JP5479053B2 - 電子写真感光体の製造方法 - Google Patents

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本発明は、電子写真感光体の製造方法に関する。詳しくは、特定の粒径分布を有する熱可塑性樹脂粒子、及び金属酸化物粒子を含有する水性分散下引層塗布液を用いた電子写真感光体の製造方法に関するものである。
電子写真感光体(以降、場合により単に「感光体」という)は、基本的には帯電及び光を用いた露光により潜像を形成する感光層と、その感光層を設けるための支持体としての導電性の支持体がある。そして支持体から感光層への電荷の注入を防ぐ為に下引層と呼ばれる層(中間層と呼ばれることもある)が感光層と支持体の間に設けられている。
下引層は、電気的抵抗が高過ぎると感光層で発生した電荷が支持体へ抜けず感光層内部に滞留し、結果として残留電位の上昇や繰り返し使用による電位変動の原因になる。
一方、電子写真感光体に電圧を印加したとき支持体から感光層へ電荷の注入が起こらないように電気的ブロッキング機能も要求される。これは、支持体から電荷注入があると、帯電能の低下、画像コントラストの低下や、反転現像方式の場合は白地に黒点や地カブリの原因になり画質を低下させる。また、近年の高画質化の要求に対し、感光体の薄膜化は有効であるが、感光層の薄膜化は、高画質化には有利である反面、支持体からの電荷の注入を促進させるため、電気的抵抗特性を維持しつつブロッキング機能をより高める必要があった。
これらの特性を満足させる適度な範囲の電気的抵抗特性及びブロッキング機能を有する下引層が求められている。その中で樹脂中に酸化スズ、酸化チタンの如き金属酸化物を含有する下引層(特許文献1)が検討されている。樹脂と金属酸化物を含有する下引層は、電気的抵抗が高い樹脂でも金属酸化物の含有量を増やすことで、感光層内部の電荷の滞留を抑制することが出来る。
しかし、金属酸化物の含有量が多すぎると感光体として下引層に必要な密着性を十分に得られないという課題がある。更に、表面粗さが大きくなることによってブロッキング機能が十分でなく、帯電能の低下、画像コントラストの低下や反転現像方式の場合は白地に黒点や地カブリが生じることがあった。
特許文献2には金属酸化物粒子を含む液安定性に優れたポリオレフィン樹脂水性分散体を乾燥することで、耐水性や透明性、基材フィルムとの密着性が良好な帯電防止膜が得られることが記載されている。従来の水性分散液塗布液を用いて下引層を成膜し、感光体を製造した場合においても、解像力に問題はなかった。しかし、金属酸化物の含有量が多くなると、やはり感光体の密着性が未だ不十分であった。そのため、長期の繰り返し使用による感光層の剥が生じることがあった。
特開昭56−52757号公報 特開2003−268164号公報
本発明の目的は、下引層を成膜する水性分散下引層塗布液が水に不溶な熱可塑性樹脂粒子と金属酸化物粒子を含有する電子写真感光体の製造方法において、感光体として良好な下引層の密着性を得られる製造方法を提供することにある。
本発明は、支持体上に下引層と感光層をこの順にする電子写真感光体を製造する方法であって水に不溶な熱可塑性樹脂粒子、および金属酸化物粒子を含有する水性分散下引層塗布液の塗膜を形成し該塗膜を加熱して該熱可塑性樹脂粒子を融解して下引層を成膜する工程を有し、該熱可塑性樹脂粒子に対する該金属酸化物粒子の体積比が0.5〜2.0倍であり、該水性分散下引層塗布液中の該熱可塑性樹脂粒子の体積粒度分布10%、50%、90%体積に対応する粒子径をそれぞれD10、D50、D90としたとき下記式(1)で示される粒度分散係数εが0.2以上1.0以下を満たし、
ε=(D90−D10)/D50 (1)
該水性分散下引層塗布液中の該金属酸化物粒子の体積粒度分布の50%体積に対応する粒子径をD50としたとき、該金属酸化物粒子のD50が該熱可塑性樹脂粒子のD50の0.5倍以下であることを特徴とする電子写真感光体の製造方法に関する。
本発明によれば、感光層と支持体の接着性に特に優れ、繰り返し使用による電位変動が少なく、高温高湿及び低温低湿のいずれの環境下においても、十分なコントラスト電位が得られ、黒点やカブリが生じない電子写真感光体の製造方法を提供することができる。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の水性分散下引層塗布液とは、溶媒全量に対する水の割合が50質量%以上の溶媒中に熱可塑性樹脂粒子および金属酸化物粒子が分散されている液をいう。
一定範囲内の条件下において特に良好な下引層の接着性を得る為には、水性分散下引層塗布液中の熱可塑性樹脂粒子の粒度分散係数がある一定の範囲にあることが必要であることを見出し、本発明に至ったものである。
すなわち、本発明の電子写真感光体の製造方法は、支持体上に下引層と感光層をこの順にする電子写真感光体を製造する方法であって水に不溶な熱可塑性樹脂粒子、および金属酸化物粒子を含有する水性分散下引層塗布液の塗膜を形成し該塗膜を加熱して該熱可塑性樹脂粒子を融解して下引層を成膜する工程を有し、該熱可塑性樹脂粒子に対する金属酸化物粒子の体積比が0.5〜2.0倍であり、該水性分散下引層塗布液中の該熱可塑性樹脂粒子の体積粒度分布10%、50%、90%体積に対応する粒子径をそれぞれD10、D50、D90としたとき下記式(1)で示される粒度分散係数εが0.2以上1.0以下を満たし、
ε=(D90−D10)/D50 (1)
該水性分散下引層塗布液中の該金属酸化物粒子の体積粒度分布の50%体積に対応する粒子径をD50としたとき、該金属酸化物粒子のD50該熱可塑性樹脂粒子のD50の0.5倍以下であることを特徴とする。
下引層塗布液に熱可塑性樹脂粒子と金属酸化物粒子を含む場合、熱可塑性樹脂粒子に対する金属酸化物粒子の体積比が0.5〜2.0倍である必要がある。0.5倍未満だと下引層に必要な感光層からの電荷の抜けが低下して感光層中に電荷の滞留が起こり、画像弊害が発生する可能性がある。また、2.0倍を超えると下引層中の金属酸化物粒子の含有体積が大きく、熱可塑性樹脂粒子が本発明で述べられている粒度分散係数の範囲内であっても十分な接着性を得ることは難しい。
粒度分散係数εはε=(D90−D10)/D50と定義され、D10、D50、D90はそれぞれ水性分散下引層塗布液中の熱可塑性樹脂粒子の体積粒度分布の10%、50%、90%体積に対応する粒子径と定義する。下引層中の熱可塑性樹脂粒子の粒度分散係数εは0.2〜1.0の範囲であるのが好ましい。特に、0.3〜0.5の範囲が更に好ましい。
粒度分散係数εが0.2未満だと、熱可塑性樹脂粒子の体積粒度分布が極めてシャープで粒径がほぼ一定に近くなっている。この場合、支持体の上に水分散性下引層塗布液を塗布し乾燥工程により下引層を形成する工程において、熱可塑性樹脂粒子間に生じる隙間が小さくなり金属酸化物粒子は熱可塑性樹脂粒子を引き離すような位置に配置される。このため乾燥工程において熱可塑性樹脂粒子が融解する時、熱可塑性樹脂粒子同士が十分に混ざり合わず接着性が十分に得られない可能性がある。
粒度分散係数εが1.0を超えると、熱可塑性樹脂粒子の体積粒度分布が極めてブロードで粒径のバラツキが大きくなる。この場合、支持体の上に水性分散下引層塗布液を塗布し乾燥工程により下引層を形成する工程において、熱可塑性樹脂粒子間に生じる隙間が大きくなり金属酸化物粒子はその隙間に集中する。このため乾燥工程において熱可塑性樹脂粒子が融解する時、金属酸化物粒子が下引層中に偏っており、下引層に必要な感光層からの電荷の抜けが悪く感光層中に電荷の滞留が起こり、画像弊害が発生する可能性がある。
金属酸化物粒子の一次粒径は、熱可塑性樹脂粒子のD50の0.5倍以下であることが好ましい。金属酸化物粒子の一次粒径がこの範囲内の場合、本発明で述べられている効果が特に得られやすい。この範囲を外れると、金属酸化物の下引層中の分布は熱可塑性樹脂粒子の粒径と相関関係が小さくなり、接着性が得られない可能性が出てくる。金属酸化物粒子の一次粒径下限は特に設けられず、1nmまで本発明の効果は得られる。
本発明による電子写真感光体の製造方法は、熱可塑性樹脂粒子の50%体積であるD50が50〜500nmであることが好ましい。この範囲が本発明の効果を発現させるのに好ましい。更に好ましくは200〜400nmである。D50が50nm以下の場合、本発明の効果が十分に発現出来ない可能性がある。D50が500nm以上の場合、粒子一粒が大きくなり熱可塑性樹脂粒子同士の結着が弱くなり十分な接着性を得られない可能性がある。
本発明による電子写真感光体の製造方法は、水性分散下引層塗布液に含まれる熱可塑性樹脂粒子がポリオレフィン樹脂粒子であることが好ましい。ポリオレフィン樹脂粒子は電子写真特性、環境変動、及び成膜性も良好なため、電子写真感光体の下引層に適している。
本発明による電子写真感光体の製造方法は、塗膜の加熱温度が水性分散下引層塗布液に含まれる熱可塑性樹脂粒子の融点以上であることが好ましい。熱可塑性樹脂粒子の融点以上の加熱乾燥をすることで、良好な膜特性が得られる。
本発明に用いるポリオレフィン樹脂の具体例としては、エチレン−アクリル酸メチル−無水マレイン酸共重合体、またはエチレン−アクリル酸エチル−無水マレイン酸共重合体が好ましい。
なお、無水マレイン酸単位等の不飽和カルボン酸無水物単位は、樹脂の乾燥状態では隣接するカルボキシル基が脱水環化した酸無水物構造を形成している。しかし、特に塩基性化合物を含有する水性媒体中では、その一部または全部が開環してカルボン酸あるいはその塩の構造を取りやすくなる。
本発明に用いるポリオレフィン樹脂は合成して得てもよいし、市販されている樹脂を用いても良い。
ポリオレフィン樹脂の合成法は特に限定されないが、一般的には、ポリオレフィン樹脂を構成するモノマーをラジカル発生剤の存在下、高圧ラジカル共重合して得られる。ポリオレフィン樹脂の合成方法は、「新高分子実験学2 高分子の合成・反応(1)」の第4章(共立出版株式会社)、特開2003−105145公報、特開2003−147028公報などに記述された公知の方法で合成される。
市販されているものとしては、住友化学工業(株)製の「ボンダイン(登録商標)」や、ダウ・ケミカル社製の「プリマコール(登録商標)」が挙げられる。
本発明に用いられる金属酸化物粒子は、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化イットリウム、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化鉄、酸化スズ、酸化マグネシウム、酸化銅、酸化マンガン、アンチモンド−プ酸化スズ、インジウムド−プ酸化スズ、アルミニウムド−プ酸化スズやこれら酸化物の2種以上の混合物又は複合酸化物が挙げられる。
金属酸化物粒子は、必要に応じて、表面処理剤を用いて表面処理することができる。
次に、本発明の水性分散下引層塗布液の製造方法について述べる。熱可塑性樹脂粒子及び金属酸化物粒子を含有する水性分散下引層塗布液を製造する方法は特に限定されないが、金属酸化物粒子の分散性の観点から、熱可塑性樹脂粒子分散液と金属酸化物粒子分散液とを別々に調製しておき、これを混合して得る方法が好ましい。以下、この方法について詳述する。
熱可塑性樹脂粒子分散液の調製方法は、例えば、ポリオレフィン樹脂粒子と、水、さらに必要に応じて有機溶剤とを密閉可能な容器中で加熱、攪拌する方法を採用することができる。このとき、ポリオレフィン樹脂粒子の形状は特に限定されないが、粒子の分散速度を速めるという点から、粒子径1cm以下、好ましくは0.8cm以下の粒状ないしは粉末状のものを用いることが好ましい。
容器としては、液体を投入できる槽を備え、槽内に投入された樹脂と水性溶媒の混合物を適度に撹拌できるものであればよい。そのような装置としては、固/液撹拌装置や乳化機として広く当業者に知られている装置を使用することができ、0.1MPa以上の加圧が可能な装置を使用することが好ましい。撹拌の方法、撹拌の回転速度は特に限定されない。
この装置の槽内に各原料を投入した後、好ましくは40℃以下の温度で攪拌混合しておく。次いで、槽内の温度を50〜200℃、好ましくは60〜200℃の温度に保ちつつ、5〜120分間攪拌を続けることにより水性分散液を得ることができる。
この際に、ポリオレフィン樹脂の不飽和カルボン酸単位をアニオン化するために、塩基性化合物を添加することが好ましい。塩基性化合物の添加量は、ポリオレフィン樹脂中のカルボキシル基(酸無水物基1モルはカルボキシル基2モルとみなす)に対して0.5〜3.0倍当量であることが好ましく、0.8〜2.5倍当量がより好ましく、1.0〜2.0倍当量が特に好ましい。0.5倍当量未満では、塩基性化合物の添加効果が認められず、3.0倍当量を超えると塗膜形成時の乾燥時間が長くなったり、水性分散液が着色する場合がある。
ここで添加される塩基性化合物としては、塗膜形成時に揮発する化合物が好ましく、アンモニアまたは各種の有機アミン化合物が好ましい。有機アミン化合物の具体例としては、トリエチルアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、アミノエタノールアミン、N−メチル−N,N−ジエタノールアミン、イソプロピルアミン、イミノビスプロピルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、3−エトキシプロピルアミン、3−ジエチルアミノプロピルアミン、sec−ブチルアミン、プロピルアミン、メチルアミノプロピルアミン、メチルイミノビスプロピルアミン、3−メトキシプロピルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モルホリン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリンを挙げることができる。
上記のようにして得られるポリオレフィン樹脂粒子分散液は、ポリオレフィン樹脂粒子が水性媒体中に分散され、均一な液状である。均一な液状であるとは、外観上、水性分散体中に沈殿、相分離あるいは皮張りといった、固形分濃度が局部的に他の部分と相違する部分が見いだされない状態にあることをいう。
金属酸化物粒子分散液の調製方法は、たとえば、市販の金属酸化物をボールミル、振動ボールミル、ロールミル、トライター、又は、サンドミル及びコロイドミルで湿式粉砕して分散液を得る。もしくは市販の水性溶媒に分散されているスラリー、ゾル液等をそのまま使用することもできる。また、金属酸化物を加水分解または熱加水分解する方法や、金属イオンを含む酸性溶液をアルカリ加水分解する方法、金属イオンを含む溶液をイオン交換膜やイオン交換樹脂によりイオン交換する方法も用いることができる。
このようにして別々の操作によって得られた熱可塑性樹脂粒子分散液と金属酸化物粒子分散液を混合する際には、熱可塑性樹脂粒子分散液に金属酸化物粒子分散液を加えて混合してもよい。逆に金属酸化物粒子分散液に上記熱可塑性樹脂粒子分散液を加えて混合してもよい。
本発明に用いられる溶媒は水以外に親水性の有機溶剤が含まれていても良い。熱可塑性樹脂粒子分散液を作成する際、金属酸化物粒子分散液を作製する際、熱可塑性樹脂粒子分散液と金属酸化物粒子分散液を混合する際に適宜調整されることが好ましい。有機溶剤として、例えばメチルエチルケトン、アセトン、ジエチルケトン、プロパノール、ブタノール、メタノール、エタノール、テトラヒドロフランやジオキサン、エチレングリコールモノブチルエーテルが挙げられる。また、これらの有機溶剤が水性分散体全量に占める量は40質量%以下が好ましく、20質量%以下がさらに好ましく、5質量%以下がさらに好ましい。
本発明は、上記のようにして得られた水性分散下引層塗布液を導電性支持体上、または導電層の上に塗布し、加熱融解して成膜して下引層を形成することを特徴とする電子写真感光体の製造方法である。
水性分散下引層塗布液の塗布手段としては、通常、この分野で用いられる方法が適用できるが、浸漬塗布が特に好ましい。
本発明の感光体の製造方法においては、水性分散下引層塗布液の塗布を浸漬塗布で行なう場合には、温度23℃での相対湿度が60%以下であり、かつ風速が1m/s以下である環境下に設置された浸漬塗布装置で行なうのが好ましい。
下引層の膜厚としては、0.1〜20μmの範囲が好ましい。
電子写真感光体に用いられる支持体としては、導電性のもの(導電性支持体)であればよく、アルミニウム、ニッケル、銅、金および鉄の如き金属または合金製のものが挙げられる。また、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリイミドおよびガラスの如き絶縁性支持体の上にアルミニウム、銀、金の如き金属や、酸化インジウム、酸化スズの如き導電性材料の薄膜を形成したものでもよい。また、カーボンや導電性フィラーを樹脂中に分散し、導電性を付与した支持体でもよい。
支持体の表面は、電気的特性や密着性の改善のために、陽極酸化などの電気化学的な処理を施してもよい。また、支持体の表面を、アルカリリン酸塩あるいはリン酸やタンニン酸を主成分とする酸性水溶液に金属塩の化合物またはフッ素化合物の金属塩を溶解してなる溶液で化学処理を施してもよい。
また、露光光(画像露光光)としてレーザー光の如き単一波長光を用いる電子写真装置に本発明の電子写真感光体を用いる場合、干渉縞を抑制するために、支持体の表面を適度に粗面化しておくことが好ましい。具体的には、支持体の表面に、ホーニング、ブラスト、切削、電界研磨の如き処理を施すことや、支持体の上に導電性金属酸化物および結着樹脂を含む導電性皮膜を設けることが好ましい。
ホーニング処理には、乾式での処理および湿式での処理があるが、どちらを採用してもよい。湿式ホーニング処理とは、水の如き液体に粉末状の研磨材を懸濁させてなる懸濁液を、高速度で支持体の表面に吹き付けて粗面化する方法である。湿式ホーニング処理の場合、支持体の表面粗さは、懸濁液の吹き付け圧力、速度、研磨材の量、種類、形状、大きさ、硬度、比重および懸濁温度により制御することができる。乾式ホーニング処理は、研磨剤をエアーにより、高速度で支持体の表面に吹き付けて粗面化する方法である。乾式ホーニング処理の場合も、支持体の表面粗さは、湿式ホーニング処理と同じようにして制御することができる。ホーニング処理に用いる研磨剤としては、例えば、炭化ケイ素、アルミナ、鉄およびガラスビーズの如き粒子が挙げられる。
支持体と本発明の下引層との間には、レーザー光の散乱による干渉縞の抑制や、支持体の傷の被覆を目的とした導電層を設けてもよい。
導電層は、カーボンブラック、金属粒子、金属酸化物粒子などの導電性粒子を結着樹脂に分散させて形成することができる。金属酸化物粒子としては、酸化亜鉛や酸化チタンの粒子が挙げられる。また、導電性粒子として、酸素欠損型SnOを被覆した硫酸バリウム粒子を用いることもできる。
導電層に用いられる結着樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂およびポリアミド樹脂が挙げられる。これらは、支持体に対する接着性が良好であるとともに、導電性粒子の分散性が向上し、成膜後の耐溶剤性が良好である。
また、導電層には、導電層の表面性を高めるために、レベリング剤を添加してもよい。
本発明の下引層と感光層との間に、さらに接着機能などの機能を持つ層を更にもう一層設けても良い。その例として、カゼイン、ポリビニルアルコール、ニトロセルロース、ポリアミド(ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、共重合ナイロン、アルコキシメチル化ナイロンなど)、ポリウレタンおよび酸化アルミニウムが挙げられる。
電荷発生層は、電荷発生物質を結着樹脂および溶剤と共に分散して得られる電荷発生層用塗布液を塗布し、これを乾燥させることによって形成することができる。
本発明に用いられる電荷発生物質としては、
(1)モノアゾ、ジスアゾ、トリスアゾの如きアゾ顔料、
(2)金属フタロシアニンや非金属フタロシアニンの如きフタロシアニン顔料、
(3)インジゴやチオインジゴの如きインジゴ顔料、
(4)ペリレン酸無水物やペリレン酸イミドの如きペリレン顔料、
(5)アンスラキノンやピレンキノンの如き多環キノン顔料、
(6)スクワリリウム色素、
(7)ピリリウム塩、チアピリリウム塩類、
(8)トリフェニルメタン色素、
(9)アモルファスシリコンの如き無機物質、
(10)キナクリドン顔料、
(11)アズレニウム塩顔料、
(12)シアニン染料、
(13)キサンテン色素、
(14)キノンイミン色素、
(15)スチリル色素、
(16)硫化カドミウム、
(17)酸化亜鉛
が挙げられる。これらの中でも、特に、金属フタロシアニン顔料が好ましい。その中でも、オキシチタニウムフタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニン、ジクロロスズフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニンが好ましい。その中でも、ヒドロキシガリウムフタロシアニンが特に好ましい。
オキシチタニウムフタロシアニンとしては、
CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.2°)の9.0°、14.2°、23.9°および27.1°に強いピークを有するオキシチタニウムフタロシアニン結晶、および、
CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.2°)の9.5°、9.7°、11.7°、15.0°、23.5°、24.1°および27.3°に強いピークを有するオキシチタニウムフタロシアニン結晶
が好ましい。
クロロガリウムフタロシアニンとしては、
CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.2°)の7.4°、16.6°、25.5および28.2°に強いピークを有するクロロガリウムフタロシアニン結晶、
CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.2°)の6.8°、17.3°、23.6°および26.9°に強いピークを有するクロロガリウムフタロシアニン結晶、および、
CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.2°)の8.7°〜9.2°、17.6°、24.0°、27.4°および28.8°に強いピークを有するクロロガリウムフタロシアニン結晶
が好ましい。
ジクロロスズフタロシアニンとしては、
CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.2°)の8.3°、12.2°、13.7°、15.9°、18.9°および28.2°に強いピークを有するジクロロスズフタロシアニン結晶、
CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.2°)の8.5°、11.2°、14.5°および27.2°に強いピークを有するジクロロスズフタロシアニン結晶、
CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.2°)の8.7°、9.9°、10.9°、13.1°、15.2°、16.3°、17.4°、21.9°および25.5°に強いピークを有するジクロロスズフタロシアニン結晶、および、
CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.2°)の9.2°、12.2°、13.4°、14.6°、17.0°および25.3°に強いピークを有するジクロロスズフタロシアニン結晶が好ましい。
ヒドロキシガリウムフタロシアニンとしては、
CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.2°)の7.3°、24.9°および28.1°に強いピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶、および、
ブラッグ角度(2θ±0.2°)の7.5°、9.9°、12.5°、16.3°、18.6°、25.1°および28.3°に強いピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶
が好ましい。
電荷発生層の結着樹脂としては、例えば、ブチラール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルメタクリレート樹脂、ポリビニルアクリレート樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、セルロース樹脂、メラミン樹脂が挙げられる。これらの中でも、ブチラール樹脂が好ましい。
電荷発生層中の電荷発生物質の分散粒径は、0.5μm以下が好ましく、0.3μm以下がより好ましく、0.01μm以上0.2μm以下がより好ましい。
電荷発生層の膜厚は0.01μm以上2μm以下が好ましく、0.05μm以上0.3μm以下がより好ましい。
電荷輸送層は適当な電荷輸送物質、例えばポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリスチリルアントラセンの如き複素環や縮合多環芳香族を有する高分子化合物や、ピラゾリン、イミダゾール、オキサゾール、トリアゾール、カルバゾールの如き複素環化合物、トリフェニルメタンの如きトリアリールアルカン誘導体、トリフェニルアミンの如きトリアリールアミン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、N−フェニルカルバゾール誘導体、スチルベン誘導体、ヒドラゾン誘導体などの低分子化合物を適当な結着樹脂(前述の電荷発生層用樹脂の中から選択できる)と共に溶剤に分散/溶解した溶液を前述の公知の方法によって塗布し、乾燥して形成することができる。この場合の電荷輸送物質と結着樹脂の比率は、両者の全質量を100とした場合に電荷輸送物質の質量が好ましくは20〜100、より好ましくは30〜100の範囲である。電荷輸送物質の量がそれより少ないと、電荷輸送能が低下し、感度低下及び残留電位の上昇などの問題点が生ずる。この場合の電荷輸送層の膜厚は好ましくは1〜50μm、より好ましくは3〜30μmの範囲で調整される。
更に、電荷輸送層の上に表面保護層を形成してもよい。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下、「部」は、「質量部」を示し、「%」は、「質量%」を示す。
熱可塑性樹脂粒子の粒径及び粒度分散係数ε、金属酸化物粒子の粒径は、Malvern Instrument Ltd社製、Zetasizer NanoZS光散乱粒度分布計(MODEL ZEN3600)を用いた。測定溶媒は水性分散下引層塗布液の溶媒組成と同一とし、測定温度25℃での体積粒度分布を求めた。
〔実施例1〕
熱間押し出しにより得たA3003の外径φ30.5mm、内径φ28.5mm、長さ260.5mmのアルミニウム素管(ED管)を準備した。
次に、酸化スズで形成された被覆層を有する硫酸バリウム微粒子からなる粉体 120部
(被覆率50質量%、粉体比抵抗700Ω・cm)
レゾール型フェノール樹脂 70部
(商品名:ブライオーフェンJ−325、大日本インキ化学工業(株)製、固形分70%)
2−メトキシ−1−プロパノール 100部
上記材料なる溶液を約20時間ボールミルで分散し、導電性粒子樹脂分散層用塗布液を調製した(この塗布液に含有するフィラーの平均粒径は0.22μmであった)。この液を上記アルミニウム素管の上に浸漬コーティング法によって塗布し、温度140℃で30分間加熱硬化することにより、膜厚が15μmの導電性粒子樹脂分散層を形成し、これを導電性支持体とした。
次に、水性分散下引層塗布液を下記のように作製した。ヒーター付きの密閉できる耐圧1リットル用ガラス容器を備えた撹拌機を用いて、
熱可塑性樹脂A 75.0g
(熱可塑性樹脂Aは質量比で、無水マレイン酸3部、エチレン79部、エチルアクリレート18部で構成されるポリオレフィン共重合体とする)
2−プロパノール(IPA) 60.0g
トリエチルアミン(TEA) 5.1g
及び159.9gの蒸留水をガラス容器内に仕込み、撹拌翼の回転速度を300rpmとして撹拌したところ、容器底部には樹脂粒状物の沈澱は認められず、浮遊状態となっていることが確認された。そこでこの状態を保ちつつ、10分後にヒーターの電源を入れ加熱した。そして系内温度を140℃乃至145℃に保って更に20分間撹拌した。その後、水浴につけて、回転速度300rpmのまま攪拌しつつ室温(約25℃)まで冷却した後、300メッシュのステンレス製フィルター(線径0.035mm、平織)で加圧濾過(空気圧0.2MPa)した。そして、乳白色の均一なポリオレフィン樹脂粒子を含有する水性分散液Aを得た。
塩化第二スズ五水和物0.2モルを200mlの水に溶解して0.5Mの水溶液とし、撹拌しながら28%のアンモニア水を添加することでpH1.5の白色酸化スズ超微粒子含有スラリーを得た。得られた酸化スズ超微粒子含有スラリーを温度70℃まで加熱した後、温度約50℃まで自然冷却したうえで純水を加え1Lの酸化スズ超微粒子含有スラリーとし、遠心分離器を用いて固液分離を行った。この含水固形分に800mlの純水を加えて、ホモジナイザーにより撹拌・分散を行った後、遠心分離器を用いて固液分離を行うことで洗浄を行った。洗浄後の含水固形分に純水を75ml加えて酸化スズ超微粒子含有スラリーを調製した。得られた酸化スズ超微粒子含有スラリーにトリエチルアミン(沸点89.7℃)3.0mlを加え撹拌し、透明感が出てきたところで温度70℃まで昇温した。その後、加温をやめ自然冷却することで固形分濃度20質量%の有機アミンを分散安定剤とする酸化スズゾル溶液を得た。
水性分散液Aを99部、上記酸化スズゾル溶液875部、IPA350部を混合し水性分散下引層塗布液とした。この水性分散下引層塗布液溶媒組成中での樹脂粒子径は0.240μm、粒度分散係数εは0.37あった。
上記導電性支持体の上に得られた水性分散下引層塗布液を浸漬塗布法で塗布し、温度120℃で10分間乾燥し、膜厚が0.8μmの下引層を形成した。
ヒドロキシガリウムフタロシアニン(電荷発生材料) 20部
(CuKαの特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.2°)の7.3°、24.9°および28.1°に強いピークを有する結晶形)
ポリビニルブチラール樹脂(商品名:BX−1、積水化学工業株式会社製) 10部
シクロヘキサノン 350部
上記材料を、直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミルで3時間分散し、これに酢酸エチル1200部を加えて希釈した。このときの電荷発生材料のCAPA−700(堀場製作所(株)製)による分散粒径は0.15μmであった。下引層の上に、この電荷発生層用塗布液を浸漬塗布し、温度100℃で10分間乾燥して、膜厚が0.2μmの電荷発生層を形成した。なお、下引層の水性分散塗布液の熱可塑性樹脂粒子は電荷発生層用塗布液に不溶であった。
次に、下記構造式(1)で示される化合物7部、式(2)で示される化合物1部、及び、下記式(3)で示される構成単位を有するビスフェノールC型ポリアリレート樹脂(Mw110000)10部をモノクロルベンゼン50部/メチラール10部に混合溶媒に溶解し、電荷輸送層用塗料を調製した。この塗料を電荷発生層の上に浸漬塗布法で塗布し、温度110℃で1時間乾燥して、膜厚18μmの電荷輸送層を形成した。こうして電子写真感光体を作製した。
Figure 0005479053
Figure 0005479053
評価には電子写真装置、ヒューレット−パッカード(株)製カラーレーザープリンター、レーザージェット4600改造機(クリーニングブレードの電子写真感光体に対する当接線圧を550mN/cmに設定)を使用した。上記作製した電子写真感光体を装着し10000枚印字後の感光体表面を観察した。評価は以下のように行った。
・外観異常なし ○
・感光層の浮き上がりが見られる △
・感光層が剥がれている ×
粒径、粒度分散係数の測定結果、及び評価結果を表1に示す。
〔実施例2〕
酸化チタン(PT401M、石原産業株式会社製)100部、メタノール750部、蒸留水50部に直径1mmのガラスビーズを1000部加え、ペイントシェーカにより15時間分散した。
水性分散下引層塗布液の酸化スズゾル溶液に変え、上記酸化チタン分散液900部を用いた以外は、実施例1と同様に下引層及び感光体を作製し、評価を行った。粒径、粒度分散係数の測定結果、及び評価結果を表1に示す。
〔実施例3〕
酸化チタン(PT401M、石原産業株式会社製)に変え、酸化チタン(TTO−51A、石原産業株式会社製)とした以外は、実施例2と同様に下引層及び感光体を作製し、評価を行った。粒径、粒度分散係数の測定結果、及び評価結果を表1に示す。
〔実施例4〕
撹拌翼の回転速度を100rpmとし、ヒーターの加熱温度を120±5℃に保って更に20分間撹拌した以外は、実施例1と同様に下引層及び感光体を作製し、評価を行った。粒径、粒度分散係数の測定結果、及び評価結果を表1に示す。
〔実施例5〕
撹拌翼の回転速度を500rpmとし、ヒーターの加熱温度を150±5℃に保って更に1時間撹拌した以外は、実施例1と同様に下引層及び感光体を作製し、評価を行った。粒径、粒度分散係数の測定結果、及び評価結果を表1に示す。
〔実施例6〕
熱可塑性樹脂Aを質量比で、無水マレイン酸1部、エチレン60部、エチルアクリレート39部で構成されるポリオレフィン共重合体とした以外は、実施例3と同様に下引層及び感光体を作製し、評価を行った。粒径、粒度分散係数の測定結果、及び評価結果を表1に示す。
〔実施例7〕
熱可塑性樹脂Aを質量比で、無水マレイン酸3部、エチレン87部、エチルアクリレート10部で構成されるポリオレフィン共重合体とし、酸化チタン(PT401M、石原産業株式会社製)に変え、酸化チタン(CR−EL、石原産業株式会社製)とした以外は、実施例2と同様に下引層及び感光体を作製し、評価を行った。粒径、粒度分散係数の測定結果、及び評価結果を表1に示す。
〔実施例8〕
熱可塑性樹脂Aを質量比で、無水マレイン酸3部、エチレン90部、エチルアクリレート7部で構成されるポリオレフィン共重合体とし、酸化チタン(PT401M、石原産業株式会社製)に変え、酸化チタン(PT−301、石原産業株式会社製)とした以外は、実施例2と同様に下引層及び感光体を作製し、評価を行った。粒径、粒度分散係数の測定結果、及び評価結果を表1に示す。
〔比較例1〕
撹拌翼の回転速度を50rpmとし、ヒーターの加熱温度を110±5℃に保って更に20分間撹拌した以外は、実施例2と同様に下引層及び感光体を作製し、評価を行った。粒径、粒度分散係数の測定結果、及び評価結果を表1に示す。
〔比較例2〕
撹拌翼の回転速度を1000rpmとし、ヒーターの加熱温度を170±5℃に保って更に2時間撹拌した以外は、実施例2と同様に下引層及び感光体を作製し、評価を行った。粒径、粒度分散係数の測定結果、及び評価結果を表1に示す。
〔比較例3〕
酸化チタン(TTO51A、石原産業株式会社製)に変え、酸化チタン(PT−301、石原産業株式会社製)とした以外は、実施例2と同様に下引層及び感光体を作製し、評価を行った。粒径、粒度分散係数の測定結果、及び評価結果を表1に示す。
Figure 0005479053
以上のように、本発明により、支持体と感光層の接着性が良好な電子写真感光体の製造方法を見出した。

Claims (4)

  1. 支持体上に下引層と感光層をこの順にする電子写真感光体を製造する方法であって
    水に不溶な熱可塑性樹脂粒子、および金属酸化物粒子を含有する水性分散下引層塗布液の塗膜を形成し該塗膜を加熱して該熱可塑性樹脂粒子を融解して下引層を成膜する工程を有し、
    該熱可塑性樹脂粒子に対する該金属酸化物粒子の体積比が0.5〜2.0倍であり、
    該水性分散下引層塗布液中の該熱可塑性樹脂粒子の体積粒度分布10%、50%、90%体積に対応する粒子径をそれぞれD10、D50、D90としたとき下記式(1)で示される粒度分散係数εが0.2以上1.0以下を満たし、
    ε=(D90−D10)/D50 (1)
    該水性分散下引層塗布液中の該金属酸化物粒子の体積粒度分布の50%体積に対応する粒子径をD50としたとき、該金属酸化物粒子のD50が該熱可塑性樹脂粒子のD50の0.5倍以下であることを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
  2. 前記熱可塑性樹脂粒子のD50が50〜500nmである請求項1に記載の電子写真感光体の製造方法。
  3. 前記熱可塑性樹脂粒子がポリオレフィン樹脂粒子である請求項1又は2に記載の電子写真感光体の製造方法。
  4. 前記塗膜の加熱温度が前記熱可塑性樹脂粒子の融点以上である請求項1乃至3のいずれか一項に記載の電子写真感光体の製造方法。
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