JP4056063B2 - 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置 - Google Patents

電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置 Download PDF

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本発明は、光、電子線照射もしくは加熱、あるいはこれら併用して硬化可能な炭素−炭素二重結合基と硬化可能な水酸基を含有したバインダー樹脂と反応性トリアリールアミン基をもったモノマーとを感光層形成時に硬化させた電子写真感光体、それを用いた画像形成装置および画像形成装置用プロセスカートリッジに関する。
本発明の電子写真感光体、及びそれを用いる画像形成装置、画像形成装置用プロセスカートリッジは、複写機、ファクシミリ、レーザープリンタ、ダイレクトデジタル製版機等に応用される。
近年、電子写真複写機、電子写真プリンターなどはその高速化、小型化、高画質化に伴い感光体の高耐久化が要求されている。感光体の高耐久化は電子写真プロセスにおいて、帯電、露光、現像、転写、クリーニングの反復過程で機械的・化学的作用を受け劣化する。機械的劣化は感光体の摩耗、傷などであり、化学的劣化は発生するオゾン、NOxによるバインダー樹脂、電荷輸送材の酸化劣化などであり、これらと堆積物などにより画質低下が発生する。
また、前記したように高速化、小型化に伴い感光体が小径化され、加えて、ローラー帯電方式の採用による高エネルギーのアーク放電による感光体表面の損傷がひどく、機械的劣化を増長させる。特に高画質化の要求からトナー粒子の微細化に伴いクリーニング部では充分にクリーニングするためにゴムブレードが使用され、ゴム硬度の上昇と当接圧力の上昇が余儀なくされ、そのために感光体の摩耗が促進され、電荷輸送剤の脱落、電位変動、感度変動が生じ、それによる異常画像、カラー画像の色バランスがくずれ、色再現性に問題が発生するなどの不具合が生じる。
このような問題に対して、電荷輸送層に重合性の電荷移送剤を用いて、光あるいは熱により硬化、架橋させ、機械強度を向上させることが知られている。この重合性の電荷輸送剤を使用するものとしては、例えば、トリアリールアミン骨格を有する重合性電荷移動剤と、アクリル酸又はメタクリル酸エステルモノマーとを電荷輸送層に含有させ熱または光のエネルギーで硬化させるもの(特許文献1、5参照)、トリアリールアミン骨格を有するを有する重合性電荷移動剤と、炭素−炭素二重結合を有するモノマーあるいはバインダー樹脂を電荷輸送層に含有させ熱又は光エネルギーで硬化させるもの(特許文献2参照)、アリル基を含有するポリカーボネート樹脂とトリアリールアミン骨格を有する重合性電荷移動剤を電荷輸送層に含有させ、熱又は光のエネルギーによって硬化させるもの(特許文献3参照)、トリアリールアミン骨格を有する重合性モノマーあるいは共重合体をバインダーの固溶体中で光により反応せしめるもの(特許文献4参照)、あるいは同一分子内に二つ以上の連鎖重合性官能基をもつ電荷輸送物質を硬化させるもの(特許文献6参照)を挙げることができる。
しかし、このような従来技術によれば、硬度の上昇はあるものの、クラックの発生、あるいは体積収縮が大きく、膜中に応力をため込み衝撃に対して脆く、支持体から剥離する現象がみられる。
水酸基をもった反応性電荷輸送物質とアルコール可溶バインダー樹脂の硬化膜(特許文献7、8参照)が開示されている。
一方、感光体の摩耗現象は主にバインダー樹脂の分子鎖切断であり、特に絡み合い点分子量以下になると低分子量化したバインダー樹脂が感光層バルクから抜けて、摩耗速度が速くなる。バインダー樹脂の分子量依存性はそのためと考えられる。
前記した従来技術の重合性トリアリールアミン骨格を有する重合性電荷移動モノマーを用いて感光層中で硬化させるものは、強靱な膜を形成するが、反応溶媒を使用しないバルク重合反応のために、反応開始後モノマーの移動が拘束され、三次元構造をとるものの長距離な連鎖反応は望めない。したがって、分子量の巨大化までは至っておらず、脆い膜、クラック発生、接着性不備などの現象が発生する。
特開平5−202135号公報 特開平5−216249号公報 特開平5−323630号公報 特開平7−72640号公報 特開平6−256428号公報 特開2001−166501号公報 特開2003−76043号公報 特開2003−91087号公報
本発明の課題は、硬化可能な炭素−炭素二重結合基と硬化可能な水酸基を含有したバインダー樹脂と炭素−炭素二重結合基をもったアリールアミン化合物、あるいは水酸基をもったアリールアミン化合物を紫外線、電子線の照射あるいは熱で硬化させ高耐久な感光体を提供することである。
上記課題は、高分子量バインダー樹脂が架橋することで更にバインダー樹脂の分子量の巨大化がはかれ、及び電荷移動剤が共有結合で巨大分子鎖中に組み込まれることによって解決される。
すなわち、上記課題は本発明の(1)「分子鎖中に異種硬化部位をもち、これら硬化部位を硬化させたことを特徴とする電子写真感光体」、(2)「硬化部位が水酸基、及び炭素−炭素二重結合を分子鎖中に持った反応性バインダー樹脂であることを特徴とする前記第(1)項に記載の電子写真感光体」、(3)「反応性バインダー樹脂の硬化部位と硬化反応する電荷輸送物質を含有することを特徴とする前記第(1)項に記載の電子写真感光体」、(4)「下記一般式(1)で示される硬化部位を二カ所もったことを特徴とするバインダー樹脂;
Figure 0004056063

(式中、R、R、Rは水素またはメチル基を表わし、Arは置換もしくは未置換のアリール基を表わし、Xは−COO−であり、nは0または1、a,bは共重合比を表わし、全重量比で0.05≦a≦0.9、0.1≦b≦0.95、dは繰り返し単位を表わし5〜1000の整数である。)」、(5)「下記一般式(2)で示される硬化部位を二カ所もったことを特徴とするバインダー樹脂;
Figure 0004056063

(式中、Rは水素またはメチル基を表わし、mは0から100までのである。)」、(6)「反応性バインダー樹脂と硬化反応する電荷輸送物質が炭素−炭素二重結合をもつことを特徴とする前記第(3)項に記載の電子写真感光体」、(7)「反応性バインダー樹脂と硬化反応する電荷輸送物質が水酸基をもつことを特徴とする前記第(3)項に記載の電子写真感光体」、(8)「硬化方法が光、電子線、光あるいは熱エネルギーで硬化させることを特徴とした前記第(1)項乃至第(6)項のいずれかに記載の電子写真感光体」、(9)「感光層中にメラミン樹脂を含有させ硬化させることを特徴とする前記第(1)項乃至第(7)項のいずれかに記載の電子写真感光体」、(10)「感光層中にイソシアネート化合物を含有させ硬化させることを特徴とする前記第(1)項乃至第(7)項のいずれかに記載の電子写真感光体」、(11)「感光体の形状がベルト状、シート状またはドラム状であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(8)項のいずれかに記載の電子写真感光体」によって解決される。
また、上記課題は、本発明の、(12)「少なくとも、帯電手段、画像露光手段、現像手段、転写手段および電子写真感光体を具備した画像形成装置であって、該電子写真感光体が前記第(1)項乃至第(11)項のいずれかに記載のものであることを特徴とする画像形成装置」によって解決される。
また、上記課題は、本発明の、(13)「前記第(1)項乃至第(11)項のいずれかに記載の電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、クリーニング手段より選ばれる少なくとも1つの手段とを一体的に具備し、画像形成装置本体に着脱自在であることを特徴とする画像形成装置用プロセスカートリッジ」によって解決される。
すなわち、本発明は、バインダー樹脂中に異種硬化部位もち、それぞれの異種硬化部位を硬化させるものであり、異種硬化部位とはそれぞれ異なる反応性基であり、炭素−炭素二重結合基、及び水酸基を含有したバインダー樹脂であり、これらバインダー樹脂間の硬化、あるいはバインダー樹脂とアリールアミン化合物とを硬化反応し、及び硬化組成物の添加により高密度に硬化反応させ高硬度な膜を形成させる。
本発明の異種硬化部位もったバインダー樹脂はスチレン誘導体、または(メタ)アクリル酸アリールエステルモノマーとグリシジル基が置換されたモノマーを共重合し、その後アクリル酸、あるいはメタクリル酸を付加反応させ生じた反応性炭素−炭素二重結合基、あるいは水酸基を含有した高分子化合物であり、この反応性基と反応性トリアリールアミン化合物とを含有し、紫外線、電子線あるいは熱エネルギーで硬化させた電子写真感光体である。
硬化可能な炭素−炭素二重結合基と硬化可能な水酸基を含有したバインダー樹脂としては下記一般式(1)で示される。
Figure 0004056063

(式中、R、R、Rは水素またはメチル基を表わし、Arは置換もしくは未置換のアリール基を表わし、Xは−COO−であり、nは0または1、a,bは共重合比を表わし、全重量比で0.05≦a≦0.9、0.1≦b≦0.95、dは繰り返し単位を表わし5〜1000の整数である。)
ここで、置換もしくは無置換のアリール基としては具体例として、縮合多環式炭化水素基、非縮合炭素環式基及び複素環基が挙げられる。
該縮合多環式炭化水素基としては、好ましくは環を形成する炭素数が18個以下のもの、例えば、ペンタニル基、インデニル基、ナフチル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、ビフェニレニル基、as−インダセニル基、s−インダセニル基、フルオレニル基、アセナフチレニル基、プレイアデニル基、アセナフテニル基、フェナレニル基、フェナントリル基、アントリル基、フルオランテニル基、アセフェナントリレニル基、アセアントリレニル基、トリフェニレル基、ピレニル基、クリセニル基、及びナフタセニル基等が挙げられる。
該非縮合炭素環式基としては、ベンジル、ベンゼン、ジフェニルエーテル、ポリエチレンジフェニルエーテル、ジフェニルチオエーテル及びジフェニルスルホン等の単環式炭化水素化合物の1価基、あるいはビフェニル、ポリフェニル、ジフェニルアルカン、ジフェニルアルケン、ジフェニルアルキン、トリフェニルメタン、ジスチリルベンゼン、1,1−ジフェニルシクロアルカン、ポリフェニルアルカン、及びポリフェニルアルケン等の非縮合多環式炭化水素化合物の1価基、あるいは9,9−ジフェニルフルオレン等の環集合炭化水素化合物の1価基が挙げられる。
複素環基としては、カルバゾール、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、オキサジアゾール、及びチアジアゾール等の1価基が挙げられる。
アリール基は例えば以下に示すような置換基を有してもよい。
(1)ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基等。
(2)、トリフルオロメチル基、2−ヒドロキエチル基、2−エトキシエチル基、2−シアノエチル基、2−メトキシエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、4−フェニルベンジル基等が挙げられる。
(3)アルコキシ基(−OR20)。
20はアルキル基を表わす。
アルキル基とは炭素数1から4のアルキル基とは直鎖、分岐のアルキル基を表わし、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基で定義され、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、t−ブトキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、i−ブトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、ベンジルオキシ基、トリフルオロメトキシ基等が挙げられる。
(4)アリールオキシ基であり、アリール基としてはフェニル基、ナフチル基が挙げられる。これは、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のアルキル基またはハロゲン原子を置換基として含有してもよい。具体的には、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、4−メトキシフェノキシ基、4−メチルフェノキシ基等が挙げられる。
(5)下記式で表わされる基。
Figure 0004056063

(式中、R21及びR22は各々独立に水素原子、前記で定義したアルキル基、またはアリール基を表わす。アリール基としては、例えばフェニル基、ビフェニル基又はナフチル基が挙げられ、これらは炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のアルキル基またはハロゲン原子を置換基として含有してもよい。R21及びR22は共同で環を形成してもよい)
具体的には、アミノ基、ジエチルアミノ基、N−メチル−N−フェニルアミノ基、N,N−ジフェニルアミノ基、N,N−ジ(トリール)アミノ基、ジベンジルアミノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、ピロリジノ基等が挙げられる。
(6)置換又は無置換のスチリル基、置換無置換のβ−フェニルスチリル基、ジフェニルアミノフェニル基、ジトリルアミノフェニル基等。
(7)下記式で表わされる基。
Figure 0004056063
但し、式中、R24は水素又はアルキル基〔上記(3)で定義したアルキル基と同じ〕を表わし、Ar12、Ar13は、置換又は無置換のアリール基を表わし、eは1〜4の整数を、fは1〜2の整数を表わす。置換、無置換のアリール基の具体例としては、フェニル基、ビフェニル基、トリフェニルアミノ基、ジトリルアミノフェニル基等が挙げられる。
上記一般式(1)で表わされる高分子化合物を得るには、まず下記一般式(5)で表わされるモノマーと、下記一般式(6)で表わされるグリシジル(メタ)アクリレートを共重合させる。
Figure 0004056063
(但し、一般式(5)中、R、X、Arおよびnは、一般式(1)で定義したものと同じ。)
Figure 0004056063
(Rは水素、またはメチル基を表わす。)
共重合はラジカル重合開始剤の存在下で溶液重合など公知の方法で共重合させて共重合体が得られる。
共重合比は前記一般式(1)で示される共重合体Arのアリールモノマー部が全重量比で0.05〜0.9であり、グリシジルモノマーは0.1〜0.95で共重合される。分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC)でポリスチレン換算分子量が重量平均分子量で3000以上、好ましくは5000以上で3000未満であると塗膜の硬度低下傾向が確認される。50万を超えると作業性、塗料作成時、粘度が高くそのため希釈する塗料として固形分が低下し所望の膜厚が得られない不具合が生じ、40万以下が望ましい。
次いで、得られた共重合体と(メタ)アクリル酸をエポキシ基とカルボキシル基の付加反応により炭素−炭素二重結合をもった高分子化合物を得る。このときエポキシ基と(メタ)アクリル酸の配合比はエポキシ基/アクリル酸で1/0.8〜1/1当量となるように反応するのが好ましい。1/0.8未満の場合に得られた樹脂組成物の硬化性及び塗膜性能が全般的に低下する傾向にある。また1/1以上の場合に得られた樹脂組成物は(メタ)アクリル酸が未反応で残り、皮膚刺激性が上がり作業性が低下する。反応は塩基性触媒、リン系触媒などの存在下で公知の方法にて行うことができる。(メタ)アクリル酸が付加することでエポキシ基が開環し水酸基が生成する。
同様な反応で下記一般式(2)エポキシ樹脂も末端エポキシ基を(メタ)アクリル酸で付加反応して下記構造のエポキシ樹脂が合成できる。
Figure 0004056063

エポキシ樹脂はエピコートの商標名でジャパンエポキシレジン社から市販され、またエポトートの商標で東都化成社から市販されている。
異種硬化部位をもつバインダー樹脂としては以下のものが挙げられるが、これに限定されるものではない。
Figure 0004056063
Figure 0004056063
Figure 0004056063
Figure 0004056063
Figure 0004056063
異種硬化部位をもつバインダー樹脂と硬化するビニル基をもつトリアリールアミン化合物としては以下のものが挙げられるが、別に限定されるものではない。
Figure 0004056063
Figure 0004056063
異種硬化部位をもつバインダー樹脂と硬化するOH基をもつトリアリールアミン化合物としては以下のものが挙げられるが、別に限定されるものではない。
Figure 0004056063
Figure 0004056063
Figure 0004056063
異種硬化部位もった高分子化合物と二重結合をもったトリアリールアミン化合物、あるいは水酸基をもったトリアリールアミン化合物、またはこれらトリアリールアミン化合物の併用で紫外線、電子線、あるいは熱、またはこれら方法の併用によって以下の触媒を用いて硬化させる。
光硬化触媒としては、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、p−ジメチルアミノプロピオフェノン、p−p’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾインメチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾフェノン、メチルベンゾイルホルメート、4−N−N’−ジメチルアセトフェノン類、2−メチル−{4−(メチルチオ)フェニル}−2−モルフォリノ−1−プロパノン、2−4−ジメチルチオキサントン、オリゴ{2−ヒドロキシ−2−メチル−1−{4−(1−メチルビニル)フェニル}プロパノンなどが挙げられる。これらの光重合開始剤は、単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
熱硬化触媒としてはメチルエチルケトンパーオキサイド、メチルイソブチルケトンパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、イソブチリルパーオキサイド、2,4−ジクロルベンゾイルパーオキサイド、ビス−3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、p−クロルベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−(t−ブチルオキシ)−ヘキサン、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシ−イソプロピル)ベンゼン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−tブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−(ジ−t−ブチルパーオキシ)ヘキサン−3、トリス−(t−ブチルパーオキシ)トリアジン、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキサン、2,2−ジ(t−ブチルパーオキシ)ブタン、4,4−ジ−t−ブチルパーオキシバレリックアッシド−n−ブチルエステル、2,2−ビス(4,4−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、t−ブチルパーオキシイソブチレート、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルパーオキシトリメチルアジペートなどの過酸化物、あるいはアゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリル、アゾビスシクロヘキシルニトリルなどのアゾ系が使用される。
これら触媒は、一般式(1)の高分子化合物及び炭素−炭素二重結合を有するトリアリーレン化合物を含有する塗工液を作成する際、固形分全量に対して1〜10%で添加される。
また、塗工液は、無溶媒、またはトルエン、キシレンなどの芳香族、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル系、エチレングリコールモノメチルエーテルなどのセロソルブ系、イソプロピルアルコール、ブタノールなどのアルコール系等の溶媒などの単独、または混合溶媒を用いて調製される。
光硬化は水銀灯、メタルハライドなどの公知の方法で照射して硬化膜が得られる。また熱硬化は50℃以上に加熱し硬化するのが好ましい。それ以下であると硬化膜の寿命が短く望ましくない。
また、本発明における硬化膜形成するための塗工液においては、さらに必要に応じて2官能以上のモノマー、オリゴマー、ポリマーを使用することができる。
2官能のモノマー、オリゴマー及びポリマーとしては、例えば、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。3官能モノマー、オリゴマー及びポリマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、脂肪族トリ(メタ)アクリレート等が挙げられ、4官能のモノマー、オリゴマー、ポリマーとしてはペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、脂肪族テトラ(メタ)アクリレート等が挙げられる。また、5官能以上のモノマー、オリゴマー、ポリマーとしては、例えば、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の他、ポリエステル骨格、ウレタン骨格、フォスファゼン骨格を有する(メタ)アクリレート等が使用することができ、これらの2官能以上の、モノマー、オリゴマー及びポリマーは、単独又は2種以上の混合物として使用することができる。
水酸基の硬化はメラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、フェノール樹脂、メチロールナイロン樹脂等のメチロール基を持つものと脱水、あるいは脱アルコールで硬化され、イソシアネート化合物との反応でウレタン結合を形成させ硬化される。
メラミン樹脂は大日本インキ社からベッカミンの商標名で、日立化成社からメランの商標名で販売され、ベンゾグアナミン樹脂はアミコートの商標名で日本触媒社から、フェノール樹脂は大日本インキ社からプライオーヘンの商標名で、メチロールナイロン樹脂はトレジンの商標名で帝国化学産業社からそれぞれ市販されている。またイソシアネート化合物はスミジュールの商標名で住友化学社から市販されている。
一般式(1)、および一般式(2)のバインダー樹脂10部に対してこれら水酸基硬化樹脂は5〜20部の比で添加される。好ましくは5〜15部であり、多くなると反応性電荷輸送物質との相溶性が悪く、形成された膜が白化し光学特性劣化が発生する場合がある。トリアリールアミンが共重合された一般式(1)のバインダー樹脂は反応性トリアリールアミン化合物の添加量が低減できることから水酸基硬化樹脂の添加に有利にはたらくが、グリシジル(メタ)アクリレートの共重合比に大きく依存する。
これらは一般式(1)、あるいは一般式(2)で示されるバインダー樹脂と伴に添加され塗工、紫外線、電子線、あるいは熱エネルギーで硬化され、またはこれらエネルギーの併用でもかまわず硬化する。
異種硬化部位で重合性炭素−炭素二重結合の場合は紫外線、電子線、熱などのエネルギーに対しては活性であり硬化する。水酸基の硬化は主に熱エネルギーである。
以下、感光体について図面に沿って説明する。
図1は、本発明の電子写真感光体を表わす断面図であり、導電性支持体(101)上に、少なくとも電荷発生物質を含有し、前記一般式(1)或いは一般式(2)で示される高分子化合物と反応性炭素−炭素二重結合をもつ電荷輸送物質、或いは水酸基をもつ電荷輸送物質の単独、或いは二種以上とを含有する感光層(102)が設けられている。
図2は、本発明の電子写真感光体の異なる実施形態を示している。即ち、導電性支持体(101)上に、電荷発生物質を主成分とする電荷発生層(201)と、一般式(1)或いは一般式(2)で示される高分子化合物と反応性炭素−炭素二重結合をもつ電荷輸送物質、或いは水酸基をもつ電荷輸送物質の単独、或いは二種以上とを含有する硬化電荷輸送層(202)とが、積層された構成をとっている。
更に図3、4は電荷輸送層が積層構造を有した場合である。
図3は導電性支持体(101)上に電荷発生物質を主成分とする電荷発生層(201)と、低分子電荷輸物質とバインダー樹脂を主成分とする電荷輸送層(203)と、一般式(1)或いは一般式(2)で示される高分子化合物と反応性炭素−炭素二重結合をもつ電荷輸送物質、或いは水酸基をもつ電荷輸送物質の単独、或いは二種以上とを含有する硬化電荷輸送層(301)とから構成されるものである。この硬化層には有機、あるいは無機フィラーを含有してもよい。
図4は、感光層が、導電性支持体(101)上に中間層(302)を設け、その上に電荷発生物質を主成分とする電荷発生層(201)と、低分子電荷輸物質とバインダー樹脂を主成分とする電荷輸送層(203)と、一般式(1)或いは一般式(2)で示される高分子化合物と反応性炭素−炭素二重結合をもつ電荷輸送物質、或いは水酸基をもつ電荷輸送物質の単独、或いは二種以上とを含有する硬化電荷輸送層(301)から構成される場合を示し、硬化電荷輸送層(301)には有機、あるいは無機フィラーを含有してもよい。
導電性支持体(101)としては、体積抵抗1010Ω・cm以下の導電性を示すもの、例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、金、銀、白金などの金属、酸化スズ、酸化インジウムなどの金属酸化物を、蒸着またはスパッタリングにより、フィルム状もしくは円筒状のプラスチック、紙に被覆したもの、あるいは、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレスなどの板、およびそれらを押し出し、引き抜きなどの工法で素管化後、切削、超仕上げ、研摩などの表面処理した管などを使用することができる。また、特開昭52−36016号公報に開示されたエンドレスニッケルベルト、エンドレスステンレスベルトも導電性支持体(101)として用いることができる。
この他、上記支持体上に導電性粉体を適当な結着樹脂に分散して塗工したものについても、本発明の導電性支持体(101)として用いることができる。この導電性粉体としては、カーボンブラック、アセチレンブラック、またアルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀などの金属粉、あるいは導電性酸化スズ、ITOなどの金属酸化物粉体などが挙げられる。また、同時に用いられる結着樹脂には、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂などの熱可塑性、熱硬化性樹脂または光硬化性樹脂が挙げられる。このような導電性層は、これらの導電性粉体と結着樹脂を適当な溶剤、例えば、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、メチルエチルケトン、トルエンなどに分散して塗布することにより設けることができる。
更に、適当な円筒基体上にポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、塩化ゴム、テフロン(登録商標)などの素材に前記導電性粉体を含有させた熱収縮チューブによって導電性層を設けてなるものも、本発明の導電性支持体(101)として良好に用いることができる。
次に感光層について説明する。感光層は単層でも積層でもよいが、以下に説明の都合上、電荷発生層(201)と電荷輸送層(202、203)とを積層構造で構成した場合を例にとり説明する。
始めに電荷発生層(201)について説明する。
電荷発生層(201)は、電荷発生物質を主成分として含有する層で、必要に応じてバインダー樹脂を用いることもある。電荷発生物質としては、無機系材料と有機系材料を用いることができる。無機系材料には、結晶セレン、アモルファス・セレン、セレン−テルル、セレン−テルル−ハロゲン、セレン−ヒ素化合物や、アモルファス・シリコン等が挙げられる。アモルファス・シリコンにおいては、ダングリングボンドを水素原子、ハロゲン原子でターミネートしたものや、ホウ素原子、リン原子等をドープしたものが良好に用いられる。
一方、有機系材料としては、公知の材料を用いることができる。例えば、金属フタロシアニン、無金属フタロシアニンなどのフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩顔料、スクエアリック酸メチン顔料、カルバゾール骨格を有するアゾ顔料、トリフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジベンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料、フルオレノン骨格を有するアゾ顔料、オキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルオキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルカルバゾール骨格を有するアゾ顔料、ペリレン系顔料、アントラキノン系または多環キノン系顔料、キノンイミン系顔料、ジフェニルメタン及びトリフェニルメタン系顔料、ベンゾキノン及びナフトキノン系顔料、シアニン及びアゾメチン系顔料、インジゴイド系顔料、ビスベンズイミダゾール系顔料などが挙げられる。これらの電荷発生物質は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。
電荷発生層(201)に必要に応じて用いられるバインダー樹脂としては、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミドなどが用いられる。これらのバインダー樹脂は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。更に、必要に応じて電荷輸送物質を添加してもよい。
電荷発生層(201)を形成する方法には、真空薄膜作製法と溶液分散系からのキャスティング法とが大きく挙げられる。前者の方法には、真空蒸着法、グロー放電分解法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、CVD法等が用いられ、上述した無機系材料、有機系材料が良好に形成できる。また、後述のキャスティング法によって電荷発生層を設けるには、上述した無機系もしくは有機系電荷発生物質を必要ならばバインダー樹脂と共にテトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、ジオキサン、ジクロロエタン、ブタノン等の溶媒を用いてボールミル、アトライター、サンドミル等により分散し、分散液を適度に希釈して塗布することにより、形成できる。塗布は、浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコート法、リングコート法などを用いて行なうことができる。
以上のようにして設けられる電荷発生層(201)の膜厚は、0.01〜5μm程度が適当であり、好ましくは0.05〜2μmである。
以下に、電荷輸送層について説明する。
図2で示される層構成では電荷輸送層(202)が、一般式(1)或いは一般式(2)で示される高分子化合物と反応性炭素−炭素二重結合をもつトリアリールアミン化合物、或いは水酸基をもつトリアリールアミン化合物の単独、或いは二種以上とを含有する硬化層であり、前述した塗工液を塗工し、光、あるいは熱エネルギーで硬化させる。
ここで一般式(1)の高分子化合物、あるいは一般式(2)で示される高分子化合物が10部に対して二重結合をもつトリアリールアミン化合物あるいは水酸基をもつトリアリールアミン化合物は5〜15部で、好ましくは8〜12部で添加され、一般式(1)で示される高分子化合物にトリアリールアミン基が共重合されている場合には添加量が下げられ、またトリアリールアミン基が共重合されない場合は多く添加される。ここで硬化剤として前記した多官能アクリルモノマーの添加しても良い。水酸基の硬化には前記したメラミン樹脂、グアナミン樹脂、フェノール樹脂、メチロールナイロン樹脂、イソシアネート化合物等が使用される。これら水酸基硬化樹脂は一般式(1)及び一般式(2)の高分子化合物10部に対して2〜8部、好ましくは3〜5部の添加される。炭素−炭素二重結合の硬化触媒は一般式(1)及び一般式(2)の高分子化合物10部対して0.2〜3部、好ましくは0.3〜2部添加される。紫外線での硬化は光硬化触媒、熱硬化の場合は過酸化物、あるいはアゾ系触媒が用いられる。また光触媒を使用した場合は水銀灯、あるいはメタルハライド照射後、120〜150℃で加熱し、水酸基の硬化を行なう。過酸化物での熱硬化は光の照射なしに120〜150℃で加熱硬化する。膜厚は10〜40μmで好ましくは15〜30μmで硬化電荷輸送層が設けられる。
図3、4で示される層構成では、電荷輸送層(203)は低分子電荷輸物質とバインダー樹脂を主成分として構成される。
電荷輸送物質を含有させるが、電荷輸送物質には正孔輸送物質と電子輸送物質とがある。
低分子電子輸送物質としては、たとえばクロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン−4オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイドなどの電子受容性物質が挙げられる。これらの電子輸送物質は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。
一方、正孔輸送物質としては、以下に表わされる電子供与性物質が挙げられ、良好に用いられる。例えば、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、トリフェニルアミン誘導体、9−(p−ジエチルアミノスチリルアントラセン)、1,1−ビス−(4−ジベンジルアミノフェニル)プロパン、スチリルアントラセン、スチリルピラゾリン、フェニルヒドラゾン類、α−フェニルスチルベン誘導体、チアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、フェナジン誘導体、アクリジン誘導体、ベンゾフラン誘導体、ベンズイミダゾ−ル誘導体、チオフェン誘導体などが挙げられる。これらの正孔輸送物質は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。
これら低分子電荷物質は公知であり、以下に参考特許公開公報を例示する。
オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体(特開昭52−139065号公報、特開昭52−139066号公報に記載)、イミダゾール誘導体、トリフェニルアミン誘導体、ベンジジン誘導体(特公昭58−32372号公報に記載)、α−フェニルスチルベン誘導体(特開昭58−190953号公報に記載)、ヒドラゾン誘導体(特開昭55−154955号公報、特開昭55−156954号公報、特開昭55−52063号公報、特開昭56−81850号公報などに記載)、トリフェニルメタン誘導体(特公昭51−10983号公報に記載)、アントラセン誘導体(特開昭51−94829号公報に記載)、スチリル誘導体(特開昭56−29245号公報、特開昭58−198043号公報に記載)、カルバゾール誘導体(特開昭58−58552号公報に記載)、ピレン誘導体。
電荷輸送層に使用されるバインダー樹脂としてはフィルム性の良いポリカーボネート(ビスフェノールAタイプ、ビスフェノールZタイプ、ビスフェノールCタイプ)、あるいはこれら共重合体、ポリアリレート、ポリスルフォン、ポリエステル、メタクリル樹脂、ポリスチレン、酢酸ビニル、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂などが用いられる。電荷輸送物質とバインダー樹脂と伴に溶解、塗工、乾燥して形成される。
これら低分子電荷輸送物質の量はバインダー樹脂100重量部に対し、20〜300重量部、好ましくは40〜150重量部が適当である。また、電荷輸送層(203)の膜厚は解像度・応答性の点から、30μm以下とすることが好ましい。下限値に関しては、使用するシステム(特に帯電電位等)に異なるが、5μm以上が好ましい。
ここで用いられる溶剤としては、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、ジクロロメタン、モノクロロベンゼン、ジクロロエタン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、アセトンなどが用いられる。これらは単独で使用しても2種以上混合して使用しても良い。
図3、4に示される層構成においては、電荷輸送層(203)上に、一般式(1)及び一般式(2)の高分子化合物と硬化性トリアリールアミン電荷輸送物質とを反応硬化せしめ硬化膜が形成されている。このような硬化膜は前記電荷輸送層(202)について説明した硬化膜と本質的で同じであるが、さらに、フィラーを含有させることもできる。
フィラーは、有機性フィラー及び無機性フィラーの両者が使用でき、有機フィラー材料としては、ポリテトラフルオロエチレンのようなフッ素樹脂粉末、シリコーン樹脂粉末、a−カーボン粉末等が挙げられ、無機性フィラー材料としては、シリカ、酸化錫、酸化亜鉛、酸化チタン、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化ビスマス、酸化カルシウム、アンチモンをドープした酸化錫、錫をドープした酸化インジウム等の金属酸化物、フッ化錫、フッ化カルシウム、フッ化アルミニウム等の金属フッ化物、チタン酸カリウム、窒化硼素などの無機材料が挙げられる。これらのフィラーの中で、フィラーの硬度の点から無機フィラーを用いることが耐摩耗性の向上に対し有利である。
更に、高画質化に有効なフィラーとしては、電気絶縁性が高いフィラーが好ましく、シリカ、酸化チタン、アルミナ、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム等が特に有効に使用できる。これらフィラー同士あるいは他のフィラーとを2種類以上を混合することも可能である。また、誘電率が5以下のフィラーと誘電率が5以上のフィラーとを2種類以上混合したりして用いることも可能である。
更に、これらのフィラーは少なくとも一種の表面処理剤で表面処理させることが可能であり、そうすることがフィラーの分散性の面から好ましい。フィラーの分散性の低下は残留電位の上昇だけでなく、塗膜の透明性の低下や塗膜欠陥の発生、さらには耐摩耗性の低下をも引き起こすため、高耐久化あるいは高画質化を妨げる大きな問題に発展する可能性がある。表面処理剤としては、従来用いられている表面処理剤を使用することができるが、フィラーの絶縁性を維持できる表面処理剤が好ましい。例えば、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、ジルコアルミネート系カップリング剤、高級脂肪酸等、あるいはこれらとシランカップリング剤との混合処理や、Al、TiO、ZrO、シリコーン、ステアリン酸アルミニウム等、あるいはそれらの混合処理がフィラーの分散性で好ましい。シランカップリング剤による処理は、やや抵抗が下がるものの、上記の表面処理剤とシランカップリング剤との混合処理を施すことによりその影響を抑制できる場合がある。表面処理量については、用いるフィラーの平均一次粒径によって異なるが、3〜30wt%が適しており、5〜20wt%がより好ましい。この塗料を浸漬法、スプレー法、リング法で塗工し、その後光、あるいは熱エネルギーで硬化させ1〜10μmの膜厚で硬化層(301)が作製される。
図4に示す感光層は、導電性支持体(101)上に中間層(302)を設けた構成を伴うであり、中間層は電荷注入防止、塗工欠陥防止、モアレ防止のために設けられ、樹脂層、あるいは顔料分散層、アルミニウム支持体であるとアルマイト層として形成され、上記樹脂層に使用する樹脂としては、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸等の水溶性樹脂、共重合性ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂など挙げられる。また、顔料分散層としては、前記樹脂に酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム等で例示できる金属酸化物、あるいは金属硫化物、金属窒化物などの微粉末を分散したものが挙げられる。
更に本発明の中間層(302)としては、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、クロムカップリング剤等を使用して、例えばゾル−ゲル法等により形成した金属酸化物層も有用である。この他に、本発明の下引き層には酸化アルミニウムを陽極酸化にて設けたものや、ポリパラキシリレン(パリレン)等の有機化合物や、SiO、SnO、TiO、ITO、CeO等の無機化合物を真空薄膜作製法にて設けたものも良好に使用できる。
この中間層(302)上には、電荷発生層(201)、電荷輸送層(203)、及び一般式(1)あるいは一般式(2)の高分子化合物と硬化性トリアリールアミン電荷輸送物質とを反応硬化せしめた硬化電荷輸送層(301)が積層される。
また、本発明においては感光層、電荷輸送層中に可塑剤やレベリング剤を添加してもよい。可塑剤としては、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート等の一般樹脂に可塑剤として使用されているものがそのまま使用でき、その使用量は、バインダ−樹脂100重量部に対して0〜30重量部程度が適当である。
一方、感光体が図1に示される単層感光層(102)の場合においては、感光層に、電荷発生物質、及び一般式(1)、一般式(2)の高分子化合物と硬化性トリアリールアミン電荷輸送物質とを含有させ硬化させるが、このほかフィラーを含有させてもよいし、さらに低分子電荷輸送物質やバインダー樹脂を併用することもできる。バインダー樹脂としては、先に積層構造の感光層の電荷輸送層に使用できるものとして挙げたバインダー樹脂のほかに、同じく電荷発生層(201)で挙げたバインダー樹脂を混合して用いてもよい。また帯電劣化防止剤として環状エーテル化合物、ポリエーテル化合物、ジフェノキノン誘導体などを添加してもよく、添加量としては結着樹脂100重量部に対して0.5〜10重量部が好ましい。
単層感光層(102)の形成は、上記の材料をテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジクロロエタン、シクロヘキサン等の溶媒を用いて分散機等で分散した塗工液を、浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコート、リングコートなどで塗工して形成できる。感光層の膜厚は、5〜25μm程度が適当である。
また、本発明においては、耐環境性の改善のため、とりわけ、感度低下、残留電位の上昇を防止する目的で、酸化防止剤を添加することができる。酸化防止剤は、有機化合物を含む層ならばいずれに添加してもよいが、特に電荷輸送物質を含む層に添加すると良好な結果が得られる。
本発明に用いることができる酸化防止剤として、下記のものが挙げられる。
モノフェノール系化合物;
2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートなど。
ビスフェノール系化合物;
2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)など。

高分子フェノール系化合物
1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ビス[3,3’−ビス(4’−ヒドロキシ−3’−t−ブチルフェニル)ブチリックアッシド]グリコールエステル、トコフェロール類など。
パラフェニレンジアミン類;
N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジ−t−ブチル−p−フェニレンジアミンなど。
ハイドロキノン類;
2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノン、2,6−ジドデシルハイドロキノン、2−ドデシルハイドロキノン、2−ドデシル−5−クロロハイドロキノン、2−t−オクチル−5−メチルハイドロキノン、2−(2−オクタデセニル)−5−メチルハイドロキノンなど。
有機硫黄化合物類;
ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジテトラデシル−3,3’−チオジプロピオネートなど。
有機燐化合物類;
トリフェニルホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、トリ(ジノニルフェニル)ホスフィン、トリクレジルホスフィン、トリ(2,4−ジブチルフェノキシ)ホスフィンなど。
これら化合物は、ゴム、プラスチック、油脂類などの酸化防止剤として知られており、市販品を容易に入手できる。
本発明における酸化防止剤の添加量は、電荷輸送物質100重量部に対して0.1〜100重量部、好ましくは2〜30重量部である。
図5は、本発明の電子写真プロセス及び電子写真装置を説明するための概略図である。
図5において、感光体(1)は導電性支持体上に少なくとも感光層が設けられ、最表面層に少なくとも、本発明の一般式(1)で表わされるバインダー樹脂と硬化性トリアリールアミン化合物とから形成された硬化層を有している。
感光体(1)はドラム状の形状を示しているが、シート状、エンドレスベルト状のものであっても良い。また、この図5の電子写真装置においては、感光体周囲に、帯電チャージャー(3)、転写前チャージャー(7)、転写チャージャー(10)、分離チャージャー(11)、クリーニング前チャージャー(13)には、コロトロン、スコロトロン、固体帯電器(ソリッド・ステート・チャージャー)、帯電ローラ等の手段が設けられているが、これら手段はそれ自体公知の手段が使用可能である。
転写手段には、一般に用いられている帯電器が使用できるが、図に示されるように転写チャージャー(10)と分離チャージャー(11)を併用したものが効果的である。
また、画像露光部(5)、除電ランプ(2)等の光源には、蛍光灯、タングステンランプ、ハロゲンランプ、水銀灯、ナトリウム灯、発光ダイオード(LED)、半導体レーザー(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)などの発光物全般を用いることができる。そして、所望の波長域の光のみを照射するために、シャープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フィルター、色温度変換フィルターなどの各種フィルターを用いることもできる。
光源等は、図5に示される工程の他に光照射を併用した転写工程、除電工程、クリーニング工程、あるいは前露光などの工程を設けることにより、感光体に光が照射される。
図示する上記電子写真装置を使用するプロセスにおいては、現像ユニット(6)により感光体(1)上に図像されたトナーは、転写紙(9)に転写されるが、全部が転写されるわけではなく、感光体(1)上に残存するトナーも生ずる。このようなトナーは、ファーブラシ(14)およびブレード(15)により、感光体より除去される。クリーニングは、クリーニングブラシだけで行なわれることもあり、クリーニングブラシにはファーブラシ、マグファーブラシを始めとする公知のものが用いられる。
電子写真感光体に正(負)帯電を施し、画像露光を行なうと、感光体表面上には正(負)の静電潜像が形成される。これを負(正)極性のトナー(検電微粒子)で現像すれば、ポジ画像が得られるし、また正(負)極性のトナーで現像すれば、ネガ画像が得られる。
かかる現像手段には、公知の方法が適用されるし、また、除電手段にも公知の方法が用いられる。
トナーはカラー化が進み、シアン、マゼンタ、イエローからなる、これらトナーは一般にトナー補給時に流動性が要求されるため、シリカ、酸化チタンなどの流動化剤が添加される。
図6には、本発明による電子写真プロセス、装置の別の例を示す。このプロセス、装置で使用される感光体(21)は、導電性支持体上に少なくとも最表面層に少なくともトリアリールアミン硬化層を有している感光層が設けられたベルト状のものである。
このベルト状感光体は駆動ローラ(22a),(22b)により駆動、支持され、帯電器(23)による帯電、光源(24)による像露光、現像(図示せず)、帯電器(25)を用いる転写、光源(26)によるクリーニング前露光、ブラシ(27)によるクリーニング、光源(28)による除電が繰返し行なわれる。図6においては、感光体(21)(勿論この場合は支持体が透光性である)に支持体側から光源(26)によるクリーニング前露光の光照射が行なわれる。
なお、ベルト感光体と駆動、支持ローラとが一体で、装置への脱着が自在にできるようにユニット化することも可能である。
図7には本発明で用いられるプロセスカートリッジの一例を示す。
本発明のプロセスカートリッジは、上記した電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、クリーニング手段より選ばれる少なくとも1つの手段とを一体的に具備し、画像形成装置本体に着脱自在に装着されるものであるが、この図7のプロセスカートリッジにおいては、感光体(1)の周辺には帯電手段として帯電ローラー(3)、感光体表面に現像材を適量供給する現像ユニット(6)、画像転写後に感光体表面をクリーニングする手段として、ブレードを備えたクリーニングユニット(16)が一体に組み込まれている。
このカートリッジは光書きこみ手段、転写手段、除電手段、定着手段、記録紙の搬送手段などの画像形成に必要な手段を具備した画像形成装置に着脱自在に取り扱い可能なように形成されている。
このカートリッジに搭載される感光体(1)としては、前記図1〜4を参照して示される感光体が使用でき、導電性支持体上に少なくとも感光層が設けられ、最表面層に少なくともトリアリールアミン硬化層を有している。
本発明においては、二重結合、水酸基をもった高分子化合物と二重結合をもった電荷輸送化合物、あるいは水酸基をもった電荷輸送物質、硬化剤の硬化電荷輸送層は機械的強度が大きく改良され、高耐久な感光体が得られた。
以下、実施例により、本発明を具体的に説明する。
[樹脂合成例1]
撹拌器、温度計、精留塔及びガス導入管を備え付けた1リットルの四つ口フラスコに、アクリル酸144部、ビスフェノール型エポキシ樹脂(エポキシ当量185)370部及びトリフェニルホスフィン3部を加え、空気気流下115℃まで徐々に昇温し更に同温度にて10時間反応させ、エポキシメタクリレートを得た。
実施例1
φ30mmアルミニウムシリンダー上にポリアミド樹脂(CM8000、東レ社製)10部、メタノール220部、n−ブタノール100部からなる溶液を5mm/secで浸漬塗工し、100℃で10分間乾燥して0.3μmの中間層を設けた。
次いで下記分散液を浸漬塗工し、120℃、10分間乾燥して0.2μmの電荷発生層を設けた。
15cmボールミルポットに下記電荷発生物質、溶剤を仕込み、φ10mmのジルコニアメディアを用いて48時間ボールミルし、その後シクロヘキサノン500部を加えミルベースを調整した。
下記構造の組成物 22部
Figure 0004056063

シクロヘキサノン 400部
次いで、上記ミルベースをメチルエチルケトン900部で希釈して電荷発生層塗工液とした。
次いで電荷発生層上に以下の塗料を調整し、リング塗工して、150℃、40分間乾燥、硬化して18μmの硬化電荷輸送層を設けて感光体を作製した。
B1の共重合体(50%トルエン溶液) 20部
V20電荷輸送物質 15部
パーカードックス12−EB(化薬アクゾ社) 8部
メラミン樹脂、スーパーベッカミンG821
(60%溶液)(大日本インキ社) 10部
テトラヒドロフラン 10部
実施例2〜13
実施例1と同様にして中間層、電荷発生層を設けた上に表4の組成で電荷輸送層を設けた。
異種硬化部位をもつバインダー樹脂は全て50%トルエン溶液であり、共重合比率は1:1重量でグリシジルメタクリレート(GMA)共重合し、GMAの当量をアクリル酸で付加させた。B13は四元共重合体でこれは1:1:1:1重量で共重合しGMAの当量をアクリル酸で付加させた。B8、B12、B20は三元共重合体でこれは1:1:1重量で共重合しGMAの当量をアクリル酸で付加させた。パーカードックス12は25%溶液。
Figure 0004056063
実施例14
φ30mmアルミニウムシリンダー上に、下記組成の中間層用塗工液、電荷発生層用塗工液、電荷輸送層1用塗工液を順次、塗布乾燥することにより、3.5μmの中間層、0.2μmの電荷発生層、20μmの電荷輸送層を形成した。更に、その上に下記硬化電荷輸送層用塗工液をスプレー法で塗工して、図8、9に示した光硬化装置で光硬化させ、その後150℃で30分間熱硬化させ3μ硬化電荷輸送層を設けた。
〔中間層用塗工液〕
下記組成をボールミルで24時間分散して調整した。
アルキッド樹脂
(ベッコゾール 1307−60−EL、大日本インキ化学工業製) 6部
メラミン樹脂
(スーパーベッカミン G−821−60、大日本インキ化学工業製) 4部
酸化チタン(CREL 石原産業社製) 40部
メチルエチルケトン 200部
〔電荷発生層用塗工液〕
下記組成をボールミルで24時間分散して調整した。
オキソチニウムフタロシアニン顔料 2部
ポリビニルブチラール(UCC:XYHL) 0.2部
テトラヒドロフラン 50部
〔電荷輸送層1用塗工液〕
下記組成を溶解し調整した。
ポリスチレン(MW1C 東洋スチレン社製) 12部
下記構造の組成物 12部
Figure 0004056063

ジクロルメタン 90部
1%シリコーンオイル(KF50信越シリコーン社製)
ジクロルメタン溶液 1部
〔電荷輸送層2用塗工液〕
B16のバインダー樹脂 10部
V12の電荷輸送物質 5部
イルガキュア184(チバスペシャルティーケミカルズ) 1部
スミジュールHT(住友化学社) 5部
THF 15部
実施例15〜18
実施例14と同様に中間層、電荷発生層、電荷輸送層を設けた上に表5に示した調合液をスプレー法で塗工し硬化電荷輸送層を設けた
Figure 0004056063
実施例19
実施例14と同様に中間層、電荷発生層、電荷輸送層を設けた上に下記処方の塗料をリング法で塗工し、150℃で40分間硬化させ硬化電荷輸送層3μmを設けた。
B20共重合体 5部
アルミナ(スミコランダムAA03、住友化学社) 1.9部
H18 2.5部
アセトン 5部
処方液はジルコニアメディアを用いて3時間振動ミルを行ない分散した。この液12部にジペンタエリスリトールポリアクリレート(NKエステルA−9530、新中村化学社)1部、スミジュールHTを1部、カヤエステルO(化薬アクゾ社)0.5部を添加、混合して塗料とした。
比較例1
実施例1と同様にして中間層、電荷発生層を設けた上に下記電荷輸送層液をリング塗工して20μmの電荷輸送層を設けた。
下記構造の組成物 8部
Figure 0004056063

ポリカーボネート樹脂(TS2050、帝人化成社) 10部
ジクロルメタン 90部
比較例2
実施例1と同様にして中間層、電荷発生層を設けた上に水酸基硬化部位を硬化反応しない以下の塗料を調整し、リング塗工して、150℃、40分間乾燥、硬化して18μmの硬化電荷輸送層を設けて感光体を作製した。
B1の共重合体(50%トルエン溶液) 20部
V20電荷輸送物質 15部
パーカードックス12−EB(化薬アクゾ社) 8部
テトラヒドロフラン 10部
比較例3
実施例1と同様にして中間層、電荷発生層を設けた上に以下の炭素−炭素二重結合の硬化反応しない(ラジカル発生剤未添加)塗料を調整し、リング塗工して、150℃、40分間乾燥、硬化して18μmの硬化電荷輸送層を設けて感光体を作製した。
B1の共重合体(50%トルエン溶液) 20部
V20電荷輸送物質 15部
メラミン樹脂、スーパーベッカミンG821
(60%溶液)(大日本インキ社) 10部
テトラヒドロフラン 10部
上記実施例1〜19の感光体及び比較例1〜3の感光体を図7に示したプロセスカートリッジに装填し、リコー製イマジオネオ270複写機で5万枚の耐久試験を行なった。露光光源は635nmのレーザー光を用いた。その結果を表6に示した。
初期暗部電位(VD)を−600V、初期明部電位(VL)を−150Vにした。表中のΔVD、ΔVLは初期電位からの変化量であり、それぞれ以下のように求めた。
Figure 0004056063
鉛筆硬度は図10で示される装置を用いて荷重200gで計測し、傷ついた前の鉛筆硬度で表わした。
摩耗量はラン前後の差をフィッシャー製渦電流膜厚計で計測した。
Figure 0004056063
硬化電荷輸送層を設けた感光体は、繰り返し使用においても摩耗量が少なく、暗部電位、明部電位の変化も少なく、また5万枚後画像の画質も良好であった。
実施例20
支持体をアルミニウムシリンダーから電鋳法で作製した厚さ30μm、周長180mm、ベルト幅340mmの円筒状ニッケル製ベルトに代え、実施例14と同様の中間層、電荷発生層設けた上に下記電荷輸送層、熱硬化電荷輸送層を設けて、エンドレスベルト状感光体を作製した。
下記電荷輸送層塗工液を浸漬法で塗工し、130℃、30分間乾燥して20μmの電荷輸送層を設けた。
下記構造の組成物 8部
Figure 0004056063

ポリカーボネート樹脂(TS2050、帝人化成社) 10部
ジクロルメタン 90部
下記硬化電荷輸送層液をスプレー法で塗工し、光照射装置で光硬化後、150℃で30分間硬化し、3μmの硬化電荷輸送層を設けた。
B2 10部
V12 5部
イルガキュアー184 1部
スミジュールHT 5部
THF 15部
実施例21
実施例20と同様にニッケル製ベルト上に中間層、電荷発生層、電荷輸送層を設けた上に下記硬化層塗工液をスプレー法で塗工し、光照射装置で光硬化後、150℃で30分間硬化し、3μmの硬化電荷輸送層を設けた。
B15 10部
V15 5部
イルガキュアー369 1部
スミジュールHT 5部
THF 15部
比較例4
実施例20と同様に下引き層、電荷発生層、電荷輸送層を設けて25μmの比較例感光体とした。
比較例5
実施例20と同様の下引き層、電荷発生層、電荷輸送層、下記硬化電荷輸送層液を塗工、光硬化装置で硬化し、150℃で30分間乾燥して、エンドレスベルト状感光体を作製した。
B2 10部
V12 5部
イルガキュアー184 1部
THF 15部
実施例20、21、比較例4、5のベルト感光体を図6記載の画像形成装置で画像評価を行なった。その際、エンドレスベルト感光体は直径20mmの2本の駆動ローラーで、支持駆動され、2本のローラーと感光体は一体で電子写真装置から着脱できるようユニット化された(以降、感光体マガジンと記す)。書き込光源は635nm発振のレーザーを用い、感光体表面電位は―800V、全面露光時の露光部電位は−100Vに初期設定した。
現像は、負帯電トナーとキャリアーからなる2成分現像剤を用いて反転現像を行なった。
評価項目は以下の如くである。
(1)常温常湿(22−25℃、40−60%RH)環境下で50000枚の画像評価、
(2)感光体マガジンを常温常湿環境下に1ヶ月放置後、感光体の耐クラック性評価、及び画像評価、
(3)感光体マガジンを30℃、85%環境下に2週間放置後、感光体の耐クラック性評価、及び画像評価、
結果を表7に示した。
Figure 0004056063
実施例はクラックのない、鮮明な画像が得られた。しかし比較例はクラックの発生、及び剥離が発生した。
本発明の電子写真感光体の一例を示す断面図である。 本発明の電子写真感光体の他の例を示す断面図である。 本発明の電子写真感光体の他の例を示す断面図である。 本発明の電子写真感光体の他の例を示す断面図である。 本発明の電子写真プロセス及び電子写真装置の一例を説明するための概略図である。 本発明の電子写真プロセス及び電子写真装置の他の例を説明するための概略図である。 本発明のプロセスカートリッジの一例を示す図である。 実施例で用いる光硬化装置を示す図である。 実施例で用いる光硬化装置を示す他の図である。 鉛筆硬度を測定するための装置を示す図である。
符号の説明
1 感光体
2 除電ランプ
3 帯電チャージャ
4 イレーサ
5 画像露光部
6 現像ユニット
7 転写前チャージャー
8 レジストローラ
9 転写紙
10 転写チャージャー
11 分離チャージャー
12 分離爪
13 クリーニング前チャージャー
14 ファーブラシ
15 ブレード
21 感光体
22a 駆動ローラ
22b 駆動ローラ
23 帯電チャージャ
24 像露光源
25 転写チャージャ
26 クリーニング前露光
27 クリーニングブラシ
28 除電光源
101 導電性支持体
102 感光層
201 電荷発生層
202 硬化電荷輸送層
203 電荷輸送層
301 硬化電荷輸送層
302 中間層




Claims (6)

  1. 導電性支持体上に少なくとも感光層を有する電子写真感光体において、
    該感光層の最表面層が、分子鎖中に2種の硬化部位を有する反応性樹脂と、該架橋剤としてメラミン樹脂またはイソシアネート基を有する化合物を混合し、前記反応性樹脂の2種の硬化部位をそれぞれ反応させた硬化膜であり、前記反応性樹脂の2種の硬化部位の一種は上記メラミン樹脂あるいはイソシアネート基を有する化合物と脱水反応により硬化する水酸基であり、もう一種はラジカル重合性の炭素−炭素二重結合であることを特徴とする電子写真感光体。
  2. 感光層の最表面が、更に水酸基又は炭素−炭素二重結合からなる重合性基を有する電荷輸送物質を含み、前記電荷輸送物質を同時に硬化させた架橋膜であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 前記2種の硬化性部位を有する反応性樹脂が、下記一般式(1)であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
    Figure 0004056063
    (式中、R、R、Rは水素またはメチル基を表わし、Arは置換もしくは未置換のアリール基を表わし、Xは−COO−であり、nは0または1、a,bは共重合比を表わし、全重量比で0.05≦a≦0.9、0.1≦b≦0.95、dは繰り返し単位を表わし5〜1000の整数である。)
  4. 前記反応性樹脂の硬化方法が光、電子線、あるいは熱エネルギーであることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の電子写真感光体。
  5. 少なくとも、帯電手段、画像露光手段、現像手段、転写手段および電子写真感光体を具備した画像形成装置であって、該電子写真感光体が請求項1乃至のいずれかに記載のものであることを特徴とする画像形成装置。
  6. 請求項1乃至のいずれかに記載の電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、クリーニング手段より選ばれる少なくとも1つの手段とを一体的に具備し、画像形成装置本体に着脱自在であることを特徴とする画像形成装置用プロセスカートリッジ。
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