JP6380336B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
(全体構成)
図1に示すように、本実施形態に係る画像形成装置11は、タンデム方式のカラープリンターである。画像形成装置11は、プリンター本体12の内部に、記録紙(不図示)を収納する給紙カセット13と、給紙カセット13から記録紙を一枚ずつ給送する給紙部14と、給紙カセット13又は手差しトレイ(不図示)から供給された記録紙に画像形成処理を行う画像形成処理部15と、給紙カセット13又は手差しトレイから供給された記録紙を搬送する記録紙搬送経路16と、画像形成処理部15において形成されたトナー像を記録紙搬送経路16に沿って搬送される記録紙に転写する二次転写部17と、二次転写部17において転写されたトナー像を記録紙に定着する定着部18と、を備える。
画像形成処理部15は、例えば、イエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色のトナー(現像剤)を用いて画像形成処理を行うタンデム方式が採用されている。なお、以下の説明では、特に色指定に関する場合にのみ、各算用数字の符号に括弧書きで(Y,M,C,K)の色を付し、共通の場合には算用数字のみの符号を付して説明する。
感光体ドラム20は、支持体(基体)の表面に感光層が形成されてなる。ここでは、感光体ドラム20は、金属製の円筒状の素管と、素管表面に形成された感光層とからなる。なお、素管が本発明の「支持体」の一例に相当する。素管を形成する金属としては、アルミニウム、鉄、チタン、マグネシウム等が挙げられる。感光層としては、有機光伝導体を利用した有機感光層や無機光電体を利用した無機感光層等を利用できるが、耐久性の高さからシランガス等の蒸着等により製膜されたアモルファスシリコン感光層が好ましい。各感光体ドラム20は、その表面に露光ユニット25から出射されたビーム光に基づいて各色のトナー像を担持して中間転写ベルト22にトナー像を転写するためのものであり、図1に示すように、現像装置21と共に中間転写ベルト22の下方に配置されている。なお、感光体ドラム20の使用初期における表面状態については後述する。
各現像装置21は、基本的に同一構成のものが中間転写ベルト22の下方に回動移動方向に沿って列設されている。現像装置21は、酸化チタン等の金属粒子からなるトナー外添剤(研磨粒子)を含むトナーを付着させて感光体ドラム20の表面に形成された静電潜像をトナー像に現像する。なお、現像装置21は従来公知のものを使用することができる。
中間転写ベルト22は、プリンター本体12内で駆動ローラーと従動ローラーとに水平方向に張架された無端ベルトであり、ベルト駆動モーター(図示せず)による駆動ローラーの回転に伴い画像形成動作に伴って循環駆動される。
トナー濃度検知センサー23は、中間転写ベルト22のトナー像の反射濃度を測定し、その検知値を制御回路30(図2参照)に出力する。なお、トナー濃度検知センサー23は、中間転写ベルト22の回動移動方向並びに回動移動方向と直交する幅方向のそれぞれに沿った複数箇所に設けることができる。この際、トナー濃度検知センサー23は、中間転写ベルト22の幅方向片側だけのトナー濃度を検知したのでは、例えば、中間転写ベルト22の幅方向両端側で濃度差が生ずる現象(片焼け現象)が発生した場合に対応できないため、幅方向両端付近に配置するのが好ましい。
帯電ローラー26は、例えば導電性ゴムで形成されており、感光体ドラム20に当接するように配置されている。そして、図2に示すように、感光体ドラム20が時計回り方向に回転すると、感光体ドラム20の表面に接触する帯電ローラー26が反時計回り方向に従動回転する。このとき、帯電ローラー26に所定の電圧を印加することにより、感光体ドラム20の表面が一様に帯電されることとなる。また、帯電ローラー26の回転に伴い、帯電ローラー26に接触する帯電クリーニングローラー(図示せず)が時計回り方向に従動回転して帯電ローラー26の表面に付着した異物を除去する。
クリーニング装置28は、記録紙幅方向(記録紙搬送方向に直交する方向)に奥行きのあるクリーニングハウジング40と、クリーニングハウジング40の内部下方寄りに配置されて図2において時計回り方向に回転することで記録紙幅方向の一方に回収トナーを搬送して廃トナー容器(図示せず)へと送り出す回収スパイラル41と、クリーニングハウジング40の外部下方寄りに取り付けられたクリーニングブレード42と、クリーニングハウジング40の内部上方寄りに配置されて感光体ドラム20の表面と接触する摺擦ローラー(クリーニングローラー)43と、摺擦ローラー43の上方に配置されて摺擦ローラー43の表面と接触するスクレーパー44とを備えている。
除電装置29は、感光体ドラム20の回転方向に沿って、クリーニング装置28の下流側に配置されている。除電装置29にはLED(発光ダイオード)が用いられ、必要に応じて反射板が設けられる。除電装置29は、除電光(イレース光)を感光体ドラム20に照射することにより、その表面の帯電電荷を除去し、次回の画像形成動作時における帯電工程のための準備を整える。
制御回路30は、ROM31に格納した画像形成処理全般に係わる各種制御プログラムに基づいて画像形成処理(プリントジョブ)を実行すると共に、その画像形成処理の際に、帯電ローラー26に帯電バイアスとして直流バイアスと交流バイアスの重畳バイアスを印加する高圧電源34を制御する。
次に、画像形成装置11の画像形成手順について説明する。パーソナルコンピューター等の外部接続機器から画像データが入力されると、先ず、帯電ローラー26によって感光体ドラム20の表面を一様に帯電させ、次いで露光ユニット25によって感光体ドラム20の表面にレーザー光Pを照射し、各感光体ドラム20上に画像データに応じた静電潜像を形成する。現像装置21には、それぞれイエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの各色のトナーを含む二成分現像剤(以下、単に現像剤ともいう)が所定量充填されている。なお、後述のトナー像の形成によって各現像装置21内に充填された二成分現像剤中のトナーの割合が規定値を下回った場合にはトナーコンテナ19から各現像装置21にトナーが補給される。この現像剤中のトナーは、現像装置21により感光体ドラム20上に供給され、静電的に付着することにより、露光ユニット25からの露光により形成された静電潜像に応じたトナー像が形成される。
本実施形態の画像形成装置11に用いられる感光体ドラム20は、使用初期における感光層表面の算術平均粗さRaが20[nm]以上100[nm]以下の範囲内にあり、十点平均粗さRzが0.2[μm]以上1.0[μm]以下の範囲内にあり、凹凸の平均間隔Smが20[μm]以下であり、凹凸の平均間隔Sm[μm]に対する算術平均粗さRa[nm]の比(Ra[nm]/Sm[μm])が3以上、スキューネスRskが0.3以上である表面粗さを有することが好ましい。なお、本明細書において、感光体ドラム20の使用初期とは、耐久印字前の新品の状態をいう。また、上記の表面状態は、少なくとも感光体ドラム20の使用初期(使用開始時の状態であり、換言すると、工場出荷後の状態である。)に有していればよい。算術平均粗さRa、十点平均粗さRz、平均間隔Smは触針式2次元粗さ測定器を用いて1994年版のJISB0601で規定されている表面粗さ測定法により測定される。
算術平均粗さRaが20[nm]より小さい場合、長期間の使用によりクリーニングブレード42が摩耗し、画像不良に至る外添剤のすり抜け量が多くなる。算術平均粗さRaが100[nm]より大きい場合、耐久印字の比較的早い段階から帯電ローラー26の汚染が始まってしまい、長期間の使用が困難となる。つまり、感光体ドラム20の表面の凹凸が大きくなると、トナーの外添剤のすり抜けが使用初期の段階で生じてしまう。従って、使用初期における感光層表面の算術平均粗さRaは、20[nm]以上100[nm]以下の範囲内にあることが好ましい。
感光体ドラム20の使用初期における感光層表面の算術平均粗さRaが、20[nm]以上100[nm]以下の範囲にある場合、感光体ドラム20の使用初期における感光層表面の十点平均粗さRzは、0.2[μm]以上1.0[μm]以下の範囲にあることが好ましい。
算術平均粗さRaや十点平均粗さRzが上記範囲内にあったとしても、大きな凸部分が離れて存在する場合、クリーニングブレード42は大きな凸部分に接触する(支持される)ことになる。ここでは、大きな凸部分が離れているか否かの判断に凹凸の平均間隔Smを利用している。
また、スキューネスRsk≧0.3を満たすことで、感光体ドラム20とクリーニングブレード42との接触面積が減少し、摩擦が効果的に低減される。スキューネスRskが0.3以上である表面粗さを有する。算術平均粗さRa、十点平均粗さRz、平均間隔Smの測定方法は第1、第2実施形態と同様である。
・・・(1)
感光体ドラム20の使用初期における感光層のDUH硬度が500[kgf/mm2]以上1200[kgf/mm2]以下の範囲にあることが好ましい。DUH硬度が500[kgf/mm2]より小になると、クリーニングブレード42や摺擦ローラー43との接触により、感光体ドラム20の感光層が摩耗しやすく、長期間の使用ができないからである。この観点からは、DUH硬度が高い方が好ましい。このため、DUH硬度の上限は、現在使用することができる最も硬度の高い感光層の硬度で規定されている。なお、DUH硬度とは、ダイナミック超微小硬度計(DUHシリーズ、島津製作所社製)により測定された押しこみ硬度(マルテンス硬度)を指す。
ドラム表面の凹凸は、感光体ドラム20の軸方向及び周方向に不規則的に存在するのが好ましい。不規則的とは、ある面内の任意の一方向で凹凸を見たときに、凹凸の存在に一定の規則性がないことをいう。
算術平均粗さRa、十点平均粗さRz及び平均間隔Smは、感光体ドラム20の表面における画像形成領域の全域において、上記範囲であることが好ましい。
トナーには外添剤として導電性研磨微粒子である酸化チタンやシリカが外添されているが、感光層表面の算術平均粗さRaが大きい場合は、クリーニングブレード42が追従できない凹凸の隙間から外添剤がすり抜けていく。そのため、本実施形態の感光体ドラム20に用いるトナーの外添剤は平均一次粒子径が10nm以上であることが好ましい。
以下、本発明の画像形成装置11の特徴部分について説明する。本発明の画像形成装置11においては、感光体ドラム20の使用初期からの累積印字枚数に応じて帯電ローラー26に印加する交流バイアスを設定する。なお、帯電ローラー26には直流バイアスと交流バイアスの重畳バイアスが印加されるが、直流バイアスは適正な値とする。
図7は、本実施形態に係る画像形成装置11において制御回路30がバイアス回路34を介して帯電ローラー26に印加する交流バイアスの設定を行うバイアス設定制御の処理内容を示すフローチャートである。なお、画像形成装置11全体を制御する不図示のメインルーチンがあり、図7に示すフローは当該メインルーチンのサブルーチンである。図7に示す画質低下抑制制御のサブルーチンは、画像形成装置11の電源がオンになるとスタートする。
以上、本発明の画像形成装置11について実施形態を例に説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、例えば、以下のような変形例であってもよい。また、実施形態と変形例、変形例同士を組み合わせたものであってもよい。また、実施形態に記載していていない例や、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更があっても本発明に含まれる。
(変形例2)乗算値の基準となるG=1の電圧は、画像形成装置11が設置されている環境(気温や湿度等)や帯電ローラー26のゴムの基材の抵抗によって異なる。従って、乗算値Gは、それぞれの範囲におけるその時の環境に基づいて決定される最適値であってもよい。
(変形例3)累積印字枚数を計数する方法は、カウンター55による計数に限られるものではなく、例えば、RAM53等でその回数を記憶するようにしてもよい。
(変形例4)上記実施形態では第1の期間T1〜第3の期間T3をカウンター39の累積カウント数Nで表しているが、これに限らず、感光体ドラム20の累積駆動時間で表してもよい。
(変形例5)第3の期間T3において、乗算値Gの範囲を第2の期間T2と同じにしてもよい。即ち、V2=V3であってもよい。
20 感光体ドラム(像担持体)
21 現像装置
26 帯電ローラー(帯電部材)
30 制御回路(制御部)
31 ROM
33 HDD
34 バイアス回路(バイアス印加装置)
36 駆動モーター
39 カウンター(印字枚数カウント部)
42 クリーニングブレード(クリーニング部材)
Claims (6)
- 表面にトナー像が形成される像担持体と、
前記像担持体の表面に接触するように配置され、前記像担持体の表面をクリーニングするクリーニング部材と、
前記像担持体を帯電させる帯電部材と、
前記帯電部材に直流バイアスと交流バイアスとを重畳した帯電バイアスを印加するバイアス印加装置と、
前記バイアス印加装置から前記帯電部材に印加される帯電バイアスを制御する制御部と、
を有する画像形成装置であって、
前記制御部は、前記像担持体の使用開始から所定時間が経過するまでの第1の期間において前記帯電部材に印加される交流バイアスを第1交流バイアスとし、前記第1の期間に続く第2の期間において、前記交流バイアスを前記第1交流バイアスよりも高い第2交流バイアスとし、
前記制御部は、前記バイアス印加装置から前記帯電部材に印加される交流バイアスを増加させたとき前記像担持体の表面電位が略一定となる交流バイアスを基準交流バイアスとし、前記基準交流バイアスに対する前記第1交流バイアスまたは前記第2交流バイアスの比をそれぞれ第1乗算値、第2乗算値として、前記第1乗算値および前記第2乗算値が所定の範囲となるように前記第1交流バイアス及び前記第2交流バイアスを設定し、
前記第2乗算値を前記第1乗算値よりも高くすることを特徴とする画像形成装置。 - 前記制御部は、前記第2の期間に続く第3の期間において前記帯電部材に印加される交流バイアスを第3交流バイアスとし、前記基準交流バイアスに対する前記第3交流バイアスの比を第3乗算値とするとき、前記第3乗算値の最大値を、前記第1乗算値の最大値よりも高く、且つ前記第2乗算値の最大値よりも低くすることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記制御部は、前記第3乗算値の最小値を、前記第1乗算値の最小値と等しく、且つ前記第2乗算値の最小値よりも低くすることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
- 前記像担持体の使用開始からの累積印字枚数をカウントする印字枚数カウント部を備え、
前記制御部は、前記印字枚数カウント部によりカウントされた累積印字枚数に基づいて前記第1の期間及び前記第2の期間を決定することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の画像形成装置。 - 前記像担持体の使用初期における前記像担持体の表面の算術平均粗さRaが20nm以上100nm以下、十点平均粗さRzが0.2μm以上1.0μm以下、表面硬度がDUH硬度で500kgf/mm 2 以上1200kgf/mm 2 以下の範囲であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の画像形成装置。
- 前記像担持体の表面にはアモルファスシリコン感光層が形成されることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の画像形成装置。
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