JP4005392B2 - 水性分散体および積層フィルム - Google Patents

水性分散体および積層フィルム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、透明性が高く、耐水性、被膜の密着性に優れた被膜を得ることができる水性分散体、およびそれを塗工して成る積層フィルムに関するものであり、具体的には、帯電防止コーティング剤及び透明帯電防止フィルム等として利用されるものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、一般的な工業材料や磁気記録材料としてフィルム、とくにポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系フィルムが広く使用されているが、ポリエステル系フィルムは表面抵抗率が大きいため、摩擦などによって容易に帯電して、フィルム表面にほこり、ごみなどが付着するといった問題が発生する。
【0003】
そこで、帯電防止性能が付与されたフィルムとして、帯電防止剤を練り込んだ樹脂から得られるフィルムや表面に帯電防止塗膜を形成したフィルムが実用化されている。
【0004】
しかし、例えば、高分子型の帯電防止剤を練り込んだ樹脂から得られるフィルムは、帯電防止性能を良好なものとするためには帯電防止剤を多量に含有させる必要があり経済的ではなく、また、この種のフィルムは耐水性が十分でないといった問題がある。
【0005】
一方、低分子の界面活性剤型帯電防止剤を用いてフィルムの表面に帯電防止被膜を形成した場合には、帯電防止性能が経時的に低下する傾向があり、フィルムをロール状に巻いた状態において帯電防止剤が隣接するフィルムの背面に移行したり、さらには耐水性が十分でないといった問題がある。
また、ポリピロールやポリアニリンなどの導電性高分子を用いたフィルムでは、コストが高くなるとともに導電性高分子特有の着色が生ずるという問題が発生する。
【0006】
さらに、導電性を有する酸化スズ系微粒子を表面に被覆した帯電防止フィルムも検討されているが、被膜と基材フィルムとの密着性が必ずしも十分ではなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は上記課題を解決するものであって、帯電防止能を有し、かつ、透明性が高く、耐水性、基材との密着性に優れた被膜を得ることができる水性分散体および積層フィルムを提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、特定の組成のポリオレフィン樹脂と酸化スズ系超微粒子とを含有する水性分散体から形成された被膜は、帯電防止能に優れ、透明性が高く、耐水性、基材との密着性に優れていることを見出し、本発明に到達した。
【0009】
すなわち、本発明の第一は、下記ポリオレフィン樹脂、酸化スズ系超微粒子、300℃未満の沸点を有する塩基性化合物が水性媒体中に分散された水性分散体であり、前記酸化スズ系超微粒子が、前記ポリオレフィン樹脂100質量部に対して30〜1500質量部含有されており、かつ、不揮発性水性化助剤を実質的に含有しないことを特徴とする水性分散体を要旨とするものであり、好ましくは、塩基性化合物が、アンモニア又は30〜250℃の沸点を有する有機アミン化合物で、また、酸化スズ系超微粒子が酸化スズ、アンチモンドープ酸化スズおよび酸化スズドープインジウムのうちの少なくとも1種類からなり、その数平均粒子径が50nm以下であることを特徴とするものである。
ポリオレフィン樹脂:
(A1)不飽和カルボン酸またはその無水物、
(A2)エチレン系炭化水素、
(A3)下記式(I)〜(IV)のいずれかで示される少なくとも1種の化合物
とから構成される共重合体であって、各構成成分(A1)〜(A3)の質量比が下記式(1)、(2)をみたすポリオレフィン樹脂。
0.01≦(A1)/{(A1)+(A2)+(A3)}×100<5 (1)
(A2)/(A3)=55/45〜99/1 (2)
【0010】
【化3】
【0011】
本発明の第二は、前記ポリオレフィン樹脂100質量部に対して酸化スズ系超微粒子を30〜1500質量部含有し、かつ、不揮発性水性化助剤を実質的に含まない層が少なくとも一層、熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも一方の面に形成されていることを特徴とする積層フィルムを要旨とするものであり、好ましくは、熱可塑性樹脂フィルムがポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ナイロン6のいずれかからなることを特徴とするものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の水性分散体は、特定組成のポリオレフィン樹脂、酸化スズ系超微粒子および塩基性化合物が水性媒体中に分散されてなり、前記酸化スズ系超微粒子が、前記ポリオレフィン樹脂100質量部に対して30〜1500質量部含有され、かつ、不揮発性水性化助剤を実質的に含有しないことを特徴とする。
【0013】
ここで、水性媒体とは、水を主成分とする媒体であり、60質量%以上が水であることが好ましい。
【0014】
本発明の水性分散体には、酸化スズ系超微粒子が、ポリオレフィン樹脂100質量部に対して30〜1500質量部含有している必要があり、好ましくは50〜1000質量部、より好ましくは100〜800質量部である。酸化スズ系超微粒子の割合が30質量部未満ではこの水性分散体を用いて得られる被膜の帯電防止性が不十分になることがあり、一方、1500質量部を超えると、被膜と基材との密着性が低下することがある。酸化スズ系超微粒子の数平均粒子径は、50nm以下のものが好ましく使用され、より好ましくは数平均粒子径が50nm以下であってかつ体積平均粒子径が200nm以下であるものである。水性分散体中において酸化スズ系超微粒子が凝集して体積平均粒子径が200nmを超えると、被膜の透明性が低下するおそれがある。ここで、上記酸化スズ系超微粒子の数平均粒子径および体積平均粒子径は、後述のポリオレフィン樹脂の微粒子と同様の動的光散乱法によって測定される。
【0015】
酸化スズ系超微粒子の具体例としては、酸化スズ、アンチモンドープ酸化スズ、インジウムドープ酸化スズ、酸化スズドープインジウム、アルミニウムドープ酸化スズ、タングステンドープ酸化スズ、酸化チタン−酸化セリウム−酸化スズの複合体、酸化チタン−酸化スズの複合体などが挙げられ、それらの溶媒和物や配位化合物も用いることができる。なかでも導電性などの性能に優れかつそれとコストとがバランスのとれた酸化スズ、アンチモンドープ酸化スズ、酸化スズドープインジウムおよびそれらの溶媒和物や配位化合物が好ましく用いられる。
【0016】
上記の酸化スズ系超微粒子の製造方法は特に限定されないが、たとえば、酸化スズ超微粒子は、金属スズやスズ化合物を加水分解または熱加水分解する方法や、スズイオンを含む酸性溶液をアルカリ加水分解する方法、スズイオンを含む溶液をイオン交換膜やイオン交換樹脂によりイオン交換する方法など何れの方法も用いることができる。
また、酸化スズ系超微粒子は市販のものを使用することもできる。例えば、酸化スズ超微粒子水分散体としては、山中化学工業社製EPS−6、アンチモンドープ酸化スズ系超微粒子水分散体としては、石原産業社製SN100D、酸化スズドープインジウム超微粒子としては、シーアイ化成社製ITOなどがある。
【0017】
また、本発明の水性分散体は、塩基性化合物を含有している必要がある。この塩基性化合物は、後述する具体的なポリオレフィン樹脂中のカルボキシル基を中和し、中和によって生成したカルボキシルアニオン間の静電気的反発力によって、水性分散体中でのポリオレフィン樹脂粒子間の凝集が防がれ、水性分散体に安定性が付与される。また、塩基性化合物は、酸化スズ系超微粒子の水性分散体中での分散安定性にも寄与し、水性分散体に安定性が付与される。したがって、塩基性化合物としてはポリオレフィン樹脂中のカルボキシル基を中和でき、かつ酸化スズ系超微粒子を分散安定化できるものが用いられる。塩基性化合物の必要量は、ポリオレフィン樹脂の種類や、酸化スズ系超微粒子の種類、ポリオレフィン樹脂と酸化スズ系超微粒子との比率、水性分散体の固形分濃度によっても異なるが、水性分散体のpHが8.0〜12.0になる量が好ましく、さらに好ましくはpHが9.0〜11.0になる量である。pHが8.0未満では水性分散体の安定性が乏しくなる場合がある。一方でpHが12.0を越えるとコストアップの原因となったり、被膜形成時の乾燥時間が長くなったり、水性分散体が着色する場合がある。pHが上記範囲を逸脱すると、分散安定性に優れた水性分散体は得られない。
【0018】
塩基性化合物は、ここでは揮発性のものが用いられる。ここでいう揮発性とは、例えば300℃未満の沸点を有することである。特に、沸点が30〜250℃、さらには50〜200℃の塩基性化合物が好ましい。沸点が30℃未満の場合は、後述する樹脂の水性化時に揮発する割合が多くなり、水性化が完全に進行しない場合がある。沸点が300℃以上であると、被膜から乾燥時に塩基性化合物を飛散させることが困難になり、被膜の耐水性が悪化する場合がある。
【0019】
上記のような性質を有する塩基性化合物として、具体的には、アンモニア又は有機アミン化合物が好ましい。有機アミン化合物の具体例としては、トリエチルアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、アミノエタノールアミン、N−メチル−N,N−ジエタノールアミン、イソプロピルアミン、イミノビスプロピルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、3−エトキシプロピルアミン、3−ジエチルアミノプロピルアミン、sec−ブチルアミン、プロピルアミン、メチルアミノプロピルアミン、3−メトキシプロピルアミン、モノエタノールアミン、モルホリン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン等が挙げられ、2種以上を混合して使用しても良い。
【0020】
本発明の水性分散体に用いるポリオレフィン樹脂は、(A1)不飽和カルボン酸またはその無水物、
(A2)エチレン系炭化水素、(A3)下記式(I)〜(IV)のいずれかで示される少なくとも1種の化合物とから構成される共重合体であって、各構成成分(A1)〜(A3)の質量比が下記式(1)、(2)をみたしている必要がある。
0.01≦(A1)/{(A1)+(A2)+(A3)}×100<5 (1)
(A2)/(A3)=55/45〜99/1 (2)
【化4】
【0021】
不飽和カルボン酸またはその無水物(A1)成分は、この樹脂全体〔(A1)+(A2)+(A3)〕に対して0.01質量%以上、5質量%未満含有している必要があり、1質量%以上、4質量%以下が最も好ましい。(A1)成分の含有量が0.01質量%未満の場合は、樹脂を水性化(液状化)することが困難になり、良好な水性分散体を得ることが難しい。一方、不飽和カルボン酸またはその無水物の含有量が5質量%以上の場合は、水性化はし易くなるが、他の添加剤との混合安定性が低下してしまう恐れがある。
【0022】
(A1)成分として用いることのできる不飽和カルボン酸またはその無水物は、分子内(モノマー単位内)に少なくとも1個のカルボキシル基または酸無水物基を有する化合物であり、具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、フマル酸、クロトン酸等のほか、不飽和ジカルボン酸のハーフエステル、ハーフアミド等が挙げられ、特にアクリル酸、無水マレイン酸が好ましい。また不飽和カルボン酸は、ポリオレフィン樹脂中に共重合されていれば良く、その形態は限定されるものではなく、例えばランダム共重合、ブロック共重合、グラフト共重合等が挙げられる。
【0023】
エチレン系炭化水素(A2)成分としては、エチレン、プロピレン、イソブチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン等の炭素数2〜6のアルケンが挙げられ、これらの混合物を用いることもできる。この中で、エチレン、プロピレン、イソブチレン、1−ブテン等の炭素数2〜4のアルケンがより好ましく、特にエチレンが好ましい。
【0024】
ポリオレフィン樹脂の(A3)成分としては、前記式(I)〜(IV)のいずれかで示される成分が必要である。この成分によって、ポリオレフィン樹脂に親水性が付与されるため、(A1)成分が5質量%未満であっても、不揮発性水性化助剤の添加なしに水性化することができる。(A2)成分と(A3)成分との質量比(A2)/(A3)は、55/45〜99/1の範囲であることが必要であり、75/25〜97/3であることが特に好ましい。〔(A2)+(A3)〕に対する(A3)成分の比率が1質量%未満では、ポリオレフィン樹脂の水性化は困難になり、良好な水性分散体を得ることが難しい。一方、化合物(A3)の含有比率が45質量%を超えると、(A2)成分によるポリオレフィン樹脂としての性質が失われ、耐水性等の性能が低下する。
【0025】
(A3)成分としては、例えば、式(I)で代表される(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル等の(メタ)アクリル酸エステル類、式(II)で代表されるマレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジブチル等のマレイン酸エステル類、式(III)で代表される(メタ)アクリル酸アミド類、式(IV)で代表されるメチルビニルエーテル、エチルビニルエーテルなどのアルキルビニルエーテル類、ぎ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、バーサチック酸ビニル等のビニルエステル類ならびにビニルエステル類を塩基性化合物等でケン化して得られるビニルアルコール、などが挙げられ、これらの混合物を用いることもできる。この中で、式(I)で示される(メタ)アクリル酸エステル類がより好ましく、(メタ)アクリル酸メチル、あるいは(メタ)アクリル酸エチルが特に好ましい。
【0026】
本発明を構成するポリオレフィン樹脂の具体的な構成としては、エチレン、アクリル酸メチルあるいはアクリル酸エチル及び無水マレイン酸からなる三元共重合体が最も好ましい。ここで、アクリル酸エステル単位は、後述する樹脂の水性化の際に、エステル結合のごく一部が加水分解してアクリル酸単位に変化することがあるが、そのような場合には、それらの変化を加味した各構成成分の比率が規定の範囲にあればよい。
なお、ポリオレフィン樹脂を構成する無水マレイン酸単位等の不飽和カルボン酸無水物単位は、樹脂の乾燥状態では隣接カルボキシル基が脱水環化した酸無水物構造を形成しているが、特に塩基性化合物を含有する水性媒体中では、その一部、または全部が開環してカルボン酸、あるいはその塩の構造を取りやすくなる。
また、本発明において、樹脂のカルボキシル基量を基準として量を規定する場合には、樹脂中の酸無水物基はすべて開環してカルボキシル基をなしていると仮定して算出する。
【0027】
本発明に用いられるポリオレフィン樹脂には、その他のモノマーが、少量、共重合されていても良い。例えば、ジエン類、(メタ)アクリロニトリル、ハロゲン化ビニル類、ハロゲン化ビリニデン類、一酸化炭素、二硫化硫黄等が挙げられる。
【0028】
本発明に用いるポリオレフィン樹脂の分子量は特に限定されない。例えば、その分子量の目安としての190℃、2160g荷重におけるメルトフローレートは、0.01〜500g/10分の範囲のものを用いることができ、被膜としての物性を考慮すると、1〜100g/10分のものがより好ましい。メルトフローレートが0.01g/10分未満では、樹脂の水性化は困難になる場合がある。また、500g/10分を超えると、得られる被膜が、硬くてもろくなる場合がある。
【0029】
また、ポリオレフィン樹脂の合成法は特に限定されない。一般的には、ポリオレフィン樹脂を構成するモノマーをラジカル発生剤の存在下、高圧ラジカル共重合して得られる。また、不飽和カルボン酸、あるいはその無水物は、グラフト共重合(グラフト変性)されていても良い。また、重合時に乳化剤や保護コロイド作用を有する化合物を用いていないことが好ましい。
【0030】
本発明の水性分散体中におけるポリオレフィン樹脂粒子の数平均粒子径(以下、mn)は特に限定されないが、後述のような製法をとれば、通常mnは1μm以下となる。水性分散体の保存安定性の観点から、mnは1μm以下とすることが好ましく、低温造膜性の観点から0.1μm未満が最も好ましい。重量平均粒子径(以下、mw)に関しては、1μm以下が好ましく、0.2μm以下が最も好ましい。粒子の分散度(mw/mn)は、水性分散体の保存安定性、及び低温造膜性の観点から、1〜3が好ましく、1〜2が特に好ましい。
ここで、上記ポリオレフィン樹脂の数平均粒子径および重量平均粒子径は、微粒物質の粒子径を測定するために一般的に使用されている動的光散乱法によって測定される。
【0031】
本発明の水性分散体は、不揮発性水性化助剤を実質的に含有しないことを特徴とする。前記の特定組成のポリオレフィン樹脂を用いることにより、不揮発性水性化助剤を用いなくても、ポリオレフィン樹脂粒子を水性媒体中に安定に分散・維持することができる。不揮発性水性化助剤は、被膜形成後にもポリオレフィン樹脂中に残存し、被膜を可塑化することにより、ポリオレフィン樹脂の特性、例えば耐水性等を悪化させる。本発明は不揮発性水性化助剤を実質的に含有しないため、被膜特性、特に耐水性が優れている。
【0032】
ここで、「水性化助剤」とは、水性分散体の製造において、水性化促進や水性分散体の安定化の目的で添加される薬剤や化合物のことであり、「不揮発性」とは、常圧での沸点を有さないか、もしくは、常圧で高沸点(例えば300℃以上)であることを指す。
「不揮発性水性化助剤を実質的に含有しない」とは、不揮発性水性化助剤を積極的には系に添加しないことにより、結果的にこれらを含有しないことを意味する。こうした不揮発性水性化助剤は、含有量がゼロであることが特に好ましいが、本発明の効果を損ねない範囲で、ポリオレフィン樹脂成分に対して0.1質量%未満程度含まれていても差し支えない。
【0033】
本発明でいう不揮発性水性化助剤としては、例えば、後述する乳化剤、保護コロイド作用を有する化合物、変性ワックス類、高酸価の酸変性化合物、水溶性高分子などが挙げられる。
乳化剤としては、カチオン性乳化剤、アニオン性乳化剤、ノニオン性乳化剤、あるいは両性乳化剤が挙げられ、一般に乳化重合に用いられるもののほか、界面活性剤類も含まれる。例えば、アニオン性乳化剤としては、高級アルコールの硫酸エステル塩、高級アルキルスルホン酸塩、高級カルボン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルサルフェート塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルサルフェート塩、ビニルスルホサクシネート等が挙げられ、ノニオン性乳化剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、エチレンオキサイドプロピレンオキサイドブロック共重合体、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド共重合体などのポリオキシエチレン構造を有する化合物やポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルなどのソルビタン誘導体等が挙げられ、両性乳化剤としては、ラウリルベタイン、ラウリルジメチルアミンオキサイド等が挙げられる。
【0034】
保護コロイド作用を有する化合物、変性ワックス類、高酸価の酸変性化合物、水溶性高分子としては、ポリビニルアルコール、カルボキシル基変性ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、変性デンプン、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸およびその塩、カルボキシル基含有ポリエチレンワックス、カルボキシル基含有ポリプロピレンワックス、カルボキシル基含有ポリエチレン−プロピレンワックスなどの数平均分子量が通常は5000以下の酸変性ポリオレフィンワックス類およびその塩、アクリル酸−無水マレイン酸共重合体およびその塩、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、イソブチレン−無水マレイン酸交互共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体等の不飽和カルボン酸含有量が10質量%以上のカルボキシル基含有ポリマーおよびその塩、ポリイタコン酸およびその塩、アミノ基を有する水溶性アクリル系共重合体、ゼラチン、アラビアゴム、カゼイン等、一般に微粒子の分散安定剤として用いられている化合物が挙げられる。
【0035】
本発明においては、ポリオレフィン樹脂の水性化を促進し、分散粒子径を小さくするために、水性化の際に有機溶剤を添加することが好ましい。使用する有機溶剤量は、水性媒体中の40質量%以下が好ましく、3〜30質量%が特に好ましい。有機溶剤量が40質量%を超える場合には、実質的に水性媒体とはみなせなくなり、環境上好ましくない。なお、水性分散体製造時に添加した有機溶剤は後述するストリッピング操作によって減量することができる。
また、このように使用する有機溶剤は一種の水性化助剤であるので、加熱によって被膜を形成する際に樹脂中に残留して耐水性を悪化させないよう、揮発性のものを用いる。具体的には、300℃未満の沸点を有するものである。中でも沸点が30〜250℃のものが好ましく、50〜200℃のものが特に好ましい。なお、有機溶剤の沸点が30℃未満の場合は、樹脂の水性化時に揮発する割合が多くなり、水性化の効率が十分に高まらない場合がある。
【0036】
こうした有機溶剤の具体例としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、n−アミルアルコール、イソアミルアルコール、sec−アミルアルコール、tert−アミルアルコール、1−エチル−1−プロパノール、2−メチル−1−ブタノール、n−ヘキサノール、シクロヘキサノール等のアルコール類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、エチルブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、酢酸エチル、酢酸−n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸−sec−ブチル、酢酸−3−メトキシブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、炭酸ジエチル、炭酸ジメチル等のエステル類、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート等のグリコール誘導体、さらには、3−メトキシ−3−メチルブタノール、3−メトキシブタノール、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジアセトンアルコール、アセト酢酸エチル等が挙げられ、2種以上を混合して使用しても良い。これらの有機溶剤の中でも、樹脂の水性化促進に効果が高く、しかも水性媒体中から有機溶剤を除去し易いという点から、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルが好ましく、低温乾燥性の点からエタノール、n−プロパノール、イソプロパノールが特に好ましい。
【0037】
一般に、水性分散体に有機溶剤が含有されている場合、その一部をストリッピングと呼ばれる脱溶剤操作で系外へ留去させることができるが、本発明の水性分散体においても、この操作によって、水性分散体中の有機溶剤量を適宜減量してもよい。ストリッピングの方法としては、常圧または減圧下で水性分散体を攪拌しながら加熱し、有機溶剤を留去する方法を挙げることができる。また、水性媒体が留去されることにより、固形分濃度が高くなり、粘度が上昇し作業性が悪くなるような場合には、予め水性分散体に水を添加してもよい。
【0038】
次に、本発明の水分散体の製造方法について述べる。
ポリオレフィン樹脂、酸化スズ系超微粒子、塩基性化合物を含有する水性分散体を得るための方法は特に限定されないが、ポリオレフィン樹脂粒子と酸化スズ系超微粒子との分散安定性の観点から、ポリオレフィン樹脂の水性分散体と酸化スズ系超微粒子の分散液とを別々に調製しておき、これを混合して得る方法が最も好ましい。このようにすれば、ポリオレフィン樹脂水性分散体の有する優れた貯蔵安定性と、酸化スズ系超微粒子の優れた分散性が維持され、ポリオレフィン樹脂および酸化スズ系超微粒子の互いの優れた特性を発揮することができる。
以下、この方法について詳述する。
【0039】
まず、ポリオレフィン樹脂の水性分散体の調製方法について述べる。
既述した特定組成のポリオレフィン樹脂、塩基性化合物、水、さらに必要に応じて有機溶剤を、好ましくは密閉可能な容器中で加熱、攪拌する方法が最も好ましい。この方法によれば、乳化剤成分や保護コロイド作用を有する化合物等の不揮発性水性化助剤を実質的に添加しなくとも特定組成のポリオレフィン樹脂を良好に水性分散体とすることができる。水性分散体中における樹脂含有率は、特に限定されるものではないが、コーティング組成物の粘性を適度に保ち、かつ良好な被膜形成能を発現させる点で、1〜60質量%が好ましく、10〜45質量%が特に好ましい。塩基性化合物の添加量はポリオレフィン樹脂中のカルボキシル基に対して0.5〜3.0倍当量であることが好ましく、1.01〜2.0倍当量が特に好ましい。
【0040】
容器としては、液体を投入できる槽を備え、槽内に投入された水性媒体と樹脂粉末ないしは粒状物との混合物を適度に撹拌できるものであればよい。そのような装置としては、固/液撹拌装置や乳化機として広く当業者に知られている装置を使用することができ、0.1MPa以上の加圧が可能な装置を使用することが好ましい。本発明における撹拌の方法、撹拌の回転速度は特に限定されないが、樹脂が水性媒体中で浮遊状態となる程度の低速の撹拌でも十分水性化が達成され、高速撹拌(例えば1000rpm以上)は必須ではない。このため、簡便な装置でも水性分散体の製造が可能である。
【0041】
水性化に用いられるポリオレフィン樹脂の形状は特に限定されないが、水性化速度を速めるという点から、粒子径1cm以下、好ましくは0.8cm以下の粒状ないしは粉末状のものを用いることが好ましい。
【0042】
具体的な手順としては、容器の槽内に水、塩基性化合物、必要に応じて有機溶剤、及び粒状ないしは粉末状のポリオレフィン樹脂を投入し、好ましくは40℃以下の温度で攪拌混合しておく。次いで、槽内の温度を80〜200℃、好ましくは100〜190℃の温度に保ちつつ、好ましくは5〜120分間攪拌を続けることによりポリオレフィン樹脂を十分に水性化させ、その後、好ましくは攪拌下で40℃以下に冷却することにより、水性分散体を得ることができる。槽内の温度が80℃未満の場合には、ポリオレフィン樹脂の水性化が困難になる。槽内の温度が200℃を超える場合は、ポリオレフィン樹脂の分子量が低下する恐れがある。槽内の加熱方法としては槽外部からの加熱が好ましく、例えば、オイルや水を用いて槽を加熱する、あるいはヒーターを槽に取り付けて加熱を行うことができる。槽内の冷却方法としては、例えば、室温で自然放冷する方法や0〜40℃のオイルまたは水を使用して冷却する方法を挙げることができる。
【0043】
なお、この後、必要に応じてさらにジェット粉砕処理を行ってもよい。ここでいうジェット粉砕処理とは、ポリオレフィン樹脂水性分散体を、高圧下でノズルやスリットのような細孔より噴出させ、樹脂粒子同士や樹脂粒子と衝突板等とを衝突させて、機械的なエネルギーによって樹脂粒子をさらに細粒化することであり、そのための装置の具体例としA.P.V.GAULIN社製ホモジナイザー、みずほ工業社製マイクロフルイタイザーM-110E/H等が挙げられる。
【0044】
上記のようにして得られる水性分散体は、ポリオレフィン樹脂が水性媒体中に分散又は溶解され、均一な液状である。均一な液状であるとは、外観上、水性分散体中に沈殿、相分離あるいは皮張りといった、固形分濃度が局部的に他の部分と相違する部分が見いだされない状態にあることをいう。
また、上記の水性分散体製造における水性化収率は、得られた水性分散体中に残存する粗大粒子の量によって知ることができる。具体的には、水性分散体を300メッシュのステンレス製フィルター(線径0.035mm、平織)で加圧濾過(空気圧0.2MPa)し、フィルター上に残存する樹脂量を測定する。なお、残存樹脂が多く収率が低い場合でも、製造工程中で上記の濾過を行って、こうした粗大粒子を除去すれば、以降の工程で水性分散体としての使用は可能である。
上記の手順に従った場合、水性化収率は、条件によってやや低下する場合もあるが、概ねきわめて良好であり、粗大粒子はほとんど残存することなく水性化が達成される。
【0045】
一方、酸化スズ系超微粒子の水分散液を得るための方法は特に限定されないが、たとえば、酸化スズ系超微粒子、塩基性化合物、水、さらに必要に応じて有機溶剤を、容器中で加熱、攪拌する方法を採用することができる。このとき使用される塩基性化合物や有機溶剤は、前述したものから選んで使用することができる。水分散液中の酸化スズ系超微粒子の含有率は、特に限定されるものではないが、分散安定性を保つため、1〜40質量%が好ましく、10〜30質量%が特に好ましい。この場合必要な塩基性化合物の添加量は、酸化スズ系超微粒子の種類によっても異なるが、酸化スズ系超微粒子1モルに対して0.01〜5.00モルになるよう添加することが好ましく、さらに好ましくは0.10〜4.00モルである。このとき、温度としては、酸化スズ系超微粒子の解膠促進のために、25℃以上とすることが好ましく、30℃以上がさらに好ましい。また、撹拌方法は特に限定されず、一般的な撹拌子や撹拌羽を用いる撹拌方法以外に、ホモミキサーやホモジナイザーを用いる分散法や、高圧分散器や超音波分散器などを用いることも可能である。
【0046】
こうして得られる酸化スズ系超微粒子の分散液としては、酸化スズ系超微粒子がほぼその1次粒子径すなわち数平均粒子径を保ったまま分散されたものが好ましい。すなわち、数平均粒子径が50nm以下、体積平均粒子径が200nm以下であるものが好ましく使用される。分散液中において酸化スズ系超微粒子が凝集して体積平均粒子径が200nmを超えると、被膜の透明性が低下するおそれがある。ここで、上記酸化スズ系超微粒子の数平均粒子径および体積平均粒子径は、前述のポリオレフィン樹脂の微粒子と同様の動的光散乱法によって測定される。
【0047】
このようにして別々の操作によって得られたポリオレフィン樹脂水性分散体と酸化スズ系超微粒子分散液を混合する際には、ポリオレフィン樹脂水性分散体に酸化スズ系超微粒子分散液を加えて混合してもよく、逆に酸化スズ系超微粒子分散液に上記ポリオレフィン樹脂水性分散体を加えて混合してもよく、混合順序は任意である。使用する装置としては、液/液撹拌装置として広く知られている装置を使用することが可能であり、混合液の分散性が良好であるため、極めて短時間かつ簡単な混合操作でよい。また、混合液の分散安定性を維持するために、必要に応じて、混合液のpHが8〜12になるようにpH調整を行うことが好ましい。さらに、混合後の固形分濃度の調整方法としては、例えば、所望の固形分濃度となるように水性媒体を留去したり、水により希釈したりする方法が挙げられる。また、塗布性能を向上させるために例えばイソプロパノールなどの低沸点アルコールのような有機溶媒を加えてもよい。
【0048】
本発明の水性分散体における固形分濃度すなわちポリオレフィン樹脂と酸化スズ系超微粒子の総濃度は1〜40質量%が好ましい。固形分濃度が1質量%以下では、基材に塗布する際に十分な厚さの被膜を形成しにくくなる傾向があり、一方40質量%を越えると、酸化スズ系超微粒子の分散性が不十分になることがある。
【0049】
また、本発明の水性分散体には、架橋剤を混合して被膜の硬度を上げることができる。架橋剤としては、ポリオレフィン樹脂が有する官能基、例えばカルボキシル基と反応性を有するものが用いられ、例えば、フェノール樹脂、アミノ樹脂、多官能エポキシ樹脂、多官能イソシアネート化合物及びその各種ブロックイソシアネート化合物、多官能アジリジン化合物、カルボジイミド基含有化合物、オキサゾリン基含有化合物などが挙げられる。このような架橋剤は1種類のみでも、2種類以上を併用してもよい。
【0050】
さらに、本発明の水性分散体には、その特性が損なわれない範囲で、酸化防止剤、滑剤、着色剤などを添加することができる。
【0051】
こうして得られた本発明の水性分散体は、塗料、接着剤、インキ、繊維処理剤、紙塗工剤などの各種コーティング剤として、フィルムなどの樹脂形成体、紙、ガラスなどの各種基材上に均一に塗布され、この後、加熱・乾燥することにより、基材上に被膜が形成される。塗布方法としては、ディップコート法、はけ塗り法、ロールコート法、スプレーコート法、グラビアコート法、カーテンフローコート法、各種印刷法などが挙げられ、乾燥としては、熱風循環型のオーブンや赤外線ヒーターなどにより、60℃〜230℃で例えば2秒間〜50数秒間行われる。このとき形成される被膜の厚さとしては、強度および傷が付きにくい均一な厚さの被膜が得られる0.01〜100μmが好ましく、0.05〜20μmがより好ましく、0.1〜5μmがさらに好ましい。
【0052】
基材として用いられる熱可塑性樹脂フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート(以下、PET)、ポリエチレンナフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリトリメチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル樹脂、ポリプロピレン(以下、PP)、ポリエチレンなどのポリオレフィン樹脂、ナイロン6(以下、Ny6)、ナイロン66、ナイロン46などのポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂またはそれらの混合物によりなるフィルムまたはそれらのフィルムの積層体が挙げられる。中でも、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ナイロン6、ポリイミド、ポリアリレートを用いるのがよく、特に透明性の点でポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ナイロン6を用いるのが良い。熱可塑性樹脂フィルムは、未延伸フィルムでも延伸フィルムでも良く、その製法は限定されない。熱可塑性樹脂フィルムの厚さも特に限定されるものではないが、通常0.5〜2000μm、好ましくは1〜1000μm、より好ましくは1〜500μmのものが用いられる。
【0053】
本発明の水性分散体を塗布して得られる積層フィルムは、表面固有抵抗が1010Ω/□以下と低く優れた帯電防止能を有し、また同時に耐水性にも優れる。さらに、ヘイズが10%以下となる。すなわち非常に高い透明度を有している。ポリオレフィン樹脂水性分散体と酸化スズ系超微粒子分散液との組み合わせにより、被膜の透明性は変化するが、包装材料やOHPフィルムのような用途としては、フィルムのヘイズは8%以下がより好ましく、5%以下がさらに好ましい。
【0054】
こうして得られた積層フィルムは、例えば、包装材料、磁気テープ、磁気ディスク等の磁気記録材料や電子材料、グラフィックフィルム、製版フィルム、OHPフィルム等の用途に使用することができる。
【0055】
【実施例】
以下、実施例により本発明をより具体的に説明する。
以下の実施例において各種の特性は次に示す方法によって測定した。
(1)被膜の厚さ
接触式膜厚計により、水性分散体を基材フィルムに塗布、乾燥して被膜を形成したフィルム(以下コートフィルムという)の全体の厚さから、基材フィルムの厚さを減じて求めた。
【0056】
(2)ヘイズ
JIS−K7361−1に基づいて、濁度計(日本電色工業株式会社製、NDH2000)を用いて、コートフィルムのヘイズ測定を行った。ただし、この評価値は、各実施例で用いた基材フィルムの濁度(2軸延伸PETフィルム:2.8%、延伸PPフィルム:2.4%、延伸Ny6フィルム:3.2%)を含んでいる。
【0057】
(3)コートフィルムの帯電防止特性
JIS−K6911に基づいて、株式会社アドバンテスト製デジタル超高抵抗/微少電流計、R8340を用いて、コートフィルムの被膜の表面固有抵抗値を次の3つの条件下で測定して、それぞれについて評価した。
(3-a)標準特性評価
温度23℃、湿度65%雰囲気下で測定した。
(3-b)耐流水性評価
コートフィルムを流水中に60秒間さらした後、3-aと同一条件で測定した。
(3-c)耐温水性評価
コートフィルムを40℃の温水中に24時間浸した後、3-aと同一条件で測定した。
【0058】
(4)密着性
基材フィルムと塗布層との密着性をクロスカット法によるテープ剥離により評価した。クロスカットにより、塗布層を100区間にカットし、テープ剥離後残留した塗布層の区間数で、以下の基準により評価した。
○:100区間残留
△:90〜100区間残留
×:0〜90区間残留
【0059】
(5)耐ブロッキング性
コートフィルムの被膜面と基材フィルム面とを重ね合わせた状態で、200g/cm2の負荷をかけ、40℃ 雰囲気下で24時間放置後、その耐ブロッキング性を以下の基準により評価した。
○:フィルムに軽く触れる程度で剥離
△:フィルムを引っ張ることで剥離
×:ブロッキングにより剥離せず
【0060】
(6)粒子径
ポリオレフィン樹脂微粒子および酸化スズ系超微粒子の数平均粒子径はそれぞれ日機装社製マイクロトラック粒度分布計UPA150(Model No.9340)を用いて、動的光散乱法によって測定した。
【0061】
実施例1
(ポリオレフィン樹脂水性分散体の調製)
ヒーター付きの密閉できる耐圧1リットル容ガラス容器を備えた撹拌機を用いて、75.0gのポリオレフィン樹脂(ボンダインHX-8290、住友化学工業株式会社製)、60.0gのイソプロパノール(以下、IPA)、5.1g(樹脂中の無水マレイン酸のカルボキシル基に対して1.1倍当量)のトリエチルアミン(以下、TEA)および159.9gの蒸留水をガラス容器内に仕込み、撹拌翼の回転速度を300rpmとして撹拌したところ、容器底部には樹脂粒状物の沈澱は認められず、浮遊状態となっていることが確認された。そこでこの状態を保ちつつ、10分後にヒーターの電源を入れ加熱した。そして系内温度を140〜145℃に保ってさらに20分間撹拌した。その後、水浴につけて、回転速度300rpmのまま攪拌しつつ室温(約25℃)まで冷却した後、300メッシュのステンレス製フィルター(線径0.035mm、平織)で加圧濾過(空気圧0.2MPa)し、乳白色の均一なポリオレフィン樹脂水性分散体を得た。
得られたポリオレフィン樹脂水性分散体250g、蒸留水85gを1Lの2口丸底フラスコに仕込み、メカニカルスターラーとリービッヒ型冷却器を設置し、フラスコをオイルバスで加熱していき、水性媒体を留去した。冷却後、フラスコ内の液状成分を300メッシュのステンレス製フィルター(線径0.035mm、平織)で加圧濾過(空気圧0.2MPa)し、濾液の固形分濃度を測定したところ、25.5質量%であった。この濾液を撹拌しながら蒸留水を添加し、固形分濃度が25.0質量%になるように調整した。
(酸化スズゾルの調製)
塩化第二スズ五水和物0.1モルを200mlの水に溶解して0.5Mの水溶液とし、撹拌しながら28%のアンモニア水を添加することでpH1.5の白色酸化スズ超微粒子含有スラリーを得た。得られた酸化スズ超微粒子含有スラリーを70℃まで加熱した後、50℃前後まで自然冷却したうえで純水を加え1Lの酸化スズ超微粒子含有スラリーとし、遠心分離器を用いて固液分離を行った。この含水固形分に800mlの純水を加えて、ホモジナイザーにより撹拌・分散を行った後、遠心分離器を用いて固液分離を行うことで洗浄を行った。洗浄後の含水固形分に純水を75ml加えて酸化スズ超微粒子含有スラリーを調製した。
得られた酸化スズ超微粒子含有スラリーにトリエチルアミン3.0mlを加え撹拌し、透明感が出てきたところで70℃まで昇温した後、加温をやめ自然冷却することで固形分濃度10.5質量%の有機アミンを分散安定剤とする酸化スズゾルを得た。
(水性分散体の調製)
前記酸化スズゾルに、前記ポリオレフィン樹脂水性分散体を、ポリオレフィン樹脂固形分100質量部に対して酸化スズ超微粒子が800質量部となるように混合した後、IPAを全液量の10質量%相当添加し、手で軽く攪拌することによって、酸化スズ超微粒子含有ポリオレフィン樹脂水性分散体を得た。
【0062】
得られた水性分散体を2軸延伸PETフィルム(ユニチカ株式会社製、製品名エンブレット、厚さ12μm)の片面にフィルムアプリケーター(株式会社安田精機製作所製、542-AB)を使用して塗布後、130℃で30秒間乾燥することにより、フィルム面に厚さ0.1μmの被膜を形成したコートフィルムを得、各種評価を行った。
【0063】
実施例2
実施例1で得られた水性分散体を用いて、コートフィルムの被膜厚さを0.3μmとした以外は、同様にして評価を行った。
【0064】
実施例3
実施例1で得られた水性分散体を用いて、コートフィルムの被膜厚さを0.4μmとした以外は、同様にして評価を行った。
【0065】
実施例4
実施例1において、ポリオレフィン樹脂水性分散体と酸化スズゾルを混合する際に、ポリオレフィン樹脂固形分100質量部に対して酸化スズ超微粒子が400質量部となるようにした以外は、実施例1と同様にして水性分散体とコートフィルムを得、各種評価を行った。
【0066】
実施例5
実施例1において、ポリオレフィン樹脂水性分散体と酸化スズゾルを混合する際に、ポリオレフィン樹脂固形分100質量部に対して酸化スズ超微粒子が400質量部となるように混合し、コートフィルムの被膜厚さを0.2μmとした以外は、実施例1と同様にして各種評価を行った。
【0067】
実施例6
実施例1において、ポリオレフィン樹脂水性分散体と酸化スズゾルを混合する際に、ポリオレフィン樹脂固形分100質量部に対して酸化スズ超微粒子が200質量部となるように混合し、コートフィルムの被膜厚さを0.2μmとした以外は、実施例1と同様にして各種評価を行った。
【0068】
実施例7
実施例1で得たポリオレフィン樹脂水性分散体に、実施例1における有機アミンを分散安定剤とする酸化スズゾルに代えて、アンモニアを分散安定剤とする酸化スズゾル(山中化学工業社製、EPS−6)を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、水性分散体を得、コートフィルムの各種評価を行った。
【0069】
実施例8
実施例1で得たポリオレフィン樹脂水性分散体に、実施例1における有機アミンを分散安定剤とする酸化スズゾルに代えて、アンチモンドープ酸化スズ超微粒子水分散液(石原産業社製、SN100D)を、ポリオレフィン樹脂固形分100質量部に対してアンチモンドープ酸化スズ超微粒子が100質量部となるように混合した以外は、実施例1と同様の方法により、水性分散体およびコートフィルムを得、各種評価を行った。
【0070】
実施例9
実施例5において、基材フィルムとして2軸延伸PETフィルムに代えて、延伸PPフィルム(東セロ社製、♯20u−1、厚さ20μm)を用いた以外は、実施例5と同様にして、コートフィルムを得、各種評価を行った。
【0071】
実施例10
実施例5において、基材フィルムとして2軸延伸PETフィルムに代えて、延伸Ny6フィルム(ユニチカ社製、エンブレムON−15、厚さ15μm)を用いた以外は、実施例5と同様にして、コートフィルムを得、各種評価を行った。
【0072】
比較例1
実施例1において、ポリオレフィン樹脂水性分散体と酸化スズゾルを混合する際に、ポリオレフィン樹脂固形分100質量部に対して酸化スズ超微粒子が20質量部となるように混合した以外は、実施例1と同様にして、水性分散体およびコートフィルムを得、各種評価を行った。
【0073】
比較例2
実施例1において、酸化スズゾルに代えて、カチオン系界面活性剤(三洋化成工業株式会社製、商品名サンスタット2012A)を、ポリオレフィン樹脂固形分100質量部に対して固形分で1質量部となるように、ポリオレフィン樹脂水性分散体と混合して水性分散体を得た以外は、実施例1と同様にしてコートフィルムを得、各種評価を行った。
【0074】
比較例3
実施例1において、酸化スズゾルに代えて、アルキル燐酸塩(三洋化成工業株式会社製、商品名RPS−2)を、ポリオレフィン樹脂固形分100質量部に対して固形分で1質量部となるようにポリオレフィン樹脂水性分散体と混合して水性分散体を得た以外は、実施例1と同様にしてコートフィルムを得、各種評価を行った。
【0075】
実施例1〜10及び比較例1〜3の評価結果を表1に示した。
【0076】
【表1】
【0077】
実施例1〜10によって得られたコートフィルムの特性は、表1に示したようにいずれも透明性に優れ、高い帯電防止性を示し、流水処理、温水処理によっても表面固有抵抗が大きく変化せず、密着性にも優れていた。
【0078】
これに対して、比較例1によって得られたコートフィルムは、コーティング剤中に含有する酸化スズ系超微粒子の量が少ないため、表1に示したように表面固有抵抗の値が高く、帯電防止性が不十分であった。
【0079】
また、比較例2、3によって得られたコートフィルムは、表1に示したようにいずれも標準状態では表面固有抵抗がやや大きい程度であったが、流水処理、温水処理によって表面固有抵抗の値が非常に大きくなり、帯電防止性が低下するものであった。また標準状態における密着性にも劣っていた。
【0080】
以上の実施例から明らかなように、本発明の水性分散体から得られるコートフィルムは、透明性が高く、耐水性、基材との密着性に優れた積層フィルムであることが分かる。
【0081】
【発明の効果】
本発明の水性分散体によれば、透明性が高く、耐水性、基材との密着性に優れた透明帯電防止性の被膜を得ることができる。さらに、水性媒体を使用するため、環境問題の解消、作業環境の改善にも寄与することができる。

Claims (8)

  1. 下記ポリオレフィン樹脂、酸化スズ系超微粒子、300℃未満の沸点を有する塩基性化合物が水性媒体中に分散された水性分散体であり、前記酸化スズ系超微粒子が、前記ポリオレフィン樹脂100質量部に対して30〜1500質量部含有されており、かつ、不揮発性水性化助剤を実質的に含有しないことを特徴とする水性分散体。
    ポリオレフィン樹脂:
    (A1)不飽和カルボン酸またはその無水物、
    (A2)エチレン系炭化水素、
    (A3)下記式(I)〜(IV)のいずれかで示される少なくとも1種の化合物
    とから構成される共重合体であって、各構成成分(A1)〜(A3)の質量比が下記式(1)、(2)をみたすポリオレフィン樹脂。
    0.01≦(A1)/{(A1)+(A2)+(A3)}×100<5 (1)
    (A2)/(A3)=55/45〜99/1 (2)
  2. 塩基性化合物が、アンモニア又は30〜250℃の沸点を有する有機アミン化合物であることを特徴とする請求項1記載の水性分散体。
  3. 酸化スズ系超微粒子が酸化スズ、アンチモンドープ酸化スズおよび酸化スズドープインジウムのうち少なくとも1種類からなることを特徴とする請求項1又は2に記載の水性分散体。
  4. 酸化スズ系超微粒子の数平均粒子径が50nm以下であることを特徴とする請求項1〜3記載の水性分散体。
  5. 下記ポリオレフィン樹脂100質量部に対して酸化スズ系超微粒子を30〜1500質量部含有し、かつ、不揮発性水性化助剤を実質的に含まない層が少なくとも一層、熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも一方の面に形成されていることを特徴とする積層フィルム。
    ポリオレフィン樹脂:
    (A1)不飽和カルボン酸またはその無水物、
    (A2)エチレン系炭化水素、
    (A3)下記式(I)〜(IV)のいずれかで示される少なくとも1種の化合物
    とから構成される共重合体であって、各構成成分(A1)〜(A3)の質量比が下記式(1)、(2)をみたすポリオレフィン樹脂。
    0.01≦(A1)/{(A1)+(A2)+(A3)}×100<5 (1)
    (A2)/(A3)=55/45〜99/1 (2)
  6. 表面固有抵抗が1010Ω/□以下であることを特徴とする請求項5に記載の積層フィルム。
  7. ヘイズが10%以下であることを特徴とする請求項5又は6に記載の積層フィルム。
  8. 熱可塑性樹脂フィルムがポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ナイロン6のいずれかからなることを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の積層フィルム。
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