JP2010175784A - 単層型電子写真感光体、画像形成装置、及び画像形成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】帯電工程において発生するオゾン等の活性ガスによって、感光層が酸化劣化しやすい場合であっても、帯電電位の低下を効果的に抑制できる単層型電子写真感光体、そのような単層型電子写真感光体を含む画像形成装置、及び画像形成方法を提供する。
【解決手段】基体上に、感光層を有する単層型電子写真感光体、それを含む画像形成装置及び画像形成方法であって、感光層が電荷発生剤として、チタニルフタロシアニン結晶を含むとともに、添加剤として、酸化防止剤及び紫外線吸収剤を含む。
【選択図】図1
【解決手段】基体上に、感光層を有する単層型電子写真感光体、それを含む画像形成装置及び画像形成方法であって、感光層が電荷発生剤として、チタニルフタロシアニン結晶を含むとともに、添加剤として、酸化防止剤及び紫外線吸収剤を含む。
【選択図】図1
Description
本発明は、単層型電子写真感光体、画像形成装置、及び画像形成方法に関し、特に、帯電電位の低下を効果的に抑制することができる単層型電子写真感光体、そのような単層型電子写真感光体を含む画像形成装置、及び画像形成方法に関する。
従来、高画質の画像を、高スピードで形成すべく、電荷発生剤として、電荷発生効率に優れるチタニルフタロシアニン結晶を使用する方法が試みられている。
かかるチタニルフタロシアニン結晶は、その結晶型によって、感光層中における分散性や結晶安定性が変化することが知られているが、いずれにしても従来の電荷発生剤と比較した場合、電荷発生効率が著しく優れていることが知られている(例えば、特許文献1)。
したがって、電荷発生剤としてチタニルフタロシアニン結晶を用いることによって、露光による静電潜像の形成効率を著しく向上させることができ、画像形成装置におけるさらなる高スピード化も実現可能であると期待されていた。
しかしながら、電荷発生剤として、チタニルフタロシアニン結晶を用いた電子写真感光体は、帯電工程において発生するオゾン等の活性ガスによって、感光層が酸化劣化しやすくなり、十分な帯電電位を得ることが困難となるという問題が見られた。さらには、感光層上に紙粉等の異物が付着した場合に、付着物によって感光層の酸化劣化が促進され、より帯電が低下するという問題があった。
そこで、本発明者らは、鋭意検討したところ、電荷発生剤としてチタニルフタロシアニン結晶を用いた場合であっても、添加剤として酸化防止剤及び紫外線吸収剤を用いることで、帯電電位の低下を効果的に抑制できることを見出した。
すなわち、本発明の目的は、帯電電位の低下を効果的に抑制できる単層型電子写真感光体、そのような単層型電子写真感光体を含む画像形成装置、及び画像形成方法を提供することにある。
本発明によれば、基体上に、感光層を有する単層型電子写真感光体であって、前記感光層が、電荷発生剤として、チタニルフタロシアニン結晶を含むとともに、添加剤として、酸化防止剤及び紫外線吸収剤を含むことを特徴とする単層型電子写真感光体が提供され、上述した問題を解決することができる。
すなわち、電荷発生剤としてチタニルフタロシアニン結晶を用いていることから、高画質の画像を、高スピードで形成することができ、画像形成装置におけるさらなる高スピード化を実現することができる。一方で、電荷発生剤としてチタニルフタロシアニン結晶を用い、かつ、耐久印字を行った場合には、帯電電位の低下が生じやすくなる。この点、本発明であれば、添加剤として酸化防止剤及び紫外線吸収剤を用いているので、帯電電位の低下を効果的に抑制できる。
すなわち、電荷発生剤としてチタニルフタロシアニン結晶を用いていることから、高画質の画像を、高スピードで形成することができ、画像形成装置におけるさらなる高スピード化を実現することができる。一方で、電荷発生剤としてチタニルフタロシアニン結晶を用い、かつ、耐久印字を行った場合には、帯電電位の低下が生じやすくなる。この点、本発明であれば、添加剤として酸化防止剤及び紫外線吸収剤を用いているので、帯電電位の低下を効果的に抑制できる。
また、本発明の単層型電子写真感光体を構成するにあたり、酸化防止剤が、ヒンダードフェノール系酸化防止剤であることが好ましい。
このように構成することにより、帯電工程において、感光層表面がオゾン等の活性ガスに暴露された場合であっても、感光層表面の酸化劣化を、より効果的に抑制して、帯電電位の低下を抑制することができる。
このように構成することにより、帯電工程において、感光層表面がオゾン等の活性ガスに暴露された場合であっても、感光層表面の酸化劣化を、より効果的に抑制して、帯電電位の低下を抑制することができる。
また、本発明の単層型電子写真感光体を構成するにあたり、ヒンダードフェノール系酸化防止剤が、下記式(1)で表わされる構造を含むことが好ましい。
このように構成することにより、感光層表面の酸化劣化を、さらに効果的に抑制して、帯電電位の低下を抑制することができる。
また、本発明の単層型電子写真感光体を構成するにあたり、酸化防止剤の含有量を、感光層の結着樹脂100重量部に対して、0.1〜15重量部の範囲内の値とすることが好ましい。
このように構成することにより、酸化防止剤による酸化劣化防止効果を十分に発揮させつつも、感光層において酸化防止剤を効果的に分散させることができる。
また、本発明の単層型電子写真感光体を構成するにあたり、紫外線吸収剤が、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤であることが好ましい。
このように構成することにより、紫外線吸収剤と酸化防止剤の相乗効果により帯電低下を抑制することができる。
このように構成することにより、酸化防止剤による酸化劣化防止効果を十分に発揮させつつも、感光層において酸化防止剤を効果的に分散させることができる。
また、本発明の単層型電子写真感光体を構成するにあたり、紫外線吸収剤が、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤であることが好ましい。
このように構成することにより、紫外線吸収剤と酸化防止剤の相乗効果により帯電低下を抑制することができる。
また、本発明の単層型電子写真感光体を構成するにあたり、紫外線吸収剤の含有量を、感光層の結着樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部の範囲内の値とすることが好ましい。
このように構成することにより、単層型電子写真感光体の感度を維持しつつ、紫外線吸収剤と酸化防止剤の相乗効果により帯電低下を抑制することができる。
このように構成することにより、単層型電子写真感光体の感度を維持しつつ、紫外線吸収剤と酸化防止剤の相乗効果により帯電低下を抑制することができる。
また、本発明の単層型電子写真感光体を構成するにあたり、酸化防止剤の含有量と紫外線吸収剤の含有量の比が、10:1〜1:1であることが好ましい。
このように構成することにより、単層型電子写真感光体の感度を維持しつつ、紫外線吸収剤と酸化防止剤の相乗効果により帯電低下を抑制することができる。
このように構成することにより、単層型電子写真感光体の感度を維持しつつ、紫外線吸収剤と酸化防止剤の相乗効果により帯電低下を抑制することができる。
また、本発明の単層型電子写真感光体を構成するにあたり、基体上に、中間層を設けるとともに、当該中間層が、結着樹脂と、酸化チタン微粒子と、を含むとともに、中間層の膜厚を0.3〜10μmの範囲内の値とすることが好ましい。
このように構成することにより、単層型電子写真感光体の耐圧性を確保しリークを防止することができる。
このように構成することにより、単層型電子写真感光体の耐圧性を確保しリークを防止することができる。
また、本発明の別の態様は、電子写真感光体の周囲に、帯電手段、露光手段、現像手段、及び転写手段が配置された画像形成装置において、前記電子写真感光体が本発明の単層型電子写真感光体であることを特徴とする画像形成装置である。
すなわち、本発明の画像形成装置であれば、所定の電子写真感光体を備えていることから、耐久印字を行った場合であっても、帯電電位の低下を効果的に抑制して、高品質画像を安定的に形成することができる。
すなわち、本発明の画像形成装置であれば、所定の電子写真感光体を備えていることから、耐久印字を行った場合であっても、帯電電位の低下を効果的に抑制して、高品質画像を安定的に形成することができる。
また、本発明の画像形成装置を構成するにあたり、前記転写手段が、転写ベルトを含み、前記単層型電子写真感光体上に現像されたトナー像が、前記転写ベルトにより搬送される転写紙に転写されることを特徴とする画像形成装置であることが好ましい。
すなわち、単層型電子写真感光体上に現像されたトナー像が、前記転写ベルトにより搬送される転写紙に直接転写される直接転写方式を採用した場合であっても、転写紙に起因する電子写真感光体上の付着物の影響による帯電低下を抑制することができる。
すなわち、単層型電子写真感光体上に現像されたトナー像が、前記転写ベルトにより搬送される転写紙に直接転写される直接転写方式を採用した場合であっても、転写紙に起因する電子写真感光体上の付着物の影響による帯電低下を抑制することができる。
また、本発明の画像形成装置を構成するにあたり、前記画像形成装置が、クリーニングブレードを用いないクリーナーレスシステムを採用してあることが好ましい。
このように構成した場合であっても、単層型電子写真感光体の膜削れを抑制すると共に、除去されずに感光体上に残留した付着物による帯電低下を抑制することができる。
このように構成した場合であっても、単層型電子写真感光体の膜削れを抑制すると共に、除去されずに感光体上に残留した付着物による帯電低下を抑制することができる。
また、本発明の画像形成装置を構成するにあたり、単層型電子写真感光体の帯電電位を600〜1000Vの範囲内の値とすることが好ましい。
このように構成した場合であっても、リーク現象の発生及び帯電電位の低下を効果的に抑制しつつ、十分に電荷を発生させることができることから、所望の画像濃度を得ることができるばかりか、画像形成におけるさらなる高スピード化を実現することができる。
このように構成した場合であっても、リーク現象の発生及び帯電電位の低下を効果的に抑制しつつ、十分に電荷を発生させることができることから、所望の画像濃度を得ることができるばかりか、画像形成におけるさらなる高スピード化を実現することができる。
また、本発明のさらに別の態様は、上述した画像形成装置を用いた画像形成方法である。
すなわち、本発明の画像形成方法であれば、所定の画像形成装置を用いていることから、耐久印字を行った場合であっても、リーク現象の発生及び帯電電位の低下を効果的に抑制して、高品質画像を安定的に形成することができる。
すなわち、本発明の画像形成方法であれば、所定の画像形成装置を用いていることから、耐久印字を行った場合であっても、リーク現象の発生及び帯電電位の低下を効果的に抑制して、高品質画像を安定的に形成することができる。
[第1の実施形態]
第1の実施形態は、基体上に感光層を有し、感光層が電荷発生剤として、チタニルフタロシアニン結晶を含むとともに、添加剤として、酸化防止剤、及び紫外線吸収剤を含むことを特徴とする単層型電子写真感光体である。すなわち、添加剤として、酸化防止剤、及び紫外線吸収剤を含むので、帯電低下を効果的に抑制できる単層型電子写真感光体である。
1.基本的構成
図3に示す電子写真感光体1aは、図3(a)に示すような、基体112上に、電荷発生剤と、電荷輸送剤と、結着樹脂と、からなる単層型感光層114を設けた単層型電子写真感光体1aであることを特徴とする。
第1の実施形態は、基体上に感光層を有し、感光層が電荷発生剤として、チタニルフタロシアニン結晶を含むとともに、添加剤として、酸化防止剤、及び紫外線吸収剤を含むことを特徴とする単層型電子写真感光体である。すなわち、添加剤として、酸化防止剤、及び紫外線吸収剤を含むので、帯電低下を効果的に抑制できる単層型電子写真感光体である。
1.基本的構成
図3に示す電子写真感光体1aは、図3(a)に示すような、基体112上に、電荷発生剤と、電荷輸送剤と、結着樹脂と、からなる単層型感光層114を設けた単層型電子写真感光体1aであることを特徴とする。
また、図3(b)に例示するように、この感光層114と、基体112と、の間に、中間層116を形成した単層型電子写真感光体1a´とすることもできる。
2.基体
また、基体の構成材料としては、種々の材料を使用することができる。例えば、鉄、銅、スズ、白金、銀、バナジウム、モリブデン、クロム、カドミウム、チタン、ニッケル、パラジウム、インジウム、ステンレス鋼、及び真鍮などの金属にて形成された基体や、上述の金属が蒸着またはラミネートされたプラスチック材料からなる基体、あるいはヨウ化アルミニウム、アルマイト、酸化スズ、及び酸化インジウムなどで被覆されたガラス製の基体などが例示される。
2.基体
また、基体の構成材料としては、種々の材料を使用することができる。例えば、鉄、銅、スズ、白金、銀、バナジウム、モリブデン、クロム、カドミウム、チタン、ニッケル、パラジウム、インジウム、ステンレス鋼、及び真鍮などの金属にて形成された基体や、上述の金属が蒸着またはラミネートされたプラスチック材料からなる基体、あるいはヨウ化アルミニウム、アルマイト、酸化スズ、及び酸化インジウムなどで被覆されたガラス製の基体などが例示される。
すなわち、基体自体が導電性を有するか、あるいは基体の表面が導電性を有していればよく、また、使用に際して、充分な機械的強度を有していればよい。
また、これらの中でも、特にアルミニウムを含む材料物質を使用することが好ましく、さらに、基体の外周面において膜厚1〜10μmのアルマイト層が設けてあることが好ましい。
また、これらの中でも、特にアルミニウムを含む材料物質を使用することが好ましく、さらに、基体の外周面において膜厚1〜10μmのアルマイト層が設けてあることが好ましい。
この理由は、このように構成することにより、電子写真感光体の耐電圧を、所定以上の値に調節することが容易となるためである。
すなわち、アルマイト層の膜厚が1μm未満の値となると、電子写真感光体に対して十分な耐電圧を付与することが困難となる場合があるためである。一方、アルマイト層の膜厚が10μmを超えた値となると、電子写真感光体の耐電圧が過度に増加して、露光メモリが発生しやすくなる場合があるためである。
すなわち、アルマイト層の膜厚が1μm未満の値となると、電子写真感光体に対して十分な耐電圧を付与することが困難となる場合があるためである。一方、アルマイト層の膜厚が10μmを超えた値となると、電子写真感光体の耐電圧が過度に増加して、露光メモリが発生しやすくなる場合があるためである。
したがって、アルマイト層の膜厚を2〜8μmの範囲内の値とすることがより好ましく、3〜7μmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
3.中間層
また、図3(b)に例示するように、基体112上に、結着樹脂と、無機微粒子等と、を含有する中間層116を設けることも好ましい。
この理由は、かかる中間層を設けることによっても、所定条件下にて測定される電子写真感光体の耐電圧を所定以上の値に調節することが容易となるためである。
3.中間層
また、図3(b)に例示するように、基体112上に、結着樹脂と、無機微粒子等と、を含有する中間層116を設けることも好ましい。
この理由は、かかる中間層を設けることによっても、所定条件下にて測定される電子写真感光体の耐電圧を所定以上の値に調節することが容易となるためである。
したがって、中間層が、例えば、結着樹脂と、酸化チタン微粒子と、を含むとともに、酸化チタン微粒子の含有量を、結着樹脂100重量部に対して、50〜500重量部の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、このように構成することにより、単層型電子写真感光体の耐電圧を所定以上の値に調節することがさらに容易となるためである。
この理由は、このように構成することにより、単層型電子写真感光体の耐電圧を所定以上の値に調節することがさらに容易となるためである。
すなわち、酸化チタン微粒子の含有量をかかる範囲とすることによって、中間層の抵抗を所定の範囲に調節することが容易となるとともに、酸化チタン微粒子の分散性をより向上させることができるためである。
したがって、酸化チタン微粒子の含有量を、結着樹脂100重量部に対して100〜400重量部の範囲内の値とすることがより好ましく、150〜300重量部の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
また、酸化チタン微粒子に対して、アルミナ、シリカ及び有機ケイ素化合物による表面処理が施されていることが好ましい。
この理由は、かかる表面処理を施すことによって、中間層における酸化チタン微粒子の分散性をさらに向上させつつ、中間層の抵抗を好適な範囲に調節することができるためである。
この理由は、かかる表面処理を施すことによって、中間層における酸化チタン微粒子の分散性をさらに向上させつつ、中間層の抵抗を好適な範囲に調節することができるためである。
すなわち、酸化チタン微粒子に対してアルミナ(Al2O3)及びシリカ(SiO2)による表面処理を施すことによって、中間層における酸化チタン微粒子の基本的な分散性を向上させることができるためである。
また、酸化チタン微粒子に対して、アルミナ及びシリカによる表面処理を施すことによって、後述する有機ケイ素化合物による表面処理量を、容易に調節することができるようになるためである。
また、アルミナ及びシリカによる表面処理を施した後に、さらに有機ケイ素化合物によって表面処理を施すことによって、酸化チタン微粒子の分散性をより向上させることができるばかりか、その表面処理量を変化させることによって、酸化チタン微粒子の導電性を容易に調節することができるためである。
なお、好適に使用される有機ケイ素化合物としては、アルキルシラン化合物、アルコキシシラン化合物、ビニル基含有シラン化合物、メルカプト基含有シラン化合物、アミノ基含有シラン化合物、あるいはこれらの縮合重合物であるポリシロキサン化合物が挙げられる。より具体的には、メチルハイドロジェンポリシロキサンやジメチルポリシロキサン等のシロキサン化合物が好ましく、特に、メチルハイドロジェンポリシロキサンが好ましい。
そして、アルミナ及びシリカの含有量としては、酸化チタン微粒子100重量部に対して1〜30重量部の範囲内の値とすることが好ましく、5〜20重量部の範囲内の値とすることがより好ましい。また、有機ケイ素化合物の含有量としては、酸化チタン微粒子100重量部に対して1〜15重量部の範囲内の値とすることが好ましく、5〜10重量部の範囲内の値とすることがより好ましい。
また、酸化チタン微粒子が、第一の酸化チタン微粒子としてのアルミナ及びシリカにて表面処理を施された酸化チタン微粒子と、第二の酸化チタン微粒子としてのアルミナ及びシリカにて表面処理を施された後、さらにメチルハイドロジェンポリシロキサンにて表面処理を施された酸化チタン微粒子とを、併用することが好ましい。
この理由は、第一の酸化チタン微粒子及び第二の酸化チタン微粒子を、所定割合にて併用することにより、単層型電子写真感光体の耐電圧を所定以上の値に調節することがより一段と容易になるためである。
この理由は、第一の酸化チタン微粒子及び第二の酸化チタン微粒子を、所定割合にて併用することにより、単層型電子写真感光体の耐電圧を所定以上の値に調節することがより一段と容易になるためである。
また、酸化チタン微粒子における平均一次粒子径(数平均一次粒子径、以下同様である。)を5〜30nmの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、酸化チタン微粒子の平均一次粒子径を5〜30nmの範囲内の値とすることによって、中間層内における分散性が良好となって、中間層の抵抗を均一にすることができるためである。
すなわち、酸化チタン微粒子の平均一次粒子径が5nm未満の値となると、そのような酸化チタン微粒子を精度良く製造することが困難となるばかりか、粒子同士が凝集しやすくなる場合があるためである。一方、酸化チタン微粒子の平均一次粒子径が30nmを超えた値となると、中間層内における分散性が低下して、中間層における抵抗が不均一となる場合があるためである。
この理由は、酸化チタン微粒子の平均一次粒子径を5〜30nmの範囲内の値とすることによって、中間層内における分散性が良好となって、中間層の抵抗を均一にすることができるためである。
すなわち、酸化チタン微粒子の平均一次粒子径が5nm未満の値となると、そのような酸化チタン微粒子を精度良く製造することが困難となるばかりか、粒子同士が凝集しやすくなる場合があるためである。一方、酸化チタン微粒子の平均一次粒子径が30nmを超えた値となると、中間層内における分散性が低下して、中間層における抵抗が不均一となる場合があるためである。
したがって、酸化チタン微粒子の平均一次粒子径を10〜20nmの範囲内の値とすることがより好ましく、12〜18nmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
なお、酸化チタン微粒子の平均一次粒子径は、電子顕微鏡写真及び画像処理装置を組み合わせて測定することができる。
なお、酸化チタン微粒子の平均一次粒子径は、電子顕微鏡写真及び画像処理装置を組み合わせて測定することができる。
また、中間層の膜厚を0.3〜10μmの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、中間層の膜厚が0.3μm未満の値となると、中間層の抵抗が過度に小さくなるばかりか、均一な膜厚を形成することが困難となる場合があるためである。一方、中間層の膜厚が10μmを超えた値となると、中間層の抵抗が過度に大きくなったり、露光メモリが発生しやすくなったりする場合があるためである。
したがって、中間層の膜厚を0.5〜8μmの範囲内の値とすることがより好ましく、1〜5μmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
この理由は、中間層の膜厚が0.3μm未満の値となると、中間層の抵抗が過度に小さくなるばかりか、均一な膜厚を形成することが困難となる場合があるためである。一方、中間層の膜厚が10μmを超えた値となると、中間層の抵抗が過度に大きくなったり、露光メモリが発生しやすくなったりする場合があるためである。
したがって、中間層の膜厚を0.5〜8μmの範囲内の値とすることがより好ましく、1〜5μmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
なお、中間層における結着樹脂としては、例えば、ポリアミド樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、酢酸ビニル樹脂、フェノキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂からなる群から選択される少なくとも一つの樹脂を用いることができる。
4.感光層
(1)電荷発生剤
本発明においては、電荷発生剤としてチタニルフタロシアニン結晶を用いることを特徴とする。
この理由は、チタニルフタロシアニン結晶であれば、電荷発生効率に優れることから、露光による静電潜像の形成効率を著しく向上させて、画像形成装置等において、さらなる高スピード化を実現することができるためである。
4.感光層
(1)電荷発生剤
本発明においては、電荷発生剤としてチタニルフタロシアニン結晶を用いることを特徴とする。
この理由は、チタニルフタロシアニン結晶であれば、電荷発生効率に優れることから、露光による静電潜像の形成効率を著しく向上させて、画像形成装置等において、さらなる高スピード化を実現することができるためである。
また、チタニルフタロシアニン結晶を構成するチタニルフタロシアニン化合物としては、下記一般式(2)で表される化合物であることが好ましい。
この理由は、このような構造のチタニルフタロシアニン化合物であれば、チタニルフタロシアニン結晶の安定性をさらに向上させることができるばかりでなく、かかるチタニルフタロシアニン結晶を安定して製造することができるためである。
また、特に、チタニルフタロシアニン化合物の構造が、下記式(3)で表される無置換のチタニルフタロシアニン化合物であることが好ましい。
この理由は、このような構造のチタニルフタロシアニン化合物を用いることによって、より安定した性質を備えたチタニルフタロシアニン結晶をさらに容易に製造することができるためである。
この理由は、このような構造のチタニルフタロシアニン化合物であれば、チタニルフタロシアニン結晶の安定性をさらに向上させることができるばかりでなく、かかるチタニルフタロシアニン結晶を安定して製造することができるためである。
また、特に、チタニルフタロシアニン化合物の構造が、下記式(3)で表される無置換のチタニルフタロシアニン化合物であることが好ましい。
この理由は、このような構造のチタニルフタロシアニン化合物を用いることによって、より安定した性質を備えたチタニルフタロシアニン結晶をさらに容易に製造することができるためである。
(一般式(2)中、Xは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、シアノ基、またはニトロ基を示しており、繰り返し数eは1〜4の整数を示す。)
(1)−1 光学特性
また、本発明におけるチタニルフタロシアニン結晶は、光学特性として、CuKα特性X線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角2θ±0.2°=27.2°に主ピークを有することが好ましい(第1の光学特性)。
また、本発明におけるチタニルフタロシアニン結晶は、光学特性として、CuKα特性X線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角2θ±0.2°=27.2°に主ピークを有することが好ましい(第1の光学特性)。
また、CuKα特性X線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角2θ±0.2°=26.2°にピークを有さないことが好ましい(第2の光学特性)。
さらに、CuKα特性X線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角2θ±0.2°=7.2°にピークを有さないことが好ましい(第3の光学特性)。
この理由は、かかる第1の光学特性を備えない場合には、このような光学特性を有するチタニルフタロシアニン結晶と比較して、結晶安定性、電荷発生能及び分散性が著しく低下する傾向にあるためである。逆に言えば、第1の光学特性、より好ましくは、第2の光学特性及び第3の光学特性を備えることにより、結晶安定性、電荷発生能及び分散性を向上させることができるためである。
さらに、CuKα特性X線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角2θ±0.2°=7.2°にピークを有さないことが好ましい(第3の光学特性)。
この理由は、かかる第1の光学特性を備えない場合には、このような光学特性を有するチタニルフタロシアニン結晶と比較して、結晶安定性、電荷発生能及び分散性が著しく低下する傾向にあるためである。逆に言えば、第1の光学特性、より好ましくは、第2の光学特性及び第3の光学特性を備えることにより、結晶安定性、電荷発生能及び分散性を向上させることができるためである。
また、チタニルフタロシアニン結晶が、有機溶媒中に24時間浸漬した後に測定されるCuKα特性X線回折スペクトルにおいて、少なくともブラッグ角2θ±0.2°=27.2°に主ピークを有するとともに、26.2°にピークを有しないことが好ましい。
この理由は、チタニルフタロシアニン結晶がかかる特性を有することによって、感光層用塗布液中におけるその経時安定性や分散性を、さらに向上させることができるためである。
すなわち、チタニルフタロシアニン結晶を、実際にテトラヒドロフラン等の有機溶媒中に24時間浸漬させた場合であっても、結晶型がαまたはβ型へ転移せず、所定の結晶型を保持していることを確認できるため、有機溶媒中における結晶転移を確実に制御することができるためである。
なお、チタニルフタロシアニン結晶の貯蔵安定性を評価する基準となる有機溶媒への浸漬実験評価は、例えば、電子写真用感光体を作成するための感光層用塗布液を実際に保管する条件と、同一条件で実施することが好ましい。したがって、例えば、温度23±1℃、相対湿度50〜60%RHの条件下で、密閉系中において、チタニルフタロシアニン結晶の貯蔵安定性を評価することが好ましい。
この理由は、チタニルフタロシアニン結晶がかかる特性を有することによって、感光層用塗布液中におけるその経時安定性や分散性を、さらに向上させることができるためである。
すなわち、チタニルフタロシアニン結晶を、実際にテトラヒドロフラン等の有機溶媒中に24時間浸漬させた場合であっても、結晶型がαまたはβ型へ転移せず、所定の結晶型を保持していることを確認できるため、有機溶媒中における結晶転移を確実に制御することができるためである。
なお、チタニルフタロシアニン結晶の貯蔵安定性を評価する基準となる有機溶媒への浸漬実験評価は、例えば、電子写真用感光体を作成するための感光層用塗布液を実際に保管する条件と、同一条件で実施することが好ましい。したがって、例えば、温度23±1℃、相対湿度50〜60%RHの条件下で、密閉系中において、チタニルフタロシアニン結晶の貯蔵安定性を評価することが好ましい。
また、チタニルフタロシアニン結晶の貯蔵安定性を評価する際の有機溶媒としては、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、トルエン、1,4−ジオキサン、及び1−メトキシ−2−プロパノールからなる群の少なくとも1種であることが好ましい。
この理由は、かかる有機溶媒を感光層用塗布液における有機溶剤として用いた場合におけるチタニルフタロシアニン結晶の安定性を、より確実に判断することができるためである。
(1)−2 熱特性
また、本発明におけるチタニルフタロシアニン結晶は、熱特性として、示差走査熱量分析において、吸着水の気化に伴なうピーク以外に270〜400℃の範囲内に、1つのピークを有することが好ましい。
この理由は、かかる光学特性及び熱特性を有するチタニルフタロシアニン結晶であれば、結晶安定性、電荷発生能及び分散性を、さらに向上させることができるためである。
なお、吸着水の気化に伴うピーク以外のピークであって、270〜400℃の範囲内に現れる1つのピークは、290〜400℃の範囲内に現れることがより好ましく、300〜400℃の範囲内に現れることがさらに好ましい。
また、CuKα特性X線回折スペクトルにおけるブラッグ角の具体的な測定方法、及び、示差走査熱量分析の具体的な方法については、実施例において詳述する。
(1)−3 製造方法
また、本発明におけるチタニルフタロシアニン結晶は、例えば、以下に示す方法によって製造することができる。
すなわち、かかるチタニルフタロシアニン結晶の製造材料としてのo−フタロニトリルまたはその誘導体、もしくは1,3−ジイミノイソインドリンまたはその誘導体と、チタンアルコキシドまたは四塩化チタンと、を尿素化合物の存在下において反応させて、チタニルフタロシアニン化合物を製造することが好ましい。
したがって、下記反応式(1)または下記反応式(2)に準じて実施することが好ましい。なお、反応式(1)及び反応式(2)においては、チタンアルコキシドとして、一例ではあるが、式(5)で表されるチタンテトラブトキシドを用いている。
この理由は、かかる有機溶媒を感光層用塗布液における有機溶剤として用いた場合におけるチタニルフタロシアニン結晶の安定性を、より確実に判断することができるためである。
(1)−2 熱特性
また、本発明におけるチタニルフタロシアニン結晶は、熱特性として、示差走査熱量分析において、吸着水の気化に伴なうピーク以外に270〜400℃の範囲内に、1つのピークを有することが好ましい。
この理由は、かかる光学特性及び熱特性を有するチタニルフタロシアニン結晶であれば、結晶安定性、電荷発生能及び分散性を、さらに向上させることができるためである。
なお、吸着水の気化に伴うピーク以外のピークであって、270〜400℃の範囲内に現れる1つのピークは、290〜400℃の範囲内に現れることがより好ましく、300〜400℃の範囲内に現れることがさらに好ましい。
また、CuKα特性X線回折スペクトルにおけるブラッグ角の具体的な測定方法、及び、示差走査熱量分析の具体的な方法については、実施例において詳述する。
(1)−3 製造方法
また、本発明におけるチタニルフタロシアニン結晶は、例えば、以下に示す方法によって製造することができる。
すなわち、かかるチタニルフタロシアニン結晶の製造材料としてのo−フタロニトリルまたはその誘導体、もしくは1,3−ジイミノイソインドリンまたはその誘導体と、チタンアルコキシドまたは四塩化チタンと、を尿素化合物の存在下において反応させて、チタニルフタロシアニン化合物を製造することが好ましい。
したがって、下記反応式(1)または下記反応式(2)に準じて実施することが好ましい。なお、反応式(1)及び反応式(2)においては、チタンアルコキシドとして、一例ではあるが、式(5)で表されるチタンテトラブトキシドを用いている。
また、式(5)で表されるチタンテトラブトキシド等のチタンアルコキシドまたは四塩化チタンの添加量を、式(4)で表されるo−フタロニトリルまたはその誘導体、もしくは式(6)で表される1,3−ジイミノイソインドリンまたはその誘導体1モルに対して、0.40〜0.53モルの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、式(5)で表されるチタンテトラブトキシド等のチタンアルコキシドまたは四塩化チタンの添加量を、式(4)で表されるo−フタロニトリルまたはその誘導体、もしくは式(6)で表される1,3−ジイミノイソインドリンまたはその誘導体に対して、1/4モル当量を超えた過剰量を添加することにより、後述する尿素化合物との相互作用が効果的に発揮されるためである。
したがって、式(5)で表されるチタンテトラブトキシド等のチタンアルコキシドまたは四塩化チタンの添加量を、式(4)で表されるo−フタロニトリルまたは式(6)で表される1,3−ジイミノイソインドリン等1モルに対して、0.42〜0.50モルの範囲内の値とすることがより好ましく、0.45〜0.47モルの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
この理由は、式(5)で表されるチタンテトラブトキシド等のチタンアルコキシドまたは四塩化チタンの添加量を、式(4)で表されるo−フタロニトリルまたはその誘導体、もしくは式(6)で表される1,3−ジイミノイソインドリンまたはその誘導体に対して、1/4モル当量を超えた過剰量を添加することにより、後述する尿素化合物との相互作用が効果的に発揮されるためである。
したがって、式(5)で表されるチタンテトラブトキシド等のチタンアルコキシドまたは四塩化チタンの添加量を、式(4)で表されるo−フタロニトリルまたは式(6)で表される1,3−ジイミノイソインドリン等1モルに対して、0.42〜0.50モルの範囲内の値とすることがより好ましく、0.45〜0.47モルの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
また、上述した反応式(1)及び(2)で表される反応を、尿素化合物の存在下において行うことが好ましい。
この理由は、尿素化合物の存在下において製造されたチタニルフタロシアニン化合物を用いることにより、尿素化合物とチタンアルコキシドまたは四塩化チタンにおける相互作用が発揮されるため、特定のチタニルフタロシアニン結晶を効率的に得ることができるためである。
すなわち、かかる相互作用とは、尿素化合物とチタンアルコキシドまたは四塩化チタンとの反応によって生成するアンモニアが、さらにチタンアルコキシドまたは四塩化チタンと錯体を形成し、かかる物質が反応式(1)及び(2)で表される反応をより促進させる作用である。そして、このような促進作用のもとに、原料物質を反応させることにより、有機溶媒中であっても、特定のチタニルフタロシアニン結晶を効率的に製造することができる。
この理由は、尿素化合物の存在下において製造されたチタニルフタロシアニン化合物を用いることにより、尿素化合物とチタンアルコキシドまたは四塩化チタンにおける相互作用が発揮されるため、特定のチタニルフタロシアニン結晶を効率的に得ることができるためである。
すなわち、かかる相互作用とは、尿素化合物とチタンアルコキシドまたは四塩化チタンとの反応によって生成するアンモニアが、さらにチタンアルコキシドまたは四塩化チタンと錯体を形成し、かかる物質が反応式(1)及び(2)で表される反応をより促進させる作用である。そして、このような促進作用のもとに、原料物質を反応させることにより、有機溶媒中であっても、特定のチタニルフタロシアニン結晶を効率的に製造することができる。
また、尿素化合物が、尿素、チオ尿素、O−メチルイソ尿素硫酸塩、O−メチルイソ尿素炭酸塩、及びO−メチルイソ尿素塩酸塩からなる群の少なくとも1種であることが好ましい。
この理由は、かかる尿素化合物を、反応式(1)及び(2)中の尿素化合物として用いることにより、反応の過程で生成するアンモニアが、より効率的にチタンアルコキシドまたは四塩化チタンと錯体を形成し、かかる物質が反応式(1)及び(2)で表される反応をさらに促進させるためである。
すなわち、原料物質としてのチタンアルコキシドまたは四塩化チタンと、尿素化合物とが反応して生成するアンモニアが、さらに効率的にチタンアルコキシド等と錯体化合物を形成するためである。したがって、かかる錯体化合物が反応式(1)及び(2)で表される反応をさらに促進させるためである。
なお、かかる錯体化合物は、180℃以上の高温条件で反応させた場合に、特異的に生成しやすいことが判明している。そのため、沸点が180℃以上の含窒素化合物中、例えば、キノリン(沸点:237.1℃)やイソキノリン(沸点:242.5℃)、あるいはこれらの混合物(重量比10:90〜90:10)中で実施することがより有効である。
また、反応促進剤としてのアンモニアや、それに起因した錯体化合物がさらに生成しやすいことから、上述した尿素化合物の中でも、尿素を用いることがより好ましい。
この理由は、かかる尿素化合物を、反応式(1)及び(2)中の尿素化合物として用いることにより、反応の過程で生成するアンモニアが、より効率的にチタンアルコキシドまたは四塩化チタンと錯体を形成し、かかる物質が反応式(1)及び(2)で表される反応をさらに促進させるためである。
すなわち、原料物質としてのチタンアルコキシドまたは四塩化チタンと、尿素化合物とが反応して生成するアンモニアが、さらに効率的にチタンアルコキシド等と錯体化合物を形成するためである。したがって、かかる錯体化合物が反応式(1)及び(2)で表される反応をさらに促進させるためである。
なお、かかる錯体化合物は、180℃以上の高温条件で反応させた場合に、特異的に生成しやすいことが判明している。そのため、沸点が180℃以上の含窒素化合物中、例えば、キノリン(沸点:237.1℃)やイソキノリン(沸点:242.5℃)、あるいはこれらの混合物(重量比10:90〜90:10)中で実施することがより有効である。
また、反応促進剤としてのアンモニアや、それに起因した錯体化合物がさらに生成しやすいことから、上述した尿素化合物の中でも、尿素を用いることがより好ましい。
また、反応式(1)及び(2)で使用する尿素化合物の添加量を、o−フタロニトリルまたはその誘導体、もしくは1,3−ジイミノイソインドリンまたはその誘導体1モルに対して、0.1〜0.95モルの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、尿素化合物の添加量をかかる範囲内の値とすることにより、上述した尿素化合物の作用をより効率的に発揮させることができるためである。
したがって、かかる尿素化合物の添加量を、o−フタロニトリルまたはその誘導体、もしくは1,3−ジイミノイソインドリンまたはその誘導体1モルに対して、0.2〜0.8モルの範囲内の値とすることがより好ましく、0.3〜0.7モルの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
この理由は、尿素化合物の添加量をかかる範囲内の値とすることにより、上述した尿素化合物の作用をより効率的に発揮させることができるためである。
したがって、かかる尿素化合物の添加量を、o−フタロニトリルまたはその誘導体、もしくは1,3−ジイミノイソインドリンまたはその誘導体1モルに対して、0.2〜0.8モルの範囲内の値とすることがより好ましく、0.3〜0.7モルの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
また、反応式(1)及び(2)で使用する溶媒としては、例えば、キシレン、ナフタレン、メチルナフタレン、テトラリン、及びニトロベンゼン等の炭化水素系溶剤、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン、ジブロモベンゼン、及びクロロナフタレン等のハロゲン化炭化水素系溶剤、ヘキサノール、オクタノール、デカノール、ベンジルアルコール、エチレングリコール、及びジエチレングリコール等のアルコール系溶剤、シクロヘキサノン、アセトフェノン、1−メチル−2−ピロリドン、及び1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等のケトン系溶剤、ホルムアミド、及びアセトアミド等のアミド系溶剤、ピコリン、キノリン、及びイソキノリン等の窒素含有溶剤からなる群の1種または2種以上の任意の組み合わせが挙げられる。
特に、沸点が180℃以上の含窒素化合物、例えば、キノリンやイソキノリンであれば、原料物質としてのチタンアルコキシドまたは四塩化チタンと、尿素化合物とが反応して生成するアンモニアが、さらに効率的にチタンアルコキシド等と錯体化合物を形成しやすくなることから好適な溶媒である。
特に、沸点が180℃以上の含窒素化合物、例えば、キノリンやイソキノリンであれば、原料物質としてのチタンアルコキシドまたは四塩化チタンと、尿素化合物とが反応して生成するアンモニアが、さらに効率的にチタンアルコキシド等と錯体化合物を形成しやすくなることから好適な溶媒である。
また、反応式(1)及び(2)における反応温度を150℃以上の高温とすることが好ましい。この理由は、かかる反応温度が150℃未満、特に135℃以下となると、原料物質としてのチタンアルコキシドまたは四塩化チタンと、尿素化合物とが反応して、錯体化合物を形成しにくくなるためである。したがって、かかる錯体化合物が反応式(1)及び(2)で表される反応をさらに促進させることが困難となって、特定のチタニルフタロシアニン結晶を効率的に製造することが困難となるためである。
したがって、反応式(1)及び(2)における反応温度を180〜250℃の範囲内の値とすることがより好ましく、200〜240℃の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
したがって、反応式(1)及び(2)における反応温度を180〜250℃の範囲内の値とすることがより好ましく、200〜240℃の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
また、反応式(1)及び(2)における反応時間は、反応温度にもよるが、0.5〜10時間の範囲とすることが好ましい。この理由は、かかる反応時間が0.5時間未満となると、原料物質としてのチタンアルコキシドまたは四塩化チタンと、尿素化合物とが反応して、錯体化合物を形成しにくくなるためである。したがって、かかる錯体化合物が反応式(1)及び(2)で表される反応をさらに促進させることが困難となって、特定のチタニルフタロシアニン結晶を効率的に製造することが困難となるためである。一方、かかる反応時間が10時間を越えると、経済的に不利となったり、あるいは生成した錯体化合物が減少したりする場合があるためである。
したがって、反応式(1)及び(2)における反応時間を0.6〜3.5時間の範囲内の値とすることがより好ましく、0.8〜3時間の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
したがって、反応式(1)及び(2)における反応時間を0.6〜3.5時間の範囲内の値とすることがより好ましく、0.8〜3時間の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
また、得られたチタニルフタロシアニン化合物に対して、硫酸等による酸処理を施し、粗チタニルフタロシアニン結晶を得た後、下記工程(a)〜(d)を含む工程を実施して、最終的なチタニルフタロシアニン結晶を得ることが好ましい。
(a)粗チタニルフタロシアニン結晶を酸に対して溶解し、チタニルフタロシアニン溶液を得る工程
(b)チタニルフタロシアニン溶液を貧溶媒中に滴下してウェットケーキを得る工程
(c)ウェットケーキを炭素数1〜4のアルコールによって洗浄する工程
(d)洗浄後のウェットケーキを非水系溶媒中で加熱撹拌して、チタニルフタロシアニン結晶を得る工程
(1)−4 含有量
また、電荷発生剤としてのチタニルフタロシアニン結晶の含有量を、感光層の結着樹脂100重量部に対して、0.5〜8重量部の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、このように構成することにより、単層型電子写真感光体の耐電圧を所定以上の値に調節することが容易となる一方で、電荷発生量を安定的に確保することができるためである。
(a)粗チタニルフタロシアニン結晶を酸に対して溶解し、チタニルフタロシアニン溶液を得る工程
(b)チタニルフタロシアニン溶液を貧溶媒中に滴下してウェットケーキを得る工程
(c)ウェットケーキを炭素数1〜4のアルコールによって洗浄する工程
(d)洗浄後のウェットケーキを非水系溶媒中で加熱撹拌して、チタニルフタロシアニン結晶を得る工程
(1)−4 含有量
また、電荷発生剤としてのチタニルフタロシアニン結晶の含有量を、感光層の結着樹脂100重量部に対して、0.5〜8重量部の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、このように構成することにより、単層型電子写真感光体の耐電圧を所定以上の値に調節することが容易となる一方で、電荷発生量を安定的に確保することができるためである。
すなわち、チタニルフタロシアニン結晶の含有量が、0.5重量部未満の値となると、電荷発生量が過度に減少して、電子写真感光体表面において静電潜像を形成することが困難となる場合があるためである。
一方、チタニルフタロシアニン結晶の含有量が、8重量部を超えた値となると、感光層中に均一に分散させることが困難となって、電子写真感光体の耐電圧を所定以上の値に調節することが困難となったり、活性ガスによる感光層の酸化劣化を抑制することが困難となる場合があるためである。
したがって、チタニルフタロシアニン結晶の含有量を、感光層の結着樹脂100重量部に対して、1〜6重量部の範囲内の値とすることがより好ましく、2〜5重量部の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
(2)分散剤
また、感光層中における電荷発生剤の分散具合を調節するために、分散剤を併用することも好ましい。
すなわち、分散剤を用いて感光層中における電荷発生剤の分散具合を調節することにより、耐電圧を容易に調節すると同時に、活性ガスによる感光層の酸化劣化を抑制することができるためである。
(2)分散剤
また、感光層中における電荷発生剤の分散具合を調節するために、分散剤を併用することも好ましい。
すなわち、分散剤を用いて感光層中における電荷発生剤の分散具合を調節することにより、耐電圧を容易に調節すると同時に、活性ガスによる感光層の酸化劣化を抑制することができるためである。
また、かかる分散剤としては、例えば、顔料としての下記式(7)で表されるPY128が挙げられる。
その他の分散剤としては、顔料としてのPR254、PY110、PY242等が挙げられる。
なお、かかる分散剤の含有量は、感光層の結着樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部の範囲内の値とすることが好ましく、0.5〜5重量部の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
(3)添加剤
本発明においては、添加剤として酸化防止剤と紫外線吸収剤を用いることを特徴とする。
この理由は、耐久印字を行った場合であっても、酸化防止剤と紫外線吸収剤との相乗効果によって帯電電位の低下を効果的に抑制することができるためである。
すなわち、本発明においては、上述したように、電荷発生剤としてチタニルフタロシアニン結晶を用いていることから、露光による静電潜像の形成効率を著しく向上させることができ、画像形成装置におけるさらなる高スピード化を実現することができる。
一方で、電荷発生剤としてチタニルフタロシアニン結晶を用い、かつ、耐久印字を行った場合には、帯電電位の低下が生じやすくなる。
なお、かかる分散剤の含有量は、感光層の結着樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部の範囲内の値とすることが好ましく、0.5〜5重量部の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
(3)添加剤
本発明においては、添加剤として酸化防止剤と紫外線吸収剤を用いることを特徴とする。
この理由は、耐久印字を行った場合であっても、酸化防止剤と紫外線吸収剤との相乗効果によって帯電電位の低下を効果的に抑制することができるためである。
すなわち、本発明においては、上述したように、電荷発生剤としてチタニルフタロシアニン結晶を用いていることから、露光による静電潜像の形成効率を著しく向上させることができ、画像形成装置におけるさらなる高スピード化を実現することができる。
一方で、電荷発生剤としてチタニルフタロシアニン結晶を用い、かつ、耐久印字を行った場合には、帯電電位の低下が生じやすくなる。
この点、感光層に対し、添加剤として酸化防止剤と紫外線吸収剤を含有させることによって、主に帯電工程において発生するオゾン等の活性ガスによる感光層の酸化劣化を、効果的に抑制することができる。その結果、帯電電位の低下を効果的に抑制することができる。
(3)−1酸化防止剤
(3)−1−1 種類
酸化防止剤の種類としては、特に限定されるものではなく、従来公知の種々の化合物を用いることができる。
(3)−1酸化防止剤
(3)−1−1 種類
酸化防止剤の種類としては、特に限定されるものではなく、従来公知の種々の化合物を用いることができる。
例えば、ヒンダードフェノール、アミン、ヒンダードアミン、パラフェニレンジアミン、アリールアルカン、ハイドロキノン、スピロクロマン、スピロインダノン、あるいはこれらの誘導体、または、有機硫黄化合物及び有機リン化合物等が挙げられる。
また、酸化防止剤が、ヒンダードフェノール系酸化防止剤であることが好ましい。
この理由は、酸化防止剤としてヒンダードフェノール系酸化防止剤を用いることにより、帯電工程において、感光層表面がオゾン等の活性ガスに暴露された場合であっても、感光層表面の酸化劣化を、より効果的に抑制して、帯電電位の低下を抑制することができるためである。
また、上述したヒンダードフェノール系酸化防止剤が、下記式(1)で表わされる構造を含むことが好ましい。
この理由は、酸化防止剤としてヒンダードフェノール系酸化防止剤を用いることにより、帯電工程において、感光層表面がオゾン等の活性ガスに暴露された場合であっても、感光層表面の酸化劣化を、より効果的に抑制して、帯電電位の低下を抑制することができるためである。
また、上述したヒンダードフェノール系酸化防止剤が、下記式(1)で表わされる構造を含むことが好ましい。
この理由は、かかる構造を含むヒンダードフェノール系酸化防止剤であれば、感光層表面の酸化劣化を、さらに効果的に抑制して、帯電電位の低下を抑制することができるためである。
また、ヒンダードフェノール系酸化防止剤の具体例としては、下記式(8)で表わされる化合物(P−1〜16)が挙げられる。
なお、これらのうち、一般式(1)で表わされる構造を含むものは、P−1、2、3、14、15及び16である。
なお、これらのうち、一般式(1)で表わされる構造を含むものは、P−1、2、3、14、15及び16である。
(3)−1−2 含有量
また、酸化防止剤の含有量を、感光層の結着樹脂100重量部に対して、0.1〜15重量部の範囲内の値とすることが好ましい。
また、酸化防止剤の含有量を、感光層の結着樹脂100重量部に対して、0.1〜15重量部の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、酸化防止剤の含有量をかかる範囲とすることにより、酸化防止剤による酸化劣化防止効果を十分に発揮させつつも、感光層において酸化防止剤を効果的に分散させることができるためである。
すなわち、酸化防止剤の含有量が0.1重量部未満の値となると、耐久印字を行った場合には、感光層表面の酸化劣化を十分に抑制することが困難となって、帯電電位が過度に低下しやすくなる場合があるためである。一方、酸化防止剤の含有量が15重量部を超えた値となると、単層型電子写真感光体の感度特性が低下する場合があるためである。
すなわち、酸化防止剤の含有量が0.1重量部未満の値となると、耐久印字を行った場合には、感光層表面の酸化劣化を十分に抑制することが困難となって、帯電電位が過度に低下しやすくなる場合があるためである。一方、酸化防止剤の含有量が15重量部を超えた値となると、単層型電子写真感光体の感度特性が低下する場合があるためである。
したがって、酸化防止剤の含有量を、感光層の結着樹脂100重量部に対して、0.5〜13重量部の範囲内の値とすることがより好ましく、1〜10重量部の範囲内の値とすることがさらに好ましく、4〜10重量部の範囲内の値とすることがより一段と好ましい。
(3)-2 紫外線吸収剤
(3)-2-1 種類
また、紫外線吸収剤の種類としては、特に限定されるものではなく、従来公知の種々の化合物を用いることができる。
例えば、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、サルシレート系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、クエンチャー(金属錯塩系)紫外線吸収剤、HALS(ヒンダードアミン)系紫外線吸収剤等が挙げられる。
(3)-2 紫外線吸収剤
(3)-2-1 種類
また、紫外線吸収剤の種類としては、特に限定されるものではなく、従来公知の種々の化合物を用いることができる。
例えば、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、サルシレート系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、クエンチャー(金属錯塩系)紫外線吸収剤、HALS(ヒンダードアミン)系紫外線吸収剤等が挙げられる。
また、紫外線吸収剤が、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤であることが好ましい。
この理由は、紫外線吸収剤としてベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を用いることにより、帯電工程において、感光層表面がオゾン等の活性ガスに暴露された場合であっても、酸化防止剤との相乗効果により、感光層表面の酸化劣化をより効果的に抑制して、帯電電位の低下を抑制することができるためである。
この理由は、紫外線吸収剤としてベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を用いることにより、帯電工程において、感光層表面がオゾン等の活性ガスに暴露された場合であっても、酸化防止剤との相乗効果により、感光層表面の酸化劣化をより効果的に抑制して、帯電電位の低下を抑制することができるためである。
また、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤の具体例としては、(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、(2−ヒドロキシ5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、(2−ヒドロキシ5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、(2−ヒドロキシ3−ターシャリブチル5−メチルフェニル)5−クロロベンゾトリアゾールが挙げられる。
(3)-2-2 含有量
また、紫外線吸収剤の含有量を、感光層の結着樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、紫外線吸収剤の含有量をかかる範囲とすることにより、酸化防止剤との相乗効果により感光層の酸化劣化防止効果を十分に発揮させつつも、感光層において紫外線吸収剤を効果的に分散させることができるためである。
(3)-2-2 含有量
また、紫外線吸収剤の含有量を、感光層の結着樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、紫外線吸収剤の含有量をかかる範囲とすることにより、酸化防止剤との相乗効果により感光層の酸化劣化防止効果を十分に発揮させつつも、感光層において紫外線吸収剤を効果的に分散させることができるためである。
すなわち、紫外線吸収剤の含有量が0.1重量部未満の値となると、耐久印字を行った場合には、酸化防止剤との相乗効果が得られず、感光層表面の酸化劣化を十分に抑制することが困難となって、帯電電位が低下しやすくなる場合があるためである。一方、紫外線吸収剤の含有量が10重量部を超えた値となると、単層型電子写真感光体の感度特性が低下する場合があるためである。
したがって、紫外線吸収剤の含有量を、感光層の結着樹脂100重量部に対して、0.5〜7重量部の範囲内の値とすることがより好ましく、1〜7重量部の範囲内の値とすることがさらに好ましく、2〜6重量部の範囲内の値とすることがより一段と好ましい。
したがって、紫外線吸収剤の含有量を、感光層の結着樹脂100重量部に対して、0.5〜7重量部の範囲内の値とすることがより好ましく、1〜7重量部の範囲内の値とすることがさらに好ましく、2〜6重量部の範囲内の値とすることがより一段と好ましい。
次いで、図1を用いて、電子写真感光体の感光層における酸化防止剤及び紫外線吸収剤の含有量と、帯電電位の低下と、の関係を説明する。
すなわち、図1には、横軸に、感光層の結着樹脂100重量部に対する酸化防止剤としての式(8)中の3,5−tert−ブチル−4−ヒドロキシトルエン(BHT)(P−1)の含有量(重量部)を採り、縦軸に4000枚耐久印字前後における帯電電位の低下量ΔV0(V)を採った特性曲線と、紫外線吸収剤としての2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾールと酸化防止剤を併用した場合の帯電電位の低下量ΔV0(V)を採った特性曲を示している。図2中特性曲線Aは紫外線吸収剤を含有しておらず酸化防止剤のみ含有させた場合のデータを示し、図2中特性曲線Bは酸化防止剤と紫外線吸収剤5部を含有させ、酸化防止剤の含有量を変えた場合のデータを示す。
なお、このときの帯電電位は、850Vとし、画像形成速度は、160mm/sとした。その他の画像形成条件や、電子写真感光体の構成等については、実施例に記載する。
すなわち、図1には、横軸に、感光層の結着樹脂100重量部に対する酸化防止剤としての式(8)中の3,5−tert−ブチル−4−ヒドロキシトルエン(BHT)(P−1)の含有量(重量部)を採り、縦軸に4000枚耐久印字前後における帯電電位の低下量ΔV0(V)を採った特性曲線と、紫外線吸収剤としての2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾールと酸化防止剤を併用した場合の帯電電位の低下量ΔV0(V)を採った特性曲を示している。図2中特性曲線Aは紫外線吸収剤を含有しておらず酸化防止剤のみ含有させた場合のデータを示し、図2中特性曲線Bは酸化防止剤と紫外線吸収剤5部を含有させ、酸化防止剤の含有量を変えた場合のデータを示す。
なお、このときの帯電電位は、850Vとし、画像形成速度は、160mm/sとした。その他の画像形成条件や、電子写真感光体の構成等については、実施例に記載する。
まず、特性曲線Aからは、BHTの含有量が増加するのにともなって、電位低下が抑制されるが、BHTの量が一定量を超えると、含有量を増加させても電位低下に効果が無いことを読み取ることができる。
より具体的には、BHTを含有しない場合は帯電電位の低下量(絶対値)が約140Vであるが、BHTを5部含有すると帯電電位の低下量(絶対値)は約90Vと小さくなる。その後BHTを10部にすると、帯電電位の低下量(絶対値)は約85Vと小さくなるが、BHTの含有量を10部以上に増やしてもほぼ一定値である。
しかし、酸化防止剤部5部と紫外線吸収剤5部または、酸化防止剤部10部と紫外線吸収剤5部を含有した場合では、帯電電位の低下量(絶対値)を約60Vにすることができる。すなわち、酸化防止剤部10部と紫外線吸収剤5部の場合を例にとると、酸化防止剤のみを15部含有する場合よりも帯電電位の低下を抑制していることを読み取ることができる。すなわち、酸化防止剤と紫外線吸収剤の相乗効果より、より帯電低下を抑制することができることがわかる。
(4)正孔輸送剤
本発明の電子写真感光体において使用される正孔輸送剤としては、特に制限されるものではなく、従来公知の種々の正孔輸送性化合物がいずれも使用可能である。
より具体的には、BHTを含有しない場合は帯電電位の低下量(絶対値)が約140Vであるが、BHTを5部含有すると帯電電位の低下量(絶対値)は約90Vと小さくなる。その後BHTを10部にすると、帯電電位の低下量(絶対値)は約85Vと小さくなるが、BHTの含有量を10部以上に増やしてもほぼ一定値である。
しかし、酸化防止剤部5部と紫外線吸収剤5部または、酸化防止剤部10部と紫外線吸収剤5部を含有した場合では、帯電電位の低下量(絶対値)を約60Vにすることができる。すなわち、酸化防止剤部10部と紫外線吸収剤5部の場合を例にとると、酸化防止剤のみを15部含有する場合よりも帯電電位の低下を抑制していることを読み取ることができる。すなわち、酸化防止剤と紫外線吸収剤の相乗効果より、より帯電低下を抑制することができることがわかる。
(4)正孔輸送剤
本発明の電子写真感光体において使用される正孔輸送剤としては、特に制限されるものではなく、従来公知の種々の正孔輸送性化合物がいずれも使用可能である。
特に、ベンジジン系化合物、フェニレンジアミン系化合物、ナフチレンジアミン系化合物、フェナントリレンジアミン系化合物、オキサジアゾール系化合物、スチリル系化合物、カルバゾール系化合物、有機ポリシラン化合物、ピラゾリン系化合物、ヒドラゾン系化合物、トリフェニルアミン系化合物、インドール系化合物、オキサゾール系化合、イソオキサゾール系化合物、チアゾール系化合物、チアジアゾール系化合物、イミダゾール系化合物、ピラゾール系化合物、トリアゾール系化合物、ブタジエン系化合物、ピレン−ヒドラゾン系化合物、アクロレイン系化合物、カルバゾール−ヒドラゾン系化合物、キノリン−ヒドラゾン系化合物、スチルベン系化合物、スチルベン−ヒドラゾン系化合物、及びジフェニレンジアミン系化合物などが好適に使用される。これらはそれぞれ単独で使用される他、2種以上を併用することもできる。
また、正孔輸送剤の含有量を、感光層における結着樹脂100重量部に対して10〜100重量部の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、正孔輸送剤の含有量を、かかる範囲とすることによって、かかる正孔輸送剤が感光層中で結晶化することを効果的に抑制しつつ、優れた電気特性を得ることができるためである。
この理由は、正孔輸送剤の含有量を、かかる範囲とすることによって、かかる正孔輸送剤が感光層中で結晶化することを効果的に抑制しつつ、優れた電気特性を得ることができるためである。
すなわち、正孔輸送剤の含有量が10重量部未満の値となると、感度が低下して、実用上の弊害が生じる場合があるためである。一方、正孔輸送剤の含有量が100重量部を超えた値となると、かかる正孔輸送剤が過度に結晶化しやすくなって、感光層としての適正な膜を形成することが困難となる場合があるためである。
したがって、正孔輸送剤の含有量を20〜90重量部の範囲内の値とすることがより好ましく、30〜80重量部の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
(5)電子輸送剤
また、本発明の電子写真感光体において使用される電子輸送剤としては、特に制限されるものではなく、従来公知の種々の電子輸送性化合物がいずれも使用可能である。特にジフェノキノン誘導体、アゾキノン誘導体、ピレン誘導体、ベンゾキノン誘導体のほか、アントラキノン誘導体、マロノニトリル誘導体、チオピラン誘導体、チオキサントン誘導体、フルオレノン誘導体、アントラセン誘導体、アクリジン誘導体、アントアラキノン誘導体、アントラキノン誘導体、テトラシアノエチレン、無水コハク酸、無水マレイン酸、ジブロモ無水マレイン酸等の一種単独又は二種以上の組み合わせが挙げられる。
(5)電子輸送剤
また、本発明の電子写真感光体において使用される電子輸送剤としては、特に制限されるものではなく、従来公知の種々の電子輸送性化合物がいずれも使用可能である。特にジフェノキノン誘導体、アゾキノン誘導体、ピレン誘導体、ベンゾキノン誘導体のほか、アントラキノン誘導体、マロノニトリル誘導体、チオピラン誘導体、チオキサントン誘導体、フルオレノン誘導体、アントラセン誘導体、アクリジン誘導体、アントアラキノン誘導体、アントラキノン誘導体、テトラシアノエチレン、無水コハク酸、無水マレイン酸、ジブロモ無水マレイン酸等の一種単独又は二種以上の組み合わせが挙げられる。
また、電子輸送剤の含有量を、結着樹脂100重量部に対して10〜100重量部の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、電子輸送剤の添加量が10重量部未満の値になると、感度が低下して、実用上の弊害が生じる場合があるためである。一方、電子輸送剤の添加量が100重量部を超えた値になると、電子輸送剤が結晶化しやすくなり、感光層として適正な膜が形成されない場合があるためである。
この理由は、電子輸送剤の添加量が10重量部未満の値になると、感度が低下して、実用上の弊害が生じる場合があるためである。一方、電子輸送剤の添加量が100重量部を超えた値になると、電子輸送剤が結晶化しやすくなり、感光層として適正な膜が形成されない場合があるためである。
したがって、電子輸送剤の添加量を20〜80重量部の範囲内の値とすることがより好ましい。
(6)結着樹脂
本発明の電子写真感光体に使用する結着樹脂の種類は特に制限されるものではないが、例えば、ポリカーボネート樹脂をはじめ、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、アクリル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩素化ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、アイオノマー、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、アルキド樹脂、ポリアミド、ポリウレタン、ポリスルホン、ジアリルフタレート樹脂、ケトン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエーテル樹脂等の熱可塑性樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、その他架橋性の熱硬化性樹脂、エポキシアクリレート、ウレタン−アクリレート等の光硬化型樹脂等の樹脂が使用可能である。
(6)結着樹脂
本発明の電子写真感光体に使用する結着樹脂の種類は特に制限されるものではないが、例えば、ポリカーボネート樹脂をはじめ、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、アクリル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩素化ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、アイオノマー、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、アルキド樹脂、ポリアミド、ポリウレタン、ポリスルホン、ジアリルフタレート樹脂、ケトン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエーテル樹脂等の熱可塑性樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、その他架橋性の熱硬化性樹脂、エポキシアクリレート、ウレタン−アクリレート等の光硬化型樹脂等の樹脂が使用可能である。
(7)膜厚
また、感光層の膜厚を22〜40μmの範囲内の値とすることを特徴とする。この理由は、感光層の膜厚をかかる範囲とすることにより、電子写真感光体の耐電圧を向上させることができる一方で、残留電荷の発生を抑制して、露光メモリをより効果的に抑制することができるためである。
すなわち、感光層の膜厚が22μm未満の値となると、電子写真感光体の耐電圧が過度に低下しやすくなったり、感光層の機械的強度が不十分となって、基体から剥離しやすくなったりする場合があるためである。
一方、感光層の膜厚が40μmを超えた値となると、残留電荷の発生が過度に増加しやすくなる場合があるためである。
したがって、感光層の膜厚を23〜38μmの範囲内の値とすることがより好ましく、25〜35μmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
また、感光層の膜厚を22〜40μmの範囲内の値とすることを特徴とする。この理由は、感光層の膜厚をかかる範囲とすることにより、電子写真感光体の耐電圧を向上させることができる一方で、残留電荷の発生を抑制して、露光メモリをより効果的に抑制することができるためである。
すなわち、感光層の膜厚が22μm未満の値となると、電子写真感光体の耐電圧が過度に低下しやすくなったり、感光層の機械的強度が不十分となって、基体から剥離しやすくなったりする場合があるためである。
一方、感光層の膜厚が40μmを超えた値となると、残留電荷の発生が過度に増加しやすくなる場合があるためである。
したがって、感光層の膜厚を23〜38μmの範囲内の値とすることがより好ましく、25〜35μmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
[第2の実施形態]
第2の実施形態は、基体上に、感光層を有する単層型電子写真感光体を備えた画像形成装置であって、感光層が、電荷発生剤として、チタニルフタロシアニン結晶を含むとともに、添加剤として、酸化防止剤及び紫外線吸収剤を含むことを特徴とする画像形成装置である。
以下、第2の実施形態としての画像形成装置について、基本的構成、それを構成する電子写真感光体、帯電手段、露光手段、現像手段及び除電手段に分けて、具体的に説明する。
第2の実施形態は、基体上に、感光層を有する単層型電子写真感光体を備えた画像形成装置であって、感光層が、電荷発生剤として、チタニルフタロシアニン結晶を含むとともに、添加剤として、酸化防止剤及び紫外線吸収剤を含むことを特徴とする画像形成装置である。
以下、第2の実施形態としての画像形成装置について、基本的構成、それを構成する電子写真感光体、帯電手段、露光手段、現像手段及び除電手段に分けて、具体的に説明する。
1.基本的構成
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を詳細に説明する。
図2は、本発明としてのタンデム方式の画像形成装置の一例を示す図である。図2に示すように、画像形成ユニットは、転写紙搬送方向上流側から下流側に向けて、シアン画像形成用ユニットPa、マゼンタ画像形成用ユニットPb、イエロー画像形成用ユニットPc、ブラック画像形成用ユニットPdが順次配設されている。
この画像形成装置100は、用紙Pを搬送する転写ベルト50を備えている。また、転写ベルト50の上側には、上流側から、シアンの画像が形成される電子写真感光体1a、マゼンタの画像が形成される電子写真感光体1b及びイエローの画像が形成される電子写真感光体1cが、そして最下流側には、ブラックの画像が形成される電子写真感光体1dが回転自在に配設されている。
電子写真感光体1a〜1dの周囲にはそれぞれの感光体に対応して、帯電手段である帯電ユニット2a〜2d、露光手段である露光ユニット4a〜4d、現像手段である現像ユニット3a〜3d、及び転写手段である転写ベルト50が配置されている。また、転写ベルト50を介して転写手段である転写ローラ6a〜6dがそれぞれ対応する電子写真感光体1a〜1dの反対側に配置されている。
さらに、転写ベルトの下流側には、記録媒体上に転写された現像剤像を、記録媒体に対して定着させるための定着手段7が配置されている。
以下、特に、電子写真感光体である単層型電子写真感光体、帯電手段、露光手段、現像手段及び除電手段について、それぞれ具体的に説明する。
2.単層型電子写真感光体
第1の実施形態で説明したのと同様の内容とすることができるので、ここでの説明を省略する。
3.帯電手段
また、図2に示す帯電手段2a〜2dは、対応する電子写真感光体1a〜1dの上方に設置されており、電子写真感光体1a〜1dを一様に帯電させるための手段である。
かかる帯電手段の種類として、スコロトロン等の非接触型の帯電手段を用いることも好ましいが、帯電ローラ等の接触型の帯電手段であってもよい。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を詳細に説明する。
図2は、本発明としてのタンデム方式の画像形成装置の一例を示す図である。図2に示すように、画像形成ユニットは、転写紙搬送方向上流側から下流側に向けて、シアン画像形成用ユニットPa、マゼンタ画像形成用ユニットPb、イエロー画像形成用ユニットPc、ブラック画像形成用ユニットPdが順次配設されている。
この画像形成装置100は、用紙Pを搬送する転写ベルト50を備えている。また、転写ベルト50の上側には、上流側から、シアンの画像が形成される電子写真感光体1a、マゼンタの画像が形成される電子写真感光体1b及びイエローの画像が形成される電子写真感光体1cが、そして最下流側には、ブラックの画像が形成される電子写真感光体1dが回転自在に配設されている。
電子写真感光体1a〜1dの周囲にはそれぞれの感光体に対応して、帯電手段である帯電ユニット2a〜2d、露光手段である露光ユニット4a〜4d、現像手段である現像ユニット3a〜3d、及び転写手段である転写ベルト50が配置されている。また、転写ベルト50を介して転写手段である転写ローラ6a〜6dがそれぞれ対応する電子写真感光体1a〜1dの反対側に配置されている。
さらに、転写ベルトの下流側には、記録媒体上に転写された現像剤像を、記録媒体に対して定着させるための定着手段7が配置されている。
以下、特に、電子写真感光体である単層型電子写真感光体、帯電手段、露光手段、現像手段及び除電手段について、それぞれ具体的に説明する。
2.単層型電子写真感光体
第1の実施形態で説明したのと同様の内容とすることができるので、ここでの説明を省略する。
3.帯電手段
また、図2に示す帯電手段2a〜2dは、対応する電子写真感光体1a〜1dの上方に設置されており、電子写真感光体1a〜1dを一様に帯電させるための手段である。
かかる帯電手段の種類として、スコロトロン等の非接触型の帯電手段を用いることも好ましいが、帯電ローラ等の接触型の帯電手段であってもよい。
また、電子写真感光体における帯電電位を600〜1000Vの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、帯電電位の値が600V未満の値となると、鮮明な静電潜像を形成することが困難となる場合があるためである。
一方、帯電電位の値が1000Vを超えた値となると、過度にリーク現象が発生しやすくなったり、過度に感光層表面が酸化劣化しやすくなる場合があるためである。
したがって、電子写真感光体における帯電電位を650〜900Vの範囲内の値とすることがより好ましく、700〜900Vの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
4.露光手段
また、図2に示す露光手段4a〜4dは、図示しない画像データ入力部から読み取った原稿画像に基づいて、電子写真感光体1a〜1d上に静電潜像を形成させるための手段である。
ここで、本発明における電子写真感光体は、電荷発生剤として、電荷発生効率に優れるチタニルフタロシアニン結晶を用い、かつ、帯電電位を所定の高い値に設定していることから、露光による静電潜像の形成効率が著しく向上している。
よって、電子写真感光体を露光させる際の単位面積当たりの露光量を減少させた場合であっても、実用上問題なく画像形成を行うことができ、省エネ効果を向上させることができる。
したがって、単位面積当たりの露光量を電子写真感光体上にて0.2〜0.8μJ/m2の範囲内の値とすることが好ましく、0.3〜0.6μJ/m2の範囲内の値とすることがより好ましい。
5.現像手段
また、図2に示す現像手段3a〜3dは、静電潜像が形成された電子写真感光体1a〜1dの表面にトナーを供給してトナー像を形成させる手段である。
この理由は、帯電電位の値が600V未満の値となると、鮮明な静電潜像を形成することが困難となる場合があるためである。
一方、帯電電位の値が1000Vを超えた値となると、過度にリーク現象が発生しやすくなったり、過度に感光層表面が酸化劣化しやすくなる場合があるためである。
したがって、電子写真感光体における帯電電位を650〜900Vの範囲内の値とすることがより好ましく、700〜900Vの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
4.露光手段
また、図2に示す露光手段4a〜4dは、図示しない画像データ入力部から読み取った原稿画像に基づいて、電子写真感光体1a〜1d上に静電潜像を形成させるための手段である。
ここで、本発明における電子写真感光体は、電荷発生剤として、電荷発生効率に優れるチタニルフタロシアニン結晶を用い、かつ、帯電電位を所定の高い値に設定していることから、露光による静電潜像の形成効率が著しく向上している。
よって、電子写真感光体を露光させる際の単位面積当たりの露光量を減少させた場合であっても、実用上問題なく画像形成を行うことができ、省エネ効果を向上させることができる。
したがって、単位面積当たりの露光量を電子写真感光体上にて0.2〜0.8μJ/m2の範囲内の値とすることが好ましく、0.3〜0.6μJ/m2の範囲内の値とすることがより好ましい。
5.現像手段
また、図2に示す現像手段3a〜3dは、静電潜像が形成された電子写真感光体1a〜1dの表面にトナーを供給してトナー像を形成させる手段である。
また、かかる現像手段を、電子写真感光体表面に残存しているトナーを、現像手段が回収することによって、電子写真感光体表面のクリーニングが行われる現像同時クリーニング方式のクリーニング手段とすることが好ましい。
この理由は、本発明の画像形成装置であれば、このように構成した場合であっても、帯電低下を抑制しつつ、各画像形成ユニットの構成を小型化することができるためである。
すなわち、現像同時クリーニング方式を採用した場合、通常、帯電手段の上流側に設けられるクリーニングブレードが省略される。したがって、帯電及び露光時の電子写真感光体表面には、転写残トナーや付着物が残留している場合がある。
この点、本発明における単層型電子写真感光体は、電荷発生剤として、電荷発生効率に優れるチタニルフタロシアニン結晶を用いているので、露光による静電潜像の形成効率が著しく向上しており、このような場合であっても、実用上問題なく画像形成を行うことができる。また、残留トナーや付着物が電子写真感光体に残った状態で、電子写真感光体が帯電手段から発せられるオゾンやNoxガスに暴露した場合には、酸化劣化が一段と進むが、本発明における電子写真感光体であれば、酸化防止剤と紫外線吸収剤の両方を含むので、酸化劣化を抑制し、良好な画像を得られることができる。
6.転写手段
また、図3に示す転写手段は、用紙Pを搬送する転写ベルト50と転写ベルト50を介して配置された転写ローラ6a〜6dを含む。転写ベルト50は、無端状のベルト状回転体であって、駆動ローラ10、バックアップローラ11等複数のローラに架け渡されている。
この理由は、本発明の画像形成装置であれば、このように構成した場合であっても、帯電低下を抑制しつつ、各画像形成ユニットの構成を小型化することができるためである。
すなわち、現像同時クリーニング方式を採用した場合、通常、帯電手段の上流側に設けられるクリーニングブレードが省略される。したがって、帯電及び露光時の電子写真感光体表面には、転写残トナーや付着物が残留している場合がある。
この点、本発明における単層型電子写真感光体は、電荷発生剤として、電荷発生効率に優れるチタニルフタロシアニン結晶を用いているので、露光による静電潜像の形成効率が著しく向上しており、このような場合であっても、実用上問題なく画像形成を行うことができる。また、残留トナーや付着物が電子写真感光体に残った状態で、電子写真感光体が帯電手段から発せられるオゾンやNoxガスに暴露した場合には、酸化劣化が一段と進むが、本発明における電子写真感光体であれば、酸化防止剤と紫外線吸収剤の両方を含むので、酸化劣化を抑制し、良好な画像を得られることができる。
6.転写手段
また、図3に示す転写手段は、用紙Pを搬送する転写ベルト50と転写ベルト50を介して配置された転写ローラ6a〜6dを含む。転写ベルト50は、無端状のベルト状回転体であって、駆動ローラ10、バックアップローラ11等複数のローラに架け渡されている。
また、かかる転写ベルト50は、各単層型電子写真感光体と対向配置された転写ローラ6a〜6dによって電子写真感光体1a〜1d側に押圧された状態で、前記複数のローラによって無端回転するように構成されている。
7.除電手段
また、帯電手段の上流側において、電子写真感光体の感光層中に残留している残留電荷を除去するための除電手段を設けてもよい。
一方、本発明の場合、除電手段を省略し、残留電荷を完全に除去せずに次工程の帯電を行ってもリーク現象の発生を抑制できるので、除電手段を省略した除電レス方式とすることが好ましい。
また、帯電手段の上流側において、電子写真感光体の感光層中に残留している残留電荷を除去するための除電手段を設けてもよい。
一方、本発明の場合、除電手段を省略し、残留電荷を完全に除去せずに次工程の帯電を行ってもリーク現象の発生を抑制できるので、除電手段を省略した除電レス方式とすることが好ましい。
8.現像剤
本発明においては、非磁性一成分現像剤を使用することが好ましい。
この理由は、非磁性一成分現像剤であれば、現像剤に対して磁性粉を含有させる必要がないことから、鮮やかなカラー画像を形成することができるためである。
また、磁性現像剤や、二成分現像剤を用いた場合と異なり、マグネットロールを使用する必要もないことから、現像装置の簡易化及びコンパクト化に資することができ、さらには、現像装置の項においても記載したように、クリーニングブレードを省略したクリーナーレス方式のカラー画像形成装置として構成することが可能となるためである。
本発明においては、非磁性一成分現像剤を使用することが好ましい。
この理由は、非磁性一成分現像剤であれば、現像剤に対して磁性粉を含有させる必要がないことから、鮮やかなカラー画像を形成することができるためである。
また、磁性現像剤や、二成分現像剤を用いた場合と異なり、マグネットロールを使用する必要もないことから、現像装置の簡易化及びコンパクト化に資することができ、さらには、現像装置の項においても記載したように、クリーニングブレードを省略したクリーナーレス方式のカラー画像形成装置として構成することが可能となるためである。
また、トナー粒子に用いられる結着樹脂は、特に制限されるものではなく、例えば、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂及びスチレン−アクリル系樹脂等の熱可塑性樹脂を使用することが好ましい。
また、トナー粒子に含有させる着色剤についても、特に制限されるものではなく、例えば、カーボンブラック、アセチレンブラック、ランプブラック、アニリンブラック、アゾ系顔料、黄色酸化鉄、黄土、ニトロ系染料、油溶性染料、ベンジジン系顔料、キナクリドン系顔料、銅フタロシアニン系顔料等を使用することが好ましい。
また、トナー粒子に含有させる着色剤についても、特に制限されるものではなく、例えば、カーボンブラック、アセチレンブラック、ランプブラック、アニリンブラック、アゾ系顔料、黄色酸化鉄、黄土、ニトロ系染料、油溶性染料、ベンジジン系顔料、キナクリドン系顔料、銅フタロシアニン系顔料等を使用することが好ましい。
また、トナー粒子に対して、例えば、ニグロシン、第四級アンモニウム塩化合物、樹脂にアミン系化合物を結合させた樹脂タイプの電荷制御剤等の正帯電特性を示す電荷制御剤を使用することも好ましい。
さらに、トナー粒子に対して、例えば、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、フッ素樹脂系ワックス、フィッシャートロプッシュワックス、パラフィンワックス、エステルワックス、モンタンワックス、ライスワックス等のワックスを使用することも好ましい。
なお、現像剤の流動性や帯電特性を調節するために、トナー粒子に対して、シリカ微粒子や酸化チタン微粒子といった無機微粒子を外添させて、その流動性や帯電特性を調節することも好ましい。
さらに、トナー粒子に対して、例えば、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、フッ素樹脂系ワックス、フィッシャートロプッシュワックス、パラフィンワックス、エステルワックス、モンタンワックス、ライスワックス等のワックスを使用することも好ましい。
なお、現像剤の流動性や帯電特性を調節するために、トナー粒子に対して、シリカ微粒子や酸化チタン微粒子といった無機微粒子を外添させて、その流動性や帯電特性を調節することも好ましい。
また、トナー粒子の体積平均粒子径は、5〜10μmの範囲内の値とすることが好ましく、その製造方法としては、粉砕法や重合法等、従来公知の製造方法を用いることができる。
[第3の実施形態]
第3の実施形態は、第2の実施形態において説明した画像形成装置を用いた画像形成方法である。
以下、第2の実施形態と重複する内容は省略し、第3の実施形態としての画像形成方法の特徴的内容について、クリーニングブレードを省略した現像同時クリーニング方式を採用した場合を、シアン画像形成用ユニットPaを例に採って、具体的に説明する。
第3の実施形態は、第2の実施形態において説明した画像形成装置を用いた画像形成方法である。
以下、第2の実施形態と重複する内容は省略し、第3の実施形態としての画像形成方法の特徴的内容について、クリーニングブレードを省略した現像同時クリーニング方式を採用した場合を、シアン画像形成用ユニットPaを例に採って、具体的に説明する。
帯電手段2aは、回転している電子写真感光体1aの周面を均一に帯電させる。かかる帯電手段2aとしては、例えば、スコロトロン帯電器等が挙げられる。また、露光手段4aは、いわゆるレーザ走査ユニットであり、帯電手段2aによって均一に帯電された電子写真感光体1aの周面に、画像読取装置等から入力された画像データに基づくレーザ光を照射し、電子写真感光体1a上に画像データに基づく静電潜像を形成する。
また、現像手段3aは、静電潜像が形成された電子写真感光体1aの周面に現像剤を供給することで、画像データに基づく現像剤像を形成させる。そして、この現像剤像が転写ベルト50によって搬送されてきた用紙Pに転写される。転写されずに電子写真感光体上に残留したトナーは、電子写真感光体の回転によって、現像手段3aに対向配置した時に、電子写真感光体の未露光後電位と現像バイアスの電位差によって、残存トナーの回収が行われる。現像剤像が転写された用紙Pは定着手段7へと搬送される。
また、定着手段7は、用紙Pに転写された転写画像に定着処理を施すものであり、加熱ローラ14と、この加熱ローラ14に対向配置され、周面が加熱ローラ14の周面に押圧当接される加圧ローラ13とを備えている。
そして、画像形成部ユニットPa〜Pdで用紙Pに転写された転写画像は、当該用紙Pが加熱ローラ14と加圧ローラ13との間を通過する際の加熱による定着処理で用紙Pに定着される。
さらに、定着処理の施された用紙Pは、排紙部に排紙されるようになっている。
そして、画像形成部ユニットPa〜Pdで用紙Pに転写された転写画像は、当該用紙Pが加熱ローラ14と加圧ローラ13との間を通過する際の加熱による定着処理で用紙Pに定着される。
さらに、定着処理の施された用紙Pは、排紙部に排紙されるようになっている。
電子写真感光体1a上に形成された現像剤像が転写ベルト50によって搬送されてきた用紙Pに直接転写される直接転写方式では、用紙Pに起因する紙粉等が感光層に付着しやすい。感光層に紙粉等の付着物が存在する状態で、感光層がオゾン等の活性ガスに暴露されると、感光層の酸化劣化が促進され、より帯電が低下する。ここで酸化防止剤と紫外線吸収剤の両方を含まない電子写真感光体を用いて、電子写真感光体から用紙に直接転写する直接転写方式と、電子写真感光体から中間転写ベルトに転写する中間転写方式を想定して、帯電電位の評価を行った。電位測定は初期と2000枚印字時点で行い帯電電位の低下量ΔV0(V)を求めた。中間転写方式を想定した方法としては、用紙を通紙せず、転写ベルトにトナー像を転写させ、転写ベルトのクリーニングを行う方法を用いた。結果を表1に示す。表1に示す様に2000枚の印字時点において既に、帯電電位の低下量に著しい差が認められる。すなわち、中間転写方式を採用した場合の帯電電位の低下量は11Vと少ないが、直接転写方式を採用した場合の帯電低下量は81Vであり、帯電低下量が大きいことが認められる。これは、直接転写方式を採用した場合には、用紙の紙粉や成分が感光層表面に付着し、その付着物が感光層の酸化劣化を促進したためと考えられる。
従って、直接転写方式を採用した場合には、中間転写方式を採用した場合に比べて、感光体の酸化劣化をより抑制する必要があるが、上述した本発明の画像形成方法であれば、帯電低下を抑制し、長期にわたって良好な画像を得ることができる。
従って、直接転写方式を採用した場合には、中間転写方式を採用した場合に比べて、感光体の酸化劣化をより抑制する必要があるが、上述した本発明の画像形成方法であれば、帯電低下を抑制し、長期にわたって良好な画像を得ることができる。
また、上述した本発明の画像形成方法であれば、所定の画像形成装置を用いることにより、帯電電位を比較的高い値として高速画像形成を行った場合であっても、リークの発生及びそれに起因した形成画像における斑点の発生を効果的に抑制できる。
なお、本発明における高速画像形成とは、ドラム回転速度100〜200mm/sの範囲内の値で画像形成を行うことを意味し、かかる画像形成速度は、150〜200mm/sの範囲内の値とすることがより好ましい。
以下、本発明を実施例によって、より詳細に説明するが、言うまでもなく、特に理由なく、本発明はこれらの記載内容に限定されるものではない。
[実施例1]
1.電子写真感光体の製造
(1)基体の準備
直径30mm、長さ254mmのアルミニウム基体を用意した。
(2)中間層の形成
ビーズミルを用いて、第一の酸化チタン微粒子(テイカ(株)製、MT05)160重量部、第二の酸化チタン微粒子(テイカ(株)製、SMT02)40重量部、四元共重合ポリアミド樹脂(東レ(株)製、CM8000)100重量部、溶媒としてメタノール1000重量部と、n-ブタノール250重量部とを、5時間混合、分散させ、さらに5ミクロンのフィルタにてろ過処理して、中間層用塗布液を作成した。
[実施例1]
1.電子写真感光体の製造
(1)基体の準備
直径30mm、長さ254mmのアルミニウム基体を用意した。
(2)中間層の形成
ビーズミルを用いて、第一の酸化チタン微粒子(テイカ(株)製、MT05)160重量部、第二の酸化チタン微粒子(テイカ(株)製、SMT02)40重量部、四元共重合ポリアミド樹脂(東レ(株)製、CM8000)100重量部、溶媒としてメタノール1000重量部と、n-ブタノール250重量部とを、5時間混合、分散させ、さらに5ミクロンのフィルタにてろ過処理して、中間層用塗布液を作成した。
次いで、予め用意しておいた基体(支持基体)の一端を上にして、得られた中間層用塗布液中に5mm/secの速度で浸漬させて中間層用塗布液を塗布した。その後、130℃、30分の条件で硬化処理を行って、膜厚3μmの中間層を形成した。
なお、上述した第一の酸化チタン微粒子及び第二の酸化チタン微粒子の構成は、それぞれ以下の通りである。
第一の酸化チタン微粒子(MT05)
アルミナ及びシリカで表面処理した酸化チタン微粒子(テイカ(株)製、数平均一次粒子径10nm)
第二の酸化チタン微粒子(SMT02)
アルミナ及びシリカで表面処理した後、メチルハイドロジェンポリシロキサンにて表面処理した酸化チタン微粒子(テイカ(株)製、数平均一次粒子径:10nm)
(3)感光層の形成
次いで、容器内に、後述する製造方法にて製造した電荷発生剤としての式(3)で表されるチタニルフタロシアニン(CGM−1)の結晶(TiOPc)3重量部と、下記式(9)で表される正孔輸送剤(HTM−1)50重量部と、下記式(10)で表される電子輸送剤(ETM−1)30重量部と、酸化防止剤としての式(8)中の3,5−tert−ブチル−4−ヒドロキシトルエン(BHT)(P−1)10重量部と、紫外線吸収剤としてのベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(LA−36)(旭電化工業(株)製)5重量部と結着樹脂としての平均分子量30,000のポリカーボネート樹脂100重量部と、溶剤としてのテトラヒドロフラン800重量部と、を収容し、これらの混合物を得た。次いで、かかる混合物につき、ボールミルを用いて50時間混合分散し、感光層用塗布液を得た。
第一の酸化チタン微粒子(MT05)
アルミナ及びシリカで表面処理した酸化チタン微粒子(テイカ(株)製、数平均一次粒子径10nm)
第二の酸化チタン微粒子(SMT02)
アルミナ及びシリカで表面処理した後、メチルハイドロジェンポリシロキサンにて表面処理した酸化チタン微粒子(テイカ(株)製、数平均一次粒子径:10nm)
(3)感光層の形成
次いで、容器内に、後述する製造方法にて製造した電荷発生剤としての式(3)で表されるチタニルフタロシアニン(CGM−1)の結晶(TiOPc)3重量部と、下記式(9)で表される正孔輸送剤(HTM−1)50重量部と、下記式(10)で表される電子輸送剤(ETM−1)30重量部と、酸化防止剤としての式(8)中の3,5−tert−ブチル−4−ヒドロキシトルエン(BHT)(P−1)10重量部と、紫外線吸収剤としてのベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(LA−36)(旭電化工業(株)製)5重量部と結着樹脂としての平均分子量30,000のポリカーボネート樹脂100重量部と、溶剤としてのテトラヒドロフラン800重量部と、を収容し、これらの混合物を得た。次いで、かかる混合物につき、ボールミルを用いて50時間混合分散し、感光層用塗布液を得た。
次いで、得られた感光層用塗布液を、上述した中間層上に、ディップコート法にて塗布した後、100℃、40分間の条件下で熱風乾燥し、膜厚が25μmの感光層を形成し、単層型電子写真感光体を得た。
(4)チタニルフタロシアニンの製造
なお、電荷発生剤としての式(3)で表されるチタニルフタロシアニン(CGM−1)の結晶(TiOPc)は、以下のようにして製造した。
(4)−1 粗チタニルフタロシアニン結晶の合成
まず、アルゴン置換したフラスコ中に、o−フタロニトリル22g(0.17mol)と、チタンテトラブトキシド25g(0.073mol)と、キノリン300gと、尿素2.28g(0.038mol)を加え、撹拌しつつ150℃まで昇温した。
なお、電荷発生剤としての式(3)で表されるチタニルフタロシアニン(CGM−1)の結晶(TiOPc)は、以下のようにして製造した。
(4)−1 粗チタニルフタロシアニン結晶の合成
まず、アルゴン置換したフラスコ中に、o−フタロニトリル22g(0.17mol)と、チタンテトラブトキシド25g(0.073mol)と、キノリン300gと、尿素2.28g(0.038mol)を加え、撹拌しつつ150℃まで昇温した。
次いで、反応系から発生する蒸気を系外へ留去しながら215℃まで昇温したのち、この温度を維持しつつさらに2時間、撹拌して反応させた。
次いで、反応終了後、150℃まで冷却した時点で反応混合物をフラスコから取り出し、ガラスフィルターによってろ別し、得られた固体をN,N−ジメチルホルムアミド、およびメタノールで順次洗浄したのち真空乾燥して、粗チタニルフタロシアニン結晶としての青紫色の固体24gを合成した。
(4)−2 酸処理前工程
上述したチタニルフタロシアニン化合物の製造で得られた青紫色の固体10gを、N,N−ジメチルホルムアミド100ミリリットル中に加え、撹拌しつつ130℃に加熱して2時間、撹拌処理を行った。
(4)−2 酸処理前工程
上述したチタニルフタロシアニン化合物の製造で得られた青紫色の固体10gを、N,N−ジメチルホルムアミド100ミリリットル中に加え、撹拌しつつ130℃に加熱して2時間、撹拌処理を行った。
次いで、2時間経過した時点で加熱を停止し、さらに、23±1℃まで冷却した時点で撹拌も停止し、この状態で12時間、液を静置して安定化処理を行った。そして安定化された後の上澄みをガラスフィルターによってろ別し、得られた固体をメタノールで洗浄したのち真空乾燥して、チタニルフタロシアニン化合物の粗結晶9.83gを得た。
(4)−3 酸処理工程
上述した酸処理前工程で得られたチタニルフタロシアニンの粗結晶5gを、濃硫酸100ミリリットルに加えて溶解した。
次に、この溶液を、氷冷下の水中に滴下したのち室温で15分間攪拌し、さらに23±1℃付近で30分間、静置して再結晶させた。
次に、上述した液をガラスフィルターによって濾別し、得られた固体を洗浄液が中性になるまで水洗した後、乾燥させずに水が存在した状態で、クロロベンゼン200ミリリットル中に分散させて50℃に加熱して10時間攪拌した。
(4)−3 酸処理工程
上述した酸処理前工程で得られたチタニルフタロシアニンの粗結晶5gを、濃硫酸100ミリリットルに加えて溶解した。
次に、この溶液を、氷冷下の水中に滴下したのち室温で15分間攪拌し、さらに23±1℃付近で30分間、静置して再結晶させた。
次に、上述した液をガラスフィルターによって濾別し、得られた固体を洗浄液が中性になるまで水洗した後、乾燥させずに水が存在した状態で、クロロベンゼン200ミリリットル中に分散させて50℃に加熱して10時間攪拌した。
次いで、液をガラスフィルターによって濾別したのち、得られた固体を50℃で5時間、真空乾燥させて、式(3)で表される無置換のチタニルフタロシアニンの結晶(青色粉末)4.1gを得た。
(4)−4 チタニルフタロシアニン結晶の評価
(X線回折測定)
得られたチタニルフタロシアニン結晶0.3gを、テトラヒドロフラン5g中に分散させ、温度23±1℃、相対湿度50〜60%の条件下、密閉系中で24時間、保管したのちテトラヒドロフランを除去して、X線回折装置(理学電機(株)製のRINT1100)のサンプルホルダーに充填して測定を行った。得られたスペクトルチャートを、図4に示す。また、かかるスペクトルチャートは、ブラッグ角2θ±0.2°=27.2°に主ピークを有するとともに、26.2°に主ピークを有さない特徴を有していることから、得られたチタニルフタロシアニン結晶が、安定した所定の結晶型を有していることが確認できた。この理由は、ブラッグ角2θ±0.2°=27.2°におけるピークは、上述した所定の結晶型に特有のピークであり、26.2°におけるピークは、β型結晶に特有のピークであるためである。
なお、テトラヒドロフラン中に分散させる前の段階においても、図4に示すのと同様のスペクトルチャートが測定された。
(4)−4 チタニルフタロシアニン結晶の評価
(X線回折測定)
得られたチタニルフタロシアニン結晶0.3gを、テトラヒドロフラン5g中に分散させ、温度23±1℃、相対湿度50〜60%の条件下、密閉系中で24時間、保管したのちテトラヒドロフランを除去して、X線回折装置(理学電機(株)製のRINT1100)のサンプルホルダーに充填して測定を行った。得られたスペクトルチャートを、図4に示す。また、かかるスペクトルチャートは、ブラッグ角2θ±0.2°=27.2°に主ピークを有するとともに、26.2°に主ピークを有さない特徴を有していることから、得られたチタニルフタロシアニン結晶が、安定した所定の結晶型を有していることが確認できた。この理由は、ブラッグ角2θ±0.2°=27.2°におけるピークは、上述した所定の結晶型に特有のピークであり、26.2°におけるピークは、β型結晶に特有のピークであるためである。
なお、テトラヒドロフラン中に分散させる前の段階においても、図4に示すのと同様のスペクトルチャートが測定された。
かかるX線回折の測定の条件は、下記の通りとした。
X線管球:Cu
管電圧:40kV
管電流:30mA
スタート角度:3.0°
ストップ角度:40.0°
走査速度:10°/分
(示差走査熱量計測定)
また、示差走査熱量計(理学電機(株)製のTAS−200型、DSC8230D)を用いて、得られたチタニルフタロシアニン結晶の示差走査熱量分析を行った。得られた示差走査分析チャートを、図5に示す。また、かかるチャートにおいては、吸着水の気化にともなうピーク以外に、296℃において1つのピークが確認された。
X線管球:Cu
管電圧:40kV
管電流:30mA
スタート角度:3.0°
ストップ角度:40.0°
走査速度:10°/分
(示差走査熱量計測定)
また、示差走査熱量計(理学電機(株)製のTAS−200型、DSC8230D)を用いて、得られたチタニルフタロシアニン結晶の示差走査熱量分析を行った。得られた示差走査分析チャートを、図5に示す。また、かかるチャートにおいては、吸着水の気化にともなうピーク以外に、296℃において1つのピークが確認された。
なお、測定条件は下記の通りとした。
サンプルパン:アルミニウム製
昇温速度:20℃/分
2.電子写真感光体の評価
(1)帯電電位の評価
得られた電子写真感光体における帯電電位の評価を行った。
サンプルパン:アルミニウム製
昇温速度:20℃/分
2.電子写真感光体の評価
(1)帯電電位の評価
得られた電子写真感光体における帯電電位の評価を行った。
すなわち、得られた電子写真感光体を、タンデム方式及びクリーナーレス方式であって、直接転写方式のカラー画像形成装置(京セラミタ(株)製、KM−C3232改造機)に対し、ブラック、シアン、マゼンタ及びイエロー現像剤に対応した電子写真感光体として搭載した。次いで環境条件を温度10℃、相対湿度20%とし、印字率4%原稿画像を4000枚印字する前後における、ブラック現像剤に対応した電子写真感光体の帯電電位(V)を測定するとともに、4000枚印字後の帯電電位から、初期帯電電位を引いて、帯電電位の低下量(V)(絶対値)を算出した。得られた結果を表2に示す。
なお、温度10℃、相対湿度20%の環境条件は、よりオゾンやNOxが発生しやすい環境条件である。
(2)感度評価
また、得られた電子写真感光体における感度を測定した。
すなわち、常温常湿条件下(温度:20℃、相対湿度:50%)にて、ドラム感度試験機(GENTEC社製)を用いて、帯電電位が850Vになるように帯電させ、次いで、白色光からバンドパルスフィルターを用いて取り出した波長780nmの単色光(半値幅:20nm、露光量:0.3μJ/cm2)を電子写真感光体表面に対して露光した(照射時間50msec)。次いで、露光後350msec経過後の電位を測定し、感度(V)とした。
(3)膜削れ評価
また、得られた電子写真感光体における膜削れの評価を行った。すなわち、初期膜厚と4000枚印字後の膜厚測定を渦電流式膜厚計を用いて行い、膜厚差より膜削れ量を求めた。
[実施例2]
実施例2では、感光層を形成する際に、酸化防止剤としてBHTの代わりにIrganox1010を10重量部を用いたほかは、実施例1と同様に単層型電子写真感光体を製造し、評価した。得られた結果を表2に示す。
[実施例3]
実施例3では、感光層を形成する際に、酸化防止剤としてBHTの代わりにIrganox1076を10重量部を用いたほかは、実施例1と同様に単層型電子写真感光体を製造し、評価した。得られた結果を表2に示す。
[実施例4]
実施例4では、感光層を形成する際に、正孔輸送剤(HTM−1)50重量部と電子輸送剤(ETM−1)30重量部の代わりに式(11)で示される正孔輸送剤(HTM−2)50重量部と式(12)で示される電子輸送剤(ETM−2)30重量部を用いたほかは実施例1と同様に単層型電子写真感光体を製造し、評価した。得られた結果を表2に示す。
なお、温度10℃、相対湿度20%の環境条件は、よりオゾンやNOxが発生しやすい環境条件である。
(2)感度評価
また、得られた電子写真感光体における感度を測定した。
すなわち、常温常湿条件下(温度:20℃、相対湿度:50%)にて、ドラム感度試験機(GENTEC社製)を用いて、帯電電位が850Vになるように帯電させ、次いで、白色光からバンドパルスフィルターを用いて取り出した波長780nmの単色光(半値幅:20nm、露光量:0.3μJ/cm2)を電子写真感光体表面に対して露光した(照射時間50msec)。次いで、露光後350msec経過後の電位を測定し、感度(V)とした。
(3)膜削れ評価
また、得られた電子写真感光体における膜削れの評価を行った。すなわち、初期膜厚と4000枚印字後の膜厚測定を渦電流式膜厚計を用いて行い、膜厚差より膜削れ量を求めた。
[実施例2]
実施例2では、感光層を形成する際に、酸化防止剤としてBHTの代わりにIrganox1010を10重量部を用いたほかは、実施例1と同様に単層型電子写真感光体を製造し、評価した。得られた結果を表2に示す。
[実施例3]
実施例3では、感光層を形成する際に、酸化防止剤としてBHTの代わりにIrganox1076を10重量部を用いたほかは、実施例1と同様に単層型電子写真感光体を製造し、評価した。得られた結果を表2に示す。
[実施例4]
実施例4では、感光層を形成する際に、正孔輸送剤(HTM−1)50重量部と電子輸送剤(ETM−1)30重量部の代わりに式(11)で示される正孔輸送剤(HTM−2)50重量部と式(12)で示される電子輸送剤(ETM−2)30重量部を用いたほかは実施例1と同様に単層型電子写真感光体を製造し、評価した。得られた結果を表2に示す。
[実施例5]
実施例5では、感光層を形成する際に、酸化防止剤としてBHTの代わりにIrganox1010を10重量部を用いたほかは、実施例4と同様に単層型電子写真感光体を製造し、評価した。得られた結果を表2に示す。
[実施例6]
実施例6では、感光層を形成する際に、酸化防止剤としてBHTの代わりにIrganox1076を10重量部を用いたほかは、実施例4と同様に単層型電子写真感光体を製造し、評価した。得られた結果を表2に示す。
[実施例7]
実施例7では、実施例1で使用した画像形成装置にクリーニングブレードを取り付けて、クリーニングブレードによるクリーニングを行った以外は実施例4と同様に単層型電子写真感光体を製造し、評価した。得られた結果を表2に示す。
[比較例1]
比較例1では、感光層を形成する際に、紫外線吸収剤を含有させなかったほかは、実施例1と同様に単層型電子写真感光体を製造し、評価した。得られた結果を表2に示す。
[比較例2]
比較例2では、感光層を形成する際に、酸化防止剤を15重量部に変更した以外は比較例1と同様に単層型電子写真感光体を製造し、評価した。得られた結果を表2に示す。
[比較例3]
比較例3では、感光層を形成する際に、酸化防止剤を5重量部部に変更した以外は比較例1と同様に単層型電子写真感光体を製造し、評価した。得られた結果を表2に示す。
[比較例4]
比較例4では、感光層を形成する際に、酸化防止剤と紫外線吸収剤の両方ともを含有させなかったほかは、実施例1と同様に単層型電子写真感光体を製造し、評価した。得られた結果を表2に示す。
[比較例5]
比較例5では、感光層を形成する際に、紫外線吸収剤を含有させなかったほかは、実施例2と同様に単層型電子写真感光体を製造し、評価した。得られた結果を表2に示す。
[比較例6]
比較例6では、感光層を形成する際に、紫外線吸収剤を含有させなかったほかは、実施例3と同様に単層型電子写真感光体を製造し、評価した。得られた結果を表2に示す。
[比較例7]
比較例7では、感光層を形成する際に、チタニルフタロシアニン(CGM−1)の結晶(TiOPc)3重量部の代わりに、X型無金属フタロシアニン結晶を3重量用いたほかは、比較例4と同様に単層型電子写真感光体を製造し、評価した。得られた結果を表2に示す。
実施例5では、感光層を形成する際に、酸化防止剤としてBHTの代わりにIrganox1010を10重量部を用いたほかは、実施例4と同様に単層型電子写真感光体を製造し、評価した。得られた結果を表2に示す。
[実施例6]
実施例6では、感光層を形成する際に、酸化防止剤としてBHTの代わりにIrganox1076を10重量部を用いたほかは、実施例4と同様に単層型電子写真感光体を製造し、評価した。得られた結果を表2に示す。
[実施例7]
実施例7では、実施例1で使用した画像形成装置にクリーニングブレードを取り付けて、クリーニングブレードによるクリーニングを行った以外は実施例4と同様に単層型電子写真感光体を製造し、評価した。得られた結果を表2に示す。
[比較例1]
比較例1では、感光層を形成する際に、紫外線吸収剤を含有させなかったほかは、実施例1と同様に単層型電子写真感光体を製造し、評価した。得られた結果を表2に示す。
[比較例2]
比較例2では、感光層を形成する際に、酸化防止剤を15重量部に変更した以外は比較例1と同様に単層型電子写真感光体を製造し、評価した。得られた結果を表2に示す。
[比較例3]
比較例3では、感光層を形成する際に、酸化防止剤を5重量部部に変更した以外は比較例1と同様に単層型電子写真感光体を製造し、評価した。得られた結果を表2に示す。
[比較例4]
比較例4では、感光層を形成する際に、酸化防止剤と紫外線吸収剤の両方ともを含有させなかったほかは、実施例1と同様に単層型電子写真感光体を製造し、評価した。得られた結果を表2に示す。
[比較例5]
比較例5では、感光層を形成する際に、紫外線吸収剤を含有させなかったほかは、実施例2と同様に単層型電子写真感光体を製造し、評価した。得られた結果を表2に示す。
[比較例6]
比較例6では、感光層を形成する際に、紫外線吸収剤を含有させなかったほかは、実施例3と同様に単層型電子写真感光体を製造し、評価した。得られた結果を表2に示す。
[比較例7]
比較例7では、感光層を形成する際に、チタニルフタロシアニン(CGM−1)の結晶(TiOPc)3重量部の代わりに、X型無金属フタロシアニン結晶を3重量用いたほかは、比較例4と同様に単層型電子写真感光体を製造し、評価した。得られた結果を表2に示す。
表2から明らかなように、単層型電子写真感光体中に酸化防止剤と紫外線吸収剤の両方を含有した実施例1〜7は酸化防止剤のみを含有した比較例1〜3、5、6に比べて、帯電低下が抑制されていることが分った。また、紙粉等が感光層に付着しやすい直接転写方式であって、付着物が取り除かれにくいクリーナーレス方式を採用した場合であっても、感光層中に酸化防止剤と紫外線吸収剤の両方を含有することで、帯電低下が抑制されることが分った。また、紫外線吸収剤を含有せず、酸化防止剤のみを含有する比較例1〜3、5、6では、実施例1〜7に比べると、帯電低下抑制効果が低いことが分った。また電荷発生剤としてX型無金属フタロシアニンを使用した比較例4は、帯電低下は抑制されているが、十分な感度が得られないことが分った。
本発明によれば、単層型電子写真感光体において、電荷発生剤としてチタニルフタロシアニン結晶を用いた場合であっても、添加剤として酸化防止剤び紫外線吸収剤を感光層中に含むので帯電電位の低下を効果的に抑制できるようになった。
したがって、本発明にかかる単層型電子写真感光体、画像形成装置及び画像形成方法は、複写機やプリンター等の各種画像形成装置における高スピード化や、品質の安定化に著しく寄与することが期待される。
100:画像形成装置、1a:電子写真感光体、2a:帯電手段、3a:現像手段、4a:露光手段、50:転写ベルト、7:定着手段、112:基体、114:単層型感光層、116:中間層
Claims (13)
- 基体上に、感光層を有する単層型電子写真感光体であって、
前記感光層が、電荷発生剤として、チタニルフタロシアニン結晶を含むとともに、添加剤として、酸化防止剤及び紫外線吸収剤を含むことを特徴とする単層型電子写真感光体。 - 前記酸化防止剤が、ヒンダードフェノール系酸化防止剤であることを特徴とする請求項1に記載の単層型電子写真感光体。
- 前記ヒンダードフェノール系酸化防止剤が、下記式(1)で表わされる構造を含むことを特徴とする請求項2に記載の単層型電子写真感光体。
- 前記酸化防止剤の含有量を、前記感光層の結着樹脂100重量部に対して、0.1〜15重量部の範囲内の値とすることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の単層型電子写真感光体。
- 前記紫外線吸収剤がベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の単層型電子写真感光体。
- 前記紫外線吸収剤の含有量を、前記感光層の結着樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部の範囲内の値とすることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の単層型電子写真感光体。
- 前記酸化防止剤の含有量と前記紫外線吸収剤の含有量の比が、10:1〜1:1であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の単層型電子写真感光体。
- 前記基体上に、中間層を設けるとともに、当該中間層が、結着樹脂と、酸化チタン微粒子と、を含むとともに、前記中間層の膜厚を0.3〜10μmの範囲内の値とすることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の単層型電子写真感光体。
- 電子写真感光体の周囲に、帯電手段、露光手段、現像手段、及び転写手段が配置された画像形成装置において、前記電子写真感光体が請求項1〜8のいずれか一項に記載の単層型電子写真感光体であることを特徴とする画像形成装置。
- 前記転写手段が、転写ベルトを含み、前記単層型電子写真感光体上に現像されたトナー像が、前記転写ベルトにより搬送される転写紙に転写されることを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
- 前記画像形成装置が、クリーニングブレードを用いないクリーナーレスシステムを採用していることを特徴とする請求項9または請求項10に記載の画像形成装置。
- 前記単層型電子写真感光体の帯電電位を600〜1000Vの範囲内の値とすることを特徴とする請求項9〜11のいずれか一項に記載の画像形成装置。
- 請求項9〜12のいずれか一項に記載の画像形成装置を用いた画像形成方法。
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