JP6413762B2 - 電子写真感光体、画像形成装置、及びカートリッジ - Google Patents
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Description
下引き層としては、種々の樹脂材料を用いることが知られているが、中でも特に可溶性ポリアミド樹脂が好ましいことが知られている(特許文献1参照)。そして、更には特定のジアミン成分を構成成分として有する共重合ポリアミド樹脂が好ましく用いられている(特許文献2参照)。そのようなポリアミド樹脂に無機材料を分散させた下引き層として、例えば、酸化チタンと酸化スズを8−ナイロンに分散させたものが知られており(引用文献3参照)、耐リーク特性を改善するためにアクリル基を有する有機金属化合物で表面処理された金属酸化合物粒子を用いることが知られている(特許文献4参照)。
するポリアリレート樹脂を用いた場合、従前知られた下引き層を用いた電子写真感光体では、高温高湿環境での電気特性と接着性を両立できなかった。即ち、本発明は、高温高湿から低温低湿にわたる様々な使用環境下において初期及び繰り返し共に、電気特性に優れ、しかも接着性にも優れ、耐摩耗性にも優れた電子写真感光体、画像形成装置、及びカートリッジを提供することを目的とするものである。
において、下引き層に用いる材料について鋭意検討した結果、前記構造式(I)を有する
有機金属化合物で表面処理された金属酸化物粒子とバインダー樹脂を含む下引き層を用い
た感光体が、電気特性に優れ、しかも接着性にも優れることを見いだし、本発明に到達し
た。即ち、本発明の要旨は、以下<1>〜<9>に存する。
<1>導電性支持体上に、下引き層及び感光層を有する電子写真感光体において、前記下
引き層が、下記構造式(I)を有する有機金属化合物で表面処理された金属酸化物粒子と
、バインダー樹脂とを含有し、前記感光層が、下記構造式(II)を有するポリアリレー
ト樹脂を含有することを特徴とする、電子写真感光体。
構造式(I)
CH2=CR1−COO−R2−M
(R1は、水素原子又はアルキル基、R2は、アルキレン基、Mは、Si(R3)3、Ti(R3)3、又はAl(R3)2を示す。R3は、アルキル基又はアルコキシ基を示す。)
レン基を表し、R3、R4は水素原子又はアルキル基を表す。R3、R4は結合して環を
形成していてもよい。)
<2>該感光層が、電荷発生層及び電荷輸送層がこの順に積層された積層型感光層である
ことを特徴とする、<1>に記載の電子写真感光体。
<3>前記構造式(I)のR1がメチル基であることを特徴とする、<1>又は<2>に
記載の電子写真感光体。
<4>前記構造式(I)を有する有機金属化合物が、金属酸化物粒子100質量部に対し
て、5質量部〜30質量部であることを特徴とする、<1>〜<3>のいずれか1つに記
載の電子写真感光体。
<5>前記金属酸化物粒子が、n型半導体粒子であることを特徴とする、<1>〜<4>
のいずれか1つに記載の電子写真感光体。
<6>前記金属酸化物粒子が、前記バインダー樹脂100質量部に対して100〜400
質量部であることを特徴とする、<1>〜<5>のいずれか1つに記載の電子写真感光体
。
<7>前記バインダー樹脂が、ポリアミド樹脂であることを特徴とする、<1>〜<6>
のいずれか1つに記載の電子写真感光体。
<8><1>〜<7>のいずれか1つに記載の電子写真感光体を用いた、画像形成装置。
<9><1>〜<7>のいずれか1つに記載の電子写真感光体を用いた、画像形成装置用
のカートリッジ。
<電子写真感光体>
導電性支持体の上に下引き層が形成され、下引き層の上には感光層が形成される。
導電性支持体について特に制限は無いが、例えばアルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼、銅、ニッケル等の金属材料や、金属、カーボン、酸化錫などの導電性粉体を添加して導電性を付与した樹脂材料や、アルミニウム、ニッケル、ITO(酸化インジウム酸化錫)等の導電性材料をその表面に蒸着又は塗布した樹脂、ガラス、紙等が主として使用される。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。導電性支持体の形態としては、ドラム状、シート状、ベルト状などのものが用いられる。更には、金属材料の導電性支持体の上に、導電性・表面性などの制御や欠陥被覆のために、適当な抵抗値を有する導電性材料を塗布したものを用いても良い。
本発明では導電性支持体上に、構造式(I)を有する有機金属化合物で表面処理された金属酸化物粒子と、バインダー樹脂とを含有する下引き層が形成される。
構造式(I)
CH2=CR1−COO−R2−M
(R1は、水素原子又はアルキル基、R2は、アルキレン基、Mは、Si(R3)3、Ti(R3)3、又はAl(R3)2を示す。R3は、アルキル基又はアルコキシ基を示す。)
構造式(I)中、R1のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基等の直鎖状アルキル基、i−プロピル基、t−ブチル基、エチルヘキシル基等
の分岐状アルキル基、シクロヘキシル基等の環状アルキル基が挙げられ、接着性の観点から、炭素数3以下のアルキル基であることが好ましく、メチル基であることがより好ましい。R2のアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、n−ブチレン基等が挙げられ、接着性の観点から、炭素数4以下のアルキレン基であることが好ましく、n−プロピレン基であることがより好ましい。R3のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基等の直鎖状アルコキシ基、イソプロポキシ基、エチルヘキシロキシ基等の分岐状アルコキシ基、シクロヘキシロキシ基等の環状アルコキシ基、トリフルオロメトキシ基、ペンタフルオロエトキシ基、1,1,1−トリフルオロエトキシ基等のフッ素原子を有するアルコキシ基が挙げられ、アルキル基はR1で例示したものが適用できる。接着性の観点から、炭素数3以下のアルコキシ基であることが好ましく、エトキシ基又はメトキシ基であることがより好ましい。構造式(I)を有する有機金属化合物としては、シランカップリング剤であることが好ましい。前記有機金属化合物の中でも、電気特性及び接着性の観点から、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシランが特に好ましい。
金属酸化物粒子の平均一次粒子径は、塗布液への分散安定性の観点から、通常平均粒径の上限は100nm以下であり、60nm以下が好ましく、40nm以下が特に好ましい。また、凝集抑制の観点から、下限は1nm以上であり、10nm以上が好ましく、20nm以上が特に好ましい。塗布液に用いる粒子の粒径は、均一であってもまた、異なる粒径の複合系でもよい。例えば平均一次粒子径が100mのものと30nmのものを混合して用いても良い。
表面処理剤で処理された金属酸化物粒子とバインダー樹脂の比率は、電気特性面から、バインダー樹脂100質量部に対して、通常50質量部以上であり、100質量部以上が好ましい。また、上限は、液の安定性及び塗布性の観点から、通常800質量部以下であり、400質量部以下が好ましい。下引き層は主として、構造式(I)を有する有機金属化合物で被覆された金属酸化物粒子とバインダー樹脂で構成されるが、必要に応じて、他の表面処理金属酸化合物粒子(フッ素シラン処理の酸化チタン、メチルジメトキシシラン処理の酸化チタン等)、を加えても良く、メチルジメトキシシラン処理酸化チタンを加えることが、転写性の面等で好ましい。又、表面処理無し金属化合物粒子、酸化防止剤、添加剤、導電剤等を加えても良い。
小径ビーズを用いて分散することもできる。更には、バインダー樹脂溶解液に金属酸化物粒子を添加し、上記のような分散装置で、粉砕又は分散処理を行う事によってもよい。
感光層の形式としては、電荷発生物質と電荷輸送物質とが同一層に存在し、バインダー樹脂中に分散された単層型と、電荷発生物質がバインダー樹脂中に分散された電荷発生層及び電荷輸送物質がバインダー樹脂中に分散された電荷輸送層の二層からなる機能分離型(積層型)とが挙げられるが、電荷発生層及び電荷輸送層がこの順に積層された積層型感光層である場合に、前記下引き層を用いることにより、特に接着性が向上する。また、積
層型感光層としては、導電性支持体側から電荷発生層、電荷輸送層をこの順に積層して設ける順積層型感光層であることが好ましい。積層型感光体、単層型感光体ともに、感光層又はそれを構成する各層には、成膜性、可撓性、塗布性、耐汚染性、耐ガス性、耐光性などを向上させる目的で、周知の酸化防止剤、可塑剤、紫外線吸収剤、電子吸引性化合物、レベリング剤、可視光遮光剤などの添加物を含有させても良い。
積層型感光体(機能分離型感光体)の場合、電荷発生層は、電荷発生物質をバインダー樹脂で結着することにより形成される。電荷発生物質としては、セレニウム及びその合金、硫化カドミウム等の無機系光導電材料と、有機顔料等の有機系光導電材料とが挙げられるが、有機系光導電材料の方が好ましく、特に有機顔料が好ましい。有機顔料としては、例えば、フタロシアニン顔料、アゾ顔料、ジチオケトピロロピロール顔料、スクアレン(スクアリリウム)顔料、キナクリドン顔料、インジゴ顔料、ペリレン顔料、多環キノン顔料、アントアントロン顔料、ベンズイミダゾール顔料等が挙げられる。これらの中でも、特にフタロシアニン顔料又はアゾ顔料が好ましい。電荷発生物質として有機顔料を使用する場合、通常はこれらの有機顔料の微粒子を、各種のバインダー樹脂で結着した分散層の形で使用する。
系樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、変性エーテル系ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルピリジン樹脂、セルロース系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、カゼインや、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ヒドロキシ変性塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、カルボキシル変性塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体等の塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−アルキッド樹脂、シリコン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂等の絶縁性樹脂や、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセン、ポリビニルペリレン等の有機光導電性ポリマーなどが挙げられるが、ポリビニルアセタール樹脂が特に好ましく、ポリビニルアセタール樹脂としては、分散性の観点からポリビニルブチラール樹脂が好ましい。これらのバインダー樹脂は、何れか1種を単独で用いても良く、2種類以上を任意の組み合わせで混合して用いても良い。
積層型感光体の電荷輸送層は、電荷輸送物質とバインダー樹脂を含有する。更に必要に応じてその他の成分を含有してもよい。電荷輸送物質等とバインダー樹脂とを溶剤に溶解又は分散して塗布液を作製し、電荷発生層上に、塗布、乾燥して得ることができる。積層型感光体の場合は、電荷輸送層にポリア下記構造式(II)を有するポリアリレート樹脂を含有する。
Ar1〜Ar4が有していてもよいアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基等の直鎖状アルキル基、i−プロピル基、t−ブチル基、エチルヘキシル基等の分岐状アルキル基、シクロヘキシル基等の環状アルキル基が挙げられ、電気特性の観点から、炭素数3以下のアルキル基であることが好ましく、メチル基であることがより好ましい。電気特性の観点から、Ar1、Ar2はアルキル基を有さず、Ar3、
Ar4がアルキル基を有することが好ましい。R3、R4のアルキル基としては、Ar1〜Ar4が有していてもよいアルキル基として挙げたものが適用でき、耐摩耗性の観点から、R3が水素原子、R4がメチル基であることが好ましい。具体例を以下に示す。
電荷輸送層の膜厚は特に制限されないが、高解像度の観点から、通常5μm以上、好ましくは15μm以上、長寿命、画像安定性の観点から、通常30μm以下、好ましくは25μm以下である。
単層型感光層は、電荷発生物質と電荷輸送物質に加えて、積層型感光体の電荷輸送層と同様に、バインダー樹脂として構造式(II)を有するポリアリレート樹脂を使用して形成する。具体的には、電荷発生物質と電荷輸送物質とポリアリレート樹脂とを溶剤に溶解又は分散して塗布液を作製し、下引き層上に塗布、乾燥して得ることができる。
また、積層型感光体、単層型感光体ともに、上記手順により形成された感光層を最上層、即ち表面層としてもよいが、その上に更に別の層を設け、これを表面層としてもよい。例えば、感光層の損耗を防止したり、帯電器等から発生する放電生成物等による感光層の劣化を防止・軽減する目的で、保護層を設けても良い。構造式(II)を有するポリアリレート樹脂の耐摩耗性が良いことから、その特性を生かすため、又、生産工程を少なくすることが出来ることから感光層が表面層であることが好ましい。
本発明の下引き層、及び感光体を構成する各層は、各層に含有させる物質を溶剤に溶解又は分散させて得られた塗布液を、支持体上に浸漬塗布、スプレー塗布、ノズル塗布、バーコート、ロールコート、ブレード塗布等の公知の方法により、各層ごとに順次塗布・乾燥工程を繰り返すことにより形成される。
塗布液の塗布方法としては、浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、スピナーコーティング法、ビードコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、ブレードコーティング法、ローラーコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等が挙げられるが、他の公知のコーティング法を用いることも可能である。
本発明の電子写真感光体を使用する複写機、プリンター等の画像形成装置は、少なくとも帯電、露光、現像、転写、除電の各プロセスを含むが、どのプロセスも通常用いられる方法のいずれを用いてもよい。図1に示すように、画像形成装置は、電子写真感光体1、帯電装置2、露光装置3、現像装置4を備えて構成され、更に必要に応じて転写装置5、クリーニング装置6及び定着装置7が設けられる。
[下引き層形成用塗布液P1]
平均一次粒子径40nmのルチル型白色酸化チタン(石原産業(株)製、製品名 TT
O55N)と該酸化チタン100部に対して、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン15部を、せん断力により、ミキサー内の温度が160℃に達するまでスーパーミ
キサーで攪拌して、表面処理を行った。次にこの表面処理をした酸化チタンと、メタノールと1−プロパノールを5mmφのアルミナビーズでボールミル分散し、酸化チタン分散液を得た。ε−カプロラクタム[下記式(A)で表わされる化合物]/ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン[下記式(B)で表わされる化合物]/ヘキサメチレンジアミン[下記式(C)で表わされる化合物]/デカメチレンジカルボン酸[下記式(D)で表わされる化合物]/オクタデカメチレンジカルボン酸[下記式(E)で表わされる化合物]の組成モル比率が、60%/15%/5%/15%/5%からなる共重合ポリアミドのペレットとをメタノール/1−プロパノール/トルエン混合溶媒中で、加熱しながら撹拌混合して共重合ポリアミド樹脂溶液を得た。上記酸化チタン分散液と共重合ポリアミド樹脂溶液を撹拌混合後、周波数25kHz,出力1200Wの超音波発信器による超音波分散処理を1時間行ない、更に孔径5μmのPTFE製メンブレンフィルター(アドバンテック製 マイテックス LC)により濾過し、酸化チタン/共重合ポリアミドを質量比が3/1であり、メタノール/1−プロパノール/トルエンの混合溶媒の質量比が7/1/2であって、含有する固形分の濃度が18.0質量%の下引き層形成用塗布液
P1を得た。
表面処理剤をメチルジメトキシシランに変更し、表面処理剤量を3部に変更した以外は、分散液P1と同様にして下引き形成用塗布液P2を得た。
平均一次粒子径40nmのルチル型白色酸化チタン(石原産業(株)製、製品名 TTO55N)と該酸化チタン100部に対して、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン15部を、せん断力により、ミキサー内の温度が160℃に達するまでスーパーミキサーで攪拌して、表面処理を行った。次にこの表面処理をした酸化チタン250gと、メタノール750gとを混合してなる原料スラリー1000gを、直径約50μmのジルコニアビーズ(株式会社ニッカトー製 YTZ)を分散メディアとして、ミル容積約0.15Lの寿工業株式会社製ウルトラアペックスミル(UAM−015型)を用い、ロータ周速10m/秒、液流量6g/秒の循環状態で、28分間分散処理し、酸化チタンの分散液を作製した。この酸化チタン分散液と、予めメタノール/1−プロパノール/トルエンの混合溶媒に溶解した市販の共重合ポリアミド樹脂(東レ(株)製、製品名CM8000)溶液を撹拌混合後、周波数25kHz,出力1200Wの超音波発信器による超音波分散処理を1時間行い、更に孔径5μmのPTFE製メンブレンフィルター(アドバンテック製 マイテックス LC)により濾過し、酸化チタン/共重合ポリアミドを質量比が3/
1であり、メタノール/1−プロパノール/トルエンの混合溶媒の質量比が7/1/2であって、含有する固形分の濃度が18質量%の下引き層形成用塗布液P3を得た。
表面処理剤をメチルジメトキシシランに変更し、表面処理剤量を3部に変更した以外は、分散液P3と同様にして下引き形成用塗布液P4を得た。
CuKα線により粉末X線スペクトルパターンにおいてブラッグ角(2θ±0.2゜)27.3゜に特徴的なピークを示すオキシチタニウムフタロシニアン10部と、ポリビニルアセタール樹脂(電気化学工業(株)製、商品名DK31)5部と、1,2−ジメトキシエタン500部とを混合し、サンドグラインドミルで粉砕、分散処理を行い、電荷発生層形成用塗布液Q1を得た。
電荷発生層形成用塗布液Q1において、ポリビニルアセタール樹脂(電気化学工業(株)製、商品名DK31)5部に加えて、ポリビニルアセタール樹脂(積水化学工業(株)製、商品名KS1)2部を用いた以外は、Q1と同様にして、電荷発生層形成用塗布液Q2を得た。
下記構造式(IV)で表されるポリアリレート樹脂(粘度平均分子量 75,000)
100部、下記構造式(V)で表される電荷輸送物質40部、ジブチルヒドロキシトルエン4部、トリベンジルアミン1部、下記構造式(VI)で表される化合物1部を、テトラヒドロフラン:トルエン=8/2の混合溶媒に溶解、撹拌混合することで、固形分濃度15%の電荷輸送層形成用塗布液R1を得た。
上記構造式(IV)で表されるポリアリレート樹脂100部、下記構造式(VII)で表される電荷輸送物質40部、ジブチルヒドロキシトルエン4部、トリベンジルアミン1部、上記構造式(VI)で表される化合物1部とを、テトラヒドロフラン:トルエン=8/2の混合溶媒に溶解、撹拌混合することで、固形分濃度15%の電荷輸送層形成用塗布液R2を得た。
下記構造式(VIII)で表されるポリアリレート樹脂100部、上記構造式(VII)で表される電荷輸送物質40部、ジブチルヒドロキシトルエン4部、トリベンジルアミン1部、上記構造式(VI)で表される化合物1部とを、テトラヒドロフラン:トルエン=8/2の混合溶媒に溶解、撹拌混合することで、固形分濃度15%の電荷輸送層形成用塗布液R3を得た。
下記構造式(VIIII)で表されるポリカーボネート樹脂100部、上記記構造式(VII)で表される電荷輸送物質40部、ジブチルヒドロキシトルエン4部、トリベンジルアミン1部、上記構造式(VI)で表される化合物1部とを、テトラヒドロフラン:トルエン=8/2の混合溶媒に溶解、撹拌混合することで、固形分濃度15%の電荷輸送層形成用塗布液R4を得た。
下引き層形成用塗布液P1を、表面が切削加工仕上げされた30mmφで、長さが246mmアルミニウム製シリンダーに浸漬塗布し、その乾燥膜厚が、1.5μmとなるように下引き層を設けた。下引き層上に電荷発生層形成用塗布液Q1を浸漬塗布し、その乾燥膜厚が0.4g/m2となるようにして電荷発生層を設けた。電荷発生層上に電荷輸送層形成用塗布液R1を浸漬塗布し、その乾燥膜厚が18.0μmとなるように作製した感光体を感光体D1とする。
電荷発生層形成用塗布液Q1を塗布液Q2にした以外は、感光体D1と全く同様に作製した感光体を感光体D2とする。
<実施例3>
電荷輸送層形成用塗布液R1を塗布液R2にしたこと以外は、感光体D1と全く同様に作製した感光体を感光体D3とする。
下引き層形成用塗布液P1を、厚さ1mmのアルミ板にワイヤーバーで塗布し、その乾燥膜厚が1.5μmとなるように下引き層を設けた。下引き層上に電荷発生層形成用塗布液Q1をワイヤーバーで塗布し、その乾燥膜厚が0.3g/m2となるようにして電荷発生層を設けた。電荷発生層上に電荷輸送層形成用塗布液R1をアプリケータで塗布し、その乾燥膜厚が18μmとなるように作製した感光体を感光体S1とする。
下引き層形成用塗布液P3を、厚さ1mmのアルミ板にワイヤーバーで塗布し、その乾燥膜厚が1.5μmとなるように下引き層を設けた。下引き層上に電荷発生層形成用塗布
液Q2をワイヤーバーで塗布し、その乾燥膜厚が0.3g/m2となるようにして電荷発生層を設けた。電荷発生層上に電荷輸送層形成用塗布液R2をアプリケータで塗布し、その乾燥膜厚が18μmとなるように作製した感光体を感光体S2とする。
下引き層形成用塗布液を分散液P2にしたこと以外は、感光体D1と全く同様に作製した感光体D4とする。
<比較例2>
下引き層形成用塗布液を分散液P2にしたこと以外は、感光体S1と全く同様に作製した感光体を感光体S3とする。
下引き層形成用塗布液を分散液P4にしたこと以外は、感光体S2と全く同様に作製した感光体を感光体S4とする。
<参考例1>
電荷輸送層形成用塗布液R2を塗布液R3にしたこと以外は、感光体S2と全く同様に作製した感光体を感光体S5とする。
下引き層形成用塗布液を分散液P4にしたこと以外は、感光体S5と全く同様に作製した感光体を感光体S6とする。
<参考例3>
電荷輸送層形成用塗布液R2を分散液R4にしたこと以外は、感光体S2と全く同様に作製した感光体を感光体S7とする。
下引き層形成用塗布液を分散液P4にしたこと以外は、感光体S7と全く同様に作製した感光体を感光体S8とする。
次に、これら電子写真感光体D1〜D3を、電子写真学会標準に従って作製された電子写真特性評価装置(続電子写真技術の基礎と応用、電子写真学会編、コロナ社、404〜405頁記載)に装着し、感光体特性測定機に装着し、以下の手順に従って、帯電(マイナス極性)、露光、電位測定、除電のサイクルによる電気特性の評価を行なった。 感光
体の初期表面電位が−600Vになるように帯電させ、ハロゲンランプの光を干渉フィルターで740nmの単色光としたものを照射して、表面電位が−300Vとなる時の照射エネルギー(半減露光エネルギー)を感度(E1/2)として測定した(μJ/cm2)。また、該露光光を0.5μJ/cm2の強度で照射したときの60ms後の露光後表面電位(VL)を測定した(−V)。更に−600Vに帯電して5秒放置後の電位保持率(DDR)を測定した(%)。
この電気特性評価結果を表−1に示す。
感光体D1〜D3に、カッターナイフ(KOKUYO製HA−100SN)で3×3mm角で9個の碁盤目のキズを付け、セロハンテープ(大塚商会製TSCT−18)で剥離テストを行ったところ感光体D1の剥離個数は2個、感光体D2の剥離個数は0個、感光体D3の剥離個数は3個であったが、感光体D4の剥離個数は9個(全剥がれ)であった。感光体S1〜S8を、カミソリの刃で、2mm角で25個の碁盤目のキズを付け、セロハンテープ(3M)で剥離テストを行ったところ、感光体S1及びの剥離個数は、0個であったが、感光体S3の剥離個数は、25個(全剥がれ)であり、感光体S4の剥離個数
は、13個であった。感光体S3の剥離個数は、0個であったが、感光体S5の剥離個数は、23個、感光体S6の剥離個数は、12個であった。感光体S7及び感光体S8の剥離個数は、0個であった。評価結果を表−2に示す。
2 帯電装置(帯電ローラ;帯電部)
3 露光装置(露光部)
4 現像装置(現像部)
5 転写装置
6 クリーニング装置(クリーニング部)
7 定着装置
41 現像槽
42 アジテータ
43 供給ローラー
44 現像ローラー
45 規制部材
71 上部定着部材(加圧ローラー)
72 下部定着部材(定着ローラー)
73 加熱装置
T トナー
P 記録紙(用紙,媒体)
Claims (9)
- 導電性支持体上に、下引き層及び感光層を有する電子写真感光体において、前記下引き
層が、下記構造式(I)を有する有機金属化合物で表面処理された金属酸化物粒子と、バ
インダー樹脂とを含有し、前記感光層が、下記構造式(II)を有するポリアリレート樹
脂を含有することを特徴とする、電子写真感光体。
構造式(I)
CH2=CR1−COO−R2−M
(R1は、水素原子又はアルキル基、R2は、アルキレン基、Mは、Si(R3)3、T
i(R3)3、又はAl(R3)2を示す。R3は、アルキル基又はアルコキシ基を示す
。)
レン基を表し、R3、R4は水素原子又はアルキル基を表す。R3、R4は結合して環を
形成していてもよい。) - 該感光層が、電荷発生層及び電荷輸送層がこの順に積層された積層型感光層であること
を特徴とする、請求項1に記載の電子写真感光体。 - 前記構造式(I)のR1がメチル基であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の
電子写真感光体。 - 前記構造式(I)を有する有機金属化合物が、金属酸化物粒子100質量部に対して、
5質量部〜30質量部であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の電
子写真感光体。 - 前記金属酸化物粒子が、n型半導体粒子であることを特徴とする、請求項1〜4のいず
れか1項に記載の電子写真感光体。 - 前記金属酸化物粒子が、前記バインダー樹脂100質量部に対して100〜400質量
部であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の電子写真感光体。 - 前記バインダー樹脂が、ポリアミド樹脂であることを特徴とする、請求項1〜6のいず
れか1項に記載の電子写真感光体。 - 請求項1〜7のいずれか1項に記載の電子写真感光体を用いた、画像形成装置。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の電子写真感光体を用いた、画像形成装置用のカー
トリッジ。
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