JP6680257B2 - 電子写真感光体、画像形成装置及びプロセスカートリッジ - Google Patents

電子写真感光体、画像形成装置及びプロセスカートリッジ Download PDF

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Description

本発明は、電子写真感光体、画像形成装置及びプロセスカートリッジに関する。
電子写真感光体は、像担持体として電子写真方式の画像形成装置(例えば、プリンター、及び複合機)において用いられる。電子写真感光体は、感光層を備える。電子写真感光体としては、例えば、積層型電子写真感光体、及び単層型電子写真感光体が挙げられる。積層型電子写真感光体は、電荷発生の機能を有する電荷発生層と、電荷輸送の機能を有する電荷輸送層とを含む感光層を備える。単層型電子写真感光体は、電荷発生の機能と、電荷輸送の機能とを有する感光層を備える。
特許文献1には、CuKα特性X線回折スペクトルにおいてブラッグ角(2θ±0.2°)の27.3°に最大回折ピークを有するチタニルフタロシアニンを含む電子写真感光体が記載されている。
特開平8−176456号公報
しかしながら、本発明者らの検討により、特許文献1の電子写真感光体では、露光メモリーの発生を抑制しつつ、耐電圧性及び耐フィルミング性を向上させるのは困難であることが判明した。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、露光メモリーの発生を抑制しつつ、耐電圧性及び耐フィルミング性を向上させることができる電子写真感光体を提供することである。また、本発明の別の目的は、画像不良の発生を抑制できる画像形成装置及びプロセスカートリッジを提供することである。
本発明の電子写真感光体は、導電性基体と感光層とを備える。前記感光層は、単層であり、かつ電荷発生剤、正孔輸送剤、電子輸送剤、バインダー樹脂及びフッ素樹脂粒子を含む。前記電荷発生剤は、CuKα特性X線回折スペクトルにおいてブラッグ角(2θ±0.2°)の27.2°に主ピークを有するチタニルフタロシアニンを含む。前記感光層における波長780nmの光に対する吸光度をAとし、前記感光層の厚みをT(μm)とし、前記感光層における前記チタニルフタロシアニンの濃度をW(質量%)としたときに、下記式(1)を満足する。
0.018≦A/(T・W)≦0.061 (1)
本発明の画像形成装置は、像担持体と、帯電部と、露光部と、現像部と、転写部とを備える。前記像担持体は、上述の電子写真感光体である。前記帯電部は、前記像担持体の表面を帯電させる。前記帯電部の帯電極性は、正極性である。前記露光部は、帯電された前記像担持体の前記表面を露光して、前記像担持体の前記表面に静電潜像を形成する。前記現像部は、現像剤を用いて前記静電潜像をトナー像として現像する。前記転写部は、前記トナー像を前記像担持体から被転写体へ転写する。
本発明のプロセスカートリッジは、上述の電子写真感光体を備える。
本発明の電子写真感光体は、露光メモリーの発生を抑制しつつ、耐電圧性及び耐フィルミング性を向上させることができる。また、本発明の画像形成装置及びプロセスカートリッジは、画像不良の発生を抑制することができる。
本発明の第一実施形態に係る電子写真感光体の構造の一例を示す部分断面図である。 本発明の第一実施形態に係る電子写真感光体の構造の一例を示す部分断面図である。 本発明の第一実施形態に係る電子写真感光体の構造の一例を示す部分断面図である。 本発明の第二実施形態に係る画像形成装置の一例を示す図である。 画像ゴーストが発生した画像を示す図である。 評価用画像の設計画像を示す図である。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明するが、本発明は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内で、適宜変更を加えて実施できる。なお、説明が重複する箇所については、適宜説明を省略する場合があるが、発明の要旨を限定するものではない。また、本明細書において、化合物名の後に「系」を付けて、化合物及びその誘導体を包括的に総称する場合がある。化合物名の後に「系」を付けて重合体名を表す場合には、重合体の繰返し単位が化合物又はその誘導体に由来することを意味する。
以下において、炭素原子数1以上6以下のアルキル基は、直鎖状又は分枝鎖状で非置換である。炭素原子数1以上6以下のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、及びヘキシル基が挙げられる。
以下において、フッ素樹脂粒子は、フッ素原子を有する樹脂を含むフィラー粒子(樹脂粒子)をさす。また、フッ素原子を有する樹脂をフッ素樹脂と記載することがある。
<第一実施形態:電子写真感光体>
本発明の第一実施形態に係る電子写真感光体(以下、感光体と記載することがある。)の構造を説明する。図1、図2及び図3は、第一実施形態の一例である感光体1の構造を示す部分断面図である。図1に示すように、感光体1は、導電性基体2と、感光層3とを備える。感光層3は、単層の感光層である。図1に示すように、感光層3は導電性基体2上に直接的に設けられてもよい。また、図2に示すように、感光体1は、例えば、導電性基体2と、中間層4(例えば下引き層)と、感光層3とを備えてもよい。図2に示す例では、感光層3は、導電性基体2上に中間層4を介して間接的に設けられている。また、図3に示すように、感光体1は、最表面層として保護層5を備えてもよい。
感光層3は、電荷発生剤と、正孔輸送剤と、電子輸送剤と、バインダー樹脂と、フッ素樹脂粒子とを含有する。電荷発生剤は、CuKα特性X線回折スペクトルにおいてブラッグ角(2θ±0.2°)の27.2°に主ピークを有するチタニルフタロシアニン(以下、Y型チタニルフタロシアニンと記載することがある。)を含む。
また、感光層3における波長780nmの光に対する吸光度をAとし、感光層3の厚みをT(μm)とし、感光層3におけるY型チタニルフタロシアニンの濃度をW(質量%)としたときに、下記式(1)を満足する。
0.018≦A/(T・W)≦0.061 (1)
ここで、式(1)のA/(T・W)は、ランベルト・ベールの法則に準じて、感光層3中におけるY型チタニルフタロシアニンの分散性を表す指標と見なすことができる。すなわち、感光層3における厚みT及びY型チタニルフタロシアニンの濃度Wが一定の場合、Y型チタニルフタロシアニンの分散性が不十分であると、入射光が吸収されにくく、感光層3における波長780nmの光に対する吸光度Aが小さい値になる傾向がある。一方、感光層3におけるY型チタニルフタロシアニンの分散性が良好であれば、入射光が吸収されやすく、感光層3における波長780nmの光に対する吸光度Aが大きい値になる傾向がある。よって、式(1)のA/(T・W)の値により、感光層3中におけるY型チタニルフタロシアニンの分散性を評価できる。
感光体1は、露光メモリーの発生を抑制できる。その理由は、以下のように推測される。
Y型チタニルフタロシアニンの分散性の指標となる式(1)のA/(T・W)を0.018以上とすることにより、感光層3中のY型チタニルフタロシアニンの分散性が高まり、Y型チタニルフタロシアニンから発生した電荷が効率よく輸送されるようになる。これにより、感光層3中における残留電荷の発生を抑制できるものと考えられる。
また、感光層3を形成する際、感光層用塗布液中において、フッ素樹脂粒子がY型チタニルフタロシアニンの凝集を抑制しているものと考えられる。そのため、感光層用塗布液中のY型チタニルフタロシアニンの分散安定性が向上し、その結果、得られる感光層3中のY型チタニルフタロシアニンの分散性の指標であるA/(T・W)を上記範囲内とすることができると考えられる。
このように、感光体1は、Y型チタニルフタロシアニン及びフッ素樹脂粒子を含むことにより、Y型チタニルフタロシアニンの分散性の指標であるA/(T・W)を、残留電荷の発生を抑制できる好適な範囲に制御できるため、露光メモリーの発生を抑制できると考えられる。
また、感光体1は、耐電圧性を向上させることができる。その理由は、以下のように推測される。
感光体1は、感光層3にフッ素樹脂粒子が含有されることで、感光層3においてリークの発生が低減される傾向がある。また、式(1)のA/(T・W)を0.061以下とすることにより、過剰な電荷の発生に起因するリークが抑制されると考えられる。そのため、感光体1は、耐電圧性を向上させることができると考えられる。
また、感光体1は、耐フィルミング性を向上させることができる。その理由は、以下のように推測される。
感光層3に含まれるフッ素樹脂粒子は、感光体1の表面に凹凸を形成する。その結果、フィルミングの原因となる成分(より具体的には、トナー成分、紙粉等)と、感光体1との接触面積が小さくなる。これにより、感光体1は、フィルミングの原因となる成分の付着が抑制され、耐フィルミング性を向上させることができると考えられる。
式(1)のA/(T・W)は、露光メモリーの発生をより抑制する観点から、0.030以上0.061以下であることが好ましく、0.040以上0.061以下であることがより好ましく、0.046以上0.061以下であることが更に好ましい。
以下、本実施形態に係る感光体の要素(導電性基体、感光層、及び中間層)を説明する。更に感光体の製造方法も説明する。
[1.導電性基体]
導電性基体は、感光体の導電性基体として用いることができる限り、特に限定されない。導電性基体としては、少なくとも表面部が導電性を有する材料で構成される導電性基体を用いることができる。導電性基体としては、例えば、導電性を有する材料(導電性材料)で構成される導電性基体、及び導電性材料で被覆される導電性基体が挙げられる。導電性材料としては、例えば、アルミニウム、鉄、銅、錫、白金、銀、バナジウム、モリブデン、クロム、カドミウム、チタン、ニッケル、パラジウム、及びインジウムが挙げられる。これらの導電性材料は、一種単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。二種以上の組合せとしては、例えば、合金(より具体的には、アルミニウム合金、ステンレス鋼、真鍮等)が挙げられる。これらの導電性材料の中でも、感光層から導電性基体への電荷の移動が良好であることから、アルミニウム及びアルミニウム合金が好ましい。
導電性基体の形状は、使用する画像形成装置の構造に合わせて適宜選択することができる。導電性基体の形状としては、例えば、シート状、及びドラム状が挙げられる。また、導電性基体の厚みは、導電性基体の形状に応じて、適宜選択することができる。
[2.感光層]
感光層は、電荷発生剤と、正孔輸送剤と、電子輸送剤と、バインダー樹脂と、フッ素樹脂粒子とを含有する。感光層は更に添加剤を含有してもよい。感光層の厚みTは、例えば5.0μm以上100.0μm以下程度であり、式(1)のA/(T・W)の値を上記範囲内に容易に制御するためには、10.0μm以上50.0μm以下であることが好ましく、20.0μm以上40.0μm以下であることがより好ましい。
感光層における波長780nmの光に対する吸光度Aは、式(1)のA/(T・W)の値を上記範囲内に容易に制御するためには、1.20以上2.70以下であることが好ましく、1.30以上2.60以下であることがより好ましい。なお、吸光度Aは、感光層におけるY型チタニルフタロシアニンの濃度W、並びに感光層に添加するフッ素樹脂粒子の種類及び添加量等を調整することにより制御できる。
以下、電荷発生剤、正孔輸送剤、電子輸送剤、バインダー樹脂、フッ素樹脂粒子及び任意成分である添加剤について説明する。
(電荷発生剤)
電荷発生剤は、CuKα特性X線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角(2θ±0.2°)の27.2°に主ピークを有するチタニルフタロシアニン(Y型チタニルフタロシアニン)を含む。なお、CuKα特性X線回折スペクトルにおける主ピークは、波長1.542ÅのCuKα特性X線に対するブラッグ角(2θ±0.2°)が3°以上40°以下である範囲において、1番目又は2番目に大きな強度を有するピークである。Y型チタニルフタロシアニンは、ブラッグ角(2θ±0.2°)=27.2°以外に、ピークを有していてもよい。チタニルフタロシアニンは、下記化学式(CG1)で表すことができる。以下、下記化学式(CG1)で表されるY型チタニルフタロシアニンを電荷発生剤(CG1)と記載することがある。
Figure 0006680257
CuKα特性X線回折スペクトルの測定方法の一例について説明する。試料(チタニルフタロシアニン)をX線回折装置(例えば、株式会社リガク製「RINT(登録商標)1100」)のサンプルホルダーに充填して、X線管球Cu、管電圧40kV、管電流30mA、かつCuKα特性X線の波長1.542Åの条件で、X線回折スペクトルを測定する。測定範囲(2θ)は、例えば3°以上40°以下(スタート角3°、ストップ角40°)であり、走査速度は、例えば10°/分である。得られたX線回折スペクトルから主ピークを決定し、主ピークのブラッグ角を読み取る。
Y型チタニルフアロシアニンは、例えば下記工程(a)〜(g)を経て製造される。
(a)粗チタニルフタロシアニン結晶を酸に溶解させて、チタニルフタロシアニン溶液を得る工程
(b)チタニルフタロシアニン溶液を貧溶媒中に滴下して第一のウェットケーキを得る工程
(c)第一のウェットケーキを、アルコールによって洗浄する工程
(d)洗浄後の第一のウェットケーキを酸に溶解させて、チタニルフタロシアニン溶液を得る工程
(e)チタニルフタロシアニン溶液を貧溶媒中に滴下して第二のウェットケーキを得る工程
(f)第二のウェットケーキを水によって洗浄する工程
(g)洗浄後の第二のウェットケーキを非水系溶媒中で加熱しながら攪拌して、チタニルフタロシアニンのY型結晶(Y型チタニルフアロシアニン)を得る工程
工程(c)において、第一のウェットケーキの洗浄に用いるアルコールとしては、感光層中におけるY型チタニルフタロシアニンの分散性を向上させる観点から、メタノール、エタノール及びイソプロピルアルコールからなる群より選択される少なくとも一種が好ましく、メタノールがより好ましい。
電荷発生剤は、Y型チタニルフアロシアニンのみを実質的に含むことが好ましい。ただし、Y型チタニルフタロシアニン以外に感光体用の電荷発生剤を含んでもよい。このような電荷発生剤としては、例えば、Y型チタニルフタロシアニン以外のフタロシアニン系顔料、ペリレン顔料、ビスアゾ顔料、ジチオケトピロロピロール顔料、無金属ナフタロシアニン顔料、金属ナフタロシアニン顔料、スクアライン顔料、トリスアゾ顔料、インジゴ顔料、アズレニウム顔料、シアニン顔料、無機光導電材料(例えば、セレン、セレン−テルル、セレン−ヒ素、硫化カドミウム及びアモルファスシリコン)の粉末、ピリリウム塩、アンサンスロン系顔料、トリフェニルメタン系顔料、スレン系顔料、トルイジン系顔料、ピラゾリン系顔料、及びキナクリドン系顔料が挙げられる。Y型チタニルフタロシアニン以外のフタロシアニン系顔料としては、例えば、無金属フタロシアニン(例えば、X型無金属フタロシアニン(X−H2Pc))、及びY型チタニルフタロシアニン以外のチタニルフタロシニン(より具体的には、α型チタニルフタロシアニン、β型チタニルフタロシアニン等)が挙げられる。電荷発生剤は、一種を単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
X型無金属フタロシアニンは、下記化学式(CG2)で表すことができる。
Figure 0006680257
Y型チタニルフタロシアニンの含有量は、電荷発生剤の総量に対して、80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましく、100質量%であることが特に好ましい。
また、感光層におけるY型チタニルフタロシアニンの濃度Wは、露光メモリーの発生をより抑制しつつ、耐電圧性をより向上させる観点から、0.50質量%以上4.00質量%以下であることが好ましく、0.80質量%以上3.50質量%以下であることがより好ましく、0.80質量%以上1.80質量%以下であることが更に好ましく、1.00質量%以上1.80質量%以下であることが特に好ましい。
電荷発生剤の含有量は、電荷を効率よく発生させる観点から、バインダー樹脂100質量部に対して、0.1質量部以上50質量部以下であることが好ましく、0.5質量部以上30質量部以下であることがより好ましく、0.5質量部以上4.5質量部以下であることが特に好ましい。
(正孔輸送剤)
正孔輸送剤としては、例えば、ジアミン誘導体(より具体的には、N,N,N’,N’−テトラフェニルフェニレンジアミン誘導体、N,N,N’,N’−テトラフェニルナフチレンジアミン誘導体、N,N,N’,N’−テトラフェニルフェナントリレンジアミン誘導体等);オキサジアゾール系化合物(より具体的には、2,5−ジ(4−メチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール等);スチリル系化合物(より具体的には、9−(4−ジエチルアミノスチリル)アントラセン等);カルバゾール系化合物(より具体的には、ポリビニルカルバゾール等);有機ポリシラン化合物;ピラゾリン系化合物(より具体的には、1−フェニル−3−(p−ジメチルアミノフェニル)ピラゾリン等);ヒドラゾン系化合物;インドール系化合物;オキサゾール系化合物;イソオキサゾール系化合物;チアゾール系化合物;チアジアゾール系化合物;イミダゾール系化合物;ピラゾール系化合物;トリアゾール系化合物が挙げられる。これらの正孔輸送剤は、一種を単独で使用してもよく、二種以上を組み合わせて使用してもよい。
これらの正孔輸送剤のうち、正孔を効率よく輸送する観点から、以下に示す一般式(HT1)、及び一般式(HT2)で表される化合物が好ましい。
Figure 0006680257
一般式(HT1)中、R22、R23及びR24は、各々独立に、炭素原子数1以上6以下のアルキル基を表す。d1、d2及びd3は、各々独立に、0以上5以下の整数を表す。d1が2以上5以下の整数を表す場合、複数のR22は互いに同一であっても異なってもよい。d2が2以上5以下の整数を表す場合、複数のR23は互いに同一であっても異なってもよい。d3が2以上5以下の整数を表す場合、複数のR24は互いに同一であっても異なってもよい。R25は、炭素原子数1以上6以下のアルキル基又は水素原子を表す。
Figure 0006680257
一般式(HT2)中、R5、R6、R7及びR8は、各々独立に、炭素原子数1以上6以下のアルキル基又は水素原子を表す。
一般式(HT1)で表される化合物としては、以下の化学式(HT1−1)で表される化合物(以下、正孔輸送剤(HT1−1)と記載することがある。)が挙げられる。
Figure 0006680257
一般式(HT2)で表される化合物としては、以下の化学式(HT2−1)で表される化合物(以下、正孔輸送剤(HT2−1)と記載することがある。)が挙げられる。
Figure 0006680257
正孔輸送剤の含有量は、バインダー樹脂100質量部に対して、10質量部以上200質量部以下であることが好ましく、10質量部以上100質量部以下であることがより好ましい。
(電子輸送剤)
電子輸送剤としては、例えば、キノン系化合物、ジイミド系化合物、ヒドラゾン系化合物、マロノニトリル系化合物、チオピラン系化合物、トリニトロチオキサントン系化合物、3,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン系化合物、ジニトロアントラセン系化合物、ジニトロアクリジン系化合物、テトラシアノエチレン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、ジニトロベンゼン、ジニトロアクリジン、無水コハク酸、無水マレイン酸、及びジブロモ無水マレイン酸が挙げられる。キノン系化合物としては、例えば、ジフェノキノン系化合物、アゾキノン系化合物、アントラキノン系化合物、ナフトキノン系化合物、ニトロアントラキノン系化合物、及びジニトロアントラキノン系化合物が挙げられる。これらの電子輸送剤は、一種を単独で使用してもよく、二種以上を組み合わせて使用してもよい。
これらの電子輸送剤のうち、電子を効率よく輸送する観点から、以下に示す一般式(ET1)で表される化合物が好ましい。
Figure 0006680257
一般式(ET1)中、R11及びR12は、各々独立に、炭素原子数1以上6以下のアルキル基を表す。
一般式(ET1)で表される化合物としては、以下の化学式(ET1−1)で表される化合物(以下、電子輸送剤(ET1−1)と記載することがある。)が挙げられる。
Figure 0006680257
電子輸送剤の含有量は、バインダー樹脂100質量部に対して、5質量部以上100質量部以下であることが好ましく、10質量部以上80質量部以下であることがより好ましく、30質量部以上60質量部以下であることが特に好ましい。
(バインダー樹脂)
バインダー樹脂としては、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂及び光硬化性樹脂が挙げられる。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、アクリル酸重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、ポリエチレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩素化ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂、アイオノマー樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、アルキド樹脂、ポリアミド樹脂、ウレタン樹脂、ポリスルホン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ケトン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエステル樹脂及びポリエーテル樹脂が挙げられる。熱硬化性樹脂としては、例えば、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂及びメラミン樹脂が挙げられる。光硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ−アクリル酸系樹脂(エポキシ化合物のアクリル酸付加物)及びウレタン−アクリル酸系共重合体(ウレタン化合物のアクリル酸付加物)が挙げられる。これらのバインダー樹脂は、一種を単独で使用してもよく、二種以上を組み合わせて使用してもよい。
これらの樹脂の中では、加工性、機械的特性、光学的特性及び耐摩耗性のバランスに優れた感光層が得られることから、ポリカーボネート樹脂が好ましい。ポリカーボネート樹脂の例としては、下記化学式で表されるビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂、ビスフェノールZC型ポリカーボネート樹脂、ビスフェノールC型ポリカーボネート樹脂及びビスフェノールA型ポリカーボネート樹脂が挙げられる。
Figure 0006680257
バインダー樹脂の粘度平均分子量は、30,000以上であることが好ましく、35,000以上55,000以下であることがより好ましい。バインダー樹脂の粘度平均分子量が35,000以上であると、感光層の耐摩耗性を向上させ易い。バインダー樹脂の粘度平均分子量が55,000以下であると、感光層の形成時にバインダー樹脂が溶剤に溶解し易くなり、感光層用塗布液の粘度が高くなり過ぎない。その結果、感光層を形成し易くなる。
(フッ素樹脂粒子)
フッ素樹脂粒子を構成するフッ素樹脂としては、例えば、ポリテトラフロオロエチレン樹脂(以下、PTFE樹脂と記載することがある。)、ポリクロロトリフルオロエチレン樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、及びポリフッ化ビニル樹脂が挙げられる。フッ素樹脂粒子は、これらのフッ素樹脂の一種のみから構成されていてもよく、二種以上のフッ素樹脂から構成されていてもよい。また、感光層は、フッ素樹脂粒子を一種又は二種以上含むことができる。
フッ素樹脂粒子の含有量は、100.0質量部のバインダー樹脂に対して、0.5質量部以上30.0質量部以下であることが好ましく、5.0質量部以上15.0質量部以下であることがより好ましい。フッ素樹脂粒子の含有量が100.0質量部のバインダー樹脂に対して0.5質量部以上であると、耐フィルミング性をより向上させることができる。フッ素樹脂粒子の含有量が100.0質量部のバインダー樹脂に対して30.0質量部以下であると、感光層中の固形状異物の発生を抑制できるため、感光体の外観不良を抑制できる。
フッ素樹脂粒子の平均一次粒径は、耐フィルミング性をより向上させる観点から、0.1μm以上10.0μm以下であることが好ましく、0.5μm以上8.5μm以下であることがより好ましい。
フッ素樹脂粒子の平均一次粒径は、例えば、以下の方法で測定される。測定試料として、複数のフッ素樹脂粒子(粉体)を使用する。測定試料の−196℃でのN2吸着等温線を測定する。得られたN2吸着等温線をBrunauer、Emmett及びTellerの方法、更にDe Boerによるt曲線法に従って評価する。これにより、測定試料の比表面積を算出する。得られた測定試料の比表面積から、数式「d=6/ρS」に従って、測定試料の粒径を算出する。数式中、dは測定試料の粒径を、ρは測定試料の密度を、Sは測定試料の比表面積を示す。算出された測定試料の粒径を、フッ素樹脂粒子の平均一次粒径とする。なお、フッ素樹脂粒子の平均一次粒径を測定する別の方法としては、画像計測による方法も挙げられる。詳しくは、透過型電子顕微鏡を用いて相当数のフッ素樹脂粒子の画像を撮影して、画像中の各フッ素樹脂粒子の一次粒径を測定する。測定された一次粒径の和を測定されたフッ素樹脂粒子の個数で除することで、フッ素樹脂粒子の平均一次粒径を算出する。
感光層は、必要に応じてフッ素樹脂粒子以外のフィラー粒子を含んでもよい。フッ素樹脂粒子以外のフィラー粒子としては、例えば、シリカ粒子、シリコーン樹脂を含む粒子、ポリフェニレンスルフィド樹脂(以下、PPS樹脂と記載することがある。)を含む粒子、及び金属酸化物粒子が挙げられる。感光層は、これらのフッ素樹脂粒子以外のフィラー粒子の一種を単独で含有してもよく、二種以上を含有してもよい。フッ素樹脂粒子の含有量は、フィラー粒子の総量に対して、80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましく、100質量%であることが特に好ましい。
(添加剤)
感光層は、必要に応じて、各種の添加剤を含有してもよい。添加剤としては、例えば、劣化防止剤(例えば、酸化防止剤、ラジカル捕捉剤、1重項消光剤及び紫外線吸収剤)、軟化剤、表面改質剤、増量剤、増粘剤、分散安定剤、ワックス、アクセプター、ドナー、界面活性剤、可塑剤、増感剤及びレベリング剤が挙げられる。酸化防止剤としては、例えば、ヒンダードフェノール(例えば、ジ−t−ブチル−p−クレゾール)、ヒンダードアミン、パラフェニレンジアミン、アリールアルカン、ハイドロキノン、スピロクロマン、スピロインダノン及びこれらの誘導体、有機硫黄化合物並びに有機燐化合物が挙げられる。
[3.中間層]
上述したように感光体は、中間層(例えば、下引き層)を有してもよい。中間層は、例えば、無機粒子、及び中間層に用いられる樹脂(中間層用樹脂)を含有する。中間層を介在させると、リーク発生を抑制し得る程度の絶縁状態を維持しつつ、感光体を露光した時に発生する電流の流れを円滑にして、電気抵抗の上昇を抑えることができる。
無機粒子としては、例えば、金属(より具体的には、アルミニウム、鉄、銅等)の粒子、金属酸化物(より具体的には、酸化チタン、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化亜鉛等)の粒子、及び非金属酸化物(より具体的には、シリカ等)の粒子が挙げられる。これらの無機粒子は、一種を単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。なお、無機粒子は、表面処理を施してもよい。
中間層用樹脂としては、中間層を形成する樹脂として用いることができれば、特に限定されない。
[4.感光体の製造方法]
感光体の製造方法について説明する。感光体の製造方法は、例えば、感光層形成工程を有する。感光層形成工程では、感光層を形成するための感光層用塗布液を調製する。次いで、感光層用塗布液を導電性基体上に塗布する。次いで、適宜な方法で乾燥することによって、塗布した感光層用塗布液に含まれる溶剤の少なくとも一部を除去して感光層を形成する。感光層用塗布液は、例えば、電荷発生剤と、正孔輸送剤と、電子輸送剤と、バインダー樹脂と、フッ素樹脂粒子と、溶剤とを含む。このような感光層用塗布液は、電荷発生剤と、正孔輸送剤と、電子輸送剤と、バインダー樹脂と、フッ素樹脂粒子とを溶剤に溶解又は分散させることにより調製する。感光層用塗布液は、必要に応じて各種添加剤を加えてもよい。
以下、感光層形成工程の詳細を説明する。感光層用塗布液に含有される溶剤は、感光層用塗布液に含まれる各成分を溶解又は分散できれば、特に限定されない。溶剤としては、例えば、アルコール(より具体的には、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等)、脂肪族炭化水素(より具体的には、n−ヘキサン、オクタン、シクロヘキサン等)、芳香族炭化水素(より具体的には、ベンゼン、トルエン、キシレン等)、ハロゲン化炭化水素(より具体的には、ジクロロメタン、ジクロロエタン、四塩化炭素、クロロベンゼン等)、エーテル(より具体的には、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等)、ケトン(より具体的には、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等)、エステル(より具体的には、酢酸エチル、酢酸メチル等)、ジメチルホルムアルデヒド、ジメチルホルムアミド、及びジメチルスルホキシドが挙げられる。これらの溶剤は、単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの溶剤のうち、非ハロゲン溶剤を用いることが好ましい。
感光層用塗布液は、それぞれ各成分を混合し、溶剤に分散することにより調製される。混合又は分散には、例えば、ビーズミル、ロールミル、ボールミル、アトライター、ペイントシェーカー、又は超音波分散器を用いることができる。
感光層用塗布液は、各成分の分散性を向上させるために、例えば、界面活性剤を含有してもよい。
感光層用塗布液を塗布する方法としては、感光層用塗布液を均一に塗布できる方法であれば、特に限定されない。塗布方法としては、例えば、ディップコート法、スプレーコート法、スピンコート法、及びバーコート法が挙げられる。
感光層用塗布液に含まれる溶剤の少なくとも一部を除去する方法としては、感光層用塗布液中の溶剤の少なくとも一部を蒸発させ得る方法であれば、特に限定されない。除去する方法としては、例えば、加熱、減圧、及び加熱と減圧との併用が挙げられる。より具体的には、高温乾燥機、減圧乾燥機等を用いて、熱処理(熱風乾燥)する方法が挙げられる。熱処理条件は、例えば、40℃以上150℃以下の温度、かつ3分間以上120分間以下の時間である。
なお、感光体の製造方法は、必要に応じて中間層を形成する工程等を更に有してもよい。中間層を形成する工程は、公知の方法を適宜選択することができる。
以上説明した本実施形態の感光体は、露光メモリーの発生を抑制しつつ、耐電圧性及び耐フィルミング性を向上させることができるため、種々の画像形成装置で好適に使用できる。
<第二実施形態:画像形成装置>
以下、第二実施形態に係る画像形成装置の一態様について、タンデム方式のカラー画像形成装置を例に挙げて説明する。図4は、第二実施形態に係る画像形成装置の一例を示す図である。第二実施形態に係る画像形成装置100は、像担持体30と、帯電部42と、露光部44と、現像部46と、転写部48とを備える。像担持体30は、第一実施形態に係る感光体である。帯電部42は、像担持体30の表面を帯電する。帯電部42の帯電極性は、正極性である。露光部44は、帯電された像担持体30の表面を露光して、像担持体30の表面に静電潜像を形成する。現像部46は、現像剤を用いて静電潜像をトナー像として現像する。転写部48は、トナー像を像担持体30から被転写体である記録媒体Pへ転写する。以上、第二実施形態に係る画像形成装置100の概要を説明した。
第二実施形態に係る画像形成装置100は、露光メモリー、リーク及びフィルミングに起因する画像不良の発生を抑制することができる。その理由は、以下のように推測される。第二実施形態に係る画像形成装置100は、像担持体30として第一実施形態に係る感光体を備える。第一実施形態に係る感光体は、露光メモリーの発生を抑制しつつ、耐電圧性及び耐フィルミング性を向上させることができる。よって、第二実施形態に係る画像形成装置100は、露光メモリー、リーク及びフィルミングに起因する画像不良の発生を抑制することができる。以下、露光メモリーに起因する画像不良について説明する。
画像形成プロセスで露光メモリーが発生すると、像担持体30の表面における基準周(連続的に画像が形成される場合の任意の1周)の周回の露光領域は、基準周の周回の非露光領域に比べ、基準周の次周回の帯電時に電位が低下する傾向がある。このため、基準周の露光領域は、次周回の現像工程において正常時よりも正帯電トナーを引き付け易くなる。その結果、基準周の次周回において、基準周の画像部(露光領域)を反映した画像が形成され易い。このような基準周の画像部を反映した画像が次周回で形成される画像不良が、露光メモリーに起因して発生する画像不良(以下、画像ゴーストと記載することがある。)である。
図5を参照して、画像ゴーストについて説明する。図5は、画像ゴーストが発生した画像60を示す図である。画像60は、領域62及び領域64を含む。領域62は像担持体1周分(基準周の1周分)に相当する領域であり、領域64も像担持体1周分(基準周の次周回1周分)に相当する領域である。領域62は画像66を含む。画像66は、正方形状のソリッド画像から構成される。領域64は画像68及び画像69を含む。画像68は、正方形状のハーフトーン画像である。画像69は、領域64における画像68を除いた領域のハーフトーン画像である。なお、領域64の設計画像は、全面ハーフトーン画像である。図5に示すように、画像68は、画像69に比べ画像濃度が濃い。画像68は、領域62の露光領域を反映し、設計画像濃度より濃くなった画像不良(画像ゴースト)である。
以下、図4を参照して画像形成装置100の各部について詳細に説明する。
画像形成装置100は、直接転写方式を採用する。つまり、画像形成装置100では、転写部48が、像担持体30の表面と記録媒体Pとを接触させながらトナー像を記録媒体Pに転写する。通常、直接転写方式を採用する画像形成装置では、像担持体が記録媒体に接触するため、像担持体の表面に微小な成分が付着し易く、フィルミングが発生し易い。しかし、第二実施形態に係る画像形成装置100は、像担持体30として第一実施形態に係る感光体を備える。第一実施形態に係る感光体は、耐フィルミング性に優れる。よって、像担持体30として第一実施形態に係る感光体を備えると、直接転写方式を採用する画像形成装置100であっても、フィルミングに起因する画像不良の発生が抑制される。
画像形成装置100は、画像形成ユニット40a、40b、40c及び40dと、転写ベルト50と、定着部54とを備える。以下、区別する必要がない場合には、画像形成ユニット40a、40b、40c及び40dの各々を、画像形成ユニット40と記載する。
画像形成ユニット40は、像担持体30と、帯電部42と、露光部44と、現像部46と、転写部48と、像担持体30の表面を清掃するクリーニング部52とを備える。クリーニング部52は、クリーニングブレードである。通常、クリーニングブレードを備えた画像形成装置では、像担持体とクリーニングブレードとが接触することにより、像担持体が摩擦帯電し易い。そのため、クリーニングブレードを備えた画像形成装置は、摩擦帯電により発生した電荷が像担持体中に残留することによって、露光メモリーが発生し易い。しかし、第二実施形態に係る画像形成装置100は、像担持体30として第一実施形態に係る感光体を備える。第一実施形態に係る感光体は、露光メモリーの発生を抑制することができる。よって、像担持体30として第一実施形態に係る感光体を備えると、クリーニングブレードを備えた画像形成装置100であっても、露光メモリーに起因する画像不良の発生が抑制される。
像担持体30は、画像形成ユニット40の中央位置において、矢符方向(反時計回り)に回転可能に設けられる。像担持体30の周囲には、帯電部42を基準として像担持体30の回転方向の上流側から順に、帯電部42、露光部44、現像部46、転写部48、及びクリーニング部52が設けられる。なお、画像形成ユニット40には、除電部(不図示)が更に備えられてもよい。
画像形成ユニット40a〜40dの各々によって、転写ベルト50上の記録媒体Pに、複数色(例えば、ブラック、シアン、マゼンタ及びイエローの4色)のトナー像が順に重ねられる。
帯電部42は、帯電ローラーである。帯電ローラーは、像担持体30の表面と接触しながら像担持体30の表面を帯電する。通常、帯電ローラー等の接触帯電方式の帯電部を備える画像形成装置では、露光メモリー及びリークに起因する画像不良が生じ易い。しかし、第二実施形態に係る画像形成装置100は、像担持体30として第一実施形態に係る感光体を備える。第一実施形態に係る感光体は、露光メモリーの発生を抑制しつつ、耐電圧性を向上させることができる。よって、帯電部42として帯電ローラーを備える画像形成装置100であっても、露光メモリー及びリークに起因する画像不良の発生が抑制される。なお、他の接触帯電方式の帯電部としては、例えば、帯電ブラシが挙げられる。また、帯電部は、非接触方式であってもよい。非接触方式の帯電部としては、例えば、コロトロン帯電部、及びスクロトロン帯電部が挙げられる。
帯電部42が印加する電圧は、特に限定されない。帯電部42が印加する電圧としては、直流電圧、交流電圧、及び重畳電圧(直流電圧に交流電圧が重畳した電圧)が挙げられ、より好ましくは直流電圧が挙げられる。直流電圧は交流電圧及び重畳電圧に比べ、以下に示す優位性がある。帯電部42が直流電圧のみを印加すると、像担持体30に印加される電圧値が一定であるため、像担持体30の表面を一様に一定電位まで帯電させ易い。また、帯電部42が直流電圧のみを印加すると、感光層の磨耗量が減少する傾向がある。その結果、好適な画像を形成することができる。
露光部44は、帯電された像担持体30の表面を露光する。これにより、像担持体30の表面に静電潜像が形成される。静電潜像は、画像形成装置100に入力された画像データに基づいて形成される。
現像部46は、現像剤を用いて静電潜像をトナー像として現像する。現像剤は一成分現像剤であっても二成分現像剤であってもよい。現像剤は、重合トナーを含んでもよい。通常、現像剤が重合トナーを含むと、画像形成後の像担持体の表面に残留した重合トナーがクリーニング部(例えば、クリーニングブレード)によって除去されにくい。かかる場合、像担持体の表面に微小な成分が付着し、フィルミングが生じ易い。しかし、第二実施形態に係る画像形成装置100は、像担持体30として第一実施形態に係る感光体を備える。第一実施形態に係る感光体は、耐フィルミング性に優れる。このため、第二実施形態に係る画像形成装置100は、現像剤が重合トナーを含む場合であっても、フィルミングの発生を抑制することができる。
転写ベルト50は、像担持体30と転写部48との間に記録媒体Pを搬送する。転写ベルト50は、無端状のベルトである。転写ベルト50は、矢符方向(時計回り)に回転可能に設けられる。
転写部48は、現像部46によって現像されたトナー像を、像担持体30の表面から記録媒体Pへ転写する。像担持体30から記録媒体Pにトナー像が転写されるときに、像担持体30は記録媒体Pと接触している。転写部48としては、例えば、転写ローラーが挙げられる。
定着部54は、転写部48によって記録媒体Pに転写された未定着のトナー像を、加熱及び/又は加圧する。定着部54は、例えば、加熱ローラー及び/又は加圧ローラーである。トナー像を加熱及び/又は加圧することにより、記録媒体Pにトナー像が定着する。その結果、記録媒体Pに画像が形成される。
以上、第二実施形態に係る画像形成装置の一例について説明したが、第二実施形態に係る画像形成装置は、上述した画像形成装置100に限定されない。例えば、上述した画像形成装置100はタンデム方式の画像形成装置であったが、第二実施形態に係る画像形成装置はこれに限定されず、ロータリー方式等を採用してもよい。また、第二実施形態に係る画像形成装置は、モノクロ画像形成装置であってもよい。この場合、画像形成装置は、例えば画像形成ユニットを1つだけ備えていればよい。また、第二実施形態に係る画像形成装置は、中間転写方式を採用してもよい。第二実施形態に係る画像形成装置が中間転写方式を採用する場合、被転写体は中間転写ベルトに相当する。
<第三実施形態:プロセスカートリッジ>
第三実施形態に係るプロセスカートリッジは、第一実施形態に係る感光体を備える。引き続き、図4を参照して、第三実施形態に係るプロセスカートリッジについて説明する。
プロセスカートリッジは、ユニット化された部分を含む。ユニット化された部分は、像担持体30を含む。ユニット化された部分は、像担持体30に加えて、帯電部42、露光部44、現像部46、転写部48、及びクリーニング部52からなる群より選択される少なくとも1つを含んでもよい。プロセスカートリッジは、例えば、画像形成ユニット40a〜40dの各々に相当する。プロセスカートリッジには、除電部(不図示)が更に備えられてもよい。プロセスカートリッジは、例えば画像形成装置100に対して着脱自在に設計される。この場合のプロセスカートリッジは、取り扱いが容易であり、像担持体30の感度特性等が劣化した場合に、像担持体30を含めて容易かつ迅速に交換することができる。
以上、第三実施形態に係るプロセスカートリッジを説明した。第三実施形態に係るプロセスカートリッジは、像担持体として第一実施形態に係る感光体を備えることで、露光メモリー、リーク及びフィルミングに起因する画像不良の発生を抑制することができる。
以下、実施例を用いて本発明を更に具体的に説明する。なお、本発明は実施例の範囲に何ら限定されるものではない。
<実施例及び比較例で用いた材料>
感光層を製造するための材料として、以下の電荷発生剤、正孔輸送剤、電子輸送剤、及びフィラー粒子を準備した。
[電荷発生剤]
電荷発生剤として、第一実施形態で述べた電荷発生剤(CG1)を準備した。なお、電荷発生剤(CG1)は、第一実施形態で述べた工程(a)〜(g)を経て製造されたY型チタニルフタロシアニンであった。また、電荷発生剤(CG1)の製造工程における工程(c)では、第一のウェットケーキの洗浄にメタノールを用いた。
[正孔輸送剤]
正孔輸送剤として、第一実施形態で述べた正孔輸送剤(HT1−1)及び正孔輸送剤(HT2−1)を準備した。
[電子輸送剤]
電子輸送剤として、第一実施形態で述べた電子輸送剤(ET1−1)を準備した。
[フィラー粒子]
表1に示すフィラー粒子(F1)〜(F14)を準備した。表1は、フィラー粒子(F1)〜(F14)の種類、材質、平均一次粒径、品種、及び製造元を示す。なお、表1の欄「品種」における「AEROSIL」、「トレパール」及び「ルブロン」は登録商標である。
Figure 0006680257
<感光体の製造>
以下に示す方法により感光体(A−1)〜(A−13)及び(B−1)〜(B−9)を製造した。
[感光体(A−1)の製造]
電荷発生剤(CG1)(3.0質量部)と、正孔輸送剤(HT1−1)(60.0質量部)と、電子輸送剤(ET1−1)(40.0質量部)と、フィラー粒子(F7)(5.0質量部)と、バインダー樹脂としてのビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂(三菱瓦斯化学株式会社製「PCZ500」、粘度平均分子量50,000)(100.0質量部)と、溶剤としてのテトラヒドロフラン(800.0質量部)とを容器内に投入した。棒状超音波分散器を用いて、容器内の材料と溶剤とを2分間混合し、材料を溶剤に分散させた。更にボールミルを用いて、材料と溶剤とを50時間混合して、材料を溶剤に分散させた。これにより、感光層用塗布液を得た。この感光層用塗布液を、導電性基体としてのアルミニウム製のドラム状支持体上に、ディップコート法を用いて塗布した。塗布した感光層用塗布液を100℃で40分間熱風乾燥させた。これにより、導電性基体上に感光層(厚み30μm)を形成し、単層型感光体である感光体(A−1)を得た。感光体(A−1)の感光層における電荷発生剤(CG1)の濃度Wは、1.44質量%であった。
[感光体(A−2)〜(A−13)及び(B−1)〜(B−9)の製造]
以下の点を変更した以外は、感光体(A−1)の製造と同様の方法で、感光体(A−2)〜(A−13)及び(B−1)〜(B−9)を製造した。
(変更点)
感光体(A−1)の製造に用いた電荷発生剤(CG1)の濃度Wを、表2に示す濃度に変更した。感光体(A−1)の製造に用いた正孔輸送剤(HT1−1)を、表2に示す正孔輸送剤に変更した。感光体(A−1)の製造に用いたフィラー粒子(F7)及びその含有量を、表2に示すフィラー粒子及びその含有量に変更した。なお、表2中、欄「フィラー粒子」の「種類」のF1〜F14は、それぞれフィラー粒子(F1)〜(F14)を示す。
Figure 0006680257
<吸光度Aの測定>
感光体(A−1)〜(A−13)及び(B−1)〜(B−9)のそれぞれの感光層における波長780nmの光に対する吸光度Aを、以下の方法で測定した。感光体(A−1)〜(A−13)及び(B−1)〜(B−9)の感光層を形成する際に用いた感光層用塗布液を準備した。各感光層用塗布液をオーバーヘッドプロジェクターシート(OHPシート)に塗布した後、100℃で40分間熱風乾燥させた。これにより、OHPシート上に感光層が設けられたフィルム状サンプルを得た。なお、各感光層は、各感光層用塗布液を塗布した後、ワイヤーバーを用いて熱風乾燥後の厚みが30±0.8μmとなるように調整した。また、各フィルム状サンプルの感光層の厚みTは、渦電流式膜厚計により測定した。得られたフィルム状サンプルについて、波長780nmの光に対する吸光度Aを分光光度計(株式会社日立製作所製「U−3000」)により測定した。なお、測定の際、予め上記OHPシートの吸光度スペクトルを測定し、得られたOHPシートの吸光度スペクトルをベースラインとして用いた。各感光層の吸光度Aの測定結果を、各フィルム状サンプルの感光層の厚みTと共に表3に示す。
<感光体の評価>
[評価1(露光メモリーに関する評価)]
評価1として、感光体(A−1)〜(A−13)及び(B−1)〜(B−9)の各々に対して、画像形成装置を用いて露光メモリーに起因する画像不良について評価した。画像形成装置としては、京セラドキュメントソリューションズ株式会社製「FS−C5350DN」の改造機を使用した。この画像形成装置は、直接転写方式を採用していた。また、この画像形成装置は、接触方式の帯電ローラーと、クリーニングブレードとを備えていた。また、現像剤としては、重合トナーを含む一成分現像剤(京セラドキュメントソリューションズ株式会社製試作品)を使用した。記録媒体としては、京セラドキュメントソリューションズ株式会社販売「京セラドキュメントソリューションズブランド紙VM−A4」(A4サイズ)を使用した。
まず、各々の感光体を画像形成装置に装着し、帯電部の帯電電圧を調整し、非露光時の現像部位置に対応する感光体の帯電電位を+570V±10Vに設定した。次いで、温度10℃かつ湿度20%RHの環境下、1,000枚の記録媒体に15秒間隔で印字パターン(画像濃度4%)を印刷し、印字試験を行った。この印字試験直後に、除電光を照射しない条件で評価用画像を1枚印刷した。
図6を参照して、評価用画像の設計画像を説明する。図6は、評価用画像の設計画像70を示す図である。設計画像70は、領域72及び領域74を含む。領域72は、像担持体(感光体)1周分に相当する領域である。領域72は、画像76を含む。画像76は、正方形状のソリッド画像(画像濃度100%)から構成される。領域74は、像担持体1周分に相当する領域である。領域74は画像78を含む。画像78は、全面ハーフトーン画像(画像濃度40%)から構成される。画像76は像担持体1周分に相当する画像であり、画像78は画像76を形成する周を基準として次周回1周分に相当する画像である。
印刷された評価用画像を目視で観察し、領域74において領域72の画像部に対応した画像不良(画像ゴースト)の発生の有無を確認した。画像ゴーストの発生の有無は、下記の基準に基づいて評価した。得られた結果(評価1)を表3に示す。
(評価1の評価基準)
評価A:画像ゴーストが観察されなかった。
評価B:画像ゴーストがわずかに観察された。
評価C:画像ゴーストが観察されたが、実用上問題のない水準であった。
評価D:画像ゴーストが明確に観察され、実用上問題のある水準であった。
[評価2(耐電圧性に関する評価)]
評価2として、感光体(A−1)〜(A−13)及び(B−1)〜(B−9)の各々に対して、画像形成装置を用いてリークに起因する画像不良について評価した。画像形成装置、現像剤及び記録媒体は、評価1と同じものを用いた。
まず、各々の感光体を画像形成装置に装着し、帯電部の帯電電圧を調整し、非露光時の現像部位置に対応する感光体の帯電電位を+570V±10Vに設定した。次いで、温度30℃かつ湿度80%RHの環境下、帯電ローラーに2.0kVの直流電圧を印加しながら、100枚の記録媒体に15秒間隔で白紙画像を印刷した。印刷された記録媒体上の黒点の数を計数し、記録媒体1枚当たりの黒点の数の平均値を算出し、下記の基準に基づいて評価した。得られた結果(評価2)を表3に示す。なお、黒点は、感光層においてリークが発生した際に生じる。
(評価2の評価基準)
評価A:記録媒体1枚当たりの黒点の数が0であった。
評価B:記録媒体1枚当たりの黒点の数が0超5未満であった。
評価C:記録媒体1枚当たりの黒点の数が5以上10未満であった。
評価D:記録媒体1枚当たりの黒点の数が10以上であった。
[評価3(耐フィルミング性に関する評価)]
評価3として、感光体(A−1)〜(A−13)及び(B−1)〜(B−9)の各々に対して、画像形成装置を用いてフィルミングに起因する画像不良について評価した。画像形成装置、現像剤及び記録媒体は、評価1と同じものを用いた。
まず、各々の感光体を画像形成装置に装着し、帯電部の帯電電圧を調整し、非露光時の現像部位置に対応する感光体の帯電電位を+570V±10Vに設定した。次いで、温度30℃かつ湿度80%RHの環境下、5,000枚の記録媒体に15秒間隔で印字パターン(画像濃度1%)を印刷し、印字試験を行った。印字試験終了から1時間経過した後、ハーフトーン画像(画像濃度25%)を1枚印刷し、これを評価用画像とした。この評価用画像を目視で観察し、フィルミングに起因する画像不良(筋及びダッシュマーク)の有無を確認した。筋とは、印刷方向に平行な線である。ダッシュマークとは、印刷方向に平行に配列した点又は短い線である。画像不良の有無は、下記の基準に基づいて評価した。得られた結果(評価3)を表3に示す。
(評価3の評価基準)
評価A:筋及びダッシュマークが観察されなかった。
評価B:筋及びダッシュマークがわずかに観察された。
評価C:筋及びダッシュマークが部分的に観察されたが、実用上問題のない水準であった。
評価D:筋及びダッシュマークが全体的に明確に観察され、実用上問題のある水準であった。
[総合評価]
評価1、評価2及び評価3の結果から、下記の基準に基づいて感光体の総合評価を行った。総合評価がA、B又はCの感光体を良好と評価した。また、総合評価がDの感光体を不良と評価した。
(総合評価の評価基準)
評価A:評価1〜3が評価A又はBであり、かつ評価1〜3のうち少なくとも1つが評価Aであった。
評価B:評価1〜3が全て評価Bであった。
評価C:評価1〜3が評価A、B又はCであり、かつ評価1〜3のうち少なくとも1つが評価Cであった。
評価D:評価1〜3のうち少なくとも1つが評価Dであった。
Figure 0006680257
表2に示すように、感光体(A−1)〜(A−13)では、感光層が、Y型チタニルフタロシアニンである電荷発生剤(CG1)を含有していた。感光体(A−1)〜(A−13)では、感光層が、フッ素樹脂粒子であるフィラー粒子(F7)〜(F12)の何れかを含有していた。また、表3に示すように、感光体(A−1)〜(A−13)では、式(1)のA/(T・W)の値が0.020以上0.060以下であった。
表3に示すように、感光体(A−1)〜(A−13)では、露光メモリー、耐電圧性及び耐フィルミング性の総合評価結果が、A(良好)及びC(良好)の何れかであった。
表2に示すように、感光体(B−1)〜(B−8)では、感光層が、フッ素樹脂粒子とは異なるフィラー粒子(F1)〜(F6)、(F13)及び(F14)の何れかを含有していた。感光体(B−9)では、感光層がフィラー粒子を含有していなかった。また、表3に示すように、感光体(B−1)及び(B−2)では、式(1)のA/(T・W)の値が0.061を超えていた。感光体(B−3)〜(B−8)では、式(1)のA/(T・W)の値が0.018未満であった。
表3に示すように、感光体(B−1)〜(B−9)では、露光メモリー、耐電圧性及び耐フィルミング性の総合評価結果が全てD(不良)であった。
以上の結果から明らかなように、感光体(A−1)〜(A−13)は、感光体(B−1)〜(B−9)に比べ、露光メモリーの発生を抑制し、かつ耐電圧性及び耐フィルミング性に優れていた。
本発明に係る感光体は、画像形成装置に利用することができる。
1 電子写真感光体
2 導電性基体
3 感光層

Claims (12)

  1. 導電性基体と感光層とを備える電子写真感光体であって、
    前記感光層は、単層であり、かつ電荷発生剤、正孔輸送剤、電子輸送剤、バインダー樹脂及びフッ素樹脂粒子を含み、
    前記電荷発生剤は、CuKα特性X線回折スペクトルにおいてブラッグ角(2θ±0.2°)の27.2°に主ピークを有するチタニルフタロシアニンを含み、
    前記感光層における波長780nmの光に対する吸光度をAとし、前記感光層の厚みをT(μm)とし、前記感光層における前記チタニルフタロシアニンの濃度をW(質量%)としたときに、下記式(1)を満足し、
    前記フッ素樹脂粒子の平均一次粒径は、8.0μm以上10.0μm以下である、電子写真感光体。
    0.018≦A/(T・W)≦0.061 (1)
  2. 前記フッ素樹脂粒子の含有量は、前記バインダー樹脂100.0質量部に対して5.0質量部以上15.0質量部以下である、請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 前記感光層における波長780nmの光に対する吸光度は、1.20以上2.70以下である、請求項1又は2に記載の電子写真感光体。
  4. 前記感光層の厚みは、10.0μm以上50.0μm以下である、請求項1〜3の何れか一項に記載の電子写真感光体。
  5. 前記感光層における前記チタニルフタロシアニンの濃度は、0.50質量%以上4.00質量%以下である、請求項1〜4の何れか一項に記載の電子写真感光体。
  6. 前記フッ素樹脂粒子を構成するフッ素樹脂は、ポリテトラフルオロエチレン樹脂である、請求項1〜5の何れか一項に記載の電子写真感光体。
  7. 像担持体と、
    前記像担持体の表面を帯電する帯電部と、
    帯電された前記像担持体の前記表面を露光して、前記像担持体の前記表面に静電潜像を形成する露光部と、
    現像剤を用いて前記静電潜像をトナー像として現像する現像部と、
    前記トナー像を前記像担持体から被転写体へ転写する転写部と
    を備える画像形成装置であって、
    前記像担持体は、請求項1〜6の何れか一項に記載の電子写真感光体であり、
    前記帯電部の帯電極性は、正極性である、画像形成装置。
  8. 前記被転写体は、記録媒体であり、
    前記転写部は、前記像担持体の前記表面と前記記録媒体とを接触させながら前記トナー像を前記記録媒体に転写する、請求項7に記載の画像形成装置。
  9. 前記帯電部は、前記像担持体の前記表面と接触しながら、前記像担持体の前記表面を帯電する、請求項7又は8に記載の画像形成装置。
  10. 前記現像剤は、重合トナーを含む、請求項7〜9の何れか一項に記載の画像形成装置。
  11. 前記像担持体の前記表面を清掃するクリーニング部を更に備え、
    前記クリーニング部は、クリーニングブレードである、請求項7〜10の何れか一項に記載の画像形成装置。
  12. 請求項1〜6の何れか一項に記載の電子写真感光体を備える、プロセスカートリッジ。
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