JP2009134002A - 電子写真感光体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】クリーニングブレードのビビリやメクレの問題や画像流れ、トナー融着の問題および点状画像結果の問題が発生しにくい電子写真感光体の製造方法を提供する。
【解決手段】円筒状の支持体に有機光導電性物質を含有する塗工液を塗布する塗布工程と、該支持体に塗布された塗工液を加熱乾燥させて感光体を得る加熱乾燥工程と、該感光体の表面を研磨剤によって粗面化処理する粗面化工程と、を少なくとも有する有機感光層が設けられた電子写真感光体の製造方法であって、該粗面化工程は、形状が球状であるものを有するガラス粉体を、該感光体の表面に衝突させることによってなされることを特徴とする。電子写真感光体の製造方法。
【選択図】図6

Description

本発明は、電子写真感光体、電子写真感光体の製造方法、電子写真感光体を備えたプロセスカートリッジおよび電子写真装置に関する。
従来、電子写真感光体において、その感光層には、セレン、硫化カドミウム、酸化亜鉛等の無機光導電物質が広く用いられてきたが、現在では、有機光導電物質と各種染料や顔料を組み合わせた有機電子写真感光体も盛んに研究開発されている。
有機光導電性物質を用いた電子写真感光体は成膜性が良く、塗工によって生産できるため極めて生産性が高く、安価な電子写真感光体を提供できる利点を有している。また、使用する染料や顔料等の選択により、感光波長域を自在にコントロールすることができる等の利点を有しており、これまで幅広い検討がなされてきた。特に最近では、有機光導電性染料や顔料を含有した電荷発生層と、光導電性ポリマーや低分子の電荷輸送材料を含有した電荷輸送層を積層した機能分離型感光体が開発されている。これによって、従来の有機電子写真感光体の問題とされていた感度や耐久性に著しい改善がなされてきており、それは電子写真感光体の主流となってきている。
一方、当然のことながら、電子写真感光体には、適用される電子写真プロセスに応じた感度、電気特性、光学特性等を備えていることが要求される。特に、繰り返し使用される感光体にあっては、その感光体表面には帯電、画像露光、トナー現像、被転写体への転写、残トナーのクリーニング性等の電気的または機械的外力が直接加えられるため、それらに対する耐久性が求められる。具体的には、摺擦による表面の摩耗や傷の発生に対する耐久性、帯電による表面劣化、例えば転写効率や滑り性の低下、さらには感度劣化、帯電能の低下等、電気特性の劣化に対する耐久性が要求される。
一般に、有機電子写真感光体は薄い樹脂層より構成されており、樹脂材料の特性が非常に重要である。上述の諸条件をある程度満足する樹脂として、近年、アクリル樹脂やポリカーボネート樹脂などが実用化されている。しかし、前述したような特性のすべてがこれらの樹脂で満足されるわけではない。特に、感光体の高耐久化を図る上で、前記樹脂の被膜強度は十分に高いとは言い難い。これらの樹脂を表面層形成用の樹脂として用いた場合でも、繰り返し使用時においては表面層の摩耗が起こり、さらに傷が発生するという問題点があった。
さらに、近年の有機電子写真感光体の高感度化に対する要求から、感光体に対して電荷輸送材料などの低分子量化合物が比較的大量に添加される場合が多い。この場合、それら低分子量物質の可塑剤的な作用により、膜強度が著しく低下し、繰り返し使用時の表面層の摩耗や傷の発生が大きな問題となっている。また、電子写真感光体を長期にわたって保存する際に、前述の低分子量成分が析出してしまい、相分離するといった問題もある。
これらの問題点を解決する手段として、硬化性の樹脂を電荷輸送層用の樹脂として用いる試みが、例えば特許文献1〜6に開示されている。このように、電荷輸送層用の樹脂に硬化性の樹脂を用い、電荷輸送層を硬化、架橋することによって機械的強度が増し、繰り返し使用時の耐摩耗性および耐傷性が大きく向上する。
ところで、電子写真感光体はその像形成プロセスにおいて、帯電、露光、現像、転写、クリーニングおよび除電等の繰り返しの行程を経る。特に、転写工程後の感光体上の残存トナーを除去するクリーニング工程は、鮮明な画像を得るために重要な工程である。クリーニングの方法としては、第一に、クリーニングブレードと称するゴム性の板形状部材を感光体に圧接して感光体とクリーニングブレードとの間の隙間をなくし、トナーのスリ抜けを防止して残存トナーをかきとる方法が挙げられる。第二に、ファーブラシのローラを感光体に接するように回転させて残存トナーを拭き取る、もしくは叩き落す方法が挙げられる。これらのクリーニング方法のうち、ゴムブレードの方がコスト、設計の容易さの点で有利であり、現在はクリーニングブレードを用いるクリーニングが主流を占めている。
特に、フルカラー現像を行う場合においては、マゼンタ、シアン、イエロー、ブラック等の複数の色を重ねることによって所望の色を再現しているため、トナーの使用量が単色現像よりはるかに多い。そのため、ゴムブレードを感光体に圧接するクリーニング方法は最適である。
しかしながら、優れたクリーニング性を示すクリーニングブレードは、感光体との摩擦力が大きいため、所謂びびりやメクレが起こりやすいという問題があった。ここで、クリーニングブレードのびびりとは、感光体との摩擦抵抗が大きくなることによるブレードの振動のことであり、メクレとは感光体の移動方向にブレードが反転して反ってしまう現象である。
これらクリーニングブレードの問題は、上述したように感光体の長寿命化のために感光体表面の機械的強度を強く、すなわち感光体表面を削れ難く硬化させた場合において、さらに生じやすくなる。また、画質向上のためにトナーの粒径が均一化されて微小なトナーが除去されている場合には、トナーがクリーニングブレードと感光体表面の隙間に入ることによって引き起こされる潤滑性が薄れるので、クリーニングに関する問題がより発生しやすくなる。
このような感光体の表面性に関わる問題点を克服する方法として、現在、感光体表面を適度に粗面化することにより感光体表面とクリーニングブレード等との接触面積を減少させる方法が提案されている。
例えば、特許文献7には感光体の表面層の面粗さを規定の範囲内にすることで感光体と転写材料との密着性を低減して分離を容易にし、さらに感光層を形成する際の乾燥条件を制御することにより、感光体表面をユズ肌状に粗面化する方法が開示されている。
また、特許文献8には表面層にあらかじめ粉体粒子を添加することによる粗面化の方法が開示されている。
また、特許文献9には機械的な粗面化加工として、金属製のワイヤーブラシを用いて感光体表面を研磨することにより粗面を得る方法が開示されている。
また、特許文献10には、特定のクリーニング手段や特定のトナーを用い、特定のプロセススピード以上の電子写真装置で使用した場合に問題となるクリーニングブレードの反転やエッジ部の欠けなどを改善する方法が記載されている。
また、特許文献11には、感光体表面の面粗さを規定して、トナーの転写効率の向上を目的とした技術が開示されている。
機械的粗面化の別の方法として、特許文献12には、フィルム状研磨材を用いて研磨する製法が記載されている。この方法では、フィルムの巻き取り装置により、フィルム状研磨材の新しい面を常に研磨に使用できるようにすることで、粗面化の再現性を得ることが可能である。
また、特許文献13には、ブラスト法による感光体の粗面化が示されている。
他にも、特許文献14のように有機感光層と表面保護層を有する感光体の粗面化に関する先行技術もある。
特開平2−127652号公報 特開平5−216249号公報 特開平7−72640号公報 特開平8−248649号公報 特開2000−66424号公報 特開2000−66425号公報 特開昭53−92133号公報 特開昭52−26226号公報 特開昭57−94772号公報 特開平1−99060号公報 特開平1−142734号公報 特開平2−139566号公報 特開平2−150850号公報 特許第2990788号公報
しかしながら、特許文献7に記載の方法では、通常の感光層形成工程内で粗面化がなされるため、新たな設備が基本的に不要であるが、乾燥温度・乾燥時間以外にも制御すべき因子が多い。例えば、塗布時塗料の揮発分、塗布雰囲気温度および湿度、塗布時における空気の流れ等を精緻に制御しないと、感光体表面の粗面状態に再現性を得るのは困難である。
また、特許文献8に記載の方法は、粉体の材質、分散性において、感光体に適するものは少なく、さらに添加量によって感光体特性、特に画像における鮮明度への悪影響を与える場合があり、制限の多い方法といえる。
また、特許文献9に記載の方法では、ブラシを連続的に使用した場合、ブラシの毛先の劣化、毛先への研磨粉の付着により、再現性を得にくいという難点がある。
また、特許文献10に記載の方法は、感光体表面層に硬化性樹脂を用いる、削れにくい感光体との組み合せが示されていない。
また、特許文献11に記載の方法は、基本的には無機感光体での使用例であり、有機感光体に対しての効果は不明である。
また、特許文献12に記載の方法は、フィルム状研磨材が高コストであり、研磨に要する時間も長いという問題がある。
また、特許文献13に記載の方法では、これによって得られる感光体の表面層の形状については詳細に述べられておらず、また、感光体表面層に硬化性樹脂を用いた感光体との組み合せが示されていない。
また、特許文献14に記載の方法は、表面保護層を成膜する前の有機感光層上を粗面化した後、表面保護層を成膜する工程で感光体を作成する方法であり、生産性や電子写真特性等に問題がある。
以上のように、有機感光体において、硬化性樹脂を含有する表面層の粗面化に対し、最適な表面層を形成する条件を十分に満足した技術は未だに達成されておらず、適切な作成条件の確立が求められている。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、電子写真感光体の最表面層を最適な表面形状にすることにより、クリーニングブレードを使用したときのクリーニングブレードのびびり、メクレ、エッジ部の欠損等が改善した感光体を提供することを目的とする。また、高温高湿下で耐久使用された際の画像流れ、トナー融着等の画像不良を改善する。また、粗面化処理により生じやすい点状画像欠陥を改善する。
本発明は、円筒状の支持体に有機光導電性物質を含有する塗工液を塗布する塗布工程と、該支持体に塗布された塗工液を加熱乾燥させて感光体を得る加熱乾燥工程と、該感光体の表面を研磨剤によって粗面化処理する粗面化工程と、を少なくとも有する有機感光層が設けられた電子写真感光体の製造方法であって、該粗面化工程は、形状が球状であるものを有するガラス粉体を、該感光体の表面に衝突させることによってなされることを特徴とする。また、前記粗面化工程は、ブラスト加工によってなされることを特徴とする。また、前記ガラス粉体のなかに含まれる、鋭利な輪郭を有する不定形のガラス粉体の混入量は、全体の0.01%以上1%以下であることを特徴とする。また、前記ガラス粉体のなかに含まれる、扁平形状のガラス粉体の混入量は、全体の0.01%以上2%以下であることを特徴とする。また、前記ガラス粉体のなかに含まれる、双子形状のガラス粉体の混入量は、全体の0.1%以上2%以下であることを特徴とする。また、前記ガラス粉体のなかに含まれる、泡形状のガラス粉体の混入量は、全体の3%以上50%以下であることを特徴とする。また、前記ガラス粉体は、JIS R6002手段による粒度測定において、その50%径が100μm以下であることを特徴とする。また、前記ガラス粉体は、JIS R6002手段による粒度測定において、その50%径が60μm以下であることを特徴とする。
また、本発明は、請求項1から8のいずれか1項に記載の製造方法で製造され、および、有機感光層の表面の粗度は、周方向に測定した十点平均粗さRzjis(A)が0.3μm以上2.5μm以下の範囲にあり、かつ800×600μmの大きさの視野である表面領域を20個観察した際に、該(A)×1.5(μm)以上の深さである凹部の個数が100個以下であることを特徴とする電子写真感光体である。また、前記800×600μmの大きさの視野である表面領域を20個観察した際に、前記(A)×3(μm)以上の深さである凹部の個数が30個以下であることを特徴とする。また、前記有機感光層は最表面に表面層を有し、および該表面層は熱または放射線照射により硬化されたものであることを特徴とする。また、前記表面層は、電荷輸送機能を有することを特徴とする。また、前記表面層は、連鎖重合性官能基を有する化合物を重合または架橋することにより硬化した樹脂を含むことを特徴とする。また、前記連鎖重合性官能基を有する化合物は、電荷輸送性を有する化合物であることを特徴とする。また、前記連鎖重合性官能基を有する化合物は、正孔輸送性を有する化合物であることを特徴とする。また、前記連鎖重合性官能基は、不飽和重合性官能基であることを特徴とする。また、前記表面層には硬化性樹脂が含まれ、および該硬化性樹脂はフェノール樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、シロキサン樹脂およびウレタン樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種類であることを特徴とする。また、前記表面層は、滑材を有することを特徴とする。また、前記滑材は、フッ素化合物、珪素化合物、金属酸化物、あるいはそれらを含む微粒子、またはシリコーンオイルを含むことを特徴とする。
また、本発明は、前記の電子写真感光体と、帯電手段、現像手段およびクリーニング手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段とを一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジである。
さらに、本発明は、前記の電子写真感光体、帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段およびクリーニング手段を有することを特徴とする電子写真装置である。
本発明にしたがうことで、感光層の最表面層を均一に粗面化することにより、クリーニングブレードを使用したときのクリーニングブレードのびびり、メクレ、エッジ部の欠損等を改善することができる。また、高温高湿下で耐久使用した際の画像流れ、トナー融着等の画像不良を改善することができる。また、粗面化処理により生じやすい点状画像欠陥を改善することができる。また、高画質化された電子写真装置に関して、中〜低濃度、および人物の肌のような極ハイライトにおいても、もざらつき感がない画像を提供することができる。および、高濃度においては、画像の均一性に優れ、かつ文字画像およびライン画像においてもかすれまたはつぶれ等が見られない、高精細の画像を提供することができる。
前記課題を効果的に改善するべく鋭意検討した結果、本願発明者らは、特殊な工程を経て作成されたガラス粉体を研磨剤として被処理体表面に衝突させることにより有機感光層表面を粗面化する方法を見出した。具体的には、ガラス粉体を球形化処理し、それを研磨剤として有機光導電性物質を有する感光体表面の粗面化に用いる方法である。
最初に、本発明の感光層表面の粗面化方法について説明する。
本発明の感光体表面の粗面化方法としては、ブラスト加工が用いられる。ブラスト加工の方法としては、圧縮空気を用いて噴射する方法や、モータを動力として噴射する方法等あるが、感光体の粗面化を精密に制御が可能で、かつ設備の簡易性という点において、圧縮空気を用いる方法が好ましい。
図6に示されているのは、本発明において用いられるブラスト加工装置の一例である。容器(不図示)に貯留されている研磨材6−5は研磨剤供給管6−1よりノズルに導かれ、エア供給管6−3より導入された圧縮エアを用いて噴射ノズル6−4より噴射され、ワーク支持体6−6により支持され自転している感光体6−7に衝突する。このときノズル6−4と感光体6−7の距離は、ノズル固定冶具6−2やアーム6−9により調整される。通常、ノズル6−4は感光体6−7の回転軸方向に対して移動しながら粗面化処理を行い、ノズル支持体6−8が感光体6−7の回転軸方向に移動することにより、感光体6−7に対してムラ無く粗面化処理を施すことができる。
このとき、ノズル6−4と感光体6−7の表面の最短距離は、適当な間隔に調整されることが求められる。距離が過剰に近いまたは遠いと、加工効率が落ちるまたは所望の粗面化が行えないなどの問題が生じる。また、噴射の動力に用いる圧縮空気の圧力も、適度な圧力に調整されることが求められる。このような装置を用いて有機感光体を成膜完成後に粗面化することで、生産性の良い製造法を確立できる。
次に、本発明の特徴である、前記ブラスト加工において研磨剤として用いられるガラス粉体について詳細に説明する。
本発明のガラス粉体の製造方法から説明する。まず、ガラス原料を溶融炉で溶融した後に冷却し、ガラス粉体とする。次に、このガラス粉体を粉砕、分級する。なお、ガラス粉体の形状は図1−1に示されるような不定形粒子となっている。所望粒径のガラス粉体をガスバーナのフレーム中などの過熱成形ゾーンに空気と共に吹き込むことにより、前記不定形のガラス粉体は空中で溶融し、表面張力により球状となり、冷却することで球状のガラス粉体が得られる。しかし、このような作成方法では、前記不定形のガラス粉体は全て球状になるわけではなく、球形化されずに不定形の形状のままで処理が終了する粉体が一部含まれる。図1−2に、SEM画像による前記不定形形状のガラス粉体を示す。周辺の粉体は球形化されているが、○で囲われた粉体は図1−1と同様に不定形の形状を有している。この不定形のガラス粉体は、図1−2に示されているように粉体のいずれかの部位に尖った形状を有している。図1−3において○で囲われたガラス粉体は、不定形であるが輪郭部に尖った部分がないので、図1−2に示されている粉体とは区別される(以下、このような尖った部分のない不定形の粉体形態を偏平と称す)。
また、SEMで球状化処理したガラス粉体を観察すると、図2のように、球形化されたガラス粉体が接続したような形状の粉体も見受けられる。これは、球状化し冷却する前に、粉体同士が接触してしまった際に繋がってしまったものと推測される(以下、このような粉体形態を双子と称す)。
また、通常の目視では観察されないが、光学顕微鏡等でガラス粉体に光を照射すると、図3−1のような、球状ではあるが粉体の中に空洞を有するものも観察される。ガラス粉体は、前述したように空気と共に吹き込む球状化処理工程により形成される。だが、表面張力で球状化する際に周囲に存在する雰囲気である空気を巻き込み、冷却することにより粉体内に空洞として残存したものだと思われる(以下、このような粉体形態を泡と称する)。
次に、球状化されたガラス粉体を再度所望粒径に揃える為に篩分級が行われる。これは、本発明に用いる粉体の重量では、サイクロンのような空気分級では所望の粒度分布で分離できないためである。図1−1〜図3−1に示されている粉体は、所望粒径と同等、もしくは若干大きくても、粉体の短軸径が篩よりも小さい場合であれば分級されず製品として取りこまれる。
このガラス粉体を用いて、有機感光層を表面処理した結果の一例を、図4および図5に示す。図4は、接触式表面粗さ計の測定データ、図5は光干渉式の非接触3次元表面形状測定システムのデータである。
図4において、平均的な凹凸の間により深い凹部を示す下側にのびる形状が確認される。これが、本願が課題としている高温高湿下で耐久使用された際の画像流れ、トナー融着等の画像不良を生じさせる凹部を示している。
図5には、レーザー顕微鏡で凹部の全体的な形状を観察した結果を示す。本願が問題としている凹部は○で囲われた部分である。
鋭意検討の結果、前記凹部は、球状化の際に球形化されない図1−2のような不定形のガラス粉体によって発生することがわかった。一部でも鋭利な輪郭を有する粉体は電子写真感光体表面に衝突する際に前記表面を破壊する、また、鋭利な部分が前記表面に付着したところに、次の粉体が前記表面を叩くことにより前記表面が破壊されると考えられる。以上の理由から、表面のいずれかに鋭利な部位を有する粉体は好ましくない。そして、実験の結果、図1−2に示されるような、鋭利な輪郭を有する不定形ガラス粉体の量を、全体の0.01%以上1%以下に制限することにより、上記凹部が激減することが判明した。
図1−3に示されている扁平形状の粉体は、鋭利な輪郭を有していないので、問題となる凹部の形成には直接関与しない。しかし、電子写真感光体表面にブラスト処理で衝突する際に、長軸側または短軸側で衝突するかで、前記電子写真感光体表面に形成されたディンプル形状の間隔を様々に変化させる可能性がある。よって、その量は全体の0.01%以上2%以下であることが望ましい。
不定形のガラス粉体を減少させる方法であるが、球状化の加熱条件や空気供給量等の製造条件のみでは、条件のフレで再現性に困難があると思われるので、球形化を複数回行うことが不定形の粉体を減少させる製造方法として好ましいと考えられる。
また、球状化の際に図2の双子形状、および図3のような泡形状の粉体も形成されるが、前記ディンプル形状よりも小さくかつ深い凹部の生成にはあまり関与していないことを確認した。だが、図2のような双子形状は混入量が多くなると、所望粒径よりも大きな粒子の衝突により問題の凹部が形成されるので、ディンプル形状の凹部の深さにムラが生じることになる。そのため、双子形状の粉体の混入量は0.1%以上2%以下が好ましい。
図3−1の泡形状は、衝突により空洞の部分が割れることがある。割れたガラス粉体は、図3−2に示されるような形状となり、不定形のガラス粉体と同様に問題を発生させる要因となる。ブラスト処理は通常、粗面化に用いる粉体を複数回使用する。割れた粉体も回収されるため、徐々に深い凹部が増加する傾向になり、割れた粉体および不定形のガラス粉体をあわせた量が1.0%を超えてしまうと上記問題が発生する可能性がある。そのため、泡形状の粉体の混入量は、3%以上50%以下であることが好ましい。
また、球状化されたガラス粉体は、粒径が大きいと衝突圧が大きいため、ディンプル形状のエッジが割れることがある。そのため、ガラス粉体は、JIS R6002手段による粒度測定において、その50%径が100μm以下であることが好ましく、さらには60μm以下がより好ましい。
次に、本発明の方法によって粗面化された感光体表面について説明する。
ガラス粉体の衝突により表面処理した感光体表面の十点平均粗さRzjis(A)は、0.3μm以上2.5μm以下の範囲にあることが好ましい。0.3μm未満では、粗度が小さく、クリーニングブレードを使用したときのクリーニングブレードのびびり、メクレ、エッジ部の欠損等が改善されない。また、2.5μmより大きいと、トナーのすり抜けや、ディンプル形状の凹部のエッジが裂けることによるブレードエッジの破損が原因のトナーすり抜けが発生してしまう。
ここで、約800×約600μmの大きさの視野である表面領域を20個観察した際に、前記(A)×1.5(μm)以上の深さである凹部の個数を100個以下とする。というのも、その数が100個より多いと、その深さがトナー粒径よりもやや大きいためにドット再現性に乱れを生じ、極ハイライトの再現性が劣る等の問題が生じる可能性があるからである。より好ましくは70個以下であり、さらに好ましくは40個以下である。
また、ここで、約800×約600μmの大きさの視野である表面領域を20個観察した際に、前記(A)×3(μm)以上の深さである凹部の個数を30個以下とする。というのも、その数が30個より多いと、トナー外添剤が埋め込まれ、またクリーニングブレードの追従性が無いため、該トナー外添剤がさらに堆積することで融着が発生する。また、Rzjis(A)×3(μm)以上の深さの凹部は、そのエッジ部が裂け目を生じている場合が多く、それによってクリーニングブレードエッジの接触部位に欠けが生じ、トナーすり抜けが発生する。また、帯電疲労により凹部がリークする可能性もある。より好ましくは、20個以下である。
これより、本発明の電子写真感光体の構成について詳細に説明する。
本発明における感光体表面の硬化性の表面層は以下のようにして形成される。まず、感光体を作成する際の塗料中に重合性官能基を有するモノマーまたはオリゴマー等を含有させ、成膜および乾燥する。その後、熱または放射線照射などで重合を進行させる工程により、3次元的に架橋、硬化することによって溶剤等に不溶、不融の強靭な成膜層を形成することができる。
本発明において、最表面にある硬化性樹脂を含有する表面層は、電荷輸送機能を有していても、有していなくてもよい。電荷輸送機能を有している場合は感光層の一部として扱い、電荷輸送機能を有していない場合は下記に述べるとおり保護層(または表面保護層)と称して感光層とは区別する。
本発明の最良の構成としては、同一分子内に連鎖重合性官能基を有する電荷輸送材料を含有する塗料を塗布し成膜後、重合または架橋することにより硬化させた感光層を得ることが好ましい。最表面層の硬化層の強度をより高くするために連鎖重合性官能基は同一分子内に2つ以上存在することが好ましい。
感光層の層構成としては、導電性支持体側から電荷発生層/電荷輸送層をこの順に積層した順層積層構成が可能である。他にも、導電性支持体側から電荷輸送層/電荷発生層をこの順に積層した逆層積層構成、または電荷発生材料と電荷輸送材料を同一層中に分散した単層からなる構成とすることも可能である。
単層の感光層では光キャリアの生成と移動が同一層内で行なわれ、また感光層そのものが表面層となる。一方、積層の感光層では、光キャリアを生成する電荷発生層と生成したキャリアが移動する電荷輸送層とが積層された構成をとる。
最も好ましい層構成は、導電性支持体側から電荷発生層/電荷輸送層をこの順に積層した順層構成である。
この場合、電荷輸送層が硬化性樹脂を含有する一層からなる最表面層である電子写真感光体、または電荷輸送層が非硬化型の第一層と硬化型の第二層の積層型であり、硬化型の第二層が最表面層である電子写真感光体であることが好ましい。
また、単層または積層のどちらの場合においても、感光層の上層に保護層を設けることが可能であり、この場合保護層が表面の硬化性樹脂含有層となることが好ましい。
本発明の電子写真感光体の支持体としては、鉄、銅、金、銀、アルミニウム、亜鉛、チタン、鉛、ニッケル、スズ、アンチモン、インジウムなどの金属や合金、あるいは前記金属の酸化物、カーボン、導電性高分子などが使用可能である。形状は円筒状または円柱状などのドラム形状と、ベルト状またはシート状のものとがある。前記導電性材料は、そのまま成形加工される場合、塗料として用いられる場合、蒸着される場合や、エッチング、プラズマ処理により加工される場合もある。塗料の場合、支持体は前記金属や合金はもちろん、紙やプラスチックなども用いることが可能である。
さらに、支持体上に、支持体のムラや欠陥の被覆、および画像入力がレーザー光の場合には散乱による干渉縞防止を目的とした導電層を設けることが好適である。これは、カーボンブラック、金属粒子、金属酸化物等の導電性粉体を、バインダー樹脂中に分散して形成することが可能である。
また、導電性支持体あるいは導電層と感光層との間に下引き層を設けてもよい。下引き層は、界面での電荷注入制御や接着層として機能する。下引き層は、主にバインダー樹脂からなるが、前記金属や合金、またはそれらの酸化物、塩類、界面活性剤などを含んでもよい。下引き層を形成するバインダー樹脂の具体例としては、次のものが挙げられる。ポリエステル、ポリウレタン、ポリアクリレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリブタジエン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリイミド。フェノール樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ユリア樹脂、アリル樹脂、アルキッド樹脂、ポリアミド−イミド、ナイロン、ポリサルフォン、ポリアリルエーテル、ポリアセタール、ブチラール樹脂など。下引き層の膜厚は、好ましくは0.05〜7μmであり、より好ましくは0.1〜2μmである。
本発明の感光層が機能分離型の感光層の層構成である場合には、電荷発生層および電荷輸送層を積層する。しかしながら、成膜する順序は特に制限されるものではない。
本発明において電荷発生材料としては、一般的な材料を用いることが可能である。電荷発生材料として一般に、次のものが挙げられる。セレン−テルル、ピリリウム、チアピリリウム系染料、また各種の中心金属および結晶系、具体的には例えばα、β、γ、εおよびX型などの結晶型を有するフタロシアニン化合物。アントアントロン顔料、ジベンズピレンキノン顔料、ピラントロン顔料、トリスアゾ顔料、ジスアゾ顔料、モノアゾ顔料、インジゴ顔料、キナクリドン顔料、非対称キノシアニン顔料、およびキノシアニンおよびA−Siなど。
また、電荷発生材料以外に、バインダー樹脂を用いることも可能である。バインダー樹脂の具体例としては、次のものが挙げられる。ポリエステル、ポリウレタン、ポリアクリレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリブタジエン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリイミド。フェノール樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ユリア樹脂、アリル樹脂、アルキッド樹脂、ポリアミド−イミド、ポリサルフォン、ポリアリルエーテル、ポリアセタール、ブチラール樹脂、ベンザール樹脂など。
電荷発生層にバインダー樹脂を含有する場合、電荷発生材料とバインダー樹脂の比率は質量比で、バインダー樹脂+電荷発生材料に対する電荷発生材料の質量比が0.1〜100%となることが好ましく、より好ましくは10〜80%である。
電荷発生層の膜厚は、0.001〜6μmが好ましく、より好ましくは0.01〜2μmである。電荷発生層全体に含有される電荷発生材料の質量比は、10〜100%が好ましく、より好ましくは50〜100%である。
電荷輸送材料の例としては、次のものが挙げられる。ピレン化合物、N−アルキルカルバゾール化合物、ヒドラゾン化合物、N,N−ジアルキルアニリン化合物、ジフェニルアミン化合物、トリフェニルアミン化合物、トリフェニルメタン化合物、ピラゾリン化合物、スチリル化合物、スチルベン化合物など。
また、電荷輸送材料以外に、バインダー樹脂を用いることも可能である。バインダー樹脂の具体例としては、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアクリレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリブタジエン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリイミドなどが挙げられる。
電荷輸送層を最表面に用いる場合、電荷輸送層に高エネルギー線等を利用して、硬化、重合する樹脂あるいはモノマー、さらには正孔輸送機能を有する硬化、重合する樹脂、あるいはモノマーを用いることが可能である。
電荷輸送層にバインダー樹脂を含有する場合、電荷輸送材料とバインダー樹脂の比率は質量比で、バインダー樹脂+電荷輸送材料に対する電荷輸送材料の質量比が0.1〜100%となることが好ましく、より好ましくは10〜80%である。
電荷輸送層の厚さは薄すぎると帯電能が保てず、厚すぎると残留電位が高くなりすぎるため適当な範囲にすることが求められる。好ましくは5〜70μm、より好ましくは10〜30μmである。
電荷輸送層中に含まれる電荷輸送材料の量は、質量比で好ましくは20〜100%であり、より好ましくは30〜90%である。
感光層を単層で用いる場合、電荷発生物質と電荷輸送材料を同一層内に含有する。電荷発生材料および電荷輸送材料の具体例は、前記積層感光体の場合と同様である。同様に放射線を利用して、硬化、重合する樹脂、あるいはモノマー、さらには正孔輸送機能を有する硬化、重合する樹脂あるいはモノマーを用いることが可能である。
単層感光層は8〜40μmの厚さが好ましく、より好ましくは12〜30μmである。また、電荷発生材料や電荷輸送材料等の光導電性材料を、好ましくは20〜100質量%、より好ましくは30〜90質量%含有する。
本発明による電子写真感光体の最表面に該当する層は、電荷輸送機能を有していても、有していなくてもよいが、硬化性樹脂を含有する層であることがより好ましい。このような表面層は、本技術分野公知の方法により形成されればよい。例えば、硬化性樹脂やそのモノマー等の硬化性の材料の溶液または分散液を支持体または支持体上に形成された層の上に塗布し、所定の条件において硬化性樹脂を成膜させることによって形成される。
本発明による電子写真感光体の表面層に用いる硬化性樹脂は、アクリル系樹脂、フェノール系樹脂、エポキシ系樹脂、シリコーン系樹脂、シロキサン系樹脂およびウレタン系樹脂からなる群より選択される少なくとも1種類であることが好ましい。
また、これら硬化性樹脂は、電荷輸送性を有する硬化性樹脂の硬化物であることが好ましい。より好ましくは、連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性を有する化合物を加熱、放射線の照射により重合、架橋することにより、正孔輸送性化合物を含有する化合物やこの化合物を有する溶液、分散液等の組成物を硬化して形成される。
この正孔輸送性化合物は、同一分子内に二つ以上の連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物であることが好ましい。この正孔輸送性化合物は、上述の連鎖重合性官能基が重合する条件によって重合させて、正孔輸送性化合物の組成物を硬化させればよい。このような重合条件には、加熱や放射線の照射等の公知の条件が挙げられる。重合に用い得る放射線は、好ましくは、電子線である。正孔輸送性化合物を有する組成物を硬化させるには、加熱する熱量、照射する放射線、または電子線の強度を適宜調整すればよい。さらに、温度や酸素濃度等を適宜調整して組成物を硬化させてもよい。また、前記連鎖重合性官能基は、不飽和重合性官能基であることが好ましい。
上述の重合性官能基を有する正孔輸送性化合物は、本技術分野公知の種々の正孔輸送性化合物であればよく、例えば特許文献11に記載の連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物であってもよい。
また、単層および積層のどちらの場合においても、感光層の上層に保護層を設けてもよい。この場合、保護層が表面層となる。保護層は、電子写真感光体に加えられる機械的、電気的または化学的な負荷から感光層を保護する目的で、感光体の表面を構成するように、種々の層の最も上に形成される層である。この保護層は、上述した表面層の形成と同様に、放射線などの高エネルギー線等により、硬化、重合する樹脂もしくは単重合体、または正孔輸送機能を有するこれらの樹脂もしくは単重合体で形成されてもよい。保護層の層厚は0.01〜10μmであることが好ましく、より好ましくは0.1〜7μmである。
さらに、保護層中に金属およびその酸化物、窒化物、塩、合金やカーボン等の導電性材料を含有してもよい。その様な金属種としては、鉄、銅、金、銀、鉛、亜鉛、ニッケル、スズ、アルミニウム、チタン、アンチモン、インジウムなどが挙げられ、具体的には、ITO、TiO、ZnO、SnO、Al2Oなどが使用可能である。導電性材料は微粒子状のものを保護層中に分散させるが、その粒子径は、好ましくは0.001〜5μm、より好ましくは0.01〜1μmである。また、その保護層への添加量は、好ましくは1〜70質量%、より好ましくは5〜50質量%である。また、分散剤としてチタンカップリング剤、シランカップリング剤、各種界面活性などを用いてもよい。
感光層を構成する各層には、酸化防止剤や光劣化防止剤などの各種添加剤を用いてもよい。また、表面層は、その滑性や撥水性を改善する目的で、各種フッ素化合物や珪素化合物、金属酸化物等、あるいはそれらの微粒子、またはシリコーンオイル等を滑材として含有してもよい。これらの分散性を改善する目的で、分散剤や界面活性剤を用いてもよい。表面層におけるこれら添加物の含有量は好ましくは1〜70質量%、より好ましくは5〜50質量%である。
本発明の電子写真感光体の製造方法としては、蒸着、塗布などの方法が用いられるが中でも塗布法が最も好ましい。塗布による方法は、薄膜から厚膜まで広い範囲で、しかもさまざまな組成の膜が形成可能である。具体的には、バーコーター、ナイフコーター、浸漬塗布、スプレー塗布、ビーム塗布、静電塗布、ロールコーター、アトライター、粉体塗布などが用いられる。
本発明の表面形状または粗面化は、感光体下地の導電性基体の面形状とは無関係である。特に、有機感光層の成膜法が浸漬塗布法の場合、しばしば成膜された面は非常に平滑で、仮に下地を粗面化したとしてもその面形状を反映することはない。
これより、本発明の電子写真感光体を用いた一般的な転写式電子写真装置の概略構成例を説明する。
図7−1において、像担持体である本発明の感光体7−1は、軸7−1aを中心に矢印方向に所定の周速度で回転駆動される。前記感光体7−1は回転過程で帯電手段7−2によりその周面に正または負の所定電位の均一帯電を受け、次いで露光部にて像露光手段Lにより光像露光(スリット露光・レーザービーム走査露光など)を受ける。これにより、感光体周面に露光像に対応した静電潜像が順次形成されていく。次いで、現像手段7−3で現像スリーブ7−3−1から静電潜像にトナーが供給される。そのようにして現像されたトナー現像像は、転写手段7−4により給紙部(不図示)から感光体7−1と転写手段7−4との間に感光体7−1の回転と同期取り出しされた転写材7−7の面に、順次転写されていく。像転写を受けた転写材7−7は感光体面から分離されて像定着手段7−8へ導入され、像定着を受けて複写物(コピー)として機外へ出力される。像転写後の感光体7−1の表面は、クリーニング手段7−5にて転写残りトナーの除去を受けて清浄面化され、さらに前露光手段7−6により除電処理されて、繰り返して像形成に使用される。
上述の感光体や現像手段、クリーニング手段などの構成要素のうち、複数のものを装置ユニットとして一体に結合して構成し、このユニットを電子写真装置本体に対して着脱自在に構成してなるプロセスカートリッジにしてもよい。図7−2に、そのようなプロセスカートリッジ7−11の一例を示す。例えば、感光体7−1とクリーニング手段7−5とを一体化して一つの装置ユニットとし、装置本体のレール7−12などの案内手段を用いて着脱自在の構成にしてもよい。このとき、上記の装置ユニットの方に帯電手段および/または現像手段を伴って構成してもよい。
光像露光Lは、電子写真装置を複写機やプリンターとして使用する場合には、原稿からの反射光や透過光、あるいは原稿を読取り信号化し、この信号によりレーザービームの走査、LEDアレイの駆動、または液晶シャッターアレイの駆動などにより行われる。ファクシミリのプリンターとして使用する場合には、光像露光4は受信データをプリントするための露光になる。
本発明の電子写真感光体は電子写真複写機に利用するのみならず、レーザービームプリンター、CRTプリンター、LEDプリンター、液晶プリンター、レーザー製版など電子写真応用分野にも広く用いることができる。
次に、本発明を実施例により詳細に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
本実施例では、電子写真感光体を以下の通りに作製した。まず、長さ370mm、外径84mm、肉厚3mmのアルミニウムシリンダー(JIS A3003アルミニウムの合金)を切削加工により作製した。このシリンダーの表面粗さを回転軸方向に測定したところ、Rzjis=0.08μmであった。このシリンダーに対して洗剤(商品名:ケミコールCT、常盤化学(株)製)を含む純水中で超音波洗浄を行い、続いて洗剤を洗い流す工程を経た後、さらに純水中で超音波洗浄を行って脱脂処理した。
次に、以下の材料を用意した。アンチモンをドープした酸化スズの被覆膜を有する酸化チタン粉体60質量部、酸化チタン粉体60質量部、レゾール型フェノール樹脂70質量部、2−メトキシ−1−プロパノール50質量部、メタノール50質量部。これらを約20時間ボールミルで分散させた。ここで、前記アンチモンをドープした酸化スズの被覆膜を有する酸化チタン粉体は、商品名:クロノスECT−62、チタン工業(株)製である。また、前記酸化チタン粉体は、商品名:titone SR−1T、堺化学(株)製である。また、前記レゾール型フェノール樹脂は、商品名:フェノライト J−325、大日本インキ化学工業(株)製、固形分70%である。この分散液に含有されるフィラーの平均粒径は、0.25μmであった。
このようにして調合した分散液を、前記アルミニウムシリンダー上に浸漬法によって塗布し、150℃に調整された熱風乾燥機中で48分間加熱乾燥、硬化することにより膜厚15μmの導電層を形成した。
次に、共重合ナイロン樹脂10質量部およびメトキシメチル化ナイロン樹脂30質量部を、メタノール500質量部およびブタノール250質量部の混合液に溶解した溶液を、前記導電層の上に浸漬塗布した。そして、それを100℃に調整された熱風乾燥機中に22分間投入し加熱乾燥して、膜厚0.45μmの下引き層を形成した。ここで、前記共重合ナイロン樹脂は、商品名:アミランCM8000、東レ(株)製である。また、前記メトキシメチル化ナイロン樹脂は、商品名:トレジンEF30T、帝国化学産業(株)製である。
次に、以下の材料を用意した。CuKa線回折スペクトルにおけるブラッグ角2θ±0.2°の7.4°および28.2°に強いピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料4質量部、ポリビニルブチラール樹脂2質量部、シクロヘキサノン90質量部。それらの材料よりなる混合溶液を、直径1mmガラスビーズを用いてサンドミルで10時間分散させた後、酢酸エチル110質量部を加えて電荷発生層用塗工液を調製した。ここで、前記ポリビニルブチラール樹脂は、商品名:エスレックBX−1、積水化学工業(株)製である。以上の塗工液を前記下引き層上に浸漬塗布し、80℃に調整された熱風乾燥機中に22分間投入し加熱乾燥して、膜厚0.17μmの電荷発生層を形成した。
次に、下記構造式(1)で示されるトリアリールアミン系化合物35質量部
およびビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂(商品名:ユーピロンZ400、三菱エンジニアリングプラスティックス(株)製)50質量部を用意した。それらを、モノクロロベンゼン320質量部およびジメトキシメタン50質量部に溶解・調製して電荷輸送層用塗工液とした。それを前記電荷発生層上に浸漬塗布し、100℃に調整された熱風乾燥機中に40分間投入し加熱乾燥して、膜厚20μmの第一の電荷輸送層を形成した。
次に、下記構造式(2)で示される重合性官能基を有する正孔輸送性化合物30質量部
を1−プロパノール35質量部と1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタン(商品名:ゼオローラH、日本ゼオン(株)製)35質量部に溶解した。その後、PTFE製の0.5μmメンブレンフィルターで加圧ろ過を行い、硬化型表面層としての第二の電荷輸送層用塗工液を調製した。この塗工液を用いて前記第一の電荷輸送層上に硬化型表面層として第二の電荷輸送層を浸漬塗布法により塗工した。その後、窒素中において加速電圧150kV、線量15kGyの条件で電子線を照射した。引き続いて感光体の温度が120℃になる条件で90秒間加熱処理を行った。このときの酸素濃度は10ppmであった。さらに、感光体を大気中で100℃に調整された熱風乾燥機中で20分間加熱処理を行って、膜厚5μmの硬化性の第二電荷輸送層を形成した。
得られた感光体について、最表面層の粗面化処理を行った。詳しくは、図6に示す乾式ブラスト装置を用いてブラスト処理を行った。その際、噴射ノズルのブラストノズル部分は内径7mm、圧縮エアのノズル径は3mmとしている。
研磨粒子としては、ガラスビーズ(1)(粒度規格:38〜45μm、JISR6002で測定した場合の50%径:43.9μm、鋭角:0.1%、泡:20.8%、双子:0.5%、偏平:0.3%、個数基準分布を図10示す)を使用した。ブラスト処理における圧縮エアの圧力は0.21MPaとした。噴射ノズルは、回転軸方向に沿って移動し、その速度は200mm/分とした。感光体の回転速度は60rpm、ノズルと感光体の距離は100mm、ノズルの延長線と感光体の接線あるいは回転軸のなす角度は共に90°、研磨粒子の供給量は200g/分とした。以上の条件で、上記の感光体表面が全面粗面化処理されるまでブラストを行った。
以上のようにして、表面が粗面化された電子写真感光体を作成した。
電子写真感光体の表面粗さRzjis(A)は接触式表面粗さ計(商品名:サーフコーダSE3500、小坂研究所(製))を測定器として用い、測定長:2.5mm、測定速度:0.1mm/秒という条件で測定した。測定箇所は長手方向で塗布上端部より30mm、185mm、340mmの各3点、円周方向4点で計12点の平均値をデータとした。
結果、得られた表面粗さRzjis(A)は、0.60μmであった。
このようにして得られた電子写真感光体について、光干渉方式の非接触3次元表面形状測定システム(商品名:マイクロマップ、MM520−N、(株)菱化システム製)にてディンプル形状よりも深い凹部の個数測定を行った。
次いで、等高線という名称のソフトを用いて測定を行った。このソフトは、設定した枠内の測定値のMaxおよびMinの数値および位置を画面内に表示する。枠の大きさを任意に決めて画像内を移動させることにより、粗面化処理で設けられたディンプル形状よりも深い凹部の測定が可能となる。
結果、十点平均粗さRzjis(A)×1.5(μm)以上の凹部の個数、十点平均粗さRzjis(A)×3(μm)以上の凹部の個数は、それぞれ20個、5個であった。下記の表1においては、該Rzjis(A)×1.5(μm)以上の凹部の個数のことを、(b)個数と表記している。また、該Rzjis(A)×3(μm)以上の凹部の個数のことを、(c)個数と表記している。
その後、図8に示す電子写真装置で画出しを行った。以下に電子写真装置の説明をする。
図8に示す画像形成装置は、中間転写体としての中間転写ベルト7の回転方向(矢印R7方向)に沿って上流側から下流側にかけて4個の画像形成部(画像形成ステーション)Sa、Sb、Sc、Sdが配設されている。各画像形成部Sa、Sb、Sc、Sdは、この順に、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のトナー像を形成する画像形成部であり、それぞれ像担持体としてドラム形の電子写真感光体1a、1b、1c、1dを備えている。
感光体1a、1b、1c、1dは、それぞれ矢印R1方向(図1中の反時計回り)に回転駆動されるようになっている。各感光体の周囲には、その回転方向に沿ってほぼ順に、次の部材が配置されている。帯電器(帯電手段)2a、2b、2c、2d。露光装置(潜像形成手段)3a、3b、3c、3d。現像器(現像手段)4a、4b、4c、4d。一次転写ローラ(一次転写手段)5a、5b、5c、5d。ドラムクリーナ(クリーニング装置)6a、6b、6c、6d。上述の各一次転写ローラおよび二次転写ローラ8には、中間転写体としての無端状の中間転写ベルト7が掛け渡されている。中間転写ベルト7は、その裏面側から各一次転写ローラによって押圧されていて、その表面を各感光体に当接させている。これにより、各感光体と中間転写ベルト7との間には、一次転写ニップ(一次転写部)T1a、T1b、T1c、T1dが形成されている。中間転写ベルト7は、駆動ローラも兼ねる二次転写ローラ8の矢印方向の回転に伴って、矢印R7方向に回転するようになっている。この中間転写ベルト7の回転速度は、上述の各感光ドラムの回転速度(プロセススピード)とほぼ同じに設定されている。
中間転写ベルト7表面における、二次転写ローラ8に対応する位置には、もう1つの二次転写ローラ(二次転写手段)9が配設されている。二次転写ローラ9は、二次転写ローラ8との間に中間転写ベルト7を挟持しており、二次転写ローラ9と中間転写ベルト7との間には、二次転写ニップ(二次転写部)T2が形成されている。この二次転写ローラ9には、ローラクリーナ(二次転写部材クリーナ)11が当接されている。また、中間転写ベルト7表面における、一次転写ローラ5aに対応する位置には、ベルトクリーナ(中間転写体クリーナ)12が当接されている。
画像形成に供される転写材Pは、給紙カセット10に積載された状態で収納されている。この転写材Pは、給紙ローラ、搬送ローラ、レジストローラ等を有する給搬送装置(いずれも不図示)によって、上述の二次転写ニップ部T2に供給されるようになっている。転写材Pの搬送方向に沿っての二次転写ニップ部T2の下流側には、定着ローラ14とこれに加圧された加圧ローラ15とを有する定着装置13が配設されており、さらに定着装置13の下流側には、排紙トレイ16が配設されている。
上述構成の画像形成装置においては、以下のようにして、転写材P上に4色フルカラーのトナー像が形成される。
まず、感光体1a〜1dは、感光体駆動モータ(不図示)によって矢印方向に所定のプロセススピードで回転駆動され、帯電器2a〜2dによって所定の極性・電位に一様に帯電される。帯電後の感光体1a〜1dは、露光装置3a〜3dによって画像情報に基づく露光が行われ、露光部分の電荷が除去されて各色毎の静電潜像が形成される。
これら感光体1a〜1d上の静電潜像は、現像器4a〜4dによってイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のトナー像として現像される。これら4色のトナー像は、一次転写ニップT1a〜T1dにおいて、一次転写ローラ5a〜5dにより、中間転写ベルト7上に順次に一次転写される。こうして、4色のトナー像が中間転写ベルト7上で重ね合わされる。一次転写時に、中間転写ベルト7に転写されないで感光体1a〜1d上に残ったトナー(残留トナー)は、ドラムクリーナ6a〜6dによって除去される。残留トナーが除去された感光ドラム1a〜1dは、次の画像形成に供される。
上述のようにして中間転写ベルト7上で重ね合わされた4色のトナー像は、転写材Pに二次転写される。給紙カセット10から給搬送装置によって搬送された転写材Pは、レジストローラによって中間転写ベルト7上のトナー像にタイミングを合わせるようにして二次転写ニップT2に供給される。供給された転写材Pには、二次転写ニップT2において、二次転写ローラ9により、中間転写ベルト7上の4色のトナー像が一括で二次転写される。二次転写時に、転写材Pに転写されないで中間転写ベルト7上に残ったトナー(残留トナー)は、ベルトクリーナ12によって除去される。
一方、4色のトナー像が二次転写された転写材Pは、定着装置13に搬送され、ここで加熱・加圧されて表面にトナー像が定着される。トナー像定着後の転写材Pは、排紙トレイ16上に排出される。以上で、1枚の転写材Pの片面(表面)に対する4色フルカラーの画像形成が終了する。
ここで、本発明に関係する部分を詳しく述べる。なお、以下の説明では、感光体1a〜1d、帯電器2a〜2d、露光装置3a〜3d、現像器4a〜4d、一次転写ローラ5a〜5d、ドラムクリーナ6a〜6dについて、次のような表記を用いる。すなわち、特に色を区別する必要がない場合には、単に、感光体1、帯電器2、露光装置3、現像器4、一次転写ローラ5、ドラムクリーナ6のように表記する。
なお、本発明においては、現像器4として現像スリーブを2つ備えた現像装置を用いている。複数の現像スリーブを備えた現像器を用いた場合、帯状トナー像は、各色毎に帯状トナー像が複数形成されることとなり、二次転写ローラや中間転写ベルトのクリーナの負荷が増大し、特に問題がおきやすい。
図9に感光ドラム1近傍の拡大図を示す。
画像形成に際し、感光体1は、感光体駆動モータによって矢印R1方向に所定のプロセススピードで回転駆動され、帯電器2によって所定の極性・電位に一様に帯電される。本実施の形態では、感光体1は、表面電位(暗部電位)Vd=−700[V]に帯電される。帯電後の感光体1表面は、露光装置3によって画像情報に基づく露光Lを受け、露光部分の電荷が除去されて静電潜像が形成される。以下、露光によって静電潜像が形成される部分を「画像部(明部)」といい、露光を受けない部分を「非画像部(暗部)」という。この画像部は非画像部に比べて高電位(例えば明部電位Vl=−200[V])である。
現像器4は、帯電器2よりも感光体1の回転方向(矢印R1方向)に沿っての下流側に配設されている。現像器4は、現像剤を収納する現像容器20と、現像剤担持体である上流の現像スリーブ21aと下流の現像スリーブ21bの2本を備える。さらに、この現像スリーブ21a、21bを駆動伝達手段であるギア(不図示)を介して回転駆動するモータ22と、現像スリーブ21a、21bに現像バイアス電圧を印加する現像バイアス印加電源23とを有している。現像スリーブ21a、21b表面には、負に帯電したトナーが担持される。また、本実施例においては現像スリーブ21a、21bには、一つの現像バイアス印加電源23を分岐することによって現像バイアス電圧が印加される。この現像バイアス電圧の印加により、感光ドラム1上の画像部が現像スリーブ21近傍を通過する際、現像スリーブ21a、21b表面に担持されていたトナーが感光ドラム1上の画像部に付着してトナー像が形成される。
従来において、電子写真方式によってフルカラー画像やマルチカラー画像を形成するカラーの画像形成装置では、発色性や混色性といった観点からほとんどの現像器4がトナーとキャリアとを混合させた二成分現像剤を使用している。二成分現像プロセスにおいては、現像スリーブ21はの表面に負に帯電しているトナーと正に帯電しているキャリアからなる現像剤を保持している。このトナーを感光ドラム1の表面の画像部に飛び移らせるために、画像部より低電位だが非画像部よりも高電位の現像バイアス電圧を現像スリーブ21に印加している。
特に、最近は現像能力を向上させるために、現像スリーブ21の現像バイアス電圧として、DC成分(例えば、Vdc=−550[V])にAC成分(例えば、2.0k[V])を重畳させる(DC+AC)バイアス方式を採用するようになってきている。
非画像部の暗部電位Vdと現像バイアスのDC成分Vdcとの差は、かぶり取り電位Vback(=|Vd−Vdc|)と呼ばれ、通常100〜200[V]程度になるように設定されている。この値より小さくすれば非画像部がかぶりやすくなる。一方で、大きくすればキャリアの付着量が増加する傾向にある。また、画像部の明部電位Vlと現像バイアスのDC成分Vdcの差はコントラスト電位Vcont(=|Vl−Vdc|)電位と呼ばれ、このコントラスト電位Vcontを大きくするほど感光ドラム上のトナーの載り量が増える。通常はこのコントラスト電位を調整することで、感光ドラム上のトナー像の濃度が所望の濃度になるように調整を行うことができる。
現像器4および現像剤についてさらに詳述する。
本実施の形態では、現像器4は、二成分磁気ブラシ方式を採用している。図9に示す現像器4の現像容器20内には、磁性キャリア粒子(適宜「キャリア」という)とトナー粒子(適宜「トナー」という)とを主成分とする二成分現像剤が収納されている。現像スリーブ21a、21bの内側には、それぞれマグネットローラ24a、24bが配設されている。このマグネットローラ24a、24bは固定され、それぞれ外側の現像スリーブ21a、21bがモータ22によって矢印R21a、21b方向に回転するようになっている。現像スリーブ21a、21bの表面には、マグネットローラ24a、24bの磁力によって二成分現像剤の磁気ブラシが構成される。感光ドラム1表面と現像スリーブ21a、21bとの表面との間には、微小間隙が設けられている。
トナーの現像工程は以下のように行われる。まず、感光体ドラム1の回転方向(R1方向)上流に位置する上流現像スリーブ21aは、モータ22によって矢印R21a方向に回転されることにより、表面の磁気ブラシを感光ドラム1表面に摺擦または近接させる。さらに、上流現像スリーブ21aには、現像バイアス印加電源23によって現像バイアス電圧が印加される。これにより、上流現像スリーブ21a表面の磁気ブラシ内のトナーが、感光ドラム1の画像部に付着され、これをトナー像として現像する。上流現像スリーブ21aの回転により搬送された上流現像スリーブ21a上の二成分現像剤は、感光体ドラム1の回転方向(R1方向)下流に位置する下流現像スリーブ21bに受け渡される。そして、下流現像スリーブ21bが、モータ22によって矢印R21b方向に回転されることにより、表面の磁気ブラシを感光ドラム1表面に摺擦または近接させる。現像スリーブ21bにも、現像バイアス印加電源23によって現像バイアス電圧が印加される。これにより、現像スリーブ21b表面の磁気ブラシ内のトナーが、感光ドラム1の回転により搬送されてきた感光体ドラム1上の画像部に再度付着され、これをトナー像として再度現像する。
本実施の形態においては、感光ドラム1は直径が84mm、現像スリーブ21a、21bは直径が20mmであり、感光ドラム1表面と現像スリーブ21a、21b表面との最近接領域(現像ニップ領域Na、Nb)の距離を約400μmとした。これにより、現像スリーブ21a、21bの矢印R21a、21b方向の回転によって現像ニップ領域Na、Nbに搬送された現像剤を感光ドラム1に接触させた状態で現像が行えるようにしている。
このとき、本実施の形態においては、現像スリーブ21に対し、現像バイアス印加電源の直流バイアス電源23aと交流バイアス電源23bとにより、直流成分(DC成分)に交流成分(AC成分)を重畳させた現像バイアス電圧を印加している。このような現像バイアス電圧を印加することによって、感光ドラム1と現像スリーブ21との間には振動電界が形成される。この振動電界によってトナーをキャリアから分離飛翔させる。なお、本実施の形態においては交流成分として周波数f=12kHz、ピーク・トゥー・ピーク電圧Vpp=1.85kVの交流バイアスを使用している。
以上の電子写真装置において画出しを行ったところ、鮮明な画像が得られた。
さらに、23℃、5%RHの低湿環境、および、30℃、80%RHの高温多湿環境のそれぞれで、10万枚の連続通紙を行ったが、初期から通紙後においても鮮明な画像が得られた。
前述した表面形状および画出しの結果をまとめて下記の表1に示す。表1において、23℃5%RH環境で画像上に点状欠陥の発生(白地画像に黒点)がない場合は○、ある場合は×と表記している。また、30℃80%RHでは、画像上に融着の発生(ハーフトーン画像上に白点)がない場合は○、ある場合は×と表記している。
(実施例2)
実施例1において、第一電荷輸送層まで同様に形成した。次に、分散剤として、フッ素原子含有樹脂0.15部を、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタン35部/1−プロパノール35部の混合溶剤に溶解させた。ここで、前記フッ素原子含有樹脂は、商品名:GF−300、東亞合成(株)製である。また、前記1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタンは、商品名:ゼオローラH、日本ゼオン(株)製である。その後、これに潤滑剤として四フッ化エチレン樹脂粒子(商品名:ルブロンL−2、ダイキン工業(株)製)3部を加えた。それから、高圧分散機(商品名:マイクロフルイダイザーM−110EH、米Microfluidics社製)を用いて、5880Nkgf/cm(600kgf/cm)の圧力で3回の分散処理を施し、均一に分散させた。
これを、PTFE製の10μmメンブレンフィルターで加圧濾過した。
これに、上記式(2)で示される構造を有する化合物(重合性官能基を有する正孔輸送性化合物)27部を加え、PTFE製の10μmメンブレンフィルターで加圧濾過することによって、第二電荷輸送層用塗布液を調製した。
この第二電荷輸送層用塗布液を第一電荷輸送層上に浸漬塗布した後、100℃の条件下5分間保持して溶剤を風乾させた。引き続き、窒素雰囲気(酸素濃度10ppm)下で加速電圧150kV、線量15kGy(1.5Mrad)の条件で電子線を照射した。その後、同雰囲気下で電子写真感光体(=電子線の被照射体)の温度が120℃になる条件で90秒間加熱処理を行った。さらに、大気中で100℃に調整された熱風乾燥機中で20分間加熱処理を行うことによって、膜厚が5μmの硬化性の第二電荷輸送層を形成した。
次に、実施例1の条件と同様の条件の乾式ブラスト処理を行った。表面形状および画出しの結果を下記の表1に示す。
(実施例3)
実施例2において、ブラスト処理における圧縮エアの圧力を0.25MPaとした以外は同様な粗面化処理を行った。表面形状および画出しの結果を下記の表1に示す。
(実施例4)
実施例2において、ブラスト処理における圧縮エアの圧力を0.14MPaとした以外は同様な粗面化処理を行った。表面形状および画出しの結果を下記の表1に示す。
(比較例1)
実施例2において、ブラスト処理に用いるガラス粉体としてガラスビーズ(2)を使用した。ガラスビーズ(2)は、粒度規格:38〜45μm、JISR6002で測定した場合の50%径:44.6μm、鋭角:2.5%、泡:10%、双子:0.2%、偏平:1%となっており、個数基準分布を図11に示す。表面形状および画出しの結果を表1に示す。
(参考例1)
実施例2において、ブラスト処理における圧縮エアの圧力を0.35MPaとした以外は同様な粗面化処理を行った。表面形状および画出しの結果を下記の表1に示す。
(参考例2)
実施例2において、ブラスト処理における圧縮エアの圧力を0.10MPaとした以外は同様な粗面化処理を行った。表面形状および画出しの結果を下記の表1に示す。
(実施例5)
実施例2において、ブラスト処理に用いるガラス粉体としてガラスビーズ(3)を使用した。ガラスビーズ(3)は、粒度規格:38μm以下、JISR6002で測定した場合の50%径:22.6μm、鋭角:0.2%、泡:18%、双子:0.7%、偏平:0.5%となっており、個数基準分布を図12に示す。ブラスト処理における圧縮エアの圧力は0.30MPaとした。表面形状および画出しの結果を下記の表1に示す。
(比較例2)
実施例2において、ブラスト処理に用いるガラス粉体としてガラスビーズ(4)を使用した。ガラスビーズ(4)は、粒度規格:38μm以下、JISR6002で測定した場合の50%径:18.5μm、鋭角:1.6%、泡:10%、双子:0.2%、偏平:0.5%となっており、個数基準分布を図13に示す。ブラスト処理における圧縮エアの圧力は0.32MPaとした。表面形状および画出しの結果を下記の表1に示す。
(実施例6)
実施例2において、ブラスト処理に用いるガラス粉体としてガラスビーズ(5)を使用した。ガラスビーズ(5)は、粒度規格:53〜63μm、JISR6002で測定した場合の50%径:55.9μm、鋭角:0.5%、泡:24%、双子:0.9%、偏平:0.1%となっており、個数基準分布を図14に示す。ブラスト処理における圧縮エアの圧力は0.16MPaとした。表面形状および画出しの結果を下記の表1に示す。
(実施例7)
実施例1と同様に第一電荷輸送層まで同様に形成した。次いで、下記式(3)で示される構造を有する熱硬化性の正孔輸送性構造を有するヒドロキシメチル基含有フェノール化合物30部
を、メタノール35部/エタノール35部の混合溶剤に溶解させた。その後、これをPTFE製の0.2μmメンブレンフィルターで加圧濾過することによって、第二電荷輸送層用塗布液を調製した。
この第二電荷輸送層用塗布液を第一電荷輸送層上に浸漬塗布し、これを1時間、145℃に調整された熱風乾燥機中で熱硬化させることによって、膜厚が5μmの第二電荷輸送層を形成した。
次に、実施例1の条件と同様の条件の乾式ブラスト処理によって、第二電荷輸送層の表面に複数のディンプル形状の凹部を形成した。表面形状および画出しの結果を下記の表1に示す。
(実施例8)
実施例1と同様に第一電荷輸送層まで同様に形成した。次に、分散剤としてフッ素原子含有樹脂(商品名:サーフロンS−381、セイミケミカル(株)製)0.34部を、メタノール35部/エタノール35部の混合溶剤に溶解させた。その後、これに潤滑剤として四フッ化エチレン樹脂粒子(商品名:ルブロンL−2、ダイキン工業(株)製)3部を加えた。そして、高圧分散機(商品名:マイクロフルイダイザーM−110EH、米Microfluidics社製)を用い、5880Nkgf/cm(600kgf/cm)の圧力で3回の分散処理を施し、均一に分散させた。
これを、PTFE製の10μmメンブレンフィルターで加圧濾過した。
次に、これにレゾール型フェノール樹脂ワニス(商品名:PL−4852、群栄化学工業(株)製、不揮発成分:75%)21.2部および下記式(4)で示される構造を有する化合物(電荷輸送物質)11.1部
を溶解させた。その後、これをPTFE製の5μmメンブレンフィルターで加圧濾過することによって、第二電荷輸送層用塗布液を調製した。
この第二電荷輸送層用塗布液を第一電荷輸送層上に浸漬塗布し、これを1時間、145℃に調整された熱風乾燥機中で熱硬化させることによって、膜厚が5μmの第二電荷輸送層を形成した。
次に、実施例1の条件と同様の条件の乾式ブラスト処理によって、第二電荷輸送層の表面に複数のディンプル形状の凹部を形成した。表面形状および画出しの結果を下記の表1に示す。
(実施例9)
実施例1と同様に第一電荷輸送層まで同様に形成した。次に、アンチモンドープ酸化スズ粒子(商品名:T−1、三菱マテリアル(株)製、平均粒径0.02μm)100部を、下記式(5)で示される構造を有するフッ素原子含有化合物(商品名:LS−1090、信越化学工業(株)製)7部
で表面処理した(以下「処理量7%」と記す)。この表面処理済みアンチモンドープ酸化スズ粒子45部、下記式(6)で示される構造を有するアクリル樹脂モノマー18部、
2−メチルチオキサントン(光重合開始剤)6.8部、四フッ化エチレン樹脂粒子(ルブロンL−2)14部、およびエタノール150部を、サンドミル装置で90時間分散することによって、保護層用塗布液を調製した。
この保護層用塗布液を電荷輸送層上に浸漬塗布し、これを乾燥後、これに高圧水銀灯から250W/cmの強度の紫外線を60秒間照射することによって硬化させ、2時間120℃の熱風で乾燥させることによって、膜厚が5μmの硬化性の保護層を形成した。
次に、実施例1の第二電荷輸送層の表面に対する乾式ブラスト処理の条件と同様の条件の乾式ブラスト処理によって、保護層の表面に複数のディンプル形状の凹部を形成した。
表面形状および画出しの結果を下記の表1に示す。備考欄にあるようにほとんど問題にならないが、初期画像において極ハイライト画像に23℃5%RH環境下でざらつき感がみられた。だが、1000枚通紙後には見受けられなくなり、問題とならなくなった。
(実施例10)
実施例1と同様に第一電荷輸送層まで同様に形成した。次に、実施例9で用いた表面処理済みアンチモンドープ酸化スズ粒子と同様の表面処理済みアンチモンドープ酸化スズ粒子50部、メチルエチルケトン200部、および1,4−ジオキサン200部を、サンドミル装置で66時間分散した。
これに、下記式(7)で示される構造を有する熱硬化性エポキシ樹脂モノマー6部、
および下記式(8)で示される構造を有する酸無水物(硬化触媒)1.4部
を添加することによって、保護層用塗布液を調製した。
この保護層用塗布液を電荷輸送層上にスプレーコーティングし、これを30分間80℃で、次いで2時間130℃で熱処理し、熱硬化させることによって、膜厚が5μmの保護層を形成した。
次に、実施例1の第二電荷輸送層の表面に対する乾式ブラスト処理の条件と同様の条件の乾式ブラスト処理によって、保護層の表面に複数のディンプル形状の凹部を形成した。
表面形状および、画出しの結果を下記の表1に示す。備考欄にあるように、30℃80%RH環境下において9万枚で全面白画像を取ったところ、Φ0.2mmの極軽微の点状画像欠陥が見られるようになった。しかし、実画像上では判別不能で問題とはならなかった。
(実施例11)
実施例1と同様に第一電荷輸送層まで同様に形成した。次に、上記式(4)で示される構造を有する化合物(電荷輸送物質)10部に、トリアルコキシシランとテトラアルコキシシランの加水分解縮合物を主成分とする熱硬化性シリコーン樹脂を結着樹脂の不揮発分が13部になるように添加した。ここで、前記熱硬化性シリコーン樹脂は、東芝シリコーン(株)製トスガード510である。次に、これに2−プロパノールを塗布液全体の固形分が30質量%になるように添加することによって、第二電荷輸送層用塗布液を調製した。
この第二電荷輸送層用塗布液を第一電荷輸送層上に浸漬塗布し、60分間130℃で熱処理し、熱硬化させることによって、膜厚が5μmの第二電荷輸送層を形成した。
次に、実施例1の条件と同様の条件の乾式ブラスト処理によって、第二電荷輸送層の表面に複数のディンプル形状の凹部を形成した。表面形状および画出しの結果を下記の表1に示す。10万枚後、全面白画像を取ったところ、極軽微な周方向画像スジが見られたが、実画像上では判別はつかず問題とはならなかった。また、クリーニングブレードを観察したところ、周方向スジが見受けられたと思われる位置のブレードエッジが欠けていることが確認された。
(1)球形化前のガラス粉体、(2)球形化後の不定形ガラス粉体、(3)球形化後の不定形ガラス粉体(扁平形状)である。 球形化後の形成されたガラス粉体(双子形状)である。 (1)空気を取り込んだガラス粉体(泡形状)、(2)破壊されたガラス粉体(泡形状)である。 ブラスト加工された電子写真感光体の表面形状(2次元)の計測結果を示すグラフである。 ブラスト加工された電子写真感光体の表面画像である。 ブラスト装置の概略図である。 (1)本発明の電子写真装置の概略図、(2)本発明のプロセスカートリッジを有する電子写真装置の概略図である。 本発明の他の電子写真装置概略図である。 図8の電子写真装置の感光体近傍の概略図である。 ガラス粉体(1)の個数基準分布図である。 ガラス粉体(2)の個数基準分布図である。 ガラス粉体(3)の個数基準分布図である。 ガラス粉体(4)の個数基準分布図である。 ガラス粉体(5)の個数基準分布図である。
符号の説明
6−1 研磨剤供給管
6−2 ノズル固定冶具
6−3 エア供給管
6−4 噴射ノズル
6−5 研磨剤
6−6 ワーク支持体
6−7 感光体
6−8 ノズル支持体
6−9 アーム
7−1 感光体
7−1a 軸
7−2 帯電手段
7−3 現像手段
7−3−1 現像スリーブ
7−4 転写手段
7−5 クリーニング手段
7−6 前露光手段
7−7 転写材
7−8 像定着手段
7−11 プロセスカートリッジ
7−12 レール
L 像露光手段
1、1a、1b、1c、1d 感光体
2、2a、2b、2c、2d 帯電器(帯電手段)
3、3a、3b、3c、3d 露光装置(潜像形成手段)
4、4a、4b、4c、4d 現像器(現像手段)
5、5a、5b、5c、5d 一転写ローラ(転写手段)、転写ローラ
6、6a、6b、6c、6d ドラムクリーナ(クリーニング装置)
7 中間転写ベルト(中間転写体)、転写材搬送手段
8、9 二次転写ローラ(二次転写手段:二次転写部材)
10 給紙カセット
11 ローラクリーナ(二次転写部材クリーナ)
12 ベルトクリーナ(中間転写体クリーナ、転写材搬送手段クリーナ)
13 定着装置
14 定着ローラ
15 加圧ローラ
16 排紙トレイ
20 現像容器
21a 上流の現像スリーブ
21b 下流の現像スリーブ
22 モータ
23 現像バイアス印加電源
23a 直流のバイアス電源
23b 交流のバイアス電源
24a、24b マグレットローラ
Na、Nb 現像ニップ領域
P 転写材
Sa イエロー(Y)の画像形成部
Sb マゼンタ(M)の画像形成部
Sc シアン(C)の画像形成部
Sd ブラック(K)の画像形成部
T1a、T1b、T1c、T1d 一次転写ニップ(一次転写部)
T2 二次転写ニップ(二次転写部)

Claims (21)

  1. 円筒状の支持体に有機光導電性物質を含有する塗工液を塗布する塗布工程と、該支持体に塗布された塗工液を加熱乾燥させて感光体を得る加熱乾燥工程と、該感光体の表面を研磨剤によって粗面化処理する粗面化工程と、を少なくとも有する有機感光層が設けられた電子写真感光体の製造方法であって、
    該粗面化工程は、形状が球状であるものを有するガラス粉体を、該感光体の表面に衝突させることによってなされることを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
  2. 前記粗面化工程は、ブラスト加工によってなされることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体の製造方法。
  3. 前記ガラス粉体のなかに含まれる、鋭利な輪郭を有する不定形のガラス粉体の混入量は、全体の0.01%以上1%以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の電子写真感光体の製造方法。
  4. 前記ガラス粉体のなかに含まれる、扁平形状のガラス粉体の混入量は、全体の0.01%以上2%以下であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の電子写真感光体の製造方法。
  5. 前記ガラス粉体のなかに含まれる、双子形状のガラス粉体の混入量は、全体の0.1%以上2%以下であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の電子写真感光体の製造方法。
  6. 前記ガラス粉体のなかに含まれる、泡形状のガラス粉体の混入量は、全体の3%以上50%以下であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の電子写真感光体の製造方法。
  7. 前記ガラス粉体は、JIS R6002手段による粒度測定において、その50%径が100μm以下であることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の電子写真感光体の製造方法。
  8. 前記ガラス粉体は、JIS R6002手段による粒度測定において、その50%径が60μm以下であることを特徴とする請求項7に記載の電子写真感光体の製造方法。
  9. 請求項1から8のいずれか1項に記載の製造方法で製造され、および、
    有機感光層の表面の粗度は、周方向に測定した十点平均粗さRzjis(A)が0.3μm以上2.5μm以下の範囲にあり、かつ800×600μmの大きさの視野である表面領域を20個観察した際に、該(A)×1.5(μm)以上の深さである凹部の個数が100個以下であることを特徴とする電子写真感光体。
  10. 前記800×600μmの大きさの視野である表面領域を20個観察した際に、前記(A)×3(μm)以上の深さである凹部の個数が30個以下であることを特徴とする請求項9に記載の電子写真感光体。
  11. 前記有機感光層は最表面に表面層を有し、および該表面層は熱または放射線照射により硬化されたものであることを特徴とする請求項9または10に記載の電子写真感光体。
  12. 前記表面層は、電荷輸送機能を有することを特徴とする請求項11に記載の電子写真感光体。
  13. 前記表面層は、連鎖重合性官能基を有する化合物を重合または架橋することにより硬化した樹脂を含むことを特徴とする請求項11または12に記載の電子写真感光体。
  14. 前記連鎖重合性官能基を有する化合物は、電荷輸送性を有する化合物であることを特徴とする請求項13に記載の電子写真感光体。
  15. 前記連鎖重合性官能基を有する化合物は、正孔輸送性を有する化合物であることを特徴とする請求項13に記載の電子写真感光体。
  16. 前記連鎖重合性官能基は、不飽和重合性官能基であることを特徴とする請求項13から15のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
  17. 前記表面層には硬化性樹脂が含まれ、および該硬化性樹脂はフェノール系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、シロキサン系樹脂およびウレタン系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種類であることを特徴とする請求項11から16のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
  18. 前記表面層は、滑材を有することを特徴とする請求項11から17のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
  19. 前記滑材は、フッ素化合物、珪素化合物、金属酸化物、あるいはそれらを含む微粒子、またはシリコーンオイルを含むことを特徴とする請求項18に記載の電子写真感光体。
  20. 請求項9から19のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、帯電手段、現像手段およびクリーニング手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段とを一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  21. 請求項9から19のいずれか1項に記載の電子写真感光体、帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段およびクリーニング手段を有することを特徴とする電子写真装置。
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