JP2011043747A - 電子写真感光体、それを用いた画像形成装置及び装置用プロセスカートリッジ - Google Patents

電子写真感光体、それを用いた画像形成装置及び装置用プロセスカートリッジ Download PDF

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Abstract

【課題】クリーニング性に優れた電子写真感光体を提供する。特に、クリーニングブレードのビビリ、捩れ、反転を抑制する、及びクリーニングブレードからトナーがすり抜けてクリーニング不良となることを防止する、更に画質の均一性に優れた電子写真感光体を提供する。
【解決手段】架橋された表面層を有する電子写真感光体において、表面層の表面に凸部が形成されており、表面層と前記凸部とが同一の電荷輸送性構造を有する構造単位(A)を含む架橋体を含有し、凸部は、構造単位(A)の他に電荷輸送性構造を有さない構造部分(B)を含み、かつ構造単位(A)の含有率が表面層より高く、且つ構造部分(A)は、構造部分(A)と構造部分(B)の合計重量に対して90wt%未満であり、且つ凸部形成後の表面層の表面粗さをRzJISで表したとき、1/2×RzJIS以上の高さを有する凸部の個数が測定長さ12mm当たり30個以上300個以下である。
【選択図】図1

Description

本発明は、高い耐久性を有し、長期間にわたり高画質が維持できる電子写真感光体に関する。特に感光層の表面特性が良好であり、クリーニング性が良好な感光体に関する。また、本発明はこの感光体を使用した画像形成装置、画像形成装置用プロセスカートリッジに関する。
近年、レーザープリンタ、デジタル複写機に搭載される電子写真感光体(以下、単に「感光体」或いは「像担持体」ともいう)として、支持体上に有機光導電性材料を含有した有機感光層を設けた感光体が一般的に使用されている。なかでも、電荷発生材料と電荷輸送材料を個別の層に含有させて積層した積層型有機感光体が主流になっている。これはコスト、生産性、材料設計の自由度等によるものである。
これらの電子写真感光体は、電子写真画像形成プロセスにおいて、機械的外力、電気的または化学的なハザードに曝されるため、種々の劣化を来たす。特に、最近においてはカラー画像の出力が増加し、繰り返し長期にわたって使用する電子写真有機感光体には、従来以上にこれらの劣化に対する耐久性が要求されている。
機械的な耐久性については、現像時に主に色材と樹脂からなるトナーに添加剤として硬い無機微粒子を含有した現像剤を用いること、転写時に硬い繊維質或いは粘土質からなる添料を含有した紙に強く押付けられて擦られることのため、或いはクリーニング時にクリーニングブレードに強く摺動されるため摩耗が進む。このため、有機感光体のバインダー樹脂には高い耐久性を有するポリカーボネート、ポリアリレート等が使用される。(特許文献1の特許第2520270号公報、特許文献2の特許第3585197号公報参照)。
従来、機械的耐久性の向上に対しては、感光体の表面に保護層を設けたものが種々提案されて来た。この保護層においても、硬い金属酸化物微粒子を分散した保護層、或いは、保護層自体を架橋硬化したものが検討されている(特許文献3の特開2001−166521号公報参照)。また、感光体表面の潤滑性を良くして膜が削れることを防止する検討もなされその実用化も進んでいる(特許文献4の特公平6−82221号公報、特許文献5の特開2002−196523号公報参照)
上述したように、近年はカラー画像の出力の増加に伴い、高い画像品質が従来以上に求められているが、特に画像形成一回毎に感光体上に残る残留トナーのクリーニング性能が従来以上に求められていることが分かった。これはある程度の摩耗耐久性がある感光体が実現してはいるが、未だ満足がいかないことによる。長期の繰り返し画像形成において、感光体の表面に小さな傷、クラックが発生する場合があること、また、クリーニングのために硬いブレードの先端で感光体表面を摺動するため、ブレードが欠けて細かいトナーがすり抜ける場合もある。特に後者が発生した場合、画像に黒スジが入り、画像品質が一気に低下することになる。トナーのすり抜けによる画像劣化は、高耐久感光体の緊急な課題になっている。
感光体表面の摩耗の最大原因はクリーニングブレードであるが、トナーの転写性を上げることができれば残留トナーが減り、クリーニングブレードに与える圧力を低減でき、ブレードの欠けを抑制できるので好都合である。特許文献6の特開2001−66814号公報においては、感光体表面にプリズム型、波型、円錐型、角錐型、或いは井戸型などからなる特定形状の凹凸部を、タッチロール或いはスタンパにて形成し、トナーの離型性を上げる検討がなされている。また、電荷輸送層の全層に珪素、弗素を含むフィラー粒子を含有させて、トナーの高い転写率と感光体にかかるストレスを低減させたとの記載がある。しかし、この検討にある凹凸部形状を有する感光体は、繰り返して画像形成する場合、感光体表面の摩擦抵抗が大きくなると、却ってクリーニングブレード先端のエッジが欠けることがあった。そのためトナーのすり抜けがあった。
最近、微細な凹凸部形状を感光体の表面に転写する感光体の製造方法が、特許文献7の特開2007−233356号公報にて提案された。電荷輸輸送層のガラス転移点温度とモールドの温度と支持体の温度を特定の関係に維持してモールド加工することで、再現性のある凹形状を表面層に形成している。また、特許文献8の特許第3963473号公報において、感光体の表面層にレーザー光を照射し、表面層に複数の凹部を形成することで、感光体の表面を粗面化する方法が記載されている。これらを検討した結果、保護層に抵抗調整材を含有しても良いとあるが、レーザー光による残渣が穴に残り、容易に排出されず、画像形成の邪魔になり好ましくない。
特許文献9の特開2007−233359号公報において、感光体表面に特定の凹形状部を複数形成して、クリーニング性向上を図る検討がなされている。この凹形状の開孔部が特定の長軸径と短軸径及び深さを有しており、且つこの凹形状部が特定の面密度で表面層に存在することを特徴とすることで、クリーニングブレード等画像形成プロセスにおいて働く外力がもとで成長する表面の傷を防止している。しかし、凹部に現像剤の添加剤が詰まり画像形成を繰り返すと小さい黒点が現れる場合が見受けられることもあった。また、従来のレーザー或いはモールドによる感光体表面の凹部の形成は、表面層に微細な孔を高密度に空けることに違いはなく、表面層自体を機械的に脆くするものである。
特許文献10の特開2005−99688号公報において、感光体表面に特定の硬化性樹脂を結着樹脂として有機或いは無機のフィラーを含むものが記載されている。カーボン微粒子、フッ素樹脂微粒子、シリコーン樹脂微粒子、ダイヤモンド状カーボン、或いは酸化ケイ素、酸化チタンなどの無機フィラーを含有させた提案がなされている。確かにこの発明にある硬化性の結着樹脂は従来の樹脂マトリックスに比べて耐摩耗性が高いため画像形成動作に伴うフィラーの掘り起こし防止に効果がある。しかしながら、微粒子を多量に含有させると着色することがあり光透過性が不足になりがちである。または、有機フィラーは柔らかいため本来求めている耐久性に不足があった。無機フィラーは硬いため、表面から飛び出した状態になった場合にクリーニング用の弾性ブレードの摺動に対して局所的な大きい抵抗になり、ブレード欠けが発生してクリーニング不良が起きる場合がある。これらはフィラーの含有量を少なくしてもフィラーがある限り全くなくすことができない。即ち、フィラーの存在自体に改良の余地があった。
特許文献11の特開平7−92697号公報において、フィラーがなくてもフィラーを含有した場合と同様な効果があるとの提案がある。これは、有機感光体の最表面を形成後に最表面形成用の塗工液を希釈し、スプレーガンで塗工して表面に特定範囲の曲率を有する凹凸部を形成するものである。クリーニングブレードの反転を防止、エッジ欠損の改良を図っているが、凸部の機械的耐久性の上で改良の余地があった。
このように、従来の技術では、クリーニング性と使用経時での安定性の両立は難しかった。また、感光体表面に形状を付与する場合に、画像の不均一性という問題も生じてしまう。
本発明は、上記従来技術の問題点を解決し、クリーニング性に優れた電子写真感光体を提供することを目的とする。特に、クリーニングブレードのビビリ、捩れ、反転を抑制すること、及びクリーニングブレードからトナーがすり抜けてクリーニング不良となることを防止することができ、更に画質の均一性に優れた電子写真感光体を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記課題は、架橋された表面層を有する電子写真感光体において、該表面層の表面に凸部が形成されており、前記表面層と前記凸部とが同一の電荷輸送性構造を有する構造単位(構造単位(A))を含む架橋体を含有し、且つ前記凸部は、前記構造単位(A)と電荷輸送性構造を有さない構造部分(構造部分(B))を含み、前記構造単位(A)の含有率が前記表面層より高く、且つ前記構造部分(A)は、該構造部分(A)と前記構造部分(B)の合計重量に対して90wt%未満であり、且つ前記凸部形成後の表面層の表面粗さをRzJISで表したとき、1/2×RzJIS以上の高さを有する複数の独立した凸部を有することにより解決することができることを見出して本発明を完成した。
さらに、本発明は以下に記載するとおりの構成を備えているものを包含する。
(2).前記凸部の高さが測定長さ12mmに対して平均値として6μm以下であることを特徴とする前記(1)項に記載の電子写真感光体。
(3).前記表面層が凹部を有し、その上に前記凸部が形成されていることを特徴とする前記(1)項又は(2)項に記載の電子写真感光体。
(4).前記構造単位(A)は、前記電荷輸送性構造の部位と1つ以上のラジカル重合性官能基を有するラジカル重合性化合物に由来するものであることを特徴とする前記(1)項乃至(3)項のいずれかに記載の電子写真感光体。
(5).前記構造部分(B)は、電荷輸送性構造を有さず2つ以上のラジカル重合性官能基を有するラジカル重合性材料に主に由来するものであることを特徴とする前記(1)項乃至(4)項のいずれかに記載の電子写真感光体。
(6).前記電荷輸送性構造を有する構造単位(A)がトリアリールアミン構造であることを特徴とする前記(1)項乃至(5)項のいずれかに記載の電子写真感光体。
(7).前記架橋体が少なくとも下記一般式(1)で表されるラジカル重合性トリアリールアミン化合物を含有する塗工液を架橋させて形成されたことを特徴とする前記(1)項乃至(6)項のいずれかに記載の電子写真感光体;
Figure 2011043747
(式中、d、e、fはそれぞれ0または1の整数、R13は水素原子、メチル基を表し、R14、R15は水素原子以外の置換基を表し、複数の場合は異なってもよい。g、hは0〜3の整数を表す。Zは単結合、メチレン基、エチレン基、
又は
Figure 2011043747
を表す。)。
(8).上記置換基R14、R15が炭素数1〜6のアルキル基であることを特徴とする前記(7)項に記載の電子写真感光体。
(9).前記凸部がスプレー塗工法によって形成されたことを特徴とする前記(1)項乃至(8)項のいずれかに記載の電子写真感光体。
(10).前記電子写真感光体の感光層が支持体側から下引き層、電荷発生層、電荷輸送層、表面層の積層構成であることを特徴とする前記(1)項乃至(9)項のいずれかに記載の電子写真感光体。
(11).架橋された表面層を有する電子写真感光体を製造する方法において、該感光体は前記表面層の表面に凸部を有し、前記表面層と前記凸部とが同一の電荷輸送性構造を有する構造単位(A)を含む架橋体を含有し、前記凸部は、前記構造単位(A)の他に電荷輸送性構造を有さない構造部分(B)を含み、かつ前記構造単位(A)の含有率が前記表面層より高く、且つ前記構造部分(A)は、該構造部分(A)と前記構造部分(B)の合計重量に対して90wt%未満であり、且つ前記凸部形成後の表面層の表面粗さをRzJISで表したとき、1/2×RzJIS以上の高さを有する凸部の個数が測定長さ12mm当たり30個以上300個以下であり、前記凸部を、凸部形成用塗工液をスプレー塗工することにより前記表面層上に形成する工程を有することを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
(12).前記塗工液は、前記構造単位(A)を生じるラジカル重合性化合物と、前記構造部分(B)を主に生じるラジカル重合性材料を含有するものであることを特徴とする前記(11)項に記載の電子写真感光体の製造方法。
(13).前記スプレー塗工の後、UV照射して架橋凸部を形成する工程をさらに有することを特徴とする前記(11)項又は(12)項に記載の電子写真感光体の製造方法。
(14).少なくとも帯電、露光、現像、転写及びクリーニングの工程が順次繰り返されることによって画像形成を行う画像形成装置であって、該画像形成装置が前記(1)項
乃至(10)項のいずれかに記載の電子写真感光体を有することを特徴とする画像形成装置。
(15).前記画像形成装置において、前記現像工程に重合トナーを用いることを特徴とする前記(14)項に記載の画像形成装置。
(16).前記画像形成装置において、ステアリン酸亜鉛をブラシ状ローラで掻きとり電子写真感光体に入力する手段を有することを特徴とする前記(14)項又は(15)項に記載の画像形成装置。
(17).少なくとも2色以上の現像ステーションを有し、且つ、タンデム方式であって更に重合トナーを用いて現像することを特徴とする前記(14)項乃至(16)項のいずれかに記載の画像形成装置。
(18).少なくとも感光体、現像手段、クリーニング手段を含む画像形成装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジにおいて、前記感光体が前記(1)項乃至(10)項
のいずれかに記載の電子写真感光体であることを特徴とする画像形成装置用プロセスカートリッジ。
本発明によれば、耐久性の高い好適な凸部による粗面を有する表面層を具備した電子写真感光体が提供できる。したがって、この感光体を用いることにより良好な画像を長期にわたり提供できる高性能で且つ信頼性の高い画像形成プロセス、画像形成装置及び画像形成装置用プロセスカートリッジが提供できる。
本発明に係る電子写真感光体の層構成を示す断面図である。 本発明に係る電子写真感光体の別の層構成を示す断面図である。 本発明の感光層の表面に凸部を有する感光体の概念図である。 本発明の不定形状の凸部がランダムに配置された感光体表面の平面図である。 本発明における凸部の高さの定義を説明する図である。 本発明において凸部を形成するためのスプレー塗工装置の概念図である。 本発明に係る画像形成装置の例を示す模式断面図。 本発明に係る画像形成装置の別の例を示す模式断面図。 本発明に係る画像形成装置の更には別の例を示す模式断面図。 本発明に係る画像形成装置の更には別の例を示す模式断面図。 本発明に係る画像形成装置の更には別の例を示す模式断面図。 本発明に係る画像形成装置の更には別の例を示す模式断面図。表面粗さ・輪郭形状測定システムの構成図。 本発明の画像形成装置において感光体にステアリン酸亜鉛を供給する手段を示す模式断面図。 実施例1の粗さ計による測定断面曲線 実施例1のレーザー顕微鏡による3次元像を示す図である。
[電子写真感光体]
以下、図面を参照しつつ本発明の電子写真感光体について詳細に説明する。
図1は本発明の更には別の層構成を有する電子写真感光体の一例を模式的に示す断面図であり、導電性支持体(21)上に電荷発生層(25)と電荷輸送層(26)と架橋樹脂表面層(28)が設けられている。
図2は本発明の更には別の層構成を有する電子写真感光体の一例を模式的に示す断面図であり、導電性支持体(21)と電荷発生層(25)の間に下引き層(24)が設けられ、電荷発生層(25)の上に電荷輸送層(26)と架橋樹脂表面層(28)が設けられている。
[導電性支持体]
導電性支持体(21)としては、体積抵抗1010Ω・cm以下の導電性を示すもの、例えばアルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、銀、金、白金、鉄などの金属、酸化スズ、酸化インジウムなどの酸化物を、蒸着またはスパッタリングによりフィルム状または円筒状のプラスチック、紙などに被覆したもの、或いはアルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレスなどの板、及び、それらを、Drawing Ironing法、Impact Ironing法、Extruded Ironing法、Extruded Drawing法、切削法等の工法により素管化後、切削、超仕上げ、研摩などにより表面処理した管などを使用することができる。
[下引き層]
本発明に用いられる電子写真感光体には、導電性支持体と感光層との間に下引き層(24)を設けることができる。下引き層(24)は、接着性の向上、モワレの防止、上層の塗工性の改良、導電性支持体からの電荷注入の防止などの目的で設けられる。
下引き層は通常、樹脂を主成分とする。通常、下引き層の上に感光層を塗布するため、下引き層に用いる樹脂は有機溶剤に難溶である熱硬化性樹脂が相応しい。特に、ポリウレタン、メラミン樹脂、アルキッド−メラミン樹脂は以上の目的を十分に満たすものが多く、特に好ましい材料である。樹脂はテトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、ジオキサン、ジクロロエタン、ブタノンなどの溶媒を用いて適度に希釈したものを塗料とすることができる。
また、下引き層には、伝導度の調節やモアレを防止するために、金属、または金属酸化物などの微粒子を加えてもよい。特に酸化チタンが好ましく用いられる。
微粒子はテトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、ジオキサン、ジクロロエタン、ブタノンなどの溶媒を用いてボールミル、アトライター、サンドミルなどにより分散し、分散液と樹脂成分を混合した塗料とする。
下引き層は以上の塗料を浸漬塗工法、スプレーコート法、ビードコート法などで支持体上に成膜する。必要な場合、加熱硬化することで形成される。
下引き層の膜厚は2〜5μm程度が適当になるケースが多い。感光体の残留電位の蓄積が大きくなる場合、3μm未満にするとよい。
本発明における感光層は、電荷発生層と電荷輸送層を順次積層させた積層型感光層が好適である。
[電荷発生層]
積層型感光体における各層のうち、電荷発生層(25)について説明する。電荷発生層は(25)、積層型感光層の一部を指し、露光によって電荷を発生する機能をもつ。この層は含有される化合物のうち、電荷発生物質を主成分とする。電荷発生層は必要に応じてバインダー樹脂を用いることもある。電荷発生物質としては、無機系材料と有機系材料を用いることができる。
無機系材料としては、結晶セレン、アモルファス・セレン、セレン−テルル、セレン−テルル−ハロゲン、セレン−ヒ素化合物や、アモルファスシリコンなどが挙げられる。アモルファスシリコンにおいては、ダングリングボンドを水素原子またはハロゲン原子でターミネートしたものや、ホウ素原子、リン原子などをドープしたものが好ましく用いられる。
一方、有機系材料としては、公知の材料を用いることができ、例えば、チタニルフタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニンなどの金属フタロシアニン、無金属フタロシアニン、アズレニウム塩顔料、スクエアリック酸メチン顔料、カルバゾール骨格を有する対称型若しくは非対称型のアゾ顔料、トリフェニルアミン骨格を有する対称型若しくは非対称型のアゾ顔料、フルオレノン骨格を有する対称型若しくは非対称型のアゾ顔料、ペリレン系顔料などが挙げられる。このうち、金属フタロシアニン、フルオレノン骨格を有する対称型若しくは非対称型のアゾ顔料、トリフェニルアミン骨格を有する対称型若しくは非対称型のアゾ顔料およびペリレン系顔料は電荷発生の量子効率が軒並み高く、本発明に用いる材料として好適である。これらの電荷発生物質は、単独でも二種以上の混合物として用いてもよい。
電荷発生層に必要に応じて用いられるバインダー樹脂としては、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、ポリアリレート、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミドなどが挙げられる。また、後述する高分子電荷輸送物質を用いることもできる。このうちポリビニルブチラールが使用されることが多く、有用である。これらのバインダー樹脂は、単独でも二種以上の混合物として用いてもよい。
電荷発生層を形成する方法としては、大きく分けて真空薄膜作製法と溶液分散系からのキャスティング法がある。
前者の方法には、真空蒸着法、グロー放電分解法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、CVD(化学気相成長)法などがあり、上述した無機系材料や有機系材料からなる層が良好に形成できる。
また、キャスティング法によって電荷発生層を設けるには、上述した無機系または有機系電荷発生物質を、必要ならばバインダー樹脂と共にテトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、ジオキサン、ジクロロエタン、ブタノンなどの溶媒を用いてボールミル、アトライター、サンドミルなどにより分散し、分散液を適度に希釈して塗布すればよい。このうちの溶媒として、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、シクロヘキサノンは、クロロベンゼンやジクロロメタン、トルエンおよびキシレンと比較して環境負荷の程度が低いため好ましい。塗布は浸漬塗工法、スプレーコート法、ビードコート法などにより行うことができる。
以上のようにして設けられる電荷発生層の膜厚は通常、0.01〜5μm程度が適当である。
残留電位の低減や高感度化が必要となる場合、電荷発生層は厚膜化するとこれらの特性が改良されることが多い。反面、帯電電荷の保持性や空間電荷の形成など帯電性の劣化を来すことも多い。これらのバランスから電荷発生層の膜厚は0.05〜2μmの範囲がより好ましい。
また、必要により、電荷発生層中に後述する酸化防止剤、可塑剤、滑剤、紫外線吸収剤などの低分子化合物およびレベリング剤を添加することもできる。これらの化合物は単独または二種以上の混合物として用いることができる。低分子化合物およびレベリング剤を併用すると感度劣化を来すケースが多い。このため、これらの使用量は概して、0.1〜20phr、好ましくは、0.1〜10phr、レベリング剤の使用量は、0.001〜0.1phr程度が適当である。
[電荷輸送層]
電荷輸送層は電荷発生層で生成した電荷を注入、輸送し、帯電によって設けられた感光体の表面電荷を中和する機能を担う積層型感光層の一部を指す。電荷輸送層の主成分は電荷輸送成分とこれを結着するバインダー成分と言うことができる。
電荷輸送物質に用いることのできる材料としては、低分子型の電子輸送物質、正孔輸送物質及び高分子電荷輸送物質が挙げられる。
電子輸送物質としては、例えば非対称ジフェノキノン誘導体、フルオレン誘導体、ナフタルイミド誘導体などの電子受容性物質が挙げられる。
これらの電子輸送物質は、単独でも二種以上の混合物として用いてもよい。
正孔輸送物質としては、電子供与性物質が好ましく用いられる。
その例としては、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、トリフェニルアミン誘導体、ブタジエン誘導体、9−(p−ジエチルアミノスチリルアントラセン)、1,1−ビス−(4−ジベンジルアミノフェニル)プロパン、スチリルアントラセン、スチリルピラゾリン、フェニルヒドラゾン類、α−フェニルスチルベン誘導体、チアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、フェナジン誘導体、アクリジン誘導体、ベンゾフラン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、チオフェン誘導体などが挙げられる。
これらの正孔輸送物質は、単独でも二種以上の混合物として用いてもよい。
また、以下に表される高分子電荷輸送物質を用いることができる。例えば、ポリ−N−ビニルカルバゾール等のカルバゾ−ル環を有する重合体、特開昭57−78402号公報等に例示されるヒドラゾン構造を有する重合体、特開昭63−285552号公報等に例示されるポリシリレン重合体、特開2001−330973号公報の一般式(1)〜一般式(6)に例示される芳香族ポリカーボネートが挙げられる。これらの高分子電荷輸送物質は、単独または二種以上の混合物として用いることができる。特に特開2001−330973号公報の例示化合物は静電特性面の性能が良好であり有用である。
高分子電荷輸送物質は架橋樹脂表面層を積層する際、低分子型の電荷輸送物質と比べて、架橋樹脂表面層へ電荷輸送層を構成する成分の滲みだしが少なく、架橋樹脂表面層の硬化不良を防止するのに適当な材料である。また、電荷輸送物質の高分子量化により耐熱性にも優れる性状から、架橋樹脂表面層を成膜する際の硬化熱による劣化が少なく有利である。
電荷輸送層のバインダー成分として用いることのできる高分子化合物としては、例えば、ポリスチレン、ポリエステル、ポリビニル、ポリアリレート、ポリカーボネート、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキド樹脂などの熱可塑性または熱硬化性樹脂が挙げられる。このうち、ポリスチレン、ポリエステル、ポリアリレート、ポリカーボネートは電荷輸送成分のバインダー成分として用いる場合、電荷移動特性が良好な性能を示すものが多く、有用である。また、電荷輸送層はこの上層に架橋樹脂表面層が積層されるため、電荷輸送層は従来型の電荷輸送層に対する機械強度の必要性が要求されない。このため、ポリスチレンなど、透明性が高いものの機械強度が多少低い材料で従来技術では適用が難しいとされた材料も、電荷輸送層のバインダー成分として有効に利用することができる。
これらの高分子化合物は単独または二種以上の混合物として、或いはそれらの原料モノマー二種以上からなる共重合体として、更には、電荷輸送物質と共重合化して用いることができる。
電荷輸送層の改質に際して電気的に不活性な高分子化合物を用いる場合にはフルオレン等の嵩高い骨格をもつカルドポリマー型のポリエステル、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートなどのポリエステル、C型ポリカーボネートのようなビスフェノール型のポリカーボネートに対してフェノール成分の3,3’部位がアルキル置換されたポリカーボネート、ビスフェノールAのジェミナルメチル基が炭素数2以上の長鎖のアルキル基で置換されたポリカーボネート、ビフェニルまたはビフェニルエーテル骨格をもつポリカーボネート、ポリカプロラクトン、ポリカプロラクトンの様な長鎖アルキル骨格を有するポリカーボネート(例えば、特開平7−292095号公報に記載)やアクリル樹脂、ポリスチレン、水素化ブタジエンが有効である。
ここで電気的に不活性な高分子化合物とは、トリアリールアミン構造のような光導電性を示す化学構造を含まない高分子化合物を指す。
これらの樹脂を添加剤としてバインダー樹脂と併用する場合、光減衰感度の制約から、その添加量は、電荷輸送層の全固形分に対して50wt%以下とすることが好ましい。
低分子型の電荷輸送物質を用いる場合、その使用量は40〜200phr、好ましくは70〜100phr程度が適当である。また、高分子電荷輸送物質を用いる場合、電荷輸送成分100重量部に対して樹脂成分が0〜200重量部、好ましくは80〜150重量部程度の割合で共重合された材料が好ましく用いられる。
また電荷輸送層に二種以上の電荷輸送物質を含有させる場合、これらのイオン化ポテンシャル差は小さい方が好ましく、具体的にはイオン化ポテンシャル差を0.10eV以下とすることにより、一方の電荷輸送物質が他方の電荷輸送物質の電荷トラップとなることを防止することができる。
このイオン化ポテンシャルの関係は電荷輸送層に含有する電荷輸送物質と後述する硬化性電荷輸送物質との関係についても同様にこれらの差は0.10eVにするとよい。
なお、本発明における電荷輸送物質のイオン化ポテンシャル値は理研計器社製大気雰囲気型紫外線光電子分析装置AC−1により一般的な方法で計測して得られた数値である。
高感度化を満足させるには電荷輸送成分の配合量を70phr以上とすることが好ましい。また、電荷輸送物質としてα−フェニルスチルベン化合物、ベンジジン化合物、ブタジエン化合物の単量体、二量体およびこれらの構造を主鎖または側鎖に有する高分子電荷輸送物質は電荷移動度の高い材料が多く有用である。
電荷輸送層塗料を調製する際に使用できる分散溶媒としては、例えば、メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチルセロソルブなどのエーテル類、トルエン、キシレンなどの芳香族類、クロロベンゼン、ジクロロメタンなどのハロゲン類、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類等を挙げることができる。このうち、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、シクロヘキサノンは、クロロベンゼンやジクロロメタン、トルエンおよびキシレンと比較して環境負荷の程度が低いため好ましい。これらの溶媒は単独としてまたは混合して用いることができる。
電荷輸送層は電荷輸送成分とバインダー成分を主成分とする混合物ないし共重合体を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを塗布、乾燥することにより形成できる。塗工方法としては浸漬法、スプレー塗工法、リングコート法、ロールコータ法、グラビア塗工法、ノズルコート法、スクリーン印刷法等が採用される。
電荷輸送層の上層には、架橋樹脂表面層が積層されているため、この構成における電荷輸送層の膜厚は、実使用上の膜削れを考慮した電荷輸送層の厚膜化の設計が不要である。
電荷輸送層の膜厚は、実用上、必要とされる感度と帯電能を確保する都合、10〜40μm程度が適当であり、より好ましくは15〜30μm程度が適当である。
また、必要により、電荷輸送層中に後述する酸化防止剤、可塑剤、滑剤、紫外線吸収剤などの低分子化合物およびレベリング剤を添加することもできる。これらの化合物は単独または二種以上の混合物として用いることができる。低分子化合物およびレベリング剤を併用すると感度劣化を来すケースが多い。このため、これらの使用量は概して、0.1〜20phr、好ましくは、0.1〜10phr、レベリング剤の使用量は、0.001〜0.1phr程度が適当である。
[架橋表面層]
架橋樹脂表面層は感光体表面に製膜された保護層を指す。この保護層は塗料がコーティングされた後、重縮合反応によって架橋構造の樹脂が製膜されたものである。樹脂膜が架橋構造をもつため感光体各層の中で最も耐摩耗性が強靱である。また、架橋性の電荷輸送材料が配合されるため電荷輸送層と類似の電荷輸送性を示す。
表面層に含有させる電荷輸送材料としては、公知の電荷輸送性化合物を用いることができる。重合あるいは架橋性のモノマーやオリゴマーとしては、アクリロイルオキシ基やスチレン基を有する連鎖重合系の化合物、水酸基やアルコキシシリル基、イソシアネート基を有する逐次重合系の化合物が挙げられる。得られる電子写真特性、汎用性や材料設計、製造安定性の点から正孔輸送性化合物と連鎖重合系材料の組み合わせが好ましく、さらには正孔輸送性基およびアクリロイルオキシ基の両者を分子内に有する化合物を架橋させる系が特に好ましい。熱、光、放射線を用いて架橋硬化できる。架橋性樹脂は3次元に架橋されていることが好ましい。
[架橋表面層の材料構成]
本発明においては、電荷輸送層自体を架橋或いは硬化された樹脂で構成することができる。重合或いは架橋可能な材料の組成としては、電荷輸送構造を含み(メタ)アクリロイルオキシ基を1つ以上有する化合物が利用できる。また、電荷輸送構造を含まない(メタ)アクリロイルオキシ基を1つ以上有するモノマーやオリゴマーと併用した組成の構成にしても良い。少なくとも塗工液中にこのような化合物を含有させて表面層を形成し、熱、光、或いは電子線、γ線等の放射線によるエネルギーを与えて架橋し硬化させてできる。例えば、以下の一般式(1)にある電荷輸送性化合物が挙げられる。
Figure 2011043747
(式中、d、e、fはそれぞれ0または1の整数、13は水素原子、メチル基を表し、R14、R15は水素原子以外の置換基を表し、複数の場合は異なってもよい。g、hは0〜3の整数を表す。Zは単結合、メチレン基、エチレン基、[化2]〜[化4]を表す。)
水素原子以外の置換基R14、R15としては、電気的特性、塗工製膜性及び機械的強度の各観点から、炭素数1〜6のアルキル基が特に好ましい。
Figure 2011043747
[例示化合物]
以下に、例示化合物を挙げる。
アクリル酸2−[4’−(ジ−p−トリル−アミノ)−ビフェニル−4−イル]−エチル
Figure 2011043747
アクリル酸2−[4’−(ジ−p−トリル−アミノ)−ビフェニル−4−イル]
Figure 2011043747
Figure 2011043747
Figure 2011043747
Figure 2011043747
ラジカル重合性を有する電荷輸送性の化合物の中でも上記一般式(1)のようなトリフェニルアミン骨格を有する化合物は電子写真感光体の高感度化に有利である。また、多くの化合物の中でも一般式(1)の構造体は膜内部の硬化性に優れ、極めて有利である。
架橋樹脂層の膜厚は、電荷輸送層の場合は前述と同様5μm以上50μm以下であることが好ましく、さらには10μm以上35μm以下であることがより好ましい。第二の電荷輸送層あるいは保護層の場合は、0.1μm以上20μm以下であることが好ましく、さらには1μm以上10μm以下であることがより好ましい。
[表面層の作成方法]
架橋樹脂表面層塗料を調製する際に使用する分散溶媒はモノマーを充分に溶解するものが好ましく、上述のエーテル類、芳香族類、ハロゲン類、エステル類の他、エトキシエタノールのようなセロソルブ類、1−メトキシ−2−プロパノールのようなプロピレングリコール類を挙げることができる。このうち、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、1−メトキシ−2−プロパノールは、クロロベンゼンやジクロロメタン、トルエン及びキシレンと比較して環境負荷の程度が低いため好ましい。これらの溶媒は単独としてまたは混合して用いることができる。
架橋樹脂表面層塗料のコーティングとして、浸漬法、スプレー塗工法、リングコート法、ロールコータ法、グラビア塗工法、ノズルコート法、スクリーン印刷法等が挙げられる。多くの場合、塗料はポットライフが長くないため、少量の塗料で必要な分量のコーティングができる手段が環境への配慮とコスト面で有利となる。このうちスプレー塗工法とリングコート法が好適である。
[架橋方法]
架橋樹脂表面層を製膜する際、主に紫外光に発光波長をもつ高圧水銀灯やメタルハライドランプなどのUV照射光源が利用できる。また、ラジカル重合性含有物や光重合開始剤の吸収波長に合わせ可視光光源の選択も可能である。照射光量は50mW/cm以上、1000mW/cm以下が好ましく、50mW/cm未満では硬化反応に時間を要する。1000mW/cmより強いと反応の進行が不均一となり、架橋電荷輸送層表面に局部的な皺が発生したり、多数の未反応残基、反応停止末端が生じたりする。また、急激な架橋により内部応力が大きくなり、クラックや膜剥がれの原因となる。
必要により、架橋樹脂表面層中に電荷発生層で記載した酸化防止剤、可塑剤、滑剤、紫外線吸収剤などの低分子化合物及びレベリング剤、また電荷輸送層で記載した高分子化合物を添加することもできる。これらの化合物は単独または2種以上の混合物として用いることができる。低分子化合物及びレベリング剤を併用すると感度劣化を来すケースが多い。このため、これらの使用量は概して塗料総固形分中の0.1〜20wt%、好ましくは0.1〜10wt%、レベリング剤の使用量は0.1〜5wt%程度が適当である。
[凸部の構成]
また、本発明における感光体の表面は、架橋表面層の表面に電荷輸送性化合物の架橋体を含有する凸部を多数設ける構成を備えている。
従来、感光体のブレードクリーニング性に関する現象について、感光体の表面粗さを表すRz、Ra等の性状パラメーターにて規定し、把握する方法が用いられてきたが、本発明はこれらの性状パラメーターでは把握できない表面性状を課題解決手段としている。即ち、本発明は表面に形成された特定凸部(特定材質と特定形状との選択的組合せ)がクリーニング性に特有な働きを有していることが判明してなされたものであり、該特定の凸部自体による予想外の効果を見出したものということもできる。
すなわち、本発明は、このような観点から見た場合、表面に形成された前記の凸部、即ち「特定の凸部自体」がクリーニング性に特有な働きを有しているとの知見に基づくものと換言することができる。前記特定形状についてまず説明すると、2001年JIS規格(JIS B0601:’01)で規定するRzJISが、表面にある山と谷を平均線からの距離として数値化して把握するのに対し、本発明においては凸部を「凸部が形成される架橋表面層」のうねり曲線上から頂上までの距離として数値化して把握する。
因みに、RzJISは下記計算式(1)によって表され、表面粗さ計から得られる測定断面曲線にカットオフ値λc及びλsの位相補償帯域通過フィルターを適用して得た基準長さの粗さ曲線において、最高の山頂から高い順に5番目までの山の高さの平均と最深の谷底から深い順に5番目までの谷深さの平均との和である。
RzJIS = 1/5Σ(Zpi+Zvj);i、j=1〜5 計算式(1)
(Zpi:i番目の山の平均線からの距離、Zvj:j番目の谷の平均線からの距離)
上記の如く、指定された測定長さの中で単に大きい順に5つの山と5つの谷を選択するものであり、最も高い山の隣に最も深い谷があるとは限らないこと、山と谷が別々に離れた場所で選択されることがある。同じRz値であっても表面形状が異なることがある。また、選択されなかった山と谷があるため、表面性状の充分な把握に不足である。
本発明の独立した凸部の概念の一例を図3(斜視図)に示す。この凸部は感光体表面から外向きに飛び出した状態である。凸部は指定された測定長さにおけるRzの2分の1以上の高さを有する凸部と定義することができる。この特定の凸部が、前記特定材質と相俟って、クリーニング性に重要である。次いで、凸部が独立していることが好ましい。更に、凸部の頂上が平坦であることが好ましい。また、研摩されていること或いは滑らかであることが好ましい。また凸部の裾部は滑らかであることが好ましい。裾部は凸部の周囲にあって他の凸部を隔てる溝部を構成しても良い。
図4に本発明の凸部の形状と配置の概念例としてランダム配置の凸部を示した。
図4は、凸部のRzの2分の1の高さにおける横断面(平面図)の形状を示したものである。横断面の形状については上記の構成のものであれば如何なる形状でも良く、図示したものに限定されるものではない。凸部の配置はランダムでも規則的でも構わない。斜線の部分が凸部であり、凸部は斜線以外の領域から感光体の表面の外に出ていることを表す。
測定方向の取り方は感光体の画像形成表面であれば任意に取ることができる。円筒状感光体の場合の測定方向は、周方向又は軸方向或いはその間の方向のいずれでも構わないが、粗さ測定機の測定台の形式から便宜上軸方向にしている。
[凸部の高さ]
凸部の高さは、凸部が形成された架橋表面層の粗さ測定から得られるうねり曲線を基準にした凸の頂上までの距離である。粗さ計から得られた測定断面曲線についていえば、測定長さの位置、方向によって、凸部の頂上を通らずに裾を通る場合があるが、測定断面曲線にピークが認められれば、その近傍に頂上がある確率が高いと考え、測定断面曲線におけるピークの数を実際の感光体表面にある凸の数の代用にした。また、Rz以上の凸を数えることより、1/2×Rz以上の凸を数えることで実際の凸を把握する確率を上げようとした。
前記のように、本発明においては、架橋表面層がうねりを含むので、凸の高さにうねりの変位を含めることが適当である。即ち、測定断面曲線において測定長12mmに範囲にある最も深い谷を1つ選択し、一律にこれを基準にして測定長さの中にある各ピークの頂上までの距離を測って凸の高さを求めた。
[凸部の個数]
本発明は感光体表面の任意の位置において、指定された面積内にある凸部の個数を計測し密度(凸部の「面密度」ともいう)を規定することもできる。凸部の形状、大きさによって適切な範囲の計測のための面積が指定される。通常、その面積は100μm四方から15mm四方である。例えばスプレー塗工法による場合、1mmから15mm四方程度が選択される。しかしながら、凸部の面密度を規定する方法は測定機が限られ、専用の測定ソフトウエアが必要な場合が多く、簡便に測定できないことがある。本発明は、利用し易い面粗さ計を用いた簡便な測定を少なくとも4回行い、1/2×RzJIS以上の高さを有する凸部の個数の平均値を求めて、規定する方法を採用することで測定の信頼性を確保する。従って、表面の任意位置において測定長さ12mmを指定して表面にある凸部の個数を計測することで規定した。
凸の個数を測定する場合を具体的に説明する。まずJIS B0601:’01に準拠したRzJISを求める。本発明においては、面粗さを測定できる形状測定機(東京精密社製サーフコム1400D(測定子DT43801)を使用した例を示すが、これに限定されない。次に得られた測定断面曲線において測定長さの中にある1/2×RzJIS以上の高さを有する凸部の個数を数えることで本発明の凸部の密度を計測する。本発明においてはデジタルデータである測定断面曲線に凸の高さを自動計測するプログラムを自作し、うねり曲線を含むデジタルデータを対象にすることでうねり曲線から1/2×RzJIS以上の高さの凸を計った。このデジタルデータは約3万個の測定点を含むが、これを約1/5に間引き7680個にした。このサンプリングにより得られたデータを測定開始から測定点順に並べ、高さの変化を求め、高さが40%以上の変化があった測定点が見つかった場合に凸に相当するピークを認識することにした。このようにすることにより、際立って高い凸部の個数を把握できた。このようにして得られた1/2×RzJIS以上の高さを有する凸を用いると、特にトナーのすり抜けを評価することに有効である。
測定長さは、表面形成方法、使用するトナーの粒径又はブレードの性質にもよるが、通常100μmから15mm程度である。スプレー塗工による表面層の凸部については1mmから15mmが選択できる。感光体表面にスプレー塗工により凸部が形成された場合、測定長さ12mm当たり凸部が30個以上300個以下であることが好ましい。潤滑剤を供給して使用する際においても、塗布性の観点から有利である。
表面が電荷輸送層からなる円筒状の積層感光体に条件を変えてスプレー塗工し、凸部状態が異なる6種の表面を得た。条件は、吹き付け速度10(mm/s)、感光体回転数200(rpm)、スプレーガン開度8(目盛り数)、霧化圧力2(kgf/mm)を中心に振った。感光体表面の軸方向において、任意位置の測定データとして4点測定したところ、全て類似の測定断面曲線であった。また、Rzの値は特異的な変動が少ないものであった。これらの結果を実施例に示す。
その測定結果を以下の表1に示す。
また、1/2×Rz以上の高さを有する凸の個数を以下の表2に示す。ここで、条件1〜6は、吹き付け速度(mm/s)がそれぞれ5、5、10、10、15、15であり、感光体回転数(rpm)がそれぞれ100、300、200、300、200、100であり、スプレーガン開度(目盛り)がそれぞれ8,4,4,8,8,12であり、霧化圧力(kgf/mm)がそれぞれ2,1,2,3、1,2である。
n=1〜4は、同一条件下での異なる4地点におけるデータ値である。
Figure 2011043747
Figure 2011043747
上記の測定断面曲線から得られる凸部の個数の平均値は、実際の表面にあるランダム配置された凸部の個数を代表していると考える。
本発明における凸部は、表面粗さ計にて断面曲線を得た場合、凸部の高さがRzの2分の1より大きい凸部であることで把握できるものであるが、以下に詳述するように、本発明の感光体にある特定の独立した凸部を形成するための具現化する方法については、公知の技術を含めて、どのような技術を用いても良い。凸部の形成方法には、凸部形成用塗工液を霧化し外部から転移させて形成する方法、或いは一旦形成された表面に機械的又は熱的なエネルギーを加えて表面の破壊を伴う形成方法がある。前者では、例えばスプレー塗工方法、インクジェットによる方法、印刷方法が挙げられる。後者では雌型を使ったモールド加工法、マスクを使用したレーザーアブレーションによる凸部の周囲の溝部形成がある。結果として凸部ができればよい。両者とも本発明に利用できる。好ましくはひずみが少ない前者である。後者は表面層の破壊が伴うので前者に次ぐ方法と位置付ける。また、加工ひずみを伴う場合には後に熱アニールを加えてもよい。
特にスプレー塗工方法による複数の独立した凸部はレーザー顕微鏡像にて、縦横倍率50:1において「釣鐘」様の凸部の形状を確認した。放物線を回転したような形状であった。凸部の形成方法独特の形状と予想する。縦と横の倍率を近づけた場合の概念図を図5に示す。釣鐘を横方向に伸ばした断面形状に近いと予想する。
本発明の上記の独立した凸部を表面に設ける構成は、従来技術である特開2007−233359号公報等にあるような微細な凹部が感光体の表面に多数設けるものではなく、また特開2007−233359号公報にあるような井戸型凹凸でもない。
本発明の効果として、弾性体からなるクリーニングブレードが多数の凸部の頂上に当接されることになるので、多数の接触点で保持されるためブレードの滑りが良くなる。溝部が連結しているので、異物が排出され易い場合が多いことである。また、画像形成プロセスが繰り返されることで、凸部が破壊されても、破壊はその凸部に限定される場合が多く好都合である。本発明の凸は、従来にある凹部を多数設ける構成より、優れて課題を解決できる。
感光体表面にある凸部の高さを、後に詳述されるような特定の材質を用い、適切な範囲で構成する。
凸部の高さは、6μm以下が好ましい。これより大きいとトナーがすり抜ける場合がある。トナーの体積平均粒径に合わせて高さを決めることができる。トナーの体積平均粒径以下にすることが好ましい。また、0.5μm以上であることがより好ましい。
[凸部の材質]
前記凸部材質について説明すると、表面層と同じ範疇の材料を用いることで、高い相溶性が得られこともあって、凸部の剥離がなく、高強度のものが得られるほか、OPC感光体製造の際、凸部の状態(凸部のサイズ、数)を、表面層の表面状態(輪郭)と相関させて調節することができる利点がある。本発明は、凸部が硬化性樹脂として特定の電荷輸送性化合物の架橋体を含有し、且つ特定範囲の含有量を有する構成である。そのため、凸部自体の強度が大きいので、クリーニングブレードに対して抵抗力がある。硬化性樹脂としては、凸部がテトラヒドロフラン、トルエン等の溶媒に溶解しない位に架橋密度が高い方が好ましい。即ち、クリーニングブレードの摩擦力に耐える凸部が構成される必要がある。クリーニングブレードは、一般的にポリウレタン等の硬いゴム状の弾性体からなり、板状を呈している。例えばこれをカウンター方向に感光体表面に当接した場合を説明する。
感光体の表面を摺動して転写残トナーをクリーニングするが、このときクリーニングブレードの先端は感光体表面との摩擦により微細な振動(ブレードと感光体間の摩擦力によって、ブレード自身がスティックとスリップを周期的に繰り返すスティックスリップ)を起こしているといわれており、クリーニングブレードの特性と感光体表面の条件によりその振動状態が変わる。安定的に微細な振動が継続することはクリーニングには好ましいとされている。本発明においては、微細な振動を助長する効果もあわせ持つと思われる。クリーニングブレードの先端の滑りを継続的に安定化するように構成される。
本発明の感光体表面の凸部の形状は、公知のレーザー顕微鏡、光学顕微鏡、電子顕微鏡あるいは原子間力顕微鏡を用いて測定できる。例えば、レーザー顕微鏡としてキーエンス社製の超深度形状測定顕微鏡VK−8550、菱化システム社製の表面形状測定システムSurface Explorer SX−520DR型機、オリンパス社製の走査型共焦点レーザー顕微鏡OLS3000等が利用できる。光学顕微鏡としては、キーエンス社製デジタルマイクロスコープVHX−500、オムロン社製3DデジタルマイクロスコープVC−7700が利用できる。電子顕微鏡としては、キーエンス社製の3Dリアルサーフェスビュー顕微鏡VE−9800、島津製作所社製の走査型電子顕微鏡SUPERSCAN SS−550が利用できる。原子力間顕微鏡としては、キーエンス社製ナノスケールハイブリッド顕微鏡VN−8000、島津製作所社製走査型プローブ顕微鏡SPM−9600が利用できる。これらの顕微鏡を用いて凸部の形状、裾部の状態、配置、高さ或いは頂上部を観測し計測することができる。
[感光体表面の凸部の形成方法]
凸部の形成方法としては、上述の凸部に係る要件を満たし得る方法であれば、特に制限はなく、上記したような種々の方法が採用できるが、前記材質及び形状の凸形状を形成するための組成の塗工液をスプレーガンから電子写真感光体の表面に吹き付けて凸部を形成するスプレー塗工法が好ましい。
以下、スプレー塗工法について述べる。
公知のスプレー加工(塗工)法が利用できる。図6にスプレー塗工装置の概要を示す。
図示しない回転駆動装置にて感光体ドラムを所定の速度で回転させておく。次いでスプレーガンを有する移動塗布体に塗工液と気体を所定の圧力で供給しつつ、感光体ドラムの軸方向にオシレート(移動)させ、霧状にした塗工液を感光体ドラムに吹き付けて塗布膜を形成できるようにしたものである。
本発明において凸部の形態(凸部サイズ、凸部数)に影響を与える基本的な塗工条件は主に、塗工液の濃度と溶媒種類(溶解度が高いか否か、毒性や危険性等)であり、また、それらの結果としての粘度と蒸発速度が挙げられ、さらに他に、感光体の回転数、オシレート速度、スプレーガンの吐出口の形態、及び特に供給する気体の圧力、流量は、確実に制御し易い条件であるため主要な条件である。
また、用いる塗工材料によっても塗工液の粘度が異なり、したがって塗工による凸部携帯に影響がない訳ではないが、本発明における前記「構造部分(A)と前記構造部分(B)の合計重量に対して90wt%未満であり、且つ前記凸部形成後の表面層の表面粗さをRzJISで表したとき、1/2×RzJIS以上の高さを有する凸部の個数が測定長さ12mm当たり30個以上300個以下」は、例えば、塗工液中の前記電荷輸送性構造を有する化合物量と電荷輸送性構造を有さない多官能モノマー量の合計を10%〜20%(重量部/塗工液重量部)とすることにより、簡単に達成することができる。
[凸部のドナー含有濃度]
また、前記のように、凸部の電荷輸送性構造を有する構造単位(A)を含む架橋体の含有濃度は、表面層よりも高い必要がある。これは、凸部と表面層との間の電荷輸送能力の差を緩和し、画像濃度をより均一にするためである。しかし、含有濃度が高すぎても、前記電荷輸送性構造を有さない構造部分(B)のためのモノマーの比率が低すぎて、凸部自体の強度が失われてしまうため、不都合がある。そこで、凸部における電荷輸送性構造を有する構造単位(A)のためのモノマー含有濃度(電荷輸送性構造を有さないラジカル重合性モノマーと電荷輸送性構造を有するモノマーの合計量に対する)が90wt%未満である必要がある。
[凹部の形成と凸部形成方法の組合せ]
さらに凸部を形成する別の方法として、あらかじめ表面層に凹部を形成させておく方法も有用である。凹部を形成させておくことのメリットとしては、1.凸部と表面層における電荷輸送能力の差を緩和する; 2.スプレーで凸部を形成した場合に凸部の個数などを制御しやすい; 3.凸部が破壊されにくい、が挙げられる。1については、凹部に凸部が形成されると、凹部の深さの分だけ電荷輸送性構造を有する構造単位を含む架橋体の含有濃度が高い凸部部分の割合が増えるので、上記で説明した凸部における含有濃度の効果を助長する効果がある。2については、凸部をスプレーで形成する場合に、表面層の凹部の個数に応じて、塗工後に形成される凸部の個数を変化させることが可能となる。3については、平滑の面に凸部を形成させるのに比べ、凹部上に凸部を形成させた場合の方が、下地と接着面積が増加し、ブレードなどの摺擦に対してより強靭性を増す。
[凹部の形成方法]
凹部の形成方法としては、特に制限はないが、表面層中に反応性シリコーンオイルを適量加える方法やサンドブラスト、レーザー加工、特定の形状を有するモールドによる方法が考えられる。
反応性シリコーンオイルは、ラジカル重合性官能基としてメタクリロイルオキシ基を有し、且つジメチルシロキサン構造を繰り返し単位として有することを特徴とした反応性シリコーン化合物である。
具体例としてラジカル重合性官能基が1つ及び2つのものをそれぞれ一般式(4)、(5)に示す。
Figure 2011043747
(上記一般式(4)中のR41 はメタクリロイルオキシ基、R42 、R43 、R44、R45、R46 は互いに同一又は異種の水素原子または炭素数1〜12のアルキル基又はアリール基、Aは炭素数2〜6のアルキレン基または単結合、nは2以上の整数である。)
Figure 2011043747
(上記一般式(5)中のR41 、R46 は、メタクリロイルオキシ基、R42 、R43 、R44、R45 は互いに同一又は異種の水素原子または炭素数1〜12のアルキル基又はアリール基、Aは炭素数2〜6のアルキレン基または単結合、nは2以上の整数である。)
ラジカル重合性官能基を有し、且つジメチルシロキサン構造を繰り返し単位として有することを特徴とした反応性シリコーンオイルは公知の方法としてメタクリル酸とアルキレングリコールとのエステルを得、これにトリメチルシリル化合物ないしポリジメチルシロキサン化合物を縮合反応させる方法、メタクリル酸とアリルアルコールなどとのエステルを得、これにトリメチルシリル化合物ないしポリジメチルシロキサン化合物を付加反応させる方法で調製することができるが、市販品を用いることもできる。
市販品としては、例えば、X−22−164A(官能基当量860、信越化学工業株式会社製)、X−22−164B(官能基当量1630、信越化学工業株式会社製)、X−22−164C(分子量2370、信越化学工業株式会社製)、X−22−164E(官能基当量3900、信越化学工業株式会社製)、X−22−174DX(官能基当量4600、信越化学工業株式会社製)、X−22−2426(官能基当量12000、信越化学工業株式会社製)等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。ここでの官能基当量とは、官能基数に対する分子量の割合を意味する。これらの反応性シリコーンオイルは1種又は2種以上を混合して用いてもよい。
官能基当量に関しては、500より低い場合は、反応性が高く膜中に取り込まれてしまう分が多くなり、表面の凹部が形成されなくなる。逆に12000よりも高い場合は反応性が十分でなく、膜と反応しないシリコーンオイルが多くなり、多量に表面に出てくるため、狙いの膜が形成されない。
添加量に関しては、反応性シリコーンオイルの官能基数が2で、且つ官能基当量が500〜4000である場合は、硬化表面層を形成する塗工液固形分に対して1〜25%であることが望ましい。
また、反応性シリコーンオイルの官能基数が1で、且つ官能基当量が4000〜12000である場合は、硬化表面層を形成する塗工液固形分に対して1〜10%であることが望ましい。
[画像形成装置の形態]
以下、図面に沿って本発明で用いられる画像形成装置を説明する。
図7は、本発明の画像形成装置を説明するための概略図であり、後述するような変形例も本発明の範疇に属するものである。
図7において、感光体(11)は、架橋樹脂表面層を積層する電子写真感光体である。感光体(11)はドラム状の形状を示しているが、シート状、エンドレスベルト状のものであってもよい。
帯電手段(12)は、コロトロン、スコロトロン、固体帯電器(ソリッド・ステート・チャージャー)、帯電ローラを始めとする公知の手段が用いられる。帯電手段は、消費電力の低減の観点から、感光体に対し接触若しくは近接配置したものが良好に用いられる。中でも、帯電手段への汚染を防止するため、感光体と帯電手段表面の間に適度な空隙を有する感光体近傍に近接配置された帯電機構が望ましい。転写手段(16)には、一般に上記の帯電器を使用できるが、転写チャージャーと分離チャージャーを併用したものが効果的である。
露光手段(13)、除電手段(1A)等に用いられる光源には、蛍光灯、タングステンランプ、ハロゲンランプ、水銀灯、ナトリウム灯、発光ダイオード(LED)、半導体レーザー(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)などの発光物全般を挙げることができる。そして、所望の波長域の光のみを照射するために、シャープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フィルター、色温度変換フィルターなどの各種フィルターを用いることもできる。
現像手段(14)により感光体上に現像されたトナー(15)は、印刷用紙やOHP用スライドなどの印刷メディア(18)に転写されるが、全部が転写されるわけではなく、感光体上に残存するトナーも生ずる。このようなトナーは、クリーニング手段(17)により、感光体より除去される。クリーニング手段は、ゴム製のクリーニングブレードやファーブラシ、マグファーブラシ等のブラシ等を用いることができる。
電子写真感光体に正(負)帯電を施し、画像露光を行うと、感光体表面上には正(負)の静電潜像が形成される。これを負(正)極性のトナー(検電微粒子)で現像すれば、ポジ画像が得られるし、また、正(負)極性のトナーで現像すれば、ネガ画像が得られる。係る現像手段には、公知の方法が適用され、また、除電手段にも公知の方法が用いられる。
図8には、本発明による電子写真プロセスの別の例を示す。図8において、感光体(11)は、架橋樹脂表面層を積層する電子写真感光体である。感光体(11)はベルト状の形状を示しているが、ドラム状、シート状、エンドレスベルト状のものであってもよい。感光体(11)は駆動手段(1C)により駆動され、帯電手段(12)による帯電、露光手段(13)による像露光、現像(図示せず)、転写手段(16)による転写、クリーニング前露光手段によるクリーニング前露光、クリーニング手段(17)によるクリーニング、除電手段(1A)による除電が繰返し行なわれる。図8においては、感光体(この場合は支持体が透光性である)の支持体側よりクリーニング前露光の光照射が行われる。
以上の電子写真プロセスは、本発明における実施形態を例示するものであって、もちろん他の実施形態も可能である。例えば、支持体側よりクリーニング前露光を行っているが、これは感光層側から行ってもよいし、また、像露光、除電光の照射を支持体側から行ってもよい。一方、光照射工程は、像露光、クリーニング前露光、除電露光が図示されているが、他に転写前露光、像露光のプレ露光、およびその他公知の光照射工程を設けて、感光体に光照射を行うこともできる。
また、以上に示すような画像形成手段は、複写機、ファクシミリ、プリンター内に固定して組み込まれていてもよいが、プロセスカートリッジの形でそれら装置内に組み込まれてもよい。プロセスカートリッジの形状は多く挙げられるが、一般的な例として、図9に示すものが挙げられる。感光体(11)はドラム状の形状を示しているが、シート状、エンドレスベルト状のものであってもよい。
図8には本発明による画像形成装置の別の例を示す。この画像形成装置では、感光体(11)の周囲に帯電手段(12)、露光手段(13)、ブラック(Bk)、シアン(C)、マゼンタ(M)、およびイエロー(Y)の色毎の現像手段(14Bk,14C,14M,14Y)、中間転写体である中間転写ベルト(1F)、クリーニング手段(17)が順に配置されている。ここで、図中に示すBk、C、M、Yの添字は上記のトナーの色に対応し、必要に応じて添字を付けたり適宜省略する。感光体(11)は、架橋樹脂表面層を積層する電子写真感光体である。各色の現像手段(14Bk,14C,14M,14Y)は各々独立に制御可能となっており、画像形成を行う色の現像手段のみが駆動される。 感光体(11)上に形成されたトナー像は中間転写ベルト(1F)の内側に配置された第1の転写手段(1D)により、中間転写ベルト(1F)上に転写される。第1の転写手段(1D)は感光体(11)に対して接離可能に配置されており、転写動作時のみ中間転写ベルト(1F)を感光体(11)に当接させる。各色の画像形成を順次行い、中間転写ベルト(1F)上で重ね合わされたトナー像は第2の転写手段(1E)により、印刷メディア(18)に一括転写された後、定着手段(19)により定着されて画像が形成される。第2の転写手段(1E)も中間転写ベルト(1F)に対して接離可能に配置され、転写動作時のみ中間転写ベルト(1F)に当接する。
転写ドラム方式の画像形成装置では、転写ドラムに静電吸着させた転写材に各色のトナー像を順次転写するため、厚紙にはプリントできないという転写材の制限があるのに対し、図10に示すような中間転写方式の画像形成装置では中間転写体(1F)上で各色のトナー像を重ね合わせるため、転写材の制限を受けないという特長がある。このような中間転写方式は図10に示す装置に限らず前述の図7、図8、図9および後述する図11(具体例を図12に記す。)に記す画像形成装置に適用することができる。
図11には本発明による画像形成装置の別の例を示す。この画像形成装置は、トナーとしてイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)の4色を用いるタイプとされ、色毎に画像形成部が配設されている。また、各色の感光体(11Y,11M,11C,11Bk)が設けられている。この画像形成装置に用いられる感光体(11)は、架橋樹脂表面層を積層する電子写真感光体である。各感光体(11Y,11M,11C,11Bk)の周りには、帯電手段(12)、露光手段(13)、現像手段(14)、クリーニング手段(17)等が配設されている。また、直線上に配設された各感光体(11Y,11M,11C,11Bk)の各転写位置に接離する転写材担持体としての搬送転写ベルト(1G)が駆動手段(1C)にて掛け渡されている。この搬送転写ベルト(1G)を挟んで各感光体(1Y,1M,1C,1Bk)に対向する転写位置には転写手段(16)が配設されている。
図11の形態のようなタンデム方式の画像形成装置は、色毎に感光体(1Y,1M,1C,1Bk)を持ち、各色のトナー像を搬送転写ベルト(1G)に保持された印刷メディア(18)に順次転写するため、感光体を一つしか持たないフルカラー画像形成装置に比べ、はるかに高速のフルカラー画像の出力が可能となる。
[ステアリン酸亜鉛供給]
本発明では、図13に示すように潤滑剤(3A)を感光体表面に供給するためのステアリン酸亜鉛供給手段として、潤滑剤塗布装置(3C)を上記の画像形成装置について設けてもよい。
この潤滑剤塗布装置は、塗布部材としてのファーブラシ(3B)、固体潤滑剤(3A)、潤滑剤をファーブラシ方向に押圧するための加圧バネ(3D)を有している。このときの固体潤滑剤(3A)はバー状に成型されたステアリン酸亜鉛である。ファーブラシ(3B)は感光体表面にブラシ先端が当接しており、軸を中心に回転することによって固体潤滑剤(3A)を一端ブラシに汲み上げ、感光体表面との当接位置までブラシ上に担持搬送して感光体表面に入力する。
また、経時で固体潤滑剤(3A)がファーブラシ(41)に掻き削られて減少してもファーブラシ(3B)に接触しなくならないように、加圧バネ(3D)によって所定の圧力で固体潤滑剤(3A)がファーブラシ(3B)側に押圧されている。これによって、微量の固体潤滑剤3Aでも常に均一にファーブラシ3Bに汲み上げられる。
また、感光体表面に付着した固体潤滑剤の定着性を高めるための固体潤滑剤定着手段を設けてもよい。この手段はクリーニングブレードのような板をトレーリング方式で設ける手段や、ゴムロールを感光体に押し合てる手段がある。
固体潤滑剤(3A)としては、例えば、オレイン酸鉛、オレイン酸亜鉛、オレイン酸銅、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸コバルト、ステアリン酸鉄、ステアリン酸銅、パルミチン酸亜鉛、パルミチン酸銅、リノレン酸亜鉛等の脂肪酸金属塩類や、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリトリフルオロクロルエチレン、ジクロロジフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−オキサフルオロプロピレン共重合体等のフッ素系樹脂が挙げられるが、特に感光体(1)の摩擦係数を低減する効果の大きいステアリン酸金属塩、更にはステアリン酸亜鉛が一層好ましい。
次に、実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例中において使用する「部」は、すべて重量部を表わす。
[下引き層]
Al製支持体(外径40mmφ)に、乾燥後の膜厚が3.5μmになるように浸漬法で塗工し、下引き層を形成した。
(下引き層用塗工液)
アルキッド樹脂 6部
(ベッコゾール1307−60−EL、大日本インキ化学工業製)
メラミン樹脂 4部
(スーパーベッカミン G−821−60、大日本インキ化学工業製)
酸化チタン 40部
(CR−EL:石原産業)
メチルエチルケトン 50部
[電荷発生層]
この下引き層上に下記構造のビスアゾ顔料を含む電荷発生層塗工液に浸漬塗工し、加熱乾燥させ、膜厚0.2μmの電荷発生層を形成した。
(電荷発生層用塗工液)
下記構造のビスアゾ顔料 2.5部
Figure 2011043747
ポリビニルブチラール(XYHL、UCC製) 0.5部
シクロヘキサノン 200部
メチルエチルケトン 80部
[電荷輸送層]
この電荷発生層上に下記構造の電荷輸送層用塗工液を用いて、浸積塗工し、加熱乾燥させ、膜厚22μmの電荷輸送層とした。
(電荷輸送層用塗工液)
ビスフェーノルZ型ポリカーボネート 10部
下記構造の低分子電荷輸送物質 10部
Figure 2011043747
テトラヒドロフラン 80部
1%シリコーンオイルのテトラヒドロフラン溶液 0.2部
[架橋表面層]
電荷輸送層上に下記構成の架橋表面層塗工液を用いて、ドラム回転速度;80rpm、スプレーガン送り速度;16.5mm/s、吐出量4.5ml/min、吹きつけ圧力;2.5kgf/cm、吹きつけ回数;1回の条件でスプレー塗工を行い、10分間の指触乾燥を行った。続いて、このドラムとUV硬化ランプから120mm距離を置いて、ドラムを回転させながらUV硬化を施した。この位置でのUV硬化ランプ照度は550mW/cm(紫外線積算光量計UIT−150、ウシオ社製による測定値)であった。また、ドラムの回転速度は25rpmとした。UV硬化を行う際、アルミニウムドラム内に30℃の水を循環させて連続3分間、UV硬化した。その後、130℃にて30分間加熱乾燥した。結果、5.0μmの架橋樹脂表面層を設け本発明の電子写真感光体を得た。
(架橋表面層塗工液)
電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマー 9部
トリメチロールプロパントリアクリレート
(KAYARAD TMPTA、日本化薬製)
分子量:382、官能基数:3官能、分子量/官能基数=99
電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物 9部
(アクリル酸2−[4’−(ジ−p−トリル−アミノ)−ビフェニル−4−イル]−エチル)
Figure 2011043747
光重合開始剤 2部
1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン
(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)
テトラヒドロフラン 100部
(KF50−100CS、信越化学工業製)
[凸部]
次いで、得られた電子写真感光体上に、上記架橋表面層塗工液を電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマー(表1中では「ドナー」と略記)を7.2部に、電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物の添加量を10.8部に、それぞれ変更したものを用いてスプレー塗工した。
塗工条件は、同じスプレーガンであり、ドラム回転速度;80rpm、スプレーガン送り速度;8.4mm/s、吐出量1.6ml/min、吹きつけ圧力;3.0kgf/cm、吹きつけ回数;1回の条件で行った。同様に、UV硬化し、加熱乾燥した。その結果、架橋された樹脂を含有する凸部が形成された。
実施例1において、凸部の塗工を以下の条件に変更する以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作成した。
変更内容;塗工条件をドラム回転速度;80rpm、スプレーガン送り速度;8.4mm/s、吐出量1.0ml/min、吹き付け圧力3.0kgf/mm、吹きつけ回数;1回に変更。
実施例2において、凸部の塗工を以下の条件に変更する以外は実施例2と同様に電子写真感光体を作成した。
変更内容;二回目の凸部の塗工液において、電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマーを5.4部に、電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物の添加量を12.6部にそれぞれ変更。
実施例2において、凸部の塗工を以下の条件に変更する以外は実施例2と同様に電子写真感光体を作成した。
変更内容;二回目の凸部塗工液において、電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマーを3.6部に、電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物の添加量を14.4部にそれぞれ変更。
実施例1において、表面層と凸部の両方の塗工を以下の条件に変更する以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作成した。
変更内容(1);1回目の表面層の架橋表面層塗工液において、ラジカル重合性官能基を有する反応性シリコーンオイル(両末端型メタクリル変性ポリシロキサン:X−22−164A、信越シリコーン社製)を1部添加。
変更内容(2);2回目の凸部の塗工条件をドラム回転速度;80rpm、スプレーガン送り速度;8.4mm/s、吐出量0.6ml/min、吹き付け圧力2.5kgf/mm、吹きつけ回数;1回に変更。
実施例5において、凸部の塗工を以下の条件に変更する以外は実施例5と同様に電子写真感光体を作成した。
変更内容;二回目の架橋凸部の塗工液において、電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマーを5.4部に、電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物の添加量を12.6部にそれぞれ変更。
実施例5において、凸部の塗工の条件を以下に変更する以外は実施例5と同様にした。
変更内容;二回目の架橋凸部塗工液において、電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマーを3.6部に、電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物の添加量を14.4部にそれぞれ変更。
実施例1において、表面層と凸部の両方の塗工を以下の条件に変更する以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作成した。
変更内容(1);1回目の表面層の架橋表面層塗工液において、ラジカル重合性官能基を有する反応性シリコーンオイル(片末端型メタクリル変性ポリシロキサン:X−22−174DX、信越シリコーン社製)を1部添加。
変更内容(2);2回目の凸部の塗工条件をドラム回転速度;80rpm、スプレーガン送り速度;8.4mm/s、吐出量0.6ml/min、吹き付け圧力2.5kgf/mm、吹きつけ回数;1回に変更。
実施例8において、凸部の塗工を以下の条件に変更する以外は実施例8と同様に電子写真感光体を作成した。
変更内容;二回目の架橋凸部塗工液において、電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマーを5.4部に、電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物の添加量を12.6部にそれぞれ変更。
実施例8において、凸部の塗工を以下の条件に変更する以外は実施例8と同様に電子写真感光体を作成した。
変更内容;二回目の架橋凸部塗工液において、電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマーを3.6部に、電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物の添加量を14.4部にそれぞれ変更。
実施例1において、第1回目の表面層の形成後に、以下の条件にてガラスビーズを用いてブラスト処理した。すなわち、水平に置いた感光体を回転させ、ガラスビーズを空気と混合し圧力をかけて噴出させ、感光体表面に衝突させて表面を粗面化した。ブラスト条件は、ガラスビーズ径50μm、噴射圧力2.5kgf/cm、ガン移動速度460mm/分であった。あとは実施例5と同様に第二回目の塗工を行った。
実施例11において、凸部の塗工を以下の条件に変更する以外は実施例11と同様に電子写真感光体を作成した。
変更内容;二回目の架橋凸部塗工液において、電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマーを5.4部に、電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物の添加量を12.6部にそれぞれ変更。
実施例11において、凸部の塗工を以下の条件に変更する以外は実施例11と同様に電子写真感光体を作成した。
変更内容;二回目の架橋凸部塗工液において、電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマーを3.6部に、電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物の添加量を14.4部にそれぞれ変更。
[比較例1]
実施例2において、凸部の塗工を以下の条件に変更する以外は実施例2と同様に電子写真感光体を作成した。
変更内容;2回目の表面層の架橋凸部塗工液を1回目と同じものを使用。
[比較例2]
実施例5において、凸部の塗工を以下の条件に変更する以外は実施例5と同様に電子写真感光体を作成した。
変更内容;2回目の凸部の架橋凸部塗工液を第1回目と同じものを使用。
[比較例3]
実施例5において、凸部の塗工を以下の条件に変更する以外は実施例5と同様に電子写真感光体を作成した。
変更内容;二回目の架橋凸部塗工液において、電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマーを1.8部に、電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物の添加量を16.2部にそれぞれ変更。
[比較例4]
実施例8において、凸部の塗工を以下の条件に変更する以外は実施例8と同様に電子写真感光体を作成した。
変更内容;2回目の凸部の架橋凸部塗工液を第1回目と同じものを使用。
[比較例5]
実施例8において、凸部の塗工を以下の条件に変更する以外は実施例8と同様に電子写真感光体を作成した。
変更内容;二回目の架橋凸部塗工液において、電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマーを1.8部に、電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物の添加量を16.2部にそれぞれ変更。
[比較例6]
前記特許文献6記載の従来の感光体と比較した。
[下引き層]
すなわち、特許文献7に記載されているような表面に井戸型凹凸がある感光体を用意した。まず、Al製円筒状支持体にホーニング加工し、中心線粗さRa=0.18μmに粗面化処理し、以下の下引き層用塗工液を浸漬塗工法にて1.2μmの下引き層を形成した。
(下引き層用塗工液)
ポリビニールブチラール(エスレックBM−S、積水化学) 4部
アセチルアセトンジルコニウムブチレート 30部
γ−アミノプロピルトリメトキシシラン 3部
[電荷発生層]
次いで、以下の組成の電荷発生層用塗工液を用意し、浸漬塗工法にて0.2μmの電荷発生層を形成した。
(電荷発生層用塗工液)
電荷発生物質として、Cukα線を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.2°)が、7.4°、16.6°、25.5°、28.3°のクロルガリウムフタロシアニンを含む以下の混合物をサンドミルにて4時間分散した分散液
クロルガリウムフタロシアニン 3部
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体(VMCH、日本ユニカー) 2部
酢酸ブチル 180部
[電荷輸送層]
次いで、以下の組成の電荷輸送層用塗工液を用意し、浸漬塗工法にて25μmの電荷輸送層を形成し、3層からなる感光体を得た。
(電荷輸送層用塗工液)
N、N’−ジフェニル−N、N−ビス(3−メチルフェニル)−[1、1’−ビスフェニル]−4、4’−ジアミン 4部
ポリカーボネート(三菱化学社製、ユーピロンZ400) 6部
テトラヒドロフラン 60部
2、6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール 0.2部
以上の組成を溶液にした後、SiO粒子(体積平均粒径500nm、東芝シリコーン社製トスパール102)を3部添加し、分散して電荷輸送層用塗工液を製造した。
[凸部]
次いで、特許文献6に従って、複数の凸形状を有するスタンパを取り付けた金型を用意し、圧力をかけて得られた感光体に形状を転写した。レーザー顕微鏡を用いて観察したところ、感光体の表面に1つの井戸が直径約0.7μm、平均深さが約0.5μm、井戸間の平均ピッチが約1.1μmである凹形状が複数形成されていたことを確認した。
[比較例7]
実施例1において、凸部の塗工を以下の条件に変更する以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作成した。
変更内容;2回目の凸部塗工条件をドラム回転速度;80rpm、スプレーガン送り速度;4.2mm/s、吐出量0.6ml/min、吹き付け圧力3.0kgf/mm、吹きつけ回数;1回に変更。
[比較例8]
実施例1において、凸部の塗工を以下の条件に変更する以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作成した。
変更内容;2回目の凸部塗工条件をドラム回転速度;80rpm、スプレーガン送り速度;16.5mm/s、吐出量0.6ml/min、吹き付け圧力3.0kgf/mm、吹きつけ回数;1回に変更。
得られた感光体の表面形状を表面粗さ形状測定機(東京精密社製サーフコム1400D(測定子DT43801)、単に「粗さ計」と呼ぶ)にて計測した。図14に実施例5の測定断面曲線(縦倍率:×5000、横倍率:×10、測定長さ:12mm)を例示した。粗さ曲線は測定断面曲線からうねり曲線を除いたものであり、ここから求めたRzは2.89μmであった。JISB0610(2001年)規格に準じて出力したものである。
形成された凸部は下向きの放物線を軸の中心に回転したときにできる形状に類似していた。この測定断面曲線は櫛の歯を上向きにしたような凸形状であった。微粒子含有塗工液をスプレー塗工して表面層を形成した場合の特徴である。複数の凸部が感光体表面から外向き(Z軸方向表)に且つ独立に形成されていることが分かった。これらの凸部はランダムの配置を取っている。図14において縦横の縮尺の関係でスパイク状の凸部があるように見えるが、実際は滑らかな形状の凸部がランダムに存在するものである。
前述した凸部の個数の数え方を実施した。まず、測定長さの0mm〜12mmの範囲において表面層塗工前の層に最も近い裾部を求め、これを基準にして1/2Rzである1.44μm以上の凸部の個数を求めたところ、凸部が261個あった。ただし、メインピークにある肩、サブピークは無視した。261個の凸部の高さの平均値は2.22μmであった。
測定条件は、算出規格:JIS2001年、測定長さ:12mm、カットオフ波長:0.8mm、測定倍率×20K、測定速度0.06mm、カットオフ:R2C(位相補償)、傾斜補正最小二乗法であった。
また、図15にレーザー顕微鏡(キーエンス社製VK−8500、対物100倍レンズ、垂直方向と平面方向の倍率比;50:1)にて計測した表面形状を例示する(実施例5)。凸部が独立して複数形成されていることがこれからも分かった。裾部は滑らかであった。
以上のように製造した実施例1〜13、比較例1〜8の感光体を、電子写真装置用プロセスカートリッジに装着し、画像露光光源655nmの半導体レーザーを用い、帯電ローラ及びクリーニングブレード、さらにはステアリン酸亜鉛のステアリン酸亜鉛バー、ステアリン酸亜鉛塗布ブラシ、およびステアリン酸亜鉛塗布ブレード装着した画像形成装置((株)リコー製デジタルプリンターIPSIO SP810の改造機)にて、画像出力を行った。
トナーは体積平均粒径6μmの重合トナーを用いた。常温常湿(25℃、60%RH)で、感光体のVd(暗部電位)を−800V、Vl(明部電位)を−200Vになるように感光体の初期電位を設定した。
紙は(株)リコー製6200ペーパー(A4、T目)を使用した。テストチャートは写真画像と文字の混在したものであり、地肌部、ベタ黒部、中間調が評価できものである。
評価項目は、耐久試験におけるクリーニングブレードの状態(メクレやビビリ、摩耗)、感光体の状態(傷や摩耗)、出力画像(トナーのすり抜け)の評価である。何れも目視、光学顕微鏡にて正常部を劣化部の比較を行った。耐久性試験は、5万枚の連続した画像出力を行った。画像評価は5万枚後の画像(1〜10枚目)の画像劣化を観察した。評価ランクを以下に示す。実施例と比較例の評価結果を表1に示す。
[(1)感光体の状態観察]
表面粗さ・輪郭形状測定機(東京精密社、Surfcom 1400D)にて、電子写真感光体表面をピックアップ:E−DT−S02Aを取り付けて、測定長さ12mm、測定速度;0.06mm/sの条件で測定した。
5万枚通紙後の電子写真感光体表面の様相変化については以下の基準で評価した。
(表面観察評価)
○:初期と比べてほとんど変化なし
△:初期と比べてわずかな変化認められるが、問題ない程度
×:初期の形状がほとんど残っていない
[(2)画像(トナーすり抜け)評価]
画素密度が600dpi×600dpiで8×8のマトリクス中に4ドット×4ドットを描いたハーフトーンパターンと白紙パターンを交互に連続5枚ずつ印刷し、白紙パターンの地肌汚れを目視により、以下の基準で評価した。
ランク◎:問題なし
ランク○:出力画像に、極めて僅かなトナーのすり抜けによるスジもしくは若干の濃度ムラがあり
ランク△:出力画像に、トナーのすり抜けによるスジもしくは濃度ムラが明確にあり
ランク×:出力画像の複数位置にトナーのすり抜けによるスジもしくは濃度ムラが明確にあり
Figure 2011043747
Figure 2011043747
以上の評価結果から、架橋された表面層を有する電子写真感光体において、該表面層の表面に凸部が形成されており、前記表面層と前記凸部とが同一の電荷輸送性構造を有する構造単位を含む架橋体を含有し、且つ前記凸部は、前記構造単位(A)の他に電荷輸送性構造を有さない構造部分(B)を含み、かつ前記構造単位(A)の含有率が前記表面層より高く、且つ前記構造部分(A)は、該構造部分(A)と前記構造部分(B)の合計重量に対して90wt%未満であり、且つ前記凸部形成後の表面層の表面粗さをRzJISで表したとき、1/2×RzJIS以上の高さを有する凸部の個数が測定長さ12mm当たり30個以上300個以下であることを特徴とする電子写真感光体によって、良好な画像を長時間維持できる長寿命な画像形成プロセス、画像形成装置及び画像形成装置用プロセスカートリッジを提供することが可能となった。
また、測定長さ12mmにおける凸部の個数が30個に満たないと異常画像になり、300個を越えた場合も異常画像になった。また、凸部の高さが6μmを越えると出力画像にわずかに不具合が出る場合があった。
比較例1は、凸部の電荷輸送性構造を有する構造単位を含む架橋体の含有率が表面層と同じため、画像濃度にムラが生じていた。
比較例2、4は、表面層と凸部における電荷輸送性構造を有する構造単位を含む架橋体の含有率に差がないため、出力画像に濃度ムラが生じていた。
比較例3、5は、凸部における電荷輸送性構造を有する構造単位を含む架橋体の含有率が非常に高いため、凸部自体の強度が低く、繰り返し使用後において凸部が破壊され、本発明の効果が得られなくなっていた。
比較例6は、画像形成を繰り返すと、感光体表面の一部の領域で凹部が破壊されて複数の凹部が多数繋がった大きな傷が認められた。それに伴い、この傷からトナー融着とトナーすり抜けが発生した。また、この傷に対応したクリーニングブレードの先端には欠けが認められた。
比較例7は凸部の個数が少なすぎるため、本発明の効果が十分に得られなかった。
比較例8は凸部の個数が多すぎるため、ブレードの欠けが発生してしまい、トナーのすり抜けが発生してしまった。
したがって、架橋された表面層を有する電子写真感光体において、該表面層の表面に凸部が形成させ、該表面層と該凸部とが同一の電荷輸送性構造を有する構造単位を含む架橋体を含有し、且つ該凸部における該架橋体の含有率が該表面層より高く、且つ電荷輸送性構造を有さないラジカル重合性モノマーと電荷輸送性構造を有する架橋体の全重量に対して90wt%未満であり、且つ該表面層の表面粗さをRzJISで表したとき、1/2×RzJIS以上の高さを有する凸部の個数が測定長さ12mm当たり30個以上300個以下にすることで、高耐久化と画質安定化の両立を実現した感光体を提供できることが判明した。したがって、この感光体を用いることにより良好な画像を長期にわたり提供できる高性能で且つ信頼性の高い画像形成プロセス、画像形成装置及び画像形成装置用プロセスカートリッジが提供できる。
図1、図2について
21・・・導電性支持体
24・・・下引き層
25・・・電荷発生層
26・・・電荷輸送層
28・・・架橋樹脂表面層

図7〜12について
11・・・電子写真感光体
12・・・帯電手段
13・・・露光手段
14・・・現像手段
15・・・トナー
16・・・転写手段
17・・・クリーニング手段
18・・・印刷メディア(印刷用紙、OHP用スライド)
19・・・定着手段
1A・・・除電手段
1B・・・クリーニング前露光手段
1C・・・駆動手段
1D・・・第1の転写手段
1E・・・第2の転写手段
1F・・・中間転写体

図13について
3C・・・潤滑剤供給手段
特許第2520270号公報 特許第3585197号公報 特開2001−166521号公報 特公平6−82221号公報 特開2002−196523号公報 特開2001−66814号公報 特開2007−233356号公報 特許第3963473号公報 特開2007−233359号公報 特開2005−99688号公報 特開平7−92697号公報

Claims (18)

  1. 架橋された表面層を有する電子写真感光体において、該表面層の表面に凸部が形成されており、前記表面層と前記凸部とが同一の電荷輸送性構造を有する構造単位(A)を含む架橋体を含有し、前記凸部は、前記構造単位(A)の他に電荷輸送性構造を有さない構造部分(B)を含み、かつ前記構造単位(A)の含有率が前記表面層より高く、且つ前記構造部分(A)は、該構造部分(A)と前記構造部分(B)の合計重量に対して90wt%未満であり、且つ前記凸部形成後の表面層の表面粗さをRzJISで表したとき、1/2×RzJIS以上の高さを有する凸部の個数が測定長さ12mm当たり30個以上300個以下であることを特徴とする電子写真感光体。
  2. 前記凸部の高さが測定長さ12mmに対して平均値として6μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 前記表面層が凹部を有し、その上に前記凸部が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子写真感光体。
  4. 前記構造単位(A)は、前記電荷輸送性構造の部位と1つ以上のラジカル重合性官能基とを有するラジカル重合性化合物に由来するものであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の電子写真感光体。
  5. 前記構造部分(B)は、電荷輸送性構造を有さず2つ以上のラジカル重合性官能基を有するラジカル重合性材料に主に由来するものであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の電子写真感光体。
  6. 前記電荷輸送性構造を有する構造単位(A)がトリアリールアミン構造であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の電子写真感光体。
  7. 前記架橋体が少なくとも下記一般式(1)で表されるラジカル重合性トリアリールアミン化合物を架橋させて形成されたものであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の電子写真感光体。
    Figure 2011043747
    (式中、d、e、fはそれぞれ0または1の整数、R13は水素原子、メチル基を表し、R14、R15は水素原子以外の置換基を表し、複数の場合は異なってもよい。g、hは0〜3の整数を表す。Zは単結合、メチレン基、エチレン基、
    又は
    Figure 2011043747
    を表す。)
  8. 上記置換基R14、R15が炭素数1〜6のアルキル基であることを特徴とする請求項7に記載の電子写真感光体。
  9. 前記凸部がスプレー塗工法によって形成されたことを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の電子写真感光体。
  10. 前記電子写真感光体の感光層が支持体側から下引き層、電荷発生層、電荷輸送層、表面層の積層構成であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の電子写真感光体。
  11. 架橋された表面層を有する電子写真感光体を製造する方法において、該感光体は前記表面層の表面に凸部を有し、前記表面層と前記凸部とが同一の電荷輸送性構造を有する構造単位(A)を含む架橋体を含有し、前記凸部は、前記構造単位(A)の他に電荷輸送性構造を有さない構造部分(B)を含み、かつ前記構造単位(A)の含有率が前記表面層より高く、且つ前記構造部分(A)は、該構造部分(A)と前記構造部分(B)の合計重量に対して90wt%未満であり、且つ前記凸部形成後の表面層の表面粗さをRzJISで表したとき、1/2×RzJIS以上の高さを有する凸部の個数が測定長さ12mm当たり30個以上300個以下であり、前記凸部を、凸部形成用塗工液をスプレー塗工することにより前記表面層上に形成する工程を有することを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
  12. 前記塗工液は、前記構造単位(A)を生じるラジカル重合性化合物と、前記構造部分(B)を主に生じるラジカル重合性材料を含有するものであることを特徴とする請求項11に記載の電子写真感光体の製造方法。
  13. 前記スプレー塗工の後、UV照射して架橋凸部を形成する工程をさらに有することを特徴とする請求項11又は12に記載の電子写真感光体の製造方法。
  14. 少なくとも帯電、露光、現像、転写及びクリーニングの工程が順次繰り返されることによって画像形成を行う画像形成装置であって、該画像形成装置が請求項1乃至10のいずれかに記載の電子写真感光体を有することを特徴とする画像形成装置。
  15. 前記画像形成装置において、前記現像工程に重合トナーを用いることを特徴とする請求項14に記載の画像形成装置。
  16. 前記画像形成装置において、ステアリン酸亜鉛をブラシ状ローラで掻きとり電子写真感光体に入力する手段を有することを特徴とする請求項14又は15に記載の画像形成装置。
  17. 少なくとも2色以上の現像ステーションを有し、且つ、タンデム方式であって更に重合トナーを用いて現像することを特徴とする請求項14乃至16のいずれかに記載の画像形成装置。
  18. 少なくとも感光体、現像手段、クリーニング手段を含む画像形成装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジにおいて、前記感光体が1乃至10のいずれかに記載の電子写真感光体であることを特徴とする画像形成装置用プロセスカートリッジ。
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