JP6380335B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
(全体構成)
図1に示すように、本実施形態に係る画像形成装置11は、タンデム方式のカラープリンターである。画像形成装置11は、プリンター本体12の内部に、記録紙(不図示)を収納する給紙カセット13と、給紙カセット13から記録紙を一枚ずつ給送する給紙部14と、給紙カセット13又は手差トレイ(不図示)から供給された記録紙に画像形成処理を行う画像形成処理部15と、給紙カセット13又は手差トレイから供給された記録紙を搬送する記録紙搬送経路16と、画像形成処理部15において形成されたトナー像を記録紙搬送経路16に沿って搬送される記録紙に転写する二次転写部17と、二次転写部17において転写されたトナー像を記録紙に定着する定着部18と、を備える。
画像形成処理部15は、例えば、イエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色のトナー(現像剤)を用いて画像形成処理を行うタンデム方式が採用されている。なお、以下の説明では、特に色指定に関する場合にのみ、各算用数字の符号に括弧書きで(Y,M,C,K)の色を付し、共通の場合には算用数字のみの符号を付して説明する。
感光体ドラム20は、支持体(基体)の表面に感光層が形成されてなる。ここでは、感光体ドラム20は、金属製の円筒状の素管と、素管表面に形成された感光層とからなる。なお、素管が本発明の「支持体」の一例に相当する。素管を形成する金属としては、アルミニウム、鉄、チタン、マグネシウム等が挙げられる。感光層としては、有機光伝導体を利用した有機感光層や無機光電体を利用した無機感光層等を利用できるが、耐久性の高さからシランガス等の蒸着等により製膜されたアモルファスシリコン感光層が好ましい。各感光体ドラム20は、その表面に露光ユニット25から出射されたビーム光に基づいて各色のトナー像を担持して中間転写ベルト22にトナー像を転写するためのものであり、図1に示すように、現像装置21と共に中間転写ベルト22の下方に配置されている。なお、感光体ドラム20の使用初期における表面状態については後述する。
各現像装置21は、基本的に同一構成のものが中間転写ベルト22の下方に回動移動方向に沿って列設されている。現像装置21は、酸化チタン等の金属粒子からなるトナー外添剤(研磨粒子)を含むトナーを付着させて感光体ドラム20の表面に形成された静電潜像をトナー像に現像する。なお、現像装置21は従来公知のものを使用することができる。
中間転写ベルト22は、プリンター本体12内で駆動ローラーと従動ローラーとに水平方向に張架された無端ベルトであり、ベルト駆動モーター(図示せず)による駆動ローラーの回転に伴い画像形成動作に伴って循環駆動される。
トナー濃度検知センサー23は、中間転写ベルト22のトナー像の反射濃度を測定し、その検知値を制御回路30(図2参照)に出力する。なお、トナー濃度検知センサー23は、中間転写ベルト22の回動移動方向並びに回動移動方向と直交する幅方向のそれぞれに沿った複数箇所に設けることができる。この際、トナー濃度検知センサー23は、中間転写ベルト22の幅方向片側だけのトナー濃度を検知したのでは、例えば、中間転写ベルト22の幅方向両端側で濃度差が生ずる現象(片焼け現象)が発生した場合に対応できないため、幅方向両端付近に配置するのが好ましい。
帯電ローラー26は、例えば導電性ゴムで形成されており、感光体ドラム20に当接するように配置されている。そして、図2に示すように、感光体ドラム20が時計回り方向に回転すると、感光体ドラム20の表面に接触する帯電ローラー26が反時計回り方向に従動回転する。このとき、帯電ローラー26に所定の電圧を印加することにより、感光体ドラム20の表面が一様に帯電されることとなる。また、帯電ローラー26の回転に伴い、帯電ローラー26に接触する帯電クリーニングローラー(図示せず)が時計回り方向に従動回転して帯電ローラー26の表面に付着した異物を除去する。
クリーニング装置28は、記録紙幅方向(記録紙搬送方向に直交する方向)に奥行きのあるクリーニングハウジング40と、クリーニングハウジング40の内部下方寄りに配置されて図2において時計回り方向に回転することで記録紙幅方向の一方に回収トナーを搬送して廃トナー容器(図示せず)へと送り出す回収スパイラル41と、クリーニングハウジング40の外部下方寄りに取り付けられたクリーニングブレード42と、クリーニングハウジング40の内部上方寄りに配置されて感光体ドラム20の表面と接触する摺擦ローラー(クリーニングローラー)43と、摺擦ローラー43の上方に配置されて摺擦ローラー43の表面と接触するスクレーパー44とを備えている。
除電装置29は、感光体ドラム20の回転方向に沿って、クリーニング装置28の下流側に配置されている。除電装置29にはLED(発光ダイオード)が用いられ、必要に応じて反射板が設けられる。除電装置29は、除電光(イレース光)を感光体ドラム20に照射することにより、その表面の帯電電荷を除去し、次回の画像形成動作時における帯電工程のための準備を整える。
制御回路30は、ROM31に格納した画像形成処理全般に係わる各種制御プログラムに基づいて画像形成処理(プリントジョブ)を実行すると共に、その画像形成処理の際に、帯電ローラー26に直流電圧と交流電圧との重畳バイアスを印加する高圧電源34の印加電圧を制御する。
次に、画像形成装置11の画像形成手順について説明する。パーソナルコンピューター等の外部接続機器から画像データが入力されると、先ず、帯電ローラー26によって感光体ドラム20の表面を一様に帯電させ、次いで露光ユニット25によって感光体ドラム20の表面にレーザー光Pを照射し、各感光体ドラム20上に画像データに応じた静電潜像を形成する。現像装置21には、それぞれイエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの各色のトナーを含む二成分現像剤(以下、単に現像剤ともいう)が所定量充填されている。なお、後述のトナー像の形成によって各現像装置21内に充填された二成分現像剤中のトナーの割合が規定値を下回った場合にはトナーコンテナ19から各現像装置21にトナーが補給される。この現像剤中のトナーは、現像装置21により感光体ドラム20上に供給され、静電的に付着することにより、露光ユニット25からの露光により形成された静電潜像に応じたトナー像が形成される。
以下、本発明の画像形成装置11の特徴部分について説明する。本発明の画像形成装置11においては、トルク検出部37により検出された駆動モーター36のトルク情報に基づいて印字開始からのトルク上昇係数を算出するとともに、算出されたトルク上昇係数が閾値を超えた場合に感光体ドラム20表面が平滑化されたと判断する。本実施形態では、印字開始からトルクが最大値に到達するまでの所定時間(秒)におけるトルクの上昇値(mNm)をトルク上昇係数(mNm/秒)で表わし、トルク上昇係数(mNm/秒)が閾値を超えたとき感光体ドラム20の表面が平滑化されたと判断する。即ち、トルク上昇係数(mNm/秒)に基づいて感光体ドラム20の表面の平滑化度合いを判定する。
算術平均粗さRaが20[nm]より小さい場合、長期間の使用によりクリーニングブレード42が摩耗し、画像不良に至る外添剤のすり抜け量が多くなる。算術平均粗さRaが100[nm]より大きい場合、初期より外添剤のすり抜け量が多く、耐久印字の比較的早い段階から帯電ローラー26の汚染が始まってしまい、長期間の使用が困難となる。従って、使用初期における感光層表面の算術平均粗さRaは、20[nm]以上100[nm]以下の範囲内にあることが好ましい。
感光体ドラム20の使用初期における感光層表面の算術平均粗さRaが、20[nm]以上100[nm]以下の範囲にある場合、感光体ドラム20の使用初期における感光層表面の十点平均粗さRzは、0.2[μm]以上1.0[μm]以下の範囲にあることが好ましい。
算術平均粗さRaや十点平均粗さRzが上記範囲内にあったとしても、大きな凸部分が離れて存在する場合、クリーニングブレード42は大きな凸部分に接触する(支持される)ことになる。ここでは、大きな凸部分が離れているか否かの判断に凹凸の平均間隔Smを利用している。
また、スキューネスRsk≧0.3を満たすことで、感光体ドラム20とクリーニングブレード42との接触面積が減少し、摩擦が効果的に低減される。スキューネスRskが0.3以上である表面粗さを有する。算術平均粗さRa、十点平均粗さRz、平均間隔Smの測定方法は第1、第2実施形態と同様である。
・・・(1)
感光体ドラム20の使用初期における感光層のDUH硬度が500[kgf/mm2]以上1200[kgf/mm2]以下の範囲にあることが好ましい。DUH硬度が500[kgf/mm2]より小になると、クリーニングブレード42や摺擦ローラー43との接触により、感光体ドラム20の感光層が摩耗しやすく、長期間の使用ができないからである。この観点からは、DUH硬度が高い方が好ましい。このため、DUH硬度の上限は、現在使用することができる最も硬度の高い感光層の硬度で規定されている。なお、DUH硬度とは、ダイナミック超微小硬度計(DUHシリーズ、島津製作所社製)により測定された押しこみ硬度(マルテンス硬度)を指す。
ドラム表面の凹凸は、感光体ドラム20の軸方向及び周方向に不規則的に存在するのが好ましい。不規則的とは、ある面内の任意の一方向で凹凸を見たときに、凹凸の存在に一定の規則性がないことをいう。
算術平均粗さRa、十点平均粗さRz及び平均間隔Smは、感光体ドラム20の表面における画像形成領域の全域において、上記範囲であることが好ましい。
トナーには外添剤として導電性研磨微粒子である酸化チタンやシリカが外添されているが、感光層表面の算術平均粗さRaが大きい場合は、クリーニングブレード42が追従できない凹凸の隙間から外添剤がすり抜けていく。そのため、本実施形態の感光体ドラム20に用いるトナーの外添剤は平均一次粒子径が10nm以上であることが好ましい。
図5は、本実施形態に係る画像形成装置11において制御回路30が行う画質低下抑制制御の処理内容を示すフローチャートである。なお、画像形成装置11全体を制御する不図示のメインルーチンがあり、図5に示すフローは当該メインルーチンのサブルーチンである。図5に示す画質低下抑制制御のサブルーチンは、画像形成装置11の電源がオンになるとスタートする。
以上、本発明の画像形成装置11について実施形態を例に説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、例えば、以下のような変形例であってもよい。また、実施形態と変形例、変形例同士を組み合わせたものであってもよい。また、実施形態に記載していていない例や、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更があっても本発明に含まれる。
(変形例2)トルク上昇係数の閾値は、予め設定されてHDD33に記憶されている構成に限られず、例えば、使用開始の際に検出されたトルクの値、その他、感光体ドラム20表面の平滑性に影響を及ぼすファクターの値から、使用開始後に算出してHDD33に記憶される構成としてもよい。
(変形例3)トルク上昇係数の閾値が記憶される記憶部は、HDD33に限定されるものではない。トルク上昇係数の閾値が出荷前に予め設定される場合は、ROM31に記憶されていてもよい。この場合は、ROM31が記憶部となる。
(変形例4)摩擦抵抗抑制処理は、トナー及び外添剤の供給量を増加させる処理および帯電バイアス電圧を低下させる処理に限定されるものではない。例えば、クリーニングブレード42が感光体ドラム表面に押し当てられる付勢力を弱めてもよいし、トナー及び外添剤以外の潤滑剤を供給してもよい。なお、後者の場合は、画像形成処理に負の影響を与えないような潤滑剤を選択する必要がある。以下、実施例により本発明の効果について更に詳細に説明する。
まず、鏡面加工のアルミ素管(直径:30mm)にアモルファスシリコン層(厚み:21μm)を形成した感光体ドラムaと、粗面化処理を行ったアルミ素管(直径:30mm)にアモルファスシリコン層(厚み:21μm)を形成した感光体ドラムbとを準備した。なお、後述する通り、感光体ドラムaの使用初期(新品)における感光層表面の算術平均粗さRaは8nmであり(図8参照)、感光体ドラムbの使用初期における感光層表面の算術平均粗さRaは24nmであった(図10参照)。
図8は、上述した新品の感光体ドラムaの感光層表面の算術平均粗さRaを示すグラフであり、図9は、新品の感光体ドラムaの累積画像形成処理枚数(耐久印字枚数)600k(60万)枚印字後における感光体ドラムa1の感光層表面の算術平均粗さRaを示すグラフである。なお、算術表面粗さRaは、前述したようにJISB0601に記載の算術平均粗さを示す。具体的には、粗さ曲線から、その平均線の方向に基準長さだけ抜き取り、この抜き取り部分の平均線から測定曲線までの偏差の絶対値を合計して平均した値をマイクロメートル(μm)で表したものをいう。
図12は、耐久印字後の感光体ドラムa1、b1、b2、b3を用いた場合における、印字開始から600秒までの駆動モーター36のトルク変動を示すグラフであり、図13は、図12における印字開始から100秒までのトルク変動を拡大したグラフである。また、図14は新品の感光体ドラムa、b、及び耐久印字後の感光体ドラムa1、b1、b2、b3を用いた場合における、印字開始から300秒までの駆動モーター36のトルク変動を示すグラフである。図12〜図14において、Aは新品の感光体ドラムaを用いた場合のトルク変動を示し、Bは新品の感光体ドラムbを用いた場合のトルク変動を示し、A1は耐久後(600k)の感光体ドラムa1を用いた場合のトルク変動を示し、B1は耐久後(620k)の感光体ドラムb1を用いた場合のトルク変動を示し、B2は耐久後(520k)の感光体ドラムb2を用いた場合のトルク変動を示し、B3は耐久後(200k)の感光体ドラムb3を用いた場合のトルク変動を示す。
20 感光体ドラム(像担持体)
21 現像装置
26 帯電ローラー(帯電部材)
30 制御回路(制御部)
31 ROM(記憶部)
33 HDD(記憶部)
34 高圧電源
36 駆動モーター(駆動装置)
42 クリーニングブレード(クリーニング部材)
43 摺擦ローラー(クリーニング部材)
Claims (6)
- 表面にトナー像が形成される像担持体と、
前記像担持体を回転駆動する駆動装置と、
前記像担持体の表面に接触するように配置され、前記像担持体の表面をクリーニングするクリーニング部材と、
前記像担持体の表面に接触又は近接して配置され、前記像担持体を帯電させる帯電部材と、
前記帯電部材に直流バイアスと交流バイアスとを重畳した帯電バイアスを印加する高圧電源と、
前記像担持体を回転駆動する際の前記駆動装置のトルクを検出するトルク検出部と、
前記トルク検出部により検出されたトルクに基づいて前記像担持体の表面状態を判断する制御部と、
を有する画像形成装置であって、
前記像担持体の表面にはアモルファスシリコン感光層が形成されており、
前記像担持体の使用初期における前記像担持体の表面の算術平均粗さRaが20nm以上100nm以下の範囲であり、十点平均粗さRzが0.2μm以上1.0μm以下の範囲内であり、凹凸の平均間隔Smが20μm以下であり、前記平均間隔Smに対する前記算術平均粗さRaの比Ra/Smが3以上であり、スキューネスRskが0.3以上である表面粗さを有し、
前記制御部は、前記トルク検出部により検出されたトルクに基づいて、印字開始直後の第1時間t1におけるトルクT1と、印字開始から前記駆動装置のトルクが最大値に到達するまでの第2時間t2におけるトルクT2とを用いて式(T2−T1)/(t2−t1)からトルク上昇係数を算出し、算出された前記トルク上昇係数に基づいて前記像担持体の表面の平滑化度合いを判定することを特徴とする画像形成装置。 - 前記トルク検出部は、前記駆動装置のトルクを表す指標として前記像担持体の回転駆動に要する前記駆動装置の出力電流値を検出することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記制御部は、前記像担持体の表面の平滑化度合いが所定以上であると判定したとき、前記像担持体の表面と前記クリーニング部材との間の摩擦抵抗を低下させる摩擦抵抗抑制処理を行うことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
- 研磨粒子を含むトナーを付着させて前記像担持体の表面に形成された静電潜像をトナー像に現像する現像装置を備え、
前記制御部は、非画像形成時に前記現像装置から前記像担持体にトナーを供給することにより前記摩擦抵抗抑制処理を行うことを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。 - 前記制御部は、前記像担持体の表面の平滑化度合いが大きくなるにつれて前記現像装置から前記像担持体に供給するトナー量を増加させることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
- 前記制御部は、画像形成時に前記高圧電源から前記帯電部材に印加する前記交流バイアスを低下させることにより前記摩擦抵抗抑制処理を行うことを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
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