JP2003223021A - 電子写真方法 - Google Patents

電子写真方法

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JP2003223021A JP2002022978A JP2002022978A JP2003223021A JP 2003223021 A JP2003223021 A JP 2003223021A JP 2002022978 A JP2002022978 A JP 2002022978A JP 2002022978 A JP2002022978 A JP 2002022978A JP 2003223021 A JP2003223021 A JP 2003223021A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 画像形成サイクルを繰り返し行うことで感光
体の膜厚が減少して暗電位が低下し、コントラスト電位
が確保できなくなることで画像濃度が低下した場合、サ
ービスマンが画像濃度を見ながら表面電位を徐々に上げ
ていき、適正な電位に再設定するという面倒な作業を行
っていた。 【解決手段】 所定の材料を用いる有機単層感光体を使
用することで、初期状態においても繰り返し使用した後
であっても、暗電位と明電位が直線関係を示す為に、容
易に設定電位を補正し、再設定することができた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真方法における
設定電位の補正方法に関するものであり、より詳細に
は、電子写真による画像形成サイクルを繰り返し行った
ときに生じる感光体の膜厚の減少に伴う電気特性の変化
に応じて、電位を容易に再設定して良好な画像を形成す
ることができる補正方法に対して、良好に適応しうる有
機単層感光体を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】電子写真による画像形成では、現在、反
転現像が主流であり、この反転現像によれば、感光体を
一様に帯電させた後、所定の画像情報に基づいてレーザ
照射による画像露光を行なって静電潜像を形成させ、こ
の静電潜像をトナーで現像し、トナー像を感光体から転
写紙に転写し、転写紙上のトナー像を定着して画像を形
成させる。
【0003】このような画像形成で使用される感光体と
しては、セレン、アモルファスシリコン等の無機感光体
や、電荷発生剤や電荷輸送剤を含有する有機感光層を導
電性基体上に形成させた有機感光体が知られており、特
に有機感光体は、軽量性やコスト、安全性、材料選択の
自由度の点で優れており、現在、広く使用されている。
ところで、有機感光体には、電荷発生剤及び電子輸送剤
や正孔輸送剤の電荷輸送剤が単一の有機感光層中に分散
されている単層型のもの(有機単層感光体)と、電荷発
生剤を分散させた電荷発生層と、電荷発生層上に形成さ
れ且つ電荷輸送剤を分散させた電荷輸送層とから有機感
光層が形成されている積層型のもの(有機積層感光体)
とが知られている。この内、有機単層感光体は、特に製
造が容易であり、コストの面でも極めて安価であること
から、現在、広く使用されるようになってきている。
【0004】有機感光体では、通常、画像形成サイクル
をある程度の回数繰り返して行なった後、適正な画像が
形成されるように設定電位を補正することにより、その
寿命を引き延ばすことが行なわれている。具体的には、
例えば、主帯電を行うための帯電器の帯電条件や現像バ
イアス電圧を種々変更し、その都度、実際に画像形成を
行ない、得られる画像を確認しながら行われるが、一般
にサービスマンにより行なわれ、一般ユーザにより行な
うことは非常に難しく、危険を伴うという問題がある。
また、サービスマンにより行なうとしても、その補正は
極めて面倒である。そこで、特願2001−36622
1においては、有機単層感光体が各膜厚毎に明電位は暗
電位に比例し、両者の間には直線関係があることを見出
し、これを利用して画像形成サイクルをある程度の回数
繰り返して行ない電位補正を行う時点で、感光体の異な
る二つの暗電位Voとその暗電位において露光を行った
後の明電位Vrを測定し、Vo−Vr直線を求め、これ
と適正なコントラスト電位Vcを示す直線との交点か
ら、前記適正なコントラスト電位Vcとなる暗電位を算
出し、このような暗電位が得られるように、主帯電条件
を変更する電位の補正法が開示されており、この方法に
より、適正な画像を得るための暗電位を簡単に算出し、
補正することが出来る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、一般的
に有機単層感光体を用いて画像形成を行う場合には、画
像形成サイクルを繰り返し行うことによる形成画像に及
ぼす影響が大きく、耐久性が乏しいという欠点がある。
即ち、ある程度の回数の画像形成を繰り返し行うと、帯
電や転写で用いられるチャージャーから発生するオゾ
ン、NOxの影響で感光層表面が劣化しやすく、特に正
帯電であるためにNOxの影響を受けて、帯電や感度の
変化を起こし易かった。即ち、画像形成サイクルを繰り
返し行うことで膜厚が減少し、各膜厚における暗電位―
明電位の関係が直線性を示さない場合、特願2001−
366221に示すような補正を使用することが出来な
かった。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は請求項1においては、感光体表面を均一に
主帯電し、帯電された該感光体表面に画像情報に基づい
て光照射を行なって静電潜像を形成し、この静電潜像
を、一定の現像バイアス電圧を印加しながら現像するこ
とにより画像形成を行う電子写真方法において、上記感
光体が、少なくともX型メタルフリーフタロシアニン、
Y型チタニルフタロシアニン、α型チタニルフタロシア
ニン、V型ヒドロキシガリウムフタロシアニンの各フタ
ロシアニン顔料から選択される電荷発生材料と正孔輸送
剤、電子輸送剤を含有する有機感光体であり、予め、主
帯電後の感光体表面の暗電位と明電位との差に相当する
コントラスト電位(Vc=Vo−Vr)を設定してお
き、次いで、一定状態の前記感光体について、その表面
を、異なる2つの主帯電電位に帯電させ、それぞれにつ
いて暗電位と明電位とを測定し、該測定結果に基づい
て、下記式: Vr=α・Vo+β (1) 式中、Voは、暗電位(V)を示し、Vrは、明電位
(V)を示し、α及びβは、それぞれ定数を示す、から
α及びβを算出し、前記算出結果から画定される式
(1)のVo−Vr直線と前記コントラスト電位(V
c)とから、上記コントラスト電位(Vc)を示す暗電
位を算出し、このような暗電位が得られるように、主帯
電条件を変更する電位設定の補正法であり、これにより
容易に感光体の電位を再設定し、寿命を延ばすことが出
来る。請求項2においては、電子輸送剤が下記一般式
[1]、
【化13】 〔R1〜R4は、同一又は異なっていて、水素原子、炭素
数1〜12のアルキル基、アルコキシ基、置換基を有し
てもよいアリール基、シクロアルキル基、置換基を有し
ても良いアルキル基を示す。〕下記一般式[2]、
【化14】 〔R5〜R8は、同一又は異なっていて、水素原子、炭素
数1〜12のアルキル基、アルコキシ基、置換基を有し
てもよいアリール基、シクロアルキル基、置換基を有し
ても良いアルキル基を示す。〕下記一般式[3]、
【化15】 〔R9、R10は、同一又は異なっていて、水素原子、炭
素数1〜12のアルキル基、アルコキシ基、置換基を有
してもよいアリール基、シクロアルキル基、置換基を有
しても良いアルキル基を示す。〕下記一般式[4]、
【化16】 〔R11、R12は、同一又は異なっていて、水素原子、炭
素数1〜12のアルキル基、アルコキシ基、置換基を有
してもよいアリール基、シクロアルキル基、置換基を有
しても良いアルキル基を示す。R13〜R17は、同一又は
異なっていて、水素原子、炭素数1〜12のアルキル
基、アルコキシ基、置換基を有してもよいアリール基、
アラルキル基、フェノキシ基を示し、又二つ以上の基が
結合して環を形成しても良い。置換基はハロゲン、炭素
数1〜6のアルキル基、アルコキシ基、水酸基、シアノ
基、アミノ基、ニトロ基、ハロゲン化アルキル基を示
す。〕下記一般式[5]、
【化17】 〔R18〜R21は、同一又は異なっていて、水素原子、炭
素数1〜12のアルキル基、アルコキシ基、置換基を有
してもよいアリール基、シクロアルキル基、置換基を有
しても良いアルキル基を示す。R22、R23は同一又は異
なっていて、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基を
示す。R24〜R31は同一又は異なっていて、水素原子、
炭素数1〜12のアルキル基、アルコキシ基、置換基を
有してもよいアリール基、アラルキル基を示す。置換基
はハロゲン、炭素数1〜6のアルキル基、アルコキシ
基、水酸基、シアノ基、アミノ基、ニトロ基、ハロゲン
化アルキル基を示す。〕下記一般式[6]、
【化18】 〔R32はハロゲン、置換基を有してもよいアルキル基、
アリール基を示し、R33は置換基を有してもよいアルキ
ル基、アリール基又は、基−O−R33aを示す。R33a
置換基を有しても良いアルキル基、アリール基を示
す。〕下記一般式[7]、
【化19】 〔式中、R34〜R35は、同一又は異なっていて、水素原
子、炭素数1〜12のアルキル基、アルコキシ置、置換
基を有しても良いアラルキル基、ハロゲン化アルキル基
を示す。置換基は、ハロゲン、炭素数1〜6のアルキル
基、アルコキシ基、水酸基、シアノ基、アミノ基、ニト
ロ基、ハロゲン化アルキル基を示す。〕下記一般式
[8]、
【化20】 〔式中、R36〜R37は、同一又は異なっていて、水素原
子、炭素数1〜12のアルキル基、アルコキシ置、置換
基を有しても良いアラルキル基、ハロゲン化アルキル基
を示す。置換基は、ハロゲン、炭素数1〜6のアルキル
基、アルコキシ基、水酸基、シアノ基、アミノ基、ニト
ロ基、ハロゲン化アルキル基を示す。〕下記一般式
[9]、
【化21】 〔式中、R38、R39は、置換基を有しても良いアルキル
基、アリール基、−(CH2k−O−Rを示す。kは1
以上。〕から選択される化合物を用いる有機単層感光体
であることを特徴としており、より容易に請求項1記載
の設定電位の補正が可能となる。請求項3においては、
正孔輸送剤が下記一般式[10]、
【化22】 〔R101〜R124は、同一又は異なる水素、炭素数1〜6
のアルキル基、アルコキシ基、又は、環を形成しても良
い。Xは置換基を有しても良いフェニル基、ナフチル
基、ビフェニル基を示す。〕で示されるスチルベン化合
物を用いる有機単層感光体であることを特徴としてお
り、より容易に請求項1記載の設定電位の補正が可能と
なる。請求項4においては、結着樹脂が下記一般式[1
1]、
【化23】 〔R40、R41、R42、R43は、水素、炭素数が1〜3の
アルキル基、アルコキシ基、もしくはハロゲンを示す。
n、mは0.1<n/(n+m)<0.3を満たす。〕下
記一般式[12]、
【化24】 〔R44、R45は水素もしくは、メチル基を示す。〕から
選択されるされるポリカーボネートを用いる有機単層感
光体であることを特徴としており、より容易に請求項1
記載の設定電位の補正が可能となる。
【発明の実施形態】以下、添付図面に示す具体例に基づ
いて、本発明を説明する。本発明の現像条件補正方法を
適用する画像形成装置の一例を示す図1において、回転
可能に設けられている感光体ドラム1の周囲には、その
回転方向に沿って、帯電手段2、レーザ光学装置3、現
像手段4、転写手段5、クリーニング装置6及び除電ラ
ンプ7が配置されており、所定の紙等の転写シート9が
転写手段5と感光体ドラム2との間に搬送され、この転
写シート9の表面に、画像が形成されるようになってい
る。また、レーザ光学装置3と現像手段4との間には、
電位センサ10が設けられており、更に、図1では省略
されているが、上記転写シート9の排出側には、熱ロー
ラ等からなる定着装置が配置されている。
【0007】即ち、感光体ドラム1の全面を、帯電手段
2により所定極性に一様に主帯電し、次いで、レーザ光
学装置3を用いて、所定の画像情報に基づいてレーザ光
が帯電された感光体ドラム1の表面に照射され、画像露
光による静電潜像の形成が行なわれる。このようにして
形成された静電潜像は、現像手段4により現像され、ト
ナー像が感光体ドラム1表面に形成される。形成された
トナー像は、転写手段5により、転写シート9の表面に
転写され、トナー像が転写された転写シート9は、図示
されていない定着装置に導入され、熱及び圧力により、
トナー像が転写シート9の表面に定着される。一方、ト
ナー像を転写シート9に転写した後は、クリーニング装
置6により感光体ドラム1表面に付着残存するトナーが
除去され、更に除電ランプによる光照射によって、感光
体ドラム1表面に残存する電荷が除去され、これによ
り、画像形成サイクルの一工程が終了し、次の画像形成
サイクルが行なわれる。
【0008】本発明において、感光体ドラム1は、アル
ミ等の導電性素管上に形成させた有機単層感光体ドラム
であり、この感光層は、それ自体公知であり、電荷発生
剤及び電荷輸送剤を結着樹脂中に分散させた単一の層か
らなる。即ち、このような単層の有機感光層を備えた感
光体ドラム1において、明電位と暗電位との間にに示す
直線関係が成立し、特願2001−366221の補正
方法が適用されることは既に述べた通りである。
【0009】有機単層感光体の感光層中に分散させる電
荷発生剤としては、例えば、ピリリウム塩、アゾ系顔
料、ジスアゾ系顔料、アンサンスロン系顔料、フタロシ
アニン系顔料、インジコ系顔料、スレン系顔料、トルイ
ジン系顔料、ピラゾリン系顔料、ペリレン系顔料、キナ
クリドン系顔料等が例示され、所望の領域に吸収波長域
を有するよう、一種または二種以上混合して用いられ
る。
【0010】特に、現在主流であるデジタル機に好適な
電荷発生剤としては、露光光源として使用される600
〜800nmのレーザ、LED光に感度を有するフタロ
シアニン顔料、アゾ顔料が使用される。本発明において
は、前記フタロシアニンが好適に使用でき、これらの電
荷発生剤はNOx等による劣化が少なく、設定する電位
による補正が可能である。また、前記フタロシアニンに
おいて、Y型チタニルフタロシアニンは単層型感光体の
作製に使用されるTHF等の非アルコール系溶剤におい
てβ型に結晶転移するため、特開2001−18153
1に開示されるものが好ましい。
【0011】電荷輸送剤としてはそれ自体公知の任意の
電子輸送性或いは正孔輸送性のものを使用できる。その
適当な例は、次の通りである。電子輸送剤としては、ベ
ンゾキノン系化合物、ジフェノキノン系化合物、ナフト
キノン系化合物、アントラキノン系化合物、スチルベン
キノン系化合物などの電子吸引性物質を単独または2種
以上の組み合わせで用いることができる。一方、正孔輸
送性物質としては、例えば次のものが知られており、こ
れらの内から、溶解性や、正孔輸送性に優れているもの
が使用される。N−エチルカルバゾール、N−イソプロ
ピルカルバゾール、N−メチル−N−フェニルヒドラジ
ノ−3−メチリデン−9−カルバゾール、N,N−ジフ
ェニルヒドラジノ−3−メチリデン−9−エチルカルバ
ゾール、などのカルバゾール類、p−ジエチルアミノベ
ンズアルデヒド−N,N−ジフェニルヒドラゾン、p−
ジエチルアミノベンズアルデヒド−α−ナフチル−N−
フェニルヒドラゾン、p−ピロリジノベンズアルデヒド
−N,N−ジフェニルヒドラゾン、1,3,3−トリメ
チルインドレニン−ω−アルデヒド−N,N−ジフェニ
ルヒドラゾン、p−ジエチルベンズアルデヒド−3−メ
チルベンズチアゾリノン−2−ヒドラゾン、などのヒド
ラゾン類、N,N´−ジフェニル−N,N´−ビス(メ
チルフェニル)ベンジジン、N,N´−ジフェニル−
N,N´−ビス(エチルフェニル)ベンジジン、N,N
´−ジフェニル−N,N´−ビス(プロピルフェニル)
ベンジジン、N,N´−ジフェニル−N,N´−ビス
(ブチルフェニル)ベンジジン、N,N´−ビス(イソ
プロピルフェニル)ベンジジン、N,N´−ジフェニル
−N,N´−ビス(第2級ブチルフェニル)ベンジジ
ン、N,N´−ジフェニル−N,N´−ビス(第3級ブ
チルフェニル)ベンジジン、N,N´−ジフェニル−
N,N´−ビス(2,4−ジメチルフェニル)ベンジジ
ン、N,N´−ジフェニル−NN´−ビス(クロロフェ
ニル)ベンジジンなどのベンジジン系化合物等が好適に
用いられる。
【0012】上述した単層の有機感光層において、電荷
発生剤(CGM)は固形分当たり0.5乃至7重量%、
特に2乃至5重量%の範囲の内、感度に悪影響を及ぼさ
ない範囲で可及的に少ない量で感光層中に含有されるの
がよく、また電荷輸送剤(CTM)は固形分当たり20
乃至70重量%、特に25乃至60重量%の範囲の内、
感度に影響を及ぼさない範囲で可及的に少ない量で感光
層中に含有されるのがよい。また、感度の点や、反転現
像を可能とするという用途の広さからは、電子輸送剤
(ET)と、正孔輸送剤(HT)とを組み合わせで使用
するのがよく、この場合、ET:HTの重量比は10:
1乃至1:10、特に1:5乃至1:1の範囲にあるの
が最もよい。
【0013】また、電荷発生剤を分散させる樹脂媒質
(結着樹脂)としては、種々の樹脂が使用でき、例え
ば、スチレン系重合体、アクリル系重合体、スチレン−
アクリル系重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポ
リプロピレン、アイオノマー等のオレフィン系重合体、
ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポ
リエステル、アルキッド樹脂、ポリアミド、ポリウレタ
ン、エポキシ樹脂、ポリカーボネート、ポリアリレー
ト、ポリスルホン、ジアリルフタレート樹脂、シリコー
ン樹脂、ケトン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリ
エーテル樹脂、フェノール樹脂や、エポキシアクリレー
ト等の光硬化型樹脂等、各種の重合体が例示できる。こ
れらの結着樹脂は、一種または二種以上混合して用いる
こともできる。好適な樹脂は、スチレン系重合体、アク
リル系重合体、スチレン−アクリル系重合体、ポリエス
テル、アルキッド樹脂、ポリカーボネート、ポリアリレ
ート等である。好適な樹脂としては、ポリカーボネー
ト、特に帝人化成社製パンライト、三菱瓦斯化学社製P
CZ、出光興産社製タフゼット(BグレードやHグレー
ド)共重合ポリカーボネートが好適である。
【0014】結着樹脂の分子量は粘度平均分子量(PC
−A換算)で10,000〜200,000が好ましい
が、耐摩耗性と生産性を考慮すると、18,000〜8
0,000が特に好適である。更に、感光層中に占める
結着樹脂の割合は、40〜70重量%が好ましい。特に
本発明で用いる電位補正法には耐磨耗性に優れた長寿命
な感光体が必要であり、特に一般式[15]の構造の共重
合ポリカーボネートを使用して耐摩耗性の向上を図るな
らば、50〜70重量%の範囲にすることが望ましい。
【0015】また、上記の単層の有機感光層中には、電
子写真学的特性に悪影響を及ぼさない範囲で、それ自体
公知の種々の配合剤、例えば、ビフェニル、o−ターフ
ェニル、m−ターフェニル、p−ターフェニル、p−ベ
ンジルフェニル及び水素化ターフェニル等のビフェノー
ル誘導体、ステアリン酸ブチル等のアルキルエステル、
ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、
ポリエチレングリコールモノエステル、ポリエチレング
リコールモノエーテル、ポリエチレングリコールジアル
キレート、ポリエチレングリコールジアルキルエーテル
等のポリアルキルオキシド類やポリフェニレンオキシド
等の可塑剤や潤滑剤、ヒンダードアミン、ヒンダードフ
ェノール等の酸化防止剤が配合されていてもよい。ま
た、形成した膜のレベリング性の向上や潤滑性の付与を
目的として、シリコーンオイルやフッ素系オイルなどの
レベリング剤を含有させることもできる。また、全固形
分当たり0.1乃至50重量%の立体障害性フェノール
系酸化防止剤を配合すると、電子写真学的特性に悪影響
を与えることなく、感光層の耐久性を顕著に向上させる
ことができる。単層の有機感光層を設ける導電性基板と
しては、導電性を有する種々の材料が使用でき、例え
ば、アルミニウム、銅、錫、白金、金、銀、バナジウ
ム、モリブデン、クロム、カドミウム、チタン、ニッケ
ル、インジウム、ステンレス鋼、真鍮等の金属単体や、
上記金属が蒸着またはラミネートされたプラスック材
料;ヨウ化アルミニウム、酸化錫、酸化インジウム等で
被覆されたガラス等が例示される。本発明に用いる単層
有機感光体では、通常のアルミニウム素管、また膜厚が
1乃至50μmとなるようにアルマイト処理を施した素
管を用いことができる。
【0016】単層有機感光体を形成させるには、電荷発
生材料、電荷輸送剤等と結着樹脂等を、従来公知の方
法、例えば、ロールミル、ボールミル、アトライタ、ペ
イントシェイカーあるいは超音波分散機等を用いて調製
し、従来公知の塗布手段により塗布、乾燥すればよい。
感光層の厚みは、特に制限されないが、一般に10乃至
50μmの範囲内で、感度低下や残留電位増大を来さな
い範囲で可及的に厚く設けることが望ましい。
【0017】塗布液を形成するのに使用する溶剤として
は、種々の有機溶剤が使用でき、メタノール、エタノー
ル、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール類、
n−ヘキサン、オクタン、シクロヘキサン等の脂肪族系
炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭
化水素、ジクロロメタン、ジクロロエタン、四塩化炭
素、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素、ジメチル
エーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジ
オキサン、ジオキソラン、エチレングリコールジメチル
エーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等の
エーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘ
キサノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸メチル等のエ
ステル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシ
ド等、種々の溶剤が例示され、一種または二種以上混合
して用いられる。塗布液の固形分濃度は一般に5乃至5
0%とするのがよい。
【0018】また上記単層の感光層は、前記導電性基板
上に直接形成してもよいが、下引き層を介して形成する
こともできる。このような下引き層としては、カゼイ
ン、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポ
リアミド、メラミン、セルロース、ポリチオフェン、ポ
リピロール、ポリアニリン、ポリエステル、ポリアクリ
レート、ポリスチレン、フェノール樹脂等の高分子膜を
例示することができる。下引き層の厚みは、0.01μ
m乃至20μmの範囲が好ましい。また、下引き層に導
電性を付与するために、金、銀、アルミ等の金属粉末、
酸化チタン、酸化スズ等の酸化金属粉末、カーボンブラ
ック等の導電性微粉末を分散させることもできる。
【0019】感光体ドラム1の表面を主帯電するための
帯電手段2としては、コロトロンやスコロトロン等のコ
ロナ帯電器や接触帯電ローラなどが使用されるが、特に
スコロトロンが好適である。かかる帯電手段による感光
体ドラム1表面の帯電極性は、正及び負の何れでもよい
が、オゾン等の発生を防止するという見地からは、正極
性がよい。また、感光体ドラム1の主帯電電位は、同一
条件で主帯電を行うと、画像形成サイクルの繰り返しに
よる感光層の摩耗に伴って低下するが、その初期設定値
は、暗電位(Vo)と明電位(Vr)との差に相当する
コントラスト電位(Vc)が400V以上、特に550
V以上となるような電位、例えば700乃至720Vの
範囲に設定される。即ち、画像形成サイクルの繰り返し
により主帯電電位及びコントラスト電位(Vc)が低下
して画像濃度の低下等をきたしたときには、本発明に従
って補正を行ない、コントラスト電位(Vc)が上記範
囲内となるように、主帯電電位を高める。具体的には、
帯電手段2としてコロナ帯電器を用いているときには、
コロナワイヤへの印加電圧を高めたり或いはグリッド電
圧を調整することにより、また接触帯電ローラを用いて
いる場合には、該ローラへの印加電圧を高めることによ
り、主帯電電位を適正な範囲に調整することができる。
特に帯電手段2としてスコロトロンを用いている場合に
は、グリッド電圧の調整により、容易に主帯電電位の調
整を行うことができる。
【0020】レーザ光学装置3を用いての画像露光は、
それ自体公知の手段で行なうことができる。例えば、ス
キャナ等によって読み込まれた画像情報に基づいて、或
いはコンピュータ等から送られた画像情報に基づいて、
レーザ光を照射することにより行なわれる。勿論、この
ようなレーザ光学装置3を用いる代わりに、LEDを用
いたり、ハロゲンランプ等の光学系を使用し、このよう
な光学系からの原稿反射光を直接感光体ドラム1表面に
照射することにより画像露光を行なうことも可能であ
る。本発明において、レーザ光学装置3と現像手段4と
の間には、電位センサ10が設けられており、現像条件
の補正を行なうときには、この電位センサ10により、
暗電位及び明電位の測定を行なう。電位センサ10によ
る測定個所は、感光体ドラム1表面の中心部分、即ち画
像形成領域にあたる部分である。即ち、現像条件の補正
は、一定の電位に感光体ドラム1表面を帯電した後、画
像露光のための光照射を行わずに電位センサ10により
暗電位を測定し、次いで、同じ条件で同電位に帯電され
た感光体ドラム1表面について、通常の画像形成サイク
ルで行なわれる画像露光と同じ条件(例えば同じレーザ
出力)で光照射を行ない、電位センサ10により明電位
を測定する。次いで、主帯電条件を変えて、上記とは異
なる電位に帯電された感光体ドラム1表面について、上
記と同様にして暗電位及び明電位を測定する。この測定
値に基づいて、前述した演算により、現像条件の補正、
具体的には、主帯電条件の調整が行なわれ、予め設定さ
れたコントラスト電位(Vc)が得られるように、感光
体ドラム1表面の主帯電が行なわれるわけである。尚、
上記の暗電位及び明電位の測定は、異なる2つの電位に
感光体ドラム1表面を帯電させて行うことが、前述した
式(1)の直線を画定させるために必須であるが、この
ような異なる2つの電位の差は、通常、100V以上で
あることが好ましい。両者の電位差があまり小さいと、
測定誤差が大きくなるおそれがあるためである。
【0021】現像手段4は、それ自体公知であり、例え
ば、現像ローラにより、少なくとも所定極性に帯電され
たトナーを含む磁性現像剤を、磁力を利用して感光体ド
ラム1表面に搬送することにより行なわれる。このよう
な現像剤も特に制限されず、例えば非磁性トナーと、フ
ェライトや鉄粉等の磁性キャリヤとからなる二成分系現
像剤や、磁性トナーからなる一成分系現像剤の何れをも
使用することができる。トナーの帯電極性は、現像方式
によって異なり、例えば、現在汎用されている反転現像
方式では、感光体ドラム1の帯電極性と同極性であり、
正規現像方式では、感光体ドラム1の帯電極性と逆極性
であり、通常、所定の帯電部材或いはキャリヤとの摩擦
帯電により、適当な帯電量を有するように帯電される。
【0022】上記現像手段4による現像は、接触現像及
び非接触現像の何れでもよく、また、現像に際しては、
通常、現像バイアス電圧を、感光体ドラム1と現像ロー
ラとの間に印加して行なわれる。この現像バイアス電圧
は、帯電トナーを感光体ドラム1表面側に容易に移行し
得るような極性及び大きさを有するものであり、例えば
反転現像では、感光体ドラム1側がその帯電極性とは逆
性となるような向きで、且つ、絶対値が暗電位と明電位
との間の大きさとなるようなものである。従って、本発
明では、前述した現像条件の補正に伴って、上記範囲と
なるように現像バイアス電圧の調整を行なうことが好ま
しい。
【0023】転写手段5としては、コロナ帯電器や転写
ローラが使用される。コロナ帯電器を用いる場合には、
搬送されてきた転写シート9の背面を、コロナ放電によ
り帯電トナーとは逆極性にコロナ帯電させることにより
行なわれ、この場合、転写用のコロナ帯電器と共に、転
写シート9の感光体ドラム1への巻きつきを防止する分
離用帯電器を使用するのがよい。また、転写ローラを用
いる場合には、該ローラが帯電トナーと逆極性の電位と
なるような転写電圧を印加して転写が行なわれる。
【0024】クリーニング装置6は、ポリウレタン等の
ゴム製のブレード或いはローラを備えており、これらを
感光体ドラム1表面に摺擦することにより、転写後の感
光体ドラム1表面に残存するトナーが分離回収される。
また、除電ランプ7は、感光体ドラム1表面に形成され
ている単層の有機感光層が感度を有する波長の光を、該
ドラム1表面に照射することにより、感光体ドラム1表
面の残留電位を除去する。図1では、この除電ランプ7
は、感光体ドラム1の回転方向に対して下流側に配置さ
れているが、これをクリーニング装置6と転写手段5と
の間の領域に配置することも可能である。
【0025】
【実施例】本発明を次の実験例で説明する。 感光体の作製:電荷発生剤として各種フタロシアニン顔
料もしくはトリスアゾ顔料を5重量部、正孔輸送剤を5
0重量部、電子輸送剤を40重量部、結着剤として、ポ
リカーボネート樹脂を100重量部、更に溶媒としてテ
トラヒドロフラン800重量部を加え、ボールミルで5
0時間混合分散して単層型感光層用塗布液を調製し、こ
の塗布液をアルミニウム素管(Φ:78mm)上に塗布
した後、100℃で60分間熱風乾燥することにより、
膜厚が12μm、14μm、16μm、20μm及び3
6μmの単層有機感光体を作製した。
【0026】図1と同様の構成を有し、表面電位計を備
えた複写機に、上記で作製された感光体ドラムをそれぞ
れ装着した。尚、主帯電器としてはスコロトロンが使用
されている。この装置を使用し、主帯電電位を変化さ
せ、各主帯電電位毎に、暗電位と明電位とを測定した。
尚、測定に際してのレーザ出力は一定とした。
【0027】(実施例1) 電荷発生剤としてX型メタル
フリーフタロシアニン、電子輸送剤として下記式[14]
で示されるジフェノキノン化合物、
【化25】 正孔輸送剤として下記式[13]で示されるスチルベンア
ミン化合物、
【化26】 結着樹脂として下記式[15]で示されるポリカーボネー
ト、
【化27】 を用い、上記感光体作製方法に則り、各膜厚の感光体を
作製した。この感光体を用いて各膜厚において三つ以上
の複数の異なる暗電位及び明電位を測定したところ、図
2に示すように暗電位に対する明電位は比例的に変化
し、直線関係を示すことを確認した。次に36μmの膜
厚の感光体を用いて、帯電量、光量を調整し、主帯電電
圧765V、暗電位670V、明電位110Vにて前述
のように複写機にて連続の耐刷テストを約40万枚行
い、耐刷後に膜厚16μmの感光体において、異なる二
つの暗電位に帯電させ、露光後の明電位を測定したとこ
ろ、主帯電電圧820V、720Vにおいて、暗電位は
夫々673V、572V、明電位は夫々146V、12
6Vであった。これは、図2に示す初期膜厚が16μm
の感光体の暗電位−明電位直線上に一致することから、
前記電位の補正法の適用が可能であった。
【0028】(実施例2) 電子輸送剤として下記式[1
6]で示されるスチルベンキノン化合物、
【化28】 を用いる以外は実施例1と同様の材料を用い、上記感光
体作製方法に則り、各膜厚の感光体を作製した。この感
光体を用いて各膜厚において三つ以上の複数の異なる暗
電位及び明電位を測定したところ、図2に示すように暗
電位に対する明電位は比例的に変化し、直線関係を示す
ことを確認した。次に36μmの膜厚の感光体を用い
て、帯電量、光量を調整し、主帯電電圧765V、暗電
位670V、明電位110Vにて前述のように複写機に
て連続の耐刷テストを約40万枚行い、耐刷後に膜厚1
6μmの感光体において、異なる二つの暗電位に帯電さ
せ、露光後の明電位を測定したところ、主帯電電圧82
0V、720Vにおいて、暗電位は夫々670V、57
0V、明電位は夫々145V、125Vであった。これ
は、初期膜厚が16μmの感光体の暗電位−明電位直線
上に実施例1と同様、一致することから、前記電位の補
正法の適用が可能であった。
【0029】(実施例3) 電荷発生剤としてX型メタル
フリーフタロシアニン、電子輸送剤として下記式[17]
で示されるジナフトキノン化合物、
【化29】 を用いる以外は、実施例1と同様の材料を用いて、上記
感光体作製方法に則り、各膜厚の感光体を作製した。こ
の感光体を用いて各膜厚において三つ以上の複数の異な
る暗電位及び明電位を測定したところ、図2に示すよう
に暗電位に対する明電位は比例的に変化し、直線関係を
示すことを確認した。次に36μmの膜厚の感光体を用
いて、帯電量、光量を調整し、主帯電電圧765V、暗
電位670V、明電位110Vにて前述のように複写機
にて連続の耐刷テストを約40万枚行い、耐刷後に膜厚
16μmの感光体において、異なる二つの暗電位に帯電
させ、露光後の明電位を測定したところ、主帯電電圧8
20V、720Vにおいて、暗電位は夫々672V、5
76V、明電位は夫々146V、128Vであった。こ
れは、初期膜厚が16μmの感光体の暗電位−明電位直
線上に実施例1と同様、一致することから、前記電位の
補正法の適用が可能であった。
【0030】(実施例4) 電子輸送剤として下記式[1
8]で示されるアゾキノン化合物、
【化30】 を用いる以外は、実施例1と同様の材料を用いて、上記
感光体作製方法に則り、各膜厚の感光体を作製した。こ
の感光体を用いて各膜厚において三つ以上の複数の異な
る暗電位及び明電位を測定したところ、図2に示すよう
に暗電位に対する明電位は比例的に変化し、直線関係を
示すことを確認した。次に36μmの膜厚の感光体を用
いて、帯電量、光量を調整し、主帯電電圧765V、暗
電位670V、明電位110Vにて前述のように複写機
にて連続の耐刷テストを約40万枚行い、耐刷後に膜厚
16μmの感光体において、異なる二つの暗電位に帯電
させ、露光後の明電位を測定したところ、主帯電電圧8
20V、720Vにおいて、暗電位は夫々665V、5
66V、明電位は夫々143V、122Vであった。こ
れは、初期膜厚が16μmの感光体の暗電位−明電位直
線上に実施例1と同様、一致することから、前記電位の
補正法の適用が可能であった。
【0031】(実施例5) 電子輸送剤として下記式[2
2]で示されるスチルジフェノキノン化合物、
【化31】 を用いる以外は、実施例1と同様の材料を用いて、上記
感光体作製方法に則り、各膜厚の感光体を作製した。こ
の感光体を用いて各膜厚において三つ以上の複数の異な
る暗電位及び明電位を測定したところ、図2に示すよう
に暗電位に対する明電位は比例的に変化し、直線関係を
示すことを確認した。次に36μmの膜厚の感光体を用
いて、帯電量、光量を調整し、主帯電電圧765V、暗
電位670V、明電位110Vにて前述のように複写機
にて連続の耐刷テストを約40万枚行い、耐刷後に膜厚
16μmの感光体において、異なる二つの暗電位に帯電
させ、露光後の明電位を測定したところ、主帯電電圧8
20V、720Vにおいて、暗電位は夫々666V、5
67V、明電位は夫々144V、123Vであった。こ
れは、初期膜厚が16μmの感光体の暗電位−明電位直
線上に実施例1と同様、一致することから、前記電位の
補正法の適用が可能であった。
【0032】(実施例6) 電子輸送剤として下記式[2
3]で示されるスチルベンキノン化合物、
【化32】 を用いる以外は、実施例1と同様の材料を用いて、上記
感光体作製方法に則り、各膜厚の感光体を作製した。こ
の感光体を用いて各膜厚において三つ以上の複数の異な
る暗電位及び明電位を測定したところ、図2に示すよう
に暗電位に対する明電位は比例的に変化し、直線関係を
示すことを確認した。次に36μmの膜厚の感光体を用
いて、帯電量、光量を調整し、主帯電電圧765V、暗
電位670V、明電位110Vにて前述のように複写機
にて連続の耐刷テストを約40万枚行い、耐刷後に膜厚
16μmの感光体において、異なる二つの暗電位に帯電
させ、露光後の明電位を測定したところ、主帯電電圧8
20V、720Vにおいて、暗電位は夫々667V、5
67V、明電位は夫々144V、123Vであった。こ
れは、初期膜厚が16μmの感光体の暗電位−明電位直
線上に実施例1と同様、一致することから、前記電位の
補正法の適用が可能であった。
【0033】(実施例7) 電荷発生剤として前記特開2
001−181531で開示されたY型チタニルフタロ
シアニンを用いる以外は実施例1と同様の材料を用い、
上記感光体作製方法に則り、各膜厚の感光体を作製し
た。この感光体を用いて各膜厚において三つ以上の複数
の異なる暗電位及び明電位を測定したところ、図2に示
すように暗電位に対する明電位は比例的に変化し、直線
関係を示すことを確認した。次に36μmの膜厚の感光
体を用いて、帯電量、光量を調整し、主帯電電圧765
V、暗電位670V、明電位110Vにて前述のように
複写機にて連続の耐刷テストを約40万枚行い、耐刷後
に膜厚16μmの感光体において、異なる二つの暗電位
に帯電させ、露光後の明電位を測定したところ、主帯電
電圧820V、720Vにおいて、暗電位は夫々674
V、572V、明電位は夫々136V、111Vであっ
た。これは、初期膜厚が16μmの感光体の暗電位−明
電位直線上に実施例1と同様、一致することから、前記
電位の補正法の適用が可能であった。
【0034】(実施例8) 電荷発生剤として前記特開2
001−181531で開示されたY型チタニルフタロ
シアニンを用いる以外は実施例2と同様の材料を用い、
上記感光体作製方法に則り、各膜厚の感光体を作製し
た。この感光体を用いて各膜厚において三つ以上の複数
の異なる暗電位及び明電位を測定したところ、図2に示
すように暗電位に対する明電位は比例的に変化し、直線
関係を示すことを確認した。次に36μmの膜厚の感光
体を用いて、帯電量、光量を調整し、主帯電電圧765
V、暗電位670V、明電位110Vにて前述のように
複写機にて連続の耐刷テストを約40万枚行い、耐刷後
に膜厚16μmの感光体において、異なる二つの暗電位
に帯電させ、露光後の明電位を測定したところ、主帯電
電圧820V、720Vにおいて、暗電位は夫々660
V、560V、明電位は夫々131V、110Vであっ
た。これは、初期膜厚が16μmの感光体の暗電位−明
電位直線上に実施例1と同様、一致することから、前記
電位の補正法の適用が可能であった。
【0035】(実施例9) 電荷発生剤として前記特開2
001−181531で開示されたY型チタニルフタロ
シアニンを用い、結着樹脂として下記式[19]で示され
るポリカーボネート樹脂、
【化33】 を用いる以外は、実施例3と同様の材料を用いて、上記
感光体作製方法に則り、各膜厚の感光体を作製した。こ
の感光体を用いて各膜厚において三つ以上の複数の異な
る暗電位及び明電位を測定したところ、図2に示すよう
に暗電位に対する明電位は比例的に変化し、直線関係を
示すことを確認した。次に36μmの膜厚の感光体を用
いて、帯電量、光量を調整し、主帯電電圧765V、暗
電位670V、明電位110Vにて前述のように複写機
にて連続の耐刷テストを約30万枚行い、耐刷後に膜厚
16μmの感光体において、異なる二つの暗電位に帯電
させ、露光後の明電位を測定したところ、主帯電電圧8
20V、720Vにおいて、暗電位は夫々669V、5
71V、明電位は夫々136V、113Vであった。こ
れは、初期膜厚が16μmの感光体の暗電位−明電位直
線上に実施例1と同様、一致することから、前記電位の
補正法の適用が可能であった。
【0036】(実施例10) 電荷発生剤として前記特開
2001−181531で開示されたY型チタニルフタ
ロシアニン、電子輸送剤として下記式[20]で示される
ジスアゾキノン化合物、
【化34】 正孔輸送剤として式[13]で示されるスチルベンアミン
化合物、結着樹脂として式[19]で示されるポリカーボ
ネート樹脂を用い、上記感光体作製方法に則り、各膜厚
の感光体を作製した。この感光体を用いて各膜厚におい
て三つ以上の複数の異なる暗電位及び明電位を測定した
ところ、図2に示すように暗電位に対する明電位は比例
的に変化し、直線関係を示すことを確認した。次に36
μmの膜厚の感光体を用いて、帯電量、光量を調整し、
主帯電電圧765V、暗電位670V、明電位110V
にて前述のように複写機にて連続の耐刷テストを約30
万枚行い、耐刷後に膜厚16μmの感光体において、異
なる二つの暗電位に帯電させ、露光後の明電位を測定し
たところ、主帯電電圧820V、720Vにおいて、暗
電位は夫々671V、577V、明電位は夫々133
V、114Vであった。これは、初期膜厚16μmの感
光体の暗電位−明電位直線上に実施例1と同様、一致す
ることから、前記電位の補正法の適用が可能であった。
【0037】(実施例11) 電荷発生剤として前記特開
2001−181531で開示されたY型チタニルフタ
ロシアニン、電子輸送剤として下記式[24]で示される
キノン化合物、
【化35】 正孔輸送材として式[13]で示されるスチルベンアミン
化合物、結着樹脂として式[19]で示されるポリカーボ
ネート樹脂を用い、上記感光体作製方法に則り、各膜厚
の感光体を作製した。この感光体を用いて各膜厚におい
て三つ以上の複数の異なる暗電位及び明電位を測定した
ところ、図2に示すように暗電位に対する明電位は比例
的に変化し、直線関係を示すことを確認した。次に36
μmの膜厚の感光体を用いて、帯電量、光量を調整し、
主帯電電圧765V、暗電位670V、明電位110V
にて前述のように複写機にて連続の耐刷テストを約30
万枚行い、耐刷後に膜厚16μmの感光体において、異
なる二つの暗電位に帯電させ、露光後の明電位を測定し
たところ、主帯電電圧820V、720Vにおいて、暗
電位は夫々671V、577V、明電位は夫々137
V、117Vであった。これは、初期膜厚16μmの感
光体の暗電位−明電位直線上に実施例1と同様、一致す
ることから、前記電位の補正法の適用が可能であった。
【0038】(実施例12) 電荷発生剤としてヒドロキ
シガリウムフタロシアニン、電子輸送剤として式[14]
で示されるジフェノキノン化合物、正孔輸送剤として式
[13]で示されるスチルベンアミン化合物、結着樹脂と
して式[18]で示されるポリカーボネート樹脂を用い、
上記感光体作製方法に則り、各膜厚の感光体を作製し
た。この感光体を用いて各膜厚において三つ以上の複数
の異なる暗電位及び明電位を測定したところ、図2に示
すように暗電位に対する明電位は比例的に変化し、直線
関係を示すことを確認した。次に36μmの膜厚の感光
体を用いて、帯電量、光量を調整し、主帯電電圧765
V、暗電位670V、明電位110Vにて前述のように
複写機にて連続の耐刷テストを約30万枚行い、耐刷後
に膜厚16μmの感光体において、異なる二つの暗電位
に帯電させ、露光後の明電位を測定したところ、主帯電
電圧820V、720Vにおいて、暗電位は夫々673
V、572V、明電位は夫々157V、137Vであっ
た。これは、初期膜厚が16μmの感光体の暗電位−明
電位直線上に実施例1と同様、一致することから、前記
電位の補正法の適用が可能であった。
【0039】(実施例13) 電荷発生剤としてヒドロキ
シガリウムフタロシアニン、電子輸送剤として式[16]
で示されるスチルベンキノン化合物、正孔輸送剤として
式[13]で示されるスチルベンアミン化合物、結着樹脂
として式[18]で示されるポリカーボネート樹脂を用
い、上記感光体作製方法に則り、各膜厚の感光体を作製
した。この感光体を用いて各膜厚において三つ以上の複
数の異なる暗電位及び明電位を測定したところ、図2に
示すように暗電位に対する明電位は比例的に変化し、直
線関係を示すことを確認した。次に36μmの膜厚の感
光体を用いて、帯電量、光量を調整し、主帯電電圧76
5V、暗電位670V、明電位110Vにて前述のよう
に複写機にて連続の耐刷テストを約30万枚行い、耐刷
後に膜厚が16μmの感光体において、異なる二つの暗
電位に帯電させ、露光後の明電位を測定したところ、主
帯電電圧820V、720Vにおいて、暗電位は夫々6
68V、568V、明電位は夫々154V、138Vで
あった。これは、初期膜厚16μmの感光体の暗電位−
明電位直線上に実施例1と同様、一致することから、前
記電位の補正法の適用が可能であった。
【0040】(実施例14) 電荷発生剤としてヒドロキ
シガリウムフタロシアニン、電子輸送剤として式[17]
で示されるジナフトキノン化合物、正孔輸送剤として式
[13]で示されるスチルベンアミン化合物、結着樹脂と
して式[19]で示されるポリカーボネート樹脂を用い、
上記感光体作製方法に則り、各膜厚の感光体を作製し
た。この感光体を用いて各膜厚において三つ以上の複数
の異なる暗電位及び明電位を測定したところ、図2に示
すように暗電位に対する明電位は比例的に変化し、直線
関係を示すことを確認した。次に36μmの膜厚の感光
体を用いて、帯電量、光量を調整し、主帯電電圧765
V、暗電位670V、明電位110Vにて前述のように
複写機にて連続の耐刷テストを約30万枚行い、耐刷後
に膜厚16μmの感光体において、異なる二つの暗電位
に帯電させ、露光後の明電位を測定したところ、主帯電
電圧820V、720Vにおいて、暗電位は夫々676
V、564V、明電位は夫々156V、139Vであっ
た。これは、初期膜厚が16μmの感光体の暗電位−明
電位直線上に実施例1と同様、一致することから、前記
電位の補正法の適用が可能であった。
【0041】(実施例15) 電荷発生剤としてヒドロキ
シガリウムフタロシアニン、電子輸送剤として下記式
[21]のナフトキノン化合物、
【化36】 正孔輸送剤として式[13]で示されるスチルベンアミン
化合物、結着樹脂として式[19]で示されるポリカーボ
ネート樹脂を用い、上記感光体作製方法に則り、各膜厚
の感光体を作製した。この感光体を用いて各膜厚におい
て三つ以上の複数の異なる暗電位及び明電位を測定した
ところ、図2に示すように暗電位に対する明電位は比例
的に変化し、直線関係を示すことを確認した。次に36
μmの膜厚の感光体を用いて、帯電量、光量を調整し、
主帯電電圧765V、暗電位670V、明電位110V
にて前述のように複写機にて連続の耐刷テストを約40
万枚行い、耐刷後に膜厚16μmの感光体において、異
なる二つの暗電位に帯電させ、露光後の明電位を測定し
たところ、主帯電電圧820V、720Vにおいて、暗
電位は夫々671V、571V、明電位は夫々154
V、136Vであった。これは、初期膜厚が16μmの
感光体の暗電位−明電位直線上に実施例1と同様、一致
することから、前記電位の補正法の適用が可能であっ
た。
【0042】(比較例1) 電荷発生剤として銅フタロシ
アニン、電子輸送剤として2,4,7トリニトロ−9−
フルオレノン、正孔輸送剤として、結着樹脂としてビス
フェノールA型ポリカーボネートを用い、上記感光体作
製方法に則り、各膜厚の感光体を作製した。この感光体
を用いて各膜厚において三つ以上の複数の異なる暗電位
及び明電位を測定したところ、図2に示すように比例的
に変化し、暗電位に対する明電位は直線関係を示すこと
を確認した。次に36μmの膜厚のものを用いて、16
μmに減少するまで、前述のように複写機にて連続の耐
刷テストを約15万枚行った。この耐刷後の膜厚16μ
mの感光体を用いて暗電位と明電位の関係を測定した結
果、図3に示すように暗電位−明電位に直線関係がなか
ったため、前記電位の補正法の適用が不可能であった。
【0043】(比較例2) 電荷発生剤として銅フタロシ
アニン、電子輸送剤として2,4,7トリニトロ−9−
フルオレノン、正孔輸送剤として、結着樹脂としてを用
い、上記感光体作製方法に則り、各膜厚の感光体を作製
した。この感光体を用いて各膜厚において三つ以上の複
数の異なる暗電位及び明電位を測定したところ、図2に
示すように比例的に変化し、暗電位に対する明電位は直
線関係を示すことを確認した。次に36μmの膜厚のも
のを用いて、16μmに減少するまで、前述のように複
写機にて連続の耐刷テストを約15万枚行った。この耐
刷後の感光体を用いて暗電位と明電位の関係を測定した
結果、比較例1と同様に暗電位ー明電位に直線関係がな
かったため、前記電位の補正法の適用が不可能であっ
た。
【0044】(比較例3) 電荷発生剤として銅フタロシ
アニン、電子輸送剤として2,4,7トリニトロ−9−
フルオレノン、正孔輸送剤として、結着樹脂としてを用
い、上記感光体作製方法に則り、各膜厚の感光体を作製
した。この感光体を用いて各膜厚において三つ以上の複
数の異なる暗電位及び明電位を測定したところ、図2に
示すように比例的に変化し、暗電位に対する明電位は直
線関係を示すことを確認した。次に36μmの膜厚のも
のを用いて、16μmに減少するまで、前述のように複
写機にて連続の耐刷テストを15万枚行った。この耐刷
後の感光体を用いて暗電位と明電位の関係を測定した結
果、比較例1と同様に暗電位ー明電位に直線関係がなか
ったため、前記電位の補正法の適用が不可能であった。
【0045】(比較例4) 電荷発生剤として下記式[2
5]、
【化37】 で示されるアゾ顔料、電子輸送剤として2,4,7トリ
ニトロ−9−フルオレノン、正孔輸送剤として、結着樹
脂としてビスフェノールA型ポリカーボネートを用い、
上記感光体作製方法に則り、各膜厚の感光体を作製し
た。この感光体を用いて各膜厚において三つ以上の複数
の異なる暗電位及び明電位を測定したところ、図2に示
すように比例的に変化し、暗電位に対する明電位は直線
関係を示すことを確認した。次に36μmの膜厚のもの
を用いて、16μmに減少するまで、前述のように複写
機にて連続の耐刷テストを約15万枚行った。この耐刷
後の感光体を用いて暗電位と明電位の関係を測定した結
果、比較例1と同様に暗電位ー明電位に直線関係がなか
ったため、前記電位の補正法の適用が不可能であった。
【0046】(比較例5) 電荷発生剤として下記式[2
5]で示されるアゾ顔料、電子輸送剤として2,4,7
トリニトロ−9−フルオレノン、正孔輸送剤として、結
着樹脂としてを用い、上記感光体作製方法に則り、各膜
厚の感光体を作製した。この感光体を用いて各膜厚にお
いて三つ以上の複数の異なる暗電位及び明電位を測定し
たところ、図2に示すように比例的に変化し、暗電位に
対する明電位は直線関係を示すことを確認した。次に3
6μmの膜厚のものを用いて、16μmに減少するま
で、前述のように複写機にて連続の耐刷テストを約15
万枚行った。この耐刷後の感光体を用いて暗電位と明電
位の関係を測定した結果、比較例1と同様に暗電位ー明
電位に直線関係がなかったため、前記電位の補正法の適
用が不可能であった。
【0047】(比較例6) 電荷発生剤として下記式[2
5]で示されるアゾ顔料、電子輸送剤として2,4,7
トリニトロ−9−フルオレノント、正孔輸送剤として、
結着樹脂としてビスフェノールA型ポリカーボネートを
用い、上記感光体作製方法に則り、各膜厚の感光体を作
製した。この感光体を用いて各膜厚において三つ以上の
複数の異なる暗電位及び明電位を測定したところ、図2
に示すように比例的に変化し、暗電位に対する明電位は
直線関係を示すことを確認した。次に36μmの膜厚の
ものを用いて、16μmに減少するまで、前述のように
複写機にて連続の耐刷テストを約15万枚行った。この
耐刷後の感光体を用いて暗電位と明電位の関係を測定し
た結果、比較例1と同様に暗電位ー明電位に直線関係が
なかったため、前記電位の補正法の適用が不可能であっ
た。
【0048】(比較例7) 電荷発生剤として下記式[2
5]、で示されるアゾ顔料、電子輸送剤として2,4,
7トリニトロ−9−フルオレノン、正孔輸送剤として、
結着樹脂としてビスフェノールA型ポリカーボネートを
用い、上記感光体作製方法に則り、各膜厚の感光体を作
製した。この感光体を用いて各膜厚において三つ以上の
複数の異なる暗電位及び明電位を測定したところ、図2
に示すように各膜厚において比例的に変化し、暗電位に
対する明電位は直線関係を示すことを確認した。次に3
6μmの膜厚のものを用いて、16μmに減少するま
で、前述のように複写機にて連続の耐刷テストを約15
万枚行った。この耐刷後の感光体を用いて暗電位と明電
位の関係を測定した結果、比較例1と同様に暗電位ー明
電位に直線関係がなかったため、前記電位の補正法の適
用が不可能であった。
【0049】(比較例8) 電荷発生剤として下記式[2
5]で示されるアゾ顔料、電子輸送剤として2,4,7
トリニトロ−9−フルオレノン、正孔輸送剤として、結
着樹脂としてビスフェノールA型ポリカーボネートを用
い、上記感光体作製方法に則り、各膜厚の感光体を作製
した。この感光体を用いて各膜厚において複数の異なる
暗電位及び明電位を測定したところ、図2に示すように
比例的に変化し、暗電位に対する明電位は直線関係を示
すことを確認した。次に36μmの膜厚のものを用い
て、16μmに減少するまで、前述のように複写機にて
連続の耐刷テストを約15万枚行った。この耐刷後の感
光体を用いて暗電位と明電位の関係を測定した結果、比
較例1と同様に暗電位−明電位に直線関係がなかったた
め、前記電位の補正法の適用が不可能であった。
【0050】(比較例9) 電荷発生剤として下記式[2
5]で示されるアゾ顔料、電子輸送剤として2,4,7
トリニトロ−9−フルオレノン、正孔輸送剤として、結
着樹脂としてビスフェノールA型ポリカーボネートを用
い、上記感光体作製方法に則り、各膜厚の感光体を作製
した。この感光体を用いて各膜厚において三つ以上の複
数の異なる暗電位及び明電位を測定したところ、図2に
示すように比例的に変化し、暗電位に対する明電位は直
線関係を示すことを確認した。次に36μmの膜厚のも
のを用いて、16μmに減少するまで、前述のように複
写機にて連続の耐刷テストを約15万枚行った。この耐
刷後の感光体を用いて暗電位と明電位の関係を測定した
結果、比較例1と同様に暗電位ー明電位に直線関係がな
かったため、前記電位の補正法の適用が不可能であっ
た。これらの比較例1〜9において、耐刷後の感光体の
暗電位と明電位が直線関係を示さない原因としては、オ
ゾン、NOx等のガスによる感光層表面の汚染による劣
化や軽微なトナーフィルミング等が考えられる。
【0051】
【発明の効果】本発明によれば、有機単層感光体では、
暗電位と明電位とが直線関係(比例関係)にあるという
知見に基づき、2点の主帯電電位のそれぞれについて、
暗電位と明電位とを測定することにより、その感光層膜
厚での上記直線関係を画定せることによって、適正なコ
ントラスト電位を与えるような主帯電条件の補正法に対
して、適応可能な単層感光体を用いることで、サービス
マンの労力を著しく軽減することできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本感光体を耐刷評価した、画像形成装置のプロ
セスを示す概略断面図。
【図2】本感光体の各膜厚における、暗電位−明電位の
関係と実施例の耐刷後ドラムの暗電位−明電位の関係を
示すグラフ。
【図3】本感光体の各膜厚における、暗電位−明電位の
関係と比較例の耐刷後ドラムの暗電位−明電位の関係を
示すグラフ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 5/06 315 G03G 5/06 315D 319 319 372 372 15/02 102 15/02 102 (72)発明者 永島 高志 大阪市中央区玉造1丁目2番28号 京セラ ミタ株式会社内 (72)発明者 阪根 広規 大阪市中央区玉造1丁目2番28号 京セラ ミタ株式会社内 (72)発明者 田中 敬 大阪市中央区玉造1丁目2番28号 京セラ ミタ株式会社内 (72)発明者 彦阪 有儀 大阪市中央区玉造1丁目2番28号 京セラ ミタ株式会社内 Fターム(参考) 2H027 DA02 DE05 DE10 EA01 EC14 EC18 2H068 AA19 AA20 AA31 BA12 BA13 BA14 BA16 BA38 BA39 BA63 BA64 BB26 FA02 FC02 2H200 FA02 FA18 GA16 GA23 GA35 GA45 GA46 GB12 GB15 HA12 HA29 HA30 HB28 PA02 PB04

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 感光体表面を均一に主帯電し、帯電され
    た該感光体表面に画像情報に基づいて光照射を行なって
    静電潜像を形成し、この静電潜像を、一定の現像バイア
    ス電圧を印加しながら現像することにより画像形成を行
    う電子写真方法において、上記感光体が、少なくともX
    型メタルフリーフタロシアニン、Y型チタニルフタロシ
    アニン、α型チタニルフタロシアニン、V型ヒドロキシ
    ガリウムフタロシアニンの各フタロシアニン顔料から選
    択される電荷発生材料と正孔輸送剤、電子輸送剤を含有
    する有機感光体であり、 予め、主帯電後の上記感光体表面の暗電位と明電位との
    差に相当するコントラスト電位(Vc=Vo−Vr)を
    設定しておき、次いで、一定状態の前記感光体につい
    て、その表面を、異なる2つの主帯電電位に帯電させ、
    それぞれについて暗電位と明電位とを測定し、該測定結
    果に基づいて、下記式: Vr=α・Vo+β (1) 式中、Voは、暗電位(V)を示し、 Vrは、明電位(V)を示し、 α及びβは、それぞれ定数を示す、からα及びβを算出
    し、 前記算出結果から画定される式(1)のVo−Vr直線
    と前記コントラスト電位(Vc)とから、上記コントラ
    スト電位(Vc)を示す暗電位を算出し、このような暗
    電位が得られるように、主帯電条件を変更する電位設定
    の補正方法。
  2. 【請求項2】 電子輸送剤が下記一般式[1]、 【化1】 〔R1〜R4は、同一又は異なっていて、水素原子、炭素
    数1〜12のアルキル基、アルコキシ基、置換基を有し
    てもよいアリール基、シクロアルキル基、置換基を有し
    ても良いアルキル基を示す。〕下記一般式[2]、 【化2】 〔R5〜R8は、同一又は異なっていて、水素原子、炭素
    数1〜12のアルキル基、アルコキシ基、置換基を有し
    てもよいアリール基、シクロアルキル基、置換基を有し
    ても良いアルキル基を示す。〕下記一般式[3]、 【化3】 〔R9、R10は、同一又は異なっていて、水素原子、炭
    素数1〜12のアルキル基、アルコキシ基、置換基を有
    してもよいアリール基、シクロアルキル基、置換基を有
    しても良いアルキル基を示す。〕下記一般式[4]、 【化4】 〔R11、R12は、同一又は異なっていて、水素原子、炭
    素数1〜12のアルキル基、アルコキシ基、置換基を有
    してもよいアリール基、シクロアルキル基、置換基を有
    しても良いアルキル基を示す。R18〜R17は、同一又は
    異なっていて、水素原子、炭素数1〜12のアルキル
    基、アルコキシ基、置換基を有してもよいアリール基、
    アラルキル基、フェノキシ基を示し、又二つ以上の基が
    結合して環を形成しても良い。置換基はハロゲン、炭素
    数1〜6のアルキル基、アルコキシ基、水酸基、シアノ
    基、アミノ基、ニトロ基、ハロゲン化アルキル基を示
    す。〕下記一般式[5]、 【化5】 〔R18〜R21は、同一又は異なっていて、水素原子、炭
    素数1〜12のアルキル基、アルコキシ基、置換基を有
    してもよいアリール基、シクロアルキル基、置換基を有
    しても良いアルキル基を示す。R22、R23は同一又は異
    なっていて、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基を
    示す。R24〜R31は同一又は異なっていて、水素原子、
    炭素数1〜12のアルキル基、アルコキシ基、置換基を
    有してもよいアリール基、アラルキル基を示す。置換基
    はハロゲン、炭素数1〜6のアルキル基、アルコキシ
    基、水酸基、シアノ基、アミノ基、ニトロ基、ハロゲン
    化アルキル基を示す。〕下記一般式[6]、 【化6】 〔R32はハロゲン、置換基を有してもよいアルキル基、
    アリール基を示し、R33は置換基を有してもよいアルキ
    ル基、アリール基又は、−OR33aを示す。R33aは置換
    基を有しても良いアルキル基又はアリール基を示す。〕
    下記一般式[7]、 【化7】 〔式中、R34、R35は、同一又は異なっていて、水素原
    子、炭素数1〜12のアルキル基、アルコキシ置、置換
    基を有しても良いアラルキル基、ハロゲン化アルキル基
    を示す。置換基は、ハロゲン、炭素数1〜6のアルキル
    基、アルコキシ基、水酸基、シアノ基、アミノ基、ニト
    ロ基、ハロゲン化アルキル基を示す。〕下記一般式
    [8]、 【化8】 〔式中、R36、R37は、同一又は異なっていて、水素原
    子、炭素数1〜12のアルキル基、アルコキシ置、置換
    基を有しても良いアラルキル基、ハロゲン化アルキル基
    を示す。置換基は、ハロゲン、炭素数1〜6のアルキル
    基、アルコキシ基、水酸基、シアノ基、アミノ基、ニト
    ロ基、ハロゲン化アルキル基を示す。〕下記一般式
    [9]、 【化9】 〔式中、R38、R39は、置換基を有しても良いアルキル
    基、アリール基、−(CH2k−O−Rを示す。kは1
    以上。〕から選択されるれる化合物を用いる有機単層感
    光体であることを特徴とする請求項1記載の電位設定の
    補正方法。
  3. 【請求項3】 正孔輸送剤が下記一般式[10]、 【化10】 〔R101〜R124は、同一又は異なる水素、炭素数1〜6
    のアルキル基、アルコキシ基を示すか又は、環を形成し
    ても良い。Xは置換基を有しても良いフェニル基、ナフ
    チル基、ビフェニル基を示す。〕で示されるスチルベン
    化合物を用いる有機単層感光体であることを特徴とする
    請求項1記載の電位設定の補正方法。
  4. 【請求項4】 結着樹脂が下記一般式[11]、 【化11】 〔R40、R41、R42、R43は、水素、炭素数が1〜3の
    アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン示す。n、mは
    0.1<n/(n+m)<0.3を満たす。〕下記一般式
    [12]、 【化12】 〔R44、R45は水素もしくは、メチル基を示す。〕から
    選択されるされるポリカーボネートを用いる有機感光体
    であることを特徴とする請求項1記載の電位設定の補正
    方法。
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