JP3598091B2 - 電子写真装置における感光体表面電位測定方法 - Google Patents

電子写真装置における感光体表面電位測定方法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、複写機などの電子写真装置において、感光体の表面電位を測定する方法に関するものであり、より詳細には、感光体の暗電位と明電位とを複数回測定する場合における表面電位測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真による画像形成では、感光体表面を所定の電位に均一に主帯電し、この状態で、画像情報に基づいて光照射を行ない、静電潜像を形成する。即ち、光が照射された部分の電位は低下し(明電位)、一方、光が照射されない部分の電位はほとんど低下せず(暗電位)、暗電位と明電位との電位差により、画像情報に対応する電荷像(静電潜像)が形成されるわけである。従って、現在汎用されている反転現像方式では、主帯電極性と同極性に帯電された現像剤(トナー)を感光体表面に供給し、該トナーが感光体表面側に移行し得るような現像バイアスを印加することにより、該トナーが、電位の低い光照射部分に付着し、可視像化されたトナー像が形成され、光未照射部分が画像のバックグラウンドとなる。このようにして形成されたトナー像は、転写紙等の転写シートに転写し、転写シート上のトナー像を定着することにより、画像形成工程が完了する。
【0003】
従って、上記のような電子写真法により画像形成が行なわれる電子写真装置では、感光体の表面電位により得られる画像の画質が大きく変動する。即ち、暗電位と明電位との差(以下、コントラスト電位(Vc)と呼ぶ)が得られる画像のコントラストに相当し、鮮明な画像を得るためには、このようなコントラスト電位(Vc)が一定値以上となるように、帯電条件を設定する必要がある。
このために、電子写真装置の製造工程においては、感光体が装着された状態で暗電位と明電位をそれぞれ複数回測定し、コントラスト電位(Vc)が適正な値となるように、帯電条件の初期設定或いは初期設定値の確認等が行なわれることがある。また、市販された電子写真装置においても、感光体を交換する際に、暗電位及び明電位をそれぞれ繰り返し測定し、帯電条件の設定が行なわれることもある。
【0004】
また、上記のような電子写真装置で使用される感光体としては、セレン、アモルファスシリコン等の無機感光体や、電荷発生剤や電荷輸送剤を含有する有機感光層を導電性基体上に形成させた有機感光体が知られており、特に有機感光体は、軽量性やコストの点で優れており、現在、広く使用されている。しかしながら、特に有機感光体は、画像形成工程中で行なわれるクリーニング(感光体表面に付着残存したトナーの除去)により摩耗し、画像形成を繰り返し行っていくうちに感光層厚みが大きく低下していく。このような感光層厚みの低下に伴い、適正なコントラスト電位(Vc)を確保するために、画像形成工程をある程度繰り返した後に、感光体の電位調整を行なうことが必要になることが多く、従って、有機感光体を用いた電子写真装置では、特に、上述した暗電位及び明電位の測定が行なわれることが多い。
【0005】
更に、有機感光体には、電荷発生剤及び電荷輸送剤が単一の有機感光層中に分散されている単層型のもの(有機単層感光体)と、電荷発生剤を分散させた電荷発生層と、電荷発生層上に形成され且つ電荷輸送剤を分散させた電荷輸送層とから有機感光層が形成されている積層型のもの(有機積層感光体)とが知られている。この内、有機単層感光体については、感光層厚みが一定のとき、画像露光条件(例えば光照射に用いるレーザの出力)が一定であることを条件として、暗電位と明電位との間に、比例関係が成立するという特有の性質を有していることが本出願人により見出されている。即ち、感光層厚みが一定の有機単層感光体では、下記式(1):
Vr=α・Vo+β (1)
式中、Voは、暗電位(V)を示し、
Vrは、明電位(V)を示し、
α及びβは、それぞれ定数を示す、
が成立する。従って、このような有機単層感光体の特有の性質を利用すれば、コントラスト電位(Vc)が適正な値となるような電位調整を容易に行なうことが可能となる(これについては、別途特許出願中)。
【0006】
例えば、ある程度画像形成工程を繰り返し、画像が不鮮明になったときに、異なる2つの帯電条件のそれぞれについて、暗電位及び明電位を測定することにより、これらの測定値から上記式(1)のα及びβを算出し、この状態での式(1)を画定することができる。一方、コントラスト電位(Vc)は、下記式(2)で表される。
Vc=Vo−Vr (2)
式中、Voは、暗電位(V)を示し、
Vrは、明電位(V)を示す。
従って、鮮明な画像が得られるようなコントラスト電位(Vc)の適正値を設定しておけば、上記で画定した式(1)と式(2)とから、このようなコントラスト電位(Vc)を与える暗電位を算出することができ、かくして鮮明な画像が得られるような電位調整を容易に行なうことができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記で説明したように、電子写真装置では、鮮明な画像を得るために感光体の電位調整を行なうことは重要であり、このために、暗電位及び明電位の測定を行なうことが必要である。特に、前述した有機単層感光体では、その特有の性質を利用して電位調整を行なうためには、2つの異なる主帯電条件毎に、暗電位と明電位とを測定しなければならない。
しかしながら、複写機等の電子写真装置に装着された感光体について、暗電位及び明電位の測定を行なう場合には、同時に現像が行なわれるため、無駄なトナーが消費されるという問題がある。また、消費されたトナーが飛散して装置内が汚染されてしまうこともある。即ち、この測定時には、トナーの転写シートへの転写は行なわれないため、感光体表面に付着したトナーの全てがクリーニング部に送られ、クリーニング部の汚染が一気に増大し、消費されたトナーが転写シートの搬送経路上に落下してしまうこともある。これらの不都合は、当然のことながら、暗電位及び明電位の測定を、繰り返し行なうほど顕著となる。
【0008】
従って、本発明の目的は、反転現像法により画像形成が行なわれる電子写真装置において、暗電位及び明電位の測定を繰り返し行なった場合にも、測定に際しての無駄なトナーの消費を有効に防止し得る感光体表面電位の測定方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、感光体表面を均一に主帯電し、帯電された該感光体表面に画像情報に基づいて画像露光を行って静電潜像を形成し、一定の現像バイアスを印加しながら、反転現像法により、感光体の帯電極性と同極性に帯電されたトナーにより現像を行う電子写真装置について、前記画像露光を行う領域と前記現像を行う領域との間に電位センサを設け、該感光体を異なる2つの主帯電電位に主帯電し、それぞれの主帯電電位について、画像露光による光照射を行ったときの感光体表面の明電位を、該電位センサにより測定し、且つ該2つの主帯電電位のうちの少なくとも一の主帯電電位について、該電位センサにより、光照射を行わずに感光体表面の暗電位を測定する感光体表面電位測定方法において、
暗電位測定時には、所定の現像バイアスが印加され、明電位測定時には、該現像バイアスを低下させ或いはゼロにするとともに、2つの主帯電電位についての明電位の測定を、間に暗電位の測定を挟まずに連続して行うことを特徴とする感光体表面電位測定方法が提供される。
【0010】
【発明の実施形態】
[作用]
本発明の原理を説明するための図1において、この例は、暗電位−明電位−暗電位の順に表面電位の測定を行なったときの電位測定部での感光体の表面電位を示したものであり、図1中、実線が感光体の表面電位を表し、破線は現像バイアスを表す。この現像バイアスは、感光体に対面して現像装置中に配置されている現像ローラの表面電位に相当する。また、説明の便宜上、2回の暗電位は、同じレベルで示してある。
【0011】
先ず、感光体を主帯電し、このときの暗電位を測定する場合には、光照射がされず、光減衰を生じないため、この電位はかなり高いレベルにある。このような暗電位に保持された感光体の表面部分は、電位測定後にそのまま現像域に搬送される。反転現像法においては、現像域には、この帯電極性と同極性に帯電されたトナーが現像ローラ上に保持されているから、暗電位に保持された感光体表面がそのまま現像域を通過すると、トナーは現像されないが、例えばキャリヤ(トナーとは逆極性に帯電されている)が現像され、感光体がキャリヤを引き、現像剤毎持っていってしまう現象を生じるおそれがり、また、電荷の反発力が強く、トナー飛散を生じることもある。
従って、暗電位を測定するときには、図1に示すように、暗電位よりも低いレベルの現像バイアスを印加しておく。即ち、この現像バイアスは、通常の現像時に印加されるものと同一であってよい。
【0012】
一方、明電位は、光照射によって光減衰するため、暗電位よりもかなり低いレベルにある。従って、明電位を引き続いて測定するときに、そのまま現像バイアスを印加しておくと、帯電トナーによる現像が行なわれてしまい、感光体表面の全面にわたってトナーが付着してしまう。従って、このときには、図1に示されているように、現像バイアスを、少なくとも明電位よりも低いレベルとなるように低下させるか、或いは現像バイアスをゼロとすることが必要となる。
【0013】
上記の説明から明らかな通り、暗電位と明電位とを測定するときには、測定の切り換えに際して、同時に現像バイアスの高低を切り換える必要がある。
しかしながら、上記のような現像バイアスによる制御を行なっても、暗電位と明電位との測定を繰り返して行なう場合には、依然として、その測定回数に応じてトナー消費量が増大していく。即ち、暗電位から明電位への切り換えと同時に現像バイアスの切り換えることは、電圧印加のためのトランスの応答時間のバラツキ等があり、現実的には不可能であり、図1に示されているように、暗電位から明電位への切り換え時と、現像バイアスの切り換え時との間にはタイムラグを生じており、この間に、トナー消費が生じる。
例えば、感光体表面が明電位に維持されている状態で、暗電位測定時と同じレベルの現像バイアスが印加されていると、通常の反転現像と同じ条件設定となってしまうため、明電位部分が現像されてトナーが付着してしまう。また、暗電位測定時に、現像バイアスが明電位測定時と同様の低レベルに設定されていると、現像剤毎飛散させてしまうため、図1に示すように、明電位から暗電位の切り換えに際しては、若干早めのタイミングで現像バイアスが高レベルに切り換えられるが、このときに生じるタイミングのずれにより、やはり、明電位部分が現像されてトナーが付着してしまう。
【0014】
以上の説明から理解されるように、暗電位及び明電位を繰り返し測定するときには、現像バイアスの切り換えのみでは、暗電位から明電位への切り換え時、或いは明電位から暗電位の切り換え時に生じるトナー付着を防止することができない。
従って、本発明では、暗電位及び明電位を繰り返し測定するときには、少なくとも明電位を連続して測定する。即ち、2つの帯電条件毎に、暗電位と明電位と測定するときには、例えば、暗電位−明電位−明電位−暗電位、暗電位−暗電位−明電位−明電位、明電位−明電位−暗電位−暗電位のように、明電位を連続して測定することにより、暗電位から明電位、或いは明電位から暗電位への切り換え回数を可及的に少なくすることにより、これら切り換え時のトナー付着を防止するものである。かかる本発明において、上記の切り換え回数を最も少なくする上で、暗電位−暗電位−明電位−明電位或いは明電位−明電位−暗電位−暗電位のように、連続して暗電位又は明電位を測定した後、連続して明電位又は暗電位を測定することが最も望ましいことが理解されよう。
尚、上記では、2つの帯電条件毎に、暗電位と明電位と測定するときを例にとって説明したが、3回、或いはそれ以上の帯電条件毎に、暗電位と明電位と測定するときも全く同様である。
【0015】
[電子写真装置]
本発明の電位測定方法を適用する電子写真装置の一例を示す図2において、回転可能に設けられている感光体ドラム1の周囲には、その回転方向に沿って、帯電手段2、レーザ光学装置3、現像手段4、転写手段5、クリーニング装置6及び除電ランプ7が配置されており、所定の紙等の転写シート9が転写手段5と感光体ドラム2との間に搬送され、この転写シート9の表面に、画像が形成されるようになっている。
また、レーザ光学装置3と現像手段4との間には、電位センサ10が設けられており、更に、図1では省略されているが、上記転写シート9の排出側には、熱ローラ等からなる定着装置が配置されている。
【0016】
即ち、感光体ドラム1の全面を、帯電手段2により所定極性に一様に主帯電し、次いで、レーザ光学装置3を用いて、所定の画像情報に基づいてレーザ光が帯電された感光体ドラム1の表面に照射され、画像露光による静電潜像の形成が行なわれる。
このようにして形成された静電潜像は、現像手段4により現像され、トナー像が感光体ドラム1表面に形成される。
形成されたトナー像は、転写手段5により、転写シート9の表面に転写され、トナー像が転写された転写シート9は、図示されていない定着装置に導入され、熱及び圧力により、トナー像が転写シート9の表面に定着される。
一方、トナー像を転写シート9に転写した後は、クリーニング装置6により感光体ドラム1表面に付着残存するトナーが除去され、更に除電ランプによる光照射によって、感光体ドラム1表面に残存する電荷が除去され、これにより、画像形成サイクルの一工程が終了し、次の画像形成サイクルが行なわれる。
【0017】
本発明において、感光体ドラム1は、セレン、アモルファスシリコン等の無機感光体であってもよいが、アルミ等の導電性素管上に有機感光層を形成させた有機感光体ドラムであることが好適であり、特に、有機感光層が、電荷発生剤及び電荷輸送剤を結着樹脂中に分散させた単一の層からなる有機単層感光体ドラムであることが最も好適である。即ち、このような有機感光体、特に有機単層感光体について、暗電位及び明電位の測定を繰り返し測定する必要性が高く、本発明は、このような有機感光体ドラムを備えた電子写真装置に有効に適用される。
【0018】
上記有機感光層中に分散させる電荷発生剤としては、例えば、セレン、セレン−テルル、アモルファスシリコン、ピリリウム塩、アゾ系顔料、ジスアゾ系顔料、アンサンスロン系顔料、フタロシアニン系顔料、インジコ系顔料、スレン系顔料、トルイジン系顔料、ピラゾリン系顔料、ペリレン系顔料、キナクリドン系顔料等が例示され、所望の領域に吸収波長域を有するよう、一種または二種以上混合して用いられる。
【0019】
特に好適な電荷発生剤として、次のものが例示される。
X型メタルフリーフタロシアニン。
オキソチタニルフタロシアニン。
【0020】
ペリレン系顔料、特に一般式(A)、
【化1】
Figure 0003598091
式中、R及びRの各々は、炭素数18以下の置換または未置換のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルカリール基、またはアラールキル基である、
で表されるもの。
上記一般式(A)において、アルキル基としては、エチル基、プロピル基、ブチル基、2−エチルヘキシル基等が挙げられ、シクロアルキル基としては、シクロヘキシル基等が挙げられ、アリール基としては、フェニル基、ナフチル基等が挙げられ、アルカリール基としては、トリル基、キシリル基、エチルフェニル基等が挙げられ、アラールキル基としては、ベンジル基、フェネチル基等が挙げられる。置換基としては、アルコキシ基、ハロゲン原子等がある。
【0021】
ビスアゾ顔料、特に下記一般式(B)
【化2】
Figure 0003598091
式中、Aは水素原子または置換または未置換のアルキル基、アリール基または複素環基であり、nはゼロまたは1であり、Cpはカップラー残基である、
で表わされるビスアゾ顔料。
上記一般式(B)において、ピラゾール環の3位には、直接或いはビニリデン基を介して、置換或いは未置換のアルキル基、アリール基或いは複素環基が結合していてもよく、ここで、アルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、アミル基等が挙げられ、アリール基としてはフェニル、ナフチル、ビフェニル、アントリル、フェナントリル、フルオレニル基等が挙げられ、複素環基としては、窒素、酸素、硫黄或いはこれらの組み合わせを環中に含有する単環或いは多環の飽和乃至不飽和の複素環基、例えばチエニル基、フリル基、イミダゾリル基、ピロリル基、ピリミジニル基、イミダゾール基、ピラジニル基、ピラゾリニル基、ピロリジニル基、ピラニル基、ピペリジル基、ピペラジニル基、モルホリル基、ピリジル基、ピリミジル基、ピロリジニル基、ピロリニル基、ベンゾフリル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾフラニル基、インドリル基、キノリル基、カルバゾリル基、ジベンゾフラニル基等が挙げられる。これらの基が有していてもよい置換基としては、低級アルキル基、低級アルコキシ基、アシルオキシ基、クロール等のハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトリル基、ニトロ基、アミノ基、アミド基、アシルオキシ基、カルボキシル基等が挙げられる。一方、式(B)におけるカプラー残基としては、この種のアゾ顔料に使用されるカプラー(アゾカップリング成分)の残基であれば任意のもの、例えば置換或いは未置換のフェノール類、ナフトール類、或いは水酸基含有複素環環化合物等であってよく、ここで置換基としては、低級アルキル基、低級アルコキシ基、アリール基、アシルオキシ基、クロール等のハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトリル基、ニトロ基、アミノ基、アミド基、アシルオキシ基、カルボキシル基等が挙げられる。
【0022】
また、電荷発生剤を分散させる樹脂媒質(結着樹脂)としては、種々の樹脂が使用でき、例えば、スチレン系重合体、アクリル系重合体、スチレン−アクリル系重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン、アイオノマー等のオレフィン系重合体、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル、アルキッド樹脂、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリスルホン、ジアリルフタレート樹脂、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエーテル樹脂、フェノール樹脂や、エポキシアクリレート等の光硬化型樹脂等、各種の重合体が例示できる。これらの結着樹脂は、一種または二種以上混合して用いることもできる。好適な樹脂は、スチレン系重合体、アクリル系重合体、スチレン−アクリル系重合体、ポリエステル、アルキッド樹脂、ポリカーボネート、ポリアリレート等である。
【0023】
好適な樹脂としては、ポリカーボネート、特に帝人化成社製パンライト、三菱瓦斯化学社製PCZ、出光興産社製タフゼット(BグレードやHグレード)等、下記一般式(C):
【化3】
Figure 0003598091
式中、R及びRは水素原子または低級アルキル基であって、R及びRは連結して、結合炭素原子と共に、シクロヘキサン環のごときシクロ環を形成していてもよい、
で表されるビスフェノール類とホスゲンとから誘導される構成単位を含むポリカーボネートを挙げることができる。
【0024】
また、耐摩耗性を考慮すると、下記一般式(D):
【化4】
Figure 0003598091
式中、Rは、水素原子または炭素数18以下の置換または未置換のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルカリール基、またはアラールキル基であり、
p及びqは、共重合比を示す数であり、p+q=1とした時、pが0.1〜0.4となる数である、
で表される構造を有する共重合ポリカーボネートが好適である。
【0025】
結着樹脂の分子量は粘度平均分子量(PC−A換算)で10,000〜200,000が好ましいが、耐摩耗性と生産性を考慮すると、18,000〜80,000が特に好適である。
更に、感光層中に占める結着樹脂の割合は、40〜70重量%が好ましいが、特に前記一般式(D)の構造の共重合ポリカーボネートを使用して耐摩耗性の向上を図るならば、50〜70重量%の範囲が好適である。
【0026】
電荷輸送剤としてはそれ自体公知の任意の電子輸送性或いは正孔輸送性のものを使用できる。その適当な例は、次の通りである。
【0027】
電子輸送剤としては、無水コハク酸、無水マレイン酸、ジブロム無水コハク酸、無水フタル酸、3−ニトロ無水フタル酸、4−ニトロ無水フタル酸、無水ピロメリット酸、ピロメリット酸、トリメリット酸、無水トリメリット酸、フタルイミド、4−ニトロフタルイミド、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、クロルアニル、ブロモアニル、o−ニトロ安息香酸、マロノニトリル、トリニトロフルオレノン、トリニトロチオキサントン、ジニトロベンゼン、ジニトロアントラセン、ジニトロアクリジン、ニトロアントラキノン、ジニトロアントラキノン、チオピラン系化合物、キノン系化合物、ベンゾキノン系化合物、ジフェノキノン系化合物、ナフトキノン系化合物、アントラキノン系化合物、スチルベンキノン系化合物などの電子吸引性物質を単独または2種以上の組み合わせで用いることができる。
【0028】
特に好ましいものとして、以下のものを例示することができる。
【0029】
下記一般式(E):
【化5】
Figure 0003598091
式中、Rは置換基を有してもよいアルキル基または置換基を有してもよいアリール基を示し、Rは置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基又は基−O−RGを示す。該基中のRGは、置換基を有してもよいアルキル基または置換基を有してもよいアリール基を示す、
で表されるナフトキノン。
【0030】
下記一般式(F):
【化6】
Figure 0003598091
式中、R、R、R及びRの各々は水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基等である、
で表されるジフェノキノン。
、R、R及びRは非対称構造の置換基であることが好ましく、R、R、R及びRの内、2個が低級アルキル基であり、他の2個が分岐鎖アルキル基、シクロアルキル基、アリール基またはアラールキル基であることが好ましい。
【0031】
そのジフェノキノン誘導体の適当な例は、これに限定されないが、3,5−ジメチル−3’,5’−ジt−ブチルジフェノキノン、3,5−ジ
メトキシ−3’,5’−ジt−ブチルジフェノキノン、3,3’−ジメチル−5,5’−ジt−ブチルジフェノキノン、3,5’−ジメチル−3’,5−ジt−ブチルジフェノキノン、3,5,3’,5’−テトラメチルジフェノキノン、2,6,2’,6’−テトラt−ブチルジフェノキノン、3,5,3’,5’−テトラフェニルジフェノキノン、3,5,3’,5’−テトラシクロヘキシルジフェノキノン、等を挙げることができる。これらのジフェノキノン誘導体は、分子の対称性が低いために分子間の相互作用が小さく、溶解性に優れているために好ましい。
【0032】
下記一般式(G):
【化7】
Figure 0003598091
式中、Rは、同一でも異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、それぞれ置換基を有していてもよいアリール基、シクロアルキル基、アラルキル基、ハロゲン化アルキル基を示す、
で表されるジフェノキノン。置換基としては、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、水酸基、シアノ基、アミノ基、ニトロ基、ハロゲン化アルキル基が挙げられる。
【0033】
下記一般式(H):
【化8】
Figure 0003598091
式中、Rは、同一でも異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、それぞれ置換基を有していてもよいアリール基、シクロアルキル基、アラルキル基、ハロゲン化アルキル基を示す、
で表されるナフトキノン。置換基としては、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、水酸基、シアノ基、アミノ基、ニトロ基、ハロゲン化アルキル基が挙げられる。
【0034】
下記一般式(J):
【化9】
Figure 0003598091
式中、Rは、同一でも異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、それぞれ置換基を有していてもよいアリール基、シクロアルキル基、アラルキル基、ハロゲン化アルキル基を示し、
Xは、同一でも異なっていてもよく、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、それぞれ置換基を有していてもよいアリール基、シクロアルキル基、アラルキル基、フェノキシ基、およびハロゲン化アルキル基を示し、これら基が互いに縮合して環を形成していてもよく、
nは、0〜5の整数である、
で表されるスチルベンキノン。
【0035】
一方、正孔輸送性物質としては、例えば次のものが知られており、これらの内から、溶解性や、正孔輸送性に優れているものが使用される。
ピレン;
N−エチルカルバゾール、N−イソプロピルカルバゾール、N−メチル−N−フェニルヒドラジノ−3−メチリデン−9−カルバゾール、N,N−ジフェニルヒドラジノ−3−メチリデン−9−エチルカルバゾール、などのカルバゾール類;
N,N−ジフェニルヒドラジノ−3−メチリデン−10−エチルフェノチアジン;
N,N−ジフェニルヒドラジノ−3−メチリデン−10−エチルフェノキサジン;
p−ジエチルアミノベンズアルデヒド−N,N−ジフェニルヒドラゾン、p−ジエチルアミノベンズアルデヒド−α−ナフチル−N−フェニルヒドラゾン、p−ピロリジノベンズアルデヒド−N,N−ジフェニルヒドラゾン、1,3,3−トリメチルインドレニン−ω−アルデヒド−N,N−ジフェニルヒドラゾン、p−ジエチルベンズアルデヒド−3−メチルベンズチアゾリノン−2−ヒドラゾン、などのヒドラゾン塩;
2,5−ビス(p−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジゾール;
1−フェニル−3−(p−ジエチルアミノスチリル)−5−(p−ジエチルアミノフェニル)ピラゾリン、1−[キノニル(2)]−3−(p−ジエチルアミノスチリル)−5−(p−ジエチルアミノフェニル)ピラゾリン、1−[ピリジル(2)]−3−(p−ジエチルアミノスチリル)−5−(p−ジエチルアミノフェニル)ピラゾリン、1−[6−メトキシ−ピリジル(2)]−3−(p−ジエチルアミノスチリル)−5−(p−ジエチルアミノフェニル)ピラゾリン、1−[ピリジル(3)]−3−(p−ジエチルアミノスチリル)−5−(p−ジエチルアミノフェニル)ピラゾリン、1−[レピジル(3)]−3−(p−ジエチルアミノスチリル)−5−(p−ジエチルアミノフェニル)ピラゾリン、1−[ピリジル(2)]−3−(p−ジエチルアミノスチリル)−4−メチル−5−(p−ジエチルアミノフェニル)ピラゾリン、1−[ピリジル(2)]−3−(α−メチル−p−ジエチルアミノスチリル)−3−(p−ジエチルアミノフェニル)ピラゾリン、1−フェニル−3−(p−ジエチルアミノスチリル)−4−メチル−5−(p−ジエチルアミノフフェル)ピラゾリン、スピロピラゾリン、などのピラゾリン類;
2−(p−ジエチルアミノスチリル)−3−ジエチルアミノベンズオキサゾール、2−(p−ジエチルアミノフェニル)−4−(p−ジメチルアミノフェニル)−5−(2−クロロフェニル)オキサゾール、などのオキサゾール系化合物;
2−(p−ジエチルアミノスチリル)−6−ジエチルアミノベンゾチアゾールなどのチアゾール系化合物;
ビス(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)フェニルメタンなどのトリアリ−ルメタン系化合物;
1,1−ビス(4−N,N−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)ヘプタン、1,1,2,2−テトラキス(4−N,N−ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)エタン、などのポリアリールアルカン類;
N,N´−ジフェニル−N,N´−ビス(メチルフェニル)ベンジジン、N,N´−ジフェニル−N,N´−ビス(エチルフェニル)ベンジジン、N,N´−ジフェニル−N,N´−ビス(プロピルフェニル)ベンジジン、N,N´−ジフェニル−N,N´−ビス(ブチルフェニル)ベンジジン、N,N´−ビス(イソプロピルフェニル)ベンジジン、N,N´−ジフェニル−N,N´−ビス(第2級ブチルフェニル)ベンジジン、N,N´−ジフェニル−N,N´−ビス(第3級ブチルフェニル)ベンジジン、N,N´−ジフェニル−N,N´−ビス(2,4−ジメチルフェニル)ベンジジン、N,N´−ジフェニル−N,N´−ビス(クロロフェニル)ベンジジンなどのベンジジン系化合物;
フェニレンジアミン誘導体;
ジアミノナフタレン誘導体;
ジアミノフェナントレン誘導体;
トリフェニルアミン;
ポリ−N−ビニルカルバゾール;
ポリビニルピレン;
ポリビニルアントラセン;
ポリビニルアリクジン;
ポリ−9−ビニルフェニルアントラセン;
ピレン−ホルムアルデヒド樹脂;
エチルカルバゾールホルムアルデヒド樹脂。
【0036】
正孔輸送剤の好適なものとして、下記式(K):
【化10】
Figure 0003598091
式中、Ar、Ar、Ar及びArの各々は置換或いは未置換のアリール基であり、Yは置換或いは未置換のアリーレン基であり、nはゼロまたは1の数である、
で表される芳香族アミン類が挙げられる。
【0037】
更に、正孔輸送剤の他の好適なものとして、ヒドラゾン類、特に下記式(L):
【化11】
Figure 0003598091
式中、Arは、同一でも異なっていてもよく置換或いは未置換のアリール基である、
で表されるヒドラゾン類を挙げることができる。
【0038】
また、以下の式(M)で表される構造の正孔輸送剤は、高移動度を有しており、好適である。
【化12】
Figure 0003598091
式中、Rは、同一でも異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基を示し、また、各ベンゼン環は、置換基として、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基を有していてよい。
【0039】
尚、本発明が特に有効に適用される単層の有機感光層において、電荷発生剤(CGM)は固形分当たり0.5乃至7重量%、特に2乃至5重量%の範囲の内、感度に悪影響を及ぼさない範囲で可及的に少ない量で感光層中に含有されるのがよく、また電荷輸送剤(CTM)は固形分当たり20乃至70重量%、特に25乃至60重量%の範囲の内、感度に影響を及ぼさない範囲で可及的に少ない量で感光層中に含有されるのがよい。
【0040】
また、感度の点や、反転現像を可能とするという用途の広さからは、電子輸送剤(ET)と、正孔輸送剤(HT)とを組み合わせで使用するのがよく、この場合、ET:HTの重量比は10:1乃至1:10、特に1:5乃至1:1の範囲にあるのが最もよい。
【0041】
また、有機感光層中には、電子写真学的特性に悪影響を及ぼさない範囲で、それ自体公知の種々の配合剤、例えば、ビフェニル、o−ターフェニル、m−ターフェニル、p−ターフェニル、p−ベンジルフェニル及び水素化ターフェニル等のビフェノール誘導体、ステアリン酸ブチル等のアルキルエステル、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコールモノエステル、ポリエチレングリコールモノエーテル、ポリエチレングリコールジアルキレート、ポリエチレングリコールジアルキルエーテル等のポリアルキルオキシド類やポリフェニレンオキシド等の可塑剤や潤滑剤、ヒンダードアミン、ヒンダードフェノール等の酸化防止剤が配合されていてもよい。また、形成した膜のレベリング性の向上や潤滑性の付与を目的として、シリコーンオイルやフッ素系オイルなどのレベリング剤を含有させることもできる。
【0042】
特に、全固形分当たり0.1乃至50重量%の立体障害性フェノール系酸化防止剤を配合すると、電子写真学的特性に悪影響を与えることなく、感光層の耐久性を顕著に向上させることができる。
【0043】
有機感光層を設ける導電性基板としては、導電性を有する種々の材料が使用でき、例えば、アルミニウム、銅、錫、白金、金、銀、バナジウム、モリブデン、クロム、カドミウム、チタン、ニッケル、インジウム、ステンレス鋼、真鍮等の金属単体や、上記金属が蒸着またはラミネートされたプラスック材料;ヨウ化アルミニウム、酸化錫、酸化インジウム等で被覆されたガラス;等が例示される。本発明に用いる有機感光体では、通常のアルミニウム素管、また膜厚が1乃至50μmとなるようにアルマイト処理を施した素管を用いことができる。
【0044】
有機感光体層を形成させるには、電荷発生材料、電荷輸送剤等と結着樹脂等を、従来公知の方法、例えば、ロールミル、ボールミル、アトライタ、ペイントシェイカーあるいは超音波分散機等を用いて調製し、従来公知の塗布手段により塗布、乾燥すればよい。感光層の厚みは、特に制限されないが、一般に10乃至50μmの範囲内で、感度低下や残留電位増大を来さない範囲で可及的に厚く設けることが望ましい。
【0045】
塗布液を形成するのに使用する溶剤としては、種々の有機溶剤が使用でき、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール類、n−ヘキサン、オクタン、シクロヘキサン等の脂肪族系炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、ジクロロメタン、ジクロロエタン、四塩化炭素、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸メチル等のエステル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等、種々の溶剤が例示され、一種または二種以上混合して用いられる。塗布液の固形分濃度は一般に5乃至50%とするのがよい。
【0046】
また上記感光層は、前記導電性基板上に直接形成してもよいが、下引き層を介して形成することもできる。このような下引き層としては、カゼイン、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリアミド、メラミン、セルロース、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリン、ポリエステル、ポリアクリレート、ポリスチレン等の高分子膜を例示することができる。下引き層の厚みは、0.01μm乃至20μmの範囲が好ましい。また、下引き層に導電性を付与するために、金、銀、アルミ等の金属粉末、酸化チタン、酸化スズ等の酸化金属粉末、カーボンブラック等の導電性微粉末を分散させることもできる。
【0047】
感光体ドラム1の表面を主帯電するための帯電手段2としては、コロトロンやスコロトロン等のコロナ帯電器や接触帯電ローラなどが使用されるが、特にスコロトロンが、グリッド電圧により電位調整を容易に行なえるという点で好適である。
かかる帯電手段による感光体ドラム1表面の帯電極性は、正及び負の何れでもよいが、オゾン等の発生を防止するという見地からは、正極性がよい。
【0048】
また、感光体ドラム1の主帯電電位は、同一条件で主帯電を行うと、画像形成サイクルの繰り返しによる感光層の摩耗に伴って低下するが、その初期設定値は、感光層の厚みによっても異なるが、通常、暗電位(Vo)と明電位(Vr)との差に相当するコントラスト電位(Vc)が400V以上、特に550V以上となるような電位、例えば700乃至720Vの範囲に設定される。
【0049】
レーザ光学装置3を用いての画像露光は、それ自体公知の手段で行なうことができる。例えば、スキャナ等によって読み込まれた画像情報に基づいて、或いはコンピュータ等から送られた画像情報に基づいて、レーザ光を照射することにより行なわれる。また、LEDアレイ等を用いて画像露光を行なうことも勿論可能である。
【0050】
本発明において、レーザ光学装置3と現像手段4との間には、電位センサ10が設けられており、電位調整を行なうときには、この電位センサ10により、暗電位及び明電位の測定を行なう。電位センサ10による測定個所は、感光体ドラム1表面の中心部分、即ち画像形成領域にあたる部分である。
即ち、通常、電位調整のための暗電位及び明電位の測定は、一定の電位に感光体ドラム1表面を帯電し、暗電位の測定に際しては、画像露光のための光照射を行わずに電位センサ10によりその表面電位を測定し、明電位の測定に際しては、通常の画像形成サイクルで行なわれる画像露光と同じ条件(例えば同じレーザ出力)で光照射を行ない、電位センサ10によりその表面電位の測定が行なわれる。本発明では、このような電位測定を繰り返し行なうときは、既に述べた通り、明電位の測定を連続して行ない、測定電位の切り替え回数を可及的に少なくする。
【0051】
現像手段4は、それ自体の反転現像法により行うものであり、現像ローラにより、少なくとも感光体ドラム1の帯電極性と同極性に帯電されたトナーを含む磁性現像剤を、磁力を利用して感光体ドラム1表面に搬送することにより行なわれる。
このような現像剤も特に制限されず、例えば非磁性トナーと、フェライトや鉄粉等の磁性キャリヤとからなる二成分系現像剤や、磁性トナーからなる一成分系現像剤の何れをも使用することができる。
【0052】
上記現像手段4による現像に際しては、現像バイアスを、感光体ドラム1と現像ローラとの間に印加して行なわれる。この現像バイアスは、帯電トナーを感光体ドラム1表面側に容易に移行し得るような極性及び大きさを有するものであり、例えば現像ローラの電位が、感光体ドラム1の暗電位と明電位との間となるようなものである。
かかる現像バイアスは、既に述べた通り、暗電位及び明電位の測定に際して切り換えが行なわれる。即ち、暗電位の測定時には、通常の現像時と同条件で印加されていてよいが、明電位の測定時には、現像ローラ側が明電位よりも低いレベルとなるように、或いはゼロに調整される。また、明電位から暗電位への測定に切り換えられるときには、この切り換えのタイミングよりも若干速く、現像バイアスの切り換えを行なうのがよい。
【0053】
転写手段5としては、コロナ帯電器や転写ローラが使用される。コロナ帯電器を用いる場合には、搬送されてきた転写シート9の背面を、コロナ放電により帯電トナーとは逆極性にコロナ帯電させることにより行なわれ、この場合、転写用のコロナ帯電器と共に、転写シート9の感光体ドラム1への巻きつきを防止する分離用帯電器を使用するのがよい。また、転写ローラを用いる場合には、該ローラが帯電トナーと逆極性の電位となるような転写電圧を印加して転写が行なわれる。
【0054】
クリーニング装置6は、ポリウレタン等のゴム製のブレード或いはローラを備えており、これらを感光体ドラム1表面に摺擦することにより、転写後の感光体ドラム1表面に残存するトナーが分離回収される。
また、除電ランプ7は、感光体ドラム1表面に形成されている単層の有機感光層が感度を有する波長の光を、該ドラム1表面に照射することにより、感光体ドラム1表面の残留電位を除去する。図1では、この除電ランプ7は、感光体ドラム1の回転方向に対して下流側に配置されているが、これをクリーニング装置6と転写手段5との間の領域に配置することも可能である。
【0055】
【実施例】
本発明を次の実験例で説明する。
【0056】
感光体の作製:
電荷発生剤としてX型メタルフリーフタロシアニンを5重量部、正孔輸送剤として、
下記式:
【化13】
Figure 0003598091
の化合物を40重量部、電子輸送剤として2−t−ブチルカルボニル−3−フェニル−1,4−ナフトキノンを40重量部、結着剤として、下記式:
【化14】
Figure 0003598091
のポリカーボネート共重合樹脂(PC−A換算での粘度平均分子量:50,000)を100重量部、更に溶媒としてテトラヒドロフラン800重量部を加え、ボールミルで50時間混合分散して単層型感光層用塗布液を調製し、この塗布液をアルミニウム素管(Φ:78mm)上に塗布した後、100℃で60分間熱風乾燥することにより、膜厚が36μmの単層有機感光体ドラム(幅30cm)を作製した。
【0057】
図1と同様の構成を有し、表面電位計を備えた複写機に、上記で作製された感光体をそれぞれ装着した。尚、主帯電器としてはスコロトロンを用い、感光体ドラムの周速は290mm/secに設定されている。
この装置を使用し、主帯電電位を+820V及び+720Vとし、それぞれについて、暗電位と明電位とを測定した。尚、暗電位測定時の現像バイアスは、+520V及び+420V、明電位測定時では−10V及び−25Vに切り換えた。また、明電位測定に際してのレーザ出力は一定とした。
【0058】
上記の測定を、暗電位(+670V)−明電位(+140V)−暗電位(+570V)−明電位(+125V)の順に行なった場合と、暗電位(+670V)−明電位(+140V)−明電位(+125V)−暗電位(+570V)の順に行なった場合とについて、測定終了後にトナー消費量を測定したところ、以下の通りであった。尚、上記の測定は、測定順序を異にするのみで、測定時間等はまったく同一とした。
暗電位−明電位−暗電位−暗電位のとき、約60mg
暗電位−明電位−明電位−暗電位のとき、約30mg
上記の結果から明らかな通り、暗電位から明電位或いは明電位から暗電位の切り換え回数を少なくすることにより、トナー消費量を著しく少なくできることが理解される。
【0059】
【発明の効果】
本発明によれば、電子写真装置に装着された感光体について、暗電位と明電位とを繰り返し測定するに際し、暗電位から明電位への切り換え及び明電位から暗電位の切り換えの回数を可及的に少なくすることにより、測定に際してのトナー消費量を著しく低減することができた。
本発明は、電位調整のための暗電位及び明電位の測定が必要な有機感光体を備えた電子写真装置に有効に適用される。特に有機単層感光体では、暗電位と明電位とが比例関係にあるという特有の性質を有しており、このような性質を利用して暗電位と明電位とを、異なる主帯電条件下でそれぞれ測定することにより、良好な画像が得られるように電位調整を行なうことができるため、このような感光体が装着された電子写真装置には、本発明は特に有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理を示す説明図。
【図2】本発明方法が適用される画像形成装置の概略を示す図。

Claims (5)

  1. 感光体表面を均一に主帯電し、帯電された該感光体表面に画像情報に基づいて画像露光を行って静電潜像を形成し、一定の現像バイアスを印加しながら、反転現像法により、感光体の帯電極性と同極性に帯電されたトナーにより現像を行う電子写真装置について、前記画像露光を行う領域と前記現像を行う領域との間に電位センサを設け、該感光体を異なる2つの主帯電電位に主帯電し、それぞれの主帯電電位について、画像露光による光照射を行ったときの感光体表面の明電位を、該電位センサにより測定し、且つ該2つの主帯電電位のうちの少なくとも一の主帯電電位について、該電位センサにより、光照射を行わずに感光体表面の暗電位を測定する感光体表面電位測定方法において、
    暗電位測定時には、所定の現像バイアスが印加され、明電位測定時には、該現像バイアスを低下させ或いはゼロにするとともに、2つの主帯電電位についての明電位の測定を、間に暗電位の測定を挟まずに連続して行うことを特徴とする感光体表面電位測定方法。
  2. 前記感光体が、有機感光体である請求項1に記載の感光体表面電位測定方法。
  3. 前記有機感光体が、電荷発生剤と電荷輸送剤とが単一の層に分散された感光層を有する有機単層感光体である請求項2に記載の感光体表面電位測定方法。
  4. 2つの主帯電電位のそれぞれについて、連続して暗電位を測定し、次いで、2つの主帯電電位のそれぞれについて、連続して明電位を測定する請求項1に記載の感光体表面電位測定方法。
  5. 2つの主帯電電位のそれぞれについて、連続して明電位を測定し、次いで、2つの主帯電電位のそれぞれについて、連続して暗電位を測定する請求項1に記載の感光体表面電位測定方法。
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