JP2009069412A - 電子写真感光体、並びにプロセスカートリッジ、及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】最表面に架橋表面層を有し、該架橋表面層が、電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーと、オルガノシリカゾルと、イソシアネート基含有ラジカル重合性単量体と、硬化型電荷輸送物質とを含む架橋表面層組成物の硬化物を含有することを特徴とする電子写真感光体、並びに該電子写真感光体を用いたプロセスカートリッジ、及び画像形成装置である。
【選択図】図1
Description
これらの中でも、架橋構造の表面層(架橋表面層)を設ける方法は複数の化学結合によって塗膜が形成されるため、塗膜がストレスを受けて化学結合の一部が切断しても直ちに摩耗へ進展することがないので合理的な方法である。
また、特許文献8では、大日本インキ化学工業株式会社製のスーパーベッカミンG−821−60(メラミン)、住友バイエルウレタン株式会社製のスミジュールHT(HDI系イソシアネートとトリメチロールプロパンのアダクト体)をラジカル重合性モノマーと配合することで架橋膜のクラックと剥離が改善される効果が得られている。
しかし、架橋表面層の機械強度向上に関する要因及び効果は化学結合エネルギーの総和及び架橋密度に左右され、これらの因子は材料の種類に結びつけられ一概には規定できず、更なる改良、開発が望まれているのが現状である。
<1> 最表面に架橋表面層を有し、該架橋表面層が、電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーと、オルガノシリカゾルと、イソシアネート基含有ラジカル重合性単量体と、硬化型電荷輸送物質とを含む架橋表面層組成物の硬化物を含有することを特徴とする電子写真感光体である。
<2> 電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーが、トリメチロールプロパントリアクリレートを含む前記<1>に記載の電子写真感光体である。
<3> イソシアネート基含有ラジカル重合性単量体が、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート、2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート、及び1,1−ビス(アクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネートのいずれかである前記<1>から<2>のいずれかに記載の電子写真感光体である。
<4> 硬化型電荷輸送物質が下記一般式(1)で表される化合物であり、かつ該硬化型電荷輸送物質の架橋表面層組成物における含有量が、固形分で5質量%〜60質量%である前記<1>から<3>のいずれかに記載の電子写真感光体である。
<6> 支持体と、該支持体上に少なくとも電荷発生層、電荷輸送層、及び架橋表面層をこの順に有してなる前記<1>から<5>のいずれかに記載の電子写真感光体である。
<7> 前記<1>から<6>のいずれかに記載の電子写真感光体と、該電子写真感光体上に形成した静電潜像をトナーを用いて現像し可視像を形成する現像手段と、前記電子写真感光体表面の残留トナーを除去するクリーニング手段とを少なくとも有することを特徴とするプロセスカートリッジである。
<8> 前記<1>から<6>のいずれかに記載の電子写真感光体と、該電子写真感光体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、前記電子写真感光体表面の残留トナーを除去するクリーニング手段とを少なくとも有することを特徴とする画像形成装置である。
<9> 少なくとも電子写真感光体、帯電手段、現像手段、転写手段、及びクリーニング手段を含む画像形成要素を複数配列してなるタンデム方式であって、前記現像手段において重合トナーを用いて現像を行う前記<8>に記載の画像形成装置である。
<10> 前記<1>から<6>のいずれかに記載の電子写真感光体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像工程と、前記可視像を記録媒体に転写する転写工程と、前記電子写真感光体表面の残留トナーを除去するクリーニング工程とを少なくとも含むことを特徴とする画像形成方法である。
前記架橋表面層を有する電子写真感光体で10万枚程度まで大量印刷すると、筋状のクリーニング不良が生じることがある。このようなクリーニングブレードと電子写真感光体とが摺擦する部位の摩耗や欠けは感光体の表面粗さや硬度に影響すると考えられる。よって、筋状のクリーニング不良は感光体表面の幅広い硬度分布が影響していると思われる。
また、感光体表面の硬化膜中にラジカル重合性官能基を有するイソシアネート化合物を配合すると、アクリル硬化膜中にイソシアネート同士の尿素結合を持たせたり、ポリオール化合物や活性水素化合物を加えて、ウレタン結合を持たせたりすることができる。
本発明においては、アクリル硬化膜中にイソシアネートを持たせることで、熱硬化型のオルガノシリカゾルを化学結合させることができる。その結果、クリーニングブレードの部分的な欠けが格段に低減できることを知見した。これは、イソシアネート化合物を併用することで感光体表面の硬度分布の広がりが先鋭化されるためであると思われる。
このようなイソシアネート基含有ラジカル重合性単量体としては2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート、2−アクリロイルオキシエチル、1,1−ビス((アクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネート)が感光体表面の硬度分布の先鋭化に良好である。これらの化合物は架橋表面層を形成する材料に加えても、静電特性の劣化をもたらす等の副作用が無く、硬化不良を生じることが無いため有用である。
ラジカル重合性硬化膜を製膜する際には、塗膜は強い輻射熱を発する。過剰なエネルギーは下層をなす感光層にダメージを与えると考えられる。このため、製膜工程では感光体支持体を水冷したり空冷と間欠露光を併用したりしてこのダメージを抑制する注意が必要となる。
本発明の電子写真感光体においては、露光によって架橋表面層を形成する際に発生する輻射熱はイソシアネート部位の架橋反応に吸収されるため、輻射熱による感光層へのダメージが緩和される。勿論、製膜工程での上記のコントロールは付加した方が好ましく、製造における歩留まりの抑制に大きく貢献でき、耐摩耗性に極めて優れ、高品位なカラー画像の形成が可能であり、かつクリーニングブレードの欠けが予防できる。
本発明の電子写真感光体は、最表面に架橋表面層を有し、具体的には、支持体と、該支持体上に感光層と、架橋表面層とを有してなり、更に必要に応じてその他の層を有してなる。
前記架橋表面層は、電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーと、オルガノシリカゾルと、イソシアネート基含有ラジカル重合性単量体と、硬化型電荷輸送物質とを含有し、ジメチルシロキサン構造を繰り返し単位とし、かつラジカル重合性官能基を有する反応性シリコーン化合物、重合開始剤、更に必要に応じてその他の成分を含む架橋表面層組成物の硬化物を含有してなる。
前記オルガノシリカゾルとしては、有機溶媒中に無水ケイ酸の微粒子を安定に分散させたものであり、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。該市販品としては、例えば、GR−COAT(ダイセル化学工業株式会社製)、GlassResin(オーエンスコーニング社製)、ヒートレスグラス(大橋化学工業株式会社製)、NSC3456(日本精化株式会社製)、ガラス原液GO150SX、GO200CL(ファイングラステクノロジー社製)、アルコキシシリル化合物にアクリル樹脂やポリエステル樹脂を共重合したものとして、MKCシリケート(三菱化学株式会社製)、シリケート/アクリルワニスXP−1030−1(大日本色材工業株式会社製)、などが挙げられる。
前記硬化性シロキサン系樹脂は、下記ジメチルシロキサン構造を繰り返し単位とし、かつラジカル重合性官能基を有する反応性シリコーン化合物と、オルガノシリカゾルと、触媒、架橋剤、シランカップリング剤等が添加された組成物を熱硬化させて得られる。
前記反応性シリコーン化合物としては、アルコキシシリル基を有する化合物、アルコキシシリル基を含有する化合物の部分加水分解縮合物、又はこれらの混合物などが挙げられ、例えば、特公平5−60503号公報、特公平6−45770号公報などに記載されているシロキサン繰り返し単位数が20〜70のアクリロイルポリジメチルシロキサンエチル、メタクリロイルポリジメチルシロキサンエチル、アクリロイルポリジメチルシロキサンプロピル、アクリロイルポリジメチルシロキサンブチル、ジアクリロイルポリジメチルシロキサンジエチル等ビニルモノマー、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルが挙げられる。反応性シリコーン化合物は、アクリル酸(又はメタクリル酸)とアルキレングリコールのエステルと、トリメチルシリル化合物又はポリジメチルシロキサン化合物を縮合反応させる方法、アクリル酸(又はメタクリル酸)とアリルアルコールのエステルと、トリメチルシリル化合物又はポリジメチルシロキサン化合物を付加反応させる方法で調製することができるが、市販品を用いることもできる。
前記市販品としては、例えば、X−22−164A(分子量860)、X−22−164B(分子量1630)、X−22−164C(分子量2370)X−22−174DX(分子量4600)、X−24−8201(分子量2100)、X−22−2426(分子量12000)(以上、信越化学工業株式会社製)、両末端サイラプレーンFM−7711(分子量1000)、両末端サイラプレーンFM−7721(分子量5000)、両末端サイラプレーンFM−7725(分子量10000)、片末端サイラプレーンFM−0711(分子量1000)、片末端サイラプレーンFM−0721(分子量5000)、片末端サイラプレーンFM−0725(分子量10000)、片末端サイラプレーンTM−0701(分子量423)、片末端サイラプレーンTM−0701T(分子量423)(以上、チッソ社製)、BYK−UV3500、BYK−UV3510、BYK−UV3570(以上、ビックケミー・ジャパン社製)TEGO Rad2100、TEGO Rad2200N、TEGO Rad2250、TEGO Rad2500、TEGO Rad2600、TEGO Rad2700(以上、テゴケミーサービス社製)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの反応性シリコーン化合物は、単独又は2種以上を混合して用いてもよい。
前記イソシアネート基含有ラジカル重合性単量体(ラジカル重合性イソシアネート)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート、2−アクリロイルオキシエチル、1,1−ビス(アクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネート、などが感光体表面の硬度分布の先鋭化に有効である。これらの化合物は、架橋表面層を形成する材料に加えても、静電特性の劣化をもたらす等の副作用が無く、硬化不良を生じることがない。
前記イソシアネート基含有ラジカル重合性単量体としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。該市販品としては、例えばカレンズBEI、カレンズMOI、カレンズAOI(昭和電工株式会社製)などが挙げられる。
前記イソシアネート基含有ラジカル重合性単量体の含有量は、前記オルガノシリカゾル100質量部に対して10質量部〜30質量部が好ましい。
前記電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーとは、例えばトリアリールアミン、ヒドラゾン、ピラゾリン、カルバゾールなどの正孔輸送性構造、例えば縮合多環キノン、ジフェノキノン、シアノ基やニトロ基を有する電子吸引性芳香族環などの電子輸送構造を有しておらず、かつラジカル重合性官能基を3つ以上有するモノマーを意味する。前記ラジカル重合性官能基とは、炭素−炭素2重結合を有し、ラジカル重合可能な基であればいずれでもよい。
(1)1−置換エチレン官能基としては、例えば以下の式で表される官能基が挙げられる。
CH2=CH−X1−
ただし、前記式中、X1は、置換基を有していてもよいフェニレン基、ナフチレン基等のアリーレン基、置換基を有していてもよいアルケニレン基、−CO−基、−COO−基、−CON(R10)−基(ただし、R10は、水素、メチル基、エチル基等のアルキル基、ベンジル基、ナフチルメチル基、フェネチル基等のアラルキル基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基を表す)、又は−S−基を表す。
これらの置換基としては、例えばビニル基、スチリル基、2−メチル−1,3−ブタジエニル基、ビニルカルボニル基、アクリロイルオキシ基、アクリロイルアミノ基、ビニルチオエーテル基等が挙げられる。
CH2=C(Y)−X2−
ただし、前記式中、Yは、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、ナフチル基等のアリール基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、メトキシ基あるいはエトキシ基等のアルコキシ基、−COOR11基(ただし、R11は、水素原子、置換基を有していてもよいメチル基、エチル基等のアルキル基、置換基を有していてもよいベンジル、フェネチル基等のアラルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、ナフチル基等のアリール基、又は−CONR12R13(ただし、R12及びR13は、それぞれ水素原子、置換基を有していてもよいメチル基、エチル基等のアルキル基、置換基を有していてもよいベンジル基、ナフチルメチル基、フェネチル基等のアラルキル基、又は置換基を有していてもよいフェニル基、ナフチル基等のアリール基を表し、互いに同一又は異なっていてもよい)、また、X2は上記式のX1と同一の置換基及び単結合、アルキレン基を表す。ただし、Y及びX2の少なくともいずれか一方がオキシカルボニル基、シアノ基、アルケニレン基、又は芳香族環である。
なお、これらX1、X2、Yについての置換基に更に置換される置換基としては、例えばハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、メチル基、エチル基等のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基等のアリールオキシ基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基等が挙げられる。
前記硬化型(架橋型)電荷輸送物質としては、電荷輸送性構造を有する1官能のラジカル重合性モノマーが好ましく、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を有するものがより好ましく、これらの中でも、下記一般式(1)で表される化合物が特に好ましい。
R14及びR15は、それぞれ炭素数1〜6のアルキル基を表し、メチル基、エチル基が好ましい。
g及びhは、それぞれ0〜3の整数を表し、g又はhが2又は3である場合には、複数のR14及びR15は、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。
d、e、及びfは、それぞれ0又は1の整数である。
Zは、単結合、メチレン基、エチレン基、及び下記構造式で表される基のいずれかを表す。
前記架橋表面層を形成する際には、硬化反応を効率よく進行させるために、必要に応じて、重合開始剤(熱重合開始剤、光重合開始剤)を添加してもよい。
また、その他の光重合開始剤としては、例えばエチルアントラキノン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルエトキシホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシエステル、9,10−フェナントレン、アクリジン系化合物、トリアジン系化合物、イミダゾール系化合物が挙げられる。
また、光重合促進効果を有する化合物を単独又は光重合開始剤と併用して用いることもできる。例えば、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸(2−ジメチルアミノ)エチル、4,4'−ジメチルアミノベンゾフェノン等が挙げられる。
前記架橋表面層を形成する際には、主に紫外光に発光波長を持つ高圧水銀灯、メタルハライドランプなどのUV照射光源が利用できる。また、ラジカル重合性含有物や光重合開始剤の吸収波長に合わせ可視光光源の選択も可能である。照射光量は50mW/cm2以上、1000mW/cm2以下が好ましい。前記照射光量が、50mW/cm2未満であると、硬化反応に時間を要することがあり、1000mW/cm2を超えると、反応の進行が不均一となり、架橋表面層の表面に局部的なシワが発生したり、多数の未反応残基、反応停止末端が生じたりする。また、急激な架橋により内部応力が大きくなり、クラックや膜剥がれの原因となる。
本発明の電子写真感光体は、その層構成について特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、支持体と、該支持体上に少なくとも積層構造の感光層(電荷発生層、電荷輸送層)、及び架橋表面層をこの順に有してなり、必要に応じて下引き層を有していてもよく、該架橋表面層が、最表面である。なお、支持体上に、電荷発生物質と電荷輸送物質を主成分とする単層構造の感光層、該感光層上に架橋表面層を有する態様であっても構わない。
図1に示す態様においては、支持体21上に、電荷発生物質を主成分とする電荷発生層25と、電荷輸送物質を主成分とする電荷輸送層26と、本発明の前記架橋表面層組成物からなる架橋表面層28とが、順次積層された構成をとっている。
図2に示す態様においては、支持体21上に、下引き層24と、電荷発生物質を主成分とする電荷発生層25と、電荷輸送物質を主成分とする電荷輸送層26と、本発明の前記架橋表面層組成物からなる架橋表面層28とが、順次積層された構成をとっている。
前記支持体としては、体積抵抗1010Ω・cm以下の導電性を示すものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、金、銀、白金等の金属;酸化スズ、酸化インジウム等の金属酸化物を蒸着法、又はスパッタリング法により、フィルム状もしくは円筒状のプラスチック、紙に被覆したもの、あるいはアルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレス等の板及びそれらを押し出し、引き抜きなどの工法で素管化後、切削、超仕上げ、研摩などの表面処理を施した管などを使用することができる。また、特開昭52−36016号公報に開示されたエンドレスニッケルベルト、エンドレスステンレスベルトも支持体として用いることができる。
前記導電性粉体としては、例えば、カーボンブラック、アセチレンブラック;アルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀等の金属粉;導電性酸化スズ、ITO等の金属酸化物粉体などが挙げられる。また、同時に用いられる結着樹脂としては、例えばポリスチレン樹脂、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリビニルトルエン樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記導電性層は、これらの導電性粉体と結着樹脂を適当な溶剤、例えば、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、メチルエチルケトン、トルエンなどに分散して塗布することにより設けることができる。
支持体と感光層との間には下引き層を設けることができる。該下引き層は、接着性の向上、モアレの防止、上層の塗工性の改良、支持体からの電荷注入の防止などの目的で設けられる。
前記微粒子は、テトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、ジオキサン、ジクロロエタン、ブタノン等の溶媒を用いてボールミル、アトライター、サンドミルなどにより分散し、この分散液と樹脂成分とを混合して下引き層塗布液とする。
前記下引き層は、前記下引き層塗布液を、例えば浸漬塗工法、スプレーコート法、ビードコート法などにより支持体上に塗布し、必要に応じて、加熱硬化することで形成される。
前記下引き層の厚みは、2μm〜5μmが好ましく、感光体の残留電位の蓄積が大きくなる場合には、3μm未満が好ましい。
前記感光層は、電荷発生層と、電荷輸送層とをこの順に積層させた積層型感光層が好適である。
前記電荷発生層は、露光によって電荷を発生する機能をもつ。この層は含有される化合物のうち、電荷発生物質を主成分とする。電荷発生層は必要に応じてバインダー樹脂を用いることもある。前記電荷発生物質としては、無機系材料と有機系材料を用いることができる。
前者の方法には、真空蒸着法、グロー放電分解法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、CVD(化学気相成長)法などがあり、上述した無機系材料や有機系材料からなる層が良好に形成できる。
また、キャスティング法によって電荷発生層を設けるには、上述した無機系又は有機系電荷発生物質を、必要ならばバインダー樹脂と共にテトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、ジオキサン、ジクロロエタン、ブタノンなどの溶媒を用いてボールミル、アトライター、サンドミルなどにより分散し、分散液を適度に希釈して塗布すればよい。このうちの溶媒として、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、シクロヘキサノンは、クロロベンゼンやジクロロメタン、トルエン及びキシレンと比較して環境負荷の程度が低いため好ましい。塗布は、浸漬塗工法、スプレーコート法、ビードコート法などにより行うことができる。
前記電荷発生層の厚みは、0.01μm〜5μmが好ましい。残留電位の低減や高感度化が必要となる場合、電荷発生層は厚膜化するとこれらの特性が改良されることが多い。反面、帯電電荷の保持性や空間電荷の形成など帯電性の劣化を来すことも多い。これらのバランスから電荷発生層の厚みは0.05μm〜2μmがより好ましい。
前記電荷輸送層は電荷発生層で生成した電荷を注入、輸送し、帯電によって設けられた感光体の表面電荷を中和する機能を担う積層型感光層の一部を指す。
前記電荷輸送層は、電荷輸送物質と、バインダー成分を含有してなり、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
前記電子輸送物質としては、例えば非対称ジフェノキノン誘導体、フルオレン誘導体、ナフタルイミド誘導体などの電子受容性物質が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記高分子電荷輸送物質は架橋表面層を積層する際、低分子型の電荷輸送物質と比べて、架橋表面層へ電荷輸送層を構成する成分の滲みだしが少なく、架橋表面層の硬化不良を防止するのに適当な材料である。また、電荷輸送物質の高分子量化により耐熱性にも優れる性状から、架橋表面層を成膜する際の硬化熱による劣化が少なく有利である。
これらの高分子化合物は単独又は2種以上の混合物として、或いはそれらの原料モノマー2種以上からなる共重合体として、更には、電荷輸送物質と共重合化して用いることができる。
ここで電気的に不活性な高分子化合物とは、トリアリールアミン構造のような光導電性を示す化学構造を含まない高分子化合物を指す。
これらの樹脂を添加剤としてバインダー樹脂と併用する場合、光減衰感度の制約から、その添加量は、電荷輸送層の全固形分に対して50質量%以下が好ましい。
低分子型の電荷輸送物質を用いる場合には、その使用量は前記バインダー樹脂100質量部に対し40質量部〜200質量部が好ましく、70質量部〜100質量部がより好ましい。また、高分子電荷輸送物質を用いる場合には、電荷輸送成分100質量部に対して樹脂成分が200質量部以下が好ましく、好ましくは80質量部〜150質量部程度の割合で共重合された材料が好ましく用いられる。
また電荷輸送層に2種以上の電荷輸送物質を含有させる場合、これらのイオン化ポテンシャル差は小さい方が好ましく、具体的にはイオン化ポテンシャル差を0.10eV以下とすることにより、一方の電荷輸送物質が他方の電荷輸送物質の電荷トラップとなることを防止することができる。
このイオン化ポテンシャルの関係は電荷輸送層に含有する電荷輸送物質と後述する硬化性電荷輸送物質との関係についても同様にこれらの差は0.10eVにすることが好ましい。
前記電荷輸送物質のイオン化ポテンシャル値は、例えば理研計器株式会社製大気雰囲気型紫外線光電子分析装置AC−1などにより測定することができる。
高感度化を満足させるには電荷輸送成分の配合量を70質量部以上とすることが好ましい。また、前記電荷輸送物質としてα−フェニルスチルベン化合物、ベンジジン化合物、ブタジエン化合物の単量体、二量体及びこれらの構造を主鎖又は側鎖に有する高分子電荷輸送物質は電荷移動度の高い材料が多く有用である。
前記電荷輸送層は電荷輸送成分とバインダー成分を主成分とする混合物ないし共重合体を適当な溶剤に溶解乃至分散し、これを塗布し、乾燥することにより形成できる。前記塗工方法としては、例えば浸漬法、スプレー塗工法、リングコート法、ロールコータ法、グラビア塗工法、ノズルコート法、スクリーン印刷法、などが挙げられる。
前記電荷輸送層の厚みは、実用上、必要とされる感度と帯電能を確保する都合上、10μm〜40μmが好ましく、15μm〜30μmがより好ましい。
前記有機硫黄化合物類としては、例えば、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジテトラデシル−3,3’−チオジプロピオネート、などが挙げられる。
前記有機燐化合物類としては、例えば、トリフェニルホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、トリ(ジノニルフェニル)ホスフィン、トリクレジルホスフィン、トリ(2,4−ジブチルフェノキシ)ホスフィン、などが挙げられる。
前記酸化防止剤の添加量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、添加する層の総質量に対し0.01質量%〜10質量%が好ましい。
本発明の画像形成装置は、電子写真感光体と、静電潜像形成手段と、現像手段と、転写手段と、クリーニング手段を少なくとも有してなり、定着手段、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば、除電手段、リサイクル手段、制御手段等を有してなる。
本発明の画像形成装置においては、少なくとも電子写真感光体、帯電手段、現像手段、転写手段、及びクリーニング手段を含む画像形成要素を複数配列してなるタンデム方式であって、前記現像手段において重合トナーを用いて現像を行う態様が好ましい。
本発明で用いる画像形成方法は、静電潜像形成工程と、現像工程と、転写工程と、クリーニング工程とを少なくとも含み、定着工程、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程、例えば、除電工程、リサイクル工程、制御工程等を含む。
前記静電潜像形成工程は、電子写真感光体上に静電潜像を形成する工程である。
前記電子写真感光体としては、本発明の前記電子写真感光体を用いる。
前記帯電器としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、導電性又は半導電性のロール、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を備えたそれ自体公知の接触帯電器、コロトロン、スコロトロン等のコロナ放電を利用した非接触帯電器、などが挙げられる。
前記露光器としては、前記帯電器により帯電された前記電子写真感光体の表面に、形成すべき像様に露光を行うことができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザー光学系、液晶シャッター光学系、などの各種露光器が挙げられる。
なお、本発明においては、前記電子写真感光体の裏面側から像様に露光を行う光背面方式を採用してもよい。
また、像露光は、画像形成装置を複写機及びプリンタとして使用する場合には、原稿からの反射光や透過光を感光体に照射すること、或いはセンサで原稿を読み取り信号化し、この信号に従ってレーザービームの走査、LEDアレイの駆動、又は液晶シャッターアレイの駆動を行い感光体に光を照射することなどにより行われる。
前記現像工程は、前記静電潜像を、トナー乃至現像剤を用いて現像して可視像を形成する工程である。
前記可視像の形成は、例えば、前記静電潜像をトナー乃至現像剤を用いて現像することにより行うことができ、前記現像手段により行うことができる。
前記現像手段は、例えば、トナー乃至現像剤を用いて現像することができる限り、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、トナー乃至現像剤を収容し、前記静電潜像にトナー乃至現像剤を接触又は非接触的に付与可能な現像器を少なくとも有するものが好適に挙げられる。
前記重合トナーとしては、例えば、有機溶媒中に少なくともウレア又はウレタン結合し得る変性されたポリエステル系樹脂と着色剤を含むトナー材料溶解乃至分散させる。そして、この溶解乃至分散物を水系媒体中に分散し、重付加反応させ、この分散液の溶媒を除去し、洗浄して得られる。
前記多価イソシアネート化合物(PIC)の比率は、イソシアネート基[NCO]と、水酸基を有するポリエステルの水酸基[OH]の当量比[NCO]/[OH]として、5/1〜1/1が好ましく、4/1〜1.2/1がより好ましく、2.5/1〜1.5/1が更に好ましい。
前記2価アミン化合物(B1)としては、例えば芳香族ジアミン(フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン等);脂環式ジアミン(4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミン等);脂肪族ジアミン(エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等)などが挙げられる。
前記3価以上の多価アミン化合物(B2)としては、例えばジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどが挙げられる。
前記アミノアルコール(B3)としては、例えばエタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。
前記アミノメルカプタン(B4)としては、例えばアミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタンなどが挙げられる。
前記アミノ酸(B5)としては、例えばアミノプロピオン酸、アミノカプロン酸などが挙げられる。
前記B1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)としては、例えば前記B1〜B5のアミン類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)から得られるケチミン化合物、オキサゾリジン化合物などが挙げられる。これらアミン類(B)の中でも、B1及びB1と少量のB2の混合物が特に好ましい。
前記転写工程は、前記可視像を記録媒体に転写する工程であるが、中間転写体を用い、該中間転写体上に可視像を一次転写した後、該可視像を前記記録媒体上に二次転写する態様が好ましく、前記トナーとして二色以上、好ましくはフルカラートナーを用い、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写工程と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写工程とを含む態様がより好ましい。
前記転写は、例えば、前記可視像を転写帯電器を用いて前記電子写真感光体を帯電することにより行うことができ、前記転写手段により行うことができる。前記転写手段としては、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写手段と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写手段とを有する態様が好ましい。
なお、前記中間転写体としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の転写体の中から適宜選択することができ、例えば、転写ベルト等が好適に挙げられる。
前記転写器としては、コロナ放電によるコロナ転写器、転写ベルト、転写ローラ、圧力転写ローラ、粘着転写器、などが挙げられる。
なお、前記記録媒体としては、代表的には普通紙であるが、現像後の未定着像を転写可能なものなら、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、OHP用のPETベース等も用いることができる。
前記定着工程は、記録媒体に転写された可視像を定着装置を用いて定着させる工程であり、各色のトナーに対し前記記録媒体に転写する毎に行ってもよいし、各色のトナーに対しこれを積層した状態で一度に同時に行ってもよい。
前記定着装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、公知の加熱加圧手段が好適である。前記加熱加圧手段としては、加熱ローラと加圧ローラとの組合せ、加熱ローラと加圧ローラと無端ベルトとの組合せ、などが挙げられる。
前記加熱加圧手段における加熱は、通常、80〜200℃が好ましい。
なお、本発明においては、目的に応じて、前記定着工程及び定着手段と共にあるいはこれらに代えて、例えば、公知の光定着器を用いてもよい。
前記クリーニング工程は、前記電子写真感光体上をクリーニング手段を用いてクリーニングするクリーニング工程である。
前記クリーニング手段としては、例えば、クリーニングブレード、磁気ブラシクリーナ、静電ブラシクリーナ、磁気ローラクリーナ、ブレードクリーナ、ブラシクリーナ、ウエブクリーナ、等が挙げられる。
上記クリーニング手段として、クリーニングブレードとその他のクリーニング手段の併用としてもよい。
また、クリーニングブレードの当接圧や当接角度及びクリーニングブレードの素材や形状は、従来公知の条件、材料、形状が適宜使用できる。一般的に当接圧を上げた方がクリーニング性はよくなるが、感光体やブレードの摩耗が大きくなる傾向にある。従って、画像形成装置の仕様に合わせて適宜調節される。
より好ましいクリーニングブレードとしては、従来公知の弾性ゴムブレードが使用される。弾性ゴムブレードでは15〜30℃の温度範囲での反撥弾性率が5〜15%が好ましく、30〜45℃の温度範囲での反撥弾性率が10〜20%が好ましく、JIS A硬度(Hs)が77度以上、85度以下の弾性ブレードを使用するのが好ましい。
なお、これらのクリーニングブレードを2つ使用してクリーニングすることもできる。
前記除電手段としては、特に制限はなく、前記電子写真感光体に対し除電バイアスを印加することができればよく、公知の除電器の中から適宜選択することができ、例えば、除電ランプ等が好適に挙げられる。
前記リサイクル手段としては、特に制限はなく、公知の搬送手段等が挙げられる。
前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
図3は、本発明の画像形成装置の一例を示す概略図である。
図3中感光体11は、架橋表面層を最表面に有する積層型の電子写真感光体である。この感光体11はドラム状の形状を示しているが、シート状、エンドレスベルト状のものであってもよい。
帯電手段12は、コロトロン、スコロトロン、固体帯電器(ソリッド・ステート・チャージャー)、帯電ローラーを始めとする公知の手段が用いられる。帯電手段は、消費電力の低減の観点から、感光体に対し接触若しくは近接配置したものが良好に用いられる。中でも、帯電手段への汚染を防止するため、感光体と帯電手段表面の間に適度な空隙を有する感光体近傍に近接配置された帯電機構が望ましい。転写手段16には、一般に上記の帯電器を使用できるが、転写チャージャーと分離チャージャーを併用したものが効果的である。
以上の電子写真プロセスは、他の実施形態も可能である。例えば、図4において支持体側よりクリーニング前露光を行っているが、これは感光層側から行ってもよいし、また、像露光、除電光の照射を支持体側から行ってもよい。一方、光照射工程は、像露光、クリーニング前露光、除電露光が図示されているが、他に転写前露光、像露光のプレ露光、及びその他公知の光照射工程を設けて、感光体に光照射を行うこともできる。
感光体11上に形成されたトナー像は中間転写ベルト1Fの内側に配置された第1の転写手段1Dにより、中間転写ベルト1F上に転写される。第1の転写手段1Dは感光体11に対して接離可能に配置されており、転写動作時のみ中間転写ベルト1Fを感光体11に当接させる。各色の画像形成を順次行い、中間転写ベルト1F上で重ね合わされたトナー像は第2の転写手段1Eにより、印刷メディア18に一括転写された後、定着手段19により定着されて画像が形成される。第2の転写手段1Eも中間転写ベルト1Fに対して接離可能に配置され、転写動作時のみ中間転写ベルト1Fに当接する。
本発明のプロセスカートリッジは、本発明の前記電子写真感光体と、該電子写真感光体上に形成した静電潜像をトナーを用いて現像し可視像を形成する現像手段と、前記電子写真感光体表面の残留トナーを除去するクリーニング手段とを少なくとも有してなり、更に必要に応じてその他の手段を有してなる。
前記現像手段としては、トナー乃至現像剤を収容する現像剤収容器と、該現像剤収容器内に収容されたトナー乃至現像剤を担持しかつ搬送する現像剤担持体とを、少なくとも有してなり、更に、担持させるトナー層厚を規制するための層厚規制部材等を有していてもよい。
本発明のプロセスカートリッジは、各種画像形成装置に着脱可能に備えることができ、上述した本発明の画像形成装置に着脱可能に備えることが好ましい。
次に、図5に示すプロセスカートリッジによる画像形成プロセスについて示すと、感光体11は、回転しながら、帯電手段12による帯電、露光手段による露光13により、その表面に露光像に対応する静電潜像が形成される。この静電潜像は、現像手段14でトナー現像され、該トナー現像は転写手段16により、記録媒体18に転写され、プリントアウトされる。次いで、像転写後の感光体表面は、クリーニング手段17によりクリーニングされ、更に除電手段1Aにより除電されて、再び、以上の操作を繰り返すものである。
−電子写真感光体の作製−
肉厚0.8mm、長さ340mm、外径30mmのアルミニウムドラム上に、下記組成の下引き層用塗工液、電荷発生層用塗工液、及び電荷輸送層用塗工液を順次、塗布し、乾燥させることにより、厚み3.5μmの下引き層、厚み0.2μmの電荷発生層、及び厚み18μmの電荷輸送層を形成した。
次に、電荷輸送層上に下記組成の架橋表面層塗工液をスプレーで塗工後、このドラムとUV硬化ランプから120mm距離を置いて、ドラムを回転させながらUV硬化を施した。この位置でのUV硬化ランプ照度は600mW/cm2(紫外線積算光量計UIT−150、ウシオ電機株式会社製による測定値)であった。また、ドラムの回転速度は25rpmとした。UV硬化を行う際、アルミニウムドラム内に棒状の金属ブロックを内包させた。また、UV硬化は30秒間の露光と120秒間の休止を繰り返し、通算7分間露光した。UV硬化後、130℃にて30分間加熱乾燥して、厚み3μmの架橋表面層を設けた。以上により、実施例1の電子写真感光体を作製した。
・アルキッド樹脂溶液(ベッコライト M6401−50、大日本インキ化学工業株式会社製)・・・12質量部
・メラミン樹脂溶液(スーパーベッカミン G−821−60、大日本インキ化学工業株式会社製)・・・8質量部
・酸化チタン(CR−EL、石原産業株式会社製)・・・40質量部
・メチルエチルケトン・・・200質量部
・下記構造式で表されるビスアゾ顔料(株式会社リコー製)・・・6質量部
・シクロヘキサノン・・・200質量部
・メチルエチルケトン・・・80質量部
・Z型ポリカーボネート(パンライトTS−2050、帝人化成株式会社製)・・・10質量部
・下記構造式で表される低分子電荷輸送物質・・・10質量部
・1質量%シリコーンオイル(KF50−100CS、信越化学工業株式会社製)テトラヒドロフラン溶液・・・1質量部
・下記構造式で表される硬化型電荷輸送物質・・・40質量部
・カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(KAYARAD DPCA−120、日本化薬株式会社製)・・・25質量部
・反応性シリコーン化合物としてのアクリル基含有ポリエステル変性ポリジメチルシロキサンとプロポキシ変性−2−ネオペンチルグリコールジアクリレート混合物(BYK−UV3570、ビックケミー社製)・・・0.1質量部
・1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(イルガキュア184、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)・・・5質量部
・オルガノシリカゾル(NSC3456、日本精化工業株式会社製)・・・20質量部
・ラジカル重合性イソシアネート(カレンズBEI、昭和電工株式会社製)・・・2質量部
・テトラヒドロフラン・・・400質量部
−電子写真感光体の作製−
実施例1において、架橋表面層塗工液からオルガノシリカゾルを除いた以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
−電子写真感光体の作製−
実施例1において、架橋表面層塗工液からラジカル重合性イソシアネートを除いた以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
−電子写真感光体の作製−
実施例1において、架橋表面層塗工液のラジカル重合性イソシアネート(カレンズBEI、昭和電工株式会社製)を、ラジカル重合性イソシアネート(昭和電工株式会社製、カレンズMOI)に変えた以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
−電子写真感光体の作製−
実施例1において、架橋表面層塗工液のラジカル重合性イソシアネート(カレンズBEI、昭和電工株式会社製)を、ラジカル重合性イソシアネート(昭和電工株式会社製、カレンズAOI)に変えた以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
−電子写真感光体の作製−
実施例1において、架橋表面層塗工液の硬化型電荷輸送物質を除いた以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
この感光体を用いて画像信号を印刷したところ、濃度の薄い画像しか得られなかったため、これ以上の評価は中断した。
−電子写真感光体の作製−
実施例2において、架橋表面層塗工液の硬化型電荷輸送物質を除いた以外は、実施例2と同様にして、電子写真感光体を作製した。
この感光体を用いて画像信号を印刷したところ、濃度の薄い画像しか得られなかったため、これ以上の評価は中断した。
−電子写真感光体の作製−
実施例3において、架橋表面層塗工液の硬化型電荷輸送物質を除いた以外は、実施例3と同様にして、電子写真感光体を作製した。
この感光体を用いて画像信号を印刷したところ、濃度の薄い画像しか得られなかったため、これ以上の評価は中断した。
微小表面硬度計(H−100、フィッシャー社製)により、電子写真感光体の長手方向の中央部周辺のマルテンス硬さ(表面硬度)を5箇所測定した。
株式会社リコー製のimagio Neo C455の感光体セットのうち、クリーニングブラシ、帯電ローラのクリーナー、及び棒状のステアリン酸亜鉛を取り除いたものをすり抜け強度測定用の感光体セットとして用いた。この感光体セットの取り付け位置はブラック現像ステーションにした。株式会社リコー製のimagio Neo C455の帯電ローラ印加バイアスのうち、DCバイアスを調整し、感光体の帯電電位を−700Vになるようにした。次いで、露光部電位が−250Vになるよう書き込み光量を調整した。この状態で種々、現像バイアスを変えてベタパターンを書き込ませた。転写前の感光体に入力されたトナーを透明粘着テープ(日東電工株式会社製、プリンタックC)で捕集し、捕集したテープの画像濃度を反射分光濃度計(キヤノンアイテック株式会社製、X−RITE939)で測定し、この濃度が1.0となる現像バイアスに変更した。
次に、現像手段の開口部上端に厚み2mmの線状のスポンジテープ(住友3M株式会社製、スコッチテープ4016)を介して、すり抜けトナーキャッチャー(厚さ1mmで8mm×310mmのフェルト、槌屋株式会社製)を貼り合わせた。これを本体に装着した。
クリーニングブレードは株式会社リコー製のimagio Neo C455純正品の新品を取り付け、清掃した感光体ドラムを取り付けて、23℃、55%RH環境下で画像濃度5%のA4サイズのテストパターン画像を連続50枚、コピー用紙(My Paper A4サイズ、NBSリコー株式会社製)にプリントした。なお、トナーは純正品の重合トナーを使用した。
プリント後、すり抜けトナーキャッチャーを回収し、これをイメージスキャナー(エプソン株式会社製、ES−8500)を用いてこの画像をデジタルデータ化した。スキャナーはズーム100%、カラードライバーによる色補正;1.0,出力800dpi,写真;800dpi,アンシャープマスク;中、8bitグレーの条件で画像データを読み取った。
この画像データをメディアサイバネティクス社製のイメージプロプラスVer3.0を用い、Pseudo−Colorコマンドで上限210、下限310、5分割の条件で、すり抜けトナーキャッチャーの画像濃度及びその面積率を算出し、これらの総和をすり抜け強度として算出した。
作製した実施例1〜3及び比較例1〜2の各電子写真感光体を実装用にした後、タンデム方式の画像形成装置(imagio Neo C455、株式会社リコー製)のブラック現像ステーションに搭載し、画素密度が600dpi×600dpiで8×8のマトリクス中に4ドット×4ドットを描いたハーフトーンパターンを連続5枚ずつ印刷する条件で通算100万枚、コピー用紙(My Paper A4サイズ、NBSリコー株式会社製)にプリントアウトした。なお、感光体セットは全て棒状のステアリン酸亜鉛を取り付けた状態で使用した。
クリーニングブレードに設けられている荷重用バネをバネ荷重0.40N/mm、自由長14mm、内径5mmのSUS製のバネに変えた。
トナー及び現像剤はImagio Neo C455純正品を使用した。
感光体ユニットは純正品を使用した。帯電ローラの印加電圧はAC成分としてピーク間電圧1.5kV、周波数0.9kHzを選択した。また、DC成分は試験開始時の感光体の帯電電位が−700Vとなるようなバイアスを設定し、試験終了に至るまでこの帯電条件で試験を行った。また、現像バイアスは−500Vとした。この画像形成装置において、除電手段は設けていない。また、クリーニング手段は純正品を印刷枚数が5万枚毎に未使用品に変えて試験を行った。試験終了後、カラーテストチャートをPPC用紙(TYPE−6200)A3サイズに複写印刷した。試験環境は、24℃、54%RHであった。
12 帯電手段
13 露光手段
14 現像手段
15 トナー
16 転写手段
17 クリーニング手段
18 記録媒体
19 定着手段
1A 除電手段
1B クリーニング前露光手段
1C 駆動手段
1D 第1の転写手段
1E 第2の転写手段
1F 中間転写体
21 支持体
24 下引き層
25 電荷発生層
26 電荷輸送層
28 架橋表面層
Claims (9)
- 最表面に架橋表面層を有し、該架橋表面層が、電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーと、オルガノシリカゾルと、イソシアネート基含有ラジカル重合性単量体と、硬化型電荷輸送物質とを含む架橋表面層組成物の硬化物を含有することを特徴とする電子写真感光体。
- 電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーが、トリメチロールプロパントリアクリレートを含む請求項1に記載の電子写真感光体。
- イソシアネート基含有ラジカル重合性単量体が、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート、2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート、及び1,1−ビス(アクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネートのいずれかである請求項1から2のいずれかに記載の電子写真感光体。
- 硬化型電荷輸送物質が下記一般式(1)で表される化合物であり、かつ該硬化型電荷輸送物質の架橋表面層組成物における含有量が、固形分で5質量%〜60質量%である請求項1から3のいずれかに記載の電子写真感光体。
- 架橋表面層組成物が、ジメチルシロキサン構造を繰り返し単位とし、かつラジカル重合性官能基を有する反応性シリコーン化合物を含有する請求項1から4のいずれかに記載の電子写真感光体。
- 支持体と、該支持体上に少なくとも電荷発生層、電荷輸送層、及び架橋表面層をこの順に有してなる請求項1から5のいずれかに記載の電子写真感光体。
- 請求項1から6のいずれかに記載の電子写真感光体と、該電子写真感光体上に形成した静電潜像をトナーを用いて現像し可視像を形成する現像手段と、前記電子写真感光体表面の残留トナーを除去するクリーニング手段とを少なくとも有することを特徴とするプロセスカートリッジ。
- 請求項1から6のいずれかに記載の電子写真感光体と、該電子写真感光体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、前記電子写真感光体表面の残留トナーを除去するクリーニング手段とを少なくとも有することを特徴とする画像形成装置。
- 少なくとも電子写真感光体、帯電手段、現像手段、転写手段、及びクリーニング手段を含む画像形成要素を複数配列してなるタンデム方式であって、前記現像手段において重合トナーを用いて現像を行う請求項8に記載の画像形成装置。
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