JP2008076435A - 電子写真装置 - Google Patents

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哲郎 鈴木
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Abstract

【課題】地肌汚れを改善し、高品位なプリント画像を出力できるタンデム方式のフルカラー電子写真装置の提供すること。
【解決手段】少なくとも2色以上の現像ステーションを有し、且つ、タンデム方式であって更に重合トナーを用いて繰り返し画像形成が可能なフルカラー電子写真装置において、下記式(式1)によって定義されるクリーニングブレードを通過する付着物を表わすすり抜け強度(T)の値が2乃至50の範囲であることを特徴とするフルカラー電子写真装置。
【数4】
Figure 2008076435

【選択図】図4

Description

本発明は、表面に架橋型樹脂の保護層を積層する電子写真用有機感光体を搭載するタンデム方式のフルカラー電子写真装置に関する。より具体的には、転写工程より後に感光体上に滞留するトナーのクリーニングブレードのすり抜け量を所定の範囲に抑制されるタンデム方式のフルカラー電子写真装置に関する。
タンデム方式のフルカラー電子写真装置は4色分の画像形成をほぼ同時に行えるため、感光体の1ドラム4サイクル方式に比べて高速プリンティングが可能となる。このため、現在のフルカラー電子写真装置はこの方式が主流となりつつある。
タンデム方式は例えばブラック、イエロー、シアン、マゼンタ各色の現像ステーションでプリント用紙や中間転写体に各色を重ねていく。このため色ズレや色ムラが発生しやすい。これらの不具合を抑制するには感光体の外観寸法特性は勿論のこと、電気的、機械的精細な位置合わせ技術が必要となる。
また、紙に転写された定着前のトナー画像が上流の現像ステーションから下流の現像ステーションへ搬送される毎にプリント用紙や中間転写ベルト上に転写された定着以前のトナーが個々の感光体へ多少とも逆転写されてしまう問題を抱えている。このため、出力画像の高画質化を困難にしている。電子写真装置の新品時に得られる鮮明で感覚的にも美しいプリント画像はたちまち画像ノイズで品質を落としてしまうことになる。それで電子写真装置で出力されるプリント画像は写真とも印刷とも異なる電子写真風とでも言うべき画質に分類される。
これに対し、感光体に付着するトナーのクリーニング性を高める技術開発が近年、精力的に進められている。その一例として、特許文献1(特開平11−311875号公報)によれば、感光体表面の表面自由エネルギーを所定の範囲に設定することが提案されてきた。感光体表面の表面自由エネルギーをコントロールすることは感光体表面の汚染防止に作用すると考えられる。しかしながらトナーのクリーニング性は感光体の物性のみならずクリーニングブレード等の感光体以外のモジュールの寄与が大きいため、この要因だけでクリーニング性を解決することはできない。また、特許文献2(特開平8−76398号公報)では転写手段の下流側、クリーニング手段の上流側に感光体磁気ブラシの研磨手段を設ける手段が提案されている。この方式では磁性粉体がクリーニングブレードのエッジを損傷させることがあり、必ずしも十分とは言えない。また、特許文献3(特開2000−122324号公報)では円筒状透光性ポリマー基体の表面を研磨剤を含有するテープを用いて研磨する手段が提案されている。しかし、この手段は感光体製造時の加工で研磨処理を行う内容で、装置で使用したときに常時、感光体の表面粗さが所望の値を呈するとは言い切れない。また、特許文献4(特開2006−154796号公報)ではクリーニングブレードに研磨機能を付与させる技術が記載されている。クリーニングブレードにトナーのクリーニング機能と研磨機能の二つを持たせることは機能の持続性を獲得する点で不利となる。
以上、従来技術の代表的なものを概観したとおり、未だ、感光体のクリーニング性を高める技術は開発途上にあり、上述したタンデム方式のフルカラー電子写真装置の画質向上を高める方策は不十分な状況にある。
特開平11−311875号公報 特開平8−76398号公報 特開2000−122324号公報 特開2006−154796号公報
タンデム方式のフルカラー電子写真装置で出力されるプリント画像は地肌汚れなどの画像ノイズを来すことが多く、これ故画質が写真や印刷と比較して見劣りすることが多い。本発明はこの地肌汚れを改善し、高品位なプリント画像を出力できるタンデム方式のフルカラー電子写真装置の提供を目的とする。
発明者は転写で残したトナーや上記の逆転写で混入する感光体上のトナーについて、特にクリーニングブレードをすり抜けるトナー量が所定の範囲を満たすことで上記の課題が達成できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
本発明によれば、(1)「少なくとも2色以上の現像ステーションを有し、且つ、タンデム方式であって更に重合トナーを用いて繰り返し画像形成が可能なフルカラー電子写真装置において、下記式(式1)によって定義されるクリーニングブレードを通過する付着物を表わすすり抜け強度(T)の値が2乃至50の範囲であることを特徴とするフルカラー電子写真装置。
Figure 2008076435
」、
(2)「前記Tの値が、5乃至30の範囲であることを特徴とする前記第(1)項に記載の電子写真装置」、
(3)「電子写真感光体の最表面層が架橋型樹脂であることを特徴とする前記第(1)項または第(2)項に記載の電子写真装置」、
(4)「電子写真感光体の架橋型樹脂でできた表面層に少なくともトリメチロールプロパントリアクリレート架橋体と下記一般式(1)の硬化型電荷輸送物質の架橋体が5wt%以上60wt%未満の割合で含有されることを特徴とする前記第(1)項乃至第(3)項の何れかに記載の電子写真装置;
Figure 2008076435
(式中、d、e、fはそれぞれ0または1の整数、R13は水素原子、メチル基を表し、R14、R15は水素原子以外の置換基で炭素数1〜6のアルキル基を表し、複数の場合は異なってもよい。g、hは0〜3の整数を表わす。Zは単結合、メチレン基、エチレン基、
Figure 2008076435
を表わす。)」、
(5)「電子写真感光体の表面をアルミナ砥粒で研磨する機構を有することを特徴とする前記第(1)項乃至第(4)項の何れかに記載の電子写真装置」、
(6)「アルミナ砥粒で研磨する機構の研磨面の中心線平均粗さRa(JIS B0601;1982)が0.5μm以上2.5μm以下であることを特徴とする前記第(5)項に記載の電子写真装置」、
(7)「ラッピングフィルムを電子写真感光体と対向させて配置する加圧ローラで挟みこみ、感光体を回転し、かつラッピングフィルムを感光体の回転方向と反対側に送ることで感光体表面を研磨することを特徴とする前記第(6)項に記載の電子写真装置」、
(8)「加圧ローラのゴム硬度(JIS K6301A形)が40°以上80°未満であることを特徴とする前記第(7)項に記載の電子写真装置」によって達成される。
本発明では帯電、露光、現像、転写、感光体上に滞留するトナーの除去(クリーニングブレードによるトナーのクリーニング)の一連の電子写真プロセスについて、トナーのクリーニング性の指標とするすり抜け強度(T)を5乃至50とすることが重要となる。
はじめにすり抜け強度について説明する。
本発明におけるすり抜け強度とは感光体に付着するトナーをクリーニングブレードで捕集するプロセスにおいて、クリーニングブレードをすりぬけるトナー量を表す。すり抜けたトナーは厚さ1mmで8mm×310mmのフェルト(槌屋社製、以下、すり抜けトナーキャッチャーと称する)をクリーニングブレード下流、現像器開口部上流に据え付け、感光体に接触させることで捕集した。
フエルトの汚染具合をイメージスキャナーでデジタルデータに変換し、濃淡(画像濃度)を5段階に分類した。5段階に分けた各濃度の面積(画像面積率)を求め、次の式(式1)からすり抜け強度を算出した。
Figure 2008076435
ここで、前記画像濃度は、無論、微細な単位面積当りのトナー存在量にほぼ比例するので、特定画像濃度毎(5段階)にそれぞれの面積率を反映させ、得られた5つの結果を加算すれば、すり抜けたトナーの総量にほぼ見合う値が得られることになる。すり抜けたトナーを捕集し、その重量を測定することも可能性としては考えられるが、画像の汚れ程度は、すり抜けたトナーの重量によりも、該すり抜けたトナーにより齎らされる光学濃度に、より強く関係する。前記「ほぼ比例する」や「ほぼ見合う」とは、このような意味である。すり抜けのトナー総重量は、トナーを構成するトナー粒子の粒度分布状態を反映したものでないこと等が原因と思われる。
なお、画像面積率と画像濃度はメディアサイバネティックス社イメージ−プロプラスVer.3.0のPSEUDO−COLORコマンドを用いて行った。すり抜け強度は最小値が0、最大値が500となる。
本発明におけるすり抜け強度(T)は次の手順によって得られる。すなわち、図4に示すレイアウトとなるように電子写真装置に感光体、クリーニングブレード、現像手段、すり抜けトナーキャッチャーを取り付け、帯電電位、現像バイアス、および書き込み光量を調節することで、現像器から感光体へ入力されるトナー量を統一する。そうして、画像面積率が5%のA4サイズの画像を50枚連続プリントアウトする。この後、すり抜けトナーキャッチャーを回収し、上記の方法ですり抜け強度を算定した。
評価用の画像面積率が5%のパターン画像を所定枚数プリントする際、現像器から感光体へ供給されるトナー入力量に応じてすりぬけ強度は変化する。そこで、評価に際してトナー入力量を固定する必要がある。また、評価では形成する画像パターンは同じ画像面積率であるものを用いる必要がある。
これに対し本発明では予め、ベタパターン画像を出力したときの感光体へ入力されたトナーを透明テープ(日東電工社プリンタック)で捕集し、この画像濃度が1.0となるよう書き込み光量と現像バイアスを増減することで調整した。形成する画像パターンはテキストと正方形のパッチ画像が画像面積率5%となるようにプリント用紙に万遍なく印刷されるものが良い。
このすり抜け強度は大きすぎると、感光体表面のフィルミングを来しやすくなる。他方、小さすぎるとクリーニングブレードが感光体の回転に引き込まれる結果、ブレードめくれを来したり、過剰なトナーのすり抜けを生じたりしてしまう。このすり抜け強度は5以上50以下であることが望ましい。これにより筋状のトナーフィルミングを回避できる。更にすり抜け強度を5以上30以下にすると地肌汚れの感じない高品位なプリント画像が得られる。
クリーニングブレードの感光体への当接条件は始めにこのすり抜け強度の範囲となるように決定される。そして、この持続のために感光体表面を研磨することが極めて有効となる。
本発明で用いられる電子写真用感光体は表面が平滑で硬度の高い有機感光体であるとより好ましい。表面が平滑であればクリーニングブレードからすり抜けるトナーが少なく、硬度が高ければ研磨工程による副作用が小さいことや感光体付着物の離型性に優れるためである。また、有機感光体は帯電性に優れるため、帯電電流を小さく設定することができ、この分、放電生成物の形成を抑制し、感光体表面付着物のクリーニングブレードによる離型性を向上させるためである。特開2004−302451号公報(特許文献5)や特開2005−227761号公報(特許文献6)に開示される電荷発生層と電荷輸送層が積層される積層型感光層に更に架橋型保護層が積層される感光体はこれらの要件を満たす感光体と言える。特に架橋型保護層は少なくとも下記一般式(1)で示される1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物と電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーのバインダー成分を硬化することにより形成される架橋型樹脂膜は感光体の感度特性と高耐久性のバランスと上記の再生工程が容易であるため極めて有利である。
Figure 2008076435
(式中、d、e、fはそれぞれ0または1の整数、13は水素原子、メチル基を表し、R14、R15は水素原子以外の置換基で炭素数1〜6のアルキル基を表し、複数の場合は異なってもよい。g、hは0〜3の整数を表す。Zは単結合、メチレン基、エチレン基、
Figure 2008076435
を表す。)
3官能以上のバインダー成分はトリメチロールプロパントリアクリレートないしカプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートないしジペンタエリスリトールヘキサアクリレートがよい。
以下の詳細かつ具体的な説明から明らかなように、本発明の電子写真装置は地肌汚れの少ない高品位な画像出力が永続的に可能な実用的価値にすぐれたものを提供できるという極めて優れた効果を奏するものである。
すなわち、トナーの(ブレード)すり抜け量の大小やトナーフィルミング程度を左右する要因としては、感光体表面の硬度、表面平滑度、当接するブレードの当接圧、ブレードの材質(硬度、耐摩耗性)、トナー粒径、トナーバインダー樹脂の材質、使用する外添剤の種類、トナー粒子の形状、印加する転写電圧の内容等々、非常に多くのものが考えられ、かつ、画像形成時の状況が変わる度に、これら各要因を調節して、良質画像を得ることは現状ではほとんど不可能に近い。しかし、本発明によれば、これら各要因の函数であり得るトナーのすり抜け量(T)を、例えば感光体の表面平滑度保持手段(研磨手段)のみにより、ブレード当接圧の制御のみにより、或いは両者の併用により、上記範囲に調節することによって、個々の要因が及ぼす影響力の程度を勘案せずとも、地肌汚れの少ない高品位な画像出力を永続的に得ることが可能となる。
以下、図1の図面に沿って本発明のタンデム方式のフルカラー電子写真装置について説明する。
感光体(80)、帯電手段(84)、画像露光(81)、現像手段(82)、クリーニングユニット(85)から構成される各現像ステーションが電子写真装置内に一列に配置されており、感光体の下部にはトナー像を転写するための中間転写ベルト(87)が帳架されている。これらはカートリッジ形式であっても、各ユニットの集合体(ステーション)であっても良い。さらに中間転写ベルト(87)には転写対向ローラと転写バイアスローラに挟まる形で転写ベルト(91)が面接触しており、給紙搬送された被転写体(コピー用紙、紙)に転写される構成になっている。
現像ステーションは図に向かって左から順にY、M、C、Bkの現像装置を有し、帯電、画像露光の工程を経て感光体上に形成されたトナー像は、感光体の下部に配置された中間転写ベルト(87)に4色のトナーが順次転写され、最後に搬送されたコピー用紙にトナー像が紙転写バイアスローラ90で一括転写され、最後に定着ユニット(93)でハードコピーとされる。
中間転写ベルト(87)は駆動ローラ、テンションローラ、転写対向ローラ、従動ローラで懸架されている。中間転写ベルト(87)の背面の各感光体に対向した面には直流バイアス電圧印加のバイアスローラが配置されている。中間転写ベルト(87)は、ベルトのトナー汚れや、摩耗等の観点から、画像形成時以外は感光体(80)から隔離されていることが望ましく、転写時に紙(像担持体)(89)と共に感光体に押し上げ当接するような構成にされる。
中間転写ベルトはトナーの転写性能を向上させるために、表面自由エネルギーは低めになるようになるのが好ましい。感光体から中間転写ベルトに転写されたトナー像はコピー用紙に転写するための転写ベルトを介して転写されるが、表面自由エネルギーが高いと、十分に転写されず虫食いや転写ムラなどの異常画像になる場合がある。また、湿度の影響を受け同様に転写ムラを起こす場合がある。
中間転写ベルト(87)のトナー像転写面には、駆動ローラの位置にファーブラシ(94)が配設されており、転写後に残留するトナー像の清掃が行われる。トナー像の清掃が不十分であると、画像の色再現、解像度等が不十分となり、画像品質の信頼性が低下すると共に、中間転写ベルトが次第にトナー固着を起こし、転写不良を起こしやすくなる。したがって、清掃は十分に行われる必要がある。清掃部材としてはスティック状あるいはローラ状の樹脂製、金属製ファーブラシ、ゴムブレードなどが使用される。
中間転写ベルト(87)は転写対向ローラの位置で転写ベルト(91)と接しており、紙転写バイアスローラ(90)が転写ベルト(91)を間に挟む格好で転写対向ローラの反対側に配置される。
中間転写ベルト(87)のバイアスローラ(86)が接触する面(裏面)は、転写バイアス電圧を印加するために低抵抗化されている。裏面の抵抗値は表面抵抗率ρsで10〜10Ω/□である。一方、画像転写側は低いと電荷移動で像の乱れが起こる危険性が有るため高抵抗に設定され、表面抵抗率ρsで1013(Ω/□)以上に設定される。
なお、全層の体積抵抗率ρvは1011〜1013(Ω・cm)である。
中間転写ベルトの材質はPVDF(ポリフッ化ビニリデン)やポリイミド樹脂などで、導電性を発現させる材料は導電性カーボンや微粒活性炭素繊維、酸化チタン等の導電性微粒子、イオン性材料が使用出来る。
Y、M、C、Bkの各現像剤による中間転写ベルト(87)上のトナー像は転写対向ローラの位置で、紙転写バイアスローラ(90)によって給紙搬送された紙(像担持体)(89)に転写される。転写された紙(像担持体)(89)は搬送ベルト(92)に移送され、さらに定着ユニット(93)に搬送され、そこでトナー像は紙(像担持体)(89)に熱融着されハードコピーとされる。
画像形成方法は、まずコロナ帯電法、接触帯電法、近接帯電法等の手段により、感光体(80:80Y)に−500V〜−800V程度の均一帯電が行われる。この後、レーザ光源、回転多面鏡等の偏向器、走査結像光学系、ミラー群(LD光源、ポリゴンミラー、f−θレンズ、反射ミラー等のレーザ走査光学系から構成される画像露光手段によって、Y(イエロー)現像するための静電潜像が形成される。
次に、静電潜像は磁気ブラシ法を用いたY現像ユニット(82:82Y)によって現像が行われる。
現像されたY色の原稿像は直流電圧(+1KV〜+3KV)が印加されたバイアスローラ(86)によって、中間転写ベルト(87)上に転写される。同様な方法で、M(マゼンタ)現像するための静電潜像、C(シアン)現像するための静電潜像、Bk(ブラック)現像するための静電潜像、Bk現像するための静電潜像が夫々形成される。
これらの静電潜像がM、C、Bkの各現像剤で現像されると、中間転写ベルト(87)上に次々に重ね転写される(これを一次転写という)。転写時の電流は約20〜30μA程度である。
通常、カラーの現像では、現像剤担持体に高現像能力が得られるように、直流電圧に交流電圧を重畳した電圧を印加することが行われているが、交流電圧を重畳すると現像時にトナーのチリや飛散が発生しやすくなる傾向があり、特にタンデム方式の場合には潜像上で各色の乱れたトナー層が、そのまま転写媒体もしくは中間転写体に転写されるため、現像時に発生した微小な像の乱れも強調されて画像に影響を及ぼすことが多い。このため、一次転写では直流電圧のみを印加したほうが望ましい。
次に、中間転写ベルト(87)上のトナー像は、転写ベルト(91)に給紙搬送された紙(像担持体)(89)の上に、+2KV〜+4KVの直流電圧が印加された紙転写バイアスローラ(90)によって転写される(これを二次転写という)。転写時の電流は40〜50μA程度である。
二次転写された紙(像担持体)(89)は定着ユニット(93)に搬送され、定着工程で溶融定着されてハードコピーとなる。
以上のように、タンデム方式では、Y、M、C、及びBk現像剤の各色で連続的に画像形成、転写を行うため、1ドラムとリボルバ現像方式の組み合わせの画像形成方法に比べ4倍程度複写スピードを速くすることが可能である。
次に、図3の図面に沿って本発明のタンデム方式のフルカラー電子写真装置内の感光体周りに設ける研磨手段について説明する。
巻き出しローラ(39)にロール状に巻いたラッピングフィルム(32)を取り付け、途中、送りローラ((38),(36))と加圧ローラ(33)を介してフィルム端部を巻き取りローラ(40)に取り付ける。フィルムを逆送りさせないように巻き出しローラにブレーキ手段を設けてもよい。またラッピングフィルムの送りをふらつかせないために送りローラ(36)と荷重手段(34)が取り付けられるピンチローラでフィルムを挟んでもよい。荷重手段はバネやローラ等荷重が印加できる部品が用いられる。巻き取りローラは感光体と同様、モーター駆動による回転でラッピングフィルムが巻き取られる。
荷重手段(34)を調節し、ラッピングフィルムを介して加圧ローラを感光体に押し当てる。
加圧ローラの押し圧力によって生じるラッピングフィルムと感光体の摩擦によって感光体表面が研磨される。このため、両者の接触面における荷重のばらつきが強いと感光体は偏摩耗を来す。研磨位置に依らない均一な感光体表面の研磨をするために、JIS−A硬度が40°〜80°で外径振れ精度が30μm以下の加圧ローラを用いると有効である。
感光体表面研磨時の偏摩耗を抑え、かつ再生処理後の感光体表面を平滑にするためラッピングフィルム研磨面の中心線平均粗さRa(JIS B0601;1982)は0.5μm以上2.5μm以下のフィルムを使用するとよい。このラッピングフィルムは3M社製ラッピングフィルムシートとして上市されており、このうち、3MIC AO、5MIC AO、9MIC AO、12MIC AOを使うとよい。
ラッピングフィルムは感光体表面研磨による摩耗粉で多少とも目詰まりする。このため、ラッピングフィルムは1m/h〜3m/h程度の速度でフィルムを送ると異常な研磨を防ぎやすい。
ラッピングフィルムを用いた感光体表面の研磨では、感光体表面粗さの大きさに対して直線的にすり抜け強度が増加する。この具体例を図8に記す。
プリント画像の品質からすり抜け強度は50未満であるとよい。このためには感光体表面粗さは中心線表面粗さ(JIS−1982年規格)が0.1未満であるとよく、ラッピングフィルムによる研磨はこの条件を満たす程度に研磨すると良い。
つぎに、本発明で用いることができるブレードクリーニング方式について説明する。
カウンター当接のブレードクリーニング方式の一例を図7に示す。クリーニングブレードを使用したクリーニング方式にはカウンター当接とトレーリング当接の2通りの方式があるが、現在ではカウンター当接の方式が主流であり、トレーリング法は殆ど使用されないため、ここではカウンター方式について説明する。
クリーニングブレードを使用したブレードクリーニング方式は、クリーニングユニットにクリーニングブレードとトナー回収スクリューが配置され、感光体より掻き取ったトナーは回収スクリューでユニット外へ搬送される。クリーニングブレードのエッジの下流側が感光体に当接するように、10°〜40°の角度で当接される。好ましい当接角度θは20°(15〜25°)前後である。
クリーニングブレードはゴム状弾性体が一般的である。ゴム状弾性体としては、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ポリウレタンゴム、アクリロニトリル・ブタジエンゴム等があるが、画像形成装置用のクリーニングブレードとしては、クリーニング性、耐オゾン性、機械的耐久性、耐候性、耐摩耗性、反発弾性等の特性に特に優れたポリウレタンゴムが好適である。但し、長期使用時、放電生成物によって黄変する傾向があり、エッジ部当たりは少し硬度が高くなる傾向が見られるが実用上、問題はない。
クリーニングブレードに使用されるポリウレタンゴムは、例えば、プレポリマーとしてポリエステルポリオール、MDI(4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート)、硬化剤として1,4−ブタンジオール、トリメチロールプロパンを好適な配合比率で混合して液状の原料を作製し、成型用の型に流し込み、130〜150℃に加熱して、遠心成形法、キャストプレス成形法などの製法によって作製される。
クリーニングブレードはブレードの肉厚が厚いと感光体とブレード間にトナーの詰まりを生じ、クリーニング不良の要因になるため、場合によっては1mm幅でも好適な場合もありうる。肉厚としては出来るだけ薄い方が望ましい。また、JIS−A硬度が小さいと、強度不足でブレード先端部が潰れて、接触面積広がり摩擦抵抗が増加するが、潰によるブレードエッジの歪みが生じ、隙間を生じブレードの下にトナーが潜り込み、クリーニング不良を起こす。
一方、ブレードの硬度が高い場合には、ブレードエッジの強度が高まるため、感光体との密着性を十分に高くする事ができるが、脆くなるためエッジが欠けて、感光体には摺擦傷が生じたり、ブレードの撓りが少ないため、十分に隙間を狭めることが出来なくなったりする。したがって、感光体との隙間からトナーが抜け出る現象が生じ、クリーニング不良の要因となる。なお、ブレードの側面に補強板を使用することによってクリーニング性を高めることも可能である。さらに、ブレードエッジの表面粗さは、トナーのクリーニング性に重要な意味を持つ。すなわち表面粗さが大きいと、トナーが自由にすり抜けクリーニングの用を足さない。10μm以下で有ればブレードに一定の当接圧(たとえば、20〜30(g/cm))を印加することにより、ブレードが撓り、感光体にブレードエッジを十分に密着可能である。ただし、当接圧を軽くした場合(たとえば、15(g/cm)前後)には、もう少し表面粗さを小さくすることが望ましく、5〜6μm程度にする。ただ、ブレードエッジでのトナーや、キャリアの阻止力が不十分で僅かに漏れ続けた場合、ブレードエッジが欠損するので、クリーニング不良は絶対阻止する必要がある。
次に図5と図6の図面を参照しつつ本発明の電子写真感光体について詳細に説明する。
図5は本発明の電子写真感光体の一例を模式的に示す断面図であり、導電性支持体(21)上に電荷発生層(25)と電荷輸送層(26)と架橋型樹脂表面層(28)が設けられている。
図6は本発明の別の層構成を有する電子写真感光体の一例を模式的に示す断面図であり、導電性支持体(21)と電荷発生層(25)の間に下引き層(24)が設けられ、電荷発生層(25)の上に電荷輸送層(26)と架橋型樹脂表面層(28)が設けられている。
導電性支持体(21)としては、体積抵抗1010Ω・cm以下の導電性を示すもの、例えばアルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、銀、金、白金、鉄などの金属、酸化スズ、酸化インジウムなどの酸化物を、蒸着またはスパッタリングによりフィルム状または円筒状のプラスチック、紙などに被覆したもの、あるいはアルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレスなどの板及びそれらを、Drawing Ironing法、Impact Ironing法、Extruded Ironing法、Extruded Drawing法、切削法等の工法により素管化後、切削、超仕上げ、研磨などにより表面処理した管などを使用することができる。
本発明に用いられる電子写真用感光体には、導電性支持体と感光層との間に下引き層(24)を設けることができる。下引き層は接着性の向上、モアレの防止、上層の塗工性の改良や接着性の改良、導電性支持体からの電荷注入防止などの目的で設けられる。
下引き層は通常、樹脂を主成分とする。通常、下引き層の上に感光層を塗布するため、下引き層に用いる樹脂は有機溶剤に難溶である熱硬化性樹脂が相応しい。特に、ポリウレタン、メラミン樹脂、アルキッド−メラミン樹脂は以上の目的を十分に満たすものが多く、特に好ましい材料である。樹脂はテトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、ジオキサン、ジクロロエタン、ブタノンなどの溶媒を用いて適度に希釈したものを塗料とすることができる。
また、下引き層には、伝導度の調節やモアレを防止するために、金属、または金属酸化物などの微粒子を加えてもよい。特に酸化チタンが好ましく用いられる。
微粒子はテトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、ジオキサン、ジクロロエタン、ブタノンなどの溶媒を用いてボールミル、アトライター、サンドミルなどにより分散し、分散液と樹脂成分を混合した塗料とする。
下引き層は以上の塗料を浸漬塗工法、スプレーコート法などで支持体上に成膜し、必要な場合、加熱硬化することで形成される。また2回以上塗り重ねてもよい。
この下引き層は2種以上の樹脂を変えて多層構成としてもよい。こうすることで電荷のリーク防止を強化することができる場合がある(図示は省略する。)。
下引き層の膜厚は2〜5μm程度が適当になるケースが多い。感光体の残留電位の蓄積が大きくなる場合、3μm未満にするとよい。
本発明における感光層は、電荷発生層と電荷輸送層を順次積層させた積層型感光層が好適である。
積層型感光体における各層のうち、電荷発生層(25)について説明する。電荷発生層は、積層型感光層の一部を指し、露光によって電荷を発生する機能を持つ。この層は含有される化合物のうち、電荷発生物質を主成分とする。電荷発生層は必要に応じてバインダ−樹脂を用いることもある。電荷発生物質は無機系材料と有機系材料を用いることができる。
一方、有機系材料としては、公知の材料を用いることができ、例えば、チタニルフタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニンなどの金属フタロシアニン、無金属フタロシアニン、アズレニウム塩顔料、スクエアリック酸メチン顔料、カルバゾール骨格を有する対称型若しくは非対称型のアゾ顔料、トリフェニルアミン骨格を有する対称型若しくは非対称型のアゾ顔料、フルオレノン骨格を有する対称型若しくは非対称型のアゾ顔料、ペリレン系顔料などが挙げられる。このうち、金属フタロシアニン、フルオレノン骨格を有する対称型若しくは非対称型のアゾ顔料、トリフェニルアミン骨格を有する対称型若しくは非対称型のアゾ顔料及びペリレン系顔料は電荷発生の量子効率が軒並み高く、本発明に用いる材料として好適である。これらの電荷発生物質は、単独でも2種以上の混合物として用いてもよい。
電荷発生層に必要に応じて用いられるバインダー樹脂としては、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、ポリアリレート、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミドなどが挙げられる。また、後述する高分子電荷輸送物質を用いることもできる。このうちポリビニルブチラールが使用されることが多く、有用である。これらのバインダー樹脂は、単独でも2種以上の混合物として用いてもよい。
特に電荷輸送層との接着仕事を高める目的で電荷輸送層と同じバインダー樹脂を配合してもよい。
電荷発生層を形成する方法としては、大きく分けて真空薄膜作製法と溶液分散系からのキャスティング法がある。
前者の方法には、真空蒸着法、グロー放電分解法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、CVD(化学気相成長)法などがあり、上述した無機系材料や有機系材料からなる層が良好に形成できる。
また、キャスティング法によって電荷発生層を設けるには、上述した無機系または有機系電荷発生物質を、必要ならばバインダー樹脂と共にテトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、ジオキサン、ジクロロエタン、ブタノンなどの溶媒を用いてボールミル、アトライター、サンドミルなどにより分散し、分散液を適度に希釈して塗布すればよい。このうち、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、シクロヘキサノンは、クロロベンゼンやジクロロメタン、トルエン及びキシレンと比較して環境負荷の程度が低いため好ましい。塗布は、浸漬塗工法、スプレーコート法などにより行うことができる。
以上のようにして設けられる電荷発生層の膜厚は通常、0.01〜5μm程度が適当である。
残留電位の低減や高感度化が必要となる場合、電荷発生層は厚膜化するとこれらの特性が改良されることが多い。反面、帯電電荷の保持性や空間電荷の形成など帯電性の劣化を来すことも多い。これらのバランスから電荷発生層の膜厚は0.05〜2μmの範囲がより好ましい。
また、必要により、電荷発生層中に顔料分散剤、酸化防止剤、可塑剤、滑剤、紫外線吸収剤などの低分子化合物及びレベリング剤を添加することもできる。これらの材料は例えば特開2003−322984号公報(特許文献7)の段落番号[0127]〜[0160]に記される材料が用いられる。また、顔料分散剤はビックケミー社から上市されている分散助剤(BYK−Pシリーズ、Disperbykシリーズ)が用いられる。これらの化合物は単独または2種以上の混合物として用いることができる。低分子化合物及びレベリング剤を併用すると感度劣化を来すケースが多い。このため、これらの使用量は概して、0.1〜20phr、好ましくは、0.1〜10phr、レベリング剤の使用量は、0.001〜0.1phr程度が適当である。
次に、電荷輸送層(26)について説明する。
電荷輸送層は電荷発生層で生成した電荷を注入、輸送し、帯電によって設けられた感光体の表面電荷を中和する機能を担う積層型感光層の一部を指す。電荷輸送層の主成分は電荷輸送成分とこれを結着するバインダー成分と言うことができる。
電荷輸送物質に用いることのできる材料としては、低分子型の電子輸送物質、正孔輸送物質及び高分子電荷輸送物質が挙げられる。
電子輸送物質としては、例えば非対称ジフェノキノン誘導体、フルオレン誘導体、ナフタルイミド誘導体などの電子受容性物質が挙げられる。
これらの電子輸送物質は、単独でも2種以上の混合物として用いてもよい。
正孔輸送物質としては、電子供与性物質が好ましく用いられる。
その例としては、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、トリフェニルアミン誘導体、ブタジエン誘導体、9−(p−ジエチルアミノスチリルアントラセン)、1,1−ビス−(4−ジベンジルアミノフェニル)プロパン、スチリルアントラセン、スチリルピラゾリン、フェニルヒドラゾン類、α−フェニルスチルベン誘導体、チアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、フェナジン誘導体、アクリジン誘導体、ベンゾフラン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、チオフェン誘導体などが挙げられる。
これらの正孔輸送物質は、単独でも2種以上の混合物として用いてもよい。
また、以下に表される高分子電荷輸送物質を用いることができる。例えば、ポリ−N−ビニルカルバゾール等のカルバゾ−ル環を有する重合体、特開昭57−78402号公報(特許文献8)等に例示されるヒドラゾン構造を有する重合体、特開昭63−285552号公報(特許文献9)等に例示されるポリシリレン重合体、特開2001−330973号公報(特許文献10)の一般式(1)〜一般式(6)に例示される芳香族ポリカーボネートが挙げられる。これらの高分子電荷輸送物質は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。特に特許文献10の例示化合物は静電特性面の性能が良好であり有用である。
高分子電荷輸送物質は硬化型保護層を積層する際、低分子型の電荷輸送物質と比べて、表面層へ滲みだしが少なく、表面層の硬化不良を防止するのに適当な材料である。また、電荷輸送物質の高分子量化により耐熱性にも優れる性状から、硬化型保護層を成膜する際の硬化熱による劣化が少なく有利である。
電荷輸送層のバインダー成分として用いることのできる高分子化合物としては、例えば、ポリスチレン、ポリエステル、ポリビニル、ポリアリレート、ポリカーボネート、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキド樹脂などの熱可塑性または熱硬化性樹脂が挙げられる。このうち、ポリスチレン、ポリエステル、ポリアリレート、ポリカーボネートは電荷輸送成分のバインダー成分として用いる場合、電荷移動特性が良好な性能を示すものが多く、有用である。また、電荷輸送層はこの上層に硬化型表面層が積層されるため、電荷輸送層は従来型の電荷輸送層に対する機械強度の必要性が要求されない。このため、ポリスチレンなど、透明性が高いものの機械強度が多少低い材料で従来技術では適用が難しいとされた材料も、電荷輸送層のバインダー成分として有効に利用することができる。
これらの高分子化合物は単独または2種以上の混合物として、あるいはそれらの原料モノマー2種以上からなる共重合体として、更には、電荷輸送物質と共重合化して用いることができる。
電荷輸送層の改質に際して電気的に不活性な高分子化合物を用いる場合にはフルオレン等の嵩高い骨格を持つカルドポリマー型のポリエステル、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートなどのポリエステル、C型ポリカーボネートのようなビスフェノール型のポリカーボネートに対してフェノール成分の3,3’部位がアルキル置換されたポリカーボネート、ビスフェノールAのジェミナルメチル基が炭素数2以上の長鎖のアルキル基で置換されたポリカーボネート、ビフェニルまたはビフェニルエーテル骨格を持つポリカーボネート、ポリカプローラクトン、ポリカプローラクトンのような長鎖アルキル骨格を有するポリカーボネート(例えば、特開平7−292095号公報(特許文献11)に記載)やアクリル樹脂、ポリスチレン、水素化ブタジエンが有効である。
ここで電気的に不活性な高分子化合物とは、トリアリールアミン構造のような光導電性を示す化学構造を含まない高分子化合物を指す。
特に電荷発生層との接着仕事を高める目的で電荷発生層と同じバインダー樹脂を配合してもよい。
これらの樹脂を添加剤としてバインダー樹脂と併用する場合、光減衰感度の制約から、その添加量は電荷輸送層の全固形分に対して50wt%以下とすることが好ましい。
低分子型の電荷輸送物質を用いる場合、その使用量は40〜200phr、好ましくは70〜100phr程度が適当である。また、高分子電荷輸送物質を用いる場合、電荷輸送成分100重量部に対して樹脂成分が0〜200重量部、好ましくは80〜150重量部程度の割合で共重合された材料が好ましく用いられる。
また電荷輸送層に2種以上の電荷輸送物質を含有させる場合、これらのイオン化ポテンシャル差は小さい方が好ましく、具体的にはイオン化ポテンシャル差を0.10eV以下とすることにより、一方の電荷輸送物質が他方の電荷輸送物質の電荷トラップとなることを防止することができる。
このイオン化ポテンシャルの関係は電荷輸送層に含有する電荷輸送物質と後述する硬化性電荷輸送物質との関係についても同様にこれらの差を0.10eV以下にするとよい。
尚、本発明における電荷輸送物質のイオン化ポテンシャル値は理研計器社製大気雰囲気型紫外線光電子分析装置AC−1により一般的な方法で計測して得られた数値である。
高感度化を満足させるには電荷輸送成分の配合量を70phr以上とすることが好ましい。また、電荷輸送物質としてα−フェニルスチルベン化合物、ベンジジン化合物、ブタジエン化合物の単量体、二量体及びこれらの構造を主鎖または側鎖に有する高分子電荷輸送物質は電荷移動度の高い材料が多く有用である。
電荷輸送層塗工液を調製する際に使用できる分散溶媒としては、例えば、メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチルセロソルブなどのエーテル類、トルエン、キシレンなどの芳香族類、クロロベンゼン、ジクロロメタンなどのハロゲン類、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類等を挙げることができる。このうち、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、シクロヘキサノンは、クロロベンゼンやジクロロメタン、トルエン及びキシレンと比較して環境負荷の程度が低いため好ましい。これらの溶媒は単独としてまたは混合して用いることができる。
電荷輸送層は電荷輸送成分とバインダー成分を主成分とする混合物ないし共重合体を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを塗布、乾燥することにより形成できる。塗工方法としては浸漬法、スプレー塗工法、リングコート法、ロールコータ法、グラビア塗工法、ノズルコート法、スクリーン印刷法等が採用される。
必要に応じて製膜後の電荷輸送層表面は図2、3を用いて説明した感光体再生装置を用い、比較的砥粒の大きな(12μm〜60μm)ラッピングフィルムで研磨して表面を粗面化してもよい。これにより、上層の架橋型樹脂保護層との接着仕事を調整することができる。
同じく接着仕事の調整を目的として滑剤を配合してもよい。
電荷輸送層の上層には、架橋型樹脂表面層が積層されているため、この構成における電荷輸送層の膜厚は、実使用上の膜削れを考慮した電荷輸送層の厚膜化の設計が不要であり、薄膜化も可能となる。
電荷輸送層の膜厚は、実用上、必要とされる感度と帯電能を確保する都合、15〜40μm程度が適当であり、好ましくは15〜30μm程度が適当である。
また、必要により、電荷輸送層中に酸化防止剤、可塑剤、滑剤、紫外線吸収剤などの低分子化合物及びレベリング剤を添加することもできる。これらの化合物は単独または2種以上の混合物として用いることができる。低分子化合物及びレベリング剤を併用すると感度劣化を来すケースが多い。このため、これらの使用量は概して0.1〜20phr、好ましくは0.1〜10phr、レベリング剤の使用量は0.001〜0.1phr程度が適当である。
続いて架橋型樹脂表面層(28)について説明する。
架橋型樹脂表面層は感光体最表面に製膜される表面保護層を指す。この表面保護層は塗料がコーティングされた後、重縮合反応によって架橋構造の樹脂が製膜される。樹脂膜が架橋構造を持つため感光体各層の中で最も耐摩耗性が強靱である。また、架橋性の電荷輸送材料が配合されるため電荷輸送層と類似の電荷輸送性を示す。
架橋型樹脂表面層は少なくとも下記一般式(1)で示される1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物と電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーのバインダー成分を硬化することにより形成される架橋型樹脂膜は感光体の感度特性と高耐久性のバランスと上記の再生工程が容易であるため良好である。
Figure 2008076435
(式中、d、e、fはそれぞれ0または1の整数、13は水素原子、メチル基を表し、R14、R15は水素原子以外の置換基で炭素数1〜6のアルキル基を表し、複数の場合は異なってもよい。g、hは0〜3の整数を表す。Zは単結合、メチレン基、エチレン基、
Figure 2008076435

を表す。)
3官能以上のバインダー成分はトリメチロールプロパントリアクリレートないしカプローラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートないしジペンタエリスリトールヘキサアクリレートがよい。
電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーは特許文献5[0022]に記載の化合物を使用することが好ましい。特にトリメチロールプロパントリアクリレート、カプローラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートが好ましい。これらは東京化成社等の試薬メーカー、日本化薬社KAYARD DPCAシリーズ、同DPHAシリーズ等を入手することができる。
これにチバ・スペシャリティ・ケミカルズ社イルガキュア184等の開始剤を全固形分に対して5〜10wt%程度加えてもよい。
架橋型樹脂表面層塗料を調製する際に使用する分散溶媒はモノマーを十分に溶解するものが好ましく、上述のエーテル類、芳香族類、ハロゲン類、エステル類の他、エトキシエタノールのようなセロソルブ類、1−メトキシ−2−プロパノールのようなプロピレングリコール類を挙げることができる。このうち、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、1−メトキシ−2−プロパノールは、クロロベンゼンやジクロロメタン、トルエン及びキシレンと比較して環境負荷の程度が低いため好ましい。これらの溶媒は単独としてまたは混合して用いることができる。
架橋型樹脂表面層塗料のコーティングとして、浸漬法、スプレー塗工法、リングコート法、ロールコータ法、グラビア塗工法、ノズルコート法、スクリーン印刷法等が挙げられる。多くの場合、塗工液はポットライフが長くないため、少量の塗料で必要な分量のコーティングができる手段が環境への配慮とコスト面で有利となる。このうちスプレー塗工法とリングコート法が好適である。
架橋型樹脂表面層を製膜する際、主に紫外光に発光波長を持つ高圧水銀灯やメタルハライドランプなどのUV照射光源が利用できる。また、ラジカル重合性含有物や光重合開始剤の吸収波長に合わせ可視光光源の選択も可能である。照射光量は50mW/cm以上、1000mW/cm以下が好ましく、50mW/cm未満では硬化反応に時間を要する。1000mW/cmより強いと反応の進行が不均一となり、架橋型電荷輸送層表面に局部的な皺が発生したり、多数の未反応残基、反応停止末端が生じたりする。また、急激な架橋により内部応力が大きくなり、クラックや膜剥がれの原因となる。
必要により、架橋型樹脂表面層中に電荷発生層で記載した酸化防止剤、可塑剤、滑剤、紫外線吸収剤などの低分子化合物及びレベリング剤、また電荷輸送層で記載した高分子化合物を添加することもできる。これらの化合物は単独または2種以上の混合物として用いることができる。低分子化合物及びレベリング剤を併用すると感度劣化を来すケースが多い。このため、これらの使用量は概して塗料総固形分中の0.1〜20wt%、好ましくは0.1〜10wt%、レベリング剤の使用量は0.1〜5wt%程度が適当である。
また、電荷輸送層との接着仕事を調整する目的で電荷輸送層と同じバインダー樹脂を配合してもよい。
架橋型樹脂表面層の膜厚は1〜10μm程度が適当であり、好ましくは2〜8μm程度が適当である。
以下、実施例によって本発明を説明する。初めに本発明に係る測定方法について述べる。
(測定方法)
(1)すり抜け強度測定
すり抜け強度は形成する画像によって変化する。特に現像器から感光体へのトナー入力量に影響されるため、これが所定の値となるよう評価を行なった。
Imagio Neo C455の感光体セットのうち、クリーニングブラシと帯電ローラークリーナー、および棒状のステアリン酸亜鉛を取り除いたものをすり抜け強度測定用の感光体セットとした。取り付け位置はブラック現像ステーションにした。Imagio Neo C455の帯電ローラ印加バイアスのうち、DCバイアスを調整し、感光体の帯電電位を−700Vになるようにした。次いで、露光部電位が−250Vになるよう書き込み光量を調整した。この状態で種々、現像バイアスを変えてベタパターンを書き込ませた。転写前の感光体に入力されたトナーを透明粘着テープ(日東電工社、プリンタックC)で捕集し、捕集したテープの画像濃度を反射分光濃度計(キヤノンアイテック社、X−RITE939)で測定し、この濃度が1.0となる現像バイアスに変更した。
次に現像手段の開口部上端に2mm厚の線状のスポンジテープ(住友3M社、スコッチテープ4016)を介して、すり抜けトナーキャッチャー(厚さ1mmで8mm×310mmのフェルト(槌屋社製))を貼り合わせた。これを本体に装着した。
クリーニングブレードはImagio Neo C455純正品の新品を取り付け、清掃した感光体ドラムを取り付けて、23℃55%RH環境で画像面積率が5%のA4サイズのテストパターン画像を連続50枚、コピー用紙(My Paper A4、NBSリコー社品)にプリントした。画像面積率が5%の画像は電子写真装置のプリントで一般的に使われるケースに近いと判断される。トナーは純正品の重合トナーを使用した。
プリント後、すり抜けトナーキャッチャーを回収し、これをイメージスキャナー(エプソン社、ES−8500)を用いてこの画像をデジタルデータ化した。スキャナーはズーム100%、カラードライバーによる色補正;1.0,出力800dpi,写真;800dpi,アンシャープマスク;中、8bitグレーの条件で画像データを読み取った。
この画像データをメディアサイバネティクス社イメージプロプラスVer3.0を用い、Pseudo−Colorコマンドで上限210,下限310、5分割の条件で、すり抜けトナーキャッチャーの画像濃度とその面積率を算出し、これらの総和をすり抜け強度として算出した。
(クリーニングブレード仕様)
クリーニングブレードはJIS−A硬度(JIS K6301)が70°、反撥弾性(JIS K6301 リュプケ式)が52、100%モジュラスが2.3MPaのウレタンゴムを厚さ2mm、長さ326mm,幅12mmの短冊状に裁断したものを板金に貼り合わせたものを使用した。板金と貼り合わせていないゴム板が突き出る長さは7.3mmだった。感光体とクリーニングブレードの当接角度は81.5°、バネを利用してこれらの当接圧を0.24N/cmとした。
(2)地肌汚れ画像評価
カラー用テストチャート(リコー社、COLOR CHART C−5)のコピー画像を出力し、余白の地肌汚れを5段階に評価した。
5; 極めて優れている
4; 優れている
3; 問題なし
2; 僅かにくすんだ感触を受けるが実際の使用では問題ない
1; くすんだ感触を受ける。
(実施例1)
肉厚0.8mm、長さ340mm、外径φ30mmのアルミニウムドラム上に、下記組成の下引き層用塗工液、電荷発生層用塗工液、電荷輸送層用塗工液を順次、塗布乾燥することにより、3.5μmの下引き層、0.2μmの電荷発生層、19μmの電荷輸送層を形成した。その上に下記組成の架橋型樹脂表面層塗工液をスプレーで塗工後、このドラムとUV硬化ランプから120mm距離を置いて、ドラムを回転させながらUV硬化を施した。この位置でのUV硬化ランプ照度は600mW/cm(紫外線積算光量計UIT−150、ウシオ社製による測定値)であった。また、ドラムの回転速度は25rpmとした。UV硬化を行う際、アルミニウムドラム内に棒状の金属ブロックを内包させた。また、UV硬化は30秒間の露光と120秒間の休止を繰り返し、通算7分間露光した。UV硬化後、130℃にて30分加熱乾燥した。結果、5μmの架橋型樹脂表面層を設け電子写真感光体を得た。
〔下引き層用塗工液〕
アルキッド樹脂溶液 12重量部
(ベッコライト M6401−50,大日本インキ化学工業社製)
メラミン樹脂溶液 8重量部
(スーパーベッカミン G−821−60,大日本インキ化学工業社製)
酸化チタン(CR−EL 石原産業社製) 40重量部
メチルエチルケトン 200重量部
〔電荷発生層用塗工液〕
下記構造のビスアゾ顔料(リコー社製) 5重量部
Figure 2008076435
ポリビニルブチラール(XYHL、UCC社製) 1重量部
シクロヘキサノン 200重量部
メチルエチルケトン 80重量部
〔電荷輸送層用塗工液〕
Z型ポリカーボネート(パンライトTS−2050、帝人化成社製) 10重量部
下記構造の低分子電荷輸送物質 7重量部
Figure 2008076435

テトラヒドロフラン 100重量部
1%シリコーンオイル(KF50−100CS、信越化学工業社製)テトラヒドロフラン溶液 1重量部
〔架橋型樹脂表面層塗工液〕
下記構造の架橋型電荷輸送物質 40重量部
Figure 2008076435
トリメチロールプロパントリアクリレート 60重量部
(KAYARAD TMPTA、日本化薬社製)
アクリル基含有ポリエステル変性ポリジメチルシロキサンとプロポキシ変性−2−ネオペンチルグリコールジアクリレート混合物(BYK−UV3570、ビックケミー社製) 0.1重量部
1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン 5重量部
(イルガキュア184、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)
オルガノシリカ(日本精化工業社製 NSC2319固形分) 20.0重量部
テトラヒドロフラン 400重量部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 166重量部
以上のように作製した実施例1の電子写真感光体を実装用にした後、電子写真装置(imagio Neo C455、リコー社製)の全現像ステーションに搭載し、画素密度が600dpi×600dpiで8×8のマトリクス中に4ドット×4ドットを描いたハーフトーンパターンを連続5枚ずつ印刷する条件で通算20万枚、コピー用紙(My Paper A4、NBSリコー社品)にプリントアウトした。感光体セットは全て棒状のステアリン酸亜鉛を取り除いた。
すり抜け強度が25となるように、研磨手段に設けられる加圧用のゴムローラーは適当なバネを用いて感光体との接触圧力が1.5kgf/cmとなるように調整した。この接触圧力はニッタ社I−SCANを用いて計測した。
トナーと現像剤はImagioNeo C455純正品を使用した。
感光体ユニットは純正品を使用した。帯電ローラの印加電圧はAC成分としてピーク間電圧1.5kV、周波数0.9kHzを選択した。また、DC成分は試験開始時の感光体の帯電電位が−700Vとなるようなバイアスを設定し、試験終了に至るまでこの帯電条件で試験を行った。また、現像バイアスは−500Vとした。尚、この装置において、除電手段は設けていない。また、クリーニング手段は純正品を印刷枚数が5万枚毎に未使用品に変えて試験を行った。試験終了後、カラーテストチャートをPPC用紙TYPE−6200A3に複写印刷した。試験環境は、24℃/54%RHであった。
(実施例2)
実施例1における架橋型樹脂表面層塗工液を下記のフィラー補強電荷輸送層に変えた以外は実施例1と同様に試験を行った。クリーニングブレードの荷重用のバネも実施例1と同じものを用いた。試験開始時に求めたすり抜け強度は50だった。
(フィラー補強電荷輸送層)
〔フィラー補強電荷輸送層用塗工液〕
Z型ポリカーボネート(パンライトTS2050、帝人化成社) 3.5重量部
下記構造式の低分子電荷輸送物質 2.7重量部
Figure 2008076435

α−アルミナ(AA−03、住友化学工業社製) 1.6重量部
テトラヒドロフラン 280重量部
シクロヘキサノン 80重量部
フィラー補強電荷輸送層はスプレーコートしたのち、150℃の温度で30分間加熱乾燥した。得られた膜厚は5μmだった。
(比較例1)
実施例2において、クリーニングブレードの荷重用のばねを、バネ常数;0.27N/mm、自由長14mm、内径5mmのバネに変えた以外は実施例2と全く同様の試験を行った。すり抜け強度は60だった。
(比較例2)
実施例2において、クリーニングブレードの荷重用のばねを、バネ常数;0.17N/mm、自由長14mm、内径5mmのバネに変えた以外は実施例2と全く同様の試験を行った。すり抜け強度は90だった。
(比較例3)
実施例2で用いたクリーニングブレードのゴム部をゴム硬度75°、反撥弾性46(JIS K6301)、ヤング率12N/mm、板厚味3mmのポリウレタンゴム(東洋ゴム社製)に変更した以外は実施例2と全く同様に試験を行った。結果、初期のすり抜けは3.0だった。但し、試験途上でブレードめくれが生じたため試験は停止した。
(実施例3)
実施例2で用いたクリーニングブレードのゴム部をゴム硬度75°、反撥弾性46(JIS K6301)、ヤング率9N/mm、板厚味2mmのポリウレタンゴム(東洋ゴム社製)に変更した以外は実施例2と全く同様に試験を行った。結果、初期のすり抜け強度は平均35で30から40の分布を持った。
(実施例4)
実施例1において、図2に示す位置に図3の研磨手段を取り付けたImagio Neo C455に変えた以外は実施例1と同様に試験を行った。研磨装置のラッピングフィルムはアルミナ粒子が分散されたフィルム(12MIC AO、住友3M社)を用いた。ラッピングフィルムは1m/hの速度で、感光体回転方向に対して順送りで送った。また、加圧用のゴムローラはゴム硬度が30°だった。すり抜け強度は平均20で18から23の分布を持った。
(実施例5)
比較例1において、図2に示す位置に図3の研磨手段を取り付けたImagio Neo C455に変えた以外は比較例1と同様に試験を行った。研磨装置のラッピングフィルムはアルミナ粒子が分散されたフィルム(12MIC AO、住友3M社)を用いた。研磨フィルムは中心線平均粗さが3μmだった。ラッピングフィルムは1m/hの速度で、感光体回転方向に対して順送りで送った。また、加圧用のゴムローラはゴム硬度が70°だった。すり抜け強度は35だった。
(実施例6)
実施例4において、研磨装置のラッピングフィルムにアルミナ粒子が分散されたフィルム(5MIC AO、住友3M社)を用い、加圧用のゴムローラはゴム硬度が40°だった以外は実施例4と同様にして試験を行った。すり抜け強度は25だった。
(実施例7)
実施例5において、研磨装置のラッピングフィルムにアルミナ粒子が分散されたフィルム(5MIC AO、住友3M社)を用い、加圧用のゴムローラはゴム硬度が80°だった以外は実施例5と同様に試験を行った。すり抜け強度は30だった。
(実施例8)
実施例6において、研磨装置のラッピングフィルムにアルミナ粒子が分散されたフィルム(12MIC AO、住友3M社)を用い、加圧用のゴムローラはゴム硬度が90°だった以外は実施例6と同様に試験を行った。すり抜け強度は20から25の分布を持った
(実施例9)
実施例6において、研磨装置のラッピングフィルムにアルミナ粒子が分散されたフィルム(12MIC AO、住友3M社)を用い、加圧用のゴムローラはゴム硬度が30°だった以外は実施例6と同様に試験を行った。すり抜け強度は15から20の分布を持った。
(実施例10)
実施例6において、研磨装置のラッピングフィルムにアルミナ粒子が分散されたフィルム(5MIC AO、住友3M社)を用い、加圧用のゴムローラはゴム硬度が60°で、フィルム送りを順送りから逆送りに変えた。この他は実施例6と同様に試験を行った。すり抜け強度は10だった。
(実施例11)
実施例10において、研磨装置の加圧用のゴムローラのゴム硬度が40°のものを選んだ以外は実施例10と同様に試験を行った。すり抜け強度は20だった。
以上のようにして得られた実施例1〜実施例11,および比較例1〜3によって得られた画像評価結果をすり抜け強度と合わせて以下の表1に記す。
Figure 2008076435
すり抜け強度が50を超えない装置条件で得られる出力画像は画像欠陥の無い、良好な画質が獲得されている。また架橋型樹脂表面層を積層する感光体を搭載する電子写真装置は一段画質が良好である。
また、ラッピングフィルムによる研磨はすり抜け強度を低減させており、結果的に良質な画像が得られている。ラッピングフィルムの送り方向は逆方向の方が良好と言える。また、ラッピングフィルムを加圧するゴムローラーはゴム硬度が40°から80°であるものはすり抜け強度のばらつきを抑え有利と考えられる。
タンデム方式のフルカラー電子写真装置の構成を表す一例図である。 感光体周りに配置される研磨手段と感光体周りのレイアウトを表す一例図である。 研磨手段の説明図である。 すり抜け強度を測定する感光体周りのレイアウトを表す一例図である。 感光体層構成を表す説明図である。 別の感光体層構成を表す説明図である。 本発明で用いられるカウンター当接のブレードクリーニング方式の1例である。 感光体表面粗さ(Ra)とすり抜け強度の関係を示す図である。
符号の説明
(図1)
80・・・感光体
81・・・露光光源
82・・・現像ユニット
83・・・除電ランプ
84・・・帯電手段(帯電ローラ)
85・・・クリーニングユニット
86・・・バイアスローラ
87・・・中間転写ベルト
88・・・レジストローラ
89・・・像担持体(コピー用紙)
90・・・転写バイアスローラ
91・・・転写ベルト
92・・・搬送ベルト
93・・・定着ユニット
94・・・ファーブラシ
(図2)
80・・・感光体
81・・・露光光源
82・・・現像ユニット
84・・・帯電手段(帯電ローラ)
86・・・バイアスローラ
87・・・中間転写ベルト
94・・・クリーニングブレード
95・・・クリーニングブラシ
96・・・除電光源
97・・・研磨手段
(図3)
31・・・感光体
32・・・ラッピングフィルム
33・・・加圧ローラ
34・・・加圧ローラ荷重手段
35・・・ピンチローラ
36・・・送りローラ
38・・・送りローラ
39・・・ラッピングフィルム巻きだしローラ
40・・・ラッピングフィルム巻き取りローラ
(図4)
51・・・感光体
52・・・現像ローラ
53・・・すり抜けキャッチャー
54・・・すり抜けトナー
55・・・クリーニングブレード
56・・・プリント画像
(図5、図6)
21・・・導電性支持体
24・・・下引き層
25・・・電荷発生層
26・・・電荷輸送層
28・・・架橋型樹脂表面層

Claims (8)

  1. 少なくとも2色以上の現像ステーションを有し、且つ、タンデム方式であって更に重合トナーを用いて繰り返し画像形成が可能なフルカラー電子写真装置において、下記式(式1)によって定義されるクリーニングブレードを通過する付着物を表わすすり抜け強度(T)の値が2乃至50の範囲であることを特徴とするフルカラー電子写真装置。
    Figure 2008076435
  2. 前記Tの値が、5乃至30の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真装置。
  3. 電子写真感光体の最表面層が架橋型樹脂であることを特徴とする請求項1または2に記載の電子写真装置。
  4. 電子写真感光体の架橋型樹脂でできた表面層に少なくともトリメチロールプロパントリアクリレート架橋体と下記一般式(1)の硬化型電荷輸送物質の架橋体が5wt%以上60wt%未満の割合で含有されることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の電子写真装置。
    Figure 2008076435
    (式中、d、e、fはそれぞれ0または1の整数、R13は水素原子、メチル基を表し、R14、R15は水素原子以外の置換基で炭素数1〜6のアルキル基を表し、複数の場合は異なってもよい。g、hは0〜3の整数を表わす。Zは単結合、メチレン基、エチレン基、
    Figure 2008076435
    を表わす。)
  5. 電子写真感光体の表面をアルミナ砥粒で研磨する機構を有することを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の電子写真装置。
  6. アルミナ砥粒で研磨する機構の研磨面の中心線平均粗さRa(JIS B0601;1982)が0.5μm以上2.5μm以下であることを特徴とする請求項5に記載の電子写真装置。
  7. ラッピングフィルムを電子写真感光体と対向させて配置する加圧ローラで挟みこみ、感光体を回転し、かつラッピングフィルムを感光体の回転方向と反対側に送ることで感光体表面を研磨することを特徴とする請求項6に記載の電子写真装置。
  8. 加圧ローラのゴム硬度(JIS K6301A形)が40°以上80°未満であることを特徴とする請求項7に記載の電子写真装置。
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