JP2007147682A - 現像装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】スクリュピッチムラの無い均一の画像を得ることができる現像装置と、かかる現像装置を有するプロセスカートリッジ及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】現像装置10は現像ローラ4と現像剤供給部7と仕切り部材12とを備えている。現像ローラ4は芯金14とマグネットローラ6と現像スリーブ5を備えている。マグネットローラ6は固定磁極N1,S1,N2,S2,N3を有している。仕切り部材12は、その一面12aが現像剤汲み上げ磁極である固定磁極N3の径方向外側に位置する現像スリーブ5の外表面に摺接するように、固定磁極N3と現像剤供給部7との間に固定的に設けられている。
【選択図】図1
【解決手段】現像装置10は現像ローラ4と現像剤供給部7と仕切り部材12とを備えている。現像ローラ4は芯金14とマグネットローラ6と現像スリーブ5を備えている。マグネットローラ6は固定磁極N1,S1,N2,S2,N3を有している。仕切り部材12は、その一面12aが現像剤汲み上げ磁極である固定磁極N3の径方向外側に位置する現像スリーブ5の外表面に摺接するように、固定磁極N3と現像剤供給部7との間に固定的に設けられている。
【選択図】図1
Description
本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンター等に用いられる現象装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置及に関し、さらに詳しくは、非磁性円筒体に担持された現像剤を、感光体と非磁性円筒体とが間隙をもって対向する現像領域に搬送し、該感光体上の静電潜像を現像してトナー像を形成する現像装置に関する。また、本発明は、かかる現像装置を有するプロセスカートリッジ及び画像形成装置に関する。
複写機、ファクシミリ、プリンター等の画像形成装置には、種々の現像装置(例えば、特許文献1ないし3を参照。)が用いられる。かかる現像装置100は、図4に示すように、現像剤101を像担持体としての感光体102と対向する現像領域103に搬送し、感光体102上に形成された静電潜像を現像剤101により現像してトナー像を形成する現像ローラ104を備えている。
この現像ローラ104は、非磁性円筒体としての現像スリーブ105と、前記現像スリーブ105内に内包されかつ、当該現像スリーブ105の表面に現像剤101の穂立ちを生じさせるように磁界を形成するマグネットローラ106を有している。この現像ローラ104には、現像剤101の穂立ちの際、現像剤101の磁性キャリアがマグネットローラ106で生じる磁力線に沿うように現像スリーブ105上に穂立ちすると共に、この穂立ちした磁性キャリアに現像剤101のトナーが付着する。
また、上記現像装置100は、前述した現像剤101を収容する収容槽107a,107bと、この収容槽107a,107b内の現像剤101を攪拌する一対の攪拌スクリュー108と、現像ローラ104に汲み上げられた現像剤101の量を均一化する規制ブレード109と、を備えている。このような構成の現像装置100内の現像剤101は、現像ローラ104から離れた側の一方の収容槽107aの一端部からトナーが補給され、攪拌スクリュー108により一方の収容槽107aの他端部まで攪拌スクリュー108の軸方向に沿って搬送されながら現像剤101と攪拌される。そして、一方の収容槽107aの他端部から現像ローラ104寄りの他方の収容槽107b内に移動した現像剤101は、現像ローラ104の磁力により現像スリーブ105の表面に汲み上げられる。その後、現像剤101は、規制ブレード109にて量が均一化された後に、感光体ドラム102と現像ローラ104とが間隔をあけて対向する現像領域103へと搬送され、感光体ドラム102上に形成された静電潜像を現像して、トナー像を形成する。
特開2000−194194号公報
特開2000−194195号公報
特開2000−250311号公報
しかしながら、上述した現像装置100を備えた画像形成装置は、写真などの面積率の比較的大きな画像を印刷する際に、テキスト文章などの面積率の比較的小さい画像を印刷する際と比べ、濃度ムラ(以下、「スクリュピッチムラ」という。)が目立つという問題があった。例えば、面積率の大きい単色の画像では、通紙方向に対して斜め方向のスクリュピッチムラが縞状に発生して、美観が損なわれてしまう。また、面積率の大きなカラー画像では、各色のスクリュピッチムラが色相のズレとなって現れる。特にデザイン系の職業などの一般的に市場においては、このような面積率の大きな画像を取り扱うことがあり、縞状のスクリュピッチムラによって商品価値を著しく低減してしまう。
このようなスクリュピッチムラは、近年の高画質化を狙った磁性キャリアの小粒径化に伴い発生率が高くなっている他、現像ローラ104の現像剤汲み上げ性が低い場合や、現像ローラ104から離脱した現像済みでかつトナー濃度の低い現像剤101が攪拌スクリュー108で攪拌されずにすぐさま現像スリーブ105に再付着する場合に発生率が高くなっている。
このような問題を解決するために、従来の現像装置では、マグネットローラの現像剤汲み上げ磁極の磁力を高磁力にすることで現像剤の汲み上げ性を高くするなどして、スクリュピッチムラを減少させることを試みている。しかしながら、現像剤汲み上げ磁極の磁力を高磁力にした場合、過剰な量の現像剤が現像ローラに汲み上げられるとともにその現像剤の余剰分が規制ブレードによって削ぎ落とされるので、その余剰分だけ現像剤に無駄なストレスが加えられてしまい、そのために、現像剤の劣化が速くなってしまうという弊害が生じていた。また、このような現像装置では、現像ローラから離脱した現像済みの現像剤が攪拌スクリューで十分に攪拌されずにすぐさま現像ローラに再付着してしまうという問題は依然として改善されていなかった。
本発明は、以上の背景に鑑みてなされたものであり、スクリュピッチムラの無い均一の画像を得ることができる現像装置、かかる現像装置を有するプロセスカートリッジ、及び、画像形成装置を提供することを目的としている。
前記課題を解決し達成するために、請求項1に記載された発明は、複数の固定磁極を有するマグネットローラと、該マグネットローラを内包する非磁性円筒体と、を有するとともに、前記固定磁極として、前記非磁性円筒体の外表面に担持された現像剤のトナーを像担持体に受け渡す現像磁極と、現像済みの前記現像剤を前記非磁性円筒体の外表面から離脱させる離脱磁極と、前記非磁性円筒体の外表面に現像剤供給部内の現像剤を吸引する現像剤汲み上げ磁極と、が前記非磁性円筒体の回転方向の上流から下流にかけて順に配された現像剤担持体を備えた現像装置において、前記現像剤供給部から汲み上げられる現像剤の前記非磁性円筒体の外表面への接触範囲を適正化するための非磁性体で構成される仕切り部材が、前記現像剤汲み上げ磁極に相対するように、固定的に設けられていることを特徴とする現像装置である。
請求項2に記載された発明は、請求項1に記載された発明において、前記仕切り部材が、可撓性を有する材料から構成され、かつ、前記非磁性円筒体の外表面に摺接するように、設けられていることを特徴とするものである。
請求項3に記載された発明は、請求項1に記載された発明において、前記仕切り部材が、前記非磁性円筒体と間隔をあけて設けられていることを特徴とするものである。
請求項4に記載された発明は、請求項1ないし請求項3のうちいずれか1項に記載された発明において、前記現像剤に含まれる磁性キャリアの粒径が、20〜50μmであることを特徴とするものである。
請求項5に記載された発明は、請求項1ないし請求項4のうちいずれか1項に記載された発明において、前記現像剤に含まれるトナーの粒径が、7μm以下であることを特徴とするものである。
請求項6に記載された発明は、請求項1ないし請求項5のうちいずれか1項に記載された発明において、前記現像剤に含まれるトナーとして、重合トナーを用いたことを特徴とするものである。
請求項7に記載された発明は、請求項1ないし請求項6のうちいずれか1項に記載された現像装置を少なくとも有することを特徴とするプロセスカートリッジである。
請求項8に記載された発明は、像担持体と、帯電装置と、現像装置と、を少なくとも有する画像形成装置において、前記現像装置として、請求項1ないし請求項6のうちいずれか1項に記載された現像装置を有することを特徴とする画像形成装置である。
請求項1及び請求項3に記載された発明によれば、仕切り部材を現像剤汲み上げ磁極に相対させて設けているので、現像剤と非磁性円筒体との接触範囲を適正化でき、そのために、現像剤が受けるストレスを低減することができる。よって、現像剤の耐久性を向上させることができる。また、仕切り部材が現像済みの現像剤の離脱位置と現像剤の汲み上げ位置との間に位置することにより、非磁性円筒体から離脱した現像済みの現像剤が新しい現像剤と攪拌されないまま非磁性円筒体に再付着することを防止できる。さらに、現像剤供給部内の現像剤が仕切り部材と相対する位置を通過する際に、現像剤表面の凹凸がならされるとともに該現像剤が現像剤供給部の長手方向に分散されるので、現像剤供給部内の現像剤の攪拌性が向上される。したがって、スクリュピッチムラの無い均一の画像を得ることができる現像装置を提供することができる。
請求項2に記載された発明によれば、仕切り部材が非磁性円筒体の外表面に摺接するように設けられているので、この摺接した非磁性円筒体の外表面に確実に現像剤を接触させないようにすることができ、そのために、さらに現像剤が受けるストレスを低くすることができ、現像剤の耐久性をさらに向上させることができる。したがって、スクリュピッチムラの無い均一の画像を得ることができる現像装置を提供することができる。
請求項4に記載された発明によれば、粒径が20〜50μmの磁性キャリアを用いているので、粒状度に優れ、かつスクリュピッチムラの無い均一の画像を得ることができる現像装置を提供することができる。
請求項5に記載された発明によれば、粒径が7μm以下のトナーを用いているので、粒状度に優れ、かつスクリュピッチムラの無い均一の画像を得ることができる現像装置を提供することができる。
請求項6に記載された発明によれば、重合トナーを用いているので、トナーの球形度が良好であるので、画像上に残留する濃度ムラを視認的に改善できる現像装置を提供することができる。
請求項7に記載された発明によれば、請求項1ないし請求項6のうちいずれか1項に記載された現像装置を有しているので、スクリュピッチムラの無い均一の画像を得ることができるプロセスカートリッジを提供することができる。
請求項8に記載された発明によれば、請求項1ないし請求項6のうちいずれか1項に記載された現像装置を有しているので、スクリュピッチムラの無い均一の画像を得ることができる画像形成装置を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施の形態にかかる現像装置を示す断面図である。図2は、図1に示された現像装置の要部を示す斜視図である。図3は、図1に示された現像装置によって構成される画像形成装置を示す断面図である。
図1に示すように、本実施形態の現像装置10は、現像剤担持体としての現像ローラ4と、現像剤供給部7と、規制ブレード9と、仕切り部材12と、これらを収容するケース11と、を備えて構成されるとともに、時計回りに回転する像担持体としての感光体ドラム2に現像剤1を供給する装置である。なお、ケース11の感光体ドラム2と相対する部分には、開口部が設けられている。
上記現像剤1は、トナーと、磁性キャリアとを含んで構成されている。トナーは、乳化重合法又は懸濁重合法により製造された重合トナーを用いている。本発明では、粉砕トナーを用いることも可能であるが、重合トナーのように粒形度が高いトナーほど、画質の滑らかさが向上する。また、トナーの平均粒径は、3〜7μmが好ましい。これは、トナーの粒径は小さいほど画質の滑らかさが向上するが、2μm以下になるとトナー飛散が発生しやすくなるためである。また、磁性キャリアの粒径は、20〜50μmが好ましい。50μmより大きくなると画像が劣化するためである。
上記現像ローラ4は、円柱状に形成され、かつ、ケース11に回転不能に固定された芯金14と、この芯金14の外周に回転不能に固定された円筒状のマグネットローラ6と、このマグネットローラ6の外周に回転自在に設けられた非磁性円筒体としての円筒状の現像スリーブ5とを備えて構成されている。また、この現像ローラ4は、その長手方向が感光体ドラム2及び現像剤供給部7の長手方向と平行になるように配されているとともに、感光体ドラム2と現像剤供給部7との間に間隔をあけて配されている。また、現像ローラ4と感光体ドラム2との間の空間は、現像剤1のトナーを感光体ドラム2に付着させて、静電潜像を現像してトナー像を得る現像領域3をなしている。
上記マグネットローラ6は、磁性体からなる円筒状のローラ本体60と、該ローラ本体60に形成された複数の固定磁極S1,N1,S2,N2,N3と、を有して構成されている。この固定磁極S1,N1,S2,N2,N3は、長尺で棒状の高磁力磁石である。また、この固定磁極S1,N1,S2,N2,N3は、ローラ本体60の外周面から凹でかつローラ本体60の長手方向全長に亘って直線状に延びた磁極取付溝内に嵌め込まれた状態でローラ本体60に取り付けられている。さらに固定磁極S1,N1,S2,N2,N3は、現像スリーブ5の回転方向の上流から下流にかけて反時計回りに順に並べられている。
上記固定磁極S1は、本明細書に記した現像磁極であり、感光体ドラム2と相対している。固定磁極S1は、S極性を有しており、現像スリーブ5の外表面上に磁力を生じて現像スリーブ5と感光体ドラム2との間に磁界を形成する。また、この固定磁極S1は、前記磁界によって磁気ブラシを形成することにより、現像スリーブ5の外表面に担持された現像剤1のトナーを感光体ドラム2に受け渡す。
上記固定磁極N1,S2は、搬送磁極であり、固定磁極S1よりも現像スリーブ5の回転方向下流側に設けられている。これら固定磁極N1,S2は、固定磁極S1側から順に、N極性、S極性を有している。また、これら固定磁極N1,S2は、現像スリーブ5の外表面上に磁力を生じることにより、現像後の現像剤1を現像スリーブ5の外表面上に担持した状態で、現像スリーブ5の回転方向下流側に位置する固定磁極N2に向けて搬送する。
上記固定磁極N2は、本明細書に記した離脱磁極であり、固定磁極N1,S2よりも現像スリーブ5の回転方向下流側に設けられている。この固定磁極N2は、N極性を有している。また、この固定磁極N2は、現像スリーブ5の回転方向下流側に位置する固定磁極N3との間に反発磁界を発生して、現像済みの現像剤1を現像剤供給部7の後述の第2の収容槽7bに向けて現像スリーブ5の外表面から離脱させる。また、本明細書でいう「現像剤1の離脱位置」とは、この反発磁界を発生する固定磁極N2と固定磁極N3との間の位置を意味する。
上記固定磁極N3は、本明細書に記した現像剤汲み上げ磁極であり、固定磁極N2と固定磁極S1との間に設けられている。また固定磁極N3は、現像剤供給部7の後述の第2の収容槽7bの攪拌スクリュー8と相対している。この固定磁極N3は、N極性を有している。また、この固定磁極N3は、現像スリーブ5の外表面上に磁力を生じることにより、後述の第2の収容槽7b内の現像剤1を現像スリーブ5の外表面上に汲み上げる。
また、図1中に示す破線は、これらの固定磁極S1,N1,S2,N2,N3が作り出す法線方向の磁力分布を表している。
上記現像スリーブ5は、非磁性体からなり、円筒状に形成されて、軸芯回りに回転自在に設けられている。現像スリーブ5は、マグネットローラ6を内包し、その内周面が固定磁極S1,N1,S2,N2,N3と順に相対するように反時計回りに回転される。現像スリーブ5は、アルミニウム、ステンレス鋼(SUS)などからなる。アルミニウムは、加工性、軽さの面で優れている。アルミニウムを用いる場合には、A6063、A5056及びA3003を用いるのが好ましい。SUSを用いる場合には、SUS303、SUS304及びSUS316を用いるのが好ましい。また、現像スリーブ5の外表面には、周知のブラスト処理が施されて、細かい凹凸が形成されても良い。
上記現像剤供給部7は、箱状に形成されており、内部に現像剤1を収容している。そして、その内部が、現像剤供給部7の長手方向に沿って延びた仕切壁13で仕切られることにより、現像ローラ4から離れた側の第1の収容槽7aと、現像ローラ4の固定磁極N3と相対する第2の収容槽7bとに区画されている。また、この第1の収容槽7a及び第2の収容槽7bは、それぞれが攪拌スクリュー8を収容している。さらに、この第1の収容槽7a及び第2の収容槽7bは両端部が互いに連通している。このような構成の現像剤供給部7は、第1の収容槽7aの一端部に供給されたトナーを、攪拌スクリュー8により磁性キャリアと攪拌しながら他端部に搬送し、この他端部から第2の収容槽7bの他端部に搬送する。そして、第2の収容槽7b内で攪拌スクリュー8によりトナーと磁性キャリアとを攪拌し、第2の収容槽7bの一端部側に搬送しながら、現像剤1を現像ローラ4の外表面に供給する。
上記規制ブレード9は、現像剤汲み上げ磁極である固定磁極N3と現像磁極であるS1との間でかつ感光体ドラム2の近傍に設けられているとともに、現像スリーブ5の外表面と間隔をあけた状態で、前述したケース11に取り付けられている。規制ブレード9は、所望の厚さを越える現像スリーブ5の外周面上の現像剤1を第2の収容槽7b内に削ぎ落として、現像領域3に搬送される現像スリーブ5の外周面上の現像剤1を所望の厚さにする。
本発明においては、上記仕切り部材12は、図1及び図2に示すように、板状に形成されているとともに、ゴムなどの可撓性を有する非磁性体で構成されている。また、仕切り部材12は、その一面12aが、固定磁極N3の径方向の外側に位置する現像スリーブ5の外表面に摺接する。このため、面12aが現像スリーブ5の外表面に沿う曲面に形成されている。このような仕切り部材12は、固定磁極N3と第2の収容層7bとの間に位置付けられているとともに、第2の収容層7bの攪拌スクリュー8と間隔をあけて配されている。また、仕切り部材12は、その長手方向の両端部がケース11に固定されている。
上記構成の仕切り部材12は、その幅L1、及び、高さL2を変更することにより第2の収容層7bから汲み上げられる現像剤1と現像スリーブ5との接触範囲を適正化することができる。例えば、幅L1、及び、高さL2を大きくすることにより、前記接触範囲、即ち現像剤滞留層、が小さくなるので、現像剤1を過剰に汲み上げて余剰量を規制ブレード9で削ぎ落とすといったロスが少なくなる。こうしてロスが少なくなることにより、現像剤1に加えられるストレスを必要最小限に抑えることができる。このように、本発明において、「現像剤1と現像スリーブ5との接触範囲を適正化する」とは、現像剤1と現像スリーブ5との接触範囲を、現像剤1の現像スリーブ5への汲み上げ量が、現像領域3において現像を行うのに十分な量であって、かつ、現像剤滞留層における摩擦により磁性キャリアが無駄に損傷を受けない程度の適当な量、とする接触範囲にすることを意味する。
また、上記仕切り部材12は、現像済みの現像剤1の離脱位置と現像剤1の汲み上げ位置との間に位置付けられていることにより、現像スリーブ5の外表面に付着したままの現像済みの現像剤1を現像スリーブ5から削ぎ落とすとともに、現像スリーブ5から離脱した現像済みの現像剤1が新しい現像剤1と攪拌されないまま現像スリーブ5に再付着することを防止する。
さらに、上記仕切り部材12は、第2の収容層7b内の攪拌スクリュー8周りの現像剤1が仕切り部材12と相対する位置を通過する際に、現像剤1表面の凹凸をならして現像剤1を攪拌スクリュー8の長手方向に分散させる。このようにすることで仕切り部材12は、第2の収容層7b内の現像剤1の攪拌性を向上させることができる。
本発明において、「仕切り部材12が現像剤汲み上げ磁極としての固定磁極N3に相対するように固定的に設けられている」とは、仕切り部材12が現像剤汲み上げ磁極としての固定磁極N3の径方向の外側に位置する現像スリーブ5の外表面に摺接または当接するように固定的に設けられていることと、仕切り部材12が現像剤汲み上げ磁極としての固定磁極N3の径方向の外側に位置する現像スリーブ5の外表面と間隔をあけて相対するように固定的に設けられていることとの双方を意味する。このように、本発明では、仕切り部材12が、現像スリーブ5の外表面に接触していても良く、現像スリーブ5の外表面と非接触であっても良い。また、仕切り部材12が、現像スリーブ5に摺設しないように配置されている場合は、この仕切り部材12がステンレス鋼などの可撓性を有していない材料から構成されても良い。なお、この場合も仕切り部材12は、非磁性体で構成されている。
前述した構成の現像装置10は、現像剤供給部7でトナーと磁性キャリアとを十分に攪拌し、この攪拌した現像剤1を固定磁極N3の磁力により現像スリーブ5の外表面上に汲み上げる。この際、現像剤1と現像スリーブ5との接触範囲は、上述したように、仕切り部材12によって適正化された状態になっている。そして、現像スリーブ5を反時計回りに回転させるとともに、規制ブレード9で所望の厚さになった現像剤1を感光体ドラム2に付着させることにより、感光体ドラム2上の静電潜像を現像してトナー像を形成する。また、現像装置10は、現像済みの現像剤1を、固定磁極N1,S2の磁力により現像スリーブ5の外表面上に担持した状態で現像スリーブ5の回転方向下流側に搬送し、固定磁極N2及び固定磁極N3とがなす反発磁界によって現像剤1を現像スリーブ5の外表面上から第2の収容槽7bに向かって離脱させる。この際、現像スリーブ5の外表面に付着したままの現像剤1は、仕切り部材12により現像スリーブ5の外表面上から削ぎ落とされるとともに、現像スリーブ5の外表面上から離脱した現像剤1は、現像スリーブ5に再付着することが規制される。
さらに、前述した現像装置10は、図3に示されたプロセスカートリッジ20及び画像形成装置30を構成する。画像形成装置30は、図3に示すように、感光体ドラム2を時計回りに回転させるとともにこの感光体ドラム2の外表面を帯電ローラ21によって一様に帯電させ、レーザ光22を照射することによりこの外表面に静電潜像を形成する。そして、現像領域3において、現像スリーブ5の外表面に担持された現像剤1のトナーを感光体ドラム2の外表面に付着させ、この外表面上にトナー像を形成する。そして、給紙ローラ23などにより搬送されてきた記録紙24を転写部材25と感光体ドラム2との間に通して、トナー像を記録紙24に転写し、定着装置26で定着する。さらに、記録紙24にトナー像を転写した後、感光体ドラム2の外周面上に残留した転写残トナーをクリーニング装置27によって除去する。こうして、画像形成装置30は、記録紙24に画像を形成する。なお、プロセスカートリッジ20は、現像装置10と、感光体ドラム2と、帯電ローラ21と、クリーニング装置27と、これらを収容しかつ装置本体に着脱自在に設けられたカートリッジケース28と、を備えて構成されたものである。
本実施形態によれば、仕切り部材12が、現像剤汲み上げ磁極である固定磁極N3の径方向の外側に位置する現像スリーブ5の外表面に摺接することにより、汲み上げられる現像剤1と現像スリーブ5との接触範囲を適正化でき、そのために、現像剤1が受けるストレスを低減することができる。よって、現像剤1の耐久性を向上させることができる。また、仕切り部材12が現像済みの現像剤1の離脱位置と現像剤1の汲み上げ位置との間に位置することにより、現像スリーブ5から離脱した現像済みの現像剤1が新しい現像剤1と攪拌されないまま現像スリーブ5に再付着することが防止できる。さらに、仕切り部材12は、第2の収容層7b内の攪拌スクリュー8周りの現像剤1が仕切り部材12と相対する位置を通過する際に、現像剤1表面の凹凸をならして現像剤1を攪拌スクリュー8の長手方向に分散させるとともに、第2の収容層7b内の現像剤の攪拌性を向上させる。したがって、スクリュピッチムラの無い均一の画像を得ることができる現像装置10を提供することができる。
また、本実施形態によれば、粒径が20〜50μmの磁性キャリアを用いているので、粒状度に優れ、かつスクリュピッチムラの無い均一の画像を得ることができる現像装置10を提供することができる。
また、本実施形態によれば、粒径が7μm以下のトナーを用いているので、粒状度に優れ、かつスクリュピッチムラの無い均一の画像を得ることができる現像装置10を提供することができる。
また、本実施形態によれば、重合トナーを用いており、トナーの球形度が良好であるので、画像上に残留する濃度ムラを視認的に改善できる現像装置10を提供することができる。
また、本実施形態によれば、前述した現像装置10を有しているので、スクリュピッチムラの無い均一の画像を得ることができるプロセスカートリッジ20を提供することができる。
また、本実施形態によれば、前述した現像装置10を有しているので、スクリュピッチムラの無い均一の画像を得ることができる画像形成装置30を提供することができる。
(実施例1)
現像ローラ4の外径を18mm、現像スリーブ5の回転数を294RPM、現像剤汲み上げ磁極である固定磁極N3の位置を278°とし、さらに、ポリカーボネートで構成された幅L1が2mm,高さL2が11mmの仕切り部材12を固定磁極N3の径方向外側に位置する現像スリーブ5に当接させて、平均粒径が10μmの粉砕トナー及び平均粒径が50μmの磁性キャリアを用いた現像装置10を備えた画像形成装置30とすることにより、記録紙24にテスト画像を出力した。なお、前記固定磁極N3の位置は、図1に示す位置である。そして、図1では、現像スリーブ5の回転中心から水平方向に感光体ドラム2に延びた位置を0°とし、反時計回りに順に角度を大きくすることとする。
現像ローラ4の外径を18mm、現像スリーブ5の回転数を294RPM、現像剤汲み上げ磁極である固定磁極N3の位置を278°とし、さらに、ポリカーボネートで構成された幅L1が2mm,高さL2が11mmの仕切り部材12を固定磁極N3の径方向外側に位置する現像スリーブ5に当接させて、平均粒径が10μmの粉砕トナー及び平均粒径が50μmの磁性キャリアを用いた現像装置10を備えた画像形成装置30とすることにより、記録紙24にテスト画像を出力した。なお、前記固定磁極N3の位置は、図1に示す位置である。そして、図1では、現像スリーブ5の回転中心から水平方向に感光体ドラム2に延びた位置を0°とし、反時計回りに順に角度を大きくすることとする。
(実施例2)
幅L1が4mm,高さL2が11mmの仕切り部材12を用いた以外は、実施例1と同様にして記録紙24にテスト画像を出力した。
幅L1が4mm,高さL2が11mmの仕切り部材12を用いた以外は、実施例1と同様にして記録紙24にテスト画像を出力した。
(実施例3)
可撓性を有する材料としてのニトリルゴムで構成された仕切り部材12を固定磁極N3の径方向外側に位置する現像スリーブ5に摺接させ、平均粒径が35μmの磁性キャリアを用いた以外は、実施例2と同様にして記録紙24にテスト画像を出力した。
可撓性を有する材料としてのニトリルゴムで構成された仕切り部材12を固定磁極N3の径方向外側に位置する現像スリーブ5に摺接させ、平均粒径が35μmの磁性キャリアを用いた以外は、実施例2と同様にして記録紙24にテスト画像を出力した。
(実施例4)
平均粒径が7μmの粉砕トナーを用いた以外は実施例3と同様にして記録紙24にテスト画像を出力した。
平均粒径が7μmの粉砕トナーを用いた以外は実施例3と同様にして記録紙24にテスト画像を出力した。
(実施例5)
平均粒径が7μmの重合トナーを用いた以外は実施例4と同様にして記録紙24にテスト画像を出力した。
平均粒径が7μmの重合トナーを用いた以外は実施例4と同様にして記録紙24にテスト画像を出力した。
(比較例1)
現像ローラ4の外径を18mm、現像スリーブ5の回転数を294RPM、現像剤汲み上げ磁極である固定磁極N3の位置を278°として、前述した仕切り部材12を設けずに、平均粒径が10μmの粉砕トナー及び平均粒径が50μmの磁性キャリアを用いた現像装置10を備えた画像形成装置30とすることにより、記録紙24にテスト画像を出力した。
現像ローラ4の外径を18mm、現像スリーブ5の回転数を294RPM、現像剤汲み上げ磁極である固定磁極N3の位置を278°として、前述した仕切り部材12を設けずに、平均粒径が10μmの粉砕トナー及び平均粒径が50μmの磁性キャリアを用いた現像装置10を備えた画像形成装置30とすることにより、記録紙24にテスト画像を出力した。
以上、実施例1〜5及び比較例1で出力したテスト画像の(1)スクリュピッチムラ、(2)粒状度(画像のなめらかさ)、及び、実施例1〜5及び比較例1の現像剤1の(3)耐久性を測定した。評価基準は、実用に耐え得るものを○、優れるものを◎、実用に耐え得る許容限度内であるものを△とする。また、実用に耐えないものを×とする。
測定結果は、次の表1に示される。
このように、仕切り部材12を設けることで、画像上も斜め状のスクリュピッチムラが無くかつ粒状度が良好な画像を得ることができるとともに、現像剤1の耐久性を向上させることができることが明らかとなった。
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
1 現像剤
2 感光体ドラム(像担持体)
5 現像スリーブ(非磁性円筒体)
6 マグネットローラ
7 現像剤供給部
10 現像装置
12 仕切り部材
20 プロセスカートリッジ
21 帯電ローラ(帯電装置)
30 画像形成装置
N1 固定磁極
S1 固定磁極(現像磁極)
N2 固定磁極(離脱磁極)
S2 固定磁極
N3 固定磁極(現像剤汲み上げ磁極)
2 感光体ドラム(像担持体)
5 現像スリーブ(非磁性円筒体)
6 マグネットローラ
7 現像剤供給部
10 現像装置
12 仕切り部材
20 プロセスカートリッジ
21 帯電ローラ(帯電装置)
30 画像形成装置
N1 固定磁極
S1 固定磁極(現像磁極)
N2 固定磁極(離脱磁極)
S2 固定磁極
N3 固定磁極(現像剤汲み上げ磁極)
Claims (8)
- 複数の固定磁極を有するマグネットローラと、該マグネットローラを内包する非磁性円筒体と、を有するとともに、前記固定磁極として、前記非磁性円筒体の外表面に担持された現像剤のトナーを像担持体に受け渡す現像磁極と、現像済みの前記現像剤を前記非磁性円筒体の外表面から離脱させる離脱磁極と、前記非磁性円筒体の外表面に現像剤供給部内の現像剤を吸引する現像剤汲み上げ磁極と、が前記非磁性円筒体の回転方向の上流から下流にかけて順に配された現像剤担持体を備えた現像装置において、
前記現像剤供給部から汲み上げられる現像剤の前記非磁性円筒体の外表面への接触範囲を適正化するための非磁性体で構成される仕切り部材が、前記現像剤汲み上げ磁極に相対するように、固定的に設けられていることを特徴とする現像装置。 - 前記仕切り部材が、可撓性を有する材料から構成され、かつ、前記非磁性円筒体の外表面に摺接するように設けられていることを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
- 前記仕切り部材が、前記非磁性円筒体と間隔をあけて設けられていることを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
- 前記現像剤に含まれる磁性キャリアの粒径が、20〜50μmであることを特徴とする請求項1ないし請求項3のうちいずれか1項に記載の現像装置。
- 前記現像剤に含まれるトナーの粒径が、7μm以下であることを特徴とする請求項1ないし請求項4のうちいずれか1項に記載の現像装置。
- 前記現像剤に含まれるトナーとして、重合トナーを用いたことを特徴とする請求項1ないし請求項5のうちいずれか1項に記載の現像装置。
- 現像装置を少なくとも有するプロセスカートリッジにおいて、前記現像装置として、請求項1ないし請求項6のうちいずれか1項に記載の現像装置を有することを特徴とするプロセスカートリッジ。
- 像担持体と、帯電装置と、現像装置と、を少なくとも有する画像形成装置において、前記現像装置として、請求項1ないし請求項6のうちいずれか1項に記載の現像装置を有することを特徴とする画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005338138A JP2007147682A (ja) | 2005-11-24 | 2005-11-24 | 現像装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005338138A JP2007147682A (ja) | 2005-11-24 | 2005-11-24 | 現像装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007147682A true JP2007147682A (ja) | 2007-06-14 |
Family
ID=38209199
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2005338138A Withdrawn JP2007147682A (ja) | 2005-11-24 | 2005-11-24 | 現像装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2007147682A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8135315B2 (en) | 2008-03-28 | 2012-03-13 | Ricoh Company, Ltd. | Developer regulating member in a developing unit, process cartridge including same, and image forming apparatus incorporating same |
JP2015152906A (ja) * | 2014-02-19 | 2015-08-24 | 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 | 現像装置、及び現像装置を備えた画像形成装置 |
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JP2015184424A (ja) * | 2014-03-24 | 2015-10-22 | キヤノン株式会社 | 現像装置及び画像形成装置 |
JP2018142031A (ja) * | 2018-06-26 | 2018-09-13 | キヤノン株式会社 | 現像装置 |
-
2005
- 2005-11-24 JP JP2005338138A patent/JP2007147682A/ja not_active Withdrawn
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