JP2007079008A - 電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置 - Google Patents

電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置 Download PDF

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Abstract

【課題】クリ−ニングブレ−ドの耐久性を向上させることと共に、電子写真感光体表面の形状を適正化し、「傷による短寿命化」が抑制された電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置を提供する。
【解決手段】クリーニングブレードの表面にイソシアネート化合物を用いて硬化層を形成したクリ−ニングブレ−ドを用い、且つ、電子写真感光体の表面を、ディンプル形状で粗面化し、該ディンプル形状の凹部の形状を適正化する。
【選択図】図7

Description

本発明は、電子写真感光体、ならびに、電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置に関する。
電子写真装置内では、帯電工程−露光工程−現像工程−転写工程−クリーニング工程からなる電子写真画像形成プロセスが、繰り返されている。
電子写真画像形成プロセスのうち、転写工程後に電子写真感光体に残留するトナー、いわゆる転写残トナーを除去することによって該電子写真感光体の表面をクリーニングするクリーニング工程は、鮮明な画像を得るために重要な工程である。
クリーニング方法としては、クリーニングブレードを電子写真感光体に当接させて、該クリーニングブレードと該電子写真感光体との間の隙間をなくし、トナーのスリ抜けを防止することによって、転写残トナーを掻き取る方法が、コスト、設計の容易性などの利点から主流となっている。
特に、フルカラーの画像形成を行う場合は、マゼンタ、シアン、イエロー、ブラックなどの複数の色のトナーを重ね合わせることによって所望の色を再現するため、トナーの使用量がモノクロームの画像形成の場合よりもはるかに多く、そのため、クリーニングブレードを用いるクリーニング方法は最適である。
クリーニングブレードは、熱可塑性または熱硬化性のポリウレタン樹脂等により製造できるが、塑性変形や耐摩耗性の観点から、主に熱硬化性ポリウレタン樹脂より製造される。しかしながら、ポリウレタン樹脂よりなるクリーニングブレードを用いた場合、ポリウレタン樹脂とトナー担持体との摩擦係数が大きいため、クリーニングブレードのビビリやメクレやエッジ部の欠けが起こりやすいという欠点があった。なお、クリーニングブレードのビビリとは、クリーニングブレードと電子写真感光体の表面との摩擦抵抗が大きくなることによりクリーニングブレードが振動する現象であり、クリーニングブレードのメクレとは、電子写真感光体の移動方向にクリーニングブレードが反転してしまう現象である。これらの問題は、クリーニングブレードの硬度が低い場合に特に顕著となり、その結果、クリーニングブレードの耐久性が不足する場合があった。
クリーニングブレードのビビリやメクレやエッジ部の欠けを抑制する方法の1つとして、イソシアネート化合物を用いて、クリーニングブレードの表面に硬化層を形成し、クリーニングブレード表面の摩擦係数を低下させ、硬度を向上させることが行われてきた。例えば、実用新案出願公開の実開昭57−178262号公報(特許文献14)には、イソシアネート化合物によりクリーニングブレードの表面を処理する事、すなわち、ポリウレタン樹脂の表面上でイソシアネート化合物と空気中の水分やポリウレタン樹脂自身とを反応させて、ポリウレタン樹脂の表面に硬化薄膜を形成することが記載されている。この硬化薄層の膜厚は0.01〜0.1mmであるのに対し、膜厚0.15〜0.6mmの表面硬化層をクリーニングブレードの表面に形成することが、特開平8−248851号公報(特許文献1)で提案されている。また、特開2001−343874号公報(特許文献2)では、イソシアネート化合物および該ポリウレタン樹脂が反応してなる、0.12mm以上1.2mm以下の厚みの硬化層を形成したものが提案されている。
このように、硬化層の厚みを厚くすることで、摩擦係数を小さくでき、その表面硬度を、高くすることができたため、ビビリやメクレやエッジ部の欠けを抑制しつつ、耐久性に富むブレ−ドを作成することができるようになった。
電子写真感光体としては、低価格および高生産性などの利点から、光導電性物質(電荷発生物質や電荷輸送物質)として有機材料を用いた感光層(有機感光層)を円筒状支持体上に設けてなる電子写真感光体、いわゆる有機電子写真感光体が普及している。有機電子写真感光体としては、高感度および高耐久性などの利点から、光導電性染料や光導電性顔料などの電荷発生物質を含有する電荷発生層と光導電性ポリマーや光導電性低分子化合物などの電荷輸送物質を含有する電荷輸送層とを積層してなる感光層、いわゆる積層型感光層を有する電子写真感光体が主流である。
電子写真装置を繰り返し使用すると、電子写真感光体の表面は、帯電(一次帯電など)による放電生成物の付着により、クリ−ニングブレ−ドとの摩擦係数が著しく高くなることが知られている。また、電子写真装置の周りの環境が、高温高湿の場合は、クリ−ニングブレ−ド表面への水分付着や、熱によるクリ−ニングブレ−ドの変形により、電子写真感光体とクリ−ニングブレ−ドの当接部の接触面積が、大きくなることにより、両者の間で摩擦係数が高くなることも知られている。
ゆえに、クリーニングブレードのビビリやメクレやエッジ部の欠けを抑制する手段として、先記した、クリ−ニングブレ−ド側からのアプロ−チ以外に、電子写真感光体側からのアプロ−チも、盛んに行われてきた。その中で、電子写真感光体の表面を適度に粗面化する手法が効果的であることが知られている。
電子写真感光体の表面を粗面化する技術としては、例えば、特開昭53−092133号公報(特許文献3)には、電子写真感光体の表面からの転写材の分離を容易にするために、電子写真感光体の表面粗さを規定の範囲内に収める技術が開示されている。特開昭53−092133号公報には、表面層を形成する際の乾燥条件を制御することにより、電子写真感光体の表面をユズ肌状に粗面化する方法が開示されている。
また、特開昭52−026226号公報(特許文献4)には、表面層に粒子を含有させることで、電子写真感光体の表面を粗面化する技術が開示されている。
また、特開昭57−094772号公報(特許文献5)には、金属製のワイヤーブラシを用いて表面層の表面を研磨することによって、電子写真感光体の表面を粗面化する技術が開示されている。
また、特開平01−099060号公報(特許文献6)には、特定のクリーニング手段およびトナーを用い、特定のプロセススピード以上の電子写真装置で使用した場合に問題となるクリーニングブレードの反転(メクレ)やエッジ部の欠けを解決するために有機電子写真感光体の表面を粗面化する技術が開示されている。
また、特開平02−139566号公報(特許文献7)には、フィルム状研磨材を用いて表面層の表面を研磨することによって、電子写真感光体の表面を粗面化する技術が開示されている。
また、電子写真感光体の表面を粗面化する別の技術として、特開平02−150850号公報(特許文献8)には、クリーニングブレードの反転(メクレ)やエッジ部の欠損(欠け)を防止するために、ブラスト処理により電子写真感光体の周面を粗面化するという技術が開示されている。
一方、電子写真感光体の表面には、帯電(一次帯電)、露光(画像露光)、トナーによる現像、紙などの転写材への転写、転写残トナーのクリーニングなどの電気的外力および/または機械的外力が直接加えられるため、電子写真感光体には、これら外力に対する耐久性も要求される。具体的には、これら外力による表面の傷や摩耗の発生に対する耐久性、すなわち耐傷性および耐摩耗性などが要求される。
有機電子写真感光体の表面の耐傷性や耐摩耗性を向上させる技術としては、例えば、特開平02−127652号公報(特許文献9)には、結着樹脂として硬化性樹脂を用いた硬化層を表面層(電子写真感光体の最表面に位置する層、換言すれば、支持体から最も離隔した位置にある層。)とした電子写真感光体が開示されている。
また、特開平05−216249号公報(特許文献10)や特開平07−072640号公報(特許文献11)には、炭素−炭素二重結合を有するモノマーと炭素−炭素二重結合を有する電荷輸送性モノマーとを熱または光のエネルギーにより硬化重合させることによって形成される電荷輸送性硬化層を表面層とした電子写真感光体が開示されている。
さらに、特開2000−066424号公報(特許文献12)や特開2000−066425号公報(特許文献13)には、同一分子内に連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物を電子線のエネルギーにより硬化重合させることによって形成される電荷輸送性硬化層を表面層とした電子写真感光体が開示されている。
このように、近年、有機電子写真感光体の表面の耐傷性や耐摩耗性を向上させる技術として、電子写真感光体の表面層を硬化層とし、表面層の機械的強度を高めるという技術が確立されてきている。
特開平8−248851号公報 特開2001−343874号公報 特開昭53−092133号公報 特開昭52−026226号公報 特開昭57−094772号公報 特開平01−099060号公報 特開平02−139566号公報 特開平02−150850号公報 特開平02−127652号公報 特開平05−216249号公報 特開平07−072640号公報 特開2000−066424号公報 特開2000−066425号公報 実開昭57−178262号公報
先記した、従来技術である、クリーニングブレードの表面に、イソシアネート化合物を用いて、硬化層を形成する手段と、電子写真感光体の表面を、適度に粗面化する手段を、組み合わせることで、より効果的にクリ−ニングラチィチュ−ドを広げ、クリ−ニングブレ−ドの寿命を長くできることができる。
しかし、本発明者らは、両者を組み合わせると、新たに以下の問題が発生してしまう場合があることを確認した。
(1)感光体を、適度に粗面化する手段として、特開平02−139566号公報(特許文献7)にあるような、フィルム状研磨材を用いて電子写真感光体の表面を研磨した場合、長期に渡って繰り返し使用すると、電子写真感光体の予想寿命よりも早くに、突発で、深い傷が感光体に入り、画像欠陥として現れ、耐久での電子写真感光体の削れ速度とキズ成長速度から推測できる予想予想寿命よりも早くに電子写真感光体の使用が困難になってしまう(以下「傷による短寿命化」ともいう)。
(2)感光体の表面形状に起因することか否かを判断するために、特開平02−150850号公報(特許文献8)に記載された方法により電子写真感光体の表面の粗面化を行い、改めて耐久試験を試みたが、深い傷が画像上に表出するまでの時間は、(1)の手法で粗面化したものより、長くなったが、予想寿命よりも早くに使用が困難になってしまうことには、変りがなく、傷による短寿命化を、完全に抑え込むことが出来ない。
(3)電子写真感光体の表層に少なくとも硬化性樹脂を含有させて作成した場合、傷による短寿命化してしまった寿命と予想寿命との間の比率は、(1)(2)で示したものより悪くなる。
本発明の目的は、クリ−ニングブレ−ドの耐久性を向上させることと共に、電子写真感光体表面の形状を適正化し、電子写真感光体に起きることのある、上記「傷による短寿命化」が抑制された電子写真感光体を提供することにあり、ひいては、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置を提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討した結果、上記「傷による短寿命化」は、クリーニングブレードの表面にイソシアネート化合物を用いて硬化層を形成したクリ−ニングブレ−ドを用いた場合に起こりやすい問題であり、電子写真感光体の表面を、ディンプル形状で粗面化し、該ディンプル形状の凹部の形状を適正化することで、先記「傷による短寿命化」を抑制することができることを見いだし、本発明に至った。
すなわち、本発明は、
(1)円筒状支持体および該円筒状支持体上に設けられた感光層を有する円筒状の電子写真感光体と、該電子写真感光体の周面を帯電するための帯電手段と、該帯電手段によって帯電された該電子写真感光体の周面に露光光を照射することによって該電子写真感光体の周面に静電潜像を形成するための露光手段と、該露光手段によって形成された該電子写真感光体の周面の静電潜像をトナーにより現像することによって該電子写真感光体の周面にトナー像を形成するための現像手段と、該現像手段によって形成された該電子写真感光体の周面のトナー像を転写材に転写するための転写手段と、転写後、該電子写真感光体の周面に残ったトナ−を清掃するクリ−ニング手段を少なくとも有する電子写真装置において、該クリ−ニング手段における、クリ−ニングブレ−ドが、主にポリウレタン樹脂よりなるクリーニングブレードであって、イソシアネート化合物および該ポリウレタン樹脂が反応してなる、0.12mm以上1.2mm以下の厚みの硬化層が、該電子写真感光体との当接部のみに形成されており、
該電子写真感光体の周面がディンプル形状の凹部を複数有し、該電子写真感光体の周面の周方向に掃引して測定した十点平均粗さRzjis(A)が0.3〜2.5μmであり、該電子写真感光体の周面の母線方向に掃引して測定した十点平均粗さRzjis(B)が0.3〜2.5μmであり、該電子写真感光体の周面の周方向に掃引して測定した凹凸の平均間隔RSm(C)が5〜120μmであり、該電子写真感光体の周面の母線方向に掃引して測定した凹凸の平均間隔RSm(D)が5〜120μmであり、該凹凸の平均間隔RSm(D)の該凹凸の平均間隔RSm(C)に対する比の値(D/C)が0.5〜1.5であることを特徴とする電子写真装置。
(2)前記、電子写真感光体の最大山高さRp(F)が0.6μm以下であり、最大谷深さRv(E)の最大山高さRp(F)に対する比の値(E/F)が1.5以上である(1)に記載の電子写真装置。
(3)前記、ディンプル形状の凹部の中で最長径が1〜50μmの範囲にあって、且つ、深さが0.1〜2.5μmの範囲にあるディンプル形状の凹部の個数が、前記電子写真感光体の周面の10000μm2あたり5〜50個である(1)(2)のいずれかに記載の電子写真装置。
(4)前記、ディンプル形状の凹部の中で最長径が1〜50μmの範囲にあって、且つ、深さが0.1〜2.5μmの範囲にあるディンプル形状の凹部の合計面積が、前記、電子写真感光体の周面全体の面積に対して3〜60%である(1)〜(3)のいずれかに記載の電子写真装置。
(5)前記、ディンプル形状の凹部の中で最長径が1〜50μmの範囲にあって、且つ、深さが0.1〜2.5μmの範囲にあるディンプル形状の凹部の平均アスペクト比が、0.50〜0.95である(1)〜(4)のいずれかに記載の電子写真装置。
(6)前記、電子写真感光体の周面の弾性変形率が45%以上、且つ、63%以下である(1)〜(5)に記載の電子写真装置。
(7)前記電子写真感光体の周面のユニバーサル硬さ値(HU)が150〜220N/mm2である(1)〜(6)のいずれかに記載の電子写真装置。
(8)前記、電子写真感光体の表面層の膜厚が10μm以下である(1)〜(7)のいずれかに記載の電子写真装置。
(9)前記表面層の膜厚が6μm以下である(8)のいずれかに記載の電子写真装置。
(10)前記表面層が硬化層である(1)〜(9)のいずれか記載の電子写真装置。
(11)前記表面層が、アクリル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂およびウレタン樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の硬化性樹脂を含有する硬化層である(10)に記載の電子写真装置。
(12)前記表面層が、同一分子内に2つ以上の連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物を硬化重合させることによって得られた硬化物を含有する(1)〜(11)のいずれかに記載の電子写真装置。
(13)前記硬化物が、加熱または放射線の照射により前記同一分子内に2つ以上の連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物を硬化重合させることによって得られた硬化物である(12)に記載の電子写真装置。
(14)前記放射線が電子線である(13)に記載の電子写真装置。
(15)前記表面層が浸漬塗布により形成された層である(1)〜(14)に記載の電子写真装置。
(16)前記、該クリ−ニングブレ−ドの該電子写真感光体との当接部にある硬化層の自由長方向の長さ(L1)は0.2mm以上で自由長の50%以下であり、クリーニングブレードの厚み方向の長さ(L2)は0.2mm以上であることを特徴とする(1)〜(15)に記載の電子写真装置。
(17)前記、該クリ−ニングブレ−ドの該電子写真感光体との間の当接角が15〜30度の範囲内にあること特徴とする(16)に記載の電子写真装置。
(18)前記、該クリ−ニングブレ−ドの該電子写真感光体との間の自由長が3〜20mmの範囲内にあること特徴とする(16)(17)に記載の電子写真装置。
(19)前記、該クリ−ニングブレ−ドのブレ−ド厚が、1〜5mmの範囲内にあること特徴とする(16)〜(18)に記載の電子写真装置。
(20)前記、該クリ−ニングブレ−ドの該電子写真感光体への当接圧が15〜30g/cmの範囲内にあること特徴とする(16)〜(19)に記載の電子写真装置。
(21)前記、該クリ−ニング手段が、該クリ−ニングブレ−ドの他に、クリ−ニングブラシを有していることを特徴とする(16)〜(20)に記載の電子写真装置。
(22)前記、該クリ−ニングブラシが、該クリ−ニングブレ−ドの上流位置に、設けられていることを特徴とする(16)〜(21)に記載の電子写真装置。
(23)前記、該クリ−ニングブラシの繊維材質が、アクリルであることを特徴とする(16)〜(22)に記載の電子写真装置。
(24)前記、該クリ−ニングブラシの繊維の太さが4〜30D/F(デニール/フィラメント)であり、繊維密度が1万〜40万本/平方インチの範囲内であることを特徴とする(16)〜(23)に記載の電子写真装置。
(25)前記、該クリ−ニングブラシがロ−ル形状であり、該電子写真感光体の回転に対し、周速度差をもっており、その周速度比が、0.1〜2.0の範囲内であることを特徴とする(16)〜(24)に記載の電子写真装置。
(26)前記、該クリ−ニングブラシと該電子写真感光体の回転方向が、カウンタ−であり、その周速度比が、0.1〜2.0の範囲内であることを特徴とする(16)〜(24)に記載の電子写真装置。
(27)請求項(1)〜(26)のいずれかに記載の電子写真装置が、帯電手段、現像手段およびクリーニング手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段とを一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
である。
本発明によれば、クリーニングブレードの表面にイソシアネート化合物を用いて硬化層を形成しているため、クリ−ニングブレ−ドの高耐久化と、クリ−ニングラチィチュ−ドを広げることが可能となり、さらに、電子写真感光体の表面を粗面化し、凹部の形状を適正化したディンプル形状にすることで、先記した電子写真感光体の「突発傷による短寿命化」を抑えることが可能となるため、ほぼ予想寿命まで使用することのできる電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置を提供することができる。
電子写真感光体の表面にできた傷の、深さ、幅、長さが、電子写真感光体の潜像形成工程、及び/または、クリ−ニング工程に影響を及ぼすようになると、画像上に電子写真感光体の傷部が表出し、その電子写真感光体は、使用することが困難となる。すなわち、傷の深さが、電子写真感光体の帯電能に影響を及ぼすようになる場合、傷の中に現像剤等が滞留し、傷内のクリ−ニングが出来ず、次に出力される画像に表出してしまう場合、傷の中に現像剤等が滞留し、露光が遮られ、電荷発生物質からの電荷の発生が滞った場合に、画像上に電子写真感光体の傷部が表出してしまう。
一般的に、電子写真感光体の表面に、傷が発生する原因には、経験的に、いくつかのメカニズムが、考えられている。
(1)電子写真感光体の表面と、その表面に当接する部材の間に、現像剤の成分であるキャリアや紙粉、また、電子写真装置の外部から、装置内に入り込んだ異物(繊維屑、髪の毛等)を挟み込むことにより、当接している部材が、電子写真感光体の表面の一点に圧を集中する形で押し付け、スジ状に溝を形成し、この部分が選択的に削れて成長していくことで、傷となる。
(2)電子写真感光体は、その作成工程の中で、表面に小さな突起を、作ってしまう場合がある。この突起は、塗布時に膜内に混入した、塵や膜物質の塊である場合が多い。この電子写真感光体を、繰り返し使用すると、当接している部材で、その部分が破壊されて、それ自身が、(1)で示されるような、異物となって、当接している部材との間に挟み込まれ、スジ状に削れて傷となる。あるいは、異物となって、挟み込みが起きなかったとしても、破壊された後、電子写真感光体の表面に小さな穴ができ、その部分に現像剤内に含まれる表面硬度の高い粒子が滞留し、穴の中で流動し、その穴を起点として、徐々に、穴を広げることで、傷へと変化していく。
(3)電子写真感光体の表面には、作成工程上、あるいは、電子写真装置の中で繰り返し使用していくと、小さな穴が空く場合もある。電子写真感光体の作成工程上にできる穴は、塗布前に表面に付着している塵などの異物が、その上に塗布しようとしている塗布液との相溶性が悪い物質である場合に、部分的に膜が形成されないときなどに、発生する。また、電子写真装置内で電子写真感光体の表面は、帯電されることにより電気的なストレスを受け、さらに、当接部材が押し当てられることで機械的なストレスも受けており、それが起因して電子写真感光体の表面に穴を形成する場合がある。その詳細なメカニズムは、解っていない。この場合も、(2)に示したように、穴の中で粒子が滞留、及び流動することで、穴形状が、傷形状へと変化していく。
電子写真感光体に当接している部材であるクリ−ニングブレ−ドは、ゴム弾性を有している。このため、画像形成を行っている電子写真装置内で、クリ−ニングブレ−ドは、電子写真感光体の表面のクリ−ニング機能に支障が生じ無い範囲内で、電子写真感光体表面との間で生じる摩擦力により、その当接部において、縮んだり、歪んだり、曲げられたりして微小な動きをしている。
つまり、電子写真装置が動作しているとき、電子写真感光体とクリ−ニングブレ−ドの間の、当接している部分の接触面積は、微妙に変化しており、当接している部分の接触面積が小さくなる瞬間に、異物を挟み込み易い状態が、一時的に、できるものと考えている。
クリーニングブレードの表面にイソシアネート化合物を用いて硬化層を形成したクリ−ニングブレ−ドを用いた場合は、当接部近辺のみ、硬化層が、形成されており、基材であるウレタンゴムの弾性を有効に利用しつつ、クリ−ニングを行っている。しかし、電子写真感光体との間の当接部に、突発で異物が挟まり、イソシアネ−ト化合物による硬化層が、部分的に破壊されてしまうと、その部分のみ、摩擦係数が大きくなってしまう。そして、破壊された部分では、現像剤に含まれる、外添剤粒子などの滞留、流動が生じることで、クリ−ニングブレ−ドの破壊は、さらに進むと共に、破壊されている位置に相当する、電子写真感光体表面にも、集中的に、過大なストレスが、かかり、傷を発生させてしまう。
ゆえに、本発明の目的は、クリーニングブレードの表面にイソシアネート化合物を用いて硬化層を形成した場合において、上記の、メカニズムの中の(1)に該当する、異物が電子写真感光体と、その表面に当接しているクリ−ニング部材の間に入る確率を、低くすることにある。
電子写真感光体の表面が、平滑な場合には、クリーニングブレードとの間の接触面積は大きくなり、摩擦係数が、高くなり、先記した、電子写真感光体が、移動しているときの、クリーニングブレードの微妙な動きは大きくなってしまう。つまり、静的には、クリーニングブレードの接触面積は、大きく、動的には、接触面積の変化が非常に大きくなってしまい、瞬間的に、クリーニングブレードの接触面積が、非常に小さくなり、このとき、両者の間に、異物を挟みこんでしまうことが起こる。
本発明者らは、電子写真感光体の表面との静的な接触面積を小さくし、動的には、接触面積の変化を小さくするため、特開平02−139566号公報(特許文献7)にあるような、フィルム状研磨材を用いて電子写真感光体の表面を研磨し、電子写真感光体の移動方向と平行に、溝状の粗面化を施したが、結果的には、突発傷による短寿命化が起こってしまった。つまり、異物が電子写真感光体と、その表面に当接しているクリ−ニング部材の間に入る確率を、低くすることができなかった。
これは、電子写真装置内で、特開平02−139566号公報(特許文献7)にあるような、フィルム状研磨材を用いて電子写真感光体の表面を研磨し、電子写真感光体の移動方向と平行に、溝状の粗面化を施すと、異物の形状によらず、その溝に異物が入り込んだり、引っかかり易くなり、電子写真感光体の移動方向と垂直に当接している、クリ−ニングブレ−ドの決まった位置に、長い時間、異物が存在してしまう現象が生じ、先記したように、微小な動きをしているクリ−ニングブレ−ドとの当接部との間で、その異物を挟み込んでしまう確率が高くなってしまったためと考えている。
これに対し、先記したように、電子写真感光体の表面の粗面化を、スジ状の溝で無く、特開平02−150850号公報(特許文献8)に記載された方法のように、ディンプル形状にした場合においても、効果は、あるが、その突発的に発生する傷を充分に抑制することのできる効果を発現することは、出来なかった。これに関しては、本発明者らは、そのディンプル形状が適正化されていないため、先記に示したような、異物を挟み込み易い要因が生じたためと推測している。
本発明者らは、鋭意検討の結果、電子写真感光体の表面の粗面化状態をコントロ−ルし、以下に示すような電子写真感光体表面のディンプル形状の物性値を満足することができれば、電子写真感光体の表面に、異物を挟み込みにくくすることが可能となることを、見出した。
本発明で示されるディンプル形状の凹部とは、有機電子写真感光体の表面層の表面に形成された微細な凹みである。凹部はできるだけ孤立して存在し、適度な大きさ、深さ、適度な凹部の間隔を持ち、特に凹部分がスジ状に連なることがなく、凹部分の存在の仕方に方向性がない様に形成されている必要がある。
本発明の電子写真感光体は、電子写真装置中で繰り返し使用することができる円筒状、またはベルト状の形状であってもよく、この場合、回転軸を持ち、回転しながら帯電、画像露光、現像、転写、クリーニングなどの電子写真プロセスを繰り返しながら使用される。クリーニングブレードは、通常電子写真感光体の回転軸に対して平行に配置され電子写真感光体の表面層に当接されている。従って、周方向とは回転軸に対して垂直の方向を意味し、電子写真感光体の回転により各プロセスの部材と繰り返し接触する方向である。
本発明において、特定のディンプル形状の凹部を有する表面層の形状とは、以下のようなものに成る。
表面形状の測定法において、本発明において十点平均粗さ(Rzjis)、凹凸の平均間隔(RSm)、最大山高さ(Rp)、最大谷深さ(Rv)はJIS−B0601−2001に記載の方法に準じて測定したものをいう。
測定は表面粗さ測定器(商品名:サーフコーダーSE3500型、株式会社小坂研究所製)を用いて行った。
電子写真感光体表面層の表面粗さは、周方向および回転軸方向に測定した両方の場合ともRzjisで0.3μm〜2.5μmの範囲である。表面粗さが小さすぎると粗面化による本発明の改善効果が得られず、クリ−ニングブレ−ドとの摩擦係数大きくなり、その当接部において、クリ−ニングブレ−ドは、縮んだり、歪んだり、曲げられたりする動きが大きくなり、クリ−ニングブレ−ドと電子写真感光体との間の当接部分の接触面積が、著しく小さくなってしまう瞬間の発生頻度が高くなるため、異物を両者の間に、挟みこむ確率が高くなり、傷による短寿命化が、生じ易くなってしまう。
表面粗さが、大きすぎると、クリ−ニングブレ−ドとディンプルの間の隙間に、異物が入り込む確率が高くなり、先記同様、傷による短寿命化が、生じ易くなってしまう。
本発明において求められる表面形状は、いわゆるディンプル形状の凹部と表現できる、できるだけ円形に近い、孤立した凹部を多数有する形状である。このディンプル形状の凹部は電子写真感光体の表面の全ての方向に対して方向性がないことが好ましい。
電子写真感光体の表面の凹凸において、谷部分がスジ状に連なった場合、繰り返し使用していくうちに、山部分が削れ、それらが、つながってしまい、周方向に面を粗面化したものと、同じ形状になってしまうことで、異物が入り込む確率が高くなってしまうためである。
従って、周方向のRzjis(A)の値と電子写真感光体が回転する軸方向のRzjis(B)の値の比率が1に近いほど好ましい。
凹凸の平均間隔RSmは周方向および回転軸方向に測定した両方の場合とも5μm〜120μmが好ましく、周方向のRSm(C)と回転軸方向のRSm(D)の比率がRSm(D)/RSm(C)=0.5〜1.5であることが必要である。
さらに、RSmが周方向および回転軸方向に測定した両方の場合ともが10〜100μm、RSm(D)/RSm(C)=0.8〜1.2である場合がより好ましい。
表面形状が周方向に同一の形状が連なることがなく、全体がランダムに粗面化されていることにより、電子写真感光体が回転した時にクリーニングブレードの一定の部分に同じ形状が集中することなく、負荷が分散されて、クリ−ニングブレ−ドの長手方向で、歪みが生じなくなるために、安定して、電子写真感光体とクリ−ニングブレ−ドとの接触面積を、維持することができるため、異物が入り込む確率が低くすることができる。
また、電子写真感光体の表面とクリーニングブレードが速度差をもって当接するため、最適な凹凸の間隔範囲が存在し、RSmが小さ過ぎる場合は粗面化した効果が無くなり、摩擦係数が高くなってしまい、大き過ぎる場合は、これも深さ同様、異物が入り込む確率が、その形状因子で高くなってしまう。
また、本発明の表面形状は凸部よりも凹部を積極的に有するような形状を意図したものである。電子写真感光体上に凸形状が多く、凸部の高さが大きくなるとクリーニングブレードに対する局所的な抵抗が増加し、特に長期間耐久使用した際にクリーニングブレードのエッジ部を欠損させるという問題が発生する。特に、本発明で、用いているクリ−ニングブレ−ドは、当接させている部分の表面の硬化層が、このような原因で、部分的に無くなってしまうと、このような原因で、部分的に無くなってしまうと、その部分で、現像剤の成分である、外添剤が滞留、流動を繰り返し、その部分で、電子写真感光体の周方向に、傷を作り易い。
従って、本発明においては凸部を小さく、凹部を多くするという形状を選択的に形成させるために、最大山高さ(Rp)が0.6μm以下が好ましく、さらに好ましくは0.4μm以下である。また、最大谷深さRvと最大山高さRpの割合、Rv/Rp=1.2以上が好ましく、さらには1.5以上がより優れた効果を呈する。
これらディンプル形状の凹部をさらに詳細に検討した結果について説明する。ディンプル形状の凹部の測定には、表面形状測定システム(Surface Explorer SX−520DR型機、株式会社菱化システム製)を使用して評価した。
測定は、先ずドラムサンプルをワーク置き台に設置し、チルト調整して水平をあわせ、ウエーブモードで電子写真感光体の表面の3次元形状データを取り込んだ。その際、対物レンズは50倍の倍率を用いて100μm×100μmの視野観察で行った。次に、データ解析ソフト中の、粒子解析プログラムを用いて表面の等高線データを表示した。
ディンプル形状の凹部、面積などを求める際の孔解析パラメータは、最長径上限:50μm、最長径下限:1μm、深さ下限:0.1μm以上、体積下限:1μm3以下で観察して画面上ディンプル形状の凹部と見える部分の個数をカウントした。面積100μm四方当たりのディンプル形状の凹部個数は、解析画面の視野中で見えるディンプル形状の凹部の数をカウントして個数とした。
ディンプル形状の凹部の面積率は、上記と同じ視野、同じ解析条件で、総面積を10000μm2として、ディンプル形状の凹部部分の面積を粒子解析ソフトの計算値を合計して求め、(ディンプル形状の凹部合計面積/総面積)×100(%)として求めた。
ディンプル形状の凹部の平均アスペクト比は上記と同じ視野、同じ解析条件から、識別できるディンプル形状の凹部のデータを集めて、そのアスペクト比の平均値を求めて決定した。
本発明の電子写真感光体の適したディンプル形状の凹部の個数は、100μm四方当たり5個〜50個、さらには、5個〜40個が好ましい。好ましいディンプル形状の凹部の面積率としては3%〜60%、さらに、3〜50%が好ましい。これらディンプル形状の凹部の個数や面積率が上限を上回っても、下限を下回っても粗面化した効果が得られない、つまり、クリ−ニングブレ−ドとの間の摩擦係数が高くなってしまい、異物を電子写真感光体とクリ−ニングブレ−ド間に挟みこみ易くなってしまう。
また、好ましいディンプル形状の凹部の平均アスペクト比は0.5〜0.95である。
これらの数値の規定に適合した表面形状は本発明で要求されている、円形に近い形状を有する孤立したディンプル形状の凹部の凹凸を示している。このような形状を有することにより適度な粗面形状を有し、且つ方向性の無い粗面化表面であるため、前後で述べるような理由により、本発明の改善効果を効率よく得ることができる。
ブラスト加工の方法としては、圧縮空気を用いて噴射する方法、モーターを動力として噴射する方法などがあるが、電子写真感光体の粗面化を精密に制御が可能で、かつ設備の簡易性という点において、圧縮空気を用いる方法が好ましい。
ブラストに用いる研磨材の材質としては、酸化アルミ、ジルコニア、炭化ケイ素、ガラスなどのセラミック系、ステンレス、鉄、亜鉛などの金属系、ナイロン、ポリカーボネート、エポキシ、ポリエステルなどの樹脂系が挙げられる。特に粗面化効率およびコスト面から、ガラス、酸化アルミニウム、ジルコニアが好ましい。
本発明において用いるブラスト加工装置の例を図2に示す。容器(図不示)に貯留されている研磨材は2−4の経路よりノズルに導かれ、2−3の経路より導入された圧縮エアを用いて噴射ノズル2−1より噴射され、ワーク支持体2−6により支持され自転している電子写真感光体2−7に衝突する。このときノズルとワークの距離は2−2や2−9のノズル固定冶具、アームにより調整されて決められる。ノズルは通常ワークの回転軸方向に対して移動しながら粗面化処理を行い、ノズル支持体2−8がワークの回転軸方向に移動することによりワークに対してムラ無く粗面化処理を施すことができる。
この時、ノズルと電子写真感光体の表面の最短距離は適当な間隔に調整する必要がある。距離が過剰に近い、若しくは遠いと加工効率が落ちる、若しくは所望の粗面化が行えない場合がある。噴射の動力に用いる圧縮空気の圧力も適度な圧力に調整する必要がある。このように、有機電子写真感光体を製膜完成後に粗面化することで生産性の良い製造法が確立できる。
本発明の表面形状、または粗面化は電子写真感光体における下地の導電性基体の面形状とは無関係である。特に、有機感光層の製膜法が浸漬塗布法の場合、しばしば製膜された面は非常に平滑で、仮に下地を粗面化したとしてもその面形状を反映することはない。
本発明のディンプル形状の凹部表面形状を機械的粗面化を施して形成する場合、有機電子写真感光体を最終的に使用する層まで製膜した後、電子写真感光体の表面層上から粗面化されることが好ましい。
本発明では有機電子写真感光体を用いることが要件である。有機電子写真感光体は通常、その膜厚、弾性特性などが電子写真感光体製膜後に粗面化することに対して適しており、粗面化の条件を制御することにより、最終的に使用される表面形状を任意に幅広く制御できるという利点を有している。その際特に、電子写真感光体の表面から測定した弾性変形率が本発明の範囲の電子写真感光体が特に良好な表面形状を与えることができる。
本発明の粗面化技術は耐久特性の優れた電子写真感光体形成の有効な手法である。特に弾性変形率の高い電子写真感光体は耐久性に優れ、長期間の使用においても初期の表面形状の変化が少なく、形状を維持する傾向がある。そのような電子写真感光体を初期の段階から表面形状を最適に制御することが重要である。
表面層の弾性変形率は、粗面化後の電子写真感光体上、即ち表面層の上から測定した。表面下層の弾性変形率は、先記の表面層の無い電子写真感光体の表面から測定した。
ここで弾性変形率We%は、微小硬さ測定装置フィシャースコープH100V(Fischer社製)を用いて25℃、湿度50%の環境下で対面角136°のビッカース四角錐ダイヤモンド圧子に連続的に6mNの荷重をかけ、荷重下での押し込み深さを直読することにより測定した値である。具体的には、最終荷重6mNまで段階的に(各点0.1Sの保持時間で273点)測定する。フィシャースコープH100V(Fischer社製)の出力チャートの概略を図1に示す。図1中、縦軸は荷重F(mN)を、横軸は押し込み深さh(μm)を示す。
本発明において、ユニバーサル硬さ値(以下、HUともいう)は、最終荷重6mNで押し込んだ時の同荷重下での押し込み深さから下記式(1)により求めることができる。
Figure 2007079008
弾性変形率は、圧子が膜に対して行った仕事量(エネルギー)、すなわち圧子の膜に対する荷重の増減によるエネルギーの変化より求めることができ、具体的には下記式(2)により求めることができる。
弾性変形率=We/Wt (2)
上記式中、全仕事量Wt(nJ)は図4中のA−B−D−Aで囲まれる面積を示し、弾性変形仕事量We(nJ)はC−B−D−Cで囲まれる面積を示している。
本発明において、好ましい表面層の弾性変形率We%は46%以上、さらに好ましくは50%以上かつ63%以下である。
表面層の弾性変形率が46%を下回ると、繰り返し使用後の表面形状の変化が大きくなり、表面層の粗面化を適切にしても、電子写真感光体を繰り返し使用していくと、その面形状を長く維持できないため粗面化の効果が長続きしなくなり、クリ−ニングブレ−ドとの間の摩擦係数が高くなってしまい、異物を電子写真感光体とクリ−ニングブレ−ド間に挟みこみ易くなってしまう。
また、特にブラスト処理で粗面化した際、表面に粒子が衝突してできた凹凸の凸部の高さが大きくなり、クリーニングブレードに対する局所的な抵抗が増加し、特に長期間耐久使用した際にクリーニングブレードのエッジ部を欠損させてしまう。先記したように、本発明で、用いているクリ−ニングブレ−ドは、当接させている部分の表面の硬化層が、このような原因で、部分的に無くなってしまうと、その部分で、現像剤の成分である、外添剤が滞留、流動を繰り返し、その部分で、電子写真感光体の周方向に、傷を作り易い。
弾性変形率We%が50%以上の領域になると、逆に繰り返し使用後の表面形状の変化が小さくなり、本発明は、より効果的になる。
逆に、弾性変形率We%が63%より大きいと、電子写真感光体と帯電部材やクリーニング部材などの当接部材との間に紙粉やトナーが挟まり易くなり、クリーニングブレードのエッジ部を欠損させてしまう。
本発明の電子写真感光体においては、ユニバーサル硬さ値(HU)が150〜220N/mm2であことが好ましい。
表面層のユニバ−サル硬さ値(HU)が150N/mmより小さい場合、220N/mm2より大きい場合、共に、クリーニング部材などの当接部材との間に紙粉やトナーが挟まり易くなり、クリーニングブレードのエッジ部を欠損させてしまう。
本発明の表面形状を有する電子写真感光体は、表面層に硬化性樹脂を適用したときに最も効果的である。表面層に硬化性樹脂を含有した電子写真感光体は耐久使用した場合の表面の摩耗が小さく、表面の形状は初期と耐久使用時で変化がなく、初期に形成した最適な表面形状が長期間に渡って維持されるためである。例えば、電子写真感光体の表面層を硬化性樹脂(のモノマー)を用いて形成したり、重合性官能基(連鎖重合性官能基や逐次重合性官能基など)を有する正孔輸送性化合物(正孔輸送性化合物の分子の一部に重合性官能基が化学結合しているもの)を用いて形成したりすることが挙げられる。電荷輸送能を有さない硬化性樹脂を用いる場合は、電荷輸送物質を混合して用いてもよい。
特に、表面層の弾性変形率が上記範囲にある電子写真感光体を得るためには、電子写真感光体の表面層を、連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物を硬化重合(架橋を伴う重合)させることによって形成することが、特には、連鎖重合性官能基を同一分子内に2つ以上有する正孔輸送性化合物を硬化重合させることによって形成することが有効である。また、逐次重合性官能基を有する正孔輸送性化合物を用いる場合には、該化合物としては、逐次重合性官能基を同一分子内に3つ以上有する正孔輸送性化合物が好ましい。
以下、連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物を用いて電子写真感光体の表面層を形成する方法についてより具体的に説明する。なお、逐次重合性官能基を有する正孔輸送性化合物を用いる場合も同様である。
電子写真感光体の表面層は、連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物および溶剤を含む表面層用塗布液を塗布し、該連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物を硬化重合させ、もって塗布した表面層用塗布液を硬化させることによって形成することができる。
表面層用塗布液を塗布する際には、例えば、浸漬塗布法(浸漬コーティング法)、スプレーコーティング法、カーテンコーティング法、スピンコーティング法などの塗布方法を用いることができる。これら塗布方法の中でも、効率性や生産性の観点から、浸漬塗布法、スプレーコーティング法が好ましい。
連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物を硬化重合させる方法としては、熱や、可視光、紫外線などの光や、電子線やγ線などの放射線を用いる方法が挙げられる。必要に応じて、表面層用塗布液に重合開始剤を含有させてもよい。
なお、連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物を硬化重合させる方法としては、電子線やγ線などの放射線、特には電子線を用いる方法が好ましい。放射線による重合は、重合開始剤を特に必要としないからである。重合開始剤を用いずに連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物を硬化重合させることにより、非常に高純度な3次元マトリックスの表面層を形成することができ、良好な電子写真特性を示す電子写真感光体を得ることができる。また、放射線の中でも電子線による重合は、照射による電子写真感光体へのダメージが非常に少なく、良好な電子写真特性を発現させることができる。
電子線の照射により連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物を硬化重合させてユニバーサル硬さ値(HU)および弾性変形率が上記範囲にある本発明の電子写真感光体を得るには、電子線の照射条件を考慮することが重要である。
電子線を照射する際には、スキャニング型、エレクトロカーテン型、ブロードビーム型、パルス型およびラミナー型などの加速器を用いて行うことができる。加速電圧は250kV以下であることとが好ましく、特には150kV以下であることがより好ましい。線量は1〜1000kGy(0.1〜100Mrad)の範囲であることが好ましく、特には5〜200kGy(0.5〜20Mrad)の範囲であることがより好ましい。加速電圧や線量が大きすぎると、電子写真感光体の電気的特性が劣化する場合がある。線量が小さすぎると、連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物の硬化重合が不十分となり、よって表面層用塗布液の硬化が不十分となる場合がある。
また、表面層用塗布液の硬化を促進するためには、電子線による連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物の硬化重合の際に、被照射体(電子線が照射されるもの)を加熱することが好ましい。加熱するタイミングは、電子線照射前、照射中、照射後のいずれの段階でもよいが、連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物のラジカルが存在する間、被照射体が一定の温度になっていることが好ましい。加熱は、被照射体の温度が室温〜250℃(より好ましくは50〜150℃)となるように行うことが好ましい。加熱の温度が高すぎると、電子写真感光体の材料に劣化が生じる場合がある。加熱の温度が低すぎると、加熱を行うことによって得られる効果が乏しくなる。加熱の時間は、おおよそ数秒から数十分程度が好ましく、具体的には2秒〜30分が好ましい。
電子線照射時および被照射体加熱時の雰囲気は、大気中、窒素やヘリウムなどの不活性ガス中、真空中のいずれであってもよいが、酸素によるラジカルの失活を抑制することができるという点で、不活性ガス中またはは真空中が好ましい。
また、電子写真感光体の表面層の膜厚は、電子写真特性の観点から、10μm以下であることが好ましく、6μm以下であることがより好ましい。一方、電子写真感光体の耐久性の観点から、0.5μm以上であることが好ましく、1μm以上であることがより好ましい。
さて、連鎖重合とは、高分子物の生成反応を大きく連鎖重合と逐次重合に分けた場合の前者の重合反応形態を示し、詳しくは、その反応形態が主にラジカルまたはイオンなどの中間体を経由して反応が進行する不飽和重合、開環重合または異性化重合などのことをいう。
連鎖重合性官能基とは、上記反応形態が可能な官能基を意味する。以下、応用範囲の広い不飽和重合性官能基および開環重合性官能基の例を示す。
不飽和重合とは、ラジカルやイオンなどによって不飽和の基、例えば、C=C、C≡C、C=O、C=N、C≡Nなどが重合する反応であり、その中でもC=Cが主である。以下に、不飽和重合性官能基の具体例を示す。
Figure 2007079008
上記式中、R1は、水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアリール基、置換または無置換のアラルキル基などを示す。ここで、アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基などが挙げられる。アリール基としては、フェニル基、ナフチル基、アンスリル基などが挙げられる。アラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基などが挙げられる。
開環重合とは、炭素環やオクソ環や窒素ヘテロ環などのひずみを有する不安定な環状構造が、開環すると同時に重合を繰り返し、鎖状高分子を生成する反応であり、イオンが活性種として作用するものが大半である。以下に、開環重合性官能基の具体例を示す。
Figure 2007079008
上記式中、R2は、水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアリール基、置換または無置換のアラルキル基などを示す。ここで、アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基などが挙げられる。アリール基としては、フェニル基、ナフチル基、アンスリル基などが挙げられる。アラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基などが挙げられる。
上に例示した連鎖重合性官能基の中でも、下記式(1)〜(3)で示される構造を有する連鎖重合性官能基が好ましい。
Figure 2007079008
式(1)中、E11は、水素原子、ハロゲン原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアリール基、置換または無置換のアラルキル基、置換または無置換のアルコキシ基、シアノ基、ニトロ基、−COOR11、または、−CONR1213を示す。W11は、置換または無置換のアルキレン基、置換または無置換のアリーレン基、−COO−、−O−、−OO−、−S−、または、CONR14−を示す。R11〜R14は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアリール基、または、置換または無置換のアラルキル基を示す。下付文字のXは、0または1を示す。ここで、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子などが挙げられる。アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などが挙げられる。アリール基としては、フェニル基、ナフチル基、アンスリル基、ピレニル基、チオフェニル基、フリル基などが挙げられる。アラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、フルフリル基、チエニル基などが挙げられる。アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基などが挙げられる。アルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、ブチレン基などが挙げられる。アリーレン基としては、フェニレン基、ナフチレン基、アントラセニレン基などが挙げられる。
上記各基が有してもよい置換基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子や、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などのアルキル基や、フェニル基、ナフチル基、アンスリル基、ピレニル基などのアリール基や、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、フルフリル基、チエニル基などのアラルキル基や、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基などのアルコキシ基や、フェノキシ基、ナフトキシ基などのアリールオキシ基や、ニトロ基や、シアノ基や、水酸基などが挙げられる。
Figure 2007079008
式(2)中、R21、R22は、それぞれ独立に、水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアリール基、または、置換または無置換のアラルキル基を示す。下付文字のYは、1〜10の整数を示す。ここで、アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などが挙げられる。アリール基としては、フェニル基、ナフチル基などが挙げられる。アラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基などが挙げられる。
上記各基が有してもよい置換基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子や、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などのアルキル基や、フェニル基、ナフチル基、アンスリル基、ピレニル基などのアリール基や、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、フルフリル基、チエニル基などのアラルキル基や、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基などのアルコキシ基や、フェノキシ基、ナフトキシ基などのアリールオキシ基などが挙げられる。
Figure 2007079008
式(3)中、R31、R32は、それぞれ独立に、水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアリール基、または、置換または無置換のアラルキル基を示す。下付文字のZは、0〜10の整数を示す。ここで、アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などが挙げられる。アリール基としては、フェニル基、ナフチル基などが挙げられる。アラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基などが挙げられる。
上記各基が有してもよい置換基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子や、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などのアルキル基や、フェニル基、ナフチル基、アンスリル基、ピレニル基などのアリール基や、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、フルフリル基、チエニル基などのアラルキル基や、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基などのアルコキシ基や、フェノキシ基、ナフトキシ基などのアリールオキシ基などが挙げられる。
上記式(1)〜(3)で示される構造を有する連鎖重合性官能基の中でも、下記式(P−1)〜(P−11)で示される構造を有する連鎖重合性官能基がより好ましい。
Figure 2007079008
上記式(P−1)〜(P−11)で示される構造を有する連鎖重合性官能基の中でも、上記式(P−1)で示される構造を有する連鎖重合性官能基すなわちアクリロイルオキシ基、上記式(P−2)で示される構造を有する連鎖重合性官能基すなわちメタクリロイルオキシ基がより一層好ましい。
本発明においては、上記の連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物の中でも、連鎖重合性官能基を(同一分子内に)2つ以上有する正孔輸送性化合物が好ましい。以下に、連鎖重合性官能基を2つ以上有する正孔輸送性化合物の具体例を示す。
Figure 2007079008
上記式(4)中、P41、P42は、それぞれ独立に、連鎖重合性官能基を示す。R41は、2価の基を示す。A41は、正孔輸送性基を示す。下付文字のa、b、dは、それぞれ独立に、0以上の整数を示す。ただし、a+b×dは2以上である。また、aが2以上の場合は、a個のP41は同一であっても異なっていてもよく、bが2以上の場合は、b個の[R41−(P42d]は同一であっても異なっていてもよく、dが2以上の場合は、d個のP42は同一であっても異なっていてもよい。
上記式(4)中の(P41aおよび[R41−(P42dbをすべて水素原子に置き換えたものを例示すると、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、トリアリールアミン誘導体(トリフェニルアミンなど)、9−(p−ジエチルアミノスチリル)アントラセン、1,1−ビス−(4−ジベンジルアミノフェニル)プロパン、スチリルアントラセン、スチリルピラゾリン、フェニルヒドラゾン類、チアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、フェナジン誘導体、アクリジン誘導体、ベンゾフラン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、チオフェン誘導体、N−フェニルカルバゾール誘導体などが挙げられる。これら(上記式(4)中の(P41aおよび[R41−(P42dbをすべて水素原子に置き換えたもの)の中でも、下記式(5)で示される構造を有するものが好ましい。
Figure 2007079008
上記式(5)中、R51は、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアリール基、または、置換または無置換のアラルキル基を示す。Ar51、Ar52は、それぞれ独立に、置換または無置換のアリール基を示す。R51、Ar52、Ar52は、N(窒素原子)と直接結合してもよいし、アルキレン基(メチル基、エチル基、プロピレン基など)、ヘテロ原子(酸素原子、硫黄原子など)または−CH=CH−を介してN(窒素原子)と結合してもよい。ここで、アルキル基としては、炭素原子数が1〜10のものが好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などが挙げられる。アリール基としては、フェニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナンスリル基、ピレニル基、チオフェニル基、フリル基、ピリジル基、キノリル基、ベンゾキノリル基、ガルバゾリル基、フェノチアジニル基、ベンゾフリル基、ベンゾチオフェニル基、ジベンゾフリル基、ジベンゾチオフェニル基などが挙げられる。アラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、フルフリル基、チエニル基などが挙げられる。なお、上記式(5)中のR51は、置換または無置換のアリール基であることが好ましい。
上記各基が有してもよい置換基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子や、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などのアルキル基や、フェニル基、ナフチル基、アンスリル基、ピレニル基などのアリール基や、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、フルフリル基、チエニル基などのアラルキル基や、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基などのアルコキシ基や、フェノキシ基、ナフトキシ基などのアリールオキシ基や、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジベンジルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ジ(p−トリル)アミノ基などの置換アミノ基や、スチリル基、ナフチルビニル基などのアリールビニル基や、ニトロ基や、シアノ基や、水酸基などが挙げられる。
上記式(4)中のR41の2価の基としては、置換または無置換のアルキレン基、置換または無置換のアリーレン基、−CR411=CR412−(R411、R412は、それぞれ独立に、水素原子、置換または無置換のアルキル基、または、置換または無置換のアリール基を示す。)、−CO−、−SO−、−SO2−、酸素原子、硫黄原子など、また、これらを組み合わせたものが挙げられる。これらの中でも、下記式(6)で示される構造を有する2価の基が好ましく、さらには下記式(7)で示される構造を有する2価の基がより好ましい。
Figure 2007079008
上記式(6)中、X61〜X63は、それぞれ独立に、置換または無置換のアルキレン基、−(CR61=CR62n6−(R61、R62は、それぞれ独立に、水素原子、置換または無置換のアルキル基、または、置換または無置換のアリール基を示す。下付文字のn6は、1以上の整数を示す(好ましくは5以下。)。)、−CO−、−SO−、−SO2−、酸素原子、または、硫黄原子を示す。Ar61、Ar62は、それぞれ独立に、置換または無置換のアリーレン基を示す。下付文字のp6、q6、r6、s6、t6は、それぞれ独立に、0以上の整数を示す(好ましくは10以下、より好ましくは5以下。)。ただし、p6、q6、r6、s6、t6のすべてが0であることはない。ここで、アルキレン基としては、炭素原子数が1〜20、特に1〜10のものが好ましく、メチレン基、エチレン基、プロピレン基などが挙げられる。アリーレン基としては、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナンスレン、ピレン、ベンゾチオフェン、ピリジン、キノリン、ベンゾキノリン、カルバゾール、フェノチアジン、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェンなどから2個の水素原子を取った2価の基が挙げられる。アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基などが挙げられる。アリール基としては、フェニル基、ナフチル基、チオフェニル基などが挙げられる。
上記各基が有してもよい置換基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子や、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などのアルキル基や、フェニル基、ナフチル基、アンスリル基、ピレニル基などのアリール基や、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、フルフリル基、チエニル基などのアラルキル基や、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基などのアルコキシ基や、フェノキシ基、ナフトキシ基などのアリールオキシ基や、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジベンジルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ジ(p−トリル)アミノ基などの置換アミノ基や、スチリル基、ナフチルビニル基などのアリールビニル基や、ニトロ基や、シアノ基や、水酸基などが挙げられる。
上記式(7)中、X71、X72は、それぞれ独立に、置換または無置換のアルキレン基、−(CR71=CR72n7−(R71、R72は、それぞれ独立に、水素原子、置換または無置換のアルキル基、または、置換または無置換のアリール基を示す。下付文字のn7は、1以上の整数を示す(好ましくは5以下。)。)、−CO−、または、酸素原子を示す。Ar71は、置換または無置換のアリーレン基を示す。下付文字のp7、q7、r7は、それぞれ独立に、0以上の整数を示す(好ましくは10以下、より好ましくは5以下。)。ただし、p7、q7、r7のすべてが0であることはない。ここで、アルキレン基としては、炭素原子数が1〜20、特に1〜10のものが好ましく、メチレン基、エチレン基、プロピレン基などが挙げられる。アリーレン基としては、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナンスレン、ピレン、ベンゾチオフェン、ピリジン、キノリン、ベンゾキノリン、カルバゾール、フェノチアジン、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェンなどから2個の水素原子を取った2価の基が挙げられる。アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基などが挙げられる。アリール基としては、フェニル基、ナフチル基、チオフェニル基などが挙げられる。
上記各基が有してもよい置換基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子や、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などのアルキル基や、フェニル基、ナフチル基、アンスリル基、ピレニル基などのアリール基や、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、フルフリル基、チエニル基などのアラルキル基や、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基などのアルコキシ基や、フェノキシ基、ナフトキシ基などのアリールオキシ基や、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジベンジルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ジ(p−トリル)アミノ基などの置換アミノ基や、スチリル基、ナフチルビニル基などのアリールビニル基や、ニトロ基や、シアノ基や、水酸基などが挙げられる。
以下に、連鎖重合性官能基を2つ以上有する正孔輸送性化合物の好適な例(化合物例)を挙げる。
Figure 2007079008











Figure 2007079008
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次に、本発明の電子写真感光体について、表面層以外の層も含めてさらに詳しく説明する。
上述のとおり、本発明の電子写真感光体は、支持体(円筒状支持体)および該支持体(該円筒状支持体)上に設けられた有機感光層(以下単に「感光層」ともいう。)を有する円筒状の電子写真感光体である。
感光層は、電荷輸送物質と電荷発生物質を同一の層に含有する単層型感光層であっても、電荷発生物質を含有する電荷発生層と電荷輸送物質を含有する電荷輸送層とに分離した積層型(機能分離型)感光層であってもよいが、電子写真特性の観点からは積層型感光層が好ましい。また、積層型感光層には、支持体側から電荷発生層、電荷輸送層の順に積層した順層型感光層と、支持体側から電荷輸送層、電荷発生層の順に積層した逆層型感光層があるが、電子写真特性の観点からは順層型感光層が好ましい。また、電荷発生層を積層構造としてもよく、また、電荷輸送層を積層構成としてもよい。
図4に、本発明の電子写真感光体の層構成の例を示す。
図4(a)に示される層構成の電子写真感光体は、支持体41の上に電荷発生物質を含有する層(電荷発生層)441、電荷輸送物質を含有する層(第1の電荷輸送層)442が順に設けられており、さらにその上に表面層として、連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物を重合させることによって形成した層(第2の電荷輸送層)45が設けられている。この場合442の第一の電荷輸送層が表面下層となる。
また、図4(b)に示される層構成の電子写真感光体は、支持体41の上に電荷発生物質と電荷輸送物質とを含有する層44が設けられており、さらにその上に表面層として、連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物を重合させることによって形成した層35が設けられている。
また、図4(c)に示される層構成の電子写真感光体は、支持体41の上に電荷発生物質を含有する層(電荷発生層)441が設けられており、その上に表面層として連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物を重合させることによって形成した層45が直接設けられている。この場合は電荷発生層が表面下層となる。
また、図4(d)〜(i)に示すように、支持体41と電荷発生物質を含有する層(電荷発生層)441または電荷発生物質と電荷輸送物質とを含有する層44との間に、バリア機能や接着機能を有する中間層(「下引き層」とも呼ばれる。)44や、干渉縞防止などを目的とする導電層42などを設けてもよい。
その他、どのような層構成であってもよいが(例えば、連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物を重合させることによって形成した層はなくてもよいが)、電子写真感光体の表面層を連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物を重合させることによって形成した層とする場合は、図4(a)〜(i)に示される層構成のうち、図4(a)、(d)、(g)で示される層構成が好ましい。
支持体としては、導電性を示すもの(導電性支持体)であればよく、例えば、鉄、銅、金、銀、アルミニウム、亜鉛、チタン、鉛、ニッケル、スズ、アンチモン、インジウムなどの金属製の支持体を用いることができる。また、アルミニウム、アルミニウム合金、酸化インジウム−酸化スズ合金などを真空蒸着によって被膜形成した層を有する上記金属製支持体やプラスチック製支持体を用いることもできる。また、カーボンブラック、酸化スズ粒子、酸化チタン粒子、銀粒子などの導電性粒子を適当な結着樹脂と共にプラスチックや紙に含浸した支持体や、導電性結着樹脂を有するプラスチック製の支持体などを用いることもできる。
また、支持体の表面は、レーザー光などの散乱による干渉縞の防止などを目的として、切削処理、粗面化処理、アルマイト処理などを施してもよい。
上述のとおり、支持体と感光層(電荷発生層、電荷輸送層)または後述の中間層との間には、レーザー光などの散乱による干渉縞の防止や、支持体の傷の被覆を目的とした導電層を設けてもよい。
導電層は、カーボンブラック、金属粒子、金属酸化物粒子などの導電性粒子を結着樹脂に分散させて形成することができる。
導電層の膜厚は、1〜40μmであることが好ましく、特には2〜20μmであることがより好ましい。
また、上述のとおり、支持体または導電層と感光層(電荷発生層、電荷輸送層)との間には、バリア機能や接着機能を有する中間層を設けてもよい。中間層は、感光層の接着性改良、塗工性改良、支持体からの電荷注入性改良、感光層の電気的破壊に対する保護などのために形成される。
中間層は、主に、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ユリア樹脂、アリル樹脂、アルキッド樹脂、ポリアミド−イミド樹脂、ナイロン樹脂、ポリサルフォン樹脂、ポリアリルエーテル樹脂、ポリアセタール樹脂、ブチラール樹脂などの結着樹脂を用いて形成することができる。また、中間層には、金属もしくは合金またはこれらの酸化物、塩類、界面活性剤などを含有させてもよい。
中間層の膜厚は0.05〜7μmであることが好ましく、さらには0.1〜2μmであることがより好ましい。
本発明の電子写真感光体に用いられる電荷発生物質としては、例えば、セレン−テルル、ピリリウム、チアピリリウム系染料、各種の中心金属および各種の結晶系(α、β、γ、ε、X型など)を有するフタロシアニン顔料や、アントアントロン顔料や、ジベンズピレンキノン顔料や、ピラントロン顔料や、モノアゾ、ジスアゾ、トリスアゾなどのアゾ顔料や、インジゴ顔料や、キナクリドン顔料や、非対称キノシアニン顔料や、キノシアニン顔料や、アモルファスシリコンなどが挙げられる。これら電荷発生物質は1種のみ用いてもよく、2種以上用いてもよい。
本発明の電子写真感光体に用いられる電荷輸送物質としては、上記の連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物以外に、例えば、ピレン化合物、N−アルキルカルバゾール化合物、ヒドラゾン化合物、N,N−ジアルキルアニリン化合物、ジフェニルアミン化合物、トリフェニルアミン化合物、トリフェニルメタン化合物、ピラゾリン化合物、スチリル化合物、スチルベン化合物などが挙げられる。
感光層を電荷発生層と電荷輸送層とに機能分離する場合、電荷発生層は、電荷発生物質を結着樹脂および溶剤と共に分散することによって得られる電荷発生層用塗布液を塗布し、これを乾燥させることによって形成することができる。分散方法としては、ホモジナイザー、超音波分散機、ボールミル、振動ボールミル、サンドミル、ロールミル、アトライター、液衝突型高速分散機などを用いた方法が挙げられる。電荷発生層中の電荷発生物質の割合は、結着樹脂と電荷発生物質との合計質量に対して0.1〜100質量%であることが好ましく、さらには10〜80質量%であることがより好ましい。また、電荷発生層全質量に対しては10〜100質量%であることが好ましく、さらには50〜100質量%であることがより好ましい。なお、上記電荷発生物質を単独で蒸着法などにより成膜し、電荷発生層とすることもできる。
電荷発生層の膜厚は0.001〜6μmであることが好ましく、さらには0.01〜2μmであることがより好ましい。
感光層を電荷発生層と電荷輸送層とに機能分離する場合、電荷輸送層、特に電子写真感光体の表面層でない電荷輸送層は、電荷輸送物質と結着樹脂を溶剤に溶解させることによって得られる電荷輸送層用塗布液を塗布し、これを乾燥させることによって形成することができる。また、上記電荷輸送物質のうち単独で成膜性を有するものは、結着樹脂を用いずにそれ単独で成膜し、電荷輸送層とすることもできる。電荷輸送層中の電荷輸送物質の割合は、結着樹脂と電荷輸送物質との合計質量に対して0.1〜100質量%であることが好ましく、さらには10〜80%であることがより好ましい。また、電荷輸送層全質量に対しては20〜100質量%であることが好ましく、さらには30〜90質量%であることが好ましい。
電荷輸送層、特に電子写真感光体の表面層でない電荷輸送層の膜厚は5〜70μmであることが好ましく、さらには10〜30μmであることがより好ましい。電荷輸送層の膜厚が薄すぎると帯電能を保ちにくく、厚すぎると残留電位が高くなる傾向にある。
電荷輸送物質と電荷発生物質を同一の層に含有させる場合、該層は、上記電荷発生物質および上記電荷輸送物質を結着樹脂および溶剤と共に分散して得られる該層用の塗布液を塗布し、乾燥することによって形成することができる。また、該層の膜厚は8〜40μmであることが好ましく、さらには12〜30μmであることがより好ましい。また、該層中の光導電性物質(電荷発生物質および電荷輸送物質)の割合は、該層全質量に対して20〜100質量%であることが好ましく、さらには30〜90質量%であることがより好ましい。
感光層(電荷輸送層、電荷発生層)に用いられる結着樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、アリル樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、ブチラール樹脂、ベンザール樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアミド−イミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアリルエーテル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリサルフォン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ユリア樹脂などが挙げられる。これらは単独、混合または共重合体として1種または2種以上用いることができる。
また、感光層上には、該感光層を保護することを目的として、保護層を設けてもよい。保護層の膜厚は0.01〜10μmであることが好ましく、さらには0.1〜6μmであることがより好ましい。保護層には、加熱や放射線の照射により硬化重合する硬化性樹脂などを用いることが好ましい。該硬化性樹脂の樹脂モノマーとしては、連鎖重合性官能基を有する樹脂モノマーが好ましい。また、保護層には、金属およびその酸化物、窒化物、塩、合金ならびにカーボンブラックなどの導電性材料を含有させてもよい。金属としては、鉄、銅、金、銀、鉛、亜鉛、ニッケル、スズ、アルミニウム、チタン、アンチモン、インジウムなどが挙げられる。より具体的には、ITO、TiO2、ZnO、SnO2、Al23などを用いることができる。導電性材料は粒子状のものを保護層に分散含有させることが好ましく、その粒径は0.001〜5μmであることが好ましく、さらには0.01〜1μmであることが好ましい。保護層中の導電性材料の割合は、保護層全質量に対して1〜70質量%であることが好ましく、さらには5〜50質量%であることが好ましい。これらの分散剤としてチタンカップリング剤、シランカップリング剤、各種界面活性などを用いることもできる。
また、上記の電子写真感光体を構成する各層には、酸化防止剤や光劣化防止剤などを添加してもよい。また、電子写真感光体の表面層には、電子写真感光体の周面の潤滑性や撥水性を向上させることを目的として、各種のフッ素化合物、シラン化合物、金属酸化物などを添加してもよい。また、これらを粒子状のものとして保護層に分散含有させることもできる。また、これらの分散剤として界面活性剤などを用いることもできる。電子写真感光体の表面層中の上記各種添加剤の割合は、表面層全質量に対して1〜70質量%であることが好ましく、さらには5〜50質量%であることがより好ましい。
本発明の電子写真感光体の各層の形成方法には、蒸着法や塗布法などの各種方法を採用することが可能であるが、これらの中でも塗布法が最も好ましい。塗布法は、薄膜の層から厚膜の層まで、さまざまな組成の層が形成可能である。具体的には、バーコーター、ナイフコーター、ロールコーターおよびアトライターを用いた塗布法や、浸漬塗布法や、スプレーコーティング法や、ビームコーティング法や、静電塗布法や、粉体塗布法などが挙げられる。
図3に本発明の電子写真感光体を用いることのできる、一般的な転写式電子写真装置の概略構成例を示すが、本発明は、図示した電子写真装置に限定され使用できるものではない。
本発明は、下記に説明する画像形成工程にて、複数色の現像剤像(トナー像)を順に像担持体上に形成し、形成された各色のトナー像が順に重ねて一次転写される中間転写体を有し、こうして中間転写体上に重ねて一次転写されたトナー像を転写材に転写して画像を形成する画像形成装置であって、感光体上に残留する現像剤(トナー)が、クリ−ニングブレードの当接部にイソシアネ―ト化合物による硬化層が形成してあるクリーニング部材(クリーニングブレード)によって除去される画像形成装置に関するものである。
先ず、図3を用いて本実施例の画像形成装置の全体構成について説明する。
本実施例における画像形成装置は、像担持体である、導電性支持体上に電荷発生層と電荷輸送層とを設けた有機電子写真感光体である感光ドラム2、帯電手段である帯電器1、潜像形成手段としての露光手段であるROS(潜像書込装置)13、現像手段である、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック色のそれぞれのトナーの色毎に設けられた4体の現像装置3y(イエロー)、3m(マゼンタ)、3c(シアン)、3bk(ブラック)を有する現像ロール3a、転写手段である、中間転写ベルト40、一次転写器42、二次転写器48、感光ドラム2のクリーニング手段であるクリーナ5、除電手段である前露光装置7、定着手段である定着器64、及び給排紙システム等を有する。
図3において、画像読取手段は、原稿台ガラス10と、原稿台ガラス10に向けて光を照射する光源11と、原稿台ガラス10からの反射光を赤(R)、緑(G)、青(B)の電気信号に変換するCCD12と、CCD12から入力される前記RGBの電気信号を受けて黒(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の画像データに変換し、変換した画像に応じた電気信号をレーザー発生装置に出力する、不図示の画像形成装置の制御手段に設けられたIPS(イメージプロセッシングシステム)とを有する。
画像読取手段の動作において、原稿台ガラス10上に設置された原稿Gからの反射光は、不図示の露光光学系を介してCCD12で、R(赤)、G(緑)、B(青)の電気信号に変換される。そして、IPS(イメージプロセッシングシステム)にて、CCD12から入力されるR、G、Bの電気信号をK(黒)、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)の画像データに変換して一時的に記憶し、この画像データを所定のタイミングで潜像形成用の画像データとして、図示していないレーザ駆動回路に出力する。レーザ駆動回路は、入力された画像データに応じて図示していないレーザ駆動信号を、ROS13に出力する。
感光ドラム2は、矢印Da方向に回転しており、その表面は、帯電工程にて帯電器1により、Vd(−600v)に一様に帯電された後、潜像形成工程(露光工程)にて、帯電器1の感光ドラム2回転方向Da下流の位置である潜像書込位置AにおいてROS13のレーザビームL(主波長675nm)により露光走査されて露光部がVl(−200v)に変更され、静電潜像が形成される。フルカラー画像を形成する場合は、K(黒)、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)の四色の画像に対応した静電潜像が順次形成され、モノクロ画像の場合はK(黒)画像に対応した静電潜像のみが形成される。
ここで、帯電工程にて感光ドラム2を一様に帯電する帯電器1は、コロナ放電式の帯電器であり、タングステン等で形成された放電ワイヤと、感光ドラム2に向けて開口する断面コの字型のケーシングとを有する。
帯電器1である帯電手段は、感光ドラム2の外表面に電荷を付与する手段である。帯電手段としては、従来より知られている種々の帯電手段を用いることができ、このような帯電手段としては、例えば、コロナ放電により感光体を帯電させるコロナ放電帯電装置や、導電性ローラ部材により接触または非接触の状態で感光体を帯電させるローラ帯電装置や、導電性ブラシにより接触した状態で感光体を帯電させる導電性ブラシ帯電装置や、磁力により磁気ブラシをローラ上に形成し磁気ブラシを接触させた状態で感光体を帯電させる磁気ブラシ帯電装置等を例示することができる。
露光手段であるROS13は、読み取られた画像に応じてレーザビームLを発生するレーザ発生装置を有する。レーザビームLの光路には、結像レンズやミラー等が適宜配置されている。
ここで、感光ドラム2表面へのレーザビームLによる潜像書込は、転写手段であるベルト状の中間転写体である中間転写ベルト40の非画像部に設けられたホームポジションをベルト位置センサ41が検知してから所定の時間経時後に開始される。フルカラー画像の場合は、各色を重ね合わせるので、位置センサ41がホームポジションを検知してからレーザビームLによる潜像書込開始までの時間は各色同一である。
このROS13のような露光手段は、露光位置Aにて帯電した感光ドラム2に光を照射して形成すべき画像に応じた静電潜像を感光体に形成する潜像形成手段である。この露光手段としては、ROS13の他に、従来より知られている種々の露光手段を用いることができ、例えば、He−Neレーザ等のガスレーザや、半導体レーザ、LED、及びLCD等を例示することができる。
上記のROS13によって形成された静電潜像が形成された感光ドラム2表面は回転移動して現像領域B、一次転写領域Dを順次通過する。
現像工程にて、現像装置3y、3m、3c、3bkは、回転現像装置である現像ロール3aの回転によって現像位置へ搬送され、現像領域Bを通過する感光ドラム2表面上の静電潜像を現像して現像剤像(トナー像)にする。
現像装置3y、3m、3c、3bkは、回転自在な現像ロール3aの周に沿って設けられている。現像ロール3aは回転軸30を有し、静電潜像の色データに対応する現像装置を現像時に現像領域Bへ搬送するように回転するロールであり、ロータリ式の現像手段を構成している。この現像ロール3aにより、現像スリーブ35は、少なくとも現像時においては、感光ドラム2に対し最近接領域が約175μmになるように配置され、現像スリーブ35上の磁気ブラシが感光ドラム2に対して接触する状態で静電潜像を現像できるように配置される。
ここで、図5の現像装置の概略構成図を用いて、現像装置3y、3m、3c、3bkの動作による、本実施例における二成分磁気ブラシ法による現像工程について説明する。ここでは、4台の現像装置は構成が同じであるので、現像装置3と総称して説明する。
現像装置3は、各色の現像剤として、トナーとキャリアを含む二成分現像剤を収容する現像容器37と、現像容器37の開口部に回転自在に設けられた中空の円筒体であり、その周面に現像装置3内のトナーを担持する現像剤担持体である現像スリーブ35と、現像スリーブ35上に担持される現像剤を規制してスリーブ35上に形成される磁気ブラシの穂高を規制する規制ブレード36と、現像容器37内の現像剤を攪拌するための回転ロッド31、32と、現像時に現像スリーブ35に電圧を印加する不図示の現像バイアス電源と、を有する。そして、現像スリーブ35内には、複数の磁極を有する磁石体33が固定されている。
現像装置3の動作としては、まず、現像スリーブ35の回転に伴い、現像スリーブ35の内部に固定された磁石体33の現像容器37内部のN1極で汲み上げられたトナーは、S2極、N2極と搬送される過程において、現像スリーブ35に対して垂直に配置された層厚規制部材である規制ブレード36によって規制され、現像スリーブ35上に薄層形成される。ここで薄層形成されたトナーが、現像主極S1極に搬送されてくると磁気力によって穂立ちが形成され、現像スリーブ35上に磁気キャリアによる磁気ブラシが形成される。
この穂状に形成された現像剤は、感光ドラム2の表面を摺擦する。このときトナー粒子は感光ドラム2へ移行して静電潜像を現像する。磁気ブラシを形成する磁性キャリア、及び研磨粒子は積極的に感光ドラム2へは移行せず、現像スリーブ35上に残留する。その後、現像装置3内部に搬送され、磁石体33のN3極、N1極の反発磁界によって現像スリーブ35上のトナーは、現像装置3内部に戻される。
ここで、現像スリーブ35には図示しない現像バイアス電源から直流電圧及び交流電圧が印加され、例えば、感光ドラム2の表面電位Vd=−600v、Vl=−200vに対して、直流電圧として−450V、交流電圧としてVpp=1500V、Vf=2000Hzが印加されている。一般に二成分現像法においては交流電圧を印加すると現像効率が増し、画像は高品位になるが、逆にかぶりが発生しやすくなるという危険も生じる。このため、通常、現像スリーブ35に印加する直流電圧と感光ドラム2の表面電位間に電位差を設けることによって、かぶりを防止することを実現している。
又、現像スリーブ35を、感光ドラム2の周速285mm/secに対して、カウンタ方向に500mm/secの周速で回転させた。
このような二成分現像剤を用いた現像装置3はフルカラー画像形成装置に用いられるが、現像装置3を複数有する構成とすることで、フルカラー画像を形成することが可能となる。これらの現像装置3は、上記に説明した部材の他に、非磁性トナー粒子を補給する補給手段等を有する構成とすることができる。
又、図3に示す画像形成装置は、一体の感光ドラム2に対して一体の現像手段が配置され、これらの組が複数設けられる構成であっても良い。このような構成のカラー画像形成装置としては、例えば感光体(感光ドラム)、帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、及びクリーニング手段を有する画像形成ユニットを複数併設し、これらのユニットの転写手段を転写材が順次搬送されてトナー像の転写を受ける構成を例示することができる。
又、図3に示すように現像装置3を複数有する場合では、ひとつの感光ドラム2に対して複数の現像装置3が、現像ロール3aのような回転現像装置に搭載されて、配置される構成が好適に採用できる。このような構成では、現像ロール3aの回転運動によって各現像装置3を感光ドラム2と対向する位置へ移動させる構成となる。
そして、現像剤担持体である現像スリーブ35は、磁力によって二成分現像剤を担持して磁気ブラシを形成するものであれば特に限定されず、従来より知られている種々の構成を採用することができる。このような現像スリーブ35としては、例えば、アルミニウムやステンレス等で形成された非磁性且つ導電性の回転スリーブと、複数の磁極を有し回転スリーブの内側に固定される磁石等の磁界発生手段とを有する構成を例示することができる。
上記の構成の図3に示す帯電手段、露光手段、及び現像手段による帯電工程、露光工程、現像工程において、フルカラー画像を形成する場合、潜像書込位置Aにおいて第一色目の静電潜像が形成され、現像領域Bにおいて一色目のトナー像が形成される。このトナー像は、一次転写領域Dを通過する際に、転写工程にて一次転写ロール42によって中間転写ベルト40上に静電的に一次転写される。その後同様にして、第一色目のトナー像を担持した中間転写ベルト40上に、第二色目、第三色目、第四色目のトナー像が順次重ねて一次転写され、最終的にフルカラーの多重トナー像が中間転写ベルト40上に形成される。単色の白黒画像を形成する場合には現像装置3bkのみを使用し、単色トナー像が中間転写ベルト40上に一次転写される。
一次転写ロール42である一次転写の転写手段としては、従来より知られている種々の転写帯電器を用いることができ、静電転写方式のものがより好ましく用いることができる。例えば、コロナ転写装置やバイアスローラ転写装置等を例示することができる。
一次転写後、感光ドラム2表面上の残留トナーは、クリーニング装置5に設けられたクリーニングブレード52により除去される。
図6に示される感光ドラム2のクリーニング装置5は、一次転写後の感光ドラム2上に残留する一次転写残トナーを除去する手段であり、感光ドラム2の表面に当接するクリーニングブレード52とクリ−ニングブラシ53、クリーニングブレード52とクリ−ニングブラシ53を保持し、両者によって除去されたトナー粒子等を収容するクリーニング容器51と、を有する。
本発明においては、クリ−ニングブレ−ド52は、ポリウレタン樹脂よりなるクリーニングブレードの表面に、活性水素化合物を含浸させることなく、少なくともイソシアネート化合物を所定時間含浸させた後、イソシアネート化合物とポリウレタン樹脂とを反応させることにより形成される。活性水素化合物とは、イソシアネート化合物のイソシアネート基と反応しウレタン結合形成に関与する水素を有する反応基を含有する化合物を意味しており、例えば、ポリオール類、ポリアミン類、アルカノールアミン類、ポリカルボン酸類等を意味している。
図7に本発明で用いたクリーニングブレードの例を示した。この例では、自由長方向11及びクリーニングブレードの厚み方向12にL字の断面形状を有する硬化層15が、端部16を含むトナー担持体との当接部14のみに、クリーニングブレードの長手方向10に対して一様に形成されている。
本発明においては、硬化層が当接部14のみに形成されているため、自由長部13のゴム弾性が保持される。このため、クリーニングブレード全体としての剛性が高くなり過ぎることが抑制され、トナー担持体に対して良好な追従性が実現でき、優れたクリーニング性が実現できる。
なお、自由長部とは、イソシアネート化合物により処理されておらず、硬化層が形成されていない部分を意味しており、未処理部とも記載する。
硬化層の断面形状は特に制限されないが、図8に示す様に、L字形(a及びb)、矩形(c及びd)、三角形(e)、台形(f)、コ字形(g〜i)等を例示することができる。ここで、L1は硬化層の自由長方向の長さ、L2はクリーニングブレードの厚み方向の長さ、Tは硬化層の厚みを意味する。c〜fに示す様に、断面形状に依っては、TがL1及び/又はL2と等しい場合もある。図2に示す様な断面形状は、製造が容易であり、端部に十分な厚みの硬化層が形成されており、自由長部のゴム弾性が損なわれることが抑制されているため好ましい。
L1は、硬化層の効果を十分なものとするため、0.2mm以上が好ましく、0.5mm以上がより好ましく、1mm以上が更に好ましい。また、自由長部の十分なゴム弾性を実現するために、自由長の50%以下が好ましく、45%以下がより好ましい。L1を、ここに記載の範囲内とすることにより、当接部の進入による線圧の急峻な増加を抑制できるため、安定した線圧を得ることができる。
なお、自由長とはクリーニングブレードが支持部材から露出している自由長方向の長さをいい、一般に5mm以上15mm以下とされる。
L2は、硬化層の効果を十分なものとするため、0.2mm以上が好ましく、0.5mm以上がより好ましく、1mm以上が更に好ましい。また、クリーニングブレードの厚み以下とされる。
Tは0.12mm以上とされ、0.13mm以上がより好ましく、0.15mm以上が更に好ましく、1.2mm以下とされ、1.1mm以下がより好ましく、1.0mm以下が更に好ましい。硬化層の厚みが、この様な範囲であれば、たとえクリーニングブレードの表面が摩耗したとしても、クリーニングブレードの表面の良好な特性は長期間維持される。更に、硬化層が十分な厚みを有しているため、トナー担持体との摺動によりクリーニングブレードの表面が大きく変形することが抑制されるため、近年頻繁に用いられつつある微小なトナーや球形トナーも効果的に除去することができる。
本発明における硬化層の国際ゴム硬度(IRHD)は、クリーニングブレードの良好な耐久性を実現し、トナー担持体がクリーニングブレードにより損傷されることを防止するため、75°以上が好ましく、76°以上がより好ましく、77°以上が更に好ましく、100°以下が好ましく、95°以下がより好ましく、90°以下が更に好ましい。
tanδは、部材の動的な粘弾性特性の指標となる。例えば、tanδが十分小さければ、粘性特性に対して弾性特性が支配的となるため、変形に対する追従性が向上する。また、tanδが十分大きければ、弾性特性に対して粘性特性が支配的となるため、トナーの摺擦性が向上する。
以上の様な観点から、硬化層および自由長部(未処理部)の、10Hzで測定される損失正接(tanδ)の温度依存性において、硬化層のピーク温度は自由長部のピーク温度以上であることが好ましく、1℃以上高いことがより好ましく、3℃以上高いことが更に好ましく、硬化層のピーク値は自由長部のピーク値の、好ましくは90%以下、より好ましくは70%以下であり、硬化層の半値幅は自由長部の半値幅より、好ましくは2℃以上、より好ましくは5℃以上大きく、硬化層のピーク温度以上で、硬化層のtanδが自由長部のtanδより大きい温度領域があり、その温度領域で、硬化層のtanδと自由長部のtanδとの差の最大値が、好ましくは0.05以上、より好ましくは0.07以上である。
更に、本発明においては、硬化層の、10Hzで測定される損失正接(tanδ)の温度依存性において、ピーク温度は、好ましくは50℃以下、より好ましくは30℃以下であり、ピーク値は、好ましくは1以下、より好ましくは0.8以下、更に好ましくは0.7以下であり、半値幅は、好ましくは30℃以上であって、−10℃以上65℃以下で、tanδが0.18以上0.38以下となる温度領域があり、その温度領域の温度幅は、好ましくは13℃以上である。
本発明においては、図6に示されるように、クリーニング手段として、クリ−ニングブラシ53を設けることが可能である。
前記、クリ−ニングブラシの部材は、繊維の太さが4〜30D/F(デニール/フィラメント)であり、ブラシ密度が1万〜40万本/平方インチである。前記範囲内の太さの繊維を用いると、電子写真感光体の表面を有効に摺擦することができるため、電子写真感光体表面の摩擦係数が高くなるのを抑制することができる。また前記範囲内のブラシ密度のブラシ部材を用いると、同様に、有効な摺擦が実現される。繊維の太さや、ブラシ密度が上記より、小さい場合は、ブラシの寿命が著しく低下でするため適当でない。また、ブラシ密度は前記範囲よりも大きく設定しても構わないが、前記範囲よりも大きくしても、電子写真感光体の表面における摩擦係数を良化させる効果の向上はさほど見られない。
前記ブラシ部材は、導電性を有することが好ましい。このようなブラシ部材を用いると、このブラシ部材を接地することにより、像担持体の表面の付着物が除電され、又はさらなる帯電が防止され、クリーニング部材でより一層除去されやすくなる。このような観点から、ブラシ部材の繊維は、例えば固有抵抗率が103〜108Ω・cmの導電性繊維であることが好ましい。繊維の固有抵抗率は、例えば(繊維に、電圧を印加し、そのとき流れる電流を測定することで以下の式より決定する。
ρ=S・V/l・I(繊維の断面積:S、繊維の長さ:l、印加電圧:V、電流;I、低効率:ρ)
本発明においては、ブラシ部材に潤滑材を塗布する手段をさらに有していても良い。このような塗布手段を有することにより、ブラシ部材に塗布された潤滑材が像担持体の表面に塗布され、ブラシ部材と像担持体との摩擦力を低減させ、またブラシ部材の摺擦によって浮き上がった前記付着物の再付着をより一層抑制することが可能となる。このような塗布手段としては、例えばブラシ部材に対して付勢して設けられる塊状の潤滑材等が挙げられる。また前記潤滑材には、潤滑性を向上させる組成物であれば特に限定されず、例えば導電性を有していても良い金属酸化物の粒子等の無機化合物の粒子や、いわゆる金属石鹸等の有機化合物等を用いることができる。
前記クリーニング手段は、ブラシ部材に当接するスクレープ部材を有していても良い。スクレープ部材は、ブラシ部材に取り込まれた捕集物をブラシ部材から削ぎ落とす部材であれば特に限定されない。このようなスクレープ部材を有すると、ブラシ部材の目詰まりを防止する上で有効である。前記捕集物には、前記付着物や前記潤滑材等が挙げられる。スクレープ部材のブラシ部材に対する侵入量(β)は特に限定されないが、ブラシ部材の目詰まりの防止や、スクレープ部材とブラシ部材との摩擦によるこれらの部材の短命化の防止等の観点から、0.3〜2.0mmであることが好ましい。前記侵入量βは、ブラシ部材に侵入するスクレープ部材の、ブラシ部材における繊維の先端からの侵入深さである。
クリーニング時における前記ブラシ部材の像担持体に対する侵入量(α)は、特に限定されないが、前記付着物に対して有効な摺擦を行う観点から、0.3〜2.0mmであることが好ましい。前記侵入量αは、ブラシ部材を像担持体に当接させたとき、当接しているブラシ部材の部位が変形せずに像担持体の内部に侵入すると仮想したときの、ブラシ部材が像担持体に侵入した深さである。
電子写真感光体に対するブラシ部材の移動は、例えば電子写真感光体の回転方向に対して垂直方向への直線往復運動等であっても良いが、回転方向に対して、電子写真感光体の移動速度との間に速度差を持たせることが良く、より効率的には、両者の回転方向を、逆方向にすることが、有効な摺擦を省エネルギーで行う観点、ブラシ部材の移動速度が抑制されることによってブラシ部材の振動の発生を抑制する観点、及びスクレープ部材とブラシ部材との摩擦によるこれらの部材の短命化を抑制する観点等からより好ましい。このような観点から、ブラシ部材が電子写真感光体の移動方向と逆方向に移動する場合、具体的には、像担持体の移動速度に対するブラシ部材の移動速度の比が0.1〜2.0であることが好ましい。
クリーニング時における前記クリーニング部材の像担持体に対する侵入量(λ)は、特に限定されないが、前記付着物の除去や、像担持体とクリーニング部材との摩擦によるこれらの短命化の防止等の観点から、0.5〜2.5mmであることが好ましい。前記侵入量λは、クリーニング部材を像担持体に当接させたとき、当接しているクリーニング部材の部位が変形せずに像担持体の内部に侵入すると仮想したときに、クリーニング部材が像担持体に侵入した深さである。
図3において、クリーニング装置5による感光ドラム2のクリーニングの後には、感光ドラム2上に残留する静電潜像を除去する除電手段を有することが好ましい。除電手段としては、従来より知られている種々の除電手段を用いることができ、例えば、クリーニング後の感光ドラム2に光を照射することにより残留静電潜像を打ち消す手段として、ガスレーザ、半導体レーザ、LED、及びLCD等を例示することができる。本実施例では、この除電手段として前露光装置7が設けられている。
前露光装置7は、660nmのピーク波長を主体とした発光ダイオード(素子GaAlAs)である。前露光装置7は、ピーク波長の1/2になる半値幅は約25nmであり、露光量としては20μJ/cm2である。前露光装置3から帯電器1までにおける感光ドラム2表面の移動時間は約50mm・secである。
こうして、中間転写ベルト40にトナー像が転写されるまでの画像形成工程を進める一方、給紙トレイ60に収容された転写材である記録シートSは、所定のタイミングでピックアップロール61により取り出され、レジロール対62に搬送される。レジロール62は、一次転写された多重トナー像または単色トナー像が二次転写領域Eに移動するのにタイミングを合わせて、二次転写領域Eに記録シートSを搬送する。二次転写領域Eにおいて二次転写器48は、中間転写ベルト40上のトナー像を記録シートSに静電的に一括して二次転写する。
この、中間転写ベルト40を介して感光ドラム2から転写材Sへトナー像を転写する二次転写手段48としては、ローラ状転写手段やベルト状転写手段等を例示することができる。
ここでは、複数の現像手段を有し、且つ中間転写方式を用いる画像形成装置の構成をとり、現像装置3が形成するトナー像の一つ一つの転写を中間転写ベルト40に転写し、その都度二次転写により転写材Sへ転写する構成でもよく、現像装置が形成するトナー像が全て重なるように感光ドラム2からの転写を中間転写手段に転写し、トナー像を一括して二次転写手段により転写材に転写する構成としても良い。
前述した一次転写ロール42や二次転写器48等の、静電転写方式の転写帯電器は、適当な表面抵抗値や体積抵抗値を有する部材等によって構成されることが好ましい。抵抗値を有する部材としては、例えば、カーボンブラック等の導電性微粉体を含有する樹脂体等を例示することができ、導電性微粉体の種類や含有量等によって抵抗値を調整することができる。樹脂体としては、特に限定されるものではないが、例えば、二層構造の場合、コア層とその表面を被覆するコーティング層で構成される。コア層は、導電性粉末を分散したシリコーンゴム、ウレタンゴム、EPDM(エチレンプロピレンジエンモノマー)等またはこれらの発泡体で構成される。コーティング層は、導電性粉末を分散してなるフッ素樹脂系の材料で構成することが好ましい。フッ素樹脂としては、テトラフルオロエチレン(TFE)、ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、パーフロロアルコキシ樹脂(PFA)等があげられる。そして、体積抵抗率は、106Ω・cm〜109Ω・cmの範囲にあることが好ましい。
一方、中間転写ベルト40の支持ロールであり且つ二次転写帯電器48の対向電極をなすバックアップロール44の層構成は、単層または多層のいずれでもよい。例えば、単層の場合は、シリコーンゴム、ウレタンゴム、EPDM(エチレンプロピレンジエンモノマー)等にカーボンブラック等の導電性微粉末が適量配合されたロールで構成される。二層構造の場合のバックアップロール44は、体積抵抗率を適宜調節したシリコーンゴム、ウレタンゴム、EPDM(エチレンプロピレンジエンモノマー)等の発泡体で構成されるコア層と、その外周面に導電性のシリコーンゴム、ウレタンゴム、EPDM(エチレンプロピレンジエンモノマー)等にカーボンブラック等の導電剤を配合してなるスキン層とで構成される。バックアップロール44の体積抵抗率は、107Ω・cm〜109Ω・cmの範囲にあることが好ましい。
又、転写帯電器は、転写されたトナーの離型性を向上させるために、離型性に富んだ材料で転写手段の表層を形成することも好ましい。
二次転写後の中間転写ベルト40に残留したトナーは、後に詳しく説明するが、中間転写体(中間転写ベルト)クリーニング手段である、クリーニング部材(クリーニングブレード)49が中間転写ベルト40に図示していないカムが作動することにより当接し、クリーニングブレード49により掻き取られてクリーニングされ、ベルト40上の残留トナーが除去される。尚、二次転写ロール48及びクリーニングブレード49は、中間転写ベルト40と離接自在に配設されている。
定着工程にて、トナー像が二次転写された記録シートSは、シート搬送ベルト63により定着器64に搬送され、定着器64により加熱定着される。トナー像が定着された記録シートSは、記録シート排出トレイ65に排出される。
定着器64は、加熱ロール64aと、この加熱ロール64aに対向して配置される加圧ロール46bとを有する。
給排紙システムは、記録シートSを収容する給紙トレイ60と、トレイ内の記録シートを一枚ずつトレイから取り出すためのピックアップロール61と、二次転写器48へタイミングを合わせて記録シートを搬送するレジロール対62と、二次転写を受けた記録シートを定着器64に向けて搬送するシート搬送ベルト63と、定着器64による画像の定着を受けた記録シートが搬送される記録シート排出トレイ65とを有する。
以上が本発明に用いた画像形成装置の画像形成工程である。例示した画像形成装置においては、フルカラー、モノクロ両方の画像が形成できる。そして、中間転写ベルト40を使用し、中間転写ベルト40のクリーニングには、クリーニングブレード49を用いている。
次に、画像形成装置における特徴的な各画像形成手段の構成を説明する。
本発明に用いた画像形成装置における最大画像幅はA4横にノビ対応長さを加えた約320mmである。又、本実施例における感光ドラム2の周速は、285mm/secである。
例示した画像形成装置に用いられる二成分現像剤は、懸濁重合法により作製した非磁性トナー粒子である重合トナーと、重合法により作製した樹脂磁性キャリアと、研磨粒子との混合物であり、前述した四色のそれぞれの着色剤を用いて、四色のトナー粒子として作製された。得られた現像剤のトナー粒子と磁性キャリアの和に対するトナー粒子の重量比であるT/D比は8%であった。磁性キャリアは、比抵抗が1013Ω・cmであった。又、非磁性重合トナーは、形状係数SF−1が115、SF−2が110である表面が滑らかな略球状のトナーであって、重量平均粒径が8μmであって、比重が1.05g/cm3の単位質量当たりの平均電荷量が25μc/gであった。又、研磨粒子は、アルミナであり、モース硬度が9、平均粒径が1.2μm、非磁性トナー粒子に対する添加量が1重量%であった。尚、現像剤については後に詳しく説明する。又、現像剤はこれに限定されず、二成分現像剤でなくとも良いし、非磁性トナーでも磁性トナーの一成分現像剤でも本発明は適用できる。
図3で示した画像形成装置において、二次転写後の中間転写ベルト40上のクリーニング手段としては、感光体に用いられている、従来より知られている種々のクリーニング手段を用いることができるが、ウレタン等で成形され感光ドラム2に当接する弾性ブレード(クリーニングブレード)49を有するクリーニング手段が好ましい。
クリーニングブレード49は、適度な硬度と反発弾性を有することで、トナーのすり抜けを防止し、且つ感光ドラム2との摩擦で生じる微振動を吸収する上で好ましい。又、クリーニングブレード49は、適度なモジュラスを有することが耐摩耗性による長寿命化の観点から好ましい。クリーニングブレード49に関わるこれらの物性は、JISで規定される測定方法により測定される。
次に、中間転写ベルト40について、その構成を説明する
ベルト状の中間転写体である中間転写ベルト40は、感光ドラム2に対向して、本発明で用いた装置では、下方に配置され、ベルト駆動ロール45、テンションロール43、アイドラロール46、47、二次転写用バックアップロール44を含む複数のベルト支持ロールに巻架されて回転している。そして、上記に説明した一次転写ロール42と、図示はしていないが、それらを支持するベルトフレームと、中間転写ベルト40に付着する残トナー等を除去するためのブレード式のベルトクリーナ49と、中間転写ベルト40の非転写部に設けられるホームポジションを検知する位置センサ41と、が設けられている。
又、中間転写ベルト40を介して二次転写用バックアップロール44に対向する位置には、中間転写されたトナー像を転写材である記録シートSに転写するための二次転写器48が設けられている。
本発明で用いた装置における中間転写ベルト40は、ポリイミド樹脂である。この中間転写ベルト40は次のようにして製造されたものであるが、それに限定されるものではない。
基層のカーボンブラックを分散した熱硬化性シームレスベルトを形成するのに、カーボンブラックを宇部興産(株)耐熱皮膜用ポリイミドワニスUに混ぜて、ミキサー等により混合する。(2)この原液を円筒型に注入して加熱しつつ遠心成形する。(3)半硬化した状態で脱型し、その後、脱型したベルトを鉄芯に被せて400℃〜450℃に加熱して本硬化(イミド化反応)し、表面抵抗率1010Ω/cm2、体積抵抗率109Ωcmの厚さ75μmのシームレスベルトを得る。円筒型の内面の粗さにより、中間転写ベルト40表面の粗さRzは、2.0に調整されている。中間転写ベルト表面の摩擦係数は、0.17(HEIDON トライボギアミューズTYPE:94B)であった。
そして、上記のクリーニングブレード49のクリーニング性を高めるために、高画質画像の形成、耐久性、及びクリーニング性の観点から、中間転写ベルト40はヤング率2.5×103Mpa以上、引張強度1000N/cm以上であることが好ましく、ヤング率/引張強度等の高いポリイミドのような樹脂が好ましい。
本発明で使用した装置内の現像剤について以下に説明する。
非磁性トナー粒子は、重量平均粒径が6μm〜10μmであることが、良好な画像を形成する上で好ましい。重量平均粒径が上記範囲よりも大きいと解像性が悪くなり、鮮明で高画質の画像を形成できなくなることがある。又、重量平均粒径が上記範囲よりも小さいと静電力よりも付着力や凝集力が強くなり、種々のトラブルの原因となることがある。
非磁性トナー粒子の重量平均粒径は、ふるい分け法、沈降法、光子相関法等の種々の方法によって測定することができるが、本発明では、測定装置としてコールターマルチサイザー(コールター社製)を用い、特級又は1級塩化ナトリウムを用いて1%NaCl水溶液を調製(例えば、コールターサイエンティフイックジャパン社製のISOTON−IIを使用)し、前記電解水溶液100〜150mL中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩を0.1〜5mL加え、更に測定試料であるトナーを2〜20mg加え、試料を懸濁した電解液を超音波分散機で約1〜3分間分散処理し、100μmアパーチャーを用いてトナーの体積、個数を測定し、体積分布と個数分布とを算出し、本発明に係わる重量平均粒径を該体積分布から求める(各チャンネルの中央値をチャンネル毎の代表値とする)ことにより非磁性トナー粒子の重量平均粒径を測定することができる。
非磁性トナー粒子は、従来より知られている製法によって製造することができる。非磁性トナー粒子は、構成材料を加熱溶融により均一化し、これを冷却固化し、これを粉砕することによりトナー粒子を製造する粉砕法によっても製造することができるが、この粉砕法で得られるトナー粒子は一般に不定形であるため、略球形形状とするには機械的、熱的または何らかの特殊な処理を行うことが必要であり、前述した範囲の重量平均粒径とするには球形化処理後のトナー粒子を分級することが必要となる。そこで、前述した非磁性トナー粒子の好ましい製造法として重合法を採用することが好ましい。
重合トナーの製造法としては種々の製造方法が知られており、例えば乳化重合法、ソープフリー乳化重合法、二段階膨潤重合法、分散重合法、及び懸濁重合法等を例示することができる。本発明において、重合反応の一段で所望の粒子径を有するトナー粒子を製造しようとする場合では、二段階膨潤重合法、分散重合法、及び懸濁重合法が優れており、工程の簡略性及び製造品の品質等の観点から懸濁重合法がより優れている。
懸濁重合法は、本発明に用いられる非磁性トナー粒子を製造するのに適した製造方法である。懸濁重合法とは、適当な分散安定剤を含む水系分散媒中に、トナー粒子を構成する油性の材料を投入して水系分散媒中に単量体系の液滴粒子を形成し、この状態で単量体系を重合させてトナー粒子を製造する方法である。単量体系にはトナー粒子を構成する材料には、例えば、重合性単量体、着色剤、及び必要に応じて重合開始剤、架橋剤、離型剤、可塑剤、荷電制御剤、及び他の添加剤が含まれる。
懸濁時においては、高速攪拌機または超音波分散機のような高速分散機を使用して一気に所望のトナー粒子径とすることが、得られるトナー粒子の粒度分布をシャープにする上で好ましい。重合開始剤は、他の添加剤と同時に単量体系に加えても良いし、液滴粒子造粒前または液滴粒子造粒後に単量体系または水系分散媒中に加えても良く、この場合、重合開始剤を単量体系または適当な溶媒に溶解させて加えることもできる。
単量体系の重合によって造粒がなされた後は、通常の攪拌機を用い、粒子状態が維持され、且つ粒子の浮遊や沈降が防止される程度の攪拌を行えば良い。
尚、重合が終わったら、公知の方法によりろ過、洗浄、及び乾燥を行うことにより、非磁性トナー粒子を得ることができる。また、製造工程に分級工程を入れ、粗粉や微粉をカットすることも、上記非磁性トナー粒子を製造する上での好ましい形態の一つである。また分級工程では、得られたトナー粒子を所定の粒径に分類でき、粒径の異なるトナー粒子を混合し、所望の粒度分布を有するトナー粒子を調整することもできる。
重合性単量体には、従来より知られている種々の重合性単量体を用いることができる。このような重合性単量体としては、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチレン、m−ニトロスチレン、o−ニトロスチレン、p−ニトロスチレン等のスチレン誘導体;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン等のエチレン及び不飽和モノオレフィン類;ブタジエン、イソプレン等の不飽和ジオレフィン類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化ビニル等のハロゲン化ビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル等のビニルエステル類;メタクリル酸及びメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル等のα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;アクリル酸及びアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸−2−クロルエチル、アクリル酸フェニル等のアクリル酸エステル類;マレイン酸、マレイン酸ハーフエステル;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、メチルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類;N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドン等のN−ビニル化合物;ビニルナフタリン類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド等のアクリル酸またはメタクリル酸誘導体;アクロレイン類などが挙げられ、これらの中から1種または2種以上が用いられる。
着色剤には、従来より知られている種々の着色剤を用いることができ、フルカラー画像を形成する場合では、イエロー、シアン、マゼンタ、及びブラックの色素や顔料等を用いることができる。
イエロー用の着色剤としては、例えば、C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、15、16、17、23、65、73、83;C.I.バットイエロー1、3、20等を例示することができる。
シアン用の着色剤としては、例えば、C.I.ピグメントブルー2、3、15、16、17;C.I.バットブルー6;C.I.アシッドブルー45、又はフタロシアニン骨格にフタルイミドメチル基を1〜5個置換した構造を有する銅フタロシアニン顔料等を例示することができる。
マゼンタ用の着色剤としては、例えば、C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、39、40、41、48、49、50、51、52、53、54、55、57、58、60、63、64、68、81、83、88、89、90、112、114、122、123、163、202、206、207、209;C.I.ピグメントバイオレット19;C.I.バットレッド1、2、10、13、15、23、29、35等のマゼンタ用顔料や、C.I.ソルベントレッド1、3、8、23、24、25、27、30、49、81、82、83、84、100、109、121;C.I.ディスパースレッド9;C.I.ソルベントバイオレット8、13、14、21、27;C.I.ディスパースバイオレット1等の油溶染料、C.I.ベーシックレッド1、2、9、12、13、14、15、17、18、22、23、24、27、29、32、34、35、36、37、38、39、40;C.I.ベーシックバイオレット1、3、7、10、14、15、21、25、26、27、28等の塩基性染料を例示することができる。
ブラック用の着色剤としては、例えばカーボンブラック等を例示することができる。
前記重合開始剤には、従来より知られている種々の重合開始剤を用いることができる。このような重合開始剤としては、例えば、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシラウレート、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,4−ビス(t−ブチルパーオキシカルボニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)オクタン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バリレート、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、ジ−t−ブチルジパーオキシイソフタレート、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)ブロパン、ジ−t−ブチルパーオキシ−α−メチルサクシネート、ジ−t−ブチルパーオキシジメチルグルタレート、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート、ジ−t−ブチルパーオキシアゼラート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジエチレングリコール−ビス(t−ブチルパーオキシカーボネート)、ジ−t−ブチルパーオキシトリメチルアジペート、トリアジン、トリス(t−ブチルパーオキシ)トリアジン、ビニルトリス(t−ブチルパーオキシ)シラン、クミンパービバレート、ジクミルパーオキサイド、アゾビス−イソブチロニトリル及びジメチルアゾイソブチレート等を例示することができる。
前記架橋剤には、従来より知られている種々の架橋剤を用いることができる。このような架橋剤としては、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、ビス(4−アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、エチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブチレングリコールジアクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール#200、#400、#600の各ジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ポリエステル型ジアクリレート(MANDA日本化薬)、及び以上のアクリレートをメタクリレートに代えたもの等を例示することができる。
離型剤及び可塑剤には、ワックス類が用いられる。一般に離型剤には融点が高く重合性単量体に対する溶解性に低いものが好ましくは選ばれる。また可塑剤には融点が低く重合性単量体に対する溶解性の高いものが好ましくは選ばれる。融点についてはガラス転移点を測定することにより判断でき、重合性単量体に対する溶解性については重合性単量体中に分散したときの分散状態(例えば白濁の有無等)によって判断することができる。
離型剤や可塑剤として用いられるワックス類としては、例えば、パラフィンワックス及びその誘導体、モンタンワックス及びその誘導体、マイクロクリスタリンワックス及びその誘導体、フィッシャートロプシュワックス及びその誘導体、ポリオレフィンワックス及びその誘導体などで、誘導体には酸化物やビニル系モノマーとのブロック共重合物、グラフト変性物を含む。ポリオレフィンワックスとしては、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、ノネン、デセンのような直鎖α−オレフィン及び分岐α−オレフィンの単重合体や共重合体、アルコール、脂肪酸、酸アミド、エステル、ケトン、硬化ひまし油及びその誘導体、植物系ワックス、動物系ワックス、鉱物系ワックス、ペトロラクタム等を例示することができる。
荷電制御剤には、従来より知られている種々の負帯電性及び正帯電性の荷電制御剤を用いることができる。
トナー粒子を負帯電性に制御する荷電制御剤としては、例えば、有機金属化合物、キレート化合物が有効であり、モノアゾ金属化合物、アセチルアセトン金属化合物、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族ダイカルボン酸系の金属化合物、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族モノ及びポリカルボン酸及びその金属塩や無水物、エステル類、ビスフェノール等のフェノール誘導体類、尿素誘導体、含金属サリチル酸系化合物、含金属ナフトエ酸系化合物、ホウ素化合物、四級アンモニウム塩、カリックスアレーン、ケイ素化合物、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−アクリル−スルホン酸共重合体、ノンメタルカルボン酸型化合物等を例示することができる。
トナー粒子を正帯電性に制御する荷電制御剤としては、例えば、ニグロシン及び脂肪酸金属塩等による変性物、グアニジン化合物、イミダゾール化合物、トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルフォン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレート等の四級アンモニウム塩、及びこれらの類似体であるホスホニウム塩等のオニウム塩及びこれらのレーキ顔料、トリフェニルメタン染料及びこれらのレーキ顔料(レーキ化剤としては、リンタングステン酸、リンモリブデン酸、リンタングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン化物、フェロシアン化物等)、高級脂肪酸の金属塩;ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジシクロヘキシルスズオキサイド等のジオルガノスズオキサイド;ジブチルスズボレート、ジオクチルスズボレート、ジシクロヘキシルスズボレート等のジオルガノスズボレート類;これらを単独でまたは二種類以上組み合わせて用いることができる。
他の添加物は特に限定されないが、他の添加物としては、例えばトナー粒子の物性を制御するために、種々の中から選ばれる樹脂化合物を例示することができ、より具体的には、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂などの非ビニル縮合系樹脂、またはこれらと結着樹脂との混合物等を例示することができる。
水系分散媒とは水を主要成分としている媒体である。具体的には、水系分散媒として水そのもの、水に少量の界面活性剤を添加したもの、水にpH調整剤を添加したもの、水に有機溶剤を添加したもの等が挙げられる。界面活性剤としては、例えばポリビニルアルコールの如きノンイオン系界面活性剤が好ましい。pH調整剤としては、塩酸の如き無機酸が挙げられる。
分散安定剤は、水系分散媒中で良好な造粒を実現するために用いられ、分散安定剤には従来より知られている種々の分散安定剤を用いることができる。このような分散安定剤としては、例えばリン酸三カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、メタケイ酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ベントナイト、シリカ、アルミナ等の無機化合物、ポリビニルアルコール、ゼラチン、メチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロール、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩、ポリアクリル酸及びその塩、デンプン等の有機化合物、ドデシルベンゼン硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム等、オレイン酸カルシウム等の界面活性剤などを例示することができる。
又、本発明の中で用いられた、非磁性トナー粒子は、比重が(1.3g/cm3)以下であることが好ましい。トナー粒子の比重が(1.4g/cm3)を大きく上回るとトナー粒子にかかるシェアが大きくなり、トナー粒子の劣化という観点から好ましくない。尚トナー粒子の比重は、用いる材料の種類(比重)及び配合量等により調整することができ、例えば、島津製作所のアキュピック1330等の測定装置を用いるなど、種々の測定方法によって測定することができる。
本発明の中で用いられた、二成分現像剤には、前述した非磁性トナー粒子のほかに少なくとも磁性キャリアが含まれる。磁性キャリアは、非磁性トナーを担持して前記現像スリーブ上で磁気ブラシを形成するものであれば特に限定されず、従来より知られている種々の磁性キャリアを用いることができる。
磁性キャリアは、所望の粒径に調整された磁性体であっても良いが、本発明では、樹脂中に磁性体を分散させた磁性体分散型磁性キャリアを好ましくは用いることができる。磁性体分散型キャリアは、磁力や電気抵抗、粒径等の調整が自在にでき、比重を小さくすることができ、さらに材料の選択や構成比の調整により幅広い特性を得ることができることから、高画質用キャリアに適していると言える。
磁性体分散型キャリアは、前述した重合法に準じて製造することができ、樹脂としては前述した重合性単量体の重合により形成される樹脂、及び前記他の添加剤として記載された樹脂化合物との混合物及び共重合体等を例示することができる。また必要に応じて、前記非磁性トナー粒子において前述した種々の材料を用いることができる。
磁性キャリアには磁性体が含まれる。このような磁性体としては、例えば鉄、コバルト、ニッケル等の強磁性金属、フェライト、マグネタイト、ヘマタイト等のように、鉄、コバルト、ニッケル等の強磁性を示す元素を含む合金または化合物などが挙げられる。尚、上記磁性体は、一種類のみを使用しても良いし、二種類以上を併用しても良い。また磁性体はシリコーンオイル等によって表面処理されたものであっても良い。
磁性体分散型キャリアの平均粒径は、10〜60μmの範囲であることが好ましい。平均粒径が10μmより小さいとキャリアが感光体へ付着し易くなり、感光体に傷等が発生し、画像劣化の原因となることがある。また、平均粒径が60μmを超えると、現像手段内において現像剤にかかるシェアが大きくなり、現像剤の劣化、特にトナー粒子の外添剤の剥離や形状変化を引き起こし、画像劣化の原因となることがある。更にまた、粒径が大きいと比表面積的に小さくなるため、現像剤として構成する上で保持できるトナー量が少なくなり、精細性を欠いた画像が形成されやすい。
磁性体分散型キャリアの比抵抗は107〜1015Ω・cmの範囲が好ましい。107Ω・cm未満では、バイアス電圧を印加する現像方法では現像領域においてスリーブから感光体表面へと電流がリークし、良好な画像が得られないことがある。又、1015Ω・cmを超えると、低湿のごとき条件下でチャージアップ現象を引き起こし、画像濃度薄、転写不良、カブリなどの画像劣化の原因となることがある。
磁性キャリアの平均粒径は、種々の測定方法によって測定できるが、例えば、磁性キャリアを電子顕微鏡写真として撮影し、撮影されたキャリアを所定数抽出し、抽出されたキャリアの最大弦長の算術平均を算出することによって求めることができる。また、磁性キャリアの比抵抗は、種々の方法によって測定できるが、いわゆる錠剤法によって測定することができる。すなわち、測定対象である磁性キャリアを40((mm)のアルミリングに入れ、2500Nで加圧成形し、抵抗率計ロレスタAP、又はハイレスタIP(ともに三菱油化製)にて4端子プローブを用いて比抵抗を測定する。
本発明の電子写真感光体は電子写真複写機に利用するのみならず、レーザービームプリンター、CRTプリンター、LEDプリンター、液晶プリンター、レーザー製版など電子写真応用分野にも広く用いることができる。
次に、本発明を実施例により詳細に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
次に、本発明を実施例により詳細に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1に用いる電子写真感光体を以下の通りに作製した。まず、長さ370mm、外径84mm、肉厚3mmのアルミニウムシリンダー(JIS A3003アルミニウムの合金)を切削加工により作製した。このシリンダーの表面粗さを回転軸方向に測定したところRzjis=0.08μmであった。このシリンダーを洗剤(商品名:ケミコールCT、常盤化学(株)製)を含む純水中で超音波洗浄を行い、続いて洗剤を洗い流し工程を経た後、さらに純水中で超音波洗浄を行って脱脂処理した。
アンチモンをドープした酸化スズの被覆膜を有する酸化チタン粉体(商品名:クロノスECT−62、チタン工業(株)製)60質量部、酸化チタン粉体(商品名:titone SR−1T、堺化学(株)製)60質量部、レゾール型フェノール樹脂(商品名:フェノライト J−325、大日本インキ化学工業(株)製、固形分70%)70質量部、2−メトキシ−1−プロパノール50質量部、メタノール50質量部とからなる溶液を約20時間、ボールミルで分散させた。この分散液に含有するフィラーの平均粒径は、0.25μmであった。
このようにして調合した分散液を、前記アルミニウムシリンダー上に浸漬法によって塗布し、150℃に調整された熱風乾燥機中で48分間加熱乾燥、硬化することにより膜厚15μmの導電層を形成した。
次に、共重合ナイロン樹脂(商品名:アミランCM8000、東レ(株)製)10質量部およびメトキシメチル化ナイロン樹脂(商品名:トレジンEF30T、帝国化学産業(株)製)30質量部をメタノール500質量部およびブタノール250質量部の混合液に溶解した溶液を、前記導電層の上に浸漬塗布し、100℃に調整された熱風乾燥機中に22分間投入し加熱乾燥して、膜厚み0.45μmの下引き層を形成した。
次に、CuK(線回折スペクトルにおけるブラッグ角2θ±0.2°の7.4°、および28.2°に強いピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料4質量部、ポリビニルブチラール樹脂(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業(株)製)2質量部、シクロヘキサノン90質量部からなる混合溶液を直径1mmガラスビーズを用いてサンドミルで10時間分散させた後、酢酸エチル110質量部を加えて電荷発生層用塗工液を調製した。この塗工液を上記の下引き層上に浸漬塗布し、80℃に調整された熱風乾燥機中に22分間投入し加熱乾燥して、膜厚0.17μmの電荷発生層を形成した。
次に、下記構造式(8)で示されるトリアリールアミン系化合物35質量部および
Figure 2007079008
ビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂(商品名:ユーピロンZ400、三菱エンジニアリングプラスティックス(株)製)50質量部を、モノクロロベンゼン320質量部およびジメトキシメタン50質量部に溶解して第一電荷輸送層用塗布液を調製した。
この第一電荷輸送層用塗工液を、上記電荷発生層上に浸漬塗布し、100℃に調整された熱風乾燥機中に40分間投入し加熱乾燥して膜厚20μmの第一電荷輸送層を形成した。
次いで、下記構造式(9)で示される重合性官能基を有する正孔輸送性化合物30質
Figure 2007079008
量部を1−プロパノール35質量部と1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタン(商品名:ゼオローラH、日本ゼオン(株)社製)35質量部に溶解した後にPTFE製の0.5μmメンブレンフィルターで加圧ろ過を行い、第二電荷輸送層用塗工液を調整した。この塗工液を用いて前記電荷輸送層上に硬化性の第二電荷輸送層を浸漬塗布法により塗工した。その後、窒素中において加速電圧150kV、線量1.5×104Gyの条件で電子線を照射した。引き続いて電子写真感光体の温度が120℃になる条件で90秒間加熱処理を行った。このときの酸素濃度は10ppmであった。さらに、電子写真感光体を大気中で100℃に調整された熱風乾燥機中で、20分間加熱処理を行って、膜厚6μmの硬化性の第二電荷輸送層を形成した。
次に、得られた電子写真感光体表面の粗面化処理を行った。図2に示す乾式ブラスト装置(不二精機製造所製)を用いて、下記条件にてブラスト処理を行った。
研磨材砥粒としては、球状ガラスビーズで、JISR6002における粒度分布測定上の50%径が46μm(商品名:UB−13L 株式会社ユニオン製)のものを使用した。エア吹き付け圧力:0.2MPa、ブラストガン移動速度:215 mm/min、ワーク(電子写真感光体)回転速度:100rpm、ブラストガン吐出口と電子写真感光体の距離:100mm、砥粒吐出角度:90°、砥粒供給量:50g/min、ブラスト回数:片道×1回、さらに、電子写真感光体の表面に残存付着した研磨材を圧縮エアーを吹き付けることによって除去した。
この電子写真感光体の表面層の表面形状の測定は、株式会社小坂研究所製 サーフコーダーSE3500型表面粗さ測定器を使用して行った。RzjisおよびRSmの電子写真感光体周方向の測定は、上記装置用の円周粗さ測定装置を使用して行った。測定条件として、測定長:0.4mm、測定速度:0.1mm/sで測定した。RSm測定時のノイズカットのベースラインレベル設定値は、レベル設定=10%で測定した。
得られた電子写真感光体の十点平均粗さRzjis(A)、Rzjis(B)、凹凸の平均間隔RSm(C)、RSm(D)は、それぞれ0.55μm、0.60μm、42μm、43μmであった。
また、最大山高さRpは0.2μm、最大谷深さRv/最大山高さRpは、2.02であった。
また、この電子写真感光体の表面層の100μm四方当たりのディンプル形状の凹部の個数、ディンプル形状の凹部の面積率、ディンプル形状の凹部の平均アスペクト比を上記に記した、表面形状測定システム(Surface Explorer SX−520DR型機、株式会社菱化システム製)を使用して測定および計算を行った。
その結果、100μm四方当たりのディンプル形状の凹部の個数、ディンプル形状の凹部の面積率、ディンプル形状の凹部の平均アスペクト比は、それぞれ、15、12.2、0.68であった。
次に、硬度試験用に電子写真感光体を23℃湿度50%の環境下に24時間放置した後、上述した微小硬さ測定装置フィシャースコープH100V(Fischer社製)を用いて、弾性変形率を求めた。
弾性変形率は、圧子に連続的に荷重をかけ、荷重下での押し込み深さを直読することにより連続的硬さが求められる。圧子としては対面角136°のビッカース四角錐ダイヤモンド圧子を使用することができる。具体的には、最終荷重6mNまで段階的に(各点0.1Sの保持時間で273点)測定する。
それらの測定結果を表1、表2に示す。
本発明の電子写真装置を図3に示す。
本発明の電子写真装置は、電子写真複写機(商品名:iR C6800、キヤノン株式会社製)を、改造したものであり、負帯電有機電子写真感光体が装着できる様にし、さらに、クリ−ニング性、現像性、転写性、定着性などに問題が生じず、所望の画像を出し続ける耐久試験ができるようにしたものである。
この電子写真装置に、組み込んだ、クリーニング装置5に関して、以下に詳細に説明する。クリ−ニングブレ−ド42の作成方法を以下に示す。
重量平均分子量2000のエチレンブチレンアジペート系ポリエステルポリオールと4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネートとより製造したNCO%が7.0%のプレポリマーに、1,4−ブタンジオール及びトリメチロールプロパンが質量比で65:35に混合されたトリエチレンジアミン触媒を含む架橋剤を、水酸基/イソシアネート基のモル比が0.9になるように混合し、国際ゴム硬度(IRHD)70°、厚みが2mmの熱硬化性ポリエステル系ポリウレタン樹脂製ブレードを作製した。
得られたポリウレタン樹脂製ブレードを、耐薬品性テープよりなるマスク部材で、L1及びL2が2mmとなるようマスキングし(L1は自由長の38%)、80℃のイソシアネート(MDI)浴に30分間浸漬後、MDI浴よりポリウレタン樹脂製ブレードを引き上げ、余分なMDIを拭き取り、マスキングを取り外した。その後、130℃のオーブンで60分の間、含浸されたイソシアネート化合物とポリウレタン樹脂とを反応し、クリーニングブレード42を作製した。得られたクリーニングブレード42のトナー担持体当接部の断面を光学顕微鏡で観察したところ、硬化層は白濁した層として観察され、硬化層の厚さTは0.7mmであった。
このクリ−ニングブレ−ドを、電子写真感光体に対しての当接角24度、自由長8mm、当接圧23.5g/cm(長さ34cmのブレ−ドを800gの荷重で押し付けている)になるように調整しながら、クリ−ニング装置5に組み付け、クリ−ニングを行った。
本発明においては、クリ−ニングブレ−ドは、電子写真感光体に、当接したとき、一様に圧を加えることができれば、クリ−ニングブレ−ドは、固定方式でも、バネ加圧方式でも、構わない。
また、本発明においては、電子写真感光体に対し、クリ−ニング装置の構成上、クリ−ニングブレ−ドに揺動機構を持たせることもできる。
上記した装置に、先記した、電子写真感光体を組み入れ、耐久試験評価を行った。
まず、23℃/5%RHの環境下で、A4テスト画像フルカラー2枚間欠で50000枚耐久を行い、10000枚毎に、ドラム面内の最大傷深さ、ドラムの削れ量測定、およびハーフトーン画像などのテスト画像を出力することで画像上の不良を観察した。
最大傷深さの測定は、先記した、株式会社小坂研究所製 サーフコーダーSE3500型表面粗さ測定器を使用し、先記したのと、同様な設定条件で行った。測定方法は、目視で、傷の深そうな箇所を特定し、傷内の数箇所を、測定し、一番大きな値を、採用するという手法を用いた。
電子写真感光体の削れ量測定は、耐久での膜厚減少により決定した。電子写真感光体の膜厚測定は、渦電流方式による膜厚測定機パ−マスコ−プE111型(Fischer社製)と瞬間マルチ測定システムMCPD―3000を用いた干渉膜厚計(大塚電子製)を併用し、行った。
耐久中に電子写真感光体上に発生する最大傷深さを、10000枚毎に測定し、その傷成長状況を確認したところ、20000枚程度で、その深さは、飽和する傾向にあることが解り、50000枚耐久終了したときの、傷深さも、20000枚時点と同値となった。
そのときの値は、Rmax1.5μmであった。
一方、削れ量は、50000枚で、1.3μmであった。
以上より、ドラムの予想寿命は、1.5μmの傷が、感光層まで到達する枚数として計算でき、傷寿命は、173000枚と予想できた。
50000枚耐久後、さらに、耐久を続け、電子写真感光体の傷が、ハ−フト−ン画像上に欠陥として表出するまで、耐久を続けたところ、175000枚で、画像欠陥が発生し、その電子写真感光体の寿命を、確認するに至った。
すなわち、本実施例の電子写真感光体は、当初、予想していた、寿命枚数と、ほぼ等しい数値になることが確認できた。
前記実施例1の電子写真感光体の作製において、第一電荷輸送層までを実施例1と同様に作成した。次いで、第二電荷輸送層を、以下のように作成した。
分散剤としてフッ素原子含有樹脂(商品名:GF−300、東亞合成(株)社製)0.15質量部を、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタン(商品名:ゼオローラH、日本ゼオン(株)製)35質量部と1−プロパノール35質量部に溶解した後、潤滑剤として四フッ化エチレン樹脂粉体(商品名:ルブロンL−2、ダイキン工業(株)製)3質量部を加え、高圧分散機(商品名:マイクロフルイダイザーM−110EH、米Microfluidics社製)で600kgf/cm2の圧力で3回の処理を施し均一に分散させた。これを10μmのPTFEメンブレンフィルターで加圧ろ過を行い潤滑剤分散液を調整した。その後、前記式(9)で示される正孔輸送性化合物27質量部を潤滑剤分散液に加え、PTFE製の5μmメンブレンフィルターで加圧ろ過を行い、第二電荷輸送層用の塗工液を調整した。この塗工液を用いて前記第一電荷輸送層上に第二電荷輸送層を浸漬塗布法により塗工した。
その後、実施例1と同様の電子線照射、および加熱処理工程を経て膜厚6μmの第二電荷輸送層を形成し、電子写真装置に投入したときクリ−ニングに対して問題が生じない表面形状になるよう、実施例1と同様な粗面化処理法の条件を適正化し、粗面化処理を行い電子写真感光体を作成した。
作成した電子写真感光体を実施例1と同じ電子写真装置に装着して、実施例1と同様に評価した。結果を表1、表2に示す。
実施例1の電子写真感光体の作製において、電荷輸送層までを実施例1と同様に作成した。次いで、第二電荷輸送層を、以下のように作成した。
分散剤としてフッ素原子含有樹脂(商品名:GF−300、東亞合成(株)社製)0.45質量部を、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタン(商品名:ゼオローラH、日本ゼオン(株)製)35質量部と1−プロパノール35質量部に溶解した後、潤滑剤として四フッ化エチレン樹脂粉体(商品名:ルブロンL−2、ダイキン工業(株)製)9質量部を加え、高圧分散機(商品名:マイクロフルイダイザーM−110EH、米Microfluidics社製)で600kgf/cm2の圧力で3回の処理を施し均一に分散させた。これを10μmのPTFEメンブレンフィルターで加圧ろ過を行い潤滑剤分散液を調整した。その後、前記式(9)で示される正孔輸送性化合物27質量部を潤滑剤分散液に加え、PTFE製の5μmメンブレンフィルターで加圧ろ過を行い、保護層用の塗工液を調整した。この塗工液を用いて前記第一電荷輸送層上に第二電荷輸送層を浸漬塗布法により塗工した。
その後、実施例1と同様の電子線照射、および加熱処理工程を経て膜厚6μmの硬化型表面層を形成し、電子写真装置に投入したときクリ−ニングに対して問題が生じない表面形状になるよう実施例1と同様な粗面化処理法の条件を適正化し、粗面化処理を行い電子写真感光体を作成した。
作成した電子写真感光体を実施例1と同じ電子写真装置に装着して、実施例1と同様に評価した。結果を表1、表2に示す。
実施例1の電子写真感光体の作製において、第一電荷輸送層までを実施例1と同様に作成した。
実施例1における式(9)に示される化合物を下記式(10)に示される正孔輸送性化合物に代えた以外は、実施例5と同様の四フッ化エチレン樹脂分散液を同量使用して、実施6と同様に電子写真感光体を作製し、電子写真装置に投入したときクリ−ニングに対して問題が生じない表面形状になるよう実施例1と同様な粗面化処理法の条件を適正化し、粗面化処理を行い電子写真感光体を作成した。結果を表1、表2に示す。
Figure 2007079008
実施例1の電子写真感光体の作製において、第一電荷輸送層までを実施例1と同様に作成した。
次いで、上記式(9)で示される正孔輸送性化合物27質量部を使用した実施例3の塗料に対して、下記構造式(11)の光重合開始剤3質量部を
Figure 2007079008
加えて第二電荷輸送層用塗料を調製した。この塗料を前記の第一電荷輸送層上に浸漬塗布し、メタルハライドランプを用いて500mW/cm2の光強度で60秒間光照射して硬化させ、電子写真感光体を大気中で120℃に調整された熱風乾燥機中で、60分間加熱処理を行って、膜厚6μmの第二電荷輸送層を形成した。得られた電子写真感光体を実施例1と同様に電子写真装置に投入したときクリ−ニングに対して問題が生じない表面形状になるよう実施例1と同様な粗面化処理法の条件を適正化し、粗面化処理を行った。作成した電子写真感光体を実施例1と同じ電子写真装置に装着して、実施例1と同様に評価した。結果を表1、表2に示す。
実施例1の電子写真感光体の作製において、第一電荷輸送層までを実施例1と同様に作成した。
次に、第二電荷輸送層として前記実施例1で用いた構造式(8)で示されるトリアリールアミン系化合物5質量部および、下記構造式(12)で示されるトリアリールアミン系化合物4質量部とビスフェノ−ルZ型及びビスフェノ−ルC型を1/1で共重合したポリアリレート樹脂(重量平均分子量:130000)8質量部を、モノクロロベンゼン240質量部およびジメトキシメタン160質量部に溶解して調製し保護層用塗工液とした。
Figure 2007079008
これを電荷輸送層上にスプレ−塗布し、110℃に調整された熱風乾燥機中に60分間投入し加熱乾燥して膜厚6μmの第二電荷輸送層を形成した。
得られた電子写真感光体を実施例1と同様に電子写真装置に投入したときクリ−ニングに対して問題が生じない表面形状になるよう実施例1と同様な粗面化処理法の条件を適正化し、粗面化処理を行った。作成した電子写真感光体を実施例1と同じ電子写真装置に装着して、実施例1と同様に評価した。結果を表1、表2に示す。
実施例1において第一電荷輸送層を形成した後、上記構造式(9)の正孔輸送性化合物30質量部、下記構造式(13)10質量部をモノクロロベンゼン50質量部およびジクロロメタン50質量部の混合溶媒中に溶解し第二電荷輸送層用塗工液を調整した。
この塗工液を、上記の第一電荷輸送層上にコーティングし、その後、実施例1と同様な方法ではあるが、窒素中において加速電圧150kV、線量10Mradの条件で電子線を照射した。引き続いて電子写真感光体の温度が120℃になる条件で90秒間加熱処理を行った。このときの酸素濃度は10ppmであった。さらに、電子写真感光体を大気中で100℃に調整された熱風乾燥機中で、20分間加熱処理を行って、膜厚2μmの第二電荷輸送層を形成した。
得られた電子写真感光体を実施例1と同様に電子写真装置に投入したときクリ−ニングに対して問題が生じない表面形状になるよう実施例1と同様な粗面化処理法の条件を適正化し、粗面化処理を行った。作成した電子写真感光体を実施例1と同じ電子写真装置に装着して、実施例1と同様に評価した。結果を表1、表2に示す。
Figure 2007079008
(比較例1)
前記実施例1と同様にして、第二電荷輸送層の硬化まで行った。次いで、図9に示される、粗面化手段により、粗面化を行った。
これは、研磨シートによる粗面化機構をもつ粗面化手段である。研磨シートは、研磨砥粒が結着樹脂に分散されたものが基材に塗布されたシートである。研磨シート6−1は空洞の軸6−aに巻かれており、軸6−aにシートが送られる方向と逆方向に、研磨シート6−1に張力が与えられるよう図示しないモータが配置されている。研磨シート6−1は矢印方向に送られ、ガイドローラ6−2(1)、6−2(2)を介してバックアップローラ6−3を通り、研磨後のシートはガイドローラ6−2(3)、6−2(4)を介して図示しないモータにより巻き取り手段3−5に巻き取られる。研磨は、基本的に未処理の研磨シートが電子写真感光体の表面に常時圧接され、電子写真感光体の表面を粗面化することで行われる。研磨シート6−1の接する部位はアースに接地されたもの、または導電性を有している。
以下に示す条件で電子写真感光体の表面の粗面化を行った。
研磨シ−ト:品名C−2000(富士写真フィルム(株)製)
研磨砥粒:SiC(平均粒径:9μm)
基材:ポリエステルフィルム(厚さ:75μm)
研磨シート送りスピード:200mm/sec
電子写真感光体回転数:25rpm
押し当て圧:3N/m2
シートおよび電子写真感光体の回転方向:同方向
(以後、同方向を「ウィズ」と称し、逆方向を「カウンタ−」と称す。)
バックアップローラは外径:直径40cm
バックアップロ−ラアスカーC硬度:40
処理時間:150秒
この粗面化によって、電子写真感光体の表面の溝の密度、溝幅および表面粗さを測定したところ、溝密度は420、溝幅は10.4μm以下、Rzは0.62μm、Rmaxは0.83μmであった。
この電子写真感光体を、実施例1で用いた電子写真装置に装着して、実施例1と同様に評価した。結果を表1、表2に示す。
この電子写真感光体は、クリ−ニングなどに関しては、寿命枚数到達前に、軽微なクリ−ニング不良が発生し、最終的に、傷画像が発生した時点の、寿命枚数は、予想寿命枚数を満足するものではなかった。
(比較例2)
前記実施例1において作成した電子写真感光体について、表面層にブラスト処理を施さずに表面形状などを測定し、実施例1で用いた電子写真装置に装着して同様に評価した。結果を表1、表2に示す。
この電子写真観光対表面にはディンプル形状の凹部は形成されておらずフラットであった。
この電子写真感光体を、実施例1で用いた電子写真装置に装着して、実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
この電子写真感光体は、耐久枚数100枚で、クリ−ニング不良が発生し、耐久を続けることができなかった。
Figure 2007079008
Figure 2007079008
微小硬さ測定装置フィッシャースコープH100V(H.Fischer社製)の測定チャート概略図。 ブラスト装置の概略図。 本発明の電子写真感光体の断面写真の例。 本発明の電子写真感光体の層構成の例。 本発明で用いた現像装置の概略構成図。 本発明で用いたクリ−ニング装置の概略。 本発明のクリ−ニングブレ−ドの概略構成図。 本発明のクリ−ニングブレ−ドの硬化層の断面形状概略構成図。 他の粗面化装置の概略図。
符号の説明
2−1 ノズル
2−2 ノズル固定冶具
2−3 突出エア供給管
2−4 ブラスト砥粒供給管
2−5 ブラスト砥粒
2−6 ワーク固定冶具
2−7 ワーク(電子写真感光体)
2−8 ノズル支持体
2−9 ノズル固定アーム

Claims (27)

  1. 円筒状支持体および該円筒状支持体上に設けられた感光層を有する円筒状の電子写真感光体と、該電子写真感光体の周面を帯電するための帯電手段と、該帯電手段によって帯電された該電子写真感光体の周面に露光光を照射することによって該電子写真感光体の周面に静電潜像を形成するための露光手段と、該露光手段によって形成された該電子写真感光体の周面の静電潜像をトナーにより現像することによって該電子写真感光体の周面にトナー像を形成するための現像手段と、該現像手段によって形成された該電子写真感光体の周面のトナー像を転写材に転写するための転写手段と、転写後、該電子写真感光体の周面に残ったトナ−を清掃するクリ−ニング手段を少なくとも有する電子写真装置において、
    該クリ−ニング手段における、クリ−ニングブレ−ドが、主にポリウレタン樹脂よりなるクリーニングブレードであって、イソシアネート化合物および該ポリウレタン樹脂が反応してなる、0.12mm以上1.2mm以下の厚みの硬化層が、該電子写真感光体との当接部のみに形成されており、該電子写真感光体の周面がディンプル形状の凹部を複数有し、該電子写真感光体の周面の周方向に掃引して測定した十点平均粗さRzjis(A)が0.3〜2.5μmであり、該電子写真感光体の周面の母線方向に掃引して測定した十点平均粗さRzjis(B)が0.3〜2.5μmであり、該電子写真感光体の周面の周方向に掃引して測定した凹凸の平均間隔RSm(C)が5〜120μmであり、該電子写真感光体の周面の母線方向に掃引して測定した凹凸の平均間隔RSm(D)が5〜120μmであり、該凹凸の平均間隔RSm(D)の該凹凸の平均間隔RSm(C)に対する比の値(D/C)が0.5〜1.5であることを特徴とする電子写真装置。
  2. 前記、電子写真感光体の最大山高さRp(F)が0.6μm以下であり、最大谷深さRv(E)の最大山高さRp(F)に対する比の値(E/F)が1.5以上である請求項1に記載の電子写真装置。
  3. 前記、ディンプル形状の凹部の中で最長径が1〜50μmの範囲にあって、且つ、深さが0.1〜2.5μmの範囲にあるディンプル形状の凹部の個数が、前記電子写真感光体の周面の10000μm2あたり5〜50個である請求項1〜2のいずれかに記載の電子写真装置。
  4. 前記、ディンプル形状の凹部の中で最長径が1〜50μmの範囲にあって、且つ、深さが0.1〜2.5μmの範囲にあるディンプル形状の凹部の合計面積が、前記、電子写真感光体の周面全体の面積に対して3〜60%である請求項1〜3のいずれかに記載の電子写真装置。
  5. 前記、ディンプル形状の凹部の中で最長径が1〜50μmの範囲にあって、且つ、深さが0.1〜2.5μmの範囲にあるディンプル形状の凹部の平均アスペクト比が、0.50〜0.95である請求項1〜4のいずれかに記載の電子写真装置。
  6. 前記、電子写真感光体の周面の弾性変形率が45%以上、且つ、63%以下である請求項1〜5に記載の電子写真装置。
  7. 前記電子写真感光体の周面のユニバーサル硬さ値(HU)が150〜220N/mm2である請求項1〜6のいずれかに記載の電子写真装置。
  8. 前記、電子写真感光体の表面層の膜厚が10μm以下である請求項1〜7のいずれかに記載の電子写真装置。
  9. 前記表面層の膜厚が6μm以下である請求項8のいずれかに記載の電子写真装置。
  10. 前記表面層が硬化層である請求項1〜9のいずれか記載の電子写真装置。
  11. 前記表面層が、アクリル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂およびウレタン樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の硬化性樹脂を含有する硬化層である請求項10に記載の電子写真装置。
  12. 前記表面層が、同一分子内に2つ以上の連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物を硬化重合させることによって得られた硬化物を含有する請求項1〜11のいずれかに記載の電子写真装置。
  13. 前記硬化物が、加熱または放射線の照射により前記同一分子内に2つ以上の連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物を硬化重合させることによって得られた硬化物である請求項12に記載の電子写真装置。
  14. 前記放射線が電子線である請求項13に記載の電子写真装置。
  15. 前記表面層が浸漬塗布により形成された層である請求項1〜14に記載の電子写真装置。
  16. 前記、該クリ−ニングブレ−ドの該電子写真感光体との当接部にある硬化層の自由長方向の長さ(L1)は0.2mm以上で自由長の50%以下であり、クリーニングブレードの厚み方向の長さ(L2)は0.2mm以上であることを特徴とする請求項1〜15に記載の電子写真装置。
  17. 前記、該クリ−ニングブレ−ドの該電子写真感光体との間の当接角が15〜30度の範囲内にあること特徴とする請求項16に記載の電子写真装置。
  18. 前記、該クリ−ニングブレ−ドの該電子写真感光体との間の自由長が3〜20mmの範囲内にあること特徴とする請求項16、17に記載の電子写真装置。
  19. 前記、該クリ−ニングブレ−ドのブレ−ド厚が、1〜5mmの範囲内にあること特徴とする請求項16〜18に記載の電子写真装置。
  20. 前記、該クリ−ニングブレ−ドの該電子写真感光体への当接圧が15〜30g/cmの範囲内にあること特徴とする請求項16〜19に記載の電子写真装置。
  21. 前記、該クリ−ニング手段が、該クリ−ニングブレ−ドの他に、クリ−ニングブラシを有していることを特徴とする請求項16〜20に記載の電子写真装置。
  22. 前記、該クリ−ニングブラシが、該クリ−ニングブレ−ドの上流位置に、設けられていることを特徴とする請求項16〜21に記載の電子写真装置。
  23. 前記、該クリ−ニングブラシの繊維材質が、アクリルであることを特徴とする請求項16〜22に記載の電子写真装置。
  24. 前記、該クリ−ニングブラシの繊維の太さが4〜30D/F(デニール/フィラメント)であり、繊維密度が1万〜40万本/平方インチの範囲内である
    ことを特徴とする請求項16〜23に記載の電子写真装置。
  25. 前記、該クリ−ニングブラシがロ−ル形状であり、該電子写真感光体の回転に対し、周速度差をもっており、その周速度比が、0.1〜2.0の範囲内であることを特徴とする請求項16〜24に記載の電子写真装置。
  26. 前記、該クリ−ニングブラシと該電子写真感光体の回転方向が、カウンタ−であり、その周速度比が、0.1〜2.0の範囲内であることを特徴とする請求項16〜25に記載の電子写真装置。
  27. 請求項1〜26のいずれかに記載の電子写真装置が、帯電手段、現像手段およびクリーニング手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段とを一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
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