JP2019159128A - 電子写真画像形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の課題は、滑剤メモリの発生を抑え、かつ転写効率に優れる電子写真画像形成方法を提供することである。【解決手段】本発明の画像形成方法は、有機感光体(1)を使用し、少なくとも帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程及びクリーニング工程を有する電子写真画像形成方法であって、有機感光体(1)が、導電性支持体(1a)と、導電性支持体(1a)上に配置される感光層(1c)と、感光層(1c)上に配置される保護層(1d)と、を有し、保護層(1d)が、重合性モノマー、重合性基を有するパーフルオロポリエーテル及び重合性基を有する導電性微粒子(1dA)を重合した重合硬化物を含有し、導電性微粒子(1dA)の個数平均1次粒径が、80〜200nmの範囲内であり、現像工程では、個数平均1次粒径が70〜150nmの範囲内である金属酸化物粒子を外添したトナーを用いることを特徴とする。【選択図】図2

Description

本発明は、電子写真画像形成方法に関し、より詳しくは、滑剤メモリの発生を抑え、かつ転写効率に優れる電子写真画像形成方法に関する。
近年、電子写真方式の画像形成方法では、高精細、高画質の画像への要求の高まりから、大径シリカ(個数平均1次粒径が70〜150nmの範囲内のシリカ粒子)を外添剤として適用して、トナー/電子写真感光体の接触面積を低減することで、転写効率の向上を図っている。
しかしながら、大径シリカはトナーへの付着強度が弱いため、大径シリカがトナーから外れやすく、高カバレッジにおいてはクリーニングブレードをすり抜けやすい。その結果、搬送方向下流の滑剤ブラシを汚染し、滑剤の供給にムラが生じるため、滑剤メモリ(濃度ムラ)が発生するという問題があった。
ところで、感光体表面とトナーとの付着力を低減し、クリーニング性を高くする手段として、フッ素系微粒子やフッ素系潤滑剤などのフッ素系材料(例えば、パーフルオロポリエーテル(以下、PFPEともいう。))を感光体の保護層へ添加することが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
このPFPEを感光体の保護層に適用することで、クリーニング性が向上し、滑剤メモリの発生は改善されるものの、その効果は限定的であった。
特開2010−197852号公報
本発明は、上記問題・状況に鑑みてなされたものであり、その解決課題は、滑剤メモリの発生を抑え、かつ転写効率に優れる電子写真画像形成方法を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決すべく、上記問題の原因等について検討する過程において、保護層が、重合性モノマー、重合性基を有するパーフルオロポリエーテル及び重合性基を有する導電性微粒子を重合した重合硬化物を含有し、導電性微粒子の個数平均1次粒径が特定範囲内であり、現像工程では、個数平均1次粒径が特定範囲内である金属酸化物粒子を外添したトナーを用いることにより、滑剤メモリの発生を抑え、かつ転写効率に優れる電子写真画像形成方法を提供できることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明に係る上記課題は、以下の手段により解決される。
1.有機感光体を使用し、少なくとも帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程及びクリーニング工程を有する電子写真画像形成方法であって、
前記有機感光体が、導電性支持体と、前記導電性支持体上に配置される感光層と、前記感光層上に配置される保護層と、を有し、
前記保護層が、重合性モノマー、重合性基を有するパーフルオロポリエーテル及び重合性基を有する導電性微粒子を重合した重合硬化物を含有し、
前記導電性微粒子の個数平均1次粒径が、80〜200nmの範囲内であり、
前記現像工程では、個数平均1次粒径が70〜150nmの範囲内である金属酸化物粒子を外添したトナーを用いることを特徴とする電子写真画像形成方法。
2.前記金属酸化物粒子が、シリカ粒子であることを特徴とする第1項に記載の電子写真画像形成方法。
3.前記導性微粒子が、芯材の表面に導電性金属酸化物を付着させた複合微粒子であることを特徴とする第1項又は第2項に記載の電子写真画像形成方法。
4.前記複合微粒子における芯材が、硫酸バリウム、シリカ及び酸化アルミニウムの中から選択される化合物を含むことを特徴とする第3項に記載の電子写真画像形成方法。
5.前記複合微粒子における芯材が、硫酸バリウムであることを特徴とする第4項に記載の電子写真画像形成方法。
6.前記重合性基を有するパーフルオロポリエーテルが、重合性基の数が4以上である第1のパーフルオロポリエーテルと、重合性基の数が0〜3の範囲内である第2のパーフルオロポリエーテルとを含むことを特徴とする第1項から第5項までのいずれか一項に記載の電子写真画像形成方法。
7.前記重合性基が、アクリロイル基又はメタクリロイル基であることを特徴とする第1項から第6項までのいずれか一項に記載の電子写真画像形成方法。
本発明の上記手段により、滑剤メモリの発生を抑え、かつ転写効率に優れた電子写真画像形成方法を提供することができる。
本発明の効果の発現機構・作用機構については明確になっていないが、以下のように推察している。
大径(個数平均1次粒径:70〜150nmの範囲内)の金属酸化物粒子(例えば、シリカ粒子)を外添剤として用いれば、感光体/トナーの接触面積を減らして付着力を低減し、転写効率を向上させることができる。しかし、大径の金属酸化物粒子は、トナーから外れやすいため、外添すり抜けが多く、滑剤メモリの原因となってしまう。
この滑剤メモリの発生を抑制するため、感光体の保護層にPFPEを適用することが考えられる。PFPEの適用により、感光体海部(平坦部)/トナーの付着力の低減と、感光体/クリーニングブレードの摩擦力の低減が可能となり、クリーニング性を向上させることができ、結果として、滑剤メモリが改善するものの、その効果は限定的である。
そこで、上記に加え、感光体表面に大径(個数平均1次粒径:80〜200nmの範囲内)の導電性微粒子を導入してその表面に凹凸を付与し、感光体/トナーの接触面積を減らして付着力を低減することで、よりクリーニング性を向上させることができると考えている。
すなわち、大径の金属酸化物粒子を外添剤として適用した場合には、感光体の保護層にPFPEと大径の導電性微粒子とを併用して初めて、実用上問題のない品質(滑剤メモリの抑制と優れた転写効率)を得ることができるものである。
本発明に係る有機感光体を備える画像形成装置の一例を示す概略構成図 本発明に係る有機感光体の一例を示す概略断面図 本発明に係る複合微粒子を製造するための装置の一例を示す概略図
本発明の電子写真画像形成方法は、有機感光体を使用し、少なくとも帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程及びクリーニング工程を有する電子写真画像形成方法であって、有機感光体が、導電性支持体と、導電性支持体上に配置される感光層と、感光層上に配置される保護層と、を有し、保護層が、重合性モノマー、重合性基を有するパーフルオロポリエーテル及び重合性基を有する導電性微粒子を重合した重合硬化物を含有し、導電性微粒子の個数平均1次粒径が、80〜200nmの範囲内であり、現像工程では、個数平均1次粒径が70〜150nmの範囲内である金属酸化物粒子を外添したトナーを用いることを特徴とする。この特徴は、下記各実施形態に係る発明に共通する技術的特徴である。
本発明の実施態様としては、帯電性、流動性及びクリーニング性の観点から、金属酸化物粒子がシリカ粒子であることが好ましい。
また、粒径の大きい導電性微粒子を製造しやすく、本発明の効果をより効果的に発現できる観点から、導性微粒子が芯材の表面に導電性金属酸化物を付着させた複合微粒子であることが好ましい。
また、粒径と屈折率(透明性)とを確保する観点から、複合微粒子における芯材が、硫酸バリウム、シリカ及び酸化アルミニウムの中から選択される化合物を含むことが好ましい。
また、分散性が高く、経済性の観点から、複合微粒子における芯材が硫酸バリウムであることが好ましい。
また、クリーニング性及びクリーニングブレードの耐摩耗性の観点から、重合性基を有するパーフルオロポリエーテルが、重合性基の数が4以上である第1のパーフルオロポリエーテルと、重合性基の数が0〜3の範囲内である第2のパーフルオロポリエーテルとを含むことが好ましい。
また、少ない光量又は短い時間での硬化を可能とする観点から、重合性基がアクリロイル基又はメタクリロイル基であることが好ましい。
以下、本発明とその構成要素、及び本発明を実施するための形態・態様について詳細な説明をする。なお、本願において、数値範囲を表す「〜」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用している。
《電子写真画像形成方法》
本発明の電子写真画像形成方法は、有機感光体(以下、感光体ともいう。)を使用し、少なくとも帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程及びクリーニング工程を有する電子写真画像形成方法であって、有機感光体が、導電性支持体と、導電性支持体上に配置される感光層と、感光層上に配置される保護層と、を有し、保護層が、重合性モノマー、重合性基を有するパーフルオロポリエーテル及び重合性基を有する導電性微粒子を重合した重合硬化物を含有し、導電性微粒子の個数平均1次粒径が、80〜200nmの範囲内であり、現像工程では、個数平均1次粒径が70〜150nmの範囲内である金属酸化物粒子を外添したトナーを用いることを特徴とする。
本発明の電子写真画像形成方法としては、具体的には、下記工程を有する電子写真画像形成方法が挙げられる。
工程1:有機感光体上に帯電部にて帯電する工程(帯電工程)
工程2:露光部により有機感光体上に静電的に形成された静電潜像を形成する工程(露光工程)
工程3:現像部によって静電潜像を現像することにより顕像化させてトナー画像を得る工程(現像工程)
工程4:形成されたトナー画像を転写手段によって紙などの転写媒体上に転写する工程(転写工程)
工程5:転写媒体上に転写されたトナー画像を接触加熱方式の定着処理によって転写媒体に定着する工程(定着工程)
工程6:有機感光体の表面をクリーニング部によってクリーニングする工程(クリーニング工程)
以下、本発明の電子写真画像形成方法に用いることのできる電子写真画像形成装置について説明する。
《電子写真画像形成装置》
電子写真画像形成装置は、有機感光体、有機感光体表面を帯電する帯電手段、帯電手段により帯電された有機感光体表面に像露光を行い静電潜像を形成する露光手段、露光手段により形成された静電潜像を顕像化してトナー画像を形成する現像手段、現像手段により有機感光体表面に形成されたトナー画像を用紙等又は転写ベルト等の転写媒体上に転写する転写手段、有機感光体に当接して該有機感光体の表面をクリーニングするクリーニング手段と、を備えて構成されている。
図1に示す電子写真画像形成装置100は、タンデム型カラー画像形成装置と称せられるもので、4組の画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Bk、無端ベルト状中間転写体ユニット7、給紙手段21、定着手段24等を備えている。電子写真画像形成装置100の装置本体Aの上部には、原稿画像読み取り装置SCが配置されている。
イエロー色の画像を形成する画像形成ユニット10Yは、ドラム状の感光体1Yの周囲に感光体1Yの回転方向に沿って順次配置された、帯電手段2Y、露光手段3Y、現像手段4Y、1次転写ローラー5Y及びクリーニング手段6Yを有する。
マゼンタ色の画像を形成する画像形成ユニット10Mは、ドラム状の感光体1Mの周囲に感光体1Mの回転方向に沿って順次配置された、帯電手段2M、露光手段3M、現像手段4M、1次転写ローラー5M及びクリーニング手段6Mを有する。
シアン色の画像を形成する画像形成ユニット10Cは、ドラム状の感光体1Cの周囲に感光体1Cの回転方向に沿って順次配置された、帯電手段2C、露光手段3C、現像手段4C、1次転写ローラー5C及びクリーニング手段6Cを有する。
黒色画像を形成する画像形成ユニット10Bkは、ドラム状の感光体1Bkの周囲に感光体1Bkの回転方向に沿って順次配置された、帯電手段2Bk、露光手段3Bk、現像手段4Bk、1次転写ローラー5Bk及びクリーニング手段6Bkを有する。
感光体1Y、1M、1C、1Bkとしては、本発明に係る有機感光体を用いる。
画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Bkは、感光体1Y、1M、1C、1Bk上に形成するトナー像の色が異なるのみで同様に構成される。したがって、画像形成ユニット10Yを例にとって詳細に説明し、画像形成ユニット10M、10C、10Bkの説明を省略する。
画像形成ユニット10Yは、像形成体である感光体1Yの周囲に、帯電手段2Y、露光手段3Y、現像手段4Y、1次転写ローラー5Y及びクリーニング手段6Yを配置し、感光体1Y上にイエロー(Y)のトナー像を形成するものである。また、本実施形態においては、画像形成ユニット10Yのうち、少なくとも感光体1Y、帯電手段2Y、現像手段4Y及びクリーニング手段6Yが一体化されて設けられている。
帯電手段2Yは、感光体1Yに対して一様な電位を与える手段であって、例えば、コロナ放電型の帯電器が用いられる。
露光手段3Yは、帯電手段2Yによって一様な電位を与えられた感光体1Y上に、画像信号(イエロー)に基づいて露光を行い、イエローの画像に対応する静電潜像を形成する手段である。露光手段3Yとしては、例えば、感光体1Yの軸方向にアレイ状に発光素子を配列したLEDと結像素子とから構成されるもの、又はレーザー光学系が用いられる。
現像手段4Yは、例えば、マグネットを内蔵し現像剤を保持して回転する現像スリーブ及び感光体1Yとこの現像スリーブとの間に直流及び/又は交流バイアス電圧を印加する電圧印加装置よりなるものである。
1次転写ローラー5Yは、感光体1Y上に形成されたトナー像を無端ベルト状の中間転写体70に転写する手段である。1次転写ローラー5Yは、中間転写体70と当接して配置されている。
クリーニング手段6Yは、クリーニングブレードと、このクリーニングブレードより上流側に設けられたブラシローラーとにより構成される。
無端ベルト状中間転写体ユニット7は、複数のローラー71〜74により巻回され、回動可能に支持された無端ベルト状の中間転写体70を有する。無端ベルト状中間転写体ユニット7には、中間転写体70上にトナーを除去するクリーニング手段6bが配置されている。
また、画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Bkと、無端ベルト状中間転写体ユニット7とにより筐体8が構成されている。筐体8は、装置本体Aから支持レール82L、82Rを介して引き出し可能に構成されている。
定着手段24としては、例えば、内部に加熱源を備えた加熱ローラーと、この加熱ローラーに定着ニップ部が形成されるよう圧接された状態で設けられた加圧ローラーとにより構成されてなる熱ローラー定着方式のものが挙げられる。
なお、上記した実施形態においては、電子写真画像形成装置100がカラーのレーザープリンターであるものとしたが、モノクロのレーザープリンター、コピー機、複合機等であってもよい。また、露光光源は、レーザー以外の光源、例えばLED光源等であってもよい。
上記のように構成される電子写真画像形成装置100においては、次のようにして用紙P上に画像が形成される。
まず、帯電手段2Y、2M、2C、2Bkにより、感光体1Y、1M、1C、1Bkの表面を負に帯電させる。
次いで、露光手段3Y、3M、3C、3Bkで、感光体1Y、1M、1C、1Bkの表面を画像信号に基づいて露光し、静電潜像を形成する。
次いで、現像手段4Y、4M、4C、4Bkにより、感光体1Y、1M、1C、1Bkの表面にトナーを付与して現像し、トナー像を形成する。
次いで、1次転写ローラー5Y、5M、5C、5Bkにより、感光体1Y、1M、1C、1Bk上にそれぞれ形成した各色のトナー像を、回動する中間転写体70上に逐次転写(1次転写)させて、中間転写体70上にカラー画像を形成する。
その後、感光体1Y、1M、1C、1Bkの表面に残存したトナーを、クリーニング手段6Y、6M、6C、6Bkで除去する。
そして、次の画像形成プロセスに備えて、帯電手段2Y、2M、2C、2Bkにより感光体1Y、1M、1C、1Bkを負に帯電させる。
一方、給紙カセット20から給紙手段21により用紙Pを給紙し、複数の中間ローラー22A、22B、22C、22D、レジストローラー23を経て2次転写部5bに搬送する。そして、二次転写部5bにより、用紙P上にカラー画像を転写(2次転写)する。
このようにしてカラー画像が転写された用紙Pを、定着手段24で定着処理した後、排紙ローラー25で挟持して装置外に排紙し、排紙トレイ26上に載置する。また、用紙Pが中間転写体70から分離された後、クリーニング手段6bにより中間転写体70上の残存トナーを除去する。
以上のようにして、用紙P上に画像を形成することができる。
《有機感光体》
本発明に係る有機感光体は、導電性支持体と、導電性支持体上に配置される感光層と、感光層上に配置される保護層と、を有し、保護層が重合性モノマー、重合性基を有するパーフルオロポリエーテル及び重合性基を有する導電性微粒子を重合した重合硬化物を含有し、導電性微粒子の個数平均1次粒径が80〜200nmの範囲内であることを技術的特徴とする。
図2に示すとおり、本発明に係る有機感光体1は、少なくとも、導電性支持体1a上に、感光層1c及び保護層1dが順次積層されて構成されている。
導電性支持体1aと感光層1cとの間には、中間層1bを有していてもよい。
感光層1cは、電荷発生層1e及び電荷輸送層1fから構成されている。
保護層1dには、重合性基を有する導電性微粒子1dAが含有されている。
〈保護層〉
保護層は、感光層の上に配置され、感光体の表面を構成する当該感光層を保護するための層である。
保護層は、重合性モノマー、重合性基を有するパーフルオロポリエーテル及び重合性基を有する導電性微粒子を重合した重合硬化物を含有している。すなわち、保護層は、重合性モノマーの重合による一体的な重合体で構成され、その内部にパーフルオロポリエーテル成分、導電性微粒子等が分散されている。パーフルオロポリエーテル成分及び導電性微粒子は、上記重合体と重合反応による共有結合によって結合している。
これら重合性モノマー、パーフルオロポリエーテル及び導電性微粒子はそれぞれ、1種単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
以下、保護層を構成する材料について詳細に説明する。
(重合性モノマー)
本発明に係る重合性モノマーは、重合性基を有し、紫外線、可視光線、電子線等の活性線の照射により、又は加熱等のエネルギーの付加により、重合して、一般に感光体のバインダー樹脂として用いられる樹脂となる化合物である。なお、重合性モノマーには、重合性基を有するパーフルオロポリエーテルを含めないものとする。
重合性モノマーとしては、ラジカル重合反応を経て硬化するラジカル重合性モノマーであることが好ましい。
重合性モノマーとしては、例えば、スチレン系モノマー、アクリル系モノマー、メタクリル系モノマー、ビニルトルエン系モノマー、酢酸ビニル系モノマー、N−ビニルピロリドン系モノマー等が挙げられ、バインダー樹脂としては、例えば、ポリスチレン、ポリアクリレート等が挙げられる。
重合性モノマーが有する重合性基は、炭素−炭素二重結合を有し、重合可能な基である。重合性基は、少ない光量又は短い時間での硬化が可能であることから、アクリロイル基(CH=CHCO−)又はメタクリロイル基(CH=C(CH)CO−)であることが特に好ましい。
重合性モノマーとしては、具体的には、例えば、以下の化合物M1〜M11が挙げられるが、これらに限定されるものではない。下記の各式中、Rは、アクリロイル基を表し、R′は、メタクリロイル基を表す。
Figure 2019159128
上記重合性モノマーは、公知の方法で合成することができ、また市販品としても入手することができる。
重合性モノマーとしては、重合性基を3個以上有する化合物であることが、架橋密度の高い高硬度の保護層を形成する観点から好ましい。
(重合性基を有するパーフルオロポリエーテル)
パーフルオロポリエーテル(perfluoropolyether:PFPE)は、パーフルオロアルキレンエーテルを繰り返し単位として有するオリゴマー又はポリマーである。保護層にPFPEを適用することにより、保護層中にフッ素成分が組み込まれ、保護層表面の摩擦の差が小さくなるため、スティックスリップが抑制されクリーニング性を向上させることができる。
PFPEとしては、ラジカル重合反応を経て硬化するラジカル重合性基を有するPFPEであることが好ましい。
パーフルオロアルキレンエーテルの繰り返し単位としては、例えば、パーフルオロメチレンエーテル、パーフルオロエチレンエーテル、パーフルオロプロピレンエーテル等の繰り返し単位が挙げられる。中でも、パーフルオロポリエーテルは、下記式(a)で表される繰り返し単位、又は下記式(b)で表される繰り返し単位を有していることが好ましい。
Figure 2019159128
式(a)で表される繰り返し単位の繰り返し数m、及び式(b)で表される繰り返し単位の繰り返し数nは、0以上の整数であり、かつm+n≧5である。mは、2〜20であることが好ましく、2〜15であることがより好ましい。また、nは、2〜20であることが好ましく、2〜15であることがより好ましい。
また、PFPEが、上記式(a)で表される繰り返し単位、及び上記式(b)で表される繰り返し単位の両方を有する場合、それら2種の繰り返し単位は、ブロック共重合体構造を形成していてもよいし、ランダム共重合体構造を形成していてもよい。
PFPEの重量平均分子量(Mw)は、100〜8000の範囲内であることが好ましく、より好ましくは500〜5000の範囲内である。重量平均分子量(Mw)は、例えば、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を利用する公知の方法によって求めることができる。
PFPEが有する重合性基の数は、1以上であり、2以上であることが好ましい。2以上の重合性基は、PFPEの片末端又は両末端に置換していてもよい。
中でも、重合性基を4以上有するPFPEは、重合性モノマー及び後述する導電性微粒子との反応点をより多く持つ。よって、感光体の耐摩耗性及びクリーニング性を高める観点から特に好ましい。
PFPEが有する重合性基は、重合性モノマーの重合性基と同じく、炭素−炭素二重結合を有し、重合可能な基である。当該重合性基としては、例えば、アクリロイル基又はメタクリロイル基であることが特に好ましい。PFPEが有する重合性基は、上記重合性モノマーが有する重合性基と同じであってもよいし、異なっていてもよい。また、PFPEが複数の重合性基を有する場合には、それらは互いに同じでもよいし、異なっていてもよい。
アクリロイル基又はメタクリロイル基を有するPFPEとしては、例えば、ソルベイスペシャルティポリマーズ社製のFluorolink AD1700、MD500、MD700、5101X、5113X、Fomblin MT70(「FLUOROLINK」及び「FOMBLIN」は、いずれも同社の登録商標)、ダイキン工業株式会社製のオプツールDAC、信越化学工業株式会社製のKY−1203等が挙げられる。
また、重合性基を有するPFPEは、末端にヒドロキシ基やカルボキシ基を有するPFPEを原料として、適宜に合成することも可能であり、そのような合成品を使用してもよい。
末端にヒドロキシ基を有するPFPEとしては、例えば、ソルベイスペシャルティポリマーズ社製のFomblin D2、Fluorolink D4000、Fluorolink E10H、5158X、5147X、Fomblin Z DOL、Fomblin Z−tet−raol、ダイキン工業株式会社製のDemnum−SA等が挙げられる。
末端にカルボキシ基を有するPFPEとしては、例えば、ソルベイスペシャルティポリマーズ社製のFomblinZDIZAC4000、ダイキン工業株式会社製のDemnum−SH等が挙げられる。
重合性基を有するPFPEの含有量の下限としては、感光体のクリーニング性を十分に発現させる観点から、例えば、重合性モノマー100質量部に対して、10質量部以上であることが好ましく、20質量部以上であることがより好ましい。また、重合性基を有するPFPEの含有量の上限としては、感光体の耐摩耗性及び耐傷性を十分に発現させる観点から、例えば、重合性モノマー100質量部に対して、100質量部以下であることが好ましく、70質量部以下であることがより好ましい。
(1)第1のPFPE
本発明に係るPFPEは、重合性基の数が4以上である第1のパーフルオロポリエーテルと、重合性基の数が0〜3の範囲内である第2のパーフルオロポリエーテルとを含むことが好ましい。第1のPFPEと第2のPFPEとを混合させることで、成膜時にハジキや白濁させることなく高濃度で膜中にフッ素成分を導入することができるため、更に低摩擦力及び低付着力化効果によりクリーニング性を向上させることができる。
第1のPFPEは、重合性基を4以上有するPFPEである。保護層が第1のPFPEを含有することにより、PFPEと重合性モノマー等との結合箇所が増え、更に高い耐摩耗性及びより高いクリーニング性が持続する保護層を形成可能とする。
第1のPFPEは、下記一般式(1)で表される構造を有することが好ましい。
Figure 2019159128
一般式(1)中、Aは、(q+1)価の連結基を表し、互いに同一であっても異なっていてもよい。Xは、重合性基を表し、互いに同一であっても異なっていてもよい。m及びnは、0以上の整数を表し、m+n≧5である。qは、2以上の整数を表し、互いに同一であっても異なっていてもよい。
一般式(1)におけるAで表される連結基は、独立して、その分子量が100〜400の範囲内であることが好ましい。100〜400の範囲内であることで、第1のPFPEが重合性モノマーに対して十分な相溶性を有し、その結果、保護層中に第1のPFPEを十分に添加できるとともに、第1のPFPEを良好に分散させることができる。
Aで表される連結基の分子量は、例えば、第1のPFPEのGPCによる分子量の測定や、核磁気共鳴(NMR)等の公知の分析技術を利用する公知の方法によって求めることができる。
Aで表される連結基としては、所定の分子量を有する有機基であればよく、例えば、エステル結合又はウレタン結合を含む3価以上の有機基等が挙げられる。
一般式(1)におけるXで表される重合性基は、重合性モノマーが有する重合性基と同様、炭素−炭素二重結合を有し、重合可能な基である。第1のPFPEが有する重合性基としては、重合性モノマーが有する重合性基と同一であってもよいし、異なっていてもよく、例えば、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基等が挙げられる。
一般式(1)におけるqは2以上の整数であるため、第1のPFPEが有する重合性基の数は4以上となる。重合性基の数が4以上であると、保護層の十分な膜強度が得られる。また、第1のPFPEを容易に合成する観点から、第1のPFPEの分子構造が対称性を有することが好ましいため、重合性基の数は偶数であることが好ましい。
第1のPFPEは、上記したように、末端にヒドロキシ基やカルボキシ基を有するPFPEを原料として、これらの置換基の置換又はこれらの置換基からの誘導によって適宜に合成できる。第1のPFPEの合成方法としては、例えば、以下の合成方法(i)〜(iii)の方法が含まれる。
(i)末端にヒドロキシ基を有するPFPEに対して、(メタ)アクリル酸クロライドを脱塩酸によりエステル化反応させる方法
(ii)末端にヒドロキシ基を有するPFPEに対して、(メタ)アクリロイル基を有するイソシアネートをウレタン化反応させる方法
(iii)末端にカルボキシ基を有するPFPEを常法により酸ハロゲン化物とし、この酸ハロゲン化物に対して、(メタ)アクリロイル基とヒドロキシ基を有する化合物をエステル化反応させる方法
第1のPFPEの具体例を以下に示すが、これらに限定されるものではない。なお、下記化合物中、PFPE−A−1〜PFPE−A−9は、いずれも上記一般式(1)で表される構造を有する。下記の各式中、Xは、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を表し、m及びnは、0以上の整数を表し、m+n≧5である。また、下記式中、p及びqは、0以上の整数を表す。
Figure 2019159128
Figure 2019159128
(2)第2のPFPE
第2のPFPEは、重合性基の数が異なる以外は上記第1のPFPEと同じ構造を有する。第2のPFPEは、重合性基の数が0〜3の範囲内である。重合性基の数が2又は3の場合、当該重合性基は、片末端に結合していてもよいし、両末端にそれぞれ結合していてもよい。
第2のPFPEにおける重合性基の数が0〜3の範囲内であれば、PFPEが保護層中でも可動でき、保護層の高いクリーニング性を長期にわたって維持できる。
第2のPFPEが有する重合性基は、炭素−炭素二重結合を有し、重合可能な基である。当該重合性基としては、例えば、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基等が好ましい。
重合性基の数が0の第2のPFPEは、保護層から抽出した溶剤可溶成分を熱分解GC−MS、核磁気共鳴(NMR)、フーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)、元素分析等の公知の機器分析技術による分析によって確認できる。
第2のPFPEは、上記したように、市販品を使用してもよいし、末端にヒドロキシ基やカルボキシ基を有するPFPEを材料として適宜合成してもよい。
第2のPFPEの具体例を以下に示すが、これらに限定されるものではない。下記の各式中、Xは、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を表し、m及びnは、0以上の整数を表し、m+n≧5である。また、下記式中、pは、1以上の整数を表す。
Figure 2019159128
(重合性基を有する導電性微粒子)
本発明に係る保護層は、重合性モノマー、重合性基を有するパーフルオロポリエーテル及び重合性基を有する導電性微粒子を重合した重合硬化物を含有している。
導電性微粒子が有する重合性基は、炭素−炭素二重結合を有し、重合可能な基である。導電性微粒子が有する重合性基は、1種でもそれ以上でもよく、互いに同じであっても異なっていてもよく、また、重合性モノマーやPFPEが有する重合性基と同じであっても異なっていてもよい。
導電性微粒子としては、ラジカル重合反応を経て硬化するラジカル重合性基を有する導電性微粒子であることが好ましい。
重合性基を有する導電性微粒子は、重合性基を含む成分を表面に担持した導電性微粒子である。導電性微粒子の表面への重合性基を含む成分の担持は、物理的な担持であってもよいし、化学的な結合によるものであってもよい。重合性基を有する導電性微粒子は、例えば、導電性微粒子と、その表面に化学結合している表面修飾剤残基と、当該表面修飾剤残基に含まれる重合性基とを有し、保護層中では、導電性微粒子が、その表面に有する表面修飾剤残基を介して、保護層を構成している一体的な重合体と化学結合した状態で存在する。なお、表面修飾剤残基とは、例えば、導電性微粒子の表面に化学結合している分子構造であって当該表面修飾剤由来の部分である。
導電性微粒子を構成する金属には、遷移金属も含まれる。導電性微粒子としては、導電性金属酸化物微粒子が好ましく用いられ、例えば、酸化スズ粒子、酸化チタン粒子、酸化亜鉛粒子、ジルコニア粒子、酸化インジウムスズ粒子などが挙げられる。
導電性微粒子は、1種でもそれ以上でもよく、互いに同じであっても異なっていてもよい。
また、導電性微粒子としては、電気抵抗を調整することを目的として、アルミナ粒子やシリカ粒子を用いることもできる。
導電性微粒子の個数平均1次粒径は、80〜200nmの範囲内である。導電性微粒子の個数平均1次粒径が80nmより小さいと、保護層表面への露出が少なく、トナーと接触できないため、トナーとの付着力を得ることができず、個数平均1次粒径が200nmより大きいと、導電性微粒子がクリーニングブレードに引っかかってしまうため、クリーニングブレードのスティックスリップが発生し、クリーニング性が低下してしまう。
導電性微粒子の個数平均1次粒径は、カタログ値でもよいが、以下のようにして求めることができる。すなわち、走査型電子顕微鏡(日本電子株式会社製)により撮影された10000倍の拡大写真をスキャナーに取り込み、得られた写真画像から、凝集粒子を除く300個の粒子像を、ランダムに自動画像処理解析システム「ルーゼックス AP」(株式会社ニレコ製、「LUZEX」は同社の登録商標、ソフトウェアVer.1.32)を使用して2値化処理して当該粒子像のそれぞれの水平方向フェレ径を算出し、その平均値を算出して、導電性粒子の個数平均1次粒径とする。ここで、水平方向フェレ径とは、上記粒子像を2値化処理したときの外接長方形のx軸に平行な辺の長さをいう。
重合性基を含む成分の導電性微粒子表面への担持は、導電性微粒子の公知の表面処理技術によって行うことが可能である。
表面修飾剤は、重合性基及び表面修飾基を有している。表面修飾基は、導電性微粒子の表面に存在するヒドロキシ基等の極性基への反応性を有する官能基である。重合性基としては、例えば、ビニル基、アクリル基、メタクリル基等が挙げられる。表面修飾剤は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が混合して用いられてもよい。
表面修飾剤は、重合性基を有するシランカップリング剤であることが好ましく、例えば、下記化合物S−1〜S−31が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
S−1:CH=CHSi(CH)(OCH
S−2:CH=CHSi(OCH
S−3:CH=CHSiCl
S−4:CH=CHCOO(CHSi(CH)(OCH
S−5:CH=CHCOO(CHSi(OCH
S−6:CH=CHCOO(CHSi(OC)(OCH
S−7:CH=CHCOO(CHSi(OCH
S−8:CH=CHCOO(CHSi(CH)Cl
S−9:CH=CHCOO(CHSiCl
S−10:CH=CHCOO(CHSi(CH)Cl
S−11:CH=CHCOO(CHSiCl
S−12:CH=C(CH)COO(CHSi(CH)(OCH
S−13:CH=C(CH)COO(CHSi(OCH
S−14:CH=C(CH)COO(CHSi(CH)(OCH
S−15:CH=C(CH)COO(CHSi(OCH
S−16:CH=C(CH)COO(CHSi(CH)Cl
S−17:CH=C(CH)COO(CHSiCl
S−18:CH=C(CH)COO(CHSi(CH)Cl
S−19:CH=C(CH)COO(CHSiCl
S−20:CH=CHSi(C)(OCH
S−21:CH=C(CH)Si(OCH
S−22:CH=C(CH)Si(OC
S−23:CH=CHSi(OC
S−24:CH=C(CH)Si(CH)(OCH
S−25:CH=CHSi(CH)Cl
S−26:CH=CHCOOSi(OCH
S−27:CH=CHCOOSi(OC
S−28:CH=C(CH)COOSi(OCH
S−29:CH=C(CH)COOSi(OC
S−30:CH=C(CH)COO(CHSi(OC
S−31:CH=CHCOO(CHSi(CH(OCH
重合性基を有する導電性微粒子の添加量は、重合性モノマーと重合性基を有するPFPEとの合計100質量部に対して、30〜200質量部の範囲内であることが好ましい。導電性微粒子の添加量が30質量部以上であれば、保護層の機械的強度を十分に発現させ、適切な電気抵抗を実現することができ、200質量部以下であれば、導電性微粒子がクリーニングブレードに引っかかることでトルクが増大し、スティックスリップによるクリーニング性の低下を抑制できる。
(1)複合微粒子
本発明に係る重合性基を有する導電性微粒子としては、単一の導電性材によって構成されたものであってもよいが、芯材の表面の一部又は全部に導電性材からなる外殻が形成されてなるコア・シェル構造の複合微粒子などの、複数材料によって構成されたものであることが好ましい。例えば、導電性微粒子としては、芯材の表面に導電性金属酸化物が付着された複合微粒子を使用することが好ましい。
複合微粒子は、樹脂の屈折率との差が小さいため、光透過性が大きく、結果として膜強度を確保することができる。そのため、後述するような大径の外添剤が保護層を削りながらすり抜けやすくなることを抑制することができる。すなわち、芯材を設けることで(特に、硫酸バリウム)、分散性と光透過性とを確保でき、クリーニングブレードへの引っ掛かりや、外添剤が保護層を削りながらすり抜けることを抑制することができる。
複合微粒子は、体積抵抗率が10−3〜10Ω・cmの範囲内であることが好ましく、より好ましくは10−1〜10Ω・cmの範囲内である。
なお、本発明において、体積抵抗率は、温度23℃、湿度50%の環境下において武田理研(株)製TR8611A型デジタル超絶縁抵抗/微少電流計により測定される値である。
なお、本発明において、導電性微粒子が複合微粒子からなる場合、芯材の個数平均1次粒径を導電性微粒子の個数平均1次粒径とする。
(1.1)芯材
複合微粒子を構成する芯材としては、例えば、体積抵抗率が1010〜1016Ω・cm程度の絶縁性材料が挙げられる。具体的には、硫酸バリウム、シリカ、酸化アルミニウムなどが挙げられ、これらのうち少なくとも1種を用いることが好ましい。これらの中でも、硫酸バリウムは分散性が高いことに加え、経済性の観点からも好ましい。
芯材の屈折率は、保護層の光透過性の観点から、1.8以下であることが好ましく、より好ましくは1.4〜1.7の範囲内である。一般的な文献値として、硫酸バリウムの屈折率は1.64、シリカの屈折率は1.45、酸化アルミニウムの屈折率は1.76とされる。
芯材の屈折率が上記範囲内であることにより、複合微粒子を大径化しても保護層の光透過性が損なわれないので、抵抗調整が可能となる。
(1.2)導電性金属酸化物
複合微粒子を構成する導電性金属酸化物としては、例えば、酸化スズ、酸化チタン、酸化亜鉛、ジルコニア、酸化インジウムスズなどが挙げられる。
導電性金属酸化物の体積抵抗率は、10−3〜10Ω・cmの範囲内であることが好ましい。
導電性金属酸化物の芯材に対する付着量は、芯材100質量部に対し、30〜70質量部の範囲内であることが好ましく、より好ましくは40〜60質量部の範囲内である。
導電性金属酸化物の付着量が上記範囲であることにより、電気特性及び膜強度の向上を図ることができる。
被覆材である導電性金属酸化物の芯材に対する付着方法としては、例えば、特開2009−255042号公報などに開示されている方法を採用することができる。
〈導電性支持体〉
導電性支持体は、感光層を支持可能で、かつ導電性を有する部材である。導電性支持体としては、例えば、金属製のドラム又はシート、ラミネートされた金属箔を有するプラスチックフィルム、蒸着された導電性物質の膜を有するプラスチックフィルム、導電性物質又はそれとバインダー樹脂とからなる塗料を塗布してなる導電層を有する金属部材やプラスチックフィルム、紙等が挙げられる。ここで用いられる金属としては、例えば、アルミニウム、銅、クロム、ニッケル、亜鉛、ステンレス鋼等が挙げられ、導電性物質としては、例えば、上記金属、酸化インジウム、酸化スズ等が挙げられる。
〈感光層〉
感光層は、露光により所期の画像の静電潜像を有機感光体の表面に形成するための層である。感光層は、単層で構成されていてもよいし、複数の層が積層されて構成されていてもよい。例えば、電荷輸送化合物と電荷発生化合物とを含有する単層構成や、電荷輸送化合物を含有する電荷輸送層と、電荷発生化合物を含有する電荷発生層との積層構成等が挙げられる。
また、本発明に係る有機感光体は、本実施形態に係る効果が得られる範囲において、導電性支持体、感光層及び保護層以外の他の構成を更に備えていてもよい。当該他の構成としては、例えば、導電性支持体と感光層との間に配置され、バリアー機能と接着機能とを有する中間層が挙げられる。
感光体を構成する保護層以外の各部材は、公知の有機感光体と同様に構成することが可能である。
〈有機感光体の製造方法〉
本発明に係る有機感光体は、保護層形成用塗布液として、重合性モノマー、重合性基を有するPFPE及び重合性基を有する導電性微粒子を含む組成物を含有する塗布液を用いる以外は、公知の感光体の製造方法によって製造することができる。例えば、導電性支持体上に形成された感光層の表面に、上記組成物を含有する保護層形成用塗布液を塗布する工程と、形成された塗膜に対して活性線の照射又は加熱を施して当該組成物を重合させる工程と、を有する方法を採用することが可能である。
保護層形成用塗布液は、本実施形態の効果が得られる範囲内において、上記組成物以外の他の成分を更に含有していてもよい。当該他の成分としては、例えば、溶剤及び重合開始剤が挙げられる。
保護層形成用塗布液に含有される溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、t−ブタノール、sec−ブタノール、ベンジルアルコール、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、ピリジン及びジエチルアミンが挙げられる。
溶剤は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が混合して用いられてもよい。
保護層形成用塗布液に含有される重合開始剤は、保護層の形成工程に応じて公知の重合開始剤から適宜選択して用いることができる。重合開始剤としては、例えば、光重合開始剤、熱重合開始剤、並びに光及び熱の両方で重合開始可能な重合開始剤が挙げられる。
重合開始剤は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が混合して用いられてもよい。
また、光重合開始剤には、光重合促進効果を有する光重合促進剤を併用してもよい。光重合促進剤としては、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸(2−ジメチルアミノ)エチル及び4,4′−ジメチルアミノベンゾフェノンが挙げられる。
保護層形成用塗布液に含有される重合開始剤としては、光重合開始剤であることが好ましく、例えば、アルキルフェノン系化合物、フォスフィンオキサイド系化合物が好ましく、α−ヒドロキシアセトフェノン構造を有する重合開始剤、又はアシルフォスフィンオキサイド構造を有する重合開始剤が更に好ましい。
保護層を形成するための組成物における重合開始剤の含有量は、重合性モノマー100質量部に対して0.1〜40質量部の範囲内であることが好ましく、より好ましくは0.5〜20質量部の範囲内である。
保護層中、重合性モノマー、重合性基を有するPFPE、及び重合性基を有する導電性微粒子は、保護層を形成する一体的な重合硬化物を構成している。当該重合硬化物が重合性モノマー、重合性基を有するPFPE及び重合性基を有する導電性微粒子の重合体であることは、熱分解GC-MS、核磁気共鳴(NMR)、フーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)、元素分析等の公知の機器分析技術による当該重合硬化物の分析によって確認することが可能である。
重合性モノマー、重合性基を有するPFPE及び重合性基を有する導電性微粒子は、いずれも重合性基を有する。このため、保護層を形成するための組成物中において、これらの成分は、互いに高い相溶性を有する。したがって、PFPE成分及び導電性微粒子は、いずれも上記組成物中で均一に分散し、保護層中でその面方向及び層厚方向のいずれにおいても均一に分散した状態で存在する。
また、保護層中では、重合性モノマー、重合性基を有するPFPE及び重合性基を有する導電性微粒子の重合性基がそれぞれ互いに反応し、架橋構造を形成している。よって、PFPE成分の含有量がある程度多くても、十分な耐摩耗性を有する高強度な保護層を形成することができる。
また、保護層中では、PFPE成分及び導電性微粒子が保護層の面方向及び層厚方向において均一に分散した状態で存在するので、保護層の表面が減耗しても高いクリーニング性を維持するのに十分な量のPFPE成分が保護層中に存在する。これにより、高いクリーニング性が長期にわたって維持される。
《静電荷像現像用トナー》
本発明の電子写真画像形成方法は、現像工程において個数平均1次粒径が70〜150nmの範囲内である金属酸化物粒子を外添した静電荷像現像用トナー(以下、トナーともいう。)を用いることを特徴とする。
なお、本発明において、トナー母体粒子に外添剤を添加したものをトナー粒子といい、トナーとはトナー粒子の集合体のことをいう。
〈外添剤〉
外添剤は、流動性や帯電性を制御する目的でトナー母体粒子の表面に付着させるものである。外添剤としては、個数平均1次粒径が70〜150nmの範囲内である金属酸化物粒子が用いられる。
金属酸化物粒子の個数平均1次粒径が70nmより小さい場合には、スペーサーとしての効果が小さいため、付着力の低減が難しく、転写効率が不十分となり、150nmより大きい場合には、付着力の低減にはよいが、トナーへの付着強度が弱いために外れやすく、滑剤メモリに不利となる。
本発明においては、金属酸化物粒子の個数平均1次粒径は、70〜150nmの範囲内であるが、80〜120nmの範囲内であることが好ましい。金属酸化物粒子の個数平均1次粒径をこの範囲にすることにより、トナー粒子と感光体との付着力を好ましい範囲に設定することができる。
金属酸化物粒子の個数平均1次粒径は、画像解析法により測定される。具体的には、走査型電子顕微鏡「JSM−7401(JEOL社製)」を用いて、倍率10万倍で金属酸化物粒子の写真を撮影し、この写真画像をスキャナーにより取り込み、画像処理解析装置「LUZEX(登録商標) AP」((株)ニレコ製)ソフトウェアバージョン Ver.1.32を用いて、写真画像上の金属酸化物粒子について2値化処理し、金属酸化物粒子の任意の100個についての水平方向フェレ径を算出、その平均値を個数平均1次粒径とする。ここで水平方向フェレ径とは、金属酸化物粒子の画像を2値化処理したときの外接長方形のx軸に平行な辺の長さをいう。
なお、個数平均1次粒径の標準偏差は、上述の100個の1次粒径の測定値から求めることができる。
金属酸化物粒子としては、従来公知のものを使用することができ、例えば、シリカ粒子、チタニア粒子、アルミナ粒子、ジルコニア粒子、酸化亜鉛粒子、酸化クロム粒子、酸化セリウム粒子、酸化アンチモン粒子、酸化タングステン粒子、酸化スズ粒子、酸化テルル粒子、酸化マンガン粒子、酸化ホウ素粒子等が挙げられ、中でもシリカ粒子が好ましい。これらは、単独でも、又は2種以上を併用してもよい。
外添剤の添加量は、トナー母体粒子100質量部に対して、0.7〜3.0質量部の範囲内であることが好ましい。この範囲内であると、現像、転写効率が向上する。
特に、金属酸化物粒子としてのシリカ粒子は、ゾル・ゲル法で製造されることが好ましい。ゾル・ゲル法によって製造されたシリカ粒子は、一般的な製造方法であるヒュームドシリカに比べて粒径が大きく、また粒度が揃っている(粒径分布が狭い、すなわち単分散)ことが特徴である。
本発明に係る金属酸化物粒子のトナー母体粒子表面への付着方法は、通常のトナー母体粒子への外添剤の添加混合方法が使用できる。例えば、乾燥済みのトナー母体粒子に金属酸化物粒子を粉体で添加する乾式法が挙げられ、混合装置としては、ヘンシェルミキサー、コーヒーミル等の機械式の混合装置が挙げられる。また、帯電性や流動性を改善する目的で、後述するような他の一般的な外添剤を併用することもできる。
本発明では、現像剤として、トナー母体粒子に金属酸化物粒子を外添剤として添加したトナーとキャリアとを混合して成る2成分現像剤を用いることが好ましい。
〈トナー母体粒子〉
本発明に係るトナーを構成するトナー母体粒子は、少なくとも結着樹脂、着色剤及び離型剤を含有するものであり、結着樹脂としては、親水性極性基を有する樹脂を含有することが好ましい。トナー母体粒子の製造方法としては、粉砕法、乳化重合凝集法、懸濁重合法、溶解懸濁法、乳化凝集法等が挙げられる。本発明に好ましいトナー母体粒子の作製方法としては、乳化凝集法、乳化重合凝集法が挙げられる。
特に、本発明に係るトナーは、水系媒体中に着色剤微粒子が分散されてなる分散液と、水系媒体中に結着樹脂微粒子が分散されてなる分散液とを混合して、着色剤微粒子及び結着樹脂微粒子を凝集、融着させる工程を経ることにより得られるものであること、すなわち乳化凝集法などの製造方法により得られるものであることが好ましい。このような製造方法が好ましい理由は、トナーに含有される着色剤の分散液における着色剤微粒子の分散性に優れ、更に、着色剤微粒子と結着樹脂微粒子とを凝集、融着させた場合においても、着色剤微粒子が優れた分散性を保持したままトナー粒子を形成することができるためである。
また、トナー母体粒子は、コア・シェル構造を有することが好ましい。
(結着樹脂)
本発明に係るトナーに含有される結着樹脂としては、例えばトナーが粉砕法、溶解懸濁法、乳化凝集法などによって製造される場合には、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、スチレン・(メタ)アクリル系共重合体樹脂、オレフィン系樹脂などのビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、カーボネート樹脂、ポリエーテル、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリスルホン、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、又は尿素樹脂などの公知の種々の樹脂を用いることができる。
これらは、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、例えばトナーが懸濁重合法、乳化重合凝集法、ミニエマルション重合凝集法などによって製造される場合には、結着樹脂を得るための重合性単量体として、例えばスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−クロロスチレン、3,4−ジクロロスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレンなどのスチレンあるいはスチレン誘導体、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチルなどのメタクリル酸エステル誘導体、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸フェニルなどのアクリル酸エステル誘導体、エチレン、プロピレン、イソブチレンなどのオレフィン類、塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化ビニル、フッ化ビニリデンなどのハロゲン化ビニル類、プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、ベンゾエ酸ビニルなどのビニルエステル類、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテルなどのビニルエーテル類、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルヘキシルケトンなどのビニルケトン類、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドンなどのN−ビニル化合物類、ビニルナフタレン、ビニルピリジンなどのビニル化合物類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドなどのアクリル酸又はメタクリル酸誘導体などのビニル系単量体を挙げることができる。
これらのビニル系単量体は、1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
また、結着樹脂を得るための重合性単量体として、上記の重合性単量体にイオン性解離基を有するものを組み合わせて用いることが好ましい。イオン性解離基を有する重合性単量体は、例えばカルボキシ基、スルホン酸基、リン酸基などの置換基を構成基として有するものであって、具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、フマル酸、マレイン酸モノアルキルエステル、イタコン酸モノアルキルエステル、スチレンスルホン酸、アリルスルホコハク酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、アシッドホスホオキシエチルメタクリレート、3−クロロ−2−アシッドホスホオキシプロピルメタクリレートなどが挙げられる。
さらに、重合性単量体として、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレートなどの多官能性ビニル類を用いて架橋構造の結着樹脂を得ることもできる。
(スチレン・アクリル変性ポリエステル樹脂)
本発明に係るトナーにおいては、トナー母体粒子をコア・シェル構造とする場合、シェル層を構成する樹脂として、スチレン・アクリル変性樹脂を用いることが好ましい。本発明において、スチレン・アクリル変性ポリエステル樹脂とは、ポリエステル樹脂から構成されるポリエステルセグメントとスチレン・アクリル系重合体から構成されるスチレン・アクリル系重合体セグメントとが、両反応性単量体を介して結合した樹脂をいう。スチレン・アクリル系重合体セグメントとは、芳香族ビニル系単量体とアクリル酸エステル系単量体及び/又はメタクリル酸エステル系単量体を重合して得られる重合体部分をいい、ポリエステルセグメントとはポリエステル樹脂から構成される重合体部分をいう。
ポリエステル樹脂は、高いガラス転移点を有している一方で、高いシャープメルト性を有している。そのため、ポリエステル樹脂をシェル層を構成する樹脂に用いるとトナーの耐熱保管性と低温定着性を両立させることができる。しかし、コアを構成する結着樹脂にスチレン・アクリル樹脂を用いた場合、ポリエステル樹脂との親和性が劣るため、薄層で均一なシェル層を形成することが難しい。そこで、シェル層を構成する樹脂としてスチレン・アクリル変性ポリエステルを用いることによって、コアを構成するスチレン・アクリル樹脂とシェル層を構成するスチレン・アクリル変性ポリエステル樹脂の親和性が増すことにより、薄層で均一なシェル層を形成することが可能となり、耐熱保管性と低温定着性とが良好なトナーとすることができる。
本発明において、両反応性単量体とは、スチレン・アクリル変性ポリエステル樹脂のポリエステルセグメントを形成するための多価カルボン酸単量体及び/又は多価アルコール単量体と反応し得る基と、重合性不飽和基とを有する単量体である。
(着色剤)
本発明に係るトナーには、着色剤を添加することができる。着色剤としては、公知の着色剤が使用できる。
イエロートナーに含有される着色剤としては、例えば、C.I.ソルベントイエロー19、同44、同77、同79、同81、同82、同93、同98、同103、同104、同112、同162、C.I.ピグメントイエロー14、同17、同74、同93、同94、同138、同155、同180、同185などが挙げられる。これらの中でも特にC.I.ピグメントイエロー74が好ましい。
これらは、1種単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
イエロートナーに含有される着色剤の含有量は、結着樹脂100質量部に対して、1〜10質量部の範囲内であることが好ましく、より好ましくは2〜8質量部の範囲内である。
マゼンタトナーに含有される着色剤としては、例えば、C.I.ソルベントレッド1、同49、同52、同58、同63、同111、同122、C.I.ピグメントレッド5、同48:1、同53:1、同57:1、同122、同139、同144、同149、同166、同177、同178、同222などが挙げられる。これらの中でも特にC.I.ピグメントレッド122が好ましい。
これらは、1種単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
マゼンタトナーに含有される着色剤の含有量は、結着樹脂100質量部に対して、1〜
10質量部の範囲内であることが好ましく、より好ましくは2〜8質量部の範囲内である。
シアントナーに含有される着色剤としては、例えば、C.I.ピグメントブルー15:3などが挙げられる。
シアントナーに含有される着色剤の含有量は、結着樹脂100質量部に対して、1〜1
0質量部の範囲内であることが好ましく、より好ましくは2〜8質量部の範囲内である。
ブラックトナーに含有される着色剤としては、例えば、カーボンブラック、磁性体、チタンブラックなどが挙げられる。カーボンブラックとしては、例えば、チャンネルブラック、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラックなどが挙げられる。磁性体としては、例えば、鉄、ニッケル、コバルトなどの強磁性金属、これら強磁性金属を含む合金、フェライト、マグネタイトなどの強磁性金属の化合物、強磁性金属を含まないが熱処理することにより強磁性を示す合金などが挙げられる。熱処理することにより強磁性を示す合金としては、例えば、マンガン−銅−アルミニウム、マンガン−銅−スズなどのホイスラー合金などが挙げられる。
ブラックトナーに含有される着色剤の含有量は、結着樹脂100質量部に対して、1〜10質量部の範囲内であることが好ましく、より好ましくは2〜8質量部の範囲内である。
本発明に係るトナーは、必要に応じて、荷電制御剤、離型剤などの内添剤及び外添剤としての金属酸化物粒子以外の他の外添剤を含有することができる。
(荷電制御剤)
荷電制御剤としては、摩擦帯電により正又は負の帯電を与えることのできる物質であれば特に限定されず、公知の種々の正帯電制御剤及び負帯電制御剤を用いることができる。
荷電制御剤の含有量は、結着樹脂100質量部に対して0.01〜30質量部の範囲内であることが好ましく、より好ましくは0.1〜10質量部の範囲内である。
(離型剤)
離型剤としては、公知の種々のワックスを用いることができる。
ワックスとしては、例えば、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなどのポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックスなどの分枝鎖状炭化水素ワックス、パラフィンワックス、サゾールワックスなどの長鎖炭化水素系ワックス、ジステアリルケトンなどのジアルキルケトン系ワックス、カルナバワックス、モンタンワックス、ベヘン酸ベヘニル、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18−オクタデカンジオールジステアレート、トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエートなどのエステル系ワックス、エチレンジアミンベヘニルアミド、トリメリット酸トリステアリルアミドなどのアミド系ワックスなどが挙げられる。
離型剤の含有量は、結着樹脂100質量部に対して0.1〜30質量部の範囲内であることが好ましく、より好ましくは1〜10質量部の範囲内である。
(その他の外添剤)
本発明においては、本発明に係る外添剤としての金属酸化物粒子の他に、流動性や帯電性を改善する目的で他の外添剤を添加することもできる。他の外添剤としては、例えば、ステアリン酸アルミニウム粒子、ステアリン酸亜鉛粒子などの無機ステアリン酸化合物粒子、あるいはチタン酸ストロンチウム、チタン酸亜鉛などの無機チタン酸化合物粒子などの無機粒子が挙げられる。
これら無機粒子は、耐熱保管性及び環境安定性の観点から、シランカップリング剤やチタンカップリング剤、高級脂肪酸、シリコーンオイルなどによって表面処理が行われたものであることが好ましい。
その他の外添剤の添加量は、トナー母体粒子100質量部に対して0.05〜5質量部の範囲内であることが好ましく、より好ましくは0.1〜3質量部の範囲内である。また、その他の外添剤としては、種々のものを組み合わせて用いてもよい。
(トナー母体粒子の製造方法)
トナー母体粒子の製造方法として好ましく用いられる乳化重合凝集法は、乳化重合法によって製造された結着樹脂の微粒子(以下、「結着樹脂微粒子」ともいう。)の分散液を、着色剤の微粒子(以下、「着色剤微粒子」ともいう。)分散液及びワックスなどの離型剤の分散液と混合し、所望のトナー粒子径となるまで凝集させ、更に結着樹脂微粒子間の融着を行うことにより形状制御を行って、トナー母体粒子を製造する方法である。
トナー母体粒子の製造方法として好ましく用いられる乳化凝集法は、溶媒に溶解した結着樹脂溶液を貧溶媒に滴下して樹脂粒子分散液とし、この樹脂粒子分散液と着色剤分散液及びワックスなどの離型剤分散液とを混合し、所望のトナー粒子径となるまで凝集させ、更に結着樹脂微粒子間の融着を行うことにより形状制御を行って、トナー母体粒子を製造する方法である。本発明においてはどちらの製造方法も適用可能である。
本発明に係るトナー母体粒子の製造方法として、乳化重合凝集法を用いる場合の一例を以下に示す。
(1)水系媒体中に着色剤の微粒子が分散されてなる分散液を調製する工程
(2)水系媒体中に、必要に応じて内添剤を含有した結着樹脂微粒子が分散されてなる分散液を調製する工程
(3)乳化重合により、結着樹脂微粒子の分散液を調整する工程
(4)着色剤の微粒子の分散液と、結着樹脂微粒子の分散液とを混合して、着色剤の微粒子と結着樹脂微粒子とを凝集、会合、融着させてトナー母体粒子を形成する工程
(5)トナー母体粒子の分散系(水系媒体)からトナー母体粒子を濾別し、界面活性剤などを除去する工程
(6)トナー母体粒子を乾燥する工程
(7)トナー母体粒子に外添剤を添加する工程
乳化重合凝集法によってトナー母体粒子を製造する場合においては、乳化重合法によって得られる結着樹脂微粒子は、組成の異なる結着樹脂よりなる2層以上の多層構造を有するものであってもよく、このような構成の結着樹脂微粒子は、例えば2層構造を有するものは、常法に従った乳化重合処理(第1段重合)によって樹脂粒子の分散液を調整し、この分散液に重合開始剤と重合性単量体とを添加し、この系を重合処理(第2段重合)する手法によって得ることができる。
また、乳化重合凝集法によってはコア・シェル構造を有するトナー母体粒子を得ることもできる。具体的に、コア・シェル構造を有するトナー母体粒子は、先ず、コア粒子用の結着樹脂微粒子と着色剤の微粒子を凝集、会合、融着させてコア粒子を作製し、次いで、コア粒子の分散液中にシェル層用の結着樹脂微粒子を添加してコア粒子表面にシェル層用の結着樹脂微粒子を凝集、融着させてコア粒子表面を被覆するシェル層を形成することにより得ることができる。
また、トナー母体粒子の製造方法として、粉砕法を用いる場合の一例を以下に示す。
(1)結着樹脂、着色剤並びに必要に応じて内添剤をヘンシェルミキサーなどにより混合する工程
(2)得られた混合物を押出混練機などにより加熱しながら混練する工程
(3)得られた混練物をハンマーミルなどにより粗粉砕処理した後、更にターボミル粉砕機などにより粉砕処理を行う工程
(4)得られた粉砕物を、例えば、コアンダ効果を利用した気流分級機を用いて微粉分級処理しトナー母体粒子を形成する工程
(5)トナー母体粒子に外添剤を添加する工程
〈トナー粒子の粒径〉
本発明に係るトナーを構成するトナー粒子の粒径は、例えば、体積基準のメディアン径で4〜10μmの範囲内であることが好ましく、より好ましくは5〜9μmの範囲内である。
体積基準のメディアン径が上記の範囲にあることにより、転写効率が高くなってハーフトーンの画質が向上し、細線やドットなどの画質が向上する。
トナー粒子の体積基準のメディアン径は、「マルチサイザー3」(ベックマン・コールター社製)にデータ処理用のコンピューターシステム(ベックマン・コールター社製)を接続した測定装置を用いて測定・算出される。
〈現像剤〉
本発明に係るトナーは、非磁性の1成分現像剤として使用することもできるが、キャリアと混合して2成分現像剤として使用してもよい。
2成分現像剤として使用する場合において、キャリアとしては、鉄などの強磁性金属、強磁性金属とアルミニウム及び鉛などの合金、フェライト及びマグネタイトなどの強磁性金属の化合物などの従来公知の材料からなる磁性粒子を用いることができ、特にフェライト粒子が好ましい。また、キャリアとしては、磁性粒子の表面を樹脂などの被覆材で被覆したコートキャリアや、バインダー樹脂中に磁性体微粉末を分散したバインダー型キャリアなどを用いることもできる。コートキャリアを構成する被覆樹脂としては、特に限定はないが、例えば、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、スチレン・アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、エステル樹脂、フッ素樹脂などが挙げられる。また、樹脂分散型キャリアを構成する樹脂としては、特に限定されず公知のものを使用することができ、例えば、スチレン・アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂、フェノール樹脂などを使用することができる。
キャリアの体積基準のメディアン径は、20〜100μmの範囲内であることが好ましく、より好ましくは20〜60μmの範囲内である。
キャリアの体積基準のメディアン径は、代表的には湿式分散機を備えたレーザー回折式粒度分布測定装置「HELOS&RODOS」(シンパテック(SYMPATEC)社製)により測定することができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
《導電性微粒子の作製》
以下のようにして、導電性微粒子1〜11を作製した。
〈導電性微粒子1の作製〉
まず、図3に示す製造装置を用い、硫酸バリウム芯材の表面に酸化スズが付着されてなる複合微粒子を作製した。
具体的には、母液槽11中に純水3500cmを投入し、次に個数平均1次粒径が100nmである球状の硫酸バリウム芯材900gを投入して5パス循環させた。母液槽11から流出するスラリーの流速は2280cm/minであった。また、強分散装置13の撹拌速度を16000rpmとした。循環完了後のスラリーを純水で全量9000cmにメスアップし、そこに1600gのスズ酸ナトリウム及び2.3cmの水酸化ナトリウム水溶液(濃度25N)を投入して5パス循環させた。このようにして母液を得た。
この母液を、母液槽11から流出する流速S1が200cmとなるように循環させながら、強分散装置13としてのホモジナイザー「magic LAB」(IKAジャパン株式会社製)に20%硫酸を供給した。供給速度S3を9.2cm/minとした。ホモジナイザーの容積は20cm、撹拌速度は16000rpmであった。循環を15分間行い、その間硫酸を連続的にホモジナイザーに供給した。このようにして、硫酸バリウム芯材の表面に酸化スズの被覆層が形成された粒子を得た。
得られた粒子を含むスラリーを、その導電率が600μS/cm以下となるまでリパルプ洗浄した後、ヌッチェ濾過を行い、ケーキを得た。このケーキを大気中、150℃で10時間乾燥させた。次いで、乾燥ケーキを粉砕し、その粉砕粉を1体積%H/N雰囲気下で450℃、45分間還元焼成した。これによって、硫酸バリウム芯材の表面に酸化スズが付着されてなる複合微粒子1(個数平均1次粒径:100nm)を得た。
ここで、図3に示す製造装置において、符号12及び14は、母液槽11と強分散装置13との間の循環路を形成する循環配管、符号15及び16は、循環配管12及び14にそれぞれ設けられたポンプ、符号11aは撹拌翼、符号13aは撹拌部、符号11b及び13bはシャフト、符号11c及び13cはモーターを示す。
次いで、下記成分を下記分量で、直径0.5mmのアルミナビーズが入った湿式サンドミルに入れ、30℃にて6時間混合した。その後、メチルエチルケトンとアルミナビーズを濾別し、60℃にて乾燥することにより、重合性基を有する導電性微粒子1を作製した。
複合微粒子1 100質量部
表面修飾剤S−14 10質量部
メチルエチルケトン 1000質量部
〈導電性微粒子2及び3の作製〉
導電性微粒子1の作製において、芯材である硫酸バリウムの個数平均1次粒径をそれぞれ80nm、200nmに変更した以外は同様にして、重合性基を有する導電性微粒子2(個数平均1次粒径:80nm)及び3(個数平均1次粒径:200nm)を作製した。
〈導電性微粒子4の作製〉
下記成分を下記分量で、直径0.5mmのアルミナビーズが入った湿式サンドミルに入れ、30℃にて6時間混合した。その後、メチルエチルケトンとアルミナビーズを濾別し、60℃にて乾燥することにより、重合性基を有する導電性微粒子4(個数平均1次粒径:100nm)を作製した。
酸化スズ(個数平均1次粒径:100nm) 100質量部
表面修飾剤S−14 10質量部
メチルエチルケトン 1000質量部
〈導電性微粒子5及び6の作製〉
導電性微粒子4の作製において、酸化スズをそれぞれ酸化チタン、酸化亜鉛に変更した以外は同様にして、重合性基を有する導電性微粒子5(個数平均1次粒径:100nm)及び6(個数平均1次粒径:100nm)を作製した。
〈導電性微粒子7及び8の作製〉
導電性微粒子1の作製において、芯材となる硫酸バリウムをそれぞれシリカ、酸化アルミニウムに変更した以外は同様にして、重合性基を有する導電性微粒子7(個数平均1次粒径:100nm)及び8(個数平均1次粒径:100nm)を作製した。
〈導電性微粒子9の作製〉
導電性微粒子4の作製において、酸化スズの個数平均1次粒径を20nmに変更した以外は同様にして、重合性基を有する導電性微粒子9(個数平均1次粒径:20nm)を作製した。
〈導電性微粒子10の作製〉
導電性微粒子1の作製において、複合微粒子1に対し表面修飾剤S−14による処理を行わなかった以外は同様にして、導電性微粒子10(個数平均1次粒径:100nm)を作製した。
〈導電性微粒子11の作製〉
導電性微粒子1の作製において、芯材である硫酸バリウムの個数平均1次粒径を300nmに変更した以外は同様にして、重合性基を有する導電性微粒子11(個数平均1次粒径:300nm)を作製した。
《有機感光体の作製》
以下のようにして、有機感光体1〜19を作製した。
〈有機感光体1の作製〉
(1)導電性支持体の準備
円筒形アルミニウム支持体の表面を切削加工し、導電性支持体を準備した。
(2)中間層の形成
下記成分を下記分量で混合し、分散機としてサンドミルを用いて、バッチ式で10時間の分散を行い、中間層形成用の塗布液を調製した。当該塗布液を浸漬塗布法によって導電性支持体の表面に塗布し、110℃で20分間乾燥し、厚さ2μmの中間層を導電性支持体上に形成した。
ポリアミド樹脂(X1010:ダイセルデグサ株式会社) 10質量部
酸化チタン粒子(SMT500SAS:テイカ株式会社) 11質量部
エタノール 200質量部
(3)感光層の形成
(3.1)電荷発生層の形成
下記成分を下記分量で混合し、循環式超音波ホモジナイザー(RUS−600TCVP:株式会社日本精機製作所)を19.5kHz、600Wにて循環流量40L/時間で0.5時間分散することにより、電荷発生層形成用の塗布液を調製した。当該塗布液を浸漬塗布法によって中間層の表面に塗布し、乾燥させて、厚さ0.3μmの電荷発生層を中間層上に形成した。
電荷発生物質(Cu−Kα特性X線回折スペクトル測定で8.3°、24.7°、25.1°、26.5°に明確なピークを有するチタニルフタロシアニン及び(2R,3R)−2,3−ブタンジオールの1:1付加体と、未付加のチタニルフタロシアニンの混晶)
24質量部
ポリビニルブチラール樹脂(エスレックBL−1:積水化学工業株式会社、「エスレック」は、同社の登録商標) 12質量部
混合液(3−メチル−2−ブタノン/シクロヘキサノン=4/1(V/V))
400質量部
(3.2)電荷輸送層の形成
下記成分を下記分量で混合した電荷輸送層形成用の塗布液を浸漬塗布法によって電荷発生層の表面に塗布し、120℃で70分間乾燥することにより、厚さ24μmの電荷輸送層を電荷発生層上に形成した。
下記化合物A 60質量部
ポリカーボネート樹脂(Z300:三菱ガス化学株式会社) 100質量部
酸化防止剤(IRGANOX1010:BASF社、「IRGANOX」は同社の登録商標) 4質量部
Figure 2019159128
(4)保護層の形成
下記成分を下記分量で混合した保護層形成用の塗布液(ラジカル重合性樹脂組成物)を、電荷輸送層の表面に円形スライドホッパー塗布機を用いて塗布した。次いで、塗布された塗布液の膜に、メタルハライドランプで紫外線を1分間照射して当該膜を硬化させることにより、厚さ3.0μmの保護層を電荷輸送層(感光層)上に形成した。
重合性モノマー(M2) 120質量部
PFPE−A−4M 30質量部
導電性微粒子1 100質量部
重合開始剤(イルガキュア819:BASFジャパン社) 10質量部
2−ブタノール 400質量部
なお、PFPE−A−4Mとは、PFPE−A−4の構造式において、Xがメタクリロイルオキシ基である化合物を示す。
〈有機感光体2〜19の作製〉
有機感光体1の作製において、保護層における重合性モノマー、導電性微粒子及びPFPEを表Iに記載のとおりに変更した以外は同様にして、感光体2〜19を作製した。
なお、表I中、第1及び第2のPFPEとして用いられる化合物において、その化合物名の末尾がMのものはXがメタクリロイルオキシ基であるPFPEであり、その化合物名の末尾がAのものはXがアクリロイルオキシ基であるPFPEである。例えば、PFPE−A−4Aとは、PFPE−A−4の構造式において、Xがアクリロイルオキシ基である化合物を示す。
《トナーの作製》
以下のようにして、トナー1〜9を作製した。
〈トナー1の作製〉
(1)トナー母体粒子1の作製
(1.1)コア部用樹脂微粒子A分散液の調製
(1.1.1)第1段重合
撹拌装置、温度センサー、温度制御装置、冷却管及び窒素導入装置を取り付けた反応容器に、あらかじめアニオン性界面活性剤としてラウリル硫酸ナトリウム2.0質量部をイオン交換水2900質量部に溶解させたアニオン性界面活性剤溶液を仕込み、窒素気流下230rpmの撹拌速度で撹拌しながら、内温を80℃に昇温させた。
アニオン性界面活性剤溶液に重合開始剤として過硫酸カリウム(KPS)9.0質量部を添加し、内温を78℃とした。重合開始剤を添加したアニオン性界面活性剤溶液に対して、下記成分を下記分量で混合した単量体溶液1を3時間かけて滴下した。滴下終了後、78℃において1時間にわたって加熱・撹拌することによって重合(第1段重合)を行うことにより、樹脂微粒子a1の分散液を調製した。
スチレン 540質量部
n−ブチルアクリレート 154質量部
メタクリル酸 77質量部
n−オクチルメルカプタン 17質量部
(1.1.2)第2段重合:中間層の形成
下記成分を下記分量で混合し、オフセット防止剤としてパラフィンワックス(融点:73℃)51質量部を添加し、85℃に加温して溶解させて単量体溶液2を調製した。
スチレン 94質量部
n−ブチルアクリレート 27質量部
メタクリル酸 6質量部
n−オクチルメルカプタン 1.7質量部
アニオン性界面活性剤としてラウリル硫酸ナトリウム2質量部をイオン交換水1100質量部に溶解させた界面活性剤溶液を90℃に加温し、この界面活性剤溶液に樹脂微粒子a1の分散液を、樹脂微粒子a1の固形分換算で28質量部添加した後、循環経路を有する機械式分散機(クレアミックス;エム・テクニック社、「クレアミックス」は同社の登録商標)により、単量体溶液2を4時間混合・分散させ、分散粒子径350nmの乳化粒子を含有する分散液を調製した。当該分散液に重合開始剤としてKPS2.5質量部をイオン交換水110質量部に溶解させた開始剤水溶液を添加し、この系を90℃において2時間にわたって加熱・撹拌することによって重合(第2段重合)を行うことにより、樹脂微粒子a11の分散液を調製した。
(1.1.3)第3段重合:外層の形成(コア部用樹脂微粒子Aの作製)
樹脂微粒子a11の分散液に、重合開始剤としてKPS2.5質量部をイオン交換水110質量部に溶解させた開始剤水溶液を添加し、80℃の温度条件下において、下記成分が下記分量で配合された単量体溶液3を1時間かけて滴下した。滴下終了後、3時間にわたって加熱・撹拌することによって重合(第3段重合)を行った。その後、28℃まで冷却し、アニオン性界面活性剤溶液中にコア部用樹脂微粒子Aが分散されたコア部用樹脂微粒子Aの分散液を調製した。コア部用樹脂微粒子Aのガラス転移点は45℃であり、軟化点は100℃であった。
スチレン 230質量部
n−ブチルアクリレート 78質量部
メタクリル酸 16質量部
n−オクチルメルカプタン 4.2質量部
(1.2)シェル層用樹脂微粒子B分散液の調製
(1.2.1)シェル層用樹脂(スチレン・アクリル変性ポリエステル樹脂Bの合成
窒素導入管、脱水管、撹拌器及び熱電対を装備した容量10リットルの四つ口フラスコに、下記成分1を下記分量で入れ、230℃で8時間縮重合反応させ、更に、8kPaで1時間反応させ、160℃まで冷却した。
(成分1)
ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物 500質量部
テレフタル酸 117質量部
フマル酸 82質量部
エステル化触媒(オクチル酸スズ) 2質量部
次いで、冷却した上記溶液に、下記成分2を下記分量で混合した混合物滴下ロートにより1時間かけて滴下し、滴下後、160℃に保持したまま、1時間付加重合反応を継続させた後、200℃に昇温し、10kPaで1時間保持した後、未反応のアクリル酸、スチレン、ブチルアクリレートを除去することにより、スチレン・アクリル変性ポリエステル樹脂Bを得た。得られたスチレン・アクリル変性ポリエステル樹脂Bのガラス転移点は60℃であり、軟化点は105℃であった。
(成分2)
アクリル酸 10質量部
スチレン 30質量部
ブチルアクリレート 7質量部
重合開始剤(ジ−t−ブチルパーオキサイド) 10質量部
(1.2.2)シェル層用樹脂微粒子B分散液の調製
得られたスチレン・アクリル変性ポリエステル樹脂B100質量部を、粉砕器(ランデルミル、RM型;株式会社徳寿工作所社)で粉砕し、あらかじめ調製した0.26質量%濃度のラウリル硫酸ナトリウム溶液638質量部と混合し、撹拌しながら超音波ホモジナイザー(US−150T:株式会社日本精機製作所)を用いてV−LEVEL、300μAで30分間超音波分散し、体積基準のメディアン径(D50)が250nmであるシェル層用樹脂微粒子Bが分散されたシェル層用樹脂微粒子Bの分散液を調製した。
(1.3)着色剤微粒子分散液1の調製
ドデシル硫酸ナトリウム90質量部をイオン交換水1600質量部に撹拌溶解し、この溶液を撹拌しながら、カーボンブラック(モーガルL:キャボット社)420質量部を徐々に添加し、次いで、撹拌装置(クレアミックス:エム・テクニック社)を用いて分散処理することにより、着色剤微粒子が分散された着色剤微粒子分散液1を調製した。この分散液における着色剤微粒子の粒子径を、マイクロトラック粒度分布測定装置(UPA−150:日機装株式会社)を用いて測定したところ、117nmであった。
(1.4)トナー母体粒子1の作製(凝集、融着−洗浄−乾燥)
撹拌装置、温度センサー及び冷却管を取り付けた反応容器に、コア部用樹脂微粒子Aの分散液を固形分換算で288質量部、イオン交換水2000質量部を投入し、5mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを10(25℃)に調整した。
その後、着色剤微粒子分散液1を固形分換算で40質量部投入した。次いで、塩化マグネシウム60質量部をイオン交換水60質量部に溶解した水溶液を、撹拌下、30℃において10分間かけて添加した。その後、3分間放置した後に昇温を開始し、この系を60分間かけて80℃まで昇温し、80℃を保持したまま粒子成長反応を継続した。この状態で精密粒度分布測定装置(Multisizer3:コールター・ベックマン社)にてコア粒子の粒径を測定し、体積基準のメディアン径(D50)が6.0μmになった時点で、シェル層用樹脂微粒子Bの分散液を固形分換算で72質量部を30分間かけて投入し、反応液の上澄みが透明になった時点で、塩化ナトリウム190質量部をイオン交換水760質量部に溶解した水溶液を添加して粒子成長を停止させた。さらに、昇温を行い、90℃の状態で加熱撹拌することにより、粒子の融着を進行させ、トナーの平均円形度の測定装置(FPIA−2100:Sysmex社)を用いて(HPF検出数を4000個)平均円形度が0.945になった時点で30℃に冷却し、トナー母体粒子1の分散液を得た。
このトナー母体粒子1の分散液を遠心分離機で固液分離し、トナー粒子のウェットケーキを形成し、このウェットケーキを濾液の電気伝導度が5μS/cmになるまで35℃のイオン交換水で洗浄し、その後、気流式乾燥機(フラッシュジェットドライヤー:株式会社セイシン企業)に移し、水分量が0.5質量%となるまで乾燥し、トナー母体粒子1を得た。
(2)トナー1の作製
100質量部のトナー母体粒子1に、外添剤(金属酸化物粒子)としてSiO粒子(個数平均1次粒径:80nm)1.0質量部及び疎水性チタニア粒子(個数平均1次粒子径20nm)0.3質量部を添加し、ヘンシェルミキサーにより混合することにより、トナー1を作製した。
〈トナー2、3及び7〜9の作製〉
トナー1の作製において、SiO粒子の個数平均1次粒径を表Iに記載のとおりに変更した以外は同様にして、トナー2、3及び7〜9を作製した。
〈トナー4〜6の作製〉
トナー1の作製において、SiO粒子に代えてTiO粒子、Al粒子、SnO粒子を用いた以外は同様にして、トナー4〜6を作製した。
《評価》
以上のようにして作製した有機感光体及びトナーを用いて、下記の各評価を行った。
評価結果を表IIに示す。
〈滑剤メモリ〉
作製した各有機感光体及びトナーをフルカラー印刷機(bizhub PRESS C1070:コニカミノルタ株式会社、「bizhub」は同社の登録商標)に搭載し、10℃、15%RHの低温低湿環境(LL環境)で、カバレッジ50%のシアンベタ縦帯画像をA4横送りの向きで10000枚連続した後に全面ハーフ画像を出力し、目視による画像評価を行い、下記評価基準に従って評価した。
A:滑剤メモリが未発生
B:滑剤メモリがごく僅かに視認できるが実用上問題なし
C:滑剤メモリが僅かに視認できるが実用上問題なし
D:滑剤メモリが視認でき、実用上問題あり
E:滑剤メモリが明確に視認でき、実用上問題あり
〈転写効率〉
作製した各有機感光体及びトナーをフルカラー印刷機(bizhub PRESS C1070:コニカミノルタ株式会社、「bizhub」は同社の登録商標)に搭載し、10℃、15%RHの低温低湿環境(LL環境)で、シアン全面ベタ画像をA4横送りの向きで印字中に強制停止を行い、下記式に従い1次転写効率(転写効率)を算出し、下記評価基準に従って評価した。
(1次転写効率)=(転写ベルト上のトナー量)÷(現像〜転写前感光体上のトナー量)
A:1次転写効率が96%以上(問題なし)
B:1次転写効率が94%以上96%未満(実用上問題なし)
C:1次転写効率が92%以上94%未満(実用上問題なし)
D:1次転写効率が90%以上92%未満(実用上問題あり)
E:1次転写効率が90%未満(実用上問題あり)
Figure 2019159128
Figure 2019159128
〈まとめ〉
表I及びIIから明らかなように、本発明の画像形成方法である実施例1〜18は、比較例1〜10と比べて、滑剤メモリの発生を抑制し、転写効率に優れていることがわかる。
以上から、有機感光体における保護層が重合性モノマー、重合性基を有するパーフルオロポリエーテル及び重合性基を有する導電性微粒子を重合した重合硬化物を含有し、導電性微粒子の個数平均1次粒径が80〜200nmの範囲内であり、現像工程では、個数平均1次粒径が70〜150nmの範囲内である金属酸化物粒子を外添したトナーを用いる画像形成方法が、滑剤メモリの発生を抑え、かつ優れた転写効率を実現することに有用であることが確認できた。
1 有機感光体
1a 導電性支持体
1c 感光層
1d 保護層
1dA 重合性基を有する導電性微粒子
100 画像形成装置

Claims (7)

  1. 有機感光体を使用し、少なくとも帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程及びクリーニング工程を有する電子写真画像形成方法であって、
    前記有機感光体が、導電性支持体と、前記導電性支持体上に配置される感光層と、前記感光層上に配置される保護層と、を有し、
    前記保護層が、重合性モノマー、重合性基を有するパーフルオロポリエーテル及び重合性基を有する導電性微粒子を重合した重合硬化物を含有し、
    前記導電性微粒子の個数平均1次粒径が、80〜200nmの範囲内であり、
    前記現像工程では、個数平均1次粒径が70〜150nmの範囲内である金属酸化物粒子を外添したトナーを用いることを特徴とする電子写真画像形成方法。
  2. 前記金属酸化物粒子が、シリカ粒子であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真画像形成方法。
  3. 前記導性微粒子が、芯材の表面に導電性金属酸化物を付着させた複合微粒子であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電子写真画像形成方法。
  4. 前記複合微粒子における芯材が、硫酸バリウム、シリカ及び酸化アルミニウムの中から選択される化合物を含むことを特徴とする請求項3に記載の電子写真画像形成方法。
  5. 前記複合微粒子における芯材が、硫酸バリウムであることを特徴とする請求項4に記載の電子写真画像形成方法。
  6. 前記重合性基を有するパーフルオロポリエーテルが、重合性基の数が4以上である第1のパーフルオロポリエーテルと、重合性基の数が0〜3の範囲内である第2のパーフルオロポリエーテルとを含むことを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の電子写真画像形成方法。
  7. 前記重合性基が、アクリロイル基又はメタクリロイル基であることを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の電子写真画像形成方法。
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