JP2000221701A - 電子写真感光体製造用塗布液及びその塗布液を用いた電子写真感光体 - Google Patents

電子写真感光体製造用塗布液及びその塗布液を用いた電子写真感光体

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JP2000221701A
JP2000221701A JP11020069A JP2006999A JP2000221701A JP 2000221701 A JP2000221701 A JP 2000221701A JP 11020069 A JP11020069 A JP 11020069A JP 2006999 A JP2006999 A JP 2006999A JP 2000221701 A JP2000221701 A JP 2000221701A
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solvent
layer
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Hideya Arisue
英也 有末
Makoto Okaji
誠 岡地
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】塗液安定性に優れ塗布欠陥が少ない電子写真感
光体製造用塗布液を提供すること。及び、該塗布液を用
いて形成した層を有した、電子写真プロセス内で繰り返
し使用するにあたり、帯電特性及び残留電位の変化の小
さい電子写真感光体を提供すること。 【解決手段】電子写真感光体における導電性支持体と感
光層との間に設ける下引き層を形成するための、アルコ
ール可溶性ナイロン樹脂を溶解した溶剤中に酸化チタン
粒子を分散してなる電子写真感光体製造用塗布液におい
て、該溶剤として、塗工環境気圧下における沸点が15
5℃以下のエチレングリコールモノアルキルエーテルま
たはプロピレングリコールモノアルキルエーテルを含有
すること。及び、導電性支持体上に、少なくとも下引き
層、感光層を有する電子写真感光体の下引き層として、
該塗布液を用いて形成した層を用いた電子写真感光体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子写真感光体に関
するものであり、詳しくは、電子写真感光体における導
電性支持体と感光層との間に設ける下引き層を形成する
ための、塗液安定性に優れ塗布欠陥が少ない塗布液と、
該塗布液を用いて形成した層を有した、繰り返しによる
帯電特性及び残留電位の変化の小さい電子写真感光体に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真感光体としては、セレ
ン、酸化亜鉛、硫化カドミウム等の無機光導電体を主成
分とする感光層を有するものが広く知られていた。しか
し、これらは感度、熱安定性、耐湿性、耐久性等におい
て必ずしも満足し得るものではなく、また特にセレン及
び硫化カドミウムは毒性のために、製造上、取扱上にも
制約があった。
【0003】一方、有機光導電性化合物を主成分とする
感光層を有する電子写真感光体は製造が比較的容易であ
ること、安価であること、取り扱いが容易であること、
また一般にセレン感光体に比べて熱安定性が優れている
ことなど多くの利点を有し、近年多くの注目を集めてい
る。このような有機光導電性化合物としては、ポリ−N
−ビニルカルバゾールが良く知られており、これと2,
4,7−トリニトロ−9−フルオレノン等のルイス酸と
から形成される電荷移動錯体を主成分とする感光層を有
する電子写真感光体が特公昭50−10469号公報に
記載されている。しかしながら、この感光体は感度、成
膜性、および耐久性において必ずしも満足できるもので
はない。
【0004】これに対し、ヒドラゾン類やピラゾリン類
に代表される低分子量の有機光導電体が提案されてい
る。これらを適当なバインダーと組み合わせる事によ
り、成膜性については大幅な改善が図られたが、感度や
耐久性に関してはまだまだ十分とは言えない。このよう
なことから、近年、電荷発生機能と電荷移動機能を別個
の物質に分担させるようにした、機能分離型感光体が提
案された。この構成において、特に高い電荷発生能力を
有する有機顔料を電荷発生物質として用い、これとヒド
ラゾン系化合物などの高い電荷移動能力を持つ電荷移動
物質を組み合わせることにより帯電特性や感度が大きく
改善され、セレン等の無機感光体に近い感度を有するも
のも出現している。その結果、複写機や光プリンター等
の分野に、これらのタイプの有機光導電性化合物を主成
分とする電子写真感光体が大きく進出してきている。
【0005】一方、このような有機感光体では複写機内
で帯電、露光、除電といった複雑なプロセスを経る際、
化合物は電荷の発生移動を担うだけでなく、高い電界中
でオゾン、光などの刺激を受ける。このためにプロセス
を繰り返すに従い、帯電後の初期電位が低下したり、除
電後の残留電位が上昇するなど使用上多くの問題点がま
だ残されている。
【0006】上述の欠点を補うために、導電性支持体と
感光層の間に下引き層を設ける方法が提案されている。
例えば、特開昭48−47344号、同52−2563
8号、同58−30757号、同58−63945号、
同58−98739号、及び同60−66258号公報
にはナイロン樹脂系下引き層が、また特開昭49−69
332号、同52−10138号公報にはマレイン酸樹
脂系下引き層が、特開昭58−105155号公報には
ポリビニルアルコール樹脂下引き層がそれぞれ開示され
ている。
【0007】また下引き層に種々の導電性添加物を含有
させ下引き層の電気抵抗を制御させる方法も提案されて
いる。例えば、特開昭51−65942号公報にはカー
ボンまたはカルコゲン系物質を硬化性樹脂中に分散させ
た下引き層が、特開昭52−82238号公報には四級
アンモニウム塩が添加されイソシアネート系硬化剤を用
いた熱重合体下引き層が、特開昭55−118045号
公報には抵抗調節剤を添加した下引き層が、特開昭58
−58556号公報にはスズまたはアルミニウムの酸化
物を分散した下引き層が、特開昭58−93063号、
同60−97363号、及び同60−111255号公
報には導電性粒子を分散した下引き層が、特開昭59−
93453号公報、及び特開昭63−298251号公
報等には酸化チタン粒子を分散した下引き層がそれぞれ
開示されている。
【0008】これらの中で、アルコール可溶性ナイロン
樹脂中に酸化チタン粒子を分散した下引き層を用いた電
子写真感光体は、プロセス中における、帯電後の初期電
位の低下や除電後の残留電位の上昇がかなり改善され、
一部で実用化されている。
【0009】しかし、アルコール可溶性ナイロン樹脂を
溶解した溶剤中に酸化チタン粒子を分散した下引き層形
成用塗布液では、塗布液中で酸化チタン粒子が凝集や沈
降しやすく、塗液寿命の短絡や塗布欠陥が起こる事によ
り生産性が低下しやすい。また、アルコール可溶性ナイ
ロン樹脂を溶解する溶剤として、主にメタノールやエタ
ノールが用いられるため、それら溶剤の蒸発潜熱の大き
さや吸湿性から、塗布膜表面に曇り(ブラッシング)が
生じやすく良好な塗膜を得る事が難しい。
【0010】上記問題を解決するために、塗布液への分
散助剤やレベリング剤等の添加が検討されているが、そ
れらは出来上がった電子写真感光体の画像特性や電気的
特性に悪影響を与えることが多い。これらの結果、アル
コール可溶性ナイロン樹脂中に酸化チタン粒子を分散し
た下引き層を有し、かつ良好な特性の電子写真感光体を
得ることが非常に困難になっている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、電子
写真感光体における導電性支持体と感光層との間に設け
る下引き層を形成するための、塗液安定性に優れ塗布欠
陥が少ない塗布液を提供すること、及び、該塗布液を用
いて形成した層を有した、繰り返しによる帯電特性及び
残留電位の変化の小さい電子写真感光体を提供すること
にある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の目的
を達成するために種々の検討を行った結果、電子写真感
光体における導電性支持体と感光層との間に設ける下引
き層を形成するための、アルコール可溶性ナイロン樹脂
を溶解した溶剤中に酸化チタン粒子を分散してなる電子
写真感光体製造用塗布液において、該溶剤として、塗工
環境気圧下における沸点が155℃以下のエチレングリ
コールモノアルキルエーテルまたはプロピレングリコー
ルモノアルキルエーテルを含有することにより、塗液安
定性に優れ塗布欠陥が少ない塗布液が得られることを見
い出した。また、下引き層として該塗布液を用いて形成
した層を用いることにより、優れた帯電、露光繰り返し
特性を示す電子写真感光体が得られることを見い出し
た。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の構成要素について
詳細に説明する。
【0014】本発明の電子写真感光体製造用塗布液で使
用される酸化チタン粒子は、他の白色顔料と較べ、屈折
率が大きく、物理的、化学的に安定で、隠ぺい力、白色
度に優れた顔料として印刷インキ、塗料、その他の多方
面の分野で使用されており、結晶型として、ルチル型、
アナタース型、ブルカイト型、アモルファスがあり何れ
も使用でき、針状結晶、粒状結晶の何れも使用できる。
また表面を、アルミニウムや珪素等の含水酸化物、ある
いはステアリン酸等で表面処理したものも使用できる。
【0015】酸化チタン粒子は、ボールミル、縦型サン
ドミル、横型サンドミル、ペイントコンディショナー等
の分散機によってバインダーを溶解した溶剤中に分散さ
れる。
【0016】本発明の電子写真感光体製造用塗布液で使
用されるアルコール可溶性ナイロン樹脂は、低級脂肪族
アルコールにしか溶解せず、従って、これらの樹脂から
なる下引き層上に感光層を塗布する場合の塗布用溶剤と
しては、低級アルコール以外のものを使用すれば良く、
溶剤選択の幅が大きくなる。下引き層を溶解するような
溶剤を用いて感光層を塗布すると、下引き層と混合して
特性が劣化したり、塗布方法によっては塗布面が不均一
になる等の不都合が生ずる。アルコール可溶性ナイロン
樹脂は通常2つに大別でき、1つはナイロン6、ナイロ
ン66、ナイロン610、ナイロン11、ナイロン12
等を共重合させたいわゆる共重合体ナイロンと呼ばれる
タイプ、もう1つはN−アルコキシメチル変性ナイロ
ン、N−アルコキシエチル変性ナイロンの様にナイロン
を化学的に変性させた変性ナイロンと呼ばれるタイプで
あり何れも使用できる。
【0017】本発明における酸化チタンとアルコール可
溶性ナイロン樹脂の比率としては、酸化チタン100重
量部に対しアルコール可溶性ナイロン樹脂は1から10
00重量部、好ましくは1から400重量部の範囲で用
いられる。
【0018】本発明の電子写真感光体製造用塗液で使用
される塗布用溶剤としては、混合溶剤系が使用され、主
溶剤として前記アルコール可溶性ナイロン樹脂を溶解す
る低級脂肪族アルコールを使用する。低級脂肪族アルコ
ールの中でも、バインダー溶解能や塗布膜乾燥速度の点
でメタノール、エタノールが主に使用される。
【0019】副溶剤として、塗工環境気圧下における沸
点が155℃以下のエチレングリコールモノアルキルエ
ーテルまたはプロピレングリコールモノアルキルエーテ
ルを使用する。エチレングリコールモノアルキルエーテ
ルの例としては、エチレングリコールモノメチルエーテ
ル(124℃)、エチレングリコールモノエチルエーテ
ル(135℃)、エチレングリコールモノイソプロピル
エーテル(142℃)等が挙げられ、プロピレングリコ
ールモノアルキルエーテルの例としては、プロピレング
リコールモノメチルエーテル(121℃)、プロピレン
グリコールモノエチルエーテル(132℃)、プロピレ
ングリコールモノプロピルエーテル(150℃)等が挙
げられる(()内は気圧760mmHgにおける沸
点)。
【0020】塗工環境気圧下における沸点が155℃よ
り高いエチレングリコールモノアルキルエーテルまたは
プロピレングリコールモノアルキルエーテルでは、塗膜
乾燥速度が低くなり、塗膜中に該溶剤が残留し感光体特
性に悪影響を与える。また沸点が155℃以下であって
も、アルコール類では大きな吸湿性により、他の溶剤で
は塗布時に主溶剤が揮発した後、アルコール可溶性ナイ
ロン樹脂が析出するため、塗布性が改善できない場合が
多い。
【0021】副溶剤として用いる前記溶剤は、2種類以
上を混合して使用しても構わない。塗液全溶剤中の副溶
剤の使用比率は、アルコール可溶性ナイロン樹脂の溶解
性を阻害しない範囲で用いられるが、多すぎる場合は塗
膜乾燥速度が低くなり、また塗膜中に該溶剤が残留し感
光体特性に悪影響を与える可能性があり、少なすぎる場
合は塗布性を改善する効果が低くなるため、全溶剤量の
2重量%以上、10重量%以下が好ましい。また本発明
の効果を阻害しない範囲で、さらに他のアルコール類や
芳香族炭化水素、含ハロゲン炭化水素等を加えて使用し
てもよい。
【0022】本発明における感光体が形成される導電性
支持体としては周知の電子写真感光体に採用されている
ものが何れも使用できる。具体的には例えば、アルミニ
ウム、銅等の金属ドラムまたはシート、あるいはこれら
の金属箔のラミネート物、蒸着物等が挙げられる。更
に、金属粉末、カーボンブラック、ヨウ化銅、高分子電
解物等の導電性物質を適当なバインダーとともに塗布し
て導電処理を施したプラスチックフィルム、プラスチッ
クドラム、紙等が挙げられる。また、金属粉末、カーボ
ンブラック、炭素繊維等の導電性物質を含有し、導電性
となったプラスチックのシートやドラムが挙げられる。
【0023】本発明における感光体は、前記下引き層形
成用塗布液を塗布し形成した下引き層上に感光層を形成
して成る。形成される感光層の形態としては、電荷発生
物質と電荷移動物質を分散混合した機能分離単層型、電
荷発生物質と電荷移動物質を分離した機能分離積層型な
どにより構成される。本発明は何れの系にも適用させる
ことが可能であるが、電荷発生物質と電荷移動物質の性
能を最大限に生かし易い機能分離積層型感光体の系にお
いて用いられるのが好ましい。
【0024】感光層表面には感光体の耐磨耗性やガスバ
リヤ性を向上させるために表面層を設けても構わない。
【0025】本発明で使用される有機電荷発生物質とし
ては、モノアゾ顔料、ポリアゾ顔料、金属錯塩アゾ顔
料、ピラゾロンアゾ顔料、スチルベンアゾ顔料およびチ
アゾールアゾ顔料等に代表されるアゾ系顔料、ペリレン
無水物及びペリレン酸イミド等に代表されるペリレン系
顔料、アントラキノン誘導体、アンスアンスロン誘導
体、ジベンズピレンキノン誘導体、ピラントロン誘導
体、ビオラントロン誘導体及びイソビオラントロン誘導
体等に代表されるアントラキノン系または多環キノン系
顔料、金属フタロシアニン、金属ナフタロシアニン、無
金属フタロシアニン、無金属ナフタロシアニン等に代表
されるフタロシアニン系顔料、ポルフィリン誘導体等の
顔料と、メチルバイオレットに代表されるトリフェニル
メタン染料、キニザリン等のキノン染料やピリリウム
塩、チアピリリウム塩、ベンゾピリウム塩等の染料が挙
げられる。
【0026】これらの中で、特にキャリア発生効率の高
いものとしてビスアゾ顔料、トリスアゾ顔料、フタロシ
アニン系顔料を用いたものは、高い感度を与え、優れた
感光体を提供するため好ましい。例えば、ビスアゾ顔料
の場合であれば、特開昭62−286058号公報、同
63−32557号公報、同63−243948号公
報、同64−21453号公報、同64−21455号
公報、特開平1−94350号公報、同1−20026
7号公報、同1−202757号公報等に記載の化合物
を使用することが出来、フタロシアニン系顔料の例とし
ては、無金属フタロシアニン、銅、インジウム、チタ
ン、ガリウム、ゲルマニウム、バナジウム等の金属、又
はその酸化物、塩化物、水酸化物等の配位したフタロシ
アニン類やそれらの混晶体、ナフタロシアニン類等が挙
げられる。
【0027】機能分離型積層型感光体ではこれら電荷発
生物質と必要に応じバインダー樹脂の混合で電荷発生層
が構成される。バインダー樹脂としてはスチレン、酢酸
ビニル、アクリル酸エステル、メタアクリル酸エステル
等によるビニル化合物の重合体や共重合体、シリコン樹
脂、フェノキシ樹脂、ブチラール樹脂、ホルマール樹
脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート、ポリアリレー
ト等やエポキシ樹脂、ウレタン樹脂等の熱硬化性樹脂、
光硬化性樹脂等が挙げられる。バインダーは電荷発生物
質100重量部に対し1から1000重量部、好ましく
は1から400重量部の範囲で用いられる。電荷発生層
の厚さは、0.1から20μmが好ましい。
【0028】本発明で使用される有機電荷移動物質には
正孔移動物質と電子移動物質がある。前者の例として
は、例えば特公昭34−5466号公報に示されている
オキサジアゾール類、特公昭45−555号公報に示さ
れているトリフェニルメタン類、特公昭52−4188
号公報に示されているピラゾリン類、特公昭55−42
380号公報に示されているヒドラゾン類、特開昭56
−123544号公報に示されているオキサジアゾール
類、特公昭58−32372号公報に示されているトリ
アリールアミン類、特開昭58−198043号公報に
示されているスチルベン類等をあげることができる。一
方、電子移動物質としては、例えばクロラニル、テトラ
シアノエチレン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオ
レノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、
1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェンなどがあ
る。これらの電荷移動物質は単独または2種以上組み合
わせて用いることが出来る。
【0029】これらの電荷移動物質のなかで、ヒドラゾ
ン類、スチルベン類は高い電荷(正孔)移動度をもち、
優れた感光体を提供するため好ましい。ヒドラゾン類の
中では、特開平1−100555号公報、同2−103
67号公報、同2−51163号公報、同2−9676
7号公報、同2−183260号公報、同2−1848
56号公報、同2−184858号公報、同2−184
859号公報、同2−226160号公報、同5−18
8609号公報、同7−140686号公報に記載の化
合物が特に好ましい。またスチルベン類の中では、特開
平2−51162号公報、同2−184857号公報、
同3−75660号公報、同4−177358号公報、
同6−194851号公報、同7−120945号公
報、同7−140683号公報、同10−78671号
公報、同10−90923号公報に記載の化合物が特に
好ましい。
【0030】機能分離型積層型感光体では少なくともこ
れら電荷移動物質とバインダー樹脂の混合で電荷移動層
が構成される。電荷移動層に用いられるバインダー樹脂
としては、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレートに
代表されるアクリル樹脂、ビスフェノールAやZ骨格を
持つポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリ
フェニレンエーテル樹脂、ポリエーテルサルフォン樹
脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹
脂等を用いることができる。電荷移動層内では有機電荷
移動物質100重量部に対し、バインダーは10から4
00重量部の範囲で用いられる。電荷移動層の厚さは、
5から100μmが好ましい。
【0031】本発明の電子写真感光体は構成有機化合物
の酸化による劣化を防止するために、2,6−ジ−te
rt−ブチル−p−クレゾール、DL−α−トコフェロ
ール等の酸化防止剤を添加してもよい。また成膜性、可
撓性、機械的強度を向上させるために周知の可塑剤を使
用してもよい。
【0032】更に、本発明の電子写真感光体の感光層製
造時には、顔料の場合は溶剤に分散し、染料やバインダ
ー及び電荷移動物質は溶解させた塗布液を使用する。使
用する溶剤はクロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロ
エタン等のハロゲン化炭化水素、ベンゼン、トルエン、
キシレン等の芳香族炭化水素、ジオキサン、テトラヒド
ロフラン、ジメトキシエタン等のエーテル系、アセト
ン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等の
ケトン系などの溶剤の単独または2種以上の混合溶剤ま
たは必要に応じてシクロヘキサノン等の溶剤を更に加え
使用することができる。また塗布方法としては回転塗
布、ブレード塗布、ナイフ塗布、リバースロール塗布、
ロッドバー塗布、及びスプレー塗布の様な公知の方法を
用いることが出来、特にドラム状支持体に塗工する場合
には、浸漬(ディップ)塗布方法等が用いられる。
【0033】
【実施例】次に本発明を実施例により更に詳細に説明す
るが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。
【0034】実施例1 アルコール可溶性ナイロン(東レ製;CM−8000)
5重量部を、主溶剤としてメタノール95重量部と副溶
剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテル5重
量部の混合溶剤に溶解させ、それに酸化チタン(石原産
業製;TTO−S−1)5重量部を混合し、直径1mm
のジルコニアビーズと共にサンドグラインドミルを用い
て5時間分散して下引き層形成用塗液を作製した。
【0035】室温20℃、相対湿度45%、気圧760
mmHgの条件下において、前記下引き層形成用塗布液
にアルミニウムドラム素管を浸漬塗布し、自然乾燥して
乾燥膜厚0.5μmの下引き層を形成した。アルミニウ
ムドラム素管を塗布液から引き上げてから塗布膜全面が
乾燥するまでの時間を測定した。また、乾燥塗布面の様
子及び前記下引き層形成用塗布液を10日間静置した後
の分散粒子の様子を目視にて観察した。これら結果及び
副溶剤の塗布環境下における沸点を表1に示す。
【0036】次に、CuKα線を用いたX線回折スペク
トルが図1に示す結晶形を持つチタニルフタロシアニン
顔料1重量部、スチレン−ブタジエン共重合樹脂(GO
ODYEAR製;Pliolite S−5D)1重量部をテト
ラヒドロフラン100重量部に混合し、直径1mmの低
アルカリガラスビーズと共にサンドグラインドミルを用
いて2時間分散した。こうして得た電荷発生層形成用塗
液を前記下引き層上に浸漬塗布し、自然乾燥して乾燥膜
厚約0.2μmの電荷発生層を形成した。
【0037】更に、下記化学式(1)で示されるスチル
ベン化合物10重量部、ポリカーボネート樹脂(帝人化
成製;C−1400)10重量部、2,6−ジ−ter
t−ブチル−p−クレゾール0.1重量部を、塩化メチ
レン130重量部に溶解させた。この電荷移動層形成用
塗液を前記電荷発生層上に浸漬塗布し、80℃で2時間
加熱乾燥して乾燥膜厚25μmの電荷移動層を形成し
た。
【0038】
【化1】
【0039】このように作製した電子写真感光体を室温
暗所で一昼夜保管した後、室温23℃、相対湿度55%
の条件下において、ドラム感光体評価装置(ジェンテッ
ク製;シンシア90)を用いて、プロセス速度:190
mm/秒、帯電電圧:−7.0kV、露光光波長:78
0nm、露光光強度:2μW/cm2、光除電:タング
ステンランプアレイ、の条件で、帯電、露光、除電プロ
セスを行い半減露光量を測定した。また、このプロセス
を10000回繰り返して行ない、その前後で、感光体
の帯電電位及び残留電位を測定した。これらの結果を表
2に示す。
【0040】実施例2〜5、比較例1〜5 下引き層形成用塗液における溶剤を、主溶剤としてメタ
ノールと副溶剤として表1に示す溶剤を表1に示す混合
比(重量比)で用いた混合溶剤とした以外は実施例1と
同様に電子写真感光体を作製し、実施例1と同様の測
定、評価を行った。結果を表1、2に示す。
【0041】
【表1】
【0042】表1中、副溶剤の略号は以下の溶剤を表
す。 MFG:プロピレングリコールモノメチルエーテル isoPG:エチレングリコールモノイソプロピルエー
テル PFG:プロピレングリコールモノプロピルエーテル isoBG:エチレングリコールモノイソブチルエーテ
ル BFG:プロピレングリコールモノブチルエーテル n−BuOH:1−ブタノール
【0043】
【表2】
【0044】実施例1、4、5は本発明の特許請求の範
囲の請求項1、2、3に該当し、実施例2、3は本発明
の特許請求の範囲の請求項1、3に該当し、比較例1〜
5よりも優れた特性を示す。実施例1、4、5と実施例
2、3は両群とも優れた特性を示すが、両群を比較する
と実施例1、4、5の方がより優れている。
【0045】
【発明の効果】以上から明らかなように、本発明によれ
ば、塗液安定性に優れ塗布欠陥が少ない塗布液を提供す
ることができ、また、該塗布液を用いて形成した層を有
した、繰り返しによる帯電特性及び残留電位の変化の小
さい電子写真感光体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で用いたチタニルフタロシアニン顔料
のX線回折スペクトル。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルコール可溶性ナイロン樹脂を溶解し
    た溶剤中に酸化チタン粒子を分散してなる電子写真感光
    体製造用塗布液において、該溶剤として、塗工環境気圧
    下における沸点が155℃以下のエチレングリコールモ
    ノアルキルエーテルまたはプロピレングリコールモノア
    ルキルエーテルを含有することを特徴とする電子写真感
    光体製造用塗布液。
  2. 【請求項2】 エチレングリコールモノアルキルエーテ
    ルまたはプロピレングリコールモノアルキルエーテルの
    含有量が、電子写真感光体製造用塗布液に含まれる全溶
    剤量の2重量%以上、10重量%以下であることを特徴
    とする請求項1記載の電子写真感光体製造用塗布液。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2記載の電子写真
    感光体製造用塗布液を用いて形成した層を有することを
    特徴とする電子写真感光体。
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