JP2017161718A - 電子写真感光体、画像形成装置、及びカートリッジ - Google Patents

電子写真感光体、画像形成装置、及びカートリッジ Download PDF

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【課題】高温高湿から低温低湿にわたる様々な使用環境下において初期及び繰り返し共に、電気特性及び画像特性に優れ、しかも接着性、及び耐摩耗性にも優れた電子写真感光体、画像形成装置、及びカートリッジを提供する。【解決手段】導電性基体上に、少なくとも下引き層、電荷発生層、及び電荷輸送層を有する電子写真感光体において、前記下引き層は、有機金属化合物で表面処理された金属酸化物粒子と、体積抵抗率が特定範囲であるバインダー樹脂とを含有し、且つ下引き層の表面の純水に対する接触角が、40°以上、72°以下であり、前記電荷発生層は、少なくとも電荷発生物質とバインダー樹脂とを含有し、前記電荷輸送層は、少なくとも電荷輸送物質とユニバーサル硬度が80N/mm2以上、125N/mm2以下、且つ弾性変形率が35%以上、90%以下であるバインダー樹脂とを含有することを特徴とする、電子写真感光体。【選択図】なし

Description

本発明は、下引き層を有する電子写真感光体に関するものであり、より詳しくは、低温低湿〜高温高湿の初期及び繰り返しを含めた電気特性及び画像特性及び耐摩耗性及び接着性が良好な電子写真感光体に関するものである。
電子写真技術は、即時性、高品質の画像が得られることなどから、近年では複写機の分野にとどまらず、各種プリンターの分野でも広く使われ応用されている。電子写真技術の中核となる感光体については、近年ではその光導電材料として、無公害で、成膜が容易、製造が容易である等の利点を有する有機系の光導電材料を使用した感光体が、開発されている。特に光を吸収して電荷を発生する機能と、発生した電荷を輸送する機能を分離した電荷発生層及び、電荷移動層からなる積層型の感光体は、主流となっている。現在これらの感光体は、複写機、レーザープリンター等の画像形成装置の分野に広く用いられている。
電子写真感光体は、導電性支持体上に感光層を形成したものが基本構成であるが、支持体から電荷注入や支持体の欠陥による画像欠陥の解消、感光層との接着性向上や帯電性の改善のために、感光層と支持体の間に下引き層を設けることがある。下引き層としては、種々の樹脂材料を用いることが知られているが、中でも特に可溶性ポリアミド樹脂が好ましいことが知られている(特許文献1参照)。そして、可溶性ポリアミド樹脂の中でも特定のジアミン成分を構成成分として有する共重合ポリアミド樹脂が、低温低湿下において安定した感光体の電気特性を実現できる樹脂として提案されている(特許文献2参照)。そのようなポリアミド樹脂に無機材料を分散させた下引き層として、例えば、酸化チタンと酸化スズを8−ナイロンに分散させた下引き層(引用文献3参照)、画像特性及び環境特性を良くする目的で、有機金属化合物で処理された金属酸化物粒子を用いた下引き層等が知られている(特許文献4参照)。また、耐リーク特性を改善するためにアクリル基を有する有機金属化合物で表面処理された金属酸化合物粒子を用いた下引き層が知られている(特許文献5参照)。
一方、下引き層の上に形成される感光層は、耐摩耗性を向上させるために、種々のバインダー樹脂が検討されている。耐摩耗性がよいバインダー樹脂としては、ユニバール硬度が小さく、弾性変形率が大きい傾向があり、ユニバーサル硬度が小さく、弾性変形率が大きいバインダー樹脂としては、例えばカルボン酸成分にエーテルユニットを有するような特定構造のポリアリレート樹脂が知られている(特許文献6参照)。しかしながら、感光層に、ユニバーサル硬度が小さく、弾性変形率が大きいバインダー樹脂を含有させる場合には接着性が悪化する問題があった。この問題に対し、感光層と導電性支持体の間に下引き層を設け、その下引き層がポリエーテル構造を有するポリアミド樹脂を含有することで、接着性を良好に保つ技術が開示されている(特許文献7参照)。
特開昭56−21129号公報 特開平4−31870号公報 特開昭62−280864号公報 特開平11−15183号公報 特開2012−88430号公報 特開2006−53549号公報 特開2014−44417号公報
ユニバーサル硬度が大きい樹脂は、感光体の感光層に含有される場合に、クリーニングブレード等で荷重を受けた際の変形量が小さいので、その力をまともに受けるために脆くなっていき、摩耗しやすくなる。一方、ユニバーサル硬度が小さい樹脂の場合は、クリーニングブレードで荷重を受けた場合に変形量が大きく、力を逃がすことができるため、摩耗しにくい傾向にある。しかし、ユニバーサル硬度が小さくても、弾性変形率が小さい場合は、荷重を受けると永久くぼみが大きくなり、歪が大きくなっていくため、樹脂が脆くなり、摩耗が大きくなる。ユニバーサル硬度が小さく、弾性変形率が大きい樹脂の場合は、力をまともに受けず、力が除去されると元に戻りやすいので、歪を抑制でき、耐摩耗性が向上する。一方、ユニバーサル硬度が小さく、弾性変形率が大きい樹脂の場合は、力を受けると大きく縮む。力が除去されると、元に戻りやすいので大きく伸びる。つまり、伸び縮みが大きいため、界面に歪がかかり、感光層が剥がれやすくなる。
前記感光層の剥がれを改善するために、特許文献7に記載のポリエーテル構造を有するポリアミド樹脂を含有する下引き層を用いた場合は、接着性は向上するが、特に高温高湿下の繰り返しの電気特性が悪くなる場合があった。特に、感光層にユニバーサル硬度が小さく、弾性変形率が大きい樹脂を用いた場合、高画質のために小粒径のトナーを用いた場合等にクリーニング性を上げるために、クリーニングブレード圧大きくしているような画像形成装置における、高温高湿環境での電気特性と接着性を両立できなかった。即ち、本発明は、高温高湿から低温低湿にわたる様々な使用環境下において初期及び繰り返し共に、電気特性及び画像特性に優れ、しかも接着性、及び耐摩耗性にも優れた電子写真感光体、画像形成装置、及びカートリッジを提供することを目的とするものである。
本発明者らは、導電性基体上に、下引き層、及び感光層(単層型感光層、電荷輸送層、電荷発生層)を有する電子写真感光体において、下引き層について鋭意検討した結果、少なくとも有機金属化合物で表面処理された金属酸化合物粒子と、特定の体積抵抗率であるバインダー樹脂とを含み、且つ純水に対する接触角が特定の範囲である感光体が、感光層に特定のユニバーサル硬度・弾性変形率有する樹脂が含有される場合においても、電気特性に優れ、画像特性にも優れ、しかも接着性にも優れることを見いだし、本発明に到達した。即ち、本発明の要旨は、以下<1>〜<14>に存する。
<1>導電性基体上に、少なくとも下引き層、電荷発生層、及び電荷輸送層を有する電子写真感光体において、前記下引き層は、有機金属化合物で表面処理された金属酸化物粒子と、体積抵抗率が1.0×1010Ω・cm以上、1×1018Ω・cm以下であるバインダー樹脂とを含有し、且つ下引き層の表面の純水に対する接触角が、40°以上、72°以下であり、前記電荷発生層は、少なくとも電荷発生物質とバインダー樹脂とを含有し、前記電荷輸送層は、少なくとも電荷輸送物質とユニバーサル硬度が80N/mm以上、125N/mm以下で弾性変形率が35%以上、90%以下であるバインダー樹脂とを含有することを特徴とする、電子写真感光体。
<2>前記電荷発生層のバインダー樹脂が、ポリビニルアセタール樹脂であることを特徴とする、<1>に記載の電子写真感光体。
<3>前記電荷発生層の表面の純水に対する接触角が、60°以上、90°以下であることを特徴とする、<1>又は<2>に記載の電子写真感光体。
<4>導電性基体上に、下引き層、及び単層型感光層を有する電子写真感光体において、前記下引き層は、有機金属化合物で表面処理された金属酸化物粒子と、バインダー樹脂と
を含有し、且つ下引き層表面の純水に対する接触角が、40°以上、72°以下であり、前記単層型感光層は、少なくとも電荷輸送物質とユニバーサル硬度が80N/mm以上、125N/mm以下で弾性変形率が35%以上、90%以下であるバインダー樹脂とを含有することを特徴とする、電子写真感光体。
<5>前記下引き層表面の純水に対する接触角が、50°以上、70°以下であることを特徴とする、<1>〜<4>のいずれかに記載の電子写真感光体。
<6>ユニバーサル硬度が80N/mm以上、125N/mm以下で弾性変形率が35%以上、90%以下であるバインダー樹脂が、ポリアリレート樹脂、又はポリカーボネート樹脂であることを特徴とする、<1>〜<5>のいずれかに記載の電子写真感光体。<7>前記ユニバーサル硬度が120N/mm以下であることを特徴とする、<1>〜<6>のいずれかに記載の電子写真感光体。
<8>前記弾性変形率が40%以上であることを特徴とする、<1>〜<7>のいずれかに記載の電子写真感光体。
<9>前記有機金属化合物が、構造式(I)であること特徴とする、<1>〜<8>のいずれかに記載の電子写真感光体。
構造式(I)
CH=CR−COO−R−M
(Rは、水素原子又はアルキル基、Rは、アルキレン基、Mは、Si(R、Ti(R、又はAl(Rを示す。Rは、アルキル基又はアルコキシ基を示す。)
<10>前記金属酸化物粒子が、n型半導体粒子であることを特徴とする、<1>〜<9>のいずれかに記載の電子写真感光体。
<11>前記金属酸化物粒子が、前記バインダー樹脂100質量部に対して50〜400質量部であることを特徴とする、<1>〜<10>のいずれかに記載の電子写真感光体。<12>前記バインダー樹脂が、ポリアミド樹脂であることを特徴とする、<1>〜<11>のいずれかに記載の電子写真感光体。
<13><1>〜<12>のいずれかに記載の電子写真感光体を用いた、画像形成装置。<14><1>〜<12>のいずれかに記載の電子写真感光体を用いた、画像形成装置用のカートリッジ。
本発明によれば、高温高湿度条件から低温低湿度条件にわたる、様々な使用環境において、電荷輸送層又は単層型感光層にユニバーサル硬度が低く、弾性変形率が高い樹脂を含有している場合でも、感光層と導電性基体との接着性が良好であり、しかも、帯電性、残留電位などの電気特性に優れ、画像にも優れる高性能な電子写真感光体、該感光体を用いた高性能な画像形成装置、及び該感光体を用いた画像形成装置用のカートリッジを提供することができる。
押し込み深さ−荷重曲線である。 本発明の画像形成装置の一実施態様の要部構成を示す概略図である。
以下、本発明の実施の形態につき詳細に説明するが、以下に記載する構成要件の説明は本発明の実施形態の代表例であって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変形して実施することができる。
<電子写真感光体>
導電性基体上に、少なくとも下引き層と、電荷発生層、及び電荷輸送層、又は単層型感光層とを有する。導電性支持体の上に下引き層が形成され、下引き層の上には電荷発生層又は単層型感光層が形成される。
[導電性支持体]
導電性支持体について特に制限は無いが、例えばアルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼、銅、ニッケル等の金属材料や、金属、カーボン、酸化錫などの導電性粉体を添加して導電性を付与した樹脂材料や、アルミニウム、ニッケル、ITO(酸化インジウム酸化錫)等の導電性材料をその表面に蒸着又は塗布した樹脂、ガラス、紙等が主として使用される。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。導電性支持体の形態としては、ドラム状、シート状、ベルト状などのものが用いられる。更には、金属材料の導電性支持体の上に、導電性・表面性などの制御や欠陥被覆のために、適当な抵抗値を有する導電性材料を塗布したものを用いてもよい。
また、導電性支持体としてアルミニウム合金等の金属材料を用いた場合、陽極酸化被膜を施してから用いてもよい。陽極酸化被膜を施した場合には、公知の方法により封孔処理を施すのが望ましい。支持体表面は、平滑であってもよいし、特別な切削方法を用いたり、粗面化処理を施したりすることにより、粗面化されていてもよい。また、支持体を構成する材料に適当な粒径の粒子を混合することによって、粗面化されたものでもよい。また、安価化のためには、切削処理を施さず、センタレス研磨処理や引き抜き管をそのまま使用することも可能である。
[下引き層]
導電性支持体上に、有機金属化合物で表面処理された金属酸化物粒子と、体積抵抗率が1.0×1010Ω・cm以上、1×1018Ω・cm以下であるバインダー樹脂とを含有し、その表面の純水に対する接触角が40°以上、72°以下である下引き層が形成される。接触角が40°以上、72°以下を満たすためには、例えば、アクリルシラン処理された酸化チタン粒子を、体積抵抗率が1.0×1010Ω・cm以上、1×1018Ω・cm以下であるバインダー樹脂100質量部に対して、100〜300質量部含有させた下引き層とすることが挙げられる。下引き層表面の純水に対する接触角は、画像特性及び環境特性の観点から、50°以上が好ましい。又、接着性の観点から、70°以下が好ましい。純水に対する接触角は、温度25℃、相対湿度50%の環境下で、接触角計(協和界面科学社製:自動接触角計CA−VP型)を用いて、下記測定条件で測定した値である。
(接触角測定条件)
サンプル:30φのアルミニウムシリンダー上に乾燥膜厚1.5μの下引き層
使用純水:和光純薬工業(株)製 超純水(LC/MS用)
測定方法:自動測定
解析方法:Θ/2法
測定までの待ち時間:1000ms
曲率補正:なし
有機金属化合物で表面処理された金属酸化物粒子の有機金属化合物としては、画像特性、環境特性の観点から金属酸化物粒子の吸水性を下げるものが好ましい。そのような有機金属化合物としては、チタネート系カップリング剤、アルミネート系カップリング剤、シラン処理剤、シランカップリング剤、シロキサン系化合物等が挙げられる。シロキサン系化合物は一般的には、純水に対する接触角を大きくする傾向がある。前記接触角を満たす観点からは、チタネート系カップリング剤、アルミネート系カップリング剤又は、シラン
カップリング剤が好ましい。カップリング剤の中でも、下記式構造式(I)で表される化合物、又はアミノ基を有する化合物が好ましい。
構造式(I)
CH=CR−COO−R−M
(Rは、水素原子又はアルキル基、Rは、アルキレン基、Mは、Si(R、Ti(R、又はAl(Rを示す。Rは、アルキル基又はアルコキシ基を示す。)
構造式(I)中、Rのアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基等の直鎖状アルキル基、i−プロピル基、t−ブチル基、エチルヘキシル基等の分岐状アルキル基、シクロヘキシル基等の環状アルキル基が挙げられ、接着性の観点から、炭素数3以下のアルキル基であることが好ましく、メチル基であることがより好ましい。Rのアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、n−ブチレン基等が挙げられ、接着性の観点から、炭素数4以下のアルキレン基であることが好ましく、n−プロピレン基であることがより好ましい。Rのアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基等の直鎖状アルコキシ基、イソプロポキシ基、エチルヘキシロキシ基等の分岐状アルコキシ基、シクロヘキシロキシ基等の環状アルコキシ基、トリフルオロメトキシ基、ペンタフルオロエトキシ基、1,1,1−トリフルオロエトキシ基等のフッ素原子を有するアルコキシ基が挙げられ、アルキル基はRで例示したものが適用できる。接着性の観点から、炭素数3以下のアルコキシ基であることが好ましく、エトキシ基又はメトキシ基であることがより好ましい。構造式(I)を有する有機金属化合物としては、シランカップリング剤であることが好ましい。前記有機金属化合物の中でも、電気特性及び接着性の観点から、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシランが特に好ましい。
アミノ基を有する化合物としては、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン等が挙げられるが、接着性の観点から、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシランが特に好ましい。
金属酸化物粒子としては、塗布液の分散安定性が高いものが好ましく、具体的には、シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、酸化亜鉛、酸化鉛、酸化インジウム等が挙げられ、これらの中でも、電気特性の観点から、n型半導体特性を示す金属酸化物粒子が好ましく、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズがより好ましく、酸化チタンが更に好ましい。
酸化チタンとしては、結晶質、非晶質いずれも使用できるが、結晶質の場合、その結晶型はアナターゼ型、ルチル型、ブルッカイト型のいずれでもよいが、吸水性、表面処理の効率等の理由からアナターゼ型又はルチル型が用いることが好ましく、ルチル型のものを用いることがより好ましい。
ルチル型の中でも、塩素法の酸化チタンがより好ましい。塩素法の中でも、四塩化チタンを加水分解して合成されるものが画像特性及び電気特性の面で特に好ましい。
金属酸化物粒子の平均一次粒子径は、塗布液への分散安定性の観点から、平均粒径は通常100nm以下であり、70nm以下が好ましく、50nm以下がより好ましい。また、凝集抑制の観点から、通常1nm以上であり、10nm以上が好ましく、30nm以上がより好ましい。塗布液に用いる粒子の粒径は、均一であってもまた、異なる粒径の複合系でもよい。例えば平均一次粒子径が100mのものと30nmのものを混合して用いて
もよい。
有機金属化合物(以下、表面処理剤ということがある)で処理された金属酸化物粒子は、乾式法又は湿式法の製造法を用いて製造することができる。即ち、乾式法では、表面処理剤を、金属酸化物粒子と混合することによって金属酸化物粒子に被覆させ、必要に応じて加熱処理を行う方法で製造できる。湿式法では、金属酸化物粒子と、適当な溶媒に表面処理剤を混合したものを、均一に付着されるまでよく攪拌するか、メディアによって混合し、その後乾燥し、必要に応じて加熱処理を行う方法で製造することができる。湿式法では、先に溶媒と金属酸化物をメディア等によって分散した後に表面処理剤を添加して撹拌混合行い、その後乾燥し、必要に応じて加熱処理を行う方法で製造することが好ましい。
表面処理剤の量については、用いられる金属酸化物粒子100質量部に対して、接着性、画像特性及び耐リーク性の観点からは、通常1質量部以上、好ましくは3質量部以上であり、より好ましくは5質量部以上である。電気特性及び接着性の観点からは、通常50質量部以下、好ましくは30質量部以下であり、より好ましくは20質量部以下である。
下引き層のバインダー樹脂としては、体積抵抗率が1.0×1010Ω・cm以上、1×1018Ω・cm以下であるものが用いられる。バインダー樹脂の体積抵抗率としては、画像特性の観点から、1×1011Ω・cm以上がより好ましく、1×1012Ω・cm以上がより好ましい。一方、電気特性の観点から、1×1016Ω・cm以下が好ましく、1×1015Ω・cm以下がより好ましい。
体積抵抗率は、抵抗計((株)三菱化学アナリテック製:製品名 ハイレスター−UX
MCP−HT800)を用いて、温度25℃、相対湿度50%の環境下で測定した値である。
(体積抵抗率測定条件)
試料膜厚:10μm
プローブ:UR100
測定モード:体積抵抗
印加電圧:100V
印加時間:60秒
体積抵抗率が上範囲となる樹脂の具体例としては、ポリビニルアセタール、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル、エポキシ樹脂等が挙げられる。中でも、導電性支持体に対する接着性に優れ、電荷発生層塗布液に用いられる溶媒に対する溶解性の小さなポリアミド樹脂が好ましい。中でも、三元系以上の共重合ポリアミド樹脂が好ましく、そのようなポリアミド樹脂としては、6/66/11ナイロン、6/66/12ナイロン、6/66/610ナイロン、6/66/610/12ナイロン等が挙げられる。更には、繰り返し電気特性の観点から、シクロアルカン環構造を構成成分として有する共重合ポリアミドが好ましく、その中でも、下記構造式(III)で表されるジアミン成分を構成成分として有する共重合ポリアミド樹脂が好ましい。
Figure 2017161718
(式(III)中、A、Bは、それぞれ独立して置換基を有していてもよいシクロヘキサ
ン環を表し、Xは置換基を有していてもよいメチレン基を表す。)
尚、カゼインやポリビニルアルコール樹脂は、25℃/50%の環境下での体積抵抗率が、一般的には、1.0×1010Ω・cm以下となる。メトキシメチル化ナイロンは吸水性が高いため、体積抵抗率が低くなる傾向がある。
表面処理剤で処理された金属酸化物粒子とバインダー樹脂の比率は、電気特性面から、バインダー樹脂100質量部に対して、通常10質量部以上であり、50質量部以上が好ましく、100質量部以上がより好ましい。また、液の安定性及び塗布性の観点から、通常800質量部以下であり、400質量部以下が好ましい。下引き層には、必要に応じて、表面処理されていない金属酸化物粒子、酸化防止剤、添加剤、導電剤等を加えてもよい。
下引き層の膜厚は、通常0.1μm以上、局所的な帯電不良に対する効果の観点から、好ましくは0.5μm以上、より好ましくは1μm以上である。また、通常20μm以下、残留電位、あるいは導電性基体と感光層との間の接着強度の観点から、好ましくは15μm以下、より好ましくは10μm以下で使用される。
有機金属化合物で被覆された金属酸化物粒子とバインダー樹脂とを含有する下引き塗布液を得るためには、遊星ミル、ボールミル、サンドミル、ビーズミル、ペイントシェーカー、アトライター、高圧液衝突、超音波などの粉砕又は分散処理装置で分散スラリーを得る。このスラリーと予めバインダー樹脂を適当な溶媒に溶かしたバインダー樹脂溶解液を混合し攪拌処理を行えばよい。又、分散スラリーにバインダー樹脂を添加し、溶解させることでも得られる。また、特許4985093号公報に記載されているような小径ビーズを用いて分散することもできる。更には、バインダー樹脂溶解液に金属酸化物粒子を添加し、前記分散装置で、粉砕又は分散処理を行うこともできる。
[感光層]
感光層の形式としては、電荷発生物質と電荷輸送物質とが同一層に存在し、バインダー樹脂中に分散された単層型感光層と、電荷発生物質がバインダー樹脂中に分散された電荷発生層及び電荷輸送物質がバインダー樹脂中に分散された電荷輸送層の二層からなる機能分離型感光層(積層型)とが挙げられるが、負帯電方式においては導電性支持体側から電荷発生層、電荷輸送層をこの順に積層して設ける順積層型感光層であることが好ましい。正帯電方式においては、単層型が好ましい。積層型感光体、単層型感光体ともに、感光層又はそれを構成する各層には、成膜性、可撓性、塗布性、耐汚染性、耐ガス性、耐光性などを向上させる目的で、周知の酸化防止剤、可塑剤、紫外線吸収剤、電子吸引性化合物、レベリング剤、可視光遮光剤などの添加物を含有させてもよい。
[積層型感光層−電荷発生層]
積層型感光体(機能分離型感光体)の場合、電荷発生層は、電荷発生物質をバインダー樹脂で結着することにより形成される。電荷発生物質としては、セレニウム及びその合金、硫化カドミウム等の無機系光導電材料と、有機顔料等の有機系光導電材料とが挙げられるが、有機系光導電材料の方が好ましく、特に有機顔料が好ましい。有機顔料としては、例えば、フタロシアニン顔料、アゾ顔料、ジチオケトピロロピロール顔料、スクアレン(スクアリリウム)顔料、キナクリドン顔料、インジゴ顔料、ペリレン顔料、多環キノン顔料、アントアントロン顔料、ベンズイミダゾール顔料等が挙げられる。これらの中でも、特にフタロシアニン顔料又はアゾ顔料が好ましい。電荷発生物質として有機顔料を使用する場合、通常はこれらの有機顔料の微粒子を、各種のバインダー樹脂で結着した分散層の形で使用する。電荷発生層表面の純水に対する接触角は、画像特性及び環境特性の観点から純水に対する接触角は、60°以上が好ましい。一方、接着性の観点から純水に対する接触角は、90°以下が好ましい。この範囲とすることで、特定の接触角である前記下引き層との界面でなじみやすくなり接着性が増す。
電荷発生物質としてフタロシアニン顔料を使用する場合、具体的には無金属フタロシアニン、銅、インジウム、ガリウム、スズ、チタン、亜鉛、バナジウム、シリコン、ゲルマニウム、アルミニウムなどの金属又はその酸化物、ハロゲン化物、水酸化物、アルコキシドなどの配位したフタロシアニン類の各結晶型を持ったもの、酸素原子等を架橋原子として用いたフタロシアニンダイマー類などが使用される。特に、感度の高い結晶型であるX型、τ型無金属フタロシアニン、A型(別称β型)、B型(別称α型)、D型(別称Y型)等のチタニルフタロシアニン(別称:オキシチタニウムフタロシアニン)、バナジルフタロシアニン、クロロインジウムフタロシアニン、ヒドロキシインジウムフタロシアニン、II型等のクロロガリウムフタロシアニン、V型等のヒドロキシガリウムフタロシアニン、G型、I型等のμ−オキソ−ガリウムフタロシアニン二量体、II型等のμ−オキソ−アルミニウムフタロシアニン二量体が好適である。
また、これらフタロシアニンの中でも、A型(別称β型)、B型(別称α型)、及び粉末X線回折の回折角2θ(±0.2゜)が27.1゜、もしくは27.3゜に明瞭なピークを示すことを特徴とするD型(Y型)チタニルフタロシアニン、II型クロロガリウムフタロシアニン、V型及び28.1゜にもっとも強いピークを有すること、また26.2゜にピークを持たず28.1゜に明瞭なピークを有し、かつ25.9゜の半値幅Wが0.1゜≦W≦0.4゜であることを特徴とするヒドロキシガリウムフタロシアニン、G型μ−オキソ−ガリウムフタロシアニン二量体等が特に好ましい。
フタロシアニン化合物は単一の化合物のものを用いてもよいし、幾つかの混合又は混晶状態のものを用いてもよい。ここでのフタロシアニン化合物ないしは結晶状態に置ける混合状態としては、それぞれの構成要素を後から混合したものを用いてもよいし、合成、顔料化、結晶化等のフタロシアニン化合物の製造・処理工程において混合状態を生じさせたものでもよい。このような処理としては、酸ペースト処理・磨砕処理・溶剤処理等が知られている。混晶状態を生じさせるためには、特開平10−48859号公報記載のように、2種類の結晶を混合後に機械的に磨砕、不定形化した後に、溶剤処理によって特定の結晶状態に変換する方法が挙げられる。
電荷発生層に用いるバインダー樹脂は特に制限されないが、例としては、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ブチラールの一部がホルマールや、アセタール等で変性された部分アセタール化ポリビニルブチラール樹脂等のポリビニルアセタール系樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、変性エーテル系ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルピリジン樹脂、セルロース系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、カゼインや、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ヒドロキシ変性塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、カルボキシル変性塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体等の塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−アルキッド樹脂、シリコン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂等の絶縁性樹脂や、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセン、ポリビニルペリレン等の有機光導電性ポリマーなどが挙げられるが、ポリビニルアセタール樹脂が特に好ましく、ポリビニルアセタール樹脂としては、ポリビニルブチラール樹脂が好ましい。ポリビニルブチラール樹脂としては、接着性の観点から、計算分子量が、1万〜10万が好ましく、2万〜4万がより好ましい。又、水酸基量は、20mol%〜30mol%が好ましく、23mol%〜27mol%がより好ましい。又、ガラス転移温度は、100℃〜130℃が好ましく、105℃〜115℃がより好ましい。これらのバインダー樹脂は、何れか
1種を単独で用いても良く、2種類以上を任意の組み合わせで混合して用いてもよい。
電荷発生層において、バインダー樹脂と電荷発生物質との配合比(質量)は、バインダー樹脂100質量部に対して電荷発生物質が通常10質量部以上、好ましくは30質量部以上、また、通常1000質量部以下、好ましくは500質量部以下の範囲であり、その膜厚は通常0.1μm以上、好ましくは0.15μm以上、また、通常10μm以下、好ましくは0.6μm以下の範囲である。電荷発生物質の比率が高過ぎると、電荷発生物質の凝集等により塗布液の安定性が低下するおそれがある一方、電荷発生物質の比率が低過ぎると、感光体としての感度の低下を招くおそれがある。粒子を0.5μm以下、好ましくは0.3μm以下、より好ましくは0.15μm以下の範囲の粒子サイズに微細化することが有効である。
[積層型感光層−電荷輸送層]
積層型感光体の電荷輸送層は、電荷輸送物質とバインダー樹脂を含有する。更に必要に応じてその他の成分を含有してもよい。電荷輸送物質等とバインダー樹脂とを溶剤に溶解又は分散して塗布液を作製し、電荷発生層上に、塗布、乾燥して得ることができる。積層型感光体の場合は、電荷輸送層にユニバーサル硬度が80N/mm以上125N/mm以下で弾性変形率が35%以上90%以下の樹脂を含有するが、耐摩耗性の観点から、120N/mm以下が好ましい。また、耐キズ性の観点から、100N/mm以上が好ましい。耐摩耗性及びクリーニング性の観点から、弾性変形率は40%以上が好ましい。また、接着性及び溶解性の観点から80%以下が好ましい。
ユニバーサル硬度及び弾性変形率は、微小硬度計(Fischer社製:FISCHERSCOPE H100C)を用いて、温度25℃、相対湿度50%の環境下で測定した値である。測定には対面角136°のビッカース四角錐ダイヤモンド圧子を用いる。測定条件は以下の通りに設定して行い、圧子にかかる荷重とその荷重下における押し込み深さを連続的に読み取り、それぞれY軸、X軸にプロットした図1に示すようなプロファイルを取得する。
測定条件
最大荷重 5mN
負荷所要時間 10s
除荷所要時間 10s
ユニバーサル硬度は、最大荷重5mNで押し込んだ時の値であり、その時の変位量から以下の式により定義される値である。
ユニバーサル硬度(N/mm)=最大荷重(N)/最大荷重下でのビッカース圧子の表面積(mm
弾性変形率(%)=(We/Wt)×100
上記式中、Wtは全仕事量(nJ)を表し、図1中のA−B−D−Aで囲まれる面積で表される。
弾性変形率が大きいほど、負荷に対する変形が残留しにくいことを表し、弾性変形率100%とは変形が一切残らないことを意味する。
前記パラメータを満たすバインダー樹脂としては、例えばブタジエン樹脂、スチレン樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、アクリル酸エステル樹脂、メタクリル酸エステル樹脂、ビニルアルコール樹脂、エチルビニルエーテル等のビニル化合物の重合体及び共重合体、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、部分変性ポリビニルアセタール、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、セルロースエステル樹脂、フェノキシ樹脂、シリコン樹脂、シリ
コン−アルキッド樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール樹脂等が挙げられるが、電気特性及び耐摩耗性の面で、ポリアリレート樹脂又はポリカーボネート樹脂が好ましい。
前記パラメータを満たすバインダー樹脂は、通常電荷輸送層の全バインダー樹脂に対して50質量%以上であり、耐摩耗性の面から、80質量%以上が好ましい。必要に応じて前記パラメータを満たさないバインダー樹脂が含まれていてもよい。
電荷輸送物質としては特に限定されず、任意の物質を用いることが可能である。公知の電荷輸送物質の例としては、2,4,7−トリニトロフルオレノン等の芳香族ニトロ化合物、テトラシアノキノジメタン等のシアノ化合物、ジフェノキノン等のキノン化合物等の電子輸送性物質、カルバゾール誘導体、インドール誘導体、イミダゾール誘導体、オキサゾール誘導体、ピラゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、ベンゾフラン誘導体等の複素環化合物、アニリン誘導体、ヒドラゾン誘導体、芳香族アミン誘導体、スチルベン誘導体、ブタジエン誘導体、エナミン誘導体及びこれらの化合物の複数種が結合したもの、或いはこれらの化合物からなる基を主鎖又は側鎖に有する重合体等の正孔輸送性物質等が挙げられる。これらの中でも、電気特性の観点から、カルバゾール誘導体、芳香族アミン誘導体、スチルベン誘導体、ブタジエン誘導体、エナミン誘導体、及びこれらの化合物の複数種が結合したものが好ましく、エナミン誘導体が特に好ましい。これらの電荷輸送物質は、何れか1種を単独で用いても良く、2種以上を任意の組み合わせで併用してもよい。構造の具体例を以下に示す。
Figure 2017161718
Figure 2017161718
前記パラメータを満たすバインダー樹脂と電荷輸送物質との割合としては、通常バインダー樹脂100質量部に対して電荷輸送物質を10質量部以上の比率で使用する。中でも、残留電位低減の観点から20質量部以上が好ましく、繰り返し使用した際の安定性や電荷移動度の観点から30重量部以上がより好ましい。一方、感光層の熱安定性の観点から、通常電荷輸送物質を100質量部以下の比率で使用する。中でも、電荷輸送材料とバインダー樹脂との相溶性の観点から70質量部以下が好ましく、耐摩耗性の観点から60質量部以下がより好ましく、耐傷性の観点から50質量部以下が特に好ましい。
電荷輸送層の膜厚は特に制限されないが、長寿命、感度の観点から、通常5μm以上、好ましくは15μm以上、高解像度及び生産性の観点から、通常50μm以下、好ましくは40μm以下である。
[単層型感光層]
単層型感光層は、電荷発生物質と電荷輸送物質に加えて、積層型感光体の電荷輸送層と同様のバインダー樹脂を使用して形成する。具体的には、電荷発生物質と電荷輸送物質とバインダー樹脂とを溶剤に溶解又は分散して塗布液を作製し、下引き層上に塗布、乾燥して得ることができる。また、必要に応じて、前記パラメータを満たさないバインダー樹脂を混合出来る。そのようなバインダー樹脂としては、ポリビニルアセタール樹脂が接着性
を向上させる観点から好ましい。ポリビニルアセタール樹脂は、全バインダー樹脂に対して、接着性の観点から、0.1質量%以上含有されるのが好ましく、0.5質量%以上がより好ましく、1質量%以上が特に好ましい。一方、耐摩耗性の観点から、20質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましく、5質量%以下が特に好ましい。
電荷輸送物質の種類並び電荷輸送物質とバインダー樹脂の使用比率は、積層型感光体の電荷輸送層について説明したものと同様である。これらの電荷輸送物質及びバインダー樹脂からなる電荷輸送媒体中に、更に電荷発生物質が分散される。電荷発生物質は、積層型感光体の電荷発生層について説明したものと同様のものが使用できる。但し、単層型感光体の感光層の場合、電荷発生物質の粒子径を充分に小さくする必要がある。具体的には、通常1μm以下、好ましくは0.5μm以下の範囲とする。単層型感光層内に分散される電荷発生物質の量は、少な過ぎると充分な感度が得られない一方で、多過ぎると帯電性の低下、感度の低下などの弊害があることから、単層型感光層全体に対して通常0.5質量%以上、好ましくは1質量%以上、また、通常50質量%以下、好ましくは20質量%以下の範囲で使用される。また、単層型感光層におけるバインダー樹脂と電荷発生物質との使用比率は、バインダー樹脂100質量部に対して電荷発生物質が通常0.1質量部以上、好ましくは1質量部以上、また、通常30質量部以下、好ましくは10質量部以下の範囲である。
単層型感光層の膜厚は、通常5μm以上、好ましくは10μm以上、また、通常100μm以下、好ましくは50μm以下の範囲である。
[その他の機能層]
また、積層型感光体、単層型感光体ともに、上記手順により形成された感光層を最上層、即ち表面層としてもよいが、その上に更に別の層を設け、これを表面層としてもよい。例えば、感光層の損耗を防止したり、帯電器等から発生する放電生成物等による感光層の劣化を防止・軽減する目的で、保護層を設けてもよい。その特性を生かすため、又、生産工程を少なくすることが出来ることから感光層が表面層であることが好ましい。
[各層の形成方法]
本発明の下引き層、及び感光体を構成する各層は、各層に含有させる物質を溶剤に溶解又は分散させて得られた塗布液を、支持体上に浸漬塗布、スプレー塗布、ノズル塗布、バーコート、ロールコート、ブレード塗布等の公知の方法により、各層ごとに順次塗布・乾燥工程を繰り返すことにより形成される。
塗布液の作製に用いられる溶媒又は分散媒に特に制限は無いが、具体例としては、メタノール、エタノール、プロパノール、2−メトキシエタノール等のアルコール類、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジメトキシエタン等のエーテル類、ギ酸メチル、酢酸エチル等のエステル類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、テトラクロロエタン、1,2−ジクロロプロパン、トリクロロエチレン等の塩素化炭化水素類、n−ブチルアミン、イソプロパノールアミン、ジエチルアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、トリエチレンジアミン等の含窒素化合物類、アセトニトリル、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶剤類等が挙げられる。また、これらは1種を単独で用いても良く、2種以上を任意の組み合わせ及び種類で併用してもよい。
溶媒又は分散媒の使用量は特に制限されないが、各層の目的や選択した溶媒・分散媒の性質を考慮して、塗布液の固形分濃度や粘度等の物性が所望の範囲となるように適宜調整するのが好ましい。例えば、単層型感光体、及び機能分離型感光体の電荷輸送層の場合に
は、塗布液の固形分濃度を通常5質量%以上、通常5質量%以上、好ましくは10質量%以上、また、通常40質量%以下、好ましくは35質量%以下の範囲とする。また、塗布液の粘度を通常10cps以上、好ましくは50cps以上、また、通常500cps以下、好ましくは400cps以下の範囲とする。
また、積層型感光体の電荷発生層の場合には、塗布液の固形分濃度は、通常0.1質量%以上、好ましくは1質量%以上、また、通常15質量%以下、好ましくは10質量%以下の範囲とする。また、塗布液の粘度は、通常0.01cps以上、好ましくは0.1cps以上、また、通常20cps以下、好ましくは10cps以下の範囲とする。
塗布液の塗布方法としては、浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、スピナーコーティング法、ビードコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、ブレードコーティング法、ローラーコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等が挙げられるが、他の公知のコーティング法を用いることも可能である。
<画像形成装置、カートリッジ>
本発明の電子写真感光体を使用する複写機、プリンター等の画像形成装置は、少なくとも帯電、露光、現像、転写、除電の各プロセスを含むが、どのプロセスも通常用いられる方法のいずれを用いてもよい。図2に示すように、画像形成装置は、電子写真感光体1、帯電装置2、露光装置3、現像装置4を備えて構成され、更に必要に応じて転写装置5、クリーニング装置6及び定着装置7が設けられる。
以下、本発明を実施例、比較例により更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、これらに限定されるものではない。なお、実施例中で用いる「部」は特に断りがない限り「質量部」を示す。
<下引き層塗布形成用分散液の製造>
[下引き層形成用塗布液P1]
平均一次粒子径40nmのルチル型白色酸化チタン(石原産業(株)製、製品名 TTO55N)と該酸化チタン100部に対して、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン15部を、せん断力により、ミキサー内の温度が160℃に達するまでスーパーミキサーで攪拌して、表面処理を行った。次にこの表面処理をした酸化チタン250gと、メタノール750gとを混合してなる原料スラリー1000gを、直径約50μmのジルコニアビーズ(株式会社ニッカトー製 YTZ)を分散メディアとして、ミル容積約0.15Lの寿工業株式会社製ウルトラアペックスミル(UAM−015型)を用い、ロータ周速10m/秒、液流量6g/秒の循環状態で、28分間分散処理し、酸化チタンの分散液を作製した。この酸化チタン分散液と、予めメタノール/1−プロパノール/トルエンの混合溶媒に溶解した市販の共重合ポリアミド樹脂(東レ(株)製、製品名CM8000)溶液を撹拌混合後、周波数25kHz,出力1200Wの超音波発信器による超音波分散処理を1時間行い、更に孔径5μmのPTFE製メンブレンフィルター(アドバンテック製 マイテックス LC)により濾過し、酸化チタン/共重合ポリアミドを質量比が2/1であり、メタノール/1−プロパノール/トルエンの混合溶媒の質量比が7/1/2であって、含有する固形分の濃度が15.75%の下引き層形成用塗布液P1を得た。
[下引き層形成用塗布液P2]
表面処理剤をメチルジメトキシシランに変更し、表面処理剤量を3部に変更した以外は、分散液P1と同様にして下引き形成用塗布液P2を得た。
[電荷発生層形成用塗布液Q1]
CuKα線により粉末X線スペクトルパターンにおいてブラッグ角(2θ±0.2゜)
27.3゜に特徴的なピークを示すオキシチタニウムフタロシニアン10部と、ポリビニルアセタール樹脂(電気化学工業(株)製、商品名DK31)5部と、ポリビニルアセタール樹脂(積水化学工業(株)製、商品名KS1)2部を1,2−ジメトキシエタン500部とを混合し、サンドグラインドミルで粉砕、分散処理を行い、電荷発生層形成用塗布液Q1を得た。
[電荷輸送層形成用塗布液R1]
下記構造式(A)で表されるポリアリレート樹脂(粘度平均分子量 37,000)100部、下記構造式(V)で表される電荷輸送物質40部、ジブチルヒドロキシトルエン4部、トリベンジルアミン1部、下記構造式(VI)で表される化合物1部を、テトラヒドロフラン:トルエン=8/2の混合溶媒に溶解、撹拌混合することで、固形分濃度15%の電荷輸送層形成用塗布液R1を得た。
Figure 2017161718
[電荷輸送層形成用塗布液R2]
前記構造式(A)で表されるポリアリレート樹脂を下記構造式(B)で表されるポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量50,000)に変更した以外は、電荷輸送層形成用塗布液R1と同様にして電荷輸送層形成用塗布液R2を得た。
Figure 2017161718
[電荷輸送層形成用塗布液R3]
前記構造式(A)で表されるポリアリレート樹脂を下記構造式(C)で表されるポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量50,000)に変更した以外は、電荷輸送層形成用塗布液R1と同様にして電荷輸送層形成用塗布液R3を得た。
Figure 2017161718
[電荷輸送層形成用塗布液R4]
前記構造式(A)で表されるポリアリレート樹脂を下記構造式(D)で表されるポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量40,000)に変更した以外は、電荷輸送層形成用塗布液R1と同様にして電荷輸送層形成用塗布液R4を得た。
Figure 2017161718
[電荷輸送層形成用塗布液R5]
前記構造式(A)で表されるポリアリレート樹脂を下記構造式(E)で表されるポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量30,000)に変更した以外は、電荷輸送層形成用塗布液R1と同様にして電荷輸送層形成用塗布液R5を得た。
Figure 2017161718
[電荷輸送層形成用塗布液R6]
前記構造式(A)で表されるポリアリレート樹脂を構造式(F)で表されるポリアリレート樹脂(粘度平均分子量30,000)に変更した以外は、電荷輸送層形成用塗布液R1と同様にして電荷輸送層形成用塗布液R6を得た。
Figure 2017161718
[電荷輸送層形成用塗布液R7]
前記構造式(A)で表されるポリアリレートを構造式(G)で表されるポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量20,000)に変更した以外は、電荷輸送層形成用塗布液R7を得た。
Figure 2017161718
[バインダー樹脂液T1]
前記構造式(A)で表されるポリアリレート樹脂(粘度平均分子量 37,000)100部、シリコーンオイル(信越シリコーン社製:商品名 KF−96)0.07部をテトラヒドロフラン:トルエン=8:2の混合溶媒に撹拌混合することで、固形分濃度が12.0質量%のバインダー樹脂液T1を得た。
[バインダー樹脂液T2]
前記構造式(A)で表されるポリアリレート樹脂を構造式(B)で表されるポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量50,000)に変更した以外は、バインダー樹脂液1と同様にしてバインダー樹脂液T2を得た。
[バインダー樹脂液T3]
前記構造式(A)で表されるポリアリレート樹脂を構造式(C)で表されるポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量50,000)に変更した以外は、バインダー樹脂液T1と同様にしてバインダー樹脂液T3を得た。
[バインダー樹脂液T4]
前記構造式(A)で表されるポリアリレート樹脂を構造式(D)で表されるポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量40,000)に変更した以外は、バインダー樹脂液T1と同様にしてバインダー樹脂液T4を得た。
[バインダー樹脂液T5]
前記構造式(A)で表されるポリアリレート樹脂を構造式(E)で表されるポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量30,000)に変更した以外は、バインダー樹脂液T1と同様にしてバインダー樹脂液T5を得た。
[バインダー樹脂液T6]
前記構造式(A)で表されるポリアリレート樹脂を構造式(F)で表されるポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量30,000)に変更した以外は、バインダー樹脂液T1と同様にしてバインダー樹脂液T6を得た。
[バインダー樹脂液T7]
前記構造式(G)で表されるポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量 20,000)100部、シリコーンオイル(信越シリコーン社製:商品名 KF−96)0.07部を1,3ジオキソラン溶媒に撹拌混合することで、固形分濃度が15.0質量%のバインダー樹脂液T7を得た。
<実施例1>
下引き層形成用塗布液P1を、厚さ1mmのアルミ板にワイヤーバーで塗布し、常温乾燥してその乾燥膜厚が1.5μmとなるように下引き層を設けた。下引き層上に電荷発生層形成用塗布液Q1をワイヤーバーで塗布し、その乾燥膜厚が0.3μmとなるようにして電荷発生層を設けた。電荷発生層上に電荷輸送層形成用塗布液R1をアプリケータで塗布し、125℃で20分間乾燥し、その乾燥膜厚が18μmとなるように作製した感光体を感光体S1とする。
<実施例2>
電荷輸送層形成用塗布液R1を電荷輸送層形成用塗布液R2に変更した以外は、感光体S1と同様にして作製した感光体を感光体S2とする。
<実施例3>
電荷輸送層形成用塗布液R1を電荷輸送層形成用塗布液R3に変更した以外は、感光体S1と同様にして作製した感光体を感光体S3とする。
<参考例1>
電荷輸送層形成用塗布液R1を電荷輸送層形成用塗布液R4に変更した以外は、感光体S1と同様にして作製した感光体を感光体S4とする。
<参考例2>
電荷輸送層形成用塗布液R1を電荷輸送層形成用塗布液R5に変更した以外は、感光体S1と同様にして作製した感光体を感光体S5とする。
<参考例3>
電荷輸送層形成用塗布液R1を電荷輸送層形成用塗布液R6に変更した以外は、感光体S1と同様にして作製した感光体を感光体S6とする。
<参考例4>
電荷輸送層形成用塗布液R1を電荷輸送層形成用塗布液R7に変更した以外は、感光体S1と同様にして作製した感光体を感光体S7とする。
<比較例1>
下引き層形成用塗布液P1を下引き層形成用塗布液P2に変更した以外は、感光体S1と同様にして作製した感光体を感光体S8とする。
<比較例2>
電荷輸送層形成用塗布液R1を電荷輸送層形成用塗布液R2に変更した以外は、感光体S8と同様にして作製した感光体を感光体S9とする。
<比較例3>
電荷輸送層形成用塗布液R1を電荷輸送層形成用塗布液R3に変更した以外は、感光体S8と同様にして作製した感光体を感光体S10とする。
<参考例5>
電荷輸送層形成用塗布液R1を電荷輸送層形成用塗布液R4に変更した以外は、感光体S8と同様にして作製した感光体を感光体S11とする。
<参考例6>
電荷輸送層形成用塗布液R1を電荷輸送層形成用塗布液R5に変更した以外は、感光体
S8と同様にして作製した感光体を感光体S12とする。
<参考例7>
電荷輸送層形成用塗布液R1を電荷輸送層形成用塗布液R6に変更した以外は、感光体S8と同様にして作製した感光体を感光体S13とする。
<参考例8>
電荷輸送層形成用塗布液R1を電荷輸送層形成用塗布液R7に変更した以外は、感光体S8と同様にして作製した感光体を感光体S14とする。
[ユニバーサル硬度及び弾性変形率測定用サンプルB1]
バインダー樹脂液T1を、厚さ4mmのガラス板にアブリケータで塗布し、125℃で20分間乾燥し、その乾燥膜厚が15μmとなるように樹脂層を設けた。このユニバーサル硬度測及び弾性変形率定用サンプルをB1とする。
[ユニバーサル硬度及び弾性変形率測定用サンプルB2]
バインダー樹脂液T1をバインダー樹脂液T2に変更した以外は、B1と同様に作製したユニバーサル硬度及び弾性変形率測定用サンプルをB2とする。
[ユニバーサル硬度及び弾性変形率測定用サンプルB3]
バインダー樹脂液T1をバインダー樹脂液T3に変更した以外は、B1と同様に作製したユニバーサル硬度及び弾性変形率測定用サンプルをB3とする。
[ユニバーサル硬度及び弾性変形率測定用サンプルB4]
バインダー樹脂液T1をバインダー樹脂液T4に変更した以外は、B1と同様に作製したユニバーサル硬度及び弾性変形率測定用サンプルをB4とする。
[ユニバーサル硬度及び弾性変形率測定用サンプルB5]
バインダー樹脂液T1をバインダー樹脂液T5に変更した以外は、B1と同様に作製したユニバーサル硬度及び弾性変形率測定用サンプルをB5とする。
[ユニバーサル硬度及び弾性変形率測定用サンプルB6]
バインダー樹脂液T1をバインダー樹脂液T6に変更した以外は、B1と同様に作製したユニバーサル硬度及び弾性変形率測定用サンプルをB6とする。
[ユニバーサル硬度及び弾性変形率測定用サンプルB7]
バインダー樹脂液T1をバインダー樹脂液T7に変更した以外は、B1と同様に作製したユニバーサル硬度及び弾性変形率測定用サンプルをB7とする。
[接触角測定用サンプルC1]
下引き層形成用塗布液P1を、30mmφで、長さが260.5mmアルミニウム製シリンダーに浸漬塗布し、その乾燥膜厚が、1.5μmとなるように下引き層を設けた。この接触角測定用サンプルをC1とする。
[接触角測定用サンプルC2]
下引き層形成用塗布液P1を下引き層P2に変更したこと以外は、C1と同様に作製した接触角測定用サンプルをC2とする。
[接触角測定用サンプルC3]
電荷発生層形成用塗布液Q1を、30mmφで、長さが260.5mmアルミニウム製シリンダーに浸漬塗布し、その乾燥膜厚が、0.3μmとなるように電荷発生層を設けた。この接触角測定用サンプルをC3とする。
[体積抵抗率測定サンプルD1]
固形分が10質量%で、溶媒組成がメタノール/1−プロパノール/トルエン=7/1/2の共重合ナイロン(東レ(株)製、製品名CM8000)溶液を、アルミニウム蒸着ポリエチレンテレフタレートフィルム上に、ワイヤーバーで塗布し、125℃で20分間
乾燥後の膜厚が10μmになるように、樹脂膜を設けた。この体積抵抗率測定サンプルをD1とした。
[体積抵抗率測定サンプルD2]
固形分が10質量%で、溶媒組成がメタノール/1−プロパノール/トルエン=7/1/2のN−メトキシメチル化((株)鉛市製、製品名FR−101)溶液を、アルミニウム蒸着ポリエチレンテレフタレートフィルム上に、ワイヤーバーで塗布し、125℃で20分間乾燥後の膜厚が10μmになるように、樹脂膜を設けた。この体積抵抗率測定サンプルをD2とした。
[接着性評価]
感光体S1〜S14を、カミソリの刃で、2mm角で25個の碁盤目のキズを付け、セロハンテープ(3M)で剥離テストを行った。各感光体の剥離個数を表−1に示す。
[ユニバーサル硬度及び弾性変形率測定]
ユニバーサル硬度及び弾性変形率測定用サンプルB1〜B7を、温度25℃、相対湿度50%の環境下で、微小硬度計(Fischer社製:FISCHERSCOPE HM2000)を用いて、下記測定条件で測定した。各サンプルのユニバーサル硬度及び弾性変形率を表−2に示す。
(ユニバーサル硬度及び弾性変形率測定条件)
圧子:対面角136°のビッカース四角錐ダイヤモンド圧子
最大押し込み荷重:5mN
負荷所要時間:10秒
除荷所要時間:10秒
ユニバーサル硬度は、下記式より求められる。
ユニバーサル硬度(N/mm2)=最大押し込み荷重/最大押し込み荷重時のくぼみ面積
[純水に対する接触角測定]
接触角測定用サンプルC1〜C3を、温度25℃、相対湿度50%の環境下で、接触角計(協和界面科学社製:自動接触角計CA−VP型)を用いて、下記測定条件で測定した。各サンプルの純水に対する接触角を表−3に示す。
(接触角測定条件)
解析方法:Θ/2法
測定までの待ち時間:1000ms
曲率補正:なし
[体積抵抗率測定]
体積抵抗率測定用サンプルD1及びD2を、温度25℃、相対湿度50%の環境下で、抵抗計((株)三菱化学アナリテック製:製品名ハイレスターUX MCP−HT800)を用いて、下記測定条件で測定した。各サンプルの体積抵抗率を表−4に示す。
(体積抵抗率測定条件)
使用プローブ:UR−100
測定モード:体積抵抗
印加電圧:100V
印加時間:60秒
Figure 2017161718
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参考例の電子写真感光体(S4、S5、S6、S10、S11、S12)の場合は、下引き層の表面の純水に対する接触角が72°以下であっても、又72°以上であっても、接着性は問題とならない。感光体(S1、S2、S3、S7、S8、S9)の場合は、下引き層の表面の純水に対する接触角が72°以下の場合にのみ接着性は良好であった。
1 感光体(電子写真感光体)
2 帯電装置(帯電ローラ;帯電部)
3 露光装置(露光部)
4 現像装置(現像部)
5 転写装置
6 クリーニング装置(クリーニング部)
7 定着装置
41 現像槽
42 アジテータ
43 供給ローラー
44 現像ローラー
45 規制部材
71 上部定着部材(加圧ローラー)
72 下部定着部材(定着ローラー)
73 加熱装置
T トナー
P 記録紙(用紙,媒体)

Claims (14)

  1. 導電性基体上に、少なくとも下引き層、電荷発生層、及び電荷輸送層を有する電子写真感光体において、前記下引き層は、有機金属化合物で表面処理された金属酸化物粒子と、体積抵抗率が1.0×1010Ω・cm以上、1×1018Ω・cm以下であるバインダー樹脂とを含有し、且つ下引き層の表面の純水に対する接触角が、40°以上、72°以下であり、前記電荷発生層は、少なくとも電荷発生物質とバインダー樹脂とを含有し、前記電荷輸送層は、少なくとも電荷輸送物質とユニバーサル硬度が80N/mm以上、125N/mm以下、且つ弾性変形率が35%以上、90%以下であるバインダー樹脂とを含有することを特徴とする、電子写真感光体。
  2. 前記電荷発生層のバインダー樹脂が、ポリビニルアセタール樹脂であることを特徴とする、請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 前記電荷発生層の表面の純水に対する接触角が、60°以上、90°以下であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の電子写真感光体。
  4. 導電性基体上に、下引き層、及び単層型感光層を有する電子写真感光体において、前記下引き層は、有機金属化合物で表面処理された金属酸化物粒子と、バインダー樹脂とを含有し、且つ下引き層表面の純水に対する接触角が、40°以上、72°以下であり、前記単層型感光層は、少なくとも電荷輸送物質とユニバーサル硬度が80N/mm以上、125N/mm以下で弾性変形率が35%以上、90%以下であるバインダー樹脂とを含有することを特徴とする、電子写真感光体。
  5. 前記下引き層表面の純水に対する接触角が、50°以上、70°以下であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
  6. ユニバーサル硬度が80N/mm以上、125N/mm以下で弾性変形率が35%以上、90%以下であるバインダー樹脂が、ポリアリレート樹脂、又はポリカーボネート樹脂であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
  7. 前記ユニバーサル硬度が120N/mm以下であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
  8. 前記弾性変形率が40%以上であることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
  9. 前記有機金属化合物が、構造式(I)であること特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
    構造式(I)
    CH=CR−COO−R−M
    (Rは、水素原子又はアルキル基、Rは、アルキレン基、Mは、Si(R、Ti(R、又はAl(Rを示す。Rは、アルキル基又はアルコキシ基を示す。)
  10. 前記金属酸化物粒子が、n型半導体粒子であることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
  11. 前記金属酸化物粒子が、前記バインダー樹脂100質量部に対して50〜400質量部であることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
  12. 前記バインダー樹脂が、ポリアミド樹脂であることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
  13. 請求項1〜12のいずれか1項に記載の電子写真感光体を用いた、画像形成装置。
  14. 請求項1〜12のいずれか1項に記載の電子写真感光体を用いた、画像形成装置用カートリッジ。
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