JP5194058B2 - 正帯電単層型電子写真感光体、及び画像形成装置 - Google Patents
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1)電子写真感光体の表面を帯電させる工程
2)帯電された電子写真感光体表面を露光して静電潜像を形成する工程
3)静電潜像を現像バイアス電圧が印加された状態でトナー現像する工程
4)形成されたトナー像を反転現像方式により被転写体に転写する工程
5)転写紙に転写されたトナー像を加熱定着する工程
前記感光層が下記一般式(1)で表される多環芳香族化合物を含み、
前記感光層における前記多環芳香族化合物の含有量が、前記感光層の材料の全質量に対して2〜10質量%であることを特徴とする、正帯電単層型電子写真感光体。
一般式(I)〜(III)において、R4〜R7はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、水酸基、及びアルコキシカルボニル基から選択される基である。
dは0〜5の整数であり、eは0〜7の整数であり、fは0〜4の整数であり、gは0〜5の整数である。
一般式(1)で表される多環芳香族化合物に含まれるベンゼン環の数は3〜5の整数である。〕
前記像担持体の表面を帯電するための、直流電圧を印加する接触帯電方式の帯電部と、
帯電された前記像担持体の表面を露光して前記像担持体の表面に静電潜像を形成するための露光部と、
前記静電潜像をトナー像として現像するための現像部と、
前記トナー像を前記像担持体から被転写体へ転写するための転写部と、を備え、
前記像担持体が、(1)又は(2)記載の正帯電単層型電子写真感光体であることを特徴とする、画像形成装置。
第1の実施形態は、導電性基体上に、少なくとも電荷発生剤、正孔輸送剤、電子輸送剤、及びバインダ樹脂を含む単層構造の感光層が形成されており、直流電圧を印加する接触帯電方式の帯電部を備える画像形成装置において像担持体として使用される正帯電単層型電子写真感光体(以下、単層型感光体、又は感光体と称する場合がある)であって、感光層が特定の多環芳香族化合物を含むことを特徴とする正帯電単層型電子写真感光体に関する。
本発明において用いる導電性基体は、正帯電単層型電子写真感光体の導電性基体として用いることができるものであれば、特に限定されない。具体的には、例えば、導電性を有する材料で少なくとも表面部が構成されるもの等が挙げられる。すなわち、具体的には、例えば、導電性を有する材料からなるものであってもよいし、プラスチック材料等の表面を、導電性を有する材料で被覆したものであってもよい。また、導電性を有する材料としては、例えば、アルミニウム、鉄、銅、錫、白金、銀、バナジウム、モリブデン、クロム、カドニウム、チタン、ニッケル、パラジウム、インジウム、ステンレス鋼、真鍮等が挙げられる。また、導電性を有する材料としては、導電性を有する材料を1種で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて、例えば、合金等として用いてもよい。また、導電性基体としては、上記の中でも、アルミニウム又はアルミニウム合金からなることが好ましい。そうすることによって、より好適な画像を形成することができる正帯電単層型電子写真感光体を提供することができる。このことは、感光層から導電性基体への電荷の移動が良好であることによると考えられる。
正帯電単層型電子写真感光体が備える感光層としては、正帯電単層型電子写真感光体の感光層として用いることができ、少なくとも電荷発生剤、正孔輸送剤、電子輸送剤、及びバインダ樹脂からなる単層構造の感光層であって、後述する特定の構造の多環芳香族化合物を感光層の材料の全質量に対して2〜10質量%で含むものであれば特に限定されない。
正帯電単層型電子写真感光体の感光層に含まれる多環芳香族化合物としては、下記一般式(1)で表される化合物を用いる。
一般式(I)〜(III)において、R4〜R7はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、水酸基、及びアルコキシカルボニル基から選択される基である。
dは0〜5の整数であり、eは0〜7の整数であり、fは0〜4の整数であり、gは0〜5の整数である。
一般式(1)で表される多環芳香族化合物に含まれるベンゼン環の数は3〜5の整数である。〕
電荷発生剤としては、正帯電単層型電子写真感光体の電荷発生剤として用いることができるものであれば、特に限定されない。具体的には、例えば、下記式(2)で表されるX型無金属フタロシアニン(x−H2Pc)、Y型オキソチタニルフタロシアニン(Y−TiOPc)、ペリレン顔料、ビスアゾ顔料、ジチオケトピロロピロール顔料、無金属ナフタロシアニン顔料、金属ナフタロシアニン顔料、スクアライン顔料、トリスアゾ顔料、インジゴ顔料、アズレニウム顔料、シアニン顔料、セレン、セレン−テルル、セレン−ヒ素、硫化カドミウム、アモルファスシリコン等の無機光導電材料の粉末、ピリリウム塩、アンサンスロン系顔料、トリフェニルメタン系顔料、スレン系顔料、トルイジン系顔料、ピラゾリン系顔料、キナクリドン系顔料等が挙げられる。
正孔輸送剤としては、正帯電単層型電子写真感光体の感光層に含まれる正孔輸送剤として用いることができるものであれば、特に限定されない。正孔輸送剤の具体例としては、ベンジジン誘導体、2,5−ジ(4−メチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール等のオキサジアゾール系化合物、9−(4−ジエチルアミノスチリル)アントラセン等のスチリル系化合物、ポリビニルカルバゾール等のカルバゾール系化合物、有機ポリシラン化合物、1−フェニル−3−(p−ジメチルアミノフェニル)ピラゾリン等のピラゾリン系化合物、ヒドラゾン系化合物、トリフェニルアミン系化合物、インドール系化合物、オキサゾール系化合物、イソオキサゾール系化合物、チアゾール系化合物、トリアゾール系化合物等の含窒素環式化合物、縮合多環式化合物等が挙げられる。これらの正孔輸送剤の中では、分子中に1又は複数のトリフェニルアミン骨格を有するトリフェニルアミン系化合物がより好ましい。これらの正孔輸送剤は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
電子輸送剤としては、正帯電単層型電子写真感光体の感光層に含まれる電子輸送剤として用いることができるものであれば、特に限定されない。具体的には、例えば、ナフトキノン誘導体、ジフェノキノン誘導体、アントラキノン誘導体、アゾキノン誘導体、ニトロアントアラキノン誘導体、ジニトロアントラキノン誘導体等のキノン誘導体、マロノニトリル誘導体、チオピラン誘導体、トリニトロチオキサントン誘導体、3,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン誘導体、ジニトロアントラセン誘導体、ジニトロアクリジン誘導体、テトラシアノエチレン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、ジニトロベンゼン、ジニトロアントラセン、ジニトロアクリジン、無水コハク酸、無水マレイン酸、ジブロモ無水マレイン酸等が挙げられる。電子輸送剤は単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
バインダ樹脂としては、正帯電単層型電子写真感光体の感光層に含まれるバインダ樹脂として用いることができるものであれば、特に限定されない。バインダ樹脂として好適に使用される樹脂の具体例としては、ポリカーボネート樹脂、スチレン系樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、アクリル共重合体、ポリエチレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩素化ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂、アイオノマー、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリスルホン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ケトン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリエステル樹脂等の熱可塑性樹脂;シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、その他架橋性の熱硬化性樹脂等の熱硬化性樹脂;エポキシアクリレート樹脂、ウレタン−アクリレート共重合樹脂等の光硬化性樹脂が挙げられる。これらの樹脂は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
正帯電単層型電子写真感光体の感光層は、電子写真特性に悪影響を与えない範囲で、多環芳香族化合物、電荷発生剤、正孔輸送剤、電子輸送剤、及びバインダ樹脂の他に、各種添加剤を含んでいてもよい。感光層に配合できる添加剤としては、例えば、酸化防止剤、ラジカル捕捉剤、1重項クエンチャー、紫外線吸収剤等の劣化防止剤、軟化剤、可塑剤、表面改質剤、増量剤、増粘剤、分散安定剤、ワックス、アクセプター、ドナー、界面活性剤、及びレベリング剤等が挙げられる。
正帯電単層型電子写真感光体の製造方法は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。正帯電単層型電子写真感光体の製造方法の好適な例としては、感光層用の塗布液を導電性基体上に塗布して感光層を形成する方法が挙げられる。具体的には、多環芳香族化合物、電荷発生剤、正孔輸送剤、電子輸送剤、バインダ樹脂、及び必要に応じて各種添加剤等を溶剤に溶解又は分散させた塗布液を導電性基体上に塗布し、乾燥することによって、製造することができる。塗布方法は、特に限定されないが、例えば、スピンコーター、アプリケーター、スプレーコーター、バーコーター、ディップコーター、ドクターブレード等を用いる方法が挙げられる。また、導電性基体上に形成された塗膜の乾燥方法としては、例えば、80〜150℃で15〜120分間の条件で熱風乾燥する方法等が挙げられる。
第2の実施形態は、像担持体と、像担持体の表面を帯電するための直流電圧を印加する接触帯電方式の帯電部と、帯電された像担持体の表面を露光して像担持体の表面に静電潜像を形成するための露光部と、静電潜像をトナー像として現像するための現像部と、トナー像を像担持体から被転写体へ転写するための転写部とを備え、像担持体として第1の実施形態にかかる正帯電単層型電子写真感光体を用いる画像形成装置に関する。
無金属フタロシアニン5質量部、下式の正孔輸送剤(HTM−1)50質量部、下式の電子輸送剤(ETM−1)、下式の多環芳香族化合物A5質量部、粘度平均分子量50,000のビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂100質量部、及びテトラヒドロフラン800質量部をボールミルに加え、50時間、混合、分散処理し、感光層用の塗布液を調製した。得られた塗布液を導電性基板上にディップコート法により塗布し、100℃で40分間処理して塗膜よりテトラヒドロフランを除去して、膜厚30μmの感光層を備える正帯電単層電子写真感光体を得た。
多環芳香族化合物を表1に記載の種類及び濃度に変える他は、実施例1と同様にして正帯電単層型電子写真感光体を得た。なお、表1に記載の濃度は、感光層の全質量に対する、感光層に含まれる多環芳香族化合物の質量%である。
実施例及び比較例で得られた正帯電単層型電子写真感光体を、帯電部を直流電圧を印加する帯電ローラに換装したプリンタ(FS−5300DN、京セラミタ株式会社製)に装着して、下記の方法により転写メモリ、画像、及び膜厚変化の評価を評価した。転写メモリ、画像、及び耐摩耗性の評価結果を表1に示す。
転写バイアスをオフした時の白紙部電位と転写バイアスをオンした時の白紙部電位との差を転写メモリとして評価した。
(画像評価)
1時間耐久印刷した後、印刷画像を観察し、画像不良の発生の有無を評価した。画像の評価は、画像不良が見られないものを○とし、画像不良が見られたものを×とした。
(耐摩耗性)
10万枚の印字テストを行った後の感光層の膜厚変化(μm)を評価した。膜厚変化の評価は15μm未満を○とし、15μm以上を×とした。膜厚変化15μm以上では画像形成装置の寿命の前に、正帯電単層型電子写真感光体の寿命に達するためである。
12 導電性基体
14 感光層
16 中間層
18 保護層
Claims (2)
- 像担持体と、
前記像担持体の表面を帯電するための、直流電圧を印加する接触帯電方式の帯電部と、
帯電された前記像担持体の表面を露光して前記像担持体の表面に静電潜像を形成するための露光部と、
前記静電潜像をトナー像として現像するための現像部と、
前記トナー像を前記像担持体から被転写体へ転写するための転写部と、を備え、
前記像担持体が、請求項1記載の正帯電単層型電子写真感光体であることを特徴とする画像形成装置。
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