JPH09239648A - 電子写真用円筒部材の研削装置 - Google Patents

電子写真用円筒部材の研削装置

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JPH09239648A
JPH09239648A JP4618796A JP4618796A JPH09239648A JP H09239648 A JPH09239648 A JP H09239648A JP 4618796 A JP4618796 A JP 4618796A JP 4618796 A JP4618796 A JP 4618796A JP H09239648 A JPH09239648 A JP H09239648A
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blade
grinding
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cylindrical member
work
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JP4618796A
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Yusuke Yamada
祐介 山田
Hiroshi Chiba
博司 千葉
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Canon Inc
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  • Grinding Of Cylindrical And Plane Surfaces (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子写真用円筒部材について、高品位な表面
精度と高い加工精度を得ることができ、しかも、連続的
な作業性に優れた電子写真用円筒部材の研削装置を提供
する。 【解決手段】 研削砥石と調整砥石の間に被加工物を支
持するブレードを有し、前記ブレードと研削砥石と調整
砥石との3点で、被加工物である電子写真用円筒部材を
支持しながら、研削加工を行う心無し研削装置におい
て、前記ブレードが、前記被加工物の軸線方向に回転軸
を向けて、ブレード軸受け部に回転自在に支持した円筒
体または円柱体であり、前記被加工物に線接触している
ことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真装置に使
用される、例えば、感光ドラム、搬送ローラー、定着ロ
ーラーおよび現像スリーブなどの円筒部材の表面を研削
する研削装置に関するものであり、特に、前記円筒部材
を心無し研削加工によって、その外周面の真円度、真直
度、振れ精度、表面粗度を高精度に加工する際に使用す
る研削装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真方式の複写機、レーザー
ビームプリンタ、ファクシミリ、印刷機などの画像形成
装置において、その電子写真用の感光ドラムや現像スリ
ーブなどには、その基体として、表面が高精度(真円
度、真直度および表面粗度)で、所定の表面粗さに仕上
げられた円筒部材が用いられる。
【0003】そして、例えば、電子写真用感光ドラムの
場合は、研削加工にて仕上げられた円筒部材の表面に感
光膜を施すが、円筒部材の加工精度が低くて、表面に起
伏があったり、真円度や真直度が十分でないと、感光膜
に凹凸が生じ、このために、画像形成装置の使用に際し
て、画像に様々な欠陥が発生する。
【0004】従って、精度の高い画像形成装置を得るた
めには、まず、円筒部材の表面を起伏のない円筒面に加
工することが厳しく要求され、表面粗さ、真直度および
真円度にも極めて高い精度が必要である。
【0005】また、電子写真法、静電記録法などによっ
て、感光ドラムの感光膜では、その潜像担持体上に形成
された潜像は、現像スリーブに担持されて、潜像担持体
の表面に運ばれる現像剤によって、顕像化されるため
に、一成分、二成分現像剤、磁性、非磁性現像剤、さら
には、絶縁性、誘電性現像剤を問わず、これら現像剤を
担持して搬送する現像スリーブなどにも、その円筒部材
の表面粗さ、真直度、真円度などに、極めて高い精度が
必要である。
【0006】一般に、このような円筒部材の材料には、
純度が99.5%以上のAlやCuを0.05〜0.2
0%含むCu−Al合金や、Cuを0.05〜0.20
%とMnを1.0〜1.5%含むCu−Mn−Al合
金、あるいは、Siを0.20〜0.60%とMgを
0.45〜0.90%含むSi−Mg−Al合金などが
用いられる。そして、これら材料を押出、引抜工程を経
て、ある程度の形状精度に成った円筒を得るのである。
【0007】しかし、このような引抜き円筒のままで
は、曲がりが大きく残っているため、通常は、この後に
ロール矯正などを行い、所望の形状精度にまで仕上げる
必要がある。しかる後、この円筒を所定の長さに切断
し、両端部のバリ除去、端面精度の向上の目的で、切削
加工により、円筒部材の端部を仕上げ、さらに、必要に
応じて、円筒部材の外周面に、切削加工や研削加工を行
って、所望の寸法精度を得るのである。特に、感光ドラ
ムや現像スリーブなどは、その表面性状や寸法精度が画
像の優劣を左右する重要なポイントになるため、非常に
高精度な加工方法を用いている。
【0008】この切削加工の最も一般的なものとして
は、旋盤による精密切削がある。これは、所謂、通常の
旋盤による切削加工のことであるが、特に、電子写真用
の円筒部材、例えば、感光ドラム用基体のように、加工
表面精度に対する要求が厳しい場合に、この精密切削が
行われる。
【0009】具体的な加工方法としては、ワーク(被加
工物)の両端を旋盤にチャッキングし、焼結ダイヤモン
ドあるいは天然単結晶ダイヤモンドのバイトで切削を行
う。このような特殊バイトを使用することにより、その
加工面は非常にきれいで、所謂、鏡面のような加工面を
得ることができる。
【0010】また、その他の方法としては、心無し研削
盤を用いた心無し研削(センターレス研削)加工があ
る。この心無し研削は、一般には、図9に示すように、
ほぼ円柱状または円筒状に粗仕上された被加工物を、ブ
レードの斜面に対して接触させると共に、矢印A方向に
回転している調整砥石に接触した状態で支持し、矢印B
方向に高速回転する研削砥石によって、被加工物の表面
に切り込み、被加工物の研削を行なう。ここでは、被加
工物は、調整砥石とブレードの斜面とに接した位置で安
定に保持され、調整砥石の回転によって、矢印C方向に
回転される。
【0011】このように、矢印C方向に回転している被
加工物を、その周速よりも僅かに大きい周速で矢印B方
向に回転している研削砥石に対して、矢印E方向に進ま
せることで、切り込みを行なうが、研削砥石、調整砥
石、ブレードは、それぞれ、回転軸の軸線方向に関して
真直度、平行度とも、予め、高精度に仕上げられ、取り
付けられているため、被加工物の外周面が、真円度、真
直度とも、高精度に研削加工され、正確な、円筒面に研
削加工される。
【0012】これら、あるいは、その他の、種々の加工
方法は、円筒部材に要求される精度や加工コストなどに
よって、適宜、使い分けられている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の円筒部材の加工方法には、以下に述べるような、幾つ
かの欠点を有していた。例えば、旋盤による精密切削
は、高い表面精度を得る上で有効であるが、単結晶ダイ
ヤモンドバイトあるいは焼結ダイヤモンドバイトなどの
加工具が非常に高価であり、また、その加工コストが高
い。また、被加工物の両端をチャックしてから切削する
ので、被加工物が細く、長くなるほど、被加工物自体の
剛性が低下し、バイトによる切削抵抗で、被加工物が曲
がるという問題があり、加工精度(真直度、振れ精度な
ど)が損なわれる。
【0014】一方、このような加工精度に対する欠点を
補う他の方法として、上述のような心無し研削加工があ
げられる。即ち、この心無し研削加工は、他の研削方法
や旋盤による切削のように、スピンドルによるセンタリ
ングを必要とせず、被加工物自体は、研削砥石、調整砥
石、ブレードの3点によって、しっかりと支持されなが
ら研削されるために、仮に、細長いものでも、非常に精
度の高い加工が可能である。
【0015】この心無し研削装置におけるブレードは、
図9に示すように、被加工物の摺面に接する傾斜面を持
った、細長い板状体で構成されたものが一般的であり、
被加工物は、このブレード表面上を摺動回転しながら研
削される。心無し研削装置における、このブレードの役
割は極めて重要で、被加工物を支持するとともに、その
位置を規制することで、この心無し研削装置の、極めて
高い加工精度を確保する。
【0016】心無し研削加工は、被加工物の位置を、研
削砥石、調整砥石、ブレードの3要素により規制する
が、この3者により構成される3接円は、理論上、一つ
しか存在しないため、被加工物が、この3要素で支持さ
れながら、研削されることは、極めて真円度の高い加工
精度を得る上で、重要かつ有効である。
【0017】換言すれば、研削加工中に、この3要素の
位置、形状が変動すると、これが前記加工精度の変動要
因となるため、この3要素には、その形状、寸法の安定
な材料を用いる必要がある。そこで、特に、ブレード材
料としては、高い剛性や耐摩耗性を有する超硬合金など
の金属材料が、主として使用されてきた。
【0018】しかしながら、このようなブレードでは、
アルミニウムや黄銅などの軟質金属材料の円筒部材を研
削した場合、加工表面に、所謂、スクラッチと呼ばれ
る、細かなキズが発生するという問題があった。このス
クラッチが発生する理由は、幾つかあるが、一般的に
は、次の2つが主な原因として知られている。
【0019】第1の原因は、研削中に脱落した微細な砥
粒や切粉が、ブレードと被加工物との摺擦によって、被
加工物表面に傷を付けることである(図10を参照)。
これは個々の微細な切粉によって形成される傷であり、
傷の大きさとしては、比較的小さい傷である。
【0020】また、第2の原因は、研削中に脱落した微
細な砥粒や切粉が、ブレードと被加工物との摺擦によっ
て発熱・溶融し、ブレード表面に切粉が融着し、その融
着物によって、被加工物表面に傷を付けることである。
ここでは、ブレード表面に一度、切粉が融着してしまう
と、それ以降、継続してスクラッチが発生してしまうた
め、連続的な量産加工においては、重大な問題となるの
である。更に、この融着によって発生するスクラッチの
大きさは、融着物の大きさに比例するため、加工の経過
で、漸次、融着物が増加すると、スクラッチの大きさ、
数が増加し、被加工物の表面粗さが著しく劣化する。
【0021】このブレード表面に融着が発生するメカニ
ズムについて、図11を用いて説明すると、先ず、研削
砥石によって、被加工物の研削が行なわれると、切粉が
発生する。この切粉は、上から流れてくる研削液と共
に、ブレード表面を伝わって、落下し、回転している被
加工物とブレードとの間に滞留し、この間に被加工物の
表面に摺擦されて、その時に発生した摺擦熱により、瞬
間的に溶解して、ブレード表面に融着する。最初は、小
さかった融着物が、摺擦の過程で、核となり、さらに連
続して落下してくる切粉によって、徐々に成長して行
く。
【0022】やがて、それらは、恰も、構成刃先のよう
な役割を果たし、被加工物表面を傷付けるのである。特
に、アルミニウムや黄銅といった、軟質で低融点の金属
材料は、ブレードとの摺擦熱により、その微細な切粉が
軟化、溶融し易いので、簡単に融着が発生する。そのた
め、従来は、感光ドラムのような、非常に高い表面精度
が要求される円筒部材には、この心無し研削加工を用い
ることが、事実上、困難であった。
【0023】このようなスクラッチの発生を防止するた
めに、従来、例えば、ブレードの表面にテフロン(登録
商標)テープなどの、滑性の良いものを貼り付けて、被
加工物表面とブレードとの摺擦を低減していたが、しか
し、数百本も研削を行なうと、テフロン(登録商標)テ
ープなどの滑性材料が摩耗し、頻繁に貼り替えを行なう
必要に迫られる。
【0024】以上、説明したように、従来の心無し研削
加工では、円筒部材にアルミニウムや黄銅などの軟質金
属材料が用いられる場合、その円筒部材は、均一で高品
質な表面粗さや高い加工精度を得ることが困難であっ
た。更に、それらの精度を維持するためには、頻繁に滑
性テープの貼り替えや、ブレード自体の交換を行わなけ
ればならず、連続作業の妨げになるという問題があっ
た。
【0025】本発明は、上述の技術的課題を解決し、電
子写真用円筒部材について、高品位な表面精度と高い加
工精度を得ることができ、しかも、連続的な作業性に優
れた電子写真用円筒部材の研削装置を提供することを、
その目的としている。
【0026】即ち、本発明の第1の目的は、ブレードと
円筒部材との摺動による傷発生を防ぎ、高い表面精度を
有する電子写真用円筒部材を得ることである。
【0027】また、本発明の第2の目的は、円筒部材の
長さが、その直径に比べ著しく大きい場合でも、円筒部
材の外径の真直度、振れ精度、表面粗さを、高精度に維
持できるように、仕上げた電子写真用円筒部材を得るこ
とである。
【0028】更に、本発明の第3の目的は、量産工程に
おいて、安定した加工精度を得るために、ブレード交換
や樹脂テープの貼り替え作業を頻繁に行うことなく、連
続的な作業性を確保し、生産性を高めることで、ローコ
ストな電子写真用円筒部材を得ることである。
【0029】
【課題を解決するための手段】このため、本発明は、研
削砥石と調整砥石の間に被加工物を支持するブレードを
有し、前記ブレードと研削砥石と調整砥石との3点で、
被加工物である電子写真用円筒部材を支持しながら、研
削加工を行う心無し研削装置において、前記ブレード
が、前記被加工物の軸線方向に回転軸を向けて、ブレー
ド軸受け部に回転自在に支持した円筒体または円柱体で
あり、前記被加工物に線接触していることを特徴とす
る。
【0030】また、本発明は、研削砥石と調整砥石の間
に被加工物を支持するブレードを有し、前記ブレードと
研削砥石と調整砥石との3点で、被加工物である電子写
真用円筒部材を支持しながら、研削加工を行う心無し研
削装置において、前記ブレードには、被加工物との接触
箇所よりその回転方向前側で、クリーニング部材が、そ
の先端を被加工物表面に接触するように、設けてあり、
被加工物表層に付着している切粉や異物を除去すること
を特徴とする。
【0031】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)図1には、本発明の第1の実施の
形態における、円筒部材を研削する心無し研削装置の概
略構成が示されている。図1の(a)は心無し研削装置
の正面図であり、(b)は斜視図である。ここで、符号
1は研削砥石、2は調整砥石、3は本発明の第1の実施
の形態で示される円筒体のブレード(以後、ローラーブ
レードと称する)、4は被加工物(以後、ワークと称す
る)である。また、5は研削装置本体側に固定されてい
るブレードベースで、ローラーブレード3の枠体3cと
ボルト結合されている。なお、本発明における実施の形
態では、インフィード方式(送り込み研削)の心無し研
削装置を用いたが、その他のスルーフィード方式(通し
送り研削)の研削装置でも、同様の効果を発揮すること
ができ、特に、その方法は限定されない。
【0032】次に、本発明における円筒体ブレードの構
成について、図2を用いて具体的に説明する。図2にお
いて、3aはワーク4を支持、回転させる円筒体(以
後、ローラーと称す)である。このローラー3aは、前
記枠体の両端に設けた軸受け部3bにより、その両端を
回転自在に支持されており、ローラー3a上にワーク4
がセットされ、調整砥石2の回転とともに、ワーク4が
転動、即ち、連れ回りを開始すると、ローラー3aも、
連れ回りする。
【0033】なお、符号3dは、枠体3cと本体側のブ
レードベース5を結合するために、枠体3cに設けられ
た結合用穴であり、軸方向に複数個、設けてある。ま
た、符号3eはワッシャ、3fはシール部材であり、こ
のシール部材3fは、研削時に発生した切粉、脱落した
砥粒、および、研削液が、軸受け部3bに侵入するのを
防ぐために設けてある。さらに、要すれば、シール部材
3fの上から、側板3gをボルトで結合することで、密
閉性を保持している。
【0034】ローラーブレード3は、被加工物(ワー
ク)と同一周速度で、回転することが望ましいが、それ
ぞれの周速度について、互いに、周速度差が十分に小さ
ければ(20%以下)、従来例のような摺動接触に伴う
ブレード上への砥粒および切屑の付着が見られず、被加
工物表面のスクラッチの発生を防止することができる。
【0035】電子写真用円筒部材における、このスクラ
ッチの影響は非常に大きく、削除画像欠陥につながる虞
がある。例えば、感光ドラムにおいては、その基体円筒
の表面にスクラッチがあると、感光層に局部的にムラが
生じ、黒ポチあるいは白ポチといった画像欠陥が発生す
る。このような画像欠陥が発生する度合は、感光層との
膜厚にもよるが、主に、スクラッチ(傷)の大きさ(深
さ)に比例する。
【0036】本発明に到る我々の研究結果によれば、R
maxで25μm以下、好ましくは15μm以下に、ス
クラッチ部の粗さを抑えることが必要である。然るに、
本発明におけるローラーブレード3では、この点を満足
する結果が出ている。
【0037】なお、ローラー3aは、加工するワーク4
の長さや形状に合わせて、その材質、形状、構造を適
宜、変えてもよい。例えば、比較的細長いワーク4を研
削する場合、それに合わせて、ローラー3aも細長くす
る必要があるが、この際、ローラー3aが、その自重に
よりたわみを生じると、ローラー3aおよびワーク4の
回転精度にも影響を及ぼし、加工精度が低下する虞があ
るので、この場合には、ローラー3aのたわみを極小化
するために、内部を中空構造とするのが好ましい。この
際に注意することは、中空円筒部材の剛性が弱くならな
いように、適切な材質、肉厚などを考慮する必要があ
る。
【0038】さらに、ローラー3aの形状精度について
も、以下の点に考慮しておくことが重要である。即ち、
センタレス研削におけるブレードの役割については、先
に説明した通り、非常に重要で、このブレードを基準
に、ワーク4が研削されるのであるから、ブレード自体
の精度が悪いと、加工されるワーク4の精度も悪くな
る。従って、ローラー3aの形状精度に関しては、真円
度、真直度、振れ精度、円筒度、さらには、表面粗度な
ども含めて、非常に高い精度に仕上げておくことが適正
である。これらの精度は、加工するワークの寸法や、要
求精度により、左右されるが、本発明の検討結果によれ
ば、真円度は10μm以下、真直度は20μm以下、振
れ精度および円筒度は30μm以下、表面粗度はRa
で、10μm以下であることが望ましい。 (第2の実施の形態)本発明による他の実施の形態につ
いて以下に説明する。図3は本発明の第2の実施の形態
を示した図である。ここでは、上記した第1の実施の形
態において、被加工物の外径寸法D1に対して、全長L
が著しく長い場合について、その構造が特定されてい
る。即ち、被加工物の全長Lが長い場合、ローラーブレ
ード3の全長も、被加工物の全長Lと同様に、長くする
必要がある。ローラーブレード3の外径寸法は、研削砥
石、調整砥石、被加工物の3者との干渉を防止するた
め、被加工物の外径Dと同程度に制約される。
【0039】この場合、ローラーブレード3は、自重に
よる軸方向のたわみωが大きくなる。このたわみωが大
きくなると、被加工物の位置決め状態が不安定になるた
め、研削中にビビリ振動を生じて、表面粗度の不良が発
生したり、研削後の真直度の不良が発生する。ローラー
ブレード3の自重によるたわみωは、両端部の支持方法
により若干異なるが、傾きを拘束しない両端支持におい
ては、次式で示される。
【0040】 ここで、ρはブレード材の密度、Eは縦弾性係数、Iは
断面係数である。
【0041】上式によれば、たわみωは、全長lの4乗
に比例する。つまり、ローラーブレード3の自重たわみ
ωによる、上記した加工精度の劣化を防止するために
は、ローラーブレード3の全長lを短くすればよい。し
かし、被加工物は、ほぼ全長Lにわたり、ローラーブレ
ード3により、支持されねばならない。
【0042】そこで短いローラーブレード3を複数本、
同一回転軸上に配列させることにより、ローラーブレー
ド3の自重たわみの影響を低減でき、かつ、被加工物4
の支持状態も安定に保つことができる。上式から明らか
なように、例えば、ワーク4の全長に等しい長さのロー
ラーブレード3を1本で構成した場合と、その1/2の
長さのローラーブレード3を、2本配列して構成した場
合とを比較すると、後者の自重たわみ量ωは、前者の場
合の1/16に低減することができる。
【0043】なお、複数本のローラーブレードを配列す
る際、それぞれの直径を同一に仕上げておき、かつ、そ
れぞれの回転軸を同一直線上に配置することが重要であ
る。 (第3の実施の形態)本発明による、更に他の実施の形
態として、図4に示すローラブレード3について説明す
る。ここでは、複数の円筒体3a(ローラー)を同一直
線上に配置しており、この場合、特に、円筒体として、
ころがり軸受部材を使用してある。この軸受部材は、一
般に市販されているものでも、独自に製作したものでも
構わない。
【0044】なお、図4には、軸受部材として、針状こ
ろ軸受を示しているが、軸受の形式は、特に限定される
ものではなく、円すいころ軸受、円筒ころ軸受、アンギ
ュラ玉軸受、深溝玉軸受など、適宜、その用途によっ
て、使い分けることができる。また、これらの軸受部材
3aは、先述したように、主軸による軸方向のたわみω
を極小化するために、固定主軸3kを複数本に分割し、
それぞれの固定主軸に対して、枠体3cの側板に軸受け
部を設けることも、勿論、可能である。
【0045】このような変形例では、軸受部材3aの外
輪を、接触ローラーとしているため、研削開始時の転動
に要するトルクが小さくでき、特に、軽量なワークを研
削する場合や、軽負荷な研削条件で、研削を行う被加工
物の仕上げ加工時に有効である。
【0046】図5は、このような実施の形態を応用した
変形例を示してある。同図において、研削砥石、調整砥
石の回転軸に平行に取り付けられた固定主軸3kに、リ
テーナー3hに支持された小径の球体(ボール)3i、
および、それに外接する外円筒3jにより構成された円
筒体ユニットを、それぞれ、複数設けて、円筒体ユニッ
ト3を、ローラーとして、ワーク支持に用いてもよい。 (第4の実施の形態)また、図6には、本発明を実施す
る好ましい形として、第4の実施の形態が示されてい
る。ここで、図6の(a)は、心無し研削装置の正面
図、図6の(b)は同斜視図である。この実施の形態で
は、ブレード3にクリーニング部材6が設けられてお
り、また、ワーク4の研削時の位置を安定させるための
抑制部材7が用意されている。そして、他の点は第1の
実施の形態における各構成要素と同一の構造が採用され
ている。
【0047】図7に示すように、まず、ブレード3上に
支持されたワーク4は、調整砥石2の回転により、それ
自体も連れ回る。この時、既に、ワーク4はクリーニン
グ部材6と接触しており、クリーニング部材6とは、反
回転方向(カウンター方向)に回転摺動されることにな
る。この際、クリーニング部材6がワーク4に当接する
圧力が強すぎると、アルミニウムの中空パイプのよう
な、比較的、軽い円筒部材を研削する場合に、当接圧力
によって、ワーク4が上下に暴れて、スムーズに回転し
なくなる虞があるので、ワーク4の上方からワーク抑制
部材7を当てて、ワ−クを安定するように位置規制す
る。
【0048】このワーク抑制部材7の先端構造は、ロー
ラーの形になっているので、ワーク4の回転を妨げるこ
となく、ワーク4をスムーズに回転することができる。
また、この抑制部材7は、バネ加圧により、ワーク4に
対して、一定の加圧力で作用しているので、多少、ワー
ク4が暴れても、ある程度、研削が進むと、常に決まっ
た位置にワーク4を保持することができる。なお、これ
らの抑制部材7は、ワーク4の長さに合わせて、単独で
設けてもよいし、あるいは、ワーク4が長い場合は、複
数に分けて配設しても構わない。
【0049】さて、ワーク4が回転し、研削砥石1側に
徐々に送り込まれると、研削液吐出口(図示せず)よ
り、研削液が流れてきて、やがて、研削砥石1と接触
し、研削を開始する。研削が開始されると、切粉が発生
するが、殆どの切粉は、研削液の流れとともに、ブレー
ド3の下部へと流れて行き、研削液濾過フィルター(図
示せず)により、その他の異物とともに、濾過される。
そして、クリーンになった研削液は循環されて、再び、
研削箇所で利用される。
【0050】これらの切粉は、比較的大きい切粉である
が、実は、これよりも更に微細な切粉(粒径:10μm
以下)はワーク4の表面全体にわたって付着した状態に
ある。これは、例えば、研削直後にワーク4の表面を指
で触ってみると、うっすらと、微小な切粉が指に付着す
ることからも感覚的に解る。即ち、ワーク4の表層部
は、微小な切粉で覆われているのである。
【0051】従来のブレードでは、このような、非常に
微細な切粉の層により、ブレード表面と摺擦することに
よって、切粉が容易に発熱・溶融し、ブレード表面に融
着を引き起こし、スクラッチが発生する主原因ともなっ
ていたが、本発明のように、研削直後に、ワーク表面に
付着した微細な切粉を、それがブレードと摺擦する前
に、ワーク表層部から除去するクリーニング部材6を設
けることによって、ブレード表面での、切粉の融着を防
ぐことができる。つまり、クリーニング部材6がワーク
表層部に当接して、微細な切粉を掻き取るのである。
【0052】また、クリーニング部材6は、1枚の細長
いプレート状であり、ワーク4の軸方向に沿って、ブレ
ード3に固定されているが、この固定方法は、ブレード
3に直接、接着剤などで、接着してもよいし、あるい
は、ボルトなどの手段で固定してもよい。
【0053】クリーニング部材6に用いられる材質は、
摩擦係数が小さく、優れた耐摩耗性を持ち、しかも、寸
法安定性、耐熱性、耐食性にも優れていることが要求さ
れる。従って、これには、フッ素樹脂、充てん材入りフ
ッ素樹脂、ポリアミド、ポリアセタール、高密度ポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリイミド、芳香族ポリエス
テル、ポリフェニレンサルファイド、含油フェノール樹
脂などが適当である。
【0054】また、クリーニング部材6の形状について
は、前述したような、ワーク4の軸方向に沿って、その
全長に当接するように、細長いプレート形状とする以外
にも、例えば、図6の(b)に示すように、軸方向に沿
ったブラシ状のものでもよく、特にその形状を限定する
ものではない。図6(b)に示すような、ブラシ状の場
合は、特に、ワークの自重が著しく軽い、あるいは、ワ
ーク4の曲がりが、特に大きい場合には、有効である。
【0055】本発明による研削装置によって作成される
電子写真用円筒部材としては、感光ドラムをはじめと
し、現像スリーブ、搬送ローラー、定着ローラーなど、
各種の円筒部材が含まれるが、また、これに限定される
ものでもない。
【0056】図14は、上述の本発明のいづれかの実施
の形態において、表面処理された円筒部材を用いた、転
写式電子写真装置の概略構成が示されている。図におい
て、符号101は像担持体としての感光ドラムであり、
その軸101aを中心に、矢印方向に所定の周速度で回
転駆動される。
【0057】感光ドラムは、その回転過程で、帯電手段
102により、その周面に正または負の所定電位の均一
帯電を受け、次いで、露光部103にて、像露光手段
(図示せず)により、光像露光L(スリット露光、レー
ザービーム走査露光など)を受ける。これにより、感光
ドラム周面には、露光像に対応した静電潜像が順次、形
成される。
【0058】その静電潜像は、次いで、現像手段104
でトナー現像され、そのトナー現像像が、転写手段10
5により、感光ドラムの回転と同期して、給紙部(図示
せず)から感光ドラム101と転写手段105との間に
取り出され、給送された転写材Pの面に、順次、転写さ
れる。この、像転写を受けた転写材Pは、感光ドラム面
から分離されて、像定着手段108へ導入され、像定着
を受けて、複写物(コピー)として、機外へプリントア
ウトされる。
【0059】像転写後の感光ドラムの表面は、クリーニ
ング手段106にて、転写残りトナーを除去され、清浄
面となり、さらに、前露出手段107により、除電処理
されて、再び、繰り返して、像形成に使用される。
【0060】感光ドラムの均一帯電手段102として
は、コロナ帯電装置が一般に広く使用されている。ま
た、転写装置5にも、コロナ転写手段が一般に広く使用
されている。なお、電子写真装置として、上述の感光ド
ラムや現像手段、クリーニング手段などの構成要素の
内、複数のものを、ユニットとして一体に結合して構成
し、このユニットを装置本体に着脱自在に構成してもよ
い。例えば、帯電手段、現像手段およびクリーニング手
段の少なくとも1つを、感光体とともに一体に支持し
て、ユニットを、装置本体に着脱自在の単一ユニットと
し、装置本体のレールなどの案内手段を用いて、着脱自
在の構成にしてもよい。
【0061】また、光像露光Lは、電子写真装置を、複
写機やプリンタとして使用する場合に、原稿からの反射
光や透過光により、あるいは、原稿を読み取り信号化
し、この信号によるレーザービームの走査、LEDアレ
イの駆動、または、液晶シャッターアレイの駆動などに
より、行うことができる。また、ファクシミリのプリン
タとして使用する場合には、光像露光Lは受信データを
プリントするための露光になる。図15は、この場合の
1例をブロック図で示したものである。
【0062】コントローラ111は、画像読み取り部1
10とプリンタ119とを制御する。また、コントロー
ラ111の全体は、CPU117により制御されてい
る。画像読取部からの読取データは、送信回路113を
通して、相手局に送信される。相手局から受けたデータ
は、受信回路112を通して、プリンタ110に送ら
れ、画像メモリには、所定の画像データが記憶される。
プリンタコントローラ118は、プリンタ119を制御
している。なお、符号114は電話である。
【0063】回線115から受信された画像(回線を介
して接続されたリモート端末からの画像情報)は、受信
回路112で復調された後、CPU117において、復
号処理され、順次、画像メモリ116に格納される。そ
して、少なくとも1ページ分の画像がメモリ116に格
納されると、そのページの画像記録(プリントアウト)
を行なう。
【0064】即ち、CPU117は、メモリ116より
1ページ分の画像情報を読み出し、プリンタコントロー
ラ118に、復合化された1ページ分の画像情報を送出
する。プリンタコントローラ118は、CPU117か
らの1ページ分の画像情報を受け取ると、そのページの
画像情報記録(プリントアウト)を行なうために、プリ
ンタ119を制御する。なお、CPU117は、プリン
タ119による記録中には、既に次のページ受信を行な
っている。以上のように、画像の受信と記録が行なわれ
る。
【0065】
【実施例】
(実施例1)本発明による円筒部材の製法(第1ないし
第3の実施の形態)を用いて、作成した現像スリーブを
例にとって、以下に説明する。現像スリーブ用の基体と
して、アルミニウム合金製の引抜円筒素管を、図1に示
したローラーブレード3を用いて、以下の条件で、心無
し研削加工を行なった。
【0066】 (ワーク) ・外径:φ20.15mm ・内径:φ18.4mm ・長さ:L=333mm ・材質:A6063 (研削条件)・研削方式:インフィード方式(送り込み研削) ・粗研削送り速度:0.0076mm/sec. ・仕上研削送り速度:0.0022mm/sec. ・粗研削代:0.15mm ・仕上研削代:0.02mm ・研削砥石:炭化硅素質(SiC) #120 ・寸法:φ610×375×φ304(クレノートン社製) ・研削砥石回転数:1250rpm (ブレード)・ローラーブレード(1本タイプ) ・材質:超硬合金G10 ・直径:外径12mm/内径8mm ・長さ:333mm 研削加工後に、ワークの加工精度を確認するために、真
直度、真円度、振れ精度、表面粗度(Ra:中心線平均
粗さ)、表面のスクラッチの有無について、それぞれ、
測定および観察を行なった。その結果、連続5000本
研削したときの平均値は、真直度:2.2μm、真円
度:3.2μm、振れ:4.6μm、表面粗度:Ra=
0.4μmであった。また、ワークを取り出した後、ロ
ーラーブレード3の表面を観察したところ、ローラー表
面には、融着物や付着物もなく、加工前と何等変わるこ
とがなかった。
【0067】その後、取り出したワークを洗浄した後
に、目視にて、加工表面を観察したところ、加工面全周
に渡って、微細なスクラッチなどの発生が全く認められ
ず、非常に良好な表面状態が得られた。また、加工精度
も、上記のように、非常に良く、5000本の連続研削
においても、研削の進行に伴う精度の低下もみられず、
安定した加工精度が得られた。
【0068】次に、こうして得られたワーク4に、その
後、所定の表面粗さに仕上げるために、以下の条件で、
サンドブラスト加工を行った。 ・砥粒:昭和電工製 アランダム#100 ・吐出圧力:2.8kg/cm2 (27.44×103
Pa、27.44N/cm2 ) ・ノズル距離:120mm ・ブラスト時間:60秒(30秒×2回) ・回転数:60rpm さらに、ワークの円筒面に帯電付与性能を向上するため
に、導電性カーボン:100重量部、グラファイト(平
均粒径7μm):90重量部、フェノール樹脂:100
重量部と、IPA(イソプロピルアルコール)溶剤と
を、固形分35%となるように混合し、ペイントシェー
カーにガラスビーズと共に入れ、5時間の分散を行っ
て、調製し、この塗工液を、エアースプレーガンによ
り、円筒表面に吹き付け、樹脂層を形成し、150℃の
乾燥炉に、約30分間入れて、塗膜を熱硬化させた。次
いで、マグネットローラ−をワーク内に挿入し、最後
に、フランジ部材を圧入して、現像スリーブを作成し
た。
【0069】上述の方法により、作成した現像スリーブ
を、キヤノン製レーザービームプリンターのプロセスカ
ートリッジに装着し、間欠的な作業順序で、10000
枚の画出し評価を行った結果、ハーフトーン、ベタ黒い
ずれの画像上も、ピッチムラなどの欠陥を発生すること
なく、非常に良好な画像が得られた。
【0070】なお、振れの測定は、図5に示したよう
に、ワーク4の両端から5mmの位置を基準に、ワーク
を回転させて、軸方向に5箇所の位置を、テストインジ
ケーターを用いて測定し、その最大値を振れの値とし
た。また、表面粗度:Raの測定は、1本のワークにつ
いて、軸方向に任意に3箇所、さらに、周方向に任意に
3箇所を測定し、全ての値の平均値をRaの値とした。 (実施例2)次に、図3に示した、2分割させた形状の
ローラー3aを用いて、実施例1と同様に、アルミニウ
ム合金製の円筒素管を研削加工した(この時の研削条件
および加工するワーク形状は実施例1と同一である)。 (ブレード) ・ローラーブレード(2本タイプ) ・材質:超硬合金G10 ・直径:外径12mm/内径8mm ・長さ:164mm/1本 加工後にワークの加工精度を確認するために、真直度、
真円度、振れ精度、表面粗度(Ra:中心線平均粗
さ)、表面のスクラッチの有無について、それぞれ、測
定および観察を行った。その結果、連続5000本の平
均値は、真直度:1.9μm、真円度:2.5μm、振
れ:2.8μm、表面粗度:Ra=0.5μmであっ
た。 (実施例3)次に、図4に示したように、軸受け部材を
軸方向に、複数個配列したタイプのローラーブレード3
を用いて、実施例1と同様に、現像スリーブを作成し、
評価を行った。 (ワーク)・・・・実施例1と同じ (研削条件)・・・実施例1と同じ (ブレード)・・・ローラーブレード(ベアリングタイプ) ・ベアリング:NSK製/型式MR105ZZ ・配列数:9個×2 加工後にワークの加工精度を確認するために、真空度、
真円度、振れ精度、表面粗度(Ra:中心線平均粗
さ)、表面のスクラッチの有無について、それぞれ、測
定および観察を行った。その結果、連続5000本の平
均値は、真直度:2.3μm、真円度:3.5μm、振
れ:3.7μm、表面粗度:Ra=0.5μmであっ
た。 (実施例4)次に、図5に示したように、リテーナーに
支持された小径の球体、および、それに外接する円筒体
を、それぞれ、複数組み込み、該円筒体をローラーとし
たローラーブレード3を用いて、実施例1と同様に、現
像スリーブを作成し、評価を行った。
【0071】 (ワーク)・・・実施例1と同じ (研削条件)・・・実施例1と同じ (ブレード)・・・ローラーブレード(リテーナータイプ) ・配列数:4個 加工後にワークの加工精度を確認するために、真空度、
真円度、振れ精度、表面粗度(Ra:中心線平均粗
さ)、表面のスクラッチの有無について、それぞれ、測
定および観察を行なった。その結果、連続5000本の
平均値は、真直度:2.7μm、真円度:3.6μm、
振れ:3.9μm、表面粗度:Ra=0.5μmであっ
た。
【0072】なお、これら実施例2ないし4において
は、いづれもワークを取り出した後、ローラーブレード
の表面を観察したところ、ローラー表面には、融着物や
付着物もなく、加工前と何等変わることがなかった。
【0073】その後、取り出したワークを洗浄した後
に、目視にて、加工表面を観察したところ、加工面全周
に渡って、微細なスクラッチなどの発生が全く認められ
ず、実施例1と同様に、非常に良好な表面状態が得られ
た。
【0074】こうして得られた円筒部材に、その後、実
施例1と同様に、サンドブラスト処理、塗工処理を行
い、現像スリーブを作成した。これをキヤノン製レーザ
ービームプリンターのプロセスカートリッジに装着し、
間欠的な作業順序で、10000枚の画出し評価を行っ
た。その結果、実施例1と同時に、ハーフトーン、ベタ
黒いずれの画像上も、ピッチムラなどの欠陥を発生する
ことなく、非常に良好な画像が得られた。 (実施例5)本発明による円筒部材の製法を(第1ない
し第3の実施の形態)を用いて、感光ドラムを作成した
事例について、以下に説明する。感光ドラム用の基体と
して、アルミニウム合金製の引抜円筒素管を、図1に示
したローラーブレード3を用いて、以下の条件で、心無
し研削加工を行なった。
【0075】 (ワーク) ・外径:φ30.15mm ・内径:φ28.4mm ・長さ:L=333mm ・材質:A6063 (研削条件)・研削方式:インフィード方式(送り込み研削) ・粗研削送り速度:0.0076mm/sec. ・仕上研削送り速度:0.0022mm/sec. ・粗研削代:0.15mm ・仕上研削代:0.02mm ・研削砥石:炭化硅素質(SiC) #120 ・寸法:φ610×375×φ304(クレノトーン社製) ・研削砥石回転数:1250rpm (ブレード)・ローラーブレード(1本タイプ) ・材質:超硬合金G10 ・直径:外径20mm/内径16mm ・長さ:260mm 研削加工後にワークの加工精度を確認するために、真直
度、真円度、振れ精度、表面粗度(Ra:中心線平均粗
さ)、表面のスクラッチの有無について、それぞれ、測
定および観察を行なった。その結果、連続5000本研
削したときの平均値は、真直度:20μm、真円度:
2.8μm、振れ:3.1μm、表面粗度:Ra=0.
6μmであった。また、ワークを取り出した後、ローラ
ーブレードの表面を観察したところ、ローラー表面に
は、融着物や付着物もなく、加工前と何等、変わること
がなかった。
【0076】その後、取り出したワークを洗浄した後
に、目視にて、加工表面を観察したところ、加工面全周
に渡って、微細なスクラッチなどの発生が全く認められ
ず、非常に良好な表面状態が得られた。また、加工精度
も、上記のように、非常に良く、5000本の連続研削
においても、研削の進行に伴う精度の低下もみられず、
安定した加工精度が得られた。
【0077】そこで、得られた基体円筒上に、カゼイン
のアンモニア水溶液(カゼイン:11.2g、28%ア
ンモニア水:1g、水:222ml)を、浸漬コーティ
ング法で塗工し、乾燥して、塗工量1.0g/m2 の下
引層を形成した。次に、アルミニウムクロライドフタロ
シアニン:1重量部、ブチラール樹脂(商品名:エスレ
ックBM−2/積水化学(株)製):1重量部と、イソ
プロピルアルコール:30重量部とを、ボールミル分散
機で4時間分散した。この分散液を、先に形成した下引
層の上に浸漬コーティング法で塗工し、乾燥して、電荷
発生層を形成した。この時の膜厚は0.3μmであっ
た。
【0078】次に、ヒドラゾン化合物:1重量部、ポリ
スルフォン樹脂(商品名:P1700/ユニオンカーバ
イト社製):1重量部と、モノクロルベンゼン:6重量
部とを、混合し、攪拌機で攪拌・溶解した。この液を電
荷発生層の上に、浸漬コーティング法で塗工し、乾燥し
て、電荷輸送層を形成した。この時の膜厚は12μmで
あった。
【0079】このようにして作成した感光体と、ポリア
セタール樹脂(商品名:「ジュラコンM90−02」ポ
リプラスチック(株)製コポリマー)を射出成形するこ
とにより作成したドラムギアとを結合し、感光ドラムを
構成した。
【0080】そして、得られた感光ドラムを、キヤノン
製レーザビームプリンターのプロセスカートリッジに装
着し、間欠による10000枚の画出し評価を行った。
その結果、実施例1と同様に、ハーフトーン、ベタ黒い
ずれの画像上も、ピッチムラなどの欠陥を発生すること
なく、非常に良好な画像が得られた。 (比較例1)次に、第1ないし第3の実施の形態との対
比のために、図12を用いて、比較例について説明す
る。同図は、従来から使用されている一般的なブレード
を示しており、ブレード材質:超硬、ブレード先端角
度:θ=60°であり、ワーク当接面には研磨加工を施
しており、表面粗度:Ra=0.3μmである。
【0081】このブレードを有する心無し研削装置を用
いて、実施例1と同一の加工条件により、現像スリーブ
用円筒部材を研削加工し、評価を行なった。
【0082】その結果、研削開始後、わずか5本目でワ
ーク表面全周にわたって、スクラッチが発生した。途中
で、加工を中止して、ブレード表面を目視にて観察した
ところ、ブレード表面の、ワークとの摺動部には、図1
0に示すように、アルミニウムの微細な切粉の融着物が
発生していた。そして、ワーク表面のスクラッチが発生
した位置とブレード上に発生した融着物の位置との関係
を調べてみると、両者の位置が対応していることがわか
った。既に、スクラッチが発生し、ワーク表面に傷が発
生したために、現像スリーブとして使用することは困難
であると判断し、ここで製作を中止した。 (比較例2)次に、心無し研削装置ではなく、普通の旋
盤を用いて、円筒部材を作成する事例について説明す
る。ここでは、加工手順としては、まず、実施例1で使
用したものと同じアルミニウム素管を、旋盤にチャッキ
ングして、3000rpmの回転数にて、ワーク(アル
ミニウム素管)を回転させ、送り速度5mm/secで
ワークの軸方向にバイトを送りながら、精密切削加工を
行い、現像スリーブ用円筒部材を作成した。
【0083】 (ワーク)・・・実施例1と同じ (切削条件)・・切削装置:精密旋盤 ・切削工具:粗 (焼結ダイヤモンド、工具ノーズ半径0.05mm、すくい角 10°) ・切り込み量:粗0.15mm 仕上げ0.02mm ・ワーク回転数:300rpm ・工具送り速度:5mm/sec(粗、仕上げとも) 加工後にワークの加工精度を確認するために、真直度、
真円度、振れ精度、表面粗度(Ra:中心線平均粗
さ)、表面のスクラッチの有無について、それぞれ、測
定および観察を行った。その結果、真直度:15μm、
真円度:10μm、振れ:27μm、表面粗度:0.4
μmであった。
【0084】また、ワーク洗浄した後に、目視にて、加
工表面を観察したところ、微細なスクラッチなどの発生
が全く認められず、良好な表面状態が得られていた。
【0085】こうして得られた円筒部材に、その後、実
施例1と同様に、サンドブラスト処理、塗工処理を行
い、現像スリーブを作成した。そして、これをキヤノン
製レーザービームプリンターのプロセスカートリッジに
装着し、間欠による10000枚の画出し評価を行っ
た。
【0086】その結果、ハーフトーンの画像において、
スリーブ周期の濃度ムラ(ピッチムラ)が顕著に発生し
た。また、ベタ黒画像においても、軽微なピッチムラが
確認された。
【0087】以上の実施例1〜比較例2までの結果をま
とめて表1に示す。
【0088】
【表1】
【0089】(実施例6)次に、本発明によるブレード
(第4の実施の形態)を用いて、電子写真用円筒部材と
して作成した現像スリーブを、例にとって、以下に説明
する。 ・クリーニング部材材質:フッ素樹脂/ポリテトラフル
オロエチレン(PTFE) ・クリーニング部材肉厚:0.6mm ・クリーニング部材すくい角:10° ・クリーニング部材形状:プレート形状 からなるクリーニング部材を、超硬合金製のブレードに
固定して、以下の研削条件で、アルミニウム合金製の円
筒素管を研削加工した。
【0090】 (ワーク) ・外径:φ20.15mm ・内径:φ18.4mm ・長さ:L=333mm ・材質:A6063 (研削条件)・研削方式:インフィード方式(送り込み研削) ・粗研削送り速度:0.0076mm/sec. ・仕上研削送り速度:0.0022mm/sec. ・粗研削代:0.15mm ・仕上研削代:0.02mm ・研削砥石:炭化硅素質(SiC) #120 ・寸法:φ610×375×φ304 (クレノトーン社製) ・研削砥石回転数:1250rpm 研削加工後にワークの加工精度を確認するために、真直
度、真円度、振れ精度、表面粗度(Ra:中心線平均粗
さ)、表面のスクラッチの有無について、それぞれ、測
定および観察を行なった。その結果、真直度:2.2μ
m、真円度:3.2μm、振れ:2.7μm、表面粗
度:Ra=0.4μmであった。また、ワークを取り出
した後、ブレードの表面を観察したところ、ブレード表
面には、融着物や付着物などがみられなかった。
【0091】その後、取り出したワークを洗浄した後
に、目視にて、加工表面を観察したところ、加工面全周
に渡って、微細なスクラッチなどの発生が全く認められ
ず、非常に良好な表面状態が得られた。また、加工精度
も、上記のように、非常に良く、5000本の連続研削
においても、研削の進行に伴う精度の低下もみられず、
安定した加工精度が得られた。
【0092】次に、こうして得られたワークに、その
後、所定の表面粗さに仕上げるために以下の条件でサン
ドブラスト加工を行った。 ・砥粒:昭和電工製 アランダム #100 ・吐出圧力:2.8kg/cm2 (27.44×103
Pa、27.44N/cm2 ) ・ノズル距離:1.2mm ・ブラスト時間:60秒(30秒×2回) ・回転数:60rpm さらに、ワークの円筒面に帯電付与性能を向上するため
に、導電性カーボン:100重量部、グラファイト(平
均粒径7μm):90重量部、フェノール樹脂:100
重量部と、IPA(イソプロピルアルコール)溶剤と
を、固形分:35%となるように混合し、ペイントシェ
ーカに、ガラスビーズと共に入れ、5時間の分散を行っ
て調成し、この塗工液を、エアースプレーガンにより、
円筒表面に吹き付け、樹脂層を形成し、150℃の乾燥
炉に約30分間入れて、塗膜を熱硬化させた。次いで、
マグネットローラーをワーク内に挿入し、最後にフラン
ジ部材を圧入して現像スリーブを作成した。
【0093】上述の方法により作成した現像スリーブ
を、キヤノン製レーザービームプリンターのプロセスカ
ートリッジに装着し、間欠的な作業順序で、10000
枚の画出し評価を行った結果、ハーフトーン、ベタ黒、
いずれの画像上も、ピッチムラなどの欠陥を発生するこ
となく、非常に良好な画像が得られた。
【0094】なお、既に第1ないし第3の実施の形態で
説明しているように、振れの測定は図4に示したよう
に、ワークの両端から5mmの位置を基準に、ワークを
回転させて、軸方向に5箇所の位置をテストインジケー
ターを用いて測定し、その最大値を振れの値とした。ま
た、表面粗度:Raの測定は、1本のワークについて、
軸方向に任意に3箇所、さらに、周方向に任意に3箇所
を測定し、全ての値の平均値をRaの値とした。 (実施例7)次に、クリーニング部材の材質をケイ素樹
脂とした以外は、実施例6と同様にアルミニウム合金製
の円筒素管を研削加工し、同様に評価を行った(この時
の研削条件および加工するワーク形状は実施例6と同一
である)。 ・クリーニング部材材質:ケイ素樹脂 ・クリーニング部材肉厚:0.6mm ・クリーニング部材すくい角:10° ・クリーニング部材形状:プレート形状 加工後にワークの加工精度を確認するために、真直度、
真円度、振れ精度、表面粗度(Ra:中心線平均粗
さ)、表面のスクラッチの有無について、それぞれ、測
定および観察を行なった。その結果、真直度:1.9μ
m、真円度:2.5μm、振れ:2.8μm、表面粗
度:Ra=0.5μmであった。 (実施例8)次に、実施例6においてクリーニング部材
の形状を図6(b)に示したようなブラシ形状にした以
外は、実施例6と同様にアルミニウム合金製の円筒素管
を研削加工し、同様に評価を行った(この時の研削条件
および加工するワーク形状は実施例6と同一である)。 ・クリーニング部材材質:フッ素樹脂/ポリテトラフル
オロエチレン(PTFE) ・クリーニング部材肉厚:0.6mm ・クリーニング部材すくい角:10° ・クリーニング部材形状:ブラシ形状 加工後にワークの加工精度を確認するために、真直度、
真円度、振れ精度、表面粗度(Ra:中心線平均粗
さ)、表面のスクラッチの有無について、それぞれ、測
定および観察を行なった。その結果、連続5000本の
平均値は、真直度:2.0μm、真円度:3.8μm、
振れ:3.6μm、表面粗度:Ra=0.5μmであっ
た。 (実施例9)次に、実施例7において、クリーニング部
材の形状を図3(b)に示したようなブラシ形状とした
以外は、実施例7と同様にアルミニウム合金製の円筒素
管を研削加工し、同様に評価を行った(この時の研削条
件および加工するワーク形状は実施例6と同一であ
る)。 ・クリーニング部材材質:ケイ素樹脂 ・クリーニング部材肉厚:0.6mm ・クリーニング部材すくい角:10° ・クリーニング部材形状:ブラシ形状 加工後にワークの加工精度を確認するために、真直度、
真円度、振れ精度、表面粗度(Ra:中心線平均粗
さ)、表面のスクラッチの有無について、それぞれ、測
定および観察を行なった。その結果、連続5000本の
平均値は、真直度:2.1μm、真円度3.1μm、振
れ3.2μm、表面粗度:Ra=0.6μmであった。
【0095】なお、これら実施例7ないし9において
は、いづれもワークを取り出した後、ブレードの表面を
観察したところ、ブレード表面には融着物や付着物など
がみられなかった。その後、取り出したワークを洗浄し
た後に、目視にて、加工表面を観察したところ、加工面
全周に渡って、微細なスクラッチなどの発生が全く認め
られず、実施例6と同様に、非常に良好な表面状態が得
られた。
【0096】こうして得られた円筒部材に、その後、実
施例6と同様に、サンドブラスト処理、塗工処理を行
い、現像スリーブを作成した。そして、これをキヤノン
製レーザービームプリンターのプロセスカートリッジに
装着し、間欠的な作業順序で、10000枚の画出し評
価を行った。その結果、実施例6と同様に、ハーフトー
ン、ベタ黒、いずれの画像上も、ピッチムラなどの欠陥
を発生することなく、非常に良好な画像が得られた。 (実施例10)次に、本発明による円筒部材の製法(第
4の実施の形態)を用いて、感光ドラムを作成した事例
について、以下に説明する。感光ドラム用の基体とし
て、アルミニウム合金製の引抜円筒素管を、実施例6に
て使用したブレードを用いて、以下の条件で、心無し研
削加工を行なった。
【0097】 ・クリーニング部材材質:フッ素樹脂/ポリテトラフルオロエチレン (PTFE) ・クリーニング部材肉厚:0.6mm ・クリーニング部材すくい角:10° ・クリーニング部材形状:プレート形状 (ワーク) ・外径:φ30.15mm ・内径:φ28.4mm ・長さ:L=333mm ・材質:A6063 (研削条件)・研削方式:インフィード方式(送り込み研削) ・粗研削送り速度:0.0076mm/sec. ・仕上研削送り速度:0.0022mm/sec. ・粗研削代:0.15mm ・仕上研削代:0.02mm ・研削砥石:炭化硅素質(SiC) #120 ・寸法:φ610×375×φ304 (クレノトーン社製) ・研削砥石回転数:1250rpm 研削加工後にワークの加工精度を確認するために、真直
度、真円度、振れ精度、表面粗度(Ra:中心線平均粗
さ)、表面のスクラッチの有無について、それぞれ、測
定および観察を行なった。その結果、連続5000本研
削したときの平均値は、真直度:2.0μm、真円度
2.8μm、振れ3.1μm、表面粗度:Ra=0.6
μmであった。また、ワークを取り出した後、ブレード
の表面を観察したところ、ブレード表面には融着物や付
着物などがみられなかった。
【0098】その後、取り出したワークを洗浄した後
に、目視にて、加工表面を観察したところ、加工面全周
に渡って、微細なスクラッチなどの発生が全く認められ
ず、非常に良好な表面状態が得られた。また、加工精度
も、上記のように、非常に良く、5000本の連続研削
においても、研削の進行に伴う精度の低下もみられず、
安定した加工精度が得られた。
【0099】この、得られた基体円筒上に、カゼインの
アンモニア水溶液(カゼイン:11.2g、28%アン
モニア水:1g、水:222ml)を浸漬コーティング
法で、塗工し、乾燥して、塗工量:1.0g/m2 の下
引層を形成した。
【0100】次に、アルミニウムクロライドフタロシア
ニン:1重量部、ブチラール樹脂(商品名:エスレック
BM−2/積水化学(株)製):1重量部とイソプロピ
ルアルコール:30重量部とを、ボールミル分散機で4
時間分散した。この分散液を、先に形成した下引層の上
に、浸漬コーティング法で塗工し、乾燥して、電荷発生
層を形成した。この時の膜厚は0.3μmであった。
【0101】次に、ヒドラゾン化合物:1重量部、ポリ
スルフォン樹脂(商品名:P1700/ユニオンカーバ
イト社製):1重量部と、モノクロルベンゼン:6重量
部とを、混合し、攪拌機で攪拌・溶解した。この液を電
荷発生層の上に、浸漬コーティング法で塗工し、乾燥し
て、電荷輸送層を形成した。この時の膜厚は12μmで
あった。
【0102】このようにして作製した感光体と、ポリア
セタール樹脂(商品名:「ジュラコンM90−02」ポ
リプラスチック(株)製コポリマー)を、射出成形によ
り作成したドラムギアに結合し、感光ドラムを構成し
た。この感光ドラムを、キヤノン製レーザービームプリ
ンターのプロセスカートリッジに装着し、間欠的な作業
順序で、10000枚の画出し評価を行った。その結
果、実施例6と同様に、ハーフトーン、ベタ黒、いずれ
の画像上も、ピッチムラなどの欠陥を発生することな
く、非常に良好な画像が得られた。 (比較例3)次に第4の実施の形態との対比のために、
図13を用いて、比較例3について説明する。同図に示
すものは、従来から使用されている一般的なブレードで
ある。ブレード材質:超硬合金G10、ブレード先端角
度:θ=60°であり、ワーク当接面は研磨加工を施し
ており、表面粗度:Ra=0.3μmである。
【0103】このブレードを有する心無し研削盤を用い
て、実施例6と同一の加工条件により、現像スリーブ用
円筒部材を研削加工し、評価を行なった。
【0104】その結果、研削開始後、わずか5本目でワ
ーク表面全周にわたって、スクラッチが発生した。途中
で加工を中止して、ブレード表面を目視にて観察したと
ころ、ブレード表面のワークとの摺動部が、図5に示す
ように、アルミニウムの微細な切粉の融着物が発生して
いた。そして、ワーク表面のスクラッチが発生した位置
とブレード上に発生した融着物の位置との関係を調べて
みると、両者の位置が対応していることが解った。既に
スクラッチが発生し、ワーク表面に傷が発生しているの
で、現像スリーブとして使用することは困難であると判
断し、ここで製作を中止した。 (比較例4)次に、心無し研削盤ではなく、普通の旋盤
を用いて次の加工手順で円筒部材を作成した。即ち、ま
ず、実施例6で使用したものと同じアルミニウム素管を
旋盤にチャッキングして、3000rpmの回転数にて
回転させ、送り速度5mm/secで、ワークの軸方向
にバイトを送りながら、精密切削加工を行い、現像スリ
ーブ用円筒部材を作成した。
【0105】 (ワーク)・・・・実施例6と同じ (切削条件)・・・切削装置:精密旋盤 ・切削工具:粗(焼結ダイヤモンド、工具ノーズ 半径0.05mm、すくい角10°) ・切り込み量:粗0.15mm、仕上げ0.02mm ・ワーク回転数:3000rpm ・工具送り速度:5mm/sec(粗、仕上げとも) 加工後にワークの加工精度を確認するために、真直度、
真円度、振れ精度、表面粗度(Ra:中心線平均粗
さ)、表面のスクラッチの有無について、それぞれ、測
定および観察を行なった。その結果、真直度:15μ
m、真円度10μm、振れ27μm、表面粗度:0.4
μmであった。また、ワークを洗浄した後に、目視に
て、加工表面を観察したところ、微細なスクラッチなど
の発生が全く認められず、良好な表面状態が得られてい
た。
【0106】こうして得られた円筒部材に、その後、実
施例1と同様に、サンドブラスト処理、塗工処理を行
い、現像スリーブを作成した。そして、これをキヤノン
製レーザービームプリンターのプロセスカートリッジに
装着し、間欠的な作業順序で、10000枚の画出し評
価を行った。その結果、ハーフトーンの画像においてス
リーブ周期の濃度ムラ(ピッチムラ)が顕著に発生し
た。また、ベタ黒画像においても、軽微なピッチムラが
確認された。
【0107】以上の実施例6〜10、比較例3および4
までの結果をまとめて表2に示す。
【0108】
【表2】
【0109】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば次
のような効果を奏する。即ち、円筒面が高い形状精度に
仕上げられており、しかも、従来は高精度な研削加工が
困難であったアルミニウムや黄銅などの軟質金属材料の
心無し研削加工において、スクラッチの発生を防止し、
非常に高い表面精度を得ることができる。このような円
筒部材を、電子写真用の現像スリーブや感光ドラムの基
体として用いれば、円筒面の真円度、真直度および表面
精度が極めて高く、従って、円筒面の凹凸などによって
画質を低下させる虞がない上に、振れが小さいために、
安定して回転する高性能な現像スリーブや感光ドラムを
得ることが容易である。その結果、高い画質の画像を安
定して得ることのできる画像形成装置を実現することも
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による心無し研削装
置の概略構成図である。
【図2】同じくローラーブレードの概略構成図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態であるローラーを2
本分割としたローラーブレードの概略構成図である。
【図4】同じく第3の実施の形態を示す概略構成図であ
る。
【図5】第3の実施の形態の変形例の概略構成図であ
る。
【図6】本発明の第4の実施の形態による心無し研削装
置の概略構成図である。
【図7】同じくブレードの主要拡大図である。
【図8】本発明によるクリーニング部材の形状を示した
図である。
【図9】従来の心無し研削装置の概略構成図である。
【図10】スクラッチが発生した被加工物表面およびブ
レード表面に融着した様子を示した図である。
【図11】スクラッチ発生のメカニズムを示した図であ
る。
【図12】比較例の超硬合金製のブレードの概略図であ
る。
【図13】本発明における円筒部材を使用した転写式電
子写真装置の概略構成図である。
【図14】本発明による円筒部材を用いた電子写真装置
をプリンターとして使用したファクシミリのブロック図
である。
【図15】被加工物の外周部の振れ測定の方法を示した
図である。
【符号の説明】
1 研削砥石 2 調整砥石 3 ブレード 3a 円筒体 3b 軸受 3c 枠体 3d 結合用穴 3e ワッシャ 3f シール材 3g 側板 3h リテーナー 3i ボール 3j 外円筒 3k 固定主軸 4 被加工物(ワーク=円筒部材) 5 ブレードベース 5a 固定主軸 5b リテーナー 5c 球体 5d 外円筒 6 クリーニング部材 7 抑制部材

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 研削砥石と調整砥石の間に被加工物を支
    持するブレードを有し、前記ブレードと研削砥石と調整
    砥石との3点で、被加工物である電子写真用円筒部材を
    支持しながら、研削加工を行う心無し研削装置におい
    て、前記ブレードが、前記被加工物の軸線方向に回転軸
    を向けて、ブレード軸受け部に回転自在に支持した円筒
    体または円柱体であり、前記被加工物に線接触している
    ことを特徴とする電子写真用円筒部材の研削装置。
  2. 【請求項2】 前記ブレードは、被加工物の軸線方向に
    同軸的に配列された複数の円筒体または円柱体であるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の電子写真用円筒部材の
    研削装置。
  3. 【請求項3】 前記ブレード軸受け部に対する前記ブレ
    ードの回転部分が、研削液や切粉の侵入を防止するシー
    ル部材で、シールされていることを特徴とする請求項1
    または2に記載の電子写真用円筒部材の研削装置。
  4. 【請求項4】 研削砥石と調整砥石の間に被加工物を支
    持するブレードを有し、前記ブレードと研削砥石と調整
    砥石との3点で、被加工物である電子写真用円筒部材を
    支持しながら、研削加工を行う心無し研削装置におい
    て、前記ブレードには、被加工物との接触箇所よりその
    回転方向前側で、クリーニング部材が、その先端を被加
    工物表面に接触するように、設けてあり、被加工物表層
    に付着している切粉や異物を除去することを特徴とする
    電子写真用円筒部材の切削装置。
  5. 【請求項5】 研削時の被加工物の位置を安定に保持す
    るための抑制部材を具備していることを特徴とする請求
    項4の電子写真用円筒部材の研削装置。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5の何れかに記載の研削
    装置によって研削される、被加工物としての円筒部材の
    材質が、アルミニウムまたはアルミニウム合金であるこ
    とを特徴とする電子写真用円筒部材。
JP4618796A 1996-03-04 1996-03-04 電子写真用円筒部材の研削装置 Pending JPH09239648A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20010097296A (ko) * 2000-04-21 2001-11-08 임성순 센터리스 연삭기의 공작물 지지구조
JP2016193486A (ja) * 2015-03-31 2016-11-17 日本碍子株式会社 円柱部材の外周加工装置、及び円柱部材の製造方法

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