JP2003268164A - 水性分散体および積層フィルム - Google Patents

水性分散体および積層フィルム

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 帯電防止能を有し、かつ、透明性、耐水性、
基材との密着性に優れた被膜を得ることができる水性分
散体および積層フィルムを提供する。 【解決手段】 特定組成のポリオレフィン樹脂、酸化ス
ズ系超微粒子、塩基性化合物が水性媒体中に分散された
水性分散体であり、前記酸化スズ系超微粒子が、前記ポ
リオレフィン樹脂100質量部に対して30〜1500
質量部含有されており、かつ、不揮発性水性化助剤を実
質的に含有しないことを特徴とする水性分散体。また、
それを各種基材、特に、ポリエチレンテレフタレート、
ポリプロピレン、ナイロン6等の熱可塑性樹脂フィルム
上に塗布して得た積層フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、透明性が高く、耐
水性、被膜の密着性に優れた被膜を得ることができる水
性分散体、およびそれを塗工して成る積層フィルムに関
するものであり、具体的には、帯電防止コーティング剤
及び透明帯電防止フィルム等として利用されるものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、一般的な工業材料や磁気記録材料
としてフィルム、とくにポリエチレンテレフタレートな
どのポリエステル系フィルムが広く使用されているが、
ポリエステル系フィルムは表面抵抗率が大きいため、摩
擦などによって容易に帯電して、フィルム表面にほこ
り、ごみなどが付着するといった問題が発生する。
【0003】そこで、帯電防止性能が付与されたフィル
ムとして、帯電防止剤を練り込んだ樹脂から得られるフ
ィルムや表面に帯電防止塗膜を形成したフィルムが実用
化されている。
【0004】しかし、例えば、高分子型の帯電防止剤を
練り込んだ樹脂から得られるフィルムは、帯電防止性能
を良好なものとするためには帯電防止剤を多量に含有さ
せる必要があり経済的ではなく、また、この種のフィル
ムは耐水性が十分でないといった問題がある。
【0005】一方、低分子の界面活性剤型帯電防止剤を
用いてフィルムの表面に帯電防止被膜を形成した場合に
は、帯電防止性能が経時的に低下する傾向があり、フィ
ルムをロール状に巻いた状態において帯電防止剤が隣接
するフィルムの背面に移行したり、さらには耐水性が十
分でないといった問題がある。また、ポリピロールやポ
リアニリンなどの導電性高分子を用いたフィルムでは、
コストが高くなるとともに導電性高分子特有の着色が生
ずるという問題が発生する。
【0006】さらに、導電性を有する酸化スズ系微粒子
を表面に被覆した帯電防止フィルムも検討されている
が、被膜と基材フィルムとの密着性が必ずしも十分では
なかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は上記
課題を解決するものであって、帯電防止能を有し、か
つ、透明性が高く、耐水性、基材との密着性に優れた被
膜を得ることができる水性分散体および積層フィルムを
提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、特定の組
成のポリオレフィン樹脂と酸化スズ系超微粒子とを含有
する水性分散体から形成された被膜は、帯電防止能に優
れ、透明性が高く、耐水性、基材との密着性に優れてい
ることを見出し、本発明に到達した。
【0009】すなわち、本発明の第一は、下記ポリオレ
フィン樹脂、酸化スズ系超微粒子、塩基性化合物が水性
媒体中に分散された水性分散体であり、前記酸化スズ系
超微粒子が、前記ポリオレフィン樹脂100質量部に対
して30〜1500質量部含有されており、かつ、不揮
発性水性化助剤を実質的に含有しないことを特徴とする
水性分散体を要旨とするものであり、好ましくは、塩基
性化合物が、アンモニア又は30〜250℃の沸点を有
する有機アミン化合物で、また、酸化スズ系超微粒子が
酸化スズ、アンチモンドープ酸化スズおよび酸化スズド
ープインジウムのうちの少なくとも1種類からなり、そ
の数平均粒子径が50nm以下であることを特徴とする
ものである。 ポリオレフィン樹脂: (A1)不飽和カルボン酸またはその無水物、(A2)エチ
レン系炭化水素、(A3)下記式(I)〜(IV)のいずれ
かで示される少なくとも1種の化合物とから構成される
共重合体であって、各構成成分(A1)〜(A3)の質量比
が下記式(1)、(2)をみたすポリオレフィン樹脂。 0.01≦(A1)/{(A1)+(A2)+(A3)}×100<5 (1) (A2)/(A3)=55/45〜99/1 (2)
【0010】
【化3】
【0011】本発明の第二は、前記ポリオレフィン樹脂
100質量部に対して酸化スズ系超微粒子を30〜15
00質量部含有し、かつ、不揮発性水性化助剤を実質的
に含まない層が少なくとも一層、熱可塑性樹脂フィルム
の少なくとも一方の面に形成されていることを特徴とす
る積層フィルムを要旨とするものであり、好ましくは、
熱可塑性樹脂フィルムがポリエチレンテレフタレート、
ポリプロピレン、ナイロン6のいずれかからなることを
特徴とするものである。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の水性分散体は、特定組成のポリオレフィン樹
脂、酸化スズ系超微粒子および塩基性化合物が水性媒体
中に分散されてなり、前記酸化スズ系超微粒子が、前記
ポリオレフィン樹脂100質量部に対して30〜150
0質量部含有され、かつ、不揮発性水性化助剤を実質的
に含有しないことを特徴とする。
【0013】ここで、水性媒体とは、水を主成分とする
媒体であり、60質量%以上が水であることが好まし
い。
【0014】本発明の水性分散体には、酸化スズ系超微
粒子が、ポリオレフィン樹脂100質量部に対して30
〜1500質量部含有している必要があり、好ましくは
50〜1000質量部、より好ましくは100〜800
質量部である。酸化スズ系超微粒子の割合が30質量部
未満ではこの水性分散体を用いて得られる被膜の帯電防
止性が不十分になることがあり、一方、1500質量部を
超えると、被膜と基材との密着性が低下することがあ
る。酸化スズ系超微粒子の数平均粒子径は、50nm以
下のものが好ましく使用され、より好ましくは数平均粒
子径が50nm以下であってかつ体積平均粒子径が20
0nm以下であるものである。水性分散体中において酸
化スズ系超微粒子が凝集して体積平均粒子径が200n
mを超えると、被膜の透明性が低下するおそれがある。
ここで、上記酸化スズ系超微粒子の数平均粒子径および
体積平均粒子径は、後述のポリオレフィン樹脂の微粒子
と同様の動的光散乱法によって測定される。
【0015】酸化スズ系超微粒子の具体例としては、酸
化スズ、アンチモンドープ酸化スズ、インジウムドープ
酸化スズ、酸化スズドープインジウム、アルミニウムド
ープ酸化スズ、タングステンドープ酸化スズ、酸化チタ
ン−酸化セリウム−酸化スズの複合体、酸化チタン−酸
化スズの複合体などが挙げられ、それらの溶媒和物や配
位化合物も用いることができる。なかでも導電性などの
性能に優れかつそれとコストとがバランスのとれた酸化
スズ、アンチモンドープ酸化スズ、酸化スズドープイン
ジウムおよびそれらの溶媒和物や配位化合物が好ましく
用いられる。
【0016】上記の酸化スズ系超微粒子の製造方法は特
に限定されないが、たとえば、酸化スズ超微粒子は、金
属スズやスズ化合物を加水分解または熱加水分解する方
法や、スズイオンを含む酸性溶液をアルカリ加水分解す
る方法、スズイオンを含む溶液をイオン交換膜やイオン
交換樹脂によりイオン交換する方法など何れの方法も用
いることができる。また、酸化スズ系超微粒子は市販の
ものを使用することもできる。例えば、酸化スズ超微粒
子水分散体としては、山中化学工業社製EPS−6、ア
ンチモンドープ酸化スズ系超微粒子水分散体としては、
石原産業社製SN100D、酸化スズドープインジウム
超微粒子としては、シーアイ化成社製ITOなどがあ
る。
【0017】また、本発明の水性分散体は、塩基性化合
物を含有している必要がある。この塩基性化合物は、後
述する具体的なポリオレフィン樹脂中のカルボキシル基
を中和し、中和によって生成したカルボキシルアニオン
間の静電気的反発力によって、水性分散体中でのポリオ
レフィン樹脂粒子間の凝集が防がれ、水性分散体に安定
性が付与される。また、塩基性化合物は、酸化スズ系超
微粒子の水性分散体中での分散安定性にも寄与し、水性
分散体に安定性が付与される。したがって、塩基性化合
物としてはポリオレフィン樹脂中のカルボキシル基を中
和でき、かつ酸化スズ系超微粒子を分散安定化できるも
のが用いられる。塩基性化合物の必要量は、ポリオレフ
ィン樹脂の種類や、酸化スズ系超微粒子の種類、ポリオ
レフィン樹脂と酸化スズ系超微粒子との比率、水性分散
体の固形分濃度によっても異なるが、水性分散体のpH
が8.0〜12.0になる量が好ましく、さらに好まし
くはpHが9.0〜11.0になる量である。pHが
8.0未満では水性分散体の安定性が乏しくなる場合が
ある。一方でpHが12.0を越えるとコストアップの
原因となったり、被膜形成時の乾燥時間が長くなった
り、水性分散体が着色する場合がある。pHが上記範囲
を逸脱すると、分散安定性に優れた水性分散体は得られ
ない。
【0018】塩基性化合物は、ここでは揮発性のものが
用いられる。ここでいう揮発性とは、例えば300℃未
満の沸点を有することである。特に、沸点が30〜25
0℃、さらには50〜200℃の塩基性化合物が好まし
い。沸点が30℃未満の場合は、後述する樹脂の水性化
時に揮発する割合が多くなり、水性化が完全に進行しな
い場合がある。沸点が300℃以上であると、被膜から
乾燥時に塩基性化合物を飛散させることが困難になり、
被膜の耐水性が悪化する場合がある。
【0019】上記のような性質を有する塩基性化合物と
して、具体的には、アンモニア又は有機アミン化合物が
好ましい。有機アミン化合物の具体例としては、トリエ
チルアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、アミ
ノエタノールアミン、N−メチル−N,N−ジエタノー
ルアミン、イソプロピルアミン、イミノビスプロピルア
ミン、エチルアミン、ジエチルアミン、3−エトキシプ
ロピルアミン、3−ジエチルアミノプロピルアミン、s
ec−ブチルアミン、プロピルアミン、メチルアミノプ
ロピルアミン、3−メトキシプロピルアミン、モノエタ
ノールアミン、モルホリン、N−メチルモルホリン、N
−エチルモルホリン等が挙げられ、2種以上を混合して
使用しても良い。
【0020】本発明の水性分散体に用いるポリオレフィ
ン樹脂は、(A1)不飽和カルボン酸またはその無水物、
(A2)エチレン系炭化水素、(A3)下記式(I)〜(I
V)のいずれかで示される少なくとも1種の化合物とか
ら構成される共重合体であって、各構成成分(A1)〜
(A3)の質量比が下記式(1)、(2)をみたしている
必要がある。 0.01≦(A1)/{(A1)+(A2)+(A3)}×100<5 (1) (A2)/(A3)=55/45〜99/1 (2)
【化4】
【0021】不飽和カルボン酸またはその無水物(A
1)成分は、この樹脂全体〔(A1)+(A2)+(A
3)〕に対して0.01質量%以上、5質量%未満含有
している必要があり、1質量%以上、4質量%以下が最
も好ましい。(A1)成分の含有量が0.01質量%未
満の場合は、樹脂を水性化(液状化)することが困難に
なり、良好な水性分散体を得ることが難しい。一方、不
飽和カルボン酸またはその無水物の含有量が5質量%以
上の場合は、水性化はし易くなるが、他の添加剤との混
合安定性が低下してしまう恐れがある。
【0022】(A1)成分として用いることのできる不
飽和カルボン酸またはその無水物は、分子内(モノマー
単位内)に少なくとも1個のカルボキシル基または酸無
水物基を有する化合物であり、具体的には、アクリル
酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタ
コン酸、無水イタコン酸、フマル酸、クロトン酸等のほ
か、不飽和ジカルボン酸のハーフエステル、ハーフアミ
ド等が挙げられ、特にアクリル酸、無水マレイン酸が好
ましい。また不飽和カルボン酸は、ポリオレフィン樹脂
中に共重合されていれば良く、その形態は限定されるも
のではなく、例えばランダム共重合、ブロック共重合、
グラフト共重合等が挙げられる。
【0023】エチレン系炭化水素(A2)成分として
は、エチレン、プロピレン、イソブチレン、1−ブテ
ン、1−ペンテン、1−ヘキセン等の炭素数2〜6のア
ルケンが挙げられ、これらの混合物を用いることもでき
る。この中で、エチレン、プロピレン、イソブチレン、
1−ブテン等の炭素数2〜4のアルケンがより好まし
く、特にエチレンが好ましい。
【0024】ポリオレフィン樹脂の(A3)成分として
は、前記式(I)〜(IV)のいずれかで示される成分が
必要である。この成分によって、ポリオレフィン樹脂に
親水性が付与されるため、(A1)成分が5質量%未満
であっても、不揮発性水性化助剤の添加なしに水性化す
ることができる。(A2)成分と(A3)成分との質量
比(A2)/(A3)は、55/45〜99/1の範囲
であることが必要であり、75/25〜97/3である
ことが特に好ましい。〔(A2)+(A3)〕に対する
(A3)成分の比率が1質量%未満では、ポリオレフィ
ン樹脂の水性化は困難になり、良好な水性分散体を得る
ことが難しい。一方、化合物(A3)の含有比率が45
質量%を超えると、(A2)成分によるポリオレフィン
樹脂としての性質が失われ、耐水性等の性能が低下す
る。
【0025】(A3)成分としては、例えば、式(I)
で代表される(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アク
リル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル等の(メタ)
アクリル酸エステル類、式(II)で代表されるマレイン
酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジブチル
等のマレイン酸エステル類、式(III)で代表される
(メタ)アクリル酸アミド類、式(IV)で代表されるメ
チルビニルエーテル、エチルビニルエーテルなどのアル
キルビニルエーテル類、ぎ酸ビニル、酢酸ビニル、プロ
ピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、バーサチック酸ビ
ニル等のビニルエステル類ならびにビニルエステル類を
塩基性化合物等でケン化して得られるビニルアルコー
ル、などが挙げられ、これらの混合物を用いることもで
きる。この中で、式(I)で示される(メタ)アクリル
酸エステル類がより好ましく、(メタ)アクリル酸メチ
ル、あるいは(メタ)アクリル酸エチルが特に好まし
い。
【0026】本発明を構成するポリオレフィン樹脂の具
体的な構成としては、エチレン、アクリル酸メチルある
いはアクリル酸エチル及び無水マレイン酸からなる三元
共重合体が最も好ましい。ここで、アクリル酸エステル
単位は、後述する樹脂の水性化の際に、エステル結合の
ごく一部が加水分解してアクリル酸単位に変化すること
があるが、そのような場合には、それらの変化を加味し
た各構成成分の比率が規定の範囲にあればよい。なお、
ポリオレフィン樹脂を構成する無水マレイン酸単位等の
不飽和カルボン酸無水物単位は、樹脂の乾燥状態では隣
接カルボキシル基が脱水環化した酸無水物構造を形成し
ているが、特に塩基性化合物を含有する水性媒体中で
は、その一部、または全部が開環してカルボン酸、ある
いはその塩の構造を取りやすくなる。また、本発明にお
いて、樹脂のカルボキシル基量を基準として量を規定す
る場合には、樹脂中の酸無水物基はすべて開環してカル
ボキシル基をなしていると仮定して算出する。
【0027】本発明に用いられるポリオレフィン樹脂に
は、その他のモノマーが、少量、共重合されていても良
い。例えば、ジエン類、(メタ)アクリロニトリル、ハ
ロゲン化ビニル類、ハロゲン化ビリニデン類、一酸化炭
素、二硫化硫黄等が挙げられる。
【0028】本発明に用いるポリオレフィン樹脂の分子
量は特に限定されない。例えば、その分子量の目安とし
ての190℃、2160g荷重におけるメルトフローレ
ートは、0.01〜500g/10分の範囲のものを用
いることができ、被膜としての物性を考慮すると、1〜
100g/10分のものがより好ましい。メルトフロー
レートが0.01g/10分未満では、樹脂の水性化は
困難になる場合がある。また、500g/10分を超え
ると、得られる被膜が、硬くてもろくなる場合がある。
【0029】また、ポリオレフィン樹脂の合成法は特に
限定されない。一般的には、ポリオレフィン樹脂を構成
するモノマーをラジカル発生剤の存在下、高圧ラジカル
共重合して得られる。また、不飽和カルボン酸、あるい
はその無水物は、グラフト共重合(グラフト変性)され
ていても良い。また、重合時に乳化剤や保護コロイド作
用を有する化合物を用いていないことが好ましい。
【0030】本発明の水性分散体中におけるポリオレフ
ィン樹脂粒子の数平均粒子径(以下、mn)は特に限定さ
れないが、後述のような製法をとれば、通常mnは1μm
以下となる。水性分散体の保存安定性の観点から、mnは
1μm以下とすることが好ましく、低温造膜性の観点から
0.1μm未満が最も好ましい。重量平均粒子径(以
下、mw)に関しては、1μm以下が好ましく、0.2μm
以下が最も好ましい。粒子の分散度(mw/mn)は、水性
分散体の保存安定性、及び低温造膜性の観点から、1〜
3が好ましく、1〜2が特に好ましい。ここで、上記ポ
リオレフィン樹脂の数平均粒子径および重量平均粒子径
は、微粒物質の粒子径を測定するために一般的に使用さ
れている動的光散乱法によって測定される。
【0031】本発明の水性分散体は、不揮発性水性化助
剤を実質的に含有しないことを特徴とする。前記の特定
組成のポリオレフィン樹脂を用いることにより、不揮発
性水性化助剤を用いなくても、ポリオレフィン樹脂粒子
を水性媒体中に安定に分散・維持することができる。不
揮発性水性化助剤は、被膜形成後にもポリオレフィン樹
脂中に残存し、被膜を可塑化することにより、ポリオレ
フィン樹脂の特性、例えば耐水性等を悪化させる。本発
明は不揮発性水性化助剤を実質的に含有しないため、被
膜特性、特に耐水性が優れている。
【0032】ここで、「水性化助剤」とは、水性分散体
の製造において、水性化促進や水性分散体の安定化の目
的で添加される薬剤や化合物のことであり、「不揮発性」
とは、常圧での沸点を有さないか、もしくは、常圧で高
沸点(例えば300℃以上)であることを指す。「不揮
発性水性化助剤を実質的に含有しない」とは、不揮発性
水性化助剤を積極的には系に添加しないことにより、結
果的にこれらを含有しないことを意味する。こうした不
揮発性水性化助剤は、含有量がゼロであることが特に好
ましいが、本発明の効果を損ねない範囲で、ポリオレフ
ィン樹脂成分に対して0.1質量%未満程度含まれてい
ても差し支えない。
【0033】本発明でいう不揮発性水性化助剤として
は、例えば、後述する乳化剤、保護コロイド作用を有す
る化合物、変性ワックス類、高酸価の酸変性化合物、水
溶性高分子などが挙げられる。乳化剤としては、カチオ
ン性乳化剤、アニオン性乳化剤、ノニオン性乳化剤、あ
るいは両性乳化剤が挙げられ、一般に乳化重合に用いら
れるもののほか、界面活性剤類も含まれる。例えば、ア
ニオン性乳化剤としては、高級アルコールの硫酸エステ
ル塩、高級アルキルスルホン酸塩、高級カルボン酸塩、
アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンア
ルキルサルフェート塩、ポリオキシエチレンアルキルフ
ェニルエーテルサルフェート塩、ビニルスルホサクシネ
ート等が挙げられ、ノニオン性乳化剤としては、ポリオ
キシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンア
ルキルフェニルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪
酸エステル、エチレンオキサイドプロピレンオキサイド
ブロック共重合体、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、
エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド共重合体な
どのポリオキシエチレン構造を有する化合物やポリオキ
シエチレンソルビタン脂肪酸エステルなどのソルビタン
誘導体等が挙げられ、両性乳化剤としては、ラウリルベ
タイン、ラウリルジメチルアミンオキサイド等が挙げら
れる。
【0034】保護コロイド作用を有する化合物、変性ワ
ックス類、高酸価の酸変性化合物、水溶性高分子として
は、ポリビニルアルコール、カルボキシル基変性ポリビ
ニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ヒドロ
キシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロー
ス、変性デンプン、ポリビニルピロリドン、ポリアクリ
ル酸およびその塩、カルボキシル基含有ポリエチレンワ
ックス、カルボキシル基含有ポリプロピレンワックス、
カルボキシル基含有ポリエチレン−プロピレンワックス
などの数平均分子量が通常は5000以下の酸変性ポリ
オレフィンワックス類およびその塩、アクリル酸−無水
マレイン酸共重合体およびその塩、スチレン−(メタ)ア
クリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合
体、イソブチレン−無水マレイン酸交互共重合体、(メ
タ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体等
の不飽和カルボン酸含有量が10質量%以上のカルボキ
シル基含有ポリマーおよびその塩、ポリイタコン酸およ
びその塩、アミノ基を有する水溶性アクリル系共重合
体、ゼラチン、アラビアゴム、カゼイン等、一般に微粒
子の分散安定剤として用いられている化合物が挙げられ
る。
【0035】本発明においては、ポリオレフィン樹脂の
水性化を促進し、分散粒子径を小さくするために、水性
化の際に有機溶剤を添加することが好ましい。使用する
有機溶剤量は、水性媒体中の40質量%以下が好まし
く、3〜30質量%が特に好ましい。有機溶剤量が40
質量%を超える場合には、実質的に水性媒体とはみなせ
なくなり、環境上好ましくない。なお、水性分散体製造
時に添加した有機溶剤は後述するストリッピング操作に
よって減量することができる。また、このように使用す
る有機溶剤は一種の水性化助剤であるので、加熱によっ
て被膜を形成する際に樹脂中に残留して耐水性を悪化さ
せないよう、揮発性のものを用いる。具体的には、30
0℃未満の沸点を有するものである。中でも沸点が30
〜250℃のものが好ましく、50〜200℃のものが
特に好ましい。なお、有機溶剤の沸点が30℃未満の場
合は、樹脂の水性化時に揮発する割合が多くなり、水性
化の効率が十分に高まらない場合がある。
【0036】こうした有機溶剤の具体例としては、メタ
ノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノ
ール、n−ブタノール、イソブタノール、sec−ブタ
ノール、tert−ブタノール、n−アミルアルコー
ル、イソアミルアルコール、sec−アミルアルコー
ル、tert−アミルアルコール、1−エチル−1−プ
ロパノール、2−メチル−1−ブタノール、n−ヘキサ
ノール、シクロヘキサノール等のアルコール類、メチル
エチルケトン、メチルイソブチルケトン、エチルブチル
ケトン、シクロヘキサノン、イソホロン等のケトン類、
テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、酢酸
エチル、酢酸−n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸
−n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸−sec−ブチ
ル、酢酸−3−メトキシブチル、プロピオン酸メチル、
プロピオン酸エチル、炭酸ジエチル、炭酸ジメチル等の
エステル類、エチレングリコール、エチレングリコール
モノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエ
ーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エ
チレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコ
ールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコー
ル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチ
レングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコ
ールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールエチル
エーテルアセテート、プロピレングリコール、プロピレ
ングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコー
ルモノブチルエーテル、プロピレングリコールメチルエ
ーテルアセテート等のグリコール誘導体、さらには、3
−メトキシ−3−メチルブタノール、3−メトキシブタ
ノール、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメ
チルアセトアミド、ジアセトンアルコール、アセト酢酸
エチル等が挙げられ、2種以上を混合して使用しても良
い。これらの有機溶剤の中でも、樹脂の水性化促進に効
果が高く、しかも水性媒体中から有機溶剤を除去し易い
という点から、エタノール、n−プロパノール、イソプ
ロパノール、n−ブタノール、メチルエチルケトン、シ
クロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エ
チレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコ
ールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブ
チルエーテルが好ましく、低温乾燥性の点からエタノー
ル、n−プロパノール、イソプロパノールが特に好まし
い。
【0037】一般に、水性分散体に有機溶剤が含有され
ている場合、その一部をストリッピングと呼ばれる脱溶
剤操作で系外へ留去させることができるが、本発明の水
性分散体においても、この操作によって、水性分散体中
の有機溶剤量を適宜減量してもよい。ストリッピングの
方法としては、常圧または減圧下で水性分散体を攪拌し
ながら加熱し、有機溶剤を留去する方法を挙げることが
できる。また、水性媒体が留去されることにより、固形
分濃度が高くなり、粘度が上昇し作業性が悪くなるよう
な場合には、予め水性分散体に水を添加してもよい。
【0038】次に、本発明の水分散体の製造方法につい
て述べる。ポリオレフィン樹脂、酸化スズ系超微粒子、
塩基性化合物を含有する水性分散体を得るための方法は
特に限定されないが、ポリオレフィン樹脂粒子と酸化ス
ズ系超微粒子との分散安定性の観点から、ポリオレフィ
ン樹脂の水性分散体と酸化スズ系超微粒子の分散液とを
別々に調製しておき、これを混合して得る方法が最も好
ましい。このようにすれば、ポリオレフィン樹脂水性分
散体の有する優れた貯蔵安定性と、酸化スズ系超微粒子
の優れた分散性が維持され、ポリオレフィン樹脂および
酸化スズ系超微粒子の互いの優れた特性を発揮すること
ができる。以下、この方法について詳述する。
【0039】まず、ポリオレフィン樹脂の水性分散体の
調製方法について述べる。既述した特定組成のポリオレ
フィン樹脂、塩基性化合物、水、さらに必要に応じて有
機溶剤を、好ましくは密閉可能な容器中で加熱、攪拌す
る方法が最も好ましい。この方法によれば、乳化剤成分
や保護コロイド作用を有する化合物等の不揮発性水性化
助剤を実質的に添加しなくとも特定組成のポリオレフィ
ン樹脂を良好に水性分散体とすることができる。水性分
散体中における樹脂含有率は、特に限定されるものでは
ないが、コーティング組成物の粘性を適度に保ち、かつ
良好な被膜形成能を発現させる点で、1〜60質量%が
好ましく、10〜45質量%が特に好ましい。塩基性化
合物の添加量はポリオレフィン樹脂中のカルボキシル基
に対して0.5〜3.0倍当量であることが好ましく、
1.01〜2.0倍当量が特に好ましい。
【0040】容器としては、液体を投入できる槽を備
え、槽内に投入された水性媒体と樹脂粉末ないしは粒状
物との混合物を適度に撹拌できるものであればよい。そ
のような装置としては、固/液撹拌装置や乳化機として
広く当業者に知られている装置を使用することができ、
0.1MPa以上の加圧が可能な装置を使用することが好
ましい。本発明における撹拌の方法、撹拌の回転速度は
特に限定されないが、樹脂が水性媒体中で浮遊状態とな
る程度の低速の撹拌でも十分水性化が達成され、高速撹
拌(例えば1000rpm以上)は必須ではない。このた
め、簡便な装置でも水性分散体の製造が可能である。
【0041】水性化に用いられるポリオレフィン樹脂の
形状は特に限定されないが、水性化速度を速めるという
点から、粒子径1cm以下、好ましくは0.8cm以下の粒
状ないしは粉末状のものを用いることが好ましい。
【0042】具体的な手順としては、容器の槽内に水、
塩基性化合物、必要に応じて有機溶剤、及び粒状ないし
は粉末状のポリオレフィン樹脂を投入し、好ましくは4
0℃以下の温度で攪拌混合しておく。次いで、槽内の温
度を80〜200℃、好ましくは100〜190℃の温
度に保ちつつ、好ましくは5〜120分間攪拌を続ける
ことによりポリオレフィン樹脂を十分に水性化させ、そ
の後、好ましくは攪拌下で40℃以下に冷却することに
より、水性分散体を得ることができる。槽内の温度が8
0℃未満の場合には、ポリオレフィン樹脂の水性化が困
難になる。槽内の温度が200℃を超える場合は、ポリ
オレフィン樹脂の分子量が低下する恐れがある。槽内の
加熱方法としては槽外部からの加熱が好ましく、例え
ば、オイルや水を用いて槽を加熱する、あるいはヒータ
ーを槽に取り付けて加熱を行うことができる。槽内の冷
却方法としては、例えば、室温で自然放冷する方法や0
〜40℃のオイルまたは水を使用して冷却する方法を挙
げることができる。
【0043】なお、この後、必要に応じてさらにジェッ
ト粉砕処理を行ってもよい。ここでいうジェット粉砕処
理とは、ポリオレフィン樹脂水性分散体を、高圧下でノ
ズルやスリットのような細孔より噴出させ、樹脂粒子同
士や樹脂粒子と衝突板等とを衝突させて、機械的なエネ
ルギーによって樹脂粒子をさらに細粒化することであ
り、そのための装置の具体例としA.P.V.GAULI
N社製ホモジナイザー、みずほ工業社製マイクロフルイ
タイザーM-110E/H等が挙げられる。
【0044】上記のようにして得られる水性分散体は、
ポリオレフィン樹脂が水性媒体中に分散又は溶解され、
均一な液状である。均一な液状であるとは、外観上、水
性分散体中に沈殿、相分離あるいは皮張りといった、固
形分濃度が局部的に他の部分と相違する部分が見いださ
れない状態にあることをいう。また、上記の水性分散体
製造における水性化収率は、得られた水性分散体中に残
存する粗大粒子の量によって知ることができる。具体的
には、水性分散体を300メッシュのステンレス製フィ
ルター(線径0.035mm、平織)で加圧濾過(空気圧
0.2MPa)し、フィルター上に残存する樹脂量を測定
する。なお、残存樹脂が多く収率が低い場合でも、製造
工程中で上記の濾過を行って、こうした粗大粒子を除去
すれば、以降の工程で水性分散体としての使用は可能で
ある。上記の手順に従った場合、水性化収率は、条件に
よってやや低下する場合もあるが、概ねきわめて良好で
あり、粗大粒子はほとんど残存することなく水性化が達
成される。
【0045】一方、酸化スズ系超微粒子の水分散液を得
るための方法は特に限定されないが、たとえば、酸化ス
ズ系超微粒子、塩基性化合物、水、さらに必要に応じて
有機溶剤を、容器中で加熱、攪拌する方法を採用するこ
とができる。このとき使用される塩基性化合物や有機溶
剤は、前述したものから選んで使用することができる。
水分散液中の酸化スズ系超微粒子の含有率は、特に限定
されるものではないが、分散安定性を保つため、1〜4
0質量%が好ましく、10〜30質量%が特に好まし
い。この場合必要な塩基性化合物の添加量は、酸化スズ
系超微粒子の種類によっても異なるが、酸化スズ系超微
粒子1モルに対して0.01〜5.00モルになるよう
添加することが好ましく、さらに好ましくは0.10〜
4.00モルである。このとき、温度としては、酸化ス
ズ系超微粒子の解膠促進のために、25℃以上とするこ
とが好ましく、30℃以上がさらに好ましい。また、撹
拌方法は特に限定されず、一般的な撹拌子や撹拌羽を用
いる撹拌方法以外に、ホモミキサーやホモジナイザーを
用いる分散法や、高圧分散器や超音波分散器などを用い
ることも可能である。
【0046】こうして得られる酸化スズ系超微粒子の分
散液としては、酸化スズ系超微粒子がほぼその1次粒子
径すなわち数平均粒子径を保ったまま分散されたものが
好ましい。すなわち、数平均粒子径が50nm以下、体
積平均粒子径が200nm以下であるものが好ましく使
用される。分散液中において酸化スズ系超微粒子が凝集
して体積平均粒子径が200nmを超えると、被膜の透
明性が低下するおそれがある。ここで、上記酸化スズ系
超微粒子の数平均粒子径および体積平均粒子径は、前述
のポリオレフィン樹脂の微粒子と同様の動的光散乱法に
よって測定される。
【0047】このようにして別々の操作によって得られ
たポリオレフィン樹脂水性分散体と酸化スズ系超微粒子
分散液を混合する際には、ポリオレフィン樹脂水性分散
体に酸化スズ系超微粒子分散液を加えて混合してもよ
く、逆に酸化スズ系超微粒子分散液に上記ポリオレフィ
ン樹脂水性分散体を加えて混合してもよく、混合順序は
任意である。使用する装置としては、液/液撹拌装置と
して広く知られている装置を使用することが可能であ
り、混合液の分散性が良好であるため、極めて短時間か
つ簡単な混合操作でよい。また、混合液の分散安定性を
維持するために、必要に応じて、混合液のpHが8〜1
2になるようにpH調整を行うことが好ましい。さら
に、混合後の固形分濃度の調整方法としては、例えば、
所望の固形分濃度となるように水性媒体を留去したり、
水により希釈したりする方法が挙げられる。また、塗布
性能を向上させるために例えばイソプロパノールなどの
低沸点アルコールのような有機溶媒を加えてもよい。
【0048】本発明の水性分散体における固形分濃度す
なわちポリオレフィン樹脂と酸化スズ系超微粒子の総濃
度は1〜40質量%が好ましい。固形分濃度が1質量%
以下では、基材に塗布する際に十分な厚さの被膜を形成
しにくくなる傾向があり、一方40質量%を越えると、
酸化スズ系超微粒子の分散性が不十分になることがあ
る。
【0049】また、本発明の水性分散体には、架橋剤を
混合して被膜の硬度を上げることができる。架橋剤とし
ては、ポリオレフィン樹脂が有する官能基、例えばカル
ボキシル基と反応性を有するものが用いられ、例えば、
フェノール樹脂、アミノ樹脂、多官能エポキシ樹脂、多
官能イソシアネート化合物及びその各種ブロックイソシ
アネート化合物、多官能アジリジン化合物、カルボジイ
ミド基含有化合物、オキサゾリン基含有化合物などが挙
げられる。このような架橋剤は1種類のみでも、2種類
以上を併用してもよい。
【0050】さらに、本発明の水性分散体には、その特
性が損なわれない範囲で、酸化防止剤、滑剤、着色剤な
どを添加することができる。
【0051】こうして得られた本発明の水性分散体は、
塗料、接着剤、インキ、繊維処理剤、紙塗工剤などの各
種コーティング剤として、フィルムなどの樹脂形成体、
紙、ガラスなどの各種基材上に均一に塗布され、この
後、加熱・乾燥することにより、基材上に被膜が形成さ
れる。塗布方法としては、ディップコート法、はけ塗り
法、ロールコート法、スプレーコート法、グラビアコー
ト法、カーテンフローコート法、各種印刷法などが挙げ
られ、乾燥としては、熱風循環型のオーブンや赤外線ヒ
ーターなどにより、60℃〜230℃で例えば2秒間〜
50数秒間行われる。このとき形成される被膜の厚さと
しては、強度および傷が付きにくい均一な厚さの被膜が
得られる0.01〜100μmが好ましく、0.05〜
20μmがより好ましく、0.1〜5μmがさらに好まし
い。
【0052】基材として用いられる熱可塑性樹脂フィル
ムとしては、ポリエチレンテレフタレート(以下、PE
T)、ポリエチレンナフタレート、ポリトリメチレンテ
レフタレート、ポリトリメチレンナフタレート、ポリブ
チレンテレフタレートなどのポリエステル樹脂、ポリプ
ロピレン(以下、PP)、ポリエチレンなどのポリオレ
フィン樹脂、ナイロン6(以下、Ny6)、ナイロン6
6、ナイロン46などのポリアミド樹脂、ポリイミド樹
脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂または
それらの混合物によりなるフィルムまたはそれらのフィ
ルムの積層体が挙げられる。中でも、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ナイロン
6、ポリイミド、ポリアリレートを用いるのがよく、特
に透明性の点でポリエチレンテレフタレート、ポリプロ
ピレン、ナイロン6を用いるのが良い。熱可塑性樹脂フ
ィルムは、未延伸フィルムでも延伸フィルムでも良く、
その製法は限定されない。熱可塑性樹脂フィルムの厚さ
も特に限定されるものではないが、通常0.5〜200
0μm、好ましくは1〜1000μm、より好ましくは
1〜500μmのものが用いられる。
【0053】本発明の水性分散体を塗布して得られる積
層フィルムは、表面固有抵抗が10 10Ω/□以下と低く
優れた帯電防止能を有し、また同時に耐水性にも優れ
る。さらに、ヘイズが10%以下となる。すなわち非常
に高い透明度を有している。ポリオレフィン樹脂水性分
散体と酸化スズ系超微粒子分散液との組み合わせによ
り、被膜の透明性は変化するが、包装材料やOHPフィ
ルムのような用途としては、フィルムのヘイズは8%以
下がより好ましく、5%以下がさらに好ましい。
【0054】こうして得られた積層フィルムは、例え
ば、包装材料、磁気テープ、磁気ディスク等の磁気記録
材料や電子材料、グラフィックフィルム、製版フィル
ム、OHPフィルム等の用途に使用することができる。
【0055】
【実施例】以下、実施例により本発明をより具体的に説
明する。以下の実施例において各種の特性は次に示す方
法によって測定した。 (1)被膜の厚さ 接触式膜厚計により、水性分散体を基材フィルムに塗
布、乾燥して被膜を形成したフィルム(以下コートフィ
ルムという)の全体の厚さから、基材フィルムの厚さを
減じて求めた。
【0056】(2)ヘイズ JIS−K7361−1に基づいて、濁度計(日本電色
工業株式会社製、NDH2000)を用いて、コートフ
ィルムのヘイズ測定を行った。ただし、この評価値は、
各実施例で用いた基材フィルムの濁度(2軸延伸PET
フィルム:2.8%、延伸PPフィルム:2.4%、延
伸Ny6フィルム:3.2%)を含んでいる。
【0057】(3)コートフィルムの帯電防止特性 JIS−K6911に基づいて、株式会社アドバンテス
ト製デジタル超高抵抗/微少電流計、R8340を用い
て、コートフィルムの被膜の表面固有抵抗値を次の3つ
の条件下で測定して、それぞれについて評価した。 (3-a)標準特性評価 温度23℃、湿度65%雰囲気下で測定した。 (3-b)耐流水性評価 コートフィルムを流水中に60秒間さらした後、3-a
と同一条件で測定した。 (3-c)耐温水性評価 コートフィルムを40℃の温水中に24時間浸した後、
3-aと同一条件で測定した。
【0058】(4)密着性 基材フィルムと塗布層との密着性をクロスカット法によ
るテープ剥離により評価した。クロスカットにより、塗
布層を100区間にカットし、テープ剥離後残留した塗
布層の区間数で、以下の基準により評価した。 ○:100区間残留 △:90〜100区間残留 ×:0〜90区間残留
【0059】(5)耐ブロッキング性 コートフィルムの被膜面と基材フィルム面とを重ね合わ
せた状態で、200g/cm2の負荷をかけ、40℃ 雰囲
気下で24時間放置後、その耐ブロッキング性を以下の
基準により評価した。 ○:フィルムに軽く触れる程度で剥離 △:フィルムを引っ張ることで剥離 ×:ブロッキングにより剥離せず
【0060】(6)粒子径 ポリオレフィン樹脂微粒子および酸化スズ系超微粒子の
数平均粒子径はそれぞれ日機装社製マイクロトラック粒
度分布計UPA150(Model No.9340)
を用いて、動的光散乱法によって測定した。
【0061】実施例1 (ポリオレフィン樹脂水性分散体の調製)ヒーター付き
の密閉できる耐圧1リットル容ガラス容器を備えた撹拌
機を用いて、75.0gのポリオレフィン樹脂(ボンダ
インHX-8290、住友化学工業株式会社製)、6
0.0gのイソプロパノール(以下、IPA)、5.1
g(樹脂中の無水マレイン酸のカルボキシル基に対して
1.1倍当量)のトリエチルアミン(以下、TEA)お
よび159.9gの蒸留水をガラス容器内に仕込み、撹
拌翼の回転速度を300rpmとして撹拌したところ、容
器底部には樹脂粒状物の沈澱は認められず、浮遊状態と
なっていることが確認された。そこでこの状態を保ちつ
つ、10分後にヒーターの電源を入れ加熱した。そして
系内温度を140〜145℃に保ってさらに20分間撹
拌した。その後、水浴につけて、回転速度300rpmの
まま攪拌しつつ室温(約25℃)まで冷却した後、30
0メッシュのステンレス製フィルター(線径0.035
mm、平織)で加圧濾過(空気圧0.2MPa)し、乳白
色の均一なポリオレフィン樹脂水性分散体を得た。得ら
れたポリオレフィン樹脂水性分散体250g、蒸留水8
5gを1Lの2口丸底フラスコに仕込み、メカニカルス
ターラーとリービッヒ型冷却器を設置し、フラスコをオ
イルバスで加熱していき、水性媒体を留去した。冷却
後、フラスコ内の液状成分を300メッシュのステンレ
ス製フィルター(線径0.035mm、平織)で加圧濾過
(空気圧0.2MPa)し、濾液の固形分濃度を測定し
たところ、25.5質量%であった。この濾液を撹拌し
ながら蒸留水を添加し、固形分濃度が25.0質量%に
なるように調整した。 (酸化スズゾルの調製)塩化第二スズ五水和物0.1モ
ルを200mlの水に溶解して0.5Mの水溶液とし、
撹拌しながら28%のアンモニア水を添加することでp
H1.5の白色酸化スズ超微粒子含有スラリーを得た。
得られた酸化スズ超微粒子含有スラリーを70℃まで加
熱した後、50℃前後まで自然冷却したうえで純水を加
え1Lの酸化スズ超微粒子含有スラリーとし、遠心分離
器を用いて固液分離を行った。この含水固形分に800
mlの純水を加えて、ホモジナイザーにより撹拌・分散
を行った後、遠心分離器を用いて固液分離を行うことで
洗浄を行った。洗浄後の含水固形分に純水を75ml加
えて酸化スズ超微粒子含有スラリーを調製した。得られ
た酸化スズ超微粒子含有スラリーにトリエチルアミン
3.0mlを加え撹拌し、透明感が出てきたところで7
0℃まで昇温した後、加温をやめ自然冷却することで固
形分濃度10.5質量%の有機アミンを分散安定剤とす
る酸化スズゾルを得た。 (水性分散体の調製)前記酸化スズゾルに、前記ポリオ
レフィン樹脂水性分散体を、ポリオレフィン樹脂固形分
100質量部に対して酸化スズ超微粒子が800質量部
となるように混合した後、IPAを全液量の10質量%
相当添加し、手で軽く攪拌することによって、酸化スズ
超微粒子含有ポリオレフィン樹脂水性分散体を得た。
【0062】得られた水性分散体を2軸延伸PETフィ
ルム(ユニチカ株式会社製、製品名エンブレット、厚さ
12μm)の片面にフィルムアプリケーター(株式会社
安田精機製作所製、542-AB)を使用して塗布後、
130℃で30秒間乾燥することにより、フィルム面に
厚さ0.1μmの被膜を形成したコートフィルムを得、
各種評価を行った。
【0063】実施例2 実施例1で得られた水性分散体を用いて、コートフィル
ムの被膜厚さを0.3μmとした以外は、同様にして評
価を行った。
【0064】実施例3 実施例1で得られた水性分散体を用いて、コートフィル
ムの被膜厚さを0.4μmとした以外は、同様にして評
価を行った。
【0065】実施例4 実施例1において、ポリオレフィン樹脂水性分散体と酸
化スズゾルを混合する際に、ポリオレフィン樹脂固形分
100質量部に対して酸化スズ超微粒子が400質量部
となるようにした以外は、実施例1と同様にして水性分
散体とコートフィルムを得、各種評価を行った。
【0066】実施例5 実施例1において、ポリオレフィン樹脂水性分散体と酸
化スズゾルを混合する際に、ポリオレフィン樹脂固形分
100質量部に対して酸化スズ超微粒子が400質量部
となるように混合し、コートフィルムの被膜厚さを0.
2μmとした以外は、実施例1と同様にして各種評価を
行った。
【0067】実施例6 実施例1において、ポリオレフィン樹脂水性分散体と酸
化スズゾルを混合する際に、ポリオレフィン樹脂固形分
100質量部に対して酸化スズ超微粒子が200質量部
となるように混合し、コートフィルムの被膜厚さを0.
2μmとした以外は、実施例1と同様にして各種評価を
行った。
【0068】実施例7 実施例1で得たポリオレフィン樹脂水性分散体に、実施
例1における有機アミンを分散安定剤とする酸化スズゾ
ルに代えて、アンモニアを分散安定剤とする酸化スズゾ
ル(山中化学工業社製、EPS−6)を用いた以外は、
実施例1と同様の方法により、水性分散体を得、コート
フィルムの各種評価を行った。
【0069】実施例8 実施例1で得たポリオレフィン樹脂水性分散体に、実施
例1における有機アミンを分散安定剤とする酸化スズゾ
ルに代えて、アンチモンドープ酸化スズ超微粒子水分散
液(石原産業社製、SN100D)を、ポリオレフィン
樹脂固形分100質量部に対してアンチモンドープ酸化
スズ超微粒子が100質量部となるように混合した以外
は、実施例1と同様の方法により、水性分散体およびコ
ートフィルムを得、各種評価を行った。
【0070】実施例9 実施例5において、基材フィルムとして2軸延伸PET
フィルムに代えて、延伸PPフィルム(東セロ社製、♯
20u−1、厚さ20μm)を用いた以外は、実施例5
と同様にして、コートフィルムを得、各種評価を行っ
た。
【0071】実施例10 実施例5において、基材フィルムとして2軸延伸PET
フィルムに代えて、延伸Ny6フィルム(ユニチカ社
製、エンブレムON−15、厚さ15μm)を用いた以
外は、実施例5と同様にして、コートフィルムを得、各
種評価を行った。
【0072】比較例1 実施例1において、ポリオレフィン樹脂水性分散体と酸
化スズゾルを混合する際に、ポリオレフィン樹脂固形分
100質量部に対して酸化スズ超微粒子が20質量部と
なるように混合した以外は、実施例1と同様にして、水
性分散体およびコートフィルムを得、各種評価を行っ
た。
【0073】比較例2 実施例1において、酸化スズゾルに代えて、カチオン系
界面活性剤(三洋化成工業株式会社製、商品名サンスタ
ット2012A)を、ポリオレフィン樹脂固形分100
質量部に対して固形分で1質量部となるように、ポリオ
レフィン樹脂水性分散体と混合して水性分散体を得た以
外は、実施例1と同様にしてコートフィルムを得、各種
評価を行った。
【0074】比較例3 実施例1において、酸化スズゾルに代えて、アルキル燐
酸塩(三洋化成工業株式会社製、商品名RPS−2)
を、ポリオレフィン樹脂固形分100質量部に対して固
形分で1質量部となるようにポリオレフィン樹脂水性分
散体と混合して水性分散体を得た以外は、実施例1と同
様にしてコートフィルムを得、各種評価を行った。
【0075】実施例1〜10及び比較例1〜3の評価結
果を表1に示した。
【0076】
【表1】
【0077】実施例1〜10によって得られたコートフ
ィルムの特性は、表1に示したようにいずれも透明性に
優れ、高い帯電防止性を示し、流水処理、温水処理によ
っても表面固有抵抗が大きく変化せず、密着性にも優れ
ていた。
【0078】これに対して、比較例1によって得られた
コートフィルムは、コーティング剤中に含有する酸化ス
ズ系超微粒子の量が少ないため、表1に示したように表
面固有抵抗の値が高く、帯電防止性が不十分であった。
【0079】また、比較例2、3によって得られたコー
トフィルムは、表1に示したようにいずれも標準状態で
は表面固有抵抗がやや大きい程度であったが、流水処
理、温水処理によって表面固有抵抗の値が非常に大きく
なり、帯電防止性が低下するものであった。また標準状
態における密着性にも劣っていた。
【0080】以上の実施例から明らかなように、本発明
の水性分散体から得られるコートフィルムは、透明性が
高く、耐水性、基材との密着性に優れた積層フィルムで
あることが分かる。
【0081】
【発明の効果】本発明の水性分散体によれば、透明性が
高く、耐水性、基材との密着性に優れた透明帯電防止性
の被膜を得ることができる。さらに、水性媒体を使用す
るため、環境問題の解消、作業環境の改善にも寄与する
ことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 5/17 C08K 5/17 // C09D 5/00 C09D 5/00 Z 123/00 123/00 133/02 133/02 157/00 157/00 Fターム(参考) 4F100 AA01A AA01H AA03H AA28A AA28H AH03A AK01B AK03A AK03J AK07B AK24A AK24J AK25A AK25J AK42B AK46B AK70A AK71A AL07A BA02 CA22A GB41 JB16B JG03 JG04 JM01A JN08 YY00 YY00A 4J002 BB041 BB071 BB081 BB091 BB101 BB141 BB171 BB181 DE096 DF007 EH127 EN017 EN037 FD106 FD207 GF00 HA06 4J038 CB031 CB061 CB071 CB091 CB121 CB131 GA02 GA06 GA09 HA216 HA306 JB01 KA14 KA20 MA08 MA10 NA01 NA04 NA12 PC08

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記ポリオレフィン樹脂、酸化スズ系超
    微粒子、塩基性化合物が水性媒体中に分散された水性分
    散体であり、前記酸化スズ系超微粒子が、前記ポリオレ
    フィン樹脂100質量部に対して30〜1500質量部
    含有されており、かつ、不揮発性水性化助剤を実質的に
    含有しないことを特徴とする水性分散体。 ポリオレフィン樹脂: (A1)不飽和カルボン酸またはその無水物、(A2)エチ
    レン系炭化水素、(A3)下記式(I)〜(IV)のいずれ
    かで示される少なくとも1種の化合物とから構成される
    共重合体であって、各構成成分(A1)〜(A3)の質量比
    が下記式(1)、(2)をみたすポリオレフィン樹脂。 0.01≦(A1)/{(A1)+(A2)+(A3)}×100<5 (1) (A2)/(A3)=55/45〜99/1 (2) 【化1】
  2. 【請求項2】塩基性化合物が、アンモニア又は30〜2
    50℃の沸点を有する有機アミン化合物であることを特
    徴とする請求項1記載の水性分散体。
  3. 【請求項3】酸化スズ系超微粒子が酸化スズ、アンチモ
    ンドープ酸化スズおよび酸化スズドープインジウムのう
    ち少なくとも1種類からなることを特徴とする請求項1
    又は2に記載の水性分散体。
  4. 【請求項4】酸化スズ系超微粒子の数平均粒子径が50
    nm以下であることを特徴とする請求項1〜3記載の水
    性分散体。
  5. 【請求項5】下記ポリオレフィン樹脂100質量部に対
    して酸化スズ系超微粒子を30〜1500質量部含有
    し、かつ、不揮発性水性化助剤を実質的に含まない層が
    少なくとも一層、熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも一
    方の面に形成されていることを特徴とする積層フィル
    ム。 ポリオレフィン樹脂: (A1)不飽和カルボン酸またはその無水物、(A2)エチ
    レン系炭化水素、(A3)下記式(I)〜(IV)のいずれ
    かで示される少なくとも1種の化合物とから構成される
    共重合体であって、各構成成分(A1)〜(A3)の質量比
    が下記式(1)、(2)をみたすポリオレフィン樹脂。
    0.01≦(A1)/{(A1)+(A2)+(A3)}×100<5
    (1)(A2)/(A3)=55/45〜99/1
    (2) 【化2】
  6. 【請求項6】表面固有抵抗が1010Ω/□以下であること
    を特徴とする請求項5に記載の積層フィルム。
  7. 【請求項7】ヘイズが10%以下であることを特徴とす
    る請求項5又は6に記載の積層フィルム。
  8. 【請求項8】熱可塑性樹脂フィルムがポリエチレンテレ
    フタレート、ポリプロピレン、ナイロン6のいずれかか
    らなることを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載
    の積層フィルム。
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