JP3756090B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電子写真方式の複写機、プリンタやファクシミリ等の画像形成装置に係り、とくに転写担持体に対して滑剤を塗布する手段を備えた画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より転写紙上に画像を形成する方法として、像担持体に形成した静電潜像を現像装置により現像し、像担持体上に形成されたトナー像を転写搬送担持体に担持された転写シート(転写紙)上に転写する方式や、一旦中間転写担持体上に転写下後に、転写シート上に再度転写する方式の画像形成装置では、転写搬送担持体または中間転写担持体と像担持体とが接触する場合に転写搬送担持体または中間転写担持体上にトナーが付着したり、転写紙との接触により紙粉(炭酸カルシウム)が付着するために、転写搬送担持体または中間転写担持体に対してブレード式のクリーニング装置が設けられている。
ところが、クリーニングブレードでは転写搬送担持体/中間転写担持体上に付着した紙粉を取去ることが困難であり、徐々に転写搬送担持体/中間転写担持体上に堆積する。堆積した紙粉は硬く固まって像担持体を傷つけたり、クリーニングブレードを摩耗させ、さらにクリーニング不良を引起すという問題が発生する。同様の問題として転写搬送担持体/中間転写担持体とクリーニングブレードとの間のすべり性も問題となる。これらを解決するために、転写搬送担持体/中間転写担持体とクリーニングブレードとの潤滑性を改善しクリーニングブレードの鳴き、ビビリやめくれを防止するために転写搬送担持体へ微粒子を塗布する塗布装置を設けたものが知られている(例えば、特開平7−271262号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のこのような塗布装置は、固形状のステアリン酸亜鉛を回転ブラシローラ等で削りながら微粒子化し塗布する。従って、ステアリン酸亜鉛の削れ方や回転ブラシローラの回転速度によって、ステアリン酸亜鉛微粒子の転写搬送担持体への塗布量が変化するため、回転ブラシローラを転写搬送担持体に対して必要に応じて離接したり、回転ブラシローラの回転速度を制御する必要があった。そのため、回転ブラシローラの転写搬送担持体に対しての離接機構や、回転ブラシローラの駆動機構や駆動機構を制御し回転速度を変更させる制御装置が必要となり、構成が複雑で高価になるという問題がある。
本発明は、この問題に臨み、転写搬送担持体/中間転写担持体に滑剤を微量に安定して塗布することができる、簡単な構成で安価な転写搬送担持体/中間転写担持体への滑剤塗布手段を備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は感光体、感光体の表面を均一に帯電させる帯電器、帯電した感光体に静電画像を露光する露光器及び露光された静電画像を現像してトナー像を形成する現像器を有する画像形成部と、搬送ベルトを有し、搬送ベルトを感光体に接触させて回転駆動し転写紙を画像形成部の転写位置に搬送する搬送部と、搬送された転写紙に画像形成部により形成されたトナー像を転写する転写部と、外周表面に滑剤を含有させた弾性ゴム層を有する弾性ゴムローラからなる滑剤塗布部とを備え、前記滑剤塗布部は、弾性ゴムローラを搬送ベルトの所定位置に当接し、前記弾性ゴムローラの弾性ゴム層は、EPDMとノーソレックス(登録商標)の一方を主成分とするゴム組成物であり、弾性ゴム層がEPDMを主成分とするゴム組成物であるとき、前記滑剤としてパラフィン系のオイルをゴム組成物100重量部に対して40〜60重量部含有させたことを特徴とする画像形成装置である。
本発明によれば、滑剤塗布部の機構を簡素化することができ、搬送ベルトに滑剤を安定して均一に塗布することができる。
従って、残留トナーやゴミだけでなく搬送ベルトに堆積する紙粉(転写紙に含有する炭酸カルシウムなど)を除去しやすくなるので、紙粉が搬送ベルトに付着しにくくなり、クリーニング部のクリーニング性能が向上し、感光体やクリーニングブレードの寿命を長くすることができる。
【0005】
前記搬送ベルトをクリーニングする搬送ベルトクリーニング部と、転写紙を搬送ベルトに順次供給する給紙部とをさらに備え、前記滑剤塗布部は、前記搬送ベルトの搬送方向に対し前記搬送ベルトクリーニング部がクリーニングする位置より下流側の位置で、かつ前記給紙部から転写紙が搬送ベルトに給紙される位置より上流側の位置で配置される構成にしてもよい。
この構成によれば、滑剤塗布部は、クリーニング部により残留トナー、ゴミなどがクリーニングされた後で、かつ給紙部から転写紙が搬送ベルトに給紙される前に滑剤を搬送ベルトに塗布するので、滑剤を搬送ベルトに最も効率よく塗布することができる。
【0006】
前記滑剤塗布部は、弾性ゴムローラを前記搬送ベルトに対して所定の当接力で当接する構成にしてもよい。。
この構成によれば、弾性ゴムローラは、搬送ベルトの回転駆動力により回転駆動されるので、滑剤を含有した弾性ゴム層から極微量の滑剤を徐々にしみ出して搬送ベルトに均一に塗布することができる。
【0007】
前記滑剤は、パラフィン系オイルまたはナフテン系オイルを主成分としてもよい。
この構成によれば、一般のローラ部材に用いられるパラフィン系オイルまたはナフテン系オイルを滑剤の主成分としたことにより、弾性ゴムローラは、転写紙、感光体及び搬送ベルトを汚すことなく、滑剤を徐々にしみ出して搬送ベルトに均一に塗布することができる。
【0008】
前記弾性ゴムローラの弾性ゴム層は、EPDMまたはノーソレックス(登録商標)を主成分とするゴム組成物であってもよい。
この構成によれば、一般のゴムローラ部材に用いられるEPDMゴムまたはノーソレックスゴムを弾性ゴム層の主成分としたことにより、弾性ゴムローラは、滑剤を弾性能力と耐久性を長期間保ちながら弾性ゴム層に含有させることができる。このため、転写紙、感光体及び搬送ベルトを汚すことなく、滑剤を徐々にしみ出して搬送ベルトに均一に塗布することができる。
さらに、前記弾性ゴム層の主成分をシリコンゴムで形成し、前記滑剤の主成分をシリコン系オイルで形成しても、同様の効果が得られる。
また、この発明は、現像装置により静電潜像を顕像化したトナー像を担持する像担持体と、転写シートを搬送し前記像担持体に当接させて転写シート上に前記トナー像を転写させる転写搬送担持体とを備え、外周面に滑剤を含有させた弾性ゴム層を有する弾性ローラを前記転写搬送担持体に当接させ、前記弾性ゴム層がノーソレックス(登録商標)を主成分とするゴム組成物である画像形成装置を提供するものである。
【0009】
これによれば、転写搬送担持体に滑剤を含有した弾性ゴム層を有するローラを当接させることにより、単純かつ低コストで、ローラよりブリードアウトする滑剤を極微量かつ均一に転写搬送担持体に塗布することができ、転写紙に存在する紙粉(炭酸カルシウム)が転写搬送担持体に付着しにくくなると共に、クリーニング手段で紙粉がクリーニングし易くなり、転写搬送担持体に紙粉が付着することにより発生する像担持体の傷付やクリーニングブレードの摩耗を防止することができる。さらに、含有させる滑剤の含有量を規定することにより、常に安定した供給量に設定することができ、塗布量が少なかったり多すぎることがなく、像担持体や、転写シートへの移行を減少でき滑剤により汚染されないようにすることができるとともに、最も安価に紙粉付着防止の効果を得ることができる。
【0010】
この発明において、転写搬送担持体は支持部材で支持された搬送ベルトからなり、転写シートは搬送ベルトの表面で担持され、前記弾性ゴムローラは搬送ベルトの表面に所定位置で当接するように設置され、支持部材は前記所定位置で搬送ベルトを裏面から支持されることが好ましい。
【0011】
これによれば、滑剤を含有させた弾性ゴム層を有するローラが転写搬送担持体の表面側に当接する部分は、転写搬送担持体の裏面が支持されているので、滑剤を含有させた弾性ゴム層を有するローラと転写搬送担持体との間に形成されるニップが安定し、転写搬送担持体に対して滑剤を少しずつ常に安定して供給し塗布させることができる。とともに、転写搬送担持体の回転移動動作に対して安定した負荷とすることができる。
【0012】
また、前記支持部材は、前記転写搬送担持体に転写シートが担持される位置より上流に位置し、かつ回転可能なローラ部材であることが好ましい。
これによれば、転写搬送担持体の回転移動に対する負荷を軽減でき、安定した転写搬送担持体の動作が可能となり、画像形成に支障を来たすことなく滑剤をブリードアウトさせて転写搬送担持体に塗布させることができる。また、転写シートの担持ポイントの上流側に位置しているために、効果的に滑剤を微量に転写搬送担持体に塗布することができる。
【0013】
さらに、前記弾性ゴムローラは、従動にて回転可能に支持され常に所定の圧力で前記転写搬送担持体に当接されていることが好ましい。
これによれば、滑剤をブリードアウトさせて転写搬送担持体に微量に塗布させるので、常に転写搬送担持体に所定の圧力で当接させることにより、転写搬送担持体に対して均一な滑剤の塗布が可能となり、さらに転写搬送担持体に対して安定した負荷となるので、転写搬送担持体の回転移動ムラなどが発生しない。
さらに、この発明は現像装置により静電潜像を顕像化したトナー像を担持する像担持体と、前記像担持体に当接して前記トナー像を吸着する中間転写担持体と、転写シートを搬送し前記中間転写担持体に当接させて転写シート上に前記トナー像を転写させる転写搬送担持体とを備え、外周面に滑剤を含有させた弾性ゴム層を有する弾性ゴムローラを前記中間転写担持体に当接させ、前記弾性ゴム層をエチレンプロピレンジエン共重合ゴムとすると共に、前記滑剤としてパラフィン系のオイルをEPDMゴムのゴム組成物100重量部に対して40〜60重量部含有させたことを特徴とする画像形成装置を提供するものである。
中間転写担持体は支持部材で支持された中間転写ベルトからなり、前記弾性ゴムローラは中間転写ベルトの表面に所定位置で当接するように設置され、支持部材は前記所定位置で中間転写ベルトを裏面から支持してもよい。
前記支持部材は、中間転写担持体にトナー像が吸着される位置より上流に位置し、かつ回転可能なローラ部材からなってもよい。
前記弾性ゴムローラは、従動にて回転可能に支持され常に所定の圧力で前記中間転写担持体に当接されてもよい。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図に示す実施例に基づいてこの発明の実施の形態を詳述する。なお、本発明はこれによって限定されるものではない。
【0015】
実施例1
図1は本発明の第1実施例であるタンデム方式のカラー複写機の構成を示す正面断面図である。図1において、カラー複写機は、自動両面原稿送り装置(RADF;Recircu1ating Automatic Document Feeder)1、画像読取部2、給紙部3、B(ブラック)、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)の画像を形成する4組の画像形成部4a〜4d、滑剤塗布部を含む搬送部5、4組の転写部6a〜6d、定着部7、排紙部8、主制御部9、原稿台10などから構成されている。
【0016】
主制御部9は、例えば、CPU(中央処理装置)、動作手順のプログラムを記憶しているROM(読み出し専用メモリ)、色変換された原稿画像情報などの各種データを記憶するRAM(書き込み読み出し可能なメモリ)、I/O(入出力インターフェイス)からなるコンピュータ、CPUを起動するクロック発振器などから構成され、ROMに記憶された各種制御プログラムにより、カラー複写機全体を制御する。
また、主制御部9は、原稿送り制御部、画像読取制御部、画像処理部、給紙制御部、画像形成制御部、搬送制御部、転写制御部、定着制御部、排紙制御部として機能する。
【0017】
まず、自動両面原稿送り装置1及び画像読取部2について説明する。自動両面原稿送り装置1は、原稿台10の上面に開閉可能な状態で支持され、原稿の一方の面が原稿台10の所定位置において画像読取部2に対向するよう原稿を搬送し、この一方の面についての画像読み取りが終了した後に、他方の面が原稿台10の所定位置において画像読取部2に対向するよう原稿を反転して原稿台10に向かって搬送するようになっている。
そして、自動両面原稿送り装置1は、画像読取部2により、1枚の原稿について両面の画像読み取りが終了した後、この原稿を排出し、次の原稿についての両面原稿送り動作を実行する。
【0018】
画像読取部2は、自動両面原稿送り装置1により原稿台10上に搬送されてきた原稿の画像を読み取るために、原稿台10の下方に配置されている。画像読取部2は原稿台10の下面に沿って平行に往復移動する第1と第2の走査ユニット21、22と、光学レンズ23と、光電変換素子であるCCDラインセンサ24とを有している。
【0019】
第1の走査ユニット21は、原稿画像表面を照射する照射ランプと、原稿からの反射光像を所定の方向に向かって偏向する第1ミラーとを有し、原稿台10の下面に対して一定の距離を保ちながら所定の走査速度で平行に往復移動するものである。
【0020】
第2の走査ユニット22は、第1の走査ユニット21の第1ミラーにより偏向された原稿からの反射光像をさらに所定の方向に向かって偏向する第2および第3ミラーとを有し、第1の走査ユニット21と一定の速度関係を保って平行に往復移動するものである。
光学レンズ23は、第2の走査ユニット22の第3ミラーにより偏向された原稿からの反射した光像を縮小し、縮小された光像をCCDラインセンサ24上の所定位置に結像させるものである。
【0021】
CCDラインセンサ24は、結像された光像を順次光電変換し、白黒画像あるいはカラー画像として読み取り、R(赤)、G(緑)、B(青)の各色成分に色分解したラインデータを出力することのできる。読み取った画像は、主制御部のメモリに記憶される。
【0022】
以下、カラー複写機の画像形成について説明する。
給紙部3は、例えば、ピックアップローラ、フィードローラ、ローラモータ、モータドライバ、給紙トレイなどからなり、転写紙Pは、カットシート状の用紙が使用され、主制御部9の制御により、給紙カセットからピックアップローラにより転写紙Pが1枚づつ持ち上げられ、フィードローラにより搬送ベルト51に送出されるよう構成されている。
【0023】
また、給紙部3は、画像形成部4a〜4dの下方に設けられ、給紙トレイ内に積載収容されている転写紙Pを1枚ずつ分離して画像形成部4a〜4dに向かって供給する。そして、1枚ずつ分離供給された転写紙Pは、画像形成部4a〜4dの手前に配置された一対のレジストローラ31によりタイミングが制御されて画像形成部4a〜4dに給紙される。
【0024】
第1の画像形成部4a、第2の画像形成部4b、第3の画像形成部4c、及び第4の画像形成部4dは、搬送部5の搬送ベルト51に近接して転写紙Pの搬送経路の上流側から順に所定間隔で並設されている。
各画像形成部4a〜4dは、感光体41a〜41d、帯電器42a〜42b、露光器43a〜43c、現像器44a〜44d、感光体クリーニング部45a〜45d、感光体除電器46a〜46dなどから構成される。
【0025】
感光体41a〜41dは、例えば、ドラム状のアルミ材などからなり、主制御部9の制御により、感光体モータ、モータドライバなどからなる感光体駆動部を介して予め設定された周速度で矢印F方向に回転駆動されるよう構成されている。
【0026】
帯電器42a〜42dは、例えば、高電圧発生回路などからなり、主制御部9の制御により、感光体41a〜41dの表面を均一に帯電させるよう構成されている。
【0027】
露光器43a〜43dは、例えば、レーザ発光素子、ポリゴンミラー、fθレンズ、ミラードライバ、ミラーなどからなるレーザビームスキャナユニット、または発光ダイオードアレイと結像レンズアレイからなる書き込み光学系(LEDヘッド)で構成される。
【0028】
また、LEDヘッドは、レーザビームスキャナユニットに比べ、サイズも小さく、また可動部分がなく無音である。よって、複数個の光書き込みユニットを必要とするタンデム方式のデジタルカラー複写機などの画像形成装置では、好適に用いることができる。
【0029】
露光器43aには、カラー原稿画像の黒色成分像に対応する画素信号が、露光器43bには、カラー原稿画像のシアン色成分像に対応する画素信号が、露光器43cには、カラー原稿画像のマゼンタ色成分像に対応する画素信号が、そして、露光器43dには、カラー原稿画像のイエロー色成分像に対応する画素信号がそれぞれ入力される。
【0030】
主制御部9の制御により、帯電した感光体41a〜41dの表面を色変換された原稿画像情報に応じて変調されたレーザビームで走査して露光することにより感光体41a〜41dに色変換された原稿画像情報に対応する静電画像を形成する。
【0031】
現像器44a〜44dは、例えば、現像ローラ、現像ローラモータ、カラートナーを充填するトナーボックス、設定されたトナー量を供給するトナー供給機などからなり、例えば、現像器44aには黒色のトナーが、現像器44bにはシアン色のトナーが、現像器44cにはマゼンタ色のトナーが、現像器44dにはイエロー色のトナーがそれぞれ収容されている。
主制御部9の制御により、感光体41a〜41dに露光された静電画像を現像して各色のトナー像を形成する。
【0032】
感光体クリーニング部45a〜45dは、例えば、ブレード、回収トナー搬送部などからなり、感光体に付着する残留トナー、ゴミ、紙粉をクリーニングする。
【0033】
搬送部5は、例えば、画像形成部4a〜4dに接触可能に配置されたループ構造の搬送ベルト51、駆動ローラ52、従動ローラ53、搬送モータ、モータドライバ、搬送ベルト除電器54などからなり、画像形成部4a〜4dの下方に配置され、主制御部9の制御により、駆動ローラ52と従動ローラ53との間に略平行に伸びるように張架された搬送ベルト51に転写紙Pを静電吸着させて搬送する構成となっている。
【0034】
搬送ベルト51は、駆動ローラ52によって、図1に示すZ方向に摩擦駆動され、給紙部3から供給された転写紙Pを保持し、転写紙Pを第1の画像形成部4aでトナー像が転写されると同時に搬送ベルト51に静電吸着され、転写紙Pは、第4の画像形成部4dまでずれることなく搬送される。
【0035】
そして、転写紙Pは各画像形成部4a〜4dとタイミングをとって、図1に示すZ方向に回転している搬送ベルト51上に送られる。
除電器54は、例えば、交流電圧発生器などからなり、転写紙Pに交流電圧を印加して静電気を除去し転写紙Pの搬送ベルトからの剥離がスムーズに行なえるようにする。
【0036】
また、搬送部5は、搬送ベルト51をクリーニングするクリーニングブレード55aを有する搬送ベルトクリーニング部55、搬送ベルト51に滑剤を塗布する滑剤塗布部56とをさらに備えている。
滑剤塗布部56は、外周表面に滑剤を含有させた弾性ゴム層を有する弾性ゴムローラ56a、弾性ゴムローラ56aを回転可能に支持する支持部材(図示せず)、弾性ゴムローラ56aを搬送ベルト51に所定の当接力で当接させるスプリングなどで構成されている。
【0037】
滑剤塗布部56は、搬送ベルト51の搬送方向に対し、搬送ベルトクリーニング部55が搬送ベルト51をクリーニングする位置より下流側の位置で、かつ給紙部3により転写紙Pが搬送ベルト51に給紙される位置(転写紙接触開始ポイント)CPより上流側の位置で、弾性ゴムローラ56aが搬送ベルト51に当接するよう配置されている。
【0038】
さらに、弾性ゴムローラ56aが搬送ベルト51に接触する部分では、搬送ベルト51が従動ローラ53により支持されており、搬送ベルト51に弾性ゴムローラ56aにより加えられる当接力に対して、回転動作ムラが発生しないようにすると共に、搬送ベルト51と弾性ゴムローラ56aとの当接部のニップが常に安定し一定の量の滑剤が弾性ゴムローラ56aより染み出し搬送ベルト51に塗布できるようになっている。
また、弾性ゴムローラ56aは、少なくとも使用する転写紙Pの幅以上のローラ幅を有し、スプリングなどにより搬送ベルト51に付勢され回転可能に当接される。
本実施例では、低価格の紙粉付着防止手段を提供するため、弾性ゴムローラ56aは、従動で回転する構造としているので駆動手段を備えていないが、回転駆動手段を用いて強制的に回転させてもよい。また、従動とすることにより搬送ベルト51の回転動作ムラの発生を極力なくすことができるという効果を得ることができる。
【0039】
本実施例では、滑剤塗布部56は、金属により形成される軸の軸径を8mm、弾性ゴム層の外径を14〜20mm、硬度18°〜35°の弾性ゴムローラ56aを用いて、搬送ベルト51に対する当接力を100g〜1kgとして構成されている。
搬送ベルト51への当接力を、100g〜1kgとしているが、滑剤の含有量や弾性ゴムローラ56aの硬度により異なるので、この当接力の範囲内に限られるものではなく一般的に硬度が低い場合は弱く、硬度が高い場合には強く設定される。
【0040】
また、弾性ゴムローラ56aの弾性ゴム層は、EPDMまたはノーソレックス(登録商標)を主成分とするゴム組成物で形成している。
弾性ゴム層に含有させる滑剤は、パラフィン系オイルまたはナフテン系オイルを主成分としている。
さらに、弾性ゴムローラ56aの弾性ゴム層には、カーボンフィラーを含有させ1KΩ程度の抵抗を有する導電性を与えて接地することもでき、搬送ベルト51の除電や、弾性ゴム層自体の帯電を防止し、ゴミ等の弾性ゴムローラ56aの表面や搬送ベルト51への付着を防止するようにしてもよい。
【0041】
これにより、一般のゴムローラ部材に用いられるEPDMゴムまたはノーソレックスゴムを弾性ゴム層の主成分とすることにより、弾性ゴムローラ24aは、滑剤を弾性能力と耐久性を長期間保ちながら弾性ゴム層に含有させることができる。特に、EPDMゴム材料はオゾンや光線等に対する耐環境特性に優れており、紙や感光体等を汚染しやすい老化防止剤を配合する必要がない。また、一般のローラ部材に用いられるパラフィン系オイルまたはナフテン系オイルを滑剤の主成分とし、極微量徐々にしみ出させて塗布することにより、転写紙P、感光体及び搬送ベルトを汚すことなく、滑剤を搬送ベルトに均一に塗布することができる。
【0042】
本実施例では、搬送ベルト51の周長を860mmとし、厚さ100μmのポリカーボネート(PC)を使用しているが、搬送ベルトの材質としては、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、または、ポリテトラフルオロエチレン重合体(PTFE)、ポリイミド等も使用することができる。
【0043】
転写部6a〜6dは、例えば、転写ローラ、転写用電源、転写ローラモータ、モータドライバなどからなり、主制御部9の制御により、各画像形成部4a〜4dにより形成された各色のトナー像を静電吸着されて搬送ベルト51により搬送される転写紙P上に順次転写するよう構成されている。
第4の画像形成部4dによるトナー像の転写が完了すると、除電器54により、転写紙Pを搬送ベルト51から分離するための交流電流が印加され、定着部7へと導かれる。
【0044】
定着部7は、例えば、ヒータを組み込んだ定着ローラ、定着ローラモータ、モータドライバなどからなり、転写紙P搬送路における搬送部5の下流側に配置されている。定着部7は、主制御部9の制御により、転写紙Pに転写されたトナー像を順次加熱しながら転写紙Pに定着するよう構成されている。
【0045】
排紙部8は、例えば、搬送方向切換ゲート81、排出ローラ82、ローラモータ、モータドライバ、排紙給紙トレイ83などからなり、主制御部9の制御により、定着された転写紙Pを、搬送方向切り換えゲート81を経て、カラー複写機本体の外壁に取り付けられている排紙トレイ83に排出する。
【0046】
搬送方向切換ゲート82は、両面複写するか否かによって、定着後の転写紙Pを排紙トレイ83に排出する経路と、スイッチバック搬送経路84を介して表裏反転させた後、画像形成部4a〜4dに向かって転写紙Pを再供給する経路との間で選択的に切り換えるものである。
【0047】
図2は本実施例による搬送部の弾性ゴムローラ56aの断面を示す説明図である。
図2に示す弾性ゴムローラ56aは、軸径:8mm、弾性ゴム層の外径:14〜20mm(外径はこの寸法に限ることはないが、長尺物であるため強度、専有スペース、重量およびコストの関係でこの寸法が好ましい)、弾性ゴム層の組成物:EPDM(エチレンプロピレンジェン共重合ゴム)またはノーソレックス(登録商標)で構成し、弾性ゴムローラの弾性ゴム層にパラフィン系オイル、ナフテン系オイルなどを主成分とする滑剤を含有させる。
【0048】
図3は本実施例による弾性ゴムローラの主組成物と弾性ゴム層に含有する滑剤の主成分による紙粉付着防止効果を示す説明図である。
弾性ゴムローラによる紙粉付着防止効果の実験において、例えば、弾性ゴムローラの軸径を8mm、弾性ゴム層の外径を14〜20mm、搬送ベルトに対する当接力を100g〜1kg、搬送ベルト材をポリカーボネート(PC)系の組成物、搬送ベルトの搬送速度を一定の速度117mm/sに固定し、転写紙Pの枚数を1万枚として、搬送ベルト51に対して弾性ゴムローラ56aを従動させた。
【0049】
本実施例では、硬度18°〜35°(アスカーC)の弾性ゴムローラ56aを用いて、搬送ベルト21への当接力は、100g〜1kgとしている。この当接力は、滑剤の含有量や弾性ゴムローラの硬度により異なるのでこの当接力の範囲内に限られるものではない。
【0050】
弾性ゴムローラ56aは、少なくとも使用する転写紙Pの幅以上のローラ幅を有し、図示しない軸受けによって回転可能に保持され、スプリングなどにより搬送ベルトに向かって付勢される。
本実施例では、弾性ゴムローラ56aは、従動で回転する構造としているので駆動手段を備えていないが、回転駆動手段を用いて強制的に回転させてもよい。
【0051】
また、本実施例では、搬送ベルトの周長は860mmとし、搬送ベルトや中間搬送ベルトの材質は以下のものが一般的に使用される。厚さは80〜150μmで、実施例では厚さ100μmのポリカーボネート(PC)を使用。ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン重合体(PTFE)を使用してもよい。
【0052】
EPDMゴムは、ゴム組成物100重量部に対してパラフィン系オイルを3〜200重量部含有させることが可能で、実験では10〜90重量部(10〜90重量%)を含有させたものを用いてテストしたところ、含有量を多くした場合に図4に示すように紙粉の付着を防止する効果があることがわかった。EPDMゴムがパラフィン系のオイルを含有する場合には、ゴム組成物100重量部に対して60重量部までは容易に含有することができ低コストで製作可能であるが、それ以上の含有比率では製作しにくいため製作コストが高くなってしまう。したがって、EPDMゴムの場合は、好ましくはゴム組成物100重量部に対してパラフィン系オイルを40〜60重量部含有させたものが低コストで良好な効果を得ることができることがわかった。
ノーソレックスゴムはゴム組成物100重量部に対してナフテン系オイルを200重量部含有させたものを使用した。
上記のように、EPDMゴムローラにパラフィン系オイルを含有する実験では紙粉防止効果が得られた。さらに、ステアリン酸亜鉛を含有させても紙粉防止効果が得られたが、パラフィン系オイルによる紙粉防止効果の方がより優れた効果があることが分かった。
また、ノーソレックスゴムローラにナフテン系オイル、ステアリン酸亜鉛を含有する実験では紙粉防止効果が得られた。
【0053】
一般的にゴムローラは、弾力のあるゴム弾性体とするために、軟化材としてパラフィン系オイルやナフテン系オイルを含有させる。
EPDMゴムでは、通常、ゴム組成物100重量部に対して3〜200重量部のパラフィン系オイルを軟化材として含有させることができ、用途に応じて含有量を調整して使用される。
ノーソレックスゴムでは、通常、ゴム組成物100重量部に対して50〜500重量部のナフテン系オイルを軟化材として含有させることができ、用途に応じて含有量を調整して使用される。
【0054】
滑剤を含有した弾性ゴムローラ56aを搬送ベルト51に当接させることにより、紙粉の多い転写紙Pを使用した場合においても、1万枚プリントしても搬送ベルトへの紙粉の付着が見られなかった。
弾性ゴム層からしみ出す物質としては、ステアリン酸亜鉛やパラフィン系オイルやナフテン系オイルなどのオイル分が検出されているが、このことにより、パラフィン系オイルやナフテン系オイルのオイル分が紙粉付着防止に効果があることが分かった。
図3に示していないが、弾性ゴム層をシリコンゴムで形成し、滑剤としてシリコン系オイルを含有させても、同様の効果が得られた。
【0055】
ウレタンゴムは、オイルを含有させなくとも良好なゴム性が得られるために、一般的にパラフィン系、ナフテン系オイルを含有させないので、オイル分がしみ出さず紙粉防止効果がない。
【0056】
NBRゴムは、別系のオイルが含有されるが、実験結果、オイル分がしみ出しにくいために、紙粉防止効果が得られなかった。
搬送ベルトに対する紙粉の付着は、紙粉が多い転写紙Pを用いてプリントを行うと、1000枚ぐらいより紙粉の付着が確認できる程度となり、2000枚では紙粉が搬送ベルト上にこびりついてしまう。
【0057】
EPDMやノーソレックスゴムの弾性ゴムローラによる搬送ベルトへの紙粉付着防止効果は、弾性ゴム層からしみ出した物質が搬送ベルト表面に極微量付着し紙粉付着を防止しているか、あるいは、紙粉と搬送ベルトとの付着力を軽減しクリーニングブレードによる紙粉のクリーニングを容易にしていると考えられる。本実施例では、転写搬送担持体を用いて、転写搬送担持体上に転写シート(転写紙)を搬送させながら転写シート上に像担持体(感光体ドラム)上に形成された画像を転写する方式の画像形成装置にて説明したが、像担持体上に形成された画像を一旦中間転写担持体(中間転写ベルト)上に転写し、その後搬送されてくる転写シートに再転写する中間転写方式の画像形成装置にも実施可能であり、その中間転写担持体に対しても同様な効果を得ることができる。これを第2実施例として以下に説明する。
【0058】
第2実施例
図5は本発明の第第2実施例であるタンデム方式のカラー複写機の構成を示す正面断面図である。図5において、カラー複写機は、自動両面原稿送り装置(RADF;Recircu1ating Automatic Document Feeder)101、画像読取部102、給紙部103、B(ブラック)、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)の画像を形成する4組の画像形成部104a〜104d、滑剤塗布部を含む中間転写部105、4組の転写部106a〜106d、定着部107、排紙部108、主制御部109、原稿台110などから構成されている。
【0059】
主制御部109は、マイクロコンピュータで構成される。
また、主制御部109は、原稿送り制御部、画像読取制御部、画像処理部、給紙制御部、画像形成制御部、搬送制御部、転写制御部、定着制御部、排紙制御部として機能する。
【0060】
まず、自動両面原稿送り装置101及び画像読取部102について説明する。自動両面原稿送り装置101は、原稿台110の上面に開閉可能な状態で支持され、原稿の一方の面が原稿台110の所定位置において画像読取部102に対向するよう原稿を搬送し、この一方の面についての画像読み取りが終了した後に、他方の面が原稿台110の所定位置において画像読取部102に対向するよう原稿を反転して原稿台110に向かって搬送するようになっている。
そして、自動両面原稿送り装置101は、画像読取部102により、1枚の原稿について両面の画像読み取りが終了した後、この原稿を排出し、次の原稿についての両面原稿送り動作を実行する。
【0061】
画像読取部102は、自動両面原稿送り装置101により原稿台110上に搬送されてきた原稿の画像を読み取るために、原稿台110の下方に配置されている。画像読取部102は原稿台110の下面に沿って平行に往復移動する第1と第2の走査ユニット121、122と、光学レンズ123と、光電変換素子であるCCDラインセンサ124とを有している。
【0062】
第1の走査ユニット121は、原稿画像表面を照射する照射ランプと、原稿からの反射光像を所定の方向に向かって偏向する第1ミラーとを有し、原稿台110の下面に対して一定の距離を保ちながら所定の走査速度で平行に往復移動するものである。
【0063】
第2の走査ユニット122は、第1の走査ユニット121の第1ミラーにより偏向された原稿からの反射光像をさらに所定の方向に向かって偏向する第2および第3ミラーとを有し、第1の走査ユニット121と一定の速度関係を保って平行に往復移動するものである。
光学レンズ123は、第2の走査ユニット122の第3ミラーにより偏向された原稿からの反射した光像を縮小し、縮小された光像をCCDラインセンサ124上の所定位置に結像させるものである。
【0064】
CCDラインセンサ124は、結像された光像を順次光電変換し、白黒画像あるいはカラー画像として読み取り、R(赤)、G(緑)、B(青)の各色成分に色分解したラインデータを出力することのできる。読み取った画像は、主制御部のメモリに記憶される。
【0065】
以下、カラー複写機の画像形成について説明する。
給紙部103は、例えば、ピックアップローラ、フィードローラ、ローラモータ、モータドライバ、給紙トレイなどからなり、転写紙Pには、カットシート状の用紙が使用され、主制御部109の制御により、給紙カセットからピックアップローラにより転写紙Pが1枚づつ持ち上げられ、フィードローラにより2次転写ローラ106に送出されるよう構成されている。
【0066】
第1の画像形成部104a、第2の画像形成部104b、第3の画像形成部104c、及び第4の画像形成部104dは、中間転写ベルト151に近接して所定間隔で並設されている。
各画像形成部104a〜104dは、感光体141a〜141d、帯電器142a〜142d、露光器143a〜143c、現像器144a〜144d、感光体クリーニング部145a〜145dなどから構成される。
【0067】
感光体141a〜141dは、例えば、ドラム状のアルミ材などからなり、主制御部109の制御により、感光体モータ、モータドライバなどからなる感光体駆動部を介して予め設定された周速度で矢印F方向に回転駆動されるよう構成されている。
【0068】
帯電器142a〜142dは、例えば、高電圧発生回路などからなり、主制御部9の制御により、感光体141a〜141dの表面を均一に帯電させるよう構成されている。
【0069】
露光器143a〜143dは、例えば、レーザ発光素子、ポリゴンミラー、fθレンズ、ミラードライバ、ミラーなどからなるレーザビームスキャナユニットで構成される。
【0070】
露光器143aには、カラー原稿画像の黒色成分像に対応する画素信号が、露光器143bには、カラー原稿画像のシアン色成分像に対応する画素信号が、露光器143cには、カラー原稿画像のマゼンタ色成分像に対応する画素信号が、そして、露光器143dには、カラー原稿画像のイエロー色成分像に対応する画素信号がそれぞれ入力される。
【0071】
主制御部109の制御により、帯電した感光体141a〜141dの表面を色変換された原稿画像情報に応じて変調されたレーザビームで走査して露光することにより感光体141a〜141dに色変換された原稿画像情報に対応する静電画像を形成する。
【0072】
現像器144a〜144dは、現像ローラ、現像ローラモータ、カラートナーを充填するトナーボックス、設定されたトナー量を供給するトナー供給機などからなり、例えば、現像器144aには黒色のトナーが、現像器1144bにはシアン色のトナーが、現像器144cにはマゼンタ色のトナーが、現像器144dにはイエロー色のトナーがそれぞれ収容されている。
主制御部109の制御により、感光体141a〜141dに露光された静電画像を現像して各色のトナー像を形成する。
【0073】
感光体クリーニング部145a〜145dは、ブレード、回収トナー搬送部などからなり、感光体に付着する残留トナー、ゴミ、紙粉をクリーニングする。
【0074】
中間転写ベルト151、画像形成部104a〜104dに接触可能に配置されたループ構造のベルトからなり、駆動ローラ152、従動ローラ153、搬送モータ、モータドライバ、クリーニングユニット155などを備える。駆動ローラ152と従動ローラ153との間に中間転写ベルト151が張架される構成となっている。
【0075】
中間転写ベルト151は、駆動ローラ52によって、図5に示すZ方向に摩擦駆動され、第1の画像形成部104aで形成された黒色のトナー像が転写部106aにおいて転写されると同時に中間転写ベルト151に静電吸着される。吸着されたトナー像は第2の画像形成部104b、第3の画像形成部104c、第4の画像形成部104dの転写部106b〜106dへ搬送され、順次シアン、マゼンタ、イエローの色のトナー像が黒色トナー像の上に重ねて吸着される。
【0076】
一方、転写紙Pは各画像形成部104dとタイミングをとって、2次転写ローラ106へ送られ、中間転写ベルト151上の4色トナーの重なったトナー像が転写され、搬送ベルトユニット200、定着部107を介して排紙部8へ搬送される。
【0077】
また、中間転写ベルト151の近傍には中間転写ベルト151をクリーニングするクリーニングブレード155aを有する中間転写ベルトクリーニング部155、中間転写ベルト151に滑剤を塗布する滑剤塗布部156とをさらに備えている。
滑剤塗布部156は、外周表面に滑剤を含有させた弾性ゴム層を有する弾性ゴムローラ156a、弾性ゴムローラ156aを回転可能に支持する支持部材(図示せず)、弾性ゴムローラ156aを中間転写ベルト151に所定の当接力で当接させるスプリングなどで構成されている。
【0078】
滑剤塗布部156は、中間転写ベルト151の搬送方向に対し、中間転写ベルトクリーニング部155により中間転写ベルト151がクリーニングされる位置より下流側の位置で、かつ第1の画像形成部104aによりトナー画像の転写が開始される位置(転写開始ポイント)より上流側の位置で、弾性ゴムローラ156aが中間転写ベルト151に当接するよう配置されている。
【0079】
さらに、弾性ゴムローラ156aが中間転写ベルト151に接触する部分では、中間転写ベルト151が従動ローラ153により支持されており、中間転写ベルト151に弾性ゴムローラ156aにより加えられる当接力に対して、回転動作ムラが発生しないようにすると共に、中間転写ベルト151と弾性ゴムローラ156aとの当接部のニップが常に安定し一定の量の滑剤が弾性ゴムローラ156aより染み出し中間転写ベルト151に塗布できるようになっている。
また、弾性ゴムローラ156aは、少なくとも使用する転写紙Pの幅以上のローラ幅を有し、スプリングなどにより中間転写ベルト151に付勢され回転可能に当接される。
【0080】
定着部107は、第1実施例の定着部7と同等の構成を有し、同様に作用する。
排紙部108は、排出ローラ182、ローラモータ、モータドライバ、排紙給紙トレイ183などからなり、定着された転写紙Pを、複写機本体の外壁に取り付けられている排紙トレイ183に排出する。
【0081】
弾性ゴムローラ156aについては、構成、材質、作用および効果などが第1実施例の弾性ゴムローラ56aと同等であるので、その説明を省略する。
【0082】
【発明の効果】
この発明によれば、転写搬送担持体および/又は中間転写担持体に滑剤を含有した弾性ゴム層を有するローラを当接させることにより、単純かつ低コストで、ローラよりブリードアウトする滑剤を極微量かつ均一に転写搬送担持体および/又は中間転写担持体に塗布することができ、転写紙に存在する紙粉(炭酸カルシウム)が転写搬送担持体および/又は中間転写に付着しにくくなると共に、クリーニング手段で紙粉がクリーニングし易くなり、転写搬送担持体および/又は中間転写担持体に紙粉が付着することにより発生する像担持体の傷やクリーニングブレードの摩耗を防止することができる。さらに、含有させる滑剤の含有量を規定することにより、常に安定した供給量に設定することができ、塗布量が少なかったり多すぎることがなく、像担持体や、転写紙への移行を減少でき滑剤により汚染されないようにすることができるとともに、最も安価に紙粉付着防止の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例であるタンデム方式のカラー複写機の構成を示す説明図である。
【図2】第1および第2実施例による弾性ゴムローラの断面を示す説明図である。
【図3】第1および第2実施例による弾性ゴムローラの主組成物と弾性ゴム層に含有する滑剤の主成分による紙粉付着防止効果を示す説明図である。
【図4】第1および第2実施例における弾性ゴムローラのオイル含有量と紙粉防止効果を示す説明図である。
【図5】この発明の第2実施例の中間転写方式のカラー複写機の構成を示す説明図である。
【符号の説明】
1 自動両面原稿送り部
2 画像読取部
3 給紙部
4a〜4d 画像形成部
41a〜41d 感光体
42a〜42d 帯電器
43a〜43d 露光器
44a〜44d 現像器
45a〜45d 感光体クリーニング部
5 搬送部
51 搬送ベルト
52 駆動ローラ
53 従動ローラ
54 搬送ベルト除電器
55 搬送ベルトクリーニング部
56 滑剤塗布部
56a 弾性ゴムローラ
6a〜6b 転写部
7 定着部
8 排紙部
9 主制御部
10 原稿台

Claims (12)

  1. 感光体、感光体の表面を均一に帯電させる帯電器、帯電した感光体に静電画像を露光する露光器及び露光された静電画像を現像してトナー像を形成する現像器を有する画像形成部と、搬送ベルトを有し、搬送ベルトを感光体に接触させて回転駆動し転写紙を画像形成部の転写位置に搬送する搬送部と、搬送された転写紙に画像形成部により形成されたトナー像を転写する転写部と、外周表面に滑剤を含有させた弾性ゴム層を有する弾性ゴムローラからなる滑剤塗布部とを備え、前記滑剤塗布部は、弾性ゴムローラを搬送ベルトの所定位置に当接し、前記弾性ゴムローラの弾性ゴム層は、EPDMとノーソレックス(登録商標)の一方を主成分とするゴム組成物であり、弾性ゴム層がEPDMを主成分とするゴム組成物であるとき、前記滑剤としてパラフィン系のオイルをゴム組成物100重量部に対して40〜60重量部含有させたことを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記搬送ベルトをクリーニングする搬送ベルトクリーニング部と、転写紙を搬送ベルトに順次供給する給紙部とをさらに備え、前記滑剤塗布部は、前記搬送ベルトの搬送方向に対し前記搬送ベルトクリーニング部がクリーニングする位置より下流側の位置で、かつ前記給紙部から転写紙が搬送ベルトに給紙される位置より上流側の位置で配置されることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  3. 前記滑剤塗布部は、弾性ゴムローラを前記搬送ベルトに対して所定の当接力で当接することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  4. 弾性ゴム層がノーソレックス(登録商標)を主成分とするゴム組成物であるとき、前記滑剤としてナフテン系のオイルをゴム組成物100重量部に対して50〜500重量部含有させたことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  5. 現像装置により静電潜像を顕像化したトナー像を担持する像担持体と、転写シートを搬送し前記像担持体に当接させて転写シート上に前記トナー像を転写させる転写搬送担持体とを備え、外周面に滑剤を含有させた弾性ゴム層を有する弾性ローラを前記転写搬送担持体に当接させ、前記弾性ゴム層をエチレンプロピレンジエン共重合ゴムとすると共に、前記滑剤としてパラフィン系のオイルをEPDMゴムのゴム組成物100重量部に対して40〜60重量部含有させたことを特徴とする画像形成装置。
  6. 転写搬送担持体は支持部材で支持された搬送ベルトからなり、転写シートは搬送ベルトの表面で担持され、前記弾性ゴムローラは搬送ベルトの表面に所定位置で当接するように設置され、支持部材は前記所定位置で搬送ベルトを裏面から支持することを特徴とする請求項記載の画像形成装置。
  7. 前記支持部材は、前記転写搬送担持体に転写シートが担持される位置より上流に位置し、かつ回転可能なローラ部材からなることを特徴とする請求項記載の画像形成装置。
  8. 前記弾性ゴムローラは、従動にて回転可能に支持され常に所定の圧力で前記転写搬送担持体に当接されることを特徴とする請求項の何れか1つに記載の画像形成装置。
  9. 現像装置により静電潜像を顕像化したトナー像を担持する像担持体 と、前記像担持体に当接して前記トナー像を吸着する中間転写担持体と、転写シート を搬送し前記中間転写担持体に当接させて転写シート上に前記トナー像を転写させる 転写搬送担持体とを備え、外周面に滑剤を含有させた弾性ゴム層を有する弾性ゴムロ ーラを前記中間転写担持体に当接させ、前記弾性ゴム層がノーソレックス(登録商標 )を主成分とするゴム組成物である画像形成装置。
  10. 中間転写担持体は支持部材で支持された中間転写ベルトからなり、前記弾性ゴムローラは中間転写ベルトの表面に所定位置で当接するように設置され、支持部材は前記所定位置で中間転写ベルトを裏面から支持することを特徴とする請求項記載の画像形成装置。
  11. 前記支持部材は、中間転写担持体にトナー像が吸着される位置より上流に位置し、かつ回転可能なローラ部材からなることを特徴とする請求項10記載の画像形成装置。
  12. 前記弾性ゴムローラは、従動にて回転可能に支持され常に所定の圧力で前記中間転写担持体に当接されることを特徴とする請求項11の何れか1つに記載の画像形成装置。
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