JPH09197699A - 電子写真感光体製造用塗布液及びそれを用いた電子写真感光体 - Google Patents

電子写真感光体製造用塗布液及びそれを用いた電子写真感光体

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JPH09197699A
JPH09197699A JP372796A JP372796A JPH09197699A JP H09197699 A JPH09197699 A JP H09197699A JP 372796 A JP372796 A JP 372796A JP 372796 A JP372796 A JP 372796A JP H09197699 A JPH09197699 A JP H09197699A
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JP
Japan
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electrophotographic
sensitive body
titanium oxide
electrophotographic sensitive
compound
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JP372796A
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Makoto Okaji
誠 岡地
Hideya Arisue
英也 有末
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塗布性に優れた電子写真感光体製造用塗布
液、及び、電子写真プロセス内で繰り返し使用するにあ
たり、低温低湿下においても特性が安定化された電子写
真感光体を提供する。 【解決手段】 アルコール可溶性ナイロン樹脂を溶解し
た溶剤中に酸化チタン粒子を分散した電子写真感光体製
造用塗布液において、該塗布液中に、化1で示される構
造を分子内に有する化合物を含有していることを特徴と
する電子写真感光体製造用塗布液。及び、導電性支持体
上に下引き層、感光層を順次積層した電子写真感光体に
おいて、前記下引き層が、酸化チタン粒子とアルコール
可溶性ナイロン樹脂を主成分とし、さらに化1で示され
る構造を分子内に有する化合物を含有していることを特
徴とする電子写真感光体。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子写真感光体製造用塗
布液及びそれを用いた電子写真感光体に関するものであ
り、詳しくは、塗布性に優れた電子写真感光体製造用塗
布液及び環境特性に優れた電子写真感光体に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真感光体としては、セレ
ン、酸化亜鉛、硫化カドミウム等の無機光導電体を主成
分とする感光層を有するものが広く知られていた。しか
し、これらは感度、熱安定性、耐湿性、耐久性等におい
て必ずしも満足し得るものではなく、また特にセレン及
び硫化カドミウムは毒性のために、製造上、取扱上にも
制約があった。
【0003】一方、有機光導電性化合物を主成分とする
感光層を有する電子写真感光体は製造が比較的容易であ
ること、安価であること、取り扱いが容易であること、
また一般にセレン感光体に比べて熱安定性が優れている
ことなど多くの利点を有し、近年多くの注目を集めてい
る。このような有機光導電性化合物としては、ポリ−N
−ビニルカルバゾールが良く知られており、これと2,
4,7−トリニトロ−9−フルオレノン等のルイス酸と
から形成される電荷移動錯体を主成分とする感光層を有
する電子写真感光体が特公昭50−10469号公報に
記載されている。しかしながら、この感光体は感度、成
膜性、および耐久性において必ずしも満足できるもので
はない。
【0004】これに対し、ヒドラゾン類やピラゾリン類
に代表される低分子量の有機光導電体が提案されてい
る。これらを適当なバインダーと組み合わせる事によ
り、成膜性については大幅な改善が図られたが、感度や
耐久性に関してはまだまだ十分とは言えない。このよう
なことから、近年、キャリア発生機能とキャリア輸送機
能を別個の物質に分担させるようにした、積層型感光体
が提案された。この構造を採用することにより帯電特性
や感度が大きく改善され、特に高いキャリア発生能力を
有するアゾ顔料を電荷発生層に用い、これとヒドラゾン
系化合物などの高いキャリア輸送能力を持つ電荷移動物
質を組み合わせることにより、セレン等の無機感光体に
近い感度を有するものも出現している。その結果、複写
機や光プリンター等の分野に、これらのタイプの有機光
導電性化合物を主成分とする電子写真感光体が大きく進
出し始めているのが現状である。
【0005】電子写真感光体は、複写機やプリンター等
の中で、帯電、露光、除電といったプロセスを繰り返す
ことになり、帯電後の初期電位や除電後の残留電位の変
動は出力画像に影響を及ぼすため極力抑えなければなら
ない。しかし一般に、これらの感光体は、帯電、露光の
繰り返しによる疲労のために帯電性が低下したり、残留
電位が上昇する。
【0006】上述の欠点を補うために、導電性基板と感
光層の間に下引き層を設ける方法が提案されている。例
えば、特開昭48−47344号、同52−25638
号、同58−30757号、同58−63945号、同
58−98739号、及び同60−66258号公報に
はナイロン樹脂系下引き層が、また特開昭49−693
32号、同52−10138号公報にはマレイン酸樹脂
系下引き層が、特開昭58−105155号公報にはポ
リビニルアルコール樹脂下引き層がそれぞれ開示されて
いる。
【0007】また下引き層に種々の導電性添加物を含有
させ下引き層の電気抵抗を制御させる方法も提案されて
いる。例えば、特開昭51−65942号公報にはカー
ボンまたはカルコゲン系物質を硬化性樹脂中に分散させ
た下引き層が、特開昭52−82238号公報には四級
アンモニウム塩が添加されイソシアネート系硬化剤を用
いた熱重合体下引き層が、特開昭55−1180451
号公報には抵抗調節剤を添加した下引き層が、特開昭5
8−58556号公報にはスズまたはアルミニウムの酸
化物を分散した下引き層が、特開昭58−93063
号、同60−97363号、及び同60−111255
号公報には導電性粒子を分散した下引き層が、特開昭5
9−93453号公報、及び特開昭63−298251
号公報等には酸化チタン粒子を分散した下引き層がそれ
ぞれ開示されている。
【0008】しかしながら、従来の下引き層を持つ電子
写真感光体は、帯電、露光の繰り返し疲労による帯電性
の低下や残留電位の上昇に関しては未だ不十分であり、
また特に低温低湿下において残留電位の上昇が著しく大
きくなるといった問題点も残されていた。
【0009】また、酸化チタン粒子を分散した下引き層
を形成する際に塗布する酸化チタン分散液は、塗布時に
酸化チタン粒子が凝集し塗布むらを作り易いなどによ
り、生産性が低下するという問題点があり、より一層の
改善が望まれていた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、電子
写真プロセス内で繰り返し使用するにあたり、低温低湿
下に於いても繰り返し使用による特性が安定化された電
子写真感光体及び、塗布時に塗布むらの無い電子写真感
光体製造用塗布液を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の目的
を達成するために種々の検討を行った結果、アルコール
可溶性ナイロン樹脂を溶解した溶剤中に酸化チタン粒子
を分散した電子写真感光体製造用塗布液において、該塗
布液中に、化1で示される構造(化1中、nは1以上1
00以下の整数を表す)を分子内に有する化合物を含有
させることにより、塗布時の酸化チタン粒子の凝集が抑
えられ塗布むらが無くなることを見いだした。
【0012】また、導電性支持体上に、下引層、感光層
を順次積層した電子写真感光体において、前記下引き層
が、酸化チタン粒子とアルコール可溶性ナイロン樹脂を
主成分とし、さらに化1で示される構造を分子内に有す
る化合物を含有させることによって、低温低湿下におい
ても極めて優れた帯電、露光繰り返し特性を示す電子写
真感光体が得られることを見い出した。
【0013】以下、本発明の構成要素について詳細に説
明する。本発明で使用される酸化チタン粒子は、他の白
色顔料と較べ、屈折率が大きく、物理的、化学的に安定
で、隠ぺい力、白色度に優れた顔料として印刷インキ、
塗料、その他の多方面の分野で使用されており、結晶型
として、ルチル型、アナタース型、ブルカイト型、アモ
ルファスがあり何れも使用でき、針状結晶、粒状結晶の
何れも使用できる。また表面を、アルミニウムや珪素等
の含水酸化物、あるいはステアリン酸等で表面処理した
ものも使用できる。
【0014】酸化チタン粒子は、ボールミル、縦型サン
ドミル、横型サンドミル、ペイントコンディショナー等
の分散機によってバインダーを溶解した溶剤中に分散さ
れる。
【0015】本発明において、前記酸化チタン粒子と共
に用いるバインダーとしてはアルコール可溶性ナイロン
樹脂が用いられる。アルコール可溶性ナイロン樹脂はメ
タノール、エタノール等の低級脂肪族アルコールにしか
溶解せず、従って、これらの樹脂からなる下引き層上に
感光層を設ける場合の感光層塗布用溶剤としては、低級
アルコール以外のものを使用すれば良く、溶剤選択の幅
が大きくなる。下引き層を溶解するような溶剤を用いて
感光層を塗工すると、下引き層と混合して特性が劣化し
たり、塗工方法によっては塗工面が不均一になる等の不
都合が生ずる。アルコール可溶性ナイロン樹脂は通常2
つに大別でき、1つはナイロン6、ナイロン66、ナイ
ロン610、ナイロン11、ナイロン12等を共重合さ
せたいわゆる共重合体ナイロンと呼ばれるタイプ、もう
1つはN−アルコキシメチル変性ナイロン、N−アルコ
キシエチル変性ナイロンの様にナイロンを化学的に変性
させた変性ナイロンと呼ばれるタイプであり何れも使用
できる。
【0016】本発明において、アルコール可溶性ナイロ
ン樹脂と共に酸化チタン粒子を分散させ下引き層を形成
させるための塗工用溶剤としては、前記アルコール可溶
性ナイロン樹脂を溶解するものが使用できる。この場
合、低級脂肪族アルコールを主として使用するが、ベン
ジルアルコール、n−プロピルアルコール、iso−プ
ロピルアルコール等のアルコールやジクロロメタン、
1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタ
ン、クロロホルム等の含ハロゲン炭化水素等を加えた混
合溶剤を用いてもよい。
【0017】本発明における酸化チタンとアルコール可
溶性ナイロン樹脂の比率としては、酸化チタン100重
量部に対し、前記アルコール可溶性ナイロン樹脂は1か
ら1000重量部、好ましくは1から400重量部の範
囲で用いられる。
【0018】本発明に用いられる化1で示される構造を
分子内に有する化合物は、種々のものがあげられるが、
ポリカプロラクトン、ポリカプロラクトンジオール、ポ
リカプロラクトントリオールが好ましい。これらの化合
物は酸化チタン粒子を分散した電子写真感光体製造用塗
布液中に溶解して用いられる。酸化チタンと該化合物の
比率としては、酸化チタン100重量部に対し0.1か
ら100重量部、好ましくは0.1から10重量部の範
囲で用いられる。
【0019】化1で示される構造を分子内に有する化合
物を下引き層に含有させることにより、低温低湿下にお
ける感光体の繰り返し特性が改善される理由については
いまだ明かではないが、おそらくこれらの物質の吸湿性
能によって、膜中の含水量が制御されているのであろう
と思われる。
【0020】また、本発明の塗布液により、塗布工程時
の塗布むらが無くなる理由についてもいまだ明かではな
いが、おそらく分散された酸化チタン粒子間に化1の構
造を分子内に有する化合物が介在することにより、乾燥
時の酸化チタン粒子の凝集が抑えられるのであろうと思
われる。
【0021】本発明における感光体が形成される導電性
支持体としては周知の電子写真感光体に採用されている
ものをはじめ種々のものが使用できる。具体的には例え
ば、アルミニウム、銅等の金属ドラムまたはシート、あ
るいはこれらの金属箔のラミネート物、蒸着物等が挙げ
られる。更に、金属粉末、カーボンブラック、ヨウ化
銅、高分子電解物等の導電性物質を適当なバインダーと
ともに塗布して導電処理を施したプラスチックフィル
ム、プラスチックドラム、紙等が挙げられる。また、金
属粉末、カーボンブラック、炭素繊維等の導電性物質を
含有し、導電性となったプラスチックのシートやドラム
が挙げられる。
【0022】本発明の塗布液をドラムに塗工する場合に
は浸漬塗布方法等が用いられる。また、下引き層の膜厚
は0.05〜50μが適当である。
【0023】本発明における感光層は電荷発生物質と電
荷移動物質を分散混合しバインダー中に閉じ込めた単層
型、電荷発生物質と電荷移動物質を分離しバインダー中
に封じた積層型などにより構成される。本発明は何れの
系にも適用させることが可能であるが、電荷発生物質と
電荷移動物質の性能を最大限に生かし易い機能分離型積
層感光体の系において用いられるのが好ましい。
【0024】用いられる電荷発生物質としては、モノア
ゾ顔料、ポリアゾ顔料、金属錯塩アゾ顔料、ピラゾロン
アゾ顔料、スチルベンアゾ顔料およびチアゾールアゾ顔
料等に代表されるアゾ系顔料、ペリレン無水物及びペリ
レン酸イミド等に代表されるペリレン系顔料、アントラ
キノン誘導体、アンスアンスロン誘導体、ジベンズピレ
ンキノン誘導体、ピラントロン誘導体、ビオラントロン
誘導体及びイソビオラントロン誘導体等に代表されるア
ントラキノン系または多環キノン系顔料、金属フタロシ
アニン、金属ナフタロシアニン、無金属フタロシアニ
ン、無金属ナフタロシアニンなどに代表されるフタロシ
アニン系顔料、ポルフィリン誘導体等の顔料と、メチル
バイオレットに代表されるトリフェニルメタン染料、キ
ニザリン等のキノン染料やピリリウム塩、チアピリリウ
ム塩、ベンゾピリウム塩等の染料が挙げられる。
【0025】これらの中で、特にキャリア発生効率の高
いものとしてビスアゾ顔料、トリスアゾ顔料、フタロシ
アニン系顔料を用いたものは、高い感度を与え、優れた
感光体を提供するため好ましい。例えば、ビスアゾ顔料
の場合であれば、特開昭62−286058号公報、同
63−32557号公報、同63−243948号公
報、同64−21453号公報、同64−21455号
公報、特開平1−94350号公報、同1−20026
7号公報、同1−202757号公報等に記載の化合物
を使用することが出来、フタロシアニン顔料の場合であ
れば、無金属フタロシアニン、オキシチタニウムフタロ
シアニン、銅フタロシアニン、ジフェノキシゲルマニウ
ムフタロシアニン等を使用することが出来る。
【0026】機能分離型積層型感光体では少なくともこ
れら電荷発生物質とバインダー樹脂との混合で電荷発生
層が構成される。バインダー樹脂としてはスチレン、酢
酸ビニル、アクリル酸エステル、メタアクリル酸エステ
ル等によるビニル化合物の重合体や共重合体、シリコン
樹脂、フェノキシ樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポ
リビニルホルマール樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボ
ネイト、ポリアリレート、ポリアミド、ポリイミド等や
エポキシ樹脂、ウレタン樹脂等の熱硬化性樹脂、光硬化
性樹脂等が挙げられる。バインダーは電荷発生物質10
0重量部に対し1から1000重量部、好ましくは1か
ら400重量部の範囲で用いられる。電荷発生層の厚さ
は、0.1から20μmが好ましい。
【0027】用いられる電荷移動物質には正孔移動物質
と電子移動物質がある。前者の例としては、例えば特公
昭34−5466号公報に示されているオキサジアゾー
ル類、特公昭45−555号公報に示されているトリフ
ェニルメタン類、特公昭52−4188号公報に示され
ているピラゾリン類、特公昭55−42380号公報に
示されているヒドラゾン類、特開昭56−123544
号公報に示されているオキサジアゾール類、特公昭58
−32372号公報に示されているトリアリールアミン
類、特開昭58−198043号公報に示されているス
チルベン類等をあげることができる。一方、電子輸送物
質としては、例えばクロラニル、テトラシアノエチレ
ン、ジフェノキノン、2,4,7−トリニトロ−9−フ
ルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサント
ン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェンなどが
ある。これらの電荷移動物質は単独または2種以上組み
合わせて用いることが出来る。
【0028】これらの電荷移動物質のなかで、ヒドラゾ
ン化合物、スチルベン化合物等は高い電荷(正孔)移動
度をもち、優れた感光体を提供するため好ましい。例え
ばヒドラゾン化合物の場合であれば、前述の特公昭55
−42380号公報をはじめとして、特開平1−100
555号公報、同2−10367号公報、同2−511
63号公報、同2−96767号公報、同2−1832
60号公報、同2−184856号公報、同2−184
858号公報、同2−184859号公報等に記載のヒ
ドラゾン化合物を使用することが出来るが、特に同2−
226160号公報、同5−188609号公報等に記
載のヒドラゾン化合物が好ましい。
【0029】積層型感光体では少なくともこれら電荷移
動物質とバインダー樹脂の混合で電荷移動層が構成され
る。バインダー樹脂としては、ポリスチレン、ポリメチ
ルメタクリレートに代表されるアクリル樹脂、ビスフェ
ノールAやZに代表される骨格を持つポリカーボネイ
ト、ポリアリレート、ポリエステル、ポリフェニレンエ
ーテル、ポリエーテルサルフォン、ポリアミド、ポリイ
ミド等を用いることができるが、特に特開平5−313
383号公報に記載のバインダー樹脂が好ましい。バイ
ンダーは電荷移動物質100重量部に対し、10から4
00重量部の範囲で用いられる。電荷移動層の厚さは、
5から100μmが好ましい。
【0030】本発明の電子写真感光体は構成有機化合物
の酸化による劣化を防止するために、2,6−ジターシ
ャルブチルパラクレゾール、DL−α−トコフェロール
等の酸化防止剤を添加してもよい。また成膜性、可撓
性、機械的強度を向上させるために周知の可塑剤を使用
してもよい。
【0031】更に、本発明の電子写真感光体では、顔料
の場合は溶剤に分散し、染料やバインダー及び電荷移動
物質は溶解させて使用する。使用する溶剤はクロロホル
ム、ジクロルエタン、トリクロルエタン、トリクロルエ
チレンなどのハロゲン化炭化水素、ベンゼン、トルエ
ン、キシレンなどの芳香族炭化水素、ジオキサン、テト
ラヒドロフラン、ジメトキシエタン等のエーテル系、ア
セトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン
等のケトン系、酢酸エチル等のエステル系、メチルセロ
ソルブ、ジメチルセロソルブ、メチルセロソルブアセテ
ート等のセロソルブ系などの溶剤の単独または2種以上
の混合溶剤または必要に応じてアルコール類、アセトニ
トリル、N,N−ジメチルホルムアミドなどの溶剤を更
に加え使用することができる。またドラムに塗工する場
合には浸漬塗布方法等が用いられる。
【0032】
【実施例】次に本発明を実施例により更に詳細に説明す
るが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。
【0033】実施例1 アルコール可溶性ナイロン樹脂(東レ(株)製アミラン
CM4000)1重量部とポリカプロラクトンジオール
(アルドリッチケミカル社製)0.5重量部とをメタノ
ール100重量部に溶解させ、超微粒子粒状酸化チタン
(石原産業(株)製タイペークTTO−55(N))1
0重量部を混合し、ポリプロピレン製の容器に、分散メ
ディアとして直径1mmのジルコニアビーズとともに入
れ、ペイントコンディショナーを用いて5時間分散し
た。こうして得た酸化チタン分散液を金属アルミニウム
薄板(JIS規格 #1050)上に、アプリケータに
て塗布し、80度で30分乾燥して、膜厚約0.5μの
下引き層を形成し、塗布面の様子を目視にて観察した。
結果を表1に示す。
【0034】
【化2】
【0035】次に、化2で示されるビスアゾ顔料1重量
部、エポキシ樹脂(新日本理化(株)製BPO−20
E)0.8重量部、ポリビニルブチラール樹脂(電気化
学工業(株)製デンカブチラール#5000−A)0.
2重量部を、ジメトキシエタン100重量部にに混合
し、ペイントコンディショナーにより直径1mmの低ア
ルカリガラスビーズと共に2時間分散した。こうして得
た顔料分散液をアプリケーターにて上記下引き層の上に
塗布し80度で15分乾燥して、膜厚約0.2μの電荷
発生層を形成した。
【0036】
【化3】
【0037】
【化4】
【0038】次に化3で示されるヒドラゾン化合物7重
量部、化4で示されるヒドラゾン化合物3重量部、α−
トコフェロール0.1重量部、ポリカーボネート樹脂
(帝人化成(株)製C−1400)8重量部、ポリエス
テル樹脂(東洋紡(株)製バイロン290)2重量部
を、ジクロルメタン200重量部に溶解させた溶液を、
上記電荷発生層上にアプリケーターにより塗布し、乾燥
膜厚20μの電荷移動層を形成した。
【0039】この様に作成した積層型電子写真感光体
を、室温暗中に一昼夜保管した後、静電記録試験装置
(川口電機製作所(株)製SP−428)により電子写
真特性評価を行った。測定条件は、コロナ印加電圧−5
kV、スタティックモードNo.3(プロセス速度16
7mm/秒)、照射光(白色光)照度2luxであっ
た。結果を表1に示す。
【0040】次に、この感光体をアルミニウム製のドラ
ム素管に張り付け、ドラム感光体評価装置(ジェンテッ
ク(株)製シンシア90)により23℃相対湿度55%の
環境下において、帯電及び光除電の繰り返し特性を評価
した。測定条件はコロナ印加電圧−5.2kV、プロセ
ス速度160mm/秒、TCCD2モード、光除電はタ
ングステンランプアレイを用いて行い、帯電、除電の5
000回の繰り返しを行った前後で、感光体の帯電後の
電位と残留電位を測定した。また室温5℃相対湿度30
%の環境下において同様の繰り返し試験を行った。結果
を表2及び表3に示す。
【0041】実施例2 添加するポリカプロラクトンジオールをポリカプロラク
トントリオール(アルドリッチケミカル社製)に変えた
他は実施例1と同様にして下引き層を形成し、塗布面の
様子を調べた。また実施例1と同様にして感光体を作製
し、電子写真特性並びに繰り返し特性を測定した。結果
を表1、表2及び表3に示す。
【0042】実施例3 添加するポリカプロラクトンジオールをポリカプロラク
トン(アルドリッチケミカル社製)に変えた他は実施例
1と同様にして下引き層を形成し、塗布面の様子を調べ
た。また実施例1と同様にして感光体を作製し、電子写
真特性並びに繰り返し特性を測定した。結果を表1、表
2及び表3に示す。
【0043】比較例1 ポリカプロラクトンジオールを添加しなかった他は実施
例1と同様にして下引き層を形成し、塗布面の様子を調
べた。また実施例1と同様にして感光体を作製し、電子
写真特性並びに繰り返し特性を測定した。結果を表1、
表2及び表3に示す。
【0044】実施例4 実施例1の下引き塗液の分散において、酸化チタン顔料
として針状酸化チタン(石原産業(株)製FTL−10
0)を用い、分散メディアを直径1mmのチタニア製ビ
ーズとし、ポリカプロラクトンジオールの添加量を1重
量部とした他は実施例1と同様にして下引き層を形成
し、塗布面の様子を調べた。また実施例1と同様にして
電子写真感光体を作製し、電子写真特性並びに繰り返し
特性を測定した。結果を表1、表2及び表3に示す。
【0045】実施例5 ポリカプロラクトンジオールの添加量を5重量部に変え
た他は実施例4と同様にして下引き層を形成し、塗布面
の様子を調べた。また実施例1と同様にして電子写真感
光体を作製し、電子写真特性並びに繰り返し特性を測定
した。結果を表1、表2及び表3に示す。
【0046】実施例6 添加するポリカプロラクトンジオール5重量部を、ポリ
カプロラクトンジオール3重量部及びポリカプロラクト
ントリオール2重量部に変えた他は実施例5と同様にし
て下引き層を形成し、塗布面の様子を調べた。また実施
例1と同様にして電子写真感光体を作製し、電子写真特
性並びに繰り返し特性を測定した。結果を表1、表2及
び表3に示す。
【0047】比較例2 ポリカプロラクトンジオールを添加しなかった他は実施
例4と同様にして下引き層を形成し、塗布面の様子を調
べた。また実施例1と同様にして電子写真感光体を作製
し、電子写真特性並びに繰り返し特性を測定した。結果
を表1、表2及び表3に示す。
【0048】
【表1】
【0049】
【表2】
【0050】
【表3】
【0051】低温低湿下では、比較例1及び2の感光体
の帯電電位が、5000回の繰り返し後では100V近
い電位低下があるのに対して、実施例の感光体では、電
位低下が大幅に改善されている。
【0052】
【発明の効果】以上から明らかなように、本発明によれ
ば、塗布性に優れた電子写真感光体製造用塗布液、及
び、低温低湿条件下でも帯電露光繰り返し特性の優れた
電子写真感光体を提供することが出来る。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルコール可溶性ナイロン樹脂を溶解し
    た溶剤中に酸化チタン粒子を分散した電子写真感光体製
    造用塗布液において、該塗布液中に、化1で示される構
    造を分子内に有する化合物を含有していることを特徴と
    する電子写真感光体製造用塗布液。 【化1】 (化1中、nは1以上100以下の整数を表す)
  2. 【請求項2】 導電性支持体上に下引き層、感光層を順
    次積層した電子写真感光体において、前記下引き層が、
    酸化チタン粒子とアルコール可溶性ナイロン樹脂を主成
    分とし、さらに前記化1で示される構造を分子内に有す
    る化合物を含有していることを特徴とする電子写真感光
    体。
  3. 【請求項3】 化1で示される構造を分子内に有する化
    合物が、ポリカプロラクトン、ポリカプロラクトンジオ
    ールもしくはポリカプロラクトントリオールである請求
    項1に記載の電子写真感光体製造用塗布液。
  4. 【請求項4】 化1で示される構造を分子内に有する化
    合物が、ポリカプロラクトン、ポリカプロラクトンジオ
    ールもしくはポリカプロラクトントリオールである請求
    項2に記載の電子写真感光体。
JP372796A 1996-01-12 1996-01-12 電子写真感光体製造用塗布液及びそれを用いた電子写真感光体 Pending JPH09197699A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001235883A (ja) * 2000-02-23 2001-08-31 Ricoh Co Ltd 電子写真感光体

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