JP5238563B2 - 電子写真感光体、画像形成装置、及び画像形成方法 - Google Patents
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Description
また、カラー画像形成装置において、画像形成を繰り返しても長期に亘り優れた解像度を維持するために、電荷発生剤としてチタニルフタロシアニン結晶を用いた正帯電感光体が提案されている(例えば、特許文献1参照)
そこで、本発明者らは、鋭意検討したところ、帯電電位を高く設定した場合であっても、電荷発生剤としてチタニルフタロシアニン結晶を用い、特定の感度特性を有する電子写真感光体であれば、高解像度が得られ、良好な画像を得ることができること見出した。
すなわち、本発明の目的は、感度特性に優れ、高解像度を維持できる電子写真感光体、そのような単電子写真感光体を含む画像形成装置、及び画像形成方法を提供することにある。
前記電荷発生剤が、少なくともチタニルフタロシアニン結晶を含むとともに、露光量を0.3μJ/cm2とした場合における感度をVb(V)とし、露光量を1.0μJ/cm2とした場合における感度をVa(V)としたときに、Vb/Vaで表される感度比率を2.5以下の値とするとともに、Vb(V)が200V以下の値であって、前記電子写真感光体の帯電電位が600〜1000Vに設定されることを特徴とする電子写真感光体が提供され、上述した問題を解決することができる。
すなわち、電荷発生剤としてチタニルフタロシアニン結晶を用いていることから、十分な感度が得られ、高画質の画像を、高スピードで形成することができる。一方で、電子写真感光体の帯電電位を600〜1000Vと高く設定した場合には、高露光量域と、低露光量域の感度差が大きくなり、その結果、現像量に差が生じて、解像度が悪くなる。しかし、本発明であれば、特定の感度特性を有する電子写真感光体を用いているので、良好な解像度を得ることができる。
このように構成することにより、電子写真感光体の帯電電位を600〜1000Vと高く設定し、さらに、露光量が少ない場合であっても、確実に優れた感度を得ることができる。
また、本発明の電子写真感光体を構成するにあたり、露光量を1.0μJ/cm2とした場合における感度Va(V)を50〜100Vの範囲内の値とすることが好ましい。
このように構成することにより、電子写真感光体の帯電電位を600〜1000Vと高く設定し、高スピードの画像形成装置であっても、十分な画像濃度を得ることができる。
また、本発明の電子写真感光体を構成するにあたり、感光層が添加剤として、酸化防止剤及び紫外線吸収剤を含むことが好ましい。
このように構成することにより、単層型電子写真感光体の帯電電位低下を抑制することができる。
また、本発明の電子写真感光体を構成するにあたり、前記基体上に、中間層を設けるとともに、当該中間層が、結着樹脂と、酸化チタン微粒子と、を含むとともに、前記中間層の膜厚を0.3〜10μmの範囲内の値とすることが好ましい。
このように構成することにより、電子写真感光体の帯電電位を600〜1000Vと高く設定した場合であっても、感光層のリークを防止することができる。
また、本発明の別の態様は、電子写真感光体の周囲に、帯電手段、露光手段、現像手段、及び転写手段が配置された画像形成装置において、前記電子写真感光体が、基体上に、感光層を有する電子写真感光体であって、前記感光層が電荷発生剤と電荷輸送剤を同一層に含有する単層型であり、前記電荷発生剤が少なくともチタニルフタロシアニン結晶を含み、露光量を0.3μJ/cm2とした場合における感度をVb(V)とし、露光量を1.0μJ/cm2とした場合における感度をVa(V)としたときに、Vb/Vaで表される感度比率を2.5以下の値とするとともに、Vb(V)が200V以下の値であり、前記電子写真感光体の帯電電位が600〜1000Vであることを特徴とする画像形成装置である。
すなわち、本発明の画像形成装置であれば、所定の電子写真感光体を備えていることから、電子写真感光体の帯電電位が高い場合であっても、良好な解像度を得ることができる。
すなわち、本発明の画像形成方法であれば、所定の画像形成装置を用いていることから、高品質画像を形成することができる。
第1の実施形態は、基体上に、感光層を有する電子写真感光体であって、前記感光層が電荷発生剤と電荷輸送剤を同一層に含有する単層型であり、前記電荷発生剤として、少なくともチタニルフタロシアニン結晶を含み、露光量を0.3μJ/cm2とした場合における感度をVb(V)とし、露光量を1.0μJ/cm2とした場合における感度をVa(V)としたときに、Vb/Vaで表される感度比率を2.5以下とするとともに、Vbが200V以下の値であって、帯電電位が600〜1000Vに設定されることを特徴とする電子写真感光体である。
1.基本的構成
図1に示す電子写真感光体1aは、図1(a)に示すような、基体112上に、電荷発生剤と、電荷輸送剤と、結着樹脂と、からなる単層型の感光層114を設けた電子写真感光体1a(以下、単層型電子写真感光体と記載する場合がある)であることを特徴とする。
2.基体
また、基体の構成材料としては、種々の材料を使用することができる。例えば、鉄、銅、スズ、白金、銀、バナジウム、モリブデン、クロム、カドミウム、チタン、ニッケル、パラジウム、インジウム、ステンレス鋼、及び真鍮などの金属にて形成された基体や、上述の金属が蒸着またはラミネートされたプラスチック材料からなる基体、あるいはヨウ化アルミニウム、アルマイト、酸化スズ、及び酸化インジウムなどで被覆されたガラス製の基体などが例示される。
すなわち、基体自体が導電性を有するか、あるいは基体の表面が導電性を有していればよく、また、使用に際して、充分な機械的強度を有していればよい。
すなわち、アルマイト層の膜厚が1μm未満の値となると、電子写真感光体に対して十分な耐電圧を付与することが困難となる場合があるためである。一方、アルマイト層の膜厚が10μmを超えた値となると、電子写真感光体の耐電圧が過度に増加して、露光メモリが発生しやすくなる場合があるためである。
したがって、アルマイト層の膜厚を2〜8μmの範囲内の値とすることがより好ましく、3〜7μmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
3.中間層
また、図2(b)に例示するように、基体112上に、結着樹脂と、無機微粒子等と、を含有する中間層116を設けることも好ましい。
この理由は、酸化チタン微粒子の平均一次粒子径を5〜30nmの範囲内の値とすることによって、中間層内における分散性が良好となって、中間層の抵抗を均一にすることができるためである。
すなわち、酸化チタン微粒子の平均一次粒子径が5nm未満の値となると、そのような酸化チタン微粒子を精度良く製造することが困難となるばかりか、粒子同士が凝集しやすくなる場合があるためである。一方、酸化チタン微粒子の平均一次粒子径が30nmを超えた値となると、中間層内における分散性が低下して、中間層における抵抗が不均一となる場合があるためである。
この理由は、中間層の膜厚が0.3μm未満の値となると、中間層の抵抗が過度に小さくなるばかりか、均一な膜厚を形成することが困難となる場合があるためである。一方、中間層の膜厚が10μmを超えた値となると、中間層の抵抗が過度に大きくなったり、露光メモリが発生しやすくなったりする場合があるためである。
したがって、中間層の膜厚を0.5〜8μmの範囲内の値とすることがより好ましく、1〜5μmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
4.感光層
(1)電荷発生剤
本発明においては、電荷発生剤としてチタニルフタロシアニン結晶を用いることを特徴とする。
この理由は、チタニルフタロシアニン結晶であれば、電荷発生効率に優れることから、露光による静電潜像の形成効率を著しく向上させて、画像形成装置等において、さらなる高スピード化を実現することができるためである。
この理由は、このような構造のチタニルフタロシアニン化合物であれば、チタニルフタロシアニン結晶の安定性をさらに向上させることができるばかりでなく、かかるチタニルフタロシアニン結晶を安定して製造することができるためである。
また、特に、チタニルフタロシアニン化合物の構造が、下記式(2)で表される無置換のチタニルフタロシアニン化合物であることが好ましい。
この理由は、このような構造のチタニルフタロシアニン化合物を用いることによって、より安定した性質を備えたチタニルフタロシアニン結晶をさらに容易に製造することができるためである。
また、本発明におけるチタニルフタロシアニン結晶は、光学特性として、CuKα特性X線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角2θ±0.2°=27.2°に主ピークを有することが好ましい(第1の光学特性)。
この理由は、かかる第1の光学特性を備えない場合には、このような光学特性を有するチタニルフタロシアニン結晶と比較して、結晶安定性、電荷発生能及び分散性が著しく低下する傾向にあるためである。逆に言えば、第1の光学特性、より好ましくは、第2の光学特性及び第3の光学特性を備えることにより、結晶安定性、電荷発生能及び分散性を向上させることができるためである。
この理由は、チタニルフタロシアニン結晶がかかる特性を有することによって、感光層用塗布液中におけるその経時安定性や分散性を、さらに向上させることができるためである。
すなわち、チタニルフタロシアニン結晶を、テトラヒドロフラン等の有機溶媒中に24時間浸漬させた場合であっても、結晶型がαまたはβ型へ転移せず、所定の結晶型を保持していることを確認できるため、有機溶媒中における結晶転移を確実に制御することができるためである。
なお、チタニルフタロシアニン結晶の貯蔵安定性を評価する基準となる有機溶媒への浸漬実験評価は、例えば、電子写真用感光体を作成するための感光層用塗布液(以下、感光層用塗布液)を実際に保管する条件と、同一条件で実施することが好ましい。したがって、例えば、温度23±1℃、相対湿度50〜60%RHの条件下で、密閉系中において、チタニルフタロシアニン結晶の貯蔵安定性を評価することが好ましい。
この理由は、かかる有機溶媒を感光層用塗布液における有機溶剤として用いた場合におけるチタニルフタロシアニン結晶の安定性を、より確実に判断することができるためである。
(1)−2 熱特性
また、本発明におけるチタニルフタロシアニン結晶は、熱特性として、示差走査熱量分析において、吸着水の気化に伴なうピーク以外に270〜400℃の範囲内に、1つのピークを有することが好ましい。
この理由は、かかる光学特性及び熱特性を有するチタニルフタロシアニン結晶であれば、結晶安定性、電荷発生能及び分散性を、さらに向上させることができるためである。
なお、吸着水の気化に伴うピーク以外のピークであって、270〜400℃の範囲内に現れる1つのピークは、290〜400℃の範囲内に現れることがより好ましく、300〜400℃の範囲内に現れることがさらに好ましい。
また、CuKα特性X線回折スペクトルにおけるブラッグ角の具体的な測定方法、及び、示差走査熱量分析の具体的な方法については、実施例において詳述する。
(1)−3 製造方法
また、本発明におけるチタニルフタロシアニン結晶は、例えば、以下に示す方法によって製造することができる。
すなわち、かかるチタニルフタロシアニン結晶の製造材料としてのo−フタロニトリルまたはその誘導体、もしくは1,3−ジイミノイソインドリンまたはその誘導体と、チタンアルコキシドまたは四塩化チタンと、を尿素化合物の存在下において反応させて、チタニルフタロシアニン化合物を製造することが好ましい。
したがって、下記反応式(1)または下記反応式(2)に準じて実施することが好ましい。なお、反応式(1)及び反応式(2)においては、チタンアルコキシドとして、一例ではあるが、式(4)で表されるチタンテトラブトキシドを用いている。
この理由は、式(4)で表されるチタンテトラブトキシド等のチタンアルコキシドまたは四塩化チタンの添加量を、式(3)で表されるo−フタロニトリルまたはその誘導体、もしくは式(5)で表される1,3−ジイミノイソインドリンまたはその誘導体に対して、1/4モル当量を超えた過剰量を添加することにより、後述する尿素化合物との相互作用が効果的に発揮されるためである。
したがって、式(4)で表されるチタンテトラブトキシド等のチタンアルコキシドまたは四塩化チタンの添加量を、式(3)で表されるo−フタロニトリルまたは式(5)で表される1,3−ジイミノイソインドリン等1モルに対して、0.42〜0.50モルの範囲内の値とすることがより好ましく、0.45〜0.47モルの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
この理由は、尿素化合物の存在下において製造されたチタニルフタロシアニン化合物を用いることにより、尿素化合物とチタンアルコキシドまたは四塩化チタンにおける相互作用が発揮されるため、特定のチタニルフタロシアニン結晶を効率的に得ることができるためである。
すなわち、かかる相互作用とは、尿素化合物とチタンアルコキシドまたは四塩化チタンとの反応によって生成するアンモニアが、さらにチタンアルコキシドまたは四塩化チタンと錯体を形成し、かかる物質が反応式(1)及び(2)で表される反応をより促進させる作用である。そして、このような促進作用のもとに、原料物質を反応させることにより、有機溶媒中であっても、特定のチタニルフタロシアニン結晶を効率的に製造することができる。
この理由は、かかる尿素化合物を、反応式(1)及び(2)中の尿素化合物として用いることにより、反応の過程で生成するアンモニアが、より効率的にチタンアルコキシドまたは四塩化チタンと錯体を形成し、かかる物質が反応式(1)及び(2)で表される反応をさらに促進させるためである。
すなわち、原料物質としてのチタンアルコキシドまたは四塩化チタンと、尿素化合物とが反応して生成するアンモニアが、さらに効率的にチタンアルコキシド等と錯体化合物を形成するためである。したがって、かかる錯体化合物が反応式(1)及び(2)で表される反応をさらに促進させるためである。
なお、かかる錯体化合物は、180℃以上の高温条件で反応させた場合に、特異的に生成しやすいことが判明している。そのため、沸点が180℃以上の含窒素化合物中、例えば、キノリン(沸点:237.1℃)やイソキノリン(沸点:242.5℃)、あるいはこれらの混合物(重量比10:90〜90:10)中で実施することがより有効である。
また、反応促進剤としてのアンモニアや、それに起因した錯体化合物がさらに生成しやすいことから、上述した尿素化合物の中でも、尿素を用いることがより好ましい。
この理由は、尿素化合物の添加量をかかる範囲内の値とすることにより、上述した尿素化合物の作用をより効率的に発揮させることができるためである。
したがって、かかる尿素化合物の添加量を、o−フタロニトリルまたはその誘導体、もしくは1,3−ジイミノイソインドリンまたはその誘導体1モルに対して、0.2〜0.8モルの範囲内の値とすることがより好ましく、0.3〜0.7モルの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
特に、沸点が180℃以上の含窒素化合物、例えば、キノリンやイソキノリンであれば、原料物質としてのチタンアルコキシドまたは四塩化チタンと、尿素化合物とが反応して生成するアンモニアが、さらに効率的にチタンアルコキシド等と錯体化合物を形成しやすくなることから好適な溶媒である。
したがって、反応式(1)及び(2)における反応温度を180〜250℃の範囲内の値とすることがより好ましく、200〜240℃の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
したがって、反応式(1)及び(2)における反応時間を0.6〜3.5時間の範囲内の値とすることがより好ましく、0.8〜3時間の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
(a)粗チタニルフタロシアニン結晶を酸に対して溶解し、チタニルフタロシアニン溶液を得る工程
(b)チタニルフタロシアニン溶液を貧溶媒中に滴下してウェットケーキを得る工程
(c)ウェットケーキを炭素数1〜4のアルコールによって洗浄する工程
(d)洗浄後のウェットケーキを非水系溶媒中で加熱撹拌して、チタニルフタロシアニン結晶を得る工程
(1)−4 含有量
また、電荷発生剤としてのチタニルフタロシアニン結晶の含有量を、感光層の結着樹脂100重量部に対して、0.5〜8重量部の範囲内の値とすることが好ましい。
(2)分散剤
また、感光層中における電荷発生剤の分散具合を調節するために、分散剤を併用することも好ましい。
なお、かかる分散剤の含有量は、感光層の結着樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部の範囲内の値とすることが好ましく、0.5〜5重量部の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
(3)添加剤
本発明においては、添加剤として酸化防止剤と紫外線吸収剤を用いることが好ましい。
この理由は、耐久印字を行った場合であっても、酸化防止剤と紫外線吸収剤との相乗効果によって帯電電位の低下を効果的に抑制することができるためである。
すなわち、本発明においては、上述したように、電荷発生剤としてチタニルフタロシアニン結晶を用いていることから、露光による静電潜像の形成効率を著しく向上させることができ、画像形成装置におけるさらなる高スピード化を実現することができる。
一方で、電荷発生剤としてチタニルフタロシアニン結晶を用い、かつ、耐久印字を行った場合には、帯電電位の低下が生じやすくなる。
(3)−1酸化防止剤
(3)−1−1 種類
酸化防止剤の種類としては、特に限定されるものではなく、従来公知の種々の化合物を用いることができる。
また、酸化防止剤の含有量を、感光層の結着樹脂100重量部に対して、0.1〜15重量部の範囲内の値とすることが好ましい。
すなわち、酸化防止剤の含有量が0.1重量部未満の値となると、耐久印字を行った場合には、感光層表面の酸化劣化を十分に抑制することが困難となって、帯電電位が過度に低下しやすくなる場合があるためである。一方、酸化防止剤の含有量が15重量部を超えた値となると、電子写真感光体の感度特性が低下する場合があるためである。
(3)-2 紫外線吸収剤
(3)-2-1 種類
また、紫外線吸収剤の種類としては、特に限定されるものではなく、従来公知の種々の化合物を用いることができる。
例えば、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、サルシレート系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、クエンチャー(金属錯塩系)紫外線吸収剤、HALS(ヒンダードアミン)系紫外線吸収剤等が挙げられる。
また、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤の具体例としては、(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、(2−ヒドロキシ5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、(2−ヒドロキシ5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、(2−ヒドロキシ3−ターシャリブチル5−メチルフェニル)5−クロロベンゾトリアゾールが挙げられる。
(3)-2-2 含有量
また、紫外線吸収剤の含有量を、感光層の結着樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、紫外線吸収剤の含有量をかかる範囲とすることにより、酸化防止剤との相乗効果により感光層の酸化劣化防止効果を十分に発揮させつつも、感光層において紫外線吸収剤を効果的に分散させることができるためである。
したがって、紫外線吸収剤の含有量を、感光層の結着樹脂100重量部に対して、0.5〜7重量部の範囲内の値とすることがより好ましく、1〜7重量部の範囲内の値とすることがさらに好ましく、2〜6重量部の範囲内の値とすることがより一段と好ましい。
(4)正孔輸送剤
本発明の電子写真感光体において使用される正孔輸送剤としては、特に制限されるものではなく、従来公知の種々の正孔輸送性化合物がいずれも使用可能である。
(5)電子輸送剤
また、本発明の電子写真感光体において使用される電子輸送剤としては、特に制限されるものではなく、従来公知の種々の電子輸送性化合物がいずれも使用可能である。特にジフェノキノン誘導体、アゾキノン誘導体、ピレン誘導体、ベンゾキノン誘導体のほか、アントラキノン誘導体、マロノニトリル誘導体、チオピラン誘導体、チオキサントン誘導体、フルオレノン誘導体、アントラセン誘導体、アクリジン誘導体、アントアラキノン誘導体、アントラキノン誘導体、テトラシアノエチレン、無水コハク酸、無水マレイン酸、ジブロモ無水マレイン酸等の一種単独又は二種以上の組み合わせが挙げられる。
この理由は、電子輸送剤の添加量が10重量部未満の値になると、感度が低下して、実用上の弊害が生じる場合があるためである。一方、電子輸送剤の添加量が100重量部を超えた値になると、電子輸送剤が結晶化しやすくなり、感光層として適正な膜が形成されない場合があるためである。
(6)結着樹脂
本発明の電子写真感光体に使用する結着樹脂の種類は特に制限されるものではないが、例えば、ポリカーボネート樹脂をはじめ、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、アクリル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩素化ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、アイオノマー、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、アルキド樹脂、ポリアミド、ポリウレタン、ポリスルホン、ジアリルフタレート樹脂、ケトン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエーテル樹脂等の熱可塑性樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、その他架橋性の熱硬化性樹脂、エポキシアクリレート、ウレタン−アクリレート等の光硬化型樹脂等の樹脂が使用可能である。
(7)膜厚
また、感光層の膜厚を22〜40μmの範囲内の値とすることを特徴とする。
すなわち、感光層の膜厚が22μm未満の値となると、電子写真感光体の耐電圧が過度に低下しやすくなったり、感光層の機械的強度が不十分となって、基体から剥離しやすくなったりする場合があるためである。
一方、感光層の膜厚が40μmを超えた値となると、残留電荷の発生が過度に増加しやすくなる場合があるためである。
したがって、感光層の膜厚を23〜38μmの範囲内の値とすることがより好ましく、25〜35μmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
(8)感度比率
また、本発明の電子写真感光体は、単位面積当たりの露光量を0.3μJ/cm2とした場合における感度をVb(V)とし、単位面積当たりの露光量を1.0μJ/cm2とした場合における感度をVa(V)としたときに、Vb/Vaで表される感度比率を2.5以下とすることを特徴とする。
この理由は、少なくとも2通りの所定露光量(単位面積当たり)において測定した感度の比率を制御することにより、電子写真感光体の帯電電位を高く設定した場合であっても、優れた感度を得るとともに、高解像度を達成することができる。
しかしながら、実際には露光量の分布は均一にならず、ばらつきが生じる。このばらつきは、電子写真感光体上に形成される画素濃度やのばらつきや解像度の悪化の原因となり画質低下を招く。上記のように、露光量の分布が均一にならない理由としては、例えば、レーザー露光装置の場合、レーザー露光装置を構成する光学部品の個体差における光学特性のばらつきやノイズ等が挙げられる。このように露光量にばらつきがあると、感度にもバラツキが生じ、解像度の悪化を招く。
したがって、単位面積当たりの露光量を0.3μJ/cm2とした場合における感度をVb(V)とし、単位面積当たりの露光量を1.0μJ/cm2とした場合における感度をVa(V)としたときに、Vb/Vaで表される感度比率を1〜2.5の範囲内の値とすることがより好ましく、1.5〜2.3の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
(9)感度
また、単位面積当たりの露光量を0.3μJ/cm2とした場合における感度Vb(V)を50〜200Vの範囲内値とすることを特徴とする。
この理由は、単位面積当たりの露光量を1.0μJ/cm2とした場合における感度Vaをかかる範囲内の値とすることにより、十分な画像濃度を得ることができる。
したがって、単位面積当たりの露光量を1.0μJ/cm2とした場合における感度Vaを70〜110Vの範囲内の値とすることがより好ましく、80〜100Vの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
[第2の実施形態]
第2の実施形態は、電子写真感光体の周囲に、帯電手段、露光手段、現像手段、及び転写手段が配置された画像形成装置において、前記電子写真感光体が、基体上に、感光層を有する電子写真感光体であって、前記感光層が電荷発生剤と電荷輸送剤を同一層に含有する単層型であり、前記電荷発生剤が少なくともチタニルフタロシアニン結晶を含み、露光量を0.3μJ/cm2とした場合における感度をVb(V)とし、露光量を1.0μJ/cm2とした場合における感度をVa(V)としたときに、Vb/Vaで表される感度比率を2.5以下の値とするとともに、Vb(V)が200V以下の値であって、前記電子写真感光体の帯電電位が600〜1000Vであることを特徴とする画像形成装置である。
以下、第2の実施形態としての画像形成装置について、基本的構成、それを構成する電子写真感光体、帯電手段、露光手段、現像手段及び除電手段に分けて、具体的に説明する。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を詳細に説明する。
そして、2次転写ローラ112により用紙Pに転写された転写画像は、当該用紙Pが加熱ローラ141と、加圧ローラ142との間を通過する際の加熱による定着処理で用紙Pに定着される。そして、定着処理の施された用紙Pは、排紙部105へ排紙されるようになっている。また、本実施形態のカラープリンタ101では、定着部104と、排紙部105との間であって、適所に搬送ローラ106が配設されている。
2.電子写真感光体
第1の実施形態で説明したのと同様の内容とすることができるので、ここでの説明を省略する。
3.帯電装置
また、図1に示す帯電装置175は、対応する電子写真感光体171の上方に設置されており、電子写真感光体171を一様に帯電させるための手段である。
かかる帯電装置の種類として、スコロトロン等の非接触型の帯電手段を用いることも好ましいが、帯電ローラ等の接触型の帯電手段であってもよい。
この理由は、帯電電位の値が600V未満の値となると、鮮明な静電潜像を形成することが困難となる場合があるためである。
一方、帯電電位の値が1000Vを超えた値となると、過度にリーク現象が発生しやすくなったり、過度に感光層表面が酸化劣化しやすくなる場合があるためである。
したがって、電子写真感光体における帯電電位を650〜900Vの範囲内の値とすることがより好ましく、700〜900Vの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
4.露光装置
また、図1に示す露光装置176は、図示しない画像データ入力部から読み取った原稿画像に基づいて、電子写真感光体171上に静電潜像を形成させるための手段である。
ここで、本発明における電子写真感光体は、電荷発生剤として、電荷発生効率に優れるチタニルフタロシアニン結晶を用いていることから、露光による静電潜像の形成効率が著しく向上している。
よって、電子写真感光体を露光させる際の単位面積当たりの露光量を減少させた場合であっても、実用上問題なく画像形成を行うことができる。したがって、単位面積当たりの露光量を電子写真感光体上にて0.2〜0.8μJ/m2の範囲内の値とすることが好ましく、0.3〜0.6μJ/m2の範囲内の値とすることがより好ましい。
5.現像装置
また、図1に示す現像装置172は、静電潜像が形成された電子写真感光体171の表面にトナーを供給してトナー像を形成させる手段である。
この理由は、本発明の画像形成装置であれば、このように構成した場合であっても、帯電低下を抑制しつつ、各画像形成ユニットの構成を小型化することができるためである。
すなわち、現像同時クリーニング方式を採用した場合、通常、帯電手段の上流側に設けられるクリーニングブレードが省略される。したがって、帯電及び露光時の電子写真感光体表面には、転写残トナーや付着物が残留している場合がある。
この点、本発明における電子写真感光体は、電荷発生剤として、電荷発生効率に優れるチタニルフタロシアニン結晶を用い、特定の感度比率を有するので、露光による静電潜像の形成効率が著しく向上しており、このような場合であっても、実用上問題なく画像形成を行うことができる。また、残留トナーや付着物が電子写真感光体に残った状態でも、良好な画像を得られることができる。
6.除電手段
また、帯電手段の上流側において、電子写真感光体の感光層中に残留している残留電荷を除去するための除電手段を設けてもよい。
一方、本発明の場合、除電手段を省略し、残留電荷を完全に除去せずに次工程の帯電を行ってもリーク現象の発生を抑制できるので、除電手段を省略した除電レス方式とすることが好ましい。
7.現像剤
本発明においては、非磁性一成分現像剤を使用することが好ましい。
この理由は、非磁性一成分現像剤であれば、現像剤に対して磁性粉を含有させる必要がないことから、鮮やかなカラー画像を形成することができるためである。
また、磁性現像剤や、二成分現像剤を用いた場合と異なり、マグネットロールを使用する必要もないことから、現像装置の簡易化及びコンパクト化に資することができ、さらには、現像装置の項においても記載したように、クリーニングブレードを省略したクリーナーレス方式のカラー画像形成装置として構成することが可能となるためである。
また、トナー粒子に含有させる着色剤についても、特に制限されるものではなく、例えば、カーボンブラック、アセチレンブラック、ランプブラック、アニリンブラック、アゾ系顔料、黄色酸化鉄、黄土、ニトロ系染料、油溶性染料、ベンジジン系顔料、キナクリドン系顔料、銅フタロシアニン系顔料等を使用することが好ましい。
さらに、トナー粒子に対して、例えば、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、フッ素樹脂系ワックス、フィッシャートロプッシュワックス、パラフィンワックス、エステルワックス、モンタンワックス、ライスワックス等のワックスを使用することも好ましい。
なお、現像剤の流動性や帯電特性を調節するために、トナー粒子に対して、シリカ微粒子や酸化チタン微粒子といった無機微粒子を外添させて、その流動性や帯電特性を調節することも好ましい。
[実施例1]
1.電子写真感光体の製造
(1)基体の準備
直径30mm、長さ254mmのアルミニウム基体を用意した。
(2)中間層の形成
ビーズミルを用いて、第一の酸化チタン微粒子(テイカ(株)製、MT05)160重量部、第二の酸化チタン微粒子(テイカ(株)製、SMT02)40重量部、四元共重合ポリアミド樹脂(東レ(株)製、CM8000)100重量部、溶媒としてメタノール1000重量部と、n-ブタノール250重量部とを、5時間混合、分散させ、さらに5ミクロンのフィルタにてろ過処理して、中間層用塗布液を作成した。
第一の酸化チタン微粒子(MT05)
アルミナ及びシリカで表面処理した酸化チタン微粒子(テイカ(株)製、数平均一次粒子径10nm)
第二の酸化チタン微粒子(SMT02)
アルミナ及びシリカで表面処理した後、メチルハイドロジェンポリシロキサンにて表面処理した酸化チタン微粒子(テイカ(株)製、数平均一次粒子径:10nm)
(3)感光層の形成
次いで、容器内に、後述する製造方法にて製造した電荷発生剤としての式(2)で表されるチタニルフタロシアニン(CGM−1)の結晶(TiOPc)3重量部と、下記式(10)で表される正孔輸送剤(HTM−1)50重量部と、下記式(11)で表される電子輸送剤(ETM−1)30重量部と、酸化防止剤としての式(9)中の3,5−tert−ブチル−4−ヒドロキシトルエン(BHT)(P−1)10重量部と、紫外線吸収剤としてのベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(LA−36)(旭電化工業(株)製)5重量部と結着樹脂としての平均分子量30,000のポリカーボネート樹脂100重量部と、溶剤としてのテトラヒドロフラン800重量部と、を収容し、これらの混合物を得た。次いで、かかる混合物につき、ボールミルを用いて50時間混合分散し、感光層用塗布液を得た。
なお、電荷発生剤としての式(2)で表されるチタニルフタロシアニン(CGM−1)の結晶(TiOPc)は、以下のようにして製造した。
(4)−1 粗チタニルフタロシアニン結晶の合成
まず、アルゴン置換したフラスコ中に、o−フタロニトリル22g(0.17mol)と、チタンテトラブトキシド25g(0.073mol)と、キノリン300gと、尿素2.28g(0.038mol)を加え、撹拌しつつ150℃まで昇温した。
(4)−2 酸処理前工程
上述したチタニルフタロシアニン化合物の製造で得られた青紫色の固体10gを、N,N−ジメチルホルムアミド100ミリリットル中に加え、撹拌しつつ130℃に加熱して2時間、撹拌処理を行った。
(4)−3 酸処理工程
上述した酸処理前工程で得られたチタニルフタロシアニンの粗結晶5gを、濃硫酸100ミリリットルに加えて溶解した。
(4)−4 チタニルフタロシアニン結晶の評価
(X線回折測定)
得られたチタニルフタロシアニン結晶0.3gを、テトラヒドロフラン5g中に分散させ、温度23±1℃、相対湿度50〜60%の条件下、密閉系中で24時間、保管したのちテトラヒドロフランを除去して、X線回折装置(理学電機(株)製のRINT1100)のサンプルホルダーに充填して測定を行った。この結果、ブラッグ角2θ±0.2°=27.2°に主ピークを有するとともに、26.2°に主ピークを有さない特徴を有していることから、得られたチタニルフタロシアニン結晶が、安定した所定の結晶型を有していることが確認できた。この理由は、ブラッグ角2θ±0.2°=27.2°におけるピークは、上述した所定の結晶型に特有のピークであり、26.2°におけるピークは、β型結晶に特有のピークであるためである。
X線管球:Cu
管電圧:40kV
管電流:30mA
スタート角度:3.0°
ストップ角度:40.0°
走査速度:10°/分
(示差走査熱量計測定)
また、示差走査熱量計(理学電機(株)製のTAS−200型、DSC8230D)を用いて、得られたチタニルフタロシアニン結晶の示差走査熱量分析を行った。この結果、吸着水の気化にともなうピーク以外に、296℃において1つのピークが確認された。
サンプルパン:アルミニウム製
昇温速度:20℃/分
2.電子写真感光体の評価
(1)感度評価
また、得られた電子写真感光体における感度を測定した。
すなわち、常温常湿条件下(温度:20℃、相対湿度:50%)にて、ドラム感度試験機(GENTEC社製)を用いて、帯電電位が850Vになるように帯電させ、次いで、白色光からバンドパルスフィルターを用いて取り出した波長780nmの単色光(半値幅:20nm、露光量:0.3μJ/cm2または1.0μJ/cm2)を電子写真感光体表面に対して露光した(照射時間50msec)。次いで、露光後350msec経過後の電位を測定し、感度(V)とした。
(2)解像度の評価
また、製造した電子写真感光体を図2に示す画像形成装置に搭載し、画像を出力して、入ドット面積率に対する出力ドット面積率(ドット面積率比)を求めた。
×:ドット面積率比の値が(95%未満である)
尚、画像形成条件は、以下に示す通りである。
帯電方式 :スコロトロン帯電方式(帯電電位:850V)
露光方式 :レーザ光源露光方式(露光量:0.5μJ/cm2)
現像剤 :非磁性一成分現像剤(重合法)
転写方式 :中間転写ベルト方式
画像形成速度:160mm/s
環境条件:温度20℃、相対湿度60%
(3)帯電電位の評価
また、得られた電子写真感光体における帯電電位の評価を行った。
帯電方式 :スコロトロン帯電方式(帯電電位:850V)
露光方式 :レーザ光源露光方式(露光量:0.5μJ/cm2)
現像剤 :非磁性一成分現像剤(重合法)
転写方式 :中間転写ベルト方式
画像形成速度:160mm/s
環境条件:温度10℃、相対湿度20%
[実施例2]
実施例2では、感光層を形成する際に、酸化防止剤としてBHTの代わりにIrganox1010を10重量部を用いたほかは、実施例1と同様に単層型電子写真感光体を製造し、評価した。得られた結果を表1に示す。
[実施例3]
実施例3では、感光層を形成する際に、酸化防止剤としてBHTの代わりにIrganox1076を10重量部を用いたほかは、実施例1と同様に単層型電子写真感光体を製造し、評価した。得られた結果を表1に示す。
[実施例4]
実施例4では、感光層を形成する際に、正孔輸送剤(HTM−1)50重量部と電子輸送剤(ETM−1)30重量部の代わりに式(12)で示される正孔輸送剤(HTM−2)50重量部と式(13)で示される電子輸送剤(ETM−2)30重量部を用いたほかは実施例1と同様に単層型電子写真感光体を製造し、評価した。得られた結果を表1に示す。
実施例5では、感光層を形成する際に、酸化防止剤としてBHTの代わりにIrganox1010を10重量部を用いたほかは、実施例4と同様に単層型電子写真感光体を製造し、評価した。得られた結果を表1に示す。
[実施例6]
実施例6では、感光層を形成する際に、酸化防止剤としてBHTの代わりにIrganox1076を10重量部を用いたほかは、実施例4と同様に単層型電子写真感光体を製造し、評価した。得られた結果を表1に示す。
[実施例7]
実施例7では、感光層を形成する際に、紫外線吸収剤を含有させなかったほかは、実施例1と同様に単層型電子写真感光体を製造し、評価した。得られた結果を表1に示す。
[実施例8]
実施例8では、感光層を形成する際に、酸化防止剤の含有量を5重量部に変更したほかは、実施例1と同様に単層型電子写真感光体を製造し、評価した。得られた結果を表1に示す。
[比較例1]
比較例1では、チタニルフタロシアニン(CGM−1)の結晶(TiOPc)を1重量部とし、BHTを20重量部に変更した以外は、実施例7と同様に単層型電子写真感光体を製造し、評価した。得られた結果を表1に示す。
[比較例2]
比較例2では、感光層を形成する際に、チタニルフタロシアニン(CGM−1)の結晶(TiOPc)3重量部の代わりに、X型無金属フタロシアニン結晶を3重量用い、酸化防止剤と紫外線吸収剤を使用しなかったほかは、実施例4と同様に単層型電子写真感光体を製造し、評価した。得られた結果を表1に示す。
Claims (6)
- 基体上に、感光層を有する電子写真感光体であって、前記感光層が電荷発生剤と電荷輸送剤を同一層に含有する単層型であり、
前記電荷発生剤が、少なくともチタニルフタロシアニン結晶を含み、露光量を0.3μJ/cm2とした場合における感度をVb(V)とし、露光量を1.0μJ/cm2とした場合における感度をVa(V)としたときに、Vb/Vaで表される感度比率を2.5以下の値とするとともに、Vb(V)が200V以下の値であって、前記電子写真感光体の帯電電位が600〜1000Vに設定されるとともに、下記式(8)で示される酸化防止剤を結着樹脂100重量部に対して、5から10重量部含有することを特徴とする電子写真感光体。
- 前記Va(V)を50〜100Vの範囲内値とするとともにベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を含有することを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
- 前記感光層が添加剤として、酸化防止剤及び紫外線吸収剤を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の電子写真感光体。
- 前記基体上に、中間層を設けるとともに、当該中間層が、結着樹脂と、酸化チタン微粒子と、を含むとともに、前記中間層の膜厚を0.3〜10μmの範囲内の値とすることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の電子写真感光体。
- 電子写真感光体の周囲に、帯電手段、露光手段、現像手段、及び転写手段が配置された画像形成装置において、前記電子写真感光体が、基体上に、感光層を有する電子写真感光体であって、前記感光層が電荷発生剤と電荷輸送剤を同一層に含有する単層型であり、前記電荷発生剤が少なくともチタニルフタロシアニン結晶を含み、露光量を0.3μJ/cm2とした場合における感度をVb(V)とし、露光量を1.0μJ/cm2とした場合における感度をVa(V)としたときに、Vb/Vaで表される感度比率を2.5以下の値とするとともに、Vb(V)が200V以下の値であって、前記電子写真感光体の帯電電位が600〜1000Vであるとともに下記式(8)で示される酸化防止剤を結着樹脂100重量部に対して、5から10重量部含有することを特徴とする画像形成装置。
- 請求項5に記載の画像形成装置を用いた画像形成方法。
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