JP5205908B2 - 電子写真感光体とそれを用いた画像形成方法及び画像形成装置 - Google Patents

電子写真感光体とそれを用いた画像形成方法及び画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、電子写真感光体とそれを用いた画像形成方法及び画像形成装置に関するものである。
近年、高速高画質を要求されている画像形成装置には、多くの場合電子写真方式の画像形成方法が採用されている。その根幹技術の一つが電子写真感光体(以下、単に感光体ということもあり)に係わる技術であり、これまで多くの開発・改良研究が成されてきた。
しかしながら、現在でも、感光体は長期間の使用時における性能変動・故障の発生や、画像形成時の温湿度環境による性能変動と言った耐久性・耐候性には十分な性能を有していない。
上記感光体の性能改良を目指す開発の一環として、樹脂の開発も盛んに行われている。従来、感光体に用いられていた熱可塑性樹脂は、高温高湿環境において十分な転写性が得られなかったり、感光体に傷が入りハーフトーンなど中間調画像にムラが生じたりすることが多かった。この課題に対する解決策として感光体に保護層を設置する改善が試みられ、感光体の表面硬度を上げるために架橋反応による高硬度化の検討が行われてきた(例えば、特許文献1又は2参照)。
特開平5−40360号公報 特開平8−179541号公報
しかしながら、高硬度化の目的を達成するため保護層の架橋密度を向上させて行くと保護層と感光層の接着性が低下するという問題があった。これは架橋密度を向上させることにより保護層内部の応力が高まり、感光層との接着性が低下することが原因と考えられる。この課題に対して、保護層中で反応硬化させるモノマーの官能基数を減少させることで改善を試みてきたが、機械的強度の低下により磨耗や傷に対する耐久性が不十分となり安定した特性を示す電子写真感光体が得られていなかった。さらに、硬化反応の反応率を制御することにより保護層の応力を調整できるが、形成される保護層中に反応性の官能基が残存していると高温高湿環境下で水やNOx等の放電生成物の吸着を招き、画像流れを引き起していた。このように保護層の高硬度化と接着性を両立させるのは極めて困難であった。
本発明は、上記課題を解決するためになされた。
即ち、本発明の目的は、保護層の高硬度化と接着性を両立させることにあり、保護層中の官能基の残存をなくし、高温高湿環境下で水やNOx等の放電生成物の吸着を招かず、画像流れを引き起さない電子写真感光体と、それを用いた画像形成方法及び画像形成装置を提供することである。
本発明者は、保護層と感光層の界面が十分な接着性を有し、かつ機械的強度と電子写真特性を満足するために感光層中に硬化性化合物をある程度含有させると、保護層の高硬度化と保護層と感光層間の接着性を両立させることがきることを見出し、本発明に至った。
〔1〕
導電性支持体上に感光層及び保護層を順次積層した電子写真感光体において、前記保護層に硬化性化合物を反応して得られる成分を含有し、かつ、前記感光層に前記保護層で用いられる硬化性化合物と異なる硬化性化合物及び当該硬化性化合物を反応して得られる成分の少なくともいずれかを含有するものであり、前記感光層は、少なくとも樹脂と電荷輸送物質を含有し、前記感光層に含有される硬化性化合物及び当該硬化性化合物を反応して得られる成分の含有量が前記電荷輸送物質に対して0.01〜5質量%であり、かつ、前記硬化性化合物を含有する感光層塗布液を用いて形成され、
前記硬化性化合物が、アクリロイル基またはメタクリロイル基を有する化合物であり、
前記保護層は電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーと電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を光エネルギーによって共重合して形成されたものを除くことを特徴とする電子写真感光体。

電子写真感光体に形成した静電潜像をトナー現像する画像形成方法において、該電子写真感光体に〔1〕に記載の電子写真感光体を用いることを特徴とする画像形成方法。

電子写真感光体に形成した静電潜像をトナー現像する画像形成装置において、該電子写真感光体に〔1〕に記載の電子写真感光体を用いることを特徴とする画像形成装置。
本発明により、保護層の高硬度化と接着性を両立させることにあり、保護膜中の官能基の残存をなくし、高温高湿環境下で水やNOx等の放電生成物の吸着を招かず、画像流れを引き起さない電子写真感光体と、それを用いた画像形成方法及び画像形成装置を提供することが出来る。
本発明につきさらに説明する。
本発明の構成により本発明の目的が達成される理由については、下記の如く考えられる。
感光層に硬化性化合物及び硬化性化合物を反応して得られる成分(以下この両者を硬化性化合物ということあり)をある程度含有させることで感光層を高硬度化し、感光層中の硬化性化合物と保護層中の硬化性化合物が反応あるいは相互作用し、保護層と感光層の分子の絡み合いをより密にしたものと考えている。このため、保護層と感光層界面の接着性を向上させられることにより、電子写真感光体の使用期間を通じて安定な電気特性を有し、さらに接着性が向上でしているので保護層の高硬度化が可能であり、機械的強度の向上で電子写真感光体の長寿命化も可能となった。
本発明においては感光層中の硬化性化合物の量は電荷輸送物質剤に対して0.01〜5質量%であり、好ましくは2〜4質量%である。感光層中の硬化性化合物の量を電荷輸送物質剤に対して0.01質量%未満とすると十分な膜硬度が得られず、感光体の全使用期間を通じての安定な電子写真特性を満足できない。一方で、感光層中の硬化性化合物の量を電荷輸送物質剤に対して5%よりも多く含有させると、硬化性化合物が感光層のホールのトラップ剤となり電気特性を悪化させてしまう。
感光層中に硬化性化合物を含有させる方法としては、電荷輸送層塗布液に添加する方法と保護層を塗布する際に、感光層を溶解させる溶媒を保護層塗布液に含有させておき、保護層を塗布する際に感光層を溶解させながら、硬化性化合物を感光層に含有させる方法が挙げられる。
硬化性化合物の含有量の測定としては、感光体表面層を研磨あるいは剥離し、感光層を有機溶媒で溶解させ、その溶出分から高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により硬化性化合物を分取し、検量線により濃度を算出した。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の構成では、電子写真感光体(以下、単に感光体ともいう)の機械的強度及び耐刷性を向上させ、感光層の表面を保護することを目的とした保護層が形成されている。該保護層に硬化性化合物を反応して得られる成分を含有し、且つ、感光層中に硬化性化合物及び硬化性化合物を反応して得られる成分の少なくともいずれかを含有することで本発明の目的を達成することができる。
尚、硬化性化合物を反応して得られる成分とは、硬化性化合物を反応して得られる樹脂或いは樹脂より低重合の化合物をいう。
〔感光体の層構成〕
本発明の感光体は、導電性支持体上に、少なくとも感光層及び保護層を順次積層したもので、その層構成は、特に制限されるものではなく、具体的には、以下に示すような層構成を挙げることができる。
1)導電性支持体上に、感光層として電荷発生層と電荷輸送層、及び保護層を順次積層した層構成、
2)導電性支持体上に、感光層として電荷輸送材料と電荷発生材料とを双方とも含む単層、及び保護層を順次積層した層構成、
3)導電性支持体上に、中間層、感光層として電荷発生層と電荷輸送層、及び保護層を順次積層した層構成、
4)導電性支持体上に、中間層、感光層として電荷輸送材料と電荷発生材料とを含む単層、及び保護層を順次積層した層構成。
本発明の感光体は、上記何れの層構成でもよいが、これらの中では、導電性支持体上に、中間層、電荷発生層、電荷輸送層、保護層を設けて作製されるものが好ましい。
これらの中間層、電荷発生層、電荷輸送層、保護層の塗布方法としては、浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ビードコーティング法、ブレードコーティング法、ビームコーティング法、スライドホッパー法などを用いることができる。
〔保護層〕
本発明の保護層は、少なくとも硬化性化合物を反応させて得られる成分を含有した構成である。
(硬化性化合物)
本発明の硬化性化合物は、紫外線や電子線等の活性線照射により重合(硬化)して、ポリスチレン、ポリアクリレート等、一般に感光体のバインダー樹脂として用いられる樹脂となるモノマーが好適であり、特に、スチレン系モノマー、アクリル系モノマー、メタアクリル系モノマー、ビニルトルエン系モノマー、酢酸ビニル系モノマー、N−ビニルピロリドン系モノマーが好ましい。
中でも、少ない光量あるいは短い時間での硬化が可能であることからアクリロイル基またはメタクリロイル基を有する光硬化型アクリル系化合物(以下、アクリル化合物ともいう)が特に好ましい。
本発明においては、これらのモノマーを単独で用いても、混合して用いてもよい。
以下に光硬化型アクリル系化合物(以下、アクリル化合物ともいう)の例を示す。
本発明においてアクリル系化合物とは、アクリロイル基(CH2=CHCO−)またはメタクリロイル基(CH2=CCH3CO−)を有する化合物である。また、以下にいうAc基数(アクリロイル基数)とはアクリロイル基またはメタクリロイル基の数を表す。
但し、上記においてR及びR′はそれぞれ下記で示される。
KAYARAD MANDA(日本化薬(株)製、分子量312、2官能アクリルモノマー):B−1。
また、各種の反応性オリゴマーも使用することができる。例えば、エポキシアクリレートオリゴマー、ウレタンアクリレートオリゴマー、ポリエステルアクリレートオリゴマー、不飽和ポリエステル樹脂を使用することができる。具体的には下記に挙げられる。
KAYARAD DPCA120(日本化薬(株)製、分子量1947、6官能ジペンタエリスリトール誘導体のヘキサアクリレート):B−2
E8402(ダイセルサイテック(株)製、分子量1000、2官能ウレタンアクリレート):B−3。
本発明においては、硬化性化合物は官能基が3以上であること好ましく、5以上が特に好ましい。又、硬化性反応基等量、即ち「硬化性化合物分子量/官能基数」は1000以下であることが好ましく、500以下が特に好ましい。これにより、架橋密度が高くなり、感光体の耐摩耗性が向上する。これより大きな値となると感光体の高耐久性等に問題を生じることもある。
本発明においては、硬化性反応基当量の異なる2種類以上の硬化性化合物を混合して使用してもよい。
(保護層の形成)
本発明の硬化性化合物を反応させる際には、電子線開裂で反応させる方法、ラジカル重合開始剤を添加して、光、熱で反応させる方法などが用いられる。重合開始剤は光重合開始剤、熱重合開始剤のいずれも使用することができる。また、光、熱の両方の開始剤を併用することもできる。
重合開始剤としては、ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシーシクロヘキシルーフェニル−ケトン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノン−1、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−メチル−2−モルフォリノ(4−メチルチオフェニル)プロパン−1−オン、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム等のアセトフェノン系またはケタール系光重合開始剤、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾインエーテル系光重合開始剤、ベンゾフェノン、4−ヒドロキシベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、2−ベンゾイルナフタレン、4−ベンゾイルビフェニル、4−ベンゾイルフェニールエーテル、アクリル化ベンゾフェノン、1,4−ベンゾイルベンゼン等のベンゾフェノン系光重合開始剤、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン等のチオキサントン系光重合開始剤が挙げられる。
その他の光重合開始剤としては、エチルアントラキノン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルエトキシホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシエステル、9,10−フェナントレン、アクリジン系化合物、トリアジン系化合物、イミダゾール系化合物が挙げられる。また、光重合促進効果を有するものを単独または上記光重合開始剤と併用して用いることもできる。例えば、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸(2−ジメチルアミノ)エチル、4,4′−ジメチルアミノベンゾフェノン等が挙げられる。
これらの重合開始剤は1種または2種以上を混合して用いてもよい。重合開始剤の含有量は、アクリル系化合物の100質量部に対し0.1〜20質量部、好ましくは0.5〜10質量部である。
また、膜強度の向上や抵抗調整のために各種フィラーを添加することもできる。フィラーとしてはシリカ、アルミナ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化ビスマス等の各種金属酸化物、スズをドープした酸化インジウム、アンチモンをドープした酸化スズ及び酸化ジルコニウムなどの超微粒子を用いることができる。これら金属酸化物を1種類もしくは2種類以上混合して用いてもよい。2種類以上混合した場合には固溶体または融着の形をとってもよい。フィラーの粒径は、数平均一次粒径が1〜300nmのものが好ましい。特に、好ましくは3〜100nmのものである。保護層中のフィラーの割合は、アクリル系化合物100質量部に対して1〜100質量部、特に好ましくは10〜80質量部である。
本発明に用いる保護層において、フィラーの分散性の向上及び平滑性の向上を目的としてフィラーに対して種々の表面処理を加えることができる。表面処理剤としては、各種の無機物処理やケイ素化合物、含フッ素シランカップリング剤、フッ素変性シリコーンオイル、フッ素系界面活性剤及びフッ素系グラフトポリマー等による処理が挙げられる。
又、本発明の保護層には、さらに各種の電荷輸送物質を含有させることも出来る。
本発明に用いる保護層において、各種の滑剤粒子を加えることができる。例えば、フッ素原子含有樹脂粒子を加えることができる。フッ素原子含有樹脂粒子としては、四フッ化エチレン樹脂、三フッ化塩化エチレン樹脂、六フッ化塩化エチレンプロピレン樹脂、フッ化ビニル樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、二フッ化二塩化エチレン樹脂、及びこれらの共重合体の中から1種あるいは2種以上を適宜選択するのが好ましいが、特に四フッ化エチレン樹脂及びフッ化ビニリデン樹脂が好ましい。保護層中の滑剤粒子の割合は、アクリル系樹脂100質量部に対して、好ましくは5〜70質量部、より好ましくは10〜60質量%である。滑剤粒子の粒径は、平均一次粒径が0.01μm〜1μmのものが好ましい。特に好ましくは、0.05μm〜0.5μmのものである。樹脂の分子量は適宜選択することができ、特に制限されるものではない。
フィラー及び滑剤粒子の分散手段としては、超音波分散機、ボールミル、サンドグラインダー及びホモミキサー等が使用できるが、これらに限定されるものではない。
本発明においては、前記保護層中に耐候性を向上させる目的で酸化防止剤などの添加物を加えてもよい。酸化防止剤は、電荷輸送層に添加するものと同様のものを選択できる。
本発明においては、硬化性化合物に加え、また他の樹脂、例えば、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリウレタン、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、アルキド樹脂及び塩ビ−酢ビ共重合体などの樹脂と混合して用いることもできる。
保護層を形成するための溶媒としては、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、t−ブタノール、sec−ブタノール、ベンジルアルコール、トルエン、キシレン、メチレンクロライド、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、テトラヒドロフラン、1−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、ピリジン及びジエチルアミン等を挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明の保護層は、上記保護層の各成分を含有する塗布液を塗布後、自然乾燥または熱乾燥を行った後、活性線を照射して反応させることが好ましい。
塗布方法は、中間層、感光層と同様の、浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ビードコーティング法、ブレードコーティング法、ビームコーティング法、スライドホッパー法などの公知の方法を用いることができる。
本発明の感光体は、塗膜に活性線を照射してラジカルを発生して重合し、かつ分子間及び分子内で架橋反応による架橋結合を形成して硬化し、硬化樹脂を生成することが好ましい。活性線としては紫外線や電子線が特に好ましい。
紫外線光源としては、紫外線を発生する光源であれば制限なく使用できる。例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、フラッシュ(パルス)キセノン等を用いることができる。照射条件はそれぞれのランプによって異なるが、活性線の照射量は、通常5〜500mJ/cm2、好ましくは5〜100mJ/cm2である。ランプの電力は、好ましくは0.1kW〜5kWであり、特に好ましくは、0.5kW〜3kWである。
電子線源としては、電子線照射装置に格別の制限はなく、一般にはこのような電子線照射用の電子線加速機として、比較的安価で大出力が得られるカーテンビーム方式のものが有効に用いられる。電子線照射の際の加速電圧は、100〜300kVであることが好ましい。吸収線量としては、0.5〜10Mradであることが好ましい。
必要な活性線の照射量を得るための照射時間としては、0.1秒〜10分が好ましく、アクリル系化合物の硬化効率または作業効率の観点から0.1秒〜5分がより好ましい。
活性線としては、紫外線が使用しやすく特に好ましい。
本発明の感光体は、活性線を照射する前後、及び活性線を照射中に乾燥を行うことができ、乾燥を行うタイミングはこれらを組み合わせて適宜選択できる。
乾燥の条件は、溶媒の種類、膜厚などのよって適宜選択できる。乾燥温度は、好ましくは室温〜180℃であり、特に好ましくは80℃〜140℃である。乾燥時間は、好ましくは1分〜200分であり、特に好ましくは5分〜100分である。
保護層の膜厚は好ましくは0.2〜10μmであり、より好ましくは0.5〜6μmである。
〔導電性支持体〕
本発明で用いる支持体は導電性を有するものであればいずれのものでもよく、例えば、アルミニウム、銅、クロム、ニッケル、亜鉛及びステンレスなどの金属をドラムまたはシート状に成形したもの、アルミニウムや銅などの金属箔をプラスチックフィルムにラミネートしたもの、アルミニウム、酸化インジウム及び酸化スズなどをプラスチックフィルムに蒸着したもの、導電性物質を単独またはバインダー樹脂と共に塗布して導電層を設けた金属、プラスチックフィルム及び紙などが挙げられる。
〔中間層〕
本発明においては、導電層と感光層の中間にバリアー機能と接着機能をもつ中間層を設けることもできる。
中間層はカゼイン、ポリビニルアルコール、ニトロセルロース、エチレン−アクリル酸コポリマー、ポリアミド、ポリウレタン及びゼラチンなどのバインダー樹脂を公知の溶媒に溶解し、浸漬塗布などによって形成できる。中でもアルコール可溶性のポリアミド樹脂が好ましい。
また、中間層の抵抗調整の目的で各種の導電性微粒子や金属酸化物を含有させることができる。例えば、アルミナ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化ビスマス等の各種金属酸化物。スズをドープした酸化インジウム、アンチモンをドープした酸化スズ及び酸化ジルコニウムなどの超微粒子を用いることができる。
これら金属酸化物を1種類もしくは2種類以上混合して用いてもよい。2種類以上混合した場合には、固溶体または融着の形をとってもよい。このような金属酸化物の平均粒径は好ましくは0.3μm以下、より好ましくは0.1μm以下である。
中間層に使用する溶媒としては、無機粒子を良好に分散し、ポリアミド樹脂を溶解するものが好ましい。具体的には、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、t−ブタノール、sec−ブタノール等の炭素数2〜4のアルコール類が、ポリアミド樹脂の溶解性と塗布性能に優れ好ましい。また、保存性、粒子の分散性を向上するために、前記溶媒と併用し、好ましい効果を得られる助溶媒としては、メタノール、ベンジルアルコール、トルエン、メチレンクロライド、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン等が挙げられる。
バインダー樹脂の濃度は、中間層の膜厚や生産速度に合わせて適宜選択される。
無機粒子などを分散したと時のバインダー樹脂に対する無機粒子の混合割合は、バインダー樹脂100質量部に対して無機粒子20〜400質量部が好ましく、さらに好ましくは50〜200部である。
無機粒子の分散手段としては、超音波分散機、ボールミル、サンドグラインダー及びホモミキサー等が使用できるが、これらに限定されるものではない。
中間層の乾燥方法は、溶媒の種類、膜厚に応じて適宜選択することができるが、熱乾燥が好ましい。
中間層の膜厚は、0.1〜15μmが好ましく、0.3〜10μmがより好ましい。
〔電荷発生層〕
本発明に用いられる電荷発生層は、電荷発生物質とバインダー樹脂を含有し、電荷発生物質をバインダー樹脂溶液中に分散、塗布して形成したものが好ましい。
電荷発生物質は、スーダンレッド及びダイアンブルーなどのアゾ原料、ビレンキノン及びアントアントロンなどのキノン顔料、キノシアニン顔料、ペリレン顔料、インジゴ及びチオインジゴなどのインジゴ顔料、フタロシアニン顔料などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの電荷発生物質は単独、もしくは公知の樹脂中に分散する形態で使用することができる。
電荷発生層のバインダー樹脂としては、公知の樹脂を用いることができ、例えば、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂、並びにこれらの樹脂の内2つ以上を含む共重合体樹脂(例えば、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体樹脂)及びポリ−ビニルカルバゾール樹脂等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
電荷発生層の形成は、バインダー樹脂を溶剤で溶解した溶液中に分散機を用いて電荷発生物質を分散して塗布液を調製し、塗布液を塗布機で一定の膜厚に塗布し、塗布膜を乾燥して作製することが好ましい。
電荷発生層に使用するバインダー樹脂を溶解し塗布するための溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、メチレンクロライド、1,2−ジクロロエタン、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、テトラヒドロフラン、1−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、ピリジン及びジエチルアミン等を挙げられるが、これらに限定されるものではない。
電荷発生物質の分散手段としては、超音波分散機、ボールミル、サンドグラインダー及びホモミキサー等が使用できるが、これらに限定されるものではない。
バインダー樹脂に対する電荷発生物質の混合割合は、バインダー樹脂100質量部に対して電荷発生物質1〜600質量部が好ましく、さらに好ましくは50〜500部である。電荷発生層の膜厚は、電荷発生物質の特性、バインダー樹脂の特性及び混合割合等により異なるが好ましくは0.01〜5μm、より好ましくは0.05〜3μmである。なお、電荷発生層用の塗布液は塗布前に異物や凝集物を濾過することで画像欠陥の発生を防ぐことができる。前記顔料を真空蒸着することによって形成すこともできる。
〔電荷輸送層〕
本発明の感光体に用いられる電荷輸送層は、電荷輸送物質とバインダー樹脂を含有し、電荷輸送物質をバインダー樹脂溶液中に溶解、塗布して形成される。
電荷輸送物質は、例えば、カルバゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、チアゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、イミダゾロン誘導体、イミダゾリジン誘導体、ビスイミダゾリジン誘導体、スチリル化合物、ヒドラゾン化合物、ピラゾリン化合物、オキサゾロン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、キナゾリン誘導体、ベンゾフラン誘導体、アクリジン誘導体、フェナジン誘導体、アミノスチルベン誘導体、トリアリールアミン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、スチルベン誘導体、ベンジジン誘導体、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリ−1−ビニルピレン及びポリ−9−ビニルアントラセン等を2種以上混合して使用してもよい。
電荷輸送層用のバインダー樹脂は、公知の樹脂を用いることができ、ポリカーボネート樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリルニトリル共重合体樹脂、ポリメタクリル酸エステル樹脂及びスチレン−メタクリル酸エステル共重合体樹脂等が挙げられるが、ポリカーボネートが好ましい。更にはBPA、BPZ、ジメチルBPA、BPA−ジメチルBPA共重合体等が耐クラック、耐磨耗性、帯電特性の点で好ましい。
電荷輸送層の形成は、バインダー樹脂と電荷輸送物質を溶解して塗布液を調製し、塗布液を塗布機で一定の膜厚に塗布し、塗布膜を乾燥して作製することが好ましい。
上記バインダー樹脂と電荷輸送物質を溶解するための溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、メチレンクロライド、1,2−ジクロロエタン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、ピリジン及びジエチルアミン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
バインダー樹脂に対する電荷輸送物質の混合割合は、バインダー樹脂100質量部に対して電荷輸送物質10〜500質量部が好ましく、さらに好ましくは20〜100質量部である。
電荷輸送層の膜厚は、電荷輸送物質の特性、バインダー樹脂の特性及び混合割合等により異なるが好ましくは5〜40μmで、さらに好ましくは10〜30μmである。
電荷輸送層中には酸化防止剤、電子導電剤、安定剤等を添加してもよい。酸化防止剤については特願平11−200135号、電子導電剤は特開昭50−137543号、同58−76483号等に記載のものがよい。
〔トナーの作製方法〕
トナーの製造方法としては、特に限定されるものではないが、乳化会合法による方法が好ましく用いられる。特にミニエマルジョン重合粒子を乳化重合によって多段重合構成とした樹脂粒子を会合(凝集・融着)する製造方法が好ましい。
以下、ミニエマルジョン重合会合法によるトナーの作製方法の一例について詳細に説明する。このトナーの作製方法では、以下の工程を経て作製される。
(1)離型剤をラジカル重合性単量体に溶解或いは分散する溶解/分散工程
(2)離型剤を溶解/分散させた重合性単量体溶液を溶液媒体中で液滴化し、ミニエマルジョン重合して樹脂粒子の分散液を調製する重合工程
(3)含有する溶液媒体中で着色剤を分散させる着色剤分散工程
(4)溶液媒体中で樹脂粒子と着色剤粒子を会合させて会合粒子を得る凝集・融着工程
(5)会合粒子を熱エネルギーにより熟成して形状を調整しトナー粒子とする熟成工程
(6)トナー粒子の分散液を、冷却する冷却工程
(7)冷却されたトナー粒子の分散液から当該トナー粒子を固液分離し、当該トナー母体から界面活性剤などを除去する洗浄工程
(8)洗浄処理されたトナー粒子を、乾燥する乾燥工程
(9)乾燥処理されたトナー粒子に、外添剤を添加する工程
以下、各工程について説明する。
(1)溶解/分散工程
この工程は、ラジカル重合性単量体に離型剤を溶解或いは分散させて、当該離型剤のラジカル重合性単量体溶液を調製する工程である。
(2)重合工程
この重合工程の好適な一例においては、界面活性剤を含有した溶液媒体中に、前記離型剤を溶解或いは分散したラジカル重合性単量体溶液を添加し、機械的エネルギーを加えて液滴を形成させ、次いで水溶性のラジカル重合開始剤からのラジカルにより当該液滴中において重合反応を進行させる。尚、前記溶液媒体中に、核粒子として樹脂粒子を添加しておいても良い。
この重合工程により、離型剤と結着樹脂とを含有する樹脂粒子が得られる。かける樹脂粒子は、着色された粒子であっても良く、着色されていない粒子であっても良い。着色された樹脂粒子は、着色剤を含有する単量体組成物を重合処理することにより得られる。又、着色されていない樹脂粒子を使用する場合には、後述する凝集工程において、樹脂粒子の分散液に、着色剤粒子の分散液を添加し、樹脂粒子と着色剤粒子とを凝集させることで着色粒子とすることができる。
(3)着色剤粒子の分散工程
この工程は、界面活性剤を含有する溶液媒体中に着色剤粒子を添加し、分散装置を用いて着色剤粒子を溶液媒体中に分散させる工程である。
着色剤粒子を分散する工程に用いられる分散装置としては、特に限定されず公知のものを用いることができる。好ましい分散装置としては超音波分散機、機械的ホモジナイザー、マントンゴーリン、圧力式ホモジナイザー等の加圧分散機、サンドグラインダー、ゲッツマンミル、ダイヤモンドファインミル等の媒体型分散機等を挙げることができる。
尚、着色剤は表面改質されていても良い。着色剤の表面改質法は溶媒中に着色剤粒子を分散させ、その分散液中に表面改質剤を添加し、この系を昇温することにより反応させる。反応修了後、着色剤粒子を濾別し、同一の溶媒で洗浄濾過を繰り返した後、乾燥することにより、表面改質剤で処理された着色剤が得られる。
本発明に記載の効果を更に好ましく得る観点から、トナー製造工程時、溶液媒体中に分散された着色剤の平均分散径が2〜300nmであることが好ましく、2〜200nmであることがより好ましい。着色剤の平均分散径は、化合物の種類や量、界面活性剤の量、分散装置の回転数、分散時間等により制御することができる。
(4)凝集・融着工程
凝集工程は、重合工程により得られた樹脂粒子と着色剤粒子を用いて着色粒子を形成する工程である。又、当該凝集工程においては、樹脂粒子や着色剤粒子とともに、離型剤粒子や荷電制御剤などの内添剤粒子なども凝集させることができる。
好ましい凝集方法は、樹脂粒子と着色剤粒子とが存在している水中に、アルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩等からなる塩析剤を臨界凝集濃度以上の凝集剤として添加し、次いで、前記樹脂粒子のガラス転移温度以上であって、且つ前記離型剤の融解ピーク温度(℃)以上の温度に加熱することで凝集を行う方法である。
(5)熟成工程
熟成は、熱エネルギー(加熱)により行う方法が好ましい。
具体的には、会合粒子を含む液を、加熱撹拌することにより、会合粒子の形状を所望の円形度になるまで、加熱温度、撹拌速度、加熱時間により調整し、トナー粒子とするものである。
(6)冷却工程
この工程は、前記トナー粒子の分散液を冷却処理(急冷処理)する工程である。冷却処理条件としては、1〜20℃/minの冷却速度で冷却する。冷却処理方法としては特に限定されるものではなく、反応容器の外部より冷媒を導入して冷却する方法や、冷水を直接反応系に投入して冷却する方法を例示することができる。
(7)洗浄工程
この固液分離・洗浄工程では、上記の工程で所定温度まで冷却されたトナー粒子の分散液から当該トナー粒子を固液分離する固液分離処理と、固液分離されたトナーケーキ(ウェット状態にあるトナー粒子をケーキ状に凝集させた集合物)から界面活性剤や塩析剤などの付着物、熟成工程で用いたアルカリ剤を除去する洗浄処理とが施される。
洗浄処理は、濾液の電気伝導度が10μS/cmになるまで水洗浄する。濾過処理方法としては、遠心分離法、ヌッチェ等を使用して行う減圧濾過法、フィルタープレス等を使用して行う濾過法などがあり、特に限定されるものではない。
(8)乾燥工程
この工程は、洗浄処理されたトナーケーキを乾燥処理し、乾燥されたトナー粒子を得る工程である。この工程で使用される乾燥機としては、スプレードライヤー、真空凍結乾燥機、減圧乾燥機などを挙げることができ、静置棚乾燥機、移動式棚乾燥機、流動層乾燥機、回転式乾燥機、撹拌式乾燥機などを使用することが好ましい。乾燥された着色粒子の水分は、5質量%以下であることが好ましく、更に好ましくは2質量%以下とされる。尚、乾燥処理されたトナー粒子同士が、弱い粒子間引力で凝集している場合には、当該凝集体を解砕処理しても良い。ここに、解砕処理装置としては、ジェットミル、ヘンシェルミキサー、コーヒーミル、フードプロセッサー等の機械式の解砕装置を使用することができる。
トナーの体積基準におけるメディアン径(D50)は、下記の測定方法にて測定して得られる。
コールターマルチサイザー3(コールター社製)に、データ処理用ソフト「Software V3.51」を搭載したコンピューターシステム(コールター社製)を接続した装置を用いて測定、算出する。
測定手順としては、トナー0.02gを、界面活性剤溶液20ml(トナーの分散を目的として、例えば界面活性剤成分を含む中性洗剤を純水で10倍希釈した界面活性剤溶液)で馴染ませた後、超音波分散を1分間行い、トナー分散液を作製する。このトナー分散液を、サンプルスタンド内のISOTONII(コールター社製)の入ったビーカーに、測定器表示濃度が5%〜10%になるまでピペットにて注入する。この濃度範囲にすることにより、再現性のある測定値が得られる。測定機において、測定粒子カウント数を25000個、アパチャ−径を50μmにし、測定範囲である1〜30μmの範囲を256分割しての頻度値を算出する。体積積算分率が大きい方から50%の粒子径を体積基準メディアン径とする。
次に、トナー粒子を構成する材料について説明する。
(結着樹脂)
結着樹脂を構成する重合性単量体として使用されるものは、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−クロロスチレン、3,4−ジクロロスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレンの様なスチレン或いはスチレン誘導体、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル等のメタクリル酸エステル誘導体、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸フェニル等の、アクリル酸エステル誘導体、エチレン、プロピレン、イソブチレン等のオレフィン類、塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン等のハロゲン系ビニル類、プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル等のビニルエステル類、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル等のビニルエーテル類、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルヘキシルケトン等のビニルケトン類、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドン等のN−ビニル化合物、ビニルナフタレン、ビニルピリジン等のビニル化合物類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド等のアクリル酸或いはメタクリル酸誘導体がある。これらビニル系単量体は単独或いは組み合わせて使用することができる。
又、樹脂を構成する重合性単量体としてイオン性解離基を有するものを組み合わせて用いることが更に好ましい。例えば、カルボキシル基、スルフォン酸基、リン酸基等の置換基を単量体の構成基として有するもので、具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、フマール酸、マレイン酸モノアルキルエステル、イタコン酸モノアルキルエステル、スチレンスルフォン酸、アリルスルフォコハク酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルフォン酸、アシッドホスホオキシエチルメタクリレート、3−クロロ−2−アシッドホスホオキシプロピルメタクリレート等が挙げられる。
更に、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート等の多官能性ビニル類を使用して架橋構造の樹脂とすることもできる。
これら重合性単量体はラジカル重合開始剤を用いて重合することができる。この場合、懸濁重合法では油溶性重合開始剤を用いることができる。この油溶性重合開始剤としては、2,2′−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、1,1′−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2′−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系又はジアゾ系重合開始剤、ベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンペルオキサイド、ジイソプロピルペルオキシカーボネート、クメンヒドロペルオキサイド、t−ブチルヒドロペルオキサイド、ジ−t−ブチルペルオキサイド、ジクミルペルオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキサイド、ラウロイルペルオキサイド、2,2−ビス−(4,4−t−ブチルペルオキシシクロヘキシル)プロパン、トリス−(t−ブチルペルオキシ)トリアジンなどの過酸化物系重合開始剤や過酸化物を側鎖に有する高分子開始剤などを挙げることができる。
又、乳化重合法を用いる場合には水溶性ラジカル重合開始剤を使用することができる。水溶性重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、アゾビスアミノジプロパン酢酸塩、アゾビスシアノ吉草酸及びその塩、過酸化水素等を挙げることができる。
(連鎖移動剤)
樹脂の分子量を調整するためには、一般的に用いられる連鎖移動剤を用いることが可能である。用いられる連鎖移動剤としては、特に限定されるものではなく例えばn−オクチルメルカプタン、n−デシルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタン等のメルカプタン、n−オクチル−3−メルカプトプロピオン酸エステル等のメルカプトプロピオン酸エステル、ターピノーレン、四臭化炭素及びα−メチルスチレンダイマー等が使用される。
(着色剤)
本発明に用いられる着色剤は、特に限定はなく一般に使用されている着色剤を使用することができる。
尚、これらの着色剤は必要に応じて単独もしくは2つ以上を選択併用しても良い。又、着色剤の添加量はトナー全体に対して1〜30質量%、好ましくは2〜20質量%の範囲に設定するのが良い。
(離型剤)
本発明に用いられる離型剤は、公知の化合物を用いることができる。
このようなものとしては、例えば、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなどのポリオレフィンワックス、パラフィンワックス、サゾールワックスなどの長鎖炭化水素系ワックス、ジステアリルケトンなどのジアルキルケトン系ワックス、カルナウバワックス、モンタンワックス、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18−オクタデカンジオールジステアレート、トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエートなどのエステル系ワックス、エチレンジアミンベヘニルアミド、トリメリット酸トリステアリルアミドなどのアミド系ワックスなどが挙げられる。
トナーに含有される離型剤の量は、トナー全体に対し1〜20質量%が好ましく、3〜15質量%がより好ましい。
(荷電制御剤)
本発明に係るトナーには、必要に応じて荷電制御剤を添加することができる。荷電制御剤としては、公知の化合物を用いることができる。
〔現像剤〕
本発明のトナーは、一成分現像剤、二成分現像剤として用いることができる。
一成分現像剤として用いる場合は、非磁性一成分現像剤、或いはトナー中に0.1μm〜0.5μm程度の磁性粒子を含有させ磁性一成分現像剤としたものが挙げられ、いずれも使用することができる。
又、キャリアと混合して二成分現像剤として用いることができる。キャリアとしては、鉄、フェライト、マグネタイト等の金属、それらの金属とアルミニウム、鉛等の金属との合金等の従来から公知の磁性粒子を用いることができる。特にフェライト粒子が好ましい。上記キャリアの粒子径は、質量平均粒子径で20〜100μmが好ましく、20〜70μmがより好ましい。
キャリアの粒子径の測定は、代表的には湿式分散機を備えたレーザ回折式粒度分布測定装置「ヘロス(HELOS)」(シンパティック(SYMPATEC)社製)により測定することができる。
キャリアは、磁性粒子が更に樹脂によりコートされているもの、或いは樹脂中に磁性粒子を分散させたいわゆる樹脂分散型キャリアが好ましい。コート用の樹脂としては、特に限定は無いが、例えば、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、エステル系樹脂或いはフッ素含有重合体系樹脂等が用いられる。又、樹脂分散型キャリアを構成するための樹脂としては、特に限定されず公知のものを使用することができ、例えば、スチレン−アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素系樹脂、フェノール樹脂等を使用することができる。これらの中では、スチレン−アクリル樹脂でコートしたコートキャリアが外部添加剤の離脱防止や耐久性を確保できより好ましい。
〔外添剤〕
本発明に係るトナーには、通常外添剤が添加される。外添剤を構成する材料としては、金属酸化物、例えば、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、チタン酸バリウム、チタン酸アルミニウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸マグネシウム、酸化マグネシウム、酸化セリウム、酸化亜鉛、酸化クロム、酸化セリウム、酸化アンチモン、酸化タングステン、酸化スズ、酸化テルル、酸化マンガン、等が挙げられる。
更に、上記金属酸化物に疎水化処理を行ったものでもよい。疎水化のための処理には、各種チタンカップリング剤、シランカップリング剤等の所謂カップリング剤によって疎水化処理することが好ましく、更に高級脂肪酸金属塩によって疎水化処理することも好ましく使用される。トナー中の金属酸化物の添加量としては0.10〜10.0質量%が好ましく、更には0.50〜5.0質量%が好ましい。
通常外添剤は、個数平均粒径が3.0〜300nmの粒子として添加されるものであるが、80〜300nm粒径のものと、より粒径の小粒径外添剤を併用しても構わない。
個数平均粒径の測定方法としては、下記の如き方法がある。
走査型電子顕微鏡にて3万倍写真を撮影し、この写真画像をスキャナーにより取り込む。画像処理解析装置LUZEX AP(ニレコ製)にて、該写真画像のトナー表面に存在する外添剤について2値化処理し、無機微粒子1種につき100個についての水平方向フェレ径を算出、その平均値を個数平均粒径とする。なお、無機微粒子がいくつかの凝集体としてトナー表面に存在する場合は、該凝集体を形成する一次粒子の粒子径を測定するものとする。
〔画像形成方法、画像形成装置〕
本発明に係わる画像形成方法、画像形成装置は、電子写真方式の複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に好適に用いられるものなら特に限定はない。
ここでは代表例として、タンデム型フルカラー複写機を例に取り説明する。
図1は、カラー画像形成装置の1例を示す断面構成図である。
このカラー画像形成装置1は、タンデム型フルカラー複写機と称せられるもので、自動原稿送り装置13と、原稿画像読み取り装置14と、複数の露光手段13Y、13M、13C、13Kと、複数組の画像形成部10Y、10M、10C、10Kと、中間転写体ユニット17と、給紙手段15及び定着手段124とから成る。
画像形成装置の本体12の上部には、自動原稿送り装置13と原稿画像読み取り装置14が配置されており、自動原稿送り装置13により搬送される原稿dの画像が原稿画像読み取り装置14の光学系により反射・結像され、ラインイメージセンサCCDにより読み込まれる。
ラインイメージセンサCCDにより読み取られた原稿画像を光電変換されたアナログ信号は、図示しない画像処理部において、アナログ処理、A/D変換、シェーディング補正、画像圧縮処理等を行った後、露光手段13Y、13M、13C、13Kに各色毎のデジタル画像データとして送られ、露光手段13Y、13M、13C、13Kにより対応する第1の像担持体としてのドラム状の感光体(以下感光体とも記す)11Y、11M、11C、11Kに各色の画像データの潜像を形成する。
画像形成部10Y、10M、10C、10Kは、垂直方向に縦列配置されており、感光体11Y、11M、11C、11Kの図示左側方にローラ171、172、173、174を巻回して回動可能に張架された半導電性でシームレスベルト状の第2の像担持体である本発明の中間転写体(以下中間転写ベルトと記す)170が配置されている。
そして、本発明の中間転写ベルト170は図示しない駆動装置により回転駆動されるローラ171を介し矢印方向に駆動されている。
イエロー色の画像を形成する画像形成部10Yは、感光体11Yの周囲に配置された帯電手段12Y、露光手段13Y、現像手段14Y、1次転写手段としての1次転写ローラ15Y、クリーニング手段16Yを有する。
マゼンタ色の画像を形成する画像形成部10Mは、感光体11M、帯電手段12M、露光手段13M、現像手段14M、1次転写手段としての1次転写ローラ15M、クリーニング手段16Mを有する。
シアン色の画像を形成する画像形成部10Cは、感光体11C、帯電手段12C、露光手段13C、現像手段14C、1次転写手段としての1次転写ローラ15C、クリーニング手段16Cを有する。
黒色画像を形成する画像形成部10Kは、感光体11K、帯電手段12K、露光手段13K、現像手段14K、1次転写手段としての1次転写ローラ15K、クリーニング手段16Kを有する。
トナー補給手段141Y、141M、141C、141Kは、現像装置14Y、14M、14C、14Kにそれぞれ新規トナーを補給する。
ここで、1次転写ローラ15Y、15M、15C、15Kは、図示しない制御手段により画像の種類に応じて選択的に作動され、それぞれ対応する感光体11Y、11M、11C、11Kに中間転写ベルト170を押圧し、感光体上の画像を転写する。
この様にして、画像形成部10Y、10M、10C、10Kにより感光体11Y、11M、11C、11K上に形成された各色の画像は、1次転写ローラ15Y、15M、15C、15Kにより、回動する中間転写ベルト170上に逐次転写されて、合成されたカラー画像が形成される。
即ち、中間転写ベルトは感光体の表面に担持されたトナー画像をその表面に1次転写され、転写されたトナー画像を保持する。
又、給紙カセット151内に収容された記録媒体としての転写材Pは、給紙手段15により給紙され、次いで複数の中間ローラ122A、122B、122C、122D、レジストローラ123を経て、2次転写手段としての2次転写ローラ117まで搬送され、2次転写ローラ117により中間転写体上の合成されたトナー画像が転写材P上に一括転写される。
即ち、中間転写体上に保持したトナー画像を被転写物の表面に2次転写する。
ここで、2次転写手段6は、ここを転写材Pが通過して2次転写を行う時にのみ、転写材Pを中間転写ベルト170に圧接させる。
カラー画像が転写された転写材Pは、定着装置124により定着処理され、排紙ローラ125に挟持されて機外の排紙トレイ126上に載置される。
一方、2次転写ローラ117により転写材Pにカラー画像を転写した後、転写材Pを曲率分離した中間転写ベルト170は、クリーニング手段8により残留トナーが除去される。
ここで、中間転写体は前述したような回転するドラム状のものに置き換えても良い。
次に、中間転写ベルト170に接する1次転写手段としての1次転写ローラ15Y、15M、15C、15K、と、2次転写ローラ117の構成について説明する。
1次転写ローラ15Y、15M、15C、15Kは、例えば外径8mmのステンレス等の導電性芯金の周面に、ポリウレタン、EPDM、シリコーン等のゴム材料に、カーボン等の導電性物質を分散させたり、イオン性の導電材料を含有させたりして、体積抵抗が105〜109Ω・cm程度のソリッド状態又は発泡スポンジ状態で、厚さが5mm、ゴム硬度が20〜70°程度(アスカー硬度C)の半導電弾性ゴムを被覆して形成される。
2次転写ローラ117は、例えば外径8mmのステンレス等の導電性芯金の周面に、ポリウレタン、EPDM、シリコーン等のゴム材料に、カーボン等の導電性物質を分散させたり、イオン性の導電材料を含有させたりして、体積抵抗が105〜109Ω・cm程度のソリッド状態又は発泡スポンジ状態で、厚さが5mm、ゴム硬度が20〜70°程度(アスカー硬度C)の半導電弾性ゴムを被覆して形成される。
〔転写材〕
本発明に用いられる転写材としては、トナー画像を保持する支持体で、通常画像支持体、転写材或いは転写紙といわれるものである。具体的には薄紙から厚紙までの普通紙、アート紙やコート紙等の塗工された印刷用紙、市販されている和紙やはがき用紙、OHP用のプラスチックフィルム、布等の各種転写材を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
以下、実施例をあげて本発明を詳細に説明するが、本発明の様態はこれに限定されない。尚、下記文中「部」とは「質量部」を表す。
〔感光体の作製〕
感光体1の作製
下記の様に感光体1を作製した。
直径30mmの円筒形アルミニウム支持体の表面を切削加工し、表面粗さRzjis=1.5(μm)の導電性支持体を用意した。
〈中間層〉
下記組成の分散液を同じ混合溶媒にて二倍に希釈し、一夜静置後に濾過(フィルター;日本ポール社製リジメッシュ5μmフィルター使用)し、中間層塗布液を作製した。
ポリアミド樹脂CM8000(東レ社製) 1部
酸化チタンSMT500SAS(テイカ社製) 3部
メタノール 10部
分散機としてサンドミルを用いて、バッチ式で10時間の分散を行った。
上記塗布液を用いて前記支持体上に、乾燥膜厚2μmとなるよう浸漬塗布法で塗布した。
〈電荷発生層〉
電荷発生物質:チタニルフタロシアニン顔料(Cu−Kα特性X線回折スペクトル測定で、少なくとも27.3°の位置に最大回折ピークを有するチタニルフタロシアニン顔料) 20部
ポリビニルブチラール樹脂(#6000−C:電気化学工業社製) 10部
酢酸t−ブチル 700部
4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノン 300部
を混合し、サンドミルを用いて10時間分散し、電荷発生層塗布液を調製した。この塗布液を前記中間層の上に浸漬塗布法で塗布し、乾燥膜厚0.3μmの電荷発生層を形成した。
〈電荷輸送層〉
電荷輸送物質(4,4′−ジメチル−4″−(β−フェニルスチリル)
トリフェニルアミン) 225部
バインダー:ポリカーボネート(Z300:三菱ガス化学社製) 300部
酸化防止剤(Irganox1010:日本チバガイギー社製) 6部
THF(テトラヒドロフラン) 1600部
トルエン 400部
シリコーンオイル(KF−54:信越化学社製) 1部
を混合し、溶解して電荷輸送層塗布液を調製した。この塗布液を前記電荷発生層の上に円形スライドホッパー塗布機を用いて塗布し、乾燥膜厚20μmの電荷輸送層を形成した。
〈保護層〉
金属酸化物:酸化チタン(イソブチルトリメトキシシラン処理) 8部
硬化性化合物(例示化合物(41) M408:東亞合成社製) 10部
重合開始剤(1−ヒドロキシシクロヘキシル(フェニル)メタノン) 1部
THF 10部
イソプロピルアルコール 40部
上記成分を混合撹拌し、十分に溶解・分散し、保護層塗布液を作製した。該塗布液を先に電荷輸送層まで作製した感光体上に円形スライドホッパー塗布機を用いて、保護層を塗布した。塗布後、メタルハライドランプを用いて紫外線を1分間照射して、乾燥膜厚2.0μmの保護層を得た。
感光体2〜8の作製
感光体1の保護層の硬化性化合物を下記表1のように変更し、かつ、感光層中の硬化性化合物を下記表1に示すように添加した以外は、同様にして感光体2〜8を作製した。
上記表中の硬化性化合物(1)〜(6)の構成は下記の如くである。
〔着色粒子の作製〕
(コア用樹脂粒子の調製)
《コア用樹脂粒子1の調製》
(1)第1段重合
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた反応容器において、スチレン110.9質量部、n−ブチルアクリレート52.8質量部、メタクリル酸12.3質量部の混合液に離型剤としてパラフィンワックス「HNP−57」(日本精鑞社製)を93.8質量部添加し、80℃に加温し溶解した。
一方、ポリオキシエチレン(2)ドデシルエーテル硫酸ナトリウム2.9質量部をイオン交換水1340質量部に溶解させた界面活性剤溶液を調製した。
この界面活性剤溶液を80℃に加熱した後、循環経路を有する機械式分散「クレアミックス」(エムテクニック社製)により、上記重合性単量体溶液を2時間混合分散させ、分散粒子(245nm)を有する乳化粒子を含む乳化液を調製した。
次いで、イオン交換水1460質量部を添加した後、重合開始剤(過硫酸カリウム)6質量部をイオン交換水142質量部に溶解させた開始剤溶液と、n−オクチルメルカプタン1.8質量部とを添加し、温度を80℃とした後、この系を80℃にて3時間にわたり加熱、撹拌することによって重合(第1段重合)を行い、樹脂粒子を調製した。これを「樹脂粒子C1」とする。
(2)第2段重合(外層の形成)
上記のようにして得られた「樹脂粒子C1」に、過硫酸カリウム5.1質量部をイオン交換水197質量部に溶解させた開始剤溶液を添加し、80℃の温度条件下にスチレン282.2質量部、n−ブチルアクリレート134.4質量部、メタクリル酸31.4質量部、n−オクチルメルカプタン4.93質量部からなる単量体混合液を1時間かけて滴下した。滴下終了後、2時間にわたり加熱撹拌することにより第2段重合(外層の形成)を行った後、28℃まで冷却し、「コア用樹脂粒子1」を得た。
尚、コア用樹脂粒子1の重量平均分子量は21,300であった。「コア用樹脂粒子1」を構成する複合樹脂粒子の質量平均粒径は180nmであった。又、この樹脂粒子のTgは39℃であった。
(シェル用樹脂粒子の調製)
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を付けた反応容器にポリオキシエチレン(2)ドデシルエーテル硫酸ナトリウム2.0質量部をイオン交換水3000質量部に溶解させた界面活性剤溶液を仕込み、窒素気流下230rpmの撹拌速度で撹拌しながら、内温を80℃に昇温させた。
この界面活性剤溶液に、重合開始剤(過硫酸カリウム:KPS)10質量部をイオン交換水200質量部に溶解させた開始剤溶液を添加し、スチレンを528質量部、n−ブチルアクリレートを176質量部、メタクリル酸を120質量部、n−オクチルメルカプタンを22質量部からなる単量体混合液を3時間かけて滴下し、この系を80℃にて1時間にわたり加熱、撹拌することによって重合を行い樹脂粒子を調製した。これを「シェル用樹脂粒子」とする。
尚、シェル用樹脂粒子の重量平均分子量は12,000、質量平均粒径は120nm、Tgは53℃であった。
〔着色剤分散液の作製〕
着色剤「リーガル330R」(キャボット社製)420質量部を用いて着色剤粒子の分散液を調製した。これを、「着色剤分散液C1」とする。この着色剤分散液中の着色剤粒子の平均分散径を動的光散乱式粒度分析計「マイクロトラックUPA150」(日機装(株)製)を用いて測定したところ、150nmであった。
〔着色粒子の作製〕
(着色粒子1の作製)
《コア部の形成》
420.7質量部(固形分換算)の「コア用樹脂粒子1」とイオン交換水900質量部と「着色剤粒子分散液C1」200質量部とを、温度センサー、冷却管、窒素導入装置、撹拌装置を取り付けた反応容器に入れて撹拌した。容器内の温度を30℃に調製した後、この溶液に5モル/Lの水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを9に調整した。
次いで、塩化マグネシウム・6水和物2質量部をイオン交換水1000質量部に溶解した水溶液を、撹拌下、30℃にて10分間かけて添加した。3分間放置した後に昇温を開始し、この系を60分間かけて65℃まで昇温した。その状態で「コールターマルチサイザー3」(コールター社製)にて会合粒子の粒径を測定し、粒子の体積基準におけるメディアン系(D50)が5.5μmになった時点で、塩化ナトリウム40.2質量部をイオン交換水1000質量部に溶解した水溶液を添加して粒径成長を停止させ、更に熟成処理として液温度70℃にて1時間にわたり加熱撹拌することにより融着を継続させ、「コア部1」を形成した。
《シェル層の形成(シェリング操作)》
次いで、65℃において「シェル用樹脂粒子」を50質量部(固形分換算)添加し、更に塩化マグネシウム・6水和物2質量部をイオン交換水1000質量部に溶解した水溶液を、10分間かけて添加した後、70℃(シェル化温度)まで昇温し、1時間にわたり撹拌を継続し、「コア部1」の表面に「シェル用樹脂粒子」の粒子を融着させた後、75℃で20分熟成処理を行い、シェル層を形成した。
ここで、塩化ナトリウム40.2質量部を加え、8℃/分の条件で30℃まで冷却し、「トナー母体粒子を含有する水溶液」を得た。
《洗浄、乾燥工程》
トナー母体粒子を含有する水溶液をバスケット型遠心分離機「MARKIII 型式番号60×40」(松本機械社製)で固液分離し、トナー母体粒子のウェットケーキを形成した。該ウェットケーキを、前記バスケット型遠心分離機で濾液の電気伝導度が5μS/cmになるまで水洗浄し、その後「フラッシュジェットドライヤー」(セイシン企業社製)に移し、水分量が0.5質量%となるまで乾燥して「着色粒子1」を作製した。着色粒子1は、コア・シェル構造を有する体積基準におけるメディアン径(D50)が6.5μm、Tgが39.5℃の粒子であった。
〔現像剤の作製〕
重合法により作製した着色粒子を用い、下記外添剤を添加してトナーを作製した。
大径シリカ:NAX50(日本アエロジル社製)
小径シリカ:R805 (日本アエロジル社製)
チタニア :STT30S(チタン工業社製)
〔特性評価〕
(膜硬度)
コニカミノルタ製bizhub C352に実施例ドラムを搭載し10℃/15%環境で印字率5%画像で画像形成をおこなった。
感光体300k回転の印字履歴を加え終了後の表面層減耗量、傷による画像欠陥の状態を評価した。
◎:磨耗量1μm以下、画像に出る傷なし
○:磨耗量1〜3μm以下、画像に出る傷なし
×:磨耗量3μm以下、画像上に現れる表面傷あり
(接着性)
JIS規格(JIS K5400)に準拠したゴバンメ試験法により評価した。
◎:残存率 > 65%(JIS評価点 4以上)
○:残存率 35〜65%(JIS評価点 2)
×:残存率 < 35%(JIS評価点 0)
(露光後の電位)
電気特性の指標として露光後の電位を測定した。評価はジェンテック社製CYNTHIA59を用いて、20℃、65%RHの条件下、暗所でスコロトロン帯電器により感光体を表面電位が−500Vになるように帯電させ、33msec後に強度148μW/cm2の白色露光を行い、感光体表面上の露光後の電位を測定した。
表3より明らかなごとく、本発明内の電子写真感光体は何れの性能も良好であるが、本発明外の比較例は膜硬度及び接着性に問題があることがわかる。
本発明の中間転写体が使用可能な画像形成装置の一例を示す断面構成図。
符号の説明
1 カラー画像形成装置
10Y、10M、10C、10K 画像形成部
11Y、11M、11C、11K ドラム状の感光体(感光体とも記す)
13Y、13M、13C、13K 露光手段
17 中間転写体ユニット
170 中間転写体

Claims (3)

  1. 導電性支持体上に感光層及び保護層を順次積層した電子写真感光体において、前記保護層に硬化性化合物を反応して得られる成分を含有し、かつ、前記感光層に前記保護層で用いられる硬化性化合物と異なる硬化性化合物及び当該硬化性化合物を反応して得られる成分の少なくともいずれかを含有するものであり、前記感光層は、少なくとも樹脂と電荷輸送物質を含有し、前記感光層に含有される硬化性化合物及び当該硬化性化合物を反応して得られる成分の含有量が前記電荷輸送物質に対して0.01〜5質量%であり、かつ、前記硬化性化合物を含有する感光層塗布液を用いて形成され
    前記硬化性化合物が、アクリロイル基またはメタクリロイル基を有する化合物であり、
    前記保護層は電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーと電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を光エネルギーによって共重合して形成されたものを除くことを特徴とする電子写真感光体。
  2. 電子写真感光体に形成した静電潜像をトナー現像する画像形成方法において、該電子写真感光体に請求項1に記載の電子写真感光体を用いることを特徴とする画像形成方法。
  3. 電子写真感光体に形成した静電潜像をトナー現像する画像形成装置において、該電子写真感光体に請求項1に記載の電子写真感光体を用いることを特徴とする画像形成装置。
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