JP5842680B2 - 画像形成装置、及びプロセスカートリッジ - Google Patents

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Description

本発明は、画像形成装置、及びプロセスカートリッジに関する。
複写機、レーザープリンタ、ファクシミリなどに応用されている潜像担持体を用いた電子写真方式は、例えば、コロナ放電等によって潜像担持体表面を暗所で帯電させ、次いで、画像露光して潜像担持体上に静電潜像を形成し、現像部において、その静電潜像を現像剤にて可視化させ、そのトナー像(トナー画像)を転写材へ転写、更に定着して画像を形成する方式である。
潜像担持体表面に形成されたトナー像のトナーは、記録用紙などの転写材(記録媒体)に全てが転写されず、通常、一部のトナーは、潜像担持体表面などに残留してしまう。そのため、次の画像形成に悪影響を与えないように、転写後の潜像担持体表面などに残留するトナーを回収し、潜像担持体表面を清掃するクリーニング手段を備えている。
前記クリーニング手段に用いられる方式としては、潜像担持体の表面に当接するように設けられたブレードを適正な押圧力で潜像担持体に圧接させることによって残留トナー(転写残トナー)を除去するブレードクリーニング方式が一般的である。特に、プロセスカートリッジ式の構成を有する画像形成装置では、構成が簡単である点、及びコストが安い点などから、弾性材料からなるブレードを潜像担持体の移動方向に対しカウンタ方向で潜像担持体表面に当接して残留トナーを掻き落とす方法が広く実用化されている。
しかし、最近では、高画質化、及びランニングコスト低減への要求が急速に高まってきており、この高画質化への一つの対応として現像剤として用いるトナーの小粒径化が進んでいるが、潜像担持体とクリーニングブレードとの間にトナーが潜り込んで隙間を転がり抜けてしまうために、画像にスジ状の異常画像が形成されてしまうという問題がある。
このようなクリーニングブレードの当接による不具合を解消するために、潜像担持体へのブレード当接圧を高くする方法が提案されているが、単にクリーニングブレードの圧接力を増してもブレードエッジ部が歪みやすいために、クリーニング性を向上させる効果は小さく、潜像担持体及びブレードへの負荷により、潜像担持体及びブレードが摩耗するなどして、双方の寿命を低減させることが知られている。
一方、画像形成プロセスにおいて、静電潜像を可視化させる現像剤としてのトナーには、量的には少ないけれども、帯電極性がもともと正規の極性とは逆極性に反転しているトナーが混在している。またプロセスによっては、帯電極性が正規極性のトナーであっても転写バイアス等に影響されて帯電極性が反転するものや、除電されて帯電量が少なくなるものもある。したがって、転写残トナーには帯電極性が正規極性のトナー、逆極性の反転トナー、帯電量が少ないトナーが混在している場合が多い。
そこで、帯電特性が不揃いであり、且つ小粒径トナーを有効にクリーニングする方式として、潜像担持体表面上のトナーを静電作用によりクリーニングする静電クリーニング方式が検討されている。
例えば、1本のブラシロールを配備し、ブラシに正の電圧を印加した領域と負の電圧を印加した領域を設け、各領域それぞれに配置した回収ロールを用いてクリーニングするクリーニング装置が提案されている(特許文献1参照)。また、1本のブラシロールとクリーニングブレードを配備し、現像器内で帯電されたトナーの極性と同極性のバイアスをブラシロールに印加してクリーニングするクリーニング装置が提案されている(特許文献2参照)。更に、1本のブラシロールに正の電圧と負の電圧を交互に印加することにより、両極性のトナーを回収可能にしたクリーニング装置が提案されている(特許文献3参照)。
しかし、近年のカラー画像形成装置では、写真画像などの高密度画像が連続して出力されるケースが増えており、このような1本の静電ブラシロールで長期間にわたり安定したクリーニングを続けるのは難しく、このような状態で、長期間にわたり装置を使用した場合、ブラシに残留するトナーは増え続け、除去及び回収されにくくなって潜像担持体に残留するトナーは次の画像へと重なり、不良画像を起こしてしまう。
上述の不具合を解消するために、複数のクリーニングブラシを用いて、一方の極性を印加するクリーニングブラシと他方の極性を印加するブラシによってトナーを静電的に吸引しつつ掻き取るクリーニング装置が提案されている(特許文献4参照)。この静電クリーニング装置は、小粒径トナー及び球形トナーのクリーニング時にも確実なクリーニング性を備え、潜像担持体表面の機械的な摺擦力がブレード方式に比べて弱いので、クリーニング性能の経時劣化が少なく、且つ潜像担持体への負荷を軽減できる。
しかし、この提案の技術は、ブラシに印加する電圧によって潜像担持体への電荷注入現象が起こり、クリーニングブラシの接触と同時に潜像担持体も帯電される。この結果、クリーニング手段の下流に設けられた接触帯電ローラ等の帯電手段によって所望の電位に帯電する工程においても、クリーニング工程で発生した帯電ムラが解消できずに、ハーフトーンなどの画像出力の際に、濃度ムラが生じて画像品質を低下させるという問題がある。
したがって、クリーニング部材による潜像担持体の表面への傷の成長及び摩耗を抑制し、良好な解像度を有し、長期にわたりハーフトーン画像の再現性に優れた高品位画像が得られる画像形成装置の提供が求められているのが現状である。
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、クリーニング部材による潜像担持体の表面への傷の成長及び摩耗を抑制し、良好な解像度を有し、長期にわたりハーフトーン画像の再現性に優れた高品位画像が得られる画像形成装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
本発明の画像形成装置は、潜像担持体と、該潜像担持体表面を帯電させる帯電手段と、帯電された前記潜像担持体表面を露光して前記潜像担持体に静電潜像を形成する露光手段と、該潜像担持体に形成された静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像手段と、該トナー像を転写媒体に転写する転写手段と、前記潜像担持体表面に残留するトナーを除去するクリーニング手段とを有し、
前記クリーニング手段が、第1のクリーニング部材と、第2のクリーニング部材とを有し、
前記第1のクリーニング部材が、前記潜像担持体表面に第1の粒子を付与し、かつ前記潜像担持体表面に残留する前記トナーを除去する第1のクリーニングブラシを有し、
前記第2のクリーニング部材が、前記潜像担持体表面に前記第1の粒子の帯電量とは異なる帯電量を有する第2の粒子を付与し、かつ前記潜像担持体表面に残留する前記トナーを除去する第2のクリーニングブラシを有することを特徴とする。
本発明によると、従来における前記諸問題を解決することができ、クリーニング部材による潜像担持体の表面への傷の成長及び摩耗を抑制し、良好な解像度を有し、長期にわたりハーフトーン画像の再現性に優れた高品位画像が得られる画像形成装置を提供することができる。
図1は、本発明の画像形成装置の一例を示す概略図である。 図2は、タンデム方式の本発明の画像形成装置の一例を示す概略図である。 図3は、本発明で用いる潜像担持体の層構成の一例を示す概略図である。 図4は、本発明で用いる潜像担持体の層構成の別形態の一例を示す概略図である。 図5は、本発明で用いる潜像担持体の層構成の別形態の一例を示す概略図である。 図6は、転写残トナーのすり抜け量を測定するための画像形成装置を示す概略図である。 図7は、実施例8における通紙試験後の潜像担持体の表面形状の画像である。 図8は、比較例5における通紙試験後の潜像担持体の表面形状の画像である。 図9は、実施例13〜15で用いたクリーニングブラシAの概略図である。 図10は、実施例13〜15で用いたクリーニングブラシBの概略図である。
(画像形成装置、及び画像形成方法)
本発明の画像形成装置は、潜像担持体と、帯電手段と、露光手段と、現像手段と、転写手段と、クリーニング手段とを少なくとも有し、更に必要に応じて、その他の手段を有する。
本発明に関する画像形成方法は、帯電工程と、露光工程と、現像工程と、転写工程と、クリーニング工程とを少なくとも含み、更に必要に応じて、その他の工程を含む。
本発明に関する画像形成方法は、本発明の画像形成装置により好適に実施することができ、前記帯電工程は前記帯電手段により行うことができ、前記露光工程は前記露光手段により行うことができ、前記現像工程は前記現像手段により行うことができ、前記転写工程は前記転写手段により行うことができ、前記クリーニング工程は前記クリーニング手段により行うことができ、前記その他の工程は前記その他の手段により行うことができる。
前記クリーニング手段は、第1のクリーニング部材と、第2のクリーニング部材とを有する。
前記第1のクリーニング部材は、前記潜像担持体表面に第1の粒子を付与し、かつ前記潜像担持体表面に残留する前記トナーを除去する第1のクリーニングブラシを有する。
前記第2のクリーニング部材は、前記潜像担持体表面に前記第1の粒子の帯電量とは異なる帯電量を有する第2の粒子を付与し、かつ前記潜像担持体表面に残留する前記トナーを除去する第2のクリーニングブラシを有する。
通常、転写前のトナーは、トナーの正規帯電極性である負極性に帯電しており、潜像担持体上のトナーは転写部材に印加された正極性の転写バイアスにより被転写媒体に転写される。ところが、転写工程により転写手段を通過したトナーの中には、転写部における電荷注入や放電現象などによって帯電極性が正極性側にシフトし、その一部は正極性に反転してしまうトナー(正規帯電極性とは逆極性に帯電した逆帯電トナー)が発生する。このようなことにより、転写残トナーは、帯電極性分布がブロードで、その帯電極性は正極性と負極性の両極性のトナーが混在した状態にある。
したがって、正極性及び負極性が混在する転写残トナーの場合、ブラシローラから1種の粒子のみを供給するだけでは一方の極性に帯電したトナーは除去できても、他方の極性に帯電したトナーが残留することになる。
本発明においては、前記第1のクリーニングブラシにより前記第1の粒子が前記潜像担持体表面に付与される結果、前記潜像担持体表面に残留するトナー(転写残トナー)に前記第1の粒子が付与(接触)される。また、前記第2のクリーニングブラシにより前記第2の粒子が前記潜像担持体表面に付与される結果、前記潜像担持体表面に残留するトナー(転写残トナー)に前記第2の粒子が付与(接触)される。すると、前記第1の粒子と前記第2の粒子は、潜像担持体上の転写残トナーに静電的に引きつけられて、前記転写残トナーの極性を相殺し、前記潜像担持体への前記転写残トナーの付着力を低下させる。その結果、潜像担持体との静電的付着力が弱まった前記転写残トナーは、前記第1のクリーニングブラシ及び前記第2のクリーニングブラシにより前記潜像担持体表面から容易に掻き取られ、前記潜像担持体表面から除去される。この際に、前記第1の粒子と前記第2の粒子との帯電量が異なることにより、潜像担持体表面に存在する負極性のトナー及び正極性のトナーのいずれもが除去可能となる。
更に、クリーニングブラシと潜像担持体との間に粒子(第1の粒子、及び第2の粒子)が介在することによって、クリーニングブラシ先端が潜像担持体表面の同じ箇所をなぞることを回避できるために、潜像担持体表面の周方向に生じるスジ状の傷の発生を抑制し、更に、場合によっては深い溝状の傷へと成長することを抑制する。これは、前記粒子の存在がクリーニングブラシ先端の挙動を不規則にして、クリーニングブラシ先端が潜像担持体表面の同じ箇所をなぞることを抑制するためと考えられる。
<潜像担持体>
前記潜像担持体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、支持体と、感光層とを少なくとも有し、好ましくは、架橋表面層を有し、更に必要に応じて、下引き層などのその他の層を有する潜像担持体などが挙げられる。
−支持体−
前記支持体としては、体積抵抗値が1.0×1010Ω・cm以下の導電性を示すものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、金、銀、白金などの金属、酸化スズ、酸化インジウムなどの金属酸化物を、蒸着又はスパッタリングにより、フィルム状もしくは円筒状のプラスチック、紙に被覆したもの、あるいはアルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレスなどの板及びそれらを、押し出し、引き抜きなどの工法でドラム状に素管化後、切削、超仕上げ、研摩などの表面処理した管などを使用することができる。
ドラム状の支持体としては、直径が20mm〜150mmが好ましく、24mm〜100mmがより好ましく、30mm〜90mmが特に好ましい。前記ドラム状の支持体の直径が、20mm未満であると、ドラム周辺に帯電、露光、現像、転写、クリーニングの各工程を配置することが物理的に困難となることがあり、150mmを超えると、画像形成装置が大きくなってしまうことがある。特に、画像形成装置がタンデム型の場合には、複数の潜像担持体を搭載する必要があるため、直径は100mm以下が好ましく、90mm以下がより好ましい。
また、特開昭52−36016号公報に開示されているようなエンドレスニッケルベルト、又はエンドレスステンレスベルトも支持体として用いることができる。
−感光層−
前記感光層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、電荷発生物質と電荷輸送物質を混在させた単層型感光層、電荷発生層と電荷輸送層とを積層した積層型感光層が挙げられる。
前記積層型感光層としては、例えば、前記支持体側から電荷発生層と電荷輸送層とをこの順に有する積層型感光層、前記支持体側から電荷輸送層と電荷発生層とをこの順に有する積層型感光層が挙げられる。これらの中でも、前記支持体側から電荷発生層と電荷輸送層とをこの順に有する積層型感光層が、耐久性の点から好ましい。
−−電荷発生層−−
前記電荷発生層は、電荷発生物質を少なくとも含有し、更に必要に応じて、樹脂などのその他の成分を含有する。
−−−電荷発生物質−−−
前記電荷発生物質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、無機系電荷発生物質、有機系電荷発生物質などが挙げられる。
前記有機系電荷発生物質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、モノアゾ顔料、ジスアゾ顔料、非対称ジスアゾ顔料、トリスアゾ顔料、カルバゾール骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルベンゼン骨格を有するアゾ顔料、トリフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジベンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料、フルオレノン骨格を有するアゾ顔料、オキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルオキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルカルバゾール骨格を有するアゾ顔料等のアゾ系顔料;アズレニウム塩顔料、スクエアリック酸メチン顔料、ペリレン系顔料、アントラキノン系又は多環キノン系顔料、キノンイミン系顔料、ジフェニルメタン及びトリフェニルメタン系顔料、ベンゾキノン及びナフトキノン系顔料、シアニン及びアゾメチン系顔料、インジゴイド系顔料、ビスベンズイミダゾール系顔料、金属フタロシアニン、無金属フタロシアニン等のフタロシアニン系顔料などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−−−樹脂−−−
前記電荷発生層に必要に応じて用いられる樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミド、ポリビニルベンザール、ポリエステル、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリフェニレンオキシド、ポリビニルピリジン、セルロース樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記樹脂の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記電荷発生物質100質量部に対し、500質量部以下が好ましく、10質量部〜300質量部がより好ましい。
前記電荷発生層を形成する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、真空薄膜作製法、キャスティング法などが挙げられる。
前記真空薄膜作製法としては、例えば、真空蒸着法、グロー放電分解法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、CVD(化学気相成長)法などが挙げられる。
前記キャスティング法としては、例えば、浸漬塗工法、スプレーコート法、ビードコート法などが挙げられる。
前記キャスティング法においては、通常、塗工液が用いられる。
前記塗工液としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記電荷発生物質を必要に応じて前記樹脂と共に、ボールミル、アトライター、サンドミル、超音波等の公知の分散方法を用いて溶剤中に分散した塗工液が挙げられる。なお、前記樹脂の添加は、前記電荷発生物質の分散前及び分散後のどちらでも構わない。前記塗工液は、電荷発生物質、溶媒及び樹脂を主成分とするが、増感剤、分散剤、界面活性剤、シリコーンオイル等の添加剤が含まれていてもよい。場合によっては、電荷発生層に後述の電荷輸送物質を添加することも可能である。
前記溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、イソプロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、ジオキソラン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチルセルソルブ、酢酸エチル、酢酸メチル、ジクロロメタン、ジクロロエタン、モノクロロベンゼン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、リグロインなどの一般に用いられる有機溶剤が挙げられる。これらの中でも、ケトン系溶媒、エステル系溶媒、エーテル系溶媒を使用することが好ましい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記電荷発生層は、前記塗工液を用いて前記支持体上又は下引き層等の上に塗工し、乾燥することにより形成される。塗工方法としては、浸漬塗工法、スプレーコート、ビードコート、ノズルコート、スピナーコート、リングコート等の公知の方法を用いることができる。塗工後にはオーブン等を用いて加熱乾燥してもよい。乾燥温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、50℃〜160℃が好ましく、80℃〜140℃がより好ましい。
前記電荷発生層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.01μm〜5μmが好ましく、0.1μm〜2μmがより好ましい。電荷発生層の厚みを大きくすると残留電位の低減や高感度化に有利である。一方、帯電電荷の保持性や空間電荷の形成などの帯電性の低下を起こすことがある。前記好ましい範囲であると、これらのバランスがとれる点から有利であり、前記より好ましい範囲であると、前記効果が顕著となる。
−−−その他の成分−−−
前記その他の成分としては、例えば、酸化防止剤、可塑剤、滑剤、紫外線吸収剤、レベリング剤などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記その他の成分の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記電荷発生物質100質量部に対して、0.1質量部〜20質量部が好ましく、0.1質量部〜10質量部がより好ましい。レベリング剤の場合には、前記電荷発生物質100質量部に対して、0.001質量部〜0.1質量部が好ましい。前記含有量が、前記下限値未満であると、感度劣化を起こすことがある。
−−電荷輸送層−−
前記電荷輸送層は、電荷輸送物質を少なくとも含有し、更に必要に応じて、樹脂などのその他の成分を含有する。
−−−電荷輸送物質−−−
前記電荷輸送物質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、電子輸送物質、正孔輸送物質などが挙げられる。
前記電子輸送物質としては、例えば、非対称ジフェノキノン誘導体、フルオレン誘導体、ナフタルイミド誘導体等の電子受容性物質、ポリ−N−ビニルカルバゾール等のカルバゾール環を有する重合体、特開昭57−78402号公報等に例示されるヒドラゾン構造を有する重合体、特開昭63−285552号公報等に例示されるポリシリレン重合体、特開2001−330973号公報の一般式(1)〜一般式(6)に例示される芳香族ポリカーボネートなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記正孔輸送物質としては、例えば、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、トリフェニルアミン誘導体、ブタジエン誘導体、9−(p−ジエチルアミノスチリルアントラセン)、1,1−ビス−(4−ジベンジルアミノフェニル)プロパン、スチリルアントラセン、スチリルピラゾリン、フェニルヒドラゾン類、α−フェニルスチルベン誘導体、チアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、フェナジン誘導体、アクリジン誘導体、ベンゾフラン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、チオフェン誘導体等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記電荷輸送物質の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記樹脂100質量部に対して、20質量部〜300質量部が好ましく、40質量部〜150質量部がより好ましい。
−−−樹脂−−−
前記電荷輸送層に必要に応じて用いられる樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリカーボネート樹脂、スチレン樹脂、アクリル樹脂、スチレン−アクリル樹脂、エチレン−酢酸ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂、塩化ビニル樹脂、塩素化ポリエーテル、塩化ビニル−酢酸ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、フラン樹脂、ニトリル樹脂、アルキッド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリアリレート樹脂、ジアリレート樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリアリルスルホン樹脂、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエーテル樹脂、フェノール樹脂、EVA(エチレン・酢酸ビニル・共重合体)樹脂、ACS(アクリロニトリル・塩素化ポリエチレン・スチレン)樹脂、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)樹脂、エポキシアクリレート等の光硬化樹脂等の樹脂がある。これらの中でも、スチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂が、電荷移動特性が良好となる点で好ましい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。また、分子量の異なった樹脂を混合して用いた場合には、硬度や耐摩耗性を改善できる点で好ましい。また、機械的、化学的及び電気的安定性、密着性などの他に電荷輸送物質との相溶性が重要である。
前記電荷輸送層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、通常の場合、電荷輸送物質及び添加剤を樹脂とともに溶媒に分散又は溶解した塗工液を、前記電荷発生層上に塗工し、乾燥させる方法などが好適である。
前記溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記電荷発生層の説明において例示した前記溶媒と同様の溶媒などが挙げられる。
前記電荷輸送層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、実用的に有効な表面電位を維持するためには、5μm〜50μmが好ましく、10μm〜30μmがより好ましい。
−−−その他の成分−−−
前記その他の成分としては、例えば、酸化防止剤、可塑剤、滑剤、紫外線吸収剤、レベリング剤などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記その他の成分の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記電荷輸送物質100質量部に対して、0.1質量部〜20質量部が好ましく、0.1質量部〜10質量部がより好ましい。レベリング剤の場合には、前記電荷輸送物質100質量部に対して、0.001質量部〜0.1質量部が好ましい。前記含有量が、前記下限値未満であると、感度劣化を起こすことがある。
−架橋表面層−
前記架橋表面層は、前記潜像担持体の最表面に形成される層である。
前記架橋表面層を有する前記潜像担持体を用いることによって、前記潜像担持体及びクリーニング部材が受ける機械的負荷を和らげ、前記潜像担持体表面への微細なキズの発生を抑制し、良好なクリーニング性を長期にわたって維持できる画像形成装置が得られる。
前記架橋表面層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、架橋樹脂を含有することが好ましい。
前記架橋樹脂としては、下記一般式(1)で表される電荷輸送性ポリオールと、芳香族イソシアネート化合物とにより形成された架橋樹脂であることが好ましい。
下記一般式(1)で表される電荷輸送性ポリオールと、芳香族イソシアネート化合物とにより形成された架橋樹脂は、耐摩耗性、耐傷性、及び静電安定性が良好であるのみならず、前記クリーニング手段、即ち、第1のクリーニング部材と、第2のクリーニング部材とを有し、前記第1のクリーニング部材が、前記潜像担持体表面に前記第1の粒子を付与し、かつ前記潜像担持体表面に残留する前記トナーを除去する第1のクリーニングブラシを有し、前記第2のクリーニング部材が、前記潜像担持体表面に前記第1の粒子の帯電量とは異なる帯電量を有する第2の粒子を付与し、かつ前記潜像担持体表面に残留する前記トナーを除去する第2のクリーニングブラシを有するクリーニング手段に対して適している。
一般的なブラシクリーニング方式では、潜像担持体の駆動軸と、クリーニングブラシの駆動軸とが平行な位置関係にあることが多く、潜像担持体の母線方向、及び回転軸方向にクリーニングブラシを押し当てる圧力の分布にムラが生じることが不可避であり、接触圧の高い箇所は必然的に傷の発生確率が高く、これによって潜像担持体の摩耗量にバラツキを引き起こし、ハーフトーン画像を出力した際には、濃度ムラとなって画像品質の低下を招く。
しかし、下記一般式(1)で表される電荷輸送性ポリオールと、芳香族イソシアネート化合物とにより形成された架橋樹脂を有する架橋表面層を最表面層として有する潜像担持体を用いると、回転軸の駆動精度やクリーニングブラシを押し当てる圧力のバラツキの影響を受けることなく、高品質の画像を提供できるようになる。
更に、前記架橋表面層が分子中に電荷輸送性分子構造を含まないポリオール成分を少なくとも1種類含有することにより、緻密な三次元網目構造の形成が可能となるため、潜像担持体及びクリーニングブラシが回転しながら摺擦する際の力(エネルギー)を最表面層内で吸収、分散しやすくなる。
その結果、従来クリーニングブラシの先端が潜像担持体表面の同じ箇所を繰り返しなぞることによって、周期的な規則性をもって形成されていた複数の溝(凹凸段差)の形成が抑制され、潜像担持体の交換寿命を飛躍的に伸ばすことが可能になる。
つまり、従来の画像品質低下は、クリーニングブラシが潜像担持体表面を摺擦することで発生する傷の生成速度が、クリーニングブラシとの非接触箇所に比べて加速していたために、傷が深く、最表面層の厚みが局所的に薄くなっていたことが原因であるが、本発明のようにクリーニングブラシと潜像担持体との間に粒子を介在させることにより、傷の生成箇所に規則性及び方向性が無く、更に、複数のクリーニングブラシを備えた場合であってもその接触圧力による潜像担持体への負荷が一定の箇所に集中することなく分散、低減されることにより、スジ状傷に起因するクリーニング不良の改善を図ることができる。特に、下記一般式(1)で表される電荷輸送性ポリオールと、芳香族イソシアネート化合物とにより形成された架橋樹脂を有する架橋表面層を最表面層として有する潜像担持体を用いること、更には、前記架橋表面層が分子中に電荷輸送性分子構造を含まないポリオール成分を少なくとも1種類含有することにより、この効果は顕著になる。
−−下記一般式(1)で表される電荷輸送性ポリオール−−
ただし、前記一般式(1)中、Yは、1つの水酸基が結合した炭素数1〜4の置換又は無置換のアルキル基、及び1つの水酸基が結合した炭素数1〜4の置換又は無置換のアルコキシ基のいずれかを表す。Xは、電荷輸送性分子構造を含む2〜4価の炭化水素結合を主とする有機残基を表す。nは、2〜4の整数を表す。
前記1つの水酸基が結合した炭素数1〜4の置換又は無置換のアルキル基におけるアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、イソブチル基、n−ブチル基などが挙げられる。
前記1つの水酸基が結合した炭素数1〜4の置換又は無置換のアルコキシ基におけるアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、イソブチルオキシ基、n−ブトキシ基などが挙げられる。
前記1つの水酸基が結合した炭素数1〜4の置換又は無置換のアルキル基、及び前記1つの水酸基が結合した炭素数1〜4の置換又は無置換のアルコキシ基における置換基としては、ハロゲン原子、ニトロ基、ニトリル基などが挙げられる。
前記Xにおける電荷輸送性分子構造としては、例えば、電子供与性を有する分子構造、電子受容性を有する分子構造などが挙げられる。
前記電子供与性を有する分子構造としては、正孔輸送化合物に由来する分子構造が挙げられる。前記正孔輸送化合物としては、例えば、トリフェニルアミン誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、9−(p−ジエチルアミノスチリルアントラセン)、1,1−ビス−(4−ジベンジルアミノフェニル)プロパン、スチリルアントラセン、スチリルピラゾリン、フェニルヒドラゾン類、α−フェニルスチルベン誘導体、チアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、フェナジン誘導体、アクリジン誘導体、ベンゾフラン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、チオフェン誘導体などが挙げられる。
前記電子受容性を有する分子構造としては、電子輸送化合物に由来する分子構造が挙げられる。前記電子輸送化合物としては、例えば、クロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン−4オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイドなどが挙げられる。特に、窒素原子を分子構造中に含む(例えば、トリアリールアミン構造)正孔輸送化合物は電荷輸送能が良好であり、好ましく用いられる。
前記一般式(1)におけるXとしては、下記一般式(2)〜(6)で表される電荷輸送性分子構造から誘導される有機残基が好ましい。このような有機残基の導入により、耐摩耗性、耐傷性に優れた架橋表面層を形成することができると共に、長期間にわたって安定した高画質を維持できる画像形成装置用の潜像担持体を提供することができる。
ただし、前記一般式(2)中、A、A、及びAの少なくとも2つは、前記一般式(1)中のYと結合し、該Yと結合する前記A、前記A、及び前記Aの少なくとも2つは、置換又は無置換のアリーレン基、置換又は無置換のアラルキレン基、及び置換又は無置換のアルキレン基のいずれかを表し、前記Yと結合しない前記A、前記A、前記Aは、置換又は無置換のアリール基、置換又は無置換のアラルキル基、及び置換又は無置換のアルキル基のいずれかを表す。
ただし、前記一般式(3)中、R1、R2、及びArの少なくとも2つは、前記一般式(1)中のYと結合し、該Yと結合する前記R1、前記R2、及び前記Arの少なくとも2つは、置換又は無置換のアリーレン基、置換又は無置換アラルキレン基、及び置換又は無置換アルキレン基のいずれかを表し、前記Yと結合しない前記R1、前記R2、前記Arは、置換又は無置換のアリール基、置換又は無置換のアラルキル基、及び置換又は無置換のアルキル基のいずれかを表す。Arは、置換又は無置換のアリーレン基を表す。
ただし、前記一般式(4)中、Ar、Ar、R4、及びR5の少なくとも2つは、前記一般式(1)中のYと結合し、該Yと結合する前記Ar、前記Ar、前記R4、及び前記R5の少なくとも2つは、置換又は無置換のアリーレン基、置換又は無置換のアラルキレン基、及び置換又は無置換のアルキレン基のいずれかを表し、前記Yと結合しない前記Ar、前記Ar、前記R4、前記R5は、置換又は無置換のアリール基、置換又は無置換のアラルキル基、及び置換又は無置換のアルキル基のいずれかを表す。Arは、置換又は無置換のアリーレン基を表す。
ただし、前記一般式(5)中、ビフェニリル基、R、及びRの少なくとも2つは、前記一般式(1)中のYと結合し、該Yと結合する前記R、及び前記Rの少なくともいずれかは、置換又は無置換のアリーレン基、置換又は無置換のアラルキレン基、及び置換又は無置換のアルキレン基のいずれかを表し、前記Yと結合しない前記R、前記Rは、置換又は無置換のアリール基、置換又は無置換のアラルキル基、及び置換又は無置換のアルキル基のいずれかを表す。前記R、及び前記Rは、同一であっても異なっていてもよい。
ただし、前記一般式(6)中、A、A、A、及びAの少なくとも2つは、前記一般式(1)中のYと結合し、該Yと結合する前記A、前記A、前記A、及び前記Aの少なくとも2つは、置換又は無置換のアリーレン基、置換又は無置換のアラルキレン基、及び置換又は無置換のアルキレン基のいずれかを表し、前記Yと結合しない前記A、前記A、前記A、前記Aは、置換又は無置換のアリール基、置換又は無置換のアラルキル基、及び置換又は無置換のアルキル基のいずれかを表す。Aは、置換又は無置換のアリーレン基を表す。
前記一般式(2)、(3)、(4)、(5)、及び(6)における置換又は無置換のアリール基のアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、ビフェニリル基、トリフェニレニル基などが挙げられる。その置換基としては、例えば、ハロゲン原子、ニトロ基、ニトリル基;メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基;フェノキシ基等のアリールオキシ基;フェニル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基などが挙げられる。
前記一般式(2)、(3)、(4)、(5)、及び(6)における置換又は無置換のアラルキル基のアラルキル基としては、例えば、ベンジル基などが挙げられる。その置換基としては、例えば、ハロゲン原子、ニトロ基、ニトリル基;メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基;フェノキシ基等のアリールオキシ基;フェニル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基などが挙げられる。
前記一般式(2)、(3)、(4)、(5)、及び(6)における置換又は無置換のアルキル基のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基などが挙げられる。その置換基としては、例えば、ハロゲン原子、ニトロ基、ニトリル基;メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基;フェノキシ基等のアリールオキシ基;フェニル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基などが挙げられる。
前記一般式(2)、(3)、(4)、(5)、及び(6)にけるアリーレン基、アラルキレン基、及びアルキレン基は、前記アリール基、前記アラルキル基、及び前記アルキル基それぞれの2価基が挙げられる。その置換基も同様である。
前記一般式(2)においてYと結合するA1、A2、A3としては、例えば、スチルベニリデン基、α−フェニルスチルベニリデン基などが挙げられる。
前記一般式(6)のAにおける置換又は無置換のアリーレン基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、ビフェニリル基、トリフェニレニル基等のアリール基の2価基などが挙げられる。
前記一般式(1)で表される電荷輸送性ポリオールとしては、下記構造式(1)で表される電荷輸送性ポリオール、下記構造式(2)で表される電荷輸送性ポリオールが好ましい。
−−芳香族イソシアネート化合物−−
一般的に芳香族イソシアネート化合物は、芳香環に直接イソシアネート基が結合している化合物の総称として使われる場合が多いが、本発明における芳香族イソシアネート化合物は、分子中に芳香環を有していればよく、芳香環とイソシアネート基の間にアルキレン基を有する化合物も含まれる。
前記芳香族イソシアネート化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、芳香環とイソシアネート基とを有し、前記イソシアネート基が、アルキレン基を介して前記芳香環に結合している芳香族イソシアネート化合物が好ましい。なぜなら、芳香環に結合しているアルキレン部位は、σ結合で自由に回転でき、分子のコンフォメーションの自由度が高くなるため、イソシアネート基がアルキレン基を介して芳香環に結合した構造をしていると、該イソシアネート基が水酸基と反応して架橋構造を形成しやすいと考えられるためである。そのような化合物としては、例えば、キシレンジイソシアネート(XDI)などが挙げられる。
前記芳香族イソシアネート化合物としては、例えば、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、前記MDIの重合体であるポリメリックMDI、キシレンジイソシアネート(XDI)などが挙げられる。また、TDI、MDI、XDI等の芳香族イソシアネート化合物と、トリメチロールプロパン等のポリオールとのアダクト型などが挙げられる。
前記芳香族イソシアネート化合物としては、市販品を用いることができる。前記市販品としては、例えば、DIC社製のバーノックD500、バーノックD750、バーノックD800、三井武田ケミカル社製のコスモネートTシリーズ、コスモネートMシリーズ、コスモネートND、タケネート500及びそのアダクト型であるタケネートD−110Nなどが挙げられる。
これらの中でも、キシレンジイソシアネート、及びキシレンジイソシアネートのアダクト型は、芳香環とイソシアネート基がメチレン基で結合した構造を有していることから、架橋構造を形成しやすく、好ましく用いられる。また、バーノックD750は、トリレンジイソシアネートのアダクト型であり、静電疲労による残留電位が小さく、好ましく用いられる。
前記芳香族イソシアネート化合物1分子中に占める全イソシアネート基の含有比率NCO%([NCO基]/[芳香族イソシアネート化合物]:質量%)は、3%〜50%であることが好ましく、10%〜50%がより好ましい。前記NCO%が大きいほど形成される架橋点が多くなる。即ち、架橋密度が高くなるため、耐摩耗性が向上することが考えられる。前記NCO%が、3%未満であると、水酸基/イソシアネート基を当量とした場合のポリオールに対するイソシアネート化合物の含有量が相対的に大きくなってしまい、架橋密度が低下し、耐摩耗性が不十分となってしまう可能性がある。また、前記NCO%が、50%を超えると、イソシアネート化合物の反応性が高くなり過ぎて、塗工液中で反応が進んでしまうなどして、塗工液の寿命が短くなり、製造工程でのハンドリングの悪化や、有機廃液の増加といった環境負荷を招くおそれがある。
前記芳香族イソシアネート化合物と併用して、潜像担持体の特性(耐摩耗性、耐傷性、電子写真特性など)を損なわない程度に脂肪族ポリイソシアネート化合物を用いてもよい。
前記脂肪族ポリイソシアネート化合物としては、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート等の鎖状ポリイソシアネート;イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネート等の脂環式ポリイソシアネート;イソシアヌレート類、前記脂肪族ポリイソシアネートをフェノール誘導体、オキシム、カプローラクタム等でブロックしたもの、イソシアネート化合物からなるトリマー(例えば、ヘキサメチレンジイソシアネートトリマー等)などが挙げられる。
更に、トリメチロールプロパンと、前記ポリ鎖状イソシアネート(例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート等)又は前記脂環式ポリイソシアネート(例えば、イソホロンジイソシアネート等)のアダクト型なども好ましく用いられる。トリメチロールプロパンとヘキサメチレンジイソシアネートからなるアダクト型の例を下記構造式(X)に示す。
前記芳香族イソシアネート化合物と併用する前記脂肪族ポリイソシアネート化合物としては、市販品を用いることができる。前記市販品としては、例えば、前記トリメチロールプロパンとヘキサメチレンジイソシアネートからなるアダクトとしてスミジュールHT(住化バイエルン社製)などが挙げられる。
また、前記イソシアネート化合物としては、電荷発生性分子骨格を有するポリイソシアネート、電荷輸送性分子骨格を有するポリイソシアネートなども用いられる。
前記架橋樹脂の形成の際には、前記一般式(1)で表される電荷輸送性ポリオール(反応性電荷輸送性物質)のほかに、必要に応じて他のポリオール化合物(分子中に電荷輸送性の構造を含まないポリオール化合物)を用いることができる。
前記他のポリオール化合物としては、官能基数が2以上であればよく、ジオール、3価以上のポリオールなどが挙げられる。
前記ジオールとしては、例えば、アルキレングリコール(例えば、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなど);アルキレンエーテルグリコール(例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなど);脂環式ジオール(例えば、1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールAなど);ビスフェノール類(例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど);前記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物;前記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド(例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物などが挙げられる。
前記3価以上のポリオールとしては、例えば、3価以上の脂肪族アルコール(例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなど);3価以上のフェノール類(例えば、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなど);前記3価以上のフェノール類のアルキレンオキサイド付加物などが挙げられる。
また、ポリエーテル骨格を有するポリオール(ポリエーテルポリオール)、ポリエステル骨格を有するポリオール(ポリエステルポリオール)、アクリル骨格を有するポリオール(アクリルポリオール)、エポキシ骨格を有するポリオール、ポリカーボネート骨格を有するポリオール(ポリカーボネートポリオール)、電荷発生性分子骨格を有するポリオール、電荷輸送性分子骨格を有するポリオールなどが用いられる。
このような分子中に電荷輸送性分子構造を含まないポリオールを用いることにより、緻密な三次元網目構造の形成が可能となるため、潜像担持体及びクリーニングブラシが回転しながら摺擦する際の力(エネルギー)を最表面層内で吸収、分散しやすくなる点で好ましい。
前記架橋樹脂を形成する際の複数の前記ポリオール化合物の少なくとも1種類は、水酸基数に対する分子量の割合([分子量]/[水酸基数]:OH当量)が150未満であることが好ましく、より好ましくは30以上、150未満であり、さらに好ましくは40以上、120未満である。
前記OH当量が、150未満のポリオールを組み合せることにより、耐摩耗性の高い架橋表面層を形成することができる。即ち、前記OH当量の小さいポリオールの含有量を大きくすると、架橋密度が増加して、よりきめの細かい三次元網目構造を形成して耐摩耗性が向上すると考えられる。
ここで、前記OH当量が、150未満であるポリオールの含有量は、複数のポリオール化合物全量に対して質量比で10%〜90%であることが好ましい。前記OH当量が150未満であるポリオール化合物の前記含有量が10%未満であると、耐摩耗性向上効果があまり発揮されないことがある。また、前記OH当量が150未満であるポリオール化合物の含有量が90%よりも大きいと、架橋密度が高くなるために、保護層の耐摩耗性は高くなるが、官能基の数が多くなるために反応性も高くなり、塗工液とした場合の貯蔵安定性が低下して寿命が短くなってしまうことがある。そのため、製造工程での不具合が発生しやすく、大量の有機廃液を発生させてしまう恐れがある。また、架橋点が多くなることから、架橋時の体積収縮が大きくなり、塗膜の割れやハジキによる欠陥が発生してしまう場合がある。
また、複数の前記ポリオール化合物の少なくとも1種類は、前記OH当量が150以上1,500未満のポリオール化合物であることが好ましい。複数の前記ポリオール化合物の少なくとも1種類を、前記OH当量が150以上1,500未満のポリオール化合物とすると、成膜性が良好でかつ形成された前記架橋表面層は、高い耐摩耗性を有し、しかも架橋表面層塗工液とした場合の貯蔵安定性が高く非常に良好な保存性を示す。
この理由としては、規定された前記OH当量を有するポリオール化合物は、分子量が比較的大きいため、塗工液に適度な粘性を持たせ、前記OH当量の小さいポリオール、イソシアネート化合物、前記一般式(1)で表される電荷輸送性ポリオールの均一な混合状態を保持し、ウェット状態の塗膜のレベリング性、均一性が向上するためと考えられる。
前記架橋樹脂における前記一般式(1)で表される電荷輸送性ポリオールからなる成分(D)とバインダー樹脂成分(分子中に電荷輸送性分子構造を含まないポリオールと芳香族イソシアネート化合物とが反応して得られる架橋成分)(R)との混合割合(D/R)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、質量比で1/10〜15/10が好ましく、3/10〜10/10がより好ましい。前記混合割合(D/R)が、1/10未満であると、電荷輸送能が不十分となって残留電位が上昇してしまうことがあり、一方、前記混合割合(D/R)が、15/10を超えると、バインダー樹脂成分が少なくなり過ぎて架橋反応による三次元網目構造の形成が阻害され、耐摩耗性が低下してしまうことがある。
また、前記架橋表面層は、更に必要に応じて、平滑性や、化学的安定性を向上させる目的で、種々の添加剤を含有することができる。
前記架橋表面層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、架橋表面層を形成する材料(例えば、前記一般式(1)で表される電荷輸送性ポリオール、芳香族イソシアネート化合物など)を含有する架橋表面層塗工液を、例えば、浸漬塗工、スプレー塗工、ブレード塗工、ナイフ塗工等の常法の塗工方法を用いて、前記感光層上に塗工する方法などが挙げられる。
これらの中でも、量産性、塗膜品質などの面から浸漬塗工、スプレー塗工が特に好ましい。
前記架橋表面層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.5μm〜50μm好ましく、1μm〜40μmがより好ましく、2μm〜20μmが特に好ましい。前記厚みが、0.5μm未満であると、摩耗による消失や傷などに対する余裕度が小さ過ぎて、十分な耐久性を確保できないことがある。一方、前記厚みが、50μmを超えると、残留電位の上昇などの不具合を発生させてしまう場合がある。したがって、摩耗や傷に対する余裕度の確保と残留電位の発生が少なくなるような好適な厚みの前記架橋表面層を形成する必要がある。
−下引き層−
前記支持体と前記感光層との間には、必要に応じて、前記下引き層を設けてもよい。前記下引き層は、接着性を向上する、モアレなどを防止する、上層の塗工性を改良する、残留電位を低減するなどの目的で設けられる。
前記下引き層の材料としては、例えば、樹脂と、微粉末とを含有し、更に必要に応じて、その他の成分を含有するものなどが挙げられる。
−−樹脂−−
前記樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール樹脂、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂;共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂;ポリウレタン樹脂、メラミン樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等の三次元構造を形成する硬化型樹脂、などが挙げられる。
−−微粉末−−
前記微粉末としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、金属酸化物、シリカ、金属硫化物、金属窒化物などが挙げられる。前記金属酸化物としては、例えば、酸化チタン、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウムなどが挙げられる。
−−その他の成分−−
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、クロムカップリング剤などが挙げられる。
また、前記下引き層としては、Alを陽極酸化にて設けたもの、ポリパラキシリレン(パリレン)等の有機物、SiO、SnO、TiO、ITO、CeO等の無機物を真空薄膜作製法にて設けたものなどが挙げられる。
前記下引き層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1μm〜40μmが好ましく、1μm〜20μmがより好ましく、3μm〜10μmが特に好ましい。
前記潜像担持体の積層構造としては、例えば、図3に一例を示すように、導電性の支持体1001上に感光層1002及び最表面層として架橋表面層1003が順次積層された構造、図4に一例を示すように、感光層1002と導電性の支持体1001との間に下引き層1004を設けた構造などが挙げられる。また、図示しないが、下引き層は2層構成であってもよい。さらに、図5に一例を示すように、導電性の支持体1001上に下引き層1004、電荷発生層1005、電荷輸送層1006及び最表面層として架橋表面層1003を順次積層した構造などが挙げられる。
<帯電手段及び帯電工程>
前記帯電手段としては、前記潜像担持体表面を帯電させる手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、導電性又は半導電性のロール、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を備えたそれ自体公知の接触帯電器などが挙げられる。
前記帯電工程としては、前記潜像担持体表面を帯電させる工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記帯電手段により行うことができる。
前記潜像担持体の帯電方式は、接触方式であってもよいし、近接方式であってもよい。
<露光手段及び露光工程>
前記露光手段としては、帯電された前記潜像担持体表面を露光して前記潜像担持体に静電潜像を形成する手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザ光学系、液晶シャッタ光学系等の各種露光器などが挙げられる。
前記露光工程としては、帯電された前記潜像担持体表面を露光して前記潜像担持体に静電潜像を形成する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記露光手段により行うことができる。
なお、前記潜像担持体の裏面側から像様に露光を行う光背面方式を採用してもよい。
<現像手段及び現像工程>
前記現像手段としては、前記潜像担持体に形成された静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記トナー乃至現像剤を収容し、前記静電潜像に該トナー乃至該現像剤を接触又は非接触的に付与可能な現像器を少なくとも有するものなどが挙げられる。
前記現像工程としては、前記潜像担持体に形成された静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記現像手段は、乾式現像方式のものであってもよいし、湿式現像方式のものであってもよく、また、単色用現像器であってもよいし、多色用現像器であってもよく、例えば、前記トナー乃至前記現像剤を摩擦攪拌させて帯電させる攪拌器と、回転可能なマグネットローラとを有してなるものなどが好ましい。
前記現像器内では、例えば、前記トナーと前記キャリアとが混合攪拌され、その際の摩擦により該トナーが帯電し、回転するマグネットローラの表面に穂立ち状態で保持され、磁気ブラシが形成される。該マグネットローラは、前記潜像担持体近傍に配置されているため、該マグネットローラの表面に形成された前記磁気ブラシを構成する前記トナーの一部は、電気的な吸引力によって該潜像担持体の表面に移動する。その結果、前記静電潜像が該トナーにより現像されて該潜像担持体の表面に該トナーによるトナー像が形成される。
−トナー−
前記トナーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記トナーの製法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、粉砕分級法、懸濁重合法、乳化重合法、ポリマー懸濁法などが挙げられる。
前記トナーの材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、熱可塑性樹脂を主成分とするバインダー樹脂と、着色剤と、微粒子とを少なくとも含有し、更に必要に応じて、帯電制御剤、離型剤などのその他の成分を含有するトナーなどが挙げられる。このトナーは、重合法、造粒法などの各種のトナー製法によって作製された不定形又は球形のトナーである。
前記トナーとしては、磁性トナーであってもよいし、非磁性トナーであってもよい。
前記トナーの体積平均粒径(Dv)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、3μm〜8μmが好ましく、4μm〜7μmがより好ましく、5μm〜6μmが特に好ましい。ここで、体積平均粒径は、Dv=(Σ(nD)/Σn)1/3(式中、nは粒子個数、Dは粒子径である)と定義される。前記体積平均粒径が、3μm未満であると、二成分現像剤では現像器における長期の撹拌においてキャリアの表面にトナーが融着し、キャリアの帯電能力を低下させることがあり、また、一成分現像剤では、現像ローラへのトナーのフィルミングやトナーを薄層化するため、ブレード等の部材へのトナー融着が発生し易くなることがあり、8μmを超えると、高解像で高画質の画像を得ることが難しくなり、現像剤中のトナーの収支が行われた場合にトナーの粒子径の変動が大きくなることがある。
前記体積平均粒径は、例えば、ベックマン・コールター社製の粒度測定器「マルチサイザーII」を用いて測定することができる。
<転写手段及び転写工程>
前記転写手段としては、前記トナー像を転写媒体に転写する手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トナー像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写手段と、該複合転写像を転写媒体上に転写する第二次転写手段とを有する転写手段などが挙げられる。
前記転写工程としては、前記トナー像を転写媒体に転写する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、中間転写体を用い、該中間転写体上にトナー像を一次転写した後、該トナー像を前記転写媒体上に二次転写する態様が好ましく、前記トナーとして二色以上、好ましくはフルカラートナーを用い、トナー像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写工程と、該複合転写像を転写媒体上に転写する第二次転写工程とを含む態様がより好ましい。
なお、前記中間転写体としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の転写体の中から適宜選択することができ、例えば、転写ベルトなどが挙げられる。
前記潜像担持体は、潜像担持体上に形成されたトナー像を一次転写して色重ねを行い、更に転写媒体へ転写を行う、いわゆる中間転写方式による画像形成を行う際に使用する、中間転写体であってもよい。
前記転写手段(前記第一次転写手段、前記第二次転写手段)は、前記潜像担持体上に形成された前記トナー像を前記転写媒体側へ剥離帯電させる転写器を少なくとも有するのが好ましい。前記転写手段は、1つであってもよいし、2つ以上であってもよい。前記転写器としては、コロナ放電によるコロナ転写器、転写ベルト、転写ローラ、圧力転写ローラ、粘着転写器、等が挙げられる。
なお、前記転写媒体(記録媒体)としては、特に制限はなく、公知の記録媒体(記録紙)の中から適宜選択することができる。
<クリーニング手段及びクリーニング工程>
前記クリーニング手段は、前記潜像担持体表面に残留するトナー(転写残トナー)を除去する手段であって、第1のクリーニング部材と第2のクリーニング部材とを少なくとも有し、好ましくはクリーニングブレードを有し、更に必要に応じて、その他の部材を有する。
前記クリーニング工程は、前記潜像担持体表面に残留するトナーを除去する工程であって、第1のクリーニング処理と第2のクリーニング処理とを少なくとも含み、更に必要に応じて、その他の処理を含む。
−第1のクリーニング部材及び第1のクリーニング処理−
前記第1のクリーニング部材は、第1のクリーニングブラシを少なくとも有し、更に必要に応じて、その他の部を有する。
前記第1のクリーニング処理は、前記第1のクリーニングブラシにより、前記潜像担持体表面に前記第1の粒子を付与し、かつ前記潜像担持体表面に残留する前記トナーを除去する処理であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記第1のクリーニング部材により行うことができる。
−−第1のクリーニングブラシ−−
前記第1のクリーニングブラシは、前記潜像担持体表面に前記第1の粒子を付与し、かつ前記潜像担持体表面に残留する前記トナーを除去するブラシであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記第1のクリーニングブラシとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、芯材と前記芯材の周面に植設された繊維(ブラシ繊維)とを有するブラシなどが挙げられる。
前記芯材の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ステンレス、アルミニウム、ニッケル等の金属などが挙げられる。
前記ブラシ繊維としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、潜像担持体表面への機械的ストレスを抑制するためには、可撓性を有することが好ましい。
可撓性を有するブラシ繊維としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、一般的に公知の材料から1種乃至2種以上を選択して使用することができる。
前記可撓性を有するブラシ繊維としては、例えば、ポリオレフィン樹脂(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン);ポリビニル樹脂及びポリビニリデン樹脂(例えば、ポリスチレン、アクリル樹脂、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルエーテル及びポリビニルケトン);塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体;スチレン−アクリル酸共重合体;スチレン−ブタジエン樹脂;フッ素樹脂(例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリクロロトリフルオロエチレン);ポリエステル樹脂;ナイロン;レーヨン;ポリウレタン;ポリカーボネート;フェノール樹脂;アミノ樹脂(例えば、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ユリア樹脂、ポリアミド樹脂)などの中で、可撓性を有する樹脂を使用することができる。また、撓みの程度を調整するために、前記樹脂は、ジエン系ゴム、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、エチレンプロピレンゴム、イソプレンゴム、ニトリルゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、ヒドリンゴム、ノルボルネンゴムなどと複合化されていてもよい。
前記ブラシ繊維の表面には、必要に応じて、前記ブラシ繊維の表面形状や環境安定性などを安定化することなどを目的として、被覆層を設けてもよい。
前記被覆層を構成する成分としては、前記ブラシ繊維の撓みに応じて変形することが可能な被覆層成分が好ましい。これらは、可撓性を保持し得る材料であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、塩素化ポリエチレン、クロロスルホン化ポリエチレン等のポリオレフィン樹脂;ポリスチレン、アクリル(例えば、ポリメチルメタクリレート)、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルエーテル、ポリビリケトン等のポリビニル樹脂及びポリビニリデン樹脂;塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体;オルガノシロキサン結合からなるシリコーン樹脂又はその変成品(例えば、アルキッド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン等による変成品);パーフルオロアルキルエーテル、ポリフルオロビニル、ポリフルオロビニリデン、ポリクロロトリフルオロエチレン等の弗素樹脂;ポリアミド;ポリエステル樹脂;ポリウレタン;ポリカーボネート;尿素−ホルムアルデヒド樹脂等のアミノ樹脂;エポキシ樹脂、これらの複合樹脂などが挙げられる。
前記ブラシ繊維の繊維径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10μm〜200μmが好ましく、20μm〜100μmがより好ましい。前記繊維径が、10μm未満であると、粒子の供給スピードが非常に遅くなることがあり、200μmを超えると、ブラシ繊維が単位面積当たりに存在できる本数がより少なくなるため、粒子の供給量ムラが顕著になったり、ブラシ繊維が潜像担持体に接触する際に潜像担持体を傷つけやすくなったり、クリーニングブラシや潜像担持体を回転させるためのトルクがより大きくなることがある。
前記繊維の密度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10,000本/inch〜300,000本/inchが好ましく、30,000本/inch〜200,000本/inchがより好ましく、50,000本/inch〜150,000本/inchが特に好ましい。前記密度が、10,000本/inch未満であると、ブラシが潜像担持体に接触する場所と接触しない場所が発生するために粒子の供給ムラが顕著になり、その結果、繊維1本1本の隙間に転写残トナーが侵入して凝集を始めること、及び粒子の供給能力を弱めてしまうことがある。前記密度が、300,000本/inchを超えると、細い繊維を使って密度を上げる必要があり、あらゆる環境下において剛性の高い繊維を使ったとしても、ブラシ繊維の腰は弱くなり、粒子を供給する効率が低下してクリーニング性が著しく悪化してしまうことがある。
前記ブラシ繊維の長さとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1mm〜15mmが好ましく、2mm〜10mmがより好ましく、3mm〜8mmが特に好ましい。前記繊維の長さが、1mm未満であると、クリーニングブラシに保持できる粒子が少なくなり、潜像担持体上への粒子の供給能力が不足し、クリーニング不良を引き起こすことがある。また、クリーニングブラシの芯材と潜像担持体とが非常に近い配置となるため芯材が潜像担持体と接触して、潜像担持体に傷がつきやすくなることがある。一方、前記繊維の長さが、15mmを超えると、潜像担持体との繰り返し摺擦によって、潜像担持体からの押付け力に負けて毛が倒れ、粒子が潜像担持体に供給されるよりも繊維の隙間に溜まって、粒子の供給能力が低下することがある。
前記ブラシ繊維の断面形状(長手方向に対して垂直な方向に切断した際の断面形状)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、円形、楕円形、中空、三角形、四角形、星形等、各種の異形断面形状などが挙げられる。
前記ブラシ繊維がループ状の場合、該ブラシ繊維の繊維径は、5μm〜20μmが好ましい。密度は、24フィラメント/450ループ〜48フィラメント/450ループが好ましい。ループの長さ(繊維長さ)は、2mm〜5mmが好ましい。ループ状のクリーニングブラシの先端(ループ部)は、回転に伴って広がるように曲げられるため、回転方向への押圧力が分散する挙動を示し、潜像担持体への負荷は小さく抑えられる。
前記第1のクリーニングブラシは、例えば、前記ブラシ繊維にカーボンなどの導電性材料を配合する方法、絶縁性の繊維に導電材料をコーティングする方法などにより導電性を有することができる。前記導電性としては、繊維単体で、10Ω〜10Ωが好ましく、10Ω〜10Ωがより好ましい。
前記ブラシ繊維の前記芯材への植設状態としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記芯材の周面に対して、螺旋状に植設された状態が好ましい。前記ブラシ繊維が、螺旋状に植設された状態のクリーニングブラシとは、前記ブラシ繊維が螺旋状に形成されたクリーニングブラシということができ、ブラシ繊維を基布上に一様に植毛したものを、金属からなる芯金にスパイラル上に巻き付けて構成したブラシロールとは異なるものである。
前記クリーニングブラシが、前記ブラシ繊維が螺旋状に形成されたクリーニングブラシであることによって、潜像担持体表面のトナー(転写残トナー)への粒子の均一な付与が可能となる。即ち、芯材に対して半径方向及び伸延方向に立体的に広がる三次元曲線の螺旋状を形成する繊維構成によって、使用経時での摩耗によって変化する局所的な潜像担持体の形状に対しても、ブラシ毛(繊維)を適切に当接できる箇所が著しく増加するとともに、クリーニングブラシの回転によってトナーに付与された粒子が、潜像担持体の長手方向に自ずと平行移動し、粒子付与される範囲が拡大されるため、均一な粒子付与が容易且つ可能となる。
また、クリーニングブラシと潜像担持体との食い込み量が、一定半径で芯材長手方向に連続する螺旋範囲内から外れることなく当該螺旋範囲内に収められるために、潜像担持体への機械的負荷をも低減できる。
近年、電子写真方式のカラー画像形成装置は、小ロットへの対応性とバリアブル印刷の特長を生かし、これまでオフセット印刷機が主流であったプロダクション市場へ適用され始めている。プロダクション市場で扱われる印刷物は、マニュアル、ダイレクトメール等の低画像密度のものから、チラシ、ポスター、グラフィックアート等の高画像密度の印刷物まで、印刷画像密度のバリエーションが幅広く、また1ジョブのプリントボリュームも膨大である。このように、同一画像パターンを連続してプリントする使用環境では、画像部と非画像部では受ける静電的負荷および機械的負荷の不均一化が避けられず、潜像担持体の短寿命化は慢性的な課題として残されていた。本発明では、前記ブラシ繊維が螺旋状に形成されたクリーニングブラシにおいて、ブラシ繊維の毛束が螺旋状に植毛されていることによって、クリーニングブラシから潜像担持体上に供給された粒子が主走査方向(潜像担持体の長手方向)の端部まで確実に搬送されるために、転写残トナーへの接触頻度が高まり、同時に潜像担持体へ供給される粒子の搬送能力が、飛躍的に向上する。
螺旋状に形成されている繊維の毛束のピッチは、粒子の搬送性、転写残トナーとの接触を考慮するとクリーニングブラシの長手方向において均一であることが好ましい。
前記クリーニングブラシの前記潜像担持体への食い込み量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.2mm〜1.5mmが好ましく、0.4mm〜1.0mmがより好ましい。前記食い込み量が、0.2mm未満であると、潜像担持体との当接が不足して粒子の供給効率が低下することがある。一方、前記食い込み量が、1.5mmを超えると、潜像担持体の摩耗が大きくなる。前記クリーニングブラシの前記潜像担持体への食い込み量は、ブラシ繊維の全長から、クリーニングブラシにおけるブラシ繊維の付け根から潜像担持体表面までの距離を減じることによって算出することができる。
前記繊維は、毛束を形成することが好ましく、前記毛束は、ピッチが0.05mm〜3mmであることが好ましく、0.5mm〜2mmであることがより好ましい。
前記第1のクリーニングブラシを以下に例示する。
・材質:導電性ポリエステル(繊維内部に導電性カーボンを内包し、繊維表面はポリエステル)
・抵抗:1×10[Ω・cm]
・植毛密度:100,000[本/inch
・起毛長さ:4[mm]
・繊維径:30[μm]
・潜像担持体へのブラシ繊維の喰い込み量:0.8[mm]
・回転方向:潜像担持体の回転方向に対して逆方向(当接部においてクリーニングブラシの進行方向が潜像担持体表面の進行方向と同一方向となる回転方向)
・潜像担持体の周速:352mm/s
・クリーニングブラシの周速:290mm/s
・周速比(クリーニングブラシ/潜像担持体):0.82
−−第1の粒子−−
前記第1の粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シリカ粒子、金属酸化物粒子、脂肪酸金属塩粒子、ポリマー粒子などが挙げられる。
前記金属酸化物粒子としては、例えば、酸化チタン粒子、アルミナ粒子、酸化錫粒子、酸化亜鉛粒子などが挙げられる。
前記脂肪酸金属塩粒子としては、例えば、ステアリン酸亜鉛粒子、ステアリン酸アルミニウム粒子、ステアリン酸カルシウム粒子、ステアリン酸マグネシウム粒子、オレイン酸亜鉛粒子、パルミチン酸亜鉛粒子、リノレン酸亜鉛粒子などが挙げられる。
前記ポリマー粒子としては、例えば、シリコーン粒子、PMMA(ポリメタクリル酸メチル)粒子、架橋ポリアクリル酸アルキル粒子、フッ素系ポリマー粒子などが挙げられる。
前記フッ素系ポリマー粒子の材質としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、四フッ化エチレン−エチレン共重合樹脂、ポリフッ化ビニリデンなどが挙げられる。
前記第1の粒子の体積平均粒子径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.01μm〜20μmが好ましく、0.02μm〜10μmがより好ましく、0.05μm〜8μmが特に好ましい。前記体積平均粒子径が、0.01μm未満であると、粒子を収容する容器内での凝集速度が速く、潜像担持体への供給能力を上回って、画像形成装置の使用当初からクリーニング不良が発生する場合がある。また、回転するクリーニングブラシが潜像担持体と接触して毛が倒れた後に、接触状態を抜けてブラシ繊維に復元力が働く際に、粒子が飛散してクリーニング部の周りを汚染してしまうことがある。前記体積平均粒子径が、20μmを超えると、体積平均粒子径が大きいためにクリーニングブラシが全体的に毛倒れする傾向が強く、この倒れた繊維束の間に粒子が堆積して潜像担持体へ供給できなくなることがある。また、クリーニングブラシの毛倒れに伴う駆動時の負荷変動が潜像担持体の偏摩耗を促進させることがある。前記体積平均粒子径が、特に好ましい範囲内であると、第1のクリーニングブラシに到達した転写残トナーに対して第1のクリーニングブラシから供給された第1の粒子が接触する頻度が高く、転写残トナーが有する電荷のキャンセルが速やかに行われて良好なクリーニング性が維持できる点で有利である。
また、前記第1の粒子の体積平均粒子径は、前記トナーの平均粒子径よりも小さいことが、転写残トナーの周りに接触、存在できる頻度が増えるために電荷をキャンセルする効率が向上することに加えて、潜像担持体との静電的付着力が弱まった転写残トナーが、潜像担持体の回転方向に対して二つのクリーニングブラシの下流に設けられているクリーニングブレードに侵入した際も、クリーニングブラシから供給された粒子自体が転写残トナー間に介在し、スペーサとしての機能が働くためにブレードで強い力が加わっても潜像担持体表面上で凝集したり固着する不具合が発生しにくい点で好ましい。
前記体積平均粒径は、例えば、ベックマン・コールター社製の粒度測定器「マルチサイザーII」を用いて測定することができる。
前記第1の粒子の帯電量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、−100μC/g〜+500μC/gが好ましく、−80μC/g〜+200μC/gがより好ましく、−50μC/g〜+150μC/gが特に好ましい。前記帯電量が、−100μC/gよりも負帯電性が強いと、第1のクリーニングブラシに到達した転写残トナーの多くは負極性であるために、第1のクリーニングブラシから供給された第1の粒子と静電的な反発を引き起こして、クリーニング部の周辺に飛散して装置を汚染することがあり、+500μC/gを超える(正帯電性が強い)と、転写残トナーの中でも正極性(トナーの正規帯電極性とは逆)に帯電したトナーとの静電的反発力が強すぎるために粒子が飛散して装置を汚染することがある。前記帯電量が、特に好ましい範囲内であると、クリーニングブラシから供給された粒子が選択的に負極性に帯電している転写残トナーに電荷を付与して、潜像担持体との静電的付着力を弱めることができる点で有利である。
なお、一般的にトナーの帯電量は、常温常湿の環境に比べて、高温高湿では小さく、低温低湿では大きくなる傾向があるので、環境変動の影響を受けにくい安定したクリーニング性を維持するためには、第1の粒子と後述する第2の粒子の帯電量の差の絶対値が10μC/g以上ある方が好ましい。
ここで、本発明において帯電量は、例えば、Vブローオフ装置(リコー創造開発株式会社製)を用いて測定することができる。前記帯電量は、例えば、以下の方法により測定できる。
粒子と日本画像学会標準キャリア(N−01)とを混合し、粒子濃度を7質量%にして、所定の環境(温度23℃、湿度55%RH)に2時間放置した後、金属ゲージに入れ、回転数285rpmの攪拌装置で600秒間攪拌混合した5gの初期剤から0.1gを計量し、Vブローオフ装置(リコー創造開発株式会社製)を用いシングルモード法により帯電量を測定する。なお、ブロー時には、目開き795メッシュを用いる。
ここでのシングルモード法の条件は、具体的には、上記記載Vブローオフ装置(リコー創造開発株式会社製)で、装置マニュアルに従い、シングルモードを選択し、測定条件は高さ5mm、吸い込み100、ブロー2回とした条件である。その他の測定条件の詳細は装置マニュアルのシングルモード測定法の最大値に準じる。
−−その他の部−−
前記その他の部としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、第1の収容容器などが挙げられる。
−−−第1の収容容器−−−
前記第1の収容容器は、前記第1の粒子を収容し、かつ前記第1のクリーニングブラシに前記第1の粒子を供給する収容容器であれば、その材質、形状、大きさ、構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
−第2のクリーニング部材、及び第2のクリーニング処理−
前記第2のクリーニング部材は、第2のクリーニングブラシを少なくとも有し、更に必要に応じて、その他の部を有する。
前記第2のクリーニング処理は、前記第2のクリーニングブラシにより、前記潜像担持体表面に前記第1の粒子の帯電量とは異なる帯電量を有する第2の粒子を付与し、かつ前記潜像担持体表面に残留する前記トナーを除去する処理であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記第2のクリーニング部材により行うことができる。
−−第2のクリーニングブラシ−−
前記第2のクリーニングブラシは、前記潜像担持体表面に前記第1の粒子の帯電量とは異なる帯電量を有する第2の粒子を付与し、かつ前記潜像担持体表面に残留する前記トナーを除去するブラシであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記第1のクリーニングブラシの説明において例示したクリーニングブラシと同様のブラシなどが挙げられ、好ましい態様も同様である。
−−第2の粒子−−
前記第2の粒子としては、前記第1の粒子と帯電量が異なる粒子であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記第1の粒子の説明で例示した粒子などが挙げられる。
前記第2の粒子の体積平均粒子径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、その好ましい範囲は、前記第1の粒子の体積平均粒子径の好ましい範囲と同じであり、好ましい理由なども同じである。
前記第2の粒子としては、前記第1の粒子よりも負極性側に帯電しやすい粒子が好ましく、その帯電量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、−500μC/g〜+100μC/gが好ましく、−200μC/g〜+80μC/gがより好ましく、−150μC/g〜+50μC/gが特に好ましい。前記帯電量が、−500μC/gよりも負極性に帯電しやすい粒子であると、第2の粒子が第2のクリーニングブラシに到達した際に潜像担持体との間に静電的な反発力が働いて、第2の粒子が潜像担持体上に存在する転写残トナーに接触する頻度が低下して、クリーニング性が悪化することがあり、+100μC/gを超えて正極性に帯電しやすい粒子であると、第2のクリーニングブラシから供給される第2の粒子と正極性(トナーの正規帯電極性とは逆)に帯電した転写残トナーとの静電的反発力が強すぎるために、クリーニング性を確保することができずに飛散して装置を汚染することがある。前記帯電量が、特に好ましい範囲内であると、潜像担持体への第2の粒子の供給が効率良く行われ、転写手段によってトナーの正規帯電よりも逆極性側に広がりを持つようになった転写残トナーを、効率良く第2のクリーニングブラシで潜像担持体からクリーニングできる点で有利である。
−−その他の部−−
前記その他の部としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、第2の収容容器などが挙げられる。
−−−第2の収容容器−−−
前記第2の収容容器は、前記第2の粒子を収容し、かつ前記第2のクリーニングブラシに前記第2の粒子を供給する収容容器であれば、その材質、形状、大きさ、構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記クリーニング手段は、前記第2のクリーニングブラシよりも前記潜像担持体の回転方向の上流側に前記第1のクリーニングブラシを有し、前記第1の粒子の帯電量(Q1〔μC/g〕)と前記第2の粒子の帯電量(Q2〔μC/g〕)が、下記式(1)を満たすことが、潜像担持体表面に残留する正極性に帯電したトナー(転写残トナー)及び負極性に帯電したトナー(転写残トナー)を効率的にクリーニングすることができる点で好ましい。
Q1>Q2 式(1)
通常、転写前のトナーは、負極性に帯電している。ところが、転写工程により転写手段を通過したトナーは、転写手段によって正極性のバイアスの作用を受ける結果、一部の転写残トナーは、正規帯電である負極性よりも逆極性側にシフトし正極性に帯電する。そのため、転写残トナーには、正極性のトナーと負極性のトナーが混在している。しかし、正極性のバイアスの作用により正極性に帯電するトナーは、多くはないため、転写残トナー中には、相対的に、負極性のトナーが多い。そのため、上記のように、前記第2のクリーニングブラシよりも前記潜像担持体の回転方向の上流側に前記第1のクリーニングブラシを有し、前記第1の粒子の帯電量(Q1)と前記第2の粒子の帯電量(Q2)が、前記式(1)を満たすことにより、まず、相対的に量の多い負極性に帯電したトナーが前記第1のクリーニングブラシにより前記潜像担持体から除去され、続いて、相対的に量が少ない正極性に帯電したトナーが前記第2のクリーニングブラシにより前記潜像担持体から除去される。このようにして、相対的に量が多い負極性に帯電したトナーをはじめに除去することにより、相対的に量が少ない正極性に帯電したトナーも十分に除去することが可能になり、転写残トナーを効率的にクリーニングすることができる。
前記第1のクリーニングブラシ及び前記第2のクリーニングブラシの回転方向としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記潜像担持体との当接部における前記第1のクリーニングブラシ及び前記第2のクリーニングブラシの進行方向と前記潜像担持体表面の進行方向とが同一方向となる回転方向であることが、粒子の飛散を抑制できることに加えて、潜像担持体に摺擦傷を与えにくく、更に、両者の摩擦抵抗の上昇を抑制できる点で好ましい。
前記第1のクリーニングブラシの周速(S1)と前記潜像担持体の周速(S0)との比(S1/S0)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.5〜2.0が好ましく、0.7〜1.5がより好ましい。前記比(S1/S0)が、0.5より小さいと、第1の粒子の供給効率が低下するためにクリーニング性の低下を引き起こすことがある。前記比(S1/S0)が、2.0を超えると、第1のクリーニングブラシに第1の粒子を保持して潜像担持体へ供給することなく飛散してしまう第1の粒子の割合が多くなり、装置内の汚染を引き起こすことがある。更に、潜像担持体との接触不良を引き起こす場合もあって良好なクリーニング性の維持が困難になることがある。
前記第2のクリーニングブラシの周速(S2)と前記潜像担持体の周速(S0)との比(S2/S0)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.5〜2.0が好ましく、0.7〜1.5がより好ましい。前記比(S2/S0)が、0.5より小さいと、第2の粒子の供給効率が低下するためにクリーニング性の低下を引き起こすことがある。前記比(S2/S0)が、2.0を超えると、第2のクリーニングブラシに第2の粒子を保持して潜像担持体へ供給することなく飛散してしまう第2の粒子の割合が多くなり、装置内の汚染を引き起こすことがある。更に、潜像担持体との接触不良を引き起こす場合もあって良好なクリーニング性の維持が困難になることがある。
なお、第1のクリーニングブラシと第2のクリーニングブラシの周速は、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
−クリーニングブレード−
前記クリーニングブレードとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記クリーニングブレードは、前記第1のクリーニングブラシ及び前記第2のクリーニングブラシよりも前記潜像担持体の回転方向の下流側、かつ前記帯電手段よりも前記潜像担持体の回転方向の上流側に配設させることが、クリーニング手段のクリーニング性がより優れる点で好ましい。即ち、前記第1のクリーニングブラシ、及び前記第2のクリーニングブラシでは、完全に転写残トナーが除去できなかった場合でも、前記クリーニングブレードにより、転写残トナーの除去が可能になる。また、潜像担持体に供給された粒子が帯電手段に移動して汚染するという不具合を防止することができる。
また、前記第1のクリーニングブラシ及び前記第2のクリーニングブラシがあることにより、前記クリーニングブレードと前記潜像担持体との当接面に達する転写残トナーの量が少なくなっている。また、クリーニングブラシから供給された粒子によって、前記クリーニングブレードに達する転写残トナーの電荷はキャンセルされて前記転写残トナーの潜像担持体への静電的な付着力が小さくなっているため、前記クリーニングブレードを強く押し付けて前記転写残トナーを掻き取る必要がなくなる。更には、前記クリーニングブレードの当接圧を下げることができ、前記クリーニングブレードを用いた場合でも、前記潜像担持体の摩耗量が大きくなることはほとんどない。
<その他の手段及びその他の工程>
前記その他の手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、除電手段などが挙げられる。
前記その他の工程としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、除電工程などが挙げられる。
−除電手段及び除電工程−
前記除電手段としては、特に制限はなく、前記潜像担持体に対し除電バイアスを印加することができればよく、公知の除電器の中から適宜選択することができ、例えば、除電ランプ等が好適に挙げられる。
前記除電工程は、前記潜像担持体に対し除電バイアスを印加して除電を行う工程であり、除電手段により好適に行うことができる。
(プロセスカートリッジ)
本発明のプロセスカートリッジは、少なくとも潜像担持体とクリーニング手段とを有し、本発明の前記画像形成装置本体に対して、着脱可能なものである。
前記クリーニング手段は、本発明の前記画像形成装置における前記クリーニング手段である。
前記プロセスカートリッジは、帯電手段、露光手段、現像手段、及び転写手段から選択される少なくとも1つの手段を更に有していてもよい。
本発明の画像形成装置について、図を用いて説明する。
図1は、本発明の画像形成装置の一例を示す概略図である。図1の画像形成装置は、潜像担持体11と、帯電手段12と、露光手段13と、現像手段14と、転写手段16と、クリーニング手段100と、定着手段18とを備えている。図1において、潜像担持体11は、ドラム状の形状をしている。現像手段14により潜像担持体11上に現像されたトナー15は、印刷用紙やOHP用スライド等の転写媒体17に転写されるが、すべてのトナーが転写されるわけではなく、潜像担持体11上に残存するトナー(転写残トナー)も生ずる。このようなトナーは、クリーニング手段100により、潜像担持体11より除去される。
クリーニング手段100は、第1の粒子101を収容する第1の収容容器103と、第1のクリーニングブラシ102と、第1の粒子101の帯電量のよりも帯電量が小さい第2の粒子111を収容する第2の収容容器113と、第2のクリーニングブラシ112と、クリーニングブレード121とを有している。第1のクリーニングブラシ102は、第1の収容容器103内に配置され、かつ回転可能な状態で潜像担持体11に接触配置されている。第2のクリーニングブラシ112は、第2の収容容器113内に配置され、かつ回転可能な状態で潜像担持体11に接触配置されている。第1のクリーニングブラシ102は、第2のクリーニングブラシ112よりも潜像担持体11の回転方向の上流側に配置されている。クリーニングブレード121は、第1のクリーニングブラシ102及び第2のクリーニングブラシ112よりも潜像担持体11の回転方向の下流側、かつ帯電手段12よりも潜像担持体11の回転方向の上流側に配置されている。
第1のクリーニングブラシ102及び第2のクリーニングブラシ112は、潜像担持体11の回転に従動させて駆動させることも、画像形成装置に設けられた駆動源によって別途駆動させることも可能であるが、図示しないモータにより潜像担持体11の回転方向(矢印方向)と接触部において同じ回転方向に回転して、潜像担持体表面に残留しているトナーを掻き取ることが好ましい。
図1において、第1のクリーニングブラシ102及び第2のクリーニングブラシ112の回転方向は、矢印の方向、即ち、潜像担持体11との当接部において第1のクリーニングブラシ102及び第2のクリーニングブラシ112の進行方向と潜像担持体11表面の進行方向とが同一方向になる回転方向である。
第1のクリーニングブラシ102及び第2のクリーニングブラシ112は、芯材と前記芯材の各回転軸の周面に植毛されたブラシ繊維とからなり、ブラシ繊維の先端を所定の先端力で潜像担持体11に接触させながら回転することにより、潜像担持体11表面に残留しているトナー15(転写残トナー)に第1の粒子101及び第2の粒子111を付与する。第1の粒子101及び第2の粒子111に接触した転写残トナーは、帯電極性が不揃いであったとしても潜像担持体11との静電的な付着力が弱まる結果、潜像担持体から容易に除去される。
そうすることで、転写残トナーは、第1のクリーニングブラシ102及び第2のクリーニングブラシ112により容易に掻き取られ、潜像担持体11に機械的負荷を与えることなく潜像担持体表面から除去される。この際、第1の粒子101及び第2の粒子111も、転写残トナーとともに移動するため、潜像担持体11に転写されずに、第1のクリーニングブラシ102及び第2のクリーニングブラシ112により、第1の収容容器103及び第2の収容容器113に回収される。第1のクリーニングブラシ102及び第2のクリーニングブラシ112により除去しきれなかった転写残トナーは、第1の粒子101及び第2の粒子111の接触により潜像担持体11との静電的付着力が低下しているため、クリーニングブレード121により容易に除去できる。そのため、クリーニングブレード121の当接圧は低くすることができる。
図2は、タンデム方式の本発明の画像形成装置の一例を示す概略図である。図2において、符号1C、1M、1Y、1Kはドラム状の潜像担持体を示している。潜像担持体1C、1M、1Y、1Kは図中の矢印方向に回転し、その周りに少なくとも回転順に帯電手段2C、2M、2Y、2K、現像手段4C、4M、4Y、4K、クリーニング手段5C、5M、5Y、5Kが配置されている。
帯電手段2C、2M、2Y、2Kと現像手段4C、4M、4Y、4Kの間の潜像担持体裏面側より、図示しない露光手段からのレーザー光3C、3M、3Y、3Kが照射され、潜像担持体1C、1M、1Y、1Kに静電潜像が形成される。そして、このような潜像担持体1C、1M、1Y、1Kを中心とした4つの画像形成要素6C、6M、6Y、6Kが、転写材搬送手段である転写搬送ベルト125に沿って並置されている。転写搬送ベルト125は各画像形成ユニット6C、6M、6Y、6Kの現像手段4C、4M、4Y、4Kとクリーニング手段5C、5M、5Y、5Kの間で潜像担持体1C、1M、1Y、1Kに当接している。各画像形成要素6C、6M、6Y、6Kは現像装置内部のトナーの色が異なっており、その他は全て同様の構成となっている。
図2に示す構成の画像形成装置において、画像形成動作は次のようにして行なわれる。まず、各画像形成要素6C、6M、6Y、6Kにおいて、潜像担持体1C、1M、1Y、1Kが矢印方向(潜像担持体と連れ周り方向)に回転する帯電手段2C、2M、2Y、2Kにより帯電され、次に潜像担持体の外側に配置された露光部(図示しない)でレーザー光3C、3M、3Y、3Kにより、作成する各色の画像に対応した静電潜像が形成される。次に現像手段4C、4M、4Y、4Kにより静電潜像を現像してトナー像が形成される。現像手段4C、4M、4Y、4Kは、それぞれC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)のトナーで現像を行う現像手段で、4つの潜像担持体1C、1M、1Y、1K上で作られた各色のトナー像は、転写搬送ベルト125により送られた転写紙上で重ねられる。
潜像担持体上のトナー像は、転写ブラシ(不図示)に印加された転写バイアスと潜像担持体1C、1M、1Y、1Kとの電位差から形成される電界により、転写紙上に転写される。そして4つの転写部を通過して4色のトナー像が重ねられた転写紙は定着手段に搬送され、トナーが定着されて、図示しない排紙部に排紙される。また、転写部で転写されずに各潜像担持体1C、1M、1Y、1K上に残った残留トナーは、クリーニング手段5C、5M、5Y、5Kで回収される。
なお、図2の例で1は画像形成要素は転写紙搬送方向上流側から下流側に向けて、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)の色の順で並んでいるが、この順番に限るものでは無く、色順は任意に設定されるものである。また、黒色のみの原稿を作成する際には、黒色以外の画像形成要素6C、6M、6Yが停止するような機構を設けることは本発明に特に有効に利用できる。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は下記実施例に何ら限定されるものではない。なお、部は、質量部を示す。
(製造例1)
<潜像担持体の作製例1>
導電性円筒状支持体として、直径60mm、360mmのアルミニウムシリンダーを用意した。このアルミニウムシリンダー上に、下記組成の下引き層塗工液、電荷発生層塗工液、及び電荷輸送層塗工液を、順次、塗布及び乾燥することにより、厚み3.5μmの下引き層、厚み0.2μmの電荷発生層、及び厚み25μmの電荷輸送層を形成した。
〔下引き層塗工液〕
アルキッド樹脂(ベッコゾール 1307−60−EL、DIC社製): 6部
メラミン樹脂(スーパーベッカミン G−821−60、DIC社製): 4部
酸化チタン(CR−EL、石原産業社製): 40部
メチルエチルケトン: 200部
〔電荷発生層塗工液〕
下記構造式で表されるビスアゾ顔料: 2.5部

ポリビニルブチラール(エスレックBM−1、積水化学工業社製): 2.0部
シクロヘキサノン: 200部
メチルエチルケトン: 80部
〔電荷輸送層塗工液〕
ビスフェノールZ型ポリカーボネート(パンライトTS−2050、帝人化成社製)
10部
下記構造式(D−1)で表される電荷輸送物質: 7部
テトラヒドロフラン: 100部
1%シリコーンオイルのテトラヒドロフラン溶液
(KF50−100CS、信越化学工業社製): 1部
次に、電荷輸送層上に、下記組成の架橋表面層塗工液1を用いてスプレー塗工し、150℃で30分間加熱して厚み5.0μmの架橋表面層を設け、潜像担持体1を作製した。
〔架橋表面層塗工液1〕
下記構造式(1)で表される電荷輸送性ポリオール: 11部
キシレンジイソシアネート(タケネート500、NCO%=45%、三井武田ケミカル社製): 3.7部
ポリオール:下記構造式(P-1)で表される繰り返し単位を有するポリカーボネートポリオール(重量平均分子量:約1,500): 0.6部
シクロヘキサノン: 30部
テトラヒドロフラン: 100部
−架橋表面層塗工液組成分の混合条件−
NCO/OH=1.0(モル比)
溶剤混合比:テトラヒドロフラン/シクロヘキサノン=10/3(質量比)
(製造例2)
<潜像担持体の作製例2>
製造例1(潜像担持体の作製例1)において、架橋表面層塗工液1を下記の架橋表面層塗工液2に代えた以外は、製造例1と同様にして潜像担持体2を作製した。
〔架橋表面層塗工液2〕
下記構造式(2)で表される電荷輸送性ポリオール: 11部
ナフタレンジイソシアネート(コスモネートND、NCO%=40%、三井武田ケミカル社製): 4.5部
ポリオール:下記構造式(P−2)で表されるポリオール[スチレン、メチルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレートからなるスチレン−アクリル共重合体](LZR−170:固形分41質量%、OH当量約367、藤倉化成社製) 1部
なお、構造式(P−1)中、l=28、m=42、n=30(数平均分子量1,000以上、重量平均分子量約31,000)を示す。
シクロヘキサノン: 30部
テトラヒドロフラン: 100部
−架橋表面層塗工液組成分の混合条件−
NCO/OH=1.0(モル比)
溶剤混合比:テトラヒドロフラン/シクロヘキサノン=10/3(質量比)
(製造例3)
<潜像担持体の作製例3>
製造例1(潜像担持体の作製例1)において、架橋表面層塗工液1を下記架橋表面層塗工液3に代えた以外は、製造例1と同様にして、潜像担持体3を作製した。
〔架橋表面層塗工液3〕
上記構造式(1)で表される電荷輸送性ポリオール: 12部
キシレンジイソシアネート(タケネート500、NCO%=45%、三井武田ケミカル社製): 3.6部
シクロヘキサノン: 30部
テトラヒドロフラン: 100部
−架橋表面層塗工液組成分の混合条件−
NCO/OH=1.0(モル比)
溶剤混合比:テトラヒドロフラン/シクロヘキサノン=10/3(質量比)
(製造例4)
<潜像担持体の作製例4>
製造例1(潜像担持体の作製例1)において、架橋表面層を設けず、電荷輸送層の厚みを30μmとした以外は、製造例1と同様にして潜像担持体4を作製した。
(製造例5)
<潜像担持体の作製例5>
製造例1(潜像担持体の作製例1)において、電荷輸送層塗工液を、塗布及び乾燥した後、下記手順により保護層を形成した以外は、製造例1と同様にして、潜像担持体5を作製した。
〔保護層用塗工液の作製〕
テトラヒドロフラン60部とシクロヘキサノン20部の混合溶媒に、パーフルオロアルコキシ樹脂微粒子(PFA)(MPE−056、三井・デュポンフロロケミカル社製)18部、及び分散助剤(商品名:モディパーF210、日油社製)2部を混合し、高速液衝突分散装置(装置名:アルティマイザーHJP−25005、スギノマシン社製)を用いて、100MPa圧力下、1時間循環して、PFA分散液を得た。
また、テトラヒドロフラン420部とシクロヘキサノン120部の混合溶媒に、ビスフェノールZ型ポリカーボネート(パンライトTS−2050、帝人社製)16部を溶解した樹脂液を作製し、これに前記PFA分散液100部を加えた塗工液に超音波を10分間照射して、保護層用塗工液を作製した。
〔保護層の形成〕
得られた保護層用塗工液を電荷輸送層上にスプレーガン(ピースコンPC308、オリンポス社製)を用い、2kgf/cmのエア圧でスプレー塗工を行ない、3回重ね塗りした後、130℃で20分間乾燥して、厚み5μmの保護層を形成し、潜像担持体5を作製した。
製造例1〜5で得られた潜像担持体の最表面層の構造を表1にまとめた。
なお、製造例3において「−」は、分子中に電荷輸送性分子構造を含まないポリオールを用いずに架橋表面層を形成していることを表し、製造例4、及び5において「−」は、最表面に架橋樹脂を含有する架橋表面層を形成していないことを表す。
(実施例1〜7、及び比較例1〜3)
次に、潜像担持体1〜5、並びに、図1に示す、第1の粒子、第1のクリーニング部材、第1の収容容器、第2の粒子、第2のクリーニング部材、第2の収容容器、及びクリーニングブレードを備えたクリーニング手段を、プロセスカートリッジに装着し、これをタンデム方式のフルカラー画像形成装置(株式会社リコー製、imagio MP C7500改造機)に搭載し、以下により評価した。
なお、第1のクリーニング部材は、第1のクリーニングブラシを有し、第2のクリーニング部材は、第2のクリーニングブラシを有している。
第1のクリーニングブラシ及び第2のクリーニングブラシは、以下のクリーニングブラシを用いた。
クリーニングブラシは、静電気を利用した、所謂、静電植毛により製造した。静電植毛は、ブラシの芯材(芯金)上に接着剤を塗布し、芯材を帯電させることにより、静電電気力で単繊維を飛翔させて、芯材上の接着剤に植毛し、その後接着剤を硬化させる方法である。ブラシ繊維が軸方向及び周方向に対して均一に植毛されたものを用いた。
・芯材:SUS303−D、直径6mm
・ブラシ長さ:330[mm]
・繊維の材質:導電性ポリエステル(繊維内部に導電性カーボンを内包し、繊維表面はポリエステル)
・繊維の抵抗:1×10[Ω・cm]
・繊維の植毛密度:100,000[本/inch
・繊維の起毛長さ:4[mm]
・繊維径:30[μm]
・潜像担持体へのブラシ繊維の喰い込み量:0.8[mm]
・回転方向:当接部においてブラシの進行方向が潜像担持体表面の進行方向と同一となる方向
・潜像担持体の周速:352mm/s
・クリーニングブラシの周速:290mm/s
・周速比(クリーニングブラシ/潜像担持体):0.82
・粒子の付与量:0.3μg/m
ここで、「ブラシ長さ」とは、芯材の軸に平行な方向において、繊維が植毛された領域の長さを意味する。
画像形成装置の帯電手段には接触帯電部材を使用した。この帯電手段に直流電圧−680V、交流電圧1,500V/1,350Hzの交流電圧を重畳した直流電圧を印加し、潜像担持体の表面電位を−850V(静電潜像形成前の帯電電位)に設定した。
画像形成装置は、転写手段よりも潜像担持体の回転方向下流側で、且つ帯電手段よりも回転方向上流側に、クリーニング手段を図1に示すような配置で備えている。クリーニング手段のクリーニングブレードは、imagio MP C7500(株式会社リコー製)市販品PCU搭載のクリーニングブレードであり、ブレード厚みは、2mm、潜像担持体への食い込み量は、0.95mm、当接圧は、0.20N/cmとした。
また、静電潜像を現像するための現像剤には、乳化重合法を用いて作製された体積平均粒径が約5.2μm、平均円形度が0.988の球形トナー(株式会社リコー製、imagio MP C7500)と、シリコーン樹脂を被膜した体積平均粒径が約35μmのキャリア(株式会社リコー製、imagio MP C7500)をトナー濃度で7質量%になるように混合された現像剤を使用した。
第1のクリーニング部材及び第2のクリーニング部材から付与する粒子を下記表2に示す粒子とし、常温常湿(23℃、55%RH)、低温低湿(10℃、15%RH)、高温高湿(30℃、80%RH)の環境下で、A4サイズ、画素密度が1200dpi×1200dpiで画像面積率が6%となる原稿を用いて、連続5枚ずつ印刷する条件で、NBSリコー株式会社製MyPaperに複写印刷する通算5万枚、又は10万枚の耐久性試験を実施し、クリーニング後のトナーすり抜け量(転写残トナーのすり抜け量)を下記方法により評価した。
<<転写残トナーのすり抜け量>>
転写残トナーのすり抜け量の測定は、潜像担持体上に付着しているトナーをクリーニングブレードで捕集する図1に示すプロセス後のトナー残量を測定することにより行った。具体的には、厚みが1mmで8mm×310mmの白地のフェルト(槌屋社製、以下、「すり抜けキャッチャー」と称する)をクリーニングブレードの下流に据え付け、潜像担持体に接触させて、クリーニング工程ですり抜けたトナーを捕集した(図6参照)。なお、図6において、図1の符号と同じ符号は、図1と同じ構成であることを示す。符号14aは、現像ローラを表し、符号15aは、転写残トナーを表し、符号15bは、すり抜けトナーを表し、符号20は、すり抜けキャッチャーを表す。
プリント後(初期(1,000枚)、5万枚、10万枚)、すり抜けキャッチャーを回収し、フェルトの汚染具合を目視で観察し、下記評価基準で評価した。
◎:汚染なし
○:問題がない程度の汚染
×:見た目で明らかに汚染がひどい
△:○と×の中間程度
粒子の種類を表2に示す。また、評価結果を表3に示す。
比較例3において「−」は、クリーニングブラシは配置したが、粒子を用いなかったことを表す。
表2における粒子は、以下のとおりである。
<実施例1、実施例3>
第1の粒子:ポリメタクリル酸メチル(特開2011−026450号公報の実施例5に従い合成した。)
第2の粒子:酸化チタン CR−EL(石原産業社製)
<実施例2、実施例4>
第1の粒子:ポリメタクリル酸メチル(特開2011−026450号公報の実施例5に従った上で、造粒工程の条件を変化させて合成した。なお、前記条件とは、攪拌条件、界面活性剤の量などである。)
第2の粒子:酸化アルミニウム AA−03(住友化学工業社製)
<実施例5>
第1の粒子:ステアリン酸ストロンチウム(和光純薬工業社製)
第2の粒子:ステアリン酸亜鉛(ジンクステアレートG、日油社製)
<実施例6>
第1の粒子:架橋ポリアクリル酸エステル(テクポリマー ACP−8C、積水化成品工業社製)
第1の粒子:酸化チタン PT−401M(石原産業社製)
<実施例7>
第1の粒子:酸化チタン TTO−55(D)(石原産業社製)
第2の粒子:酸化チタン CR−EL(石原産業社製)
<比較例1>
第1の粒子、第2の粒子:シリコーン樹脂 トスパール120(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)
<比較例2>
第1の粒子、第2の粒子:架橋ポリアクリル酸エステル(テクポリマー ACP−8C、積水化成品工業社製)
クリーニングブラシから供給する粒子の帯電量(Q/M)及び粒径は、以下の方法により測定した。
<帯電量(Q/M)の測定>
粒子と日本画像学会標準キャリア(N−01)とを混合し、粒子濃度を7質量%にして、所定の環境(温度23℃、湿度55%RH)に2時間放置した後、金属ゲージに入れ、回転数285rpmの攪拌装置で600秒間攪拌混合した5gの初期剤から0.1gを計量し、Vブローオフ装置(リコー創造開発株式会社製)を用いてシングルモード法により帯電量を測定した。なお、ブロー時には、目開き795メッシュを用いた。
ここでのシングルモード法の条件は、具体的には、上記記載Vブローオフ装置(リコー創造開発株式会社製)で、装置マニュアルに従い、シングルモードを選択し、測定条件は高さ5mm、吸い込み100、ブロー2回とした条件である。その他の測定条件の詳細は装置マニュアルのシングルモード測定法の最大値に準じた。
なお、耐久性試験に用いた現像剤の帯電量は−48μC/gであった。即ち乳化重合法を用いて作製された体積平均粒径が約5.2μm、平均円形度が0.988の球形トナーと、シリコーン樹脂を被膜した体積平均粒径が約35μmのキャリアとを、トナー濃度で7質量%になるように混合された現像剤の帯電量は、−48μC/gを示した。
<粒径(体積平均粒子径)の測定>
粒子の粒径は、コールターマルチサイザーを用いて測定した。
測定装置としてはコールターマルチサイザーIII型(コールター社製)を用い、該測定装置に体積分布を出力するインターフェイス(日科機株式会社製)及びパーソナルコンピューターを接続した。
電解水溶液には、1級塩化ナトリウムを用いた1質量%NaCl水溶液を用いた。
前記電解水溶液100mL〜150mL中に分散剤として界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸塩)を0.1mL〜5mL加え、更に測定試料を2mg〜20mg加え、超音波分散器で約1分間〜3分間の分散処理を行い、サンプル分散液を調製した。
更に、別のビーカーに前記電解水溶液100mL〜200mLを入れ、その中に前記サンプル分散液を所定の濃度になるように加え、前記コールターマルチサイザーIIIによりアパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて測定した。測定個数は50,000個とし、得られた2μm〜60μmを256分割し、体積基準の粒度分布測定結果から得られた50%粒径(D50)を粒径(体積平均粒子径)として求めた。
表3において、|(Q/M)−(Q/M)|は、第1の粒子と第2の粒子の帯電量の差を絶対値で示したものである。
実施例1〜3に示す結果は、第1のクリーニングブラシから正極性に帯電しやすい粒子を供給し、第2のクリーニングブラシから負極性に帯電しやすい粒子を供給することによって、転写工程後の転写残トナーが有するブロードな帯電極性分布に影響を受けることなく、あらゆる環境下で良好なクリーニング性を維持できることを示している。
更に、実施例1と実施例3との比較によって、以下のことが確認できた。潜像担持体の最表面に、一般式(1)で表される電荷輸送性ポリオールと、分子中に電荷輸送性分子構造を含まないポリオールと、芳香族イソシアネート化合物を少なくとも含むイソシアネート化合物とにより形成された架橋樹脂を含有する架橋表面層を形成することによって、緻密な三次元網目構造の形成が可能となった。そのため、潜像担持体及びクリーニングブラシが回転しながら摺擦する際の力(エネルギー)を最表面層内で吸収、及び分散でき、ブラシ痕が付きにくいために、その傷部からトナーがすり抜ける不具合も発生しなかった。
また、実施例1と実施例5との比較、及び実施例2と実施例4との比較によって、架橋表面層を形成した潜像担持体は機械的耐久性が高いことから、2本のクリーニングブラシを用いたクリーニングシステムに搭載した場合でも傷が発生しにくく、クリーニング部材と潜像担持体とが良好な接触状態を維持できることが確認できた。
実施例1、実施例6、及び実施例7は、それぞれ潜像担持体を共通とし、クリーニングブラシから供給される粒子を変更し、このクリーニングブラシから供給する帯電極性及び帯電量差の絶対値の影響を評価した結果である。実施例6では、第1のクリーニングブラシから正極性に帯電しやすい粒子、第2のクリーニングブラシから負極性に帯電しやすい粒子を供給している。しかし、これら2種の粒子の帯電量の差の絶対値が小さいために、試験環境が変化すると転写残トナー及びクリーニングブラシから供給される2種の粒子ともに帯電量の変化を生じているものと予想される。そのため、潜像担持体と転写残トナーとの静電的な付着量を弱める効果が低減し、特に低温低湿環境において、すり抜けトナー量が多くなる結果となっている。
実施例7は、上記帯電量(Q/M)の測定において、ともに負極性に帯電しやすい粒子を供給する組合せであるが、第1のクリーニングブラシから供給される粒子と、転写残トナーの大部分を占める負極性の転写残トナーとの間で、静電的な反発力を起こすことなく良好なクリーニング性を維持しており、且つ、2本のクリーニングブラシから供給される2種の粒子がもつ帯電量の差の絶対値も大きいために、環境変動による影響も小さい。
更に、実施例5、実施例6の結果から、クリーニングブラシから供給される粒子径の影響がわかる。即ち、実施例5及び6の場合、一方のクリーニングブラシから供給される粒子の粒子径がトナーよりも大きいために、通紙枚数10万枚の耐久性試験の終了時では、すり抜けトナーが確認できた。これは、転写残トナーに対してクリーニングブラシから供給された粒子のサイズが大きいほど、そのサイズの大きい粒子が転写残トナーの周りに接触する頻度が低くなって、転写残トナーが有する電荷のキャンセルが効率良く行われないことに起因する。
一方、比較例1及び2は、2本のクリーニングブラシから供給する粒子が同じであるために、供給する粒子の帯電極性が正極性あるいは負極性に関らず、クリーニング不良が発生した。これは、シャープな帯電量分布を有する静電潜像を現像するための現像剤とは違って、転写残トナーの帯電量分布は、転写工程を経てブロードな帯電量分布を持っているために、1種のみの粒子を供給した場合では、潜像担持体と転写残トナーとの静電的な付着力を弱めることができず、転写残トナーがクリーニング部材をすり抜けるためである。
比較例3では、試験開始の時点ではクリーニング性は良好であったが、通紙枚数が5万枚の時点では多量のすり抜けトナーが発生した。これは、クリーニングブラシのブラシ繊維と潜像担持体との間に粒子が介在しておらず、傷の生成箇所に規則性及び方向性ができて、2本のクリーニングブラシの接触圧力による潜像担持体への負荷が一定の箇所に集中してスジ状傷に成長したことが原因である。
(実施例8〜12、比較例4及び5)
第1のクリーニング部材及び第2のクリーニング部材から付与する粒子を下記表4に示す粒子とし、常温常湿(23℃、55%RH)の環境下で、A4サイズ、画素密度が1,200dpi×1,200dpiで画像面積率が6%となる原稿を用いて、連続5枚ずつ印刷する条件で、NBSリコー株式会社製MyPaperに複写印刷する通算20万枚の耐久性試験を実施し、潜像担持体の電位安定性(ΔVD、ΔVL)、ドット画像、潜像担持体の凹凸段差、摩耗量を評価した結果を表5に示す。なお、ドット画像評価においては、下記評価方法に示す原稿作成条件とした。
以下、本発明に関わる試験と測定方法について記載する。
<評価>
<<ΔVD及びΔVLの評価>>
耐久試験前後の暗部電位の変化(ΔVD)、及び露光部電位の変化(ΔVL)を測定した。
明部電位については、現像部に電位計プローブを装着し、帯電、画像露光後、現像部位まで移動した際の潜像担持体表面電位を測定した。
なお、ΔVD、及びΔVLは、それぞれ、初期時と5万枚通紙試験後の暗部電位、露光部電位の電位変化量を表す。
ΔVD=(初期時における暗部電位:−850V)−(5万枚通紙後における暗部電位)
ΔVL=(初期時における露光部電位:−850V)−(5万枚通紙後における露光部電位)
<<ドット画像評価>>
評価には、600[dpi]、画素密度25%の2by2全面トーンのA4版プリント画像を用いた。
ここで、画素密度25%の2by2全面トーンとは、4×4画素で形成される方形領域において、2×2画素分を方形の画像領域、方形の画像領域以外を非画像領域として、これを全面に亘り画像形成することで、4/16=25%の画素密度の画像を形成することを意味する。
ドットの均一性は、25倍のルーペで観察して、以下の基準でランク評価を行った。
5:ドットが非常にそろっており、極めて優れている
4:極わずかにドットの大きさに差異が確認できる
3:実用上問題ないレベルであるが、視野毎のドットの大きさに差異がある場所が確認できる
2:画像の場所によっては、実使用の許容範囲を超える
1:複数箇所でドット画像を形成できておらず、異常画像として認識できる。
なお、ハーフトーン画像の領域では、滑らかな階調表現が要求され、それを実現するためには、ドットの形状を安定させることが重要である。そのため、ドットの形状を確認することにより、ハーフトーン画像の再現性を評価した。
<<潜像担持体表面の観察>>
耐久性試験前後の潜像担持体表面を観察し、潜像担持体表面の状態を評価した。観察には、超深度形状測定顕微鏡(VK−8500、キーエンス社製)を用いて、50倍と100倍の対物レンズを併用して観察した。観察視野(画像領域)において任意で3箇所を選択し、主走査方向(潜像担持体の長手方向)での50μm長さでの最大凹凸段差を測定した。
なお、図7、及び図8に、試験後の実施例8、及び比較例5における潜像担持体の表面形状を超深度形状測定顕微鏡(VK−8500、キーエンス社製)で測定した結果をそれぞれ示す。
<<摩耗量の評価>>
潜像担持体の摩耗量は、渦電流式膜厚計(フィッシャースコープMMS、フィッシャー社製)を用いて、通紙試験前後の全層の厚みを測定し、これらの差分を算出して摩耗量とした。
測定箇所として、潜像担持体の周方向については、周方向に180°間隔(言い換えれば、半周間隔)で2箇所を選択した。長手方向については、潜像担持体の端部から50mmの位置から長手方向に10mm間隔とした。周方向0°の位置で長手方向に測定した値の平均値(Ave.)と、周方向180°の位置で長手方向に測定した値の平均値(Ave.180)を求め、更にこれらの平均値〔(Ave.)+(Ave.180)〕/2を膜厚とした。
表4における粒子は、以下のとおりである。
<実施例8〜実施例12>
実施例1、実施例3の評価で用いた2種の粒子と同じ組合せとした。即ち、以下の2種類の粒子を各クリーニングブラシから供給(付与)した。
第1の粒子:ポリメタクリル酸メチル(特開2011−026450号公報の実施例5に従い合成した。)
第2の粒子:酸化チタン CR−EL(石原産業社製)
<比較例4>
第1のクリーニングブラシから付与(供給)される第1の粒子は、実施例8〜12と同じ粒子を用い、第2のクリーニングブラシからは粒子を付与しないものとした。
<比較例5>
第1のクリーニングブラシからは粒子を付与しないものとし、第2のクリーニングブラシから付与される第2の粒子は、実施例8〜12と同じ粒子を用いた。
実施例8と実施例9とを比較すると、実施例8は、芳香環を有するイソシアネート化合物のイソシアネート基がアルキレン基を介して芳香環に結合した構造をしている、キシレンジイソシアネートを、最表面の架橋表面層の構成成分に用いている。芳香環に結合しているアルキレン部位は、σ結合で自由に回転できることから、分子のコンフォメーションの自由度が高くなり、結果として水酸基と反応して架橋構造を形成しやすい。したがって、実施例8は、実施例9に比べて電位安定性が高く、且つ、高度に架橋された膜が形成される結果、解像度、潜像担持体表面の状態、摩耗量のすべてが良好であった。
実施例8と実施例10とを比較すると、実施例8は、分子中に電荷輸送性分子構造を含まないポリオールを用いて形成した架橋表面層を用いている。前記架橋表面層は、緻密な三次元網目構造の形成が可能であり、潜像担持体及びクリーニングブラシが回転しながら摺擦する際の機械的な負荷を膜中で吸収、及び分散できる。そのために、クリーニングブラシの摺擦跡が付きにくく、耐久試験による潜像担持体の凹凸段差の発生も小さく抑えられるためにドットが揃った画像を得ることができる。
実施例11、実施例12は、潜像担持体の最表面層が架橋表面層でないために、機械的な耐久性(摩耗量)に関しては、実施例8〜実施例10よりもやや劣る結果であるが、電位安定性及び出力した最終画像から確認できるドットは実使用において問題ないレベルであった。
一方、比較例4、比較例5は、第1のクリーニングブラシあるいは第2のクリーニングブラシから1種の粒子が付与される構成であるために、クリーニングブラシが潜像担持体の同一箇所をなぞることによって発生する、目視で観察できる程度に周期的なスジ状の傷が大きく、均一なドットを形成できなかった。
(実施例13〜15)
クリーニング手段に用いるクリーニングブラシの植毛状態を変化させた、以下の2種類のクリーニングブラシのいずれかを用い、常温常湿(23℃、55%RH)の環境下とした以外は、実施例1と同様にして、5万枚又は10万枚画像を形成した。
第1のクリーニングブラシ及び第2のクリーニングブラシには、同一のクリーニングブラシを用いて、偏摩耗(摩耗差)に関する評価を実施した。
第1のクリーニング部材及び第2のクリーニング部材から付与する粒子は、実施例1で用いた2種の粒子の組合せに統一した。
ブラシA:金属からなる芯材の周面に対して、螺旋状に植設された繊維束から構成されるブラシ(図9参照)
ブラシB:ブラシ繊維を基布上に一様に植毛したものを、金属からなる芯金にスパイラル状に巻き付けて得られるブラシであって、長手方向及び周方向に対して均一に植設された繊維束から構成されるブラシ(図10参照)
偏摩耗(摩耗差)は、以下の方法によって求めた。まず、潜像担持体の長手方向の両端からそれぞれ30mm及び中央のそれぞれの位置について、耐久性試験前後の膜厚を測定して、それぞれの位置の耐久性試験前後の膜厚差を求めた。そして、これら3点の耐久性試験前後の膜厚差の最大値と最小値との差から偏摩耗(摩耗差)を求めた。膜厚の測定は上記に示した摩耗量の評価と同じ装置を用いた。
評価結果を表6に示す
表6中の摩耗差の単位は、μmである。
実施例13〜実施例15の結果は、クリーニングブラシの繊維が螺旋状に形成されているブラシAを用いた場合に、潜像担持体上の転写残トナーに対してクリーニングブラシから粒子の均一な付与が可能となり、潜像担持体の長手方向での摩耗量の差をより小さく抑えられることを示している。これは、芯材に対して半径方向及び伸延方向に立体的に広がる三次元曲線の螺旋状を形成する繊維構成によって、クリーニングブラシの回転によってトナーに付与された粒子が、潜像担持体の長手方向に自ずと平行移動し、粒子が付与される範囲が拡大されるためである。
本発明の態様は、例えば、以下のとおりである。
<1> 潜像担持体と、該潜像担持体表面を帯電させる帯電手段と、帯電された前記潜像担持体表面を露光して前記潜像担持体に静電潜像を形成する露光手段と、該潜像担持体に形成された静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像手段と、該トナー像を転写媒体に転写する転写手段と、前記潜像担持体表面に残留するトナーを除去するクリーニング手段とを有し、
前記クリーニング手段が、第1のクリーニング部材と、第2のクリーニング部材とを有し、
前記第1のクリーニング部材が、前記潜像担持体表面に第1の粒子を付与し、かつ前記潜像担持体表面に残留する前記トナーを除去する第1のクリーニングブラシを有し、
前記第2のクリーニング部材が、前記潜像担持体表面に前記第1の粒子の帯電量とは異なる帯電量を有する第2の粒子を付与し、かつ前記潜像担持体表面に残留する前記トナーを除去する第2のクリーニングブラシを有することを特徴とする画像形成装置である。
<2> クリーニング手段が、第2のクリーニングブラシよりも潜像担持体の回転方向の上流側に第1のクリーニングブラシを有し、
第1の粒子の帯電量(Q1〔μC/g〕)と第2の粒子の帯電量(Q2〔μC/g〕)が、下記式(1)を満たす前記<1>に記載の画像形成装置である。
Q1>Q2 式(1)
<3> 第1の粒子及び第2の粒子の体積平均粒子径が、トナーの体積平均粒子径よりも小さい前記<1>から<2>のいずれかに記載の画像形成装置である。
<4> 第1のクリーニングブラシ及び第2のクリーニングブラシの回転方向が、潜像担持体との当接部における前記第1のクリーニングブラシ及び前記第2のクリーニングブラシの進行方向と前記潜像担持体表面の進行方向とが同一方向になる回転方向である前記<1>から<3>のいずれかに記載の画像形成装置である。
<5> 第1のクリーニングブラシの周速(S1)と潜像担持体の周速(S0)との比(S1/S0)が、0.7〜1.5であり、
第2のクリーニングブラシの周速(S2)と潜像担持体の周速(S0)との比(S2/S0)が、0.7〜1.5である前記<1>から<4>のいずれかに記載の画像形成装置である。
<6> クリーニング手段が、第1のクリーニングブラシ及び第2のクリーニングブラシよりも潜像担持体の回転方向の下流側、かつ帯電手段よりも前記潜像担持体の回転方向の上流側にクリーニングブレードを有する前記<1>から<5>のいずれかに記載の画像形成装置である。
<7> 前記潜像担持体が、最表面に架橋樹脂を含有する架橋表面層を有し、前記架橋樹脂が、下記一般式(1)で表される電荷輸送性ポリオールと、芳香族イソシアネート化合物とにより形成された架橋樹脂である前記<1>から<6>のいずれかに記載の画像形成装置である。
ただし、前記一般式(1)中、Yは、1つの水酸基が結合した炭素数1〜4の置換又は無置換のアルキル基、及び1つの水酸基が結合した炭素数1〜4の置換又は無置換のアルコキシ基のいずれかを表す。Xは、電荷輸送性分子構造を含む2〜4価の炭化水素結合を主とする有機残基を表す。nは、2〜4の整数を表す。
<8> 芳香族イソシアネート化合物が、芳香環とイソシアネート基とを有し、前記イソシアネート基が、アルキレン基を介して前記芳香環に結合している前記<7>に記載の画像形成装置である。
<9> 架橋樹脂が、一般式(1)で表される電荷輸送性ポリオールと、分子中に電荷輸送性分子構造を含まないポリオールと、芳香族イソシアネート化合物とにより形成された架橋樹脂である前記<7>から<8>のいずれかに記載の画像形成装置である。
<10> 少なくとも潜像担持体と、クリーニング手段とを有し、
前記<1>から<9>のいずれかに記載の画像形成装置本体に対して、着脱可能であることを特徴とするプロセスカートリッジである。
1C、1M、1Y、1K 潜像担持体
2C、2M、2Y、2K 帯電手段
3C、3M、3Y、3K レーザー光
4C、4M、4Y、4K 現像手段
5C、5M、5Y、5K クリーニング手段
6C、6M、6Y、6K 画像形成要素
11 潜像担持体
12 帯電手段
13 露光手段
14 現像手段
15 トナー
16 転写手段
17 転写媒体
18 定着手段
100 クリーニング手段
101 第1の粒子
102 第1のクリーニングブラシ
103 第1の収容容器
111 第2の粒子
112 第2のクリーニングブラシ
113 第2の収容容器
121 クリーニングブレード
125 転写搬送ベルト
1001 支持体
1002 感光層
1003 架橋表面層
1004 下引き層
1005 電荷発生層
1006 電荷輸送層
特開昭60−128481号公報 特開2006−099054号公報 特開平08−194418号公報 特開平06−130875号公報

Claims (10)

  1. 潜像担持体と、該潜像担持体表面を帯電させる帯電手段と、帯電された前記潜像担持体表面を露光して前記潜像担持体に静電潜像を形成する露光手段と、該潜像担持体に形成された静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像手段と、該トナー像を転写媒体に転写する転写手段と、前記潜像担持体表面に残留するトナーを除去するクリーニング手段とを有し、
    前記クリーニング手段が、第1のクリーニング部材と、第2のクリーニング部材とを有し、
    前記第1のクリーニング部材が、前記潜像担持体表面に第1の粒子を付与し、かつ前記潜像担持体表面に残留する前記トナーを除去する第1のクリーニングブラシを有し、
    前記第2のクリーニング部材が、前記潜像担持体表面に前記第1の粒子の帯電量とは異なる帯電量を有する第2の粒子を付与し、かつ前記潜像担持体表面に残留する前記トナーを除去する第2のクリーニングブラシを有することを特徴とする画像形成装置。
  2. クリーニング手段が、第2のクリーニングブラシよりも潜像担持体の回転方向の上流側に第1のクリーニングブラシを有し、
    第1の粒子の帯電量(Q1〔μC/g〕)と第2の粒子の帯電量(Q2〔μC/g〕)が、下記式(1)を満たす請求項1に記載の画像形成装置。
    Q1>Q2 式(1)
  3. 第1の粒子及び第2の粒子の体積平均粒子径が、トナーの体積平均粒子径よりも小さい請求項1から2のいずれかに記載の画像形成装置。
  4. 第1のクリーニングブラシ及び第2のクリーニングブラシの回転方向が、潜像担持体との当接部における前記第1のクリーニングブラシ及び前記第2のクリーニングブラシの進行方向と前記潜像担持体表面の進行方向とが同一方向になる回転方向である請求項1から3のいずれかに記載の画像形成装置。
  5. 第1のクリーニングブラシの周速(S1)と潜像担持体の周速(S0)との比(S1/S0)が、0.7〜1.5であり、
    第2のクリーニングブラシの周速(S2)と潜像担持体の周速(S0)との比(S2/S0)が、0.7〜1.5である請求項1から4のいずれかに記載の画像形成装置。
  6. クリーニング手段が、第1のクリーニングブラシ及び第2のクリーニングブラシよりも潜像担持体の回転方向の下流側、かつ帯電手段よりも前記潜像担持体の回転方向の上流側にクリーニングブレードを有する請求項1から5のいずれかに記載の画像形成装置。
  7. 潜像担持体が、最表面に架橋樹脂を含有する架橋表面層を有し、前記架橋樹脂が、下記一般式(1)で表される電荷輸送性ポリオールと、芳香族イソシアネート化合物とにより形成された架橋樹脂である請求項1から6のいずれかに記載の画像形成装置。
    ただし、前記一般式(1)中、Yは、1つの水酸基が結合した炭素数1〜4の置換又は無置換のアルキル基、及び1つの水酸基が結合した炭素数1〜4の置換又は無置換のアルコキシ基のいずれかを表す。Xは、電荷輸送性分子構造を含む2〜4価の炭化水素結合を主とする有機残基を表す。nは、2〜4の整数を表す。
  8. 芳香族イソシアネート化合物が、芳香環とイソシアネート基とを有し、前記イソシアネート基が、アルキレン基を介して前記芳香環に結合している請求項7に記載の画像形成装置。
  9. 架橋樹脂が、一般式(1)で表される電荷輸送性ポリオールと、分子中に電荷輸送性分子構造を含まないポリオールと、芳香族イソシアネート化合物とにより形成された架橋樹脂である請求項7から8のいずれかに記載の画像形成装置。
  10. 少なくとも潜像担持体と、クリーニング手段とを有し、
    請求項1から9のいずれかに記載の画像形成装置本体に対して、着脱可能であることを特徴とするプロセスカートリッジ。


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