JP2005017972A - 現像剤担持体の製造方法および現像担持体、またそれを備えた画像形成装置 - Google Patents
現像剤担持体の製造方法および現像担持体、またそれを備えた画像形成装置 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】振れ精度に優れるとともにトナーの担持能力を長期に渡り維持することができる現像剤担持体の製造方法を提供する。
【解決手段】アルミニウムを熱間で押出し、円筒状に形成する。次に、内周面に台形状、V字状、U字状等の凸部を形成したダイスの内周面から円筒状のアルミニウムを冷間で引き抜きスリーブの外周に軸方向にのびる溝を形成する。次に、スリーブの片側にフランジを圧入して固定し、ジャーナル部5を旋削装置の保持部21に保持して回転させる。バイト23を現像スリーブ2の軸方向にスライドさせて、現像スリーブ2の外周を切削する。また、これと同時にジャーナル部5の外周を切削する。切削加工終了後、磁場発生手段としてのマグネット4を挿入して、スリーブ2の他端にフランジ3を圧入固定して、図3(b)に示す現像ローラ1とする。
【選択図】 図3
【解決手段】アルミニウムを熱間で押出し、円筒状に形成する。次に、内周面に台形状、V字状、U字状等の凸部を形成したダイスの内周面から円筒状のアルミニウムを冷間で引き抜きスリーブの外周に軸方向にのびる溝を形成する。次に、スリーブの片側にフランジを圧入して固定し、ジャーナル部5を旋削装置の保持部21に保持して回転させる。バイト23を現像スリーブ2の軸方向にスライドさせて、現像スリーブ2の外周を切削する。また、これと同時にジャーナル部5の外周を切削する。切削加工終了後、磁場発生手段としてのマグネット4を挿入して、スリーブ2の他端にフランジ3を圧入固定して、図3(b)に示す現像ローラ1とする。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンター等の画像形成装置に用いられる現像装置係り、詳しくは、現像装置の現像剤担持体およびその製造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、潜像が形成された潜像担持体としての感光体の表面にトナーを供給して、トナー像を形成する現像装置を有し、このトナー像を紙などのシート状の転写材に転写するように構成した画像形成装置が知られている。
上記現像装置としては例えば、内部に収容したトナーとキャリアで構成される現像剤を、現像装置内に回動可能に支持された磁石内蔵の現像剤担持体としての現像ローラによって感光体表面に供給して、感光体表面にトナー像を形成するものが知られている。
また、上記現像装置においては、現像スリーブに吸着する現像剤の量を規制するために現像スリーブと所定の間隔をとって現像ローラの軸方向に配設されるドクターブレードが設けられている。
現像ローラが高速で回転しても、現像ローラの筒状部(以下、現像スリーブ)で現像剤がスリップしてドクターブレード近傍に停滞しないように溝加工やサンドブラスト加工等を施して現像スリーブを荒らしているものも知られている(例えば、特許文献1)。
【0003】
この現像スリーブは、次のように加工されている。まず、アルミニウムを熱間で押出し、円筒状に形成する。現像スリーブの材料は、アルミニウムの他に真鍮、ステンレス、導電性樹脂などが使用できるが、コストや精度の面からアルミニウムがよく使用されている。
次に、スリーブ外周面に溝加工やサンドブラスト加工等を施こす。溝加工は、次のようにして形成される。内周面に台形状、V字状、U字状等の凸部を形成したダイスの内周面から円筒状のアルミニウムを冷間で引き抜くことでスリーブの外周に軸方向にのびる溝が形成される。スリーブの溝は、深さ0.02[mm]、本数は50〜100本程度としている。前記溝は、アルミニウムの熱間押出し成形時に形成することもできる。
一方、サンドブラスト加工は、スリーブに冷間で砥粒を吹き付けることで行われる。スリーブの表面粗さは、Rz5〜15[μm]程度としている。
そして、スリーブ両端部にフランジを圧入したり、接着したりして固定することで、現像剤担持体が形成される。
【0004】
上記現像スリーブとドクターブレードとの間隔(以下、ドクターギャップという)は、感光体に供給する現像剤の量を均一にするために厳しい公差精度に設定しなければならない。同様に、感光体と現像スリーブとの間隔(以下、現像ギャップ)は、現像スリーブに担持されているトナーを感光体に静電的に移動されるための電界を一定にするために厳しい公差精度に設定しなければならない。
【0005】
【特許文献1】
実開平7−16943号公報
【特許文献2】
特開平8−74839号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、現像スリーブに振れがあるとドクターギャップや現像ギャップが、現像スリーブの一回転の間に変動してしまう。ドクターギャップが変動してしまうと、トナーが感光体表面に均一に供給されず、画像濃度の濃淡ムラが生じる。また、現像ギャップが変動してしまうと、電界が変動してしまい、トナーの感光体への移動量が変化して同じく画像濃度の濃淡ムラが生じる。
このような現象を抑えるためには、現像スリーブの振れ精度を高くする必要があるが、上述のような加工方法では、30μm以下の振れ精度を出すことは、困難であった。
そこで、特許文献2には、現像スリーブの振れを抑えるために、現像スリーブおよび軸部材を切削加工または研削加工して振れ精度を向上させた後、サンドブラスト加工を施したものが記載されている。しかしながら、前記サンドブラスト加工を施した場合、現像スリーブを経時的に使用するうちに、現像剤との磨耗などで微細な凹凸がなくなり現像剤搬送能力が低下する場合があった。このため、経時的に現像剤搬送能力を維持するためには、溝を形成する方法が有効である。
【0007】
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、振れ精度に優れるとともにトナーの担持能力を長期に渡り維持することができる現像剤担持体の製造方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、潜像を表面に形成した潜像担持体に対向して回動可能に配置され、該潜像を可視像化すべく該潜像担持体に現像剤を供給する現像剤担持体の製造方法において、該現像剤担持体の表面に、溝を形成するとともに、該現像剤担持体の外周に振れ精度を高める加工を施すことを特徴とする現像剤担持体の製造方法。
また、請求項2の現像剤担持体の製造方法は、請求項1の現像剤担持体の製造方法において、前記溝形成した後、前記切削加工を施すことを特徴とするものである。
また、請求項3の現像剤担持体の製造方法は、請求項1または2の現像剤担持体の製造方法において、前記現像剤担持体は筒状部を有しており、該筒状部がビッカース硬度60以上のアルミニウムであることを特徴とするものである。
また、請求項4の現像剤担持体の製造方法は、請求項1、2または3の現像剤担持体の製造方法において、前記像担持体の筒状部の両端には、フランジ部が固着されており、該フランジ部の中心に、外側に突出するジャーナル部を有しており、該ジャーナル部を基準にして、切削加工をおこなうことを特徴とするものである。
また、請求項5の現像剤担持体の製造方法は、請求項4の現像剤担持体の製造方法において、前記切削加工は、ジャーナル部外周と筒状部に施すことを特徴とするものである。
また、請求項6の現像担持体は、請求項1、2、3、4または5の現像剤担持体の製造方法によって製造されたことを特徴とするものである。
また、請求項7の現像装置は、請求項6の現像剤担持体を備えたことを特徴とするものである。
請求項1乃至5の発明によれば、外周に軸方向にのびる溝を形成した現像スリーブの外周振れ精度が、切削加工によって向上する。これにより、現像スリーブの振れ精度が高くなり、現像スリーブの一周回転におけるドクターギャップや現像ギャップの変動が抑えられる。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の加工方法を適用して作成された現像剤担持体としての現像ローラの概略図である。この現像ローラ1の外周には、軸方向にのびる複数の溝が形成された円筒状の現像スリーブ2と、その両端部にそれぞれ固定されたフランジ3a、3bを備えている。図中左側のフランジ3aの中心には、前記現像スリーブ2の内部に設けられている磁場発生手段としてのマグネット4から伸びる軸が挿入される孔が設けられている。この孔の周囲には、軸方向外側にのびるボス部5aが形成され、このボス部5aが現像スリーブのジャーナル部になっている。そして、もう一方側(図中右側)のフランジ3bの中心に軸方向外側にのびる現像スリーブのジャーナル部5bが設けられている。また、ドクターブレード6が、現像スリーブ2と所定の間隔をとって現像スリーブ2の軸方向にのびるている。
また、図中右側のもう一方のフランジ3bの中心には、スリーブのジャーナル部3bには、更に軸方向外側にのびる現像ローラのジャーナル部5cが設けられている。もう一方の現像ローラのジャーナル部5dは、マグネット72からのびる軸で構成する。これら、現像ローラのジャーナル部は、後述する現像装置に支持される。
【0010】
図2は、画像形成装置に組み込まれた現像装置の概略図である。現像装置は、図2に示すように、感光体ドラム10との対向位置に現像ローラ1が感光体ドラムと隙間を有して設けている。感光体10周辺には、現像装置以外に図示しない帯電装置と、露光装置と、転写装置と、クリーニング装置とが備えられている。
現像ローラ1の現像装置への組み込みは、現像ローラ1のジャーナル部5c、5dが現像装置のケースに圧入された軸受に回転自在に支持されることで行われる。この現像ローラ1は、図示しない駆動手段によって図中反時計回りに回転する。現像ローラ1の内部のマグネット4は、図の点線に示すような磁力線を発している。現像装置内には、現像ローラ1に隣あうように攪拌ローラ7が配置されている。この攪拌ローラ7も図示しない駆動手段によって図中反時計回りに回転する。そして、この現像装置内には、トナーと磁性キャリアを含む二成分系の現像剤が内包されている。
【0011】
感光体10は、帯電装置により、その表面を一様に帯電され、露光装置によって、その表面に潜像が形成される。
そして、感光体10に形成された潜像は、次のような現像工程を経て現像される。現像装置内の現像剤が攪拌ローラ7によって攪拌され、トナーが帯電する。それと同時に、現像剤は、攪拌ローラ7によって現像ローラ1へ搬送される。攪拌ローラ7によって搬送された現像剤の中の磁性キャリアは、マグネット4から出る磁力線に沿うようにして、現像スリーブ上に汲み上げられる。そして、この磁性キャリアに現像剤中の帯電したトナーが付着する。この現像スリーブ上の現像剤は、現像スリーブの回転に伴い感光体10へ搬送される。搬送方向の上流には、ドクターブレード6が設置されており、感光体10に搬送される現像剤の量を規制する。ドクターブレード6によって薄層化された現像剤は、感光体10へ搬送される。そして、図示しない現像バイアス電源によって現像スリーブに現像バイアスを印加して、現像スリーブと感光体10との間に現像電界を形成する。この現像電界によって、現像スリーブ上の帯電したトナーが感光体10に供給される。これにより、感光体10の潜像が現像されトナー像が形成される。現像終了後の磁性キャリアは現像スリーブによって搬送され、再び現像剤装置内に戻される。
そして、感光体10に形成されたトナー像は、転写装置によって紙などのシート状の転写材に転写される。転写材に転写されたトナー像は、定着装置によって転写材に定着されて、転写材上に画像が形成される。一方、感光体10表面に残ったトナーは、クリーニング装置により感光体表面から除去される。
【0012】
次に、本発明を用いた現像スリーブの製造方法について説明する。まず、アルミニウムを熱間で押出し、円筒状に形成する。現像スリーブの材料は、アルミニウムの他に真鍮、ステンレス、導電性樹脂などが使用できるが、コストや精度の面からアルミニウムを使用する。次に、内周面に台形状、V字状、U字状等の凸部を形成したダイスの内周面から円筒状のアルミニウムを冷間で引き抜きスリーブの外周に軸方向にのびる溝を形成する。スリーブの溝は、溝深さがスリーブの肉厚の5〜10%、溝ピッチ7度以下となるように形成される。また、ダイスの内径をスリーブの外径と同一または、僅かに小さくして、溝形成と同時にスリーブの振れ精度および外径を所望の寸法に近づけておいても良い。また、上述では、冷間引き抜き加工によって、溝を形成しているが、熱間押出製造時に溝を形成しても良い。
【0013】
次に、スリーブの片側(図中左側)にフランジを圧入して固定する。固定したフランジには、ボス部5aが形成されている。このボス部5aは、スリーブのジャーナル部として機能する。このボス部5aを基準として、スリーブの切削加工を行う。その状態を図3(a)に示す。ボス部5aを旋削装置の保持部21に保持する。切削装置のガイド部22にスリーブ2のもう一端を保持する。保持部21を回転させて、スリーブ2を回転させる。そして、バイト23を現像スリーブ2の軸方向にスライドさせて、現像スリーブ2の振れが20[μm]以下となるまで切削する。また、これと同時にボス部5aの外周を切削して、ボス部5aの振れも20[μm]以下とする。そして、切削加工終了後、磁場発生手段としてのマグネット4を挿入して、スリーブ2の他端にフランジ3を圧入固定して、図3(b)に示す現像ローラ1とする。
【0014】
上述においては、スリーブの一方の端部にフランジを圧入固定して、切削加工しているがこれに限られない。例えば、図4に示すように、マグネット4を挿入して、スリーブ2の両端にフランジ3を圧入固定した後に切削加工を施しても良い。この場合、スリーブ一端は、スリーブのジャーナル部としてのボス部5aおよび現像ローラのジャーナル部5dとしてのマグネット72からのびる軸が旋削装置の保持部21に保持される。スリーブのもう一端も同様に、スリーブのジャーナル部として機能する5bおよび現像ローラのジャーナル部として機能する5cが旋削装置の保持部21に保持される。そして、これら保持部21を回転させて、スリーブ2を回転させる。バイト23を現像スリーブ2の軸方向にスライドさせて、現像スリーブ2の振れが20[μm]以下となるまで切削する。これにより、現像ローラのジャーナル部両方を基準にスリーブの外周が切削加工されることとなる。
【0015】
次に、スリーブの材料にアルミニウムを使用した時の硬度、スリーブ表面の加工方法、振れ精度加工方法などの違いが、画像にどのように影響するかを調べた。
実施例1〜6のスリーブには、V字状の溝が円周上100本設けられている。そして、実施例7のスリーブには、前記溝の代わりにRz10[μm]のサンドブラスト処理が施されている。
また、実施例1〜5は、上述と同様に、熱間押出しにより、アルミニウムの素管を作成し、この素管に冷間引き抜きによる溝加工を施した後、切削加工によって振れを20[μm]としたものである。
実施例6は、溝加工までは、前記実施例1〜5と同一の加工方法で作成し、振れ精度を20[μm]にする加工を研削加工とした例である。
実施例7は、ビッカース硬度60のアルミニウム材を他の実施例同様、熱間押出しにより、素管を作成する。次に、研削加工によってスリーブの振れを20[μm]にした後、サンドブラスト加工によって、スリーブ表面を荒らしているものである。
これらの現像スリーブを画像形成装置に組み込んで、画像の状態を評価した。その結果を以下に示す。
【0016】
【表1】
【0017】
実施例1〜2は、使用初期時から画像の濃度低下が確認された。これは、バリがスリーブに多く発生してしまい、このバリによって、現像剤の汲み上げが邪魔され、現像剤の搬送性が十分でなくなってしまったためと考えられる。
実施例3は、現像剤の搬送性に問題はなく、使用初期時には問題がなかったが、長期使用するにつれて、画像の乱れが確認された。これは、スリーブに付着したバリが剥離して感光体を傷つけてしまったため起こったと考えられる。
また、実施例6も実施例1、2と同様に使用初期時から画像の濃度低下が確認された。これは、研削加工によって発生した削りカスが溝に詰まり、現像剤を搬送するために必要な溝深さを確保できないために起こったと考えられる。
実施例7は、使用初期時には画像の濃度低下は見られなかったが、長期に使用するに従い、画像の濃度低下が確認された。これは、長期に使用するにつれて、現像剤との磨耗などによってで微細な凹凸がなくなり現像剤の搬送能力が低下したためと考えられる。
実施例4は、多少のバリは見られたものの、画像に影響を及ぼすことはなかった。また、実施例5は、バリの発生はほとんどなく、画像に影響を及ぼすことはなかった。また、実施例4、5のスリーブは、5万枚コピー後も画像の低下は見られず、良好な画像を維持することができた。
【0018】
以上の結果から、スリーブの材料にアルミニウムを使用する場合は、ビッカース硬度が60以上のものを用いると良いことがわかる。ビッカース硬度60以上のアルミニウムのスリーブを溝加工後、切削加工を行うことで使用初期時から、長期間に渡り高精度の画質が得られることがわかる。
【0019】
本実施形態によれば、現像スリーブは、外周に軸方向にのびる溝を備えている。よって、現像スリーブの外周をサンドブラスト加工によって荒らしたものよりも、現像剤の搬送能力が長期間に渡り維持することができる。
また、本実施形態によれば、外周に軸方向にのびる溝を形成した現像スリーブの外周を加工して振れ精度を高めている。これにより、現像スリーブの一周回転におけるドクターギャップや現像ギャップの変動が抑えられる。よって、これらのギャップ変動によって引き起こされる画像の乱れを防止することができる。
また、本実施形態によれば、溝を形成した後、外周に切削加工を施すようにしている。切削加工によって振れ精度を高めた後に、溝の形成を行うと、溝加工時に現像スリーブにかかる応力によって、現像スリーブが変形し、振れ精度が悪くなる場合がある。しかし、溝形成後に切削加工で振れ精度を高めることで、振れ精度に優れた現像スリーブとすることができ、ギャップ変動によって引き起こされる画像の乱れを防止することができる。また、切削加工によって振れ精度を高めている。これにより、研削加工のように削りカスが溝に溜まることがない。この結果、現像剤搬送能力を発揮する溝深さが確保され、現像ローラを高速回転させても、確実に現像剤を搬送することができる。
また、本実施形態によれば、現像スリーブの材料をビッカース硬度60以上のアルミニウムとしている。これにより、切削加工を施しても、外周にバリが付着することがなくなり、装置作動中にバリが剥がれて画像に悪影響を与えることがなくなる。また、硬度が高いため、磨耗しにくくなり、現像剤等との磨耗による溝深さの減りが遅くなる。この結果、長期に渡り、トナー搬送能力を維持することができる。
また、本実施形態によれば、振れ精度を高める加工をスリーブや現像ローラのジャーナル部となる部材を基準に行う。スリーブのジャーナル部は、ドクターブレードに回転自在に支持される。よって、ドクターブレードに対するスリーブ回転は、スリーブのジャーナル部を基準に行われる。従って、現像スリーブのジャーナル部を基準に振れ精度を高める切削加工を施すことで、ドクターブレードとスリーブとの振れ精度が高く維持されることとなる。この結果、ドクターブレードとスリーブとのギャップ変動をさらに抑えることができ、画像の乱れをより一層防止することができる。また、現像ローラは、現像ローラのジャーナル部が現像装置に回転自在に支持されることで、現像装置に組み込まれる。よって、現像ローラの回転は、前記現像ローラのジャーナル部を基準に回転することとなる。従って、現像ローラのジャーナル部を基準に振れ精度を高める切削加工を施すことで、現像装置に組み込んでも高い振れ精度が維持されることとなる。この結果、感光体と現像ローラとのギャップ変動をさらに抑えることができ、画像の乱れをより一層防止することができる。
また、本実施形態によれば、スリーブの切削加工時にジャーナル部の外周も切削加工しジャーナル部の振れ精度も高めている。これによって、現像装置取り付け時の振れ精度が更に向上する。この結果、ギャップ変動をさらに抑えることができ、画像の乱れをより一層防止することができる。
また、本実施形態によれば、現像装置の現像ローラを上述の製造方法によって製造された現像ローラとしている。これにより、振れ精度に優れ、高速・高画質のトナー像形成に適応できる画像形成装置とすることができる。
【0020】
【発明の効果】
請求項1乃至6の発明によれば、現像スリーブの振れが抑えられ、ドクターギャップや現像ギャップの変動によって引き起こされる画像の乱れを防止することができるという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係る現像ローラの要部の説明図。
【図2】実施形態に係る画像形成装置の要部説明図。
【図3】実施形態に係る現像スリーブの切削加工を示す図。
【図4】実施形態に係る現像スリーブの切削加工の他の例を示す図。
【符号の説明】
1 現像ローラ
2 スリーブ
3 フランジ
4 マグネット
5 ジャーナル部
6 ドクターブレード
7 攪拌ローラ
10 感光体
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンター等の画像形成装置に用いられる現像装置係り、詳しくは、現像装置の現像剤担持体およびその製造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、潜像が形成された潜像担持体としての感光体の表面にトナーを供給して、トナー像を形成する現像装置を有し、このトナー像を紙などのシート状の転写材に転写するように構成した画像形成装置が知られている。
上記現像装置としては例えば、内部に収容したトナーとキャリアで構成される現像剤を、現像装置内に回動可能に支持された磁石内蔵の現像剤担持体としての現像ローラによって感光体表面に供給して、感光体表面にトナー像を形成するものが知られている。
また、上記現像装置においては、現像スリーブに吸着する現像剤の量を規制するために現像スリーブと所定の間隔をとって現像ローラの軸方向に配設されるドクターブレードが設けられている。
現像ローラが高速で回転しても、現像ローラの筒状部(以下、現像スリーブ)で現像剤がスリップしてドクターブレード近傍に停滞しないように溝加工やサンドブラスト加工等を施して現像スリーブを荒らしているものも知られている(例えば、特許文献1)。
【0003】
この現像スリーブは、次のように加工されている。まず、アルミニウムを熱間で押出し、円筒状に形成する。現像スリーブの材料は、アルミニウムの他に真鍮、ステンレス、導電性樹脂などが使用できるが、コストや精度の面からアルミニウムがよく使用されている。
次に、スリーブ外周面に溝加工やサンドブラスト加工等を施こす。溝加工は、次のようにして形成される。内周面に台形状、V字状、U字状等の凸部を形成したダイスの内周面から円筒状のアルミニウムを冷間で引き抜くことでスリーブの外周に軸方向にのびる溝が形成される。スリーブの溝は、深さ0.02[mm]、本数は50〜100本程度としている。前記溝は、アルミニウムの熱間押出し成形時に形成することもできる。
一方、サンドブラスト加工は、スリーブに冷間で砥粒を吹き付けることで行われる。スリーブの表面粗さは、Rz5〜15[μm]程度としている。
そして、スリーブ両端部にフランジを圧入したり、接着したりして固定することで、現像剤担持体が形成される。
【0004】
上記現像スリーブとドクターブレードとの間隔(以下、ドクターギャップという)は、感光体に供給する現像剤の量を均一にするために厳しい公差精度に設定しなければならない。同様に、感光体と現像スリーブとの間隔(以下、現像ギャップ)は、現像スリーブに担持されているトナーを感光体に静電的に移動されるための電界を一定にするために厳しい公差精度に設定しなければならない。
【0005】
【特許文献1】
実開平7−16943号公報
【特許文献2】
特開平8−74839号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、現像スリーブに振れがあるとドクターギャップや現像ギャップが、現像スリーブの一回転の間に変動してしまう。ドクターギャップが変動してしまうと、トナーが感光体表面に均一に供給されず、画像濃度の濃淡ムラが生じる。また、現像ギャップが変動してしまうと、電界が変動してしまい、トナーの感光体への移動量が変化して同じく画像濃度の濃淡ムラが生じる。
このような現象を抑えるためには、現像スリーブの振れ精度を高くする必要があるが、上述のような加工方法では、30μm以下の振れ精度を出すことは、困難であった。
そこで、特許文献2には、現像スリーブの振れを抑えるために、現像スリーブおよび軸部材を切削加工または研削加工して振れ精度を向上させた後、サンドブラスト加工を施したものが記載されている。しかしながら、前記サンドブラスト加工を施した場合、現像スリーブを経時的に使用するうちに、現像剤との磨耗などで微細な凹凸がなくなり現像剤搬送能力が低下する場合があった。このため、経時的に現像剤搬送能力を維持するためには、溝を形成する方法が有効である。
【0007】
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、振れ精度に優れるとともにトナーの担持能力を長期に渡り維持することができる現像剤担持体の製造方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、潜像を表面に形成した潜像担持体に対向して回動可能に配置され、該潜像を可視像化すべく該潜像担持体に現像剤を供給する現像剤担持体の製造方法において、該現像剤担持体の表面に、溝を形成するとともに、該現像剤担持体の外周に振れ精度を高める加工を施すことを特徴とする現像剤担持体の製造方法。
また、請求項2の現像剤担持体の製造方法は、請求項1の現像剤担持体の製造方法において、前記溝形成した後、前記切削加工を施すことを特徴とするものである。
また、請求項3の現像剤担持体の製造方法は、請求項1または2の現像剤担持体の製造方法において、前記現像剤担持体は筒状部を有しており、該筒状部がビッカース硬度60以上のアルミニウムであることを特徴とするものである。
また、請求項4の現像剤担持体の製造方法は、請求項1、2または3の現像剤担持体の製造方法において、前記像担持体の筒状部の両端には、フランジ部が固着されており、該フランジ部の中心に、外側に突出するジャーナル部を有しており、該ジャーナル部を基準にして、切削加工をおこなうことを特徴とするものである。
また、請求項5の現像剤担持体の製造方法は、請求項4の現像剤担持体の製造方法において、前記切削加工は、ジャーナル部外周と筒状部に施すことを特徴とするものである。
また、請求項6の現像担持体は、請求項1、2、3、4または5の現像剤担持体の製造方法によって製造されたことを特徴とするものである。
また、請求項7の現像装置は、請求項6の現像剤担持体を備えたことを特徴とするものである。
請求項1乃至5の発明によれば、外周に軸方向にのびる溝を形成した現像スリーブの外周振れ精度が、切削加工によって向上する。これにより、現像スリーブの振れ精度が高くなり、現像スリーブの一周回転におけるドクターギャップや現像ギャップの変動が抑えられる。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の加工方法を適用して作成された現像剤担持体としての現像ローラの概略図である。この現像ローラ1の外周には、軸方向にのびる複数の溝が形成された円筒状の現像スリーブ2と、その両端部にそれぞれ固定されたフランジ3a、3bを備えている。図中左側のフランジ3aの中心には、前記現像スリーブ2の内部に設けられている磁場発生手段としてのマグネット4から伸びる軸が挿入される孔が設けられている。この孔の周囲には、軸方向外側にのびるボス部5aが形成され、このボス部5aが現像スリーブのジャーナル部になっている。そして、もう一方側(図中右側)のフランジ3bの中心に軸方向外側にのびる現像スリーブのジャーナル部5bが設けられている。また、ドクターブレード6が、現像スリーブ2と所定の間隔をとって現像スリーブ2の軸方向にのびるている。
また、図中右側のもう一方のフランジ3bの中心には、スリーブのジャーナル部3bには、更に軸方向外側にのびる現像ローラのジャーナル部5cが設けられている。もう一方の現像ローラのジャーナル部5dは、マグネット72からのびる軸で構成する。これら、現像ローラのジャーナル部は、後述する現像装置に支持される。
【0010】
図2は、画像形成装置に組み込まれた現像装置の概略図である。現像装置は、図2に示すように、感光体ドラム10との対向位置に現像ローラ1が感光体ドラムと隙間を有して設けている。感光体10周辺には、現像装置以外に図示しない帯電装置と、露光装置と、転写装置と、クリーニング装置とが備えられている。
現像ローラ1の現像装置への組み込みは、現像ローラ1のジャーナル部5c、5dが現像装置のケースに圧入された軸受に回転自在に支持されることで行われる。この現像ローラ1は、図示しない駆動手段によって図中反時計回りに回転する。現像ローラ1の内部のマグネット4は、図の点線に示すような磁力線を発している。現像装置内には、現像ローラ1に隣あうように攪拌ローラ7が配置されている。この攪拌ローラ7も図示しない駆動手段によって図中反時計回りに回転する。そして、この現像装置内には、トナーと磁性キャリアを含む二成分系の現像剤が内包されている。
【0011】
感光体10は、帯電装置により、その表面を一様に帯電され、露光装置によって、その表面に潜像が形成される。
そして、感光体10に形成された潜像は、次のような現像工程を経て現像される。現像装置内の現像剤が攪拌ローラ7によって攪拌され、トナーが帯電する。それと同時に、現像剤は、攪拌ローラ7によって現像ローラ1へ搬送される。攪拌ローラ7によって搬送された現像剤の中の磁性キャリアは、マグネット4から出る磁力線に沿うようにして、現像スリーブ上に汲み上げられる。そして、この磁性キャリアに現像剤中の帯電したトナーが付着する。この現像スリーブ上の現像剤は、現像スリーブの回転に伴い感光体10へ搬送される。搬送方向の上流には、ドクターブレード6が設置されており、感光体10に搬送される現像剤の量を規制する。ドクターブレード6によって薄層化された現像剤は、感光体10へ搬送される。そして、図示しない現像バイアス電源によって現像スリーブに現像バイアスを印加して、現像スリーブと感光体10との間に現像電界を形成する。この現像電界によって、現像スリーブ上の帯電したトナーが感光体10に供給される。これにより、感光体10の潜像が現像されトナー像が形成される。現像終了後の磁性キャリアは現像スリーブによって搬送され、再び現像剤装置内に戻される。
そして、感光体10に形成されたトナー像は、転写装置によって紙などのシート状の転写材に転写される。転写材に転写されたトナー像は、定着装置によって転写材に定着されて、転写材上に画像が形成される。一方、感光体10表面に残ったトナーは、クリーニング装置により感光体表面から除去される。
【0012】
次に、本発明を用いた現像スリーブの製造方法について説明する。まず、アルミニウムを熱間で押出し、円筒状に形成する。現像スリーブの材料は、アルミニウムの他に真鍮、ステンレス、導電性樹脂などが使用できるが、コストや精度の面からアルミニウムを使用する。次に、内周面に台形状、V字状、U字状等の凸部を形成したダイスの内周面から円筒状のアルミニウムを冷間で引き抜きスリーブの外周に軸方向にのびる溝を形成する。スリーブの溝は、溝深さがスリーブの肉厚の5〜10%、溝ピッチ7度以下となるように形成される。また、ダイスの内径をスリーブの外径と同一または、僅かに小さくして、溝形成と同時にスリーブの振れ精度および外径を所望の寸法に近づけておいても良い。また、上述では、冷間引き抜き加工によって、溝を形成しているが、熱間押出製造時に溝を形成しても良い。
【0013】
次に、スリーブの片側(図中左側)にフランジを圧入して固定する。固定したフランジには、ボス部5aが形成されている。このボス部5aは、スリーブのジャーナル部として機能する。このボス部5aを基準として、スリーブの切削加工を行う。その状態を図3(a)に示す。ボス部5aを旋削装置の保持部21に保持する。切削装置のガイド部22にスリーブ2のもう一端を保持する。保持部21を回転させて、スリーブ2を回転させる。そして、バイト23を現像スリーブ2の軸方向にスライドさせて、現像スリーブ2の振れが20[μm]以下となるまで切削する。また、これと同時にボス部5aの外周を切削して、ボス部5aの振れも20[μm]以下とする。そして、切削加工終了後、磁場発生手段としてのマグネット4を挿入して、スリーブ2の他端にフランジ3を圧入固定して、図3(b)に示す現像ローラ1とする。
【0014】
上述においては、スリーブの一方の端部にフランジを圧入固定して、切削加工しているがこれに限られない。例えば、図4に示すように、マグネット4を挿入して、スリーブ2の両端にフランジ3を圧入固定した後に切削加工を施しても良い。この場合、スリーブ一端は、スリーブのジャーナル部としてのボス部5aおよび現像ローラのジャーナル部5dとしてのマグネット72からのびる軸が旋削装置の保持部21に保持される。スリーブのもう一端も同様に、スリーブのジャーナル部として機能する5bおよび現像ローラのジャーナル部として機能する5cが旋削装置の保持部21に保持される。そして、これら保持部21を回転させて、スリーブ2を回転させる。バイト23を現像スリーブ2の軸方向にスライドさせて、現像スリーブ2の振れが20[μm]以下となるまで切削する。これにより、現像ローラのジャーナル部両方を基準にスリーブの外周が切削加工されることとなる。
【0015】
次に、スリーブの材料にアルミニウムを使用した時の硬度、スリーブ表面の加工方法、振れ精度加工方法などの違いが、画像にどのように影響するかを調べた。
実施例1〜6のスリーブには、V字状の溝が円周上100本設けられている。そして、実施例7のスリーブには、前記溝の代わりにRz10[μm]のサンドブラスト処理が施されている。
また、実施例1〜5は、上述と同様に、熱間押出しにより、アルミニウムの素管を作成し、この素管に冷間引き抜きによる溝加工を施した後、切削加工によって振れを20[μm]としたものである。
実施例6は、溝加工までは、前記実施例1〜5と同一の加工方法で作成し、振れ精度を20[μm]にする加工を研削加工とした例である。
実施例7は、ビッカース硬度60のアルミニウム材を他の実施例同様、熱間押出しにより、素管を作成する。次に、研削加工によってスリーブの振れを20[μm]にした後、サンドブラスト加工によって、スリーブ表面を荒らしているものである。
これらの現像スリーブを画像形成装置に組み込んで、画像の状態を評価した。その結果を以下に示す。
【0016】
【表1】
【0017】
実施例1〜2は、使用初期時から画像の濃度低下が確認された。これは、バリがスリーブに多く発生してしまい、このバリによって、現像剤の汲み上げが邪魔され、現像剤の搬送性が十分でなくなってしまったためと考えられる。
実施例3は、現像剤の搬送性に問題はなく、使用初期時には問題がなかったが、長期使用するにつれて、画像の乱れが確認された。これは、スリーブに付着したバリが剥離して感光体を傷つけてしまったため起こったと考えられる。
また、実施例6も実施例1、2と同様に使用初期時から画像の濃度低下が確認された。これは、研削加工によって発生した削りカスが溝に詰まり、現像剤を搬送するために必要な溝深さを確保できないために起こったと考えられる。
実施例7は、使用初期時には画像の濃度低下は見られなかったが、長期に使用するに従い、画像の濃度低下が確認された。これは、長期に使用するにつれて、現像剤との磨耗などによってで微細な凹凸がなくなり現像剤の搬送能力が低下したためと考えられる。
実施例4は、多少のバリは見られたものの、画像に影響を及ぼすことはなかった。また、実施例5は、バリの発生はほとんどなく、画像に影響を及ぼすことはなかった。また、実施例4、5のスリーブは、5万枚コピー後も画像の低下は見られず、良好な画像を維持することができた。
【0018】
以上の結果から、スリーブの材料にアルミニウムを使用する場合は、ビッカース硬度が60以上のものを用いると良いことがわかる。ビッカース硬度60以上のアルミニウムのスリーブを溝加工後、切削加工を行うことで使用初期時から、長期間に渡り高精度の画質が得られることがわかる。
【0019】
本実施形態によれば、現像スリーブは、外周に軸方向にのびる溝を備えている。よって、現像スリーブの外周をサンドブラスト加工によって荒らしたものよりも、現像剤の搬送能力が長期間に渡り維持することができる。
また、本実施形態によれば、外周に軸方向にのびる溝を形成した現像スリーブの外周を加工して振れ精度を高めている。これにより、現像スリーブの一周回転におけるドクターギャップや現像ギャップの変動が抑えられる。よって、これらのギャップ変動によって引き起こされる画像の乱れを防止することができる。
また、本実施形態によれば、溝を形成した後、外周に切削加工を施すようにしている。切削加工によって振れ精度を高めた後に、溝の形成を行うと、溝加工時に現像スリーブにかかる応力によって、現像スリーブが変形し、振れ精度が悪くなる場合がある。しかし、溝形成後に切削加工で振れ精度を高めることで、振れ精度に優れた現像スリーブとすることができ、ギャップ変動によって引き起こされる画像の乱れを防止することができる。また、切削加工によって振れ精度を高めている。これにより、研削加工のように削りカスが溝に溜まることがない。この結果、現像剤搬送能力を発揮する溝深さが確保され、現像ローラを高速回転させても、確実に現像剤を搬送することができる。
また、本実施形態によれば、現像スリーブの材料をビッカース硬度60以上のアルミニウムとしている。これにより、切削加工を施しても、外周にバリが付着することがなくなり、装置作動中にバリが剥がれて画像に悪影響を与えることがなくなる。また、硬度が高いため、磨耗しにくくなり、現像剤等との磨耗による溝深さの減りが遅くなる。この結果、長期に渡り、トナー搬送能力を維持することができる。
また、本実施形態によれば、振れ精度を高める加工をスリーブや現像ローラのジャーナル部となる部材を基準に行う。スリーブのジャーナル部は、ドクターブレードに回転自在に支持される。よって、ドクターブレードに対するスリーブ回転は、スリーブのジャーナル部を基準に行われる。従って、現像スリーブのジャーナル部を基準に振れ精度を高める切削加工を施すことで、ドクターブレードとスリーブとの振れ精度が高く維持されることとなる。この結果、ドクターブレードとスリーブとのギャップ変動をさらに抑えることができ、画像の乱れをより一層防止することができる。また、現像ローラは、現像ローラのジャーナル部が現像装置に回転自在に支持されることで、現像装置に組み込まれる。よって、現像ローラの回転は、前記現像ローラのジャーナル部を基準に回転することとなる。従って、現像ローラのジャーナル部を基準に振れ精度を高める切削加工を施すことで、現像装置に組み込んでも高い振れ精度が維持されることとなる。この結果、感光体と現像ローラとのギャップ変動をさらに抑えることができ、画像の乱れをより一層防止することができる。
また、本実施形態によれば、スリーブの切削加工時にジャーナル部の外周も切削加工しジャーナル部の振れ精度も高めている。これによって、現像装置取り付け時の振れ精度が更に向上する。この結果、ギャップ変動をさらに抑えることができ、画像の乱れをより一層防止することができる。
また、本実施形態によれば、現像装置の現像ローラを上述の製造方法によって製造された現像ローラとしている。これにより、振れ精度に優れ、高速・高画質のトナー像形成に適応できる画像形成装置とすることができる。
【0020】
【発明の効果】
請求項1乃至6の発明によれば、現像スリーブの振れが抑えられ、ドクターギャップや現像ギャップの変動によって引き起こされる画像の乱れを防止することができるという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係る現像ローラの要部の説明図。
【図2】実施形態に係る画像形成装置の要部説明図。
【図3】実施形態に係る現像スリーブの切削加工を示す図。
【図4】実施形態に係る現像スリーブの切削加工の他の例を示す図。
【符号の説明】
1 現像ローラ
2 スリーブ
3 フランジ
4 マグネット
5 ジャーナル部
6 ドクターブレード
7 攪拌ローラ
10 感光体
Claims (7)
- 潜像を表面に形成した潜像担持体に対向して回動可能に配置され、該潜像をトナー像化すべく該潜像担持体に現像剤を供給する現像剤担持体の製造方法において、該現像剤担持体の表面に溝を形成するとともに、該現像剤担持体の外周に振れ精度を高める加工を施すことを特徴とする現像剤担持体の製造方法。
- 請求項1の現像剤担持体の製造方法において、前記溝を形成した後、前記切削加工を施すことを特徴とする現像剤担持体の製造方法。
- 請求項1または2の現像剤担持体の製造方法において、前記現像剤担持体は筒状部を有しており、該筒状部がビッカース硬度60以上のアルミニウムであることを特徴とする現像剤担持体の製造方法。
- 請求項1、2または3の現像剤担持体の製造方法において、前記像担持体の筒状部の両端には、フランジ部が固着されており、該フランジ部の中心に、外側に突出するジャーナル部を有し、該ジャーナル部を基準にして、切削加工をおこなうことを特徴とする現像剤担持体の製造方法。
- 請求項4の現像剤担持体の製造方法において、前記切削加工は、ジャーナル部外周と筒状部外周に施すことを特徴とする現像剤担持体の製造方法。
- 請求項1、2、3、4または5の現像剤担持体の製造方法によって製造されたことを特徴とする現像剤担持体。
- 請求項6の現像剤担持体を備えたことを特徴とする画像形成装置。
Priority Applications (1)
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JP2003186127A JP2005017972A (ja) | 2003-06-30 | 2003-06-30 | 現像剤担持体の製造方法および現像担持体、またそれを備えた画像形成装置 |
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Cited By (3)
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JP2009145474A (ja) * | 2007-12-12 | 2009-07-02 | Konica Minolta Business Technologies Inc | 現像装置 |
JP2009145473A (ja) * | 2007-12-12 | 2009-07-02 | Konica Minolta Business Technologies Inc | 現像装置 |
US9341987B2 (en) | 2014-03-14 | 2016-05-17 | Fuji Xerox Co., Ltd. | Development roller, developing device, and image forming apparatus |
-
2003
- 2003-06-30 JP JP2003186127A patent/JP2005017972A/ja active Pending
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