JPH1115181A - 電子写真感光体 - Google Patents

電子写真感光体

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JPH1115181A
JPH1115181A JP17002197A JP17002197A JPH1115181A JP H1115181 A JPH1115181 A JP H1115181A JP 17002197 A JP17002197 A JP 17002197A JP 17002197 A JP17002197 A JP 17002197A JP H1115181 A JPH1115181 A JP H1115181A
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JP
Japan
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substrate
treatment
sealing
photoreceptor
polishing
Prior art date
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Application number
JP17002197A
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English (en)
Inventor
Mitsutoshi Sakamoto
光俊 坂本
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Minolta Co Ltd
Original Assignee
Minolta Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH1115181A publication Critical patent/JPH1115181A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 黒ポチ等の画像ノイズを発生しない電子写真
感光体を提供すること。 【解決手段】 アルミニウムまたはアルミニウム合金支
持体の表面を陽極酸化した後、機械的研磨処理を行い、
その後熱水封孔処理、蒸気封孔処理または加湿封孔処理
を施して得られる感光体基体上に感光層を設けてなるこ
とを特徴とする電子写真感光体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子写真装置におい
て用いられる感光体を構成する電子写真感光体に関す
る。
【0002】
【従来の技術】電子写真の技術は、複写機の分野で発展
してきており、最近では従来の装置とは比較にならない
程の高画質、高速性、静粛性により急速に普及し、中で
もデジタル信号のデータ処理システムの目覚ましい進歩
に伴い、レーザービームプリンタ、デジタル複写機等が
特に注目されてきた。これらの装置に用いられる画像形
成方法としては、光の有効利用あるいは解像力を上げる
目的から、レーザービーム等の光を照射した部分にトナ
ーを付着させて画像を形成する反転現像方式が採用され
ている。しかし反転現像方式において、未露光部で導電
性基体から感光層への電荷の注入が起こると、表面電荷
が微視的に消失または減少し、本来トナー像が形成され
るべきでないところに形成されて、いわゆる黒ポチと呼
ばれる画像ノイズが発生する。この黒ポチは白地にトナ
ーが局所的に付着した状態であるから、黒地部分が白く
ぬける正規現像の場合と比べて非常に目立ち、画像品質
を著しく低下させるものである。これにより感光体に対
して反転現像時での高い信頼性が要求されるようになっ
てきた。
【0003】これらの電子写真装置で使用される感光体
は、一般にアルミニウムまたはアルミニウム合金等の導
電性の感光体基体上に感光層を形成してなり、層構成と
しては、導電性基体上に、電荷発生層、電荷輸送層を順
次積層した機能分離積層型構成が広く用いられている。
このような感光体においては、反転現像時に導電性基体
から電荷発生層への電荷の注入が起こって黒ポチが発生
するのを防止するため、感光体基体表面を陽極酸化して
陽極酸化層を設ける構成がすでに提案されているが、か
かる陽極酸化層を有する基体上に上記感光層を形成して
も感光層から陽極酸化層への電荷の移動がスムーズにい
かず、得られる感光体の特性に悪影響を及ぼしたり、陽
極酸化処理による該基体表面積の増加により、処理液あ
るいは洗浄液中の不純物が付着し、再び黒ポチが発生す
るという問題が生じていた。このため、陽極酸化処理を
施した基体表面を封孔処理し、その上に感光層を形成す
る試みもなされているが、上記問題を解決することはで
きない。
【0004】一方、特開平5−88391号公報では、
陽極酸化処理した感光体基体の陽極酸化層を砥粒で研磨
して表面粗さを中心線平均粗さRaで0.4〜0.8μ
mにした後、感光層を形成する技術が、特開平8−82
944号公報および特開平8−82945号公報では、
感光体基体表面を簡易切削した後、陽極酸化処理し、そ
の後砥石で研磨して凹凸のない平滑な基体表面を得、そ
の上に感光層を形成する技術が開示されている。しかし
ながら、このような技術では、陽極酸化処理後の感光体
基体表面にはアルミニウム中の不純物が存在し、該表面
は不安定(活性)なため上述の電荷注入が起こり易く、
上記問題を完全に解決することはできない。さらには基
体表面における表面粗さを上記規定値まで制御したり、
平滑にするにはコスト高となって経済性に劣る。
【0005】そこで、陽極酸化処理した感光体基体表面
(陽極酸化層)に封孔処理を施し、該表面を不活性化し
た後、研磨する試みがなされているが、封孔処理層はか
なり薄いため研磨により活性な陽極酸化処理層が露出し
てしまい、上記問題が再び起こってしまう。
【0006】一方、特開平8−82944号公報および
特開平8−82945号公報では、陽極酸化処理後の研
磨処理により得られた平滑な基体表面を、さらに酢酸ニ
ッケルによる封孔処理に供する技術が記載されている
が、この技術においても上記問題を完全に解決するには
至っていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、黒ポチ等の
画像ノイズを発生しない電子写真感光体を提供すること
を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、アルミニウム
またはアルミニウム合金支持体の表面を陽極酸化した
後、機械的研磨処理を行い、その後熱水封孔処理、蒸気
封孔処理または加湿封孔処理を施して得られる感光体基
体上に感光層を設けてなることを特徴とする電子写真感
光体に関する。
【0009】本発明の発明者等は、鋭意研究の結果、感
光層が形成されるべき感光体基体表面は清浄でなければ
ならないことを見いだした。すなわち、感光体基体表面
の陽極酸化処理に用いられた電解液および/または封孔
処理に用いられた処理液等由来の物質、例えば、硫黄、
リン、ニッケル等が不純物として一定量以上、感光体基
体表面に残存すると、黒ポチが発生することがわかっ
た。これは、当該不純物の残存により、感光体基体表面
が一部活性化し、上述のような感光層への電荷注入が起
こることが原因と考えられる。このような不純物は、溶
解させる等の化学的な除去方法では取り除くことはでき
ない。
【0010】そこで、本発明においては、アルミニウム
またはアルミニウム合金支持体表面の陽極酸化後、封孔
処理に先立って、機械的研磨処理を行うことにより、陽
極酸化による基体表面の残存不純物を除去しつつ、その
後の封孔処理によって陽極酸化層を不活性化し、さらに
は封孔処理としては熱水封孔処理、蒸気封孔処理または
加湿封孔処理を採用することにより封孔処理による不純
物の残存が回避され、得られる感光体基体表面を清浄に
保つことができる。このため、当該基体上に感光層を形
成した感光体は耐刷後においても黒ポチ等のノイズが発
生しない優れた画像を提供することができる。
【0011】本発明の感光体基体としてアルミニウム合
金を用いる場合には、その材質については特に限定され
るものではなく、従来から用いられているものが使用可
能である。しかし、アルミニウム合金中の混在異種金属
の結晶粒径が大きいと酸化層の薄い部分ができて抵抗値
が低くなる傾向があるため、混在異種金属の結晶粒径が
小さい材質を用いることが好ましい。
【0012】本発明において行われる陽極酸化処理は、
一般に、例えばクロム酸、硫酸、シュウ酸、ホウ酸、ス
ルファミン酸等の酸性浴中、公知の方法で行われるが、
本発明においては硫酸中での陽極酸化処理が最も良好で
ある。硫酸中での陽極酸化の場合、硫酸濃度は100〜
300g/l、好ましくは150〜200g/l、溶存
アルミニウム濃度は2〜15g/l、液温は15〜30
℃、好ましくは10〜30℃、電解電圧は5〜20V、
好ましくは10〜20Vの範囲に設定するのが望まし
い。処理時間については、次いで行われる機械的研磨処
理後の陽極酸化層の膜厚が後述する規定範囲内になるよ
うな膜厚を有するよう、適宜、設定されるが、生産性の
観点から通常、5〜30分間が適当である。
【0013】得られた陽極酸化層は機械的研磨処理に供
される。その際、陽極酸化処理液の再付着を防止する観
点から純水により洗浄した後、当該研磨処理に供するこ
とが好ましい。機械的研磨処理としては、機械的な力に
よって陽極酸化層表面を研磨することができる方法であ
れば、いかなる公知の方法も採用することができ、例え
ば、バフ研磨法、ラッピング研磨法、ベルト研磨法、バ
レル研磨法等が挙げられる。このような方法を採用する
ときの処理条件は、研磨代が0.05〜1.00μm、
好ましくは0.1〜1.0μmになるよう適宜、設定さ
れる。かかる研磨処理後の陽極酸化層の膜厚は1〜15
μm、好ましくは2〜10μm、さらに好ましくは4〜8
μmとなる。1μm未満であると、電荷注入防止層として
の陽極酸化層の機能が低下し、一方15μmを越えると
コスト高となるだけでこれ以上の膜厚は必要ない。
【0014】具体的には、例えば、バフ研磨法を採用す
る場合、研磨材としてはアルミナ、炭化珪素、酸化ジル
コニウム、酸化セリウム等の一般的な研磨材が使用可能
であり、これらの粒径は所望の表面粗さに応じて適宜、
設定されるが、通常標準粒度規格の#800〜#800
0、好ましくは#2000〜#6000である。これら
研磨材は濃度10〜500g/l、好ましくは50〜2
00g/lの分散液として公知の方法により用いられ
る。他の諸条件、例えば、バフ荷重、バフ回転数、ドラ
ム回転数、バフ送り、スキャン回数については所望の研
磨代により適宜設定される。
【0015】ラッピング研磨法を採用する場合、酸化ア
ルミニウム、SiCフィルム、ダイヤモンドフィルム等
の公知のフィルムを陽極酸化層表面に1kg/cm2
5kg/cm2の押し当て圧で接触させる。フィルムの
粒度は#800〜#8000が好ましい。この時、フィ
ルムの送り速度、基体の回転速度、研磨時間等を適宜選
択して所望の研摩代を得る。
【0016】このようにして機械的研磨処理された陽極
酸化層は、当該層の安定性の観点から熱水封孔処理、蒸
気封孔処理または加湿封孔処理に供される。処理方法と
してはこれらに限定されるものではなく、当該封孔処理
後に処理剤による不純物が残存しない封孔処理方法であ
ればよい。一般に封孔処理することにより陽極酸化層の
抵抗値は増加し、感光層への電荷注入防止の効果はさら
に向上する。
【0017】具体的には、例えば、熱水封孔処理を行う
場合、温度80〜100℃の熱水に5〜60分間、好ま
しくは10〜30分間浸漬することにより行われる。蒸
気封孔処理を行う場合には、3.0〜6.0kg/cm
2の水蒸気圧下に5〜60分間、好ましく10〜30分
間放置することにより行われる。加湿封孔処理を行う場
合、相対湿度80%RH以上、温度30〜60℃で1〜
10日間放置することにより行われる。
【0018】このようにして得られた本発明の感光体基
体はその表面が清浄に保たれている。すなわち、基体表
面における、硫黄、リン、クロム等の不純物の割合はオ
ージェ電子分光分析によるとそれぞれ5原子%以下、好
ましくは3原子%以下、さらに好ましくは2原子%以下
であり、この値はアルミニウムまたはアルミニウム合金
中に含まれる不純物由来のものであると考えられる。
【0019】それぞれの不純物の割合が5原子%を越え
ると本発明の効果が得られず、すなわち当該基体を用い
て製造された感光体によると当該不純物に起因する感光
層への電荷注入が起こり、黒ポチが発生しやすくなる。
【0020】上記のようにして形成した本発明の感光体
基体上には、公知の方法により感光層が形成される。感
光層としては電荷発生層および電荷輸送層を順次積層し
た形態、電荷輸送層および電荷発生層を順次積層した形
態、電荷輸送材料と電荷発生材料とを含む単層型の形態
のいずれであってもよい。
【0021】以下、感光層として電荷発生層および電荷
輸送層を順次積層した形態の感光体を製造する場合につ
いて説明する。
【0022】電荷発生層は、電荷発生材料を真空蒸着す
るか、あるいはアミン等の溶媒に溶解せしめて塗布する
か、顔料を適当な溶剤もしくは必要があれば結着樹脂を
溶解させた溶液中に分散させて作製した塗布液を塗布乾
燥して電荷発生層を形成する。この上に、更に電荷輸送
材料および結着樹脂を含む溶液を塗布乾燥して電荷輸送
層を形成する。
【0023】本発明の感光体基体に積層される電荷発生
材料としては、例えばビスアゾ顔料、トリアリールメタ
ン系染料、チアジン系染料、オキサジン系染料、キサン
テン系染料、シアニン系色素、スチリル系色素、ピリリ
ウム系染料、アゾ系染料、キナクリドン系染料、インジ
ゴ系顔料、ペリレン系顔料、多環キノン系顔料、ビスベ
ンズイミダゾール系顔料、インダスロン系顔料、スクア
リリウム系顔料、フタロシアニン系顔料等の有機物質が
挙げられる。この他、光を吸収して極めて高い効率で電
荷担体を発生する材料であれば、いずれの材料であって
も使用することができる。
【0024】また、本発明の感光体基体に積層される電
荷輸送材料としては有機物質が好ましく、例えばヒドラ
ゾン化合物、ピラゾリン化合物、スチリル化合物、トリ
フェニルメタン化合物、オキサジアゾール化合物、カル
バゾール化合物、スチルベン化合物、エナミン化合物、
オキサゾール化合物、トリフェニルアミン化合物、テト
ラフェニルベンジジン化合物、アジン化合物等種々の材
料を使用することができる。
【0025】上記のような感光体の製造に使用される結
着樹脂は電気絶縁性であり、単独で測定して1×1012
Ω・cm以上の体積抵抗を有することが望ましい。例え
ば、それ自体公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、光硬
化性樹脂、光導電性樹脂等の結着材を使用することがで
きる。具体的には、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹
脂、アクリル樹脂、エチレン−酢酸ビニル樹脂、イオン
架橋オレフィン共重合体(アイオノマー)、スチレン−ブ
タジエンブロック共重合体、ポリカーボネート、塩化ビ
ニル−酢酸ビニル共重合体、セルロースエステル、ポリ
イミド、スチロール樹脂等の熱可塑性樹脂;エポキシ樹
脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、
メラミン樹脂、キシレン樹脂、アルキッド樹脂、熱硬化
アクリル樹脂等の熱硬化性樹脂;光硬化性樹脂;ポリビ
ニルカルバゾール、ポリビニルピレン、ポリビニルアン
トラセン、ポリビニルピロール等の光導電性樹脂等が挙
げられ、これらの結着樹脂は単独もしくは2種以上組み
合わせて使用する。なお、電荷輸送材料がそれ自身バイ
ンダーとして使用できる高分子電荷輸送材料である場合
は、他の結着樹脂を使用しなくてもよい。
【0026】本発明の感光体基体を用いて作製される感
光体は結着樹脂とともにハロゲン化パラフィン、ポリ塩
化ビフェニル、ジメチルナフタレン、ジブチルフタレー
ト、O−ターフェニルなどの可塑剤やクロラニル、テト
ラシアノエチレン、2,4,7−トリニトロフルオレノ
ン、5,6−ジシアノベンゾキノン、テトラシアノキノ
ジメタン、テトラクロル無水フタル酸、3,5−ジニト
ロ安息香酸等の電子吸引性増感剤、メチルバイオレッ
ト、ローダミンB、シアニン染料、ピリリウム塩、チア
ピリリウム塩等の増感剤を使用してもよい。
【0027】尚、本発明の感光体基体上に中間層を設け
た構成であってもよい。中間層に用いられる材料として
はナイロン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ニ
トロセルロースポリビニルブチラール樹脂、ポリビニル
アルコール樹脂等が適当である。膜厚は0.1〜30μ
m、好ましくは1〜30μm、より好ましくは1〜20μ
mとする。
【0028】さらに本発明の感光体基体を用いて製造さ
れる感光体は、感光層上に表面保護層を設けてもよい。
表面保護層に用いられる材料としては、アクリル樹脂、
ポリアリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ウレタン
樹脂などのポリマーをそのまま、または酸化スズや酸化
インジウムなどの低抵抗化合物を分散させたものなどが
適当である。また、表面保護層として有機プラズマ重合
膜を使用することができる。有機プラズマ重合膜は必要
に応じて適宜酸素、窒素、ハロゲン、周期律表の第3
族、第5族原子を含んでいてもよい。
【0029】このようにして製造された感光体が組み込
まれる装置としては特に規定されず、フルカラー、カラ
ー、単色の複写機、プリンタ、リーダプリンタ等いずれ
であってもよい。また感光体の形状も特に限定されず、
ドラム状、ベルト状、板状等が例示される。本発明を以
下の実施例によりさらに詳しく説明する。
【0030】
【実施例】実施例1 JIS6063円筒状アルミニウム合金(外径80m
m、長さ350mm、厚さ2.0mm)表面を、切り刃
に天然ダイヤモンドを用いたバイトで切削加工した。こ
れを脱脂剤(界面活性剤)を用いて60±5℃で5分間
脱脂処理を行い、流水で洗浄した。次いで100g/l
の硝酸により2分間エッチング処理した後、純水で流水
洗浄した。
【0031】次に、電解液として200g/lの硫酸を
用いて、電圧14V、液温20℃で15分間陽極酸化処
理を行い、厚さ6μmの陽極酸化層を形成した。これを
純水で流水洗浄した後、図1に示したバフ研磨機により
陽極酸化層表面を研磨した。陽極酸化処理された基体
(4)をチャッキング(1)により固定し、羊毛を厚さ3c
mの円盤上に縮絨したバフ(3)(密度0.03g/c
3、バフ直径:20cm)をバフズレ6cmの位置にセ
ットした。バフズレは、図2に示したように基体(4)の
長手方向の中心線と円盤状バフ(3)の中心点との間の距
離である。次に基体(4)を矢印(d)方向に300rpm
で回転させ、円盤状バフ(3)を矢印(c)方向に800r
pmで回転させながら、円盤状バフ(3)に矢印(a)方向
から荷重5kgをかけ、円盤状バフ(3)を基体(4)に押
圧した。この状態で、バフ(3)を矢印(b)方向に、送り
速度800mm/minで1スキャンした。この時同時
に、基体(4)と円盤状バフ(3)の接触面に向けて液吐出
ノズル(2)より研磨液を100ml/secの割合で吐
出させた。研磨液は、粒度#4000の研磨剤を純水に
濃度100g/lとなるように分散させたものを用い
た。尚、この研磨処理による研磨代は0.1μmであっ
た。その後、この研磨処理を施した陽極酸化層を90℃
の熱水中で30分間熱水封孔処理に供し、純水洗浄後乾
燥させ、感光体基体を得た。
【0032】一方、α型チタニルフタロシアニン(東洋
インキ製造(株)社製)1重量部とポリビニルブチラー
ル樹脂(エスレックBX−1、積水化学社製)0.5重
量部とをテトラヒドロフラン(THF)50重量部と共
にサンドミルにより分散させた。得られたフタロシアニ
ン系の分散液を上記感光体基体に乾燥後の膜厚が0.3
μmとなるように塗布し電荷発生層を形成した。
【0033】下記式:
【化1】 で表されるスチリル化合物40重量部とポリカーボネー
ト樹脂(パンライトK-1300、帝人化成社製)60
重量部とをジクロルメタン500重量部に分散させてな
る塗布液を上記電荷発生層上に塗布乾燥させて、膜厚2
5μmの電荷輸送層を形成し、感光体を作製した。
【0034】実施例2 陽極酸化処理後の研磨処理のスキャン回数を5回として
研磨代を0.5μmにしたこと以外、実施例1と同様にし
て、感光体を作製した。
【0035】実施例3 陽極酸化処理後の研磨処理による研磨代を0.5μmにし
たこと、および熱水封孔処理に代えて、加湿封孔処理を
湿度80%RH、温度45℃で5日間行ったこと以外、
実施例1と同様にして、感光体を作製した。
【0036】実施例4 陽極酸化処理後の研磨処理による研磨代を0.5μmにし
たこと、および熱水封孔処理に代えて、蒸気封孔処理を
蒸気圧4kg/cm2、温度160℃で20分間行った
こと以外、実施例1と同様にして、感光体を作製した。
【0037】実施例5 研磨処理として図3に示す装置によってラッピング研磨
処理を行った以外は実施例1と同様にして、感光体を作
製した。基体(5)の外周面に#1000の酸化アルミニ
ウムフィルム(6)(幅50mm)を送りローラ(7)により
3kg/cm2の押圧力で当接させた。基体(5)を矢印
(e)方向に周速200mm/sで回転させ、かつ長手方
向に1mm/sで移動させながら、送りローラ(7)を矢
印(f)方向に回転させてフィルム(6)を2mm/sの速
度で移動させることにより、基体表面の陽極酸化処理層
を連続で研磨処理した。なお、研磨代は0.5μmであ
った。
【0038】実施例6 熱水封孔処理に代えて、蒸気封孔処理を蒸気圧4kg/
cm2、温度160℃で20分間行ったこと以外、実施
例5と同様にして、感光体を作製した。
【0039】比較例1 熱水封孔処理に代えて、酢酸ニッケル封孔処理を濃度7
g/l、温度85℃で15分間行ったこと以外、実施例
1と同様にして、感光体を作製した。
【0040】比較例2 研磨処理を行わず、陽極酸化処理後、純水洗浄して、そ
のまま熱水封孔処理を90℃で30分間行ったこと以
外、実施例1と同様にして、感光体を作製した。
【0041】比較例3 研磨処理を行わず、陽極酸化処理後、純水洗浄して、そ
のまま酢酸ニッケル封孔処理を濃度7g/l、温度85
℃で15分間行ったこと以外、実施例1と同様にして、
感光体を作製した。
【0042】(黒ポチ評価)得られた感光体について、
ミノルタ(株)製Di−30複写機を用いて、白ベタ画
像をコピーし、5枚複写後における画像5mm2中の黒
ポチ(黒斑点)の個数を目視によりカウントし、以下に
従って初期画像を評価した。 ○:14個以下; △:15〜29個; ×:30個以上。
【0043】(硫黄原子およびニッケル原子の含有割合
測定)上記実施例および比較例で得られた感光体基体表
面における硫黄原子およびニッケル原子の含有割合を、
オージェ電子分光分析により測定した。すなわち、アル
ゴンエッチング(エッチング速度30Å/分)によりデ
プスプロファイルを作成し、基体表面から100Åの厚
みの表層中におけるそれぞれの含有割合を読み取った。
【0044】以上の評価結果および測定結果を、製造条
件(研磨処理条件および封孔処理条件)と共にまとめて
以下の表1に示す。
【表1】
【0045】これらの結果から、陽極酸化処理後、封孔
処理に先立って研磨処理を行うことにより感光体基体表
面における電解液由来の硫黄原子が有効に取り除かれて
いることが明らかになった。また、封孔処理において酢
酸ニッケルを用いると感光体基体表面にニッケル原子が
残留し、黒ポチ発生の一因になることも明らかになっ
た。すなわち、本発明においては陽極酸化処理を行った
後、物理的な研磨処理を行い、その後残留物を残さない
封孔処理、すなわち熱水封孔処理、水蒸気封孔処理、加
湿封孔処理等を行うことにより、感光体基体表面を不活
性化しつつ、該表面が清浄に保たれるため、黒ポチ等の
画像ノイズのない優れた画像を提供することができたと
考えられる。さらには、陽極酸化処理により形成され
た、基体表面における孔の起伏は、上記研磨処理によっ
てかなり緩和されるため、電荷の集中が起こりにくくな
ることも、優れた画像を提供できる一因と考えられる。
【0046】本実施例中において、研磨代については研
磨方法ごとに、特定回数の研磨を施したときの研磨代を
膜厚計(フィッシャ社製)により測定して単位研磨回数
あたりの研磨代を予め算出しておき、それぞれの実施例
および比較例で採用した研磨方法および研磨回数に基づ
いて換算して求めた。
【0047】
【発明の効果】本発明により、黒ポチ等の画像ノイズを
発生しない電子写真感光体を提供することが可能となっ
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例および比較例で用いたバフ研磨機の概
略図を示す。
【図2】 図1に示すバフ研磨機を上から見たときのバ
フズレを示す概略見取り図を示す。
【図3】 実施例5および6で用いたラッピング研磨機
の概略図を示す。
【符号の説明】
1:チャッキング、2:ノズル、3:円盤状バフ、4、
5:感光体基体、6:フィルム、7:送りローラ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウムまたはアルミニウム合金支
    持体の表面を陽極酸化した後、機械的研磨処理を行い、
    その後熱水封孔処理、蒸気封孔処理または加湿封孔処理
    を施して得られる感光体基体上に感光層を設けてなるこ
    とを特徴とする電子写真感光体。
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