JP5915494B2 - 電子写真画像形成方法及び電子写真画像形成装置 - Google Patents
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Description
該有機感光体が導電性支持体上に少なくとも感光層と保護層とを有し、該保護層が重合性化合物の重合物である樹脂と金属酸化物粒子及び下記一般式(1)で表される化合物とを含有し、
該保護層は、感光層表面に形成されたものであって、少なくとも重合性化合物、金属酸化物粒子、及び下記一般式(1)で表される化合物を含有する塗布液から作製された該重合性化合物の重合物を含む硬化樹脂層であり、
かつ該現像工程が、個数平均一次粒径が70〜150nmの範囲内のシリカ粒子を含有するトナーを用いる現像工程であり、
該トナーが、少なくともスチレン−アクリル変性ポリエステル樹脂を含有するシェル層と、少なくともスチレン−アクリル樹脂を含有するコア部と、を有するコアシェル構造のトナーであることを特徴とする電子写真画像形成方法。
該有機感光体が導電性支持体上に感光層と保護層とを有し、該保護層が重合性化合物の重合物である樹脂と金属酸化物粒子及び下記一般式(1)で表される化合物とを含有し、
該保護層は、感光層表面に形成されたものであって、少なくとも重合性化合物、金属酸化物粒子、及び下記一般式(1)で表される化合物を含有する塗布液から作製された該重合性化合物の重合物を含む硬化樹脂層であり、
かつ、該現像手段が、個数平均一次粒径が70〜150nmの範囲内のシリカ粒子を含有するトナーを用いる現像手段であり、
該トナーが、少なくともスチレン−アクリル変性ポリエステル樹脂を含有するシェル層と、少なくともスチレン−アクリル樹脂を含有するコア部と、を有するコアシェル構造のトナーであることを特徴とする電子写真画像形成装置。
本発明に係る有機感光体は、導電性支持体上に少なくとも感光層、及び保護層をこの順に積層した電子写真感光体であって、当該保護層が少なくとも重合性化合物を重合して得られる樹脂と金属酸化物粒子と前記一般式(1)で表される化合物を含有する有機感光体である。
(重合性化合物)
本発明に係る保護層は、重合性化合物を重合して得られる樹脂を含有する。本発明に係る保護層に使用可能な重合性化合物としては、ラジカル重合性の化合物が挙げられ、ラジカル重合性化合物としては、ラジカル重合性反応基として、アクリロイル基及びメタクリロイル基の少なくともいずれかを有する重合性単量体が好ましい。
本発明に係る有機感光体の保護層に用いられる金属酸化物粒子としては、シリカ(酸化ケイ素)、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化鉛、アルミナ(酸化アルミニウム)、酸化ジルコニウム、酸化スズ、チタニア(酸化チタン)、酸化ニオブ、酸化モリブデン及び酸化バナジウム等の金属酸化物粒子が例示されるが、中でも、酸化スズ粒子が低抵抗粒子かつ高比重であるため少ない体積量で電荷輸送能が発揮できるので好ましい。
上記金属酸化物粒子の個数平均一次粒径は、走査型電子顕微鏡(日本電子製)により10万倍の拡大写真を撮影し、ランダムに100個の金属酸化物粒子をスキャナーにより取り込んだ写真画像(凝集粒子は除いた)を自動画像処理解析装置「LUZEX AP((株)ニレコ)」ソフトウェアバージョン Ver.1.32を使用して、写真画像上の金属酸化物粒子について2値化処理し、金属酸化物粒子の任意の100個についての水平方向フェレ径を算出し、その平均値を個数平均一次粒径とする。ここで水平方向フェレ径とは、金属酸化物粒子の画像を2値化処理したときの外接長方形のx軸に平行な辺の長さをいう。
本発明に係る保護層に用いられる金属酸化物粒子は、表面処理剤で表面処理されていることが好ましい。
本発明に係る表面処理剤としては、金属酸化物粒子の表面に存在するヒドロキシ基等と反応する表面処理剤が好ましく、これらの表面処理剤としては、シランカップリング剤、チタンカップリング剤等が挙げられる。
S−2:CH2=CHSi(OCH3)3
S−3:CH2=CHSiCl3
S−4:CH2=CHCOO(CH2)2Si(CH3)(OCH3)2
S−5:CH2=CHCOO(CH2)2Si(OCH3)3
S−6:CH2=CHCOO(CH2)2Si(OC2H5)(OCH3)2
S−7:CH2=CHCOO(CH2)3Si(OCH3)3
S−8:CH2=CHCOO(CH2)2Si(CH3)Cl2
S−9:CH2=CHCOO(CH2)2SiCl3
S−10:CH2=CHCOO(CH2)3Si(CH3)Cl2
S−11:CH2=CHCOO(CH2)3SiCl3
S−12:CH2=C(CH3)COO(CH2)2Si(CH3)(OCH3)2
S−13:CH2=C(CH3)COO(CH2)2Si(OCH3)3
S−14:CH2=C(CH3)COO(CH2)3Si(CH3)(OCH3)2
S−15:CH2=C(CH3)COO(CH2)3Si(OCH3)3
S−16:CH2=C(CH3)COO(CH2)2Si(CH3)Cl2
S−17:CH2=C(CH3)COO(CH2)2SiCl3
S−18:CH2=C(CH3)COO(CH2)3Si(CH3)Cl2
S−19:CH2=C(CH3)COO(CH2)3SiCl3
S−20:CH2=CHSi(C2H5)(OCH3)2
S−21:CH2=C(CH3)Si(OCH3)3
S−22:CH2=C(CH3)Si(OC2H5)3
S−23:CH2=CHSi(OCH3)3
S−24:CH2=C(CH3)Si(CH3)(OCH3)2
S−25:CH2=CHSi(CH3)Cl2
S−26:CH2=CHCOOSi(OCH3)3
S−27:CH2=CHCOOSi(OC2H5)3
S−28:CH2=C(CH3)COOSi(OCH3)3
S−29:CH2=C(CH3)COOSi(OC2H5)3
S−30:CH2=C(CH3)COO(CH2)3Si(OC2H5)3
S−31:CH2=CHCOO(CH2)2Si(CH3)2(OCH3)
S−32:CH2=CHCOO(CH2)2Si(CH3)(OCOCH3)2
S−33:CH2=CHCOO(CH2)2Si(CH3)(ONHCH3)2
S−34:CH2=CHCOO(CH2)2Si(CH3)(OC6H5)2
S−35:CH2=CHCOO(CH2)2Si(C10H21)(OCH3)2
S−36:CH2=CHCOO(CH2)2Si(CH2C6H5)(OCH3)2
また、表面処理剤としては、前記S−1からS−36以外でも、ラジカル重合可能な反応性有機基を有するシラン化合物を用いてもよい。これらの表面処理剤は単独で又は二種以上を混合して使用することができる。
表面処理するに際して、金属酸化物粒子100質量部に対し、表面処理剤0.1〜100質量部、溶媒50〜5000質量部を用いて湿式メディア分散型装置を使用して処理することが好ましい。また、乾式でも処理することができる。
本発明に係る保護層は、下記一般式(1)で表される化合物を含有する。一般式(1)で表される化合物は、電荷輸送能を有する電荷輸送物質である。保護層が電荷輸送能を有することによって、感光層の上に保護層を設けても光感度特性が損なわれず、高感度の有機感光体とすることができるので、コントラストが高く高画質の画像を安定して得ることができる。
本発明に係る保護層に使用可能な重合性化合物を重合させる方法としては、電子線開裂反応を利用する方法やラジカル重合開始剤の存在下で光や熱を利用する方法等により硬化反応を行うことができる。ラジカル重合開始剤を用いて硬化反応を行う場合、重合開始剤として光重合開始剤、熱重合開始剤のいずれも使用することができる。また、光、熱の両方の開始剤を併用することもできる。
保護層の形成に使用される溶媒としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−2−プロパノール、ベンジルアルコール、メチルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、メチレンクロライド、酢酸エチル、酢酸ブチル、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、テトラヒドロフラン、1−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、ピリジン及びジエチルアミン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
保護層は、重合性化合物、金属酸化物粒子、一般式(1)の化合物、必要に応じて公知の樹脂、重合開始剤、その他の滑剤粒子、酸化防止剤等を添加して調製した塗布液を、公知の方法により感光層表面に塗布し、自然乾燥又は熱乾燥を行い、その後硬化処理して作製することができる。保護層の膜厚は、0.2〜10μmが好ましく、0.5〜6μmがより好ましい。
本発明に係る有機感光体は、導電性支持体上に、感光層、保護層を形成してなるものである。感光層は、その層構成を特に制限するものではなく、保護層を含めた具体的な層構成として、例えば以下に示すものがある。
(1)導電性支持体上に、電荷発生層と電荷輸送層及び保護層を順次積層した層構成
(2)導電性支持体上に、電荷輸送物質と電荷発生材料とを含有する単層及び保護層を順次積層した層構成
(3)導電性支持体上に、中間層、電荷発生層、電荷輸送層及び保護層を順次積層した層構成
(4)導電性支持体上に、中間層、電荷輸送物質と電荷発生材料とを含有する単層及び保護層を順次積層した層構成
本発明に係る有機感光体は、上記(1)〜(4)いずれの層構成のものでもよく、これらの中でも、導電性支持体上に、中間層、電荷発生層、電荷輸送層及び保護層を順次設けて作製された層構成のものが特に好ましい。
本発明で用いられる支持体は、導電性を有するものであればいずれのものでもよく、例えば、アルミニウム、銅、クロム、ニッケル、亜鉛又はステンレスなどの金属をドラム又はシート状に成形したもの、アルミニウムや銅などの金属箔をプラスチックフィルムにラミネートしたもの、アルミニウム、酸化インジウム又は酸化スズなどをプラスチックフィルムに蒸着したもの、導電性物質を単独又はバインダー樹脂と共に塗布して導電層を設けた金属、プラスチックフィルム及び紙などが挙げられる。
本発明では、導電性支持体と感光層の中間にバリア機能と接着機能を有する中間層を設けることができる。中間層は、カゼイン、ポリビニルアルコール、ニトロセルロース、エチレン−アクリル酸共重合体、ポリアミド、ポリウレタン又はゼラチン等のバインダー樹脂を公知の溶媒に溶解させて浸漬塗布等により形成させることができる。前記バインダー樹脂の中でもアルコール可溶性のポリアミド樹脂が好ましい。
前述したように、本発明に係る感光体を構成する感光層は、電荷発生機能と電荷輸送機能を1つの層に付与した単層構造でも良いが、電荷発生層(CGL)と電荷輸送層(CTL)に感光層の機能を分離させた層構成のものがより好ましい。このように、機能分離型の層構成とすることにより、繰り返し使用に伴う残留電位の上昇を小さく制御できる他、各種の電子写真特性を目的に合わせて制御し易いメリットがある。負帯電性感光体は中間層の上に電荷発生層(CGL)、その上に電荷輸送層(CTL)を設ける構成をとり、正帯電性感光体は中間層の上に電荷輸送層(CTL)、その上に電荷発生層(CGL)を設ける構成をとる。好ましい感光層の層構成は前記機能分離構造を有する負帯電感光体である。
電荷発生層は、光を吸収して、電荷、すなわち電子と正孔を発生する化合物(電荷発生物質)を含有する層である。本発明で形成される電荷発生層は、電荷発生物質とバインダー樹脂を含有するもので、電荷発生物質をバインダー樹脂溶液中に分散させてなる塗布液を塗布して形成されたものが好ましい。
電荷輸送層は電荷発生層で発生した電荷を輸送する層で、負帯電感光体においては、一般に正孔輸送性の電荷輸送物質を含有する層である。本発明で形成される電荷輸送層は、少なくとも層内に電荷輸送物質とバインダー樹脂を含有するものであり、電荷輸送物質をバインダー樹脂溶液中に溶解、塗布して形成される。
本発明に係る感光体を構成する中間層、電荷発生層、電荷輸送層、保護層等の各層は公知の塗布方法により形成することができる。具体的には、浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ビードコーティング法、ブレードコーティング法、ビームコーティング法及び円形量規制型塗布法(円形スライドホッパー塗布法)等が挙げられる。なお、円形量規制型塗布方法については、例えば、特開昭58−189061号公報、特開2005−275373号公報に記載されている。
本発明は、個数平均一次粒径が70〜150nmの範囲内のシリカ粒子をトナーの外添剤として用いることによって、転写効率が高く、感光体表面の傷による画像汚れの発生がなく、高湿環境下においても画像ぼけが発生しない電子写真画像形成方法及び電子写真画像形成装置を提供するものである。
シリカ粒子の個数平均一次粒径は、画像解析法により測定される。具体的には、走査型電子顕微鏡「JSM−7401(JEOL社製)」を用いて、倍率10万倍でシリカ粒子の写真を撮影し、この写真画像をスキャナーにより取り込み、画像処理解析装置「LUZEX(登録商標) AP」((株)ニレコ製)ソフトウェアバージョン Ver.1.32を用いて、写真画像上のシリカ粒子について2値化処理し、シリカ粒子の任意の100個についての水平方向フェレ径を算出、その平均値を個数平均一次粒径とする。ここで水平方向フェレ径とは、外添剤の画像を2値化処理したときの外接長方形のx軸に平行な辺の長さをいう。
本発明に係るシリカ粒子は単分散であることが好ましい。本発明において「単分散」とは以下のように定義した。
本発明において、シリカ粒子の球形化度はWadellの真の球形化度を採用した。
球形化度=(実際の粒子と同じ体積を有する球の表面積)/(実際の粒子の表面積)
ここで、「実際の粒子と同じ体積を有する球の表面積」は、個数平均一次粒径から算術計算により求めた。
本発明に係るシリカ粒子の製造方法は、公知のシリカ粒子製造方法が利用できるが、この場合、本発明に係るシリカ粒子は主として加水分解、縮重合、疎水化処理の3つの工程を経て作製され、必要に応じて乾燥等その他の工程を組み合わせて実施しても良い。
RaSiX4−a
ここで、一般式(2)中、aは0〜3の整数であり、Rは水素原子、アルキル基及びアルケニル基等の有機基を表し、Xは塩素原子、メトキシ基及びエトキシ基等の加水分解性基を表す。
本発明に係るシリカ粒子の添加量は、トナー母体粒子100質量部に対して、0.7〜3.0質量部が好ましい。この範囲内であると、現像、転写効率が向上する。
本発明に係るシリカ粒子のトナー母体粒子表面への付着方法は、通常のトナー母体粒子への外添剤の添加混合方法が使用できる。例えば、シリカ粒子の添加方法としては、乾燥済みのトナー母体粒子にシリカ粒子を粉体で添加する乾式法が挙げられ、混合装置としては、ヘンシェルミキサー、コーヒーミル等の機械式の混合装置が挙げられる。また、後述するように帯電性能や流動性を改善する目的で他の一般的な外添剤を添加することもできる。
本発明に係るトナーを構成するトナー母体粒子は少なくとも結着樹脂と着色剤及び離型剤を含有するものであり、結着樹脂としては、親水性極性基を有する樹脂を含有することが好ましい。トナー母体粒子の製造方法としては、粉砕法、乳化重合凝集法、懸濁重合法、溶解懸濁法、乳化凝集法等が挙げられる。本発明に好ましいトナー母体粒子の作製方法としては、乳化凝集法、乳化重合凝集法が挙げられる。
本発明に係るトナーに含有される結着樹脂としては、例えばトナーが粉砕法、溶解懸濁法、乳化凝集法などによって製造される場合には、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、スチレン−(メタ)アクリル系共重合体樹脂、オレフィン系樹脂などのビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、カーボネート樹脂、ポリエーテル、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリスルフオン、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、又は尿素樹脂などの公知の種々の樹脂を用いることができる。これらは一種又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明に係るトナーにおいては、トナー母体粒子をコアシェル構造とする場合、シェル層を構成する樹脂として、スチレン−アクリル変性樹脂を用いることが好ましい。本発明において、スチレン−アクリル変性ポリエステル樹脂とは、ポリエステル樹脂から構成されるポリエステルセグメントとスチレン−アクリル系重合体から構成されるスチレン−アクリル系重合体セグメントとが、両反応性単量体を介して結合した樹脂をいう。スチレン−アクリル系重合体セグメントとは、芳香族ビニル系単量体とアクリル酸エステル系単量体及び/又はメタクリル酸エステル系単量体を重合して得られる重合体部分をいい、ポリエステルセグメントとはポリエステル樹脂から構成される重合体部分をいう。
本発明に係るトナーには着色剤を添加することができる。着色剤としては公知の着色剤が使用できる。
荷電制御剤としては、摩擦帯電により正又は負の帯電を与えることのできる物質であれば特に限定されず、公知の種々の正帯電制御剤及び負帯電制御剤を用いることができる。
離型剤としては、公知の種々のワックスを用いることができる。
本発明においては、本発明に係るシリカ粒子の他に流動性や帯電性を改善する目的で他の外添剤を添加することもできる。他の外添剤としては、例えばシリカ粒子、アルミナ粒子、酸化チタン粒子などの無機酸化物粒子や、ステアリン酸アルミニウム粒子、ステアリン酸亜鉛粒子などの無機ステアリン酸化合物粒子、あるいはチタン酸ストロンチウム、チタン酸亜鉛などの無機チタン酸化合物粒子などの無機粒子が挙げられる。
本発明に係るトナー母体粒子の製造方法として好ましく用いられる乳化重合凝集法は、乳化重合法によって製造された結着樹脂の微粒子(以下、「結着樹脂微粒子」ともいう。)の分散液を、着色剤の微粒子(以下、「着色剤微粒子」ともいう。)分散液及びワックスなどの離型剤の分散液と混合し、所望のトナー粒子径となるまで凝集させ、さらに結着樹脂微粒子間の融着を行うことにより形状制御を行って、トナー母体粒子を製造する方法である。
(1)水系媒体中に着色剤の微粒子が分散されてなる分散液を調製する工程
(2)水系媒体中に、必要に応じて内添剤を含有した結着樹脂微粒子が分散されてなる分散液を調製する工程
(3)乳化重合により、結着樹脂微粒子の分散液を調整する工程
(4)着色剤の微粒子の分散液と、結着樹脂微粒子の分散液とを混合して、着色剤の微粒子と結着樹脂微粒子とを凝集、会合、融着させてトナー母体粒子を形成する工程
(5)トナー母体粒子の分散系(水系媒体)からトナー母体粒子を濾別し、界面活性剤などを除去する工程
(6)トナー母体粒子を乾燥する工程
(7)トナー母体粒子に外添剤を添加する工程
乳化重合凝集法によってトナー母体粒子を製造する場合においては、乳化重合法によって得られる結着樹脂微粒子は、組成の異なる結着樹脂よりなる2層以上の多層構造を有するものであってもよく、このような構成の結着樹脂微粒子は、例えば2層構造を有するものは、常法に従った乳化重合処理(第1段重合)によって樹脂粒子の分散液を調整し、この分散液に重合開始剤と重合性単量体とを添加し、この系を重合処理(第2段重合)する手法によって得ることができる。
(1)結着樹脂、着色剤並びに必要に応じて内添剤をヘンシェルミキサーなどにより混合する工程
(2)得られた混合物を押出混練機などにより加熱しながら混練する工程
(3)得られた混練物をハンマーミルなどにより粗粉砕処理した後、更にターボミル粉砕機などにより粉砕処理を行う工程
(4)得られた粉砕物を、例えばコアンダ効果を利用した気流分級機を用いて微粉分級処理しトナー母体粒子を形成する工程
(5)トナー母体粒子に外添剤を添加する工程
(トナー粒子の粒径)
本発明に係るトナーを構成するトナー粒子の粒径は、例えば体積基準のメディアン径で4〜10μmであることが好ましく、さらに好ましくは5〜9μmとされる。
本発明に係るトナーは、非磁性の一成分現像剤として使用することもできるが、キャリアと混合して二成分現像剤として使用してもよい。
本発明の電子写真画像形成方法は、具体的には、下記のような工程を有する画像形成方法である。
(1)有機感光体上に帯電手段にて帯電する工程(帯電工程)
(2)露光手段により有機感光体上に静電的に形成された静電潜像を形成する工程(露光工程)
(3)現像手段によって静電潜像を現像することにより顕像化させてトナー画像を得る工程(現像工程)
(4)形成されたトナー画像を転写手段によって紙などの転写媒体上に転写する工程(転写工程)
(5)転写媒体上に転写されたトナー画像を接触加熱方式の定着処理によって転写媒体に定着する工程(定着工程)
(6)有機感光体の表面をクリーニング手段によってクリーニングする工程(クリーニング工程)
以上の工程によって転写媒体上に可視画像を得ることができ、以下に説明する電子写真画像形成装置に好適に用いることができる。
本発明の電子写真画像形成装置について説明する。
(1.単分散球形シリカAの作製)
(1)撹拌機、滴下ロート、温度計を備えた3リットルの反応器にメタノール630質量部、水90質量部を添加して混合した。この溶液を、撹拌しながらテトラメトキシシラン650質量部の加水分解を行いシリカ粒子の懸濁液を得た。次いで60〜70℃に加熱しメタノール390部を留去し、シリカ粒子の水性懸濁液を得た。
(2)この水性懸濁液に室温でメチルトリメトキシシラン9.4質量部(テトラメトキシシランに対してモル比で0.1相当量)を滴下してシリカ粒子表面の処理を行った。
(3)こうして得られた分散液にメチルイソブチルケトン1400質量部を添加した後、80℃に加熱しメタノール水を留去した。得られた分散液に室温でヘキサメチルジシラザン200質量部を添加し120℃に加熱し3時間反応させ、シリカ粒子をトリメチルシリル化した。その後溶媒を減圧下で留去して「単分散球形シリカA」を作製した。
以上のようにして、球形化度Ψ=0.89、個数平均一次粒径=60nm(標準偏差=13nm)の単分散球形シリカAを得た。
単分散球形シリカAの作製において、テトラメトキシシランを700質量部に、ヘキサメチルジシラザンを200質量部に変更した以外は同様に作製し、球形化度Ψ=0.90、個数平均一次粒径=70nm(標準偏差=12nm)の「単分散球形シリカB」を得た。
単分散球形シリカAの作製において、テトラメトキシシランを800質量部に、ヘキサメチルジシラザンを240質量部に変更した以外は同様に作製し、球形化度Ψ=0.90、個数平均一次粒径=80nm(標準偏差=12nm)の「単分散球形シリカC」を得た。
単分散球形シリカAの作製において、テトラメトキシシランを950質量部に、ヘキサメチルジシラザンを280質量部に変更した以外は同様に作製し、球形化度Ψ=0.88、個数平均一次粒径=100nm(標準偏差=20nm)の「単分散球形シリカD」を得た。
単分散球形シリカAの作製において、テトラメトキシシランを1200質量部に、ヘキサメチルジシラザンを360質量部に変更した以外は同様に作製し、球形化度Ψ=0.87、個数平均一次粒径=120nm(標準偏差=24nm)の「単分散球形シリカE」を得た。
単分散球形シリカAの作製において、テトラメトキシシランを1500質量部に、ヘキサメチルジシラザンを500質量部に変更した以外は同様に作製し、球形化度Ψ=0.84、個数平均一次粒径=150nm(標準偏差=31nm)の「単分散球形シリカF」を得た。
単分散球形シリカAの作製において、テトラメトキシシランを1600質量部に、ヘキサメチルジシラザンを520質量部に変更した以外は同様に作製し、球形化度Ψ=0.87、個数平均一次粒径=160nm(標準偏差=25nm)の「単分散球形シリカG」を得た。
(表面処理金属酸化物粒子1の作製)
金属酸化物粒子として個数平均一次粒径21μmの酸化スズ粒子(CIKナノテック社製)を用い、ラジカル重合性反応基を有する表面処理剤として例示化合物(S−15)を用い、以下に示すように、ラジカル重合性反応基を有する表面処理剤による表面処理を行った。
表面処理金属酸化物粒子1の作製において、金属酸化物粒子として個数平均一次粒径30nmの「アルミナ粒子」を用い、表面処理剤として、「例示化合物S−15」を用いた他は表面処理金属酸化物粒子1と同様にして「表面処理金属酸化物粒子2」を作製した。
表面処理金属酸化物粒子1の作製において、金属酸化物粒子として個数平均一次粒径6nmの「酸化チタン粒子」を用い、表面処理剤として「例示化合物S−15」を用いた他は、表面処理金属酸化物粒子1と同様にして、「表面処理金属酸化物粒子3」を作製した。
表面処理金属酸化物粒子1の作製において、金属酸化物粒子として個数平均一次粒径50nmの「シリカ粒子」を用い、表面処理剤として「ヘキサメチルジシラザン」を用いた他は、表面処理金属酸化物粒子1と同様にして、「表面処理金属酸化物粒子4」を作製した。
(感光体1の作製)
下記のように感光体1を作製した。
下記組成の分散液を同じ溶媒にて2倍に希釈し、一夜静置後に濾過(フィルター;日本ポール社製リジメッシュ5μmフィルター使用)し、中間層塗布液を作製した。
酸化チタン(SMT500SAS:テイカ社製) 3質量部
メタノール 10質量部
分散機としてサンドミルを用いて、バッチ式で10時間の分散を行った。
電荷発生物質:下記顔料(CG−1):チタニルフタロシアニンと(2R,3R)−2,3−ブタンジオールの1:1付加体と非付加体チタニルフタロシアニンの混晶 20質量部
ポリビニルブチラール樹脂(#6000−C:電気化学工業社製) 10質量部
酢酸t−ブチル 700質量部
4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノン 300質量部
を混合し、超音波分散機を用いて10時間分散し、電荷発生層塗布液を調製した。この塗布液を前記中間層の上に浸漬塗布法で塗布し、乾燥膜厚0.3μmの電荷発生層を形成した。
(合成例1:顔料(CG−1)の合成)
(1)無定形チタニルフタロシアニンの合成
1,3−ジイミノイソインドリン;29.2質量部をo−ジクロロベンゼン200質量部に分散し、チタニウムテトラ−n−ブトキシド;20.4質量部を加えて窒素雰囲気下に150〜160℃で5時間加熱した。放冷後、析出した結晶を濾過し、クロロホルムで洗浄、2%塩酸水溶液で洗浄、水洗メタノール洗浄して、乾燥後、26.2質量部(収率91%)の粗チタニルフタロシアニンを得た。
前述の無定型チタニルフタロシアニン10.0質量部と(2R,3R)−2,3−ブタンジオール0.94質量部(0.6当量比)(当量比はチタニルフタロシアニンに対する当量比、以後同じ)をo−ジクロロベンゼン(ODB)200質量部中に混合し60〜70℃で6時間加熱撹拌した。一夜放置後、該反応液にメタノールを加えて生じた結晶を濾過し、濾過後の結晶をメタノールで洗って((2R,3R)−2,3−ブタンジオール付加体チタニルフタロシアニンを含有する顔料)CG−1:10.3質量部を得た。CG−1のX線回折スペクトルでは、8.3°、24.7°、25.1°、26.5°に明確なピークがある。マススペクトルにおいて576と648にピークがあり、IRスペクトルでは970cm−1付近のTi=O、630cm−1付近にO−Ti−Oの両吸収が現れる。また熱分析(TG)では390〜410℃に約7%の質量減少があることから、チタニルフタロシアニンと(2R,3R)−2,3−ブタンジオールの1:1付加体と非付加体(付加していない)チタニルフタロシアニンの混晶と推定される。
電荷輸送物質(下記化合物A) 225質量部
ポリカーボネート樹脂(ユーピロンZ300:三菱ガス化学社製) 300質量部
酸化防止剤(BHT) 20質量部
THF(テトラヒドロフラン) 1600質量部
トルエン 400質量部
シリコーンオイル(KF−96:信越化学社製) 1質量部
を混合し、溶解して電荷輸送層塗布液を調製した。
続いて下記のような方法で保護層を形成した。
重合性化合物(例示化合物 M1) 100質量部
電荷輸送物質(例示化合物 CTM−13) 25質量部
重合開始剤(イルガキュア819:BASFジャパン社製) 8質量部
2−ブタノール 360質量部
THF(テトラヒドロフラン) 40質量部
上記、表面処理金属酸化物粒子1(酸化スズをS−15にて表面処理)、重合性化合物及び2−ブタノールの混合液を超音波分散機「US−600T」(日本精機製作所製)にて分散し、分散液を作製後その他の材料と混合することで、保護層塗布液を作製した。該塗布液を先に電荷輸送層まで作製した感光体上に円形スライドホッパー塗布機を用いて、保護層を塗布した。塗布後、キセノンランプを用いて紫外線を1分間照射して、乾燥膜厚2.5μmの保護層を形成し、その後80℃にて70分間乾燥して感光体1を作製した。
窒素気流下、冷却器の付いた四頭フラスコに第一ヨウ化銅0.52g(2.7mmol)、1,10−フェナントロリン・一水和物1.08g(5.5mmol)、キシレン10mlを入れ、60℃で30分攪拌した。次に4−メチルジフェニルアミン5.00g(27.3mmol)、4−ヨード−4′−n−プロピルビフェニル9.01g(32.8mmol)、ナトリウム−tert−ブトキシド3.28g(34.1mmol)、キシレン20mlを加え、130℃で6時間還流した。放冷後、水100mlを加えて30分攪拌し、水層が中性になるまで有機層を水洗した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥した後、トルエンを留去した。
感光体1の作製において、保護層の金属酸化物粒子、表面処理剤、重合性化合物、電荷輸送物質等を表2のように変化させた以外は同様にして、感光体2〜8を作製した。
感光体1の作製において、保護層の重合性化合物の代わりにポリカーボネート樹脂(ユーピロンZ300:三菱ガス化学社製)を用い、保護層の金属酸化物粒子、表面処理剤、電荷輸送物質等を表2のように変化させた以外は同様にして、感光体9を作製した。
<トナー母体粒子の作製>
(トナー母体粒子〔1〕の作製)
(1)コア部用樹脂微粒子分散液の作製工程
(1−1)第1段重合
撹拌装置、温度センサー、温度制御装置、冷却管、窒素導入装置を取り付けた反応容器に、あらかじめアニオン性界面活性剤「ラウリル硫酸ナトリウム」2.0質量部をイオン交換水2900質量部に溶解させたアニオン性界面活性剤溶液を仕込み、窒素気流下230rpmの撹拌速度で撹拌しながら、内温を80℃に昇温させた。
スチレン 540質量部
n−ブチルアクリレート 154質量部
メタクリル酸 77質量部
n−オクチルメルカプタン 17質量部
からなる単量体溶液〔1〕を3時間かけて滴下した。滴下終了後、78℃において1時間にわたって加熱・撹拌することによって重合(第1段重合)を行うことにより、「樹脂微粒子〔a1〕」の分散液を作製した。
撹拌装置を取り付けたフラスコ内において、
スチレン 94質量部
n−ブチルアクリレート 27質量部
メタクリル酸 6質量部
n−オクチルメルカプタン 1.7質量部
からなる溶液に、オフセット防止剤としてパラフィンワックス(融点:73℃)51質量部を添加し、85℃に加温して溶解させて単量体溶液〔2〕を調製した。
上記の「樹脂微粒子〔a11〕」の分散液に、重合開始剤「KPS」2.5質量部をイオン交換水110質量部に溶解させた開始剤水溶液を添加し、80℃の温度条件下において、
スチレン 230質量部
n−ブチルアクリレート 78質量部
メタクリル酸 16質量部
n−オクチルメルカプタン 4.2質量部
からなる単量体溶液〔3〕を1時間かけて滴下した。滴下終了後、3時間にわたって加熱・撹拌することによって重合(第3段重合)を行った。その後、28℃まで冷却し、アニオン性界面活性剤溶液中にコア部用樹脂微粒子〔A〕が分散された「コア部用樹脂微粒子〔A〕」の分散液を作製した。
(2−1)シェル層用樹脂(スチレン−アクリル変性ポリエステル樹脂〔B〕)の合成
窒素導入管、脱水管、撹拌器及び熱電対を装備した容量10リットルの四つ口フラスコに、
ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物 500質量部
テレフタル酸 117質量部
フマル酸 82質量部
エステル化触媒(オクチル酸スズ) 2質量部
を入れ、230℃で8時間縮重合反応させ、さらに、8kPaで1時間反応させ、160℃まで冷却した後、
アクリル酸 10質量部
スチレン 30質量部
ブチルアクリレート 7質量部
重合開始剤(ジ−t−ブチルパーオキサイド) 10質量部
の混合物を滴下ロートにより1時間かけて滴下し、滴下後、160℃に保持したまま、1時間付加重合反応を継続させた後、200℃に昇温し、10kPaで1時間保持した後、未反応のアクリル酸、スチレン、ブチルアクリレートを除去することにより、「スチレン−アクリル変性ポリエステル樹脂〔B〕」を得た。
得られたスチレン−アクリル変性ポリエステル樹脂〔B〕100質量部を、「ランデルミル 形式:RM」(徳寿工作所社製)で粉砕し、あらかじめ作製した0.26質量%濃度のラウリル硫酸ナトリウム溶液638質量部と混合し、撹拌しながら超音波ホモジナイザー「US−150T」(日本精機製作所製)を用いてV−LEVEL、300μAで30分間超音波分散し、体積基準のメディアン径(D50)が250nmである「シェル層用樹脂微粒子〔B〕」が分散された「シェル層用樹脂微粒子〔B〕」の分散液を作製した。
ドデシル硫酸ナトリウム90質量部をイオン交換水1600質量部に撹拌溶解し、この溶液を撹拌しながら、カーボンブラック「モーガルL」(キャボット社製)420質量部を徐々に添加し、次いで、撹拌装置「クレアミックス」(エム・テクニック社製)を用いて分散処理することにより、着色剤微粒子が分散されてなる「着色剤微粒子分散液(1)」を調製した。この分散液における着色剤微粒子の粒子径を、マイクロトラック粒度分布測定装置「UPA−150」(日機装社製)を用いて測定したところ、117nmであった。
撹拌装置、温度センサー、冷却管を取り付けた反応容器に、前述の「コア部用樹脂微粒子〔A〕」の分散液を固形分換算で288質量部、イオン交換水2000質量部を投入し、5モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを10(25℃)に調整した。
(1)シェル層用樹脂微粒子〔C〕の作製工程
撹拌装置、温度センサー、温度制御装置、冷却管、窒素導入装置を取り付けた反応容器に、あらかじめアニオン性界面活性剤「ラウリル硫酸ナトリウム」2.0質量部をイオン交換水2900質量部に溶解させたアニオン性界面活性剤溶液を仕込み、窒素気流下230rpmの撹拌速度で撹拌しながら、内温を80℃に昇温させた。
スチレン 548質量部
2−エチヘキシルアクリレート 156質量部
メタクリル酸 96質量部
n−オクチルメルカプタン 17質量部
からなる単量体溶液〔4〕を2時間かけて滴下した。滴下終了後、78℃において2時間にわたって加熱・撹拌することによって重合を行い、シェル層用樹脂微粒子〔C〕が分散された「シェル層用樹脂微粒子〔C〕」の分散液を作製した。なお、シェル層用樹脂微粒子〔C〕のTgは53.0℃であった。
撹拌装置、温度センサー、冷却管を取り付けた反応容器に、前述の「コア部用樹脂微粒子〔A〕」の分散液を固形分換算で288質量部、イオン交換水2000質量部を投入し、5モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを10(25℃)に調整した。
(トナー1の作製)
トナー母体粒子〔1〕100質量部に本発明に係るシリカ粒子である「単分散球形シリカB」(個数平均一次粒径70nm)1.0質量部及び疎水性チタニア粒子(個数平均一次粒子径20nm)0.3質量部を添加し、ヘンシェルミキサーにより混合することにより、トナー1を作製した。
トナー母体粒子と単分散球形シリカを表3のように変更した他は同様にしてトナー2〜8を作製した。
体積平均粒径が40μm、飽和磁化が63A・m2/kgのMn−Mg系の「フェライト粒子1」100質量部と被覆用樹脂としてメタクリル酸シクロヘキシル/メタクリル酸メチル(単量体の質量比50:50)の共重合体(重量平均分子量:50万)2.0質量部を水平攪拌翼つき高速攪拌混合機に投入し、水平回転翼の周速が8m/secとなる条件で、22℃で15分間混合撹拌混合した後、120℃で50分間攪拌して機械的衝撃力(メカノケミカル法)の作用で芯材粒子の表面に被覆用樹脂からなる樹脂被覆層を形成しキャリアを作製した。
上記のようにして作製した感光体1〜9と現像剤1〜8を組み合わせて表4のようにして実施例1〜9及び比較例1〜4までの評価を行った。
評価機として、コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製フルカラー複合機「bizhub PRO C6501」を用い、該評価機に現像剤1〜8(トナー1〜8)と各感光体1〜9とを表4のように組み合わせて搭載して行った。
<感光体上から中間転写ベルトへの転写効率>
転写効率の測定は、2cm×5cmのベタ画像を複写し、感光体上に残った転写残トナーの質量と中間転写ベルト上に転写したトナーの質量とを測定することにより算出した。
○:90%以上
×:90%以下
<画像スジ>
前記環境条件30℃、80%RHでの50万枚の画出し耐刷試験後に評価した。ハーフトーン画像を出力し、感光体の表面傷による画像上のスジの有無を評価した。評価した感光体はシアン位置に設置された感光体である。
○:50万枚印字後にハーフトーン画像にスジは見えないが、画像にざらつき感がある(実用上問題なし)
×:50万枚印字後にハーフトーン画像に表面傷によるスジが確認できる(実用上問題あり)
環境条件30℃、80%RHでの50万枚の画出し耐刷試験後に、直ぐに実機の主電源を停止した。停止12時間後に電源を入れ画出し可能状態になった後、直ちにA3中性紙全面にハーフトーン画像(マクベス濃度計で相対反射濃度0.4)とA3全面の6dot(線幅:0.254mm 線間隔:10.5mm)格子画像を印字した。印字画像の状態を観察し以下の評価を行った。
○:ハーフトーン画像のみに感光体長軸方向の薄い帯状濃度低下が認められる(実用上問題なし)
×:画像ぼけによる格子画像の欠損若しくは線幅の細りが発生(実用上問題有り)。
感光体1と現像剤2をコニカミノルタビジネステクノロジーズ社製フルカラー複合機「bizhub PRO C6501」に搭載し、印字率2.5%のA4サイズの画像を用いA4サイズの中性紙50万枚の実写評価を行った。
2 感光層
3 中間層
4 電荷発生層
5 電荷輸送層
6 保護層
7 表面処理金属酸化物粒子
1Y、1M、1C、1Bk 感光体ドラム
2Y、2M、2C、2Bk 帯電手段
3Y、3M、3C、3Bk 像露光手段
4Y、4M、4C、4Bk 現像手段
6Y、6M、6C、6Bk クリーニング手段
10Y、10M、10C、10Bk 画像形成ユニット
Claims (4)
- 有機感光体を使用し、少なくとも帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程及びクリーニング工程を有する電子写真画像形成方法であって、
該有機感光体が導電性支持体上に少なくとも感光層と保護層とを有し、該保護層が重合性化合物の重合物である樹脂と金属酸化物粒子及び下記一般式(1)で表される化合物とを含有し、
該保護層は、感光層表面に形成されたものであって、少なくとも重合性化合物、金属酸化物粒子、及び下記一般式(1)で表される化合物を含有する塗布液から作製された該重合性化合物の重合物を含む硬化樹脂層であり、
かつ該現像工程が、個数平均一次粒径が70〜150nmの範囲内のシリカ粒子を含有するトナーを用いる現像工程であり、
該トナーが、少なくともスチレン−アクリル変性ポリエステル樹脂を含有するシェル層と、少なくともスチレン−アクリル樹脂を含有するコア部と、を有するコアシェル構造のトナーであることを特徴とする電子写真画像形成方法。
- 前記金属酸化物粒子が、酸化スズ粒子であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真画像形成方法。
- 前記一般式(1)中のR1及びR2が互いに異なることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電子写真画像形成方法。
- 少なくとも、有機感光体と、帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段及びクリーニング手段を有する電子写真画像形成装置であって、
該有機感光体が導電性支持体上に感光層と保護層とを有し、該保護層が重合性化合物の重合物である樹脂と金属酸化物粒子及び下記一般式(1)で表される化合物とを含有し、
該保護層は、感光層表面に形成されたものであって、少なくとも重合性化合物、金属酸化物粒子、及び下記一般式(1)で表される化合物を含有する塗布液から作製された該重合性化合物の重合物を含む硬化樹脂層であり、
かつ、該現像手段が、個数平均一次粒径が70〜150nmの範囲内のシリカ粒子を含有するトナーを用いる現像手段であり、
該トナーが、少なくともスチレン−アクリル変性ポリエステル樹脂を含有するシェル層と、少なくともスチレン−アクリル樹脂を含有するコア部と、を有するコアシェル構造のトナーであることを特徴とする電子写真画像形成装置。
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