JP2009198879A - 電子写真感光体及び画像形成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】高画質と長寿命が両立した電子写真感光体及び画像形成方法を提供する。
【解決手段】導電性支持体上に少なくとも電荷発生層、電荷輸送層及び表面層を有する電子写真感光体において、該電荷輸送層が、イオン化ポテンシャル(IP)5.4eV以上5.6eV以下の電荷輸送物質を結着樹脂100部に対して150部以上300部以下含有し、かつ、表面層は電荷輸送層を溶解しない方法で形成したことを特徴とする電子写真感光体及び画像形成方法。
【選択図】なし
【解決手段】導電性支持体上に少なくとも電荷発生層、電荷輸送層及び表面層を有する電子写真感光体において、該電荷輸送層が、イオン化ポテンシャル(IP)5.4eV以上5.6eV以下の電荷輸送物質を結着樹脂100部に対して150部以上300部以下含有し、かつ、表面層は電荷輸送層を溶解しない方法で形成したことを特徴とする電子写真感光体及び画像形成方法。
【選択図】なし
Description
本発明は、電子写真感光体及び画像形成方法に関し、さらに詳しくは、高画質と長寿命が両立した電子写真感光体及び画像形成方法に関する。
近年、電子写真感光体には有機感光体が広く用いられている。有機感光体は可視光から赤外光まで各種露光光源に対応した材料が開発しやすいこと、環境汚染のない材料を選択できること、製造コストが安い事など他の電子写真感光体に対して有利な点がある。しかし、欠点としては機械的強度、化学的な耐久性が低く、多数枚のプリント時に有機感光体の静電特性の劣化や、表面の傷の発生等を起こしやすい。
即ち、有機感光体の表面には帯電手段、現像手段、転写手段およびクリーニング手段などにより電気的、機械的な外力が直接加えられるため、それらに対する耐久性が要求される。
具体的には摩擦による有機感光体表面の摩耗や傷の発生、コロナ帯電時に発生するオゾン等の活性酸素、チッソ酸化物による表面の劣化に対する耐久性が必要であるが、現状では不十分である。
上記のような機械的、化学的耐久性の問題を解決するために、電子写真感光体はその層構成を電荷発生層と、電荷輸送層の積層構成にし、表面層の電荷輸送層を高強度且つ活性ガスが透過しにくい均一層にし、電荷輸送層の膜厚を20μmより厚くする構成が多く採用されている。
しかし、電荷輸送層の厚膜化すなわち削り代を多くして耐久性を上げた場合、電荷輸送層内の電荷の拡散により鮮明な画像が得にくくなる。
これに対して、感光体の耐摩耗性を改良する技術が多く検討されている。電子写真感光体の耐摩耗特性を改良する方法としては、電荷輸送層表面の物理的強度を上げるため、電荷輸送層を複層化する試みがなされて(例えば特許文献1参照)いる。
さらに、有機感光体の最表面層にシリカ粒子を含有せしめ、有機感光体表面の機械的強度を高め、耐久性を向上せしめることができるとの記載がされている。そして、前記シリカ粒子をシランカップリング剤等で処理して成る疎水性シリカ粒子を有機感光体の最表面層に含有せしめ、有機感光体の機械的強度を高めると共に潤滑性を付与すると高耐久性の有機感光体が得られることが記載されて(例えば、特許文献2参照)いる。
しかしながら、これらの技術は、繰り返し画像形成を行い、多数枚の複写画像を形成すると、耐摩耗性の改善はみられるものの、画像品質、特に鮮鋭性が低下に対しては満足できる結果が得られていない。
このように、電子写真感光体に要求されている高画質と長寿命化に対しては、未だ満足できる性能が得られていない。
特開平2−160247号公報
特開平7−333881号公報
本発明の目的は、高画質と長寿命が両立した電子写真感光体及び画像形成方法を提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成することができる。
1.導電性支持体上に少なくとも電荷発生層、電荷輸送層及び表面層を有する電子写真感光体において、該電荷輸送層が、イオン化ポテンシャル(IP)5.4eV以上5.6eV以下の電荷輸送物質を結着樹脂100部に対して150部以上300部以下含有し、かつ、表面層は電荷輸送層を溶解しない方法で形成したことを特徴とする電子写真感光体。
2.前記電荷輸送層の電荷輸送物質の分子量が400以上700以下であることを特徴とする前記1に記載の電子写真感光体。
3.前記電荷輸送層の結着樹脂がポリカーボネートまたはポリアリレートであることを特徴とする前記1又は2に記載の電子写真感光体。
4.前記表面層の塗液溶剤が水またはアルコールであることを特徴とする前記1〜3のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
5.前記表面層が溶媒を用いない堆積膜であることを特徴とする前記1〜3のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
6.前記電荷輸送層が酸化防止剤を含有することを特徴とする前記1〜5のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
7.前記1〜6のいずれか1項記載の電子写真感光体に、帯電手段により均一な帯電を付与し、像露光を行い静電潜像を形成し、該静電潜像をトナーを含有する現像剤を用いて、トナー画像に顕像化させることを特徴とする画像形成方法。
本発明により、高画質と長寿命が両立した電子写真感光体及び画像形成方法を提供することができた。
本発明を更に詳しく説明する。
まず、本発明の完成に至った経緯を述べる。本発明者等は、本発明の課題を達成するために鋭意検討を行った結果、電荷輸送層(CTLともいう)に含有する電荷輸送物質(CTMともいう)とCTLを保護する表面層の形成方法に着目し本発明を完成した。
電荷輸送物質に関しては、解像度を高くして高画質を達成するためには、分子サイズすなわち分子量の小さな電荷輸送物質を使用することが望ましく、分子量が大きくなるとホール拡散による解像力低下が生じる場合があることがわかってきた。
また、画像欠陥に対する耐性を上げて画質低下を抑制して高画質を達成する観点においては、転写ベルトからホールが注入されにくくするために、イオン化ポテンシャル(IPともいう)が高いCTMが望ましく、IPが小さい場合、転写メモリが発生しやすくなることがわかってきた。
一方で、応答性を上げて高速繰り返し使用時の電位安定性を得るには高移動度CTMが望まれ、高移動度を達成するためにはCTMの分子量は大きい方が好ましいが、分子量が大きくなるとIPが小さくなったり、解像力が低下したりする傾向がある。
したがって、高画質と応答性と長寿命を満足させるためにはIPが大きく、分子量の小さいCTMを高部数で使用することが望ましいことがわかってきたが、CTMを高部数で使用すると帯電性が低下したり、削れ量が増加したりして長寿命の達成が困難であった。そのため、電荷輸送層を保護する耐摩耗性に優れた表面層が必要となった。
そして、このようなCTMを高部数で使用したCTLの場合、表面層の塗液溶剤は電荷輸送層のCTMを溶解しない溶剤を使用するか、または溶剤そのものを使用しない蒸着膜にした時に、従来にない長寿命化と高画質を達成できることを見出し、本発明に至った。
この理由としては、CTMを高部数で使用したCTLの場合、表面層を電荷輸送層が溶解するような溶剤を使用した塗布液を用いて形成すると、表面層に電荷輸送層の電荷輸送物質が多量溶け出して、表面層の耐摩耗性が低下してしまったためと推定している。
〔電荷輸送物質(CTM)〕
本発明の電荷輸送物質のイオン化ポテンシャル(IP)は、5.4eV以上5.6eV以下である。この範囲なら電位安定性が保持でき、転写メモリも良好である。
本発明の電荷輸送物質のイオン化ポテンシャル(IP)は、5.4eV以上5.6eV以下である。この範囲なら電位安定性が保持でき、転写メモリも良好である。
イオン化ポテンシャルとは、一般的には原子または分子の基底状態から1個の電子を無限遠に引き離すのに要するエネルギーを電子ボルト(eV)の単位で表した数値であるが、ここでいうイオン化ポテンシャルとは正孔輸送の場合のエネルギー準位の目安として正孔輸送物質の最高被占準位の代表値とする。
CTMのイオン化ポテンシャルの測定は、CTMに加速電子或いは光量子で衝撃し、電離の結果生じるイオンが出現する最低エネルギーを求めることによって得ることができる。本発明においては表面性試験装置「AC−1」(理研計器社製)を用いてイオン化ポテンシャルの測定を行った。
本発明において用いることが出来る電荷輸送物質を例示すると、下記の如きものがある。
IPが本発明外の電荷輸送物質を参考までに下記に示す。
また、本発明の電荷輸送物質の分子量は、400以上700以下であることが好ましい。分子量がこの範囲のCTMを用いることによって、電荷輸送層にCTMを高質量部含有した場合であっても、電荷の拡散が少ないために高解像度が得られ、CTM自身の可塑性によってクラック等の発生がない柔軟な膜の形成が可能となる。
〔導電性支持体〕
本発明の電子写真感光体に用いられる導電性支持体としてはシート状或いは円筒状の導電性支持体が用いられる。
本発明の電子写真感光体に用いられる導電性支持体としてはシート状或いは円筒状の導電性支持体が用いられる。
本発明の円筒状の導電性支持体とは回転することによりエンドレスに画像を形成できる円筒状の支持体を意味し、真直度で0.1mm以下、振れ0.1mm以下の範囲にある導電性の支持体が好ましい。この真直度及び振れの範囲を超えると、良好な画像形成が困難になる。
導電性支持体の材料としてはアルミニウム、ニッケルなどの金属ドラム、又はアルミニウム、酸化錫、酸化インジュウムなどを蒸着したプラスチックドラム、又は導電性物質を塗布した紙・プラスチックドラムを使用することができる。導電性支持体としては常温で比抵抗103Ωcm以下のものが好ましい。
本発明で用いられる導電性支持体は、その表面に封孔処理されたアルマイト膜が形成されたものを用いても良い。アルマイト処理は、通常例えばクロム酸、硫酸、シュウ酸、リン酸、硼酸、スルファミン酸等の酸性浴中で行われるが、硫酸中での陽極酸化処理が最も好ましい結果を与える。硫酸中での陽極酸化処理の場合、硫酸濃度は100〜200g/l、アルミニウムイオン濃度は1〜10g/l、液温は20℃前後、印加電圧は約20Vで行うのが好ましいが、これに限定されるものではない。又、陽極酸化被膜の平均膜厚は、通常20μm以下、特に10μm以下が好ましい。
〔中間層(下引き層)〕
本発明においては導電性支持体と感光層の間に、バリヤー機能を備えた中間層を設けることが好ましい。
本発明においては導電性支持体と感光層の間に、バリヤー機能を備えた中間層を設けることが好ましい。
本発明の中間層には吸水率が小さいバインダー樹脂中に酸化チタンを含有させることが好ましい。該酸化チタン粒子の平均粒径は、数平均一次粒径で10nm以上400nm以下の範囲が良く、15nm以上200nm以下が特に好ましい。数平均一次粒径が前記範囲の酸化チタン粒子を用いた中間層塗布液は分散安定性が良好で、且つこのような塗布液から形成された中間層は黒ポチ発生防止機能の他、環境特性が良好で、且つ耐クラッキング性を有する。
〔感光層〕
電荷発生層(CGL)
導電性支持体上またはその上に塗設されている中間層の上には、電荷発生層(CGL)が塗設される。電荷発生層中には電荷発生物質(CGM)を含有させる。その他の物質としては必要によりバインダー樹脂、その他の添加剤を含有しても良い。
電荷発生層(CGL)
導電性支持体上またはその上に塗設されている中間層の上には、電荷発生層(CGL)が塗設される。電荷発生層中には電荷発生物質(CGM)を含有させる。その他の物質としては必要によりバインダー樹脂、その他の添加剤を含有しても良い。
本発明の電子写真感光体には、電荷発生物質として、例えば、フタロシアニン顔料、アゾ顔料、ペリレン顔料、アズレニウム顔料などを単独で或いは併用して用いることができる。
電荷発生層にCGMの分散媒としてバインダーを用いる場合、バインダーとしては公知の樹脂を用いることができる。最も好ましい樹脂としてはホルマール樹脂、ブチラール樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン変性ブチラール樹脂、フェノキシ樹脂等が挙げられる。バインダー樹脂と電荷発生物質との割合は、バインダー樹脂100質量部に対し20〜600質量部が好ましい。これらの樹脂を用いることにより、繰り返し使用に伴う残留電位増加を小さくできる。電荷発生層の膜厚は0.1μm〜2μmが好ましい。
電荷輸送層(CTL)
前記電荷発生層の上には、本発明においては、少なくとも2層の電荷輸送層(CTL)が塗設される。
前記電荷発生層の上には、本発明においては、少なくとも2層の電荷輸送層(CTL)が塗設される。
電荷輸送層に含有される電荷輸送物質(CTM)ついては前記した。
前記積層構成の場合のCTLに含有されるバインダー樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体樹脂、塩化ビニル−無水マレイン酸共重合体樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール樹脂、ポリシラン樹脂、ポリビニルカルバゾール等が挙げられる。
本発明においては、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂が特に好ましい。これらの樹脂は、電荷輸送物質との相溶性が高く、CTL中の電荷輸送物質の表面層への溶け込みをより効果的に抑制することが可能である。
次に、前記各層を形成する際に用いられる溶媒又は分散媒としては、n−ブチルアミン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、イソプロパノールアミン、トリエタノールアミン、トリエチレンジアミン、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、シクロヘキサノン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジクロロプロパン、1,1,2−トリクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエタン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、メタノール、エタノール、イソプロピナール、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジメチルスルホキシド、メチルセロソルブ等が挙げられる。本発明はこれらに限定されるものではないが、ケトン系溶媒を用いた場合に感度、繰り返し使用時に電位変化等が更に良好となる。また、これらの溶媒は単独あるいは2種以上の混合溶媒として用いることもできる。
又、電荷輸送層は電荷輸送物質とバインダー樹脂を適当な溶剤に溶解し、その溶液を塗布乾燥することによって形成される。電荷輸送物質とバインダー樹脂との混合割合は質量比で3:1〜1:3が好ましく、特には2:1〜1:2が好ましい。
また、電荷輸送層の膜厚は5〜30μm、特には8〜15μmが好ましい。
〔表面層〕
本発明における表面層は、塗布溶媒が水またはアルコールを用いた塗布液で形成された表面層または溶媒を用いない堆積膜が好ましい。
本発明における表面層は、塗布溶媒が水またはアルコールを用いた塗布液で形成された表面層または溶媒を用いない堆積膜が好ましい。
塗布溶媒が、水またはアルコールを用いた塗布液で形成された表面層としては、例えば、架橋構造を有する樹脂を含有する層、好ましくは電荷輸送性能を有する構造単位を含み、且つ架橋構造を有する樹脂を含有する層である。
架橋構造を有する樹脂としては、シロキサン樹脂が挙げられ、例えば、予め構造単位内にシロキサン結合を有するモノマー、オリゴマー、ポリマーに触媒や架橋剤を加えて新たな化学結合を形成させ三次元網目構造を形成した、或いはシロキサン結合でモノマー、オリゴマー、ポリマーから三次元網目構造を形成したものである。ここで用いられる構造単位は、例えば一般的にはアルコキシシランの縮合反応やシラノールの縮合反応により三次元網目構造を形成することができるものであり、又、三次元網目構造にはコロイダルシリカのような粒子を含ませても良い。
また、他の例としては、光硬化性化合物を反応硬化してなる樹脂が挙げられる。光硬化性化合物とは、硬化性官能基を有する化合物を意味し、紫外線や電子線等の活性線照射により重合(硬化)して、ポリスチレン、ポリアクリレート等、一般に感光体のバインダー樹脂として用いられる樹脂となるモノマーが好適であり、特に、スチレン系モノマー、アクリル系モノマー、メタアクリル系モノマー、ビニルトルエン系モノマー、酢酸ビニル系モノマー、N−ビニルピロリドン系モノマーなどが好ましい。中でも、少ない光量あるいは短い時間での硬化が可能であることからアクリロイル基またはメタクリロイル基を有する化合物が特に好ましい。
保護層を形成するための溶媒としては、水、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、t−ブタノール、sec−ブタノール、ベンジルアルコール等が好ましいが、CTLを溶解しない溶媒であれば良く、これらに限定されるものではない。
また、溶媒を用いない膜としては、真空蒸着、CVD、大気圧プラズマ放電処理による堆積膜等が挙げられ、特に大気圧プラズマ放電処理による堆積膜が好ましい。
〔現像方法及び現像剤〕
本発明で用いられるのは乾式の現像方法であり、現在、キャリアとトナーを用いる二成分現像法が最も広く用いられている。この他には一成分磁性現像法、一成分非磁性現像法も用いられているが、本発明はそのいずれにも適用することが出来る。
本発明で用いられるのは乾式の現像方法であり、現在、キャリアとトナーを用いる二成分現像法が最も広く用いられている。この他には一成分磁性現像法、一成分非磁性現像法も用いられているが、本発明はそのいずれにも適用することが出来る。
そして、そのいずれも2〜15μm程度の粒径を有する粉体トナーを用い、トナーの主要な構成成分はバインダー樹脂(結着樹脂)と着色剤である。本発明において、バインダー樹脂(結着樹脂)及び着色剤については、特別なものではなく、通常よく用いられているバインダー樹脂及び着色剤をはじめ、いずれも公知のものを用いることが出来る。
本発明において、長期間電子写真感光体が使用され転写不良を起こす懸念がある場合には、トナー中に脂肪酸金属塩を添加するとよい。脂肪酸金属塩としては、一般的には炭素原子数10以上の飽和又は不飽和脂肪酸の金属塩が好ましい。
例えば、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸インジウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸ナトリウム、パルミチン酸アルミニウム、オレイン酸アルミニウム等が挙げられる。特に好ましいのはステアリン酸の金属塩である。
本発明において脂肪酸金属塩の中でも特にフローテスターの流出速度が高い脂肪酸金属塩は展開性が高く、本発明の電子写真感光体表面でより効果的に脂肪酸金属塩の層を形成することが出来る。流出速度の範囲としては、1×10-7以上1×10-1以下が好ましく、5×10-4以上1×10-5以下であるのがより好ましい。フローテスターの流出速度は、島津フローテスター(CFT−500:島津製作所製)を用いて測定できる。
現像剤(トナー)中に脂肪酸金属塩を含有させる場合、トナーの後処理工程でトナーに脂肪酸金属塩を混合撹拌して分散させるのが好ましい。添加量はトナーの粒径等にも依存するが、一般的にはトナーの体積平均粒径が2〜15μmの場合は、0.01〜1.0質量%が好ましい。
脂肪酸金属塩が0.01質量%より少ないとトナーから電子写真感光体表面への移行が十分ではなく、1.0質量%を超えると、電子写真感光体表面の脂肪酸金属塩膜への紙粉の付着が増大し、画像ボケが発生する可能性もある。
また、トナーへの流動性付与の観点から、無機微粒子、有機微粒子をトナーに添加混合することが好ましい。この場合、無機微粒子の使用が好ましく、特にシリカ、酸化チタン、アルミナ等が好ましい。更に、無機微粒子はシランカップリング剤やチタンカップリング剤により疎水化処理されていることが好ましい。
〔画像形成装置〕
次に、本発明の電子写真感光体を用いた画像形成装置について説明する。
次に、本発明の電子写真感光体を用いた画像形成装置について説明する。
図1は画像形成装置1の断面図であり、デジタル方式による画像形成装置であって、画像読取り部A、画像処理部B、画像形成部C、転写紙搬送手段としての転写紙搬送部Dから構成されている。
画像読取り部Aの上部には原稿を自動搬送する自動原稿送り手段が設けられていて、原稿載置台11上に載置された原稿は原稿搬送ローラ12によって1枚宛分離搬送され読み取り位置13aにて画像の読み取りが行われる。原稿読み取りが終了した原稿は原稿搬送ローラ12によって原稿排紙皿14上に排出される。
一方、プラテンガラス13上に置かれた場合の原稿の画像は走査光学系を構成する照明ランプ及び第1ミラーから成る第1ミラーユニット15の速度vによる読み取り動作と、V字状に位置した第2ミラー及び第3ミラーから成る第2ミラーユニット16の同方向への速度v/2による移動によって読み取られる。
読み取られた画像は、投影レンズ17を通してラインセンサである撮像素子CCDの受光面に結像される。撮像素子CCD上に結像されたライン状の光学像は順次電気信号(輝度信号)に光電変換されたのちA/D変換を行い、画像処理部Bにおいて濃度変換、フィルタ処理などの処理が施された後、画像データは一旦メモリに記憶される。
画像形成部Cでは、画像形成ユニットとして、像担持体であるドラム状の電子写真感光体21と、その外周に、該電子写真感光体21を帯電させるローラによる接触方式の帯電手段(帯電器でもある)22、帯電した電子写真感光体の表面電位を検出する電位検出手段220、現像手段(現像器でもある)23、転写手段(転写器でもある)である転写搬送ベルト装置45、前記電子写真感光体21のクリーニング手段(クリーニング器でもある)26及び光除電手段としてのPCL(プレチャージランプ)27が各々動作順に配置されている。これらの少なくとも1つと電子写真感光体21を組み合わせてプロセスカートリッジを構成させることが出来、本発明の好ましい態様の一つである。これらプロセスカートリッジは、画像形成装置本体から容易に出し入れ出来るように(出し入れ可能に)装着することが出来る。
また、現像手段23の下流側には電子写真感光体21上に現像されたパッチ像の反射濃度を測定する反射濃度検出手段222が設けられている。電子写真感光体21には、本発明の電子写真感光体が使用され、図示の時計方向に駆動回転される。
回転する電子写真感光体21へは帯電手段22による一様帯電がなされた後、像露光手段(像露光器でもある)としての露光光学系30により画像処理部Bのメモリから呼び出された画像信号に基づいた像露光が行われる。書き込み手段である像露光手段としての露光光学系30は図示しないレーザダイオードを発光光源とし、回転するポリゴンミラー31、fθレンズ34、シリンドリカルレンズ35を経て反射ミラー32により光路が曲げられ主走査がなされるもので、電子写真感光体21に対してAoの位置において像露光が行われ、電子写真感光体21の回転(副走査)によって静電潜像が形成される。本実施の形態の一例では文字部に対して露光を行い静電潜像を形成する。
本発明の画像形成方法においては、電子写真感光体上に静電潜像を形成するに際し、像露光をスポット面積が2×10-9m2以下の露光ビームを用いて行うことが好ましい。このような小径のビーム露光を行っても、本発明の電子写真感光体は、該スポット面積に対応した画像を忠実に形成することができる。より好ましいスポット面積は、0.01×10-9〜1×10-9m2である。その結果400dpi(dpiとは2.54cm当たりのドット数)以上で、256階調を実現するところのきわめて優れた画像品質を達成することができる。
前記ビーム光のスポット面積とは該ビーム光の強度がピーク強度の1/e2以上の光強度に対応する面積で表される。
用いられる光ビームとしては半導体レーザを用いた走査光学系、及びLEDや液晶シャッター等の固定スキャナー等があり、光強度分布についてもガウス分布及びローレンツ分布等があるがそれぞれのピーク強度の1/e2までの部分をスポット面積とする。
電子写真感光体21上の静電潜像は現像手段23によって反転現像が行われ、電子写真感光体21の表面に可視像のトナー像が形成される。転写紙搬送部Dでは、画像形成ユニットの下方に異なるサイズの転写紙Pが収納された転写紙収納手段としての給紙ユニット41(A)、41(B)、41(C)が設けられ、また側方には手差し給紙を行う手差し給紙ユニット42が設けられていて、それらの何れかから選択された転写紙Pは案内ローラ43によって搬送路40に沿って給紙され、給紙される転写紙Pの傾きと偏りの修正を行うレジストローラ対44によって転写紙Pは一時停止を行ったのち再給紙が行われ、搬送路40、転写前ローラ43a、給紙経路46及び進入ガイド板47に案内され、電子写真感光体21上のトナー画像が転写位置Boにおいて転写極24及び分離極25によって転写搬送ベルト装置45の転写搬送ベルト454に載置搬送されながら転写紙Pに転写され、該転写紙Pは電子写真感光体21面より分離し、転写搬送ベルト装置45により定着手段50に搬送される。
定着手段(定着器でもある)50は定着ローラ51と加圧ローラ52とを有しており、転写紙Pを定着ローラ51と加圧ローラ52との間を通過させることにより、加熱、加圧によってトナーを定着させる。トナー画像の定着を終えた転写紙Pは排紙トレイ64上に排出される。
以上は転写紙の片側への画像形成を行う状態を説明したものであるが、両面複写の場合は排紙切換部材170が切り替わり、転写紙案内部177が開放され、転写紙Pは破線矢印の方向に搬送される。
更に、搬送機構178により転写紙Pは下方に搬送され、転写紙反転部179によりスイッチバックさせられ、転写紙Pの後端部は先端部となって両面複写用給紙ユニット130内に搬送される。
転写紙Pは両面複写用給紙ユニット130に設けられた搬送ガイド131を給紙方向に移動し、給紙ローラ132で転写紙Pを再給紙し、転写紙Pを搬送路40に案内する。
再び、上述したように電子写真感光体21方向に転写紙Pを搬送し、転写紙Pの裏面にトナー画像を転写し、定着手段50で定着した後、排紙トレイ64に排紙する。
本発明の電子写真感光体は電子写真複写機、レーザプリンター、LEDプリンター及び液晶シャッター式プリンター、カラープリンター、フルカラー複写機等の電子写真装置一般に適応するが、更に、電子写真技術を応用したディスプレー、記録、軽印刷、製版及びファクシミリ等の装置にも幅広く適用することができる。
本発明の電子写真感光体は高画質画像が安定して得られるために、各基本色別に画像形成して重ね合わせて1枚の画像を形成するため、実質的には極めて高い耐久性を要求されるフルカラー複写機などフルカラー画像形成装置として用いるのに適している。
図2は、円筒状の導電性支持体電極と凹面を有する樋状の凹型固定電極とで対向電極を構成し、導電性支持体表面に保護層を形成させる大気圧プラズマ放電処理装置の一例を示す概略図である。アース電極としての円筒状の導電性支持体電極202は、印加電極としての樋状の凹型固定電極201の樋の中で回転しながら保護層の形成が行われる。高周波電源205に接続している印加電極の樋状の凹型固定電極201は、アース電極としての円筒状の導電性支持体電極202の外周よりも大きい同心円の円弧の凹面を有している。両電極の間隙の処理部203に、給気口206からの反応ガスGをガス調整容器204に満たし、流れが均一になるようにして導入し、処理排ガスG′を排気口207から排出する。円筒状の導電性支持体電極202は軸を中心に回転しているため、保護層は均一に形成される。給気口208から同じ組成の反応ガスGをプラズマ放電処理容器200の中に導入して満たし、外界と完全に遮断した空間となっている。その処理排ガスG′は排気口209から排出される。この装置において、円筒状の導電性支持体を1個処理した後は、出来るだけ反応ガスの雰囲気を維持するようにするが、次の該導電性支持体に入れ替え時、雰囲気を再び反応ガスで満たすようにする。
次に、本発明の代表的な態様を示しさらに説明する。しかし、無論、本発明の範囲がこれらに限定されるわけではない。
電子写真感光体1の作製
下記の様に電子写真感光体1を作製した。
下記の様に電子写真感光体1を作製した。
洗浄済み円筒状アルミニウム支持体(切削加工により十点表面粗さRz:0.81μmに加工した外径60mmの円筒状アルミニウム支持体)を準備した。
中間層
(中間層分散液の作製)
バインダー樹脂:(例示ポリアミドN−1) 1部
ルチル型酸化チタン(一次粒径35nm;末端に水酸基を有するジメチルポリシロキサンで表面処理を行ない、疎水化度を33に調製した酸化チタン顔料) 5.6部
エタノール/n−プロピルアルコール/THF(=45/20/30質量比)10部
上記成分を混合し、サンドミル分散機を用い、10時間、バッチ式にて分散して、中間層用分散液を作製した。
(中間層分散液の作製)
バインダー樹脂:(例示ポリアミドN−1) 1部
ルチル型酸化チタン(一次粒径35nm;末端に水酸基を有するジメチルポリシロキサンで表面処理を行ない、疎水化度を33に調製した酸化チタン顔料) 5.6部
エタノール/n−プロピルアルコール/THF(=45/20/30質量比)10部
上記成分を混合し、サンドミル分散機を用い、10時間、バッチ式にて分散して、中間層用分散液を作製した。
上記中間層用分散液を同じ混合溶媒にて二倍に希釈し、一夜静置後に濾過(フィルター;日本ポール社製リジメッシュフィルター公称濾過精度:5ミクロン、圧力;50kPa)し、中間層塗布液を作製した。
上記中間層塗布液を浸漬塗布法で塗布し、120℃30分で乾燥し、乾燥膜厚5μmの中間層を形成した。
電荷発生層:CGL
電荷発生物質(CGM):オキシチタニルフタロシアニン(Cu−Kα特性X線によるX線回折のスペクトルで、ブラッグ角(2θ±0.2°)27.3°に最大回折ピークを有するチタニルフタロシン顔料) 24部
ポリビニルブチラール樹脂「エスレックBL−1」(積水化学社製) 12部
2−ブタノン/シクロヘキサノン=4/1(v/v) 300部
上記組成物を混合し、サンドミルを用いて分散し、電荷発生層塗布液を調製した。この塗布液を浸漬塗布法で塗布し、前記中間層の上に乾燥膜厚0.5μmの電荷発生層を形成した。
電荷発生物質(CGM):オキシチタニルフタロシアニン(Cu−Kα特性X線によるX線回折のスペクトルで、ブラッグ角(2θ±0.2°)27.3°に最大回折ピークを有するチタニルフタロシン顔料) 24部
ポリビニルブチラール樹脂「エスレックBL−1」(積水化学社製) 12部
2−ブタノン/シクロヘキサノン=4/1(v/v) 300部
上記組成物を混合し、サンドミルを用いて分散し、電荷発生層塗布液を調製した。この塗布液を浸漬塗布法で塗布し、前記中間層の上に乾燥膜厚0.5μmの電荷発生層を形成した。
電荷輸送層:CTL
電荷輸送物質(1−1) 600部
ポリカーボネート(Z300:三菱ガス化学社製) 300部
酸化防止剤(Irganox1010:日本チバガイギー社製) 30部
ジクロロメタン 2000部
シリコーンオイル(KF−54:信越化学社製) 1部
を混合し、溶解して電荷輸送層塗布液1を調製した。この塗布液を前記電荷発生層の上に浸漬塗布法で塗布し、110℃70分の乾燥を行い、乾燥膜厚18.0μmの電荷輸送層1を形成した。
電荷輸送物質(1−1) 600部
ポリカーボネート(Z300:三菱ガス化学社製) 300部
酸化防止剤(Irganox1010:日本チバガイギー社製) 30部
ジクロロメタン 2000部
シリコーンオイル(KF−54:信越化学社製) 1部
を混合し、溶解して電荷輸送層塗布液1を調製した。この塗布液を前記電荷発生層の上に浸漬塗布法で塗布し、110℃70分の乾燥を行い、乾燥膜厚18.0μmの電荷輸送層1を形成した。
表面層:OCL
次に以下の組成の表面層用樹脂組成物を準備した。
次に以下の組成の表面層用樹脂組成物を準備した。
メチルトリメトキシシラン 20部
γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン 33部
ジメチルジメトキシシラン 10部
コロイダルシリカ(メタノール分散品、固形分30質量%) 8部
5%酢酸水溶液 40部
イソプロパノール 800部
上記混合物を、65〜70℃にて5時間加水分解反応させた。その後、硬化触媒としてテトラメチルアンモニウムアセテート0.4部を加えて溶解し表面層用樹脂組成物を形成した。
γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン 33部
ジメチルジメトキシシラン 10部
コロイダルシリカ(メタノール分散品、固形分30質量%) 8部
5%酢酸水溶液 40部
イソプロパノール 800部
上記混合物を、65〜70℃にて5時間加水分解反応させた。その後、硬化触媒としてテトラメチルアンモニウムアセテート0.4部を加えて溶解し表面層用樹脂組成物を形成した。
この表面層用樹脂組成物に、
4,4′−ジヒドロキシメチルトリフェニルアミン(T−1) 6部
ヒンダードアミン系酸化防止剤(LS−2626:三共社製) 0.3部
を加えて混合溶解し、濾過(フィルター;日本ポール社製リジメッシュフィルター公称濾過精度:5μm、圧力;50kPa)して表面層塗布液を調製した。
4,4′−ジヒドロキシメチルトリフェニルアミン(T−1) 6部
ヒンダードアミン系酸化防止剤(LS−2626:三共社製) 0.3部
を加えて混合溶解し、濾過(フィルター;日本ポール社製リジメッシュフィルター公称濾過精度:5μm、圧力;50kPa)して表面層塗布液を調製した。
この塗布液を前記電荷輸送層1の上に円形スライドホッパー型塗布機で塗布し、110℃70分の乾燥を行い、乾燥膜厚2.0μmの表面層を形成し、電子写真感光体1を作製した。
電子写真感光体2〜5の作製
電子写真感光体1の作製と同様にして、CTL(電荷輸送層)のCTM(電荷輸送物質)を表1に示す化合物と配合比に変えて電子写真感光体2〜5を作製した。
電子写真感光体1の作製と同様にして、CTL(電荷輸送層)のCTM(電荷輸送物質)を表1に示す化合物と配合比に変えて電子写真感光体2〜5を作製した。
電子写真感光体6の作製
電子写真感光体1の作製において、表面層を下記に変えた以外は同様にして電子写真感光体6を作製した。
電子写真感光体1の作製において、表面層を下記に変えた以外は同様にして電子写真感光体6を作製した。
表面層:OCL
次に以下の組成の表面層用樹脂組成物を準備した。
次に以下の組成の表面層用樹脂組成物を準備した。
金属酸化物:酸化チタン(イソブチルトリメトキシシラン処理) 8部
硬化性化合物(M408:東亞合成社製) 10部
重合開始剤(1−ヒドロキシシクロヘキシル(フェニル)メタノン) 1部
メタノール 10部
イソプロピルアルコール 40部
上記成分を混合撹拌し、十分に溶解・分散し、保護層塗布液を作製した。該塗布液を先に電荷輸送層まで作製した感光体上に円形スライドホッパー型塗布機を用いて、保護層を塗布した。塗布後、メタルハライドランプを用いて紫外線を1分間照射して、乾燥膜厚2.0μmの表面層を形成し、電子写真感光体6を得た。
硬化性化合物(M408:東亞合成社製) 10部
重合開始剤(1−ヒドロキシシクロヘキシル(フェニル)メタノン) 1部
メタノール 10部
イソプロピルアルコール 40部
上記成分を混合撹拌し、十分に溶解・分散し、保護層塗布液を作製した。該塗布液を先に電荷輸送層まで作製した感光体上に円形スライドホッパー型塗布機を用いて、保護層を塗布した。塗布後、メタルハライドランプを用いて紫外線を1分間照射して、乾燥膜厚2.0μmの表面層を形成し、電子写真感光体6を得た。
電子写真感光体7の作製
電子写真感光体1の作製において、表面層を下記に変えた以外は同様にして電子写真感光体7を作製した。
電子写真感光体1の作製において、表面層を下記に変えた以外は同様にして電子写真感光体7を作製した。
金属酸化物粒子:シリカ粒子(ヘキサメチルジシラザン)で表面処理された平均一次粒径0.04μmのシリカ粒子100部とTHF2000部を混合し、循環式超音波ホモジナイザーで30時間分散し、シリカ粒子のTHF分散液(固形分5質量%)を作製した。
前記シリカ分散液 1200部
電荷輸送物質(1−1) 150部
ポリカーボネート(Z300:三菱ガス化学社製) 300部
AO剤(2,6−tブチル−4−メチルフェノール) 12部
テトラヒドロフラン 1860部
シリコーンオイル(KF−54:信越化学社製) 0.3部
上記を混合溶解し、濾過(フィルター;日本ポール社製リジメッシュフィルター公称濾過精度:5μm、圧力;50kPa)して表面層塗布液を調製した。
電荷輸送物質(1−1) 150部
ポリカーボネート(Z300:三菱ガス化学社製) 300部
AO剤(2,6−tブチル−4−メチルフェノール) 12部
テトラヒドロフラン 1860部
シリコーンオイル(KF−54:信越化学社製) 0.3部
上記を混合溶解し、濾過(フィルター;日本ポール社製リジメッシュフィルター公称濾過精度:5μm、圧力;50kPa)して表面層塗布液を調製した。
この塗布液を前記電荷輸送層1の上に円形スライドホッパー型塗布機で塗布し、110℃70分の乾燥を行い、乾燥膜厚5.0μmの表面層を形成し、電子写真感光体7を作製した。この表面層塗布液は下層の電荷輸送層1を塗布中溶解することが認められた。
電子写真感光体8の作製
電子写真感光体6の作製において、電荷輸送層のバインダー樹脂をポリカーボネートに変えてポリアリレート樹脂“Uポリマー U−100”(ユニチカ社製)にした以外は同様にして電子写真感光体8を作製した。
電子写真感光体6の作製において、電荷輸送層のバインダー樹脂をポリカーボネートに変えてポリアリレート樹脂“Uポリマー U−100”(ユニチカ社製)にした以外は同様にして電子写真感光体8を作製した。
電子写真感光体9の作製
電子写真感光体6の作製において、電荷輸送層のバインダー樹脂をポリカーボネートに変えて非晶性ポリエステル樹脂(有機溶剤可溶型)バイロン200(東洋紡社製)にした以外は同様にして電子写真感光体9を作製した。
電子写真感光体6の作製において、電荷輸送層のバインダー樹脂をポリカーボネートに変えて非晶性ポリエステル樹脂(有機溶剤可溶型)バイロン200(東洋紡社製)にした以外は同様にして電子写真感光体9を作製した。
電子写真感光体10〜12の作製
電子写真感光体10〜12は下記に示す蒸着により作製した。
電子写真感光体10〜12は下記に示す蒸着により作製した。
〔蒸着方法〕
図2に示した外界を遮断した大気圧プラズマ放電処理装置を用い、下記条件で、CTL(電荷輸送層)を有する電子写真感光体を回しながら移送して、保護層の膜厚が480〜500nm間の一定の厚さになるようにプラズマ放電処理を行い、OCL(表面層)を有する電子写真感光体10〜12を作製した。
図2に示した外界を遮断した大気圧プラズマ放電処理装置を用い、下記条件で、CTL(電荷輸送層)を有する電子写真感光体を回しながら移送して、保護層の膜厚が480〜500nm間の一定の厚さになるようにプラズマ放電処理を行い、OCL(表面層)を有する電子写真感光体10〜12を作製した。
《条件》
印加電極を長さ380mm、幅150mm、高さ80mの凹型固定電極とし、その金属母材を厚さ20mmの中空の温度調節ジャケット付きのチタン合金T64を用い、誘電体は実施例1の電極の誘電体の被覆と同じにした。アース電極は直径200mm(誘電体処理後の寸法)、長さ360mmのロール状回転電極とし、その金属母材を厚さ20mmの中空、温度調節ジャケット付きのチタン合金T64とし、誘電体としてRmaxが1μmの溶射アルミナホワイト誘電体(比誘電率10)を被覆とした。高周波電源にパール工業製高周波電源CF−50000−2M(2MHz)を用い、出力密度を15W/cm2、反応ガスを希ガスとしてアルゴンを98.25体積%、反応性ガス1としてジブチルジエトキシシラン0.25体積%(リンテック社製気化器にてアルゴンガスに混合して気化)し、反応性ガス2として水素1.0体積%とし、電極間隙を3mmとし、電極温度を60℃、気圧を104kPaとして行った。
印加電極を長さ380mm、幅150mm、高さ80mの凹型固定電極とし、その金属母材を厚さ20mmの中空の温度調節ジャケット付きのチタン合金T64を用い、誘電体は実施例1の電極の誘電体の被覆と同じにした。アース電極は直径200mm(誘電体処理後の寸法)、長さ360mmのロール状回転電極とし、その金属母材を厚さ20mmの中空、温度調節ジャケット付きのチタン合金T64とし、誘電体としてRmaxが1μmの溶射アルミナホワイト誘電体(比誘電率10)を被覆とした。高周波電源にパール工業製高周波電源CF−50000−2M(2MHz)を用い、出力密度を15W/cm2、反応ガスを希ガスとしてアルゴンを98.25体積%、反応性ガス1としてジブチルジエトキシシラン0.25体積%(リンテック社製気化器にてアルゴンガスに混合して気化)し、反応性ガス2として水素1.0体積%とし、電極間隙を3mmとし、電極温度を60℃、気圧を104kPaとして行った。
(評価方法)
高画質
作製した電子写真感光体1〜12をbizhub PRO C6500に搭載し、11段の階調性評価チャートを出力し、目視で視認階調性を評価した。
高画質
作製した電子写真感光体1〜12をbizhub PRO C6500に搭載し、11段の階調性評価チャートを出力し、目視で視認階調性を評価した。
11段:○、10段△、9段以下×
転写メモリ
作製した電子写真感光体1〜12をbizhub PRO C6500に搭載し、10kp耐刷後、転写メモリ評価チャートを出力し、目視で評価した。
転写メモリ
作製した電子写真感光体1〜12をbizhub PRO C6500に搭載し、10kp耐刷後、転写メモリ評価チャートを出力し、目視で評価した。
メモリなし:○、メモリあり:×
削れ量
作製した電子写真感光体1〜12をbizhub PRO C6500に搭載し、100kp耐刷後、削れ量を測定した。
削れ量
作製した電子写真感光体1〜12をbizhub PRO C6500に搭載し、100kp耐刷後、削れ量を測定した。
1μm未満:○、1μm以上:×
電位安定性
作製した電子写真感光体1〜12をbizhub PRO C6500に搭載し、100kp耐刷後、電位変動量を測定した。
電位安定性
作製した電子写真感光体1〜12をbizhub PRO C6500に搭載し、100kp耐刷後、電位変動量を測定した。
ΔVo/ΔVrの両方が50V未満 :○
ΔVo/ΔVrいずれかが50V以上 :△
ΔVo/ΔVrの両方が50V以上 :×
ΔVo/ΔVrいずれかが50V以上 :△
ΔVo/ΔVrの両方が50V以上 :×
表1から、本発明の電子写真感光体は、高画質で、転写メモリ、削れ量に優れ、電位が安定していることがわかる。
1 画像形成装置
21 電子写真感光体
22 帯電手段
23 現像手段
24 転写極
25 分離極
26 クリーニング手段
30 露光光学系
45 転写搬送ベルト装置
50 定着手段
P 転写紙
200 プラズマ放電処理容器
201 凹型固定電極
202 導電性支持体電極
203 処理部
204 調整容器
205 高周波電源
206 給気口
207 排気口
208 給気口
209 排気口
G 反応ガス
G′ 処理排ガス
21 電子写真感光体
22 帯電手段
23 現像手段
24 転写極
25 分離極
26 クリーニング手段
30 露光光学系
45 転写搬送ベルト装置
50 定着手段
P 転写紙
200 プラズマ放電処理容器
201 凹型固定電極
202 導電性支持体電極
203 処理部
204 調整容器
205 高周波電源
206 給気口
207 排気口
208 給気口
209 排気口
G 反応ガス
G′ 処理排ガス
Claims (7)
- 導電性支持体上に少なくとも電荷発生層、電荷輸送層及び表面層を有する電子写真感光体において、該電荷輸送層が、イオン化ポテンシャル(IP)5.4eV以上5.6eV以下の電荷輸送物質を結着樹脂100部に対して150部以上300部以下含有し、かつ、表面層は電荷輸送層を溶解しない方法で形成したことを特徴とする電子写真感光体。
- 前記電荷輸送層の電荷輸送物質の分子量が400以上700以下であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
- 前記電荷輸送層の結着樹脂がポリカーボネートまたはポリアリレートであることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子写真感光体。
- 前記表面層の塗液溶剤が水またはアルコールであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
- 前記表面層が溶媒を用いない堆積膜であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
- 前記電荷輸送層が酸化防止剤を含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
- 請求項1〜6のいずれか1項記載の電子写真感光体に、帯電手段により均一な帯電を付与し、像露光を行い静電潜像を形成し、該静電潜像をトナーを含有する現像剤を用いて、トナー画像に顕像化させることを特徴とする画像形成方法。
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2014191118A (ja) * | 2013-03-26 | 2014-10-06 | Fuji Xerox Co Ltd | 電子写真感光体、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置 |
JP2017146562A (ja) * | 2016-02-19 | 2017-08-24 | 富士ゼロックス株式会社 | 電子写真感光体、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置 |
JP2018087940A (ja) * | 2016-11-30 | 2018-06-07 | 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 | 電子写真感光体 |
US10564556B2 (en) | 2017-09-27 | 2020-02-18 | Fuji Xerox Co., Ltd. | Electrophotographic photoreceptor, process cartridge, and image forming apparatus |
-
2008
- 2008-02-22 JP JP2008041347A patent/JP2009198879A/ja active Pending
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