JP2017161718A - 電子写真感光体、画像形成装置、及びカートリッジ - Google Patents
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Abstract
Description
<3>前記電荷発生層の表面の純水に対する接触角が、60°以上、90°以下であることを特徴とする、<1>又は<2>に記載の電子写真感光体。
<4>導電性基体上に、下引き層、及び単層型感光層を有する電子写真感光体において、前記下引き層は、有機金属化合物で表面処理された金属酸化物粒子と、バインダー樹脂と
を含有し、且つ下引き層表面の純水に対する接触角が、40°以上、72°以下であり、前記単層型感光層は、少なくとも電荷輸送物質とユニバーサル硬度が80N/mm2以上、125N/mm2以下で弾性変形率が35%以上、90%以下であるバインダー樹脂とを含有することを特徴とする、電子写真感光体。
<6>ユニバーサル硬度が80N/mm2以上、125N/mm2以下で弾性変形率が35%以上、90%以下であるバインダー樹脂が、ポリアリレート樹脂、又はポリカーボネート樹脂であることを特徴とする、<1>〜<5>のいずれかに記載の電子写真感光体。<7>前記ユニバーサル硬度が120N/mm2以下であることを特徴とする、<1>〜<6>のいずれかに記載の電子写真感光体。
<9>前記有機金属化合物が、構造式(I)であること特徴とする、<1>〜<8>のいずれかに記載の電子写真感光体。
構造式(I)
CH2=CR1−COO−R2−M
(R1は、水素原子又はアルキル基、R2は、アルキレン基、Mは、Si(R3)3、Ti(R3)3、又はAl(R3)2を示す。R3は、アルキル基又はアルコキシ基を示す。)
<11>前記金属酸化物粒子が、前記バインダー樹脂100質量部に対して50〜400質量部であることを特徴とする、<1>〜<10>のいずれかに記載の電子写真感光体。<12>前記バインダー樹脂が、ポリアミド樹脂であることを特徴とする、<1>〜<11>のいずれかに記載の電子写真感光体。
<13><1>〜<12>のいずれかに記載の電子写真感光体を用いた、画像形成装置。<14><1>〜<12>のいずれかに記載の電子写真感光体を用いた、画像形成装置用のカートリッジ。
導電性基体上に、少なくとも下引き層と、電荷発生層、及び電荷輸送層、又は単層型感光層とを有する。導電性支持体の上に下引き層が形成され、下引き層の上には電荷発生層又は単層型感光層が形成される。
導電性支持体について特に制限は無いが、例えばアルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼、銅、ニッケル等の金属材料や、金属、カーボン、酸化錫などの導電性粉体を添加して導電性を付与した樹脂材料や、アルミニウム、ニッケル、ITO(酸化インジウム酸化錫)等の導電性材料をその表面に蒸着又は塗布した樹脂、ガラス、紙等が主として使用される。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。導電性支持体の形態としては、ドラム状、シート状、ベルト状などのものが用いられる。更には、金属材料の導電性支持体の上に、導電性・表面性などの制御や欠陥被覆のために、適当な抵抗値を有する導電性材料を塗布したものを用いてもよい。
導電性支持体上に、有機金属化合物で表面処理された金属酸化物粒子と、体積抵抗率が1.0×1010Ω・cm以上、1×1018Ω・cm以下であるバインダー樹脂とを含有し、その表面の純水に対する接触角が40°以上、72°以下である下引き層が形成される。接触角が40°以上、72°以下を満たすためには、例えば、アクリルシラン処理された酸化チタン粒子を、体積抵抗率が1.0×1010Ω・cm以上、1×1018Ω・cm以下であるバインダー樹脂100質量部に対して、100〜300質量部含有させた下引き層とすることが挙げられる。下引き層表面の純水に対する接触角は、画像特性及び環境特性の観点から、50°以上が好ましい。又、接着性の観点から、70°以下が好ましい。純水に対する接触角は、温度25℃、相対湿度50%の環境下で、接触角計(協和界面科学社製:自動接触角計CA−VP型)を用いて、下記測定条件で測定した値である。
サンプル:30φのアルミニウムシリンダー上に乾燥膜厚1.5μの下引き層
使用純水:和光純薬工業(株)製 超純水(LC/MS用)
測定方法:自動測定
解析方法:Θ/2法
測定までの待ち時間:1000ms
曲率補正:なし
カップリング剤が好ましい。カップリング剤の中でも、下記式構造式(I)で表される化合物、又はアミノ基を有する化合物が好ましい。
CH2=CR1−COO−R2−M
(R1は、水素原子又はアルキル基、R2は、アルキレン基、Mは、Si(R3)3、Ti(R3)3、又はAl(R3)2を示す。R3は、アルキル基又はアルコキシ基を示す。)
構造式(I)中、R1のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基等の直鎖状アルキル基、i−プロピル基、t−ブチル基、エチルヘキシル基等の分岐状アルキル基、シクロヘキシル基等の環状アルキル基が挙げられ、接着性の観点から、炭素数3以下のアルキル基であることが好ましく、メチル基であることがより好ましい。R2のアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、n−ブチレン基等が挙げられ、接着性の観点から、炭素数4以下のアルキレン基であることが好ましく、n−プロピレン基であることがより好ましい。R3のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基等の直鎖状アルコキシ基、イソプロポキシ基、エチルヘキシロキシ基等の分岐状アルコキシ基、シクロヘキシロキシ基等の環状アルコキシ基、トリフルオロメトキシ基、ペンタフルオロエトキシ基、1,1,1−トリフルオロエトキシ基等のフッ素原子を有するアルコキシ基が挙げられ、アルキル基はR1で例示したものが適用できる。接着性の観点から、炭素数3以下のアルコキシ基であることが好ましく、エトキシ基又はメトキシ基であることがより好ましい。構造式(I)を有する有機金属化合物としては、シランカップリング剤であることが好ましい。前記有機金属化合物の中でも、電気特性及び接着性の観点から、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシランが特に好ましい。
ルチル型の中でも、塩素法の酸化チタンがより好ましい。塩素法の中でも、四塩化チタンを加水分解して合成されるものが画像特性及び電気特性の面で特に好ましい。
もよい。
体積抵抗率は、抵抗計((株)三菱化学アナリテック製:製品名 ハイレスター−UX
MCP−HT800)を用いて、温度25℃、相対湿度50%の環境下で測定した値である。
試料膜厚:10μm
プローブ:UR100
測定モード:体積抵抗
印加電圧:100V
印加時間:60秒
ン環を表し、Xは置換基を有していてもよいメチレン基を表す。)
尚、カゼインやポリビニルアルコール樹脂は、25℃/50%の環境下での体積抵抗率が、一般的には、1.0×1010Ω・cm以下となる。メトキシメチル化ナイロンは吸水性が高いため、体積抵抗率が低くなる傾向がある。
有機金属化合物で被覆された金属酸化物粒子とバインダー樹脂とを含有する下引き塗布液を得るためには、遊星ミル、ボールミル、サンドミル、ビーズミル、ペイントシェーカー、アトライター、高圧液衝突、超音波などの粉砕又は分散処理装置で分散スラリーを得る。このスラリーと予めバインダー樹脂を適当な溶媒に溶かしたバインダー樹脂溶解液を混合し攪拌処理を行えばよい。又、分散スラリーにバインダー樹脂を添加し、溶解させることでも得られる。また、特許4985093号公報に記載されているような小径ビーズを用いて分散することもできる。更には、バインダー樹脂溶解液に金属酸化物粒子を添加し、前記分散装置で、粉砕又は分散処理を行うこともできる。
感光層の形式としては、電荷発生物質と電荷輸送物質とが同一層に存在し、バインダー樹脂中に分散された単層型感光層と、電荷発生物質がバインダー樹脂中に分散された電荷発生層及び電荷輸送物質がバインダー樹脂中に分散された電荷輸送層の二層からなる機能分離型感光層(積層型)とが挙げられるが、負帯電方式においては導電性支持体側から電荷発生層、電荷輸送層をこの順に積層して設ける順積層型感光層であることが好ましい。正帯電方式においては、単層型が好ましい。積層型感光体、単層型感光体ともに、感光層又はそれを構成する各層には、成膜性、可撓性、塗布性、耐汚染性、耐ガス性、耐光性などを向上させる目的で、周知の酸化防止剤、可塑剤、紫外線吸収剤、電子吸引性化合物、レベリング剤、可視光遮光剤などの添加物を含有させてもよい。
積層型感光体(機能分離型感光体)の場合、電荷発生層は、電荷発生物質をバインダー樹脂で結着することにより形成される。電荷発生物質としては、セレニウム及びその合金、硫化カドミウム等の無機系光導電材料と、有機顔料等の有機系光導電材料とが挙げられるが、有機系光導電材料の方が好ましく、特に有機顔料が好ましい。有機顔料としては、例えば、フタロシアニン顔料、アゾ顔料、ジチオケトピロロピロール顔料、スクアレン(スクアリリウム)顔料、キナクリドン顔料、インジゴ顔料、ペリレン顔料、多環キノン顔料、アントアントロン顔料、ベンズイミダゾール顔料等が挙げられる。これらの中でも、特にフタロシアニン顔料又はアゾ顔料が好ましい。電荷発生物質として有機顔料を使用する場合、通常はこれらの有機顔料の微粒子を、各種のバインダー樹脂で結着した分散層の形で使用する。電荷発生層表面の純水に対する接触角は、画像特性及び環境特性の観点から純水に対する接触角は、60°以上が好ましい。一方、接着性の観点から純水に対する接触角は、90°以下が好ましい。この範囲とすることで、特定の接触角である前記下引き層との界面でなじみやすくなり接着性が増す。
1種を単独で用いても良く、2種類以上を任意の組み合わせで混合して用いてもよい。
積層型感光体の電荷輸送層は、電荷輸送物質とバインダー樹脂を含有する。更に必要に応じてその他の成分を含有してもよい。電荷輸送物質等とバインダー樹脂とを溶剤に溶解又は分散して塗布液を作製し、電荷発生層上に、塗布、乾燥して得ることができる。積層型感光体の場合は、電荷輸送層にユニバーサル硬度が80N/mm2以上125N/mm2以下で弾性変形率が35%以上90%以下の樹脂を含有するが、耐摩耗性の観点から、120N/mm2以下が好ましい。また、耐キズ性の観点から、100N/mm2以上が好ましい。耐摩耗性及びクリーニング性の観点から、弾性変形率は40%以上が好ましい。また、接着性及び溶解性の観点から80%以下が好ましい。
最大荷重 5mN
負荷所要時間 10s
除荷所要時間 10s
ユニバーサル硬度は、最大荷重5mNで押し込んだ時の値であり、その時の変位量から以下の式により定義される値である。
弾性変形率(%)=(We/Wt)×100
上記式中、Wtは全仕事量(nJ)を表し、図1中のA−B−D−Aで囲まれる面積で表される。
前記パラメータを満たすバインダー樹脂としては、例えばブタジエン樹脂、スチレン樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、アクリル酸エステル樹脂、メタクリル酸エステル樹脂、ビニルアルコール樹脂、エチルビニルエーテル等のビニル化合物の重合体及び共重合体、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、部分変性ポリビニルアセタール、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、セルロースエステル樹脂、フェノキシ樹脂、シリコン樹脂、シリ
コン−アルキッド樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール樹脂等が挙げられるが、電気特性及び耐摩耗性の面で、ポリアリレート樹脂又はポリカーボネート樹脂が好ましい。
電荷輸送物質としては特に限定されず、任意の物質を用いることが可能である。公知の電荷輸送物質の例としては、2,4,7−トリニトロフルオレノン等の芳香族ニトロ化合物、テトラシアノキノジメタン等のシアノ化合物、ジフェノキノン等のキノン化合物等の電子輸送性物質、カルバゾール誘導体、インドール誘導体、イミダゾール誘導体、オキサゾール誘導体、ピラゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、ベンゾフラン誘導体等の複素環化合物、アニリン誘導体、ヒドラゾン誘導体、芳香族アミン誘導体、スチルベン誘導体、ブタジエン誘導体、エナミン誘導体及びこれらの化合物の複数種が結合したもの、或いはこれらの化合物からなる基を主鎖又は側鎖に有する重合体等の正孔輸送性物質等が挙げられる。これらの中でも、電気特性の観点から、カルバゾール誘導体、芳香族アミン誘導体、スチルベン誘導体、ブタジエン誘導体、エナミン誘導体、及びこれらの化合物の複数種が結合したものが好ましく、エナミン誘導体が特に好ましい。これらの電荷輸送物質は、何れか1種を単独で用いても良く、2種以上を任意の組み合わせで併用してもよい。構造の具体例を以下に示す。
[単層型感光層]
単層型感光層は、電荷発生物質と電荷輸送物質に加えて、積層型感光体の電荷輸送層と同様のバインダー樹脂を使用して形成する。具体的には、電荷発生物質と電荷輸送物質とバインダー樹脂とを溶剤に溶解又は分散して塗布液を作製し、下引き層上に塗布、乾燥して得ることができる。また、必要に応じて、前記パラメータを満たさないバインダー樹脂を混合出来る。そのようなバインダー樹脂としては、ポリビニルアセタール樹脂が接着性
を向上させる観点から好ましい。ポリビニルアセタール樹脂は、全バインダー樹脂に対して、接着性の観点から、0.1質量%以上含有されるのが好ましく、0.5質量%以上がより好ましく、1質量%以上が特に好ましい。一方、耐摩耗性の観点から、20質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましく、5質量%以下が特に好ましい。
単層型感光層の膜厚は、通常5μm以上、好ましくは10μm以上、また、通常100μm以下、好ましくは50μm以下の範囲である。
また、積層型感光体、単層型感光体ともに、上記手順により形成された感光層を最上層、即ち表面層としてもよいが、その上に更に別の層を設け、これを表面層としてもよい。例えば、感光層の損耗を防止したり、帯電器等から発生する放電生成物等による感光層の劣化を防止・軽減する目的で、保護層を設けてもよい。その特性を生かすため、又、生産工程を少なくすることが出来ることから感光層が表面層であることが好ましい。
本発明の下引き層、及び感光体を構成する各層は、各層に含有させる物質を溶剤に溶解又は分散させて得られた塗布液を、支持体上に浸漬塗布、スプレー塗布、ノズル塗布、バーコート、ロールコート、ブレード塗布等の公知の方法により、各層ごとに順次塗布・乾燥工程を繰り返すことにより形成される。
は、塗布液の固形分濃度を通常5質量%以上、通常5質量%以上、好ましくは10質量%以上、また、通常40質量%以下、好ましくは35質量%以下の範囲とする。また、塗布液の粘度を通常10cps以上、好ましくは50cps以上、また、通常500cps以下、好ましくは400cps以下の範囲とする。
塗布液の塗布方法としては、浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、スピナーコーティング法、ビードコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、ブレードコーティング法、ローラーコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等が挙げられるが、他の公知のコーティング法を用いることも可能である。
本発明の電子写真感光体を使用する複写機、プリンター等の画像形成装置は、少なくとも帯電、露光、現像、転写、除電の各プロセスを含むが、どのプロセスも通常用いられる方法のいずれを用いてもよい。図2に示すように、画像形成装置は、電子写真感光体1、帯電装置2、露光装置3、現像装置4を備えて構成され、更に必要に応じて転写装置5、クリーニング装置6及び定着装置7が設けられる。
[下引き層形成用塗布液P1]
平均一次粒子径40nmのルチル型白色酸化チタン(石原産業(株)製、製品名 TTO55N)と該酸化チタン100部に対して、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン15部を、せん断力により、ミキサー内の温度が160℃に達するまでスーパーミキサーで攪拌して、表面処理を行った。次にこの表面処理をした酸化チタン250gと、メタノール750gとを混合してなる原料スラリー1000gを、直径約50μmのジルコニアビーズ(株式会社ニッカトー製 YTZ)を分散メディアとして、ミル容積約0.15Lの寿工業株式会社製ウルトラアペックスミル(UAM−015型)を用い、ロータ周速10m/秒、液流量6g/秒の循環状態で、28分間分散処理し、酸化チタンの分散液を作製した。この酸化チタン分散液と、予めメタノール/1−プロパノール/トルエンの混合溶媒に溶解した市販の共重合ポリアミド樹脂(東レ(株)製、製品名CM8000)溶液を撹拌混合後、周波数25kHz,出力1200Wの超音波発信器による超音波分散処理を1時間行い、更に孔径5μmのPTFE製メンブレンフィルター(アドバンテック製 マイテックス LC)により濾過し、酸化チタン/共重合ポリアミドを質量比が2/1であり、メタノール/1−プロパノール/トルエンの混合溶媒の質量比が7/1/2であって、含有する固形分の濃度が15.75%の下引き層形成用塗布液P1を得た。
表面処理剤をメチルジメトキシシランに変更し、表面処理剤量を3部に変更した以外は、分散液P1と同様にして下引き形成用塗布液P2を得た。
CuKα線により粉末X線スペクトルパターンにおいてブラッグ角(2θ±0.2゜)
27.3゜に特徴的なピークを示すオキシチタニウムフタロシニアン10部と、ポリビニルアセタール樹脂(電気化学工業(株)製、商品名DK31)5部と、ポリビニルアセタール樹脂(積水化学工業(株)製、商品名KS1)2部を1,2−ジメトキシエタン500部とを混合し、サンドグラインドミルで粉砕、分散処理を行い、電荷発生層形成用塗布液Q1を得た。
下記構造式(A)で表されるポリアリレート樹脂(粘度平均分子量 37,000)100部、下記構造式(V)で表される電荷輸送物質40部、ジブチルヒドロキシトルエン4部、トリベンジルアミン1部、下記構造式(VI)で表される化合物1部を、テトラヒドロフラン:トルエン=8/2の混合溶媒に溶解、撹拌混合することで、固形分濃度15%の電荷輸送層形成用塗布液R1を得た。
前記構造式(A)で表されるポリアリレート樹脂を下記構造式(B)で表されるポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量50,000)に変更した以外は、電荷輸送層形成用塗布液R1と同様にして電荷輸送層形成用塗布液R2を得た。
前記構造式(A)で表されるポリアリレート樹脂を下記構造式(C)で表されるポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量50,000)に変更した以外は、電荷輸送層形成用塗布液R1と同様にして電荷輸送層形成用塗布液R3を得た。
前記構造式(A)で表されるポリアリレート樹脂を下記構造式(D)で表されるポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量40,000)に変更した以外は、電荷輸送層形成用塗布液R1と同様にして電荷輸送層形成用塗布液R4を得た。
前記構造式(A)で表されるポリアリレート樹脂を下記構造式(E)で表されるポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量30,000)に変更した以外は、電荷輸送層形成用塗布液R1と同様にして電荷輸送層形成用塗布液R5を得た。
前記構造式(A)で表されるポリアリレート樹脂を構造式(F)で表されるポリアリレート樹脂(粘度平均分子量30,000)に変更した以外は、電荷輸送層形成用塗布液R1と同様にして電荷輸送層形成用塗布液R6を得た。
前記構造式(A)で表されるポリアリレートを構造式(G)で表されるポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量20,000)に変更した以外は、電荷輸送層形成用塗布液R7を得た。
前記構造式(A)で表されるポリアリレート樹脂(粘度平均分子量 37,000)100部、シリコーンオイル(信越シリコーン社製:商品名 KF−96)0.07部をテトラヒドロフラン:トルエン=8:2の混合溶媒に撹拌混合することで、固形分濃度が12.0質量%のバインダー樹脂液T1を得た。
前記構造式(A)で表されるポリアリレート樹脂を構造式(B)で表されるポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量50,000)に変更した以外は、バインダー樹脂液1と同様にしてバインダー樹脂液T2を得た。
[バインダー樹脂液T3]
前記構造式(A)で表されるポリアリレート樹脂を構造式(C)で表されるポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量50,000)に変更した以外は、バインダー樹脂液T1と同様にしてバインダー樹脂液T3を得た。
前記構造式(A)で表されるポリアリレート樹脂を構造式(D)で表されるポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量40,000)に変更した以外は、バインダー樹脂液T1と同様にしてバインダー樹脂液T4を得た。
[バインダー樹脂液T5]
前記構造式(A)で表されるポリアリレート樹脂を構造式(E)で表されるポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量30,000)に変更した以外は、バインダー樹脂液T1と同様にしてバインダー樹脂液T5を得た。
前記構造式(A)で表されるポリアリレート樹脂を構造式(F)で表されるポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量30,000)に変更した以外は、バインダー樹脂液T1と同様にしてバインダー樹脂液T6を得た。
[バインダー樹脂液T7]
前記構造式(G)で表されるポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量 20,000)100部、シリコーンオイル(信越シリコーン社製:商品名 KF−96)0.07部を1,3ジオキソラン溶媒に撹拌混合することで、固形分濃度が15.0質量%のバインダー樹脂液T7を得た。
下引き層形成用塗布液P1を、厚さ1mmのアルミ板にワイヤーバーで塗布し、常温乾燥してその乾燥膜厚が1.5μmとなるように下引き層を設けた。下引き層上に電荷発生層形成用塗布液Q1をワイヤーバーで塗布し、その乾燥膜厚が0.3μmとなるようにして電荷発生層を設けた。電荷発生層上に電荷輸送層形成用塗布液R1をアプリケータで塗布し、125℃で20分間乾燥し、その乾燥膜厚が18μmとなるように作製した感光体を感光体S1とする。
電荷輸送層形成用塗布液R1を電荷輸送層形成用塗布液R2に変更した以外は、感光体S1と同様にして作製した感光体を感光体S2とする。
<実施例3>
電荷輸送層形成用塗布液R1を電荷輸送層形成用塗布液R3に変更した以外は、感光体S1と同様にして作製した感光体を感光体S3とする。
電荷輸送層形成用塗布液R1を電荷輸送層形成用塗布液R4に変更した以外は、感光体S1と同様にして作製した感光体を感光体S4とする。
<参考例2>
電荷輸送層形成用塗布液R1を電荷輸送層形成用塗布液R5に変更した以外は、感光体S1と同様にして作製した感光体を感光体S5とする。
電荷輸送層形成用塗布液R1を電荷輸送層形成用塗布液R6に変更した以外は、感光体S1と同様にして作製した感光体を感光体S6とする。
<参考例4>
電荷輸送層形成用塗布液R1を電荷輸送層形成用塗布液R7に変更した以外は、感光体S1と同様にして作製した感光体を感光体S7とする。
下引き層形成用塗布液P1を下引き層形成用塗布液P2に変更した以外は、感光体S1と同様にして作製した感光体を感光体S8とする。
<比較例2>
電荷輸送層形成用塗布液R1を電荷輸送層形成用塗布液R2に変更した以外は、感光体S8と同様にして作製した感光体を感光体S9とする。
電荷輸送層形成用塗布液R1を電荷輸送層形成用塗布液R3に変更した以外は、感光体S8と同様にして作製した感光体を感光体S10とする。
<参考例5>
電荷輸送層形成用塗布液R1を電荷輸送層形成用塗布液R4に変更した以外は、感光体S8と同様にして作製した感光体を感光体S11とする。
電荷輸送層形成用塗布液R1を電荷輸送層形成用塗布液R5に変更した以外は、感光体
S8と同様にして作製した感光体を感光体S12とする。
<参考例7>
電荷輸送層形成用塗布液R1を電荷輸送層形成用塗布液R6に変更した以外は、感光体S8と同様にして作製した感光体を感光体S13とする。
電荷輸送層形成用塗布液R1を電荷輸送層形成用塗布液R7に変更した以外は、感光体S8と同様にして作製した感光体を感光体S14とする。
[ユニバーサル硬度及び弾性変形率測定用サンプルB1]
バインダー樹脂液T1を、厚さ4mmのガラス板にアブリケータで塗布し、125℃で20分間乾燥し、その乾燥膜厚が15μmとなるように樹脂層を設けた。このユニバーサル硬度測及び弾性変形率定用サンプルをB1とする。
バインダー樹脂液T1をバインダー樹脂液T2に変更した以外は、B1と同様に作製したユニバーサル硬度及び弾性変形率測定用サンプルをB2とする。
[ユニバーサル硬度及び弾性変形率測定用サンプルB3]
バインダー樹脂液T1をバインダー樹脂液T3に変更した以外は、B1と同様に作製したユニバーサル硬度及び弾性変形率測定用サンプルをB3とする。
バインダー樹脂液T1をバインダー樹脂液T4に変更した以外は、B1と同様に作製したユニバーサル硬度及び弾性変形率測定用サンプルをB4とする。
[ユニバーサル硬度及び弾性変形率測定用サンプルB5]
バインダー樹脂液T1をバインダー樹脂液T5に変更した以外は、B1と同様に作製したユニバーサル硬度及び弾性変形率測定用サンプルをB5とする。
バインダー樹脂液T1をバインダー樹脂液T6に変更した以外は、B1と同様に作製したユニバーサル硬度及び弾性変形率測定用サンプルをB6とする。
[ユニバーサル硬度及び弾性変形率測定用サンプルB7]
バインダー樹脂液T1をバインダー樹脂液T7に変更した以外は、B1と同様に作製したユニバーサル硬度及び弾性変形率測定用サンプルをB7とする。
下引き層形成用塗布液P1を、30mmφで、長さが260.5mmアルミニウム製シリンダーに浸漬塗布し、その乾燥膜厚が、1.5μmとなるように下引き層を設けた。この接触角測定用サンプルをC1とする。
[接触角測定用サンプルC2]
下引き層形成用塗布液P1を下引き層P2に変更したこと以外は、C1と同様に作製した接触角測定用サンプルをC2とする。
電荷発生層形成用塗布液Q1を、30mmφで、長さが260.5mmアルミニウム製シリンダーに浸漬塗布し、その乾燥膜厚が、0.3μmとなるように電荷発生層を設けた。この接触角測定用サンプルをC3とする。
[体積抵抗率測定サンプルD1]
固形分が10質量%で、溶媒組成がメタノール/1−プロパノール/トルエン=7/1/2の共重合ナイロン(東レ(株)製、製品名CM8000)溶液を、アルミニウム蒸着ポリエチレンテレフタレートフィルム上に、ワイヤーバーで塗布し、125℃で20分間
乾燥後の膜厚が10μmになるように、樹脂膜を設けた。この体積抵抗率測定サンプルをD1とした。
固形分が10質量%で、溶媒組成がメタノール/1−プロパノール/トルエン=7/1/2のN−メトキシメチル化((株)鉛市製、製品名FR−101)溶液を、アルミニウム蒸着ポリエチレンテレフタレートフィルム上に、ワイヤーバーで塗布し、125℃で20分間乾燥後の膜厚が10μmになるように、樹脂膜を設けた。この体積抵抗率測定サンプルをD2とした。
感光体S1〜S14を、カミソリの刃で、2mm角で25個の碁盤目のキズを付け、セロハンテープ(3M)で剥離テストを行った。各感光体の剥離個数を表−1に示す。
[ユニバーサル硬度及び弾性変形率測定]
ユニバーサル硬度及び弾性変形率測定用サンプルB1〜B7を、温度25℃、相対湿度50%の環境下で、微小硬度計(Fischer社製:FISCHERSCOPE HM2000)を用いて、下記測定条件で測定した。各サンプルのユニバーサル硬度及び弾性変形率を表−2に示す。
圧子:対面角136°のビッカース四角錐ダイヤモンド圧子
最大押し込み荷重:5mN
負荷所要時間:10秒
除荷所要時間:10秒
ユニバーサル硬度は、下記式より求められる。
ユニバーサル硬度(N/mm2)=最大押し込み荷重/最大押し込み荷重時のくぼみ面積
接触角測定用サンプルC1〜C3を、温度25℃、相対湿度50%の環境下で、接触角計(協和界面科学社製:自動接触角計CA−VP型)を用いて、下記測定条件で測定した。各サンプルの純水に対する接触角を表−3に示す。
解析方法:Θ/2法
測定までの待ち時間:1000ms
曲率補正:なし
体積抵抗率測定用サンプルD1及びD2を、温度25℃、相対湿度50%の環境下で、抵抗計((株)三菱化学アナリテック製:製品名ハイレスターUX MCP−HT800)を用いて、下記測定条件で測定した。各サンプルの体積抵抗率を表−4に示す。
使用プローブ:UR−100
測定モード:体積抵抗
印加電圧:100V
印加時間:60秒
2 帯電装置(帯電ローラ;帯電部)
3 露光装置(露光部)
4 現像装置(現像部)
5 転写装置
6 クリーニング装置(クリーニング部)
7 定着装置
41 現像槽
42 アジテータ
43 供給ローラー
44 現像ローラー
45 規制部材
71 上部定着部材(加圧ローラー)
72 下部定着部材(定着ローラー)
73 加熱装置
T トナー
P 記録紙(用紙,媒体)
Claims (14)
- 導電性基体上に、少なくとも下引き層、電荷発生層、及び電荷輸送層を有する電子写真感光体において、前記下引き層は、有機金属化合物で表面処理された金属酸化物粒子と、体積抵抗率が1.0×1010Ω・cm以上、1×1018Ω・cm以下であるバインダー樹脂とを含有し、且つ下引き層の表面の純水に対する接触角が、40°以上、72°以下であり、前記電荷発生層は、少なくとも電荷発生物質とバインダー樹脂とを含有し、前記電荷輸送層は、少なくとも電荷輸送物質とユニバーサル硬度が80N/mm2以上、125N/mm2以下、且つ弾性変形率が35%以上、90%以下であるバインダー樹脂とを含有することを特徴とする、電子写真感光体。
- 前記電荷発生層のバインダー樹脂が、ポリビニルアセタール樹脂であることを特徴とする、請求項1に記載の電子写真感光体。
- 前記電荷発生層の表面の純水に対する接触角が、60°以上、90°以下であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の電子写真感光体。
- 導電性基体上に、下引き層、及び単層型感光層を有する電子写真感光体において、前記下引き層は、有機金属化合物で表面処理された金属酸化物粒子と、バインダー樹脂とを含有し、且つ下引き層表面の純水に対する接触角が、40°以上、72°以下であり、前記単層型感光層は、少なくとも電荷輸送物質とユニバーサル硬度が80N/mm2以上、125N/mm2以下で弾性変形率が35%以上、90%以下であるバインダー樹脂とを含有することを特徴とする、電子写真感光体。
- 前記下引き層表面の純水に対する接触角が、50°以上、70°以下であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
- ユニバーサル硬度が80N/mm2以上、125N/mm2以下で弾性変形率が35%以上、90%以下であるバインダー樹脂が、ポリアリレート樹脂、又はポリカーボネート樹脂であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
- 前記ユニバーサル硬度が120N/mm2以下であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
- 前記弾性変形率が40%以上であることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
- 前記有機金属化合物が、構造式(I)であること特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
構造式(I)
CH2=CR1−COO−R2−M
(R1は、水素原子又はアルキル基、R2は、アルキレン基、Mは、Si(R3)3、Ti(R3)3、又はAl(R3)2を示す。R3は、アルキル基又はアルコキシ基を示す。) - 前記金属酸化物粒子が、n型半導体粒子であることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
- 前記金属酸化物粒子が、前記バインダー樹脂100質量部に対して50〜400質量部であることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
- 前記バインダー樹脂が、ポリアミド樹脂であることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
- 請求項1〜12のいずれか1項に記載の電子写真感光体を用いた、画像形成装置。
- 請求項1〜12のいずれか1項に記載の電子写真感光体を用いた、画像形成装置用カートリッジ。
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