、ポリアクリル
酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリエステ
ル、ポリカーボネート、ポリビニルアセトアセタール、
ポリビニルプロピオナール、ポリビニルブチラール、フ
ェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、セルロー
スエステル、セルロースエーテルなどが挙げられる。
【0043】前記電荷発生層における前記電荷発生物質
の含有量としては、前記バインダー100重量部に対
し、通常30〜500重量部である。前記電荷発生層の
厚みとしては、通常0.05μm〜1μmであり、0.
1〜0.5μmが特に好ましい。前記電荷発生層には、
必要に応じて塗布性を改善するためのレベリング剤や酸
化防止剤、増感剤等の各種添加剤を添加させることがで
きる。前記電荷発生層は、前記電荷発生物質の微粒子が
前記バインダー中に分散した状態で結着してなる層であ
ってもよいし、前記電荷発生物質による蒸着膜であって
もよい。
【0044】前記電荷輸送物質としては、例えば、2,
4,7−トリニトロフルオレノン、テトラシアノキノジ
メタンなどの電子吸引性物質、カルバゾール、インドー
ル、イミダゾール、オキサゾール、ピラゾール、オキサ
ジアゾール、ピラゾリン、チアジアゾール、などの複素
環化合物、アニリン誘導体、ヒドラゾン化合物、芳香族
アミン誘導体、スチルベン誘導体、あるいはこれらの化
合物からなる基を主鎖若しくは側鎖に有する重合体など
の電子供与性物質が挙げられる。前記電荷輸送層は、こ
れらの電荷輸送物質がバインダーに結着した状態で形成
される。
【0045】前記電荷輸送層に使用されるバインダーと
しては、例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリスチ
レン、ポリ塩化ビニル等のビニル重合体、及びその供重
合体、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリエステル
カーボネート、ポリスルホン、ポリイミド、フエノキ
シ、エポキシ、シリコーン樹脂等、これらの部分的架橋
硬化物などが挙げられる。
【0046】前記電荷輸送層における前記電荷輸送物質
の含有量としては、前記バインダー100重量部に対
し、通常30〜200重量部であり、40〜150重量
部が好ましい。前記電荷輸送層の厚みとしては、通常5
〜50μmであり、15〜30μmが好ましい。前記電
荷輸送層には、成膜性、可とう性、塗布性などを向上さ
せるため、必要に応じて周知の可塑剤、酸化防止剤、紫
外線吸収剤、レベリング剤などの添加剤を添加すること
ができる。
【0047】前記電子写真感光体においては、前記感光
層上にさらに最表面層が設けられていてもよく、そのよ
うな最表面層としては、例えば、従来公知の熱可塑性又
は熱硬化性ポリマーを主体とするオーバーコート層など
が挙げられる。
【0048】前記塗設工程において前記各層を塗布形成
する場合、例えば、該各層に含有させる物質を溶剤に溶
解又は分散して得られた塗布液を前記導電性支持体に順
次塗布・乾燥等すればよい。本発明の電子写真感光体
は、以下の本発明の画像形成方法において好適に使用さ
れる。
【0049】(画像形成方法)本発明の画像形成方法
は、前記電子写真感光体に対し、帯電、像露光、現像及
び転写を行うことを含む。なお、本発明の画像形成方法
は通常の方法に従って行うことも可能である。
【0050】前記帯電は、例えば、導電性又は半導電性
のローラ、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を用いた
接触帯電、コロナ放電を利用したスコロトロン帯電やコ
ロトロン帯電などが挙げられる。前記帯電は、公知の帯
電器等を用いて行うことができる。前記帯電器として
は、特に制限はなく、例えば、導電性又は半導電性のロ
ーラ、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を用いた接触
型帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン帯電器や
コロトロン帯電器などのそれ自体公知の帯電器が挙げら
れる。これらの中でも、帯電補償能力に優れる点で接触
型帯電器が好ましい。前記帯電器は、前記電子写真感光
体に対し、通常、直流電流を印加するが、交流電流をさ
らに重畳させて印加してもよい。
【0051】前記像露光は、例えば、半導体レーザ光の
外、LED光、液晶シャッタ光等の公知の光源を利用し
た画像露光器を用いて行うことができる。
【0052】前記現像は、例えば、磁性若しくは非磁性
の一成分系現像剤又は二成分系現像剤などを接触あるい
は非接触させて現像する一般的な現像器を用いて行うこ
とができる。
【0053】前記転写は、例えば、コロナ放電による転
写、転写ベルト、転写ローラ等を用いた接触転写などが
挙げられる。前記転写は、公知の転写帯電器等を用いて
行い得る。前記転写帯電器としては、特に制限はなく、
例えば、ベルト、ローラ、フィルム、ゴムブレード等を
用いた接触型転写帯電器、コロナ放電を利用したスコロ
トロン転写帯電器やコロトロン転写帯電器などのそれ自
体公知の転写帯電器が挙げられる。これらの中でも、転
写帯電補償能力に優れる点で接触型転写帯電器が好まし
い。
【0054】なお、本発明の画像形成方法においては、
必要に応じてさらに、光除電等を行ってもよい。
【0055】
【実施例】以下に本発明の実施例を説明するが、本発明
はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
【0056】(実施例1〜6及び比較例1〜3)実施例
1〜2及び比較例1では、0.75mm厚×φ30mm
×L340mmの押出し/引抜き工程により作製される
無切削アルミニウム管(ED管A3003合金)を用意
した。また、実施例3〜4及び比較例2では、0.75
mm厚×φ30mm×L340mmの押出し/しごき工
程により作製される無切削アルミニウム管(EI管A3
003合金)を用意した。また、実施例5〜6及び比較
例3では、0.90mm厚×φ30.3mm×L340
mmのアルミニウム管(A6063合金)をダイヤモン
ドバイトを用いて0.75mm厚×φ30mm×L34
0mmの鏡面切削加工した後、その表面を、Raが0.
03〜0.04μmの平滑面に仕上げた。このアルミニ
ウム管に対し液体ホーニング装置によってその表面の粗
面化処理を行った。その粗面化処理においては、研磨材
18.9kgを水51リットルに懸濁させ、これを21
リットル/分の流量でガンに送り込んで、所定の圧縮空
気圧(0.1〜0.2MPa)で前記アルミニウム管に
吹きつけ、所望の表面粗さ(Ra:0.1〜0.5μ
m)になるようにした。なお、前記研磨材として、昭和
タイタニウム社製の酸化アルミニウム(アルナビーズ
(CB−A30S)、粒径27μm)を用いた。
【0057】それぞれ用意したアルミニウム管につい
て、以下の押付処理を行った。実施例1、3及び5で
は、前記アルミニウム管に対し、まず井水を3L/mi
nで20秒吹きかけ、その後井水を3L/minで吹き
かけながら、処理部材としてのナイロン製ブラシ(ブラ
シ線径65μm、ブラシ外径80mm、ブラシ長さ30
mm)を該アルミニウム管に接触させ、該アルミニウム
管と共に同方向に200rpmで回転させながら10秒
間押付処理を行った。その後、純水(導電度0.1〜
1.0μS/cm、温度18〜25℃)中で30回/分
で揺動しながら5分間すすぎ、温純水(導電度0.1〜
1.0μS/cm、温度48〜55℃)中に30秒浸漬
後、200mm/分でゆっくりと引上げて洗浄した後、
135℃の熱風乾燥を3分行った。
【0058】実施例2、4及び6では、前記アルミニウ
ム管に対し、まず井水を3L/minで20秒吹きか
け、その後井水を3L/minで吹きかけながら、処理
部材としての発泡ポリエチレン製スポンジ(スポンジ外
径80mm、スポンジ部深さ(厚み)30mm)を該ア
ルミニウム管に接触させ、該アルミニウム管と共に同方
向に200rpmで回転させながら10秒間押付処理を
行った。その後、純水(導電度0.1〜1.0μS/c
m、温度18〜25℃)中で30回/分で揺動しながら
5分間すすぎ、温純水(導電度0.1〜1.0μS/c
m、温度48〜55℃)中に30秒浸漬後、200mm
/分でゆっくりと引上げて洗浄した後、135℃の熱風
乾燥を3分行った。
【0059】比較例1、2及び3では、前記アルミニウ
ム管に対し、まず井水を3L/minで20秒吹きか
け、その後純水(導電度0.1〜1.0μS/cm、温
度18〜25℃)中で30回/分で揺動しながら5分間
すすぎ、温純水(導電度0.1〜1.0μS/cm、温
度48〜55℃)中に30秒浸漬後、200mm/分で
ゆっくりと引上げて洗浄した後、135℃の熱風乾燥を
3分行った。
【0060】以上のようにした導電性支持体としてのア
ルミニウム管上に、以下の塗布液を浸漬塗布法により塗
布し、150℃で10分間加熱して、厚み1.0μmの
下引き層(UCL)を形成した。前記塗布液は、ジルコ
ニウム化合物としてトリブトキシジルコニウムアセチル
アセトネート(ZC540、松本交商社製)の50%ト
ルエン溶液100部、シラン化合物としてγ−アミノプ
ロピルトリエトキシシラン(A1100、日本ユニカー
社製)10部、ポリビニルブチラール樹脂(BM−S、
積水化学社製)10部、及びn−ブタノール130部を
混合してなるものである。
【0061】次に、前記下引き層(UCL)上に、以下
の塗布液を浸漬塗布法により塗布して、厚み0.25μ
mの電荷発生層(CGL)を形成した。前記塗布液は、
塩化ビニル/酢酸ビニルの共重合体(商品名:VMC
H、ユニオンカーバイト社製)の2%シクロヘキサノン
溶液に、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料(特開
平5−263007号公報に記載のもの)を顔料と樹脂
の比を1:1に混合し、次いでサンドミルにより3時間
分散処理を行って得られたものである。
【0062】次に、前記電荷発生層(CGL)上に、以
下の塗布液を浸漬塗布法により塗布し、115℃で40
分間乾燥して、厚み24μmの電荷輸送層(CTL)を
形成した。前記塗布液は、N,N’−ジフェニル−N,
N’−ビス(m−トリル)ベンジジン4部及びポリカボ
ーネートZ樹脂6部を、モノクロルベンゼン36部に溶
解させた溶液である。
【0063】こうして得れらた電子写真感光体を感光体
ドラムとし、マルチファンクショナルプリンター(富士
ゼロックス社製 Able−3321、接触帯電ロール
による接触帯電方式)に搭載し、中間調濃度を含む画像
により連続50,000枚まで出力試験を行なって、出
力画像を調べた。その結果を表1に示した。
【0064】
【表1】
【0065】表1の結果から以下のことが明らかであ
る。即ち、実施例1〜6の場合には、50,000枚の
出力試験中及び後においても白班点、黒班点等の画質欠
陥は見られなかった。これに対して、比較例1〜3の場
合には、50,000枚の出力試験中及び後において、
白班点、黒班点等の画質欠陥が見られた。さらに、その
白班点、黒班点部に対応する電子写真感光体上をSEM
分析したところ、比較例1及び2では、厚みが数μm、
長さが10〜50μm、高さが5〜10μm程度の『さ
さくれ』状の凸状欠陥が発生していたのが観察された。
また、比較例3では、厚みが1μm以下、長さが10μ
m以下、高さが3〜5μm程度の『ささくれ』状の凸状
欠陥が発生していたのが観察された。
【0066】
【発明の効果】本発明によると、前記従来における諸問
題を解決することができる。また、本発明によると、表
面切削が不要で表面平滑性が良好でかつ低コストで得ら
れる無切削アルミニウム管や、湿式ホーニングを行った
アルミニウム管を導電性支持体として用いることがで
き、該導電性支持体に押付処理を行うことでその表面平
滑性を極めて良好にでき、該導電性支持体を用いること
により、電子写真プリンター、複写機等に好適に使用で
き、白班点や黒班点の発生がなく高品質の画像が得られ
る電子写真感光体、並びに、該電子写真感光体を効率よ
く製造し得る方法及び装置を提供することができる。さ
らに、本発明によると、該電子写真感光体を用いること
により、高品質の画像を安定に形成し得る方法を提供す
ることができる。なお、本発明の電子写真感光体の製造
方法乃至本発明の電子写真感光体の製造装置により製造
された本発明の電子写真感光体は、レーザービームをラ
イン走査する方式の電子写真装置にも、画像に干渉縞模
様が現れるという特有の問題を生ずることなく好適に使
用でき、また、接触帯電方式の電子写真装置にも好適に
使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明における押付処理前の導電性支
持体の表面状態を説明するための断面概略説明図であ
る。
【図2】図2は、本発明における押付処理を説明するた
めの概略説明図である。
【図3】図3は、本発明における押付処理後の導電性支
持体の表面状態を説明するための断面概略説明図であ
る。
【符号の説明】
1 導電性支持体 2 凸状欠陥 3 微小な凸部 4 処理部材

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体を作製する支持体作製工程
    と、導電性支持体上に感光層を塗設する塗設工程とを少
    なくとも含む電子写真感光体の製造方法において、該塗
    設工程の前に、前記導電性支持体の表面に処理部材を押
    し付ける押付処理工程を行うことを特徴とする電子写真
    感光体の製造方法。
  2. 【請求項2】 導電性支持体が、引き抜き処理又はしご
    き処理を行った、無切削アルミニウム管又は切削加工後
    にホーニング処理したアルミニウム管である請求項1に
    記載の電子写真感光体の製造方法。
  3. 【請求項3】 処理部材が、前記導電性支持体の表面に
    押し付けられた際に前記導電性支持体の表面との接触面
    積が増すように変形し得る弾性部材である請求項1又は
    2に記載の電子写真感光体の製造方法。
  4. 【請求項4】 弾性部材がブラシ及びスポンジのいずれ
    かである請求項3に記載の電子写真感光体の製造方法。
  5. 【請求項5】 導電性支持体を洗浄する洗浄工程をさら
    に有してなり、前記押付処理工程を該洗浄工程中で行う
    請求項1から4のいずれかに記載の電子写真感光体の製
    造方法。
  6. 【請求項6】 押付処理工程を、導電性支持体と処理部
    材との間に液体を介した状態で行う請求項5に記載の電
    子写真感光体の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1から6のいずれかに記載の電子
    写真感光体の製造方法により製造されることを特徴とす
    る電子写真感光体。
  8. 【請求項8】 導電性支持体を作製する支持体作製手段
    と、導電性支持体上に感光層を塗設する塗設手段とを少
    なくとも有する電子写真感光体の製造装置において、前
    記塗設の前に前記導電性支持体の表面に処理部材を押し
    付ける押付処理を行う押付処理機をさらに有することを
    特徴とする電子写真感光体の製造装置。
  9. 【請求項9】 電子写真感光体に対し、帯電、像露光、
    現像及び転写を行うことを含む画像形成方法において、
    該電子写真感光体が請求項7に記載の電子写真感光体で
    あることを特徴とする画像形成方法。
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